(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】チップシステムおよび通信デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 23/00 20060101AFI20241126BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H01L23/00 C
H01L23/30 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533886
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-17
(86)【国際出願番号】 CN2022131597
(87)【国際公開番号】W WO2023103716
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202111479134.2
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】杜 白
(72)【発明者】
【氏名】▲姫▼ 忠礼
(72)【発明者】
【氏名】▲シェ▼ ▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】李 瑞琳
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲慶▼超
【テーマコード(参考)】
4M109
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109BA04
4M109DB15
4M109EA02
4M109EA10
4M109EE07
(57)【要約】
本出願は、チップシステムおよび通信デバイスを開示し、チップパッケージング技術の分野に関する。チップシステムは、チップパッケージ本体および電磁遮蔽エンクロージャを含む。チップパッケージ本体は、第1の接続部を使用することによって回路基板と電気的に接続される。チップパッケージ本体は、パッケージ基板、および電気的に接続された少なくとも1つのチップを含む。電磁遮蔽エンクロージャは、導電性の第1の遮蔽構造体および導電性の第2の遮蔽構造体を含む。第1の遮蔽構造体は、パッケージ基板に接続されている。第1の遮蔽構造体に含まれる第1のキャビティは、少なくとも1つのチップを収容するように構成される。第2の遮蔽構造体の第1の端部は、回路基板もしくは回路基板のはんだパッドに接続され、または第2の遮蔽構造体の第2の端部は、第2のキャビティを形成するために第1の遮蔽構造体に接続され、または第2の遮蔽構造体の第1の端部は、回路基板もしくは回路基板のはんだパッドに接続され、第2の遮蔽構造体は、第2のキャビティを形成するために第1の遮蔽構造体を覆い、第1の接続部は、第2のキャビティにある。この解決策では、第1の接続部の電磁漏れが低減され、チップパッケージングの電磁遮蔽能力が改善される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップシステムであって、前記チップシステムはチップパッケージ本体および電磁遮蔽エンクロージャを備え、前記チップパッケージ本体は、第1の接続部を使用することによって回路基板に電気的に接続され、前記チップパッケージ本体は、パッケージ基板および少なくとも1つのチップを備え、前記パッケージ基板は、前記少なくとも1つのチップに電気的に接続され、前記電磁遮蔽エンクロージャは、第1の遮蔽構造体および第2の遮蔽構造体を備え、前記第1の遮蔽構造体と前記第2の遮蔽構造体の両方は導電性であり、
前記第1の遮蔽構造体は、前記パッケージ基板に接続され、
前記第1の遮蔽構造体は第1のキャビティを備え、前記第1のキャビティは、前記少なくとも1つのチップを収容するように構成され、
前記第2の遮蔽構造体の第1の端部は、前記回路基板上のはんだパッドに接続されるか、または前記回路基板に接続され、前記第2の遮蔽構造体の第2の端部は、前記第1の遮蔽構造体に接続されて第2のキャビティを形成するか、あるいは前記第2の遮蔽構造体の第1の端部は、前記回路基板上のはんだパッドに接続されるか、または前記回路基板に接続され、前記第2の遮蔽構造体は、前記第1の遮蔽構造体を覆い第2のキャビティを形成し、
前記第1の接続部は、前記第2のキャビティに配置される、
チップシステム。
【請求項2】
前記第1の接続部は、絶縁材料および複数の電気接続部を備え、
前記複数の電気接続部は、前記チップパッケージ本体と前記回路基板を接続するように構成され、
前記絶縁材料は、前記パッケージ基板と、前記回路基板と、前記複数の電気接続部の間の領域に充填されている、
請求項1に記載のチップシステム。
【請求項3】
前記第1の接続部は、2つの接続面を備え、前記回路基板に近い一方の接続面が第1の接続面であり、前記チップパッケージ本体に近い他方の接続面が第2の接続面であり、前記第1の接続面の幅は、前記第2の接続面の幅よりも大きい、請求項2に記載のチップシステム。
【請求項4】
前記第2の遮蔽構造体は、前記絶縁材料の側壁の全部または一部を覆う、請求項2または3に記載のチップシステム。
【請求項5】
前記はんだパッドが接地されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項6】
前記パッケージ基板は、前記はんだパッド上に配置され、前記第2の遮蔽構造体の前記第1の端部は、前記はんだパッドに電気的に接続されている、請求項5に記載のチップシステム。
【請求項7】
前記チップパッケージ本体は、ランドグリッドアレイLGAパッケージング技術を使用することによって前記回路基板に電気的に接続され、前記チップパッケージ本体の接地ピンは、前記第2の遮蔽構造体に電気的に接続される、請求項6に記載のチップシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのチップの各々の第1の表面は、第1の材料を使用することによって前記第1の遮蔽構造体に接続され、
前記少なくとも1つのチップのそれぞれの第2の表面は、前記パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続され、
前記第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を使用することによって前記パッケージ基板の前記第1の表面に接続される、
請求項1から7のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項9】
前記第2の接続部は、金属はんだであるか、または前記第2の接続部は、導電性接着剤であるか、または前記第2の接続部は、絶縁性のコロソールである、請求項8に記載のチップシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのチップの各々の第1の表面は、第1の材料を使用することによって前記第1の遮蔽構造体に接続され、
前記少なくとも1つのチップのそれぞれの第2の表面は、前記パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続され、
前記第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を使用することによって前記パッケージ基板の側壁に接続される、
請求項1から7のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項11】
前記第2の接続部は、金属はんだであるか、または前記第2の接続部は、導電性接着剤であるか、または前記第2の接続部は、絶縁性のコロソールである、請求項9に記載のチップシステム。
【請求項12】
前記第1の遮蔽構造体は金属機械部品である、請求項1から11のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項13】
前記チップパッケージ本体は、エポキシ成形コンパウンドをさらに備え、
前記少なくとも1つのチップの各々は、前記エポキシ成形コンパウンドに埋め込まれ、
前記第1の遮蔽構造体は、前記エポキシ成形コンパウンドの外面および前記パッケージ基板の側壁を覆う、
請求項1から7のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項14】
前記チップパッケージ本体は、エポキシ成形コンパウンドをさらに備え、
前記少なくとも1つのチップは、前記エポキシ成形コンパウンドに埋め込まれ、
前記少なくとも1つのチップの各々は、前記パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続され、
前記第1の遮蔽構造体は、前記エポキシ成形コンパウンドの外面を覆い、前記パッケージ基板の前記第1の表面まで延在する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項15】
前記第1の遮蔽構造体は、
導電性膜、金属材料、または導電性接着材料
のいずれか1つである、請求項13または14に記載のチップシステム。
【請求項16】
前記第2の遮蔽構造体は、
導電性膜、金属材料、または導電性接着材料
のいずれか1つである、請求項1から15のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項17】
前記複数の電気接続部は、
金属はんだボール、焼結体、金属機械部品、またはプラグ端子
のいずれか1つである、請求項2に記載のチップシステム。
【請求項18】
前記第2の遮蔽構造体は、前記第1の遮蔽構造体を完全に覆い、前記第2の遮蔽構造体と前記第1の遮蔽構造体の接触面に粘着性材料が提供される、請求項1から17のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項19】
前記第2の遮蔽構造体は、前記第1の遮蔽構造体の外側に配置され、前記第2のキャビティの少なくとも一部は、前記パッケージ基板と前記回路基板の間に配置される、請求項1から18のいずれか1項に記載のチップシステム。
【請求項20】
通信デバイスであって、前記通信デバイスが請求項1から19のいずれか一項に記載のチップシステムを備える、通信デバイス。
【請求項21】
前記通信デバイスは、無線周波数トランシーバであり、
前記無線周波数トランシーバは、光ファイバを通して基地局のベースバンド処理ユニットBBUに接続されるように構成される、
請求項20に記載の通信デバイス。
【請求項22】
前記少なくとも1つのチップが、中間周波数IFチップである請求項20または21に記載の通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2021年12月6日付で中国国家知識産権局に出願された、「チップシステムおよび通信デバイス」という名称の中国特許出願第202111479134.2号の優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、チップ技術の分野に関し、特に、チップシステムおよび通信デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体プロセスサイズが連続的に減少するにつれて、電子デバイスの様々なチップの集積は徐々に改善し、チップの動作周波数は連続的に改善する。その結果、電子デバイスの小型の導電素子または導電構造体がアンテナとなり、外部に向けて電磁放射が行われ、それによって電子デバイスに含まれ、高周波干渉によって容易に影響される高周波回路、クロック信号を使用する必要があるプロセッサ、メモリなどに電磁干渉を生じさせる。電磁放射線の影響を低減するための従来の方法は、電磁放射線を発生させる放射デバイスまたは電磁放射線によって容易に影響される敏感なデバイスのための電磁遮蔽エンクロージャを設定することである。
【0004】
図1は、従来のチップパッケージ本体の電磁遮蔽エンクロージャの図である。
【0005】
その図に示されるチップパッケージ本体は、チップ11およびパッケージ基板14を含む。チップ11およびパッケージ基板14は、はんだボールを使用することによって溶接される。電磁遮蔽エンクロージャ13は、一般に、技術的なスタンピング構造体であり、チップ11の上部、すなわち側面を覆い、接続部15を使用することによってパッケージ基板14の上面に締結される。チップ11の上面は、放熱を加速するために、熱界面材料(Thermal interface material、TIM)12を使用することによって電磁遮蔽エンクロージャ13と接触している。電磁遮蔽エンクロージャ13を使用することにより、チップ11の電磁放射が低減され得る。
【0006】
しかし、パッケージ基板14は、はんだボール30を使用することによってプリント基板(Printed Circuit Board、PCB)20に接続されており、はんだボール30の間には隙間があるため、はんだボール30が電磁放射線の漏洩源となる。チップ11の動作周波数が連続的に増加するにつれて、電磁放射漏れを低減するための要件が連続的に増加し、はんだボール30によって漏れた電磁放射線は、チップの性能に深刻な影響を及ぼす可能性さえある。
【発明の概要】
【0007】
上記の問題を解決するために、本出願はチップシステムおよび通信デバイスを提供し、これは、第1の接続部の電磁漏洩を低減し、チップの電磁遮蔽能力を改善し、チップの性能を確保する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本出願はチップシステムを提供する。チップシステムは、チップパッケージ本体および電磁遮蔽エンクロージャを含む。チップパッケージ本体は、第1の接続部を使用することによって回路基板と電気的に接続される。典型的な実装形態では、第1の接続部ははんだボールを含む。チップパッケージ本体は、電気的に接続されたパッケージ基板および少なくとも1つのチップを含み、電磁遮蔽エンクロージャは、導電性の第1の遮蔽構造体および導電性の第2の遮蔽構造体を含む。第1の遮蔽構造体はパッケージ基板に接続され、第1の遮蔽構造体は第1のキャビティを含み、第1のキャビティは少なくとも1つのチップを収容するように構成される。第2の遮蔽構造体の第1の端部は、回路基板に接続されるか、もしくは回路基板上のはんだパッドに接続され、第2の遮蔽構造体の第2の端部は、第2のキャビティを形成するために第1の遮蔽構造体に接続され、または第2の遮蔽構造体の第1の端部は、回路基板上のはんだパッドに接続されるか、もしくは回路基板に接続され、第2の遮蔽構造体は、第2のキャビティを形成するために第1の遮蔽構造体を覆い、第1の接続部は、第2のキャビティに配置される。
【0009】
本出願で提供されるチップシステムによれば、第1の遮蔽構造体が第2の遮蔽構造体に接続された後、形成された第2のキャビティは第1の接続部を取り囲む。第1の遮蔽構造体と第2の遮蔽構造体の両方が導電性であるため、第1の遮蔽構造体および第2の遮蔽構造体は、第1の接続部に対する電磁遮蔽を実施し、第1の接続部の電磁漏洩を低減し、電磁遮蔽能力を改善し、チップ性能を確保し、別の回路構成要素に対する電磁漏洩の影響を低減するために、遮蔽機能を共同で実施する。
【0010】
一可能な実装形態では、第1の接続部は、絶縁材料および複数の電気接続部を含み、複数の電気接続部は、チップパッケージ本体と回路基板を接続するように構成され、絶縁材料は、チップパッケージ本体のパッケージ基板と、回路基板と、複数の電気接続部の間の領域に充填される。
【0011】
一典型的な実装形態では、電気接続部ははんだボールであり、第1の接続部ははんだボールおよび絶縁材料を含み、はんだボールは、チップパッケージ本体と回路基板の間の電気接続を実施するように構成される。
【0012】
一態様では、絶縁材料は、放熱を支援するものとして機能してもよい。他の態様では、チップパッケージ本体の接続領域と回路基板の間に充填された絶縁材料が、支持の役割をさらに果たしてもよく、その結果、第2の遮蔽構造体は、絶縁材料の側壁に密接に取り付けられてもよく、より安定して信頼性が高い。加えて、チップパッケージ本体と回路基板の接続面積が大きくなり、チップパッケージ本体と回路基板との接続の安定性が改善される。
【0013】
一可能な実装形態では、絶縁材料で充填された第1の接続部は2つの接続面を含み、回路基板に近い1つの接続面は第1の接続面であり、チップパッケージ本体に近い1つの接続面は第2の接続面であり、第1の接続面の幅は第2の接続面の幅よりも大きい。すなわち、絶縁材料が充填された後、上側が狭く、下側が広いため、絶縁材料は第2の遮蔽構造体に対する支持を提供することができる。
【0014】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体は、絶縁材料の側壁の全部または一部を覆う。
【0015】
チップパッケージ本体と回路基板の接続領域に絶縁材料が充填されているとき、絶縁材料は、キャピラリの原理により充填されてもよく、第2の遮蔽構造体は、絶縁材料の側壁の全部または一部を覆い、すなわち、内部に金属はんだボールが取り囲まれている。これにより、金属はんだボールに対する電磁遮蔽を実施する。加えて、第2の遮蔽構造体が絶縁材料の縁部に接触しているとき、チップパッケージ本体の接続領域と回路基板の間に充填された絶縁材料が支持的な役割をさらに果たすことができるため、第2の遮蔽構造体は絶縁材料の側壁に密接に取り付けさせることができ、より安定して信頼性が高い。
【0016】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体の接続安定性を改善するために、第2の遮蔽構造体の第1の端部が回路基板上のはんだパッドに接続される。
【0017】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体の第1の端部は回路基板上のはんだパッドに接続され、はんだパッドは接地される。この場合、電磁遮蔽エンクロージャは、チップおよび第1の接続部の電磁遮蔽能力を改善する。
【0018】
一可能な実装形態では、パッケージ基板ははんだパッド上に配置され、第2の遮蔽構造体の第1の端部ははんだパッドに電気的に接続される。
【0019】
一可能な実装形態では、チップパッケージ本体は、ランドグリッドアレイLGAパッケージング技術を使用することによって回路基板に電気的に接続され、チップパッケージ本体の接地ピンは、第2の遮蔽構造体に電気的に接続される。はんだパッドは、第2の遮蔽構造体を使用することによって第1の遮蔽構造体に電気的に接続されるため、はんだパッドが接地されると、第2の遮蔽構造体および第1の遮蔽構造体も接地され、これにより、電磁遮蔽性能を改善する。
【0020】
さらに、回路基板上の接地ピンの一部がチップパッケージ本体の輪郭によって覆われる範囲外に配置されるとき、接地ピンは、代替的に、配線を通した接地を回避し、接地線を単純化するために、はんだ付けプロセスを使用することによって第1の遮蔽構造体に電気的に接続されてもよい。
【0021】
一可能な実装形態では、少なくとも1つのチップの各々の第1の表面は、第1の材料を使用することによって第1の遮蔽構造体に接続される。少なくとも1つのチップの各々の第2の表面は、パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続され、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を使用することによってパッケージ基板の第1の表面に接続される。
【0022】
第1の材料は熱界面(Thermal Interface Material、TIM)材料であってもよく、熱界面材料はほとんどが可撓性材料であり、例えば、ゲルまたはシリコーン脂質材料であってもよく、チップの第1の表面と第1の遮蔽構造体の間に充填される。一態様では、これは、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。他の態様では、これは第1の遮蔽構造体の支持を提供し、第1の遮蔽構造体の安定性が改善される。
【0023】
第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を使用することによってパッケージ基板の第1の表面に締結され、第1の遮蔽構造体は、第1の材料を使用することによってチップの第1の表面にさらに締結され、これにより、第1の遮蔽構造体の安定性を改善する。第1の接続部を使用することによってパッケージ基板が回路基板に締結された後、回路基板に対する第1の遮蔽構造体の位置も固定される。
【0024】
一可能な実装形態では、第2の接続部は金属はんだであり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を使用することによってパッケージ基板の第1の表面に溶接される。この場合、第1の遮蔽構造体はパッケージ基板に確実に接続され、電磁遮蔽エンクロージャは良好な電磁遮蔽性能を有する。代替的に、第2の接続部は、導電性接着剤であり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を使用することによってパッケージ基板の第1の表面に接続されている。このように、電磁遮蔽エンクロージャは、良好な電磁遮蔽性能を有することができる。代替的に、第2の接続部は、絶縁性のコロソールであり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を使用することによってパッケージ基板の第1の表面に接続されている。これにより、製造の難易度が低減され、第1の遮蔽構造体がパッケージ基板に確実に接続されることができる。
【0025】
一可能な実装形態では、少なくとも1つのチップの各々の第1の表面は、第1の材料を使用することによって第1の遮蔽構造体に接続される。少なくとも1つのチップの各々の第2の表面は、パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続される。第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を使用することによってパッケージ基板の側壁に接続される。
【0026】
第1の材料は、熱界面材料であってもよく、第1の材料は、チップの第1の表面と第1の遮蔽構造体の間に充填される。一態様では、第1の材料は、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。他の態様では、第1の遮蔽構造体が支持され、第1の遮蔽構造体の接続安定性が改善される。加えて、第1の遮蔽構造体は、パッケージ基板の側壁に接続され、チップパッケージ本体を取り囲み、これにより電磁遮蔽効果を改善する。
【0027】
一可能な実装形態では、第2の接続部は金属はんだであり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を使用することによってパッケージ基板の側壁に溶接される。この場合、第1の遮蔽構造体はパッケージ基板に確実に接続され、電磁遮蔽エンクロージャは良好な電磁遮蔽性能を有する。代替的に、第2の接続部は、導電性接着剤であり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を使用することによってパッケージ基板の側壁に接続されている。このように、電磁遮蔽エンクロージャは、良好な電磁遮蔽性能を有することができる。代替的に、第2の接続部は、絶縁性のコロソールであり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を使用することによってパッケージ基板の側壁に接続されている。これにより、製造の難易度が低減され、第1の遮蔽構造体がパッケージ基板に確実に接続されることができる。
【0028】
一可能な実装形態では、第1の遮蔽構造体は金属機械部品である。
【0029】
金属機械部品は、溝構造を有し、パンチ形態または貫通成形である金属機械部品であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。溝は、チップパッケージ本体上で電磁遮蔽を実施するために、チップパッケージ本体の対応する部分を収容するように構成される。
【0030】
一可能な実装形態では、チップパッケージ本体は、エポキシ成形コンパウンドをさらに含む。少なくとも1つのチップの各々は、エポキシ成形コンパウンドに埋め込まれる。第1の遮蔽構造体は、エポキシ成形コンパウンドの外面およびパッケージ基板の側壁を覆う。
【0031】
一態様では、エポキシ成形コンパウンド、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。他の態様では、エポキシ成形コンパウンドは第1の遮蔽構造体の支持を提供し、これにより第1の遮蔽構造体の接続安定性を改善する。加えて、第1の遮蔽構造体は、エポキシ成形コンパウンドの外面およびパッケージ基板の側壁を覆い、チップパッケージ本体を取り囲み、電磁遮蔽効果を改善する。
【0032】
一可能な実装形態では、チップパッケージ本体は、エポキシ成形コンパウンドをさらに含み、少なくとも1つのチップの各々は、エポキシ成形コンパウンドに埋め込まれ、少なくとも1つのチップの各々は、パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続され、第1の遮蔽構造体は、エポキシ成形コンパウンドの外面を覆い、パッケージ基板の第1の表面まで延在する。
【0033】
一態様では、エポキシ成形コンパウンド、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。他の態様では、エポキシ成形コンパウンドは第1の遮蔽構造体の支持を提供し、これにより第1の遮蔽構造体の接続安定性を改善する。加えて、第1の遮蔽構造体は、エポキシ成形コンパウンドの外面およびパッケージ基板の側壁を覆う。これにより、使用されるエポキシ成形コンパウンドの数量を低減し、第1の遮蔽構造体の材料消費を低減する。
【0034】
一可能な実装形態では、第1の遮蔽構造体は、導電性膜、金属材料、または導電性接着材料のいずれか1つである。
【0035】
第1の遮蔽構造体が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。第1の遮蔽構造体が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタリング堆積または電気めっきプロセスを使用することによる堆積を通して生成されてもよい。第1の遮蔽構造体が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0036】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体は、導電性膜、金属材料、または導電性接着材料のいずれか1つである。
【0037】
一可能な実装形態では、第1の接続部に含まれる複数の電気接続構造体は、金属はんだボール、焼結体、金属機械部品、またはプラグ端子のいずれか1つであってもよい。代替的に、電気接続部は別の方法で実装されてもよい。本出願において、例は1つずつ本明細書では再度説明されない。
【0038】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体は、電磁遮蔽能力を改善するために、第1の遮蔽構造体を完全に覆う。第2の遮蔽構造体が導電性膜であるとき、第2の遮蔽構造体の形成の困難性がさらに低減されることができる。この場合、第2の遮蔽構造体は、粘着性材料を使用することによって第1の遮蔽構造体に接続されてもよく、すなわち、粘着性材料は、第2の遮蔽構造体と第1の遮蔽構造体の間の接触面に追加され、第2の遮蔽構造体と第1の遮蔽構造体の間の接続の安定性を改善する。
【0039】
第2の遮蔽構造体および第1の遮蔽構造体の実装形態は、同じであっても異なっていてもよい。これは、本出願では具体的には限定されない。第2の遮蔽構造体が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。第2の遮蔽構造体が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタリング堆積または電気めっきプロセスを使用することによる堆積を通して生成されてもよい。第2の遮蔽構造体が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0040】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体は、第1の遮蔽構造体の外側に配置され、第2のキャビティの少なくとも一部は、パッケージ基板と回路基板の間に配置される。
【0041】
この場合、第2の遮蔽構造体は、第1の遮蔽構造体の外側に接続されてもよく、加工および形成が容易である。第2の遮蔽構造体が第1の遮蔽構造体を覆うとき、第1の遮蔽構造体が第2の遮蔽構造体に接続される位置は、内側遮蔽構造体および外側遮蔽構造体を含み、これにより電磁遮蔽性能を改善する。第2のキャビティは、パッケージ基板と回路基板の間に配置され、第1の接続部を収容して、第1の接続部に電磁遮蔽を実装するように構成される。
【0042】
第2の態様によれば、本出願は、通信デバイスをさらに提供する。通信デバイスは、前述の実装形態で提供されるチップシステムを含む。通信デバイスに含まれるチップパッケージ本体は、電磁遮蔽に対する高い要求を有する。そのため、チップパッケージ本体がPCBに実装されるときには、チップパッケージ本体に対してより包括的かつ完全に電磁遮蔽が行われる必要がある。
【0043】
本出願で提供される通信デバイスに含まれる電磁遮蔽エンクロージャは、第1の接続部の電気接続部に電磁遮蔽を実装し、第1の接続部の電気接続部の電磁漏洩を低減し、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力を改善し、チップ性能を確保し、他の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減することができる。したがって、通信デバイスの性能がさらに改善される。
【0044】
一可能な実装形態では、通信デバイスは無線周波数トランシーバである。無線周波数トランシーバは、光ファイバを通して基地局のベースバンド処理ユニット(Base band Unit、BBU)に接続される。BBUは、無線周波数トランシーバによって送信されたデータを処理し、送信されるデータを無線周波数トランシーバに送信するように構成される。本出願の技術的解決策によれば、チップパッケージ本体上の電磁遮蔽能力が改善され、無線周波数トランシーバの動作性能がさらに改善される。
【0045】
一可能な実装形態では、少なくとも1つのチップは中間周波数チップを含む。中間周波数チップは、無線周波数トランシーバの中間周波数回路に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図2A】本出願の一実施形態によるチップシステムの断面図である。
【
図2B】本出願の一実施形態による
図2Aに対応する側面図である。
【
図3】本出願の一実施形態による別のチップシステムの断面図である。
【
図4A】本出願の一実施形態による
図3の領域Aの拡大図である。
【
図4B】本出願の一実施形態による
図3に対応する上面図である。
【
図4C】本出願の一実施形態による別のチップシステムの断面図である。
【
図5】本出願の一実施形態によるシミュレーション試験の波形図である。
【
図6】本出願の一実施形態による引き続き別のチップシステムの断面図である。
【
図7】本出願の一実施形態によるなおさら別のチップシステムの断面図である。
【
図8】本出願の一実施形態による別のチップシステムの断面図である。
【
図9】本出願の一実施形態による引き続き別のチップシステムの断面図である。
【
図10】本出願の一実施形態によるなおさら別のチップシステムの断面図である。
【
図11】本出願の一実施形態による別のチップシステムの断面図である。
【
図12】本出願の一実施形態による引き続き別のチップシステムの断面図である。
【
図17】本出願の一実施形態による無線周波数トランシーバシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本出願の実施形態で提供される技術的解決策を当業者に、より良く理解させるために、本出願で提供される技術的解決策の適用シナリオが以下で最初に説明される。
【0048】
チップの動作周波数が連続的に改善するにつれて、電磁干渉を低減するための要件が増大する。したがって、チップパッケージ本体の性能を改善するため、電磁放射漏れを低減するために、チップパッケージ本体に対してより包括的に電磁遮蔽が行われる必要がある。
【0049】
チップパッケージ本体は、チップおよびパッケージ基板を含む。チップは、中間周波数(Intermediate Frequency、IF)チップ、無線周波数(Radio Frequency、RF)チップ、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、グラフィック処理装置(Graphics Processing Unit、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、ニューラルネットワーク処理装置(Neural network Processing Unit、NPU)などを含むが、これらに限定されない。
【0050】
例えば、チップパッケージ本体は、はんだボールを使用することによってPCBに接続される。引き続き
図1を参照されたい。各はんだボール30の間には隙間が存在するため、はんだボール30は電磁放射線の漏洩源となり、チップ11の性能に影響を及ぼし、クロック信号を使用する必要がある電子デバイス、プロセッサ、メモリなどに含まれる高周波回路への電磁干渉をさらに引き起こす。
【0051】
上記の技術的問題を解決するために、本出願はチップシステムおよび通信デバイスを提供する。チップシステムは、チップパッケージ本体および電磁遮蔽エンクロージャを含み、チップパッケージ本体は、第1の接続部を使用することによって回路基板に電気的に接続され、チップパッケージ本体は、パッケージ基板、および少なくとも1つのチップを含む。パッケージ基板は、少なくとも1つのチップに電気的に接続される。電磁遮蔽エンクロージャは、導電性の第1の遮蔽構造体および導電性の第2の遮蔽構造体を含む。第1の遮蔽構造体はパッケージ基板に接続され、第1の遮蔽構造体の第1のキャビティは少なくとも1つのチップを収容するように構成され、第2の遮蔽構造体の第1の端部は回路基板または回路基板上のはんだパッドに接続され、第2の遮蔽構造体の第2の端部は第1の遮蔽構造体に接続されて第2のキャビティを形成するか、または、第2の遮蔽構造体の第1の端部は、回路基板または回路基板上のはんだパッドに接続され、第2の遮蔽構造体は、第1の遮蔽構造体を覆って第2のキャビティを形成する。第1の接続部は、第2のキャビティに配置される。本出願で提供される電磁遮蔽エンクロージャを使用することにより、第1の接続部に電磁遮蔽が実装されることができ、第1の接続部の電磁漏洩が低減され、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力をさらに改善し、チップ性能を確保し、他の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0052】
本出願における技術的解決策を当業者に、より良く理解させるために、以下は、本出願の実施形態における添付図面を参照して、本出願の実施形態における技術的解決策を説明する。
【0053】
本出願における用語「第1の」および「第2の」は説明に用いようと考えられているのにすぎず、示されている技術的特徴の相対的重要度を示したり示唆したり、示されている技術的特徴の数量を暗示的に示したりするものとしては当然理解されない。
【0054】
加えて、本出願では、「上へ」や「下へ」などの向きの用語は、添付の図面の構成要素に対して概略的に配置された向きを含み得るが、これらに限定されない。これらの方向用語は、相対的な概念であり、相対的な説明および明確化のために使用され、添付の図面における構成要素の配置方向の変化に基づいて、それに応じて変更され得ることを理解されたい。
【0055】
本出願では、特に明示的に指定および限定されない限り、「接続」という用語は、広義に理解されるべきである。例えば、「接続」は、固定接続、着脱可能な接続、もしくは一体型接続であってもよく、または直接接続であっても、もしくは中間媒体を通した間接接続であってもよい。
【0056】
チップパッケージ本体は、1つのチップを含んでいてもよいし、複数のチップを含んでいてもよい。説明を容易にするために、以下の実施形態では、チップパッケージ本体が1つのチップを含む一例を使用することによって説明される。
【0057】
図2Aは、本出願の一実施形態によるチップシステムの断面図である。
【0058】
その図に示されるチップパッケージ本体は、チップ11およびパッケージ基板14を含む。
【0059】
パッケージ基板14は、複数の導電層を含む回路基板であってもよく、パッケージ基板14の上面および下面の両方に露出したはんだパッド構造体が配置される。
【0060】
チップ11は、パッケージ基板14に電気的に接続されている。一可能な実装形態では、チップ11の表面は金属バンプを含み、チップ11およびパッケージ基板14は溶接され、はんだはスズ含有合金はんだであってもよい。はんだペーストが基板の表面に印刷され、チップと基板の間の接続がリフローはんだ付け方式で実施される。
【0061】
チップパッケージ本体がPCB 20に溶接されると、本出願で提供される電磁遮蔽エンクロージャは、チップパッケージ本体に電磁遮蔽を実装するために使用される。電磁遮蔽エンクロージャは、第1の遮蔽構造体13および第2の遮蔽構造体16を含む。
【0062】
第1の遮蔽構造体13と第2の遮蔽構造体16は、いずれも導電性構造体である。
【0063】
第1の遮蔽構造体13はパッケージ基板14に接続され、第1の遮蔽構造体13は第1の内部キャビティを含み、チップ11は第1の遮蔽構造体13の第1の内部キャビティに配置される。
【0064】
第2の遮蔽構造体16は、第1の遮蔽構造体13の外側に配置され、第2のキャビティの少なくとも一部は、パッケージ基板と回路基板の間に配置される。この場合、第2の遮蔽構造体は、第1の遮蔽構造体の外側に接続されてもよく、加工および形成が容易である。第2の遮蔽構造体が第1の遮蔽構造体を覆うとき、第1の遮蔽構造体が第2の遮蔽構造体に接続される位置は、内側遮蔽構造体および外側遮蔽構造体を含み、これにより電磁遮蔽性能を改善する。第2のキャビティは、パッケージ基板と回路基板の間に配置され、第1の接続部を収容して、第1の接続部に電磁遮蔽を実装するように構成される。
【0065】
チップパッケージ本体は、第1の接続部を使用することによってPCB 20に電気的に接続されている。
【0066】
第1の接続部は、複数の電気接続部を含む。電気接続部は、第1の接続部とPCB 20の間の電気接続を実施するために、金属はんだボール、焼結体、金属機械部品、プラグ端子などを含んでもよいし、別の電気接続部であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。以下では、第1の接続部の電気接続部が金属はんだボール30である一例を使用することによって説明が提供される。
【0067】
図2Bは、本出願の一実施形態による
図2Aに対応する側面図である。
【0068】
図2Bは、外部観察の図である。
図2Aおよび
図2Bを共に参照されたい。第2の遮蔽構造体16の第1の端部は、回路基板20に接続されるか、または回路基板20上のはんだパッド201に接続され、第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されて第2のキャビティを形成し、第2の遮蔽構造体16は、パッケージ基板の側面を完全に覆い、第1の接続部分を、第2の遮蔽構造体16を取り囲むことによって形成された第2のキャビティの中にする。この場合、
図2Bに示される外部観察図では、第1の接続部は、第2の遮蔽構造体16によって完全に遮蔽されている。
【0069】
この場合、第1の遮蔽構造体13と第2の遮蔽構造体16とによって形成される電磁遮蔽エンクロージャは、チップパッケージ本体および第1の接続部を共に覆う。これにより、第1の接続部の電磁漏洩を低減し、チップパッケージ本体の電磁遮蔽性能を改善し、チップ性能を確保し、別の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0070】
いくつかの他の可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体16は、材料が節約されることができるように、パッケージ基板の側面を部分的に覆う。
【0071】
以下では、具体的な実装形態を参照して説明を提供する。
【0072】
図3は、本出願の一実施形態による別のチップシステムの断面図である。
【0073】
本出願のこの実施形態におけるパッケージ基板14およびPCB 20は、ボールグリッドアレイ(Ball Grid Array、BGA)パッケージング方式またはランドグリッドアレイ(Land Grid Array、LGA)パッケージング方式で接続されてもよい。
【0074】
BGAパッケージング方式が使用されるとき、パッケージ基板14とPCB 20の間の複数のはんだボールがアレイを形成し、パッケージ基板とPCB 20の間に分散され、その結果、PCB 20はチップパッケージ本体と通信する。
【0075】
LGAパッケージング方式が使用されるとき、チップパッケージ本体がPCB 20に接続されるときに必要な接点はPCB 20上に配置され、パッケージ基板の下側は格子状接続端部を覆う。PCB 20は、点接触技術を使用することによってチップパッケージ本体と通信する。PCB 20はピンを提供し、それはBGAパッケージのはんだボールに取って代わり得る。
【0076】
説明を簡単にするために、以下では一例としてBGAパッケージを使用する。この場合、
図3の第1の接続部の複数の電気接続部は、具体的には、複数の金属はんだボール30である。本出願のこの実施形態では、金属はんだボールの数量および配置方式は特に限定されない。いくつかの他の実施形態では、LGAパッケージング方式が使用されるとき、第1の接続部はピンおよび接点を含むことが理解されよう。本出願のこの実施形態では、詳細は説明されない。
【0077】
チップ11の第1の表面は、第1の材料12を使用することによって第1の遮蔽構造体13に締結されている。
【0078】
一可能な実装形態では、第1の材料12は熱界面(Thermal Interface Material、TIM)材料である。熱界面材料は、ほとんどが可撓性材料であり、例えば、ゲルまたはシリコーン脂質材料であってもよい。熱界面材料がチップ11の第1の表面と第1の遮蔽構造体13の間に充填されると、一態様では、放熱を支援されることができ、その結果、チップ11が動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導され、他の態様では、第1の遮蔽構造体13の安定性を改善するため、第1の遮蔽構造体13のための支持が提供される。
【0079】
チップ11の第2の表面は、パッケージ基板14の第1の表面と電気的に接続されている。
【0080】
具体的には、チップ11の表面は金属バンプを含み、パッケージ基板14の上面にははんだパッドを含み、パッケージ基板14の表面にははんだペーストが印刷され、チップ11とパッケージ基板14とのはんだ付けはリフローはんだ付け方式で実装される。
【0081】
いくつかの実施形態では、接続安定性を改善するために、チップ11とパッケージ基板14の間にアンダーフィル(underfill)材料が注入され得る。アンダーフィル材料は、絶縁材料である。アンダーフィル材料の特定のタイプは、本出願のこの実施形態では限定されず、例えば、エポキシ樹脂であってもよい。
【0082】
第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を使用することによってパッケージ基板14の第1の表面に締結されている。
【0083】
第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を使用することによってパッケージ基板14の第1の表面に締結されており、第1の遮蔽構造体13は、第1の材料12を使用することによってチップ11の第1の表面にさらに締結されているので、第1の遮蔽構造体13の安定性が改善される。第1の接続部を使用することによってパッケージ基板20が回路基板に締結された後、回路基板に対する第1の遮蔽構造体13の位置が固定される。
【0084】
この場合、第1の遮蔽構造体13は金属機械部品であり、金属機械部品はパンチ形状であってもよいし、貫通鋳造であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。金属機械部品は溝構造を有し、溝は、チップパッケージ本体上で電磁遮蔽を実施するために、チップパッケージ本体の対応する部分を収容するように構成される。
【0085】
一可能な実装形態では、第2の接続部15は金属はんだであり、第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を使用することによってパッケージ基板14の第1の表面に溶接される。この場合、第1の遮蔽構造体13はパッケージ基板14に確実に接続され、電磁遮蔽エンクロージャは良好な電磁遮蔽性能を有する。
【0086】
別の可能な実装形態では、第2の接続部15は導電性接着剤であり、第1の遮蔽構造体13は第2の接続部15を使用することによってパッケージ基板14の第1の表面に締結される。このように、電磁遮蔽エンクロージャは、良好な電磁遮蔽性能を有することができる。
【0087】
引き続き別の可能な実装形態では、第2の接続部は絶縁性のコロソールであり、第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を使用することによってパッケージ基板14の第1の表面に締結される。これにより、製造の難易度が低減され、第1の遮蔽構造体13がパッケージ基板に確実に接続されることができる。
【0088】
パッケージ基板14の下面は、金属はんだボール30を使用することによってPCB 20に電気的に接続されている。具体的には、基板回路14とPCBの間の電気接続は、リフローはんだ付けプロセスを使用することによって実施され得る。
【0089】
PCB 20は、複数の回路層を含む。図に示されるPCBは単なる一例であり、本出願の技術的解決策に対する限定を構成するものではない。
【0090】
PCB上にはんだパッド201がある。はんだパッド201は、金属はんだパッドである。はんだパッド201は、PCBの接地回路層に接続される。はんだパッド201は、めっきスルーホール構造またはスロット付き電気めっき構造の方式で接地回路層に接続されてもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0091】
電気接続部、すなわち図中の金属はんだボール30に加えて、第1の接続部は、絶縁材料17をさらに含む。
【0092】
チップパッケージ本体と回路基板20の接続領域には絶縁材料17が充填されており、すなわちパッケージ基板14の下面とPCB 20の接続領域には絶縁材料17が充填されている。
【0093】
絶縁材料17は、アンダーフィル(underfill)材料、例えばエポキシ樹脂材料であってもよい。絶縁材料17は、キャピラリの原理により、複数の金属はんだボール間の隙間を充填してもよい。
【0094】
絶縁材料17は、複数の金属はんだボール間にできるだけ多くの隙間で充填されてもよいし、またはチップパッケージ本体と回路基板20の接続領域の縁部のみに絶縁材料17が充填される。
【0095】
図に示された第2の遮蔽構造体16は、絶縁材料17の側壁を覆っている。第2の遮蔽構造体16の第1の端部ははんだパッド201に接続され、はんだパッド201は接地され、チップ11および第1の接続部に対する電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力をさらに改善する。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0096】
この場合、第2の遮蔽構造体16は、内側で金属はんだボール30を包囲して、金属はんだボール30に対する電磁遮蔽を実施する。
【0097】
絶縁材料17は、支持の役割をさらに果たすことができ、その結果、第2の遮蔽構造体は、絶縁材料の側壁に密接に取り付けられてもよく、より安定して信頼性が高い。
【0098】
第2の遮蔽構造体16は、導電性膜、金属材料、または導電性接着材料のいずれか1つである。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0099】
第2の遮蔽構造体16が導電性膜であるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。
【0100】
第2の遮蔽構造体16が金属材料からなるとき、金属材料は、金属スパッタ堆積を通して生成されてもよく、電気めっきプロセスを使用することによって堆積を通して形成されてもよい。金属材料は、銅、銀、または別の金属材料であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0101】
第2の遮蔽構造体16が導電性接着材料であるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。一般的に使用される導電性接着材料は、金属銀を含む導電性接着材料、すなわち導電性銀接着剤であり得る。
【0102】
図4Aは、本出願の一実施形態による
図3の領域Aの拡大図である。
【0103】
絶縁材料17が充填されると、絶縁材料17によって形成された側壁は上下方向の外側に延在する。
【0104】
この場合、絶縁材料17が充填された第1の接続部は2つの接続面を含み、回路基板に近い一方の接続面が第1の接続面であり、チップパッケージ本体に近い他方の接続面が第2の接続面である。
【0105】
第1の接続面の幅は、第2の接続面の幅よりも大きい。すなわち、絶縁材料17の上側は狭く、下側は広い。
【0106】
第2の遮蔽構造体16の材料が導電性膜の実装形態であるとき、導電性膜は、第2の遮蔽構造体16が内側で金属はんだボール30を確実に包囲するために、絶縁材料17の側壁をスプレーし、そこに依存することを通して形成されてもよい。
【0107】
第2の遮蔽構造体が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタ堆積または電気めっきプロセスを使用することによる堆積を通して形成されてもよく、または第2の遮蔽構造体16が内側で金属はんだボール30を確実に取り囲むように、絶縁材料17の側壁に依存することによって形成されてもよい。
【0108】
第2の遮蔽構造体が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料は、第2の遮蔽構造体16が内側で金属はんだボール30を確実に取り囲むために、絶縁材料17の側壁をコーティングし、そこに依存することを通して形成されてもよい。
【0109】
結論として、絶縁材料17の側壁は、第2の遮蔽構造体16に対する支持を提供し得る。加えて、絶縁材料17は、代替的に、PCBとパッケージ基板の間の接続を補強してもよい。
【0110】
以下の添付図面および本出願の説明における絶縁材料17は、
図4Aの充填方式である。詳細は1つずつ説明されない。
【0111】
図4Bは、本出願の一実施形態による
図3に対応する上面図である。
【0112】
図4Bに示される上面図は、上面画角の断面図である。第1の遮蔽構造体13、第2の遮蔽構造体16、およびPCB 20は共にキャビティを形成する。第2の遮蔽構造体16は、パッケージ基板14の側面を完全に覆い、第1の接続部を第2の遮蔽構造体16を取り囲むことによって形成されるキャビティの中にする。
【0113】
図4Bに示されるはんだパッドは、チップパッケージ本体を取り囲み、第2の遮蔽構造体16の接続安定性を改善し、電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力を改善するために、第2の遮蔽構造体16の第1の端部に完全に締結されるように構成される。
【0114】
いくつかの他の実施形態では、はんだパッドは、材料を節約するために、チップパッケージ本体によって取り囲まれなくてもよい。
【0115】
この場合、第1の遮蔽構造体13と第2の遮蔽構造体16とによって形成される電磁遮蔽エンクロージャは、チップパッケージ本体および第1の接続部を共に覆う。これにより、第1の接続部の電磁漏洩を低減し、チップパッケージ本体の電磁遮蔽性能を改善し、チップ性能を確保し、別の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0116】
図4Cは、本出願の一実施形態による別のチップパッケージ本体の電磁遮蔽エンクロージャの断面図である。
【0117】
この実装形態では、電磁遮蔽エンクロージャの第2の遮蔽構造体16は導電性膜であり、導電性膜は第2の遮蔽構造体13をさらに完全に覆ってもよい。この場合、第2の遮蔽構造体16は、粘着性(Cohensive)材料を使用することによって第1の遮蔽構造体13に接続されてもよく、すなわち、粘着性材料は、第2の遮蔽構造体16と第1の遮蔽構造体13の間の接触面に追加され、第2の遮蔽構造体16と第1の遮蔽構造体13の間の接続の安定性を改善する。
【0118】
以下では、特定の試験データを参照して、
図3に示される電磁遮蔽エンクロージャの技術的効果について説明する。
【0119】
図5は、本出願の一実施形態によるシミュレーション試験の波形図である。
【0120】
図示されたシミュレーション試験の波形は、
図3および
図1の解決策がそれぞれ使用されたときの2 GHzから10 GHzの周波数帯域における遮蔽効果を示している。
【0121】
遮蔽効果は、遮蔽本体による電磁波の減衰を示す。遮蔽本体は、通常、電磁波強度を本来の強度の100分の1から、1000から10,000分の1まで減衰させることができるので、通常、デシベル(dB)で表される。
【0122】
図5のシミュレーション試験のデータは、下記表1に対応する。
【0123】
【0124】
図1に示される従来技術と比較して、本出願のこの実施形態では、電磁遮蔽エンクロージャを使用することによって遮蔽効果が約7 dBから8 dB増加させ得ることが分かり得る。すなわち、はんだボールの電磁漏洩が低減されることができ、それによってチップパッケージ本体の電磁遮蔽性能を改善し、チップ性能を確保する。
【0125】
以下では、電磁遮蔽エンクロージャの他の実装形態について説明する。
【0126】
図6は、本出願の一実施形態による引き続き別のチップシステムの断面図である。
【0127】
チップ11の第1の表面は、第1の材料12を使用することによって第1の遮蔽構造体13に接続されている。チップ11の第2の表面は、パッケージ基板14の第1の表面と電気的に接続されている。第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を使用することによってパッケージ基板14の側壁に締結されている。
【0128】
一可能な実装形態では、第1の材料12は熱界面材料であってもよく、熱界面材料はチップ11の第1の表面と第1の遮蔽構造体の間に充填される。一態様では、熱界面材料は、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。他の態様では、第1の遮蔽構造体の支持が提供され、第1の遮蔽構造体の安定性が改善される。加えて、第1の遮蔽構造体がパッケージ基板の側壁に締結され、その結果、チップパッケージ本体の側面が囲まれ、これによって電磁遮蔽効果を改善する。
【0129】
一可能な実装形態では、第2の接続部15は金属はんだであり、第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を使用することによってパッケージ基板14の側壁に溶接される。この場合、第1の遮蔽構造体13はパッケージ基板14に確実に接続され、電磁遮蔽エンクロージャは良好な電磁遮蔽性能を有する。
【0130】
別の可能な実装形態では、第2の接続部15は導電性接着剤であり、第1の遮蔽構造体13は第2の接続部15を使用することによってパッケージ基板14の側壁に締結される。このように、電磁遮蔽エンクロージャは、良好な電磁遮蔽性能を有することができる。
【0131】
引き続き別の可能な実装形態では、第2の接続部15は絶縁性のコロソールであり、第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を使用することによってパッケージ基板14の側壁に締結される。これにより、製造の難易度が低減され、第1の遮蔽構造体がパッケージ基板に確実に接続されることができる。
【0132】
第2の遮蔽構造体16の第1の端部が、はんだパッド201に接続されている。はんだパッド201が接地され、その結果、チップおよび第1の接続部に対する電磁遮蔽の電磁遮蔽能力が改善される。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0133】
図7は、本出願の一実施形態によるなおさら別のチップシステムの断面図である。
【0134】
図に示されている実装形態と
図6に示されている実装形態の違いは、第1の接続部が絶縁材料17をさらに含むことにある。
【0135】
絶縁材料17は、チップパッケージ本体と回路基板20と複数の金属はんだボール30の間に充填されており、すなわち絶縁材料17は、パッケージ基板14の下面とPCB 20の間の隙間に充填されている。
【0136】
絶縁材料17は、アンダーフィル(underfill)材料、例えばエポキシ樹脂材料であってもよい。絶縁材料17は、キャピラリの原理により、複数の金属はんだボール間の隙間を充填してもよい。
【0137】
絶縁材料17は、チップパッケージ本体と回路基板20と複数の金属はんだボールの間の隙間をできるだけ埋めてもよいし、チップパッケージ本体と回路基板20の接続領域の縁部のみに絶縁材料17を充填してもよい。
【0138】
第2の遮蔽構造体16は、絶縁材料17の側壁を覆っている。第2の遮蔽構造体16の第1の端部ははんだパッド201に接続され、はんだパッド201は接地され、それによって、チップおよび第1の接続部に対する電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力を改善する。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0139】
結論として、本出願で提供される電磁遮蔽エンクロージャが使用され、その結果、第1の接続部に電磁遮蔽が実装されることができ、第1の接続部の電磁漏洩が低減され、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力をさらに改善し、チップ性能を確保し、他の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0140】
以下では、別の電磁遮蔽エンクロージャの実装形態について説明する。
【0141】
図8は、本出願の一実施形態による別のチップシステムの断面図である。
【0142】
図8に示されるチップパッケージ本体は、エポキシ成形コンパウンド18をさらに含み、エポキシ成形コンパウンド18にチップ11が埋め込まれている。
【0143】
チップ11は、パッケージ基板14の第1の表面に電気的に接続され、第1の遮蔽構造体は、エポキシ成形コンパウンド18の外面およびパッケージ基板14の側壁を覆う。
【0144】
この場合、第1の遮蔽構造体13は、導電性膜、金属材料または導電性接着材料であってもよい。
【0145】
具体的には、第1の遮蔽構造体13が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。
【0146】
第1の遮蔽構造体13が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタ堆積または電気めっきプロセスを使用することによる堆積を通して形成されてもよく、代替的に金属材料は、スタンピングまたは鋳造を通して形成される金属機械部品であってもよい。
【0147】
第1の遮蔽構造体13が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0148】
一態様では、エポキシ成形コンパウンド18は、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体13に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。別の態様において、エポキシ成形コンパウンド18は、第1の遮蔽構造体13のための支持を提供し、これは、第1の遮蔽構造体の安定性を改善し、第1の遮蔽構造体13がエポキシ成形コンパウンド18に対して形成されることを可能にする。
【0149】
第1の遮蔽構造体13は、エポキシ成形コンパウンド18の外面およびパッケージ基板14の側壁を覆い、チップパッケージ本体を取り囲み、これによって電磁遮蔽効果を改善する。
【0150】
チップ11の第2の表面は、パッケージ基板14の第1の表面と電気的に接続されている。
【0151】
一可能な実装形態では、チップ11の表面は金属バンプを含み、パッケージ基板14の上面にははんだパッドを含み、パッケージ基板14の表面にははんだペーストが印刷され、チップ11およびパッケージ基板14はリフローはんだ付け方式で溶接される。いくつかの実施形態では、接続安定性を改善するために、チップ11とパッケージ基板14の間にアンダーフィル材料が注入され得る。アンダーフィル材料は、絶縁材料である。アンダーフィル材料の特定のタイプは、本出願のこの実施形態では限定されず、例えば、エポキシ樹脂であってもよい。
【0152】
パッケージ基板14の下面は、金属はんだボール30を使用することによってPCB 20に電気的に接続されている。具体的には、基板回路14は、リフローはんだ付けプロセスを使用することによってPCBに電気的に接続され得る。
【0153】
PCB上にはんだパッド201がある。はんだパッド201は、金属はんだパッドである。はんだパッド201は、PCBの接地回路層に接続される。はんだパッド201は、めっきスルーホール構造またはスロット付き電気めっき構造を通してPCBの接地回路層に接続されてもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0154】
第2の遮蔽構造体16は、内側で金属はんだボール30を取り囲み、これは金属はんだボール30に対する電磁遮蔽を実施する。第2の遮蔽構造体および第1の遮蔽構造体の実装形態は、同じであっても異なっていてもよい。これは、本出願では具体的には限定されない。
【0155】
第2の遮蔽構造体が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。第2の遮蔽構造体が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタリング堆積または電気めっきプロセスを使用することによる堆積を通して生成されてもよい。第2の遮蔽構造体が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0156】
図9は、本出願の一実施形態による引き続き別のチップシステムの断面図である。
【0157】
図に示されている実装形態と
図8に示されている実装形態の違いは、第1の接続部が絶縁材料17をさらに含むことにある。
【0158】
チップパッケージ本体のパッケージ基板と回路基板20と複数の金属はんだボールの間の領域は、絶縁材料17で充填され、すなわちパッケージ基板14の下面とPCB 20の間の隙間には、絶縁材料17が充填されている。
【0159】
絶縁材料17は、アンダーフィル材料、例えばエポキシ樹脂材であってもよい。絶縁材料17は、キャピラリの原理により、複数の金属はんだボール間の隙間を充填してもよい。
【0160】
絶縁材料17は、チップパッケージ本体のパッケージ基板と回路基板20と複数の金属はんだボールの間の領域を可能な限り充填してもよいし、チップパッケージ本体と回路基板20の接続領域の縁部のみを充填してもよい。
【0161】
第2の遮蔽構造体16は、絶縁材料17の側壁を覆っている。第2の遮蔽構造体16の第1の端部が、はんだパッド201に接続されている。はんだパッド201の接地は、チップおよび第1の接続部のための電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力を改善する。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0162】
結論として、本出願で提供される電磁遮蔽エンクロージャが使用され、その結果、第1の接続部に電磁遮蔽が実装されることができ、第1の接続部の電磁漏洩が低減され、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力をさらに改善し、チップ性能を確保し、他の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0163】
以下では、引き続き別のチップパッケージ本体の電磁遮蔽エンクロージャの図について説明する。
【0164】
図10は、本出願の一実施形態によるなおさら別のチップシステムの断面図である。
【0165】
図10に示される電磁遮蔽エンクロージャと
図8の電磁遮蔽エンクロージャとの違いは、第1の遮蔽構造体13がエポキシ成形コンパウンド18の外面を覆い、パッケージ基板14の第1の表面まで延在することにある。
【0166】
一態様では、エポキシ成形コンパウンド18は、チップ11が動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体13に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。他の態様では、エポキシ成形コンパウンド18は第1の遮蔽構造体13の支持を提供し、これにより第1の遮蔽構造体を締結する安定性を改善する。加えて、第1の遮蔽構造体は、エポキシ成形コンパウンドの外面およびパッケージ基板の側壁を覆う。
図8の実装形態と比較して、使用されるエポキシ成形コンパウンド18の数量が低減され、第1の遮蔽構造体13の材料消費が低減される。
【0167】
第1の遮蔽構造体13が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。第1の遮蔽構造体13が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタリング堆積または電気めっきプロセスを使用することによる堆積を通して生成されてもよい。第1の遮蔽構造体13が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0168】
第2の遮蔽構造体16の第1の端部はPCB 20上のはんだパッド201に接続され、はんだパッド201は接地されて、チップおよび金属はんだボールのための電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力を改善する。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。この場合、第2の遮蔽構造体16は、パッケージ基板14の側面をさらに覆う。
【0169】
第2の遮蔽構造体16および第1の遮蔽構造体13の実装形態は、同じであっても異なっていてもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。第2の遮蔽構造体16が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。第2の遮蔽構造体16が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタリング堆積または電気めっきプロセスを使用することによる堆積を通して生成されてもよい。第2の遮蔽構造体16が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0170】
図11は、本出願の一実施形態による別のチップシステムの断面図である。
【0171】
図に示されている実装形態と
図10に示されている実装形態の違いは、第1の接続部が絶縁材料17をさらに含むことにある。
【0172】
チップパッケージ本体のパッケージ基板と回路基板20と複数の金属はんだボール30の間の領域は、絶縁材料17で充填され、すなわちパッケージ基板14の下面とPCB 20の間の隙間領域には、絶縁材料17が充填されている。
【0173】
絶縁材料17は、アンダーフィル材料、例えばエポキシ樹脂材であってもよい。絶縁材料17は、キャピラリの原理により、複数の金属はんだボール間の隙間を充填してもよい。
【0174】
絶縁材料17は、チップパッケージ本体のパッケージ基板と回路基板20と複数の金属はんだボール30の間の領域を可能な限り充填してもよいし、チップパッケージ本体と回路基板20の接続領域の縁部のみを充填してもよい。
【0175】
第2の遮蔽構造体16は、絶縁材料17の側壁を覆っている。第2の遮蔽構造体16の第1の端部ははんだパッド201に接続され、はんだパッド201は接地され、それによって、チップおよび第1の接続部に対する電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力を改善する。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0176】
結論として、本出願で提供される電磁遮蔽エンクロージャを使用することにより、第1の接続部に電磁遮蔽が実装されることができ、第1の接続部の電磁漏洩が低減され、それによって、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力を改善し、チップ性能を確保し、他の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0177】
以下では、別のチップシステムの実装形態について説明する。
【0178】
図12は、本出願の一実施形態による引き続き別のチップシステムの断面図である。
【0179】
図12は、x軸およびy軸が配置される平面の上面図である。PCB 20上のはんだパッド201およびピンの位置を表示するために、チップパッケージ本体10は中実ブロックを使用することによって表され、
図12は第1の遮蔽構造体および第2の遮蔽構造体を示さない。
【0180】
チップパッケージ本体10は、チップおよびパッケージ基板を含む。パッケージ基板ははんだパッド201上に配置され、第2の遮蔽構造体の第1の端部ははんだパッド201に電気的に接続され、第2の遮蔽構造体の第2の端部は第1の遮蔽構造体に電気的に接続されている。
【0181】
PCB 20上のピンは、第1のピン202および接地ピン203を含む。第1のピン202および接地ピン203の具体的な分布および量は、本出願では特に限定されない。第1のピン202は信号伝送ピンであり、接地ピン203は接地されるように構成されている。
【0182】
x軸およびy軸が配置される平面上の第1のピン202の投影は、チップパッケージ本体10の輪郭が覆う範囲内にある。x軸およびy軸が配置される平面上の接地ピン203の投影は、チップパッケージ本体10の輪郭によって覆われる範囲内に部分的にあるか、またはチップパッケージ本体10の輪郭によって覆われる範囲外に完全にある。本出願では、接地ピン203が、チップパッケージ本体10の輪郭によって覆われる範囲内に部分的にある一例が説明のために使用される。
【0183】
x軸およびy軸が配置される平面上のはんだパッド201の両側の投影、チップパッケージ本体10の輪郭によって覆される範囲外にある。はんだパッド201の両側から延在する領域、すなわち図に示される領域Bおよび領域B1は、はんだ付けプロセスを使用することによってはんだパッド201と第1の遮蔽構造体の間の電気的接続を実施するために使用される。領域Bおよび領域B1の具体的な面積は、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0184】
図中の領域Cおよび領域C1は、チップパッケージ本体10とPCB 20が電気信号を使用することによって接続される領域である。一可能な実装形態では、LGAパッケージング方式が使用されるとき、チップパッケージ本体10がPCB 20に接続されるときに必要な接点はPCB 20上に配置され、パッケージ基板の下側は格子状接続端部を覆う。PCB 20は、点接触技術を使用することによってチップパッケージ本体と通信する。PCB 20はピンを提供し、それはBGAパッケージのはんだボールに取って代わり得る。
【0185】
領域は、絶縁材料で充填されてもよい。絶縁材料は、アンダーフィル材料、例えばエポキシ樹脂材であってもよい。絶縁材料は、キャピラリの原理によりギャップを充填し得る。
【0186】
いくつかの他の実施形態では、領域は絶縁材料で充填されなくてもよい。
【0187】
【0188】
図13Aは、x軸およびz軸が配置される平面の断面図である。
【0189】
はんだパッド201の両側から延在する領域、すなわち図に示される領域Bおよび領域B1は、はんだ付けプロセスを使用することによって第2の遮蔽構造体16を形成するために使用され、その結果、はんだパッド201は第1の遮蔽構造体13に電気的に接続される。
【0190】
すなわち、第2の遮蔽構造体16の一端ははんだパッド201に接続され、他端は第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0191】
チップ11の第1の表面は、第1の材料12を使用することによって第1の遮蔽構造体13に締結されている。
【0192】
一可能な実装形態では、第1の材料12はTIM材料であり、TIM材料は大部分が可撓性材料であり、例えば、ゲルまたはシリコーン脂質材料であってもよい。TIM材料がチップ11の第1の表面と第1の遮蔽構造体13の間に充填されると、一態様では、放熱を支援されることができ、その結果、チップ11が動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導され、他の態様では、第1の遮蔽構造体13のための支持が提供され、それによって、第1の遮蔽構造体13の安定性を改善する。
【0193】
この場合、第1の遮蔽構造体13は金属機械部品であり、金属機械部品はパンチ形状であってもよいし、貫通鋳造であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。金属機械部品は溝構造を有し、溝は、チップパッケージ本体上で電磁遮蔽を実施するために、チップパッケージ本体の対応する部分を収容するように構成される。
【0194】
はんだパッド201は、第2の遮蔽構造体16を使用することによって第1の遮蔽構造体13に電気的に接続されるため、はんだパッド201が接地されると、第2の遮蔽構造体16および第1の遮蔽構造体13も接地され、これにより、電磁遮蔽性能を改善する。
【0195】
さらに、PCB 20上の接地ピン203は、チップパッケージ本体10の輪郭の範囲外に部分的に配置されているので、接地ピン203は、代替的に、はんだ付けプロセスを使用することによって第1の遮蔽構造体13に電気的に接続されて、配線を通したPCB 20上の接地を回避し得、これにより接地線が簡略化される。
【0196】
【0197】
図13Bは、x軸およびz軸が位置すされる平面の断面図である。この実装形態と
図13Aに示される実装形態の違いは、チップパッケージ本体がエポキシ成形コンパウンド18をさらに含み、チップ11がエポキシ成形コンパウンド18に埋め込まれていることにある。
【0198】
この場合、第1の遮蔽構造体13は、導電性膜、金属材料または導電性接着材料であってもよい。
【0199】
具体的には、第1の遮蔽構造体13が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。
【0200】
第1の遮蔽構造体13が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタ堆積または電気めっきプロセスを使用することによる堆積を通して形成されてもよく、代替的に金属材料は、パンチ形態または貫通鋳造である金属機械部品であってもよい。
【0201】
第1の遮蔽構造体13が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0202】
一態様では、エポキシ成形コンパウンド18は、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体13に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。他の態様において、エポキシ成形コンパウンド18は、第1の遮蔽構造体13のための支持を提供し、これは、第1の遮蔽構造体の安定性を改善し、第1の遮蔽構造体13がエポキシ成形コンパウンド18に依存して形成されることを可能にする。
【0203】
第1の遮蔽構造体13は、エポキシ成形コンパウンド18の外面およびパッケージ基板14の側壁を覆い、チップパッケージ本体を取り囲み、これによって電磁遮蔽効果を改善する。
【0204】
【0205】
図14は、y軸およびz軸が位置すされる平面の側面図である。
図14によれば、はんだ付けプロセスを使用することによって第2の遮蔽構造体16が形成され、その結果、はんだパッド201が第1の遮蔽構造体13に電気的に接続され、第2の遮蔽構造体16は、材料を節約するために第2の遮蔽構造体16の一部のみを覆う。
【0206】
代替的に、チップパッケージ本体10の範囲外に延在された接地ピン203の一部は、はんだ付けプロセスを使用することによって第2の遮蔽構造体16を形成し、第1の遮蔽構造体13への電気的接続を実施してもよい。これにより、配線を通したPCB 20上の接地を回避し、接地線を簡素化する。加えて、接地ピン203、はんだパッド201、第1の遮蔽構造体13、および第2の遮蔽構造体16は、第1のピン202を包囲し、これにより、チップシステムの電磁遮蔽性能をさらに改善する。
【0207】
【0208】
図15Aは、x軸およびz軸が配置される平面の断面図である。
図15Aに示されるチップシステムと
図13Aのもの違いは、
図15Aに示されるチップシステムの第2の遮蔽構造体16が導電性膜であり、導電性膜が第2の遮蔽構造体13の外部を覆っていることある。
【0209】
【0210】
図15Bは、x軸およびz軸が配置される平面の断面図である。
図15Bに示されるチップシステムと
図15Aのものの違いは、チップパッケージ本体がエポキシ成形コンパウンド18をさらに含み、チップ11がエポキシ成形コンパウンド18に埋め込まれていることにある。
【0211】
この場合、第1の遮蔽構造体13は、導電性膜、金属材料または導電性接着材料であってもよい。
【0212】
具体的には、第1の遮蔽構造体13が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。
【0213】
第1の遮蔽構造体13が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタ堆積または電気めっきプロセスを使用することによる堆積を通して形成されてもよく、代替的に金属材料は、パンチ形態または貫通鋳造である金属機械部品であってもよい。
【0214】
第1の遮蔽構造体13が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0215】
一態様では、エポキシ成形コンパウンド18は、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体13に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。他の態様において、エポキシ成形コンパウンド18は、第1の遮蔽構造体13のための支持を提供し、これは、第1の遮蔽構造体の安定性を改善し、第1の遮蔽構造体13がエポキシ成形コンパウンド18に依存して形成されることを可能にする。
【0216】
第1の遮蔽構造体13は、エポキシ成形コンパウンド18の外面およびパッケージ基板14の側壁を覆い、チップパッケージ本体を取り囲み、これによって電磁遮蔽効果を改善する。
【0217】
【0218】
図16Aは、y軸およびz軸が位置すされる平面の側面図である。この場合、第2の遮蔽構造体は2つの部分を含む。
【0219】
第2の遮蔽構造体の第1の部分は導電性膜であり、導電性膜は第2の遮蔽構造体13の外部を覆い、導電性膜ははんだパッド201の両側から延在する領域を使用することによって締結される。
【0220】
接地ピン203の一部は、チップパッケージ本体10の範囲外まで延在し、はんだ付けプロセスを使用することによって第2の遮蔽構造体16の第2の部分を形成し、第1の遮蔽構造体13への電気的接続を実施する。これにより、配線を通したPCB 20上の接地を回避し、接地線を簡素化する。加えて、接地ピン203、はんだパッド201、第1の遮蔽構造体13、および第2の遮蔽構造体16は、第1のピン202を包囲し、これにより、チップシステムの電磁遮蔽性能を改善する。
【0221】
【0222】
図16Bは、y軸およびz軸が位置すされる平面の側面図である。
図16Bに示されるチップシステムと
図16Aのものの違いは、第2の遮蔽構造体16が導電性膜であり、接地ピン203の一部がチップパッケージ本体10の範囲外に延在し、チップパッケージ本体10の範囲外に延在するはんだパッド201の両面の一部が導電性膜と電気的に接続するために使用されることである。導電性膜は、第1の遮蔽構造体13を完全に覆っていてもよいし、第1の遮蔽構造体13の側壁を完全に覆っていてもよい。
【0223】
この場合、はんだパッド201、第1の遮蔽構造体13、および第2の遮蔽構造体16は、第1のピン202を包囲し、これにより、チップシステムの電磁遮蔽性能を改善する。
【0224】
上記の説明は、チップシステムの第1のピン202および接地ピン203がチップパッケージ本体10の上側および下側に位置すされる一例を使用することによって提供されていることが理解されよう。実際の用途では、第1のピン202および接地ピン203の数量が変化するにつれて、第1のピン202および接地ピン203の配置位置はそれに応じて調整されてもよく、片側のみに配置されてもよく、または3つの側に配置されてもよく、または4つの側に配置されてもよい。ここでは詳細を繰り返さない。
【0225】
上述の実施形態で提供されたチップシステムに基づいて、本出願の一実施形態は、チップシステムが適用される通信デバイスをさらに提供する。以下に具体的な説明を提供する。
【0226】
通信デバイスはPCBを含み、PCB上の中間周波数(Intermediate Frequency、IF)チップおよび無線周波数(Radio Frequency、RF)チップに対応するチップパッケージ本体は、前述の実施形態で提供されたチップシステムを使用し得る。
【0227】
以下では、通信デバイスが説明のために無線周波数トランシーバである一例を使用する。
【0228】
図17は、本出願の一実施形態による無線周波数トランシーバシステムの図である。
【0229】
無線通信システムに適用される無線周波数トランシーバ01は、多入力多出力(Multiple-Input Multiple-Output、MIMO)機能をサポートし、複数の送信アンテナを使用することによって異なるユーザ機器(User Equipment、UE)に同時に信号を送信し、複数の受信アンテナを使用することによって、複数のUE 02によって送信された信号を同時に受信することができる。
【0230】
本出願の実施形態で提供される無線周波数トランシーバシステムは、無線周波数トランシーバ01およびベースバンド処理ユニット(Base band Unit、BBU)03を含む。
【0231】
実際の用途では、無線周波数トランシーバシステムは、一般に、複数の無線周波数トランシーバ01および複数のBBU 03を含む。1つのBBU 03は、複数の無線周波数トランシーバ01の同時アクセスをサポートする。1つのBBU 03によって同時にアクセスされる無線周波数トランシーバ01の具体的な数量は、本出願の実施形態では限定されない。
【0232】
無線周波数トランシーバシステムが複数のBBU 03を含むとき、BBU 03に接続される無線周波数トランシーバ01の数量は同じであっても異なっていてもよい。これは、本出願の実施形態では具体的には限定されない。
【0233】
無線周波数トランシーバ01は、光ファイバを通してBBU 03に接続される。一態様では、無線周波数トランシーバ01は、光ファイバを通して、BBUによって送信された光信号を取得し、光モジュールを通して光信号を高速電気信号に変換し、内部ベースバンド回路、中間周波数回路、および無線周波数電力増幅回路を使用することによって高速電気信号を処理し、次いで、複数の送信アンテナを介して複数のユーザ機器に高速電気信号を送信する。他の態様では、無線周波数トランシーバ01は、複数の受信アンテナを通して、複数のユーザ機器によって送信された無線周波数信号を受信し、内部無線周波数電力増幅回路、中間周波数回路、およびベースバンド回路を使用することによって無線周波数信号を処理することができ、無線周波数信号は高速電気信号に変換され、次いで、光モジュールを通して高速電気信号を光信号に変換し、光信号は光ファイバを通してBBU 03に送信される。
【0234】
中間周波数回路の中間周波数チップは、本出願のこの実施形態で提供されるチップシステムに適用され得、すなわち、中間周波数チップのチップパッケージ本体は、前述の電磁遮蔽を使用することによって、中間周波数回路が配置されるPCB上に配置される。
【0235】
結論として、本出願のこの実施形態で提供される通信デバイスに含まれるチップシステムは、第1の接続部分に対する電磁遮蔽を実施し、第1の接続部分の電磁漏洩を低減し、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力を改善し、チップ性能を確保し、別の回路構成要素に対する電磁漏洩の影響を低減することができ、それによって通信デバイスの性能を改善する。
【0236】
前述の説明は、本出願の特定の実装形態にすぎない。当業者は、本出願の原理から逸脱することなくいくつかの改善および修正をさらに行うことができ、これらの改善および修正もまた、本出願の保護範囲と見なされることに留意されたい。
【符号の説明】
【0237】
01 無線周波数トランシーバ
02 ユーザ機器
03 ベースバンド処理ユニット
10 チップパッケージ本体
11 チップ
12 第1の材料、熱界面材料
13 電磁遮蔽エンクロージャ、第1の遮蔽構造体
14 パッケージ基板
15 第2の接続部
16 第2の遮蔽構造体
17 絶縁材料
18 エポキシ成形コンパウンド
20 プリント基板、回路基板
30 はんだボール
201 はんだパッド
202 第1のピン
203 接地ピン
A、B、B1、C、C1 領域
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2021年12月6日付で中国国家知識産権局に出願された、「チップシステムおよび通信デバイス」という名称の中国特許出願第202111479134.2号の優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、チップ技術の分野に関し、特に、チップシステムおよび通信デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体プロセスサイズが連続的に減少するにつれて、電子デバイスの様々なチップの集積は徐々に改善し、チップの動作周波数は連続的に改善する。その結果、電子デバイスの小型の導電素子または導電構造体がアンテナとなり、外部に向けて電磁放射を行い、電子デバイスに含まれ、高周波干渉によって容易に影響される高周波回路、クロック信号を使用する必要があるプロセッサ、メモリなどに電磁干渉を生じさせる。電磁放射線の影響を低減するための従来の方法は、電磁放射線を発生させる放射デバイスまたは電磁放射線によって容易に影響される敏感なデバイスのための電磁遮蔽を配置することである。
【0004】
図1は、従来のチップパッケー
ジの電磁遮蔽エンクロージャの図である。
【0005】
その図に示されるチップパッケージ本体は、チップ11およびパッケージ基板14を含む。チップ11およびパッケージ基板14は、はんだボールを通して溶接される。電磁遮蔽エンクロージャ13は、一般に、技術的なスタンピング構造体であり、チップ11の上部、すなわち側面を覆い、接続部15を通してパッケージ基板14の上面に締結される。チップ11の上面は、放熱を加速するために、熱界面材料(Thermal interface material、TIM)12を使用することによって電磁遮蔽エンクロージャ13と接触している。電磁遮蔽エンクロージャ13を使用することにより、チップ11の電磁放射が低減され得る。
【0006】
しかし、パッケージ基板14は、はんだボール30を通してプリント基板(Printed Circuit Board、PCB)20に接続されており、はんだボール30の間には隙間があるため、はんだボール30が電磁放射線の漏洩源となる。チップ11の動作周波数が連続的に増加するにつれて、電磁放射漏れを低減するための要件が連続的に増加し、はんだボール30によって漏れた電磁放射線は、チップの性能に深刻な影響を及ぼす可能性さえある。
【発明の概要】
【0007】
上記の問題を解決するために、本出願はチップシステムおよび通信デバイスを提供し、これは、第1の接続部の電磁漏洩を低減し、チップの電磁遮蔽能力を改善し、チップの性能を確保する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本出願はチップシステムを提供する。チップシステムは、チップパッケージ本体および電磁遮蔽エンクロージャを含む。チップパッケージ本体は、第1の接続部を通して回路基板と電気的に接続される。典型的な実装形態では、第1の接続部ははんだボールを含む。チップパッケージ本体は、電気的に接続されたパッケージ基板および少なくとも1つのチップを含み、電磁遮蔽エンクロージャは、導電性の第1の遮蔽構造体および導電性の第2の遮蔽構造体を含む。第1の遮蔽構造体はパッケージ基板に接続され、第1の遮蔽構造体は第1のキャビティを含み、第1のキャビティは少なくとも1つのチップを収容するように構成される。第2の遮蔽構造体の第1の端部は、回路基板に接続されるか、もしくは回路基板上のはんだパッドに接続され、第2の遮蔽構造体の第2の端部は、第2のキャビティを形成するために第1の遮蔽構造体に接続され、または第2の遮蔽構造体の第1の端部は、回路基板上のはんだパッドに接続されるか、もしくは回路基板に接続され、第2の遮蔽構造体は、第2のキャビティを形成するために第1の遮蔽構造体を覆い、第1の接続部は、第2のキャビティに配置される。
【0009】
本出願で提供されるチップシステムによれば、第1の遮蔽構造体が第2の遮蔽構造体に接続された後、形成された第2のキャビティは第1の接続部を包囲する。第1の遮蔽構造体と第2の遮蔽構造体の両方が導電性であるため、第1の遮蔽構造体および第2の遮蔽構造体は、第1の接続部に対する電磁遮蔽を実施し、第1の接続部の電磁漏洩を低減し、電磁遮蔽能力を改善し、チップ性能を確保し、別の回路構成要素に対する電磁漏洩の影響を低減するために、遮蔽機能を共同で実施する。
【0010】
一可能な実装形態では、第1の接続部は、絶縁材料および複数の電気接続部を含み、複数の電気接続部は、チップパッケージ本体と回路基板を接続するように構成され、絶縁材料は、チップパッケージ本体のパッケージ基板と、回路基板と、複数の電気接続部の間の領域に充填される。
【0011】
一典型的な実装形態では、電気接続部ははんだボールであり、第1の接続部ははんだボールおよび絶縁材料を含み、はんだボールは、チップパッケージ本体と回路基板の間の電気接続を実施するように構成される。
【0012】
一態様では、絶縁材料は、放熱を支援するものとして機能してもよい。別の態様では、チップパッケージ本体の接続領域と回路基板の間に充填された絶縁材料が、支持の役割をさらに果たしてもよく、その結果、第2の遮蔽構造体は、絶縁材料の側壁に密接に取り付けられてもよく、より安定して信頼性が高い。加えて、チップパッケージ本体と回路基板の接続領域が大きくなり、チップパッケージ本体と回路基板との接続の安定性が改善される。
【0013】
一可能な実装形態では、絶縁材料で充填された第1の接続部は2つの接続面を含み、回路基板に近い1つの接続面は第1の接続面であり、チップパッケージ本体に近い1つの接続面は第2の接続面であり、第1の接続面の幅は第2の接続面の幅よりも大きい。すなわち、絶縁材料が充填された後、上側が狭く、下側が広いため、絶縁材料は第2の遮蔽構造体に対する支持を提供することができる。
【0014】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体は、絶縁材料の側壁の全部または一部を覆う。
【0015】
チップパッケージ本体と回路基板の接続領域に絶縁材料が充填されているとき、絶縁材料は、キャピラリの原理により充填されてもよく、第2の遮蔽構造体は、絶縁材料の側壁の全部または一部を覆い、すなわち、内部に金属はんだボールが取り囲まれている。これにより、金属はんだボールに対する電磁遮蔽を実施する。加えて、第2の遮蔽構造体が絶縁材料の縁部に接触しているとき、チップパッケージ本体の接続領域と回路基板の間に充填された絶縁材料が支持的な役割をさらに果たすことができるため、第2の遮蔽構造体は絶縁材料の側壁に密接に取り付けさせることができ、より安定して信頼性が高い。
【0016】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体の接続安定性を改善するために、第2の遮蔽構造体の第1の端部が回路基板上のはんだパッドに接続される。
【0017】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体の第1の端部は回路基板上のはんだパッドに接続され、はんだパッドは接地される。この場合、電磁遮蔽エンクロージャは、チップおよび第1の接続部の電磁遮蔽能力を改善する。
【0018】
一可能な実装形態では、パッケージ基板ははんだパッド上に配置され、第2の遮蔽構造体の第1の端部ははんだパッドに電気的に接続される。
【0019】
一可能な実装形態では、チップパッケージ本体は、ランドグリッドアレイLGAパッケージング技術を使用することによって回路基板に電気的に接続され、チップパッケージ本体の接地ピンは、第2の遮蔽構造体に電気的に接続される。はんだパッドは、第2の遮蔽構造体を使用することによって第1の遮蔽構造体に電気的に接続されるため、はんだパッドが接地されると、第2の遮蔽構造体および第1の遮蔽構造体も接地される。これにより、電磁遮蔽性能を改善する。
【0020】
さらに、回路基板上の接地ピンの一部がチップパッケージ本体の輪郭によって覆われる範囲外に配置されるとき、接地ピンは、代替的に、配線を通した接地を回避し、接地線を単純化するために、はんだ付けプロセスを使用することによって第1の遮蔽構造体に電気的に接続されてもよい。
【0021】
一可能な実装形態では、少なくとも1つのチップの各々の第1の表面は、第1の材料を通して第1の遮蔽構造体に接続される。少なくとも1つのチップの各々の第2の表面は、パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続され、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を通してパッケージ基板の第1の表面に接続される。
【0022】
第1の材料は熱界面(Thermal Interface Material、TIM)材料であってもよく、熱界面材料はほとんどが可撓性材料であり、例えば、ゲルまたはシリコーン脂質材料であってもよく、チップの第1の表面と第1の遮蔽構造体の間に充填される。一態様では、これは、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。別の態様では、これは第1の遮蔽構造体の支持を提供し、第1の遮蔽構造体の安定性が改善される。
【0023】
第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を通してパッケージ基板の第1の表面に締結され、第1の遮蔽構造体は、第1の材料を通してチップの第1の表面にさらに締結される。これにより、第1の遮蔽構造体の安定性を改善する。第1の接続部を通してパッケージ基板が回路基板に締結された後、回路基板に対する第1の遮蔽構造体の位置も固定される。
【0024】
一可能な実装形態では、第2の接続部は金属はんだであり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を通してパッケージ基板の第1の表面に溶接される。この場合、第1の遮蔽構造体はパッケージ基板に確実に接続され、電磁遮蔽エンクロージャは良好な電磁遮蔽性能を有する。代替的に、第2の接続部は、導電性接着剤であり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を通してパッケージ基板の第1の表面に接続されている。このように、電磁遮蔽エンクロージャは、良好な電磁遮蔽性能を有することができる。代替的に、第2の接続部は、絶縁性のコロソールであり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を通してパッケージ基板の第1の表面に接続されている。これにより、製造の難易度が低減され、第1の遮蔽構造体がパッケージ基板に確実に接続されることができる。
【0025】
一可能な実装形態では、少なくとも1つのチップの各々の第1の表面は、第1の材料を通して第1の遮蔽構造体に接続される。少なくとも1つのチップの各々の第2の表面は、パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続される。第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を通してパッケージ基板の側壁に接続される。
【0026】
第1の材料は、熱界面材料であってもよく、第1の材料は、チップの第1の表面と第1の遮蔽構造体の間に充填される。一態様では、第1の材料は、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。別の態様では、第1の遮蔽構造体が支持され、第1の遮蔽構造体の接続安定性が改善される。加えて、第1の遮蔽構造体は、パッケージ基板の側壁に接続され、チップパッケージ本体を包囲する。これにより電磁遮蔽効果を改善する。
【0027】
一可能な実装形態では、第2の接続部は金属はんだであり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を通してパッケージ基板の側壁に溶接される。この場合、第1の遮蔽構造体はパッケージ基板に確実に接続され、電磁遮蔽エンクロージャは良好な電磁遮蔽性能を有する。代替的に、第2の接続部は、導電性接着剤であり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を通してパッケージ基板の側壁に接続されている。このように、電磁遮蔽エンクロージャは、良好な電磁遮蔽性能を有することができる。代替的に、第2の接続部は、絶縁性のコロソールであり、第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を通してパッケージ基板の側壁に接続されている。これにより、製造の難易度が低減され、第1の遮蔽構造体がパッケージ基板に確実に接続されることができる。
【0028】
一可能な実装形態では、第1の遮蔽構造体は金属機械部品である。
【0029】
金属機械部品は、溝構造を有し、スタンピングまたは鋳造を通して形成される金属機械部品であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。溝は、チップパッケージ本体上で電磁遮蔽を実施するために、チップパッケージ本体の対応する部分を収容するように構成される。
【0030】
一可能な実装形態では、チップパッケージ本体は、成形コンパウンドをさらに含む。少なくとも1つのチップの各々は、成形コンパウンドに埋め込まれる。第1の遮蔽構造体は、成形コンパウンドの外面およびパッケージ基板の側壁を覆う。
【0031】
一態様では、成形コンパウンド、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。別の態様では、成形コンパウンドは第1の遮蔽構造体の支持を提供し、これにより第1の遮蔽構造体の接続安定性を改善する。加えて、第1の遮蔽構造体は、成形コンパウンドの外面およびパッケージ基板の側壁を覆い、チップパッケージ本体を包囲し、電磁遮蔽効果を改善する。
【0032】
一可能な実装形態では、チップパッケージ本体は、成形コンパウンドをさらに含み、少なくとも1つのチップの各々は、成形コンパウンドに埋め込まれ、少なくとも1つのチップの各々は、パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続され、第1の遮蔽構造体は、成形コンパウンドの外面を覆い、パッケージ基板の第1の表面まで延在する。
【0033】
一態様では、成形コンパウンド、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。別の態様では、成形コンパウンドは第1の遮蔽構造体の支持を提供し、これにより第1の遮蔽構造体の接続安定性を改善する。加えて、第1の遮蔽構造体は、成形コンパウンドの外面およびパッケージ基板の側壁を覆う。これにより、使用される成形コンパウンドの数量を低減し、第1の遮蔽構造体の材料消費を低減する。
【0034】
一可能な実装形態では、第1の遮蔽構造体は、導電性膜、金属材料、または導電性接着材料のいずれか1つである。
【0035】
第1の遮蔽構造体が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。第1の遮蔽構造体が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタリング堆積または電気めっきプロセスを使用する堆積を通して生成されてもよい。第1の遮蔽構造体が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0036】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体は、導電性膜、金属材料、または導電性接着材料のいずれか1つである。
【0037】
一可能な実装形態では、第1の接続部に含まれる複数の電気接続構造体は、金属はんだボール、焼結体、金属機械部品、またはプラグ端子のいずれか1つであってもよい。代替的に、電気接続部は別の方法で実装されてもよい。本出願において、例は1つずつ本明細書では再度説明されない。
【0038】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体は、電磁遮蔽能力を改善するために、第1の遮蔽構造体を完全に覆う。第2の遮蔽構造体が導電性膜であるとき、第2の遮蔽構造体の形成の困難性がさらに低減されることができる。この場合、第2の遮蔽構造体は、粘着性材料を通して第1の遮蔽構造体に接続されてもよく、すなわち、粘着性材料は、第2の遮蔽構造体と第1の遮蔽構造体の間の接触面に追加され、第2の遮蔽構造体と第1の遮蔽構造体の間の接続の安定性を改善する。
【0039】
第2の遮蔽構造体および第1の遮蔽構造体の実装形態は、同じであっても異なっていてもよい。これは、本出願では具体的には限定されない。第2の遮蔽構造体が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。第2の遮蔽構造体が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタリング堆積または電気めっきプロセスを使用する堆積を通して生成されてもよい。第2の遮蔽構造体が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0040】
一可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体は、第1の遮蔽構造体の外側に配置され、第2のキャビティの少なくとも一部は、パッケージ基板と回路基板の間に配置される。
【0041】
この場合、第2の遮蔽構造体は、第1の遮蔽構造体の外側に接続されてもよく、加工および形成が容易である。第2の遮蔽構造体が第1の遮蔽構造体を覆うとき、第1の遮蔽構造体が第2の遮蔽構造体に接続される位置は、内側遮蔽構造体および外側遮蔽構造体を含む。これにより電磁遮蔽性能を改善する。第2のキャビティは、パッケージ基板と回路基板の間に配置され、第1の接続部を収容して、第1の接続部に電磁遮蔽を実装するように構成される。
【0042】
第2の態様によれば、本出願は、通信デバイスをさらに提供する。通信デバイスは、前述の実装形態で提供されるチップシステムを含む。通信デバイスに含まれるチップパッケージ本体は、電磁遮蔽に対する高い要求を有する。そのため、チップパッケージ本体がPCBに実装されるときには、チップパッケージ本体に対してより包括的かつ完全に電磁遮蔽が行われる必要がある。
【0043】
本出願で提供される通信デバイスに含まれる電磁遮蔽エンクロージャは、第1の接続部の電気接続部に電磁遮蔽を実装し、第1の接続部の電気接続部の電磁漏洩を低減し、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力を改善し、チップ性能を確保し、他の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減することができる。したがって、通信デバイスの性能がさらに改善される。
【0044】
一可能な実装形態では、通信デバイスは無線周波数トランシーバである。無線周波数トランシーバは、光ファイバを通して基地局のベースバンドユニット(Base band Unit、BBU)に接続される。BBUは、無線周波数トランシーバによって送信されたデータを処理し、送信されるデータを無線周波数トランシーバに送信するように構成される。本出願の技術的解決策によれば、チップパッケージ本体上の電磁遮蔽能力が改善され、無線周波数トランシーバの動作性能がさらに改善される。
【0045】
一可能な実装形態では、少なくとも1つのチップは中間周波数チップを含む。中間周波数チップは、無線周波数トランシーバの中間周波数回路に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図2A】本出願の一実施形態によるチップシステムの断面図である。
【
図2B】本出願の一実施形態による
図2Aに対応する側面図である。
【
図3】本出願の一実施形態による別のチップシステムの断面図である。
【
図4A】本出願の一実施形態による
図3の領域Aの拡大図である。
【
図4B】本出願の一実施形態による
図3に対応する上面図である。
【
図4C】本出願の一実施形態による
引き続き別のチップシステムの断面図である。
【
図5】本出願の一実施形態によるシミュレーション試験の波形図である。
【
図6】本出願の一実施形態による
なおさら別のチップシステムの断面図である。
【
図7】本出願の一実施形態による
引き続きなおさら別のチップシステムの断面図である。
【
図8】本出願の一実施形態による
さらなるチップシステムの断面図である。
【
図9】本出願の一実施形態による
引き続きさらなるチップシステムの断面図である。
【
図10】本出願の一実施形態による
なおさらさらなるチップシステムの断面図である。
【
図11】本出願の一実施形態による
引き続きなおさらさらなるチップシステムの断面図である。
【
図12】本出願の一実施形態による
いっそうなおさら別のチップシステムの断面図である。
【
図17】本出願の一実施形態による無線周波数トランシーバシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本出願の実施形態で提供される技術的解決策を当業者に、より良く理解させるために、本出願で提供される技術的解決策の適用シナリオが以下で最初に説明される。
【0048】
チップの動作周波数が連続的に改善するにつれて、電磁干渉を低減するための要件が増大する。したがって、チップパッケージ本体の性能を改善するため、電磁放射漏れを低減するために、チップパッケージ本体に対してより包括的に電磁遮蔽が行われる必要がある。
【0049】
チップパッケージ本体は、チップおよびパッケージ基板を含む。チップは、中間周波数(Intermediate Frequency、IF)チップ、無線周波数(Radio Frequency、RF)チップ、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、グラフィック処理装置(Graphics Processing Unit、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、ニューラルネットワーク処理装置(Neural network Processing Unit、NPU)などを含むが、これらに限定されない。
【0050】
例えば、チップパッケージ本体は、はんだボールを
通してPCBに接続される。引き続き
図1を参照されたい
。はんだボール30の間には隙間が存在するため、はんだボール30は電磁放射線の漏洩源となり、チップ11の性能に影響を及ぼし、クロック信号を使用する必要がある電子デバイス、
およびプロセッサ、メモリなどに含まれる高周波回路への電磁干渉をさらに引き起こす。
【0051】
上記の技術的問題を解決するために、本出願はチップシステムおよび通信デバイスを提供する。チップシステムは、チップパッケージ本体および電磁遮蔽エンクロージャを含み、チップパッケージ本体は、第1の接続部を通して回路基板に電気的に接続され、チップパッケージ本体は、パッケージ基板、および少なくとも1つのチップを含む。パッケージ基板は、少なくとも1つのチップに電気的に接続される。電磁遮蔽エンクロージャは、導電性の第1の遮蔽構造体および導電性の第2の遮蔽構造体を含む。第1の遮蔽構造体はパッケージ基板に接続され、第1の遮蔽構造体の第1のキャビティは少なくとも1つのチップを収容するように構成され、第2の遮蔽構造体の第1の端部は回路基板または回路基板上のはんだパッドに接続され、第2の遮蔽構造体の第2の端部は第1の遮蔽構造体に接続されて第2のキャビティを形成するか、または、第2の遮蔽構造体の第1の端部は、回路基板または回路基板上のはんだパッドに接続され、第2の遮蔽構造体は、第1の遮蔽構造体を覆って第2のキャビティを形成する。第1の接続部は、第2のキャビティに配置される。本出願で提供される電磁遮蔽エンクロージャが使用され、その結果、第1の接続部上の電磁遮蔽が実装されることができ、第1の接続部の電磁漏洩が低減され、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力をさらに改善し、チップ性能を確保し、他の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0052】
本出願における技術的解決策を当業者に、より良く理解させるために、以下は、本出願の実施形態における添付図面を参照して、本出願の実施形態における技術的解決策を説明する。
【0053】
本出願における用語「第1の」および「第2の」は説明に用いようと考えられているのにすぎず、示されている技術的特徴の相対的重要度を示したり示唆したり、示されている技術的特徴の数量を暗示的に示したりするものとしては当然理解されない。
【0054】
加えて、本出願では、「上へ」や「下へ」などの向きの用語は、添付の図面の構成要素に対して概略的に配置された向きを含み得るが、これらに限定されない。これらの方向用語は、相対的な概念であり、相対的な説明および明確化のために使用され、添付の図面における構成要素の配置方向の変化に基づいて、それに応じて変更され得ることを理解されたい。
【0055】
本出願では、特に明示的に指定および限定されない限り、「接続」という用語は、広義に理解されるべきである。例えば、「接続」は、固定接続、着脱可能な接続、もしくは一体型接続であってもよく、または直接接続であっても、もしくは中間媒体を通した間接接続であってもよい。
【0056】
チップパッケージ本体は、1つのチップを含んでいてもよいし、複数のチップを含んでいてもよい。説明を容易にするために、以下の実施形態では、チップパッケージ本体が1つのチップを含む一例を使用することによって説明される。
【0057】
図2Aは、本出願の一実施形態によるチップシステムの断面図である。
【0058】
その図に示されるチップパッケージ本体は、チップ11およびパッケージ基板14を含む。
【0059】
パッケージ基板14は、複数の導電層を含む回路基板であってもよく、パッケージ基板14の上面および下面の両方に露出したはんだパッド構造体が配置される。
【0060】
チップ11は、パッケージ基板14に電気的に接続されている。一可能な実装形態では、チップ11の表面は金属バンプを含み、チップ11およびパッケージ基板14は溶接され、はんだはスズ含有合金はんだであってもよい。はんだペーストが基板の表面に印刷され、チップと基板の間の接続がリフローはんだ付け方式で実施される。
【0061】
チップパッケージ本体がPCB 20に溶接されると、本出願で提供される電磁遮蔽エンクロージャは、チップパッケージ本体に電磁遮蔽を実装するために使用される。電磁遮蔽エンクロージャは、第1の遮蔽構造体13および第2の遮蔽構造体16を含む。
【0062】
第1の遮蔽構造体13と第2の遮蔽構造体16は、いずれも導電性構造体である。
【0063】
第1の遮蔽構造体13はパッケージ基板14に接続され、第1の遮蔽構造体13は第1の内部キャビティを含み、チップ11は第1の遮蔽構造体13の第1の内部キャビティに配置される。
【0064】
第2の遮蔽構造体16は、第1の遮蔽構造体13の外側に配置され、第2のキャビティの少なくとも一部は、パッケージ基板と回路基板の間に配置される。この場合、第2の遮蔽構造体は、第1の遮蔽構造体の外側に接続されてもよく、加工および形成が容易である。第2の遮蔽構造体が第1の遮蔽構造体を覆うとき、第1の遮蔽構造体が第2の遮蔽構造体に接続される位置は、内側遮蔽構造体および外側遮蔽構造体を含む。これにより、電磁遮蔽性能を改善する。第2のキャビティは、パッケージ基板と回路基板の間に配置され、第1の接続部を収容して、第1の接続部に電磁遮蔽を実装するように構成される。
【0065】
チップパッケージ本体は、第1の接続部を通してPCB 20に電気的に接続されている。
【0066】
第1の接続部は、複数の電気接続部を含む。電気接続部は、第1の接続部とPCB 20の間の電気接続を実施するために、金属はんだボール、焼結体、金属機械部品、プラグ端子などを含んでもよいし、別の電気接続部であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。以下では、第1の接続部の電気接続部が金属はんだボール30である一例を使用することによって説明が提供される。
【0067】
図2Bは、本出願の一実施形態による
図2Aに対応する側面図である。
【0068】
図2Bは、外部観察の図である。
図2Aおよび
図2Bを参照されたい。第2の遮蔽構造体16の第1の端部は、回路基板20に接続されるか、または回路基板20上のはんだパッド201に接続され、第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されて第2のキャビティを形成し、第2の遮蔽構造体16は、パッケージ基板の側面を完全に覆い、第1の接続部分
が、第2の遮蔽構造体16を
包囲することによっ
て第2のキャビティ
に配置されることを可能にする。この場合、
図2Bに示される外部観察図では、第1の接続部は、第2の遮蔽構造体16によって完全に遮蔽されている。
【0069】
この場合、第1の遮蔽構造体13と第2の遮蔽構造体16とによって形成される電磁遮蔽エンクロージャは、チップパッケージ本体および第1の接続部を覆う。これにより、第1の接続部の電磁漏洩を低減し、チップパッケージ本体の電磁遮蔽性能を改善し、チップ性能を確保し、別の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0070】
いくつかの他の可能な実装形態では、第2の遮蔽構造体16は、材料が節約されることができるように、パッケージ基板の側面を部分的に覆う。
【0071】
以下では、具体的な実装形態を参照して説明を提供する。
【0072】
図3は、本出願の一実施形態による別のチップシステムの断面図である。
【0073】
本出願のこの実施形態におけるパッケージ基板14およびPCB 20は、ボールグリッドアレイ(Ball Grid Array、BGA)パッケージング方式またはランドグリッドアレイ(Land Grid Array、LGA)パッケージング方式で接続されてもよい。
【0074】
BGAパッケージング方式が使用されるとき、パッケージ基板14とPCB 20の間の複数のはんだボールがアレイを形成し、パッケージ基板とPCB 20の間に分散され、その結果、PCB 20はチップパッケージ本体と通信する。
【0075】
LGAパッケージング方式が使用されるとき、チップパッケージ本体がPCB 20に接続されるときに必要な接点はPCB 20上に配置され、パッケージ基板の下側は格子状接続端部を覆う。PCB 20は、点接触技術を使用することによってチップパッケージ本体と通信する。PCB 20はピンを提供し、それはBGAパッケージのはんだボールに取って代わり得る。
【0076】
説明を簡単にするために、以下では一例としてBGAパッケージを使用する。この場合、
図3の第1の接続部の複数の電気接続部は、具体的には、複数の金属はんだボール30である。本出願のこの実施形態では、金属はんだボールの数量および配置方式は特に限定されない。いくつかの他の実施形態では、LGAパッケージング方式が使用されるとき、第1の接続部はピンおよび接点を含むことが理解されよう。本出願のこの実施形態では、詳細は説明されない。
【0077】
チップ11の第1の表面は、第1の材料12を通して第1の遮蔽構造体13に締結されている。
【0078】
一可能な実装形態では、第1の材料12は熱界面材料(Thermal Interface Material、TIM)である。熱界面材料は、ほとんどが可撓性材料であり、例えば、ゲルまたはシリコーン脂質材料であってもよい。熱界面材料がチップ11の第1の表面と第1の遮蔽構造体13の間に充填されると、一態様では、放熱を支援されることができ、その結果、チップ11が動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導され、他の態様では、第1の遮蔽構造体13の安定性を改善するため、第1の遮蔽構造体13のための支持が提供される。
【0079】
チップ11の第2の表面は、パッケージ基板14の第1の表面と電気的に接続されている。
【0080】
具体的には、チップ11の表面は金属バンプを含み、パッケージ基板14の上面にははんだパッドを含み、パッケージ基板14の表面にははんだペーストが印刷され、チップ11とパッケージ基板14とのはんだ付けはリフローはんだ付け方式で実装される。
【0081】
いくつかの実施形態では、接続安定性を改善するために、チップ11とパッケージ基板14の間にアンダーフィル材料が注入され得る。アンダーフィル材料は、絶縁材料である。アンダーフィル材料の特定のタイプは、本出願のこの実施形態では限定されず、例えば、エポキシ樹脂であってもよい。
【0082】
第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を通してパッケージ基板14の第1の表面に締結されている。
【0083】
第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を通してパッケージ基板14の第1の表面に締結されており、第1の遮蔽構造体13は、第1の材料12を通してチップ11の第1の表面にさらに締結されているので、第1の遮蔽構造体13の安定性が改善される。第1の接続部を通してパッケージ基板が回路基板20に締結された後、回路基板に対する第1の遮蔽構造体13の位置が固定される。
【0084】
この場合、第1の遮蔽構造体13は金属機械部品であり、金属機械部品はスタンピングまたは鋳造を通して形成されてもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。金属機械部品は溝構造を有し、溝は、チップパッケージ本体上で電磁遮蔽を実施するために、チップパッケージ本体の対応する部分を収容するように構成される。
【0085】
一可能な実装形態では、第2の接続部15は金属はんだであり、第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を通してパッケージ基板14の第1の表面に溶接される。この場合、第1の遮蔽構造体13はパッケージ基板14に確実に接続され、電磁遮蔽エンクロージャは良好な電磁遮蔽性能を有する。
【0086】
別の可能な実装形態では、第2の接続部15は導電性接着剤であり、第1の遮蔽構造体13は第2の接続部15を通してパッケージ基板14の第1の表面に締結される。このように、電磁遮蔽エンクロージャは、良好な電磁遮蔽性能を有することができる。
【0087】
引き続き別の可能な実装形態では、第2の接続部は絶縁性のコロソールであり、第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を通してパッケージ基板14の第1の表面に締結される。これにより、製造の難易度が低減され、第1の遮蔽構造体13がパッケージ基板に確実に接続されることができる。
【0088】
パッケージ基板14の下面は、金属はんだボール30を通してPCB 20に電気的に接続されている。具体的には、パッケージ基板14は、リフローはんだ付けプロセスを使用することによってPCBに電気的に接続され得る。
【0089】
PCB 20は、複数の回路層を含む。図に示されるPCBは単なる一例であり、本出願の技術的解決策に対する限定を構成するものではない。
【0090】
PCB上にはんだパッド201がある。はんだパッド201は、金属はんだパッドである。はんだパッド201は、PCBの接地回路層に接続される。はんだパッド201は、めっきスルーホール構造またはスロット付き電気めっき構造を通して接地回路層に接続されてもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0091】
電気接続部、すなわち図中の金属はんだボール30に加えて、第1の接続部は、絶縁材料17をさらに含む。
【0092】
チップパッケージ本体と回路基板20の接続領域には絶縁材料17が充填されており、すなわちパッケージ基板14の下面とPCB 20の接続領域には絶縁材料17が充填されている。
【0093】
絶縁材料17は、アンダーフィル材料、例えばエポキシ樹脂材であってもよい。絶縁材料17は、キャピラリの原理により、複数の金属はんだボール間の隙間を充填してもよい。
【0094】
絶縁材料17は、複数の金属はんだボール間にできるだけ多くの隙間を充填してもよいし、またはチップパッケージ本体と回路基板20の接続領域の縁部のみに絶縁材料17が充填する。
【0095】
図に示された第2の遮蔽構造体16は、絶縁材料17の側壁を覆っている。第2の遮蔽構造体16の第1の端部ははんだパッド201に接続され、はんだパッド201は接地され、チップ11および第1の接続部に対する電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力をさらに改善する。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0096】
この場合、第2の遮蔽構造体16は、内側で金属はんだボール30を包囲して、金属はんだボール30に対する電磁遮蔽を実施する。
【0097】
絶縁材料17は、支持の役割をさらに果たすことができ、その結果、第2の遮蔽構造体は、絶縁材料の側壁に密接に取り付けられてもよく、より安定して信頼性が高い。
【0098】
第2の遮蔽構造体16は、導電性膜、金属材料、または導電性接着材料のいずれか1つである。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0099】
第2の遮蔽構造体16が導電性膜であるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。
【0100】
第2の遮蔽構造体16が金属材料からなるとき、金属材料は、金属スパッタ堆積を通して生成されてもよく、電気めっきプロセスを使用する堆積を通して形成されてもよい。金属材料は、銅、銀、または別の金属材料であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0101】
第2の遮蔽構造体16が導電性接着材料であるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。一般的に使用される導電性接着材料は、金属銀を含む導電性接着材料、すなわち導電性銀接着剤であり得る。
【0102】
図4Aは、本出願の一実施形態による
図3の領域Aの拡大図である。
【0103】
絶縁材料17が充填されると、絶縁材料17によって形成された側壁は上下方向の外側に延在する。
【0104】
この場合、絶縁材料17が充填された第1の接続部は2つの接続面を含み、回路基板に近い一方の接続面が第1の接続面であり、チップパッケージ本体に近い他方の接続面が第2の接続面である。
【0105】
第1の接続面の幅は、第2の接続面の幅よりも大きい。言い換えると、絶縁材料17の上側は狭く、下側は広い。
【0106】
第2の遮蔽構造体16の材料が導電性膜を使用することによって実装されるとき、導電性膜は、第2の遮蔽構造体16が内側で金属はんだボール30を確実に包囲するために、絶縁材料17の側壁をスプレーすることを通し、そこに対して形成されてもよい。
【0107】
第2の遮蔽構造体が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタ堆積または電気めっきプロセスを使用する堆積を通して形成されてもよく、または第2の遮蔽構造体16が内側で金属はんだボール30を確実に包囲するように、絶縁材料17の側壁に対して形成されてもよい。
【0108】
第2の遮蔽構造体が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料は、第2の遮蔽構造体16が内側で金属はんだボール30を確実に包囲するために、絶縁材料17の側壁をコーティングすることを通し、それに対して形成されてもよい。
【0109】
結論として、絶縁材料17の側壁は、第2の遮蔽構造体16に対する支持を提供し得る。加えて、絶縁材料17はまた、PCBとパッケージ基板の間の接続を補強してもよい。
【0110】
以下の添付図面および本出願の説明における絶縁材料17は、
図4Aの充填方式を
使用する。詳細は1つずつ説明されない。
【0111】
図4Bは、本出願の一実施形態による
図3に対応する上面図である。
【0112】
図4Bに示される上面図は、上面画角の断面図である。第1の遮蔽構造体13、第2の遮蔽構造体16、およびPCB 20は共にキャビティを形成する。第2の遮蔽構造体16は、パッケージ基板14の側面を完全に覆い、第1の接続部
が第2の遮蔽構造体16
によって包囲されるキャビティに
配置されることを可能にする。
【0113】
図4Bに示されるはんだパッドは、チップパッケージ本体を取り囲み、第2の遮蔽構造体16の接続安定性を改善し、電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力を改善するために、第2の遮蔽構造体16の第1の端部に完全に締結されるように構成される。
【0114】
いくつかの他の実施形態では、はんだパッドは、材料を節約するために、チップパッケージ本体によって取り囲まれなくてもよい。
【0115】
この場合、第1の遮蔽構造体13と第2の遮蔽構造体16とによって形成される電磁遮蔽エンクロージャは、チップパッケージ本体および第1の接続部を覆う。これにより、第1の接続部の電磁漏洩を低減し、チップパッケージ本体の電磁遮蔽性能を改善し、チップ性能を確保し、別の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0116】
図4Cは、本出願の一実施形態による
引き続き別のチップパッケージ本体の電磁遮蔽エンクロージャの断面図である。
【0117】
この実装形態では、電磁遮蔽エンクロージャの第2の遮蔽構造体16は導電性膜であり、導電性膜は第2の遮蔽構造体16をさらに完全に覆ってもよい。この場合、第2の遮蔽構造体16は、粘着性材料を通して第1の遮蔽構造体13に接続されてもよく、言い換えると、粘着性材料は、第2の遮蔽構造体16と第1の遮蔽構造体13の間の接触面に追加され、第2の遮蔽構造体16と第1の遮蔽構造体13の間の接続の安定性を改善する。
【0118】
以下では、特定の試験データを参照して、
図3に示される電磁遮蔽エンクロージャの技術的効果について説明する。
【0119】
図5は、本出願の一実施形態によるシミュレーション試験の波形図である。
【0120】
図示されたシミュレーション試験の波形は、
図3および
図1の解決策がそれぞれ使用されたときの2 GHzから10 GHzの周波数帯域における遮蔽
性能を示している。
【0121】
遮蔽性能は、遮蔽本体による電磁波の減衰を示す。遮蔽本体は、通常、電磁波強度を本来の強度の100分の1から10000分の1まで減衰させることができるので、遮蔽性能は通常、デシベル(dB)で表される。
【0122】
図5のシミュレーション試験のデータは、下記表1に対応する。
【0123】
【0124】
図1に示される従来技術と比較して、本出願のこの実施形態では、電磁遮蔽エンクロージャを使用することによって遮蔽
性能が約7 dBから8 dB増加させ得ることが分かり得る。すなわち、はんだボールの電磁漏洩が低減されることができ、それによってチップパッケージ本体の電磁遮蔽性能を改善し、チップ性能を確保する。
【0125】
以下では、電磁遮蔽エンクロージャの他の実装形態について説明する。
【0126】
図6は、本出願の一実施形態による
なおさら別のチップシステム断面図である。
【0127】
チップ11の第1の表面は、第1の材料12を通して第1の遮蔽構造体13に接続されている。チップ11の第2の表面は、パッケージ基板14の第1の表面と電気的に接続されている。第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を通してパッケージ基板14の側壁に締結されている。
【0128】
一可能な実装形態では、第1の材料12は熱界面材料であってもよく、熱界面材料はチップ11の第1の表面と第1の遮蔽構造体の間に充填される。一態様では、熱界面材料は、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。別の態様では、第1の遮蔽構造体の支持が提供され、第1の遮蔽構造体の安定性が改善される。加えて、第1の遮蔽構造体がパッケージ基板の側壁に締結され、その結果、チップパッケージ本体の側面が包囲される。これによって電磁遮蔽効果を改善する。
【0129】
一可能な実装形態では、第2の接続部15は金属はんだであり、第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を通してパッケージ基板14の側壁に溶接される。この場合、第1の遮蔽構造体13はパッケージ基板14に確実に接続され、電磁遮蔽エンクロージャは良好な電磁遮蔽性能を有する。
【0130】
別の可能な実装形態では、第2の接続部15は導電性接着剤であり、第1の遮蔽構造体13は第2の接続部15を通してパッケージ基板14の側壁に締結される。このように、電磁遮蔽エンクロージャは、良好な電磁遮蔽性能を有することができる。
【0131】
引き続き別の可能な実装形態では、第2の接続部15は絶縁性のコロソールであり、第1の遮蔽構造体13は、第2の接続部15を通してパッケージ基板14の側壁に締結される。これにより、製造の難易度が低減され、第1の遮蔽構造体がパッケージ基板に確実に接続されることができる。
【0132】
第2の遮蔽構造体16の第1の端部が、はんだパッド201に接続されている。はんだパッド201が接地され、その結果、チップおよび第1の接続部に対する電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力が改善される。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0133】
図7は、本出願の一実施形態による
引き続きなおさら別のチップシステムの断面図である。
【0134】
図
7に示されている実装形態と
図6に示されている実装形態の違いは、第1の接続部が絶縁材料17をさらに含むことにある。
【0135】
絶縁材料17は、チップパッケージ本体と回路基板20と複数の金属はんだボール30の間に充填されており、すなわちパッケージ基板14の下面とPCB 20の間の隙間が絶縁材料17で充填されている。
【0136】
絶縁材料17は、アンダーフィル材料、例えばエポキシ樹脂材であってもよい。絶縁材料17は、キャピラリの原理により、複数の金属はんだボール間の隙間を充填してもよい。
【0137】
絶縁材料17は、チップパッケージ本体と回路基板20と複数の金属はんだボールの間の隙間をできるだけ埋めてもよいし、チップパッケージ本体と回路基板20の接続領域の縁部のみに絶縁材料17を充填してもよい。
【0138】
第2の遮蔽構造体16は、絶縁材料17の側壁を覆っている。第2の遮蔽構造体16の第1の端部ははんだパッド201に接続され、はんだパッド201は接地され、それによって、チップおよび第1の接続部に対する電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力を改善する。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0139】
結論として、本出願で提供される電磁遮蔽エンクロージャが使用され、その結果、第1の接続部に電磁遮蔽が実装されることができ、第1の接続部の電磁漏洩が低減され、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力をさらに改善し、チップ性能を確保し、他の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0140】
以下では、別の電磁遮蔽エンクロージャの実装形態について説明する。
【0141】
図8は、本出願の一実施形態による
さらなるチップシステムの断面図である。
【0142】
図8に示されるチップパッケージ本体は
、成形コンパウンド18をさらに含み
、成形コンパウンド18にチップ11が埋め込まれている。
【0143】
チップ11は、パッケージ基板14の第1の表面に電気的に接続され、第1の遮蔽構造体は、成形コンパウンド18の外面およびパッケージ基板14の側壁を覆う。
【0144】
この場合、第1の遮蔽構造体13は、導電性膜、金属材料または導電性接着材料であってもよい。
【0145】
具体的には、第1の遮蔽構造体13が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。
【0146】
第1の遮蔽構造体13が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタ堆積または電気めっきプロセスを使用する堆積を通して形成されてもよく、代替的に金属材料は、スタンピングまたは鋳造を通して形成される金属機械部品であってもよい。
【0147】
第1の遮蔽構造体13が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0148】
一態様では、成形コンパウンド18は、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体13に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。別の態様において、成形コンパウンド18は、第1の遮蔽構造体13のための支持を提供し、これは、第1の遮蔽構造体の安定性を改善し、第1の遮蔽構造体13が成形コンパウンド18に対して形成されることを可能にする。
【0149】
第1の遮蔽構造体13は、成形コンパウンド18の外面およびパッケージ基板14の側壁を覆い、チップパッケージ本体を包囲する。これによって電磁遮蔽効果を改善する。
【0150】
チップ11の第2の表面は、パッケージ基板14の第1の表面と電気的に接続されている。
【0151】
一可能な実装形態では、チップ11の表面は金属バンプを含み、パッケージ基板14の上面にははんだパッドを含み、パッケージ基板14の表面にははんだペーストが印刷され、チップ11およびパッケージ基板14はリフローはんだ付け方式で溶接される。いくつかの実施形態では、接続安定性を改善するために、チップ11とパッケージ基板14の間にアンダーフィル材料が注入され得る。アンダーフィル材料は、絶縁材料である。アンダーフィル材料の特定のタイプは、本出願のこの実施形態では限定されず、例えば、エポキシ樹脂であってもよい。
【0152】
パッケージ基板14の下面は、金属はんだボール30を通してPCB 20に電気的に接続されている。具体的には、パッケージ基板14は、リフローはんだ付けプロセスを使用することによってPCBに電気的に接続され得る。
【0153】
PCB上にはんだパッド201がある。はんだパッド201は、金属はんだパッドである。はんだパッド201は、PCBの接地回路層に接続される。はんだパッド201は、めっきスルーホール構造またはスロット付き電気めっき構造を通してPCBの接地回路層に接続されてもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0154】
第2の遮蔽構造体16は、内側で金属はんだボール30を包囲して、金属はんだボール30に対する電磁遮蔽を実施する。第2の遮蔽構造体および第1の遮蔽構造体の実装形態は、同じであっても異なっていてもよい。これは、本出願では具体的には限定されない。
【0155】
第2の遮蔽構造体が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。第2の遮蔽構造体が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタリング堆積または電気めっきプロセスを使用する堆積を通して生成されてもよい。第2の遮蔽構造体が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0156】
図9は、本出願の一実施形態による引き続き
さらなるチップシステムの断面図である。
【0157】
図
7に示されている実装形態と
図8に示されている実装形態の違いは、第1の接続部が絶縁材料17をさらに含むことにある。
【0158】
チップパッケージ本体のパッケージ基板と回路基板20と複数の金属はんだボールの間の領域は、絶縁材料17で充填され、すなわちパッケージ基板14の下面とPCB 20の間の隙間には、絶縁材料17が充填されている。
【0159】
絶縁材料17は、アンダーフィル材料、例えばエポキシ樹脂材であってもよい。絶縁材料17は、キャピラリの原理により、複数の金属はんだボール間の隙間を充填してもよい。
【0160】
絶縁材料17は、チップパッケージ本体のパッケージ基板と回路基板20と複数の金属はんだボールの間の領域を可能な限り充填してもよいし、チップパッケージ本体と回路基板20の接続領域の縁部のみを充填してもよい。
【0161】
第2の遮蔽構造体16は、絶縁材料17の側壁を覆っている。第2の遮蔽構造体16の第1の端部が、はんだパッド201に接続されている。はんだパッド201の接地は、チップおよび第1の接続部のための電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力を改善する。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0162】
結論として、本出願で提供される電磁遮蔽エンクロージャが使用され、その結果、第1の接続部に電磁遮蔽が実装されることができ、第1の接続部の電磁漏洩が低減され、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力をさらに改善し、チップ性能を確保し、他の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0163】
以下では、引き続き別のチップパッケージ本体の電磁遮蔽エンクロージャの図について説明する。
【0164】
図10は、本出願の一実施形態による
なおさらさらなるチップシステムの断面図である。
【0165】
図10に示される電磁遮蔽エンクロージャと
図8の電磁遮蔽エンクロージャとの違いは、第1の遮蔽構造体13
が成形コンパウンド18の外面を覆い、パッケージ基板14の第1の表面まで延在することにある。
【0166】
一態様では
、成形コンパウンド18は、チップ11が動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体13に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。
別の態様では
、成形コンパウンド18は第1の遮蔽構造体13の支持を提供し、これにより第1の遮蔽構造体を締結する安定性を改善する。加えて、第1の遮蔽構造体は
、成形コンパウンドの外面およびパッケージ基板の側壁を覆う。
図8の実装形態と比較して、使用され
る成形コンパウンド18の数量が低減され、第1の遮蔽構造体13の材料消費が低減される。
【0167】
第1の遮蔽構造体13が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。第1の遮蔽構造体13が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタリング堆積または電気めっきプロセスを使用する堆積を通して生成されてもよい。第1の遮蔽構造体13が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0168】
第2の遮蔽構造体16の第1の端部はPCB 20上のはんだパッド201に接続され、はんだパッド201は接地されて、チップおよび金属はんだボールのための電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力を改善する。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。この場合、第2の遮蔽構造体16は、パッケージ基板14の側面をさらに覆う。
【0169】
第2の遮蔽構造体16および第1の遮蔽構造体13の実装形態は、同じであっても異なっていてもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。第2の遮蔽構造体16が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。第2の遮蔽構造体16が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタリング堆積または電気めっきプロセスを使用する堆積を通して生成されてもよい。第2の遮蔽構造体16が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0170】
図11は、本出願の一実施形態による
引き続きなおさらさらなるチップシステムの断面図である。
【0171】
図
7に示されている実装形態と
図10に示されている実装形態の違いは、第1の接続部が絶縁材料17をさらに含むことにある。
【0172】
チップパッケージ本体のパッケージ基板と回路基板20と複数の金属はんだボール30の間の領域は、絶縁材料17で充填され、すなわちパッケージ基板14の下面とPCB 20の間の隙間領域には、絶縁材料17が充填されている。
【0173】
絶縁材料17は、アンダーフィル材料、例えばエポキシ樹脂材であってもよい。絶縁材料17は、キャピラリの原理により、複数の金属はんだボール間の隙間を充填してもよい。
【0174】
絶縁材料17は、チップパッケージ本体のパッケージ基板と回路基板20と複数の金属はんだボール30の間の領域を可能な限り充填してもよいし、チップパッケージ本体と回路基板20の接続領域の縁部のみを充填してもよい。
【0175】
第2の遮蔽構造体16は、絶縁材料17の側壁を覆っている。第2の遮蔽構造体16の第1の端部ははんだパッド201に接続され、はんだパッド201は接地され、それによって、チップおよび第1の接続部に対する電磁遮蔽エンクロージャの電磁遮蔽能力を改善する。第2の遮蔽構造体16の第2の端部は、第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0176】
結論として、本出願で提供される電磁遮蔽エンクロージャが使用され、その結果、第1の接続部上の電磁遮蔽が実装されることができ、第1の接続部の電磁漏洩が低減され、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力をさらに改善し、チップ性能を確保し、他の回路構成要素への電磁漏洩の影響を低減する。
【0177】
以下では、別のチップシステムの実装形態について説明する。
【0178】
図12は、本出願の一実施形態による
いっそうなおさら別のチップシステムの断面図である。
【0179】
図12は、x軸およびy軸が配置される平面の上面図である。PCB 20上のはんだパッド201およびピンの位置を表示するために、チップパッケージ本体10は中実ブロックを使用することによって表され、
図12は第1の遮蔽構造体および第2の遮蔽構造体を示さない。
【0180】
チップパッケージ本体10は、チップおよびパッケージ基板を含む。パッケージ基板ははんだパッド201上に配置され、第2の遮蔽構造体の第1の端部ははんだパッド201に電気的に接続され、第2の遮蔽構造体の第2の端部は第1の遮蔽構造体に電気的に接続されている。
【0181】
PCB 20上のピンは、第1のピン202および接地ピン203を含む。第1のピン202および接地ピン203の具体的な分布および量は、本出願では特に限定されない。第1のピン202は信号伝送ピンであり、接地ピン203は接地されるように構成されている。
【0182】
x軸およびy軸が配置される平面上の第1のピン202の投影は、チップパッケージ本体10の輪郭が覆う範囲内にある。x軸およびy軸が配置される平面上の接地ピン203の投影は、チップパッケージ本体10の輪郭によって覆われる範囲内に部分的にあるか、またはチップパッケージ本体10の輪郭によって覆われる範囲外に完全にある。本出願では、接地ピン203が、チップパッケージ本体10の輪郭によって覆われる範囲内に部分的にある一例が説明のために使用される。
【0183】
x軸およびy軸が配置される平面上のはんだパッド201の両側の投影、チップパッケージ本体10の輪郭によって覆される範囲外にある。はんだパッド201の両側から延在する領域、すなわち図に示される領域Bおよび領域B1は、はんだ付けプロセスを使用することによってはんだパッド201と第1の遮蔽構造体の間の電気的接続を実施するために使用される。領域Bおよび領域B1の具体的な面積は、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0184】
図中の領域Cおよび領域C1は、チップパッケージ本体10とPCB 20が電気信号を使用することによって接続される領域である。一可能な実装形態では、LGAパッケージング方式が使用されるとき、チップパッケージ本体10がPCB 20に接続されるときに必要な接点はPCB 20上に配置され、パッケージ基板の下側は格子状接続端部を覆う。PCB 20は、点接触技術を使用することによってチップパッケージ本体と通信する。PCB 20はピンを提供し、それはBGAパッケージのはんだボールに取って代わり得る。
【0185】
領域は、絶縁材料で充填されてもよい。絶縁材料は、アンダーフィル材料、例えばエポキシ樹脂材であってもよい。絶縁材料は、キャピラリの原理によりギャップを充填し得る。
【0186】
いくつかの他の実施形態では、領域は絶縁材料で充填されなくてもよい。
【0187】
【0188】
図13Aは、x軸およびz軸が配置される平面の断面図である。
【0189】
はんだパッド201の両側から延在する領域、すなわち図に示される領域Bおよび領域B1は、はんだ付けプロセスを使用することによって第2の遮蔽構造体16を形成するために使用され、その結果、はんだパッド201は第1の遮蔽構造体13に電気的に接続される。
【0190】
すなわち、第2の遮蔽構造体16の一端ははんだパッド201に接続され、他端は第1の遮蔽構造体13に接続されている。
【0191】
チップ11の第1の表面は、第1の材料12を通して第1の遮蔽構造体13に締結されている。
【0192】
一可能な実装形態では、第1の材料12はTIM材料であり、TIM材料は大部分が可撓性材料であり、例えば、ゲルまたはシリコーン脂質材料であってもよい。TIM材料がチップ11の第1の表面と第1の遮蔽構造体13の間に充填されると、一態様では、放熱を支援されることができ、その結果、チップ11が動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体に迅速に伝導され、別の態様では、第1の遮蔽構造体13のための支持が提供され、それによって、第1の遮蔽構造体13の安定性を改善する。
【0193】
この場合、第1の遮蔽構造体13は金属機械部品であり、金属機械部品はスタンピングまたは鋳造を通して形成されもよい。これは、本出願のこの実施形態では具体的に限定されない。金属機械部品は溝構造を有し、溝は、チップパッケージ本体上で電磁遮蔽を実施するために、チップパッケージ本体の対応する部分を収容するように構成される。
【0194】
はんだパッド201は、第2の遮蔽構造体16を通して第1の遮蔽構造体13に電気的に接続されるため、はんだパッド201が接地されると、第2の遮蔽構造体16および第1の遮蔽構造体13も接地される。これにより、電磁遮蔽性能を改善する。
【0195】
さらに、PCB 20上の接地ピン203は、チップパッケージ本体10の輪郭によって覆われる範囲外に部分的に配置されているので、接地ピン203は、代替的に、はんだ付けプロセスを使用することによって第1の遮蔽構造体13に電気的に接続されて、配線を通したPCB 20上の接地を回避し得、これにより接地線が簡略化される。
【0196】
【0197】
図13Bは、x軸およびz軸が位置すされる平面の断面図である。この実装形態と
図13Aに示される実装形態の違いは、チップパッケージ本体
が成形コンパウンド18をさらに含み、チップ11
が成形コンパウンド18に埋め込まれていることにある。
【0198】
この場合、第1の遮蔽構造体13は、導電性膜、金属材料または導電性接着材料であってもよい。
【0199】
具体的には、第1の遮蔽構造体13が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。
【0200】
第1の遮蔽構造体13が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタ堆積または電気めっきプロセスを使用する堆積を通して形成されてもよく、代替的に金属材料は、スタンピングまたは鋳造を通して形成される金属機械部品であってもよい。
【0201】
第1の遮蔽構造体13が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0202】
一態様では、成形コンパウンド18は、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体13に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。別の態様において、成形コンパウンド18は、第1の遮蔽構造体13のための支持を提供し、これは、第1の遮蔽構造体の安定性を改善し、第1の遮蔽構造体13が成形コンパウンド18に対して形成されることを可能にする。
【0203】
第1の遮蔽構造体13は、成形コンパウンド18の外面およびパッケージ基板14の側壁を覆い、チップパッケージ本体を包囲する。これによって電磁遮蔽効果を改善する。
【0204】
【0205】
図14は、y軸およびz軸が位置すされる平面の側面図である。
図14によれば、はんだ付けプロセスを使用することによって第2の遮蔽構造体16が形成され、その結果、はんだパッド201が第1の遮蔽構造体13に電気的に接続され、第2の遮蔽構造体16は、材料を節約するために第2の遮蔽構造体16の一部のみを覆う。
【0206】
代替的に、チップパッケージ本体10の範囲外に延在された接地ピン203の一部は、はんだ付けプロセスを使用することによって第2の遮蔽構造体16を形成し、第1の遮蔽構造体13への電気的接続を実施してもよい。これにより、配線を通したPCB 20上の接地を回避し、接地線を簡素化する。加えて、接地ピン203、はんだパッド201、第1の遮蔽構造体13、および第2の遮蔽構造体16は、第1のピン202を包囲し、これにより、チップシステムの電磁遮蔽性能をさらに改善する。
【0207】
【0208】
図15Aは、x軸およびz軸が配置される平面の断面図である。
図15Aに示されるチップシステムと
図13Aのもの違いは、
図15Aに示されるチップシステムの第2の遮蔽構造体16が導電性膜であり、導電性膜が第2の遮蔽構造体13の外部を覆っていることある。
【0209】
【0210】
図15Bは、x軸およびz軸が配置される平面の断面図である。
図15Bに示されるチップシステムと
図15Aのものの違いは、チップパッケージ本体
が成形コンパウンド18をさらに含み、チップ11
が成形コンパウンド18に埋め込まれていることにある。
【0211】
この場合、第1の遮蔽構造体13は、導電性膜、金属材料または導電性接着材料であってもよい。
【0212】
具体的には、第1の遮蔽構造体13が導電性膜を使用することによって実施されるとき、導電性膜はスプレーを通して形成されてもよい。
【0213】
第1の遮蔽構造体13が金属材料を使用することによって実施されるとき、金属材料は、金属スパッタ堆積または電気めっきプロセスを使用する堆積を通して形成されてもよく、代替的に金属材料は、スタンピングまたは鋳造を通して形成される金属機械部品であってもよい。
【0214】
第1の遮蔽構造体13が導電性接着材料を使用することによって実施されるとき、導電性接着材料はコーティングを通して形成されてもよい。
【0215】
一態様では、成形コンパウンド18は、チップが動作するときに発生する熱が第1の遮蔽構造体13に迅速に伝導されるように、放熱を支援することができる。別の態様において、成形コンパウンド18は、第1の遮蔽構造体13のための支持を提供し、これは、第1の遮蔽構造体の安定性を改善し、第1の遮蔽構造体13が成形コンパウンド18に対して形成されることを可能にする。
【0216】
第1の遮蔽構造体13は、成形コンパウンド18の外面およびパッケージ基板14の側壁を覆い、チップパッケージ本体を包囲する。これによって電磁遮蔽効果を改善する。
【0217】
【0218】
図16Aは、y軸およびz軸が位置すされる平面の側面図である。この場合、第2の遮蔽構造体は2つの部分を含む。
【0219】
第2の遮蔽構造体の第1の部分は導電性膜であり、導電性膜は第2の遮蔽構造体16の外部を覆い、導電性膜ははんだパッド201の両側から延在する領域を使用することによって締結される。
【0220】
接地ピン203の一部は、チップパッケージ本体10の範囲外まで延在し、はんだ付けプロセスを使用することによって第2の遮蔽構造体16の第2の部分を形成し、第1の遮蔽構造体13への電気的接続を実施する。これにより、配線を通したPCB 20上の接地を回避し、接地線を簡素化する。加えて、接地ピン203、はんだパッド201、第1の遮蔽構造体13、および第2の遮蔽構造体16は、第1のピン202を包囲し、これにより、チップシステムの電磁遮蔽性能を改善する。
【0221】
【0222】
図16Bは、y軸およびz軸が位置すされる平面の側面図である。
図16Bに示されるチップシステムと
図16Aのものの違いは、第2の遮蔽構造体16が導電性膜であり、接地ピン203の一部がチップパッケージ本体10の範囲外に延在し、チップパッケージ本体10の範囲外に延在するはんだパッド201の両面の一部が導電性膜と電気的に接続するために使用されることである。導電性膜は、第1の遮蔽構造体13を完全に覆っていてもよいし、第1の遮蔽構造体13の側壁を完全に覆っていてもよい。
【0223】
この場合、はんだパッド201、第1の遮蔽構造体13、および第2の遮蔽構造体16は、第1のピン202を包囲し、これにより、チップシステムの電磁遮蔽性能を改善する。
【0224】
上記の説明は、チップシステムの第1のピン202および接地ピン203がチップパッケージ本体10の上側および下側に位置すされる一例を使用することによって提供されていることが理解されよう。実際の用途では、第1のピン202および接地ピン203の数量が変化するにつれて、第1のピン202および接地ピン203の配置位置はそれに応じて調整されてもよく、片側のみに配置されてもよく、または3つの側に配置されてもよく、または4つの側に配置されてもよい。ここでは詳細を繰り返さない。
【0225】
上述の実施形態で提供されたチップシステムに基づいて、本出願の一実施形態は、チップシステムが適用される通信デバイスをさらに提供する。以下に具体的な説明を提供する。
【0226】
通信デバイスはPCBを含み、PCB上の中間周波数(Intermediate Frequency、IF)チップおよび無線周波数(Radio Frequency、RF)チップに対応するチップパッケージ本体は、前述の実施形態で提供されたチップシステムを使用し得る。
【0227】
以下では、通信デバイスが説明のために無線周波数トランシーバである一例を使用する。
【0228】
図17は、本出願の一実施形態による無線周波数トランシーバシステムの図である。
【0229】
無線通信システムに適用される無線周波数トランシーバ01は、多入力多出力(Multiple-Input Multiple-Output、MIMO)機能をサポートし、複数の送信アンテナを使用することによって異なるユーザ機器(UE)に同時に信号を送信し、複数の受信アンテナを使用することによって、複数のUE 02によって送信された信号を同時に受信することができる。
【0230】
本出願の実施形態で提供される無線周波数トランシーバシステムは、無線周波数トランシーバ01およびベースバンドユニット(Base band Unit、BBU)03を含む。
【0231】
実際の用途では、無線周波数トランシーバシステムは、一般に、複数の無線周波数トランシーバ01および複数のBBU 03を含む。1つのBBU 03は、複数の無線周波数トランシーバ01の同時アクセスをサポートする。1つのBBU 03によって同時にアクセスされる無線周波数トランシーバ01の具体的な数量は、本出願の実施形態では限定されない。
【0232】
無線周波数トランシーバシステムが複数のBBU 03を含むとき、BBU 03に接続される無線周波数トランシーバ01の数量は同じであっても異なっていてもよい。これは、本出願の実施形態では具体的には限定されない。
【0233】
無線周波数トランシーバ01は、光ファイバを通してBBU 03に接続される。一態様では、無線周波数トランシーバ01は、光ファイバを通して、BBUによって送信された光信号を取得し、光モジュールを通して光信号を高速電気信号に変換し、内部ベースバンド回路、中間周波数回路、および無線周波数電力増幅回路を使用することによって高速電気信号を処理し、次いで、複数の送信アンテナを介して複数のユーザ機器に処理された高速電気信号を送信する。別の態様では、無線周波数トランシーバ01は、複数の受信アンテナを通して、複数のユーザ機器によって送信された無線周波数信号を受信し、内部無線周波数電力増幅回路、中間周波数回路、およびベースバンド回路を使用することによって無線周波数信号を処理し、無線周波数信号を高速電気信号に変換し、光モジュールを通して高速電気信号を光信号に変換し、光信号を光ファイバを通してBBU 03に送信することができる。
【0234】
中間周波数回路の中間周波数チップは、本出願のこの実施形態で提供されるチップシステムに適用され得、すなわち、中間周波数チップのチップパッケージ本体は、前述の電磁遮蔽を使用することによって、中間周波数回路が配置されるPCB上に配置される。
【0235】
結論として、本出願のこの実施形態で提供される通信デバイスに含まれるチップシステムは、第1の接続部分に対する電磁遮蔽を実施し、第1の接続部分の電磁漏洩を低減し、チップパッケージ本体の電磁遮蔽能力を改善し、チップ性能を確保し、別の回路構成要素に対する電磁漏洩の影響を低減することができ、それによって通信デバイスの性能を改善する。
【0236】
前述の説明は、本出願の特定の実装形態にすぎない。当業者は、本出願の原理から逸脱することなくいくつかの改善および修正をさらに行うことができ、これらの改善および修正もまた、本出願の保護範囲と見なされることに留意されたい。
【符号の説明】
【0237】
01 無線周波数トランシーバ
02 ユーザ機器
03 ベースバンド処理ユニット
10 チップパッケージ本体
11 チップ
12 第1の材料、熱界面材料
13 電磁遮蔽エンクロージャ、第1の遮蔽構造体
14 パッケージ基板
15 第2の接続部
16 第2の遮蔽構造体
17 絶縁材料
18 エポキシ成形コンパウンド
20 プリント基板、回路基板
30 はんだボール
201 はんだパッド
202 第1のピン
203 接地ピン
A、B、B1、C、C1 領域
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップシステムであって、前記チップシステムはチップパッケージ本体および電磁遮蔽エンクロージャを備え、前記チップパッケージ本体は、第1の接続部を
通して回路基板に電気的に接続され、前記チップパッケージ本体は、パッケージ基板および少なくとも1つのチップを備え、前記パッケージ基板は、前記少なくとも1つのチップに電気的に接続され、前記電磁遮蔽エンクロージャは、第1の遮蔽構造体および第2の遮蔽構造体を備え、前記第1の遮蔽構造体と前記第2の遮蔽構造体の両方は導電性であり、
前記第1の遮蔽構造体は、前記パッケージ基板に接続され、
前記第1の遮蔽構造体は第1のキャビティを備え、前記第1のキャビティは、前記少なくとも1つのチップを収容するように構成され、
前記第2の遮蔽構造体の第1の端部は、前記回路基板上のはんだパッドに接続されるか、または前記回路基板に接続され、前記第2の遮蔽構造体の第2の端部は、前記第1の遮蔽構造体に接続されて第2のキャビティを形成するか、あるいは前記第2の遮蔽構造体の第1の端部は、前記回路基板上のはんだパッドに接続されるか、または前記回路基板に接続され、前記第2の遮蔽構造体は、前記第1の遮蔽構造体を覆い第2のキャビティを形成し、
前記第1の接続部は、前記第2のキャビティに配置される、
チップシステム。
【請求項2】
前記第1の接続部は、絶縁材料および複数の電気接続部を備え、
前記複数の電気接続部は、前記チップパッケージ本体と前記回路基板を接続するように構成され、
前記絶縁材料は、前記パッケージ基板と、前記回路基板と、前記複数の電気接続部の間の領域に充填されている、
請求項1に記載のチップシステム。
【請求項3】
前記第1の接続部は、2つの接続面を備え、前記回路基板に近い一方の接続面が第1の接続面であり、前記チップパッケージ本体に近い他方の接続面が第2の接続面であり、前記第1の接続面の幅は、前記第2の接続面の幅よりも大きい、請求項2に記載のチップシステム。
【請求項4】
前記第2の遮蔽構造体は、前記絶縁材料の側壁の全部または一部を覆う、請求項
2に記載のチップシステム。
【請求項5】
前記はんだパッドが接地されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項6】
前記パッケージ基板は、前記はんだパッド上に配置され、前記第2の遮蔽構造体の前記第1の端部は、前記はんだパッドに電気的に接続されている、請求項5に記載のチップシステム。
【請求項7】
前記チップパッケージ本体は、ランドグリッドアレイ
、LGA
、パッケージング技術を使用することによって前記回路基板に電気的に接続され、前記チップパッケージ本体の接地ピンは、前記第2の遮蔽構造体に電気的に接続される、請求項6に記載のチップシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのチップの各々の第1の表面は、第1の材料を
通して前記第1の遮蔽構造体に接続され、
前記少なくとも1つのチップのそれぞれの第2の表面は、前記パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続され、
前記第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を
通して前記パッケージ基板の前記第1の表面に接続される、
請求項1から
4のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項9】
前記第2の接続部は、金属はんだであるか、または前記第2の接続部は、導電性接着剤であるか、または前記第2の接続部は、絶縁性のコロソールである、請求項8に記載のチップシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのチップの各々の第1の表面は、第1の材料を
通して前記第1の遮蔽構造体に接続され、
前記少なくとも1つのチップのそれぞれの第2の表面は、前記パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続され、
前記第1の遮蔽構造体は、第2の接続部を
通して前記パッケージ基板の側壁に接続される、
請求項1から
4のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項11】
前記第1の遮蔽構造体は金属機械部品である、請求項1から
4のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項12】
前記チップパッケージ本体は
、成形コンパウンドをさらに備え、
前記少なくとも1つのチップの各々は、前
記成形コンパウンドに埋め込まれ、
前記第1の遮蔽構造体は、前
記成形コンパウンドの外面および前記パッケージ基板の側壁を覆う、
請求項1から
4のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項13】
前記チップパッケージ本体は
、成形コンパウンドをさらに備え、
前記少なくとも1つのチップは、前
記成形コンパウンドに埋め込まれ、
前記少なくとも1つのチップの各々は、前記パッケージ基板の第1の表面に電気的に接続され、
前記第1の遮蔽構造体は、前
記成形コンパウンドの外面を覆い、前記パッケージ基板の前記第1の表面まで延在する、
請求項1から
4のいずれか一項に記載のチップシステム。
【請求項14】
通信デバイスであって、前記通信デバイスが請求項1から
4のいずれか一項に記載のチップシステムを備える、通信デバイス。
【請求項15】
前記通信デバイスは、無線周波数トランシーバであり、
前記無線周波数トランシーバは、光ファイバを通して基地局のベースバンド処理ユニットBBUに接続されるように構成される、
請求項
14に記載の通信デバイス。
【国際調査報告】