(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20241126BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G02B6/36
H01R13/46 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531144
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 CN2021132794
(87)【国際公開番号】W WO2023092335
(87)【国際公開日】2023-06-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲徳▼富
(72)【発明者】
【氏名】李 泉
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲輝▼明
(72)【発明者】
【氏名】高 ▲亮▼
【テーマコード(参考)】
2H036
5E087
【Fターム(参考)】
2H036JA05
2H036MA06
2H036QA03
2H036QA51
2H036QA56
5E087FF12
5E087MM05
5E087PP06
5E087QQ04
5E087RR01
(57)【要約】
本願は、コネクタに関し、コネクタは、第1の筐体と、金属製結合部材と、を有し、金属製結合部材は、第1の筐体に設置され、互いに反対側の第1の面と第2の面とを有し、第1の面には第1の孔が設けられ、第2の面には第2の孔が設けられる。本出願は別のコネクタにさらに関し、コネクタは、第2の筐体と線固定部とを含み、線固定部は第2の筐体内に設置され、貫通孔および突出縁が設けられた管部を含み、突出縁は管部の一方の側に配置され、貫通孔は、第1の筐体内に収容された金属製結合部材の第1の孔と連通して線の端部を第1の孔内に封止し、金属製結合部材は互いに反対側の第1の面および第2の面を含み、第1の孔は第1の面上に設けられ、第2の孔は第2の面上に設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタであって、
第1の筐体と、
金属製結合部材であって、前記金属製結合部材が、前記第1の筐体に設置され、互いに反対側の第1の面と第2の面とを備え、前記第1の面には第1の孔が設けられ、前記第2の面には第2の孔が設けられる、金属製結合部材と、
を備える、コネクタ。
【請求項2】
前記第1の孔および/または前記第2の孔が、複数のテーパ孔部または1つのテーパ孔部を備える、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1の孔および/または前記第2の孔が、複数の盲孔または1つの盲孔である、請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
第1の金属製遮蔽層が前記金属製結合部材と前記第1の筐体との間に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
フープが前記第1の孔の開口部の周りに配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記コネクタがカラーをさらに備え、前記カラーが前記第2の孔に位置付けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1の筐体がプラスチック材料で作製される、請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記金属製結合部材が銅で作製される、請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項9】
コネクタであって、
第2の筐体と、
線固定部であって、前記線固定部が前記第2の筐体内に設置され、貫通孔および突出縁が設けられた管部を備え、前記突出縁が前記管部の一方の側に配置され、前記貫通孔が、第1の筐体内に設置された金属製結合部材の第1の孔と連通して線を前記第1の孔内に封止し、前記金属製結合部材が互いに反対側の第1の面および第2の面を備え、前記第1の孔が前記第1の面上に設けられ、第2の孔が前記第2の面上に設けられる、線固定部と、
を備える、コネクタ。
【請求項10】
前記線固定部が段付きフランジプレートとして構成される、請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記コネクタが金属ピンをさらに備え、前記金属ピンが、前記第2の筐体に固定され、かつ前記第2の筐体に対して外側に延在する、請求項9または10に記載のコネクタ。
【請求項12】
第2の金属製遮蔽層が前記貫通孔の孔壁に配置される、請求項9から11のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項13】
信号線であって、線本体と、請求項1から12のいずれか一項に記載のコネクタと、を備え、前記線本体の端部が、前記第1の孔または前記第2の孔に挿入される、信号線。
【請求項14】
前記線本体の前記端部がテーパ部を備える、請求項13に記載の信号線。
【請求項15】
前記線本体がプラスチック光ファイバを備える、請求項13または14に記載の信号線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、車載ケーブルを接続するためのコネクタとして車両に適用されることができるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の発展に伴い、データ伝送に対する要求はますます高くなっている。データ伝送速度を向上させ、データ伝送のケーブルコストを低減するために、テラヘルツ波が通信用の情報キャリアとしてますます使用されている。テラヘルツ波は、波長帯がミリ波と可視光との間にある電磁波であり、光ファイバは通信用の媒体として使用されている。ケーブルを媒体として使用する従来のマイクロ波通信と比較して、テラヘルツ通信は、10Gbpsを超える信号伝送を容易に実現することができ、広スペクトルリソース、低量子エネルギーおよび広帯域幅などの利点を有する。
【0003】
光ファイバを互いに接続するための現在のテラヘルツコネクタアセンブリは、振動環境において安定した信号接続を保証することができない。水や塵埃はコネクタに侵入し、光ファイバが汚損されやすい。コネクタは大型であるか、または加工技術の要件が多く、コストが高くなる。
【0004】
したがって、信号接続の安定性を向上させ、かつ、水や塵埃が光ファイバを汚損するのを防止するために、振動環境に適応することができるコネクタが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を考慮して、本出願はコネクタを提供する。コネクタは、線の接続の信頼性を向上させ、信号の安定性を維持することができる。
【0006】
本出願の第1の態様は、コネクタを提供する。コネクタは、第1の筐体と、金属製結合部材と、を有し、金属製結合部材は、第1の筐体に設置され、互いに反対側の第1の面と第2の面とを有し、第1の面には第1の孔が設けられ、第2の面には第2の孔が設けられる。
【0007】
上述した構造のコネクタによれば、2本のケーブルは第1の孔と第2の孔とに別々に挿入されることができ、これにより、2本のケーブル間の接続が金属製結合部材の結合によって実現される。例えば、ゴールドフィンガーとばね片とを圧着する従来の方法と比較して、このような接続方法は、接続の信頼性を向上させ、かつ信号の安定性を維持することができる。具体的には、例えばコネクタが車載シナリオに適用される場合、ゴールドフィンガーとばね片とを圧着する従来の方法が使用されると、ばね片は、車両が振動するときに弾性的に変形し、これにより、ばね片がゴールドフィンガーから一時的に分離され、信号が不安定になる可能性がある。しかし、本出願の第1の態様のコネクタによれば、ケーブルは、接続を実現するために第1の孔および第2の孔に挿入される。したがって、ケーブルは比較的安定して孔内に保持されることができ、接続の信頼性および信号の安定性が向上する。
【0008】
また、ケーブルは孔に挿入され、かつ、信号は、孔の内壁に接触して金属製結合部材を介して伝送され、これにより、伝送損失は低減されることができ、信号の安定性は向上されることができる。
【0009】
さらに、2本のケーブルは、金属製結合部材の結合によって信号接続を行い、直接接触しなくてもよく、これは防水および防塵に役立つ。
【0010】
可能な実施態様では、第1の孔および/または第2の孔は、複数のテーパ孔部または1つのテーパ孔部を含む。
【0011】
上述した配置によれば、ケーブルと金属製結合部材との接触面積は増大されることができ、伝送損失は低減されることができ、結合効率は高められることができる。いくつかの実施形態では、損失が2.5dB/端未満である伝送が実現されることができる。
【0012】
可能な実施態様では、第1の孔および/または第2の孔は複数の盲孔または1つの盲孔である。
【0013】
すなわち、第1の孔は第2の孔と連通しておらず、これにより、水や塵埃が第1の孔から第2の孔に侵入したり、水や塵埃が第2の孔から第1の孔に侵入したりすることが防止されることができ、防水および防塵の効果が向上する。
【0014】
可能な実施態様では、第1の金属製遮蔽層が金属製結合部材と第1の筐体との間に配置される。
【0015】
上述した配置によれば、電磁両立性(Electromagnetic Compatibility、EMC)の性能が向上されることができ、金属製結合部材に結合されたケーブルの他の機器への干渉が低減され、ケーブルの他の機器への干渉防止度が改善される。
【0016】
可能な実施態様では、フープが第1の孔の開口部の周りに配置される。
【0017】
上述した配置によれば、金属製結合部材は第1の筐体の内部に固定されることができ、設置方法が簡単であり、設置構造には信頼性がある。
【0018】
可能な実施態様では、カラーがさらに含まれ、カラーは第2の孔に位置付けられる。
【0019】
上述した配置によれば、ケーブルは第1の孔に強固に固定されて、ケーブルと金属製結合部材との取付度合いを保証することができ、これにより、振動によって引き起こされるケーブルと金属製結合部材との接触不良がさらに防止され、信号伝送品質が改善される。カラーはケーブルの端部に密接に取り付けられて、水や埃などが第2の孔に侵入してケーブルと第2の孔との接触面を汚損するのを防止することができ、それによって、金属製結合部材の第2の孔内の一部の酸化および腐食が回避される。
【0020】
可能な実施態様では、第1の筐体はプラスチック材料からなる。
【0021】
上述した配置によれば、金属製結合部材と第1の筐体との組付けおよび固定が容易になり、組付け方法が簡単であり、材料コストが低く、大規模な製造および組付けが容易である。
【0022】
可能な実施態様では、金属製結合部材は銅で作製される。
【0023】
上述した配置によれば、信号の伝送効率が向上されることができる。
【0024】
本出願の第2の態様は、コネクタを提供する。コネクタは、第2の筐体と線固定部とを含み、線固定部は第2の筐体内に設置され、貫通孔および突出縁が設けられた管部を含み、突出縁は管部の一方の側に配置され、貫通孔は、第1の筐体内に設置された金属製結合部材の第1の孔と連通して線を第1の孔内に封止し、金属製結合部材は互いに反対側の第1の面および第2の面を含み、第1の孔は第1の面上に設けられ、第2の孔は第2の面上に設けられる。
【0025】
線固定部は、ケーブルに接続されるように構成される。上述した構造のコネクタによれば、第1の孔に挿入された線は、線固定部を使用することによって第2の筐体に設置されてもよく、次いで、第1の孔に挿入された線は、金属製結合部材を使用することによって第2の孔に挿入された線に結合され、これにより、2本のケーブル(すなわち、線)間の接続が実現される。例えば、ゴールドフィンガーとばね片とを圧着する従来の方法と比較して、このような接続方法は、接続の信頼性を向上させ、かつ信号の安定性を維持することができる。具体的には、例えばコネクタが車載シナリオに適用される場合、ゴールドフィンガーとばね片とを圧着する従来の方法が使用されると、ばね片は、車両が振動するときに弾性的に変形し、これにより、ばね片がゴールドフィンガーから一時的に分離され、信号が不安定になる可能性がある。しかし、本出願の第2の態様のコネクタによれば、ケーブルは、接続を実現するために第1の孔および第2の孔に挿入される。したがって、ケーブルは比較的安定して孔内に保持されることができ、接続の信頼性および信号の安定性が向上する。
【0026】
また、ケーブルは孔に挿入され、かつ、信号は、孔の内壁に接触して金属製結合部材を介して伝送され、これにより、伝送損失は低減されることができ、信号の安定性は向上されることができる。
【0027】
さらに、2本のケーブルは、金属製結合部材の結合によって信号接続を行い、直接接触しなくてもよく、これは防水および防塵に役立つ。
【0028】
可能な実施態様では、線固定部は段付きフランジプレートとして構成される。
【0029】
段付きフランジプレート構造の直径が小さい部分は、第2の筐体の内壁を取り付けることができ、段付きフランジプレート構造の直径が大きい部分は、第2の筐体の内壁に適合することができ、これにより、ケーブルの一端が第1の孔に封止されることができる。したがって、金属製結合部材の第1の孔内の部分の酸化および腐食が回避される。段付きフランジプレート構造は単純であり、組付けおよび加工を容易にする。
【0030】
可能な実施態様では、金属ピンがさらに含まれ、金属ピンは第2の筐体に固定され、かつ第2の筐体に対して外側に延在する。
【0031】
可能な実施態様では、第2の金属製遮蔽層が貫通孔の孔壁上に配置される。
【0032】
上述した配置によれば、電磁両立性(Electromagnetic Compatibility、EMC)の性能が向上されることができ、金属製結合部材に結合されたケーブルの他の機器への干渉が低減され、ケーブルの他の機器への干渉防止度が改善される。
【0033】
本出願の第3の態様は信号線を提供する。信号線は、線本体と、第1の態様および本出願の第1の態様の可能な実施態様のいずれか1つにおいて提供されるコネクタと、を含むか、または線本体と、第2の態様および本出願の第2の態様の可能な実施態様のいずれか1つにおいて提供されるコネクタと、を含み、線本体の端部は第1の孔または第2の孔に挿入される。
【0034】
可能な実施態様では、線本体の端部はテーパ部を含む。
【0035】
上述した配置によれば、ケーブルと金属製結合部材との接触面積は増大されることができ、伝送損失は低減されることができる。いくつかの実施形態では、損失が2.5dB/端未満である伝送が実現されることができる。
【0036】
可能な実施態様では、線本体はプラスチック光ファイバを含む。
【0037】
プラスチック光ファイバの構造は、塵埃がプラスチック光ファイバに侵入して信号伝送品質に影響を及ぼすのを防止することができる。
【0038】
本出願の第4の態様は、コネクタを提供する。コネクタは、第1の態様および本出願の第1の態様の可能な実施態様のいずれか1つにおいて提供されるコネクタと、第2の態様および本出願の第2の態様の可能な実施態様のいずれか1つにおいて提供されるコネクタと、を含む。
【0039】
本出願で提供される金属製結合部材の第2の孔に配置されたカラーおよび段付きフランジプレートによれば、プラスチックファイバの端部は、第1の孔および第2の孔に別々に封止されて、塵埃や水がプラスチックファイバに侵入してプラスチックファイバと金属製結合部材との接触面を汚損することを防止されることができる。中実ファイバとして構成されたプラスチックファイバはまた、塵埃がプラスチックファイバに侵入して信号伝送品質に影響を及ぼすのを防止することができる。テーパ部を有する第1の孔および/または第2の孔は、プラスチックファイバと金属製結合部材との接触面積を増大させて、伝送損失を低減することができる。本出願の第1の筐体および第2の筐体はプラスチックで作製され、設置方法に信頼性があり、製造が簡単であり、低コストであり、大規模に製造され組付けられるのが容易である。
【0040】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の特徴と特徴間の関係をさらに説明する。添付の図面は全て例であり、一部の特徴は実際の比率では示されていない。また、一部の添付の図面では、本出願の分野において本出願にとって必須ではない一般的な特徴は省略されている場合がある。あるいは、本出願にとって必須ではない追加の特徴は示されていない。添付の図面に示されている特徴の組合せは、本出願を限定することを意図されていない。また、本明細書では、同一の符号は同一の内容を表す。具体的な添付の図面は以下のように説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本出願の一実施形態によるプラスチックファイバが設置されたコネクタの構造の概略図である。
【
図4】本出願の一実施形態によるコネクタの分解図である。
【
図5】本出願の一実施形態によるプラスチックファイバが設置された別のコネクタの構造の概略図である。
【
図8】本出願の一実施形態によるプラスチックファイバが設置されたさらに別のコネクタの分解図である。
【
図9】
図1に示されるコネクタと
図5に示される別のコネクタとが一体に設置された構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本出願の実施形態で提供されるコネクタは、例えば車両内のワイヤ間の接続、例えばテラヘルツ波を伝送するために使用されるテラヘルツプラスチックファイバ間の接続に適用されてもよい。
【0043】
図1は、本出願の一実施形態によるプラスチックファイバ3が設置されたコネクタ100の構造の概略図である。本出願の一実施形態で提供されるコネクタ100(基板端コネクタまたは雌型コネクタとも呼ばれる)は、コントローラの回路基板に接続されるように構成されてもよい。
図1に示されるように、本出願のこの実施形態において提供されるコネクタは、第1の筐体1と金属製結合部材2とを含む。金属製結合部材2は、プラスチックファイバ3に接続されるように構成されてもよい。
図2は、
図1に示されるコネクタ100の断面図である。
図2に示されるように、金属製結合部材2は第1の筐体1に設置される。金属製結合部材2は、互いに反対側の第1の面21および第2の面22を含む。第1のプラスチックファイバ6(
図10参照)によって挿入されるように構成された第1の孔211は、第1の面21に配置されている。第2のプラスチックファイバ3によって挿入されるように構成された第2の孔221は、第2の面22に配置されている。
【0044】
2本のケーブル(例えば、第1のプラスチックファイバ6および第2のプラスチックファイバ3)は、金属製結合部材2における第1の孔211および第2の孔221に別々に挿入され、これにより、金属製結合部材2の結合によるケーブル間の信号接続が実現されることができる。
【0045】
例えば、ゴールドフィンガーとばね片とを圧着する従来の方法と比較して、このような接続方法は、接続の信頼性を向上させ、かつ信号の安定性を維持することができる。具体的には、例えばコネクタが車載シナリオに適用される場合、ゴールドフィンガーとばね片とを圧着する従来の方法が使用されると、ばね片は、車両が振動するときに弾性的に変形し、これにより、ばね片がゴールドフィンガーから一時的に分離され、信号が不安定になる可能性がある。しかし、本出願の第1の態様のコネクタ100によれば、ケーブルは、接続を実現するために第1の孔211および第2の孔221に挿入される。したがって、ケーブルは比較的安定して孔内に保持されることができ、接続の信頼性および信号の安定性が向上する。
【0046】
また、ケーブルは孔に挿入され、かつ、信号は、孔の内壁に接触して金属製結合部材を介して伝送され、これにより、伝送損失は低減されることができ、信号の安定性は向上されることができる。
【0047】
さらに、2本のケーブルは、金属製結合部材2の結合によって信号接続を行い、直接接触しなくてもよく、これは防水および防塵に役立つ。
【0048】
図1に示される実施形態では、金属製結合部材2は第1の筐体1内に収容されて、金属製結合部材2と第1の筐体1との固定を実現し、これにより、ケーブルとコネクタ100との固定が実現される。コネクタ100が車両内のテラヘルツ波を伝送するワイヤ間の接続に適用される場合、車両振動によるワイヤと金属製結合部材2との接触不良が防止されることができ、信号伝送品質が向上する。
【0049】
いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、第1の孔211および/または第2の孔221は、複数の盲孔または1つの盲孔である。具体的には、第1の孔211と第2の孔221とは連通していない。これにより、水や塵埃が第1の孔211から第2の孔221に侵入したり、水や塵埃が第2の孔221から第1の孔211に侵入したりすることが防止されることができ、防水および防塵の効果が向上する。
【0050】
いくつかの実施形態では、
図2および
図10に示されるように、金属製結合部材2は細長い柱であってもよい。第1の孔211および第2の孔221は柱の両端の端面に別々に設けられており、第1の孔211および/または第2の孔221は、複数のテーパ孔部212または1つのテーパ孔部を含む。これに対応して、第1の孔211に挿入される第1のプラスチックファイバ6の端部、および第2の孔221に挿入される第2のプラスチックファイバ3の端部は、予めテーパ状にカットされている。プラスチックファイバのテーパ状端部の外周面は、第1の孔211および第2の孔221のテーパ部の内周面にそれぞれ取り付けられ、これにより、プラスチックファイバと金属製結合部材との接触面積が効果的に増大されることができ、低損失の伝送が実現されることができ、例えば、損失が2.5dB未満の端部間伝送が端ごとに実現される伝送が実現される。
【0051】
いくつかの実施形態では、金属製結合部材2は、代替的に別の形状、例えばほぼ直方体もしくは三角柱の形状であってもよい。第1の孔211および/または第2の孔221は、代替的に円筒状、角柱状などであってもよい。これに対応して、第1の孔211に挿入される第1のプラスチックファイバ6の端部および第2の孔221に挿入される第2のプラスチックファイバ3の端部は、予め円筒状または角柱状などにカットされている。円筒状または角柱状などのプラスチックファイバの端部の外周面は、それぞれ第1の孔211および第2の孔221の円筒状または角柱状の部分の内周面に取り付けられている。
【0052】
任意には、プラスチックファイバは、誘電率の低い材料で作製される中実ファイバであってもよく、中実ファイバ構造は、塵埃が中実ファイバに侵入してプラスチックファイバの信号伝送品質に影響を及ぼすのを防止することができる。任意には、金属製結合部材2は銅で作製されてもよい。金属製結合部材2は代替的に別の金属で作製されてもよいことが理解されよう。
【0053】
いくつかの実施形態では、
図2に示されるように、コネクタはカラー25をさらに含む。カラー25は第2の孔221に位置付けられ、第2のプラスチックファイバ3と第2の孔221との間の隙間を封止するように構成される。カラー25は、プラスチックで作製されてもよい。第2のプラスチックファイバ3が第2の孔221に挿入される前に、カラー25は第2のプラスチックファイバ3の一端でスリーブとされてもよく、次いで、第2のプラスチックファイバ3が第2の孔221に挿入され、これにより、カラー25が第2の孔221に固定される。さらに、第2のプラスチックファイバ3もまた、カラー25を使用することによって金属製結合部材2に固定される。この固定態様によれば、一態様では、プラスチックファイバと金属製結合部材2との間の取付けおよび固定が保証されて、振動によって引き起こされる接触不良がテラヘルツ波を介して伝送される信号の品質に影響を及ぼすのを防止する。別の態様では、カラー25は、水が第2の孔221に侵入するのを防止して、外部の塵埃および汚れがプラスチックファイバと金属製結合部材2との間の接触面を汚損するのを防止することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、
図2に示されるように、第1の金属製遮蔽層23が金属製結合部材2と第1の筐体1との間にさらに配置されて、別の電磁信号を遮蔽することができる。第1の金属製遮蔽層23は、金属製結合部材2の外周上でスリーブとされてもよく、これにより、コネクタの電磁両立性の性能が改善され、金属製結合部材2に結合されたケーブルによって引き起こされる他の機器への干渉が低減され、金属製結合部材2に結合されたケーブルの他の機器への干渉防止度もまた改善される。任意には、第1の金属製遮蔽層23は銅で作製される。さらに、第1の金属製遮蔽層23は接地されていてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、
図3に示されるように、フープ24は第1の孔211の開口部の周りに配置されてもよく、金属製結合部材2を第1の筐体1に固定するように構成される。フープ24は、フープ24の外周に段差を有する環状部品であってもよく、フープ24の内周は第1の孔211に接続され、フープ24の段差部は第1の筐体1の内壁に当接することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、
図3および
図4に示されるように、第1の筐体1は、筐体本体101と、筐体本体101内に金属製結合部材2を固定するように構成された固定具102と、を含んでもよい。筐体本体101は第1のチャンバ11を有し、第1のチャンバ11は、開口方向において互いに反対側の第1の開口部111および第2の開口部13を有する。第1の開口部111は、雄型コネクタ200の第2の筐体4(
図5参照)を受け入れるために使用され、これにより、雄型コネクタ200内に固定された第1のプラスチックファイバ6(
図10参照)は、金属製結合部材2の第1の孔211に結合される。第2の開口部13は、金属製結合部材2を固定するために使用される。金属製結合部材2を支持する支持部16は、第2の開口部13に配置されてもよく、支持部16は、第2の開口部13に対して第1の筐体の外側に延在する。
【0057】
図2および
図3に示されるように、固定具102は金属製結合部材2を部分的に取り囲むことができ、保持リング15は固定具102の両側に配置される。
図4に示されるように、保持リング15に適合する突起14が第2の開口部13の支持部16の両側に配置され、突起14は斜面を有する。筐体本体101と金属製結合部材2と固定具102とを組み付ける場合、金属製結合部材2が第2の開口部13に最初に挿入され、金属製結合部材2の段差部は筐体本体101の内壁に当接する。次いで、圧力が固定具102に対して
図4の矢印方向に加えられ、これにより、保持リング15は、突起14の斜面に当接し、かつ斜面の作用下で突起14が保持リング15内に完全に位置付けられるまで変形する。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1の筐体1はプラスチック材料で作製されてもよく、筐体本体101および固定具102は、設置および組合せ中に変形して、設置の信頼性を保証してもよい。さらに、設置工程が簡単であり、工程を実施するのが簡単であり、コストが低く、大規模な製造や設置が容易である。
【0059】
図1~
図4に示されるように、金属製固定ピン12が筐体本体101上にさらに配置される。金属製固定ピン12は、コネクタ100の第1の筐体1を回路基板に固定するように構成される。金属製固定ピン12は、筐体本体101に対して外側に延在する。電気接点ピン17は、筐体本体101上にさらに配置され、雄型コネクタ200(
図10参照)に電気的に接続されるように構成される。
【0060】
図5は、本出願の一実施形態による別のコネクタの断面図である。
図5に示されるように、コネクタ200(雄型コネクタ、線端コネクタとも呼ばれる)は、第2の筐体4と、第1のプラスチックファイバ6を固定する線固定部5と、を含む。線固定部5は第2の筐体4に設置され、フランジプレート状に構成される。具体的には、線固定部5は、貫通孔51が設けられた管部53と、突出縁52と、を含み、突出縁52は管部53の一端に配置される。第1のプラスチックファイバ6の一端が貫通孔51に挿入された後、線固定部5は第2の筐体4に挿入されて、線固定部5を第1のプラスチックファイバ6と第2の筐体4との間で挟持し、これにより、第1のプラスチックファイバ6が第2の筐体4に固定される。車両内でテラヘルツ波を伝送するために使用されるケーブル間の接続のためにコネクタ200が構成される場合、車両振動によって引き起こされるケーブルと金属製結合部材2との接触不良が防止されることができ、ケーブルによって伝送される信号の品質が改善される。
【0061】
図6に示されるように、第2の筐体4は、第2の筐体本体41と、固定片42と、サブコネクタ43と、を含んでもよい。サブコネクタ43は、
図5、
図7および
図8に示されるように、線固定部5を収容するように構成され、サブコネクタ43は第2の筐体本体41に挿入されることができる。固定片42は、サブコネクタ43を第2の筐体本体41に固定するように構成される。
【0062】
図5および
図6に示されるように、サブコネクタ43を設置するためのサブコネクタ孔411が第2の筐体本体41に設けられている。雌型コネクタ100に適合する差込固定具44、および固定片42に適合して第2の筐体本体41から突出する係止手段412は、第2の筐体本体41の外側に配置される。
【0063】
図5および
図6に示されるように、サブコネクタ43の外周は段差形状であってもよく、サブコネクタ43はサブコネクタ孔411に部分的に挿入されることができる。これに対応して、サブコネクタ孔411は、サブコネクタ43の外周形状に適合しており、段差形状でもある。線固定部貫通孔431はサブコネクタ43内に設けられ、線固定部貫通孔431は線固定部5の外周形状に適合する部分を含み、例えば、直径が小さい部分および直径が大きい部分が含まれる。直径が小さい部分は線固定部5の管部53の外周に取り付けられ、直径が大きい部分は突出縁52に当接し、これにより、線固定部5は線固定部貫通孔431に固定される。
【0064】
図6に示されるように、固定片42は包囲部421を含み、包囲部421は、サブコネクタ43および第2の筐体本体41を部分的に包囲することができる。係止リング422は包囲部421の縁部に配置され、係止手段412上でスリーブとされることができる。
【0065】
図6~
図8に示されるように、第2の筐体本体41、固定片42およびサブコネクタ43が一体に固定される場合、サブコネクタ43は第2の筐体本体41のサブコネクタ孔411に部分的に挿入される。固定片42の包囲部421は、サブコネクタ43および第2の筐体本体41を包囲する。包囲部421の縁部の係止リング422は、係止手段412上でスリーブとされ、係止リング422の内縁部は係止手段412に当接する。
【0066】
いくつかの実施形態では、第2の筐体本体41には、ケーブル7を設置するために使用される電気接点孔413が設けられ、ケーブル7は、電気接点孔413の内側の係止片を使用することによって電気接点孔413に固定される。
【0067】
いくつかの実施形態では、
図5および
図6に示されるように、第1のプラスチックファイバ6は、内側コア61およびクラッド媒体62を含む。内側コア61の端部は鋭い円錐状であり、第1のプラスチックファイバ6の鋭い円錐状の一端は、線固定部5の突出縁52の一端から線固定部5の貫通孔51に挿入され、金属製結合部材2の第1の孔211の孔壁に取り付けられる。第1のプラスチックファイバ6と貫通孔51とは密接に適合しており、これにより、第1のプラスチックファイバ6は第2の筐体4に固定されることができ、テラヘルツ波によって伝送される信号の品質が振動によって引き起こされる接触不良の影響を受けることが防止される。線固定部5の突出縁52の構造は、第1のプラスチックファイバ6の内側コア61を第1の孔211に封止して、水が第1の孔211へ浸入するのを防止し、外部の塵埃や汚れが第1のプラスチックファイバと金属製結合部材2との接触面を汚損するのを防止することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、
図5に示されるように、第2の金属製遮蔽層511は貫通孔51の孔壁に配置されてもよい。コネクタの電磁両立性の性能は改善され、金属製結合部材2に結合された第1のプラスチックファイバ6によって引き起こされる他の機器への干渉は低減され、金属製結合部材2に結合された第1のプラスチックファイバ6の他の機器への干渉防止度もまた改善される。任意には、第2の金属製遮蔽層511は銅で作製される。さらに、第2の金属製遮蔽層511は接地されていてもよい。
【0069】
図9および
図10は、雄型コネクタ200および雌型コネクタ100を一体に組み合わせた概略図および断面図をそれぞれ示している。
図9および
図10に示されるように、第2のプラスチックファイバ3は、カラー25を使用することによって第1の筐体1内の金属製結合部材2の第2の孔221に固定される。第1のプラスチックファイバ6は、線固定部5を使用することによって第2の筐体4に固定される。第2の筐体4は、第1の開口部111を使用することによって第1の筐体1の第1のチャンバ11に挿入される。第1の孔211が設けられた金属製結合部材2の一端は、サブコネクタ43のサブコネクタ孔に挿入されることができ、これにより、第1のプラスチックファイバ6のテーパ状端部は第1の孔211の孔壁に取り付けられ、第1のプラスチックファイバ6と第2のプラスチックファイバ3との間の結合を実現する。
【0070】
本明細書および特許請求の範囲において、「第1」、「第2」などの用語は、類似の対象を区別するために使用されているにすぎず、対象の特定の順序を表すものではない。特定の順序または順番は、許可される場合は交換されてもよく、これにより、本明細書で説明されている本出願の実施形態が、本明細書で図示または説明されている順序以外の順序で実施されてもよいことは理解されよう。
【0071】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「含む」という用語は、以下に列挙される内容に限定されると解釈されるべきではなく、他の要素またはステップを排除するものではない。これは、言及されている特徴、全体、ステップまたは部分の存在を明記するものと解釈されるべきであるが、1つまたは複数の他の特徴、全体、ステップまたは部分、およびそれらの群の存在または追加を排除するものではない。したがって、「装置Aおよび装置Bを含む機器」という表現は、構成要素AおよびBのみを含む機器に限定されるべきではない。
【0072】
本明細書で言及される「1つの実施形態」または「一実施形態」は、実施形態と合わせて説明される特定の特徴、構造または特性が本出願の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書に現れる「1つの実施形態では」または「一実施形態では」という用語は、必ずしも同じ実施形態を示さないが、同じ実施形態を示してもよい。さらに、1つまたは複数の実施形態では、特定の特徴、構造または特性は、本開示から当業者に明らかなように、任意の適切な方法で組み合わされることができる。
【0073】
上述した説明は、本出願の特定の実施態様にすぎず、本出願の保護範囲はこれに限定されない。本出願に開示された技術的範囲内で当業者によって容易に考え出されるいかなる変形または置換も、本出願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0074】
1 第1の筐体
2 金属製結合部材
3 第2のプラスチックファイバ
4 第2の筐体
5 線固定部
6 第1のプラスチックファイバ
7 ケーブル
11 第1のチャンバ
12 金属製固定ピン
13 第2の開口部
14 突起
15 保持リング
16 支持部
17 電気接点ピン
21 第1の面
22 第2の面
23 第1の金属製遮蔽層
24 フープ
25 カラー
41 第2の筐体本体
42 固定片
43 サブコネクタ
44 差込固定具
51 貫通孔
52 突出縁
53 管部
61 内側コア
62 クラッド媒体
100 コネクタ
101 筐体本体
102 固定具
111 第1の開口部
200 雄型コネクタ
211 第1の孔
212 テーパ孔部
221 第2の孔
411 サブコネクタ孔
412 係止手段
413 電気接点孔
421 包囲部
422 係止リング
431 線固定部貫通孔
511 第2の金属製遮蔽層
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
上述した配置によれば、ケーブルは第2の孔に強固に固定されて、ケーブルと金属製結合部材との取付度合いを保証することができ、これにより、振動によって引き起こされるケーブルと金属製結合部材との接触不良がさらに防止され、信号伝送品質が改善される。カラーはケーブルの端部に密接に取り付けられて、水や埃などが第2の孔に侵入してケーブルと第2の孔との接触面を汚損するのを防止することができ、それによって、金属製結合部材の第2の孔内の一部の酸化および腐食が回避される。
【国際調査報告】