IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特表2024-544542セルユニット及びそれを含むバッテリーパック
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】セルユニット及びそれを含むバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/211 20210101AFI20241126BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20241126BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20241126BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20241126BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241126BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/271 Z
H01M50/296
H01M50/35 201
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527648
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2022020160
(87)【国際公開番号】W WO2023128394
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0188345
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0161188
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュ-ファン・シン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ヒョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】テ-キョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン-スク・イ
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012BB08
5H012CC03
5H012CC09
5H040AA01
5H040AA33
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
5H040CC05
5H040NN03
(57)【要約】
本発明は、構造が簡単で、拡張性、安全性などに優れたセルユニットを提供する。本発明の一側面によるセルユニットは、1つ以上のパウチ型セルと、内部空間に前記1つ以上のパウチ型セルを収容するユニットケースと、前記ユニットケースの内部空間に位置しており、内部にベント流路が形成されて前記パウチ型セルから排出されたベントガスが排出できるように構成されたベント部材と、を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のパウチ型セルと、
内部空間に前記1つ以上のパウチ型セルを収容するユニットケースと、
前記ユニットケースの内部空間に位置しており、内部にベント流路が形成されて前記パウチ型セルから排出されたベントガスが排出できるように構成されたベント部材と、
を含む、セルユニット。
【請求項2】
前記ユニットケースは、板状部材が折り曲げ状に構成された下ケースと、前記下ケースの上端開口部に結合された上ケースと、を備える、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項3】
前記ユニットケースは、前記内部空間に収容された前記パウチ型セルの電極リードと電気的に接続され、外部に露出するように構成されたユニット端子を備える、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項4】
前記ベント部材は、板状に構成されており、隣接するパウチ型セルと対面して配置されている、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項5】
前記ユニットケースの内部空間に複数のパウチ型セルが収容されており、
前記ベント部材は、前記複数のパウチ型セルの間に介在している、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項6】
前記ベント部材は、前記ユニットケースの内面に取り付けられている、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項7】
前記ベント部材は、前記ユニットケースに収容された前記1つ以上のパウチ型セルの両側にそれぞれ位置している、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項8】
前記ベント部材は、前記パウチ型セルと対面する側面に流入口が形成されており、前記パウチ型セルと対面していない側面に流出口が形成されている、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項9】
前記ベント部材は、前記パウチ型セルのテラス部と対面する部分に流入口が形成されている、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項10】
前記ベント部材は、1つのパウチ型セルに対応して2つの流入口が形成されており、前記2つの流入口の間に流出口が形成されている、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項11】
前記ベント部材は、流入口に流入する流体の流れ方向と、前記ベント流路の内部を流れる流体の流れ方向とが、互いに直交するように構成されている、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項12】
前記ベント部材は、前記ベント流路の内部を流れる流体の流れ方向と、流出口から流出する流体の流れ方向とが、互いに直交するように構成されている、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項13】
前記ベント部材は、互いに反対の側面に流入口がそれぞれ形成されており、両側面に形成された流入口が前記ベント部材の前記側面に垂直な方向の中心軸に対して互いに対称とならないように構成されている、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項14】
前記ベント部材は、内部空間に2つ以上の単位流路がそれぞれ形成されており、両側面に形成された流入口が、互いに異なる単位流路に連通するように構成されている、請求項13に記載のセルユニット。
【請求項15】
前記ユニットケースは、前記ベント部材の流出口に対応する位置にベント孔が形成されている、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項16】
前記ユニットケースの対向する内面を支持する支持部材をさらに含む、請求項1に記載のセルユニット。
【請求項17】
前記ユニットケースの内部空間において、2つのパウチ型セルは、電極リードが設けられた側面が互いに対向するように配置されており、
前記支持部材は、前記電極リードが対向するように配置された前記2つのパウチ型セルの間に介在している、請求項16に記載のセルユニット。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載のセルユニットを複数含む、バッテリーパック。
【請求項19】
請求項1から17のいずれか一項に記載のセルユニットを複数含む、バッテリーモジュール。
【請求項20】
請求項1から17のいずれか一項に記載のセルユニットを複数含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月27日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0188345号及び2022年11月28日付出願の韓国特許出願第10-2022-0161188号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーに関し、構造が簡単で、拡張性、安全性等に優れたセルユニット及びそれを含むバッテリーパック及び自動車等に関する。
【背景技術】
【0003】
ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、ロボット、電気自動車などの商用化が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などが挙げられるが、このうちリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起きないため充放電が自在であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという長所で脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主として、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質及び負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と一緒に封入する外装材、例えば、電池ケースと、を備える。
【0006】
一般に、二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池(缶型セル)と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池(パウチ型セル)と、に分類され得る。
【0007】
特に、パウチ型セルは、重量が軽く、積層時のデッドスペース(dead space)が少ないなどの多くの面で有利であるが、外部からの衝撃に弱く、組立性及び工程性が劣るという問題がある。そのため、従来は、複数のパウチ型セルをモジュールハウジング(モジュールケース)に収容してバッテリーモジュールを構成した後、このようなバッテリーモジュールをパックハウジング(パックケース)の内部に収容することでバッテリーパックが製造されることが多い。
【0008】
しかしながら、このような従来のバッテリーパックの構成は、スペースの利用という点で不利な場合がある。特に、複数のバッテリーセルをモジュールハウジング内に収容してモジュール化する過程において、モジュールハウジングや積層用フレーム(カートリッジ)などの各種構成要素が不必要にバッテリーパックの体積を増加させたり、バッテリーセルの占有スペースを減少させたりすることがある。さらに、モジュールハウジングや積層用フレームなどの構成要素自体が占めるスペースに加えて、これらの構成要素の組立公差を確保するために、バッテリーセルの収容スペースが減少することがある。その結果、従来のバッテリーパックは、エネルギー密度を高める能力が制限される場合がある。
【0009】
また、従来のバッテリーパックは、組立性及び製造コストの点で不利な場合がある。特に、従来のバッテリーパックは、パウチ型セルを積層するための複数の構成要素を有しており、その結果、構造が複雑になり、製造コスト及び時間が増加するという問題がある。
【0010】
また、従来のバッテリーパックでは、バッテリーモジュールのサイズや形状が一度決まると、サイズや形状を変更することが非常に困難である。したがって、一つのバッテリーモジュールを複数のパックハウジングに適用させたり、パックハウジングの内部構造を変更したりすることは非常に困難である。したがって、従来のバッテリーパックは拡張性が低いといえる。
【0011】
一方、バッテリーパックには複数のバッテリーセルが含まれるため、バッテリーセル間の熱連鎖反応の影響を受けやすい。例えば、ある一つのバッテリーセルで熱暴走(thermal runaway)などの事象(イベント)が発生した場合、このような熱暴走が他のバッテリーセルに伝播(propagation)する危険性がある。このような熱暴走の伝播が適切に抑制されない場合、特定のバッテリーセルで発生した事象が複数のバッテリーセルの連鎖反応を引き起こす可能性がある。これは、バッテリーパックに対する爆発や火災を引き起こすおそれがあり、さらに、バッテリーパックを搭載した装置や近隣の施設、またはユーザーなどに大きな被害を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、エネルギー密度、拡張性、安全性等に優れたセルユニット及びそれを含むバッテリーパック並びに自動車等を提供することを目的とする。
【0013】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、上述した課題に何ら制限されるものではなく、言及されていない他の課題は、下記に記載されている発明の詳細な説明から当業者にとって明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような目的を達成するための本発明の一側面によるセルユニットは、1つ以上のパウチ型セルと、内部空間に前記1つ以上のパウチ型セルを収容するユニットケースと、前記ユニットケースの内部空間に位置しており、内部にベント流路が形成されて前記パウチ型セルから排出されたベントガスが排出できるように構成されたベント部材と、を含み得る。
【0015】
ここで、前記ユニットケースは、板状部材が折り曲げ状に構成された下ケースと、前記下ケースの上端開口部に結合された上ケースと、を備え得る。
【0016】
また、前記ユニットケースは、前記内部空間に収容された前記パウチ型セルの電極リードと電気的に接続され、外部に露出するように構成されたユニット端子を備え得る。
【0017】
また、前記ベント部材は、板状に構成され、隣接するパウチ型セルに対面して配置され得る。
【0018】
また、前記ユニットケースの内部空間に複数のパウチ型セルが収容され、前記ベント部材は、前記複数のパウチ型セルの間に介在し得る。
【0019】
また、前記ベント部材は、前記ユニットケースの内面に取り付けられ得る。
【0020】
また、前記ベント部材は、前記ユニットケースに収容された前記1つ以上のパウチ型セルの両側にそれぞれ位置し得る。
【0021】
また、前記ベント部材は、前記パウチ型セルと対面する側面に流入口が形成され、前記パウチ型セルと対面していない側面に流出口が形成され得る。
【0022】
また、前記ベント部材は、前記パウチ型セルのテラス部と対面する部分に流入口が形成され得る。
【0023】
また、前記ベント部材は、一つのパウチ型セルに対応して2つの流入口が形成され、前記2つの流入口の間に流出口が形成され得る。
【0024】
また、前記ベント部材は、流入口に流入する流体の流れ方向と、前記ベント流路の内部を流れる流体の流れ方向とが互いに直交するように構成され得る。
【0025】
また、前記ベント部材は、前記ベント流路の内部を流れる流体の流れ方向と、流出口から流出する流体の流れ方向とが、互いに直交するように構成され得る。
【0026】
また、前記ベント部材は、互いに反対の側面に流入口がそれぞれ形成され、両側面に形成された流入口が前記ベント部材の前記側面に垂直な方向の中心軸に対して互いに対称とならないように構成され得る。
【0027】
また、前記ベント部材は、内部空間に2つ以上の単位流路が形成されており、両側面に形成された流入口が、互いに異なる単位流路に連通するように構成され得る。
【0028】
また、前記ユニットケースは、前記ベント部材の流出口に対応する位置にベント孔が形成され得る。
【0029】
また、本発明によるセルユニットは、前記ユニットケースの対向する内面を支持する支持部材をさらに含み得る。
【0030】
また、前記ユニットケースの内部空間において、2つのパウチ型セルは、電極リードが設けられた側面が互いに対向するように配置され、前記支持部材は、前記電極リードが対向するように配置された前記2つのパウチ型セルの間に介在し得る。
【0031】
また、上記のような目的を達成するための本発明の他の側面によるバッテリーパックは、本発明によるセルユニットを複数含み得る。
【0032】
また、上記のような目的を達成するための本発明のさらに他の側面によるバッテリーモジュールは、本発明によるセルユニットを複数含み得る。
【0033】
また、上記のような目的を達成するための本発明のさらに他の側面による自動車は、本発明によるセルユニットを複数含み得る。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一側面によれば、複数のパウチ型セルを含むバッテリーパックを構成する場合に、スペースの利用率を増大させることができる。さらに、本発明の場合、パウチ型セルが占有するスペースを増加させることができる。したがって、高いエネルギー密度を有するバッテリーパックを提供することができる。
【0035】
また、本発明の一側面によれば、構造が簡単なセルユニットを提供することができる。したがって、生産性に優れ、製造コスト及び製造時間を低減できるバッテリーパックを実現することができる。
【0036】
また、本発明の一側面によれば、バッテリーパックの製造時に、パウチ型セルの保護及び取り扱いが有利になり得る。したがって、バッテリーパックの組立性および工程性などをさらに向上させることができる。
【0037】
また、本発明の一側面によれば、従来のバッテリーモジュール構成とは異なる形態のセルユニットを提供することができる。特に、本発明の一側面によるセルユニットは、従来のバッテリーモジュールよりも小規模な単位で構成されると考えられる。例えば、本発明によるセルユニットは、従来のバッテリーモジュールよりもセルの個数や全体的な大きさなどが減少した形態とすることができる。
【0038】
また、本発明の一側面によれば、従来のバッテリーモジュールやバッテリーパックと比較して、優れた拡張性を確保することができる。特に、本発明による小規模セルグループ(セルユニット)は、様々な形状やサイズのパックハウジングに容易に適用することができる。したがって、本発明の場合、様々な種類のバッテリーパックに対する互換性に優れ、パックハウジングなどの設計が変更された場合にも、それに合わせて容易に変形して適用できる優れた拡張性を有するといえる。
【0039】
また、本発明の一側面によれば、セル間の熱的事象の伝播を効果的に抑制することができる。特に、本発明の場合、セルユニットの内部に含まれるベント構造をパックハウジングのベント経路(パックチャネル)と接続し、迅速な方向性ベントの制御を行うことにより、熱暴走の伝播を効果的に抑制することができる。
【0040】
さらに、本発明は、その他にも多くの効果を有することができ、これについては各実施の構成において説明するか、当業者によって容易に推測できる効果などについては、その説明を省略する。
【0041】
本明細書に添付される図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の内容とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割を果たすためのものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の一実施形態によるセルユニットの構成を概略的に示す分解斜視図である。
図2図1の構成の結合斜視図である。
図3】本発明の一実施形態によるベント部材の構成を概略的に示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態によるベント部材の構成を概略的に示す断面図である。
図5】本発明の他の実施形態によるセルユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
図6】本発明のさらに他の実施形態によるセルユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
図7】本発明のさらに他の実施形態によるセルユニットの一部の構成を概略的に示す側面図である。
図8】本発明の一実施形態によるセルユニットの一部の構成を概略的に示す拡大斜視図である。
図9】本発明の一実施形態によるセルユニットに含まれるベント部材を下方から見た形態を示す斜視図である。
図10図9の部分A5の拡大図である。
図11】本発明の一実施形態によるセルユニットの構成を下方から見た形態を示す斜視図である。
図12図11の部分A6の拡大図である。
図13】本発明の他の実施形態によるセルユニットの構成を概略的に示す上面断面図である。
図14】本発明の一実施形態によるセルユニットの一部の構成を図15とは異なる方向から見た形成を示す分解斜視図である。
図15】本発明の一実施形態によるセルユニットの一部の構成を図14とは異なる方向から見た形成を示す分解斜視図である。
図16】本発明の一実施形態によるベント部材の構成を概略的に示す分解斜視図である。
図17】本発明の一実施形態によるベント部材の内部構成を概略的に示す図である。
図18】本発明の他の実施形態によるベント部材の内部構成を概略的に示す部分拡大図である。
図19】本発明のさらに他の実施形態によるベント部材の構成を概略的に示す下部斜視図である。
図20図19のベント部材を含むセルユニットの構成を概略的に示す下部斜視図である。
図21図2のA9-A9’線に沿った断面図である。
図22】本発明のさらに他の実施形態によるセルユニットの構成を概略的に示す分解斜視図である。
図23】本発明のさらに他の実施形態によるセルユニットの構成を概略的に示す分解斜視図である。
図24】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す分解斜視図である。
図25】本発明の一実施形態によるバッテリーパックにおけるベントガスの移動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲で使われる用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されるものである。
【0044】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0045】
一方、本明細書においては、上、下、左、右、前、後などの方向指示語が使用可能であるが、これらの用語は説明の便宜上のものに過ぎず、対象となる物事の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、本発明の当業者にとって自明である。
【0046】
また、本明細書には、様々な実施形態についての説明が含まれているが、各実施形態については、他の実施形態と相違する部分に中心に説明し、他の実施形態についての説明が同一または類似して適用できる部分については、詳細な説明を省略する。
【0047】
図1は、本発明の一実施形態によるセルユニットの構成を概略的に示す分解斜視図であり、図2は、図1の構成の結合斜視図である。
【0048】
図1及び図2を参照すると、本発明によるセルユニットは、パウチ型セル100及びユニットケース200を含む。
【0049】
前記パウチ型セル100は、二次電池、特にパウチ型二次電池であって、アルミニウム製パウチ外装材の内部に電極組立体及び電解質が収容された状態で、外周部がシールされた形態に構成され得る。前記パウチ型セル100は、セルユニットに一つ以上が配備され得る。例えば、前記パウチ型セル100は、一つのセルユニットに8つ配備され得る。ただし、セルユニットに含まれるパウチ型セル100の個数は、多様に変更され得る。
【0050】
パウチ型セル100は、2本の電極リード101、すなわち正極リード及び負極リードが一側または両側に突出するように構成され得る。ここで、2本の電極リード101が同じ側面にあるセルは一方向性セルと呼び、2本の電極リード101が異なる側面にあるセルを双方向性セルと呼ぶことがある。図2では、各パウチ型セル100について、電極リード101がそれぞれ前方側と後方側にそれぞれ位置している。このようなパウチ型バッテリーセルの構成は、本発明の出願時点において既に公知のものであるので、これについての詳細な説明は省略する。
【0051】
前記ユニットケース200は、内部空間に一つ以上のパウチ型セル100を収容し得る。例えば、図1のA1で示すように、ユニットケース200は、空き空間が形成されており、このような空き空間は、内部収容空間であって、パウチ型セル100を一つまたはそれ以上収容することができる。
【0052】
さらに、このようなユニットケース200は、通常のバッテリーモジュールを構成するモジュールケースよりも厚さが薄く(例えば、1~3mm)、簡素な形状で構成され得る。また、前記ユニットケース200は、通常のモジュールケースよりも少ない個数のパウチ型セル100を含み得る。例えば、一つのモジュールケースは、数十個のパウチ型セル100を含み得るが、前記ユニットケース200は、これよりも少ない個数、例えば10個以下のパウチ型セル100を収容することができる。したがって、本発明によるセルユニットは、通常のバッテリーモジュールよりも小規模な単位で構成され得る。
【0053】
前記ユニットケース200は、機械的剛性を一定レベル以上確保し、冷却性能を高めるために、金属材質で構成され得る。特に、前記ユニットケース200は、アルミニウム材質で構成され得る。
【0054】
ユニットケース200の内部空間において、パウチ型セル100は立設された状態で収容され得る。すなわち、パウチ型セル100は、ユニットケース200の底部において、収容部を囲む縁部(シール部)の一部が収容部の上部及び下部に位置するように立設され得る。このとき、パウチ型セル100の下縁部は、ユニットケース200の底部に当接し得、パウチ型セル100の収容部は、水平方向、特に左右方向(X軸方向)を向くように配置され得る。このため、セルユニットは、このようなパウチ型セル100が起立状態で良好に維持されるように、好適な形態に構成され得る。
【0055】
一方、本明細書において、特に断りのない限り、X軸方向は左右方向を、Y軸方向は前後方向を、Z軸方向は上下方向をそれぞれ表すことができる。
【0056】
本発明によるセルユニットは、ベント部材300を含み得る。
【0057】
前記ベント部材300は、パウチ型セル100と同様に、ユニットケース200の内部空間A1に位置し得る。特に、ベント部材300は、パウチ型セル100に隣接して配置され得る。そして、ベント部材300は、ベントガスが内部に流入して外部に排出されるように構成され得る。これについては、図3及び図4をさらに参照してより詳細に説明する。
【0058】
図3は、本発明の一実施形態によるベント部材300の構成を概略的に示す斜視図である。図4は、本発明の一実施形態によるベント部材300の構成を概略的に示す断面図である。例えば、図4は、図3のA2-A2’線に沿った断面図であり得る。
【0059】
図3及び図4を参照すると、前記ベント部材300は、ベントガスが流入し、内部空間を流れ、外部に排出されるように構成され得る。特に、ベント部材300は、図4のVで示すように、内部に空き空間を有して形成され得る。そして、このような空き空間がベント流路として機能することができる。したがって、パウチ型セル100からベントガスが排出されると、ベントガスは、ベント部材300のベント流路Vを通って流れ、外部に排出され得る。より具体的には、図3を参照すると、パウチ型セル100から排出されたベントガスは、矢印B1で示すように、ベント部材300の内部空間、すなわちベント流路Vに流入し得る。そして、ベント部材300の内部に流入したベントガスは、矢印B2で示すように、ベント流路Vに沿って流れ、矢印B3で示すように、ベント流路Vの外部に排出され得る。
【0060】
本発明のこのような実施構成によれば、熱暴走の伝播を効果的に防止することができる。例えば、ベント部材300に隣接して配置されたパウチ型セル100で熱暴走状況が発生し、ベントガスや熱、火炎等が生成された場合、ベントガスや火炎等は、ベント部材300の内部に流入し、所定の経路に沿って外部に排出され得る。したがって、ベントガスや火炎等が他の正常なパウチ型セル100に向かうことを遮断または抑制することができる。したがって、この場合には、セル間での熱暴走伝播などの発生や拡大を防止することができる。
【0061】
さらに、本発明の一側面によれば、一般的なバッテリーモジュールよりも少ない個数のパウチ型セル100がユニットケースの内部に含まれてセルユニットを構成することができる。したがって、バッテリーパック等に含まれる複数のバッテリーセル(パウチ型セル)に対して、小規模な単位でセルを保護することができる。特に、異なるセルユニットに含まれるパウチ型セル100間での熱暴走伝播をより効果的に防止することができる。
【0062】
また、上記実施構成によれば、ベントガスや火炎等の排出を制御することができる。特に、上記実施構成では、ベントガスを迅速に排出しつつ、その方向を適切に誘導するという効果的な方向性ベントを実現することができる。したがって、上記実施構成では、パウチ型セル100を含む上位構成、例えばセルユニット、バッテリーモジュール、バッテリーパック等の爆発を防止し、セル間やモジュール間の熱や火炎の伝播等を抑制することができる。
【0063】
このような熱や火炎の遮断などの効果を確実にするために、ベント部材300は、パウチ型セル100を水平方向に完全にカバーするために、パウチ型セル100よりも大きな面積を有し得る。例えば、ベント部材300は、上下方向においてパウチ型セル100よりも高く、前後方向においてパウチ型セル100よりも長く形成され得る。
【0064】
前記ベント部材300は、熱、ガス、火炎等に曝される可能性があるため、耐熱性に優れた材質で構成され得る。また、前記ベント部材300は、優れた冷却性を確保するために、熱伝導性の高い材質で構成され得る。さらに、前記ベント部材300は、成形性又は加工性、組立性、剛性などに優れた材質から構成され得る。例えば、ベント部材300は、アルミニウム、スチール、ステンレス鋼(SUS)等の金属材料、マイカ(mica)等のセラミック材料、または高耐熱性ポリマー材料などを含み得る。ただし、本発明は、必ずしもこのようなベント部材300の特定の材質に限定されるものではない。
【0065】
前記ユニットケース200は、図1及び図2に示すように、下ケース210と上ケース220を備え得る。
【0066】
ここで、下ケース210は、パウチ型セル100の収容空間を形成する形態に構成され得る。特に、下ケース210は、図1に示すように、板状部材が折り曲げ状に構成され得る。例えば、下ケース210は、アルミニウム板をU字状に折り曲げて形成され得る。下ケース210がU字状に形成された場合、下ケース210は、Uフレームと呼ばれることもある。さらに、下ケース210は、中央部が底部を構成し、左端部及び右端部がそれぞれ垂直に折り曲げられて左壁部及び右壁部を構成すると言える。このとき、下ケース210は、上端部、前端部及び後端部が開放され得る。
【0067】
上ケース220は、下ケース210の上端開口部に結合され得る。特に、上記実施形態のように、下ケース210を、板状部材が折り曲げられた形態に構成した場合、下ケース210は、上端開口部、前端開口部及び後端開口部を有するといえる。この場合、上ケース220は、下ケース210に形成された上端開口部に結合されて、上端開口部をカバーするかまたは密閉する形態に形成され得る。特に、上ケース220は、図1に示すように、板状(プレート状)に形成され得る。例えば、上ケース220は、アルミニウム板材であり得る。
【0068】
本発明のこのような実施構成によれば、ユニットケース200は、簡単な構造で製造が容易であり得る。また、この場合、ユニットケース200は、重量が軽く、厚さが薄くてもよい。したがって、バッテリーパックやバッテリーモジュールなどの軽量化及びエネルギー密度の向上に有利である。また、この場合、パウチ型セル100を保護する構造を簡素な構造で実現することができる。
【0069】
上記実施構成において、ユニットケース200は、エンドケース230をさらに含み得る。
【0070】
エンドケース230は、下ケース210の前端開口部または後端開口部にそれぞれ結合され得る。特に、下ケース210が前端開口部及び後端開口部の両方を有する場合、一つのセルユニットは2つのエンドケース230を備え得る。この場合、前端開口部に結合されたエンドケース230を前端ケースと呼び、後端開口部に結合されたエンドケース230を後端ケースと呼び得る。また、エンドケース230をまた板状に構成し得る。この場合、エンドケース230をエンドプレートと呼び得る。さらに、エンドケース230は、アルミニウムなどの金属材質で構成され得る。
【0071】
本発明のこのような実施構成によれば、内部に収容された一つ以上のパウチ型セル100を保護するための構成を、簡単なケース構造で実現することができる。特に、上記実施構成によれば、内部に収容されたパウチ型セル100に対して、上下前後左右の全方向をカバーする構成を容易に実現することができる。
【0072】
上述したように、一つのユニットケース200が複数のサブ構成要素を含む場合、各サブ構成要素を互いに溶接して結合することができる。例えば、下ケース210と上ケース220とは、エッジ、すなわち、縁部が互いに溶接されて接合部を形成し得る。また、エンドケース230は、縁部が下ケース210及び上ケース220と溶接されて接合部を形成し得る。特に、各サブ構成要素間の接合部は直線状に形成され得るので、溶接部もまた直線状に形成され得る。
【0073】
ここで、溶接される各サブ構成要素は、同じ材質から作られ得る。例えば、下ケース210、上ケース220及びエンドケース230は、アルミニウム製であり得る。このような実施構成によれば、複数のサブ構成要素間の溶接性を向上させることができる。したがって、ユニットケース200の結合力を安定的に確保し、ユニットケース200の組立性をも向上することができる。
【0074】
本発明によるセルユニットは、バスバーアセンブリ400をさらに含み得る。
【0075】
前記バスバーアセンブリ400は、ユニットケース200の内部空間に収容されたパウチ型セル100の電極リード101と電気的に接続され得る。特に、セルユニットに複数のパウチ型セル100が収容されている場合、バスバーアセンブリ400は、複数のパウチ型セル100の間を電気的に直列及び/又は並列に接続することができる。また、バスバーアセンブリ400は、複数のパウチ型セル100の電極リード101と接続されて、複数のパウチ型セル100の間を構造的に固定する役割を果たすこともできる。
【0076】
バスバーアセンブリ400は、電極リード101との接続のために、パウチ型セル100における、電極リード101が位置する部分(箇所)に設けられ得る。例えば、図1の実施構成を参照すると、パウチ型セル100の電極リード101が前方及び後方に突出しているので、バスバーアセンブリ400は、パウチ型セル100の前方側及び後方側にそれぞれ位置し得る。特に、バスバーアセンブリ400は、図1に示すように、一つのセルユニットに複数含まれ得る。さらに、左右方向(X軸方向)に積層されたセル積層体が前後方向(Y軸方向)に複数列配置された場合、各セル列の前後の両端に2つのバスバーアセンブリ400が位置し得る。したがって、セル積層体が2列に配置されている場合、前後方向には4つのバスバーアセンブリが配置され得る。
【0077】
前記バスバーアセンブリ400は、バスバー端子410及びバスバーフレーム420を備え得る。
【0078】
ここで、バスバー端子410は、銅やアルミニウムなどの導電性(電気伝導性)金属材質から構成され得る。例えば、バスバー端子410は、銅製のバー(bar)の形状に形成され得る。バスバー端子410は、パウチ型セル100とセルユニットの内部又は外部との間の電気的接続を可能にすることができる。さらに、バスバー端子410は電極リード101と直接接触固定され得る。このとき、接触固定状態を維持するために、バスバー端子410と電極リード101とは互いに溶接され得る。
【0079】
バスバーフレーム420は、バスバー端子410を支持するための構成要素であって、電極リード101やバスバー端子410との絶縁のために、電気絶縁性材質から構成され得る。例えば、バスバーフレーム420をプラスチック材質から構成し得る。バスバーフレーム420は、略板状に構成され得る。特に、バスバーフレーム420は、図1に示すように、2つの幅広面が前後方向(Y軸方向)、すなわち、パウチ型セル100またはその積層体を向くように垂直方向に立設された形態に構成され得る。一方、パウチ型セル100の2つの幅広面が左右方向を向くように立設された場合、バスバーフレーム420は、2つの幅広面が略前後方向を向くように立設され得る。この場合、パウチ型セル100とバスバーフレーム420とは互いに略直交する形態にそれぞれ立設されていると言える。
【0080】
バスバーアセンブリ400の一部、特にバスバー端子410は、ユニットケース200の外部に露出しており、セルユニットの端子として機能することができる。例えば、図1において中央に位置するバスバーアセンブリ400のバスバー端子410は、上端部がユニットケース200を貫通して外部に露出していてもよい。このために、ユニットケース200、例えば上ケース220に、H1で示すように、端子孔を形成し得る。そして、図2のEで示すように、ユニットケース200の端子孔H1を貫通して外部に露出した、バスバー端子410の一部は、ユニット端子として機能することができる。さらに、ユニット端子Eは、一つのセルユニットに少なくとも2つ設けられ、それぞれ正極端子と負極端子として機能することができる。このようなユニット端子Eにより、一つのセルユニットと外部の他の構成要素とを電気的に接続することができる。例えば、セルユニットは、ユニット端子Eを介して他のセルユニットと電気的に接続され得る。この場合、ユニット端子Eには別個の接続部材が設けられることで、セルユニット間が電気的に直列及び/又は並列に接続され得る。また、ユニット端子Eは、セルユニットを含むバッテリーモジュールやバッテリーパックの端子と接続され、充放電電力の授受が行われるようにしてもよい。
【0081】
本発明のこのような実施構成によれば、セルユニットの電気的接続構造を簡単な形態に実現することができる。
【0082】
上記実施構成において、バスバーフレーム420は、パウチ型セル100とエンドケース230との間に位置し得る。さらに、セルユニットには、複数のパウチ型セル100が所定の方向、例えば左右方向(X軸方向)に積層されてセルアレイが形成され得る。このとき、バスバーフレーム420は、セルアレイの前方側または後方側を全体的にカバーする面積を有するように構成され得る。または、バスバーフレーム420は、エンドケース230と類似の形状及び大きさに形成され、エンドケース230の内側を全体的にカバーするように構成され得る。
【0083】
さらに、バスバーフレーム420は、下ケース210と上ケース220とによって形成される内部空間に収容されるが、その端部が下ケース210及び上ケース220の内面と接触するように構成され得る。例えば、図1の実施構成において、バスバーフレーム420は、略上下方向に立設された板状に形成されるが、下端縁及び左右端縁は、U形フレーム状の下ケース210の内面に連続して接触するように構成され得る。そして、バスバーフレーム420の上端縁は、上ケース220の内面、すなわち下面に連続して接触するように構成され得る。
【0084】
本発明のこのような実施構成によれば、バスバーフレーム420とユニットケース200との間の結合性をより安定的に確保することができる。また、この場合、バスバーフレーム420とユニットケース200との間を密閉することにより、パウチ型セル100から発生したベントガスや火炎等がエンドケース230側に漏れるのを防止することができる。
【0085】
一方、本発明によるセルユニットでは、ユニット端子Eの位置や形状、ユニット端子Eが設けられる部分の構造を多様に構成することができる。これについては、図5図7を参照してより詳細に説明する。
【0086】
図5及び図6は、本発明の異なる実施形態によるセルユニットの構成を概略的に示す斜視図である。また、図7は、本発明のさらに他の実施形態によるセルユニットの一部についての構成を概略的に示す側面図である。例えば、図7は、図5の構成の変形例であり、矢印B4方向から見た形態を概略的に示す図といえる。
【0087】
まず、図5を参照すると、ユニット端子Eは、ユニットケース200の凹部に設けられ得る。例えば、上ケース220の中央部分には、G1で示すように、下方向に凹んだ凹部が形成され得る。このとき、凹部G1は、上側及び左側が開放された形態に構成され得る。そして、ユニット端子Eは、このような上ケース220の凹部G1に位置し得る。
【0088】
このような実施構成によれば、ユニット端子Eがユニットケース200から外側に突出する程度を低減するかまたはなくすことができる。例えば、ユニット端子Eを上ケース220の凹部G1に形成することで、上方向に突出する程度を低減するまたはなくすことができる。
【0089】
本発明のこのような実施構成によれば、ユニット端子Eが外部からの衝撃や異物等に晒されることを低減して、ユニット端子Eの保護性能を向上させることができる。
【0090】
また、本発明によるセルユニットは、図5に示すように、端子カバー900をさらに含み得る。前記端子カバー900は、ユニット端子Eの外側を囲む形態に構成され得る。例えば、端子カバー900は、上ケース220に位置するユニット端子Eの上側及び/又は左側をカバーする形態に構成され得る。
【0091】
また、前記端子カバー900は、ユニットケース200と結合するための結合構造を有し得る。例えば、前記端子カバー900は、ユニットケース200に挿入締結され得る。より具体的な例として、図5の実施構成を参照すると、前記端子カバー900は、D1で示すように、下方向に突出する締結突起が形成され得る。そして、上ケース220には、D2で示すように、端子カバー900の締結突起D1に対応する締結孔が形成され得る。
【0092】
このような構成において、端子カバー900の締結突起D1を上ケース220の締結孔D2に挿入締結することにより、端子カバー900を上ケース220と結合させることができる。
【0093】
特に、上述したように、端子カバー900が結合されるユニットケース200、例えば上ケース220に凹部G1が形成され、そのような凹部G1にユニット端子Eが位置する場合、端子カバー900の結合構成をより容易に実現することができる。さらに、端子カバー900は、平坦な外面を有し、この外面がユニットケース200の外面と略平行な形態、さらにはほぼ同一平面上に位置するように構成され得る。
【0094】
本発明のこのような実施構成によれば、ユニット端子Eはもとより、端子カバー900をも、ユニットケース200、例えば上ケース220から外側にあまり突出しないようにすることができる。また、このような実施構成の場合、端子カバー900の構造を単純化することができるので、端子カバー900の製造及び組み立てが容易になる可能性がある。
【0095】
次に、ユニット端子Eは、図6に示すように、セルユニットの長手方向の端部側に位置することもできる。すなわち、図2及び図5の実施構成では、ユニット端子Eが、セルユニットの長手方向である前後方向(Y軸方向)の略中央部に位置するのに対し、図6の実施構成では、ユニット端子Eがセルユニットの長手方向の端部、特に前方側端部に位置している。
【0096】
本発明のこのような実施構成によれば、ユニット端子Eがセルユニットの角部に位置しているので、ユニット端子Eの接続構成をより容易に実現することができる。特に、セルユニットは複数積層される場合があり、この場合、積層方向はセルユニットの長手方向と直交する方向となる可能性が高い。この場合、図6に示すように、ユニット端子Eがセルユニットの前方側端部等の長手方向の端部に位置する場合、ユニット端子E同士の接続工程をより容易に行うことができる。
【0097】
次に、図7の実施構成を参照すると、図5の実施構成と同様に、ユニット端子Eは、G1’で示すような凹部に設けられ得る。ただし、図7の実施構成では、図5の実施構成とは異なり、ユニット端子Eは、凹部G1’の底面ではなく、凹部G1’の側面に位置し得る。
【0098】
より具体的には、凹部G1’は、上ケース220に設けられており、下方向に凹状に構成され、G11で示す底面と、G12で示す側面とを有し得る。このとき、ユニット端子Eは、凹部G1’の側面G12に位置し得る。特に、凹部G1’の側面G12は、傾斜して形成され得る。すなわち、凹部G1’の側面G12は、底面G11に対して垂直ではなく、鋭角または鈍角を有するように形成され得る。この場合、凹部G1’の側面G12は、傾斜面であり得る。このような構成において、ユニット端子Eは、凹部G1’の傾斜面に位置し得る。
【0099】
本発明のこのような実施構成によれば、ユニット端子Eの長さを短くすることなく、ユニット端子Eの外側への突出高さを低減することができる。したがって、ユニット端子Eの外部への露出をより効果的に抑制することができる。さらに、この場合、ユニット端子Eが位置する凹部G1’の深さを深くしなくてもよい。したがって、凹部G1’の形成によるユニットケース200の内部空間の縮小を最小限に抑えることができる。したがって、セルユニットのエネルギー密度を向上させることができ、パウチ型セル100やバスバーアセンブリ400などのユニットケース200内部の構成要素とユニットケース200との間の干渉を低減することができる。
【0100】
図2図5図7の複数の実施形態では、ユニット端子Eが上ケース220に位置する実施形態のみが示されているが、ユニット端子Eは、上ケース220以外の部分に位置することもできる。例えば、ユニット端子Eは、エンドケース230側に位置することもできる。
【0101】
一方、バスバーアセンブリ400は、端子シール部材430を備え得る。これについては、図8を参照してより詳細に説明する。
【0102】
図8は、本発明の一実施形態によるセルユニットの一部の構成を概略的に示す拡大斜視図である。例えば、図8は、図1の部分A4の拡大構成を示すものであり得る。
【0103】
図1及び図8を参照すると、バスバーアセンブリ400において、ユニット端子Eを構成するバスバー端子410の周囲の一部を囲む形態の端子シール部材430が設けられ得る。特に、端子シール部材430は、バスバー端子410の外周面に密着しつつユニットケース200の端子孔H1を密閉するように構成され得る。すなわち、端子シール部材430は、端子孔H1に対してバスバー端子410が占める部分を除く残りの部分を密閉し得る。端子シール部材430は、弾性、電気的絶縁性などを有する材質から構成され得る。例えば、端子シール部材430は、シリコンまたはゴム材質から構成され得る。また、端子シール部材430は、耐熱性を向上させるための材質を含み得る。例えば、端子シール部材430は、シリコン材質の外面に耐熱性セラミックコーティング層を有する形態に構成され得る。
【0104】
本発明のこのような実施構成によれば、熱暴走等の状況で発生するベントガス等がユニット端子E側から漏れていくことを防止することができる。したがって、この場合には、より効果的なベントの制御が可能となり得る。
【0105】
本発明によるセルユニットは、図1に示すように、絶縁カバー500をさらに含み得る。前記絶縁カバー500は、ゴム、プラスチック、セラミックなどの電気的絶縁性材質から構成され得る。特に、絶縁カバー500は、パウチ型セル100とエンドケース230との間に介在し得る。さらに、パウチ型セル100の電極リード101側には、バスバーアセンブリ400が設けられ得るので、このようなバスバーアセンブリ400とエンドケース230との間に絶縁カバー500が介在するとも言える。
【0106】
このような実施構成によれば、エンドケース230がアルミニウム等の導電性材質から構成されていても、エンドケース230と電極リード101との間の絶縁性を確保することができる。また、上記実施構成によれば、絶縁カバー500がエンドケース230側に位置しているので、ベントガス等がエンドケース230側から流出することを抑制することができる。このため、絶縁カバー500をエンドケース230と類似の大きさや形状に構成し得る。
【0107】
また、本発明によるセルユニットは、図1及び図2に示すように、コネクタ600をさらに含み得る。
【0108】
前記コネクタ600は、セルユニットの一側に設けられ、セルユニットと外部構成要素との間で信号又はデータを送信及び/又は受信するように構成され得る。例えば、コネクタ600は、セルユニットの内部に含まれる1つ以上のパウチ型セル100の電気的特性、例えば電圧や電流に関する情報を伝達するように設けられ得る。他の例として、コネクタ600は、セルユニットの内部と外部の温度測定情報を外部に伝達するように設けられ得る。この場合、セルユニットは、温度センサーを別途に含み得る。例えば、コネクタ600は、ユニットケース200の内部空間に設けられたサーミスタによって測定された温度情報を外部の他の構成要素に伝達するための経路であり得る。特に、前記コネクタ600は、セルユニットの外部に位置するバッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)などの制御ユニットと接続ケーブルなどによって接続され得る。この場合、セルユニットの情報は、コネクタ600を介してBMSに送信され得る。
【0109】
上記のようにコネクタ600を備えた実施構成において、コネクタ600は、ユニットケース200の外部に露出する可能性がある。このため、ユニットケース200、例えばエンドケース230には、図1のH2で示すように、コネクタ600を貫通させるための接続孔(connecting hole)が形成され得る。また、エンドケース230の内側に絶縁カバー500が位置している場合、絶縁カバー500にも、図1のH2’で示すように、接続孔H2に対応する位置及び形状の他の接続孔、すなわち絶縁接続孔が形成され得る。この場合、ユニットケース200の内側に位置するコネクタ600は、絶縁接続孔H2’及び接続孔H2を順次貫通してユニットケース200の外部に露出する可能性がある。
【0110】
また、上記実施構成において、コネクタ600が貫通する絶縁接続孔H2’及び接続孔H2には、ベントガス等の流出をより確実に防止するために、接続シール部材が設けられ得る。
【0111】
さらに、本発明によるセルユニットは、図1に示すように、パッド部材710をさらに含み得る。
【0112】
前記パッド部材710は、板状に構成されており、セルユニットの幅広面と下ケース210との間に介在し得る。さらに、パッド部材710は、上下方向に立設されており、パウチ型セル100と並列した形態に配置され得る。特に、ユニットケース200の内部空間には、複数のパウチ型セル100が左右方向に積層され得る。このとき、最外側のセルと下ケース210の側壁の内面との間にパッド部材710が介在し得る。
【0113】
前記パッド部材710は、略板状に構成されていてもよいが、パウチ型セル100の外面がユニットケース200の内面に直接接触することを防止するために、一定以上の厚さを有していてもよい。さらに、パッド部材710は、パウチ型セル100のスウェリング(膨潤)を吸収するように構成され得る。また、パッド部材710は、弾性及び/又は電気的絶縁性を有する材質からなり得る。例えば、パッド部材710は、ポリウレタン材質から構成され得る。
【0114】
本発明のこのような実施構成によれば、パウチ型セル100でスウェリングが発生しても、スウェリングをパッド部材710が吸収することにより、パウチ型セル100やユニットケース200の損傷や破損、変形等を防止することができる。また、上記実施構成によれば、ユニットケース200がアルミニウム等の導電性材質からなる場合であっても、パウチ型セル100とユニットケース200との間の電気的絶縁性を確保することができる。
【0115】
また、本発明によるセルユニットは、図1に示すように、シート部材720をさらに含み得る。
【0116】
前記シート部材720は、パッド部材710と同様に板状に構成されていてもよいが、パッド部材710よりも厚さが薄くてもよい。また、シート部材720は、立設形態でパウチ型セル100と並列に配置され得る。特に、シート部材720は、パウチ型セル100とベント部材300との間に介在し得る。そして、シート部材720は、パウチ型セル100がベント部材300に直接接触するのを防止することができる。さらに、シート部材720は、電気的絶縁性材質からなり得る。
【0117】
本発明のこのような実施構成によれば、ベント部材300がアルミニウム等の導電性材質から構成されていても、パウチ型セル100とベント部材300との間の電気的絶縁性を安定的に確保することができる。
【0118】
前記ベント部材300は、板状に構成され得る。この場合、ベント部材300は、2つの幅広面を有すると言える。例えば、図1及び図3に示すように、ベント部材300は、立設された板状に構成され得る。このとき、ベント部材300の2つの幅広面は、水平方向、例えば左右方向(X軸方向)を向くように構成されていると言える。
【0119】
そして、ベント部材300は、隣接するパウチ型セル100に対面して配置されるように構成され得る。すなわち、ベント部材300は、2つの幅広面のうちの少なくとも一方の面がパウチ型セル100の幅広面と対向するように配置され得る。例えば、パウチ型セル100は、両表面が左右方向を向くようにベント部材300が立設されている状態でベント部材300の左側及び/又は右側に配置され得る。特に、パウチ型セル100は、収容部の幅広面が左右方向を向くように立設されている状態で、ベント部材300に隣接して配置され得る。
【0120】
本発明のこのような実施構成によれば、一つ以上のパウチ型セル100とベント部材300とを積層して積層体を形成する場合に、ベント部材300によるベントの制御を効果的に行いながらも、積層体の厚さが厚くならないようにすることができる。すなわち、上記実施構成の場合、セルユニットの全体のサイズが大きくなることなく、デッドスペースを減らし、セルユニットのエネルギー密度をさらに向上させることができる。
【0121】
また、このような実施構成によれば、パウチ型セル100とベント部材300との間の距離を短く構成できるので、パウチ型セル100から排出されたベントガス等を、ベント部材300を介して外部に迅速に排出することができる。また、上記実施構成によれば、ベント部材300の幅を小さくしながらも、隣接して配置されたパウチ型セル100への熱や火炎を遮断する効果を良好に得ることができる。
【0122】
前記ベント部材300は、ユニットケース200の内面と接触するように構成され得る。例えば、ベント部材300は、上下端部が上ケース220の下面及び下ケース210の上面に連続して接触するように構成され得る。また、ベント部材300は、前後端部がエンドケース230やバスバーアセンブリ400の内面に接触するように構成され得る。
【0123】
本発明のこのような実施構成によれば、ベント部材300とユニットケース200またはバスバーアセンブリ400との間の隙間からベントガスや火炎等が漏れるのを防止することができる。したがって、ベントガスの制御効果や熱・火炎等の遮断効果をさらに向上させることができる。
【0124】
特に、一つのパウチ型セル100を基準にして、一方の側にはベント部材300が位置し、他方の側にはユニットケース200が位置し得る。例えば、ベント部材300の右側に位置するパウチ型セル100の場合、左側にはベント部材300が位置し、右側にはユニットケース200が位置し得る。この場合、パウチ型セル100の左側と右側は、それぞれベント部材300とユニットケース200によって遮断され、熱及び火炎等の伝播が抑制され得る。
【0125】
さらに、ベント部材300は、他の部分よりも幅の広い上端部及び/又は下端部を有するように形成され得る。
【0126】
例えば、図4のA8で示すように、ベント部材300の上端部は、他の部分よりも左右方向に広い幅を有するように拡張され得る。そして、このようにベント部材300の上端部に形成された拡張部は、ユニットケース200の内面、例えば、上ケース220の下面に密着固定され得る。
【0127】
本発明のこのような実施形態によれば、ベント部材300をユニットケース200の内部空間に安定的に固定することができる。特に、ベント部材300を板状に構成してユニットケース200の内部空間に起立状態で配置した場合、上端部の拡張構成A8により、ベント部材300は左右に傾くことなく、地面に対して垂直な方向に正確に起立することができる。したがって、セルユニットの構造的安定性及び組立性を向上させることができる。また、上記実施構成によれば、ベントガス等が発生した状況において、ベント部材300側に圧力が加わっても、ベント部材300が押されたり変形したりすることを最小限に抑えることができる。
【0128】
特に、ベント部材300の拡張部は、両端部が他の部分よりも外方、例えば上方向に突出するように構成され得る。例えば、図4の部分A8に示すように、ベント部材300の拡張部は、左右両端が上方向に突出するように構成され得る。この場合、組立公差などに起因してベント部材300の起立状態が左右に傾くことをより効果的に防止することができる。
【0129】
前記ユニットケース200の内部空間には、複数のパウチ型セル100が収容され得る。例えば、図1に示す構成を参照すると、ユニットケース200の内部空間には、4つのパウチ型セル100が左右方向(X軸方向)に積層され得る。この場合、各パウチ型セル100は、収容部の幅広面がそれぞれ左右方向を向くように上下方向に立設された状態で、幅広面が互いに対面するように左右方向に並んで配置され得る。
【0130】
このような実施構成において、ベント部材300は、隣接するパウチ型セル100の間に介在し得る。例えば、図1の実施形態に示すように、ベント部材300は、左右方向に積層された4つのパウチ型セル100のうち、中央に位置する2つのパウチ型セル100の間にのみベント部材300が介在し得る。このとき、ベント部材300の左側には2つのパウチ型セル100が積層され、ベント部材300の右側には他の2つのパウチ型セル100が積層される。ただし、ベント部材300は、左右方向に積層された全てのパウチ型セル100の間に介在することもできる。
【0131】
この場合、ベント部材300は、ベントガスを流入させるための開口部が両側にそれぞれ位置し得る。例えば、ベント部材300は、左側面と右側面とを有するように立設された板状に構成された場合には、左側面と右側面とにそれぞれ流入口Iが形成され得る。
【0132】
本発明のこのような実施構成によれば、より効率的なベントの制御及び熱・火炎の遮断効果を達成することができる。すなわち、一つのベント部材300が、両側に位置する複数の異なるパウチ型セル100を一緒にベントする役割を担うことができる。また、ベント部材300は、両側に位置する異なるパウチ型セル100の間での熱、ガス、火炎等の相互伝達を防止または抑制することができる。
【0133】
図9は、本発明の一実施形態によるセルユニットに含まれるベント部材300を下方から見た形態を示す斜視図である。また、図10は、図9の部分A5の拡大図である。
【0134】
上記の複数の図と共に図9及び図10をさらに参照すると、前記ベント部材300は、Iで示す流入口と、及びOで示す流出口とを有し得る。このような流入口I及び流出口Oは、ベント部材300の内部空間、すなわちベント流路Vと連通するように構成され得る。この場合、流入口Iと流出口Oは、互いに異なる位置に設けられ、互いに異なる部分でベント流路Vを開放する形態に構成され得る。
【0135】
流入口Iは、ベント部材300において、パウチ型セル100と対面する側面に形成され得る。例えば、ベント部材300は、立設された板状に構成され、左平面と右平面とがパウチ型セル100を向くように配置され得る。このとき、流入口Iは、ベント部材300において、パウチ型セル100と対面する表面、すなわち、左平面及び右平面にそれぞれ形成され得る。
【0136】
また、流出口Oは、ベント部材300において、パウチ型セル100と対面していない側面に形成され得る。例えば、ベント部材300の左側と右側にパウチ型セル100がそれぞれ配置されている場合、流出口Oは、ベント部材300の左右以外の他の側部に設けられ得る。より具体的な例として、流出口Oは、図3及び図10などに示すように、ベント部材300の下縁部分に設けられ得る。
【0137】
流入口Iは、パウチ型セル100側から発生するベントガスや火炎等がベント流路V内部に流入するように構成され得る。したがって、流入口Iは、パウチ型セル100が位置するユニットケース200の内部空間側に露出していてもよく、ユニットケース200の外部空間には露出していなくてもよい。すなわち、流入口Iは、図2に示すように、セルユニットが組み立てられた状態では外部に露出しないようにしてもよい。
【0138】
さらに、流出口Oは、ベント流路Vの内部を流れるベントガスや火炎等が外部に排出されるように構成され得る。したがって、流出口Oは、ユニットケース200の外部空間に露出し得る。これについては、図11及び図12を参照してより詳細に説明する。
【0139】
図11は、本発明の一実施形態によるセルユニットの構成を下方から見た形態を示す斜視図である。また、図12は、図11の部分A6の拡大図である。
【0140】
図11及び図12を参照すると、ユニットケース200は、内部空間を限定して、内部空間に収容されたパウチ型セル100及びベント部材300の大部分が外部に露出しないように構成され得る。ただし、ユニットケース200の一側、例えば下ケース210の底部には、図12のH3で示すように、内部空間を開放する形態のベント孔が設けられ得る。すなわち、ユニットケース200は、ベント部材300の流出口Oに対応する位置にベント孔H3が形成され得る。さらに、ユニットケース200は、パウチ型セル100及びベント部材300が収容された内部空間を、ベント孔H3を除いて完全に囲み、特に内部空間を密閉するように構成され得る。
【0141】
さらに、ベント孔H3は、図10に示すように、ベント部材300の流出口Oと連通し得る。すなわち、ユニットケース200のベント孔H3を介して、ベント部材300の流出口Oが外部に露出し得る。なお、ユニットケース200の内部において、ベント部材300の流出口O以外の他の部分、例えばパウチ型セル100などは、このようなベント孔H3を通じて露出しないようにしてもよい。
【0142】
本発明のこのような実施構成によれば、ベント部材300の内部空間、すなわちベント流路Vに流入したベントガス等を、流出口O及びベント孔H3を介してユニットケース200の外部に排出することができる。すなわち、図3の矢印で示すように、ベント部材300を介してベントガスを排出する構成を容易に実現することができる。特に、上記実施構成によれば、パウチ型セル100側から噴出されたベントガスや火炎等を速やかにベント部材300に流入させることができる。したがって、セルユニット内部でベントガスが発生した場合に、速やかに内圧を低下させて爆発などを防止することができる。また、セルユニット内部の熱も外部に排出することができ、熱暴走の促進や火災の危険性などを低減することができる。
【0143】
また、上記実施構成によれば、パウチ型セル100から排出されたベントガスや火炎等を、ベント部材300を介してユニットケース200の外部に直接排出することができる。したがって、ユニットケース200内部に含まれる他のパウチ型セル100が、ベントガスや火炎等に接触したり、影響を受けたりすることを防止または最小限に抑えることができる。
【0144】
図13は、本発明の他の実施形態によるセルユニットの構成を概略的に示す上部断面図である。
【0145】
図13を参照すると、前記ベント部材300は、ユニットケース200の内面に取り付けられ得る。より具体的には、ユニットケース200の内部には、1つ以上のパウチ型セル100が前後方向(Y軸方向)に長く立設された形態に配置され得る。さらに、図13の実施構成では、複数のパウチ型セル100が左右方向(X軸方向)及び前後方向(Y軸方向)に配置されてセルアレイを構成する。
【0146】
この場合、ベント部材300は、ユニットケース200の内面に取り付けられ得る。すなわち、ベント部材300は、ユニットケース200とパウチ型セル100との間に介在し得る。さらに、パウチ型セル100が垂直方向に立設された姿勢でユニットケース200の内部に収容された場合、ベント部材300も立設された姿勢でユニットケース200の内面に取り付けられ得る。このような実施構成では、ベント部材300の流入口Iは、一つの平面のみに形成され得る。例えば、ユニットケース200の左側壁の内面に取り付けられたベント部材300の場合、流入口Iは、パウチ型セル100と対面する右側平面にのみ形成され、ユニットケース200と対面する左側平面には形成されないことがある。
【0147】
本発明のこのような実施構成によれば、ユニットケース200の内側にベント部材300が設けられているので、ベントガスや火炎、熱等からユニットケース200を保護するのに有利であり、外部から衝撃等からパウチ型セル100をより効果的に保護することが可能となる。また、上記実施構成によれば、ベントガスや火炎、熱等がユニットケース200側へ直接移動することを、ベント部材300が遮断することにより、ベントガスや火炎等がユニットケース200の隙間など、意図しない方向に排出されたり移動したりすることをより効果的に防止することができる。したがって、上記実施構成の場合、熱の伝播を抑制する効果をさらに向上させることができる。また、上記実施構成によれば、複数のパウチ型セル100を積層する際に、ベント部材300を介在させなくてもよい。したがって、セルアレイの組み立てがより容易になり得る。
【0148】
さらに、前記ベント部材300は、ユニットケース200内に収容されたパウチ型セル100の両側にそれぞれ位置し得る。
【0149】
例えば、図13の実施構成を参照すると、ユニットケース200の内部には、複数のパウチ型セル100が左右方向(X軸方向)に積層され得る。そして、このようなセル積層体の左右外側にそれぞれベント部材300が位置し得る。図13において、左側に位置するベント部材300は300Lと表示され、右側に位置するベント部材300は300Rと表示されている。換言すれば、ベント部材300は、セルアレイの積層方向の両側にそれぞれ配置され得る。他の例では、ユニットケース200に1つのパウチ型セル100のみが収容された場合、1つのパウチ型セル100の左右の収容部の両側には、それぞれ異なるベント部材300が位置し得る。
【0150】
また、ユニットケース200には、前後方向、すなわちパウチ型セル100の長手方向にも複数のパウチ型セル100が配置され得る。例えば、図13の実施構成を参照すると、左右方向に積層されて形成されたセル積層体が、前後方向(Y軸方向)に複数列、例えば2列に配置され得る。このとき、1つのベント部材300は、異なるセル列の同じ側面の外側に位置し得る。例えば、図13の実施構成において、左側部材300Lが2つのセル列の左側に共通に配置され、右側部材300Rが2つのセル列の右側に共通に配置され得る。他の例では、各セル列に異なるベント部材300が配置されることもできる。
【0151】
本発明のこのような実施構成によれば、パウチ型セル100の両側外郭にベント部材300が配置されているので、ベント部材300によるベントの制御をより確実に行うことができる。また、ユニットケース200の意図しない部分へのベントガス等の漏れをより確実に防止することができる。さらに、パウチ型セル100の両側がいずれもベント部材300によって保護されるため、パウチ型セル100に対する保護効果をさらに向上させることができる。
【0152】
前記ベント部材300は、隣接するパウチ型セル100のテラス部と対面する部分に流入口Iが設けられ得る。これについては、図14及び図15を参照してより詳細に説明する。
【0153】
図14及び図15は、本発明の一実施形態によるセルユニットの一部の構成を異なる方向から見た形態を示す分解斜視図である。
【0154】
図14及び図15を参照すると、2つのパウチ型セル100の間に1つのベント部材300が介在している。より具体的には、ベント部材300の左側面に第1セルC1が対面して配置され、ベント部材300の右側面に第2セルC2が対面して配置され得る。ここで、パウチ型セル100の各々には、Tで示すように、テラス部が設けられ得る。テラス部Tは、パウチ型セル100において、収容部を囲むシール部のうち、電極リード101が突出した部分を示し得る。
【0155】
このような実施構成において、ベント部材300は、テラス部Tと対面する部分に流入口が形成され得る。例えば、図14を参照すると、ベント部材300は、第1セルC1のテラス部T11、T12に対向する左側平面の前後端部側に、I11及びI12で示す第1流入口が形成され得る。次に、図15を見ると、ベント部材300は、第2セルC2のテラス部T21、T22に対面する右側面前後端部側に、I21及びI22で示す第2流入口が形成され得る。
【0156】
本発明のこのような実施構成によれば、パウチ型セル100からベントガス等を排出する際に、ベント部材300の内部により迅速にベントガスを流入させることができる。すなわち、パウチ型バッテリーセルの場合、内圧が高くなると、電極リード101が位置するテラス部T側で破裂が生じやすくなる。特に、パウチ型セル100が立設された状態で水平方向に積層して配置される場合、体積減少等のためにパウチ型セル100の上部シール部及び下部シール部が折り畳まれることがある。そのため、パウチ型セル100でベントガスが噴出されるとき、ベントガスは、複数のシール部のうちテラス部T側から噴出される可能性が高い。このとき、テラス部Tに隣接して対面する部分にベント部材300の流入口Iが位置している場合には、テラス部Tから噴出されたベントガスが速やかにベント部材300の内部空間に流入することができる。また、この場合、ユニットケース200の内部空間において、ベント部材300以外の部分へのベントガスの流れを最大限に抑制することができ、ベントガスによる問題、例えば、ベントガスによってパウチ型セル100の他の部分が加熱されたり、他のパウチ型セル100が加熱されたりすることを防止することができる。
【0157】
前記ベント部材300には、1つのパウチ型セル100に対応して2つの流入口Iが形成され得る。例えば、図14を参照すると、第1セルC1に対応して2つの流入口、すなわち、第1前方流入口I11及び第1後方流入口I12が配置され得る。また、図15に示すように、第2セルC2に対応して、2つの流入口、すなわち、第2前方流入口I21及び第2後方流入口I22が配置され得る。
【0158】
さらに、一つのパウチ型セル100において、テラス部Tが2つ以上の部分に位置する場合には、流入口Iも複数形成され得る。特に、パウチ型セル100において、電極リード101が両方向、例えば前後方向にそれぞれ突設された場合には、テラス部Tは、パウチ型セル100の前方側と後方側にそれぞれ位置し得る。例えば、第1セルC1の場合、T11及びT12で示すように、前方側と後方側にそれぞれテラス部Tが設けられ得る。この場合、ベント部材300は、これら2つのテラス部T11、T12に対応して、左側面の前後方に、I11及びI12で示す2つの第1流入口を有し得る。また、ベント部材300は、第2セルC2の前方側テラス部T21及び後方側テラス部T22に対向するように、右側面の前後方に、I21及びI22で示す2つの第2流入口を有し得る。すなわち、ベント部材300は、パウチ型セル100の電極リード101が両端に位置する長手方向である前後方向に間隔を隔てて2つの流入口を有し得る。
【0159】
このように、1つのパウチ型セル100に対応して2つの流入口Iが形成されている実施構成において、流出口Oは、2つの流入口Iの間に形成され得る。例えば、図14の実施形態において、ベント部材300には、2つの第1流入口、すなわち第1前方流入口I11と第1後方流入口I12との間に流出口Oが形成され得る。特に、流出口Oは、ベント部材300における前後方向(Y軸方向)に間隔を隔てて配置された2つの第1流入口I11、I12の間の中央部分に位置し得る。そして、この流出口Oは、2つの第1流入口I11、I12と互いに連通されており、2つの第1流入口I11、I12を介してベント流路Vに流入した流体がベント部材300の外部に排出できるようにすることができる。
【0160】
また、図15の実施構成を参照すると、2つの第2流入口、すなわち、第2前方流入口I21と第2後方流入口I22との間に流出口Oが形成され得る。そして、このような流出口Oは、2つの第2流入口I21、I22と互いに連通されており、2つの第2流入口I21、I22を介してベント流路Vに流入した流体がベント部材300の外部に排出できるようにすることができる。
【0161】
さらに、一つの流出口Oは、第1流入口I11、I12と第2流入口I21、I22とに共通に連通され得る。すなわち、図14に示す流出口O、すなわち、第1流入口I11、I12に連通された流出口Oは、図15に示す第2流入口I21、I22に連通された流出口Oであり得る。
【0162】
このような実施構成において、流出口Oは、2つの流入口Iの間に位置しており、対応するパウチ型セル100の収容部、特に中央部分に位置していてもよい。この場合、ベントガスや火炎の排出時に、排出される部分が、各パウチ型セル100の電極リード101側から可能な限り遠くに位置し得る。特に、パウチ型セル100の電極リード101側には他のセルユニットが存在することがある。そこで、電極リード101から離れた部分にベントガスや火炎等を排出させることで、特定のセルユニットから噴出されるベントガスや火炎等による他のセルユニットへの影響を最小限に抑えることができる。したがって、この場合には、セルユニット間の熱暴走伝播等をより効果的に防止することができる。
【0163】
また、電極リード101が位置している側には、バスバー等の電気部品が配置されている場合があり、上記実施構成によれば、これらの電気部品の近傍にベントガスや火炎等が排出されることを防止することができる。したがって、ベントガスや火炎等による電気部品の損傷などを防ぐことができる。
【0164】
前記ベント部材300は、流入口Iに流入する流体の流れ方向と、ベント流路Vの内部を流れる流体の流れ方向とが、互いに直交するように構成され得る。
【0165】
例えば、図3を参照すると、流入口Iに流入するベントガスの流れ方向は、矢印B1で示すように、左右方向(X軸方向)であり得る。さらに、ベントガスは、流入口Iを介して流入すると、矢印B2で示すように、ベント流路V内部を前後方向(Y軸方向)に流れることができる。このとき、矢印B1方向と矢印B2方向は共に水平方向であるが、互いに直交する方向といえる。
【0166】
このような実施構成によれば、パウチ型セル100からのベントガスの噴出時に、ベントガスと共に噴出される火炎やスパーク、活物質粒子等の外部への排出を抑制することができる。特に、火炎やスパーク、活物質粒子等は、移動時の直進性が高い。このため、上記実施構成のように、その移動方向を垂直方向に切り替えることにより、その移動を抑制することができる。さらに、火炎やスパーク、活物質粒子等がユニットケース200外部に排出された場合、周辺の他の構成要素、例えば他のセルユニット等に向けられ、外部への熱暴走や発火の要因となるおそれがある。しかしながら、上記実施構成では、このような火炎やスパーク、活物質粒子等の外部への排出を抑制することにより、このような熱暴走や発火の要因を遮断することができる。
【0167】
また、前記ベント部材300は、ベント流路V内を流れる流体の流れ方向と、流出口Oから流出する流体の流れ方向とが、互いに直交するように構成され得る。
【0168】
例えば、図3を参照すると、ベント流路V内部を矢印B2で示す前後方向(Y軸方向)に流れるベントガス等は、ベント部材300の流出口O側において矢印B3で示す上下方向(Z軸方向)の流れ方向に切り替えられ得る。さらに、この場合にも、流入口Iに流入する流体の流れ方向と、流出口Oに流出する流体の流れ方向とが、互いに直交する方向になり得る。
【0169】
このような実施構成によれば、上記のようにスパークや火炎等の排出経路を垂直方向に切り替えることにより、火炎や火花等の外部への排出を抑制し、これにより外部への熱暴走や発火の要因をより確実に遮断することができる。
【0170】
図16は、本発明の一実施形態によるベント部材300の構成を概略的に示す分解斜視図である。また、図17は、本発明の一実施形態によるベント部材300の内部構成を概略的に示す図である。例えば、図16及び図17は、図14及び図15の実施形態で説明したベント部材300であり得る。
【0171】
図16図4と共に参照すると、ベント部材300は、略立設された板状に構成されており、より具体的には、第1ベント板310と第2ベント板320とを備え得る。すなわち、ベント部材300は、それぞれ立設状に形成され、左右方向に間隔を隔てて平行に配置された第1ベント板310と第2ベント板320とを有し得る。第1ベント板310と第2ベント板320とは、左右方向に結合されて一つのベント部材300を構成し得る。このとき、第1ベント板310と第2ベント板320とは、それぞれ別々に製造された後、縁部を溶接、ボルト締め、接着等の方法により接合して結合されてもよいし、押出方法により最初から一体的に製造されてもよい。また、第1ベント板310と第2ベント板320とが結合された状態で、左右の離隔空間が形成されることがあり、このような離隔空間がベント部材300の中空、すなわちベント流路Vを形成することができる。
【0172】
さらに、ベント部材300には、互いに反対の側面に流入口Iがそれぞれ形成され得る。すなわち、ベント部材300には、第1ベント板310に第1流入口I1が形成され、第2ベント板320に第2流入口I2が形成され得る。このとき、両側面に形成された流入口I、すなわち第1流入口I1と第2流入口I2とは、左右方向の中心線に対して互いに対称とならないように構成され得る。
【0173】
特に、第1流入口I1は、ベント部材300の第1ベント板310に形成され、第2流入口I2は、第1ベント板310には形成されず、第2ベント板320に形成される。ただし、図17では、説明の便宜上、第1ベント板310と第2ベント板320とが結合された状態で、第2流入口I2の相対的な位置が第1ベント板310に点線として表示されている。
【0174】
図16及び図17を参照すると、第1流入口I1と第2流入口I2とは、ベント部材300の左右方向の中心軸に対して左右対称とならないように構成され得る。すなわち、第1流入口I1と第2流入口I2とは、左右方向に反転させたときに互いに異なる位置に形成されるように構成され得る。より具体的な例として、第1流入口I1と第2流入口I2とは、上下方向及び/又は前後方向において異なる位置に形成され得る。
【0175】
特に、ベント部材300の異なる側面に形成された2つの流入口Iは、互いに全く重ならないように構成され得る。例えば、図17に示すように、第1流入口I1と第2流入口I2とを上下方向に異なる位置に形成し、上下方向に重なる部分がないように配置し得る。
【0176】
このような実施構成において、第1流入口I1は、ベント部材300のベント流路Vを左方向にのみ開放し、右方向には開放しないように構成され得る。また、第2流入口I2は、ベント部材300のベント流路Vを右方向にのみ開放し、左方向には開放しないように構成され得る。
【0177】
本発明のこのような実施構成によれば、ベント部材300の一方の流入口Iを介して流入したベントガスや火炎等が他方の流入口Iに排出されることを防止することができる。例えば、図14に示すように、ベント部材300の左側から第1流入口I1を介してベントガスや火炎等が流入した場合、当該ベントガス等が第2流入口I2を介して直ちに、ベント部材300の右側に位置する第2セルC2側に排出されることを防止することができる。また、他の例では、図15に示すように、ベント部材300の右側から第2流入口I2を介してベントガスや火炎等が流入した場合、当該ベントガス等が第1流入口I1を介して直ちに、ベント部材300の左側に位置する第1セルC1側に排出されることを防止することができる。したがって、ベント部材300を間に挟んで配置された異なるパウチ型セル100の間において、ベント部材300を介して熱や火炎が伝播する不具合を防止することができる。
【0178】
また、前記ベント部材300は、内部空間に形成された2つ以上の単位流路を有し得る。例えば、図4図16及び図17に示すように、ベント部材300は、内部空間に設けられた内部隔壁Wを有し得る。このような内部隔壁Wは、ベント流路Vを複数の単位流路に分割し得る。特に、内部隔壁Wは、1つのベント流路Vに複数設けられ得る。
【0179】
さらに、内部隔壁Wは、ベント流路Vを、ベントガスの流れ方向に直交する方向に分割するように構成され得る。例えば、図3図4図16及び図17の実施構成を参照すると、ベント流路V内部をベントガスが矢印B2で示すように水平方向に流れる場合、内部隔壁Wは、ベント流路Vを上下方向に区分するように配置され得る。この場合、内部隔壁Wは、ベントガスの流れ方向である前後方向(Y軸方向)に長く延びた形状を有し得る。特に、内部隔壁Wは、ベント流路Vの流入口I側から流出口O側まで長く延びるように形成され得る。また、内部隔壁Wは、上下方向(Z軸方向)に配置されて複数の単位流路を形成し得る。例えば、前記ベント部材300は、上下方向に互いに間隔をあけて7つの内部隔壁Wが配置され得る。この場合、ベント部材300には、V1~V8で示すように、8つの単位流路が形成され得る。
【0180】
内部隔壁Wは、ベント部材300の内部空間を仕切るので、幅方向の両端がベント部材300の異なる側面に接触できる。例えば、図4の実施構成を参照すると、内部隔壁Wは、第1ベント板310の内面に左端部が接触し、第2ベント板320の内面に右端部が接触し得る。特に、内部隔壁Wは、第1ベント板310の右側表面から右方向に突出して延びた形態に構成され得る。そして、内部隔壁Wの右端部は、第2ベント板320の左側表面まで延びて接触し得る。
【0181】
本発明のこのような実施構成によれば、ベント部材300の剛性を向上させることができる。特に、ベント部材300の側面に圧力や衝撃が加わった場合に、内部隔壁Wがベント部材300の側面を支持することができる。したがって、圧力や衝撃等によってベント部材300が損傷したり、破損したり、変形したりすることを防止することができる。さらに、特定のパウチ型セル100からベントガスや火炎が発生した場合、ベント部材300側に大きな圧力が加わることがある。このとき、内部隔壁Wにより、そのような圧力の印加に対してもベント部材300の構造的安定性を維持することができる。
【0182】
このように、ベント部材300に複数の単位流路が形成された実施形態において、ベント部材300の両側に形成された流入口Iは、互いに異なる単位流路に連通するように構成され得る。すなわち、ベント部材300の互いに異なる側面に形成された流入口Iは、ベント部材300に形成された複数の単位流路を分割して連通するように構成され得る。
【0183】
例えば、図4図16及び図17に示す実施構成を参照すると、ベント部材300の左側面に形成された第1流入口I1は、ベント部材300の中空部における上下方向の中心線に対して上側に位置する4つの単位流路V5~V8に連通するように形成され得る。そして、ベント部材300の右側面に形成された第2流入口I2は、ベント部材300の中空部における上下方向の中心線に対して下側に位置する4つの単位流路V1~V4に連通するように形成され得る。
【0184】
このような実施構成によれば、一つのベント部材300の両側に配置されたパウチ型セル100に対して、ベントガスや火炎等が排出される経路を区分することができる。したがって、ベント部材300を挟んで配置されたパウチ型セル100間において、ベントガスや火炎が他方側へ向かうのをより確実に遮断することができる。したがって、この場合、1つのセルユニット内部のパウチ型セル100間において、熱及び火炎の遮断性能をさらに向上させることができる。
【0185】
図18は、本発明の他の実施形態によるベント部材300の内部構成を概略的に示す部分拡大図である。例えば、図18は、図17の部分A7の変形実施形態の拡大構成を示すといえる。
【0186】
図18を参照すると、前記ベント部材300は、内部空間に、P1で示す突出部を備え得る。特に、前記突出部P1は、ベント流路V内部におけるベントガスの流れ方向を曲げるように構成され得る。例えば、ベント部材300の内部において、ベント流路Vは、上下方向に配置された複数の内部隔壁Wによって複数の単位流路に分割され得る。このとき、各単位流路の上部と下部とには突出部P1が交互に設けられ得る。特に、交互に設けられた上下の突出部P1は、水平方向において互いに異なる位置に配置されている。この場合、矢印で示すように、ベントガスの流れ方向を上下方向に繰り返し曲げることができる。すなわち、ベントガスの基本的な流れ方向は+Y軸方向であるが、移動中にベントガスを+Z軸方向及び-Z軸方向に方向を切り替えることができる。
【0187】
本発明のこのような実施構成によれば、ベント部材300の内部空間、すなわちベント流路Vにおいて、直進性の高い火炎、スパーク、活物質粒子等の移動を抑制することができる。したがって、この場合、火炎、スパーク、活物質粒子等がベント部材300の外部に排出されて発生し得る問題、例えば発火源や熱伝播の原因として作用する問題などを防止することができる。
【0188】
図19は、本発明のさらに他の実施形態によるベント部材300の構成を概略的に示す下部斜視図であり、図20は、図19のベント部材300を含むセルユニットの構成を概略的に示す下部斜視図である。
【0189】
まず、図19を参照すると、ベント部材300の流出口Oは、外側に突出した形態に構成され得る。特に、ベント部材300の流出口Oが下縁に形成された場合、流出口Oの周辺には、P2で示すように、下方に突出する流出突起が形成され得る。例えば、流出口Oの左側辺と右側辺には、下方に突出する流出突起P2が前後方向に長く延びて形成され得る。
【0190】
また、流出突起P2は、ユニットケース200のベント孔H3に挿入され得る。特に、流出突起P2は、ベント孔H3を通って少なくとも一部が外方に突出し得る。例えば、図20を参照すると、ベント部材300の流出口Oに形成された流出突起P2は、ユニットケース200のベント孔H3に挿入され、ユニットケース200の外側、特に下ケース210の下方向に突出し得る。
【0191】
このような実施構成によれば、ベント部材300とユニットケース200との間の結合性や組立性を向上させることができる。また、上記実施構成によれば、ベント部材300のベント流路Vに流入したベントガス等を、ベント部材300の流出口O及びユニットケース200のベント孔H3を介してセルユニットの外部に確実に排出することができる。さらに、上記実施構成では、ベント部材300の流出口Oがユニットケース200の外側に位置し得るので、ベント部材300のベントガスがユニットケース200の内部に逆流する不具合を防止することができる。
【0192】
また、後述する図24及び図25等に示すように、ユニットケース200をパックハウジングの内部空間に装着してバッテリーパックを構成し得る。このとき、パックハウジングにもベント経路を形成可能であり、ユニットケース200の外側に突出した流出突起P2をパックハウジングのベント経路に直接挿入し得る。この場合、ベントガス等をベント部材300からパックハウジングのベント経路へより確実に移動させることができる。
【0193】
また、図20には示されていないが、ユニットケース200のベント孔H3は、外側に突出するように構成され得る。そして、このようなユニットケース200のベント孔H3から外側に突出延長された部分、すなわちベント突起は、パックハウジングのベント経路側に挿入され得る。本発明のこのような実施構成によれば、ユニットケース200とパックハウジングとの間の組立性や結合性を向上させることができ、かつ、ユニットケース200から排出されたベントガス等がパックハウジングのベント経路に円滑に移動することができる。
【0194】
本発明によるセルユニットは、図1に示すように、支持部材800をさらに含み得る。このような支持部材800の構成については、図21をさらに参照してより詳細に説明する。
【0195】
図21は、図2のA9-A9’線に沿った断面図である。
【0196】
図1及び図21を参照すると、支持部材800は、ユニットケース200の対向する表面を支持するように構成され得る。より具体的には、下ケース210は、図21の210Lで示す左壁と、図21の210Rで示す右壁とを備え得る。そして、支持部材800は、このような下ケース210の左壁210L及び右壁210Rを支持し得る。このため、支持部材800の左端部は、A10で示すように平坦に形成され、このような左端面が下ケース210の左壁210Lを支持し得る。そして、支持部材800の右端部は、A10’で示すように平坦に形成され、このような右端面が下ケース210の右壁210Rを支持し得る。
【0197】
本発明のこのような実施構成によれば、ユニットケース200の対向する内面(左内面及び右内面)を支持することで、ユニットケース200の剛性を補強することができる。特に、ユニットケース200の外側から衝撃や圧力が加えられても、ユニットケース200を支持し、ユニットケース200の変形や損傷などを防止することができる。したがって、ユニットケース200の内部に収容されたパウチ型セル100やベント部材300をより安全に保護することができる。
【0198】
前記支持部材800は、機械的剛性を高めるために、スチールやアルミニウムなどの金属材質から構成され得る。この場合、支持部材800とバスバーアセンブリ400との間には、絶縁部材が含まれることができる。または、前記支持部材800は、一定レベル以上の機械的剛性と電気的絶縁性、軽量性などを確保するために、プラスチック製であり得る。この場合、バスバーアセンブリ400や電極リード101などと支持部材800との間を電気的に絶縁させるための別の構成要素は含まれない場合がある。
【0199】
また、支持部材800は、ユニットケース200の内部空間において、水平方向における中央部分に位置し得る。例えば、ユニットケース200が前後方向(Y軸方向)に長く延びて形成されている場合、支持部材800は、前後方向の中央部分に位置してユニットケース200を左右方向に支持することができる。ユニットケース200は、長手方向の中央部分が最も変形しやすい場合があり、上記実施構成によれば、この中央部分の変形を防止することができる。
【0200】
さらに、図1及び図21に示すように、ユニットケース200の内部空間において、2つのパウチ型セル100は、電極リード101が設けられた側面同士が互いに対向するように配置され得る。例えば、図21を参照すると、前後方向(Y軸方向)にそれぞれ異なる種類の電極リード101が配置された第1セルC1と第3セルC3とは、前後方向に配列され得る。この場合、第1セルC1の後方側電極リード101と第3セルC3の前方側電極リード101とが対向するように配置されている。
【0201】
このような構成において、支持部材800は、2つのパウチ型セル100の間に介在し得る。すなわち、支持部材800は、前後方向に配置された2つのセルC1、C3の間に介在し得る。また、支持部材800は、2つのセルの間に限らず、複数のセルの間に介在し得る。例えば、図21に示すように、一つの支持部材800を間に挟んで、前方側には、4つのパウチ型セル100が左右方向に配置され、後方側には、4つのパウチ型セル100が左右方向に配置され得る。
【0202】
このとき、支持部材800は、前後方向の両側に位置するパウチ型セル100間の空間を仕切ることができる。特に、支持部材800は、A10及びA10’で示すように、左右両端が、ユニットケース200、例えば下ケース210の左右の側壁に密着し得る。さらに、支持部材800は、上端及び下端が、ユニットケース200の内部、例えば、上ケース220の下面及び下ケース210の底部上面に密着し得る。
【0203】
本発明のこのような実施構成によれば、支持部材800を挟んで前後方向の両側に位置するセル間において、ベントガスや火炎、熱等の伝播を抑制することができる。例えば、支持部材800は、前方側に位置する4つのパウチ型セル100と、後方側に位置する4つのパウチ型セル100との間を分離させることで、これらの間の熱及び火炎の伝播を遮断することができる。
【0204】
図22及び図23は、本発明のさらに他の複数の実施形態によるセルユニットの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【0205】
まず、図22を参照すると、セルユニットは、図1の実施構成とは異なり、前後方向に複数のパウチ型セル100が配置されるのではなく、1つのパウチ型セル100のみが配置されるように構成され得る。すなわち、セルユニットは、パウチ型セル100の長手方向である前後方向に配置されるセルの個数を調整可能に構成され得る。この場合、パウチ型セル100及びベント部材300の個数、並びにユニットケース200の前後方向の寸法(長さ)を調整することにより、このような形態のセルユニットを実現することができる。
【0206】
次に、図23を参照すると、セルユニットは、左右方向に積層されるパウチ型セル100の個数を、図1の実施構成とは異なるように調整することができる。例えば、セルユニットでは、左右方向に2つのパウチ型セル100を積層して1つのセル列を形成し、これらのセル列を前後方向に2列に配置し得る。この場合、図1の実施構成に比べて、パウチ型セル100の個数やユニットケース200の左右方向の寸法(幅)を調整することにより、このようなセルユニットを実現することができる。
【0207】
図22及び図23の実施形態のように、本発明によるセルユニットは、その形状や大きさ、仕様等を容易に調整することができる。特に、ユニットケース200内部に含まれるパウチ型セル100の個数に応じて、ベント部材300の個数や大きさ、ユニットケース200の幅や長さ等を調整することにより、セルユニットの規模や形状等を容易に調整することができる。したがって、本発明によるセルユニットは、寸法拡張性(Scalable)に優れているといえる。
【0208】
先の図1等に示すように、パウチ型セル100は、前後方向に複数配置され得る。すなわち、セルユニットには、ベント部材300に隣接して積層された1つ以上のセル列が複数配置され得る。例えば、図1に示すように、4つのパウチ型セル100を左右方向に積層し対面させて1つのセル列を構成し得る。さらに、このようなセル列を2つ、ユニットケース200の内部に含めることができる。この場合、ユニットケース200の一側、例えば下部には、図11に示すように、2つのセル列に対応する2つのベント孔H3が形成され得る。
【0209】
ここで、互いに異なるセル列は、互いに異なるベント部材300を含み得る。例えば、図1に示すように、2つのセル列、すなわち、前方列と後方列がそれぞれ異なるベント部材300を含み、各セル列のベントの制御を担当することができる。そして、各セル列の間に、支持部材800を介在させ得る。
【0210】
他の例では、一つのベント部材300が、互いに異なるセル列のベントの制御を共通に担当するように構成され得る。例えば、図13に示すように、一つのベント部材300がユニットケース200の前端から後端まで前後方向(Y軸方向)に長く延びるように形成され、前方列間と後方列間の両方を貫通することができる。このとき、ベント部材300は、支持部材800を貫通するように構成され得る。この場合、ベント部材300の個数を減らすことにより、セルユニットの組立性及び生産性などを向上させることができる。
【0211】
図24は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す分解斜視図である。また、図25は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックにおけるベントガスの移動を示す図である。
【0212】
図24及び図25を参照すると、本発明による他のバッテリーパックは、本発明によるセルユニット(Uで示す)を複数含み得る。また、バッテリーパックは、PHで示すパックハウジングを含み得る。特に、複数のセルユニットUは、このようなパックハウジングPHの内部空間に直接収容され得る。すなわち、複数のセルユニットUを、バッテリーモジュールを構成するためのモジュールケースに装着するのではなく、パックハウジングPHに直接装着することができる。
【0213】
この場合、パックハウジングPH内のパウチ型セル100が占める空間の割合を大きくすることができるので、バッテリーパックのエネルギー密度をさらに向上させることができる。特に、本発明によるセルユニットUは、熱や火炎の遮断性能はもとより、ベントの制御の効果をも良好に確保することができる。また、本発明によるセルユニットUは、各小規模のパウチ型セル100がユニットケース200によって保護され、ベントが制御されるため、セルトゥーパック(cell to pack:モジュールを廃し、セルの組み合わせをそのままパックとして車両に搭載する新たな方式)により有利となり得る。
【0214】
さらに、本発明によるバッテリーパックでは、セルユニットUがパックハウジングPHに直接着座しているので、冷却効果をさらに向上させることができる。特に、各セルユニットUのユニットケース200をアルミニウム材質で構成してもよい。この場合、ユニットケース200を介してパックハウジングPH側へセルユニットUの熱が容易に伝導され、各セルユニットUの冷却をより円滑に行うことができる。
【0215】
このような構成において、各セルユニットUは、バッテリーパックに含まれる複数のパウチ型セル100を小規模に分割してグループ化した単位であり得る。この場合、簡易な構造でパウチ型セルを保護することができる。また、分割されたパウチ型セル100の各グループは、ユニットケース200及びベント部材300を備えてもよく、バッテリーパックに含まれる複数のセル間の熱及び/又は火炎の伝播を遮断する効果を達成することができる。
【0216】
特に、本発明によるセルユニットUのユニットケース200には、上述したようにベント孔H3が形成されており、ユニットケース200内のベントガス等を外部に排出できるようになっている。このとき、パックハウジングPHには、セルユニットUから排出されたベントガス等を外部に導くためのベント経路が形成され得る。例えば、図24及び図25の矢印で示すように、セルユニットUからパックハウジングPHに流入したベントガス等を、パックハウジングPH内のベント経路を通じてバッテリーパックの外部に導いて排出することができる。
【0217】
より具体的な例として、パックハウジングPH、特に下部ハウジングは、図24に示すように、2つのユニットハウジング、すなわち第1ハウジングPH1と第2ハウジングPH2とを上下方向に積み重ねた形態に構成され得る。ここで、第1ハウジングPH1は、セルユニットUが直接着座する部分であり、第2ハウジングPH2は、第1ハウジングPH1の下部に位置し得る。より具体的には、第1ハウジングPH1は、セルユニットUの収容空間を形成するために、ベースプレートと、このベースプレートの周囲に立設された側壁とを備え得る。また、第2ハウジングPH2は、プレート(板状体)を備え得る。
【0218】
ここで、ベント経路は、少なくとも一部が、第1ハウジングPH1及び/又は第2ハウジングPH2に形成され得る。また、ベント経路は、少なくとも一部が、第1ハウジングPH1と第2ハウジングPH2との間の空間に形成され得る。
【0219】
例えば、図24に示す構成を参照すると、ベント経路の一部は、VPで示すように、第2ハウジングPH2に形成され得る。特に、このようなベント経路は、板状に構成された第2ハウジングPH2に、パイプ状、例えば、平らな角パイプ状に形成され得る。さらに、ベント経路は、第2ハウジングPH2の板状体から上方向に突出する形態に構成され得る。この場合、第2ハウジングPH2のベント経路には、PI2で示すように、パイプの中空部を開口する第2パック入口が形成され得る。そして、第1ハウジングPH1には、このような第2ハウジングPH2の第2パック入口PI2と連通する、PI1で示す開口部、すなわち第1パック入口が形成され得る。
【0220】
このようなパックハウジングPHのベント経路は、パックハウジングPHの内部空間に収容されたセルユニットUのベント孔H3と連通するように形成され得る。例えば、図11に示すように、各セルユニットUは、前後方向(Y軸方向)に長く形成され、2つのベント孔H3が前後方向に互いに離間するように配置され得る。このとき、パックハウジングPHには、このような各セルユニットUのベント孔H3の位置に対応して、図24のPIで示すように、前後方向に2つのパック入口が形成され得る。また、複数のセルユニットUが左右方向(X軸方向)に積層配置されている場合には、複数のセルユニットのベント孔H3に対応して、複数のパック入口PIが左右方向に配置され得る。さらに、パックハウジングPHのベント経路には、POで示すように、パック出口が形成され得る。このようなパック出口POは、パックハウジングPHのベント経路に流入したベントガス等をバッテリーパックの外部に排出できるように構成され得る。
【0221】
特に、パックハウジングPHにおいて、ベント経路は、セルユニットUの長手方向の両端に位置し得る。例えば、図24及び図25に示すように、セルユニットUが前後方向(Y軸方向)に長く形成され、左右方向(X軸方向)に複数配置されている場合、ベント経路は、パックハウジングPHの前後方向の両側に位置し得る。また、パックハウジングPHのパック出口POは、セルユニットUの積層方向の端部に形成され得る。例えば、パック出口POは、パックハウジングPHの右方向(+X軸方向)の端部に位置し得る。
【0222】
このような実施構成では、各セルユニットUから排出されたベントガス等を、パックハウジングPHに形成されたパック入口PI1、PI2及びベント経路等を経由してパックハウジングPHの前後方向の端部に移動させることができる。そして、このように移動させたベントガス等を、少なくとも一方向、例えば右方向に移動させて、パック出口POを介してパックハウジングPHの外部に排出することができる。
【0223】
また、図24および図25の実施形態のように、複数のセルユニットUがパックハウジングPHに着座している場合、バッテリーパックの機械的剛性を補うことができる。特に、各セルユニットUは、長手方向の端部が、パックハウジングPHの内面に接触し得る。例えば、セルユニットUの前方端部及び後方端部は、パックハウジングPHの前方内面及び後方内面にそれぞれ接触し得る。したがって、セルユニットUは、パックハウジングPHの内面、すなわち前方内面及び後方内面を支持することができる。この場合、パックハウジングPHの前方側または後方側に加えられる圧力や衝撃に対して、セルユニットUによりパックハウジングPHを支持することができ、パックハウジングPHやその内部に含まれる構成要素、例えばセルユニットU等の損傷や破損を防止することができる。特に、このような実施構成によれば、パックハウジングPHの内部空間を前後方向に支持するための別体のセンタービーム等を排除することができる。したがって、バッテリーパックのエネルギー密度、組立性、生産性等をさらに向上させることができる。
【0224】
本発明によるバッテリーパックは、本発明によるセルユニットに加えて、制御ユニットをさらに含み得る。このような制御ユニットは、バッテリーパックの全体的な動作や環境、パウチ型セル100の充放電動作や状態などを把握または制御するように構成され得る。例えば、制御ユニットは、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)そのものであってもよいし、その構成要素を含んでもよい。特に、制御ユニットは、バッテリーモジュール単位ではなくバッテリーパック単位に含まれていてもよい。このような制御ユニットは、本発明の出願時点で公知のものであるため、それについての詳細な説明は省略する。
【0225】
また、本発明によるバッテリーパックは、このようなセルユニットや制御ユニット以外の種々の他の構成要素、例えば、本発明の出願時に公知の種々のバッテリーパックの構成要素であるバスバー、パックハウジング、リレー、電流センサーなどをさらに含み得る。
【0226】
一方、上記図24及び図25の実施構成では、セルユニットUがパックハウジングPHに直接装着されるセルトゥーパック(Cell To Pack、CTP)構成について説明したが、本発明は必ずしもこのようなセルトゥーパック構成に限定されるものではない。すなわち、セルユニットUをモジュールケースに装着してバッテリーモジュールにモジュール化した後、パックハウジングPHに装着することもある。
【0227】
本発明によるバッテリーモジュールは、上述した本発明によるセルユニットを複数含み得る。すなわち、本発明によるセルユニットは、一般的なバッテリーモジュールよりも小規模又は小さな単位で構成されたセルグループであるといえる。また、本発明によるバッテリーモジュールは、このような複数のセルユニットを収容するためのモジュールケースを含み得る。例えば、モジュールケースは、下部モジュールハウジング及び上部モジュールハウジングを含み得、下部モジュールハウジング及び上部モジュールハウジングによって内部空間が限定され得る。
【0228】
本発明によるセルユニットは、電気自動車やハイブリッド車などの自動車に適用できる。すなわち、本発明による自動車は、本発明によるセルユニット、それを含むバッテリーパック、バッテリーモジュールを含み得る。また、本発明による自動車は、このようなセルユニット、バッテリーパック、バッテリーモジュールに加えて、自動車に含まれる他の様々な構成要素などをさらに含み得る。例えば、本発明による自動車は、本発明によるセルユニットに加えて、車体、モータ、電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)などの制御装置などをさらに含み得る。
【0229】
また、本発明によるセルユニットは、エネルギー貯蔵システム(ESS)に適用できる。すなわち、本発明によるエネルギー貯蔵システムは、本発明によるセルユニット、バッテリーパック、バッテリーモジュールを含み得る。
【0230】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0231】
100 パウチ型セル
101 電極リード
200 ユニットケース
210 下ケース
220 上ケース
230 エンドケース
300 ベント部材
310 第1ベント板
320 第2ベント板
400 バスバーアセンブリ
410 バスバー端子
420 バスバーフレーム
430 端子シール部材
500 絶縁カバー
600 コネクタ
710 パッド部材
720 シート部材
800 支持部材
900 端子カバー
V ベント流路
I 流入口
O 流出口
E ユニット端子
H1 端子孔
H2 接続孔
H3 ベント孔
T テラス部
W 内部隔壁
U セルユニット
PH パックハウジング
PI パック入口
PO パック出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】