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特表2024-544576癌細胞成長への抑制効果を示す新規ヘテロ環置換ピリミジン誘導体及びそれを含む医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】癌細胞成長への抑制効果を示す新規ヘテロ環置換ピリミジン誘導体及びそれを含む医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/14 20060101AFI20241126BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
C07D405/14 CSP
A61K31/506
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/02
A61P43/00 121
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529235
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 KR2022020021
(87)【国際公開番号】W WO2023106881
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0175542
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0170783
(32)【優先日】2022-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】520200126
【氏名又は名称】オンコビクス・カンパニー・リミテッド
【住所又は居所原語表記】B121,UTOWER,120,Heungdeokjungang-ro,Giheung-gu,Yongin-si,Gyeonggi-do 16950,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・ミン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ソ・ベク
(72)【発明者】
【氏名】ス・ジン・ウー
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ソン・シン
(72)【発明者】
【氏名】テ・ファン・ハ
(72)【発明者】
【氏名】スン・ホ・イ
(72)【発明者】
【氏名】スン・ウン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ジュン・キム
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA14
4C084ZB072
4C084ZB261
4C084ZB271
4C084ZC751
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC42
4C086GA02
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB07
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、化1に示す新規なヘテロ環置換ピリミジン誘導体及びその薬剤学的に許容される塩に関し、前記新規なヘテロ環ピリミジン誘導体は、ALKまたはEGFRの酵素活性を効果的に抑制することができることから、前記酵素活性が過剰発現した癌腫または過剰増殖性疾患を治療できる効果を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化1に示す化合物またはその薬学的に許容される塩;
【化1】
前記化1において、
R1はC1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、CF3、または-NR8R9であり、ここでR8及びR9はそれぞれ独立して水素またはC1~C4のアルキル基であり、
R2は水素、C1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、または-NR10R11であり、ここでR10及びR11はそれぞれ独立して水素またはC1~C4のアルキル基であり、
R3は水素またはハロゲン基であり、
R4は水素、ハロゲン、OH、CN、CF3、C1~C4のアルコキシ、またはC1~C4のアルキル基であり、
R5はC1~C4のアルコキシ基、C3~C6のシクロアルコキシ基、CF3で置き換えられたC1~C4のアルコキシ基、C1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、またはC3~C6のヘテロシクロアルキル基であり、ここでヘテロシクロアルキル基は、N、O及びSから選択される1つ~3つのヘテロ原子を含み、
R6は水素、ハロゲン基、C1~C4のアルキル基、またはC3~C6のシクロアルキル基であり、
R1a、R1b、R2a及びR2bはそれぞれ独立して水素、C1~C4のアルキル基、またはハロゲンであり、
R7は水素、C1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、またはC3~C8のヘテロシクロアルキル基であり、ここで前記ヘテロ環は、N、O及びSから選択される1つ~3つのヘテロ原子を含む。
【請求項2】
R1はC1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、または-NR8R9であり、ここでR8及びR9はそれぞれ独立して水素またはC1~C4のアルキル基であり、
R2は水素、C1~C4のアルキル基、またはC3~C6のシクロアルキル基であり、
R3は水素、またはハロゲン基であり、
R4は水素、ハロゲン、OH、CN、またはCF3であり、
R5はC1~C4のアルコキシ基、C3~C6のシクロアルコキシ基、またはCF3で置き換えられたC1~C4のアルコキシ基であり、
R6は水素、C1~C4のアルキル基、またはC3~C6のシクロアルキル基であり、
R1a、R1b、R2a及びR2bは水素であり、
R7はC3~C6のシクロアルキル基またはC3~C8のヘテロシクロアルキル基であり、ここで前記ヘテロ環は、N、O及びSから選択される1つ~3つのヘテロ原子を含むものである、請求項1に記載の化1に示す化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記化1の化合物は、下記化合物からなる群から選択されるものである、請求項1に記載の化1に示す化合物またはその薬学的に許容される塩:
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルメタンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルシクロプロパンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルプロパン-2-スルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-シクロプロピルメタンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-イソプロピルメタンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルメタンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルスルホンアミド。
【請求項4】
有効成分として請求項1の化1に示す化合物またはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、癌または過剰増殖性疾患治療用医薬組成物。
【請求項5】
前記癌または過剰増殖性疾患は、ALK過剰発現、ALK変異、またはEGFR変異によるものである、請求項4に記載の癌または過剰増殖性疾患治療用医薬組成物。
【請求項6】
前記癌は、肝臓癌、胃癌、膵臓癌、大腸癌、白血病、骨髄増殖性/骨髄異形成疾患、皮膚線維肉腫、乳癌、肺癌、甲状腺癌、前立腺癌、卵巣癌、脳腫瘍、骨肉腫、または頭頸部癌である、請求項5に記載の癌または過剰増殖性疾患治療用医薬組成物。
【請求項7】
前記癌は、ALK過剰発現またはALK変異を有する非小細胞肺癌またはEGFR変異非小細胞肺癌である、請求項4に記載の癌または過剰増殖性疾患治療用医薬組成物。
【請求項8】
前記医薬組成物は、免疫調整剤、化学抗癌剤、及び免疫抗癌剤から選択される1つ以上をさらに含む、請求項4に記載の癌または過剰増殖性疾患治療用医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月9日付けの韓国特許出願第10-2021-0175542号及び2022年12月8日付けの韓国特許出願第10-2022-0170783号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されているすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、多様な癌細胞の成長を効果的に抑制する新規ヘテロ環置換ピリミジン誘導体及びそれを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
多様な原因によって発生する非小細胞肺癌(Non-Small Cell Lung Cancer, NSCLC)は、癌関連疾患の有病率と死亡率が非常に高い疾病である。非小細胞肺癌は、主にチロシンキナ-ゼ(Tyrosine kinase)の変異や過剰発現等によって発生するが、現在まで開発された抗癌剤は、主にこのような特異的変異に関連する癌誘発酵素の活性抑制を目標としている。
【0004】
前記非小細胞肺癌は、上皮細胞成長因子受容体として知られているEGFRの変異とともに多様な腫瘍遺伝子の発現、融合、再配列等によって発生するが、特にALK、KRAS、ROS1等がこれに該当する。非小細胞肺癌患者の約12%程度でALK(Anaplastic Lymphoma Kinase)遺伝子異常(EML4-ALK transfusion)が観察されるが、ALK-陽性非小細胞肺癌はALK、EML4遺伝子の融合によって発生し、両遺伝子の融合はALK遺伝子による細胞の成長速度を急速化させ、この信号を受けた細胞を急速に癌細胞に変形(tumor cell transformation)させるものと知られている。
【0005】
代表的に、ALK陽性癌の1次治療薬であるクリゾチニブ(Crizotinib)の場合、2011年に米国FDAから多標的(Multi-Targeted)抗癌治療薬として承認され、c-MET、ALK、ROS1等の活性抑制を通じて転移性やALK陽性非小細胞肺癌等の治療に使用されている。
【0006】
他の抗癌剤と同様、クリゾチニブを使用すると必然的に耐性が発生するが、主にALKキナ-ゼドメインにおける2次変異(約30%)、ALK融合変異遺伝子の増幅、及び迂回信号伝達過程の活性化等が報告されている。
【0007】
そのため、クリゾチニブ耐性患者は、2次治療薬としてセリチニブ(ceritinib)、アレクチニブ(alectinib)、ブリガチニブ(brigatinib)を使用しており、2次治療薬耐性患者は、3次治療薬としてロルラチニブ(Lolartinib)を使用することになる。
【0008】
ALK融合によって誘発されるALK陽性非小細胞肺癌は、すべてキナ-ゼタンパク質と薬物の結合力を抑制する変異が主な耐性機構と知られており、このような変異は細胞内における下位信号伝達に影響を及ぼし、薬物がこれ以上作用できないようにすると報告されている。
【0009】
ALK融合タンパク質抑制剤の開発が継続的に行われているにもかかわらず、耐性問題を解決できる抑制剤の開発は比較的に非常に遅れている。したがって、前記の主要な薬剤耐性機構であるALK変異癌細胞の成長を効果的に抑制する薬物の開発が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
Nature Reviews Clinical Oncology(2018)15 694-708. Making the first move in EGFR-driven or ALK-driven NSCLC: first-generation or next - generation TKIs
PLoS ONE(2020)15(2). ALK inhibitors for non-small cell lung cancer: A systematic review and network meta-analysis.
Oncotarget(2016)7(1) 1066-75. Rearranged EML4-ALK fusion transcripts sequester in circulating blood platelets and enable blood-based crizotinib response monitoring in non-small-cell lung cancer.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らは、ALK変異またはEGFR変異癌または増殖性疾患を効果的に抑制する新規化合物を開発するために努力した結果、癌治療に効果がある新規なN-アルキルアルキルスルホンアミド(N-Alkyl alkylsulfonamide)官能基を含むヘテロ環置換ピリミジン誘導体を発見した。
【0012】
本発明は、癌または増殖性疾患の治療に効果がある新規なN-アルキルアルキルスルホンアミド(N-Alkyl alkylsulfonamide)官能基を含むヘテロ環置換ピリミジン誘導体を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、前記新規なN-アルキルアルキルスルホンアミド(N-Alkyl alkylsulfonamide)官能基を含むヘテロ環置換ピリミジン誘導体を含むALK過剰発現、ALK変異、またはEGFR変異癌または増殖性疾患治療用医薬組成物を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、ALK変異またはEGFR変異非小細胞肺癌の治療用医薬組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記の目的を達成するために、本発明は、
下記化1に示す化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する:
【化1A】
【0016】
前記化1において、
R1はC1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、CF3、またはNR8R9であり、ここでR8及びR9はそれぞれ独立して水素またはC1~C4のアルキル基であり、
R2は水素、C1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、または-NR10R11であり、R10及びR11はそれぞれ独立して水素またはC1~C4のアルキル基であり、
R3は水素またはハロゲン基であり、
R4は水素、ハロゲン、OH、CN、CF3、C1~C4のアルコキシ、またはC1~C4のアルキル基であり、
R5はC1~C4のアルコキシ基、C3~C6のシクロアルコキシ基、CF3で置き換えられたC1~C4のアルコキシ基、C1~C4のアルキル基、またはC3~C6のシクロアルキル基、またはC3~C6のヘテロシクロアルキル基であり、ここでヘテロシクロアルキル基は、N、O及びSから選択される1つ~3つのヘテロ原子を含み、
R6は水素、ハロゲン基、C1~C4のアルキル基、またはC3~C6のシクロアルキル基であり、
R1a、R1b、R2a及びR2bはそれぞれ独立して水素、C1~C4のアルキル基、またはハロゲンであり、
R7は水素、C1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、またはC3~C8のヘテロシクロアルキル基であり、ここで前記ヘテロ環は、N、O及びSから選択される1つ~3つのヘテロ原子を含む。
【0017】
前記化1に示す化合物またはその薬学的に許容される塩は、癌または過剰増殖性疾患の治療に使用してもよい。
【0018】
また、本発明は、
有効成分として前記化1に示す化合物またはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、癌または過剰増殖性疾患治療用医薬組成物を提供する。
【0019】
前記癌または過剰増殖性疾患は、ALK過剰発現、ALK変異、またはEGFR変異によって発生した可能性がある。
【0020】
また、本発明は、前記化1に示す化合物またはその薬学的に許容される塩を動物に有効量を投与することを含む癌または過剰増殖性疾患に罹患した動物の治療方法を提供する。
【0021】
前記癌または過剰増殖性疾患は、ALK過剰発現、ALK変異、またはEGFR変異によって発生した可能性がある。
【発明の効果】
【0022】
本発明の新規なヘテロ環置換ピリミジン誘導体化合物またはその薬学的に許容される塩は、ALK、G120R ALK、L1196M ALKの酵素活性及びdel19/L858R/T790M EGFR、del19/T790M/C797Sの酵素活性を効果的に抑制する。
【0023】
また、本発明の新規なヘテロ環置換ピリミジン誘導体化合物またはその薬学的に許容される塩は、ALK過剰発現、ALK変異、またはEGFR変異癌細胞の成長を効果的に抑制する。したがって、ALK過剰発現、ALK変異、またはEGFR変異癌または増殖性疾患の治療に有用に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。ただし、これは例として示すものであり、これによって本発明が限定されるものではなく、本発明は後述する請求項の範囲によって定義されるだけである。また、本発明を実施する上で必ず必要な構成であっても、当業者が公知技術から容易に実施できる構成については具体的な説明を省略する。
【0025】
以下、特に断りのない限り、「本発明の化合物」または「化1の化合物」という用語は、化合物そのもの及びその塩の両方を含む概念として使用される。
【0026】
本明細書において、「C1~C4アルキル基」という用語は、明示されている数の炭素原子を有する直鎖状及び分岐鎖状炭化水素基を意味する。前記アルキル基は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、i-ブチル、t-ブチル等であってもよい。
【0027】
本明細書において、「C3~C6のシクロアルキル基」という用語は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、またはシクロヘキシル基から選択してもよい。
【0028】
本明細書において、「C1~C4アルコキシ基」という用語は、直鎖または分岐鎖であってもよい。具体的には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、またはイソプロポキシから選択してもよい。
【0029】
本明細書において、「アルキルスルホニル」という用語は、アルキル-S(O2)-を意味する。ここで、アルキルは、前記に定義されている。
【0030】
本明細書における「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br、またはIから選択してもよい。
【0031】
本発明は、下記化1に示す化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【化1B】
【0032】
前記化1において、
R1はC1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、CF3、または-NR8R9であり、ここでR8及び R9はそれぞれ独立して水素またはC1~C4のアルキル基であり、
R2は水素、C1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、または-NR10R11であり、ここでR10及びR11はそれぞれ独立して水素またはC1~C4のアルキル基であり、
R3は水素またはハロゲン基であり、
R4は水素、ハロゲン、OH、CN、CF3、C1~C4のアルコキシ、またはC1~C4のアルキル基であり、
R5はC1~C4のアルコキシ基、C3~C6のシクロアルコキシ基、CF3で置き換えられたC1~C4のアルコキシ基、C1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、またはC3~C6のヘテロシクロアルキル基であり、ここでヘテロシクロアルキル基は、N、O及びSから選択される1つ~3つのヘテロ原子を含み、
R6は水素、ハロゲン基、C1~C4のアルキル基、またはC3~C6のシクロアルキル基であり、
R1a、R1b、R2a及びR2bはそれぞれ独立して水素、C1~C4のアルキル基、またはハロゲンであり、
R7は水素、C1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、またはC3~C8のヘテロシクロアルキル基であり、ここで前記ヘテロ環は、N、O及びSから選択される1つ~3つのヘテロ原子を含む。
【0033】
前記化1において、好ましくは、
R1はC1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、または-NR8R9であり、ここでR8及びR9はそれぞれ独立して水素またはC1~C4のアルキル基であり、
R2は水素、C1~C4のアルキル基、またはC3~C6のシクロアルキル基であり、
R3は水素またはハロゲン基であり、
R4は水素、ハロゲン、OH、CN、またはCF3であり、
R5はC1~C4のアルコキシ基、C3~C6のシクロアルコキシ基、またはCF3で置き換えられたC1~C4のアルコキシ基であり、
R6は水素、C1~C4のアルキル基、またはC3~C6のシクロアルキル基であり、
R1a、R1b、R2a及びR2bは水素であり、
R7はC3~C6のシクロアルキル基またはC3~C8のヘテロシクロアルキル基であり、ここで前記ヘテロ環は、N、O及びSから選択される1つ~3つのヘテロ原子を含むものであってもよい。
【0034】
前記化1において、より好ましくは、
R1はC1~C4のアルキル基、C3~C6のシクロアルキル基、または-NH2であり、
R2は水素、C1~C4のアルキル基、またはC3~C6のシクロアルキル基であり、
R3は水素であり、
R4はハロゲンであり、
R5はC1~C4のアルコキシ基、C3~C6のシクロアルコキシ基、またはCF3で置き換えられたC1~C4のアルコキシ基であり、
R6はC1~C4のアルキル基であり、
R1a、R1b、R2a及びR2bは水素であり、
R7はC5~C8のヘテロシクロアルキル基であり、ここで前記ヘテロ環は、O及びSから選択される1つのヘテロ原子を含むものであってもよい。
【0035】
前記化1の化合物は、具体的には次のような化合物を含んでいてもよい。
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルメタンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルシクロプロパンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルプロパン-2-スルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-シクロプロピルメタンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-イソプロピルメタンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルメタンスルホンアミド、
N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルスルホンアミド。
【0036】
本発明の化1に示す化合物は、ALK、G120R ALK、L1196M ALKの酵素活性及びdel19/L858R/T790M EGFR、del19/T790M/C797Sの酵素活性を効果的に抑制する。また、本発明の化1の化合物は、クリゾチニブと比較して非常に優れた酵素抑制活性を有する。
【0037】
したがって、本発明の化1に示す化合物またはその薬学的に許容される塩は、癌または過剰増殖性疾患を治療または予防できる薬物として使用してもよい。前記癌または過剰増殖性疾患は、ALK過剰発現またはALK変異による疾患及びEGFR変異による疾患であることがある。
【0038】
前記癌は、肝臓癌、胃癌、膵臓癌、大腸癌、白血病、骨髄増殖性/骨髄異形成疾患、皮膚線維肉腫、乳癌、肺癌、甲状腺癌、 前立腺癌、卵巣癌、脳腫瘍、骨肉腫、及び頭頸部癌等からなる群から選択することができる。また、前記肺癌は、小細胞肺癌又は非小細胞肺癌であってもよい。
【0039】
また、前記癌は、ALK過剰発現、ALK変異、またはEGFR変異による非小細胞肺癌であってもよく、前記癌は、前記多様な種類の癌から他の臓器に転移した二次癌であってもよい。
【0040】
本発明による化1に示す化合物は、無機酸または有機酸で誘導された薬学的に許容される塩の形で使用してもよい。前記塩は、本発明が属する医薬業界で通常に使用される塩を意味し、具体的には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、グリコ-ル酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、シュウ酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、シンナム酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、またはトルエンスルホン酸等から選択される1種以上の酸によって誘導された塩であってもよい。
【0041】
本発明の化合物は、また、溶媒和物(solvate)の形態でもよい。「溶媒和物」とは、1つ以上の溶質分子、すなわち、化1に示す化合物またはその薬学的に許容される塩;及び1つ以上の溶媒分子によって形成される複合体、または集合体を意味する。溶媒和物は、例えば、水、メタノ-ル、エタノ-ル、イソプロパノ-ルまたは酢酸等の多様な溶媒分子と形成された複合体または集合体であってもよい。
【0042】
本発明の化合物は、また、その立体異性体の形態でもよい。前記立体異性体は、鏡像異性体(enantiomer)及び部分立体異性体(diastereomer)のようなすべての立体異性体を含む。前記化合物は、立体異性体の純粋な形態(stereoisomericallypureform)または一つ以上の立体異性体の混合物、例えば、ラセミ混合物であってもよい。特定の立体異性体の分離は、当該分野において公知の通常の方法のいずれかによって行うことができる。本発明の化合物の一部の例は、そのラセミ混合物と比較して特定の立体異性体の抗癌効果がより大きいことがある。この場合、特定の立体異性体を使用することで投与量を減らすことができる。したがって、癌細胞に対する死滅効果の大きい特定の立体異性体、例えば、鏡像異性体または部分構造異性体を分離することにより、癌を効率的に治療することができる。
【0043】
本発明の他の態様によると、本発明は、前記有効成分として、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体(carrier)を含む、癌または過剰増殖性疾患の治療または予防のための医薬組成物を提供する。前記癌または過剰増殖性疾患は、ALK過剰発現またはALK変異による疾患及びEGFR変異による疾患であってもよい。
【0044】
本発明の医薬組成物は、前述した化1またはその塩を有効成分として用いるため、前記で記載した内容と共通する事項は、本明細書における過度な重複を避けるために記載を省略する。
【0045】
本発明の医薬組成物は、通常の方法に従って製剤化することができ、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、シロップ、エマルジョン、マイクロエマルジョン等の多様な経口投与形態に、または静脈内注入、皮下注入、筋肉内注入、腹腔内注入、経皮注入、組織に直接注入する方法のような非経口投与形態に製造することができる。
【0046】
本発明において「薬学的に許容される担体」とは、活性成分の適用を助けるために活性成分と組み合わせて使用される物質、通常は不活性物質を指す。前記担体は、例えば、充填剤(filler)、結合剤(binder)、崩壊剤(disintergrant)、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、潤滑剤、香味剤、増粘剤(thickener)、着色剤(coloringagent)、乳化剤、懸濁剤、安定化剤、pH調整剤、及び等張化剤から選択される1つ以上を含むものであってもよい。
【0047】
本発明で使用される担体の例としては、セルロ-ス、ケイ酸カルシウム、ラクト-ス、デキストロ-ス、コ-ンスタ-チ、スクロ-ス、リン酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ゼラチン、タルク、界面活性剤、乳化剤、懸濁剤、希釈剤等が挙げられる。本発明の医薬組成物が注射剤の形態に製造される場合、前記担体としては、水、食塩水、グルコ-ス水溶液、類似糖水溶液、アルコ-ル、グリコ-ル、油、脂肪酸、脂肪酸エステル、グリセリド、界面活性剤、懸濁剤、乳化剤等を使用することができる。
【0048】
本発明の他の態様によると、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を、前述の疾患の予防または治療を必要とする個体に投与して疾患を予防または治療する方法を提供する。
【0049】
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の状態、投与経路、主治医の判断等のような多様な因子によって多様に変更してもよい。効果的な投与量は、インビトロ試験または動物モデル試験で得られた用量-反応曲線から推定することができる。投与される組成物に存在する本発明の化合物の割合及び濃度は、化学的特性、投与経路、治療的投与量等に応じて決定してもよい。
【0050】
本発明の薬剤学的組成物の投与量は、例えば、化1の化合物を基準にして0.0001mg/kg(体重)~100mg/kg(体重)であってもよい。
【0051】
本発明の医薬組成物は、免疫調整剤、化学抗癌剤及び免疫抗癌剤から選択される1つ以上をさらに含んでいてもよい。
【0052】
前記免疫調整剤として使用するのに適したサイトカインは、インタ-ロイキン(interleukin)(例えば、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12等)、マクロファ-ジコロニ-刺激因子(macrophage colony stimulating factor, M-CSF)、腫瘍壊死因子(tumournecrosisfactor,TNF)、または顆粒球マクロファ-ジコロニ-刺激因子(granulocyte, macrophage colony stimulating factor, GM-CSF)等から選択することができるが、これらに限定されない。
【0053】
前記化学抗癌剤は、ゲムシタビン(Gemcitabine)、シタラビン(Cytarabine)、カルボプラチン(Carboplatin)、シスプラチン(Cisplatin)、クリゾチニブ(Crizotinib)、シクロホスファミド(Cyclophosphamide)、ドセタキセル(Docetaxel)、ドキソルビシン(Doxorubicin)、エトポシド(Etoposide)、フルオロウラシル(5-fluorouracil)、イリノテカン(irinotecan)、メトトレキサ-ト(Methotrexate)、パクリタキセル(Paclitaxel)、トポテカン(Topotecan)、トラベクチジン(Trabectedin)、ビンクリスチン(Vincristine)、またはビンブラスチン(Vinbrastine)等があるが、これらに限定されない。
【0054】
前記免疫抗癌剤は、CTLA-4(cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4)、PD-1(Programmed cell death protein 1)、LAG-3(Lymphocyte Activation Gene-3)、TIM-3(T-cell Immunoglobulin and Mucin-domain containing-3)、TIGIT(T-cell Immunoreptor with IG and ITIM domain)、またはVISTA(V-domain Ig Suppressor of T cell Activation)からなる群から選択されるいずれかに対する免疫関門抑制剤(immune checkpoint inhibitor)であってもよいが、これらに限定されない。
【実施例
【0055】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の要旨により本発明の範囲がこれらの実施例によって限定されないことは、当業界の当業者にとって自明である。
【0056】
本発明による前記化1の化合物は、例えば、下記反応式1の方法により製造することができる:
【化2】
【0057】
StepA-1:N-メチル-N-(2-ニトロフェニル)メタンスルホンアミドの合成
【化3】
【0058】
1-フルオロ-2-ニトロベンゼン(1.0当量)をアセトニトリルに溶解し、炭酸カリウム(2.0当量)とN-メチルメタンスルホンアミド(1.4当量)を室温で加える。そして80℃で一晩攪拌する。反応終了後、室温まで温度を下げ、濾過する。濾液を減圧蒸発させて化合物を得る。分離過程なしに次の反応に使用する。
【0059】
StepA-2:N-(2-アミノフェニル)-N-メチルメタンスルホンアミドの合成
【化4】
【0060】
N-メチル-N-(2-ニトロフェニル)メタンスルホンアミド(1.0当量)をメタノ-ル、酢酸エチル(1:1)に溶解し、10%パラジウム/チャコ-ル(0.2当量)を加える。水素下で2時間攪拌する。反応終了後、セライトを用いて濾過する。濾液を減圧蒸発させる。エチルエ-テルとペンタンを用いて固化させる。濾過して目的化合物を得る。分離過程なしに次の反応に使用する。
【0061】
StepA-3:N-(2-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルメタンスルホンアミドの合成
【化5】
【0062】
N-(2-アミノフェニル)-N-メチルメタンスルホンアミド(1.0当量)をイソプロピルアルコ-ルに溶解し、2,4,5-トリクロロピリミジン(1.1当量)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.5当量)を室温で加える。80℃で一晩攪拌する。反応終了後、濾液を減圧蒸発させ、水とジクロロメタンを用いて抽出する。有機層を2N塩酸を用いて洗浄する。有機層を減圧蒸発させて目的化合物を得る。分離過程なしに次の反応に使用する。
【0063】
StepB-1:タ-ト-ブチル4-(5-フルオロ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレ-トの合成
【化6】
【0064】
1-ブロモ-5-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(1.0当量)を1,2-ジメトキシエタンと水(10:1)に溶解する。室温でタ-ト-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボラン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレ-ト(1.0当量)、炭酸カリウム(3.0当量)、(1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)ジクロリド(0.04当量)を加える。窒素下で還流する。反応終了後、水と酢酸エチルで抽出する。有機層を集めて減圧蒸発させ、カラムクロマトグラフィ-を用いて目的化合物を得る(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)。
【0065】
StepB-2:タ-ト-ブチル4-(5-イソプロポキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレ-トの合成
【化7】
【0066】
タ-ト-ブチル4-(5-フルオロ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレ-ト(1.0当量)をイソプロピルアルコ-ルに溶解し、炭酸セシウム(3.0当量)を室温で加える。そして60℃で一晩攪拌する。反応終了後、水と酢酸エチルで抽出する。有機層を集めて減圧蒸発させ、カラムクロマトグラフィ-を用いて目的化合物を得る(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)。
【0067】
StepB-3:4-(5-イソプロポキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジンの合成
【化8】
【0068】
タ-ト-ブチル4-(5-イソプロポキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレ-ト(1.0当量)をジクロロメタンに溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0当量)を0℃で加える。反応終了後、1N水酸化ナトリウムで中和し、水とジクロロメタンで抽出する。有機層を集めて減圧蒸発させ、分離過程なしに次の反応に使用する。
【0069】
StepB-4:4-(5-イソプロポキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジンの合成
【化9】
【0070】
4-(5-イソプロポキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(1.0当量)をトルエンに溶解し、テトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン(1.2当量)、トリエチルアミン(2.58当量)、酢酸(1.53当量)とトリアセトキシボロハイドライドナトリウム(0.83当量ずつ3回)を室温で加える。室温で一晩攪拌する。反応終了後、水と酢酸エチルで抽出する。有機層を集めて減圧蒸発させ、分離過程なしに次の反応に使用する。
【0071】
実施例1:N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルメタンスルホンアミドの製造
【化10】
StepB-5:2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)アニリンの合成
【化11】
4-(5-イソプロポキシ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(1.0当量)を1,4-ジオキサン、水(3:1)に溶解し、亜鉛(10.0当量)と塩化アンモニウム(10.0当量)を0℃で加える。室温で一晩攪拌する。反応終了後、水と酢酸エチルで抽出する。有機層を集めて減圧蒸発させ、分離過程なしに次の反応に使用する。
【0072】
StepC-1:最終化合物の合成
ピリミジン誘導体(1.0当量)をイソプロピルアルコ-ルに溶解し、アニリン誘導体(1.0当量)とメタンスルファニル酸(1.3当量)を室温で加える。80℃で一晩攪拌する。反応終了後、減圧蒸発して溶媒を除去し、水とジクロロメタン混合液を用いて抽出する。有機層を減圧蒸発させ、カラムクロマトグラフィ-を行って目的化合物を得る(メチルアルコ-ル:ジクロロメタン=10:1)。
Yield: 15.6%; Pale yellow solid; 1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 8.37(s, 1H), 8.18 - 8.12(m, 2H), 7.83(s, 1H), 7.64 - 7.55(m, 2H), 7.30(td, J = 8.4, 7.9, 1.5 Hz, 1H), 7.20(td, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 6.67(s, 1H), 5.51 - 5.46(m, 1H), 4.53(hept, J = 6.1 Hz, 1H), 3.87(dd, J = 10.9, 4.2 Hz, 2H), 3.26 - 3.23(m, 3H), 3.18 - 3.10(m, 5H), 3.05(s, 3H), 2.65(t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.24(m, 2H), 2.03(s, 3H), 1.72(m, 2H), 1.42(qd, J = 12.2, 4.4 Hz, 2H), 1.29 - 1.12(m, 8H). MS: ESI m/z 641.2664 [M+H]+
【0073】
実施例2:N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミドの製造
【化12】
【0074】
StepC-1の方法で合成を行った。
Yield: 15.5%; Yellow solid; 1H NMR(500 MHz, DMSO-D6) δ 9.33(s, 1H), 8.64(s, 1H), 8.16(s, 1H), 7.88(d; J = 7.8 Hz, 1H), 7.69(s, 1H), 7.63(s, 1H), 7.41(dd; J = 7.4, 2.0 Hz, 1H), 7.29 - 7.19(m, 2H), 6.68(s, 1H), 5.50(d; J = 4.0 Hz, 1H), 4.56(p, J = 6.1 Hz, 1H), 3.95 - 3.87(m, 2H), 3.31 - 3.27(m, 2H), 3.17(d; J = 3.4 Hz, 2H), 2.92(s, 3H), 2.70(t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.26(s, 2H), 1.98(s, 3H), 1.77(d; J = 13.0 Hz, 2H), 1.48(tt, J = 12.0, 6.1 Hz, 2H), 1.24(d; J = 6.0 Hz, 6H). MS: ESI m/z 626.2433 [M]+
【0075】
実施例3:N-(2-((5-クロロ-2-(2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルシクロプロパンスルホンアミドの製造
【化13】
StepC-1の方法で合成を行った。
Yield: 27.2%; Yellow solid; 1H NMR(500 MHz, DMSO-D6) δ 8.38(s, 1H), 8.19(s, 1H), 8.17(s, 1H), 7.87(s, 1H), 7.70 - 7.67(m, 1H), 7.66(d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.34(t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.23(td, J = 7.7, 1.6 Hz, 1H), 6.72(s, 1H), 5.76(s, 1H), 5.53(d, J = 4.3 Hz, 1H), 4.56(hept, J = 6.1 Hz, 1H), 3.94 - 3.88(m, 2H), 3.32 - 3.27(m, 2H), 3.22(s, 3H), 3.17(q, J = 3.0 Hz, 2H), 2.84(td, J = 7.9, 4.0 Hz, 1H), 2.70(t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.29(s, 2H), 2.08(d, J = 2.5 Hz, 3H), 1.80 - 1.73(m, 2H), 1.47(qd, J = 12.2, 4.3 Hz, 2H), 1.24(d, J = 6.0 Hz, 6H), 1.07 - 1.02(m, 2H), 0.87(s, 2H). MS: ESI m/z 666.2 [M]+
【0076】
実施例4:N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルプロパン-2-スルホンアミドの製造
【化14】
StepC-1の方法で合成を行った。
Yield: 32.1%; Yellow solid; 1H NMR(500 MHz, DMSO-D6) δ 8.44(s, 1H), 8.18(s, 1H), 7.99(d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.77(s, 1H), 7.63(s, 1H), 7.60(dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 7.41 - 7.34(m, 1H), 7.29(t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.69(s, 1H), 5.53 - 5.48(m, 1H), 4.56(hept, J = 6.1 Hz, 1H), 3.94 - 3.83(m, 2H), 3.53(p, J = 6.7 Hz, 1H), 3.29(dd, J = 11.8, 2.0 Hz, 2H), 3.19(s, 3H), 3.15(q, J = 3.0 Hz, 2H), 2.68(t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.29 - 2.23(m, 2H), 2.01(s, 3H), 1.79 - 1.72(m, 2H), 1.47(qd, J = 12.3, 4.5 Hz, 2H), 1.28(d, J = 6.7 Hz, 6H), 1.24(d, J = 6.0 Hz, 6H). MS: ESI m/z 668.2 [M]+
【0077】
実施例5:N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-シクロプロピルメタンスルホンアミドの製造
【化15】
StepC-1の方法で合成を行った。
Yield: 55.9%; Yellow solid; 1H NMR(500 MHz, DMSO-D6) δ 8.22(d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.19(s, 1H), 8.07(s, 1H), 7.93(s, 1H), 7.67(dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 1H), 7.64(s, 1H), 7.32(t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.24(td, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 6.72(s, 1H), 5.54(dt, J = 3.6, 1.9 Hz, 1H), 4.56(hept, J = 6.4 Hz, 1H), 3.95 - 3.88(m, 2H), 3.32 - 3.27(m, 2H), 3.24(dq, J = 5.5, 3.3, 2.7 Hz, 1H), 3.21(s, 3H), 3.17(q, J = 3.0 Hz, 2H), 2.70(t, J = 5.4 Hz, 2H), 2.29(d, J = 5.7 Hz, 2H), 2.09(d, J = 5.9 Hz, 3H), 1.80 - 1.73(m, 2H), 1.48(qd, J = 12.1, 4.4 Hz, 2H), 1.23(dd, J = 6.0, 4.3 Hz, 6H), 0.94(td, J = 8.1, 7.5, 4.4 Hz, 2H), 0.56 - 0.47(m, 1H), 0.15(dp, J = 8.7, 4.6 Hz, 1H). MS: ESI m/z 666.2 [M]+
【0078】
実施例6:N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル) -N-イソプロピルメタンスルホンアミドの製造
【化16】
StepC-1の方法で合成を行った。
Yield: 56.1%; Yellow solid; 1H NMR(500 MHz, DMSO-D6) δ 8.21(d, J = 3.6 Hz, 2H), 8.16(s, 1H), 7.90(s, 1H), 7.69(s, 1H), 7.49(dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 1H), 7.45 - 7.38(m, 1H), 7.25(td, J = 7.7, 1.5 Hz, 1H), 6.72(s, 1H), 5.53(d, J = 3.8 Hz, 1H), 4.56(hept, J = 6.5, 6.0 Hz, 1H), 4.43(p, J = 6.7 Hz, 1H), 3.91(dd, J = 10.4, 4.1 Hz, 2H), 3.33 - 3.27(m, 3H), 3.17(d, J = 3.2 Hz, 2H), 3.15(s, 3H), 2.70(t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.29(s, 2H), 2.09(s, 2H), 2.05(s, 3H), 1.77(d, J = 12.2 Hz, 2H), 1.47(qd, J = 12.1, 4.4 Hz, 2H), 1.24(t, J = 6.3 Hz, 6H), 1.18(d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.90(d, J = 6.7 Hz, 3H). MS: ESI m/z 668.2 [M]+
【0079】
実施例7:N-(2-((5-クロロ-2-((5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルメタンスルホンアミドの製造
【化17】
StepC-1の方法で合成を行った。
Yield: 35.7%; Yellow solid; 1H NMR(500 MHz, DMSO-D6) δ 8.38(s, 1H), 8.17(s, 1H), 8.15(d, J = 4.5 Hz, 2H), 7.61(dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 1H), 7.51(s, 1H), 7.27(td, J = 7.8, 1.6 Hz, 1H), 7.21(td, J = 7.6, 1.7 Hz, 1H), 6.91(s, 1H), 5.57(dt, J = 3.6, 1.8 Hz, 1H), 4.69(q, J = 8.9 Hz, 2H), 3.95 - 3.88(m, 2H), 3.30(dd, J = 11.7, 2.0 Hz, 2H), 3.18(d, J = 2.6 Hz, 5H), 3.09(s, 3H), 2.71(t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.31(dq, J = 5.9, 3.0 Hz, 2H), 2.12(s, 3H), 1.81 - 1.74(m, 2H), 1.48(qd, J = 12.1, 4.4 Hz, 2H), 1.32 - 1.21(m, 1H). MS: ESI m/z 680.2 [M]+
【0080】
実施例8:N-(2-((5-クロロ-2-((2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)-N-メチルスルホンアミドの製造
【化18】
StepC-1の方法で合成を行った。
Yield: 45.2%; Yellow solid; 1H NMR (500 MHz, DMSO-D6)1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 9.21 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 7.43 (dd, J = 7.5, 1.6 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 7.4, 1.5 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.03 (td, J = 7.4, 1.5 Hz, 1H), 6.93 (s, 2H), 6.87 (s, 1H), 6.80 (td, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H), 6.06 (tt, J = 6.2, 1.0 Hz, 1H), 4.63 (dt, J = 13.5, 6.6 Hz, 1H), 3.70 (dt, J = 12.4, 7.1 Hz, 2H), 3.60 (dt, J = 12.6, 7.1 Hz, 2H), 3.43 (s, 3H), 3.30 (dt, J = 6.2, 1.0 Hz, 2H), 2.94 (p, J = 6.9 Hz, 1H), 2.84 (td, J = 7.1, 0.9 Hz, 2H), 2.71 (tt, J = 6.9, 0.9 Hz, 2H), 2.41 (s, 3H), 1.90 - 1.71 (m, 4H), 1.33 (d, J = 6.9 Hz, 6H). MS: ESI m/z 641.3 [M]+
【0081】
実験例1:キナ-ゼ抑制活性の測定
前記実施例1~8の化合物について、ALK、ALK変異(ALK(G1202R))、及びEGFR変異(ALK(L1196M))キナ-ゼに対する抑制活性を測定し、その結果を下記表1に示した。キナ-ゼ抑制活性の測定は、各化合物がキナ-ゼ抑制活性を抑制した濃度でIC50値を算出して示した。対照薬としてクリゾチニブ(Crizotinib, APG-2449)を用いた。
1.各キナ-ゼを8 mM MOPS, pH 7.0, 0.2 mM EDTA, 250 μM KKKGQEEEYVFIE, 1 mM sodium orthovanadate, 5 mM sodium-6-glycerophosphate, 10 mM Magnesium acetate, [33P]-ATPの下で培養した。
2.評価化合物(DMSO溶液)とMg/ATPを加えて反応を起こした。
3.室温で約40分後、リン酸(Phosphoric acid)0.5% 10uLを加えて反応を終了した。
4.0.5% 10uLで反応液を分け、P30 filtermatにspottingを行った。
5.約4分間0.425% phosphoric acidで4回洗浄した。メタノ-ル(Methanol)で1回洗浄後、乾燥し、scintillation countingで分析してIC50値を測定した。
【0082】
【表1】
【0083】
前記表1の実験結果に示すように、本発明の実施例により製造された化合物は、APG-2449と比較して、野生型ALKカナ-ゼでは類似した抑制活性を示したが、ALK点変異キナ-ゼでは非常に優れた活性を示した。
<APG-2449 Chemical Structure>
【化19】
【0084】
実験例2:癌細胞成長抑制効果の測定
前記実施例3、7、及び8の化合物について、ALK変異癌細胞株の成長抑制効果を測定した。ALK変異cell lineとしてH3122(EML4-ALK v1)及びH2228(EML4-ALK v3)を用いて、抗癌効能活性の測定は次の方法により実施した。
【0085】
Gene construction: wild type及びmutant EGFRは、Addgeneで購入した。すべてのconstructionは、retroviral vectorとして最終的にinfectionのためにviral particleを完成した。
【0086】
<Cellular kinase activity変化の確認(Western blotting)>
それぞれのcell lineに実施例3、7、及び8の各化合物を濃度依存的に処理し、5時間後に細胞を得た。 EBC lysis buffer(50 mM Tris-HCl [pH 8.0], 120 mM NaCl, 1% Triton X-100, 1 mM EDTA, 1 mM EGTA, 0.3 mM phenylmethylsulfonylfluoride, 0.2 mM sodium orthovanadate, 0.5% NP-40, and 5 U/mL aprotinin)を用いてcell lysatesを作った。
【0087】
<MTT assayによる抗癌効果の検証>
2 X 105 cellsを96-well plateにseedingした。24時間後、実施例3、7、及び8の各化合物を投与量依存的に処理した後、72時間インキュベ-トした後、15uL MTT試薬を4時間反応させ、100uL 10% SDSを加えてから24時間インキュベ-トした。最終ODの変化は595nmでreadingした。MTT結果の分析はprism softwareを通じてIC50値を測定した。
【0088】
各化合物が細胞の成長を50%抑制した濃度でIC50値を算出し、その結果を下記表2に示した。対照薬としてAPG-2449を用いた。
【0089】
【表2】
【0090】
前記表2の実験結果に示すように、本発明の実施例によって製造された化合物は、変異発現癌細胞株に対してAPG-2449と比較して顕著な癌細胞成長の抑制活性を示すことが確認された。
【国際調査報告】