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▶ シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】除草剤ピラゾールピリミジン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/06 20060101AFI20241126BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20241126BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20241126BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20241126BHJP
   C07D 491/056 20060101ALI20241126BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20241126BHJP
   A01N 43/56 20060101ALI20241126BHJP
   A01N 47/02 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
C07D403/06 CSP
C07D401/14
C07D403/14
C07D405/14
C07D491/056
A01P13/00
A01N43/56 D
A01N47/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532327
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2022083333
(87)【国際公開番号】W WO2023099354
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】2117474.3
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】デール スザンナ ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】エルヴス フィリップ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】モリス ジェイムズ アラン
(72)【発明者】
【氏名】ワトキン サミュエル ヴォーン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BB09
4H011BB11
4H011BC03
4H011BC05
4H011DA14
4H011DD03
(57)【要約】
本発明は、式(I)、
(式中、Q、R1、R2及びR4は、本明細書に定義される通りである)の化合物、又は前記化合物の農学的に許容される塩に関する。本発明はさらに、式(I)の化合物を含む除草剤組成物、及び、特に、有用な植物の作物における雑草の防除のための式(I)の化合物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中
Qは、フェニル、C-結合6員ヘテロアリール、Q-A及びQ-B
【化2】
からなる群から選択され、前記フェニル又は6員ヘテロアリールは、1つ以上の独立したR3置換基で任意に置換されていてもよく;
1は、ハロゲン、-CN、NO2、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、-S(O)p1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ-、-C(O)C1~C4アルキル、-C(O)OC1~C4アルキル、C1~C4ハロアルコキシ及びC1~C4アルコキシC1~C3アルキル-からなる群から独立して選択され;
2は、ハロゲン、-CN、C1~C2アルキル及びC1~C2ハロアルキルからなる群から選択され;
3は、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシ、-CN、NO2、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、-S(O)p1~C4アルキルからなる群から選択され;
4は、水素、ハロゲン、-CN、C1~C2アルキル及びC1~C2ハロアルキルからなる群から選択され;
p=0、1又は2である)
の化合物又はその農学的に許容される塩。
【請求項2】
Qが:
【化3】
からなる群から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
QはQ-1又はQ-3である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
nは1である、請求項2又は3に記載の化合物。
【請求項5】
3がハロゲン又は-CF3である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Qが、4-CF3-フェニル-である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
1が、ハロゲン、CN、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
1が、メチル、フルオロ、クロロ、ブロモ及びメトキシ-からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
1がクロロである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
2が-CF3又は-CF2Hである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
4が水素である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物及び農学的に許容される製剤補助剤を含む除草剤組成物。
【請求項13】
少なくとも1種の追加的な農薬をさらに含む、請求項12に記載の除草剤組成物。
【請求項14】
前記追加的な農薬が除草剤又は除草剤薬害軽減剤である、請求項13に記載の除草剤組成物。
【請求項15】
ある場所における雑草を防除する方法であって、雑草を防除する量の請求項12~14のいずれか一項に記載の組成物を前記場所に施用することを含む、方法。
【請求項16】
請求項1に定義された式(I)の化合物の除草剤としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な除草剤化合物、それらの調製のためのプロセス、新規な化合物を含む除草剤組成物、及び、特に、有用な植物の作物における雑草の防除のための、又は植物成長を阻害するためのそれらの使用に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
除草剤ピラゾール化合物は、例えば、中国特許第105037342号明細書に開示されている。本発明は、新規な除草剤ピラゾール化合物に関する。したがって、本発明によれば、式(I):
【化1】
(式中
Qは、フェニル、C-結合6員ヘテロアリール、Q-A及びQ-B
【化2】
からなる郡から選択され、前記フェニル又は6員ヘテロアリールは、1つ以上の独立したR3置換基で任意に置換されていてもよく;
1は、ハロゲン、-CN、NO2、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、-S(O)p1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ-、-C(O)C1~C4アルキル、-C(O)OC1~C4アルキル、C1~C4ハロアルコキシ及びC1~C4アルコキシC1~C3アルキル-からなる群から独立して選択され;
2は、ハロゲン、-CN、C1~C2アルキル、及びC1~C2ハロアルキルからなる群から選択され;
3は、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシ、-CN、NO2、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、-S(O)p1~C4アルキルからなる群から選択され;
4は、水素、ハロゲン、-CN、C1~C2アルキル、及びC1~C2ハロアルキルからなる群から選択され;
p=0、1又は2である)
の化合物、又はその農学的に許容される塩が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0003】
1~C4アルキルは、例えば、メチル(Me、CH3)、エチル(Et、C25)、n-プロピル(n-Pr)、イソプロピル(i-Pr)、n-ブチル(n-Bu)、イソブチル(i-Bu)、sec-ブチル及びtert-ブチル(t-Bu)を含む。C1~C2アルキルは、メチル(Me、CH3)又はエチル(Et、C25)である。
【0004】
2~C4アルケニル-は、例えば、-CH=CH2(ビニル)及び-CH2-CH=CH2(アリル)を含む。
【0005】
2~C4アルキニル-は、炭素及び水素原子のみで構成され、少なくとも1つの三重結合を含み、2~4つの炭素原子を有する直鎖又は分枝状炭化水素鎖ラジカル基を指し、これは単結合によって残りの分子に結合している。C2~C4アルキニルの例としては、プロパ-1-イニル、プロパルギル(プロパ-2-イニル)、及びブタ-1-イニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0006】
ハロゲン(又はハロ)は、例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む。同じことがハロアルキルなどの他の定義の文脈において、対応してハロゲンに適用される。
【0007】
1~C4ハロアルキル-は、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1-ジフルオロ-2,2,2-トリクロロエチル、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル及び2,2,2-トリクロロエチル及びヘプタフルオロ-n-プロピルを含む。C1~C2ハロアルキルは、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、ペンタフルオロエチル、又は1,1-ジフルオロ-2,2,2-トリクロロエチルである。
【0008】
1~C4アルコキシは、メトキシ及びエトキシを含む。
【0009】
1~C4ハロアルコキシ-は、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ又は2,2,2-トリクロロエトキシ、好ましくはジフルオロメトキシ、2-クロロエトキシ又はトリフルオロメトキシを含む。
【0010】
3~C6シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。
【0011】
1~C4アルキル-S-(アルキルチオ)は、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ又はtert-ブチルチオ、好ましくはメチルチオ又はエチルチオを含む。
【0012】
1~C4アルキル-S(O)-(アルキルスルフィニル)は、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル又はtert-ブチルスルフィニル、好ましくはメチルスルフィニル又はエチルスルフィニルを含む。
【0013】
1~C4アルキル-S(O)2-(アルキルスルホニル)は、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル又はtert-ブチルスルホニル、好ましくはメチルスルホニル又はエチルスルホニルを含む。
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、式(I)の化合物が提供され、式中、Qは:
【化3】
からなる群から選択される。
【0015】
本発明の別の実施形態では、Qは、Q-1、Q-3及びQ-4からなる群から選択される。
【0016】
本発明のより好ましい実施形態では、Qは、Q-1又はQ-3である。
【0017】
本発明のより好ましい実施形態では、Qは、Q-1である。
【0018】
本発明の別の好ましい実施形態では、Qは、Q-3である。
【0019】
本発明の一実施形態では、R3は、ハロゲン、C1~C4アルキル(例えば、メチル)、C1~C4ハロアルキル(例えば、-CF3又は-CHF2)、-CN及び-S(O)p1~C4アルキル(例えば、-SO2メチル)からなる群から選択される。より好ましくは、R3は、ハロゲン(好ましくはフルオロ又はクロロ)又はC1~C4ハロアルキル(例えば、-CF3又は-CHF2)例えば、ハロゲン又は-CF3である。
【0020】
本発明の別の実施形態では、nは、0、1又は2、好ましくは1又は2である。一実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。n=2の化合物は、改善された選択性(作物損傷があったとしてもほとんどない良好な雑草防除を伴う)を示すように思われる。
【0021】
より好ましい実施形態では、QはQ-1であり、R3はハロゲン又はC1~C4ハロアルキルであり、nは1である(好ましい実施形態では、Qは4-CF3-フェニル-である)。
【0022】
本発明の別の好ましい実施形態では、QはQ-1であり、R3はハロゲンであり、nは2である(好ましい実施形態では、Qは3,4-ジハロフェニル-(例えば、3-F,4-Cl-フェニル-、3-Cl,4-F-フェニル-、3,4-ジクロロフェニル-又は3,4ジフルオロフェニル-)である。
【0023】
本発明の別の好ましい実施形態では、QはQ-3であり、R3はハロゲンであり、nは2である(好ましい実施形態では、Qは、6,5-ジハロ-3-ピリジル-フェニル-(例えば、6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)である。
【0024】
本発明の別の実施形態では、Qは、Q-A又はQBである:
【化4】
【0025】
本発明の別の実施形態では、R1は、ハロゲン、CN、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から選択される。より好ましい実施形態では、R1は、メチル、フルオロ、クロロ、ブロモ及びメトキシ-からなる群から選択される。さらにより好ましい実施形態では、R1は、クロロである。
【0026】
本発明の別の実施形態では、R2は、ハロゲン(例えば、クロロ)、-CN又はC1~C2ハロアルキルである。好ましい実施形態では、R2は、-CF3又は-CF2Hである。
【0027】
本発明の別の実施形態では、R4は、水素である。
【0028】
式(I)の化合物は、不斉中心を含んでもよく、単一のエナンチオマー、任意の割合のエナンチオマーの対として存在してもよく、又は、2つ以上の不斉中心が存在する場合、ジアステレオ異性体を全ての可能な比で含んでもよい。典型的には、エナンチオマーの1つは、他の可能性と比較して高い生物学的活性を有する。
【0029】
本発明は、式(I)の化合物の農学的に許容される塩も提供する。式(I)の化合物の塩は、一級、二級、及び三級のアミンなどのアミン(例えばアンモニア、ジメチルアミン、及びトリエチルアミン)と共に形成されていてもよく、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩基、遷移金属、又は四級アンモニウム塩基が好ましい。
【0030】
本発明の式(I)の化合物は、それ自体で除草剤として使用することができるものの、これらは一般的にはキャリア、溶剤及び表面活性剤(SAA)などの配合補助剤を用いて、除草剤組成物に配合される。そのため、本発明は、先行する請求項のいずれか一項に記載の除草剤化合物と、農学的に許容される配合補助剤とを含む除草剤組成物をさらに提供する。組成物は、使用前に希釈される濃縮物の形態であってもよいが、そのまま使用可能な組成物も製造することが可能である。最終的な希釈は通常は水で行われるが、水の代わりに、又は、水に追加して、例えば液体肥料、微量元素、生物有機体、油、又は溶剤で行うこともできる。
【0031】
除草剤組成物は、通常0.1~99重量%、特には0.1~95重量%の式Iの化合物と、1~99.9重量%の配合補助剤とを含み、配合補助剤は好ましくは0~25重量%の表面活性物質を含む。
【0032】
組成物は数種類の配合物タイプから選択可能である。これらとしては、乳化性濃縮物(EC)、懸濁液濃縮物(SC)、サスポエマルジョン(SE)、カプセル懸濁液(CS)、水分散性顆粒(WG)、乳化性顆粒(EG)、油中水型エマルジョン(EO)、水中油型(EW)エマルジョン、マイクロエマルジョン(ME)、油性懸濁性剤(OD)、油混和性流動性剤(OF)、油混和性液体(OL)、可溶性濃縮物(SL)、超低体積懸濁液(SU)、超低体積液体(UL)、工業用濃縮物(TK)、分散性濃縮物(DC)、可溶性粉末(SP)、水和剤(WP)、及び可溶性顆粒(SG)が挙げられる。いずれの事例において選択される配合物のタイプも、想定される具体的な目的、式(I)の化合物の物理的、化学的、及び生物学的特性に依存するであろう。
【0033】
可溶性粉末(SP)は、式(I)の化合物を、1種又は複数種の水溶性無機塩(重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム又は硫酸マグネシウムなど)又は1種又は複数種の水溶性有機固形分(多糖類など)と、任意で、1種又は複数種の湿潤剤、1種又は複数種の分散剤又は前記薬剤の混合物と共に混合して水分散性/溶解度を向上させることにより調製され得る。混合物は、次いで、微粉末に粉砕される。同様の組成物もまた水溶性顆粒(SG)に粒状化され得る。
【0034】
水和剤(WP)は、式(I)の化合物を、1種又は複数種の固体希釈剤又はキャリア、1種又は複数種の湿潤剤、好ましくは1種又は複数種の分散剤、任意で、1種又は複数種の懸濁剤と混合して液体中での分散を促進させることにより調製され得る。混合物は、次いで、微粉末に粉砕される。同様の組成物もまた水分散性顆粒(WG)に粒状化され得る。
【0035】
顆粒(GR)は、式(I)の化合物と1種又は複数種の粉末化された固体希釈剤若しくはキャリアとの混合物を粒状化することにより、又は、予め形成されたブランクの顆粒から、式(I)の化合物(又は、好適な薬剤中のその溶液)を多孔性粒状材料(軽石、アタパルジャイトクレイ、フーラー土、キースラガー、珪藻土又は粉砕したトウモロコシ穂軸など)に吸収させることにより、又は、式(I)の化合物(又は、好適な薬剤中のその溶液)を硬質のコア材料(砂、ケイ酸、炭酸塩、硫酸塩又はリン酸塩鉱物など)に吸着させ、必要に応じて乾燥させることにより、形成され得る。吸収又は吸着を補助するために通例用いられる薬剤としては、溶剤(脂肪族及び芳香族石油系溶剤、アルコール、エーテル、ケトン及びエステルなど)及び固着剤(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖質及び植物性油など)が挙げられる。1種又は複数種の他の添加剤もまた顆粒に含まれ得る(例えば、乳化剤、湿潤剤又は分散剤)。
【0036】
分散性濃縮物(DC)は、水、又は、ケトン、アルコール若しくはグリコールエーテルなどの有機溶剤中に式(I)の化合物を溶解させることにより調製され得る。これらの溶液は、表面活性剤を含有していてもよい(例えば、水による希釈を向上させるか、又は、噴霧タンク中での結晶化を防止するため)。
【0037】
乳化性濃縮物(EC)又は水中油型エマルジョン(EW)は、有機溶剤(任意で、1種又は複数種の湿潤剤、1種又は複数種の乳化剤又は前記薬剤の混合物を含有する)中に式(I)の化合物を溶解させることにより調製され得る。ECにおける使用に好適な有機溶剤としては、芳香族炭化水素(SOLVESSO 100、SOLVESSO 150及びSOLVESSO 200(SOLVESSOは登録商標である)によって例示されるアルキルベンゼン又はアルキルナフタレンなど)、ケトン(シクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノンなど)及びアルコール(ベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノールなど)、N-アルキルピロリドン(N-メチルピロリドン又はN-オクチルピロリドンなど)、脂肪酸のジメチルアミド(C8~C10脂肪酸ジメチルアミドなど)及び塩素化炭化水素が挙げられる。EC生成物は、水が添加されると自然に乳化して、適切な器具による噴霧適用が可能である十分な安定性を有するエマルジョンをもたらし得る。
【0038】
EWの調製は、液体(室温で液体ではない場合には、典型的には70℃未満の適度な温度で溶融され得る)として、又は溶液(適切な溶剤中に溶解することにより)として式(I)の化合物を得るステップ、次いで、得られた液体又は溶液を1種以上のSAAを含む水中に高せん断下で乳化させてエマルジョンを得るステップを含む。EWにおける使用に好適な溶剤としては、植物油、塩素化炭化水素(クロロベンゼンなど)、芳香族溶媒(アルキルベンゼン又はアルキルナフタレンなど)、及び水への溶解度が低い他の適切な有機溶剤が挙げられる。
【0039】
マイクロエマルジョン(ME)は、1種又は複数種の溶剤と1種又は複数種のSAAとのブレンドと水を混合して、熱力学的に安定な等方性液体配合物を自然にもたらすことにより調製され得る。式(I)の化合物は、最初は、水又は溶剤/SAAブレンド中に存在する。MEにおける使用に好適な溶剤としては、EC又はEWにおける使用のために本明細書中上記に記載されているものが挙げられる。MEは、水中油型又は油中水型系(どの系が存在しているかは伝導率測定により判定され得る)であり得、同一の配合物中への水溶性及び油溶性有害生物防除剤の混合に好適であり得る。MEは、マイクロエマルジョンのまま、又は、従来の水中油型エマルジョンを形成する水での希釈に好適である。
【0040】
懸濁液濃縮物(SC)は、式(I)の化合物の微細な不溶性固体粒子の水性又は非水性懸濁液を含み得る。SCは、好適な媒体中の式(I)の固体化合物を、任意で1種又は複数種の分散剤と共にボールミル又はビーズミルにかけて化合物の微細な粒子懸濁液を生成することにより調製され得る。1種又は複数種の湿潤剤が組成物中に含まれていてもよく、懸濁剤が粒子が沈降する速度を低減するために含まれていてもよい。或いは、式(I)の化合物が乾式ミルにかけられ、本明細書前述の薬剤を含有する水に加えられて、所望される最終生成物がもたらされてもよい。
【0041】
エアロゾル配合物は、式(I)の化合物及び好適な噴射剤(例えばn-ブタン)を含む。式(I)の化合物はまた、好適な媒体(例えば水、又は、n-プロパノールなどの水和性の液体)中に溶解又は分散されて、非加圧式の手動式噴霧ポンプで用いられる組成物をもたらし得る。
【0042】
カプセル懸濁液(CS)はEW配合物の調製と同様に調製され得るが、油滴の水性分散体が得られ、油滴の各々が高分子シェルによるカプセルに入っていると共に式(I)の化合物及び任意でそのためのキャリア又は希釈剤を含有するよう追加の重合ステージを伴って調製され得る。高分子シェルは、界面重縮合反応又はコアセルベーション法によって生成され得る。この組成物は、式(I)の化合物の制御放出を提供し得、それらは、種子処理に使用され得る。式(I)の化合物はまた、生分解性高分子マトリックス中に配合されて、化合物の制御された緩効性をもたらし得る。
【0043】
組成物は、例えば、式(I)の化合物の、表面上での濡れ性、保持性、若しくは分散性;処理面上における雨への耐性;又は、取り込み若しくは可動性を改善することにより組成物の生物学的性能を向上させるために、1種又は複数種の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、表面活性剤(SAA)、例えば特定の鉱油又は天然植物油(大豆及びナタネ油など)といった油系噴霧添加剤、メチレート化ナタネ油(MRSO)などの変性植物油、及び、これらと他の生体活性増強(bio-enhancing)補助剤(式(I)の化合物の作用を補助又は修正し得る処方成分)とのブレンドが挙げられる。
【0044】
湿潤剤、分散剤、及び乳化剤は、カチオン性、アニオン性、両性、又はノニオン性のSAAであってもよい。
【0045】
好適なカチオン性SAAとしては、第4級アンモニウム化合物(例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリン及びアミン塩が挙げられる。
【0046】
好適なアニオン性SAAとしては、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、スルホン酸ブチルナフタレン、並びに、ジ-イソプロピル-スルホン酸ナトリウム及びトリ-イソプロピル-ナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、エーテル硫酸塩、アルコールエーテル硫酸塩(例えばラウレス-3-硫酸ナトリウム)、エーテルカルボン酸塩(例えばラウレス-3-カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(1種又は複数種の脂肪族アルコールと、リン酸(主にモノ-エステル)又は五酸化リン(主にジ-エステル)との反応、例えばラウリルアルコールと四リン酸との反応の生成物;さらに、これらの生成物がエトキシル化されてもよい)、スルホコハク酸塩、パラフィン又はオレフィンスルホン酸塩、タウレート、リグノスルホネート及びトリスチリルフェノールのリン酸塩/硫酸塩が挙げられる。
【0047】
好適な両性SAAとしては、ベタイン、プロピオネート及びグリシネートが挙げられる。
【0048】
非イオン性の好適なSAAとしては、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物など)と、脂肪アルコール(オレイルアルコール又はセチルアルコールなど)又はアルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフェノール又はオクチルクレゾールなど)との縮合生成物;長鎖脂肪酸又はヘキシトール無水物由来の部分エステル;前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物;ブロックポリマー(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;単純エステル(例えば脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);レシチン及びソルビタン及びこれらのエステル、アルキルポリグリコシド及びトリスチリルフェノールが挙げられる。
【0049】
好適な懸濁剤としては、親水性コロイド(多糖、ポリビニルピロリドン、又はカルボキシメチルセルロースナトリウム等)、及び膨潤粘土(ベントナイト又はアタパルジャイト等)が挙げられる。
【0050】
本発明の化合物は、1つ以上のさらなる除草剤及び/又は植物成長調節剤との混合物中にも使用することができる。そのようなさらなる除草剤又は植物成長調節剤の例としては、アセトクロル、アシフルオルフェン(アシフルオルフェン-ナトリウムを含む)、アクロニフェン、アメトリン、アミカルバゾン、アミノピラリド、アミノトリアゾール、アトラジン、ベフルブタミド-M、ベンキトリオン、ベンスルフロン(ベンスルフロン-メチルを含む)、ベンタゾン、ビシクロピロン、ビラナホス、ビピラゾン、ビスピリバク-ナトリウム、ビクスロゾン、ブロマシル、ブロモキシニル、ブタクロル、ブタフェナシル、カルフェントラゾン(カルフェントラゾン-エチルを含む)、クロランスラム(クロランスラム-メチルを含む)、クロリムロン(クロリムロン-エチルを含む)、クロロトルロン、クロルスルフロン、シンメチリン、クラシフォス、クレトジム、クロジナホップ(クロジナホップ-プロパルギルを含む)、クロマゾン、クロピラリド、シクロピラニル、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シハロホップ(シハロホップ-ブチルを含む)、2,4-D(そのコリン塩及び2-エチルヘキシルエステルを含む)、2,4-DB、デスメジファム、ジカムバ(そのアルミニウム、アミノプロピル、ビス-アミノプロピルメチル、コリン、ジクロロプロップ、ジグリコラミン、ジメチルアミン、ジメチルアンモニウム、カリウム及びナトリウム塩を含む)ジクロスラム、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメタクロル、ジメテナミド-P、ジオキソピリトリオン、ジクワットジブロミド、ジウロン、エピリフェナシル、エタルフルラリン、エトフメセート、フェンオキサプロプ(フェノキサプロパ-P-エチルを含む)、フェノキサスルホン、フェンピラゾン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フラザスルフロン、フロラスラム、フロルピラウキシフェン(フロルピラウキシフェン-ベンジルを含む)、フルアジホップ(フルアジホップ-P-ブチルを含む)、フルカルバゾン(フルカルバゾン-ナトリウムを含む)、フルフェナセット、フルメツラム、フルミオキサジン、フルオメツロン、フォメサフェン、フルピルスルフロン(フルピルスルフロン-メチル-ナトリウムを含む)、フルロキシピル(フルロキシピル-メプチルを含む)、フォメサフェン、フォラムスルフロン、グルホシネート(L-グルホシネート及び両方のアンモニウム塩を含む)、グリホセート(そのジアンモニウム、イソプロピルアンモニウム及びカリウム塩を含む)、ハラウキシフェン(ハラウキシフェン-メチルを含む)、ハロキシホップ(ハロキシホップ-メチルを含む)、ヘキサジノン、ヒダントシジン、イマザモックス(R-イマザモックスを含む)、イマザピク、イマザピル、イマゼタピル、インダジフラム、ヨードスルフロン(ヨードスルフロン-メチル-ナトリウムを含む)、イオフェンスルフロン(イオフェンスルフロン-ナトリウムを含む)、イオキシニル、イソプロツロン、イソキサフルトール、ランコトリオン、MCPA、MCPB、メコプロパ-P、メソスルフロン(メソスルフロン-メチルを含む)、メソトリオン、メタミトロン、メタザクロル、メチオゾリン、メトラクロル、メトスラム、メトリブジン、メトスルフロン、ナプロパミド、ニコスルフロン、ノルフルラゾン、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキシフルオルフェン、二塩化パラクワット、ペンジメタリン、ペノクススラム、フェンメジファム、ピクロラム、ピノキサデン、プレチラクロル、プリミスルフロン-メチル、プロメトリン、プロパニル、プロパキザホップ、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン(ピラフルフェン-エチルを含む)、ピラスルホトール、ピリデート、ピリフタリド、ピリミスルファン、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラク、キンメラク、キザロホップ(キザロホップ-P-エチル及びキザロホップ-P-テフリルを含む)、リミソキサフェン、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シマジン、S-メタロクロル、スルフェントラゾン、スルホスルフロン、テブチウロン、テフリルトリオン、テムボトリオン、テルブチラジン、テルブトリン、テトルフピロリメト、チエンカルバゾン、チフェンスルフロン、チアフェナシル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリアレート、トリアスルフロン、トリベヌロン(トリベヌロン-メチルを含む)、トリクロピル、トリフロキシスルフロン(トリフロキシスルフロン-ナトリウムを含む)、トリフルジモキサジン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリピラスルホン、3-(2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)フェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-カルボン酸エチルエステル、4-ヒドロキシ-1-メトキシ-5-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]-イミダゾリジン-2-オン、5-エトキシ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]-イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[1-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]イミダゾリジン-2-オン、(4R)1-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)-4-エトキシ-5-ヒドロキシ-3-メチル-イミダゾリジン-2-オン、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸(その農薬的に許容されるエステル、例えば、メチル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート、プロパ-2-イニル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート及びシアノメチル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート)を含む)、3-エチル-スルファニル-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、3-(イソプロピルスルファニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、3-(イソプロピルスルホニル-メチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]-ピリジン-8-カルボキサミド、3-(エチルスルホニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、エチル-2-[[3-[[3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]-2-ピリジル]オキシ]アセテート、6-クロロ-4-(2,7-ジメチル-1-ナフチル)-5-ヒドロキシ-2-メチル-ピリダジン-3-オン、テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル(2R)-2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]-プロパノエート、(2R)-2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパン酸、テトラヒドロフラン-2-イルメチル2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパノエート、2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパン酸、2-フルオロ-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-[(R)-プロピルスルフィニル]-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-フルオロ-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-プロピルスルフィニル-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、(2-フルオロフェニル)メチル6-アミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-ピリミジン-4-カルボキシレート、6-アミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-カルボン酸、3-(3-クロロフェニル)-6-(5-ヒドロキシ-1,3-ジメチル-ピラゾール-4-カルボニル)-1,5-ジメチル-キナゾリン-2,4-ジオン及び[4-[3-(3-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-2,4-ジオキソ-キナゾリン-6-カルボニル]-2,5-ジメチル-ピラゾール-3-イル]N,N-ジエチルカルバメートが挙げられる。
【0051】
式(I)の化合物の混合相手はまた、例えば、The Pesticide Manual,Sixteenth Edition,British Crop Protection Council,2012に記載されるように、エステル又は塩の形態であってもよい。
【0052】
式(I)の化合物はまた、殺真菌剤、殺線虫剤又は殺虫剤などの他の農薬との混合物中で使用され得、これらの例は、The Pesticide Manualに示されている。
【0053】
式(I)の化合物対混合相手の混合比は、好ましくは、1:100~1000:1である。
【0054】
この混合物は、上記の配合物において有利に使用され得る(その場合、「有効成分」は、式(I)の化合物と混合相手とのそれぞれの混合物に関する)。
【0055】
本発明の化合物又は混合物はまた、1種以上の除草剤薬害軽減剤と組み合わせて使用され得る。このような薬害軽減剤の例としては、ベノキサコール、クロキントセット(クロキントセット-メキシルを含む)、シプロスルファミド、ジクロルミド、フェンクロラゾール(フェンクロラゾール-エチルを含む)、フェンクロリム、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン(イソキサジフェン-エチルを含む)、メフェンピル(メフェンピル-ジエチルを含む)、メトカミフェン及びオキサベトリニルが挙げられる。
【0056】
特に好ましいのは、式(I)の化合物と、シプロスルファミド、イソキサジフェン-エチル、クロキントセット-メキシル及び/又はメトカミフェンとの混合物である。
【0057】
式(I)の化合物の薬害軽減剤はまた、例えば、The Pesticide Manual,16th Edition(BCPC),2012に記載されるように、エステル又は塩の形態であってもよい。クロキントセット-メキシルへの言及はまた、国際公開第02/34048号に開示されるように、そのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、第四級アンモニウム、スルホニウム又はホスホニウム塩にも適用される。
【0058】
好ましくは、式(I)の化合物対薬害軽減剤の混合比は、100:1~1:10、特に、20:1~1:1である。
【0059】
本発明は、また、ある場所における雑草を防除する方法であって、雑草を防除する量の、式(I)の化合物を含有する組成物を、前記場所に施用することを含む方法をさらに提供する。さらに、本発明は、作物植物及び雑草を含む場所での雑草の選択的な防除方法であって、雑草を防除する量の本発明の組成物を前記場所に施用することを含む方法をさらに提供し得る。「防除」は、枯死、成長の低減若しくは遅延、又は発芽の防止又は低減を意味する。本発明の化合物が、公知の構造的に類似した化合物と比較して、はるかに改良された選択性を示すことが留意される。一般的には、防除すべき植物は望ましくない植物(雑草)である。「場所」は、植物が成長しているか成長することになる領域を意味する。施用は、作物植物の出芽前及び/又は出芽後の場所に施用してもよい。複数の作物植物は、式(I)の化合物の除草効果に対して本質的に耐性を有し得る。好ましい作物植物としては、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、ダイズ及びイネが挙げられる。
【0060】
式Iの化合物の施用量は、広い限度内で様々であってもよく、また土壌の性質、施用方法(出芽前又は出芽後;種子粉衣;まき溝への施用;非耕地施用等)、作物植物、防除すべき雑草、支配的な気候条件、並びに、施用方法、施用時期、及び標的作物によって左右される他の要因に依存する。本発明の式Iの化合物は、通常10~2500g/ha、特には25~1000g/ha、さらには25~250g/haの量で施用される。
【0061】
適用は、典型的にはトラクターに備え付けた大面積用噴霧器によって組成物を噴霧することにより一般に成されるが、散粉(粉末の場合)、滴下又は潅注などの他の方法もまた用いられることが可能である。
【0062】
作物植物には、従来の育種方法又は遺伝子工学によって別の除草剤又は除草剤の分類(例えばALS-、GS-、EPSPS-、PPO-、HPPD-、PDS-、及びACCase-阻害剤)に対する耐性が付与された作物植物も含まれると理解すべきである。従来の育種方法によって例えばイマザモックスなどのイミダゾリノンに対する耐性が付与された作物の例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子組み換え法により除草剤に対する耐性が付与された作物の例としては、例えば商標名RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)として市販されているグリホセート-及びグルホシネート-耐性のトウモロコシ品種が挙げられる。本発明の化合物は、例えば国際公開第2020/236790号に教示されるようなSDPS-阻害除草剤に耐性の作物と組み合わせて使用することもできる。
【0063】
作物植物はまた、例えばBtトウモロコシ(アワノメイガに耐性)、Bt綿(メキシコワタミゾウムシに耐性)及びBtジャガイモ(コロラドハムシに耐性)といった、遺伝子操作法によって有害な昆虫に対する耐性が付与されたものとして理解されるべきである。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt176トウモロコシハイブリッドである。Bt毒素は、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)土壌バクテリアによって形成される天然のタンパク質である。毒素、又は、このような毒素を合成することができる遺伝子組換え植物の例が、欧州特許出願公開第451 878号明細書、欧州特許出願公開第374 753号明細書、国際公開第93/07278号、国際公開第95/34656号、国際公開第03/052073号及び欧州特許出願公開第427 529号明細書に記載されている。殺虫剤耐性をコードし、1種又は複数種の毒素を発現する1種又は複数種の遺伝子を含む遺伝子組換え植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿)、Bollgard(登録商標)(綿)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)及びProtexcta(登録商標)である。植物作物又はその種子材料は共に、除草剤に耐性であることが可能であると共に、同時に、昆虫による摂食に耐性であることが可能である(「スタック」遺伝子組換え体)。例えば、種子は、グリホサート耐性であると同時に、殺虫性Cry3タンパク質の発現能を有していることが可能である。
【0064】
作物植物はまた、従来の交配法又は遺伝子操作によって得られると共に、いわゆる出力形質(例えば向上した貯蔵安定性、より高い栄養価及び向上した香味)を含むものが含まれると理解されるべきである。
【0065】
組成物は、望ましくない植物(集合的に「雑草」)を防除するために使用することができる。防除すべき雑草は、例えばコヌカグサ(Agrostis)、スズメノテッポウ(Alopecurus)、カラスムギ(Avena)、ビロードキビ(Brachiaria)、スズメノチャヒキ(Bromus)、シンクリノイガ(Cenchrus)、カヤツリグサ(Cyperus)、ヒメシバ(Digitaria)、ヒエ(Echinochloa)、オヒシバ(Eleusine)、ドクムギ(Lolium)、ミズアオイ(Monochoria)、ツノアイアシ(Rottboellia)、オモダカ(Sagittaria)、ホタルイ(Scirpus)、エノコログサ(Setaria)及びモロコシ(Sorghum)などの単子葉植物種、並びに例えばアブチロン(Abutilon)、アマランサス(Amaranthus)、ブタクサ(Ambrosia)、アカザ(Chenopodium)、キク(Chrysanthemum)、イズハハコ(Conyza)、アカネ(Galium)、サツマイモ(Ipomoea)、ナスタチウム(Nasturtium)、シダ(Sida)、シロガラシ(Sinapis)、ナス(Solanum)、ハコベ(Stellaria)、クワガタソウ(Veronica)、ビオラ(Viola)、及びオナモミ(Xanthium)などの双子葉植物種、の両方であってもよい。
【0066】
本発明のさらなる態様において、本明細書に定義される式(I)の化合物の除草剤としての使用が提供される。
【0067】
式(I)の化合物の調製のためのプロセス
化合物、例えば式(I)の化合物(これは任意にその農薬的に許容される塩であり得る)の調製のためのプロセスをここに記載し、本発明のさらなる態様を形成する。
【0068】
スキーム1に示すように、式(I)の化合物は、酸性条件下、エタノールなどの適切な溶媒中、110℃で加熱することによる式(2)の化合物の脱炭酸を介して調製することができる。
【0069】
式(2)の化合物は、スルホランなどの適切な溶媒中、ナトリウムt-ブトキシドなどの塩基の存在下で式(3)の化合物と加熱することによる、式(4)(式中、LGは、ハロゲン又はSO2Meなどの適切な脱離基を表す)の化合物の求核芳香族置換反応を用いて調製される。反応は、典型的には40℃で行われる。
【0070】
式(3)のピラゾール化合物を形成するための条件は、アリールヒドラジンとのジケトンの縮合(Tetrahedron(2013),69(16),3459-3464に記載されているような)により、文献に記載されている。
【0071】
スキーム1
【化5】

或いは、式Iの化合物は、以下のスキーム2によって調製されてもよい。
【0072】
スキーム2:
【化6】
スキーム2において、式Iの化合物は、水素化ナトリウム又は水素化アルカリ土類金属、炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウム)又は水酸化物などの塩基の存在下、任意にヨウ化カリウムの存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、N,N-ジメチルホルムアミドDMF、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン又はアセトニトリルなどの不活性溶媒中、0~120℃の温度で、当業者に周知の手順により、式VIの化合物を式V(式中、LG1は、ハロゲン、好ましくはヨウ素、臭素又は塩素(又は偽ハロゲン脱離基、例えば(ハロ)アルキル又はフェニルスルホネートエステル、例えばトリフレート)である)の試薬と反応させることによって調製することができる。
【0073】
或いは、式Iの化合物は、銅ベースの触媒、例えばCuI又はテトラキス(アセトニトリル)銅(I)テトラフルオロボレートなどの金属触媒の存在下、任意にリガンド、例えば、類似の他のリガンドの中でも、trans-1,2-ビス(メチルアミノ)シクロヘキサン若しくはその塩(例えば、メタンスルホン酸塩)又は8-ヒドロキシキノリンの存在下、式VIの化合物を式V(式中、LG1は、ハロゲン、好ましくはヨウ素、臭素又は塩素(又は偽ハロゲン脱離基、例えば(ハロ)アルキル又はフェニルスルホネートエステル、例えばトリフレート)である)の化合物と反応させることによって調製されてもよい。反応は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン又はピリジン及び類似のその他などの塩基の存在下、アセトニトリル、1,4-ジオキサン又はピリジンなどの溶媒の存在下、任意にマイクロ波照射下で、室温~200℃の範囲の温度で行うことができる。
【0074】
或いは、式Iの化合物は、Chan Lamクロスカップリング反応条件下で、式VIの化合物と式Vaの化合物を反応させることによって調製されてもよい。そのような反応は、銅ベースの触媒、例えば酢酸銅又はヨウ化銅又は臭化銅及び類似のその他の存在下、塩基、例えばピリジン又は2,6-ルチジン及び類似のその他の存在下で行われる。反応は、ジクロロメタン、トルエン、アセトニトリルなどの溶媒の存在下、空気又は酸素の存在下、室温~200℃の範囲の温度で行うことができる。
【0075】
式VIの化合物は、式VII(式中、PGは、アミノ保護基、例えば、他のアミノ保護基の中でもアセチル、トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、tert-ブチルオキシカルボニル、ベンジル、p-メトキシベンジル(PMB)である)の化合物からの保護基脱保護反応によって調製することができる。このような反応は当業者に周知であり、例えば塩基触媒下、例えばアセチル基の脱保護の場合、水酸化ナトリウムを使用し、又は酸触媒下、例えばトリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、tert-ブチルオキシカルボニル若しくはp-メトキシベンジル(PMB)基の脱保護の場合、塩酸若しくは2,2,2-トリフルオロ酢酸を使用して行うことができる。
【0076】
式VIIの化合物は、脱炭酸反応を介して式VIII(式中、R12はC1~C4アルキル又はフェニルである)の化合物から調製することができる。反応は、塩基、例えばアルカリ土類金属水酸化物又は水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物を使用し、又は中でも塩酸水溶液、硫酸などの酸の存在下で行うことができる。反応は、一般に、水、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン又はジオキサンなどの溶媒、又は2つ以上の溶媒の組み合わせの存在下、室温~溶媒の沸点の範囲の温度で行われる。
【0077】
式VIII(式中、R12はC1~C4アルキル又はフェニルである)の化合物は、ナトリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウム又は水素化アルカリ土類金属、炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウム)又は水酸化物、又はリン酸カリウムなどのリン酸塩などの塩基の存在下、任意にヨウ化カリウムの存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、N,N-ジメチルホルムアミドDMF、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン又はアセトニトリルなどの不活性溶媒中、0~200℃の温度で、当業者に周知の手順により、式Xの化合物を式IX(式中、LG2は、ハロゲン、(又は偽ハロゲン脱離基、例えば(ハロ)アルキル又はフェニルスルホネートエステル、例えばトリフレート)である)の試薬と反応させることによって調製することができる。
【0078】
式Xの化合物は、式XIIの化合物と式XIの化合物(又はその塩酸塩又はトリフルオロ酢酸塩)(式中、PGは、アミノ保護基、例えば、他のアミノ保護基の中でもアセチル、トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、tert-ブチルオキシカルボニル、ベンジル、p-メトキシベンジル(PMB)である)との縮合反応によって調製することができる。このような反応は文献にて周知であり、任意に酢酸などの酸触媒の存在下で行うことができる。
【0079】
式XIIの化合物は、塩基の存在下、式XIV(式中、R11はC1~C4アルキル又はフェニルである)の化合物を式XIIIの化合物と反応させることによって調製することができる。このような反応はClaisen縮合反応の名称で知られ、当業者に周知である。反応は、他の塩基の中でも、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムテトラメチルピペリジン、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウムなどの塩基を使用して、テトラヒドロフラン、エタノール、メタノールなどの溶媒の存在下、-80℃~溶媒の沸点の範囲の温度で行うことができる。
【0080】
或いは、式Iの化合物は、以下のスキーム3によって調製されてもよい。
【0081】
スキーム3:
【化7】
スキーム3において、式-Iの化合物は、式XVの化合物からアルコールの還元を介して調製される。このようなアルコールの還元は文献に詳しく記載されており、LiAlH4、DIBAL-Hなどの還元剤を使用して、又はヨウ素及びイミダゾールの存在下でトリフェニルホスフィンを使用して、又はトリフルオロ酢酸の存在下でトリエチルシランを使用して行うことができる。式XVの化合物は、式XVI(式中、X1は、ハロゲン、好ましくは臭素又はヨウ素である)の化合物を有機金属試薬、例えば、他の金属酸(metallating)試薬の中でもBuLi又は塩化イソプロピルマグネシウム/LiCl複合体と反応させて中間体XVIa(式中、M(Ln)pは、リチウム又はマグネシウムなどの有機金属試薬由来の金属に対応し、(Ln)pは、クロロのようなその任意に置換されていてもよい基である)を形成し、次いで式XVIIの化合物と反応させることによって調製することができる。
【化8】
【0082】
式XVIIの化合物は、式XVIIIの化合物をブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基と反応させ、次いでDMFと反応させることによって調製することができる。反応は、一般にテトラヒドロフラン、トルエン、ヘプタンなどの溶媒の存在下、-80℃~溶媒の沸点の温度で行われる。このような反応は周知であり、文献に記載されている。式XVIIIの化合物は、ナトリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウム又は水素化アルカリ土類金属、炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウム)又は水酸化物、又はリン酸カリウムなどのリン酸塩などの塩基の存在下、任意にヨウ化カリウムの存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、N,N-ジメチルホルムアミドDMF、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン又はアセトニトリルなどの不活性溶媒中、0℃~溶媒の沸点の温度で、当業者に周知の手順により、式XIXの化合物と式XXの化合物(式中、LG3は、ハロゲンのような脱離基(又は偽ハロゲン脱離基、例えば(ハロ)アルキル又はフェニルスルホネートエステル、例えばトリフレートである)を反応させることによって調製することができる。このような反応は、文献にてSNAr反応の名称で公知である。
【0083】
或いは、式XVIIIの化合物は、Chan-Lamカップリングによって調製されてもよく、これは例えば、式XIXの化合物を式XXI(式中、Yb1は、例えばB(OH)2又はB(ORb12などのホウ素由来官能基であってもよく、Rb1はC1~C4アルキル基であってもよく、又は2つの基ORb1は、ホウ素原子と一緒になって5員環、例えばピナコールボロン酸エステルを形成してもよい)の化合物と反応させることを含む。反応は、ピリジン、炭酸ナトリウム、三リン酸カリウム又はフッ化セシウムのような塩基の存在下、例えばジオキサン、ジクロロメタン、アセトニトリル、N,N-ジメチル-ホルムアミド、1,2-ジメトキシエタンと水又はジオキサン/水、又はトルエン/水の混合物のような溶媒又は溶媒混合物中、不活性雰囲気下又は酸素雰囲気下又は空気下で、銅触媒、例えば、他の銅ベースの触媒の中でもCu(OAc)2、CuI、CuBr2、CuClによって触媒され得る。反応温度は、優先的には室温~反応混合物の沸点の範囲であり得、又は反応は、マイクロ波照射下で行われ得る。このようなChan-Lamカップリング反応は、当業者に周知である。
【0084】
以下の非限定的な実施例は、下記の表1に参照される本発明の代表的な化合物の特定の合成方法を提供する。
【0085】
実施例1 5-クロロ-2-[[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン(化合物1.001)の合成
工程1:エチル6,6,6-トリフルオロ-3,5-ジオキソ-ヘキサノエートの合成
【化9】
ジイソプロピルアミン(3.2mL、23mmol)のテトラヒドロフラン(19mL)溶液を窒素の雰囲気下に置き、氷上で冷却し、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)(9.2mL、23mmol)を滴加した。得られた淡黄色混合物を0℃で30分間撹拌したままにした。
【0086】
上記の混合物にアセト酢酸エチル(1.00mL、7.91mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した後、-78℃に冷却し、その後トリフルオロ酢酸エチル(1.20mL、10.1mmol)を滴加した。得られた反応混合物を3時間撹拌し、その間、これは約0℃に温まった。
【0087】
反応物を1M塩酸でクエンチし、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、濃縮してエチル6,6,6-トリフルオロ-3,5-ジオキソ-ヘキサノエートを得、これをさらに精製することなく使用した。
【0088】
工程2:エチル2-[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]アセテートの合成
【化10】
エチル6,6,6-トリフルオロ-3,5-ジオキソ-ヘキサノエートの酢酸(15mL)溶液を4-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジン(1.35g、7.66mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した後、水で希釈し、tert-ブチルメチルエーテルで抽出し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけてエチル2-[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]アセテートを橙色固体(1.708g、53%)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.96(d,2H),7.82(d,2H),6.98(s,1H),4.08(s,2H),3.95(q,2H),1.00(t,3H)
【0089】
工程3:エチル2-(5-クロロピリミジン-2-イル)-2-[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]アセテートの合成
【化11】
エチル2-[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]アセテート(109mg、0.2827mmol)、2,5-ジクロロピリミジン(210mg、1.41mmol)及びナトリウムtert-ブトキシド(189mg、1.91mmol)の混合物を窒素の雰囲気下に置き、スルホラン(1.4mL)で希釈した。この混合物を40℃に温め、2時間撹拌した。
【0090】
反応混合物を室温に冷却させ、水及びブラインで希釈し、tert-ブチルメチルエーテルで抽出し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけてエチル2-(5-クロロピリミジン-2-イル)-2-[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]アセテートを黄色油(110mg、65%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.69(s,2H),7.83-7.76(m,2H),7.71-7.66(m,2H),6.86(s,1H),5.40(s,1H),4.26-4.17(m,2H),1.21(t,3H)
【0091】
工程4:5-クロロ-2-[[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジンの合成
【化12】
エチル2-(5-クロロピリミジン-2-イル)-2-[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]アセテート(110mg、0.184mmol)のエタノール(0.6mL)溶液を脱イオン水(1.0mL)中の塩酸(6mol/L)で処理し、得られた混合物をマイクロ波放射線下で110℃に45分間照射した。
【0092】
この混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーにかけて5-クロロ-2-[[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジンをベージュ色固体(51mg、65%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.64(s,2H),7.80-7.70(m,4H),6.61(s,1H),4.38(s,2H)
【0093】
実施例2:5-ブロモ-2-[[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン(1.002)の調製
工程1:エチル2-(5-ブロモピリミジン-2-イル)-2-[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]アセテート(I1)の調製
【化13】
実施例1の調製における工程2で調製したエチル2-[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]アセテート(352mg、0.913mmol)及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(420μL、2.755mmol)のスルホラン(2.0mL)溶液に、5-ブロモ-2-クロロピリミジン(533mg、2.756mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物をさらなる1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(140μL、0.918mmol)及び5-ブロモ-2-クロロピリミジン(182mg、0.941mmol)で処理し、さらに2.5時間撹拌した。この混合物を水で希釈し、塩酸で酸性化し、tert-ブチルメチルエーテルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~20%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけてエチル2-(5-ブロモピリミジン-2-イル)-2-[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]アセテートI1(425mg、76%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.78(s,2H),7.79(d,2H),7.68(d,2H),6.86(s,1H),5.37(s,1H),4.26-4.17(m,2H),1.21(t,3H).
【0094】
工程2:5-ブロモ-2-[[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン(1.002)の調製
【化14】
エチル2-(5-ブロモピリミジン-2-イル)-2-[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]アセテートI1(425mg、0.691mmol)のメタノール(3.5mL)溶液に水酸化ナトリウム水溶液(2M、3.5mL、7.0mmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、水中50~100%アセトニトリル(両方とも0.1%ギ酸を有する)を使用するC-18シリカゲル上の逆相カラムクロマトグラフィーにかけて、5-ブロモ-2-[[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン1.002(259mg、79%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.73(s,2H),7.79-7.70(m,4H),6.61(s,1H),4.35(s,2H).
【0095】
実施例3:5-ブロモ-2-[[4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン(1.034)の調製
5-ブロモ-2-[[5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン1.002(154mg、0.307mmol)及びN-クロロスクシンイミド(50mg、0.367mmol)のアセトニトリル(1.5mL)溶液を80℃で7時間撹拌した。この混合物を冷却し、濃縮し、シクロヘキサン中0~40%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけて5-ブロモ-2-[[4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン1.034(103mg、66%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.80(s,2H),7.76-7.64(m,4H),5.38(s,2H).
【0096】
実施例4:5-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-カルボニトリル(1.025)の調製
【化15】
工程1:1-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-カルボニトリル(I2)の調製
【化16】
1H-ピラゾール-3-カルボニトリル(519mg、5.58mmol)、3,4-ジフルオロフェニルボロン酸(1.79g、10.8mmol)及び酢酸銅(II)(1.60g、8.81mmol)の混合物にジクロロメタン(11mL)及びピリジン(880μL、10.8mmol)を加え、反応混合物を室温で空気下で20時間急速に撹拌した。混合物を濃縮し、シクロヘキサン中0~40%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけて1-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-カルボニトリルI2(964g、80%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.93(d,1H),7.65-7.58(m,1H),7.47-7.41(m,1H),7.36-7.27(m,1H),6.88(d,1H).
【0097】
工程2:1-(3,4-ジフルオロフェニル)-5-ホルミル-ピラゾール-3-カルボニトリル(I3)の調製
【化17】
1-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-カルボニトリルI2(1.238g、5.73mmol)のテトラヒドロフラン(14.0mL)溶液にリチウムジイソプロピルアミド(THF/ヘプタン/エチルベンゼン中2.0M、4.6mL、9.2mmol)を-78℃で加え、得られた混合物を45分間撹拌した。次いで、この混合物にN,N-ジメチルホルムアミド(0.9mL、10mmol)を加え、混合物を1時間撹拌した。混合物を1M塩酸でクエンチし、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~40%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけて1-(3,4-ジフルオロフェニル)-5-ホルミル-ピラゾール-3-カルボニトリルI3(638mg、45%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=9.88(s,1H),7.46(s,1H),7.45-7.34(m,2H),7.30-7.27(m,1H).
【0098】
工程3:5-[(5-クロロピリミジン-2-イル)-ヒドロキシ-メチル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-カルボニトリル(I4)の調製
【化18】
5-クロロ-2-ヨードピリミジン(387mg、1.61mmol)のトルエン(7mL)溶液にn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、0.55mL、1.4mmol)を-78℃で加えた。得られた混合物を15分間撹拌した後、1-(3,4-ジフルオロフェニル)-5-ホルミル-ピラゾール-3-カルボニトリルI3(285mg、1.16mmol)のトルエン(4mL)溶液で処理し、さらに45分間撹拌した。この混合物を0.5M塩酸でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~40%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけて5-[(5-クロロピリミジン-2-イル)-ヒドロキシ-メチル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-カルボニトリルI4(232mg、52%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.74(s,2H),7.68(ddd,1H),7.56-7.50(m,1H),7.36-7.29(m,1H),6.46(s,1H),5.85(d,1H),4.62(d,1H).
【0099】
工程4:5-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-カルボニトリル(1.025)の調製
【化19】
5-[(5-クロロピリミジン-2-イル)-ヒドロキシ-メチル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-カルボニトリルI4(232mg、0.60mmol)、イミダゾール(70mg、1.03mmol)及びトリフェニルホスフィン(404mg、1.51mmol)のテトラヒドロフラン(4.6mL)溶液に、ヨウ素(208mg、0.82mmol)のテトラヒドロフラン(1.2mL)溶液を滴加した。この混合物を5分間撹拌した後、チオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~40%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけた。生成物に富んだ画分を濃縮し、水中50~100%アセトニトリル(両方とも0.1%ギ酸を有する)を使用するC-18シリカゲル上の逆相カラムクロマトグラフィーにかけて、5-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-カルボニトリル1.025(148mg、71%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.64(s,2H),7.53-7.45(m,1H),7.36-7.27(m,2H),6.72(s,1H),4.34(s,2H).
【0100】
実施例5:4-[5-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ベンゾニトリル(1.007)の調製
【化20】
工程1:エチル6,6,6-トリフルオロ-3,5-ジオキソ-ヘキサノエート(I5)の調製
【化21】
250mL丸底フラスコ内のジイソプロピルアミン(22mL、157mmol)のTHF(110mL)の氷冷溶液に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、65mL、160mmol)を約30分間かけて加えた。この混合物を30分間撹拌し、アセト酢酸エチル(6.8mL、54mmol)を滴下して処理し、さらに0℃で45分間撹拌した。次いで、反応混合物を-78℃に冷却し、トリフルオロ酢酸エチル(8.3mL、70mmol)を滴下して処理し、3時間撹拌した。混合物を塩酸でクエンチし、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を乾燥し、濃縮して、得られた油としてI5を得、これをそのままで次の工程で使用した。
【0101】
工程2:エチル2-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]アセテート(I6)の調製
【化22】
工程1で調製したI5の100mL丸底フラスコ内の酢酸(90mL)溶液に、(4-メトキシベンジル)ヒドラジン塩酸塩(10.56g、54.29mmol)を加え、得られた混合物を室温で1.5時間撹拌したままにした。混合物をtert-ブチルメチルエーテルで希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~30%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけてエチル2-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]アセテートI6(11.97g、収率59%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.10-7.04(m,2H),6.88-6.83(m,2H),6.50(s,1H),5.35(s,2H),4.12(q,2H),3.79(s,3H),3.54(s,2H),1.24(t,3H).
【0102】
工程3:エチル2-(5-クロロピリミジン-2-イル)-2-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]アセテート(I7)の調製
【化23】
250mL丸底フラスコ内のエチル2-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]アセテートI6(4.22g、11.71mmol)のDMSO(40mL)溶液に、2,5-ジクロロピリミジン(3.71g、24.9mmol)及び三塩基性リン酸カリウム(7.86g、36.3mmol)を加え、反応混合物を60℃で3.5時間撹拌した。混合物を室温で一晩静置し、次いで60℃でさらに1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、tert-ブチルメチルエーテルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~40%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけてエチル2-(5-クロロピリミジン-2-イル)-2-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]アセテートI7(5.19g、収率73%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.55(s,2H),6.98-6.92(m,2H),6.79-6.74(m,2H),6.69(s,1H),5.45-5.31(m,3H),4.20-4.11(m,2H),3.77(s,3H),1.21-1.16(m,3H).
【0103】
工程4:5-クロロ-2-[[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン(I8)の調製
【化24】
250mL丸底フラスコ内のエチル2-(5-クロロピリミジン-2-イル)-2-[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]アセテートI7(5.19g、8.56mmol)のメタノール(40mL)溶液に2M水酸化ナトリウム(40mL)を加え、反応混合物を60℃で1.5時間撹拌した。この混合物を室温に冷却し、半分の体積まで濃縮した。次いで、残留物を塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を乾燥し、濃縮して5-クロロ-2-[[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジンI8(3.92g、定量的収率)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.55(s,2H),7.05-6.95(m,2H),6.84-6.75(m,2H),6.47(s,1H),5.40(s,2H),4.22(s,2H),3.78(s,3H).
【0104】
工程5:5-クロロ-2-[[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル]メチル]ピリミジン(I9)の調製
【化25】
100mL丸底フラスコ内の5-クロロ-2-[[2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジンI8(3.92g、8.56mmol)の2,2,2-トリフルオロ酢酸(14mL)溶液を90℃で1時間撹拌した。この混合物を室温に冷却し、重炭酸ナトリウム水溶液にゆっくり移し、次いで酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~60%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけて、5-クロロ-2-[[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル]メチル]ピリミジンI9(2.365g、収率98%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.70(s,2H),6.49(s,1H),4.41(s,2H).
【0105】
工程6:4-[5-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ベンゾニトリル(1.007)の調製
5-クロロ-2-[[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル]メチル]ピリミジンI9(101mg、0.346mmol)、(4-シアノフェニル)ボロン酸(126mg、0.857mmol)及び酢酸銅(II)(101mg、0.556mmol)の混合物にモレキュラーシーブ4Å、ジクロロメタン(2.3mL)及びピリジン(55μL、0.676mmol)を加え、反応混合物を室温で空気下で24時間急速に撹拌した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~40%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけた。生成物に富んだ画分を濃縮し、水中40~100%アセトニトリル(両方とも0.1%ギ酸を有する)を使用するC-18シリカゲル上の逆相カラムクロマトグラフィーにかけて、5-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-カルボニトリル1.007(11mg、8%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.64(s,2H),7.83-7.75(m,4H),6.63(s,1H),4.39(s,2H).
【0106】
実施例6:5-クロロ-2-[[2-(p-トリル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン(1.037)の調製
5-クロロ-2-[[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル]メチル]ピリミジンI9(46mg、0.158mmol)、4-ヨードトルエン(76mg、0.349mmol)、ヨウ化銅(I)(4mg、0.021mmol)、trans-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミンビス-(メタンスルホン酸)(25mg、0.075mmol)及び炭酸カリウム(71mg、0.514mmol)の1,4-ジオキサン(0.6mL)中の縣濁液をマイクロ波照射下で150℃に5時間照射した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~40%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけた。生成物に富んだ画分を濃縮し、水中40~100%アセトニトリル(両方とも0.1%ギ酸を有する)を使用するC-18シリカゲル上の逆相カラムクロマトグラフィーにかけて、5-クロロ-2-[[2-(p-トリル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン1.037(9mg、15%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.62(s,2H),7.39-7.34(m,2H),7.28-7.23(m,2H),6.53(s,1H),4.32(s,2H),2.41(s,3H).
【0107】
実施例7:5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン1.026の調製。
工程1:tert-ブチルN-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)カルバメートI10-aの調製。
【化26】
5-ブロモ-2-クロロ-3-フルオロピリジン(1.06g、5.04mmol)、tert-ブチルカルバメート(768mg、6.56mmol)、酢酸パラジウム(II)(40mg、0.173mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(182mg、0.305mmol)及び炭酸カリウム(1.33g、9.62mmol)の混合物に1,4-ジオキサン(12mL)を加え、この混合物を110℃で7時間撹拌した。混合物を冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~40%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけてtert-ブチルN-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)カルバメートI10-a(1.062g、収率77%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.06(br d,1H),7.98(d,1H),6.64(br s,1H),1.53(s,9H).
【0108】
工程2:6-クロロ-5-フルオロ-ピリジン-3-アミントリフルオロ酢酸塩I10-bの調製。
【化27】
tert-ブチルN-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)カルバメートI10-a(1.062g、3.875mmol)のジクロロメタン(8mL)溶液にトリフルオロ酢酸(3.0mL、39mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。完了後、混合物を濃縮して濃縮して6-クロロ-5-フルオロ-ピリジン-3-アミントリフルオロ酢酸塩I10-bを得られたゴムとして得、これをそのままで次の工程に使用した。
【0109】
工程3:(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)ヒドラジン;塩酸塩I10-cの調製。
【化28】
工程2で調製したI10-bの塩酸水溶液(6.5mL、6M)中の溶液に亜硝酸ナトリウム(284mg、4.116mmol)の水(2mL)溶液を0℃で加えた。得られた混合物を15分間撹拌し、塩化スズ(1.96g、10.3mmol)の塩酸水溶液(6.5mL、6M)中の溶液で処理した。得られた混合物を0℃で15分間撹拌した。完了後、混合物を水酸化ナトリウム水溶液で塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を乾燥し、濃縮した。残留物をtert-ブチルメチルエーテルに再溶解し、塩酸(EtOH中1.25M、3.5mL、4.4mmol)で処理した。この混合物を1時間撹拌し、沈殿を濾過により収集して(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)ヒドラジン塩酸塩I10-c(558mg、収率69%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.83(br s,3H),8.96(br s,1H),7.99-7.94(m,1H),7.58-7.47(m,1H).
【0110】
工程4:エチル2-[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]アセテートI11の調製。
【化29】
(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)ヒドラジン塩酸塩I10-c(242mg、1.161mmol)の塩酸水溶液(6mL、6M)中の溶液にエチル6,6,6-トリフルオロ-3,5-ジオキソ-ヘキサノエートI5(688mg、1.947mmol)のエタノール(6mL)溶液を加え、この混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~30%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけてエチル2-[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]アセテートI11(233mg、収率34%、純度60%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.42(d,1H),7.80(dd,1H),6.72(s,1H),4.18(q,2H),3.75(s,2H),1.26(t,3H).
【0111】
工程5:エチル2-[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]-2-(5-クロロピリミジン-2-イル)アセテートI12の調製。
【化30】
エチル2-[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]アセテートI11(370mg、0.631mmol)及び2,5-ジクロロピリミジン(366mg、2.457mmol)のジメチルスルホキシド(2.0mL)溶液に三塩基性リン酸カリウム(693mg、3.20mmol)を加え、この混合物を80℃で1時間撹拌した。混合物を冷却し、0.5M塩酸で希釈し、tert-ブチルメチルエーテルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~25%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけて、エチル2-[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]-2-(5-クロロピリミジン-2-イル)アセテートI12(174mg、収率47%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.70(s,2H),8.50(d,1H),7.86(dd,1H),6.91(s,1H),5.35(s,1H),4.30-4.17(m,2H),1.23(t,3H).
【0112】
工程6:5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン1.026の調製。
【化31】
エチル2-[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]-2-(5-クロロピリミジン-2-イル)アセテートI12(309mg、0.585mmol)のテトラヒドロフラン(2.5mL)溶液に塩酸水溶液(6M、2.5mL、15mmol)を加え、この混合物をマイクロ波照射下で150℃で40分間加熱した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、水中50~100%アセトニトリル(両方とも0.1%ギ酸を有する)を使用するC-18シリカゲル上の逆相カラムクロマトグラフィーにかけた。生成物に富んだ画分を濃縮し、シクロヘキサン中0~40%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけて5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン1.026(180mg、収率74.61%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.65(s,2H),8.60(d,1H),7.95(dd,1H),6.65(s,1H),4.38(s,2H).
【0113】
実施例8:5-クロロ-2-[[5-(ジフルオロメチル)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン1.032の調製
工程1:エチル6,6-ジフルオロ-3,5-ジオキソ-ヘキサノエートI13-aの調製。
【化32】
リチウムジイソプロピルアミン(THF/ヘプタン/エチルベンゼン中2.0M、45mL、90mmol)THF(50mL)の氷冷溶液にアセト酢酸エチル(3.9mL、31mmol)を滴加し、この混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を-78℃に冷却し、エチルジフルオロアセテート(4.2mL、40mmol)を滴下して処理し、2時間撹拌した。混合物を塩酸でクエンチし、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を乾燥し、濃縮して、得られた油としてI13-aを得、定量的変換を仮定してこれをそのままで次の工程で使用した。
【0114】
工程2:エチル2-[5-(ジフルオロメチル)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-イル]アセテートI13-bの調製。
【化33】
50mL丸底フラスコ内のエチル6,6-ジフルオロ-3,5-ジオキソ-ヘキサノエートI13-a(1.6g、7.75mmol)の酢酸(12.5mL)溶液を3,4-ジフルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(1.44g、7.97mmol)で処理し、室温で20時間撹拌したままにした。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中0~40%酢酸エチル)にかけた。生成物を含む画分を合わせ、真空下で濃縮してエチル2-[5-(ジフルオロメチル)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-イル]アセテートI13-b(1.299g、純度70%、収率37.1%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=7.44-7.20(m,3H),6.70(t,1H),6.63(s,1H),4.16(q,2H),3.70(s,2H),1.25(t,3H).
【0115】
工程3:エチル2-(5-クロロピリミジン-2-イル)-2-[5-(ジフルオロメチル)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-イル]アセテートI14の調製。
【化34】
エチル2-[5-(ジフルオロメチル)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-イル]アセテートI13-b(318mg、0.704mmol)及び2,5-ジクロロピリミジン(251mg、1.685mmol)のジメチルスルホキシド(2.0mL)溶液に三塩基性リン酸カリウム(572mg、2.641mmol)を加え、この混合物を80℃で1.5時間撹拌した。混合物を冷却し、塩酸で酸性化し、水で希釈し、tert-ブチルメチルエーテルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~30%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけてエチル2-(5-クロロピリミジン-2-イル)-2-[5-(ジフルオロメチル)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-イル]アセテートI14(260mg、収率60%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.68(s,2H),7.45-7.26(m,3H),6.76(s,1H),6.70(t,1H),5.35(s,1H),4.26-4.18(m,2H),1.22(t,3H).
【0116】
工程4:5-クロロ-2-[[5-(ジフルオロメチル)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン1.032の調製。
【化35】
エチル2-(5-クロロピリミジン-2-イル)-2-[5-(ジフルオロメチル)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)ピラゾール-3-イル]アセテートI14(304mg、0.496mmol)のメタノール(3mL)溶液に水酸化ナトリウム水溶液(2M、3mL)を加え、この混合物を室温で17時間撹拌した。混合物を塩酸で酸性化し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、水中50~100%アセトニトリル(両方とも0.1%ギ酸を有する)を使用するC-18シリカゲル上の逆相カラムクロマトグラフィーにかけて、5-クロロ-2-[[5-(ジフルオロメチル)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾール-3-イル]メチル]ピリミジン1.032(135mg、収率72%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.64(s,2H),7.53-7.46(m,1H),7.36-7.22(m,2H),6.69(t,1H),6.53(s,1H),4.34(s,2H).
【0117】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】

【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【0118】
生物学的実施例
様々な試験種:オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)(AMAPA)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)(IPOHE)の種子を、ポット中の標準的な土壌に播種する。温室(24/16℃、昼/夜;14時間光;65%湿度)の中で制御された条件下で、1日の培養後(発芽前)又は8日間の培養後(発芽後)、0.5%のTween 20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、CAS RN 9005-64-5)を含有するアセトン/水(50:50)溶液中の技術的有効成分の配合物から得られる水性噴霧溶液を植物に噴霧する。特に記載しない限り、化合物は、250g/haで施用される。その後、試験植物を、温室(24/16℃、昼/夜;14時間光;65%湿度)の中の制御された条件下で、温室で栽培し、1日に2回水やりした。発芽前及び発芽後について13日後、試験を、植物に生じた損傷パーセンテージについて評価する。生物学的活性が、5段階評価で以下の表に示される(5=81~100%;4=61~80%;3=41~60%;2=21~40%;1=0~20%)。
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【国際調査報告】