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特表2024-544658個人化された曝露進行を伴うデジタルリアリティまたは拡張現実を使用した精神医学的または精神的状態の管理
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】個人化された曝露進行を伴うデジタルリアリティまたは拡張現実を使用した精神医学的または精神的状態の管理
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/70 20180101AFI20241126BHJP
【FI】
G16H20/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532703
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 US2022051549
(87)【国際公開番号】W WO2023102125
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/284,862
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/415,876
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ANDROID
3.Linux
4.UNIX
5.WINDOWS
6.VXWORKS
7.WCDMA
8.iOS
9.OSX
(71)【出願人】
【識別番号】524027248
【氏名又は名称】ビヘイビア・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(71)【出願人】
【識別番号】524233089
【氏名又は名称】FrontAct株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】アラム,アプリリア
(72)【発明者】
【氏名】ヘッジズ,ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】ザウスキ,クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,エリノア
(72)【発明者】
【氏名】ミッツィ,ジョージア
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ジョイス
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,モーガン
(72)【発明者】
【氏名】ワイズバーグ,リサ
(72)【発明者】
【氏名】ザッド,サラ
(72)【発明者】
【氏名】グリンネル,トッド
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するためのシステムおよび方法が提供される。曝露進行は、階層的な順序に複数のカテゴリを含む。各カテゴリは、1以上の経験と関連付けられ、各経験は、課題を明示するデジタルリアリティシーンに関連付けられる。いくつかの実施形態では、階層的な順序は、被験者が1以上の課題で成功したレベルに少なくとも部分的に基づいて動的に生成または変更され、被験者に適合される曝露進行を生成するだけでなく、曝露プラクティスのタイミングおよび/または性質を個人化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の精神医学的または精神的状態を管理する前記被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための方法であって、
前記被験者に関連付けられるコンピュータシステムにおいて、前記コンピュータシステムは、1以上のプロセッサと、ディスプレイと、複数のセンサと、前記1以上のプロセッサに結合されるメモリとを備え、前記メモリは、前記1以上のプロセッサによって実行されるように構成される1以上のプログラムを備え、前記方法は、
(A)前記被験者に対して複数のカテゴリを取得することを備え、
前記複数のカテゴリにおける各それぞれのカテゴリは、(i)精神医学的または精神的状態を管理する前記被験者の能力を改善することを対象とし、(ii)対応する複数の提案される経験に関連付けられ、(iii)複数のゲート基準における少なくとも1つのそれぞれのゲート基準に関連付けられ、
前記複数のカテゴリにおける各それぞれのカテゴリに対して、前記対応する複数の提案される経験における各それぞれの提案される経験は、(i)前記それぞれのカテゴリの前記それぞれの提案される経験に対して設計される、対応する複数の課題における、対応する課題を明示する、対応する複数のデジタルリアリティシーンにおける、対応するデジタルリアリティシーンに関連付けられ、(ii)前記それぞれの提案される経験の前記対応する課題に対して、複数のバイオメトリック閾値における、少なくとも1つのバイオメトリック閾値に関連付けられ、
(B)前記ディスプレイに、前記複数のカテゴリにおける第1のカテゴリの第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンを示すことを備え、
(C)前記示すこと(B)と連携して、第1の複数のデータ要素を取得することを備え、前記第1の複数のデータ要素は、複数のセンサにおけるセンサのサブセットから、第1のバイオメトリックデータ要素のセットを備え、前記センサのサブセットは、前記被験者が前記第1のデジタルリアリティシーンにおける前記第1の課題を完了している場合に前記被験者に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素をキャプチャするように構成される少なくとも1つのバイオメトリックセンサを含み、
(D)(i)前記第1のバイオメトリックデータ要素のセットが、前記第1の課題に対する前記第1の提案される経験に関連付けられる前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たすか否かを決定し、前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値が、前記第1の課題に対する前記第1の提案される経験に関連付けられる前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たすことによって前記第1の課題が正常に完了されるか否かを評価する第1のバイオメトリック閾値を備え、前記第1のバイオメトリックデータ要素のセットが、前記少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットを含み、
(ii)前記第1のバイオメトリックデータ要素のセットが、対応する第1の閾値ベースライン特性を満たすか否かを決定し、
(iii)前記第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのゲート基準が満たされるか否かを決定することを備え、
(E)前記第1のカテゴリに関連付けられる前記少なくとも1つのそれぞれのゲート基準における各ゲート基準が満たされる場合、前記被験者が次に実行する前記複数のカテゴリにおける第2のカテゴリを決定することを備え、前記被験者の精神医学的または精神的状態を管理する前記被験者の能力を改善する前記曝露進行を実施し、前記決定すること(E)が、前記決定すること(D)の結果に少なくとも部分的に基づく、方法。
【請求項2】
前記取得すること(A)における前記複数のカテゴリは、当初は、(i)システム管理者、(ii)前記被験者、(iii)前記被験者に関連付けられる医療従事者、(iv)モデル、または(v)それらの組み合わせによって設定される前記曝露進行のイニシャルインスタンスに配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、
(F)前記示すこと(B)の前に前記ディスプレイに、前記曝露進行の前記イニシャルインスタンスを表わすグラフを示すことをさらに備え、前記グラフは、複数のノードと複数のエッジとを備え、前記複数のノードにおける各それぞれのノードに対して、前記グラフは、前記それぞれのノードに隣接して表示される対応する複数の経験グラフィックを更に備え、
前記複数のノードにおける各それぞれのノードは、(i)前記複数のカテゴリにおけるそれぞれのカテゴリに対応し、(ii)前記それぞれのノードに対応する前記それぞれのカテゴリに関連付けられる前記対応する複数の提案される経験と関連付けられ、(iii)前記それぞれのノードに対応する前記それぞれのカテゴリに関連付けられる前記複数のゲート基準における前記少なくとも1つのそれぞれのゲート基準に関連付けられ、
前記複数のノードにおける各それぞれのノードに対して、対応する複数の経験グラフィックにおける各それぞれの経験グラフィックは、(i)前記それぞれのノードに対応する前記それぞれのカテゴリに関連付けられる前記対応する複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験に対応し、(ii)前記それぞれの提案される経験の前記対応する課題に対する前記複数のバイオメトリック閾値における前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値に関連付けられ、
前記複数のノードにおける各それぞれのノードが、前記複数のエッジにおける一のエッジによって、前記複数のノードにおける少なくとも1つの他のノードに接続され、
前記複数のエッジにおける各それぞれのエッジが、前記それぞれの初期ノードに関連付けられる対応する課題の必要数の被験者による正常な完了時の前記グラフにおけるそれぞれの初期ノードとそれぞれのサブスクエントノードとの間の前記グラフ内の進行を表わす、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のノードにおける各それぞれのノードに対して、前記グラフは、対応する複数のブランチを更に備え、前記対応する複数の経験グラフィックにおける各それぞれの経験グラフィックは、前記対応する複数のブランチにおける一のブランチによって前記それぞれのノードに接続される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記決定すること(E)は、
(E.1)前記曝露進行の前記イニシャルインスタンスにおける前記第1のカテゴリの直後のカテゴリが、前記被験者が次に実行するのに適しているか否かを評価することと、
(E.2)前記曝露進行の前記イニシャルインスタンスにおける前記直後のカテゴリが、前記被験者が次に実行するのに適している場合、前記曝露進行の前記イニシャルインスタンスにおける前記直後のカテゴリを前記被験者が実行する前記第2のカテゴリとして示すことと
を備える、請求項2~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記決定すること(E)は、
(E.3)前記曝露進行の前記イニシャルインスタンスにおける前記直後のカテゴリが、前記被験者が次に実行するのに不適切である場合、前記曝露進行の前記イニシャルインスタンスにおける前記直後のカテゴリ以外のカテゴリを前記被験者が次に実行する前記第2のカテゴリとして推奨すること
を更に備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のバイオメトリックセンサは、所定のサンプリングレートで前記被験者の生理学的または心理学的状態に関連付けられるバイオメトリックデータ要素をキャプチャするように構成される、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記所定のサンプリングレートは、40ms~160msである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記所定のサンプリングレートは、調整可能または固定される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のバイオメトリックセンサは、心拍数センサ、心拍変動センサ、血圧センサ、皮膚電気活動センサ、ガルバニック皮膚反応センサ、脳波センサ、アイトラッキングセンサ、レコーダ、マイクロフォン、または温度計である、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、特定のトリガに応じて前記第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のバイオメトリックセンサが、心拍センサであり、前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、前記被験者の心拍数を決定するために使用される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のバイオメトリックセンサが、心拍変動センサであり、前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、前記被験者の心拍周期を決定するために使用され、心拍変動のアセスメントを提供する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のバイオメトリックセンサが、アイトラッキングセンサであり、前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、前記被験者の視線固定、前記被験者の滑らかな動き、前記被験者のサッカード、前記被験者による瞬き、前記被験者のスキャン経路の長さ、前記被験者の開眼度、前記被験者の瞳孔拡張、前記被験者の眼の位置、前記被験者によって示される過覚醒、前記被験者によって示される視線回避、またはそれらの任意の組み合わせを決定するために使用される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のバイオメトリックセンサが、アイトラッキングセンサであり、前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、被前記験者の視線固定を決定するために使用され、前記視線固定は、前記第1のデジタルリアリティシーンにおける関心領域の空間基準および時間基準に基づいて定められる、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のバイオメトリックセンサが、アイトラッキングセンサであり、前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、前記被験者によって示される過覚醒を決定するために使用され、前記過覚醒は、前記第1のデジタルリアリティシーンにおける特定の課題中の最初の凝視までの時間として定められる、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のバイオメトリックセンサが、アイトラッキングセンサであり、前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、前記被験者によって示される視線回避を決定するために使用され、前記視線回避は、前記第1のデジタルリアリティシーンにおいて特定の課題中に前記被験者によって示される凝視の数を前記第1のデジタルリアリティシーンにおいて前記被験者によって示される凝視の総数で割った数で定められる、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のバイオメトリックセンサが、レコーダであり、センチメント分析または感情分析が、前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットに実行され、前記第1の課題に対して前記第1の提案される経験に関連付けられる前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たすことによって前記第1の課題が正常に完了されるか否かを評価する、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のバイオメトリックセンサが、レコーダであり、前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、時間的バイオメトリックデータ要素、スペクトルバイオメトリックデータ要素、ケプストラムバイオメトリックデータ要素、エントロピーバイオメトリックデータ要素、またはそれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、トランスクリプションを作成するために複写され、前記トランスクリプションは、ワードを生成するために抽出され、前記センチメント分析は、前記抽出されるワードに実行される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、基本周波数、スピーチ速度、一時停止、無音の持続時間、音声強度、音声開始時間、ピッチ摂動、音量摂動、音声ブレーク、ピッチジャンプ、声質、音質、またはそれらの組み合わせを決定して、前記第1の課題に対して前記第1の提案される経験に関連付けられる前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たすことによって前記第1の課題が正常に完了されるか否かを評価するために使用される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットが記憶され、前記第1のデジタルリアリティシーンの完了後に前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットの再生を可能にする、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
1以上の特定のキーワードが前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットの分析で使用され、なりすましを防止する、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットを使用する前にバックグラウンドノイズを除去するように前処理され、前記第1の課題に対して前記第1の提案される経験に関連付けられる前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たすことによって前記第1の課題が正常に完了するか否かを評価する、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットは、自動ノイズキャンセル機能が有効にされる状態で、前記第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
(G)電子形式で、前記被験者に関連付けられる第2の複数のデータ要素を受信することを更に備え、前記第2の複数のデータ要素は、前記被験者の初期の精神医学的または精神的状態に関連付けられる第2のバイオメトリックデータ要素のセットを含み、前記対応する閾値ベースライン特性が、前記第2の複数のバイオメトリックデータ要素によって形成される、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
(H)前記示すこと(B)を開始する場合または開始する前に、前記少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける前記第1のバイオメトリックセンサから、第2のバイオメトリックデータ要素のセットを取得することを更に備え、前記対応する閾値ベースライン特性が、前記第2のバイオメトリックデータ要素のセットによって形成される、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記取得すること(H)は、イントロダクションまたはチュートリアル中に実行される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記イントロダクションまたはチュートリアルは、家のデジタル表示に関連付けられる憩いの場を備えるデジタルリアリティシーンにおいて示される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
(I)前記第1のカテゴリに関連付けられる前記少なくとも1つのそれぞれのゲート基準における一のゲート基準が満たされない場合、前記第1のカテゴリに関連付けられる前記対応する複数の提案される経験における他の提案される経験の課題に対して、前記示すこと(B)、前記取得すること(C)、および前記決定すること(D)を1回以上繰り返すことを更に備える、請求項1~29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
(J)前記第1の課題に対して前記第1の提案される経験に関連付けられる前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たさないことによって前記第1の課題が正常に完了されないと決定される場合に、前記被験者が次に実行する前記第1のカテゴリに対する前記対応する複数の提案される経験における別の提案される経験の課題を推奨することを更に備え、前記推奨すること(J)は、テキスト、グラフィック、オーディオ、またはそれらの組み合わせで示される、請求項1~30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記推奨される課題は、前記第1のカテゴリの前記第1の課題と同等以下の挑戦的課題を提起する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記推奨される課題は、前記第1のカテゴリの前記第1の提案される経験に対して設計される同じ第1の課題である、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記推奨される課題は、前記第1のカテゴリの異なる提案される経験に対して設計される課題である、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記推奨される課題は、前記複数のカテゴリにおける一の異なるカテゴリの一の提案される経験に対して設計される課題である、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記推奨される課題は、前記複数のカテゴリにおける任意のカテゴリ以外の課題である、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
(K)前記推奨される課題の選択に応じて、前記推奨される課題に対して、前記示すこと(B)、前記取得すること(C)、および決定すること(D)を繰り返すことを更に備える、請求項31~36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記課題は、前記第1のカテゴリに対してカスタマイズされる固有のマインドフルネス課題、前記複数のカテゴリにおける各カテゴリからアクセス可能なユニバーサルマインドフルネス課題、前記第1のカテゴリに対してカスタマイズされる固有の認知リフレーミング課題、または前記複数のカテゴリにおける各カテゴリからアクセス可能なユニバーサル認知リフレーミング課題である、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
(L)前記課題の選択に応じて、前記ディスプレイに、前記課題を明示する第2のデジタルリアリティシーンを示すことを更に備える、請求項31または38に記載の方法。
【請求項40】
前記方法は、
(M)前記示すこと(L)と連携して、前記複数のセンサにおけるセンサのサブセットから第3の複数のデータ要素を取得することを更に備え、前記第3の複数のデータ要素は、前記被験者に関連付けられ、前記被験者が前記課題を明示する前記第2のデジタルリアリティシーンを完了している場合にキャプチャされる、第3の複数のバイオメトリックデータ要素を含み、
(N)前記第3の複数のバイオメトリックデータ要素を前記対応する閾値ベースライン特性、または前記取得すること(C)からの前記第1の複数のバイオメトリックデータ要素に対して比較することによって、変化または改善を決定することを更に備える、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
(O)前記決定すること(E)の前に前記ディスプレイに、主観的評価オプションを示すことと、
(P)前記主観的評価オプションの選択に応じて、主観的評価を実行することと
を更に備え、
前記決定すること(E)は、前記主観的評価の結果に、少なくとも部分的に基づく、請求項1~40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記主観的評価は、最小臨床的重要差(MCID)、臨床的総合印象(CGI)、患者生成指数(PGI)、リーボウィッツ社会的不安尺度(LSAS)、全般性不安障害(GAD)、Patient Health Questionnaire(PHQ)、またはそれらの組み合わせに基づく、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
(Q)前記第2のカテゴリの提案される経験に対して設計される課題を明示するデジタルリアリティシーンに対して、前記示すこと(B)、前記取得すること(C)、および前記決定すること(D)を繰り返すことと、
(R)前記第2のカテゴリに対して、前記決定すること(E)を繰り返すことと
を更に備える、請求項1~42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記取得すること(A)において、前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験は、当初は、(i)システム管理者、(ii)前記被験者、(iii)前記被験者に関連付けられる医療従事者、(iv)モデル、または(v)それらの組み合わせによって設定される最初の第1のサブプログレッションに配置される、請求項1~43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
(S)前記最初の第1のサブプログレッションにおける第1の提案される経験の直後の提案される経験が、前記被験者が実行するのに適しているか否かを評価することと、
(T)前記直後の提案される経験が、前記被験者が次に実行するのに適していると考えられる場合、前記最初の第1のサブプログレッションにおける前記直後の提案される経験に対して設計される課題を明示するデジタルリアリティシーンを示すことと、
(U)前記最初の曝露の第1のサブプログレッションにおける前記直後の提案される経験に対して設計される前記課題に対して、前記取得すること(C)および前記決定すること(D)を繰り返すことと
を更に備える、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
(V)前記直後の提案される経験が、前記被験者が次に実行するのに適していないと考えられる場合に、前記被験者が次に実行する直後の提案される経験以外の提案される経験を推奨することを更に備える、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記決定すること(D)は、前記第1のバイオメトリックデータ要素のセットが、前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値における第2のバイオメトリック閾値を満たすか否かを決定することを更に備える、請求項1~46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値における前記第1のバイオメトリック閾値および前記第2のバイオメトリック閾値の一方は、前記被験者の発言ベースラインと比較した発言数の要求される最小変化であり、前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値における前記第1のバイオメトリック閾値および前記第2のバイオメトリック閾値の他方は、前記第1のカテゴリに関連付けられる前記第1の提案される経験に対して設計される前記第1の課題を明示する前記第1のデジタルリアリティシーン中における、(i)前記被験者のアサーティブネスベースラインと比較したアサーティブネスの要求される最小変化、(ii)前記被験者のデシベルレベルベースラインと比較したデシベルレベルの要求される最小変化、および/または(iii)前記被験者のピッチベースラインと比較したピッチの要求される最小変化である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記取得すること(C)でキャプチャされる前記少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素は、前記少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける第2のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第4のバイオメトリックデータ要素のセットを含み、前記第4のバイオメトリックデータ要素のセットは、前記第1のバイオメトリックデータ要素のセットとは異なり、前記決定すること(D)は、前記第4のバイオメトリックデータ要素のセットの第3のベースライン特性に対する比較が、前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値における第3のバイオメトリック閾値を満たすか否かを決定することを備える、請求項1~48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記第1のバイオメトリック閾値および前記第3のバイオメトリック閾値の一方は、(i)前記被験者のワードベースラインと比較したワード数の要求される最小変化、(ii)前記被験者の発言ベースラインと比較した発言数の要求される最小変化、(iii)前記被験者のアサーティブネスベースラインと比較したアサーティブネスの要求される最小変化、(iv)前記被験者のデシベルレベルベースラインと比較したデシベルレベルの要求される最小変化、および/または(v)前記被験者のピッチベースラインと比較したピッチの要求される最小変化であり、前記少なくとも1つのバイオメトリック閾値における前記第1のバイオメトリック閾値および前記第3のバイオメトリック閾値の他方は、前記第1のカテゴリに関連付けられる前記第1の提案される経験に対して設計される前記第1の課題を明示する前記第1のデジタルリアリティシーン中における、前記被験者のアイコンタクトベースラインと比較したアイコンタクトの長さの要求される最小変化である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記複数のカテゴリにおける各カテゴリが、固有のランクに関連付けられる、請求項1~50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記複数のセンサが、心拍数センサを含み、前記対応する閾値ベースライン特性が、前記被験者の初期心拍数である、請求項1~51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記複数のセンサが、血圧センサを含み、前記対応する閾値ベースライン特性が前記被験者の収縮期血圧または前記被験者の拡張期血圧である、請求項1~51のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記ディスプレイが、ヘッドマウントディスプレイである、請求項1~53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記少なくとも1つのそれぞれのゲート基準は、前記複数のカテゴリにおける各カテゴリの階層ランキングに関連付けられるランキングゲート基準を含む、請求項1~54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
前記少なくとも1つのそれぞれのゲート基準は、前記少なくとも1つのそれぞれのゲート基準に対応する前記複数のカテゴリにおける前記カテゴリの、前記被験者に関連付けられる医師からの承認に関連付けられる医師ゲート基準を含む、請求項1~55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記少なくとも1つのそれぞれのゲート基準は、前記複数のカテゴリにおける1以上のカテゴリの順序に関連付けられるアレンジメントゲート基準を含む、請求項1~56のいずれかに記載の方法。
【請求項58】
精神医学的または精神的状態は、臨床的に診断される精神障害または亜臨床的に診断される精神障害である、請求項1~57のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
精神医学的または精神的状態は、社会的環境においてストレスを受けている状態、社会的環境を恐れている状態、または社会的環境において圧倒されている状態を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
精神医学的または精神的状態が、臨床的に診断される精神障害であり、前記臨床的に診断される精神障害は、不安障害、気分障害、精神病性障害、摂食障害、衝動制御障害、嗜癖障害、パーソナリティ障害、強迫性障害、または心的外傷後ストレス障害である、請求項58または59に記載の方法。
【請求項61】
精神医学的または精神的状態が、臨床的に診断される精神障害であり、前記臨床的に診断される精神障害が、不安障害であり、前記不安障害は、分離不安障害、場面緘黙症、特定の恐怖症、社交不安障害、パニック障害、広場恐怖症、全般性不安障害、物質誘発性不安障害、または前記被験者の医学的状態による不安障害を含む、請求項58または59に記載の方法。
【請求項62】
精神医学的または精神的状態が、臨床的に診断される精神障害であり、前記臨床的に診断される精神障害が、気分障害であり、前記気分障害は、うつ障害、双極性障害、または気分循環性障害を含む、請求項58または59に記載の方法。
【請求項63】
精神医学的または精神的状態が、臨床的に診断される精神障害であり、前記臨床的に診断される精神障害が、精神病性障害であり、前記精神病性障害は、統合失調症障害、妄想障害、または幻覚障害を含む、請求項58または59に記載の方法。
【請求項64】
精神医学的または精神的状態が、臨床的に診断される精神障害であり、前記臨床的に診断される精神障害が、摂食障害であり、前記摂食障害は、神経性食欲不振症、神経性過食症、または過食症を含む、請求項58または59に記載の方法。
【請求項65】
精神医学的または精神的状態が、臨床的に診断される精神障害であり、前記臨床的に診断される精神障害が、衝動制御障害であり、前記衝動制御障害は、放火癖障害、盗癖障害、または強迫性賭博障害を含む、請求項58または59に記載の方法。
【請求項66】
精神医学的または精神的状態が、臨床的に診断される精神障害であり、前記臨床的に診断される精神障害が、嗜癖障害であり、前記嗜癖障害は、アルコール使用障害または物質乱用障害を含む、請求項58または59に記載の方法。
【請求項67】
精神医学的または精神的状態が、臨床的に診断される精神障害であり、前記臨床的に診断される精神障害が、パーソナリティ障害であり、前記パーソナリティ障害は、反社会性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害、または猜疑性パーソナリティ障害を含む、請求項58または59に記載の方法。
【請求項68】
前記対応するデジタルリアリティシーンが、仮想現実シーンである、請求項1~67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記対応するデジタルリアリティシーンが、拡張現実シーンである、請求項1~67のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
前記複数のカテゴリにおける1つのカテゴリに関連付けられるゲート基準が、前記複数のカテゴリにおける他のカテゴリに進む前に前記被験者によって満たされる条件を指定する、請求項1~69のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
前記複数のカテゴリにおけるそれぞれのカテゴリのそれぞれのゲート基準が、(i)システム管理者、(ii)前記被験者、(iii)モデル、または(iv)前記被験者に関連付けられる医療従事者によって設定される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記複数のカテゴリにおける第1のカテゴリのそれぞれのゲート基準が、システム管理者または前記被験者に関連付けられる医療従事者によって設定され、
前記複数のカテゴリにおける第2のカテゴリのそれぞれのゲート基準が、前記被験者によって設定される、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記複数のカテゴリにおけるそれぞれのカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値が、(i)システム管理者、(ii)前記被験者、(iii)前記被験者に関連付けられる医療従事者、(iv)モデル、または(v)それらの組み合わせによって設定される、請求項1~72のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
前記複数のカテゴリにおける前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値が、(i)システム管理者、(ii)前記被験者、(iii)前記被験者に関連付けられる医療従事者、(iv)モデル、または(v)それらの組み合わせによって設定される、請求項1~72のいずれかに記載の方法。
【請求項75】
前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験における前記それぞれの提案される経験の前記それぞれのバイオメトリック閾値は、絶対的なパラメータ、相対的なパラメータ、正規化パラメータ、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験における前記それぞれの提案される経験の前記それぞれのバイオメトリック閾値は、前記第1のカテゴリに関連付けられる前記第1の提案される経験に対して設計される前記対応する課題を明示する、アイコンタクト閾値、心拍数閾値、アサーティブネス閾値、デシベルレベル閾値、ピッチ閾値、発言閾値、ワード閾値、またはセンチメント分析基準である、請求項74または75に記載の方法。
【請求項77】
前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験における前記それぞれの提案される経験の前記それぞれのバイオメトリック閾値が、アイコンタクト閾値であり、前記アイコンタクト閾値は、アイコンタクトの最小長さ、アイコンタクトの増分、または前記アイコンタクトの最小長さおよび前記アイコンタクトの増分の両方を含む、請求項74または75に記載の方法。
【請求項78】
前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験における前記それぞれの提案される経験の前記それぞれのバイオメトリック閾値が、心拍閾値であり、前記心拍閾値は、最大心拍数、心拍数の減少、または前記最大心拍数および前記心拍数の減少の両方を含む、請求項74または75に記載の方法。
【請求項79】
前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験における前記それぞれの提案される経験の前記それぞれのバイオメトリック閾値が、アサーティブネス閾値であり、前記アサーティブネス閾値は、絶対的なアサーティブネス閾値、相対的なアサーティブネス閾値、または前記絶対的なアサーティブネス閾値および前記相対的なアサーティブネス閾値の両方を含む、請求項74または75に記載の方法。
【請求項80】
前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験における前記それぞれの提案される経験の前記それぞれのバイオメトリック閾値が、デシベルレベル閾値であり、前記デシベルレベル閾値は、下限デシベルレベル閾値、上限デシベルレベル閾値、前記デシベルレベルの要求される増加、前記デシベルレベルの要求される減少、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項74または75に記載の方法。
【請求項81】
前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験における前記それぞれの提案される経験の前記それぞれのバイオメトリック閾値が、ピッチ閾値であり、前記ピッチ閾値は、下限ピッチ閾値、上限ピッチ閾値、前記ピッチの要求される増加、前記ピッチの要求される減少、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項74または75に記載の方法。
【請求項82】
前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験における前記それぞれの提案される経験の前記それぞれのバイオメトリック閾値が、発言閾値であり、前記発言閾値は、最小発言回数、最大発言回数、必要な発言回数の増加、必要な発言回数の減少、またはそれらの組み合わせを含む、請求項74または75に記載の方法。
【請求項83】
前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験における前記それぞれの提案される経験の前記それぞれのバイオメトリック閾値が、ワード閾値であり、前記ワード閾値は、最小ワード数、最大ワード数、必要なワード数の増加、必要なワード数の減少、またはそれらの組み合わせを含む、請求項74または75に記載の方法。
【請求項84】
前記第1のカテゴリに関連付けられる前記複数の提案される経験における前記それぞれの提案される経験の前記それぞれのバイオメトリック閾値が、センチメント分析基準であり、前記センチメント分析基準が、エキサイテッドセンチメント閾値およびオーバーエキサイテッドセンチメント閾値を含む、請求項74または75に記載の方法。
【請求項85】
所定のセンチメントの特徴であるとみなされるステートメントのリストにおける各ステートメントに対して、前記第1のカテゴリに関連付けられる前記第1の提案される経験に対して設計される前記対応する課題中に行なわれた、前記被験者の1以上の発言のコサイン類似度または内積をとることによって、前記センチメント分析基準が満たされているか否かを決定することを更に備える、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記所定のセンチメントが、楽しみ、怒り、不安、気まずさ、退屈、冷静さ、混乱、渇望、嫌悪、共感的苦痛、恍惚状態、興奮、恐怖、戦慄、興味、喜び、煩わしさ、懐かしさ、安堵、悲しみ、満足、または驚きである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記複数のカテゴリは、1以上の曝露カテゴリ、1以上の認知行動療法(CBT)カテゴリ、1以上のマインドフルネスカテゴリ、またはそれらの組合せを含む、請求項1~86のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
前記第1のカテゴリが、マインドフルネスカテゴリであり、前記第2のカテゴリが、CBTカテゴリである、請求項1~87のいずれかに記載の方法。
【請求項89】
前記第1のカテゴリが、曝露カテゴリであり、前記第2のカテゴリが、前記CBTカテゴリである、請求項1~88のいずれかに記載の方法。
【請求項90】
被験者の精神医学的または精神的状態を管理する前記被験者の能力を改善する曝露進行を実施するためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、1以上のプロセッサと、ディスプレイと、前記1以上のプロセッサに結合されるメモリとを備え、前記メモリは、前記1以上のプロセッサにより実行され前記コンピュータシステムに請求項1~89のいずれかに記載の方法を実行させるように構成される1以上のプログラムを含む、コンピュータシステム。
【請求項91】
1以上のプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記1以上のプログラムは、コンピュータシステムによって実行される場合、前記コンピュータシステムに請求項1~89のいずれかに記載の方法を実行させる命令を備える、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項92】
被験者の精神医学的または精神的状態を管理する前記被験者の能力を改善する曝露進行を実施するためのデバイスであって、前記デバイスは、1以上のプロセッサと、前記1以上のプロセッサに結合されるメモリとを備え、前記メモリは、前記1以上のプロセッサによって実行され前記コンピュータシステムに請求項1~89のいずれかに記載の方法を実行させるように構成される1以上のプログラムを含む、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年12月1日に出願された「Management of Psychiatric or Mental Conditions Using Digital or Augmented Reality with Personalized Exposure Progression」と題する米国仮特許出願第63/284,862号の優先権を主張し、その全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。また、本出願は、2022年10月13日に出願された「Management of Psychiatric or Mental Conditions Using Digital or Augmented Reality with Personalized Exposure Progression」と題する米国仮特許出願第63/415,876号の優先権を主張し、その全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、被験者によって示される精神医学的または精神的状態を管理するためのデジタルリアリティまたは拡張現実(augmented reality)を基とした療法(レジメン)を準備するためのシステム、方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
患者のメンタルヘルスを改善する精神医療施設およびサービスを利用する需要は、これまでになく高い。しかし、この増加した精神医療施設への利用が、精神的な健康問題の原因の減少をもたらしたという証拠は見出されていない。逆に、近年、患者の精神衛生上の問題が増加している。Mojtabai et al., “Trends in Psychological Distress, Depressive Episodes and Mental-Health Treatment-Seeking in the United States: 2001-2012,” Journal of Affective Disorders, 174, pg. 556、参照。
【0004】
さらに、精神医療施設に対する需要の増加は、精神医療施設でサービスを提供する医療従事者および専門家に対する需要も比例して増加させる。従って、医療従事者および専門家は心理的および生理的な増加したストレスに晒され、増加したストレスが医療従事者および専門家が最適なサービスを提供するのを妨げている。Ruiz-Fernandez et al., 2020, “Compassion Fatigue, Burnout, Compassion Satisfaction and Perceived Stress in Healthcare Professionals During the COVID‐19 Health Crisis in Spain,” Journal of Clinical Nursing, 29(21-22), pg. 4321-4430、参照。
【0005】
メンタルヘルスを改善するための従来の解決策は、関与する全ての当事者にとって面倒で資源集約的である。例えば、従来の解決策は、臨床医と患者との間の時間と費用のかかる対面会議をしばしば必要とする。更に、これらの対面会議は、臨床医との対面会議の密接かつ私的な性質を考えると、臨床医が患者の根本的なメンタルヘルス問題を明らかにする状況で患者を観察することを容易に可能にしない。
【0006】
さらに、従来の解決策は、特定のメンタルヘルス問題の対処(トリートメント)に十分な有効性を欠いている。例えば、従来の対面認知および/または行動曝露技術は一般にある程度の有効性を示しているが、特に心的外傷後ストレス障害(PTSD)、社交不安障害(SAD)、およびパニック障害に対しては有意な有効性を欠いている。Carpenter et al., 2018, “Cognitive Behavioral Therapy for Anxiety and Related Disorders: A Meta-analysis of Randomized Placebo-controlled Trails,” Depression and Anxiety, 25(56), pg. 502、参照。
【0007】
これと同時に、インタラクティブ(対話型)コンピュータに実装される、ゲームおよびサービスが拡大している。しかし、メンタルヘルスを改善するためのサービスをコンピュータに実装されるゲームと結び付ける従来の解決策は満足のいくものではなかった。そのような失敗の1つの原因は、療法士がコンピュータに実装されるゲームセッション中に患者と一緒にいなければならないという要件である。Freeman et al., 2017, “Virtual Reality in the Assessment, Understanding, and Treatment of Mental Health Disorders,” Psychological Medicine, 47(14), pg. 2393、参照。しかし、この要件は、利用可能な時間的、空間的、および金銭的な資源において、患者および医師の両方にとって負担である。
【0008】
従って、被験者またはその医療従事者に過度に負担をかけることなく、被験者のメンタルヘルスを改善するシステム、方法およびデバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
上記の背景を考慮すると、当技術分野で必要とされるのは、被験者によって呈示される精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するための療法を準備するためのシステムおよび方法である。
【0010】
本開示は、被験者の精神医学的または精神的状態を管理または改善するための被験者の能力を改善する曝露進行(exposure progression)を実施するための改善されるシステムおよび方法を提供する。
【0011】
本開示の一態様は、曝露進行を実施するためのシステム、方法、およびデバイスを提供することに関する。曝露進行は、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するように構成されるデジタルリアリティにおける一連のイベントである。例えば、いくつかの実施形態では、一連のイベントは、2以上の経験、3以上の経験、5以上の経験、10以上の経験など、被験者に示される様々な経験を含む。このようにして、いくつかのそのような実施形態では、本開示の方法は、被験者に関連付けられるコンピュータシステムで実施される。コンピュータシステムは、1以上のプロセッサと、少なくともデジタルリアリティシーンを示すためのディスプレイとを含む。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、デジタルリアリティシーンの聴覚的態様(auditory aspects)を示すための1以上のスピーカまたはヘッドホンを含む。更に、コンピュータシステムは、複数のセンサと、1以上のプロセッサに結合されるメモリとを含む。メモリは、1以上のプロセッサによって実行されるように構成される1以上のプログラムを含む。
【0012】
従って、本方法は、被験者の複数のカテゴリを取得することを含む。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける各それぞれのカテゴリは、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の特定の能力を改善することを対象とする。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリは、曝露カテゴリ、認知リフレーミング(cognitive reframing)療法(CBT)カテゴリ、マインドフルネスカテゴリ、一般カテゴリ、またはそれらの組合せを含む。曝露カテゴリの非限定的な例は、第1の社会的インタラクションおよび/またはインタラクション不安(interaction anxiety)カテゴリ、第2のパブリックパフォーマンス不安カテゴリ、第3の観察されることの恐怖カテゴリ、第4の摂取不安(例えば、食物の摂取に関連付けられる不安)カテゴリ、第5のアサーティブネス不安カテゴリ、またはこれらの組み合わせを含む。CBTカテゴリの別の非限定的な例は、第6の認知リフレーミングカテゴリ、第7の有用性カテゴリ、8の拡散(defusion)カテゴリ、またはそれらの組み合わせを含む。各それぞれのカテゴリは、対応する複数の提案される経験に関連付けられる。そのため、対応する複数の提案される経験における各提案される経験は、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の特定の能力を改善するように構成されるデジタルリアリティにおけるタスクまたは課題(challenge)である。第1の社会的インタラクションおよび/またはインタラクション不安カテゴリに関連付けられる経験の非限定的な例は、(例えば、ウェディング、公園などで)一人にされて、他人(stranger)とインタラクトする必要があることによってインタラクション不安を改善するためのエクササイズを含む。CBTカテゴリに関連付けられる経験の別の非限定的な例は、インタラクション不安につながる被験者がどのように認識されるかに関する被験者の壊滅的な思考および思い込みを特定するように構成される認知リフレーミングエクササイズを含む。
【0013】
更に、各それぞれのカテゴリは、複数のゲート基準における少なくとも1つのそれぞれのゲート基準に関連付けられる。いくつかの実施形態では、ゲート基準は、被験者に対してそれぞれのカテゴリを完了したとみなすために達成されなければならない先行条件(condition precedent)である。先行条件の非限定的な例は、対応する複数の提案される経験における少なくとも2つの提案される経験が、被験者が所与のカテゴリを呼び出すことを許可される前に被験者によって正常に完了されるという要件である。先行条件の別の非限定的な例は、経験とインタラクトする場合にデジタルリアリティオブジェクトとのインタラクションの閾値数を満たさなければならないという要件である。このようにして、対応する複数の提案される経験における各それぞれの提案される経験は、それぞれのカテゴリのそれぞれの提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する(manifest)対応するデジタルリアリティシーンに関連付けられる。
【0014】
いくつかの実施形態では、各提案される経験は、複数のバイオメトリック閾値における少なくとも1つのバイオメトリック測定値および閾値に更に関連付けられ、本方法が、デジタルリアリティシーン中に被験者から少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素をキャプチャすることを相関させることを可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリック測定値は、被験者に関連付けられる音声特徴(例えば、被験者から得られる音声信号のエントロピー)、またはデジタルリアリティシーンとインタラクトする場合の被験者に関連付けられる空間特徴(例えば、デジタルリアリティシーンとインタラクトする場合の被験者の手の動き)を含む。従って、いくつかの実施形態では、開示される方法は、ディスプレイに、複数のカテゴリの被験者による選択に基づく、第1のカテゴリの第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンを示すことを含む。いくつかの実施形態では、第1のデジタルリアリティシーンのこの提示と連携して、開示される方法は、第1の複数のデータ要素を取得することを含む。いくつかの実施形態では、第1の複数のデータ要素は、バイオメトリックデータ要素の第1のセットを含む。バイオメトリックデータ要素の第1のセットは、複数のセンサにおけるセンサのサブセットから取得される。いくつかの実施形態では、センサのサブセットは、1つのセンサ、少なくとも2つのセンサ、または少なくとも4つのセンサを含む。そのため、センサのサブセットは、被験者が第1のデジタルリアリティシーンにおいて第1の課題を完了している場合に被験者に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素をキャプチャするように構成される少なくとも1つのバイオメトリックセンサを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、心拍数センサ、心拍変動センサ、血圧センサ、皮膚電気活動センサ、ガルバニック皮膚反応センサ、脳波センサ、アイトラッキングセンサ、レコーダ、マイクロフォン、温度計、またはそれらの任意の組み合わせである第1のバイオメトリックセンサを含む。これから、いくつかのそのような実施形態では、開示される方法は、提示中の被験者のパフォーマンスが様々なバイオメトリック測定閾値を満たすかまたは超えるか否かを決定すること、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのそれぞれのゲート基準における各ゲート基準が満たされる場合を決定すること、または、その両方を含む。いくつかのこのような実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素のアセスメントを含むこの決定に基づいて、開示される方法は、提示中の被験者のパフォーマンスが様々なバイオメトリック測定閾値を満たすかまたは超えるか否かの決定の結果に少なくとも部分的に基づいて、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を最も改善する、被験者が次に実行する複数のカテゴリにおける第2のカテゴリを決定することを含む。従って、開示される方法は、第2のカテゴリと比較して被験者にとって最適ではない第3のカテゴリとは対照的に、被験者に第2のカテゴリを選択することによって、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する、第1のカテゴリから第2のカテゴリへの曝露進行を実施する。
【0015】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリを取得することにおける複数のカテゴリは、当初は、システム管理者、被験者、被験者に関連付けられる医療従事者(例えば、医師)、モデル(例えば、計算モデル)、またはそれらの組み合わせによって設定される曝露進行のイニシャルインスタンスに配置される。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1のデジタルリアリティシーンを示す前にディスプレイに、曝露進行のイニシャルインスタンスを表わすグラフを示すことを更に含む。グラフは、複数のノードおよび複数のエッジを含む。いくつかの実施形態では、複数のノードにおける各それぞれのノードに対して、グラフは、それぞれのノードに隣接して表示される対応する複数の経験グラフィックを更に含む。いくつかの実施形態では、複数のノードの各それぞれのノードは、複数のカテゴリにおけるそれぞれのカテゴリに対応する。更に、いくつかの実施形態では、各それぞれのノードは、対応する複数の提案される経験に関連付けられる。更に、各それぞれのノードは、複数のゲート基準における少なくとも1つのそれぞれのゲート基準に関連付けられる。複数のノードにおける各それぞれのノードに対して、対応する複数の経験グラフィックにおける各それぞれの経験グラフィックは、複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験に対応し、複数のバイオメトリック閾値における少なくとも1つのバイオメトリック閾値に関連付けられる。更に、いくつかの実施形態では、複数のノードにおける各それぞれのノードは、複数のエッジにおける一のエッジによってグラフの少なくとも1つの他のノードに接続される。更に、いくつかの実施形態では、複数のエッジにおける各それぞれのエッジは、それぞれの初期ノードに関連付けられる対応する課題の必要数が被験者によって正常に完了したときの、グラフにおけるそれぞれの初期ノードとそれぞれのサブスクエントノードとの間のグラフ内の進行(プログレッション)を表わす。
【0017】
いくつかの実施形態では、複数のノードにおける各それぞれのノードに対して、グラフは、対応する複数のブランチを更に含む。更に、対応する複数の経験グラフィックにおける各それぞれの経験グラフィックは、対応する複数のブランチにおける一のブランチによってそれぞれのノードに接続される。
【0018】
いくつかの実施形態では、第2のカテゴリを決定することは、曝露進行のイニシャルインスタンスにおける第1のカテゴリの直後のカテゴリが、被験者が次に実行するのに適しているか否かを評価することを含む。いくつかの実施形態では、第2のカテゴリを決定することは、曝露進行のイニシャルインスタンスにおける直後のカテゴリが、被験者が次に実行するのに適している場合、被験者が実行する第2のカテゴリとして、曝露進行のイニシャルインスタンスにおける直後のカテゴリを示すことを更に含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、第2のカテゴリを決定することは、曝露進行のイニシャルインスタンスにおける直後のカテゴリが、被験者が次に実行するのに適していない場合、被験者が次に実行する第2のカテゴリとして、曝露進行のイニシャルインスタンスにおける直後のカテゴリ以外のカテゴリを推奨することを更に含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサは、所定のサンプリングレートで被験者の生理学的または心理学的状態に関連付けられるバイオメトリックデータ要素をキャプチャするように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、所定のサンプリングレートが40ms(ミリ秒)~160msである。いくつかの実施形態では、所定のサンプリングレートが調整可能である、または、所定のサンプリングレートが固定される。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサは、心拍数センサ、心拍変動センサ、血圧センサ、皮膚電気活動センサ、ガルバニック皮膚反応センサ、脳波センサ、アイトラッキングセンサ、レコーダ、マイクロフォン、または温度計である。
【0023】
いくつかの実施形態では、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットは、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットのキャプチャを開始するように構成される特定のトリガイベントなどの特定のトリガに応じて第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサが心拍数センサである。いくつかのそのような実施形態では、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットは、被験者の心拍数を決定するために使用される。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサが心拍変動センサである。いくつかのそのような実施形態では、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットは、被験者の心拍周期(beat-to-beat intervals)を決定するために使用され、心拍変動のアセスメントを与える。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサがアイトラッキングセンサであり、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットは、被験者の視線固定(gaze fixation)、被験者の滑らかな動き(smooth motion)、被験者のサッカード、被験者による瞬き、被験者のスキャン経路の長さ(scan-path length)、被験者の開眼度(eye openness)、被験者の瞳孔拡張(pupil dilation)、被験者の眼の位置、被験者によって示される過覚醒(hypervigilance)、被験者によって示される視線回避(gaze avoidance)、またはそれらの任意の組み合わせを決定するために使用される。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサがアイトラッキングセンサである。いくつかのそのような実施形態では、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットは、被験者の視線固定を決定するために使用される。いくつかのそのような実施形態では、視線固定は、第1のデジタルリアリティシーンの関心領域(region of interest)の空間基準および時間基準に基づいて定められる。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサがアイトラッキングセンサである。いくつかのそのような実施形態では、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットは、被験者によって示される過覚醒を決定するために使用される。いくつかのそのような実施形態では、過覚醒は、第1のデジタルリアリティシーンにおける特定の課題中の最初の凝視(first fixation)までの時間として定められる。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサがアイトラッキングセンサである。いくつかのそのような実施形態では、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットは、被験者によって示される視線回避を決定するために使用される。いくつかのそのような実施形態では、視線回避は、第1のデジタルリアリティシーンにおいて特定の課題中に被験者によって示される凝視の数を第1のデジタルリアリティシーンにおいて被験者によって示される凝視の総数で割った数で定められる。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサがレコーダである。いくつかのそのような実施形態では、センチメント分析(sentiment analysis)または感情分析(emotion analysis)は、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットに対して実行され、第1の課題が正常に完了したか否かを評価する(assess)。
【0031】
いくつかの実施形態では、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットは、(例えば、計算モデルによって)複写されてトランスクリプションを作成する。いくつかのそのような態様では、トランスクリプションは、ワードを生成するために抽出される。いくつかのそのような実施形態では、センチメント分析は、抽出されるワードに対して実行される。
【0032】
いくつかの実施形態では、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットは、基本周波数(fundamental frequency)、スピーチ速度(speech rate)、一時停止(pauses)、無音の持続時間(duration of silence)、音声強度(voice intensity)、音声開始時間(voice onset time)、ピッチ摂動(pitch perturbations)、音量摂動(loudness perturbations)、音声ブレーク(voice breaks)、ピッチジャンプ(pitch jumps)、声質(voice quality)、音質(sound quality)、またはそれらの組み合わせを決定して、第1の課題に対して第1の提案される経験に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たすことによって第1の課題が正常に完了するか否かを評価する(assess)ために使用される。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされるバイオメトリックデータ要素の第1のサブセットが記憶され、第1のデジタルリアリティシーンの完了後にバイオメトリックデータ要素の第1のサブセットの再生が可能になる。
【0034】
いくつかの実施形態では、1以上の特定のキーワードがバイオメトリックデータ要素の第1のサブセットの分析で使用され、なりすまし(spoofing)を防止する。
【0035】
いくつかの実施形態では、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットは、前処理され、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットを使用する前にバックグラウンドノイズを除去し、第1の課題に対して第1の提案される経験に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たすことによって第1の課題が正常に完了するか否かを評価する(assess)。
【0036】
いくつかの実施形態では、バイオメトリックデータ要素の第1のサブセットは、自動ノイズキャンセル機能が有効にされる状態で、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる。
【0037】
いくつかの実施形態では、本方法は、被験者に関連付けられる第2の複数のデータ要素を電子形式で受信することを更に含む。いくつかのそのような実施形態では、第2の複数のデータ要素は、被験者の初期の精神医学的または精神的状態に関連付けられる第2のバイオメトリックデータ要素のセットを含む。更に、対応する閾値ベースライン特性は、第2の複数のバイオメトリックデータ要素によって形成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1のデジタルリアリティシーンの提示を開始する場合または開始する前に、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける第1のバイオメトリックセンサから、第2のバイオメトリックデータ要素のセットを取得することを更に含む。対応する閾値ベースライン特性は、第2のバイオメトリックデータ要素のセットによって形成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、第2のバイオメトリックデータ要素のセットを取得することは、イントロダクション(入門)またはチュートリアル課題の間に実行される。
【0040】
いくつかの実施形態では、イントロダクションまたはチュートリアル課題は、デジタルリアリティシーンにおいて示される。デジタルリアリティシーンは、憩いの場(例えば、教育的コンテンツおよび/または癒し(soothing)コンテンツを提供することによって、被験者を落ち着かせるまたは正常化するように構成されるデジタル空間)を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのそれぞれのゲート基準における一のゲート基準が満たされない場合、第1のデジタルリアリティシーンを示すことと、第1の複数のデータ要素を取得することと、1以上の閾値(例えば、少なくとも1つのバイオメトリック閾値、対応する第1の閾値ベースライン特性、ゲート基準、それらの組み合わせ)の充足度を決定することとを第1のカテゴリに関連付けられる他の課題に対して1回以上繰り返すことを更に含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の課題に対して第1の提案される経験に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たさないことによって第1の課題が正常に完了しないと決定される場合、被験者が次に行なう第1のカテゴリに対して対応する複数の提案される経験における別の提案される経験の課題を推奨することを更に含む。課題を推奨することは、テキスト、グラフィック、音声、またはそれらの組み合わせで示される。
【0043】
いくつかの実施形態では、推奨される課題は、第1のカテゴリの第1の課題と同等以下の挑戦的課題(challenging challenge)を提起する(pose)。いくつかの実施形態では、推奨される課題は、第1のカテゴリの第1の提案される経験に対して設計される同じ第1の課題である。更に、いくつかの実施形態では、推奨される課題は、第1のカテゴリの異なる提案される経験に対して設計される課題である。いくつかの実施形態では、推奨される課題は、複数のカテゴリにおける一の異なるカテゴリの提案される経験に対して設計される課題である。更に、いくつかの実施形態では、推奨される課題は、複数のカテゴリの任意のカテゴリ以外の課題である。
【0044】
いくつかの実施形態では、本方法は、推奨される課題の選択に応じて、第1のデジタルリアリティシーンを示すことと、第1の複数のデータ要素を取得することと、推奨される課題に対する1以上の閾値(例えば、少なくとも1つのバイオメトリック閾値、対応する第1の閾値ベースライン特性、ゲート基準、それらの組み合わせ)の充足度を決定することとを繰り返すことを更に含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、課題は、第1のカテゴリにカスタマイズされるユニークマインドフルネス課題、複数のカテゴリにおける各カテゴリからアクセス可能なユニバーサルマインドフルネス課題、第1のカテゴリにカスタマイズされるユニーク認知リフレーミング課題、または複数のカテゴリにおける各カテゴリからアクセス可能なユニバーサル認知リフレーミング課題である。
【0046】
いくつかの実施形態では、本方法は、課題の選択に応じて、ディスプレイに、課題を明示する第2のデジタルリアリティシーンを示すことを更に含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、本方法は、第2のデジタルリアリティシーンを示すことと連携して、複数のセンサにおけるセンサの一のサブセットから第3の複数のデータ要素を取得することを更に含む。第3の複数のデータ要素は、被験者に関連付けられる第3の複数のバイオメトリックデータ要素を含む。更に、第3の複数のデータ要素は、被験者が課題を明示する第2のデジタルリアリティシーンを完了している場合にキャプチャされる。いくつかのそのような実施形態では、本方法は、対応する閾値ベースライン特性に対して、または、第1の複数のデータ要素を取得することからの第1の複数のバイオメトリックデータ要素に対して、第3の複数のバイオメトリックデータ要素を比較することによって、変化または改善を決定することを更に含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、本方法は、第2のカテゴリを決定することの前にディスプレイに、アセスメントなどの主観的評価オプション(subjective evaluation option)を示すことを更に含む。いくつかのそのような実施形態では、本方法は、主観的評価オプションの選択に応じて、主観的評価を実行することを更に含む。第2のカテゴリを決定することは、少なくとも部分的に、主観的評価の結果に基づく。
【0049】
いくつかの実施形態では、主観的評価は、臨床的総合印象(CGI)、患者生成指数(PGI)、リーボウィッツ社交不安尺度(LSAS)、またはそれらの組み合わせに基づく。いくつかの実施形態では、主観的評価は、CGI、PGI、LSAS、またはそれらの組み合わせを考慮した最小臨床重要差(MCID)に基づく。いくつかの実施形態では、主観的評価は、GAD-2、GAD-7などの全般性不安障害(GAD)に基づく。いくつかの実施形態では、主観的評価は、PHQ-2、PHQ-9などのPatient Health Questionnaire(PHQ)に基づく。
【0050】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1のデジタルリアリティシーンを示すことと、第1の複数のデータ要素を取得することと、第2のカテゴリの提案される経験に対して設計される課題を明示するデジタルリアリティシーンに対する1以上の閾値(例えば、少なくとも1つのバイオメトリック閾値、対応する第1の閾値ベースライン特性、ゲート基準、それらの組み合わせ)の充足度を決定することとを繰り返すことを更に含む。いくつかのそのような実施形態では、本方法は、第2のカテゴリに対する第2のカテゴリを決定することを繰り返すことを更に含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリを取得することにおいて、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験は、初めは、最初の第1のサブプログレッションに配置される。いくつかの実施形態では、最初の第1のサブプログレッションは、システム管理者、被験者、被験者に関連付けられる医療従事者、モデル、またはそれらの組み合わせによって設定される。
【0052】
いくつかの実施形態では、本方法は、最初の第1のサブプログレッションにおける第1の提案される経験の直後の提案される経験が、被験者が次に実行するのに適しているか否かを評価すること(assessing)を更に含む。いくつかのそのような実施形態では、本方法は、直後の提案される経験が、被験者が次に実行するのに適しているとみなされる場合に、最初の第1のサブプログレッションにおける直後の提案される経験に対して設計される課題を明示するデジタルリアリティシーンを示すことを更に含む。更に、いくつかのそのような実施形態では、本方法は、第1の複数のデータ要素を取得することと、最初の曝露の第1のサブプログレッションにおける直後の提案される経験に対して設計される課題に対する1以上の閾値(例えば、少なくとも1つのバイオメトリック閾値、対応する第1の閾値ベースライン特性、ゲート基準、それらの組み合わせ)の充足度を決定することとを繰り返すことを更に含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、本方法は、直後の提案される経験が、被験者が次に実行するのに適していないとみなされる場合に、被験者が次に実行するための直後の提案される経験以外の提案される経験を推奨することを更に含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、1以上の閾値(例えば、少なくとも1つのバイオメトリック閾値、対応する第1の閾値ベースライン特性、ゲート基準、それらの組み合わせの充足度を決定すること。更に、本方法は、バイオメトリックデータ要素の第1のセットが、少なくとも1つのバイオメトリック閾値における第2のバイオメトリック閾値を満たすか否かを決定することを更に含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリック閾値における第1および第2のバイオメトリック閾値の一方は、被験者の発言(utterance)ベースラインと比較した発言数における要求される最小変化(required minimal change)である。従って、少なくとも1つのバイオメトリック閾値における第1および第2のバイオメトリック閾値の他方は、第1のカテゴリに関連付けられる第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーン中における、被験者のアサーティブネスベースラインと比較したアサーティブネスの要求される最小変化、被験者のデシベルレベルベースラインと比較したデシベルレベルの要求される最小変化、被験者のピッチベースラインと比較したピッチの要求される最小変化、またはそれらの組み合わせである。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1の複数のデータ要素を取得することにおいてキャプチャされる少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素は、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける第2のバイオメトリックセンサによってキャプチャされるバイオメトリックデータ要素の第4のセットを含む。いくつかの実施形態では、バイオメトリックデータ要素の第4のセットは、バイオメトリックデータ要素の第1のセットとは異なる。更に、いくつかのそのような実施形態では、1以上の閾値(例えば、少なくとも1つのバイオメトリック閾値、対応する第1の閾値ベースライン特性、ゲート基準、それらの組み合わせ)の充足度を決定することは、第3のベースライン特性に対するバイオメトリックデータ要素の第4のセットの比較が、少なくとも1つのバイオメトリック閾値における第3のバイオメトリック閾値を満たすか否かを決定することを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1および第3のバイオメトリック閾値のうちの一方は、被験者のワードベースラインと比較したワード数の要求される最小変化、被験者の発言ベースラインと比較した発言数の要求される最小変化、(被験者のアサーティブネスベースラインと比較したアサーティブネスの要求される最小変化、被験者のデシベルレベルベースラインと比較したデシベルレベルの要求される最小変化、被験者のピッチベースラインと比較したピッチの要求される最小変化、またはそれらの組み合わせである。更に、少なくとも1つのバイオメトリック閾値における第1および第3のバイオメトリック閾値の他方は、第1のカテゴリに関連付けられる第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーン中における、被験者のアイコンタクトベースラインと比較したアイコンタクトの長さの要求される最小変化である。
【0058】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける各カテゴリがユニークランク(unique rank)に関連付けられる。
【0059】
いくつかの実施形態では、複数のセンサが心拍数センサを含む。いくつかのそのような実施形態では、対応する閾値ベースライン特性が被験者の初期心拍数である。
【0060】
いくつかの実施形態では、複数のセンサが血圧センサを含む。いくつかのこのような実施形態では、対応する閾値ベースライン特性は、被験者の収縮期血圧または被験者の拡張期血圧である。
【0061】
いくつかの実施形態では、ディスプレイがヘッドマウントディスプレイである。
【0062】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのそれぞれのゲート基準は、複数のカテゴリにおける各カテゴリの階層的ランキングに関連付けられるランキングゲート基準を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのそれぞれのゲート基準は、少なくとも1つのそれぞれのゲート基準に対応する複数のカテゴリにおける一のカテゴリの、被験者に関連付けられる医師からの承認に関連付けられる医師ゲート基準を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのそれぞれのゲート基準は、複数のカテゴリにおける1以上のカテゴリの順序に関連付けられるアレンジメントゲート基準を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態は、臨床的に診断される精神障害(clinically diagnosed mental disorder)または亜臨床的に診断される精神障害(sub-clinically diagnosed mental disorder)である。
【0066】
いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態は、社会的環境(social setting)においてストレスを受けていること、社会的環境を恐怖に感じていること、または社会的環境において圧倒されていること(being overwhelmed)を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態は、臨床的に診断される精神障害である。更に、臨床的に診断される精神障害は、不安障害、気分障害、精神病性障害、摂食障害、衝動制御障害、嗜癖障害、パーソナリティ障害、強迫性障害、または心的外傷後ストレス障害である。
【0068】
いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態は、臨床的に診断される精神障害である。更に、臨床的に診断される精神障害は不安障害である。いくつかのこのような実施形態では、不安障害は、分離不安障害、場面緘黙症、特定恐怖症、社交不安障害、パニック障害、広場恐怖症、全般性不安障害、物質誘発性不安障害、または被験者の病状による不安障害を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態は、臨床的に診断される精神障害である。いくつかのこのような実施形態では、臨床的に診断される精神障害が気分障害であり、気分障害は、うつ障害、双極性障害、または気分循環性障害を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態は、臨床的に診断される精神障害である。更に、臨床的に診断される精神障害は精神病性障害である。いくつかのこのような実施形態では、精神病性障害は、統合失調症障害、錯覚障害または幻覚障害を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態は、臨床的に診断される精神障害である。更に、臨床的に診断される精神障害は摂食障害であり、摂食障害は、神経性食欲不振症、神経性過食症、または過食性障害を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態は、臨床的に診断される精神障害である。更に、臨床的に診断される精神障害は衝動制御障害であり、衝動制御障害は、放火癖障害、盗癖障害、または強迫性賭博障害を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態は、臨床的に診断される精神障害である。更に、臨床的に診断される精神障害は嗜癖障害であり、嗜癖障害は、アルコール使用障害または物質乱用障害を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態は、臨床的に診断される精神障害である。更に、臨床的に診断される精神障害はパーソナリティ障害であり、パーソナリティ障害は、反社会性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害、またはパラノイド性パーソナリティ障害を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、対応するデジタルリアリティシーンが仮想現実シーンである。
【0076】
いくつかの実施形態では、対応するデジタルリアリティシーンが拡張現実(augmented reality)シーンである。
【0077】
いくつかの実施形態では、対応するデジタルリアリティシーンが複合現実シーンである。
【0078】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける1つのカテゴリに関連付けられるゲート基準が、複数のカテゴリにおける別のカテゴリに進む前に被験者が満たす条件を指定する。
【0079】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおけるそれぞれのカテゴリのそれぞれのゲート基準が、システム管理者、被験者、モデル、被験者に関連付けられる医療従事者、またはそれらの組み合わせによって設定される。
【0080】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける第1のカテゴリのそれぞれのゲート基準が、システム管理者または被験者に関連付けられる医療従事者によって設定され、複数のカテゴリにおける第2のカテゴリのそれぞれのゲート基準が、被験者によって設定される。
【0081】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおけるそれぞれのカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値が、システム管理者、被験者、被験者に関連付けられる医療従事者、モデル、またはそれらの組み合わせによって設定される。
【0082】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値が、システム管理者、被験者、被験者に関連付けられる医療従事者、モデル、またはそれらの組み合わせによって設定される。
【0083】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値は、絶対的なパラメータ、相対的なパラメータ、正規化パラメータ、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0084】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値は、第1のカテゴリに関連付けられる第1の提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する、アイコンタクト閾値、心拍数閾値、アサーティブネス閾値、デシベルレベル閾値、ピッチ閾値、発言閾値、ワード閾値、センチメント分析基準、またはそれらの組み合わせである。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値は、アイコンタクト閾値である。更に、アイコンタクト閾値は、アイコンタクトの最小長さ、アイコンタクトの増分(インクリメント)、またはアイコンタクトの最小長さおよびアイコンタクトの増分の両方を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値は、心拍数閾値である。更に、心拍数閾値は、最大心拍数、心拍数の減少、または最大心拍数および心拍数の減少の両方を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値は、アサーティブネス閾値である。更に、アサーティブネス閾値は、絶対的アサーティブネス閾値、相対的アサーティブネス閾値、または絶対的アサーティブネス閾値および相対的アサーティブネス閾値の両方を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値は、デシベルレベル閾値である。更に、デシベルレベル閾値は、下限デシベルレベル閾値、上限デシベルレベル閾値、必要なデシベルレベルの増加、必要なデシベルレベルの減少、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値は、ピッチ閾値である。更に、ピッチ閾値は、下限ピッチ閾値、上限ピッチ閾値、必要なピッチの増加、必要なピッチの減少、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値は、発言閾値である。発言閾値は、最小発言回数、最大発言回数、必要な発言回数の増加、必要な発言回数の減少、またはそれらの組み合わせを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値は、ワード閾値である。更に、いくつかのそのような実施形態では、ワード閾値は、最小ワード数、最大ワード数、必要なワード数の増加、必要なワード数の減少、またはそれらの組み合わせを含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験のそれぞれのバイオメトリック閾値は、センチメント分析基準である。いくつかのそのような実施形態では、センチメント分析基準は、エキサイテッドセンチメント閾値およびオーバーエキサイテッドセンチメント閾値を含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、本方法は、所定のセンチメントの特徴であるとみなされるステートメントのリストにおける各ステートメントに対して、第1のカテゴリに関連付けられる第1の提案される経験に対して設計される対応する課題中に行なわれた、被験者の1以上の発言のコサイン類似度または内積をとることによって、センチメント分析基準が満たされているか否かを決定することを更に含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、所定のセンチメントは、楽しみ、怒り、不安、気まずさ、退屈、冷静さ、混乱、渇望、嫌悪、共感的苦痛、恍惚状態、興奮、恐怖、戦慄、興味、喜び、煩わしさ、懐かしさ、安堵、悲しみ、満足、または驚きである。
【0095】
いくつかの態様において、複数のカテゴリは、1以上の曝露カテゴリ、1以上の認知行動療法(CBT)カテゴリ、1以上のマインドフルネスカテゴリ、またはそれらの組合せを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリがマインドフルネスカテゴリであり、第2のカテゴリがCBTカテゴリである。いくつかの実施形態では、第1のカテゴリが曝露カテゴリであり、第2のカテゴリがCBTカテゴリである。
【0097】
本開示の他の態様は、1以上のプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供することを対象とする。1以上のプログラムは、コンピュータシステムによって実行される場合にコンピュータシステムに本開示の方法を実行させる命令を含む。
【0098】
本開示の更に他の態様は、被験者によって示される精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するためのコンピュータシステムの使用を提供することを対象とする。コンピュータシステムは、1以上のプロセッサと、ディスプレイと、1以上のプロセッサに結合されるメモリとを含む。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、オーディオスピーカおよび/またはマイクロフォンを含む。メモリは、本開示の方法を実施する、1以上のプロセッサによって実行されるように構成される1以上のプログラムを含む。
【0099】
本開示の更に他の態様は、曝露進行を実施するためのデバイスを提供することを対象とする。いくつかの実施形態では、デバイスは、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するように構成される。更に、デバイスは、1以上のプロセッサと、1以上のプロセッサに結合されるメモリとを含む。メモリは、1以上のプロセッサによって実行されるように構成される1以上のプログラムを含む。1以上のプログラムは、コンピュータシステムに本開示の方法を実行させるように構成される。いくつかの実施形態では、デバイスは、ディスプレイおよび/またはオーディオ回路を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、二次元ピクセレイテッド検出器(two-dimensional pixelated detector)と光学的に通信する対物レンズを含む。
【図面の簡単な説明】
【0100】
本特許のファイルは、少なくとも1枚のカラー図面を含む。
図1図1は、本開示の一実施形態に係る、デジタルリアリティシーンを表示するためのシステムの一実施形態を示すブロック図を示す。
図2A図2Aは、本開示の一実施形態に係る、デジタルリアリティ経験を容易にするためのデジタルリアリティホストシステムを示す。
図2B図2Bは、本開示の一実施形態に係る、デジタルリアリティ経験を容易にするためのデジタルリアリティホストシステムを示す。
図3図3は、本開示の一実施形態に係る、デジタルリアリティシーンを表示するためのクライアントデバイスを示す。
図4A図4Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4B図4Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4C図4Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4D図4Dは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4E図4Eは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4F図4Fは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4G図4Gは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4H図4Hは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4I図4Iは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4J図4Jは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4K図4Kは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4L図4Lは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4M図4Mは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4N図4Nは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4O図4Oは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4P図4Pは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4Q図4Qは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図4R図4Rは、本開示のいくつかの実施形態に係る、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施するための典型的な方法を示す。任意の実施形態が破線のボックスで示される。
図5A図5Aは、本開示の一実施形態に係る、社会的課題トレーニングのための典型的なデジタルリアリティシーンを示す。
図5B図5Bは、本開示の一実施形態に係る、社会的課題トレーニングのための典型的なデジタルリアリティシーンを示す。
図6A図6Aは、本開示の一実施形態に係る、イントロダクションまたは教育トレーニングのための典型的なデジタルリアリティシーンを示す。
図6B図6Bは、本開示の一実施形態に係る、マインドフルネストレーニングのための典型的なデジタルリアリティシーンを示す。
図6C図6Cは、本開示の一実施形態に係る、認知リフレーミングトレーニングのための典型的なデジタルリアリティシーンを示す。
図7A図7Aは、本開示の一実施形態に係る、提案される被験者の経験進行を含むグラフにおいて初期カテゴリ階層を示すための典型的なデジタルリアリティシーンを示す。
図7B図7Bは、本開示の一実施形態に係る、推奨されるカテゴリ階層を提示し、ユーザがカテゴリ階層を個人化できるようにするため典型的なデジタルリアリティシーンを示す。
図8A図8Aは、本開示の一実施形態に係る、クライアントデバイスで被験者のアセスメントまたは主観的評価を取得するためのユーザインタフェースを示す。
図8B図8Bは、本開示の一実施形態に係る、クライアントデバイスで被験者のアセスメントまたは主観的評価を取得するためのユーザインタフェースを示す。
図8C図8Cは、本開示の一実施形態に係る、クライアントデバイスで被験者のアセスメントまたは主観的評価を取得するためのユーザインタフェースを示す。
図8D図8Dは、本開示の一実施形態に係る、クライアントデバイスで被験者のアセスメントまたは主観的評価を取得するためのユーザインタフェースを示す。
図9A図9Aは、本開示の一実施形態に係る、認知リフレーミングトレーニングのための別の典型的なデジタルリアリティシーンを示す。
図9B図9Bは、本開示の一実施形態に係る、認知リフレーミングトレーニングのための更に別の典型的なデジタルリアリティシーンを示す。
図9C図9Cは、本開示の一実施形態に係る、認知リフレーミングトレーニングのための更に別の典型的なデジタルリアリティシーンを示す。
図10A図10Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る、典型的な療法を示す。
図10B図10Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、別の典型的な療法を示す。
図10C図10Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る、別の典型的な療法を示す。
図11A図11Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る、インタラクティブDRアクティビティ内の被験者の進行を示すように構成されるDRシーンまたはクライアントアプリケーションの典型的なユーザインタフェースを示す。
図11B図11Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、インタラクティブDRアクティビティ内の被験者の進行を示すように構成されるDRシーンまたはクライアントアプリケーションの典型的なユーザインタフェースを示す。
図12A図12Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る、別の典型的な療法を示す。
図12B図12Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、別の典型的な療法を示す。
図13図13は、本開示の一実施形態に係る、デジタルリアリティシーンを表示するための別のクライアントデバイスを示す。
図14図14は、本開示のいくつかの実施形態で使用されて実施される様々な論理関数を示す。 添付図面は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の基本原理を説明する様々な特徴の幾分簡略化される表現を示すことを理解すべきである。例えば、特定の寸法、向き、ロケーション、および形状を含む、本明細書に開示される本発明の特定の設計特徴は、特定の意図される用途および使用環境によって部分的に決定される。 図面において、参照番号は、図面のいくつかの図を通して本発明の同じまたは同等の部分を指す。
【発明を実施するための形態】
【0101】
本開示は、被験者の個人化された曝露進行を実施することによって、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するためのシステムおよび方法を提供する。いくつかの実施形態では、個人化された曝露進行は、曝露療法または療法として知られ、曝露進行が被験者に対して個人化された様式で標的化されるように、被験者のために特別に構成される。更に、いくつかの実施形態では、個人化された曝露進行は、被験者が本開示のシステムおよび方法とインタラクトする際に曝露進行が被験者とともに柔軟に変化するように、動的に構成される。従って、いくつかのそのような実施形態では、デジタルリアリティへの曝露、デジタルリアリティへの曝露中にキャプチャされるバイオメトリックデータ、被験者の歴史的成果、またはそれらの組み合わせを少なくとも組み合わせることによって、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、被験者に適合される個人化された曝露進行を作成する。更に、いくつかのそのような実施形態では、個人化された曝露進行は、被験者により経験される曝露のタイミングおよび/または性質に基づいて動的にアップデートされる。これは、被験者の個人化された曝露進行を被験者特有かつコンディション特有の調整を行うこと(subject-specific and condition-specific tailoring)を可能にする。
【0102】
いくつかの実施形態では、個人化された曝露進行は、少なくとも部分的に、被験者の最初のアセスメント、被験者が特定のデジタルリアリティに曝されている間に1以上の社会的課題を完了している場合にキャプチャされるバイオメトリックデータ、被験者が1以上の課題(例えば、曝露課題、社会的課題、CBT課題、マインドフルネス課題など)において有している成功のレベル、1以上のデジタル課題を完了した後の被験者の主観的評価および/または被験者による主観的評価、被験者に関連付けられる医療関係者(例えば、医療従事者)の評価(エバリュエーション)または確認(コンファーメーション)、計算モデルによる評価または確認、またはそれらの組み合わせに基づいて、動的に作成または変更される。少なくとも部分的にデジタルリアリティを介して個人化された曝露進行を実施することで、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、より高い感情的および生理的覚醒、関与、被験者のより良好な臨床結果、またはそれらの組み合わせの可能性を改善し、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する能力を改善する。
【0103】
このため、本開示のシステム、方法、およびデバイスによって提供される個人化された曝露進行は、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善することによって、被験者によって示される精神医学的または精神的状態に対処するように設計される。いくつかのこのような実施形態では、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力は、被験者を教育すること(例えば、マインドフルネス課題および/またはCBT課題による1以上のコーピングエクササイズ(coping exercises)について、精神医学的または精神的状態に関連付けられるイベントの発生頻度について、被験者および/または精神医学的または精神的状態に最もフィットするセラピューティックプラクティス(therapeutic practices)について、被験者によって示される思考パターンについてなど)、被験者と関わること(例えば、デジタルリアリティシーン内で)、被験者を処置すること(例えば、被験者に実施することによって、および/または、被験者が個人化された曝露進行を完了したとみなすことによって)、またはそれらの組み合わせによって実現される。例として、いくつかの実施形態では、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、過度の心配、過度の不安、恐れている状況の回避などの社会的状況に関連付けられるストレスフルな感情および/または圧倒される(overwhelmed)感情に対処するように設計される。別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、過度の心配、過度の不安、集中困難などの一般的な不安障害に関連付けられる毎日のイベントについての心配など、被験者によって示される精神的または精神医学的状態に対処するように設計される。更に別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、大うつ病性障害に関連付けられる持続的な悲しみ、不安、空虚、またはそれらの組み合わせに対処するように設計される。更に別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、気分不快(ディスフォリア)、無快感(アンヘドニア)、無関心(アパシー)、過敏性、怒り、意欲消失(アボリション)、意欲の欠如、睡眠調節障害、エネルギーの低下、疲労、行動障害、および/または日常機能に有害な混乱、興奮(アジテーション)、不穏、またはそれらの組み合わせに対処するように設計される。このため、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、パフォーマンスベースおよび/またはインタラクションベースの課題(例えば、社会的課題、集中的課題など)の両方に対処しながら、社会的インタラクション、仕事、学校などの様々なシナリオにおいて他のユーザまたはノンプレイヤキャラクタなどの他者とのインタラクションを(例えば、デジタルリアリティシーンにより)含むことによって、精神医学的または精神的状態に対処する。いくつかの実施形態では、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、デ認知リフレーミングトレーニング、認知リフレーミング課題、マインドフルネストレーニング、マインドフルネス課題、および代替/追加の曝露エクササイズなどのジタルリアリティシーンを使用して、教育的または療法的課題を提供することによって、精神医学的または精神的状態に対処する。しかし、本開示はこれに限定されない。従って、様々な実施形態では、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、被験者の最初のアセスメント、被験者が1以上の社会的課題を完了している間にキャプチャされるバイオメトリックデータ、被験者が1以上の社会的課題において有する成功のレベル、そのような社会的課題を完了した後の被験者の主観的評価および/または被験者による主観的評価、被験者に関連付けられる医療関係者の評価または確認、またはそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、被験者が取り組みたい社会的課題を選択することを可能にする。いくつかの実施形態では、医師(例えば、臨床医)は、被験者と関連付けられ、個人化された曝露プログラムを実施することに関与する。いくつかの実施形態では、医師は、被験者の選択される個人化された曝露プログラムをオーバーライドするか、または個人化された曝露プログラムを修正する。
【0104】
本開示のシステム、方法、およびデバイスは、被験者が、繰り返し曝露を行うために既に完了した課題への再訪問を可能にする。
【0105】
ここで、実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の詳細な説明では、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、本開示がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者には明らかである。他の例では、実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、周知の方法、手順、および構成要素は詳細に説明されていない。
【0106】
第1(first)、第2(second)などの用語は様々な要素を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことも理解され得る。これらの用語は、ある要素を他の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1のデジタルチャートを第2のデジタルチャートと称することができ、同様に、第2のデジタルチャートを第1のデジタルチャートと称することができる。第1のデジタルチャートおよび第2のデジタルチャートは、いずれもデジタルチャートであるが、同じデジタルチャートではない。
【0107】
本開示で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連付けられる列挙される項目における1以上のありとあらゆる可能な組合せを指し、包含することも理解されよう。「comprises(備える、含む)」および/または「comprising」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または、構成要素の存在を指定するが、1以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/または、それらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0108】
本明細書の説明は、例示的な実装形態を具現化する例示的なシステム、方法、技法、命令シーケンス、および計算機械プログラム製品を含む。説明の目的で、本発明の主題の様々な実施態様の理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、本発明の主題の実装形態は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかとなる。一般に、周知の命令インスタンス、プロトコル、構造、および技術は詳細に示されていない。
【0109】
本明細書の説明は、説明の目的で、特定の実装形態を参照して説明される。しかし、例示的な説明は、網羅的であること、または実施態様を開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。開示される教示を考慮して、多くの修正および変形が可能である。実装形態は、原理およびそれらの実際の用途を最もよく説明するために選択および説明され、それにより、他の当業者が、企図される特定の用途に適した様々な修正を伴う実装形態および様々な実装形態を最もよく利用することを可能にする。
【0110】
明確にするために、本明細書に記載される実装形態の日常的な特徴の全てが示され説明されているわけではない。そのような実際の実装形態の開発では、使用事例および事業関連の制約の遵守などの設計者の特定の目標を達成するために、実装に固有の多数の決定が行われ、これらの特定の目標は実装形態ごとに、および設計者ごとに異なることが理解され得る。更に、そのような設計努力は、複雑で時間がかかるかもしれないが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとってエンジニアリングの日常的な仕事であることが理解され得る。
【0111】
本明細書で使用される場合、「if(の場合)」という用語は、文脈に応じて、「when(の場合)」または「upon(のとき)」または「in response to determining(判定することに応じて)」または「in response to detecting(検出することに応じて)」を意味すると解釈され得る。同様に、「判定される場合」または「[記載された条件または事象]が検出される場合」という語句は、文脈に応じて、「判定するとき」または「判定することに応じて」または「[記載された条件または事象]を検出するとき」または「[記載された条件または事象]を検出することに応じて」を意味すると解釈され得る。
【0112】
本明細書で使用される場合、「約」または「およそ」という用語は、当業者によって決定される特定の値について許容可能な誤差範囲内を意味することができ、これは、値がどのように測定または決定されるか、例えば、測定システムの制限に部分的に依存し得る。例えば、「約」は、当技術分野の慣例に従って、1標準偏差以内または1標準偏差を超えることを意味する場合がある。「約」は、所定の値の±20%、±10%、±5%、または、±1%の範囲を意味する場合がある。特定の値が本出願および特許請求の範囲に記載されている場合、特に明記しない限り、「約」という用語は、特定の値について許容可能な誤差範囲内を意味する。「約」という用語は、当業者によって一般に理解される意味を有する場合がある。「約」という用語は、±10%を指すことができる。「約」という用語は、±5%を指す場合がある。
【0113】
本明細書で使用される場合、「等間隔」という用語は、特に明記しない限り、第1の特徴から対応する第2の特徴までの距離が、特徴の連続する対について同じであることを意味する。
【0114】
本明細書で使用される場合、「動的に」という用語は、プログラムが現在実行されている間にプログラムを更新する能力を意味する。
【0115】
更に、「クライアント」、「患者」、「被験者」、および「ユーザ」という用語は、特に明記しない限り、本明細書では互換的に使用される。
【0116】
更に、「アバター」および「プレイヤキャラクタ」という用語は、特に明記しない限り、本明細書では互換的に使用される。
【0117】
更に、「療法(セラピー)」および「処置(トリートメント)」という用語は、特に明記しない限り、本明細書では互換的に使用される。
【0118】
更に、本明細書で使用される場合、「パラメータ」という用語は、アルゴリズム、モデル、回帰器および/または分類器における1以上の入力、出力、および/または、関数に影響を及ぼし得る(例えば、変更し得る、合わせ得る、および/または、調整し得る)アルゴリズム、モデル、回帰器、および/または、分類器の内部要素または外部要素(例えば、重み、および/または、ハイパーパラメータ)の任意の係数、または、同様の任意の値を指す。例えば、いくつかの実施形態では、パラメータは、アルゴリズム、モデル、回帰器および/または分類器の挙動、学習、および/または、性能を制御、変更、適合、および/または、調整するために使用できる任意の係数、重み、および/または、ハイパーパラメータを指す。場合によっては、パラメータは、アルゴリズム、モデル、回帰器および/または分類器への入力(例えば、特徴)の影響を増減するために使用される。非限定的な例として、いくつかの実施形態では、(例えば、ニューラルネットワークの)ノードの影響を増加または減少させるためにパラメータが使用され、ノードは1以上の活性化関数を含む。特定の入力、出力、および/または、関数へのパラメータの割り当ては、所定のアルゴリズム、モデル、回帰器および/または分類器のための任意の1つのパラダイムに限定されず、所望の性能のための任意の適切なアルゴリズム、モデル、回帰器および/または分類器アーキテクチャで使用できる。いくつかの実施形態では、パラメータは固定値を有する。いくつかの実施形態では、パラメータの値は、手動および/または自動で調整可能である。いくつかの実施形態では、パラメータの値は、アルゴリズム、モデル、回帰器および/または分類器の検証、および/または、トレーニングプロセスによって(例えば、誤差最小化法、および/または、逆伝播法によって)変更される。いくつかの実施形態では、本開示のアルゴリズム、モデル、回帰器および/または分類器は、複数のパラメータを含む。いくつかの実施形態では、複数のパラメータは、n個のパラメータであり、n≧2、n≧5、n≧10、n≧25、n≧40、n≧50、n≧75、n≧100、n≧125、n≧150、n≧200、n≧225、n≧250、n≧350、n≧500、n≧600、n≧750、n≧1,000、n≧2,000、n≧4,000、n≧5,000、n≧7,500、n≧10,000、n≧20,000、n≧40,000、n≧75,000、n≧100,000、n≧200,000、n≧500,000、n≧1×10、n≧5×10、またはn≧1×10である。いくつかの実施形態では、nは、10,000から1×10の間の数値、100,000から5×10の間の数値、または、500,000から1×10の間の数値である。
【0119】
更に、参照番号に「i番目」の表記が与えられる場合、参照番号は、一般的な構成要素、セット、または実施形態を指す。例えば、「デジタルリアリティシーンi」と呼ばれるデジタルリアリティシーンは、複数のデジタルリアリティシーンのi番目のデジタルリアリティシーン(例えば、複数のデジタルリアリティシーン40内のデジタルリアリティシーン40-i)を指す。本開示では、特に明記しない限り、デバイスおよびシステムの記載は、1以上のコンピュータの実装形態を含む。
【0120】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による分散クライアントサーバシステム(例えば、分散クライアントサーバシステム100)のブロック図を示す。システム100は、臨床的に診断される精神障害、亜臨床的に診断される医学的障害、診断されていない状態(医療従事者によって被験者について診断されていない状態)、またはそれらの組み合わせなどの精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するための療法の準備を容易にする。いくつかの実施形態では、システム100は、被験者の一般的な健康状態または保健活動(ヘルシーアクティビティ)を維持および/または促進するなど、被験者のジェネラルウェルネスを改善するためのレジーム(regime)の準備を容易にする。いくつかの実施形態では、レジームは、被験者の健康なライフスタイルの役割と、特定の精神的および/または精神医学的状態のリスクまたは影響を低減するのを助けることとを関連付けることで、被験者のジェネラルウェルネスを改善する。しかし、本開示はこれに限定されない。システム100は、一般に、デジタルリアリティシステム(例えば、デジタルリアリティシステム200)と、通信ネットワーク(例えば、通信ネットワーク106)を介してデジタルリアリティシステムと通信する1以上のクライアントデバイス300(例えば、第1のクライアントデバイス300-1、第2のクライアントデバイス300-2、…、第Rのクライアントデバイス300-Rなど)とを含む。いくつかの実施形態では、各クライアントデバイスは、少なくとも1つのサブジェクト(例えば、被験者)に関連付けられる。
【0121】
システム100はまた、複数のセンサ、例えば、図5のセンサ110-1、センサ110-2、…、センサ110-Sを含む。複数のセンサは、被験者のバイオメトリックデータをキャプチャするように構成される少なくとも1つのバイオメトリックセンサ(例えば、バイオメトリックセンサであるか、またはバイオメトリックセンサを含むセンサ110-1および/またはセンサ110-2)を含む。いくつかの実施形態では、複数のセンサにおける1以上のセンサは、クライアントデバイス300に組み込まれるか、またはクライアントデバイスの構成要素である。いくつかの実施形態では、1以上のセンサは、1以上のクライアントデバイスと(例えば、クライアントデバイスのANT+またはBluetoothまたはネットワークインタフェースを介して)通信する。例えば、いくつかの実施形態では、1以上のセンサによってキャプチャされるデータは、1以上のクライアントデバイスに送信および/または集約される。いくつかの実施形態では、1以上のセンサは、例えば、通信ネットワーク106を介してデジタルリアリティシステム200に接続される遠隔システムと通信しており、1以上のセンサによってキャプチャされるデータは、キャプチャされるバイオメトリックデータを収集し、記憶し、および/または処理する遠隔システムに送信される。
【0122】
いくつかの実施形態では、システム100は、少なくとも一人の被験者が精神医学的または精神的状態を示す被験者の集団に対する療法の提供を容易にする。いくつかの実施形態では、療法はデジタルリアリティシステムで準備され、それぞれのクライアントデバイス300に表示されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介して被験者に提供される。いくつかの実施形態では、被験者に関連付けられる医師(例えば、臨床医)は、クライアントデバイス(例えば、クライアントデバイス300-1)で療法を準備し、被験者は別のクライアントデバイス(例えば、クライアントデバイス300-2)で療法を実行する。いくつかの実施形態では、計算モデルはデジタルリアリティシステムで療法を準備し、被験者はクライアントデバイス(例えば、クライアントデバイス300-1)で療法を実行する。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0123】
通信ネットワーク106の例には、ワールドワイドウェブ(WWW)、イントラネットおよび/または携帯電話ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)および/またはメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)などの無線ネットワーク、および、無線通信による他のデバイスが含まれる。無線通信は、選択的に、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)、拡張データGSM環境(EDGE)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、エボリューションデータ専用(EV-DO)、HSPA、HSPA+、デュアルセルHSPA(DC-HSPDA)、ロングタームエボリューション(LTE)、近距離無線通信(NFC)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Bluetooth、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)(例えば、IEEE 802.11a、IEEE 802.11ac、IEEE 802.11ax、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、および/または、IEEE 802.11n)、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)、Wi-MAX、電子メール用プロトコル(例えば、インターネットメッセージアクセスプロトコル(IMAP)、および/または、ポストオフィスプロトコル(POP))、インスタントメッセージング(例えば、拡張可能メッセージングおよびプレゼンスプロトコル(XMPP)、インスタントメッセージングおよびプレゼンス利用拡張のためのセッション開始プロトコル(SIMPLE)、インスタントメッセージングおよびプレゼンスサービス(IMPS))、および/または、ショートメッセージサービス(SMS)、または本文書の提出日の時点でまだ開発されていない通信プロトコルを含む任意の他の適切な通信プロトコルを含む、複数の通信規格、プロトコルおよび技術のいずれかを使用する。
【0124】
いくつかの実施形態では、通信ネットワーク106は、任意に、インターネット、1以上のローカルエリアネットワーク(LAN)、1以上のワイドエリアネットワーク(WAN)、他のタイプのネットワーク、またはそのようなネットワークの組合せを含む。
【0125】
図1に示す例示的なトポロジは、当業者には容易に理解されるように、本開示の一実施形態の特徴を説明するのに役立つに過ぎないことに留意すべきである。システム100の他のトポロジが可能である。例えば、いくつかの実施形態では、図示されるデバイスおよびシステムのいずれも、実際には、ネットワークで互いにリンクされるいくつかのコンピュータシステムを構成し得るか、またはクラウドコンピューティング環境の1以上のバーチャルマシンおよび/またはコンテナであり得る。更に、物理的通信ネットワーク106に依存するのではなく、図示されるデバイスおよびシステムは、互いに情報を無線で伝送できる。
【0126】
図2Aおよび図2Bは、被験者によって示される精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するための療法を準備するための例示的なデジタルリアリティシステム200を示す。様々な実施形態では、デジタルリアリティシステム200は、1以上の処理ユニット(CPU)202、ネットワークまたは他の通信インタフェース204、およびメモリ212を含む。
【0127】
メモリ212は、DRAM、SRAM、DDR RAM、または他のランダムアクセスソリッドステートメモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリを含み、任意に、1以上の磁気ディスク記憶デバイス、光ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の不揮発性ソリッドステート記憶デバイスなどの不揮発性メモリも含む。メモリ212は、任意に、CPU202から遠隔に配置される1以上の記憶デバイスを含むことができる。メモリ212、またはメモリ212内の不揮発性メモリデバイスは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。CPU202などのデジタルリアリティシステム200の他の構成要素によるメモリ212へのアクセスは、任意に、コントローラによって制御される。いくつかの実施形態では、メモリ212は、CPU202に対して遠隔に配置される大容量ストレージを含み得る。言い換えれば、メモリ212に記憶されるいくつかのデータは、実際には、デジタルリアリティシステム200の外部にあるが、通信インタフェース204を使用してインターネット、イントラネット、または他の形態のネットワーク106または電子ケーブルを介して、デジタルリアリティシステム200によって電子的にアクセスすることができるデバイスでホストされてもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、被験者によって示される精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するための療法を準備するためのデジタルリアリティシステム200のメモリ212は、以下のものを記憶する。
・様々な基本システムサービスを処理するための手順を含むオペレーティングシステム8(例えば、ANDROID、iOS、DARWIN、RTXC、LINUX、UNIX、OSX、WINDOWS、またはVxWorksなどの組み込みオペレーティングシステム)。
・分散コンピュータシステム内など、デジタルリアリティシステム200を識別するデジタルリアリティシステム200に関連付けられる電子アドレス10。
・アセスメントを通じて複数の提案される経験の識別を提供する被験者のアセスメントを取得するための任意のアセスメントモジュール12;
・ユーザのポピュレーション(例えば、図1のクライアントデバイス300のユーザ)に関連付けられる情報を保持するためのユーザプロファイルストア14。ユーザプロファイルストア14は、ユーザのポピュレーションにおける各ユーザに対するユーザプロファイル16を含む。ユーザプロファイル16は、対応するウェルビーイングストア18と、ユーザプロファイル16の被験者に関連付けられる療法ストア20とを含む。
・複数の経験(例えば、第1の経験24-1、第2の経験24-2、…、図2Bの経験24-I)を含む経験ストア22。各経験24は、対応する課題26を含む。
・複数のゲート基準(例えば、第1のゲート基準32-1、第2のゲート基準32-2、…、図2Bのゲート基準G32-G)を含むゲートストア30。各ゲート基準32は、ユーザ関与のための条件を表わす。
・複数のデジタルリアリティシーン40をクライアントデバイス300のポピュレーションに提供することを容易にするアプリケーションサーバモジュール34。アプリケーションサーバモジュール34は、デジタルリアリティシーン40にアクセスするためのログインモジュール36と、複数のデジタルリアリティシーン(例えば、第1のデジタルリアリティシーン40-1、第2のデジタルリアリティシーン40-2,…、図2BのデジタルリアリティシーンH40-H)をユーザのポピュレーション(例えば、クライアントデバイス300)に提供することを容易にするデジタルリアリティセッションエンジン38とを含む。
・対応する課題26の完了が1以上の対応するゲート基準32を満たすか否かの第1の評価を提供することなど、それぞれの入力の特性の評価を提供するための1以上のモデルを保持するアプリケーションモデルライブラリ50。
【0129】
いくつかの実施形態では、電子アドレス10は、デジタルリアリティシステム200に関連付けられる。電子アドレス10は、分散システム100の他のデバイスおよび構成要素からデジタルリアリティシステム200を少なくとも一意に識別する(例えば、クライアントデバイス300-1、クライアントデバイス300-2、…または図1のクライアントデバイス300-Rからデジタルリアリティシステム200を一意に識別する)ために利用される。例えば、いくつかの実施形態では、電子アドレス10は、アプリケーションサーバモジュール34のログインモジュール36を介してそれぞれのデジタルリアリティシーンに参加するためのクライアントデバイスからのリクエストを受信するために利用される。別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、電子アドレス10は、リモートクライアントデバイス300でデジタルリアリティシーンをユーザに示す場合に取得されるバイオメトリックデータ要素のセットを含む複数のデータ要素を受信するために利用される。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0130】
いくつかの実施形態では、アセスメントモジュール12は、それぞれのクライアントデバイスのユーザまたはユーザに関連付けられる医師などの被験者からのアセスメントの取得を容易にする。いくつかの実施形態では、アセスメントモジュール12は、それぞれのクライアントデバイスに(例えば、図1の通信ネットワーク106を介して)通信される1以上のアセスメントを含む。例えば、いくつかの実施形態では、アセスメントモジュール12は、各被験者に提供される標準化されたアセスメントを記憶する。標準化されたアセスメントは、各被験者に均一なアセスメントを提供する。いくつかの実施形態では、標準化されたアセスメントを利用することで、複数のユーザから得られるアセスメントは、異なるユーザ間の(例えば、図2Bの経験ストア22の経験24から)複数の提案される経験の識別を最適化するために正規化される。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0131】
いくつかの態様では、アセスメントは、被験者によって回答される複数のプロンプトを含む。いくつかの実施形態では、被験者によって提供される複数のプロンプトに対する回答を通して、複数の提案される経験の識別が被験者に対して得られる。例えば、社交不安の精神医学的または医学的状態に対するアセスメントは、クライアントデバイス、例えばクライアントデバイス300-1のユーザに質問すること、および複数の所定の回答(例えば、なし(none)、軽度(mild)、中度(moderate)、または重度(severe))を提供することを含む。いくつかの実施形態では、所定の回答からの第1の回答のユーザ選択は、複数の提案される経験24の識別のための基礎を形成する。
【0132】
いくつかの実施形態では、アセスメントモジュール12は、被験者から得られるアセスメントを承認することに関連付けられる1以上の認可基準を含む。例えば、いくつかの実施形態では、アセスメントは、第1のクライアントデバイス300-1の第1の被験者に提供され、第1の被験者は精神医学的または精神的状態を示す。いくつかのそのような実施形態では、第1の被験者からアセスメントを取得することは、第1の許可基準を満たすことを条件とする。いくつかの実施形態では、この第1の許可基準は、被験者に関連付けられる医師からアセスメントの許可を取得する第1の被験者に関連付けられる。例として、いくつかの実施形態では、第1の許可基準は、医師および/または計算モデルが、アセスメントの信憑性、アセスメントの正確度、アセスメントの精度、アセスメントの一貫性、アセスメントの適格性、アセスメントの妥当性、アセスメントの合否、アセスメントのグローバルレーティングスケール、またはそれらの組み合わせなどのアセスメントの特定の態様を検証することを必要とする。いくつかの実施形態では、ヒューマンオーソリゼーションおよび/または計算モデルオーソリゼーションなどの認可レベルを追加することによって、デジタルリアリティシステム200は、精神医学的または精神的状態を示す被験者が、本開示のシステム、方法、およびデバイスを利用する場合に、例えば、被験者がアセスメントに対する信頼できる回答を提供していることを確実にすることにより、精神医学的または精神的状態を管理する能力を改善できることを確実にする。このように、いくつかのそのような実施形態では、アセスメントモジュール12は、被験者がアセスメントを歪めて、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善しない可能性がある療法が生成されるのを防ぐ。
【0133】
いくつかの実施形態では、ユーザプロファイルストア14は、複数のユーザプロファイル16を保持する。各それぞれのユーザプロファイル16は、精神医学的または精神的状態を示すクライアントデバイスのユーザおよび/またはユーザに関連付けられる医師などの、デジタルリアリティシステム200の対応するユーザに関連付けられる。例えば、いくつかの実施形態では、それぞれのユーザは、最初に、パスワード、アドレス(例えば、Eメールアドレス、物理的アドレスなど)、パーソナルネーム(例えば、ギブンネーム、ユーザネームなど)などの複数のユーザログイン情報を選択することによって、クライアントデバイスでプロファイル(例えば、第1のユーザプロファイル16-1)をカスタマイズする。いくつかの実施形態では、それぞれのユーザは、1以上の人口統計的特性(例えば、ユーザの年齢、ユーザの体重、ユーザの身長、ユーザの性別など)および/または1以上の地理的特性(例えば、ユーザに関連付けられる領域、ユーザに関連付けられる物理的アドレスなど)を提供するか、または(例えば、任意のGPSを使用する)クライアントデバイス300によって収集される。しかし、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、ユーザプロファイルは、デジタルリアリティシーン40におけるそれぞれのユーザを一意に識別する。このように、各ユーザプロファイル16は、デジタルリアリティシステム200がログイン情報、プライバシー情報(例えば、どの精神医学的または精神的状態が、それぞれのユーザプロファイル16に関連付けられる対応する被験者によって示されるか)および他の好み、および/またはバイオグラフィカルデータを保持することを可能にする。いくつかの実施形態では、それぞれのユーザに関連付けられるログインネームは、ユーザに対して表示されるユーザネームと同じである。他の実施形態では、それぞれのユーザに関連付けられるログインネームは、ユーザに対して表示されるユーザネームとは異なる(例えば、デジタルリアリティシーン40で表示されるユーザネームは、関連付けられるユーザログインとは異なる)。いくつかの実施形態では、ユーザプロファイル16は、ユーザプロファイル16に関連付けられる被験者の対応する医療記録の一部または全部を含む。いくつかの実施形態では、デジタルリアリティシステム200は、各アバターユーザの複数の特徴(traits)を含む複数のアバター情報、および/またはデジタルリアリティシーン40内の連絡先の連絡先リストを記憶する。従って、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、ユーザプロファイル16を使用してユーザに関連付けられる情報に基づいてデジタルリアリティシーンを個人化することを可能にする。例として、いくつかの実施形態では、被験者は被験者の年齢を提供し、被験者の年齢に応じて、デジタルリアリティシーンに関連付けられるノンプレイヤキャラクタの外観および/または強度レベル(例えば、難易度)が被験者の年齢に基づいて変更される。
【0134】
更に、いくつかの実施形態では、各ユーザプロファイル16は、ウェルビーイングストアを含む(例えば、第1のユーザプロファイル16-1は第1のウェルビーイングストア18-1を含み、第2のユーザプロファイル16-2は第2のウェルビーイングストア18-2を含み、…、ユーザプロファイルA16-AはウェルビーイングストアB18-Bなどを含む)。いくつかの実施形態では、ウェルビーイングストア18は、精神医学的または精神的状態の臨床診断のインジケーション、対応する被験者の保険提供者に関連付けられる複数の保険情報、電子医療記録など、被験者に関連付けられる複数の健康情報を保持する。いくつかの実施形態では、ウェルビーイングストア18は、精神医学的または精神的状態に対する以前の処置の結果、被験者に提供される以前の療法20の結果など、被験者に施された処置のステータスを含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、ウェルビーイングストア18は、それぞれのユーザに関連付けられる複数のバイオメトリックデータ要素を含む。例えば、いくつかの実施形態では、クライアントデバイスにデジタルリアリティシーンを示す場合にバイオメトリックデータ要素のセットが取得され、バイオメトリックデータ要素のセット(例えば、バイオメトリックデータ要素の第1のセット)からの複数のバイオメトリックデータ要素が、ウェルビーイングストア18によって保持される。非限定的な例として、いくつかの実施形態では、ウェルビーイングストア18によって保持される複数のバイオメトリックデータ要素は、被験者の心拍数(例えば、ベースライン心拍数、被験者の1以上の心拍ゾーンなど)を含む。いくつかの実施形態では、ウェルビーイングストア18によって保持される複数のバイオメトリックデータ要素は、被験者の血圧(例えば、ベースライン収縮期血圧、閾値拡張期血圧など)を含む。更に、いくつかの実施形態では、複数のバイオメトリックデータ要素は、デジタルリアリティシーンに関与する場合のユーザの空間的および時間的態様を説明する複数の時空間データ要素を含む。複数の時空間データ要素の非限定的な例は、ユーザの眼の一部の面積、対応する課題26に対処する場合の被験者の眼の位置の変化、所定の基準位置にユーザの眼がある回数などを含む。いくつかの実施形態では、ウェルビーイングストア18によって保持される複数のバイオメトリックデータ要素は、使用に関連付けられる声の特徴などの1以上のボーカルバイオメトリックデータ要素を含む。別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、ウェルビーイングストア18によって保持される複数のバイオメトリックデータ要素は、時間的な声の特徴(例えば、声の特徴の二乗平均平方根(RMS)エネルギー)、スペクトルの声の特徴(例えば、声の特徴のスペクトログラムの重心、スペクトログラムのロールオフなど)、ケプストラム(cepstral)の声の特徴(例えば、メル周波数ケプストラム係数(MFCC))、声の特徴のエントロピー(例えば、スペクトルエントロピー、確率密度関数エントロピーなど)、またはそれらの組み合わせを含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、ウェルビーイングストア18は、1以上の注釈を含む。いくつかの実施形態では、各注釈は、デジタルリアリティシーン40に参加している対応する被験者および/または被験者から得られる1以上のアセスメントに関連付けられる。例えば、いくつかの実施形態では、ウェルビーイングストア18で記憶される被験者から取得される1以上のアセスメントは、複数の提案される経験の識別を取得するための第1のアセスメント、および/またはユーザによって行われる提案される経験24に基づく第2のアセスメントを含む。いくつかの実施形態では、1以上の注釈は、被験者が提案される経験を行なう場合に被験者に関連付けられる医師によって提供される第1の注釈を含む。いくつかの実施形態では、1以上の注釈は、被験者によって提供される第2の注釈を含む。いくつかの実施形態では、1以上の注釈は、デジタルリアリティシステム200に関連付けられる計算モデルによって提供される第3の注釈を含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、各ユーザプロファイルは、対応する被験者に関連付けられる情報を保持する療法ストア(例えば、第1のユーザプロファイル16-1は第1の療法ストア20-1を含み、第2のユーザプロファイル16-2は第2の療法ストア20-2を含み、…、ユーザプロファイルA16-Aは療法ストアC20-Cを含むなど)を含む。例として、いくつかの実施形態では、ユーザプロファイルの療法ストアによって保持される情報は、デジタルリアリティシステムに関与する対応するユーザの複数のセッションを含む。いくつかの実施形態では、複数のセッションは、被験者が曝露課題に関与する曝露セッション、被験者が認知行動療法課題に関与する認知行動療法セッション、被験者がマインドフルネス課題に関与するマインドフルネスベースの認知療法、またはそれらの組み合わせを含む。このことから、ユーザプロファイルは、本開示のシステム、方法、およびデバイスが、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善することに関連付けられる様々なパラメータを追跡することを可能にする。いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善することに関連付けられる様々なパラメータは、療法ストア20によって保持され、これらに限定されないが、被験者に関連付けられるそれぞれの曝露進行の状態、被験者に関連付けられるそれぞれの曝露進行を表わすそれぞれのインタラクティブデジタルチャートの状態、被験者に関連付けられるそれぞれの曝露進行内のそれぞれの曝露カテゴリまたは経験の利用可能性、それぞれの曝露進行への配置のための他の曝露カテゴリまたは経験の利用可能性、1以上のゲート基準32が満たされているか否かの決定、デジタルリアリティシーン40における被験者に関連付けられるアバターの位置、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、各ユーザプロファイル16にウェルビーイングストア18および療法ストア20を保持することによって、デジタルリアリティシステム200は、ユーザプロファイルに関連付けられる各被験者者が、精神医学的または精神的状態を管理する能力を改善することにおける進行(例えば、本開示の療法を通じた進行)を失うことなく、被験者が望むときに望む場所でデジタルリアリティシステム200に関与することを可能にする。
【0139】
いくつかの実施形態では、経験ストア22は、複数の経験24(例えば、第1の経験24-1、第2の経験24-2、…、図2Bの経験24-D)を含む。各経験24は、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するように設計される、課題(例えば、第1の課題26-1、第2の課題26-2、…、図2Bの課題E26-2など)形式でのデジタルリアリティタスクを含む。例えば、いくつかの実施形態では、各経験24は、デジタルリアリティシーン40内でデジタルリアリティタスクを実行するように被験者にチャレンジさせる課題26である。
【0140】
いくつかの実施形態では、経験24はカテゴリにグループ化され、そのような各カテゴリは、同一または類似の課題を実行するように被験者にチャレンジさせる1以上の経験を含む。例えば、いくつかの実施形態では、第1のカテゴリは、デジタルリアリティシーン40で聴衆にプレゼンテーションを行うように、または、デジタルリアリティシーン40でグループに物語を語るように被験者にチャレンジさせるなど、被験者の一般的なパフォーマンス課題を対象とする1以上の経験24を含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、第2のカテゴリは、曝露課題を対象とする1以上の経験を含む。例えば、いくつかの実施形態では、第2のカテゴリは、例えば、デジタルリアリティシーン40で人(individual)まで歩くように、または被験者に割り当てられた課題をデジタルリアリティシーン40で人に思い出させるように被験者にチャレンジさせるなど、被験者が積極的に練習するように設計される1以上の経験24を含む。いくつかの実施形態では、第2のカテゴリは、デジタルリアリティシーン40で眼の中の誰かを見るように被験者にチャレンジさせるなど、人とのインタラクションを対象とする1以上の経験24を含む。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0142】
更に、いくつかの実施形態では、第3のカテゴリは、CBT課題を対象とする1以上の経験を含む。例えば、いくつかの実施形態では、第3のカテゴリは、ユーザによって話される思考に対する有害または否定的な証拠(エビデンス)をユーザに自己識別させ、自己識別される証拠が思考を再構成するのに十分であるか否かを評価し、被験者の精神医学的または精神的状態を改善するために、例えば、損害予想および/または被験者に対する制御の知覚を調節することによって、またはそれらの組み合わせによって、思考を再構成するように設計される1以上の経験24を含む。いくつかの実施形態では、第3のカテゴリは、被験者によって提供される否定的な思考またはステートメントを識別し、および/または261的または適応的な思考またはステートメントの形成に関連付けられる新しい認知パターンで、被験者による否定的な思考またはステートメントの形成に関連付けられるネイティブ認知パターンを破壊するように設計される1以上の経験24を含む。
【0143】
更に、いくつかの実施形態では、第4のカテゴリは、マインドフルネス課題を対象とする1以上の経験を含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、経験は、例えば、プレゼンテーションを行なう第1の課題、積極的である第2の課題、証拠を集める第3の課題、認知リフレーミングの第4の課題、認知拡散の第5の課題、目標を設定する第6の課題、マインドフルネス課題を完了する第7の課題などの単一の課題を行なうように、被験者にチャレンジさせることを対象とする。従って、いくつかのそのような実施形態では、そのような経験は単一のカテゴリに関連付けられる。しかし、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、経験は、積極的にプレゼンテーションを行なうなどの複数の課題を行なうように被験者にチャレンジさせることを対象とする。従って、いくつかの実施形態では、そのような経験は、複数のカテゴリ(例えば、2つのカテゴリ、3つのカテゴリ、4つのカテゴリ、5つのカテゴリなど)に関連付けられる。
【0145】
いくつかの実施形態では、各それぞれの課題26は、特定のデジタルリアリティシーン40などの特定の設定に関連付けられる。例えば、第1の経験24-1は、混雑したパブリックの設定を描写する第1のデジタルリアリティシーン40-1において人物に歩み寄ることを被験者に課す第1の課題26-1(例えば、曝露課題)であり、第2の経験24-2は、静かなプライベートの設定を描写する第2のデジタルリアリティシーン40-2において人物に歩み寄ることを被験者に課す第2の課題26-2(例えば、別の曝露課題)であると考える。従って、第1の経験24-1および第2の経験24-2の両方は、積極的であるという曝露課題に関連付けられるが、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するという目標を異なる粒度で達成する。このように、いくつかの実施形態では、対応する経験24は、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するように設計されるデジタルリアリティシーンにおけるコンテンツの広範な分類(broad categorization)を提供し、課題は、対応する経験の粒度の細かい実装(granular implementation)を提供する。
【0146】
更に、いくつかの実施形態では、経験ストア22の各経験24は、それぞれのデジタルリアリティシーン40に関連付けられることなくデジタルリアリティシステム200によって提供される。これは、デジタルリアリティシステム200が、経験24に基づいてそれぞれのデジタルリアリティシーンを設計および構成することを可能にする。
【0147】
更に、いくつかの実施形態では、基準ストア30は、複数の基準を保持することを容易にする。いくつかの実施形態では、複数の基準における一の基準は、経験に関連付けられる課題が被験者によって正常に完了したか否かを決定するため、被験者が完了する後続の課題を識別するたし、カテゴリが被験者によって正常に完了したか否かを決定するため、被験者が完了する後続のカテゴリを識別するため、またはそれらの任意の組み合わせのために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、基準ストア30は、複数のゲート基準(例えば、ゲート基準32-1、ゲート基準32-2、…)を含む。いくつかの実施形態では、ゲート基準は、カテゴリが正常に完了したか否かを決定するため、および/または被験者が完了する後続の1以上のカテゴリを識別するための条件を設定する。いくつかの実施形態では、ゲート基準は、カテゴリを実行するための先行条件またはカテゴリが完了したとみなすために達成されなければならない条件を設定する。いくつかの実施形態では、基準ストア30はまた、複数のバイオメトリック閾値(例えば、バイオメトリック閾値33-1、…)を含む。いくつかの実施形態では、ゲート基準は、経験に関連付けられる課題が正常に完了したか否かを決定するための、および/または被験者が完了する後続の課題を識別するための条件を設定するバイオメトリック閾値を含む。いくつかの実施形態では、バイオメトリック閾値は、経験に関連付けられる課題を実行するためのゲート基準の先行条件を設定するか、または経験に関連付けられる課題を完了したとみなすために達成されなければならない条件を設定する。
【0148】
図2Bは、ゲート基準およびバイオメトリック閾値を別々に示しているが、ゲート基準およびバイオメトリック閾値は、他の方法で基準ストアに配置することができることに留意すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、カテゴリは、カテゴリに関連付けられる1以上の経験の(1以上の)課題が正常に完了したか否かを決定するための1以上のバイオメトリック閾値を含むゲート基準に関連付けられる。そのような実施形態では、基準ストアは、別個のバイオメトリック閾値を含んでもよいし含まなくてもよい。更に、図2Bはゲート基準およびバイオメトリック閾値のみを示しているが、基準ストアは他の基準を含むことができることに留意すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、基準ストアは、社会的課題の緊急終了のための少なくとも1つの基準を含む。更に、ゲート基準、バイオメトリック閾値、または任意の他のタイプの基準は、複数の被験者に適用可能な標準的な基準、または単一の被験者に対して特別に設計される個人化された基準であり得る。一実施形態では、基準ストアは、少なくとも1つの標準的な基準を含む。別の実施形態では、基準ストアは、少なくとも1つの個人化された基準を含む。更に別の実施形態では、基準ストアは、標準的な基準および個人化された基準の両方を含む。
【0149】
更に、いくつかの実施形態では、デジタルリアリティシステム200は、クライアントデバイス300のユーザにデジタルリアリティシーン40へのアクセスを提供することを容易にするアプリケーションサーバモジュール34を含む。いくつかの実施形態では、アプリケーションサーバモジュール34は、ユーザがクライアントデバイス300でクライアントアプリケーション320にログインした場合、またはコンピュータシステム200による決定に応答する場合など、それぞれのクライアントデバイス300によりそのようなデータ要素に対する要求がある場合に、デジタルリアリティシーン40に関連付けられるデータ要素を各それぞれのクライアントデバイス300に送信する。例えば、アプリケーションサーバ34のログインモジュール36は、ユーザプロファイル16に記憶される情報に対してクライアントデバイス300のユーザによって提供される情報を照合し、正しいユーザがデジタルリアリティシーン40へのアクセスを要求していることを確実にすることができる。従って、ユーザのポピュレーションは、クライアントデバイス300を使用して、デジタルリアリティシステム200のアプリケーションサーバモジュール34にアクセスし、デジタルリアリティシステム200によってホストされるデジタルリアリティシーン40とインタラクトする。
【0150】
いくつかの実施形態では、アプリケーションサーバモジュール34はまた、ユーザが医師であるという決定に従って、クライアントデバイス300のユーザがデジタルリアリティシーン40を構成することを可能にすることを容易にする。例えば、いくつかの実施形態では、クライアントデバイスのユーザインタフェースは、ユーザが、第1の社会的課題26-1および第2の社会的課題26-2などの1以上の課題に関連付けられる複数のノンプレイヤキャラクタ(NPC)など、デジタルリアリティシーンの1以上の態様を構成することを可能にする。NPCの例は、被験者が(例えば、コーヒーショップのバリスタ、パーティーのゲスト、同僚、交通機関の職員、メニューのナレータ、コンピュータに実装通された信エージェントなど)においてインタラクトするかもしれないデジタルリアリティシーン40に関連付けられる他のアバターを含む。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0151】
いくつかの実施形態では、各それぞれのデジタルリアリティシーン40は、ユーザのポピュレーションによる使用のためのデジタルドメインを定める。デジタルリアリティシーンは、例えば、クライアントデバイスのディスプレイを介して、デジタルリアリティコンテンツ(例えば、アバター、デジタルリアリティオブジェクトなど)がユーザに示される任意の空間(例えば、デジタル空間および/または現実世界空間)を広く意味する。例えば、いくつかの実施形態では、デジタルリアリティシーン40は、アバター作成クライアントアプリケーション、ビデオゲーム、ソーシャルネットワーキングウェブサイトまたはフォーラム、メッセージングクライアントアプリケーション、またはユーザがデジタル表示を欲する任意の他のアプリケーションを含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、デジタルリアリティシーン40は、被験者の精神医学的または精神的状態を改善するための療法に被験者を曝すように構成される。例えば、いくつかの態様では、被験者の精神医学的または精神的状態を改善するための療法は、認知療法、CBT課題に関連付けられる経験を完了することによって提供される療法)および/または曝露療法(例えば、曝露課題に関連付けられる経験を完了することによって提供される療法)である。非限定的な例として、いくつかのそのような実施形態では、認知療法は、認知行動療法(CBT)またはマインドフルネスベースの認知療法(MBCT)である。従って、いくつかの実施形態では、デジタルリアリティシーンは、認知リフレーミングトレーニング、認知リフレーミングセッション、マインドフルネストレーニング、マインドフルネスセッション、曝露療法(例えば、課題を示すためのデジタルリアリティシーン)、および/または他の教育的または療法的セッションに被験者を曝露するように構成される。認知療法に被験者を曝露することに関する更なる詳細および情報は、Segal et al., 2018, “Mindfulness-based Cognitive Therapy for Depression,” Guilford Publications, print; Hayes et al., 2018, “Process-based CBT: The Science and Core Clinical Competencies of Cognitive Behavior Therapy,” New Harbinger Publications, printに見出され得る。これらの文献の各々は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0153】
具体的には、それぞれのデジタルリアリティシーン40は、それぞれのデジタルリアリティシーン40をポピュレートする複数のオブジェクト(例えば、第1のオブジェクト42-1、第2のオブジェクト42-2、…、図2BのデジタルリアリティシーンH40-HのオブジェクトJ42-J)を含む。いくつかの実施形態では、複数のオブジェクト42は、ユーザを表わすおよび/またはユーザによって制御される複数のプレイヤキャラクタオブジェクト42(例えば、アバター)と、ユーザが直接制御できないそれぞれのデジタルリアリティシーンにおけるNPCを表わす複数のNPCオブジェクト42と、複数のシーンオブジェクト42(例えば、デジタルリアリティシーン40の水域、建物、およびデジタルリアリティシーン40の家具などのプレイヤキャラクタオブジェクト42またはNPCオブジェクト42ではないオブジェクト)とを含む。本明細書で使用される場合、デジタルリアリティシーンは、デジタルリアリティコンテンツ(例えば、アバター、デジタルリアリティオブジェクトなど)がディスプレイ(例えば、クライアントデバイス300のディスプレイ)を介してユーザに示される任意の空間(例えば、デジタル空間および/または現実世界空間)を指す。
【0154】
しかし、本開示はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、オブジェクト42は、ビデオ、テキスト、またはインゲームコンシューマブルオブジェクト(例えば、デジタルリアリティドリンクオブジェクト)など、デジタルリアリティシーン40でユーザによって消費可能なものである。集合的に、複数のオブジェクト42は、オンラインでデジタルリアリティシーン40においてインタラクトしており、それぞれのデジタルリアリティシーン40を形成する1以上のユーザなど、クライアントデバイス300のユーザが、デジタルリアリティシーン40と能動的に関与することを可能にする。
【0155】
いくつかの実施形態では、各それぞれのオブジェクト42は、それぞれのオブジェクト42が、デジタルリアリティシーン40、例えば、デジタルリアリティシーン40の他のオブジェクト42とどのようにインタラクトするのかだけでなく、それぞれのオブジェクト42がデジタルリアリティシーン40の他のユーザとどのようにインタラクトするのかをも説明する、複数の属性を含む。いくつかの実施形態では、変更または変更できるオブジェクト42の属性は、オブジェクト42の質量、オブジェクト42の体積、オブジェクト42の摩擦係数、オブジェクト42の物質の状態、オブジェクト42の本体の剛性、オブジェクト42の位置、オブジェクト42の健康値(例えば、オブジェクト42のヒットポイント、オブジェクトのエネルギーポイントなど)、オブジェクト42のジョイントなどを含む。非限定的な例として、それぞれのオブジェクト42との衝突に対する応答を説明する第1の属性(例えば、オブジェクト42の硬度、オブジェクト42の接着性など)を考慮する。
【0156】
いくつかの実施形態では、それぞれのオブジェクト42に関連付けられる属性は、デジタルリアリティシーン40の各ユーザに対して同じである。例えば、それぞれのオブジェクト42が、それぞれのオブジェクト42をユーザとインタラクティブにさせる属性を有する場合、デジタルリアリティシーン40の各ユーザは、それぞれのオブジェクト42とインタラクトできる。一方、それぞれのオブジェクト42が、精神医学的または精神的状態を示すユーザプロファイル16のインジケーションを有する被験者などの選択されるユーザグループに対して、それぞれのオブジェクト42をインタラクティブにさせる属性を有する場合、選択されるユーザグループ内のユーザのみがそれぞれのオブジェクト42とインタラクトできる。例えば、いくつかの実施形態では、デジタルリアリティシーン40の管理者ユーザは、管理者ユーザを除く全てのユーザに対して、または精神医学的または精神的状態を示す1以上の特定のユーザに対して、特定のオブジェクト42とのインタラクションを制限する。
【0157】
いくつかの実施形態では、デジタルリアリティシステム200は、1以上のモデル(例えば、分類器、回帰器など)を記憶するアプリケーションモデルライブラリ50を含む。いくつかの実施形態では、モデルは、人工知能エンジンとして実装される。例えば、いくつかの実施形態では、モデルは、1以上の勾配ブースティングモデル、1以上のランダムフォレストモデル、1以上のニューラルネットワーク(NN)、1以上の回帰モデル、1以上のナイーブベイズモデル、1以上の機械学習アルゴリズム(MLA)、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、MLAまたはNNは、データセットから識別される1以上の特徴を含むトレーニングデータセット(例えば、ユーザプロファイルストア14、経験ストア22、ゲートストア30、アプリケーションサーバモジュールログ34、またはそれらの組み合わせを含む第1のトレーニングデータセット)からトレーニングされる。例として、いくつかの実施形態では、トレーニングデータセットは、第1のユーザプロファイル16-1に関連付けられるデータと、デジタルリアリティシーン40で経験24に直面する場合のユーザ傾向に関連付けられるデータとを含む。
【0158】
従って、いくつかの実施形態では、例えば、第1のモデルはニューラルネットワーク分類モデルであり、第2のモデルはナイーブベイズ分類モデルである。更に、いくつかの実施形態では、モデルは、決定木アルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、サポートベクターマシン(SVM)アルゴリズムなどを含む。更に、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のモデルは、ロジスティック回帰アルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、畳み込みニューラルネットワークアルゴリズム、サポートベクターマシン(SVM)アルゴリズム、ナイーブベイズアルゴリズム、最近傍アルゴリズム、ブースティング木アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、決定木アルゴリズム、クラスタリングアルゴリズム、またはそれらの組み合わせである。
【0159】
いくつかの実施形態では、モデルは、例えば、値または値のセットを比較目的のために共通の基準フレームに変換することによって、値またはデータセットを正規化するために利用される。例えば、いくつかの実施形態では、それぞれの画像の1以上の画素に対応する1以上の画素値が所定の統計量(例えば、1以上の画像に亘る1以上の画素値の平均および/または標準偏差)に正規化される場合、それぞれの画素の画素値がそれぞれの統計量と比較され、画素値が統計量と異なる量が決定される。
【0160】
いくつかの実施形態では、未トレーニングモデル(例えば、「未トレーニング分類器」および/または「未トレーニングニューラルネットワーク」)は、ターゲットデータセットでトレーニングされていない分類器またはニューラルネットワークなどの機械学習モデルまたはアルゴリズムを含む。いくつかの実施形態では、モデルをトレーニングすること(例えば、ニューラルネットワークをトレーニングすること)は、トレーニングされていないまたは部分的にトレーニングされているモデル(例えば、トレーニングされていないまたは部分的にトレーニングされるニューラルネットワーク)をトレーニングするプロセスを指す。例えば、対応する複数の画像(例えば、クライアントデバイス300のディスプレイにデジタルリアリティシーンを示す場合の画像キャプチャ)を含む複数のトレーニングサンプルの場合を考慮し、以下で説明される。複数の画像は、形態学的なクラスに関連付けられるオブジェクトを識別するインジケーションで未トレーニングモデルまたは部分的にトレーニングされたモデルをトレーニングし、トレーニングされたモデルを取得する、各それぞれの画像(以下、トレーニングデータセット)に対する1以上のオブジェクト(例えば、シーンオブジェクト42)の対応する測定されるインジケーションと共に、未トレーニングモデルまたは部分的にトレーニングされたモデルへの集合的な入力として適用される。更に、「未トレーニングモデル」という用語は、トレーニングされていないモデルまたは部分的にトレーニングされるモデルのそのようなトレーニングにおいて転移学習技術が使用される可能性を排除しないことが理解され得る。例えば、Fernandes et al、2017,“Transfer Learning with Partial Observability Applied to Cervical Cancer Screening,”Pattern Recognition and Image Analysis:8th Iberian Conference Proceedings,243-250は、そのような転移学習の非限定的な例を提供する。この文献々は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。転移学習が使用される場合、前述の未トレーニングモデルは、プライマリートレーニングデータセットに加えて追加のデータが提供される。つまり、転移学習の実施形態の非限定的な例では、未トレーニングモデルは、(i)複数の画像および各それぞれの画像の測定されるインジケーション(「プライマリートレーニングデータセット」)および(ii)追加データを受け取る。いくつかの実施形態では、この追加のデータは、別の補助トレーニングデータセットから学習されたパラメータ(例えば、係数、重み、および/またはハイパーパラメータ)の形式である。更に、単一の補助トレーニングデータセットの説明が開示されているが、本開示において未トレーニングモデルをトレーニングすることにおいてプライマリートレーニングデータセットを補完するために使用され得る補助トレーニングデータセットの数に制限はないことが理解され得る。例えば、いくつかの実施形態では、2以上の補助トレーニングデータセット、3以上の補助トレーニングデータセット、4以上の補助トレーニングデータセット、または5以上の補助トレーニングデータセットが、転移学習によってプライマリートレーニングデータセットを補完するために使用される。そのような各補助データセットは、プライマリートレーニングデータセットとは異なる。そのような実施形態では、任意の方法の転移学習が使用され得る。例えば、プライマリートレーニングデータセットに加えて第1の補助トレーニングデータセットおよび第2の補助トレーニングデータセットがある場合を考慮する。(第1のモデルを第1の補助トレーニングデータセットに適用することによって)第1の補助トレーニングデータセットから学習されるパラメータが、転移学習技術(例えば、第1のモデルと同じかまたは異なる第2のモデル)を使用して第2の補助トレーニングデータセットに適用され、その結果、トレーニングされる中間モデルが生成され得る。中間モデルのパラメータがプライマリートレーニングデータセットに適用され、プライマリートレーニングデータセット自体と共に、これが未トレーニングモデルに適用される。また、(第1のモデルを第1の補助トレーニングデータセットに適用することによって)第1の補助トレーニングデータセットから学習されるパラメータの第1のセットおよび(第1のモデルと同じかまたは異なる第2のモデルを第2の補助トレーニングデータセットに適用することによって)第2の補助トレーニングデータセットから学習されるパラメータの第2のセットが、(例えば、別々の独立した行列乗算によって)プライマリートレーニングデータセットの別個のインスタンスにそれぞれ独立して適用され得る。プライマリートレーニングデータセット自体(または、プライマリートレーニングセットから学習される主成分または回帰係数などのプライマリートレーニングデータセットのいくつかの還元体(educed form))と共に、プライマリートレーニングデータセットのインスタンスを分離するパラメータのそのようなアプリケーションの両方が、未トレーニングモデルをトレーニングするために、未トレーニングモデルに適用され得る。いくつかの例では、追加的または代替的に、補助トレーニングデータセットから導出される形態学的クラスに関連付けられるオブジェクトに関する知識が、未トレーニングモデルをトレーニングするために、プライマリートレーニングデータセットのオブジェクトおよび/またはクラスラベルド画像(lass-labeled images)と共に、使用される。
【0161】
本明細書で使用される場合、「モデル」という用語は、機械学習モデルまたはアルゴリズムを指す。
【0162】
いくつかの実施形態では、モデルは、教師なし学習アルゴリズムである。教師なし学習アルゴリズムの一例は、クラスタ分析である。
【0163】
いくつかの実施形態では、モデルは、教師あり機械学習である。教師あり学習アルゴリズムの非限定的な例は、ロジスティック回帰、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、ナイーブベイズアルゴリズム、最近傍アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、決定木アルゴリズム、ブースティング木アルゴリズム、多項ロジスティック回帰アルゴリズム、線形モデル、線形回帰、勾配ブースティング、混合モデル、隠れマルコフモデル、ガウシアンNBアルゴリズム、線形判別分析、またはそれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、モデルは、多項分類器アルゴリズムである。いくつかの実施形態では、モデルは、2ステージ確率的勾配降下(SGD)モデルである。いくつかの実施形態では、モデルは、深層ニューラルネットワーク(例えば、ディープアンドワイドサンプルレベル分類器)である。
【0164】
ニューラルネットワーク。いくつかの実施形態では、モデルは、ニューラルネットワーク(例えば、畳み込みニューラルネットワークおよび/または残差ニューラルネットワーク)である。ニューラルネットワークアルゴリズムは、人工ニューラルネットワーク(ANN)としても知られているが、畳み込みニューラルネットワークアルゴリズムおよび/または残差ニューラルネットワークアルゴリズム(深層学習アルゴリズム)を含む。ニューラルネットワークは、入力データセットを出力データセットにマップ(map)するようにトレーニングされる場合がある機械学習アルゴリズムであり得る。ニューラルネットワークは、複数層のノードに編成される(organized)相互接続されるグループのノードを含む。例えば、ニューラルネットワークアーキテクチャは、少なくとも入力層と、1以上の隠れ層と、出力層とを含み得る。ニューラルネットワークは、任意の数の層と、任意の数の隠れ層とを含み得る。隠れ層は、入力データのセットを出力値または出力値のセットにマップすることを可能にするトレーニング可能な特徴抽出器として機能する。本明細書で使用される場合、深層学習アルゴリズム(DNN)は、複数の隠れ層、例えば2個以上の隠れ層を含むニューラルネットワークの場合がある。ニューラルネットワークの各層は、いくつかのノード(または「ニューロン」)を含み得る。ノードは、入力データまたは前の層のノードの出力のいずれかから直接到来する入力を受信し、特定の演算、例えば加算演算を実行できる。いくつかの実施形態では、入力からノードへの接続は、パラメータ(例えば、重みおよび/または重み係数)に関連付けられる。いくつかの実施形態では、ノードは、入力のすべての対xとそれらの関連付けられるパラメータとの積を合計できる。いくつかの実施形態では、重み付け和はバイアスbでオフセットされる。いくつかの実施形態では、ノードまたはニューロンの出力は、線形または非線形関数であり得る閾値または活性化関数fを使用してゲート制御され得る。活性化関数は、例えば、正規化線形ユニット(ReLU)活性化関数、漏洩ReLU活性化関数、または飽和双曲線正接、恒等、2値ステップ、ロジスティック、arcTan、ソフトサイン、パラメトリック正規化線形ユニット、指数線形ユニット、softPlus、曲げ恒等、ソフト指数関数、シヌソイド、サイン、ガウシアン、シグモイド関数、または、それらの任意の組合せなどの他の関数であってもよい。
【0165】
重み係数、バイアス値、および閾値、またはニューラルネットワークの他の計算パラメータは、トレーニングデータの1以上のセットを使用してトレーニング段階で「教示」または「学習」できる。例えば、パラメータは、ANNが計算する出力値がトレーニングデータセットに含まれる例と一致するように、トレーニングデータセットからの入力データおよび勾配降下法または逆伝播法を使用してトレーニングされ得る。パラメータは、逆伝播ニューラルネットワークトレーニングプロセスから取得できる。
【0166】
様々なニューラルネットワークのいずれも、本明細書に開示される方法を実行する際の使用に適し得る。例は、フィードフォワードニューラルネットワーク、ラジアル基底関数ネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、残差ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、残差畳み込みニューラルネットワーク、またはそれらの任意の組合せを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、機械学習は、事前トレーニングおよび/または転移学習されるANN、または深層学習アーキテクチャを利用する。畳み込みニューラルネットワークおよび/または残差ニューラルネットワークは、本開示による被験者の画像を分析するために使用され得る。
【0167】
例えば、深層ニューラルネットワークモデルは、入力層と、複数の個別にパラメータ化される(例えば、重み付け)畳み込み層と、出力スコアラーとを含む。各畳み込み層および入力層のパラメータ(例えば、重み)は、深層ニューラルネットワークモデルに関連付けられる複数のパラメータ(例えば、重み)に寄与する。いくつかの実施形態では、少なくとも100個のパラメータ、少なくとも1000個のパラメータ、少なくとも2000個のパラメータ、または少なくとも5000個のパラメータが、深層ニューラルネットワークモデルに関連付けられる。このように、深層ニューラルネットワークモデルは、精神的に解くことができないため、コンピュータを使用する必要がある。言い換えれば、モデルへの入力が与えられると、そのような実施形態では、モデル出力は、精神的にではなくコンピュータを使用して決定される必要がある。例えば、Krizhevsky et al.,2012,“Imagenet classification with deep convolutional neural networks,”in Advances in Neural Information Processing Systems 2,Pereira,Burges,Bottou,Weinberger,eds.,pp.1097-1105,Curran Associates,Inc.;Zeiler,2012“ADADELTA:an adaptive learning rate method,”CoRR,vol.abs/1212.5701;and Rumelhart et al.,1988,“Neurocomputing:Foundations of research,”ch.Learning Representations by Back-propagating Errors,pp.696-699,Cambridge,MA,USA:MIT Pressを参照。これらの文献の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0168】
モデルとしての使用に適した畳み込みニューラルネットワークアルゴリズムを含むニューラルネットワークアルゴリズムは、例えば、Vincent et al., 2010, “Stacked denoising autoencoders: Learning useful representations in a deep network with a local denoising criterion,” J Mach Learn Res 11, pp. 3371-3408; Larochelle et al., 2009, “Exploring strategies for training deep neural networks,” J Mach Learn Res 10, pp. 1-40; and Hassoun, 1995, Fundamentals of Artificial Neural Networks, Massachusetts Institute of Technologyに開示されている。これらの文献の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。モデルとしての使用に適した追加の例示的なニューラルネットワークは、Duda et al., 2001, Pattern Classification, Second Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York; and Hastie et al., 2001, The Elements of Statistical Learning, Springer-Verlag, New Yorkに開示されている。これらの文献の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。モデルとしての使用に適した追加の例示的なニューラルネットワークもまた、Draghici, 2003, Data Analysis Tools for DNA Microarrays, Chapman & Hall/CRC; and Mount, 2001, Bioinformatics: sequence and genome analysis, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New Yorkに記載されている。これらの文献の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0169】
サポートベクターマシン。いくつかの実施形態では、モデルはサポートベクターマシン(SVM)である。モデルとしての使用に適したSVMアルゴリズムは、例えば、Cristianini and Shawe-Taylor, 2000, “An Introduction to Support Vector Machines,” Cambridge University Press, Cambridge; Boser et al., 1992, “A training algorithm for optimal margin classifiers,” in Proceedings of the 5th Annual ACM Workshop on Computational Learning Theory, ACM Press, Pittsburgh, Pa., pp. 142-152; Vapnik, 1998, Statistical Learning Theory, Wiley, New York; Mount, 2001, Bioinformatics: sequence and genome analysis, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.; Duda, Pattern Classification, Second Edition, 2001, John Wiley & Sons, Inc., pp. 259, 262-265; and Hastie, 2001, The Elements of Statistical Learning, Springer, New York; and Furey et al., 2000, Bioinformatics 16, 906-914に記載されている。これらの文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。分類に使用される場合、SVMは、ラベル付きデータから最大に離れた超平面でバイナリラベル付きデータの所定のセットを分離する。線形分離が不可能な場合、SVMは、特徴空間への非線形マッピングを自動的に実現する「カーネル」の技術と組み合わせて動作できる。特徴空間内のSVMによって見つけられた超平面は、入力空間内の非線形決定境界に対応できる。いくつかの実施形態では、SVMに関連付けられる複数のパラメータ(例えば、重み)は、超平面を定める。いくつかの実施形態では、超平面は、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも50個、または少なくとも100個のパラメータによって定められる。SVMモデルは、精神的に解くことができないため、計算するためにコンピュータを必要とする。
【0170】
ナイーブベイズアルゴリズム。いくつかの実施形態では、モデルはナイーブベイズアルゴリズムである。モデルとしての使用に適したナイーブベイズ分類器は、例えば、Ng et al., 2002, “On discriminative vs. generative classifiers: A comparison of logistic regression and naive Bayes,” Advances in Neural Information Processing Systems, 14に開示されている。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。ナイーブベイズ分類器は、特徴間の強い(単純な)独立仮定を伴うベイズの定理を適用することに基づく「確率的分類器」のファミリーの任意の分類器である。いくつかの実施形態では、それらはカーネル密度推定と結合される。例えば、Hastie et al., 2001, The elements of statistical learning : data mining, inference, and prediction, eds. Tibshirani and Friedman, Springer, New Yorkを参照。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0171】
【0172】
k最近傍モデルは、入力が特徴空間におけるk個の最も近いトレーニング例からなるノンパラメトリック機械学習方法である。出力はクラスメンバーシップである。オブジェクトは、その近傍の複数の票によって分類され、オブジェクトは、そのk個の最近傍(kは正の整数であり、典型的には小さい)の中で最も一般的なクラスに割り当てられる。k=1の場合、オブジェクトは、その単一の最近傍のクラスに単純に割り当てられる。Duda et al., 2001, Pattern Classification, Second Edition, John Wiley & Sonsを参照。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、k最近傍モデルを解くために必要な距離計算の数は、精神的に実行することができないため所定の入力に対してモデルを解くためにコンピュータが使用されるようなものである。
【0173】
ランダムフォレスト、決定木、およびブースティング木アルゴリズム。いくつかの実施形態では、モデルは決定木である。モデルとしての使用に適した決定木は、Duda, 2001, Pattern Classification, John Wiley & Sons, Inc., New York, pp. 395-396に一般的に記載されている。この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。木ベースの方法は、特徴空間を長方形のセットに分割し、(定数のような)モデルをそれぞれに当てはめる。いくつかの実施形態では、決定木は、ランダムフォレスト回帰である。使用され得る1つの特定のアルゴリズムは、分類および回帰木(CART)である。他の特定の決定木アルゴリズムは、ID3、C4.5、MART、およびランダムフォレストを含むが、これらに限定されない。CART、ID3およびC4.5は、Duda, 2001, Pattern Classification, John Wiley & Sons, Inc., New York, pp. 396-408 and pp. 411-412に記載されている。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。CART、MARTおよびC4.5は、Hastie et al., 2001, The Elements of Statistical Learning, Springer-Verlag, New York, Chapter 9に記載されている。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。ランダムフォレストは、Breiman, 1999, “Random Forests--Random Features,” Technical Report 567, Statistics Department, U.C. Berkeley, September 1999に記載されている。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、決定木モデルは、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも50個、または少なくとも100個のパラメータ(例えば、重みおよび/または決定)を含み、精神的に解くことができないため、計算するためにコンピュータを必要とする。
【0174】
回帰。いくつかの態様では、モデルは、回帰アルゴリズムを使用する。回帰アルゴリズムは、任意のタイプの回帰であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、回帰アルゴリズムは、ロジスティック回帰である。いくつかの実施形態では、回帰アルゴリズムは、ラッソ、L2またはエラスティックネット正則化を用いたロジスティック回帰である。いくつかの実施形態では、閾値を満たさない対応する回帰係数を有する抽出される特徴は、考慮すべきものから削除(除去)される。いくつかの実施形態では、マルチカテゴリ応答を処理するロジスティック回帰モデルの一般化がモデルとして使用される。ロジスティック回帰アルゴリズムは、Agresti, An Introduction to Categorical Data Analysis, 1996, Chapter 5, pp. 103-144, John Wiley & Son, New Yorkに開示されている。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、モデルは、Hastie et al., 2001, The Elements of Statistical Learning, Springer-Verlag, New Yorkに開示されている回帰モデルを利用する。いくつかの実施形態では、ロジスティック回帰モデルは、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも50個、少なくとも100個、または少なくとも1000個のパラメータ(例えば、重み)を含み、精神的に解くことができないため、計算するためにコンピュータを必要とする。
【0175】
線形判別分析アルゴリズム。線形判別分析(LDA)、正規判別分析(NDA)、または、判別関数分析は、フィッシャーの線形判別の一般化であり得、2以上のクラスのオブジェクトまたはイベントを特徴付けるための統計、パターン認識および機械学習で使用される方法の一般化であり得る。得られた組合せは、本開示のいくつかの実施形態では、モデル(例えば、線形分類器)として使用できる。
【0176】
混合モデルおよび隠れマルコフモデル。いくつかの実施形態では、モデルは、McLachlan et al., Bioinformatics 18(3):413-422, 2002に記載されているものなどの混合モデルである。いくつかの実施形態、特に時間成分を含むそれらの実施形態では、モデルは、Schliep et al., 2003, Bioinformatics 19(1):i255-i263によって記載されているような隠れマルコフモデルである。
【0177】
クラスタリング。いくつかの実施形態では、モデルは、教師なしクラスタリングモデルである。いくつかの実施形態では、モデルは、教師ありクラスタリングモデルである。モデルとしての使用に適したクラスタリングアルゴリズムは、例えば、Duda and Hart, Pattern Classification and Scene Analysis, 1973, John Wiley & Sons, Inc., New York(以下、「Duda 1973」の211~256ページに記載されている。この文献は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、クラスタリングの問題は、データセットにおける自然なグループ分けを見つけることの1つとして説明され得る。自然なグループ分けを特定するために、2つの問題に対処できる。第1に、2つのサンプル間の類似性(または非類似性)を測定する方法を決定できる。このメトリック(例えば、類似性尺度)は、1つのクラスタ内のサンプルが他のクラスタ内のサンプルよりも互いに類似していることを保証するために使用され得る。第2に、類似性尺度を使用してデータをクラスタに分割するためのメカニズムを決定できる。クラスタリング調査を開始する1つの方法は、距離関数を定義し、トレーニングデータセットのサンプルの全てのペア間の距離のマトリクスを計算することであり得る。距離が類似性の良好な尺度である場合、同じクラスタ内の基準エンティティ間の距離は、異なるクラスタの基準エンティティ間の距離よりも大幅に小さくなり得る。しかし、クラスタリングは、距離メトリックを使用しなくてもよい。例えば、非メトリック類似性関数s(x,x’)が、2つのベクトルxおよびx’を比較するのに使用され得る。s(x,x’)は、xおよびx’が何らかの形で「類似」である場合、値が大きい対称関数であり得る。データセットのポイント間の「類似性」または「非類似性」を測定するための方法が選択されると、クラスタリングは、データの任意のパーティションのクラスタリング品質を測定する基準関数を使用できる。基準関数を極値にするデータセットのパーティションは、データをクラスタリングするのに使用され得る。本開示で使用され得る特定の例示的なクラスタリング技術は、階層クラスタリング(最近傍アルゴリズム、最長法アルゴリズム、平均リンケージアルゴリズム、重心アルゴリズム、または2乗和アルゴリズムを使用する凝集クラスタリング)、k平均クラスタリング、ファジーk平均クラスタリングアルゴリズム、および、Jarvis-Patrickクラスタリングを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、クラスタリングは、教師なしクラスタリング(例えば、クラスタ数の事前設定なし、および/または、クラスタ割り当ての事前設定なし)を含む。
【0178】
モデルのアンサンブルおよびブースティング。いくつかの実施形態では、モデルのアンサンブル(2個以上)が使用される。いくつかの実施形態では、モデルの性能を改善するために、AdaBoostなどのブースティング技術が、他の多くの種類の学習アルゴリズムと併せて使用される。この手法では、本明細書に開示されたモデルのいずれか、または、それらの等価物の出力は、ブースティングされるモデルの最終出力を表す加重和に組み合わされる。いくつかの実施形態では、モデルからの複数の出力は、平均、中央値、最頻値、加重平均、加重中央値、加重最頻値などを含むが、これらに限定されない。当技術分野で知られている中心傾向の任意の尺度を使用して組み合わされる。いくつかの実施形態では、複数の出力は、投票方法を使用して組み合わされる。いくつかの実施形態では、モデルのアンサンブル内のそれぞれのモデルは、重み付けされているか、または、重み付けされていない。
【0179】
「分類」という用語は、サンプルの特定の特性に関連付けられる任意の数または他の文字を指す場合がある。例えば、「+」記号(または用語「ポジティブ」)は、サンプルが所望の結果または特性を有すると分類されることを示すことができ、「-」記号(または用語「ネガティブ」)は、サンプルが望ましくない結果または特性を有するとして分類されることを示し得る。他の例では、用語「分類」は、それぞれの結果または特徴(例えば、高リスク、中リスク、低リスク)を指す。いくつかの実施形態では、分類は2値(例えば、ポジティブまたはネガティブ)であるか、またはより多くのレベルの分類(例えば、1から10または0から1のスケール)を有する。いくつかの実施形態では、「カットオフ」および「閾値」という用語は、動作で使用される所定の数を指す。一例では、カットオフ値は、それを超えると結果が除外される値を指す。いくつかの実施形態では、閾値は、それよりも上または下で特定の分類が適用される値である。これらの用語のいずれもが、これらの文脈のいずれにおいても使用できる。
【0180】
当業者は、本開示のシステムおよび方法に適用可能な他のモデルを容易に理解するであろう。いくつかの実施形態では、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、2以上のモデルを利用して、精度を高めた評価を提供する(例えば、1以上の入力が与えられる評価に到達する)。例えば、いくつかの実施形態では、それぞれのモデルは、それぞれのデータセットが提供されると、対応する評価に到達する。従って、各それぞれのモデルは独立して到達することができ、結果が得られた後、各それぞれのモデルの結果は、モデルの比較または統合によってまとめて検証される。このことから、モデルによって累積結果が提供される。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0181】
いくつかの実施形態では、それぞれのモデルは、対応するアクティビティの実行を任される。非限定的な例として、いくつかの実施形態では、それぞれのモデルによって実行されるタスクは、精神障害を診断すること、デジタルリアリティシーン40に関連付けられる経験24の形式で対応するチャレンジの明示(manifestation)を生成すること、被験者から取得されるアセスメントの複数のカテゴリにおいて各カテゴリを識別すること、被験者から取得されるアセスメントのバリデーションを実行すること、被験者から取得されるアセスメントの医師による別のバリデーションの更なるバリデーションを実行すること、それぞれのゲート基準を生成すること、それぞれのバイオメトリック閾値を生成すること、順番に配置される複数のカテゴリを含む曝露進行を生成すること、課題が正常に完了したか否かを決定すること、被験者が完了する後続の課題を識別すること、カテゴリが正常に完了したか否かを決定すること、被験者が完了する後続のカテゴリを識別すること、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本開示の各それぞれのモデルは、10以上のパラメータ、100以上のパラメータ、1,000以上のパラメータ、10,000個以上のパラメータ、または100,000個以上のパラメータを使用する。いくつかの実施形態では、本開示の各それぞれのモデルは、精神的に実行できない。
【0182】
前述の識別されるモジュールおよびアプリケーションのそれぞれは、前述の1以上の機能および本開示に記載の方法を実行するための実行可能命令のセットに対応する。これらのモジュール(例えば、命令のセット)は、別個のソフトウェアプログラム、手順またはモジュールとして実装される必要はなく、これらのモジュールの様々なサブセットは、任意に、組み合わされるか、または本開示の様々な実施形態において再配置される。いくつかの実施形態では、メモリ212は、任意に、上記で識別されるモジュールおよびデータ構造のサブセットを記憶する。更に、いくつかの実施形態では、メモリ212は、上記されていない追加のモジュールおよびデータ構造を記憶する。
【0183】
図2Aおよび図2Bは、デジタルリアリティシステム200の一例にすぎず、デジタルリアリティシステム200は、任意に、示されているよりも多いまたは少ない構成要素を有し、任意に、2以上の構成要素を組み合わせ、または任意に、構成要素の異なる構成または配置を有することを理解すべきである。図2Aおよび図2Bに示されている様々な構成要素は、1以上の信号処理および/または特定用途向け集積回路を含む、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せで実装される。更に、デジタルリアリティシステム200は、デジタルリアリティシステム200の全ての機能を含む単一のデバイスである場合がある。クライアントデバイス300はまた、複数のデバイスの組み合わせである場合がある。例えば、デジタルリアリティシステム200の機能は、任意の数のネットワーク化されたコンピュータに分散されてもよいし、および/またはいくつかのネットワーク化されたコンピュータのそれぞれに存在していてもよいし、および/または通信ネットワーク(例えば、通信ネットワーク106、ネットワークインタフェース204、またはその両方)を介してアクセス可能な遠隔地の1以上の仮想マシンおよび/またはコンテナでホストされることで存在していてもよい。幅広い異なるコンピュータトポロジが、デジタルリアリティシステム200、およびプリセット開示の他のデバイスおよびシステムに対して可能であり、そのような全てのトポロジが本開示の範囲内にあることは、当業者であれば理解するであろう。
【0184】
図3を参照すると、例示的なクライアントデバイス300が提供されている(例えば、第1のクライアントデバイス300-1)。クライアントデバイス300は、1以上の処理ユニット(CPU)302と、1以上のネットワークまたは他の通信インタフェース304と、1以上のコントローラによって任意にアクセスされるメモリ312(例えば、ランダムアクセスメモリおよび/または不揮発性メモリ)と、前述の構成要素を相互接続する1以上の通信バス314とを含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300は、携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスなどのモバイルデバイスを含む。そのような実施形態では、クライアントデバイス300を介してアクセス可能なそれぞれのデジタルリアリティシーン40は、拡張現実(augmented reality)シーンを含む。いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300を介してアクセス可能なそれぞれのデジタルリアリティシーンは、複合現実シーンを含む。しかし、本開示はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300は、1以上のウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルディスプレイ)を受け入れるデスクトップコンピュータまたは他の同様のデバイスである。いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300は、本開示のシステムおよび方法のデジタルリアリティシーン40を提供することに専用のスタンドアロンデバイスである。更に、いくつかの実施形態では、各クライアントデバイス300は、それぞれの被験者がそれぞれの被験者に関連付けられる情報(例えば、被験者の好み、被験者のフィードバックなど)を提供することを可能にする。
【0186】
また、クライアントデバイス300は、ユーザインタフェース306を含む。ユーザインタフェース306は、典型的には、デジタルリアリティシーン40などのメディアを示し、クライアントデバイス300を操作する被験者から命令を受信するためのディスプレイデバイス308を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス308は、任意に、スマート(例えば、スマートフォン)デバイスなどのクライアントデバイス300内に統合される(例えば、CPU302およびメモリ312と同じシャーシに収容される)。いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300は、被験者がクライアントデバイス300とインタラクトすることを可能にする1以上の入力デバイス310を含む。いくつかの実施形態では、入力デバイス310は、キーボード、マウス、(例えば、空間および/または時間に亘って被験者の手を追跡する)一定期間の間にオブジェクトの位置を決定するように構成される1以上のカメラ(例えば、2次元ピクセレイテッド検出器と通信する対物レンズ)、および/または他の入力機構を含む。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス308はタッチ感知面を含み、例えば、ディスプレイ308はタッチ感知ディスプレイであるか、またはクライアントデバイス300はタッチパッドを含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300は、クライアントデバイス300と1以上の周辺デバイスとインタフェースするための入出力(I/O)サブシステム330を含む。例えば、いくつかの実施形態では、オーディオは、クライアントデバイス300および/またはリモートデバイス(例えば、デジタルリアリティシステム200)からオーディオ情報を受信し、このオーディオ情報に基づいてオーディオデータを示す外部デバイス(例えば、スピーカ、ヘッドホンなど)を介して示される。いくつかの実施形態では、入出力(I/O)サブシステム330はまた、スピーカ、イヤホン、またはヘッドホンと接続するためのスピーカまたはオーディオ出力などのオーディオ出力デバイスを含むか、またはそれらとインタフェースで接続する。いくつかの実施形態では、入出力(I/O)サブシステム330は(例えば、入力デバイス310を補助または置換するための)音声認識機能も含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300はまた、1以上のセンサ(例えば、加速度計、磁力計、近接センサ、ジャイロスコープなど)、画像取込デバイス(例えば、カメラデバイスまたは画像取込モジュールおよび関連コンポーネント)、位置特定モジュール(例えば、全地球測位システム(GPS)受信機または他のナビゲーションまたはジオロケーションシステムモジュール/デバイスおよび関連コンポーネント)、またはそれらの組合せなどを含む。
【0189】
前述したように、クライアントデバイス300は、ユーザインタフェース306を含む。ユーザインタフェース306は、典型的には、任意にクライアントデバイス300内に統合される(例えば、スマートフォンまたはオールインワンのデスクトップコンピュータクライアントデバイス300などと共に、CPUおよびメモリと同じシャーシに収容される)ディスプレイデバイス308を含む。いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300は、キーボード、マウス、および/または他の入力ボタン(例えば、1以上のスライダ、1以上のジョイスティック、1以上のラジオボタンなど)などの複数の入力デバイス310を含む。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス308はタッチ感知面を含み、例えば、ディスプレイ308はタッチ感知ディスプレイ308であるか、またはそれぞれのクライアントデバイス300はタッチパッドを含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300のポーズ(pose)は、1以上の特性、例えば、クライアントデバイス300を使用する被験者の手またはクライアントデバイス300のハンドコントローラなどのそれぞれの関心領域に関連付けられるクライアントデバイス300の1以上のローカル特性(例えば、クライアントデバイスの加速)および/またはクライアントデバイス300近くの1以上の近接特性に基づいて決定される。例えば、いくつかの実施形態では、それぞれの関心領域に関連付けられる1以上の近接特性は、関心領域の外観を含む。例として、いくつかの実施形態では、それぞれの近接する特性は、関心領域の形状(例えば、被験者の手が開いた拳から握り拳に変化するなど)、関心領域の色(例えば、被験者が着用している衣服の色を評価すること)、関心領域の反射率などに関連付けられる。いくつかの実施形態では、それぞれの関心領域に関連付けられる1以上の近接特性は、曝露進行のワークフローなどの、それぞれのデジタルリアリティシーンの前の課題から導出される情報(例えば、対応するユーザプロファイルの療法ストアで保持される情報)から導出される。いくつかの実施形態では、それぞれの関心領域に関連付けられる1以上の近接特性は、所定の関心領域との関連を有する複数の特性を含む参照データベースに基づく。関心領域の特性に基づいてポーズを決定することに関する追加の詳細および情報は、Oe et al., 2005, “Estimating Camera Position and Posture by Using Feature Landmark Database,” Scandinavian Conference on Image Analysis, pg. 171; Lee et al., 1998, “Fine Active Calibration of Camera Position/Orientation through Pattern Recognition,” IEEE ISIE, print; Dettwiler et al., 1994, “Motion Tracking with an Active Camera,” IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, 16(5), pg. 449; Kritikos et al., 2020, “Comparison between Full Body Motion Recognition Camera Interaction and Hand Controllers Interaction used in Virtual Reality Exposure Therapy for Acrophobia,” Sensors, 20(5), pg. 1244に見出され得る。これらの文献の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0191】
更に、いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300は、例えば、仮想現実シーン40の提示を容易にする仮想現実ヘッドセット、拡張現実(augmented reality)シーン40の提示を容易にする拡張現実(augmented reality)ヘッドセット、または複合現実シーン40の提示を容易にする複合現実ヘッドセットなどの、ディスプレイ308がユーザの頭に装着されるヘッドアップディスプレイ(HUD)デバイスを含む。そのような実施形態では、クライアントデバイス300は、触覚フィードバックデバイスなどの入力デバイス310を含む。従って、HUDクライアントデバイス300は、同期される触覚および音声フィードバックを有する仮想現実クライアントデバイス300、同期される触覚および音声フィードバックを有する拡張現実(augmented reality)クライアントデバイス300、同期される触覚および音声フィードバックを有する複合現実クライアントデバイス300、またはそれらの組合せの機能を提供する。
【0192】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ308は、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ、またはスマートガーメントクライアントデバイス(例えば、図13のディスプレイ1100)などのウェアラブルディスプレイである。ウェアラブルディスプレイ308のそのような非限定的な一例は、ニアアイディスプレイまたはヘッドマウントディスプレイを含む。他の実施形態では、ディスプレイ308は、図8Aのクライアントデバイス300-1などのスマートモバイルデバイスディスプレイ(例えば、スマートフォン)である。いくつかの実施形態では、ディスプレイ308は、ホストコンピュータシステム300、スタンドアロンHMD、モバイルデバイスまたはコンピューティングシステム、または拡張現実(artificial reality)コンテンツを1以上の視聴者に提供できる任意の他のハードウェアプラットフォームに接続されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)である。図13は、本明細書に開示されるディスプレイ308の例のいくつかを実装するための眼鏡型のニアアイディスプレイ1100の一例の斜視図である。いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ1100は、仮想現実ディスプレイ、拡張現実(augmented reality)ディスプレイ、および/または複合現実ディスプレイとして動作するように構成される。いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ1100は、フレーム1105およびディスプレイ1110を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイ1110は、コンテンツをユーザに示すように構成される。いくつかの実施形態では、ディスプレイ1100は、ディスプレイエレクトロニクスおよび/またはディスプレイオプティクスを含む。例えば、いくつかの実施形態では、ディスプレイ1100は、LCDディスプレイパネル、LEDディスプレイパネル、または光学ディスプレイパネル(例えば、導波管ディスプレイアセンブリ)を含む。いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ1100は、フレーム1105またはフレーム1105内に様々なセンサ1150a、1150b、1150c、1150d、1150eを更に含む。いくつかの実施形態では、様々なセンサ1150a~1150eは、1以上の深度センサ、モーションセンサ、位置センサ、慣性センサ、レコーダセンサ(例えば、マイクロフォンセンサ)、またはアンビエントライトセンサを含む。いくつかの実施形態では、様々なセンサ1150a~1150eは、異なる方向の異なる視野を表わす画像データを生成するように構成される1以上の画像センサを含む。いくつかの実施形態では、様々なセンサ1150a~1150eは、の入力デバイスとして使用され、ニアアイディスプレイ1100の表示内容を制御するまたは影響を与える、および/またはニアアイディスプレイ1100のユーザにインタラクティブVR/AR/MR経験を提供する。いくつかの実施形態では、様々なセンサ1150a~1150eはまた、立体撮像に使用される。
【0193】
いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ1100は、物理的環境に光を投射する1以上のイルミネータ1130を更に含む。いくつかの実施形態では、投影される光は、異なる周波数帯域(例えば、可視光、赤外光、紫外光など)に関連付けられ、そのような実施形態では、様々な目的に使用される。例えば、いくつかの実施形態では、イルミネータ1130は、暗い環境で(または赤外光、紫外光などの強度が低い環境で)光を投影して、センサ1150a~1150eが暗い環境内の異なるオブジェクトの画像をキャプチャするのを支援する。いくつかの実施形態では、イルミネータ1130は、環境内のオブジェクト上に特定の光パターンを投影するために使用される。いくつかの実施形態では、イルミネータ1130はロケータとして使用される。
【0194】
いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ1100は、高解像度カメラ1140を含む。いくつかの実施形態では、カメラ1140は、視野における物理的環境の画像をキャプチャする。いくつかの実施形態では、キャプチャ画像は、例えば、仮想現実エンジン(例えば、図3のエンジン322)によって処理されて、キャプチャ画像に1以上の仮想オブジェクト42を追加するか、またはキャプチャ画像の物理オブジェクトを変更する。いくつかの実施形態では、処理される画像は、本開示によって提供されるARまたはMRアプリケーション(例えば、図3のクライアントアプリケーション320)用のディスプレイ1100によってユーザに表示される。
【0195】
更に、いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300は、デジタルリアリティシーン40を示すためのデジタルリアリティキットを含むか、またはデジタルリアリティキットの構成部品である。デジタルリアリティキットに関する更なる詳細および情報は、2019年10月18日に出願された「Virtual Reality Kit」と題する米国特許出願公開第2020/0121050号明細書に見出され得る。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0196】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300は、Pico Neo3pro(Pico Interactive Inc., San Francisco, California)、Oculus Quest2(Oculus VR, Irvine, California)、Snapchat Spectacles 3(Snap Inc., Santa Monica, California)、Google Cardboard(Google LLC, Mountain View, California)、HTC VIVE Pro2((HTC Corporation, Taoyuan City, Taiwan)などの1以上の容易に入手可能な(例えば、既製品の)コンポーネントを含む。当業者は、本開示がこれに限定されないことを理解するであろう。
【0197】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300は、ディスプレイ308を介してユーザにメディアを示す。ディスプレイ308に示されるメディアの例は、1以上の画像、ビデオ、オーディオ(例えば、オーディオサンプルの波形)、またはそれらの組合せを含む。典型的な実施形態では、1以上の画像、ビデオ、オーディオ、またはそれらの組合せは、デジタルリアリティシーン40を介してディスプレイによって示される。いくつかの実施形態では、オーディオは、クライアントデバイス300、デジタルリアリティシステム200,またはその両方からオーディオ情報を受信し、このオーディオ情報に基づいてオーディオデータを示す外部デバイス(例えば、スピーカ、ヘッドホンなど)を介して示される。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース306はまた、スピーカ、イヤホン、またはヘッドホンと接続するためのスピーカまたはオーディオ出力などのオーディオ出力デバイスを含む。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース306はまた、オーディオ入力デバイス(例えば、マイクロフォン)と、任意の(例えば、キーボードを補助または置換するための)音声認識機能とを含む。任意に、クライアントデバイス300は、オーディオ(例えば、ユーザからのスピーチ)をキャプチャするためのオーディオ入力デバイス310(例えば、マイクロフォン)を含む。いくつかの実施形態では、オーディオ入力デバイス310は、単一の無指向性マイクロフォンである。
【0198】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300はまた、1以上のセンサ(例えば、加速度計、磁力計、近接センサ、ジャイロスコープ)、画像キャプチャデバイス(例えば、カメラデバイスまたはモジュールおよび関連付けられるコンポーネント)、および/またはロケーションモジュール(例えば、全地球測位システム(GPS)受信機または他のナビゲーションまたはジオロケーションデバイスおよび関連付けられるコンポーネント)のうちの1以上を含む。いくつかの実施形態では、センサは、クライアントデバイス300に関する空間および動作情報を検出する1以上のハードウェアデバイスを含む。空間および動作情報は、クライアントデバイス300の位置、クライアントデバイス300の向き(オリエンテーション)、クライアントデバイス300の速度(velocity)、クライアントデバイス300の回転、クライアントデバイス300の加速度、またはそれらの組合せに関する情報を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、センサは、ユーザがクライアントデバイス300を利用している(例えば、着用している)間にユーザの頭部の回転を検出する1以上の慣性測定ユニット(IMU)を含む。いくつかの実施形態では、この回転情報は、クライアントデバイス300のディスプレイ308に表示される画像を調整するために(例えば、図3のクライアントアプリケーション320および/または図2Bのデジタルリアリティセッションエンジン38によって)使用される。いくつかの実施形態では、各IMUは、空間および動作情報を収集する1以上のジャイロスコープ、1以上の加速度計、および/または1以上の磁力計を含む。いくつかの実施形態では、センサは、クライアントデバイス300に位置する1以上のカメラを含む。
【0199】
メモリ312は、DRAM、SRAM、DDR RAM、または他のランダムアクセスソリッドステートメモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリを含み、任意に、1以上の磁気ディスク記憶デバイス、光ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の不揮発性ソリッドステート記憶デバイスなどの不揮発性メモリも含む。メモリ312は、任意に、CPU302から遠隔に配置される1以上の記憶デバイスを含むことができる。メモリ312またはメモリ312内の不揮発性メモリデバイスは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。CPU302およびI/Oサブシステム330などのクライアントデバイス300の他の構成要素によるメモリ312へのアクセスは、任意に、コントローラによって制御される。いくつかの実施形態では、メモリ312は、CPU302に対して遠隔に配置される大容量ストレージを含み得る。言い換えれば、メモリ312に記憶されるいくつかのデータは、実際には、クライアントデバイス300の外部にあるが、通信インタフェース304を使用してインターネット、イントラネット、または、他の形態のネットワーク106または電子ケーブルを介して、クライアントデバイス300によって電子的にアクセスすることができるデバイスでホストされてもよい。
【0200】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300のメモリ312は、以下のものを記憶する。
・様々な基本システムサービスを処理するための手順を含むオペレーティングシステム316。
・分散システム100内のクライアントデバイス300を識別するクライアントデバイス300に関連付けられる電子アドレス318。
・クライアントデバイス300のディスプレイ308に示されるグラフィカルユーザインタフェースを介して表示するコンテンツを生成するためのクライアントアプリケーション320。
・クライアントアプリケーション320がクライアントデバイス300と連携して動作することを可能にするエンジン322。
【0201】
いくつかの実施形態では、電子アドレス318は、クライアントデバイス300に関連付けられ、これは、クライアントデバイス300を分散システム100の他のデバイスおよびコンポーネントから少なくとも一意に識別するために利用される。いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300に関連付けられる電子アドレス318は、クライアントデバイス300によって提供されるアセスメントのソースを決定するために使用される(例えば、デジタルリアリティシステム200からアセスメントを受信し、そのアセスメントに基づいて1以上の応答を通信する)。
【0202】
いくつかの実施形態では、各クライアントアプリケーション320は、プロセッサによって実行されると、仮想現実シーン40、拡張現実シーン40、複合現実シーン40などのユーザに示すためのコンテンツを生成する命令のグループである。クライアントアプリケーション320は、クライアントデバイスの入力310など、クライアントデバイス300の動きを通じてユーザから受信する入力に応じて、コンテンツを生成する場合がある。ここで、クライアントアプリケーション320は、ゲーミングアプリケーション、会議開催アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、またはそれらの組合せを含む。例えば、いくつかの実施形態では、クライアントアプリケーション320は、図1のデジタルリアリティシーン40-1、40-2、…、または40-Hなどのデジタルリアリティシーンの1以上のセッションを提供することを容易にする。いくつかの実施形態では、クライアントアプリケーション320は、複数の提案される経験24の識別を含む被験者からのアセスメントを取得するために利用される。いくつかの実施形態では、クライアントアプリケーション320は、所与の課題中にデジタルリアリティシーン40に参加できるプレイヤキャラクタおよび/またはノンプレイヤキャラクタの数など、経験24に関連付けられる1以上の基準を構成し、任意に、デジタルリアリティシーン40内の経験を構成するために利用される。
【0203】
いくつかの実施形態では、エンジン322は、クライアントアプリケーション320がクライアントデバイス300と連携して動作することを可能にするソフトウェアモジュールである。いくつかの実施形態では、エンジン322は、クライアントデバイス300のセンサから情報を受信し、その情報をクライアントアプリケーション320に提供する。受信した情報に基づいて、エンジン322は、ディスプレイ308または1以上のオーディオデバイスを介してユーザに示すためにクライアントデバイス300に提供するメディアコンテンツ、および/または触覚フィードバックのタイプを決定する。例えば、エンジン322が、ユーザが左を見たことを示す情報をクライアントデバイス300のセンサから受信した場合、エンジン322は、デジタルリアリティシーン40におけるユーザの動きを反映するディスプレイ308のためのコンテンツを生成する。他の例として、ユーザが(例えば、デジタルリアリティシーン40において)壁を叩くと、エンジン322は、クライアントデバイス300の触覚フィードバック機構のための制御信号を生成して、振動を生成し、任意に、ユーザの行動に対応する音声を生成する(例えば、人の握りこぶしが木製の壁に当たる音、または人の握りこぶしがプレキシガラスの壁に当たる音は、木製の壁に対して生成される音とは異なる)。更に他の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、エンジン322は、クライアントデバイス300と電子通信する1以上のセンサから情報を受信し、1以上のセンサは、一定期間にわたってキャプチャされるユーザの瞬間心拍数などの、クライアントデバイス300のユーザからのバイオメトリックデータを取得する。そのような実施形態では、エンジン322は、ユーザの瞬間心拍数の低下を反映するために、デジタルリアリティシーン40内の第1のオブジェクト42-1の色をオレンジの第1の色からバイオレットの第2の色に変更するなど、ユーザからのバイオメトリックデータに応答するディスプレイ308用のコンテンツを生成する。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0204】
同様に、いくつかの実施形態では、エンジン322は、クライアントデバイス300のセンサから情報を受信し、センサからの情報をクライアントアプリケーション320に提供する。従って、いくつかの実施形態では、アプリケーション320は、アプリケーション320のデジタルリアリティシーン内のアクションを実行するために情報を使用する。このようにして、エンジン322が、ユーザが手を上げたという情報をセンサから受信する場合、デジタルリアリティシーン40のシミュレートされる手は、対応する高さまで持ち上がる。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0205】
いくつかの実施形態では、エンジン322は、触覚フィードバック機構のための制御信号を生成し、これにより、触覚フィードバック機構は、1以上の触覚的な質問(haptic ques)を生成する。前述したように、エンジン322によって受信される情報はまた、クライアントデバイス300からの情報を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、クライアントデバイス300に位置する1以上のカメラ(例えば、図3の入力310、I/Oサブシステム330)は、クライアントデバイス300の動きをキャプチャし、クライアントアプリケーション320は、この追加情報を使用して、クライアントアプリケーション320のデジタルリアリティシーン40内でアクションを実行できる。
【0206】
いくつかの実施形態では、エンジン322は、アクションが実行されたというフィードバックをユーザに提供する。いくつかの実施形態では、提供されるフィードバックは、クライアントデバイス300のディスプレイ308を介して視覚的に提供され、クライアントデバイス300の1以上のオーディオデバイス(例えば、I/Oサブシステム330)を介して聴覚的に提供される、および/またはクライアントデバイス300の触覚フィードバック機構の1以上を介して触覚的に提供される。
【0207】
エンジン(例えば、図2Bのデジタルリアリティセッションエンジン38、図3のエンジン322)の利用に関する更なる詳細および情報は、2018年3月5日に出願された「Dynamic Multi-Sensory Simulation System for Effecting Behavior Change」と題する米国特許出願公開第2018/0254097号明細書、2019年7月16日に出願された「Digital Content Processing and Generation for a Virtual Environment」と題する米国特許出願公開第2020/0022632号明細書、および2019年7月16日に出願された「Dynamic Digital Content Delivery in a Virtual Environment」と題する米国特許出願公開第2020/0023157号明細書に見出され得る。これらの文献の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0208】
上記の識別されるモジュールおよびアプリケーションの各々は、前述の1以上の機能および本開示に記載の方法を実行するための実行可能命令のセットに対応する。これらのモジュール(例えば、命令のセット)は、別個のソフトウェアプログラム、手順またはモジュールとして実装される必要はなく、これらのモジュールの様々なサブセットは、任意に、本開示の様々な実施形態において組み合わされるか、再配置される。いくつかの実施形態では、メモリ312は、上記で識別されるモジュールおよびデータ構造のサブセットを任意に記憶する。更に、いくつかの実施形態では、メモリ312は、前述していない追加のモジュールおよびデータ構造を記憶する。
【0209】
図3は、クライアントデバイス300の一例にすぎず、クライアントデバイス300は、任意に、図示よりも多いまたは少ないコンポーネントを有し、任意に2以上のコンポーネントを組み合わせ、または任意に、コンポーネントの異なる構成またはアレンジメントを有することを理解すべきである。図3に示す様々なコンポーネントは、1以上の信号処理および/または特定用途向け集積回路を含む、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せで実装される。更に、クライアントデバイス300は、クライアントデバイス300の全ての機能を含む単一のデバイスであり得る。クライアントデバイス300はまた、複数のデバイスの組み合わせであり得る。例えば、クライアントデバイス300の機能は、任意の数のネットワーク化されるコンピュータに分散されていてもよいし、および/またはいくつかのネットワーク化されたコンピュータのそれぞれに存在していてもよし、および/または通信ネットワーク(例えば、通信ネットワーク106、ネットワークインタフェース304、またはその両方)に亘ってアクセス可能な遠隔地の1以上の仮想マシンおよび/またはコンテナでホストされていてもよい。は、当業者は、クライアントデバイス300と、予め設定される開示の他のデバイスおよびシステムとに対して、広範囲の異なるコンピュータトポロジが可能であり、そのような全てのトポロジは本開示の範囲内にあることを理解するであろう。
【0210】
ここで図4A図4Rを参照すると、本開示のいくつかの実施形態による例示的な方法400を示すフローチャートが示されている。このフローチャートでは、本方法の好ましい部分が実線のボックスで示され、本方法の追加的、任意的、または代替的な部分が破線のボックスで示されている。本方法は、被験者によって示される精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するための療法を作成する。特に、方法400は、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施する。様々な実施形態では、方法400は、デジタルリアリティ(例えば、1以上の仮想現実シーン)、バイオメトリックキャプチャ、被験者からのデジタルリアリティインタラクション、および/または他の要素を組み合わせて、目標とする柔軟な方法で各被験者の個人化される曝露進行を作成または変更する。従って、いくつかのそのような実施形態では、本開示は、各被験者に適合される曝露進行を提供するだけでなく、被験者が曝露進行とインタラクトする場合の曝露進行のタイミングおよび/または性質を動的に個人化する。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、被験者が1以上の社会的課題で有している成功のレベルに少なくとも部分的に基づいて、個人化される曝露進行を動的に構築または変更する。
【0211】
いくつかの実施形態では、方法400は、被験者に対する複数のカテゴリを取得し、複数のカテゴリにおけるそれぞれのカテゴリは、対応する複数の提案される経験に関連付けられ、対応する複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験は、対応する課題を明示する対応するデジタルリアリティシーンに関連付けられる。方法400は、ディスプレイに、第1のカテゴリの第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンを示す。被験者が第1のデジタルリアリティシーンで第1の課題を完了している間に、方法400は、被験者に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素を取得する。いくつかの実施形態では、取得されるバイオメトリックデータ要素を使用して、方法400は、被験者が第1の課題を正常に完了したか否かを決定する。いくつかの実施形態では、被験者が第1の課題を正常に完了したという決定に従って、方法400は、被験者が第1のカテゴリを正常に完了したか否かを決定する。いくつかの実施形態では、被験者が第1のカテゴリを正常に完了したという決定に従って、方法400は、被験者が次に実行する複数のカテゴリにおける第2のカテゴリを決定する。このように、方法400は、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するための曝露進行を実施する。
【0212】
いくつかの実施形態では、方法400は、取得されるバイオメトリックデータ要素の被験者のベースラインに対する比較またはユーザのポピュレーションのベースラインに対する比較を含むか、または提供する。得られるバイオメトリックデータ要素をベースラインと比較することで、本開示の方法およびシステムは、バイオメトリック測定値(例えば、心拍数)の経時的な変化を分析し、被験者が、課題、曝露の進行状況および/またはプログラム全体、またはそれらの組み合わせを通して経験しているストレスまたは不安があれば、それを評価できる。いくつかの実施形態では、本開示の方法およびシステムは、1以上のアセスメントを評価し、および/または被験者ごとの曝露進行ごとに1以上の推奨を提供できる。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0213】
ブロック402。ブロック402を参照すると、様々な実施形態では、方法400は、被験者に関連付けられるコンピュータシステム(例えば、図1のシステム100、図2のデジタルリアリティシステム200、図3のクライアントデバイス300など)で提供される。コンピュータシステムは、1以上のプロセッサ(例えば、図2AのCPU202、図3のCPU302など)と、ディスプレイ(例えば、クライアントデバイス300のディスプレイ)と、複数のセンサ(例えば、図1のセンサ110-1、センサ110-2)と、1以上のプロセッサに結合されるメモリ(例えば、図2Aの部材212、図3のメモリ312など)とを含む。メモリは、1以上のプロセッサによって実行されるように構成される1以上のプログラムを含む。従って、いくつかのそのような実施形態では、方法400は、被験者に情報を示すためなどに、コンピュータシステムの利用を必要とするため、精神的に実行できない。
【0214】
ブロック404。ブロック404を参照すると、ディスプレイは、任意の適切なディスプレイであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ディスプレイは、図13のディスプレイ308などのウェアラブルディスプレイである。ウェアラブルディスプレイの例には、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ、スマート衣類、ニアアイディスプレイ、および図13のディスプレイなどのスマートモバイルデバイスディスプレイ(例えば、スマートフォン)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、図3のクライアントデバイス300などのホストコンピュータシステムに接続されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)である。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、スタンドアロンHMD、モバイルデバイスまたはコンピューティングシステム、または拡張現実(artificial reality)コンテンツを1以上の視聴者に提供できる任意の他のハードウェアプラットフォームである。
【0215】
ブロック406~410。ブロック406~410を参照すると、いくつかの実施形態では、複数のセンサは、被験者の生理学的または心理学的状態に関連付けられる測定可能なバイオメトリック信号を収集するように構成される少なくとも1つのバイオメトリックセンサ(例えば、図1のセンサ110-1)を含む。少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける一のバイオメトリックセンサは、任意の適切なバイオメトリックセンサであり得る。適切なバイオメトリックセンサの例は、心拍数センサ、心拍変動センサ、皮膚電気活動センサ、ガルバニック皮膚反応センサ、脳波センサ、アイトラッキングセンサ、レコーダ、マイクロフォン、温度計、およびカメラが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける一のバイオメトリックセンサは、腕時計、リストバンド、ヘッドセット、衣類、ベスト、シャツ、または他の適切なデバイスなどのウェアラブルデバイスに組み込まれるか、またはウェアラブルデバイスのコンポーネントである。
【0216】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける一のバイオメトリックセンサは、クライアントデバイスに組み込まれるか、またはクライアントデバイスのコンポーネントである。例えば、いくつかの実施形態では、スマートフォンのマイクロフォンは、スマートフォンがクライアントデバイスとして使用される場合に音声日付をキャプチャするために使用される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける一のバイオメトリックセンサは、1以上のセンサによってキャプチャされるデータが1以上のクライアントデバイスにおいて送信され得るおよび/または集約され得るように、1以上のクライアントデバイスと通信する。例えば、いくつかの実施形態では、目の動きを追跡するように構成されるアイトラッキングセンサは、クライアントデバイスに物理的または無線で接続される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおけるバイオメトリックセンサは、システムと通信しており、例えば、通信ネットワーク106を介してデジタルリアリティシステム200に接続され、1以上のセンサによってキャプチャされるデータが、システムに送信され得るおよび/または集約され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける一のバイオメトリックセンサは、1以上のクライアントデバイスおよびデジタルリアリティシステム200と通信する。
【0217】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、単一のバイオメトリックセンサからなる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、同じタイプまたは異なるタイプのいずれか2、3、4、5またはそれ以上のバイオメトリックセンサを含む。例えば、非限定的な例として、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、異なる位置に位置する2つの第1のバイオメトリックセンサ、例えば、被験者の手首に位置する一方の心拍数センサと、被験者の腕に位置する他方の心拍数センサとを含む。別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、第1のバイオメトリックセンサ、例えば、被験者の心拍数を測定するための心拍数センサと、第1のバイオメトリックセンサとは異なる第2のバイオメトリックセンサ、例えば、被験者の目の動きを追跡するためのアイトラッキングセンサとを含む。更なる非限定的な例として、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、1以上の心拍センサ、1以上の心拍変動センサ、1以上の皮膚電気活動センサ、1以上のガルバニック皮膚反応センサ、1以上の脳波センサ、1以上のアイトラッキングセンサ、1以上のレコーダ、1以上のマイクロフォン、1以上の温度計、1以上のカメラ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、バイオメトリックセンサは、他のセンサおよび能力を特徴とする。非限定的な例は、追加のデータを収集するための加速度計を含む心拍センサである。別の非限定的な例は、表情をキャプチャするためおよび/または音声またはスピーチを記録するために使用され得る1以上のカメラおよび/またはマイクロフォンを含むモバイルデバイスである。
【0219】
複数のセンサは、他のセンサを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、複数のセンサは、加速度計、磁力計、近接センサ、ジャイロスコープ、画像キャプチャデバイス(例えば、カメラデバイスまたは画像キャプチャモジュールおよび関連付けられるコンポーネント)、ロケーションモジュール(例えば、全地球測位システム(GPS)受信機または他のナビゲーションまたはジオロケーションシステムモジュール/デバイスおよび関連コンポーネント)、またはそれらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0220】
いくつかの実施形態では、複数のセンサは、2個~100個の間、2個~50個の間、2個~20個の間、2個~15個の間、2個~10個の間、2個~5個の間、3個~100個の間、3個~50個の間、3個~20個の間、3個~15個の間、3個~10個の間、3個~5個の間、6個~100個の間、6個~50個の間、6個~20個の間、6個~15個の間、6個~10個の間、12個~100個の間、12個~50個の間、12個~20個の間、または12個~15個の間を含む。いくつかの実施形態では、複数のセンサは、少なくとも2個のセンサ、少なくとも3個のセンサ、少なくとも4個のセンサ、少なくとも5個のセンサ、少なくとも6個のセンサ、少なくとも8個のセンサ、少なくとも10個のセンサ、少なくとも12個のセンサ、少なくとも15個のセンサ、少なくとも20個のセンサ、少なくとも25個のセンサ、少なくとも50個のセンサ、少なくとも75個のセンサ、または少なくとも100個のセンサを含む。いくつかの実施形態では、複数のセンサは、最大2個のセンサ、最大3個のセンサ、最大4個のセンサ、最大5個のセンサ、最大6個のセンサ、最大8個のセンサ、最大10個のセンサ、最大12個のセンサ、最大15個のセンサ、最大20個のセンサ、最大25個のセンサ、最大50個のセンサ、最大75個のセンサ、または最大100個のセンサを含む。
【0221】
いくつかの実施形態では、複数のセンサは、被験者からデータ要素の途切れないまたは繰り返し発生する(例えば、周期的)ストリームを取得するように構成される連続センサを含む。いくつかの実施形態では、複数のセンサは、被験者に関連付けられる環境から情報を取得するように構成されるパッシブセンサを含む。更に、いくつかの実施形態では、複数のセンサは、被験者の体内に導入されることなく被験者からデータ要素を取得するように構成される非侵襲センサを含む。従って、いくつかのそのような実施形態では、方法400は、コンピュータシステムに関連付けられる複数のセンサによって提供される情報(例えば、データ)に基づいて、被験者に固有の曝露進行を提供でき、被験者の能力を改善することを可能にする。
【0222】
ブロック412~430。ブロック412~ブロック430を参照すると、いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態は、臨床的に診断される精神障害または亜臨床的に診断される精神障害である。精神医学的または精神的状態の例は、社会的環境においてストレスを受けている状態、社会的環境を恐れている状態、または社会的環境において圧倒されている状態を含むが、これらに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、臨床的に診断される精神障害は、分離不安障害、場面緘黙症、特定の恐怖症、社交不安障害、パニック障害、広場恐怖症、全般性不安障害、物質誘発性不安障害、または被験者の病状による不安障害などの不安障害である。いくつかの実施形態では、臨床的に診断される精神障害は、うつ病性障害、双極性障害、または気分循環性障害などの気分障害である。例えば、いくつかの実施形態では、うつ病性障害は、大うつ病性障害である。いくつかの実施形態では、臨床的に診断される精神障害は、統合失調症障害、妄想障害、または幻覚障害などの精神病性障害である。いくつかの実施形態では、臨床的に診断される精神障害は、神経性食欲不振症、神経性過食症、または過食性障害などの摂食障害である。いくつかの実施形態では、臨床的に診断される精神障害は、放火癖障害、盗癖障害、または強迫性賭博障害などの衝動制御障害である。いくつかの実施形態では、臨床的に診断される精神障害は、パーソナリティ障害、強迫性障害、または心的外傷後ストレス障害を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、臨床的に診断される精神障害は、アルコール使用障害または物質乱用障害などの嗜癖障害である。いくつかの実施形態では、臨床的に診断される精神障害は、反社会性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害、または猜疑性パーソナリティ障害などのパーソナリティ障害である。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0223】
ブロック432。ブロック432を参照すると、様々な実施形態では、本方法は、被験者の複数のカテゴリを取得することを含む。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリの各それぞれのカテゴリは、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善することを対象とする。複数のカテゴリの各それぞれのカテゴリは、提案される経験の対応するセット、例えば、デジタルリアリティシステム200の経験ストア22からの経験24-1、経験24-2…、および/または経験24-Iに関連付けられる。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリの各それぞれのカテゴリは、対応する複数の提案される経験に関連付けられる。複数のカテゴリの各それぞれのカテゴリはまた、デジタルリアリティシステム200の基準ストア30からの複数のゲート基準、例えば、ゲート基準32-1、ゲート基準32-2、…、の少なくとも1つのそれぞれのゲート基準に関連付けられる。
【0224】
複数のカテゴリの各それぞれのカテゴリに対して、提案される経験の対応するセットまたは複数の提案される経験の各それぞれの提案される経験(例えば、経験24-1)は、対応する複数のデジタルリアリティシーンの一の対応するデジタルリアリティシーン(例えば、デジタルリアリティシーン40-1)に関連付けられる。対応する複数のデジタルリアリティシーンの一の対応するデジタルリアリティシーン(例えば、デジタルリアリティシーン40-1)は、それぞれのカテゴリのそれぞれの提案される経験に対して設計される、対応する複数の課題において、対応する課題(例えば、課題26-1)を明示する。複数のカテゴリの各それぞれのカテゴリに対して、提案される経験の対応するセットまたは複数の提案される経験の各それぞれの提案される経験(例えば、経験24-1)はまた、デジタルリアリティシステム200の基準ストア30からの複数のバイオメトリック閾値、例えば、バイオメトリック閾値33-1、閾値33-2、…、の少なくとも1つのバイオメトリック閾値に関連付けられる。
【0225】
複数のカテゴリは、任意の適切な数のカテゴリを含み得ることに留意すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、複数のカテゴリは、少なくとも、第1のカテゴリおよび第2のカテゴリを含む。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリは、少なくとも、第1のカテゴリ、第2のカテゴリ、および第3のカテゴリを含む。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリは、3を超えるカテゴリ、4を超えるカテゴリ、5を超えるカテゴリ、10を超えるカテゴリ、または20を超えるカテゴリを含む。いくつかの実施形態では、カテゴリは、社会的インタラクションおよび/またはインタラクション不安(例えば、パーティーに行くこと、他人に会うこと)、パフォーマンス不安(例えば、小グループに報告すること)、観察恐怖(例えば、観察されながら書くこと)、摂取不安(例えば、食べることおよび/または飲むこと)、アサーティブネス不安(例えば、販売に抵抗すること)、またはそれらの任意の組み合わせにおいて、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善することを対象とする。しかし、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリの各それぞれのカテゴリは、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の固有の能力を改善することを対象とする。例えば、いくつかの実施形態では、第1のカテゴリ(例えば、曝露カテゴリ)は、コンフリクトを誘発する恐怖など、被験者に関連付けられるコンフリクトに直面する被験者の能力を改善することに関連付けられる。いくつかの実施形態では、第2のカテゴリ(例えば、CBTカテゴリ)は、被験者に関連付けられる思考を再構成する被験者の能力を改善することに関連付けられる。いくつかの実施形態では、第3のカテゴリ(例えば、CBTカテゴリ)は、被験者に関連付けられる思考を使用する被験者の能力を改善することに関連付けられる。いくつかの実施形態では、第4のカテゴリ(例えば、CBTカテゴリ)は、被験者に関連付けられる思考を取り除く被験者の能力を改善することに関連付けられる。
【0226】
いくつかの実施形態では、複数の取得されるカテゴリは、カテゴリの所定のセットまたはカテゴリの所定のセットのサブセットである。いくつかの実施形態では、複数の取得されるカテゴリは、被験者、被験者に関連付けられる医師、モデル、またはそれらの組み合わせによって選択される。例えば、いくつかの実施形態では、複数の取得されるカテゴリは、被験者によって最初に選択され、第1の選択が医師および/またはモデルによって洗練され、カテゴリの第2の選択を提供する。いくつかの態様では、複数の取得されるカテゴリは、被験者によって示される精神医学的または精神的状態に基づいて適合する。例えば、社交不安障害を示す第1のクライアントデバイス300-1の第1のユーザと、嗜癖障害を示す第2のクライアントデバイス300-2の第2のユーザとを考慮する。方法400は、第1および第2のユーザに対して異なる複数のカテゴリを取得でき、各複数のカテゴリは、ユーザによって示される精神医学的または精神的状態に基づいて、一のユーザに固有である。
【0227】
提案される経験の対応するセットは、1、2、3、4、5、5よりも大きい数、10よりも大きい数、20よりも大きい数、50よりも大きい数、100よりも大きい数の提案される経験などの任意の適切な数の提案される経験を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、複数のカテゴリの各それぞれのカテゴリは、対応する複数の提案される経験、例えば、2、3、4、5、5よりも大きい数、10よりも大きい数、20よりも大きい数、50よりも大きい数、100よりも大きい数の提案される経験に関連付けられる。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリの各それぞれのカテゴリは、2カテゴリ~100カテゴリの間、2カテゴリ~50カテゴリの間、2カテゴリ~25カテゴリの間、2カテゴリ~10カテゴリの間、2カテゴリ~5カテゴリの間、3カテゴリ~100カテゴリの間、3カテゴリ~50カテゴリの間、3カテゴリ~25カテゴリの間、3カテゴリ~10カテゴリの間、3カテゴリ~5カテゴリの間、7カテゴリ~100カテゴリの間、7カテゴリ~50カテゴリの間、7カテゴリ~25カテゴリの間、7カテゴリ~10カテゴリの間、30カテゴリ~100カテゴリの間、または30カテゴリ~50カテゴリの間に関連付けられる。
【0228】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける異なるカテゴリは、同じ数の提案される経験または異なる数の提案される経験に関連付けられる。例えば、いくつかの実施形態では、第1のカテゴリおよび第2のカテゴリは、同じ数(例えば、6)の提案される経験に関連付けられ、第3のカテゴリは、第1および第2のカテゴリとは異なる数(例えば、8)の提案される経験に関連付けられる。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける異なるカテゴリは、提案される経験の完全に異なるセットまたは提案される経験の部分的に重複するセットに関連付けられる。言い換えれば、いくつかの実施形態では、1つのカテゴリに関連付けられる提案される経験は、別のカテゴリに関連付けられる提案される経験から完全に弁別的である(例えば、提案される経験は、2つの異なるカテゴリに関連付けられていない)か、または別のカテゴリに関連付けられる提案される経験と重複する(例えば、少なくとも1つの提案される経験は、2以上の異なるカテゴリで共有される)。例えば、非限定的な例として、いくつかの実施形態では、第1のカテゴリは、経験24-1、経験24-2、経験24-3、および経験24-4からなる提案される経験の第1のセットに関連付けられ、第2のカテゴリは、デジタルリアリティシステム200の経験ストア22からの経験24-5、経験24-6、および経験24-7からなる提案される経験の第2のセットに関連付けられる。そのような実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる経験は、第2のカテゴリに関連付けられる経験と同じではない。別の非限定的な例として、いくつかの代替実施形態では、第1のカテゴリは、経験24-1、経験24-2、経験24-3、および経験24-4からなる提案される経験の第1のセットに関連付けられ、第2のカテゴリは、デジタルリアリティシステム200の経験ストア22からの経験24-4、経験24-5、および経験24-6からなる提案される経験の第2のセットに関連付けられる。そのような実施形態では、経験24-4は、第1および第2のカテゴリの両方に関連付けられる。
【0229】
いくつかの実施形態では、カテゴリは、図2Bの第1の経験24-1および第2の経験24-2に関連付けられる。第1の経験24-1は、対応する課題、例えば、第1の課題26-1を明示する対応するデジタルリアリティシーン、例えば、第1のデジタルリアリティシーン40-1に関連付けられる。同様に、第2の経験24-2は、対応する課題、例えば、第2の課題26-2を明示する対応するデジタルリアリティシーン、例えば、第2のデジタルリアリティシーン40-2に関連付けられる。
【0230】
いくつかの実施形態では、経験は、課題を明示するデジタルリアリティシーンに関連付けられる。例えば、いくつかの実施形態では、経験は、例えば、社会的インタラクションまたはインタラクション不安の曝露経験(例えば、見知らぬ人に会うこと)である。いくつかの実施形態では、経験は、他人の前での被験者によるパフォーマンスまたはパブリックスピーキングなどの言語的/非言語的パフォーマンスの課題(例えば、小グループに報告すること)を明示するデジタルリアリティシーンに関連付けられる曝露経験である。いくつかの実施形態では、経験は、観察恐怖(observation fear)の課題(例えば、観察されながら書くこと)を明示するデジタルリアリティシーンに関連付けられる曝露経験である。いくつかの実施形態では、経験は、摂取不安(食べることおよび/または飲むこと)における課題を明示するデジタルリアリティシーンに関連付けられる曝露経験である。例として、図5Aおよび図5Bは、社会的課題トレーニングのための例示的なデジタルリアリティシーンを示す。
【0231】
いくつかの実施形態では、経験は、被験者の思考に関連付けられる証拠を収集する課題を明示するデジタルリアリティシーンに関連付けられるCBT経験である。いくつかの実施形態では、経験は、被験者の思考を再構成する課題を明示するデジタルリアリティシーンに関連付けられるCBT経験である。いくつかの実施形態では、経験は、被験者の思考を取り除く課題を明示するデジタルリアリティシーンに関連付けられるCBT経験である。いくつかの実施形態では、経験は、能動的に存在する課題(例えば、完全に存在する被験者の能力、被験者がどこにいて何をしているかを認識する能力など)を明示するデジタルリアリティシーンに関連付けられるマインドフルネスである。
【0232】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける一のカテゴリは、例えば、ウェディングレセプションで、ホームイベントで、デートアプリケーションで、就学する場合に、見知らぬ人に会うことを対象とする1以上の経験24に関連付けられる。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける一のカテゴリは、人々とインタラクトすること、例えば、職場で小グループに参加すること、小グループに参加すること、隣人と世間話をすること、同僚に質問すること、マネージャからフィードバックを受け取ることなどを対象とする1以上の経験24に関連付けられる。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける一のカテゴリは、人々の前で行なうこと、例えば、職場でプレゼンテーションすること、パーティーで乾杯の音頭を取ること、仕事の面接を受けること、クラスの前で話すことなどを対象とする1以上の経験24に関連付けられる。
【0233】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける一のカテゴリは、曝露療法技術などの1以上の曝露技術を対象とする1以上の経験24に関連付けられる。いくつかの実施形態では、曝露カテゴリの曝露経験とのインタラクションを通じて、被験者は、被験者に関連付けられる1以上の不安トリガに徐々に直面する。いくつかの実施形態では、例えば、ある期間中に、社会的経験への曝露を通して、被験者の不安が低下し(例えば、センサによって取得され、医師および/または本開示のモデルによって評価される1以上のデータセットに基づいて決定される)、自信を構築し、被験者の能力を改善する形で活動範囲を拡大できる。
【0234】
例えば、いくつかの実施形態では、曝露カテゴリは、他人の前でのパフォーマンスを対象とする1以上の社会的インタラクション経験24を含む。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける曝露カテゴリは、インタラクション不安(例えば、見知らぬ人に会うことに対する特定の課題26)、パブリックスピーキング(例えば、小グループに報告することに対する特定の課題26)、観測恐怖(例えば、観察されながら書くことに対する特定の課題26)、摂取不安(例えば、食べることおよび/または飲むことに対する特定の課題26)、またはこれらの任意の組み合わせを対象とする1以上の経験24を含むか、または1以上の経験24に関連付けられる。非限定的な例として、見知らぬ人に会うというインタラクション不安を考慮する。見知らぬ人に合うというインタラクション不安のために構成される曝露カテゴリの非限定的な例は、バーからドリンクを取るときに知らないバーテンダーを眼で見る、対応する第1の課題26-1の第1の提案される経験24-1と、デジタルリアリティシーン40のプレイヤキャラクタ(例えば、別のアバター)に自己紹介し、自分について何かを言う、対応する第2の課題26-2の第2の提案される経験24-2と、拡張(augmented)デジタルリアリティシーン40または混合デジタルリアリティシーン40に参加する、対応する第3の課題26-3の第3の提案される経験24-3と、を含む。他の実施形態では、複数のカテゴリにおける一の曝露カテゴリは、インタラクション不安(例えば、見知らぬ人に会うこと)、非言語的パフォーマンス不安(例えば、試験を行なうこと)、摂取不安、パブリックパフォーマンス不安、アサーティブネス不安(例えば、高圧的なセールスマンに抵抗すること)、またはこれらの任意の組み合わせを対象とする1以上の経験24を含む。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける一の曝露カテゴリは、見知らぬ人とインタラクトすること(例えば、デジタルリアリティシーンにおける別のノンプレイヤキャラクタまたはNPCなどの、あまりよく知らない人と面と向かって話すこと)、一般的なパフォーマンス(例えば、会議中にはっきり話すこと、グループに準備したオーラルトークをすることなど)、アサーティブネス(例えば、あまりよく知らない人に不同意または不賛成を表現すること)、またはこれらの任意の組合せを対象とする1以上の経験24を含む。
【0235】
より具体的には、いくつかの実施形態では、提案される曝露経験24の対応する課題26は、人前で電話を使用する第1の課題26-1、小グループ活動に参加する第2の課題26-2、人前で食事をする第3の課題26-3、他人と飲む第4の課題26-4、権力を持っている誰かと話す第5の課題26-6、観客の前で行動する(act)、実行する(performe)、または話す第6の課題26-6、パーティーに行く第7の課題26-7、観察されながらワークする8の課題26-8、観察されながらの書く第9の課題26-9、よく知らない人に電話する(call)第10の課題26-10、よく知らない人と面と向かって話す第11の課題26-11、公共のトイレで排尿する見知らぬ人に会う第12の課題26-12、他人が既に座っているときに部屋に入る第13の課題26-13、注目の的になる第14の課題26-14、会議ではっきりと話す第16の課題26-16、能力、スキルまたは知識のテストを受ける第17の課題16-17、あまりよく知らない人に不同意または不賛成を表現する第18の課題26-18、よく知らない人の眼を真っ直ぐ見る(例えば、アイコンタクトを維持する)第90の課題26-19、グループに準備したオーラルトークをする第20の課題26-20、ロマンチックな関係および/または性的関係のために誰かと知り合いになろうと試みる第21の課題26-21、返金のために店舗に返品する第22の課題26-22、パーティーを行なう第23の課題26-23、高圧的なセールスマンに抵抗する第24の課題26-24、またはそれらの任意のサブコンビネーション(例えば、前述の課題のうちの任意の2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、または22個)を含む。
【0236】
曝露療法に関する更なる詳細および情報は、2021年7月20日に出願された米国仮特許出願第63/223,871号、2021年12月1日に出願された米国仮特許出願第63/284,862号、2022年7月20日に出願された米国特許出願第17/869,670号、2022年10月13日に出願された米国仮特許出願第63/415,860号、および2022年10月13日に出願された米国仮特許出願第63/415,876号に見出される。これらの文献の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0237】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける一のカテゴリは、1以上の認知リフレーミングCBT技術、1以上のギャザリングエビデンスCBT技術、1以上のユースフルネス(有用な)CBT技術、またはそれらの任意の組み合わせなどの、1以上のCBT技術を対象とする1以上の経験24に関連付けられる。いくつかの実施形態では、CBTカテゴリに対する1以上の経験は、被験者から得られる思考またはステートメントまたはステートメントを識別する課題を含む。いくつかの態様では、CBTカテゴリに対する1以上の経験は、第2のポジティブまたはアファーマティブ思考などの、第1の思考とは異なる第2の思考またはステートメントの形成に関連付けられる第2の(例えば、新規)認知パターンで、被験者によるネガティブ思考またはステートメントの形成に関連付けられる第1の(例えば、ネイティブ、イニシャルなど)認知パターンを崩壊させる課題を含む。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける一のCBTカテゴリは、デジタルリアリティシーン内の認知再構築課題の実装を対象とする1以上の経験を含む。非限定的な例として、いくつかの実施形態では、CBTカテゴリの1以上の経験は、被験者によって完了したとみなされる場合に被験者に対して行動活性化をもたらし、クライアントアプリケーションを介して示されるデジタルリアリティシーン内などのクライアントアプリケーション内で、長期および短期の目標設定を介して行われる。いくつかの態様では、アクセプタンスアンドコミットメントセラピー(ACT)および/または行動活性化(BA)は、1以上の経験における一の経験内で利用されるCBT技術の形式であり、本開示のシステム、方法、およびデバイスで使用される不安障害およびうつ病に特に有効な課題を提供する。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0238】
いくつかの実施形態では、1以上のCBTカテゴリのギャザーエビデンス経験は、被験者に、被験者によって話される思考に対する有害またはネガティブな証拠を自己識別させる課題、被験者、医師、モデル、またはそれらの任意の組み合わせに、自己識別される証拠が思考を再構成するのに十分であるか否かを評価させる課題、被験者に、思考を再構築させて、例えば、被験者に対する危害見込み(harm expectancy)および/または認知制御(perception of control)、またはそれらの任意の組み合わせを調節することで、被験者の精神医学的または精神的状態を改善する課題を含むデジタルリアリティシーン内での認知再構築課題の実施を含む。いくつかの実施形態では、CBTカテゴリに対する1以上の有用な経験は、被験者、医師、モデル、またはそれらの任意の組み合わせに、思考に関連付けられる中核信念を識別させ、中核信念を被験者に関連付けられる1以上の短期および/または長期の目標に関連ささせることによる、デジタルリアリティシーン内での認知再構築課題の実施を含む。いくつかの実施形態では、CBTカテゴリに対する1以上の有用な経験は、被験者、医師、モデル、またはそれらの任意の組み合わせに、クライアントデバイスのレコーダセンサによって被験者からキャプチャされるステートメントなどの不安な思考に関連付けられる中核信念を識別させることによる、デジタルリアリティシーン内での認知再構築課題の実施を含む。いくつかの実施形態では、有用なCBT経験は、被験者、医師、モデル、またはそれらの任意の組み合わせに、被験者が1以上の短期および/または長期の目標を達成するのを助けることに関して、中核信念がどれだけ有用または有害であるかを決定させることによる、デジタルリアリティシーン内での認知再構築課題の実施を含む。いくつかの実施形態では、CBTカテゴリに対する1以上の拡散経験は、デジタルリアリティシーン内において三人称で話しつつ被験者に関連付けられる思考を被験者に繰り返させることによる、デジタルリアリティシーン内での認知再構築課題の実施を含む。いくつかの実施形態では、1以上の拡散経験は、被験者、医師、モデル、またはそれらの任意の組み合わせに、複数のセンサにおける一のセンサから得られる1以上のデータセットに基づいて(例えば、被験者の心拍数に基づいて、被験者のケイデンスなどの被験者の声の特徴に基づいて)、不安を誘発する思考またはステートメントが被験者に対して低減されるまたは抑制される効果(例えば、それらの強度を失う)を有するか否かを決定させることによる、デジタルリアリティシーン内での認知再構築課題の実施を含む。
【0239】
カテゴリおよび/または提案される経験の種類に関する更なる詳細および情報は、Heimberg et al., 1999, Psychometric Properties of the Leibowitz Social Anxiety Scale,” Psychological Medicine, 29(1), pg. 199; Safren et al., 1999, “Factor Structure of Social Fears: The Liebowitz Social Anxiety Scale,” Journal of Anxiety Disorders, 13(3), pg. 253; Baker et al., 2002, “The Liebowitz Social Anxiety Scale as a Self-Report Instrument: A preliminary Psychometric Analysis,” Behavior Research and Therapy, 40(6), pg. 701; Loenen I et al., “The Effectiveness of Virtual Reality Exposure-Based Cognitive Behavioral Therapy for Severe Anxiety Disorders, Obsessive-Compulsive Disorder, and Posttraumatic Stress Disorder: Meta-analysis,” J Med Internet Res. 2022 Feb 10;24(2); Wu et al., “Virtual Reality-Assisted Cognitive Behavioral Therapy for Anxiety Disorders: A Systematic Review and Meta-Analysis,” Front Psychiatry. 2021 Jul 23;12:575094; Garland et al., “Biobehavioral Mechanisms of Mindfulness as a Treatment for Chronic Stress: An RDoC Perspective,” Chronic Stress (Thousand Oaks). 2017 Feb., 1:2470547017711912; Hofmann et al., 2017, “Mindfulness-Based Interventions for Anxiety and Depression,” Psychiatr. Clin. North Am., 40(4), pg. 739-749; Creswell et al., “Mindfulness Training and Physical Health: Mechanisms and Outcomes,” Psychosom Med. 2019 Apr, 81(3):224-232; Seabrook et al., “Understanding How Virtual Reality Can Support Mindfulness Practice: Mixed Methods Study.” J Med Internet Res. 2020 Mar 18, 22(3); Navarro-Haro et al., “Meditation experts try Virtual Reality Mindfulness: A pilot study evaluation of the feasibility and acceptability of Virtual Reality to facilitate mindfulness practice in people attending a Mindfulness conference,” PLoS One. 2017 Nov 22, 12(11); Chandrasiri et al., “A virtual reality approach to mindfulness skills training,” Virtual Reality 24, 143-149 (2020); Bluett et al., 2014, “Acceptance and commitment therapy for anxiety and OCD spectrum disorders: an empirical review.,” J Anxiety Disord., 28(6), pg. 612-24; Zawn et al., 2021, “What is behavioral activation?,” Medical News Today, October 24, 2021; Celik et al., “Acrophobia treatment with virtual reality-assisted acceptance and commitment therapy: two case reports,” 2020; Paul et al., “Virtual Reality Behavioral Activation as an Intervention for Major Depressive Disorder: Case Report,” JMIR mental health, 7(11), 2020に開示されている。これらの文献の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらの前述の異なる限定されるタイプの提案される経験(例えば、インタラクティブ、パフォーマンス、および/またはアサーティブネス)を使用することにより、被験者は、療法20の進行をより容易に辿り、追跡できる。更に、いくつかの実施形態では、異なるタイプの提案される経験は、それぞれの精神医学的または精神的状態に対して構成される。例えば、いくつかの実施形態では、嗜癖障害状態は、第1の経験の使用を必要とする一方、社交不安障害は、第1の経験とは異なる第2の経験の使用を必要とする。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0240】
ブロック434~436。ブロック434~436を参照すると、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのゲート基準は、システム管理者(例えば、デジタルリアリティシステム200の管理者)、モデルまたはアルゴリズム、ユーザ(例えば、被験者)、被験者に関連付けられる医師、またはそれらの任意の組み合わせによって設定される。例えば、いくつかの実施形態では、ゲート基準は、(例えば、デジタルリアリティシステム200へのアクセス、特定のデジタルリアリティシーン40へのアクセスなどのために、)被験者からの支払いの受領が条件とされているゲート基準を構成するシステム管理者によって設定される。しかし、本開示はこれに限定されず、本開示の技術分野の当業者であれば、システム管理者によって設定される他のそれぞれのゲート基準が本開示の範囲内にあることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、システムによって設定されるゲート基準は、地理的ゲート基準であり、例えば、第1の地理的領域の外側である場合に被験者および/または医師がシステムを使用することを制限することによって、1以上の地理的領域内で本開示のシステム、方法、およびデバイスを利用することに地理的制限を課す。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0241】
いくつかの実施形態では、ゲート基準は、被験者(例えば、第1のクライアントデバイス300-1のユーザ)によって設定される。例えば、いくつかの実施形態では、ゲート基準は、被験者によって達成されるいくつかの短期目標、被験者によるいくつかのリフレームされる思考、被験者によって完了されるいくつかの曝露課題、デジタルリアリティシーンとインタラクトする期間、またはそれらの組み合わせなど、完了されるいくつかの課題である。
【0242】
いくつかの実施形態では、ゲート基準は、被験者(例えば、第2のクライアントデバイス300-2のユーザ、クライアントアプリケーション320を介する)に関連付けられる医師などの医療従事者によって設定される。いくつかの実施形態では、第1のカテゴリのゲート基準は、被験者に関連付けられるシステム管理者または医療従事者によって設定され、第2のカテゴリのゲート基準は、被験者によって設定される。
【0243】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのゲート基準は、少なくとも1つのゲート基準におけるそれぞれのゲート基準を変更することが関与の可能性および/またはより良好な臨床結果を改善するであろうことを示す分類、クラスタリング、またはユーザに関連付けられる他のパラメータに基づいて、被験者またはモデルに関連付けられる医師によって更に変更される。例えば、いくつかの実施形態では、分類に基づいて被験者またはモデルに関連付けられる医師は、被験者により満たされなければならない李フレームされる思考閾値に関連付けられる第1のゲート基準、被験者により満たされなければならない曝露課題閾値に関連付けられる第2のゲート基準などを変更する。
【0244】
ブロック438~448。ブロック438~448を参照すると、いくつかの実施形態では、それぞれのカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのそれぞれのゲート基準は、ランキングゲート基準を含む。いくつかの実施形態では、ランキングゲート基準は、複数のカテゴリにおける各カテゴリの階層ランキングに関連付けられる。いくつかの実施形態では、ランキングゲート基準は、最高から最低までの主観的レーティング(例えば、「軽度」、「中度」、「重度」、または「反応なし(no reaction)」のユーザ提供のレーティング)、最高から最低までの客観的レーティング(例えば、デジタルリアリティシステム200または被験者に関連付けられる医師によって決定される、最も効果的なものから最も効果的でないものまでのランキング)、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、階層ランキングにおける各カテゴリは、コンペティションランキング、密集ランキング、順序ランキング、分数ランキング、またはそれらの組み合わせなどの弱順序ランキングまたは全前順序(total preorder)ランキングである。例えば、いくつかの実施形態では、第1のランキングゲート基準は、第2のランキングゲート基準よりも高くランク付けされるか、第2のランキングゲート基準よりも低くランク付けされるか、または第2のランキングゲート基準に等しくランク付けされる。
【0245】
いくつかの実施形態では、それぞれのカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのそれぞれのゲート基準は、難しさ(difficulty)ゲート基準を含む。難しさゲート基準は、それぞれの課題を満たすために被験者によって要求される要求の複雑さまたはレベルに関連付けられる。例えば、いくつかの実施形態では、被験者のそれぞれの年齢に基づいて、難しさゲート基準は、NPCキャラクタのトーンおよび/またはスピーチがデジタルリアリティシーン内で被験者に話しかけるのにどのように使用されるかなど、デジタルリアリティシーンの1以上のNPCキャラクタが被験者にどのように関与するかを変更する。しかし、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、難しさゲート基準は、医師によるインタラクションまたは監視の程度などの被験者によるデジタルリアリティシーンとのインタラクションのレベルが、曝露進行を通して進行するために必要か否かを決定するために利用される。
【0246】
いくつかの実施形態では、それぞれのカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのそれぞれのゲート基準は、医師ゲート基準を含む。医師ゲート基準は、被験者に関連付けられる医師からの承認に関連付けられる。このようにして、被験者に関連付けられる医師は、カテゴリおよびカテゴリに関連付けられる提案される経験へのアクセスを承認または拒否することで、被験者によって示される精神医学的または精神的状態を改善することへの監視を提供できる。例えば、医師は、ユーザが特定のカテゴリおよび提案される経験に対して「準備ができている」と医師が信じるまで、特定のユーザに対して、特定のカテゴリおよび特定の提案される経験へのアクセスを拒否できる。
【0247】
いくつかの実施形態では、それぞれのカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのそれぞれのゲート基準は、ユーザゲート基準を含む。いくつかの実施形態では、ユーザゲート基準は、被験者からのカテゴリの選択の承認または確認に関連付けられる。このようにして、ユーザは、ユーザが特定のカテゴリおよび特定のカテゴリに関連付けられる提案される1以上の経験に対して準備ができていないと感じる場合、カテゴリと共に働く、またはカテゴリを拒否するための特定のカテゴリの選択に積極的に関与できる。
【0248】
いくつかの実施形態では、ゲート基準は、カテゴリが正常に完了したか否かを決定するための条件、および/または被験者が完了する1以上の後続のカテゴリを識別するための条件を設定する。いくつかの実施形態では、ゲート基準は、カテゴリを実行するための先行条件またはカテゴリが完了したとみなすために達成されなければならない条件を設定する。先行条件の非限定的な例は、ユーザが特定のカテゴリ(例えば、第2のカテゴリ)を呼び出すことを許可される前に、いくつかのカテゴリ(例えば、第1のカテゴリ)が正常に完了するという要件である。例えば、いくつかの実施形態では、第1の先行条件は、ユーザが第1のチュートリアルカテゴリとは異なる第2のカテゴリを呼び出すことを許可される前に、第1のチュートリアルカテゴリが正常に完了するという要件である。カテゴリを完了したとみなすために達成されなければならない条件の別の非限定的な例は、正常に完了されなければならないカテゴリに関連付けられる提案される経験の最小数である。
【0249】
いくつかの実施形態では、それぞれのカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのそれぞれのゲート基準は、アレンジメントゲート基準を含む。アレンジメントゲート基準は、ストーリーまたは共通のナラティブスレッドを形成するカテゴリのシーケンスにおける1以上のカテゴリの順序など、複数のカテゴリにおける1以上のカテゴリの順序に関連付けられる。例えば、ストーリーまたは共通のナラティブスレッドを形成する3つのカテゴリA、B、およびCのセットを考慮する。ストーリーまたは普通のナラティブスレッドをA、B、次いでCの正しい順序で実現するために、Bが開始される前にAを完了させる必要がある第1のアレンジメントゲート基準がBに課され、Cが開始される前にAおよびBの両方を完了させる必要がある第2のアレンジメントゲート基準がCに課される。
【0250】
ブロック450~452。ブロック450~452を参照すると、対応するデジタルリアリティシーンは、仮想現実シーン、拡張(augmented)現実シーン、または複合現実シーンであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、対応するデジタルリアリティシーンは、完全なデジタルイマージョンを容易にする仮想現実シーンであり、デジタル空間(例えば、3次元デジタル空間)内の1以上のデジタルオブジェクト(例えば、図2Bのオブジェクト42)を考慮する。いくつかの代替的な実施形態では、対応するデジタルリアリティシーンは、デジタルオブジェクトを使用して現実世界の拡張(augmentation)を示す拡張(augmented)現実シーンである。他の実施形態では、対応するデジタルリアリティシーンは、リアルタイムで空間マッピングおよびデータのコンテキスト化を提供する複合現実シーン40であり、ユーザ空間(例えば、ユーザまたはクライアントデバイス300の視野)に相関があるデジタル空間内の1以上のデジタルオブジェクトを考慮する。デジタルリアリティシーンのタイプに関する追加の詳細および情報は、Parveau et al., 2018, 3iVClass: A New Classification Method for Virtual, Augmented and Mixed Realities,” Procedia Computer Science, 141, pg. 263に見出され得る。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。従って、デジタルリアリティシーン内で課題を示すことにより、被験者は経験に没頭するようになり、被験者と本開示のシステムおよび方法との間のインタラクションを改善し、被験者の能力を改善する。
【0251】
ブロック454。ブロック454を参照すると、いくつかの実施形態では、複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験(例えば、経験24-1)のそれぞれのバイオメトリック閾値(例えば、バイオメトリック閾値33-1)は、システム管理者、被験者、被験者に関連付けられる医療従事者、モデルまたはアルゴリズム、またはそれらの任意の組み合わせによって設定される。例えば、非限定的な例として、いくつかの実施形態では、最大心拍閾値など、提案される経験のバイオメトリック閾値は、被験者(例えば、第1のクライアントデバイス300-1のユーザ)によって設定される。別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、提案される経験のバイオメトリック閾値は、例えば、被験者によって満たされる必要がある閾値音声特徴を構成することによって、被験者に関連付けられる医療従事者(例えば、医師)によって設定される。更に別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、複数の提案される経験における第1の提案される経験(例えば、経験24-1)のバイオメトリック閾値は、被験者によって設定され、複数の提案される経験における第2の提案される経験(例えば、経験24-2)のバイオメトリック閾値は、被験者に関連付けられる医療従事者によって設定される。いくつかの実施形態では、提案される経験のバイオメトリック閾値は、分類、クラスタリング、またはバイオメトリック閾値の変更が関与の可能性および/またはより良好な臨床結果を改善するであろうことを示すユーザに関連付けられる他のパラメータに基づいて、被験者またはモデルに関連付けられる医師によって更に変更される。
【0252】
いくつかの実施形態では、バイオメトリック閾値は、少なくとも部分的に、提案される経験に関連付けられる課題が正常に完了したか否かを決定するための条件、および/または被験者が完了する後続の課題/経験を識別するための条件を設定する。いくつかの実施形態では、バイオメトリック閾値は、少なくとも部分的に、提案される経験に関連付けられるデジタルリアリティシーンを実行するための先行条件、または課題/経験を完了したとみなすために達成されなければならない条件を設定する。先行条件の非限定的な例は、被験者が特定の課題(例えば、多くの聴衆の前で話すこと、思考を取り除くことなど)を呼び出すことを許可される前に、いくつかの課題(例えば、小さなパーティーに出席すること、思考をリフレームすること、中核信念の有用性を決定することなど)が正常に完了されるという要件である。課題完了とみなすために達成されなければならない条件の非限定的な例は、対応する課題に関連付けられる対応するデジタルリアリティシーンの指定される部分との最小長さ(例えば、ある期間の持続)のアイコンタクトである。課題完了とみなすために達成されなければならない条件の別の非限定的な例として、被験者者の音声の連続出力の表示など、レコーダによってキャプチャされるデータセットの閾値平均二乗がある。課題完了とみなすために達成されなければならない条件の更に別の非限定的な例として、閾値音声エントロピーがあり、音声特徴によって運ばれる情報の量など、被験者から得られる音声特徴の容量を説明する。
ブロック458。ブロック458を参照すると、バイオメトリック閾値は、絶対的なパラメータ、相対的なパラメータ、正規化パラメータなどであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、経験のバイオメトリック閾値は、絶対的なパラメータである。絶対的なバイオメトリック閾値の非限定的な例は、これに限定されないが、被験者が経験の対応する課題を完了している間に被験者に対して要求される発言の最小数、被験者が聞き取れる1以上の発言の最低デシベルレベル、被験者が経験の対応する課題を完了している間に被験者に対して要求されるアイコンタクトの最小長さ、音声特徴の閾値スペクトルエントロピー(例えば、音声特徴の不規則性の尺度)、音声特徴の閾値PDFエントロピー(例えば、音声特徴の安定性の尺度)、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、経験のバイオメトリック閾値は、例えば、各被験者のベースラインに対する、またはポピュレーションのベースラインに対する相対的なパラメータである。相対的なバイオメトリック閾値の非限定的な例は、主観的不安の減少または経験の対応する課題中に被験者によって達成されるバイオメトリック測定(biometric measures)の改善を決定するための、被験者のデシベルレベルベースラインに対するデシベルレベル(例えば、圧力のない状態で話すときのデシベルレベル)の変化である。相対的なバイオメトリック閾値の別の非限定的な例は、リラックス状態を示す被験者またはポピュレーションのベースライン心拍数に対する被験者の心拍数に基づいて、被験者がリラックス状態に達したか否かを決定するための条件である。相対的なバイオメトリック閾値の更に別の非限定的な例は、リラックス状態を示す被験者またはポピュレーションのベースラインPDFエントロピーに対するレコーダを使用して被験者から取得される音声特徴のPDFエントロピーに基づいて、被験者がリラックス状態に達したか否かを決定するための条件である。いくつかの実施形態では、経験のバイオメトリック閾値は、スケールに基づくアサーティブネスなどの正規化されるパラメータである。いくつかの実施形態では、経験のバイオメトリック閾値は、絶対的なパラメータ、相対的なパラメータ、および/または正規化パラメータの組み合わせを含む。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0253】
ブロック460。ブロック460を参照すると、バイオメトリック閾値は、様々なバイオメトリック測定に対して設定され得る。バイオメトリック閾値の例は、これらに限定されないが、アイコンタクト閾値、心拍数閾値、アサーティブネス閾値、デシベルレベル閾値、ピッチ閾値、発言閾値、ワード閾値、感情基準などを含む。
【0254】
ブロック462。ブロック462を参照すると、いくつかの実施形態では、提案される経験のバイオメトリック閾値は、アイコンタクト閾値である。いくつかの実施形態では、アイコンタクト閾値は、提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する対応するデジタルリアリティシーン中の被験者に対するアイコンタクトの閾値長さ、例えば、最小アイコンタクト持続期間を含む。いくつかの実施形態では、アイコンタクトの閾値長さは、少なくとも2秒、少なくとも3秒、少なくとも5秒、少なくとも10秒、または少なくとも30秒である。いくつかの実施形態では、アイコンタクトの閾値長さは、多くても2秒、多くても3秒、多くても5秒、多くても10秒、または多くても30秒である。いくつかの実施形態では、閾値アイコンタクトは、2秒~30秒の間、2秒~10秒の間、3秒~30秒の間、3秒~10秒の間、4秒~30秒の間、4秒~10秒の間、5秒~30秒の間、または5秒~10秒の間である。代替的に、任意的に、または追加的に、いくつかの実施形態では、提案される経験のバイオメトリック閾値は、提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する対応するデジタルリアリティシーン中の被験者に対するアイコンタクトの増分は、例えば、被験者のアイコンタクトベースラインと比較したアイコンタクトの増加した長さを含む。いくつかの実施形態では、アイコンタクトの増分は、少なくとも1秒、少なくとも2秒、少なくとも3秒、少なくとも5秒、または少なくとも10秒である。いくつかの実施形態では、アイコンタクトの増分は、多くても1秒、多くても2秒、多くても3秒、多くても5秒、または多くても10秒である。いくつかの実施形態では、アイコンタクトの増分は、1秒~10秒の間、1秒~5秒の間、2秒~10秒の間、2秒~5秒の間、3秒~10秒の間、3秒~5秒の間、4秒~10秒の間、または4秒~5秒の間である。
【0255】
いくつかの実施形態では、アイコンタクトの必要な最小長さおよび/またはアイコンタクトの必要な増分は、提案される経験の対応するデジタルリアリティシーンの一部に関連する。例えば、非限定的な例として、図5Aに示すデジタルリアリティシーンでは、アイコンタクトの必要な最小長さおよび/またはアイコンタクトの必要な増分は、被験者がプレイヤキャラクタ、例えば、オブジェクト42-1と関与している(例えば、話している)デジタルリアリティシーンの一部に関連する。図5Bに示すデジタルリアリティシーンでは、アイコンタクトの必要な最小長さおよび/またはアイコンタクトの必要な増分は、被験者がプレイヤキャラクタ、例えば、オブジェクト42-2と関与している(例えば、話している)デジタルリアリティシーンの一部に関連する。
【0256】
ブロック464。ブロック464を参照すると、いくつかの実施形態では、提案される経験のバイオメトリック閾値は、提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する心拍数閾値を含む。いくつかの実施形態では、心拍数閾値は、提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する対応するデジタルリアリティシーン中の被験者に対する最大心拍数、例えば、最大毎分心拍数(bpm)を含む。いくつかの実施形態では、閾値心拍数は、例えば、多くても200bpm、多くても190bpm、多くても180bpm、多くても170bpm、多くても160bpm、多くても150bpm、多くても140bpm、多くても130bpmである。いくつかの実施形態では、閾値心拍数は、例えば、少なくとも200bpm、少なくとも190bpm、少なくとも180bpm、少なくとも170bpm、少なくとも160bpm、少なくとも150bpm、少なくとも140bpm、少なくとも130bpmなどである。いくつかの実施形態では、例えば、閾値心拍数は、55bpm~100bpmの間、90bpm~120bpmの間、105bpm~140bpmの間、120bpm~120bpmの間、135bpm~180bpmの間、または150bpm~200bpmの間である。
【0257】
代替的に、任意に、または追加的に、いくつかの実施形態では、提案される経験のバイオメトリック閾値は、提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する対応するデジタルリアリティシーン中の被験者に対する心拍数の減少、例えば、被験者の心拍数ベースラインと比較した1分あたりの減少した心拍数を含む。いくつかの実施形態では、心拍数の減少は、例えば、少なくとも2bpm、少なくとも4bpm、少なくとも6bpm、少なくとも8bpm、少なくとも10bpm、少なくとも15bpm、少なくとも20bpm、少なくとも25bpm、少なくとも30bpm、少なくとも40bpm、少なくとも50bpmである。いくつかの実施形態では、心拍数の減少は、例えば、多くても2bpm、多くても4bpm、多くても6bpm、多くても8bpm、多くても10bpm、多くても15bpm、多くても20bpm、多くても25bpm、多くても30bpm、多くても40bpm、多くても50bpmである。いくつかの実施形態では、心拍数の減少は、2bpm~50bpmの間、2bpm~40bpmの間、2bpm~30の間、2bpm~20の間、2bpm~10bpmの間、2bpm~5bpmの間、4bpm~50bpmの間、4bpm~40bpmの間、4bpm~30bpmの間、4bpm~20bpmの間、4bpm~10bpmの間、4bpm~5bpmの間、7bpm~50bpmの間、7bpm~40bpmの間、7bpm~30bpmの間、7bpm~20bpmの間、7bpm~10bpmの間、15bpm~50bpmの間、15bpm~40bpmの間、15bpm~30bpmの間、15bpm~20bpmの間、25bpm~50bpmの間、25bpm~40bpmの間、または25bpm~30bpmの間である。
【0258】
ブロック466~472。ブロック4666~472を参照すると、いくつかの実施形態では、提案される経験のバイオメトリック閾値は、提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する対応するデジタルリアリティシーン中の被験者による1以上の発言のアサーティブネス、デシベルレベル、ピッチ、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、アイコンタクト閾値および/または心拍数閾値と同様に、アサーティブネス閾値は、絶対的なアサーティブネス閾値、相対的なアサーティブネス閾値、またはその両方を含み得る。デシベルレベル閾値は、絶対的なデシベルレベル閾値、相対的なデシベルレベル閾値、またはその両方を含み得る。ピッチ閾値は、絶対的なピッチ閾値、相対的なピッチ閾値、またはその両方を含み得る。相対的なアサーティブネス、デシベルレベルまたはピッチ閾値は、被験者のベースラインと比較して、対応する課題中に被験者によって達成される改善を決定するための条件を設定する。
【0259】
いくつかの実施形態では、絶対的なアサーティブネス閾値は、例えば、スコア、例えば、1~100のスケールにおける50によって、または下限閾値およびより上限閾値を有する範囲、例えば、1~100のスケールにおける40~60によって表される。いくつかの実施形態では、絶対的なアサーティブネス閾値を上回るスコアを有する発言は、被験者がアサーティブネスまたは自信を持って発言していることを示す。いくつかの実施形態では、相対的なアサーティブネス閾値は、被験者のアサーティブネスベースラインと比較して必要とされるアサーティブネスの増加または減少であり、例えば、2、3、4、5、10、15、20などに設定される。
【0260】
いくつかの実施形態では、絶対的なデシベルレベル閾値は、下限デシベルレベル閾値および上限デシベルレベル閾値を有する範囲、例えば、30~85dB、40~80dB、50~70dBなどによって示される。下限デシベルレベル閾値を下回るデシベルでの発言は、聞き取るに十分なほどの大きくなく、上限デシベルレベル閾値を上回るデシベルレベルでの発言は、大きすぎる。一般に、0dBは、聴力の良好な人が聞き取れる最小のサウンドレベルである。130dBは、音が耳障りなポイントである。静かなささやきは、約30dBのデシベルレベルの音を生成する場合がある。通常の会話は、約60dBのデシベルレベルで音を生成する場合がある。大きな声での歌唱は、約70dBのデシベルレベルの音を生成する場合がある。
【0261】
いくつかの実施形態では、相対的なデシベルレベル閾値は、被験者のデシベルレベルベースラインと比較したデシベルレベルの必要な増加または減少である。いくつかの実施形態では、相対的なデシベルレベル閾値は、例えば、少なくとも1dB、少なくとも2dB、少なくとも3dB、少なくとも4dB、少なくとも5dB、少なくとも6dB、少なくとも7dB、少なくとも8dB、少なくとも9dB、少なくとも10dBである。いくつかの実施形態では、相対的なデシベルレベル閾値は、例えば、多くても1dB、多くても2dB、多くても3dB、多くても4dB、多くても5dB、多くても6dB、多くても7dB、多くても8dB、多くても9dB、多くても10dBである。例えば、普段あまりにも静かに話す被験者の場合、相対的なデシベルレベル閾値は、被験者がデシベルレベルを増加させるための条件を設定する。例えば、普段あまりにも大きな声で話す他の被験者の場合、相対的なデシベルレベル閾値は、被験者がデシベルレベルを下げるための条件を設定する。
【0262】
いくつかの実施形態では、絶対的なピッチ閾値は、下限ピッチ閾値および上限ピッチ閾値を有する範囲、例えば、0.1kHz~15kHz、0.3kHz~10kHz、0.5kHz~5kHzなどによって示される。いくつかの実施形態では、相対的なピッチ閾値は、被験者のピッチベースラインと比較したピッチの必要な増加または減少である。いくつかの実施形態では、相対的なピッチ閾値は、例えば、少なくとも10Hz、少なくとも20Hz、少なくとも30Hz、少なくとも40Hz、少なくとも50Hz、少なくとも60Hz、少なくとも70Hz、少なくとも80Hz、少なくとも90Hz、少なくとも100Hz、少なくとも150Hz、少なくとも200Hz、少なくとも250Hz、少なくとも300Hzである。いくつかの実施形態では、相対的なピッチ閾値は、例えば、多くても10Hz、多くても20Hz、多くても30Hz、多くても40Hz、多くても50Hz、多くても60Hz、多くても70Hz、多くても80Hz、多くても90Hz、多くても100Hz、多くても150Hz、多くても200Hz、多くても250Hz、多くても300Hzである。例えば、普段は低いピッチで話す被験者の場合、相対的なピッチ閾値は、被験者がピッチを増加させるための条件を設定する。例えば、普段は高いピッチで話す被験者の場合、相対的なピッチ閾値は、被験者がピッチを減少させるための条件を設定する。
【0263】
いくつかの実施形態では、ピッチ閾値およびデシベルレベル閾値は、例えば、人間の聴覚の聴覚感度に基づいて、互いに相関している。一般に、人間の耳は、20Hz(最低ピッチ)~20kHz(最高ピッチ)の間の周波数を知覚する。しかし、人間の耳の聴覚感度は、20Hz~20kHzの間の周波数で変化する。例えば、約2kHzでは、良好な耳は、0dB~120dBの間のデシベルレベルの音を聞き取ることができる。周波数が低くなったり高くなったりすると、聴覚感度は狭くなる。例えば、20Hzに近い周波数では、人間の耳は、一般に80dB~100dBの間のデシベルレベルの音を聞き取ることができ、20kHzに近い周波数では、人間の耳は、一般に60dB~80dBの間のデシベルレベルの音を聞き取ることができる。聴覚感度を考慮して、いくつかの実施形態では、デシベルレベル閾値は、ピッチ閾値が約1kHz~2kHzである場合は相対的に大きな範囲または増分となるように設定され、ピッチ閾値がkHz未満または2kHzを超える場合は相対的に小さな範囲または増分となるように設定される。しかし、本開示はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、ピッチ閾値およびデシベルレベル閾値は、聴覚感度を考慮して、または考慮せずに、互いに独立して設定される。
【0264】
ブロック474~476。ブロック474~476を参照すると、いくつかの実施形態では、提案される経験のバイオメトリック閾値は、提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する対応するデジタルリアリティシーン中の被験者に対する発言閾値を含む。いくつかの実施形態では、発言閾値は、最小発言数および最大発言数を有する範囲で表される絶対的な発言閾値を含む。一般的に、最小発言数は、被験者の発言を促す条件を設定し、最大発言数は、被験者の絶え間ない発言を抑制する条件を設定する。いくつかの実施形態では、発言の閾値数は、少なくとも2の発言、少なくとも3の発言、少なくとも5の発言、少なくとも10の発言、または少なくとも30の発言である。いくつかの実施形態では、発言の閾値数は、多くても100回の発言、多くても90回の発言、多くても70回の発言、または多くても60回の発言である。いくつかの実施形態では、発言の閾値数は、2回の発言~100回の発言の間、2回の発言~80回の発言の間、2回の発言~50回の発言の間、2回の発言~20回の発言の間、2回の発言~10回の発言の間、5回の発言~100回の発言の間、5回の発言~80回の発言の間、5回の発言~50回の発言の間、5回の発言~20回の発言の間、5回の発言~10回の発言の間、15回の発言~100回の発言の間、15回の発言~80回の発言の間、15回の発言~50回の発言の間、15回の発言~20回の発言の間、35回の発言~100回の発言の間、35回の発言~80回の発言の間、または35回の発言~50回の発言の間である。
【0265】
代替的に、任意に、または追加的に、いくつかの実施形態では、発言閾値は、提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する対応するデジタルリアリティシーン中の相対的な発言閾値、例えば、被験者の発言ベースラインと比較した発言数の増加または減少を含む。いくつかの実施形態では、相対的な発言閾値は、少なくとも1回の発言、少なくとも2回の発言、少なくとも3回の発言、少なくとも5回の発言、少なくとも10回の発言、少なくとも15回の発言、または少なくとも20回の発言である。例えば、緊張している場合に静かにする傾向がある被験者の場合、相対的な発言閾値は、被験者により話す量を増やすように促す。例えば、緊張している場合に絶え間なく話す傾向がある被験者の場合、相対的な発言閾値は、被験者に話す量を減らすように促す。
【0266】
いくつかの実施形態では、提案される経験のバイオメトリック閾値は、提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する対応するデジタルリアリティシーン中の被験者に対するワード閾値を含む。発言閾値と同様に、いくつかの実施形態では、ワード閾値は、最小ワード数および最大ワード数を有する範囲によって表される絶対的なワード閾値、および/または被験者のワードベースラインと比較したワード数の増加または減少を要求する相対的なワード閾値を含む。
【0267】
ブロック478。ブロック478を参照すると、いくつかの実施形態では、提案される経験のバイオメトリック閾値は、提案される経験に対して設計される対応する課題を明示する対応するデジタルリアリティシーンの間の被験者によるセンチメント分析基準を満たすこと、または満たさなかったことである。いくつかの実施形態では、センチメント分析基準は、興奮したセンチメント閾値および過剰に興奮したセンチメント閾値を含む。しかし、本開示はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、センチメント分析基準は、ニュートラルセンチメントからポジティブセンチメントへの変化、ニュートラルセンチメントからネガティブセンチメントへの変化、またはネガティブセンチメントからポジティブセンチメントへの変化など、被験者から得られる第1の思考またはステートメントと被験者から得られる第2の思考またはステートメントとを比較する場合のセンチメントの変化を決定するために利用される。いくつかの実施形態では、センチメント分析基準は、被験者に関連付けられる思考またはステートメントが第1のセンチメントに更に関連付けられるという決定に関連付けられる。いくつかの実施形態では、第1のセンチメントは、オールオアナッシングセンチメント、過一般化センチメント、フィルタセンチメント、欠格(disqualifying)ポジティブセンチメント、マインドリーディングセンチメント、破局視(catastrophizing)センチメント、感情的理由付け(emotional reasoning)センチメント、ラベリングセンチメント、パーソナライゼーションセンチメント、またはそれらの組み合わせである。
【0268】
いくつかの実施形態では、オールオアナッシングセンチメントは、被験者によるバイナリ(例えば、白黒)分類を説明する被験者からの思考またはステートメントに関連付けられる。いくつかの実施形態では、過一般化センチメントは、ネバーエンディングイベント、またはパターン化されたイベントとして唯一のイベントを説明する被験者からの思考またはステートメントに関連付けられる。いくつかの実施形態では、フィルタセンチメントは、個々の詳細(single detail)を過度に説明する被験者からの思考またはステートメントに関連付けられる。いくつかの実施形態では、欠格ポジティブセンチメントは、肯定的ないベントの拒絶を説明する被験者からの思考またはステートメントに関連付けられる。いくつかの実施形態では、マインドリーディングセンチメントは、被験者に関連付けられる任意の第3者の説明を説明する被験者からの思考またはステートメントに関連付けられる。いくつかの実施形態では、破局視センチメントは、イベントの態様の誇張(exaggeration)を説明する被験者からの思考またはステートメントに関連付けられる。いくつかの実施形態では、感情的理由付けセンチメントは、外面的な特徴を有する内面的な感情の描写を説明する被験者からの思考またはステートメントに関連付けられる。いくつかの実施形態では、ラベリングセンチメントは、被験者による1以上のラベルを一の行動に取り付けることを説明する被験者からの思考またはステートメントに関連付けられる。いくつかの実施形態では、パーソナライゼーションセンチメントは、責任または行動の原因として被験者を説明する被験者からの思考またはステートメントに関連付けられる。しかし、本開示はこれに限定されない。本開示のセンチメントに関する更なる詳細および情報は、Burns et al., 1981, “Feeling Good: The New Mood Therapy,” New York, pg. 393, printに見出される。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0269】
いくつかの実施形態では、同じタイプのバイオメトリック閾値であっても、異なる経験のバイオメトリック閾値が異なる場合があることに留意すべきである。例えば、非限定的な例として、第1の提案される経験が、曝露カテゴリの第1のデジタルリアリティシーンに関連付けられていると仮定すると、被験者は、プライベート設定において1人の人と、対面して、話している。曝露カテゴリに対する提案される第2の経験は、第2のデジタルリアリティシーンに関連づけられ、被験者は、バックグラウンドノイズを伴うパーティーで聴衆の前で話している。そのような実施形態では、第2の提案される経験のデシベルレベル閾値は、一般に、第1の提案される経験のデシベルレベル閾値よりも高い場合がある。例えば、第2の提案される経験のデシベルレベル閾値は60~80dBであり、第1の提案される経験のデシベルレベル閾値は40~60dBである。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0270】
また、同じ経験のバイオメトリック閾値は、異なる被験者に対して異なる場合があることに留意すべきである。例えば、非限定的な例として、第1の被験者および第2の被験者が、就職の面接を受けるなどの同じ曝露(例えば、社会的)課題に関与すると仮定する。第1の被験者は、緊張すると静かになる傾向があるのに対し、第2の被験者は、緊張すると心拍数が上昇(例えば、増加)し、および/またはピッチが変化して、絶え間なく話す傾向がある。そのような実施形態では、第1の被験者および第2の被験者に対するバイオメトリック閾値(絶対的および/または相対的な閾値)は、一般に異なる場合がある。例えば、第1の被験者に対する発言閾値は、第1の被験者に話す量を増やすように促すために設定される場合があるのに対し、第2の被験者に対する発言閾値は、第2の被験者に話す量を減らすように促すために設定される。
【0271】
更に、経験のバイオメトリック閾値は、被験者、被験者に関連付けられる医療従事者、モデル/アルゴリズム、またはそれらの任意の組み合わせによってリセットまたは変更される場合があることに留意すべきである。例えば、非限定的な例として、被験者が、いくつかの教育的または療法的課題(例えば、マインドフルネスおよび/または認知リフレーミング課題)を受け、精神医学的または精神的状態を管理することにおいていくつかの改善を達成した後、2回目(例えば、曝露カテゴリの社会的課題への最初の試みの後)の社会的課題に関与すると仮定する。被験者が対応する課題と関与する場合の経験のバイオメトリック閾値は、被験者が達成した進行に従ってリセットまたは変更される場合がある。
【0272】
ブロック480。ブロック480を参照すると、本方法は、第1のカテゴリの第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンをディスプレイに示すことを含む。例えば、非限定的な例として、いくつかの実施形態では、本方法は、ディスプレイに第1のデジタルリアリティシーン40-1を示す。第1のデジタルリアリティシーン40-1は、第1の経験24-1に対して設計される第1の課題26-1(例えば、恐怖)を明示する。いくつかの実施形態では、課題は、経験に対して固有である。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0273】
第1のデジタルリアリティシーンは、これらに限定されないが、仮想現実シーン、拡張(augmented)現実シーン、または複合現実シーンを含む任意の適切なタイプのデジタルリアリティシーンであり得る。いくつかの実施形態では、第1のデジタルリアリティシーンは、それぞれのクライアントデバイス300のディスプレイのタイプによって決まる。例えば、いくつかの実施形態では、仮想現実シーンを表示する処理能力を有する第1のクライアントデバイス300-1に対して、第1のデジタルリアリティシーンは、仮想現実シーンである。拡張(augment)現実シーンを表示する処理能力を有する第2のクライアントデバイス300-1に対して、第1のデジタルリアリティシーンは拡張(augmented)現実シーンである。いくつかの実施形態では、第1のデジタルリアリティシーンは、経験のタイプによって決まる。例えば、第1の経験は、仮想現実シーンに関連付けられ、第2の経験は、拡張(augmented)現実シーンに関連付けられる。いくつかの実施形態では、第1のデジタルリアリティシーンは、課題のタイプによって決まる。例えば、第1の課題は、仮想現実シーンに関連付けられ、第2の課題は、複合現実シーンに関連付けられる。
【0274】
ブロック482。ブロック482を参照すると、本方法は、(C)提示すること(B)と連携して、複数のセンサ(例えば、図1のセンサ110-1、センサ110-2、…)におけるセンサの全てまたはサブセットから複数のデータ要素を取得することを含む。センサのサブセットは、少なくとも1つのバイオメトリックセンサ(例えば、センサ110-1)を含む。少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、被験者が第1のデジタルリアリティシーンにおいて第1の課題を完了している間に、被験者に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素をキャプチャするように構成される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、これに限定されないが、心拍数センサ、心拍変動センサ、血液センサ、皮膚電気活動センサ、ガルバニック皮膚反応センサ、脳波センサ、アイトラッキングセンサ、レコーダ、マイクロフォン、温度計、ヒートマップセンサ、カメラ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、レコーダ、マイクロフォン、カメラ、またはそれらの組み合わせを含み、被験者から音声特徴(例えば、発言)をキャプチャするために利用される。
【0275】
ブロック484~490。ブロック484~490を参照すると、本方法は、(D)取得すること(C)から取得されるバイオメトリックデータ要素のセット(例えば、バイオメトリックデータ要素の第1のセット)が、第1の課題の少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たすか否かを決定して、第1の課題が正常に完了したか否かを評価(assess)することを含む。バイオメトリックデータ要素のセットは、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける第1のバイオメトリックセンサ(例えば、図1のセンサ110-1)によってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素を含む。少なくとも1つのバイオメトリック閾値は、第1のバイオメトリック閾値(例えば、図2Bのデジタルリアリティシステム200の基準ストア30からのバイオメトリック閾値33-1)を含む。決定すること(D)は、対応する閾値ベースライン特性に対する第1の複数のバイオメトリックデータ要素の比較が第1のバイオメトリック閾値を満たすか否かを決定することを含む。
【0276】
対応する閾値ベースライン特性に対して第1の複数のバイオメトリックデータ要素を比較することによって、本開示の方法およびシステムは、被験者特有の値、特有の課題、および/またはポピュレーションの値に基づいて、各被験者の改善を評価できる。一実施形態では、対応する閾値ベースライン特性は、第1のデジタルリアリティシーンの対応する課題の開始時にキャプチャされる被験者のバイオメトリックベースラインである。別の実施形態では、対応する閾値ベースライン特性は、憩いの場にいる、または経験を開始するときなど、被験者がリラックス状態にあるときにキャプチャされる被験者のバイオメトリックベースラインであり、ベースラインは課題に対する予期不安を反映しない。図6Aは、被験者がイントロダクションまたは教育ビデオ(例えば、イントロダクションまたは教育ビデオの持続時間を被験者に見させることを要求する心理教育的課題)を再生できる憩いの場の非限定的な例を示している。更に別の実施形態では、対応する閾値ベースライン特性は、被験者が任意の課題および/または経験を開始する前にキャプチャされる被験者のバイオメトリックベースラインである。
【0277】
例えば、いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサは心拍数センサであり、対応する閾値ベースライン特性は、被験者がリラックス状態にある売、または被験者が任意の経験および/または課題を開始する前に、第1のデジタルリアリティシーンの対応する課題の開始時にキャプチャされる被験者の初期心拍数である。そのような実施形態では、対応する閾値ベースライン特性に対する第1の複数のバイオメトリックデータ要素の比較は、被験者の特定の初期値に基づいて心拍数の経時的な変化を提供する。対応する閾値ベースライン特性に対して第1の複数のバイオメトリックデータ要素を比較することによって、本開示の方法およびシステムは、異なる被験者による、または異なる課題の間の同じ被験者による、または社会的課題を繰り返している間の同じ被験者による改善を区別できる。例えば、本開示の方法およびシステムは、心拍数が高い初期心拍数(例えば、140bpm)から中程度の心拍数(例えば、120bpm)に低下する第1の被験者によって達成される改善を区別でき、心拍数が中程度の初期心拍数(例えば、125bpm)から中程度の心拍数(例えば、120bpm)に低下する第2の被験者による改善を区別でき、心拍数が中程度の初期心拍数(例えば、110bpm)から中程度の心拍数(例えば、120bpm)に上昇する第3の被験者による悪化を区別できる。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0278】
第1のバイオメトリックセンサは、これに限らないが、心拍数センサ、心拍変動センサ、血液センサ、皮膚電気活動センサ、ガルバニック皮膚反応センサ、脳波センサ、アイトラッキングセンサ、レコーダ、マイクロフォン、温度計、ヒートマップセンサ、カメラ、またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切なバイオメトリックセンサであり得る。例えば、非限定的な例として、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、被験者が第1のデジタルリアリティシーンで第1の課題を完了している間に、被験者の心拍数をキャプチャするように構成される心拍センサを含む。別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、被験者が第1のデジタルリアリティシーンで第1の課題を完了している間に、被験者の心拍変動をキャプチャするように構成される心拍センサ変動を含む。更に別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、被験者が第1のデジタルリアリティシーンで第1の課題を完了している間に、被験者の発言を記録するように構成されるマイクロフォンまたはレコーダなどを含み、1以上の音声特徴は、被験者から得られる発言から識別および評価される。更に別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサは、血圧センサであり、対応する閾値ベースライン特性は、被験者の収縮期血圧または被験者の拡張期血圧である。いくつかの実施形態では、収縮期または拡張期血圧は、第1のデジタルリアリティシーンの対応する課題の開始時にキャプチャされる。いくつかの実施形態では、収縮期または拡張期血圧は、被験者がリラックス状態にある場合にキャプチャされる。いくつかの態様では、収縮期または拡張期血圧は、被験者が任意の教育プログラムまたは療法プログラムを開始する前にキャプチャされる。
【0279】
ブロック494~498。ブロック494~498を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、被験者に関連付けられる第2の複数のデータ要素を電子形式で受信すること(H)を更に含む。第2の複数のデータ要素は、被験者の初期の精神医学的または精神的状態に関連付けられる第2の複数のバイオメトリックデータ要素を含む。第1のベースライン特性は、第2の複数のバイオメトリックデータ要素から形成される。
【0280】
例えば、一実施形態では、第2の複数のバイオメトリックデータ要素(例えば、被験者の心拍数、ピッチ、デシベルレベル、エントロピー、時間的特徴など)は、第1のデジタルリアリティシーンの対応する課題の開始時に取得またはキャプチャされる。別の実施形態では、第2の複数のバイオメトリックデータ要素は、例えば、図6に示す憩いの場などの憩いの場を備えるデジタルリアリティシーンに示されるイントロダクションまたはチュートリアル課題中に被験者がリラックス状態にある場合に、取得またはキャプチャされる。更に別の実施形態では、第2の複数のバイオメトリックデータ要素は、マインドフルネス課題中に、取得またはキャプチャされる。図6Bは、被験者がアバターに再生ボタンを押させることによってマインドフルネス課題を開始できる、デジタルリアリティシーンの非限定的な例を示す。いくつかの実施形態では、第2の複数のバイオメトリックデータ要素は、CBT課題中に、取得またはキャプチャされる。図9A図9Cは、被験者が証拠収集課題などのCBT課題を開始できるが、デジタルリアリティレコーディングオブジェクトなどのデジタルリアリティオブジェクトとインタラクトする、デジタルリアリティシーンの非限定的な例を示す。いくつかの実施形態では、第2の複数のバイオメトリックデータ要素は、第1のカテゴリの第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンを提示すること(B)を開始する場合または開始する前に取得される。しかし、本開示はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、第2の複数のバイオメトリックデータ要素は、プログラム全体を開始する前(例えば、クライアントデバイスでクライアントアプリケーションを実行する前)に、前の課題中などに取得される。いくつかの実施形態では、第2の複数のバイオメトリックデータ要素は、1以上の被験者の前の課題に対する平均値、または被験者と同様の状態を有するユーザのポピュレーションなどの被験者に関連付けられるユーザのポピュレーションに対する平均値である。
【0281】
ブロック500。ブロック500を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサは心拍数センサであり、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、分当たりの心拍数を決定するために使用される。本開示の方法は、任意の適切なタイプの心拍センサを使用して、バイオメトリックデータ要素をキャプチャできる。例えば、いくつかの実施形態では、心拍センサは、被験者の心臓の電気的活動を監視するために被験者の胸部に位置する電極を含む電気心拍センサ(例えば、心電図記録法(electrocardiography)またはECG)である。いくつかの実施形態では、心拍センサは、被験者の皮膚下の血流の量を検出するための1以上の光源(例えば、LED)を含む光学式心拍センサ(例えば、フォトプレチスモグラフィまたはPPG)である。いくつかの実施形態では、光学式心拍センサは、ウェアラブル/モバイルデバイスであるか、または腕時計、アクティビティトラッカ、アームストラップ、および携帯電話などのウェアラブル/モバイルデバイスに組み込まれる。
【0282】
ブロック502。ブロック502を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサは心拍変動センサであり、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、心拍周期を決定するために使用され、心拍変動(HRV)のアセスメントを提供する。HRVは、健康状態、ストレス、および精神的努力の信頼できるインジケータとして頻繁に適用されている。研究は、HRVを心血管疾患、心的外傷後ストレス障害、うつ病、および線維筋痛症に結び付けている。HRVは、例えば、パニック障害および仕事上のストレスおよび精神的努力における自律神経ストレス反応性のセンシティブ指数として提案されている。
【0283】
いくつかの実施形態では、心拍変動センサは、胸に装着される心電図センサ(chest-worn electrocardiogram sensor)、またはHRV分析のための心臓信号をキャプチャして提供するウェアラブル/モバイルフォトプレチスモグラム(PPG)センサを含む。いくつかの実施形態では、心拍変動センサは非接触センサである。例えば、一実施形態では、心拍変動センサは、被験者が課題を完了している間に被験者の画像またはビデオを撮るカメラを含む。カメラによって撮られる画像またはビデオは、動脈拍動(arterial pulse)情報を抽出し、HRVを導出するために使用される。非接触センサに関する更なる情報は、“The PhysioCam: A Novel Non-Contact Sensor to Measure Heart Rate Variability in Clinical and Field Applications,” Davila et al., Front Public Health, November 2017, Volume 5, Article 300に見出され得る。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0284】
ブロック506~512。ブロック506~512を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサはアイトラッキングセンサである。アイトラッキングセンサは、デバイス(例えば、デスクトップ、スタンド、壁など)、眼鏡、仮想現実ヘッドセットなどに搭載または組み込まれ得る。それは、一般に、ユーザの眼に光(例えば、近赤外光)を投影するプロジェクタ、ユーザの眼の画像を撮るカメラ、および/または眼の位置、注視点(gaze point)、および/または他の特徴を決定するために画像を処理するアルゴリズムを含む。いくつかの実施形態では、アイトラッキングセンサは画像処理能力を含まないが、代わりに、そのようなアイトラッキングセンサによって取得されるバイオメトリックデータ要素は、画像処理のためにクライアントデバイス(例えば、クライアントデバイス300-1)またはリモートシステム(例えば、デジタルリアリティシステム200)に送信される。いくつかの実施形態では、アイトラッキングセンサは、瞳孔中心および光が角膜から反射する場所を追跡するなどの、視覚的注意を評価(assess)するために角膜反射の光学追跡に基づく。角膜および瞳孔の中心から反射する光は、眼の動きおよび方向を決定するために使用される。
【0285】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、視線固定、滑らかな動き、サッケード、瞬き、スキャン経路の長さ、眼の開放度、瞳孔拡張、眼の位置、過覚醒またはハイパースキャニング、回避、またはそれらの任意の組み合わせを決定するために使用される。
【0286】
いくつかの実施形態では、視線固定は、デジタルリアリティシーンの関心領域(ROI)(例えば、図6Bに示すデジタルリアリティシーンにおけるオブジェクト42-2の眼)の空間基準および時間基準に基づいて定められる。いくつかの実施形態では、空間基準は、例えば、0.8度の視角、0.9度の視角、1°の視角、1.1度の視角、1.2度の視角、1.3度の視角の直径であり、時間基準は、例えば、最小120ms、130ms、140ms、150msである。いくつかの実施形態では、空間基準は、0.8度~1.3度、0.8度~1.2度、0.8度~1.1度、0.8度~1度、0.8度~0.9度、0.9度~1.3度、0.9度~1.2度、0.9度~1.1度、0.9度~1度、1度~1.3度、1度~1.2度、1度~1.1度、1.1度~1.3度、1.1度~1.2度、または1.1度~1.3度の直径視角である。いくつかの実施形態では、空間基準は、少なくとも0.8度、少なくとも0.9度、少なくとも1度、少なくとも1.1度、少なくとも1.2度、または少なくとも1.3度の直径視角である。いくつかの実施形態では、空間基準は、多くとも0.8度、多くとも0.9度、多くとも1度、多くとも1.1度、多くとも1.2度、または多くとも1.3度の直径視角である。いくつかの実施形態では、時間基準は、120ms~150ms、120ms~145ms、120ms~140ms、120ms~135ms、120ms~130ms、120ms~125ms、125ms~150ms、125ms~145ms、125ms~140ms、125ms~135ms、125ms~130ms、130ms~130ms、130ms~145ms、130ms~140ms、130ms~135ms、135ms~150ms、135ms~145ms、135ms~140ms、140ms~150ms、140ms~145ms、または145ms~150msの期間である。いくつかの実施形態では、時間基準は、少なくとも120ms、少なくとも125ms、少なくとも130ms、少なくとも135ms、少なくとも140ms、少なくとも145ms、または少なくとも150msである。いくつかの実施形態では、時間基準は、多くとも120ms、多くとも125ms、多くとも130ms、多くとも135ms、多くとも140ms、多くとも145ms、または多くとも150msである。
【0287】
いくつかの実施形態では、過覚醒は、デジタルリアリティシーンにおける特定の課題中の最初の凝視までの時間として定義される。いくつかの実施形態では、回避は、第1のデジタルリアリティシーンにおける凝視の総数で割られたデジタルリアリティシーンにおける特定の課題中の凝視の数として定義される。リサーチは、社会不安のある人間が、感情的に脅威のある情報(過覚醒)への最初の注意を導き、続いて否定的な情報(注意回避)を回避して、精神的苦痛を軽減することを示唆している。視線追跡に関する追加情報は、“Gaze Behavior in Social Fear Conditioning: An Eye-Tracking Study in Virtual Reality,” Reichenberger et al., Frontiers in Psychology, published 23 January 2020, and at “Capturing Hypervigilance: Attention Biases in Elevated Trait Anxiety and Posttraumatic Stress Disorder” by Lorana H. Stewart submitted for the degree of Doctor of Philosophy, University College London, September 2011に見出され得る。これらの文献の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0288】
いくつかの実施形態では、本方法は、デジタルリアリティシーンにおけるオブジェクト(例えば、アバターの眼、アバターの顔、ノンプレイヤオブジェクトなど)に対する1以上のROIを区切る。いくつかの実施形態では、本方法は、被験者が自身の視線が各ROI内にある状態で過ごす時間の割合、各ROI内での視線固定の平均数、各ROI内での視線固定の持続時間の中央値、各ROIの中心に対する視線固定の平均距離、またはそれらの任意の組み合わせを決定する。
【0289】
しかし、本開示はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、被験者の眼のスキャン経路を記録し、1以上のモデルを使用して被験者の表情を調べる。いくつかの実施形態では、被験者の表情の調査は、被験者に関連付けられる医療従事者によって実行される。いくつかの実施形態では、本方法は、対応する課題に対処する場合の眼の位置の変化、所定の基準位置における眼の出現回数などの他の眼球活動または特徴を決定する。
【0290】
ブロック514~520。ブロック514~520を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサはレコーダである。本開示の方法は、任意の適切なレコーダを使用して、バイオメトリックデータ要素をキャプチャできる。レコーダの例は、これらに限定されないが、オンラインボイスレコーダ、マイクロフォンレコーダ、USBフラッシュドライブボイスレコーダ、ポータブルデジタルレコーダ、音声起動型レコーダ、オーディオレコーダ、ビデオレコーダ、および振動反応型センサを含む。
【0291】
いくつかの実施形態では、レコーダは、被験者からのステートメント、発言、音声特徴、またはそれらの組み合わせを取得するために利用される。いくつかの実施形態では、音声で表現される感情は、一般に、生理学的レベル、発声調音レベル、音響レベル、またはそれらの組み合わせの複数のレベルで分析される。いくつかの実施形態では、生理学的レベルは、例えば、音声生成プロセスに関与する主要構造の神経インパルスまたは筋神経支配パターンを表す。発声調音レベルは、例えば、声帯などの主要構造の位置または動きを表す。音響レベルは、例えば、口から発するスピーチ波形の特性を表す。生理学的レベルおよび発声調音レベルでの測定のための現在の方法のほとんどは、かなり押しつけがましく(rather intrusive)、専門的な機器および高度な専門知識を必要とする。契約上、音声感情表現の音響キューは、特別な機器も必要とすることなく、スピーチ記録から客観的に、経済的に、および控えめに得ることができる。
【0292】
いくつかの実施形態では、バイオメトリック閾値は、1以上の音声キューに関連付けられる。いくつかの実施形態では、1以上の音声キューは、(a)基本周波数(例えば、F0。知覚されるピッチの相関関係など)、(b)声の摂動(例えば、音発生における短期間の変動)、(c)声質(例えば、知覚される「音色」の相関関係)、(d)強度(例えば、知覚される音量の相関関係)、(e)1以上のスピーチの時間的態様(例えば、スピーチ速度)、およびこれらの態様の様々な組み合わせ(例えば、韻律的な特徴)を含む。いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、基本周波数、スピーチ速度、1以上の一時停止(例えば、被験者による発言の一時停止)、被験者による無音の持続時間、音声強度、音声発現時間、1以上のピッチ摂動、1以上の音量摂動、1以上の音声ブレーク、1以上のピッチジャンプ、声質(例えば、スタッタリング、シェイキー、「like」、「um」)、音質(例えば、ピッチ変化、スタッタリング)、またはそれらの組み合わせを決定するために使用される。
【0293】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサ(例えば、レコーダ)によってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、例えば、1以上の計算モデルによって複写され、レコーダを介して被験者から取得される発言を表わすテキストオブジェクトなどの書き換え(transcription)を作成する。例えば、いくつかの態様では、書き換えは1以上のモデルによって抽出され、1以上のワードのセットを生成する。いくつかの実施形態では、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は波形データを含み、本方法は、最初に、第1のバイオメトリックセンサ(例えば、レコーダによって記録される音声)によってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素を1以上の有声音および無声音、1以上のワード、1以上の音節、または組み合わせに分け(segment)、波形データまたは書き換えを分けて、各発言の比較的均質で比較可能な部分の定量的な説明を可能にする。更に別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、波形データを含む第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、音声特徴を抽出するために、1次元CNNなどのNN計算モデルに入力される。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0294】
いくつかの実施形態では、発言は、ワード、短いフレーズ、または多くの節が埋め込まれた複雑な文であり得る。発言の非限定的な例は、これらに限定されないが、「OK?」「uhhuh」「not on the floor!」「the pink one」および「yeah, well, I thought she was going to, but she never did」などの1以上の口語のフレーズまたはワードを含む。いくつかの実施形態では、記録される音声を分けることは、記録される音声、例えば、少なくとも2秒、少なくとも2.5秒、少なくとも3秒、少なくとも3.5秒、または少なくとも4秒の一時停止で区切られる2つの発言の一時停止に基づく。いくつかの実施形態では、記録される音声を分けることは、多くとも2秒、多くとも2.5秒、多くとも3秒、多くとも3.5秒、または多くとも4秒の一時停止に基づく。いくつかの実施形態では、発言は、1つの完全な文よりも決して長くはならない。つまり、2つの完全な文の間に検出可能な一時停止がない場合でも、2つの完全な文は、2つの発言に分けられる。
【0295】
いくつかの実施形態では、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、複数の音声特徴を含むか、または複数の音声特徴を決定するために利用される。いくつかの実施形態では、音声特徴は、ピッチ、ケイデンス、変曲(inflection)などの発言に関連付けられるフェノムである。いくつかの実施形態では、複数の音声特徴は、5音素(phoneme)~200音素の間、5音素~150音素の間、5音素~100音素の間、5音素~80音素の間、5音素~60音素の間、5音素~40音素の間、5音素~20音素の間、15音素~200音素の間、15音素~150音素の間、15音素~100音素の間、15音素~80音素の間、15音素~60音素の間、15音素~40音素の間、15音素~20音素の間、35音素~200音素の間、35音素~150音素の間、35音素~100音素の間、35音素~80音素の間、35音素~60音素の間、35音素~40音素の間、60音素~200音素の間、60音素~150音素の間、60音素~100音素の間、60音素~80音素の間、80音素~200音素の間、80音素~150音素の間、または80音素~100音素の間を含む。いくつかの実施形態では、複数の音声特徴は、少なくとも5つの音素、少なくとも10の音素、少なくとも15の音素、少なくとも20の音素、少なくとも25の音素、少なくとも30の音素、少なくとも35の音素、少なくとも40の音素、少なくとも45の音素、少なくとも50の音素、少なくとも55の音素、少なくとも60の音素、少なくとも65の音素、少なくとも70の音素、少なくとも75の音素、少なくとも80の音素、少なくとも85の音素、少なくとも90の音素、少なくとも95の音素、少なくとも100の音素、少なくとも105の音素、少なくとも110の音素、少なくとも115の音素、少なくとも120の音素、少なくとも125の音素、少なくとも130の音素、少なくとも135の音素、少なくとも140の音素、少なくとも145の音素、少なくとも150の音素、少なくとも155の音素、少なくとも160の音素、少なくとも165の音素、少なくとも170の音素、少なくとも175の音素、少なくとも180の音素、少なくとも185の音素、少なくとも190の音素、少なくとも195の音素、または少なくとも200の音素を含む。いくつかの実施形態では、複数の音声特徴は、多くとも5音素、多くとも10音素、多くとも15音素、多くとも20音素、多くとも25音素、多くとも30音素、多くとも35音素、多くとも40音素、多くとも45音素、多くとも50音素、多くとも55音素、多くとも60音素、多くとも65音素、多くとも70音素、多くとも75音素、多くとも80音素、多くとも85音素、多くとも90音素、多くとも95音素、多くとも100音素、多くとも105音素、多くとも110音素、多くとも115音素、多くとも120音素、多くとも125音素、多くとも130音素、多くとも135音素、多くとも140音素、多くとも145音素、多くとも150音素、多くとも155音素、多くとも160音素、多くとも165音素、多くとも170音素、多くとも175音素、多くとも180音素、多くとも185音素、多くとも190音素、多くとも195音素、または多くとも200音素を含む。
【0296】
いくつかの実施形態では、本方法は、スピーチ感情に関連する様々な音声キューを抽出する。いくつかの実施形態では、様々な音声キューは、これらに限定されないが、基本周波数、スピーチ速度、1以上の一時停止、音声強度、音声発現時間、ジッタ(jitter)(例えば、1以上のピッチ摂動)、シマー(shimmer)(例えば、1以上の音量摂動)、1以上の音声ブレーク、1以上のピッチジャンプ、1以上の音声品質の尺度(例えば、スペクトルにおける高周波エネルギーと低周波エネルギーとの相対的な程度、フォルマントと呼ばれる声道の自然共振によるスペクトルにおけるエネルギーピークの周波数および帯域幅など)、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの尺度が、キューのタイプごとに取得され得る。いくつかの実施形態では、音声キューの抽出は、監視されない、例えば、人間の関与なしに自動的である。いくつかの実施形態では、様々な音声キューの抽出は、監視される、例えば、被験者、システム管理者または被験者に関連付けられる医療従事者によって慎重にチェックされる。
【0297】
いくつかの実施形態では、センチメント分析または感情分析が、レコーダによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素に実行される。例えば、いくつかの実施形態では、センチメント分析は、第1の複数のバイオメトリックデータ要素から抽出されるワード、句(フレーズ)、および/または文(センテンス)に実行される。いくつかの実施形態では、所定のセンチメントは、楽しみ(アミューズメント)、怒り、不安、気まずさ、退屈、冷静さ、混乱、渇望、嫌悪、共感的苦痛、恍惚状態(entrancement)、興奮、恐怖(fear)、戦慄(horror)、興味、喜び、煩わしさ、懐かしさ、安堵、悲しみ、満足、または驚きである。
【0298】
いくつかの実施形態では、センチメント分析は、レキシコン(例えば、それらが伝えるワードおよび感情のリスト)、センチメント分析辞書(例えば、ワード、フレーズ、または概念によって表現される感情または極性についての情報を含む辞書)、ライブラリ(例えば、感情認識をサポートする韻律的およびスペクトル特徴のセットを計算するライブラリ)、複雑な機械学習アルゴリズム(例えば、ナイーブベイズ、サポートベクターマシン、最大エントロピー)、またはそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて実行される。
【0299】
【0300】
以下のテーブル1は、距離のための様々な他のタイプの尺度を示し、上記で特定される式の用語を更に説明する。
【0301】
【0302】
当業者であれば、他のセンチメントが本開示のシステムおよび方法の範囲内であることを理解するであろう。センチメント分析または音声データの分析に関する追加の情報は、“Sentiment Analysis and Opinion Mining,” Bing Liu, Morgan & Clypool Publishers, May 2012, “Speech motion analysis,” Juslin et al., (2008), Scholarpedia, 3(10):4240に見出され得る。これらの文献の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。Yang et al., 1999, “DistAI: An Inter-pattern Distance-based Constructive Learning Algorithm,” Intelligent Data Analysis, 3(1), pg. 55から、距離ベースの分類モデルに関する追加の詳細および情報を知ることができる。
【0303】
ブロック522~526。ブロック522~526を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素が記憶され、第1のデジタルリアリティシーンの完了後に第1の複数のバイオメトリックデータ要素のリプレイを可能にする。例えば、非限定的な例として、一実施形態では、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素(例えば、録音される音声)は、レコーダに記憶される。別の非限定的な例として、別の実施形態では、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、クライアントデバイス(例えば、クライアントデバイス300-1)、リモートシステム(例えば、デジタルリアリティシステム200)などに送信され、記憶される。
【0304】
いくつかの実施形態では、成り済まし(スプーフィング)を防止するため、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素の分析において、1以上の特定のキーワードが使用される。例えば、非限定的な例として、被験者がノンプレイヤキャラクタ(例えばバーテンダー)にナプキンを要求することが課題であるいくつかの実施形態では、被験者は会話を開始するために特定のワード「Napkin」または「Napkins」を言う必要がある。別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、被験者が思考を再構成する課題がある場合、被験者は、会話中に第1のワード(例えば、「will」)を言う必要があるか、または第2のワード(例えば、「cannot」)を言うことができない。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0305】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、例えば、第1の複数のバイオメトリックデータ要素における波形データを変調することによって、前処理されて、バックグラウンドノイズを除去する。また、いくつかの実施形態では、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、自動ノイズキャンセル機能が有効にされた状態で、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる。
【0306】
ブロック528。ブロック528を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサ(例えば、レコーダ、カメラ、アイトラッキングセンサ)によってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素が記憶され、第1のデジタルリアリティシーンの完了後に第1の複数のバイオメトリックデータ要素のリプレイを可能にする。例えば、非限定的な例として、一実施形態では、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素(例えば、録音された音声)は、レコーダに記憶される。別の非限定的な例として、別の実施形態では、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、クライアントデバイス(例えば、クライアントデバイス300-1)、リモートシステム(例えば、デジタルリアリティシステム200)などに送信され、記憶される。更に別の非限定的な例として、第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1の複数のバイオメトリックデータ要素(例えば、画像またはビデオ)は、例えば、カメラに記憶されるか、またはクライアントデバイス(例えば、クライアントデバイス300-1)に送信され記憶されるか、または遠隔システム(例えば、デジタルリアリティシステム200)に送信され記憶される。例えば、いくつかの実施形態では、CBT課題を完了する場合、第1の複数のバイオメトリックデータ要素に関連付けられる被験者によって得られる第1の思考またはステートメント(例えば、第1の思考またはステートメントの波形データ)が記憶され、被験者が、将来、第1の思考またはステートメントをリフレームする(例えば、第1の課題を完了する)ことを可能にする。
【0307】
ブロック530。ブロック530を参照すると、いくつかの実施形態では、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、特定のトリガに応じて第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる。例えば、非限定的な例として、第1のバイオメトリックセンサがアイトラッキングセンサであるか、アイトラッキングセンサを含むいくつかの実施形態では、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、被験者がデジタルリアリティシーンの特定のオブジェクトを見ている、例えば、眼の中のバーテンダーなどの別のプレイヤのキャラクタライザを見ていることに応じてキャプチャされる。別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、被験者または被験者に関連付けられる医療従事者によるチェックボックスの選択または選択解除に応じてキャプチャされる。更に別の非限定的な例として、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、被験者または被験者に関連付けられる医療従事者からの音声コマンドに応じてキャプチャされる。いくつかの実施形態では、特定のトリガは、例えば、ボタン入力を押すこと、またはクライアントデバイスのセンサの位置を移動させることによって、クライアントデバイスの入力の状態を変更することを含む。いくつかの実施形態では、特定のトリガは、デジタルリアリティレコーディングオブジェクトとのインタラクションなど、デジタルリアリティシーンにおけるデジタルリアリティオブジェクトとのインタラクションに関連付けられる。
【0308】
しかし、本開示はこれに限定されず、任意の適切なトリガは、バイオメトリックデータ要素のキャプチャを開始および/または停止するために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、第1のバイオメトリックセンサへのタッチに応じて、入力機構の切り替えに応じて、被験者または被験者に関連付けられる医療従事者によって、デジタルリアリティシーン(例えば、デジタルリアリティオブジェクトとインタラクトすることなど)の状態の変化によって、またはそれらの組み合わせによりキャプチャされる。いくつかの実施形態では、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、レコーダを介して取得される1以上の特定のキーワードなど、被験者によって提供される1以上の特定のキーワードに応じてキャプチャされる。
【0309】
ブロック534~538。ブロック534~538を参照すると、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける第1のバイオメトリックセンサは、繰り返しサンプリングレート、周期サンプリングレート、非周期サンプリングレートなどの所定のサンプリングレートで被験者の生理学的または心理的状態に関連付けられるバイオメトリックデータ要素をキャプチャするように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサは、例えば、200ms以下に1回、160ms以下に1回、140ms以下に1回、120ms以下に1回、100ms以下に1回、80ms以下に1回、60ms以下に1回、40ms以下に1回、30ms以下に1回、20ms以下に1回、または10ms以下に1回の所定のサンプリングレートでバイオメトリックデータ要素をキャプチャする。いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサは、200ms以上に1回、160ms以上に1回、140ms以上に1回、120ms以上に1回、100ms以上に1回、80ms以上に1回、60ms以上に1回、40ms以上に1回、30ms以上に1回、20ms以上に1回、または10ms以上に1回の所定のサンプリングレートでバイオメトリックデータ要素をキャプチャする。いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサは、10ms~200msの間、10ms~150msの間、10ms~100msの間、10ms~50msの間、25ms~200msの間、25ms~150msの間、25ms~100msの間、25ms~50msの間、60ms~200msの間、60ms~150msの間、60ms~100msの間、130ms~200msの間、または130ms~150msの間の所定のサンプリングレートでバイオメトリックデータ要素をキャプチャする。
【0310】
いくつかの実施形態では、所定のサンプリングレートは、被験者が第1のデジタルリアリティシーンにおいて第1の課題を完了している間、一定である。いくつかの他の実施形態では、所定のサンプリングレートは、調整可能または可変であり、例えば、先にキャプチャされたバイオメトリックデータ要素に応答して調整または変更される。例えば、一実施形態では、本方法は、比較的短い期間に亘ってバイオメトリック測定(例えば、心拍数の突然の増加)の劇的な変動を検出する場合、所定のサンプリングレートを調整する(例えば、増加させる)。別の実施形態では、本方法は、比較的長い期間(例えば、一定およびノーマル心拍数)に亘ってバイオメトリック測定の変化を検出しない場合、所定のサンプリングレートを調整する(例えば、減少させる)。
【0311】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサは、被験者が第1のデジタルリアリティシーンの一部を完了している間、一定の所定のサンプリングレートで、バイオメトリックデータ要素をキャプチャし、被験者が第1のデジタルリアリティシーンの別の部分を完了している間、調整可能または可変の所定のサンプリングレートで、バイオメトリックデータ要素をキャプチャする。
【0312】
いくつかの実施形態では、第1のバイオメトリックセンサは、被験者が第1のデジタルリアリティシーンの対応する第1の課題を完了している間に、バイオメトリックデータ要素を断続的にキャプチャする。例えば、非限定的な例として、いくつかの実施形態では、方法またはシステムが指示を提供している間、または被験者が話していないとき、第1のバイオメトリックセンサは、被験者が第1のデジタルリアリティシーンで話している間にバイオメトリックデータ要素の取り込みを開始し、第1のデジタルリアリティシーン内の他のプレイヤキャラクタ(例えば、図6Bのオブジェクト42-2)が話している間にバイオメトリックデータ要素の収集を停止する。
【0313】
ブロック540~542。ブロック540~542を参照すると、いくつかの実施形態では、決定すること(D)は、第1の複数のバイオメトリックデータ要素の第2のベースライン特性に対する比較が、少なくとも1つのバイオメトリック閾値における第2のバイオメトリック閾値を満たすか否かを決定することを含む。例えば、非限定的な例として、第1のバイオメトリックセンサがレコーダであり、第1の複数のバイオメトリックデータ要素が、第1のカテゴリに関連付けられる第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンの少なくとも一部の間で記録される被験者の音声であると仮定する。録音される音声は、1以上の発言に分けられる。決定すること(D)は、第1の複数のバイオメトリックデータ要素と対応する閾値ベースライン特性(例えば、リラックス状態の被験者の発言ベースライン、被験者のピッチベースライン、被験者のケイデンスベースライン、被験者のインフレクション(inflection)ベースライン、被験者の自国語(vernacular)ベースライン、被験者の文法ベースラインなど)に対する第1の複数のバイオメトリックデータ要素の比較が、第1のバイオメトリック閾値(例えば、相対的な発言閾値、相対的なピッチ閾値、相対的なケイデンス閾値、相対的なインフレクション閾値、相対的な自国語閾値、相対的な文法閾値など)を満たし、第2のベースライン特性(例えば、リラックス状態の被験者のデシベルレベルまたはピッチのベースライン、被験者のPDFエントロピーのベースラインなど)に対する第1の複数のバイオメトリックデータ要素の比較が、第2のバイオメトリック閾値(例えば、相対的なデシベルレベルまたはピッチ閾値、相対的なPDFエントロピー閾値など)を満たすか否かを決定することを含む。
【0314】
第1の複数のバイオメトリックデータ要素が記憶される音声である実施形態では、第1または第2のバイオメトリック閾値が、これらに限定されないが、相対的な発言閾値、相対的なアサーティブネス閾値、相対的なデシベルレベル閾値、相対的なピッチ閾値、またはそれらの任意の組み合わせを含む、発言に関する任意の閾値であり得ることに留意すべきである。例えば、一実施形態では、第1のバイオメトリック閾値は、被験者の発言ベースラインと比較した発言数の要求される最小変化であり、第1のカテゴリに関連付けられる第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンの間、第2のバイオメトリック閾値は、(i)被験者のアサーティブネスベースラインと比較したアサーティブネスの要求される最小変化、(ii)被験者のデシベルレベルベースラインと比較したデシベルレベルの要求される最小変化、および/または(iii)被験者のピッチベースラインと比較したピッチの要求される最小変化である。別の実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンの間、第1のバイオメトリック閾値は、(i)被験者のアサーティブネスベースラインと比較したアサーティブネスの要求される最小変化、(ii)被験者のデシベルレベルベースラインと比較したデシベルレベルの要求される最小変化、および/または(iii)被験者のピッチベースラインと比較したピッチの要求される最小変化であり、第2のバイオメトリック閾値は、被験者の発言ベースラインと比較した発言数の要求される最小変化である。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0315】
ブロック546~548。ブロック546~548を参照すると、いくつかの実施形態では、取得すること(C)でキャプチャされる少なくともバイオメトリックデータ要素は、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける第2のバイオメトリックセンサ(例えば、図1のセンサ110-2)によってキャプチャされる第4の複数のバイオメトリックデータ要素を含む。第4の複数のバイオメトリックデータ要素は、第1の複数のバイオメトリックデータ要素とは異なる。
【0316】
例えば、非限定的な例として、第1のバイオメトリックセンサは、レコーダであり、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、レコーダによってキャプチャされる記録される音声である一方、第2のバイオメトリックセンサは、アイトラッキングセンサであり、第4の複数のバイオメトリックデータ要素は、アイトラッキングセンサによってキャプチャされるアイトラッキングデータ(例えば、画像)である、またはその逆である。そのような実施形態では、音声またはアイトラッキングに関する任意の閾値が使用され得る。例えば、非限定的な例として、第1のカテゴリに関連付けられる第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンの間、第1および第3のバイオメトリック閾値の一方は、(i)被験者のワードベースラインと比較したワード数の要求される最小変化、(ii)被験者の発言ベースラインと比較した発言数の要求される最小変化、(iii)被験者のアサーティブネスベースラインと比較したアサーティブネスの要求される最小変化、(iv)被験者のデシベルレベルベースラインと比較したデシベルレベルの要求される最小変化、および/または(v)被験者のピッチベースラインと比較したピッチの要求される最小変化であり、第1および第3のバイオメトリック閾値の他方は、被験者のアイコンタクトベースラインと比較したアイコンタクトの長さの要求される最小変化である。
【0317】
別の非限定的な例として、第1のバイオメトリックセンサは、レコーダであり、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、レコーダによってキャプチャされる記録される音声である一方、第2のバイオメトリックセンサは、心拍数センサであり、第4の複数のバイオメトリックデータ要素は、心拍数センサによってキャプチャされる心拍数データである、またはその逆である。そのような実施形態では、音声または心拍に関する任意の閾値が使用され得る。例えば、非限定的な例として、第1および第3のバイオメトリック閾値の一方は、(i)被験者のワードベースラインと比較したワード数の要求される最小変化、(ii)被験者の発言ベースラインと比較した発言数の要求される最小変化、(iii)被験者のアサーティブネスベースラインと比較したアサーティブネスの要求される最小変化、(iv)被験者のデシベルレベルベースラインと比較したデシベルレベルの要求される最小変化、および/または(v)被験者のピッチベースラインと比較したピッチの要求される最小変化であり、第1および第3のバイオメトリック閾値の他方は、被験者の心拍数ベースラインと比較した心拍数の要求される最小変化である。
【0318】
更なる非限定的な例として、第1のバイオメトリックセンサは、心拍数センサであり、第1の複数のバイオメトリックデータ要素は、心拍数センサによってキャプチャされる心拍数データである一方、第2のバイオメトリックセンサは、心拍数センサであり、第4の複数のバイオメトリックデータ要素は、心拍数センサによってキャプチャされる心拍数データである。そのような実施形態では、心拍数またはアイトラッキングに関する任意の閾値が使用され得る。例えば、非限定的な例として、第1のカテゴリに関連付けられる第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンの間、第1および第3のバイオメトリック閾値の一方は、被験者の心拍数ベースラインと比較した心拍数の要求される最小変化であり、第1および第3のバイオメトリック閾値の他方は、被験者のアイコンタクトベースラインと比較したアイコンタクトの長さの要求される最小変化である。
【0319】
いくつかの実施形態では、決定すること(D)は、第3のベースライン特性に対する第4の複数のバイオメトリックデータ要素の比較が、少なくとも1つのバイオメトリック閾値における第3のバイオメトリック閾値を満たすか否かを決定することを含む。例えば、非限定的な例として、第4の複数のバイオメトリックデータ要素がアイトラッキングセンサによってキャプチャされるアイトラッキングデータである実施形態では、決定すること(D)は、アイコンタクトベースライン特性(例えば、リラックス状態における被験者のアイコンタクトの長さ)に対するアイトラッキングデータ(例えば、アイコンタクトの長さ)の比較が、アイコンタクト閾値を満たすか否かを決定する。別の非限定的な例として、第4の複数のバイオメトリックデータ要素が心拍センサによってキャプチャされる心拍数データである実施形態では、決定すること(D)は、心拍数ベースライン特性(例えば、リラックス状態における被験者のbpm)に対する心拍数データ(例えば、bpm)の比較が、心拍数閾値を満たすか否かを決定する。
【0320】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の課題が正常に完了したと決定される場合、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのゲート基準が満たされているか否かを決定することを含む。いくつかの実施形態では、第1の課題が正常に完了したと決定される場合のこの決定は、第1のバイオメトリックデータ要素のセットが、第1の課題のための第1の提案される経験に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たすか否かを決定する結果に少なくとも部分的に基づいており、少なくとも1つのバイオメトリック閾値は、第1のバイオメトリック閾値を含み、第1の課題のための第1の提案される経験に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たすことによって第1の課題が正常に完了したか否かを評価し、第1のバイオメトリックデータ要素のセットが、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットを含み、第1のバイオメトリックデータ要素のセットが対応する第1の閾値ベースライン特性を満たすか否かを決定する結果に少なくとも部分的に基づいており、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのゲート基準が満たされるか否か決定する結果に少なくとも部分的に基づいており、またはそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいている。例えば、非限定的な例として、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのゲート基準が、閾値数の曝露課題、閾値数のCBT課題(例えば、閾値数のリフレームされる思考)などの最小限の数(例えば、3、4または5)の課題を正常に完了することを被験者に要求する単一のゲート基準を含むと仮定する。そのような実施形態では、決定することは、被験者が正常に完了した課題の数が、要求される課題の最小数を満たすか否か、または超えるか否かを決定する。別の非限定的な例として、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのゲート基準が、第1のゲート基準および第2のゲート基準を含むと仮定する。第1のゲート基準は、被験者が閾値数の課題を正常に完了することを要求し、第2のゲート基準は、第1のカテゴリに関連付けられる1以上の特定の課題(例えば、課題26-2)を正常に完了することを被験者に要求する。そのような実施形態では、決定すること(E)は、被験者が正常に完了した課題の数が、要求される課題の最小数を満たすか否かまたは超えるか否かだけでなく、被験者が要求される1以上の特定の課題のそれぞれを正常に完了したか否かも決定する。
【0321】
ブロック552。ブロック552を参照すると、本方法は、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのそれぞれのゲート基準における各ゲート基準が満たされている場合、決定すること(D)の結果(例えば、第1の課題のための第1の提案される経験に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たし、少なくとも1つのバイオメトリック閾値が、第1の課題のための第1の提案される経験に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たし、第1のバイオメトリックデータ要素のセットが、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける第1のバイオメトリックセンサによってキャプチャされる第1のバイオメトリックデータ要素のサブセットを含む、第1のバイオメトリックデータ要素のセットの正常な完了、第1のバイオメトリックデータ要素のセットが対応する第1の閾値ベースライン特性を満たすか否かの正常な完了、および第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのゲート基準が満たされるか否かの正常な完了)に少なくとも部分的に基づいて、被験者が次に実行する複数のカテゴリにおける第2のカテゴリを決定し、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善する曝露進行を実施すること(E)を含む。例えば、非限定的な例として、被験者に対して取得される複数のカテゴリが3つのカテゴリA、カテゴリBおよびカテゴリCのセットであり、カテゴリAが、被験者が正常に成功した(例えば、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのそれぞれのゲート基準における各ゲート基準が満たされる)第1のカテゴリであると仮定する。決定すること(E)は、カテゴリBまたはカテゴリCが、被験者が次に実行する第2のカテゴリであるべきか否か決定する。
【0322】
被験者が次に実行する第2のカテゴリを決定すること(E)は、少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素が第1の課題の少なくとも1つのバイオメトリック閾値を満たすか否かを決定すること(D)と、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのゲート基準が満たされるか否かを決定すること(E)とに少なくとも部分的に基づく。例えば、いくつかの実施形態では、被験者が次に実行する第2のカテゴリを決定すること(E)は、被験者が正常に完了した課題の数だけでなく、被験者がこれらの課題をどの程度良好に完了したか(例えば、要求を満たす、いくつかの要求を超える、ほとんどの要求を超える、全ての要求を超える)、および/または被験者がこれらの課題を通して達成した改善がどの程度か(例えば、僅か(merely)、中程度(moderate)、著しい(significant))にも基づく。いくつかの実施形態では、被験者が次に実行する第2のカテゴリを決定すること(E)は、被験者が要求される1以上の特定の課題の各々を正常に完了したか否かに基づくだけでなく、被験者が意図したまたは正常に完了した任意の追加の課題にも基づく。いくつかの実施形態では、被験者が次に行なう第2のカテゴリを決定すること(E)は、追加的または任意に、これらに限定されないが、他の教育的または療法的課題中の被験者のパフォーマンス、同じ課題中のユーザのポピュレーションのパフォーマンスなどを含む、他のサブスタンスに基づく。このように、本開示の方法は、各被験者に適合される曝露進行を提供するだけでなく、曝露プラクティスのタイミングおよび/または性質を個人化する。これは、被験者が1以上の社会的課題で成功したレベルに少なくとも部分的に基づいて、個人の曝露進行を動的に構築または変更する。
【0323】
ブロック554~556。ブロック554~556を参照すると、いくつかの実施形態では、被験者が次に実行する第2のカテゴリを決定すること(E)は、最初の曝露進行(例えば、少なくともブロック480によって例示されるように、被験者および/または他のデータからのアセスメントに基づく最初の曝露進行)における第1のカテゴリの直後のカテゴリが、被験者が次に実行するのに適切であるか否かを評価(assess)すること(E.1)を含む。いくつかの実施形態では、被験者が次に実行する第2のカテゴリを決定すること(E)はまた、最初の曝露進行における直後のカテゴリが、被験者が次に実行するのに適切である場合、最初の曝露進行における直後のカテゴリを被験者が実行する第2のカテゴリとして示すこと(E.2)を含む。いくつかの実施形態では、被験者が次に実行する第2のカテゴリを決定すること(E)は、最初の曝露進行における直後のカテゴリが、被験者が次に実行するのに不適切である場合、最初の曝露進行における直後のカテゴリ以外のカテゴリを被験者が次に実行する第2のカテゴリとして推奨すること(E.3)を更に含む。
【0324】
例えば、非限定的な例として、被験者に対して取得される複数のカテゴリが、3つのカテゴリA(例えば、曝露カテゴリ)、カテゴリB(例えば、CBTカテゴリ)、およびカテゴリC(例えば、マインドフルネスカテゴリ)のセットであり、カテゴリAを第1のカテゴリとし、直後にカテゴリBが続き、その次にカテゴリCが続くという最初の曝露進行にあるとする。被験者がカテゴリA(最初の曝露進行における第1のカテゴリ)を正常に完了したと決定される場合、本方法は、評価すること(E.1)において、カテゴリB(最初の曝露進行におけるカテゴリAの直後のカテゴリ)が、被験者が次に実行するのに適切であるか否かを決定する。カテゴリBが、被験者が次に実行するのに適切であると決定される場合、本方法は、示すこと(E.2)において、被験者が実行するカテゴリBを(例えば、ディスプレイに)示す。カテゴリBが、被験者が次に実行するのに適切ではないと決定される場合、本方法は、推奨すること(E.3)において、カテゴリCまたは被験者が実行する他の教育的/療法的課題(例えば、マインドフルネスまたは認知リフレーミング課題)を推奨する。推奨は、例えば、ディスプレイにインジケータ(例えば、テキスト、グラフィックなど)を配置することによって、オーディオなどを介して行われ得る。
【0325】
ブロック558。ブロック558を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのそれぞれのゲート基準における一のゲート基準が満たされない場合、第1のカテゴリに関連付けられる他の課題に対して、示すこと(B)、取得すること(C)、および決定すること(D)を1回以上回繰り返すこと(I)を更に含む。例えば、非限定的な例として、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのゲート基準が、最小限の3つの課題を正常に完了することを被験者に要求する第1のゲート基準を含むと仮定する。被験者が第1のカテゴリに関連付けられるただ1つの課題(例えば、課題26-1)を正常に完了したと決定される場合、繰り返すこと(J)は、第1のカテゴリに関連付けられる他の課題(例えば、課題26-2、課題26-3)に対して、示すこと(B)、取得すること(C)、および決定すること(D)を少なくとも2回繰り返す。被験者が2回の課題(例えば、課題26-1、課題26-2)を正常に完了したと決定される場合、繰り返すこと(I)は、第1のカテゴリに関連付けられる別の課題(例えば、課題26-3)に対して、示すこと(B)、取得すること(C)、および決定すること(D)を少なくとも1回繰り返す。
【0326】
別の非限定的な例として、第1のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのゲート基準が、第1のカテゴリに関連付けられる1以上の特定の課題(例えば、課題26-4)を正常に完了することを被験者に要求する第2のゲート基準を含むと仮定する。被験者が要求される1以上の特定の課題の各々を正常に完了していないと決定される場合、本方法は、被験者が第1のカテゴリに関連付けられる要求される最小限の数の課題を正常に完了した場合であっても、被験者に要件を通知し、被験者に要求される特定の課題を推奨する場合がある。いくつかの実施形態では、被験者または被験者に関連付けられる医療従事者による1以上の要求される課題(例えば、課題26-4)の選択時に、繰り返すこと(I)は、第1のカテゴリに関連付けられる1以上の要求される課題に対して、示すこと(B)、取得すること(C)、および決定すること(D)を1回以上繰り返す。
【0327】
ブロック560~574。560~570を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、第1の課題が失敗して完了したと決定される場合、被験者が次に実行する課題を推奨すること(J)を更に含む。推奨される課題は、これらに限定されないが、第1のカテゴリの第1の課題と同じまたはそれ未満の難易度の課題を提示する課題、第1のカテゴリの第1の提案される経験に対して設計される同じ第1の課題、第1のカテゴリの異なる提案される経験に対して設計される課題、複数のカテゴリにおける一の異なるカテゴリ(例えば、第2のカテゴリ)の提案される経験に対して設計される課題、複数のカテゴリにおけるいずれのカテゴリにも関連付けられていない課題などであり得る。いくつかの実施形態では、推薦は、第1の課題および/または他の1以上の課題での被験者のパフォーマンスに少なくとも部分的に基づく。
【0328】
例えば、非限定的な例として、複数のカテゴリが、4つの課題(例えば、課題26-1、課題26-2、課題26-3および課題26-4)に関連付けられる第1のカテゴリと、3つの課題(例えば、課題26-5、課題26-6および課題26-7)に関連付けられる第2のカテゴリとを含み、課題26-2が、課題26-1と同等またはそれ未満の難易度の課題を提示すると仮定する。一実施形態では、課題26-1が正常に完了していないと決定される場合、本方法は、推奨すること(K)において、被験者が次に実行する課題26-2を推奨する。別の実施形態では、課題26-1が正常に実行されなかったと決定される場合、本方法は、推奨すること(K)において、被験者が次に実行する課題26-1(つまり、同じ課題を1回以上繰り返すこと)を推奨する。更なる実施形態では、課題26-1が正常に実行されなかったと決定される場合、本方法は、推奨すること(J)において、第1のカテゴリに関連付けられていない被験者が次に実行する課題26-5を推奨する。代替的な実施形態では、本方法は、推奨すること(J)において、被験者が次に行なう課題を推奨する。
【0329】
推奨される課題は、これらに限定されないが、マインドフルネス課題、認知リフレーミング課題などであり得る。いくつかの実施形態では、課題は、第1のカテゴリに対してカスタマイズされる固有のマインドフルネス課題、複数のカテゴリにおける各カテゴリからアクセス可能なユニバーサルマインドフルネス課題、第1のカテゴリに対してカスタマイズされる固有の認知リフレーミング課題、または複数のカテゴリにおける各カテゴリからアクセス可能なユニバーサル認知リフレーミング課題である。
【0330】
推奨は、任意の適切な方法で被験者に示され得る。例えば、いくつかの実施形態では、推奨は、テキスト、グラフィック、オーディオ(例えば、デジタルリアリティホストによって話される)、またはそれらの組み合わせで示される。推奨により、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、関与の可能性(likelihood of engagement)および/またはより良好な臨床転帰(better clinical outcome)を改善する。
【0331】
ブロック576。ブロック576を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、推奨される課題の選択に応じて、推奨される課題に対して、示すこと(B)、取得すること(C)、および決定すること(D)を繰り返すこと(K)を更に含む。例えば、推奨される課題の選択に応じて、本方法は、本明細書に開示され、少なくともブロック480によって例示されるものと同様に、推奨される課題を明示するデジタルリアリティシーンを示す。推奨される課題を明示するデジタルリアリティシーンの提示と連携して、本方法は、本明細書に開示され、少なくともブロック482によって例示されるものと同様に、複数のセンサにおける全てのセンサまたはセンサのサブセットから複数のデータ要素を取得し、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、被験者が推奨される課題を完了している間に、被験者に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素をキャプチャする。被験者が推奨される課題を完了している間にキャプチャされる少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素に基づいて、本方法は、本明細書に開示され、少なくともブロック484によって例示されるものと同様に、推奨される課題が正常に完了したか否かを決定する。
【0332】
ブロック578。ブロック578を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、課題の選択に応じて、ディスプレイに、課題を明示する第2のデジタルリアリティシーンを示すこと(L)を更に含む。例えば、推奨される課題がマインドフルネス課題である実施形態では、本方法は、マインドフルネス課題を明示するデジタルリアリティシーン、例えば、今この瞬間に集中するように被験者を導くデジタルリアリティシーンを示す。いくつかの実施形態では、マインドフルネス課題を明示するデジタルリアリティシーンは、図6Bに示すデジタルリアリティシーンなどの仲裁(メディエーション)シーンである。しかし、本開示はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、推奨される課題は、図6Cに示すデジタルリアリティシーンなどのデジタルリアリティシーンによって明示される認知課題である。
【0333】
ブロック580。ブロック580を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、課題を明示する第2のデジタルリアリティシーンを示すこと(L)と連携して、複数のセンサにおけるセンサのサブセットから第3の複数のデータ要素を取得すること(M)を更に含む。第3の複数のデータ要素は、被験者が課題を明示する第2のデジタルリアリティシーンを完了している間に、被験者に関連付けられ(例えば、少なくとも1つのバイオメトリックセンサにおける第1のバイオメトリックセンサによって)キャプチャされる第3の複数のバイオメトリックデータ要素を含む。例えば、非限定的な例として、対応する閾値ベースライン特性が、憩いの場でのトレーニングまたは教育的課題中にキャプチャされる被験者の心拍数であり、取得すること(C)からの第1の複数のバイオメトリックデータ要素が、被験者が第1のデジタルリアリティシーンにおいて第1の課題を完了している間にキャプチャされる被験者の心拍数であり、第3の複数のバイオメトリックデータ要素が、被験者がマインドフルネス課題を完了している間にキャプチャされる心拍数であると仮定する。
【0334】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、対応する閾値ベースライン特性に対して、または取得すること(C)からの第1の複数のバイオメトリックデータ要素に対して、第3の複数のバイオメトリックデータ要素を比較することで変化または改善を決定すること(N)を含む。いくつかの実施形態では、対応する閾値ベースライン特性に対する、または取得すること(C)からの第1の複数のバイオメトリックデータ要素に対する第3の複数のバイオメトリックデータ要素の比較は、マインドフルネス課題の有効性を明らかにし、社会的課題と共に他の課題を使用することによって関与の可能性および/またはより良好な臨床結果を改善するための洞察(インサイト)を提供する。
【0335】
本開示は、マインドフルネス課題および心拍数バイオメトリック測定に限定されないことに留意すべきである。任意の適切な教育プログラムまたは療法プログラム(例えば、イントロダクション、トレーニング、認知リフレーミング)が課題となり得、任意の適切なバイオメトリックデータ(例えば、音声、眼球運動)が教育プログラムまたは療法プログラム中にキャプチャされ得る。ベースラインまたは第1の課題中に取得されるバイオメトリックデータ要素に対して教育プログラムまたは療法プログラム中に取得されるバイオメトリックデータを比較することによって、本方法は、教育プログラムまたは療法プログラムの効果を決定できる。
【0336】
ブロック582~584。ブロック582~584を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、決定すること(E)の前にディスプレイに、主観的評価オプションを示すこと(O)、例えば、被験者が完了した課題/カテゴリ、被験者が完了していない課題/カテゴリ、またはその両方について被験者が評価を行いたいか否かを被験者に尋ねることを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、主観的評価オプションの選択に応じて、主観的評価を実行すること(P)を更に含む。
【0337】
いくつかの実施形態では、主観的評価は、クライアントデバイスのユーザインタフェース(例えば、図3のクライアントデバイス300-1のユーザインタフェース306)を介して実行される。いくつかの他の実施形態では、主観的評価は、クライアントデバイスまたはデジタルリアリティシステム200と通信するウェブブラウザを介して実行される。いくつかの実施形態では、主観的評価は、被験者に関連付けられる医療従事者(例えば、医師)の監督(supervision)なしに被験者によって自己管理される(self-administered)。いくつかの他の実施形態では、主観的評価は、被験者によって、被験者に関連付けられる医療従事者の監督を伴って行われる。
【0338】
図8A図8Cを参照すると、いくつかの実施形態では、主観的評価は、被験者が回答する複数のプロンプトを含む。例えば、いくつかの実施形態では、主観的評価は、2個よりも多い、5個よりも多い、10個よりも多い、15個よりも多い、20個よりも多い、30個よりも多い、50個よりも多い、100個よりも多い、または200個よりも多い、被験者が回答するプロンプトを含む。いくつかの実施形態では、主観的評価は、約12の被験者が回答するプロンプトを含む。代替的な実施形態では、主観的評価は、約24のプロンプトを含む。
【0339】
いくつかの実施形態では、主観的評価は、臨床における最小重要差(Minimal Clinically Important Difference)(MCID)、Clinical Global Impression Scale of Improvement(CGI)、Patient Global Impression Scale of Improvement(PGI)、リーボウィッツ社交不安尺度(LSAS)、またはそれらの組み合わせに基づく。いくつかの実施形態では、MCID、CGI、PGI、および/またはLSASは、図2Aのアセスメントモジュール12の一部である。
【0340】
MCIDは、被験者に対する最小の価値のある利益を指す。これは、改善の大きさと、被験者が変化に置く価値の両方をキャプチャする。MCIDは、結果が被験者にとって意味のあるものとなるために変化しなければならない最小量を定める。MCIDアセスメントに関する更なる詳細および情報は、Kaplan, R., 2005, “The Minimally Clinically Important Difference in Generic Utility-based Measures,” COPD: Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease, 2(1), pg. 91に見出され得る。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0341】
CGIは、精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力における重大度(severity)および/または変化を評価する。CGIスケールアセスメントに関する更なる詳細および情報は、Perez et al., 2007, “The Clinical Global Impression Scale for Borderline Personality Disorder Patients (CHI-BPD): A Scale Sensible to Detect Changes,” Actas Espannolas de Psiquiatria, 35(4), pg. 229に見出され得る。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0342】
PGIは、CGIスケールアセスメントの臨床医レイテッドフォーマット(clinician rated format)とは対照的に、患者レイテッドフォーマット(patient rated format)を提供する。PGIアセスメントに関する更なる詳細および情報は、Faith et al., 2007, “Twelve Years-Experience with the Patient Generated Index (PGI) of Quality of Life: A Graded Structured Review,” Quality of Life Research, 16(4), pg. 705に見出され得る。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0343】
LSASは、臨床研究およびプラクティスにおける社交不安障害を評価する(assess)。これは、自己報告型(LSAS-SR)および臨床医管理型(LSAS-CA)を含む。LSASアセスメントに関する更なる詳細および情報は、Rytwinski et al., 2009, “Screening for Social Anxiety Disorder with the Self-Report Version of the Liebowitz Social Anxiety Scale,” Depression and Anxiety, 26(1), pg. 34に見出され得る。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0344】
いくつかの実施形態では、被験者が次に行なう複数のカテゴリにおける一のカテゴリを決定すること(E)は、主観的評価の結果に、少なくとも部分的に基づく。例えば、非限定的な例として、被験者に対して取得される複数のカテゴリが、3つのカテゴリA、カテゴリB、およびカテゴリCのセットであると仮定する。3つのカテゴリは、被験者がプログラムを開始する前に、被験者、被験者に関連付けられる医療従事者、および/またはモデルによって、カテゴリA、カテゴリB、およびカテゴリCの順序で、最初にランク付けされる。被験者がカテゴリAに関連付けられる要求される課題および/または他の要件を正常に完了した後、主観的評価は、被験者がカテゴリCをカテゴリBよりも挑戦的である(challenging)と考えていることを示す。被験者者が次に行なうカテゴリを決定する際に、本方法は主観的評価を考慮する。例えば、一実施形態では、被験者および/またはモデルに関連付けられる医療従事者による主観的評価の確認時に、本方法は、カテゴリBの代わりにカテゴリCを被験者が実行する次のカテゴリとして決定する。方法400は、主観的評価および/または他の要因(例えば、被験者が1以上の社会的課題で成功したレベル、被験者に関連付けられる医療従事者の評価または確認)に少なくとも部分的に基づいて、個人の曝露進行を動的に構築または変更し、曝露プラクティスのタイミングおよび/または性質を個人化する。
【0345】
主観的評価オプションを示すこと(O)および主観的評価オプションを実行すること(P)は、他の時間に実行され得ることに留意すべきである。例えば、非限定的な例として、それらは、被験者がカテゴリ(例えば、第1、第2、または第3のカテゴリ)に関連付けられる1以上の課題を正常に完了した後に、カテゴリに関連付けられる全ての要件をまだ正常に完了していない状態で行われ得る。別の非限定的な例として、それらは、被験者がカテゴリに関連付けられる課題を1回以上正常に完了できなかった後に行われ得る。更なる非限定的な例として、いくつかの実施形態では、本方法は、被験者が、望むときにいつでも主観的評価を開始、終了または再開することを可能にする。
【0346】
主観的評価は、様々な方法で使用され得る。例えば、これは、複数のカテゴリにおける一のカテゴリに関連付けられる経験をランク付けまたは再ランク付けするため、複数のカテゴリをランク付けまたは再ランク付けするため、代わりのまたは追加の課題またはカテゴリを推奨するため、教育的または療法的課題(例えば、マインドフルネス課題、再認知リフレーミング課題など)を推奨するため、またはそれらの組み合わせのために使用され得る。図8Dは、主観的評価の使用の非限定的な例、例えば、目標、課題などの推奨を示す。
【0347】
ブロック586。ブロック586を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、第2のカテゴリの提案される経験に対して設計される課題を明示するデジタルリアリティシーンに対して、示すこと(B)、取得すること(C)、および決定すること(D)を繰り返すこと(Q)と、第2のカテゴリに対して、決定すること(E)を繰り返すこと(R)と、を含む。
【0348】
例えば、非限定的な例として、第2のカテゴリが経験26-jに関連付けられ、経験26-jが、第2のカテゴリの経験26-jに対して設計される課題26-jを明示するデジタルリアリティシーン40‐jに関連付けられると仮定する。本方法は、本明細書に開示され、少なくともブロック480によって例示されるものと同様に、課題26-jを明示するデジタルリアリティシーン40‐jを示す。デジタルリアリティシーン40-jの提示と連携して、本方法は、本明細書に開示され、少なくともブロック482によって例示されるものと同様に、複数のセンサにおける全てのセンサまたはセンサのサブセットから複数のデータ要素を取得し、少なくとも1つのバイオメトリックセンサは、被験者が課題26-jを完了している間に、被験者に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素をキャプチャする。被験者が課題26-jを完了している間にキャプチャされる少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素に基づいて、本方法は、本明細書に開示され、少なくともブロック484によって例示されるものと同様に、課題26-jが正常に完了したか否かを決定する。課題26-jが正常に完了したと決定される場合、本方法は、本明細書に開示され、少なくともブロック550によって例示されるものと同様に、第2のカテゴリに関連付けられる少なくとも1つのゲート基準が満たされているか否かを決定する。
【0349】
ブロック588。ブロック588を参照すると、いくつかの実施形態では、取得すること(A)で取得される複数のカテゴリは、当初は、初期カテゴリ階層(initial category hierarchy)に配置され、最初の曝露進行を形成する。例えば、図7Aを参照すると、いくつかの実施形態では、被験者に対して取得される複数のカテゴリは、第1のカテゴリ740-1、第2のカテゴリ740-2、および第3のカテゴリ740-3を含む。これらの3つのカテゴリのうち、第1のカテゴリ740-1は、被験者にとって最も挑戦的でないと考えられ、第3のカテゴリ740-3は、被験者にとってより挑戦的であると考えられ、第2のカテゴリ740-2は、被験者にとって最も挑戦的であると考えられる。複数のカテゴリは、当初は、初期カテゴリ階層に配置される。例えば、図7Bは、順に位置する第1、第2、および第3のカテゴリを示す。初期カテゴリ階層に配置される複数のカテゴリは、最初の曝露進行を形成する。
【0350】
いくつかの実施形態では、初期カテゴリ階層は、(i)システム管理者、(ii)被験者、(iii)被験者に関連付けられる医療従事者、(iv)モデル、または(v)それらの組み合わせによって設定される。例えば、非限定的な例として、いくつかの実施形態では、カテゴリがより挑戦的である、またはより挑戦的ではないと考えられるか否かは、例えば、被験者からのアセスメントおよび/または主観的評価の取得を容易にするアセスメントモジュール12を介して、アセスメントおよび/または主観的評価から決定される。アセスメントに応答することにより、被験者は、カテゴリの選択および順序に対する入力を提供し、最初の曝露進行の形成に少なくとも役立つ。別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、カテゴリがより挑戦的である、またはより挑戦的ではないと考えられるか否かは、被験者に関連付けられる医療従事者によって、例えば、医療従事者に被験者によって得られるアセスメントの一部または全部を評価させて、最初の曝露進行を生成することによって、決定される。
【0351】
更に別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、初期カテゴリ進行は、少なくとも部分的にモデルによって生成される。例えば、いくつかの実施形態では、モデルは、少なくとも被験者からのアセスメント、任意にまたは追加的に他のデータ(例えば、図2Aのユーザプロファイルデータ)を取得し、被験者からのアセスメントおよび/または他のデータに基づいて最初の曝露進行を生成する。いくつかの実施形態では、モデルは、最高から最低までの主観的レーティング(例えば、「軽度」、「中度」、「重度」、または「反応なし」のユーザが提供するレーティング)、最高から最低までの客観的レーティング(例えば、デジタルリアリティシステム200または被験者に関連付けられる医師によって決定される、最も効果的なものから最も効果的でないものまでのランキング)、および/または他のデータを取得し、主観的レーティング、客観的レーティング、および/または他のデータに基づいて、最初の曝露進行を生成する。いくつかの実施形態では、医師およびモデルは、例えば、医師にモデルに対する入力および/または監督を提供させることによって、最初の曝露進行を生成する。
【0352】
更に別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、推奨される曝露進行は、(i)システム管理者、(ii)被験者、(iii)被験者に関連付けられる医療従事者、(iv)モデル、または(v)それらの組み合わせによって生成される。推奨される曝露進行が被験者に示される。いくつかの実施形態では、被験者は、推奨される曝露進行を確認するか、またはカテゴリの順序を変更して、推奨される曝露進行とは異なる最初の曝露進行を作成する。例えば、例として、図7Bは、図の左から右への順序で位置する第1のカテゴリ740-1、第2のカテゴリ740-2、および第3のカテゴリ740-3を有する推奨される曝露進行を示す。図7Aは、被験者によって作られたカテゴリの順序の変化を示し、第1のカテゴリ740-1、第3のカテゴリ740-3、および第2のカテゴリ740-2の順序を有する最初の曝露進行を示す。
【0353】
ブロック590~592。ブロック590~592を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、曝露進行のイニシャルインスタンス(例えば、図7Aのユーザインタフェース700のグラフ、図9Dのユーザインタフェース1800のグラフ、図12Aのユーザインタフェース1400のグラフ、図12Bのユーザインタフェース1400のグラフなど)を表わすグラフをディスプレイに示すこと(F)を更に含む。示すこと(F)は、一般に、第1のカテゴリの第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンを示すこと(B)の前に実行される。
【0354】
グラフは、複数のノードおよび複数のエッジを含む。例えば、非限定的な例として、図7Bは、3つのノード、つまり、ノード730-1、ノード730-2、およびノード730-3を示す。複数のノードにおけるそれぞれのノードに対して、グラフは、それぞれのノードに隣接して表示される対応する複数の経験グラフィックを更に含む。例えば、非限定的な例として、図7Aは、ノード730-1に隣接して表示される経験グラフィック、例えば、経験グラフィック742-1、経験グラフィック742-2、経験グラフィック742-3、…を示す。経験グラフィックは、提案される経験を表わす。例えば、いくつかの実施形態では、経験742-1は、経験24-1を表し、経験グラフィック742-2は、経験24-2を表わす。図7Aはまた、ノード730-2に隣接して表示される複数の経験グラフィック、およびノード730-3に隣接して表示される複数の経験グラフィックを示す。
【0355】
グラフでは、複数のノードにおけるそれぞれのノードは、複数のカテゴリにおけるそれぞれのカテゴリに対応する。例えば、図示の実施形態では、ノード730-1は、第1のカテゴリ740-1(例えば、第1の曝露カテゴリ、第1のCBTカテゴリなど)に対応し(例えば、表し)、ノード730-2は、第2のカテゴリ740-2(例えば、第2の曝露カテゴリ、第1のマインドフルネスカテゴリなど)に対応し、ノード730-3は、第3のカテゴリ740-3(例えば、第2のマインドフルネスカテゴリ、第2のCBTカテゴリなど)に対応する。
【0356】
グラフでは、複数のノードにおける各それぞれのノードはまた、対応する複数の提案される経験に関連付けられる。例えば、非限定的な例として、ノード730-1は、第1の経験24-1(例えば、第1のパーティーで他人と会うこと)、第2の経験24-2(例えば、第2のパーティーで他人に会うこと)、第3の経験24-3(例えば、結婚パーティーで他人に会うこと)、第4の経験24-4(例えば、ワークイベントで他人に会う)、第5の経験24-5(例えば、デート用アプリ(dating app)で他人に会うこと)、および第6の経験24-6(例えば、就学する場合に他人に会うこと)に関連付けられる。ノード730-2およびノード730-3はそれぞれ、経験、例えば、デジタルリアリティシステム200の経験ストア22からの経験に関連付けられる。
【0357】
グラフでは、複数のノードにおける各それぞれのノードは、複数のゲート基準における少なくとも1つのそれぞれのゲート基準に更に関連付けられる。つまり、複数のノードにおける各それぞれのノードは、それが対応するカテゴリと同じゲート基準または基準に関連付けられる。いくつかの実施形態では、本方法は、グラフの各それぞれのノードに関連付けられる各それぞれのゲート基準の完了ステータスを表示する。
【0358】
いくつかの実施形態では、グラフにおける一のノードに関連付けられるゲート基準は、グラフにおける他のノードに進む前に被験者により満たされることになっている条件を指定する。例えば、図7Aに示す実施形態では、グラフのノード730-1に関連付けられるゲート基準は、グラフのノード730-3に進む前に被験者により満たされることになっている条件を指定する。グラフのノード730-3に関連付けられるゲート基準は、グラフのノード730-2に進む前に被験者によって満たされることになっている条件を指定する。
【0359】
いくつかの実施形態では、グラフの1つのノードに関連付けられるゲート基準は、グラフのノードをアクティブにする前に被験者によって満たされることになっている条件を指定する。例えば、図7Aに示す実施形態では、グラフのノード730-1に関連付けられるゲート基準は、グラフのノード730-1をアクティブにする前に被験者によって満たされることになっている条件を指定する。グラフのノード730-3に関連付けられるゲート基準は、グラフのノード730-3をアクティブにする前に被験者によって満たされることになっている条件を指定する。
【0360】
グラフでは、複数のノードにおけるそれぞれのノードに対して、対応する複数の経験グラフィックにおける各それぞれの経験グラフィックは、複数の提案される経験におけるそれぞれの提案される経験に対応する。例えば、非限定的な例として、図7Aのノード730-1に隣接して表示される経験グラフィック742-1は、第1のカテゴリの経験24-1に対応する(例えば、表す)。同様に、経験グラフィック742-2、経験グラフィック742-3、経験グラフィック742-4、経験グラフィック742-5、経験グラフィック742-6は、第1のカテゴリの経験24-2、経験24-3、経験24-4、経験24-5、および経験24-6に対応する。
【0361】
グラフでは、複数のノードにおける各それぞれのノードに対して、対応する複数の経験グラフィックにおける各それぞれの経験グラフィックはまた、複数のバイオメトリック閾値における少なくとも1つのバイオメトリック閾値に関連付けられる。つまり、複数の経験グラフィックにおける各それぞれの経験グラフィックは、それが対応する経験と同じ1以上のバイオメトリック閾値に関連付けられる。
【0362】
いくつかの実施形態では、複数のノードにおける各それぞれのノードは、複数のエッジのエッジにおける一のエッジによって、グラフの少なくとも1つの他のノードに接続される。例えば、例として、図7Aは、ノード730-1(ユーザによって選択されグラフに配置される第1のノード)が、エッジ744-1およびエッジ744-2によって、ノード730-3(ユーザによって選択されグラフに配置される第2のノード)に接続されていることを示している。ノード730-3は、エッジ744-3によってノード730-2(ユーザによって選択されグラフに配置される第3のノード)に接続されている。
【0363】
いくつかの実施形態では、複数のエッジにおける各それぞれのエッジは、それぞれの初期ノードによって表されるカテゴリの被験者による正常な完了時の(例えば、それぞれの初期ノードによって表されるカテゴリに関連付けられる対応する課題の必要数)、グラフのそれぞれの初期ノードとそれぞれの後続ノードとの間のグラフ内の進行を表わす。例えば、非限定的な例として、グラフにおいて、ノード730-1がそれぞれの初期ノードであり、ノード730-3がそれぞれの後続ノードであると仮定する。ノード730-1は、6つの提案される経験に関連付けられ、各提案される経験は、対応する課題を明示する対応するデジタルリアリティシーンに関連付けられる。ノード730-3に進むために、被験者は、ノード730-1に関連付けられる対応する課題の最小数(例えば、3、4または5)を正常に完了しなければならない。ノード730-1に関連付けられる対応する課題の最小数の正常な完了なしに、被験者は、被験者に関連付けられる医療従事者(例えば、医師)が介入しない限り、ノード730-3に進むことができない(例えば、ノード730-3は、ノード730-3に関連付けられる提案される経験のアクセスを可能にするためにアクティブにされない場合がある)。
【0364】
いくつかの実施形態では、複数のノードにおけるそれぞれのノードに対して、グラフは、ブランチ746-1、ブランチ746-2、およびブランチ746-3などの複数のブランチを更に含む。いくつかの実施形態では、複数の経験グラフィックにおける各経験グラフィックは、複数のブランチにおける一のブランチによって複数のノードにおけるそれぞれのノードに接続される。例えば、非限定的な例として、図7Aは、経験グラフィック742-1、経験グラフィック742-2、経験グラフィック742-3、経験グラフィック742-4、経験グラフィック742-5、および経験グラフィック742-6の各々が、ブランチによってノード730-1に接続されていることを示す。具体的には、経験グラフィック742-1は、ブランチ746-1によってノード730-1に接続され、経験グラフィック742-6は、ブランチ746-6によってノード730-1に接続される。
【0365】
グラフは、他の任意の、代替の、または追加の要素を含み得ることに留意すべきである。例えば、グラフは、認知リフレーミングトレーニング、認知リフレーミング課題、マインドフルネストレーニング、マインドフルネス課題、および代替/追加の曝露エクササイズなどの他の教育的または療法的課題を表わす1以上のノード、例えば、ノード760およびノード770を含み得る。グラフはまた、ランドマーク/ランドスケープなどの他の要素を含み得る。グラフはまた、例えば、変更され、アニメーション化され得る。ディスプレイにグラフを示すことに関する追加の情報は、米国仮特許出願第63/223,871号に見出され得る。この文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0366】
ブロック594。ブロック594を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる取得される複数の提案される経験は、当初は、最初の第1の経験階層に配置され、最初の第1のサブプログレッション(例えば、第1のカテゴリ内の最初の第1の経験進行)を形成する。例えば、いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる取得される複数の提案される経験は、第1の経験24-1(例えば、第1のパーティーで他人に会う第1の曝露経験、思考を再構成する第1のCBT経験)、第2の経験24-2(例えば、第2のパーティーで他人に会う第2の曝露経験、思考の有用性を決定する第2のCBT経験)、第3の経験24-3(例えば、結婚パーティーで他人に会う第3の曝露経験、思考を拡散する第3のCBT経験)、第4の経験24-4(例えば、ワークイベントで他人に会う第4の曝露経験)、第5の経験24-5(例えば、デート用アプリで他人に会う第5の曝露経験)、および第6の経験24-6(例えば、就学する場合に他人に会う第6の曝露経験)を含む。いくつかの実施形態では、これらの6つの経験のうち、第6のカテゴリは、被験者にとって最も挑戦的ではないと考えられ、第3の経験、第1の経験、第2の経験、および第4の経験がその後に続く。第5の経験は、被験者にとって最も挑戦的であると考えられる。このような場合、6つの経験は、当初は、最初の第1の経験階層、つまり、第6の経験、第3の経験、第1の経験、第2の経験、第4の経験、および第5の経験の順序で配置される。最初の第1の経験階層に配置される複数の経験は、最初の第1のサブプログレッションを形成する。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0367】
いくつかの実施形態では、第1のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験に対応する経験グラフィックは、グラフに特定の順序で配置され、最初の第1の経験階層を表わす。例えば、非限定的な例として、図7Aは、ノード730-1に隣接して時計回りに配置される経験グラフィック742-6、経験グラフィック742-3、経験グラフィック742-1、経験グラフィック742-2、経験グラフィック742-4、および経験グラフィック742-5を示す。しかし、本開示はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、経験グラフィックは、反時計回りにグラフに配置される。いくつかの実施形態では、経験グラフィックは、昇順でグラフに配置される。いくつかの実施形態では、経験グラフィックは、グラフに降順に配置される。いくつかの実施形態では、経験グラフィックは、グラフに順番に配置されず、最初の第1の経験階層が、数字、テキストなどの他のインジケータによって表される。
【0368】
いくつかの実施形態では、最初の第1の経験階層は、(i)システム管理者、(ii)被験者、(iii)被験者に関連付けられる医療従事者、(iv)モデル、または(v)それらの組み合わせによって設定される。最初の第1の経験階層を生成することは、前述の初期カテゴリ曝露進行を生成することと同様である。例えば、いくつかの実施形態では、経験がより挑戦的である、またはより挑戦的ではないと考えられるか否かは、(i)アセスメントまたは主観的評価から、例えば、被験者からのアセスメント/主観的評価の取得を容易にするアセスメントモジュール12を介して、および/または(ii)被験者に関連付けられる医療従事者によって、例えば、医療従事者に被験者によって取得されるアセスメントの一部または全部を評価させ、最初の第1の経験進行を生成させることによって、決定される。いくつかの実施形態では、初期の第1の経験階層は、モデルによって、被験者からのアセスメントおよび/または他のデータ(例えば、図2Aのユーザプロファイルデータ)に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも部分的に生成される。いくつかの実施形態では、医師およびモデルは、例えば、医師にモデルに対する入力および/または監督を提供させることによって、最初の第1の経験進行を生成する。いくつかの実施形態では、最初の第1の経験進行は、推奨される第1の経験進行を変更する被験者によって生成される。
【0369】
いくつかの実施形態では、第2のカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験は、当初は、最初の第2の経験階層に配置され、最初の第2のサブプログレッション(例えば、第2のカテゴリ内の最初の経験進行)を形成する。いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける各それぞれのカテゴリに関連付けられる複数の提案される経験は、当初は、最初の経験階層に配置され、複数の初期のサブプログレッションを形成する。
【0370】
いくつかの実施形態では、複数のカテゴリにおける各カテゴリは、予測される有効性の第1の固有のランキングまたは被験者による関心の第2の固有のランキングなど、それぞれの経験階層内の固有のランクに関連付けられる。例えば、いくつかの実施形態では、固有のランクは、階層内の相対的な位置を定めるように構成される。いくつかの実施形態では、固有のランクは、複数のカテゴリにおける各カテゴリのインデクシングを提供し、2つのカテゴリが複数のカテゴリのインデクシング内で同じランキングを有さない。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0371】
ブロック596~602。ブロック596~602を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、最初の第1のサブプログレッションにおける第1の提案される経験の直後の提案される経験が、被験者が次に実行するのに適切であるか否かを評価する(assess)こと(S)を更に含む。例えば、非限定的な例として、被験者が、経験24‐mに対して設計される課題26‐mを正常に完了し、経験24‐nが、最初の経験階層(例えば、第1のサブプログレッション)における経験24‐mの直後であると仮定する。本方法は、経験24‐nが、被験者が次に実行するのに適切であるか否かを評価する(assess)。いくつかの実施形態では、経験24‐nが、被験者が次に実行するのに適切であるか否かのアセスメントは、少なくとも部分的に、経験24‐mに対して設計される課題26‐mで被験者が成功したレベルに基づく。
【0372】
いくつかの実施形態では、本方法は、直後の提案される経験が、被験者が次に実行するのに適切である場合、最初の第1のサブプログレッションにおける直後の提案される経験に対して設計される課題を明示するデジタルリアリティシーンを示すこと(T)を更に含む。例えば、非限定的な例として、経験24‐nが、被験者が次に実行するのに適切であると決定される場合、本方法は、本明細書に開示され、少なくともブロック480によって例示されるものと同様に、課題26‐nを明示するデジタルリアリティシーン40‐nを示す。
【0373】
いくつかの実施形態では、本方法は、最初の第1のサブプログレッションにおける直後の提案される経験に対して設計される課題に対して、取得すること(C)、および決定すること(D)を繰り返すこと(U)を更に含む。例えば、非限定的な例として、本方法は、本明細書に開示され、少なくともブロック482によって例示されるものと同様に、複数のセンサにおける全てのセンサまたはセンサのサブセットから複数のデータ要素を取得し、少なくとも1つのバイオメトリックセンサが、被験者が課題26‐nを完了している間に、被験者に関連付けられる少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素をキャプチャする。被験者が課題26‐nを完了している間にキャプチャされる少なくとも1つのバイオメトリックデータ要素に基づいて、本方法は、本明細書に開示され、少なくともブロック484によって例示されるものと同様に、課題26‐nが正常に完了したか否かを決定する。
【0374】
いくつかの実施形態では、本方法は、直後の提案される経験が、被験者が次に実行するのに不適切である場合、被験者が次に実行するために、直後の提案される経験以外の提案される経験を推奨すること(V)を更に含む。例えば、非限定的な例として、経験26‐nが、被験者が次に実行するのに不適切であると決定される場合、本方法は、被験者が次に実行するための経験26‐oを推奨し、経験26‐oは、経験26‐mと同じカテゴリに関連付けられるが、最初の経験階層における経験26‐mの直後ではない。しかし、本開示はこれに限定されない。例えば、いくつかの代替実施形態では、本方法は、経験26‐mとは異なるカテゴリに関連付けられる経験、複数のカテゴリのいずれにも関連付けられていない経験、教育的課題、マインドフルネス課題、認知リフレーミング課題などを推奨する。
【0375】
図4A図4Rに示すプロセスは、必ずしも順番通りではないことに留意すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、少なくともブロック590によって例示されるようにグラフを示すこと(F)は、少なくともブロック480によって例示されるように第1のカテゴリの第1の提案される経験に対して設計される第1の課題を明示する第1のデジタルリアリティシーンを示すこと(B)の前に実行される。いくつかの実施形態では、少なくともブロック582によって例示されるように主観的評価オプションを示すこと(O)および主観的評価を実行すること(P)は、少なくともブロック432によって例示されるように被験者に対して複数のカテゴリを取得すること(A)の前に実行される。いくつかの実施形態では、少なくともブロック582によって例示されるように主観的評価オプションを示すこと(O)および主観的評価を実行すること(P)は、少なくともブロック586によって例示されるように第2のカテゴリに対して繰り返すこと(Q)および(R)の後に実行される。
【0376】
また、本方法は、任意の意味のある有用な組合せでフローチャートに例示される追加的、任意的、および/または代替的なプロセスを含み得ることに留意すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、被験者に対する報告を生成すること、および/または被験者に報告を示すことを含む。
【0377】
本明細書に開示され、フローチャートに例示されるプロセスは、完全に実行できるが、実行する必要はないことに更に留意すべきである。被験者および/または被験者と関連付けられる医療従事者は、必要なとき、または望むときに、プロセスを開始、終了、再開(resume)またはリスタートできる。
【0378】
更に、いくつかの実施形態では、本開示は、曝露進行を実施するためのデバイス(例えば、図3のクライアントデバイス300および/または図2Aおよび図2Bのデジタルリアリティシステム200)を提供することを対象とする。デバイスは、被験者の精神医学的または精神的状態を管理する被験者の能力を改善するように構成される。更に、デバイスは、1以上のプロセッサと、1以上のプロセッサに結合されるメモリとを含む。メモリは、1以上のプロセッサによって実行されるように構成される1以上のプログラムを含む。1以上のプログラムは、コンピュータシステムに本開示の方法を実行させるように構成される。いくつかの実施形態では、デバイスは、ディスプレイおよび/またはオーディオ回路(例えば、スピーカ)を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、二次元ピクセレイテッド検出器と光学的に通信する対物レンズを含む。
【0379】
図10A図10Bおよび図10Cを参照すると、社交不安障害または大うつ病オーダーなどのメンタルヘルス問題を有する個人(例えば、18歳以上の個人)の処置のために本開示のデバイス、システムおよび/または方法を利用する様々な療法的曝露進行が示されている。いくつかの実施形態では、曝露進行は、被験者に関連付けられるヘルスケア専門家(例えば、臨床医)に、被験者に対する曝露進行を(例えば、必要に応じて、)非同期的に監視および調整する能力を与えながら、被験者(例えば、患者)によって自宅で使用されるように構築される。いくつかの態様において、本開示のシステムおよび/または方法の使用は、被験者によって示される精神医学的または精神的状態の処置を提供する。つまり、いくつかの実施形態では、本開示は、本開示のシステムおよび/または方法を使用することによって精神医学的または精神的状態を処置する方法を含む。いくつかの実施形態では、精神医学的または精神的状態を処置する方法は、任意の精神医学的薬物(例えば、被験者によって示される精神医学的または精神的状態を処置するために被験者に投与される医薬組成物)との併用療法および/または1以上の補助療法を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)医薬組成物、選択的セロトニンおよびノルエピネフリン阻害薬(SNRI)医薬組成物、ノルエピネフリンドーパミン再取り込み阻害薬(NDRI)医薬組成物、NメチルDアスパラギン酸受容体拮抗薬医薬組成物、セロトニン医薬組成物、三環系抗うつ薬医薬組成物、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)医薬組成物、四環系抗うつ薬医薬組成物、Lメチルフォレート医薬組成物、ベンゾジアゼピン医薬組成物、β遮断薬医薬組成物からなる群から選択される少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、クロルプロマジン、ペルフェナジン、トリフルオロペラジン、メソリダジン、フルフェナジン、チオチキセン、モリドン、チオリダジン、ロキサピン、ハロペリドール、アリピプラゾール、クロザピン、ジプラシドン、リスペリドン、ケチアピン医薬組成物、オランザピン、シタロプラム、エスシタロプラム、フルボキサミン、パロキセチン、フルオキセチン、セルトラリン、クロミプラミン、アモキサピン、アミトリプチリン、デシプラミン、ノルトリプチリン、ドキセピン、トリミプラミン、イミプラミン、プロチプチリン、デスベンラファキシン、ベンラファキシン、デュロキセチン、ロラゼパム、ブスピロン、プロプラノロール、クロナゼパム、クロルジアゼポキシド、オキサゼパム、アテノロール、クロラゼペート、ジアゼパム、ルプラゾラム、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メチルフェニデート、ラモトリギン、ケタミン、およびリチウムからなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【0380】
いくつかの実施形態では、曝露進行は、複数のカテゴリを含み、複数のカテゴリにおける各カテゴリは、認知的思考をリフレームする能力、ストレスに曝露される能力、思考を取り除く能力など、被験者の能力を改善することを対象とする。更に、各カテゴリは、提案される経験に関連付けられる対応するデジタルリアリティシーンにおいて対応する課題を明示する提案される経験に関連付けられる。
【0381】
例えば、いくつかの実施形態では、曝露進行の第1のカテゴリは、被験者を教育するように設計される複数の教育経験、例えば、長期的な目標を設定して被験者を教育する第1の教育経験および短期的な目標を設定して被験者を教育する第2の教育経験に関連付けられる。いくつかの実施形態では、教育経験は、1以上の心理教育、インタラクティブ課題を通して対応するデジタルリアリティシーンにおける課題を明示する。いくつかの実施形態では、1以上の心理教育的インタラクティブ課題(psychoeducational interactive challenge)は、被験者が彼らの精神的および行動的健康の根底にあり生物心理社会的ドライバを理解するのに役立つ。いくつかの実施形態では、例えば、課題を完了することによる教育経験への曝露は、効果的な超診断的療法(transdiagnostic therapy)を支援する心理教育材料の強力な基礎および理解の能力または被験者を提供する。
【0382】
いくつかの実施形態では、曝露進行は、資格を有するヘルスケア専門家によって、一定期間あたり1回以上の課題の投与量で構成される(例えば、規定される)。いくつかの実施形態では、期間は、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、または1ヶ月を超える期間であり得る。いくつかの実施形態では、期間は、1時間~1年の間、1時間~6ヶ月の間、1時間~1ヶ月の間、1時間~2週間の間、1時間~1週間の間、1時間~1日の間、1時間~12時間の間、である。
【0383】
6時間~1年の間、6時間~6ヶ月の間、6時間~1ヶ月の間、6時間~2週間の間、6時間~1週間の間、6時間~1日の間、6時間~12時間の間、1日~1年の間、1日~6ヶ月の間、1日~1ヶ月の間、1日~2週間の間、1日~1週間の間、5日~1年の間、5日~6ヶ月の間、5日~1ヶ月の間、5日~2週間の間、5日~1週間の間、30日~1年の間、30日~6ヶ月の間、または30日~1ヶ月の間。いくつかの実施形態では、期間は、少なくとも1時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも5日間、少なくとも14日間、少なくとも20日間、少なくとも30日間、少なくとも31日間、少なくとも60日間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも1年間、または少なくとも2年間である。いくつかの実施形態では、期間は、多くとも1時間、多くとも6時間、多くとも12時間、多くとも1日間、多くとも2日間、多くとも5日間、多くとも14日間、多くとも20日間、多くとも30日間、多くとも31日間、多くとも60日間、多くとも2ヶ月間、多くとも3ヶ月間、多くとも4ヶ月間、多くとも5ヶ月間、多くとも6ヶ月間、多くとも1年間、または多くとも2年間である。いくつかの実施形態では、期間は、被験者がデジタルリアリティシーンとインタラクトするか、またはデジタルリアリティシーンを示される期間である。しかし、本開示はこれに限定されない。一の課題に対する時間は、別の課題に対する時間と同じであり得る、または異なり得る。非限定的な例として、図10Aおよび図10Bは、8週間に亘って1週間に3つの課題を行うコースが計画された曝露進行2300の概要を示す。いくつかの実施形態では、曝露進行は、1以上の心理教育的課題、1以上の曝露課題(例えば、社会的課題のプラクティス)、1以上のマインドフルネス課題、1以上の認知リフレーミング課題、1以上の目標設定課題、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、曝露進行は、複数の章に割り当てられるか、または分割される。いくつかの実施形態では、複数の章は、1章~100章の間、2章~100章の間、2章~50章の間、2章~30章の間、2章~24章の間、2章~20章の間、2章~12章の間、2章~5章の間、3章~100章の間、3章~50章の間、3章~30章の間、3章~24章の間、3章~20章の間、3章~12章の間、3章~5章の間、5章~100章の間、5章~50章の間、5章~30章の間、5章~24章の間、5章~20章の間、5章~12章の間、10章~100章の間、10章~50章の間、10章~30章の間、10章~24章の間、10章~20章の間、10章~12章の間、10章~5章の間、18章~100章の間、18章~50章の間、18章~30章の間、18章~24章の間、または18章~20章の間を含む。いくつかの実施形態では、複数の章は、少なくとも1章、少なくとも3章、少なくとも5章、少なくとも6章、少なくとも12章、少なくとも14章、少なくとも20章、少なくとも24章、少なくとも30章、少なくとも31章、または少なくとも60章を含む。いくつかの実施形態では、複数の章は、多くとも1章、多くとも3章、多くとも5章、多くとも6章、多くとも12章、多くとも14章、多くとも20章、多くとも24章、多くとも30章、多くとも31章、または多くとも60章を含む。
【0384】
心理教育、社会的課題のプラクティス、マインドフルネスのプラクティス、認知リフレーミングのプラクティス、および目標設定のいくつかが必要であり、それらのいくつかは必要でない。いくつかの実施形態では、社会的課題のプラクティスが常に必要とされる。
【0385】
いくつかの実施形態では、曝露進行は、被験者が規定よりも速く動くのを防ぐように構成される(例えば、週に3回以下の課題)。様々な実施形態では、曝露進行は、被験者が選択する場合、または被験者に関連付けられるヘルスケア専門家がそのように提案する場合、例えば、被験者に第1の経験および/または第1の課題を繰り返させることによって、被験者に、自身のペースを落とすことを可能するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、曝露進行は、被験者が選択する場合、被験者に、約1週間、約2週間または2週間を超える期間に課題を完了することを可能にするように構成される。様々な実施形態では、曝露進行はまた、被験者に、曝露進行に戻り被験者が選択する任意の時間に任意のコンテンツを行なうことを可能にするように構成される。例えば、被験者が朝に必要なコンテンツを完了し、マインドフルネスのプラクティスをするために1日の後半に曝露進行に戻りたい場合、曝露進行は、被験者に、第1章のマインドフルネスのプラクティスにアクセスすることを可能にするように構成される。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0386】
いくつかの実施形態では、コンパニオンアプリケーション2100などのクライアントアプリケーションは、被験者および/またはヘルスケア専門家に提供されるか、または被験者および/またはヘルスケア専門家によってアクセス可能である。いくつかの実施形態では、クライアントアプリケーション2100は、曝露進行におけるものの代替、追加、またはオプションである1以上の機能を含む。いくつかの実施形態では、クライアントアプリケーションは、ヘルスケア専門家によって被験者に対する曝露進行を規定するために、被験者によって被験者の進行を追跡するために、被験者の気分および思考を記録するために、短期目標を追加するために、被験者に関連付けられるヘルスケア専門家によって被験者の進行を監視し必要に応じて曝露進行を変更するために、またはこれらの任意の組み合わせのために、使用される。
【0387】
いくつかの実施形態では、一旦、曝露進行に入ると(例えば、第1の経験および/または第1の課題とインタラクトすることなどにより、被験者が曝露進行を示すと)、被験者は、ヘルスケア専門家によって処方される曝露進行を通って移動できる。例えば、いくつかの実施形態では、一旦、被験者が曝露進行に対して登録され、固有のPINを有し、被験者のヘッドセットを同期させると、被験者は、仮想/デジタルリアリティにおいて経験を開始できる。いくつかの実施形態では、被験者がデジタルリアリティにおける経験を開始すると、被験者は、レイクハウスと呼ばれる美しく景色の良い場所をシミュレートするDR環境1000などのDR環境にすぐに自分自身を見つける。いくつかの実施形態では、DR環境1000(例えば、レイクハウス)にいる場合、被験者は、DR環境1000の周囲を探索でき、および/またはDR環境1000の周囲にテレポートでき、周囲に慣れることができ、および/または曝露進行中に自身を表わすアバターを選択するオプションを有することができる。
【0388】
いくつかの実施形態では、被験者が曝露進行を開始する準備ができる場合、DRアシスタント1100などのDRアシスタントが現れ(例えば、ドアをノックし)、要求されるコンテンツの第1の章が始まることになる。いくつかの実施形態では、DRアシスタントは、被験者を彼/彼女の第1の経験および/または心理教育の課題などの第1の課題にナビゲートする。心理教育は、曝露進行内の任意の適切なDR領域で、任意の適切なフォーマットで行なわれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、心理教育は、主に、シアタールームまたは教育ルームと呼ばれる指定領域1010で行われ、ビデオとして、TVスクリーンなどのDRオブジェクトに表示される。
【0389】
いくつかの実施形態では、1つの心理教育経験のみがチャプター1で利用可能であるが、曝露進行を通して、被験者はいくつかの心理教育ビデオを経験することになる。いくつかの実施形態では、心理教育ビデオのトピックは、これらに限定されないが、(i)思考、感情、行動、および認知行動療法、(ii)マインドフルネス、(iii)目標設定、(iv)曝露療法、(v)認知リフレーミングと感情および行動のリンク(cognitive reframing and linking emotions and behaviors)、(vi)異なる認知的ゆがみのタイプ、(vii)証拠収集認知リフレーミング技術(gathering evidence cognitive reframing technique)、(viii)有用性認知リフレーミング技術(usefulness cognitive reframing technique)、および/または(ix)曝露進行を卒業させる準備のためのメンテナンスの教育を含む。
【0390】
いくつかの実施形態では、心理教育ビデオは、ショートビデオまたはロングビデオであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、心理教育ビデオは、約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、約6分、約7分、約8分、または8分を超えて続く場合がある。一実施形態では、各心理教育ビデオは、完了するのに約3~5分かかる。
【0391】
いくつかの実施形態では、被験者は、第2の章でマインドフルネスを学び、経験することになる。マインドフルネスは、第2の章以降の被験者にとっていつでも選択できるものであり、被験者は、適切な数のマインドフルネスプラクティスにアクセスすることになる。例えば、被験者は、2回より多く、4回より多く、6回より多く、8回より多く、10回より多く、12回より多く、14回より多く、16回より多く、18回より多く、または20回より多くのマインドフルネスプラクティスにアクセスし得る。いくつかの実施形態では、被験者は、マインドフルネスプラクティスを通して、被験者をガイドするのに被験者が好む音声(例えば、男性または女性)、および/または自身のマインドフルネスプラクティス中に被験者が経験したい場所(例えば、サイト(site)または環境)を選択できる。非限定的な例として、図14は、マインドフルネスを練習するために、被験者がいくつかの場所(例えば、位置2410-1、2410-2)の中から場所を選択できることを示す。
【0392】
いくつかの実施形態では、第3の章は目標設定を対象とする。いくつかの実施形態では、第3の章は、目標設定がなぜ重要かつ有益であるかについての教育を含み、1以上のインタラクティブな活動を通じて、被験者に目標設定について教える。いくつかの実施形態では、目標設定は、曝露進行2300またはクライアントアプリケーション2100で実行される。例えば、非限定的な例として、いくつかの実施形態では、長期目標設定は、曝露進行(例えば、スタディルームでDRジャーニーオブジェクト1022を使用すること)で実行され、短期目標設定は、クライアントアプリケーションで実行される(例えば、入力される、記録されるなど)。別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、長期目標設定および短期目標設定の両方が、クライアントアプリケーションで実行される。更なる非限定的な例として、いくつかの実施形態では、長期目標設定および短期目標設定の両方が、曝露進行で実行される。いくつかの実施形態では、被験者は、レイクハウスのスタディルームでDRジャーニーオブジェクト1022を使用して、自身の長期目標(例えば、3つの長期目標)を設定することになる。いくつかの実施形態では、被験者は、クライアントアプリケーション2100を使用して自身の短期目標を設定することになる。
【0393】
いくつかの実施形態では、曝露療法は、曝露進行中の被験者、および/または被験者に関連付けられるヘルスケア専門家によって個人化される複数の社会的課題を含む。例えば、いくつかの実施形態では、被験者は、異なる恐怖カテゴリの自身の階層を設定することによって、被験者が自身の曝露を通じてどのように移動するかを個人化するDRアシスタントによってガイドされる。恐怖階層は、2の、3の、4の、5の、5の、6の、7の、8の、9の、10の、または10を超える恐怖カテゴリを含み得る。非現実的な例として、図12は、3つの異なる恐怖カテゴリ、一般的パフォーマンス、アサーティブであること、および他人とインタクトすることを有する階層を示している。
【0394】
いくつかの実施形態では、社会的課題の恐怖階層は、インタラクティブDR環境1000(例えば、レイクハウスのスタディルーム)の指定領域1020など、曝露進行の指定領域で被験者によって設定される。被験者が恐怖階層を設定するのを助けるために、いくつかの実施形態では、指定領域は、それぞれが恐怖カテゴリを表わす複数のDRカテゴリオブジェクトと、被験者が選択される恐怖カテゴリを順番に配置するためのDR階層オブジェクトとを含み、恐怖階層を形成する。複数のDRカテゴリオブジェクトおよびDR階層オブジェクトは、任意の現実または非現実の存在するまたは存在しないアイテム、デバイス、画像、テキスト、シンボル、漫画(カートゥーン)などをシミュレートするように構成され得る。非限定的な例として、図12Aは、梯子をシミュレートするDR階層オブジェクト2610と、プラカードをシミュレートする複数のDRカテゴリオブジェクト(例えば、カテゴリオブジェクト2620-1、カテゴリオブジェクト2620-2および/またはカテゴリオブジェクト2620-3)とを示す。いくつかの実施形態では、それぞれのカテゴリの恐怖タイトル2622および/またはアイコン2624が、対応するプラカードに表示される。
【0395】
DRアシスタントは、自身の恐怖階層を設定するプロセスを通して被験者を案内し、被験者は、自身が最も恐れている社会的恐怖カテゴリまで梯子を独力で上ることができるように、カテゴリを設定したくなることを説明する。被験者は、プラカードを選択し、選択したプラカードを梯子に掛けることになる。最も恐れていないカテゴリは、梯子の最も低いレベルに配置され、最も恐れられているカテゴリは、梯子の最も高いレベルに配置されることになる。いくつかの実施形態では、DRアシスタントは、恐怖階層が最終決定される前に、被験者に選択肢の確認を求めることになる。
【0396】
社会的課題の恐怖階層は、2021年7月20日に出願された米国仮特許出願第63/223,871号、2021年12月1日に出願された米国仮特許出願第63/284,862号、および2022年7月20日に出願された米国特許出願第17/869,670号に開示されているものなど、他の方法で設定できる。これらの文献の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0397】
いくつかの実施形態では、被験者は、自身が最も恐れていないカテゴリから開始し、自身が最も恐れているカテゴリまで独力で進むことになる。いくつかの実施形態では、各カテゴリは、1以上のインタラクティブ課題にマッピングされる(mapped)。いくつかの実施形態では、課題は、被験者によって示される精神医学的または精神的状態を引き起こすことが知られているデジタルリアリティシーンを介して実現される様々な異なる経験に設定される。例えば、いくつかの実施形態では、被験者が社交不安障害を有する場合、曝露の課題は、学校のカフェテリア、教室、仕事の面接、公園でのデート、空港での旅行、および/または住宅でのBBQ/パーティーにおいて設定される。いくつかの実施形態では、被験者は、被験者が曝露進行を移動するにつれて自身の恐怖梯子を独力で上るために、複数回(例えば、少なくとも5回、少なくとも10回、少なくとも15回、少なくとも20回、少なくとも25回、少なくとも30回、多くとも5回、多くとも10回、多くとも15回、多くとも20回、多くとも25回、多くとも30回、5回~30回、5回~20回、10回~30回、10回~20回など)、曝露課題を実施しなければならない。
【0398】
いくつかの実施形態では、課題の前および/または後に、被験者は、被験者が曝露進行全体に亘って進むにつれて、課題からの自身のストレスレベルを追跡するために、自身の主観的苦痛単位(SUDS)を選択するなどのアセスメントに回答する必要がある。いくつかの実施形態では、どの課題の前および/または後にも、被験者は、被験者が曝露進行全体に亘って進むにつれて課題からの自身のストレスレベルを追跡するために、自身のSUDSを選択する必要がある。SUDSは、不安、怒り、動揺、ストレスまたは他の感情の強度を測定するための自己アセスメントツールであり、一般に、第1の数から第2の数までのスケールで評価される(rated)。非限定的な例として、いくつかの実施形態では、SUDSは、0(例えば、全くストレスを感じていない)から10(例えば、非常にストレスを感じている)のスケールで評価(rated)される。いくつかの実施形態では、SUDSの選択は、被験者に関連付けられる医療従事者(例えば、医師)の監督なしで、被験者によって自己管理される。いくつかの他の実施形態では、SUDSの選択は、被験者によって行われるが、被験者に関連付けられる医療従事者の監督を伴う。いくつかの態様では、アセスメントは、GADアセスメント(例えば、GAD-2アセスメント)および/またはPHQアセスメント(例えば、PHQ-2アセスメント)を含む。
【0399】
いくつかの実施形態では、被験者は、第4の章を使用してCBT技術を学習し、プラクティスし始める。いくつかの実施形態では、CBT経験は、森林環境をシミュレートするデジタルリアリティシーンで行われる。いくつかの実施形態では、経験は、例えば、デジタルリアリティホースによって導かれるインタラクティブな心理教育課題と、プラクティス課題との組み合わせを容易にするように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、第5の章は、思考、感情、および行動がどのようにリンクされるかを被験者に理解させるために、第1の課題に関連付けられる第1のCBT経験に関連付けられる。いくつかの実施形態では、第6の章は、被験者に認知的歪みを異なる歪みタイプでラベル付けさせるための第2の課題に関連付けられる第2のCBT経験に関連付けられる。いくつかの実施形態では、第7の章は、思考に関連付けられる証拠を被験者に収集させるための第3の課題に関連付けられる第3のCBT経験であり、思考は、その思考に関連付けられる認知的ゆがみに対する証拠および反証を文字通り記録するのに役立つ。いくつかの実施形態では、第4の課題に関連付けられる第8のCBT経験は、自身の短期目標および/または長期目標を達成するために、特定の思考がどの程度有用であるかについて、被験者に学習させることを含む。
【0400】
従って、本開示は、被験者によって示される精神的または精神医学的状態を管理する被験者の能力を改善するために、デジタルリアリティを介して個人化された曝露療法を提供することを可能にする。
【0401】
引用される参考文献および代替実施形態
本明細書で引用される全ての参考文献は、各別個の刊行物または特許または特許出願が、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、その全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0402】
本発明は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に組み込まれたコンピュータプログラムメカニズムを含むコンピュータプログラム製品として実施され得る。例えば、コンピュータプログラム製品は、本明細書に開示されるユーザインタフェースを動作させるための命令を含み得る。これらのプログラムモジュールは、CD-ROM、DVD、磁気ディスク記憶製品、USBキー、または任意の他の非一時的コンピュータ可読データまたはプログラム記憶製品に記憶され得る。
【0403】
当業者には明らかなように、本発明の技術思想および範囲から逸脱することなく、本発明の多くの修正および変形が行われ得る。本明細書に記載の特定の実施形態は、例としてのみ提供される。実施形態は、本発明の原理およびその実際の用途を最もよく説明するために選択され、記載されたものであり、他の当業者が、本発明および企図される特定の用途に適した様々な修正を加えた様々な実施形態を最もよく利用することを可能にする。本発明は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図4M
図4N
図4O
図4P
図4Q
図4R
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
【国際調査報告】