(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】メス先端用U字型ガイド
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3211 20060101AFI20241126BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
A61B17/3211
A61M25/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537368
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 US2022053889
(87)【国際公開番号】W WO2023122313
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511300891
【氏名又は名称】バード・アクセス・システムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル、グレード エイチ.
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160FF05
4C160KL02
4C267AA28
4C267CC08
4C267EE01
4C267GG02
4C267HH08
(57)【要約】
メスガイドは、メスブレードと結合するように構成される。メスガイドは、使用中にガイドワイヤと係合することで、メスブレードの、ガイドワイヤに対する横方向への変位を抑制する。メスガイドは横方向延在壁を備え、ガイドワイヤは使用中にこの壁の間に配置される。メスガイドは、メスブレードに取り付けられるか、またはメスブレードと一体的に形成されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メスガイドの第1側部に沿って延在するブレード結合部であって、前記メスガイドをメスブレードに固定するように構成される、ブレード結合部と、
前記第1側部とは反対側の、前記メスガイドの第2側部に沿って延在するガイドワイヤ係合部であって、前記ガイドワイヤ係合部は前記ガイドワイヤに対する前記メスガイドの横方向への変位を抑制するように構成され、使用時に、前記ガイドは前記ガイドワイヤに対する前記メスブレードの横方向への変位を抑制する、ガイドワイヤ係合部と、を備える、メスガイド。
【請求項2】
前記係合部は、第1の横方向延在壁と、前記第1の横方向延在壁に対向する第2の横方向延在壁と、を含み、
使用時に、前記ガイドワイヤは、前記第1の横方向延在壁と前記第2の横方向延在壁との間に配置される、請求項1に記載のメスガイド。
【請求項3】
前記第1の横方向延在壁および/または前記第2の横方向延在壁は湾曲部を含み、前記湾曲部は、少なくとも部分的に前記ガイドワイヤの周りに延在するように構成される、請求項2に記載のメスガイド。
【請求項4】
前記第2の横方向延在壁は、前記第1の横方向延在壁と長手方向に整列するように配置される、請求項2または3に記載のメスガイド。
【請求項5】
前記第2の横方向延在壁は、前記第1の横方向延在壁から長手方向にオフセットされるように配置される、請求項2または3に記載のメスガイド。
【請求項6】
前記係合部は、前記第1の横方向延在壁または前記第2の横方向延在壁と横方向に対向するように配置される第3の横方向延在壁をさらに含む、請求項2~5のいずれか一項に記載のメスガイド。
【請求項7】
前記係合部は、前記メスガイドの長手軸と前記ガイドワイヤとを一致させるように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のメスガイド。
【請求項8】
前記係合部はU字形状を画定する、請求項1~7のいずれか一項に記載のメスガイド。
【請求項9】
前記ブレード結合部は、前記メスブレードの後側縁部に沿って前記メスガイドを前記メスブレードに固定するように構成され、前記後側縁部は前記メスブレードの刃先の反対側に配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載のメスガイド。
【請求項10】
前記メスガイドの長手軸は、前記メスブレードの前記刃先に対して角度を成すように配置される、請求項9に記載のメスガイド。
【請求項11】
前記メスガイドの長手軸は、前記メスブレードの前記後側縁部の遠位側部分と平行になるように配置される、請求項9または10に記載のメスガイド。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のメスガイドと、
前記メスガイドと結合される、請求項1に記載のメスブレードと、を備える、メスブレードアセンブリ。
【請求項13】
前記メスガイドは前記メスブレードと一体的に形成される、請求項12に記載のメスブレードアセンブリ。
【請求項14】
前記メスガイドは前記メスブレードに溶接される、請求項12に記載のメスブレードアセンブリ。
【請求項15】
前記メスガイドは前記メスブレード上にオーバーモールドされる、請求項12に記載のメスブレードアセンブリ。
【請求項16】
前記メスガイドは、スナップフィットによって前記メスブレードに取り付けられる、請求項12に記載のメスブレードアセンブリ。
【請求項17】
請求項12~16のいずれか一項に記載のメスブレードアセンブリと、
前記メスブレードアセンブリと結合されたメスハンドルと、を備える、メス。
【請求項18】
前記メスガイドの長手軸は、前記メスハンドルの長手軸に対して角度を成すように配置される、請求項17に記載のメス。
【請求項19】
前記メスガイドを含む前記メスアセンブリ上に延在するように構成されるブレードカバーをさらに備える、請求項18に記載のメス。
【請求項20】
前記カバーは、
前記メスブレードアセンブリを覆う延在位置と、
前記メスブレードアセンブリを露出させる後退位置と、の間で選択的に配置可能である、請求項19に記載のメス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
カテーテルを患者の血管内に留置する前に、穿刺路を拡張して中心静脈カテーテルのようなカテーテルを受け入れるために、挿入部位において穿刺路の周りの患者の皮膚に切り込みを入れることが一般的である。通常、患者の皮膚への切り込みはメスを用いて行われる。穿刺路の拡張プロセス中にガイドワイヤが穿刺路に存在することは一般的であるが、これはガイドワイヤとメスとの両方を同時に穿刺路に挿入することを要するため、一層困難となる。
【0002】
本明細書には、拡張プロセス中にメスの位置制御を容易にするためにガイドワイヤを利用する、メスガイド、および、穿刺路の拡張方法が開示される。
【発明の概要】
【0003】
本明細書には、いくつかの実施形態によるメスガイドが開示される。メスガイドは、(i)メスガイドの第1側部に沿って延在するガイドワイヤ係合部であって、ガイドワイヤに対するメスガイドの横方向への変位を抑制するように構成される、ガイドワイヤ係合部と、(ii)第1側部とは反対側の、メスガイドの第2側部に沿って延在するブレード結合部であって、メスガイドをメスブレードに固定するように構成されるブレード結合部と、を含む。使用時に、ガイドはガイドワイヤに対するメスブレードの横方向への変位を抑制する。
係合部は、第1の横方向延在壁と、第1の横方向延在壁に対向する第2の横方向延在壁と、を含んでもよく、使用時に、ガイドワイヤは、前記第1の横方向延在壁と第2の横方向延在壁との間に配置される。第1の横方向延在壁および/または第2の横方向延在壁は湾曲部を含んでもよく、湾曲部は、少なくとも部分的にガイドワイヤの周りに延在するように構成される。いくつかの実施形態では、係合部はU字形状を画定する。
【0004】
いくつかの実施形態では、第2の横方向延在壁は、第1の横方向延在壁と長手方向に整列するように配置される。他の実施形態では、第2の横方向延在壁は、第1の横方向延在壁から長手方向にオフセットされるように配置される。
いくつかの実施形態では、係合部は、第1の横方向延在壁または第2の横方向延在壁と横方向に対向するように配置される第3の横方向延在壁をさらに含んでもよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、係合部は、メスガイドの長手軸とガイドワイヤとを一致させるように構成される。
いくつかの実施形態では、ブレード結合部は、メスブレードの後側縁部に沿ってメスガイドをメスブレードに固定するように構成され、後側縁部は前記メスブレードの刃先の反対側に配置される。
【0006】
いくつかの実施形態では、メスガイドの長手軸は、前記メスブレードの前記刃先に対して角度を成すように配置される。いくつかの実施形態では、スガイドの長手軸は、メスブレードの後側縁部の遠位側部分と平行になるように配置される。
本明細書には、メスブレードと結合される、上記で説明される任意の実施形態のメスガイドを含むメスブレードアセンブリも開示される。メスブレードは、溶接、スナップフィット、オーバーモールドによってメスガイドと結合されてもよい。または、メスガイドはメスブレードと一体的に形成されてもよい。
【0007】
本明細書には、メスハンドルと結合された、上記で説明される任意の実施形態のメスブレードアセンブリを含むメスも開示される。
いくつかの実施形態では、メスガイドの長手軸は、メスハンドルの長手軸に対して角度を成すように配置される
いくつかの実施形態では、メスは、メスガイドを含むメスアセンブリ上に延在するように構成されるブレードカバーをさらに備える。いくつかの実施形態では、カバーは、メスブレードアセンブリを覆う延在位置と、メスブレードアセンブリを露出させる後退位置と、の間で選択的に配置可能である。
【0008】
本明細書には、カテーテル穿刺路を拡張する方法も開示される。いくつかの実施形態によると、方法は、(i)メスのブレードに取り付けられるメスガイドを介して、メスと、挿入経路内に配置されるガイドワイヤと、を連結させることと、(ii)メスブレードの鋭端が挿入経路内に配置されるように、メスガイドをガイドワイヤに沿ってスライド変位させることと、(iii)挿入経路を拡張するために、ガイドワイヤと反対側に位置するメスブレードの刃先によって皮膚および/または血管壁を切断することと、を含む。メスガイドは、メスブレードの刃先と反対側の後側縁部に沿ってメスブレードに取り付けられるとともに、メスガイドは、ガイドワイヤに対するメスブレードの横方向の変位を抑制する。
【0009】
方法のいくつかの実施形態では、メスガイドは、第1の横方向延在壁と、第1の横方向延在壁に対向する第2の横方向延在壁と、を含む。メスをガイドワイヤと連結することは、第1の横方向延在壁と第2の横方向延在壁との間にガイドワイヤを配置することを含む。
【0010】
方法のいくつかの実施形態では、メスをガイドワイヤと連結することは、メスガイドの長手軸とガイドワイヤとを一致させることを含む。いくつかの実施形態では、メスガイドの長手軸は、メスブレードの刃先に対して角度を成すように配置される。
【0011】
方法のいくつかの実施形態では、メスをガイドワイヤと連結することは、ガイドワイヤに隣接するようにメスブレードの鋭端を位置決めすることを含む。いくつかの実施形態では、メスガイドは、刃先がガイドワイヤから離れる方向を向くように、ブレードの向きを拘束する。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、メスガイドは(i)メスブレードと一体的に形成される、(ii)メスブレードに溶接される、(iii)メスブレード上にオーバーモールドされる、または、(iv)スナップフィットによってメスブレードに取り付けられる。
【0013】
本明細書で提供される概念のこれらおよび他の特徴は、そのような概念の特定の実施形態をより詳細に説明する、添付の図面および以下の説明を考慮すれば、当業者にはより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】いくつかの実施形態による、メスガイドを含むメスを示す。
【
図1B】いくつかの実施形態による、
図1Aのメスブレードの詳細図である。
【
図1C】いくつかの実施形態による、
図1Aのメスガイドの端面断面図である。
【
図3A】、いくつかの実施形態による、メスブレードと結合されたメスガイドの第2の実施形態の詳細図である。
【
図3B】いくつかの実施形態による、
図3Aのメスガイドの端面断面図である。
【
図4A】いくつかの実施形態による、メスブレード上にオーバーモールドされるメスガイドの第3の実施形態の詳細図である。
【
図4B】いくつかの実施形態による、
図4Aのメスガイドの端面断面図である。
【
図5A】いくつかの実施形態による、メスブレードと一体的に形成されるメスガイドの第4の実施形態の詳細図である。
【
図5B】いくつかの実施形態による、
図5Aのメスガイドの端面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかの特定の実施形態をより詳細に開示する前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書で提供される概念の範囲を制限するものではないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、その特定の実施形態から容易に分離でき、かつ、本明細書で開示された数ある他の実施形態のいずれかの特徴と任意に組み合わせるかまたは置換されうる特徴を有することができることも理解されたい。
【0016】
本明細書で使用される用語に関して、これらの用語はいくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、本明細書で提供される概念の範囲を限定するものではないことも理解されたい。序数(例えば、第1および第2、第3など)は、一般的に特徴またはステップのグループ内の異なる特徴またはステップを区別または識別するために使用され、連続的な限定または数値の限定を提供しない。例えば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴またはステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、そのような特徴またはステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴またはステップに限定される必要はない。加えて、同様にして、前述の特徴またはステップのいずれかは、文脈で示唆されていない限り、1つ以上の特徴またはステップをさらに含みうる。「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」などの表記は便宜上使用されるものであり、例えば特定の固定された位置、向きまたは方向などを意味するものではない。代わりに、そのような表記は、例えば、相対的な位置、向き、または方向を反映するために使用される。「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」の単数形には、文脈で明確に指示されていない限り、複数形の対象が含まれる。
【0017】
「近位」に関して、例えば、メスの「近位側部分(proximal portion)」または「近位側区分(proximal section)」は、患者に使用されるときに臨床医の近くにあることを意図されたメスの部分を含む。同様に、例えば、メスの「近位長(proximal length)」は、メスが患者に使用されるときに臨床医の近くにあることを意図されたメスの長さを含む。例えば、メスの「近位端(proximal end)」は、メスが患者に使用されるときに臨床医の近くにあることを意図されたメスの端部を含む。メスの近位側部分、近位側区分、または近位長は、メスの近位端を含んでもよい。しかしながら、メスの近位側部分、近位側区分、または近位長は、メスの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈が別のことを示唆しない限り、メスの近位側部分、近位側区分、または近位長は、メスの末端部分または末端長ではない。
【0018】
「遠位」に関して、例えば、メスの「遠位側部分(distal portion)」または「遠位側区分(distal section)」は、メスが患者に使用されるときに患者の近く、または患者の体内にあることを意図されたメスの部分を含む。同様に、例えば、メスの「遠位長(distal length)」は、メスが患者に使用されるときに患者の近く、または体内にあることを意図されたメスの長さを含む。例えば、メスの「遠位端(distal end)」は、メスが患者に使用されるときに患者の近く、または体内にあることを意図されたメスの端部を含む。メスの遠位側部分、遠位側区分、または遠位長は、メスの遠位端を含んでもよい。しかしながら、メスの遠位側部分、遠位側区分、または遠位長は、メスの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈が別のことを示唆しない限り、メスの遠位側部分、遠位側区分、または遠位長は、メスの末端部分または末端長ではない。
【0019】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。
図1A~
図1Cは、いくつかの実施形態による、ガイド150を有する第1のメス100を示す。
図1Aはメス100の側面図を示す。
図1Bは、メス100のブレード120の遠位先端部分の詳細図である。
図1Cは、ブレード120に取り付けられたガイド150の端面図を提供する、切断線1C-1Cに沿って切断されたブレード120の一部の詳細な断面図である。
【0020】
図1Aを参照すると、メス100は概して、近位端101と、遠位端102においてメスに取り付けられたブレード120と、の間に延在するハンドル105を含む。ブレード120はハンドル105に恒久的に取り付けられてもよく、または、ブレード120はハンドル105に選択的に脱着可能であってもよい。図示のために、メス100は長手軸103を画定してもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、メス100は、ブレード120の周囲に延在するとともに、ブレード120を超えて遠位側に延在する、ブレードカバー106を安全措置として含んでもよい。いくつかの実施形態では、ブレードカバー106は、ブレード120を使用するためにメス100から取り外し可能であってもよい。他の実施形態では、ブレードカバー106は、ブレード120を露出させる「使用」位置とブレード120を覆う「安全」位置との間で選択的に配置されるように、ハンドル105に位置的に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、ブレードカバー106を配置することは、ハンドル105に沿ってブレードカバー106を長手方向にスライドさせることを含む。
【0022】
図1Bを参照すると、ブレード120は刃先125を含む。遠位後側縁部126は刃先125の反対側に配置されるとともに、刃先125と合流してブレード120の遠位最先端に鋭端128を形成する。近位後側縁部127は、遠位後側縁部126との接合点から近位側に離れるように延在する。ガイド150は、遠位後側縁部126または近位後側縁部127のいずれか一方、またはその両方に沿ってブレード120に取り付けられる。ガイド150は、例えば溶接、接着結合、スナップフィットなどの任意の適切な取付方法を介してブレード120に取り付けられてもよい。
【0023】
図1Cを参照すると、第1の実施形態によれば、ガイド150は、ブレード120から横方向に離れるように延在する第1の壁155Aと、同様にブレード120から横方向に離れるように延在する第2の壁155Bと、を含み、第1の壁155Aと第2の壁155Bとの間に収容スペース152を画定する。図示されるように、収容スペース152は、ガイドワイヤ30をその中に受け入れるように構成される。収容スペース152は、以下でさらに説明される通り、ガイドワイヤをその中に収容できる大きさに設定される。後壁156は、ブレード120に隣接する第1の壁155Aと第2の壁155Bとの間に延在する。いくつかの実施形態では、第1の壁155Aおよび第2の壁155Bは、U字形状を画定する後壁156を形成するように互いに結合される。すなわち、後壁156は第1の壁155Aと第2の壁155Bとの間で全半径を画定する。必須ではないものの、ガイド150は、ブレード150が収容スペース152を2等分するように、ブレード120に取り付けられてもよい。同様に、必須ではないものの、第1の壁155Aおよび第2の壁155Bは、ブレード120と平行、および/または、互いに平行であってもよい。
【0024】
収容スペース152は、ガイドワイヤ30が第1の壁155Aと第2の壁155Bとの間で横方向に拘束されるような大きさに設定される。使用時に、第1の壁155Aおよび第2の壁155Bは、ブレード120に対するガイドワイヤ30の横方向の変位を抑制するとともに、その逆も同様である。収容スペース152は、長手方向のスライド変位などの、ガイド150に対するガイドワイヤ30の長手方向の変位を可能にするような大きさに設定される。
【0025】
いくつかの実施形態では、必須ではないものの、後壁156は、遠位後側縁部126と整列するように、遠位後側縁部126に対して配置されてもよい。言い換えると、ガイドワイヤ30が後壁156と平行になるように収容スペース152内に配置されるとき、ガイドワイヤ30はまた、遠位後側縁部126と平行な方向で、ガイド150から遠位側に離れるように延在してもよい(
図2を参照)。
【0026】
いくつかの実施形態では、必須ではないものの、第1の壁155Aおよび第2の壁155Bは使用中に撓むように構成されてもよい。例えば、第1の壁155Aの端点(または、端部)157Aと第2の壁155Bの端点(または、端部)157Bとの間の離間距離158は、ガイドワイヤ30の径よりも小さくてもよい。そのような実施形態によると、端点157A,157Bを外向きに撓ませることなく、ガイドワイヤ30が収容スペース152外へと横方向に変位することを阻止できる。そのような実施形態の使用中に、ガイドワイヤ30は収容スペース152内へと横方向に変位することで、端点157A,157Bを外向きに撓ませうる。同様に、ガイドワイヤ30は収容スペース152外へと横方向に変位することで、端点157A,157Bを外向きに撓ませうる。
【0027】
図2は、患者10に使用中のメス100の、遠位側部分の側面図を示す。ガイド150の切り取り部分によって示されるように、ガイドワイヤ30は、第1の壁155Aと、第2の壁155Bと、後壁156と、によって拘束されるように、収容スペース152内に位置決めされる。図示されるように、ガイドワイヤは後壁156および遠位後側端126と平行である。同様に図示されるように、ガイドワイヤ30は、ガイド150から離れるように近位側に延在するにつれて、角度260に従ってメス100の長手軸103から離れるように分かれていく。同様に図示されるように、ガイド150は、刃先125がガイドワイヤ30から離れる方向を向くように、ブレード120の向きを拘束する。
【0028】
図2にさらに示されるように、ガイドワイヤ30は、患者10の皮膚11を貫通するとともに、挿入経路211(例えば、穿刺路)に沿って血管15内に挿入される。ブレード120は、鋭端128が血管15内に配置されるまで、ガイド150によって横方向に拘束されながら、ガイドワイヤ30に沿って遠位側に変位される。図示されるように、刃先125は挿入経路211を拡張するために、切り込み225(すなわち、皮膚および/または血管壁の切開部分)を画定している。
【0029】
方法は、メス100の使用方法、またはより一般的には、カテーテルの挿入経路を拡張する方法を含む。典型的には、血管へのアクセスは、メスを使用する前、または挿入経路を拡張する前に、皮膚を貫通して血管内へと延在する挿入経路に沿ってガイドワイヤを配置することを含む。臨床医は、ガイドを介してメスをガイドワイヤと連結させてもよい。より詳細には、臨床医は、メスのブレードの横方向への変位がガイドワイヤによって抑制されるように、ガイドワイヤをガイドの収容部分の中に配置してもよい。臨床医は、ブレードの鋭端が皮膚の上に配置されている間に、メスをガイドワイヤと連結させてもよい。臨床医は、次いで、ガイドによって拘束されたガイドワイヤに沿って、ブレードを皮膚に向けて遠位側にスライドさせることができる。臨床医はさらに、挿入経路を通してかつガイドワイヤに沿って鋭端を患者内へ挿入するために、ブレードをガイドワイヤに沿って遠位側にスライドさせてもよい。鋭端をさらに挿入する間に、ブレードの刃先は皮膚と係合するとともに、その過程で皮膚に切り込みを入れるかまたは皮膚を切断し、それによって、挿入経路を拡張する。臨床医は、鋭端が血管に入るように、および、ブレードの刃先が、血管壁に切り込みを入れるとともに血管壁を貫通して延在する挿入経路の一部を拡張するよう、血管壁に係合するように、鋭端を挿入し続けてもよい。挿入経路が十分に拡張された後、臨床医はブレードを患者から近位側に引き離すとともに、メスをガイドワイヤから分離してもよい。いくつかの実施形態では、方法はガイドをメスのブレードに取り付けることを含んでもよい。さらなる実施形態では、臨床医は、ガイドを含むブレードを露出させるために、メスのカバーを近位側に変位させることができる。臨床医はまた、メスのカバーがガイドを含むブレード上に延在するように、メスのカバーを遠位側に変位させることができる。
【0030】
図3Aおよび
図3Bは、メス300の第2の実施形態を示す。メス300は、いくつかの点において、
図1A~
図2に関連して説明されるメス100の構成要素と類似しうる。図示される実施形態全てが類似した特徴を有しうることを理解されたい。従って、同様の特徴には、先頭に「3」の数字を有する同様の参照番号が付される。例えば、
図1A~
図2においてブレードには「120」が付されるとともに、
図3Aおよび
図3Bにおいて類似のブレードには「320」が付される。よって、同様に特定された特徴に関して上述した、関連する開示は、これ以降は繰り返されない場合がある。さらに、
図1A~
図2に示される、メス100および関連する構成要素の特定の特徴は、図面において参照番号によって示されないかまたは識別されない、あるいは、以下の記載において詳細に説明されない場合がある。しかしながら、そのような特徴は、明らかに、他の実施形態に示される、および/またはそのような実施形態に関して説明される特徴と同じ、または実質的に同じでありうる。従って、そのような特徴についての関連した説明は、
図3Aおよび
図3Bのメスの特徴に同様に適用される。
図1A~
図2に示されるメス100および構成要素に関して説明される特徴の任意の好適な組み合わせ、およびその変形例は、
図3Aおよび
図3Bのメスおよび構成要素とともに用いられることができ、その逆もまた同様である。この開示のパターンは、後続の図面に示されるとともに以下に説明される、さらなる実施形態にも同様に適用される。
【0031】
いくつかの実施形態によると、メス300は、スナップフィットを介してブレード320と結合するように構成されるガイド350を含む。
図3Aは、メス300のブレード320の遠位先端部分の詳細図を示す。
図3Bは、ブレード320に取り付けられたガイド350の端面図を提供する、切断線3B-3Bに沿って切断されたブレード120の一部分の、詳細な断面図である。対向する壁部材365A,365Bは、ブレード320を受け入れるような大きさに設定されたスロットをそれらの間に画定する。ブレード320を貫通して延在する開口部323は、少なくとも部分的に開口部323を通って延在する突起366を受け入れるように構成される。組み立てられた状態では、ブレード320はスロットの中(すなわち、対向する壁部材365A,365Bの間)に配置されるとともに、突起366は開口部323内に配置され、それによって、ガイド350をブレード320に固定する。いくつかの実施形態では、ガイド350は射出形成プロセスによってプラスチック材料から形成されてもよい。
【0032】
対向する壁部材365A,365Bは、ブレード320をスロット内に挿入できるように、矢印367で示されるように、互いから離れるように撓むよう構成される。ブレード320の挿入後、対向する壁部材365A,365Bは、突起366を開口部323内に変位させるように互いに向かって自己的に撓み、それによって、ガイド350をブレード320に固定することができる。
【0033】
図4A~
図4Bは、メスの第3の実施形態を示す。いくつかの実施形態によると、メス400は、プラスチック射出形成プロセスによってブレード420の上にオーバーモールドされるガイド450を含む。
図4Aは、メス400のブレード420の遠位先端部分の詳細図を示す。
図4Bは、ブレード420に取り付けられたガイド450の端面図を提供する、切断線4B-4Bに沿って切断されたブレード120の一部分の、詳細な断面図である。対向する壁部材465A,465Bは、ブレード420を受け入れるような大きさに設定スロットをそれらの間に画定する。ブレード420を貫通して延在する開口部423は、開口部423を通って延在する接続部分466を受け入れるように構成される。組み立てられた状態では、(すなわち、ガイド450がブレード420の上にオーバーモールドされる時)、ブレード420はスロットの中(すなわち、対向する壁部材465A,465Bの間)に配置されるとともに、接続部分466は開口部423を通過するようにモールドされ、それによって、ガイド450をブレード420に固定する。
【0034】
図5Aおよび
図5Bは、メスの第4の実施形態を示す。いくつかの実施形態によると、メス500は、ブレード520と一体的に形成されるガイド550を含む。
図5Aは、メス500のブレード520の遠位先端部分の詳細図を示す。
図5Bは、ブレード520と一体化したガイド550の端面図を提供する、切断線5B-5Bに沿って切断されたブレード520の一部分の、詳細な断面図である。ガイド550は、近位後側縁部527から離れるように延在する、一連のタブ555A
1,555B
1,555A
2,555B
2を含む。タブ555A
1,555B
1,555A
2,555B
2は、ブレード520に沿って互いから長手方向にオフセットされる。いくつかの実施形態では、タブ555A
1,555B
1,555A
2,555B
2は、図示されるように、交互に配列されてもよい。タブ555A
1,555B
1,555A
2,555B
2は、第1の壁555Aおよび第2の壁555Bを画定するように形成される。第1の壁555Aおよび第2の壁555Bは収容スペース552を画定するとともに、
図1A~
図2のガイド150の第1の壁155Aおよび第2の壁155Bに類似した機能性を画定する。図示される実施形態では、ガイド550は4つのタブを含むものの、他の実施形態では、ガイド550は2つ、3つ、5つ、またはそれより多くのタブを含んでもよい。
【0035】
いくつかの特定の実施形態が本明細書に開示されており、特定の実施形態がある程度詳細に開示されているが、特定の実施形態が本明細書で提供される概念の範囲を制限することは意図されていない。追加の適応および/または修正は、当業者には明らかであり得、より広い態様では、これらの適応および/または修正もまた包含される。従って、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態から逸脱することができる。
【国際調査報告】