(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】分配マニホールド
(51)【国際特許分類】
F04F 13/00 20090101AFI20241126BHJP
B01J 4/00 20060101ALI20241126BHJP
F04F 99/00 20090101ALI20241126BHJP
F04B 53/16 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
F04F13/00
B01J4/00 104
F04F99/00
F04B53/16 E
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024529211
(86)(22)【出願日】2023-02-03
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 IB2023050989
(87)【国際公開番号】W WO2023156873
(87)【国際公開日】2023-08-24
(32)【優先日】2022-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508180828
【氏名又は名称】ウィアー・ミネラルズ・ネザーランズ・ベスローテン・ベンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ストレーケン,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ウンメントゥン,フランク
【テーマコード(参考)】
3H071
4G068
【Fターム(参考)】
3H071AA15
3H071CC47
3H071DD37
3H071DD38
4G068AA04
4G068AB17
4G068AC20
4G068AD21
4G068AD41
(57)【要約】
並列に配置される複数の圧力交換チャンバーを有する圧力交換チャンバーポンプシステム用の分配マニホールド。分配マニホールドは、分配チャンバーを画成する中空マニホールド本体と、本体に通じ、媒体供給源と流体連通して連結可能な入口と、本体から動作可能に上方向に開口する複数の離間した出口であって、各出口が、圧力交換チャンバーの媒体入口弁と流体連通して連結可能である、複数の離間した出口と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配置された複数の圧力交換チャンバーを有する圧力交換チャンバーポンプシステム用の分配マニホールドであって、
分配チャンバーを画成し、直立方向に配置される中空マニホールド本体と、
液体中に輸送される固体粒子を含む、ポンプ圧送される媒体を受けるための前記本体内に通じる入口と、
前記マニホールド本体から上方に動作可能に開口する複数の離間した出口と、
複数のパイプであって、各パイプが、それぞれの出口から前記圧力交換チャンバーのうちの一つの関連付けられた媒体入口弁へ、上方向に延在し、前記媒体入口弁が直立方向であり、それにより、媒体入口弁を閉じると、固体粒子が、重力により、かつ前記媒体入口弁から離れるように前記関連付けられたパイプに沈降して、その閉塞を防止する、複数のパイプと、を備える、分配マニホールド。
【請求項2】
前記本体が、基部と前記基部に固定されるトップ部とを備え、前記分配チャンバーを画成し、前記入口が前記基部を貫通して延在し、前記出口が前記トップ部を貫通して延在する、請求項1に記載の分配マニホールド。
【請求項3】
各パイプが、その上流端部に継手構造を有し、それにより、関連付けられた媒体入口弁に連結可能である、請求項1または2に記載の分配マニホールド。
【請求項4】
前記パイプが、前記マニホールドの中心軸の周りに等角に離間し、各パイプが、前記マニホールドの中心の直立軸に対して約20度~80度の範囲の角度で傾斜している、請求項1または2に記載の分配マニホールド。
【請求項5】
前記傾斜角が約40度~50度の範囲内である、請求項4に記載の分配マニホールド。
【請求項6】
前記基部に連結する下流端部と、前記媒体供給源に連結可能な上流端端部とを有する入口パイプを備え、前記分配マニホールドの前記入口を前記媒体供給源と流体連通して連結する、請求項2~5のいずれか一項に記載の分配マニホールド。
【請求項7】
フィーダーポンプの排出側と流体連通する供給ラインと連結するために、連結構造が前記入口パイプの前記上流端部に設けられる、請求項6に記載の分配マニホールド。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の分配マニホールドと、複数の媒体入口弁とを備える共通の媒体投入装置であって、前記パイプのそれぞれが、前記出口のうちの一つに連結する上流端部と、関連付けられた媒体入口弁に連結可能な下流端部と、を有し、各パイプは、使用時に、前記上流端部が前記下流端部よりも低いレベルに配置されるように、前記本体から離れる方向に動作可能に上方向に傾斜している、共通の媒体投入装置。
【請求項9】
少なくとも一つの圧力交換チャンバーを有する圧力交換チャンバーポンプシステムを動作させる方法であって、液体中で輸送される固体粒子を含む媒体を、流路に沿って、マニホールド本体と、パイプであって、前記マニホールド本体に連結する上流端部、および媒体入口弁に連結し、かつ上流端部よりも高い位置に配置される下流端部を有し、その結果、媒体入口バルブが閉じると、固体粒子は、重力により、媒体入口弁から離れて関連付けられたパイプに沈降し、詰まりを防止する、パイプと、を通って、圧力交換チャンバーの直立媒体入口弁に供給することを含む、方法。
【請求項10】
圧力交換チャンバーポンプシステムが複数の圧力交換チャンバーを備える場合、流路内に沈降する固体が重力によって分配チャンバーに向かって供給されるように、分配チャンバーから前記または各圧力交換チャンバーの媒体入口弁に傾斜流路に沿って、媒体を供給することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
送達ポンプから前記分配チャンバー内へ、および前記分配チャンバーから前記関連付けられた流路に沿って開いている前記または各媒体入口弁へポンプ圧送される媒体を供給することと、前記分配チャンバーを通り流路に沿って、開いている媒体入口弁へ流れる媒体中に混入させるために、閉じている媒体入口弁に連結する流路内に沈降する前記固体の少なくとも一部を前記分配チャンバー内へ戻すことと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
圧力交換チャンバーポンプシステムであって、
(i)少なくとも一つの圧力交換チャンバーと、
(ii)液体中で前記PECに輸送される固体粒子を含む媒体を供給するための供給装置と、
(iii)前記少なくとも一つのPECおよび前記供給装置の両方に連結する、請求項8に記載の共通の媒体投入装置と、を備える、圧力交換チャンバーポンプシステム。
【請求項13】
並列に配置される複数の圧力交換チャンバーを備える、請求項12に記載の圧力交換チャンバーポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力交換チャンバー(「PEC」)ポンプシステムで使用するための分配マニホールドに関する。より具体的には、本発明は、鉱業および鉱物加工産業で使用するための、特に海底採掘活動または地下採掘活動のための水力鉱石ホイストシステム(HOHS)で使用するためのPECポンプシステムを操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体、特に液体と固体粒子との混合物を含む一つの媒体をポンプ圧送するための一つの装置には、一つまたは複数PECを使用することが含まれる。
【0003】
PECポンプシステムは、典型的には、一端に媒体またはポンプ圧送流体弁装置、他端に駆動流体弁装置を有する細長いパイプを備える。媒体弁装置は、ポンプ圧送される媒体をPECに入れることができる媒体入口弁と、ポンプ圧送媒体を排出パイプ、ライザー等に沿ってPECから排出できる媒体出口弁とを備える。同様に、駆動流体弁装置は、高圧駆動流体をPECに入れる駆動流体入口弁と、駆動流体をPECから排出できる駆動流体出口弁とを備える。細長いパイプの様々な構成およびレイアウトが可能である。
【0004】
使用時に、ポンプ圧送される媒体は、典型的には、媒体送達ポンプ、通常、遠心ポンプによって比較的低圧で媒体入口弁に供給される。媒体入口弁が開き、かつ駆動流体出口弁が開いていると、媒体がPECに入り、駆動流体を駆動流体出口弁を通してPECから排出する。
【0005】
PECが媒体で充填されると、すなわち、所望の量の媒体がPECに入ると、媒体入口弁および駆動流体出口弁は閉じられる。媒体出口弁および駆動流体入口弁は、高圧駆動流体がPECに入り、媒体を媒体出口弁を通してチャンバーから排出するように開かれる。当然のことながら、弁の開閉に関連する正確な順序およびタイミングを、PECポンプシステムの動作を最適化するために変更することができる。
【0006】
媒体がPECから排出されると、媒体出口弁および駆動流体入口弁は閉じ、媒体入口弁および駆動流体出口弁が開いて、上記の方法でPECに媒体を充填する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、ポンプ圧送される媒体は通常、遠心ポンプによってPECに供給される。このタイプのポンプは、PECシステムで使用される一般的なサイクルタイム内でPECを充填するのに好適な流量で、比較的大きな粒子を含む媒体を処理できるからである。
【0008】
連続ポンプ圧送を可能にするために、並列に配置された複数のPEC(典型的には三つ以上)が使用される。弁の動作を制御することにより、PECを媒体で充填するまたは満たすタイミングと、そこから媒体を排出するタイミングとをずらして、ポンプ圧送媒体をほぼ連続的に流すことができる。PECの詰まりを回避するには、すなわち、あるPECから次のPECへの切り替え時間をできるだけ短くすること確実にすることにより、流速を維持する必要がある。
【0009】
固体粒子を含む媒体で動作することができるように、媒体入口弁は、通常、下向きに開いた入口を備える円錐形の弁である。媒体入口弁は、供給ラインによって遠心ポンプと流体連通して連結する。より具体的には、各供給ラインは、関連付けられた媒体入口弁の入口に連結する下流端と、遠心ポンプと流体連通して連結する上流端とを有する。
【0010】
一つの問題は、粗大な固体粒子を含む媒体をポンプ圧送する場合、流れが停止するとこれらの粗大な固体粒子が沈降し、供給ラインの詰まりまたは閉塞を引き起こし、これにより、(弁シート上に粗い固体粒子があると弁が完全には閉じることができないため)媒体入口弁の適切な動作が妨げられる可能性があり、ポンプシステムの停止が必要になる。
【0011】
本発明の目的は、少なくともこの問題を改善する手段を提供すること、または有用な代替手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明される概念の選択を紹介するため提供される。本概要は、特許請求の範囲に記載にされた主題の不可欠な特徴を特定することを意図したものではなく、また、特許請求の範囲に記載にされた主題の範囲を制限するための補助として使用することも意図しない。以下に記載される一態様の特徴は、そのような組み合わせが不可能でない限り、別の態様の特徴と組み合わせられてもよく、あらゆる可能な組み合わせがこの開示によって企図され、当業者によってそのように理解されるべきであるが、明瞭かつ読みやすく理解しやすいように、全ての可能な組み合わせが本明細書に明示的に記載されている訳ではない。
【0013】
本出願では、順序番号(第一、第二、第三等)は、本明細書で任意に割り当てられ、部品を区別するために使用されるが、特定の順序、順番、または重要性を示さない。
【0014】
本発明の第一の態様によれば、並列に配置される複数のPECを有する圧力交換チャンバー(PEC)ポンプシステム用の分配マニホールドが提供され、分配マニホールドは、分配チャンバーを画成し直立方向に配置される中空マニホールド本体と、液体中で輸送される固体粒子を含む、ポンプ圧送される媒体を受けるための本体に通じる入口と、マニホールド本体から上方向に動作可能に開口する複数の離間する出口と、複数のパイプであって、各パイプが、それぞれの出口から圧力交換チャンバーのうちの一つの関連付けられた媒体入口弁へ、上方向に延在し、媒体入口弁が直立方向であり、それにより、媒体入口弁を閉じると、固体粒子が、重力により、かつ媒体入口弁から離れるように関連付けられたパイプに沈降して、その閉塞を防止する、複数のパイプと、を備える。
【0015】
パイプは、任意の断面形状を有してもよい。
【0016】
媒体入口弁は、ほぼ垂直であってもよい。
【0017】
出口は、互いに垂直方向にずらされて(垂直方向に離間されて)もよく、あるいは、中空マニホールド本体は、ほぼ同じ高度で(例えば、ほぼ同じ水平面内で)円周方向に離間する複数の出口を備えてもよい。
【0018】
本体は、必要に応じて、分配チャンバーを画成するために、基部と基部に固定されるトップ部とを備え、入口が基部を貫通して延在し、出口がトップ部を貫通して延在する。
【0019】
パイプのそれぞれは、出口のうちの一つに連結する上流端部と、関連付けられた媒体入口弁に連結する下流端部と、を有し、各パイプは、使用時に、上流端部が下流端部よりも低いレベルに配置されるように、本体から離れる方向に動作可能に上方向に傾斜している。
【0020】
各パイプは、その下流端部に継手構造を有してもよく、それにより、関連付けられた媒体入口弁に連結可能である。
【0021】
パイプは、マニホールドの中心軸の周りに等角に離間することが好ましく、各パイプは、マニホールドの中心軸に対して約75度以下の傾斜角で傾斜することが好ましい。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、傾斜角は、30度~60度であり、有利なことには40度~50度、例えば約45度である。
【0023】
分配マニホールドは、基部に連結する下流端部と、媒体供給源に連結可能な上流端部とを有し、分配マニホールドの入口を媒体供給源と流体連通して連結する、入口パイプを備えてもよい。フィーダーまたは送達ポンプの排出側と流体連通する供給ラインと連結するために、連結構造が入口パイプの上流端部に設けられてもよい。
【0024】
媒体はスラリーを含んでもよい。通常、スラリーの固形分濃度は少なくとも5重量%であるが、できる限り多くの固形分を移送することが目的であるため、固形分によるパイプの詰まりがないならば、固形分濃度が増加するとポンプ効率が向上するため、場合によっては大幅に高くなる(通常は少なくとも35重量%)こともある。
【0025】
中空マニホールド本体はさらに、各パイプからの固体粒子が重力により流れ込むサンプを画成することができ、これにより、これらの固体粒子は、中空マニホールド本体を通って、および開いている媒体入口弁に連結する別のパイプを通ってポンプ圧送される新しい媒体に混入される可能性がある。サンプは、一つまたは複数の傾斜面を備えてもよい。
【0026】
分配マニホールドは、共通のスラリー入力装置の一部を形成してもよい。共通のスラリー入力装置は、複数の媒体入口弁をさらに備えてもよく、各媒体入口弁は、それぞれの圧力交換チャンバーと関連付けられている。
【0027】
本発明の第二の態様によれば、第一の態様による分配マニホールドと、複数の媒体入口弁とを備える共通の媒体投入装置が提供され、パイプのそれぞれは、出口のうちの一つに連結する上流端部と、関連付けられた媒体入口弁に連結可能な下流端部と、を有し、各パイプは、使用時に、上流端部が下流端部よりも低いレベルに配置されるように、本体から離れる方向に動作可能に上方向に傾斜している。
【0028】
本発明の第三の態様によれば、少なくとも一つのPECを有するPECポンプシステムを動作させる方法が提供され、方法は、液体中で輸送される固体粒子を含む媒体を、流路に沿って、マニホールド本体と、パイプであって、マニホールド本体に連結された上流端部および媒体入口弁に連結され、かつ上流端部よりも高い位置に配置される下流端部を有し、媒体入口バルブを閉じると、固体粒子が重力により、媒体入口弁から離れて関連付けられたパイプに沈降し、媒体入口弁の閉塞を防止する、パイプと、を通って、PECの直立媒体入口弁に供給することを含む。
【0029】
PECポンプシステムが複数のPECを有する場合、本方法は、流路内に沈降する固体が重力により分配チャンバーに向かって供給されるように、分配チャンバーからそのPECまたは各PECの媒体入口弁に傾斜した流路に沿ってポンプ圧送される媒体を供給することを含むことができる。
【0030】
方法は、送達ポンプを使用して、ポンプ圧送される媒体を分配チャンバー内に、分配チャンバーから関連付けられた流路に沿って開いている一つまたは各媒体入口弁に沿って供給することを含むことができる。方法はまた、閉じている媒体入口弁に連結される流路内に沈降する固体の少なくとも一部を分配チャンバー内へ戻すことを含んでもよく、それにより、沈降した固体が、分配チャンバーを通って、流路に沿って、開いている媒体入口弁へ流れる媒体中に混入することを確実にする。
【0031】
媒体は、媒体送達ポンプから連続的に分配チャンバーにポンプ圧送されることを理解されたい。さらに、複数のPECが交互に動作することにより、常に少なくとも一つの媒体入口弁が開いて、関連付けられたPECにポンプ圧送される媒体を充填できるようになる。この装置により、分配チャンバーを通る媒体の連続的な流れが可能になる。充填されたPECの供給ラインに沈降する固体は、閉じられている、または閉じられる可能性のある関連付けられた媒体入口弁から供給ラインに沿って下方に流れ、少なくとも一部の固体(通常、より重いまたはより大きな固体)は分配チャンバー内に逆流し、そこでそれらは分配チャンバーを通って流れる媒体に混入され、開いている媒体入口弁に連結する供給ラインに沿って供給される。
【0032】
本発明の第四の態様によれば、PECポンプシステムが提供され、PECポンプシステムは、(i)パイプおよびパイプと流体連通する媒体弁装置とを備える少なくとも一つのPECと、(ii)液体中でPECに輸送される固体粒子を含む媒体を供給するための供給装置と、(iii)少なくとも一つのPECおよび供給装置の両方に連結する第二の態様による共通の媒体投入装置と、を備える。
【0033】
本発明の好ましい実施形態では、PECポンプシステムは、並列に配置される複数のPECと、ポンプ圧送される媒体の供給源と流体連通して連結される入口を有する分配チャンバーを画成する分配マニホールドと、複数の離間した出口と、を備え、それぞれは供給ラインによってそれぞれの媒体入口弁に連結し、供給ラインのそれぞれは、供給ライン内に沈降する固体が重力によって分配チャンバーに向かって供給されるように傾斜している。換言すると、供給ライン内で沈降する固体は供給ライン内に堆積することはないが、供給ラインが連結している媒体入口弁から下方に離れる方向で分配チャンバー内に移動し、これにより供給ラインの詰まりや固形物が弁の動作を妨げる可能性のあるリスクが軽減される。
【0034】
供給ライン内に沈降する固体が供給ラインを詰まらせないのを確実にするために、各供給ラインは垂直に対して約75度以下、または約70度以下の傾斜角を有してもよい。本発明の好ましい実施形態では、傾斜角は30~60度である。
【0035】
分配マニホールドは、上記のタイプの分配マニホールドであってもよい。
【0036】
PECポンプシステムは、媒体弁装置から長手方向に離間した位置で、パイプと流体連通する駆動流体弁装置をさらに備えてもよい。
【0037】
PECポンプシステムの構成要素は、現場で組み立てるために、分解されたまたは組立式のキットの形態で輸送されることができる。
【0038】
したがって、本発明の第五の態様によれば、PECポンプシステムキットが提供され、PECポンプシステムキットは、複数のPECであって、それぞれがパイプおよび関連付けられた媒体弁装置を備え、各媒体バルブ装置がポンプ圧送される媒体をパイプ内に入れることができる媒体入口弁とポンプ圧送媒体をパイプから排出できる媒体出口弁とを備える、複数のPECと、媒体入口弁が媒体供給源と流体連通して連結可能である、上記のような分配マニホールドと、を備える。
【0039】
PECポンプシステムキットは、媒体弁配置から長手方向に離間した位置でパイプに連結するまたは連結可能な複数の駆動流体弁装置をさらに備えてもよく、各駆動流体弁装置が、高圧駆動流体をパイプ内に入れることができる駆動流体入口弁と、駆動流体をパイプから排出することができる駆動流体出口弁とを備える。
【0040】
本発明の第六の態様によれば、PECポンプシステムであって、並列に配置された複数のPECであって、各PECが媒体入口弁を備える複数のPECと、媒体入口弁にポンプ圧送される媒体を供給するための供給装置であって、供給装置が吸引側および排出側を有するフィーダーポンプを備える、供給装置と、を備えるPECポンプシステム、を変更する方法が提供され、方法は、上記のタイプの分配マニホールドを提供することと、マニホールドをフィーダーポンプと媒体入口弁との間にインラインで連結することと、を含む。
【0041】
本発明の第七の態様によれば、PECポンプシステムの詰まりを低減する方法が提供され、方法は、共通の媒体入口を通してポンプ圧送媒体を受けることと、ポンプ圧送媒体を共通の媒体入口から開いている媒体入口弁へ上方向に方向付けることと、閉じている媒体入口弁の下から固定媒体を下方向に方向付けることと、下方向に方向付けられた媒体を上方向に方向付けられた媒体と分配チャンバー内で混合して、静止媒体によって引き起こされる詰まりを軽減することと、を含む。
【0042】
方法は、混合された下方向と上方向に方向付けされた媒体を、開いている媒体入口弁に上方向に方向付ける工程をさらに含んでもよい。
【0043】
本発明の第八の態様によれば、並列に配置される複数の圧力交換チャンバーを有する圧力交換チャンバーポンプシステム用の分配マニホールドが提供され、分配マニホールドは、分配チャンバーを画成する中空マニホールド本体と、本体に通じ、かつ液体中で輸送される固体粒子を含むスラリーを提供する媒体供給源と流体連通して連結可能な入口と、マニホールド本体から上方向に動作可能に開口する複数の離間する出口であって、各出口が、圧力交換チャンバーのうちの一つの媒体入口弁と流体連通して連結可能である複数の離間する出口と、複数の長いパイプであって、そのそれぞれが、出口のうちの一つと流体連通するマニホールド本体に連結する上流端部と、圧力交換チャンバーのうちの一つの関連付けられた媒体入口弁に連結可能な下流端部とを有し、媒体入口弁が直立方向であり、各長いパイプが、使用時に上流端部が下流端部よりも低いレベルに配置されるように、マニホールド本体から離れる方向に動作可能に上方向に傾斜され、それにより、沈降する固体粒子が重力によって媒体入口弁から離れる方向に送られ、その閉塞を防止する、複数の長いパイプと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0044】
ここで、本発明のこれらおよびその他の態様を、例として、添付の概略図を参照しながら説明する。
【0045】
【
図1】
図1は、先行技術によるPECポンプシステムの概略図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態によるPECポンプシステムの一部(三チャンバーPECポンプシステムのスラリー端部)の三次元図を示す。
【
図3】
図3は、
図2のPECポンプシステムの一部を拡大して示し、説明を容易にするためにいくつかの構成要素が省略されている。
【
図4】
図4は、
図3に示すPECポンプシステムの一部の側面図を示す。
【
図5】
図5は、
図3に示すPECポンプシステムの一部の側面図を示す。
【
図6】
図6は、
図3に示すPECポンプシステムの一部の底面図を示す。
【
図7】
図7は、
図2のPECポンプシステムの一部を形成する分配マニホールドの断面図を示す。
【
図8】
図8は、
図7の分配マニホールドを示し、
図2のPECポンプシステムの第一動作状態中のマニホールドを通る媒体の流れを例示する。
【
図9】
図9は、
図7の分配マニホールドを示し、
図2のPECポンプシステムの第二の動作状態中のマニホールドを通る媒体の流れを例示する。
【
図11】
図11は、
図2のPECポンプシステムと同様のPECポンプシステムで使用できる別の分配マニホールドの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図面の
図1では、符号10は、概ね、先行技術による圧力交換チャンバー(PEC)ポンプシステムの一部を指す。
【0047】
PECポンプシステム10は、(ポンプチャンバーとして機能する)長いパイプ12、14、16および関連付けられた弁によって画成される三つのPEC11.1、11.2、および11.3を備える。関連付けられた弁は、三つの媒体またはポンプ圧送流体弁装置18、20、22を含み、これらは、その媒体入口端部でパイプ12、14、16にそれぞれ連結する。関連付けられた弁はまた、三つの駆動流体弁装置19、21、23を含み、これらは、それらの駆動流体入口端部で、長いパイプ12、14、16にそれぞれ連結し、すなわち、媒体弁装置18、20、22から長手方向に離間している。
【0048】
各媒体弁装置18、20、22は、媒体入口弁18.1、20.1、22.1を備え、それによって、ポンプ圧送される媒体を、関連付けられたPEC11.1、11.2、11.3、および媒体出口弁18.2、20.2、22.2に入れることができ、それによって、ポンプ圧送媒体を、(ライザーであってもよい)排出パイプ24に沿ってPEC11.1、11.2、11.3から排出することができる。同様に、各駆動流体弁装置19、21、23は、それを通って高圧駆動流体を関連付けられたPEC11.1、11.2、11.3に入れることができる、入口弁19.1、21.1、23.1と、それによって駆動流体を関連付けられたPEC11.1、11.2、11.3から排出することができる、出口弁19.2、21.2、23.2と、を備える。
【0049】
PECポンプシステム10は、以下でより詳細に説明するように、媒体入口弁18.1、20.1、22.1にポンプ圧送される媒体を供給するように構成される供給装置をさらに備え、その一部が符号26によって概ね示される。供給装置26は、吸引側および排出側を有するフィーダーまたは送達ポンプ(図示せず)を備えるが、他のポンプ装置も可能である。フィーダーポンプは、通常、かなり大きな固体粒子、例えば、2mm~60mmの粒子径で、一部の粒子は最大100mmを含む媒体をポンプ圧送することができる遠心ポンプである。供給装置26は、フィーダーポンプの排出側に連結する共通の供給パイプ32と、三つの供給ライン35、36、37とをさらに備え、供給ラインのそれぞれが、共通の供給パイプ32に連結する上流端部および下流端部を有する。供給ライン35、36、37の下流端部はそれぞれ、媒体入口弁18.1、20.1、22.1に連結する。したがって、使用時に、ポンプ圧送される媒体は、遠心ポンプからパイプ32および供給ライン35、36、37を通って媒体入口弁18.1、20.1、22.1にポンプ圧送される。
【0050】
使用時に、関連付けられたパイプ12、14、16内の容積が減圧されると、媒体入口弁18.1、20.1、22、1が開がれ、かつ対応する駆動流体出口弁19.2、21.2、23.2が開かれ、その結果、媒体は、関連付けられたパイプ12、14、16に入り、駆動流体をそのパイプ12、14、16から関連付けられた駆動流体出口弁19.2、21.2、23.2を通して排出する。所望の量の媒体が特定のPECパイプ12、14、または16に入った場合、関連付けられた媒体入口弁18.1、20.1、または22、1および関連付けられた駆動流体出口弁19.2、21.2、または23.2は閉じられる。関連付けられたパイプ12、14、16内の容積は(圧縮工程によって)加圧され、そして媒体出口弁18.2、20.2、または22.2および関連付けられた駆動流体入口弁19.1、21.1、または23.1が開かれ、その結果、高圧駆動流体はそのPECパイプ12、14、または16に入り、媒体をパイプ12、14、または16から媒体出口弁18.2、20.2、または22.2を通して排出パイプ24内に排出する。
【0051】
媒体がパイプ12、14、または16から排出されると、関連付けられた媒体出口弁および駆動流体入口弁は閉じ、パイプ12、14、または16は減圧され、そして媒体入口弁および駆動流体出口弁が開き、再び上記の方法でパイプ12、14、または16に媒体を充填する。
【0052】
ほぼ連続的なポンプ圧送を可能にするために、異なるPEC11.1、11.2、11.3の弁の動作は、PEC11.1、11.2、11.3への媒体の充填および媒体の排出がほぼ連続的に行われるようにずらされる。
【0053】
特定のPEC11.1、11.2、11.3の媒体入口弁18.1、20.1、22.1が開かれた場合、媒体は関連付けられた供給ライン35、36、37を通って流れ、媒体中の固体粒子は(通常、水である)液体中に混入または懸濁されことになることを理解されたい。しかし、媒体入口弁のうちの一つが閉じた場合、関連付けられた供給ライン35、36、37内の媒体は、媒体入口弁が再び開くまで静止することになる。媒体が静止している間、媒体中の固体は供給ライン内に沈降する。これは、供給ライン35、36、37内の閉塞(詰まり)につながる可能性がある。さらに、供給ラインに十分な固体が蓄積すると、媒体入口弁の適切な動作は不可能であり、媒体入口弁を完全な動作に戻すための適切な修理(例えば、詰まりの解消)を行うために、PECポンプシステム10の停止が必要である。
【0054】
ここで、図面の
図2~9を参照する。図中、符号50は、概ね本発明によるPECポンプシステムの実施形態を指す。特に指示しない限り、上記で使用される類似の符号は、類似の部品を示すために使用される。
【0055】
本発明のPECポンプシステム50は、符号52によって概ね示される分配マニホールドを利用する。分配マニホールド52は、先行技術のPECシステム10の供給ライン35、36、37を置き換え、共通の供給パイプ32と媒体入口弁18.1、20.1、22.1との間の境界面を提供する。
【0056】
図面の
図7~9で最もよく分かるように、分配マニホールド52は、分配チャンバー55を画成する中空体54を備える。
【0057】
本体54は、ドーム型または円錐台状の基部56と、相補的な環状フランジを貫通して延在する円周方向に離間したボルト60によって基部に固定されるドーム型または円錐台状のトップ部58とを備える。
【0058】
分配マニホールド52は、基部56を貫通して延在する入口62と、例えば溶接によって基部56に連結する下流端部および継手92によってパイプ32に連結する上流端部とを有する入口パイプ90と、を備え、それにより、入口62をフィーダーポンプの排出側と流体連通して連結する。
【0059】
媒体入口弁18.1、20.1、22.1は、下向きに面する入口を備える円錐形弁の形態であり、かつ分配マニホールド52の上方に離間した構成で配置される。三つの等角に離間して上方向に開いた出口57a、57b、57cは、トップ部58を貫通して延在し、供給ライン64、66、68によってそれぞれ媒体入口弁18.1、20.1、22.1の入口に連結している。各供給ライン64、66、68は、真っ直ぐな下部セクション94および湾曲した上部セクション96を有する長いパイプを備える。下部セクション94の下端部は、例えば溶接によってトップ部58に固定され、その結果、それらは、分配マニホールド52の中心を通る垂直中心線98に対して傾斜角Aでトップ部58から外側に向かって上方向に延在する。上部セクション96は上方向に湾曲し、フランジ100は上部セクションの上端部に連結し、それによって供給ライン64、66、68は関連付けられた媒体入口弁18.1、20.1、22.1に連結する。
【0060】
注目すべき重要な点は、供給ライン64、66、68のそれぞれは、関連付けられた媒体入口弁18.1、20.1、22.1の入口と流体連通するその下流端部から、分配マニホールド52の本体54内に画成される分配チャンバー55と流体連通して連結するその上流端部まで、その全長に対して下向きに傾斜していることである。
【0061】
使用時に、PECポンプシステム50は、上記のPECポンプシステム10とほぼ同一の方法で機能する。しかし、以下でより詳細に説明するように、媒体入口弁が閉じられ、関連付けられた供給ライン64、66、68に含まれる媒体が静止している場合、供給ラインに含まれる固体は、重力の影響下で、供給ラインに沿って分配マニホールド52の分配チャンバー55に向かって下向きに沈降および流れる。分配チャンバー55の下部は、傾斜面を有するサンプ70(
図7で最もよく分かる)を画成し、その中に、それぞれの媒体入口弁が閉じている場合に、供給ライン64、66、68それぞれから固体が沈降する。分配チャンバー55の中へ逆流し、かつサンプ70内に集まる固体は、分配チャンバー55を通過する媒体中に混入し、開いている任意の媒体入口弁に連結する供給ラインに沿って供給される。
【0062】
図面の
図8を参照すると、分配マニホールド52を通る媒体の流れは、媒体入口弁22.1が開き、かつ媒体入口弁20.1が閉じているPECポンプシステム50の第一の動作状態で例示されている。この状態では、媒体はパイプ32に沿って矢印80の方向に供給される。媒体は入口パイプ90を通過し、入口62を通って分配チャンバー55に入る。媒体は、出口57cを通ってチャンバー55を出て、(
図8および
図9の両方のスラリー供給流方向を示す)矢印82で示されるように、媒体入口弁22.1に連結する供給ライン68に沿って流れる。媒体入口弁20.1は閉じているため、供給ライン66内の媒体は静止している。供給ライン66内に沈降する固体粒子は、(
図8および
図9の両方において固体が沈降する方向を示す)矢印84によって例示するように重力の影響下で下向きに流れ、出口57bを通って分配チャンバー55の中へ戻り、そこでチャンバーを通って流れる媒体に混入し、開いている媒体入口弁22.1に供給される。
【0063】
図面の
図9を参照すると、分配マニホールド52を通る媒体の流れは、媒体入口弁22.1が閉じ、かつ媒体入口弁20.1が開いている第二の動作状態で例示されている。この状態では、媒体はパイプ32に沿って矢印80の方向に供給される。媒体は入口パイプ90を通過し、入口62を通って分配チャンバー55に入る。媒体は、出口57bを通ってチャンバー55を出て、矢印82で示されるように、媒体入口弁20.1に連結する供給ライン66に沿って流れる。媒体入口弁22.1は閉じているため、供給ライン68内の媒体は静止している。供給ライン68内に沈降する固体粒子は、矢印84によって例示するように、重力の影響下で下向きに流れ、出口57cを通って分配チャンバー55の中へ戻り、そこでチャンバーを通って流れる媒体に混入し、開いている媒体入口弁20.1に供給される。
【0064】
システムの動作は、媒体入口弁18.1および関連付けられた供給ライン64を参照することなく、例示として上記されている。しかし、媒体入口弁18.1が開いている場合、媒体は出口57aを通り供給ライン64に沿って媒体入口弁18.1の中へ流れ、媒体入口弁18.1が閉じている場合、供給ライン64内に沈降している固体粒子は出口57aを通ってチャンバー55の中へ逆流して、上記の方法でチャンバー55を通って流れる媒体中に混入することが理解されるであろう。連続的なポンプ圧送を確実にするために、媒体入口弁18.1、20.1、22.1のうちの少なくとも一つは常に開いている。これにより、共通の供給パイプ32、入口パイプ90、およびチャンバー55を通る媒体の連続的な流れがあることが確実になる。一部のシステムでは、第四のPECは、例えば、他の三つのPEC11.1、11.2、11.3のうちの一つの故障の場合に、冗長性のために設けられてもよい。
【0065】
供給ライン64、66、68の傾斜角Aは、供給ライン内の固体の沈降が実際に分配チャンバー55に向かって確実に逆流するように選択される。この目的のために、傾斜角Aは、一部のタイプのスラリー(例えば、粒子が球状およびロール状である場合)では、0°、すなわち垂直と約75°との間であり、多くの実施形態では、角度は約25°~60°、例えば約40°~50°である。
【0066】
供給ライン64、66、68に含まれるすべての固体が、関連付けられた媒体入口弁18.1、20.1、22.1が次の充填サイクルのために開く前に、チャンバー55内に逆流することになるとは限らないことが理解されるであろう。しかし、供給ライン内の固体を移動させることにより、閉塞(詰まり)を引き起こす可能性がある蓄積のリスクが低減されることになる。さらに、沈降固体は、関連付けられた媒体入口弁18.1、20.1、22.1から離れるように移動し、それにより、関連付けられた媒体入口弁18.1、20.1、22.1の適切な機能を妨げる可能性のあるリスクを低減する。
【0067】
このように、供給ラインを塞ぐか、または媒体入口弁の動作を阻害する可能性がある媒体の蓄積のリスクは大幅に低減される。
【0068】
本発明のさらなる利点は、媒体中の固体の濃度を、現在のレベルから大幅に、例えば、最大約25%増加させることができることである。これにより、所定の電力入力に対してより多くの固体をポンプ圧送すること、あるいは、より小さなシステムを使用して、先行技術でポンプ圧送することができるのと同じ体積の固体をポンプ圧送することが可能になる。
【0069】
他の実施形態では、出口57a、b、cは、マニホールド52の中心軸98の周りに均等に(または等角に)離間していなくてもよい。例えば、別の分配マニホールド152を
図10に示す。この分配マニホールド152は、PEC11.1、11.2、11.3が異なる高さまたは高度に配置される実施形態において使用されてもよい)。分配マニホールド152は、それぞれがそれぞれの供給ライン164、166、168、および169に連結している四つの出口157a、b、c、dを備え、出口157a、b、c、dのそれぞれは、その隣接する出口から垂直に(またはずらして)離間している。分配マニホールド152は、概ね垂直に延在し、その中に円形または円筒形の分配チャンバー155を画成する細長い本体154を備える。
【0070】
他の実施形態では、図面の
図11に例示するように、分配マニホールド252は、上部セクション96と各出口57a、b、cに関連付けられるフランジ100との間に垂直離間パイプ102を備えてもよい。媒体入口弁18.1、20.1、22.1はそれぞれ、弁座106が取り付けられるチャンバー104を画成する。弁本体108は、チャンバー104内で弁座106に向かって、および弁座106から離れる方向に移動して、それぞれ弁を開閉する。垂直離間パイプ102は、固体粒子が重力の影響下で下向きに、弁本体108の下のチャンバー104の部分から離れて垂直離間パイプ102の下へ流れるのを助けるために設けられる。上部セクション96と垂直離間パイプ102とが組み合わされる容積は、媒体入口弁18.1のチャンバー104の容積と等しいか、またはそれより大きい。他の実施形態では、垂直離間パイプ102を上部セクション96に組み込んで、フランジ100の直下に長い垂直部分を有する上部セクションを設けてもよい。
【0071】
他の実施形態では、入口垂直離間パイプは、入口パイプ90と基部56との間に設けられてもよい。
【0072】
まず第一に、本発明に従って、PECポンプシステムを構築できることが理解されるであろう。PECポンプシステムの構成要素は、現場での組み立てるために組立式またはキット形態で輸送されることができる。あるいは、(
図1に示すような)先行技術によるPECポンプシステムは、上記のように、分配マニホールドおよび傾斜供給ラインを取り付けることによって修正されることができる。
【0073】
符号のリスト
圧力交換チャンバーポンプシステム10、50
圧力交換チャンバー(PEC)11.1、11.2、11.3
PECパイプ(ポンプチャンバー)12、14、16
媒体弁装置18、20、22
媒体入口弁18.1、20.1、22.1
媒体出口弁18.2、20.2、22.2
駆動流体弁装置19、21、23
駆動流体入口弁19.1、21.1、23.1
駆動流体出口弁19.2、21.2、23.2
排出パイプ24
供給装置26
共通供給パイプ32
供給ライン35、36、37
圧力交換チャンバーポンプシステム50
分配マニホールド52、152、252
本体54、154
分配チャンバー55、155
基部56
出口57a、b、c、157a、b、c、d
トップ部58
ボルト60
入口62
供給ライン(パイプ)64、66、68、164、166、168、169
サンプ70
矢印80
矢印82
矢印84
入口パイプ90
継手92
下部セクション94
上部セクション96
垂直中心線98
フランジ100
チャンバー104
弁座106
弁本体108
傾斜角A
【手続補正書】
【提出日】2023-06-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配置された複数の圧力交換チャンバーを有する圧力交換チャンバーポンプシステム用の分配マニホールドであって、
分配チャンバーを画成し、直立方向に配置され、中心の直立軸を画成する中空マニホールド本体と、
液体中に輸送される固体粒子を含む、ポンプ圧送される媒体を受けるための前記本体内に通じる入口と、
前記マニホールド本体から上方に動作可能に開口する複数の離間した出口と、
複数のパイプであって、各パイプが、それぞれの出口から前記圧力交換チャンバーのうちの一つの関連付けられた媒体入口弁へ、上方向に延在し、前記パイプが前記マニホールドの前記中心軸の周りに離間し、各パイプがそれに対して約20度~80度の範囲の角度で傾斜し、前記媒体入口弁が直立方向であり、それにより、媒体入口弁を閉じると、固体粒子が、重力により、かつ前記媒体入口弁から離れるように前記関連付けられたパイプに沈降して、その閉塞を防止する、複数のパイプと、を備える、分配マニホールド。
【請求項2】
前記本体が、基部と前記基部に固定されるトップ部とを備え、前記分配チャンバーを画成し、前記入口が前記基部を貫通して延在し、前記出口が前記トップ部を貫通して延在する、請求項1に記載の分配マニホールド。
【請求項3】
各パイプが、その上流端部に継手構造を有し、それにより、関連付けられた媒体入口弁に連結可能である、請求項1または2に記載の分配マニホールド。
【請求項4】
前記パイプが、前記マニホールドの前記中心軸の周りに等角に離間している、請求項1または2に記載の分配マニホールド。
【請求項5】
前記傾斜角が約40度~50度の範囲内である、請求項4に記載の分配マニホールド。
【請求項6】
前記基部に連結する下流端部と、前記媒体供給源に連結可能な上流端端部とを有する入口パイプを備え、前記分配マニホールドの前記入口を前記媒体供給源と流体連通して連結する、請求項2~5のいずれか一項に記載の分配マニホールド。
【請求項7】
フィーダーポンプの排出側と流体連通する供給ラインと連結するために、連結構造が前記入口パイプの前記上流端部に設けられる、請求項6に記載の分配マニホールド。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の分配マニホールドと、複数の媒体入口弁とを備える共通の媒体投入装置であって、前記パイプのそれぞれが、前記出口のうちの一つに連結する上流端部と、関連付けられた媒体入口弁に連結可能な下流端部と、を有し、各パイプは、使用時に、前記上流端部が前記下流端部よりも低いレベルに配置されるように、前記本体から離れる方向に動作可能に上方向に傾斜している、共通の媒体投入装置。
【請求項9】
少なくとも一つの圧力交換チャンバーを有する圧力交換チャンバーポンプシステムを動作させる方法であって、液体中で輸送される固体粒子を含む媒体を、流路に沿って、マニホールド本体と、パイプであって、前記マニホールド本体に連結する上流端部、および媒体入口弁に連結し、かつ上流端部よりも高い位置に配置される下流端部を有し、その結果、媒体入口バルブが閉じると、固体粒子は、重力により、媒体入口弁から離れて関連付けられたパイプに沈降し、詰まりを防止する、パイプと、を通って、圧力交換チャンバーの直立媒体入口弁に供給することを含む、方法。
【請求項10】
圧力交換チャンバーポンプシステムが複数の圧力交換チャンバーを備える場合、流路内に沈降する固体が重力によって分配チャンバーに向かって供給されるように、分配チャンバーから前記または各圧力交換チャンバーの媒体入口弁に傾斜流路に沿って、媒体を供給することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
送達ポンプから前記分配チャンバー内へ、および前記分配チャンバーから前記関連付けられた流路に沿って開いている前記または各媒体入口弁へポンプ圧送される媒体を供給することと、前記分配チャンバーを通り流路に沿って、開いている媒体入口弁へ流れる媒体中に混入させるために、閉じている媒体入口弁に連結する流路内に沈降する前記固体の少なくとも一部を前記分配チャンバー内へ戻すことと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
圧力交換チャンバーポンプシステムであって、
(i)少なくとも一つの圧力交換チャンバーと、
(ii)液体中で前記PECに輸送される固体粒子を含む媒体を供給するための供給装置と、
(iii)前記少なくとも一つのPECおよび前記供給装置の両方に連結する、請求項8に記載の共通の媒体投入装置と、を備える、圧力交換チャンバーポンプシステム。
【請求項13】
並列に配置される複数の圧力交換チャンバーを備える、請求項12に記載の圧力交換チャンバーポンプシステム。
【国際調査報告】