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特表2024-544657自動眼科手術システムのテストおよび較正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】自動眼科手術システムのテストおよび較正
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/008 20060101AFI20241126BHJP
   A61F 9/007 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
A61F9/008 120C
A61F9/007 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532701
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-17
(86)【国際出願番号】 IB2022061642
(87)【国際公開番号】W WO2023100128
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/286,048
(32)【優先日】2021-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524204137
【氏名又は名称】ベルキン ビジョン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100219003
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 敢行
(72)【発明者】
【氏名】サックス ザカリー シェーン
(72)【発明者】
【氏名】ホレッシュ ウラジミール
(57)【要約】
【課題】システム(20)は、放射線ビーム(52)を放射するように構成される放射線源(48)と、一つ以上のビーム指ビームを向けるように構成されるビーム指向素子(49)と、ビームが衝突するカード上の部位での変容を受けるように構成されるカード(22)と、カードの一つ以上のイメージを取得するように構成されるカメラ(54)と、コントローラ(44)を備える。
コントローラは、イメージ処理に応じて、イメージを処理し、カメラの視野(72)内における一つ以上の目標点(74)にビームを向けるようにビーム指向素子を制御し、それによりカード上の一つ以上の照射位置(76)でカードの外観の変化を引き起こす。
他の実施形態も説明される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線ビームを放射するように構成される放射線源と、
ビームを向けるように構成される一つ以上のビーム指向素子と、
前記ビームが衝突するカード上の部位での永久的な変容を受けるように構成される前記カードと、
前記カードの一つ以上のイメージを取得するように構成されるカメラと、
コントローラであって、
前記イメージを処理し、
前記イメージの処理に応じて、前記カメラの視野(FOV)内における一つ以上の目標点に前記ビームを向けるように前記ビーム指向素子を制御し、それにより前記カード上の一つ以上の照射位置で前記カードの外観の変化を引き起こすように構成される前記コントローラと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記カードは、ポリマーを含む
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記カードは、透明ガラスを含む
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記変容は、色の変化を含む
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記カードは、放射ビームに応じて、色の前記変化を受けるように構成される感光色素を含む
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記カードは、放射ビームで加熱されることに応じて、色の前記変化を受けるように構成される温度感知する材料を含む
請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記カードは、前記部位においてそれぞれのホールを形成する前記ビームの力による前記変容を受けるように構成される
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記カードに関して、前記イメージの取得の間で前記カメラを移動するようにさらに構成される
請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記カメラに関して、前記カードを前記イメージの取得の間で前記カードを移動するように構成されるジグをさらに備える
請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
光学ユニットと、
制御機構を有するXYZステージユニットであって、前記光学ユニットが、前記カメラを含み、ユーザによって、前記制御機構を使用することにより、前記イメージの取得の間で移動可能なように前記XYZステージユニット上に固定される前記XYZステージユニットと
をさらに備える
請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記カードは、一つ以上のマーキングを含み、
前記イメージのそれぞれのため、前記コントローラは、
前記イメージ内で少なくとも一つの前記マーキングを識別し、
前記少なくとも一つの前記マーキングの識別に応じて、前記ビーム指向素子を制御するように構成される、
請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記イメージのそれぞれのために、前記コントローラは、前記識別されるマーキングの一つにおけるそれぞれの一つの前記ビームに向けるように前記ビーム指向素子を制御するように構成される
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記マーキングは、形状に関してヒトの虹彩をシミュレートする虹彩形状のマーキングを含み、
前記イメージのそれぞれのため、前記コントローラは、
前記イメージ内で前記虹彩形状のマーキングを識別し、
それぞれの一つの前記目標点を前記虹彩形状のマーキングを参照して計算し、
前記計算される一つの前記目標点でそれぞれの一つに前記ビームを向けるように前記ビーム指向素子を制御するように構成される
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記虹彩形状のマーキングを囲む前記カードの背景は、背景の外観を有し、
前記虹彩形状のマーキングの周囲に沿う少なくとも一つの位置で、前記背景の外観と前記虹彩形状のマーキングにおける外観の移行は、少なくとも0.1mm以上発生する
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記虹彩形状のマーキングを囲む前記カードの背景は、外観の背景を有し、
前記虹彩形状のマーキングの周囲に沿う少なくとも一つの位置で、前記外観の背景と前記虹彩形状のマーキングにおける外観の移行は、少なくとも0.1mm未満発生する
請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、
前記カードの別のイメージ内の前記照射位置を識別し、
前記照射位置の識別に応じて、一つの前記照射位置と、前記照射位置の検出される前記目標点に衝突したビームの前記目標点との間の距離を算出し、
前記距離に応じて出力と通信するようにさらに構成される
請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、
前記ビーム指向素子を制御する前に、前記カードの別のイメージを一つ以上の重ねられるターゲットマーカと共に表示し、
ユーザから、前記重ねられるターゲットマーカのそれぞれの位置の調整を受信し、
前記調整される位置に応じて、前記目標点を定義するようにさらに構成される
請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記目標点において、前記照射位置を示す、前記カードの別のイメージを、一つ以上の重ねられるターゲットマーカと共に表示するようにさらに構成される
請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記カードは、
形状に関してヒトの虹彩をシミュレートする虹彩形状のマーキングと、
前記虹彩形状のマーキングを囲み、前記目標点を通り抜ける弧状のターゲットマーカ
と、を含む重ねられるターゲットマーカと、
を有する
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
放射線ビームが衝突するカード上の部位での永久的な変容を受けるように構成される前記カードをジグに結合することと、
コントローラにコマンドを入力することによって、テスト処理を開始することと、
を備え、
前記テスト処理の間前記コントローラは、
前記カードが前記ジグに結合している間にカメラによって取得される前記カードの一つ以上のイメージを処理し、
前記イメージの処理に応じて、前記カメラの視野(FOV)内における一つ以上の目標点にビームを向けるように一つ以上のビーム指向素子を制御し、それにより前記カード上の一つ以上の照射位置で前記カードの外観の変化を引き起こす
方法。
【請求項21】
前記カードは、ポリマーを含む
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記カードは、透明ガラスを含む
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記変容は、色の変化を含む
請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記カードは、放射ビームに応じて、色の前記変化を受けるように構成される感光色素を含む
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記カードは、放射ビームで加熱されることに応じて、色の前記変化を受けるように構成される温度感知する材料を含む
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記カードは、前記部位においてそれぞれのホールを形成する前記ビームの力による前記変容を受けるように構成される
請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記テスト処理の間、前記コントローラは、前記カードに関して、前記イメージの取得の間で前記カメラを移動する
請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記テスト処理の間、前記カメラに関して、前記カードを前記イメージの取得の間で前記カードを移動する
請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
光学ユニットは、前記カメラを含み、制御機構を有するXYZステージ上に固定され、
前記制御機構を使用することにより、前記光学ユニットが、前記イメージの取得の間で移動することをさらに含む
請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記カードは、一つ以上のマーキングを含み、
前記イメージのそれぞれのため、前記コントローラは、
前記イメージ内で少なくとも一つの前記マーキングを識別し、
前記少なくとも一つの前記マーキングの識別に応じて、前記ビーム指向素子を制御する、
請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記イメージのそれぞれのため、前記コントローラは、前記識別されるマーキングの一つにおけるそれぞれの一つに前記ビームを向けるように前記ビーム指向素子を制御する
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記マーキングは、形状に関してヒトの虹彩をシミュレートする虹彩形状のマーキングを含み、
前記イメージのそれぞれのため、前記コントローラは、
前記イメージ内で前記虹彩形状のマーキングを識別し、
それぞれの一つの前記目標点を前記虹彩形状のマーキングを参照して計算し、
前記計算される一つの前記目標点でそれぞれの一つに前記ビームを向けるように前記ビーム指向素子を制御する
請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記虹彩形状のマーキングを囲む前記カードの背景は、外観の背景を有し、
前記虹彩形状のマーキングの周囲に沿う少なくとも一つの位置で、前記外観の背景と前記虹彩形状のマーキングにおける外観の移行は、少なくとも0.1mm以上発生する
請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記虹彩形状のマーキングを囲む前記カードの背景は、外観の背景を有し、
前記虹彩形状のマーキングの周囲に沿う少なくとも一つの位置で、前記外観の背景と前記虹彩形状のマーキングにおける外観の移行は、少なくとも0.1mm未満発生する
請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記コントローラは、
前記テスト処理の間、前記カードの別のイメージ内の前記照射位置を識別し、
前記照射位置の識別に応じて、一つの前記照射位置と、前記照射位置の検出される前記目標点に衝突したビームの前記目標点との間の距離を算出し、
前記距離に応じて出力と通信する
請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記テスト処理を開始する前に、前記カードの別のイメージを一つ以上の重ねられるターゲットマーカのそれぞれの位置を調整し、
前記テスト処理の間、前記コントローラは、前記調整される位置に応じて、前記目標点を定義することをさらに備える
請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記テスト処理の間、前記コントローラは、前記目標点において、前記照射位置を示す、前記カードの別のイメージを、一つ以上の重ねられるターゲットマーカと共に表示する
請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記カードは、
形状に関してヒトの虹彩をシミュレートする虹彩形状のマーキングと、
前記虹彩形状のマーキングを囲み、前記目標点を通り抜ける弧状のターゲットマーカ
と、を含む重ねられるターゲットマーカと、
を有する
請求項37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は2021年12月5日に出願された米国仮出願番号63/286,048の利益を主張し、開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、自動線維柱帯形成術、虹彩切開術、嚢切開術方法などの自動レーザ眼科手術に関する。
【背景技術】
【0003】
Sacksらとの共同譲渡された米国特許11,382,794は、放射線源およびコントローラを含むシステムを説明する。
コントローラは、患者の目の画像における生のシーケンスを表示し、画像のシーケンスを表示している間、画像内で視認できる一つ以上の照準ビームと共に放射線源が目に照射する原因となるように構成される。
コントローラは、さらに、放射線源が目に照準ビームを照射する原因となることに続いてユーザから確認入力を受信し、確認入力の受信に応答して、放射線源が目の目標領域のそれぞれに複数の治療ビームを照射する原因となることで目を治療するように構成される。
【0004】
共同譲渡されたSacksおよびBelkinとの共同米国出願公報2022/0125641は、目の虹彩内の目標部位を照射するように構成されるレーザを含むシステムと、コントローラを含むシステムを説明する。
コントローラは、少なくとも一部の虹彩における一つ以上の画像内で、目標部位を通る液体の流れの兆候を特定し、および兆候の特定に応じて、レーザが目標部位をさらに照射することを妨げるように構成される。
【0005】
共同譲渡されたSacksおよびBelkinとの共同国際特許出願公報WO/2022/018525は、放射線源と、コントローラを含むシステムを説明する。
コントローラは、治療ゾーン内の複数の目標領域を、複数の反復処置のそれぞれ一つの間、カプセルの少なくとも一部の画像を取得することと、取得される画像に基づいて目標領域の一つを指定することと、放射線源に指定される目標領域へ照射させることを含む、反復処置で照射することによって、物体の目の被膜上における治療ゾーンを定義し、被膜内に開口を形成し、その後治療ゾーンを定義するように構成される。
【0006】
米国特許7,456,949は、方法、システム、および、患者の目の角膜を選択的に切除するためのエキシマレーザシステムのようなレーザ切除システム用の装置を説明し、レーザ眼科手術の間に目の位置を測定する視線追跡カメラの位置合わせを促進する。
視線追跡カメラを有する走査型レーザビーム伝送システム用の較正および位置合わせ取り付け具は、治療面内で位置決め可能な構造を含むことができる。
構造は、そこに入射するレーザエネルギを較正エネルギセンサへ誘導する特徴と、レーザビームの特性(形状、次元、など)を判定するための少なくとも一つの参照端部と、視線追跡カメラとレーザシステムの配置を判定するための人口瞳孔を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のいくつかの実施形態に従って、放射線ビームを放射するように構成される放射線源、ビームを向けるように構成される一つ以上のビーム指向素子、ビームが衝突するカード部位での変容を受けるように構成されるカード、カードの一つ以上のイメージを取得するように構成されるカメラ、およびコントローラを含むシステムが提供される。
コントローラは、イメージの処理に応じて、カメラの視野(FOV)内における一つ以上の目標点にビームを向け、それによりカードの外観がカード上における一つ以上の照射位置での変化の原因となるように、イメージを処理し、ビーム指向素子を制御するように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態において、カードは、ポリマーを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、カードは、透明なガラスを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、カードは放射ビームに応じて発光することによる変容を受けるように構成される発光材料を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、変容は、色の変化を含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、カードは、放射ビームに応じて色が変化するように構成される感光色素を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、カードは、放射ビームで加熱されることに応じて色の変化を受けるように構成される温度感知する材料を含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、カードは、部位でビームがそれぞれのホールを形成する力による変容を受けるように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態において、コントローラは、さらに、カードに関してイメージの取得の間でカメラを移動するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態において、システムは、さらに、カードに関してイメージの取得の間でカメラを移動するように構成されるジグを含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、システムは、さらに、
光学ユニットと、
制御機構を有するXYZステージユニットと、を備え、
光学ユニットは、カメラを有し、ユーザによって移動可能となるように、制御機構を利用して、イメージの取得の間でXYZステージユニット上に固定される。
【0018】
いくつかの実施形態では、カードは、一つ以上のマーキングを含み、それぞれのイメージのために、コントローラは、
イメージ内の少なくとも一つのマーキングを識別し、
少なくとも一つを識別することに応じて、ビーム指向素子を制御するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、それぞれのイメージのために、コントローラは、識別されるマーキングの一つにそれぞれのビームの一つを向けるように、ビーム指向素子を制御するように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、マーキングは、形状に関してヒトの虹彩をシミュレートする虹彩形状のマーキングを含み、それぞれのイメージのために、コントローラは、
イメージの中から虹彩形状のマーキングを識別し、
虹彩形状のマーキングを参照して目標点のそれぞれの一つを計算し、
計算される目標点の一つにそれぞれのビームの一つを向けるように、ビーム指向素子を制御するように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、虹彩形状のマーキングを囲むカードの背景は、背景の外観を有し、
虹彩形状のマーキングの周囲に沿った少なくとも一つの位置において、背景の外観と虹彩形状のマーキングの外観との間における移行は、少なくとも0.1mm以上発生する。
【0022】
いくつかの実施形態では、虹彩形状のマーキングを囲むカードの背景は、背景の外観を有し、
虹彩形状のマーキングの周囲に沿った少なくとも一つの位置において、背景の外観と虹彩形状のマーキングの外観との間における移行は、少なくとも0.1mm未満発生する。
【0023】
いくつかの実施形態では、コントローラは、さらに、
カードの別のイメージ内における照射位置を識別し、
照射位置の識別に応じて、照射位置の一つと、照射位置上に衝突したビームが検出される目標点の間の距離を計算し、
距離に応じて出力を通信する
ように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、コントローラは、さらに、
ビーム指向素子を制御する前に、カードの別のイメージを一つ以上の重ねられるターゲットマーカと共に表示し、
ユーザから、重ねられるターゲットマーカの位置ごとの調整を受信し、
調整される位置に応じて、目標点を定義する
ように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、コントローラは、さらに、照射位置を示す、カードの別の画像を、目標点における一つ以上の重ねられるターゲットマーカと共に、表示するように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、カードは、形状に関してヒトの虹彩をシミュレートする虹彩形状のマーキングと、
重ねられるターゲットマーカは、虹彩形状のマーキングを囲み、目標点を通り抜ける弧状のターゲットマーカと、を含む。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態に従って、
放射ビームが衝突するカード上の部位での変容を受けるように構成される、カードをジグに連結することと、
コントローラにコマンドを入力することによって、コントローラは、カードがジグに連結される間にカメラによって得られたカードの一つ以上のイメージを処理する間にテスト処理を開始し、イメージの処理に応じて、一つ以上のビーム指向素子をカメラの視野(FOV)内における一つ以上の目標点にビームを向け、それによりカードの外観がカード上における一つ以上の照射位置での変化の原因となるように制御すること
を含む方法がさらに提供される。
【0028】
本発明は、実施形態の詳細な説明および図面と共に参照することからより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科外科システムの概略図である。
図2図2は、本発明のいくつかの実施形態による、カードの概略図である。
図3図3は、本発明のいくつかの実施形態による、カードを保持しているジグの概略図である。
図4図4は、本発明のいくつかの実施形態による、目標点定義に使用するためのイメージの概略図である。
図5図5は、本発明のいくつかの実施形態による、カード上の照射位置を示すイメージの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[概要]
【0031】
背景技術の欄で引用される共同譲渡された特許および公報で説明されるような、いくつかの自動眼科外科システムは、目のイメージを処理することにより、目の目標点を特定し、特定される目標点に放射ビームを向けるように構成されるコントローラを含む。
このようなシステムのため、ときどき、目標点が特定されることおよび放射ビームが検出される精度のテストは重要であることができる。
精度が不十分な場合、システムは較正が必要であることができる。
【0032】
仮に、ビームプロファイラは、システムのテストおよび較正に使用されることができる。
しかし、ビームプロファイラは、外科処理の間に照射される目標点の典型的なパターンを収容するには小さすぎることができる。
代替的または追加的に、ビームプロファイラは、放射ビームの典型的な強度を収められないことになり得る。
さらに、ビームプロファイラの外観は、目の外観と非常に異なり得るものであり、ビームプロファイラがコントローラのイメージ処理機能性の適切なテストを促進することができない可能性のあるものである。
【0033】
それゆえに、本発明の実施形態は、自動眼科外科システムのテストおよび較正に使用するためのカードを提供する。
カードは、放射ビームが衝突するカード上の部位の変容を受けるように構成され、例えば、ビームは、カードの色を変化することまたはカード内にホールを形成することができる。
それゆえに、カード上における一つ以上の部位の照射後、これらの部位が意図される目標点と一致するかを(自動または手動で)確認されることができる。
そうでない場合、システムは、望まれる精度が達成されるまで、反復的にシステムを調整することと、(必要である場合には一つ以上の追加のカードを使用して)テストを繰り返すことによって、較正されることができる。
【0034】
有利なことに、カードは、目標点の典型的なパターンおよび典型的なビーム強度を収めることができる。
さらに、カードは、カードのイメージが目のイメージと同じように見えることができるように、模擬虹彩と、選択的に模擬辺縁を含むことができる。
従って、システムの精度テストにおいて、模擬外科処理は、カードが目であるとして、カード上で実施されることができる。
【0035】
[システムの説明]
【0036】
本発明のいくつかの実施形態に従って、眼科外科システム20の概略図である図1を最初に参照する。
【0037】
システム20は、放射線ビーム52を放射するように構成される放射線源48を含む。
例えば、放射線源48は、周波数倍化パッシブまたはアクティブQスイッチNd:YAGレーザなど、レーザ放射線ビームを放射するように構成されるレーザを含むことができる。
レーザの代替的または追加的に、放射線源は、発光ダイオード(LEDs)の配列、レーザダイオードの配列、および/または電光フラッシュランプを含むことができる。
【0038】
いくつかの実施例において、ビーム52は、可視光を含む。
代替的または追加的に、ビームは、マイクロ波放射線、赤外放射線、X線放射線、ガンマ放射線、または紫外放射線などの不可視の電磁放射線を含むことができる。
いくつかの実施例において、ビームの波長は、200から11000nmの間、例えば、500から850nm、520から540nmなど、例えば532nmである。
典型的に、各ビームのエネルギーは、0.3から2.6mJの間など、0.1から4mJの間である。
各ビームの空間プロファイルは、楕円(例えば、円)、方形、または他のいずれかの適切な形状であることができる。
各ビームの強度プロファイルは、一つ以上のビーム断面のいずれかに沿って、ガウス分布、スーパーガウシアン分布、またはトップハットであることができる。
【0039】
システム20は、さらに、放射ビームを向けるように構成される一つ以上のビーム指向素子49を含む。
ビーム指向素子49は、例えば、「ガルボスキャナ」として、まとめて、参照されることができる、一枚以上のガルボミラー50、および/またはビームコンバイナ56を含むことができる。
各ビームは、ガルボミラー50からビームコンバイナ56に向かって偏光することができ、その後ビームコンバイナからビームパス92に沿って偏光することができる。
【0040】
システム20は、さらに、コントローラ44とカメラ54を含む。
コントローラ44は、カメラ54で取得されるイメージを処理し、それに応じて、カメラの視野(FOV)内の望まれる目標点のいずれかにビーム52を向けるようにビーム指向素子49を制御するように構成される。
特に、放射線源48から各ビーム52の放射前、および/またはビームが放射されている間、コントローラ44は、ビーム指向素子が望まれる目標点にビームを向けるように、一つ以上のビーム指向素子の位置、方向、サイズ、および/または形状を調整することができる。
【0041】
一般的に、カメラ54は、荷電結合デバイス(CCD)センサ、相補的金属酸化物半導体(CMOS)センサ、光干渉断層撮影(OCT)、および/またはハイパースペクトルイメージセンサなど、いずれかの適切なタイプ(複数可)の一つ以上のイメージセンサを含むことができる。
センサを使用することは、カメラが、モノクロ画像、(例えば、3色フレームに基づいて)カラー画像、多重スペクトル画像、ハイパースペクトル画像、光干渉断層撮影(OCT)、または異なるタイプごとの複数画像の合成により生成される画像など、いずれかの適切なタイプの2次元または3次元のイメージを取得することができる。
【0042】
いくつかの実施例において、カメラは、カメラがビームコンバイナを介して光を受信するように、ビームコンバイナ56の後方に配置される。
他の実施形態において、カメラは、ビームコンバイナから相殺される。
【0043】
典型的に、システム20は、放射線源48、カメラ54、およびビーム指向素子49を有する光学ユニット30を備える。
典型的に、光学ユニット30は、光学ベンチを含み、放射線源およびビーム指向素子は、光学ベンチに結合される。
光学ユニット30は、開口58を定義するための形状にされる前面33、またはビーム52が指示されて通る出力窓をさらに含む。
例えば、光学ユニット30は、光学ベンチの少なくとも一部を包み、前面33を含む容器31を有することができる。
代替的に、前面33は、光学ベンチに取り付けられることができるか、不可欠な部分であることができる。
【0044】
典型的に、光学ユニット30は、システム20のユーザが光学ユニットの位置および方向を調整することができる操作レバーなどの制御機構36を含むXYZステージユニット32上に固定される。
【0045】
例えば、XYZステージユニット32は、一つ以上のモータ34を含むことができ、制御機構36は、インタフェース回路構成要素46に接続されることができる。
ユーザが制御機構を操作すると、インタフェース回路構成要素46は、この動作を適切な信号に変換し、これらの信号をコントローラ44に出力することができる。
信号に応じて、コントローラはモータ34を制御することができる。
代替的に、XYZステージユニット32は、制御機構の操作によって手動で制御されることができ、このような実施形態において、XYZステージユニットは、モータ34の代わりにギアおよびローラのセットを含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、光学ユニット30は、可視固定ライト68を透過することによって固定目標64具として機能するように構成される光源66をさらに含む。
光源66は、発光ダイオード(LED)、または光放射器から放射される光を反射するように構成されるリフレクタなどの、光放射器を含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、光学ユニット30は、例えば、白色光または赤外LEDなどの一つ以上のLEDを含む一つ以上の照明源60をさらに有することができる。
このような実施形態において、コントローラ44は、カメラ54がイメージを取得する間、照明源60に閃光を起こすことができ、それによりイメージの取得を促進することができる。(図1において、図の簡略化のため、コントローラ44と照明源60の間の電気的な接続は明示的に示されていない。)
図1に示されるように、照明源60は、例えば、照明源60は、例えば開口58を囲むリング内に配置されることができ、前面33と結合されることができる。
【0048】
光学ユニットの配置を促進するために、光学ユニットは、例えば、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、Sacksらの米国特許11,382,794で説明されているように、複数の三角測量距離ビームを放射するように構成される(例えば、それぞれのレーザダイオードを含む)複数のビーム放射器62をさらに有することができる。
図1に示されるように、ビーム放射器62は、前面33に結合されることができる。
【0049】
典型的に、システム20は、カメラおよび/または他の出力によって取得される画像を表示するように構成されるディスプレイ42をさらに含む。
ディスプレイ42は、光学ユニット30に取り付けられるか、コンピュータモニタなど、分離デバイスに属し、適切な場所のいずれかに配置されることができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、ディスプレイ42は、タッチスクリーンを含み、ユーザはタッチスクリーンを介してシステムにコマンドを入力する。
代替的または追加的に、システム20は、キーボードまたはマウスなど、いずれかの他の適切な入力デバイスを含むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、ディスプレイ42は、有線または無線通信インタフェースを通じてコントローラ44と直接接続される。
他の実施形態において、ディスプレイ42は、標準デスクトップコンピュータに属するプロセッサなどの外部プロセッサを介してコントローラ44と接続する。
【0052】
いくつかの実施形態において、図1に示されるように、コントローラ44は、XYZステージユニット内に配置される。
他の実施形態において、コントローラ44は、XYZステージユニットの外部に配置される。
代替的または追加的に、コントローラは本明細書で説明される機能性の少なくともいくつかを、別の外部プロセッサと、共同して実施することができる。
【0053】
システム20は、カード22をさらに含む。
後述の図面を参照しながら下記でさらに説明されるように、いずれかの適切な間隔(例えば、1日に1度、いずれかの外科処理が実施される日の前)で、カード22は、ビーム指向素子49の校正とコントローラ44のイメージ処理機能性の検証用のテスト処理に使用されることができる。
【0054】
テスト処理の前に、ユーザは、カード22をジグ24に結合する。
続いて、ユーザは、カードがジグによって保持されている間にコントローラ44がテスト処理を実行するように、例えば、ディスプレイ42上に表示されるボタン43をタッチまたはクリックすることにより、またはいずれかの他の方法でコマンドをコントローラに入力することにより、テスト処理を初期化する。
【0055】
いくつかの実施形態において、図1に示されるように、ジグ24およびXYZステージユニット32は、共にトレーまたは天板として表面38上に固定される。
他の実施形態において、XYZステージユニットは、表面38に固定され、ジグはXYZステージユニットに取り付けられる。
【0056】
いくつかの実施形態において、ジグ24は静止する。
例えば、ジグ24は、患者が外科処理の間に頭を休める額レスト26と顎レスト28を含むヘッドレスト25を有することができる。
テスト処理の間、カード22は、図1に示されるように、ヘッドレスト25、例えば額レスト26に固定されることができる。
【0057】
他の実施形態において、ジグ24は、図3を参照して下記でさらに説明されるように、静止しない。
【0058】
典型的に、テスト処理の間、カードは、カード上における各ビーム52のスポットサイズの次元(例えば、直径)が0.3から0.5mmの間であるように放射線源から離される。
図3を参照して下記で着目されるように、放射線源からカードまでの距離は、テスト処理の間に変更することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、本明細書で説明されているように、コントローラ44の機能性の少なくともいくつかは、例えば、一つ以上の固定される機能または一般目的の集積回路、特定用途向け集積回路(ASICs)、および/またはプログラミング可能な集積回路(FPGAs)を使用して、ハードウェアに実装される。
代替的または追加的に、コントローラ44は、ソフトウェアおよび/またはファームウェアコードを実行することで本明細書において説明される機能性の少なくともいくつかを実施できる。
例えば、コントローラ44は、例えば、中央演算装置(CPU)および/またはグラフィックス処理装置(GPU)を含む、プログラムされるプロセッサとして具現化されることができる。
ソフトウェアプログラムを含む、プログラムコードおよび/またはデータは、CPUおよび/またはGPUによって実行および処理されるためにロードされることができる。
プログラムコードおよび/またはデータは、コントローラに、電子形式、例えばネットワークを通じて、ダウンロードされることができる。
代替的または追加的に、プログラムコードおよび/またはデータは、磁気的、光学的、電気的メモリなど、非一時的有形媒体に提供および/または記憶されることができる。
このようなプログラムコードおよび/またはデータは、コントローラに提供されるとき、機械または特定目的コンピュータを生成し、本明細書で説明される任務を実施するように構成される。
【0060】
いくつかの実施形態において、コントローラは、Varisite(登録商標)DART-MX8Mなどのシステム・オン・モジュール(SOM)を含む。
【0061】
[カード]
【0062】
次に、本発明のいくつかの実施形態に従って、カード22の概略図である図2を参照する。
【0063】
カード22は、ビーム52(図1)が衝突するカードの部位における一時的または永久的な変容を受けるように構成される。
【0064】
いくつかの実施形態において、変容は、色の変化を含む。
例えば、カードは、化学反応を受けることによってまたは下記に説明される他の機構のいずれかによって色を変化することができる。
代替的または追加的に、カードは、放射ビームに応じて色の変化を受けるように構成される感光色素を含むことができる。
色素は、カードの材料内に統合されるか材料の上にコーティングされることができる。
【0065】
他の実施形態においてカードは、部位でビームがそれぞれのホールを形成する力による変容を受けるように構成される。
【0066】
いくつかの実施形態において、カード22は、透明ガラスまたはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレン、またはポリ塩化ビニル(PVC)などのポリマーを含む。
このような実施形態において、変容は、典型的に、放射ビームによって発生される化学反応によるものである。
化学反応は、例えば、熱分解、発泡、漂白、炭化、または光アブレーションによるマイクロキャビティの形成(透明グラスまたは透明ポリマー用)を含むことができる。
【0067】
他の実施形態において、カードは、放射ビームで加熱されることに応じて色が変化するように構成される、液晶または感熱紙などの温度感受性材料を含む。
【0068】
さらに他の実施形態において、カードは、放射ビームに応じて(例えば、蛍光または多光子吸収を介する)光を放射することによる変容を受けるように構成される発光材料を含む。
例えば、カードは、紫外(UV)または赤外(IR)レーザセンサカードにみられる材料で構成することができる。
【0069】
カードは長方形であることができ、または他の適切な形状を有することができる。
典型的に、カードの表面積は、50から150cm2の間である。
例えば、長方形のカード用に、カードの長さは、8から10cmの間であることができ、カードの幅は、6から9cmの間であることができる。
典型的に、カードの厚さは、0.01から1mmの間である。
【0070】
テスト処理の間、カメラ54(図1)は、カメラのFOV72がカードの少なくとも一部を含むようにカードに焦点を合わせる。
カメラによって取得されるカードのイメージ処理に応じて、コントローラ44(図1)は、FOV72内の一つ以上の目標点74を識別する。
各目標点74のため、コントローラは、目標点に放射ビームを向けるようにビーム指向素子49(図1)を制御し、それによりカード上の照射位置76でカードの変化の出現が起こる。(典型的に、各照射位置76のサイズは、カード上におけるビームのスポットサイズの±10%以内である。)
典型的に、テスト処理の間に与えられる時間のいずれかで、FOV72は、与えられる時間まで作成されるすべての照射位置76を含む。
【0071】
図1を参照して上述した通り、カード22は、テスト処理の間ヘッドレスト35上に固定されることができる。
例えば、カード22は、一つ以上のホール40を定義する形にされることができ、額レスト26は、ホール40を通り適合することで、カードをヘッドレストに保持するように構成されるノブ70をそれぞれ含むことができる。
代替的に、カードは、クリップ、磁石、面ファスナのような他の結合機構のいずれかによって、額レスト、またはヘッドレストの他のいずれかの部分に結合されることができる。
【0072】
典型的に、カード22は、例えば、下記ですぐに説明されるように、目標としてまたは虹彩シミュレータとしての機能によって、コントローラのイメージ処理機能性のテスト用に一つ以上のマーキング78を含む。
いくつかの実施形態において、マーキング78は、背景86上に印刷される。
他の実施形態において、マーキングは、背景上に貼り付けられるステッカーを含む。
【0073】
コントローラで処理されるイメージのそれぞれのため、コントローラは、イメージ内の少なくとも一つのマーキング78を識別し、マーキングの識別に高騰してビーム指向素子を制御する。
【0074】
例えば、各処理されるイメージのために、コントローラは、識別されるマーキングの一つにビームを向けるようにビーム指向素子を制御することができる。
言い換えれば、マーキングは、コントローラ用の目標として機能することができる。
照射位置76がマーキングと一致する場合、コントローラは、イメージを適切に処理し、ビーム指向素子は、正しく較正されることを確かめられることができる。(典型的には、このような実施形態において、マーキング78は、図2に示されるものよりずっと小さく、例えば、各マーキングのサイズは、カード上の各ビームのスポットサイズとほぼ同じであることができる。)
【0075】
代替的または追加的に、図2に示されるように、マーキング78は、さらに下記で説明されるように、虹彩、および、任意の、ヒトの目の辺縁をシミュレートする虹彩形状のマーキング80を含むことができる。
処理されるイメージのそれぞれのため、コントローラは、イメージ内で虹彩形状のマーキング80を識別することができ、その後虹彩形状のマーキングを参照して目標点74の一つを計算する(すなわち、FOV72内で、目標点の一つのそれぞれの座標を計算する)ことができる。
例えば、コントローラは、適切な端部検出アルゴリズムのいずれかを用いて虹彩形状のマーキングの端部82を識別することができ、端部82の中心で中心点84の座標を計算することができ、その後点84にあらかじめ定められた相殺を加えることにより目標点を計算することができる。
続いて、コントローラは、計算される目標点にビームを向けるようにビーム指向素子を制御することができる。
照射位置76の結果が目標点と一致する場合、ビーム指向素子は、正しく較正されることを確かめられることができる。
加えて、目標点が虹彩形状のマーキングに関して正しい位置に現れる場合、コントローラは、画像を適切に処理することを確かめられることができる。
【0076】
虹彩形状のマーキング80は、形状に関して、ヒトの虹彩をシミュレートする。
例えば、虹彩形状のマーキングは、楕円であることができる。(このような実施形態の場合、虹彩形状のマーキングにおける長軸および短軸の長さは、お互いに10%以内であることができ、例えば、それらの長さは、虹彩形状のマーキングが円形であるように、お互いに等しくできる。)
代替的に、虹彩形状のマーキングの形状は、楕円から逸脱することができ、偏差の大きさは、ヒトの虹彩で示される偏差の範囲以内であることができる。
【0077】
加えて、虹彩形状のマーキングは、大きさに関して虹彩をシミュレートすることができる。
例えば、楕円のために、虹彩形状のマーキングの主軸(または、円形の場合は、直径)の長さは、8から13mmの間であることができる。
【0078】
代替的または追加的に、虹彩形状のマーキング80は、色に関して虹彩をシミュレートすることができる。
加えて、虹彩形状のマーキングを囲むカードの背景86は、鞏膜をシミュレートするように、白色に着色されることができる。
【0079】
代替的に、虹彩形状のマーキングの色は、虹彩と異なることができ、および/または背景86の色は、鞏膜と異なることができる。
【0080】
例えば、いくつかの実施形態において、コントローラは、赤(“R”)フレームなど、イメージの単一フレームのみ処理する。
このような実施形態において、虹彩および鞏膜とは似ていない色でさえ、選択されることができ、処理されるフレームの画素値が目のイメージの処理されるフレーム内に現れるものと似ていることを提供されることができる。
例えば、色は、他のフレーム内の画素値に関わらず、処理されるフレーム内で、背景画素値が105から145(最大画素値は255である)であり、および/または虹彩形状のマーキングの画素値が40から60であるように、選択されることができる。
【0081】
代替的に、処理されるフレーム内の画素値でさえ、目のイメージの処理されるフレーム内で現れるものと似ていないことができる。
例えば、虹彩形状のマーキングは、虹彩形状のマーキングの画素値がほぼ0であるように、黒色にすることができる。
【0082】
いくつかの実施形態において、コントローラの画像処理機能性のテストを高めるために、虹彩形状のマーキング80は、目の辺縁もシミュレートする。
特に、虹彩形状のマーキングの周囲に沿う少なくとも一つの(例えば、全周囲に沿う)位置で、背景86の外観と虹彩形状のマーキングの外観の間の移行(例えば、背景の色および/または明るさと虹彩形状のマーキングの色および/または明るさの間の移行)は、比較的緩やかである。
例えば、移行は、0.1から4mmの間など、少なくとも0.1mmの距離d1以上起こることができる。
いくつかの実施形態において、緩やかな移行は、虹彩形状のマーキングのグレースケール印刷によって達成される。
【0083】
いくつかの実施形態において、典型的に、コントローラは、イメージ内における最大の勾配の点を通り抜ける閉じた曲線88を識別し、そして曲線88を滑らかにすることで、またはあらかじめ定義される形状(例えば、円形などの、楕円)を曲線88へ適合することによって端部82を計算する。
【0084】
代替的または追加的に、極端な場合のモデルを助けるため、移行は、虹彩形状のマーキングの周囲に沿う少なくとも一つの位置で比較的急峻であり、例えば、移行は、0.1mm未満で起こることができる。
【0085】
シミュレートされる辺縁の代替的または追加的に、虹彩形状のマーキング80の他の特徴は、虹彩形状のマーキングと虹彩との類似性を高めることができる。
このような特徴は、例えば、虹彩形状のマーキングの中心でシミュレートされる瞳孔および/または虹彩形状のマーキングを通り抜ける、シミュレートされる血管を含むことができる。
【0086】
上述したように、カード22は、複数のマーキング78を含むことができる。
例えば、カードは、カードが複数のテスト処理用に使用できるように複数の虹彩形状のマーキング80を含むことができる。
【0087】
いくつかの実施形態において、目標点で各ビーム52の発射前に、コントローラは、放射線源に目標点で照準ビームを発射することを引き起こす。
波長および/または強度に関してビーム52と異なる力によって、照準ビームは、カードの外観の変化を起こさず、むしろ、照準ビームは、単にカードで反射する。
カードのイメージを反射する配置にするように処理することで、コントローラは、反射が目標点のおおよその位置であることを検証する。
この検証に応じて、コントローラは、ビーム52を発射する。
【0088】
代替的または追加的に、各ビーム52の発射前に、コントローラは、ビーム指向素子の少なくとも一つのエンコーダからフィードバック信号を処理することができる。
検証することに応じて、フィードバック信号に基づいて、ビーム指向素子は、適切な配置、配向、大きさ、および、形状であり、コントローラは、ビーム52を発射することができる。
【0089】
次に、本発明のいくつかの実施形態に従って、カード22を保持しているジグ24の概略図である図3を参照する。
【0090】
いくつかの実施形態において、ジグ24は、静止せず、カメラに関して(例えば、目の動きをシミュレートするように)カメラによるイメージの取得間でカードを移動するように構成される。
6度までの自由度を有することができるこの移動は、マーキング78(図2)をFOV72以内に移動および/またはサイズを変えることを起こし、従ってコントローラにマーキングの移動を追跡することを要求することでコントローラのイメージ処理機能性がさらにテストされる。
例えば、ジグ24は、カードを保持している間静止台91に沿って移動するように構成されるステージ90を含むことができる。
【0091】
ジグ24が制止する(例えば、図1図2のような)実施形態のため、コントローラは、カードに関して、‐例えば、カードに関して光学ユニット30が移動するようにモータ34(図1)を制御することで‐カメラによるイメージの取得の間でカメラを移動するように構成されることができる。
代替的に、制御機構36を使用することで、ユーザは、イメージの取得の間で光学ユニットを移動することができる。
いずれにしても、6度までの自由度を有することができるカードに関してカメラの移動は、マーキングがFOV72以内に移動および/またはサイズを変えることを起こし、それによりコントローラのイメージ処理機能性のテストをする。
【0092】
[目標の定義]
【0093】
典型的に、テスト処理の開始時に、コントローラは、複数の目標点を計算する。
いくつかの実施形態において、目標点は、楕円(例えば、円形)の軌道など、弧状の軌道に沿って置かれてある。
【0094】
図2を参照して上述したように、いくつかの実施形態において、カード22は、目標として機能するマーキング78を含む。
いくつかの実施形態において、各目標点74(図2)は、コントローラによって、一つのマーキングが置かれたあるFOV72内の点として、定義される。
【0095】
他の実施形態において、各目標点は、コントローラによって、あらかじめ定義される相殺を、中心点84などの、イメージ処理を用いて配置される、参照点に加算することによって、計算される。
例の方法によって、コントローラは、円軌道に沿って置かれるK個の目標点、各k番目の座標(x0(t)+Rcosθk,y0(t)+Rsinθk)を有する目標点の一つを計算することができる。
ここで、x0(t)およびy0(t)は、カメラのFOV内における参照点のx座標およびy座標であり、
Rは、あらかじめ定義される円軌道の半径で、
θk=2πk/K(k=0・・・K-1)
である。
(参照点の座標は、時間の関数として表され、与えられるこれらの座標は、カードまたはカメラの移動によって変化することができる。)
【0096】
このような実施形態において、相殺は、コントローラによってあらかじめ定義されることができる。
例えば、目標点の円軌道のために、コントローラは、相殺を判定する可変のRおよびKを定義することができる。
【0097】
代替的に、相殺は、テスト処理の前にユーザによって定義されることができる。
これに関して、本発明のいくつかの実施形態に従って、目標点の判定への使用のために、カメラ54(図1)によって取得される、カード22のイメージ94の概略図である図4を参照する。
【0098】
いくつかの実施形態において、テスト処理の前に、コントローラは、イメージ94を(例えば、ディスプレイ42(図1)上に)目標点の可能性のある位置をマークする一つ以上の重ねられるターゲットマーカ96と共に表示する。
コントローラは、その後、ユーザから、重ねられるターゲットマーカの位置ごとの望まれる調整のいずれかを受信する。
【0099】
例えば、コントローラは、目標点が置かれることができる可能性のある軌道に沿ってマークする単一の連続したターゲットマーカを重ねることができる。
特別な例として、カード22が虹彩形状のマーキング80を含む実施形態のために、重ねられるターゲットマーカ96は、虹彩形状のマーキングの端部からあらかじめ定義される距離において、虹彩形状のマーキング80を囲む弧状(例えば、円形のような、楕円)のターゲットマーカ98を含むことができる。
マウスまたは他の適切な入力デバイスのいずれかの使用により、ユーザは、例えば、方形(例えば四角形)102の角100を外接しているターゲットマーカ98にドラッグすることによってこの距離を調整することができる。
【0100】
選択的に、ユーザは、目標点を複数、例えば上述したようにK個、設定することもできる。
【0101】
相殺の定義(および、選択的に、目標点の数の設定)後、ユーザは、テスト処理を開始する。
続いて、コントローラは、ターゲットマーカ96の調整される位置に応じて(および、選択的に、目標点の望まれる数に応じて)目標点を定義する。
例えば、円形のターゲットマーカ98の調節される位置に基づいて、コントローラは、ターゲットマーカ98から中心点84までの距離としてRを計算することができ、そしてRを上述した各目標点の座標を計算するために用いる。
【0102】
[テスト結果の評価]
【0103】
再び図2を参照する。
【0104】
いくつかの実施形態において、カード22での一つ以上のビームの発射に続いて、コントローラは、カメラによって得られるカードのイメージ内の照射位置76を識別する。
照射位置の識別に応じて、コントローラは、照射位置の一つと対応する目標点74、すなわち、照射位置に衝突したビームの検出される目標点との間の距離d2を計算する。
【0105】
例えば、スポット検出アルゴリズムを使用することで、コントローラは、照射位置の中心を検出することができる。
代替的に、コントローラは、照射位置の端部を検出し、その後、端部に基づいて中心を計算することができる。
加えて、コントローラは、中心点84など、参照点の現在の座標(x0’,y0’)を識別するようにイメージを処理することができる。
続いて、参照点の座標に基づいて、コントローラは、ビームが検出される目標点の現在の座標を計算することができる。
例えば、円形の目標軌道のために、コントローラが、x0’にRcosθkを、y0’にRsinθkを加算することができる。
続いて、コントローラは、これらの後者の座標と照射位置の中心との距離d2を計算することができる。
【0106】
距離d2(および、選択的に、少なくとも一つのそのような追加の距離)に応じて、コントローラは、例えば、適切なメッセージをディスプレイ42(図1)に表示することにより、出力と通信する。
例えば、コントローラは、d2(または、複数の照射位置のために、複数のこのような距離の、平均や最大などの、統計値)とあらかじめ定義される閾値とを比較することができる。
d2(または統計値)が閾値を超える場合、コントローラは、外科処理が実施される前にビーム指向素子が較正されるべきであることを示す出力(例えばメッセージを表示する)を通信することができる。
【0107】
他の実施形態において、ユーザは、手動でテスト結果を評価する。
これに関して、本発明のいくつかの実施形態に従って、カード22の照射位置76を示すイメージ104の概略図である図5を参照する。
【0108】
いくつかの実施形態において、コントローラは、目標点においてカメラで取得され、照射位置76を示すイメージ104を一つ以上の重ねられるターゲットマーカ96と共に表示(例えば、ディスプレイ42(図1)上に)するように構成される。(言い換えれば、ターゲットマーカ96は、カメラのFOV内における目標点の現在の座標で重ねられる。)
例えば、コントローラは、目標点のそれぞれを通る抜ける単一の連続的なターゲットマーカ98を重ねることができる。
特別な例として、カード22が虹彩形状のマーキング80を含む実施形態のため、重ねられるターゲットマーカ96は、虹彩形状のマーキング80を囲み、目標点を通り抜ける弧状(例えば、円形)のターゲットマーカ98を含むことができる。
言い換えれば、目標点は、虹彩形状のマーキング80を囲む弧状(例えば、円形)軌道に沿って置かれることができ、ターゲットマーカ98は、この軌道をマークすることができる。
【0109】
イメージ104の表示に応じて、ユーザは、ターゲットマーカ96の位置とこれらのターゲットマーカの予測される位置を比較することにより、コントローラのイメージ処理に補正が必要かどうかを確かめることができる。
例えば、すべての目標点が虹彩形状のマーキング80の端部から均等に離れることになっていたが、ターゲットマーカ98が端部から均等に離れていない(すなわち、ターゲットマーカ98の中心が虹彩形状のマーキングの中心と一致しない)場合、ユーザは、イメージ処理に補正が必要であることを確かめることができる。
【0110】
ユーザは、イメージ104の表示応じて、ビーム指向素子の較正が必要かどうかを確認することもできる。
例えば、照射位置76が図5に示すようにターゲットマーカ98から相殺される場合、ユーザは、そのような較正が必要であることを確認することができる。
【0111】
ビーム指向素子を較正するために、ユーザは、照射位置が目標点と許容範囲の与えられる値以内に一致するまで(必要な数のカード22のいずれかを使用して)、システムの一つ以上の関連するパラメータを反復的に調整し、テスト処理を繰り返すことができる。
【0112】
例えば、ビーム指向素子がガルボミラー50(図1)を含む実施形態のため、コントローラは一組の電圧、VxとVy、をミラーに入力することでガルボミラーを制御することができ、それによりミラーがビームをカメラのFOV内における座標(bx+mx*Vx,by+my*Vy)に向けることを引き起こす。
ここで、bx,by,mxおよびmyは、調整できるパラメータである。
較正の間、ユーザは一つ以上のこれらの調整できるパラメータのいずれかを反復的に調整することができる。
【0113】
本発明が上述のように特別に示され、説明される発明に制限されないことは、当業者によって認識されるだろう。
むしろ、本発明の範囲は、先の説明を読むことに際し、当業者に浮かび得る従来技術にはないそれらの変形および改変と同様に、上述で説明される様々な特徴のコンビネーションおよびサブコンビネーションの両方を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】