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特表2024-544660USP30阻害剤としての活性を有する置換N-シアノピロリジン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】USP30阻害剤としての活性を有する置換N-シアノピロリジン
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/14 20060101AFI20241126BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20241126BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 31/4192 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 31/4155 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
C07D413/14 CSP
A61P43/00 105
A61P35/00
A61P25/00
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/02
A61P21/00
A61P25/14
A61P9/10
A61P27/02
A61P3/00
A61P3/10
A61P13/12
A61P9/04
A61P25/18
A61P35/02
A61P35/04
A61P17/02
A61P29/00
A61P37/02
A61P11/00
A61P1/16
A61P9/00
A61P17/00
A61P9/10 101
A61P31/00
A61P29/00 101
A61P19/02
A61K31/422
A61P27/16
A61P25/08
A61K31/4245
A61K31/4439
C07D401/14
A61K31/4192
A61K31/4155
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532713
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2022083842
(87)【国際公開番号】W WO2023099561
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】2117366.1
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2206136.0
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】517299582
【氏名又は名称】ミッション セラピューティクス リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100227592
【弁理士】
【氏名又は名称】孔 詩麒
(72)【発明者】
【氏名】マーク イアン ケンプ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー アンドリュー ラックハースト
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC36
4C086BC60
4C086BC69
4C086BC71
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA06
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA22
4C086ZA33
4C086ZA34
4C086ZA36
4C086ZA37
4C086ZA45
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB07
4C086ZB15
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZB32
4C086ZC20
4C086ZC21
4C086ZC35
(57)【要約】
本発明は、ミトコンドリア機能不全、癌及び線維症を伴う状態を含む、様々な治療領域において有用性を有する、脱ユビキチン化酵素USP30の阻害剤としての活性を有する置換N-シアノピロリジンのクラスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩であって、式中
(a)XはNであり;
、X及びXはCRである;又は
(b)XはNであり;
、X及びXのうちの1つがNであり;
、X及びXのうちの2つがCRである;又は
(c)X及びXはCRであり;
及びXはNである;のいずれかであり、
環Aは
(i)N及びOから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員単環式ヘテロアリール環;
(ii)N、O及びSから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む6員単環式ヘテロアリール環;
(iii)N、O及びSから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~6員の飽和又は部分飽和単環式ヘテロシクリル環;並びに
(iv)フェニル又はナフチルから選択され;
環Aは、非置換であるか、又は1若しくは2個のR置換基によって置換されているかのいずれかであり;
環Bは、
(i)フェニル又はナフチル;
(ii)N、O及びSから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~6員単環式ヘテロアリール環;並びに
(iii)N、O及びSから各々独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含む9~10員二環式ヘテロアリール環
から選択され;
環Bは、非置換であるか、又は各々独立してハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル、ハロ(C~C)アルコキシ、(C~C)シクロアルキル、O(C~C)シクロアルキル、(C~C)アルコキシ(C~C)アルキル、オキセタニルオキシ、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、NH(C~C)アルキル、N((C~C)アルキル)、C(O)NH(C~C)アルキル、C(O)N((C~C)アルキル)、NHC(O)(C~C)アルキル、N(C~C)アルキル)C(O)(C~C)アルキル)、C(O)(C~C)アルキル、C(O)O(C~C)アルキル、COH、CONH,SONH(C~C)アルキル及びSON((C~C)アルキル)から選択される、1~5個の置換基によって置換されているかのいずれかであり;
は、水素、(C~C)アルキル及び(C~C)シクロアルキルから選択され;
及びRは、各々独立して、水素、ハロ、(C~C)アルキル及び(C~C)アルコキシから選択され;
及びRは、各々独立して、水素及び(C~C)アルキルから選択され、
は、水素又は(C~C)アルキルであり;
各Rは、ハロ、(C-C)アルキル及び(C-C)アルコキシから独立して選択され、;
ただし、環Aが非置換オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、環Bがフェニルであり、R、R、R、R及びRが各々水素であり、X、X、X及びXのうちの2つがNである場合、環Bは、環Aに対してメタ位でCFによって置換されていない、
化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式(IA)を有する、請求項1に記載の化合物:
【化2】
その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩であって、式中
Zは、N又はCR11であり;
、R11及びR12は各々独立して、水素、ハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル、ハロ(C~C)アルコキシ、(C~C)シクロアルキル、O(C~Cシクロアルキル、(C~C)アルコキシ(C~C)アルキル、オキセタニルオキシ、アゼチジニル、ピロリジニル及びピペリジニルから選択され;
及びR10は各々独立して、水素、ハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル、ハロ(C~C)アルコキシ、(C~C)シクロアルキル、O(C~C)シクロアルキル、(C~C)アルコキシ(C~C)アルキル、オキセタニルオキシ、アゼチジニル、ピロリジニル及びピペリジニルから選択され;
又はR及びR10は一緒になって、N、O及びSから各々独立して選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員の飽和、部分飽和又は芳香環を形成し、前記環は、非置換であるか、若しくは各々独立してハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル及びハロ(C~C)アルコキシから選択される1~2個の置換基で置換されているかのいずれかであり;
ただし、環Aが非置換オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、R、R、R、R及びRが各々水素であり、X、X、X及びXのうちの2つがNであり、ZがCR11であり、R11が水素又はハロである場合、RはCFではない、
請求項1に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩。
【請求項3】
ZがCR11である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Zが、Nである、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
環Aが、各々独立してN及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員単環式ヘテロアリール環である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
環Aがオキサゾリル及びオキサジアゾリルから選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
環Aが、各々独立してN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む6員単環式ヘテロアリール環である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
環Aがピリジニルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
環Aがピロリジニルである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
環Aがフェニルである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
が水素、メチル及びシクロプロピルから選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
、R、R及びRが各々水素である、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
が水素又はメチルである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
環Aが非置換である、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
各Rが、フルオロ、クロロ、メチル及びメトキシから独立して選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
及びR11が各々独立して、水素、CN及びハロから選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
及びR11が各々水素である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
が、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
が、水素、クロロ、CN、エチル、シクロプロピル、CF及びOCFから選択される、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
10が水素、フルオロ及びCNから選択される、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
10が水素である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
及びR10が一緒になって、各々独立してN、O及びSから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5員の部分飽和又は芳香族環を形成し、前記環が非置換であるか、又は各々独立してフルオロ、クロロ、メチル及びメトキシから選択される1~2個の置換基で置換されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
12が、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
12が、水素、メトキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-エチルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シクロプロピルフェニル)オキサゾール2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロポキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((2H-1、2、3-トリアゾール-2-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((4H-1、2、4-トリアゾール-4-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリンアミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリンアミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-1-シアノ-5-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-1-シアノ-5-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)(3(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド;
(S)-N-((3R、5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド;
(R)-N-((3R、5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((2H-1、2、3-トリアゾール-2-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-プロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((4H-1、2、4-トリアゾール-4-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、2、4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、2、4-オキサジアゾール-3-カルボキサミド;及び
N-((3R、5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-6-(1H-インダゾール-4-イル)ニコチンアミド
から選択される、請求項1に記載の化合物、
その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩。
【請求項26】
医薬として使用するための、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩。
【請求項27】
ミトコンドリア機能不全、癌、又は線維症を伴う状態の治療又は予防において使用するための、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩。
【請求項28】
ミトコンドリア機能不全、癌、又は線維症を伴う状態の治療又は予防に使用するための医薬の製造における、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩の使用。
【請求項29】
有効量の請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を、必要とする患者に投与するステップを含む、ミトコンドリア機能不全、癌、又は線維症を伴う状態を治療又は予防する方法。
【請求項30】
前記ミトコンドリア機能不全を伴う状態が、CNS障害;神経変性疾患;パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症;ハンチントン病;虚血;脳卒中;レビー小体型認知症;前頭側頭型認知症;多発性硬化症;ミトコンドリア脳筋症、乳酸アシドーシス及び脳卒中様発作症候群;母性遺伝糖尿病及び聴覚消失;レーベル遺伝性視神経症;癌;神経障害、運動失調、網膜色素変性症-母性遺伝リー症候群;ダノン病;糖尿病;糖尿病性腎症;代謝障害;心不全;心筋梗塞に至る虚血性心疾患;精神病、統合失調症;多種スルファターゼ欠損症;ムコリビドーシスII;ムコリビドーシスIII;ムコリビドーシスIV;GM1-ガングリオシドーシス;神経セロイドリポフスチン症;アルパース病;バース症候群;β酸化欠陥;カルニチン-アシル-カルニチン欠乏症;カルニチン欠乏症;クレアチン欠乏症候群;補酵素Q10欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;複合体V欠損症;COX欠損症;慢性進行性外眼筋麻痺症候群;CPT I欠損症;CPT II欠損症;グルタル酸血症II型;カーンズ・セイアー症候群;乳酸アシドーシス;長鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠損症;リー病又は症候群;リー症候群フランス系カナダ人変種;致死性乳児心筋症;ルフト病;中鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠損症;赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん;ミトコンドリア細胞症;ミトコンドリア劣性運動失調症候群;ミトコンドリアDNA枯渇症候群;筋神経胃腸障害及び脳症;ピアソン症候群;ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症;ピルベートカルボキシラーゼ欠損症;POLG遺伝子変異;中鎖/短鎖3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠損症;及び超長鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠損症;ペルオキシソーム病;メチルマロン酸血症;メバロン酸キナーゼ欠損症;認知機能及び筋力の年齢依存的低下;筋肉構造障害;並びに神経変性障害及び精神神経障害に関連する認知障害から選択される、
請求項27~29のいずれか一項に記載の化合物、使用、又は方法。
【請求項31】
前記神経変性疾患が、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型認知症、α-シヌクレイン、パーキン、PINK1、GBA及びLRRK2の変異に関連するパーキンソン病、並びにパーキンが変異している常染色体劣性若年性パーキンソン病から選択される、請求項30に記載の化合物、使用、又は方法。
【請求項32】
前記神経変性疾患が、リー症候群若しくはリー病、X連鎖リー病、リー症候群フランス系カナダ人変種、及び/又はリー病に関連する症状から選択される、請求項30に記載の化合物、使用、又は方法。
【請求項33】
前記癌が、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳癌、メラノーマ、骨癌肝癌、軟組織癌、組織臓器の癌、血液細胞の癌、CML、AML、マントル細胞リンパ腫、神経芽細胞種、メラノーマ、軟部腫瘍、脂肪肉腫、線維芽細胞肉腫、平滑筋肉腫、肝細胞癌、骨肉種、食道癌、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、転移性癌、骨肉種、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、上咽頭癌、結腸直腸癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、アポトーシス経路が調節不全である癌、及びBCL-2ファミリーのタンパク質が変異又は過剰発現若しくは過少発現している癌から選択される、請求項27~29のいずれか一項に記載の化合物、使用又は方法。
【請求項34】
前記線維症が、外傷、炎症、組織修復、免疫反応、細胞過形成、及び新生組織形成後に生じる細胞外マトリックス構成成分の蓄積に関連する線維症又は線維性障害から選択される、請求項27~29に記載の化合物、使用、又は方法。
【請求項35】
前記線維症が、線維症、主要臓器疾患に関連する線維性障害、線維増殖性障害、及び外傷に関連する瘢痕から選択される、請求項34に記載の化合物、使用、又は方法。
【請求項36】
前記線維症が、間質性肺疾患、肝臓硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪肝疾患、及び非アルコール性脂肪性肝炎に関連する線維症又は線維性障害、腎疾患、急性腎障害、慢性腎疾患、腎臓移植機能の遅延、心臓又は血管の疾患、眼の疾患、全身及び局所強皮症、ケロイド、肥厚性瘢痕、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、デュピュイトラン拘縮、外科的合併症、化学療法薬誘導性線維症、放射線誘導性線維症、不慮の損傷及び熱傷、後腹膜線維症、並びに腹膜線維症/腹膜瘢痕化から選択される、請求項35に記載の化合物、使用、又は方法。
【請求項37】
前記間質性肺疾患に関連する線維症が、サルコイドーシス、珪肺症、薬物反応、感染症、膠原血管病、関節リウマチ、全身性硬化症、強皮症、肺線維症、特発性肺線維症、通常型間質性肺炎、間質性肺疾患、原因不明の線維化性胞隔炎、閉塞性細気管支炎、及び気管支拡張症から選択される、請求項36に記載の化合物、使用、又は方法。
【請求項38】
前記腎疾患が、急性腎傷害又は慢性腎疾患である、請求項36に記載の化合物、使用、又は方法。
【請求項39】
請求項1~25のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を、1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項40】
式(II)及び(III)から選択される化合物であって:
【化3】
式中、PGは保護基であり、環A、環B、X、X、X、X、R、R、R、R及びRは、請求項1~25のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の塩について定義された通りであり;前記保護基は好ましくは、tert-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、カルバメート、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、p-メトキシフェニル、トシル、トリクロロエトキシカルボニル、4-ニトロベンゼンスルホニル及び2-ニトロフェニルスルフェニルから選択される、化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユビキチン特異的ペプチダーゼ30(USP30)としても知られる、脱ユビキチン化酵素ユビキチンC末端ヒドロラーゼ30の阻害剤としての活性を有するN-シアノピロリジンのクラス、その使用、その調製プロセス、及びこの阻害剤を含有する組成物に関する。これらの阻害剤は、ミトコンドリア機能不全、癌及び線維症を伴う状態を含む、様々な治療領域において有用性を有する。
【0002】
以下に引用する、又は以下が依拠する全ての文献は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ユビキチンは、細胞中のタンパク質機能の調節に重要な76個のアミノ酸からなる小タンパク質である。ユビキチン化及び脱ユビキチン化は、ユビキチンが、脱ユビキチン化酵素(DUB)によって標的タンパク質に共有結合されるか、又は標的タンパク質から切断される、酵素的に媒介されるプロセスであり、ヒト細胞では配列相同性に基づいてサブファミリーに分類される約100個のDUBが存在する。USPファミリーは、DUB活性に重要なCys及びHis残基を含有する共通のCys及びHisボックスによって特徴付けられる。ユビキチン化及び脱ユビキチン化プロセスは、細胞周期進行、アポトーシス、細胞表面受容体の修飾、DNA転写及びDNA修復の調節を含む、多くの細胞機能の調節に関与している。したがって、ユビキチン系は、炎症、ウイルス感染、代謝機能不全、CNS障害及び腫瘍形成を含む、多数の疾患状態の病因に関与している。
【0004】
ユビキチンは、ミトコンドリア動態の主要調節因子である。ミトコンドリアは、その生合成、融合及び分裂事象が、マイトフュージンなどのユビキチン化の多くの重要な因子を介した翻訳後調節によって調節される、動的な細胞小器官である。ヒトでは、USP30は、ミトコンドリア外膜に見出される517アミノ酸タンパク質である(Nakamura et al.,2008,Mol Biol 19:1903-11)。これは、ミトコンドリアアドレスシグナルを有する唯一の脱ユビキチン化酵素であり、多くのミトコンドリアタンパク質を脱ユビキチン化することが示されている。USP30がパーキン媒介性マイトファジーに対抗し、USP30活性の低下がマイトファジーにおけるパーキン媒介性欠陥を救済することができることが実証されている(Bingol et al.,2015,Nature 510:370-5;Gersch et al,2017,Nat Struct Mol Biol 24(11):920-930;Cunningham et al,2015,Nat Cell Biol 17(2):160-169)。USP30の不活性化はまた、潜在的にTOMタンパク質のユビキチン化を介して、ミトコンドリアタンパク質の取り込みを増加させることができる(Jacoupy et al,2019,Sci Rep 9(1):11829)。少しの割合のUSP30がペルオキシソームに局在しており、これはミトコンドリアとER小胞との融合によって生成され、USP30はPex2/ペキソファジー経路に潜在的に拮抗する(Riccio et al.,2019,J Cell Biol 218(3):798-807)。E3 UbリガーゼMarch5及び脱ユビキチン化酵素USP30は、トランスロカーゼと会合し、ミトコンドリア取り込みを調節し、March5がミトコンドリア取り込みに対抗して基質の分解を指示する一方で、USP30は基質を脱ユビキチン化してそれらの取り込みを促進する(Phu et al,2020,Molecular Cell 77,1107-1123)。
【0005】
ミトコンドリア機能不全は、ミトコンドリア含有量の減少(マイトファジー又はミトコンドリア生合成)として、ミトコンドリア活性及び酸化的リン酸化の減少として定義することができ、反応性酸素種(ROS)生成の調節としても定義することができる。したがって、非常に多くの老化プロセス及び病理において、ミトコンドリア機能不全の役割が考えられる。
【0006】
例えば、パーキンソン病は、世界中で約1000万人が罹患しており(パーキンソン病財団)、黒質におけるドーパミン作動性ニューロンの喪失を特徴とする。PDの根底にある正確な機構は不明であるが、ミトコンドリア機能不全は、PDにおけるドーパミン作動性ニューロン感受性の重要な決定因子としてますます認識されており、家族性及び散発性疾患の両方、並びに毒素誘導性パーキンソニズム(パーキンソン症候群)の特徴である。パーキンは、早期発症型PDに関与している多くのタンパク質の1つである。ほとんどのPD症例はα-シヌクレインの欠損に関連しているが、パーキンソン病の症例の10%は特定の遺伝的欠損に関連しており、その1つはユビキチンE3リガーゼパーキンにある。パーキン及びタンパク質キナーゼPTEN誘導性推定キナーゼ1(PINK1)は、損傷したミトコンドリアのミトコンドリア膜タンパク質をユビキチン化するように協働し、マイトファジーをもたらす。マイトファジーの調節不全は酸化ストレスを増加させ、これはPDの特徴として説明されている。したがって、USP30の阻害は、PDの治療のための潜在的な戦略となり得る。例えば、活性の低下をもたらすパーキン変異を有するPD患者は、USP30の阻害によって治療的に補償されることもある。
【0007】
USP30が枯渇すると、ミトコンドリアのマイトファジークリアランスが増強され、パーキン誘導性細胞死も増強されることが報告されている。USP30はまた、パーキン過剰発現とは無関係にBAX/BAK依存性アポトーシスを調節することが示されている。USP30が枯渇すると、パーキン過剰発現を必要とせずに、ABT-737などのBH-3模倣物に対して癌細胞が感受性になる。それによって、抗アポトーシスの役割がUSP30について実証されており、したがって、USP30は抗癌療法の潜在的な標的である。
【0008】
ユビキチン-プロテアソーム系は、多発性骨髄腫の治療のためのプロテアソーム阻害剤ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))の承認後、癌治療の標的として関心を集めている。ボルテゾミブによる長期治療は、関連する毒性及び薬物耐性によって制限される。しかしながら、DUBなどのプロテアソームの上流のユビキチン-プロテアソーム経路の特定の態様を標的とする治療戦略は、より良好に忍容されると予測される(Bedford et al.,2011,Nature Rev 10:29-46)。
【0009】
腎、肝及び肺線維症を含む線維性疾患は、罹患率及び死亡率の主因であり、全ての組織及び臓器系が罹患し得る。線維症は、組織又は臓器に対する急性又は慢性ストレスの結果であると考えられ、細胞外マトリックス沈着、血管/尿細管/管/気道開存性の低下、及び最終的に臓器不全をもたらす機能障害によって特徴付けられる。多くの線維症状態は、生活様式又は環境因子によって促進されるが、線維症状態の一部は、遺伝的トリガーにより開始され得るか、又は実際に特発性と考えられる(すなわち、既知の原因がない)。特発性肺線維症(IPF)などの特定の線維性疾患は、非特異的キナーゼ阻害剤(ニンテダニブ)又は十分に特徴付けられた作用機序がない薬物(ピルフェニドン)で治療することができる。腎又は肝線維症などの臓器線維症に対する他の治療は、臓器自体に対する圧力を緩和する(例えば、肝硬変に対するβ遮断薬、慢性腎疾患に対するアンジオテンシン受容体遮断薬)。グルコース及び食事管理などの生活様式因子への注意もまた、疾患の経過及び重症度に影響を及ぼし得る。
【0010】
ミトコンドリア機能不全は、多数の線維性疾患に関与しており、機能不全の下流の酸化ストレスは、ATP産生の減少と共に重要な病因性メディエーターである。前臨床モデルでは、マイトファジー経路の破壊(パーキン又はPINK1のいずれかの変異又はノックアウトによる)は、肺線維症及び腎線維症を悪化させ、酸化ストレスの増加の形跡がある。
【0011】
Kurita et al,2017,Respiratory Research 18:114では、線維化促進性筋線維芽細胞の蓄積がIPFにおける線維化リモデリングのための重要なプロセスであることが開示されている。最近の知見では、IPF病因におけるリソソーム分解機構の一部であるオートファジー/マイトファジーの関与が示され、マイトファジーが、ミトコンドリア反応性酸素種(ROS)媒介性血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)活性化の調節を介して筋線維芽細胞分化に関与していることが示されていると言われている。Kuritaの結果から、ピルフェニドンがPARK 2媒介性マイトファジーを誘導すること、及びまた不十分なマイトファジーの状況において肺線維症の発症も阻害することが示唆され、これは、IPF治療のための抗線維症機構を少なくとも部分的に説明し得る。
【0012】
Williams et al,2015,Pharmacol Res.December;102:264-269では、マイトファジーを介して損傷したミトコンドリアを除去することによる、アルコール及びアセトアミノフェン誘導性肝損傷からの保護におけるPINK1-パーキン媒介性オートファジーの役割が考察されている。USP8の薬理学的安定化又はUSP15及びUSP30の不活性化は、パーキン誘導性マイトファジーを上方制御するための潜在的な治療標的であり得、次いで薬物誘導性肝損傷を予防し得ることが示唆される。しかしながら、DUBは転写及び翻訳後の両方で調節され、これによりこれらの特異的酵素を標的化するための薬物開発が困難になり得ることが注目され、更にリン酸化ユビキチンはDUBに耐性であることが示された。著者らは、PINK1安定化又はキナーゼ活性を上方制御することは、DUBの阻害よりも有効な標的であり得ると結論付けている。
【0013】
Williams et al,2015,Biomolecules 5,2619-2642、及びWilliams et al,2015,Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 309:G324 G340では、肝臓におけるミトコンドリア恒常性の調節に関与する機構、及びこれらの機構がアルコール誘導性肝疾患をどのように予防し得るかを概説している。
【0014】
Luciani et al,2020,Nat.Commun.11,970では、最終分化細胞におけるミトコンドリアネットワークの調節解除が、メチルマロン酸血症(MMA)を含む広範囲の障害の一因になることが報告されている。MMAは、ミトコンドリアメチルマロニル補酵素Aムターゼ(MMUT)の欠損による、最も一般的な遺伝性代謝障害の1つである。MMUT欠損は、PINK1/パーキン媒介性マイトファジーの異常によって悪化する代謝及びミトコンドリア変化を誘導し、上皮ストレス及び最終的には細胞損傷を誘発する機能不全ミトコンドリアの蓄積を引き起こす。原発性MMUT欠損、罹患ミトコンドリア、マイトファジー機能不全及び上皮ストレスの間に関連が示唆され、MMAに対する潜在的な治療展望が提供される。
【0015】
Kluge et al,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2018,28 2655-2659では、USP30の選択的阻害剤がマイトファジーを加速することが報告されている。
【0016】
N-シアノ置換複素環の一連の誘導体が、脱ユビキチン化酵素阻害剤として、国際公開第2016/046530号(US15/513125、US15/894025,US16/448066)、国際公開第2016/156816号(US15/558632、US16/297937、US16/419558、US16/419747、US16/788446)、国際公開第2017/009650号(US15/738900)、国際公開第2017/093718号(US15/776149)、国際公開第2017/103614号(US15/781615)、国際公開第2017/149313号(US16/078518)、国際公開第2017/109488号(US16/060299)、国際公開第2017/141036号(US16/070936)、国際公開第2017/163078号(US16/087515)、国際公開第2017/158381号(US16/080229)、国際公開第2017/158388号(US16/080506),国際公開第2018/065768号(US16/336685)、国際公開第2018/060742号(US16/336202)、国際公開第2018/060689号(US16/334836)、国際公開第2018/060691号(US16/336363)、国際公開第2018/220355号(US16/615040)、国際公開第2018/234755号(US16/615709)、国際公開第2020/212350号、国際公開第2020/212351号、国際公開第2021/043870号、国際公開第2021/204856号、国際公開第2021/239863号、国際公開第2021/245186号、国際公開第2021/249909号及び国際公開第2022/084479号に開示され、これらの各々は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。参照により本明細書に明示的に組み込まれる国際公開第2019/171042号(US 16/977019)では、線維性疾患の治療のためのUSP30の阻害剤としてのN-シアノピロリジンの使用が開示されている。
【0017】
Falgueyret et al,2001,J.Med.Chem.44,94-104及び国際公開第01/77073号では、骨粗鬆症及び他の骨吸収関連状態の治療において潜在的有用性を有する、カテプシンK及びLの阻害剤としてのシアノピロリジンに言及している。国際公開第2015/179190号では、潰瘍性大腸炎及びクローン病の治療において潜在的有用性を有するN-アシルエタノールアミン加水分解酸アミダーゼ阻害剤に言及している。国際公開第2013/030218号では、癌、神経変性疾患、炎症性障害及びウイルス感染症の治療において潜在的有用性を有する、USP7などのユビキチン特異的プロテアーゼの阻害剤としてのキナゾリン-4-オン化合物に言及している。国際公開第2015/017502号及び国際公開第2016/019237号では、自己免疫疾患、炎症性疾患及び癌などの疾患の治療において潜在的有用性を有するブルトン型チロシンキナーゼの阻害剤に言及している。国際公開第2009/026197号、国際公開第2009/129365号、国際公開第2009/129370号、及び国際公開第2009/129371号では、COPDの治療において潜在的有用性を有するカテプシンCの阻害剤としてのシアノピロリジンに言及している。米国特許出願公開第2008/0300268号では、チロシンキナーゼ受容体PDGFRの阻害剤としてのポリ芳香族化合物に言及している。国際公開第2019/222468号、国際公開第2019/071073号、国際公開第2020/036940号及び国際公開第2020/072964号、Rusilowicz-Jones et al,2020,bioRxiv 2020.04.16.044206(20 April 2020)、及びTsefou et al,bioRxiv 2021.02.02.429344(2 February 2021では、USP30阻害剤としてのシアナミド含有化合物に言及している。Yue et al,2014,Cell Research,24,482-496では、ミトコンドリア融合を誘導したUSP30阻害剤としてのジテルペノイド誘導体15-oxospiramilactoneに言及している。
【0018】
国際公開第2015/183987号では、癌、線維症、自己免疫疾患若しくは状態、炎症性疾患若しくは状態、神経変性疾患若しくは状態又は感染症を治療する方法における、脱ユビキチン化酵素阻害剤及びヒト血清アルブミンを含む、医薬組成物に言及している。UCHL5/UCH37、USP4、USP9X、USP11及びUSP15を含む脱ユビキチン化酵素は、TGF-βシグナル伝達経路の調節に関与していると言われており、その破壊は、神経変性及び線維性疾患、自己免疫機能不全及び癌を引き起こすことに留意されたい。
【0019】
国際公開第2006/067165号では、インドリノンキナーゼ阻害剤を使用して線維性疾患を治療する方法に言及している。国際公開第2007/119214号では、エンドセリン受容体拮抗薬を使用して早期肺線維症を治療するための方法に言及している。国際公開第2012/170290号では、THC酸を使用して線維性疾患を治療するための方法に言及している。国際公開第2018/213150号では、ミトコンドリア欠損を伴う状態の治療において潜在的有用性を有する、スルホンアミドUSP30阻害剤に言及している。Larson-Casey et al,2016,Immunity 44,582-596は、マクロファージAkt1キナーゼ媒介性マイトファジー、アポトーシス耐性及び肺線維症に関する。Tang et al,2015,Kidney Diseases 1,71-79では、腎臓病態生理学におけるマイトファジーの潜在的役割を概説している。
【0020】
ミトコンドリア機能不全、癌及び線維症を伴う状態、並びにそれらに関連する様々な症状及び状態を治療又は予防するための、安全な、代替的な、及び/又は改善された方法及び組成物が必要とされている。いかなる特定の理論又は機構にも拘束されるものではないが、本発明の化合物は、酵素USP30を阻害するように作用し、それによりパーキン誘導性マイトファジーを上方制御すると考えられる。
【0021】
急性腎障害(AKI)は、7日以内に起こる腎機能の急激な低下として定義され、障害の重症度は、Kidney Disease Improving Global Outcomes(KDIGO)ガイドラインに記載されているように、血清クレアチニン(SCr)の増加及び尿量減少に基づいて段階分けされる。AKIは、年間約1330万人に発生し、その85%が発展途上国に住み、毎年約170万人の死亡に寄与すると考えられている(Mehta et al.,2015,Lancet 385(9987):2616-2643)。AKIは、永久的な腎損傷(すなわち、慢性腎疾患;CKD)を発症する可能性が高く、非腎臓器官の損傷をもたらし得る。AKIは、特に偶発的CKD、進行性CKD、末期腎疾患及び心血管事象を発症する患者の絶対数を考慮すると、重大な公衆衛生上の懸念事項である。AKIは、COVID-19により入院した患者において蔓延していることが分かっており、院内死亡率と強く関連しており、ミトコンドリア損傷及び機能不全が潜在的な病理生理学的機構及び治療標的として報告されている(Kellum et al,Nephrol Dial Transplant(2020)35:1652-1662)。
【0022】
AKI及びCKDは、同じ疾患範囲上の連続体とみなされる(Chawla et al.,2017,Nat Rev Nephrol 13(4):241-257)。冠動脈バイパスグラフト術(CABG)を受けている患者は腎障害のリスクが高い。AKIの治療及び/又は予防のための医薬品の開発において、明らかに満たされていない医療的必要性がある。
【0023】
腎臓は、代謝要求が高い部位であり、インビボで高いマイトファジー速度が実証されている(McWilliams et al,2018,Cell Metab 27(2):439-449 e435)。溶質/イオン交換のため著しいATPを必要とする細胞型である腎近位尿細管上皮細胞(RPTEC)は、ミトコンドリアが豊富であり、腎臓の急性腎障害(AKI)の主要なエフェクター細胞である。ミトコンドリア機能不全は、前臨床AKI及びCKDモデルからの複数の証拠と、患者生検における異常なミトコンドリア表現型を示すデータとの両方により、AKI/CKD機構に関与している(Emma et al,2016,Nat Rev Nephrol 12(5):267-280;Eirin et al,2017,Handb Exp Pharmacol 240:229-250)。更に、原発性ミトコンドリア病は、多くの場合、MELAS/MIDDを有する患者における巣状糸球体硬化症(Kawakami et al,2015,J Am Soc Nephrol 26(5):1040-1052)などの腎症状に現れ、コエンザイムQ欠乏症を有する患者の原発性尿細管病変にも現れる。mtDNAにおける変異は、母性遺伝性尿細管間質疾患を引き起こし得る(Connor et al,2017,PLoS Genet 13(3):e1006620)。
【0024】
腎損傷におけるミトコンドリア品質管理に関して(Tang et al.,2018,Autophagy 14(5):880-897)、腎損傷が、PINK1 KO及びPARK2 KOマウスの両方において虚血性AKI後に悪化することが実証され、PINK1/パーキン媒介性マイトファジーが腎臓のIRI後に保護的役割を果たすことが示唆された。更に、パーキン/PINK1マイトファジーは、シスプラチン誘導性腎傷害を予防する(Wang et al.,2018,Cell Death Dis 9(11):1113)。CKDの限られたモデルがマイトファジー調査に利用可能であり、線維症におけるミトコンドリア品質管理の裏付けとなる証拠は、COPD及びIPFなどの線維性肺状態に関する研究から得られる。パーキンノックアウト動物は、ブレオマイシンに応答して悪化した肺線維症を示す(Kobayashi et al,2016,J Immunol,197:504-516)。同様に、パーキンノックアウト(KO)動物由来の気道上皮細胞は、タバコの煙に対して線維症及び老化応答の悪化を示す(Araya et al,2019,Autophagy 15(3):510-526)。
【0025】
前臨床モデルは、ヒトの状態と一致する線維症病理(例えば、コラーゲン沈着)をモデル化する能力を通して、潜在的な新規治療薬を研究するために利用可能である。前臨床モデルは、毒素媒介性(例えば、肺及び皮膚線維症に対するブレオマイシン)、外科的(例えば、急性尿細管間質線維症に対する虚血/再灌流傷害モデル及び片側尿管閉塞モデル)、及び遺伝的(例えば、糖尿病性腎症に対する糖尿病(db/db)マウス)であり得る。例えば、示されたIPF処置(ニンテダニブ及びピルフェニドン)について以前に与えられた両方の例は、ブレオマイシン肺線維症モデルにおいて有効性を示す。
【0026】
リー症候群は、中枢神経系に影響を及ぼす稀な遺伝性神経代謝障害である。この進行性障害は、3ヶ月齢~2歳の乳児で始まる。稀に、これは13歳~19歳及び成人で生じる。リー症候群は、ミトコンドリアタンパク質をコードする核DNAの変異、ミトコンドリアDNAの変異(母性遺伝性リー症候群-MILS)、又はX染色体の短腕に位置するピルビン酸デヒドロゲナーゼと呼ばれる酵素の欠損(X連鎖性リー症候群)によって引き起こされ得る。リー症候群の症状は通常、急速に進行する。最も初期の徴候は、吸乳力低下、並びに頭部制御及び運動技能の喪失であり得る。これらの症状は、食欲不振、嘔吐、被刺激性、継続的な泣き声、及び発作を伴い得る。障害が進行するにつれて、症状はまた、全身性衰弱、筋緊張の欠如、及び乳酸アシドーシスの発現を含み得、これは、呼吸及び腎機能の障害をもたらし得る。
【0027】
母性遺伝性リー症候群(MILS)では、ミトコンドリアDNAにおける遺伝子変異(>90%の高い割合で)は、運動動作において役割を果たす脳の領域において細胞を動かすエネルギー源を妨害する。ミトコンドリアDNAにおける遺伝的変異があると、これらの細胞におけるエネルギーが慢性的に欠乏し、次いで中枢神経系に影響を及ぼし、運動機能の進行性退化を引き起こす。MILSを引き起こすミトコンドリアDNAにおける遺伝子変異があまり豊富でない(90%未満)場合、その状態は、神経障害性運動失調及び網膜色素変性症(NARP)として知られている。また、細胞代謝に重要な別の群の物質を産生する遺伝子の変異の結果である、リー病(X連鎖リー病と呼ばれる)の形態もある。LRPPRCと呼ばれる遺伝子の変異を特徴とする、フランス系カナダ人変種と呼ばれるリー症候群の更なる変異体が存在する。同様の神経症状は、リー症候群のものとして発現されるが、脂肪肝は、フランス系カナダ人変種でもまた一般的に観察される。
【0028】
筋ジストロフィーは、患者からの筋生検における特異的な異常(例えば、筋線維サイズの変動、筋線維壊死、瘢痕組織形成及び炎症)によって特徴付けられる。約30の異なる遺伝的状態が筋ジストロフィーを構成する。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、各々ジストロフィン遺伝子の変化によって引き起こされる範囲の筋疾患の1つであるジストロフィン異常症として分類される。DMDの臨床的特徴としては、身体の種々の随意筋の衰弱及び消耗が挙げられる。疾患の最も進行した段階では、心筋及び腸の筋肉が罹患し、心筋症及びその後の心不全が死亡の主な原因である。
【0029】
Reid,et al,「The Interplay of Mitophagy and Inflammation in Duchenne Muscular Dystrophy.」Life 2021,11,648では、ミトコンドリア機能不全が、筋肉の明白な崩壊の前にジストロフィー筋肉において見ることができる最初の特徴の1つであることが報告され、ミトコンドリア機能不全が、筋壊死の後の結果ではなく、この疾患の病理に著しく寄与することがあることを示唆している。健康な組織では、これらの損傷ミトコンドリアはマイトファジーに標識されるが、マイトファジーはDMDで著しく損なわれることが示されている。
【0030】
Vila et al,Cell Death and Differentiation(2017)24,330-342では、健康な筋線維における筋鞘損傷の修復に活性ミトコンドリアが必要であること、及びジストロフィン欠損mdxマウスにおいて、ミトコンドリア機能、カルシウム恒常性、及び筋鞘安定性を促進するタンパク質が疾患発症時に著しく変化することが明らかにされた。そこでは、ジストロフィー筋線維及びミトコンドリアにおけるカルシウム過負荷の増加が、ミトコンドリア機能不全を引き起こし、次にジストロフィー筋線維の修復能力を低下させ、それらの死をもたらし、したがって、オートファジーを増強するとこれらのミトコンドリアを除去するのに役立ち得ると仮定した。
【0031】
Luan et al,Science Translational Medicine(2021)13,1-12は、動物DMDモデル及びDMD患者組織が、ミトコンドリア機能不全の一因となるマイトファジーに関与する遺伝子の発現低下を含むことを実証した。マイトファジーを刺激することができる天然化合物であるウロリチンAを投与すると、筋肉代謝及び幹細胞再生能力が増加し、DMDのmdxマウスモデルにおける筋機能の回復をもたらした。ウロリチンAはまた、TA筋におけるCD45陽性炎症細胞を減少させ、潜在的な抗炎症機構がmdxマウスモデルにおける利益に寄与し得ることが示唆された。
【0032】
したがって、USP30の阻害が適応である状態を治療又は予防するための、USP30の阻害剤である化合物が必要とされている。特に、標的疾患に対する有効性を最大化するために、好適な及び/又は改善された特性を有するUSP30阻害剤が必要とされている。
【発明の概要】
【0033】
本発明は、式(I)の化合物:
【化1】
その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩であって、式中
(a)XはNであり;
、X及びXはCRである;又は
(b)XはNであり;
、X及びXのうちの1つがNであり;
、X及びXのうちの2つがCRである;又は
(c)X及びXはCRであり;
及びXはNである;のいずれかであり、
環Aは、
(i)N及びOから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員単環式ヘテロアリール環;
(ii)N、O及びSから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む6員単環式ヘテロアリール環;
(iii)N、O及びSから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~6員の飽和又は部分飽和単環式ヘテロシクリル環;並びに
(iv)フェニル又はナフチルから選択され;
環Aは、非置換であるか、又は1若しくは2個のR置換基によって置換されているかのいずれかであり;
環Bは、
(i)フェニル又はナフチル;
(ii)N、O及びSから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~6員単環式ヘテロアリール環;並びに
(iii)N、O及びSから各々独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含む9~10員二環式ヘテロアリール環から選択され;
環Bは、非置換であるか、又は各々独立してハロ(halo)、CN、ヒドロキシ、オキソ(oxo)、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル、ハロ(C~C)アルコキシ、(C~C)シクロアルキル、O(C~C)シクロアルキル、(C~C)アルコキシ(C~C)アルキル、オキセタニルオキシ、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、NH(C~C)アルキル、N((C~C)アルキル)、C(O)NH(C~C)アルキル、C(O)N((C~C)アルキル)、NHC(O)(C~C)アルキル、N(C~C)アルキル)C(O)(C~C)アルキル)、C(O)(C~C)アルキル、C(O)O(C~C)アルキル、COH、CONH、SONH(C~C)アルキル及びSON((C~C)アルキル)から選択される、1~5個の置換基によって置換されているかのいずれかであり;
は、水素、(C~C)アルキル及び(C~C)シクロアルキルから選択され;
及びRは、各々独立して、水素、ハロ、(C~C)アルキル及び(C~C)アルコキシから選択され;
及びRは、各々独立して、水素及び(C~C)アルキルから選択され、
は、水素又は(C~C)アルキルであり;
各Rは、ハロ、(C~C)アルキル及び(C~C)アルコキシから独立して選択され、;
ただし、環Aが非置換オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、環Bがフェニルであり、R、R、R、R及びRが各々水素であり、X、X、X及びXのうちの2つがNである場合、環Bは、環Aに対してメタ位でCFによって置換されていない、
化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩に関する。
【0034】
本発明はまた、特にミトコンドリア機能不全、癌及び線維症を伴う状態の処置における、式(I)の化合物の使用、同様にその調製プロセス及び該化合物を含有する医薬組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、標的疾患に対する有効性を最大化するために好適な及び/又は改善された特性を有するUSP30阻害剤に関する。そのような特性としては、例えば、効力、選択性、物理化学的特性、PK(薬物動態)プロファイルを含むADME(吸収、分布、代謝及び排泄)特性、及び安全性プロファイルが挙げられる。
【0036】
概して、患者に投与される有効/効果的な用量を低下させるために、関連アッセイにおいて標的酵素に対する薬物分子の効力を最大化することが望ましい。本発明の化合物を、本明細書に記載されるインビトロ生化学蛍光偏光(FP)アッセイを使用してUSP30親和性について試験し得る。
【0037】
USP30は、細胞内に存在するエネルギー産生細胞小器官であるミトコンドリアの外膜に位置する膜貫通タンパク質である。したがって、インビトロで細胞活性を示すことができることは有利であり、その理由は、これが、その生理学的状況において、すなわちUSP30阻害剤化合物が細胞に浸透することができる場合に、標的に結合するより大きな能力を示し得る多くの構成要素の1つであるからである。USP30細胞ウエスタンブロット(WB)アッセイは、USP30活性をモニターするために不可逆活性プローブを使用して、細胞中のUSP30に対する化合物の活性を試験することを目的とする。細胞ウエスタンブロットアッセイと同様に、標的結合評価(エクスビボ)を、化合物を投与した動物由来の脳又は腎臓組織試料のいずれかにおいて実施してもよい。
【0038】
標的結合に関する知識を下流の薬力学に拡張するために、TOM20(ミトコンドリア外膜タンパク質)ユビキチン化の評価を行ってもよい。
【0039】
概して、薬物がその所望の標的酵素に対して可能な限り選択的であることが重要であり、更なる活性は、副作用の可能性を生じさせる。多くのDUBの正確な生理学的役割はまだ完全には決定されていないが、これらのDUBがどのような役割を果たし得るか否かに無関係に、任意の薬物が未知の生理学的機能の関連する機構的標的に対する選択性を有することを確保することは、健全な医薬化学の原則である。本発明の化合物をスクリーニングし得るDUB酵素の代表的な例は、UCHL1、UCHL3、UCHL5、YOD1、SENP2、SENP6、TRABID、BAP1、Cezanne、MINDY2/FAM63B、OTUD1、OTUD3、OTUD5、OTUD6A、OTUD6B、OTUB1/UBCH5B、OTUB2、CYLD、VCPIP、AMSH-LP、JOSD1、JOSD2、USP1/UAF1、USP2、USP4、USP5、USP6、USP7、USP8、USP9x、USP10、USP11、USP12/UAF1、USP13、USP14、USP15、USP16、USP19、USP20、USP21、USP22、USP24、USP25、USP28、USP32、USP34、USP35、USP36、USP45、USP46/UAF1、USP47及びUSP48である。好ましくは、本発明の化合物は、これらのDUB酵素の1つ又は複数よりもUSP30に対して良好な選択性を有する。
【0040】
他のDUB酵素に対する選択性とは別に、薬物が他の標的に対して低い親和性を有することが重要であり、標的のパネルに対して薬理学的プロファイリングを実施して、潜在的なオフターゲット効果の可能性を評価し、それを最小限に抑え得る。本発明の化合物をスクリーニングし得る標的の例は、業界標準のEurofins-Cerep SafetyScreen44パネルの標的であり、GPCR受容体、トランスポーター、イオンチャネル、核内受容体並びにキナーゼ及び非キナーゼ酵素の代表的な選択として44個の標的が挙げられる。好ましくは、本発明の化合物は、このスクリーニングパネルの標的に対して影響力のない親和性を有する。本発明の化合物をスクリーニングし得る標的の更なる例は、Thermo Fisher SelectScreenキナーゼプロファイリングパネルのキナーゼであり、これは、キナーゼ酵素の代表的な選択として39個の標的を含む。好ましくは、本発明の化合物は、このスクリーニングパネルの標的に対して影響力のない親和性を有する。更に、本発明の化合物をスクリーニングし得る特定の酵素クラスの例は、カテプシン(例えば、カテプシンA、B、C、H、K、L、S、V及びZ)である。好ましくは、本発明の化合物は、これらの酵素の1つ又は複数よりもUSP30に対して良好な選択性を有する。
【0041】
経口投与に適するような好ましい薬物動態特性を有する化合物も必要とされている。経口投与される薬物は、良好なバイオアベイラビリティ、すなわち、胃腸(GI)管を容易に通過し、GI管から体循環に入る際に広範な代謝を受けない能力を有するべきである。薬物が体循環に入ると、代謝速度も、体内での薬物の滞留時間を決定するのに重要である。
【0042】
したがって、薬物分子が、GI管を容易に通過することができ、体内でゆっくりとしか代謝されない特性を有することは明らかに好ましい。Caco-2アッセイは、所与の分子がGI管を通過する能力を予測するための広く受け入れられているモデルである。薬物分子の代謝の大部分は概して肝臓で起こり、全細胞肝細胞(動物又はヒト)を使用するインビトロアッセイは、肝臓における代謝に対する所与の分子の感受性を測定するための広く受け入れられている方法である。このようなアッセイは、肝細胞のクリアランス計算値からインビボクリアランスを予測することを目的とする。
【0043】
良好なCaco-2流動性を有し、肝細胞に対して安定な化合物は、良好な経口バイオアベイラビリティ(GI管を横切る良好な吸収及び化合物が肝臓を通過する際の化合物の最小抽出)及び薬物が有効であるのに十分な体内での長い滞留時間を有すると予測される。
【0044】
化合物の溶解度は、予期される薬理学的応答のための体循環中の所望の薬物濃度を達成する重要な因子である。低い水溶性は、新しい化学物質の製剤開発で遭遇する問題であり、吸収されるためには、薬物は吸収部位において溶液の形態で存在する必要がある。化合物の速度論的溶解度は、比濁溶解度アッセイを使用して測定し得、そのデータはまた、Caco-2透過性データと併せて使用して、用量依存的ヒト腸管吸収を予測し得る。
【0045】
化合物の曝露プロファイルを示す標準的なアッセイを使用して測定し得る他のパラメータとしては、例えば、血漿安定性(半減期測定)、血液AUC、Cmax、Cmin及びTmax値が挙げられる。
【0046】
アルツハイマー病、パーキンソン病、及び本明細書に記載される他の障害を含む、CNS障害の治療には、薬物分子が脳を標的とすることが必要であり、これには、血液脳関門の十分な浸透を必要とする。したがって、有効な血液脳浸透特性を有し、有効であるために好適な脳内での滞留時間を提供する、USP30阻害剤が必要とされている。化合物が血液脳関門を通過することができる確率は、MDR1-MDCK細胞単層(ヒト排出輸送体P-糖タンパク質の過剰発現をもたらすMDR-1でトランスフェクトしたMadin-Darbyイヌ腎細胞)を利用するインビトロフラックスアッセイによって測定し得る。更に、曝露はまた、インビボ動物モデルを使用して脳及び血漿中で直接測定し得る。
【0047】
また、種々の標準的なin vitro及びin vivo法によって測定し得る好ましい安全性プロファイルを有する化合物も必要とされている。細胞傷害性カウンタースクリーニングを使用して、ミトコンドリア活性に応答したレゾフリンに対するレザスリンalamarBlue(商標)の蛍光検出によって、特定の細胞株(例えば、HCT116)における抗増殖/細胞傷害性効果をアッセイし得る。
【0048】
毒性学及び安全性研究も、有害作用の潜在的な標的器官を同定し、臨床試験における最初の開始用量を設定するための治療指数を定義するために行い得る。規制要件は概して、少なくとも2種類の実験動物種、1つのげっ歯類(ラット又はマウス)及び1つの非げっ歯類(ウサギ、イヌ、非ヒト霊長類、又は他の好適な種)で行われる研究を必要とする。
【0049】
細菌復帰変異アッセイ(エームス試験)を使用して、アミノ酸ヒスチジンの生合成の変異型である細菌株ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)を共通して使用することにより、本発明の化合物の変異誘発特性を評価し得る。
【0050】
小核アッセイを使用して、小核の有無を評価することによって、化合物が遺伝毒性であるかどうかを決定してもよい。小核は、DNA切断から産生された染色体断片(染色体切断物質)又は分裂装置の破壊によって産生された染色体全体(異数性誘発物質)を含有し得る。
【0051】
hERG予測アッセイは、試験化合物のカリウムチャネルへの可能な結合及び心エコー図での潜在的なQT延長についての有用な情報を提供する。hERG電流の阻害は、QT間隔延長を引き起こし、潜在的に致命的な心室頻脈性不整脈(多形性心室頻拍(Torsades de Pointes))をもたらす。典型的には、アッセイデータは、自動パッチクランプアッセイプラットフォームから生成し得る。
【0052】
第1の態様によれば、本発明は、式(I)の化合物:
【化2】
その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩であって、式中
(a)XはNであり;
、X及びXはCRである;又は
(b)XはNであり;
、X及びXのうちの1つがNであり;
、X及びXのうちの2つがCRである;又は
(c)X及びXはCRであり;
及びXはNである;のいずれかであり、
環Aは、
(i)N及びOから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員単環式ヘテロアリール環;
(ii)N、O及びSから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む6員単環式ヘテロアリール環;
(iii)N、O及びSから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~6員の飽和又は部分飽和単環式ヘテロシクリル環;並びに
(iv)フェニル又はナフチルから選択され;
環Aは、非置換であるか、又は1若しくは2個のR置換基によって置換されているかのいずれかであり;
環Bは、
(i)フェニル又はナフチル;
(ii)N、O及びSから各々独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~6員単環式ヘテロアリール環;並びに
(iii)N、O及びSから各々独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含む9~10員二環式ヘテロアリール環から選択され;
環Bは、非置換であるか、又は各々独立してハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル、ハロ(C~C)アルコキシ、(C~C)シクロアルキル、O(C~C)シクロアルキル、(C~C)アルコキシ(C~C)アルキル、オキセタニルオキシ、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、NH(C~C)アルキル、N((C~C)アルキル)、C(O)NH(C~C)アルキル、C(O)N((C~C)アルキル)、NHC(O)(C~C)アルキル、N(C~C)アルキル)C(O)(C~C)アルキル)、C(O)(C~C)アルキル、C(O)O(C~C)アルキル、COH、CONH、SONH(C~C)アルキル及びSON((C~C)アルキル)から選択される、1~5個の置換基によって置換されているかのいずれかであり;
は、水素、(C~C)アルキル及び(C~C)シクロアルキルから選択され;
及びRは、各々独立して、水素、ハロ、(C~C)アルキル及び(C~C)アルコキシから選択され;
及びRは各々独立して、水素及び(C~C)アルキルから選択され、
は、水素又は(C~C)アルキルであり;
各Rは、ハロ、(C~C)アルキル及び(C~C)アルコキシから独立して選択され、;
ただし、環Aが非置換オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、環Bがフェニルであり、R、R、R、R及びRが各々水素であり、X、X、X及びXのうちの2つがNである場合、環Bは、環Aに対してメタ位でCFによって置換されていない、
化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を提供する。
【0053】
放棄事項は、CH-トリアゾリルで置換されたN-シアノピロリジンである実施例4を含む、国際公開第2021/239863号に関する。
【0054】
別段の指示がない限り、アルキル及びアルコキシ基は、直鎖又は分枝鎖であってもよく、1~6個の炭素原子、より典型的には1~4個の炭素原子を含有してもよい。アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、ペンチル及びヘキシルが挙げられる。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソブトキシ及びn-ブトキシが挙げられる。アルコキシアルキルの例としては、メトキシメチル、メトキシエトキシ及びエトキシメトキシが挙げられる。
【0055】
別段の指示がない限り、シクロアルキル及びシクロアルコキシ(O-シクロアルキル)基は、3~6個の炭素原子、より典型的には3~4個の炭素原子を含有する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。シクロアルコキシの例としては、シクロプロポキシ及びシクロブトキシが挙げられる。
【0056】
ハロとは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨード、特にフルオロ又はクロロを意味する。ハロアルキル及びハロアルコキシ基は、1つ又は複数のハロ置換基を含有してもよい。例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシである。
【0057】
ヘテロシクリル環は、飽和又は部分飽和のいずれかであり、各々独立して窒素、酸素及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子、好ましくは1、2又は3個のヘテロ原子を含む、単環式又は縮合二環式環であってもよい。ヘテロシクリル基の例としては、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロオキサゾリル、チアゾリニル、ジオキソラニル、オキサチオラニル、ジチオラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、チアゾリジニル、ピラニル、ピペリジニル、ジオキサニル、モルホリノ、ジチアニル、チオモルホリノ、ピペラジニル及びテトラヒドロピラゾロピラジニルが挙げられる。
【0058】
ヘテロアリール環は、単環式又は二環式であってもよく、環Aに関して各ヘテロ原子が独立して窒素及び酸素から(単独で)選択される場合を除いて、窒素、酸素及び硫黄から各々独立して選択される1~4個のヘテロ原子、好ましくは1、2又は3個のヘテロ原子を含んでもよい。単環式ヘテロアリール環は芳香族であり、二環式ヘテロアリール環は、両方の環が芳香族であるか、又は環の一方が芳香族であり、他方の環が飽和若しくは部分飽和である縮合環であるかのいずれかである。ヘテロアリール基の例としては、フラニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(特に、1、3、4-オキサジアゾリル、1、2、3-オキサジアゾリル、1、2、4-オキサジアゾリル及び1、2、5-オキサジアゾリル)、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル(特に、1、3、4-チアジアゾリル、1、2、3-チアジアゾリル、1、2、4-チアジアゾリル及び1、2、5-チアジアゾリル)、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル(特に、1、2、3-トリアゾリル及び1、2、4-トリアゾリル)、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル(特に、1、2、3-トリアジニル、1、2、4-トリアジニル及び1、3、4-トリアジニル)、インダゾリル、インドリル、インドリニル、インドリジニル、イソインドリル、イソインドリニル、プリニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、オキサゾロピリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾキサジニル、ジヒドロキナゾリニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルが挙げられる。
【0059】
別段の指示がない限り、置換されているという用語は、1つ又は複数の定義された基によって置換されていることを意味する。基が2つ以上の選択肢から選択されてもよい場合、選択された基は同じであっても異なっていてもよい。「独立して」という用語は、2つ以上の置換基が2つ以上の可能な置換基から選択される場合、それらの置換基が同じであっても異なっていてもよいことを意味する。
【0060】
式(I)の化合物の好ましい態様及び実施形態を以下に定義する。
【0061】
本発明の1つの好ましい態様では、(a)、XはNであり、X、X及びXはCRである。
【0062】
本発明の別の好ましい態様では、(b)XはNであり、X、X及びXのうちの1つはNであり、X、X及びXのうちの2つはCRである。
【0063】
本発明の別の好ましい態様では、(c)、X及びXはCRであり;X及びXはNである。
【0064】
本発明の好ましい実施形態では、環Bは、
(i)フェニル又はナフチル;
(ii)フラニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(特に、1、3、4-オキサジアゾリル、1、2、3-オキサジアゾリル、1、2、4-オキサジアゾリル及び1、2、5-オキサジアゾリル)、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル(特に、1、3、4-チアジアゾリル、1、2、3-チアジアゾリル、1、2、4-チアジアゾリル及び1、2、5-チアジアゾリル)、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル(特に、1、2、3-トリアゾリル及び1、2、4-トリアゾリル)、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される5~6員単環式ヘテロアリール環;並びに
(iii)インダゾリル、インドリル、インドリニル、インドリジニル、イソインドリル、イソインドリニル、プリニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、オキサゾロピリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロキナゾリニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルから選択される9~10員二環式ヘテロアリール環から選択される。
【0065】
より好ましくは、環Bは、フェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル及びジヒドロキナゾリニルから選択される。
【0066】
更により好ましくは、環Bは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、インダゾリル、インドリル及びイソインドリルから選択される。
【0067】
最も好ましくは、環Bは、フェニル、ピリジニル及びインダゾリルから選択される。
【0068】
本発明の好ましい実施形態では、環Bは、非置換であるか、又は各々独立して、ハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)シクロアルキル、O(C~C)シクロアルキル、(C~C)アルコキシ(C~C)アルキル、オキセタニルオキシ、アゼチジニル、ピロリジニル及びピペリジニルから選択される、1~5個の置換基、より好ましくは1~3個の置換基、最も好ましくは1~2個の置換基で置換されているかのいずれかである。
【0069】
より好ましくは、環Bは、非置換であるか、又は各々独立してハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル、ハロ(C~C)アルコキシ、(C~C)シクロアルキル、O(C~Cシクロアルキル、(C~C)アルコキシ(C~C)アルキル、オキセタニルオキシ、アゼチジニル、ピロリジニル及びピペリジニルから選択される、1~5個の置換基、好ましくは1~3個の置換基、最も好ましくは1~2個の置換基で置換されているかのいずれかである。
【0070】
更により好ましくは、環Bは、非置換であるか、又は各々独立してハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタニルオキシから選択される、1~5個の置換基、好ましくは1~3個の置換基、最も好ましくは1~2個の置換基で置換されているかのいずれかである。
【0071】
更により好ましくは、環Bは、非置換であるか、又は各々独立してクロロ、フルオロ、CN、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される、1~5個の置換基、好ましくは1~3個の置換基、最も好ましくは1~2個の置換基で置換されているかのいずれかである。
【0072】
最も好ましくは、環Bは、非置換であるか、又は各々独立してクロロ、フルオロ、CN、メチル、エチル、メトキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される、1~5個の置換基、好ましくは1~3個の置換基、最も好ましくは1~2個の置換基で置換されているかのいずれかである。
【0073】
1つの好ましい態様では、本発明は、式(I)(A)を有する式(I)の化合物:
【化3】
その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩であって、式中
Zは、N又はCR11であり;
、R11及びR12は各々独立して、水素、ハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル、ハロ(C~C)アルコキシ、(C~C)シクロアルキル、O(C~Cシクロアルキル、(C~C)アルコキシ(C~C)アルキル、オキセタニルオキシ、アゼチジニル、ピロリジニル及びピペリジニルから選択され;
及びR10は各々独立して、水素、ハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル、ハロ(C~C)アルコキシ、(C~C)シクロアルキル、O(C~Cシクロアルキル、(C~C)アルコキシ(C~C)アルキル、オキセタニルオキシ、アゼチジニル、ピロリジニル及びピペリジニルから選択され;
又はR及びR10は一緒になって、N、O及びSから各々独立して選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員の飽和、部分飽和又は芳香環を形成し、該環は、非置換であるか、又は各々独立してハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル及びハロ(C~C)アルコキシから選択される1~2個の置換基で置換されているかのいずれかであり;
ただし、環Aが非置換オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、R、R、R、R及びRが各々水素であり、X、X、X及びXのうちの2つがNであり、ZがCR11であり、R11が水素又はハロである場合、RはCFではない、化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩に関する。
【0074】
1つの実施形態では、ZはCR11であり、これは、式(I)(B)を有する式(I)の化合物:
【化4】
その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を提供する。これは、環Bがフェニル又は9~10員の二環式ヘテロアリール環(R及びR10が一緒になってヘテロシクリル又はヘテロアリール環を形成する)のいずれかである式(I)の化合物に相当する。
【0075】
別の実施形態では、ZはNであり、これは、式(I)(C)を有する式(I)の化合物:
【化5】
その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を提供する。これは、環Bがピリジニル(6員単環式ヘテロアリール環)である式(I)の化合物に相当する。
【0076】
本発明の別の好ましい態様では、環Aは、各々独立してN及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員単環式ヘテロアリール環である。より好ましくは、環Aは、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(特に、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル及び1,2,5-オキサジアゾリル)、イミダゾリル、ピラゾリル及びトリアゾリル(特に、1,2,3-トリアゾリル及び1,2,4-トリアゾリル)から選択されるヘテロアリール環である。更により好ましくは、環Aはオキサゾリル及びオキサジアゾリルから選択される。最も好ましくは、環Aはオキサゾリル及び1、3、4-オキサジアゾリルから選択される。
【0077】
別の好ましい態様では、環Aがオキサゾリル及びオキサジアゾリルから選択される場合、本発明は、式(I)(D)を有する式(I)の化合物:
【化6】
その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩であって、式中に関し、XはN、CH及びCRから選択される、化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩に関する。1つの好ましい実施形態では、XはCH及びCRから選択され、ZはCR11である。別の好ましい実施形態では、XはNであり、ZはCR11である。別の好ましい実施形態では、XはCH及びCRから選択され、ZはNである。別の好ましい実施形態では、XはNであり、ZはNである。最も好ましくは、各実施形態では、XはCHである。
【0078】
本発明の別の好ましい態様では、環Aは、各々独立してN、O及びSから選択される、1~3個のヘテロ原子を含む6員単環式ヘテロアリール環である。より好ましくは、環Aは、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択されるヘテロアリール環である。最も好ましくは、環Aはピリジニルである。
【0079】
別の好ましい態様では、環Aがピリジニルである場合、本発明は、式(I)(E)を有する式(I)の化合物:
【化7】
その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を提供する。1つの好ましい実施形態では、ZはCR11である。別の好ましい実施形態では、ZはNである。ピリジニル環は、非置換であるか、又は1個若しくは2個のR置換基によって置換されているかのいずれかである。好ましくは、ピリジニル環は非置換である。
【0080】
本発明の別の好ましい態様では、環Aは、各々独立してN、O及びSから選択される、1~3個のヘテロ原子を含む4~6員の飽和又は部分飽和単環式ヘテロシクリル環である。より好ましくは、環Aは、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロオキサゾリル、チアゾリニル、ジオキソラニル、オキサチオラニル、ジチオラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル(pyrazolinyl)、チアゾリジニル、ピラニル、ピペリジニル、ジオキサニル、モルホリノ、ジチアニル、チオモルホリノ及びピペラジニルから選択されるヘテロシクリル環である。最も好ましくは、環Aはピロリジニルである。
【0081】
別の好ましい態様では、環Aがピロリジニルである場合、本発明は、式(I)(F)を有する式(I)の化合物:
【化8】
その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を提供する。1つの好ましい実施形態では、ZはCR11である。別の好ましい実施形態では、ZはNである。ピロリジニル環は、非置換であるか、又は1個若しくは2個のR置換基によって置換されているかのいずれかである。好ましくは、ピロリジニル環は非置換である。
【0082】
本発明の別の好ましい態様では、環Aはフェニルである。
【0083】
別の好ましい態様では、環Aがフェニルである場合、本発明は、式(I)(G)を有する式(I)の化合物:
【化9】
その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を提供する。1つの好ましい実施形態では、ZはCR11である。別の好ましい実施形態では、ZはNである。フェニル環は、非置換であるか、又は1個若しくは2個のR置換基によって置換されているかのいずれかである。好ましくは、フェニル環は非置換であるか、又はフルオロで置換されている。
【0084】
本発明の全ての態様の好ましい実施形態では、Rは、水素、メチル及びシクロプロピルから選択される。最も好ましくは、Rは、水素及びシクロプロピルから選択される。
【0085】
本発明の全ての態様の好ましい実施形態では、R、R、R及びRは、各々水素である。
【0086】
本発明の全ての態様の好ましい実施形態では、Rは水素又はメチルである。最も好ましくは、Rは水素である。
【0087】
本発明の全ての態様の1つの好ましい実施形態では、環Aは非置換である。
【0088】
本発明の全ての態様の別の好ましい実施形態では、環Aは、フルオロ、クロロ、メチル及びメトキシから独立して選択される1又は2個のR基によって置換されている。好ましくは、環Aは、フルオロ、クロロ、メチル及びメトキシから選択される1個のR基で置換されている。
【0089】
本発明の全ての態様の好ましい実施形態では、R及びR11は、各々独立して、水素、ハロ、CN、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF及びOCFから選択される。より好ましくは、R及びR11は、各々独立して、水素、ハロ及びCNから選択される。更により好ましくは、R及びR11は、各々独立して、水素、フルオロ及びCNから選択される。最も好ましくは、R及びR11は各々水素である。
【0090】
本発明の全ての態様の好ましい実施形態では、Rは、水素、ハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル、ハロ(C~C)アルコキシ、(C~C)シクロアルキル、O(C~C)シクロアルキル及びオキセタニルオキシから選択される。より好ましくは、Rは、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される。更により好ましくは、Rは、水素、フルオロ、クロロ、CN、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF及びOCFから選択される。最も好ましくは、Rは、水素、クロロ、CN、エチル、シクロプロピル、CF及びOCFから選択される。
【0091】
本発明の全ての態様の好ましい実施形態では、R10は、水素、ハロ、CN、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF及びOCFから選択される。より好ましくは、R10は、水素、フルオロ、クロロ及びCNから選択される。最も好ましくは、R10は水素である。
【0092】
あるいは、本発明の全ての態様の好ましい実施形態では、R及びR10は一緒になって、各々独立してN、O及びSから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~6員の部分飽和又は芳香環を形成する。より好ましくは、R及びR10は一緒になって、1~2個の窒素原子を含む5~6員の部分飽和又は芳香環を形成する。最も好ましくは、R及びR10は一緒になって、1~2個の窒素原子を含む5員の部分飽和又は芳香環を形成する。本発明の全ての態様の特に好ましい実施形態では、R及びR10は、それらが結合しているフェニル環と一緒になって、インダゾリル環を形成する。
【0093】
好ましくは、R及びR10によって形成される環は、非置換であるか、又は各々独立してハロ、CN、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF及びOCFから選択される1~2個の置換基で置換されているかのいずれかである。より好ましくは、R及びR10によって形成される環は、非置換であるか、又は各々独立してフルオロ、クロロ、メチル及びメトキシから選択される1~2個の置換基で置換されているかのいずれかである。最も好ましくは、R及びR10によって形成される環は、非置換であるか、又は1個の置換基で置換されているかのいずれかである。R及びR10が、それらが結合しているフェニル環と一緒になってインダゾリル環を形成する場合、その環は好ましくは1-メチル-1H-インダゾリルである。
【0094】
本発明の全ての態様の好ましい実施形態では、R12は、水素、ハロ、CN、ヒドロキシ、オキソ、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、ハロ(C~C)アルキル、ハロ(C~C)アルコキシ、(C~C)シクロアルキル、O(C~C)シクロアルキル及びオキセタニルオキシから選択される。より好ましくは、R12は、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される。更により好ましくは、R12は、水素、フルオロ、クロロ、CN、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される。最も好ましくは、R12は、水素、メトキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される。
【0095】
1つの好ましい態様では、式(I)の化合物は、式(I)(D)の化合物であり:
は、水素、ハロ、CN、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF及びOCFから選択され;
は、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択され;
10は、水素、ハロ、CN、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF及びOCFから選択され;
11は、水素、ハロ、CN、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ及びOCFから選択され;
12は、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される。
【0096】
本発明の全ての態様の好ましい実施形態では、R、R、R10、R11及びR12置換基のうちの2つは水素であり、残りの3つの置換基は、本明細書の実施形態において定義される通りである。最も好ましくは、R、R、R10、R11及びR12置換基のうちの3つは水素であり、残りの2つの置換基は本明細書中の実施形態において定義される通りである。
【0097】
本発明の全ての態様の好ましい実施形態では、R及びR11は水素であり、R、R10及びR12は、本明細書の実施形態において定義される通りである。より好ましくは、R及びR11は水素であり、R10は水素、フルオロ及びCNから選択され、R及びR12は本明細書の実施形態で定義されている通りである。最も好ましくは、R、R10及びR11は水素であり、R及びR12は本明細書の実施形態において定義されている通りである。
【0098】
例えば、本発明の全ての態様の1つの好ましい実施形態では、
、R10及びR11は水素であり;
及びR12は各々独立して、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される。
【0099】
式(I)の化合物は、2個以上の不斉炭素原子(キラル中心)を含有し、4つ以上の立体異性体として存在することができる。
【0100】
式(I)の化合物は、NRC(O)及びCR環基によって置換されているピロリジン環の炭素原子に2つのキラル中心を含有し、この立体中心は、(R)又は(S)配置のいずれかで存在してもよい。IUPAC命名法による立体異性体の絶対配置(R)及び(S)の指定は、置換基の性質及び配列規則手順の適用に依存する。式(I)の化合物は、例えば、R又はRが水素以外である場合、又はR及びRが異なる場合、他のキラル中心を含有してもよい。式(I)の化合物の全ての立体異性体及びそれらの組み合わせが本発明の範囲内に含まれる。
【0101】
したがって、NRC(O)及びCR環基のキラル中心に関して、式(I)の化合物は、以下の配置のいずれかで存在してもよい:
【化10】
【0102】
本発明の式(I)の化合物、並びにその全ての態様及び好ましい実施形態は、好ましくは、以下の絶対配置を有する単一の立体異性体として存在する。
【化11】
【0103】
基R、R、R及びRが全て水素である場合、本発明の式(I)の化合物、並びにその全ての態様及び好ましい実施形態は、好ましくは、以下の絶対配置(3R、5S)を有する単一の立体異性体として存在する。
【化12】
【0104】
式(I)の化合物が単一の立体異性体である場合、それは、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、更により好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、例えば96%、97%、98%、99%又は100%の立体異性体過剰率で存在する。
【0105】
個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来の技術としては、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、又は例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用する、ラセミ体(又は塩若しくは誘導体のラセミ体)の分割が挙げられる。あるいは、ラセミ体(又はラセミ前駆体)を、好適な光学活性化合物、例えばアルコールと、又は式(I)の化合物が酸性又は塩基性部分を含有する場合には、1-フェニルエチルアミン又は酒石酸などの塩基又は酸と反応させてもよい。得られたジアステレオマー混合物を、クロマトグラフィー及び/又は分別結晶によって分離し、ジアステレオ異性体の一方又は両方を、当業者に周知の手段によって対応する純粋なエナンチオマーに変換してもよい。本発明のキラル化合物(及びそのキラル前駆体)は、0~50体積%、典型的には2%~20%のプロパン-2-オール、及び0~5体積%のアルキルアミン、典型的には0.1%のジエチルアミンを含有する、炭化水素、典型的にはヘプタン又はヘキサンからなる移動相を用いる不斉樹脂上でのクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを使用して、エナンチオマー富化形態で得てもよい。溶出液を濃縮すると濃縮混合物が得られる。本発明は、ラセミ体及びそのラセミ混合物(集合体(conglomerates))を含む、式(I)の化合物の全ての結晶形態を含む。立体異性集合体は、当業者に公知の従来技術によって分離してもよい。例えば、「Stereochemistry of Organic Compounds」by E.L.Eliel and S.H.Wilen(Wiley,New York,1994)を参照されたい。
【0106】
本発明が式(I)の化合物に関する場合、好ましくは、この化合物は、式(I)(i)の絶対立体化学配置を有する:
【化13】
【0107】
本発明が式(I)(A)の化合物に関する場合、好ましくは、化合物は、式(I)(A)(i)の絶対立体化学配置を有する:
【化14】
【0108】
本発明が式(I)(B)の化合物に関する場合、好ましくは、化合物は、式(I)(B)(i)の絶対立体化学配置を有する:
【化15】
【0109】
本発明が式(I)(C)の化合物に関する場合、好ましくは、化合物は、式(I)(C)(i)の絶対立体化学配置を有する:
【化16】
【0110】
本発明が式(I)(D)の化合物に関する場合、好ましくは、化合物は、式(I)(D)(i)の絶対立体化学配置を有する:
【化17】
【0111】
本発明が式(I)(E)の化合物に関する場合、好ましくは、化合物は、式(I)(E)(i)の絶対立体化学配置を有する:
【化18】
【0112】
本発明が式(I)(F)の化合物に関する場合、好ましくは、化合物は、式(I)(F)(i)の絶対立体化学配置を有する:
【化19】
【0113】
本発明が式(I)(G)の化合物に関する場合、好ましくは、化合物は、式(I)(G)(i)の絶対立体化学配置を有する:
【化20】
【0114】
本発明の式(I)及び式(I)(i)の各化合物の1つの特に好ましい態様では:
環Bは、フェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル及びジヒドロキナゾリニルから選択され、好ましくはフェニル、ピリジニル及びインダゾリルから選択され;
環Bは、非置換であるか、又は各々独立してハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタニルオキシから選択される1~2個の置換基で置換されているかのいずれかであり;
環Aは、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリジニル及びフェニルから選択され、好ましくはオキサゾリル、1、3、4-オキサジアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル及びフェニルから選択され;
環Aは、非置換であるか、又はフルオロ、クロロ、メチル及びメトキシから選択される1個のR基で置換されているかのいずれかであり;
は、水素、メチル及びシクロプロピルから選択され;
、R、R及びRは各々水素であり;
は、水素又はメチルである。
【0115】
本発明の式(I)及び式(I)(i)の各化合物のより特により好ましい態様では、
環Bは、フェニル、ピリジニル及びインダゾリルから選択され;
環Bは、非置換であるか、又は各々独立してハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタニルオキシから選択される1~2個の置換基で置換されているかのいずれかであり;
環Aは、オキサゾリル、1、3、4-オキサジアゾリル、ピリジニル、ピロリジニル及びフェニルから選択され;
環Aは、非置換であるか、又はメチルによって置換されているかのいずれかであり;
は、水素及びシクロプロピルから選択され;
、R、R及びRは各々水素であり;
は、水素又はメチルである。
【0116】
本発明の式(I)(A)、(I)(B)、(I)(C)、(I)(D)、(I)(E)、(I)(F)、(I)(G)、(I)(A)(i)、(I)(B)(i)、(I)(C)(i)、(I)(D)(i)、(I)(E)(i)、(I)(F)(i)及び(I)(G)(i)の化合物の各々の1つの特に好ましい態様では:
は、水素、メチル及びシクロプロピルから選択され;
、R、R及びRは各々水素であり;
は、水素又はメチルであり、
環Aは、非置換であるか、又はフルオロ、クロロ、メチル及びメトキシから独立して選択される1若しくは2個のR基によって置換されているかのいずれかであり;
及びR11は各々水素であり、;
は、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択され;
10は、水素、フルオロ及びCNから選択され、好ましくは水素であり;
12は、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される。
【0117】
本発明の式(I)(A)、(I)(B)、(I)(C)、(I)(D)、(I)(E)、(I)(F)、(I)(G)、(I)(A)(i)、(I)(B)(i)、(I)(C)(i)、(I)(D)(i)、(I)(E)(i)、(I)(F)(i)及び(I)(G)(i)の化合物の各々の特により好ましい態様では:
は、水素及びシクロプロピルから選択され;
、R、R、R、R、R10及びR11は各々水素であり;
は、水素又はメチルであり、
環Aは、非置換であるか、又はメチルによって置換されているかのいずれかであり;
は、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択され;
12は、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択される。
【0118】
本発明の式(I)(A)、(I)(B)、(I)(C)、(I)(D)、(I)(E)、(I)(F)、(I)(G)、(I)(A)(i)、(I)(B)(i)、(I)(C)(i)、(I)(D)(i)、(I)(E)(i)、(I)(F)(i)及び(I)(G)(i)の化合物の各々の別の特に好ましい態様では:
は、水素、メチル及びシクロプロピルから選択され;
、R、R、R、R及びR11は各々水素であり;
は、水素又はメチルであり、
環Aは、非置換であるか、又はフルオロ、クロロ、メチル及びメトキシから独立して選択される1若しくは2個のR基によって置換されているかのいずれかであり;
及びR10は一緒になって、1~2個の窒素原子を含む5~6員の部分飽和又は芳香環を形成し、これは、非置換であるか、又は各々独立してフルオロ、クロロ、メチル及びメトキシから選択される1~2個の置換基で置換されてるかのいずれかであり;
12は、水素、ハロ、CN、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、シクロプロピル、シクロプロポキシ、CF、OCF及びオキセタン-3-イルオキシから選択され、好ましくは水素である。
【0119】
本発明の式(I)(A)、(I)(B)、(I)(C)、(I)(D)、(I)(E)、(I)(F)、(I)(G)、(I)(A)(i)、(I)(B)(i)、(I)(C)(i)、(I)(D)(i)、(I)(E)(i)、(I)(F)(i)及び(I)(G)(i)の化合物の各々の特により好ましい態様では:
は、水素及びシクロプロピルから選択され;
、R、R、R、R、R11及びR12は各々水素であり;
は、水素又はメチルであり、
環Aは、非置換であるか、又はメチルによって置換されているかのいずれかであり;
及びR10は、それらが結合しているフェニル環と一緒になって、インダゾール環を形成し、これは非置換であるか、又は各々独立してフルオロ及びメチルから選択される1~2個の置換基で置換されているかのいずれかであり、好ましくはメチルで置換されている。
【0120】
本発明で使用するための式(I)の好ましい化合物は、
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-エチルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シクロプロピルフェニル)オキサゾール2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロポキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((2 H-1、2、3-トリアゾール-2-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((4H-1、2、4-トリアゾール-4-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリンアミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリンアミド;
N-((3R、5S-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-1-シアノ-5-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S)-1-シアノ-5-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)(3(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド;
N-((3R、5S-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド;
S-N-((3R、5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド;
(R)-N-((3R、5S-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((2H-1、2、3-トリアゾール-2-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-プロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((4H-1、2、4-トリアゾール-4-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、2、4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
N-((3R、5S-5-((1H-1、2、3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1、2、4-オキサジアゾール-3-カルボキサミド;及び
N-((3R、5S-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-6-(1H-インダゾール-4-イル)ニコチンアミド;
その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩から選択される。
【0121】
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩としては、その酸付加塩及び塩基塩(二塩を含む)が挙げられる。
【0122】
好適な酸付加塩は、無毒の塩を形成する酸から形成される。例としては、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩、リン酸水素塩、イセチオン酸塩、D-及びL-乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、2-ナプシレート、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、パルマート(palmate)、リン酸塩、サッカレート、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、D及びL-酒石酸塩、並びにトシル酸塩が挙げられる。
【0123】
好適な塩基塩は、無毒の塩を形成する塩基から形成される。例としては、アルミニウム、アンモニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン及び亜鉛塩が挙げられる。
【0124】
好適な塩に関する概説については、Stahl and Wermuth,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,Wiley-VCH,Weinheim,Germany(2002)を参照されたい。
【0125】
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、式(I)の化合物の溶液と所望の酸又は塩基とを必要に応じて混合することによって容易に調製し得る。塩は、溶液から沈殿し、濾過によって回収されてもよく、又は溶媒の蒸発によって回収されてもよい。
【0126】
本発明による薬学的に許容される溶媒和物としては、結晶化の溶媒が同位体置換されていてもよい、例えば、DO、アセトン-d、DMSO-dであってもよい、水和物及び溶媒和物が挙げられる。
【0127】
また、前述の溶媒和物とは対照的に、薬物及びホストが非化学量論量で存在する、クラスレート、薬物-ホスト包接複合体も本発明の範囲内である。このような複合体の概説については、HaleblianによるJ.Pharm Sci,64(8),1269-1288(1975年8月)を参照されたい。
【0128】
以下、式(I)の化合物への全ての言及は、その塩並びに式(I)の化合物及びその塩の溶媒和物及びクラスレートへの言及を含む。
【0129】
本発明は、上で定義した式(I)の化合物の全ての多形体を含む。
【0130】
また、式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」も本発明の範囲内である。したがって、それ自体は薬理活性をほとんど又は全く有さない式(I)の化合物の特定の誘導体は、体内又は体表への投与時に代謝されると、所望の活性を有する式(I)の化合物を生じさせることができる。このような誘導体は「プロドラッグ」と呼ばれる。
【0131】
本発明によるプロドラッグは、例えば、式(I)の化合物に存在する適切な官能基を、例えば、H Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載される「プロ部分」として当業者に公知の特定の部分で置き換えることによって生成することができる。最後に、式(I)の特定の化合物はそれ自体、式(I)の他の化合物のプロドラッグとして作用し得る。
【0132】
また、式(I)の化合物の代謝物、すなわち式(I)の化合物の投与時にインビボで形成される化合物も本発明の範囲内である。このような代謝物はそれ自体が式(I)の化合物であってもよく、これは特に本発明の範囲に含まれる。
【0133】
式(I)の化合物の全ての互変異性形態が本発明の範囲内に含まれる。
【0134】
窒素原子を含有する式(I)の化合物の特定の誘導体はまた、対応するN-オキシドを形成し得、そのような化合物も本発明の範囲内である。
【0135】
本発明はまた、式(I)の化合物の全ての薬学的に許容される同位体変種も含む。同位体変種は、少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが、天然に通常見出される原子質量とは異なる原子質量を有する原子によって置き換えられている変種として定義される。
【0136】
本発明の化合物に含めるのに適した同位体の例としては、H及びHなどの水素、13C及び14Cなどの炭素、15Nなどの窒素、17O及び18Oなどの酸素、32Pなどのリン、35Sなどの硫黄、18Fなどのフッ素、36Clなどの塩素の同位体が挙げられる。
【0137】
本発明の化合物を重水素などの同位体で置換すると、代謝安定性が増し、例えば、インビボ半減期が増加又は必要投与量が減少することにより生じる特定の治療上の利点を得ることができ、したがっていくつかの状況では好ましくないことがある。
【0138】
式(I)の化合物の特定の同位体変種、例えば放射性同位体を組み込んだ変種は、薬物及び/又は基質組織分布研究に有用である。放射性同位体トリチウム及び14Cは、取り込みの容易さ及び容易な検出手段の観点から、この目的に特に有用である。
【0139】
式(I)の化合物の同位体変種は概して、当業者に公知の従来の技術によって、又は添付の実施例に記載されているものと類似のプロセス及び好適な試薬の適切な同位体変種を使用する調製によって調製することができる。
【0140】
式(I)の化合物は、脱ユビキチン化酵素USP30の阻害剤である。
【0141】
更なる態様によれば、本発明は、インビトロ又はインビボのいずれかでUSP30を阻害するのに使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を提供する。
【0142】
更なる態様によれば、本発明は、医薬として使用するための、本明細書で定義される式(I)の化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を提供する。
【0143】
更なる態様によれば、本発明は、USP30の阻害が哺乳動物において有益な効果をもたらすことが既知であるか又は示すことができる、障害又は状態の治療又は予防方法であって、治療有効量の本明細書で定義される式(I)の化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を該哺乳動物に投与することを含む、方法を提供する。本発明の全ての態様の1つの好ましい実施形態では、障害又は状態は、CNS適応症である。本発明の全ての態様の更に好ましい実施形態では、障害又は状態は末梢適応症である。
【0144】
更なる態様によれば、本発明は、USP30の阻害が有益な効果をもたらすことが既知であるか又は示すことができる、障害又は状態の治療又は予防のための医薬の製造における、本明細書で定義される式(I)の化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩の使用を提供する。医薬の製造は、とりわけ、式(I)の化合物若しくはその塩の化学合成、又は化合物若しくは塩を含む組成物若しくは製剤の調製、又は化合物を含む任意の医薬のパッケージングを含んでもよい。本発明の全ての態様の1つの好ましい実施形態では、障害又は状態は、CNS適応症である。本発明の全ての態様の更に好ましい実施形態では、障害又は状態は末梢適応症である。
【0145】
更なる態様によれば、本発明は、患者におけるUSP30の阻害方法であって、治療有効量の本明細書で定義される式(I)の化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。
【0146】
USP30活性から利益を得る障害又は状態は、ミトコンドリア機能不全、癌及び線維症を伴う状態から選択され得る。
【0147】
本発明の全ての態様の1つの好ましい実施形態では、USP30活性から利益を得る障害又は状態は、ミトコンドリア機能不全を伴う状態である。ミトコンドリア機能不全を伴う状態は、CNS適応症又は末梢適応症であり得る。
【0148】
ミトコンドリア機能不全は、赤血球を除く身体の全ての細胞に存在する特化された区画であるミトコンドリアの欠陥により生じる。ミトコンドリアが機能しなくなると、細胞内で生成されるエネルギーが少なくなり、その後細胞損傷又は更に細胞死に至る。このプロセスが全身で繰り返される場合、これが起こっている対象の生命は、重度に損なわれる。ミトコンドリアの疾患は、最も多くの場合、脳、心臓、肝臓、骨格筋、腎臓並びに内分泌及び呼吸器系などの非常にエネルギーを必要とする器官において現れる。
【0149】
ミトコンドリア機能不全を伴う状態は、マイトファジー欠損を伴う状態、ミトコンドリアDNAの変異を伴う状態、ミトコンドリア酸化ストレスを伴う状態、ミトコンドリア膜電位、ミトコンドリア生合成の欠陥を伴う状態、ミトコンドリア形状又は形態の欠陥を伴う状態、及びリソソーム貯蔵欠陥を伴う状態から選択され得る。
【0150】
特に、ミトコンドリア機能不全を伴う状態は、神経変性疾患;多発性硬化症(MS);ミトコンドリア脳筋症、乳酸アシドーシス及び脳卒中様発作(MELAS)症候群;母性遺伝糖尿病及び聴覚消失(MIDD);レーベル遺伝性視神経症(LHON);癌(例えば、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳癌、メラノーマ、骨癌、又は他の組織器官の癌及びリンパ腫及び白血病などの血液細胞の癌、多発性骨髄腫、転移性癌、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、上咽頭癌、結腸直腸癌、及び非小細胞肺癌を含む);神経障害、運動失調、網膜色素変性症、母性遺伝リー症候群(NARP-MILS);ダノン病;糖尿病;糖尿病性腎症;代謝障害;心不全;心筋梗塞に至る虚血性心疾患;精神病、例えば統合失調症;多種スルファターゼ欠損症(MSD);ムコリビドーシスII(ML II);ムコリビドーシスIII(ML III);ムコリビドーシスIV(ML IV);GM1-ガングリオシドーシス(GM1);神経セロイドリポフスチン症(NCL1);アルパース病;バース症候群;β酸化欠陥;カルニチン-アシル-カルニチン欠乏症;カルニチン欠乏症;クレアチン欠乏症候群;補酵素Q10欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;複合体V欠損症;COX欠損症;慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO);CPT I欠損症;CPT II欠損症;グルタル酸血症II型;カーンズ・セイアー症候群;乳酸アシドーシス;長鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠損症(LCHAD);リー病又は症候群;リー症候群フランス系カナダ人(LSFC)変種;致死性乳児心筋症(LIC);ルフト病;中鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠損症(MCAD);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);ミトコンドリア細胞症;ミトコンドリア劣性運動失調症候群;ミトコンドリアDNA枯渇症候群;筋神経胃腸障害及び脳症;ピアソン症候群;ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症;ピルベートカルボキシラーゼ欠損症;POLG遺伝子変異;中/短鎖3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(M/SCHAD)欠損症;超長鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ(VLCAD)欠損症;ペルオキシソーム病;メチルマロン酸血症;メバロン酸キナーゼ欠損症;認知機能及び筋力の年齢依存的低下;筋肉構造障害;並びに神経変性障害及び精神神経障害に関連する認知障害から選択され得る。
【0151】
ミトコンドリア機能不全を伴う状態は、CNS障害、例えば、神経変性疾患であり得る。
【0152】
神経変性疾患としては、限定されるものではないが、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症、多系統萎縮症(MSA)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、及び前頭側頭型認知症が挙げられる。
【0153】
特に、本発明の化合物は、限定されるものではないが、α-シヌクレイン、パーキン、PINK1、GBA、及びLRRK2の変異に関連するPD、並びにパーキン若しくはPINK1が変異、切断又は欠失している常染色体劣性若年性パーキンソン病(AR-JP)又は早期発症型パーキンソン病(EOPD)の治療又は予防に有用であり得る。
【0154】
特に、本発明の化合物は、例えばアルツハイマー病及びパーキンソン病に関連する認知障害、AD及びPDの発症前又は前駆型、ハンチントン病、レビー小体病を伴う認知症、統合失調症、気分障害、双極性及び大うつ病性障害に関連する認知障害を含む、神経変性障害及び精神神経障害に関連する認知障害の治療に有用であり得る。
【0155】
好ましい実施形態では、本発明は、例えば、X連鎖リー病、リー症候群フランス系カナダ人変種、及び/又はリー病に関連する症状を含む、リー症候群又は疾患の治療又は予防に関する。特に、本発明の化合物は、筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、筋緊張性ジストロフィー、眼筋咽頭型筋ジストロフィー、遠位型筋ジストロフィー、エメリー・ドレイフス型筋ジストロフィー、ベスレムミオパチー、セントラルコア病、先天性線維型不均衡、硝子体ミオパチー、筋ナトリウムチャネル障害、筋緊張性軟骨ジストロフィー、筋細管ミオパチー、ネマリン小体疾患、及び腹圧性尿失禁から選択される筋構造障害の治療に有用であり得る。
【0156】
本明細書に記載の本発明の化合物又はその医薬組成物は、ミトコンドリア機能不全を伴う状態の治療又は予防のために使用される場合、1つ又は複数の追加の薬剤と組み合わせてもよい。化合物は、レボドパ、ドーパミンアゴニスト、モノアミンオキシダーゼ(MAO)B阻害剤、カテコールO-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤、抗コリン作用薬、リルゾール、アマンタジン、コリンエステラーゼ阻害剤、メマンチン、テトラベナジン、抗精神病薬、ジアゼパム、クロナゼパム、抗うつ薬、及び抗痙攣薬から選択される1つ又は複数の追加の薬剤と組み合わせてもよい。化合物は、神経変性疾患における病因性タンパク質凝集体を低減/除去する薬剤、例えば、パーキンソン病、多系統萎縮症又はレビー小体を伴う認知症におけるα-シヌクレインを低減/除去する薬剤;アルツハイマー病又は進行性核上性麻痺におけるタウを減少/除去する薬剤;ALS又は前頭側頭型認知症におけるTDP-43を低減/除去する薬剤と組み合わせてもよい。
【0157】
化合物は、限定されないが、ニコチンアミドリボシドを含むミトコンドリア病の治療薬として使用され得る、新規な薬剤と組み合わせてもよい。
【0158】
化合物は、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン及びデフラザコート)、アタルレン、エテプリルセン、ゴロディルセン(golodirsen)、カシメルセン(casimersen)、ビルテプソ、及び他のエクソンスキッピング/ナンセンスリードスルー/遺伝子治療、ギビノスタット、パムレブルマブ(pamrevlumab)及びバモロロンを含むDMDなどの筋ジストロフィーの治療薬として使用される薬剤、並びに同様にアンジオテンシン変換酵素阻害剤及びβ遮断薬などの心臓薬と組み合わせてもよい。
【0159】
本発明の全ての態様の別の好ましい実施形態では、USP30活性から利益を得る障害又は状態は癌である。癌は、ミトコンドリア機能不全に関連し得る。好ましい癌としては、例えば、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳癌、メラノーマ、骨癌、又は他の組織器官の癌及びリンパ腫及び白血病などの血液細胞の癌、多発性骨髄腫、転移性癌、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、上咽頭癌、結腸直腸癌、結腸直腸癌、及び非小細胞肺癌が挙げられる。
【0160】
特に、本発明の化合物は、アポトーシス経路が調節不全である癌、より具体的にはBCL-2ファミリーのタンパク質が変異又は過剰発現若しくは過少発現している癌の治療又は予防に有用であり得る。
【0161】
線維症は、外傷、炎症、組織修復、免疫反応、細胞過形成、及び新生組織形成後に生じる細胞外マトリックス構成成分の蓄積を指す。本発明の化合物及び組成物によって治療され得る線維性障害としては、とりわけ、主要臓器疾患、例えば、間質性肺疾患(ILD)、肝硬変、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)(肝線維症)、腎疾患(腎線維症)、急性腎傷害(AKI)、急性腎疾患(AKD)、慢性腎疾患(CKD)、腎臓移植片機能遅延、心臓又は血管疾患(心線維症、肥大型心筋症(HCM))、及び眼疾患に関連する線維症/線維性障害;線維増殖性障害、例えば、全身性及び局所性強皮症、ケロイド及び肥厚性瘢痕、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、並びにデュピュイトラン拘縮;外傷に関連する瘢痕、例えば、手術合併症、化学療法薬誘導性線維症(例えば、ブレオマイシン誘導性線維症)、放射線誘導性線維症、偶発的損傷及び火傷);後腹膜線維症(オーモンド病);並びに通常腎移植後に腹膜透析を受けている患者における腹膜線維症/腹膜瘢痕が挙げられる。例えば、Wynn et al.,2004,Nat Rev Immunol.August;4(8):583-594を参照されたい。したがって、本発明は、例えば、肺、肝臓、腎臓、心臓、皮膚、眼、胃腸管、腹膜及び骨髄を含む主要臓器の、及び/又は主要臓器に関連する線維症/線維性障害、並びに本明細書に記載の他の疾患/障害の治療又は予防方法、並びに該方法において使用される化合物及び組成物に関する。
【0162】
化合物は、抗糖尿病剤、心血管疾患剤、並びに酸化ストレス(nrf2/keap-1経路を含むがこれに限定されない)及び抗アポトーシス経路(抗p53剤を含むがこれに限定されない)などの疾患関連経路を標的とする新規薬剤を含む、腎疾患の治療薬として使用される薬剤と組み合わせてもよい。
【0163】
間質性肺疾患(ILD)としては、肺炎症及び線維症が病理の最終的な共通経路である障害、例えば、サルコイドーシス、珪肺症、薬物反応、感染症、並びに関節リウマチ及び全身性硬化症(強皮症)などの膠原血管病が挙げられる。肺の線維性障害としては、例えば、肺線維症、特発性肺線維症(IPF)、通常型間質性肺炎(UIP)、間質性肺疾患、特発性線維化肺胞炎(CFA)、閉塞性細気管支炎、及び気管支拡張症が挙げられる。
【0164】
特発性肺線維症(IPF)は、最も一般的なタイプのILDであり、既知の原因はない。
【0165】
化合物は、ニンテダニブ及びピルフェニドンを含む、IPF及び潜在的にILDの治療薬である薬剤と組み合わせてもよい。
【0166】
肝硬変は、ILDと同様の原因を有し、肝硬変としては、例えば、ウイルス性肝炎、住血吸虫症及び慢性アルコール中毒に関連する硬変が挙げられる。
【0167】
腎疾患は、糖尿病に関連し得、これは、腎臓を損傷及び瘢痕化して進行性の機能喪失及び同様高血圧疾患をもたらし得る。腎線維症は、損傷後の急性腎疾患(AKD)並びに慢性腎疾患(CKD)、例えば、偶発的CKD及び進行性CKDから末期腎疾患(ESRD)まで、腎臓疾患の任意の段階で起こり得る。腎線維症は、高血圧又は糖尿病などの心血管疾患の結果として発症し得、これらは両方とも、腎機能に対して莫大な負担をかけ、線維化を促進する。しかし、腎線維症は特発性(未知の原因)であり得、特定の遺伝性ミトコンドリア病も腎線維症の発現及び関連症状を示す。
【0168】
心疾患は、心臓がポンピングする能力を損ない得る、瘢痕組織をもたらし得る。
【0169】
眼の疾患としては、例えば、黄斑変性並びに網膜及び硝子体の網膜症が挙げられ、これらは視力を損ない得る。
【0170】
好ましい実施形態では、本発明は、特発性肺線維症(IPF)の治療又は予防に関する。
【0171】
別の好ましい実施形態では、本発明は、腎線維症の治療又は予防に関する。
【0172】
別の好ましい実施形態では、本発明は、特に高リスク患者における急性腎傷害(AKI)の治療又は予防に関する。例としては、例えば、虚血再灌流傷害、移植片機能の遅延による臓器移植などの、術後AKI、化学療法によるAKIなどの腫瘍学;造影剤誘導性腎症、例えば、直接尿細管細胞傷害性、血行動態虚血及び浸透圧効果;薬物又は感染症に起因するような急性間質性腎炎;腎結石などの閉塞によるAKI;及びCOVID-19誘導性AKIが挙げられる。特定の高リスク患者サブグループは、心臓手術、例えば冠動脈バイパスグラフト術及び/又は弁手術を受けている患者である。65歳以上、インスリン依存性糖尿病、CKD(推定糸球体濾過量[eGFR]が60mL/分/1.73 m2未満の成人は特にリスクがある)、心不全、肝疾患、AKIの病歴などのAKIの確立された静的リスク因子がある。
【0173】
別の好ましい実施形態では、本発明は、例えば、尿細管間質性線維症及び糖尿病性腎症を含む、急性腎疾患(AKD)によるこのようなAKI又は慢性腎疾患(CKD)の治療又は予防に関する。
【0174】
別の好ましい実施形態では、本発明は、例えば、NAFLD、NASH、肝硬変、門脈圧亢進症、急性肝不全、及び肝細胞癌を含む肝疾患の治療又は予防に関する。NAFLD及びNASHなどの肝疾患は、メタボリックシンドローム及びII型糖尿病などの様々な代謝状態に関連し得、これはまた、糖尿病性網膜症及び末梢神経障害を含む、様々な糖尿病関連病態のリスクを増加させる。
【0175】
本明細書に記載の本発明の化合物又はその医薬組成物は、肝疾患及び代謝機能不全を伴う状態の治療又は予防に使用される場合、メトホルミン、スルホニル尿素、DPP-4阻害剤、GLP-1アゴニスト、PPARアゴニスト、SGLT2阻害剤、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤及びアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を含む、1つ又は複数の追加の薬剤と組み合わせてもよい。
【0176】
「治療」への言及は、一時的に又は永続的にのいずれかで症状を改善し、緩和し、症状の原因を排除する手段を含む。本発明の化合物は、ヒト及び他の哺乳動物における本明細書に開示される疾患の治療に有用である。
【0177】
別の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される疾患の予防療法を包含し、指定された障害又は状態の症状の出現を予防又は遅延するための手段を含む。本発明の化合物は、ヒト及び他の哺乳動物における本明細書に開示される疾患の予防に有用である。
【0178】
治療又は予防を必要とする患者は、例えば、その状態に罹患しているか、又はその状態に罹患するリスクがあるヒト又は他の哺乳動物であり得る。
【0179】
更なる態様によれば、本発明は、薬学的に許容される希釈剤又は担体と共に、本明細書で定義される式(I)の化合物又は該化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0180】
本発明の医薬組成物は、任意の薬学的に許容される担体、アジュバント又はビヒクルと組み合わせた、本発明の化合物のいずれかを含む。薬学的に許容される担体の例は当業者に公知であり、投与様式及び剤形の性質に応じて、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、潤滑剤及び分散剤が挙げられるが、これらに限定されない。組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、トローチ剤、坐剤、シロップ剤、並びに懸濁剤及び溶液剤を含む液体製剤の形態であってもよい。本発明の文脈における「医薬組成物」という用語は、活性薬剤を含み、更に1つ又は複数の薬学的に許容される担体を含む、組成物を意味する。組成物は、投与様式及び剤形の性質に応じて、例えば、希釈剤、アジュバント、賦形剤、ビヒクル、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、潤滑剤及び分散剤から選択される成分を更に含有してもよい。
【0181】
本明細書に記載される本発明の化合物又はその医薬組成物は、単独で、又は1つ又は複数の追加の医薬品と組み合わせて使用され得る。化合物は、追加の抗腫瘍治療剤、例えば、化学療法薬又は他の調節タンパク質の阻害剤と組み合わせてもよい。一実施形態では、追加の抗腫瘍治療剤はBH-3模倣薬である。更なる実施形態では、BH-3模倣薬は、ABT-737、ABT-199、ABT-263、及びオバトクラックスのうちの1つ又は複数から選択され得るが、これらに限定されない。更なる実施形態では、追加の抗腫瘍剤は化学療法剤である。化学療法剤は、オラパリブ、マイトマイシンC、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、電離放射線(IR)、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、テモゾロミド、タキサン、5-フルオロピリミジン、ゲムシタビン、及びドキソルビシンから選択され得るが、これらに限定されない。
【0182】
線維性障害の治療又は予防のために、例えば、本明細書に記載される本発明の化合物又はその薬学的組成物は、単独で、又は抗コリン剤、β-2模倣薬、ステロイド、PDE-IV阻害剤、p38 MAPキナーゼ阻害剤、NK1アンタゴニスト、LTD4アンタゴニスト、EGFR阻害剤及びエンドセリンアンタゴニストからなる群から選択される1つ又は複数の追加の治療薬と組み合わせて使用し得る。
【0183】
特に、本明細書に記載される本発明の化合物又はその医薬組成物は、単独で、又はコルチコステロイド、免疫抑制剤若しくは細胞傷害剤などの一般的な免疫抑制剤、又はピルフェニドン若しくは非特異的キナーゼ阻害剤(例えば、ニンテダニブ)などの抗線維症剤からなる群から選択される1つ又は複数の追加の治療薬と組み合わせて使用し得る。
【0184】
本発明の医薬組成物は、経口、非経口、局所、吸入、鼻腔内、直腸、膣内、眼及び耳などの任意の適切に有効な様式で投与され得る。本発明の化合物の送達に適した医薬組成物及びそれらの調製方法は、当業者に容易に明らかであろう。そのような組成物及びそれらの調製方法は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」,19th Edition(Mack Publishing Company,1995)に見出し得る。
【0185】
経口投与
本発明の化合物は経口投与してもよい。経口投与は、化合物が胃腸管に入るように嚥下を伴ってもよく、又は化合物が口から直接血流に入る口腔若しくは舌下投与を用いてもよい。
【0186】
経口投与に適した製剤としては、錠剤、粒子状物、液体、又は粉末を含有するカプセル剤、ロゼンジ(液体充填を含む)、咀嚼剤、多粒子及びナノ粒子、ゲル、フィルム(粘膜付着性を含む)、膣坐薬(ovule)、スプレーなどの固体製剤、並びに液体製剤が挙げられる。
【0187】
液体製剤としては、懸濁剤、液剤、シロップ剤及びエリキシル剤が挙げられる。そのような製剤は、軟カプセル又は硬カプセル中の充填剤として使用してもよく、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は適切な油、及び1つ又は複数の乳化剤及び/又は懸濁化剤を含む。液体製剤はまた、例えば小袋(sachet)からの固体を再構成することによって調製してもよい。
【0188】
本発明の化合物はまた、Expert Opinion in Therapeutic Patents,11(6),981-986 by Liang and Chen(2001)に記載されているものなどの急速溶解、急速崩壊剤形で使用してもよい。
【0189】
典型的な錠剤は、製剤化学者に公知の標準的な方法を使用して、例えば、直接圧縮、造粒(乾式、湿式、又は溶融)、溶融凝固、又は押出によって調製してもよい。錠剤製剤は、1つ又は複数の層を含んでもよく、コーティングされていてもコーティングされていなくてもよい。
【0190】
経口投与に適した賦形剤の例としては、担体、例えば、セルロース、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、マンニトール及びクエン酸ナトリウム、造粒結合剤、例えば、ポリビニルピロリジン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びゼラチン、崩壊剤、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム及びケイ酸ナトリウム、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸、湿潤剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、保存剤、抗酸化剤、香料及び着色剤が挙げられる。
【0191】
経口投与のための固体製剤は、即放性及び/又は放出制御性であるように製剤化されてもよい。放出制御性製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御二重放出、標的放出及びプログラム放出が含まれる。高エネルギー分散、浸透圧及び被覆粒子などの好適な放出制御技術の詳細は、Verma et al,Pharmaceutical Technology On-line,25(2),1-14(2001)に見出される。他の放出制御性製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。
【0192】
非経口投与
本発明の化合物はまた、血流中、筋肉内、又は内臓内に直接投与してもよい。非経口投与に適した手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、及び皮下が挙げられる。非経口投与に適したデバイスとしては、針(マイクロニードルを含む)、注射器、無針注射器、及び注入技術品が挙げられる。
【0193】
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物、及び緩衝剤(好ましくはpH3~9)などの賦形剤を含有してもよい水溶液であるが、いくつかの用途では、滅菌非水溶液として、又は発熱物質を含まない滅菌水などの好適なビヒクルと共に使用される乾燥形態として、より好適に製剤化し得る。
【0194】
例えば凍結乾燥による滅菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的な製薬技術を使用して容易に達成し得る。
【0195】
非経口溶液の調製に使用される式(I)の化合物の溶解度は、好適な処理、例えば、高エネルギー噴霧乾燥分散物の使用及び/又は溶解度増強剤の使用などの適切な製剤技術の使用によって増加し得る。
【0196】
非経口投与のための製剤は、即放性及び/又は放出制御性であるように製剤化し得る。徐放性製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御二重放出、標的放出及びプログラム放出が含まれる。
【0197】
本発明の医薬組成物はまた、血液脳関門を迂回するための当該分野で公知の組成物及び方法を含むか、又は脳に直接注射することができる。注射に適した領域としては、大脳皮質、小脳、中脳、脳幹、視床下部、脊髄及び脳室組織、並びに頚動脈小体及び副腎髄質を含む末梢神経系の領域が挙げられる。
【0198】
用量
化合物の有効用量の大きさは、もちろん、治療される状態の重症度の性質及び投与経路によって変化する。適切な用量(投与量)の選択は、医師の裁量の範囲内である。1日用量範囲は、ヒト及び非ヒト動物の体重1 kg当たり約10μg~約100 mgであり、概ね用量当たり体重1 kg当たり約10μg~30 mgであってもよい。上記用量は、1日あたり1~3回投与されてもよい。
【0199】
例えば、経口投与は、5mg~1000mg、例えば5~500 mgの総1日用量を必要としてもよい一方、静脈内投与は、0.01~30mg/kg体重、例えば0.1~10mg/kg、より好ましくは0.1~1mg/kg体重のみを必要とし得る。総1日用量は、単回又は分割用量で投与されてもよい。当業者はまた、特定の状態の治療又は予防において、本発明の化合物を、「必要に応じて」(すなわち、必要又は所望に応じて)単回用量として服用してもよいことを理解するであろう。
【0200】
合成方法論
式(I)の化合物は、全般的反応スキーム及び代表的な実施例において以下に記載される方法を使用して調製してもよい。適切な場合、スキーム内の個々の変換は、異なる順序で完了されてもよい。本発明は、以下の略語及び定義が使用される、以下の非限定的な実施例によって説明される。化合物は、液体クロマトグラフィー-質量分析(LCMS)若しくはH NMR又はその両方によって特徴付けた。
【0201】
更なる態様によれば、本発明は、YがOHである式(IV)の化合物を、PGがBOC又はCbzなどの保護基である式(V)のアミンと反応させて、式(III)のアミドを得ることを含む、式(I)の化合物の調製方法を提供する(スキーム1)。アミドカップリング反応は、標準的な方法論を使用して、カップリング試薬、例えば、DCC、HATU、HBTU、EDCを使用する反応によって、又は混合無水物を介して行うことができる。あるいは、YがOHである酸(IV)、又はリチウム塩などのそのカルボン酸塩は、SOCl、POCl、PCl又はPClを使用して、YがClである酸塩化物(IV)に変換することができ、次いで、好ましくは好適な溶媒中、好適な塩基の存在下でアミン(V)と反応させることができる。あるいは、Yがエステルを形成する化合物(IV)を、好ましくは好適な溶媒中で、アミン(V)と直接反応させることができる。
【0202】
式(IV)の化合物は、国際公開第2016/156816号、国際公開第2017/103614号、国際公開第2018/234775号、国際公開第2020/212350号、国際公開第2020/212351号、国際公開第2021/043870号、国際公開第2021/204856号、国際公開第2021/239863号、国際公開第2021/245186号、国際公開第2021/249909号及び国際公開第2022/084479号に開示されているプロセスに従って製造してもよい。
【0203】
式(III)の化合物を、標準的な方法を用いて脱保護してアミン(II)を得てもよく、次いでこれを臭化シアンと反応させて対応する式(I)の化合物を得てもよい。
【化21】
【0204】
更なる態様では、本発明は、式(II)及び(III):から選択される化合物であって、
【化22】
式中、PGは保護基であり、環A、環B、X、X、X、X、R、R、R、R及びRは、式(I)の化合物並びにその全ての好ましい態様及び実施形態について本明細書で定義されている通りである、化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは互変異性体の塩を提供する。
【0205】
本発明の式(I)、(I)(A)、(I)(B)、(I)(C)、(I)(D)、(I)(E)、(I)(F)及び(I)(G)の化合物の各々の合成中間体について、式(II)及び(III)[(II)(i)~(II)(G)(i)及び(III)(i)~(III)(G)(i)]の対応する化合物は、好ましくは、式(II)(i)及び(III)(i)の絶対配置を有する単一の立体異性体として存在する:
【化23】
【0206】
式(II)及び(III)の化合物が単一の立体異性体として存在する場合、それらは、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、更により好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、例えば96%、97%、98%、99%、又は100%の立体異性体過剰率で存在する。
【0207】
保護基は、好ましくは、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MeOZ)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、ベンジル(Bn)、カルバメート、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)、トリクロロエトキシカルボニル(Troc)、4-ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)及び2-ニトロフェニルスルフェニル(Nps)から選択される。最も好ましいのは、BOC及びCbzである。
【表1】
【0208】
LCMS法
方法C
【表2】
【0209】
方法C1
【表3】
【0210】
方法F
【表4】
【0211】
方法H
【表5】
【0212】
方法H1
【表6】
【0213】
方法J
【表7】
【0214】
方法J1
【表8】
【0215】
方法N
【表9】
【0216】
方法X1 逆相分取HPLCに使用される方法
【表10】
【0217】
方法X3 逆相分取HPLCに使用される方法
【表11】
【0218】
方法X4 逆相分取HPLCに使用される方法
【表12】
【0219】
方法X8 逆相分取HPLCに使用される方法
【表13】
【0220】
方法X9 逆相分取HPLCに使用される方法
【表14】
【0221】
方法X10 逆相分取HPLCに使用される方法
【表15】
【0222】
方法X11 逆相分取HPLCに使用される方法
【表16】
【0223】
方法X14 逆相分取HPLCに使用される方法
【表17】
【0224】
方法X15 逆相分取HPLCに使用される方法
【表18】
【0225】
方法X16 逆相分取HPLCに使用される方法
【表19】
【0226】
方法X17 逆相分取HPLCに使用される方法
【表20】
【0227】
方法Y4 分析キラルSFCに使用される方法
【表21】
【0228】
方法Y8 分析キラルSFCに使用される方法
【表22】
【0229】
方法Y9 分析キラルHPLCに使用される方法
【表23】
【0230】
方法Y10 分析キラルHPLCに使用される方法
【表24】
【0231】
方法Y12A 分析キラルSFCに使用される方法
【表25】
【0232】
方法Y14 分析キラルSFCに使用される方法
【表26】
【0233】
方法Y20 分析キラルSFCに使用される方法
【表27】
【0234】
方法Y21 分析キラルHPLCに使用される方法
【表28】
【0235】
方法Y28 分析キラルHPLCに使用される方法
【表29】
【0236】
方法Y30 分析キラルHPLCに使用される方法
【表30】
【0237】
方法Y31 分析キラルHPLCに使用される方法
【表31】
【0238】
方法Y32 分析キラルHPLCに使用される方法
【表32】
【0239】
方法Z1 分取キラルHPLCに使用される方法
【表33】
【0240】
方法Z2 分取キラルHPLCに使用される方法
【表34】
【0241】
中間体の合成
中間体A
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート
【化24】
【0242】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート
DMF(30mL)中の1H-1,2,3-トリアゾール(CAS 288-36-8、Spectrochem製、0.76g、11.24mmol)の撹拌溶液に、KCO(3.88g、28.11mmol)を0℃で添加した。tert-ブチル(2S,4R)-4-アジド-2-(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(3.0g、9.37mmol)を0℃で添加した。混合物を室温まで温め、48時間撹拌し、次いで氷冷水(700mL)に注ぎ、EtOAc(5×100mL)で抽出した。合わせた有機相を氷冷水(2×100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中15~20%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(上のスポット、1.0g、3.41mmol、収率36%)、続いて(n-ヘキサン中40~50%EtOAc)tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(下のスポット、1.0g、3.41mmol、収率36%)を得た。
【0243】
tert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレートについて(上のスポット、極性が低い方):LCMS:方法C、1.67分、MS:ES+294.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:7.83(s,2H),4.63-4.65(m,2H),4.02-4.19(m,2H),3.41-3.44(m,1H),3.04-3.14(m,1H),2.00-2.17(m,2H),1.43(s,9H)。
【0244】
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレートについて(下のスポット、極性が高い方):LCMS:方法C、1.52分、MS:ES+294.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:7.96-8.02(m,1H),7.77(s,1H),4.56-4.63(m,2H),4.01-4.21(m,2H),3.41-3.49(m,1H),3.07-3.15(m,1H),1.95-2.08(m,2H),1.39(s,9H)。
【0245】
ステップ(ii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(20mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(下のスポット、1.0g、3.41mmol)の撹拌溶液に、10%Pd/C(50%水分)(0.50g、0.5w/w)を添加した。混合物をHガスで1時間パージし、次いでCelite Hyflow(登録商標)を通して濾過し、濾液を減圧濃縮して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.85g、3.18mmol、収率93%)を得た。
【0246】
LCMS:方法C、1.26分、MS:ES+268.5。
【0247】
中間体B
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-カルボキシレート
【化25】
【0248】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(1.0g、3.74mmol)及び(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(0.78g、4.49mmol)の撹拌溶液に、AcOH(0.5mL)を0℃で滴下した。5分後、NaBHCN(0.47g、7.48mmol)を0℃で少しずつ添加し、混合物を60℃で6時間加熱した。混合物をもう1つの同一バッチと混合し、減圧濃縮した。次いで、粗生成物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中4~5%MeOH)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.38g、1.23mmol、収率16%)を得た。LCMS:方法H1、2.34分、MS:ES+308.2。
【0249】
中間体C
tert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3トリアゾール-2-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート
【化26】
【0250】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3トリアゾール-2-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(20mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(上のスポット、1.0g、3.41mmol)の撹拌溶液に、10%Pd/C(50%水分)(0.50g、0.5w/w)を添加した。混合物をHガスで1時間パージし、次にCelite Hyflow(登録商標)を通して濾過し、濾液を減圧濃縮して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.98g、3.67mmol、定量的収率)を得た。
【0251】
LCMS:方法C、1.31分、MS:ES+268.5。
【0252】
中間体D
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート
【化27】
【0253】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート
DMF(14mL)中の4H-1,2,4-トリアゾール(CAS288-88-0、Spectrochem製、0.17g、2.40mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.90g、6.56mmol)を0℃で添加した。tert-ブチル(2S,4R)-4-アジド-2-(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.70g、2.18mmol)を0℃で添加した。混合物を室温まで温め、48時間撹拌し、次いで氷冷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(4×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中30~35%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(0.22g、0.75mmol、収率34%)を得た。
【0254】
LCMS:方法C、1.53分、MS:ES+294.6;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.43(m,1H),8.01(s,1H),4.34-4.45(m,2H),4.08-4.17(m,2H),3.40-3.49(m,1H),3.15-3.18(m,1H),1.95-2.01(m,2H),1.39(s,9H)。
【0255】
ステップ(ii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(2.2mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(0.22g、0.75mmol)の撹拌溶液に、10%Pd/C(50%水分)(0.11g、0.5w/w)を添加した。この混合物をHガスで2時間パージし、次いでCelite Hyflow(登録商標)を通して濾過し、濾液を減圧濃縮して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.16g,0.59mmol、収率80%)を得た。
【0256】
LCMS:方法C、1.23分、MS:ES+268.2。
【0257】
中間体E
tert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4トリアゾール-4-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート
【化28】
【0258】
ステップ(i)
N’-ホルミルホルモヒドラジド
ヒドラジン水和物(99%)(5.00g、99.88mmol)に、ギ酸(8.29mL、219.73mmol)を0℃で滴下し、0℃で15分間撹拌した。混合物を室温まで温め、120℃で6時間加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物を、ジエチルエーテル(3×50mL)を使用する研和により精製し、減圧下で乾燥させて、N’-ホルミルホルモヒドラジド(3.0g、34.06mmol、収率34%)を得た。
【0259】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.84(brs,2H),8.01(s,2H)。
【0260】
ステップ(ii)
(E)-N’-((E)-(ジメチルアミノ)メチレン)-N,N-ジメチルホルモヒドラゾンアミド
DMF(30mL)中のN’-ホルミルホルモヒドラジド(3.0g、34.06 mmol)の撹拌溶液に、SOCl(5.46mL、74.93mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、室温で48時間撹拌した。固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、ジエチルエーテル(3×50mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮した。残留物を、ジエチルエーテル(2×50mL)、n-ヘキサン(2×50mL)を使用する研和により精製し、減圧下で乾燥させて、(E-N’-((E-(ジメチルアミノ)メチレン)-N,N-ジメチルホルモヒドラゾンアミド(4.0g、28.12mmol、収率82%)を得た。
【0261】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.30(s,2H),2.99(s,12H)。
【0262】
ステップ(iii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-(アミノメチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル2S,4R)-4-アジド-2-(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(4.0g、12.48mmol)のMeOH溶液(40mL)を投入したオートクレーブを、-78℃で、NHガスでパージし、次いで混合物を70℃で15時間加熱した。得られた混合物を減圧濃縮して、tert-ブチル(2S,4R)-2-(アミノメチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(1.80g、7.45mmol、収率59%)を得た。
【0263】
LCMS:方法C、1.29分、MS:ES+186.0(M-56)。
【0264】
ステップ(iv)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート
トルエン(10mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-(アミノメチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(1.0g、4.14mmol)及び(E)-N’-(E-(ジメチルアミノ)メチレン)-N,N-ジメチルホルモヒドラゾンアミド(1.17g、4.14mmol)の撹拌溶液に、p-TSA(0.08g、0.41mmol)及び4Åモレキュラーシーブ(0.5g、0.5w/w)を室温で添加し、混合物を110℃で15時間加熱した。混合物を氷冷水(200mL)に注ぎ、EtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中5%MeOH)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(0.49g、1.67mmol、収率40%)を得た。
【0265】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.42(s,2H),4.11-4.31(m,4H),3.12-3.18(m,1H),1.85-2.12(m,3H),1.42(s,9H)。
【0266】
ステップ(v)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4トリアゾール-4-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(0.49g、1.67mmol)の撹拌溶液に、10%Pd/C(50%水分)(0.24g、0.5w/w)を添加した。混合物をHガスで2時間パージし、次いでCelite Hyflow(登録商標)を通して濾過し、濾液を減圧濃縮して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.25g,0.93mmol,収率56%)を得た。
【0267】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.39(s,2H),4.06-4.21(m,3H),3.12-3.28(m,2H),2.89-3.02(m,1H),1.61-1.81(m,4H),1.43(s,9H)。
【0268】
中間体F
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート
【化29】
【0269】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート
DMF(45mL)中の1H-ピラゾール(CAS288-13-1、Combi-Blocks製、1.05g、15.46mmol)の撹拌溶液に、KCO(5.82g、42.18mmol)を0℃で添加した。tert-ブチル(2S,4R)-4-アジド-2-(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(4.50g、14.06mmol)を0℃で添加した。混合物を室温まで温め、48時間撹拌し、次いで氷冷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(2×150mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中15%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(2.42g、8.25mmol、収率58%)を得た。
【0270】
LCMS:方法J1、3.92分、MS:ES+293.0。
【0271】
ステップ(ii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(4.5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アジドピロリジン-1-カルボキシレート(0.42g、1.43mmol)の撹拌溶液に、10%Pd/C(50%水分)(0.21g、0.5w/w)を添加した。混合物をHガスで2時間パージし、次いでCelite Hyflow(登録商標)を通して濾過し、濾液を減圧濃縮して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.35g、1.31mmol、収率91%)を得た。
【0272】
LCMS:方法J1、2.64分、MS:ES+267.0。
【0273】
中間体G
tert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート及び
tert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【化30】
【0274】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-4-アジド-2-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート及び
tert-ブチル(2S,4R)-4-アジド-2-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
DMF(30mL)中の3-メチル-1H-ピラゾール(CAS1453-58-3、Combi-Blocks製、0.77g、9.4mmol)の撹拌溶液に、NaH(油中60%)(0.47g、9.8mmol)を0℃で少しずつ添加した。tert-ブチル(2S,4R)-4-アジド-2-(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.37g、4.27mmol)を0℃で添加した。混合物を室温まで温め、18時間撹拌し、次いで氷冷水(200mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を氷冷水(2×100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中15~20%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-4-アジド-2-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(2S,4R)-4-アジド-2-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレートを混合物として得た(0.97g、3.18mmol、収率74%)。
【0275】
LCMS:方法H1、3.17分、MS:ES+307.0。
【0276】
ステップ(ii)
tert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート及び
tert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(20mL)中の混合物としてのtert-ブチル(2S,4R)-4-アジド-2-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(2S,4R)-4-アジド-2-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレートの撹拌溶液(0.97g、3.18mmol)に、10%Pd/C(50%水分)(0.47g、0.5w/w)を添加した。混合物をHガスで2時間パージし、次いでCelite Hyflow(登録商標)を通して濾過し、濾液を減圧濃縮して、tert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレートを混合物として得た(0.73g、定量的収率)。
【0277】
LCMS:方法H、2.21分、MS:ES+281.0。
【0278】
中間体H
リチウム5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
【化31】
【0279】
ステップ(i)
3-アセチル-4-アミノベンゾニトリル
DMF(250mL)中の1-(2-アミノ-5-ブロモフェニル)エタン-1-オン(CAS 29124-56-9、Combi-Blocks製、24.0g、112.68mmol)の撹拌溶液をNガスで15分間パージし、続いてCuCN(11.09g、123.94mmol)を添加し、170℃で16時間加熱した。混合物を水(500mL)に注ぎ、EtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中12%EtOAc)により精製して、3-アセチル-4-アミノベンゾニトリル(10.5g、65.62mmol、収率58%)を得た。LCMS:方法H1、2.39分、MS:ES+161.0。
【0280】
ステップ(ii)
3-アセチル-4-ヨードベンゾニトリル
濃HCl(100mL)中の3-アセチル-4-アミノベンゾニトリルの撹拌溶液(9.5g、59.37mmol)にNaNO(8.19g、118.75mmol)を0℃で少しずつ添加し、10分間撹拌した。水(100mL)中のKI溶液(24.63g、148.42mmol)を0℃で滴下し、0.5時間撹拌した。混合物を水(200mL)に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を10%チオ硫酸ナトリウム溶液(2×100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中10%EtOAc)により精製して、3-アセチル-4-ヨードベンゾニトリルを得た(12.5g、46.13mmol、収率77%)。
【0281】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.18-8.21(m,2H),7.67(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),2.61(s,3H)。
【0282】
ステップ(iii)
3-アセチル-4-シクロプロピルベンゾニトリル
トルエン:水(130mL、8:2)中の3-アセチル-4-ヨードベンゾニトリル(12.5g、46.13mmol)及びシクロプロピルボロン酸(CAS 411235-57-9、Combi-Blocks製、7.92g、92.26mmol)の撹拌溶液に、KPO(19.55g、92.26mmol)を添加した。混合物をNガスで10分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(3.37g、4.61mmol)を添加し、100℃で5時間加熱した。混合物を水(400mL)に注ぎ、EtOAc(2×400mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中10%EtOAc)により精製して、3-アセチル-4-シクロプロピルベンゾニトリル(4.8g、25.94mmol、収率56%)を得た。
【0283】
LCMS:方法H1、3.01分、MS:ES+186.0。
【0284】
ステップ(iv)
3-(2-ブロモアセチル)-4-シクロプロピルベンゾニトリル
THF(50mL)中の3-アセチル-4-シクロプロピルベンゾニトリル(4.8g、25.94mmol)の撹拌溶液に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(10.72g、28.53mmol)を室温で少しずつ添加し、16時間撹拌した。混合物を水(200mL)に注ぎ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中5%EtOAc)により精製して、3-(2-ブロモアセチル)-4-シクロプロピルベンゾニトリル(4.5g、17.11mmol、収率65%)を得た。
【0285】
LCMS:方法H1、3.25分、MS:ES-262.0、264.0。
【0286】
ステップ(v)
4-シクロプロピル-3-グリシルベンゾニトリルHCl塩
MeCN(50mL)中の3-(2-ブロモアセチル)-4-シクロプロピルベンゾニトリル(4.5g、17.11mmol)の撹拌溶液に、ナトリウムジホルミルアミド(1.97g、20.53mmol)を添加し、80℃で1時間加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物をMeOH(50mL)及び濃HCl(4.5mL)で希釈した。混合物を80℃で3時間更に撹拌し、次いで室温まで放冷した。混合物を減圧濃縮し、残留物をジエチルエーテル(40mL)と共に撹拌して、沈殿物を形成させた。固体を減圧濾過により回収して、4-シクロプロピル-3-グリシルベンゾニトリルHCl塩(5.5g、定量的収率)を得た。
【0287】
LCMS:方法H1、2.31分、MS:ES+201.0。
【0288】
ステップ(vi)
エチル2-((2-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート
0℃のDCM(60mL)中の4-シクロプロピル-3-グリシルベンゾニトリルHCl塩(5.5g、23.25mmol)の撹拌溶液に、KCO(12.83g、93.0mmol)を添加した。塩化オキサリルエチル(6.32g、5.17mL、46.5mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで水(200mL)に注ぎ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、エチル2-((2-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテートを得た(3.3g、11.0mmol、2ステップで収率64%)。
【0289】
LCMS:方法H1、2.84分、MS:ES+301.0。
【0290】
ステップ(vii)
エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
POCl(33mL、10体積)中のエチル2-((2-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(3.3g、11.0mmol)の撹拌溶液を100℃で5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、砕氷にゆっくり注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中15% EtOAc)により精製して、エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(1.2g、4.25mmol、収率39%)を得た。
【0291】
LCMS:方法H1、3.38分、MS:ES+283.0。
【0292】
ステップ(viii)
リチウム5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
THF(6mL)中のエチル5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.5g、1.77mmol)の撹拌溶液に、LiOH.HO(0.15g、3.54mmol)の水溶液(1mL)を0℃で滴下し、室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮して、リチウム5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.50g、定量的収率)を得た。
【0293】
LCMS:方法H1、2.14分、MS:ES+255.0。
【0294】
中間体I
リチウム5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
【化32】
【0295】
ステップ(i)
メチル5-シアノ-2-シクロプロピルベンゾエート
トルエン:水(15mL、9:1)中のメチル2-ブロモ-5-シアノベンゾエート(CAS 1031927-03-3、Reddy N Reddy製、1.5g、6.27mmol)及びシクロプロピルボロン酸(CAS 411235-57-9、Combi-Blocks製、0.59g、6.90mmol)の撹拌溶液に、KPO(2.65g、12.54mmol)を添加した。混合物をNガスで15分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.45g、0.627mmol)を添加し、100℃で3時間加熱した。混合物を水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中5%EtOAc)により精製して、メチル5-シアノ-2-シクロプロピルベンゾエートを得た(1.0g、4.97mmol、収率79%)。
【0296】
LCMS:方法H1、3.19分、MS:ES+219.0(M+18)。
【0297】
ステップ(ii)
5-シアノ-2-シクロプロピルベンゾヒドラジド
EtOH(10mL)中のメチル5-シアノ-2-シクロプロピルベンゾエート(1.0g、4.97mmol)の撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(99%)(5mL、5体積)を0℃で添加した。混合物を室温まで温め、3時間撹拌した。混合物を減圧濃縮して、5-シアノ-2-シクロプロピルベンゾヒドラジド(0.7g、3.48mmol、収率70%)を得た。
【0298】
LCMS:方法H1、1.96分、MS:ES+202.0。
【0299】
ステップ(iii)
エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
DCM(7mL)中の5-シアノ-2-シクロプロピルベンゾヒドラジド(0.7g、3.48mmol)の撹拌溶液に、TEA(2.11g、2.90mL、20.89mmol)及び塩化オキサリルエチル(0.1g、0.85mL、7.66mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。TsCl(0.79g、4.17mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、室温で2時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、DCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中40%EtOAc)を使用して精製して、エチル5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートを得た(0.3g、1.05mmol、収率30%)。
【0300】
LCMS:方法H1、3.20分、MS:ES+284.0。
【0301】
ステップ(vi)
リチウム5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
0℃のTHF(4mL)中のエチル5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.24g、0.85mmol)の撹拌溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.03g、0.85mmol)の水溶液(1mL)を滴下し、室温で2時間撹拌した。混合物を減圧濃縮して、リチウム5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートを得た(0.25g、定量的収率)。
【0302】
LCMS:方法H1、1.94分、MS:ES+256.0。
【0303】
中間体J
5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボン酸
【化33】
【0304】
ステップ(i)
2-ブロモ-1-(3-クロロフェニル)エタン-1-オン
DCM(40mL)中の1-(3-クロロフェニル)エタン-1-オン(CAS 99-02-5、Sigma-Aldrich製、2.0g、12.98mmol)の撹拌溶液に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(4.88g、12.98mmol)を0℃で添加した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、DCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、2-ブロモ-1-(3-クロロフェニル)エタン-1-オンを得た(1.1g、4.74mmol、収率36%)。粗生成物を次のステップで直接使用した。
【0305】
ステップ(ii)
2-アミノ-1-(3-クロロフェニル)エタン-1-オンHCl塩
MeCN(25mL)中の2-ブロモ-1-(3-クロロフェニル)エタン-1-オン(1.0g、4.31 mmol)の撹拌溶液に、ナトリウムジホルミルアミド(0.62g、6.46mmol)を添加し、80℃で12時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物をMeOH(5mL)及び濃HCl(2mL)で希釈した。混合物を60℃で2時間更に撹拌し、次いで室温まで放冷した。混合物を減圧濃縮し、残留物をn-ヘキサン(25mL)と共に撹拌して、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、2-アミノ-1-(3-クロロフェニル)エタン-1-オンHCl塩を得た(0.8g、3.89mmol、収率90%)。
【0306】
LCMS:方法C1、0.89分、MS:ES+:170.2。
【0307】
ステップ(iii)
2-((2-(3-クロロフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソ酢酸エチル
DCM(20mL)中の2-アミノ-1-(3-クロロフェニル)エタン-1-オンHCl塩(0.8g、3.89mmol)の撹拌溶液に、KCO(1.61g、11.67mmol)を0℃で添加した。塩化オキサリルエチル(0.79g、0.65mL、5.83mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで氷冷水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、2-((2-(3-クロロフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソ酢酸エチルを得た(0.7g、2.60mmol、収率66%)。
【0308】
LCMS:方法C1、1.22分、MS:ES+270.3。
【0309】
ステップ(iv)
エチル5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
POCl(15mL、20体積)中のエチル2-((2-(3-クロロフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(0.7g、2.60mmol)の撹拌溶液を100℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷冷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をMeOH(10mL)に懸濁し、-78℃で15分間撹拌した。固体を減圧濾過により回収して、エチル5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(0.4g、1.59mmol、収率61%)。
【0310】
LCMS:方法C1、1.35分、MS:ES+:252.2。
【0311】
ステップ(v)
5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボン酸
THF:水(3:1、4mL)中のエチル5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.2g、0.79mmol)の撹拌溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.17g、3.98mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、1N HClで約pH2に酸性化して、沈殿させた。固体を減圧濾過により回収して、5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボン酸を得た(0.15g、0.67mmol、収率84%)。
【0312】
LCMS:方法H1、1.93分、MS:ES+224.0。
【0313】
中間体K
5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボン酸
【化34】
【0314】
ステップ(i)
2-ブロモ-1-(2-メトキシフェニル)エタン-1-オン
THF(40mL)中の1-(2-メトキシフェニル)エタン-1-オン(CAS 579-74-8、Spectrochem製、2.0g、13.31mmol)の撹拌溶液に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(5.0g、13.31mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、16時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、DCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、2-ブロモ-1-(2-メトキシフェニル)エタン-1-オンを得た(2g、8.73mmol、収率65%)。
【0315】
LCMS:方法F、6.41分、MS:ES+:229.0、231.0。
【0316】
ステップ(ii)
2-アミノ-1-(2-メトキシフェニル)エタン-1-オンHCl塩
MeCN(50mL)中の2-ブロモ-1-(2-メトキシフェニル)エタン-1-オン(2.0g、8.73mmol)の撹拌溶液に、ナトリウムジホルミルアミド(1.25g、13.09 mmol)を添加し、80℃で12時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物をMeOH(20mL)及び濃HCl(10mL)で希釈した。混合物を80℃で3時間更に撹拌し、次いで室温まで放冷した。混合物を減圧濃縮し、残留物をn-ヘキサン(50mL)と共に撹拌して、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、2-アミノ-1-(2-メトキシフェニル)エタン-1-オンHCl塩を得た(1.2g、7.26mmol、収率83%)。
【0317】
LCMS:方法H1,1.80分、MS:ES+:166.0。
【0318】
ステップ(iii)
エチル2-((2-(2-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート
DCM(30mL)中の2-アミノ-1-(2-メトキシフェニル)エタン-1-オンHCl塩(1.2g、7.26 mmol)の撹拌溶液に、KCO(3.0g、21.78mmol)を0℃で添加した。塩化オキサリルエチル(1.48g、1.20mL、10.89mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、3時間撹拌し、次いで氷冷水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、エチル2-((2-(2-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテートを得た(1.0g、3.76mmol、収率51%)。
【0319】
LCMS:方法H1、2.64分、MS:ES+266.0。
【0320】
ステップ(iv)
エチル5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
POCl(20mL、20体積)中のエチル2-((2-(2-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(1.0g、3.76mmol)の撹拌溶液を100℃で3時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷冷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、エチル5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(0.8g、3.23mmol、収率85%)。
【0321】
LCMS:方法H1、3.19分、MS:ES+:248.0。
【0322】
ステップ(v)
5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボン酸
THF:水(6mL、2:1)中のエチル5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.8g、3.23mmol)の撹拌溶液に、LiOH・HO(0.81g、19.42mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温で12時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、1N HClで約pH2に酸性化して、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボン酸(0.6g、2.73mmol、収率84%)を得た。
【0323】
LCMS:方法C1、1.00分、MS:ES+220.1。
【0324】
中間体L
エチル5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
【化35】
【0325】
ステップ(i)
エチル2-シクロプロピルベンゾエート
トルエン:水(80mL、9:1)中のエチル2-ブロモベンゾエート(CAS 6091-64-1、Combi-Blocks製、8.0g、35.09mmol)及びシクロプロピルボロン酸(CAS 411235-57-9、Combi-Blocks製、3.01g、35.09mmol)の撹拌溶液に、KPO(14.89g、70.18mmol)を添加した。混合物をNガスで20分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)(2.56g、3.50mmol)を添加し、120℃で3時間加熱した。混合物を水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×40mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中6%EtOAc)により精製して、エチル2-シクロプロピルベンゾエートを得た(5.7g、29.98mmol、収率85%)。
【0326】
LCMS:方法C1、1.14分、MS:ES+191.0。
【0327】
ステップ(ii)
2-シクロプロピルベンゾヒドラジド
EtOH(28mL)中のエチル2-シクロプロピルベンゾエート(5.56g、29.24mmol)の撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(99%)(16.68mL、3体積)を0℃で添加し、混合物を80℃で48時間加熱した。混合物を減圧濃縮して、2-シクロプロピルベンゾヒドラジドを得た(4.5g、25.55mmol、収率87%)。
【0328】
LCMS:方法C1、0.97分、MS:ES+177.2。
【0329】
ステップ(iii)
エチル2-(2-(2-シクロプロピルベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテート
DCM(44mL)中の2-シクロプロピルベンゾヒドラジド(4.4g、24.98mmol)の撹拌溶液に、TEA(7.57g、10.42mL、74.94mmol)及び塩化オキサリルエチル(6.82g、5.59mL、49.96mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、3時間撹拌し、次いで水(120mL)に注ぎ、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、エチル2-(2-(2-シクロプロピルベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテートを得た(13.0g、定量的収率)。
【0330】
LCMS:方法C1、1.09分、MS:ES+277.2。
【0331】
ステップ(iv)
エチル5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
DCM(130mL)中のエチル2-(2-(2-シクロプロピルベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテート(13g、47.08mmol)の撹拌溶液に、TEA(14.26g、19.64mL、141.24mmol)及びTsCl(10.72g、56.49mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、3時間撹拌し、次いで水(100mL)に注ぎ、DCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中20%EtOAc)を使用して精製して、エチル5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートを得た(2.97g、11.49mmol、2ステップで収率46%)。
【0332】
LCMS:方法C1、1.36分、MS:ES+259.16。
【0333】
中間体M
リチウム5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
【化36】
【0334】
ステップ(i)
1-(2-シクロプロピルフェニル)エタン-1-オン
トルエン:水(100mL、8:2)中の1-(2-ブロモフェニル)エタン-1-オン(CAS 2142-69-0、Combi-Blocks製、10.0g、50.51mmol)及びシクロプロピルボロン酸(CAS 411235-57-9、Combi-Blocks製、8.67g、101.02mmol)の撹拌溶液に、KPO(21.41g、101.02mmol)を添加した。混合物をNガスで10分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)(3.69g、5.05mmol)を添加し、100℃で5時間加熱した。混合物を水(300mL)に注ぎ、EtOAc(2×300mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中1~2%EtOAc)により精製して、1-(2-シクロプロピルフェニル)エタン-1-オンを得た(6.0g、37.5mmol、収率74%)。
【0335】
LCMS:方法H1、3.15分、MS:ES+161.0。
【0336】
ステップ(ii)
2-ブロモ-1-(2-シクロプロピルフェニル)エタン-1-オン
THF(70mL)中の1-(2-シクロプロピルフェニル)エタン-1-オン(6.0g、37.5mmol)の撹拌溶液に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(15.50g、41.25mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、16時間撹拌し、次いで水(200mL)に注ぎ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中1%EtOAc)により精製して、2--ブロモ-1-(2-シクロプロピルフェニル)エタン-1-オンを得た(6.2g、26.05mmol、収率69%)。
【0337】
LCMS:方法H1、3.38分、MS:ES+239.0、240.9。
【0338】
ステップ(iii)
2-アミノ-1-(2-シクロプロピルフェニル)エタン-1-オンHCl塩
MeCN(60mL)中の2-ブロモ-1-(2-シクロプロピルフェニル)エタン-1-オン(6.2g、26.05mmol)の撹拌溶液に、ナトリウムジホルミルアミド(3.0g、31.26mmol)を添加し、80℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物をMeOH(60mL)及び濃HCl(6.5mL)で希釈した。混合物を80℃で16時間更に撹拌し、次いで室温まで放冷した。混合物を減圧濃縮し、残留物をジエチルエーテル(50mL)と共に撹拌して、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、2-アミノ-1-(2-シクロプロピルフェニル)エタン-1-オンHCl塩(8.2g、定量的収率)を得た。
【0339】
LCMS:方法H1、2.36分、MS:ES+176.0。
【0340】
ステップ(iv)
エチル2-((2-(2-シクロプロピルフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート
DCM(85mL)中の2-アミノ-1-(2-シクロプロピルフェニル)エタン-1-オンHCl塩(8.2g、38.77mmol)の撹拌溶液に、KCO(21.40g、155.08mmol)を0℃で添加した。塩化オキサリルエチル(10.54g、8.63mL、77.54mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで水(200mL)に注ぎ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、エチル2-((2-(2-シクロプロピルフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテートを得た(4.1g、14.90mmol、2ステップで収率57%)。
【0341】
LCMS:方法H1、3.09分、MS:ES+276.0。
【0342】
ステップ(v)
エチル5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
POCl(41mL、10体積)中のエチル2-((2-(2-シクロプロピルフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(4.1g、14.90mmol)の撹拌溶液を100℃で5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、砕氷にゆっくり注ぎ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、エチル5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(1.5g、5.83mmol、収率39%)。
【0343】
LCMS:方法H1、3.58分、MS:ES+:258.0。
【0344】
ステップ(vi)
リチウム5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
THF(4mL)中のエチル5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.5g、1.94mmol)の撹拌溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.16g、3.88mmol)の水溶液(1mL)を0℃で滴下し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮して、リチウム5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(0.51g、定量的収率)。
【0345】
LCMS:方法H1、2.07分、MS:ES+230.0。
【0346】
中間体O
リチウム5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
【化37】
【0347】
ステップ(i)
2-ブロモ-1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン
THF(40mL)中の1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン(CAS 220227-93-0、Sigma-Aldrich製、1.0g、4.89mmol)の撹拌溶液に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(1.84g、4.89mmol)を0℃で添加した。混合物を室温まで温め、16時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、2-ブロモ-1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンを得た(1.2g、4.25mmol、収率86%)。粗生成物を次のステップで直接使用した。
【0348】
ステップ(ii)
2-アミノ-1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンHCl塩
MeCN(30mL)中の2-ブロモ-1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン(1.2g、4.23mmol)の撹拌溶液に、ナトリウムジホルミルアミド(0.61g、6.35mmol)を添加し、80℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物をMeOH(5mL)及び濃HCl(6mL)で希釈した。混合物を80℃で3時間更に撹拌し、次いで室温まで放冷した。混合物を減圧濃縮し、残留物をn-ヘキサン(25mL)と共に撹拌して、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、2-アミノ-1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンHCl塩を得た(1.2g、定量的収率)。
【0349】
LCMS:方法C1、0.92分、MS:ES+:220.1。
【0350】
ステップ(iii)
エチル2-オキソ-2-((2-オキソ-2-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エチル)アミノ)アセテート
DCM(30mL)中の2-アミノ-1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンHCl塩(1.2g、5.47mmol)の撹拌溶液に、KCO(2.26g、16.37mmol)を0℃で添加した。塩化オキサリルエチル(1.11g、0.90mL、8.21mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、室温で3時間撹拌し、次いで氷冷水(50mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、エチル2-オキソ-2-((2-オキソ-2-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エチル)アミノ)アセテートを得た(0.65g、2.30mmol、2ステップで収率48%)。
【0351】
LCMS:方法C1、1.30分、MS:ES+320.2。
【0352】
ステップ(iv)
エチル5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
POCl(10mL、15体積)中のエチル2-オキソ-2-((2-オキソ-2-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エチル)アミノ)アセテート(0.6g、2.03mmol)の撹拌溶液を、110℃で3時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷冷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、エチル5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(0.32g、1.06mmol、収率52%)。
【0353】
LCMS:方法C1、1.47分、MS:ES+:302.2。
【0354】
ステップ(v)
リチウム5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
THF:MeOH:水(1:1:1、9mL)中のエチル5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.3g、0.99mmol)の撹拌溶液に、LiOH・HO(0.12g、2.98mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、混合物を減圧濃縮した。残留物をペンタン(10mL)と共に撹拌して、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、リチウム5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(0.3g、定量的収率)。
【0355】
LCMS:方法C1、1.13分、MS:ES+274.0。
【0356】
中間体P
リチウム5-(3-ブロモフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
【化38】
【0357】
ステップ(i)
2-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)エタン-1-オンHCl塩
MeCN(150mL)中の2-ブロモ-1-(3-ブロモフェニル)エタン-1-オン(CAS 18523-22-3、Combi-Blocks製、6.0g、21.74 mmol)の撹拌溶液に、ナトリウムジホルミルアミド(3.1g、32.62mmol)を添加し、70℃で24時間加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物をMeOH(60mL)及び濃HCl(30mL)で希釈した。混合物を70℃で4時間更に撹拌し、次いで室温まで放冷した。混合物を減圧濃縮し、残留物をIPA(25mL)と共に撹拌して、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、2-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)エタン-1-オンHCl塩を得た(7.2g、定量的収率)。
【0358】
LCMS:方法C1、0.99分、MS:ES+:214.1、216.1。
【0359】
ステップ(ii)
エチル2-((2-(3-ブロモフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート
DCM(100mL)中の2-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)エタン-1-オンHCl塩(7.0g、28.11mmol)の撹拌溶液に、KCO(11.65g、84.34mmol)を0℃で添加した。塩化オキサリルエチル(5.75g、4.71mL、42.17mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、3時間撹拌し、次いで水(100mL)に注ぎ、DCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、エチル2-((2-(3-ブロモフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテートを得た(3.0g、9.58mmol、2ステップで収率44%)。
【0360】
LCMS:方法C1、1.19分、MS:ES+314.0、316.1。
【0361】
ステップ(iii)
エチル5-(3-ブロモフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
POCl(9.0mL、3体積)中のエチル2-((2-(3-ブロモフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(3.0g、9.58mmol)の撹拌溶液を100℃で3時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷冷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、かつ減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、エチル5-(3-ブロモフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(1.2g、4.06mmol、収率42%)。
【0362】
LCMS:方法C1、1.36分、MS:ES+:295.9、297.9。
【0363】
ステップ(iv)
リチウム5-(3-ブロモフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
THF:MeOH:水(10mL、1:1:1)中のエチル5-(3-ブロモフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(1.1g、3.72 mmol)の撹拌溶液に、LiOH・HO(0.45g、11.18mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を0℃で3時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、リチウム5-(3-ブロモフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(1.1g、定量的収率)。
【0364】
LCMS:方法C1、1.04分、MS:ES+268.1、269.9。
【0365】
中間体Q
エチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
【化39】
【0366】
ステップ(i)
メチル2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート
トルエン:水(13mL、7:3)中のメチル2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(CAS 1150114-81-0、Combi-Blocks製、1.30g、4.36mmol)及びシクロプロピルボロン酸(CAS 411235-57-9、Angene製、0.37g、4.36mmol)の撹拌溶液に、KPO(1.84g、8.69mmol)を添加した。混合物をNガスで10分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)(0.31g、0.43mmol)を添加し、100℃で3時間加熱した。混合物を水(15mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中2%EtOAc)により精製して、メチル2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(0.85g、3.26mmol、収率75%)を得た。
【0367】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.68(s,1H),7.26(d,J=11.6Hz,1H),7.05(d,J=8.8Hz,1H),3.95(s,3H),2.65-2.69(m,1H),1.02-1.05(m,2H),0.68-0.70(m,2H)。
【0368】
ステップ(ii)
2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジド
MeOH(28mL)中のメチル2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(1.1g、4.22mmol)の撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(99%)(3.3mL、3体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌した。混合物を減圧濃縮して、2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジドを得た(1.07g、4.13mmol、収率97%)。
【0369】
LCMS:方法C1、1.11分、MS:ES+261.5。
【0370】
ステップ(iii)
エチル2-(2-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテート
DCM(10mL)中の2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジド(1.0g、3.84mmol)の撹拌溶液に、TEA(1.16g、1.6mL、11.52mmol)及び塩化オキサリルエチル(1.04g、0.85mL、7.68mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで水(15mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、エチル2-(2-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテートを得た(1.64g、定量的収率)。
【0371】
LCMS:方法C1、1.20分、MS:ES+361.1。
【0372】
ステップ(iv)
エチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
DCM(16mL)中のエチル2-(2-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテート(1.6g、4.44mmol)の撹拌溶液に、TEA(1.34g、1.85mL、13.32mmol)及びTsCl(1.01g、5.32mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中20%EtOAc)を使用して精製して、エチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.6g、1.75mmol、2ステップで収率39%)を得た。LCMS:方法C1、1.43分、MS:ES+343.1。
【0373】
中間体R
エチル5-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
【化40】
【0374】
ステップ(i)
tert-ブチル2-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジン-1-カルボキシレート
THF(70mL)中の2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(CAS 886497-85-4、Combi-Blocks製、7.0g、31.23 mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(12.08g、16mL、105.25mmol)及びHATU(23.7g、62.46mmol)を0℃で少しずつ添加した。30分後、tert-ブチルヒドラジンカルボキシレート(4.95g、37.48mmol)を0℃で添加した。混合物をゆっくり室温まで温め、室温で16時間撹拌し、次いで氷冷水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中25%EtOAc)により精製して、tert-ブチル2-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジン-1-カルボキシレートを得た(9.0g、26.62mmol、収率85%)。
【0375】
LCMS:方法J1、3.43分、MS:ES+283.1(M-56)。
【0376】
ステップ(ii)
2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジドTFA塩
DCM(50mL)中のtert-ブチル2-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジン-1-カルボキシレート(5.0g、14.78mmol)の撹拌溶液に、TFA(25mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジドTFA塩を得た(5.0g、定量的収率)。
【0377】
LCMS:方法C1、1.02分、MS:ES+239.2。
【0378】
ステップ(iii)
エチル2-(2-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテート
DCM(100mL)中の2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジドTFA塩(10.0g、20.99mmol)の撹拌溶液に、KCO(17.38g、125.97mmol)を0℃で添加した。塩化オキサリルエチル(8.59g、6.97mL、62.98mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、4時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、エチル2-(2-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテートを得た(10.0g、29.56mmol、2ステップで収率88%)。
【0379】
LCMS:方法C1、1.13分、MS:ES+339.2。
【0380】
ステップ(iv)
エチル5-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
DCM(100mL)中のエチル2-(2-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテート(10g、29.56mmol)の撹拌溶液に、TEA(12.2mL、8.85g、88.68mmol)及びTsCl(6.76g、35.48mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、4時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、DCM(2×250mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中10%EtOAc)により精製して、エチル5-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートを得た(2.6g、8.12mmol、収率27%)。
【0381】
LCMS:方法J1、4.02分、MS:ES+:320.8。
【0382】
中間体S
リチウム5-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
【化41】
【0383】
ステップ(i)
tert-ブチル(2-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)カルバメート
乾燥THF(150mL)中の3-ブロモ-4-フルオロベンゾニトリル(CAS 79630-23-2、Combi-Blocks製)(20.0g、100.53mmol)の撹拌溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M)(50.26mL、100.53mmol)をN雰囲気下室温で滴下した。得られた暗色溶液を室温で1.5時間撹拌した(この間に沈殿物が形成された)。一方、THF(50mL)中のtert-ブチル(2-(メトキシ(メチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート(21.92g、100.53mmol)の撹拌懸濁液に、イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M)(50.26mL、100.53mmol)を0℃で滴下した。得られた溶液を15分間撹拌した後、最初に生成したアリールグリニャールに0℃で滴下した。混合物を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(2 x 200mL)で抽出した。有機相を合わせて、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。この粗物質をカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン中25%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)カルバメートを得た(3.0g、10.78mmol、収率10%)。
【0384】
LCMS:方法H1、3.01分、MS:ES+179.0(M-100)。
【0385】
ステップ(ii)
4-フルオロ-3-グリシルベンゾニトリルTFA塩
DCM(22mL)中のtert-ブチル(2-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)カルバメート(2.2g、7.9mmol)の撹拌溶液にTFA(6.6mL、3体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、3時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、4-フルオル-3-グリシルベンゾニトリルTFA塩を得た(4.0g、定量的収率)。
【0386】
LCMS:方法C1、0.37分、MS:ES+178.9。
【0387】
ステップ(iii)
エチル2-((2-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート
DCM(20mL)中の4-フルオロ-3-グリシルベンゾニトリルTFA塩(4.0g、13.6mmol)の撹拌溶液に、TEA(4.1g、5.7mL、41.0mmol)を0℃で添加した。塩化オキサリルエチル(3.73g、3.0mL、27.3mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで氷冷水(150mL)に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、エチル2-((2-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテートを得た(2.8g、10.07mmol、2ステップで収率44%)。
【0388】
LCMS:方法C1、1.08分、MS:ES+279.1。
【0389】
ステップ(iv)
エチル5-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
POCl(14mL、5体積)中のエチル2-((2-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(2.8g、10.07mmol)の撹拌溶液を100℃で3時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷冷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、エチル5-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(0.8g、3.07mmol、2ステップで収率38%)。
【0390】
LCMS:方法C1、1.19分、MS:ES+261.1。
【0391】
ステップ(v)
リチウム5-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
THF(8mL)中のエチル5-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.8g、3.07mmol)の撹拌溶液に、LiOH・HO(0.15g、3.69mmol)の水溶液(2mL)を0℃で滴下し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮して、リチウム5-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(0.9g、定量的収率)。
【0392】
LCMS:方法C1、0.92分、MS:ES+232.9。
【0393】
中間体Y
2-フルオロ-4-(1-メチル-1 H-インダゾール-5-イル)安息香酸
【化42】
1,4-ジオキサン:水(25mL、9:1)中の4-ブロモ-2-フルオロ安息香酸(CAS 112704-79-7、Ark-Pharma製、2.5g、11.47mmol)及び(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ボロン酸(CAS 590418-08-9、BLD-Pharma製、2.22g、12.61mmol)の撹拌溶液に、KPO(4.86g、22.94mmol)を添加した。混合物をNガスで15分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.83g、1.14mmol)を添加し、100℃で3時間加熱した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(2×150mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)安息香酸を得た(1.7g、6.29mmol、収率54%)。
【0394】
LCMS:方法J1、3.08分、MS:ES+271.1。
【0395】
中間体Z
3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジンTFA塩
【化43】
【0396】
ステップ(i)
tert-ブチル4-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-2,3-ジヒドロ-1 H-ピロール-1-カルボキシレート
THF(4mL)中のNaHMDS(THF中1M)(5.39mL、5.39mmol)の撹拌溶液に、tert-ブチル3-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(CAS 101385-93-7、Combi-Blocks製、0.50g、2.69mmol)を-78℃で少しずつ添加し、-78℃で15分間撹拌した。THF(4mL)中の1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(CAS 37595-74-7、TCI製、0.90g、2.69mmol)の溶液を滴下し、-78℃で2時間撹拌した。更に3回の同一バッチを同様に実施し、4つ全ての反応混合物を混合し、水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、tert-ブチル4-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレートを得た(3.3g、10.4mmol、収率96%)。粗生成物を次のステップに移した。
【0397】
ステップ(ii)
tert-ブチル4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-2,3-ジヒドロ-1 H-ピロール-1-カルボキシレート
1,4-ジオキサン:水(10mL、8:2)中のtert-ブチル4-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレート(2.50g、7.88mmol)及び(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ボロン酸(CAS 179113-90-7、Combi-Blocks製、1.61g、7.88mmol)の撹拌溶液に、KPO(5.0g、2.36mmol)を添加した。混合物をNガスで20分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.50g、0.78mmol)を添加し、80℃で2時間加熱した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中4%EtOAc)により精製して、tert-ブチル4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレートを得た(1.1g、3.34mmol、収率42%)。MS:ES+273.97(M-56)。
【0398】
ステップ(iii)
tert-ブチル3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(5mL)中のtert-ブチル4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレート(1.0g、3.03mmol)の撹拌溶液に、10%Pd/C(50%水分)(0.5g、0.5w/w)を添加した。混合物をHガスで2時間パージし、次いでCelite Hyflow(登録商標)を通して濾過し、濾液を減圧濃縮して、tert-ブチル3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.5g、1.51mmol、収率49%)。
【0399】
LCMS:方法C1、1.47分、MS:ES+275.9(M-56)。
【0400】
ステップ(iv)
3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジンTFA塩
DCM(4mL)中のtert-ブチル3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.45g、1.45mmol)の撹拌溶液に、TFA(2.4mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジンTFA塩を得た(0.65g、定量的収率)。
【0401】
LCMS:方法C1、1.14分、MS:ES+232.0。
【0402】
中間体Z1
エチル5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
【化44】
【0403】
ステップ(i)
4-フルオロ-N-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
THF(50mL)中の4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(CAS 886496-49-7、Combi-Blocks製、5.0g、22.32mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(8.63g、11.44mL、66.96mmol)及びHATU(12.72g、33.48mmol)を0℃で少しずつ添加した。30分後、N,O-ジメチルヒドロキシルアミンHCl(2.39g、24.55mmol)を0℃で添加した。混合物を室温まで温め、室温で16時間撹拌し、次いで氷冷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(2×150mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中16%EtOAc)により精製して、4-フルオロ-N-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドを得た(4.80g、17.97mmol、収率81%)。
【0404】
LCMS:方法J1、3.78分、MS:ES+267.8。
【0405】
ステップ(ii)
1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン
THF(48mL)中の4-フルオロ-N-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(4.80g、17.97mmol)の撹拌溶液に、メチルマグネシウムブロミド(ジエチルエーテル中3M)(17.97mL、53.91mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、室温で16時間撹拌し、次いで水(150mL)に注ぎ、1N HCl(10mL)を添加し、EtOAc(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中12%EtOAc)により精製して、1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンを得た(3.0g、13.51mmol、収率75%)。
【0406】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.06-8.12(m,2H),7.70(t,J=8.8Hz,1H),2.62(s,3H)。
【0407】
ステップ(iii)
2-ブロモ-1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン
THF(30mL)中の1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン(3.0g、13.51mmol)の撹拌溶液に、ピリジニウムトリブロミド(4.75g、14.86mmol)を室温で少しずつ添加し、室温で16時間撹拌した。混合物を水(150mL)に注ぎ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100%n-ヘキサン)により精製して、2-ブロモ-1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンを得た(2.0g、6.66mmol、収率49%)。物質を次のステップに進めた。
【0408】
ステップ(iv)
2-アミノ-1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンHCl塩
MeCN(20mL)中の2-ブロモ-1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オン(2.0g、6.66mmol)の撹拌溶液に、ナトリウムジホルミルアミド(0.76g、7.99mmol)を添加し、80℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物をMeOH(20mL)及び濃HCl(2mL)で希釈した。混合物を80℃で16時間更に撹拌し、次いで室温まで放冷した。混合物を減圧濃縮し、残留物をジエチルエーテル(20mL)と共に撹拌して、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、2-アミノ-1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンHCl塩を得た(2.9g、定量的収率)。
【0409】
LCMS:方法J1、2.47分、MS:ES+238.0。
【0410】
ステップ(v)
エチル2-((2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート
0℃のDCM(30mL)中の2-アミノ-1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタン-1-オンHCl塩(2.90g、10.60mmol)の撹拌溶液に、KCO(4.39g、31.8mmol)を添加した。塩化オキサリルエチル(2.17g、1.77mL、15.9mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、4時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、DCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、エチル2-((2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテートを得た(1.70g、5.04mmol、2ステップで収率75%)。
【0411】
LCMS:方法J1、3.80分、MS:ES+337.8。
【0412】
ステップ(vi)
エチル5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
POCl(9mL、5.3体積)中のエチル2-((2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセテート(1.70g、5.04mmol)の撹拌溶液を120℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、砕氷にゆっくり注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、エチル5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(0.96g、3.01mmol、収率60%)。
【0413】
LCMS:方法J1、3.86分、MS:ES+320.1。
【0414】
中間体Z2
エチル5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
【化45】
【0415】
ステップ(i)
メチル2-(アゼチジン-1-イル)-5-ブロモニコチネート
DMSO(40mL)中のアゼチジン塩酸塩(CAS 36520-39-5、Combi-Blocks製、1.79g、19.27mmol)の撹拌溶液に、KCO(6.64g、48.18mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。メチル5-ブロモ-2-クロロニコチネート(CAS 78686-79-0、Combi-Blocks製、4.0g、16.06mmol)を室温で添加し、混合物を80℃で2時間加熱した。混合物を氷冷水(100mL)に注ぎ、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、メチル2-(アゼチジン-1-イル)-5-ブロモニコチネートを得た(3.8g、14.07mmol、収率87%)。
【0416】
LCMS:方法C1、1.35分、MS:ES+271.1、273.1。
【0417】
ステップ(ii)
メチル2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノニコチネート
DMF(19mL)中のメチル2-(アゼチジン-1-イル)-5-ブロモニコチネート(1.90g、7.03mmol)の撹拌溶液に、シアン化亜鉛(2.46g、21.09mmol)及び亜鉛末(0.23g、3.51mmol)を室温で添加した。混合物をNガスで10分間脱気し、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II](0.26g、0.35mmol)及び1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.39g、0.70mmol)を添加した。混合物を130℃で2時間加熱した。もう1つの同一のバッチを同様に実施し、両方の反応混合物を混合した。得られた混合物を氷冷水(50mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中14%EtOAc)を使用して精製して、メチル2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノニコチネートを得た(1.3g、5.99mmol、収率42%)。
【0418】
LCMS:方法C1、1.14分、MS:ES+:218.1。
【0419】
ステップ(iii)
2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノニコチノヒドラジド
メチル2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノニコチネート(1.2g、5.52mmol)をヒドラジン水和物(99%)(31.2mL、26体積)に0℃で添加した。混合物を室温で8時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノニコチノヒドラジドを得た(0.90g、4.14mmol、収率75%)。
【0420】
LCMS:方法C1、0.79分、MS:ES+218.2。
【0421】
ステップ(iv)
エチル5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
DCM(10mL)中の2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノニコチノヒドラジド(0.9g、4.14mmol)の撹拌溶液に、TEA(1.25g、1.72mL、12.42mmol)及び塩化オキサリルエチル(0.85g、0.69mL、6.21mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。TEA(1.25g、1.72mL、12.42mmol)及びTsCl(0.94g、4.96mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。得られた混合物を水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中27%EtOAc)を使用して精製して、エチル5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートを得た(0.55g、1.83mmol、収率44%)。
【0422】
LCMS:方法C1、1.20分、MS:ES+300.2。
【0423】
中間体Z3
エチル5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
【化46】
【0424】
ステップ(i)
メチル5-ブロモ-2-(ピロリジン-1-イル)ニコチネート
DMSO(50mL)中のピロリジン(3.56g、50.2mmol)の撹拌溶液に、KCO(8.31g、60.24mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。メチル5-ブロモ-2-クロロニコチネート(CAS 78686-79-0、Combi-Blocks製、5.0g、20.08mmol)を室温で反応混合物に添加し、80℃で2時間加熱した。混合物を氷冷水(100mL)に注ぎ、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、メチル5-ブロモ-2-(ピロリジン-1-イル)ニコチネートを得た(4.8g、16.90mmol、収率84%)。LCMS:方法C1、1.37分、MS:ES+285.1、287.0。
【0425】
ステップ(ii)
メチル5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ニコチネート
DMF(5mL)中のメチル5-ブロモ-2-(ピロリジン-1-イル)ニコチネート(0.50g、1.76mmol)の撹拌溶液に、シアン化亜鉛(0.62g、5.28mmol)及び亜鉛末(0.06g、0.88mmol)を室温で添加した。反応混合物をNガスで10分間脱気し、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II](0.06g、0.09mmol)及び1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.14g、0.26mmol)を添加した。反応混合物を130℃で2時間加熱した。更に8回の同一のバッチを同様に実施し、9個の反応混合物全てをワークアップのために合わせた。得られた混合物を氷冷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を氷冷水(4×100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中34%EtOAc)を使用して精製して、メチル5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ニコチネートを得た(2.0g、8.65mmol、収率54%)。
【0426】
LCMS:方法C1、1.20分、MS:ES+:232.1。
【0427】
ステップ(iii)
5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ニコチノヒドラジド
エタノール(20mL)中のメチル5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ニコチネート(2.0g、8.65mmol)の撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(99%)(20mL、10体積)を室温で添加した。混合物を80℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物を水(20mL)に懸濁して、沈殿物を形成した。固体を減圧濾過により回収して、5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ニコチノヒドラジドを得た(0.72g、3.11mmol、収率36%)。
【0428】
LCMS:方法C1、0.90分、MS:ES+232.1。
【0429】
ステップ(iv)
エチル5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
DCM(7mL)中の5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ニコチノヒドラジド(0.72g、3.11mmol)の撹拌溶液に、TEA(0.94g、1.29mL、9.33mmol)及び塩化オキサリルエチル(0.46g、0.38mL、3.42mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。TEA(0.94g、1.29mL、9.33mmol)及びTsCl(0.71g、3.73mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、室温で1時間撹拌し、次いで水(15mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中30%EtOAc)を使用して精製して、エチル5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートを得た(0.23g、0.73mmol、収率23%)。
【0430】
LCMS:方法C1、1.25分、MS:ES+314.1。
【0431】
中間体Z4
エチル5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
【化47】
【0432】
ステップ(i)
メチル2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート
MeOH(100mL)中の2-ブロモ-1-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(CAS 468075-00-5、Combi-Blocks製、5.0g、18.25mmol)の溶液を投入したオートクレーブに、TEA(5.54g、7.63mL、54.76mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.33g、1.82mmol)を添加した。混合物を80℃で16時間、COガス(50psi)の圧力下で加熱した。混合物を、Celite Hyflow(登録商標)を通して濾過し、濾液を減圧濃縮した。残留物を水(50mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中5%EtOAc)により精製して、メチル2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾエートを得た(3.0g、11.81mmol、収率65%)。
【0433】
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm:7.79(s,1H),7.73(d,J=8.4Hz,1H),7.62(d,J=7.6Hz,1H),3.88(s,3H)。
【0434】
ステップ(ii)
2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジド
MeOH(30mL)中のメチル2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(3.0g、3.81mmol)の撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(99%)(15mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジドを得た(2.50g、9.84mmol、収率83%)。
【0435】
LCMS:方法H1、2.37分、MS:ES+254.9。
【0436】
ステップ(iii)
エチル5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
DCM(25mL)中の2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジド(2.50g、9.84mmol)の撹拌溶液に、TEA(2.98g、4.11mL、29.52mmol)及び塩化オキサリルエチル(1.47g、1.56mL、10.82mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。TsCl(2.24g、11.81mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、室温で2時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中5%EtOAc)を使用して精製して、エチル5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートを得た(1.5g、4.46mmol、収率45%)。
【0437】
LCMS:方法C1、1.34分、MS:ES+337.0。
【0438】
中間体Z5
エチル5-(2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
ステップ(i)
2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジド
MeOH(70mL)中のメチル2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(CAS 1150114-81-0、Enamine製、7.0g、23.49mmol)の撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(99%)(21mL、3体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジドを得た(5.10g、17.11mmol、収率73%)。LCMS:方法C、1.39分、MS:ES+299.0、301.0。
【0439】
ステップ(ii)
エチル2-(2-(2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテート
DCM(51mL)中の2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾヒドラジド(5.10g、17.11mmol)の撹拌溶液に、TEA(5.19g、7.2mL、51.34mmol)及び塩化オキサリルエチル(2.80g、2.29mL、20.53mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、DCM(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、エチル2-(2-(2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテートを得た(8.0g、定量的収率)。
【0440】
LCMS:方法C1、1.12分、MS:ES+399.0、401.0。
【0441】
ステップ(iii)
エチル5-(2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート
DCM(80mL)中のエチル2-(2-(2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテート(8.0g、20.10mmol)の撹拌溶液に、TEA(6.10g、8.40mL、60.30mmol)及びTsCl(3.81g、20.10mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、DCM(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中12%EtOAc)を使用して精製して、エチル5-(2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートを得た(3.63g、9.55mmol、2ステップで収率56%)。LCMS:方法C1、1.35分、MS:ES+380.9、382.9。
【0442】
中間体Z6
エチル3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキシレート
【化48】
【0443】
ステップ(i)
2-アミノ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル
NMP(150mL)中の2-ブロモ-4-(トリフルオロメトキシ)アニリン(CAS 175278-17-8、BLDpharm製、20.0g、78.44mmol)の撹拌溶液に、CuCN(14.0g、156.80mmol)を添加し、165℃で18時間加熱した。混合物をアンモニア水溶液(300mL)に注ぎ、EtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中8%EtOAc)により精製して、2-アミノ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリルを得た(11.2g、55.43mmol、収率70%)。
【0444】
LCMS:方法H1、3.04分、MS:ES-201.0。
【0445】
ステップ(ii)
2-ヨード-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル
濃HCl(60mL)中の2-アミノ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(6.0g、29.69mmol)の撹拌溶液に、NaNO(4.0g、57.97mmol)を0℃で少しずつ添加し、0℃で10分間撹拌した。KI(24.63g、74.09mmol)の水溶液(60mL)を0℃で滴下し、0.5時間撹拌した。混合物を水(300mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を10%チオ硫酸ナトリウム溶液(2×150mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中6%EtOAc)により精製して、2-ヨード-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリルを得た(7.79g、24.89mmol、収率84%)。
【0446】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.13-8.16(m,1H),8.01(s,1H),7.48(d,J=8.4Hz,1H)。
【0447】
ステップ(iii)
2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル
トルエン:水(10mL、4:1)中の2-ヨード-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(2.6g、8.30mmol)及びシクロプロピルボロン酸(CAS 411235-57-9、Combi-Blocks製、1.42g、16.53mmol)の撹拌溶液に、KPO(3.52g、16.60mmol)を添加した。混合物をNガスで10分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.67g、0.91mmol)を添加し、100℃で1時間加熱した。更に2回の同一バッチを同様に行い、3個の反応混合物全てを混合し、水(500mL)に注ぎ、EtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中0.5%EtOAc)により精製して、2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリルを得た(8.2g、定量的収率)。
【0448】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:7.90(s,1H),7.60(d,J=8.4Hz,1H),7.21(d,J=8.8Hz,1H),2.16-2.19(m,1H),1.12-1.14(m,2H),0.84-0.85(m,2H)。
【0449】
ステップ(iv)
(Z)-2-シクロプロピル-N’-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンズイミドアミド
EtOH:水(23mL、2:1)中の2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(4.0g、17.62mmol)及び水酸化ナトリウム(2.11g、52.75mmol)の撹拌溶液に、ヒドロキシルアミンHCl(3.67g、52.81mmol)を添加し、40℃で48時間加熱した。混合物を減圧濃縮し、水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、(Z)-2-シクロプロピル-N’-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンズイミドアミドを得た(4.40g、16.92mmol、収率96%)。
【0450】
LCMS:方法H1、2.79分、MS:ES+261.0。
【0451】
ステップ(v)
エチル3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキシレート
ピリジン(5mL)中の(Z)-2-シクロプロピル-N’-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンズイミドアミド(1.50g、5.76mmol)の撹拌溶液に、塩化オキサリルエチル(1.18g、0.98mL、8.64mmol)を0℃で滴下した。混合物を80℃で3時間加熱し、次いで室温に冷却し、減圧濃縮した。得られた粗生成物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、エチル3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキシレートを得た(1.44g、4.20mmol、収率73%)。LCMS:方法C、2.05分、MS:ES+343.1。
【0452】
中間体Z7
エチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキシレート
【化49】
【0453】
ステップ(i)
2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)安息香酸
THF:水(10mL、1:1)中のメチル2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(1.10g、4.23mmol)の撹拌溶液に、LiOH.HO(0.35g、8.46mmol)を室温で少しずつ添加し、室温で4時間撹拌した。次いで、混合物を水(30mL)に注ぎ、クエン酸で約pH4に酸性化し、EtOAc(2×70mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)安息香酸を得た(1.08g、定量的収率)。LCMS:方法J1、3.91分、MS:ES+244.8。
【0454】
ステップ(ii)
エチル(Z)-2-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)-2-(ヒドロキシイミノ)アセテート
THF(12mL)中の2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(1.20g、4.87mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(1.88g、2.5mL、14.63mmol)及びHATU(2.78g、7.31mmol)を0℃で少しずつ添加した。30分後、エチル(Z)-2-アミノ-2-(ヒドロキシイミノ)アセテート(CAS 10489-74-4、Combi-Blocks製、0.77g、5.85mmol)を0℃で添加した。混合物を室温までゆっくり温め、室温で4時間撹拌し、次いで氷冷水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×70mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、エチル(Z)-2-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)-2-(ヒドロキシイミノ)アセテートを得た(0.90g、2.50mmol、2ステップで収率59%)。LCMS:方法J1、3.71分、MS:ES+361.2。
【0455】
ステップ(iii)
エチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキシレート
エチル(Z-2-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)-2-(ヒドロキシイミノ)アセテート(0.90g、2.50mmol)のピリジン溶液(5mL)を110℃で16時間加熱した。混合物を室温まで温め、水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中12%EtOAc)により精製して、エチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキシレートを得た(0.17g、0.49mmol、2ステップで収率20%)。LCMS:方法J1、4.50分、MS:ES+342.9。
【0456】
実施例の合成
実施例1
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド
【化50】
【0457】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
0℃のピリジン(5mL)中のリチウム5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.3g、1.15mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.35g、1.13mmol)の撹拌溶液に、POCl(0.53g、0.3mL、3.45mmol)を滴下した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.22g、0.41mmol、収率36%)。
【0458】
LCMS:方法H1、3.24分、MS:ES+544.2。
【0459】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.22g、0.40mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.1mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.25g、定量的収率)。
【0460】
LCMS:方法H1、2.62分、MS:ES+444.2。
【0461】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド
THF(5mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.25g、0.45mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.18g、1.34mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、次いで臭化シアン(0.05g、0.45mmol)を添加した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中80~90%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.02g、0.05mmol、2ステップで収率13%)。
【0462】
LCMS:方法H1、2.88分、MS:ES+469.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.23(s,1H),8.13(s,1H),7.92(s,1H),7.83(d,J=8.4Hz,1H),7.79(s,1H),7.41(d,J=8.4Hz,1H),4.61-4.62(m,2H),4.30-4.45(m,2H),3.76-3.79(m,1H),3.62-3.66(m,1H),2.90-2.31(m,1H),2.19-2.20(m,3H),1.14-1.16(m,2H),0.83-0.85(m,2H),0.57-0.70(m,4H);キラルSFC:方法Y21、9.34分。
【0463】
実施例2
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド
【化51】
【0464】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
0℃のピリジン(3mL)中のリチウム5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1、3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.3g、1.14mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(シクロプロピルアミノ)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.35g、1.14mmol)の撹拌溶液に、POCl(0.52g、0.32mL、3.42mmol)を滴下した。混合物を室温で20分間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中65%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.30g、0.55mmol、収率48%)。
【0465】
LCMS:方法H1、3.96分、MS:ES+545.2。
【0466】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(3mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.30g、0.55mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.5mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.40g、定量的収率)。
【0467】
LCMS:方法J1、2.75分、MS:ES+445.3。
【0468】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(4mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.40g、0.71mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.29g、2.15mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。臭化シアン(0.07g、0.71mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-N-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.09g、0.18mmol、2ステップで収率35%)。
【0469】
LCMS:方法H1、2.77分、MS:ES+470.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.34(s,1H),8.24(s,1H),8.0(d,J=8.0Hz,1H),7.80(s,1H),7.36(d,J=8.0Hz,1H),4.62-4.63(m,2H),4.35-4.42(m,2H),3.78-3.82(m,1H),3.65-3.69(m,1H),3.05-3.17(m,1H),2.80-2.91(m,1H),2.59-2.64(m,1H),2.17-2.25(m,1H),1.14-1.23(m,2H),0.9-1.0(m,2H),0.60-0.83(m,4H);キラルSFC:方法Y28、14.39分。
【0470】
実施例3
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化52】
【0471】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(6mL)中のエチル5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.54g、2.24mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.30g、1.12mmol)の撹拌溶液に、TBD(0.31g、2.24mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、24時間撹拌し、70℃で24時間加熱した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(4×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中3.5%MeOH)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.14g、0.30mmol、収率27%)。
【0472】
LCMS:方法C、1.52分、MS:ES+464.5。
【0473】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(2.8mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.14g、0.30mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.7mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.15g、定量的収率)。
【0474】
LCMS:方法C、1.33分、MS:ES+364.5。
【0475】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(3mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.15g、0.31mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.13g、0.94mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.03g、0.31mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで氷冷水(100mL)に注ぎ、固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、n-ヘキサン(2×100mL)で洗浄した。固体残留物を、ジエチルエーテル(2×5mL)を使用する研和によって精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.07g、0.18mmol、2ステップで収率59%)。
【0476】
LCMS:方法H、2.27分、MS:ES+389.1;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.39(d,J=6.8Hz,1H),8.34(s,1H),8.20(s,1H),8.14(d,J=8.0Hz,1H),8.10(s,1H),7.92(d,J=7.6Hz,1H),7.78(s,1H),7.75(t,J=8.0Hz,1H),4.61-4.63(m,2H),4.33-4.38(m,2H),3.65-3.69(m,1H),3.39-3.43(m,1H),2.16-2.25(m,1H),1.95-2.03(m,1H);キラルSFC:方法Y12A、4.55分。
【0477】
実施例4
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化53】
【0478】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(10mL)中のエチル5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.20g、0.66mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.18g、0.66mmol)の撹拌溶液に、DBU(1mL、5体積)を室温で添加し、16時間撹拌した。混合物を水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中50%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.08g、0.15mmol、収率23%)。
【0479】
LCMS:方法C1、1.28分、MS:ES+523.4。
【0480】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(3mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.08g、0.15mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.4mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.14g、定量的収率)。
【0481】
LCMS:方法C1、1.07分、MS:ES+423.3。
【0482】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(3mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.14g、0.25mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.07g、0.51mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.04g、0.38mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中68%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.03g、0.08mmol、2ステップで収率51%)。
【0483】
LCMS:方法H1、2.80分、MS:ES+448.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.38(d,J=6.4Hz,1H),8.20(s,1H),8.10(s,1H),7.88(d,J=7.6Hz,1H),7.83(s,1H),7.79(s,1H),7.69(t,J=8.0Hz,1H),7.47(d,J=8.0Hz,1H),4.62-4.65(m,2H),4.33-4.41(m,2H),3.66-3.70(m,1H),3.40-3.44(m,1H),2.18-2.25(m,1H),1.97-2.03(m,1H);キラルSFC:方法Y12A、3.77分。
【0484】
実施例5
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化54】
【0485】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(5mL)中の5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボン酸(0.1g、0.44mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.10g、0.37mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.14g、0.19mL、1.11mmol)及びHATU(0.35g、0.92mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで氷冷水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中50%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-クロロフェニル)-オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.15g、0.32mmol、収率84%)。
【0486】
LCMS:方法C1、1.27分、MS:ES+473.4。
【0487】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(3mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.15g、0.32mmol)の撹拌溶液に、TFA(2.25mL、15体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.10g、0.20mmol、収率64%)。
【0488】
LCMS:方法C1、1.04分、MS:ES+373.3。
【0489】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
MeCN(3mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.10g、0.20mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.08g、0.62mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.03g、0.24mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得て(0.04g、0.10mmol、収率49%)、それを逆相分取HPLC(方法X1)によって更に精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.02g、0.05mmol、収率23%)。
【0490】
LCMS:方法H1、2.64分、MS:ES+398.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.37(d,J=6.8Hz,1H),8.20(s,1H),8.06(s,1H),7.93(s,1H),7.79-7.81(m,2H),7.51-7.59(m,2H),4.62-4.64(m,2H),4.34-4.38(m,2H),3.66-3.70(m,1H),3.40-3.44(m,1H),2.18-2.24(m,1H),1.96-2.03(m,1H);キラルSFC:方法Y20、5.44分。
【0491】
実施例6
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化55】
【0492】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(5mL)中の5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボン酸(0.2g、0.91mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.21g、1.01mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.35g、0.49mL、1.11mmol)及びHATU(0.52g、1.36mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で12時間撹拌し、次いで氷冷水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中50%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.18g、0.38mmol、収率42%)。
【0493】
LCMS:方法C1、1.22分、MS:ES+469.8。
【0494】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(3mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.18g、0.38mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.08mL、6体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.15g、定量的収率)。
【0495】
LCMS:方法C1、1.00分、MS:ES+369.4。
【0496】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(5mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.15g、0.31mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.12g、0.93mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.03g、0.34mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中100%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-メトキシフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.09g、0.22mmol、2ステップで収率59%)。
【0497】
LCMS:方法H1、2.47分、MS:ES+394.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.33(d,J=6.4Hz,1H),8.19(s,1H),7.82(dd,J=1.2,7.6Hz,1H),7.78(s,1H),7.71(s,1H),7.42-7.47(m,1H),7.21(d,J=8.4,Hz1H),7.13(t,J=7.6Hz,1H),4.61-4.62(m,2H),4.34-4.39(m,2H),3.97(s,3H),3.64-3.68(m,1H),3.38-3.43(m,1H),2.17-2.24(m,1H),1.95-2.01(m,1H);キラルSFC:方法Y4、5.36分。
【0498】
実施例7
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化56】
【0499】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(7mL)中のエチル5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.7g、2.71mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.76g、2.84mmol)の撹拌溶液を、Nで10分間パージした。TBD(0.41g、2.98mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、室温で16時間撹拌した。混合物を水(50mL)に注ぎ、沈殿した固体を減圧濾過により回収し、水(2×10mL)、n-ヘキサン(2×20mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.46g、0.97mmol、収率36%)。
【0500】
LCMS:方法C1、1.29分、MS:ES+480.41。
【0501】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.46g、0.95mmol)の撹拌溶液に、TFA(2.3mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た
(0.48g、定量的収率)。
【0502】
LCMS:方法C1、1.03分、MS:ES+380.2。
【0503】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(5mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.48g、0.97mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.40g、2.92mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.10g、0.97mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.1g、0.24mmol、2ステップで収率26%)。
【0504】
LCMS:方法H1、2.72分、MS:ES+405.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.77(d,J=6.4Hz,1H),8.21(s,1H),7.89(d,J=7.6Hz,1H),7.80(s,1H),7.56(t,J=7.6Hz,1H),7.41(t,J=7.6Hz,1H),7.19(d,J=7.6Hz,1H),4.64-4.65(m,2H),4.36-4.39(m,2H),3.67-3.71(m,1H),3.43-3.46(m,1H),2.69-2.71(m,1H),2.19-2.25(m,1H),1.99-2.04(m,1H),1.03-1.04(m,2H),0.77-0.78(m,2H);キラルHPLC:方法Y21、10.58分。
【0505】
実施例8
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化57】
【0506】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(10mL)中のリチウム5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.5g、2.12mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.45g、1.70mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.82g、1.09mL、6.38mmol)を0℃で添加した。10分後、TP(EtOAc中50%)(1.01g、2.02mL、3.19mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温で5時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中90%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.15g、0.31mmol、2ステップで収率16%)。
【0507】
LCMS:方法H1、3.32分、MS:ES-477.2。
【0508】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.15g、0.31mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.5mL、10体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.17g、定量的収率)。LCMS:方法H1、3.00分、MS:ES+379.0。
【0509】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(5mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.17g、0.34mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.14g、1.03mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.04g、0.34mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得て(0.08g、0.19mmol、2ステップで収率63%)、それを逆相分取HPLC(方法X4)により更に精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.04g、0.11mmol、2ステップで収率35%)。
【0510】
LCMS:方法H1、2.68分、MS:ES+404.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.38(d,J=6.8Hz,1H),8.21(s,1H),7.75-7.82(m,3H),7.38-7.39(m,2H),7.24-7.26(m,1H),4.62-4.64(m,2H),4.34-4.39(m,2H),3.65-3.69(m,1H),3.41-3.45(m,1H),2.19-2.23(m,1H),2.11-2.15(m,1H),1.98-2.02(m,1H),1.02-1.07(m,2H),0.69-0.73(m,2H);キラルSFC:方法Y12A、4.52分。
【0511】
実施例9
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化58】
【0512】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
ピリジン(5mL)中のリチウム5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.5g、1.92mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.36g、1.34mmol)の撹拌溶液に、POCl(0.88g、0.54mL、5.76mmol)を0℃で滴下し、混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、混合物を氷冷水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中90%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.07g、0.14mmol、2ステップで収率8%)。
【0513】
LCMS:方法H1、3.09分、MS:ES-502.2。
【0514】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.07g、0.14mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.7mL、10体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.09g、定量的収率)。
【0515】
LCMS:方法H1、2.50分、MS:ES+404.2。
【0516】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(5mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.09g、0.17mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.07g、0.52mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.02g、0.17mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得て(0.05g、0.10mmol、2ステップで収率75%)、それを逆相分取HPLC(方法X3)により更に精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.02g、0.06mmol、2ステップで収率42%)。
【0517】
LCMS:方法H1、2.92分、MS:ES+429.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.42(d,J=5.6Hz,1H),8.21(s,1H),8.18(d,J=1.2Hz,1H),7.93(s,1H),7.85(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),7.79(s,1H),7.40(d,J=8.0Hz,1H),4.63-4.64(m,2H),4.36-4.39(m,2H),3.67-3.71(m,1H),3.41-3.45(m,1H),2.21-2.26(m,2H),1.98-2.04(m,1H),1.12-1.17(m,2H),0.82-0.86(m,2H);キラルSFC:方法Y9、5.54分。
【0518】
実施例10
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化59】
【0519】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(5mL)中のリチウム5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.3g、1.09mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.33g、1.20mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.42g、0.56mL、3.29mmol)及びTP(EtOAc中50%)(0.69g、2.19mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次いで氷冷水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中80%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.18g、0.34mmol、収率34%)。
【0520】
LCMS:方法C1、1.38分、MS:ES+523.3。
【0521】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.18g、0.34mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.9mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.2g、定量的収率)。
【0522】
LCMS:方法C1、1.13分、MS:ES+423.3。
【0523】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
MeCN:THF(6mL、1:1)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.2g、0.37mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.15g、1.11mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.04g、0.41mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中80%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.12g、0.26mmol、2ステップで収率77%)。
【0524】
LCMS:方法H1、2.79分、MS:ES+448.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.42(d,J=6.4Hz,1H),8.20(s,1H),8.00(d,J=7.2Hz,1H),7.79(s,1H),7.71(s,1H),7.61(d,J=6.0Hz,3H),4.62-4.64(m,2H),4.36-4.39(m,2H),3.66-3.70(m,1H),3.41-3.44(m,1H),2.18-2.25(m,1H),1.97-2.03(m,1H);キラルSFC:方法Y9、4.77分。
【0525】
実施例11
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-エチルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化60】
【0526】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-ブロモフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(10mL)中のリチウム5-(3-ブロモフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(1.05g、3.92mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.7g、2.62mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(1.01g、1.38mL、7.86mmol)及びTP(EtOAc中50%)(1.66g、5.24mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中80%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-ブロモフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.6g、1.16mmol、2ステップで収率29%)。
【0527】
LCMS:方法C1、1.26分、MS:ES+517.1、519.1。
【0528】
ステップ(ii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-ビニルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
EtOH(9mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-ブロモフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.30g、0.58mmol)及びカリウムビニルトリフルオロボレート(CAS 13682-77-4、Combi-Blocks製、0.10g、0.75mmol)の撹拌溶液に、TEA(0.076g、0.1mL、0.75mmol)を添加した。混合物をNガスで20分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.04g、0.06mmol)を添加し、80℃で3時間加熱した。混合物を水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×40mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中80%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-ビニルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.25g、0.53mmol、収率93%)。
【0529】
LCMS:方法C1、1.25分、MS:ES+465.3。
【0530】
ステップ(iii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-エチルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(10mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-ビニルフェニル)-オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.25g、0.53mmol)の撹拌溶液に、10%Pd/C(50%水分)(0.12g、0.5w/w)を添加した。混合物をHガスで1時間パージし、次いでCelite Hyflow(登録商標)を通して濾過し、濾液を減圧濃縮して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-エチルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.22g、0.47mmol、88%)。
【0531】
LCMS:方法C1、1.44分、MS:ES+467.4。
【0532】
ステップ(iv)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-エチルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(10mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-エチルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.22g、0.47mmol)の撹拌溶液に、TFA(2.2mL、10体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-エチルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.20g、0.41mmol、収率88%)。
【0533】
LCMS:方法C1、1.07分、MS:ES+367.2。
【0534】
ステップ(v)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-エチルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(5mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-エチルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.20g、0.41mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.17g、1.24mmol)を室温で添加し、混合物を10分間撹拌した。臭化シアン(0.05g、0.45mmol)を0℃で添加し、混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中100%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-エチルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.08g、0.20mmol、2ステップで収率43%)。
【0535】
LCMS:方法H、2.81分、MS:ES+392.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.35(d,J=6.4Hz,1H),8.20(s,1H),7.94(s,1H),7.79(s,1H),7.68(s,1H),7.65(d,J=7.6Hz,1H),7.45(t,J=7.6Hz,1H),7.31(d,J=7.6Hz,1H),4.62-4.64(m,2H),4.35-4.37(m,2H),3.63-3.72(m,1H),3.42-3.44(m,1H),2.67-2.70(m,2H),2.18-2.25(m,1H),1.97-2.02(m,1H),1.24(t,J=7.6Hz,3H);キラルSFC:方法Y9、5.71分。
【0536】
実施例12
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シクロプロピルフェニル)オキサゾール2-カルボキサミド
【化61】
【0537】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
トルエン:水(8mL、9:1)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-ブロモフェニル)-オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.18g、0.34mmol)及びシクロプロピルボロン酸(CAS 411235-57-9、Combi-Blocks製、0.044g、0.52mmol)の撹拌溶液に、KPO(0.22g、1.04mmol)を添加した。混合物をNガスで20分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II](0.025g、0.034mmol)を添加し、100℃で3時間加熱した。混合物を水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シクロプロピルフェニル)-オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.1g、0.20mmol、収率60%)。
【0538】
LCMS:方法C1、1.30分、MS:ES+479.3。
【0539】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(2.5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.1g、0.20mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.5mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.08g、0.16mmol、収率78%)。
【0540】
LCMS:方法C1、1.06分、MS:ES+379.2。
【0541】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(5mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シクロプロピルフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.08g、0.16mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.07g、0.48mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.02g、0.17mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(15mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中97%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.02g、0.06mmol、収率38%)。
【0542】
LCMS:方法H1、2.81分、MS:ES+404.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.34(d,J=6.4Hz,1H),8.19(s,1H),7.94(s,1H),7.78(s,1H),7.58(d,J=7.6Hz,1H),7.51(s,1H),7.39(t,J=7.6Hz,1H),7.15(d,J=8.0Hz,1H),4.61-4.62(m,2H),4.32-4.41(m,2H),3.62-3.7(m,1H),3.40-3.41(m,1H),2.67-2.69(m,1H),2.18-2.20(m,1H),1.98-1.99(m,1H),0.99-1.01(m,2H),0.75-0.76(m,2H);キラルHPLC:方法Y10、10.27分。
【0543】
実施例13
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化62】
【0544】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(4mL)中のエチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.40g、1.16mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.31g、1.16mmol)の撹拌溶液を、Nで10分間パージした。DBU(1.2mL、3体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、室温で4時間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中78%EtOAc)を使用して精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.08g、0.14mmol、収率12%)。LCMS:方法C1、1.32分、MS:ES+564.3。
【0545】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(0.8mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.08g、0.14mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.4mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.09g、定量的収率)。
【0546】
LCMS:方法C1、1.13分、MS:ES+464.3。
【0547】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(1mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.095g、0.16mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.068g、0.49mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.017g、0.16mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水(15mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物を逆相分取HPLC(方法X8)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.03g、0.06mmol、2ステップで収率41%)。
【0548】
LCMS:方法H1、3.01分、MS:ES+489.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.77(d,J=6.0Hz,1H),8.19(s,1H),7.78-7.83(m,2H),7.57(d,J=8.0Hz,1H),7.31(d,J=8.8Hz,1H),4.62-4.64(m,2H),4.35-4.38(m,2H),3.66-3.70(m,1H),3.41-3.45(m,1H),2.67-2.69(m,1H),2.17-2.24(m,1H),1.97-2.04(m,1H),1.05-1.07(m,2H),0.80-0.81(m,2H);キラルHPLC:方法Y9、4.98分。
【0549】
実施例14
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化63】
【0550】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(5mL)中のリチウム5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.25g、0.98mmol)及びtert-ブチル2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.34g、1.27mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(2.5mL、2.94mmol)及びHATU(0.74g、1.96mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次いで氷冷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中83.6%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)-ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.47g、定量的収率)。
【0551】
LCMS:方法C1、1.21分、MS:ES+505.3。
【0552】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(3mL)中のtert-ブチル2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.47g、0.93mmol)の撹拌溶液に、TFA(2.3mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.32g、0.62mmol、3ステップで収率87%)。
【0553】
LCMS:方法H1、2.38分、MS:ES+405.2。
【0554】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(5mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.31g、0.60mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.41g、3.04mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.07g、0.68mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中82%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得て(0.05g、0.12mmol、3ステップで収率17%)、これを逆相分取HPLC(方法X10)により更に精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.01g、0.03mmol、3ステップで収率5%)。
【0555】
LCMS:方法H1、2.55分、MS:ES+430.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.77(s,1H),8.30(s,1H),8.20(s,1H),7.9(d,J=8.0Hz,1H),7.78(s,1H),7.32(d,J=8.0Hz,1H),4.62-4.64(m,2H),4.33-4.44(m,2H),3.65-3.72(s,1H),3.42-3.45(m,1H),2.77-2.9(m,1H),2.16-2.25(m,1H),1.98-2.05(s,1H),1.16-1.17(m,2H),0.93(s,2H);キラルSFC:方法Y4、5.15分。
【0556】
実施例15
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロポキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化64】
【0557】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(12mL)中のエチル5-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(1.2g、4.49mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(1.43g、4.49mmol)の撹拌溶液に、TBD(0.75g、5.38mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、6時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×60mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.13g、0.24mmol、収率6%)。
【0558】
LCMS:方法J1、3.90分、MS:ES-540.1。
【0559】
ステップ(ii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロポキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(1.3mL)中のシクロプロパノール(CAS 16545-68-9、Synthonix製、0.03g、0.48mmol)の撹拌溶液に、NaH(油中60%)(0.02g、0.48mmol)を0℃で少しずつ添加し、0℃で45分間撹拌した。tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.13g、0.24mmol)のTHF溶液(1.3mL)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、6時間撹拌し、次いで氷冷水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中40%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロポキシ-5-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.08g、0.14mmol、収率57%)。
【0560】
LCMS:方法J1、3.66分、MS:ES+580.4。
【0561】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロポキシ(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(0.8mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロポキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.08g、0.13mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.4mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロポキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.1g、定量的収率)。
【0562】
LCMS:方法J1、2.91分、MS:ES+480.2。
【0563】
ステップ(iv)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロポキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(1mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロポキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.1g、0.16mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.11g、0.84mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.02g、0.24mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中96%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロポキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.02g、0.03mmol、2ステップで収率24%)。
【0564】
LCMS:方法H1、2.88分、MS:ES+505.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.78(d,J=4.0Hz,1H),8.20(s,1H),7.87(s,1H),7.78(s,1H),7.73-7.76(m,1H),7.67-7.69(m,1H),4.62-4.63(m,2H),4.33-4.45(m,2H),4.07-4.13(m,1H),3.65-3.69(m,1H),3.41-3.44(m,1H),2.18-2.21(m,1H),1.97-2.04(m,1H),0.86-0.88(m,2H),0.72-0.77(m,2H);キラルSFC:方法Y21、9.32分。
【0565】
実施例16
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド
【化65】
【0566】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
ピリジン(2.5mL)中のリチウム5-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.25g、0.81mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.28g、1.22mmol)の撹拌溶液に、POCl(0.37g、0.22mL、2.44mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中90%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.15g、0.28mmol、2ステップで収率26%)。LCMS:方法C1、1.25分、MS:ES+522.3。
【0567】
ステップ(ii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(2mL)中のオキセタン-3-オール(0.02g、0.38mmol)の撹拌溶液に、NaH(油中60%)(0.01g、0.38mmol)をN雰囲気下0℃で少しずつ添加した。15分後、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.18g、0.34mmol)のTHF溶液(1mL)を0℃で滴下した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮してtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.13g、0.22mmol、収率75%)。
【0568】
LCMS:方法C1、1.17分、MS:ES+476.3(M-100)。
【0569】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(2mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.13g、0.22mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.65mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.14g、定量的収率)。
【0570】
LCMS:方法C1、0.99分、MS:ES+476.2。
【0571】
ステップ(iv)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミド
THF(2mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.14g、0.23mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.09g、0.71mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.02g、0.23mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×40mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を逆相分取HPLC(方法X9)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-N-シクロプロピルオキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.01g、0.02mmol、2ステップで収率13%)。
【0572】
LCMS:方法H1、2.43分、MS:ES+501.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.20-8.23(m,2H),7.93(s,1H),7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.79(s,1H),7.01(d,J=8.8Hz,1H),5.57-5.60(m,1H),4.99-5.03(m,2H),4.75-4.78(m,2H),4.60-4.61(m,2H),4.40(brs,1H),4.32(brs,1H),3.76-3.80(m,1H),3.61-3.65(m,1H),3.13(brs,1H),2.50-2.54(m,1H),2.18-2.20(m,1H),0.65-0.72(m,2H),0.54-0.57(m,2H);キラルHPLC:方法Y21、11.44分。
【0573】
実施例17
N-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化66】
【0574】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(6mL)中のエチル5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.54g、2.24mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.30g、1.12mmol)の撹拌溶液に、TBD(0.31g、2.24mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、24時間撹拌し、70℃で24時間加熱した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(4×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中3%MeOH)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.15g、0.32mmol、収率29%)。
【0575】
LCMS:方法C、1.62分、MS:ES+464.5。
【0576】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(3mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)-オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.15g、0.32mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.75mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.15g、0.31mmol、収率97%)。
【0577】
LCMS:方法C、1.33分、MS:ES+364.5。
【0578】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(3mL)中のN-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.15g、0.31mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.13g、0.94mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.03g、0.31mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで氷冷水(100mL)に注ぎ、固体を、ブフナー漏斗を通して濾過し、n-ヘキサン(2×100mL)で洗浄して、N-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.07g、0.17mmol、収率56%)。
【0579】
LCMS:方法H、2.47分、MS:ES+389.1;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.40(d,J=6.4Hz,1H),8.34(s,1H),8.14(d,J=8.0Hz,1H),8.10(s,1H),7.92(d,J=8.0Hz,1H),7.86(s,2H),7.75(t,J=8.0Hz,1H),4.63-4.65(m,2H),4.37-4.46(m,1H),4.26-4.35(m,1H),3.61-3.65(m,1H),3.38-3.41(m,1H),2.17-2.25(m,1H),2.01-2.08(m,1H);キラルSFC:方法Y12A、3.99分。
【0580】
実施例18
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化67】
【0581】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
ピリジン(2.5mL)中のリチウム5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.31g、1.40mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.25g、0.93mmol)の撹拌溶液に、POCl(0.43g、0.27mL、2.81mmol)を0℃で滴下し、混合物を0℃で2時間撹拌した。次いで混合物を氷冷水(100mL)に注ぎ、DCM(4×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中2%MeOH)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.06g、0.13mmol、収率14%)。
【0582】
LCMS:方法C、1.531分、MS:ES+464.4。
【0583】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(1.2mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.06g、0.13mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.3mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.07g、定量的収率)。LCMS:方法C、1.316分、MS:ES+364.3。
【0584】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(1.4mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.07g、0.15mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.06g、0.44mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.01g、0.15mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで氷冷水(100mL)に注ぎ、DCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中5.6%MeOH)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.01g、0.02mmol、2ステップで収率30%)。
【0585】
LCMS:方法N、13.05分、MS:ES+389.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.40(d,J=6.4Hz,1H),8.58(s,1H),8.34(s,1H),8.10-8.15(m,2H),8.04(s,1H),7.91-7.93(m,1H),7.74-7.77(m,1H),4.30-4.42(m,4H),3.67-3.70(m,1H),3.40-3.43(m,1H),2.16-2.23(m,1H),1.99-2.07(m,1H);キラルSFC:方法Y12A、4.12分。
【0586】
実施例19
N-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化68】
【0587】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
DMF(2.6mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.26g、0.97mmol)及びリチウム5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.25g、1.16mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.25g、0.33mL、1.94mmol)及びTP(EtOAc中50%)(0.46g、0.92mL、1.45mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で15時間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を、ジエチルエーテル(2×10mL)を使用する研和によって精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.13g、0.28mmol、収率29%)。
【0588】
LCMS:方法J、3.79分、MS:ES+464.2。
【0589】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(2.6mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.13g、0.28mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.65mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.13g、0.27mmol、収率97%)。
【0590】
LCMS:方法J、2.81分、MS:ES+364.0。
【0591】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(5mL)中のN-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.13g、0.27mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.11g、0.81mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.028g、0.27mmol)を0℃で添加した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、DCM(4×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中8%MeOH)により精製して、N-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.04g、0.10mmol、収率38%)。
【0592】
LCMS:方法H、2.14分、MS:ES-387.1;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.38(d,J=6.8Hz,1H),8.57(s,2H),8.34(s,1H),8.14(d,J=8.0Hz,1H),8.11(s,1H),7.92(d,J=7.6Hz,1H),7.75(t,J=8.0Hz,1H),4.38-4.48(m,1H),4.23-4.31(m,3H),3.69-3.73(m,1H),3.40-3.43(m,1H),2.15-2.20(m,1H),1.90-1.93(m,1H);キラルSFC:方法Y12A、4.3分。
【0593】
実施例24
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリンアミド
【化69】
【0594】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(4-ブロモピコリンアミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
DCM(6.8mL)中の4-ブロモピコリン酸(0.22g、1.12mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.20g、0.74mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.28g、0.37mL、2.24mmol)及びHATU(0.42g、1.12mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、DCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中11%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(4-ブロモピコリンアミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.2g、0.44mmol、収率59%)。
【0595】
LCMS:方法C1、1.18分、MS:ES+451.1、453.1。
【0596】
ステップ(ii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1 H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリンアミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
トルエン:水(10mL、1:1)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(4-ブロモピコリンアミド)-ピロリジン-1-カルボキシレート(0.27g、0.59mmol)及び(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸(CAS 1423-26-3、Combi-Blocks製、0.14g、0.72mmol)の撹拌溶液に、KPO(0.38g、1.79mmol)を添加した。混合物をNガスで15分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.04g、0.06mmol)を添加し、90℃で1時間加熱した。混合物を水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中56%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリンアミド)-ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.27g、0.52mmol、収率87%)。
【0597】
LCMS:方法H1、1.33分、MS:ES+517.4。
【0598】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリンアミドTFA塩
DCM(2.7mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(4-(3-(トリフルオロメチル)-フェニル)ピコリンアミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.27g、0.52mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.35mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリンアミドTFA塩を得た(0.35g、定量的収率)。
【0599】
ステップ(iv)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリンアミド
THF(4mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリンアミドTFA塩(0.35g、0.66mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.36g、2.64mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.08g、0.79mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中80%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-クロロフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.03g、0.06mmol、2ステップで収率13%)。
【0600】
LCMS:方法H1、2.89分、MS:ES+442.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.21(d,J=6.8Hz,1H),8.76(d,J=4.8Hz,1H),8.33(s,1H),8.18-8.21(m,3H),8.06(d,J=3.2Hz,1H),7.88-7.90(m,1H),7.78-7.82(m,2H),4.61-4.63(m,2H),4.35-4.40(m,2H),3.65-3.69(m,1H),3.43-3.46(m,1H),2.23-2.33(m,1H),1.96-2.02(m,1H);キラルSFC:方法Y9、5.07分。
【0601】
実施例25
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリンアミド
【化70】
【0602】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリンアミド)-ピロリジン-1-カルボキシレート
トルエン:水(3mL、1:1)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(4-ブロモピコリンアミド)-ピロリジン-1-カルボキシレート(0.20g、0.44mmol)及び(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ボロン酸(CAS#179113-90-7、Combi-Blocks製、0.11g、0.53mmol)の撹拌溶液に、KPO(0.28g、1.32mmol)を添加した。混合物をNガスで20分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.02g、0.02mmol)を添加し、80℃で2時間加熱した。混合物を水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中60%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリンアミド)-ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.15g、0.28mmol、収率63%)。
【0603】
LCMS:方法C1、1.33分、MS:ES+533.3。
【0604】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-ピコリンアミドTFA塩
DCM(1.5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリンアミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.14g、0.27mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.72mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリンアミドTFA塩を得た(0.17g、定量的収率)。
【0605】
LCMS:方法C1、1.11分、MS:ES+433.3。
【0606】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)ピコリンアミド
THF(6mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリンアミドTFA塩(0.17g、0.31mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.17g、1.24mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.04g、0.37mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中82%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリンアミドを得た(0.025g、0.05mmol、2ステップで収率20%)。
【0607】
LCMS:方法H1、2.95分、MS:ES+458.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.19(d,J=6.8Hz,1H),8.75(d,J=4.8Hz,1H),8.29(s,1H),8.20(s,1H),8.01(d,J=4.8Hz,1H),7.88-7.93(m,2H),7.78(s,1H),7.70(t,J=8.0Hz,1H),7.54(d,J=7.6Hz,1H),4.61-4.63(m,2H),4.36-4.38(m,2H),3.65-3.69(m,1H),3.42-3.46(m,1H),2.24-2.28(m,1H),1.98-2.01(m,1H);キラルSFC:方法Y10、8.67分。
【0608】
実施例26
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化71】
【0609】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-ピロリジン-1-カルボキシレート
DMF(5mL)中のリチウム5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.25g、1.13mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.30g、1.13mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.44g、0.58mL、3.41mmol)及びHATU(0.65g、1.70mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中85%EtOAc)によって精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.08g、0.18mmol、収率16%)。
【0610】
LCMS:方法C1、1.59分、MS:ES+463.4。
【0611】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(3mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.08g、0.17mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.24mL、3体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.09g、定量的収率)。
【0612】
LCMS:方法C1、1.33分、MS:ES+363.2。
【0613】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(3mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.08g、0.17mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.07g、0.50mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.03g、0.25mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中89%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.01g、0.02mmol、2ステップで収率15%)。
【0614】
LCMS:方法H、2.46分、MS:ES+388.1;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.36(d,J=6.4Hz,1H),8.35(s,1H),8.16(d,J=7.6Hz,1H),8.10(s,1H),7.93(d,J=7.2Hz,1H),7.74-7.79(m,2H),7.51(s,1H),6.29(s,1H),4.25-4.37(m,4H),3.62-3.66(m,1H),3.40-3.42(m,1H),2.10-2.18(m,1H),2.00-2.04(m,1H);キラルSFC:方法Y12A、3.99分。
【0615】
実施例27
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化72】
【0616】
ステップ(i)
リチウム5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート
THF:水(3:2、5mL)中のエチル5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.3g、0.99mmol)の撹拌溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.08g、1.99mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、リチウム5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレートを得た(0.3g、定量的収率)。
【0617】
LCMS:方法C1、1.15分、MS:m/z:裏付けとなるものではない。
【0618】
ステップ(ii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
ピリジン(3mL)中のリチウム5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.30g、1.07mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.29g、1.07mmol)の撹拌溶液に、POCl(0.49g、0.29mL、3.22mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中55%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.14g、5.83mmol、収率26%)。LCMS:方法C1、1.36分、MS:ES+:522.3。
【0619】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.14g、0.26mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.2mL、8.5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.15g、定量的収率)。LCMS:方法C1、1.11分、MS:ES+422.3。
【0620】
ステップ(iv)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド
THF(3.0mL)中のN-(3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.15g、0.35mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.14g、1.06mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.03g、0.35mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.03g、0.33mmol、2ステップで収率21%)。
【0621】
LCMS:方法H1、2.95分、MS:ES+447.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.30(s,1H),8.07(s,1H),7.77-7.87(m,3H),7.65-7.69(m,1H),7.46-7.49(m,2H),6.28(s,1H),4.22-4.29(m,4H),3.61-3.65(m,1H),3.38-3.40(m,1H),2.1-2.21(m,1H),1.97-2.08(m,1H);キラルSFC:方法Y10、7.24分。
【0622】
実施例28及び29
N-((3R,5S)-1-シアノ-5-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド及び
N-((3R,5S)-1-シアノ-5-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化73】
【0623】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート及び
tert-ブチル(2S,4R)-2-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
ピリジン(0.28mL)中のリチウム5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.29g、1.03mmol)並びにtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(2S,4R)-4-アミノ-2-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.29g、1.03mmol)の撹拌溶液に、POCl(0.29mL、3.11mmol)を0℃で滴下し、0℃で15分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO溶液100mLに注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中30~35%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)-ピロリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを混合物として得た(0.09g、0.17mmol、収率17%)。LCMS:方法H1、3.48分、MS:ES+536.1及び3.59分、MS:ES+536.0。
【0624】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩及び
N-((3R,5S)-5-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(2mL)中のtert-ブチル2S,4R)-2-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.09g、0.17mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.48mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、30分間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド及びN-((3R,5S)-5-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を混合物として得た(0.11g、定量的収率)。
【0625】
LCMS:方法C1、1.18分、MS:ES+436.2。
【0626】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-1-シアノ-5-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド及び
N-((3R,5S)-1-シアノ-5-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(3mL)中のN-((3R,5S)-5-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド及びN-((3R,5S)-5-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.11g、0.20mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.13g、1.00mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.03g、0.20mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで氷冷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、N-((3R,5S)-1-シアノ-5-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド及びN-((3R,5S)-1-シアノ-5-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを混合物として得た(0.04g、0.10mmol、収率55%)。
【0627】
2個の化合物をキラル分取HPLC(方法Z1、287nmλmaxでUVスペクトルを記録)によって分離して、N-((3R,5S)-1-シアノ-5-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド(0.02g、0.04mmol、収率22%)及びN-((3R,5S)-1-シアノ-5-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド(0.01g、0.03mmol、収率16%)を得た。
【0628】
位置異性体の帰属は、ピラゾールに結合したメチレンに対応するH NMRスペクトルの部分に照射し、メチル基に対応するH NMRスペクトルの部分に対する効果を測定するnOe NMR実験に基づいて行った。
N-((3R,5S)-1-シアノ-5-((3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド(実施例28)
LCMS:方法H1、2.97分、MS:ES+461.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.34(d,J=6.8Hz,1H),8.09(s,1H),7.87(d,J=8.0Hz,1H),7.82(s,1H),7.68(t,J=8.0Hz,1H),7.62(s,1H),7.46(d,J=8.0Hz,1H),6.04(s,1H),4.28-4.31(m,1H),4.21-4.23(m,3H),3.62-3.66(m,1H),3.2-3.3(m,1H),2.16(s,3H),2.08-2.13(m,1H),1.91-2.03(m,1H);キラルHPLC:方法Y30、7.05分。
【0629】
N-((3R,5S)-1-シアノ-5-((5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド(実施例29)
LCMS:方法H1、2.95分MS:ES-459.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.36(d,J=6.8Hz,1H),8.09(s,1H),7.87(d,J=7.6Hz,1H),7.82(s,1H),7.68(t,J=8.0Hz,1H),7.46(d,J=7.6Hz,1H),7.36(s,1H),6.04(s,1H),4.36-4.37(m,1H),4.26-4.31(m,1H),4.19-4.20(m,2H),3.66-3.70(m,1H),3.2-3.3(m,1H),2.28(s,3H),2.12-2.16(m,1H),2.02-2.08(m,1H);キラルHPLC:方法Y30、7.65分。
【0630】
実施例30
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)(3(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化74】
【0631】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(5mL)中のエチル5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.5g、1.75mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.46g、1.75mmol)の撹拌溶液に、DBU(1.5mL、3体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、65℃で2時間加熱した。混合物を水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.21g、0.41mmol、収率13%)。
【0632】
LCMS:方法J1、3.72分、MS:ES+506.3。
【0633】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(2.1mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.21g、0.41mmol)の撹拌溶液に、TFA(2.1mL、10体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.34g、定量的収率)。
【0634】
LCMS:方法C1、1.08分、MS:ES+406.3。
【0635】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(3.4mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.34g、0.65mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.27g、1.96mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.08g、0.72mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いで氷冷水(100mL)に注いで、沈殿物を形成した。固体を、ブフナー漏斗を通した濾過によって回収し、n-ヘキサン(3×20mL)で洗浄して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.15g、0.35mmol、2ステップで収率82%)。
【0636】
LCMS:方法H1、2.87分、MS:ES+431.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.39(d,J=6.4Hz,1H),8.13-8.17(m,3H),7.79-7.82(m,3H),7.52(s,1H),6.30(s,1H),4.29-4.32(m,4H),3.63-3.66(m,1H),3.41-3.42(m,1H),2.14-2.19(m,1H),2.01-2.05(m,1H);キラルSFC:方法Y8、6.27分。
【0637】
実施例34
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド
【化75】
【0638】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(2-フルオロ-4-(1-メチル-1h-インダゾール-5-イル)ベンズアミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(3mL)中の2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)安息香酸(0.3g、1.11mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.43g、0.58mL、3.33mmol)及びHATU(0.84g、2.22mmol)を0℃で少しずつ添加した。30分後、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.32g、1.22mmol)を0℃で添加した。混合物をゆっくり室温に温め、3時間撹拌し、次いで氷冷水(15mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.50g、0.96mmol、収率86%)。
【0639】
LCMS:方法J1、3.90分、MS:ES+:519.1。
【0640】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミドTFA塩
DCM(5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.50g、0.96mmol)の撹拌溶液に、TFA(2.5mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミドTFA塩を得た(0.35g、0.83mmol、収率86%)。
【0641】
LCMS:方法J1、2.97分、MS:ES+419.0。
【0642】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド
THF(3.5mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミドTFA塩(0.35g、0.83mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.46g、3.34mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.09g、0.92mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中5%MeOH)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミドを得た(0.07g、0.17mmol、収率29%)。
【0643】
LCMS:方法H1、2.58分、MS:ES+444.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.71(d,J=6.0Hz,1H),8.14(d,J=10.4Hz,2H),7.75-7.82(m,3H),7.66-7.70(m,3H),7.51(s,1H),6.29(s,1H),4.23-4.33(m,4H),4.09(s,3H),3.61-3.65(m,1H),3.31-3.34(m,1H),1.97-2.09(m,2H);キラルSFC:方法Y9、5.60分。
【0644】
実施例35
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1 H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド
【化76】
【0645】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(3mL)中の2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)安息香酸(0.3g、1.11mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.43g、0.58mL、3.33mmol)及びHATU(0.84g、2.22mmol)を0℃で少しずつ添加した。30分後、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.32g、1.22mmol)を0℃で添加した。混合物をゆっくり室温に温め、3時間撹拌し、次いで氷冷水(15mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中90%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.50g、0.96mmol、収率86%)。
【0646】
LCMS:方法C1、1.20分、MS:ES+:520.3。
【0647】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミドTFA塩
DCM(5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.50g、0.96mmol)の撹拌溶液に、TFA(2.5mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミドTFA塩を得た(0.35g、0.65mmol、収率86%)。
【0648】
LCMS:方法C1、0.99分、MS:ES+420.5。
【0649】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1 H-インダゾール-5-イル)ベンズアミド
THF(3.5mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミドTFA塩(0.35g、0.65mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.45g、3.28mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.07g、0.72mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中10%MeOH)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-2-フルオロ-4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ベンズアミドを得た(0.08g、0.18mmol、収率21%)。
【0650】
LCMS:方法H1、2.45分、MS:ES+445.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:8.79(d,J=5.2Hz,1H),8.15-8.21(m,3H),7.77-7.84(m,3H),7.68-7.72(m,3H),4.64-4.66(m,2H),4.31-4.42(m,2H),4.10(s,3H),3.66-3.70(m,1H),3.35(s,1H),2.09-2.19(m,1H),1.97-2.01(m,1H);キラルSFC:方法Y9、6.07分。
【0651】
実施例36
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド
【化77】
【0652】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1 H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(4mL)中の3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジンTFA塩(0.5g、2.16mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.57g、3.16mmol)の撹拌溶液に、TEA(0.89mL、6.49mmol)を0℃で添加し、10分間撹拌した。反応混合物にトリホスゲン(0.32g、1.08mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温で5時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、DCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中3%MeOH)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.14g、0.34mmol、収率13%)。
【0653】
LCMS:方法C1、1.41分、MS:ES+524.4。
【0654】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミドTFA塩
DCM(3mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(3-(3-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.14g、0.34mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.73mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミドTFA塩を得た(0.1g、0.22mmol、収率70%)。LCMS:方法C1、1.17分、MS:ES+424.2。
【0655】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド
THF(2mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミドTFA塩(0.1g、0.22mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.09g、068mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.04g、0.34mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中95%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミドを得た(0.04g、0.08mmol、収率14%)。
【0656】
LCMS:方法H1、2.90分、MS:ES+449.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:7.77(s,1H),7.46-7.50(m,2H),7.36(d,J=7.2Hz,1H),7.31(s,1H),7.25(d,J=7.6Hz,1H),6.28(s,2H),4.19-4.29(m,3H),3.97-4.05(m,1H),3.69-3.77(m,1H),3.40-3.56(m,4H),3.15-3.23(m,2H),2.20-2.30(s,1H),1.86-2.00(m,3H);キラルSFC:方法Y31、15.52分及び17.04分。
【0657】
実施例37及び38
S-N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド;
(R)-N-((3R,5S-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-カルボキサミド;
【化78】
【0658】
ジアステレオマーをキラル分取HPLC(方法Z2、UVスペクトルを220nmλmaxで記録)により分離して、表題化合物のジアステレオマー1を第1の溶出異性体(0.008g、0.02mmol、収率18%)として、及び表題化合物のジアステレオマー2を第2の溶出異性体(0.009g、0.02mmol、収率20%)として得た。ジアステレオマー1及びジアステレオマー2の絶対配置は決定されない。実施例37をジアステレオマー1と指定する。実施例38をジアステレオマー2と指定する。
【0659】
実施例37
ジアステレオマー1:
LCMS:方法H1、2.88分、MS:ES+449.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:7.77(s,1H),7.46-7.50(m,2H),7.36(d,J=8.0Hz,1H),7.30(s,1H),7.25(d,J=8.0Hz,1H),6.28(s,2H),4.19-4.29(m,3H),3.97-4.05(m,1H),3.69-3.77(m,1H),3.42-3.56(m,4H),3.15-3.23(m,2H),2.20-2.30(s,1H),1.86-2.00(m,3H);キラルSFC:方法Y31、15.99分。
【0660】
実施例38
ジアステレオマー2:
LCMS:方法H1、2.88分、MS:ES+449.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:7.76(d,J=4.0Hz,1H),7.46-7.50(m,2H),7.36(d,J=8.0Hz,1H),7.30(s,1H),7.25(d,J=8.0Hz,1H),6.28(s,2H),4.19-4.29(m,3H),3.97-4.05(m,1H),3.71-3.77(m,1H),3.42-3.56(m,4H),3.14-3.23(m,2H),2.20-2.28(s,1H),1.86-2.00(m,3H);キラルSFC:方法Y31、16.99分。
【0661】
実施例39
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【化79】
【0662】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(5mL)中のエチル5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキシレート(0.50g、1.56mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.49g、1.87mmol)の撹拌溶液に、TBD(0.26g、1.87mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、6時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(2×150mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中80%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.23g、0.42mmol、収率27%)。
【0663】
LCMS:方法J1、3.99分、MS:ES+541.0。
【0664】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(5mL)中のtert-ブチル2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.23g、0.42mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.15mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、0.5時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.40g、定量的収率)。
【0665】
LCMS:方法J1、2.83分、MS:ES+441.2。
【0666】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミド
THF(4mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.40g、0.72mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.49g、3.6mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、次いで臭化シアン(0.08g、0.79mmol)を添加した。混合物を室温まで温め、0.5時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×75mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中96%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(0.04g、0.09mmol、2ステップで収率21%)。
【0667】
LCMS:方法H1、2.85分、MS:ES+466.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.37(d,J=4.0Hz,1H),8.20(s,1H),8.04-8.07(m,2H),7.93(brs,1H),7.71-7.79(m,2H),4.63-4.64(m,2H),4.30-4.40(m,2H),3.66-3.70(m,1H),3.40-3.43(m,1H),2.20-2.23(m,1H),1.99-2.02(m,1H);キラルSFC:方法Y32、4.35分。
【0668】
実施例40
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化80】
【0669】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(4mL)中のエチル5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.25g、0.83mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.26g、0.99mmol)の撹拌溶液に、TBD(0.17g、1.24mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、室温で1時間撹拌した。混合物を水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中24%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.07g、0.13mmol、収率15%)。
【0670】
LCMS:方法C1、1.18分、MS:ES+521.4。
【0671】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(1mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.07g、0.13mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.35mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.10g、定量的収率)。
【0672】
LCMS:方法C1、0.95分、MS:ES+421.1。
【0673】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(1mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.10g、0.19mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.08g、0.57mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.03g、0.28mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物を逆相分取HPLC(方法X11)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-(アゼチジン-1-イル)-5-シアノピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.04g、0.09mmol、2ステップで収率66%)。
【0674】
LCMS:方法H1、2.23分、MS:ES+446.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.77(d,J=6.4Hz,1H),8.72(d,J=2.0Hz,1H),8.32(d,J=2.0Hz,1H),8.19(s,1H),7.78(s,1H),4.62-4.64(m,2H),4.35-4.38(m,2H),4.02-4.11(m,4H),3.66-3.70(m,1H),3.41-3.44(m,1H),2.26-2.33(m,2H),2.18-2.23(m,1H),1.98-2.03(m,1H);キラルHPLC:方法Y4、5.32分。
【0675】
実施例41
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化81】
【0676】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(2.3mL)中のエチル5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.23g、0.73mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.19g、0.73mmol)の撹拌溶液に、0℃でTBD(0.10g、0.73mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、室温で0.5時間撹拌した。混合物を水(15mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中95%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.10g、0.19mmol、収率25%)。
【0677】
LCMS:方法C1、1.18分、MS:ES+534.4。
【0678】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(1mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.10g、0.19mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.3mL、3体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.12g、定量的収率)。
【0679】
LCMS:方法C1、0.98分、MS:ES-433.3。
【0680】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(1.2mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.12g、0.22mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.09g、0.66mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.02g、0.22mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(15mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中4%MeOH)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.02g、0.05mmol、2ステップで収率26%)。
【0681】
LCMS:方法H1、2.40分、MS:ES+460.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.77(d,J=6.4Hz,1H),8.72(d,J=2.0Hz,1H),8.30(d,J=2.0Hz,1H),8.19(s,1H),7.78(s,1H),4.58-4.63(m,2H),4.34-4.37(m,2H),3.65-3.69(m,1H),3.40-3.44(m,1H),3.29-3.34(m,4H),2.16-2.22(m,1H),1.96-2.03(m,1H),1.85(brs,4H);キラルHPLC:方法Y4、5.45分。
【0682】
実施例42
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化82】
【0683】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(5mL)中のエチル5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.50g、1.48mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.39g、1.48mmol)の撹拌溶液に、TBD(0.20g、1.48mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、室温で0.5時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.30g、0.53mmol、収率36%)。
【0684】
LCMS:方法C1、1.28分、MS:ES+558.1。
【0685】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(3mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.30g、0.53mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.5mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.32g、定量的収率)。
【0686】
LCMS:方法C、1.36分、MS:ES+458.1。
【0687】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(3.2mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.32g、0.56mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.23g、1.68mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。臭化シアン(0.06g、0.56mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中85%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.06g、0.12mmol、2ステップで収率25%)。
【0688】
LCMS:方法H1、2.81分、MS:ES+483.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.88(d,J=6.0Hz,1H),8.22(s,1H),8.05(s,1H),7.95(d,J=8.8Hz,1H),7.81(s,1H),7.78(s,1H),4.65-4.66(m,2H),4.39-4.41(m,2H),3.69-3.73(m,1H),3.45-3.47(m,1H),2.21-2.24(m,1H),2.01-2.05(m,1H);キラルSFC:方法Y21、10.11分。
【0689】
実施例43
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化83】
【0690】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(6mL)中のエチル5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.47g、1.56mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.42g、1.56mmol)の撹拌溶液に、0℃でTBD(0.32g、2.33mmol)を少しずつ添加し、0℃で15分間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(2×120mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中60%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.19g、0.36mmol、収率23%)。LCMS:方法C1、1.25分、MS:ES+524.2。
【0691】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(1.8mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.18g、0.34mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.8mL、10体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.18g、定量的収率)。
【0692】
LCMS:方法C1、1.05分、MS:ES+424.2。
【0693】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(1.7mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.17g、0.32mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.13g、0.95mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。臭化シアン(0.04g、0.35mmol)を混合物に0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.05g、0.11mmol、2ステップで収率32%)。
【0694】
LCMS:方法H1、3.50分、MS:ES+449.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.80(d,J=4.0Hz,1H),8.22(s,1H),8.15(d,J=8.0Hz,1H),8.01(s,1H),7.81-7.85(m,2H),7.75-7.76(m,1H),4.65-4.66(m,2H),4.40-4.41(m,2H),3.70-3.74(m,1H),3.47-3.48(m,1H),2.20-2.27(m,1H),2.00-2.07(m,1H);キラルSFC:方法Y4、4.14分。
【0695】
実施例44
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化84】
【0696】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(3.6mL)中のエチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.36g、1.05mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.28g、1.05mmol)の撹拌溶液に、TBD(0.17g、1.26mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、室温で0.5時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中60%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.17g、0.31mmol、収率30%)。
【0697】
LCMS:方法C1、1.40分、MS:ES+563.1。
【0698】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(2mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.17g、3.10mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.57mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.23g、定量的収率)。
【0699】
LCMS:方法C1、1.13分、MS:ES+463.2。
【0700】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(3mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.23g、0.41mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.28g、2.06mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.13g、1.20mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(10mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中50%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.065g、0.13mmol、2ステップで収率43%)。
【0701】
LCMS:方法H1、3.14分、MS:ES+488.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.76(s,1H),7.83(s,1H),7.78(s,1H),7.58(d,J=8.0Hz1H),7.51(s,1H),7.31(d,J=8.0Hz,1H),6.29(s,1H),4.29-4.32(m,4H),3.63-3.67(m,1H),3.39-3.42(m,1H),2.68-2.70(m,1H),2.13-2.15(m,1H),2.02-2.05(m,1H),1.05-1.07(m,2H),0.78-0.82(m,2H);キラルHPLC:方法Y14、3.75分。
【0702】
実施例45
N-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化85】
【0703】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(5mL)中のエチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.33g、0.96mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.30g、1.15mmol)の撹拌溶液に、TBD(0.20g、1.44mmol)を0℃で少しずつ添加し、0℃で0.5時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中37%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.23g、0.40mmol、収率42%)。
【0704】
LCMS:方法H1、3.61分、MS:ES-562.2。
【0705】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(3mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イルメチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.23g、0.39mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.1mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.30g、定量的収率)。
【0706】
LCMS:方法H1、2.97分、MS:ES+464.2。
【0707】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(5mL)中のN-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.28g、0.49mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.34g、2.46mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.05g、0.49mmol)を0℃で添加した。混合物を室温まで温め、室温で15分間撹拌し、次いで水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中37%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.07g、0.15mmol、2ステップで収率38%)。
【0708】
LCMS:方法H1、3.15分、MS:ES+489.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.78(d,J=6.8Hz,1H),7.81-7.84(m,3H),7.56(d,J=7.6Hz,1H),7.29(d,J=8.8Hz,1H),4.62-4.64(m,2H),4.40-4.43(m,1H),4.30-4.32(m,1H),3.61-3.65(m,1H),3.38-3.42(m,1H),2.66-2.70(m,1H),2.18-2.24(m,1H),2.03-2.08(m,1H),1.03-1.05(m,2H),0.79-0.80(m,2H),キラルSFC:方法Y10、7.61分。
【0709】
実施例46
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化86】
【0710】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(6mL)中のエチル5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.44g、1.55mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.49g、1.86mmol)の撹拌溶液に、TBD(0.32g、2.32mmol)を0℃で少しずつ添加し、混合物を0℃で15分間撹拌し、次いで水(80mL)に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中40%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.17g、0.33mmol、収率21%)。
【0711】
LCMS:方法C、1.72分、MS:ES+504.4。
【0712】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(1.6mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.16g、0.32mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.6mL、10体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.23g、定量的収率)。
【0713】
LCMS:方法C1、1.04分、MS:ES+404.3。
【0714】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(2.3mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.23g、0.45mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.18g、1.33mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.05g、0.49mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×80mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中50%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(5-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.06g、0.14mmol、2ステップで収率44%)。
【0715】
LCMS:方法H1、2.68分、MS:ES+429.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.71(d,J=6.4Hz,1H),8.29(d,J=1.6Hz,1H),7.98(dd,J=1.2,8.4Hz,1H),7.77(d,J=2.0Hz,1H),7.49(d,J=1.2Hz,1H),7.31(d,J=8.0Hz,1H),6.27(s,1H),4.25-4.32(m,4H),3.62-3.66(m,1H),3.38-3.41(m,1H),2.77-2.85(m,1H),2.10-2.16(m,1H),1.99-2.05(m,1H),1.13-1.17(m,2H),0.90-0.91(m,2H);キラルSFC:方法Y10、9.37分。
【0716】
実施例47
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化87】
【0717】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(6mL)中のエチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.40g、1.17mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.46g、1.75mmol)の撹拌溶液に、0℃でTBD(0.24g、1.75mmol)を少しずつ添加し、0℃で15分間撹拌した。混合物を水(80mL)に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中85%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.22g、0.39mmol、収率33%)。
【0718】
LCMS:方法C、1.78分、MS:ES+564.4。
【0719】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(2.2mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.22g、0.39mmol)の撹拌溶液に、TFA(2.2mL、10体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.32g、定量的収率)。
【0720】
LCMS:方法C1、1.08分、MS:ES+464.2。
【0721】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(3.2mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.32g、0.55mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.23g、1.66mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。臭化シアン(0.06g、0.61 mmol)を混合物に0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×80mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中85%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得て(0.05g、0.10mmol、2ステップで収率26%)、これを逆相分取HPLC精製(方法X15)により更に精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.01g、0.03mmol、2ステップで収率8%)。
【0722】
LCMS:方法H1、2.95分、MS:ES+489.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.74(brs,1H),8.53-8.56(m,1H),7.98-8.01(m,1H),7.78-7.81(m,1H),7.54-7.56(m,1H),7.27-7.29(m,1H),4.30-4.40(m,4H),3.51-3.63(m,1H),3.35-3.42(m,1H),2.61-2.72(m,1H),2.13-2.23(m,1H),1.98-2.07(s,1H),0.98-1.09(m,2H),0.72-0.83(m,2H);キラルSFC:方法Y14、3.7分。
【0723】
実施例48
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-プロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化88】
【0724】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(15mL)中のエチル5-(2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(1.5g、3.94mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(1.05g、3.94mmol)の撹拌溶液に、DBU(4.5mL、3体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.45g、0.70mmol、収率18%)。LCMS:方法C1、1.28分、MS:ES+602.2、604.1。
【0725】
ステップ(ii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-アリル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
1,4-ジオキサン:水(4mL、4:1)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.40g、0.66mmol)及び2-アリル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(CAS 72824-04-5、Combi-Blocks製、0.13g、0.79mmol)の撹拌溶液に、KPO(0.42g、1.99mmol)を添加した。混合物をNガスで10分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.04g、0.05mmol)を添加し、110℃で2時間加熱した。混合物を水(25mL)に注ぎ、EtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中80%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-アリル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.15g、0.26mmol、収率40%)。
【0726】
LCMS:方法C、1.84分、MS:ES+564.4。
【0727】
ステップ(iii)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-プロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(1.4mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-アリル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.14g、0.24mmol)の撹拌溶液に、10%Pd/C(50%水分)(0.03g、0.2w/w)を添加した。混合物をHガスで3時間パージし、次いでCelite Hyflow(登録商標)を通して濾過し、濾液を減圧濃縮して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-プロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.06g、0.11mmol、46%)。
【0728】
LCMS:方法C1、1.38分、MS:ES+566.4。
【0729】
ステップ(iv)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-プロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(1mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-プロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.06g、0.11mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.2mL、3体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-プロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.08g、定量的収率)。
【0730】
LCMS:方法C、1.43分、MS:ES+466.3。
【0731】
ステップ(v)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-プロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(1mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-プロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.08g、0.14mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.06g、0.41mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.01g、0.14mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を逆相分取HPLC(方法X16)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-プロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.01g、0.02mmol、2ステップで収率6%)。
【0732】
LCMS:方法H1、3.15分、MS:ES+491.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.75(d,J=5.6Hz,1H),8.18(s,1H),7.86(s,1H),7.77(s,1H),7.62(s,2H),4.62-4.63(m,2H),4.36-4.37(m,2H),3.66-3.70(m,1H),3.41-3.44(m,1H),3.00(t,J=8.0Hz,2H),2.18-2.21(m,1H),1.98-2.03(m,1H),1.57(q,J=6.8Hz,2H),0.91(t,J=6.8Hz,3H);キラルSFC:方法Y14、3.61分。
【0733】
実施例49
N-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
【化89】
【0734】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(7mL)中のエチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(0.40g、1.16mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.31g、1.68mmol)の撹拌溶液に、DMAP(0.17g、1.40mmol)を0℃で少しずつ添加した。混合物を75℃で16時間加熱した。混合物を減圧濃縮して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.29g、0.52mmol、収率44%)。LCMS:方法C、1.68分、MS:ES+564.2。
【0735】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩
DCM(3mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.29g、0.52mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.5mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩を得た(0.40g、定量的収率)。
【0736】
LCMS:方法C、1.42分、MS:ES+464.2。
【0737】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド
THF(4mL)中のN-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドTFA塩(0.40g、0.69mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.28g、2.07mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.11g、1.03mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を逆相分取HPLC(方法X14)により精製して、N-((3R,5S)-5-((4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミドを得た(0.07g、0.12mmol、2ステップで収率27%)。
【0738】
LCMS:方法H1、2.79分、MS:ES+489.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.77(brs,1H),8.57(s,2H),7.83(s,1H),7.57(d,J=8.0Hz,1H),7.31(d,J=8.8Hz,1H),4.41-4.49(m,1H),4.24-4.32(m,3H),3.71-3.75(m,1H),3.42-3.46(m,1H),2.67-2.69(m,1H),2.15-2.20(m,1H),1.91-1.96(m,1H),1.05-1.07(m,2H),0.80-0.81(m,2H);キラルSFC:方法Y4、5.48分。
【0739】
実施例50
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【化90】
【0740】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(5mL)中のエチル3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキシレート(0.70g、2.04mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.54g、2.04mmol)の撹拌溶液に、TBD(0.42g、3.06mmol)を0℃で少しずつ添加し、0℃で30分間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中40%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.14g、0.30mmol、収率27%)。
【0741】
LCMS:方法C、1.85分、MS:ES+564.4。
【0742】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミドTFA塩
DCM(5mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.40g、0.73mmol)の撹拌溶液に、TFA(2mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミドTFA塩を得た(0.50g、定量的収率)。
【0743】
LCMS:方法F、5.28分、MS:ES+464.0。
【0744】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
THF(5mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミドTFA塩(0.50g、0.86mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.59g、4.33mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.09g、0.86mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で15分間撹拌し、次いで水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中87%EtOAc)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-3-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミドを得た(0.12g、0.25mmol、2ステップで収率35%)。
【0745】
LCMS:方法H1、3.19分、MS:ES+489.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.85(d,J=6.8Hz,1H),8.21(s,1H),7.80-7.81(m,2H),7.55(d,J=7.6Hz,1H),7.30(d,J=8.8Hz,1H),4.64-4.66(m,2H),4.36-4.41(m,2H),3.68-3.72(m,1H),3.45-3.48(m,1H),3.35(m,1H),2.19-2.24(m,1H),2.01-2.06(m,1H),1.02-1.06(m,2H),0.77-0.80(m,2H);キラルSFC:方法Y21、7.47分。
【0746】
実施例51
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキサミド
【化91】
【0747】
ステップ(iv)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(1.5mL)中のエチル5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキシレート(0.15g、0.43mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.13g、0.48mmol)の撹拌溶液に、0℃でTBD(0.09g、0.65mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、次いで水(10mL)に注ぎ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.08g、0.14mmol、収率33%)。
【0748】
LCMS:方法C1、1.35分、MS:ES+564.2。
【0749】
ステップ(ii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキサミドTFA塩
DCM(0.8mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-4-(5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキサミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.08g、0.14mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.4mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキサミドTFA塩を得た(0.10g、定量的収率)。
【0750】
LCMS:方法C1、1.16分、MS:ES+464.2。
【0751】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキサミド
THF(1.0mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキサミドTFA塩(0.10g、0.21mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.12g、0.83mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。臭化シアン(0.02g、0.21mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(10mL)に注ぎ、EtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物を逆相分取HPLC(方法X17)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-5-(2-シクロプロピル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキサミドを得た(0.02g、0.045mmol、2ステップで収率32%)。
【0752】
LCMS:方法F、5.93分、MS:ES+489.0;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:9.50(d,J=4.0Hz,1H),8.20(s,1H),7.94(s,1H),7.78(s,1H),7.63(d,J=8.0Hz,1H),7.36(d,J=8.0Hz,1H),4.58-4.69(m,2H),4.35-4.38(m,2H),3.67-3.70(m,1H),3.40-3.43(m,1H),2.57-2.65(m,1H),2.19-2.25(m,1H),1.99-2.02(m,1H),1.06-1.08(m,2H),0.77-0.85(m,2H);キラルSFC:方法Y14、4.11分。
【0753】
実施例52
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-6-(1H-インダゾール-4-イル)ニコチンアミド
【化92】
【0754】
ステップ(i)
tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(6-ブロモニコチンアミド)ピロリジン-1-カルボキシレート
THF(6mL)中の6-ブロモニコチン酸(CAS 6311-35-9、Combi-Blocks製、0.60g、2.97mmol)及びtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(0.79g、2.97mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(1.14g、1.58mL、0.07mmol)及びHATU(1.69g、2.97mmol)を0℃で添加した。混合物を室温まで温め、室温で16時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中60%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(6-ブロモニコチンアミド)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.63g、1.40mmol、収率49%)。LCMS:方法C、1.58分、MS:ES+450.2、452.2。
【0755】
ステップ(ii)
tert-ブチル(2S,4R)-4-(6-(1H-インダゾール-4-イル)ニコチンアミド)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
1,4-ジオキサン:水(3mL、2:1)中のtert-ブチル(2S,4R)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-4-(6-ブロモニコチンアミド)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.30g、0.66mmol)及び(1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(CAS 1023595-17-6、Combi-Blocks製、0.10g、0.66mmol)の撹拌溶液に、KPO(0.28g、1.33mmol)を添加した。混合物をNガスで15分間パージし、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.05g、0.06mmol)を添加し、100℃で2時間加熱した。混合物を水(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン中80%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2S,4R)-4-(6-(1H-インダゾール-4-イル)ニコチンアミド)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレートを得た(0.20g、0.41mmol、収率77%)。LCMS:方法C、1.43分、MS:ES+488.3。
【0756】
ステップ(iii)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-6-(1H-インダゾール-4-イル)ニコチンアミドTFA塩
DCM(2mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-4-(6-(1H-インダゾール-4-イル)ニコチンアミド)-2-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.20g、0.41mmol)の撹拌溶液に、TFA(1.0mL、5体積)を0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌し、次いで減圧濃縮して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-6-(1H-インダゾール-4-イル)ニコチンアミドTFA塩(0.20g、定量的収率)を得た。
【0757】
LCMS:方法C、1.23分、MS:ES+388.3。
【0758】
ステップ(iv)
N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-6-(1H-インダゾール-4-イル)ニコチンアミド
THF(2mL)中のN-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピロリジン-3-イル)-6-(1H-インダゾール-4-イル)ニコチンアミドTFA塩(0.20g、0.36mmol)の撹拌溶液に、KCO(0.16g、1.19mmol)を室温で添加し、5分間撹拌した。反応混合物に臭化シアン(0.05g、0.47mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ、EtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中8%MeOH)により精製して、N-((3R,5S)-5-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-1-シアノピロリジン-3-イル)-6-(1H-インダゾール-4-イル)ニコチンアミドを得た(0.10g、0.24mmol、2ステップで収率39%)。
【0759】
LCMS:方法H1、2.14分、MS:ES-411.2;H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm:13.29(s,1H),9.21(d,J=1.6Hz,1H),8.90(d,J=6.4Hz,1H),8.66(s,1H),8.33(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),8.21(d,J=8.4Hz,1H),7.81-7.83(m,2H),7.70(d,J=8.4Hz,1H),7.49-7.53(m,2H),6.31(s,1H),4.33-4.35(m,3H),3.67-3.71(m,1H),3.39-3.44(m,2H),2.07-2.14(m,1H),2.01-2.06(m,1H)。
【0760】
キラルSFC:方法Y32、6.08分。
【0761】
本発明の化合物の生物学的活性
略語:
TAMRA カルボキシテトラメチルローダミン
Tris 2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール
BSA ウシ血清アルブミン
【0762】
USP30生化学IC50アッセイ
希釈プレートを、96ウェルポリプロピレンV底プレート(Greiner#651201)中の50%DMSO中で最終濃度の21倍(100μMの最終濃度に対して2100μM)で調製した。典型的な8点希釈系列は、100、30、10、3、1、0.3、0.1、0.03μM最終濃度である。反応は、黒色384ウェルプレート(小容量、Greiner 784076)中、最終反応体積21μlで、二連で行った。1μlの50%DMSO又は希釈した化合物のいずれかをプレートに添加した。USP30(Boston Biochem#E582)を反応緩衝液(40mM Tris、pH 7.5、0.005%Tween 20、0.5mg/mL BSA、5 mMβ-メルカプトエタノール)で希釈して4 nMの最終アッセイ濃度を達成し、10μlの希釈したUSP30を化合物に添加した。酵素及び化合物を室温で30分間インキュベートした。蛍光偏光基質としてイソペプチド結合を介してユビキチンに連結された50 nMのTAMRA標識ペプチドの添加によって反応を開始した。基質の添加直後及び室温での2時間のインキュベーション後に反応を読み取った。読み取りは、Pherastar Plus(BMG Labtech)で行った。λ励起540 nm;λ発光590 nm。
【0763】
USP30生化学アッセイにおける例示的化合物の活性(IC50幾何平均):
【表35】
【0764】
TOM20-ユビキチン化アッセイ
ヒト細胞株にミトコンドリア脱分極剤(イオノフォア(例えば、CCCP、バリノマイシン)、ミトコンドリア複合体阻害剤(オリゴマイシン、アンチマイシンA))を投与してTOM20のユビキチン化を誘導することができ、これはその後、USP30阻害剤の存在下、更に促進される。続いて、細胞溶解物のウェスタンブロッティングによってTOM20ユビキチン化を評価し、TOM20ユビキチン化付加物は、添加されたユビキチンの各分子について8 kDaの分子量増加により検出可能であり、TOM20免疫反応性バンドがラダー化する。TOM 20-ユビキチン化レベルは、ラダー化免疫反応性バンドの化学発光濃度測定を使用して定量化することができる。
【0765】
TOM 20-ユビキチン化アッセイにおける例示的な化合物の活性(TOM20-Ub 1.5倍増加、アンチマイシンA/オリゴマイシンマイトファジー誘発EC1.5x):
【表36】
【0766】
前臨床インビボモデル
本発明の化合物を、例えば以下などの公開された文献からの標準的な研究手順を使用して、代表的なインビボ疾患モデルにおける有効性について試験し得る:
(a)特発性肺線維症の主要な前臨床インビボモデルであるブレオマイシン誘導性肺線維症モデル。[Kobayashi et al,2016,J Immunol,197(2):504-516]
(b)NAFLD及びグルコース恒常性の食餌誘導モデル。[Nishida et al,2013,Lab Invest;Feb;93(2):230-41]
(c)化学的に誘導されたミトコンドリア機能不全によって引き起こされる脳のドーパミン作動系における神経変性を調べるために一般的に使用されるパラダイムである、パーキンソン病のMPTPモデル。[Karuppagouner et al,2014,Sci Rep.2014 May 2;4:4874]
(d)Ndufs4KOリー症候群モデル。[Kruse et al,2008,Cell Metab.Apr;7(4):312-20]
(e)老齢マウスモデル:認知機能及び運動機能に対する効果。[Kobilo et al,2014,Learn Mem.Jan 17;21(2):119-26;Creed et al,2019,Neuroscience.Jun 15;409:169-179]
(f)片側性尿管閉塞腎疾患モデル(UUO)。[Chevalier et al,2009,Kidney Int 75(11):1145-1152]
(g)虚血誘導性急性腎傷害モデル(AKI)。
【国際調査報告】