IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル)の特許一覧

特表2024-544629モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位
<>
  • 特表-モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位 図1
  • 特表-モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位 図2
  • 特表-モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位 図3A
  • 特表-モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位 図3B
  • 特表-モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位 図4
  • 特表-モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位 図5
  • 特表-モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位 図6
  • 特表-モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位 図7
  • 特表-モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位 図8
  • 特表-モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位 図9
  • 特表-モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】モバイル通信デバイスのネットワーク支援自己測位
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20241126BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20241126BHJP
   G01S 13/90 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G01S5/02 A
H04W64/00 173
H04W64/00 130
G01S13/90 138
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532240
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2021083581
(87)【国際公開番号】W WO2023098977
(87)【国際公開日】2023-06-08
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.3GPP
3.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100199705
【弁理士】
【氏名又は名称】仙波 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】ダールグリエン, フレドリク
(72)【発明者】
【氏名】オルソン, マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】ツォウ, カン
(72)【発明者】
【氏名】サンドグレン, マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】カランタリ, アシュカン
(72)【発明者】
【氏名】ショーランド, ヘンリク
【テーマコード(参考)】
5J062
5J070
5K067
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062BB05
5J062CC11
5J062FF01
5J062FF04
5J070AB24
5J070AC01
5J070AC02
5J070AC13
5K067AA34
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067JJ54
(57)【要約】
モバイル通信デバイスの位置が決定される。これは、モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)が、モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)をサーブするネットワークノード(113、563、803、QQ160)からの、1つまたは複数のパラメータに従うローカルエリア(201)の検知についての要求(321、513、525)の受信(701)を実施することであって、1つまたは複数のパラメータが、検知がどのようにおよび/またはどこで実施されるべきであるかを案内する、受信(701)を実施することを伴う。ローカルエリアの検知についての要求に応答して、1つまたは複数のパラメータに従う検知を実施すること(323、515、527)によって検知データが作り出される(703)。検知データは、ネットワークノード(113、563、803、QQ160)に通信される(705)。検知データをネットワークノード(113、563、803、QQ160)に通信することに応答して、モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)の位置(215)が受信される(707)。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)の位置を決定する方法であって、前記モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)が、
前記モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)をサーブするネットワークノード(113、563、803、QQ160)から、1つまたは複数のパラメータに従うローカルエリア(201)の検知についての要求(321、513、525)を受信すること(701)であって、前記1つまたは複数のパラメータが、前記検知がどのようにおよび/またはどこで実施されるべきであるかを案内する、要求(321、513、525)を受信すること(701)と、
前記ローカルエリアの前記検知についての前記要求に応答して、前記1つまたは複数のパラメータに従う前記検知を実施すること(323、515、527)によって検知データを作り出すこと(703)と、
前記検知データを前記ネットワークノード(113、563、803、QQ160)に通信すること(705)と、
前記検知データを前記ネットワークノード(113、563、803、QQ160)に通信することに応答して、前記モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)の位置(215)を受信すること(707)と
を実施することを含む、方法。
【請求項2】
前記モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)の粗い位置(211)を最初に取得するまたは作り出すことであって、前記粗い位置(211)は、前記モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)が参照座標系のローカルエリア部分(201)内に配置されることを、正確さの程度で指示する、粗い位置(211)を最初に取得するまたは作り出すことと、
前記粗い位置(211)を前記ネットワークノード(113、563、803、QQ160)に供給することと
を含み、
前記粗い位置(211)が、受信された前記位置(215)よりも正確でなく、
前記ローカルエリアの検知についての受信された前記要求が、前記粗い位置(211)を前記ネットワークノード(113、563、803、QQ160)に供給することに応答したものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワークノード(113、563、803、QQ160)に、前記粗い位置(211)の前記正確さに関する信頼性の測度を供給すること
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)の前記粗い位置(211)を作り出すために非レーダーベース検知を使用すること
を含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記ローカルエリアの前記検知が、前記ローカルエリアのレーダー検知(117)であり、
前記1つまたは複数のパラメータは、第1のモバイル通信デバイスが前記ローカルエリアの前記レーダー検知を実施するときにとるべきである向きを規定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ローカルエリアの前記検知が、前記ローカルエリアのレーダー検知(117)であり、
前記1つまたは複数のパラメータは、前記ローカルエリアの前記レーダー検知(117)が実施されるべきであるロケーションを規定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ローカルエリアの前記検知が、ミリメートル波合成開口レーダー(mmWave SAR)検知である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記1つまたは複数のパラメータが、前記mmWave SAR検知を実施するときに適用されるべき方向および/または向きおよび/またはデバイス軌道を規定する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ローカルエリアの前記検知が、非レーダーベース検知である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのプロセッサ(QQ120)によって実行されたとき、前記少なくとも1つのプロセッサ(QQ120)に、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法(700)を行わせる命令(QQ131)を含む、コンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータプログラムを備えるキャリアであって、前記キャリアが、電子信号、光信号、無線信号、およびコンピュータ可読記憶媒体(QQ130)のうちの1つである、キャリア。
【請求項12】
モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)の位置を決定するための装置であって、
前記モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)をサーブするネットワークノード(113、563、803、QQ160)から、1つまたは複数のパラメータに従うローカルエリア(201)の検知についての要求(321、513、525)を受信すること(701)を行うように設定された回路であって、前記1つまたは複数のパラメータが、前記検知がどのようにおよび/またはどこで実施されるべきであるかを案内する、回路と、
前記ローカルエリアの前記検知についての前記要求に応答して、前記1つまたは複数のパラメータに従う前記検知を実施すること(323、515、527)によって検知データを作り出すこと(703)を行うように設定された回路と、
前記検知データを前記ネットワークノード(113、563、803、QQ160)に通信すること(705)を行うように設定された回路と、
前記ネットワークノード(113、563、803、QQ160)への前記検知データの通信に応答して、前記モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)の位置(215)を受信すること(707)を行うように設定された回路と
を備える、装置。
【請求項13】
前記モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)の粗い位置(211)を最初に取得するまたは作り出すように設定された回路であって、前記粗い位置(211)は、前記モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)が参照座標系のローカルエリア部分(201)内に配置されることを、正確さの程度で指示する、回路と、
前記粗い位置(211)を前記ネットワークノード(113、563、803、QQ160)に供給するように設定された回路と
を備え、
前記粗い位置(211)が、受信された前記位置(215)よりも正確でなく、
前記ローカルエリアの検知についての受信された前記要求が、前記粗い位置(211)を前記ネットワークノード(113、563、803、QQ160)に供給することに応答したものである、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ネットワークノード(113、563、803、QQ160)に、前記粗い位置(211)の前記正確さに関する信頼性の測度を供給するように設定された回路
をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記モバイル通信デバイス(101、551、801、QQ110)の前記粗い位置(211)を作り出すために非レーダーベース検知を使用するように設定された回路
を備える、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記ローカルエリアの前記検知が、前記ローカルエリアのレーダー検知(117)であり、
前記1つまたは複数のパラメータは、第1のモバイル通信デバイスが前記ローカルエリアの前記レーダー検知を実施するときにとるべきである向きを規定する、
請求項12から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記ローカルエリアの前記検知が、前記ローカルエリアのレーダー検知(117)であり、
前記1つまたは複数のパラメータは、前記ローカルエリアの前記レーダー検知(117)が実施されるべきであるロケーションを規定する、
請求項12から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記ローカルエリアの前記検知が、ミリメートル波合成開口レーダー(mmWave SAR)検知である、請求項12から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記1つまたは複数のパラメータが、前記mmWave SAR検知を実施するときに適用されるべき方向および/または向きおよび/またはデバイス軌道を規定する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記ローカルエリアの前記検知が、非レーダーベース検知である、請求項12から15のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、モバイル通信デバイスがそのロケーションを指示する情報を取得することを可能にする技術に関し、より詳細には、モバイル通信デバイスの位置を決定するために、ローカルエリアを検知するときにネットワークノードからの案内(guidance)を利用する技術に関する。
【0002】
モデム装備デバイス中のアプリケーションが高い正確さでそれら自体の地理的位置(「自己位置(self-position)」)に気付いている必要が増大している。セルラ通信に関係するいくつかの無線ベース測位技術、ならびに数メートル(いくつかの条件下ではより良い)の測位正確さを提供するBluetooth準拠技術がある。米国特許出願公開第20170307746(A1)号(2017年公開)では、車両は、車両自体の位置を特定するために、レーダーマップを参照データマップと比較する。米国特許出願公開第20190171224(A1)号(2019年公開)では、車両は、第1のステップにおいてその環境のマップを作成し、次いで、車両自体の位置を特定するために環境特徴および固定(stationary)反射を使用し、ロケーション誤差を引き起こさないように、非固定(non-stationary)物体が識別される。参照された特許文献は、相対速度(自己移動(self-movement))が、観測者に対して測定される、固定物体からの反射ポイントの半径方向速さ(speed)の直接測定に基づいて導出され得ることを述べている。これはまた、複数の空間分散レーダーセンサーを使用するときの回転の決定を可能にする。環境のマップを作り、レーダーの位置を特定するために、決定論的および確率論的レーダー応答が、Liuら、A Radar-Based Simultaneous Localization and Mapping Paradigm for Scattering Map Modeling、IEEE Asia-Pacific Conference on Antennas and Propagation(APCAP)、オークランド、ニュージーランド(2018)において使用される。米国特許出願公開第20200233280(A1)号は、レーダー検出ポイントを、車両の周りの静的ランドマークを表すエレメントを備えるあらかじめ規定されたナビゲーションマップと照合することによって、その車両の位置を決定するための方法を開示する。上記公開はまた、「ナビゲーションマップは、車両の所与の位置に基づくグローバルデータベースから、たとえば車両のグローバル位置システムから導出され得る」ことを述べている。Marckら、「Indoor Radar SLAM A Radar Application For Vision And GPS Denied Environments」、European Microwave Conference、ニュルンベルク、ドイツ(2013)において説明される手法は、レーダー画像をマッピングおよび位置特定アルゴリズムにフィードすることと、レーダーロケーションおよび移動を決定するために反復的最接近ポイントアルゴリズム(iterative closest point algorithm)を使用することとを伴うが、粒子フィルタが測定性能を最適化する。Marckらに示されているように、レーダーベース同時位置特定およびマッピング(SLAM)は、概して、回転アンテナをもつレーダー装置、または電子走査フェーズドアレイレーダーのいずれかによって達成され得る、360度パノラマ高解像度レンジ情報を必要とする。
【0003】
別の開示では、米国特許出願公開第20200256977(A1)号(2020年公開)は、車両が、少なくとも1つのレーダーセンサーを使用して、環境のマップを生成し、次いで、車両の現在の測定値を生成されたマップと比較して車両自体の位置を特定することについて説明する。米国特許出願公開第20200232801(A1)号において同様に開示されるように、車両は、レーダーを使用してローカルマップを作成し、次いで、環境のマップを取り出し、その2つを相関させて車両自体の位置を特定する。また、米国特許出願公開第20190384318(A1)号において説明されるように、デバイスは、レーダー信号を使用してローカルグリッドマップを作成し、これを、デバイスのメモリに記憶されたマップと比較して、デバイス自体の位置を特定する。
【0004】
位置特定のための他のセンサーオプションは、SLAMなどの技法がより正確な相対位置をサポートすることができる、カメラの使用を含む。異なるセンサーからの情報が、いわゆるセンサー融合において組み合わせられ得る。レーダーベースSLAMを使用して、デバイスは、知られていない環境をマッピングし、その環境におけるデバイス自体の位置を特定することができる。
【0005】
従来の測位技術に関連するいくつかの問題がある。たとえば、1つまたは数個の基地局またはアンカーポイントとデバイスとの間の通信にもっぱら依拠する無線ベース測位は、多数のアンカー送信機が提供されない限り、クロック同期が極めて正確でない限り、あるいは、いくつかの仮定が環境または相対位置に関して行われ得ない限り、わずか数メートル以内まで正確である結果を作り出す。そのようなシステムは、正確さ(一貫性がなく、良くても約2メートルからであるが、時々数メートル)およびコストに関して不十分にスケーリングする。さらに、基地局またはアクセスポイントの位置はまた、極めて正確に知られる必要があり、これは、設置コストを増やし、これらが後で移動される場合に問題を引き起こすことがある。
【0006】
屋内基地局の配備は通信サービスのカバレッジの要求に応えることを真っ先に目標とするので、十分に正確な位置を取得することができるエリアのカバレッジにおいて著しいギャップがあり得る可能性が極めて高い。いくつかの場合には、これは、(いくつかの場合には、通信は依然として可能であり得るが)従来の測位技術が不十分に働くゾーンおよびスポットにつながることさえあり得る。
【0007】
SLAMからのセンサーデータを、たとえば、移動変化についての、無線ベース測位、GPS、および/またはカメラ、ならびに慣性測定ユニット(IMU)から導出されたデータと組み合わせる代替手法、センサー融合は、高い正確さにつながり得るが、複数のセンサーを必要とし、これは、著しい複雑さ、コスト、プリント回路板(PCB)面積、およびデバイスサイズを追加する。
【0008】
また、とにかく、従来のレーダー自己ロケーション(self-location)方法は、デバイスが距離を検出および決定するための明らかなランドマーク構造がない長い廊下にデバイスが位置する(またはその廊下に沿って移動している)ときなど、ならびに、短いレンジ内に位置する構造および距離が、デバイスが移動されるときに一定である、いくつかのシナリオにおいて、まったく働かないことがあるか、または良くても、高精度を保証することができない。
【0009】
デバイスが、関連のある物体が極めて遠く離れている、極めて大きいルームに位置するとき、別の、問題になる状況が起こる。そのような状況では、デバイスは、レーダーを介して構造を検出することが可能であり得るが、それらの距離は、構造がデバイスの位置のかなり近くに位置したときと比較して、より低い検知正確さを生じる。原則として、天井中の構造は、レーダーを上方に向けることによって検知ランドマークとして使用され得るが、ほとんどの場合、特徴的な構造特徴がほとんどない極めて平坦な表面を与えるパネルがある。一般的なレーダー検知がそのような天井パネルの後ろから構造をあらわにすることは、困難である。
【0010】
自己測位(self-positioning)困難をもたらす別のシナリオは、従来のレーダー信号の邪魔になり、したがって、レーダーが本来なら検出するであろう静的参照物体を隠し得る、移動している人々および/または物体によって主に支配されるオープンエリアにおいて起こる。この検出がなければ、従来のレーダー支援測位技術は、デバイスの位置を確かめるために、既知の位置を有する既知の参照構造と本来なら比較されるであろう検知情報がないことになる。
【0011】
全体的に、屋内の壁、床、天井、および廊下などの非常に規則的なエリアは、一般に、極めて平坦な、規則的な、特徴のない外観を提示し、これは、検知距離内の、および既知の位置を有する、他の著しい、特有の物体および構造がない限り、レーダー支援測位を複雑にする。
【0012】
PCT公開第WO2017139432号(2017年2月9日公開)は、幾何学的構造のマップデータを用いてローカル深さベースセンサーデータをフィンガープリンティングするためのソリューションを提示する。フィンガープリンティングは幾何学的分析に基づく。レーダーは、深さ関連情報を生成するために使用され得る1つの多くの異なるタイプの潜在的センサーとして述べられる。しかしながら、フィンガープリンティングはレーダー信号に基づかない。
【0013】
米国特許出願公開第20190171224(A1)号(2019年6月6日公開)は、最初に環境のマップを作成することと、その後、そのマップに相関させることによって自己位置を微調整することとに基づいて自己位置を微調整するためのレーダーベース技法を提示する。マップと微調整の両方がデバイスによって実施される。ターゲットエリアは、たとえば、自律駐車を可能にするという目標をもつ車両である。
【0014】
Liu,Xら、「A Radar-Based Simultaneous Localization and Mapping Paradigm for Scattering Map Modeling」、IEEE Asia-Pacific Conference on Antennas and Propagation (APCAP)、オークランド、ニュージーランド(2018)と、Marckら、「Indoor radar SLAM A radar application for vision and GPS denied environments」、European Microwave Conference、ニュルンベルク、ドイツ(2013)とは、測位のためのレーダーSLAMの可能な使用を示す調査研究について説明する。しかしながら、そのような使用は、極めて強いレーダー使用を必要とし、したがって、それが、比較的低い量のモデムアクティビティを伴う急速なオケージョンにおいて自己測位を実施するためにのみ使用されている場合の、エネルギーおよび処理リソースの過度の消費である。
【0015】
したがって、上記のおよび/または関係する問題に対処する自己測位技術が必要である。
【発明の概要】
【0016】
本明細書で使用される「備える、含む(comprises)」および「備える、含む(comprising)」という用語は、述べられた特徴、完全体、ステップまたは構成要素の存在を明示するものととられるが、これらの用語の使用は、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、構成要素またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことを強調されるべきである。
【0017】
その上、参照文字は、様々なステップおよび/またはエレメントの識別を容易にするためにいくつかの事例において(たとえば、特許請求の範囲および発明の概要において)提供され得る。ただし、参照文字の使用は、そのように参照されるステップおよび/またはエレメントが特定の順序で実施または動作されるべきであることを負わせるまたは示唆するものではない。
【0018】
本発明の一態様によれば、上記および他の目的は、モバイル通信デバイスの位置を決定する技術(たとえば、方法、装置、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、プログラム手段)において達成される。位置を決定することは、モバイル通信デバイスが、モバイル通信デバイスをサーブするネットワークノードから、1つまたは複数のパラメータに従うローカルエリアの検知についての要求を受信することであって、1つまたは複数のパラメータが、検知がどのようにおよび/またはどこで実施されるべきであるかを案内する(guide)、要求を受信することと、ローカルエリアの検知についての要求に応答して、1つまたは複数のパラメータに従う検知を実施することによって検知データを作り出すこととを含む。検知データは、ネットワークノードに通信される。検知データをネットワークノードに通信することに応答して、モバイル通信デバイスの位置が受信される。
【0019】
本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態の別の態様では、位置決定は、モバイル通信デバイスの粗い位置を最初に取得するまたは作り出すことであって、粗い位置は、モバイル通信デバイスが参照座標系(reference coordinate system)のローカルエリア部分(local area portion)内に配置されることを、正確さの程度で指示する、粗い位置を最初に取得するまたは作り出すことと、粗い位置をネットワークノードに供給することとを含み、粗い位置は、受信された位置よりも正確でなく、ローカルエリアの検知についての受信された要求は、粗い位置をネットワークノードに供給することに応答したものである。そのような実施形態の必ずしもすべてとは限らないがいくつかでは、モバイル通信デバイスは、ネットワークノードに、粗い位置の正確さに関する信頼性の測度を供給する。また、またさらなる実施形態の必ずしもすべてとは限らないがいくつかでは、位置決定は、モバイル通信デバイスの粗い位置を作り出すために非レーダーベース検知を使用することをも含む。
【0020】
本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態のまた別の態様では、ローカルエリアの検知は、ローカルエリアのレーダー検知であり、1つまたは複数のパラメータは、第1のモバイル通信デバイスがローカルエリアのレーダー検知を実施するときにとるべきである向きを規定する。
【0021】
本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態のさらに別の態様では、ローカルエリアの検知は、ローカルエリアのレーダー検知であり、1つまたは複数のパラメータは、ローカルエリアのレーダー検知が実施されるべきであるロケーションを規定する。
【0022】
本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態の別の態様では、ローカルエリアの検知は、ミリメートル波合成開口レーダー(mmWave SAR)検知である。そのような実施形態の必ずしもすべてとは限らないがいくつかでは、1つまたは複数のパラメータは、mmWave SAR検知を実施するときに適用されるべき方向および/または向きおよび/またはデバイス軌道を規定する。
【0023】
本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態のまた別の態様では、ローカルエリアの検知は、非レーダーベース検知である。
【0024】
本発明の目的および利点は、図面とともに以下の発明を実施するための形態を読むことによって理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に従う例示的なシステムのブロック図である。
図2】例示的なWRフレームを示す図である。
図3A】本発明に従う実施形態の1つのクラスの態様を示すシグナリング図である。
図3B】本発明に従う実施形態の代替クラスの態様を示すシグナリング図である。
図4】モバイルデバイス(UE)が周囲エリアにあるときの例を示す図である。
図5】本発明に従う実施形態の代替クラスの態様を示すシグナリング図である。
図6】ある点における、本発明に従ういくつかの実施形態による、サーバによって実施されるアクションのフローチャートである。
図7】ある点における、いくつかの実施形態による、検知を実施するように設定された例示的なモバイル通信デバイスによって、モバイル通信デバイスの位置を推定するために分析され得るデータを作り出すために実施されるアクションのフローチャートである。
図8】本発明に従う実施形態の代替クラスの態様を示すシグナリング図である。
図9】1つまたは複数の実施形態による、ネットワークノードの詳細を示す図である。
図10】1つまたは複数の実施形態による、無線デバイスの詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の様々な特徴が図を参照しながら説明され、図において、同様の部分は同じ参照符号で識別される。
【0027】
次に、本発明の様々な態様が、いくつかの例示的な実施形態に関してより詳細に説明される。本発明の理解を容易にするために、本発明の多くの態様は、プログラムされた命令を実行することが可能なコンピュータシステムまたは他のハードウェアのエレメントによって実施されるべきアクションのシーケンスに関して説明される。実施形態の各々において、様々なアクションが、特殊な回路(たとえば、特殊な機能を実施するために相互接続されたアナログおよび/または個別論理ゲート)によって、命令の好適なセットでプログラムされた1つまたは複数のプロセッサによって、または両方の組合せによって実施され得ることを認識されよう。1つまたは複数の説明されるアクションを実施する「ように設定された回路」という用語は、本明細書では、任意のそのような実施形態(すなわち、1つまたは複数の特殊な回路のみ、1つまたは複数のプログラムされたプロセッサ、またはこれらの任意の組合せ)を指すために使用される。その上、本発明は、さらに、本明細書で説明される技法をプロセッサに行わせることになるコンピュータ命令の適切なセットを含んでいる、固体メモリ、磁気ディスク、または光ディスクなど、任意の形態の非一時的コンピュータ可読キャリア内で完全に具現されると見なされ得る。したがって、本発明の様々な態様は多くの異なる形態で具現され得、すべてのそのような形態は本発明の範囲内に入ることが企図される。本発明の様々な態様の各々について、上記で説明された実施形態の任意のそのような形態が、本明細書では、説明されるアクションを実施する「ように設定された論理」、または代替的に、説明されるアクションを実施する「論理」と呼ばれることがある。
【0028】
本明細書で説明される技術は、今日の一般的な技術(たとえば、GPS)があまり十分に機能しないエリアにおいて(たとえば、ビルの谷間、屋内、工場の現場などにおいて)デバイスがデバイス自体の正確な測位(いわゆる「自己位置」)を取得することが可能である必要に対処する。さらに、目標は、デバイスがデバイス自体の正確な測位を取得することを、(レーダー能力をもつモデムによって、またはデバイスに組み込まれた別個のレーダーモジュールによって提供され得る)レーダー以外の検知能力の必要なしに、行うことであり、必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態では、加速度計またはコンパスがさらに使用され得る。しかし、すべてのそのような実施形態では、本技術は、カメラの必要も、あるいは基地局または他の高コストネットワークベース測位機器の大がかりなネットワークの必要も、求めない。
【0029】
本明細書で説明される様々な実施形態は、物体および構造に比較的近い(数メートル離れている)ときにcmレンジの正確さで、ならびに、物体が遠く離れているときにわずかにより低い正確さで、自己測位情報を導出することが可能である。
【0030】
本明細書で説明される実施形態の一態様では、世界参照(WR:world reference)マップが、少なくとも、5~10メートルの正確さ(潜在的により良いが、また、潜在的により悪い)を達成することができる他の無線ベース位置ソリューションに基づいて取得される。開始ポイントとしてのWRマップの場合、レーダー走査によって取得された情報が、WRフレーム内のデバイスの自己位置を微調整するために使用される。以下では、「WRP」という用語は、限定はしないが、観測到達時間差(「OTDOA」)など、規格化された無線ベース方法(他の手法がWRPを決定するために使用され得る。以下の例を参照されたい)に従う推定された世界参照位置を指すために使用される。「WRフレーム」という用語は、本明細書では、WRPの推定された正確さによって規定された、WRPの周りのローカルエリアを指すために使用される。たとえば、WRPの正確さが±5メートルであると推定される場合、WRフレームは、各方向においてWRP±5メートルによって規定されるエリアである。より一般的には、WRフレームは、(この実施形態では、世界参照マップである)参照座標系のローカルエリア部分の例示的な実施形態である。
【0031】
WRフレーム内の自己位置を微調整することは、好適なセッティングに従ってレーダー応答をキャプチャすることと、キャプチャされたレーダー応答をモバイルエッジサーバ機能(MEF)にアップロードすることと、提供されたレーダーデータが環境の前の情報と相関される、相関方法(たとえば、フィンガープリンティング、またはマップ情報に対する相関、あるいは組合せ)を適用することとによって行われる。MEFは、デバイスがWRフレームエリア内にあることを知っているので、MEFは、それに対して相関する必要があるにすぎない。これは、必要なレベルの測位正確さを達成することができる。
【0032】
本発明に従う実施形態の重要な態様は、異なる最適化および改良の大きいセットを可能にする、MEF内の処理のオフローディングと、また、MEF中で利用可能にされるデータとである。さらに、この手法によって、MEFは、すべてのデバイスの位置の極めて正確な情報を、それらの軌道の推定値とともに有することになり、これは、多くの異なるタスクおよび最適化のために有用であり、相関に含まれ、移動している物体による環境ダイナミクスに関するさらなる情報を提供することができる。
【0033】
上記で説明された態様を適用するいくつかの異なる実施形態があり、これらは、以下でさらに説明される。
【0034】
図1は、本発明の実施形態に従う例示的なシステム100のブロック図である。例示的なシステム100は、以下を備える。
- 各々、モデム103を備え、(モデム103を使用することによって、または図1に示されているように別個のレーダー回路を用いてのいずれかで実装される)レーダー機能105が設定された、モバイル通信デバイス(またはユーザ機器-UE)101-1、101-2。任意の特定の実施形態においてより多くのまたはより少ないそのようなデバイスがあり得る。
- デバイス101-1、101-2が通信する基地局109を備えるセルラ通信システム107。システム100はまた、何らかの従来の技術(たとえば、GPS、OTDOAなど)による、測位サポート111を含むかまたは測位サポート111へのアクセスを有する。この測位サポート111は、WRPとWRフレームとを達成するために、きめの粗い位置情報を提供する。
- 基地局109によってサーブされるエリアにローカルであるサービスを提供するための、およびより遠く離れているデータセンタ(図示せず)にオーバーザトップで進むことよりも低いレイテンシを伴う、好ましくは基地局109において存在するサーバである、モバイルエッジサーバ113。モバイルエッジサーバ113は、好ましくは基地局109において存在するが、そのロケーションは、本発明の実施形態の必要な態様でも必須の態様でもない。
- たとえば、デバイスに搭載されたIMUを使用する(極めて正確)、または代替的に、既知の参照に向けてのビーム整合に基づいて計算される(より低い正確さ)、または別の代替では、無線ベース角度測定を使用する(中程度の正確さ)、デバイス姿勢(「向き」としても知られる)推定器115:空間領域中の参照として、UEアンテナパネルから基地局109に向けてのビーム方向を使用する。到達角(AoA)および離脱角(AoD)は、ラウンドトリップタイム(RTT)測定値とともに、基地局109に向けての粗い位置およびパネル姿勢を生成することができる。
【0035】
これらのエレメントは、以下でさらに説明される。説明を容易にするために、あるモバイル通信デバイスを別のモバイル通信デバイスと区別すること(たとえば、第1のモバイル通信デバイス101-1を第2のモバイル通信デバイス101-2と区別すること)が必要でない限り、モバイル通信デバイスは、総称的にモバイル通信デバイス101と呼ばれることになる。
【0036】
モバイルデバイス/UE101
レーダー機能105を装備したモバイル通信デバイス101を利用することは有利である。そのような機能は、たとえば、別個の回路および/または構成要素として実装され得る。しかしながら、これを、通信機能を実施することだけでなく、レーダービーム117を生成および送信し、反射されたレーダー信号を受信することをも行うように設定されたモデム103によって、行うことは、さらに有利である。好ましい実施形態では、UEモデム103は、既知の技法に従ってレーダー能力で拡張される。1つのそのような教示は、PCT特許出願第PCT/EP2020/069491号において見つけられる。通常の5Gモデムのコストに加えてのレーダー機能の追加されたコストは、デバイス中の貴重な空間を占有するアンテナパネルを共有する能力により、最小である。これは、モデム103が、測位システムの3つの必須の機能のために使用され得ることを意味する。
- 基地局109、およびモバイルエッジサーバ113中の機能と通信すること
- きめの粗いWRPまたはWRフレーム(上記参照)のためにネットワークベース測位111を使用すること
- レーダー検知が、現在の5G通信に対する影響なしにまたは最小の影響で、異なる周波数、異なるビーム方向において、ならびに異なるシグナリングタイプおよび持続時間を用いて行われ得るので、測位の品質/正確さを改善すること
【0037】
必ずしもすべてではないがいくつかの代替実施形態では、レーダー機能105は、本明細書で説明されるように共同動作を実施するために5Gモデムと(著しい干渉を引き起こすことなしに)共存するように慎重にセットアップされる必要がある別個のモジュールとして実装される。これは、コストおよび複雑さを追加する。
【0038】
またさらなる代替形態では、本明細書の5G準拠モデムの言及にもかかわらず、当業者は、他の通信規格、または3GPP規格の世代に準拠する、モデムが代わりに使用され得ることを容易に理解するであろうことに留意されたい。
【0039】
上述の能力を有するUE101は、一般に、屋内環境において配備される自律車両(たとえば、完全自律工場における自律輸送カート、工場または密な市街地における監視ドローン、あるいは非サイト線条件(部分的屋内、建築物の壁、高く積まれたコンテナなど)によりGPS位置がかなり不十分であり得る港における自律輸送車両)など、高精度位置特定の必要を有する自律車両または他のモバイルユニットにおいて使用されることになる。
【0040】
自律車両の場合、測位の必要(たとえば、使用の頻度および目的)は、モバイルデバイスによって知られ得、したがって、その測位機能はコンテキストに基づき得る。たとえば、静止しているモバイルユニットが、測位試行を停止または低減し、したがって、電力を節約し、貴重なリソースを解放することも可能であることになる。工場の現場の大きい機械類などの構造に近いモバイルユニットは、それがどのくらい高速に移動しているかに依存するレートを用いてより正確な位置を必要とし得る。構造から遠く離れているモバイルデバイスは、すぐに何かと衝突する切迫した危険にさらされていないので、測位正確さに対するより低い要望を有し得る。したがって、(モバイルデバイスがそのターゲット位置のより近くに来るにつれて、測位の正確さが増加され得ると仮定すると)意図された座標にモバイルデバイスが移動するために、非常に正確な位置は必要でない。
【0041】
モバイルデバイス101は、デバイスの向きの推定115のためのIMUまたは加速度計、ジャイロスコープセンサー、あるいはコンパスを装備しており、レーダービームの方向を推定し得る。しかしながら、そのようなサポートのない代替実施形態も、以下で説明される。
【0042】
セルラシステムおよび基地局109サポート
モバイル通信デバイス101のきめの粗い位置を提供することが可能であるネットワークベース測位のための多くの既知の方法がある。そのような方法は、たとえば、観測到達時間差(OTDOA)、アップリンク到達タイミング(ToA)、拡張セルID(E-CID)、ラウンドトリップタイム(RTT)測定値、到達角(AoA)および離脱角(AoD)の使用を含む。無線ベース位置ソリューションは、5~10メートルの正確さ(潜在的にはそれより良いが、保証されていない)を達成することができる。本発明に従う実施形態において採用されるアイデアは、位置の粗い推定値を世界参照位置(WRP)として使用し、次いで、さらなる検知(たとえば、レーダー検知)を使用して、WRPを中心とするWRフレーム内で位置を微調整することである。
【0043】
以下では、WRPという用語は、OTDOAなど、規格化された無線ベース方法に従う推定された世界参照位置を指すために使用される。他の粗い測位手法が代替形態として使用され得る(以下の例を参照されたい)。WRフレームという用語は、本明細書では、WRPの推定された正確さによって規定されたWRPの周りのエリアを指すために使用される(正確さの推定値は、使用される方法、たとえば同時性誤差(synchronicity error)のような不確実性を作り上げる重要な構成要素の配備特性および推定値に基づき得る)。たとえば、WRPの正確さが±5メートルであると推定される場合、WRフレームは、WRPを中心とし、各方向においてWRPから±5メートル拡張する、領域によって規定されるエリアである
【0044】
このポイントをさらに示すために、図2は、(より大きい)参照座標系209のローカルエリア部分である例示的なWRフレーム201を示す。参照座標系209は、概して、ローカルエリア部分201よりもはるかに(たとえば、数桁も)大きく、この理由で、図2に示されている態様が一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。
【0045】
UE203が、図に示されているように位置207にある。UE203の位置の粗い推定値(WRP)211も示されており、示されているように、実誤差205を有する。しかしながら、粗い推定値、WRPが推定されたとき、WRPの正確さの程度が、ある量±εであるだけがわかる。この理由で、WRフレーム201は、粗い推定値WRP211を中心とする。(注:WRフレーム201は、代替的に、円形など、別の形状であり得る。WRフレーム201の特定の形状は、本発明の実施形態の必須の態様ではない。)
【0046】
モバイルエッジサーバ機能(MEF)
たとえば基地局109において、セルラシステム内に位置するモバイルエッジサーバ113は、いくつかの本発明の実施形態では重要なエレメントである。一態様では、モバイルエッジサーバ113は、検知が参照座標系209の異なるローカルエリア部分201内で検出することが予想されることになる物体および特徴を表す参照マップ213へのアクセスを有する。モバイルエッジサーバ113は、供給されたセンサー情報(たとえば、モバイル通信デバイス101によって供給されたレーダー信号情報)の処理を管理し、モバイル通信デバイスの位置207の粗い推定値211を改善するために環境の前のデータ、マップ情報、および他の知識と相関させる能力を有する。位置の粗い推定値211は、必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態では、モバイル通信デバイス101に提供される。また本発明に従う実施形態の一態様では、モバイルエッジサーバ113は、位置の第1の推定値(すなわち、粗い位置)211を第2のより正確な推定値215に改良するために使用され得る関連のある検知情報を作り出すために、モバイル通信デバイスの近傍のさらなる検知のための案内を作り出す。さらなる検知のための案内は、基地局109を介してモバイル通信デバイス101に供給され得る。さらに、それが、すべてのUEと通信しており、それらの位置を知っているので、さらなる最適化が、システム全体に及ぶスケールで適用され得る。これらの態様は、以下でさらに説明される。
【0047】
図1に示されている例示的な実施形態では、モバイルエッジサーバ113は、スタンドアロンエンティティである。しかしながら、代替実施形態では、モバイルエッジサーバ113は、基地局109中の機能への拡張として実装され得るか、または、基地局109のサーバ以外のインターネット接続されたサーバ上でハンドリングされることさえある。すべてのそのような代替形態は、本発明の実施形態の範囲内に入ることが企図される。ただし、モバイルエッジサーバ機能が、この機能のローカル関係性と、UEとの通信における短いレイテンシとを仮定すれば、基地局109とコロケートされることが有利であることに留意されたい。限られた地理的エリアの場合、マップ情報および履歴データ、ならびにそのエリア中のすべてのUEの知識に基づく最適化をもつデータベースが、効率的に実装され得る。さらに、コロケートされたシステムの場合、リモートオーバーザトップデータセンタと比較して著しくより少ない性能低減レイテンシもある。
【0048】
この説明の後半に、本発明に従ういくつかの代替実施形態では、モバイルエッジ機能のうちの一部がモバイルデバイス自体においてハンドリングされ得ることも指摘される。しかしながら、そのような実施形態は、他の実施形態よりも効率的でないことがある。
【0049】
一般的な実装形態では、モバイルエッジ機能は1つの基地局をサーブすると想定され得るが、モバイルエッジ機能が多くの基地局をサーブするのを妨げる主要な障害はない。マップおよび相関ならびに統計値はローカルエリアに関係するが、1つの基地局109と1つのモバイルエッジサーバ113とによってサーブされるいくつかのアンテナサイトがあり得る。以下では、システム、ソリューション、および例は、この機能のための1つのモバイルエッジサーバ113を仮定するが、本発明の範囲は、これのための1つのそのようなモバイルエッジサーバ113のみを有することに限定されない。
【0050】
本発明の実施形態のいくつかの態様を示すために、説明は、次に、図3Aに示されている例示的なシグナリング図を参照する。点線およびボックスで示される特徴が、この例示的な実施形態に随意である態様を表す。
1.デバイス101:自己測位が開始され(ステップ301)、結果として、ネットワークベース位置についての要求が基地局109に通信される(ステップ303)。ネットワークは、モバイルデバイス101のきめの粗い位置を作り出す測位技法を実行する(ステップ305)。きめの粗い測位技法は、当技術分野で知られており、すべてが、本発明の実施形態の範囲内に入るように企図される。
2.基地局109またはネットワーク機能は、次いで、粗い位置211をデバイスに通信する(ステップ307)。このアクションは、基地局109からモバイルエッジサーバ113へのこの情報の直接通信がなく、したがって、この情報が基地局109によってモバイル101に提供され、モバイル101が、この情報をモバイルエッジサーバ113にフォワーディングする、環境を示すために、この実施形態に含まれる。しかし、以下で説明される図5に示されているものなど、代替実施形態では、WRPは、基地局559からモバイルエッジサーバ563に直接受け渡され、したがって、モバイルデバイス551がWRPを受信し、次いでWRPをフォワーディングする必要がない。
3.デバイス101:ネットワーク機能から粗い位置211を受信し、これは次にWRP211を構成する。特定の実施形態において使用される方法に応じて、デバイス101は、ネットワーク機能109からその位置の信頼性レベルの指示(たとえば、正確さの程度の指示)をも受信し得る。
4.デバイス101:レーダーシーケンスを放出し、応答を受信する(ステップ309)。レーダーのためのセッティングが、マップ上に指示された特徴のデバイス知識に基づくか、またはモバイルエッジサーバ113からの前に受信された案内に基づく。たとえば、ネットワークは、データベースを見て、どの方向が、デバイスからの検知データと相関され得る信頼できる量の利用可能なデータを有するかを決定し、それらの方向において特定のパネルを使用するようにデバイス101に要請することができる。前の知識がない場合、レーダーパラメータはデフォルトパラメータに基づく。これは、以下でさらに説明される。
5.デバイス101は、受信されたレーダーデータをモバイルエッジサーバ113に送り(ステップ311)、データは、この検知において使用されるパラメータセッティング、ならびにWRP211を含む。
6.モバイルエッジサーバ113(または、基地局109など、ネットワークノードにおいて実装される同等のモバイルエッジ機能)は、WRP211と、そのWRP推定値の潜在的に受信される信頼性レベルと、(履歴的に、そのエリア中のすべてのデバイスについての決定された正確な位置に対する前の推定値に関するモバイルエッジサーバ113のデータベースに基づく)そのエリア中のその位置のWRP正確さレベルに関する履歴情報とに基づいて、WRフレーム201を決定する(ステップ313)。エリアは、ネットワークセル全体であるか、またはWRPに基づいてより狭く規定され得る。この機能は、以下でさらに説明される。
7.モバイルエッジサーバ113は、WRフレーム201と受信されたレーダーデータとに基づいて位置207の第2のより正確な推定値215を決定する(ステップ315)。この機能は、以下でさらに説明される。
8(代替形態1).モバイルエッジサーバ113は、位置207の第2の(より正確な)推定値215をデバイスに送る(ステップ319)。
9(代替形態1).モバイルエッジサーバ113は、デバイスからの関連のあるデータ、ならびに決定された正確な位置を用いて、モバイルエッジサーバ113のデータベースを更新する(ステップ331)。この機能は、以下でさらに説明される。
【0051】
いくつかの場合において、モバイルエッジ機能(すなわち、別個のモバイルエッジサーバ113として、または、基地局109など、ネットワークノードの補助機能として実装される)は、高い信頼度/正確さでデバイスの正確な位置を決定することが可能でないことがある。理由は、環境が変化し、したがって、データベース中のデータ(たとえば、マップ、前のレーダー信号など)における良好な対応がないこと、または、いくつかの理由でWRPが特定の場合において特に間違っていることであり得る。本明細書で説明される技術手法に関する重要な利点のうちの1つは、モバイルエッジ機能が、マップと、推定された位置の不十分な信頼性の潜在的理由との良好な概観を有し、したがって、推定された位置の正確さを改善するように設定された追加の測定を実施するためにモバイルデバイス101に案内を提供することができることである。そのような案内は、たとえば、以下を行うことができる。
- (レーダー測定によれば邪魔な物体がない既知の方向において、ある推定された距離を)移動し、そこから新しい測定を実施し、その新しいセンサーデータを、推定されたデルタ移動とともにモバイルエッジ機能113に送る。
- レーダーシグナリングの異なるセッティング、たとえば、より高い電力、より大きい帯域幅、より長い信号持続時間、追加の周波数に基づいて、および/または、1つまたは複数のレーダー送信を、より早期に実施されたものとは異なる方向に(たとえば、異なるアンテナパネルを使用して)向けることに基づいて(たとえば、方向が、(たとえば、利用可能なマップデータと、ネットワークにおける前のレーダー走査からのデータとから決定されたように)より明確で特有のレーダーシグネチャに関連するという予想を伴って)、など、追加の測定を実施する。
【0052】
これに基づいて、上記のフローの後半部分は、(図3A中の点線ボックスおよび信号に示されているように)以下になる。
8(代替形態2).モバイルエッジ機能113は、より正確な位置のために必要とされる追加の測定の実施を案内するための最も好適なパラメータを決定する(ステップ317)。上述のように、これは、ネットワークが、データベースを見て、どの方向が、デバイスからの検知データと相関され得る信頼できる量の利用可能なデータを有するかを決定し、それらの方向において特定のパネルを使用するようにデバイス101に要請することを伴うことができる。
9(代替形態2).モバイルエッジ機能113は、(より低い)信頼性レベルの指示とともに、(ステップ315において決定された)位置の第2の推定値(正確)215をデバイスに送る(ステップ319)
10.モバイルエッジ機能113は、追加の測定の実施を案内するためのパラメータをデバイス101に送る(ステップ321)
11.デバイス101は、案内に従って追加の測定を実施する(ステップ323)
12.デバイス101は、追加として収集されたデータをモバイルエッジ機能113に送る(ステップ325)
13.モバイルエッジ機能113は、追加のデータに基づいて、更新された位置を決定する(ステップ327)
14.モバイルエッジ機能113は、更新された信頼性とともに、更新された位置をデバイス101に送る(ステップ329)
15.モバイルエッジ機能113は、デバイスからの関連のあるデータ、ならびに決定された正確な位置を用いて、モバイルエッジ機能113のデータベースを更新する(ステップ331)。
【0053】
実施形態の代替クラスでは、図3Bは、粗い位置の決定に関することを除いて、たいていの点において図3Aと同等である例示的な代替シグナリング図である。これが(図3Aに示されているように)基地局109において決定される代わりに、位置207の第1の(粗い)推定値211は(および場合によっては第1の位置における信頼性の推定値も)、モバイルデバイス101自体によって決定される。この決定は、限定はしないが、モバイルデバイス101内の全地球測位システム(GPS)回路の使用を含む、いくつかの異なるやり方によって実施され得る(ステップ351)。すべての他の点において、図3Bに示されているアクションは、図3Aに示されている対応するアクションと同じであり、この理由で、図3B中のこれらの示されたアクションの説明について図3Aの説明への参照が行われる。
【0054】
上述のステップのうちのいくつかのさらなる説明が、本明細書において後で提供される。
【0055】
さらなる説明のために、図4は、モバイルデバイス(UE)401が周囲エリアにあるときの一例を示す。図3に示されているステップの態様によれば、モバイルエッジ機能113は、デバイスの位置207を、対応するWRフレーム403を有するWRP211として推定した。デバイスの推定された位置WRPが、量δだけ不正確であることがわかり得る。クロスハッチングで埋められた、示されている形状は、近くの構造/物体(たとえば、壁、機械、家具)を表す。
【0056】
図3Aに示されている例の基本動作では、UE401は、WRP(すなわち、WRPは推定された位置である)を受信し、受信された案内に従ってレーダー動作を実施する。この例示的な場合には、レーダー信号が4つのビーム方向において放出され、各ビーム方向について、UE401は、反射を受信し、レーダー応答信号特性(たとえば、レイテンシ、強度、ドップラー特性、形状など)を推定または計算する。WRPと、受信されたレーダーデータ(たとえば、生の反射されたレーダー信号、または抽出された有用な情報をもつそれらのレーダー信号の処理されたバージョン)とが、モバイルエッジ機能113に送られる。(基地局109からモバイルエッジサーバ113へのこの情報の直接通信がない実施形態を示すために、UE401がWRPをモバイルエッジ機能113に送ることは、ここでは含まれる。しかし、以下で説明される図5に示されているような、代替実施形態では、WRPは、基地局559からモバイルエッジサーバ563に直接受け渡され、したがって、モバイルデバイス551がこれを行う必要がない。)モバイルエッジ機能は、WRフレーム403を決定し、レーダー信号から導出されたデータを、WRフレーム403内の可能な位置を推定するために、既知の位置において生成され、維持された、1つまたは複数の参照マップ213および/または前に記録されたレーダー信号と相関させる。WRフレーム403に対応するマップ213(既知の物体およびそれらのそれぞれの位置)、ならびにWRフレーム403内の異なる位置からの記録されたレーダー信号特性の、モバイルエッジ機能の全体的な知識に基づいて、UEの位置207のより正確な推定値が決定される。事実上、異なる物体および構造からの異なる距離および信号特性を仮定すれば、WRフレーム403中のある特定のポイントのみが可能であり得ると決定され得る。
【0057】
いくつかの理論的な状況では、レーダー応答の同じセットにつながることがあるWRフレーム403内の複数の可能な位置があり得るが、次いで、(たとえば、デバイス401を、ある距離を移動し、さらに分析される別のレーダー測定を実施するように案内することによる)追加のデータを用いた1つの反復が、極めてまれな状況を除いて、一般に、不確実性を解決するのに十分であろう。
【0058】
複数のビーム方向と反射されている複数の物体とがあるので、相関分析は、好ましくは、たとえば、個々の物体が移動したがシーンの大部分が安定しているとき、いくつかの逸脱をハンドリングすることが可能であるように設定される。いくつかの場合には、シーンのより混乱させる変化が起こり得る(物体のより大きい部分が移動した)。以下で説明される最適化は、そのような状況を解決するのを助けることができる。
【0059】
エッジモバイル機能113がWRフレーム403内の位置のみについて相関する場合でも、エッジモバイル機能113がWRフレーム403外の物体および構造からの(たとえば、物体405からの)反射を使用することに留意されたい。レーダービーム方向と、また、WRフレーム403とは、X-Y次元内のみに含まれている必要はなく、システムおよび必要に応じて上方方向および下方方向をも含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、デバイスからのレーダーデータは、異なる位置から行われた走査を考慮に入れるために、走査中の、タイムスタンプと推定されたモビリティベクトルとを含むことができる。これは、モバイルエッジ機能113におけるさらなる分析および正確さを、それが複数の位置を考慮に入れるので、可能にし、エリア中のすべてのデバイスの軌道に関するさらなる統合された知識を可能にする。
【0061】
上述のいくつかの態様は、以下でさらに説明される。
【0062】
レーダーシーケンスを放出し、応答を受信すること
単純化した実装形態では、デバイス101は、いくつかのデフォルトレーダーセッティングに従ってすべての方向においてレーダービームを放出し、受信された信号応答を(WRPおよびレーダーセッティングと一緒に)モバイルエッジ機能113に送ることができる。しかしながら、これに関するいくつかの問題がある。
- レーダーセッティングは、実際のコンテキスト(たとえば、様々な方向における関連のある物体までの距離、ビームの幅、最適性能のためにいくつかのレーダーセッティングを必要とする物体のいくつかのタイプ)に関して準最適であり得る。
- レーダーが3GPP規格によって規定されたスペクトルにおいて実施される場合、レーダー動作は、レーダー信号によって他のデバイスに対して引き起こされる干渉と、また、レーダー反射を妨害し得る他のデバイスからの干渉の両方に関して、干渉を考慮に入れる必要がある。他のデバイスおよび基地局に対するデバイスの相対位置に応じて、回避されなければならないいくつかの方向、周波数、および出力電力レベルがあり得る。
- 移動しているデバイスの場合、モビリティ下の他のデバイスに、およびいくつかの重要な物体に極めて近接していることは、より緊密なリアルタイム動作または注意を必要とし得るが、いくつかの他の状況は、リアルタイム要望に関してより緩和され得る。
【0063】
本発明に従う実施形態は、モバイルエッジ機能113が、マップ全体、ならびに、すべてのデバイスがどこに配置されるかおよびそれらの最近の移動、の知識と、すべての基地局位置に関する情報とを有するので、最適化された動作を可能にする。最適化は、構造の予想される距離およびタイプに応じて、レーダーを環境に適応させることを可能にし、レーダー出力電力、波形、および持続時間は、異なる方向において異なり得る。これは、以下の最適化を可能にする。
A.モバイルエッジ機能113が正確な位置をデバイス101に送るとき、モバイルエッジ機能113は、エリア/近傍に関するある重要な情報、たとえば、他のモバイルデバイスおよび基地局への近さ/方向、いくつかの重要な物体または構造への近さ、ならびに必要とされる他の重要な関連のある情報(たとえば、環境においていくつかの急速な変化があるかどうか)をも送る。
B.上記のステップ(7)におけるデータが、たとえばいくつかの重要な物体が移動したことにより、位置の正確な決定のために十分でないとき、モバイルエッジ機能113は、追加のデータを受信するためのさらなる案内を、現在のデバイスに送る(上記のステップ(10))だけでなく、他の近くのデバイスにも送ることができ、他の近くのデバイスは、それらのそれぞれの位置から環境に関する追加の更新された知識を収集するのを助けることができる。そのようなプロシージャのための厳密なプロトコルおよびルールは、この説明の範囲を越えるが、当業者の能力内にあるいくつかの異なる代替ソリューションがある(たとえば、この測位サービスを利用するUEはまた、UEが追加の測定を支援することについて問題がない場合、必要なときに追加の測定を支援すると仮定され得る)。
C.本明細書で以下でさらに、ある最適化された測定をあらゆるレーダー動作において統合することを伴う代替実施形態が説明される。
【0064】
(デバイスが移動を推定する能力を有する場合)中間の移動の推定値を潜在的に用いて、いくつかの後続の測位を実施することによって、モバイルエッジ機能113は、一層大きい正確さで位置を決定し、必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態では、特定の場合についてWRフレーム403のサイズを低減すること、マップのいくつかの部分のみに相関することなど、最適化を適用することができる。
【0065】
モバイルエッジ機能113がWRフレーム403を決定すること
WRフレーム403を決定するための複数の方法がある。より単純なやり方のうちの1つでは、予想され得る正確さの程度(たとえば、±5メートル)を指示することを含む無線ベース測位方式が使用され、WRフレーム403は、その場合、各次元においてWRP±5mになる。たとえば、図2を参照されたい。また、前述のように、WRフレーム403は、代替的に、限定はしないが、円形、楕円体、または球状など、別の形状を有することができる。
【0066】
位置が最近決定された場合、および、デバイスの速さ(または最大速さ)ならびに方向および加速度(または最大加速度)が既知である場合、WRフレーム403を決定する別のやり方が利用され得る。前のロケーション決定からの時間の量が大きくない限り、はるかに小さいWRフレーム403が使用され得る。
【0067】
しかしながら、その信頼区間(confidence interval)が悲観的になる(その方法についての正確さの最悪の程度を考慮に入れなければならない)とき、本発明の実施形態の一態様は、さらなる改善を提供する。
【0068】
より詳細には、各実施された自己測位について、モバイルエッジ機能113は、関係する情報を、WRPの記憶された履歴と、WRPに到着するために採用される方法論と、レーダー分析から最終的に作り出された正確な位置とに追加する。時間とともに、モバイルエッジ機能113は、エリア全体の異なる部分における異なるWRP方法についての実際の信頼区間の優れた統計的知識を作り上げ、いくつかの場所は、適度に良好なWRP正確さ(たとえば、基地局との見通し線)を有し得るが、他のものは、(たとえば、厄介な無線状態により)極めて不十分なWRP正確さを有する。モバイルエッジ機能113は、さらに、異なるモデムモデル間のWRP正確さの逸脱などに関する統計値を収集することができる。そのような収集された情報は、たとえば、正確な予測および/または推定値を可能にするために、ならびに/あるいは異なるファクタが正確さにどのように影響を及ぼすかを識別するために、機械学習/分析の対象として使用され得る。したがって、多数の正確な測位サービスを実施した後に、本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態は、モバイルエッジ機能113が、環境条件ならびにモデムタイプ差の両方を考慮に入れて、最適化されたWRフレーム403を提供することが可能であることを可能にする。これはまた、非レーダーUEの測位正確さに利益を与える。
【0069】
モバイルエッジ機能113が正確な位置を決定すること
モバイルデバイスがWRフレーム403内にあるという知識を仮定すれば、タスクは、モバイルエッジ機能113がレーダー信号データをモバイルエッジサーバ113中のデータと相関させることである。これは、限定はしないが、以下のものなど、いくつかの異なる手法に従って行われ得る。
A.レーダーデータは、ある距離における物体に対する異なるビームについての情報を提供する。モバイルエッジ機能113は、これを、モバイルエッジ機能113が維持している既知の位置において取得されたマップ情報および/または前に記録されたレーダー信号に対して相関させ、異常(マップ中の物体対応のない反射、またはレーダー反射のない物体)の最小数、または最良の相関を用いる任意の他のアルゴリズム(たとえば、異常または逸脱のサイズを考慮に入れるアルゴリズム)により、WRフレーム403内の最も可能性がある位置を決定する。この点において、たとえば、いくつかの構造または反射が無視される場合に異常の数が著しく低減され得るかどうかが決定され得るように、いくつかの区間において、履歴データに基づいてそのアルゴリズムを再び行うかまたは再較正することが有利である。
異常は、移動された物体、または、厄介な反射特性をもつ物体を暗示し得、これらは、マップ情報の将来の相関分析および潜在的更新のために記録される。さらに、モバイルエッジ機能113は、いくつかの時間のみにおいて存在する、環境におけるいくつかの物体など、時間とともに変化するパターンを検出することができ、その場合、相関データは、これらの物体に関連するタイミング変数を含むことができる。
B.レーダー信号は、フィンガープリンティング技術(たとえば、環境内の既知のランドマークに依拠する技術)に従って、WRフレーム403中の異なる位置からの前のレーダー信号のデータベースと相関される。これについても、検出されたタイミングパターンが決定され、活用され得る(上記の段落を参照されたい)。
C.関連のある位置からの前のレーダー信号がないとき、(A)と(B)との間の組み合わせられた手法。そのような場合、(A)において説明された方法論が使用されるが、レーダー信号は、(B)において説明された方法論の将来の適用のために記憶される。
【0070】
モバイルエッジ機能113が、関連のあるデータを用いてモバイルエッジ機能113のデータベースを更新する
本発明に従う実施形態の一態様は、レーダーデータを記録されたマップデータ/データベースに対して相関させ、記録されたデータに基づいて最適化を行い、システムステータスの全体的なビュー(たとえば、UEおよびUEの軌道の直近の位置プロセス、関連のある主な物体の直近の位置プロセスなど)を有する、モバイルエッジ機能113の能力である。
【0071】
モバイルエッジ機能のデータベースは、以下を含む。
・ 物体および構造の詳細な位置データをもつ、(異なるレーダーパラメータセッティングにおいて)レーダー反射に対して相関させることに資する形式の、マップ情報。
・ マップ中で識別されたそれらの物体および構造の異なる方向からのレーダー反射特性。これらは、材料および形状に関するある知識を仮定すれば、構造マップ(上記)に基づいて最初に計算され得る。これらはまた、高精度センサーをもつ拡張デバイスに基づいて最初に測定され、1回のみ行われる必要があり得る。本発明に従う実施形態の一態様では、この情報は、システムが使用中であるとき、継続的に更新される。
・ 測定においてレーダーの異なるパラメータセッティングで注釈を付けられる、使用中の実際のデバイスからのレーダー信号反射。
・ レーダー相関から導出された正確な位置とともに、各測位事例の元のWRP位置および方法。
【0072】
さらに、モバイルエッジ機能113は、この測位サービスを使用してすべての接続されたデバイスとともに更新されたマップを維持する。これは、モバイルエッジ機能113が、デバイスにいくつかのエリアの弱い情報を補完させることに関して、およびどのビーム方向がレーダー送信からより干渉を受け得るか(3GPP帯域および/または他のもの)に関して、最適化を適用することを可能にする。最終的に、この情報はまた、場合によってはコストを追加することになる、およびプライバシー問題として見られ得る、デバイスがカメラを装備していることを必要とすることなしに、エリア中の物体および構造に関する更新されたビューと一緒に、そのエリア中のすべてのデバイスの詳細な測位および軌道情報に基づく、追加のタイプのサービスを可能にする。そのようなサービスに関するさらなる詳細は、この説明の範囲を超えている。
【0073】
モバイルエッジ機能113のためのデータベースデータの作成
モバイルエッジ機能113のデータベースは、最初にポピュレートされ、次いで、使用を通して後で反復的に改良される必要があり、データベースが使用されるほど、およびデバイスが多いほど、データベースはより良く、より充実したものになる。
【0074】
本発明に従う一実施形態では、初期コンテンツが、ある拡張デバイスを用いて記録され得、拡張デバイスは、既知の正確な位置から移動された拡張デバイスの距離を決定するための追加のセンサーを有する。さらに、すべての静的物体および構造をもつ環境のマップが作成され得る。初期マップの作成は、1回のみ行われる必要がある(工場では、これは、壁、大きい機械類、および他の顕著な物体であり得る)が、これは、最初から存在し得る。この拡張デバイスは、レーダー信号を記録し、レーダーエコーがいくつかの物体を異なる距離においてどのように可視にするかを決定する。すべてのこのデータはデータベースに記録され、構造および物体のマップは、その可視性および特性に基づいて、レーダー観点から更新される。
【0075】
本発明に従う別の実施形態では、カメラを有する拡張デバイスは、ある種の同時位置特定およびマッピング(SLAM)(本発明の実施形態に適合する多くのソリューションが存在する)を使用して、環境のマップを作成し、レーダーを使用して、そのマップのレーダー反射特性に基づいてそのマップに注釈を付けるかまたはそのマップを更新する。このSLAM実装形態は、これが本質的に1回のみ行われるので、最適化される必要はない。異なる区間においてこのプロシージャを再び行うことも可能であるが、その場合は、それは、初期マップおよびレーダー信号コンテンツを作成することではなく、いくつかの物体が移動したまたは追加されたことに基づいて、すなわち、原則として、異常が識別された逸脱する最近のレーダー測定から確認を得たことに基づいて、データベースを更新することである。
【0076】
測位正確さ
本明細書で説明される技術の測位正確さは、レーダーシグナリング特性に依存する。
【0077】
たとえば、より広い信号帯域幅が、より正確な測定を可能にし、ターゲットにおけるさらなる詳細を解析し、したがって、測位のためのさらなる情報を提供する。また、信号対雑音比が、レーダー測定品質にとって基本的に重要であり、これは、増加された出力電力によって、またはより長い相関時間によって改善され得る。しかしながら、必要とされる出力電力および相関時間は、ターゲット距離とともに急速に増大し、ある距離を超えると、小さい物体を解析することは実行不可能になる。長い相関時間はまた、移動と組み合わせるのがますます困難になる。使用されるリソースを最小にし、測位の正確さを最大にするために、したがって、可能な場合、比較的低い電力および持続時間で、ただし高い信号帯域幅で、近くの物体をターゲットにすることがより良い。位置正確さは、光速を乗算された逆信号帯域幅の一部分であることになる。たとえば、数GHz信号帯域幅が使用される場合、信号変調の相関によって取得された正確さは、数センチメートルであり得る。
【0078】
概して、より遠くの物体はまた、おそらく、すぐ近くにあるものよりもやや正確でない測定につながることになる。これは、ある点において、受信される前のより長い遅延によるものであり、これはクロックジッタにより多くの影響を与える。これは、そのような長くより広い信号伝搬経路のより多くの潜在的な知られていない性質によるものでもある(ビームが有限開放角を有する)。しかしながら、近くの物体が欠落している場合、たいていの適用例について、低減された正確さが許容でき、デバイスがその周囲における物体に近づくにつれて、測位はより正確である必要がある。さらに、他の無線ベース測位技術は、顕著な構造および物体が近くに存在する場合(より厄介な無線チャネル、基地局との見通し線なし)、最も悪く機能し、これは、厳密に、現在説明される技術がcmまで正確な測位を提供することができるシナリオである。したがって、その方法の性質は、それらを相補的にする。
【0079】
より徹底的なアセスメントのために活用され得るあらゆる可能なレーダー特性のリスティングは、デバイスにおけるレーダー実装形態にも依存するので、この説明の範囲を超えている。しかし、全体的に、現在説明される技術の重要な利点は、モバイルエッジ機能113が、必要に応じてレーダー測定を最適化するための案内を可能にする環境の全体的な理解を有することである。
【0080】
代替実施形態:案内されるレーダー動作
本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの代替実施形態のいくつかのさらなる態様を示すために、説明は、次に、図5に示されている例示的なシグナリング図を参照する。点線およびボックスで示される特徴が、この例示的な実施形態に随意である態様を表す。
1.モバイルデバイス551は、その自己測位アプリケーションを始め(ステップ501)、したがって、自己位置初期化要求(ステップ503)を基地局559または他のネットワーク機能に送る。
2.基地局559または他のネットワーク機能は、初期ネットワークベース測位機能を実施して、(潜在的にある信頼性レベルを伴う)WRPを決定し(ステップ505)、これをモバイルエッジ機能563に提供する(ステップ507)。
3.モバイルエッジ機能563は、応答して、位置WRPに対応するWRフレームを決定し(ステップ509)、また、エリア、周囲における関連のある物体、いくつかの周波数帯域におけるレーダーのその許容される使用などに基づいて、レーダー動作を案内するためのパラメータを決定する(ステップ511)。必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態では、案内は、デバイス551がレーダー能力を有するかどうかおよびどんな種類のレーダー能力を有するか(たとえば、デバイス551がSAR能力を有するかどうか)にも基づくことができる。デバイス能力情報は、限定はしないが、デバイス551からデバイス能力情報を受信することを含む、任意の数のやり方で、モバイルエッジ機能563に供給され得る。モバイルエッジ機能の案内に従って検知を実施することによって、デバイス551は、常に、そのエリア中のマップ、環境におけるすべての他のモバイルデバイスおよび既知のダイナミクス、ならびにそのエリア中の他のデバイスからの前の履歴測度の、モバイルエッジ機能の全体的な知識を考慮に入れる最適化されたやり方で、そのレーダー動作を実施することができる。モバイルエッジ機能563は、次いで、WRフレームおよびレーダー案内パラメータをモバイルデバイス551に送る(ステップ513)。
4.デバイス551は、次いで、レーダーシーケンスを放出し、応答を受信する(ステップ515)。レーダーのためのセッティングが、マップ上に指示された特徴のデバイス知識、またはモバイルエッジサーバ113からの前に受信された案内に基づく。これは、以下でさらに説明される。
5.デバイス551は、次いで、受信されたレーダーデータをこの検知において使用されるパラメータセッティングとともにモバイルエッジサーバ563に送り(ステップ517)、なぜなら、いくつかの実施形態では、これらはモバイルエッジサーバ563によって提供される案内から逸脱し得るからである。
6.モバイルエッジサーバ563は、WRフレームと受信されたレーダーデータとに基づいて正確な位置を決定し(ステップ519)、これをモバイルデバイス351に送る(ステップ521)。
7(代替形態1).モバイルエッジサーバ363は、デバイス351からの関連のあるデータ、ならびに決定された正確な位置を用いて、モバイルエッジサーバ363のデータベースを更新する(ステップ535)。
【0081】
前に説明された実施形態の場合のように、いくつかの場合には、モバイルエッジ機能は、モバイルエッジ機能が有するセンサーデータを用いて十分に高い信頼性/正確さでデバイスの正確な位置を決定することが可能でないことがある。この問題に対処するために、マップと、推定された位置の不十分な信頼性の潜在的理由との良好な概観を有するモバイルエッジ機能は、推定された位置の正確さを改善するように設定された追加の測定を実施するためにモバイルデバイス551に案内を提供する。そのような案内は、たとえば、以下を行うことができる。
- (レーダー測定によれば邪魔な物体がない既知の方向において、ある推定された距離を)移動し、そこから新しい測定を実施し、その新しいセンサーデータを、推定されたデルタ移動とともにモバイルエッジ機能563に送る。
- レーダーシグナリングの異なるセッティング、たとえば、より高い電力、より大きい帯域幅、より長い信号持続時間、追加の周波数などに基づいて、追加の測定を実施する。
【0082】
代替および/または追加として、デバイス551が、サーバ113にとって利用可能である履歴検知データが少なくとも1つの所定の基準を満たさないローカルエリアに位置することが、十分な正確さで既知であることがあり得る。たとえば、所定の基準は、そのロケーションにおける特定の方向に関連する検知データのあるレベルであり得る。その方向において検知を実施し、検知データをサーバ113に報告するようにデバイス551を案内することによって、履歴検知データのサーバのデータベースは、補足され、それにより将来の使用のために改善され得る。
【0083】
これに基づいて、上記のフローの後半部分は、(図5中の点線ボックスおよび信号に示されているように)以下になる。
7(代替形態2).モバイルエッジ機能563は、より正確な位置のために必要とされる最も好適な追加の測定を実施するためのパラメータを決定する(ステップ523)
8.モバイルエッジ機能563は、追加の測定の実施を案内するためのパラメータをデバイス551に送る(ステップ525)
9.デバイス551は、案内に従って追加の測定を実施する(ステップ527)
10.デバイス551は、追加として収集されたデータをモバイルエッジ機能563に送る(ステップ529)
11.モバイルエッジ機能563は、追加のデータに基づいて、更新された位置を決定する(ステップ531)
12.モバイルエッジ機能563は、更新された信頼性レベルとともに、更新された位置をデバイス551に送る(ステップ533)
13.モバイルエッジ機能563は、デバイスからの関連のあるデータ、ならびに決定された正確な位置を用いて、モバイルエッジ機能563のデータベースを更新する(ステップ535)。
【0084】
追加の代替実施形態
集中型データベース対非集中型データベース
データベースの部分は、潜在的にさらにより高い相関レートにおいて動作するために、または通信リソースの使用を減少させる(およびレーダー動作のためのさらにより多くの機会を解放する)ために、相関/フィンガープリンティングがモバイルエッジ機能113においてではなくデバイス/UE101において行われるように、ダウンロードされ、デバイス/UE101に記憶され得る。有利な実施形態では、結果(実際の自己位置ではなく生のデータ測定値)は、そのデータが他のUEをサーブするために利用可能であり得るように、モバイルエッジ機能データベースと共有される。
【0085】
したがって、本発明に従ういくつかの実施形態は、上記で説明された機能のすべてを含んでいるモバイルエッジ機能113に依存しない。それとは反対に、上記で説明された態様は、処理およびデータの部分が個々のデバイスによって管理され、それらのデバイスが、モバイルエッジ機能113などの機能を通してデータ、マップ情報、環境の変化、および統計値を共有することから利益を得ることを可能にする、分散ソリューションにおいてさえ適用可能である。さらに、デバイスのすべての位置の知識は多くの利点を可能にし、これは、様々な説明される実施形態では、モバイルエッジ機能113に存在するものとして説明される。
【0086】
当業者は、モバイルエッジ機能113が実際の処理およびデータアクセスに関して部分的に分散され得るが、デバイスが、上記に記載された説明においてモバイルエッジ機能113によって自然に管理されるやり方で共有および共同する必要があることを容易に理解する。したがって、モバイルエッジ機能113およびデバイスの機能は有利な実施形態を構成するが、本発明の範囲内にある他の実施形態も企図される。
【0087】
いくつかの重要な構造またはレーダーポスト
いくつかの実施形態では、明確なレーダー反射シグネチャを有し、その位置において安定していると見なされるいくつかの構造または物体が識別され、特に考慮に入れられ得る。一般的な場合には、これは、明確なレーダー反射特性をもつ物体または構造であり得るが、特定の場合には、これは、この目的で設計される特定の反射であり得る。
【0088】
実施形態の1つのクラスでは、デバイスが位置する環境は、数個の専用参照ポイント(たとえば、区別されるRF特性をもつ無線反射体、受動アンカーポイントまたはアイコン物体)を含み得る。物体は、広帯域反射体、または特定の共振周波数において異なる性質をもつ共振構造であり得る。物体は、1つの偏波のみを反射するように偏波され得る。またさらなる実施形態は、上記の組合せを備える。異なる方向において異なる性質もあり得る。いくつかの構造は、環境条件とともに形状を変更し、レーダーを用いたリモート検知をも可能にし得る。
【0089】
一態様では、これらの参照ポイントは、特殊なロケーションパターンをもつ環境において配置され得る。これは、マップ相関またはフィンガープリンティングアルゴリズムがその収束レートを増加させるのを助けることができる。さらに、あいまいさがある場合、モバイルエッジ機能113は、位置または方向を決定または確認するために、そのような既知の物体に向けてデバイスのレーダーのビームを発する(beam)ようにデバイスを案内することができる。
【0090】
近くのデバイスを活用すること
モバイルエッジ機能113は、すべてのレーダー装備デバイスがある場所の更新されたビューを維持するので、システムは、それらのデバイスの最新の既知の測位要求と推定された軌道とに基づいて、デバイスに、デバイスの相対位置に関するさらなる知識を取得するために、ならびにバイスタティックレーダー動作の場合はデバイス間の物体に関するより良いビューを得るために、互いの間で直接送信/受信させることによって、これを活用することができる。これの詳細は、この説明の範囲を超えている。
【0091】
代替のきめの粗い世界(絶対)参照をどのように取得すべきか
きめの粗い世界参照位置(WRP)が、電力必要と位置の品質とコネクティビティの必要とに関して、変動するコストを伴ういくつかの代替手段によって取得され得ることが予想される。オンボードGPS受信機が、利用可能な場合、使用されるか、または、さらにより高い品質の位置、より速い収集(いわゆる支援GPS)などのためにネットワーク測位と組み合わせられ得る。
【0092】
必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態の別の態様では、上記で説明された態様は、環境のマップを仮定すれば、デバイスがどこに存在し得るかを推測することによって、きめの粗い開始ポイントを提供するために使用され得る。そのようなソリューションは、完全に自己完結型であり、GPSと、衛星に向かう見通し線とを有することに依存しないことになる。
【0093】
また別の実施形態は、前のデータポイントを利用し、データポイントの年齢(より最近の測定値が概して選好される)と、時間による位置の想定されたシフトとに基づいて、同じシステムによって取得された履歴データを再使用し、これは、きめの粗い世界参照の最もエネルギー効率が高い生成を提供することになる。
【0094】
測位システムが動作し、実際の位置を改良し続けるとき、これはまた、きめの粗い参照を、マップデータの品質、オンボードレーダーの測距解像度などによってのみ限定される継続的高品質位置と効果的に取り替える(sub-plant)、新しいおよび正確な参照ポイントをデバイス101に提供するように機能することに留意されたい。
【0095】
IMU、加速度計またはコンパスなど、代替デバイスセンサー
本発明に従う様々な実施形態は、IMU、コンパス、またはジャイロの使用に依存しないが、機能は、主に方向を決定するためにその追加のセンサーから利益を得ることになる。デバイスの向きを知ることは、モバイルエッジ機能113によって異なる方向が指摘され得るので、マップに対するレーダー信号の相関を簡略化し、案内されるレーダー動作を簡略化する。しかしながら、複数の位置にわたって異なるビームからの相関を分析することによって、モバイルエッジ機能113が、デバイスと共同して、この追加のセンサーなしにデバイスの向きを決定することが可能である。しかしながら、これは、より大きい労力を必要とする。
【0096】
最も一般的な意味におけるIMUは、デバイスの向きおよび固有運動を測定することが可能である何かであり得ることに留意されたい。一般に、これは、デバイスに9自由度(9DoF)を与える、ジャイロ、加速度計および磁力計を用いたマイクロ電気機械システム(MEMS)センサーセットアップを使用してなど、外部情報の必要なしに行われる。これは、本発明の実施形態の機能のために必要ではないが、測定を検証し、また、レーダーベース自己測位と組み合わせられたときの得られた位置を微調整するために、追加のデータポイントを提供するために使用され得る。一般的なIMUは、(デッドレコニング機能として使用されるとき)時間とともにドリフトしやすく、一般に、より多くの固定データポイントと再整合される必要があることに留意されたい。本明細書で説明される本発明の実施形態によって提供されるレーダーベース自己位置が、ちょうどその機能を提供する。
【0097】
(たとえば、IMUなど、内在的な)他の手段または(デバイス慣性運動および向きの変化の追跡を提供する外部エンティティ、別名仮想IMUを用いる)外在的方法がない場合、様々な実施形態は、マップ相関器機能が、信頼できるベースラインを(それが正しいおよび識別されたレーダー特徴にロックされると)提供するだけでなく、識別された(またはフィンガープリンティングされた)特徴からの正確なオフセット(または距離)をも測定するとき、依然として、正確に働くことになる。
【0098】
使用されるパネルを知っているデバイスからの基地局に向かう通信におけるビーム指向性からの情報を追加することは、ルーム中の既知の位置を有する基地局109に向かうこのパネルの相対的な向きを提供することになる。この情報は、WRPを与える初期ネットワークベース測位の一部としてすでに利用可能であり得る。このことから、他のセンサーは、変化を検出することがある。または、デバイスが基地局に向かう通信を定期的に実施する場合、デバイスはまた、これを自己測位追跡中に更新されるようにすることになる。
【0099】
次に、本発明の実施形態の追加の態様が図6を参照しながら説明され、図6は、ある点における、いくつかの実施形態による、第1のモバイル通信デバイスのロケーションを決定するように設定された例示的なサーバ(たとえば、エッジモビリティ機能を有するように設定されたネットワーク構成要素)によって実施されるアクションのフローチャートである。他の点において、図6に示されているブロックはまた、説明されるアクションを行うための手段600(たとえば、ハードワイヤードまたはプログラマブル回路あるいは他の処理手段)を表すと見なされ得る。
【0100】
図6中の始まりに示されているように、プロセスは、サーバが第1のモバイル通信デバイスの位置の第1の推定値を取得することを含み、位置の第1の推定値は、第1のモバイル通信デバイスが参照座標系のローカルエリア部分内に配置されることを、正確さの第1の程度で指示する(ステップ601)。サーバは、次いで、ローカルエリアの検知のための1つまたは複数のパラメータを決定し(ステップ603)、第1のモバイル通信デバイスおよび別のモバイル通信デバイスのうちの1つまたは複数に、1つまたは複数のパラメータに従うローカルエリアの検知についての要求を送る(ステップ605)。ローカルエリアの検知についての要求に応答して、サーバは、ローカルエリアの検知データを受信する(ステップ607)。サーバは、第1のモバイル通信デバイスの位置の第2の推定値を作り出すためにローカルエリアの検知データを使用し、位置の第2の推定値は、第1のモバイル通信デバイスが参照座標系のローカルエリア部分内に配置されることを、正確さの第2の程度で指示し、正確さの第2の程度は正確さの第1の程度よりも正確である(ステップ609)。
【0101】
本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態では、位置推定値の正確さは、サーバが、モバイル通信デバイスによるローカルエリアのさらなる検知さえも案内し、このさらなる検知データを使用して、第1のモバイル通信デバイスの推定された位置をさらに改善するためのさらなるパラメータさえも決定することによって、さらに改善される。案内された検知と、その後の、推定された位置のさらなる改良とが実施され得る回数は、実装依存であり、たとえば、固定された回数であり得るか、または代替的に、誤差レベルを許容できるレベル(許容性についてのしきい値は実装依存である)まで低減することに基づき得る。すべてのそのような実施形態は、アクション611によって図6に表される。
【0102】
図6によって表される実施形態の範囲に鑑みて、「位置の第1の推定値」という用語が、概して、モバイル通信デバイスの位置の最も最近取得および/または決定された推定値を表すことが理解され得、「位置の第2の推定値」という用語が、概して、第1の推定値の正確さよりも大きい正確さを有するその後決定された位置推定値を表すと理解され得ることを理解されよう。
【0103】
説明は、次に、モバイルデバイス自体にある態様に焦点を合わせた例示的な実施形態を包含する。
【0104】
図7は、ある点における、いくつかの実施形態による、検知を実施するように設定された例示的なモバイル通信デバイスによって、モバイル通信デバイスの位置を推定するために分析され得るデータを作り出すために実施されるアクションのフローチャートである。他の点において、図7に示されているブロックはまた、説明されるアクションを行うための手段700(たとえば、ハードワイヤードまたはプログラマブル回路あるいは他の処理手段)を表すと見なされ得る。
【0105】
図7に示されているように、プロセスは、モバイル通信デバイスが、モバイル通信デバイスをサーブするネットワークノードから、検知がどのようにおよび/またはどこで実施されるべきであるかを案内する1つまたは複数のパラメータに従うローカルエリアの検知についての要求を受信することを含む(ステップ701)。実施される検知のタイプは、いくつかの代替実施形態において異なる。たとえば、いくつかの実施形態は、上記で説明されたようにレーダー検知を採用する。しかし、代替実施形態では、(限定はしないが、カメラセンサーおよびLIDARを含む)光検知、慣性測定ユニット(IMU)による慣性検知、音響検知(たとえば、超音波)、(たとえば、モバイル)デバイスの異なるアンテナパネルの組合せを介した検知、および合成開口レーダー(SAR)による検知など、他のタイプの検知が使用され得る。SARを採用する実施形態は、この説明において後でより詳細に説明される。
【0106】
ローカルエリアの検知についての要求に応答して、モバイル通信デバイスは、1つまたは複数のパラメータに従う検知を実施することによって検知データを作り出す(ステップ703)。前に説明されたように、これは、モバイル通信デバイスが特定の方向において検知を実施し、および/または検知が実施される特定のロケーションに移動することを伴い得る。
【0107】
検知データ(生の検知データ、または、代替実施形態では、モバイル通信デバイスによって生の検知データを処理した結果である検知データのいずれか)を作り出した後に、モバイル通信デバイスは、その検知データをネットワークノードに通信する(ステップ705)。
【0108】
検知データをネットワークノードに通信することに応答して、モバイル通信デバイスは、モバイル通信デバイスの位置を受信する(ステップ707)。位置は、たとえば、上記で説明されたようにネットワークノードによって作り出され得る。
【0109】
前述のように、モバイル通信デバイスは、いくつかの異なるタイプの検知を採用することができる。SAR検知は、本発明の実施形態において有利に使用され得る1つのタイプである。SAR検知は、ターゲットに対する複数のレーダーアンテナ位置からのレーダー測定の実施を伴う。既知の処理技法は、記録されたレーダーサンプリングデータを組み合わせて、シングルショットレーダーを用いて可能であるものよりも高い空間解像度でSARレーダー画像を形成するために採用される。本発明に従う実施形態においてSARが使用されるとき、mmWaveレーダー信号を使用することによって特定の利益が達成され、なぜなら、短い波長および広い利用可能帯域幅が高解像度につながり、高解像度が、より高い周波数信号よりも良好に材料を透過するmmWave信号の能力と結合されたとき、増加された信号対雑音比を有する高解像度画像を作り出すことにつながるからである。これは、他の検知技法(たとえば、布「を透かして見る」または壁「の中を見る」)に対して通常隠される特徴の検出を可能にする。
【0110】
国際特許出願「Radar Implementation In a Communication Device」、PCT/EP2020/069491号に示されている実施形態など、モバイル通信デバイスにおいてmmWaveレーダーを具現するための技法が、当技術分野で既知である。たとえば、mmWave SAR機能を含むようにUEモデム能力を拡張することが可能であることが示された。通常の5Gモデムのコストに加えてのレーダー機能の追加されたコストは、最小である。これは、モデムが、たとえば以下を含む、測位システムの必須の機能のために使用され得ることを意味する。
- 基地局、およびモバイルエッジサーバ中の機能と通信すること
- mmWave周波数、異なるビーム方向における、ならびに異なるシグナリングタイプおよび持続時間を用いた、レーダー検知
【0111】
5Gモデムが述べられたが、これは、例示のためのものにすぎず、本発明の実施形態の必須の態様ではない。当業者は、他の通信規格または3GPP規格の世代が、代替的に、本発明に従う実施形態において使用され得ることを諒解されよう。
【0112】
レーダー機能のためにデバイスのモデムを使用することは、本発明の実施形態の必須の態様ではない。代替実施形態では、レーダー機能は、本発明に従う実施形態によるネットワークベース態様にアクセスするために5Gモデムを通して通信する別個のモジュールによって提供され得る。しかしながら、別個のレーダーモジュールを有することは、コストおよび複雑さを追加する。
【0113】
別の態様では、必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態におけるモバイルデバイスは、SAR走査軌道を抽出/推定するために、IMUまたは加速度計、ジャイロ、コンパスあるいは(1つまたは複数の)他のセンサーを装備している。これらのセンサーは、(たとえば、上記で説明されたネットワーク案内走査を実施するために必要とされ得るような)測位方式をさらにサポートするためにデバイスの向きおよび相対移動を理解するためにも使用され得る。
【0114】
概して、次いで、モバイルデバイスにおけるレーダー検知能力が、モバイルデバイスの無線通信回路の最小ハードウェア変更で達成され得る。たとえば、5Gセルラフォンでは、mmWaveレーダー機能は、RFビームフォーミングトランシーバを使用することによって実装され得る。(たとえば、壁内の)隠れた物体に対する変動する位置からのmmWaveレーダー測定を実施することによって、SAR処理技法は、複数のレーダーアンテナ位置からの記録されたデータを組み合わせて、高解像度で、隠れた物体のSARレーダー画像を形成することができる。他のセンサー、たとえばIMUは、レーダーサンプリング位置を推定/抽出することと、SAR走査軌道の可変移動を補償することとを行うために使用され得る。SARレーダー技術は、モバイルデバイスが、マップ中で、またはフィンガープリンティング方法を通した記録されたレーダーデータに対して、それ自体の位置を特定するのを支援するために、活用され得る。
【0115】
mmWaveレーダーを装備したモバイルデバイスは、シーン中で動き回り、モバイルデバイスの周囲物体(たとえば、壁、床および天井)に対してSAR走査を実施する。高解像度で壁(および/または床、天井など)を通して見ることによって、デバイスは、壁内の詳細な構造を検出することができる。検出された構造は、次いで、壁の特徴が記憶されたマップ情報と相関されるフィンガープリントとして使用され得る。相関結果から、マップ中のデバイスの位置が推定され得る。
【0116】
SAR支援方法での達成可能な正確さは、旧来のレーダーベース測位ソリューションが達成することができるものよりもはるかに良い。適用例は、工場の現場で走り回る自律カート、または屋内環境におけるドローンを含むが、この技法のための多数の他の潜在的な適用例がある。
【0117】
上述のように、自己測位を実施するモバイルデバイスは、そのデバイスからの従来のレーダー検知がそのデバイス自体の位置を特定するために十分に認識可能な物体をキャプチャすることができない、いくつかのエリアにおいて、そのデバイス自体を見つけ得る。そのようなエリアは、たとえば、レーダー環境を動的に変更する移動している人々/物体によって、静的な認識可能な物体が遮られ得る、平坦な壁またはエリアをもつ長い廊下であり得る。デバイスがIMUを装備している場合、これは、(たとえば、廊下内で)予測を行うことをある程度まで支援することができるが、累積IMU誤差が増加され、それにより全体的な正確さを低減することがある。
【0118】
SAR支援自己ロケーションを呼び出すために、デバイスがそのようなエリアに入ったかどうかの判断が行われるべきであり、これは、以下のうちの1つ、または以下の組合せに基づき得る。
- 位置の現在既知である推定値、およびデバイスの移動ベクトル
- デバイスまたは他のデバイスの前の自己測位動作からのエッジクラウド知識
- エッジクラウドに記憶されたマップ中に含まれ得る建築構造の知識
- (ピーク時間にショッピングモールの入口にいる人々のような)移動している物体が、認識可能な物体に向けてのレーダービューを遮る、人口密度の高いエリアに関する知識
【0119】
そのようなエリア中のデバイスのレーダー自己測位性能は、いくつかの検出可能な特性をもつレーダー反射体/アンカーを追加することによって改善され得る。しかしながら、様々な理由(たとえば、審美的理由)により、これは、望ましいおよび/または実現可能な代替形態でないことがある。
【0120】
本明細書で説明されるmmWave SAR技法の場合、デバイスが建築材料内で高解像度で構造を検出することが可能である。たとえば、壁を考慮する。壁は、概して、外部プラスターボードによって覆われた硬い木材または金属のいずれかの見えない等距離の耐荷重材料からなる。壁内に位置し得る他の物体は、ケーブルまたは他の電気的部材または水道管を含む。これらの特徴は、SARによって検出され、デバイス自体の位置を特定するためにデバイスによって活用され得る。
【0121】
自己測位のためのmmWave SAR技術を利用する例示的なシステムは、以下を備える。
- mmWaveレーダーモジュール、またはmmWaveレーダー機能で拡張されたモデム(またはUE(ユーザ機器))のいずれかをもつモバイルデバイス(たとえば、スマートフォン、タブレット、XR/VRヘッドセット)。デバイスはまた、レーダーサンプリング位置を推定/抽出するためにIMUセンサーを装備することができる。
- UEが基地局と通信している、セルラ通信システム。
- エッジクラウドサーバ。これは、別個に位置するネットワークエンティティであり得るか、または、代替的に、そのエリアにローカルであるサービスを提供するための、およびテレコムオペレータの外辺部を越えてデータセンタにオーバーザトップで進むことよりも低いレイテンシを伴う、基地局に存在するサーバであり得る。
- モバイルデバイスが(たとえば、壁内の、天井の上の)隠れた物体に対する変動する位置からのmmWaveレーダー測定を実施する場合、SAR処理技法は、複数のレーダーアンテナ位置からの記録されたデータを組み合わせて、高解像度で、隠れた物体のSARレーダー画像を形成するために、いくつかの実施形態では、モバイルデバイスによって採用される。他のセンサー(たとえば、IMU)は、レーダーサンプリング位置を推定/抽出することと、SAR走査軌道の可変移動を補償することとを行うために使用され得る。
- 代替実施形態では、モバイルデバイス中の通信モデムは、レーダーデータをネットワークに転送するために使用され、ネットワークは、次いで、そのレーダーデータを処理して、SAR画像を再構築し、そのSAR画像を、建築構造からあるいはデバイス自体または他のデバイスによる前の測定から抽出され得るデータセットに相関させる。レーダーデータの(算出量的にコストがかかり得る)処理と、既知のマップ特徴のセットとの相関とは、クラウドサーバ、モバイルエッジ機能を使用して、さらには(バッテリーを消耗させ得る追加の電力の使用のコストがかかるとしても)デバイス自体上で、さらに行われ得る。デバイス自体上での処理は、世界参照位置(WRP)およびマップデータがデバイスにダウンロードされていると仮定する。
- 1つの使用事例では、1つまたは複数の廊下/壁に沿って移動するとき、mmWaveレーダーを装備したモバイルデバイスが、(1つまたは複数の)壁に対してSAR走査を実施する。高解像度で壁を通して見ることによって、デバイスは、(SARレーダー画像に示されているように)壁内の詳細な構造を検出することができる。(1つまたは複数の)検出された構造(またはSARレーダー画像から抽出された特徴)は、次いで、フィンガープリントとして使用され、壁の既知の特徴が記憶されたマップに相関され得る。相関結果から、デバイスは、マップ中のデバイスの自己位置を推定することができる。方法は、床(または天井)SAR走査にさらに拡張され得る。
【0122】
本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの代替実施形態のいくつかのさらなる態様を示すために、説明は、次に、図8に示されている例示的なシグナリング図を参照する。点線およびボックスで示される特徴が、この例示的な実施形態に随意である態様を表す。この例では、モバイルデバイス801とモバイルエッジサーバ803とは、互いに直接通信することが可能である。モバイルデバイスは、たとえば、基地局805によってサーブされるが、基地局は、mmWave SAR支援自己測位アクションに参加しない。しかしながら、いくつかの代替実施形態では、モバイルデバイス801は、媒介として基地局805を介してモバイルエッジサーバ803と通信する必要があり得る。当業者は、そのような実施形態において使用するための本明細書で提示される教示をどのように適応させるべきかを容易に理解するであろう。
7.モバイルエッジ機能803は、他の手段によって(たとえば、上記で説明された方法のいずれかを使用することによって)決定されたモバイルデバイスの位置(WRP)の現在の推定値に対応するWRPフレームを決定する(ステップ807)。WRPは、モバイルデバイス801によって(たとえば、図3Aおよび付随するテキストを参照されたい)、または基地局805によって(たとえば、図5および付随するテキストを参照されたい)決定され得る。
8.モバイルエッジ機能803は、ネットワーク支援自己測位が位置の現在の推定値を改善するであろうと(たとえば、上記で概説されたファクタのうちのいずれか1つまたは複数に基づいて)判断し、したがって、エリア、周囲における関連のある物体、いくつかの周波数帯域におけるレーダーのその許容される使用などに基づいて、レーダー動作を案内するためのパラメータを決定する(ステップ809)。必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態では、案内は、デバイス801がレーダー能力を有するかどうかおよびどんな種類のレーダー能力を有するか(たとえば、デバイス801がmmWave SAR能力を有するかどうか)にも基づくことができる。デバイス能力情報は、限定はしないが、デバイス801からデバイス能力情報を受信することを含む、任意の数のやり方で、モバイルエッジ機能803に供給され得る。モバイルエッジ機能の案内に従って検知を実施することによって、デバイス801は、そのエリア中のマップ、環境における他のモバイルデバイスおよび既知のダイナミクス、ならびにそのエリア中の他のデバイスからの前の履歴測度の、モバイルエッジ機能の全体的な知識を考慮に入れる最適化されたやり方で、そのレーダー動作を実施することができる。モバイルエッジ機能803は、次いで、WRPフレームおよび検知案内パラメータをモバイルデバイス801に送る(ステップ811)。
9.デバイス801は、次いで、その自己測位プロシージャを始め(ステップ813)、受信されたパラメータに従う検知を実施する(ステップ815)。たとえば、従来のレーダー検知またはmmWave SAR検知が要求された場合、デバイス801は、レーダーシーケンスを放出し、応答を受信する。レーダーのためのセッティングが、マップ上に指示された特徴のデバイス知識、またはモバイルエッジサーバ803からの受信された案内に基づく。
10.デバイス801は、生じた検知データをモバイルエッジサーバ803に送る(ステップ819)。たとえば、生じたデータは、生のレーダーデータであり得る。代替的に、mmWave SAR検知が実施された場合、生のデータは、SAR画像を再構築するために処理される必要がある。
11.(随意)mmWave SAR検知が実施されたいくつかの実施形態では、モバイルデバイス801は、SAR画像を再構築し(ステップ817)、これらは、生じたデータである。
12.(随意)mmWave SAR検知が実施されたいくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、代わりに、生じたデータとして生のレーダーデータを使用し、モバイルエッジサーバ803は、受信された生のレーダーデータからSAR画像を再構築する(ステップ821)。
13.モバイルエッジサーバ803は、受信された検知データを、モバイルエッジサーバ803のデータベースに記憶された既知の位置からの前に取得された反射の参照セットと相関させる(ステップ823)。
14.相関結果に基づいて、モバイルエッジサーバ803は、モバイルデバイスの位置の十分に正確な推定値を決定し(ステップ825)、これをモバイルデバイス801に送る(ステップ827)。(何が「十分な」正確さを構成するかは、実装依存であり、したがって、本開示の範囲を超えている。)モバイルエッジサーバ803はまた、いくつかの実施形態では、位置正確さに関する信頼性レベルを通信し得る。必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態では、モバイルエッジサーバ803はまた、信頼性レベルが所定の信頼性しきい値を満たさない場合、さらなるセンサー測定を実施するための追加の案内を提供する。
15.(随意)モバイルデバイス801は、必要な場合(たとえば、通信された信頼性レベルが所定のしきい値レベルを満たさない場合)、追加の検知(たとえば、追加のmmWave SAR走査)を(たとえば、信頼性レベルに基づいて)実施し得る(ステップ829)。
16.(随意)追加の検知が実施された場合、モバイルデバイス801は、追加の検知データをモバイルエッジサーバに通信する(ステップ831)。
17.(随意)追加の検知データが受信された場合、モバイルエッジサーバ803は、その追加の検知データを使用して、モバイルデバイス801の更新された正確な位置を決定する(ステップ833)。追加の検知データがなぜ取得されたかに応じて、このステップにおける更新された正確な位置はまた、モバイルデバイスに送られ得る(図示せず)。
18.(随意)上記で指示されたオプションのいずれかでは、新しい検知データに基づいてモバイルデバイスの位置の正確な推定値を決定したモバイルエッジサーバ803は、デバイス801からの関連のあるデータならびに決定された正確な位置を用いて、モバイルエッジサーバ803のデータベースを更新し得る(ステップ835)。更新されたデータベースは、したがって、後続の測位要求においてこのモバイルデバイス801ならびに他のものについてより正確な測位推定値を作り出すことを可能にすることになる。
【0123】
mmWave SAR検知が自己ロケーションのために実施されるいくつかの実施形態の別の態様は、検知されたデータが相関される、既知の反射のSARデータベースに関係する。SARフィンガープリントデータベースを作成するためのいくつかのオプションがある。これらのうちの1つは、初期システム較正プロシージャ中に検知されるべき表面(たとえば、壁、床、天井など)を事前に特徴づけることである。このプロセスは、表面の選択された部分に対してSAR走査を実施することと、それらの検出可能な特徴(すなわち、フィンガープリント)を抽出することと、フィンガープリントおよび対応する位置をマップに記憶することとを含む。
【0124】
別のオプションは、既知のSAR特性をもつSARアンカーノードを表面(たとえば、壁、床、天井など)内の既知の位置内に故意に埋め込むことである。これを行うための好都合な時間は、建築物の改築または初期構築の時間を含むが、もちろん、そのタイミングは本発明の実施形態の必須の態様ではない。mmWavesの表面貫通性質のために、特定の形状(たとえば、物理的構造)またはRF反射率(たとえば、RFに敏感な塗料を使用して塗られたパターン)をもつこれらの内蔵アンカーポイントは、mmWaveレーダー検知に可視/検出可能なままでありながら、審美的理由のために人間の知覚に対して隠されたものにされ得る。これらのアンカーポイントの特定の形状および/または分散パターンは、所与の表面(たとえば、壁)について選択され得、これは、その表面のフィンガープリントとして使用され得る。そのような構造は、完全に受動的であることになる。形状および/または分散パターンは、レーダー構造がアンテナボアサイトに対する付随的法平面をもつ表面として認識されることに基づいて、設定され得る。これらの表面のエッジの構成は、反射信号の特性を著しく増やす。そのような構造の例は、ミリメートル波、および/またはミリメートル波レーダー反射塗料のパターンに好適な、小さいサイズのレーダー反射体を含む。次いで、SARフィンガープリントおよびそれらの対応する位置がマップに記憶される。
【0125】
様々なオプションは、第1のオプション(すなわち、エリアの検知を事前に特徴づけること)が第2のオプションの内蔵アンカーポイントの位置を微調整するために使用され得るという意味で、組み合わせられ得る。
【0126】
これらの代替形態のすべてにおいて、SARフィンガープリントをもつマップは、モバイルエッジサーバによって維持されるデータベースに記憶され得、モバイルエッジサーバは、そのマップを、検知されたデータが相関される参照マップとして使用する。
【0127】
代替的に、位置の正確な推定値を有するSAR対応デバイスが、物体を走査し、データを将来の使用のために中央データベースに提供するように命令され得る。これは、通例の(すなわち、非SAR)レーダー送信から識別され、したがって前に存在しない、新しい物体を検出するために有用であり得るか、または、これは、上記の方法によってカバーされないエリア内にあり得る。
【0128】
mmWave SAR検知を伴う実施形態のためのモバイルエッジサーバ803は、他の実施形態に関して上記で説明された態様を共有する。モバイルエッジサーバ803は、環境のマップ、ならびにSARフィンガープリントの(それらの対応するロケーションをもつ)データベースを含んでいる。モバイルエッジサーバ803はまた、限られた地理的エリア内のデバイス801の最も可能性がある位置がどれであるかを推定するために、記憶されたフィンガープリントと測定されたSAR画像特徴との間の相関のアルゴリズムを稼働することができる。推定結果は、次いで、デバイス801に送られ得る。その上、測位機能は、基地局805のカバレッジ中のすべてのデバイスをサーブすることができる。モバイルエッジサーバ803は、さらに、複数のデバイスからデータをアグリゲートすることができ、そのデータは、マップおよび/またはフィンガープリントデータベースを更新するために使用され得る。
【0129】
また、前述のように、モバイルエッジサーバ803は、測位相関のための候補として(たとえば、初期位置推定値に基づいて)デバイス801に極めて近接した好適なSAR物体に向かう方向への初期案内を与える。
【0130】
さらに、代替実施形態では、モバイルエッジサーバ803の機能は、別個の(または少なくとも別個に位置する)エンティティであるのではなく、基地局805中の機能への拡張として具現され得る。したがって、この機能がモバイルエッジサーバ803中に存在することは、本発明の実施形態にとって必須ではない。しかしながら、基地局805へのモバイルエッジサーバ機能の近い接続と、モバイルエッジサーバ機能が、その場合、ある限られた地理的エリアを自然にカバーし、リモートオーバーザトップデータセンタよりも短いレイテンシを有することと、モバイルエッジサーバ機能がUEまたはモバイルデバイス801よりも大きい記憶域および多くの算出性能を有することとを仮定すれば、モバイルエッジサーバ機能を基地局805の機能とコロケートすることに自然な利点がある。
【0131】
必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態の別の態様は、SARモード検知をいつ有効にすべきかと、SARモード検知をいつ無効にすべき(たとえば、代替のタイプの検知を実施すべき)かと、を伴う。SAR画像再構築は通例のレーダー動作よりも多くの算出リソースを必要とするので、SAR動作は、処理複雑さを追加し、さらなるデータ転送を必要とし得る。SAR動作は、特定の実施形態/適用例がSAR動作を必要と見なすときはいつでも有効にされ得、したがって、デバイスのレーダー動作のSARモードは、その通例のレーダー動作の補完であり得る。もちろん、「必要なときに(when necessary)」は、実装依存であり、それにより、完全な説明は、本開示の範囲を超える。
【0132】
例示的な一実施形態では、デバイスは、通常のレーダーのための特有のシグネチャを提供することが可能な十分な数の物体がないエリアに入り、デバイスの通例のレーダー支援自己位置(またはIMU位置)アルゴリズムの誤差がしきい値を上回るとき、デバイスのmmWave SARレーダーモードを自律的に有効にする。
【0133】
代替の例示的な実施形態では、デバイスのmmWave SAR検知モードが、デバイスを追跡するクラウドまたはエッジクラウドによって有効にされる。クラウドは、デバイスの初期位置(およびサポートされる場合、潜在的にIMU)と、通例のレーダー支援自己測位が低い正確さを有する(または、ある信頼性レベルにおいて、必要とされる測位正確さをもつ適用要件を満たすことができない)エリア中の、または、SARが利用することが可能であることになる顕著な認識可能な構造があるエリア中の、SAR参照物体の位置のアプリオリな知識とに基づいて、SAR動作を案内することができる。
【0134】
別の代替の例示的な実施形態では、複数のデバイスがシーン中で利用可能であるとき、mmWave SAR自己測位機能は、これらのデバイスのうちの1つ(またはいくつか)において有効にされ得、それらのデバイスの残りは、非SARレーダー自己測位機能のみを実施する。より高い精度でそれ自体を測位することと、その位置を他のデバイスと共有することとによって、SAR対応デバイスは、標準レーダーデバイスの測位精度が改善され得るように、標準レーダーデバイスによって参照ポイントとして使用され得る。その上、どのデバイスが、およびデバイスのうちのいくつがmmWave SAR自己測位に関して有効にされるべきであるかは、測位精度要件に適応され得る。
【0135】
本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態の別の態様では、データベースの部分は、相関/フィンガープリンティングがエッジクラウドにおいてではなくデバイスにおいて行われるように、ダウンロードされ、デバイスに記憶され得る。(たとえば、図8中のステップ837を参照されたい)。好ましい実施形態では、結果は、依然としてエッジクラウドデータベースに通信され、したがって、そのデータベースは、それに応じて更新され得、その後、他のデバイスが自己測位を実施するとき、他のデバイスをサーブすることができる。この実施形態についての関連のある使用事例が、限られたモビリティをもつデバイスを伴い、したがって、そのデバイスは、その環境においてダイナミクスがほとんどまたはまったくない小さいエリア内でのみ移動する。そのような事例では、(処理および電力が許容する限り)デバイス内にローカルに記憶されたデータベースの関連のある部分を有することが、より有益であり得る。対照的に、大きいダイナミクスをもつ環境において動作する、限られた処理能力をもつ極めてモバイルのデバイスが、エッジクラウド手法を選好し得る。
【0136】
本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態の態様をさらに示すために、図9は、1つまたは複数の実施形態によるネットワークノードQQ160の詳細を示す。図9では、ネットワークノードQQ160は、処理回路QQ170と、デバイス可読媒体QQ180と、インターフェースQQ190と、補助機器QQ184と、電源QQ186と、電力回路QQ187と、アンテナQQ162とを含む。図9の例示的な無線ネットワーク中に示されているネットワークノードQQ160は、ハードウェア構成要素の示されている組合せを含むデバイスを表し得るが、他の実施形態は、構成要素の異なる組合せをもつネットワークノードを備え得る。ネットワークノードが、本明細書で開示されるタスク、特徴、機能および方法を実施するために必要とされるハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の好適な組合せを備えることを理解されたい。その上、ネットワークノードQQ160の構成要素が、より大きいボックス内に位置する単一のボックスとして、または複数のボックス内で入れ子にされている単一のボックスとして示されているが、実際には、ネットワークノードは、単一の示されている構成要素を組成する複数の異なる物理構成要素を備え得る(たとえば、デバイス可読媒体QQ180は、複数の別個のハードドライブならびに複数のRAMモジュールを備え得る)。
【0137】
同様に、ネットワークノードQQ160は、複数の物理的に別個の構成要素(たとえば、ノードB構成要素および無線ネットワークコントローラ(RNC)構成要素、または基地トランシーバ局(BTS)構成要素および基地局コントローラ(BSC)構成要素など)から組み立てられ得、これらは各々、それら自体のそれぞれの構成要素を有し得る。ネットワークノードQQ160が複数の別個の構成要素(たとえば、BTS構成要素およびBSC構成要素)を備えるいくつかのシナリオでは、別個の構成要素のうちの1つまたは複数が、いくつかのネットワークノードの間で共有され得る。たとえば、単一のRNCが複数のノードBを制御し得る。そのようなシナリオでは、各一意のノードBとRNCとのペアは、いくつかの事例では、単一の別個のネットワークノードと見なされ得る。いくつかの実施形態では、ネットワークノードQQ160は、複数の無線アクセス技術(RAT)をサポートするように設定され得る。そのような実施形態では、いくつかの構成要素は複製され得(たとえば、異なるRATのための別個のデバイス可読媒体QQ180)、いくつかの構成要素は再利用され得る(たとえば、同じアンテナQQ162がRATによって共有され得る)。ネットワークノードQQ160は、ネットワークノードQQ160に統合された、たとえば、GSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、またはBluetooth無線技術など、異なる無線技術のための様々な図示されている構成要素の複数のセットをも含み得る。これらの無線技術は、同じまたは異なるチップまたはチップのセット、およびネットワークノードQQ160内の他の構成要素に統合され得る。
【0138】
処理回路QQ170は、ネットワークノードによって提供されるものとして本明細書で説明される、任意の決定動作、計算動作、または同様の動作(たとえば、いくつかの取得動作)を実施するように設定される。処理回路QQ170によって実施されるこれらの動作は、処理回路QQ170によって取得された情報を、たとえば、取得された情報を他の情報に変換することによって、処理すること、取得された情報または変換された情報をネットワークノードに記憶された情報と比較すること、ならびに/あるいは、取得された情報または変換された情報に基づいて、および前記処理が決定を行ったことの結果として、1つまたは複数の動作を実施することを含み得る。
【0139】
処理回路QQ170は、単体で、またはデバイス可読媒体QQ180などの他のネットワークノードQQ160構成要素と併せてのいずれかで、ネットワークノードQQ160機能を提供するように動作可能な、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または任意の他の好適なコンピューティングデバイス、リソースのうちの1つまたは複数の組合せ、あるいはハードウェア、ソフトウェアおよび/または符号化された論理の組合せを備え得る。たとえば、処理回路QQ170は、デバイス可読媒体QQ180に記憶された命令QQ181、または処理回路QQ170内のメモリに記憶された命令QQ181を実行し得る。そのような機能は、本明細書で説明される様々な無線特徴、機能、または利益のうちのいずれかを提供することを含み得る。いくつかの実施形態では、処理回路QQ170は、システムオンチップ(SOC)を含み得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、処理回路QQ170は、無線周波数(RF)トランシーバ回路QQ172とベースバンド処理回路QQ174とのうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態では、無線周波数(RF)トランシーバ回路QQ172とベースバンド処理回路QQ174とは、別個のチップ(またはチップのセット)、ボード、または無線ユニットおよびデジタルユニットなどのユニット上にあり得る。代替実施形態では、RFトランシーバ回路QQ172とベースバンド処理回路QQ174との一部または全部は、同じチップまたはチップのセット、ボード、あるいはユニット上にあり得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード、基地局、eNBまたは他のそのようなネットワークデバイスによって提供されるものとして本明細書で説明される機能の一部または全部は、デバイス可読媒体QQ180、または処理回路QQ170内のメモリに記憶された、命令を実行する処理回路QQ170によって実施され得る。代替実施形態では、機能の一部または全部は、ハードワイヤード様式などで、別個のまたは個別のデバイス可読媒体に記憶された命令を実行することなしに、処理回路QQ170によって提供され得る。それらの実施形態のいずれでも、デバイス可読記憶媒体に記憶された命令を実行するか否かにかかわらず、処理回路QQ170は、説明される機能を実施するように設定され得る。そのような機能によって提供される利益は、処理回路QQ170単独に、またはネットワークノードQQ160の他の構成要素に限定されないが、全体としてネットワークノードQQ160によって、ならびに/または概してエンドユーザおよび無線ネットワークによって、享受される。
【0142】
デバイス可読媒体QQ180は、限定はしないが、永続記憶域、固体メモリ、リモートマウントメモリ、磁気媒体、光媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、大容量記憶媒体(たとえば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(たとえば、フラッシュドライブ、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD))を含む、任意の形態の揮発性または不揮発性コンピュータ可読メモリ、ならびに/あるいは、処理回路QQ170によって使用され得る情報、データ、および/または命令を記憶する、任意の他の揮発性または不揮発性、非一時的デバイス可読および/またはコンピュータ実行可能メモリデバイスを備え得る。デバイス可読媒体QQ180は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、論理、ルール、コード、表などのうちの1つまたは複数を含むアプリケーション、および/または処理回路QQ170によって実行されることが可能であり、ネットワークノードQQ160によって利用される、他の命令を含む、任意の好適な命令、データまたは情報を記憶し得る。デバイス可読媒体QQ180は、処理回路QQ170によって行われた計算および/またはインターフェースQQ190を介して受信されたデータを記憶するために使用され得る。いくつかの実施形態では、処理回路QQ170およびデバイス可読媒体QQ180は、統合されていると見なされ得る。
【0143】
インターフェースQQ190は、ネットワークノードQQ160、ネットワークQQ106、および/またはWD QQ110の間のシグナリングおよび/またはデータの有線または無線通信において使用される。示されているように、インターフェースQQ190は、たとえば有線接続上でネットワークQQ106との間でデータを送るおよび受信するための(1つまたは複数の)ポート/(1つまたは複数の)端末QQ194を備える。インターフェースQQ190は、アンテナQQ162に結合されるか、またはいくつかの実施形態では、アンテナQQ162の一部であり得る、無線フロントエンド回路QQ192をも含む。無線フロントエンド回路QQ192は、フィルタQQ198と増幅器QQ196とを備える。無線フロントエンド回路QQ192は、アンテナQQ162および処理回路QQ170に接続され得る。無線フロントエンド回路は、アンテナQQ162と処理回路QQ170との間で通信される信号を調節するように設定され得る。無線フロントエンド回路QQ192は、無線接続を介して他のネットワークノードまたは無線デバイスに送出されるべきであるデジタルデータを受信し得る。無線フロントエンド回路QQ192は、デジタルデータを、フィルタQQ198および/または増幅器QQ196の組合せを使用して適切なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号に変換し得る。無線信号は、次いで、アンテナQQ162を介して送信され得る。同様に、データを受信するとき、アンテナQQ162は無線信号を収集し得、次いで、無線信号は無線フロントエンド回路QQ192によってデジタルデータに変換される。デジタルデータは、処理回路QQ170に受け渡され得る。他の実施形態では、インターフェースは、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを備え得る。
【0144】
いくつかの代替実施形態では、ネットワークノードQQ160は別個の無線フロントエンド回路QQ192を含まないことがあり、代わりに、処理回路QQ170は、無線フロントエンド回路を備え得、別個の無線フロントエンド回路QQ192なしでアンテナQQ162に接続され得る。同様に、いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路QQ172の全部または一部が、インターフェースQQ190の一部と見なされ得る。さらに他の実施形態では、インターフェースQQ190は、無線ユニット(図示せず)の一部として、1つまたは複数のポートまたは端末QQ194と、無線フロントエンド回路QQ192と、RFトランシーバ回路QQ172とを含み得、インターフェースQQ190は、デジタルユニット(図示せず)の一部であるベースバンド処理回路QQ174と通信し得る。
【0145】
アンテナQQ162は、無線信号を送るおよび/または受信するように設定された、1つまたは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含み得る。アンテナQQ162は、無線フロントエンド回路QQ190に結合され得、データおよび/または信号を無線で送信および受信することが可能な任意のタイプのアンテナであり得る。いくつかの実施形態では、アンテナQQ162は、たとえば、2GHzから66GHzの間の無線信号を送信/受信するように動作可能な1つまたは複数の全指向性、セクタまたはパネルアンテナを備え得る。全指向性アンテナは、任意の方向に無線信号を送信/受信するために使用され得、セクタアンテナは、特定のエリア内のデバイスから無線信号を送信/受信するために使用され得、パネルアンテナは、比較的直線ラインで無線信号を送信/受信するために使用される見通し線アンテナであり得る。いくつかの事例では、2つ以上のアンテナの使用は、MIMOと呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、アンテナQQ162は、ネットワークノードQQ160とは別個であり得、インターフェースまたはポートを通してネットワークノードQQ160に接続可能であり得る。
【0146】
アンテナQQ162、インターフェースQQ190、および/または処理回路QQ170は、ネットワークノードによって実施されるものとして本明細書で説明される任意の受信動作および/またはいくつかの取得動作を実施するように設定され得る。任意の情報、データおよび/または信号が、無線デバイス、別のネットワークノードおよび/または任意の他のネットワーク機器から受信され得る。同様に、アンテナQQ162、インターフェースQQ190、および/または処理回路QQ170は、ネットワークノードによって実施されるものとして本明細書で説明される任意の送信動作を実施するように設定され得る。任意の情報、データおよび/または信号が、無線デバイス、別のネットワークノードおよび/または任意の他のネットワーク機器に送信され得る。
【0147】
電力回路QQ187は、電力管理回路を備えるか、または電力管理回路に結合され得、本明細書で説明される機能を実施するための電力を、ネットワークノードQQ160の構成要素に供給するように設定される。電力回路QQ187は、電源QQ186から電力を受信し得る。電源QQ186および/または電力回路QQ187は、それぞれの構成要素に好適な形態で(たとえば、各それぞれの構成要素のために必要とされる電圧および電流レベルにおいて)、ネットワークノードQQ160の様々な構成要素に電力を提供するように設定され得る。電源QQ186は、電力回路QQ187および/またはネットワークノードQQ160中に含まれるか、あるいは電力回路QQ187および/またはネットワークノードQQ160の外部にあるかのいずれかであり得る。たとえば、ネットワークノードQQ160は、電気ケーブルなどの入力回路またはインターフェースを介して外部電源(たとえば、電気コンセント)に接続可能であり得、それにより、外部電源は電力回路QQ187に電力を供給する。さらなる例として、電源QQ186は、電力回路QQ187に接続された、または電力回路QQ187中で統合された、バッテリーまたはバッテリーパックの形態の電力源を備え得る。バッテリーは、外部電源が落ちた場合、バックアップ電力を提供し得る。光起電力デバイスなどの他のタイプの電源も使用され得る。
【0148】
ネットワークノードQQ160の代替実施形態は、本明細書で説明される機能、および/または本明細書で説明される主題をサポートするために必要な機能のうちのいずれかを含む、ネットワークノードの機能のいくつかの態様を提供することを担当し得る、図9に示されている構成要素以外の追加の構成要素を含み得る。たとえば、ネットワークノードQQ160は、ネットワークノードQQ160への情報の入力を可能にするための、およびネットワークノードQQ160からの情報の出力を可能にするための、ユーザインターフェース機器を含み得る。これは、ユーザが、ネットワークノードQQ160のための診断、メンテナンス、修復、および他の管理機能を実施することを可能にし得る。
【0149】
本発明に従う必ずしもすべてとは限らないがいくつかの実施形態の態様をさらに示すために、図10は、1つまたは複数の実施形態による無線デバイスQQ110の詳細を示す。本明細書で使用される無線デバイス(WD)は、ネットワークノードおよび/または他の無線デバイスと無線で通信することが可能な、そうするように設定された、構成された、および/または動作可能なデバイスを指す。別段に記載されていない限り、WDという用語は、本明細書ではユーザ機器(UE)と互換的に使用され得る。無線で通信することは、空中で情報を伝達するのに好適な、電磁波、電波、赤外波、および/または他のタイプの信号を使用して無線信号を送信および/または受信することを伴い得る。いくつかの実施形態では、WDは、直接人間対話なしに情報を送信および/または受信するように設定され得る。たとえば、WDは、内部または外部イベントによってトリガされたとき、あるいはネットワークからの要求に応答して、所定のスケジュールでネットワークに情報を送信するように設計され得る。WDの例は、限定はしないが、スマートフォン、モバイルフォン、セルフォン、ボイスオーバーIP(VoIP)フォン、無線ローカルループ電話、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、無線カメラ、ゲーミングコンソールまたはデバイス、音楽記憶デバイス、再生器具、ウェアラブル端末デバイス、無線エンドポイント、移動局、タブレット、ラップトップコンピュータ、ラップトップ組込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、スマートデバイス、無線顧客構内機器(CPE)、車載無線端末デバイスなどを含む。WDは、たとえばサイドリンク通信のための3GPP規格を実装することによって、D2D(device-to-device)通信をサポートし得、この場合、D2D通信デバイスと呼ばれることがある。また別の特定の例として、モノのインターネット(IoT)シナリオでは、WDは、監視および/または測定を実施し、そのような監視および/または測定の結果を別のWDおよび/またはネットワークノードに送信する、マシンまたは他のデバイスを表し得る。WDは、この場合、マシンツーマシン(M2M)デバイスであり得、M2Mデバイスは、3GPPコンテキストではマシン型通信(MTC)デバイスと呼ばれることがある。1つの特定の例として、WDは、3GPP狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)規格を実装するUEであり得る。そのようなマシンまたはデバイスの特定の例は、センサー、電力計などの計量デバイス、産業用機械類、あるいは家庭用または個人用電気器具(たとえば冷蔵庫、テレビジョンなど)、個人用ウェアラブル(たとえば、時計、フィットネストラッカーなど)である。他のシナリオでは、WDは車両または他の機器を表し得、車両または他の機器は、その動作ステータスを監視することおよび/またはその動作ステータスに関して報告すること、あるいはその動作に関連する他の機能が可能である。上記で説明されたWDは無線接続のエンドポイントを表し得、その場合、デバイスは無線端末と呼ばれることがある。さらに、上記で説明されたWDはモバイルであり得、その場合、デバイスはモバイルデバイスまたはモバイル端末と呼ばれることもある。
【0150】
図10は、1つまたは複数の実施形態による、無線デバイスQQ110の詳細を示す。示されているように、無線デバイスQQ110は、アンテナQQ111と、インターフェースQQ114と、処理回路QQ120と、デバイス可読媒体QQ130と、ユーザインターフェース機器QQ132と、補助機器QQ134と、電源QQ136と、電力回路QQ137とを含む。WD QQ110は、WD QQ110によってサポートされる、たとえば、ほんの数個を挙げると、GSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、WiMAX、またはBluetooth無線技術など、異なる無線技術のための示されている構成要素のうちの1つまたは複数の複数のセットを含み得る。これらの無線技術は、WD QQ110内の他の構成要素と同じまたは異なるチップまたはチップのセットに統合され得る。
【0151】
アンテナQQ111は、無線信号を送るおよび/または受信するように設定された、1つまたは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含み得、インターフェースQQ114に接続される。いくつかの代替実施形態では、アンテナQQ111は、WD QQ110とは別個であり、インターフェースまたはポートを通してWD QQ110に接続可能であり得る。アンテナQQ111、インターフェースQQ114、および/または処理回路QQ120は、WDによって実施されるものとして本明細書で説明される任意の受信動作または送信動作を実施するように設定され得る。任意の情報、データおよび/または信号が、ネットワークノードおよび/または別のWDから受信され得る。いくつかの実施形態では、無線フロントエンド回路および/またはアンテナQQ111は、インターフェースと見なされ得る。
【0152】
示されているように、インターフェースQQ114は、無線フロントエンド回路QQ112とアンテナQQ111とを備える。無線フロントエンド回路QQ112は、1つまたは複数のフィルタQQ118と増幅器QQ116とを備える。無線フロントエンド回路QQ114は、アンテナQQ111および処理回路QQ120に接続され、アンテナQQ111と処理回路QQ120との間で通信される信号を調節するように設定される。無線フロントエンド回路QQ112は、アンテナQQ111に結合されるか、またはアンテナQQ111の一部であり得る。いくつかの実施形態では、WD QQ110は別個の無線フロントエンド回路QQ112を含まないことがあり、むしろ、処理回路QQ120は、無線フロントエンド回路を備え得、アンテナQQ111に接続され得る。同様に、いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路QQ122の一部または全部が、インターフェースQQ114の一部と見なされ得る。無線フロントエンド回路QQ112は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはWDに送出されるべきであるデジタルデータを受信し得る。無線フロントエンド回路QQ112は、デジタルデータを、フィルタQQ118および/または増幅器QQ116の組合せを使用して適切なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号に変換し得る。無線信号は、次いで、アンテナQQ111を介して送信され得る。同様に、データを受信するとき、アンテナQQ111は無線信号を収集し得、次いで、無線信号は無線フロントエンド回路QQ112によってデジタルデータに変換される。デジタルデータは、処理回路QQ120に受け渡され得る。他の実施形態では、インターフェースは、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを備え得る。
【0153】
処理回路QQ120は、単体で、またはデバイス可読媒体QQ130などの他のWD QQ110構成要素と併せてのいずれかで、WD QQ110機能を提供するように動作可能な、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または任意の他の好適なコンピューティングデバイス、リソースのうちの1つまたは複数の組合せ、あるいはハードウェア、ソフトウェアおよび/または符号化された論理の組合せを備え得る。そのような機能は、本明細書で説明される様々な無線特徴または利益のうちのいずれかを提供することを含み得る。たとえば、処理回路QQ120は、本明細書で開示される機能を提供するために、デバイス可読媒体QQ130に記憶された命令QQ131、または処理回路QQ120内のメモリに記憶された命令QQ131を実行し得る。
【0154】
示されているように、処理回路QQ120は、RFトランシーバ回路QQ122、ベースバンド処理回路QQ124、およびアプリケーション処理回路QQ126のうちの1つまたは複数を含む。他の実施形態では、処理回路は、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを備え得る。いくつかの実施形態では、WD QQ110の処理回路QQ120は、システムオンチップ(SOC)を備え得る。いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路QQ122、ベースバンド処理回路QQ124、およびアプリケーション処理回路QQ126は、別個のチップまたはチップのセット上にあり得る。代替実施形態では、ベースバンド処理回路QQ124およびアプリケーション処理回路QQ126の一部または全部は1つのチップまたはチップのセットになるように組み合わせられ得、RFトランシーバ回路QQ122は別個のチップまたはチップのセット上にあり得る。さらに代替の実施形態では、RFトランシーバ回路QQ122およびベースバンド処理回路QQ124の一部または全部は同じチップまたはチップのセット上にあり得、アプリケーション処理回路QQ126は別個のチップまたはチップのセット上にあり得る。また他の代替実施形態では、RFトランシーバ回路QQ122、ベースバンド処理回路QQ124、およびアプリケーション処理回路QQ126の一部または全部は、同じチップまたはチップのセット中で組み合わせられ得る。いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路QQ122は、インターフェースQQ114の一部であり得る。RFトランシーバ回路QQ122は、処理回路QQ120のためのRF信号を調節し得る。
【0155】
いくつかの実施形態では、WDによって実施されるものとして本明細書で説明される機能の一部または全部は、デバイス可読媒体QQ130に記憶された命令を実行する処理回路QQ120によって提供され得、デバイス可読媒体QQ130は、いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体であり得る。代替実施形態では、機能の一部または全部は、ハードワイヤード様式などで、別個のまたは個別のデバイス可読記憶媒体に記憶された命令を実行することなしに、処理回路QQ120によって提供され得る。それらの特定の実施形態のいずれでも、デバイス可読記憶媒体に記憶された命令を実行するか否かにかかわらず、処理回路QQ120は、説明される機能を実施するように設定され得る。そのような機能によって提供される利益は、処理回路QQ120単独に、またはWD QQ110の他の構成要素に限定されないが、全体としてWD QQ110によって、ならびに/または概してエンドユーザおよび無線ネットワークによって、享受される。
【0156】
処理回路QQ120は、WDによって実施されるものとして本明細書で説明される、任意の決定動作、計算動作、または同様の動作(たとえば、いくつかの取得動作)を実施するように設定され得る。処理回路QQ120によって実施されるようなこれらの動作は、処理回路QQ120によって取得された情報を、たとえば、取得された情報を他の情報に変換することによって、処理すること、取得された情報または変換された情報をWD QQ110によって記憶された情報と比較すること、ならびに/あるいは、取得された情報または変換された情報に基づいて、および前記処理が決定を行ったことの結果として、1つまたは複数の動作を実施することを含み得る。
【0157】
デバイス可読媒体QQ130は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、論理、ルール、コード、表などのうちの1つまたは複数を含むアプリケーション、および/または処理回路QQ120によって実行されることが可能な他の命令を記憶するように動作可能であり得る。デバイス可読媒体QQ130は、コンピュータメモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)または読取り専用メモリ(ROM))、大容量記憶媒体(たとえば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(たとえば、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD))、ならびに/あるいは、処理回路QQ120によって使用され得る情報、データ、および/または命令を記憶する、任意の他の揮発性または不揮発性、非一時的デバイス可読および/またはコンピュータ実行可能メモリデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、処理回路QQ120およびデバイス可読媒体QQ130は、統合されていると見なされ得る。
【0158】
ユーザインターフェース機器QQ132は、人間のユーザがWD QQ110と対話することを可能にする構成要素を提供し得る。そのような対話は、視覚、聴覚、触覚など、多くの形態のものであり得る。ユーザインターフェース機器QQ132は、ユーザへの出力を作り出すように、およびユーザがWD QQ110への入力を提供することを可能にするように動作可能であり得る。対話のタイプは、WD QQ110にインストールされるユーザインターフェース機器QQ132のタイプに応じて変化し得る。たとえば、WD QQ110がスマートフォンである場合、対話はタッチスクリーンを介したものであり得、WD QQ110がスマートメーターである場合、対話は、使用量(たとえば、使用されたガロンの数)を提供するスクリーン、または(たとえば、煙が検出された場合)可聴警報を提供するスピーカーを通したものであり得る。ユーザインターフェース機器QQ132は、入力インターフェース、デバイスおよび回路、ならびに、出力インターフェース、デバイスおよび回路を含み得る。ユーザインターフェース機器QQ132は、WD QQ110への情報の入力を可能にするように設定され、処理回路QQ120が入力情報を処理することを可能にするために、処理回路QQ120に接続される。ユーザインターフェース機器QQ132は、たとえば、マイクロフォン、近接度または他のセンサー、キー/ボタン、タッチディスプレイ、1つまたは複数のカメラ、USBポート、あるいは他の入力回路を含み得る。ユーザインターフェース機器QQ132はまた、WD QQ110からの情報の出力を可能にするように、および処理回路QQ120がWD QQ110からの情報を出力することを可能にするように設定される。ユーザインターフェース機器QQ132は、たとえば、スピーカー、ディスプレイ、振動回路、USBポート、ヘッドフォンインターフェース、または他の出力回路を含み得る。ユーザインターフェース機器QQ132の1つまたは複数の入力および出力インターフェース、デバイス、および回路を使用して、WD QQ110は、エンドユーザおよび/または無線ネットワークと通信し、エンドユーザおよび/または無線ネットワークが本明細書で説明される機能から利益を得ることを可能にし得る。
【0159】
補助機器QQ134は、概してWDによって実施されないことがある、より固有の機能を提供するように動作可能である。これは、様々な目的のために測定を行うための特殊化されたセンサー(たとえば、本明細書で説明されたレーダー機能)、有線通信などの追加のタイプの通信のためのインターフェースなどを備え得る。補助機器QQ134の構成要素の包含およびタイプは、実施形態および/またはシナリオに応じて変動し得る。
【0160】
電源QQ136は、いくつかの実施形態では、バッテリーまたはバッテリーパックの形態のものであり得る。外部電源(たとえば、電気コンセント)、光起電力デバイスまたは電池など、他のタイプの電源も使用され得る。WD QQ110は、電源QQ136から、本明細書で説明または指示される任意の機能を行うために電源QQ136からの電力を必要とする、WD QQ110の様々な部分に電力を配信するための、電力回路QQ137をさらに備え得る。電力回路QQ137は、いくつかの実施形態では、電力管理回路を備え得る。電力回路QQ137は、追加または代替として、外部電源から電力を受信するように動作可能であり得、その場合、WD QQ110は、電力ケーブルなどの入力回路またはインターフェースを介して(電気コンセントなどの)外部電源に接続可能であり得る。電力回路QQ137はまた、いくつかの実施形態では、外部電源から電源QQ136に電力を配信するように動作可能であり得る。これは、たとえば、電源QQ136の充電のためのものであり得る。電力回路QQ137は、電源QQ136からの電力に対して、その電力を、電力が供給されるWD QQ110のそれぞれの構成要素に好適であるようにするために、任意のフォーマッティング、変換、または他の修正を実施し得る。
【0161】
様々な実施形態の重要な態様が、レーダー機能をもつモバイルデバイスと、全体的なデータを有し、正確な位置を決定するために相関を実施するためのより多くのリソースを有し、そのデータを反復的に改善および更新しながら複数のモバイルデバイスをサーブする、モバイルエッジ機能(MEF)との間の共同に関することが諒解されよう。この点について、注目に値する態様のうち、以下の態様がある。
・ スプリットデバイス-モバイルエッジ機能(MEF)測位、したがって、デバイスはレーダーを実施し、MEFは、上記で説明された実施形態に従って相関を実施する。これは、MEFが、すべてのデバイスからのすべての動的変化へのアクセスを有する、MEFが、周囲のマップおよび特性に基づいてデバイスを案内することができる(多くのデータをデバイスにプリロードする必要がない)、MEFが、技法を組み合わせることによってより高度の微調整を実施することができる、MEFが、組み合わせられた微調整技法から学習することができる、など、いくつかの最適化をもたらす。
・ 微調整が、(雑音、アーティファクト、または動的に変更された環境による)厳密な位置のあいまいさ/あまりに低い信頼性を示す状況を解決するための、移動の後の反復微調整、これは、粗い位置エリア(潜在的に複数)中の最も可能性がある位置に基づき、2つのレーダー分析間の移動が推定され、新しい微調整は、前の候補およびデルタ移動と組み合わせた新しいレーダーベース微調整のアセスメントに基づく。
・ MEFは、いくつかのポイント/構造が他の反射に対する「アンカーポイント」として極めて信頼できることを識別することができる。認識可能な特有の構造がないエリアが、識別され、構造またはアンカーポイントを追加することのような改善への入力として働くことができる。
・ 基地局は、上述のMEFを実施することができる。さらに、基地局は、上記の機能の知識から利益を得ることができる。
・ MEFは周囲に関するレーダーUEに関する情報を有するので、MEFは、そのリソースのより良い効率および最良の使用、ならびに最小干渉のためのUEにおけるレーダー使用(どの方向か、どの相対電力レベルか、など)を案内することができる。MEFは、前の測定から、ならびにマップ中の構造に対する相対位置から利益を得ることも可能である。
・ MEFはエリア中のすべてのレーダー装備デバイスに関する情報を有するので、MEFは、他のすぐ近くのUEの物体から生じる環境の動的変化をフィルタで除去することができ、たとえば、レーダー装備UEを有する自律カートの位置および移動が知られることになり、それに応じて、他のUEのレーダー分析に対するその影響が補償され得る。
【0162】
上記のような本発明の実施形態の様々な態様は、旧来のネットワークベース測位ソリューションが与えるものよりもはるかに良い正確さにおいてUEおよび/またはモバイルデバイスの位置を得るための、UEおよび/またはモバイルデバイスのための機構および技術を提供するために適用され得る。
【0163】
これは、たとえば、工場の現場で走り回る自律カート、または屋内環境におけるドローンにおいて適用されるとき、特に有用であり得る。しかしながら、これは、決して適用例の完全なリストではなく、それとは反対に、この技術のための多数の潜在的な適用例がある。
【0164】
本発明に従う実施形態は、極めて詳細な自己測位が古典的なセンサー融合手法の必要なしに可能にされることに関係する、従来の技術に勝るいくつかの利点を提供する。これは、モデムとセルラシステムとのいくつかの巧妙な使用を行うことによって達成される。たとえば、および限定はしないが、
・ いくつかの実施形態では、モデムは、世界参照として、セルラシステムから第1の(あまり正確でない)位置を得るために使用される。
・ いくつかの実施形態では、レーダー機能は、ほとんど追加のコストなしに5Gモデムに組み込まれ得る
・ いくつかの実施形態では、モデムは、相関機能を実施し、ならびに巧妙な最適化の大きいセットを可能にする、モバイルエッジサーバと通信するために使用される
【0165】
さらに、実施形態は、レーダーが3GPPスペクトルにおいて動作されることに依存せず、レーダーがモデムハードウェア中で統合されるように実装されることに依存しないが、これが有利な実施形態を構成することに留意されたい。
【0166】
上記で説明された実施形態は、基地局の密な設置、または通信のために必要とされるもの以外の無線ソースの必要なしに、およびカメラまたは他の複雑なセンサー融合ソリューションの必要なしに、5Gモデム(レーダー対応)をもつすべてのデバイスのための極めて正確な測位ソリューションを提供する。これは、たとえば、工場にわたって容易にスケーリングするソリューションである。
【0167】
さらなる利点は、以下を含む。
・ 高い正確さの測位のための代替センサー融合ソリューション、たとえばカメラモジュールを追加することに対する、低いコスト
・ たとえば、セルラまたはBluetooth準拠システムにおいて従来見られる旧来の無線ベースソリューションよりも著しく高い正確さ
・ モデムにおけるレーダー機能の追加が、基地局中のすべての(レーダー装備)モデムおよびそれらの周囲から見られるような特徴参照をもつマップ、またはいくつかの適用例および利点を可能にすることができるエッジクラウド機能など、他のタイプの適用例にも、価値を付加することができる
・ 相関が行われるWRフレームを決定するための最適化された手法。従来の手法は、より大きいWRフレームにしばしばつながる悲観的手法を適用する必要がある。
・ エッジクラウドマップサービスとUEベースレーダー検知との間の共同動作は、マップ中の推定されたエリアのトポロジーおよび物体に合うことになり、UEに極めて近接した他のモバイルユニットの知識から利益を得ることになる、レーダー検知のシグナリングおよび周波数を適応させることなどのいくつかの最適化を可能にする
・ 本発明に従う実施形態は、(デバイスがより多くのサンプルを収集し、これが全体的な正確さを改善し得るので)時間とともに改善し、次いで、また、環境の変化を識別し、環境の変化に適応し得る
・ デバイスは、そのロケーション中のデバイスのみから見られる(たとえば、基地局のみからの無線信号によって到達されない)ことがある、精密に示されたエリアに関する洞察を与え得る。
【0168】
その上、モバイルデバイスが自己測位方法論の一部としてmmWave SAR検知を利用する実施形態は、以下を含む、従来の手法のいくつかの利点を提供する。
・ 高い正確さの測位のための代替センサー融合ソリューション、たとえば別個のレーダーモジュールまたはカメラモジュールを追加することに対する、あるいは、すべての位置からの複数の基地局との見通し線を同時に保証するための多くのアンカーポイントまたは基地局を伴う測位ソリューションのコストによる、低いコスト。
・ 旧来のレーダーベースソリューションよりも著しく高い正確さを達成する能力
・ 壁、床または天井以外の詳細な構造、ならびに通例のレーダーではそれほど明確に区別されない他の構造を活用するための機会による、前の作業を超える改善。
【0169】
本発明は、特定の実施形態を参照しながら説明された。しかしながら、上記で説明された実施形態のもの以外の特定の形態で本発明を具現することが可能であることは、当業者には容易に明らかであろう。
【0170】
たとえば、様々な実施形態は、モバイルエッジサーバに言及した。しかしながら、モバイルエッジサーバの使用は、本発明の実施形態の必須の態様ではない。それとは反対に、本明細書で説明される機能を実施する任意のサーバ(たとえば、クラウドサーバ、ならびに、限定しないがモバイルネットワークのエッジなど、モバイルネットワーク中にあるサーバ)が使用され得、したがって、「サーバ」という用語は、任意のそのような実施形態を示すために本明細書で使用される。
【0171】
別の例では、実施形態は、1つのWRPのみに言及した。しかしながら、いくつかの実施形態では、各々がそれ自体の信頼区間をもつ(すなわち、正確さに関する)複数のWRPが利用可能であることが可能である。そのような事例では、複数のWRフレームが決定され得、これらは、以下のものなど、いくつかの異なるやり方で使用され得る。
a.複数のWRフレーム間の交差が決定され得、処理は、それらすべてに準拠する空間のみを考慮する。
b.複数のWRフレーム間の融和が決定され得、処理は、次いで、(1つまたは複数の)組み合わせられた空間を考慮するように設定され得る。このクラスの実施形態は、複数のWRフレームが、分離したエリアを規定する場合、関連があり得、デバイスがどこにあるかに関する利用可能な事前知識がない。
c.複数のWRフレームのうちの1つまたは複数は、たとえば、システムが、デバイスがどこにあるかに関する何らかの理解をすでに有するとき、または、いくつかのWR方法がその特定のエリア中でどのように機能するかを指示する統計データがある場合、完全に無視され得る。
【0172】
したがって、説明された実装形態は、例示的なものにすぎず、いかなる形でも限定的と見なされるべきではない。本発明の範囲は、先行する説明のみによってではなく、添付の特許請求の範囲によってさらに示され、特許請求の範囲内に入るすべての変形形態および等価物は、その中に包含されるものとする。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】