(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】パーソナライズ化粧品の製造、販売機の原料攪拌機
(51)【国際特許分類】
B01F 29/10 20220101AFI20241126BHJP
B01F 35/31 20220101ALI20241126BHJP
B01F 35/42 20220101ALI20241126BHJP
B01F 33/50 20220101ALI20241126BHJP
B01F 35/00 20220101ALI20241126BHJP
B01F 35/21 20220101ALI20241126BHJP
B01F 35/222 20220101ALI20241126BHJP
G07F 11/70 20060101ALI20241126BHJP
B01F 101/21 20220101ALN20241126BHJP
【FI】
B01F29/10
B01F35/31
B01F35/42
B01F33/50
B01F35/00
B01F35/21
B01F35/222
G07F11/70 Z
B01F101:21
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529263
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 KR2021017932
(87)【国際公開番号】W WO2023095985
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0161810
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522466245
【氏名又は名称】デソン ハイ-テック カンパニー,リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】518416791
【氏名又は名称】リリーカバー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】オ,デ ミョン
(72)【発明者】
【氏名】ノ,テ キョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ウ カク
(72)【発明者】
【氏名】アン,ソン ヒ
【テーマコード(参考)】
3E046
4G036
4G037
【Fターム(参考)】
3E046BA06
3E046BB20
3E046EB01
4G036AA26
4G036AC70
4G037DA25
4G037DA30
4G037EA05
(57)【要約】
【課題】本発明は、パーソナライズ化粧品の製造、販売機化粧品製造、販売機の原料攪拌機に関するものであり、自転運動と公転運動の組み合わせ及び遠心力により、粘性がお互い異なる様々な種類の化粧品原料を迅速な時間内に完全に混合できるようにすることに目的がある。
【解決手段】このために、本発明は、個人カスタマイズ型化粧品製造、販売機の内部に備えられ、容器内部に注入された液状の化粧品原料を撹拌するための撹拌機において、前記撹拌機は、リング状の外側ギア741と、前記外側ギア741を回転させるためのモータ720と、外側ギア741の内周面に組み付けられて遊星運動をする内側ギア751と、内側ギア751の上部に設けられて容器310を固定する容器固定部材710を含みから構成され、前記容器固定部材710が自転運動及び公転運動をしながら容器310内に注入された原料を撹拌させることを特徴とする。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナライズ化粧品製造、販売機のハウジング内部に備えられ、容器内部に注入された液状の化粧品原料を撹拌するための撹拌機において、前記攪拌機は、リング状の外側ギア(741)と、前記外側ギア(741)を回転させるためのモータ(720)と、前記外側ギア(741)の内周面に組み付けられて遊星運動をする内側ギア(751)と、内側ギア(751)の上部に設けられて容器(310)を固定する容器固定部材(710)を含み、前記容器固定部材(710)が自転運動及び公転運動をしながら容器(310)の内部に注入された原料を撹拌させることを特徴とするパーソナライズ化粧品製造、販売機の撹拌機。
【請求項2】
前記容器固定部材(710)は、外側の方向に一定角度傾斜して形成された円形溝を備え、前記容器(310)が前記円形溝に傾斜して着座するようにすることを特徴とする請求項1に記載のパーソナライズ化粧品製造、販売機の攪拌機。
【請求項3】
前記リング状の外側ギア(741)の下部にメインシャフト(740)が備えられ、
前記メインシャフト(740)は、前記モータ(720)の回転軸とベルト(730)に連結されて回転することを特徴とする請求項1に記載のパーソナライズ化粧品製造、販売機の攪拌機。
【請求項4】
前記容器固定部材(710)の下部に補助シャフト(750)が結合され、前記補助シャフト(750)の上端部に内側ギア(751)が形成され、前記内側ギア(751)の歯形が前記リング状の外側ギア(741)の内面に形成された歯形と互いに噛み合って回転することを特徴とする請求項3に記載のパーソナライズ化粧品製造、販売機の攪拌機。
【請求項5】
前記補助シャフト(750)の中心軸は、メインシャフト(740)の中心軸と互いにずれて配置されることを特徴とする請求項4に記載のパーソナライズ化粧品製造、販売機の攪拌機。
【請求項6】
前記容器固定部材(710)の外周面一側に、回転する容器(310)を固定させるためのクランプレバー(760)が備えられることを特徴とする請求項1に記載のパーソナライズ化粧品製造、販売機の攪拌機。
【請求項7】
前記クランプレバー(760)を一定角度で回動させるためのクランプシリンダ(761)と、前記クランプレバー(760)に弾性力を付与するクランプスプリング(762)をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のパーソナライズ化粧品製造、販売機の攪拌機。
【請求項8】
前記クランプシリンダ(761)の前、後進動作を感知するためのセンサがさらに備えられ、容器(310)のクランプ動作が完了されると攪拌が開始されるようにし、攪拌機の回転が停止されると容器(310)のクランプ状態を自動的に解除することを特徴とする請求項7に記載のパーソナライズ化粧品製造、販売機の攪拌機。
【請求項9】
ハウジング(100)内部のテーブル(109)に設けられた多関節ロボット(400)により、前記容器(310)を容器固定部材(710)に安着させて脱去することを特徴とする請求項1に記載のパーソナライズ化粧品製造、販売機の攪拌機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空港、ターミナル、デパート、商店街等に自動販売機の形態で設置されるパーソナライズ(personalize)化粧品の製造、販売機の液状原料攪拌機に関し、さらに詳細には、自転運動と公転運動の組み合わせ及び遠心力により粘性が互いに異なる様々な種類の化粧品原料を完璧に混合することができ、迅速な時間内に撹拌を完了するようにしたパーソナライズ化粧品製造、販売機の液状原料撹拌機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に化粧品は、化粧品製造会社で大量に生産され、美容関連売り場を通じて消費者に販売されている。
【0003】
また、化粧品は、一定の製造設備及び品質管理施設を備え、当局の許可を受けた者だけが製造できるようになっている。
【0004】
ところが、化粧品製造会社で数多くの消費者の好み及び肌特性をすべて考慮して化粧品を製造することは現実的に不可能とし得る。
【0005】
これにより、化粧品製造会社では皮膚トラブルなどの問題が発生しないように化粧品を製造する傾向があり、これにより消費者の多様な欲求を満たすことに限界がある。
【0006】
これにより消費者は、自分の肌に適した化粧品を自分で見つけて購入しなければならない不便さがある。
【0007】
近年、ニキビ、シワ、シミ、傷(blemish)などを管理するために化粧品に特定の成分を添加した機能性化粧品が製造、販売されている。
【0008】
しかし、前記の機能性化粧品もまた、肌特性の異なる消費者の欲求を全て満たすことが難しい。
【0009】
このような問題を解決するために、消費者が直接自分の肌の特性に合わせた化粧品を製造することをできるようにするパーソナライズ化粧品製造装置が提案されたことがある。
【0010】
その一例として、韓国登録特許第10-2211803号公報に開示された「パーソナライズ化粧品製造装置」がある。
【0011】
前記の従来の化粧品製造装置は、ロボットアームと化粧品容器を供給する容器供給部と前記化粧品容器に化粧品原料を注入するためのノズル部と前記化粧品容器を前記ノズル部に移送する移送部と前記化粧品容器のキャップを供給するキャップ供給部と前記化粧品原料が注入された前記化粧品容器を撹拌するための撹拌部と、上部プレートと前記上部プレートの下にスペースを備えた作業テーブルとを含みから構成される。
【0012】
前記容器供給部、ノズル部、移送部、キャップ供給部及び攪拌部は、ロボットアームを中心にロボットアームの周囲に配置される。
【0013】
そして、前記化粧品容器は、前記ロボットアームによって容器供給部、移送部及び前記攪拌部に順次移動される。
【0014】
前記の従来の化粧品製造装置に係れば、消費者の肌の状態に合わせた化粧品を製造することができるという利点がある。
【0015】
ところで、前記の従来の化粧品製造装置は、次のような問題点がある。
【0016】
まず、各化粧品原料を原料保管筒に保管して供給する方式であるので、原料が使い果たされると原料保管筒に原料を一つ一つ充填しなければならず、この過程で不純物が混入されるか空気酸化現象が発生することができる。
【0017】
また、原料保管筒がハウジングの下部に備えられているので、残っている原料の量を目視で確認することが不便であり、周期的に原料の残量をチェックしなければならない。
【0018】
また、化粧品原料の注入を完了した後、原料供給管及び注入ノズルに残っていた残量の原料が漏れ、周囲を汚染させることになる。
【0019】
また、容器とキャップをハウジング内部にそれぞれ供給する方式であるため、容器内部に不純物が混入され得る。
【0020】
これにより、関連法令で規定している化粧品製造基準を満足させることが難しく、品質管理に困難がある。
【0021】
また、従来の化粧品製造装置は、粘性の異なる原料を完全に混合するには時間がかかるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2211803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、前記の従来のパーソナライズ化粧品製造装置攪拌機の問題点を解決するためのものであり、互いにに粘性が異なる化粧品原料の混合性を向上させることにその目的がある。
【0024】
本発明の他の目的は、迅速な時間内に撹拌が完了することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前記目的を達成するための本発明の攪拌機は、パーソナライズ化粧品製造、販売機のハウジング内部に備えられ、容器内部に注入された液状の化粧品原料を攪拌するための攪拌機において、前記攪拌機は、リング状の外側ギアと、前記外側ギアを回転させるためのモータと、前記外側ギアの内周面に組み付けられて遊星運動をする内側ギアと、前記内側ギアの上部に備えられて容器を固定させる容器固定部材を含みから構成され、前記容器固定部材が自転運動及び公転運動をしながら容器内部に注入された原料を攪拌させることを特徴とする。
【0026】
また、前記容器固定部材は、外側の方向に一定角度傾斜して形成された円形溝を備え、前記容器が前記円形溝に傾斜して着座されるようにすることを特徴とする。
【0027】
また、リング状の外側ギアの下部にメインシャフトが備えられ、前記メインシャフトは前記モータの回転軸とベルトで連結されて回転することを特徴とする。
【0028】
また、前記容器固定部材の下部に補助シャフトが結合され、前記補助シャフトの上端部に内側ギアが形成され、前記内側ギアの歯形が前記リング状の外側ギアの内面に形成された歯形と互いに噛み合って回転することを特徴とする。
【0029】
また、前記補助シャフトの中心軸は、メインシャフトの中心軸と互いにずれて配置されることを特徴とする。
【0030】
また、前記容器固定部材の外周面の一側に、回転する容器を固定させるためのクランプレバーが備えられることを特徴とする。
【0031】
また、前記クランプレバーを一定角度で回動させるためのクランプシリンダと、前記クランプレバーに弾性力を付与するクランプスプリングをさらに備えることを特徴とする。
【0032】
また、前記クランプシリンダの前、後進動作を感知するためのセンサがさらに備えられ、容器のクランプ動作が完了すると攪拌が開始されるようにし、攪拌機の回転が停止すると容器のクランプ状態を自動的に解除することを特徴とする。
【0033】
また、ハウジングの内部に備えられる多関節ロボットによって容器を容器固定部材に着座させたり脱着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係れば、自転運動と公転運動の組み合わせにより攪拌機を回転させることにより、粘性が互いに異なる原料の混合性を向上させることができる効果がある。
【0035】
また、短時間内で混合が完了するようにして撹拌時間を短縮できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明に係る化粧品製造装置の全体斜視図である。
【
図2】本発明に係る化粧品製造装置の各構成を説明するための構成図である。
【
図4】本発明に係る化粧品製造装置と中央制御装置との接続方式を示す図である。
【
図5】本発明に係る原料供給部及び容器供給部を示す斜視図である。
【
図6】本発明に係る原料供給部及び原料注入部を示す正面図である。
【
図7】本発明に係る化粧品製造装置の原料注入部を示す斜視図である。
【
図8】本発明に係る原料の残留防止装置を示す図である。
【
図9】本発明に係る容器供給部を説明するための図である。
【
図11】本発明に係るカートリッジに容器が収容された状態を示す斜視図である。
【
図12】本発明に係る容器供給部の背面を示す斜視図である。
【
図13a】本発明に係る化粧品製造装置において容器本体とキャップを分離及び結合する過程を示す図である。
【
図13b】本発明に係る化粧品製造装置において容器本体とキャップを分離及び結合する過程を示す図である。
【
図13c】本発明に係る化粧品製造装置において容器本体とキャップを分離及び結合する過程を示す図である。
【
図13d】本発明に係る化粧品製造装置において容器本体とキャップを分離及び結合する過程を示す図である。
【
図13e】本発明に係る化粧品製造装置において容器本体とキャップを分離及び結合する過程を示す図である。
【
図13f】本発明に係る化粧品製造装置において容器本体とキャップを分離及び結合する過程を示す図である。
【
図15】本発明に係る攪拌機の下部を示す斜視図である。
【
図17】本発明に係る攪拌機の自転及び公転運動を示す図である。
【
図18】本発明に係る攪拌機の上部を示す斜視図である。
【
図19】本発明に係る化粧品製造装置においてドアを開いた状態を示す正面図である。
【
図20】本発明に係る空調及び殺菌部を示す図である。
【
図21】本発明に係る空調及び殺菌部の構成を説明するための図である。
【
図22】本発明に係る空調及び殺菌部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0038】
本発明に係るパーソナライズ化粧品製造、販売機(以下単に「本製造装置」と称する)は、
図1及び
図2に示すように、ハウジング100と、前記ハウジングの内部に備えられ、液状の化粧品原料(以下、単に「原料」と称する)を供給する原料供給部200と、化粧品容器を供給する容器供給部300と、容器に化粧品原料を注入する原料注入部600と、前記容器供給部300から容器をピックアップして決められた位置に着座させる多関節ロボット400と、化粧品原料が注入された容器を攪拌させる攪拌機700と、製造が完了された化粧品をハウジング100の外部に排出する化粧品排出口191を含みから構成される。
【0039】
前記ハウジング100は、テーブル190と、原料供給部ドア110と、容器供給部ドア120と、下部ドア130を含みから構成される。
【0040】
前記テーブル100には、中央に備えられる多関節ロボット400を中心に、その周囲に原料供給部200、容器供給部300、原料注入部600及び攪拌機700が備えられる。
【0041】
また、前記ハウジング100の下部には移動ホイール180が備えられており、本製造装置を所望する位置に容易に移動させることができる。
【0042】
また、前記原料供給部ドア110の上面及び容器供給部ドア120の上部は、透明窓で構成される。
【0043】
これにより、管理者が装置内部の状況を肉眼で把握することができ、消費者は化粧品の製造過程を肉眼で確認することができる。
【0044】
また、本製造装置の前面には、消費者が化粧品の種類、原料成分、支払い方法などを選択できるタッチスクリーン150と、消費者の顔面を認識するためのカメラ160と、カードリーダ170と、レシート出力部171と、製造が完了した化粧品をハウジング100の外部に排出するための化粧品排出口191とが備えられる。
【0045】
また、前記テーブル190下部の空間には、
図3に示すように、レシート出力機、ラベルプリンタ、バーコード認識器、カード計算機及び本製造装置の各構成品を制御するための制御部192と、遠隔地の中央制御装置と通信を行うための通信装置などが備えられる。
【0046】
また、本発明は、
図4に示すように、複数の本製造装置が遠隔地の中央制御装置900と通信ネットワークに接続される。
【0047】
前記通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、広域通信ネットワーク(WAN:Wide Area Network)、付加価値通信網(VAN:Value Added Network)、移動通信網(Mobile Radio Comunication Network)、Wibro(Wireless Broadband Internet)、Mobile WiMAX、衛星通信ネットワークなどの有線/無線通信ネットワークで実現することができる。
【0048】
また、遠隔地に備えられる中央制御装置900は、肌状態に関連した化粧品原料の成分及び組成比データを貯蔵しているサーバS及びコンピュータCを含みから構成される。
【0049】
そして、サーバSは、消費者が本製造装置を使用するたびに該当データを蓄積する。
【0050】
また、前記中央制御装置900は、本製造装置を管理する管理者の携帯端末Pと接続される。
【0051】
前記携帯用端末Pは、スマートフォン(Smartphone)、PCS(Personal Communication System)、GSM(Global System for Mobile communication)、PDC(Personal Digital Cellular)、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant) 、W-CDMA(W-Code Division Multiple Access)、Wibro(Wireless Broadband Internet)端末などで構成され得る。
【0052】
前記の方法により、遠隔地の中央制御装置900において、各製造装置を遠隔で統合して管理することができる。
【0053】
また、原料が不足したり、製造装置の故障が発生する場合、各装置管理者にその内容を直ちに伝送して迅速に対処するようにすることができる。
【0054】
例えば、前記中央制御装置900において、各製造装置においてどの原料が不足するかをリアルタイムで把握し、この内容を当該製造装置の管理者に携帯端末Pを介して伝送することができる。
【0055】
以下、
図5~
図8を参照して、本製造装置の原料供給部について説明する。
【0056】
本発明に係る原料供給部200は、様々な化粧品原料を供給するためのものとして、液状の化粧品原料が入った複数の原料ポーチ220と、前記各原料ポーチ220の上部を吊り下げるための複数のフック280と、前記各フック280の上部に備えられ、各原料ポーチ220の原料残量を感知するための複数の残量確認ロードセル210と、前記原料ポーチ220内部の原料を原料供給管を介して原料注入部600に移送させるための複数のポンプと、前記複数のポンプをそれぞれ駆動するための複数の駆動モータとを含みから構成される。
【0057】
前記原料ポーチ220は、原料が入ったビニール袋であり、使用しようとする原料の数だけ備えられる。また、残量確認ロードセル210及びフック280も使用する原料の数だけ備えられる。
【0058】
例えば40種の原料を用いる場合、40個の原料ポーチ220が、40個の残量確認ロードセル210の下部に備えられたフック280に吊り下げられる形態で供給される。これは、病院で患者にリンゲル液を注入する方法を応用したものである。
【0059】
前記残量確認ロードセル210は、原料の使用による原料ポーチ220の重量減少を感知して、原料ポーチ220の内部に残っている原料の残量を把握する。
【0060】
そして、ハウジング100の下部に備えられた制御部192は、残量が不足した原料ポーチ220成分を遠隔地の中央制御装置900にリアルタイムで伝送する。
【0061】
そうなら、前記中央制御装置900は、当該製造装置の管理者端末Pを介してどの製造装置のどの原料が不足しているかを伝送する。
【0062】
これにより、当該製造装置の管理者は、不足した原料ポーチ220を迅速に交替することができる。
【0063】
一方、原料供給部ドア110の上部が透明窓で構成されているので、装置の管理者が原料ポーチ220の交替有無を目視で判断することもできる。
【0064】
また、本発明は、原料注入部600に残留防止装置230をさらに備える。
【0065】
前記残留防止装置230は、原料の供給が完了した後、原料供給管及び注入ノズル610に液状の原料が残留しないようにするためのものであり、
図8に示すように、本体部231と、前記本体部231と原料ポーチ220側を接続するポーチ接続部材232と、前記本体部231と注入ノズル610側を接続する注入ノズル接続部材233とを含みから構成される。
【0066】
また、本体部231の内部には、前記パウチ接続部材232と接続される第1流路231aと、前記第1流路231aから垂直に分岐する第2流路231bと、前記第2流路231bから垂直に分岐される第3流路231cと、前記第1流路231aと前記第3流路231cを互いに接続する第4流路231dが形成される。
【0067】
前記第2流路231bには、第1ボール240、第1スプリング250、及び第1密閉部材231eが備えられる。
【0068】
そして、前記第4流路231dには、第2ボール260、第2スプリング270及び第2密閉部材231fが備えられる。
【0069】
前記残留防止装置230において、ポンプ(図示せず)で原料を注入ノズル610側に供給すると、液状の原料が前記第1ボール240を押しながら注入ノズル610側に供給される。
【0070】
すなわち、液状の原料は、ポーチ接続部材232→第2流路231b→第3流路231c→注入ノズル接続部材233を経由して注入ノズル610に供給される。
【0071】
そして、ポンプの作動を止めると、第1スプリング250の弾性により前記第1ボール240が元の位置に戻るようになり、注入ノズル610側にはそれ以上の原料が流れない。
【0072】
これにより、一種類の原料注入が完了した容器を次の注入ノズル610に移動させた後、以前の原料注入管及び注入ノズル610に残っていた残量の原料が漏れて周囲を汚染させることを防止することができる。
【0073】
続いて、本発明の原料注入部について説明する。
【0074】
本発明に係る原料注入部600は、
図5~7に示すように、各原料を容器310に注入するためのものであり、各原料ポーチ220と原料供給管を介してそれぞれ接続されて容器310に原料を注入するための複数の注入ノズル610と、前記注入ノズル610の下部に備えられ、空容器310を移動させながら原料を注入するための容器移送部材630と、前記容器移送部材630の上部に備えられ、容器310内に注入される原料の定量注入を感知するための液量感知ロードセル620と、容器移送部材630の上部に着座される容器310を感知するための容器感知センサを含みから構成される。
【0075】
前記注入ノズル610は、原料供給管を介して各原料ポーチ220と接続され、原料ポーチ220の数だけ備えられる。
【0076】
そして制御部192は、空容器310を選択された注入ノズル610の下部に移動させながら、選択された原料が空容器310内に順次注入されるようにする。
【0077】
すなわち、複数の原料が選択された場合、空容器310が当該注入ノズル610の下部に順次移動しながら原料が注入されようにする。
【0078】
このとき液量感知ロードセル620により、正確な分量の原料が容器310の内部に注入されるようにする。
【0079】
次に、
図9~
図12を参照して本発明の容器供給部について説明する。
【0080】
本発明に係る容器供給部300は、化粧品を収納するための容器を供給するものであって、複数の容器310が積載された複数のカートリッジ320を収容するためのカートリッジ積載部330と、複数の容器310が積載されたカートリッジ320を水平方向に移送させるためのカートリッジ移送装置340と、空のカートリッジ320をカートリッジ積載部330から横に押し出すためのカートリッジ排出装置360と、前記カートリッジ320の下端に位置した容器310を分離するための容器分離部材350を含みから構成される。
【0081】
すなわち、本発明は、
図10及び
図11に示すように、複数の容器310を横たえてカートリッジ320に積載した後、複数のカートリッジ320を手動でカートリッジ積載部330に差し込む。
【0082】
前記の方式により、一度に複数の容器310をカートリッジ積載部330に積載することができる。
【0083】
また、本発明は、カートリッジ320の水平移動及び容器310の下降状態を確認するための複数のセンサを備える。
【0084】
これにより、各カートリッジ320から容器310が全て排出されると、空のカートリッジ320を自動に横に押し出し、残っている全カートリッジ320を1クリックずつ横に自動に移動させる。
【0085】
また、本発明は、容器本体311とキャップ312とを分離せずにキャップ312を締結した状態で容器310を供給する。これにより、容器310の内部に不純物が混入されることを防止することができる。
【0086】
また、本発明は、
図1及び
図2に示すように、テーブル190の中央に設けられ、グリッパ410によって容器310をピックアップ(Pickup)して決められた位置に移送させる多関節ロボット400を備える。
【0087】
前記多関節ロボット400自体は公知の技術であるので、その詳細な説明は省略する。
【0088】
以下、
図10~
図12を参照して、容器供給部から容器を供給する過程を説明する。
【0089】
図10において、一番右側カートリッジ320の積載容器310は、一つずつ下方に落下して容器直立部材350に着座され、前記容器直立部材350は一定量水平方向に移送した後、90度回転して容器310を直立させる。
【0090】
そうすると、多関節ロボット400のグリッパ410が容器310をピックアップしてキャップ分離/締結装置に位置させる。
【0091】
そして、多関節ロボット400のグリッパ410が容器310をピックアップすると、容器直立部材350は元の位置に戻った後、同じ動作を繰り返して次の容器310を待機させる。
【0092】
図10において、一番右側に位置したカートリッジ320の内部の容器が全て排出されると、カートリッジ積載部330の右側外部に備えられたカートリッジ排出装置360が空のカートリッジ320をカートリッジ積載部330の横に押し出す。
【0093】
そして、カートリッジ積載部330の左側に備えられたカートリッジ移送装置340が、カートリッジ320を1クリック右側に移動させる。
【0094】
空のカートリッジ320が全てカートリッジ積載部330の外部に排出されると、手作業でカートリッジ320に新しい容器310を差し込んだ後、複数のカートリッジ320をカートリッジ積載部330に差し込む。
【0095】
続いて、容器からキャップを分離し締結する装置について説明する。
【0096】
本発明に係るキャップ分離/締結装置は、
図1に示すように、多関節ロボット400のグリッパ410がピックアップした容器310を着座させた後、キャップ312を分離及び締結するための。キャップ分離/締結部510と、容器本体311から分離されたキャップ312を一時的に保管するためのキャップ保管部520を含みから構成される。
【0097】
そして、前記キャップ分離/締結部510は、前記容器本体311を正逆方向に回転させるための回転スピンドルと、前記回転スピンドルの下部に備えられた減速機と、前記減速機の下部に備えられる駆動モータを含みから構成される。
【0098】
これにより、容器下部を回転スピンドルの上部に固定させた後、前記回転スピンドルを正逆回転させると、容器本体311からキャップ312を分離し締結することができる。
【0099】
また、前記キャップ分離/締結部510には、容器本体311が回転してキャップ312が分離されたか、分離されたキャップ312がキャップ保管部520に着座したかを感知する複数のセンサが備えられる。
【0100】
前記の構造により、容器本体311からキャップ312を分離及び締結する動作を連続的に行うようにすることができる。
【0101】
以下、
図13を参照して、多関節ロボットによって容器本体からキャップを分離し締結する過程を説明する。
【0102】
まず、
図13aに示すように、多関節ロボット400のグリッパ410が容器供給部300で容器をピックアップした後、これをキャップ分離/締結部510に着座させる。
【0103】
続いて減速モータを駆動して容器本体311を反時計方向に回転させると、キャップ312が容器本体311から分離される。
【0104】
続いて、
図13bに示すように、多関節ロボットのグリッパ410が分離されたキャップ312をキャップ保管部520に着座させる。
【0105】
続いて、
図13cに示すように、容器本体311を原料注入部600の容器移送部材630に位置させる。
【0106】
前記容器本体311への原料の注入が完了すると、
図13dに示すように、多関節ロボットのグリッパ410が原料が満たされた容器本体311を再びキャップ分離/締結部510に着座させる。
【0107】
次に、
図13eに示すように、多関節ロボットのグリッパ410が、キャップ保管部520にあるキャップ312をピックアップしてキャップ分離/締結部510に着座されている容器本体311に被せる。
【0108】
続いて、減速モータを駆動して容器本体311を時計方向に回転させると、容器本体311にキャップ312が締結される。
【0109】
続いて、
図13fに示すように、多関節ロボットのグリッパ410が、容器310をピックアップして攪拌機700の容器固定部材710に安着させると、攪拌機が作動しながら容器311内原料の攪拌が始まる。
【0110】
以下、
図14~
図18を参照して本発明の攪拌機700について説明する。
【0111】
本発明に係る攪拌機700は、
図14~
図16に示すように、内周面に歯形が形成されたリング状に構成され、下部がメインシャフト740と組み付けられる外側ギア741と、前記メインシャフト740とベルト730によって接続されて外側ギア741を回転させるモータ720と、前記外側ギア741の内周面に組み付けられて遊星運動をする内側ギア751と、内側ギア751の上部に備えられ、容器310が傾斜して着座するようにする容器固定部材710を含みから構成される。
【0112】
また、容器固定部材710の下部は、上部に内側ギア751が形成された補助シャフト750と組み立てられる。
【0113】
また、
図17及び
図18に示すように、前記メインシャフト740の中心軸と補助シャフト750の中心軸は互いにずれて配置され、メインシャフト740に接続された外側ギア741と、補助シャフト750に接続された内側ギア751が互いに噛み合っている。
【0114】
前記の構造により、外側ギア741を回転させると、前記外側ギアの内周面と噛合した内側ギア751が自転運動をするとともに、メインシャフト740を中心軸として公転運動をするようになる。
【0115】
前記の自転運動及び公転運動により、粘性の異なる様々な原料を完璧に撹拌させることができ、撹拌時間も数秒以内に短縮することができる。
【0116】
また、容器310自体が傾斜して配置されているので、遠心力の作用により原料の混合性をさらに向上させることができる。
【0117】
また、容器固定部材710の外周面一側には、容器310をしっかりと固定するためのクランプレバー760と、前記クランプレバー760を作動させて容器を脱着するためのクランプシリンダ761と、前記クランプレバー760に弾性力を付与するためのクランプスプリング762が備えられる。
【0118】
また、前記クランプシリンダ761の前、後進動作を感知するためのセンサが備えられ、容器310のクランプ動作が完了されると撹拌が開始されるようにし、撹拌機の回転が停止するとクランプ状態を自動に解除する。
【0119】
攪拌が完了した容器は、多関節ロボットのグリッパ410によってピックアップされ、化粧品排出口191を介してハウジング100の外部に排出される。
【0120】
以下、
図19~22を参照して本発明の空調及び殺菌部について説明する。
【0121】
本発明に係る空調及び殺菌部800は、ハウジング100の上部に設けられるものであり、送風ファン810と、エアコン820と、プラズマイオン発生器830と、ヒータ840と 、オゾンフィルタ850、内部観察カメラ、照明装置を含みから構成される。
【0122】
前記部品は全て公知の構成であるので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0123】
前記空調及び滅菌部900により、ハウジング100内部の温度を一定に保つことができ、ハウジング内部の空気を清浄な状態に維持することができる。
【0124】
続いて、本発明にしたがって化粧品の製造及び販売の過程を説明する。
【0125】
消費者が所望する化粧品の種類及び成分などを選択してカードや現金で決済を完了した後、ハウジング100の前面に位置した無線皮膚測定器140を取り出し、自分の肌に接触させる。
【0126】
そうすると、皮膚測定器140が消費者の皮膚状態を測定し、その情報を遠隔地の中央制御装置900に伝送する。
【0127】
また、消費者は、タッチスクリーン150上のメニューをタッチして、自分の性別及び年齢とともに皮膚アレルギーなどの情報を直接入力することもできる。
【0128】
前記中央制御装置900においては、サーバSに蓄積されたデータを活用して消費者の肌状態に合った原料の成分及び配合比を確定し、これを製造装置の制御部192に伝送する。
【0129】
そうすると製造装置の制御部192は、多関節ロボット400を作動させてグリッパ410が容器310をピックアップしてキャップ312を分離した後、容器本体311を原料注入部600の容器移送部材630に着座させるようにする。
【0130】
そうすると、前記容器310が着座された移送部材630が、各注入ノズル610の下部に移動しながら選択された原料が注入されるようにする。
【0131】
原料の注入が完了すると、多関節ロボットのグリッパ410が容器310をピックアップしてキャップ312をかぶせた後、攪拌機700に位置させる。
【0132】
前記攪拌機700においては、自転運動と公転運動との組み合わせによって原料を完璧に攪拌する。
【0133】
原料の攪拌が完了された後、多関節ロボットのグリッパ410が容器310を化粧品排出口191を介してハウジング100の外部に排出すると、化粧品の製造及び販売が完了する。
【0134】
従来のパーソナライズ化粧品製造装置は、液状の化粧品原料を原料筒に供給し、不足した原料を原料筒に充填する方式であり、容器本体とキャップを分離した状態でハウジング内部にそれぞれ供給している。
【0135】
これにより、原料を原料筒に充填する過程で不純物の混入及び空気酸化現象が発生することがある。
【0136】
また、一種類の原料注入が完了されて容器を次の注入ノズルに移動させた後、以前の原料供給管及び注入ノズルに残留していた溶液が漏れ、周囲を汚染させるようになる。
【0137】
これに比べて本発明は、各原料を原料ポーチを用いて個別に供給し、原料ポーチ自体を交替する方式であるため、原料の補充過程で発生する不純物の混入及び空気の酸化現象を防止することができる。
【0138】
また、本発明は、原料注入部に残留防止装置を備えることにより、一種類の原料注入が完了して容器を次の注入ノズルに移動させた後、以前の原料供給管及び注入ノズルに残留していた原料が漏れ、周囲を汚染させることを防止することができる。
【0139】
また、各原料ポーチがそれぞれのロードセルに吊り下げられる形で供給されるので、各原料の残量を自動に把握することができる。
【0140】
また、各製造装置が遠隔地の中央制御装置と無線通信で接続されるため、遠隔地の中央制御装置で各原料の残量をリアルタイムで確認することができる。
【0141】
また、中央制御装置と各製造装置の管理者端末が無線通信で接続されるので、各製造装置の原料不足の有無及び異常発生有無を管理者にリアルタイムで通知することができる。
【0142】
これにより、各製造装置の管理者が不足した原料を迅速に補充し、迅速にメンテナンスを行うことができる。
【0143】
また、本発明は、容器本体とキャップを締結した状態で容器を供給し、原料を注入するときのみキャップを開放するので、不純物の混入を源泉的に防止することができる。
【0144】
以上においては本発明の好ましい実施形態を例示的に説明したものであり、本発明の範囲は前記の特定の実施形態に限定されない。本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更が可能であることが理解できる。
【国際調査報告】