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特表2024-544587異常メチル化の超高感度検出のための断片コンセンサス法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】異常メチル化の超高感度検出のための断片コンセンサス法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6881 20180101AFI20241126BHJP
   C12Q 1/6851 20180101ALI20241126BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20241126BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20241126BHJP
   C12Q 1/6855 20180101ALI20241126BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20241126BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 31/136 20060101ALI20241126BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
C12Q1/6881
C12Q1/6851 Z
C12Q1/6869 Z
C12Q1/6876 Z
C12Q1/6855 Z
C12M1/00 A
C12M1/34 B
A61P35/00
A61K45/00
A61K31/704
A61K31/136
G01N33/53 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529712
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 US2022080181
(87)【国際公開番号】W WO2023092097
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/281,574
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】517192663
【氏名又は名称】ファウンデーション・メディシン・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ピーターマン, ニール
(72)【発明者】
【氏名】ロバートソン, アレクサンダー デ ヨング
(72)【発明者】
【氏名】ランバート, ニコール ジャシンダ
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB20
4B029CC01
4B029FA09
4B029FA15
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS34
4B063QX02
4C084AA17
4C084NA05
4C084ZB261
4C086AA01
4C086EA10
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086ZB26
4C206AA01
4C206FA31
4C206KA05
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA05
4C206ZB26
(57)【要約】
本明細書において、DNAメチル化(例えば、CpGジヌクレオチドクラスターでのメチル化のレベル)の検出に関連する方法、並びにそれに関連する治療方法、使用、システム、及びコンピュータ可読記憶媒体が提供される。これらの方法は、バックグラウンドが低く、シグナル対バックグラウンド比が増加した異常なDNAメチル化パターンの検出を可能にし、とりわけ、がんの早期検出又はモニタリングに有用であり得る。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象からの試料における2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
前記試料から複数の核酸断片を得ることと、
前記複数の核酸断片を増幅することと、
シーケンサーによって、複数の増幅された核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、少なくとも前記複数の増幅された核酸断片が、シトシン変換を受けており、前記複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、
プロセッサによって、前記クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、前記コンセンサスメチル化パターンが、前記複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおける前記シトシン変換に基づいて、メチル化が検出された前記クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、前記クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、前記CCFが、前記クラスターに対応する前記複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの前記コンセンサスメチル化パターンを示す前記クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
前記CCFに基づいて、前記クラスターの前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、
検出された前記メチル化レベル、検出された前記非メチル化レベル、又はそれらの両方に基づいて、前記対象のゲノムプロファイルを生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記CCFが、閾値又は参照値以上であり、前記方法が、前記CCFが前記閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CCFが、閾値又は参照値未満であり、前記方法が、前記CCFが前記閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
1,000超のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
10~100,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項8】
最大1,000,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記クラスターにおける1つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記クラスターにおける2つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記クラスターにおける最大1つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記クラスターにおける最大2つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記クラスターにおける最大10%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記クラスターにおける最大25%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記クラスターにおける75%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記クラスターにおける50%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記クラスターにおける25%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記複数の配列リードが、不対配列リードを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、前記複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを更に含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、参照ゲノムに対して前記複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを更に含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、シトシン変換を受けることができなかった前記複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを更に含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、前記CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを更に含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを更に含む、請求項1~35いずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記複数の配列リードを提供する前に、複数の核酸又は核酸断片をバイサルファイトで処理することを更に含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記複数の配列リードを提供する前に、複数の核酸又は核酸断片を、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理で処理することを更に含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記複数の配列リードを提供する前に、複数の核酸を断片化に供することを更に含む、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記複数の配列リードを提供する前に、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する複数の核酸又は核酸断片を選択的に濃縮して、濃縮試料を生成することを更に含む、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記複数の核酸又は核酸断片の前記増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行われる、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記複数の配列リードを提供する前に、前記試料から前記複数の核酸を単離することを更に含む、請求項1~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記試料が、腫瘍細胞及び/又は腫瘍核酸を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記試料が、非腫瘍細胞及び/又は非腫瘍核酸を更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記試料が、全核酸の1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記試料が、全核酸の0.1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記試料が、全核酸の少なくとも0.01%である腫瘍核酸の割合を含む、請求項50~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記試料が、腫瘍無細胞DNA(cfDNA)、循環無細胞DNA(ccfDNA)、又は循環腫瘍DNA(ctDNA)を含む、請求項48~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記試料が、流体、細胞、又は組織を含む、請求項48~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記試料が、血液又は血漿を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記試料が、腫瘍生検又は循環腫瘍細胞を含む、請求項48~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記試料が、組織試料であり、前記方法が、前記組織における複数の核酸分子を断片化に供して、前記複数の核酸断片を作成することを更に含む、請求項1~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記複数の核酸断片を増幅する前に、前記複数の核酸断片からの1つ以上の核酸断片に1つ以上のアダプターをライゲーションすることを更に含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
個体におけるがんを検出する方法であって、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することを含み、前記試料において検出された前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルにより、前記個体ががんを有すると特定される、方法。
【請求項61】
がんを有することが疑われる個体をスクリーニングする方法であって、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することを含み、前記試料において検出された前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルにより、前記個体ががんを有する可能性が高いと特定される、方法。
【請求項62】
がんを有する個体の予後を決定する方法であって、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することを含み、前記試料において検出された前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルにより、前記個体の前記予後が少なくとも部分的に決定される、方法。
【請求項63】
がんを有する個体の生存を予測する方法であって、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することを含み、前記試料において検出された前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルにより、前記個体の前記生存が少なくとも部分的に予測される、方法。
【請求項64】
前記試料において検出された前記メチル化レベルが、閾値又は参照値よりも高く、前記試料のメチル化レベルが前記閾値又は参照値よりも低い個体の生存と比較して、前記個体の生存が減少すると予測される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
がんを有する個体の腫瘍負荷を予測する方法であって、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベルを検出することを含み、前記試料において検出された前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルにより、前記個体の前記腫瘍負荷が少なくとも部分的に予測される、方法。
【請求項66】
前記試料において検出された前記メチル化レベルが、閾値又は参照値よりも高く、前記試料のメチル化レベルが前記閾値又は参照値よりも低い個体の腫瘍負荷と比較して、前記個体の腫瘍負荷が増加すると予測される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
がんを有する個体の治療に対する応答性を予測する方法であって、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することを含み、前記試料において検出された前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルが、前記個体の治療に対する応答性を少なくとも部分的に予測するために使用される、方法。
【請求項68】
アントラサイクリンベースの化学療法を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるがんを有する個体を特定する方法であって、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することを含み、前記複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、前記試料において検出された前記PITX2遺伝子座のメチル化により、アントラサイクリンベースの化学療法を含む前記治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして前記個体が特定される、方法。
【請求項69】
がんを有する個体に対する療法を選択する方法であって、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することを含み、前記複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、前記試料において検出された前記PITX2遺伝子座のメチル化により、アントラサイクリンベースの化学療法を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして前記個体が特定される、方法。
【請求項70】
がんを有する個体に対する1つ以上の治療選択肢を特定する方法であって、前記方法が、
(a)請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することであって、前記複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、
(b)前記試料において検出された前記PITX2遺伝子座のメチル化に少なくとも部分的に基づいて、前記個体に対して特定された1つ以上の治療選択肢を含むレポートを生成することであって、前記1つ以上の治療選択肢が、アントラサイクリンベースの化学療法を含む、生成することと、を含む、方法。
【請求項71】
がんを治療する方法又はがんの進行を遅らせる方法であって、
(a)請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することであって、前記複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、
(b)有効量のアントラサイクリンベースの化学療法を前記個体に施すことと、を含む、方法。
【請求項72】
アルキル化剤を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるがんを有する個体を特定する方法であって、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することを含み、前記複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、前記試料において検出された前記MGMT遺伝子座のメチル化により、アルキル化剤を含む前記治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして前記個体が特定される、方法。
【請求項73】
がんを有する個体に対する療法を選択する方法であって、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することを含み、前記複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、前記試料において検出された前記MGMT遺伝子座のメチル化により、アルキル化剤を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして前記個体が特定される、方法。
【請求項74】
がんを有する個体に対する1つ以上の治療選択肢を特定する方法であって、前記方法が、
(a)請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することであって、前記複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、
(b)前記試料において検出された前記MGMT遺伝子座のメチル化に少なくとも部分的に基づいて、前記個体に対して特定された1つ以上の治療選択肢を含むレポートを生成することであって、前記1つ以上の治療選択肢が、アルキル化剤を含む、生成することと、を含む、方法。
【請求項75】
がんを治療する方法又はがんの進行を遅らせる方法であって、
(a)請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することであって、前記複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、
(b)有効量のアルキル化剤を前記個体に投与することと、を含む、方法。
【請求項76】
がんの治療を受けている個体の応答をモニタリングする方法であって、
(a)がんを有する個体に治療を施すことと、
(b)請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、治療後に前記個体から得られた複数の核酸を含む試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することであって、前記試料において検出された前記メチル化レベルが、前記治療に対する応答を少なくとも部分的にモニタリングするために使用される、検出することと、を含む、方法。
【請求項77】
治療前のメチル化レベル未満又は閾値若しくは参照値未満である治療後のメチル化レベルの検出が、前記個体が治療に応答したことを示す、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
治療前のメチル化レベル以下又は閾値若しくは参照値未満である治療後のメチル化レベルの検出が、前記個体が治療に応答したことを示す、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
個体におけるがんをモニタリングする方法であって、
(a)請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む第1の試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することと、
(b)請求項1~57のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む第2の試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することであって、前記第2の試料が、前記第1の試料後に前記個体から得られる、検出することと、
(c)前記第1の試料と前記第2の試料との間のメチル化レベルの差を決定し、それによって、前記個体における前記がんをモニタリングすることと、を含む、方法。
【請求項80】
がんの治療を受けている個体の応答をモニタリングする方法であって、
(a)請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む第1の試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することと、
(b)前記個体から前記第1の試料を得た後に、前記個体に治療を施すことと、
(c)請求項1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、前記個体から得られた複数の核酸を含む第2の試料における前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルを検出することであって、前記第2の試料が、前記治療を施した後に前記個体から得られる、検出することと、
(d)前記第1の試料と前記第2の試料との間のメチル化レベルの差を決定し、それによって、前記治療に対する前記個体の応答をモニタリングすることと、を含む、方法。
【請求項81】
試料から2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、
プロセッサによって、遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、前記コンセンサスメチル化パターンが、メチル化が検出された前記クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、前記クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、前記CCFが、前記クラスターに対応する前記複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの前記コンセンサスメチル化パターンを示す前記クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
前記プロセッサによって、前記CCFに基づいて、前記クラスターの前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、方法。
【請求項82】
2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
シーケンサーによって、複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることと、
プロセッサによって、前記クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、前記コンセンサスメチル化パターンが、メチル化が検出された前記クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、前記クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、前記CCFが、前記クラスターに対応する前記複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの前記コンセンサスメチル化パターンを示す前記クラスターに対応する配列リードの割合を表し、それによって、前記クラスターの前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する、生成することと、
前記プロセッサによって、前記CCFに基づいて、前記クラスターの前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、方法。
【請求項83】
前記コンセンサスメチル化パターンが、前記複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおけるシトシン変換に基づいて、メチル化が検出された前記クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項84】
前記CCFが、閾値又は参照値以上であり、前記方法が、前記CCFが前記閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む、請求項81~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記CCFが、閾値又は参照値未満であり、前記方法が、前記CCFが前記閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む、請求項81~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、請求項81~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
1,000超のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、請求項86又は87に記載の方法。
【請求項89】
10~100,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、請求項86又は87に記載の方法。
【請求項90】
最大1,000,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、請求項81~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、請求項81~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、請求項81~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項81~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項81~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項81~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項81~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項81~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記クラスターにおける1つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項81~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記クラスターにおける2つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項81~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記クラスターにおける最大1つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項81~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記クラスターにおける最大2つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項81~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記クラスターにおける最大10%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項81~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記クラスターにおける最大25%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項81~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記クラスターにおける75%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項81~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記クラスターにおける50%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項81~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記クラスターにおける25%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項81~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、請求項81~109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、請求項81~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記複数の配列リードが、不対配列リードを含む、請求項81~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、前記複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを更に含む、請求項81~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、参照ゲノムに対して前記複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを更に含む、請求項81~114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、シトシン変換を受けることができなかった前記複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを更に含む、請求項81~115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、前記CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを更に含む、請求項81~116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを更に含む、請求項81~117いずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項81~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項119に記載の方法
【請求項122】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項119に記載の方法。
【請求項123】
前記複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、請求項81~122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、請求項81~122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記複数の配列リードを得る前に、複数の核酸又は核酸断片をバイサルファイトで処理することを更に含む、請求項81~122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
前記複数の配列リードを得る前に、複数の核酸又は核酸断片を、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理で処理することを更に含む、請求項81~122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
前記複数の配列リードを得る前に、複数の核酸を断片化に供することを更に含む、請求項81~126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記複数の配列リードを得る前に、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する複数の核酸又は核酸断片を選択的に濃縮して、濃縮試料を生成することを更に含む、請求項81~127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
前記複数の核酸又は核酸断片の前記増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行われる、請求項81~128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記複数の配列リードを得る前に、試料から前記複数の核酸を単離することを更に含む、請求項81~129のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
前記試料が、腫瘍細胞及び/又は腫瘍核酸を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記試料が、非腫瘍細胞及び/又は非腫瘍核酸を更に含む、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記試料が、全核酸の1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
前記試料が、全核酸の0.1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、請求項132に記載の方法。
【請求項135】
前記試料が、全核酸の少なくとも0.01%である腫瘍核酸の割合を含む、請求項132~134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記試料が、腫瘍無細胞DNA(cfDNA)、循環無細胞DNA(ccfDNA)、又は循環腫瘍DNA(ctDNA)を含む、請求項130~135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
前記試料が、流体、細胞、又は組織を含む、請求項130~135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項138】
前記試料が、血液又は血漿を含む、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記試料が、腫瘍生検又は循環腫瘍細胞を含む、請求項130~135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
前記試料が、組織試料であり、前記方法が、前記組織における複数の核酸分子を断片化に供して、前記複数の核酸断片を作成することを更に含む、請求項81~139のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記複数の核酸断片を増幅する前に、前記複数の核酸断片からの1つ以上の核酸断片に1つ以上のアダプターをライゲーションすることを更に含む、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータプログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、を含み、前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、ゲノム遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサスメチル化パターンであって、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られた複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出された前記クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、コンセンサスメチル化パターンを決定し、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)であって、前記クラスターに対応する前記複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの前記コンセンサスメチル化パターンを示す前記クラスターに対応する配列リードの割合を表す、CCFを生成するように構成されている、システム。
【請求項143】
前記CCFが、閾値又は参照値以上であり、前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CCFが前記閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出するように更に構成されている、請求項142に記載のシステム。
【請求項144】
前記CCFが、閾値又は参照値未満であり、前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CCFが前記閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出するように更に構成されている、請求項142に記載のシステム。
【請求項145】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定し、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成するように更に構成されている、請求項142~144のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項146】
前記複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、請求項145に記載のシステム。
【請求項147】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、1,000超のクラスターのCCFを生成するように構成されている、請求項145又は146に記載のシステム。
【請求項148】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、10~100,000のクラスターのCCFを生成するように構成されている、請求項145又は146に記載のシステム。
【請求項149】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、最大1,000,000のクラスターのCCFを生成するように構成されている、請求項145又は146に記載のシステム。
【請求項150】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、請求項142~149のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項151】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、請求項150に記載のシステム。
【請求項152】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、請求項142~149のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項153】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項142~152のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項154】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項142~153のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項155】
少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項142~154のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項156】
各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項155に記載のシステム。
【請求項157】
少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項142~154のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項158】
各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項157に記載のシステム。
【請求項159】
少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項142~158のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項160】
前記クラスターにおける1つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項142~159のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項161】
前記クラスターにおける2つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項142~159のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項162】
前記クラスターにおける最大1つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項142~159のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項163】
前記クラスターにおける最大2つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項142~159のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項164】
前記クラスターにおける最大10%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項142~159のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項165】
前記クラスターにおける最大25%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項142~159のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項166】
前記クラスターにおける75%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項142~161のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項167】
前記クラスターにおける50%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項142~161のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項168】
前記クラスターにおける25%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項142~161のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項169】
前記複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、請求項142~168のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項170】
前記複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、請求項142~169のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項171】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、請求項170に記載のシステム。
【請求項172】
前記複数の配列リードが、不対配列リードを含む、請求項142~169のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項173】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記複数の配列リードからの配列リードを逆多重化するように更に構成されている、請求項142~172のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項174】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、参照ゲノムに対して前記複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うように更に構成されている、請求項142~173のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項175】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、シトシン変換を受けることができなかった前記複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外するように更に構成されている、請求項142~174のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項176】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外するように更に構成されている、請求項142~175のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項177】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、前記1つ以上のプロセッサを使用して、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外するように更に構成されている、請求項142~176のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項178】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定及び生成される、請求項142~177のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項179】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項178に記載のシステム。
【請求項180】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項178に記載のシステム。
【請求項181】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項178に記載のシステム。
【請求項182】
前記複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、請求項142~181のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項183】
前記複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、請求項142~181のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項184】
方法を行うための1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行可能な1つ以上のプログラムを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、
シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、ゲノム遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、前記コンセンサスメチル化パターンが、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出された前記クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、前記CCFが、前記クラスターに対応する前記複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの前記コンセンサスメチル化パターンを示す前記クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
前記プロセッサによって、前記CCFに基づいて、前記クラスターの前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項185】
前記複数の配列リードが、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られる、請求項184に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項186】
前記CCFが、閾値又は参照値以上であり、前記方法が、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CCFが前記閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む、請求項184又は185に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項187】
前記CCFが、閾値又は参照値以上であり、前記方法が、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CCFが前記閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む、請求項184又は185に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項188】
前記方法が、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することと、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することと、を更に含む、請求項184~187のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項189】
前記複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、請求項188に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項190】
前記方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、1,000超のクラスターのCCFを生成することを含む、請求項188又は189に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項191】
前記方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、10~100,000のクラスターのCCFを生成することを含む、請求項188又は189に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項192】
前記方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、最大1,000,000のクラスターのCCFを生成することを含む、請求項188又は189に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項193】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、請求項184~192のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項194】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、請求項193に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項195】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、請求項184~192のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項196】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項184~195のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項197】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項184~196のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項198】
少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項184~197のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項199】
各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項198に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項200】
少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項184~197のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項201】
各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項200に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項202】
少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項184~201のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項203】
前記クラスターにおける1つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項204】
前記クラスターにおける2つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項205】
前記クラスターにおける最大1つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項206】
前記クラスターにおける最大2つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項207】
前記クラスターにおける最大10%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項208】
前記クラスターにおける最大25%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項209】
前記クラスターにおける75%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項184~204のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項210】
前記クラスターにおける50%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項184~204のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項211】
前記クラスターにおける25%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項184~204のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項212】
前記複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、請求項184~211のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項213】
前記複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、請求項184~212のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項214】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、請求項213に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項215】
前記複数の配列リードが、不対配列リードを含む、請求項184~212のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項216】
前記方法が、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを含む、請求項184~215のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項217】
前記方法が、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、参照ゲノムに対して前記複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを含む、請求項184~216のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項218】
前記方法が、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、シトシン変換を受けることができなかった前記複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを含む、請求項184~217のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項219】
前記方法が、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを含む、請求項184~218のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項220】
前記方法が、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを含む、請求項184~219のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項221】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定及び生成される、請求項184~220のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項222】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項221に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項223】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項221に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項224】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項221に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項225】
前記複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、請求項184~224のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項226】
前記複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、請求項184~224のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項227】
対象からの試料における2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
前記試料から複数の核酸断片を得ることと、
前記複数の核酸断片を増幅することと、
シーケンサーによって、複数の増幅された核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、少なくとも前記複数の増幅された核酸断片が、シトシン変換を受けており、前記複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、
プロセッサによって、前記クラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、前記コンセンサス非メチル化パターンが、前記複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおける前記シトシン変換に基づいて、メチル化が検出されなかった前記クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、前記クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、前記CCFが、前記クラスターに対応する前記複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの前記コンセンサス非メチル化パターンを示す前記クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
前記CCFに基づいて、前記クラスターの前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、
検出された前記メチル化レベル、検出された前記非メチル化レベル、又はそれらの両方に基づいて、前記対象のゲノムプロファイルを生成することと、を含む、方法。
【請求項228】
試料から2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、
プロセッサによって、遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、前記コンセンサス非メチル化パターンが、メチル化が検出されなかった前記クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、前記クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、前記CCFが、前記クラスターに対応する前記複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの前記コンセンサス非メチル化パターンを示す前記クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
前記プロセッサによって、前記CCFに基づいて、前記クラスターの前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、方法。
【請求項229】
前記CCFが、前記複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおける前記シトシン変換に基づいて、前記クラスターに対応する前記複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの前記コンセンサス非メチル化パターンを示す前記クラスターに対応する配列リードの割合を表す、請求項228に記載の方法。
【請求項230】
2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
シーケンサーによって、複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることと、
プロセッサによって、前記クラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、前記コンセンサス非メチル化パターンが、前記シトシン変換に基づいて、前記複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されなかった前記クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、前記クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、前記CCFが、前記クラスターに対応する前記複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの前記コンセンサス非メチル化パターンを示す前記クラスターに対応する配列リードの割合を表し、それによって、前記クラスターの前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する、生成することと、
前記プロセッサによって、前記CCFに基づいて、前記クラスターの前記メチル化レベル又は前記非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、方法。
【請求項231】
前記CCFが、閾値又は参照値未満であり、前記方法が、
前記CCFが前記閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む、請求項227~230のいずれか一項に記載の方法。
【請求項232】
前記CCFが、閾値又は参照値以上であり、前記方法が、
前記CCFが前記閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む、請求項227~230のいずれか一項に記載の方法。
【請求項233】
複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、請求項227~232のいずれか一項に記載の方法。
【請求項234】
前記複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、請求項233に記載の方法。
【請求項235】
1,000超のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを更に含む、請求項233又は234に記載の方法。
【請求項236】
10~100,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを更に含む、請求項233又は234に記載の方法。
【請求項237】
最大1,000,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを更に含む、請求項227~236のいずれか一項に記載の方法。
【請求項238】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、請求項227~237のいずれか一項に記載の方法。
【請求項239】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、請求項238に記載の方法。
【請求項240】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、請求項227~237のいずれか一項に記載の方法。
【請求項241】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項227~240のいずれか一項に記載の方法。
【請求項242】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項227~241のいずれか一項に記載の方法。
【請求項243】
少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項227~242のいずれか一項に記載の方法。
【請求項244】
各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項243に記載の方法。
【請求項245】
少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項227~244のいずれか一項に記載の方法。
【請求項246】
各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項245に記載の方法。
【請求項247】
少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項227~246のいずれか一項に記載の方法。
【請求項248】
前記クラスターにおける1つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項227~247のいずれか一項に記載の方法。
【請求項249】
前記クラスターにおける2つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項227~247のいずれか一項に記載の方法。
【請求項250】
前記クラスターにおける最大1つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項227~247のいずれか一項に記載の方法。
【請求項251】
前記クラスターにおける最大2つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項227~247のいずれか一項に記載の方法。
【請求項252】
前記クラスターにおける最大10%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項227~247のいずれか一項に記載の方法。
【請求項253】
前記クラスターにおける最大25%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項227~247のいずれか一項に記載の方法。
【請求項254】
前記クラスターにおける75%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項227~249のいずれか一項に記載の方法。
【請求項255】
前記クラスターにおける50%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項227~249のいずれか一項に記載の方法。
【請求項256】
前記クラスターにおける25%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項227~249のいずれか一項に記載の方法。
【請求項257】
前記複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、請求項227~256のいずれか一項に記載の方法。
【請求項258】
前記複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、請求項227~257のいずれか一項に記載の方法。
【請求項259】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、請求項258に記載の方法。
【請求項260】
前記複数の配列リードが、不対配列リードを含む、請求項227~257のいずれか一項に記載の方法。
【請求項261】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、前記複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを更に含む、請求項227~260のいずれか一項に記載の方法。
【請求項262】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、参照ゲノムに対して前記複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを更に含む、請求項227~261のいずれか一項に記載の方法。
【請求項263】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、シトシン変換を受けることができなかった前記複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを更に含む、請求項227~262のいずれか一項に記載の方法。
【請求項264】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、前記CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを更に含む、請求項227~263のいずれか一項に記載の方法。
【請求項265】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを更に含む、請求項227~264いずれか一項に記載の方法。
【請求項266】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項227~265のいずれか一項に記載の方法。
【請求項267】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項266に記載の方法。
【請求項268】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項266に記載の方法。
【請求項269】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項266に記載の方法。
【請求項270】
前記複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、請求項227~269のいずれか一項に記載の方法。
【請求項271】
前記複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、請求項227~269のいずれか一項に記載の方法。
【請求項272】
前記複数の配列リードを得る前に、複数の核酸又は核酸断片をバイサルファイトで処理することを更に含む、請求項227~269のいずれか一項に記載の方法。
【請求項273】
前記複数の配列リードを得る前に、複数の核酸又は核酸断片を、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理で処理することを更に含む、請求項227~269のいずれか一項に記載の方法。
【請求項274】
前記複数の配列リードを得る前に、複数の核酸を断片化に供することを更に含む、請求項227~273のいずれか一項に記載の方法。
【請求項275】
前記複数の配列リードを得る前に、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する複数の核酸又は核酸断片を選択的に濃縮して、濃縮試料を生成することを更に含む、請求項227~274のいずれか一項に記載の方法。
【請求項276】
前記複数の核酸又は核酸断片の前記増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行われる、請求項227~275のいずれか一項に記載の方法。
【請求項277】
前記複数の配列リードを得る前に、試料から前記複数の核酸を単離することを更に含む、請求項227~276のいずれか一項に記載の方法。
【請求項278】
前記試料が、腫瘍細胞及び/又は腫瘍核酸を含む、請求項277に記載の方法。
【請求項279】
前記試料が、非腫瘍細胞及び/又は非腫瘍核酸を更に含む、請求項278に記載の方法。
【請求項280】
前記試料が、全核酸の1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、請求項279に記載の方法。
【請求項281】
前記試料が、全核酸の0.1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、請求項279に記載の方法。
【請求項282】
前記試料が、全核酸の少なくとも0.01%である腫瘍核酸の割合を含む、請求項279~281のいずれか一項に記載の方法。
【請求項283】
前記試料が、腫瘍無細胞DNA(cfDNA)、循環無細胞DNA(ccfDNA)、又は循環腫瘍DNA(ctDNA)を含む、請求項277~282のいずれか一項に記載の方法。
【請求項284】
前記試料が、流体、細胞、又は組織を含む、請求項277~282のいずれか一項に記載の方法。
【請求項285】
前記試料が、血液又は血漿を含む、請求項284に記載の方法。
【請求項286】
前記試料が、腫瘍生検又は循環腫瘍細胞を含む、請求項277~282のいずれか一項に記載の方法。
【請求項287】
前記試料が、組織試料であり、前記方法が、前記組織における複数の核酸分子を断片化に供して、前記複数の核酸断片を作成することを更に含む、請求項227~286のいずれか一項に記載の方法。
【請求項288】
前記複数の核酸断片を増幅する前に、前記複数の核酸断片からの1つ以上の核酸断片に1つ以上のアダプターをライゲーションすることを更に含む、請求項287に記載の方法。
【請求項289】
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータプログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、を含み、前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、ゲノム遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサス非メチル化パターンであって、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られた複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されなかった前記クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、コンセンサス非メチル化パターンを決定し、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)であって、前記クラスターに対応する前記複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの前記コンセンサス非メチル化パターンを示す前記クラスターに対応する配列リードの割合を表す、CCFを生成するように構成されている、システム。
【請求項290】
前記CCFが、閾値又は参照値以上であり、前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CCFが前記閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出するように更に構成されている、請求項289に記載のシステム。
【請求項291】
前記CCFが、閾値又は参照値未満であり、前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CCFが前記閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出するように更に構成されている、請求項289に記載のシステム。
【請求項292】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定し、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成するように更に構成されている、請求項289~291のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項293】
前記複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、請求項292に記載のシステム。
【請求項294】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、1,000超のクラスターのCCFを生成するように構成されている、請求項292又は293に記載のシステム。
【請求項295】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、10~100,000のクラスターのCCFを生成するように構成されている、請求項292又は293に記載のシステム。
【請求項296】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、最大1,000,000のクラスターのCCFを生成するように構成されている、請求項292又は293に記載のシステム。
【請求項297】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、請求項289~296のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項298】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、請求項297に記載のシステム。
【請求項299】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、請求項289~296のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項300】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項289~299のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項301】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項289~300のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項302】
少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項289~301のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項303】
各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項302に記載のシステム。
【請求項304】
少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項289~301のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項305】
各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項304に記載のシステム。
【請求項306】
少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項289~305のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項307】
前記クラスターにおける1つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項289~306のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項308】
前記クラスターにおける2つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項289~306のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項309】
前記クラスターにおける最大1つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項289~306のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項310】
前記クラスターにおける最大2つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項289~306のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項311】
前記クラスターにおける最大10%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項289~306のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項312】
前記クラスターにおける最大25%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項289~306のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項313】
前記クラスターにおける75%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項289~312のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項314】
前記クラスターにおける50%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項289~312のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項315】
前記クラスターにおける25%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項289~312のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項316】
前記複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、請求項289~315のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項317】
前記複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、請求項289~316のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項318】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、請求項317に記載のシステム。
【請求項319】
前記複数の配列リードが、不対配列リードを含む、請求項289~316のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項320】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記複数の配列リードからの配列リードを逆多重化するように更に構成されている、請求項289~319のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項321】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、参照ゲノムに対して前記複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うように更に構成されている、請求項289~320のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項322】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、シトシン変換を受けることができなかった前記複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外するように更に構成されている、請求項289~321のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項323】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外するように更に構成されている、請求項289~322のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項324】
前記1つ以上のコンピュータプログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外するように更に構成されている、請求項289~323のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項325】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定及び生成される、請求項289~324のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項326】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項325に記載のシステム。
【請求項327】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項325に記載のシステム。
【請求項328】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項325に記載のシステム。
【請求項329】
前記複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、請求項289~328のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項330】
前記複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、請求項289~328のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項331】
方法を行うための1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行可能な1つ以上のプログラムを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、
シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、前記コンセンサス非メチル化パターンが、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されなかった前記クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、前記CCFが、前記クラスターに対応する前記複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの前記コンセンサス非メチル化パターンを示す前記クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
前記プロセッサによって、前記CCFに基づいて、前記クラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項332】
前記複数の配列リードが、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られる、請求項331に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項333】
前記CCFが、閾値又は参照値以上であり、前記方法が、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CCFが前記閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む、請求項331又は332に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項334】
前記CCFが、閾値又は参照値以上であり、前記方法が、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CCFが前記閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む、請求項331又は332に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項335】
前記方法が、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することと、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することと、を更に含む、請求項331~334のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項336】
前記複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、請求項335に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項337】
前記方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、1,000超のクラスターのCCFを生成することを含む、請求項335又は336に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項338】
前記方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、10~100,000のクラスターのCCFを生成することを含む、請求項335又は336に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項339】
前記方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、最大1,000,000のクラスターのCCFを生成することを含む、請求項335又は336に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項340】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、請求項331~339のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項341】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、請求項340に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項342】
前記複数の配列リードが、前記クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、請求項331~339のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項343】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項331~342のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項344】
前記クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項331~343のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項345】
少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項331~344のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項346】
各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項345に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項347】
少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項331~344のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項348】
各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項347に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項349】
少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、請求項331~348のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項350】
前記クラスターにおける1つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項351】
前記クラスターにおける2つを除く全ての部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、請求項331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項352】
前記クラスターにおける最大1つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項353】
前記クラスターにおける最大2つの部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項354】
前記クラスターにおける最大10%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項355】
前記クラスターにおける最大25%の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項356】
前記クラスターにおける75%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項331~351のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項357】
前記クラスターにおける50%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項331~351のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項358】
前記クラスターにおける25%超の部位が、前記コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、請求項331~351のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項359】
前記複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、請求項331~358のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項360】
前記複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、請求項331~359のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項361】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、請求項360に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項362】
前記複数の配列リードが、不対配列リードを含む、請求項331~359のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項363】
前記方法が、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを含む、請求項331~362のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項364】
前記方法が、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、参照ゲノムに対して前記複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを含む、請求項331~363のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項365】
前記方法が、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、シトシン変換を受けることができなかった前記複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを含む、請求項331~364のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項366】
前記方法が、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを含む、請求項331~365のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項367】
前記方法が、前記コンセンサスメチル化パターンを決定し、前記CCFを生成する前に、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを含む、請求項331~366のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項368】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定及び生成される、請求項331~367のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項369】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項368に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項370】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項368に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項371】
前記コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、前記クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、請求項368に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項372】
前記複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、請求項331~371のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項373】
前記複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、請求項331~371のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月19日に出願された米国仮特許出願第63/281,574号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書において、メチル化レベルの検出に関連する方法、並びに診断、予後、モニタリング、スクリーニング、及び治療の方法、並びにそれらに関連するシステム及びコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【背景技術】
【0003】
異常なメチル化は、がんに広く見られ、無細胞DNA(cfDNA)又は循環無細胞DNA(ccfDNA)を含む多くの異なるタイプの患者試料で検出することができる。まれながんによるパターンの検出は、微小残存病変(MRD)の検出及びモニタリングを含む多くの液体生検用途にとって重要な課題である。
【0004】
がんにおけるいくつかのメチル化パターンは、特定の治療レジメン若しくは疾患管理戦略と関連しているか、又はそれに対する反応を予測する。例えば、神経膠芽腫では、遺伝子MGMTのプロモーターのメチル化は、より良い転帰と関連している(Lalezari et al.(2013)Neuro Oncol 15:370-381)。メチル化に基づく研究は、療法又は医薬品開発を先導する新しい予測バイオマーカーの発見につながる可能性がある。多くの後期がん患者は、ccfDNA中に高いレベルのがんシグナルを有する。しかし、一部の患者は、ccfDNA中により低いレベルのがんシグナルを有し、メチル化レベルの超高感度検出から恩恵を受ける可能性がある。更に、治療(化学療法、免疫療法、標的療法、又はいくつかの組み合わせ)に対して最良の応答を有する後期患者では、治療開始からわずか数週間で、一連のccfDNA試料で観察されるがんシグナルの劇的な減少を有する(例えば、Davis,A.A.et al.(2020)Mol.Cancer Ther.19:1486-1496、Hrebien,S.et al.(2019)Ann.Oncol.30:945-952を参照されたい)。メチル化レベルの超高感度検出は、例えば、このサブセットの患者を継続的にモニタリングし、できるだけ早期に再発を検出するために有用であり得る。
【0005】
早期がんでは、ccfDNAには、がん由来の分子が、1,000分の1から100,000分の1の頻度で含まれていることが多く、多くの分析法の適用に対して障害となる。同様の課題は、尿の無細胞DNA、脳脊髄液などを含む、がんDNAが存在するものの少量である他の試料タイプを使用する場合も生じる。このレベルのがんシグナルを高感度に検出することは、ccfDNAをMRDの検出及び早期がん患者の血液ベースのモニタリングにうまく応用するために必要である可能性が高い。
【0006】
DNAメチル化の測定は、がんを検出し、腫瘍DNAを正常DNAと区別する方法として研究されてきたが、既存の方法は、がんシグナルの超高感度検出を可能にし、分析性能を向上させるには不十分であることが判明している。Guoらは(Nat.Genet.2017 49:635-642)、連鎖不均衡の概念をメチル化に適用し、組織及びccfDNA試料におけるがんの検出及びクラスタリングを支援するいくつかのリードベースのメトリックを定義した。これらには、連続的にメチル化された部位又は連続的にメチル化されていない部位を評価するスコアである、メチルハプロタイプ負荷が含まれる。Liuらは(Ann.Oncol.2020 31:745-759)、メチルバリアントの概念、すなわち、大規模なコホートから生成されたデータセットのうち、少なくとも1つの既知のがん試料(組織生検)において高頻度で0%又は100%メチル化されている5つの連続するCGジヌクレオチドのセットを定義した。
【0007】
したがって、正常なDNAと比較して、バックグラウンドシグナルが低く、シグナル対バックグラウンド比が増加した腫瘍DNAにおける異常なメチル化パターンの堅牢かつ高感度な検出を提供する、改善された方法及びシステムの必要性が依然として存在する。
【0008】
特許出願及び刊行物を含む、本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、とりわけ、極めて高い感度でメチル化レベル(及びその変化)を検出する方法を提供する。これらは、極めて高い感度及び劇的に増加したシグナル対バックグラウンド比で、がん関連のメチル化の変化の検出を実証する本明細書に開示されるデータに少なくとも部分的に基づいており、正常な核酸の量が圧倒的に多い試料中の異常なメチル化を有する非常に少量の核酸の検出を可能にする。これらは、例えば、メチル化レベルの検出、並びにがんの検出、モニタリング、スクリーニング、診断、及び/又は予後、又はがん治療に対する応答などに用途が見出され得る。
【0010】
一態様では、(例えば、対象からの試料における)2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル(例えば、メチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上)を検出する方法が本明細書に提供され、本方法は、試料から複数の核酸断片を得ることと、複数の核酸断片を増幅することと、シーケンサーによって、複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、少なくとも複数の増幅された核酸断片が、シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、プロセッサによって、クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードから読み取られた少なくとも1つの配列においてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、プロセッサによって、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、CCFに基づいてクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、検出されたメチル化レベル、検出された非メチル化レベル、又はその両方に少なくとも部分的に基づいて、対象のゲノムプロファイルを生成することと、を含む。一態様では、(例えば、対象からの試料における)2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル(例えば、メチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上)を検出する方法が本明細書に提供され、本方法は、試料から複数の核酸断片を得ることと、複数の核酸断片を増幅することと、シーケンサーによって、複数の増幅された核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、少なくとも複数の増幅された核酸断片が、シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、プロセッサによって、クラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、コンセンサス非メチル化パターンが、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおけるシトシン変換に基づいて、メチル化が検出されなかったクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、プロセッサによって、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサス非メチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、CCFに基づいてクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、検出されたメチル化レベル、検出された非メチル化レベル、又はそれらの両方に基づいて、対象のゲノムプロファイルを生成することと、を含む。
【0011】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値以上であり、本方法は、CCFが閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む。本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値未満であり、本方法は、CCFが閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む。本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値以上であり、本方法は、CCFが閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む。本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値未満であり、本方法は、CCFが閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、複数のクラスターについてコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを更に含む。一部の実施形態では、複数のクラスターは、複数のゲノム遺伝子座に対応する。一部の実施形態では、本方法は、1,000超のクラスター、10~100,000のクラスター、又は最大1,000,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを更に含む。一部の実施形態では、複数の配列リードは、クラスターに対応する1~5の配列リード、少なくとも100の配列リード、又は少なくとも1000の配列リードを含む。一部の実施形態では、クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドは、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドは、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、少なくとも1つのクラスターは、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、各クラスターは、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのクラスターは、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、各クラスターは、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのクラスターは、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、クラスターにおける1つを除く全ての部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける2つを除く全ての部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける最大1つの部位、最大2つの部位、最大10%の部位、最大25%の部位、25%超の部位、50%超の部位、又は75%超の部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、クラスターにおける1つを除く全ての部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、クラスターにおける2つを除く全ての部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、クラスターにおける最大1つの部位、最大2つの部位、最大10%の部位、最大25%の部位、25%超の部位、50%超の部位、又は75%超の部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。
【0012】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、複数の配列リードは、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる。一部の実施形態では、複数の配列リードは、ペアエンド配列リードを含む。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターン及びCCFは、クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される。一部の実施形態では、複数の配列リードは、不対配列リードを含む。一部の実施形態では、本方法は、コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、参照ゲノムに対して複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、シトシン変換を受けることができなかった複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを更に含む。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターン及びCCMFは、クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターン及びCCFは、クラスターにおけるCpGジヌクレオチドの少なくとも50%、少なくとも90%、又は全てをカバーする配列リードに基づいて決定される。
【0013】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、複数の核酸断片は、バイサルファイト処理、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている。一部の実施形態では、本方法は、複数の配列リードを提供する前に、複数の核酸又は核酸断片をバイサルファイトで処理することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、複数の配列リードを提供する前に、複数の核酸又は核酸断片を、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理で処理することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、複数の配列リードを提供する前に、複数の核酸を断片化に供することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、複数の配列リードを提供する前に、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する複数の核酸又は核酸断片を選択的に濃縮して、濃縮試料を生成することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、複数の配列リードを提供する前に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって複数の核酸又は核酸断片を増幅することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、複数の配列リードを提供する前に、試料から複数の核酸を単離することを更に含む。一部の実施形態では、試料は、腫瘍細胞及び/又は腫瘍核酸を含む。一部の実施形態では、試料は、非腫瘍細胞及び/又は非腫瘍核酸を更に含む。一部の実施形態では、試料は、全核酸の1%未満、0.1%未満、及び/又は少なくとも0.01%である腫瘍核酸の割合を含む。一部の実施形態では、試料は、腫瘍無細胞DNA(cfDNA)、循環無細胞DNA(ccfDNA)、又は循環腫瘍DNA(ctDNA)を含む。一部の実施形態では、試料は、流体、細胞、又は組織を含む。一部の実施形態では、試料は、血液又は血漿を含む。一部の実施形態では、試料は、腫瘍生検又は循環腫瘍細胞を含む。一部の実施形態では、試料は、組織試料であり、本方法は、組織における複数の核酸分子を断片化に供して、複数の核酸断片を作成することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、複数の核酸断片を増幅する前に、複数の核酸断片からの1つ以上の核酸断片に1つ以上のアダプターをライゲーションすることを更に含む。
【0014】
別の態様では、個体におけるがんを検出する方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することを含み、試料において検出されたメチル化レベル又は非メチル化レベルにより、個体ががんを有すると特定される。
【0015】
別の態様では、がんを有することが疑われる個体をスクリーニングする方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することを含み、試料において検出されたメチル化レベル又は非メチル化レベルにより、個体ががんを有する可能性が高いと特定される。
【0016】
別の態様では、がんを有する個体の予後を決定する方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することを含み、試料において検出されたメチル化レベル又は非メチル化レベルにより、個体の予後が少なくとも部分的に決定される。
【0017】
別の態様では、がんを有する個体の生存を予測する方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、がんを有する個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することを含み、試料において検出されたメチル化レベル又は非メチル化レベルにより、個体の生存が少なくとも部分的に予測される。一部の実施形態では、試料において検出されたメチル化レベルは、閾値又は参照値よりも高く、試料のメチル化レベルが閾値又は参照値よりも低い個体の生存と比較して、個体の生存が減少すると予測される。
【0018】
別の態様では、がんを有する個体の腫瘍負荷を予測する方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することを含み、試料において検出されたメチル化レベル又は非メチル化レベルにより、個体の腫瘍負荷が少なくとも部分的に予測される。一部の実施形態では、試料において検出されたメチル化レベルは、閾値又は参照値よりも高く、試料のメチル化レベルが閾値又は参照値よりも低い個体の腫瘍負荷と比較して、個体の腫瘍負荷が増加すると予測される。
【0019】
別の態様では、がんを有する個体の治療に対する応答性を予測する方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、がんを有する個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することを含み、試料において検出されたメチル化レベル又は非メチル化レベルが、個体の治療に対する応答性を少なくとも部分的に予測するために使用される。
【0020】
別の態様では、アントラサイクリンベースの化学療法を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるがんを有する個体を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することを含み、複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、試料において検出されたPITX2遺伝子座のメチル化により、アントラサイクリンベースの化学療法を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして個体が特定される。
【0021】
別の態様では、がんを有する個体に対する療法を選択する方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することを含み、複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、試料において検出されたPITX2遺伝子座のメチル化により、アントラサイクリンベースの化学療法を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして個体が特定される。
【0022】
別の態様では、がんを有する個体のための1つ以上の治療選択肢を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、(a)上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することであって、複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、(b)試料において検出されたPITX2遺伝子座のメチル化に少なくとも部分的に基づいて、個体に対して特定された1つ以上の治療選択肢を含むレポートを生成することであって、1つ以上の治療選択肢が、アントラサイクリンベースの化学療法を含む、生成することと、を含む。
【0023】
別の態様では、がんを治療する方法又はがんの進行を遅延させる方法が本明細書に提供され、本方法は、(a)上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することであって、複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、(b)治療有効量のアントラサイクリンベースの化学療法を個体に施すことと、を含む。
【0024】
別の態様では、アルキル化剤を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるがんを有する個体を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することを含み、複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、試料において検出されたMGMT遺伝子座のメチル化により、アルキル化剤を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして個体が特定される。
【0025】
別の態様では、がんを有する個体に対する療法を選択する方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することを含み、複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、試料において検出されたMGMT遺伝子座のメチル化により、アルキル化剤を含む治療から恩恵を受ける可能性があるものとして個体が特定される。
【0026】
別の態様では、がんを有する個体のための1つ以上の治療選択肢を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、(a)上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することであって、複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、(b)試料において検出されたMGMT遺伝子座のメチル化に少なくとも部分的に基づいて、個体に対して特定された1つ以上の治療選択肢を含むレポートを生成することであって、1つ以上の治療選択肢が、アルキル化剤を含む、生成することと、を含む。
【0027】
別の態様では、がんを治療する方法又はがんの進行を遅延させる方法が本明細書に提供され、本方法は、(a)上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することであって、複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、(b)治療有効量のアルキル化剤を個体に投与することと、を含む。
【0028】
別の態様では、がんの治療を受けている個体の応答をモニタリングする方法が本明細書に提供され、本方法は、(a)がんを有する個体に治療を施すことと、(b)上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、治療後に個体から得られた複数の核酸を含む試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することであって、試料において検出されたメチル化レベル又は非メチル化レベルが、治療に対する応答を少なくとも部分的にモニタリングするために使用される、検出することと、を含む。一部の実施形態では、治療前のメチル化レベル未満又は閾値若しくは参照値未満である治療後のメチル化レベルの検出は、個体が治療に応答したことを示す。一部の実施形態では、治療前のメチル化レベル以下又は閾値若しくは参照値未満である治療後のメチル化レベルの検出は、個体が治療に応答したことを示す。
【0029】
別の態様では、個体におけるがんをモニタリングする方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む第1の試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することと、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む第2の試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することであって、第2の試料が、第1の試料後に個体から得られる、検出することと、第1の試料と第2の試料との間のメチル化レベルの差を決定し、それによって、個体におけるがんをモニタリングすることと、を含む。
【0030】
別の態様では、がんの治療を受けている個体の応答をモニタリングする方法が本明細書に提供され、本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む第1の試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することと、個体から第1の試料を得た後に、上記の実施形態のいずれか1つの方法に従って、個体から得られた複数の核酸を含む第2の試料におけるメチル化レベル又は非メチル化レベルを検出することであって、第2の試料が、治療を施した後に個体から得られる、検出することと、第1の試料と第2の試料との間のメチル化レベルの差を決定し、それによって、治療に対する個体の応答をモニタリングすることと、を含む。
【0031】
別の態様では、試料から2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法が本明細書に提供され、本方法は、シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、プロセッサによって、遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、メチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、プロセッサによって、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、プロセッサによって、CCFに基づいて、クラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む。別の態様では、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法が本明細書に提供され、本方法は、シーケンサーによって、複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列を得ることと、プロセッサによって、クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、メチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、プロセッサによって、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表し、それによって、クラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、プロセッサによって、CCFに基づいて、クラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターンは、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおけるシトシン変換に基づいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す。一態様では、試料から2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法が本明細書に提供され、本方法は、シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、プロセッサによって、遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、コンセンサス非メチル化パターンが、メチル化が検出されなかったクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、プロセッサによって、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサス非メチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、プロセッサによって、CCFに基づいて、クラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む。一部の実施形態では、CCFは、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおけるシトシン変換に基づいて、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサス非メチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す。
【0032】
別の態様では、システムが本明細書に提供され、システムが、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のコンピュータプログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、を含み、1つ以上のコンピュータプログラム命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサを使用して、ゲノム遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサスメチル化パターンであって、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られた複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、コンセンサスメチル化パターンを決定し、1つ以上のプロセッサを使用して、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)であって、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、CCFを生成するように構成されている。別の態様では、システムが本明細書に提供され、システムが、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のコンピュータプログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、を含み、1つ以上のコンピュータプログラム命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサを使用して、ゲノム遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサス非メチル化パターンであって、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られた複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されなかったクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、コンセンサス非メチル化パターンを決定し、1つ以上のプロセッサを使用して、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)であって、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサス非メチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、CCFを生成するように構成されている。
【0033】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値以上であり、1つ以上のコンピュータプログラム命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサを使用して、CCFが閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出するように更に構成されている。本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値未満であり、1つ以上のコンピュータプログラム命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサを使用して、CCFが閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出するように更に構成されている。本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値以上であり、1つ以上のコンピュータプログラム命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサを使用して、CCFが閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出するように更に構成されている。本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値未満であり、1つ以上のコンピュータプログラム命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサを使用して、CCFが閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出するように更に構成されている。一部の実施形態では、1つ以上のコンピュータプログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定し、1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することと、を行うように更に構成されている。一部の実施形態では、複数のクラスターは、複数のゲノム遺伝子座に対応する。一部の実施形態では、1つ以上のコンピュータプログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、1,000超、10~100,000、又は最大1,000,000のクラスターのCCFを生成することと、を行うように構成されている。一部の実施形態では、1つ以上のコンピュータプログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、1つ以上のプロセッサを使用して、複数の配列リードからの配列リードを逆多重化するように更に構成されている。一部の実施形態では、1つ以上のコンピュータプログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、1つ以上のプロセッサを使用して、参照ゲノムに対して複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うように更に構成されている。一部の実施形態では、1つ以上のコンピュータプログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、1つ以上のプロセッサを使用して、シトシン変換を受けることができなかった複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外するように更に構成されている。一部の実施形態では、1つ以上のコンピュータプログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、1つ以上のプロセッサを使用して、CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外するように更に構成されている。一部の実施形態では、1つ以上のコンピュータプログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、1つ以上のプロセッサを使用して、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外するように更に構成されている。
【0034】
別の態様では、方法を行うための1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行可能な1つ以上のプログラムを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体が本明細書に提供され、本方法が、シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、プロセッサによって、ゲノム遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、メチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、1つ以上のプロセッサを使用して、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、プロセッサによって、CCFに基づいて、クラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む。別の態様では、方法を行うための1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行可能な1つ以上のプログラムを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体が本明細書に提供され、本方法は、シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、1つ以上のプロセッサによって、遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、コンセンサス非メチル化パターンが、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されなかったクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、1つ以上のプロセッサによって、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサス非メチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、プロセッサによって、CCFに基づいて、クラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む。
【0035】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、複数の配列リードは、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られる。一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値以上であり、本方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、CCFが閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む。一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値以上であり、本方法は、CCFが閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む。一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値以上であり、本方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、CCFが閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む。一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値以上であり、本方法は、CCFが閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することと、1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することと、を更に含む。一部の実施形態では、複数のクラスターは、複数のゲノム遺伝子座に対応する。一部の実施形態では、本方法は、コンセンサスメチル化パターンを決定することと、1,000超のクラスター、10~100,000のクラスター、又は最大1,000,000のクラスターのCCFを生成することと、を含む。一部の実施形態では、本方法は、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、1つ以上のプロセッサを使用して、複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを含む。一部の実施形態では、本方法は、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、1つ以上のプロセッサを使用して、参照ゲノムに対して複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを含む。一部の実施形態では、本方法は、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、1つ以上のプロセッサを使用して、シトシン変換を受けることができなかった複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを含む。一部の実施形態では、本方法は、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、1つ以上のプロセッサを使用して、CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを含む。一部の実施形態では、本方法は、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、1つ以上のプロセッサを使用して、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを含む。
【0036】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、複数の配列リードは、クラスターに対応する1~5の配列リード、少なくとも100の配列リード、又は少なくとも1000の配列リードを含む。一部の実施形態では、クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドは、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドは、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、少なくとも1つのクラスターは、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、各クラスターは、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのクラスターは、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、各クラスターは、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのクラスターは、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、クラスターにおける1つを除く全ての部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける2つを除く全ての部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける最大1つの部位、最大2つの部位、最大10%の部位、最大25%の部位、25%超の部位、50%超の部位、又は75%超の部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、複数の配列リードは、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる。一部の実施形態では、複数の配列リードは、ペアエンド配列リードを含む。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターン及びCCFは、クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される。一部の実施形態では、複数の配列リードは、不対配列リードを含む。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターン及びCCFは、クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定及び生成される。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターン及びCCFは、クラスターにおけるCpGジヌクレオチドの少なくとも50%、少なくとも90%、又は全てをカバーする配列リードに基づいて決定される。一部の実施形態では、複数の核酸断片は、バイサルファイト処理、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている。
【0037】
本明細書に記載の様々な実施形態の特性の1つ、いくつか、又は全てを組み合わせて、本発明の他の実施形態を形成することができることを理解されたい。本発明のこれら及び他の態様は、当業者に明らかになるであろう。本発明のこれら及び他の実施形態は、以下の詳細な説明によって更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1A】DNAメチル化を評価するための平均メチル化率(AMF)アプローチの概略図を提供する。
図1B】一部の実施形態による、DNAメチル化を評価するためのクラスターコンセンサス率(CCF)アプローチの概略図を提供する。
図2】健康な細胞株及びTNBC細胞株の全ゲノムメチル化配列決定に使用される特徴を特定するための細胞株パネルの設計を示す。
図3A】陰性対照と比較した、4つのがん細胞株における高メチル化クラスターのCCF分析の結果を示す。
図3B】陰性対照と比較した、4つのがん細胞株における低メチル化クラスターのクラスターコンセンサス非メチル化率(CCUF)分析の結果を示す。
図4A-4C】がん細胞及び健康な細胞の混合物における、CCFアプローチ(図4A及び4B)とAMFアプローチ(図4C)を使用したメチル化分析を比較する。CCFは、10-4の低い割合のがん細胞を有する混合物に対して一貫してバックグラウンドをはるかに上回る値をもたらしたが、AMFを使用すると、これらの混合物はバックグラウンド以下のシグナルを有するようになった。
図5】がん細胞と健康細胞との示された混合物(1%~0.01%のがん細胞)を使用して、分析のために選択されたクラスターの数の関数として、CCFによるメチル化検出の(95%の特異性での)感度を示す。
図6】異常なメチル化が対照試料の測定において相関していたことを示す。
図7】AMFによって得られたメチル化率、又はTNBC細胞株若しくは健康な細胞(NA12878)の配列決定からの大部分メチル化率アプローチの比較を示す。
図8】一部の実施形態による、CCFを使用してメチル化レベルを検出するための例示的なプロセスのブロック図を示す。
図9】一部の実施形態による、CCFを使用してがん(例えば、試料由来の腫瘍核酸)を検出するための例示的なプロセスのブロック図を示す。
図10】一部の実施形態による、例示的なシステムを示す。
図11】一部の実施形態による、例示的なデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示は、概して、例えば、CpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベルの検出に関する。
【0040】
異常なメチル化は、多くのがんの特徴であり、無細胞DNA(cfDNA)又は循環無細胞DNA(ccfDNA)を含む多くの異なるタイプの患者試料で検出することができる。まれながんによるメチル化パターンの検出は、がんのスクリーニング及び微小残存病変(MRD)のモニタリングにおける重要な課題である。本開示は、とりわけ、異常なメチル化(例えば、CpGジヌクレオチドクラスターにおけるDNAメチル化)を検出するための方法を記載し、本方法は、バックグラウンドを効果的に低減し、シグナル対バックグラウンド比を増加させ、したがって、そうでなければ正常なDNA試料における非常に低頻度の腫瘍DNAの検出を可能にし、がんの早期検出及び/又はモニタリングに役立つ。
【0041】
I.一般的な技術
本明細書に記載されているか又は参照される技術及び手順は、一般に、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3d edition(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.;Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,(2003))に記載されている広く利用されている方法論、一連のMethods in Enzymology(Academic Press,Inc.):PCR 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.(1995)),Harlow and Lane,eds.(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,and Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.(1987))、Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984)、Methods in Molecular Biology,Humana Press、Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press、Animal Cell Culture(R.I.Freshney),ed.,1987)、Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press、Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993-8)J.Wiley and Sons、Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.)、Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987)、PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994)、Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991)、Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999)、Immunobiology(C.A.Janeway and P.Travers,1997)、Antibodies(P.Finch,1997)、Antibodies:A Practical Approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988-1989)、Monoclonal Antibodies:A Practical Approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000)、Using Antibodies:A Laboratory Manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)、The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995)、及びCancer:Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVita et al.,eds.,J.B.Lippincott Company,1993)などの当業者による従来の方法論を使用して、十分に理解され、一般的に用いられる。
【0042】
II.定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の言及を含む。したがって、例えば、「1つの分子(a molecule)」との言及は、任意選択的に、2つ以上のそのような分子の組み合わせなどを含む。
【0043】
本明細書に記載される「約」という用語は、当該技術分野で当業者にとって容易に知られるそれぞれの値についての通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」値又はパラメータとの言及は、その値又はパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(及び説明する)。
【0044】
本明細書に記載される本発明の態様及び実施形態は、態様及び実施形態「を含む」、「からなる」及び/又は「から本質的になる」を含むことが理解される。
【0045】
「がん」及び「がん性」という用語は、典型的には制御されない細胞成長を特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指すか、又はそれを説明する。この定義には、良性及び悪性のがんが含まれる。
【0046】
「腫瘍」という用語は、本明細書で使用される場合、悪性であるか、又は良性であるかにかかわらず、全ての新生物性の細胞成長及び増殖、並びに全ての前がん性及びがん性の細胞及び組織を指す。「がん」、「がん性」及び「腫瘍」という用語は、本明細書について言及される場合、相互に排他的なものではない。
【0047】
「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は、本明細書で互換的に使用される場合、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド若しくは塩基、及び/又はそれらの類似体、あるいはDNA若しくはRNAポリメラーゼによって、又は合成反応によってポリマーに組み込まれ得る任意の基質であり得る。したがって、例えば、本明細書で定義されるポリヌクレオチドとしては、限定されないが、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖領域を含むDNA、一本鎖及び二本鎖RNA、一本鎖及び二本鎖領域を含むRNA、一本鎖であってもよく、又は典型的には二本鎖であってもよいか、又は一本鎖及び二本鎖領域を含むDNA及びRNAを含むハイブリッド分子が挙げられる。加えて、本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」という用語は、RNA又はDNA、又はRNA及びDNAの両方を含む三本鎖領域を指す。そのような領域中の鎖は、同じ分子由来であってもよく、又は異なる分子由来であってもよい。領域は、分子のうちの1つ以上の全てを含んでもよいが、より典型的には、分子のいくつかの領域のみを伴ってもよい。三重らせん領域の分子の一方は、多くの場合、オリゴヌクレオチドである。「ポリヌクレオチド」という用語は、具体的には、cDNAを含む。
【0048】
ポリヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、例えば、メチル化ヌクレオチド及びそれらの類似体を含み得る。ヌクレオチド構造に対する修飾は、存在する場合、ポリマーの組み立て前又は組み立て後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されていてもよい。ポリヌクレオチドは、合成後に、例えば、標識とのコンジュゲーションによって、更に修飾され得る。他のタイプの修飾としては、例えば、「キャップ」、類似体、ヌクレオチド間修飾による、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つ以上の置換、例えば、帯電していない結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)を有するもの、及び帯電した結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエーテオなど)を有するもの、ペンダント部分、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L-リジンなど)を有するもの、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を有するもの、キレーター(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含有するもの、アルキレーターを含有するもの、修飾結合を有するもの(例えば、アルファアノマー性核酸)、並びにポリヌクレオチドの非修飾形態が挙げられる。更に、糖内に通常存在するヒドロキシル基のいずれかが、例えば、ホスホネート基、ホスフェート基によって置き換えられ、標準的な保護基によって保護され、又は追加のヌクレオチドに対する追加の結合を調製するために活性化されてもよく、又は固体若しくは半固体の支持体にコンジュゲートされてもよい。5’末端及び3’末端のOHは、リン酸化されてもよく、又は1~20個の炭素原子のアミン又は有機キャッピング基部分で置換されてもよい。他のヒドロキシルもまた、標準的な保護基へと誘導体化されてもよい。ポリヌクレオチドはまた、例えば、2’-0-メチル-、2’-0-アリル-、2’-フルオロ-、又は2’-アジド-リボース、炭素環糖類似体、a-アノマー性糖、エピマー性糖、例えば、アラビノース、キシロース又はリキソース、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環状類似体、及びメチルリボシドなどの脱塩基ヌクレオシド類似体を含む、当該技術分野で一般に既知のリボース又はデオキシリボース糖の類似形態を含有し得る。1つ以上のホスホジエステル結合は、代替的な結合基によって置き換えられてもよい。これらの代替的な結合基としては、限定されないが、ホスフェートが、P(0)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、「(0)NR(「アミデート」)、P(0)R、P(0)OR’、CO又はCH(「ホルムアセタール」)によって置き換えられており、各々のR又はR’が、独立して、H、又は任意選択的に、エーテル(-0-)結合、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアラルジル(araldyl)を含有する、置換若しくは非置換のアルキル(1~20C)である実施形態を含む。ポリヌクレオチド中の全ての結合が同一である必要はない。ポリヌクレオチドは、本明細書に記載の1つ以上の異なるタイプの修飾及び/又は同じタイプの複数の修飾を含有し得る。前の記載は、RNA及びDNAを含む、本明細書で言及される全てのポリヌクレオチドに適用される。
【0049】
「オリゴヌクレオチド」は、本明細書で使用される場合、一般に、必ずしも約250ヌクレオチド長未満ではない短い一本鎖ポリヌクレオチドを指す。オリゴヌクレオチドは、合成であってもよい。「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」という用語は、相互に排他的なものではない。ポリヌクレオチドについての上の記載は、オリゴヌクレオチドと等しく、かつ完全に適用可能である。
【0050】
「検出」という用語は、直接的な検出及び間接的な検出を含む、任意の検出手段を含む。
【0051】
「増幅」は、本明細書で使用される場合、一般に、所望の配列の複数のコピーを生成するプロセスを指す。「複数のコピー」は、少なくとも2つのコピーを意味する。「コピー」は、テンプレート配列に対する完全な配列相補性又は同一性を必ずしも意味しない。例えば、コピーは、デオキシイノシンなどのヌクレオチド類似体、意図的な配列変化(例えば、テンプレートに対してハイブリダイズ可能であるが、テンプレートに対して相補的ではない配列を含むプライマーによって導入される配列変化)、及び/又は増幅中に生じる配列エラーを含み得る。
【0052】
本明細書で使用される「ポリメラーゼ連鎖反応」又は「PCR」の技術は、一般に、最小量の核酸、RNA、及び/又はDNAの特定の試験片が、例えば、米国特許第4,683,195号に記載されているように増幅される手順を指す。一般に、目的の領域の末端から、又はそれを超えた配列情報が入手可能である必要があり、その結果、オリゴヌクレオチドプライマーを設計することができ、これらのプライマーは、増幅されるテンプレートの反対側の鎖に対して配列が同一であるか、又は類似している。2つのプライマーの5’末端ヌクレオチドは、増幅された材料の末端と一致していてもよい。PCRを使用して、特定のRNA配列を、全ゲノムDNAから特定のDNA配列を、また、全細胞RNA、バクテリオファージ、又はプラスミド配列などから転写されたcDNAを増幅させることができる。一般に、Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.51:263(1987)及びErlich,ed.,PCR Technology(Stockton Press,NY,1989)を参照されたい。本明細書で使用される場合、PCRは、プライマーとしての既知の核酸(DNA又はRNA)の使用を含み、核酸ポリメラーゼを使用して特定の核酸片を増幅させるか、若しくは生成するか、又は特定の核酸に相補的である特定の核酸片を増幅させるか、若しくは生成する、核酸試験試料を増幅させるための核酸ポリメラーゼ反応方法の唯一の例ではないが、一例であると考えられる。
【0053】
「診断」という用語は、分子又は病的な状況、疾患、又は状態(例えば、がん)の特定又は分類を指すために本明細書で使用される。例えば、「診断」は、特定のタイプのがんの特定を指し得る。「診断」はまた、例えば、病理組織学的基準によって、又は分子特徴(例えば、バイオマーカーの1つ若しくは組み合わせ(例えば、特定の遺伝子若しくは上述の遺伝子によってコードされるタンパク質)の発現を特徴とするサブタイプ)、又は異常なDNAメチル化レベル及び/若しくはパターンによる)によって、特定のサブタイプのがんの分類を指し得る。
【0054】
「診断を補助する」という用語は、疾患又は障害(例えば、がん)の症状又は状態の特定のタイプの存在、又はその性質に関する臨床的決定を作製することを補助する方法を指すために本明細書で使用される。例えば、疾患又は状態(例えば、がん)の診断を補助する方法は、個体からの生物学的試料における特定の体細胞変異又はDNAメチル化レベル及び/若しくはパターンを測定することを含み得る。
【0055】
「試料」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、物理的特徴、生化学的特徴、化学的特徴及び/又は生理学的特徴に基づいて、特性決定及び/又は特定される細胞及び/又は他の分子実体を含有する目的の対象及び/又は個体から得られるか、又はそれらに由来する組成物を指す。例えば、「疾患試料」という語句及びその変形語は、特性決定される細胞及び/又は分子実体を含有すると予想されるか、又は含有することが知られている目的の対象から得られた任意の試料を指す。試料としては、限定されないが、組織試料、初代若しくは培養された細胞若しくは細胞株、細胞上清、細胞溶解物、血小板、血清、血漿、硝子体液、リンパ液、滑液、卵胞液、精液、羊水、乳、全血、血漿、血清、血液由来の細胞、尿、脳脊髄液、唾液、痰、涙、汗、粘液、腫瘍溶解物、及び組織培養培地、組織抽出物、例えば、均質化された組織、腫瘍組織、細胞抽出物、及びそれらの組み合わせが挙げられる。場合によっては、試料は、全血試料、血漿試料、血清試料、又はそれらの組み合わせである。一部の実施形態では、試料は、腫瘍からのもの(例えば、「腫瘍試料」)、例えば、生検からのものである。一部の実施形態では、試料は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料である。
【0056】
本明細書で使用される「腫瘍細胞」は、腫瘍又はその試料中に存在する任意の腫瘍細胞を指す。腫瘍細胞は、当該技術分野で既知の方法及び/又は本明細書に記載の方法を使用して、腫瘍試料(例えば、間質細胞及び腫瘍浸潤免疫細胞)中に存在し得る他の細胞から区別され得る。
【0057】
「参照試料」、「参照細胞」、「参照組織」、「対照試料」、「対照細胞」、又は「対照組織」は、本明細書で使用される場合、比較目的のために使用される試料、細胞、組織、標準、又はレベルを指す。
【0058】
「相関する」、又は「相関すること」とは、いずれにせよ、第1の分析又はプロトコルの性能及び/又は結果を、第2の分析又はプロトコルの性能及び/又は結果と比較することを意味する。例えば、第2のプロトコルを実行する際に第1の分析又はプロトコルの結果を使用してもよく、かつ/又は第2の分析又はプロトコルを行うべきかどうかを決定するために、第1の分析又はプロトコルの結果を使用してもよい。ポリペプチド分析又はプロトコルの実施形態に関して、ポリペプチド発現分析又はプロトコルの結果を使用して、特定の療法計画を行うべきかどうかを決定してもよい。ポリヌクレオチド分析又はプロトコルの実施形態に関して、ポリヌクレオチド発現分析又はプロトコルの結果を使用して、特定の療法計画を行うべきかどうかを決定してもよい。
【0059】
「個体の応答」又は「応答」は、限定されないが、(1)遅らせるか、若しくは完全に停止させることを含む、疾患進行(例えば、がん進行)のある程度までの阻害、(2)腫瘍サイズの低下、(3)隣接する周辺の器官及び/若しくは組織へのがん細胞浸潤の阻害(すなわち、低下、遅らせる、若しくは完全に止める)、(4)転移の阻害(すなわち、低下、遅らせる、若しくは完全に止める)、(5)疾患若しくは障害(例えば、がん)に関連する1つ以上の症状のある程度までの緩和、(6)全生存期間及び無憎悪生存期間を含む、生存の長さの増加若しくは延長、並びに/あるいは(7)治療後の所与の時間点での死亡率の減少を含む、個体に対する利益を示す任意のエンドポイントを使用して評価することができる。
【0060】
医薬による治療及び同様の語句に対する患者の「有効応答」又は患者の「応答性」は、疾患又は障害(例えば、がん)のリスクがあるか、又は患っている患者に付与された臨床利益又は治療的利益を指す。一実施形態では、そのような利益としては、生存期間(全生存期間及び/又は無憎悪生存期間を含む)を延長すること、客観的な応答が得られること(完全奏効又は部分奏効を含む)、あるいはがんの兆候又は症状を改善することが含まれる。
【0061】
「有効量」は、哺乳動物において疾患又は障害を治療又は予防するための治療薬剤の量を指す。がんの場合、治療有効量の治療薬剤は、がん細胞の数を低下させ、原発腫瘍のサイズを低下させ、周辺の器官へのがん細胞浸潤を阻害し(すなわち、ある程度まで遅らせ、一実施形態では、止め)、腫瘍転移を阻害し(すなわち、ある程度まで遅らせ、一実施形態では、止め)、腫瘍成長をある程度まで阻害し、及び/又は障害に関連する症状のうちの1つ以上をある程度まで緩和し得る。薬物が、存在するがん細胞の成長を防止し、かつ/又は死滅させ得る程度まで、薬物は、細胞増殖抑制性及び/又は細胞傷害性であってもよい。がん療法の場合、インビボでの有効性は、例えば、生存持続期間、疾患進行までの時間(TTP)、奏効率(例えば、CR又はPR)、応答の持続期間、及び/又は生活の質を評価することによって測定することができる。
【0062】
「薬学的製剤」という用語は、その中に含まれる活性成分の生物学的活性が有効であることを可能にするような形態であり、製剤が投与され得る対象に受け入れられないほど毒性である追加の構成要素を含有しない、調製物を指す。
【0063】
「薬学的に許容される担体」は、対象にとって無毒である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体としては、限定されないが、緩衝液、賦形剤、安定剤、又は防腐剤が挙げられる。
【0064】
本明細書で使用される場合、「治療」(及び「治療する」若しくは「治療すること」などのその文法的な変形語)は、治療される個体の自然の経過を変化させようとする臨床的介入を指し、予防のため、又は一連の臨床病理学の間のいずれかに行われ得る。治療の所望な効果としては、限定されないが、疾患の発生若しくは再発を予防すること、症状の軽減、疾患の何らかの直接的若しくは間接的な病理学的帰結の低減、転移を予防すること、疾患進行の速度を減少させること、疾患状態の改良若しくは緩和、及び寛解又は改善された予後が挙げられる。
【0065】
本明細書で使用される場合、「個体」、「患者」、又は「対象」という用語は、互換的に使用され、治療が望ましい何らかの単一動物、例えば、哺乳動物(そのような非ヒト動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、動物園の動物、ウシ、ブタ、ヒツジ、及び非ヒト霊長類を含む)を指す。特定の実施形態では、本明細書の患者は、ヒトである。
【0066】
本明細書で使用される場合、「投与すること」は、投薬量の化合物(例えば、アンタゴニスト)又は医薬組成物(例えば、アンタゴニストを含む医薬組成物)を対象(例えば、患者)に与える方法を意味する。投与は、非経口、肺内、及び経鼻を含み、及び所望な場合には、局所治療、病変内投与のための任意の好適な手段によるものであってもよい。非経口注入としては、例えば、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が挙げられる。投薬は、一部には投与が一時的であるか長期であるかに応じて、例えば、注射(例えば、静脈内又は皮下注射)による、任意の好適な経路によるものであってもよい。限定されないが、様々な時間点にわたる単回又は複数回の投与、ボーラス投与、及びパルス注入を含む、様々な投薬スケジュールは、本明細書で企図される。
【0067】
「同時に」という用語は、2つ以上の治療薬剤の投与を指すために本明細書で使用され、投与の少なくとも一部は、時間的に重複している。したがって、同時投与は、1つ以上の薬剤の投与が、1つ以上の他の薬剤の投与を中止した後に継続する場合の投薬計画を含む。
【0068】
「添付文書」という用語は、そのような治療製品の使用に関する適応症、使用、投薬量、投与、併用療法、禁忌、及び/又は警告についての情報を含む、治療製品の市販パッケージに通常含まれる説明書を指すために使用される。
【0069】
「製造物品」は、少なくとも1つの試薬、例えば、本明細書に記載の疾患若しくは障害(例えば、がん)の治療のための医薬、又はバイオマーカー(例えば、DNAメチル化)を特異的に検出するためのプローブを含む、任意の製造物(例えば、パッケージ若しくは容器)、又はキットである。特定の実施形態では、製造物又はキットは、本明細書に記載の方法を行うためのユニットとして販売促進され、配布され、又は販売される。
【0070】
「メチル化」という用語は、本明細書では、DNA核酸内のシトシンヌクレオチドのC5位のメチル基の存在を指すために使用される(文脈で別段の指示がない限り)。この用語には、5-メチルシトシン(5mC)並びに5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)などのメチル基が更に修飾されたシトシンヌクレオチドも含まれる。この用語には、未修飾のシトシンをウラシルに脱アミノ化するバイサルファイト変換など、ヌクレオチドの化学的又は酵素的変換を受けたDNA核酸も含まれる。
【0071】
「異常なメチル化」という用語は、本明細書では、正常な組織には典型的に存在しないメチル化のパターンを指すために使用される。例えば、この用語は、正常組織において通常メチル化されていない部位におけるメチル化の増加、又は正常組織において通常メチル化されている部位におけるメチル化の減少を指し得る。一部の実施形態では、がん細胞に由来する核酸(例えば、がん核酸)は、1つ以上のゲノム遺伝子座でのメチル化のパターン及び/又は量が、特定のタイプの組織における対応する遺伝子座/複数の遺伝子座に通常存在するものとは異なる場合の異常なメチル化を特徴とする。
【0072】
「CpGジヌクレオチド」という用語は、本明細書では、5’→3’方向にシトシンヌクレオチドの後にグアニンヌクレオチドが続く2つ以上のDNA塩基の領域(例えば、5’-C-phosphate-G-3’)を指すために使用される。多くのゲノムでは、CpGジヌクレオチドは、複数のCpGジヌクレオチドを含むDNAの「クラスター」又は領域(「CpGアイランド」とも呼ばれる)でよく見られる。多くのゲノムにおけるDNAメチル化の大部分は、CpGジヌクレオチド(シトシンがメチル化又はヒドロキシメチル化されている)に存在する。
【0073】
III.方法、システム、及びデバイス
本開示の特定の態様は、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出する方法に関する。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、対象からの)試料から複数の核酸断片を得ることと、複数の核酸断片を増幅することと、シーケンサーによって、複数の増幅された核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、少なくとも複数の増幅された核酸断片が、シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、プロセッサによって、クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサス非メチル化パターンが、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおけるシトシン変換に基づいて、メチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、プロセッサによって、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサス非メチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、CCFに基づいて、クラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、検出されたメチル化レベル、検出された非メチル化レベル、又はその両方に少なくとも部分的に基づいて、対象のゲノムプロファイルを生成することと、を含む。
【0074】
一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。
【0075】
他の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、コンセンサス非メチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されなかったクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス非メチル化率(CCUF)を生成することであって、CCUFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサス非メチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。メチル化(例えば、CCMF)を測定するための本明細書に開示される方法は、未メチル化又は非メチル化部位(例えば、CCUF)の測定にも同様に適用され得ることが、当業者には理解されるであろう。クラスターコンセンサスメチル化率、クラスターコンセンサス非メチル化率、又はその両方を、一般に、クラスターコンセンサス率(CCF)と称され得ることが理解されるであろう。
【0076】
本開示の他の態様は、個体におけるがんを検出する方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、閾値又は参照値以上のCCFは、個体におけるがんの存在を示し、個体ががんを有すると特定される。一部の実施形態では、閾値又は参照値未満のCCFは、個体におけるがんの存在を示さず、個体ががんを有しないと特定される。一部の実施形態では、本方法は、例えば、がんのスクリーニング(例えば、以前にがん若しくは同じタイプのがんと診断されていない個体における新たな診断)、又は(例えば、以前にがんと診断され、寛解を達成した個体における)再発若しくは微小残存病変について個体をモニタリングするのに用途を見出すことができる。
【0077】
本開示の他の態様は、がんを有することが疑われる個体をスクリーニングする方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、閾値又は参照値以上のCCFは、個体におけるがんの存在を示し、個体ががんを有する可能性が高いと特定される。一部の実施形態では、閾値又は参照値未満のCCFは、個体におけるがんの存在を示さず、個体ががんを有しないと特定される。一部の実施形態では、本方法は、例えば、がんのスクリーニング(例えば、以前にがん若しくは同じタイプのがんと診断されていない個体における新たな診断)、又は(例えば、以前にがんと診断され、寛解を達成した個体における)再発若しくは微小残存病変について個体をモニタリングするのに用途を見出すことができる。
【0078】
本開示の他の態様は、がんを有する個体の予後を決定する方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、閾値又は参照値以上のCCFは、個体におけるがんの存在を示し、個体の予後を少なくとも部分的に決定する。一部の実施形態では、閾値又は参照値未満のCCFは、個体におけるがんの存在を示さず、個体の予後を少なくとも部分的に決定する。一部の実施形態では、閾値又は基準値以上のCCFは、閾値又は参照値未満のCCFを有する個体と比較して、個体の予後不良に対応する。
【0079】
本開示の他の態様は、がんを有する個体の予後を予測する方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、閾値又は参照値以上のCCFは、個体におけるがんの存在を示し、個体の生存を少なくとも部分的に予測する。一部の実施形態では、閾値又は参照値未満のCCFは、個体におけるがんの存在を示さず、個体の生存を少なくとも部分的に予測する。一部の実施形態では、閾値又は基準値以上のCCFは、閾値又は参照値未満のCCFを有する個体と比較して、個体のより短い生存に対応する。一部の実施形態では、試料において検出されたメチル化レベルは、閾値又は参照値よりも高く、試料のメチル化レベルが閾値又は参照値よりも低い個体の生存と比較して、個体の生存が減少すると予測される。
【0080】
本開示の他の態様は、がんを有する個体の腫瘍負荷を予測する方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、閾値又は基準値以上のCCFは、閾値又は参照値未満のCCFと比較して、個体におけるより高い腫瘍負荷を予測する。一部の実施形態では、試料において検出されたメチル化レベルは、閾値又は参照値よりも高く、試料のメチル化レベルが閾値又は参照値よりも低い個体の腫瘍負荷と比較して、個体の腫瘍負荷が増加すると予測される。
【0081】
本開示の他の態様は、がんを有する個体の治療に対する応答性を予測する方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、試料において検出されたメチル化レベルは、治療に対する個体の応答性を少なくとも部分的に予測するために使用される。
【0082】
本開示の他の態様は、がんの治療を受けている個体の応答をモニタリングする方法に関し、本方法は、がんを有する個体に治療を施すことと、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することと、を含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、試料において検出されたメチル化レベルは、治療に対する応答を少なくとも部分的にモニタリングするために使用される。一部の実施形態では、治療前のメチル化レベル若しくはCCF未満又は閾値若しくは参照値未満である治療後のメチル化レベル又はCCFの検出は、個体が治療に応答したことを示す。一部の実施形態では、治療前のメチル化レベル若しくはCCF以下又は閾値若しくは参照値未満である治療後のメチル化レベル又はCCFの検出は、個体が治療に応答したことを示す。
【0083】
本開示の他の態様は、個体におけるがんをモニタリングする方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、個体から得られた第1の試料における(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することと、本開示の方法のいずれか1つに従って、個体から得られた第2の試料における(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することと、メチル化の差を決定するステップと、第1の試料と第2の試料との間のメチル化レベル又はCCFの差を決定することと、を含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの第1の試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、第2の複数の配列リードを得ることであって、第2の複数の核酸断片が、個体からの第2の試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、第2の複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターの第2のコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、第2のコンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、第2の複数の配列リードからの少なくとも1つの配列においてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターの第2のクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、第2のCCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、第1のCCF及び第2のCCFを比較することと、を含む。一部の実施形態では、第1のCCFよりも大きい第2のCCFは、がんの進行、拡散、又は増殖を示す。一部の実施形態では、第1のCCFよりも小さい第2のCCFは、がんの退行、治療に対する応答、又は減少を示す。一部の実施形態では、第1のCCFと等しい第2のCCFは、がんの進行又は安定性の欠如を示す。
【0084】
本開示の他の態様は、がんの治療を受けている個体の応答をモニタリングする方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、個体から得られた第1の試料における(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することと、個体に治療を施すことと、治療の投与及び第1の試料後、本開示の方法のいずれか1つに従って、個体から得られた第2の試料における(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することと、第1の試料と第2の試料との間のメチル化レベルの差を決定することと、を含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの第1の試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、第2の複数の配列リードを得ることであって、第2の複数の核酸断片が、個体からの第2の試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、第2の複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターの第2のコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、第2のコンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、第2の複数の配列リードからの少なくとも1つの配列においてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターの第2のクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、第2のCCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、第1のCCF及び第2のCCFを比較することと、を含む。一部の実施形態では、第1のCCFよりも大きい第2のCCFは、治療に対する応答の欠如を示す。一部の実施形態では、第1のCCFよりも小さい第2のCCFは、治療に対する応答を示す。一部の実施形態では、第1のCCFと等しい第2のCCFは、治療に対する部分的な又は安定した応答を示す。
【0085】
一部の実施形態では、本開示の方法は、(例えば、CCFが閾値又は参照値以上である場合)複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む。一部の実施形態では、がん核酸の検出は、CCFが閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づく。一部の実施形態では、本開示の方法は、(例えば、CCFが閾値又は参照値以上である場合)試料におけるがんの存在を検出することを更に含む。
【0086】
一部の実施形態では、本開示の方法は、(例えば、CCFが閾値又は参照値未満である場合)複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む。一部の実施形態では、がん核酸の不在を検出することは、CCFが閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づく。一部の実施形態では、本開示の方法は、(例えば、CCFが閾値又は参照値未満である場合)試料におけるがんの不在を検出することを更に含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、(例えば、CCFが閾値又は参照値未満である場合)複数の核酸断片における正常又は野生型核酸(例えば、正常又は野生型のメチル化のレベル及び/又はパターンを有するDNAとしての核酸)の存在を検出することを更に含む。一部の実施形態では、正常又は野生型核酸の存在を検出することは、CCFが閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づく。一部の実施形態では、本開示の方法は、(例えば、CCFが閾値又は参照値未満である場合)試料における正常/野生型細胞の存在又はメチル化レベル/パターンの存在を検出することを更に含む。
【0087】
一部の実施形態では、本開示の方法は、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドの)複数のクラスターについてのコンセンサスメチル化パターン及び/又はCCFを決定することを含む。一部の実施形態では、クラスターは、複数のゲノム遺伝子座に対応する。一部の実施形態では、本開示の方法は、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドの)10超のクラスター、50超のクラスター、100超のクラスター、200超のクラスター、300超のクラスター、400超のクラスター、500超のクラスター、600超のクラスター、700超のクラスター、800超のクラスター、900超のクラスター、1000超のクラスター、2000超のクラスター、3000超のクラスター、4000超のクラスター、5000超のクラスター、6000超のクラスター、7000超のクラスター、8000超のクラスター、9000超のクラスター、10000超のクラスター、20000超のクラスター、30000超のクラスター、40000超のクラスター、50000超のクラスター、60000超のクラスター、70000超のクラスター、80000超のクラスター、90000超のクラスター、100000超のクラスター、200000超のクラスター、300000超のクラスター、400000超のクラスター、500000超のクラスター、600000超のクラスター、700000超のクラスター、800000超のクラスター、900000超のクラスター、又は最大1000000クラスターのコンセンサスメチル化パターン及び/又はCCFを決定することを含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドの)10~100000のクラスター、100~100000のクラスター、1000~100000のクラスター、10000~100000のクラスター、10~100のクラスター、10~1000のクラスター、10~10000のクラスター、又は10~1000000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及び/又はCCFを決定することを含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000、又は1000000のクラスターの上限を有し、独立して選択される900000、800000、700000、600000、500000、400000、300000、200000、100000、90000、80000、70000、60000、50000、40000、30000、20000、10000、9000、8000、7000、6000、5000、4000、3000、2000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、又は10のクラスターの下限を有する(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドの)クラスターの数のコンセンサスメチル化パターン及び/又はCCFを決定することを含む(ここで、上限は下限よりも大きい)。
【0088】
一部の実施形態では、複数の配列リードは、クラスターに対応する少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000、少なくとも2000、少なくとも3000、少なくとも4000、又は少なくとも5000の配列リードを含む。一部の実施形態では、複数の配列リードは、クラスターに対応する1~5、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~100、10~100、10~1000、50~1000、又は100~1000の配列リードを含む。一部の実施形態では、複数の配列リードは、5000、4000、3000、2000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、又は5の上限を有し、独立して選択される5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、又は5000の下限を有する、クラスターに対応する配列リードの数を含む(ここで、上限は下限よりも大きい)。
【0089】
一部の実施形態では、クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドは、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドは、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドは、コンセンサス非メチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドは、コンセンサス非メチル化パターンでメチル化されている。
【0090】
一部の実施形態では、少なくとも1つのクラスターは、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、又は10以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、各クラスターは、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、又は10以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、クラスターは、特定の塩基数以内、例えば、300塩基以内、250塩基以内、200塩基以内、150塩基以内、125塩基以内、100塩基以内、90塩基以内、80塩基以内、70塩基以内、60塩基以内、又は50塩基以内の、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、又は10以上のCpGジヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、クラスターは、80塩基以内の、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、又は10以上のCpGジヌクレオチドを含む。
【0091】
一部の実施形態では、クラスターにおける1つを除く、2つを除く、5つを除く、又は10を除く全ての部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける2つを除く、5つを除く、又は10を除く全ての部位が、コンセンサス非メチル化パターンでメチル化されていない。
【0092】
一部の実施形態では、クラスターにおける最大1部位、最大2部位、最大3部位、最大4部位、最大5部位、又は最大10部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、クラスターにおける最大1部位、最大2部位、最大3部位、最大4部位、最大5部位、又は最大10部位が、コンセンサス非メチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、クラスターにおける最大5%、最大10%、最大20%、最大25%、最大30%、最大40%、最大50%、又は最大75%の部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、クラスターにおける最大5%、最大10%、最大20%、最大25%、最大30%、最大40%、最大50%、又は最大75%の部位が、コンセンサス非メチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、クラスターにおける5%超、10%超、20%超、25%超、30%超、40%超、50%超、又は75%超の部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、クラスターにおける5%超、10%超、20%超、25%超、30%超、40%超、50%超、又は75%超の部位が、コンセンサス非メチル化パターンでメチル化されている。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されているクラスターにおける部位の割合は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%の上限を有し、独立して選択される90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、又は1%の下限を有する(ここで、上限は下限よりも大きい)。一部の実施形態では、コンセンサス非メチル化パターンでメチル化されているクラスターにおける部位の割合は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%の上限を有し、独立して選択される90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、又は1%の下限を有する(ここで、上限は下限よりも大きい)。一部の実施形態では、クラスターにおける最大1部位、最大2部位、最大3部位、最大4部位、最大5部位、又は最大10部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける最大1部位、最大2部位、最大3部位、最大4部位、最大5部位、又は最大10部位が、コンセンサス非メチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける最大5%、最大10%、最大20%、最大25%、最大30%、最大40%、最大50%、又は最大75%の部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける最大5%、最大10%、最大20%、最大25%、最大30%、最大40%、最大50%、又は最大75%の部位が、コンセンサス非メチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける5%超、10%超、20%超、25%超、30%超、40%超、50%超、又は75%超の部位が、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、クラスターにおける5%超、10%超、20%超、25%超、30%超、40%超、50%超、又は75%超の部位が、コンセンサス非メチル化パターンでメチル化されていない。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていないクラスターにおける部位の割合は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%の上限を有し、独立して選択される90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、又は1%の下限を有する(ここで、上限は下限よりも大きい)。一部の実施形態では、コンセンサス非メチル化パターンでメチル化されていないクラスターにおける部位の割合は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%の上限を有し、独立して選択される90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、又は1%の下限を有する(ここで、上限は下限よりも大きい)。
【0093】
一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターン及び/CCFは、クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される。一部の実施形態では、コンセンサス非メチル化パターン及び/又はCCUFは、クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターン及び/又はCCMFは、クラスターにおけるCpGジヌクレオチドの少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%をカバーする配列リードに基づいて決定される。一部の実施形態では、コンセンサス非メチル化パターン及び/又はCCUFは、クラスターにおけるCpGジヌクレオチドの少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%をカバーする配列リードに基づいて決定される。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターン及び/CCMFは、クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される。一部の実施形態では、コンセンサス非メチル化パターン及び/又はCCUFは、クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される。
【0094】
一部の実施形態では、観察されたCCF(例えば、CCMF又はCCUF)は、閾値又は参照値と比較される。一部の実施形態では、閾値又は参照値は、比較目的で使用される閾値又は参照値を指す。一部の実施形態では、閾値又は参照値は、野生型若しくは非腫瘍試料、又は核酸、例えば、対照試料、正常隣接腫瘍(NAT)、又は同じ若しくは異なる個体由来の任意の他の非がん性試料を分析することによって得られる。一部の実施形態では、閾値又は参照値は、複数の試料又は個体から得られた値を分析(例えば、平均化又はその他のタイプの統計的集計)して得られる。一部の実施形態では、閾値又は参照値は、1つ以上のがん若しくは腫瘍組織/細胞/核酸、及び1つ以上の正常、野生型、又は非腫瘍組織/細胞/核酸を分析することによって得られる中間値を指し、そのため、閾値又は参照値は、がんを示し、1つ以上のがん若しくは腫瘍細胞/核酸から得られた値を含むか、又は正常組織/細胞/核酸を示し、1つ以上の正常、野生型、又は非腫瘍組織/細胞/核酸から得られた値を含む。
【0095】
当該技術分野で既知のように、特定のゲノム遺伝子座のメチル化レベルは、特定の治療に対する応答(例えば、予測バイオマーカー、及び/又は特定のタイプのがんの存在)を予測することができる。例えば、Locke,W.J.et al.(2019)Front.Genet.10:1150を参照されたい。例えば、MGMT遺伝子座(O-6-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼをコードする)のメチル化は、テモゾロミドなどのアルキル化剤に対するより良好な応答を予測すると考えられており、PITX2遺伝子座(ペアード様ホメオドメイン2転写因子をコードする)のメチル化は、アントラサイクリンベースの化学療法に対するより良好な応答を予測すると考えられている。したがって、一部の実施形態では、本開示の方法は、特定のゲノム遺伝子座(例えば、特定のがんのタイプ)でのメチル化レベルを検出するために使用される。一部の実施形態では、MGMT遺伝子座のメチル化は、膠芽腫において検出される。一部の実施形態では、PITX2遺伝子座のメチル化は、乳がんにおいてが検出される。一部の実施形態では、TWIST1、ONECUT2、OTX1、SOX1、及び/又はIRAK3遺伝子座のメチル化は、膀胱がんにおいて検出される。一部の実施形態では、ASTN1、DLX1、ITGA4、RXFP3、SOX17、及び/又はZNF671遺伝子座のメチル化は、子宮頸がんにおいて検出される。一部の実施形態では、FAM19A4及び/又はhsa-mir124-2遺伝子座のメチル化は、子宮頸がんにおいて検出される。一部の実施形態では、NDRG4及び/又はBMP3遺伝子座のメチル化は、大腸がんにおいて検出される。一部の実施形態では、VIM遺伝子座のメチル化は、大腸がんにおいて検出される。一部の実施形態では、IKZF1及び/又はBCAT1遺伝子座のメチル化は、大腸がんにおいて検出される。一部の実施形態では、SEPT9遺伝子座のメチル化は、大腸がん又は肝細胞がんにおいて検出される。一部の実施形態では、SHOX2及び/又はPTGER4遺伝子座のメチル化は、肺がんにおいて検出される。一部の実施形態では、GSTP1、APC、及び/又はRASSF1遺伝子座のメチル化は、前立腺がんにおいて検出される。これらのゲノム遺伝子座(例えば、ヒトゲノム遺伝子座)の詳細は、当該技術分野で既知である。例えば、ヒトMGMT遺伝子座についてはNCBI遺伝子ID番号4255を、ヒトPITX2遺伝子座についてはNCBI遺伝子ID番号5308を参照されたい。
【0096】
本開示の他の態様は、アントラサイクリンベースの化学療法を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるがんを有する個体を特定する方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、複数の核酸には、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸が含まれる。一部の実施形態では、試料において検出されたPITX2遺伝子座のメチル化により、アントラサイクリンベースの化学療法を含む治療の恩恵を受ける可能性のあるものとして個体が特定される。
【0097】
本開示の他の態様は、がんを有する個体に対する療法を選択する方法に関し、本開示の方法のいずれか1つに従って(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、複数の核酸には、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸が含まれる。一部の実施形態では、試料において検出されたPITX2遺伝子座のメチル化により、アントラサイクリンベースの化学療法を含む治療の恩恵を受ける可能性のあるものとして個体が特定される。
【0098】
本開示の他の態様は、がんを有する個体に対する1つ以上の治療選択肢を特定する方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体由来の試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、複数の核酸には、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸が含まれる。一部の実施形態では、本方法は、試料において検出されたPITX2遺伝子座のメチル化に少なくとも部分的に基づいて、個体に対して特定された1つ以上の治療選択肢を含むレポートを生成することを更に含む。一部の実施形態では、1つ以上の治療選択肢には、アントラサイクリンベースの化学療法が含まれる。
【0099】
本開示の他の態様は、がんを治療又はその進行を遅延させる方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することと、有効量のアントラサイクリンベースの化学療法を個体に施すことと、を含む。一部の実施形態では、メチル化レベルを検出することは、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体由来の試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、複数の核酸には、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸が含まれる。
【0100】
当該技術分野で既知のように、アントラサイクリンベースの化学療法は、あるクラスの薬物の一部であり、薬物は、DNAに挿入され、DNA/RNA合成を阻害し、活性酸素種を生成し、トポイソメラーゼIIの活性を遮断することによって、広く作用する。アントラサイクリンベースの化学療法の例としては、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、ダウノルビシン(Cerubidine(登録商標)、ビキセオスVyxeos(登録商標)、ダウノマイシン)、エピルビシン(Ellence(登録商標)、Pharmorubicin(登録商標))、イダルビシン(Idamycin(登録商標))、及びミトキサントロン(Novantrone(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
本開示の他の態様は、アルキル化剤を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるがんを有する個体を特定する方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体由来の試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、複数の核酸には、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸が含まれる。一部の実施形態では、試料において検出されたMGMT遺伝子座のメチル化により、アルキル化剤を含む治療の恩恵を受ける可能性のあるものとして個体が特定される。
【0102】
本開示の他の態様は、がんを有する個体に対する療法を選択する方法に関し、本開示の方法のいずれか1つに従って(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、複数の核酸には、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸が含まれる。一部の実施形態では、試料において検出されたMGMT遺伝子座のメチル化により、アルキル化剤を含む治療の恩恵を受ける可能性のあるものとして個体が特定される。
【0103】
本開示の他の態様は、がんを有する個体に対する1つ以上の治療選択肢を特定する方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、本方法は、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体からの試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、複数の核酸には、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸が含まれる。一部の実施形態では、本方法は、試料において検出されたMGMT遺伝子座のメチル化に少なくとも部分的に基づいて、個体に対して特定された1つ以上の治療選択肢を含むレポートを生成することを更に含む。一部の実施形態では、1つ以上の治療選択肢は、アルキル化剤を含む。
【0104】
本開示の他の態様は、がんを治療又はその進行を遅延させる方法に関し、本方法は、本開示の方法のいずれか1つに従って、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出することと、有効量のアルキル化剤を個体に投与することと、を含む。一部の実施形態では、メチル化レベルを検出することは、(例えば、シーケンサーによって)複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、個体由来の試料から得られ、その後シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、(例えば、プロセッサによって)クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、を含む。一部の実施形態では、複数の核酸には、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸が含まれる。
【0105】
当該技術分野で既知のように、アルキル化剤は、生体分子と反応して、直接(SN1)又は反応性中間体(SN2)を介して共有結合を形成する幅広いグループの化学物質を指す。アルキル化剤のクラスとしては、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、シクロホスファミド、コロホスファミド、クロマファジン、ベンダムスチン、エストラムスチン、イホスファミド、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、クロランブシル、ウラシルマスタード)、アジリジン(例えば、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、チオテパ、マイトマイシンC、及びジアジコン(AZQ))、エポキシド(例えば、ジアンヒドロガラクチトール及びジブロモダルシトール)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン、ヘプスルファム、インプロスルファン、及びピポスルファン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン、クロロゾトシン、セムスチン、又はメチルCCNU、ヌムスチン、ラニムヌスチン、ストレプトゾシン、及びフォテムスチン)、トリアゼン/ヒドラジン(例えば、プロカルバジン、ダカルバジン、又はDTIC、メチルアゾキシプロカルバジン、テモゾロミド)、及びメチルアメラミン/エチレンイミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、トリメチロールメラミン、アルトレタミン、及びチオテパ))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
メチル化の検出
本開示の特定の態様は、複数の核酸断片(例えば、DNA断片)の(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出する方法に関する。
【0107】
CpGジヌクレオチド又は部位は、典型的には、シトシンヌクレオチドが線形配列においてグアニンヌクレオチドのすぐ隣に位置するDNAの領域を指す。「CpG」は、リン酸(すなわち、-C-リン酸-G-)によって分離されたシトシン及びグアニンを指す。CpG部位の頻度又は濃度が高いDNAの領域は、「CpGアイランド」として知られている。哺乳類ゲノムの多くの遺伝子には、遺伝子の転写開始部位(プロモーターを含む)に関連するCpGアイランドがあり、遺伝子発現の制御において重要な役割を果たす。例えば、米国特許公開第US2014/0357497号を参照されたい。異常なメチル化パターンは、多くのタイプのがんで観察される。例えば、正常組織では、CpGアイランドは、多くの場合メチル化されていないが、アイランドのサブセットは、発がん、細胞発生、及び様々な疾患状態の際にメチル化される。遺伝子のプロモーター内のCpG部位の高メチル化(すなわち、メチル化レベルの増加)は、遺伝子のサイレンシング(例えば、腫瘍抑制遺伝子のサイレンシング)を引き起こす可能性があり、これは、例えば、いくつかのヒトのがんで見られる特徴である。
【0108】
一部の実施形態では、複数の核酸断片は、シトシン変換を受けている。DNAのメチル化のレベル及び/又はパターンを決定する一般的に使用される方法では、メチル化CpGジヌクレオチド配列と非メチル化CpGジヌクレオチド配列を区別するために、メチル化状態に依存したシトシンの変換が必要である。例えば、CpGジヌクレオチド配列のメチル化は、単離されたゲノムDNA又はその断片内のCpG配列のメチル化状態依存性化学修飾に依存するシトシン変換ベースの技術を用い、続いてDNA配列分析を用いることによって測定することができる。メチル化CpGジヌクレオチド配列と非メチル化CpGジヌクレオチド配列とを区別することができる化学試薬には、核酸を切断するヒドラジン及びバイサルファイト処理が含まれる。ビスル酸塩処理、続いて、アルカリ性加水分解は、Olek A.,Nucleic Acids Res.24:5064-6,1996又はFrommer et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1827-1831(1992)に記載されているように、非メチル化シトシンをウラシルに特異的に変換し、5-メチルシトシンは未修飾のままである。バイサルファイトで処理されたDNAは、その後、PCR増幅、配列決定、及びオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションを含む検出などの従来の分子技術によって分析され得る。例えば、米国特許第10,174372号を参照されたい。
【0109】
シトシン変換の様々な方法論が当該技術分野で既知である。一部の実施形態では、本開示の複数の核酸又は核酸断片は、バイサルファイト処理、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けており、例えば、配列決定の前に、コンセンサスメチル化又は非メチル化パターンを決定し、CCMF又はCCUFを生成する。
【0110】
したがって、一部の実施形態では、本開示の方法は、本開示の複数の核酸又は核酸断片をバイサルファイトで処理することを含む。バイサルファイト配列決定は、単一塩基分解能でメチル化データを生成するために当該技術分野で一般的に使用されている方法である。バイサルファイト変換又は処理は、非メチル化シトシン残基をウラシル又はチミン残基に変換するための生化学的プロセスを指し(例えば、ウラシルへの脱アミノ化、続いて、PCR中のチミンとしての増幅)、それによって、メチル化シトシン残基(例えば、5-メチルシトシン(5mC)又は5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC))は保存される。シトシンをウラシルに変換するための試薬は当業者に既知であり、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸マグネシウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸マグネシウムなどのバイサルファイト試薬が含まれる。
【0111】
一部の実施形態では、本開示の方法は、本開示の複数の核酸又は核酸断片を、酵素消化及びバイサルファイト処理で処理することを含む。この方法の原理は、DNAの断片化が超音波によって達成されるのではなく、複数のエンドヌクレアーゼ(MseI、Tsp509I、NlaIII、及びHpyCH4V)による組み合わせた酵素消化によって達成されることである。ここで、制限酵素MseI、Tsp509I、NlaIII、及びHpyCH4Vの切断部位は、それぞれTTAA、AATT、CATG、及びTGCAである。例えば、Smiraglia D J,et al.Oncogene 2002;21:5414-5426を参照されたい。この後、例えば、本明細書に記載されるバイサルファイ処理が続く。
【0112】
シトシン変換のための酵素的な方法、例えば、酵素的メチル配列決定(EM-seq)が知られている。このようなアプローチは、有利である可能性がある。それは、バイサルファイトが、DNAを損傷させ、断片化し、DNAの損失及び潜在的に偏った配列決定をもたらす可能性があり、その代わりに酵素を用いるためである。例えば、TET2(テンイレブン転座(Tet)ファミリー2メチルシトシンジオキシゲナーゼ)及びT4-BGT(T4ファージβ-グルコシルトランスフェラーゼ)を使用して、5mC及び5hmCを、APOBEC3A(アポリポタンパク質B mRNA編集酵素、触媒ポリペプチド様3A)によって脱アミノ化され得ない産物に変換し、次いで、未修飾のシトシンを、APOBEC3Aを使用してウラシルに変換することによって脱アミノ化する。例えば、Vaisvila,R.et al.(2021)Genome Res.31:1-10を参照されたい。
【0113】
一部の実施形態では、本開示の方法は、本開示の複数の核酸又は核酸断片を、TET支援バイサルファイトで処理することを含む(例えば、TAB-seq)。TAB-seqアプローチでは、β-グルコシルトランスフェラーゼ(βGT)を使用して、5hmCをβ-グルコシル-5-ヒドロキシメチルシトシン(5gmC)に変換し、Tet酵素(例えば、mTet1)を使用して、5mCを5-カルボキシルシトシン(5caC)に酸化する。その後、核酸をバイサルファイトで処理することができる。例えば、Yu,M.et al.(2018)Methods Mol.Biol.1708:645-663を参照されたい。
【0114】
一部の実施形態では、本開示の方法は、本開示の複数の核酸又は核酸断片を、TET支援ピリジンボラン(例えば、TAPS)で処理することを含む。TAPSアプローチでは、TETメチルシトシンジオキシゲナーゼを使用して、5mC及び5hmCを5caCに酸化し、次いで、5caCがピリジンボランによってジヒドロロウラシル(DHU)に還元される。DHUは、その後のPCR中にチミンに変換される。例えば、Liu,Y.et al.(2019)Nat.Biotechnol.37:424-429を参照されたい。
【0115】
一部の実施形態では、本開示の方法は、本開示の複数の核酸又は核酸断片を、酸化的バイサルファイト(例えば、oxBS)で処理することを含む。oxBSアプローチでは、5hmCは、5-ホルミルシトシン(5fC)に酸化され、これは、バイサルファイトの存在下でウラシルに変換され得る。次いで、バイサルファイト処理及び酸化的バイサルファイト処理からの配列決定の結果を使用して、5mCレベルから5hmCレベルを推測することができる。例えば、Booth,M.J.et al.(2013)Nat.Protocols 8:1841-1851を参照されたい。このアプローチは、oxBS-seqでは、ゲノム全体のレベルに拡張することができる。例えば、Kirschner,K.et al.(2018)Methods Mol.Biol.1708:665-678を参照されたい。
【0116】
一部の実施形態では、本開示の方法は、本開示の複数の核酸又は核酸断片を、APOBECで処理することを含む。シトシンをウラシルに変換する酵素試薬(すなわち、シトシンデアミナーゼ)には、APOBEC-seq又はAPOBEC3AなどのAPOBECファミリーの試薬が含まれる。APOBECファミリーのメンバーは、5-メチルシトシンを維持しながら(すなわち、5-メチルシトシンを変化させずに)、シトシンをウラシルに変換するシチジンデアミナーゼである。このような酵素は、US2013/0244237及びWO2018/165366に記載されており、市販されている(例えば、NEBNext(登録商標)Enzymatic Methyl-seq Kit,New England Biolabsを参照されたい)。APOBECファミリータンパク質の非限定的な例としては、APOBEC1、APOBEC2、APOBEC3A、APOBEC3B、APOBEC3C、APOBEC3D、APOBEC3F、APOBEC3G、APOBEC3H、APOBEC4、及び活性化誘導(シチジン)デアミナーゼが挙げられる。
【0117】
配列決定
一部の実施形態では、本開示の複数の配列リードは、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる。
【0118】
WGMSの様々な方法が、当該技術分野で既知である。一般に、これらの方法は、(例えば、上記の方法を使用した)シトシン変換と全ゲノム配列決定技術とを組み合わせる。例えば、一部の実施形態では、WGMSは、バイサルファイト配列決定、全ゲノムバイサルファイト配列決定(WGBS)、APOBEC-seq、メチル-CpG-結合ドメイン(MBD)タンパク質捕捉、メチル-DNA免疫沈降(MeDIP-seq)、メチル化感受性制限酵素配列決定(MSRE/MRE-Seq又はMethyl-Seq)、酸化的バイサルファイト配列決定(oxBS-Seq)、縮小表現バイサルファイト配列決定(RRBS)、又はTet支援バイサルファイト配列決定(TAB-Seq)を含む。
【0119】
一部のWGMSの方法は、ライブラリの構築及びアダプターのライゲーション、その後の標準的なバイサルファイト変換及び配列決定に依存する(例えば、WGBS)。あるいは、バイサルファイト処理をアダプターライゲーションの前に実行してもよい(例えば、Miura,F.et al.(2012)Nucleic Acids Res.40:e136を参照されたい)。より最近の技術では、例えば、市販のNEBNext(登録商標)Enzymatic Methyl-seq Kit(New England Biolabs)のように、バイサルファイトによって引き起こされるDNAへの損傷を軽減するために、酵素的アプローチなどの他のシトシン変換方法が使用されている。ライブラリの増幅、定量、及び配列決定のステップは、通常、バイサルファイト変換の後に行われる。一部の実施形態では、核酸は、WGMSの前に試料から抽出される。一部の実施形態では、核酸は、WGMSの前に断片化、修復、及びアダプターライゲーションに供される。前述したように、シトシン変換は、アダプターライゲーションの前又は後に実行することができる。一部の実施形態では、DNA修復は、シトシン変換後に行われる。PCR増幅(一般に、少なくとも2サイクル)は、ウラシルをチミンに変換するためのシトシン変換後に行われ(以前は非メチル化シトシンによって生成されていた)、ウラシルを読むことができるポリメラーゼ(校正及び修復活性を有するポリメラーゼを除く)を使用して行われる。一部の実施形態では、配列決定の前に、所望の長さの断片が濃縮される。一部の実施形態では、配列決定の前に、MeDIPアプローチのように5mCに特異的な抗体を使用する免疫沈降などによって、核酸のメチル化配列が濃縮される(例えば、Pomraning,K.R.et al.(2009)Methods 47:142-150を参照されたい)。
【0120】
NGS法は、当該技術分野で既知であり、例えば、Metzker,M.(2010)Nature Biotechnology Reviews 11:31-46に記載されている。次世代配列決定のためのプラットフォームには、例えば、Roche/454のGenome Sequencer(GS)FLX System、Illumina/SolexaのGenome Analyzer(GA)、IlluminaのHiSeq 2500、HiSeq 3000、HiSeq 4000、及びNovaSeq 6000配列決定システム、Life/APGのSupport Oligonucleotide Ligation Detection(SOLiD)システム、PolonatorのG.007システム、Helicos BioSciencesのHeliScope Gene配列決定システム、並びにPacific BiosciencesのPacBio RSシステムが含まれる。NGS技術には、鋳型調製、配列決定及び撮像、データ解析などの1つ以上のステップが含まれる。鋳型の調製方法には、核酸(例えば、ゲノムDNA)をより小さなサイズにランダムに分解し、配列決定鋳型(例えば、断片鋳型又はメイトペア鋳)を生成するなどのステップが含まれ得る。空間的に分離された鋳型は、固体表面又は支持体に付着又は固定化され得、大量の配列決定反応を同時に実行することができる。NGS反応に使用され得る鋳型の種類には、例えば、単一DNA分子に由来するクローン増幅鋳型、及び単一DNA分子鋳型が含まれる。NGSのための例示的な配列決定及び撮像ステップとしては、例えば、サイクリック可逆終結(CRT)、ライゲーションによる配列決定(SBL)、単一分子付加(パイロ配列決定)、及びリアルタイム配列決定が挙げられる。NGSリードを生成した後、それらを、既知の参照配列に整列させるか、デノボでアセンブリすることができる。例えば、試料(例:腫瘍試料)における一塩基多型及び構造バリアントなどの遺伝的バリエーションの特定は、NGSリードを参照配列(例:野生型配列)に整列させることによって達成することができる。NGSの配列アラインメントの方法は、例えば、Trapnell C.and Salzberg S.L.Nature Biotech.,2009,27:455-457に記載されている。デノボアセンブリの例は、例えばWarren R.et al.,Bioinformatics,2007,23:500-501、Butler J.et al.,Genome Res.,2008,18:810-820、及びZerbino D.R.and Birney E.,Genome Res.,2008,18:821-829に記載されている。配列アラインメント又は組み立ては、例えばRoche/454及びIllumina/Solexaリードデータを混合するなど、1つ又は複数のNGSプラットフォームからのリードデータを使用して行うことができる。一部の実施形態では、NGSは、例えば、Frampton,G.M.et al.(2013)Nat.Biotech.31:1023-1031、及び/又はMontesion,M.,et al.,Cancer Discovery(2021)11(2):282-92に記載されている方法に従って行うことができる。
【0121】
一部の実施形態では、複数のポリヌクレオチドを配列決定する前に、又は複数の配列リードを提供する前に、複数の核酸を断片化に供することを更に含む。当該技術分野では、NGS又はWGMSアプローチの前に、様々なDNA断片化技術が使用される。一部の実施形態では、核酸は、噴霧によって断片化され、圧縮ガスを使用して小さな開口部を通して核酸を機械的に剪断する。一部の実施形態では、核酸は、超音波を使用して核酸を剪断する超音波処理によって断片化される。一部の実施形態では、核酸は、例えば、核酸を断片に消化するために1つ以上の酵素を使用して、酵素的に断片化される。例えば、NEBNext(登録商標)dsDNAフラグメンターゼを参照されたい。これは、2つの酵素の混合物であり、1つは、dsDNAニックをランダムに生成し、もう1つは、ニック部位を認識し、反対側の鎖を切断し、dsDNA切断を生成する。
【0122】
一部の実施形態では、本方法は、複数のポリヌクレオチドを配列決定する前に、又は複数の配列リードを提供する前に、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する複数の核酸又は核酸断片を選択的に濃縮して、濃縮された試料を生成することを更に含む。例えば、1つ以上のベイト又はプローブを使用して、例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含む目的のゲノム遺伝子座又はその断片とハイブリダイズさせることができる。例えば、Graham,B.I.et al.Twist Fast Hybridization targeted methylation sequencing:a tunable target enrichment solution for methylation detection[abstract].Proceedings of the American Association for Cancer Research Annual Meeting 2021;2021 Apr 10-15 and May 17-21.Philadelphia(PA):AACR;Cancer Res 2021;81(13_Suppl):Abstract nr 2098を参照されたい。
【0123】
一部の実施形態では、本方法は、複数のポリヌクレオチドを配列決定する前に、又は複数の配列リードを提供する前に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって複数の核酸又は核酸断片を増幅することを更に含む。WGMS及びNGSに好適な様々なPCR技術が、当該技術分野で既知である。上述したように、一部の実施形態では、シトシン変換後、複数の核酸又は核酸断片がPCRによって増幅され、PCR増幅を使用して、ウラシル又は他のシトシン変換産物がチミンに変換される。一部の実施形態では、PCR増幅は、チミンを含むデオキシリボヌクレオチドを使用して行われる。
【0124】
一部の実施形態では、本方法は、複数のポリヌクレオチドを配列決定する前に、又は複数の配列リードを提供する前に、ハイブリダイゼーションに好適な条件下で、ポリヌクレオチドの混合物をベイト分子と接触させることであって、混合物が、ベイト分子とハイブリダイズすることができる複数のポリヌクレオチドを含む、接触させることと、ベイト分子とハイブリダイズした複数のポリヌクレオチドを単離することであって、ベイト分子とハイブリダイズした単離された複数のポリヌクレオチドが、NGSによって配列決定される、単離することと、を更に含む。
【0125】
一部の実施形態では、ベイト分子とのハイブリダイゼーションによって捕捉された核酸に対して配列決定を行うことによって、複数の配列リードが得られる。一部の実施形態では、ベイト分子とのハイブリダイゼーションによって捕捉された核酸に対して全エキソーム配列決定を行うことによって、複数の配列リードが得られた。一部の実施形態では、ベイト分子とのハイブリダイゼーションによって捕捉された核酸に対して、次世代配列決定(NGS)、全エキソーム配列決定、又はメチル化配列決定(例えば、WGMS)を行うことによって、複数の配列リードが得られた。
【0126】
一部の実施形態では、ハイブリッド捕捉アプローチが使用される。このハイブリッド捕捉プロセス及び他のハイブリッド捕捉プロセスに関する更なる詳細は、米国特許第9,340,830号、Frampton,G.M.et al.(2013)Nat.Biotech.31:1023-1031、及びMontesion,M.,et al.,Cancer Discovery(2021)11(2):282-92に見出すことができる。一部の実施形態では、本方法は、ポリヌクレオチドの混合物をベイト分子と接触させる前に、個体から試料を得ることであって、試料が、腫瘍細胞及び/又は腫瘍核酸を含む、得ることと、試料からポリヌクレオチドの混合物を抽出することであって、ポリヌクレオチドの混合物が、腫瘍細胞及び/又は腫瘍核酸からのものである、抽出することと、を更に含む。一部の実施形態では、試料は、非腫瘍細胞を更に含む。
【0127】
一部の実施形態では、本開示の複数の配列リードは、ペアエンド配列リードを含む。一部の実施形態では、コンセンサスメチル化パターン及び/又はCCFは、1つ以上のクラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される。一部の実施形態では、コンセンサス非メチル化パターン及び/又はCCUFは、1つ以上のクラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される。一般に、ペアエンド配列決定方法論は、例えば、WO2007/010252、WO2007/091077、及びWO03/74734に記載されている。このアプローチは、二本鎖ポリヌクレオチド鋳型のペアワイズ配列決定を利用し、その結果、ポリヌクレオチド鋳型の2つの異なる別個の領域におけるヌクレオチド配列が逐次決定される。ペアエンド法により、他の方法で得ることができる単一の配列リードではなく、クラスター化アレイ上の各二本鎖鋳型から配列情報の2つのリンク又はペアリードを得ることが可能になる。ペアエンド配列決定技術は、例えば、WO03/74734に記載されているように、一般に固相増幅によって形成されるクラスター化アレイを特別に利用することができる。アダプターを付けた標的ポリヌクレオチド二本鎖は、例えば、上記のような架橋増幅によって、各二重鎖の各鎖の5’末端で固体支持体に固定化され、二本鎖DNAの高密度クラスターを形成する。両方の鎖の5’末端が固定化されているため、配列決定プライマーが、次いで、遊離3’末端にハイブリダイズし、合成による配列決定が行われる。WO2007/091077に記載されているように、アダプター配列を標的配列の間に挿入して、各二重鎖から最大4つのリードを可能にすることができる。この方法論を更に応用すると、WO2007/010252に記載されているように、制御された様式で特定の鎖を切断することができる。その結果、各鎖の配列決定リードのタイミングを制御することができ、二本鎖鋳型の相補鎖上の2つの異なる別個の領域におけるヌクレオチド配列を逐次決定することができる。例えば、米国特許第10,174,372号を参照されたい。
【0128】
一部の実施形態では、複数の配列リードは、不対配列リードを含む。
【0129】
一部の実施形態では、本開示の方法は、コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを更に含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、参照ゲノム(例えば、ヒト参照ゲノム)に対して複数の配列リードからの配列リードのアラインメントを行うことを更に含む。一部の実施形態では、アラインメントは、ヒト参照ゲノムへの3文字アラインメントである。一部の実施形態では、本開示の方法は、コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、シトシン変換を受けることができなかった複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを更に含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを更に含む。例えば、これらは、配列決定エラー又は変異(体細胞又は生殖系列)による可能性がある。一部の実施形態では、本開示の方法は、コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを更に含む。一部の実施形態では、CpGジヌクレオチド内のシトシンでの塩基コールは、2つの重複するペアエンド配列リードを使用して決定される。
【0130】
試料及びがん
一部の実施形態では、本開示の方法は、試料から複数の核酸を単離するステップを更に含む。一部の実施形態では、核酸は、例えば、腫瘍細胞及び/又は腫瘍核酸を含む試料から得られる。例えば、試料は、腫瘍細胞、循環腫瘍細胞、腫瘍核酸(例えば、腫瘍循環腫瘍DNA、cfDNA、若しくはcfRNA)、腫瘍生検の一部若しくは全部、流体、細胞、組織、mRNA、DNA、RNA、無細胞DNA、及び/又は無細胞RNAを含むことができる。一部の実施形態では、試料は、腫瘍生検又は腫瘍標本からのものである。一部の実施形態では、試料は、非腫瘍細胞及び/又は非腫瘍核酸を更に含む。一部の実施形態では、流体は、血液、血清、血漿、唾液、精液、脳脊髄液、羊水、腹腔液、間質液などを含む。一部の実施形態では、試料は、非腫瘍細胞及び/又は非腫瘍細胞を更に含む。
【0131】
一部の実施形態では、試料は、全核酸の1%未満、全核酸の0.5%未満、全核酸の0.1%未満、又は全核酸の0.05%未満である腫瘍核酸の割合を含む。一部の実施形態では、試料は、全核酸の少なくとも0.01%、少なくとも0.05%、又は少なくとも0.1%である腫瘍核酸の割合を含む。一部の実施形態では、試料は、全核酸の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、又は0.02%の上限を有し、独立して選択される全核酸の0.0001%、0.0002%、0.0003%、0.0004%、0.0005%、0.0006%、0.0007%、0.0008%、0.0009%、0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1%の下限を有する腫瘍核酸の割合を含む(ここで、上限は下限よりも大きい)。有利なことに、本明細書で実証されるように、本開示の方法は、そうでなければ正常な核酸の中の微量の腫瘍核酸における異常なメチル化レベルの堅牢かつ超高感度の検出を可能にする。
【0132】
一部の実施形態では、試料は、生体組織若しくは生体液であるか、又はそれを含む。試料は、保存剤、抗凝固剤、緩衝剤、固定剤、栄養素、抗生物質などの自然界で組織と天然に混合されない化合物を含むことができる。一実施形態では、試料は、凍結試料として、又はホルムアルデヒド若しくはパラホルムアルデヒド固定パラフィン包埋(FFPE)組織調製物として保存される。例えば、試料は、マトリックス、例えばFFPEブロック又は凍結試料に埋め込むことができる。別の実施形態では、試料は、血液又は血液成分試料である。更に別の実施形態では、試料は、骨髄穿刺試料である。別の実施形態では、試料は、無細胞DNA(cfDNA)又は循環無細胞DNA(ccfDNA)、例えば、腫瘍cfDNA又は腫瘍ccfDNAを含む。理論に束縛されることを望むものではないが、一部の実施形態では、cfDNAは、アポトーシス細胞又は壊死細胞からのDNAであると考えられる。典型的には、cfDNAはタンパク質(例えば、ヒストン)によって結合され、ヌクレアーゼによって保護される。cfDNAは、例えば、非侵襲的出生前検査(NIPT)、臓器移植、心筋症、微生物叢、及びがんのバイオマーカーとして使用することができる。別の実施形態では、試料は循環腫瘍DNA(ctDNA)を含む。理論に束縛されることを望むものではないが、ctDNAは、腫瘍細胞と非腫瘍細胞に由来するものを区別することができる遺伝的又はエピジェネティックな変化(例えば、体細胞変化又はメチル化シグネチャ)を有するcfDNAである。別の実施形態では、試料は循環腫瘍細胞(CTC)を含む。理論に束縛されることを望むものではないが、一部の実施形態では、CTCは、原発性又は転移性腫瘍から循環に放出された細胞であると考えられている。一部の実施形態では、CTCアポトーシスは、血液/リンパ液中のctDNAの供給源である。
【0133】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、がんは、がん腫、肉腫、リンパ腫、白血病、骨髄腫、胚細胞がん、又は芽細胞腫である。一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、血液悪性腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、B細胞がん、黒色腫、乳がん、肺がん、気管支がん、結腸直腸がん、前立腺がん、膵臓がん、胃がん、卵巣がん、膀胱がん、脳がん、中枢神経系がん、末梢神経系がん、食道がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、口腔のがん、咽頭のがん、肝臓がん、腎臓がん、精巣がん、胆道がん、小腸がん、虫垂がん、唾液腺がん、甲状腺がん、副腎がん、骨肉腫、軟骨肉腫、血液組織のがん、腺がん、炎症性筋線維芽細胞腫、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸がん、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、赤血球増加症Vera、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ血管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮がん、基底細胞がん、腺がん、汗腺がん、脂腺がん、乳頭状がん、乳頭状腺がん、髄様がん、気管支原性がん、腎細胞がん、肝がん、胆管がん、絨毛がん、精上皮がん、胎児性がん、ウィルムス腫瘍、膀胱がん、上皮がん、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体細胞腫、神経膠芽腫、聴神経芽腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞がん、甲状腺がん、胃がん、頭頸部がん、小細胞がん、本態性血小板血症、無形成性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性好酸球増加症、慢性好酸球性白血病、神経内分泌がん、又はカルチノイド腫瘍である。
【0134】
一部の実施形態では、がんは、虫垂腺がん、膀胱腺がん、膀胱尿路上皮(移行上皮)がん、特定不能型(NOS)乳がん、乳がんNOS、浸潤性乳管がん(IDC)、乳腺浸潤性小葉がん(ILC)、子宮頸部扁平上皮がん(SCC)、結腸腺がん(CRC)、食道腺がん、食道がんNOS、食道扁平上皮がん(SCC)、眼内黒色腫、胆嚢腺がん、胃食道接合部腺がん、肝内胆管がん、腎臓がんNOS、肝臓肝細胞がん(HCC)、肺がんNOS、肺腺がん、肺大細胞がん、肺非小細胞肺がん(NSCLC)NOS、肺小細胞未分化がん、肺扁平上皮がん(SCC)、卵巣がんNOS、膵臓がんNOS、膵管腺がん、膵胆管がん、前立腺がんNOS、前立腺腺房腺がん、前立腺管腺がん、直腸腺がん(CRC)、皮膚黒色腫、小腸腺がん、軟部肉腫NOS、胃腺がんNOS、原発不明腺がんNOS、原発不明腺がん、原発不明がん腫(CUP)NOS、原発不明神経内分泌腫瘍、原発不明扁平上皮がん(SCC)、又は子宮子宮内膜腺がんNOSである。
【0135】
ソフトウェア、システム、及びデバイス
別の態様では、システムが本明細書に提供され、システムが、1つ以上のプログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、1つ以上のプログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサと、を含む。別の態様では、1つ以上のコンピュータプログラム命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサを使用して、ゲノム遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサスメチル化パターンであって、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られた複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、コンセンサスメチル化パターンを決定し、1つ以上のプロセッサを使用して、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)であって、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、CCFを生成するように構成されている。一部の実施形態では、CCFが閾値又は参照値以上である場合、1つ以上のコンピュータプログラム命令は、1つ以上のプロセッサを使用して、CCFが閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出するように更に構成されている。一部の実施形態では、CCFが閾値又は参照値未満である場合、1つ以上のコンピュータプログラム命令は、1つ以上のプロセッサを使用して、CCFが閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出するように更に構成されている。一部の実施形態では、1つ以上のコンピュータプログラム命令は、例えば、本明細書に開示される方法のいずれかに従って、1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定し、1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することと、を行うように更に構成されている。一部の態様では、システムが本明細書に提供され、システムが、メモリと、1つ以上のプロセッサと、を含む。一部の実施形態では、メモリは、1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを含み、1つ以上のプログラムが、1つ以上のプロセッサによって実行されると、システムに、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる方法を行わせる命令を含む。
【0136】
別の態様では、一時的又は非一時的コンピュータ可読記憶媒体が本明細書に提供される。一部の実施形態では、一時的又は非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、方法を行うための1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行可能な1つ以上のプログラムを含む。一部の実施形態では、本方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、ゲノム遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサスメチル化パターンであって、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られた複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、コンセンサスメチル化パターンを決定することと、1つ以上のプロセッサを使用して、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)であって、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表す、CCFを生成することと、を含む。一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値以上である場合、本方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、CCFが閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む。一部の実施形態では、CCFが、閾値又は参照値以上である場合、本方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、CCFが閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、例えば、本明細書に開示される方法のいずれかに従って、1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することと、1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することと、を更に含む。一部の態様では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が本明細書に提供される。一部の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行される1つ以上のプログラムを含み、1つ以上のプログラムが、1つ以上のプロセッサによって実行されると、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる方法をデバイスに実行させる命令を含む。
【0137】
図11は、一実施形態によるコンピューティングシステムの例を例示する。デバイス1100は、ネットワークに接続されたホストコンピュータとし得る。デバイス1100は、クライアントコンピュータ又はサーバとし得る。図11に示されるように、デバイス1100は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ、又はハンドヘルド計算デバイス(携帯電子デバイス、例えば、電話又はタブレット)などの任意の好適なタイプのマイクロプロセッサベースのデバイスであり得る。デバイスは、例えば、プロセッサ1110、入力デバイス1120、出力デバイス1130、ストレージ1140、通信デバイス1160、電源1170、オペレーティングシステム1180、及びシステムバス1190を備えていてもよい。入力デバイス1120及び出力デバイス1130は、一般に、本明細書に記載のものに対応していてもよく、コンピュータと接続可能であってもよく、又はコンピュータと一体化していてもよい。
【0138】
入力デバイス1120は、タッチスクリーン、キーボード若しくはキーパッド、マウス、又は音声認識デバイスなどの入力を提供する任意の好適なデバイスであってもよい。出力デバイス1130は、タッチスクリーン、触覚デバイス、又はスピーカなど、出力を提供する任意の好適なデバイスであってもよい。
【0139】
ストレージ1140は、ストレージ(例えば、RAM(揮発性及び不揮発性)、キャッシュ、ハードドライブ、又はリムーバブルストレージディスクを含む、電気的、磁気的、又は光学的メモリ)を提供する任意の好適なデバイスであり得る。通信デバイス1160は、ネットワークインターフェースチップ又はデバイスなどのネットワークを介してシグナルを送受信し得る任意の好適なデバイスを含み得る。コンピュータの構成要素は、例えば、有線メディア(例えば、物理バス、イーサネット、若しくは任意の他の有線転送技術)を介して、又は無線(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、又は任意の他の無線技術)で、任意の好適な様式で接続することができる。例えば、図11では、構成要素は、システムバス1190によって接続される。
【0140】
検出モジュール1150は、ストレージ1140に実行可能な命令として記憶され、プロセッサ1110によって実行されることができ、例えば、本開示の機能を具現化するプロセスを含むことができる(例えば、上記のデバイスに具現化される)。
【0141】
検出モジュール1150はまた、命令実行システム、装置、若しくはデバイス(例えば、本明細書に記載のもの)によって、又はそれらと接続して使用するための任意の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に記憶及び/又は転送することができ、命令実行システム、装置、若しくはデバイスからの、ソフトウェアに関連付けられた命令をフェッチし、命令を実行することができる。本開示の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、ストレージ1140などの任意の媒体であり得、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらと接続して使用するためのプロセスを含む若しくは記憶することができる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、単一の機能ユニットとして動作するハードドライブ、フラッシュドライブ、及び配信モジュールなどのメモリユニットを挙げることができる。また、本明細書に記載の様々なプロセスは、上記の実施形態及び技法に従って動作するように構成されたモジュールとして具現化され得る。更に、プロセスは別個に示され、かつ/又は説明され得るが、当業者は、上記のプロセスが他のプロセス内のルーチン又はモジュールであり得ることを理解するであろう。
【0142】
検出モジュール1150はまた、命令実行システム、装置、若しくはデバイス(例えば、上記のもの)によって、又はそれらと接続して使用するための任意の伝送媒体内に伝播することができ、命令実行システム、装置、若しくはデバイスからの、ソフトウェアに関連付けられた命令をフェッチし、命令を実行することができる。本開示の文脈において、伝送媒体は、任意の媒体とし得、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらと接続して使用するための伝送プログラミングを通信、伝播、又は伝送し得る。伝送可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、若しくは赤外線の有線又は無線伝播媒体を含み得るが、これらに限定されない。
【0143】
デバイス1100は、ネットワーク(例えば、ネットワーク1004、図10に示され、及び/又は以下に説明される)に接続され得る。これは、任意の好適なタイプの相互接続された通信システムであり得る。ネットワークは、任意の好適な通信プロトコルを実装し得、任意の好適なセキュリティプロトコルによって保護され得る。ネットワークは、無線ネットワーク接続(T1若しくはT3回線)、ケーブルネットワーク、DSL、又は電話回線などの、ネットワークシグナルの送受信を実装し得る任意の好適な配置のネットワークリンクを含み得る。
【0144】
デバイス1100は、ネットワーク上で動作するのに好適な任意のオペレーティングシステム(例えば、オペレーティングシステム1180)を実装することができる。検出モジュール1150は、C、C++、Java、又はPythonなどの任意の好適なプログラミング言語で書くことができる。様々な実施形態では、本開示の機能を具現化するアプリケーションソフトウェアは、異なる構成で(例えば、クライアント/サーバ配置で、又はウェブベースのアプリケーション若しくはウェブサービスとしてのウェブブラウザを介して)展開され得る。一部の実施形態では、オペレーティングシステム1180は、1つ以上のプロセッサ、例えばプロセッサ1110によって実行される。
【0145】
デバイス1100は、電源1170を更に備えていてもよく、任意の好適な電源であり得る。
【0146】
一部の実施形態では、検出モジュール1150は、1つ以上のHLA-I遺伝子のLOH及び/又は腫瘍変異負荷を検出するためのモジュールであり、本開示の機能を具現化するプロセス(例えば、本明細書に記載されるデバイスに具現化されるようなプロセス)を含む。
【0147】
図10は、一実施形態によるコンピューティングシステムの例を例示する。システム1000では、デバイス1100(例えば、上に説明され、図11に例示される)は、ネットワーク1004に接続され、これはまた、デバイス1006にも接続される。一部の実施形態では、デバイス1006は、シーケンサーである。例示的なシーケンサーは、限定されないが、Roche/454のGenome Sequencer(GS)FLX System、Illumina/SolexaのGenome Analyzer(GA)、IlluminaのHiSeq 2500、HiSeq 3000、HiSeq 4000、及びNovaSeq 6000配列決定システム、Life/APGのSupport Oligonucleotide Ligation Detection(SOLiD)システム、PolonatorのG.007システム、Helicos BioSciencesのHeliScope Gene配列決定システム、又はPacific BiosciencesのPacBio RSシステムを含む。デバイス1100及び1006は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、又はインターネットなどのネットワーク1004を介して、好適な通信インターフェースを使用して通信することができる。一部の実施形態では、ネットワーク1004は、例えば、インターネット、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、クラウドネットワーク、有線ネットワーク、又は無線ネットワークであり得る。デバイス1100及び1006は、イーサネット、IEEE802.11b無線などの無線又は有線通信を介して、部分的又は全体的に通信することができる。更に、デバイス1100及び1006は、例えば、好適な通信インターフェースを使用して、モバイル/セルラーネットワークなどの第2のネットワークを介して通信することができる。デバイス1100と1006との間の通信は、メールサーバ、モバイルサーバ、メディアサーバ、電話サーバなどの様々なサーバを更に含むか、それらと通信することができる。一部の実施形態では、デバイス1100及び1006は、(ネットワーク1004を介した通信の代わりに、又はそれに加えて)、例えば、イーサネット、IEEE802.11b無線などの無線又は有線通信を介して、直接通信することができる。一部の実施形態では、デバイス1100及び1006は、直接接続とすることができるか、又はネットワーク(例えば、ネットワーク1004)を介して発生することができる通信1008を介して通信する。
【0148】
デバイス1100及び1006の1つ又は全ては、一般に、本明細書に記載の様々な実施例に従って、ネットワーク1004を介して情報を提供及び/又は受信するために、ロジック(例えば、httpウェブサーバロジック)を含むか、あるいはローカル若しくはリモートデータベース又はデータ及びコンテンツの他のソースからアクセスされるデータをフォーマットするようにプログラムされる。
【0149】
図8は、本開示の一部の実施形態による、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出するための例示的なプロセス800を示す。プロセス800は、例えば、ソフトウェアプログラムを実装する1つ以上の電子デバイスを使用して実行される。一部の実施例では、プロセス800は、クライアント-サーバシステムを使用して実行され、プロセス800のブロックは、サーバとクライアントデバイスとの間で、任意の方法で分割される。他の実施例では、プロセス800のブロックは、サーバと複数のクライアントデバイスとの間で分割される。したがって、プロセス800の一部は、クライアント-サーバシステムの特定のデバイスによって実行されるものとして本明細書に記載されているが、プロセス800はそのように限定されないことを理解されたい。一部の実施形態では、実行されるステップは、多くのシステムにわたって、例えば、クラウド環境で実行され得る。他の実施例では、プロセス800は、クライアントデバイスのみ、又は複数のクライアントデバイスのみを使用して実行される。プロセス800では、いくつかのブロックが、任意選択的に結合され、いくつかのブロックの順序が、任意選択的に変更され、いくつかのブロックが、任意選択的に省略される。一部の実施例では、プロセス800と組み合わせて追加のステップを実行することができる。したがって、図示されている(及び以下により詳細に説明されている)動作は、本質的に例示的なものであり、したがって、限定するものとみなされるべきではない。
【0150】
ブロック802では、複数の核酸又は核酸断片を配列決定することによって、1つ以上の核酸の複数の配列リードが得られる。一部の実施形態では、複数の核酸又は核酸断片は、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含む1つ以上のゲノム遺伝子座に対応する。一部の実施形態では、配列リードは、シーケンサー(例えば、本明細書に記載されるか、又は当該技術分野で既知のその他のもの)を使用して得られる。任意選択的に、配列リードを得る前に、複数の核酸又は核酸断片は、試料から単離され、(例えば、バイサルファイト処理、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理による)シトシン変換に供され、断片化に供され、CpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座が選択的に濃縮され、かつ/又はPCRによって増幅される。ブロック804では、例示的なシステム(例えば、1つ以上の電子デバイス)は、少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表すクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定する。ブロック806では、例示的なシステム(例えば、1つ以上の電子デバイス)は、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表すクラスターのCCFを生成する。任意選択的に、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、配列リードが逆多重化され、参照ゲノムに対してアラインメントされ、かつ/又は除外する(例えば、シトシン変換を受けることができなかった配列リード、CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン若しくはチミン以外の塩基を有する配列リード、又は閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リード)。
【0151】
図9は、本開示の一部の実施形態による、(例えば、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターの)メチル化レベルを検出するための例示的なプロセス900を示す。プロセス900は、例えば、ソフトウェアプログラムを実装する1つ以上の電子デバイスを使用して実行される。一部の実施例では、プロセス900は、クライアント-サーバシステムを使用して実行され、プロセス900のブロックは、サーバとクライアントデバイスとの間で、任意の方法で分割される。他の実施例では、プロセス900のブロックは、サーバと複数のクライアントデバイスとの間で分割される。したがって、プロセス900の一部は、クライアント-サーバシステムの特定のデバイスによって実行されるものとして本明細書に記載されているが、プロセス900はそのように限定されないことを理解されたい。一部の実施形態では、実行されるステップは、多くのシステムにわたって、例えば、クラウド環境で実行され得る。他の実施例では、プロセス900は、クライアントデバイスのみ、又は複数のクライアントデバイスのみを使用して実行される。プロセス900では、いくつかのブロックが、任意選択的に結合され、いくつかのブロックの順序が、任意選択的に変更され、いくつかのブロックが、任意選択的に省略される。一部の実施例では、プロセス900と組み合わせて追加のステップを実行することができる。したがって、図示されている(及び以下により詳細に説明されている)動作は、本質的に例示的なものであり、したがって、限定するものとみなされるべきではない。
【0152】
ブロック902では、複数の核酸又は核酸断片を配列決定することによって、1つ以上の核酸の複数の配列リードが得られる。一部の実施形態では、複数の核酸又は核酸断片は、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含む1つ以上のゲノム遺伝子座に対応する。一部の実施形態では、配列リードは、シーケンサー(例えば、本明細書に記載されるか、又は当該技術分野で既知のその他のもの)を使用して得られる。任意選択的に、配列リードを得る前に、複数の核酸又は核酸断片は、試料から単離され、(例えば、バイサルファイト処理、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理による)シトシン変換に供され、断片化に供され、CpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座が選択的に濃縮され、かつ/又はPCRによって増幅される。ブロック904では、例示的なシステム(例えば、1つ以上の電子デバイス)は、少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表すクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定する。ブロック906では、例示的なシステム(例えば、1つ以上の電子デバイス)は、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表すクラスターのCCFを生成する。任意選択的に、コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、配列リードが逆多重化され、参照ゲノムに対してアラインメントされ、かつ/又は除外する(例えば、シトシン変換を受けることができなかった配列リード、CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン若しくはチミン以外の塩基を有する配列リード、又は閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リード)。ブロック908では、CCFが、参照値又は閾値と比較される。ブロック910では、CCFが、参照値又は閾値以上である場合、がん又は異常なメチル化レベルが検出される。ブロック912において、CCFが、参照値又は閾値未満である場合、がん若しくは異常なメチル化レベルが検出されないか、又は正常若しくは野生型のメチル化レベルが検出される。
【0153】
報告
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、レポートを生成すること、及び/又はレポートを当事者に提供することを含む。一部の実施形態では、レポートは、例えば、本明細書に記載されるように、個体からの試料において検出されたメチル化レベルに少なくとも部分的に基づいて、個体に対して特定された1つ以上の治療選択肢を含む。
【0154】
一部の実施形態では、1つ以上の治療選択肢は、検出されたメチル化の一般的な量に少なくとも部分的に基づく。
【0155】
他の実施形態では、1つ以上の治療選択肢は、1つ以上の特定のゲノム遺伝子座のメチル化に少なくとも部分的に基づく。例えば、一部の実施形態では、1つ以上の治療選択肢は、PITX2遺伝子座又はMGMT遺伝子座のメチル化に少なくとも部分的に基づく。一部の実施形態では、試料において検出されたPITX2遺伝子座のメチル化により、アントラサイクリンベースの化学療法を含む治療の恩恵を受ける可能性のあるものとして個体が特定される。一部の実施形態では、試料において検出されたMGMT遺伝子座のメチル化により、アルキル化剤を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして個体が特定される。
【0156】
一部の実施形態では、レポートは、がんなどの疾患における、(例えば、一般的に、又はPITX2若しくはMGMT遺伝子座などの特定のゲノム遺伝子座における)メチル化の役割に関する情報を含む。このような情報には、がんの予後に関する情報、1つ以上の治療に対するがんの耐性に関する情報、可能性のある若しくは提案された治療選択肢(例えば、本明細書に提供される抗がん療法、例えば、本明細書に提供される方法による、PITX2遺伝子座のメチル化の場合のアントラサイクリンベースの化学療法、若しくはMGMT遺伝子座のメチル化の場合のアルキル化剤など)に関する情報、又は避けるべき治療法に関する情報のうちの1つ以上が含まれ得る。一部の実施形態では、レポートは、がんを有する個体に対する治療選択肢(例えば、本明細書に提供される抗がん療法、例えば、本明細書に提供される方法による、PITX2遺伝子座のメチル化の場合のアントラサイクリンベースの化学療法、又はMGMT遺伝子座のメチル化の場合のアルキル化剤など)を適用する可能性の高い有効性、許容性、及び/又は推奨性に関する情報を含む。一部の実施形態では、レポートは、治療(例えば、本明細書に提供される抗がん療法、例えば、本明細書に提供される方法による、PITX2遺伝子座のメチル化の場合のアントラサイクリンベースの化学療法、又はMGMT遺伝子座のメチル化の場合のアルキル化剤など)の投与に関する情報又は推奨を含む。一部の実施形態では、情報又は推奨は、(例えば、単剤療法としての、又は第2の抗がん剤などの他の治療との組み合わせた)治療の投薬量及び/又は治療レジメンを含む。一部の実施形態では、レポートは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、又はそれより多くの治療についての情報又は推奨を含む。
【0157】
また、本開示に従ってレポートを生成する方法が本明細書で提供される。一部の実施形態では、本開示によるレポートは、以下のステップ:シーケンサーによって、複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、複数の核酸断片が、シトシン変換を受けており、複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ること、プロセッサによって、クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、コンセンサスメチル化パターンが、シトシン変換に基づいて、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されたクラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定すること、プロセッサによって、クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、CCFが、クラスターに対応する複数の配列リードからの配列リードの総数のうちのコンセンサスメチル化パターンを示すクラスターに対応する配列リードの割合を表し、それによって、クラスターのメチル化レベルを検出する、生成すること、及び例えば、CCFに少なくとも部分的に基づいて、レポートを生成すること、のうちの1つ以上を含む方法によって生成される。一部の実施形態では、本方法は、例えば、本明細書に記載の方法のいずれかに従って、個体(例えば、がんを有する個体)から試料(例えば、本明細書に記載の試料)を得ること、試料から核酸若しくは核酸断片を単離すること、及び/又は、核酸若しくは核酸断片をシトシン変換に供することを更に含む。
【0158】
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法に従って生成されるレポートは、試料における(例えば、一般に、又はPITX2遺伝子座又はMGMT遺伝子座などの特定のゲノム遺伝子座における)メチル化レベルに関する情報、試料が得られた個体の識別子、疾患(例えば、がん)におけるメチル化の役割に関する情報、予後、耐性、又は可能性のある若しくは提案された治療選択肢(例えば、本明細書に提供される抗がん療法、例えば、本明細書に提供される方法による、PITX2遺伝子座のメチル化の場合のアントラサイクリンベースの化学療法、又はMGMT遺伝子座のメチル化の場合のアルキル化剤など)に関する情報、個体に対する治療選択肢(例えば、本明細書に提供される抗がん療法、例えば、本明細書に提供される方法による、PITX2遺伝子座のメチル化の場合のアントラサイクリンベースの化学療法、又はMGMT遺伝子座のメチル化の場合のアルキル化剤など)を適用する可能性の高い有効性、許容性、又は妥当性に関する情報、治療の投与に関する推奨又は情報(例えば、本明細書に提供される抗がん療法、例えば、本明細書に提供される方法による、PITX2遺伝子座のメチル化の場合のアントラサイクリンベースの化学療法、又はMGMT遺伝子座のメチル化の場合のアルキル化剤など)、あるいは、治療、例えば、他の治療(例えば、2回目の抗がん療法)と組み合わせた治療(例えば、本明細書に提供される抗がん療法、例えば、本明細書に提供される方法による、PITX2遺伝子座のメチル化の場合のアントラサイクリンベースの化学療法、又はMGMT遺伝子座のメチル化の場合のアルキル化剤など)の投与量又は治療レジメンに関する推奨又は情報、のうちの1つ以上を含む。一部の実施形態では、生成されるレポートは、個人に合わせたがんレポートである。
【0159】
本開示によるレポートは、電子形態、ウェブベースの形態、又は紙形態であってもよい。レポートは、個体若しくは患者(例えば、がんを有する個体若しくは患者)、又は個体若しくは患者以外の個体若しくは団体(例えば、がんを有する個体若しくは患者以外)、例えば、介護者、医師、腫瘍科医、病院、診療所、第三者支払者、保険会社、政府機関のうちの1つ以上に提供されてもよい。一部の実施形態では、レポートは、個体(例えば、がんを有する個体)から試料を得てから約1日以上、約7日以上、約14日以上、約21日以上、約30日以上、約45日以上、又は約60日以上のうちのいずれかの間に個体又は事業体に提供されるか、又は届けられる。一部の実施形態では、レポートは、個体(例えば、がんを有する個体)から得られた試料におけるメチル化レベルの検出から約1日以上、約7日以上、約14日以上、約21日以上、約30日以上、約45日以上、又は約60日以上のうちのいずれかの間に個体又は事業体に提供されるか、又は届けられる。
【0160】
免疫チェックポイント阻害剤及び抗がん療法
本開示の特定の態様は、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)に関する。当該技術分野で既知であるように、チェックポイント阻害剤は、少なくとも1つの免疫チェックポイントタンパク質を標的として、免疫応答の調節を変化させる。免疫チェックポイントタンパク質には、例えば、CTLA4、PD-L1、PD-1、PD-L2、VISTA、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H6、2B4、ICOS、HVEM、CEACAM、LAIR1、CD80、CD86、CD276、VTCN1、MHCクラスI、MHCクラスII、GALS、アデノシン、TGFR、CSF1R、MICA/B、アルギナーゼ、CD160、gp49B、PIR-B、KIRファミリー受容体、TIM-1、TIM-3、TIM-4、LAG-3、BTLA、SIRPα(CD47)、CD48、2B4(CD244)、B7.1、B7.2、ILT-2、ILT-4、TIGIT、LAG-3、BTLA、IDO、OX40、及びA2aRが含まれる。一部の実施形態では、免疫チェックポイントの調節に関与する分子には、以下が含まれるが、これらに限定されない:PD-1(CD279)、PD-L1(B7-H1、CD274)、PD-L2(B7-CD、CD273)、CTLA-4(CD152)、HVEM、BTLA(CD272)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、LAG-3(CD223)、TIM-3(HAVCR2)、CEACAM、CEACAM-1、CEACAM-3、CEACAM-5、GAL9、VISTA(PD-1H)、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4、TGFRβ、A2AR、GITR(CD357)、CD80(B7-1)、CD86(B7-2)、CD276(B7-H3)、VTCNI(B7-H4)、MHCクラスI、MHCクラスII、GALS、アデノシン、TGFR、B7-H1、OX40(CD134)、CD94(KLRD1)、CD137(4-1BB)、CD137L(4-1BBL)、CD40、IDO、CSF1R、CD40L、CD47、CD70(CD27L)、CD226、HHLA2、ICOS(CD278)、ICOSL(CD275)、LIGHT(TNFSF14、CD258)、NKG2a、NKG2d、OX40L(CD134L)、PVR(NECL5、CD155)、SIRPa、MICA/B、及び/又はアルギナーゼ。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤(すなわち、チェックポイント阻害剤)は、例えば、T細胞活性化及び/又は抗がん免疫応答を増強するために、免疫細胞機能を負に調節するチェックポイントタンパク質の活性を減少させる。他の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、例えば、T細胞活性化及び/又は抗がん免疫応答を増強するために、免疫細胞機能を正に調節するチェックポイントタンパク質の活性を増加させる。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗体である。チェックポイント阻害剤の例としては、限定されないが、PD-1軸結合アンタゴニスト、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ(MPDL3280A))、共抑制分子に対するアンタゴニスト(例えば、CTLA4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、若しくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、小分子、組換え形態のリガンド若しくは受容体、又は抗体(例えば、ヒト抗体)などの薬物を含む(例えば、国際特許公開第WO2015/016718号、Pardoll,Nat Rev Cancer,12(4):252-64,2012を参照されたい。両方とも参照により本明細書に組み込まれる)。一部の実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質又はその類似体の既知の阻害剤を使用することができ、特に、キメラ化、ヒト化、又はヒト形態の抗体を使用することができる。
【0161】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによる一部の実施形態では、ICIは、PD-1アンタゴニスト/阻害剤又はPD-L1アンタゴニスト/阻害剤を含む。
【0162】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、PD-1結合アンタゴニスト、PD-L1結合アンタゴニスト、又はPD-L2結合アンタゴニスト)である。PD-1(プログラム死1)は、当該技術分野では「プログラム細胞死1」、「PDCD1」、「CD279」、及び「SLEB2」とも称される。例示的なヒトPD-1は、UniProtKB/Swiss-Prot受託番号Q15116に示されている。PD-L1(プログラム死リガンド1)は、当該技術分野では「プログラム細胞死1リガンド1」、「PDCD1 LG1」、「CD274」、「B7-H」、及び「PDL1」とも称される。例示的なヒトPD-L1は、UniProtKB/Swiss-Prot受託番号Q9NZQ7.1に示されている。PD-L2(プログラム死リガンド2)は、当該技術分野では「プログラム細胞死1リガンド2」、「PDCD1 LG2」、「CD273」、「B7-DC」、「Btdc」、及び「PDL2」とも称される。例示的なヒトPD-L2は、UniProtKB/Swiss-Prot受託番号Q9BQ51に示されている。場合によっては、PD-1、PD-L1、及びPD-L2は、ヒトのPD-1、PD-L1、及びPD-L2である。
【0163】
場合によっては、PD-1結合アンタゴニスト/阻害剤は、PD-1のそのリガンド結合パートナーへの結合を阻害する分子である。特定の実施形態では、PD-1リガンド結合パートナーは、PD-L1及び/又はPD-L2である。別の例では、PD-L1結合アンタゴニスト/阻害剤は、PD-L1のその結合リガンドへの結合を阻害する分子である。特定の実施形態では、PD-L1結合パートナーは、PD-1及び/又はB7-1である。別の例では、PD-L2結合アンタゴニストは、PD-L2のそのリガンド結合パートナーへの結合を阻害する分子である。特定の実施形態では、PD-L2結合リガンドパートナーは、PD-1である。アンタゴニストは、抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、又はオリゴペプチドであり得る。一部の実施形態では、PD-1結合アンタゴニストは、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、又は毒素である。
【0164】
場合によっては、PD-1結合アンタゴニストは、例えば、下記の抗PD-1抗体(例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体)である。場合によっては、抗PD-1抗体は、MDX-1106(ニボルマブ)、MK-3475(ペムブロリズマブ、Keytruda(登録商標))セミプリマブ、ドスタルリマブ、MEDI-0680(AMP-514)、PDR001、REGN2810、MGA-012、JNJ-63723283、BI754091、又はBGB-108である。他の実施例では、PD-1結合アンタゴニストは、イムノアドヘシン(例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)に融合されたPD-L1又はPD-L2の細胞外又はPD-1結合部分を含むイムノアドヘシンである)。場合によっては、PD-1結合アンタゴニストは、AMP-224である。抗PD-1抗体の他の例としては、MEDI-0680(AMP-514;AstraZeneca)、PDR001(CAS登録番号1859072-53-9;Novartis)、REGN2810(LIBTAYO(登録商標)又はセミプリマブ-rwlc;Regeneron)、BGB-108(BeiGene)、BGB-A317(BeiGene)、BI 754091、JS-001(Shanghai Junshi)、STI-A1110(Sorrento)、INCSHR-1210(Incyte)、PF-06801591(Pfizer)、TSR-042(ANB011としても知られている;Tesaro/AnaptysBio)、AM0001(ARMO Biosciences)、ENUM244C8(Enumeral Biomedical Holdings)、又はENUM388D4(Enumeral Biomedical Holdings)が挙げられる。一部の実施形態では、PD-1軸結合アンタゴニストは、チスレリズマブ(BGB-A317)、BGB-108、STI-A1110、AM0001、BI754091、シンチリマブ(IBI308)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、トリパリマブ(JS-001)を、カムレリズマブ(SHR-1210、INCSHR-1210、HR-301210)、MEDI-0680(AMP-514)、MGA-012(INCMGA0012)、ニボルマブ(BMS-936558、MDX1106、ONO-4538)、スパルタリズマブ(PDR00l)、ペムブロリズマブ(MK-3475、SCH900475、Keytruda(登録商標))、PF-06801591、セミプリマブ(REGN-2810、REGEN2810)、ドスタルリマブ(TSR-042、ANB011)、FITC-YT-16(PD-1結合ペプチド)、APL-501若しくはCBT-501若しくはゲノリムズマブ(GB-226)、AB-122、AK105、AMG404、BCD-100、F520、HLX10、HX008、JTX-4014、LZM009、Sym021、PSB205、AMP-224(PD-1を標的とする融合タンパク質)、CX-188(PD-1プロボディ)、AGEN-2034、GLS-010、ブジガリマブ(ABBV-181)、AK-103、BAT-1306、CS-1003、AM-0001、TILT-123、BH-2922、BH-2941、BH-2950、ENUM-244C8、ENUM-388D4、HAB-21、H EISCOI11-003、IKT-202、MCLA-134、MT-17000、PEGMP-7、PRS-332、RXI-762、STI-1110、VXM-10、XmAb-23104、AK-112、HLX-20、SSI-361、AT-16201、SNA-01、AB122、PD1-PIK、PF-06936308、RG-7769、CABPD-1Abs、AK-123、MEDI-3387、MEDI-5771、4H1128Z-E27、REMD-288、SG-001、BY-24.3、CB-201、IBI-319、ONCR-177、Max-1、CS-4100、JBI-426、CCC-0701、若しくはCCX-4503、又はそれらの誘導体を含む。
【0165】
一部の実施形態では、PD-L1結合アンタゴニストは、PD-1を阻害する小分子である。一部の実施形態では、PD-L1結合アンタゴニストは、PD-L1を阻害する小分子である。一部の実施形態では、PD-L1結合アンタゴニストは、PD-L1及びVISTA又はPD-L1及びTIM3を阻害する小分子である。一部の実施形態では、PD-L1結合アンタゴニストは、CA-170(AUPM-170としても知られている)である。一部の実施形態では、PD-L1結合アンタゴニストは、抗PD-L1抗体である。一部の実施形態では、抗PD-L1抗体は、ヒトPD-L1(例えば、UniProtKB/Swiss-Prot受託番号Q9NZQ7.1に示されるヒトPD-L1)又はそのバリアントに結合することができる。一部の実施形態では、PD-L1結合アンタゴニストは、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、又は毒素である。
【0166】
場合によっては、PD-L1結合アンタゴニストは、例えば、下記の抗PD-L1抗体である。場合によっては、抗PD-L1抗体は、PD-L1とPD-1との間の結合、及び/又はPD-L1とB7-1との間の結合を阻害することができる。場合によっては、抗PD-L1抗体は、モノクローナル抗体である。場合によっては、抗PD-L1抗体は、Fab、Fab’-SH、Fv、scFv、又は(Fab’)2断片から選択される抗体断片である。場合によっては、抗PD-L1抗体は、ヒト化抗体である。場合によっては、抗PD-L1抗体は、ヒト抗体である。場合によっては、抗PD-L1抗体は、YW243.55.S70、MPDL3280A(アテゾリズマブ)、MDX-1 105、MEDI4736(デュルバルマブ)、又はMSB0010718C(アベルマブ)から選択される。一部の実施形態では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ(イミフィンジ)、BGB-A333、SHR-1316(HTI-1088)、CK-301、BMS-936559、エンバフォリマブ(KN035、ASC22)、CS1001、MDX-1105(BMS-936559)、LY3300054、STI-A1014、FAZ053、CX-072、INCB086550、GNS-1480、CA-170、CK-301、M-7824、HTI-1088(HTI-131、SHR-1316)、MSB-2311、AK-106、AVA-004、BBI-801、CA-327、CBA-0710、CBT-502、FPT-155、IKT-201、IKT-703、10-103、JS-003、KD-033、KY-1003、MCLA-145、MT-5050、SNA-02、BCD-135、APL-502(CBT-402又はTQB2450)、IMC-001、KD-045、INBRX-105、KN-046、IMC-2102、IMC-2101、KD-005、IMM-2502、89Zr-CX-072、89Zr-DFO-6E11、KY-1055、MEDI-1109、MT-5594、SL-279252、DSP-106、Gensci-047、REMD-290、N-809、PRS-344、FS-222、GEN-1046、BH-29xx、若しくはFS-118、又はその誘導体を含む。
【0167】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA4のアンタゴニスト/阻害剤である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA4の小分子アンタゴニストである。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CTLA4抗体である。CTLA4は、免疫チェックポイント分子のCD28-B7免疫グロブリンスーパーファミリーの一部であり、T細胞の活性化(特に、CD28依存性T細胞応答)を負に調節するように作用する。CTLA4は、CD80(B7-1)及びCD86(B7-2)などのCD28と共通のリガンドへの結合に対して競合し、CD28よりも高い親和性でこれらのリガンドに結合する。CTLA4活性の遮断は(例えば、抗CTLA4抗体を使用して)、CD28媒介性共刺激(T細胞の活性化/プライミングの増加につながる)を増強し、T細胞の発生に影響し、かつ/又はTreg(例えば、腫瘍内Treg)を枯渇させると考えられている。一部の実施形態では、CTLA4アンタゴニストは、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、又は毒素である。一部の実施形態では、CTLA-4阻害剤は、イピリムマブ(IBI310、BMS-734016、MDX010、MDX-CTLA4、MEDI4736)、トレメリムマブ(CP-675、CP-675、206)、APL-509、AGEN1884、CS1002、AGEN1181、アバタセプト(Orencia、BMS-188667、RG2077)、BCD-145、ONC-392、ADU-1604、REGN4659、ADG116、KN044、KN046、又はその誘導体を含む。
【0168】
一部の実施形態では、抗PD-1抗体又は抗体断片は、MDX-1106(ニボルマブ)、MK-3475(ペムブロリズマブ、Keytruda(登録商標))セミプリマブ、ドスタルリマブ、MEDI-0680(AMP-514)、PDR001、REGN2810、MGA-012、JNJ-63723283、BI754091、BGB-108、BGB-A317、JS-001、STI-A1110、INCSHR-1210、PF-06801591、TSR-042、AM0001、ENUM244C8、又はENUM388D4である。一部の実施形態では、PD-1結合アンタゴニストは、抗PD-1イムノアドヘシンである。一部の実施形態では、抗PD-1イムノアドヘシンは、AMP-224である。一部の実施形態では、抗PD-L1抗体又は抗体断片は、YW243.55.S70、MPDL3280A(アテゾリズマブ)、MDX-1105、MEDI4736(デュルバルマブ)、MSB0010718C(アベルマブ)、LY3300054、STI-A1014、KN035、FAZ053、又はCX-072である。
【0169】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、LAG-3阻害剤(例えば、抗体、抗体コンジュゲート、又はその抗原結合断片)を含む。一部の実施形態では、LAG-3阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、又は毒素を含む。一部の実施形態では、LAG-3阻害剤は、小分子を含む。一部の実施形態では、LAG-3阻害剤は、LAG-3結合剤を含む。一部の実施形態では、LAG-3阻害剤は、抗体、抗体コンジュゲート、又はその抗原結合断片を含む。一部の実施形態では、LAG-3阻害剤は、エフチラギモドα(IMP321、IMP-321、EDDP-202、EOC-202)、レラトリマブ(BMS-986016)、GSK2831781(IMP-731)、LAG525(IMP701)、TSR-033、EVIP321(可溶性LAG-3タンパク質)、BI754111、IMP761、REGN3767、MK-4280、MGD-013、XmAb22841、INCAGN-2385、ENUM-006、AVA-017、AM-0003、iOnctura抗LAG-3抗体、Arcus Biosciences LAG-3抗体、Sym022、その誘導体、又は前述のいずれかと競合する抗体を含む。
【0170】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、一価及び/又は単一特異性である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、多価及び/又は多特異性である。
【0171】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫調節分子又はサイトカインと組み合わせて投与され得る。免疫調節プロファイルは、効率的な免疫応答を誘発し、対象の免疫のバランスをとるために必要である。好適な免疫調節サイトカインの例としては、インターフェロン(例えば、IFNα、IFNβ、及びIFNγ)、インターロイキン(例えば、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、及びIL-20)、腫瘍壊死因子(例えば、TNFα及びTNFβ)、エリスロポエチン(EPO)、FLT-3リガンド、gIp10、TCA-3、MCP-1、MIF、MIP-1α、MIP-1β、Rantes、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、並びにそれらの機能的断片が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、ケモカイン受容体(すなわち、CXC、CC、C、又はCX3Cケモカイン受容体)に結合する任意の免疫調節性ケモカインを、本開示との関連で使用することができる。ケモカインの例としては、MIP-3α(Lax)、MIP-3β、Hcc-1、MPIF-1、MPIF-2、MCP-2、MCP-3、MCP-4、MCP-5、エオタキシン、Tarc、Elc、I309、IL-8、GCP-2 Groα、Gro-β、Nap-2、Ena-78、Ip-10、MIG、I-Tac、SDF-1、又はBCA-1(Blc)、並びにそれらの機能的断片が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、免疫調節分子は、本明細書に提供される治療のいずれかに含まれる。
【0172】
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、(例えば、上記のとおり)免疫チェックポイント阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、個体のための治療又は1つ以上の治療選択肢を選択/特定することを含み、ここで、治療又は1つ以上の治療選択肢は、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、上記のとおり)を含む。一部の実施形態では、治療又は1つ以上の治療選択肢は、追加の抗がん療法を更に含む。一部の実施形態では、追加の抗がん療法は、ICI以外の薬剤(例えば、下記のとおり)又は第2のICI(例えば、上記のとおり)である。
【0173】
一部の実施形態では、抗がん療法は、小分子阻害剤、化学療法剤、がん免疫療法、抗体、細胞療法、核酸、手術、放射線療法、抗血管新生療法、抗DNA修復療法、抗炎症療法、抗新生物剤、成長阻害剤、抗ホルモン剤、キナーゼ阻害剤、ペプチド、遺伝子治療、ワクチン、白金ベースの化学療法剤、免疫療法、成長阻害剤、細胞傷害性剤、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0174】
一部の実施形態では、抗がん療法は、化学療法を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤など別の抗がん療法と組み合わせて、化学療法を個体に施すことを含む。化学療法剤の例としては、アルキル化剤(例えば、チオテパ及びシクロホスファミド)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン)、アジリジン(例えば、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパ)、エチレンイミン及びメチルアメラミン(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメチロールメラミンを含む)、アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン)、カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む)、ブリオスタチン、カリスタチン、CC-1065(アドゼレシン、カルゼレシン、及びビゼレシン合成類似体を含む)、クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8)、ドラスタチン、デュオカルマイシン(合成類似体KW-2189及びCB1-TM1を含む)、エリュテロビン、パンクラチスタチン、サルコディクチン、スポンジスタチン、ナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブシル、クロマファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、及びウラシルマスタード)、ニトロソウレア(カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン)、抗生物質(例えば、エンジイン抗生物質(カリケアマイシン、特に、カリケアマイシンガンマll及びカリケアマイシンオメガllなど)、ダイネミシン(例えば、ダイネミシンAを含む)、ビスホスホネート(例えば、クロドロネート)、エスペラミシン、並びにネオカルジノスタチン発色団及び関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アウトラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノドキソルビシン、シアノモルホリノドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン(例えば、マイトマイシンC)、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、及びゾルビシン))、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU))、葉酸類似体(例えば、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキサート)、プリン類似体(例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン)、ピリミジン類似体(例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、及びフロクスウリジン)、アンドロゲン(例えば、カルステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、エピチオスタノール、メピチオスタン、及びテストラクトン)、抗副腎剤(例えば、ミトタン及びトリロスタン)、葉酸補充剤(例えば、葉酸)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、アムサクリン、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキサート、デフォアミン、デメコルシン、ジアジコン、エルホルミチン、酢酸エリプチニウム、エポチロン、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシ尿素、レンチナン、ロニダイニン、マイタンシノイド(例えば、マイタンシン及びアンサマイトシン)、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダンモール、ニトラエリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、2-エチルヒドラジド、プロカルバジン、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2’,2”-トリクロロトリエチルアミン、トリコテセン(特に、T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアンギジン)、ウレタン、ビンデシン、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノシド(「Ara-C」)、シクロホスファミド、タキソイド(例えば、パクリタキセル及びドセタキセルゲムシタビン)、6-チオグアニン、メルカプトプリン、白金配位錯体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチン)、ビンブラスチン、白金、エトポシド(VP-16)、イホスファミド、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダトレキサート、ダウノマイシン、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(例えば、CPT-l l)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)、レチノイド(例えば、レチノイン酸)、カペシタビン、カルボプラチン、プロカルバジン、プリコマイシン、ゲムシタビン、ナベルビン、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、トランスプラチナム、並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体が挙げられる。
【0175】
本開示の抗がん療法、例えば、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせることができる化学療法薬のいくつかの非限定的な例は、カルボプラチン(Paraplatin)、シスプラチン(Platinol、Platinol-AQ)、シクロホスファミド(Cytoxan、Neosar)、ドセタキセル(Taxotere)、ドキソルビシン(Adriamycin)、エルロチニブ(Tarceva)、エトポシド(VePesid)、フルオロウラシル(5-FU)、ゲムシタビン(Gemzar)、メシル酸イマチニブ(Gleevec)、イリノテカン(Camptosar)、メトトレキサート(Folex、Mexate、Amethopterin)、パクリタキセル(Taxol、Abraxane)、ソラフィニブ(Nexavar)、スニチニブ(Sutent)、トポテカン(Hycamtin)、ビンクリスチン(Oncovin、Vincasar PFS)、及びビンブラスチン(Velban)である。
【0176】
一部の実施形態では、抗がん療法は、キナーゼ阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、キナーゼ阻害剤を個体に投与することを含む。キナーゼ阻害剤の例としては、1つ以上の受容体チロシンキナーゼ(例えば、BCR-ABL、B-Raf、EGFR、HER-2/ErbB2、IGF-IR、PDGFR-a、PDGFR-β、cKit、Flt-4、Flt3、FGFR1、FGFR3、FGFR4、CSF1R、c-Met、RON、c-Ret、若しくはALK)を標的とするもの、1つ以上の細胞質チロシンキナーゼ(例えば、c-SRC、c-YES、Abl、若しくはJAK-2)を標的とするもの、1つ以上のセリン/スレオニンキナーゼ(例えば、ATM、Aurora A及びB、CDK、mTOR、PKCi、PLK、b-Raf、S6K、若しくはSTK11/LKB1)を標的とするもの、又は1つ以上の脂質キナーゼ(例えば、PI3K若しくはSKI)を標的とするものが挙げられる。小分子キナーゼ阻害剤には、PHA-739358、ニロチニブ、ダサチニブ、PD166326、NSC743411、ラパチニブ(GW-572016)、カネルチニブ(CI-1033)、セマキシニブ(SU5416)、バタラニブ(PTK787/ZK222584)、スーテント(SU11248)、ソラフェニブ(BAY43-9006)、又はレフルノミド(SU101)が含まれる。チロシンキナーゼ阻害剤の追加の非限定的な例としては、イマチニブ(Gleevec/Glivec)及びゲフィチニブ(Iressa)が挙げられる。
【0177】
一部の実施形態では、抗がん療法は、抗血管新生剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、抗血管新生剤を個体に投与することを含む。血管新生阻害剤は、腫瘍が生存するために必要な血管の広範な増殖(血管新生)を防ぐ。本開示の方法で使用され得る血管新生媒介分子又は血管新生阻害剤の非限定的な例としては、可溶性VEGF(例えば、VEGFアイソフォーム(例えば、VEGF121及びVEGF165)、VEGF受容体(例えば、VEGFR1、VEGFR2)、及び共受容体(例えば、ニューロピリン-1及びニューロピリン-2))、NRP-1、アンジオポエチン2、TSP-1及びTSP-2、アンジオスタチン及び関連分子、エンドスタチン、バソスタチン、カルレティキュリン、血小板因子-4、TIMP及びCDAI、Meth-1及びMeth-2、IFNα、IFN-β及びIFN-γ、CXCL10、IL-4、IL-12、及びIL-18、プロトロンビン(クリングルドメイン-2)、アンチトロンビンIII断片、プロラクチン、VEGI、SPARC、オステオポンチン、マスピン、カンスタチン、プロリフェリン関連タンパク質、レスチン、及び薬物(例えば、ベバシズマブ、イトラコナゾール、カルボキシアミドトリアゾール、TNP-470、CM101、IFN-a、血小板因子-4、スラミン、SU5416、トロンボスポンジン、VEGFRアンタゴニスト、血管新生抑制ステロイド、及びヘパリン)、軟骨由来血管新生抑制因子、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、2-メトキシエストラジオール、テコガラン、テトラチオモリブデート、サリドマイド、トロンボスポンジン、プロラクチナνβ3阻害剤、リノミド、又はタスキニモドが挙げられる。一部の実施形態では、本開示の方法に従って使用され得る既知の治療薬候補としては、天然に存在する血管新生阻害剤が挙げられ、アンジオスタチン、エンドスタチン、又は血小板因子-4が含まれるが、これらに限定されない。別の実施形態では、本開示の方法に従って使用され得る治療薬候補には、TNP-470、サリドマイド、及びインターロイキン-12などの内皮細胞の増殖の特異的阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。本開示の方法に従って使用され得る更に他の抗血管新生剤としては、血管新生分子を中和するものが挙げられ、線維芽細胞増殖因子に対する抗体、血管内皮増殖因子に対する抗体、血小板由来増殖因子に対する抗体、あるいはEGF、VEGF、若しくはPDGFの受容体の抗体又は他のタイプの阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、本開示の方法に従って使用され得る抗血管新生剤には、スラミン及びその類似体、並びにテコガランが含まれるが、これらに限定されない。他の実施形態では、本開示の方法に従って使用され得る抗血管新生剤としては、限定されないが、血管新生因子の受容体を中和する薬剤、又は血管基底膜及び細胞外マトリックスを妨害する薬剤が挙げられ、限定されないが、メタロプロテアーゼ阻害剤及び血管新生抑制ステロイドが含まれる。本開示の方法に従って使用され得る抗血管新生化合物の別の群には、インテグリンαvβ3に対する抗体などの抗接着分子が含まれるが、これらに限定されない。本開示の方法に従って使用され得る更に他の抗血管新生化合物又は組成物には、キナーゼ阻害剤、サリドマイド、イトラコナゾール、カルボキシアミドトリアゾール、CM101、IFN-α、IL-12、SU5416、トロンボスポンジン、軟骨由来血管新生抑制因子、2-メトキシエストラジオール、テトラチオモリブデート、トロンボスポンジン、プロラクチン、及びリノミドが含まれる。1つの特定の実施形態では、本開示の方法に従って使用され得る抗血管新生化合物は、Avastin(登録商標)/ベバシズマブ(Genentech)などのVEGFに対する抗体である。
【0178】
一部の実施形態では、抗がん療法は、抗DNA修復療法を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、抗DNA修復療法を個体に施すことを含む。一部の実施形態では、抗DNA修復療法は、PARP阻害剤(例えば、タラゾパリブ、ルカパリブ、オラパリブ)、RAD51阻害剤(例えば、RI-1)、又はDNA損傷応答キナーゼの阻害剤(例えば、CHCK1(例えば、AZD7762)、ATM(例えば、KU-55933、KU-60019、NU7026、若しくはVE-821)、及びATR(例えば、NU7026))である。
【0179】
一部の実施形態では、抗がん療法は、放射線増感剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、放射線増感剤を個体に投与することを含む。例示的な放射線増感剤には、低酸素放射線増感剤(例えば、ミソニダゾール、メトロニダゾール)、及び低酸素腫瘍組織への酸素の拡散を増加させるのに役立つ化合物であるトランス-クロセチン酸ナトリウムが含まれる。放射線増感剤はまた、相同組換え(HR)及び非相同末端結合(NHEJ)及び直接修復機構を含む、塩基除去修復(BER)、ヌクレオチド除去修復(NER)、ミスマッチ修復(MMR)を妨害するDNA損傷応答阻害剤であり得る。一本鎖切断(SSB)修復メカニズムには、BER、NER、又はMMR経路が含まれるが、二本鎖切断(DSB)修復メカニズムは、HR及びNHEJ経路で構成される。放射線は、修復されなければ致命的なDNA切断を引き起こす。SSBは、インタクトのDNA鎖をテンプレートとして使用して、BER、NER、及びMMRメカニズムの組み合わせを介して修復される。SSB修復の主な経路はBERであり、ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)と呼ばれる関連酵素のファミリーを利用する。したがって、放射線増感剤は、PARP阻害剤などのDNA損傷応答阻害剤を含むことができる。
【0180】
一部の実施形態では、抗がん療法は、抗炎症剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、抗炎症剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、抗炎症剤は、炎症又は炎症性シグナル伝達経路からのシグナル伝達を遮断、阻害、又は低減する薬剤である。一部の実施形態では、抗炎症剤は、以下のいずれかの1つ以上の活性を阻害又は低減する:IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、IL-13、IL-15、IL-18、IL-23、インターフェロン(IFN)(例えば、IFNα、IFNβ、IFNγ、IFN-γ)誘導因子(IGIF)、形質転換増殖因子-β(TGF-β)、形質転換増殖因子-α(TGF-α)、腫瘍壊死因子(例えば、TNF-α、TNF-β、TNF-RI、TNF-RII)、CD23、CD30、CD40L、EGF、G-CSF、GDNF、PDGF-BB、RANTES/CCL5、IKK、NF-κB、TLR2、TLR3、TLR4、TL5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR8、TLR9、及び/又はそれらの同族受容体。一部の実施形態では、抗炎症剤は、IL-1又はIL-1受容体アンタゴニスト、例えば、アナキンラ(Kineret(登録商標))、リロナセプト、若しくはカナキヌマブである。一部の実施形態では、抗炎症剤は、IL-6又はIL-6受容体アンタゴニスト、例えば、抗IL-6抗体又は抗IL-6受容体抗体(トシリズマブ(ACTEMRA(登録商標))、オロキズマブ、クラザキズマブ、サリルマブ、シルクマブ、シルツキシマブ、又はALX-0061など)である。一部の実施形態では、抗炎症剤は、TNF-αアンタゴニスト、例えば、抗TNFα抗体(インフリキシマブ(Remicade(登録商標))、ゴリムマブ(Simponi(登録商標))、アダリムマブ(Humira(登録商標))、セルトリズマブペゴル(Cimzia(登録商標))、又はエタネルセプトなど)である。一部の実施形態では、抗炎症剤は、コルチコステロイドである。コルチコステロイドの例としては、コルチゾン(ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンリン酸ナトリウム、ヒドロコルチゾンコハク酸ナトリウム、Ala-Cort(登録商標)、Hydrocort Acetate(登録商標)、ヒドロコルトンリン酸塩Lanacort(登録商標)、Solu-Cortef(登録商標))、デカドロン(デキサメタゾン、デキサメタゾン酢酸塩、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、Dexasone(登録商標)、Diodex(登録商標)、Hexadrol(登録商標)、Maxidex(登録商標))、メチルプレドニゾロン(6-メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン酢酸塩、メチルプレドニゾロンコハク酸ナトリウム、Duralone(登録商標)、Medralone(登録商標)、Medrol(登録商標)、M-Prednisol(登録商標)、Solu-Medrol(登録商標))、プレドニゾロン(Delta-Cortef(登録商標)、ORAPRED(登録商標)、Pediapred(登録商標)、Prezone(登録商標))、及びプレドニゾン(Deltasone(登録商標)、Liquid Pred(登録商標)、Meticorten(登録商標)、Orasone(登録商標))、及びビスホスホネート(例えば、パミドロネート(Aredia(登録商標))、及びゾレドロン酸(Zometac(登録商標)))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0181】
一部の実施形態では、抗がん療法は、抗ホルモン剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、抗ホルモン剤を個体に投与することを含む。抗ホルモン剤は、腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する薬剤である。抗ホルモン剤の例としては、抗エストロゲン剤及び選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)が含まれ、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びFARESTON(登録商標)、トレミフェン、アロマターゼ阻害剤(副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害する)(例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGACE(登録商標)メゲストロール酢酸塩、AROMASIN(登録商標)エキセメスタン、ホルメスタン、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)ボロゾール、FEMARA(登録商標)レトロゾール、及びARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール))、抗アンドロゲン剤(例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、ゴセレリン)、トロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド(特に、異常な細胞増殖に関与するシグナル伝達経路における遺伝子(例えば、PKC-α、Raf、H-Ras、及び上皮増殖因子受容体(EGF-R)など)の発現を阻害するオリゴヌクレオチド)、遺伝子療法ワクチンなどのワクチン(例えば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、及びVAXID(登録商標)ワクチン)、PROLEUKIN(登録商標)rIL-2、LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1阻害剤、ABARELIX(登録商標)rmRH、並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体が挙げられる。
【0182】
一部の実施形態では、抗がん療法は、代謝拮抗化学療法剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、代謝拮抗化学療法剤を個体に投与することを含む。代謝拮抗化学療法剤は、代謝産物に構造的に類似しているが、体内で生産的に使用することができない薬剤である。多くの代謝拮抗化学療法剤は、RNA又はDNAの生成を妨げる。代謝拮抗化学療法剤の例としては、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標))、5-フルオロウラシル(5-FU)、カペシタビン(XELODA(商標))、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、6-チオグアニン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、アラビノシルシトシン、ARA-C、シタラビン(CYTOSAR-U(登録商標))、ダカルバジン(DTIC-DOMED)、アゾシトシン、デオキシシトシン、ピリドミデン、フルダラビン(FLUDARA(登録商標))、クラドラビン、及び2-デオキシ-D-グルコースが挙げられる。一部の実施形態では、代謝拮抗化学療法剤は、ゲムシタビンである。ゲムシタビン塩酸塩は、Eli Lillyから商標GEMZAR(登録商標)で販売されている。
【0183】
一部の実施形態では、抗がん療法は、白金ベースの化学療法剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、白金ベースの化学療法剤を個体に投与することを含む。白金ベースの化学療法剤は、分子の不可欠な部分として白金を含有する有機化合物を含む化学療法剤である。一部の実施形態では、化学療法剤は、白金剤である。一部のそのような実施形態では、白金剤は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、フェナントリプラチン、ピコプラチン、又はサトラプラチンから選択される。
【0184】
一部の実施形態では、抗がん療法は、熱ショックタンパク質(HSP)阻害剤、MYC阻害剤、HDAC阻害剤、免疫療法、ネオ抗原、ワクチン、又は細胞療法を含む。一部の実施形態では、抗がん療法は、化学療法薬、VEGF阻害剤、インテグリンβ3阻害剤、スタチン、EGFR阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、MAPK阻害剤、又はCDK4/6阻害剤のうちの1つ以上を含む。
【0185】
一部の実施形態では、抗がん療法は、キナーゼ阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、キナーゼ阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、クリゾチニブ、アレクチニブ、セリチニブ、ロルラチニブ、ブリグチニブ、エンサルチニブ(X-396)、レポトレクチニブ(TPX-005)、エントレクチニブ(RXDX-101)、AZD3463、CEP-37440、ベリザチニブ(TSR-011)、ASP3026、KRCA-0008、TQ-B3139、TPX-0131、又はTAE684(NVP-TAE684)である。本明細書に提供される方法のいずれかに従って使用され得るALKキナーゼ阻害剤の更なる例は、WO2005016894の実施例3~39に記載される(参照により本明細書に援用される)。
【0186】
一部の実施形態では、抗がん療法は、熱ショックタンパク質(HSP)阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、HSP阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、HSP阻害剤は、KNK423などの汎HSP阻害剤である。一部の実施形態では、HSP阻害剤は、cmHsp70.1、ケルセチン、VER155008、又は17-AADなどのHSP70阻害剤である。一部の実施形態では、HSP阻害剤は、HSP90阻害剤である。一部の実施形態では、HSP90阻害剤は、17-AAD、Debio0932、ガネテスピブ(STA-9090)、レタスピマイシン塩酸塩(レタスピマイシン、IPI-504)、AUY922、アルベスピマイシン(KOS-1022、17-DMAG)、タネスピマイシン(KOS-953、17-AAG)、DS2248、又はAT13387(オナレスピブ)である。一部の実施形態では、HSP阻害剤は、アパトルセン(OGX-427)などのHSP27阻害剤である。
【0187】
一部の実施形態では、抗がん療法は、MYC阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、MYC阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、MYC阻害剤は、MYCi361(NUCC-0196361)、MYCi975(NUCC-0200975)、Omomyc(ドミナントネガティブペプチド)、ZINC16293153(Min9)、10058-F4、JKY-2-169、7594-0035、又はMYC/MAX二量体化及び/若しくはMYC/MAX/DNA複合体形成の阻害剤である。
【0188】
一部の実施形態では、抗がん療法は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、HDAC阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、HDAC阻害剤は、ベリノスタット(PXD101、ベレオダック(登録商標))、SAHA(ボリノスタット、スベロイルアニリドヒドロキサミン、Zolinza(登録商標))、パノビノスタット(LBH589、LAQ-824)、ACY1215(Rocilinostat)、キシノスタット(JNJ-26481585)、アベキシノスタット(PCI-24781)、プラシノスタット(SB939)、ギビノスタット(ITF2357)、レスミノスタット(4SC-201)、トリコスタチンA(TSA)、MS-275(エチノスタット)、ロミデプシン(デプシペプチド、FK228)、MGCD0103(モセチノスタット)、BML-210、CAY10603、バルプロ酸、MC1568、CUDC-907、CI-994(タセジナリン)、Pivanex(AN-9)、AR-42、チダミド(CS055、HBI-8000)、CUDC-101、CHR-3996、MPT0E028、BRD8430、MRLB-223、アピシジン、RGFP966、BG45、PCI-34051、C149(NCC149)、TMP269、Cpd2、T247、T326、LMK235、C1A、HPOB、ネクスツラスタットA、Befexamac、CBHA、フェニル酪酸、MC1568、SNDX275、スクリプタイド、Merck60、PX089344、PX105684、PX117735、PX117792、PX117245、PX105844、Li et al.,Cold Spring Harb Perspect Med(2016)6(10):a026831に記載されている化合物12、又はPX117445である。
【0189】
一部の実施形態では、抗がん療法は、VEGF阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、VEGF阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、VEGF阻害剤は、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、BMS-690514、ラムシルマブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ゴルバチニブ、バンデタニブ、カボザンチニブ、レバンチニブ、アキシチニブ、セジラニブ、チボザニブ、ルシタニブ、セマキサニブ、ニンデンタニブ、レゴラフィニブ、又はアフリベルセプトである。
【0190】
一部の実施形態では、抗がん療法は、インテグリンβ3阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、インテグリンβ3阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、インテグリンβ3阻害剤は、抗avb3(クローンLM609)、シレンギチド(EMD121974、NSC、707544)、siRNA、GLPG0187、MK-0429、CNTO95、TN-161、エタラシズマブ(MEDI-522)、インテツムマブ(CNTO95)(抗αVサブユニット抗体)、アビツズマブ(EMD525797/DI17E6)(抗αVサブユニット抗体)、JSM6427、SJ749、BCH-15046、SCH221153、又はSC56631である。一部の実施形態では、抗がん療法は、αIIbβ3インテグリン阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、αIIbβ3インテグリン阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、αIIbβ3インテグリン阻害剤は、アブシキシマブ、エプチフィバチド(Integrilin(登録商標))、又はチロフィバン(Aggrastat(登録商標))である。
【0191】
一部の実施形態では、抗がん療法は、スタチン又はスタチンベースの薬剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、スタチン又はスタチンベースの薬剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、スタチン又はスタチンベースの薬剤は、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、又はセリバスタチンである。
【0192】
一部の実施形態では、抗がん療法は、mTOR阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、mTOR阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、テムシロリムス(CCI-779)、KU-006379、PP242、トリン1、トリン2、ICSN3250、ラパリンク-1、CC-223、シロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス(RAD001)、ダクトシリブ(NVP-BEZ235)、GSK2126458、WAY-001、WAY-600、WYE-687、WYE-354、SF1126、XL765、INK128(MLN012)、AZD8055、OSI027、AZD2014、又はAP-23573である。
【0193】
一部の実施形態では、抗がん療法は、PI3K阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、PI3K阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、PI3K阻害剤は、GSK2636771、ブパルリシブ(BKM120)、AZD8186、コパンリシブ(BAY80-6946)、LY294002、PX-866、TGX115、TGX126、BEZ235、SF1126、イデラリシブ(GS-1101、CAL-101)、ピクチリシブ(GDC-094)、GDC0032、IPI145、INK1117(MLN1117)、SAR260301、KIN-193(AZD6482)、デュベリシブ、GS-9820、GSK2636771、GDC-0980、AMG319、パゾバニブ、又はアルペリシブ(BYL719、Piqray)である。
【0194】
一部の実施形態では、抗がん療法は、MAPK阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、MAPK阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、MAPK阻害剤は、SB203580、SKF-86002、BIRB-796、SC-409、RJW-67657、BIRB-796、VX-745、RO3201195、SB-242235、又はMW181である。
【0195】
一部の実施形態では、抗がん療法は、CDK4/6阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、CDK4/6阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、CDK4/6阻害剤は、リボシクリブ(Kisqali(登録商標)、LEE011)、パルボシクリブ(PD0332991、Ibrance(登録商標))、又はアベマシクリブ(LY2835219)である。
【0196】
一部の実施形態では、抗がん療法は、EGFR阻害剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、EGFR阻害剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態では、EGFR阻害剤は、セツキシマブ、パニツムマブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、バンデタニブ、ダコミチニブ、イコチニブ、オシメルチニブ(AZD9291)、アファタニブ、オルムチニブ、EGF816(ナザルチニブ)、アビチニブ(AC0010)、ロシレチニブ(CO-1686)、BMS-690514、YH5448、PF-06747775、ASP8273、PF299804、AP26113、又はエルロチニブ。一部の実施形態では、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ又はセツキシマブである。
【0197】
一部の実施形態では、抗がん療法は、がんワクチン、細胞ベースの療法、T細胞受容体(TCR)ベースの療法、アジュバント免疫療法、サイトカイン免疫療法、及び腫瘍溶解性ウイルス療法などのがん免疫療法を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、例えば、免疫チェックポイント阻害剤などの別の抗がん療法と組み合わせて、がんワクチン、細胞ベースの療法、T細胞受容体(TCR)ベースの療法、アジュバント免疫療法、サイトカイン免疫療法、及び腫瘍溶解性ウイルス療法などのがん免疫療法を個体に施すことを含む。一部の実施形態では、がん免疫療法は、小分子、核酸、ポリペプチド、炭水化物、毒素、細胞ベースの薬剤、又は細胞結合剤を含む。がん免疫療法の例は、本明細書により詳細に記載されているが、限定することを意図するものではない。一部の実施形態では、がん免疫療法は、免疫系の1つ以上の側面を活性化して、ネオ抗原(例えば、本開示のがんによって発現されるネオ抗原)を発現する細胞(例えば、腫瘍細胞)を攻撃する。本開示のがん免疫療法は、医学的判断の対象となる、単剤療法としての使用、又は任意の組み合わせ若しくは数の2つ以上を含む組み合わせアプローチでの使用が企図される。がん免疫療法のいずれも(任意選択的に、単独療法として、又は本明細書に記載の別のがん免疫療法又は他の治療剤と組み合わせて)、本明細書に記載の方法のうちのいずれにも使用することができる。
【0198】
一部の実施形態では、がん免疫療法は、がんワクチンを含む。がんに対する免疫応答を促進するための異なるアプローチを用いた様々ながんワクチンが試験されている(例えば、Emens L A,Expert Opin Emerg Drugs 13(2):295-308(2008)及びUS20190367613を参照されたい)。アプローチは、腫瘍に対するB細胞、T細胞、又は専門的な抗原提示細胞の応答を増強するように設計されてきた。がんワクチンの例示的なタイプとしては、DNAベースのワクチン、RNAベースのワクチン、ウイルス形質導入ワクチン、ペプチドベースのワクチン、樹状細胞ワクチン、腫瘍溶解性ウイルス、全腫瘍細胞ワクチン、腫瘍抗原ワクチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、がんワクチンは、予防的又は治療的であり得る。一部の実施形態では、がんワクチンは、ペプチドベースのワクチン、核酸ベースのワクチン、抗体ベースのワクチン、又は細胞ベースのワクチンとして製剤化される。例えば、ワクチン組成物には、カチオン性脂質製剤中の裸のcDNA、リポペプチド(例えば、Vitiello,A.et ah,J.Clin.Invest.95:341,1995)、例えば、ポリ(DL-ラクチド-コ-グリコリド)(「PLG」)マイクロスフェアに封入された裸のcDNA若しくはペプチド(例えば、Eldridge,et ah,Molec.Immunol.28:287-294,1991:Alonso et al,Vaccine 12:299-306,1994、Jones et al,Vaccine 13:675-681,1995を参照されたい)、免疫刺激複合体(ISCOM)中に含まれるペプチド組成物(例えば、Takahashi et al,Nature 344:873-875,1990、Hu et al,Clin.Exp.Immunol.113:235-243,1998)、又は複数抗原ペプチド系(MAP)(例えば、Tam,J.P.,Proc.Natl Acad.Sci.U.S.A.85:5409-5413,1988、Tam,J.P.,J.Immunol.Methods 196:17-32,1996を参照されたい)が含まれ得る。一部の実施形態では、がんワクチンは、ペプチドベースのワクチン又は核酸ベースのワクチン(核酸がポリペプチドをコードする)として製剤化される。一部の実施形態では、がんワクチンは、抗体ベースのワクチンとして製剤化される。一部の実施形態では、がんワクチンは、細胞ベースのワクチンとして製剤化される。一部の実施形態では、がんワクチンは、ペプチドがんワクチンであり、一部の実施形態では個別化ペプチドワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、多価長鎖ペプチド、複数ペプチド、ペプチド混合物、ハイブリッドペプチド、又はペプチドパルス樹状細胞ワクチンである(例えば、Yamada et al,Cancer Sci,104:14-21),2013を参照されたい)。一部の実施形態では、そのようながんワクチンは、抗がん応答を増強する。
【0199】
一部の実施形態では、がんワクチンは、ネオ抗原(例えば、本開示のがんによって発現されるネオ抗原)をコードするポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、がんワクチンは、ネオ抗原をコードするDNA又はRNAを含む。一部の実施形態では、がんワクチンは、ネオ抗原をコードするポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、がんワクチンは、抗原提示及び/又は免疫応答を促進する1つ以上の追加の抗原、ネオ抗原、又は他の配列を更に含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、リポソーム又はリポプレックスなどの1つ以上の追加の薬剤と複合体を形成する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、抗原提示細胞(APC)によって取り込まれて翻訳され、次いで、APC細胞表面上のMHCクラスIを介してネオ抗原を提示する。
【0200】
一部の実施形態では、がんワクチンは、sipuleucel-T(Provenge(登録商標)、Dendreon/Valeant Pharmaceuticals)(無症候性又は最小限の症候性転移性去勢抵抗性(ホルモン抵抗性)前立腺がんの治療に承認されている)及びtalimogene laherparepvec(Imlygic(登録商標)、BioVex/Amgen、以前はT-VECとして知られていた)(黒色腫における切除不能な皮膚、皮下、及びリンパ節病変の治療に承認された遺伝子改変腫瘍溶解性ウイルス療法である)から選択される。一部の実施形態では、がんワクチンは、pexastimogene devacirepvec(PexaVec/JX-594、SillaJen/旧Jennerex Biotherapeutics)(肝細胞がん(NCT02562755)及び黒色腫(NCT00429312)に対してGM-CSFを発現するように操作されたチミジンキナーゼ-(TK-)欠損ワクシニアウイルスである)、pelareorep(Reolysin(登録商標)、Oncolytics Biotech)(大腸がん(NCT01622543)、前立腺がん(NCT01619813)、頭頸部扁平上皮がん(NCT01166542)、膵臓腺がん(NCT00998322)、及び非小細胞肺がん(NSCLC)(NCT00861627)を含む多くのがんにおいてRASが活性化されていない細胞では複製しない呼吸器腸内オーファンウイルス(レオウイルス)のバリアントである)、enadenotucirev(NG-348、PsiOxus、以前はColoAdlとして知られていた)(卵巣がん(NCT02028117)、転移性若しくは進行性上皮腫瘍(例えば、大腸がん、膀胱がん、頭頸部扁平上皮がん、及び唾液腺がん(NCT02636036))において完全長CD80及びT細胞受容体CD3タンパク質に特異的な抗体断片を発現するように操作されたアデノウイルスである)、ONCOS-102(Targovax/旧Oncos)(黒色腫(NCT03003676)、及び腹膜疾患、大腸がん、若しくは卵巣がん(NCT02963831)においてGM-CSFを発現するように設計されたアデノウイルスである)、GL-ONC1(GLV-1h68/GLV-1h153、Genelux GmbH)(腹膜がん腫症(NCT01443260)、卵管がん、卵巣がん(NCT02759588)で研究されたそれぞれβ-ガラクトシダーゼ(β-gal)/β-グルコロニダーゼ若しくはβ-gal/ヒトナトリウムヨウ素共輸送体(hNIS)を発現するように操作されたワクシニアウイルスである)、又はCG0070(Cold Genesys)(膀胱がん(NCT02365818)においてGM-CSFを発現するように設計されたアデノウイルスである)、抗gp100、STINGVAX、GVAX、DCVaxL、及びDNX-2401などの腫瘍溶解性ウイルス療法から選択される。一部の実施形態では、がんワクチンは、JX-929(SillaJen/以前のJennerex Biotherapeutics)(プロドラッグ5-フルオロシトシンを細胞傷害性薬物5-フルオロウラシルに変換することができるシトシンデアミナーゼを発現するように設計されたTK欠損及びワクシニア増殖因子欠損ワクシニアウイルスである)、TGO1及びTG02(Targovax/旧Oncos)(治療が困難なRAS変異を標的とするペプチドベースの免疫療法剤である)、TILT-123(TILT Biotherapeutics)(Ad5/3-E2F-δ24-hTNFα-IRES-hIL20と称される改変アデノウイルスである)、VSV-GP(ViraTherapeutics)(抗原特異的なCD8T細胞応答を引き起こすように設計された抗原を発現するように更に操作することができる、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)の糖タンパク質(GP)を発現するように操作された水疱性口内炎ウイルス(VSV)である)から選択される。一部の実施形態では、がんワクチンは、ベクターベースの腫瘍抗原ワクチンを含む。ベクターベースの腫瘍抗原ワクチンは、抗腫瘍免疫応答を刺激するための抗原の安定した供給を提供する方法として使用することができる。一部の実施形態では、腫瘍抗原をコードするベクターを個体に注射し(おそらく、炎症促進剤又はGM-CSFなどの他の誘引剤物質とともに)、インビボで細胞に取り込まれて特定の抗原を生成し、次いで、所望の免疫応答を誘発する。一部の実施形態では、ベクターを使用して一度に1つより多い腫瘍抗原を送達して、免疫応答を増加させることができる。更に、組換えウイルス、細菌、又は酵母ベクターは、それ自体免疫応答を引き起こす可能性があり、これが全体的な免疫応答を強化する可能性もある。
【0201】
一部の実施形態では、がんワクチンは、DNAベースのワクチンを含む。一部の実施形態では、DNAベースのワクチンを用いて、抗腫瘍応答を刺激することができる。抗原タンパク質をコードするDNAを直接注射して防御免疫応答を誘発する能力は、多数の実験系で実証されている。抗原タンパク質をコードするDNAを直接注射して防御免疫応答を誘発することによるワクチン接種は、多くの場合、細胞性応答と体液性応答の両方を引き起こす。更に、様々な抗原をコードするDNAに対する再現性のある免疫応答がマウスで報告されており、これは本質的に動物の生涯にわたって持続する(例えば、Yankauckas et al.(1993)DNA Cell Biol.,12:771-776を参照されたい)。一部の実施形態では、遺伝子発現に必要な調節エレメントに作動可能に結合されたタンパク質をコードする配列を含むプラスミド(又は他のベクター)DNAが、個体(例えば、ヒト患者、非ヒト哺乳動物など)に投与される。一部の実施形態では、個体の細胞が、投与されたDNAを取り込み、コード配列が発現される。一部の実施形態では、そのように産生された抗原は、免疫応答の対象となる標的になる。
【0202】
一部の実施形態では、がんワクチンは、RNAベースのワクチンを含む。一部の実施形態では、RNAベースのワクチンを用いて、抗腫瘍応答を刺激することができる。一部の実施形態では、RNAベースのワクチンは、自己複製RNA分子を含む。一部の実施形態では、自己複製RNA分子は、アルファウイルス由来のRNAレプリコンであり得る。自己複製RNA(又は「SAM」)分子は、当該技術分野で周知であり、例えば、アルファウイルスに由来する複製要素を使用し、構造ウイルスタンパク質を、目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配列で置き換えることによって生成することができる。自己複製RNA分子は、典型的には、細胞への送達後に直接翻訳され得る+鎖分子であり、この翻訳により、送達されたRNAからアンチセンス転写物とセンス転写物の両方を生成するRNA依存性RNAポリメラーゼが提供される。したがって、送達されたRNAは、複数の娘RNAの生産につながる。これらの娘RNA、並びに同一鎖上の(collinear)サブゲノム転写物は、それ自体翻訳されて、コードされたポリペプチドのインサイチュ発現を提供するか、又は転写されて、送達されたRNAと同じセンス鎖の更なる転写物(翻訳されて抗原のインサイチュ発現を提供する)を提供することができる。
【0203】
一部の実施形態では、がん免疫療法は、細胞ベースの療法を含む。一部の実施形態では、がん免疫療法は、T細胞ベースの療法を含む。一部の実施形態では、がん免疫療法は、養子療法(例えば、養子T細胞ベースの療法)を含む。一部の実施形態では、T細胞は、レシピエントに対して自己又は同種である。一部の実施形態では、T細胞は、CD8+T細胞である。一部の実施形態では、T細胞は、CD4+T細胞である。養子免疫療法とは、がん又は感染症を治療するための治療的アプローチを指し、細胞ががん細胞に対して直接的又は間接的な特異的免疫を媒介する(すなわち、それに対する免疫応答を開始する)ことを目的として、免疫細胞が宿主に投与される。一部の実施形態では、免疫応答は、腫瘍細胞及び/又は転移細胞の成長及び/又は増殖の阻害をもたらし、関連する実施形態では、腫瘍細胞の死及び/又は再吸収をもたらす。免疫細胞は、異なる生物/宿主に由来し得るか(外因性免疫細胞)、又は対象生物から得られた細胞であり得る(自己免疫細胞)。一部の実施形態では、免疫細胞(例えば、自己又は同種T細胞(例えば、制御性T細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、又はγδT細胞)、NK細胞、インバリアントNK細胞、又はNKT細胞)は、操作されたTCR及び/又はキメラ抗原受容体(CAR)などの抗原受容体を発現するように遺伝子操作され得る。例えば、宿主細胞(例えば、自己又は同種T細胞)は、がん抗原に対する抗原特異性を有するT細胞受容体(TCR)を発現するように改変される。一部の実施形態では、NK細胞は、TCRを発現するように操作される。NK細胞は、CARを発現するように更に操作され得る。異なる抗原などに対する複数のCAR及び/又はTCRを、T細胞又はNK細胞などの単一の細胞型に加えることができる。一部の実施形態では、細胞は、1つ以上の抗原受容体をコードする遺伝子工学を介して導入された1つ以上の核酸/発現構築物/ベクター、及びそのような核酸の遺伝子操作された産物を含む。一部の実施形態では、核酸は、異種である。すなわち、別の生物又は細胞から得られたものなど、細胞又は細胞から得られる試料には通常存在せず、例えば、操作される細胞及び/又はそのような細胞が由来する生物には通常見出されない。一部の実施形態では、核酸は、天然には見出されない核酸(例えば、キメラ)など、天然には存在しない。一部の実施形態では、免疫細胞の集団は、療法を必要とする対象、又は免疫細胞の活性の低下に関連する疾患に罹患している対象から得ることができる。したがって、細胞は、療法を必要とする対象にとって自己由来である。一部の実施形態では、ドナー(例えば、組織適合性が一致したドナー)から免疫細胞の集団を得ることができる。一部の実施形態では、免疫細胞集団は、当該対象又はドナーにおいて免疫細胞が存在する末梢血、臍帯血、骨髄、脾臓、又は任意の他の臓器/組織から採取することができる。一部の実施形態では、免疫細胞は、対象及び/又はドナーのプール(例えば、プールされた臍帯血)から単離することができる。一部の実施形態では、免疫細胞の集団が対象とは異なるドナーから得られる場合、得られた細胞が対象に導入され得るという点で対象適合性である限り、ドナーは同種であり得る。一部の実施形態では、同種ドナー細胞は、ヒト白血球抗原(HLA)適合性であってもなくてもよい。一部の実施形態では、対象適合性にするために、同種細胞を処理して免疫原性を低下させることができる。
【0204】
一部の実施形態では、細胞ベースの治療は、T細胞ベースの療法を含み、自己細胞、例えば、腫瘍浸潤リンパ球(TIL);自己DC、リンパ球、人工抗原提示細胞(APC)若しくはT細胞リガンド及び活性化抗体でコーティングされたビーズ、又は標的細胞膜を捕捉することによって単離された細胞を使用してエクスビボで活性化されたT細胞;抗宿主腫瘍T細胞受容体(TCR)を自然に発現する同種細胞;並びに腫瘍反応性TCR若しくはキメラTCR分子(「Tボディ」として知られ、抗体様腫瘍認識能を示す)を発現するように遺伝的に再プログラム若しくは「リダイレクト」された非腫瘍特異的自己又は同種細胞などを含む。機能的な抗腫瘍エフェクター細胞の単離、誘導、操作又は改変、活性化、及び増殖のためのいくつかのアプローチが過去20年間に記載されており、本明細書に提供される方法のうちのいずれかに従って使用することができる。一部の実施形態では、T細胞は、血液、骨髄、リンパ、臍帯、又はリンパ器官に由来する。一部の実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。一部の実施形態では、細胞は、対象から直接単離された細胞及び/又は対象から単離されて凍結された細胞などの初代細胞である。一部の実施形態では、細胞は、機能、活性化状態、成熟度、分化の潜在能力、増殖能、再循環能、局在化能、及び/若しくは持続能、抗原特異性、抗原受容体のタイプ、特定の器官若しくは区画における存在、マーカー若しくはサイトカイン分泌プロファイル、並びに/又は分化の程度によって定義されるものなど、T細胞又は他の細胞型(例えば、全T細胞集団、CD4細胞、CD8細胞、及びその亜集団)のうちの1つ以上のサブセットを含む。一部の実施形態では、細胞は、同種及び/又は自己であり得る。既製の技術などの一部の実施形態では、細胞は、人工多能性幹細胞(iPSC)などの幹細胞など、多能性(pluripotent)及び/又は多能性(multipotent)である。
【0205】
一部の実施形態では、T細胞ベースの療法は、キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞ベースの療法を含む。このアプローチには、CARの操作が含まれる。CARは、目的の抗原に特異的に結合し、T細胞活性化のための1つ以上の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。CARは、次いで、操作されたT細胞(CAR-T)の表面に発現され、患者に投与され、抗原を発現するがん細胞に対するT細胞特異的な免疫応答をもたらす。
【0206】
一部の実施形態では、T細胞ベースの療法は、組換えT細胞受容体(TCR)を発現するT細胞を含む。このアプローチには、目的の抗原に特異的に結合するTCRの特定が含まれる。次いで、これを使用して、操作されたT細胞の表面の内在性又は天然のTCRを置き換える。これを患者に投与すると、抗原を発現しているがん細胞に対して、T細胞特異的な免疫応答がもたらされる。
【0207】
一部の実施形態では、T細胞ベースの療法は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含む。例えば、TILは、本開示の腫瘍又はがんから単離することができ、次いで、単離し、インビトロで増殖させることができる。これらのTILの一部又は全部は、本開示の腫瘍又はがんによって発現される抗原を特異的に認識することができる。一部の実施形態では、TILは、インビトロで単離された後、1つ以上のネオ抗原(例えば、1つのネオ抗原)に曝露される。次いで、TILが患者に投与される(任意選択的に、1つ以上のサイトカイン又は他の免疫刺激物質と組み合わせて)。
【0208】
一部の実施形態では、細胞ベースの療法は、ナチュラルキラー(NK)細胞ベースの療法を含む。ナチュラルキラー(NK)細胞は、様々な腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、並びに骨髄及び胸腺の一部の正常細胞に対して自発的な細胞傷害性を有するリンパ球の亜集団である。NK細胞は、形質転換細胞及びウイルス感染細胞に対する初期の自然免疫応答の重要なエフェクターである。NK細胞は、ヒトのCD16、CD56、CD8などの特定の表面マーカーによって検出することができる。NK細胞は、T細胞抗原受容体、汎TマーカーCD3、又は表面免疫グロブリンB細胞受容体を発現しない。一部の実施形態では、NK細胞は、当該技術分野で周知の方法によって、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)、未刺激白血球除去産物(PBSC)、ヒト胚性幹細胞(hESC)、人工多能性幹細胞(iPSC)、骨髄、又は臍帯血から得られる。
【0209】
一部の実施形態では、細胞ベースの治療は、樹状細胞(DC)ベースの療法(例えば、樹状細胞ワクチン)を含む。一部の実施形態では、DCワクチンは、患者又はドナーから採取される、特異的T細胞免疫を誘導することができる抗原提示細胞を含む。一部の実施形態では、次いで、DCワクチンをインビトロでペプチド抗原に曝露することができ、そのためのT細胞が患者において生成される。一部の実施形態では、抗原が負荷された樹状細胞は、次いで、患者に注射して戻される。一部の実施形態では、必要に応じて、免疫化を複数回繰り返すことができる。樹状細胞を、採取、増殖、及び投与する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、WO2019/178081を参照されたい)。樹状細胞ワクチン(例えば、APC8015及びPROVENGE(登録商標)としても知られているSipuleucel-T)は、患者の免疫系に1つ以上のがん特異的抗原を提示するAPCとして機能する樹状細胞の投与を伴うワクチンである。一部の実施形態では、樹状細胞は、レシピエントにとって自己又は同種である。
【0210】
一部の実施形態では、がん免疫療法は、TCRベースの療法を含む。一部の実施形態では、がん免疫療法は、本開示のがんによって発現される抗原に特異的に結合する1つ以上のTCR又はTCRベースの治療薬の投与を含む。一部の実施形態では、TCRベースの治療薬は、T細胞表面タンパク質又は受容体に特異的に結合する抗体若しくは抗体断片(例えば、抗CD3抗体若しくは抗体断片)などの、免疫細胞(例えば、T細胞)に結合する部分を更に含み得る。
【0211】
一部の実施形態では、免疫療法は、アジュバント免疫療法を含む。アジュバント免疫療法は、自然免疫系の構成要素を活性化する1つ以上の薬剤、例えば、TLR7経路を標的とするHILTONOL(登録商標)(イミキモド)の使用を含む。
【0212】
一部の実施形態では、免疫療法は、サイトカイン免疫療法を含む。サイトカイン免疫療法は、免疫系の構成要素を活性化する1つ以上のサイトカインの使用を含む。例としては、アルデスロイキン(PROLEUKIN(登録商標)、インターロイキン-2)、インターフェロンα-2a(ROFERON(登録商標)-A)、インターフェロンα-2b(INTRON(登録商標)-A)、及びPEGインターフェロンα-2b(PEGINTRON(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0213】
一部の実施形態では、免疫療法は、腫瘍溶解性ウイルス療法を含む。腫瘍溶解性ウイルス療法では、遺伝子改変ウイルスを使用してがん細胞で複製し、それを殺傷して、免疫応答を刺激する抗原を放出する。一部の実施形態では、腫瘍抗原を発現する複製可能な腫瘍溶解性ウイルスは、任意の天然に存在する(例えば、「フィールドソース」からの)又は改変された複製可能な腫瘍溶解性ウイルスを含む。一部の実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍抗原を発現することに加えて、がん細胞に対するウイルスの選択性を高めるために改変され得る。一部の実施形態では、複製能力のある腫瘍溶解性ウイルスには、ミオウイルス科、サイフォウイルス科、ポドウイルス科、テシウイルス科、コルチコウイルス科、プラズマウイルス科、リポスリクスウイルス科、フセロウイルス科、ポキシイリダ科、イリドウイルス科、フィコドナウイルス科、バキュロウイルス科、ヘルペスウイルス科、アドノウイルス科、パポバウイルス科、ポリドナウイルス科、イノウイルス科、ミクロウイルス科、ジェミニウイルス科、サーコウイルス科、パルボウイルス科、ヘパドナウイルス科、レトロウイルス科、サイトウイルス科、レオウイルス科、ビルナウイルス科、パラミクソウイルス科、ラブドウイルス科、フィロウイルス科、オルソミクソウイルス科、ブニヤウイルス科、アレナウイルス科、レビウイルス科、ピコルナウイルス科、セキウイルス科、コモウイルス科、ポティウイルス科、カリシウイルス科、アストロウイルス科、ノダウイルス科、テトラウイルス科、トンブスウイルス科、コロナウイルス科、グラビウイルス科、トガウイルス科、及びバルナウイルス科のメンバーである腫瘍溶解性ウイルスが含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、複製能力のある腫瘍崩壊ウイルスには、アデノウイルス、レトロウイルス、レオウイルス、ラブドウイルス、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、ポリオーマウイルス、ワクシニアウイルス(VacV)、単純ヘルペスウイルス、ピコルナウイルス、コクサッキーウイルス、及びパルボウイルスが含まれる。一部の実施形態では、腫瘍抗原を発現する複製性の腫瘍溶解性ワクシニアウイルスは、ウイルスのがん選択性を高めるために、1つ以上の機能的な遺伝子を欠くように操作され得る。一部の実施形態では、腫瘍溶解性ワクシニアウイルスは、チミジンキナーゼ(TK)活性を欠くように操作される。一部の実施形態では、腫瘍溶解性ワクシニアウイルスは、ワクシニアウイルス増殖因子(VGF)を欠くように操作され得る。一部の実施形態では、腫瘍溶解性ワクシニアウイルスは、VGF及びTK活性の両方を欠くように操作され得る。一部の実施形態では、腫瘍溶解性ワクシニアウイルスは、E3L、K3L、B18R、又はB8Rなどの宿主インターフェロン(IFN)応答の回避に関与する1つ以上の遺伝子を欠くように操作され得る。一部の実施形態では、複製性の腫瘍溶解性ワクシニアウイルスは、Western Reserve株、Copenhagen株、Lister株、又はWyeth株であり、機能的なTK遺伝子を欠いている。一部の実施形態では、腫瘍溶解性ワクシニアウイルスは、機能的なB18R及び/又はB8R遺伝子を欠くWestern Reserve株、Copenhagen株、Lister株、又はWyeth株である。一部の実施形態では、腫瘍抗原を発現する複製性の腫瘍溶解性ワクシニアウイルスは、例えば、腫瘍内、腹腔内、静脈内、動脈内、筋肉内、皮内、頭蓋内、皮下、又は鼻腔内投与を介して、対象に、局所的又は全身的に投与され得る。
【0214】
一部の実施形態では、抗がん療法は、dsRNA、siRNA、又はshRNAなどの核酸分子を含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、例えば、別の抗がん療法と組み合わせて、dsRNA、siRNA、又はshRNAなどの核酸分子を個体に投与することを含む。当該技術分野で既知であるように、二本鎖構造を有するdsRNAは、RNA干渉(RNAi)を誘導するときに効果的である。一部の実施形態では、抗がん療法は、抗がん療法は低分子干渉RNA分子(siRNA)を含む。dsRNA及びsiRNAは、哺乳類細胞(例えば、ヒト細胞)における遺伝子発現を抑制するために使用することができる。一部の実施形態では、本開示のdsRNAは、約5~約10個の塩基対、約10~約12個の塩基対、約12~約15個の塩基対、約15~約20個の塩基対、約20~23個の塩基対、約23~約25個の塩基対、約25~約27個の塩基対、又は約27~約30個の塩基対のうちのいずれかを含む。当該技術分野で既知であるように、siRNAは、任意選択的にオーバーハングを含む低分子dsRNAである。一部の実施形態では、siRNAの二本鎖領域は、約18~25個のヌクレオチド(例えば、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のヌクレオチドのうちのいずれか)である。siRNAはまた、短ヘアピンRNA(shRNA)、例えば、およそ29塩基対のステムと、2-ヌクレオチドの3’オーバーハングとを有するものである。dsRNA、siRNA、又はshRNAを設計し、最適化し、産生し、使用するための方法は、当該技術分野で既知である。
【0215】
一部の態様では、治療製剤が本明細書に提供され、本明細書で提供される抗がん療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤及び/又は追加の抗がん療法)と、薬学的に許容される担体、賦形剤、又は安定剤と、を含む。本明細書で提供される製剤は、1つより多い活性化合物、例えば、本明細書で提供される抗がん療法及び1つ以上の追加の薬剤(例えば、抗がん剤)を含有し得る。
【0216】
許容される担体、賦形剤、又は安定剤は、使用される投薬量及び濃度で、レシピエントに対して非毒性であり、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、又は他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;保存剤、例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ヘキサメトニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、フェノール、ブチル又はベンジルアルコール、アルキルパラベン、例えば、メチル又はプロピルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、又はm-クレゾール;低分子量ポリペプチド(例えば、約10個未満の残基);タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、又はリジン;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む、単糖、二糖、及び他の炭水化物;EDTAなどのキレート化剤;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース、又はソルビトール;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属複合体(例えば、Zn-タンパク質複合体);界面活性剤、例えば、非イオン性界面活性剤;又はポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。
【0217】
活性成分は、マイクロカプセルに包まれていてもよい。そのようなマイクロカプセルは、例えば、コアセルベーション技術によって、又は例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロース若しくはゼラチン-マイクロカプセル、及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセルの界面重合によって;コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミン微小球、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)で;又はマクロエマルションで、調製され得る。そのような技術は、当該技術分野で既知である。
【0218】
持続放出組成物を調製してもよい。持続放出組成物の好適な例としては、本開示の抗がん療法を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが挙げられる。そのようなマトリックスは、成形された物品、例えば、膜、又はマイクロカプセルの形態であってもよい。持続放出マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)、又はポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド、L-グルタミン酸とγエチル-L-グルタメートとのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えば、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射可能な微小球)、及びポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
【0219】
本明細書で提供される製剤はまた、1つより多い活性化合物、例えば、互いに有害な影響を与えない相補的な活性を有するものを含有し得る。そのような医薬のタイプ及び有効量は、例えば、製剤中に存在する活性化合物の量及びタイプ、並びに対象の臨床パラメータに依存する。
【0220】
製剤に関する一般的な情報として、例えば、Gilman et al.(eds.)The Pharmacological Bases of Therapeutics,8th Ed.,Pergamon Press,1990、A.Gennaro(ed.),Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.,Pennsylvania,1990、Avis et al.(eds.)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications Dekker,New York,1993、Lieberman et al.(eds.)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets Dekker,New York,1990、Lieberman et al.(eds.),Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems Dekker,New York,1990、及びWalters(ed.)Dermatological and Transdermal Formulations(Drugs and the Pharmaceutical Sciences),Vol 1 19,Marcel Dekker,2002を参照されたい。
【0221】
インビボ投与に使用される製剤は、滅菌である。このことは、滅菌濾過膜による濾過、又は当該技術分野で既知の他の方法によって容易に達成される。
【0222】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、単剤療法として投与される。
【0223】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、第一選択免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、第二選択免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、1つ以上の追加の抗がん療法又は治療と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、1つ以上の追加の抗がん療法又は治療は、本明細書に記載の1つ以上の抗がん療法を含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、本明細書に提供される免疫チェックポイント阻害剤及び抗がん療法のうちのいずれかの任意の組み合わせの投与を含む。一部の実施形態では、追加の抗がん療法は、手術、放射線療法、化学療法、抗血管新生療法、抗DNA修復療法、及び抗炎症療法のうちの1つ以上を含む。一部の実施形態では、追加の抗がん療法は、抗新生物剤、化学療法剤、成長阻害剤、抗血管新生療法、放射線療法、細胞傷害性剤、又はそれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、化学療法又は化学療法剤と併せて投与され得る。一部の実施形態では、化学療法又は化学療法剤は、白金ベースの薬剤(限定されないが、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、及びスタラプラチンを含む)である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、放射線療法と併せて投与され得る。
【0224】
IV.例示的な実施形態
以下の例示的な実施形態は、本発明のいくつかの態様を代表するものである。
実施形態1.対象からの試料における2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
当該試料から複数の核酸断片を得ることと、
当該複数の核酸断片を増幅することと、
シーケンサーによって、複数の増幅された核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、少なくとも当該複数の増幅された核酸断片が、シトシン変換を受けており、当該複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、
プロセッサによって、当該クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、当該コンセンサスメチル化パターンが、当該複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおける当該シトシン変換に基づいて、メチル化が検出された当該クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、当該クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、当該CCFが、当該クラスターに対応する当該複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの当該コンセンサスメチル化パターンを示す当該クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
当該CCFに基づいて、当該クラスターの当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、
検出された当該メチル化レベル、検出された当該非メチル化レベル、又はそれらの両方に基づいて、当該対象のゲノムプロファイルを生成することと、を含む、方法。
実施形態2.当該CCFが、閾値又は参照値以上であり、当該方法が、当該CCFが当該閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.当該CCFが、閾値又は参照値未満であり、当該方法が、当該CCFが当該閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態4.複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態1~3のいずれか一項に記載の方法。
実施形態5.複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、実施形態4に記載の方法。
実施形態6.1,000超のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態4又は5に記載の方法。
実施形態7.10~100,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態4又は5に記載の方法。
実施形態8.最大1,000,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態1~7のいずれか一項に記載の方法。
実施形態9.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、実施形態1~8のいずれか一項に記載の方法。
実施形態10.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、実施形態9に記載の方法。
実施形態11.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、実施形態1~8のいずれか一項に記載の方法。
実施形態12.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態1~11のいずれか一項に記載の方法。
実施形態13.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態1~12のいずれか一項に記載の方法。
実施形態14.少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態1~13のいずれか一項に記載の方法。
実施形態15.各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態14に記載の方法。
実施形態16.少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態1~13のいずれか一項に記載の方法。
実施形態17.各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態16に記載の方法。
実施形態18.少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態1~17のいずれか一項に記載の方法。
実施形態19.当該クラスターにおける1つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態1~18のいずれか一項に記載の方法。
実施形態20.当該クラスターにおける2つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態1~18のいずれか一項に記載の方法。
実施形態21.当該クラスターにおける最大1つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態1~18のいずれか一項に記載の方法。
実施形態22.当該クラスターにおける最大2つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態1~18のいずれか一項に記載の方法。
実施形態23.当該クラスターにおける最大10%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態1~18のいずれか一項に記載の方法。
実施形態24.当該クラスターにおける最大25%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態1~18のいずれか一項に記載の方法。
実施形態25.当該クラスターにおける75%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態1~20のいずれか一項に記載の方法。
実施形態26.当該クラスターにおける50%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態1~20のいずれか一項に記載の方法。
実施形態27.当該クラスターにおける25%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態1~20のいずれか一項に記載の方法。
実施形態28.当該複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、実施形態1~27のいずれか一項に記載の方法。
実施形態29.当該複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、実施形態1~28のいずれか一項に記載の方法。
実施形態30.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、実施形態29に記載の方法。
実施形態31.当該複数の配列リードが、不対配列リードを含む、実施形態1~28のいずれか一項に記載の方法。
実施形態32.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、当該複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを更に含む、実施形態1~31のいずれか一項に記載の方法。
実施形態33.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、参照ゲノムに対して当該複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを更に含む、実施形態1~32のいずれか一項に記載の方法。
実施形態34.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、シトシン変換を受けることができなかった当該複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを更に含む、実施形態1~33のいずれか一項に記載の方法。
実施形態35.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、当該CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを更に含む、実施形態1~34のいずれか一項に記載の方法。
実施形態36.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを更に含む、実施形態1~35のいずれか一項に記載の方法。
実施形態37.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態1~36のいずれか一項に記載の方法。
実施形態38.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態37に記載の方法。
実施形態39.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態37に記載の方法。
実施形態40.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態37に記載の方法。
実施形態41.当該複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、実施形態1~40のいずれか一項に記載の方法。
実施形態42.当該複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、実施形態1~40のいずれか一項に記載の方法。
実施形態43.当該複数の配列リードを提供する前に、複数の核酸又は核酸断片をバイサルファイトで処理することを更に含む、実施形態1~40のいずれか一項に記載の方法。
実施形態44.当該複数の配列リードを提供する前に、複数の核酸又は核酸断片を、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理で処理することを更に含む、実施形態1~40のいずれか一項に記載の方法。
実施形態45.当該複数の配列リードを提供する前に、複数の核酸を断片化に供することを更に含む、実施形態1~44のいずれか一項に記載の方法。
実施形態46.当該複数の配列リードを提供する前に、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する複数の核酸又は核酸断片を選択的に濃縮して、濃縮試料を生成することを更に含む、実施形態1~45のいずれか一項に記載の方法。
実施形態47.当該複数の核酸又は核酸断片の当該増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行われる、実施形態1~46のいずれか一項に記載の方法。
実施形態48.当該複数の配列リードを提供する前に、当該試料から当該複数の核酸を単離することを更に含む、実施形態1~47のいずれか一項に記載の方法。
実施形態49.当該試料が、腫瘍細胞及び/又は腫瘍核酸を含む、実施形態48に記載の方法。
実施形態50.当該試料が、非腫瘍細胞及び/又は非腫瘍核酸を更に含む、実施形態49に記載の方法。
実施形態51.当該試料が、全核酸の1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、実施形態50に記載の方法。
実施形態52.当該試料が、全核酸の0.1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、実施形態50に記載の方法。
実施形態53.当該試料が、全核酸の少なくとも0.01%である腫瘍核酸の割合を含む、実施形態50~52のいずれか一項に記載の方法。
実施形態54.当該試料が、腫瘍無細胞DNA(cfDNA)、循環無細胞DNA(ccfDNA)、又は循環腫瘍DNA(ctDNA)を含む、実施形態48~53のいずれか一項に記載の方法。
実施形態55.当該試料が、流体、細胞、又は組織を含む、実施形態48~53のいずれか一項に記載の方法。
実施形態56.試料が、血液又は血漿を含む、実施形態55に記載の方法。
実施形態57.当該試料が、腫瘍生検又は循環腫瘍細胞を含む、実施形態48~53のいずれか一項に記載の方法。
実施形態58.当該試料が、組織試料であり、当該方法が、当該組織における複数の核酸分子を断片化に供して、当該複数の核酸断片を作成することを更に含む、実施形態1~57のいずれか一項に記載の方法。
実施形態59.当該複数の核酸断片を増幅する前に、当該複数の核酸断片からの1つ以上の核酸断片に1つ以上のアダプターをライゲーションすることを更に含む、実施形態58に記載の方法。
実施形態60.個体におけるがんを検出する方法であって、実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することを含み、当該試料において検出された当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルにより、当該個体ががんを有すると特定される、方法。
実施形態61.がんを有することが疑われる個体をスクリーニングする方法であって、実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することを含み、当該試料において検出された当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルにより、当該個体ががんを有する可能性が高いと特定される、方法。
実施形態62.がんを有する個体の予後を決定する方法であって、実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することを含み、当該試料において検出された当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルにより、当該個体の当該予後が少なくとも部分的に決定される、方法。
実施形態63.がんを有する個体の生存を予測する方法であって、実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することを含み、当該試料において検出された当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルにより、当該個体の当該生存が少なくとも部分的に予測される、方法。
実施形態64.当該試料において検出された当該メチル化レベルが、閾値又は参照値よりも高く、当該試料のメチル化レベルが当該閾値又は参照値よりも低い個体の生存と比較して、当該個体の生存が減少すると予測される、実施形態63に記載の方法。
実施形態65.がんを有する個体の腫瘍負荷を予測する方法であって、実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することを含み、当該試料において検出された当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルにより、当該個体の当該腫瘍負荷が少なくとも部分的に予測される、方法。
実施形態66.当該試料において検出された当該メチル化レベルが、閾値又は参照値よりも高く、当該試料のメチル化レベルが当該閾値又は参照値よりも低い個体の腫瘍負荷と比較して、当該個体の腫瘍負荷が増加すると予測される、実施形態65に記載の方法。
実施形態67.がんを有する個体の治療に対する応答性を予測する方法であって、実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することを含み、当該試料において検出された当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルが、当該個体の治療に対する応答性を少なくとも部分的に予測するために使用される、方法。
実施形態68.アントラサイクリンベースの化学療法を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるがんを有する個体を特定する方法であって、実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することを含み、当該複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、当該試料において検出された当該PITX2遺伝子座のメチル化により、アントラサイクリンベースの化学療法を含む当該治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして当該個体が特定される、方法。
実施形態69.がんを有する個体に対する療法を選択する方法であって、実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することを含み、当該複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、当該試料において検出された当該PITX2遺伝子座のメチル化により、アントラサイクリンベースの化学療法を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして当該個体が特定される、方法。
実施形態70.がんを有する個体に対する1つ以上の治療選択肢を特定する方法であって、当該方法が、
(a)実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することであって、当該複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、
(b)当該試料において検出された当該PITX2遺伝子座のメチル化に少なくとも部分的に基づいて、当該個体に対して特定された1つ以上の治療選択肢を含むレポートを生成することであって、当該1つ以上の治療選択肢が、アントラサイクリンベースの化学療法を含む、生成することと、を含む、方法。
実施形態71.がんを治療する方法又はがんの進行を遅らせる方法であって、
(a)実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することであって、当該複数の核酸が、PITX2遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、
(b)有効量のアントラサイクリンベースの化学療法を当該個体に施すことと、を含む、方法。
実施形態72.アルキル化剤を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるがんを有する個体を特定する方法であって、実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することを含み、当該複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、当該試料において検出された当該MGMT遺伝子座のメチル化により、アルキル化剤を含む当該治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして当該個体が特定される、方法。
実施形態73.がんを有する個体に対する療法を選択する方法であって、実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することを含み、当該複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含み、当該試料において検出された当該MGMT遺伝子座のメチル化により、アルキル化剤を含む治療から恩恵を受ける可能性のあるものとして当該個体が特定される、方法。
実施形態74.がんを有する個体のための1つ以上の治療選択肢を特定する方法であって、方法が、
(a)実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することであって、当該複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、
(b)当該試料において検出された当該MGMT遺伝子座のメチル化に少なくとも部分的に基づいて、当該個体に対して特定された1つ以上の治療選択肢を含むレポートを生成することであって、当該1つ以上の治療選択肢が、アルキル化剤を含む、生成することと、を含む、方法。
実施形態75.がんを治療する方法又はがんの進行を遅らせる方法であって、
(a)実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することであって、当該複数の核酸が、MGMT遺伝子座に対応する1つ以上の核酸を含む、検出することと、
(b)有効量のアルキル化剤を当該個体に投与することと、を含む、方法。
実施形態76.がんの治療を受けている個体の応答をモニタリングする方法であって、
(a)がんを有する個体に治療を施すことと、
(b)実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、治療後に当該個体から得られた複数の核酸を含む試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することであって、当該試料において検出された当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルが、当該治療に対する応答を少なくとも部分的にモニタリングするために使用される、検出することと、を含む、方法。
実施形態77.治療前のメチル化レベル未満又は閾値若しくは参照値未満である治療後のメチル化レベルの検出が、当該個体が治療に応答したことを示す、実施形態76に記載の方法。
実施形態78.治療前のメチル化レベル以下又は閾値若しくは参照値未満である治療後のメチル化レベルの検出が、当該個体が治療に応答したことを示す、実施形態76に記載の方法。
実施形態79.個体におけるがんをモニタリングする方法であって、
(a)実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む第1の試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することと、
(b)実施形態1~57のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む第2の試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することであって、当該第2の試料が、当該第1の試料後に当該個体から得られる、検出することと、
(c)当該第1の試料と当該第2の試料との間のメチル化レベルの差を決定し、それによって、当該個体における当該がんをモニタリングすることと、を含む、方法。
実施形態80.がんの治療を受けている個体の応答をモニタリングする方法であって、
(a)実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む第1の試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することと、
(b)当該個体から当該第1の試料を得た後に、当該個体に治療を施すことと、
(c)実施形態1~59のいずれか一項に記載の方法に従って、当該個体から得られた複数の核酸を含む第2の試料における当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルを検出することであって、当該第2の試料が、当該治療を施した後に当該個体から得られる、検出することと、
(d)当該第1の試料と当該第2の試料との間のメチル化レベルの差を決定し、それによって、当該治療に対する当該個体の応答をモニタリングすることと、を含む、方法。
実施形態81.試料から2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、
プロセッサによって、遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、当該コンセンサスメチル化パターンが、メチル化が検出された当該クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、当該クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、当該CCFが、当該クラスターに対応する当該複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの当該コンセンサスメチル化パターンを示す当該クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
当該プロセッサによって、当該CCFに基づいて、当該クラスターの当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、方法。
実施形態82.2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
シーケンサーによって、複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることと、
プロセッサによって、当該クラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、当該コンセンサスメチル化パターンが、メチル化が検出された当該クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、当該クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、当該CCFが、当該クラスターに対応する当該複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの当該コンセンサスメチル化パターンを示す当該クラスターに対応する配列リードの割合を表し、それによって、当該クラスターの当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する、生成することと、
当該プロセッサによって、当該CCFに基づいて、当該クラスターの当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、方法。
実施形態83.当該コンセンサスメチル化パターンが、当該複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおけるシトシン変換に基づいて、メチル化が検出された当該クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、実施形態81又は82に記載の方法。
実施形態84.当該CCFが、閾値又は参照値以上であり、当該方法が、当該CCFが当該閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む、実施形態81~83のいずれか一項に記載の方法。
実施形態85.当該CCFが、閾値又は参照値未満であり、当該方法が、当該CCFが当該閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む、実施形態81~83のいずれか一項に記載の方法。
実施形態86.複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態81~85のいずれか一項に記載の方法。
実施形態87.複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、実施形態86に記載の方法。
実施形態88.1,000超のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態86又は87に記載の方法。
実施形態89.10~100,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態86又は87に記載の方法。
実施形態90.最大1,000,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態81~89のいずれか一項に記載の方法。
実施形態91.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、実施形態81~90のいずれか一項に記載の方法。
実施形態92.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、実施形態91に記載の方法。
実施形態93.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、実施形態81~90のいずれか一項に記載の方法。
実施形態94.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態81~93のいずれか一項に記載の方法。
実施形態95.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態81~94のいずれか一項に記載の方法。
実施形態96.少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態81~95のいずれか一項に記載の方法。
実施形態97.各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態96に記載の方法。
実施形態98.少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態81~95のいずれか一項に記載の方法。
実施形態99.各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態98に記載の方法。
実施形態100.少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態81~99のいずれか一項に記載の方法。
実施形態101.当該クラスターにおける1つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態81~100のいずれか一項に記載の方法。
実施形態102.当該クラスターにおける2つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態81~100のいずれか一項に記載の方法。
実施形態103.当該クラスターにおける最大1つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態81~100のいずれか一項に記載の方法。
実施形態104.当該クラスターにおける最大2つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態81~100のいずれか一項に記載の方法。
実施形態105.当該クラスターにおける最大10%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態81~100のいずれか一項に記載の方法。
実施形態106.当該クラスターにおける最大25%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態81~100のいずれか一項に記載の方法。
実施形態107.当該クラスターにおける75%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態81~102のいずれか一項に記載の方法。
実施形態108.当該クラスターにおける50%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態81~102のいずれか一項に記載の方法。
実施形態109.当該クラスターにおける25%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態81~102のいずれか一項に記載の方法。
実施形態110.当該複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、実施形態81~109のいずれか一項に記載の方法。
実施形態111.当該複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、実施形態81~110のいずれか一項に記載の方法。
実施形態112.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、実施形態111に記載の方法。
実施形態113.当該複数の配列リードが、不対配列リードを含む、実施形態81~110のいずれか一項に記載の方法。
実施形態114.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、当該複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを更に含む、実施形態81~113のいずれか一項に記載の方法。
実施形態115.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、参照ゲノムに対して当該複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを更に含む、実施形態81~114のいずれか一項に記載の方法。
実施形態116.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、シトシン変換を受けることができなかった当該複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを更に含む、実施形態81~115のいずれか一項に記載の方法。
実施形態117.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、当該CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを更に含む、実施形態81~116のいずれか一項に記載の方法。
実施形態118.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを更に含む、実施形態81~117のいずれか一項に記載の方法。
実施形態119.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態81~118のいずれか一項に記載の方法。
実施形態120.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態119に記載の方法。
実施形態121.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態119に記載の方法。
実施形態122.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態119に記載の方法。
実施形態123.当該複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、実施形態81~122のいずれか一項に記載の方法。
実施形態124.当該複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、実施形態81~122のいずれか一項に記載の方法。
実施形態125.当該複数の配列リードを得る前に、複数の核酸又は核酸断片をバイサルファイトで処理することを更に含む、実施形態81~122のいずれか一項に記載の方法。
実施形態126.当該複数の配列リードを得る前に、複数の核酸又は核酸断片を、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理で処理することを更に含む、実施形態81~122のいずれか一項に記載の方法。
実施形態127.当該複数の配列リードを得る前に、複数の核酸を断片化に供することを更に含む、実施形態81~126のいずれか一項に記載の方法。
実施形態128.当該複数の配列リードを得る前に、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する複数の核酸又は核酸断片を選択的に濃縮して、濃縮試料を生成することを更に含む、実施形態81~127のいずれか一項に記載の方法。
実施形態129.当該複数の核酸又は核酸断片の当該増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行われる、実施形態81~128のいずれか一項に記載の方法。
実施形態130.当該複数の配列リードを得る前に、試料から当該複数の核酸を単離することを更に含む、実施形態81~129のいずれか一項に記載の方法。
実施形態131.当該試料が、腫瘍細胞及び/又は腫瘍核酸を含む、実施形態130に記載の方法。
実施形態132.当該試料が、非腫瘍細胞及び/又は非腫瘍核酸を更に含む、実施形態131に記載の方法。
実施形態133.当該試料が、全核酸の1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、実施形態132に記載の方法。
実施形態134.当該試料が、全核酸の0.1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、実施形態132に記載の方法。
実施形態135.当該試料が、全核酸の少なくとも0.01%である腫瘍核酸の割合を含む、実施形態132~134のいずれか一項に記載の方法。
実施形態136.当該試料が、腫瘍無細胞DNA(cfDNA)、循環無細胞DNA(ccfDNA)、又は循環腫瘍DNA(ctDNA)を含む、実施形態130~135のいずれか一項に記載の方法。
実施形態137.当該試料が、流体、細胞、又は組織を含む、実施形態130~135のいずれか一項に記載の方法。
実施形態138.試料が、血液又は血漿を含む、実施形態137に記載の方法。
実施形態139.当該試料が、腫瘍生検又は循環腫瘍細胞を含む、実施形態130~135のいずれか一項に記載の方法。
実施形態140.当該試料が、組織試料であり、当該方法が、当該組織における複数の核酸分子を断片化に供して、当該複数の核酸断片を作成することを更に含む、実施形態81~139のいずれか一項に記載の方法。
実施形態141.当該複数の核酸断片を増幅する前に、当該複数の核酸断片からの1つ以上の核酸断片に1つ以上のアダプターをライゲーションすることを更に含む、実施形態140に記載の方法。
実施形態142.システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータプログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、を含み、当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、ゲノム遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサスメチル化パターンであって、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られた複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出された当該クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、コンセンサスメチル化パターンを決定し、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)であって、当該クラスターに対応する当該複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの当該コンセンサスメチル化パターンを示す当該クラスターに対応する配列リードの割合を表す、CCFを生成するように構成されている、システム。
実施形態143.当該CCFが、閾値又は参照値以上であり、当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CCFが当該閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出するように更に構成されている、実施形態142に記載のシステム。
実施形態144.当該CCFが、閾値又は参照値未満であり、当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CCFが当該閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出するように更に構成されている、実施形態142に記載のシステム。
実施形態145.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定し、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成するように更に構成されている、実施形態142~144のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態146.当該複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、実施形態145に記載のシステム。
実施形態147.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、1,000超のクラスターのCCFを生成するように構成されている、実施形態145又は146に記載のシステム。
実施形態148.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、10~100,000のクラスターのCCFを生成するように構成されている、実施形態145又は146に記載のシステム。
実施形態149.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、最大1,000,000のクラスターのCCFを生成するように構成されている、実施形態145又は146に記載のシステム。
実施形態150.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、実施形態142~149のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態151.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、実施形態150に記載のシステム。
実施形態152.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、実施形態142~149のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態153.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態142~152のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態154.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態142~153のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態155.少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態142~154のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態156.各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態155に記載のシステム。
実施形態157.少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態142~154のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態158.各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態157に記載のシステム。
実施形態159.少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態142~158のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態160.当該クラスターにおける1つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態142~159のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態161.当該クラスターにおける2つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態142~159のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態162.当該クラスターにおける最大1つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態142~159のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態163.当該クラスターにおける最大2つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態142~159のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態164.当該クラスターにおける最大10%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態142~159のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態165.当該クラスターにおける最大25%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態142~159のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態166.当該クラスターにおける75%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態142~161のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態167.当該クラスターにおける50%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態142~161のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態168.当該クラスターにおける25%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態142~161のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態169.当該複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、実施形態142~168のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態170.当該複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、実施形態142~169のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態171.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、実施形態170に記載のシステム。
実施形態172.当該複数の配列リードが、不対配列リードを含む、実施形態142~169のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態173.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該複数の配列リードからの配列リードを逆多重化するように更に構成されている、実施形態142~172のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態174.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、参照ゲノムに対して当該複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うように更に構成されている、実施形態142~173のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態175.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、シトシン変換を受けることができなかった当該複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外するように更に構成されている、実施形態142~174のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態176.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外するように更に構成されている、実施形態142~175のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態177.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外するように更に構成されている、実施形態142~176のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態178.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定及び生成される、実施形態142~177のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態179.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態178に記載のシステム。
実施形態180.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態178に記載のシステム。
実施形態181.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態178に記載のシステム。
実施形態182.当該複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、実施形態142~181のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態183.当該複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、実施形態142~181のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態184.方法を行うための1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行可能な1つ以上のプログラムを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、当該方法が、
シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、ゲノム遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することであって、当該コンセンサスメチル化パターンが、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出された当該クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、当該CCFが、当該クラスターに対応する当該複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの当該コンセンサスメチル化パターンを示す当該クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
当該プロセッサによって、当該CCFに基づいて、当該クラスターの当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態185.当該複数の配列リードが、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られる、実施形態184に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態186.当該CCFが、閾値又は参照値以上であり、当該方法が、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CCFが当該閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む、実施形態184又は185に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態187.当該CCFが、閾値又は参照値以上であり、当該方法が、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CCFが当該閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む、実施形態184又は185に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態188.当該方法が、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することと、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することと、を更に含む、実施形態184~187のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態189.当該複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、実施形態188に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態190.当該方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、1,000超のクラスターのCCFを生成することを含む、実施形態188又は189に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態191.当該方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、10~100,000のクラスターのCCFを生成することを含む、実施形態188又は189に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態192.当該方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、最大1,000,000のクラスターのCCFを生成することを含む、実施形態188又は189に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態193.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、実施形態184~192のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態194.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、実施形態193に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態195.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、実施形態184~192のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態196.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態184~195のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態197.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態184~196のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態198.少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態184~197のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態199.各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態198に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態200.少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態184~197のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態201.各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態200に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態202.少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態184~201のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態203.当該クラスターにおける1つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態204.当該クラスターにおける2つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態205.当該クラスターにおける最大1つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態206.当該クラスターにおける最大2つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態207.当該クラスターにおける最大10%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態208.当該クラスターにおける最大25%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態184~202のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態209.当該クラスターにおける75%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態184~204のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態210.当該クラスターにおける50%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態184~204のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態211.当該クラスターにおける25%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態184~204のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態212.当該複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、実施形態184~211のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態213.当該複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、実施形態184~212のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態214.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、実施形態213に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態215.当該複数の配列リードが、不対配列リードを含む、実施形態184~212のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態216.当該方法が、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを含む、実施形態184~215のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態217.当該方法が、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、参照ゲノムに対して当該複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを含む、実施形態184~216のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態218.当該方法が、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、シトシン変換を受けることができなかった当該複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを含む、実施形態184~217のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態219.当該方法が、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを含む、実施形態184~218のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態220.当該方法が、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを含む、実施形態184~219のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態221.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定及び生成される、実施形態184~220のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態222.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態221に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態223.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態221に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態224.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態221に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態225.当該複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、実施形態184~224のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態226.当該複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、実施形態184~224のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態227.対象からの試料における2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
当該試料から複数の核酸断片を得ることと、
当該複数の核酸断片を増幅することと、
シーケンサーによって、複数の増幅された核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることであって、少なくとも当該複数の増幅された核酸断片が、シトシン変換を受けており、当該複数の核酸断片が、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する、得ることと、
プロセッサによって、当該クラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、当該コンセンサス非メチル化パターンが、当該複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおける当該シトシン変換に基づいて、メチル化が検出されなかった当該クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、当該クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、当該CCFが、当該クラスターに対応する当該複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの当該コンセンサス非メチル化パターンを示す当該クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
当該CCFに基づいて、当該クラスターの当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、
検出された当該メチル化レベル、検出された当該非メチル化レベル、又はそれらの両方に基づいて、当該対象のゲノムプロファイルを生成することと、を含む、方法。
実施形態228.試料から2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、
プロセッサによって、遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、当該コンセンサス非メチル化パターンが、メチル化が検出されなかった当該クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、当該クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、当該CCFが、当該クラスターに対応する当該複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの当該コンセンサス非メチル化パターンを示す当該クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
当該プロセッサによって、当該CCFに基づいて、当該クラスターの当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、方法。
実施形態229.当該CCFが、当該複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおける当該シトシン変換に基づいて、当該クラスターに対応する当該複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの当該コンセンサス非メチル化パターンを示す当該クラスターに対応する配列リードの割合を表す、実施形態228に記載の方法。
実施形態230.2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのメチル化レベル又は非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する方法であって、
シーケンサーによって、複数の核酸断片を配列決定して、複数の配列リードを得ることと、
プロセッサによって、当該クラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、当該コンセンサス非メチル化パターンが、当該シトシン変換に基づいて、当該複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されなかった当該クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
プロセッサによって、当該クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、当該CCFが、当該クラスターに対応する当該複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの当該コンセンサス非メチル化パターンを示す当該クラスターに対応する配列リードの割合を表し、それによって、当該クラスターの当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出する、生成することと、
当該プロセッサによって、当該CCFに基づいて、当該クラスターの当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、方法。
実施形態231.当該CCFが、閾値又は参照値未満であり、当該方法が、当該CCFが当該閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む、実施形態227~230のいずれか一項に記載の方法。
実施形態232.当該CCFが、閾値又は参照値以上であり、当該方法が、当該CCFが当該閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む、実施形態227~230のいずれか一項に記載の方法。
実施形態233.複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態227~232のいずれか一項に記載の方法。
実施形態234.複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、実施形態233に記載の方法。
実施形態235.1,000超のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態233又は234に記載の方法。
実施形態236.10~100,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態233又は234に記載の方法。
実施形態237.最大1,000,000のクラスターのコンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定することを含む、実施形態227~236のいずれか一項に記載の方法。
実施形態238.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、実施形態227~237のいずれか一項に記載の方法。
実施形態239.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、実施形態238に記載の方法。
実施形態240.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、実施形態227~237のいずれか一項に記載の方法。
実施形態241.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態227~240のいずれか一項に記載の方法。
実施形態242.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態227~241のいずれか一項に記載の方法。
実施形態243.少なくとも227つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態1~242のいずれか一項に記載の方法。
実施形態244.各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態243に記載の方法。
実施形態245.少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態227~244のいずれか一項に記載の方法。
実施形態246.各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態245に記載の方法。
実施形態247.少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態227~246のいずれか一項に記載の方法。
実施形態248.当該クラスターにおける1つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態227~247のいずれか一項に記載の方法。
実施形態249.当該クラスターにおける2つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態227~247のいずれか一項に記載の方法。
実施形態250.当該クラスターにおける最大1つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態227~247のいずれか一項に記載の方法。
実施形態251.当該クラスターにおける最大2つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態227~247のいずれか一項に記載の方法。
実施形態252.当該クラスターにおける最大10%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態227~247のいずれか一項に記載の方法。
実施形態253.当該クラスターにおける最大25%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態227~247のいずれか一項に記載の方法。
実施形態254.当該クラスターにおける75%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態227~249のいずれか一項に記載の方法。
実施形態255.当該クラスターにおける50%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態227~249のいずれか一項に記載の方法。
実施形態256.当該クラスターにおける25%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態227~249のいずれか一項に記載の方法。
実施形態257.当該複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、実施形態227~256のいずれか一項に記載の方法。
実施形態258.当該複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、実施形態227~257のいずれか一項に記載の方法。
実施形態259.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、実施形態258に記載の方法。
実施形態260.当該複数の配列リードが、不対配列リードを含む、実施形態227~257のいずれか一項に記載の方法。
実施形態261.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、当該複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを更に含む、実施形態227~260のいずれか一項に記載の方法。
実施形態262.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、参照ゲノムに対して当該複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを更に含む、実施形態227~261のいずれか一項に記載の方法。
実施形態263.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、シトシン変換を受けることができなかった当該複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを更に含む、実施形態227~262のいずれか一項に記載の方法。
実施形態264.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、当該CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを更に含む、実施形態227~263のいずれか一項に記載の方法。
実施形態265.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFを決定する前に、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを更に含む、実施形態227~264のいずれか一項に記載の方法。
実施形態266.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態227~265のいずれか一項に記載の方法。
実施形態267.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態266に記載の方法。
実施形態268.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態266に記載の方法。
実施形態269.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態266に記載の方法。
実施形態270.当該複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、実施形態227~269のいずれか一項に記載の方法。
実施形態271.当該複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、実施形態227~269のいずれか一項に記載の方法。
実施形態272.当該複数の配列リードを得る前に、複数の核酸又は核酸断片をバイサルファイトで処理することを更に含む、実施形態227~269のいずれか一項に記載の方法。
実施形態273.当該複数の配列リードを得る前に、複数の核酸又は核酸断片を、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理で処理することを更に含む、実施形態227~269のいずれか一項に記載の方法。
実施形態274.当該複数の配列リードを得る前に、複数の核酸を断片化に供することを更に含む、実施形態227~273のいずれか一項に記載の方法。
実施形態275.当該複数の配列リードを得る前に、2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターを含むゲノム遺伝子座に対応する複数の核酸又は核酸断片を選択的に濃縮して、濃縮試料を生成することを更に含む、実施形態227~274のいずれか一項に記載の方法。
実施形態276.当該複数の核酸又は核酸断片の当該増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行われる、実施形態227~275のいずれか一項に記載の方法。
実施形態277.当該複数の配列リードを得る前に、試料から当該複数の核酸を単離することを更に含む、実施形態227~276のいずれか一項に記載の方法。
実施形態278.当該試料が、腫瘍細胞及び/又は腫瘍核酸を含む、実施形態277に記載の方法。
実施形態279.当該試料が、非腫瘍細胞及び/又は非腫瘍核酸を更に含む、実施形態278に記載の方法。
実施形態280.当該試料が、全核酸の1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、実施形態279に記載の方法。
実施形態281.当該試料が、全核酸の0.1%未満である腫瘍核酸の割合を含む、実施形態279に記載の方法。
実施形態282.当該試料が、全核酸の少なくとも0.01%である腫瘍核酸の割合を含む、実施形態279~281のいずれか一項に記載の方法。
実施形態283.当該試料が、腫瘍無細胞DNA(cfDNA)、循環無細胞DNA(ccfDNA)、又は循環腫瘍DNA(ctDNA)を含む、実施形態277~282のいずれか一項に記載の方法。
実施形態284.当該試料が、流体、細胞、又は組織を含む、実施形態277~282のいずれか一項に記載の方法。
実施形態285.試料が、血液又は血漿を含む、実施形態284に記載の方法。
実施形態286.当該試料が、腫瘍生検又は循環腫瘍細胞を含む、実施形態277~282のいずれか一項に記載の方法。
実施形態287.当該試料が、組織試料であり、当該方法が、当該組織における複数の核酸分子を断片化に供して、当該複数の核酸断片を作成することを更に含む、実施形態227~286のいずれか一項に記載の方法。
実施形態288.当該複数の核酸断片を増幅する前に、当該複数の核酸断片からの1つ以上の核酸断片に1つ以上のアダプターをライゲーションすることを更に含む、実施形態287に記載の方法。
実施形態289.システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータプログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、を含み、当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、ゲノム遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサス非メチル化パターンであって、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られた複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されなかった当該クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、コンセンサス非メチル化パターンを決定し、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)であって、当該クラスターに対応する当該複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの当該コンセンサス非メチル化パターンを示す当該クラスターに対応する配列リードの割合を表す、CCFを生成するように構成されている、システム。
実施形態290.当該CCFが、閾値又は参照値以上であり、当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CCFが当該閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出するように更に構成されている、実施形態289に記載のシステム。
実施形態291.当該CCFが、閾値又は参照値未満であり、当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CCFが当該閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出するように更に構成されている、実施形態289に記載のシステム。
実施形態292.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定し、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成するように更に構成されている、実施形態289~291のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態293.当該複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、実施形態292に記載のシステム。
実施形態294.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、1,000超のクラスターのCCFを生成するように構成されている、実施形態292又は293に記載のシステム。
実施形態295.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、10~100,000のクラスターのCCFを生成するように構成されている、実施形態292又は293に記載のシステム。
実施形態296.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンセンサスメチル化パターンを決定し、最大1,000,000のクラスターのCCFを生成するように構成されている、実施形態292又は293に記載のシステム。
実施形態297.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、実施形態289~296のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態298.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、実施形態297に記載のシステム。
実施形態299.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、実施形態289~296のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態300.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態289~299のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態301.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態289~300のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態302.少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態289~301のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態303.各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態302に記載のシステム。
実施形態304.少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態289~301のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態305.各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態304に記載のシステム。
実施形態306.少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態289~305のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態307.当該クラスターにおける1つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態289~306のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態308.当該クラスターにおける2つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態289~306のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態309.当該クラスターにおける最大1つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態289~306のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態310.当該クラスターにおける最大2つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態289~306のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態311.当該クラスターにおける最大10%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態289~306のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態312.当該クラスターにおける最大25%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態289~306のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態313.当該クラスターにおける75%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態289~312のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態314.当該クラスターにおける50%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態289~312のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態315.当該クラスターにおける25%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態289~312のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態316.当該複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、実施形態289~315のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態317.当該複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、実施形態289~316のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態318.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、実施形態317に記載のシステム。
実施形態319.当該複数の配列リードが、不対配列リードを含む、実施形態289~316のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態320.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該複数の配列リードからの配列リードを逆多重化するように更に構成されている、実施形態289~319のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態321.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、参照ゲノムに対して当該複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うように更に構成されている、実施形態289~320のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態322.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、シトシン変換を受けることができなかった当該複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外するように更に構成されている、実施形態289~321のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態323.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外するように更に構成されている、実施形態289~322のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態324.当該1つ以上のコンピュータプログラム命令が、当該1つ以上のプロセッサによって実行されると、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外するように更に構成されている、実施形態289~323のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態325.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定及び生成される、実施形態289~324のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態326.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態325に記載のシステム。
実施形態327.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態325に記載のシステム。
実施形態328.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態325に記載のシステム。
実施形態329.当該複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、実施形態289~328のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態330.当該複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、実施形態289~328のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態331.方法を実行するための1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行可能な1つ以上のプログラムを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、当該方法が、
シトシン変換を示す複数の核酸断片から複数の配列リードを得ることと、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、遺伝子座での2つ以上のCpGジヌクレオチドのクラスターのコンセンサス非メチル化パターンを決定することであって、当該コンセンサス非メチル化パターンが、複数の配列リードからの少なくとも1つの配列リードにおいてメチル化が検出されなかった当該クラスターにおける各CpGジヌクレオチドを表す、決定することと、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該クラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することであって、当該CCFが、当該クラスターに対応する当該複数の配列リードからの配列リードの総数のうちの当該コンセンサス非メチル化パターンを示す当該クラスターに対応する配列リードの割合を表す、生成することと、
当該プロセッサによって、当該CCFに基づいて、当該クラスターの当該メチル化レベル又は当該非メチル化レベルのうちの1つ以上を検出することと、を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態332.当該複数の配列リードが、シトシン変換を受けた複数の核酸断片から得られる、実施形態331に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態333.当該CCFが、閾値又は参照値以上であり、当該方法が、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CCFが当該閾値又は参照値以上であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の不在を検出することを更に含む、実施形態331又は332に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態334.当該CCFが、閾値又は参照値以上であり、当該方法が、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CCFが当該閾値又は参照値未満であることに少なくとも部分的に基づいて、当該複数の核酸断片におけるがん核酸の存在を検出することを更に含む、実施形態331又は332に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態335.当該方法が、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、2つ以上のCpGジヌクレオチドの複数のクラスターのコンセンサスメチル化パターンを決定することと、
当該1つ以上のプロセッサを使用して、複数のクラスターのクラスターコンセンサス率(CCF)を生成することと、を更に含む、実施形態331~334のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態336.当該複数のクラスターが、複数のゲノム遺伝子座に対応する、実施形態335に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態337.当該方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、1,000超のクラスターのCCFを生成することを含む、実施形態335又は336に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態338.当該方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、10~100,000のクラスターのCCFを生成することを含む、実施形態335又は336に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態339.当該方法が、コンセンサスメチル化パターンを決定し、最大1,000,000のクラスターのCCFを生成することを含む、実施形態335又は336に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態340.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも100の配列リードを含む、実施形態331~339のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態341.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する少なくとも1000の配列リードを含む、実施形態340に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態342.当該複数の配列リードが、当該クラスターに対応する1~5の配列リードを含む、実施形態331~339のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態343.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態331~342のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態344.当該クラスターにおける少なくとも1つのCpGジヌクレオチドが、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態331~343のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態345.少なくとも1つのクラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態331~344のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態346.各クラスターが、2つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態345に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態347.少なくとも1つのクラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態331~344のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態348.各クラスターが、5つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態347に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態349.少なくとも1つのクラスターが、6つ以上のCpGジヌクレオチドを含む、実施形態331~348のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態350.当該クラスターにおける1つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態351.当該クラスターにおける2つを除く全ての部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されている、実施形態331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態352.当該クラスターにおける最大1つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態353.当該クラスターにおける最大2つの部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態354.当該クラスターにおける最大10%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態355.当該クラスターにおける最大25%の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態331~349のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態356.当該クラスターにおける75%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態331~351のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態357.当該クラスターにおける50%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態331~351のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態358.当該クラスターにおける25%超の部位が、当該コンセンサスメチル化パターンでメチル化されていない、実施形態331~351のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態359.当該複数の配列リードが、全ゲノムメチル配列決定(WGMS)又は次世代配列決定(NGS)から得られる、実施形態331~358のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態360.当該複数の配列リードが、ペアエンド配列リードを含む、実施形態331~359のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態361.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターに対応するペアエンド配列リードに基づいて決定される、実施形態360に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態362.当該複数の配列リードが、不対配列リードを含む、実施形態331~359のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態363.当該方法が、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該複数の配列リードからの配列リードを逆多重化することを含む、実施形態331~362のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態364.当該方法が、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、参照ゲノムに対して当該複数の配列リードからの配列リードの3文字アラインメントを行うことを含む、実施形態331~363のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態365.当該方法が、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、シトシン変換を受けることができなかった当該複数の配列決定リードからの配列決定リードを除外することを含む、実施形態331~364のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態366.当該方法が、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、当該CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つの最初の位置にシトシン又はチミン以外の塩基を有する配列リードを除外することを含む、実施形態331~365のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態367.当該方法が、当該コンセンサスメチル化パターンを決定し、当該CCFを生成する前に、当該1つ以上のプロセッサを使用して、閾値塩基品質未満の塩基品質を有する配列リードを除外することを含む、実施形態331~366のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態368.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける複数のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定及び生成される、実施形態331~367のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態369.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも50%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態368に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態370.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける少なくとも90%のCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態368に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態371.当該コンセンサスメチル化パターン及びCCFが、当該クラスターにおける全てのCpGジヌクレオチドをカバーする配列リードに基づいて決定される、実施形態368に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態372.当該複数の核酸断片が、バイサルファイト処理によるシトシン変換を受けている、実施形態331~371のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
実施形態373.当該複数の核酸断片が、TET支援バイサルファイト処理、TET支援ピリジンボラン処理、酸化的バイサルファイト処理、又はAPOBEC処理によるシトシン変換を受けている、実施形態331~371のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0225】
本明細書で参照される全ての刊行物、特許、及び特許出願の開示は、それぞれ、参照によりその全体が本明細書に援用される。参照により援用される参考文献が本開示と矛盾する限り、本開示が優先するものとする。
【実施例
【0226】
本発明は、以下の実施例を参照することによって、より完全に理解されるであろう。しかしながら、それらは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書に記載された例及び実施形態は、例示のみを目的としており、それに照らして様々な修正又は変更が当業者に提案され、本出願及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれることが理解される。
【0227】
実施例1:異常なDNAメチル化の超高感度検出のための断片コンセンサスベースのアプローチ
早期がんでは、ccfDNAには、がん由来の分子が、1,000分の1から100,000分の1の頻度で含まれていることが多く、多くの分析法の適用に対して障害となる。同様の課題は、尿の無細胞DNA、脳脊髄液などを含む、がんDNAが存在するものの少量である他の試料タイプを使用する場合も生じる。このレベルのがんシグナルを高感度に検出することは、ccfDNAをMRDの検出及び早期がん患者の血液ベースのモニタリングにうまく応用するために必要である可能性が高い。
【0228】
遺伝子発現の調節不全は、がんの特徴であり、これを血液中で直接観察する1つの方法は、ccfDNAの異常なDNAメチル化を調べることである。DNAメチル化は、グアニンが後に続くシトシン(CGジヌクレオチド、「CpG部位」としても知られている)で生じる。シトシン変換と次世代配列決定(NGS)とを組み合わせることによって、DNAメチル化の分析を行うことができる。これらのアッセイは、シトシンヌクレオチドがメチル化されているかどうかに応じて、シトシンヌクレオチドを別の塩基(CからT)に変換し、単一塩基分解能でメチル化をバイオインフォマティクスにより決定することができる。これに一般的に使用される2つの技術は、バイサルファイト配列決定及び「Enzymatic Methyl-seq」(NEB製品)であり、どちらも、非メチル化シトシンを変換するが、メチル化シトシンは変換しない。
【0229】
がんによるメチル化の変化の信頼性の高い検出には、シトシン変換アッセイ又は単一塩基分解能でのその他のメチル化アッセイからのデータを使用して、臨床的に関連する範囲、例えば、1,000分の1から1,000,000分の1までの非常に高いレベルの分析感度が必要である。しかしながら、この目標を達成するには、いくつかの重要な分析上の障害がある。まず、(例えば、Illuminaプラットフォームを使用して)配列決定エラーが、この範囲の上端で生じるため、測定アーチファクトががんシグナルとして現れる可能性がある。第2に、シトシン変換アッセイでは、メチル化アーチファクトが生じる。特に、一部のリード位置では、アラインメント又はライブラリ調製に起因して、測定値にバイアスがある。これらのバイアスの一部は、測定されたDNA断片のサブセット(断片の末端付近など)に限定される傾向があるが、これらのバイアスは、バックグラウンドレベルに大きな影響を与える可能性がある。第3に、ゲノム全体にわたるメチル化部位には、基底レベルのメチル化又は非メチル化がある。その結果、健康な試料には残留シグナルが存在し、低レベルのがんのがんccfDNA試料と区別することが困難になる可能性がある。
【0230】
これらの問題に対処するこれまでの試みには、図1Aに示されるように、可変メチル化領域(DMR)の特定及びこれらの領域における平均メチル化率(AMF)の比較が含まれていた。これらのアッセイは、がんシグナルの超高感度検出を可能にするのに不十分であることが見出された。Guoらは(Nat.Genet.2017 49:635-642)、連鎖不均衡の概念をメチル化に適用し、組織及びccfDNA試料におけるがんの検出及びクラスタリングを支援するいくつかのリードベースのメトリックを定義した。これらには、連続的にメチル化された部位又は連続的にメチル化されていない部位を評価するスコアである、メチルハプロタイプ負荷が含まれる。このアプローチでは、分析性能がほとんど又は全く改善されないことが見出された。
【0231】
Liuらは(Ann.Oncol.2020 31:745-759)、メチルバリアントの概念、すなわち、大規模なコホートから生成されたデータセットのうち、少なくとも1つの既知のがん試料(組織生検)において高頻度で0%又は100%メチル化されている5つの連続するCGジヌクレオチドのセットを定義した。MVを正確に5つの連続する部位として定義すると、より広範囲で幅広いサイズ及び部位数を含む本開示の方法よりも可能性のある部位の数が少なくなる。本明細書に開示される方法は、より多くの領域、並びにより多くのメチル化領域を有する領域を定義する。例えば、一部のCpGクラスターには、10を超えるCpG部位がある。
【0232】
この実施例は、メチル化レベルを検出するための「クラスターコンセンサス率」(CCF)アプローチを説明する。このアプローチを使用すると、シグナル対バックグラウンド比が100倍超に効果的に増加することが見出され、メチル化レベルの超高感度検出が可能になった。この場合、CCMFアプローチ(非メチル化ではなくメチル化を分析する)が使用された。
【0233】
材料及び方法
分析パイプライン
ハイブリッド捕捉は、Twist fast Hyb洗浄試薬及び最適化された条件を使用して、メチル化DNA鎖と非メチル化DNA鎖との両方を濃縮するように設計されたプローブを使用して行った。シトシン変換は、酵素的メチル配列決定(EM-seq)を使用して行った。DNAは、細胞株リポジトリからのものであり、ライブラリの調製前に、目的のサイズに超音波処理した。
【0234】
Illumina配列決定後、次のワークフローを使用して、コンセンサスメトリックを計算した。まず、CGジヌクレオチドのクラスター(以下で定義される「CpGクラスター」)と重複するリードの決定を行った。これらのリードも基本的な配列決定品質フィルタリングを通過し、適切にペアリングされた。クラスターにおける全てのCGジヌクレオチドをカバーしていないリードは除外した。ペアリードの各セットについて、CGジヌクレオチド内の各Cの塩基コールは、重複している可能性のある位置の2つのペアエンドリードの組み合わせを使用して決定した。これは、DNA断片からの各メチル化コールの位置である。予期しない塩基を有していたリード、例えば、最初の配列決定リードがマッピングされた鎖である「元の鎖」上にC(未変換)又はT(変換)以外の塩基を有していたリードは除外した。これらは、配列決定エラー又は真の変異(体細胞変異又は生殖系列変異)に起因している可能性があり、メチル化分析を混乱させる可能性がある。メチル化コールで使用される任意の塩基の閾値未満の塩基品質を有するリードペアは除外した。
【0235】
残りのリードペアについては、クラスター全体にわたる各CGジヌクレオチドでのメチル化コールを表にまとめた。元の鎖上の指定された位置で、Cは、ヌクレオチドがメチル化されていることを示し、Tは、ヌクレオチドがメチル化されていないことを示す。各リードペアのメチル化コールのセット全体にわたるコンセンサス条件を適用した。コンセンサス条件により、リード状態が、クラスターにおける総部位数及びメチル化サイト数の関数として分類された。コンセンサス条件には、完全なメチル化(100%の部位がメチル化されている)、不一致閾値メチル化(全ての部位のうち最大で特定の数、例えば、1、2、又はそれ以上の部位がメチル化されていない)、大部分のメチル化(半分以上の部位がメチル化されており、同点をゼロ又は半分のクレジットとしてスコアリングする)、部分的な閾値(少なくとも特定の割合(すなわち、0~1の任意の割合)の部位がメチル化されている)、又は非メチル化部位を除く上記の条件のいずれか、が含まれる。最後に、複数のクラスターからのデータが集約された。特定のコンセンサス条件を使用した、個々のCpGクラスター又はCpGクラスターの集合からの測定値は、「クラスターコンセンサスメチル化率」(CCMF)として定義される。例えば、図1Bを参照されたい。
【0236】
CpGクラスターは、最小の指定された塩基数以内(例えば、80塩基、しかし、それよりも小さいか又は大きい場合もある)の指定された数以上(例えば、4部位、しかし、3、又は5、6…の場合もある)のCpG部位を有するゲノムの領域として定義される。CpGクラスターは、クラスターに含まれるCpG部位のセットによって定義される。コンセンサスを適用するには、クラスター当たりの最小数のCpG部位が必要である。これは、複数の部位がある場合にのみ既存の方法とは有意に異なり、2よりも多い場合に最も有意である。かなりの数のリードがクラスター全体を確実にカバーするには、指定された最大間隔長が必要である。これはリード長及びDNA断片のサイズに依存する。
【0237】
細胞株パネル
全ゲノムメチル化配列決定のために、細胞株のパネルを選択した。パネルには、1つの健康な細胞株(NA12878)と、4つのTNBCがん細胞株(HCC1187、HCC1937、MDA-MD-453、及びBT549)とが含まれた。約200kbのパネルでは、以下の特徴が特定された。がん細胞株における信頼性の高い全ての短いバリアントが表現され、異常なメチル化遺伝子座は、バックグラウンドにおける低シグナル、がん細胞株における高シグナル、及びCpG密度によって優先順位を付けた。図2に、各特徴(すなわち、高メチル化、高メチル化クラスター、低メチル化、体細胞バリアント、インデル、及び構造バリアント)に割り当てられたパネルの一部を示す。シトシン変換は、酵素的メチル配列決定(EM-seq)を使用して行った。
【0238】
結果
メチル化データは、上記のパネル上の数百の選択された領域全体にわたって集約され、幅(例えば、測定に含まれる遺伝子座の数)と深さ(例えば、各遺伝子座での独立した測定の数)の組み合わせによる低レベルシグナルの検出が可能になった。これらの実験では、各遺伝子座で有効1000倍の深度の独立した測定により、422の高メチル化クラスター及び156の低メチル化クラスターが分析された。データを、平均メチル化率(AMF、図1A)又はクラスターコンセンサスメチル化率(CCMF、図1B)に従って分析し、結果を比較した。
【0239】
純粋な試料は、バックグラウンドを上回る強力ながんシグナルを示した。陰性対照の(健康な)細胞株からのバックグラウンドシグナルは、CCMFの場合、個々の部位からのメチル化シグナルよりも低かった(図3A)。1つの陰性対照試料のCCMFは2.1×10-4であることが見出された。これは、残り2つの陰性対照のCCMFが0であったため、外れ値である可能性が高かった。集約固有深度が200~400kであるため、実際のCCMFレベルは10-5未満である可能性が高かった。比較すると、AMFは、7.6~10.2×10-4の範囲であった。純粋ながん細胞株試料で明確なフォアグラウンドシグナルが得られ、細胞株全体にわたってCCMFの範囲は0.55~0.81、同じ領域ではAMFのレベルは同等であった。
【0240】
低メチル化クラスターは、陰性対照においてより高いバックグラウンドシグナルを有することが見出された(図3B)。AMFは約99%であると計算され、これは、バックグラウンドレベルが1%であることを意味する。CCUFは、わずか0.4%に達しただけであった。高メチル化クラスターとの不一致は、より高い生体バックグラウンド、又は修正されていないバイアス若しくはアーチファクトに起因している可能性がある。純粋ながん細胞株試料から明確なフォアグラウンドシグナルが得られた。
【0241】
混合試料からのデータは、メチル化の超高感度検出を実証した。図4Aに示されているように、CCMFによって分析すると、0.01%のがんまでの全ての混合試料が、バックグラウンド範囲をはるかに上回っていることが見出された(1つの外れ値を除く)。外れ値のCCMFは1.6×10-4であったが、8つの陰性対照のうちの他の7つは2×10-6未満であった。混合試料のCCMFは、一貫して予想を下回っていることが見出され、純粋試料のCCMFは、平均が0.68、範囲が0.55~0.81であり、混合試料の混合割合に対する比が0.22~0.43の範囲であった。断片ベースのCCMFアプローチは、混合物に対してバックグラウンドをはるかに上回る値を提供することが見出された(図4B)。一方、AMFの個々の部位ベースのアプローチを使用した分析は、混合物についてバックグラウンド以下の値をもたらし、がんの割合が2×10-4以下であった(図4C)。
【0242】
図5は、分析のために選択されたクラスターの数の関数としての、CCMFによるメチル化検出の感度(95%の特異性で)を示し、超高感度のメチル化検出を実証する。がん混合レベルは、シミュレーションではなく実験室混合物を使用して得られた。データは、元のセット(n=422)から高メチル化クラスターをサブサンプリングすることによって得られた。これらのデータは、約100のメチル化クラスターでは、0.01%のがん混合物を95%の感度、95%の特異性で検出できることを示唆する。部位が少ないと、検出性能が低下するか、又は0.01%を上回るがん混合率が満たる。
【0243】
異常なメチル化遺伝子座を補完するものとして、純粋ながん細胞株で特定されたSNP、インデル、及び構造バリアントが含まれた。これは、cfDNAにおいて低レベルで存在する可能性のある一連の変異をシミュレートする。これらの分析には、対象となる4つの細胞株に均等に由来する160のSNP、対象の4つの細胞株に均等に由来する80の小さなインデル、及び合計15の構造バリアント(主にブレークポイントで特定された大きな欠失)が含まれた。
【0244】
断片全体にわたるメチル化を図6で分析した。異常なメチル化状態が断片内で連鎖している場合、各断片内の2つの部位のメチル化が独立していないことが予想されるであろう。
pA×pB!=pAB
【0245】
18の同様の陰性対照試料からのデータを組み合わせて、集約の深度を増加させた。16番染色体のクラスターのみを使用した。異常なメチル化は、対照試料の測定において断片内で相関していることが見出された。
【0246】
図7は、標的化配列決定実験からの結果を示す。4つのTNBCがん細胞株を、健康な細胞株対照と比較した。シトシン変換後にハイブリッド捕捉を適用し、異なる洗浄時間を比較した。1試料当たり平均1000~2000(下限)の固有標的深度が達成され、各試料からの測定値は、422の領域にわたっておよそ200k~400kの固有リードを表した。AMF及び大部分メチル化率(CCMFによる)アプローチを比較した。どちらもがん細胞株からの強力なシグナルをもたらしたが、大部分メチル化率の分析では、AMF分析によって得られた値よりも健康な細胞からの値が最大で3桁近く低いことが示された。
【0247】
本明細書で実証されるように、0.01%~1%のがんの混合物レベルで試験された健康な細胞株とがん細胞株との人為的な混合物において、CCMFアプローチは、健康な試料におけるバックグラウンドシグナルを100倍以上減少させることが見出された。バックグラウンドレベルは、100,000分の1以下に減少した。同じアプローチを使用すると、純粋ながん細胞株からの試料は、AMFアプローチと同様か又はわずかに低いシグナルレベルを示した。したがって、シグナル対バックグラウンド比が、効果的に100倍以上増加した。
【0248】
試験した最低混合物レベルでは、CCMFアプローチを使用して、がん試料を陰性対照試料と明確に区別することができた。対照的に、AMFアプローチで同じ分析を行うと、下位レベルの混合物試料間の測定値が区別不可能になった。更に、CCMFアプローチにより、0.01%の試料において測定されたレベルは、陰性対照試料の残留バックグラウンドレベルよりも10倍高くなった。これは、更に低い混合レベルでも区別できる可能性が高いことを示唆する。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】