(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】プラズマ反応器/イオン反応器
(51)【国際特許分類】
H05H 1/32 20060101AFI20241126BHJP
B01J 19/08 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H05H1/32
B01J19/08 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533263
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 US2022051547
(87)【国際公開番号】W WO2023102123
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524210758
【氏名又は名称】コージェント エナジー システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コング、ピーター、シー.
(72)【発明者】
【氏名】ビツォイ、ロドニー、ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2G084
4G075
【Fターム(参考)】
2G084AA12
2G084AA14
2G084AA18
2G084AA19
2G084AA20
2G084DD12
2G084DD67
2G084GG26
2G084HH32
2G084HH42
2G084HH45
4G075AA05
4G075AA22
4G075AA37
4G075BA05
4G075BA08
4G075CA03
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4G075EA01
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4G075EB43
4G075EC21
4G075FA01
4G075FB02
4G075FB03
4G075FB04
(57)【要約】
ハイブリッドプラズマ反応器又はイオン反応器は、高温イオンガス及び電気アークを反応チャンバ内に提供して材料の処理を増加させるために同時に動作し、オフセット様式で反応チャンバの周囲に配置された複数のアーク電極セットを使用して、アークに一対の電極のアノードとカソードとの間を移動させる反応チャンバ又はプラズマチャンバの中心においてより大きな領域を生成し、反応ゾーンのサイズを増加させる、プラズマジェット反応器及びプラズマアーク反応器の両方の基本構成要素と、電極を冷却して、反応チャンバ内に閉じ込められた又は向けられたガスの流れの生成を補助し、更にチャンバ内の安定したアークの生成を補助するために、ガスをチャンバの幅にわたって渦を保ちながら流動させるプラズマ生成を提供するために、電極から作動ガス又は冷却ガスを導入する構造と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス化装置であって、
処理される材料を受け取るための入力部と、
出力部と、
1つ以上のプラズマユニットであって、各プラズマユニットは、
内部反応ゾーンを画定する外壁と、
電極アセンブリの1つ以上のセットであって、電極アセンブリの各セットがアノード電極及びカソード電極を含み、前記アノード電極及び前記カソード電極の各々が、前記反応ゾーンに曝露された電極先端を含む、電極アセンブリの1つ以上のセットと、を含み、
電極アセンブリの各セットは、前記アノード電極と前記カソード電極との間の前記反応ゾーンにおいてアーク放電を引き起こすために、電力信号で前記アノード電極及び前記カソード電極を通電するための電源に接続され、
前記1つ以上のプラズマユニットは、前記1つ以上のプラズマユニットの前記反応ゾーンが反応チャンバを画定するように、前記入力部と前記出力部との間に配置され、前記処理される材料は、前記反応チャンバを通って前記入力部から前記出力部へ流れ、前記1つ以上のプラズマユニット内の前記電極アセンブリの1つ以上のセットによって生成される前記アーク放電にさらされる、1つ以上のプラズマユニットと、
前記反応チャンバに隣接して配置され、前記反応チャンバ内にプラズマを放出する出力部を有するプラズマトーチと、を備える、ガス化装置。
【請求項2】
前記プラズマトーチは、前記入力部の近傍に配置されている、請求項1に記載のガス化装置。
【請求項3】
前記プラズマトーチは、前記出力部の近傍に配置されている、請求項1に記載のガス化装置。
【請求項4】
前記反応チャンバは、前記入力部から前記出力部まで延在する長手方向軸を有し、前記プラズマトーチは、流れ中の前記プラズマを前記反応チャンバの中に長手方向に向けるように配向されている、請求項1に記載のガス化装置。
【請求項5】
複数のプラズマユニットを含み、前記プラズマトーチは、前記複数のプラズマユニットのうちの少なくとも2つの前記反応ゾーン内に前記プラズマを向けるように配向されている、請求項1に記載のガス化装置。
【請求項6】
前記プラズマトーチは、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの1つの中に配置され、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記1つの外壁を通って延在し、プラズマを前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記1つの反応ゾーンの中に半径方向に向ける、請求項1に記載のガス化装置。
【請求項7】
前記電極アセンブリの各々は、1つ以上の作動ガス通路と、前記プラズマユニットのうちの1つの前記反応ゾーン内に作動ガスを導く作動ガス出口とを含む、請求項1に記載のガス化装置。
【請求項8】
前記1つ以上の電極アセンブリを介して放出された前記作動ガスは、前記プラズマユニットのうちの前記1つの前記反応ゾーン内で1つ以上のアークにさらされてプラズマを形成する、請求項7に記載のガス化装置。
【請求項9】
前記プラズマトーチによって放出された前記プラズマが、少なくとも1セットの電極アセンブリの前記アノード電極と前記カソード電極との間で1つ以上のアークを点火する、請求項1に記載のガス化装置。
【請求項10】
前記1つ以上のプラズマユニットの各々は、断面が円形であり、円筒形の反応ゾーンを画定する、請求項1に記載のガス化装置。
【請求項11】
細長い円筒形の反応チャンバを画定するように長手方向に積み重ねられた複数のプラズマユニットを含む、請求項10に記載のガス化装置。
【請求項12】
前記複数のプラズマユニットの各々が、2セット以上の電極アセンブリを含む、請求項11に記載のガス化装置。
【請求項13】
前記プラズマトーチは、前記プラズマユニットのうちの少なくとも2つの前記反応ゾーンを通過するプラズマ火炎を放出して、前記少なくとも2つのプラズマユニットの各々の前記電極アセンブリによって生成される1つ以上のアークと相互作用する、請求項12に記載のガス化装置。
【請求項14】
ガス化装置であって、
第1の開放端と第2の開放端との間に延在し、前記第1の開放端と前記第2の開放端との間に長手方向軸を画定する連続的な外壁によって形成される反応チャンバと、
前記第1の開放端と前記第2の開放端との間の前記外壁を通って前記反応チャンバ内に延在する少なくとも1セットの電極であって、電極の各セットはアノード電極及びカソード電極を含み、前記アノード電極及び前記カソード電極の各々は電極先端を含み、電極の各セットは、前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間の前記反応チャンバ内でアーク放電を引き起こすために、電力信号で前記アノード電極及び前記カソード電極に通電するための電源に接続されている、少なくとも1セットの電極と
前記反応チャンバに隣接して配置され、前記反応チャンバ内にプラズマを放出する出力部を有するプラズマトーチと、を備える、ガス化装置。
【請求項15】
前記プラズマトーチは、前記反応チャンバ内にプラズマ火炎としてプラズマを放出する、請求項14に記載のガス化装置。
【請求項16】
前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記長手方向軸に垂直な第1の平面内で前記反応チャンバ内に延在し、前記プラズマトーチは、前記第1の平面に対して垂直に前記反応チャンバ内へ前記プラズマを放出するように前記第1の平面に垂直に配置されている、請求項14に記載のガス化装置。
【請求項17】
前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記長手方向軸に垂直な第1の平面において前記反応チャンバ内に延在し、前記プラズマトーチは、前記第1の平面に平行な方向において前記反応チャンバ内に前記プラズマを放出するように配置されている、請求項14に記載のガス化装置。
【請求項18】
前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記長手方向軸に垂直な第1の平面において前記反応チャンバ内に延在し、前記プラズマトーチは、前記第1の平面に平行であり、かつ前記第1の平面内にある方向において前記反応チャンバ内に前記プラズマを放出するように配置されている、請求項14に記載のガス化装置。
【請求項19】
前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記長手方向軸に垂直な第1の平面において前記反応チャンバ内に延在し、前記プラズマトーチは、0でない角度で前記第1の平面と交差する方向において前記反応チャンバ内に前記プラズマを放出するように配置されている、請求項14に記載のガス化装置。
【請求項20】
材料入力部及び材料出力部を更に含み、前記少なくとも1セットの電極の前記アノード電極及び前記カソード電極が前記反応チャンバを横切って横方向に配置されるように前記少なくとも1セットの電極が配置され、前記プラズマトーチは、流れの中の前記プラズマを前記反応チャンバ内に長手方向に向けるように配向されている、請求項14に記載のガス化装置。
【請求項21】
前記反応チャンバは、複数のプラズマユニットを含み、各プラズマユニットは、外壁の境界内に反応ゾーンを画定する外壁と、少なくとも1セットの電極とを含み、前記プラズマユニットは、前記複数のプラズマユニットの前記反応ゾーンが前記反応チャンバを形成するように前記プラズマユニットの前記外壁を位置合わせするように互いに積み重ねられている、請求項20に記載のガス化装置。
【請求項22】
前記プラズマトーチは、前記複数のプラズマユニットのうちの少なくとも2つの前記反応ゾーン内に前記プラズマを向けるように配向されている、請求項21に記載のガス化装置。
【請求項23】
前記反応チャンバは、円筒形外壁によって形成された1つ以上の円筒形プラズマユニットを含み、前記プラズマトーチは、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの1つに配置され、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記1つの前記外壁を通って延在して、プラズマを前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記1つの前記反応ゾーン内に半径方向に向ける、請求項14に記載のガス化装置。
【請求項24】
前記1つ以上の電極が、1つ以上の作動ガス通路と、作動ガスを前記反応チャンバ内に導く作動ガス出口とを含む、請求項14に記載のガス化装置。
【請求項25】
前記1つ以上の電極を介して放出された前記作動ガスが、前記ガス化装置の動作中に前記反応チャンバ内で1つ以上のアークにさらされる、請求項24に記載のガス化装置。
【請求項26】
前記プラズマトーチによって放出された前記プラズマが、前記ガス化装置の動作中に1セットの電極の前記電極間の1つ以上のアークを点火する、請求項14に記載のガス化装置。
【請求項27】
材料を処理する方法であって、
反応チャンバ内で処理される入力材料を受け取ることと、
1セット以上の電極に通電することであって、電極の各セットがアノード電極及びカソード電極を含み、各アノード電極及びカソード電極が前記反応チャンバに曝露された電極先端を有する、ことと、
前記反応チャンバ内で前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを発生させて、前記入力材料の少なくとも一部を電気アークにさらすことと、
プラズマトーチ内でプラズマを生成することと、
プラズマトーチからの前記プラズマを前記反応チャンバ内に注入して、前記入力材料の少なくとも一部を前記プラズマトーチからの前記プラズマに曝露することと、を備える、方法。
【請求項28】
前記プラズマトーチから前記プラズマを注入することは、前記反応チャンバ内にプラズマ火炎を放出することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記反応チャンバ内で前記アノード電極と前記カソード電極との間に電気アークを生成することは、前記反応チャンバを横方向に横切る第1の平面内に前記電気アークを生成することを含み、前記反応チャンバ内に前記プラズマ火炎を放出することは、前記第1の平面に垂直に前記プラズマ火炎を放出することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記反応チャンバ内で前記アノード電極と前記カソード電極との間に電気アークを生成することは、前記反応チャンバを横方向に横切る第1の平面内に前記アークを生成することを含み、前記反応チャンバ内に前記プラズマ火炎を放出することは、前記第1の平面に平行な方向に前記プラズマ火炎を放出することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記反応チャンバ内で前記アノード電極と前記カソード電極との間に電気アークを生成することは、前記反応チャンバを横方向に横切る第1の平面内に前記アークを生成することを含み、前記反応チャンバ内に前記プラズマ火炎を放出することは、前記第1の平面に平行であり、かつ前記第1の平面内にある方向に前記プラズマ火炎を放出することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記反応チャンバ内で前記アノード電極と前記カソード電極との間に電気アークを生成することは、前記反応チャンバを横方向に横切る第1の平面内に前記アークを生成することを含み、前記反応チャンバ内に前記プラズマ火炎を放出することは、前記第1の平面に対して0でない角度で前記反応チャンバ内に前記プラズマ火炎を放出することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記反応チャンバ内で前記アノード電極と前記カソード電極との間に電気アークを生成することは、前記反応チャンバを横方向に横切る第1の平面内に前記アークを生成することを含み、前記反応チャンバ内に前記プラズマ火炎を放出することは、前記プラズマ火炎が前記第1の平面を横切るように前記プラズマ火炎を放出することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記1セット以上の電極に通電することは、前記入力部に対して長手方向の位置で電極の複数のセットに通電して、前記長手方向の位置で前記反応チャンバにわたって複数のアークを生成することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記1セット以上の電極に通電することは、前記入力部に対して第1の長手方向位置で電極の第1のセットに通電して、前記第1の長手方向位置で前記反応チャンバを横切る少なくとも1つのアークを生成することと、前記入力部に対して前記第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置で電極の第2のセットに通電して、前記第2の長手方向位置で前記反応チャンバを横切る少なくとも1つのアークを生成することと、を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記プラズマトーチから前記反応チャンバ内に前記プラズマを注入することは、プラズマ火炎を前記反応チャンバ内に注入して、前記プラズマ火炎が前記電極の第1のセットによって生成された前記アークを横切るが、前記電極の第2のセットによって生成された前記アークを横切らないようにすることを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記1セット以上の電極に通電することは、前記入力部に対して第1の長手方向位置で第1の複数の電極セットに通電して、前記第1の長手方向位置で前記反応チャンバを横切る第1の複数のアークを生成することと、前記入力部に対して前記第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置で第2の複数の電極セットに通電して、前記第2の長手方向位置で前記反応チャンバを横切る第2の複数のアークを生成することとを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
前記プラズマトーチから前記反応チャンバ内に前記プラズマを注入することは、プラズマ火炎を前記反応チャンバ内に注入して、前記プラズマ火炎が前記第1の複数の電極セットによって生成された前記第1の複数のアークを横切るが、前記第2の複数の電極セットによって生成された前記第2の複数のアークを横切らないようにすることを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記プラズマトーチから前記反応チャンバ内に前記プラズマを注入することは、前記第1の複数の電極セットによって生成される前記第1の複数のアーク及び前記第2の複数の電極セットによって生成される前記第2の複数のアークの両方と交差するように、前記反応チャンバ内にプラズマ火炎を注入することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記反応チャンバ内で前記アノード電極と前記カソード電極との間に電気アークを生成することは、円形反応チャンバを横切って配置されたアノード電極及びカソード電極によって前記円形反応チャンバを半径方向に横切って前記アークを生成することを含み、前記プラズマ火炎を前記反応チャンバ内に放出することは、前記プラズマ火炎を前記反応チャンバ内に半径方向に放出することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項41】
前記反応チャンバ内で前記アノード電極と前記カソード電極との間に電気アークを生成することが、前記入力部に対して第1の長手方向位置で前記アークを生成することを含み、前記反応チャンバ内に前記プラズマ火炎を放出することが、前記第1の長手方向位置で前記反応チャンバ内に半径方向へ前記プラズマ火炎を放出することを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記アノード電極又は前記カソード電極を含む電極アセンブリから前記反応チャンバ内に作動ガスを注入することを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項43】
前記アノード電極と前記カソード電極との間に生成されたアークに前記作動ガスを曝露することによって、前記作動ガスからプラズマを生成することを更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記プラズマトーチからの前記プラズマを使用して、前記反応チャンバ内の1つの電極セット間で1つ以上のアークを点火することを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項45】
ガス化装置であって、
処理される材料を受け取るための入力部と、
出力部と、
前記入力部と前記出力部との間に配置された1つ以上のプラズマユニットであって、各プラズマユニットが、
内部反応ゾーンを画定する外壁と、
前記外壁に取り付けられた複数の電極セットと、を含み、各セットの電極は、
前記反応ゾーンに曝露したアノード電極先端を有するアノード電極と、
前記反応ゾーンに曝露したカソード電極先端を有するカソード電極と、を含み、
前記電極セットの各々は、前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間の前記反応ゾーンにおいてアーク放電を引き起こすために、電力信号で前記アノード電極及び前記カソード電極に通電するための電源に接続され、
前記複数の電極セットの前記個々の電極は、前記外壁の周りにオフセットして配置され、前記隣接する各電極対は、アノード電極とカソード電極とを含む、1つ以上のプラズマユニットと、を含む、ガス化装置。
【請求項46】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記外壁の周りで180度未満の角度で互いにオフセットされる、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項47】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記外壁の周りで鋭角だけ互いにオフセットされる、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項48】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記外壁の周りで鈍角だけ互いにオフセットされる、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項49】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記外壁の周りで90度の角度だけ互いにオフセットされる、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項50】
前記電極セットのうちの第1のセットの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記外壁の周りで180度未満の第1の角度で互いからオフセットされ、前記電極セットのうちの第2のセットの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記外壁の周りで前記第1の角度とは異なる第2の角度で互いからオフセットされる、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項51】
前記電極セットのうちの第1のセットの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記外壁の周りで180度未満の第1の角度だけ互いからオフセットされ、前記電極セットのうちの第2のセットの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記外壁の周りで180度だけ互いからオフセットされる、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項52】
前記複数の電極セットは、3セットの電極を含み、前記3セットの電極のうちの第1の電極セットの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記外壁の周りで互いに180度オフセットされ、前記3セットの電極のうちの第2及び第3の電極セットの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記外壁の周りで互いに60度オフセットされる、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項53】
前記複数の電極セットは、3セットの電極を含み、前記3セットの電極の各々の前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記外壁の周りで互いに60度オフセットされる、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項54】
前記複数の電極セットは、4セットの電極を含み、前記4セットの電極のうちの少なくとも2セットの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記外壁の周りで互いに135度オフセットされる、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項55】
前記複数の電極セットは、4セットの電極を含み、前記4セットの電極のうちの少なくとも2つのセットの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記外壁の周りで互いに45度オフセットされる、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項56】
前記1つ以上のプラズマユニットのうちの少なくとも1つの前記反応ゾーンに隣接して配置され、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記少なくとも1つの前記反応ゾーンにプラズマを放出する出力部を有するプラズマトーチを更に含む、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項57】
前記プラズマトーチは、前記入力部の近傍に配置されている、請求項56に記載のガス化装置。
【請求項58】
前記1つ以上のプラズマユニットの前記反応ゾーンは、前記入力部から前記出力部まで延在する長手方向軸を有する反応チャンバを画定し、前記プラズマトーチは、流れの中の前記プラズマを前記反応チャンバ内に長手方向に向けるように配向されている、請求項56に記載のガス化装置。
【請求項59】
前記プラズマトーチは、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの1つの中に配置され、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記1つの外壁を通って延在し、プラズマを前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記1つの反応ゾーンの中に半径方向に向ける、請求項56に記載のガス化装置。
【請求項60】
前記1つ以上のプラズマユニットのうちの1つの前記電極セットのうちの少なくとも1つが、1つ以上の作動ガス通路と、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記1つの前記反応ゾーンに作動ガスを導く作動ガス出口とを含む電極アセンブリを含む、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項61】
前記1つ以上のプラズマユニットのうちの1つの前記外壁は、断面が円形であり、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記1つのための円筒形反応ゾーンを画定する、請求項45に記載のガス化装置。
【請求項62】
ガス化装置であって、
処理される材料を受け取るための入力部と、
出力部と、
前記入力部と前記出力部との間に配置された1つ以上のプラズマユニットであって、各プラズマユニットは、
内部反応ゾーンを画定する環状外壁と、
前記環状外壁に取り付けられた複数の電極セットであって、各電極セットが、
前記反応ゾーンに曝露したアノード電極先端を有するアノード電極と、
前記反応ゾーンに曝露したカソード電極先端を有するカソード電極と、を含み、
前記電極セットの各々は、前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間の前記反応ゾーンにおいてアーク放電を引き起こすために、電力信号で前記アノード電極及び前記カソード電極に通電するための電源に接続され、
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記外側環状壁の周りで180度未満の角度で互いにオフセットされる、複数の電極セットと、を含む、1つ以上のプラズマユニットと、を備える、ガス化装置。
【請求項63】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記環状外壁の周りで鋭角だけ互いにオフセットされる、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項64】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記環状外壁の周りで鈍角によって互いからオフセットされる、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項65】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記環状外壁の周りに90度の角度で互いにオフセットされる、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項66】
前記電極セットのうちの第1のセットの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記環状外壁の周りで180度未満の第1の角度で互いにオフセットされ、前記電極セットのうちの第2のセットの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記環状外壁の周りで前記第1の角度とは異なる第2の角度で互いにオフセットされる、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項67】
前記電極セットのうちの第1のセットの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記環状外壁の周りで180度未満の第1の角度だけ互いからオフセットされ、前記電極セットのうちの第2のセットの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記環状外壁の周りで180度の角度だけ互いからオフセットされる、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項68】
前記複数の電極セットは、3セットの電極を含み、前記3セットの電極のうちの第1の電極セットの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記環状外壁の周りで互いに180度オフセットされ、前記3セットの電極のうちの第2及び第3の電極セットの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記環状外壁の周りで互いに60度オフセットされる、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項69】
前記複数の電極セットは、3セットの電極を含み、前記3セットの電極の各々の前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記環状外壁の周りで互いに60度オフセットされる、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項70】
前記複数の電極セットは、4セットの電極を含み、前記4セットの電極のうちの少なくとも2つのセットの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記環状外壁の周りで互いに135度オフセットされる、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項71】
前記複数の電極セットは、4セットの電極を含み、前記4セットの電極のうちの少なくとも2つのセットの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記環状外壁の周りで互いに45度オフセットされる、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項72】
前記1つ以上のプラズマユニットのうちの少なくとも1つの前記反応ゾーンに隣接して配置され、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記少なくとも1つの前記反応ゾーンにプラズマを放出する出力部を有するプラズマトーチを更に含む、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項73】
前記プラズマトーチは、前記入力部の近傍に配置されている、請求項72に記載のガス化装置。
【請求項74】
前記1つ以上のプラズマユニットの前記反応ゾーンは、前記入力部から前記出力部まで延在する長手方向軸を有する反応チャンバを画定し、前記プラズマトーチは、流れの中の前記プラズマを前記反応チャンバ内に長手方向に向けるように配向されている、請求項72に記載のガス化装置。
【請求項75】
複数のプラズマユニットを含み、前記プラズマトーチは、前記複数のプラズマユニットのうちの少なくとも2つの前記反応ゾーン内に前記プラズマを向けるように配向されている、請求項72に記載のガス化装置。
【請求項76】
前記プラズマトーチは、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの1つの中に配置され、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記1つの外壁を通って延在し、プラズマを前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記1つの反応ゾーンの中に半径方向に向ける、請求項72に記載のガス化装置。
【請求項77】
前記1つ以上のプラズマユニットのうちの1つの前記電極セットのうちの少なくとも1つが、1つ以上の作動ガス通路と、前記1つ以上のプラズマユニットのうちの前記1つの前記反応ゾーンに作動ガスを導く作動ガス出口とを含む電極アセンブリを含む、請求項72に記載のガス化装置。
【請求項78】
前記1つ以上のプラズマユニットが、前記入力部と前記出力部との間に配置され、前記1つ以上のプラズマユニットのそれぞれの前記反応ゾーンが反応チャンバを画定し、前記処理される材料が前記反応チャンバを通って前記入力部から前記出力部に流れ、前記1つ以上のプラズマユニット内の前記複数の電極セットによって生成される前記アーク放電にさらされる、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項79】
前記1つ以上のプラズマユニット内の前記複数の電極セットの前記個々の電極は、前記外側環状壁の周りにオフセットして配置され、前記隣接する各電極対がアノード電極及びカソード電極を含む、請求項62に記載のガス化装置。
【請求項80】
材料を処理する方法であって、
外壁を有する反応チャンバ内で処理される入力材料を受け取ることと、
複数の電極セットの各々に通電することであって、前記複数の電極セットの各々は、アノード電極及びカソード電極を含み、各アノード電極及びカソード電極は、前記反応チャンバに曝露された電極先端を有し、前記複数のセットの電極の前記電極は、前記隣接する各電極対が、アノード電極及びカソード電極を含むように前記外壁の周りにオフセットして配置されている、ことと、
前記反応チャンバ内の前記複数の電極セットの各々の前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成して、前記入力材料の少なくとも一部を電気アークに曝露することと、を含む、方法。
【請求項81】
前記反応チャンバ内にプラズマを生成し、前記入力材料を前記プラズマに曝露することを更に含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記反応チャンバ内でプラズマを生成し、前記反応チャンバ内に作動ガスを導入することを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記反応チャンバ内に前記作動ガスを導入することは、アノード電極又はカソード電極を含む電極アセンブリを介して前記反応チャンバ内に前記作動ガスを導入することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記反応チャンバ内でプラズマを生成することは、プラズマトーチ内でプラズマを生成することと、前記プラズマトーチから前記反応チャンバ内に前記プラズマを導入することとを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記反応チャンバの前記外壁の周りで180度未満の角度で互いからオフセットされ、前記電極セットのうちの前記少なくとも1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成することが、前記反応チャンバの前記中心と位置合わせされないアークを生成することを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項86】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記反応チャンバの前記外壁の周りに鋭角で互いからオフセットされ、前記電極セットのうちの前記少なくとも1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成することが、前記電極セットのうちの他のセットによって生成される任意の他のアークを横切らないアークを生成することを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項87】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記反応チャンバの前記外壁の周りに鈍角で互いからオフセットされ、前記電極セットのうちの前記少なくとも1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成することが、前記電極セットのうちの他のセットによって生成される前記他のアークの全てではないが少なくとも1つを横切るアークを生成することを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項88】
前記複数の電極セットの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記反応チャンバの外壁の周りに180度未満の角度で互いからオフセットされ、前記電極セットの前記少なくとも1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成することが、前記電極セットのそれぞれの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に、前記アークが他のアークのいずれも横切らないように電気アークを生成することを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項89】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記反応チャンバの外壁の周りに180度に等しい角度で互いからオフセットされ、前記電極セットのうちの少なくとも他の1つの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記反応チャンバの外壁の周りに180度未満の角度で互いからオフセットされ、前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成することは、前記反応チャンバの中心を通過するアークを生成することを含み、前記電極セットのうちの前記少なくとも他の1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に前記反応チャンバの中心を通過しない電気アークを生成することを更に含む、請求項80に記載の方法。
【請求項90】
材料を処理する方法であって、
外壁を有する反応チャンバ内で処理される入力材料を受け取ることと、
複数の電極セットの各々に通電することであって、前記複数の電極セットの各々は、アノード電極及びカソード電極を含み、各アノード電極及びカソード電極は、前記反応チャンバに曝露された電極先端を有し、前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記反応チャンバの前記外壁の周りに180度未満の角度で互いにオフセットされる、ことと、
前記反応チャンバ内の前記複数の電極セットの各々の前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成して、前記入力材料の少なくとも一部を電気アークにさらすことと、を含み、前記電極セットの前記少なくとも1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成することは、前記反応チャンバの前記中心と位置合わせされないアークを生成することを含む、方法。
【請求項91】
前記反応チャンバ内でプラズマを生成し、前記入力材料を前記プラズマにさらすことを更に含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記反応チャンバ内でプラズマを生成し、前記反応チャンバ内に作動ガスを導入することを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記反応チャンバ内に前記作動ガスを導入することは、アノード電極又はカソード電極を含む電極アセンブリを介して前記反応チャンバ内に前記作動ガスを導入することを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記反応チャンバ内でプラズマを生成することは、プラズマトーチ内でプラズマを生成することと、前記プラズマトーチから前記反応チャンバ内に前記プラズマを導入することとを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記反応チャンバの外壁の周りに鋭角で互いからオフセットされ、前記電極セットのうちの前記少なくとも1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成することは、前記電極セットのうちの他のセットによって生成される他のアークを横切らないアークを生成することを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項96】
前記電極セットのうちの少なくとも1つの前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記反応チャンバの外壁の周りに鈍角で互いからオフセットされ、前記電極セットのうちの前記少なくとも1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成することが、前記電極セットのうちの他のセットによって生成される前記他のアークの全てではないが少なくとも1つを横切るアークを生成することを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項97】
前記複数の電極セットの各々の前記アノード電極及び前記カソード電極が、前記反応チャンバの外壁の周りに180度未満の角度で互いからオフセットされ、前記電極セットの前記少なくとも1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成することが、前記電極セットのそれぞれの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に、前記アークが他のアークのいずれも横切らないように電気アークを生成することを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項98】
前記電極セットのうちの別の1つの前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記反応チャンバの外壁の周りに180度に等しい角度で互いからオフセットされ、前記電極セットのうちの前記少なくとも1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成することが、前記反応チャンバの中心を通過しない前記電極セットのうちの前記少なくとも1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成することを含み、前記反応チャンバの中心を通過する前記電極セットのうちの前記別の1つの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間にアークを生成することを更に含む、請求項90に記載の方法。
【請求項99】
ガス化装置であって、
処理される材料を受け取るための入力部と、
出力部と、
前記入力部と前記出力部との間に配置された1つ以上のプラズマユニットであって、各プラズマユニットが、
内部反応ゾーンを画定する外壁と、
電極アセンブリの1つ以上のセットであって、電極アセンブリの各セットが、
(1)前記反応ゾーンに曝露したアノード電極先端を有するアノード電極と、
(2)第1作動ガス通路と、
(3)前記反応ゾーンに曝露された第1の作動ガス出口と、
(4)第1の渦において第1の作動ガスを前記第1の作動ガス出口から出させる作動ガスに曝露される第1の電極アセンブリ表面上に配置された、第1の円形方向に螺旋状である第1の螺旋状溝セットと、を有する、第1の電極アセンブリと、
(1)前記反応ゾーンに曝露したカソード電極先端を有するカソード電極と、
(2)第2作動ガス通路と、
(3)前記反応ゾーンに曝露された第2の作動ガス出口と、
(4)前記作動ガスに曝露される第2の電極アセンブリ表面上に配置された第2の円形方向に螺旋状であり、第2の作動ガスを第2の渦で前記作動ガス出口から出させる第2の螺旋状溝セットと、を有する、第2の電極アセンブリと、を含み、
前記電極アセンブリセットの各々は、前記アノード電極及び前記カソード電極に電力信号で通電するための電源に接続され、前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間の前記反応ゾーンにおいて、前記第1の作動ガス及び前記第2の作動ガスの両方が渦巻き状に運動する存在下でアーク放電を引き起こす、1つ以上の電極アセンブリセットと、を含む、1つ以上のプラズマユニットと、を備える、ガス化装置。
【請求項100】
前記第1の円形方向及び前記第2の円形方向が異なる円形方向である、請求項99に記載のガス化装置。
【請求項101】
前記第1の円形方向が時計回り又は反時計回りの一方であり、前記第2の円形方向が時計回り又は反時計回りの他方である、請求項99に記載のガス化装置。
【請求項102】
前記第1の電極アセンブリは、前記アノード電極先端から前記カソード電極先端までの線が前記反応ゾーンを二等分するように、前記第2の電極アセンブリから前記反応ゾーンを直接横切って配置されている、請求項99に記載のガス化装置。
【請求項103】
前記第1の電極アセンブリ表面が電極コアであり、前記第2の電極アセンブリ表面が電極コアである、請求項99に記載のガス化装置。
【請求項104】
前記第1の電極アセンブリ表面が前記第1の作動ガス通路の内面であり、前記第2の電極アセンブリ表面が前記第2の作動ガス通路の内面である、請求項99に記載のガス化装置。
【請求項105】
前記第1の電極アセンブリ表面は、前記第1の作動ガス通路の電極コア又は内面のうちの一方であり、前記第2の電極アセンブリ表面は、前記第2の作動ガス通路の電極コア及び内面のうちの他方である、請求項99に記載のガス化装置。
【請求項106】
前記第1の溝セットが第1ピッチを有し、前記第2の溝セットが前記第1ピッチとは異なる第2ピッチを有する、請求項99に記載のガス化装置。
【請求項107】
前記第1の溝セット及び前記第2の溝セットが同じピッチを有する、請求項99に記載のガス化装置。
【請求項108】
前記外壁が長方形の反応ゾーンを形成する、請求項99に記載のガス化装置。
【請求項109】
前記外壁が円筒形の反応ゾーンを形成する、請求項99に記載のガス化装置。
【請求項110】
前記外壁が管状反応ゾーンを形成し、1つの電極アセンブリセットの前記電極アセンブリが前記管状端部に配置されている、請求項99に記載のガス化装置。
【請求項111】
ガス化装置であって、
処理される材料を受け取るための入力部と、
出力部と、
前記入力部と前記出力部との間に配置された1つ以上のプラズマユニットであって、各プラズマユニットが、
円筒形内部反応ゾーンを画定する環状外壁と、
前記環状外壁を通して配置された複数の電極アセンブリセットであって、電極アセンブリの各セットが、
アノード電極先端が前記反応ゾーンに曝露されたアノード電極を有する第1の電極アセンブリと、
カソード電極先端が前記反応ゾーンに曝露されたカソード電極を有する第2の電極アセンブリと、を含み、
前記第1の電極アセンブリ及び前記第2の電極アセンブリのそれぞれは更に、
(1)作動ガス通路と、
(2)前記反応ゾーンに曝露された第2の作動ガス出口と、
(3)作動ガスを渦巻き状に前記作動ガス出口から出させる作動ガスに曝露される電極アセンブリ表面上の1つの螺旋状溝セットと、を含み、
前記電極アセンブリセットの各々は、前記電極アセンブリの前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間の前記反応ゾーンにおいてアーク放電を引き起こすために、電力信号で前記アノード電極及び前記カソード電極に通電するための電源に接続され、
前記電極アセンブリセットは、対向して配置された複数の電極アセンブリセットを生成するように、前記プラズマユニットの前記環状外壁の周りに配置され、対向して配置された電極アセンブリの各セットは、互いから前記反応ゾーンを直接横切って配置された同じ電極アセンブリセットからの2つの電極アセンブリを含むか、又は互いから前記反応ゾーンを直接横切って配置された異なる電極アセンブリセットからの2つの電極アセンブリを含む、複数の電極アセンブリセットと、を含む、1つ以上のプラズマユニットと、を備える、ガス化装置。
【請求項112】
前記対向して配置された電極アセンブリセットのうちの少なくとも1つが、前記対向して配置された電極アセンブリのうちの第1の電極アセンブリ内に、前記作動ガスを第1の円形方向に流す第1の溝セットを含み、前記対向して配置された電極アセンブリのうちの第2の電極アセンブリ内に、前記作動ガスを前記第1の円形方向とは異なる第2の円形方向に流す第2の溝セットを含む、請求項111に記載のガス化装置。
【請求項113】
前記第1の円形方向が時計回り又は反時計回りの一方であり、前記第2の円形方向が時計回り又は反時計回りの他方である、請求項112に記載のガス化装置。
【請求項114】
対向して配置された電極アセンブリの特定のセットの前記電極アセンブリのうちの第1の電極アセンブリの前記電極アセンブリ表面が電極コアであり、対向して配置された電極アセンブリの前記特定のセットの前記電極アセンブリのうちの第2の電極アセンブリの前記電極アセンブリ表面が電極コアである、請求項111に記載のガス化装置。
【請求項115】
対向して配置された電極アセンブリの特定のセットの前記電極アセンブリのうちの第1の電極アセンブリの前記電極アセンブリ表面が、流体ガス通路の内面であり、対向して配置された前記電極アセンブリの特定のセットの電極アセンブリのうちの第2の電極アセンブリの電極アセンブリ表面が、流体ガス通路の内面である、請求項111に記載のガス化装置。
【請求項116】
対向して配置された電極アセンブリの特定のセットの前記電極アセンブリのうちの第1の電極アセンブリの前記電極アセンブリ表面が、前記流体ガス通路の内面であり、対向して配置された電極アセンブリの前記特定のセットの前記電極アセンブリのうちの第2の電極アセンブリの前記電極アセンブリ表面が、電極コアである、請求項111に記載のガス化装置。
【請求項117】
対向して配置された電極アセンブリの特定のセットの前記電極アセンブリのうちの第1の電極アセンブリの前記溝セットと、対向して配置された電極アセンブリの前記特定のセットの前記電極アセンブリのうちの第2の電極アセンブリの前記溝セットとが、同じピッチを有する、請求項111に記載のガス化装置。
【請求項118】
材料を処理する方法であって、
反応チャンバ内で処理される入力材料を受け取ることと、
1つの対向して配置された電極アセンブリセットのそれぞれから前記反応チャンバに作動ガスを供給することであって、前記対向して配置された電極アセンブリセットは、第2の電極アセンブリから前記反応チャンバを横切って直接配置された第1の電極アセンブリを含み、前記対向して配置された電極アセンブリセットのそれぞれから前記反応チャンバに入る前記作動ガスに渦を誘導することを含む、ことと、
1つの電極セットに電力信号を通電することであって、前記1つの電極セットはアノード電極及びカソード電極を含み、前記アノード電極及び前記カソード電極のそれぞれは前記反応チャンバに曝露された電極先端を有する、ことと、
前記反応チャンバ内で前記アノード電極先端と前記カソード電極先端との間に電気アークを生成して、前記反応チャンバ内の前記作動ガスを電気アークに曝露してプラズマを生成することと、を含み、
前記対向して配置された電極アセンブリのそれぞれから前記反応チャンバに入る前記作動ガスに渦を誘導することは、前記第1の電極アセンブリから第1の円形方向に前記作動ガスに渦を誘導することと、前記第2の電極アセンブリから第2の円形方向に前記作動ガスに渦を誘導することとを含み、前記第1の円形方向は前記第2の円形方向とは異なる、方法。
【請求項119】
前記対向して配置された電極アセンブリセットのそれぞれから前記反応チャンバに入る前記作動ガスに渦を誘発することが、前記作動ガスを螺旋状溝付き電極アセンブリ表面に押し付けることを含む、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記対向して配置された電極アセンブリセットのそれぞれから前記反応チャンバに入る前記作動ガスに渦を誘発することが、前記作動ガスを螺旋状溝付き電極コアに押し付けることを含む、請求項118に記載の方法。
【請求項121】
前記対向して配置された電極アセンブリセットのそれぞれから前記反応チャンバに入る前記作動ガスに渦を誘発することが、前記電極アセンブリ内の作動ガス通路の螺旋状溝付き内面に対して前記作動ガスを押し当てることを含む、請求項118に記載の方法。
【請求項122】
前記対向して配置された電極アセンブリセットのそれぞれから前記反応チャンバに入る前記作動ガスに渦を誘発することが、前記第1の電気アセンブリ内の螺旋状溝付き電極コアに対して前記作動ガスを押し付けることと、前記第2の電極アセンブリ内の作動ガス通路の螺旋状溝付き内面に対して前記作動ガスを押し付けることとを含む、請求項118に記載の方法。
【請求項123】
前記対向して配置された電極アセンブリセットのそれぞれから前記反応チャンバに入る前記作動ガスに渦を誘発することが、前記第1の電極アセンブリ及び第2の電極アセンブリのそれぞれにおける螺旋状溝付き電極アセンブリ表面に対して前記作動ガスを押し当てることを含み、前記第1の電極アセンブリの前記螺旋状溝付き電極アセンブリ表面は、前記第2の電極アセンブリの前記螺旋状溝付き電極アセンブリ表面と同じピッチを有する、請求項118に記載の方法。
【請求項124】
前記対向して配置された電極アセンブリセットのそれぞれから前記反応チャンバに入る前記作動ガスに渦を誘発することが、前記第1の電極アセンブリ及び第2の電極アセンブリのそれぞれにおける螺旋状溝付き電極アセンブリ表面に対して前記作動ガスを押し付けることを含み、前記第1の電極アセンブリの前記螺旋状溝付き電極アセンブリ表面が、前記第2の電極アセンブリの前記螺旋状溝付き電極アセンブリ表面とは異なるピッチを有する、請求項118に記載の方法。
【請求項125】
前記電極セットを電力信号で通電することが、前記第1の電極アセンブリ内に配置された前記アノード電極を通電することと、前記第2の電極アセンブリ内に配置された前記カソード電極を前記電力信号で通電することとを含む、請求項118に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年12月1日に出願された「Hybrid Plasma Jet and Plasma Arc System」と題する米国仮特許出願第63/285,076号、2021年12月7日に出願された「Multi-Arc Plasma System for Use in Producing Carbon Nano-Structures and Cracking Hydrocarbons」と題する米国仮特許出願第63/286,681号、2022年1月4日に出願された「Opposed Working Gas Flows for Plasma Arc Electrodes」と題する米国仮特許出願第63/296,209号、及び2022年11月17日に出願された「Plasma/Ionic Reactor for Processing PFAS」と題する米国仮特許出願第63/426,110号の35 U.S.C.§119(e)の下での利益を主張する。これらの各々の開示全体は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本特許は、一般に、プラズマアーク若しくはイオン反応器及び/又はガス化装置システムに関し、より詳細には、合成ガスなどの様々な生成物を生成するために不均質材料をガス化するために使用される先進型プラズマアーク又はイオン反応器に関する。
【背景技術】
【0003】
プラズマは、一般に、励起された中性粒子だけでなく、等しい数の正イオン及び電子を含む荷電粒子の集まりとして定義される。プラズマは、ガスのいくつかの特性を示すが、電気の良導体でもあり、磁場によって影響を受ける可能性がある。プラズマを発生させる1つの方法は、ガスを電気アークに通すことである。アークは、抵抗及び放射加熱によってガスを数分の1秒以内に非常に高い温度に加熱する。本質的に、任意のガスを使用して、このような方法でプラズマを生成することができる。したがって、不活性ガス又は中性ガス(例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、又は窒素)を使用することができる。プラズマがどのように利用されるかに応じて、還元ガス(例えば、水素、メタン、アンモニア、又は一酸化炭素)も使用することができ、酸化ガス(例えば、酸素又は二酸化炭素)も使用することができる。
【0004】
公知であり、プラズマトーチ、プラズマジェット及びプラズマアーク反応器と共に又はそれらの一部として使用されてきたプラズマ発生器は、一般に、作動ガス中に放電を生成してプラズマを生成する。プラズマ発生器は、直流(DC)プラズマ発生器、交流(AC)プラズマ発生器、無線周波数(RF)プラズマ発生器、及びマイクロ波(MW)プラズマ発生器として形成されてきた。RF源又はMW源で生成されたプラズマは、誘導結合プラズマと呼ばれる。例えば、RFタイプのプラズマ発生器は、RF源と、作動ガスを取り囲む誘導コイルとを含む。発生源から誘導コイルに送られたRF信号は、プラズマを生成するために誘導結合によって作動ガスのイオン化をもたらす。DCタイプ及びACタイプの発生器は、2つ以上の電極(例えば、アノード電極及びカソード電極)を含み得、それらの間に電圧が印加される。ガスがプラズマ状態を得るように、周囲のガスを加熱しイオン化するために、電極間にアークが形成されてもよい。次に、得られたプラズマを特定の処理用途に使用することができる。
【0005】
プラズマ発生器を使用するプラズマ反応器又はイオン反応器は、典型的には、プラズマジェット反応器及びプラズマアーク反応器を含む2つのタイプがある。プラズマジェット反応器(典型的にはプラズマトーチと呼ばれる)において、アークは、トーチ本体内で互いに近接して配置されたカソード電極とアノード電極との間に生成される。次いで、作動ガスがアークを通過し、その中でプラズマのプルーム又は火炎が生成され、次いで、このプルーム又は火炎が、高温プラズマの流れとしてトーチの出力部から、典型的には反応チャンバ内に放出される。プラズマアーク反応器において、カソード及びアノードは、ある種の反応チャンバを横切って、すなわち反応チャンバの両側に離れて配置されている。作動ガスは、カソード及び/又はアノードを通過して、又はそれらの間を流れて、これらの要素を冷たく保つように導入されてもよい。これらのシステムでは、カソード電極とアノード電極との間に生成され、閉じ込められないアークが、電極間の反応チャンバ内で作動ガスをプラズマに変換する。プラズマジェット反応器及びプラズマアーク反応器の両方は、用途に応じて利点及び欠点を有する。それにもかかわらず、両方のタイプのプラズマ反応器は、化学処理又は材料処理に対応するために材料化合物の高温加熱に使用することができる。そのような化学的処理及び材料処理は、有害物質の還元及び分解を含み得る。他の用途では、金属又は金属合金などの所望の材料を、所望の材料を含む化合物から抽出するのを助けるために、プラズマ反応器が利用されてきた。
【0006】
しかしながら、プラズマ発生器又はプラズマ反応器を利用する処理用途は、しばしば特殊化される。その結果、関連するプラズマ反応器は、反応器が置かれる特定の用途によって要求される非常に特異的な基準に従って設計及び構成される必要がある。このような特殊な設計は、有用性が限られた装置をもたらすことが多い。言い換えれば、特定の作動ガスを使用して特定のタイプの材料を処理するように構成されたプラズマ反応器は、異なる作動ガスを使用して異なる材料が処理される他の処理での使用には適さない可能性が高い。
【0007】
米国特許第10,208,263号は、処理される材料が流れる円形又は円筒形の反応チャンバ又は処理チャンバ内で、反応チャンバを取り囲む、円周方向に配置された1つの電極セットを使用して電気アークを発生させる、改良されたプラズマガス化装置システムを記載している。このシステムの電極の動作は、反応チャンバ内に電気アークを生成し、したがって、このシステムは、1つ以上の電気アークと、チャンバ内で処理される材料との間の直接接触を可能にし、以前から知られているプラズマ反応器よりも、処理される材料のより良好な加熱を提供する。より具体的には、’263特許は、主に一酸化炭素(CO)及び水素(H2)から構成される合成ガスを生成するためのバイオマス及び非バイオマス可燃性材料のガス化を含む工業用途のためのモジュール式DC-DCプラズマ反応器を記載している。プラズマ反応器は、材料処理のために調整された長い滞留時間を有する大きな均一な高温(7,000ケルビンを超える)プラズマを生成する。プラズマ反応器は、モジュール式プラズマユニット内で互いに半径方向に対向して配置された長い電極を有し、電極は反応チャンバの周りに円周方向に配置されている。プラズマユニットは、細長いプラズマゾーンを形成するように積み重ねることができる。結果として、処理される材料は、1つのモジュール式プラズマユニットから次のモジュール式プラズマユニットへと連続的に流れることができ、最下部のモジュール式プラズマユニットが最も明るいプラズマ照明を生成するように、上流のプラズマユニットから下流のプラズマユニットへのエネルギーカスケード効果を生成する。更に、プラズマユニットの各々は、アクセスポートを通してアクセス可能な内部プラズマゾーンを画定する。電極アセンブリは、アクセスポート内に延在し、電極アセンブリの各々は、選択された挿入深さで内部プラズマゾーン内に位置付けられる電極先端を有する。各電極先端は、供給される作動ガスのためのガス導管が管状支持ジャケットの少なくとも一部を取り囲むように、管状支持ジャケット内に取り付けられる。アークが電極先端で生成されると、作動ガスがガス導管を通って流れ、アークに向けられ、内部反応又はプラズマゾーン内でプラズマを生成する。
【0008】
更に、このシステムは、調整可能な制御を有し、反応チャンバ内で生成されるプラズマに関して改良された柔軟性を提供し、生成されるプラズマ体積は、プラズマ相互作用を最適化するように容易に調整及び規定され得る。更に、米国特許第10,926,238号は、例えば、’263システムで使用されて、その中で使用される電極の改良された冷却及び制御を提供し得る、改良された電極アセンブリを説明する。
【発明の概要】
【0009】
本明細書で説明されるハイブリッドプラズマ反応器又はイオン反応器は、プラズマジェット反応器及びプラズマアーク反応器の両方の基本構成要素を含み、これらの構成要素は、反応チャンバ内の材料の処理を著しく増加させるように、反応チャンバ内に高温イオンガス及び電気アークを提供するように同時に動作する。ある場合には、ハイブリッドプラズマ反応器システムは、反応チャンバ内に延在する対向電極の1つ以上のセットと、チャンバの上部など、チャンバの別の側に配置されたプラズマトーチとを含む。対向電極は、反応チャンバ内で処理される材料と直接接触して反応チャンバ内でアーク放電及びプラズマガスの生成を引き起こすように動作し、プラズマトーチは、追加のプラズマ(プラズマトーチ内で生成される)を生成し、反応チャンバ内に向けるように動作する。このようにして、作動材料は、アーク電極によって生成されたアーク放電及びプラズマ、並びにプラズマトーチによって生成されたプラズマにさらされ、処理される材料が反応チャンバ内で曝露される熱及びイオン活性が増大する。プラズマトーチは、反応チャンバ内で追加のプラズマ反応及びイオン反応を提供するために、アーク電極によって生成されたアーク放電に概ね一致するように、又はそれに概ね垂直若しくは直交するように、チャンバ内にプラズマを注入することができる。
【0010】
更に、本明細書に記載の改良されたプラズマ反応器又はイオン反応器は、アークが一対の電極のアノードとカソードとの間を運動する反応チャンバ又はプラズマチャンバの中心に、より大きな領域を生成するように動作する独特の方法で反応チャンバの周りに配置されたアーク電極の複数のセットを使用し、アークが存在する反応ゾーンのサイズを効果的に増加させる。一般に、電気アークはサイズ又は断面が比較的小さいので、特定のアークに直接曝露される反応チャンバ内の面積は比較的小さくなり得る。改良されたプラズマ反応器又はイオン反応器は、電極によって生成されるアークが必ずしも反応チャンバの中心を通って運動せず、電極の異なるセットによって生成されるアークがチャンバを通る様々な異なる経路上で反応チャンバを通って運動し、チャンバ全体にアークをより良好に分配するように、様々な対の電極のアノード及びカソードを互いに対して鋭角、90度又は鈍角などの180度以外の角度で配置することによって、プラズマチャンバ又は反応チャンバ内に拡大されたアーク放電領域を生成し、それらの領域内の温度を上昇させるように動作する。反応チャンバ全体にわたってより均一にアークを分配することは、チャンバを通って流れる材料の、より良好な又はより均一な処理と、材料が通過するより大きな活性反応ゾーンとを提供し、炭素ナノ粒子の生成などの新しい目的のためにチャンバを使用することを可能にする。
【0011】
更に、改良されたプラズマ反応器又はアーク反応器は、電極を冷却するために使用される作動ガス又は冷却ガスを、渦を巻いて流れるような仕方で反応チャンバ内に導入し、反応チャンバ内に閉じ込められた又は方向付けられたガスの流れの生成を助ける構造を含む。この方向付けられたガスの流れは、アーク放電に応答してイオン化し、流れの渦は、ガスが急速に分散するのを防ぎ、ガスをより長い期間にわたってアーク放電に曝露し、ガスのイオン化を促進する。次いで、イオン化されたガスは、チャンバ内での材料の処理を助ける。作動ガスを閉じ込められた流れに保つのを助けるために、作動ガスがプラズマチャンバ又は反応チャンバ内に流入するときに、渦の中心軸がアークの経路に沿って配向されるように、回転渦が作動ガス内に生成される。しかしながら、カソード電極及びアノード電極がプラズマチャンバの正反対の側に配置されている場合、これらの電極の各々によって放出されるガスに同じ回転渦を適用することは、2つの渦がプラズマチャンバ又は反応チャンバの中心で交差するときに、2つの渦を反対方向にスピンさせる。この相互作用は、ガスの流れが相互作用するときにガス渦の反対のスピンが渦を互いに相殺させ、次に作動ガスをより迅速に分散させるので、チャンバ内のアーク柱に対して著しい不安定性をもたらす可能性がある。本明細書に記載される改良されたプラズマ反応器又はイオン反応器は、異なる電極からの作動ガスを反応チャンバ内に放出して、これらのガスが反対方向の渦を有するようにすることができ、作動ガスが反応チャンバ内で建設的に追加されることが可能になり、反応チャンバを通るより良好な又はより方向付けられたガスの流れ及び反応チャンバ内でのアーク放電が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】反応チャンバを形成するために互いに隣接して積み重ねられた複数のプラズマユニットを含むプラズマガス化装置又はイオンガス化装置の例示的な実施形態の正面図である。
【
図2】
図1のプラズマガス化装置の例示的な実施形態において使用されるプラズマユニット又はイオンユニットの選択的断面上面図である。
【
図3】
図1のプラズマガス化装置の例示的な実施形態において使用されるプラズマユニットの部分斜視図である。
【
図4】
図1のプラズマガス化装置内で使用され得る例示的な電極アセンブリの断面図を示す。
【
図5】
図4の電極アセンブリ内の管状支持ジャケットの第1の構成を示す。
【
図6】
図4の電極アセンブリ内の管状支持ジャケットの第2の構成を示す。
【
図7】垂直構成のハイブリッドプラズマジェット及びプラズマアークシステムを有するプラズマモジュールを示す概略図である。
【
図8】
図1のプラズマ反応器と同様のプラズマ反応器を有し、プラズマ反応器の上部に垂直に配置されたプラズマトーチを含むハイブリッドプラズマ反応器又はイオン反応器の斜視部分断面図である。
【
図9】横方向構成のハイブリッドプラズマジェット及びプラズマアークシステムを有するプラズマモジュールを示す概略図である。
【
図10】第1のオフセット電極配置を含む、
図1のガス化装置のプラズマユニットの概略上面図である。
【
図11】第2のオフセット電極配置を含む、
図1のガス化装置のプラズマユニットの概略上面図である。
【
図12】第3のオフセット電極配置を含む、
図1のガス化装置のプラズマユニットの概略上面図である。
【
図13】第4のオフセット電極配置を含む、
図1のガス化装置のプラズマユニットの概略上面図である。
【
図14】第5のオフセット電極配置を含む、
図1のガス化装置のプラズマユニットの概略上面図である。
【
図15】
図10のプラズマユニットを有するプラズマガス化装置を使用してメタンを分解するための第1の試験結果セットを示す。
【
図16】
図10のプラズマユニットを有するプラズマガス化装置を使用してメタンを分解するための第2の試験結果セットを示す。
【
図17】渦を有する作動ガスを円筒形反応チャンバ内に導入するように構成された単一のアーク電極セットを有する単純なプラズマモジュール又はユニットを示す概略図を示す。
【
図18】反応チャンバ内に導入される作動ガス内に渦を誘起するためにアーク電極の外面上に形成された溝を有するプラズマアークシステムの第1の例示的な実施形態の断面の概略図を示す。
【
図19】反応チャンバ内に導入される作動ガス内に渦を誘起するためにアーク電極本体の内面上に形成された溝を有するプラズマアークシステムの第2の例示的な実施形態の断面の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1~
図3は、基本的なプラズマガス化装置又はイオンガス化装置10を示しており、プラズマガス化装置又はイオンガス化装置10をより効率的にし、及び/又はより良好な材料処理を実行し、及び/又はガス化装置10を広範囲の材料又は用途の処理に適用可能にするために、本明細書に記載される改良が実施され得る。
図1を参照すると、プラズマガス化装置又はイオンガス化装置10は、ガス化装置10の入力部13に導入される入力材料12を処理して、ガス化装置10の出力部15から放出される出力材料14を生成する。出力材料14は、例えば、合成ガス及び/又は本明細書に記載される他の材料であってもよい。
図1に示すように、プラズマガス化装置10は、互いに直列に積み重ねられた(すなわち、各ユニット16の中心を通る長手方向軸に沿って整列された)1つ以上の円形プラズマユニット16を含み、各プラズマユニット16は、円形(断面)形状の外側リングから形成され、円筒形内部空間が外側リングの中央に画定されている。この内部空間は、ガス化装置10内のプラズマゾーン又は反応ゾーン18を構成する。更に、各プラズマユニット16は、その外壁を通って反応チャンバ18内に延在する電極20の1つ以上のセットを有する。電極20の各セットは、プラズマユニット16の中心に向かって半径方向に延びるアノード電極及びカソード電極を含む。電極20の各セットは、様々な適用可能な導体又は電気コネクタによって、作動ガス供給源22、冷却剤供給源24、及び電源26に結合される。一般的に言えば、作動ガス供給源22は、各電極20に作動ガスを供給し、このガスは、本明細書でより詳細に説明するように、電極を通って輸送され、電極から反応チャンバ18内に放出される。この作動ガスは、電極20の電極先端を冷却するのを助け、更に、反応チャンバ18内の電極20によって生成される高電界及びアーク放電にさらされ、その結果、イオン化して反応チャンバ18内にプラズマを生成する。冷却剤供給源24は、電極20に冷却剤を供給して、使用中に電極20が過熱しないようにするのを助ける。この冷却剤は、再循環され、冷却剤供給源24内で冷却されて、閉鎖冷却剤ループを形成することができる。加えて、各電極アセンブリ20のための冷却剤は、高圧ポンプを介して供給されてもよい。本明細書でより詳細に説明されるように、電極又は電極先端を冷却した後、冷却剤は、電極アセンブリ20を出て、リザーバ(図示せず)内に貯蔵され得る。淡水を利用できるリザーバ内の冷却剤は、ポータブル水熱交換器等の冷却ユニット(図示せず)によって低温に保たれてもよい。別の実施形態では、淡水を利用できない場合、冷却ユニットは、化学ベースの冷却装置又は任意の他の冷却ユニットであり得る。
【0014】
更に、電源26は、各電極対20のアノードとカソードとの間にアーク放電を生成するのに十分な電力(例えば、電圧及び電流)で電極に電力を供給する。電源26は、例えば、1相又は3相AC電力を電極20に供給することができるAC電源であってもよく、又はDC電源であってもよい。別個の電源26が、電極20の各セット若しくは対に提供されてもよく、ある組み合わされた電源が、多極電極対20に電力を提供してもよい。しかしながら、電極20の各対に送られる電力信号は、電極20の他の対又はセットに送られる電力信号から電気的に絶縁されてもよい。更に、電極アセンブリ20は水冷ケーブルを介して電源26に接続されてもよく、電極アセンブリ20のための冷却経路及び電流経路の両方を提供する。
【0015】
1つのプラズマユニット16を使用することができるが、性能は、外壁又はリングが長手方向に整列するように、互い又は隣に積み重ねられた複数のプラズマユニット16を使用することによって、性能を最適化できる。例えば、
図1において、プラズマガス化装置10は、細長い管状又は円筒状の反応ゾーン18を形成する4つの積み重ねられたプラズマユニット16を含むものとして示されている。しかしながら、プラズマガス化装置10は、1つだけを含む、任意の数又は複数の積み重ねられたプラズマユニット16を有し得ることを理解されたい。プラズマユニット16を積み重ねることによって、プラズマゾーン又は反応ゾーン18は、ガス化装置10の長手方向軸に沿って長くなり、この細長い空間又は反応チャンバ18によって、プラズマガス化装置10の反応チャンバ18に導入される流入材料12の処理時間を延長又は増加させることができる。流入材料12は、ガス化装置10の入力部13から出力部15に運動するときに、異なるプラズマユニット16のそれぞれを順に流れるからである。更に、複数のプラズマユニット16を互いに隣接して(例えば、上に)積み重ねることによって生成されるモジュール構成は、オペレータが、プラズマガス化装置10の全体的な温度プロファイルを達成するために、プラズマユニット16の各々における、例えば、電極20における電力設定を別々に操作することを可能にする。オペレータ又は設計者は更に、モジュール式プラズマユニット16を追加又は削除して、特定のクラスの流入材料12の完全なガス化のための所望の滞留時間を達成することができる。
【0016】
図1のプラズマユニット16のうちの1つの長手方向図を示す
図2により明確に示すように、各プラズマユニット16は、内壁30及び外壁32を備える環状本体28を有する。内壁30は、中央プラズマゾーン又は反応チャンバ34(例えば、
図1の反応チャンバ18の一部を構成する)を画定する。内壁30は耐火性であり、著しい劣化なしにプラズマの熱を封じ込めることができる。内壁30の好ましい材料はグラファイトである。しかしながら、特定の耐火性セラミックを使用することもできる。内壁30と外壁32との間にはギャップ空間36が存在する。ギャップ空間36には、高温セラミック繊維などの断熱材38が充填されている。1つの実施形態において、絶縁体38(例えば、セラミック繊維)は、ジルコニア繊維であってもよいが、これに限定されない。代替的に及び/又は付加的に、粒状砂及び/又は粒状酸化物材料を絶縁体38として使用することができる。セラミック繊維又は粒状酸化物材料は、粒状酸化物及び/又はセラミック繊維ブランケットがその中にかなりの空隙を有する非常に低密度の充填材料を構成するので、従来の固体の高密度ブロック状酸化物絶縁体に対してかなりの利点を有する。これらの空隙は、非常に低い熱伝導性を有し、優れた断熱特性を有する。非常に低密度の断熱材料は更に、ガス化装置10の全重量を低減する。
【0017】
いずれにしても、環状体28及び中央プラズマゾーン34は、プラズマユニット16が積み重ねられたときに同心円状に整列する。更に、各プラズマユニット16の中央プラズマゾーン34は、複数のアクセスポート40を介してアクセス可能である。好ましくは、各プラズマユニット16は、少なくとも8つのアクセスポート40を含むが、より多い又はより少ないアクセスポート40を含む任意の他の数のアクセスポートを使用することができる。アクセスポート40の各々は、反応チャンバ34内で生成されるプラズマの熱場内の完全性を維持することができる、セラミック材料などの耐火材料のスリーブで裏打ちされる。更に、各アクセスポート40は、その中に電極42を挿入又は保持するために使用され得る。したがって、各プラズマユニット16内に少なくとも2つのアクセスポート40を有し、偶数のアクセスポート40を設けることが好ましいが、これは厳密には必要ではない。更に、1つ以上のアクセスポート40は、反応チャンバ34内の反応の測定又は観察を提供するために、ある種のセンサを格納又は挿入するために使用されてもよい。
【0018】
各プラズマユニット16のアクセスポート40の大部分は、電極又は電極アセンブリ42を受け入れる。電極アセンブリ42の各々は、厳密な公差でアクセスポート40内を通過するようにサイズ決めされた絶縁体によって取り囲まれている。公差は、絶縁体とアクセスポート40の内部との間に、プラズマガス化装置10からプラズマを漏出させ得る有意なギャップが存在することを防止する。後でより詳細に説明されるように、電極アセンブリ42の各々は、電極先端46及びガス導管47(
図2の1つの電極42において点線のレリーフで示される)を含む。電極先端46は、中央プラズマゾーン34内に延在し、動作中に別の電極先端46と共にアークを生成する。ガス導管47は、
図1の作動ガス供給源22からの作動ガスをプラズマゾーン又は反応ゾーン34に導入し、この作動ガスは、2つの電極の先端46の間に生成されたアークによってプラズマに変換される。電極アセンブリ42の各々は、
図1の冷却剤供給源24からの冷却剤によって冷却される。更に、電極アセンブリ42の各々は、電力(電圧及び/又は電流)を受け取るために
図1の電源26に結合されることが理解されるであろう。
【0019】
一般的に言えば、各プラズマユニット16は、2セットの電極アセンブリ42を受け入れる。したがって、各プラズマユニット16は、存在するアクセスポート40の数に応じて、2つ、4つ、6つ、8つ、又はそれ以上の電極アセンブリ42を受け入れることができる。電極アセンブリ42の第1のセットの電極は、中央プラズマゾーン又は反応チャンバ34の両側の第1の位置P1及び第2の位置P2に設定される。同様に、電極アセンブリ42の第2のセットの電極は位置P3及びP4に設定され、電極アセンブリ42の第3のセットの電極は位置P5及びP6に設定される。したがって、
図2の例では、電極アセンブリ42の3つのセットがあり、電極アセンブリ42のセットの各々は、1つのアノード電極及び1つのカソード電極を含む。しかしながら、電極アセンブリ42の任意の他の数のセットが、各プラズマユニット16上で使用され得、1セット、2セット、4セットなどを含む。
【0020】
電極アセンブリ42の第1のセットの位置P1、位置P2は、各プラズマユニット16内で、電極アセンブリ42の第2のセットの位置P3、位置P4に対して、及び電極アセンブリ42の第3のセットの位置P5、位置P6に対して半径方向又は円周方向に配置されている。第2のセットの電極アセンブリ42と第3のセットの電極アセンブリ42との間の分離角度は、
図1及び
図2では90度として示されている。第1のセットの電極アセンブリ42と第2のセットの電極アセンブリ42との間の分離角度は、45度として示されている。更に、第1のセットの電極アセンブリ42と第3のセットの電極アセンブリ42との間の分離角度も45度である。しかしながら、これらは例に過ぎず、電極アセンブリの異なるセット間の他の分離角度を使用することができる。
【0021】
図3は、電極アセンブリ42がアクセスポート40内に配置されている間に、電極42又は電極42の電極先端46を半径方向に反応チャンバ34の内外に往復運動させるための機械的駆動部又はアクチュエータに接続された電極アセンブリ42の構成の1つの実施例を示す。往復運動は、電極アセンブリ42の各々に取り付けられた対応する線形アクチュエータ48によって制御される。電極アセンブリ42の各セットは、互いに同期して又は独立して運動させることができる。単一のプラズマユニット16において、電極アセンブリ42の任意のセット間の分離(アークギャップ)は、これらの電極アセンブリ42をアクセスポート40の内外に運動させることによって調整できる。
【0022】
図1~
図3の例示的な実施形態では、3セットの電極アセンブリ42が、アクセスポート40を通して各プラズマユニット16に挿入される。好ましくは、この場合、残りのアクセスポート40の一方又は両方は、何らかのセンサ(例えば、温度センサ、圧力センサ、ビデオカメラなど)を保持するためなど、動作中のプラズマガス化装置10の観察のために使用される。もちろん、電極アセンブリ42は、観察のために使用されていないアクセスポート40に取り付けられる(挿入される)。更に、
図3に示されるように、電極アセンブリ42の各々は、アクセスポート40の内外への電極アセンブリ42の運動を制御する線形アクチュエータ48を有し、各線形アクチュエータ48は、ユーザが使用中に電極アセンブリ42の運動を制御することを可能にする制御機構又はコントローラに接続され得る。機械式又は線形アクチュエータ48は、電気アクチュエータ、油圧アクチュエータ、又は任意の他の所望のタイプの機械式又は線形アクチュエータであってもよい。
【0023】
動作中、1つ以上のアークは、(i)高電圧放電、(ii)高周波放電、又は(iii)1つの電極セットを互いに接触及び後退させることによって、各電極対のカソードとアノードとの間で点火され得る。アークを点火するために高電圧又は高周波放電が使用されるとき、電極42の1つのセットの電極先端46は、アクチュエータ48の動作などによって互いに非常に接近させられる。問題の電極アセンブリ42を支持する電源26が通電された後、高電圧又は高周波放電が、電極先端46間の中央プラズマゾーン34にわたって印加され、アークを点火する。
【0024】
アークを点火する接触及び後退の方法において、電極アセンブリ42の特定のセットからのアノード及びカソード電極先端46は、関連する電源26が通電された後、瞬間的に互いに接触させられる。スパークが発生するとすぐに、電極アセンブリ42は急速に引き離され、アークが点火される。更に、第1のアークが点火された後、電極アセンブリ42の第2のセットは、点火のために第1のアーク領域に運動され得る。電極アセンブリ42の第2のセットは、自己点火する前に、アーク内で数秒間の熱調整を必要とする場合がある。特に、熱調整は、電子の熱イオン放出が生じるのに十分な温度まで電極先端46を加熱するために必要とされ得る。同じプラズマガス化装置10内の異なるプラズマユニット16を使用して、組み合わされたアークシステムを形成することができる。この構成において、アークシステムは、単一のプラズマユニット16を使用して可能であるよりもはるかに高いエネルギー状態を達成するために、組み合わされたプラズマを加熱する際に互いを補完する。プラズマガス化装置10内の追加のプラズマユニット16を同じ方法で点火することができる。
【0025】
理解されるように、2つ以上のプラズマユニット16を有するプラズマガス化装置10の使用は、各関与するプラズマユニット16からの比較的低い入力電力を使用して、共通のプラズマゾーン又は反応チャンバ34内に非常に大きくてかなり高温のアークを発生させることができる。更に、プラズマユニット16を複製して互いに積み重ねることができる。このようにして、1つ以上のプラズマユニット16がアークを維持するとき、他のプラズマユニット16に流れ込むことができるフィールドフリー(電流及び電圧がない)高エネルギープラズマテールフレームが存在する。この場合、他のプラズマユニット16内の電極アセンブリ42は、テールフレーム内の放電を重ね合わせて再点火してアーク状態に戻すので、積み重ねられたプラズマユニット16は、非常に大きなエネルギー含量を有する非常に大きなプラズマ柱を生成する。プラズマユニット16のモジュール式の積み重ねられた構成は、上流ユニットからの「フィールドフリー」(電流及び電圧フリー)プラズマ火炎が、下流プラズマユニット16において放電を重畳することによって「フィールドアクティブ」(電流及び電圧アクティブ)アーク状態に再加熱されるように動作することができる。1つのプラズマユニット16から別のプラズマユニットへの正味のプラズマエネルギーの流れは、「エネルギーカスケード」と呼ばれ、下流のプラズマユニット16にエネルギーを加え、下流のプラズマユニット16がより低いエネルギー必要量で動作することを可能にする。
【0026】
図4は、本明細書に記載のガス化装置10で使用することができる例示的な電極アセンブリ42を示す。特に、電極アセンブリ42は電極先端46を含む。電極先端46は、中央プラズマゾーン又は反応チャンバ34内に延在し、異なる電極アセンブリ42(
図4には図示せず)からの別の電極先端46と共にアークを生成する。電極アセンブリ42の各々は、好ましくは、タングステン、タングステン合金、又は何らかの他の高温導電性材料で作られる。電極先端46は、管状支持ジャケット49の端部に取り付けられており、管状支持ジャケット49は、導電性が高く、第1の端部49Aと反対側の第2の端部49Bとを有している。管状支持ジャケット49の第2の端部49Bは、電極先端46で終端し、電極先端46は、第2の端部49Bを封止するか、又は封止された第2の端部49Bに直接取り付けられる。管状支持ジャケット49の反対側の第1の端部49Aは、電源26(
図1)に接続された電極ベース50に結合され、電極ベース50は電源26から電流を受け取る。電極ベース50で受け取られた電流は、電極ベース50を通って管状支持ジャケット49内に運動する。次に、電流は管状支持ジャケット49の材料を通って電極先端46に流れる。
【0027】
管状支持ジャケット49は、内部区画又は空間51を画定する。冷却剤供給源24(
図1)からの冷却剤は、供給管52を通って内部区画51に導入される。供給管52は、電極先端46のすぐ手前で内部区画51内で終端する分配端部52Aを有する。この構成は、供給管52の分配端部52Aと電極先端46との間に、例えば5ミリメートルの小さなギャップ54を生成する。このようにして、供給管52を通して圧送される任意の冷却剤は、電極先端46に直接衝突し、電極先端46を直接能動的に冷却する。
【0028】
供給管52は、内部区画51の内径よりも小さい外径を有する。その結果、管状支持ジャケット49の内部と供給管52の外部との間に排出ギャップ56が存在する。この排出ギャップ56は、冷却剤が電極先端46に対して圧送された後に冷却剤を受け入れる。排出された冷却剤は、電極ベース50に戻され、電極ベース50は、冷却剤を冷却剤出口に導く1つ以上の導管58を含む。冷却剤は、電源26(
図1)から延びる電力ケーブル62の少なくともいくつかの部分を取り囲むことができる。このようにして、冷却剤は、電力ケーブル62を能動的に冷却することもできる。したがって、管状支持ジャケット49の内部区画51に出入りする冷却剤の流れは、動作中に電極先端46及び管状支持ジャケット49並びに電力ケーブル62を直接冷却する。
【0029】
絶縁ベース66と、細長い絶縁管68と、保護絶縁キャップ70とを含む絶縁体構造64が、管状支持ジャケット49を取り囲む。絶縁キャップ70は環状であり、中央開口72を画定する。管状支持ジャケット49は、絶縁キャップ70の中央開口72を通って延び、絶縁キャップ70のすぐ前方で電極先端46を支持する。絶縁キャップ70は、中央プラズマチャンバ又は反応チャンバ34(
図2)の高熱に曝露されるので、絶縁キャップ70は、好ましくは、この領域の高い動作温度に耐えることができるセラミック材料で作られる。絶縁ベース66も環状であり、管状支持ジャケット49の第1の端部49Aに近接して管状支持ジャケット49を取り囲む。細長い絶縁管68は、絶縁ベース66と絶縁キャップ70との間で管状支持ジャケット49の周りに延びている。絶縁ベース66及び細長い絶縁管68は、単一部品として製造することができ、2つの要素は、強化ガラス、セラミック、及び/又は耐高温ポリマーから成形される。
【0030】
細長い絶縁管68は、内側管状支持ジャケット49に接触しない。むしろ、ギャップ空間が細長い絶縁管68を管状支持ジャケット49から分離し、その中にガス供給導管74を形成する。同様に、絶縁キャップ70は管状支持ジャケット49に接触せず、その結果、ギャップが絶縁キャップ70を管状支持ジャケット49から分離し、その中でガス供給導管74に続く。ガス供給ライン76は、絶縁体構造体64の絶縁ベース66内に延び、作動ガス供給部22(
図1)をガス供給導管74に接続する。作動ガスが作動ガス供給源22からガス供給ライン76に流入すると、作動ガスはガス供給導管74に流入し、管状支持ジャケット49の長さに沿って流れ、その後、電極先端46を通過して反応チャンバ34に流入する。
【0031】
図4に示すように、保護カラー80が電極先端46の周りに取り付けられている。保護カラー80は誘電体であり、中央プラズマゾーン又は反応チャンバ34の高温環境において完全性を維持することができる。保護カラー80は、絶縁キャップ70に接続する第1の開放端部と、電極先端46の小端部又は近傍の第2の開放端部82とを有する。ガス供給導管74は、絶縁キャップ70を通って延び、保護カラー80と電極先端46との間で保護カラー80内に放出する。作動ガスは、保護カラー80に流入し、電極先端46の周りに閉じ込められ、電極先端46を通過して流れることによって中央プラズマゾーン又は反応チャンバ34に入ることができるだけであり、電極先端46はアークを形成する。このようにして、作動ガスが中央プラズマゾーン又は反応チャンバ34に入ると、作動ガスはアークによってプラズマに変わる。
【0032】
円筒形ケーシング84は、細長い絶縁管68の大部分を取り囲み、円筒形ケーシング84は、絶縁ベース66と絶縁キャップ70との間に挿入される。ガス供給導管74及び細長い絶縁管68は、円筒形ケーシング84を管状支持ジャケット49から分離する。円筒形ケーシング84は、熱伝導性の高い材料で作られており、中空である。円筒形ケーシング84の内部は、入力ポート86から出力ポート88へ円筒形ケーシング84を通って流れる冷却剤の流れによって冷却される。したがって、円筒形ケーシング84は、能動的に冷却されるヒートシンクとして機能し、断熱キャップ70から直接熱を吸収する。円筒形ケーシング84は更に、細長い絶縁管68を通過する熱を吸収する。最後に、円筒形ケーシング84は、断熱ベース66から熱を吸収する。したがって、動作中、管状支持ジャケット49は、内部区画51内を流れる冷却剤によって内部冷却され、円筒形ケーシング84を通って流れる冷却剤によって外部冷却されることが理解されるであろう。更に、ガス供給導管74内を流れる作動ガスは管状支持ジャケット49を冷却し、管状支持ジャケット49は次に電極先端46を冷却する。この能動的な冷却は、電極先端46の過熱を低減し、電極先端46の過剰な消耗及び浸食を防止する。更に、管状支持ジャケット49の高い伝導性は、接合抵抗加熱を低減し、アークを形成し維持する電子のより良好な熱電子放出のために、電極先端46において高いジュール加熱が生じることを可能にする。当然ながら、
図4に関して図示及び説明される電極アセンブリ42は、
図1のガス化装置10において使用される電極に電力、冷却剤、及び作動ガスを提供するために使用され得る電極アセンブリの1つの実施例であり、他の電極アセンブリが代わりに又は加えて使用され得る。例えば、本明細書に明示的に組み込まれる米国特許第10,208,263号の
図4に図示及び説明されている電極アセンブリを代わりに使用することができる。
【0033】
先に述べたように、
図4のガス供給導管74を出る作動ガスは、電極先端46の周りに円形に噴出される。しかしながら、プラズマ又はイオンガスの発生は、電極先端46の周りに存在する作動ガスが電極先端46から放射されるアークから分散しない場合に最も効果的である。作動ガスが密な流れの状態であることを確実にするのを助ける1つの方法は、ランダムな乱流ではなく、方向付けられた層流で作動ガスを放出することである。
図5及び
図6を参照すると、管状支持ジャケット49の外部に流路を設けることによって、層流プロファイルを作動ガス内に誘導し得ることが理解されよう。
図5は、直線流路94を示す。
図6は、螺旋状又は旋回状の流路96を示す。作動ガスが流路94、流路96上を流れるとき、作動ガスには、直線状であれ螺旋状であれ、方向付けられた流れが提供される。この方向付けられた流れは、使用される典型的な流量に対して層流又は渦巻き流となる傾向がある。更に、流路94、流路96を通る作動ガスの方向付けられた流れは、他の独特の性能特性を有する。特に、管状支持ジャケット49は、電極先端46のタングステン合金よりもはるかに良好な熱伝導性を有する銅合金から作製されてもよい。この場合、管状支持ジャケット49は、電極先端46に対するヒートシンクとして作用する。作動ガスが流路94、流路96を通って流れるとき、作動ガスは管状支持ジャケット49を冷却し、次に管状支持ジャケット49は電極先端46を冷却する。この構成は、電極先端46の過熱を低減し、電極先端46の過剰な消耗及び浸食を防止するのに役立つ。更に、管状支持ジャケット49の高い伝導性は、電極先端46内の接合抵抗加熱を低減し、アークを形成し維持する電子のより良好な熱イオン放出のために、電極先端46において高いジュール加熱が生じることを可能にする。
【0034】
図7~
図9は、1つのセットのプラズマアーク電極102と、反応チャンバ106に隣接して配置された1つ以上のプラズマトーチ104との両方を含むハイブリッドガス化装置システム100を示しており、プラズマ材料又はイオン材料を生成して反応チャンバ106に導入し、反応チャンバ106内で電気アークを発生させて、廃棄物からエネルギーへの変換、廃水分解、ナノ材料合成、及び水素を生成するメタン分解などの材料処理を向上させるようになっている。特に、
図7のハイブリッドガス化装置システム100は、アーク電極102に対して垂直構成で配置されたプラズマトーチ104を含む。したがって、プラズマトーチ104は、プラズマチャンバ又は反応チャンバ106に対して垂直に(例えば、上方に)配置されている。当然ながら、プラズマチャンバ又は反応チャンバ106のサイズに応じて2つ以上のプラズマトーチ16を使用することができ、プラズマトーチ104は、プルーム108が上方を向いている
図7の実施形態における電極102の下方など、アーク電極102に対して他の位置に配置することができる。いずれにしても、プラズマトーチ104は、アーク電極102によって反応チャンバ106内に導入されるか又は生成されるアーク放電及び/又は作動ガスの方向に直交する方向、例えば、垂直な方向に、プラズマ材料又はイオン材料をチャンバ106内に注入するように配置されている。理解されるように、
図7のプラズマトーチ104は、プラズマトーチ104から発し、プラズマチャンバ又は反応チャンバ106の中心を通る垂直経路内で下向き(又は上向き)に発射し、電極102間に形成される反応チャンバ106内の1つ以上のアーク110と相互作用又は交差し得る、プラズマジェット108を生成する。
【0035】
当然ながら、2セット以上のアーク電極102を
図7のシステム内に配置することができる。例えば、1~4セットのアーク電極102を使用することができるが、より多くのセットを使用することもできる。加えて、これらのアーク電極102は、
図1~
図6に関して本明細書で説明される電極のいずれかであり得る。この例では、アーク電極102は、プラズマチャンバ又は反応チャンバ106内に自由膨張アーク110を生成するために、横方向構成で配置されている。自由膨張アーク110は、プラズマトーチ104からの垂直プラズマジェット108と相互連結し、プラズマ(アーク電極102及びプラズマトーチ104の両方によって生成される)及び電気アーク(アーク電極102によって生成される)と一緒に、入力部(
図7には図示せず)を介して反応チャンバ106内に導入される材料の加熱及び処理を強化する。
【0036】
より具体的には、アーク電極102の各セットは、アノード電極及びカソード電極を含む。アーク電極102の様々な異なるセットのアノード電極とカソード電極との間でプラズマチャンバ又は反応チャンバ106にわたって生成される自由膨張アーク110は、プラズマチャンバ又は反応チャンバ106の中心を通過するプラズマジェット108と相互作用して、反応チャンバ106内にイオン化材料(例えば、ガス)を生成するための強力なイオン化源を提供する。このイオン化は、アーク電極102の様々な異なるセットによって生成される自由膨張アーク110の点火及び持続を容易にする。次に、自由膨張アーク110は、プラズマチャンバ又は反応チャンバ106内に電界を生成する。電界の存在により、プラズマジェット108の一部はアクティブアークとなり、プラズマジェットのその部分の温度を上昇させる。したがって、自由に膨張するアーク110は、電極作動ガスの供給なしに形成することができる。しかしながら、
図4に記載されるような電極構成を使用して自由膨張アーク110を形成するために、様々な作動ガス(複数可)がアーク電極102に供給され、そこから放出され得る。ハイブリッドプラズマジェット及びプラズマアークシステム100は、廃棄物からエネルギーへの変換、有害な固体廃棄物及び廃水分解、ナノ材料合成、水素を生成するためのメタン分解、並びに他のプラズマ処理用途のための高温環境を可能にするために、均一かつ高エネルギーの大容量プラズマ場を生成する。
【0037】
図8は、
図7の垂直プラズマトーチ構成を実装するハイブリッドガス化装置120の部分切り欠き斜視図を示す。ハイブリッドガス化装置120は、本質的に、
図7の垂直に取り付けられたプラズマトーチ104を含むように変更された
図1のガス化装置10である。同じ又は類似の構成要素を示すために、
図1~
図7で使用されているのと同じ又は類似の参照番号が
図8で使用されている。
図8に示すように、ハイブリッドガス化装置120は、電極アセンブリ20(
図1)又は電極アセンブリ42(
図2~
図6)がポート40(
図2~
図3に示すように)に取り付けられた状態で互いに垂直に積み重ねられた複数のプラズマユニット16を含み、電極アセンブリ42の特定のセットのアノード及びカソードがユニット16の両側に、すなわち電極が配置されたユニット16の周りに180度で配置され、電極42が反応チャンバ34内に半径方向に延びるようになっている。
図8のハイブリッドガス化装置120は、それぞれが3セットの電極42を有する3つのプラズマユニット16を含むものとして示されているが、より多くの又はより少ないプラズマユニット16を使用することができ、より多くの又はより少ないセットの電極42を各プラズマユニット16に配置することができる。更に、隣接するプラズマユニット16内の電極のセットは、互いに対して垂直線に取り付けられているように示されているが、異なるプラズマユニット16の様々な電極42は、任意の所望の角度(例えば、15度、20度、30度など)だけ隣接するプラズマユニット16内の電極からオフセットすることができる。
【0038】
同様に、
図8に示すように、プラズマトーチ104は、ハイブリッドガス化装置120の上部に取り付けられ、最上部のプラズマユニット16の上方又はそれよりも高い反応チャンバ34の上部に延在するか配置されている出力部122を有する。プラズマトーチ104は、作動ガス源に接続され、作動ガスを受け取る。典型的であるように、プラズマトーチ104(プラズマジェット反応器とも呼ばれる)は、トーチ104(
図8には図示せず)の本体内で互いに近接して配置されたカソード電極とアノード電極との間にアークを生成又は発生させる。次いで、作動ガスがアークを通過し、その中でプラズマの舌を生成し、次いで、この舌が、高温プラズマ108の流れとしてプラズマトーチ104の出力部122から、反応チャンバ34内に放出される。ここで、プラズマトーチ104内への作動ガスの流れに応じて、高温プラズマ108の流れは、反応チャンバ34の中心を通って(すなわち、プラズマユニット16の長手方向軸に対して長手方向に)下方に運動し、プラズマユニット16のうちの1つ以上の反応ゾーンと交差し、反応チャンバ34内に追加のプラズマ材料又はイオン材料を提供して、その中の材料を処理することができる。
【0039】
図8に示すように、処理される材料は、プラズマトーチ104の周囲又は近傍のガス化装置120の上部に配置された1つ以上の開口部又は入力部124を介して反応チャンバ34に導入されてもよい。しかしながら、ハイブリッドガス化装置120の処理材料入力部124は、ガス化装置120上の1つ以上の他の位置、例えば、ガス化装置120の第1の(最上部の)プラズマユニット16の上方の側部に配置されてもよい。処理される材料は、入力部124を介して導入されると、重力供給され、積み重ねられたプラズマユニット16の各々を通って反応チャンバ34を通って流れ落ちる。もちろん、この材料は、特に入力部124の近傍で、プラズマトーチ104によって生成されるイオンガスと接触又は相互作用し、反応チャンバ34内に延在する電極アセンブリ42の様々な対のアノード電極及びカソード電極の電極先端から発する、又は電極先端の間に形成される電気アーク(
図8のいくつかの場合に示される)と相互作用する。電極アセンブリ42がチャンバ34内に作動ガスも供給し、これもイオン化される(すなわち、プラズマを形成する)場合、処理される材料は更にこのプラズマと相互作用し、これらの全てが材料の加熱及び分解を助ける。したがって、理解されるように、プラズマトーチ104からのプラズマは、処理される材料と相互作用して材料を分解する追加の加熱及びイオン化ガスを提供する。同様に、プラズマトーチ104によって生成されたプラズマ流108は、チャンバ42内にプラズマ及び熱を提供することによって、始動中に電極42のセットのうちの1つ以上を点火するために使用され得る。この動作は、一対の電極アセンブリのアノード電極及びカソード電極を一緒に運動させるか、又は接触させてアーク活動を開始させる必要性を低減又は排除し得る。この動作は更に、電極42を介して反応チャンバ34内に作動ガスを提供する必要性を低減又は排除し得る。いずれにしても、処理される材料が、反応チャンバ34を通って(上から下へ)ほぼ垂直に運動し、プラズマトーチ104によって生成されたプラズマ、並びにプラズマユニット16のそれぞれの中の電極アセンブリ42の様々な対によって生成されたプラズマ及びアークにさらされた後、処理された材料は、ガス化装置120の底部(下方垂直端部)にある1つ以上の出力15を介して反応チャンバ34を出る。プラズマトーチ104は、入力部123の近傍に配置されているものとして
図8に示されているが、出力部15の近傍に配置され、底部から反応チャンバ34内に長手方向に延在し、反応チャンバ34の中心を通って上方に向けられたプラズマ(例えば、プラズマプルーム又は火炎)を排出又は放出することができる。
【0040】
ハイブリッドガス化装置の別の実施例として、
図9は、1つ以上のプラズマトーチ104がプラズマユニット16の外壁の周囲の横方向位置に配置され、本明細書で前述したようにプラズマユニット16に同様に取り付けられたアーク電極102と一緒に散在する横方向構成を有するガス化装置130の単純な概略図を示す。プラズマトーチ104は、プラズマチャンバ又は反応チャンバ34の中心に向かって横方向(半径方向)に発射するプラズマジェット108を生成し、アーク電極102は、自由膨張アーク110を生成する。プラズマジェット104は、自由膨張アーク110を点火するように動作することができ、更に、プラズマユニット16の中心に運動して、プラズマチャンバ34内に強力なイオン化源を提供する。このイオン化は、自由に膨張するアーク110の点火及び維持を容易にし、次に電界を生成する。プラズマチャンバ34内に電界が存在するため、プラズマジェット108の一部はアクティブアークになり、プラズマジェットのその部分の温度を上昇させる。自由に膨張するアーク110は、この場合、電極作動ガスの供給なしに形成することができる。あるいは、自由膨張アーク110を点火し、チャンバ34内に追加のイオン化材料を提供するために、本明細書で説明される方法で、様々な作動ガスをアーク電極102に供給することができる。
図9に示す横方向の構成は、1つの実施例では、1つ以上のプラズマトーチ104を
図2の1つ以上の未使用ポート40に取り付けて取得できることが理解されよう。更に、
図9の実施形態には単一のプラズマトーチ104のみが示されているが、複数の異なるプラズマトーチが単一のプラズマユニット16に取り付けられてもよく、及び/又は複数の異なるプラズマトーチ104が、例えば
図1の積み重ねられたプラズマユニット16のうちの異なるものに取り付けられてもよい。
【0041】
図7及び
図8の垂直ハイブリッド構成、並びに
図9の横方向ハイブリッド構成の両方は、廃棄物からエネルギーへの変換、有害な固体廃棄物及び廃水分解、ナノ材料合成、水素を生成するためのメタン分解、並びに他のプラズマ処理用途のための高温環境を可能にする、均一かつ高エネルギーの大容量プラズマ場を生成する。更に、これらのタイプのプラズマトーチ配置構成の両方は、本明細書でより詳細に説明されるオフセット電極構成(例えば、
図10~
図14)、非オフセット電極構成、及びガス渦誘導構成(例えば、
図17~
図19)のいずれかを含む、本明細書で説明される電極構成、間隔、及び配置のいずれかを有するハイブリッドガス化装置において実装されることができる。
【0042】
上述の実施形態の各々において、アーク電極20、アーク電極42、アーク電極102、アーク電極104の各セットは、プラズマユニット16の周りに配置され、半径方向内向きに向けられ、電極の各セット又は対のアノード電極及びカソード電極は、これらの2つの電極がプラズマユニット16の周りで円周方向に互いに180度オフセットするように、プラズマユニット16の反対側に配置されていることに留意されたい。その結果、これらの電極間を進行するアークは、反応チャンバ34の中心を通過する。もちろん、電極の2つ以上のセットがプラズマユニット16の周りにそのように配置されている場合、これらの電極のセットの各々からのアークは、反応チャンバ34の中心(又は中心の非常に近く)を通過する。反応チャンバ34の中心又はその近傍におけるこれらの複数のアークは、チャンバ34の中心近傍に非常に高温の領域を生成し、チャンバの中心における材料の重要な処理を提供する。この特徴は、いくつかの例において有益であり得る。しかしながら、この構成は、中央ではない反応チャンバ34の他の領域において、より少ないプラズマ及びアーク処理及び/又は熱をもたらす可能性がある。電極のセットのうちの異なるものからのアークを、チャンバの中心を通らない1つ以上の経路に従わせ、アーク及びプラズマ生成を反応チャンバ34全体にわたってより均一に分散させることが有益であり得る。この特徴は、材料がチャンバ34を通ってチャンバ34の中心で運動するか中心から外れて運動するかにかかわらず、チャンバ34内の材料のより均一な処理をもたらす。
【0043】
したがって、1つの実施形態では、本明細書で説明される改良されたプラズマ反応器又はイオン反応器は、反応チャンバ又はプラズマチャンバ34のより大きい面積にわたって電極の複数のセットからアークを分散させるように動作する様式で、反応チャンバの周囲に配置されている対向アーク電極の複数のセットを使用し、少なくとも1つのアークが存在する反応ゾーンのサイズを効果的に増加させる。次いで、この特徴は、少なくとも1つのアークが存在するプラズマチャンバ又は反応チャンバ内により多くの領域を生成し、反応の水平方向又は横方向断面全体にわたる温度プロファイルを増加させる。特に、反応チャンバ内のアーク放電プロファイルを反応チャンバ全体にわたってより均一になるように変化させるために、電極の様々な対のアノード及びカソードは、反応チャンバの外壁の周りに互いに対して180度以外の周方向角度で配置され、その結果、電極の特定の対のアノード及びカソードは、互いに対して鋭角(90度未満)又は鈍角(90度と180度との間)又は90度で配置されている。更に、電極の異なるセットのアノード及びカソードは、チャンバの周りで互いに並置されて、隣接する電極の極性を分散させる。その結果、電極によって生成されたアークの一部又は全部は、必ずしも反応チャンバの中心を通って直接進むわけではなく、チャンバの中心からオフセットされてチャンバを横切る。このようにして、電極の異なるセットによって生成されたアークは、チャンバを通る様々な異なる経路上で反応チャンバを通って運動し、アークを反応チャンバ全体にわたってより分配する。反応チャンバ全体にわたってより均一にアークを分配することは、チャンバを通って流れる材料の、より良好な又はより均一な処理を提供し、炭素ナノ粒子の生成などの新しい目的のためにチャンバを使用することを可能にする。
【0044】
1つの実施例として、
図10は、反応チャンバ内に、より良好なアークカバレッジを提供するために使用され得る第1のオフセット電極構成を示す。特に、
図10は、例えば
図1のプラズマユニット16のうちの1つであってもよいプラズマユニット212を有するガス化装置210の長手方向又は上部内面図を示す。この場合、プラズマユニット212は、その中に配置された4対のアーク電極216を含み、プラズマユニット212の壁は、プラズマチャンバ217を画定する。更に、アーク電極216のセット又は対は、プラズマユニット212の壁内に設置され、アーク電極216の各セットがカソード電極218及びアノード電極220を含むように設置される。
【0045】
より良好なプラズマアークの対称性及び安定性を達成及び維持するために、アーク電極216のセットは、各カソード電極が2つのアノード電極の間に円周方向に配置され、各アノード電極が2つのカソード電極の間に円周方向に配置されるように、交互極性構成で配列されている。したがって、電極216は、プラズマユニット112の周囲を回るにつれて極性が交互に変わる。図示された実施形態において、プラズマモジュール212は、4セットのアーク電極216を有し、4つのカソード電極218A、カソード電極218B、カソード電極218C、カソード電極218D及び4つのアノード電極220A、アノード電極220B、アノード電極220C、アノード電極220Dを有する合計8つの電極を提供する。電極216は、ユニット212の壁の周りに均等に配置され、したがって、それらの最も近い隣接電極から45度の角度だけ分離される。更に、アーク電極216の1つのセット内の2つの電極(アノード及びカソード)は、互いに対して特定の鈍角で配置され、この角度は
図10のシステムでは135度である。したがって、アーク電極216の配置は、8つの電極に対して完全な交互電極極性を達成するために特定の方向回転を具現化する。交互電極極性のこの配置は、非常に安定したアーク形成及びより均一な高温プラズマ場を有するプラズマアークシステム又はユニット210を生成する。
【0046】
図10に示すように、アーク電極216の4つのセットは、プラズマチャンバ217内に4つのアーク222を生成する。アーク電極216の「A」セットは、0度又は上部位置(
図10)に位置する第1のアノード電極220Aを有し、関連付けられた第1のカソード電極218Aは、第1のアノード電極220Aから135度の鈍角だけ時計回りにオフセットされる。理解されるように、電極218A及び電極220Aは、同じ電源によって電力供給される。
【0047】
更に、アーク電極216の「B」セットは、カソード電極218B及びアノード電極220Bを含む。カソード電極218Bは、第1のアノード電極220Aに隣接して配置され、そこから(時計回り方向に)45度オフセットされる。しかしながら、第2のアノード電極220Bは、第2のカソード電極218Bから反時計回り方向に135度オフセットされる。更に、電極218B及び電極220Bは、電極218A、電極220Aの「A」セットに電力を供給する電源とは異なる電源であってもよい、同じ電源によって電力供給される。
【0048】
更に、アーク電極216の「C」セットは、カソード電極218C及びアノード電極220Cを含む。第3アノード電極220Cは、第2カソード電極218Bと第1カソード電極218Aとの間に隣接し、第1アノード電極220Aから時計回りに90度オフセットされ、第3カソード電極218Cから時計回り方向に135度オフセットされる。加えて、電極218C及び電極220Cは、電極218A、電極220Aの「A」セット及び/又は電極218B、電極220Bの「B」セットに電力を提供する電源とは異なる電源であってもよい、同じ電源によって電力供給される。
【0049】
最後に、アーク電極216の「D」セットは、カソード電極218D及びアノード電極220Dを含む。第4カソード電極218Dは、第1アノード電極220Aと第2アノード電極220Bとの間に隣接して配置されている。同様に、第4カソード電極218Dは、第1カソード電極218Aから180度オフセットされ、第4アノード電極220Dから反時計回り方向に135度オフセットされる。更に、電極218D及び電極220Dは、同じ電源によって電力供給され、この電源は、電極218A、電極220Aの「A」セット、及び/又は電極218B、電極220Bの「B」セット、及び/又は電極218C、電極220Cの「C」セットに電力を供給する電源とは異なる電源であってもよい。
【0050】
この構成では、アノード電極220A及び電極220Dは、第1の直交軸において互いに正反対に配置され、アノード電極220B及び電極220Cは、第2の直交軸において互いに正反対に配置されている。同様に、カソード電極218A及び電極218Dは、第3の直交軸において互いに対向して配置され、カソード電極218B及び電極218Cは、残りの直交軸において互いに直接対向して配置されている。この構成は、全ての隣接する電極に対して交互の電極極性を達成し、チャンバ217内での材料処理のための非常に大きく均一な高温プラズマ場を有する非常に安定したアーク構成を提供する。特に、電極216の異なるセットによって生成されたアーク222は、互いに交差し、プラズマチャンバ217の中心で直接ではなくその近傍で結合し、その結果、アーク222が全てチャンバ217内の同じ点(すなわち、中心点)を通過するわけではない、チャンバ217内のより大きなアーク場をもたらす。更に、アーク222は、プラズマチャンバ217の中央において単一のアークのように挙動し、その結果、チャンバ217の中心における結合加熱電力は、各個々のアーク222の全ての加熱電力の合計よりも実質的に高い。
【0051】
図11を参照すると、代替のプラズマアークシステム又はユニット230が示されている。このプラズマアークシステム230では、Aセット、Bセット、Cセット及びDセットとしてマークされたアーク電極332の4つのセットがある。ここで、電極の各セットは、例えば異なる電源によって別々に電力供給される。電極332の各セットは、アノード電極334(334A、334Bなど)及びカソード電極336(336A、336Bなど)を有し、アーク電極332の各セットについて、アノード電極334(A~D)は、45度の分離角度(円周方向)で関連するカソード電極336(A~D)に隣接して配置されている。この電極構成は、交互の電極極性を達成し、電極332の関連付けられたセットのアノード電極334及びカソード電極336は、ユニット330の周囲で正反対ではない(すなわち、180度)様式で配置されている。この構成では、各アノード電極334は、1つ以上の直交軸において別のアノード電極334に直接対向して配置され、各カソード電極336は、別のカソード電極336又は複数の他の二等分直交軸に直接対向して配置されている。この配置は、全ての隣接する電極に対して交互の電極極性を達成し、その結果、
図11に示すように、アーク電極332のセットは、必ずしも互いに交差しないアーク338を生成する。しかしながら、場合によっては、各アーク338は、プラズマチャンバ317の中心近傍に重なるアーク本体の小部分を有してもよい。アーク338のこの部分的重複は、プラズマアークシステム330の中央における小さな追加アークのように挙動する。中心における組み合わされた部分アーク電流の加熱電力は、プラズマアークシステム330における個々のアーク338の各々の加熱電力を補い、材料処理のための均一な高温プラズマを形成する。
【0052】
図12~
図14は、3つの代替的なプラズマアークシステム又はユニット340、ユニット350、ユニット360を示す。各実施形態において、アノード電極及びカソード電極は、システム340、システム350、システム360に非常に安定したアーク形成及び均一な高温プラズマ場を提供する交互の電極極性を達成するように配置されている。
【0053】
図12を参照すると、アーク電極342の3つのセット(電極のA、B、及びCセットとラベル付けされる)があり、各セットのアノード電極344及びカソード電極346は、180度離れて配置されている。各アノード電極344は、カソード電極346に隣接して左右に配置されている。アーク348は、アーク電極342のセットによって生成され、アーク348は、プラズマチャンバ317の中心で結合又は交差する。更に、結合されたアーク348の一部は、単一のアークのように振る舞う。この接合されたアーク領域の加熱電力は、周辺アーク領域よりもはるかに高い。
【0054】
図13は、ユニット350の周りに配置された電極351A、電極351B、電極351Cの3セットを含むプラズマユニット350内のアーク電極のセットの別の非対称配置を示す。電極351A、電極351B、及び電極351Cのセットの各々は、別個の電源によって電力供給され得る。アーク電極351Aの第1のセットは、ユニット350上に(すなわち、その両側に)180度離れて配置されたアノード電極352及びカソード電極353を含む。このアーク電極351Aの第1のセットは、チャンバ317の中心を通って運動する直線アーク354を生成する。アーク電極351Bの第2のセットは、60度オフセットされたアノード電極356及びカソード電極357を有し、アーク電極351Cの第3のセットは、60度オフセットされたアノード電極358及びカソード電極359を有する。更に、アノード電極352、アノード電極356、及びアノード電極358はそれぞれ、カソード電極353、カソード電極357、及びカソード電極359のうちの2つに隣接して配置され、それらから60度離れて配置され、その結果、ユニット350は、ユニット350の周りを回るときに、散在した、又は交互のアノード電極及びカソード電極を有する。更に、アーク電極351B及びアーク電極351Cのセットのアノード及びカソードの60度のオフセット位置は、これらの電極のセットを互いからユニット350を横切って配置し、直線アーク354によって分割される二次アーク358を生成する。結果は、プラズマモジュールの中心での部分的なアーク混合であり、周辺アーク領域よりも高い中心加熱電力を生成し、ユニット350のより広い断面にわたってアーク生成を依然として提供する。
【0055】
図14は、アーク電極362A、アーク電極362B及びアーク電極362Cの3セットを有するプラズマユニット360を示しており、各アーク電極は、60度離れて配置されたアノード電極364及びカソード電極366を有する。この構成は、
図11に示す4セットの電極構成に非常に類似している。この構成では、プラズマチャンバ317の中心でアーク368の部分的な混合及び結合が生じる。アーク368の部分的な混合及び結合は、周辺アーク領域よりも高い結合加熱電力を生成する。これらの構成では、全てのプラズマ電極364、プラズマ電極366は、交互の電極極性を達成するように位置付けられ、アーク安定性を増加させることができる。
【0056】
当然ながら、
図10~
図14に関して様々な異なるアーク電極配置が図示され説明されているが、これらの構成の各々について、プラズマチャンバ内で生成されたアークは互いに強め合い、これら全ての配置は、全ての隣接する電極について電極極性を交互にすることを含むことに留意されたい。図示された構成のこの態様は、材料処理のための非常に安定したアーク構成及び非常に大きく均一な高温プラズマ場を提供する。更に、場合によっては、アークの一部又は全部が互いに交差してもよく、他の場合には、アークのいずれも互いに交差しない。更に、これらの様々な構成では、アークが反応チャンバの中心を通って交差しなくてもよく、1つのアーク、全てのアークよりも少ない複数のアーク、又は全てのアークが反応チャンバの中心を通って交差してもよい。更に、アークは、互いに交差してもよく、又は互いに交差しなくてもよいが、プラズマチャンバの中心近傍で結合し、プラズマユニットの中央で単一のアークのように挙動してもよい。したがって、反応チャンバの中心における結合加熱電力は、個々のアークの各々の全加熱電力の合計よりも実質的に高くてもよいが、それでもなお、アークがチャンバの断面全体にわたって、より均一に又は分散して広がることを可能にする。反応チャンバの中心領域又はその近傍の温度は、少なくとも3000K、更には5000Kに近いと予想され、この温度は、供給材料の完全な分解を引き起こす可能性がある。
【0057】
もちろん、他のアーク電極配置構成を、本明細書で具体的に説明し図示した構成の代わりに使用することができる。例えば、
図10~
図14の実施形態は、3セット及び4セットの電極を有する構成を示しているが、他の実施形態は、2セットの電極又は4セットより多い電極を含むことができる。更に、アノード電極及びカソード電極がプラズマユニット全体の周りに互いに散在又は隣接するように、電極のセットを間隔をあけて配置することが望ましいが、この特徴は重要ではなく、場合によっては、2つのアノード電極及び/又は2つのカソード電極を互いに隣接して配置し、アノード電極及びカソード電極の他の電極を散在させてもよい。同様に、
図10~
図14に示される電極の全ては、360を電極の総数で除算したものとして計算される角度だけ、プラズマの周りで等しく分離される。しかしながら、場合によっては、電極は、プラズマユニットの周囲に均等に離間される必要はなく、したがって、いくつかの隣接する電極は、第1の角度によって分離されてもよく、他の隣接する電極は、第1の角度より大きい又は小さい他の角度によって分離されてもよい。更に、特定の対の電極のアノード電極及びカソード電極は、ユニットの外周の周りで、鋭角、90度、鈍角、又は180度などの任意の所望の角度で分離することができる。
図10~
図14の実施形態は、45度、60度、90度、135度、及び180度で分離された電極対の様々な異なるアノード及びカソードを示すが、他の角度を代わりに使用することができる(これらの角度は、電極の総数に依存するか、又は電極の総数によって影響を受けることがある)。更に、同じユニット内の異なる対の電極は、異なる角度で分離されたそれぞれのアノード電極及びカソード電極を有することができる。したがって、
図13に示すように、1対の電極は、180度だけ分離されたそれぞれのアノード電極及びカソード電極を有し、他の対の電極は、60度だけ分離されたそれぞれのアノード電極及びカソード電極を有する。当然ながら、電極分離の他の組み合わせは、本明細書で説明及び図示される組み合わせの代わりに、又はそれに加えて使用され得る。同様に、電極間隔又はオフセットの様々な異なる組み合わせを使用して、ある場合には、電極の様々なセットによって生成されるアークが互いに交差せず、他の場合には、電極の各セットによって生成される各アークが、電極の他のセットによって生成される他の全てのアークと交差し、他の場合には、電極の1つ以上のセットによって生成されるアークが、電極の他のセットによって生成されるアークの全てではなく、電極の他のセットによって生成されるアークの1つ以上と交差するようにすることができる。更に、多くの場合、電極の1つのセットによって生成されるアークは、電極の1つのセットのアノード電極及びカソード電極が180度以外の角度で離間されているため、反応チャンバの中心と位置合わせされない(例えば、通過しない)。
【0058】
いずれにしても、
図10~
図14に記載された実施形態によって達成されるアーク放電環境は、カーボンナノオニオンなどのカーボンナノ粒子を生成するのに、及びメタン分解に特に有用である。より具体的には、カーボンナノオニオン(CNOs)は、マルチシェルフラーレンとして知られており、1992年に発見された。カーボンナノオニオンは、炭素原子の構造同心シェルである。長年にわたって、カーボンナノオニオンを合成するための様々な方法が開発され、研究されてきた。加えて、カーボンナノオニオンの化学官能化が研究されており、いくつかの合成経路が様々な官能基の導入に適用可能であることが見出された。化学的に修飾されたカーボンナノオニオンは、異なる適用分野において調査され、研究者の間で増大する関心を引きつけ、研究のための新しい道を開く有望なナノ材料であることが明らかにされている。現在、カーボンナノオニオンは、市販のナノダイヤモンドに機械的応力を加えることによってグラムスケールの量でしか製造できない。あるいは、この生成は、ナフタレンの燃焼によって、及び水中のグラファイト電極間のアークフラッシュによって行われる。しかしながら、カーボンナノオニオンを製造する現在の方法は、短期間で工業レベルの製品を生産することができない。大量のCNOsの利用可能性は、これらのエキゾチックなナノ材料のための用途を開くであろう。
【0059】
有利なことに、本明細書で説明されるプラズマアークシステムは、大量のCNOsを生成することができる。本明細書に記載の1つの単一小型プラズマシステムは、数日で数キログラムのカーボンナノオニオンを生成することができる。複数の並列システムは、生産数量を増加させ、現場及び要求に応じて、産業レベルでの迅速な送達を提供することができる。この能力の理由は、膨張するアークが、CNOsを合成するために、非常に高い温度の均一で大きなプラズマ場を生成するからである。一般に、これらのアークを生成するアーク電極は、安定した、均一な、結合されたアーク場を維持するために、交互の極性で配置されなければならない。カーボンナノオニオンの高速合成を可能にするのは、この高温結合活性アーク場である。有利には、本明細書に記載されるアーク電極プラズマシステムは、プラズマを形成するために、任意のガス、好ましくはアルゴン、水素及び/又は窒素を使用することができる。1つの反復では、グラファイト電極を使用して高純度CNOsを製造することができる。本処理のための供給原料は、高純度炭化水素ガス又は液体、高純度グラファイト粉末又は他の炭素リッチ材料の分解から誘導される高純度カーボンブラックを使用することができる。
【0060】
カーボンナノ材料を生成することに加えて、本明細書に記載されるプラズマアークシステムの高温は、メタンなどの炭化水素を分解するために使用することもできる。メタンは、二酸化炭素よりも強力な温室効果ガスであり、重大な地球温暖化問題である。地球温暖化は、極氷冠融解、海面上昇、及び陸地の損失をもたらし得る。メタン隔離は、地球温暖化を低減するための国際的な取り組みの1つである。炭化水素を分解して水素及び炭素を生成し、次いで炭素を隔離することは、温室効果ガスを低減し、水素経済の発展を促進する。
【0061】
特に、メタンを分解し、水素及び固体炭素に還元することができる。しかしながら、現在の技術は、メタンを完全に分解するのに十分に高い温度環境を効率的に生成する能力を欠いている。その結果は、不純物としてより高分子量の炭化水素を伴う部分的な分解である。全ての炭化水素ガスの中で、メタンが最も安定である。その結果、メタンを水素及び固体炭素に完全に分解することは、必要とされる非常に高い温度のために極めて困難である。本明細書に記載されるプラズマアークシステムは、メタンを完全に分解することができる温度場を効率的に生成する能力を有する。
【0062】
特に、
図15を参照すると、試験結果が示されている。前述のプラズマアークシステムを使用してメタンを分解すると、0.041%のCH
4残留物しか検出されなかった。したがって、供給メタンの99.96%が水素及び固体炭素に分解された。
図15の表は、生成ガス分析を示す。生成ガス中の不純物炭化水素ガスの総濃度は6.17%であり、水素濃度は93.83%であった。別のガス試料では、その結果を
図16に示すが、0.008%のCH
4残留物しか検出されず、供給メタンの99.99%が水素及び固体炭素に分解されたことを示している。不純物炭化水素ガスの量は著しく減少し、それらの合計濃度は3.51%であり、水素濃度は96.49%であった。
【0063】
CH4からH2及び固体炭素へのほぼ100%の分解の実証により、プラズマアークシステムにおける他の炭化水素ガスの分解は100%に近づくことができると考えられる。これらのアーク構成におけるメタン又は他の炭化水素分解から生成されるカーボンブラックは、CNOs及び他のナノ炭素同素体を含有することも理解される。
【0064】
上述したように、(例えば、少なくとも
図1~
図9に関して)本明細書に記載されるプラズマ反応器又はシステムの多くは、対向するアーク電極のセットを有する。動作中、カソード電極とアノード電極との間に非閉じ込めアークが生成され、次いで作動ガスがアークを通過し、その中でプラズマが生成される。作動ガスは、カソード電極及びアノード電極の周りのプラズマチャンバ内に注入され、通過する作動ガスがカソード電極及びアノード電極を冷却するのを助けることが可能になる。更に、
図5及び
図6に関して説明したように、カソード電極とアノード電極との間のアークの経路をたどる閉じ込められた流れの中に作動ガスを維持することが有益である。このようにして、作動ガスは、より長い期間にわたってアークの熱に曝露される。作動ガスを閉じ込められた流れに保つのを助けるために、作動ガスがプラズマチャンバに流入するときに、作動ガス内に回転渦を生成することができ、渦の中心軸は(
図6に示すように)アークの経路に従うように配向されている。
【0065】
カソード電極及びアノード電極がプラズマチャンバの正反対の側に配置されている場合、これまでの場合のように、作動ガスがカソード電極及びアノード電極の両方から出るときに作動ガス内に同じ回転渦が生成されると、2つの渦がプラズマチャンバの中心で交差するときに反対方向にスピンする。反対のスピンは、渦を相殺するか、又は破壊的に相互作用させ、作動ガスを分散させる。この動作は、アーク柱に著しい不安定性を生じさせる可能性がある。
【0066】
図17~
図19は、例えば、
図1~
図3、
図7~
図9、
図12及び
図13のプラズマユニット16、プラズマユニット100、プラズマユニット120、プラズマユニット130、プラズマユニット340及びプラズマユニット350のいずれかであってもよく、反応チャンバ内の作動ガスの流れをより良好に方向付けるために使用することができる、プラズマユニットを描写又は図示している。
図17を参照すると、プラズマアークシステム410を使用して、廃棄物からエネルギーへの変換、廃水分解、ナノ材料合成、及びメタン分解などの材料処理を向上させて、水素及びナノカーボンを生成することができる。
図17では、アノード電極アセンブリ412及びカソード電極アセンブリ414が、プラズマチャンバ416の両側のプラズマモジュール内に設置されていることが理解し得る。アノード電極アセンブリ412及びカソード電極アセンブリ414は、本明細書で前述した方法のいずれかで、プラズマチャンバ416を横切って延びるアーク418を生成する。
【0067】
作動ガス420は、アノード電極アセンブリ412及びカソード電極アセンブリ414を通過し、これらのアセンブリ412、アセンブリ414を冷却するように動作する。更に、作動ガス420は、アーク418によってプラズマに変換される。説明されるように、作動ガス420は、電極アセンブリ412、電極アセンブリ414を通過する際に、強化された渦422に向けられる。強化された渦422は、作動ガス420をスピンさせ、作動ガス420が、分散することなく、又は1つ以上の電極を介して反応チャンバ内に作動ガスを導入した以前のシステムよりも少ない量で分散するように、アーク418に沿って伝搬することを可能にする。
【0068】
しかしながら、
図18により良く示されるように、アノード電極アセンブリ412を出る第1の渦424は、時計回り又は反時計回りのいずれかであり得る第1の方向(第1の電極412の先端から見たとき)に回転し、カソード電極アセンブリ414を出る第2の渦426は、反対方向(電極414の先端から見たとき)にスピンするように構成される。アノード電極アセンブリ412及びカソード電極アセンブリ414は、プラズマチャンバ416の両側に180度離れて配向されているので、互いに反対の鏡像を形成し、第1及び第2の2つの渦424、渦426は物理的に整列する。更に、第1の渦424及び第2の渦426は、電極412及び電極414においてこれらの渦に誘導される異なるスピンに起因して同じ方向にスピンする。その結果、第1の渦424及び第2の渦426は、互いを強化して、プラズマチャンバ416を完全に横切って広がる単一の強化渦422を生成する。強化渦422は、アーク418と同じ経路を運動するので、作動ガス420は、分散することなくアーク418の近くに維持される。この構成は、アーク柱の安定性を改善し、作動ガス420の単位当たり、より多くのプラズマを生成する。
【0069】
図18に示されるように、アノード電極アセンブリ412及びカソード電極アセンブリ414の両方において、作動ガス420は、電極本体又はコア430上及び周囲のハウジング432の間に形成された溝428を通過する。アノード電極アセンブリ412において、溝428は、時計回り又は反時計回りのいずれかの渦巻き状に形成される。したがって、作動ガス420がアノード電極アセンブリ412を通過するとき、作動ガス420は溝428内でスピンする。作動ガス420が溝428を出るとき、スピン運動が残り、作動ガス420は渦(渦424)で進行する。
【0070】
しかしながら、カソード電極アセンブリ414は、溝428(電極本体又はコア430内及び周囲ハウジング432の間にも配置されている)を有するが、カソード電極アセンブリ414の溝428は、アノード電極アセンブリ412で使用されるものとは反対方向に回転する(同じ方向から見た場合、例えば、電極413、電極414のベースから先端に向かって見た場合)。したがって、作動ガス420は、電極414に対して反対のスピンの渦(渦426)を伴ってカソード電極アセンブリ414を出る。しかしながら、アノード電極アセンブリ412を出る第1の渦424は、カソード電極アセンブリ414を出る第2の渦426に対して180度反対であるので、互いに反対の鏡像であり、これらの2つの渦424、渦426は、プラズマチャンバ416内で同じ方向又は円運動にスピンする。結果として、2つの渦424及び渦426は、互いに建設的に加算されて、アノード電極アセンブリ412とカソード電極アセンブリ414との間の距離全体にわたる渦422を生成する。この安定した渦は、より良好なガス柱形成を提供し、作動ガス420がチャンバ416の中心又は近傍に分配されるのを防止するのに役立ち、チャンバ416内のより良好なアーク形成及びプラズマ生成につながる。
【0071】
図19を参照すると、代替の実施形態は、アノード電極アセンブリ432及びカソード電極アセンブリ434を有し、その各々は、電極コア436及び周囲ハウジング438を有する。溝440は、作動ガス420が溝440を通過するように、(作動ガス通路の一部である)ハウジング438の内面上に形成される。アノード電極アセンブリ432において、溝440は、ハウジング438の長手方向から見て時計回り又は反時計回りのいずれかの渦巻き状に形成される。したがって、作動ガス420がアノード電極アセンブリ432に沿って通過するとき、作動ガス420は、溝440内で所定の円形方向にスピンする。作動ガス420が溝440を出るとき、スピン運動は残り、作動ガス420は第1の渦442で進む。
【0072】
しかしながら、カソード電極アセンブリ434は、カソード電極アセンブリ434のハウジング438から長手方向に見たときに、アノード電極アセンブリ432で使用される溝とは反対方向に回転する溝440を有する。したがって、作動ガス420は、反対のスピンの第2の渦444と共にカソード電極アセンブリ434を出る。しかしながら、アノード電極アセンブリ432を出る第1の渦442は、カソード電極アセンブリ434を出る第2の渦444に対して180度反対であるので、互いに反対の鏡像であり、これらの2つの渦442、渦444は、プラズマチャンバ446内で同じ方向にスピンする。ここでも、2つの渦442及び渦444は、互いに建設的に加算されて、アノード電極アセンブリ432とカソード電極アセンブリ434との間の距離全体にわたる渦を生成する。この安定した渦は、より良好なガス柱形成を提供し、作動ガス420がチャンバ446の中心又は近傍に分配されるのを防止するのに役立ち、チャンバ446内のより良好なアーク形成及びプラズマ生成につながる。
【0073】
もちろん、より良好なガス渦を生成する電極アセンブリを有するプラズマアークモジュールは、例示及び議論の目的のために、2つの例示的な実施形態のみにおいて本明細書に記載されている。しかしながら、これらのモジュールは、他の方法で製造することもでき、図示された実施形態は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲を解釈する際に限定と見なされるべきではない。例えば、上述の溝は、反応チャンバ内への作動ガスの流れに曝露される電極又は電極アセンブリの他の表面上に配置することができる。加えて、本明細書に説明される溝は、
図18に図示されるような電極本体又はコア上、及び
図19に図示されるような電極ハウジングの内面上の両方等、複数の表面上に配置され得る。あるいは、電極の対又はセットの一方(例えば、カソード電極)は、電極本体又は電極ハウジングの内面の一方に形成された溝を有してもよく、電極の対又はセットの他方(例えば、アノード電極)は、電極本体又は電極ハウジングの内面の他方に形成された溝を有してもよい。更に、本明細書で説明するように、異なる方向の渦を使用してチャンバ内に作動ガスを導入してチャンバ内で渦を建設的に追加させる、反応チャンバの両側に配置されたアーク電極の使用は、例えば、本明細書で説明するプラズマユニットのいずれか、特に
図1~
図3、
図7~
図9、
図12及び
図13に示すプラズマユニットを含む、任意の数のそのような対向する電極のセット(1セット又は複数のセットを含む)を有するプラズマチャンバ又は反応チャンバ内で使用し得ることが理解されよう。この場合、反対して対向する電極は、その中に溝を有し、溝は、作動ガスが電極アセンブリを離れるときに作動ガスを異なる円形方向に渦巻き状にさせるが、対向する電極は、同じ又は異なる電極のセット又は対からの電極であってもよい。したがって、対向電極(反応チャンバ又は反応ゾーンを挟んで互いに直接対向して配置された電極)は、電極の同じセットのアノード電極及びカソード電極であってもよく、電極の異なるセットのアノード電極及びカソード電極であってもよく、電極の異なるセットの2つのアノード電極であってもよく、又は異なるセットの電極の2つのカソード電極であってもよい。更に、作動ガス渦生成を伴うこれらの電極は、長方形、正方形、八角形などのチャンバ又は管状チャンバ内を含む、円形又は円筒形の反応チャンバ以外で使用することができ、電極は管の長手方向端部に配置される。同様に、様々な電極アセンブリ内の溝は、よりきつい渦又はより緩い渦を生成するために、任意の所望のピッチ(すなわち、螺旋の隣接する溝間における溝間間隔)の溝を有してもよい。更に、特定の対の電極(すなわち、アノード電極及びカソード電極)の異なる電極アセンブリ又は電極の溝ピッチは、同じであっても異なっていてもよい。
【0074】
有利なことに、本明細書に記載されるガス化装置は、例えば、熱、電力、再生可能燃料、再生可能水素、及び/又は再生可能化学生成を提供するために使用することができる再生可能合成ガスを生成するために、例えば、廃水処理プラントからの乾燥バイオソリッド並びに都市固形廃棄物(MSW)などの他の廃棄物を処分するために環境に優しい方法で使用することができる超高温イオンガス化処理を提供又は実施する。それを行うため、本明細書で説明されるシステムでは、ガス化装置反応チャンバの内部(例えば、直径)にわたって電気アークを発生させ、イオンガス又は粒子(プラズマ)と一緒に、3,000℃を超える、場合によっては5,000℃を超える局所的な制御された温度を生成する。この超高温ガス化ゾーン及び活性イオン環境は、完全分子解離と呼ばれる処理において、非常に効果的かつ効率的に分子をそれらの構成原子に分解するように組み合わせる。この超高温イオンゾーンは更に、マイクロプラスチック及びPFAS(パーフルオロ化合物とポリフルオロ化合物)などの供給原料中の不純物を急速に分解する。更に、ガス化流がガス化ゾーンを出るとき、急速な制御された温度降下がこれらの原子を再度組み合わせ、システムスケーリングがないか又はほとんどない非常に純粋な合成ガスを形成し、廃水残留物を処理するのに適したものにし、エネルギー生産及びPFAS分解のために固体残留物を乾燥及びガス化することに焦点を当てる。この急速な温度低下は更に、水素及び一酸化炭素のような望ましい分子の生成を最大化し、水、アンモニア及び二酸化炭素のようなあまり望ましくない分子の生成を最小化する傾向がある。処理されるべき材料は、好ましくは、高い含有量を有する乾燥又は部分的に乾燥した固体である。
【0075】
更に、本明細書に記載されるガス化装置は、酸素がその反応チャンバ内に存在するガス化装置モードで、又は酸素が反応チャンバ内に存在しないか、若しくは限定された酸素が反応チャンバ内に導入される熱分解モードで使用し得ることが理解されるであろう。
【0076】
本明細書で説明するジェット及びプラズマアークシステムは、多くの方法で具体化することができるが、例示及び説明のために、いくつかの例示的な実施形態のみを選択した。更に、本明細書で図示され説明される本発明の実施形態は単に例示的なものであり、当業者はこれらの実施形態に多くの変更を加え得ることが理解されるであろう。全てのそのような実施形態は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】