(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】エアプリクリーナスピンチューブ
(51)【国際特許分類】
B04C 3/06 20060101AFI20241126BHJP
B01D 45/12 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
B04C3/06
B01D45/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535364
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 US2022080975
(87)【国際公開番号】W WO2023122424
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カリエンド、ビンセント ピー.
【テーマコード(参考)】
4D031
4D053
【Fターム(参考)】
4D031AC00
4D031BA03
4D031BA10
4D031DA05
4D053AA03
4D053AB01
4D053BA01
4D053BB08
4D053BC03
4D053CA23
4D053CD23
4D053DA02
(57)【要約】
エアプリクリーナスピンチューブを提供する。エアプリクリーナスピンチューブ(100)は、ベーン付き入口セクション(200)を含み、前記ベーン付き入口セクション(200)は、入口フランジ(202)と、半径方向および長手方向軸(214)を規定するノズル(210)を形成する外壁(208)を含む外側チューブ入口部(206)と、を含む。また、前記ノズル(210)内には、中央ステム(216)が配置されており、前記中央ステム(216)から前記外壁(208)まで複数のベーン(218)が延びている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアプリクリーナスピンチューブ(100)であって、
ベーン付き入口セクション(200)を含み、前記ベーン付き入口セクション(200)は、
入口フランジ(202)と、
半径方向(212)および長手方向軸(214)を規定するノズル(210)を形成する外壁(208)を含む外側チューブ入口部(206)と、
前記ノズル(210)内に配置された中央ステム(216)と、
前記中央ステム(216)から前記外壁(208)まで延びる複数のベーン(218)と、を含む、エアプリクリーナスピンチューブ(100)。
【請求項2】
前記複数のベーン(218)は、2枚以上4枚以下のベーン(218)を含む、請求項1に記載のエアプリクリーナスピンチューブ(100)。
【請求項3】
前記複数のベーン(218)は、3枚のベーン(218)を含む、請求項2に記載のエアプリクリーナスピンチューブ(100)。
【請求項4】
前記入口フランジ(202)から延び、29.0mm~33.0mmの範囲の入口内径(D220)を規定する入口スリーブ部(220)をさらに含む、請求項3に記載のエアプリクリーナスピンチューブ(100)。
【請求項5】
前記中央ステム(216)は、前記入口フランジ(202)の外面(204)から延びて自由端(226)で終了し、前記入口フランジ(202)の外面(204)から自由端(226)まで測定されたステム軸方向距離(224)が30.0mm~34.0mmの範囲である、請求項4に記載のエアプリクリーナスピンチューブ(100)。
【請求項6】
前記ベーン付き入口セクション(200)は、28.0mm~32.0mmの範囲の最小外側チューブ内径(D206)を規定する、請求項5に記載のエアプリクリーナスピンチューブ(100)。
【請求項7】
前記複数のベーン(218)は、50.5mm~60.5mmの範囲のベーンピッチ(232)を規定し、前記中央ステム(216)は、前記ノズル(210)が前記中央ステム(216)により内部に規定されるように、12.5mm~16.5.0mmの範囲のステム入口外径(228)を規定し、11.5mm~15.5mmの範囲のステム出口外径(230)を規定する、請求項2に記載のエアプリクリーナチューブ。
【請求項8】
エアプリクリーナスピンチューブ(100)であって、
前記中間セクション(300)を含み、前記中間セクション(300)は、
第1フレア角(310)を規定する第1ディフューザセクション(302)と、第1ディフューザセクション(302)から延び、前記第1フレア角(310)よりも大きい第2フレア角(312)を規定する第2ディフューザセクション(304)とを含む外壁(208)を含み、
前記外壁(208)は、長手方向軸(214)、半径方向(212)、および周方向(314)を規定する、エアプリクリーナスピンチューブ(100)。
【請求項9】
前記第1ディフューザセクション(302)の外壁(208)は、28.0mm~32.0mmの範囲の最小内径(316)と、30.0mm~34.0mmの範囲の最大内径(318)とを規定する、請求項8に記載のエアプリクリーナスピンチューブ(100)。
【請求項10】
前記外壁(208)の一部(320)は、前記第2ディフューザセクション(304)から前記軸方向下方に延びて、20.5mm~24.5mmの範囲のベント軸方向高さ(324)を有するベント(322)を形成し、前記ベント(322)を形成する外壁(208)の一部(320)は、長手方向軸(214)の周囲に70.0度~110.0度の範囲の角度(326)で周方向に延びて、第2ディフューザセクション(304)の外壁(208)は、32.0mm~36.0mmの範囲の出口内径(328)を規定する、請求項8に記載のエアプリクリーナスピンチューブ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリーツフィルタの前にゴミ、ほこり、粒子等を移動させるためにエンジン等に用いられるエアプリクリーナ用エアチューブに関する。具体的には、本開示は、従来公知よりも多くの粒子を除去するエアプリクリーナに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンが燃料に蓄えられた化学エネルギーを機械的仕事に変換するために、エンジンは周辺環境からのエアを利用して燃料を燃焼させる。しかしながら、周囲の環境のエアには、エンジンの部品を損傷したり、非効率的な燃焼を引き起こしたりする可能性のあるゴミ粒子(例えば、ほこり、砂、または他の汚染物質、より一般的には粒子と呼ばれる)が詰まっていることが多いため、流入するエアを浄化するためにエアフィルターアセンブリが用いられる。
【0003】
プレクリーナーチューブおよびプリーツフィルタ(セルロース等を使用するものを含む)は業界で知られている。例えば、米国特許第4,008,059号は、エンジンのエアクリーナーで使用するための小型遠心分離機を開示している(例えば、布またはセルロースフィルターが使用される前)。2本のクリーンエアテイクオフチューブをメインフローチューブ内に同軸に整列させて設置し、渦巻ガス流の外側環状部の選択された部分を連続的に除去することができる。クリーンエアチューブは、渦巻き手段から下流に事前に選択された距離だけ離して配置することができ、これにより、取り込まれたダスト粒子は、各タックオフチューブに遭遇する前に、約1回の渦巻き回転を完了することができる。この特許は、比較的短いフローチューブで比較的高い収集効率を実現しようとしている。
【0004】
しかし、当業界で既に知られているプレクリーナーチューブよりも、収集効率を向上させることが依然として望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実施形態に係るエアプリクリーナスピンチューブは、ベーン付き入口セクションを含み、前記ベーン付き入口セクションは、入口フランジと、半径方向および長手方向軸を規定するノズルを形成する外壁を含む外側チューブ入口部を含んでもよい。また、前記ノズル内に中央ステムが配置され、複数の前記ベーンは前記中央ステムから外壁まで延びていてもよい。
【0006】
本開示の別の実施形態に係るエアプリクリーナスピンチューブは、前記中間セクションを含み、前記中間セクションは、第1フレア角を規定する第1ディフューザセクションと、第1ディフューザセクションから延び、前記第1フレア角よりも大きい第2フレア角を規定する第2ディフューザセクションとを含む外壁を含んでもよい。前記外壁は、長手方向軸、半径方向、および周方向を規定してもよい。
【0007】
さらに別の実施形態に係るエアプリクリーナスピンチューブは、中心軸および半径方向を規定する内側管状ベースを含み、外面を含む出口フランジを有する出口セクションを含んでもよい。また、テーパー付きディフューザセクションは出口フランジから軸方向に延び、一方、テーパーのない出口開口部は出口フランジを貫通して延び、出口フランジの外面からテーパー付きディフューザセクションまで測定された出口開口部直径および出口開口部高さを規定する。前記出口開口直径と前記出口開口高さとの比は、11.6~17.4の範囲であってもよい。
【0008】
本開示の一実施形態に係るエアプリクリーナスピンチューブは、ベーン付き入口セクションを含み、前記ベーン付き入口セクションは、入口フランジと、半径方向および長手方向軸を規定するノズルを形成する外壁を含む外側チューブ入口部と、中央ステムと、前記中央ステムから前記外壁まで延びる複数のベーンと、を含んでもよい。前記チューブは、少なくとも第1ディフューザ部と、中心軸および半径方向を規定する内側管状ベースを含み、出口外面を含む出口フランジを有する出口セクションとを含む中間セクションをさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、説明と共に本開示の原理を説明するために使用される。図において、
【
図1】本開示の実施形態に係るエアプリクリーナスピンチューブの斜視図である。
【
図2】
図1のプレクリーナースピンチューブの別の透視図であり、隠れた特徴は隠れ線で示されている。
【
図3】
図1のエアプリクリーナスピンチューブの3-3線に沿った側面断面図である。
【
図4】
図1のエアプリクリーナスピンチューブの上面図である。
【
図5】
図1のエアプリクリーナスピンチューブの底面図である。
【
図7】
図1の線7-7に沿った断面図である(線6-6に対して約45度の角度)
【
図8】
図1の線8-8に沿った断面図である(線7-7に対して約45度直交する角度)。
【
図9】
図1の線9-9に沿った断面図である(線8-8に対して約45度直交する角度)。
【
図10】
図1のエアプレクリーナースピンチューブの特徴と寸法を相関させた表である。
【
図11】エアプレクリーナースピンチューブのベースライン設計に対する改善を示す別の表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、添付の図面に例示されている本開示の実施形態について詳細に言及する。可能な限り、図面全体を通じて、同じまたは同様の部分を指すために同じ参照番号が使用される。場合によっては、本明細書では参照番号が示され、図面では、例えば、100a、100bなどの文字が後に続く参照番号を示す。参照番号の直後に英文字を使用することは、幾何学的形状が対称平面鏡像を囲む場合によく見られるように、これらのフィーチャが同様の形状および同様の機能を有することを示すことが理解されるべきである。本明細書における説明を容易にするために、英文字は本明細書に含まれないことが多いが、本明細書内で説明する特徴の重複を示すために図面に示される場合がある。
【0011】
本開示の様々な実施形態には、分離効率の向上を達成し、その結果、スピンチューブ技術における一般的な業界リーダーよりも選択されたエアクリーナーグループのサービス間隔を2倍にすることができる、記載されているエアクリーナースピンチューブが含まれる。
【0012】
図1から
図3まで、本開示の実施形態によるエアプレクリーナースピンチューブ100全体は、ベーン付き入口セクション200を含み、ベーン付き入口セクション200は、入口外面204を規定する入口フランジ202と、半径方向212および長手方向軸214を規定するノズル210を形成する外壁208(
図3を参照)を含む外側チューブ入口部206と、を含んでもよい。
【0013】
図3に最もよくわかるように、ノズル210内に中央ステム216が配置され、中央ステム216から外壁208まで複数のベーン218が延びてもよい。また、少なくとも第1ディフューザ部302と、中心軸403(長手方向軸214と同一直線上にある場合がある)と半径方向を規定できる内側管状ベース402を含む出口セクション400とを含むディフューザ中間セクション300が設けられてもよい。加えて、出口セクション400は、出口外面408を含む出口フランジ406をさらに含んでもよい。本開示の他の実施形態では、これらの手段の他の構成が可能である。
【0014】
図3では、ベーン付き入口セクション200は、入口外面204から外側チューブ入口部206から離れて軸方向に延びる入口スリーブ220(リップとも呼ばれる)をさらに含んでもよい。このような場合、入口スリーブは、1.0mm~3.0mmの範囲の入口スリーブ軸方向高さ234(たとえば、入口スリーブが入口外面204から軸方向に突出する量)を規定してもよい。いくつかの実施形態では、この突起またはリップは省略されてもよい。また、入口スリーブ220は、本開示のいくつかの実施形態では0.9mm~1.1mmの範囲である入口スリーブ半径223(
図7も参照)によって少なくとも部分的に形成される開口部(たとえば、入口開口部222)を規定してもよい。いくつかの実施形態では、入口スリーブは入口フランジ202から突出しないようにしてもよい。このような場合、スリーブ半径は設けられても設けられなくてもよい。
【0015】
さらに、出口セクション400は、本開示のいくつかの実施形態では、その自由端に0.15mm~0.35mmの範囲のベース出口半径414(
図7も参照)を有する内側管状ベース402を含んでもよい。本開示の他の実施形態では、ベース出口半径は省略されてもよい。
【0016】
また、本開示のいくつかの実施形態では、入口外面204から出口外面408まで測定される面間軸方向高さ102が87.5mm~93.5mmの範囲で提供されてもよい。本開示の他の実施形態では、このことは当てはまらない可能性がある。
【0017】
図6に最もよく示されているように、ディフューザ中間セクション300には、点306(または、本明細書で説明する軸214、403に垂直な平面)で第1ディフューザ部302から半径方向に広がる第2ディフューザ部304が含まれてもよい。この点306は、本開示のいくつかの実施形態では、出口外面408から27.0mm~31.0mmの範囲の所定の軸方向距離308に配置されてもよい。本開示の他の実施形態では、このことは当てはまらない可能性がある。
【0018】
粒子、ほこり、破片などを含んだエアがチューブ内に入ると、ベーンとノズルが十分な速度と遠心力を生み出し、粒子などをチューブの半径方向外側部に押し出すことがある。これらの粒子がディフューザ中間セクションに到達すると、乱流によってチューブの中心に戻されないように速度が遅くなる可能性がある。また、ディフューザ中間セクションによって圧力降下が減少する可能性がある。その結果、これらの粒子はベントに到達し、半径方向内側の管状ベースの半径方向外側に留まるため、スピンチューブの入口から出口までの圧力降下が望ましい量を超えることなく、除去される破片の割合が高まる。
【0019】
図1~
図3等に示すように、チューブ100は一体型として形成されてもよい。しかし、製造性および保守性を容易にするために、チューブ100は、互いに入れ子になったり、接続されたりした異なるセクションに分割されてもよい。例えば、米国特許第4,008,059号(
図1参照)は、少なくとも入口セクションと出口セクションが、異なるコンポーネントから形成されて、一緒に入れ子にされ得ることを示している。
【0020】
より具体的には、チューブ100の1つまたは複数のコンポーネントまたは部分は、熱可塑性材料(例えば、ナイロン6/6など)から射出成形を使用して製造してもよい。本開示のいくつかの実施形態では、チューブの公称壁厚は約1.5mm~2.5mm(例えば2.0mm)の範囲であってもよい。
【0021】
例えば、エアプレクリーナースピンチューブ100は、製造を容易にするために別個のコンポーネントとして提供されるベーン付き入口セクション200を含んでもよく、ベーン付き入口セクション200は、入口フランジ202と、ノズル210を形成し、半径方向212および長手方向軸214を規定する外壁208を含む外側チューブ入口部206と、を含む。ノズル210内に中央ステム216が配置され、複数のベーン218が中央ステム216から外壁208(例えば、外側半径方向壁)まで延びたり接続したりしてもよい。本開示のいくつかの実施形態では、2枚以上4枚以下のベーンが設けられてもよい(たとえば、3枚のベーンが使用されてもよい)。
【0022】
図6に注目すると、入口スリーブ部(例えば、220を参照)は入口フランジ202から延び、本開示のいくつかの実施形態では29.0mm~33.0mmの範囲の入口内径D220を規定してもよい。
【0023】
加えて、中央ステム216は、入口フランジ202の外面204からステム軸方向距離224(ベーン付きチューブ軸方向距離とも呼ばれる)だけ延び、自由端226で終了してもよい。ステム軸方向距離224は、本開示のいくつかの実施形態では、入口フランジ202の外面204から自由端226まで測定された、30.0mm~34.0mmの範囲である。
【0024】
また、本開示のいくつかの実施形態では、ベーン付き入口セクションは、28.0mm~32.0mmの範囲の最小外側チューブ内径D206を規定してもよい。
【0025】
図6を引き続き参照すると、本開示のいくつかの実施形態では、複数のベーン218は、50.5mm~60.5mmの範囲のベーンピッチ232を規定してもよい。なお、実際のベーンは完全なベーンピッチまで伸びない可能性があるため、このベーンピッチは理論上のものである可能性がある。また、本開示のいくつかの実施形態では、中央ステム216は、12.5mm~16.5.0mmの範囲のステム入口外径228と、11.5mm~15.5mmの範囲のステム出口外径230を規定してもよい。いくつかの実施形態では、ノズル210は、中央ステム216によって内部的に規定される。
【0026】
例えば、中央ステムの外側のドラフトは、外側チューブ入口部の外壁の内側のドラフトと一致してもよい。これは、本開示の他の実施形態では当てはまらない可能性がある。
【0027】
さらに
図6を参照すると、第1フレア角度310を規定する第1ディフューザセクション(たとえば、302を参照)を含む外壁208と、第1ディフューザセクションから(たとえば、軸方向に)延びて第1フレア角度310よりも大きい第2フレア角度312を規定する第2ディフューザセクション(たとえば、304を参照)を含む中間セクション300が提供されてもよい。外壁は、周方向314を規定してもよい(
図3および4を参照)。
【0028】
図6に注目すると、本開示のいくつかの実施形態では、第1ディフューザセクションの外壁は、28.0mm~32.0mmの範囲の最小内径316と、30.0mm~34.0mmの範囲の最大内径318とを規定してもよい。他の実施形態では、そうでない場合がある。
【0029】
図6を引き続き参照すると、外壁の一部320は、第2ディフューザセクション(例えば、304を参照)から軸方向下方に延びており、本開示のいくつかの実施形態では、ベント軸方向高さ324が20.5mm~24.5mmの範囲であるベント322を形成している。
図2に最もよく示されているように、ベント322を形成する外壁の一部320は、長手方向軸の周囲に70.0度~110.0度の範囲の角度326で周方向に延びてもよい。言い換えれば、本開示のいくつかの実施形態では、ベントは、250.0度~290.0度(例えば、270.0度)の範囲のベント角度327に延びてもよい。
【0030】
図7では、第2ディフューザセクションの外壁は、本開示のいくつかの実施形態では、その端部に32.0mm~36.0mmの範囲の出口内径328を規定している。他の実施形態では他の値も可能である。
【0031】
同様に、中心軸403(前述の長手方向軸214と同一直線上にある場合がある)、半径方向404(前述の半径方向212と平行である場合がある)を規定する内側管状ベース402と、外面(たとえば、軸方向外側を向く408を参照)を含む出口フランジ406とを含む出口セクション400またはコンポーネントが提供される。一般的に言えば、セクション200、300、および400の3つのセクションはすべて互いに同心であるが、必ずしもそうであるとは限らない。また、出口セクション400は、出口フランジ406からチューブ100の中央に向かって軸方向に延びるテーパー付きディフューザセクション416を有していてもよい。
【0032】
加えて、テーパーのない出口開口部412(すなわち、フレア角度よりもドラフトが少ない)が出口フランジ406を貫通して延び、出口開口部直径D412と、出口フランジ406の外面408からテーパー付きディフューザセクション416まで測定された出口開口部高さH412を規定してもよい。いくつかの実施形態では、出口開口部直径D412と出口開口部高さH412との比は11.6~17.4の範囲である。いくつかの実施形態では、これは当てはまらない場合がある。
【0033】
同様に、テーパー付きディフューザセクションは、円筒環状部420まで軸方向に延びており(例えば、フレア角度よりもドラフトが小さい)、出口フランジ406から円筒環状部420まで測定されたテーパー軸方向高さH416が規定されている。本開示のいくつかの実施形態では、出口開口部直径D412とテーパー軸方向高さH416の比は3.31~4.97の範囲であってもよい。
【0034】
このような場合、出口開口部直径D412は27.0mm~31.0mmの範囲となり、出口開口部高さは1.5mm~2.5mmの範囲となってもよい。また、本開示のいくつかの実施形態では、テーパー軸方向高さH416は5.0mm~9.0mmの範囲であってもよい。
【0035】
さらに
図7を参照すると、内側(たとえば、半径方向内側)管状ベース402は、出口フランジ406の外面(たとえば、408を参照)から円筒環状部420の自由端422まで測定されたベース軸方向高さ418を規定してもよい。また、円筒環状部420は、円筒環状外径424を規定してもよい。本開示のいくつかの実施形態では、ベース軸方向高さ418は23.0mm~27.0mmの範囲であり、円筒環状外径424は22.0mm~26.0mmの範囲である。
【0036】
また、出口セクション400は、内側管状ベース402を少なくとも部分的に半径方向に囲む外側環状部(例えば、320を参照)をさらに備えていてもよく、外側環状部は、本開示のいくつかの実施形態では、32.0mm~36.0mmの範囲の出口内径328を規定する。
【0037】
また、本明細書で説明したいずれの実施形態についても、材料および特徴は、構成、材料が変更されたり、本開示のさまざまな実施形態などで省略されたりしてもよい。例えば、スピンチューブまたはそのコンポーネントは、金属板から作られることもあれば、プラスチックから成形されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
実際には、スピンチューブ、スピンチューブの入口セクション、スピンチューブの中間セクション、またはスピンチューブの出口セクション、および/またはこれらのコンポーネントの任意のコンポーネントまたはアセンブリ/組み合わせは、本明細書で説明した実施形態のいずれかに従って、アフターマーケットまたはオリジナル機器製造会社(OEM)のシナリオで販売、製造、購入などされてもよい。つまり、コンポーネント、サブアセンブリ、および/またはアセンブリは、OEM(相手先ブランド製造)またはアフターマーケットのコンテキストで、エンジンまたはエンジンを使用する機械とともに販売されてもよい。
【0039】
使用中、技術者は、本明細書で前述したように、スピンチューブ全体または個別のコンポーネントを保守または交換することができる。
【0040】
本発明の発明者らは、様々な境界条件および設計制約を使用して、スピンチューブに対してCFD解析(計算流体力学)を実行した。
【0041】
たとえば、スピンチューブの入口に1atmの圧力境界が設定され、モデルでは対称性の仮定が採用され、チューブの出口に0.648m3の体積エア流量が設定された。粒子は圧力境界に散布され、粒子の速度は局所的な流体の速度と同じであると仮定された。粒子は粒度分布表に従ってグループ化された。各粒子サイズの質量流量は、表の粒子体積分率分布を使用して計算された。また、LPT(小さな粒子質量分率を仮定したラグラジアン粒子追跡)の一方向結合もモデル化された。重力の影響は無視された。
【0042】
次に、500のシナリオのCFD計算が評価され、望ましいパフォーマンス基準を満たす「新しい」設計が選択された。具体的には、
図11の表に示すように、所望の最大圧力降下1312Paを超えず、粒子除去効率はベースラインのスピンチューブ設計と比較して5.0%以上向上した。
【0043】
驚くべきことに、発明者らは、ノズルと固定翼の組み合わせにより、流入するエア(
図2および
図7の矢印500参照)がより速く回転し、より大きな遠心力が生じて、塵や汚れが外壁(複数可)に向かって吹き飛ばされることを発見した(
図2および
図8の矢印502参照)。ディフューザ中間セクションにより、予想外にエアの流れが遅くなり、圧力降下が軽減され、ベントから排出される掃気によってほこりや汚れが除去されるようになった。この双方にとって有利なシナリオ(設計上のトレードオフが解消された)は、掃気が行われる際に外壁付近の気流の乱れが減少することに起因すると考えられる。清浄なエア(
図2および
図7の矢印504を参照)は、スピンチューブを通って、必要に応じて、一次空気清浄機(例えば、プリーツ状の濾過媒体を備えたフィルタなど)、またはエンジン、またはその他の装置へと自由に流れ続ける。
【0044】
本明細書で使用される場合、冠詞「a」および「an」は、1つまたは複数の項目を含むことが意図されており、「1つまたは複数」と同様の意味で使用される場合がある。1つの項目のみを使用する予定の場合は、「1つ」またはそれに類する言語を使用する。また、本明細書で使用される場合、「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」、「有する(with)」などの用語は、無制限の用語であることを意図している。さらに、「に基づいて」という語句は、明示的に別段の記載がない限り、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することを意図している。
【0045】
当業者にとって明らかなように、本発明(複数可)の範囲または精神から逸脱することなく、本明細書に記載された装置および組立方法の実施形態に様々な修正および変更を加えてもよい。本明細書に開示された様々な実施形態の仕様および実践を考慮すると、本開示の他の実施形態は当業者にとって自明であろう。例えば、いくつかの装置は、本明細書に記載されたものとは異なる構成および機能を有していてもよく、任意の方法のいくつかのステップは省略されてもよく、具体的に言及されたものとは異なる順序で実行されてもよく、場合によっては同時にまたは段階的に実行されてもよい。さらに、様々な実施形態のいくつかの態様または特徴は、更なる実施形態を作成するために変更または修正されてもよく、様々な実施形態の特徴および態様は、更なる実施形態を提供するために、他の実施形態の他の特徴または態様に追加または置換されてもよい。
【0046】
したがって、本明細書および実施例は単なる例示として考慮されるものであり、本発明(複数可)の真の範囲および精神は、以下の請求項およびその同等物によって示されるものとする。
【国際調査報告】