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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】携帯用材料分析器
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/223 20060101AFI20241126BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241126BHJP
   G01N 21/71 20060101ALI20241126BHJP
   G01N 23/2202 20180101ALI20241126BHJP
【FI】
G01N23/223
G06T7/00 610Z
G01N21/71
G01N23/2202
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532909
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 US2022051681
(87)【国際公開番号】W WO2023102202
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/285,964
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.TENSORFLOW
3.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】520417713
【氏名又は名称】ソルテラ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ナリン・クマール
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル・ジェラルド・ガルシア・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ソウメンドゥ・セカール・バタチャルジー
【テーマコード(参考)】
2G001
2G043
5L096
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA04
2G001CA01
2G001JA09
2G001KA01
2G001LA02
2G001LA09
2G001PA11
2G043AA01
2G043BA01
2G043BA03
2G043CA05
2G043EA10
2G043FA07
2G043KA08
2G043KA09
2G043LA02
2G043NA01
2G043NA06
5L096AA06
5L096BA03
5L096CA02
5L096DA02
5L096HA09
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
携帯用材料分析器が小型フォームファクタで実装される。材料片のサンプルがより大きなコンテナから回収される。材料片のサンプルは次いで、X線蛍光、レーザ誘起ブレークダウン分光法、人工知能を備えたビジョンシステムなどを使用して分析器によって分析される。サンプル内の材料片の数はコンテナ内の材料スクラップ片の総数の実質的に小さな割合である。分析器は次いで、サンプル内の材料片の分類がコンテナ内の材料片の全体の予想される分類に対応するかどうかを判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナから材料のサンプルを回収するステップであって、前記サンプルは前記コンテナ内の前記材料の総量より実質的に少ない量を含む、ステップと、
前記材料を分析して前記サンプル内の前記材料のそれぞれの化学組成を判定するステップと、
前記判定された化学組成を予想される化学組成と比較するステップであって、前記予想される化学組成は前記コンテナ内の前記材料のすべてについての化学組成である、ステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記材料はトウィッチを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記材料を分析する前記ステップはXRFシステムによって実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記材料を分析する前記ステップはLIBSシステムによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記材料を分析する前記ステップは、人工知能システムで実装されたビジョンシステムによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記サンプル内の前記材料の数が、前記コンテナ内の前記材料の総数の50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、または1%未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記サンプル内の前記材料の数が前記コンテナ内の前記材料の総数の5%未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記材料を分析する前記ステップは、前記材料のそれぞれ内に含まれる異なる元素の相対的割合を判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記材料のサンプルの化学組成の前記判定が、1つまたは複数の元素が前記予想される化学組成の割合の範囲の外側の相対的割合を有することを示しているかどうか、を出力するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記材料はスクラップ金属片である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記スクラップ金属片は使用済み車両からのものである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コンテナはISO輸送コンテナである、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
材料スクラップ片のサンプルを、前記材料スクラップ片を保持するコンテナから回収するステップであって、前記サンプル内の前記材料スクラップ片の数が、前記コンテナ内の前記材料スクラップ片の総数の実質的に小さな割合である、ステップと、
前記材料スクラップ片のサンプルを分析して前記サンプル内の前記材料スクラップ片を分類するステップと、
前記サンプル内の前記材料スクラップ片の前記分類が前記コンテナ内の材料片の全体の予想される分類に対応するかどうかを判定するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記サンプル内の前記材料スクラップ片の数が、前記コンテナ内の前記材料スクラップ片の総数の50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、または1%未満である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記サンプル内の前記材料スクラップ片の数が前記コンテナ内の前記材料スクラップ片の総数の5%未満である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記材料スクラップ片はトウィッチである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記材料スクラップ片を分析する前記ステップはXRFシステムによって実行される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記材料スクラップ片を分析する前記ステップはLIBSシステムによって実行される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記材料スクラップ片を分析する前記ステップは、人工知能システムで実装されたビジョンシステムによって実行される、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記コンテナはISO輸送コンテナであり、前記サンプルは20ポンド未満の材料スクラップ片である、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、米国仮特許出願第63/285,964号の優先権を主張するものであり、これをここで参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、材料の組成を分析すること、より具体的には、このような材料の小さなサンプルを使用して材料の組成を分析することに関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、本開示の例示的な実施形態に関連し得る技術のさまざまな態様を紹介するように意図されている。この議論は、本開示の特定の態様のより良好な理解を促進する枠組みを提供するのに役立つと考えられる。したがって、このセクションは、必ずしも先行技術の自認としてではなく、この観点から読まれるべきであることが理解されるべきである。
【0004】
リサイクルとは、そうしなければゴミとして捨てられるであろう材料を収集および加工し、新しい製品に変えるプロセスである。リサイクルは、埋め立て地および焼却炉に送られる廃棄物の量を減らし、天然資源を保護し、国内の材料源を利用することで経済的安全性を高め、新しい原材料を収集する必要性を減らすことで汚染を防ぎ、そしてエネルギーを節約するため、地域社会に、そして環境に利益をもたらす。
【0005】
スクラップ金属は細断されることが多いため、金属の再利用を促進するには選別が要求される。スクラップ金属を選別することで、そうしなければ埋め立て地に行く可能性がある金属が再利用される。加えて、選別されたスクラップ金属を使用すると、鉱石からバージン原料を精製することと比較して、汚染および排出が減る。選別された金属の品質が一定の基準を満たせば、製造業者はバージン原料の代わりにスクラップ金属を使用することができる。スクラップ金属は、鉄および非鉄金属、重金属、ニッケルまたはチタンのような高価値金属、鋳造または鍛造金属、および他のさまざまな合金の種類を含むことができる。
【0006】
アルミニウム(Al)スクラップのリサイクルは、より高価な一次アルミニウムの面倒な抽出と比較したとき、製造に関連するエネルギーコストの最大95%を節約することができるという点で、非常に魅力的な提案である。一次アルミニウムは、ボーキサイトのような、アルミニウムを豊富に含む鉱石から生成されるアルミニウムとして定義されている。同時に、その軽量な特性のため、自動車の製造のような市場でアルミニウムの需要は着実に増加している。結果として、計画的でありながら簡単なリサイクル計画またはシステムを開発することによって、アルミニウム業界には一定の経済効果がある。リサイクル材料を使用すれば、一次アルミニウム源より安価な金属資源になる。自動車業界(および他の業界)に販売されるアルミニウムの量が増加するにつれて、リサイクルアルミニウムを使用して一次アルミニウムの利用可能性を補うことがますます必要になる。
【0007】
対応して、同じ合金ファミリーの混合アルミニウムスクラップは無差別混合合金よりはるかに価値があるため、アルミニウムスクラップ金属を合金ファミリーに効率的に分離することが特に望ましい。たとえば、アルミニウムをリサイクルするために使用される混合方法において、同様の、または同じ合金で構成され、品質が一定であるいかなる量のスクラップも、混合アルミニウム合金からなるスクラップより価値がある。このようなアルミニウム合金内で、アルミニウムが常に材料の大部分である。しかしながら、銅、マグネシウム、ケイ素、鉄、クロム、亜鉛、マンガン、および他の合金元素のような成分は、合金アルミニウムにさまざまな特性を提供し、1つのアルミニウム合金を他から区別する手段を提供する。各個々のアルミニウム合金は、アルミニウムが主な金属である合金の混合物である。マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、および他の金属を含むさまざまな他の合金を使用してそれぞれの異なるアルミニウム合金を作成する。結果として、各個々のアルミニウム合金は、引張強度、降伏強度、伸び、および他の物理的特性のような、その独自の化学的性質および機械的特性(および範囲)を有する。
【0008】
アルミニウム協会は、アルミニウム合金の化学組成についての許容限度を定義する機関である。アルミニウム鍛造合金の化学組成についてのデータは、2015年1月に更新され、本明細書に参照により組み込まれている「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」においてアルミニウム協会によって公開されている。一般に、アルミニウム協会によると、鍛造アルミニウム合金の1xxxシリーズは、重量で最低99%のアルミニウム含有量を備えた純アルミニウムで本質的に構成され、2xxxシリーズは、主に銅(Cu)で合金化された鍛造アルミニウムであり、3xxxシリーズは、主にマンガン(Mn)で合金化された鍛造アルミニウムであり、4xxxシリーズは、ケイ素(Si)で合金化された鍛造アルミニウムであり、5xxxシリーズは、主にマグネシウム(Mg)で合金化された鍛造アルミニウムであり、6xxxシリーズは、主にマグネシウムおよびケイ素で合金化された鍛造アルミニウムであり、7xxxシリーズは、主に亜鉛(Zn)で合金化された鍛造アルミニウムであり、8xxxシリーズはその他のカテゴリである。
【0009】
アルミニウム協会は鋳造アルミニウム合金についての同様の文書も有する。鋳造アルミニウム合金の1xxシリーズは、重量で最低99%のアルミニウム含有量を備えた純アルミニウムで本質的に構成され、2xxシリーズは、主に銅で合金化された鋳造アルミニウムであり、3xxシリーズは、主にケイ素と銅および/またはマグネシウムで合金化された鋳造アルミニウムであり、4xxシリーズは、主にケイ素で合金化された鋳造アルミニウムであり、5xxシリーズは、主にマグネシウムで合金化された鋳造アルミニウムであり、6xxシリーズは使用されないシリーズであり、7xxシリーズは、主に亜鉛で合金化された鋳造アルミニウムであり、8xxシリーズは、主にスズで合金化された鋳造アルミニウムであり、9xxシリーズは、他の元素で合金化された鋳造アルミニウムである。自動車部品に利用される鋳造合金の例は、380、384、356、360、および319を含む。たとえば、リサイクルされた鋳造合金380および384を使用して、自動車のエンジンブロック、トランスミッションケースなどを製造することができる。リサイクルされた鋳造合金356を使用してアルミニウム合金ホイールを製造することができる。また、リサイクルされた鋳造合金319を使用してトランスミッションブロックを製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願第17/667,397号
【特許文献2】国際公開特許出願第WO 99/2248号
【特許文献3】米国特許第10,207,296号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】アルミニウム協会、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」、2015年1月
【非特許文献2】K. Alipourら、「Point to-Point Stable Motion Planning of Wheeled Mobile Robots with Multiple Arms for Heavy Object Manipulation」、2011 IEEE International Conference on Robotics and Automation、6162頁~6167頁、2011年5月9日~13日
【非特許文献3】Krizhevskyら、「ImageNet Classification with Deep Convolutional Networks」、Proceedings of the 25th International Conference on Neural Information Processing Systems、2012年12月3日~6日
【非特許文献4】LeCunら、「Gradient-Based Learning Applied to Document Recognition」、Proceedings of the IEEE, Institute of Electrical and Electronic Engineers (IEEE)、1998年11月
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示のさまざまな詳細な実施形態を本明細書で開示する。しかしながら、開示された実施形態は本開示の単なる例示であり、これはさまざまな代替の形式で具体化され得ることが理解されるべきである。図は必ずしも縮尺どおりではなく、いくつかの特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または縮小されていることがある。したがって、本明細書で開示される具体的な構造的および機能的詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、本開示のさまざまな実施形態を使用するために当業者に教示するための代表的な基礎としてのみ解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施形態にしたがって構成された簡略図である。
図2】本開示の実施形態にしたがって構成されたフローチャート図である。
図3】本開示の実施形態にしたがって構成されたデータ処理システムのブロック図である。
図4】本開示の実施形態にしたがって構成された分析器のブロック図を示す。
図5】本開示の実施形態にしたがって構成された例示的な分析器の切断側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で使用されるとき、「材料」は、化学元素、化学元素の化合物または混合物を含むことができ、化合物または混合物の複雑さは単純なものから複雑なものまでの範囲であり得る。本明細書で使用されるとき、「元素」は、元素の周期表の化学元素を意味し、この出願の出願日以降に発見される可能性がある元素を含む。本明細書で使用されるとき、「材料」は、エアバッグモジュール、金属(鉄および非鉄)、金属合金、新合金、超合金(たとえば、ニッケル超合金)、プラスチック(PCB、HDPE、UHMWPE、およびさまざまな色のプラスチックを含むが、これらに限定されない)、ゴム、フォーム、ガラス(ホウケイ酸またはソーダ石灰ガラス、およびさまざまな色のガラスを含むが、これらに限定されない)、セラミック、紙、段ボール、テフロン(登録商標)、PE、束のワイヤ、絶縁被覆ワイヤ、希土類元素、葉、木、植物、植物の一部、繊維、バイオ廃棄物、包装、電子機器およびPCB基板のような電子廃棄物(「e廃棄物」)、電池および蓄電池、使用済み車両、プレコンシューマスクラップ(「クリップ」)、鉱業、建設、および解体廃棄物の細断された材料片、作物廃棄物、森林残渣、目的に応じて栽培された草、木質エネルギー作物、微細藻類、食品廃棄物、危険な化学および生物医学的廃棄物、建設瓦礫、農場廃棄物、生物由来品目、非生物由来品目、炭素を含有する物体、有機材料(たとえば、食品、流体、油、炭水化物、脂肪、タンパク質、動物の排泄物、人間の排泄物など)、高級複合材料(たとえば、ガラス繊維、軽量炭素繊維複合材)、農業資材(たとえば、庭ごみ、葉、泥、土、岩など)、都市固形廃棄物内に見られ得る任意の他の物体、および本明細書に開示されているセンサ技術のいずれかを含むがこれらに限定されない、1つまたは複数のセンサによって互いに区別することができる前述のいずれかのさらなるタイプまたはクラスを含む、本明細書に開示されている任意の他の物体、品目、または材料を含むがこれらに限定されない、任意の物体を含むことができる。この開示内で、「スクラップ」、「スクラップ片」、「材料」、「材料片」、および「破片」という用語は互換的に使用することができる。
【0015】
本明細書で使用されるとき、「識別する」、「分類する」、および「分析する」という用語、および「識別」、「分類」、および「分析」という用語、ならびに前述のものの任意の派生語を、互換的に使用することができる。本明細書で使用されるとき、材料片を「分析する」ことは、その材料片の化学組成を判定することである。たとえば、本開示のいくつかの実施形態によれば、センサシステム(本明細書でさらに説明するような)を、色、質感、色相、形状、明るさ、重量、密度、組成、大きさ、均一性、製造タイプ、化学シグネチャ、放射性シグネチャ、光、音、または他の信号に対する透過率、および材料片の放出および/または反射された電磁放射(「EM」)を含む、さまざまな場のような刺激に対する反応を含むがこれらに限定されない、材料を分析するための任意のタイプの情報(たとえば、特性)を収集、または場合によっては、捕捉するように構成することができる。
【0016】
材料のタイプまたはクラス(すなわち、分類)は、ユーザ定義可能とすることができ、材料の任意の既知の分類に限定されない。これらのタイプまたはクラスの粒度は非常に粗いものから非常に細かいものまでの範囲とすることができる。たとえば、これらのタイプまたはクラスは、粒度が比較的粗い、プラスチック、セラミック、ガラス、金属、および他の材料、粒度がより細かい、たとえば、亜鉛、銅、真鍮、クロムメッキ、およびアルミニウムのような、異なる金属および金属合金、または粒度が比較的細かい、具体的なタイプの金属合金の間を含むことができる。
【0017】
分析されるべき材料は不規則な大きさおよび形状を有し得ることが留意されるべきである。たとえば、このような材料は、これらの材料をこのような不規則な形状および大きさの破片に切り刻む(スクラップ片を生成する)何らかの種類の細断機構を以前に通っている可能性がある。本開示の実施形態によれば、材料片は、何らかの種類の細断機構を通っている、使用済み車両のスクラップ片を含むことができる。通常、スクラップ片は、いずれの方向でも直径が数インチ以下の大きさである。
【0018】
図1は、コンテナから回収された材料片のサンプルの分析を提供する本開示の実施形態にしたがって構成されたシステム100を示す。たとえば、何らかの種類のコンテナ102が1つまたは複数の異なるタイプまたはクラスの材料片101を含むことができる。材料片101は、本明細書に開示されている材料のいずれか、またはシステム100を使用して分析するために考えられ得る任意の他のタイプまたはクラスの材料とすることができる。コンテナ102は、このような材料片101を保持する任意のタイプの容器(たとえば、大型の商用輸送コンテナ(たとえば、内部寸法が長さ19フィート4インチ、幅7フィート8インチ、高さ7フィート10インチの20フィート輸送コンテナのようなISO輸送コンテナ)、このような材料片101のトラック台、鉄道車両など)とすることができる。しかし、コンテナ102は十分に大きいため、(コンテナが材料片で実質的に満たされていると想定すると)任意の合理的な程度までコンテナ102内のすべての材料片を分析することは非現実的である。
【0019】
材料片101のコンテナ102を販売、配送、および/または出荷する事業体、および/または材料片101のコンテナ102を受領および/または購入する事業体は、コンテナ102内の材料片101の少なくとも実質的にすべてが一定のまたは特定の化学組成(たとえば、購入/出荷マニフェストまたは文書内で指定されているような)を有するという何らかの種類の保証を有することを望むことがある。たとえば、材料片101は、特定の化学組成(たとえば、本明細書で説明されているような特定のアルミニウム合金)を有すると(たとえば、購入/出荷マニフェストまたは文書内で)指定され得る1つまたは複数のタイプのアルミニウム合金の複数のスクラップ片であり得る。
【0020】
材料片101のすべてを分析することは非現実的であり得る(たとえば、コンテナ102は非常に大きく、数トンの材料片101を含むことができる)ため、システム100は、材料片101のサンプル103が分析器104による分析のためにコンテナ102から回収されるように構成されている。たとえば、サンプル103は、材料片101の比較的小さな部分(たとえば、数ポンド)とすることができる(すなわち、サンプル103内の材料片の数はコンテナ102内の材料スクラップ片の総数の実質的に小さな割合である)。本開示のいくつかの実施形態によれば、サンプル103は、コンテナ102内の材料片の総量または数の50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、または1%未満を含む。材料片101のこのようなサンプル103はコンテナ102全体内の材料片101の全体を表すものと想定することができるため、材料片101のサンプル103の分析を、コンテナ102内の材料片101のすべての化学組成を表すために使用(たとえば、信頼)することができる。サンプル103内の材料片101は次いで分析器104によって分析され、これは、サンプル103内の材料片101に関連する化学組成を出力するように構成することができる。
【0021】
次に図2を参照すると、システム100内で使用するための本開示の実施形態にしたがって構成されたプロセス200のフローチャート図が示されている。プロセスブロック201において、材料片101のサンプル103がコンテナ102から(たとえば、手動で)回収される。プロセスブロック202において、材料片101のサンプル103は、本明細書でさらに説明するように、分析器104によって分析される。任意選択のプロセスブロック203において、材料片101のサンプル103は、適切なスケール105によって計量することができる。プロセスブロック204において、分析器は、サンプル103内に含まれる材料片101の組成を判定および出力するように構成することができる。このような組成は、サンプル103内の材料片101のそれぞれのもの、および/またはサンプル103内の材料片101のすべての集合的組成であり得る。
【0022】
サンプル103における材料片101のすべてまたは少なくともいくつかの集合的化学組成が分かっており、プロセスブロック203において重量が測定されていれば、サンプル103における材料片101の総重量も分かっているため、集合的組成を実行することができる。
【0023】
プロセスブロック205において、サンプル103における材料片101のすべて(または少なくともいくつか)またはそれぞれの判定された組成は、コンテナ102内の材料片101の予想される組成(たとえば、購入/出荷文書内で指定されているような)と比較することができる。プロセスブロック206において、この比較の結果を出力することができ、これは元素のそれぞれの割合の並列比較を含むことができ、そして所定の指定された閾値より大きいいかなる差異をも強調表示することを含むこともできる(購入/出荷文書内で指定されている化学組成の材料片101をコンテナ102が含まない可能性があることを強調表示するように設定することもできる)。
【0024】
本開示の実施形態によれば、分析器104は、サンプル103内に含まれる材料片101の化学組成を分析および判定することができる任意のタイプのデバイスまたは装置とすることができる。
【0025】
図4は、本開示のさまざまな実施形態にしたがって構成することができる、分析器104内に実装することができる構成要素の非限定的な一例を示している。図4に関して説明する構成要素は、比較的小さくて携帯可能であり得る構成にパッケージ化することができる(たとえば、図5に関して説明するように、従来のテーブルまたは作業台に置くこともできるようになっている)。
【0026】
個々の材料片101がコンベヤベルト113上へ投入された後、分析器104を通してこれらを搬送するようにコンベヤベルト113を実装することができ、個々の材料片101のそれぞれを分析することができるようになっている。コンベヤベルト113は、従来のベルトモータ114を使用する従来のエンドレスベルトコンベヤとすることができる。本開示の代替の実施形態によれば、何らかの種類の適切なフィーダ機構を使用して材料片101をコンベヤベルト113上へ供給することができる。本開示の代替の実施形態によれば、材料片を少なくとも1つの単一化された(すなわち、一列に並んだ)流れに配置することができ、これは能動的または受動的シンギュレータ106によって実行することができる。受動的シンギュレータの一例が米国特許第10,207,296号にさらに説明されている。
【0027】
本開示の実施形態によれば、分析器104は、材料片101を分析するために使用される1つまたは複数の分析器デバイスで構成されている。分析器デバイスは、照射または反射された電磁放射を利用する分析器デバイス(たとえば、可視スペクトル、赤外線(「IR」)、フーリエ変換IR(「FTIR」)、前方監視赤外線(「FLIR」)、超近赤外線(「VNIR」)、近赤外線(「NIR」)、短波長赤外線(「SWIR」)、長波長赤外線(「LWIR」)、中波長赤外線(「MWIR」)、X線透過(「XRT」)、ガンマ線、紫外線、X線蛍光(「XRF」)、レーザ誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)、タトゥー除去に使用されるレーザを使用するレーザアブレーション、ラマン分光法、反ストークスラマン分光法、ガンマ分光法、ハイパースペクトル分光法(たとえば、可視波長を超える任意の範囲)、音響分光法、NMR分光法、マイクロ波分光法、テラヘルツ分光法、前述のいずれかでの1次元、2次元、または3次元イメージングを含むものを利用する)を含む、任意のタイプのセンサ技術で、または、化学もしくは放射性を含むがこれらに限定されない、任意の他のタイプの技術によって構成することができる。XRFシステムの実装が米国特許第10,207,296号にさらに説明されており、これをここで参照により本明細書に組み込む。しかし、本明細書に開示されているセンサ技術のいずれかを分析器104内の1つまたは複数の分析器デバイスに実装して、材料片のそれぞれに特に関連する情報(たとえば、特性)を収集または捕捉することができ、これによってその捕捉された情報を次いで使用して材料片を分析することができる。
【0028】
本明細書に開示されているセンサ技術の任意の1つまたは複数、または現在利用可能なもしくは将来開発される任意の他のセンサ技術を利用する分析器デバイスの任意の組み合わせで、本開示の実施形態を実装することができるということが留意されるべきである。さらに、本開示の実施形態は1つまたは複数の分析器デバイスの任意の組み合わせを含むことができ、このような分析器デバイスの出力は、材料片101を分析するために人工知能システム(本明細書でさらに開示される)によって使用される。
【0029】
いくつかのセンサ技術に関して、1つまたは複数の分析器デバイス120はエネルギー放出源121を含むことができ、これは、材料片101のそれぞれからの応答を刺激するため、たとえば、電源122によって給電することができる。各材料片101が放出源121の近くを通過すると、分析器デバイス120は材料片101に向けて適切な感知信号を放出することができる。1つまたは複数の検出器124を、利用されるセンサ技術のタイプに適した形式で材料片101から1つまたは複数の物理的特性を感知/検出するように配置および構成することができる。1つまたは複数の検出器124および関連する検出器電子機器125は受信された感知特性を捕捉してここで信号処理を実行し、そして感知特性を表すデジタル情報を生成し、これは次いで本開示のいくつかの実施形態にしたがって分析され、材料片101のそれぞれを分析するために使用することができる。
【0030】
分析器104は、分析後の材料片101を受け取る容器またはビン140を含むこともできる。材料片101を計量するためにスケール105を容器/ビン140に関連付けることができる。
【0031】
放出源121は検出領域の上方(すなわち、コンベヤベルト113の上方)に配置することができるが、本開示のいくつかの実施形態では、許容可能な感知/検出物理特性を依然として生成する他の位置に放出源121および/または検出器124を配置することができる。1つまたは複数の分析器デバイス120をコンベヤベルト113の端に配置して、コンベヤベルト113の縁から落ちた材料片101を分析することができるということに留意されたい(たとえば、図5参照)。
【0032】
本開示のいくつかの実施形態によれば、分析器デバイスはビジョンシステムを利用して材料片101のそれぞれを分析することができる。ビジョンシステム11は、材料片101の全部または一部のいくつかのタイプの識別(たとえば、分析)を実行するように構成することができる。たとえば、このようなビジョンシステムを利用して材料片101のそれぞれについての情報を収集または捕捉することができる。たとえば、ビジョンシステムは、材料片101の色、色相、大きさ、形状、質感、全体的な物理的外観、均一性、化学組成、および/または製造タイプを含むが、これらに限定されない、1つまたは複数の(ユーザ定義の)物理的特性のセットに応じて材料片101を分類するために分析器104内で利用することができる任意のタイプの情報を収集または捕捉するように(たとえば、人工知能(「AI」)システムで)構成することができる。ビジョンシステムは、たとえば、典型的なデジタルカメラおよびビデオ機器において利用されるような1つまたは複数の光学センサを使用することによって、材料片101のそれぞれの画像(1次元、2次元、3次元、またはホログラフィックイメージングを含む)を捕捉することができる。光学センサによって捕捉されたこのような画像は次いで、画像データとしてメモリデバイスに格納することができる。本開示の実施形態によれば、このような画像データは、光の光学波長(すなわち、一般的な人間の目によって観察可能である光の波長)内で捕捉された画像を表すことができる。しかしながら、本開示の代替の実施形態では、一般的な人間の目の可視波長の外側の光の波長(たとえば、赤外線または紫外線)で構成された材料の画像を捕捉することができるセンサを利用することができる。
【0033】
図5は、本開示の実施形態にしたがって構成された例示的な分析器104の切断側面図を示す。このような分析器104は、構成要素が互いに対して搭載および配置されている金属ボックスの小型フォームファクタ内に実装することができる。図4に関して開示されている構成要素の任意の1つまたは複数を図5の例示的な分析器104内に実装することができるということに留意されたい。
【0034】
材料片101のそれぞれが1つまたは複数の分析器デバイス(たとえば、本明細書に開示されているセンサ技術のいずれかを利用する分析器デバイスのいずれか1つまたは複数)のそばを通過するように、材料片101をコンベヤベルト503上へ投入することができる。この例示的な実施形態において、材料片101はコンベヤベルト503の端から容器501内へ落下することができ、これによって、材料片101がコンベヤベルト503から容器501へ自由落下するとき、材料片101のそれぞれは、分析器104の一部(たとえば、内側)に搭載された1つまたは複数の分析器デバイス504…506によって捕捉された特性を有する。材料片101がそれぞれ容器501内へ投入されると、他の各材料片101を計量するため、容器501が置かれたスケールを実装することができる。材料片101を分析するプロセスが完了した後、分析器104を含むボックスの外側までトラック502に沿って容器501を摺動させることによって、材料片101を分析器104から回収することができる。トラック502は、金属ファイリングキャビネット内でファイルの引き出しを開閉するために使用されるものと同様とすることができる。
【0035】
材料片の感知された特性/捕捉された情報のタイプに関係なく、材料片のそれぞれを分析するため、この情報を次いでコンピュータシステム(たとえば、コンピュータシステム107)に送信して(たとえば、人工知能システムによって)処理することができる。人工知能システムは、ニューラルネットワーク(たとえば、人工ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、オートエンコーダ、強化学習など)、教師あり学習、教師なし学習、半教師あり学習、強化学習、自己学習、特徴学習、スパース辞書学習、異常検出、ロボット学習、相関ルール学習、ファジーロジック、人工知能(「AI」)、ディープラーニングアルゴリズム、ディープ構造化学習階層学習アルゴリズム、サポートベクターマシン(「SVM」)(たとえば、線形SVM、非線形SVM、SVM回帰など)、決定木学習(たとえば、分類および回帰木(「CART」))、アンサンブルメソッド(たとえば、アンサンブル学習、ランダムフォレスト、バギングおよびペースト、パッチおよびサブスペース、ブースティング、スタッキングなど)、次元削減(たとえば、射影、マニフォールド学習、主成分分析など)および/またはディープ機械学習アルゴリズム、たとえば、ここで参照により本明細書に組み込む、deeplearning.netのウェブサイトに記載されて公共に利用可能なもの(このウェブサイト内で参照されているすべてのソフトウェア、出版物、および利用可能なソフトウェアへのハイパーリンクを含む)を実装するものを含む、任意のよく知られている機械学習技法または技術を実装することができる。本開示の実施形態内で利用され得る公共に利用可能な機械学習ソフトウェアおよびライブラリの非限定的な例は、Python、OpenCV、Inception、Theano、Torch、PyTorch、Pylearn2、Numpy、Blocks、TensorFlow、MXNet、Caffe、Lasagne、Keras、Chainer、Matlab Deep Learning、CNTK、MatConvNet(コンピュータビジョンアプリケーション用の畳み込みニューラルネットワークを実装するMATLAB(登録商標)ツールボックス)、DeepLearnToolbox(Deep Learning(Rasmus Berg Palmからの)用のMatlabツールボックス)、BigDL、Cuda-Convnet(畳み込み(またはより一般的には、フィードフォワード)ニューラルネットワークの高速C++/CUDA実装)、Deep Belief Networks、RNNLM、RNNLIB-RNNLIB、matrbm、deeplearning4j、Eblearn.lsh、deepmat、MShadow、Matplotlib、SciPy、CXXNET、Nengo-Nengo、Eblearn、cudamat、Gnumpy、3元因子RBMおよびmcRBM、mPoT(CUDAMatおよびGnumpyを使用して自然画像のモデルを訓練するPythonコード)、ConvNet、Elektronn、OpenNN、NeuralDesigner、Theano Generalized Hebbian Learning、Apache Singa、Lightnet、およびSimpleDNNを含む。
【0036】
本開示は人工知能技術に排他的に限定されるわけではないことが理解されるべきである。材料分類/識別のための他の一般的な技術も使用することができる。たとえば、分析器デバイスは、マルチまたはハイパースペクトルカメラを使用した光学分光技術を利用して、材料のスペクトル放出を調べることによって、ある種類の材料の有無を示すことができる信号を提供することができる。材料片の写真をテンプレートマッチングアルゴリズムにおいて使用することもでき、取得された画像と画像のデータベースを比較して、そのデータベースから特定のタイプの材料の有無を見つける。捕捉された画像のヒストグラムをヒストグラムのデータベースと比較することもできる。同様に、スケール不変特徴変換(「SIFT」)のような特徴抽出技術とともにバッグオブワードモデルを使用して、捕捉された画像とデータベース内のものとの間で抽出された特徴を比較することができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、材料片の制御サンプルが利用される訓練段階を利用する代わりに、ラベル付け/注釈付け技術(または任意の他の教師あり学習技術)を利用して人工知能システムの訓練を実行することができ、これによって、材料片のデータ/情報が分析器デバイスによって捕捉されると、ユーザが、各材料片を識別するラベルまたは注釈を入力し、これを次いで使用して、材料片を分析するときに人工知能システムによって使用されるライブラリを作成する。換言すれば、あるクラスの材料の1つまたは複数のサンプルから捕捉された特性の以前に生成された知識ベースを、本明細書に開示される技術のいずれかによって達成することができ、このような知識ベースを次いで使用して材料を自動的に分析する。
【0037】
本開示のいくつかの実施形態によれば、本明細書に開示されている分析器デバイス120のいずれかによって捕捉された任意の感知特性を、材料を分析するために人工知能システム内へ入力することができる。たとえば、教師あり学習を実装する人工知能システムにおいて、材料の特定のタイプまたは組成(たとえば、特定の金属合金)を一意に特徴付ける分析器デバイスの出力を使用して人工知能システムを訓練することができる。
【0038】
ここで図3を参照すると、本開示の実施形態の態様を実装することができるデータ処理(「コンピュータ」)システム3400を示すブロック図が描かれている。(「コンピュータ」、「システム」、「コンピュータシステム」、および「データ処理システム」という用語は、本明細書で互換的に使用することができる。)分析器104は、コンピュータシステム3400で(たとえば、コンピュータシステム107として)構成することができる。コンピュータシステム3400はローカルバス3405(たとえば、周辺コンポーネント相互接続(「PCI」)ローカルバスアーキテクチャ)を使用することができる。とりわけ、アクセラレーテッドグラフィックスポート(「AGP」)および業界標準アーキテクチャ(「ISA」)のような任意の適切なバスアーキテクチャを使用することができる。1つまたは複数のプロセッサ3415、揮発性メモリ3420、および不揮発性メモリ3435を、ローカルバス3405(たとえば、PCIブリッジ(図示せず)を通して)に接続することができる。統合メモリコントローラおよびキャッシュメモリを1つまたは複数のプロセッサ3415に結合することができる。1つまたは複数のプロセッサ3415は1つまたは複数の中央処理装置および/または1つまたは複数のグラフィックス処理装置および/または1つまたは複数のテンソル処理装置を含むことができる。直接コンポーネント相互接続を通して、またはアドインボードを通して、ローカルバス3405への追加の接続を行うことができる。図示の例において、通信(たとえば、ネットワーク(LAN))アダプタ3425、I/O(たとえば、小型コンピュータシステムインターフェイス(「SCSI」)ホストバス)アダプタ3430、および拡張バスインターフェイス(図示せず)を、直接コンポーネント接続によってローカルバス3405に接続することができる。オーディオアダプタ(図示せず)、グラフィックスアダプタ(図示せず)、およびディスプレイアダプタ3416(ディスプレイ3440(これはタッチスクリーンディスプレイとすることができる)に結合される)を、ローカルバス3405に(たとえば、拡張スロット内へ挿入されたアドインボードによって)接続することができる。
【0039】
ユーザインターフェイスアダプタ3412は、キーボード3413およびマウス3414、モデム/ルータ(図示せず)、および追加メモリ(図示せず)のための接続を提供することができる。I/Oアダプタ3430は、ハードディスクドライブ3431、テープドライブ3432、およびCD-ROMドライブ(図示せず)のための接続を提供することができる。
【0040】
1つまたは複数のオペレーティングシステムを1つまたは複数のプロセッサ3415上で実行させ、分析器104内のさまざまなコンポーネントの制御を調整および提供するために使用することができる。オペレーティングシステムは市販のオペレーティングシステムとすることができる。オブジェクト指向プログラミングシステム(たとえば、Java、Pythonなど)がオペレーティングシステムと連動して動き、システム3400上で実行されているプログラム(たとえば、Java、Pythonなど)からオペレーティングシステムへの呼び出しを提供することができる。オペレーティングシステム、オブジェクト指向オペレーティングシステム、およびプログラムのための命令を、ハードディスクドライブ3431のような不揮発性メモリ3435ストレージデバイス上に配置し、プロセッサ3415が実行するために揮発性メモリ3420内へロードすることができる。
【0041】
当業者は、図3におけるハードウェアが実装形態に応じて異なり得ることを理解するであろう。フラッシュROM(または同等の不揮発性メモリ)または光ディスクドライブなどのような他の内部ハードウェアまたは周辺デバイスを、図3に示すハードウェアに加えて、またはこれの代わりに使用することができる。また、本開示のプロセスのいずれも、マルチプロセッサコンピュータシステムに適用することも、複数のそのようなシステム3400によって実行することもできる。
【0042】
別の一例として、コンピュータシステム3400は、スタンドアロンシステム(たとえば、分析器104とは別個)とすることができる。さらなる一例として、コンピュータシステム3400を組み込みコントローラとすることができ、これは、オペレーティングシステムファイルまたはユーザ生成データを格納する不揮発性メモリを提供するROMおよび/またはフラッシュROMで構成されている。
【0043】
図3に示す例および上述の例は、アーキテクチャ上の限定を示唆するように意味されていない。さらに、本開示の態様のコンピュータプログラム形式は、コンピュータシステムによって使用される任意のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(すなわち、フロッピーディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、テープ、ROM、RAMなど)に常駐することができる。
【0044】
本明細書で説明したように、本開示の実施形態は、材料片を分析するための、説明したさまざまな機能を実行するように実装することができる。このような機能性は、1つまたは複数のデータ処理システム(たとえば、図3のデータ処理システム3400)内のような、ハードウェアおよび/またはソフトウェア内で実装することができる。ただし、本明細書で説明する機能性は、いかなる特定のハードウェア/ソフトウェアプラットフォームへの実装にも限定されるべきではない。
【0045】
当業者によって理解されるように、本開示の態様は、システム、プロセス、方法、および/またはプログラム製品として具体化することができる。したがって、本開示のさまざまな態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形をとることができ、これらは一般に、本明細書で「回路」、「回路構成」、「モジュール」、または「システム」と呼ぶことができる。さらに、本開示の態様は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードが具体化された1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に具体化されたプログラム製品の形をとることができる。(しかしながら、1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な媒体の任意の組み合わせを利用することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体はコンピュータ読み取り可能な信号媒体またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよい。)
【0046】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本開示のさまざまな実施形態によるシステム、方法、プロセス、およびプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能性、および動作を示している。この点において、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、またはコードの一部を表すことができ、これは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能なプログラム命令を含む。また、いくつかの実装形態において、ブロックに記された機能が、図に記されたものとは異なる順序で実行されることがあるということが留意されるべきである。たとえば、連続して示す2つのブロックが、実際には、実質的に同時に実行されることがあり、または、関連する機能性に応じて、これらのブロックが逆の順序で実行され得るときもある。
【0047】
プログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置(たとえば、コントローラ)の1つまたは複数のプロセッサおよび/またはコントローラに提供してマシンを製造することができ、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ(たとえば、CPU3415)を介して実行される命令により、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックに指定された機能/動作を実装するための回路または手段が作成されるようになる。
【0048】
本明細書の説明において、フローチャートの技術を一連の連続した動作で説明することができる。動作の順序、および動作を実行する要素は、本教示の範囲から逸脱することなく自由に変更することができる。いくつかの方法で動作を追加、削除、または変更することができる。同様に、これらの動作を並び替えるまたはループさせることができる。さらに、プロセス、方法、アルゴリズムなどを、連続した順序で説明することができるが、そのようなプロセス、方法、アルゴリズム、またはこれらの任意の組み合わせは、代替の順序で実行されるように動作可能であり得る。さらに、プロセス、方法、またはアルゴリズム内のいくつかの動作を、少なくともある時点の間で同時に実行することができ(たとえば、並行して実行される動作)、また、全体、一部、またはこれらの任意の組み合わせで実行することもできる。
【0049】
本明細書で、デバイスを「構成する」、または何らかの機能を実行する「ように構成された」デバイスに言及している。これは、事前定義されたロジックブロックを選択して論理的に関連付け、監視または制御機能を含む特定のロジック機能を提供することを含むことができるということが理解されるべきである。また、コントロールデバイスのコンピュータソフトウェアベースのロジックをプログラミングすること、個別ハードウェア部品を配線すること、または前述のいずれかまたはすべての組み合わせを含むことができる。このように構成されたデバイスは、指定された機能を実行するように物理的に設計されている。
【0050】
本明細書で説明されていない限り、具体的な材料、処理行為、および回路に関する多くの詳細は従来のものであり、コンピューティング、エレクトロニクス、およびソフトウェア技術内の教科書および他のソースで見つけることができる。
【0051】
本開示の態様のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコード、すなわち、命令は、Java、Smalltalk、Python、C++などのようなオブジェクト指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語もしくは同様のプログラミング言語のような従来の手続き型プログラミング言語、MATLAB(登録商標)もしくはLabVIEWのようなプログラミング言語、または本明細書に開示されている機械学習ソフトウェアのいずれかを含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。プログラムコードは、ユーザのコンピュータシステム上で完全に、ユーザのコンピュータシステム上で部分的に、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータシステム(たとえば、ソートに利用されるコンピュータシステム)上で部分的に、およびリモートコンピュータシステム(たとえば、機械学習システムを訓練するために利用されるコンピュータシステム)上で部分的に、またはリモートコンピュータシステムもしくはサーバ上で完全に実行することができる。後者のシナリオにおいて、リモートコンピュータシステムは、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)またはワイドエリアネットワーク(「WAN」)を含む、任意のタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータシステムに接続することができ、または外部コンピュータシステムへの接続(たとえば、インターネットサービスプロバイダを使用したインターネットを通して)を行うこともできる。
【0052】
本明細書の説明において、プログラミング、ソフトウェアモジュール、ユーザ選択、ネットワークトランザクション、データベースクエリ、データベース構造、ハードウェアモジュール、ハードウェア回路、ハードウェアチップ、コントローラなどの例のような、多数の具体的な詳細を提供して、本開示の実施形態の完全な理解を提供している。しかしながら、関連技術における当業者は、これらの具体的な詳細の1つまたは複数なしで、または他の方法、構成要素、材料などで本開示を実践することができるということを認識するであろう。他の例において、本開示の態様を不明瞭にすることを避けるため、よく知られている構造、材料、または動作を詳細に図示または説明していないことがある。
【0053】
この明細書全体を通しての「一実施形態」、「実施形態」、または類似の文言への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体を通しての「1つの実施形態において」、「一実施形態において」、「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「さまざまな実施形態」という句、および同様の文言の出現は、すべてが同じ実施形態を指し得るが、必ずしもそうではない。さらに、本開示の説明された特徴、構造、態様、および/または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。対応して、いくつかの特徴が特定の組み合わせで作用するとして最初に特許請求されていても、特許請求されている組み合わせからの1つまたは複数の特徴をいくつかの場合においてその組み合わせから削除することができ、その特許請求されている組み合わせを部分的組み合わせまたは部分的組み合わせの変形に向けることができる。
【0054】
利益、利点、および問題に対する解決策を、具体的な実施形態に関して上述してきた。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、および利益、利点、または解決策をもたらす、またはより顕著にすることができるいかなる要素も、いずれかまたはすべての請求項の重要、必要、または必須の特徴または要素として解釈されるべきではない。さらに、本明細書に記載のいずれの構成要素も、必須または重要であると明示的に説明されていない限り、本開示の実践に要求されない。
【0055】
本明細書で、「または」という用語は、包括的であるように意図されている可能性があり、「AまたはB」はAまたはBを含み、AとBの両方も含む。本明細書で使用されるとき、「および/または」という用語は、エンティティのリストの文脈で使用されるとき、エンティティが単独で存在するか、または組み合わせで存在するかを指す。したがって、たとえば、「A、B、C、および/またはD」という語句は、A、B、C、およびDを個別に含むが、A、B、C、およびDのありとあらゆる組み合わせおよび部分的組み合わせも含む。
【0056】
本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態を説明するという目的のためだけのものであり、開示の限定であるように意図されていない。本明細書で使用されるとき、「a」、「an」、および「the」という単数形は、文脈が明確に別のことを示していない限り、複数形も含むように意図されている可能性がある。
【0057】
以下の請求項におけるすべてのミーンズまたはステッププラスファンクション要素の対応する構造、材料、行為、および同等物は、具体的に特許請求されているような他の特許請求されている要素と組み合わせてその機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むように意図されている可能性がある。
【0058】
特定の特性または状況に関して本明細書で使用されるとき、「実質的に」は、その特定の特性または状況から測定可能なほど損なわれないほど十分に小さい偏差の程度を指す。許容される偏差の正確な程度はいくつかの場合において具体的な文脈に依存し得る。
【0059】
本明細書で使用されるとき、複数の項目、構造要素、構成要素、および/または材料を、便宜上、共通のリストで提示することがある。しかしながら、これらのリストは、リストの各部材が別個の固有の部材として個別に識別されているものとして解釈されるべきである。したがって、このようなリストの個々の部材は、反対の指示なく、その提示が共通の群にあるということのみに基づいて、同じリストの任意の他の部材の事実上の同等物として解釈されるべきではない。
【0060】
他の方法で定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語(周期表内の化学元素に使用される頭字語のような)は、本開示の主題が属する技術における当業者に一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または同等の任意の方法、デバイス、および材料を、本開示の主題の実践または試験に使用することができるが、代表的な方法、デバイス、および材料をここでは説明している。
【0061】
本明細書で使用されるとき、「同様」という用語は、互いの特定の偏りまたは割合(たとえば、1%、2%、5%、10%など)内にある値を指す。
【0062】
「結合された」という用語は、本明細書で使用されるとき、直接結合または機械的結合に限定されるように意図されていない。別途記載がない限り、「第1」および「第2」のような用語は、このような用語が説明する要素の間を恣意的に区別するために使用される。したがって、これらの用語は必ずしもこのような要素の時間的または他の優先順位を示すように意図されていない。
【符号の説明】
【0063】
100 システム
101 材料片
102 コンテナ
103 サンプル
104 分析器
105 スケール
106 シンギュレータ
107 コンピュータシステム
109 ライブ動作カメラ
113 コンベヤベルト
114 ベルトモータ
120 分析器デバイス
121 エネルギー放出源
122 電源
124 検出器
125 検出器電子機器
140 容器
501 容器
502 トラック
503 コンベヤベルト
504…506 分析器デバイス
3400 コンピュータシステム
3405 ローカルバス
3412 ユーザインターフェイスアダプタ
3413 キーボード
3414 マウス
3415 プロセッサ
3416 ディスプレイアダプタ
3420 揮発性メモリ
3425 通信アダプタ
3430 I/Oアダプタ
3431 ハードディスクドライブ
3432 テープドライブ
3435 不揮発性メモリ
3440 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】