(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】持ち上げアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B66C 11/12 20060101AFI20241126BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
B66C11/12
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527645
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 EP2022081364
(87)【国際公開番号】W WO2023083913
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨハニソン、ビルヘルム・カール
(72)【発明者】
【氏名】クラーク、ダニエル
【テーマコード(参考)】
3F022
3F203
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3F203AA06
3F203BA03
3F203CA03
3F203CC01
3F203FA01
(57)【要約】
【要約】持ち上げアセンブリ
格子保管構造内にスタック状に積み重ねられたコンテナを上昇及び/又は下降させるためのコンテナ持ち上げアセンブリであって、持ち上げアセンブリは、コンテナを解放可能に把持するように構成された把持デバイスと、把持デバイスを上昇及び下降させるように構成された昇降機構と、を備え、昇降機構は、少なくとも1つのテザーを巻き取る及び/又は巻き出すように構成されたギア機構と、少なくとも1つのテザーを巻き取る及び/又は巻き出すようにギア機構を作動させるように構成されたモータと、を備え、ここで、少なくとも1つのテザーは、少なくとも1つのテザーの巻き取り及び巻き戻しが把持デバイスを上昇及び下降させるように構成されるように、把持デバイスに接続される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子保管構造内にスタック状に積み重ねられたコンテナを上昇及び/又は下降させるためのコンテナ持ち上げアセンブリであって、
コンテナを解放可能に把持するように構成された把持デバイスと、
前記把持デバイスを昇降させる昇降機構とを備え、
前記昇降機構は、
少なくとも1つのテザーを巻き取る及び/又は巻き出すように構成されたギア機構と、
前記少なくとも1つのテザーを巻き取る及び/又は巻き出すために前記ギア機構を作動させるように構成されたモータとを備え、
前記少なくとも1つのテザーは、前記少なくとも1つのテザーの巻き取りおよび巻き戻しが前記把持デバイスを上昇および下降させるように構成されるように、前記把持デバイスに接続される、コンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項2】
前記ギア機構は、少なくとも1つのスプールを備え、前記少なくとも1つのテザーは、前記把持デバイスに伸張して接続する前に、前記少なくとも1つのスプールから伸張し、前記ギア機構は、前記少なくとも1つのスプールの周りに前記少なくとも1つのテザーを巻き取るか、または巻き戻すように構成される、請求項1に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項3】
前記昇降機構は、少なくとも1つのプーリを備え、前記少なくとも1つのテザーは、前記把持デバイスに延びて接続する前に、少なくとも1つのスプールから前記少なくとも1つのプーリに延びる、請求項1または2に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項4】
前記昇降機構は、少なくとも一対のテザーと、各対のテザーのためのスプールとを備え、前記ギア機構は、前記スプールの周りに前記少なくとも一対のテザーを巻き取るかまたは巻き出すように構成される、請求項1、2または3に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項5】
前記一対のテザーの各テザーは、前記把持デバイスまで延びて接続する前に、前記スプールから反対方向にプーリまで伸長する、請求項4に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項6】
前記ギア機構は、各テザー用のスプールを備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項7】
前記昇降機構は、各テザー用のプーリを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項8】
前記昇降機構は、4つのテザーを備え、各テザーは、前記ギア機構から前記把持デバイスの角部まで伸張する、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項9】
前記昇降機構は、
水平に延びる持ち上げシャフトおよび2つのスプールと、第1のスプールは前記持ち上げシャフトの第1の端部にあり、第2のスプールは前記持ち上げシャフトの第2の端部にあり、前記第2の端部は前記第1の端部の反対側にあり、
前記第1のスプールに巻き取られ、前記第1のスプールから巻き出されるように構成された、前記持ち上げシャフトの前記第1の端部にある2つのテザー、および、前記第2のスプールに巻き取られ、前記第2のスプールから巻き出されるように構成された、前記持ち上げシャフトの前記第2の端部にある2つのテザーとを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項10】
前記昇降機構は、
水平に延びる持ち上げシャフトおよび4つのスプールと、前記持ち上げシャフトの第1の端部に2つのスプールがあり、前記持ち上げシャフトの第2の端部に2つのスプールがあり、前記第2の端部は前記第1の端部の反対側にあり、
前記持ち上げシャフトの前記第1の端部にある2つのテザーと、各テザーは、前記持ち上げシャフトの前記第1の端部にあるそれぞれのスプールに巻き取られ、かつ前記スプールから巻き出されるように構成され、前記持ち上げシャフトの前記第2の端部にある2つのテザーとを備え、各テザーは、前記持ち上げシャフトの前記第2の端部にあるそれぞれのスプールに巻き取られ、かつ前記スプールから巻き出されるように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項11】
前記昇降機構は、
水平に延びる持ち上げシャフト、第1のスプール、第2のスプール、第3のスプール、および第4のスプールと、ここで、前記第1及び第2のスプールは、前記水平に延びる持ち上げシャフトの第1の端部又はその近傍に配置され、前記第3及び第4のスプールは、前記水平に延びる持ち上げシャフトの前記第1の端部とは反対側の第2の端部又はその近傍に配置され、
前記第1、第2、第3、及び第4のスプールからそれぞれ巻き取られ、巻き出されるように構成された第1のテザー、第2のテザー、第3のテザー、及び第4のテザーとを備え、ここで、前記第1及び第2のスプールは、前記第1、第2、第3、及び第4のテザーを巻き取ったり、巻き出したりするように、前記第3及び第4のスプールと反対方向に回転するように構成されている、請求項1に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項12】
前記第1及び第2のスプールは第1のシャフト上にあり、前記第3及び第4のスプールは第2のシャフト上にあり、ここで、前記ギア機構は、前記第1及び第2のシャフト上にそれぞれ第1及び第2のプーリを備え、前記第1及び第2のプーリはタイミングベルトを介して反対方向に駆動される、請求項11に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項13】
前記ギア機構は、前記タイミングベルトを介して前記第1のプーリおよび前記第2のプーリの反対の回転をもたらすように、前記第1のプーリまたは前記第2のプーリのいずれかの周りに配置された第3のプーリおよび第4のプーリをさらに備える、請求項12に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項14】
前記第1、第2、第3、及び第4のプーリのいずれか1つが、前記モータによって直接駆動される、請求項13に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項15】
前記ギア機構は、前記モータによって駆動されるシャフト上に第1および第2のウォームギアを備え、ここで、前記ウォームギアは、前記第3および第4のスプールと反対方向に前記第1および第2のスプールの回転をもたらすように構成される、請求項11に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項16】
前記第1及び第2のスプールは第1のシャフト上にあり、前記第3及び第4のスプールは第2のシャフト上にあり、ここで、前記ギア機構は、前記第1及び第2のシャフト上にそれぞれ第1及び第2のギアを更に備え、前記第1及び第2のギアは、前記第1及び第2のウォームギアを介してそれぞれ駆動される、請求項15に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項17】
前記昇降機構は、
水平に延びる持ち上げシャフト、第1のスプール、第2のスプール、第3のスプール、および第4のスプールと、ここで、前記第1及び第2のスプールは、前記水平に延びる持ち上げシャフトの中心軸の第1の側又はその近傍に、前記中心軸に隣接して配置され、前記第3及び第4のスプールは、前記中心軸の第2の側又はその近傍に、前記中心軸に隣接して配置され、ここで、前記第1の側は、前記第2の側の反対側であり、
前記第1、第2、第3、及び第4のスプールからそれぞれ巻き取られ、巻き出されるように構成された第1のテザー、第2のテザー、第3のテザー、及び第4のテザーとを備え、ここで、前記第1及び第2のスプールは、前記第1、第2、第3、及び第4のテザーを巻き取ったり、巻き出したりするように、前記第3及び第4のスプールと反対方向に回転するように構成されている、請求項1に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項18】
前記第1及び第2のスプールは第1のシャフト上にあり、前記第3及び第4のスプールは第2のシャフト上にあり、前記第1及び第2のシャフトは前記中心軸に平行である、請求項17に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項19】
前記ギア機構は、前記第1および第2のシャフト上にそれぞれ第1および第2のギアを備え、ここで、前記第1および第2のギアは、前記第1または第2のシャフトのいずれかを駆動する前記モータが前記第1または第2のシャフトの他方を回転させるように噛み合う、請求項18に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項20】
各テザーは、前記持ち上げアセンブリのそれぞれの角部に、またはその近くに配置されたそれぞれのプーリに結合される、請求項19に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項21】
前記第1、第2、第3、及び第4のテザーは、各テザーがそれぞれのスプール又はプーリに巻き取られ、又はそこから巻き出される点が、前記持ち上げアセンブリのそれぞれの角部にあるか又はその近くにあるように構成される、請求項11から20のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項22】
各テザーは、前記把持デバイスのそれぞれの角部で、またはその近くで前記把持デバイスに接続する、請求項21に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項23】
少なくとも1つのスプールは、スリップクラッチを備える、請求項2から22のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項24】
少なくとも1つのスプールは、スリップクラッチを介して前記持ち上げシャフトに取り付けられている、請求項9から23のいずれか1項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項25】
スリップクラッチは電磁クラッチである、請求項22または24のいずれか1項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項26】
前記少なくとも1つのスプールは、その円周に沿って少なくとも1つの溝を備え、その中にワイヤテザーが巻き付くように構成される、請求項2から25のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項27】
前記ギア機構は、前記把持デバイスに設けられ、前記ギア機構が前記少なくとも1つのテザーを巻き取ると、前記把持デバイスが前記持ち上げアセンブリの上部に向かって上昇する、請求項1から26のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項28】
前記モータは、前記把持デバイスが自己給電要素であるように前記把持デバイスに設けられる、請求項1から27のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項29】
前記ギア機構は、遊星ギアセットを備える、請求項1から28のいずれか1項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項30】
前記ギア機構はウォームギアを備える、請求項1から29のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項31】
前記ウォームギアは、その円周に沿って少なくとも1つの溝を含み、その中に前記少なくとも1つのテザーは、巻き取られるか、または巻き出されるように構成される、請求項30に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項32】
前記少なくとも1つのテザーは、テープの形態である、請求項1から31のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項33】
前記少なくとも1つのテザーは、前記テザーに織り込まれた導電性材料または要素を備える、請求項1から32のいずれか1項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項34】
前記少なくとも1つのテザーは、織り込まれたポリエステルテープを備える、請求項1から33のうちのいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項35】
コンテナのスタックの上方に格子パターンで配置された複数の軌道を備える格子保管構造内にスタック状に積み重ねられたコンテナを持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイスであって、
前記格子上で積荷取扱デバイスを移動させるように動作可能に配置された駆動機構を収容する本体と、
前記把持デバイスを前記本体に対して昇降させるように構成され、スタックに積み重ねられたコンテナを昇降させるための、請求項1から34のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリとを備える、積荷取扱デバイス。
【請求項36】
前記持ち上げアセンブリは、前記積荷取扱デバイスの本体内に配置されている、請求項35に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項37】
コンテナのスタックからコンテナを昇降させる方法であって、前記方法は請求項35又は36のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイスを備え、前記方法は、
前記少なくとも1つのテザーを巻き戻し、前記把持デバイスを前記本体に対して下降させるように、前記ギア機構を作動させるステップと、
コンテナを把持するように前記把持デバイスを作動させるステップと、
前記テザーを巻き、前記把持デバイスを前記本体に対して上昇させるように前記ギア機構を作動させるステップとを備える、方法。
【請求項38】
前記把持デバイスを前記本体に対して上昇させ、前記コンテナを前記積荷取扱デバイスのキャビティ内に持ち上げるステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
システムであって、
請求項35または36に記載の積荷取扱デバイスと、
スタック状に積み重ねられたコンテナを収容するための保管構造と、前記保管構造は、第1の方向に伸張する軌道の第1のセットと、前記第1の方向を横切る第2の方向に伸張する軌道の第2のセットとを含み、前記積荷取扱デバイスが前記軌道の第1のセットおよび第2のセット上を移動するように構成され、
前記格子の下のスタックからコンテナを持ち上げる、および/または前記格子内にコンテナを降ろすように前記積荷取扱デバイスを制御するように構成された制御ユーティリティとを備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち上げアセンブリの分野に関する。特に、本発明は、保管コンテナを持ち上げて移動させる積荷取扱デバイス用の持ち上げアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
幾つかの商用及び工業用の活動は、多数の異なる製品の保管及び回収を可能にするシステムを必要とする。WO2015/185628Aは、保管コンテナのスタックが格子フレームワーク構造内に配置される保管及びフルフィルメントシステムを説明している。コンテナは、格子保管構造の最上部に位置するレールまたは軌道上で動作する積み荷取り扱いデバイスによって上からアクセスされる。
【0003】
所定の積荷取扱デバイスが、スタックの最上部からターゲットコンテナを持ち上げ、ターゲットコンテナには、通常、顧客注文を履行するために必要な在庫アイテムが入っている。積荷取扱デバイスはまた、必要に応じて、ターゲットコンテナをスタック最上部、別のスタックの最上部、または別の場所に下降させて戻す。積荷取扱デバイスは、典型的には、コンテナを第1の位置から持ち上げ、コンテナを第2の位置に下降させるための持ち上げアセンブリを備える。積荷取扱デバイスは、各コンテナを必要な位置から確実に昇降させなければならない。
【0004】
本発明は、こうした背景に対して考案されたものである。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様では、格子保管構造内にスタック状に積み重ねられたコンテナを上昇および/または下降させるためのコンテナ持ち上げアセンブリが提供され、持ち上げアセンブリは、
コンテナを解放可能に把持するように構成された把持デバイスと、
把持デバイスを昇降させる昇降機構とを備え、
昇降機構は、
少なくとも1つのテザーを巻き取る及び/又は巻き出すように構成されたギア機構と、
少なくとも1つのテザーを巻き取る及び/又は巻き出すためにギア機構を作動させるように構成されたモータとを備え、
少なくとも1つのテザーは、少なくとも1つのテザーの巻き取りおよび巻き戻しが把持デバイスを上昇および下降させるように構成されるように、把持デバイスに接続される。
【0006】
ギア機構は、スプール(例えば、少なくとも1つのスプール、例えば、各テザー用のスプール)を備えてもよい。テザー(例えば、少なくとも1つのテザー)は、把持デバイスまで延びて把持デバイスに接続する前に、スプールから伸長してもよい。ギア機構は、スプールの周りにテザーを巻き付け、かつ/または巻き戻すように構成されてもよい。上昇及び下降機構は、一対のテザー(例えば、少なくとも一対のテザー、例えば、二対のテザー)と、各対のテザーのためのスプールとを備えてもよい。ギア機構は、スプールの周りに一対のテザーを巻き付ける、および/または巻き出すように構成されてもよい。昇降機構は、少なくとも1つのプーリ(例えば、各テザーに対して少なくとも1つのプーリ)を備えてもよい。テザーは、把持デバイスまで延びて接続する前に、スプールからプーリまで伸長してもよい。上昇および下降機構が各対のテザーのためのスプールを備える場合、テザーの対の各テザーは、把持デバイスに伸張し、接続する前に、スプールから反対方向にプーリまで伸張してもよい。昇降機構は、各テザー用のプーリを備えてもよい。
【0007】
上昇及び下降機構は、少なくとも1つのテザー(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ等のテザー)を備えてもよい。前記テザーまたは各テザーは、ギア機構から把持デバイスの角部まで伸張してもよい。
【0008】
昇降機構は、水平方向に延びる持ち上げシャフトを備えていてもよい。昇降機構は、2つのスプールを備えてもよく、例えば、第1のスプールは、持ち上げシャフトの第1の端部にあってもよく、及び/又は第2のスプールは、持ち上げシャフトの第2の端部にあってもよく、第2の端部は、第1の端部の反対側にある。昇降機構は、第1のスプールに巻き取る及び/又は第1のスプールから巻き出すように構成された2つのテザーを、持ち上げシャフトの第1の端部に備えてもよい。昇降機構は、第2のスプールに巻き取る及び/又は第2のスプールから巻き出すように構成された2つのテザーを、持ち上げシャフトの第2の端部に備えてもよい。
【0009】
昇降機構は、4つのスプール、例えば、持ち上げシャフトの第1の端部に2つのスプール、および/または持ち上げシャフトの第2の端部に2つのスプールを備えてもよい。昇降機構は、持ち上げシャフトの第1の端部に2つのテザーを備えてもよく、各テザーは、持ち上げシャフトの第1の端部のそれぞれのスプールに巻き取られ、そこから巻き出されるように構成される(すなわち、持ち上げシャフトの第1の端部の各テザーは、それ自体のスプールから伸張する)。昇降機構は、持ち上げシャフトの第2の端部に2つのテザーを備えてもよく、各テザーは、持ち上げシャフトの第2の端部でそれぞれのスプールに巻き取られ、そこから巻き出されるように構成される(すなわち、持ち上げシャフトの第2の端部の各テザーは、それ自体のスプールから伸張する)。
【0010】
昇降機構の少なくとも1つのスプールは、スリップクラッチを備えてもよい(すなわち、スプールは、スリップクラッチを介して持ち上げシャフトに取り付けられてもよい)。昇降機構の各スプールは、それぞれのスリップクラッチを介して持ち上げシャフトに取り付けられてもよい。少なくとも1つのプーリは、把持デバイスがその完全に持ち上げられた位置に到達すると(すなわち、把持デバイスが昇降機構によって完全に持ち上げられると)把持デバイスが当接するハードストップ(例えば、機械的ストップ)を備えてもよい。昇降機構の各プーリは、ハードストップ(例えば、機械的ストップ)を備えてもよく、各テザーが把持デバイスを上昇させるために巻き取られると、把持デバイスの各角部は、その完全に持ち上げられた位置に到達すると、ハードストップに当接してもよい。モータは、テザーを巻き取るかまたは巻き出すように持ち上げシャフトを回転させ、それによって把持デバイスを上昇または下降させるように構成されてもよい。把持デバイスの上昇及び/又は下降中、把持デバイスは不均一になることがあり、すなわち、把持デバイスの一方の側が他方の側よりも高くなることがあり、又は把持デバイスの1つ以上の角が把持デバイスの残りの角よりも高くなることがある。把持デバイスがその完全に持ち上げられた位置まで持ち上げられると、より高い把持デバイスの側部またはより高い角部は、把持デバイスの平坦でない下側または角部がハードストップに到達する前に、それらの完全に持ち上げられた位置に到達し、ハードストップに当接してもよい。
【0011】
平坦でない把持デバイスを水平にするために、モータは、把持デバイスの平坦でない下側又は下側角部を持ち上げるように、持ち上げシャフトを過回転させてもよい。このモータの過駆動または過回転の間、既に完全に持ち上げられた位置にある側面または角部のスリップクラッチは、スリップして、これらのスプールのさらなる回転を防止することができ、それによって、既に完全に持ち上げられた位置にある側面または角部をハードストップに当接した状態に保つ。モータは、把持デバイスが上昇されるたびに、把持デバイスをハードストップに対して過度に上昇させ得る。スリップクラッチは、モータが持ち上げシャフトを過剰に回転させ、把持デバイスの任意の側面または角部をハードストップに当接した完全に持ち上げられた位置に既に維持しながら、把持デバイスの任意の平坦でない下側の側面または角部を持ち上げることを可能にすることができる。このようにして、持ち上げアセンブリは、把持デバイスが持ち上げられるたびに、把持デバイスを較正し、水平にすることができる。
【0012】
スリップクラッチは、スプールの中央に配置され、持ち上げシャフトに取り付けられたシャフト又は中空ボアを含み、これにより、スプールを持ち上げシャフトに取り付ける。スリップクラッチは、スプリングクラッチ又は電磁クラッチ(例えば、永久磁石クラッチ又はヒステリシス/磁性粒子クラッチ)であってもよい。スリップクラッチは、固定トルク又は調節可能トルククラッチであってもよい。
【0013】
ギア機構は、把持デバイス上に設けられてもよい。ギア機構がテザー(例えば、少なくとも1つのテザー)を巻き取ると、把持デバイスは、持ち上げアセンブリの上部に向かって、すなわち、(例えば、ギア機構が把持デバイス上に、例えば把持デバイスの上方に、及び/又は積荷取扱デバイス内に設けられない実施形態において)持ち上げアセンブリの上部に引っ張られるのとは反対に、上昇できる。モータは、把持デバイス上に設けられてもよい。したがって、把持デバイスは、自己給電式であってもよく、すなわち、把持デバイスは、把持デバイス上のモータからの電力を使用してもよい(すなわち、積荷取扱デバイスからの電力を必要としなくてもよい)。
【0014】
ギア機構は、遊星ギアセットまたはウォームギア、またはテザーを巻き取るおよび/または巻き出すのに適した任意の他のギア機構を備えてもよい。
【0015】
テザーは、ケーブル、ロープ、テープの形態、またはコンテナを持ち上げるのに必要な物理的特性を有する任意の他の形態のテザーであってもよい。テザーは、ポリエステル材料(例えば、織られたポリエステル材料)から形成されてもよく、またはそれを含んでもよい。特に、テザーは、織られたポリエステルテープ又はベルト、例えばシートベルトを含んでもよい(すなわち、シートベルトがテザーとして使用されてもよい)。テザーは、ダイニーマテープを備えてもよい。テザーは、ダイニーマテープと組み合わされたポリエステル材料(例えば、織られたポリエステル)を含んでもよい。テザーは綿材料を含んでもよい。テザーは、ウェビング材料、例えば、ウェブ状のポリエステル、ナイロン、綿を含んでもよい。テザーは、導電性材料を含んでもよく、例えば、テザーは、テザーの織りまたは布地に織り込まれた導電性要素または配線(例えば、銅)を有する、織られた材料または織られたポリエステル材料を含んでもよい。テザーは、ベルトに織り込まれた導電性要素または配線を有する織りベルト(例えば、シートベルト)を備えてもよい。テザーは、把持デバイスに電力及び/又は通信(すなわち、電気通信)を提供するように、テザーの織物又は布地に織り込まれた導電性要素又は配線(例えば、銅)を備えてもよい。別の態様では、第1の態様によるコンテナ持ち上げアセンブリが提供され、昇降機構は、
水平に延びる持ち上げシャフトと、第1のスプールと、第2のスプールと、第3のスプールと、第4のスプールと、ここで、第1及び第2のスプールは、水平に延びる持ち上げシャフトの第1の端部又はその近傍に配置され、第3及び第4のスプールは、水平に延びる持ち上げシャフトの第1の端部とは反対側の第2の端部又はその近傍に配置され、
第1、第2、第3、及び第4のスプールからそれぞれ巻き取られ、巻き出されるように構成された第1のテザー、第2のテザー、第3のテザー、及び第4のテザーとを備え、ここで、第1及び第2のスプールは、第3及び第4のスプールと反対方向に回転して、第1、第2、第3、及び第4のテザーを巻き取ったり、巻き出したりするように構成されている。
【0016】
第1および第2のスプールは第1のシャフト上にあってもよく、第3および第4のスプールは第2のシャフト上にあってもよく、ここで、ギア機構は、第1および第2のシャフト上にそれぞれ第1および第2のプーリを備えてもよく、第1および第2のプーリは、タイミングベルトを介して反対方向に駆動される。
【0017】
ギア機構は、タイミングベルトを介して第1および第2のプーリの反対の回転をもたらすために、第1または第2のプーリのいずれかの周りに配置された第3および第4のプーリをさらに備えてもよい。
【0018】
第1、第2、第3、および第4のプーリのうちのいずれか1つは、モータによって直接駆動されてもよい。
【0019】
ギア機構は、モータによって駆動されるシャフト上に第1および第2のウォームギアを備えてもよく、ここで、ウォームギアは、第3および第4のスプールと反対方向に第1および第2のスプールの回転をもたらすように構成される。
【0020】
第1および第2のスプールは第1のシャフト上にあってもよく、第3および第4のスプールは第2のシャフト上にあってもよく、ここで、ギア機構は、第1および第2のシャフト上にそれぞれ第1および第2のギアをさらに備えてもよく、第1および第2のギアは、それぞれ第1および第2のウォームギアを介して駆動される。
【0021】
別の態様では、第1の態様によるコンテナ持ち上げアセンブリが提供され、昇降機構は、
水平に延びる持ち上げシャフトと、第1のスプールと、第2のスプールと、第3のスプールと、第4のスプールと、ここで、第1及び第2のスプールは、水平に延びる持ち上げシャフトの中心軸の第1の側又はその近傍に、中心軸に隣接して配置され、第3及び第4のスプールは、中心軸の第2の側又はその近傍に、中心軸に隣接して配置され、ここで、第1の側は、第2の側の反対側であり、
第1、第2、第3、及び第4のスプールからそれぞれ巻き取られ、巻き出されるように構成された第1のテザー、第2のテザー、第3のテザー、及び第4のテザーとを備え、ここで、第1及び第2のスプールは、第3及び第4のスプールと反対方向に回転して、第1、第2、第3、及び第4のテザーを巻き取ったり、巻き出したりするように構成されている。
【0022】
第1および第2のスプールは第1のシャフト上にあってもよく、第3および第4のスプールは第2のシャフト上にあってもよく、第1および第2のシャフトは中心軸に平行である。
【0023】
ギア機構は、第1のシャフトおよび第2のシャフト上にそれぞれ第1のギアおよび第2のギアを備えてもよく、ここで、第1のギアおよび第2のギアは、第1のシャフトまたは第2のシャフトのいずれかを駆動するモータが第1のシャフトまたは第2のシャフトの他方を回転させるように噛み合う。
【0024】
各テザーは、持ち上げアセンブリのそれぞれの角部に、またはその近くに位置するそれぞれのプーリに結合されてもよい。
【0025】
上記の態様のいずれかにおいて、第1、第2、第3、および第4のテザーは、各テザーがそれぞれのスプールまたはプーリに巻き取られ、またはそこから巻き出される点が、持ち上げ機構のそれぞれの角部に、またはその近くにあるように構成される。
【0026】
各テザーは、把持デバイスのそれぞれの角部で、またはその近くで把持デバイスに接続することができる。
【0027】
上記の態様のいずれかにおいて、少なくとも1つのスプールは、その円周に沿って少なくとも1つの溝を備え、その中にワイヤテザーが巻き付くように構成される。
【0028】
別の態様では、コンテナのスタックの上方に格子パターンで配置された複数の軌道を備える格子保管構造のスタックに積み重ねられたコンテナを持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイスが提供され、積荷取扱デバイスは、
格子上で積荷取扱デバイスを移動させるように動作可能に配置された駆動機構を収容する本体と、
把持デバイスを本体に対して上昇及び下降させるように構成され、スタックに積み重ねられたコンテナを上昇及び下降させるための、上述のようなコンテナ持ち上げアセンブリと、を備えている。
【0029】
持ち上げアセンブリは、積荷取扱デバイスの本体内に位置付けられてもよい。持ち上げアセンブリは、コンテナを本体内に(例えば、積荷取扱デバイスのキャビティ内に)持ち上げることができる。
【0030】
テザーは、積荷取扱デバイス(例えば、積荷取扱デバイスの本体に設けられた電源又は通信源)と把持デバイスとの間に電力及び/又は通信(すなわち、電気通信)を提供するように、テザーの織物又は布地に織り込まれた導電性要素又は配線(例えば、銅)を備えてもよい。
【0031】
別の態様では、格子保管構造内にスタック状に積み重ねられたコンテナを持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイスが提供され、積荷取扱デバイスは、
平行な軌道の第1のセット、および、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するために、実質的に水平な平面内で軌道の第1のセットに対して実質的に垂直に伸張する平行な軌道の第2のセットとを備え、ここで、格子は、コンテナが複数の格子空間を通して垂直方向に直立材の間に積み重ねられ、直立材によってガイドされるように、格子の真下に複数の垂直保管位置を形成するために、直立材のセットによって支持され、積荷取扱デバイスは、
平行な軌道の第1のセットと係合するように配置されている車輪の第1のセットと平行な軌道の第2のセットと係合するように配置されている車輪の第2のセットとに取り付けられた本体と、本体は、格子上の積荷取扱デバイスを駆動するように構成された駆動機構を収容し、
把持デバイスを本体に対して上昇及び下降させるように構成され、スタックに積み重ねられたコンテナを上昇及び下降させるための、上述のようなコンテナ持ち上げアセンブリと、を備えている。
【0032】
別の態様では、コンテナのスタックからコンテナを上昇及び/又は下降させる方法が提供され、方法は、上述のような積荷取扱デバイスを備え、方法は、
少なくとも1つのテザーを巻き戻し、把持デバイスを本体に対して下降させるようにギア機構を作動させるステップと、
コンテナを把持するように把持デバイスを作動させるステップと、
テザーを巻き、把持デバイスを本体に対して上昇させるようにギア機構を作動させるステップと、を備えている。
【0033】
方法は、把持デバイスを本体に対して上昇させ、コンテナを積荷取扱デバイスのキャビティ内に持ち上げるステップを備えることができる。
【0034】
1つの態様では、
上記で定義された積荷取扱デバイスと、
スタック状に積み重ねられたコンテナを収容するための保管構造と、保管構造は、第1の方向に伸張する軌道の第1のセットと、第1の方向を横切る第2の方向に伸張する軌道の第2のセットとを含み、積荷取扱デバイスがトラックの第1および第2のセット上を移動するように構成され、
格子の下のスタックからコンテナを持ち上げる、および/または格子内にコンテナを降ろすように積荷取扱デバイスを制御するように構成された制御ユーティリティと、を備えるシステムが提供される。
【0035】
本発明の態様および実施形態が添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、格子保管構造およびコンテナの概略斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の保管構造の上部の軌道の概略上面図である。
【
図3】
図3は、
図1の保管構造の上部にある積荷取扱デバイスを示す。
【
図4】
図4は、下げられた構成の持ち上げアセンブリを有する積荷取扱デバイスの概略斜視図である。
【
図5】
図5は、上昇および下降された構成の持ち上げアセンブリを有する
図4の積荷取扱デバイスの概略切り欠き図を示す。
【
図6A】
図6Aは、コンテナ上に下降されている持ち上げアセンブリの実施形態を有する積荷取扱デバイスの斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、コンテナ上に下降されている持ち上げアセンブリの実施形態を有する積荷取扱デバイスの斜視図である。
【
図6C】
図6Cは、コンテナ上に下降されている持ち上げアセンブリの実施形態を有する積荷取扱デバイスの斜視図である。
【
図7】
図7は、持ち上げアセンブリの実施形態の正面図である。
【
図10】
図10は、持ち上げアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【
図12】
図12は、持ち上げアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【
図13】
図13は、持ち上げアセンブリの別の実施形態の上昇および下降機構の斜視図である。
【
図15】
図15は、持ち上げアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【
図16】
図16は、持ち上げアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【
図17】
図17は、持ち上げアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【
図18】
図18は、持ち上げアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【
図19】
図19は、持ち上げアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、直立部材3と、直立部材3によって支持される水平部材5、7と、を備える保管構造1を図示する。水平部材5は、互いに及び例示されたx軸に平行に伸張する。水平部材7は、互いに及び例示されたy軸に平行に、且つ水平部材5に対して横断方向に伸張する。直立部材3は、互いに及び例示されたz軸に平行に、且つ水平部材5、7に対して横断方向に伸張する。水平部材5、7は、複数の格子セルを規定する格子パターンを形成する。例示された例では、保管コンテナ9は、格子パターンによって規定された格子セルの下にスタック11に配置されており、1格子セル当たりコンテナ9の1つのスタック11である。
【0038】
図2は、
図1に図示された保管構造1の一部を形成し、
図1に図示された保管構造1の水平部材5、7の上部に位置する軌道構造13のセクションの拡大平面図を示す。軌道構造13は、水平部材5、7自体によって(例えば、水平部材5、7の表面内又は表面上に形成されている)、又は水平部材5、7の上部に取り付けられた1つ以上の追加の構成要素によって提供されてもよい。図示された軌道構造13は、x方向軌道17と、y方向軌道19と、を備え、即ち、x方向に伸張する軌道の第1のセット17と、軌道の第1のセット17中の軌道17に対して横断する、y方向に伸張する軌道の第2のセット19と、を備える。軌道17、19は、格子セルの中央に開口15を規定する。開口15は、格子セルの下に位置するコンテナ9が開口15を通って持ち上げられ及び下降されることを可能にするように、サイズ決定されている。x方向軌道17は、チャネル21によって分離された対で設けられており、y方向軌道19は、チャネル23によって分離された対で設けられている。軌道構造の他の配置も可能である。
【0039】
図3は、
図1に図示された保管構造1の上部を移動している複数の積荷取扱デバイス31を示す。ロボット31又はボット31とも呼ばれてもよい積荷取扱デバイス31には、ボット31が、軌道構造13にわたって移動し、特定の格子セルに到達することを可能にするために、対応するx方向軌道17又はy方向軌道19と係合するための車輪のセットが設けられている。チャネル21、23によって分離された軌道17、19の図示する対は、ボット31が、互いに衝突することなく、近隣の格子セルを占有する(又は互いに通過する)ことを可能にする。
【0040】
図4に詳細に図示されるように、ボット31は、ボット31がその意図された機能を実行することを可能にする1つ以上の構成要素がその中に又はそれに取り付けられた本体33を備える。これらの機能は、軌道構造13上で保管構造1にわたって移動することと、(例えば、スタック11から又はスタック11へ)コンテナ9を上昇又は下降させることと、を含んでいてもよく、これにより、ボット31は、格子パターンによって規定された特定の場所 にあるコンテナ9を取り出すことができ又はそこに置くことができる。
【0041】
図示されたボット31は、車輪の第1のセット35と、車輪の第2のセット37と、を備え、これらは、ボット31の本体33に取り付けられており、ボット31がそれぞれ軌道17及び19に沿って、それぞれx方向及びy方向に移動することを可能にする。特に、2つの車輪35が、
図4で見えるボット31の短い方の側面に設けられており、更なる2つの車輪35が、ボット31の反対側の短い方の側面に設けられている(
図4では見えない)。車輪35は、軌道17と係合し、ボット31の本体33に回転可能に取り付けられて、ボット31が軌道17に沿って移動することを可能にする。同様に、2つの車輪37が、
図4で見えるボット31の長い方の側面に設けられており、更なる2つの車輪37が、ボット31の反対側の長い方の側面に設けられている(
図4では見えない)。車輪37は、軌道19と係合し、ボット31の本体33に回転可能に取り付けられて、ボット31が軌道19に沿って移動することを可能にする。
【0042】
ボット31はまた、コンテナ9を上昇及び下降させるように構成された昇降機構39を備える持ち上げアセンブリ102を備えている。図示された昇降機構39は、その下端部で把持デバイス100に接続された4つのテザー41を備える。テザー41は、ケーブル、ロープ、テープの形態、またはコンテナ9を持ち上げるのに必要な物理的特性を有する任意の他の形態のテザーであってもよい。把持デバイス100は、コンテナ9の特徴部と係合するように構成された少なくとも1つのグリッパを備える。例えば、コンテナ9は、グリッパが係合することができる1つ以上のアパーチャをそれらの上側に設けられてもよい。代替的にまたは追加的に、把持手段は、コンテナ9のリム若しくはリップの下に引っ掛かるように、及び/又はコンテナ9をクランプ若しくは把持するように構成されてもよい。テザー41は、必要に応じて、把持デバイス100を上昇又は下降させるために、巻き上げら得るか又は巻き下げられてもよい。1つ以上のモータまたは他の手段が、テザー41の巻き上げまたは巻き下げをもたらすかまたは制御するために提供されてもよい。
【0043】
図5から分かるように、図示したボット31の本体33は、上部45と、下部47とを有する。上部45は、1つ以上の動作構成要素(図示せず)を収容するように構成される。下部47は、上部45の下方に配置されている。持ち上げアセンブリ102は、下部の上部にある。しかしながら、他の実施形態では、それは上部45にあってもよい。下部47は、昇降機構39を備える持ち上げアセンブリ102によって上昇されたコンテナ9の少なくとも一部を収容するためのコンテナ収容空間またはキャビティを備える。コンテナ収容空間は、コンテナ9の下側が軌道構造13又は保管構造1の別の部分に引っ掛かることなく、ボット31が保管構造1の上部にある軌道構造13にわたって移動することを可能にするために、コンテナ9が十分にキャビティの内部に収まることができるようにサイズ決定される。ボット31がその意図された目的地に到達すると、持ち上げアセンブリ102は、テザー41を制御して、把持デバイス100及び対応するコンテナ9を、キャビティから出して意図された位置へと下降させる。意図された位置は、コンテナ9のスタック11又は保管構造1の出口点(又は、ボット31が保管構造1内に保管するためのコンテナ9を収集するために移動した場合は、保管構造1の入口点)であってもよい。図示された例では、上側部分45及び下側部分47は、物理的な仕切り によって分離されているが、他の実施形態では、上側部分45及び下側部分47は、ボット31の本体33の特定の構成要素又は部品によって物理的に分割されていない場合がある。
【0044】
ボット31のコンテナ収容空間は、ボット31の本体33内になくてもよい。例えば、コンテナ収容空間は、代わりに、例えば持ち上げられるコンテナの重量と釣り合うボット31の本体33の重量を有する片持ち梁構成で、ボット31の本体33に隣接してもよい。そのような実施形態では、昇降機構39のフレームまたはアームは、ボット31の本体33から水平に突出してもよく、テザー41は、突出するフレーム/アーム上のそれぞれの位置に配置され、本体33に隣接するコンテナ収容空間内にコンテナを昇降させるためにそれらの位置から昇降されるように構成されてもよい。フレーム/アームがボット31の本体33に取り付けられ、そこから突出する高さは、所望の効果を提供するように選択されてもよい。例えば、フレーム/アームは、ボット31の本体33上で高いレベルで突出して、より大きなコンテナ(または複数のコンテナ)がフレーム/アームの下のコンテナ収容空間内に持ち上げられることを可能にすることが好ましい場合がある。あるいは、フレーム/アームは、ボット31にコンテナが装填されたときにボット31の質量中心をより低く保つために、本体33の下方により低く(しかし、フレーム/アームと軌道構造13との間に少なくとも1つのコンテナを収容するのに十分な高さで)突出するように配置されてもよい。
【0045】
ボット31が異なる車輪35、37上で第1および第2の方向に移動することを可能にするために、ボット31は、車輪の第1のセット35を軌道の第1のセット17と選択的に係合させるか、または車輪の第2のセット37を軌道の第2のセット19と選択的に係合させるための車輪位置決め機構を含む。車輪位置決め機構は、車輪の第1のセット35及び/又は車輪の第2のセット37を本体33に対して昇降させるように構成され、それによって、積荷取扱デバイス31が、保管構造1の軌道17、19を横切って第1の方向又は第2の方向のいずれかに選択的に移動することを可能にする。
【0046】
車輪位置決め機構は、車輪の少なくとも1セット35、37をボット31の本体33に対して上昇および下降させて、車輪の少なくとも1セット35、37を軌道17、19から離し、軌道17、19と接触させるための1つ以上の線形アクチュエータ、回転構成要素、または他の手段を含むことができる。いくつかの例では、車輪の1セットのみが上昇および下降するように構成され、車輪の1セットを下降させる動作は、対応する軌道から離れて車輪の他のセットを効果的に持ち上げることができ、一方、車輪の1セットを上昇させる動作は、対応する軌道と接触するように車輪の他のセットを効果的に下降させることができる。他の例では、車輪の両方のセットが上昇および下降されてもよく、有利には、ボット31の本体33が実質的に同じ高さに留まり、したがって、本体33およびその上に取り付けられた構成要素の重量が車輪位置決め機構によって上昇および下降される必要がないことを意味する。
【0047】
図6A、
図6B、及び
図6Cは、把持デバイス100の一実施形態が積荷取扱デバイス31から、特に積荷取扱デバイス本体33から吊り下げられた状態の積荷取扱デバイス31の斜視図を示す。これらの図には示されていないが、積荷取扱デバイス31は、積荷取扱デバイス31の本体に取り付けられた車輪の第1及び第2のセット35、37と、コンテナの少なくとも一部を受け入れるためのキャビティと、把持デバイス100を積荷取扱デバイス31に接続して吊り下げるために把持デバイス100に下端で接続されたリール式テザー41とを含む、積荷取扱デバイス又はボット31に関して上述した特徴を含む。積荷取扱デバイス31は、巻き取られたテザー41を巻き取るかまたは巻き出す持ち上げアセンブリ102を備え、テザーは、
図6A、
図6Bおよび
図6Cに示されるように、把持デバイス100を上昇および下降させるためにそれぞれ巻き取られ、巻き出される。把持デバイス100は、持ち上げるべきコンテナの上に、コンテナ9の上縁に接触するまで下降される。把持デバイス100が
図6Aに示すようにコンテナ9上の所定位置に入ると、把持デバイス100はコンテナと係合してコンテナを把持する。
【0048】
図7及び
図8は、持ち上げアセンブリ102の実施形態を示し、
図7は、持ち上げアセンブリ102の正面図を示し、
図8は、持ち上げアセンブリ102の上面図を示す。この実施形態では、持ち上げアセンブリ102は、矩形の支持プレート104と、中央に配置されたモータ106と、ギア機構108と、支持プレート104の下面に固定または接続された4つのプーリ110a、110b、110c、110dとを備える昇降機構39を含む。この実施形態では、ギア機構108は、テザーを巻き取るかまたは巻き出すように回転する垂直に伸張する持ち上げシャフト112を有する遊星ギアセット(例えば、エピサイクリックギアセット)である。各プーリ110a、110b、110c、110dは、持ち上げアセンブリ102の角部に、または角部に向かって、特に支持プレート104の各角部に配置され、テザーは、遊星ギアセットから4つのプーリ110a、110b、110c、110dまで延び、その後、各プーリ110a、110b、110c、110dの下端部が把持デバイス100に接続するように下方に延びる。モータ106は、持ち上げシャフト112を回転させて、持ち上げシャフトの周りにテザーを巻き付けるか、または巻き出すように構成され、それによって、把持デバイス110を持ち上げるか、または下げる。持ち上げシャフト112の周りにテザーを巻き付けたり、巻き戻したりすることによって、持ち上げシャフト112は、事実上、テザーのためのスプールを提供する。モータ106が持ち上げシャフト112を第1の方向に回転させると、テザーは、把持デバイス100を持ち上げるように持ち上げシャフト112の周りに同時に巻き付けられる。モータ106は、持ち上げシャフトを第2の方向(第1の方向と反対)に回転させ、同時に、持ち上げシャフト112からテザーを巻き戻し、把持デバイス100を降下させる。モータ106は、テザーが同じ速度で巻き取られ、巻き出されるように、持ち上げシャフト112を回転させる。この実施形態では、モータ106は、支持プレート104の上方に配置される。モータ106を支持プレート104の中央に配置することによって(
図8に示すように)、モータ106の重量は、持ち上げアセンブリ102にわたって均等に分散される。さらに、支持プレート104上にモータ106を設けることによって、持ち上げアセンブリ102上のモータ106の追加の重量は、有利には、把持デバイス100のより安定した持ち上げおよび下降を確実にすることができる。
【0049】
図9は、
図7および
図8の持ち上げアセンブリ102の上面図を示し、遊星ギアセット108から4つのプーリ110a、110b、110c、110dまで伸張するテザー114a、114b、114c、114dを示す。
図9に示すように、各プーリ110a、110b、110c、110dは、遊星ギアセットに向かって(すなわち、持ち上げアセンブリ102の中心または支持プレート104の中心に向かって)角度が付けられている。プーリ110a、110b、110c、110dを中心に向かって角度を付けることによって、テザー114a、114b、114c、114dは、持ち上げアセンブリ102の中心から(またはギア機構108から)プーリまで直線に伸張する。これにより、持ち上げアセンブリ102は、テザー114a、114b、114c、114dがギア機構108によって巻き取られるかまたは巻き出されるときに、テザー114a、114b、114c、114dが互いに絡み合うかまたは絡み合うリスクなしに、より均一にかつより確実にテザー114a、114b、114c、114dを巻き取るかまたは巻き出す(したがって、把持デバイス100を昇降させる)ことができる。
【0050】
図10は、持ち上げアセンブリ102の別の実施形態を示す。この実施形態では、昇降機構39は、中央の水平に延びる持ち上げシャフト116、および、持ち上げシャフトの第1の端部にある第1のスプール118aと、持ち上げシャフト116の第2の端部にある第2のスプール118bとの2つのスプールを含む。4つのプーリ110a、110b、110c、110dが、持ち上げアセンブリ102の各角部に、特に支持プレート104の各角部に設けられ、この実施形態では、支持プレート104の上方に位置する。持ち上げシャフト116の各端部において、2つのテザーが各スプールから反対方向に、それぞれのプーリ110a、110b、110c、110dを通って延び、その後、各テザー114a、114b、114c、114dの下端が把持デバイス100に接続するように下方に延びる。
図10に示すように、支持プレート104の各角部に、または各角部に向かってプーリ110a、110b、110c、110dを設けることによって、テザー114a、114b、114c、114dは、各テザー114a、114b、114c、114dの下端が把持デバイス100の角部に接続するように下方に伸張することができ、それによって把持デバイス100のより安定した昇降を提供する。
【0051】
持ち上げシャフト116は、各スプール118a、118bの周りにテザー114a、114b、114c、114dを巻き取るか、または巻き出すように回転するように構成される。持ち上げシャフト116が第1の方向に回転すると、持ち上げシャフトの第1の端部にある2つのテザー114a、114bが第1のスプール118aに巻き付けられ、同時に、持ち上げシャフトの第2の端部にある2つのテザー114c、114dが第2のスプール118bに巻き付けられ、それによって把持デバイス100(及び把持デバイスによって把持されたときのコンテナ)を持ち上げる。持ち上げシャフト116は、第2の方向(第1の方向と反対)に回転され、第1のスプール118aから2つのテザー114a、114bを、第2のスプール118bから2つのテザー114c、114dを同時に巻き出し、それによって把持デバイス100(及び把持デバイスによって把持されたときのコンテナ)を下降させる。2つのスプール118a、118bを、持ち上げシャフト116の各端部に1つずつ設けることによって、各スプールは、2つのテザーを巻き取るか、または巻き出し、それによって、テザーがもつれるリスクを低減する。各スプール118a、118bは、スプールに巻かれている2つのテザーを別々に保つための溝を含むことができ、それによってテザーがもつれるリスクをさらに低減する。
【0052】
図11Aから
図11Cは、
図10の実施形態からのスプール118a、118bのうちの1つの図を示す。
図11Cは、
図11Bの断面A-Aを通る断面図を示す。
図11Cに示される矢印は、各スプール118a、118bから伸張する2つのテザー114a、114b、114c、114dの方向を図示する。
図11Cに示すように、テザー114a、114b、114c、114dは、各テザー114a、114b、114c、114dがスプールから同時に巻き出されるか、またはスプールから巻き取られるように、反対方向に伸張する。
【0053】
図12は、持ち上げアセンブリ102の別の実施形態を示す。この実施形態では、昇降機構は、中央の水平に延びる持ち上げシャフトと、4つのスプール118a、118b、118c、118dとを含み、持ち上げシャフトの各端部に2つのスプール、すなわち、持ち上げシャフト116の第1の端部に2つのスプール118a、118bと、持ち上げシャフト116の第2の端部に2つのスプール118c、118dとを含む。
図10の実施形態と同様に、4つのプーリ110a、110b、110c、110dが、支持プレート104の各角部に設けられている。この実施形態では、各テザー114a、114b、114c、114dは、それ自体のそれぞれのスプール118a、118b、118c、118dから、それぞれのプーリ110a、110b、110c、110dを通って延び、その後、下方に延び、そこで、各テザーの下端部が把持デバイスの角部に接続する。4つのテザーの各々は、それ自体のスプールに接続され、把持デバイス100に接続する前にそれ自体のプーリを通って伸張する。4つのスプール(すなわち、各テザーに対して1つ)を設けることによって、各スプールは、その上に巻き取られるかまたは巻き出される単一のテザーを有し、それによって、テザーがもつれるリスクをさらに低減する。さらに、各テザーにスプールを設けることによって、巻き付けられたテザーは、スプールに完全に巻き付けられたとき(すなわち、テザーがスプールに完全に巻き付けられたとき)、2つ以上のテザーが単一のスプールに巻き付けられる実施形態と比較して、より少ない空間を占有する。例えば、各テザーにスプールを設けることによって、巻き付けられたテザーは、2つのテザーが単一のスプールに巻き付けられる実施形態と比較して、半分の空間量を占有することになる。これは、有利には、持ち上げアセンブリ102が、積荷取扱デバイス31の本体33内でより少ない空間を必要とすることをもたらし、例えば、積荷取扱デバイス31の下側部分47は、持ち上げアセンブリ102およびコンテナの少なくとも一部を収容するためのコンテナ収容空間を備える。言い換えれば、各テザーにスプールを設けることによって、持ち上げアセンブリ102は、有利には、コンテナ収容空間内の空間利得を可能にする。
【0054】
持ち上げシャフトがテザーを巻き上げるために第1の方向に回転されると、各テザーは、把持デバイス(及び把持デバイスによって把持されたときのコンテナ)を持ち上げるために、そのそれぞれのスプールの周りに同時に巻き上げられる。持ち上げシャフトは、第2の方向(第1の方向とは反対)に回転され、各テザーをそのそれぞれのスプールから同時に巻き戻し、それによって、把持デバイス(および把持デバイスによって把持されるときのコンテナ)を下降させる。
【0055】
図10および
図12の実施形態では、テザーは、4つのさらなるプーリ(把持デバイスの各角部に1つ)を介して把持デバイス100に接続する。しかしながら、他の実施形態では、各テザーの下端は、さらなるプーリを必要とせずに、把持デバイスに接続してもよい(例えば、テザーの下端は、把持デバイス100に直接接続してもよい)。
【0056】
図10及び
図12の実施形態には示されていないが、モータ106が、第1及び第2の方向に持ち上げシャフトを回転させるために設けられている。
図7から
図12の実施形態の各々において、モータ106は、把持デバイスを均一かつ着実に昇降させるために、全てのテザーが同時にかつ同じ速度で巻き取られるかまたは巻き出されるように、持ち上げシャフトを回転させるように構成される。
【0057】
いくつかの実施形態では、各スプールは、それぞれのスリップクラッチを介して持ち上げシャフトに取り付けられる。持ち上げシャフトがモータによって第1の方向に回転されると、テザーは巻き取られて把持デバイスを持ち上げる。把持デバイス100がその頂部位置または完全に持ち上げられた位置に到達すると(すなわち、把持デバイス100が昇降機構39によって、例えばボット31の本体33内に完全に持ち上げられると)、モータは、スリップクラッチのトルクを超えてオーバードライブすることができ、その結果、スリップクラッチがスリップし、スプールはもはや回転しない。各プーリは、把持デバイスがその完全に持ち上げられた位置に到達すると、把持デバイスが当接するハードストップ(例えば、機械的ストップ)を備える。
【0058】
各スプールにスリップクラッチを設けることによって、持ち上げアセンブリ102は、把持デバイス100が(例えば、把持デバイスの下降及び/又は持ち上げ中に、又はテザーのうちの1つ以上の伸張又はスリップに起因して)不均一になった場合に、把持デバイス100を水平にすることができる。例えば、
図10の実施形態では、把持デバイスは、把持デバイスの第1の端部(すなわち、持ち上げシャフトの第1の端部で第1のスプールによって持ち上げられた端部)がその完全に持ち上げられた位置に達してプーリのハードストップに当接し、一方、把持デバイスの第2の端部(すなわち、持ち上げシャフトの第2の端部で第2のスプールによって持ち上げられた端部)がその完全に持ち上げられた位置にまだ達していないように、把持デバイスの下降および/または上昇中に不均一になることがある。モータは、把持デバイスの第2の端部がその完全に持ち上げられた位置まで持ち上げられ、プーリのハードストップに当接するように、持ち上げシャフトを回転させ続ける(すなわち、過回転させる)。持ち上げシャフトを回転させて把持デバイスの第2の端部を持ち上げるためのモータのこの過回転の間、第1のスプールのスリップクラッチはスリップし、第1のスプールのさらなる回転を防止し、それによって持ち上げシャフトの第1の端部をその完全に持ち上げられた位置に維持する。
【0059】
図10の実施形態では、各スプールにスリップクラッチが設けられ、それによって、持ち上げアセンブリ102が把持デバイスの第1の端部と第2の端部との間のいかなる凹凸も平らにすることが可能になる。
【0060】
図12のいくつかの実施形態では、スリップクラッチが各スプールに設けられ、各プーリは、把持デバイスがその完全に持ち上げられた位置に到達すると把持デバイスが当接するハードストップ(例えば、機械的ストップ)を備える。上述したように、各スプールにスリップクラッチを設けることによって、持ち上げアセンブリ102は、下降及び/又は上昇中に把持デバイスが不均一になった場合に、把持デバイスを水平にすることができる。把持デバイスの側面または角が平坦でなくなると、モータは、平坦でない側面または角がその完全に持ち上げられた位置まで持ち上げられ、プーリのハードストップに当接するまで、持ち上げシャフトを回転させ続ける。
図12の実施形態では、スプールが各テザーに設けられる。したがって、各個々のテザーのレベルを制御するために、各スプールにスリップクラッチを設けることができる。これにより、有利には、持ち上げアセンブリ102が、把持デバイスの各角部が平坦でなくなった場合に、把持デバイスの各角部を制御して水平にすることが可能になる。
【0061】
モータは、把持デバイスが持ち上げられるたびに、ハードストップに対して過度に上昇する。これにより、把持デバイスの平坦でない任意の側部または角部をハードストップまで持ち上げることができる。各スプールのスリップクラッチは、モータが過回転して、把持デバイスの平坦でない任意の側部または角部を持ち上げることを可能にし、一方、把持デバイスの任意の側部または角部を、ハードストップに当接した完全に持ち上げられた位置に既に維持する。これにより、有利には、把持デバイスが上昇されるたびに、持ち上げアセンブリが把持デバイスを較正し、水平にすることが可能になる。
【0062】
スリップクラッチを含む実施形態では、スリップクラッチは、スプールの中心に配置され(
図11C参照)、持ち上げシャフトに取り付けられるシャフトまたは中空ボアを含み、それによってスプールを持ち上げシャフトに取り付ける。スリップクラッチは、好ましくは、電磁クラッチ(例えば、ヒステリシス/磁性粒子クラッチ)である。これらのクラッチは、特にクラッチの作動がクラッチの内部要素の接触を必要としない場合に、電気作動によって動作し、それによって経時的なクラッチの摩耗を低減する。電磁クラッチを設けることによって、これらは、把持デバイスを水平にするための信頼性が高く耐久性のある方法を有利に提供する。スリップクラッチは、所定のトルクでスリップする固定トルククラッチである。
【0063】
図7から
図10および
図12の実施形態では、持ち上げアセンブリ102は、スプールを支持するための支持プレート104を含む。支持プレート104は、
図7から
図9の実施形態に示すように、モータ106を支持するために設けることもできる。しかしながら、他の実施形態では、支持プレート104は必要でない場合がある。スプールおよび/またはモータ106は、例えば1つ以上の垂直シャフトを含む代替の支持手段によって支持されてもよい。
【0064】
図13は、持ち上げアセンブリ102の別の実施形態の上昇および下降機構139を示す。この実施形態では、昇降機構139は、中央の水平に延びる持ち上げシャフト120と、4つのスプール、すなわち、持ち上げシャフト120の第1の端部にある2つのスプール122a、122bと、持ち上げシャフト120の第2の端部にある2つのスプール122c、122dとを含む。持ち上げアセンブリ102は、持ち上げアセンブリ102の各角に1つずつある4つのプーリ124a、124b、124c、124dと、4つのテザー114a、114b、114c、114dとを備え、各テザーは、それぞれのスプール122a、122b、122c、122dからそれぞれのプーリ124a、124b、124c、124dまで延び、その後、下方に延び、そこで、各テザー114a、114b、114c、114dの下端が把持デバイス100、例えば把持デバイスの角(
図13には示されていない)に接続する。持ち上げシャフトの第1の端部の2つのテザー114a、114bは、持ち上げシャフト102の第1の端部の2つのスプール122a、122bから反対方向に延び、持ち上げシャフト120の第2の端部の2つのテザー114c、114dは、持ち上げシャフトの第2の端部の2つのスプール122c、122dから反対方向に延び、それにより、各テザーは、持ち上げアセンブリ120の角部のプーリを通過することができる。この実施形態では、4つのテザーの各々は、単一のテザーが各スプールに巻き取られるかまたは巻き出されるように、それ自体のスプールに接続される。これは、有利には、例えば
図10の実施形態に関連して説明したように、2つ以上のテザーが単一のスプールに巻き付けられる実施形態と比較して、各スプール上の巻き付けられたテザーがより少ない空間を占有することを確実にする。各テザーに対してスプールを設けることはまた、有利には、把持デバイスを昇降させるためにテザーが巻き取られたり巻き出されたりするときにテザーが絡まるリスクを低減する。
【0065】
いくつかの実施形態では、
図13の昇降機構139は、各スプールにスリップクラッチを含む。すなわち、
図12の実施形態に関連して説明したように、各スプールは、それぞれのスリップクラッチを介して持ち上げシャフトに取り付けられる。上述したように、これにより、
図13の実施形態の持ち上げアセンブリ102は、持ち上げ及び/又は下降中に把持デバイス100の各角部が平坦でなくなった場合に、把持デバイス100の各角部を水平にすることができる。
【0066】
他の実施形態では、持ち上げアセンブリ102は、持ち上げシャフトの各端部に1つずつ、2つのスプールを備えてもよく、スプールは、各スプール上の2つのテザーを分離するための1つ以上の溝を備えてもよい。
【0067】
持ち上げシャフトは、各スプールの周りにテザーを巻き取るか、または巻き戻すように回転するように構成される。持ち上げシャフトがテザーを巻き上げるために第1の方向に回転されると、各テザーは、把持デバイス(及び把持デバイスによって把持されたときのコンテナ)を持ち上げるために、そのそれぞれのスプールの周りに同時に巻き上げられる。持ち上げシャフトは、第2の方向(第1の方向とは反対)に回転され、各テザーをそのそれぞれのスプールから同時に巻き戻し、それによって、把持デバイス(および把持デバイスによって把持されるときのコンテナ)を下降させる。テザーは、把持デバイスを均一かつ着実に上昇または下降させるように、同時にかつ同じ速度で巻き取られ、または巻き出される。
【0068】
持ち上げアセンブリ102は、テザーをそれらのスプールの周りに巻き取るかまたは巻き出すように、持ち上げシャフト120を第1および第2の方向に回転させるように構成されたモータ106を含む。モータ106は、中央の水平に延びる持ち上げシャフト120に結合され、持ち上げシャフトを第1及び第2の方向に回転させる。
【0069】
モータ106は、モータ106を保護し、モータ106を所定の位置に保持するのを助けるブロックによって包まれるか、または部分的に取り囲まれる。4つのプーリ124a、124b、124c、124dは、垂直ロッド(図示せず)によって積荷取扱デバイスに吊り下げられた、または接続されたブロック内にも保持され、それによって、持ち上げアセンブリ102を積荷取扱デバイスに接続する。
【0070】
ブロックはまた、各プーリ124a、124b、124c、124dを矩形の持ち上げアセンブリ102の角に組み付けるロッド128によって接続される。プーリ124a、124b、124c、124dを保持する各ブロックは、テザー114a、114b、114c、114dがスプールからブロック内のプーリまで伸張することを可能にするためのカットアウトを含む。
【0071】
図14Aおよび
図14Bは、持ち上げアセンブリ102の別の実施形態を示す。この実施形態では、持ち上げアセンブリ102は、把持デバイスに設けられたギア機構130を備える昇降機構239を含む。ギア機構130は、4つのテザー114a、114b、114c、114dを巻き付け、巻き出す。これらのテザーは、把持デバイス100の角に位置する4つのプーリ132a、132b、132c、132dを介してギア機構130に接続される。テザー114a、114b、114c、114dは、把持デバイス100のプーリから、積荷取扱デバイス31の本体33内に配置された4つのプーリ110a、110b、110c、110dまで上方に伸張する。ギア機構130がテザー114a、114b、114c、114dを巻き取ると、把持デバイス100は、積荷取扱デバイス31に向かって上方に上昇する。把持デバイス100上にあるギア機構130により、例えば、ギア機構が把持デバイスの上方に(例えば、積荷取扱デバイス本体33内に)設けられる場合、テザー114a、114b、114c、114dが巻き取られるにつれて把持デバイス100が持ち上げられるのではなく、ギア機構130がテザーを巻き取るにつれて把持デバイス100が「上昇する」と説明することができる。換言すれば、持ち上げ力は、積荷取扱デバイス31の本体33に設けられたギア機構からではなく、把持デバイス100からもたらされる。ギア機構130がテザー114a、114b、114c、114dを巻き出すと、把持デバイス100は下降する。
【0072】
把持デバイス100にギア機構130を設けることは、把持デバイス100に重量を追加する。これは、有利には、把持デバイス100がより滑らかで、水平で、安定した方法で(例えば、より軽量の把持デバイスと比較して)持ち上げられ、下げられるのを助ける。
【0073】
図14Bに示すように、昇降機構239は、テザーを巻き取るかまたは巻き戻すように、ギア機構130を駆動または回転させるように構成されたモータ106を備える。モータ106は、把持デバイス100上に設けられている。これは、有利には、把持デバイス100にさらなる重量を提供し、把持デバイス100が滑らかで水平な方法で持ち上げられ、かつ、下げられるのを助ける。把持デバイス100にギア機構130及び/又はモータ106を設けることによって、持ち上げアセンブリ102は、その質量の再分配を達成し、これは、有利には、把持デバイス100のより滑らかで、水平で、安定した持ち上げ及び下降をもたらす。
【0074】
さらに、把持デバイス100にモータ106を設けることによって、動力式の積荷取扱デバイス31から把持デバイス100まで延びる電力ケーブルを必要とせずに、把持デバイス100自体に電力が供給される。把持デバイス100にモータ106を設けることによって、把持デバイス100は、ミッション(例えば、保管構造内の特定の位置にあるコンテナをピッキングし、11個のコンテナの深さまで入れる)(e.g. pick a container at a particular location in the storage structure and 11 containers deep)を課されてもよい自律要素として機能することができる。把持デバイス100は、タスクを実行するために、それ自体の電源およびセンサ(設けられている場合)を使用することができる。把持デバイス100は、モータ106からのそれ自体の動力を使用して、把持デバイス100上の他の要素(例えば、センサ、グリッパ、LEDなど)を駆動することができる。
【0075】
モータ106およびギア機構130は、把持デバイス100の中央に配置される。これは、把持デバイス100が上昇および下降するときに水平に留まることを確実にするのに役立つ。この実施形態では、ギア機構130は、垂直に延びる持ち上げシャフト134を有する遊星ギアセット(例えば、エピサイクリックギアセット)であり、持ち上げシャフトは、ギアセット130が回転してテザーを巻き取るか又は巻き出すときにテザー114a、114b、114c、114dのためのスピンドルとして働く。
【0076】
他の実施形態では、モータ106は、積荷取扱デバイス内に設けられてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、昇降機構239は、把持デバイス100上にギア機構130および/またはモータ106を設ける代わりに、またはそれに加えて、把持デバイスに重量を加えるために把持デバイス100上に重りを含むことができる。
【0078】
図15は、持ち上げアセンブリ102の別の実施形態を示す。この実施形態では、昇降機構339は、この実施形態では、積荷取扱デバイス本体33内に配置された水平に延びる中心シャフト138に取り付けられたウォームギア136の形態をしたギア機構を含む。図示されていないが、持ち上げアセンブリ102は、ウォームギア136を回転または駆動して、ウォームギア136の周りに巻き付く4つのテザー114a、114b、114c、114dを巻き取るかまたは巻き出すモータ106を(例えば、積荷取扱デバイス本体33内に)含む。ウォームギア136は、ウォームギア(すなわち、ウォームギアのドラム)の外側に沿って4つの円周方向の溝または軌道を含み、その中にテザーが巻き取られるか、または巻き出される。4つの別個の円周方向溝を提供することによって、各テザーは、それ自体の溝内でウォームギアに巻き付き、そこから巻き出すことができ、それによって、ウォームギアが回転するにつれてテザー間で絡まるリスクを低減または排除する。
【0079】
ウォームギアが回転してテザーを巻き、把持デバイス100を持ち上げると、ウォームギア136は、シャフト138に沿って第1の軸方向に(例えば、右に向かって)移動又は摺動する。ウォームギアが回転してテザーを巻き戻し、把持デバイス100を下降させると、ウォームギア136は、シャフト138に沿って反対方向に(すなわち、第1の軸方向とは反対に、例えば左に向かって)移動または摺動して戻る。ウォームギアがシャフト138に沿って前後に(右または左に向かって)移動することを可能にすることによって、テザーがウォームギア136から巻き取られるかまたは巻き出されるときに、ウォームギア136からのテザーのより滑らかで均一な巻き取りおよび繰り出しを確実にする。ウォームギア136は、テザーがウォームギア136に巻き取られるか、またはウォームギアから巻き出されるときのテザーの力により、シャフト138に沿って移動することができる。他の実施形態では、ギア機構は、テザーが巻かれるかまたは巻き出されるときにシャフト138に沿ってウォームギアを後方および前方に付勢することができるばねを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、ウォームギア136のドラムは、超低摩擦レールを介してシャフト138に取り付けられてもよい。これにより、ウォームギア136の回転力だけで、テザーをウォームギアに巻き付け、ウォームギアから巻き出し、ウォームギアをシャフト138上で前後に移動させるのに十分になる。換言すれば、ウォームギアは、テザーを「自動供給」することができる。使用されてもよい超低摩擦材料の例としては、PTFEが挙げられる。当業者は、超低摩擦レールに適した他の多くの材料を知っているであろう。
【0081】
テザー114a、114b、114c、114dは、ウォームギア136から、把持デバイス100の4つのプーリ142a、142b、142c、142dまで下方に延び、把持デバイス100のほぼ中央に配置され、テザー114a、114b、114c、114dを持ち上げアセンブリ102の中心に向けて保持する。これにより、積荷取扱デバイス31内の空間をあまり必要としない、より空間効率の良い持ち上げアセンブリ102が得られる。このようにテザー114a、114b、114c、114dを中心に向かって保持することはまた、ウォームギア136の周りにテザー114a、114b、114c、114dをより容易に巻き取ることをもたらす。中央に位置するプーリ142a、142b、142c、142dから、テザーは、把持デバイスに沿って、把持デバイス100の角部にある4つのプーリ144a、144b、144c、144dまで伸張する。これは、テザー114a、114b、114c、114dがウォームギア136によって巻き取られ、巻き出されるときに、把持デバイスのより安定した水平な上昇および下降を確実にする。
【0082】
図15の実施形態では、単一の実質的に中央に位置するウォームギアが、テザーを巻き付け、巻き出すために設けられる。他の実施形態では、持ち上げアセンブリは、2つのウォームギアの形態のギア機構を含み、各ウォームギアは、2つのテザーを巻き付け、かつ巻き出すように構成される。1つではなく2つのウォームギアを設けることによって、ギア機構の重量は、持ち上げアセンブリ102にわたってより均等に分散され、よりバランスのとれた持ち上げアセンブリ102をもたらすことができる。さらに、それぞれが2つのテザーを支持する2つのウォームギアを設けることによって、テザーの巻き取りおよび巻き戻しを簡単にすることができ、テザーがウォームギアに巻き取られ、ウォームギアから巻き出されるときにテザーが絡まるリスクを低減または排除することができる。
【0083】
上記の実施形態では、ケーブルの全てが、単一のモータ106を使用して巻き取られ、巻き出される。しかしながら、他の実施形態では、所望であれば、2つ以上のモータ106を使用してもよい。
図16の実施形態では、持ち上げアセンブリ102は、それぞれのテザーを巻き付け、巻き出すための4つのスプール201、202、203、および204を有する。スプール201および202は駆動シャフト205上にあり、スプール203および204は駆動シャフト206上にある。駆動シャフト205および206は、モータによって駆動されると、反対方向に回転するように構成される。駆動シャフト205および206を反対方向に回転させることによって、それぞれのテザー114aからdは、上記の実施形態と同様に、持ち上げアセンブリの角に、または角の近くに位置することができる。特に、
図16に示すように、各テザーがスプールに巻き取られるか、またはスプールから巻き出される点は、持ち上げアセンブリのそれぞれの角部またはその近傍にある。これにより、テザーは、把持アセンブリのそれぞれの角部で把持アセンブリ100に接続することができ、把持アセンブリを上昇及び下降させるときの安定性が向上する。
図16は、駆動シャフト205および206がどのように反対方向に回転されてもよいかの1つの例を示す。駆動シャフト205および206は、それぞれプーリ210および211に接続される。モータは、プーリ207にトルクを加える。タイミングベルト208は、スプール201及び202、並びにスプール203及び204が反対方向に回転することを確実にするように、プーリ209、210、及び211にトルクを伝達する。特に、プーリ207及び209は、プーリ210とは反対の回転を行うようにプーリ211の周りに配置されている。これは、モータによって駆動されるときに駆動シャフト205および206を反対方向に回転させることができる1つの例示的な方法にすぎないことが理解されるであろう。
【0084】
限定するものではないが、スプール201、202、203、および204は、織られたポリエステルテープ、または上述のベルトに織り込まれた導電性要素または配線を有する織られたベルト(例えば、シートベルト)に特に適していることが理解されるであろう。ワイヤテザーが使用される場合、各スプール201、202、203、および204は、ワイヤテザーが巻かれる/巻き出されるときにワイヤテザーを受け入れる/解放する溝を形成するようにねじ山を付けられてもよい。そのようなスプール500は
図17に示されており、このスプールは、上述の実施形態のいずれかと共に使用することができる。溝510の深さ、および溝の全体的な構成は、直径および長さなどのワイヤ515の特性に応じて選択されてもよい。
【0085】
さらに、スリップクラッチが各スプールに含まれてもよく、すなわち、
図12および
図13の実施形態に関連して説明したように、各スプール201、202、203、および204は、それぞれのスリップクラッチを介して持ち上げシャフトに取り付けられる。上述のように、これにより、持ち上げアセンブリ102は、持ち上げ及び/又は下降中に把持デバイス100の各角部が平坦でなくなった場合に、把持デバイス100の各角部を水平にすることができる。
【0086】
図18の実施形態では、持ち上げアセンブリ102は、それぞれのテザー114aからdを巻き付け、巻き出すための4つのスプール301、302、303、および304を有する。スプール301および302は駆動シャフト305上にあり、スプール303および304は駆動シャフト306上にある。駆動シャフト305および306は、モータによって駆動されると、反対方向に回転するように構成される。駆動シャフトは、ギア307および308の噛み合いによって動作可能に結合される。駆動シャフト305(したがって、ギア307、スプール301および302)および駆動シャフト306(したがって、ギア308、スプール303および304)は、持ち上げアセンブリの中心軸310の両側にあり、中心軸212に隣接している。中心軸310は、駆動シャフト305および306の長手方向軸に平行な長手方向に伸張する。各スプールからのテザーは、上記の実施形態と同様に、持ち上げアセンブリの角部に、または角部の近くに位置するそれぞれのプーリ311、312、313、および314まで伸張する。特に、
図18に示すように、各テザーがプーリ311、312、313、および314に巻き取られるか、またはプーリから巻き出される点は、持ち上げアセンブリのそれぞれの角部またはその近傍にある。これにより、テザーは、把持アセンブリのそれぞれの角部で把持アセンブリ100に接続することができ、把持アセンブリを上昇及び下降させるときの安定性が向上する。駆動シャフト305、306のいずれかがモータによって駆動されて第1の方向に回転すると、他方の駆動シャフトは、ギア307および308の噛み合いを介して第1の方向とは反対の第2の方向に回転する。すなわち、ギア307(したがって、スプール301および302)とギア308(したがって、スプール303および304)とは、反対方向に回転して、それぞれのテザーを巻き付け、巻き出す。これは、モータによって駆動されるときに駆動シャフト305および306を反対方向に回転させることができる1つの例示的な方法にすぎないことが理解されるであろう。
【0087】
限定するものではないが、スプール301、302、303、および304は、織られたポリエステルテープ、または上述のベルトに織り込まれた導電性要素または配線を有する織られたベルト(例えば、シートベルト)に特に適していることが理解されるであろう。ワイヤテザーが使用される場合、各スプール301、302、303、および304は、ワイヤテザーが巻かれる/巻き出されるときにワイヤテザーを受け入れる/解放する溝を形成するようにねじ山を付けられてもよい。そのようなスプール500が
図17に示されており、このスプールは、上述の実施形態のいずれかと共に使用することができる。溝510の深さ、および溝の全体的な構成は、直径および長さなどのワイヤ515の特性に応じて選択されてもよい。
【0088】
さらに、スリップクラッチが各スプールに含まれてもよく、すなわち、
図12および
図13の実施形態に関連して説明したように、各スプール301、302、303、および304は、それぞれのスリップクラッチを介して持ち上げシャフトに取り付けられる。上述のように、これにより、持ち上げアセンブリ102は、持ち上げ及び/又は下降中に把持デバイス100の各角部が平坦でなくなった場合に、把持デバイス100の各角部を水平にすることができる。
【0089】
図19の実施形態では、持ち上げアセンブリ102は、それぞれのテザーを巻き付け、巻き出すための4つのスプール401、402、403、および404を有する。スプール401および402は駆動シャフト405上にあり、スプール403および404は駆動シャフト406上にある。駆動シャフト405および406は、モータによって駆動されると、反対方向に回転するように構成される。駆動シャフト405および406を反対方向に回転させることによって、テザーは、上記の実施形態と同様に、持ち上げアセンブリの角に、またはその近くに位置することができる。特に、
図19に示すように、各テザーがスプールに巻き取られるか、またはスプールから巻き出される点は、持ち上げアセンブリのそれぞれの角部またはその近傍にある。これにより、テザーは、把持アセンブリ100のそれぞれの角部で把持アセンブリに接続することができ、把持アセンブリを上昇及び下降させるときの安定性が高まる。
図19は、駆動シャフト405および406がどのように反対方向に回転されてもよいかの一例を示す。モータは、第1のウォームギア407および第2のウォームギア408を備えるシャフト411にトルクを加える。第1および第2のウォームギア407、408は、それぞれのギア409および410を反対方向に回転させるように構成される(またはねじ切りされる)。したがって、ギア409は、駆動シャフト405を第1の方向に回転させ、ギア410は、駆動シャフト406を第1の方向と反対の第2の方向に回転させる。すなわち、ギア409(したがって、スプール401および402)とギア410(したがって、スプール403および404)とは、反対方向に回転して、それぞれのテザーを巻き付け、巻き出す。
【0090】
限定するものではないが、スプール401、402、403、および404は、織られたポリエステルテープ、または上述のベルトに織り込まれた導電性要素または配線を有する織られたベルト(例えば、シートベルト)に特に適していることが理解されるであろう。
ワイヤテザーが使用される場合、各スプール401、402、403、および404は、ワイヤテザーが巻かれる/巻き出されるときにワイヤテザーを受け入れる/解放する溝を形成するようにねじ山を付けられてもよい。そのようなスプール500は
図17に示されており、このスプールは、上述の実施形態のいずれかと共に使用することができる。溝510の深さ、および溝の全体的な構成は、直径および長さなどのワイヤ515の特性に応じて選択されてもよい。
【0091】
さらに、スリップクラッチが各スプールに含まれてもよく、すなわち、
図12および
図13の実施形態に関連して説明したように、各スプール401、402、403、および404は、それぞれのスリップクラッチを介して持ち上げシャフトに取り付けられる。上述のように、これにより、持ち上げアセンブリ102は、持ち上げ及び/又は下降中に把持デバイス100の各角部が平坦でなくなった場合に、把持デバイス100の各角部を水平にすることができる。記載された実施形態及び従属請求項の全ての任意の及び好ましい特徴及び変更は、本明細書に教示される本発明の全ての態様において使用可能である。さらに、従属請求項の個々の特徴、ならびに記載された実施形態のすべての任意のおよび好ましい特徴および修正は、互いに組み合わせ可能であり、交換可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子保管構造内にスタック状に積み重ねられたコンテナを上昇及び/又は下降させるためのコンテナ持ち上げアセンブリであって、
コンテナを解放可能に把持するように構成された把持デバイスと、
前記把持デバイスを昇降させる昇降機構とを備え、
前記昇降機構は、
第1のシャフト、第2のシャフト、前記第1のシャフト上の第1のスプール、第2のスプール、および、前記第2のスプール上の第3のスプール、第4のスプールと、
前記第1、第2、第3、及び第4のスプールからそれぞれ巻き取られ、巻き出されるように構成された第1のテザー、第2のテザー、第3のテザー、及び第4のテザーと、ここで、前記第1のテザー、第2のテザー、第3のテザー、及び第4のテザーは、前記把持デバイスに接続され、ここで、前記第1及び第2のスプールは、前記把持デバイスを昇降するために、前記第1、第2、第3、及び第4のテザーを巻き取ったり、巻き出したりするように、前記第3及び第4のスプールと反対方向に回転するように構成され、
タイミングベルトと、
モータと、
前記第1及び第2のシャフト上にそれぞれ第1及び第2のプーリとを備え、前記第1及び第2のプーリは前記タイミングベルトを介して反対方向に前記モータによって駆動され、
ここで、前記第1、第2、第3、及び第4のテザーは、各テザーがそれぞれのスプール又はプーリに巻き取られ、又はそこから巻き出される点が、前記持ち上げアセンブリのそれぞれの角部にあるか又はその近くにあるように構成される、コンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項2】
前記タイミングベルトを介して前記第1のプーリおよび前記第2のプーリの反対の回転をもたらすように、前記第1のプーリまたは前記第2のプーリのいずれかの周りに配置された第3のプーリおよび第4のプーリをさらに備える、請求項
1に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項3】
前記第1、第2、第3、及び第4のプーリのいずれか1つが、前記モータによって直接駆動される、請求項
1に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項4】
前記第1、第2、第3、および第4のテザーは、前記把持デバイスのそれぞれの角部に、またはその近くに前記把持デバイスを接続する、請求項1に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項5】
前記第1、第2、第3、および第4のスプールのうちの少なくとも1つは、スリップクラッチを備える
、請求項1に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項6】
前記第1、第2、第3、および第4のスプールのうちの少なくとも1つは、その円周に沿って少なくとも1つの溝を備え、その中にワイヤテザーが巻き付くように構成される
、請求項1に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項7】
前記第1、第2、第3、および第4のスプールのうちの少なくとも1つは、前記テザーに織り込まれた導電性材料または要素を備える
、請求項1に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項8】
前記導電性材料または要素は、前記把持デバイスに電力および/または電気通信を提供するように構成される、請求項7に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項9】
前記第1、第2、第3、および第4のテザーのうちの少なくとも1つは、織り込まれたポリエステルテープを備える
、請求項1に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
【請求項10】
コンテナのスタックの上方に格子パターンで配置された複数の軌道を備える格子保管構造内にスタック状に積み重ねられたコンテナを持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイスであって、
前記格子上で積荷取扱デバイスを移動させるように動作可能に配置された駆動機構を収容する本体と、
前記把持デバイスを前記本体に対して昇降させるように構成され、スタックに積み重ねられたコンテナを昇降させるための、請求項
1に記載のコンテナ持ち上げアセンブリとを備える、積荷取扱デバイス。
【請求項11】
前記持ち上げアセンブリは、前記積荷取扱デバイスの本体内に配置されている、請求項
10に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項12】
コンテナのスタックからコンテナを昇降させる方法であって、前記方法は請求項
10に記載の積荷取扱デバイスを備え、前記方法は、
少なくとも1つのテザーを巻き戻し、前記把持デバイスを前記本体に対して下降させるように、前記
モータを作動させるステップと、
コンテナを把持するように前記把持デバイスを作動させるステップと、
前記テザーを巻き、前記把持デバイスを前記本体に対して上昇させるように前記
モータを作動させるステップとを備える、方法。
【請求項13】
システムであって、
請求項
10に記載の積荷取扱デバイスと、
スタック状に積み重ねられたコンテナを収容するための保管構造と、前記保管構造は、第1の方向に伸張する軌道の第1のセットと、前記第1の方向を横切る第2の方向に伸張する軌道の第2のセットとを含み、前記積荷取扱デバイスが前記軌道の第1のセットおよび第2のセット上を移動するように構成され、
格子の下のスタックからコンテナを持ち上げる、および/または前記格子内にコンテナを降ろすように前記積荷取扱デバイスを制御するように構成された制御ユーティリティとを備える、システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
さらに、スリップクラッチが各スプールに含まれてもよく、すなわち、
図12および
図13の実施形態に関連して説明したように、各スプール401、402、403、および404は、それぞれのスリップクラッチを介して持ち上げシャフトに取り付けられる。上述のように、これにより、持ち上げアセンブリ102は、持ち上げ及び/又は下降中に把持デバイス100の各角部が平坦でなくなった場合に、把持デバイス100の各角部を水平にすることができる。記載された実施形態及び従属請求項の全ての任意の及び好ましい特徴及び変更は、本明細書に教示される本発明の全ての態様において使用可能である。さらに、従属請求項の個々の特徴、ならびに記載された実施形態のすべての任意のおよび好ましい特徴および修正は、互いに組み合わせ可能であり、交換可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 格子保管構造内にスタック状に積み重ねられたコンテナを上昇及び/又は下降させるためのコンテナ持ち上げアセンブリであって、
コンテナを解放可能に把持するように構成された把持デバイスと、
前記把持デバイスを昇降させる昇降機構とを備え、
前記昇降機構は、
少なくとも1つのテザーを巻き取る及び/又は巻き出すように構成されたギア機構と、
前記少なくとも1つのテザーを巻き取る及び/又は巻き出すために前記ギア機構を作動させるように構成されたモータとを備え、
前記少なくとも1つのテザーは、前記少なくとも1つのテザーの巻き取りおよび巻き戻しが前記把持デバイスを上昇および下降させるように構成されるように、前記把持デバイスに接続される、コンテナ持ち上げアセンブリ。
[2] 前記ギア機構は、少なくとも1つのスプールを備え、前記少なくとも1つのテザーは、前記把持デバイスに伸張して接続する前に、前記少なくとも1つのスプールから伸張し、前記ギア機構は、前記少なくとも1つのスプールの周りに前記少なくとも1つのテザーを巻き取るか、または巻き戻すように構成される、[1]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[3] 前記昇降機構は、少なくとも1つのプーリを備え、前記少なくとも1つのテザーは、前記把持デバイスに延びて接続する前に、少なくとも1つのスプールから前記少なくとも1つのプーリに延びる、[1]または[2]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[4] 前記昇降機構は、少なくとも一対のテザーと、各対のテザーのためのスプールとを備え、前記ギア機構は、前記スプールの周りに前記少なくとも一対のテザーを巻き取るかまたは巻き出すように構成される、[1]、[2]または[3]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[5] 前記一対のテザーの各テザーは、前記把持デバイスまで延びて接続する前に、前記スプールから反対方向にプーリまで伸長する、[4]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[6] 前記ギア機構は、各テザー用のスプールを備える、[1]から[5]のいずれか1項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[7] 前記昇降機構は、各テザー用のプーリを備える、[1]から[6]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[8] 前記昇降機構は、4つのテザーを備え、各テザーは、前記ギア機構から前記把持デバイスの角部まで伸張する、[1]から[7]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[9] 前記昇降機構は、
水平に延びる持ち上げシャフトおよび2つのスプールと、第1のスプールは前記持ち上げシャフトの第1の端部にあり、第2のスプールは前記持ち上げシャフトの第2の端部にあり、前記第2の端部は前記第1の端部の反対側にあり、
前記第1のスプールに巻き取られ、前記第1のスプールから巻き出されるように構成された、前記持ち上げシャフトの前記第1の端部にある2つのテザー、および、前記第2のスプールに巻き取られ、前記第2のスプールから巻き出されるように構成された、前記持ち上げシャフトの前記第2の端部にある2つのテザーとを備える、[1]から[8]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[10] 前記昇降機構は、
水平に延びる持ち上げシャフトおよび4つのスプールと、前記持ち上げシャフトの第1の端部に2つのスプールがあり、前記持ち上げシャフトの第2の端部に2つのスプールがあり、前記第2の端部は前記第1の端部の反対側にあり、
前記持ち上げシャフトの前記第1の端部にある2つのテザーと、各テザーは、前記持ち上げシャフトの前記第1の端部にあるそれぞれのスプールに巻き取られ、かつ前記スプールから巻き出されるように構成され、前記持ち上げシャフトの前記第2の端部にある2つのテザーとを備え、各テザーは、前記持ち上げシャフトの前記第2の端部にあるそれぞれのスプールに巻き取られ、かつ前記スプールから巻き出されるように構成される、[1]から[8]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[11] 前記昇降機構は、
水平に延びる持ち上げシャフト、第1のスプール、第2のスプール、第3のスプール、および第4のスプールと、ここで、前記第1及び第2のスプールは、前記水平に延びる持ち上げシャフトの第1の端部又はその近傍に配置され、前記第3及び第4のスプールは、前記水平に延びる持ち上げシャフトの前記第1の端部とは反対側の第2の端部又はその近傍に配置され、
前記第1、第2、第3、及び第4のスプールからそれぞれ巻き取られ、巻き出されるように構成された第1のテザー、第2のテザー、第3のテザー、及び第4のテザーとを備え、ここで、前記第1及び第2のスプールは、前記第1、第2、第3、及び第4のテザーを巻き取ったり、巻き出したりするように、前記第3及び第4のスプールと反対方向に回転するように構成されている、[1]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[12] 前記第1及び第2のスプールは第1のシャフト上にあり、前記第3及び第4のスプールは第2のシャフト上にあり、ここで、前記ギア機構は、前記第1及び第2のシャフト上にそれぞれ第1及び第2のプーリを備え、前記第1及び第2のプーリはタイミングベルトを介して反対方向に駆動される、[11]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[13] 前記ギア機構は、前記タイミングベルトを介して前記第1のプーリおよび前記第2のプーリの反対の回転をもたらすように、前記第1のプーリまたは前記第2のプーリのいずれかの周りに配置された第3のプーリおよび第4のプーリをさらに備える、[12]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[14] 前記第1、第2、第3、及び第4のプーリのいずれか1つが、前記モータによって直接駆動される、[13]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[15] 前記ギア機構は、前記モータによって駆動されるシャフト上に第1および第2のウォームギアを備え、ここで、前記ウォームギアは、前記第3および第4のスプールと反対方向に前記第1および第2のスプールの回転をもたらすように構成される、[11]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[16] 前記第1及び第2のスプールは第1のシャフト上にあり、前記第3及び第4のスプールは第2のシャフト上にあり、ここで、前記ギア機構は、前記第1及び第2のシャフト上にそれぞれ第1及び第2のギアを更に備え、前記第1及び第2のギアは、前記第1及び第2のウォームギアを介してそれぞれ駆動される、[15]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[17] 前記昇降機構は、
水平に延びる持ち上げシャフト、第1のスプール、第2のスプール、第3のスプール、および第4のスプールと、ここで、前記第1及び第2のスプールは、前記水平に延びる持ち上げシャフトの中心軸の第1の側又はその近傍に、前記中心軸に隣接して配置され、前記第3及び第4のスプールは、前記中心軸の第2の側又はその近傍に、前記中心軸に隣接して配置され、ここで、前記第1の側は、前記第2の側の反対側であり、
前記第1、第2、第3、及び第4のスプールからそれぞれ巻き取られ、巻き出されるように構成された第1のテザー、第2のテザー、第3のテザー、及び第4のテザーとを備え、ここで、前記第1及び第2のスプールは、前記第1、第2、第3、及び第4のテザーを巻き取ったり、巻き出したりするように、前記第3及び第4のスプールと反対方向に回転するように構成されている、[1]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[18] 前記第1及び第2のスプールは第1のシャフト上にあり、前記第3及び第4のスプールは第2のシャフト上にあり、前記第1及び第2のシャフトは前記中心軸に平行である、[17]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[19] 前記ギア機構は、前記第1および第2のシャフト上にそれぞれ第1および第2のギアを備え、ここで、前記第1および第2のギアは、前記第1または第2のシャフトのいずれかを駆動する前記モータが前記第1または第2のシャフトの他方を回転させるように噛み合う、[18]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[20] 各テザーは、前記持ち上げアセンブリのそれぞれの角部に、またはその近くに配置されたそれぞれのプーリに結合される、[19]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[21] 前記第1、第2、第3、及び第4のテザーは、各テザーがそれぞれのスプール又はプーリに巻き取られ、又はそこから巻き出される点が、前記持ち上げアセンブリのそれぞれの角部にあるか又はその近くにあるように構成される、[11]から[20]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[22] 各テザーは、前記把持デバイスのそれぞれの角部で、またはその近くで前記把持デバイスに接続する、[21]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[23] 少なくとも1つのスプールは、スリップクラッチを備える、[2]から[22]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[24] 少なくとも1つのスプールは、スリップクラッチを介して前記持ち上げシャフトに取り付けられている、[9]から[23]のいずれか1項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[25] スリップクラッチは電磁クラッチである、[22]または[24]のいずれか1項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[26] 前記少なくとも1つのスプールは、その円周に沿って少なくとも1つの溝を備え、その中にワイヤテザーが巻き付くように構成される、[2]から[25]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[27] 前記ギア機構は、前記把持デバイスに設けられ、前記ギア機構が前記少なくとも1つのテザーを巻き取ると、前記把持デバイスが前記持ち上げアセンブリの上部に向かって上昇する、[1]から[26]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[28] 前記モータは、前記把持デバイスが自己給電要素であるように前記把持デバイスに設けられる、[1]から[27]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[29] 前記ギア機構は、遊星ギアセットを備える、[1]から[28]のいずれか1項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[30] 前記ギア機構はウォームギアを備える、[1]から[29]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[31] 前記ウォームギアは、その円周に沿って少なくとも1つの溝を含み、その中に前記少なくとも1つのテザーは、巻き取られるか、または巻き出されるように構成される、[30]に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[32] 前記少なくとも1つのテザーは、テープの形態である、[1]から[31]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[33] 前記少なくとも1つのテザーは、前記テザーに織り込まれた導電性材料または要素を備える、[1]から[32]のいずれか1項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[34] 前記少なくとも1つのテザーは、織り込まれたポリエステルテープを備える、[1]から[33]のうちのいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリ。
[35] コンテナのスタックの上方に格子パターンで配置された複数の軌道を備える格子保管構造内にスタック状に積み重ねられたコンテナを持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイスであって、
前記格子上で積荷取扱デバイスを移動させるように動作可能に配置された駆動機構を収容する本体と、
前記把持デバイスを前記本体に対して昇降させるように構成され、スタックに積み重ねられたコンテナを昇降させるための、[1]から[34]のいずれか一項に記載のコンテナ持ち上げアセンブリとを備える、積荷取扱デバイス。
[36] 前記持ち上げアセンブリは、前記積荷取扱デバイスの本体内に配置されている、[35]に記載の積荷取扱デバイス。
[37] コンテナのスタックからコンテナを昇降させる方法であって、前記方法は[35]又は[36]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイスを備え、前記方法は、
前記少なくとも1つのテザーを巻き戻し、前記把持デバイスを前記本体に対して下降させるように、前記ギア機構を作動させるステップと、
コンテナを把持するように前記把持デバイスを作動させるステップと、
前記テザーを巻き、前記把持デバイスを前記本体に対して上昇させるように前記ギア機構を作動させるステップとを備える、方法。
[38] 前記把持デバイスを前記本体に対して上昇させ、前記コンテナを前記積荷取扱デバイスのキャビティ内に持ち上げるステップをさらに含む、[37]に記載の方法。
[39] システムであって、
[35]または[36]に記載の積荷取扱デバイスと、
スタック状に積み重ねられたコンテナを収容するための保管構造と、前記保管構造は、第1の方向に伸張する軌道の第1のセットと、前記第1の方向を横切る第2の方向に伸張する軌道の第2のセットとを含み、前記積荷取扱デバイスが前記軌道の第1のセットおよび第2のセット上を移動するように構成され、
前記格子の下のスタックからコンテナを持ち上げる、および/または前記格子内にコンテナを降ろすように前記積荷取扱デバイスを制御するように構成された制御ユーティリティとを備える、システム。
【国際調査報告】