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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】表示装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20241126BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241126BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241126BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20241126BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20241126BHJP
   H10K 59/126 20230101ALI20241126BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20241126BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20241126BHJP
【FI】
H01L29/78 626Z
G09F9/30 349Z
G09F9/30 348A
G09F9/30 349C
G09F9/30 365
G09F9/30 338
G09F9/00 338
H10K59/123
H10K59/131
H10K59/126
H10K59/121 213
H10K59/121 216
H10K71/00
H01L29/78 612B
H01L29/78 618B
H01L29/78 618F
H01L29/78 616S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527837
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 KR2022017761
(87)【国際公開番号】W WO2023090766
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0159471
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】パク,サン ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン デ
(72)【発明者】
【氏名】ベク,ヨン ソク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ドン ヒョン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5F110
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107DD90
3K107EE04
3K107FF14
3K107FF15
3K107GG12
3K107HH05
5C094AA25
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA06
5C094DA13
5C094DA15
5C094DB01
5C094EC10
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
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5C094FB14
5C094GB10
5C094HA01
5C094HA03
5C094HA05
5C094HA06
5C094HA07
5C094HA08
5F110AA05
5F110BB02
5F110CC02
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5F110DD14
5F110DD15
5F110EE02
5F110EE03
5F110EE04
5F110EE32
5F110FF01
5F110FF02
5F110FF03
5F110FF04
5F110FF09
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5F110GG12
5F110GG15
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5F110HL04
5F110HL11
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5F110NN23
5F110NN24
5F110NN27
5F110NN44
5F110NN72
5F110NN78
5F110PP02
5F110PP03
5F110QQ08
5F110QQ11
5F110QQ19
5G435AA16
5G435BB05
5G435CC09
5G435FF13
5G435HH20
5G435KK05
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
5G435LL10
5G435LL14
5G435LL17
5G435LL19
(57)【要約】
表示装置およびその製造方法が提供される。表示装置は、基板上に配置された第1半導体層、第1半導体層上に配置された第1ゲート絶縁層、第1ゲート絶縁層上に配置され、第1半導体層と重なる第1ゲート電極、第1ゲート電極上に配置された第1層間絶縁層、第1層間絶縁層上で第1半導体層と重ならないように配置された第1酸化物半導体層、第1酸化物半導体層上に配置された第2ゲート絶縁層、第2ゲート絶縁層上に配置され、第1酸化物半導体層と重なる第2ゲート電極、第2ゲート電極の側面上に配置されたスペーサ、および、スペーサ上に配置された第2層間絶縁層を含み、スペーサは、第2ゲート電極の側面と接する(突き当てられる)ように配置された第1スペーサ、および、第1スペーサ上に配置された第2スペーサを含み、第1スペーサに含まれた水素の濃度は、第2スペーサに含まれた水素の濃度より低い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板;
前記基板上に配置された第1半導体層;
前記第1半導体層上に配置された第1ゲート絶縁層;
前記第1ゲート絶縁層上に配置され、前記第1半導体層と重なる第1ゲート電極;
前記第1ゲート電極上に配置された第1層間絶縁層;
前記第1層間絶縁層上にて前記第1半導体層と重ならないように配置された第1酸化物半導体層;
前記第1酸化物半導体層上に配置された第2ゲート絶縁層;
前記第2ゲート絶縁層上に配置され、前記第1酸化物半導体層と重なる第2ゲート電極;
前記第2ゲート電極の側面上に配置されたスペーサ;および
前記スペーサ上に配置された第2層間絶縁層を含み、
前記スペーサは前記第2ゲート電極の側面と接するように配置された第1スペーサ、および前記第1スペーサ上に配置された第2スペーサを含み、
前記第1スペーサに含まれた水素の濃度は前記第2スペーサに含まれた水素の濃度より低い、表示装置。
【請求項2】
前記第2スペーサは、下面および内側側面が前記第1スペーサと接触し、外側側面は湾曲した形状を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2ゲート電極の上面は前記第2層間絶縁層と直接接触する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2層間絶縁層に含まれた水素の濃度は、前記第1スペーサおよび前記第2スペーサそれぞれに含まれた水素の濃度より大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1半導体層は前記第1ゲート電極と重なる第1チャネル領域を含み、
前記第1酸化物半導体層は、前記第2ゲート電極および前記スペーサと重なる第2チャネル領域を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2チャネル領域の長さは前記第2ゲート電極の幅より大きい、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1チャネル領域の長さは前記第1ゲート電極の幅と同じである、請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1半導体層は、前記第1チャネル領域を挟んで互いに離隔した第1ソース/ドレイン領域、および第2ソース/ドレイン領域を含み、
前記第1酸化物半導体層は、前記第2チャネル領域を挟んで互いに離隔した第3ソース/ドレイン領域、および第4ソース/ドレイン領域を含む、請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2チャネル領域は、前記第2ゲート電極と重なる第1領域、前記第1領域より水素の濃度が大きい第2領域、および前記第2領域より水素の濃度が大きい第3領域を含む、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート絶縁層との間に配置された第3ゲート絶縁層、および
前記第2ゲート絶縁層と前記第3ゲート絶縁層との間に配置された下部遮光パターンおよびキャパシタの一電極をさらに含み、
前記第1ゲート電極は前記キャパシタの一電極と厚さ方向に重なり、
前記第1酸化物半導体層は、前記第3ゲート絶縁層上に直接配置され、前記下部遮光パターンと厚さ方向に重なる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1ゲート絶縁層、前記第2ゲート絶縁層、前記第3ゲート絶縁層、前記第1層間絶縁層、および前記第2層間絶縁層を貫通する第1コンタクトホールと第2コンタクトホール、および
前記第2ゲート絶縁層および前記第2層間絶縁層を貫通する第3コンタクトホールと第4コンタクトホールをさらに含む、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第2層間絶縁層上に配置され、前記第1コンタクトホールを通じて露出された前記第1半導体層と連結された第1ソース/ドレイン電極、
前記第2層間絶縁層上に配置され、前記第2コンタクトホールを通じて露出された前記第1半導体層と連結された第2ソース/ドレイン電極、
前記第2層間絶縁層上に配置され、前記第3コンタクトホールを通じて露出された前記第1酸化物半導体層と連結された第3ソース/ドレイン電極、および
前記第2層間絶縁層上に配置され、前記第4コンタクトホールを通じて露出された前記第1酸化物半導体層と連結された第4ソース/ドレイン電極をさらに含む、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
スキャン線、および前記スキャン線と交差するデータ線に接続される画素を含み、
前記画素は、発光素子、および前記データ線から印加されたデータ電圧に応じて前記発光素子に供給される駆動電流を制御する第1トランジスタ、および
前記スキャン線に印加されるスキャン信号に応じて前記第1トランジスタに電圧を印加するための第2トランジスタを含み、
前記第1トランジスタは、第1半導体層、および前記第1半導体層上に配置された第1ゲート電極を含み、
前記第2トランジスタは、第1酸化物半導体層および前記第1酸化物半導体層上に配置された第2ゲート電極を含み、
前記第1酸化物半導体層と前記第2ゲート電極との間に配置された第1ゲート絶縁層の上方および前記第2ゲート電極の側面に配置された第1スペーサ、および前記第1スペーサ上に配置された第2スペーサを含み、
前記第1スペーサに含まれた水素の濃度は、前記第2スペーサに含まれた水素の濃度より低い、表示装置。
【請求項14】
前記第1スペーサは、下面が前記第1ゲート絶縁層の上面に接しており、側面が前記第1ゲート電極の側面と接しており、
前記第2スペーサは、下面および内側側面が前記第1スペーサと接触し、外側側面は湾曲した形状を有する、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1酸化物半導体層は、前記第2ゲート電極、および前記スペーサと重なるチャネル領域を含み、
前記チャネル領域は、前記第2ゲート電極と重なる第1領域、前記第1領域より水素の濃度が大きい第2領域、および、前記第2領域より水素の濃度が大きい第3領域を含む、請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第2ゲート電極および前記第1ゲート絶縁層上に配置された第1層間絶縁層をさらに含み、
前記第1層間絶縁層に含まれた水素の濃度は、前記第1スペーサおよび前記第2スペーサそれぞれに含まれた水素の濃度より大きい、請求項13に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1半導体層と前記第1ゲート電極との間に配置された第2ゲート絶縁層をさらに含み、
前記第1酸化物半導体層は前記第2ゲート絶縁層の上部に配置された、請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
第1半導体層が配置された基板と、前記第1半導体層上に配置された第1ゲート絶縁層と、前記第1ゲート絶縁層上にて前記第1半導体層上に配置された第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極上に配置された第1層間絶縁層を準備し、前記第1層間絶縁層上に前記第1半導体層と重ならない第1酸化物半導体層を形成する段階;
前記第1酸化物半導体層上に配置される第2ゲート絶縁層、および前記第2ゲート絶縁層上にて前記第1酸化物半導体層と重なる第2ゲート電極を形成する段階;
前記第2ゲート電極および前記第2ゲート絶縁層の上に、第1スペーサ層、および前記第1スペーサ層上に配置された第2スペーサ層を形成し、前記第1スペーサ層と前記第2スペーサ層をエッチングして、前記第2ゲート電極の側面上に配置された第1スペーサおよび前記第2スペーサ上に配置された第2スペーサを形成する段階;および
前記第1酸化物半導体層にイオンを注入し、前記第2ゲート電極および前記第2スペーサの上に第2層間絶縁層を形成する段階を含み、
前記第1スペーサは、下面が前記第2ゲート絶縁層の上面に接しており、側面が前記第2ゲート電極の側面と接しており、
前記第2スペーサは、下面および内側側面が前記第1スペーサと接触し、外側側面は湾曲した形状を有し、
前記第1スペーサに含まれた水素の濃度は、前記第2スペーサに含まれた水素の濃度より低い、表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会の発展に伴い、映像を表示するための表示装置に対する要求はますます多様化している。表示装置は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)、電界放出表示装置(Field Emission Display)、発光表示パネル(Light Emitting Display)などといった平板表示装置であり得る。発光表示装置は、発光素子として有機発光ダイオードを含む有機発光表示装置、発光素子として無機発光ダイオードを含む無機発光表示装置を含み得る。
【0003】
中でも有機発光表示装置は、電子と正孔の再結合によって光を発生する有機発光ダイオードを用いて映像を表示する。有機発光表示装置は、有機発光ダイオードに駆動電流を提供する複数のトランジスタを含む。前記複数のトランジスタのそれぞれはアクティブ層を含み得るのであり、前記複数のトランジスタのアクティブ層は互いに異なる物質からなることもありうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、酸化物半導体層を含むスイッチングトランジスタの素子特性が改善された表示装置を提供することにある。
【0005】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されないのであり、言及されていない他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための一実施形態による表示装置は、基板、前記基板上に配置された第1半導体層、前記第1半導体層上に配置された第1ゲート絶縁層、前記第1ゲート絶縁層上に配置され、前記第1半導体層と重なる第1ゲート電極、前記第1ゲート電極上に配置された第1層間絶縁層、前記第1層間絶縁層上にて前記第1半導体層と重ならないように配置された第1酸化物半導体層、前記第1酸化物半導体層上に配置された第2ゲート絶縁層、前記第2ゲート絶縁層上に配置され、前記第1酸化物半導体層と重なる第2ゲート電極、前記第2ゲート電極の側面上に配置されたスペーサ、および、前記スペーサ上に配置された第2層間絶縁層を含み、前記スペーサは、前記第2ゲート電極の側面と接する(突き当てられる)ように配置された第1スペーサ、および、前記第1スペーサ上に配置された第2スペーサを含み、前記第1スペーサに含まれた水素の濃度は、前記第2スペーサに含まれた水素の濃度より低い。
【0007】
前記第2スペーサは、下面および内側側面が前記第1スペーサと接触し、外側側面は湾曲した形状を有し得る。
【0008】
前記第2ゲート電極の上面は、前記第2層間絶縁層と直接接触し得る。
【0009】
前記第2層間絶縁層に含まれた水素の濃度は、前記第1スペーサおよび前記第2スペーサのそれぞれに含まれた水素の濃度より大きくてもよい。
【0010】
前記第1半導体層は前記第1ゲート電極と重なる第1チャネル領域を含み、前記第1酸化物半導体層は、前記第2ゲート電極および前記スペーサと重なる第2チャネル領域を含み得る。
【0011】
前記第2チャネル領域の長さは前記第2ゲート電極の幅より大きくてもよい。
【0012】
前記第1チャネル領域の長さは前記第1ゲート電極の幅と同一であり得る。
【0013】
前記第1半導体層は、前記第1チャネル領域を挟んで互いに離隔した第1ソース/ドレイン領域、および第2ソース/ドレイン領域を含み、前記第1酸化物半導体層は、前記第2チャネル領域を挟んで互いに離隔した第3ソース/ドレイン領域、および第4ソース/ドレイン領域を含み得る。
【0014】
前記第2チャネル領域は、前記第2ゲート電極と重なる第1領域、前記第1領域より水素の濃度が大きい第2領域、および前記第2領域より水素の濃度が大きい第3領域を含み得る。
【0015】
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート絶縁層との間に配置された第3ゲート絶縁層、および、前記第2ゲート絶縁層と前記第3ゲート絶縁層との間に配置された下部遮光パターンおよびキャパシタの一電極をさらに含み、前記第1ゲート電極は前記キャパシタの一電極と厚さ方向に重なり、前記第1酸化物半導体層は、前記第3ゲート絶縁層上に直接配置され、前記下部遮光パターンと厚さ方向に重なってもよい。
【0016】
前記第1ゲート絶縁層、前記第2ゲート絶縁層、前記第3ゲート絶縁層、前記第1層間絶縁層、および前記第2層間絶縁層を貫通する第1コンタクトホールと第2コンタクトホール、および前記第2ゲート絶縁層および前記第2層間絶縁層を貫通する第3コンタクトホールと第4コンタクトホールをさらに含み得る。
【0017】
前記第2層間絶縁層上に配置され、前記第1コンタクトホールを通じて露出された前記第1半導体層と連結された第1ソース/ドレイン電極、前記第2層間絶縁層上に配置され、前記第2コンタクトホールを通じて露出された前記第1半導体層と連結された第2ソース/ドレイン電極、前記第2層間絶縁層上に配置され、前記第3コンタクトホールを通じて露出された前記第1酸化物半導体層と連結された第3ソース/ドレイン電極、および前記第2層間絶縁層上に配置され、前記第4コンタクトホールを通じて露出された前記第1酸化物半導体層と連結された第4ソース/ドレイン電極をさらに含み得る。
【0018】
前記課題を解決するための一実施形態による表示装置は、スキャン線、および前記スキャン線と交差するデータ線に接続される画素を含み、前記画素は、発光素子、および前記データ線から印加されたデータ電圧に応じて前記発光素子に供給される駆動電流を制御する第1トランジスタ、および前記スキャン線に印加されるスキャン信号に応じて前記第1トランジスタに電圧を印加するための第2トランジスタを含み、前記第1トランジスタは第1半導体層、および前記第1半導体層上に配置された第1ゲート電極を含み、前記第2トランジスタは第1酸化物半導体層および前記第1酸化物半導体層上に配置された第2ゲート電極を含み、前記第1酸化物半導体層と前記第2ゲート電極の間に配置された第1ゲート絶縁層の上方および前記第2ゲート電極の側面に配置された第1スペーサ、および前記第1スペーサ上に配置された第2スペーサを含み、前記第1スペーサに含まれた水素の濃度は、前記第2スペーサに含まれた水素の濃度より低い。
【0019】
前記第1スペーサは、下面が前記第1ゲート絶縁層の上面に接しており、側面が前記第1ゲート電極の側面と接しており、前記第2スペーサは、下面および内側側面が前記第1スペーサと接触し、外側側面は湾曲した形状を有し得る。
【0020】
前記第1酸化物半導体層は、前記第2ゲート電極および前記スペーサと重なるチャネル領域を含み、前記チャネル領域は、前記第2ゲート電極と重なる第1領域、前記第1領域より水素の濃度が大きい第2領域、および、前記第2領域より水素の濃度が大きい第3領域を含み得る。
【0021】
前記第2ゲート電極および前記第1ゲート絶縁層上に配置された第1層間絶縁層をさらに含み、前記第1層間絶縁層に含まれた水素の濃度は、前記第1スペーサおよび前記第2スペーサそれぞれに含まれた水素の濃度より大きくてもよい。
【0022】
前記第1半導体層と前記第1ゲート電極との間に配置された第2ゲート絶縁層をさらに含み、前記第1酸化物半導体層は前記第2ゲート絶縁層の上部に配置され得る。
【0023】
前記課題を解決するための一実施形態による表示装置の製造方法は、第1半導体層が配置された基板、前記第1半導体層上に配置された第1ゲート絶縁層、前記第1ゲート絶縁層上にて前記第1半導体層上に配置された第1ゲート電極、前記第1ゲート電極上に配置された第1層間絶縁層を準備し、前記第1層間絶縁層上に前記第1半導体層と重ならない第1酸化物半導体層を形成する段階、前記第1酸化物半導体層上に配置される第2ゲート絶縁層、および前記第2ゲート絶縁層上で前記第1酸化物半導体層と重なる第2ゲート電極を形成する段階、前記第2ゲート電極および前記第2ゲート絶縁層の上に、第1スペーサ層、および前記第1スペーサ層上に配置された第2スペーサ層を形成し、前記第1スペーサ層と前記第2スペーサ層をエッチングして、前記第2ゲート電極の側面上に配置された第1スペーサおよび前記第2スペーサの上に配置された第2スペーサを形成する段階、および前記第1酸化物半導体層にイオンを注入し、前記第2ゲート電極および前記第2スペーサ上に第2層間絶縁層を形成する段階を含み、前記第1スペーサは下面が前記第2ゲート絶縁層の上面に接しており、側面が前記第2ゲート電極の側面と接しており、前記第2スペーサは下面および内側側面が前記第1スペーサと接触し、外側側面は湾曲した形状を有し、前記第1スペーサに含まれた水素の濃度は、前記第2スペーサに含まれた水素の濃度より低い。
【0024】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0025】
一実施形態による表示装置は、酸化物半導体を含むスイッチングトランジスタのゲート電極の側面に配置されたスペーサを含み、スイッチングトランジスタはスペーサによってチャネル領域に水素濃度勾配が形成されることができる。表示装置は、スイッチングトランジスタが短いチャネル領域の長さを有しても優れた素子特性を有することができ、高解像度表示装置の具現が有利な利点がある。
【0026】
実施形態による効果は、以上で例示した内容によって制限されず、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施形態による表示装置の平面図である。
図2図1の表示装置がベンディングされた状態を示す側面図である。
図3】一実施形態による表示装置の一画素の等価回路図である。
図4】一実施形態による表示装置の一画素を示す断面図である。
図5】一実施形態による表示装置の第2トランジスタを示す平面図である。
図6図4のA部分の拡大図である。
図7】一実施形態による表示装置の第1トランジスタを示す平面図である。
図8図4のB部分の拡大図である。
図9】酸化物半導体を含むトランジスタのチャネル領域の長さに応じたしきい電圧を示すグラフである。
図10】一実施形態による表示装置の製造工程を示すフローチャートである。
図11】一実施形態による表示装置の製造工程における第1トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
図12】一実施形態による表示装置の製造工程における第1トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
図13】一実施形態による表示装置の製造工程における第1トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
図14】一実施形態による表示装置の製造工程における第2トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
図15】一実施形態による表示装置の製造工程における第2トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
図16】一実施形態による表示装置の製造工程における第2トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
図17】一実施形態による表示装置の製造工程における第2トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
図18】一実施形態による表示装置の製造工程における第2トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
図19】一実施形態による表示装置の製造工程における第2トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
図20】一実施形態による表示装置の製造工程における第2トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
図21】一実施形態による表示装置の製造工程の一部を順に示す断面図である。
図22】一実施形態による表示装置の製造工程の一部を順に示す断面図である。
図23】他の実施形態による表示装置の一画素を示す断面図である。
図24】他の実施形態による表示装置の一画素を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現されることができ、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。
【0029】
素子(Elements)または層が他の素子または層の「上(On)」と称される場合は他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子が介在する場合をすべて含む。これと同様に、「下(Below)」、「左(Left)」および「右(Right)」と称される場合は、他の素子とすぐ隣に介在する場合または中間に他の層または他の素材を介在する場合をすべて含む。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0030】
第1、第2などが多様な構成要素を叙述するために使われるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得るのはもちろんである。
【0031】
以下、添付された図面を参照して実施形態について説明する。
【0032】
図1は一実施形態による表示装置の平面図である。図2図1の表示装置がベンディングされた状態を示す側面図である。図2は表示装置1が厚さ方向にベンディングされた状態の側面形状を示す。
【0033】
図1および図2を参照すると、表示装置1は動画や静止映像を表示する。表示装置1は、表示画面を提供するすべての電子装置を指す。例えば、表示画面を提供するテレビ、ノートパソコン、モニター、広告板、モノのインターネット、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、電子時計、スマートウォッチ、ウォッチフォン、ヘッドマウントディスプレイ、移動通信端末機、電子手帳、電子ブック、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーション、ゲーム機、デジタルカメラ、カムコーダなどが表示装置1に含まれ得る。
【0034】
一実施形態による表示装置1は、平面視で実質的な長方形形状からなる。表示装置1は平面視で角が垂直な長方形であり得る。ただし、これに制限されるものではなく、表示装置1は平面視で角が丸い長方形形状であり得る。
【0035】
表示装置1は表示画面を提供する表示パネル10を含む。表示パネル10の例としては、無機発光ダイオード表示パネル、有機発光表示パネル、量子ドット発光表示パネル、プラズマ表示パネル、電界放出表示パネルなどが挙げられる。以下では表示パネル10の一例として、有機発光素子を含む表示装置1を例示するが、それに制限されるものではなく、同じ技術的思想を適用できれば、他の表示パネルにも適用することができる。表示パネル10はポリイミドなどといった可撓性高分子物質を含むフレキシブル基板であり得る。そのため、表示パネル10は、反り曲げられたり、折り曲げられたり、折り畳まれたり、丸められうる。
【0036】
図面において、第1方向DR1は平面図上における表示装置1の横方向を示し、第2方向DR2は平面図上における表示装置1の縦方向を示す。また、第3方向DR3は、表示装置1の厚さ方向を示す。第1方向DR1と第2方向DR2は互いに垂直に交差し、第3方向DR3は、第1方向DR1および第2方向DR2が置かれる平面に交差する方向であり、第1方向DR1および第2方向DR2の両方に垂直に交差する。ただし、実施形態で言及する方向は相対的な方向を言及したものとして理解されるべきであり、実施形態は言及した方向に限られない。
【0037】
他の定義がない限り、本明細書における第3方向DR3を基準として表現した「上部」、「上面」、「上側」は表示パネル10を基準として表示面側を意味し、「下部」、「下面」、「下側」は表示パネル10を基準として表示面の反対側を意味する。
【0038】
表示パネル10は、画面を表示する表示領域DAおよび表示されない非表示領域NDAを含み得る。表示パネル10は、平面図上の表示領域DAと非表示領域NDAに区分することができる。非表示領域NDAは、表示領域DAを囲むように配置され得る。非表示領域NDAは、ベゼルを構成することができる。
【0039】
表示領域DAは、平面視で隅角が直角である(垂直な)長方形、または隅角が丸められた長方形の形状であり得る。表示領域DAは短辺と長辺を有し得る。表示領域DAの短辺は、第1方向DR1に延びる辺であり得る。表示領域DAの長辺は、第2方向DR2に延びる辺であり得る。ただし、表示領域DAの平面形状は、長方形に制限されるのではなく、円形、楕円形またはその他の多様な形状を有することができる。
【0040】
表示領域DAは複数の画素を含み得る。各画素は、発光層と発光層の発光量を制御する回路層を含み得る。回路層は、配線、電極および少なくとも一つのトランジスタを含み得る。発光層は有機発光物質を含むことができる。発光層は封止膜により密封され得る。画素の具体的な構成については後述する。
【0041】
非表示領域NDAは、表示領域DAの両短辺および両長辺に隣接して配置され得る。この場合、表示領域DAのすべての辺を囲むのであって、表示領域DAの周縁を構成することができる。ただし、これに制限されず、非表示領域NDAは、表示領域DAの両短辺または両長辺にのみ隣接して配置されることもありうる。
【0042】
表示パネル10は、メイン領域MAとメイン領域MAの第2方向DR2の一側に連結されたベンディング領域BAを含み得る。表示パネル10は、第2方向DR2の一側でベンディング領域BAと連結され、メイン領域MAと厚さ方向に重なるサブ領域SAをさらに含み得る。
【0043】
メイン領域MAには表示領域DAが位置し得る。メイン領域MAの表示領域DAの周辺エッジ部分には、非表示領域NDAが位置し得る。
【0044】
メイン領域MAは、表示装置1の平面視での外形と類似する形状を有し得る。メイン領域MAは、一平面に位置した平坦領域であり得る。しかし、これに制限されるものではなく、メイン領域MAにおけるベンディング領域BAと連結されたエッジ(辺)を除く残りのエッジのうちの少なくとも一つのエッジ(エッジ部)が、反り曲げられて曲面をなすか、垂直方向へと折り曲げられることもありうる。
【0045】
メイン領域MAにおける、ベンディング領域BAと連結されたエッジ(辺)を除く残りのエッジのうちの少なくとも一つのエッジが、曲面をなすか、折り曲げられている場合、当該エッジにも表示領域DAが配置されるということもありうる。しかし、これに制限されず、曲面または折り曲げられたエッジ(エッジ部)には、画面を表示しない非表示領域NDAが配置されるか、表示領域DAと非表示領域NDAが共に配置されることもありうる。
【0046】
メイン領域MAの非表示領域NDAは、表示領域DAの外側境界から表示パネル10のエッジまでの領域に置かれ得る。メイン領域MAの非表示領域NDAには、表示領域DAに信号を印加するための信号配線や駆動回路が配置され得る。
【0047】
ベンディング領域BAは、メイン領域MAの一短辺を介して連結され得る。ベンディング領域BAの幅(第1方向DR1の幅)は、メイン領域MAの幅(短辺の幅)より狭くてもよい。メイン領域MAとベンディング領域BAの連結部は、ベゼルの幅を減らすためにL字形状にカットされた形状を有し得る。
【0048】
ベンディング領域BAでは表示パネル10は、表示面の逆方向に曲率を有してベンディングされ得る。表示パネル10がベンディング領域BAでベンディングされると、メイン領域MAは、一方向へと、例えば上方へと向きうるのであって、サブ領域SAは、一方向と対向する他方向へと、例えば下方へと向きうるのであり、前記一方向と前記他方向との間の方向へと向くのでありうる。
【0049】
サブ領域SAはベンディング領域BAから延びる。サブ領域SAは、ベンディングが完了した後から始めてメイン領域MAと平行な方向に延び得る。サブ領域SAは、表示パネル10の厚さ方向にて、メイン領域MAと重なってもよい。サブ領域SAは、メイン領域MAのエッジ(エッジ部)の非表示領域NDAと重なり、さらにはメイン領域MAの表示領域DAと重なるのであってもよい。サブ領域SAの幅は、ベンディング領域BAの幅と同一であり得るが、これに制限されるものではない。
【0050】
表示パネル10のサブ領域SA上にはパッド部が配置され得る。パッド部には外部装置が実装(または付着・取付)され得る。外部装置の例としては、駆動チップ20、フレキシブルプリント回路基板や、リジッドプリント回路基板からなる駆動基板30などを挙げることができ、その他に、配線連結フィルム、コネクタなども、外部装置としてパッド部に実装することができる。
【0051】
サブ領域SAに実装する外部装置は、一つであり得るが、複数であってもよい。例えば、図1および図2に例示したように、表示パネル10のサブ領域SAに駆動チップ20が配置され、サブ領域SAの端部に駆動基板30が取り付けられるのでありうる。この場合、表示パネル10は、駆動チップ20と連結されるパッド部、および、駆動基板30と連結されるパッド部の両方を含むことができる。他の実施形態では、駆動チップがフィルム上に実装され、前記フィルムが、表示パネル10のサブ領域SAに取り付けられるのでありうる。
【0052】
駆動チップ20は、表示面と同じ面である表示パネル10の一面上に実装され得る。上述したように、表示パネル10は、ベンディング領域BAがベンディングされて反転し得るのであり、駆動チップ20の上面は、表示パネル10の面に実装されて下方へと向くのでありうる。
【0053】
駆動チップ20は、異方性導電フィルムにより表示パネル10上に取り付けられるか、超音波接合ボンディングにより表示パネル10上に取り付けられ得る。駆動チップ20の横方向の幅は、表示パネル10の横方向の幅より小さくてもよい。駆動チップ20はサブ領域SAの横方向(第1方向DR1)の中央部に配置され、駆動チップ20の左側エッジ及び右側エッジは、それぞれ、サブ領域SAの左側エッジ及び右側エッジから離隔し得る。
【0054】
駆動チップ20は、表示パネル10を駆動する集積回路を含み得る。一実施形態で、前記集積回路は、データ信号を生成して提供するデータ駆動集積回路であり得るが、これに制限されるものではない。駆動チップ20は、表示パネル10のパッド部に備えられた配線パッドに連結されて、配線パッド側にデータ信号を提供する。配線パッドに連結された配線は、画素側へと延びて、各画素にデータ信号などを印加する。
【0055】
図3は、一実施形態による表示装置の一画素の等価回路図である。
【0056】
図3を参照すると、表示装置1の画素回路は、有機発光素子OLED、複数のトランジスタT1~T7およびキャパシタCstを含む。一画素の回路には、データ信号DATA、第1走査信号Gw-p、第2走査信号Gw-n、第3走査信号GI、発光制御信号EM、第1電源電圧ELVDD、第2電源電圧ELVSSおよび初期化電圧VINTが印加される。
【0057】
有機発光素子OLEDは、アノード電極およびカソード電極を含む。キャパシタCstは第1電極および第2電極を含む。
【0058】
複数のトランジスタは、第1ないし第7トランジスタT1~T7を含み得る。各トランジスタT1~T7は、ゲート電極、第1ソース/ドレイン電極および第2ソース/ドレイン電極を含む。各トランジスタT1~T7における第1ソース/ドレイン電極と第2ソース/ドレイン電極とのうちのいずれか一つはソース電極となり、他の一つはドレイン電極となる。
【0059】
各トランジスタT1~T7は薄膜トランジスタであり得る。各トランジスタT1~T7は、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタのうちのいずれか一つであり得る。一実施形態で、駆動トランジスタである第1トランジスタT1、データ伝達トランジスタである第3トランジスタT3、第1発光制御トランジスタである第5トランジスタT5、および、第2発光制御トランジスタである第6トランジスタT6はPMOSトランジスタであり得る。反面、補償トランジスタである第2トランジスタT2、第1初期化トランジスタである第4トランジスタT4および第2初期化トランジスタである第7トランジスタT7は、NMOSトランジスタであり得る。PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとはその特性が異なるが、第2トランジスタT2、第4トランジスタT4および第7トランジスタT7は、ターンオフ特性が相対的に優れたNMOSトランジスタとして形成されるのであって、表示装置1では、有機発光素子OLEDの発光期間中における駆動電流の漏洩が減少しうる。
【0060】
第1トランジスタT1は、ゲート電極がキャパシタCstの第1電極と連結され得る。第1トランジスタT1の第1ソース/ドレイン電極は、第5トランジスタT5を経由して第1電源電圧ELVDD端子と連結されるのであって、第1トランジスタT1の第2ソース/ドレイン電極は、第6トランジスタT6を経由して有機発光素子OLEDのアノード電極と連結され得る。第1トランジスタT1は、第3トランジスタT3のスイッチング動作に応じてデータ信号DATAの伝達を受けて有機発光素子OLEDに駆動電流を供給する。
【0061】
第3トランジスタT3は、ゲート電極が第1走査信号Gw-p端子と連結され得る。第3トランジスタT3の第1ソース/ドレイン電極はデータ信号DATA端子と連結され、第3トランジスタT3の第2ソース/ドレイン電極は第1トランジスタT1の第1ソース/ドレイン電極と連結され、第5トランジスタT5を経由して第1電源電圧ELVDD端子と連結されるのであり得る。第3トランジスタT3は、第1走査信号Gw-pに応じてターンオンされてデータ信号DATAを第1トランジスタT1の第1ソース/ドレイン電極に伝達し得る。
【0062】
第2トランジスタT2は、ゲート電極が第2走査信号Gw-n端子に連結される。第2トランジスタT2の第1ソース/ドレイン電極は、第1トランジスタT1の第2ソース/ドレイン電極と連結され、第6トランジスタT6を経由して有機発光素子OLEDのアノード電極と連結され得る。第2トランジスタT2の第2ソース/ドレイン電極は、キャパシタCstの第1電極、第4トランジスタT4の第1ソース/ドレイン電極および第1トランジスタT1のゲート電極と連結され得る。第2トランジスタT2は、第2走査信号Gw-nに応じてターンオンされて、第1トランジスタT1のゲート電極と第2ソース/ドレイン電極とを互いに連結して、第1トランジスタT1をダイオード連結させる。そのため、第1トランジスタT1の第1電極とゲート電極の間に、第1トランジスタT1のしきい電圧だけ電位差が発生するのであって、第1トランジスタT1のゲート電極に、しきい電圧が補償されたデータ信号DATAを供給することによって、第1トランジスタT1のしきい電圧偏差を補償することができる。
【0063】
第4トランジスタT4は、ゲート電極が第3走査信号GI端子と連結され得る。第4トランジスタT4の第2ソース/ドレイン電極は初期化電圧VINT端子と連結され、第4トランジスタT4の第1ソース/ドレイン電極は、キャパシタCstの第1電極、第2トランジスタT2の第2ソース/ドレイン電極および第1トランジスタT1のゲート電極と連結され得る。第4トランジスタT4は、第3走査信号GIに応じてターンオンされて、初期化電圧VINTを第1トランジスタT1のゲート電極に伝達して、第1トランジスタT1のゲート電極の電圧を初期化することができる。
【0064】
第5トランジスタT5は、ゲート電極が発光制御信号EM端子と連結され得る。第5トランジスタT5の第1ソース/ドレイン電極は、第1電源電圧ELVDD端子と連結され、第5トランジスタT5の第2ソース/ドレイン電極は、第1トランジスタT1の第1ソース/ドレイン電極および第2トランジスタT2の第2ソース/ドレイン電極と連結されるのであり得る。
【0065】
第6トランジスタT6は、ゲート電極が発光制御信号EM端子と連結され得る。第6トランジスタT6の第1ソース/ドレイン電極は、第1トランジスタT1の第2ソース/ドレイン電極および第2トランジスタT2の第1ソース/ドレイン電極と連結され、第6トランジスタT6の第2ソース/ドレイン電極は、有機発光素子OLEDのアノード電極と連結され得る。
【0066】
第5トランジスタT5と第6トランジスタT6は、発光制御信号EMに応じて同時にターンオンされ、それに伴い有機発光素子OLEDに駆動電流が流れうる。
【0067】
第7トランジスタT7は、ゲート電極が発光制御信号EM端子と連結され得る。第7トランジスタT7の第1ソース/ドレイン電極は、有機発光素子OLEDのアノード電極と連結され、第7トランジスタT7の第2ソース/ドレイン電極は、初期化電圧VINT端子と連結されるのであり得る。第7トランジスタT7は、発光制御信号EMに応じてターンオンされて、有機発光素子OLEDのアノード電極を初期化させることができる。
【0068】
第7トランジスタT7は、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6と同じ発光制御信号EMの印加を受けるが、第7トランジスタT7はNMOSトランジスタであるのに対し、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6はPMOSトランジスタであるから互いに異なるタイミングにターンオンされることができる。発光制御信号EMがハイレベルである場合、第7トランジスタT7はターンオンされ、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6はターンオフされる。発光制御信号EMがローレベルである場合、第7トランジスタT7はターンオフされ、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6はターンオンされる。第5トランジスタT5と第6トランジスタT6がターンオンされる発光時点では、第7トランジスタT7による初期化動作が行われないのであり、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6がターンオフされる非発光時点に、第7トランジスタT7による初期化が行われる。
【0069】
本実施形態では、第7トランジスタT7のゲート電極が発光制御信号EMの印加を受ける場合を例示したが、他の実施形態では、第7トランジスタT7のゲート電極が第3走査信号GIの印加を受けるか、別途の走査信号を受けるように画素回路を構成することもできる。
【0070】
キャパシタCstの第2電極は、第1電源電圧ELVDD端子と連結され得る。キャパシタCstの第1電極は、第1トランジスタT1のゲート電極、第2トランジスタT2の第2ソース/ドレイン電極および第4トランジスタT4の第1ソース/ドレイン電極に共に連結され得る。有機発光素子OLEDのカソード電極は、第2電源電圧ELVSS端子と連結され得る。有機発光素子OLEDは第1トランジスタT1から駆動電流の伝達を受けて発光することによって画像を表示することができる。
【0071】
図4は、一実施形態による表示装置の一画素を示す断面図である。図5は、一実施形態による表示装置の第2トランジスタを示す平面図である。図6は、図4のA部分の拡大図である。図7は、一実施形態による表示装置の第1トランジスタを示す平面図である。図8は、図4のB部分の拡大図である。
【0072】
図4は、表示装置1の表示パネル10において一画素に含まれた互いに異なるトランジスタT1,T2を示している。図5および図6では、酸化物トランジスタ領域AR2に配置された酸化物トランジスタとしての、第2トランジスタT2の概略的な平面および断面を示している。図7および図8では、シリコントランジスタ領域AR1に配置されたシリコントランジスタとしての、第1トランジスタT1の概略的な平面および断面を示している。
【0073】
図4ないし図8を参照すると、表示装置1の表示パネル10は、多結晶シリコンを含む非酸化物無機半導体トランジスタ(以下、「シリコントランジスタ」)が配置されるシリコントランジスタ領域AR1、および、酸化物半導体を含む酸化物半導体トランジスタ(以下、「酸化物トランジスタ」)が配置される酸化物トランジスタ領域AR2を含み得る。
【0074】
シリコントランジスタ領域AR1に配置されるシリコントランジスタは、PMOSトランジスタであり得るのであり、図4では、シリコントランジスタの例として、駆動トランジスタである第1トランジスタT1を示す。酸化物トランジスタ領域AR2に配置される酸化物トランジスタはNMOSトランジスタであり得るのであり、図4では、酸化物トランジスタの例として補償トランジスタである第2トランジスタT2を例示的に示す。
【0075】
第3トランジスタT3、第5トランジスタT5、および第6トランジスタT6は、シリコントランジスタ領域AR1に配置される他のシリコントランジスタであり得る。第3トランジスタT3、第5トランジスタT5、および第6トランジスタT6は、第1トランジスタT1と実質的に同じ構造を有することができる。第4トランジスタT4と第7トランジスタT7は、酸化物トランジスタ領域AR2に配置される他の酸化物トランジスタであり得る。第4トランジスタT4と第7トランジスタT7は、第2トランジスタT2と実質的に同じ構造を有することができる。
【0076】
表示装置1の表示パネル10は、基板101、バリア層102、バッファ層103、第1半導体層105、第1ゲート絶縁層GI1、第1導電層110、第2ゲート絶縁層GI2、第2導電層120、第1層間絶縁層ILD1、第1酸化物半導体層135、第3ゲート絶縁層GI3、第3導電層140、第2層間絶縁層ILD2、第4導電層150、第1ビア層VIA1、第5導電層160、第2ビア層VIA2、アノード電極ANO、画素定義膜PDL、カソード電極CAT、発光層ELおよび薄膜封止層170を含み得る。上述した各層は、単一層からなりうるが、互いに同一または互いに異なる複数の層が積層された多重層からなることもありうる。
【0077】
基板101は、その上に配置される各層を支持し得る。例えば、基板101は高分子樹脂などの絶縁物質からなる。高分子物質の例としては、ポリエーテルスルホン(polyethersulphone:PES)、ポリアクリレート(polyacrylate:PA)、ポリアリレート(polyarylate:PAR)、ポリエーテルイミド(polyetherimide:PEI)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene napthalate:PEN)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terepthalate:PET)、ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide:PPS)、ポリアリレート(polyallylate)、ポリイミド(polyimide:PI)、ポリカーボネート(polycarbonate:PC)、セルローストリアセテート(cellulose triacetate:CAT)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate:CAP)またはこれらの組み合わせが挙げられる。基板101は、金属材質の物質を含むこともできる。
【0078】
基板101は、ベンディング(曲げ;bending)、フォールディング(折り曲げ;folding)(folding)、ローリング(巻き取り;rolling)などが可能なフレキシブル(flexible)基板であり得る。フレキシブル基板をなす物質の例としてはポリイミド(PI)が挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0079】
表示装置1が背面発光型または両面発光型である場合は、透明な基板が用いられる。表示装置1が前面発光型である場合は、透明な基板だけでなく、半透明や不透明基板を適用することもできる。
【0080】
バリア層102は基板101上に配置され得る。バリア層102は、不純物イオンが拡散することを防止し、水分や外気の浸透を防止し、表面平坦化機能をすることができる。バリア層102は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、またはシリコン酸窒化物(SiO)のうち少なくとも一つを含むことができる。バリア層102は、基板101の種類や工程条件などに応じて省略することもできる。
【0081】
バッファ層103はバリア層102上に配置され得る。バッファ層103は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、またはシリコン酸窒化物(SiO)のうち少なくとも一つを含むことができる。バッファ層103は、基板101の種類や工程条件などに応じて省略することもできる。
【0082】
第1半導体層105はバッファ層103上に配置され得る。第1半導体層105はシリコントランジスタ領域AR1に配置され得る。
【0083】
第1半導体層105は非酸化物半導体を含み得る。例えば、第1半導体層105は、多結晶シリコン、単結晶シリコンまたは非晶質シリコン(amorphous silicon)などからなる。第1半導体層105が多結晶シリコンからなる場合、前記多結晶シリコンは非晶質シリコンをRTA(rapid thermal annealing)法、SPC(solid phase crystallization)法、ELA(excimer laser annealing)法、MIC(metal induced crystallization)法、MILC(metal induced lateral crystallization)法、SLS(sequential lateral solidification)法などの結晶化方法で結晶化して形成されうる。
【0084】
第1半導体層105は、第1ゲート電極111と厚さ方向に重畳配置されたチャネル領域105c、並びに、チャネル領域105cの一側および他側にそれぞれ位置した、第1半導体層105の第1ソース/ドレイン領域105a、及び第2ソース/ドレイン領域105bを含み得る。第1半導体層105の第1および第2ソース/ドレイン領域105a,105bには、多数のキャリアイオンが含まれており、チャネル領域105cに比べて導電性が大きく、低い電気的な抵抗を有し得る。
【0085】
第1半導体層105は、上述した第1トランジスタT1、第3トランジスタT3、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6の半導体層(またはアクティブ層)を含み、当該トランジスタのチャネルを含み得る。第1半導体層105は、上述した第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6それぞれのチャネル領域、第1ソース/ドレイン領域および第2ソース/ドレイン領域を含み得る。
【0086】
第1ゲート絶縁層GI1は第1半導体層105上に配置され得る。第1ゲート絶縁層GI1は、コンタクトホールCNT1,CNT2が形成された部分を除く第1半導体層105の上面を覆うだけでなく、第1半導体層105の側面までも覆うことができる。第1ゲート絶縁層GI1は、概して基板101の全面にわたって配置されることができる。
【0087】
第1ゲート絶縁層GI1は、シリコン化合物、金属酸化物などを含むことができる。例えば、第1ゲート絶縁層GI1はシリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiO)、アルミニウム酸化物(AlO)、タンタル酸化物(TaO)、ハフニウム酸化物(HfO)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)などを含むことができる。第1ゲート絶縁層GI1は、前記物質からなる単層構造、または2つ以上の層からなる多重層(積層)構造を有することができる。
【0088】
第1導電層110は第1ゲート絶縁層GI1上に配置される。第1導電層110は、ゲート導電層であって、シリコントランジスタ領域AR1に配置された第1ゲート電極111を含み得る。第1ゲート電極111はシリコントランジスタのゲート電極であり得る。第1ゲート電極111はキャパシタCstの第1電極と連結され得る。キャパシタCstの第1電極は、第1ゲート電極111それ自体からなるか、第1ゲート電極111から延びた部分からなるのでありうる。例えば、第1導電層110のパターンのうちの一部は、第1半導体層105に重なることで当該部分にて第1ゲート電極111の機能を行い、他の一部は、第1半導体層105と重ならずに、上部のキャパシタCstの第2電極121と重なることで、キャパシタCstの第1電極の機能を行うことができる。ただし、これに制限されない。
【0089】
第1導電層110は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、および銅(Cu)からなる群より選ばれた一つ以上の金属を含むことができる。
【0090】
第2ゲート絶縁層GI2は、第1導電層110上に配置され得る。第2ゲート絶縁層GI2は、コンタクトホールCNT1,CNT2が形成された部分を除く、第1導電層110の上面を覆うだけでなく、第1導電層110の側面までも覆うことができる。第2ゲート絶縁層GI2は、概して、基板101の全面にわたって配置されうる。
【0091】
第2ゲート絶縁層GI2は、シリコン化合物、金属酸化物などを含むことができる。例えば、第2ゲート絶縁層GI2は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiO)、アルミニウム酸化物(AlO)、タンタル酸化物(TaO)、ハフニウム酸化物(HfO)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)などを含むことができる。第2ゲート絶縁層GI2は、前記物質からなる単層構造、または2つ以上の層からなる多重層構造を有することができる。
【0092】
第2導電層120は、第2ゲート絶縁層GI2上に配置される。第2導電層120は、キャパシタ導電層であって、シリコントランジスタ領域AR1に配置されたキャパシタCstの第2電極121および酸化物トランジスタ領域AR2に配置された下部遮光パターン122を含み得る。キャパシタCstの第2電極121は、下方の第1ゲート電極111に連結されたキャパシタCstの第1電極に、第2ゲート絶縁層GI2を挟んで重なってもよい。キャパシタCstの第2電極121は、キャパシタCstの第1電極と共にキャパシタCstを形成することができる。
【0093】
下部遮光パターン122は、表示パネル10の下方から入射される光が上方に位置した第1酸化物半導体層135に入射されることを防止することができる。下部遮光パターン122は、少なくとも第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cと重なり、少なくとも第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cをカバーすることができる。図面では、下部遮光パターン122が第1酸化物半導体層135の全領域と重なるように形成された場合を例示しているが、これに制限されない。いくつかの実施形態で、下部遮光パターン122は、第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cのみをカバーするように配置されることもありうる。
【0094】
いくつかの実施形態で、下部遮光パターン122は、酸化物トランジスタのもう一つのゲート電極として使用できる。この場合、下部遮光パターン122は、第2ゲート電極142または酸化物トランジスタ領域AR2に配置された、トランジスタの第3ソース/ドレイン電極153、第4ソース/ドレイン電極154のいずれか一つと電気的に接続されることができる。
【0095】
第2導電層120は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、および銅(Cu)からなる群より選ばれた一つ以上の金属を含むことができる。
【0096】
第1層間絶縁層ILD1は、第2導電層120上に配置される。第1層間絶縁層ILD1は、コンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3,CNT4が形成された部分を除く第2導電層120の上面を覆うだけでなく、第2導電層120の側面までも覆うことができる。第1層間絶縁層ILD1は、概して、基板101の全面にわたって配置されうる。
【0097】
第1層間絶縁層ILD1は、シリコン化合物、金属酸化物などを含むことができる。例えば、第1層間絶縁層ILD1は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiO)、アルミニウム酸化物(AlO)、タンタル酸化物(TaO)、ハフニウム酸化物(HfO)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)などを含むことができる。第1層間絶縁層ILD1は、前記物質からなる単層構造、または2つ以上の層からなる多重層構造を有することができる。
【0098】
第1酸化物半導体層135は、第1層間絶縁層ILD1上に配置される。第1酸化物半導体層135は、酸化物トランジスタ領域AR2に配置され得る。第1酸化物半導体層135は酸化物半導体を含んでなる。酸化物は、G-I-Z-O、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)カドミウム(Cd)、ゲルマニウム(Ge)、またはハフニウム(Hf)あるいはこれらの組み合わせより選ばれた一つ以上の酸化物を含むことができる。一例として、第1酸化物半導体層135は、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(IGZO,Indium Gallium Zinc Oxide)、亜鉛-スズ酸化物(ZTO,Zinc Tin Oxide)、インジウム-スズ酸化物(IZO,Indium Tin Oxide)などのうちの少なくとも一つを含んでなる。
【0099】
第1酸化物半導体層135は、上部の第2ゲート電極142と厚さ方向に重畳配置されたチャネル領域135c、チャネル領域135cの一側および他側にそれぞれ位置した、第1酸化物半導体層135の第3ソース/ドレイン領域135aおよび第4ソース/ドレイン領域135bを含み得る。第1酸化物半導体層135の第3および第4ソース/ドレイン領域135a,135bは、導体化された領域であり、チャネル領域135cに比べて導電性が大きく、低い電気的な抵抗を有し得る。
【0100】
第1酸化物半導体層135は、上述した第2トランジスタT2、第4トランジスタT4および第7トランジスタT7の半導体層を含み得るのであって、該当トランジスタのチャネルを含み得る。第1酸化物半導体層135は、上述した第2トランジスタT2、第4トランジスタT4および第7トランジスタT7のそれぞれのチャネル領域、第1ソース/ドレイン領域および第2ソース/ドレイン領域を含み得る。
【0101】
第3ゲート絶縁層GI3は、第1酸化物半導体層135上に配置される。第3ゲート絶縁層GI3は、コンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3,CNT4が形成された部分を除く、第1酸化物半導体層135の上面を覆うだけでなく、第1酸化物半導体層135の側面までも覆うことができる。第3ゲート絶縁層GI3は、概して、基板101の全面にわたって配置されうる。
【0102】
第3ゲート絶縁層GI3は、シリコン化合物、金属酸化物などを含むことができる。例えば、第1層間絶縁層ILD1は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiO)、アルミニウム酸化物(AlO)、タンタル酸化物(TaO)、ハフニウム酸化物(HfO)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)などを含むことができる。第3ゲート絶縁層GI3は、前記物質からなる単層構造、または2つ以上の層からなる多重層構造を有することができる。
【0103】
第3導電層140は、第3ゲート絶縁層GI3上に配置される。第3導電層140は、ゲート導電層であって、酸化物トランジスタ領域AR2に配置されたトランジスタの第2ゲート電極142を含み得る。第2ゲート電極142は、酸化物トランジスタのゲート電極であり得る。
【0104】
第3導電層140は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、および銅(Cu)からなる群より選ばれた一つ以上の金属を含むことができる。
【0105】
一実施形態によれば、表示装置1は、第3導電層の側面、例えば第2ゲート電極の側面上に配置されたスペーサ(SP;SP1,SP2)を含み得る。第2トランジスタT2は酸化物トランジスタとして第1酸化物半導体層135を含み、第1酸化物半導体層135上に配置された第2ゲート電極142を含み得る。スペーサSPは第2トランジスタT2の第2ゲート電極142の側面上に配置され得る。
【0106】
例えば、スペーサSPは、第3ゲート絶縁層GI3上で第3導電層140の第2ゲート電極142の側面に配置され得る。スペーサSPは、下面が第3ゲート絶縁層GI3の上面と直接接触し、内側側面が第2ゲート電極142の側面と直接接触し得る。第3導電層140の第2ゲート電極142が第2方向DR2に延びる形状の構造を有する実施形態において、スペーサSPは、第2ゲート電極142の側面で第2方向DR2に延びるように配置されうる。ただし、スペーサSPは、第2ゲート電極142の上面には配置されなくてもよく、第2ゲート電極142の上面は後述する第2層間絶縁層ILD2と直接接触し得る。
【0107】
一実施形態によれば、スペーサSPは、第1スペーサSP1、および第1スペーサSP1上に配置された第2スペーサSP2を含み得る。第1スペーサSP1は、第3ゲート絶縁層GI3上で、第2ゲート電極142の側面と直接接触するように配置されるのであって、第2スペーサSP2は、第1スペーサSP1上に直接配置され得る。スペーサSPのうちの第3ゲート絶縁層GI3および第2ゲート電極142とそれぞれ接触する部分は、第1スペーサSP1であり得る。
【0108】
第1スペーサSP1は、第2ゲート電極142の側面を包み込む(覆いつくす)ように配置された第1部分、および、前記第1部分と連結されて第3ゲート絶縁層GI3上に直接配置された第2部分を含み得る。第1スペーサSP1の材料は、第3ゲート絶縁層GI3上にて、第2ゲート電極142を完全に覆ってから、第2ゲート電極142の上面が露出するようにエッチングされる工程により形成されうる。それに伴い、第1スペーサSP1の第1部分は、内側側面が第2ゲート電極142の側面と接しており、第2部分は、下面が第2ゲート電極142の付近にて、第3ゲート絶縁層GI3の上面と接しているのであり得る。第1スペーサSP1の第1部分と第2部分とは、第3ゲート絶縁層GI3上で互いに連結された形状を有し得る。第1スペーサSP1は、第2ゲート電極142の上面には配置されないのでありうる。
【0109】
第2スペーサSP2は第1スペーサSP1上に配置される。第2スペーサSP2も、第1スペーサSP1と同一に第2ゲート電極142上には配置されなくてもよい。第2スペーサSP2は、内側側面が第1スペーサSP1の第1部分と接して配置され、下面が第1スペーサSP1の第2部分の上面と接するように配置され得る。第1スペーサSP1が、第3ゲート絶縁層GI3上で第2ゲート電極142が形成する段差による形状を有し、第2スペーサSP2は外側側面が緩やかな曲率を有する形状を有し得る。
【0110】
酸化物トランジスタである第2トランジスタT2は、第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cが、第2ゲート電極142およびスペーサSPと重なりうる。第1酸化物半導体層135にソース/ドレイン領域135a,135bを形成するためのイオンドープ工程において、第1酸化物半導体層135のうちのスペーサSPと重なる領域には、イオンがドープされなくてもよい。第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cは、第2ゲート電極142およびスペーサSPと重なる領域に形成されうる。
【0111】
第2ゲート電極142の第1幅W1は、第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cの第2幅W2より小さくてもよく、第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cの第2幅W2は、第2ゲート電極142の第1幅W1と、第2ゲート電極142の両側面に配置されたスペーサSPの幅との合計と同一であり得る。第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cの両側であってスペーサSPと重ならない部分には、ソース/ドレイン領域135a,135bが形成されうる。反面、シリコントランジスタである第1トランジスタT1は、第1半導体層105のチャネル領域105cが第1ゲート電極111と重なってもよい。第1ゲート電極111の第3幅W3は、第1半導体層105のチャネル領域105cの第3幅W3と実質的に同一であり得る。
【0112】
一実施形態によれば、第1スペーサSP1および第2スペーサSP2は、それぞれ絶縁性物質層を含み、水素(Hydrogen,H)の含有量が互いに異なる材料を含むことができる。第1スペーサSP1および第2スペーサSP2は、それぞれが、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiO)、アルミニウム酸化物(AlO)、タンタル酸化物(TaO)、ハフニウム酸化物(HfO)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)などといった物質からなる群より選ばれた一つを含み、第1スペーサSP1の水素含有量は、第2スペーサSP2の水素含有量より低いのでありうる。第1スペーサSP1と第2スペーサSP2とは、後述する第2層間絶縁層ILD2とも水素の含有量を対比可能であり、第1スペーサSP1と第2スペーサSP2は、それぞれが第2層間絶縁層ILD2よりも水素の含有量がより低いのでありうる。例えば、第1スペーサSP1は極低水素膜材料を含み、第2スペーサSP2は低水素膜材料を含み、第2層間絶縁層ILD2は高水素膜材料を含むことができる。
【0113】
第2トランジスタT2の形成工程において、第2ゲート電極142を形成した後に、後述する第2層間絶縁層ILD2、および第4導電層150のソース/ドレイン電極153,154を形成する工程が行われる。第2層間絶縁層ILD2を形成する蒸着工程、第2層間絶縁層ILD2を貫通するコンタクトホール形成工程、その後の熱処理工程などが行われる際、第2層間絶縁層ILD2に含まれた水素は、第3ゲート絶縁層GI3を介して第1酸化物半導体層135に拡散しうる。第1酸化物半導体層135に拡散した水素は、酸化物半導体内の酸素空孔(Oxygen vacancy)を埋めることで半導体層内にてキャリア(Carrier)となり得る。
【0114】
第2ゲート電極142の側面に配置されたスペーサSPは、水素の含有量が低い材料を含むことで、第2層間絶縁層ILD2からの水素の拡散を防止することができる。第2層間絶縁層ILD2から第1酸化物半導体層135に拡散する水素は、第1酸化物半導体層135のうちの、スペーサSPと重ならないソース/ドレイン領域135a,135bに拡散し得る。第1酸化物半導体層135のうちの、スペーサSPと重なるチャネル領域135cには、ソース/ドレイン領域135a,135bに比べて少量の水素が拡散し得るのであって、第1酸化物半導体層135のうちの、第2ゲート電極142と重なるチャネル領域135cには、さらに少量の水素が拡散し得る。
【0115】
一実施形態によれば、スペーサSP1,SP2と重なるように配置された第1酸化物半導体層135は、互いに異なる水素濃度を有する領域P1~P5を含み得る。第1酸化物半導体層135のソース/ドレイン領域135a,135bは、それぞれがチャネル領域135cよりも多くの含有量の水素を含むことができる。第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cは、第1領域P1、第1領域P1より水素の濃度が大きい第2領域P2および第3領域P3と、第2および第3領域P2,P3より水素の濃度が大きい第4領域P4および第5領域P5とを含み得る。第1領域P1は、第2ゲート電極142と重なる領域であり、第2ないし第5領域P2~P5は、スペーサSP1,SP2と重なる領域であり得る。第2領域P2および第3領域P3は、極低水素膜材料を含む第1スペーサSP1と重なるものの、第2スペーサSP2の下面と重ならない領域であり、第4領域P4および第5領域P5は、第1スペーサSP1および低水素膜材料を含む第2スペーサSP2の下面と重なる領域であり得る。第1領域P1は、第2ゲート電極142と重なるように配置されるにつれ、第2層間絶縁層ILD2で最も少量の水素が拡散する領域であり得る。第1領域P1から、外側であるソース/ドレイン領域135a,135bに行くほど、拡散した水素の含有量が徐々に増加し得る。第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cは、位置に応じた水素濃度勾配(Gradation)を有し得る。第1酸化物半導体層135は、水素濃度勾配が形成されたチャネル領域135cを含むため、チャネル領域の長さが短くても優れたスイッチング特性を有することができる。
【0116】
ただし、いくつかの実施形態で、第1スペーサSP1と重なる第2領域P2および第3領域P3は、第2スペーサSP2の下面と重ならないが、第2スペーサSP2のうちの、第1スペーサSP1上に配置された部分の一部は、第2領域P2および第3領域P3と重なってもよい。または、第2領域P2および第3領域P3は、第2スペーサSP2の下面と、一部分は重なってもよい。ただし、第2領域P2および第3領域P3の大部分は、第1スペーサSP1と重なり、第1スペーサSP1が重なる領域が、第2スペーサSP2と重なる領域よりもより多いのでありうる。上述した説明は、第1領域P1、第4領域P4および第5領域P5と、第2ゲート電極142、および第2スペーサSP2との重畳関係に係る説明にも、同様に適用することができる。
【0117】
第1トランジスタT1は、シリコントランジスタであって、かつ画素回路の駆動トランジスタであり、第2トランジスタT2は、酸化物トランジスタであって、かつ画素回路のスイッチングトランジスタであり得る。スイッチングトランジスタは、ゲート電極に印加されたゲート電圧に応じた、しきい電圧(Threshold voltage,Vth)が、一定の数値以上の値を有することが求められる。
【0118】
図9は、酸化物半導体を含むトランジスタのチャネル領域の長さに応じた、しきい電圧を示すグラフである。
【0119】
図9は、スペーサSP1,SP2を含むか否かに応じて製作されたトランジスタ(SAMPLE#1はスペーサを含まないトランジスタであり、SAMPLE#2はスペーサ、例えば第1スペーサSP1と第2スペーサSP2を含むトランジスタである。)における、チャネル領域の長さ(Channel length)に応じたしきい電圧Vthの変化を示している。SAMPLE#の1トランジスタは、ゲート電極の側面にスペーサSP1,SP2が形成されていないトランジスタであり、SAMPLE#2のトランジスタは、ゲート電極の側面にスペーサSP1,SP2が形成されたトランジスタである。SAMPLE#2のトランジスタは、スペーサSP1,SP2の位置に応じてチャネル領域に水素濃度勾配が形成されうる。
【0120】
図9を参照すると、トランジスタのしきい電圧Vthは、チャネル領域の長さに影響を受け得る。同じ幅または長さの酸化物半導体層を含むトランジスタにおいて、相対的にチャネル領域の長さ、または有効チャネル領域の長さ(Effective channel length)がより長いトランジスタはしきい電圧Vthが低下せず、漏洩電流を防止することができる。
【0121】
また、SAMPLE#1のトランジスタに比べて、酸化物半導体層に、スペーサSP1,SP2による水素濃度勾配が形成されたSAMPLE#2のトランジスタの場合、チャネル領域の長さが短くなっても、しきい電圧Vthが大きく低下しない。SAMPLE#1のトランジスタは、チャネル領域の長さが4μmである時、しきい電圧Vthが-3Vであることに対して、SAMPLE#2のトランジスタはチャネル領域の長さが4μmである時、しきい電圧Vthが約-0.5Vであることが分かる。これは、酸化物トランジスタのゲート電極の側面にスペーサSP1,SP2が配置されることによって、チャネル領域の長さが短くても、それに伴って、しきい電圧Vthが低くなることを防止することができ、スイッチングトランジスタとしての優れた素子特性を有することが分かる。
【0122】
一実施形態による表示装置1は、酸化物トランジスタである第2トランジスタT2のゲート電極142上に配置されたスペーサSPをさらに含むため、第1酸化物半導体層135の幅が狭くなっても、十分な有効チャネル領域の長さ(Effective channel length)を確保することができる。例示的な実施形態で、表示装置1に含まれるスイッチングトランジスタである第2トランジスタT2は、チャネル領域135cのチャネル長さを示す幅W2が3μm以下の値を有し得る。
【0123】
第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cが短い幅W2または長さを有しても、水素濃度が互いに異なる領域P1~P5を含むため、チャネル領域の長さが短くなるにつれてしきい電圧が減少することを防止することができる。表示装置1は、優れた特性を有するスイッチングトランジスタを含むため、表示パネル10が単位面積あたりに多数の画素を含むことができ、高解像度の表示装置の実現が可能であるという利点がある。
【0124】
再び図4ないし図8を参照すると、第2層間絶縁層ILD2は第3導電層140およびスペーサSP1,SP2上に配置される。第2層間絶縁層ILD2は、コンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3,CNT4が形成された部分を除く、第3導電層140とスペーサSP1,SP2の上面を覆うだけでなく、第3導電層140とスペーサSP1,SP2の側面までも覆うことができる。第2層間絶縁層ILD2は、概して、基板101の全面にわたって配置されうる。
【0125】
第2層間絶縁層ILD2は、シリコン化合物、金属酸化物などを含むことができる。例えば、第2層間絶縁層ILD2は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiO)、アルミニウム酸化物(AlO)、タンタル酸化物(TaO)、ハフニウム酸化物(HfO)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)などを含むことができる。第1層間絶縁層ILD1は、前記物質からなる単層構造、または2以上の層からなる多重層構造を有することができる。
【0126】
第4導電層150は、第2層間絶縁層ILD2上に配置される。第4導電層150は、データ導電(導電層)であって、シリコントランジスタ領域AR1に配置されたトランジスタの第1ソース/ドレイン電極151及び第2ソース/ドレイン電極152と、酸化物トランジスタ領域AR2に配置されたトランジスタの第3ソース/ドレイン電極153及び第4ソース/ドレイン電極154とを含み得る。
【0127】
シリコントランジスタ領域AR1に配置されたトランジスタにおいて、第1ソース/ドレイン電極151は、第2層間絶縁層ILD2、第3ゲート絶縁層GI3、第1層間絶縁層ILD1、第2ゲート絶縁層GI2および第1ゲート絶縁層GI1を貫通して、第1半導体層105の第1ソース/ドレイン領域105aを露出する第1コンタクトホールCNT1を通じて、第1半導体層105の第1ソース/ドレイン領域105aと電気的に接続され得る。第2ソース/ドレイン電極152は、第2層間絶縁層ILD2、第3ゲート絶縁層GI3、第1層間絶縁層ILD1、第2ゲート絶縁層GI2および第1ゲート絶縁層GI1を貫通して、第1半導体層105の第2ソース/ドレイン領域105bを露出する第2コンタクトホールCNT2を通じて、第1半導体層105の第2ソース/ドレイン領域105bと電気的に接続され得る。
【0128】
酸化物トランジスタ領域AR2に配置されたトランジスタにおいて、第3ソース/ドレイン電極153は、第2層間絶縁層ILD2、および第3ゲート絶縁層GI3を貫通して、第1酸化物半導体層135の第3ソース/ドレイン領域135aを露出する第3コンタクトホールCNT3を通じて、第1酸化物半導体層135の第3ソース/ドレイン領域135aと電気的に接続され得る。第4ソース/ドレイン電極154は、第2層間絶縁層ILD2、および第3ゲート絶縁層GI3を貫通して、第1酸化物半導体層135の第4ソース/ドレイン領域135bを露出する第4コンタクトホールCNT4を通じて、第1酸化物半導体層135の第4ソース/ドレイン領域135bと電気的に接続され得る。第1ないし第4コンタクトホールCNT1~CNT4は、一つのマスク工程により形成されうる。この場合、シリコントランジスタ領域AR1と、酸化物トランジスタ領域AR2とで、複数のコンタクトホール(例えば第1ないし第4コンタクトホールCNT1~CNT4)を形成するための工程が分離されなくてもよく、工程効率が向上し、工程コストが減少しうる。
【0129】
第4導電層150は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、および銅(Cu)からなる群より選ばれた一つ以上の金属を含むことができる。
【0130】
第1ビア層VIA1は、第4導電層150上に配置される。第1ビア層VIA1は、無機絶縁物質やアクリル系樹脂(polyacrylates resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides rein)、不飽和ポリエステル系樹脂(unsaturated polyesters resin)、ポリフェニレン系樹脂(poly phenylenethers resin)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(polyphenylenesulfides resin)またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene,BCB)などの有機絶縁物質を含むことができる。
【0131】
第1ビア層VIA1は、第2層間絶縁層ILD2上に配置されて第1ビア層を貫通するコンタクトホールを除いて、第2層間絶縁層ILD2の上面を完全に覆い得る。第1ビア層VIA1は、有機膜からなり、上面を平坦化する機能を行うことができる。
【0132】
第5導電層160は第1ビア層VIA1上に配置される。第5導電層160はアノード連結電極161を含み得る。第1ビア層VIA1には、シリコントランジスタ領域AR1に配置されたトランジスタの第2ソース/ドレイン電極152を露出する第5コンタクトホールCNT5が配置され、アノード連結電極161は、第5コンタクトホールCNT5を介して第2ソース/ドレイン電極152と連結され得る。
【0133】
第5導電層160は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、および銅(Cu)からなる群より選ばれた一つ以上の金属を含むことができる。
【0134】
第2ビア層VIA2はアノード連結電極161上に配置される。第2ビア層VIA2は、無機絶縁物質や、アクリル系樹脂(polyacrylates resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides rein)、不飽和ポリエステル系樹脂(unsaturated polyesters resin)、ポリフェニレン系樹脂(poly phenylenethers resin)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(polyphenylenesulfides resin)またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene,BCB)などの有機絶縁物質を含むことができる。
【0135】
アノード電極ANOは第2ビア層VIA2上に配置される。アノード電極ANOは、それぞれの画素ごとに分離されて配置される画素電極であり得る。アノード電極ANOは、第2ビア層VIA2を貫通し、アノード連結電極161の一部を露出する第6コンタクトホールCNT6を通じて、アノード連結電極161と電気的に接続され得る。
【0136】
アノード電極ANOは、インジウム-スズ-酸化物(Indium-Tin-Oxide:ITO)、インジウム-亜鉛-酸化物(Indium-Zinc-Oxide:IZO)、酸化亜鉛(Zinc Oxide:ZnO)、酸化インジウム(Indium Oxide:In)の仕事関数が高い物質層と銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、鉛(Pb)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)またはこれらの混合物などといった反射性物質層が積層された積層膜構造を有することができる。仕事関数が高い層が、反射性物質層よりも上層に配置されて、発光層ELに近く配置され得る。アノード電極ANOはITO/Mg、ITO/MgF、ITO/Ag、ITO/Ag/ITOの複数層構造を有しうるが、これに制限されない。
【0137】
画素画定(定義)膜PDLはアノード電極ANO上に配置され得る。画素画定(定義)膜PDLは、アノード電極ANOを部分的に露出させる開口部を含み得る。画素画定(定義)膜PDLは有機絶縁物質または無機絶縁物質からなる。例えば、画素画定(定義)膜PDLは、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン化合物、ポリアクリル系樹脂などのうちの少なくとも一つを含んでなる。
【0138】
発光層ELは、画素画定(定義)膜PDLが露出するアノード電極ANO上に配置される。発光層ELは有機物質層を含み得る。発光層の有機物質層は、有機発光層を含み、正孔注入/輸送層および/または電子注入/輸送層をさらに含み得る。
【0139】
カソード電極CATは発光層EL上に配置され得る。カソード電極CATは、画素PXの区別なしに表示領域DAにて全面的に配置された共通電極であり得る。アノード電極ANO、発光層ELおよびカソード電極CATは、それぞれの有機発光素子を構成することができる。
【0140】
カソード電極CATは、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Mg、Ag、Pt、Pd、Ni、Au、Nd、Ir、Cr、BaF、Baまたはこれらの化合物や混合物(例えば、AgとMgの混合物など)といった仕事関数が低い物質層を含み得る。カソード電極CATは、前記仕事関数が低い物質層上に配置された透明金属酸化物層をさらに含み得る。
【0141】
アノード電極ANO、発光層ELおよびカソード電極CATは、有機発光素子OLEDを構成することができる。
【0142】
薄膜封止層170はカソード電極CAT上に配置される。薄膜封止層170は、第1無機膜171、有機膜172および第2無機膜173を含み得る。薄膜封止層170の端部にて、第1無機膜171と第2無機膜173とは互いに接し得る。有機膜172は、第1無機膜171と第2無機膜173により密封され得る。
【0143】
第1無機膜171および第2無機膜173は、それぞれがシリコン窒化物、シリコン酸化物、またはシリコン酸窒化物などを含むことができる。有機膜172は有機絶縁物質を含むことができる。
【0144】
以下、他の図面をさらに参照して表示装置1の製造工程について説明する。
【0145】
図10は、一実施形態による表示装置の製造工程を示すフローチャートである。
【0146】
図10を参照すると、一実施形態による表示装置1の製造工程は、基板101を準備する段階(S10)、シリコントランジスタ領域AR1に第1半導体層105を形成し、第1ゲート絶縁層GI1、第1導電層110、第2ゲート絶縁層GI2、第2導電層120および第1層間絶縁層ILD1を形成する段階(S20)、酸化物トランジスタ領域AR2に第1酸化物半導体層135を形成し、第3ゲート絶縁層GI3を形成する段階(S30)、第3ゲート絶縁層GI3上に第3導電層140を形成し、第3導電層140上に複数のスペーサ層SPL1,SPL2を形成する段階(S40)、スペーサ層SPL1,SPL2をエッチングしてスペーサSPを形成する段階(S50)、第1酸化物半導体層135にイオンを注入してソース/ドレイン領域135a,135bを形成する段階(S60)、第3導電層140上に第2層間絶縁層ILD2および、第4導電層150を形成する段階(S70)を含み得る。表示装置1の製造工程は、シリコントランジスタ領域AR1に第1半導体層105を含む第1トランジスタT1を形成する工程、および、酸化物トランジスタ領域AR2に第1酸化物半導体層135を含む第2トランジスタT2を形成する工程を含み得る。第2トランジスタT2を形成する工程において、第1酸化物半導体層135上にスペーサSP1,SP2を形成し、その後にイオンを注入する工程が行われることによって、第2トランジスタT2は、十分な有効チャネル領域の長さを確保することができる。以下、他の図面をさらに参照して、表示装置1の製造工程について詳細に説明する。
【0147】
図11ないし図13は一実施形態による表示装置の製造工程における第1トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
【0148】
図11ないし図13を参照すると、基板101を準備(S10)し、シリコントランジスタ領域AR1に第1トランジスタT1の第1半導体層105および第1ゲート電極111を形成する。
【0149】
図11に図示のように、基板101はシリコントランジスタ領域AR1および酸化物トランジスタ領域AR2を含み得る。基板101上にはバリア層102およびバッファ層103が配置され得る。これに関する説明は上述したとおりである。
【0150】
次に、図12に図示のように、シリコントランジスタ領域AR1のバッファ層103上に第1半導体層105を形成し、続いて第1ゲート絶縁層GI1、第1導電層110、および第2ゲート絶縁層GI2を形成(S20)する。第1半導体層105を形成する工程は、シリコン半導体層用物質層を形成した後、フォトリソグラフィ工程によりパターニングして形成されうる。第1ゲート絶縁層GI1および第2ゲート絶縁層GI2は、ゲート絶縁層用物質層を全面に蒸着して形成されることができる。または、いくつかの実施形態において、第1ゲート絶縁層GI1および第2ゲート絶縁層GI2は、ゲート絶縁層用物質層を全面に蒸着した後、これをパターニングする工程が行われ得るのであり、第1ゲート絶縁層GI1および第2ゲート絶縁層GI2はパターニングすることもできる。
【0151】
次に、図13に図示のように、第2ゲート絶縁層GI2上に、第2導電層120および第1層間絶縁層ILD1を形成(S20)する。第2導電層120は、シリコントランジスタ領域AR1に配置されたキャパシタCstの第2電極121、および、酸化物トランジスタ領域AR2に配置された下部遮光パターン122を含み得る。第2導電層120は、導電層用物質層を全面に蒸着した後、フォトリソグラフィ工程によりパターニングされて形成されうる。
【0152】
次に、酸化物トランジスタ領域AR2に配置される第2トランジスタT2の第1酸化物半導体層135、および、第2ゲート電極142とスペーサSP1,SP2を形成する。
【0153】
図14ないし図20は、一実施形態による表示装置の製造工程における第2トランジスタの形成工程の一部を順に示す断面図である。
【0154】
図14ないし図20を参照すると、基板101の酸化物トランジスタ領域AR2に、第1酸化物半導体層135、第2ゲート電極142、およびスペーサSP1,SP2を形成する。
【0155】
図14に図示するように、酸化物トランジスタ領域AR2の第2ゲート絶縁層GI2上に、第1酸化物半導体層135を形成し、続いて第3ゲート絶縁層GI3を形成(S30)する。第1酸化物半導体層135を形成する工程は、酸化物半導体層用物質層を形成した後、フォトリソグラフィ工程によりパターニングして形成されうる。第3ゲート絶縁層GI3は、ゲート絶縁層用物質層を全面に蒸着して形成されうる。いくつかの実施形態において、第3ゲート絶縁層GI3は、ゲート絶縁層用物質層を全面に蒸着した後、これをパターニングする工程が行われ得るのであり、第3ゲート絶縁層GI3はパターニングすることもできる。
【0156】
次に、図15に図示のように、第3ゲート絶縁層GI3上に第3導電層140を形成する。第3導電層140は、酸化物トランジスタ領域AR2に配置された第2ゲート電極142を含み得る。第3導電層140は、導電層用物質層を全面に蒸着した後、フォトリソグラフィ工程によりパターニングされて形成されうる。
【0157】
次に、図16に図示のように、第3導電層140上に複数のスペーサ層SPL1,SPL2を形成(S40)する。スペーサ層SPL1,SPL2は、第3導電層140および第3ゲート絶縁層GI3の上に全面的に配置され得る。スペーサ層SPL1,SPL2は、第3導電層140および第3ゲート絶縁層GI3の上に直接配置された第1スペーサ層SPL1、および、第1スペーサ層SPL1上に直接配置された第2スペーサ層SPL2を含み得る。第1スペーサ層SPL1は、極低水素膜材料を含み、後続工程でパターニングされて第1スペーサSP1を形成するのであり、第2スペーサ層SPL2は、低水素膜材料を含み、後続工程でパターニングされて第2スペーサSP2を形成することができる。スペーサ層SPL1,SPL2は、スペーサ層用の物質層を全面に蒸着して形成されうる。
【0158】
次に、図17に図示するように、スペーサ層SPL1,SPL2をマスクなしでエッチングすることで、例えばエッチバック(Etch back)工程によりスペーサSP1,SP2を形成(S50)する。スペーサ層SPL1,SPL2をエッチングする段階は、第2ゲート電極142の上面、および第3ゲート絶縁層GI3の上面の大部分が露出するようにスペーサ層SPL1,SPL2を除去する工程により行われ得る。スペーサ層SPL1,SPL2の大部分が除去されれば、第2ゲート電極142の側面に配置されたスペーサSP1,SP2が残る。先に形成された第1スペーサ層SPL1は、第2ゲート電極142および第3ゲート絶縁層GI3の側面に直接接触する第1スペーサSP1を形成するのであり、第2スペーサ層SPL2は、第1スペーサSP1上に配置された第2スペーサSP2を形成することができる。
【0159】
例示的な実施形態で、スペーサ層SPL1,SPL2を除去する工程は、乾式エッチバック(Dry etch back)工程により行われうる。スペーサ層SPL1,SPL2のエッチングのための別途のマスクは必要でなく、スペーサ層SPL1,SPL2がエッチングされて形成されたスペーサSP1,SP2は、前述したように外面が湾曲した形状を有することができる。
【0160】
次に、図18に図示するように、第1酸化物半導体層135にイオンを注入、またはドーピング(doping)して第1酸化物半導体層135のソース/ドレイン領域135a,135bおよびチャネル領域135cを形成(S60)する。第1酸化物半導体層135のうちの、第2ゲート電極142およびスペーサSP1,SP2と重ならない領域には、イオンが注入されて導体化されうる。導体化された領域は、それぞれ第3ソース/ドレイン領域135aおよび第4ソース/ドレイン領域135bを形成することができる。第1酸化物半導体層135のうちの、第2ゲート電極142およびスペーサSP1,SP2と重なる領域には、イオンが注入されず、チャネル領域135cが形成されうる。スペーサSP1,SP2は、イオンが注入されることを防止する役割をすることができ、第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cの長さは、第2ゲート電極142の幅より大きくてもよい。
【0161】
次に、図19および図20を参照すると、第3導電層140上に第2層間絶縁層ILD2を形成する。第2層間絶縁層ILD2は、層間絶縁層用物質層を全面に蒸着して形成されることができる。第2層間絶縁層ILD2は、スペーサSP1,SP2のそれぞれよりも水素の含有量が多い、高水素膜材料を含むことができる。第2層間絶縁層ILD2が形成された後には、第2層間絶縁層ILD2に含まれた水素(H)が、第3ゲート絶縁層GI3を介して、第1酸化物半導体層135に拡散し得る。ただし、スペーサSP1,SP2は、水素(H)の拡散を防止する役割をすることができ、第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cには、スペーサSP1,SP2および第2ゲート電極142と重なる領域に応じて水素(H)の濃度が異なる領域P1~P5が形成されうる。第1領域P1は水素の濃度が相対的に最も低く、第2領域P2および第3領域P3は、第1領域P1より水素の濃度が高くてもよい。第4領域P4および第5領域P5は、第2領域P2および第3領域P3よりも水素の濃度が高くてもよい。第1酸化物半導体層135は、チャネル領域135cにて水素濃度勾配が形成されうる。
【0162】
図21および図22は、一実施形態による表示装置の製造工程の一部を順に示す断面図である。
【0163】
図21および図22を参照すると、第1ゲート絶縁層GI1、第2ゲート絶縁層GI2、第1層間絶縁層ILD1、および第2層間絶縁層ILD2のうちの少なくとも一部を貫通するコンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3,CNT4を形成し、第4導電層150を形成(S70)する。コンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3,CNT4は、複数の層をエッチングするエッチング工程により形成されうる。コンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3,CNT4を形成する工程、および、後の熱処理工程などが行われる間にも、第2層間絶縁層ILD2に含まれた水素(H)が、第3ゲート絶縁層GI3を介して第1酸化物半導体層135に拡散し得る。
【0164】
コンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3,CNT4が形成された後、第2層間絶縁層ILD2上に第4導電層150を形成する。第4導電層150は、シリコントランジスタ領域AR1に配置された第1および第2ソース/ドレイン電極151,152、および、酸化物トランジスタ領域AR2に配置された第3および第4ソース/ドレイン電極153,154を含み得る。第4導電層150は、導電層用物質層を全面に蒸着した後、フォトリソグラフィ工程によりパターニングされて形成されうる。
【0165】
次に、第4導電層150上に配置された第1ビア層VIA1、第1ビア層VIA1上に配置されるアノード連結電極161を形成する。次に、図面に示していないが、アノード連結電極161上に第2ビア層VIA2、アノード電極ANO、画素定義膜PDL、カソード電極CAT、発光層ELおよび薄膜封止層170を形成して表示装置1を製造することができる。
【0166】
以下、他の図面をさらに参照して表示装置1の多様な実施形態について説明する。
【0167】
図23は、他の実施形態による表示装置の一画素を示す断面図である。
【0168】
図23を参照すると、一実施形態による表示装置10_1は、第3ゲート絶縁層GI3_1がパターニングされうる。
【0169】
第1酸化物半導体層135上には第3ゲート絶縁層GI3_1が配置され、第3ゲート絶縁層GI3_1は、第1ゲート絶縁層GI1および第2ゲート絶縁層GI2とは異なり、一部の領域にのみ配置され得る。第3ゲート絶縁層GI3_1は、第1酸化物半導体層135のチャネル領域135cを覆い、第3および第4ソース/ドレイン領域135a,135bおよび第1酸化物半導体層135の側面を露出させ得る。第3ゲート絶縁層GI3_1は、上部の第2ゲート電極142およびスペーサSP1,SP2と実質的に同じパターン形状を有することができる。例えば、第3ゲート絶縁層GI3_1の側面はスペーサSPの側面に沿って延びうるのであり、第3ゲート絶縁層GI3_1の幅は、第2ゲート電極142およびスペーサSP1,SP2の幅の合計と同一であり得る。第3ゲート絶縁層GI3_1は、第3導電層140およびスペーサSP1,SP2をマスクとして、第3ゲート絶縁膜用物質層をエッチングすることによってパターニングされうる。ただし、これに制限されない。この場合、第1ないし第4コンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3,CNT4は、第3ゲート絶縁層GI3_1は貫通しない点で図4の実施形態と異なる。
【0170】
図24は、他の実施形態による表示装置の一画素を示す断面図である。
【0171】
図24を参照すると、一実施形態による表示装置10_2は、第1トランジスタT1も酸化物半導体層105_2を含む酸化物トランジスタであり得る。第1トランジスタT1は第2酸化物半導体層105_2を含み、第2トランジスタT2は第1酸化物半導体層135を含み得る。第1トランジスタT1および第2トランジスタT2がそれぞれ酸化物トランジスタとして形成されることにより、第1酸化物半導体層135および第2酸化物半導体層105_2が互いに同じ層に形成され、基板101上に配置される層を一部省略することができる。本実施形態は、第1トランジスタT1および第2トランジスタT2がそれぞれ酸化物半導体層105_2,135を含み、一部の層が省略された点で、図4の実施形態と異なる。
【0172】
第1酸化物半導体層135および第2酸化物半導体層105_2は、それぞれがバッファ層103上に配置され得る。第1酸化物半導体層135および第2酸化物半導体層105_2は、互いに同じ層に配置されて同じ工程により形成されうる。図4の実施形態と比較して、第1酸化物半導体層135と基板101の間に配置された層の数が減少し得る。下部遮光パターン122は、バッファ層103とバリア層102との間で、第1酸化物半導体層135と重なるように配置され得る。
【0173】
第1ゲート絶縁層GI1は、第1酸化物半導体層135および第2酸化物半導体層105_2上のそれぞれに配置され得る。第1ゲート絶縁層GI1は、基板101上で互いに異なる位置に配置された、第1酸化物半導体層135および第2酸化物半導体層105_2の両方を覆うように配置され得る。
【0174】
第1ゲート電極111は、第1ゲート絶縁層GI1上で第2酸化物半導体層105_2と重なるように配置されるのであり、第2ゲート電極142は、第1ゲート絶縁層GI1上で第1酸化物半導体層105_2と重なるように配置され得る。第3導電層140である第2ゲート電極142が、第1導電層110である第1ゲート電極111と同じ層に配置された点で、図4の実施形態と異なる。
【0175】
スペーサSP1,SP2は、第2ゲート絶縁層GI2上で、第2ゲート電極142の周辺に配置され得る。スペーサSP1,SP2は、スイッチングトランジスタである第2トランジスタT2の第2ゲート電極142の側面に配置され、駆動トランジスタである第1トランジスタT1の第1ゲート電極111の側面には配置されなくてもよい。
【0176】
第2ゲート絶縁層GI2は、第1ゲート電極111および第2ゲート電極142の上にそれぞれ配置され得る。第2ゲート絶縁層GI2は、基板101上で互いに異なる位置に配置された、第1ゲート電極111および第2ゲート電極142の両方を覆うように配置され得る。
【0177】
第2導電層120のキャパシタCstの第2電極121は、第2ゲート絶縁層GI2上で第1ゲート電極111と重なるように配置され得る。キャパシタCstの第2電極121は、第2ゲート電極142よりも上方の層に配置され得る。
【0178】
第1層間絶縁層ILD1は第2導電層120上に配置され、第4導電層150は、第1層間絶縁層ILD1上に配置され得る。第4導電層150の第1ないし第4ソース/ドレイン電極151,152,153,154は、それぞれ第1ゲート絶縁層GI1、第2ゲート絶縁層GI2、および第1層間絶縁層ILD1を貫通する第1ないし第4コンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3,CNT4を通じて、それぞれが酸化物半導体層105_2,135と電気的に接続されうる。
【0179】
本実施形態は、互いに異なるトランジスタの酸化物半導体層105_2,135が同じ層に配置され、第2層間絶縁層ILD2および第3ゲート絶縁層GI3が省略された点で、図4の実施形態と異なる。
【0180】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明におけるその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【国際調査報告】