(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】整形外科手術で使用するための整形外科用膝円錐コンポーネント並びにそれを設置するための器具及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/38 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
A61F2/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537481
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 EP2022087016
(87)【国際公開番号】W WO2023118160
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ギルソン・リンジー・エル
(72)【発明者】
【氏名】ウェッブ・アンソニー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス・ジェレマイア・エム
(72)【発明者】
【氏名】シュミット・マシュー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ガードナー・ウェスリー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】レッカー・ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】ウィダーホールド・エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】ツカヤマ・クレイグ・エス
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA07
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC14
4C097DD06
(57)【要約】
整形外科用関節置換システムを示し、説明する。システムは、患者の膝に埋め込まれるように構成されたいくつかのプロテーゼコンポーネントを含む。システムはまた、インプラントを受容するために患者の膝の骨を準備する際に使用するように構成された、いくつかの外科用器具(512、850、912)を含む。外科用器具を使用して骨を準備するいくつかの方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科用膝システムであって、
患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された複数の膝円錐トライアルコンポーネントであって、前記複数の膝円錐コンポーネントの各々が、内部を通してステムトライアルコンポーネントを受容するように構成された円錐形の中空本体を有し、前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントの各々の前記中空本体が、その中に形成された一対の摘出開口部を有し、前記一対の摘出開口部の各々が、前記中空本体の、他方とは反対の側に配置され、前記中空本体の内側側壁と外側側壁との間に延在する、複数の膝円錐トライアルコンポーネントと、
前記患者の膝の前記骨の前記端部における前記外科的に準備された空洞から前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントの各々を抜去するように動作可能なトライアル摘出器であって、(i)嵌入ハンドルに固定されるように構成されたコネクタ本体と、(ii)前記コネクタ本体に枢動可能に結合された一対の摘出器アームであって、前記一対の摘出器アームの各々が、その遠位端に形成されたプロングを有し、前記一対の摘出器アームの各々の前記プロングが、前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントの各々に形成された前記摘出開口部のうちの1つに受容されるようなサイズ及び形状である、一対の摘出器アームと、(iii)前記プロングを互いから離れるように付勢するように前記一対の摘出器アームにばね付勢をかけるばねと、を備える、トライアル摘出器とを備える、整形外科用膝システム。
【請求項2】
前記トライアル摘出器の前記コネクタ本体が、互いに離間した一対の取付フランジを含み、
前記一対の取付フランジの各々が、その中に画定された開口部を有し、
前記一対の摘出器アームの各々の近位端が、その中に画定された開口部を有し、
前記トライアル摘出器が、ピボットピンを更に備え、
前記ピボットピンが、前記一対の摘出器アームを前記コネクタ本体に枢動可能に結合するように、前記一対の取付フランジの各々の前記開口部及び前記一対の摘出器アームの各々の前記開口部内に配置されている、請求項1に記載の整形外科用膝システム。
【請求項3】
前記一対の摘出器アームの各々の前記近位端が、前記一対の取付フランジの間に配置されている、請求項2に記載の整形外科用膝システム。
【請求項4】
前記ばねが、ループと一対のスプリングアームとを有するトーションスプリングを含み、
前記一対のスプリングアームの各々が、前記一対の摘出器アームの一方に対して付勢されており、
前記ピボットピンが、前記ループを通って延在する、請求項2に記載の整形外科用膝システム。
【請求項5】
前記一対の摘出開口部の各々が、菱形であり、
前記一対の摘出器アームに形成された前記プロングの各々が、前記菱形の摘出開口部のうちの1つに受容されるようなサイズ及び形状にされた尖った先端を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の整形外科用膝システム。
【請求項6】
前記一対の摘出開口部のうちの第1の摘出開口部が、前記中空本体の内側に配置され、
前記一対の摘出開口部のうちの第2の摘出開口部が、前記中空本体の外側に配置されている、請求項1に記載の整形外科用膝システム。
【請求項7】
前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された複数の大腿骨円錐トライアルコンポーネントを含む、請求項1に記載の整形外科用膝システム。
【請求項8】
前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントが、前記患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された複数の脛骨円錐トライアルコンポーネントを含む、請求項1に記載の整形外科用膝システム。
【請求項9】
前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞及び前記患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞の一方又は両方に設置されるように構成された複数の同心の膝円錐トライアルコンポーネントを含む、請求項1に記載の整形外科用膝システム。
【請求項10】
(i)細長い本体と、(ii)前記細長い本体の近位端に固定された衝撃プレートと、(iii)前記衝撃プレートの反対側の前記細長い本体の遠位端に配置されたコネクタと、を含む嵌入ハンドルを更に備え、
前記トライアル摘出器が、前記嵌入ハンドルに取り外し可能に固定されている、請求項1に記載の整形外科用膝システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月21日に出願された「MODULAR TIBIAL CONE AUGMENTS AND METHOD OF SURGICALLY USING THE SAME」と題する米国特許出願第17/557,620号の各々の優先権を主張する。2021年12月21日に出願された、「METHOD OF INSTALLING A KNEE CONE AUGMENT IN AN ORTHOPAEDIC SURGICAL PROCEDURE」と題する米国特許出願第17/557,629号。2021年12月21日に出願された「KNEE CONE AUGMENTS AND ASSOCIATED SURGICAL BROACHES FOR USE IN AN ORTHOPAEDIC SURGICAL PROCEDURE」と題する米国特許出願第17/557,635号。2022年2月4日に出願された「ORTHOPAEDIC KNEE CONE COMPONENTS FOR USE IN AN ORTHOPAEDIC SURGICAL PROCEDURE AND INSTRUMENTS AND METHODS FOR INSTALLING THE SAME」と題する米国特許出願第17/665030号。2022年2月4日に出願された「ORTHOPAEDIC SURGICAL SYSTEM FOR INSTALLING A KNEE CONE AUGMENT AND METHOD OF USING THE SAME」と題する米国特許出願第17/665045号、及び2022年2月4日に出願された「TRIAL EXTRACTOR OF AN ORTHOPAEDIC SURGICAL SYSTEM AND METHOD OF USING THE SAME」と題する米国特許出願第17/665048号。これらの各々は、本出願と同じ譲受人に譲渡されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、一般に、プロテーゼコンポーネント、外科用器具、及び整形外科用関節置換術の実行において使用するための方法を含む整形外科用システムに関し、より詳細には、整形外科用プロテーゼコンポーネント、外科用器具、及び膝関節置換術の実行において使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関節形成術は、病変した生体関節及び/又は損傷した生体関節が人工関節によって置換される、周知の外科手術である。例えば、膝関節形成外科手術では、患者の自然な膝関節は、人工膝関節又は膝プロテーゼで部分的又は完全に置換される。通常の膝プロテーゼは、脛骨トレイ、大腿骨コンポーネント、及び脛骨トレイと大腿骨コンポーネントとの間に位置決めされるポリマーインサート又はベアリングを含む。脛骨トレイは、一般に、遠位に延在するステムを有するプレートを含み、大腿骨コンポーネントは、一般に、一対の離間配置された顆状要素を含み、顆状要素はポリマーベアリングの対応する表面と関節接合する表面を含む。脛骨トレイのステムは、患者の脛骨の外科的に準備された髄内管に埋め込まれるように構成され、大腿骨コンポーネントは、患者の大腿骨の外科的に準備された遠位端に結合されるように構成される。
【0004】
ときには、膝関節補正術を患者に行うことが必要とされる場合がある。そのような修正膝手術では、一般に、「一次膝プロテーゼ」とも呼ばれることのある、以前に埋め込まれた膝関節プロテーゼが外科的に除去され、置換又は修正膝プロテーゼが埋め込まれる。いくつかの膝再置換手術では、例えば、脛骨トレイ、大腿骨コンポーネント、及びポリマーベアリングを含む、一次人工膝のコンポーネントの全てが、外科的に取り除かれ、再置換用プロテーゼコンポーネントで置換される場合がある。
【0005】
膝再置換手術中、整形外科の執刀医は、典型的には、膝プロテーゼを受容する患者の骨を準備するために、例えば、切断ブロック、外科用リーマ、ドリルガイド、人工装具トライアル、及び他の外科用器具等の様々な異なる整形外科用手術器具を使用する。トライアルコンポーネントなどの他の整形外科用手術器具は、患者の自然関節を置換する人工膝のコンポーネントをサイズ決め及び選択するために使用されてもよい。トライアルコンポーネントは、人工大腿骨コンポーネントをサイズ決め及び選択するために使用され得る大腿骨トライアル、人工脛骨トレイをサイズ決め及び選択するために使用され得る脛骨トレイトライアル、並びに人工ステムコンポーネントをサイズ決め及び選択するために使用され得るステムトライアルコンポーネントを含み得る。
【0006】
更に、修正膝手術中、整形外科の執刀医は、一次膝プロテーゼの除去に関連する骨の損失又は患者の脛骨及び/又は大腿骨における他の欠陥を補償するために、修正脛骨トレイ及び/又は修正大腿骨コンポーネントと組み合わせてオーグメントを使用することができる。一般的に使用される膝オーグメントには、スリーブオーグメントと円錐オーグメントの2つのタイプがある。スリーブオーグメントは、プロテーゼを患者の骨に埋め込む前に、修正膝プロテーゼの1つ又は複数のコンポーネントに機械的にロックされる。例えば、脛骨スリーブオーグメントは、患者の脛骨内への脛骨修正プロテーゼの移植前に脛骨ステムコンポーネント及び/又は脛骨トレイに機械的にロックされ(例えば、テーパロック又は締結具を介して、)、一方、大腿骨スリーブオーグメントは、患者の大腿骨内への大腿骨修正プロテーゼの移植前に大腿骨ステムコンポーネント及び/又は大腿骨コンポーネントに機械的にロックされる(例えば、テーパロック又は締結具を介して)。一方、円錐オーグメントは、プロテーゼを患者の骨に埋め込む前に人修正膝プロテーゼに直接ロックされない。代わりに、円錐オーグメントが最初に患者の骨に別々に埋め込まれる。その後、修正膝プロテーゼは、その後、埋め込まれた円錐オーグメントを通して患者の骨に埋め込まれる。次いで、埋め込まれた修正膝プロテーゼは、例えば骨セメントを使用することによって、以前に埋め込まれた円錐オーグメントに固定することができる。圧入「セメントレス」修正膝プロテーゼの場合、埋め込まれたプロテーゼは、以前に埋め込まれた円錐オーグメントに接合又は他の方法で固定されない。例えば、脛骨円錐オーグメントは、最初に患者の脛骨内に別個に埋め込まれ、脛骨修正プロテーゼは、その脛骨ステムコンポーネントが脛骨円錐オーグメントを通って延在するように埋め込まれる。脛骨修正プロテーゼの移植に続いて、脛骨ステムコンポーネント及び脛骨トレイを脛骨円錐オーグメントに固定するために骨セメントが使用されてもよい(ただし、セメントレス脛骨修正プロテーゼの使用の場合、骨セメントの使用は省略されてもよい)。同様に、大腿骨処置の場合、大腿骨円錐オーグメントが最初に患者の大腿骨に別々に埋め込まれ、その後、大腿骨修正プロテーゼが、その大腿骨ステムコンポーネントが大腿骨円錐オーグメントを通って延在するように埋め込まれる。大腿骨修正プロテーゼの移植に続いて、骨セメントを使用して大腿骨ステムコンポーネント及び大腿骨コンポーネントを大腿骨円錐オーグメントに固定することができる(ただし、骨セメントの使用は、セメントレス大腿骨修正プロテーゼの使用の場合には省略され得る)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
整形外科用関節置換システムを示し、説明する。システムは、患者の膝に埋め込まれるように構成されたいくつかのプロテーゼコンポーネントを含む。システムはまた、インプラントを受容するために患者の膝の骨を準備する際に使用するように構成された、いくつかの手術器具を含む。患者の骨を準備するために外科用器具を使用するための方法又は技術も開示される。
【0008】
本開示の一態様によれば、患者の脛骨の近位端を外科的に準備する方法は、脛骨の髄内管を管リーマでリーミングすることを含む。本方法はまた、ステムトライアルコンポーネントの近位端を外科用ブローチの遠位端に取り付けることと、その後、脛骨のリーミングされた髄内管の中でステムトライアルコンポーネントの遠位端を前進させることとを含む。本方法はまた、脛骨の近位端に外科的に準備されたブローチ加工された空洞を形成するように脛骨のリーミングされた髄内管内でステムトライアルコンポーネントの遠位端を前進させる間にステムトライアルコンポーネントに固定された外科用ブローチを使用して脛骨の近位端をブローチ加工することを含む。次いで、脛骨円錐オーグメントが、脛骨の近位端に形成されたブローチ加工された空洞内に設置される。
【0009】
一実施形態では、脛骨の近位端をブローチ加工する前に脛骨の近位端に外科的に準備されたリーミングされた空洞を形成するようにステムトライアルコンポーネントに固定された円錐リーマを使用して脛骨の近位端をリーミングしてもよい。そのような実施形態において、外科用ブローチは、脛骨の近位端に外科的に準備されたブローチ加工された空洞を形成するように脛骨のリーミングされた髄内管内でステムトライアルコンポーネントの遠位端を前進させる間に脛骨の近位端に形成されたリーミングされた空洞内に前進される。
【0010】
一実施形態では、ステムトライアルコンポーネントは、脛骨の近位端のブローチ加工中に外科用ブローチの前進をガイドする。
【0011】
管リーマは、ステムトライアルコンポーネントの遠位端がリーミングされた髄内管内を前進する前に、髄内管から除去される。
【0012】
本方法はまた、脛骨の髄内管を管リーマでリーミングする前に、患者の脛骨から、予め設置された脛骨インプラントを除去することを含む。
【0013】
本開示の別の態様によれば、患者の大腿骨の遠位端を外科的に準備する方法は、大腿骨の髄内管を管リーマでリーミングすることを含む。本方法はまた、ステムトライアルコンポーネントの近位端を外科用ブローチの遠位端に取り付けることと、その後、大腿骨のリーミングされた髄内管の中でステムトライアルコンポーネントの遠位端を前進させることとを含む。本方法はまた、大腿骨の遠位端に外科的に準備されたブローチ加工された空洞を形成するように大腿骨のリーミングされた髄内管内でステムトライアルコンポーネントの遠位端を前進させる間にステムトライアルコンポーネントに固定された外科用ブローチを使用して大腿骨の遠位端をブローチ加工することを含む。次いで、大腿骨円錐オーグメントが、大腿骨の遠位端に形成されたブローチ加工された空洞内に設置される。
【0014】
一実施形態では、大腿骨の遠位端をブローチ加工する前に大腿骨の遠位端に外科的に準備されたリーミングされた空洞を形成するようにステムトライアルコンポーネントに固定された円錐リーマを使用して大腿骨の遠位端をリーミングしてもよい。そのような実施形態において、外科用ブローチは、大腿骨の遠位端に外科的に準備されたブローチ加工された空洞を形成するように大腿骨のリーミングされた髄内管内でステムトライアルコンポーネントの遠位端を前進させる間に大腿骨の遠位端に形成されたリーミングされた空洞内に前進される。
【0015】
一実施形態では、ステムトライアルコンポーネントは、大腿骨の遠位端のブローチ加工中に外科用ブローチの前進をガイドする。
【0016】
管リーマは、ステムトライアルコンポーネントの遠位端がリーミングされた髄内管内を前進する前に、髄内管から除去される。
【0017】
本方法はまた、大腿骨の髄内管を管リーマでリーミングする前に、患者の大腿骨から、予め設置された大腿骨インプラントを除去することを含む。
【0018】
本開示の更に別の態様によれば、患者の膝を外科的に準備する方法は、患者の脛骨の髄内管を脛管リーマでリーミングすることと、その後、脛骨の近位端に外科的に準備されたブローチ加工された空洞を形成するように、脛骨のリーミングされた髄内管に配置されたステムトライアルコンポーネントに固定された外科用ブローチを使用して脛骨の近位端をブローチ加工することとを含む。次いで、脛骨円錐オーグメントが、脛骨の近位端に形成されたブローチ加工された空洞内に設置される。
【0019】
一実施形態では、脛骨の近位端をブローチ加工する前に脛骨の近位端に外科的に準備されたリーミングされた空洞を形成するように、脛骨のリーミングされた髄内管に配置されたステムトライアルコンポーネントに固定された円錐リーマを使用して脛骨の近位端がリーミングされる。そのような実施形態では、外科用ブローチは、脛骨の近位端に形成されたリーミングされた空洞内に前進される。
【0020】
一実施形態では、ステムトライアルコンポーネントは、脛骨の近位端のブローチ加工中に外科用ブローチの前進をガイドする。
【0021】
管リーマは、ステムトライアルコンポーネントの遠位端がリーミングされた髄内管内を前進する前に、髄内管から除去される。
【0022】
本方法はまた、脛骨の髄内管を管リーマでリーミングする前に、患者の脛骨から、予め設置された脛骨インプラントを除去することを含む。
【0023】
本開示の更に別の態様によれば、患者の膝を外科的に準備する方法は、患者の大腿骨の髄内管を大腿骨管リーマでリーミングすることと、その後、大腿骨の遠位端に外科的に準備されたブローチ加工された空洞を形成するように、大腿骨のリーミングされた髄内管に配置されたステムトライアルコンポーネントに固定された外科用ブローチを使用して大腿骨の遠位端をブローチ加工することとを含む。次いで、大腿骨円錐オーグメントが、大腿骨の遠位端に形成されたブローチ加工された空洞内に設置される。
【0024】
一実施形態では、大腿骨の遠位端をブローチ加工する前に大腿骨の遠位端に外科的に準備されたリーミングされた空洞を形成するように、大腿骨のリーミングされた髄内管に配置されたステムトライアルコンポーネントに固定された円錐リーマを使用して大腿骨の遠位端がリーミングされる。そのような実施形態では、外科用ブローチは、大腿骨の遠位端に形成されたリーミングされた空洞に前進される。
【0025】
一実施形態では、ステムトライアルコンポーネントは、大腿骨の遠位端のブローチ加工中に外科用ブローチの前進をガイドする。
【0026】
管リーマは、ステムトライアルコンポーネントの遠位端がリーミングされた髄内管内を前進する前に、髄内管から除去される。
【0027】
本方法はまた、大腿骨の髄内管を管リーマでリーミングする前に、患者の大腿骨から、予め設置された大腿骨インプラントを除去することを含む。
【0028】
本開示の別の態様によれば、整形外科用システムは、患者の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された複数の脛骨円錐オーグメントを含む。複数の脛骨円錐オーグメントの各々は、(i)複数の脛骨円錐オーグメントのうちのその他の脛骨円錐オーグメントの各々と同じである内側/外側オーグメントテーパ角と、(ii)複数の脛骨円錐オーグメントのうちのその他の脛骨円錐オーグメントの各々とは異なる内側/外側オーグメント幅とを有する。整形外科用システムはまた、患者の脛骨の近位端におけるに外科的に準備された空洞を形成するために骨を切削して除去するように構成された切削歯を有する複数の脛骨外科用ブローチを含む。複数の脛骨外科用ブローチの各々は、(i)複数の脛骨外科用ブローチのうちのその他の脛骨外科用ブローチの各々と同じである内側/外側ブローチテーパ角であって、内側/外側ブローチテーパ角が内側/外側オーグメントテーパ角と同じである、内側/外側ブローチテーパ角と、(ii)複数の脛骨外科用ブローチのうちのその他の脛骨外科用ブローチの各々とは異なる内側/外側ブローチ幅とを有する。
【0029】
一実施形態では、複数の脛骨円錐オーグメントの各々は、複数の脛骨円錐オーグメントのうちのその他の脛骨円錐オーグメントの各々と同じである前方/後方オーグメントテーパ角を有し、複数の脛骨外科用ブローチの各々は、複数の脛骨外科用ブローチのうちのその他の脛骨外科用ブローチの各々と同じである前方/後方ブローチテーパ角を有し、前方/後方ブローチテーパ角は、前方/後方オーグメントテーパ角と同じである。
【0030】
例示的な実施形態では、複数の脛骨円錐オーグメントの各々は、三葉型脛骨円錐オーグメントとして具現化される。別の実施形態では、複数の脛骨円錐オーグメントの各々は、二葉型脛骨円錐オーグメントとして具現化される。
【0031】
整形外科用システムはまた、その近位端から延在するねじ山付きポストを有するステムトライアルコンポーネントを含むことができる。そのような実施形態では、複数の脛骨外科用ブローチの各々は、その遠位端に形成されたねじ山付き開口部を有し、このねじ付き開口部は、ステムトライアルコンポーネントのねじ山付きポストをねじ込み式に受容されるようにサイズ決定される。
【0032】
更なる態様によれば、整形外科用システムは、患者の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞に埋め込まれるように構成された複数の大腿骨円錐オーグメントを含む。複数の大腿骨円錐オーグメントの各々は、(i)複数の大腿骨円錐オーグメントのうちの他の大腿骨円錐オーグメントのその他の各々と同じである内側/外側オーグメントテーパ角と、(ii)複数の大腿骨円錐オーグメントのうちのその他の大腿骨円錐オーグメントの各々とは異なる内側/外側オーグメント幅とを有する。整形外科用システムはまた、患者の大腿骨の遠位端におけるに外科的に準備された空洞を形成するために骨を切削して除去するように構成された切削歯を有する複数の大腿骨外科用ブローチを含む。複数の大腿骨外科用ブローチの各々は、(i)複数の大腿骨外科用ブローチのうちのその他の大腿骨外科用ブローチの各々と同じである内側/外側ブローチテーパ角であって、内側/外側ブローチテーパ角が内側/外側オーグメントテーパ角と同じである、内側/外側ブローチテーパ角と、(ii)複数の大腿骨外科用ブローチのうちのその他の大腿骨外科用ブローチの各々とは異なる内側/外側ブローチ幅とを有する。
【0033】
一実施形態では、複数の大腿骨円錐オーグメントの各々は、複数の大腿骨円錐オーグメントのうちの他方の各々と同じである前方/後方オーグメントテーパ角を有し、複数の大腿骨外科用ブローチの各々は、複数の大腿骨外科用ブローチのうちのその他の大腿骨外科用ブローチの各々と同じである前方/後方ブローチテーパ角を有し、前方/後方ブローチテーパ角は、前方/後方オーグメントテーパ角と同じである。各大腿骨円錐オーグメントは、付加製造されてもよい。
【0034】
整形外科用システムはまた、その近位端から延在するねじ山付きポストを有するステムトライアルコンポーネントを含むことができる。そのような実施形態では、複数の大腿骨外科用ブローチの各々は、その遠位端に形成されたねじ山付き開口部を有し、このねじ付き開口部は、ステムトライアルコンポーネントのねじ山付きポストをねじ込み式に受容されるようにサイズ決定される。
【0035】
本開示の更に別の態様によれば、整形外科用システムは、患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞に埋め込まれるように構成された複数の膝円錐オーグメントを含む。複数の膝円錐オーグメントの各々は、(i)複数の膝円錐オーグメントのうちのその他の膝円錐オーグメントの各々と同じである内側/外側オーグメントテーパ角と、(ii)複数の膝円錐オーグメントのうちのその他の膝円錐オーグメントの各々とは異なる内側/外側オーグメント幅とを有する。整形外科用システムはまた、骨を切削及び除去して患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞を形成するように構成された切削歯を有する複数の膝外科用ブローチを含む。複数の膝外科用ブローチの各々は、(i)複数の膝外科用ブローチのうちのその他の膝外科用ブローチの各々と同じである内側/外側ブローチテーパ角であって、内側/外側オーグメントテーパ角と同じである、内側/外側ブローチテーパ角と、(ii)複数の膝外科用ブローチのうちのその他の膝外科用ブローチの各々とは異なる内側/外側ブローチ幅とを有する。
【0036】
一実施形態では、複数の膝円錐オーグメントの各々は、複数の膝円錐オーグメントのうちのその他の膝円錐オーグメントの各々と同じである前方/後方オーグメントテーパ角を有し、複数の膝外科用ブローチの各々は、複数の膝外科用ブローチのうちのその他の膝外科用ブローチの各々と同じである前方/後方ブローチテーパ角を有し、前方/後方ブローチテーパ角は、前方/後方オーグメントテーパ角と同じである。
【0037】
例示的な実施形態では、複数の膝円錐オーグメントの各々は、三葉型脛骨円錐オーグメントとして具現化される。別の実施形態では、複数の膝円錐オーグメントの各々は、二葉型脛骨円錐オーグメントとして具現化される。更に別の例示的な実施形態では、複数の膝円錐オーグメントの各々は、大腿骨円錐オーグメントとして具現化される。
【0038】
整形外科用システムはまた、その近位端から延在するねじ山付きポストを有するステムトライアルコンポーネントを含むことができる。そのような実施形態では、複数の膝外科用ブローチの各々は、その遠位端に形成されたねじ山付き開口部を有し、このねじ山付き開口部は、ステムトライアルコンポーネントのねじ山付きポストをねじ込み式に受容されるようにサイズ決定される。
【0039】
本開示の更なる態様によれば、患者の膝の骨の端部を外科的に準備する方法は、複数の膝外科用ブローチから、骨を切削するように構成された切削歯を有する膝外科用ブローチを選択することを含み、選択された膝の外科用ブローチは、複数の膝外科用ブローチのうちのその他の膝外科用ブローチの各々と同じ内側/外側ブローチテーパ角を有する。次いで、選択されたブローチは、外科的に準備された空洞を中に形成するように、患者の膝の骨の端部に前進させる。次いで、膝円錐オーグメントが、複数の膝円錐オーグメントから選択される。選択された膝円錐オーグメントは、(i)内側/外側ブローチテーパ角と同じである内側/外側オーグメントテーパ角、及び(ii)選択された膝外科用ブローチの内側/外側ブローチ幅よりも小さい内側/外側オーグメント幅を有する。その後、選択された膝円錐オーグメントは、患者の膝の骨の端部に形成された外科的に準備された空洞に埋め込まれる。
【0040】
一実施形態では、選択された膝円錐オーグメントは、患者の膝の脛骨の近位端に埋め込まれた脛骨円錐オーグメントである。別の実施形態では、選択された膝円錐オーグメントは、患者の膝の脛骨の近位端に埋め込まれた三葉型脛骨円錐オーグメントである。更に別の実施形態では、選択された膝円錐オーグメントは、患者の膝の脛骨の近位端に埋め込まれた二葉型脛骨円錐オーグメントである。更なる実施形態では、選択された膝円錐オーグメントは、患者の膝の大腿骨の遠位端に埋め込まれた大腿骨円錐オーグメントである。
【0041】
本開示の別の態様によれば、整形外科用膝インプラントは、患者の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成されたモジュール式脛骨円錐オーグメントを含む。モジュール式脛骨円錐オーグメントは、(i)丸い細長い本体と、(ii)細長い本体を通って延在する修正脛骨プロテーゼのステムを受容するように構成されたボアと、(iii)細長い本体の内側に形成された内側コネクタと、(iv)細長い本体の外側に形成された外側コネクタとを有する中心ローブコンポーネントを含む。モジュール式脛骨円錐オーグメントはまた、(i)その上端から下端へと先細になる湾曲した内側外面を有する本体と、(ii)中心ローブコンポーネントの細長い本体の内側に形状が対応する湾曲した内側側壁と、(iii)内側ローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントに選択的にロックするように中心ローブコンポーネントの内側コネクタと嵌合する湾曲した内側側壁に形成された内側コネクタとを有する内側ローブコンポーネントを含む。モジュール式脛骨円錐オーグメントは、(i)その上端から下端へと先細になる湾曲した外側外面を有する本体と、(ii)中心ローブコンポーネントの細長い本体の外側に形状が対応する湾曲した内側側壁と、(iii)外側ローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントに選択的にロックするために、中心ローブコンポーネントの外側コネクタに嵌合する湾曲した内側側壁に形成された外側コネクタとを有する、外側ローブコンポーネントを更に含む。
【0042】
一実施形態では、中心ローブコンポーネントの内側コネクタ及び内側ローブコンポーネントの内側コネクタは、蟻継ぎを画定する。同様の実施形態では、中心ローブコンポーネントの外側コネクタ及び外側ローブコンポーネントの外側コネクタも蟻継ぎを画定する。
【0043】
別の実施形態では、中心ローブコンポーネントの内側コネクタは、細長い本体の外面に形成されたテーパ状スロットとして具現化され、内側ローブコンポーネントの内側コネクタは、湾曲した内側側壁から外側に延在するテーパ状タブとして具現化される。内側ローブコンポーネントのテーパ状タブは、内側ローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントに選択的にロックするために、中心ローブコンポーネントのテーパ状スロットの中に受容されるように構成される。
【0044】
別の実施形態では、中心ローブコンポーネントの外側コネクタは、細長い本体の外面に形成されたテーパ状スロットとして具現化され、外側ローブコンポーネントの外側コネクタは、湾曲した内側側壁から外側に延在するテーパ状タブとして具現化される。外側ローブコンポーネントのテーパ状タブは、外側ローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントに選択的にロックするために、中心ローブコンポーネントのテーパ状スロット内に受容されるように構成される。
【0045】
一実施形態では、多孔質金属コーティングが、中心ローブコンポーネント、内側ローブコンポーネント、及び外側ローブコンポーネントの外面に配置される。
【0046】
中心ローブコンポーネントのボアは、中心ローブコンポーネントの細長い本体を通って延在する円錐形の側壁によって画定され、円錐形の側壁は、その中に形成されたいくつかのセメントポケットを有することができる。
【0047】
本開示の別の態様によれば、整形外科用膝インプラントは、患者の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成されたモジュール式脛骨円錐オーグメントを含む。モジュール式脛骨円錐オーグメントは、(i)丸い細長い本体と、(ii)細長い本体を通って延在する修正脛骨プロテーゼのステムを受容するように構成されたボアと、(iii)細長い本体の側面に形成されたコネクタとを有する中心ローブコンポーネントを含む。モジュール式脛骨円錐オーグメントはまた、(i)その上端から下端へと先細になる湾曲した外面を有する本体と、(ii)中心ローブコンポーネントの細長い本体の側面に形状が対応する湾曲した内側側壁と、(iii)湾曲した内側側壁に形成され、中心ローブコンポーネントのコネクタと嵌合して、サイドローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントに選択的にロックする湾曲した内側側壁に形成されたコネクタとを有するサイドローブコンポーネントを含む。
【0048】
一実施形態では、中心ローブコンポーネントのコネクタ及びサイドローブコンポーネントのコネクタは、蟻継ぎを画定する。
【0049】
別の実施形態では、中心ローブコンポーネントのコネクタは、細長い本体の外面に形成されたテーパ状スロットとして具現化され、サイドローブコンポーネントのコネクタは、湾曲した内側側壁から外側に延在するテーパ状タブとして具現化される。サイドローブコンポーネントのテーパ状タブは、サイドローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントに選択的にロックするように、中心ローブコンポーネントのテーパ状スロット内に受容されるように構成される。
【0050】
サイドローブコンポーネントは、内側ローブコンポーネント又は外側ローブコンポーネントとして具現化されてもよい。
【0051】
一実施形態では、多孔質金属コーティングは、中心ローブコンポーネント及びサイドローブコンポーネントの外面に配置される。
【0052】
中心ローブコンポーネントのボアは、中心ローブコンポーネントの細長い本体を通って延在する円錐形の側壁によって画定され、円錐形の側壁は、その中に形成されたいくつかのセメントポケットを有することができる。
【0053】
本開示の更なる態様によれば、患者の脛骨の近位端を外科的に準備する方法は、患者の脛骨の近位端の骨組織の状態を判定することと、その後、患者の脛骨の脛骨の近位端におけるに外科的に準備された空洞を形成することとを含む。次いで、サイドローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントにロックすることによって外科的に準備された空洞の形状に対応するモジュール式脛骨円錐オーグメントが組み立てられ、中心ローブコンポーネントは、修正脛骨プロテーゼのステムを受容するように構成されたボアを貫通して延在する。次いで、組み立てられたモジュール式脛骨円錐オーグメントは、脛骨の近位端に形成された外科的に準備された空洞内に設置される。
【0054】
一実施形態では、サイドローブコンポーネントは、中心ローブコンポーネントの内側に組み立てられた内側ローブコンポーネントとして具現化される。
【0055】
別の実施形態では、サイドローブコンポーネントは、中心ローブコンポーネントの外側に組み立てられた外側ローブコンポーネントとして具現化される。
【0056】
更なる実施形態では、ローブコンポーネントは、内側ローブコンポーネント及び外側ローブコンポーネントとして具現化される。このような場合、内側ローブコンポーネントは中心ローブコンポーネントの内側に組み立てられ、外側ローブコンポーネントは中心ローブコンポーネントの外側に組み立てられる。
【0057】
本開示の更に別の態様によれば、整形外科用膝インプラントは、患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞に埋め込まれるように構成された膝円錐オーグメントを含む。膝円錐オーグメントは、上端及び下端を有する丸い細長い本体と、細長い本体を通って延在する修正膝プロテーゼのステムを受容するように構成されたボアとを含む。ボアは、その上端とその下端との間で細長い本体を通って延在する円錐形の内側側壁によって画定される。細長い本体の上端と下端との間の位置で、いくつかの衝撃ラグが内側側壁に固定される。いくつかの衝撃ラグの各々は、内側側壁からボアの中心軸に向かって内側に延在し、平坦な最下衝撃面を有する。
【0058】
一例では、膝円錐オーグメントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントとして具現化される。
【0059】
一実施形態では、いくつかの衝撃ラグの各々は、衝撃面から上方に延在する湾曲した外側本体を含む。そのような例では、いくつかの衝撃ラグの各々の湾曲した外側本体は、その上端が内側側壁に融合するように、上下方向に先細になっていてもよい。
【0060】
一実施形態では、いくつかの衝撃ラグは、内側側壁の内側に固定された内側衝撃ラグと、内側側壁の外側に固定された外側衝撃ラグとを含む。
【0061】
例示的な実施形態では、膝円錐オーグメントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントとして具現化される。大腿骨円錐オーグメントは、その後側に形成されたボックスカットアウトを有し、ボックスカットアウトは、修正大腿骨プロテーゼのボックスを受容するように構成される。ボックスカットアウトは平坦な下向き面によって部分的に画定される。いくつかの衝撃ラグの各々の衝撃面は、ボックスカットアウトの平坦な下向き面と同一平面上にある。
【0062】
一実施形態では、いくつかの衝撃ラグの各々の衝撃面は、互いに同一平面上にある。
【0063】
内側側壁は、その中に形成されたいくつかのセメントポケットを有することができる。
【0064】
本開示の別の態様によれば、整形外科用膝インプラントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントを含む。大腿骨円錐オーグメントは、上端及び下端を有する丸い細長い本体と、細長い本体を通って延在する修正大腿骨プロテーゼのステムを受容するように構成されたボアとを含む。ボアは、その上端とその下端との間で細長い本体を通って延在する円錐形の内側側壁によって画定される。大腿骨円錐オーグメントはまた、細長い本体の上端と下端との間の位置で内側側壁に固定された一対の衝撃ラグを含む。一対の衝撃ラグの両方は、内側側壁からボアの中心軸に向かって内側に延在し、平坦な最下衝撃面を有する。
【0065】
一実施形態では、一対の衝撃ラグの両方は、衝撃面から上方に延在する湾曲した外側本体を含む。そのような実施形態では、一対の衝撃ラグの両方の湾曲した外側本体は、その上端が内側側壁に融合するように、上下方向に先細になっていてもよい。
【0066】
一対の衝撃ラグは、内側側壁の内側に固定された内側衝撃ラグと、内側側壁の外側に固定された外側衝撃ラグとを含むことができる。
【0067】
大腿骨円錐オーグメントは、その後側に形成されたボックスカットアウトを有することができる。ボックスカットアウトきは、修正大腿骨プロテーゼのボックスを受容するように構成され、平坦な下向き面によって部分的に画定される。一対の衝撃ラグの両方の衝撃面は、ボックスカットアウトの平坦な下向き面と同一平面上にある。
【0068】
いくつかの衝撃ラグの各々の衝撃面は、互いに同一平面上にあってもよい。
【0069】
内側側壁は、その中に形成されたいくつかのセメントポケットを有することができる。
【0070】
更なる態様によれば、整形外科用膝システムは、患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞に埋め込まれるように構成された膝円錐オーグメントを含む。膝円錐オーグメントは、上端及び下端を有する丸い細長い本体と、細長い本体を通って延在する修正膝プロテーゼのステムを受容するように構成されたボアとを含む。ボアは、その上端とその下端との間で細長い本体を通って延在する円錐形の内側側壁によって画定される。膝円錐オーグメントはまた、細長い本体の上端と下端との間の位置で内側側壁に固定されたいくつかの衝撃ラグを含む。いくつかの衝撃ラグの各々は、平坦な衝撃面を有する。整形外科用膝システムはまた、膝円錐オーグメントを埋め込むための外科手術中に膝円錐オーグメントに衝撃を与えるように構成されたインパクタヘッドを含む。インパクタヘッドは、嵌入ハンドルに固定されるように構成された近位面と、近位面の反対側の衝撃面とを有する。衝撃面は、その中に形成されたいくつかの衝撃ショルダを有する。いくつかの衝撃ショルダの各々は、インパクタヘッドが膝円錐オーグメントに衝撃を与えるために使用されるときに膝円錐オーグメントのいくつかの衝撃ラグのうちの1つの平坦な衝撃面上に配置されるようなサイズ及び形状の平坦な衝撃面を有する。
【0071】
一例では、膝円錐オーグメントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントとして具現化される。
【0072】
いくつかの衝撃ラグの各々は、衝撃ラグの衝撃面から離れるように延在する湾曲した外側本体を含むことができる。インパクタヘッドは、その中に形成されたいくつかのガイドスロットを有することができ、衝撃ショルダの各々は、いくつかのガイドスロットのうちの1つの近位端を画定する。インパクタヘッドが膝円錐オーグメントに衝撃を与えるために使用されるとき、膝円錐インプラントのいくつかの衝撃ラグの各々は、インパクタヘッドのいくつかのガイドスロットのうちの1つに受容される。
【0073】
いくつかの衝撃ラグは、内側側壁の内側に固定された内側衝撃ラグと、内側側壁の外側に固定された外側衝撃ラグとを含むことができる。そのような実施形態では、いくつかの衝撃ショルダは、インパクタヘッドの内側に形成された内側衝撃ショルダと、インパクタヘッドの外側に形成された外側衝撃ショルダとを含む。
【0074】
一例では、膝円錐オーグメントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントとして具現化される。大腿骨円錐オーグメントは、その後側に形成されたボックスカットアウトを有し、ボックスカットアウトは、修正大腿骨プロテーゼのボックスを受容するように構成される。ボックスカットアウトは平坦な下向き面によって部分的に画定される。インパクタヘッドの衝撃面は、その中に形成された衝撃リップを有し、衝撃リップは、インパクタヘッドが膝円錐オーグメントに衝撃を与えるために使用されるときにボックスカットアウトの平坦な下向き面上に配置されるようなサイズ及び形状の平坦な衝撃面を有する。
【0075】
大腿骨円錐オーグメントのいくつかの衝撃ラグの各々の衝撃面は、大腿骨円錐オーグメントのボックスカットアウトの平坦な下向き面と同一平面上にあってもよい。そのような実施形態では、インパクタヘッドのいくつかの衝撃ショルダの各々の平坦な衝撃面は、インパクタヘッドの衝撃リップの平坦な衝撃面と同一平面上にある。
【0076】
別の態様によれば、患者の膝を外科的に準備する方法は、患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞を形成することと、その後、骨の端部に形成された空洞内に膝円錐オーグメントを配置することとを含む。膝円錐オーグメントは、その中に形成されたボアと、ボア内に配置されたいくつかの衝撃ラグとを有する。インパクタヘッドの遠位端は、インパクタヘッドのいくつかの衝撃ショルダが膝円錐オーグメントのいくつかの衝撃ラグと接触して配置されるように、膝円錐オーグメントのボア内に前進される。その後、衝撃力がインパクタヘッドのいくつかの衝撃ショルダから膝円錐オーグメントのいくつかの衝撃ラグに伝達されるように、インパクタヘッドに衝撃を与える。
【0077】
一例では、膝円錐オーグメントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントとして具現化される。大腿骨円錐オーグメントは、その後側に形成されたボックスカットアウトを有する。ボックスカットアウトは、修正大腿骨プロテーゼのボックスを受容するように構成され、平坦な下向き面によって部分的に画定される。そのような実施形態では、インパクタヘッドの遠位端は、インパクタヘッドの衝撃リップが大腿骨円錐オーグメントのボックスカットアウトの平坦な下向き面と接触して配置されるように、大腿骨円錐オーグメントのボア内に前進される。インパクタヘッドの衝撃は、インパクタヘッドの衝撃リップから大腿骨円錐オーグメントのボックスカットアウトの平坦な下向き面に衝撃力を伝達させる。
【0078】
本方法は、患者の膝の骨の端部における空洞を形成する前に、予め設置された膝インプラントを患者の膝の骨の端部から除去することを更に含む。
【0079】
本開示の別の態様によれば、整形外科用膝システムは、患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された一対の膝円錐コンポーネントを含む。一対の膝円錐コンポーネントのうちの各々は、内部を通して修正膝プロテーゼのステムを受容するように構成された円錐形の中空本体を有する。一対の膝円錐コンポーネントのうちの両方の中空本体は、第2の端部まで下向きに先細になる第1の端部を有し、中空本体の第1の端部は、中空本体の内側側壁と外側側壁との間に半径方向に延在する環状リムを画定する。一対の膝円錐コンポーネントのうちの第1の膝円錐コンポーネントの環状リムは、一対の膝円錐コンポーネントのうちの第2の膝コンポーネントの環状リムの内径よりも小さい内径を有する。整形外科用膝システムはまた、外科手術中に一対の膝円錐コンポーネントに衝撃を与えるように構成されたインパクタヘッドを含む。インパクタヘッドは、嵌入ハンドルに固定されるように構成された近位面と、近位面の反対側の衝撃面とを含む。衝撃面は、その中に形成された一対の環状の同心衝撃フランジを有する。一対の衝撃フランジのうちの第1の衝撃フランジは、一対の膝円錐コンポーネントのうちの第1の膝円錐コンポーネントの環状リムの内径よりも大きいが、一対の膝円錐コンポーネントのうちの第2の膝円錐コンポーネントの環状リムの内径よりも小さい直径を有する。一対の衝撃フランジのうちの第2の衝撃フランジは、一対の膝円錐コンポーネントのうちの第1の膝円錐コンポーネント及び第2の膝円錐コンポーネントの両方の環状リムの内径よりも大きい直径を有する。
【0080】
一実施形態では、インパクタヘッドの衝撃面は、一対の衝撃フランジと同心の環状の導入フランジを更に有する。導入フランジは、一対の膝円錐コンポーネントのうちの第1の膝円錐コンポーネント及び第2の膝円錐コンポーネントの両方の環状リムの内径よりも小さい直径を有する。
【0081】
一例では、一対の膝円錐コンポーネントは、一対の膝円錐トライアルコンポーネントとして具現化される。
【0082】
別の例では、一対の膝円錐コンポーネントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された一対の大腿骨円錐オーグメントとして具現化される。
【0083】
一対の膝円錐コンポーネントはまた、患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された一対の脛骨円錐オーグメントとして具現化されてもよい。
【0084】
更にまた、一対の膝円錐コンポーネントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞及び患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞の一方又は両方に埋め込まれるように構成された一対の同心膝円錐オーグメントとして具現化されてもよい。
【0085】
別の態様によれば、整形外科用膝システムは、患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された第1の円錐形の同心膝円錐コンポーネントを含む。第1の同心膝コンポーネントは、内径を有する環状リムを有する。整形外科用膝システムはまた、患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された第2の円錐形の同心膝円錐コンポーネントを含む。第2の同心膝コンポーネントは、内径を有する環状リムを有する。第2の同心膝円錐コンポーネントの環状リムの内径は、第1の同心膝円錐コンポーネントの環状リムの内径よりも大きい。整形外科用膝システムはまた、外科手術中に第1の膝円錐コンポーネント及び第2の膝円錐コンポーネントに衝撃を与えるように構成されたインパクタヘッドを含む。インパクタヘッドは、嵌入ハンドルに固定されるように構成された近位面と、近位面の反対側の衝撃面とを含む。衝撃面は、その中に形成された一対の環状の同心衝撃フランジを有する。一対の衝撃フランジのうちの第1の衝撃フランジは、第1の膝円錐コンポーネントの環状リムの内径よりも大きいが、第2の膝円錐コンポーネントの環状リムの内径よりも小さい直径を有する。一対の衝撃フランジのうち第2の衝撃フランジは、第1の膝円錐コンポーネント及び第2の膝円錐コンポーネントの両方の環状リムの内径よりも大きい直径を有する。
【0086】
インパクタヘッドの衝撃面は、一対の衝撃フランジと同心の環状の導入フランジを更に有する。導入フランジは、第1の膝円錐コンポーネント及び第2の膝円錐コンポーネントの両方の環状リムの内径よりも小さい直径を有する。
【0087】
第1の膝円錐コンポーネント及び第2の膝円錐コンポーネントは、一対の膝円錐トライアルコンポーネントとして具現化されてもよい。
【0088】
第1の膝円錐コンポーネント及び第2の膝円錐コンポーネントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された一対の大腿骨円錐オーグメントで具現化されてもよい。
【0089】
第1の膝円錐コンポーネント及び第2の膝円錐コンポーネントは、患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された一対の脛骨円錐オーグメントに具現化されてもよい。
【0090】
第1の膝円錐コンポーネント及び第2の膝円錐コンポーネントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞及び患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞の一方又は両方に埋め込まれるように構成される。
【0091】
本開示の更に別の態様によれば、患者の膝を外科的に準備する方法は、患者の膝の骨の端部におけるに外科的に準備された空洞を形成することを含む。膝円錐オーグメントは、第1の膝円錐オーグメント及び第2の膝円錐オーグメントを含む一対の膝円錐オーグメントから選択され、第1の膝円錐オーグメントは、第2の膝円錐オーグメントの環状リムよりも小さい環状リムを有する。選択された膝円錐オーグメントは、骨の端部に形成された空洞内に配置される。その後、インパクタヘッドの遠位端は、選択された膝円錐オーグメントが第1の膝円錐コンポーネントである場合、インパクタヘッド内に形成された一対の環状の同心衝撃フランジのうちのより小さい衝撃フランジが選択された膝円錐オーグメントの環状リムと接触して配置されるように、選択された膝円錐オーグメントのボア内に前進される。又は、選択された膝円錐オーグメントが第2の膝円錐コンポーネントである場合、インパクタヘッドの一対の環状の同心衝撃フランジのより小さい衝撃フランジが、選択された膝円錐コンポーネントのボア内に配置され、インパクタヘッドの一対の環状の同心衝撃フランジのより大きい衝撃フランジが、選択された膝円錐オーグメントの環状リムと接触して配置される。次いで、インパクタヘッドは、衝撃力がインパクタヘッドの一対の環状の同心衝撃フランジの一方から選択された膝円錐オーグメントに伝達されるように衝撃を与える。
【0092】
一実施形態では、インパクタヘッドは、一対の環状の同心衝撃フランジと同心の環状の導入フランジを有する。導入フランジは、インパクタヘッドの遠位端の前進中に、選択された膝円錐オーグメントのボア内に前進される。
【0093】
一実施形態では、外科的に準備された空洞は、患者の膝の大腿骨の遠位端に形成され、選択された膝円錐オーグメントは、患者の膝の大腿骨の遠位端に形成された空洞内に配置される。
【0094】
一実施形態では、外科的に準備された空洞は、患者の膝の脛骨の近位端に形成され、選択された膝円錐オーグメントは、患者の膝の脛骨の近位端に形成された空洞内に配置される。
【0095】
本方法はまた、患者の膝の骨の端部における空洞を形成する前に、患者の膝の骨の端部から予め設置された膝インプラントを除去することを含むことができる。
【0096】
本開示の更なる態様によれば、整形外科用膝システムは、患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された複数の膝円錐トライアルコンポーネントを含む。複数の膝円錐コンポーネントの各々は、内部を通してステムトライアルコンポーネントを受容するように構成された円錐形の中空本体を有する。複数の膝円錐トライアルコンポーネントの各々の中空本体は、その中に形成された一対の摘出開口部を有し、一対の摘出開口部の各々は、中空本体の、他方とは反対の側に配置される。一対の摘出開口部の各々は、中空本体の内側側壁と外側側壁との間に延在する。整形外科用膝システムはまた、患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞から複数の膝円錐トライアルコンポーネントのそれぞれを抜去するように動作可能なトライアル摘出器を含む。トライアル摘出器は、嵌入ハンドルに固定されるように構成されたコネクタ本体と、コネクタ本体に枢動可能に結合された一対の摘出器アームとを含む。一対の摘出器アームの各々は、その遠位端に形成されたプロングを有する。一対の摘出器アームの各々のプロングは、複数の膝円錐トライアルコンポーネントの各々に形成された摘出開口部のうちの1つに受容されるようなサイズ及び形状にされる。トライアル摘出器はまた、プロングを互いに離れるように付勢するように一対の摘出器アームにばね付勢をかけるばねを含む。
【0097】
トライアル摘出器のコネクタ本体はまた、互いに離間した一対の取付フランジを含むことができ、一対の取付フランジの各々は、内部に画定された開口部を有する。一対の摘出器アームの各々の近位端が、その中に画定された開口部を有する。トライアル摘出器は、ピボットピンを更に備える。ピボットピンは、一対の摘出器アームをコネクタ本体に枢動可能に結合するように、一対の取付フランジの各々の開口部及び一対の摘出器アームの各々の開口部内に配置される。
【0098】
一実施形態では、一対の摘出器アームの各々の近位端は、一対の取付フランジの間に配置される。
【0099】
一例では、ばねは、ループ及び一対のスプリングアームを有するトーションスプリングとして具現化される。一対のスプリングアームの各々は、一対の摘出器アームの一方に対して付勢され、ピボットピンはループを通って延在する。
【0100】
一実施形態では、一対の摘出開口部の各々は菱形であり、一対の摘出器アームに形成されたプロングの各々は、菱形の摘出開口部のうちの1つに受容されるようなサイズ及び形状の尖った先端を含む。
【0101】
一対の摘出開口部のうちの第1の摘出開口部は、中空本体の内側に配置されてもよく、一対の摘出開口部のうちの第2の摘出開口部は、中空本体の外側に配置されてもよい。
【0102】
複数の膝円錐トライアルコンポーネントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された複数の大腿骨円錐トライアルコンポーネントして具現化されてもよい。
【0103】
複数の膝円錐トライアルコンポーネントは、患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された複数の脛骨円錐トライアルコンポーネントとして具現化されてもよい。
【0104】
複数の膝円錐トライアルコンポーネントは、患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞及び患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞の一方又は両方に設置されるように構成された複数の同心の膝円錐トライアルコンポーネントとして具現化されてもよい。
【0105】
本開示の別の態様によれば、整形外科用膝器具アセンブリは、細長い本体と、細長い本体の近位端に固定された衝撃プレートと、衝撃プレートの反対側の細長い本体の遠位端に配置されたコネクタとを有する嵌入ハンドルを含む。整形外科用膝器具アセンブリはまた、嵌入ハンドルに取り外し可能に固定されたトライアル摘出器を含む。トライアル摘出器は、嵌入ハンドルのコネクタに固定されるように構成されたコネクタを有するコネクタ本体と、コネクタ本体に枢動可能に結合された一対の摘出器アームとを含む。一対の摘出器アームの各々は、その遠位端に形成されたプロングを有する。一対の摘出器アームの各々のプロングは、膝円錐トライアルコンポーネントに形成された摘出開口部に受容されるようなサイズ及び形状である。トライアル摘出器はまた、プロングを互いに離れるように付勢するように一対の摘出器アームにばね付勢をかけるばねを含む。
【0106】
トライアル摘出器のコネクタ本体はまた、互いに離間した一対の取付フランジを含むことができ、一対の取付フランジの各々は、内部に画定された開口部を有する。一対の摘出器アームの各々の近位端が、その中に画定された開口部を有する。トライアル摘出器は、ピボットピンを更に備える。ピボットピンは、一対の摘出器アームをコネクタ本体に枢動可能に結合するように、一対の取付フランジの各々の開口部及び一対の摘出器アームの各々の開口部内に配置される。
【0107】
一実施形態では、一対の摘出器アームの各々の近位端は、一対の取付フランジの間に配置される。
【0108】
一例では、ばねは、ループ及び一対のスプリングアームを有するトーションスプリングとして具現化される。一対のスプリングアームの各々は、一対の摘出器アームの一方に対して付勢され、ピボットピンはループを通って延在する。
【0109】
一実施形態では、一対の摘出器アームに形成されたプロングの各々は、菱形の摘出開口部に受容されるようなサイズ及び形状の尖った先端を含む。
【0110】
本開示の別の態様によれば、患者の膝を外科的に準備する方法は、患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞を形成することと、骨の端部に形成された空洞内に膝円錐トライアルコンポーネントを配置することとを含む。その後、患者の膝が試行可動域を通じて動かされる。次いで、トライアル摘出器は、トライアル摘出器の一対の摘出器アームの各々の遠位端が膝円錐トライアルコンポーネントのボア内に配置されるように前進される。一対の摘出器アームの各々の遠位端は、その中に形成されたプロングを有し、一対の摘出器アームの各々のそのようなプロングは、膝円錐トライアルコンポーネントに形成された一対の摘出開口部のうちの1つに配置される。骨の端部に形成された空洞から膝円錐トライアルコンポーネントを抜去するように、トライアル摘出器に抜去力が加えられる。
【0111】
一対の摘出器アームは、膝円錐トライアルコンポーネントのボア内への前進中に互いに向かって圧迫されてもよい。次いで、一対の摘出器アームは、ばね付勢が、一対の摘出器アームの各々の遠位端に形成されたプロングを互いから外方に、膝円錐トライアルコンポーネントに形成された一対の摘出開口部内に付勢することを可能にするように解放される。
【0112】
一実施形態では、外科的に準備された空洞は、患者の膝の大腿骨の遠位端に形成され、膝円錐トライアルコンポーネントは、患者の膝の大腿骨の遠位端に形成された空洞内に配置される。
【0113】
一実施形態では、外科的に準備された空洞は、患者の膝の脛骨の近位端に形成され、膝円錐トライアルコンポーネントは、患者の膝の脛骨の近位端に形成された空洞内に配置される。
【0114】
本方法はまた、患者の膝の骨の端部における空洞を形成する前に、患者の膝の骨の端部から予め設置された膝インプラントを除去することを含むことができる。
【0115】
本開示の別の態様によれば、患者の脛骨の近位端の骨組織の状態を判定することと、患者の脛骨の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞を特定することと、サイドローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントにロックすることによって外科的に準備された空洞の形状に対応するモジュール式脛骨円錐オーグメントを組み立てることであって、中心ローブコンポーネントが、修正脛骨プロテーゼのステムを受容するように構成されたボアを貫通して延在するボアを有する、組み立てることとを含む方法が開示される。
【0116】
一実施形態では、本方法は、サイドローブコンポーネントが内側ローブコンポーネントを含むことを含んでもよく、モジュール式脛骨円錐オーグメントを組み立てることは、内側ローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントの内側にロックすることを含む。
【0117】
一実施形態では、本方法は、サイドローブコンポーネントが外側ローブコンポーネントを含むことと、モジュール式脛骨円錐オーグメントを組み立てることは、中心ローブコンポーネントの外側に外側ローブコンポーネントをロックすることを含み得る。
【0118】
一実施形態では、本方法は、サイドローブコンポーネントが内側ローブコンポーネント及び外側ローブコンポーネントを含むことを含んでもよく、モジュール式脛骨円錐オーグメントを組み立てることは、内側ローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントの内側にロックすることと、外側ローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントの外側にロックすることとを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
詳細な説明は、具体的には、以下の図面を参照する。
【
図1】修正膝プロテーゼと共に使用するための脛骨円錐オーグメントの斜視図である。
【
図2】
図1の脛骨円錐オーグメントの正面図である。
【
図3】
図1の脛骨円錐オーグメントの上面図である。
【
図4】
図1の脛骨円錐オーグメントの下面図である。
【
図5】
図1~
図4の脛骨円錐オーグメントを埋め込むための整形外科手術で使用するための脛骨外科用ブローチの斜視図である。
【
図8】内側/外側方向に見た、互いに重ね合わされた
図1~
図4の脛骨円錐オーグメントの複数のサイズを示す概略図である。
【
図9】前方/後方方向に見た、互いに重ね合わされた
図1~
図4の脛骨円錐オーグメントの複数のサイズを示す概略図である。
【
図10】内側/外側方向に見た、互いに重ね合わされた
図5~
図7の複数のサイズの脛骨外科用ブローチを示す概略図である。
【
図11】前方/後方方向に見た、互いに重ね合わされた
図5~
図7の複数のサイズの脛骨外科用ブローチを示す概略図である。
【
図12】修正膝プロテーゼと共に使用するための大腿骨円錐オーグメントの斜視図である。
【
図15】
図12~
図14の大腿骨円錐オーグメントを埋め込むための整形外科手術で使用するための大腿骨外科用ブローチの斜視図である。
【
図18】内側/外側方向に見た、互いに重ね合わされた
図12~
図14の複数のサイズの大腿骨円錐オーグメントを示す概略図である。
【
図19】前方/後方方向に見た、互いに重ね合わされた
図12~
図14の複数のサイズの大腿骨円錐オーグメントを示す概略図である。
【
図20】内側/外側方向に見た、互いに重ね合わされた
図15~
図17の複数のサイズの大腿骨外科用ブローチを示す概略図である。
【
図21】前方/後方方向に見た、互いに重ね合わされた
図15~
図17の複数のサイズの大腿骨外科用ブローチを示す概略図である。
【
図25】
図1~
図4の脛骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図26】
図1~
図4の脛骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図27】
図1~
図4の脛骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図28】
図1~
図4の脛骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図29】
図1~
図4の脛骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図30】
図1~
図4の脛骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図31】
図1~
図4の脛骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図32】
図12~
図14の大腿骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図33】
図12~
図14の大腿骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図34】
図12~
図14の大腿骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図35】
図12~
図14の大腿骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図36】
図12~
図14の大腿骨円錐オーグメントを埋め込むための外科手術のいくつかのステップを示す。
【
図37】モジュール式脛骨円錐オーグメントの中心ローブコンポーネントの斜視図である。
【
図38】モジュール式脛骨円錐オーグメントの外側ローブコンポーネントの斜視図である。
【
図39】モジュール式脛骨円錐オーグメントの内側ローブコンポーネントの斜視図である。
【
図40】モジュール式三葉型脛骨円錐オーグメントとして組み立てられた
図37~
図39のローブコンポーネントを示す斜視図である。
【
図41】モジュール式二葉型脛骨円錐オーグメントとして組み立てられた
図37及び
図38のローブコンポーネントを示す斜視図である。
【
図42】
図12の大腿骨円錐オーグメントの別の斜視図である。
【
図44】矢印の方向に見た、
図43の線44-44に沿った大腿骨円錐オーグメントの断面図である。
【
図45】矢印の方向に見た、
図43の線45-45に沿った大腿骨円錐オーグメントの断面図である。
【
図46】大腿骨円錐トライアルコンポーネントの斜視図である。
【
図47】
図46の大腿骨円錐トライアルコンポーネントの下面図である。
【
図48】矢印の方向に見た、
図47の線48-48に沿った大腿骨円錐トライアルコンポーネントの断面図である。
【
図49】
図46の大腿骨円錐トライアルコンポーネントの側面図である。
【
図52】
図50のインパクタヘッドの遠位端を示す斜視図である。
【
図55】矢印の方向に見た、
図54の線55-55に沿った断面図である。
【
図56】矢印の方向に見た、
図54の線56-56に沿った断面図である。
【
図58】矢印の方向に見た、
図57の線58-58に沿った断面図である。
【
図59】矢印の方向に見た、
図57の線59-59に沿った断面図である。
【
図61】
図60の同心円錐オーグメントの近位端の側面図である。
【
図62】矢印の方向に見た、
図61の線62-62に沿った同心円錐オーグメントの断面図である。
【
図63】同心円錐トライアルコンポーネントの斜視図である。
【
図64】
図63の同心円錐トライアルコンポーネントの近位端の側面図である。
【
図65】
図64の線65-65に沿った同心円錐トライアルコンポーネントを矢印の方向に見た断面図である。
【
図68】矢印の方向に見た、
図67の線68-68に沿ったインパクタヘッドの断面図である。
【
図70】
図66のインパクタヘッドが、
図60~
図62の同心円錐オーグメントを患者の脛骨の近位端内に埋め込むための外科手術において使用されていることを示す。
【
図71】
図66のインパクタヘッドが、
図60~
図62の同心円錐オーグメントを患者の大腿骨の遠位端に埋め込むための外科手術において使用されていることを示す。
【
図72】
図60~
図62の2つの異なるサイズの同心円錐オーグメントと接触して配置されている
図60のインパクタヘッドを示しており、
図73の同心円錐オーグメントは、
図72の同心円錐オーグメントよりも大きいことに留意されたい。
【
図73】
図60~
図62の2つの異なるサイズの同心円錐オーグメントと接触して配置されている
図60のインパクタヘッドを示しており、
図73の同心円錐オーグメントは、
図72の同心円錐オーグメントよりも大きいことに留意されたい。
【
図74】
図63~
図65の2つの異なるサイズの同心円錐トライアルコンポーネントと接触して配置されている
図60のインパクタヘッドを示しており、
図75の同心円錐トライアルコンポーネントは、
図74の同心円錐トライアルコンポーネントよりも大きいことに留意されたい。
【
図75】
図63~
図65の2つの異なるサイズの同心円錐トライアルコンポーネントと接触して配置されている
図60のインパクタヘッドを示しており、
図75の同心円錐トライアルコンポーネントは、
図74の同心円錐トライアルコンポーネントよりも大きいことに留意されたい。
【
図79】患者の大腿骨の遠位端から
図63~
図65の同心円錐トライアルコンポーネントを抜去するために外科手術において使用される
図76のトライアル摘出器を示す。
【
図80】脛骨円錐トライアルコンポーネントの斜視図である。
【
図81】
図80の脛骨円錐トライアルコンポーネントの上面図である。
【
図82】
図80の脛骨円錐トライアルコンポーネントの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0120】
本開示の概念は、様々な修正及び代替形態を受け入れる余地があるが、その特定の例示的な実施形態を例として図面に示し、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、添付の「特許請求の範囲」によって定義される発明の趣旨及び範囲に包含される全ての修正物、均等物、並びに代替物を網羅することを意図するものであるということを理解されたい。
【0121】
解剖学的基準を表す、前方、後方、内側、外側、上方、下方などの用語は、本明細書を通じて、本明細書において記載されている整形外科用インプラント及び整形外科用器具に関して、並びに患者の生体解剖学的構造に関して使用され得る。このような用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても十分に理解された意味を有する。記述されている説明及び「特許請求の範囲」におけるこのような解剖学的参照用語の使用は、特に明記しないかぎり、それらの十分に理解された意味と一貫性を有することが意図される。
【0122】
本開示の例示的な実施形態は、人工膝関節及び膝関節コンポーネント、並びに膝関節を埋め込んで再建する方法を包含するよう、以下に説明されて例示されている。以下で議論されている好ましい実施形態が、本質的に例示的なものであり、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく再構成され得ることは、当業者にはやはり明白であろう。しかし、明確さ及び正確さのために、以下で議論されている例示的な実施形態は、本発明の範囲に含まれるために必要ではないものとして当業者が認識するはずである、任意選択的な工程、方法及び特徴を含むことができる。
【0123】
膝円錐オーグメントの様々な例示的な実施形態が本明細書に開示される。当技術分野におけるその使用法と一致して、本明細書において「円錐オーグメント」という用語が意味するものは、プロテーゼの移植前に修正膝プロテーゼに機械的にロック又は他の様態で固定されず、むしろ、最初に患者の骨に別々に埋め込まれ、その後、骨セメントなどの接着剤の使用によって、固定されている場合には、その後に埋め込まれた修正膝プロテーゼに固定されるオーグメントコンポーネントである。結果として、修正膝プロテーゼと併せて設置されたとき、円錐オーグメントは、修正膝プロテーゼに物理的に接触せず、修正膝プロテーゼに固定されている場合、接着剤(例えば、骨セメント)によって修正膝プロテーゼに機械的に固定される(例えば、円錐オーグメントは、圧入(すなわち、セメントレス)ステムコンポーネントにまったく固定されていない)。従って、本明細書で使用される場合、円錐オーグメントは、修正膝プロテーゼの移植前にスリーブオーグメントが修正膝プロテーゼに機械的にロックされることを考えると、スリーブオーグメントとは異なる。
【0124】
ここで
図1~
図11を参照すると、整形外科用関節置換システム10は、脛骨円錐オーグメント12のうちの1つ又は複数を受容するように骨を準備する際に使用するための、脛骨円錐オーグメント12などのいくつかの整形外科用プロテーゼコンポーネントと、脛骨外科用ブローチ14(例えば、
図5~
図7を参照されたい)などのいくつかの整形外科用手術器具とを含む。「整形外科用手術器具」又は「整形外科用手術器具システム」という用語は、整形外科手術手技を行う際に外科医が使用する手術ツールである。従って、本明細書で使用される「整形外科用手術器具(単数)」及び「整形外科用手術器具(複数)」という用語は、
図1~
図4に示すような整形外科用プロテーゼコンポーネント又はインプラントとは異なることを理解されたい。
【0125】
脛骨円錐オーグメント12は、中心ローブ部分20と、内側ローブ部分22と、外側ローブ部分24とを有する細長い中空本体16を含む。脛骨円錐オーグメント12は、本明細書では三葉型脛骨オーグメント(すなわち、それは3つのローブ部分20、22、24を有する。)として示されているが、脛骨円錐オーグメント12は、二葉型脛骨オーグメント(すなわち、中心ローブ部分20と、内側ローブ部分22又は外側ローブ部分24の一方のみとを有するが、両方を有するわけではない)又は同心脛骨オーグメント(すなわち、中心ローブ部分20を有するが、内側ローブ部分22も外側ローブ部分24も有していない)として具現化されてもよいことを理解されたい。中心ローブ部分20内の中空本体16によって画定されるボア18は、脛骨修正プロテーゼ(図示せず)の脛骨ステムコンポーネントを受容するようなサイズ及び形状にされる。更に、それぞれ内側ローブ部分22及び外側ローブ部分24の中空本体16によって画定されるボア26、28のサイズ及び形状は、脛骨修正プロテーゼの脛骨ステムコンポーネントの配置が、所与の外科設備の必要性に適合するために必要に応じて中心ローブ部分から内側/外側方向にオフセットされることを可能にする。更に、中空本体16によって画定されるボア18、26、28は、1つ又は複数のキールなどの修正脛骨トレイの下側に構造体を受け入れることを可能にする。
【0126】
脛骨円錐オーグメント12の本体16は、例示的には、その上に配置された多孔質金属コーティング30を有する中実金属ベース32として具現化される。多孔質金属コーティング30は、インディアナ州ワルシャワのDePuy Synthesから市販されているPorocoat(登録商標)Porous Coatingなどの別個に塗布されたコーティングであってもよいことを理解されたい。しかしながら、本明細書に記載の例示的な実施形態では、多孔質金属コーティング30は、中実金属ベース32と同時に付加製造されていることにより、中実金属ベース32上に配置されて、2つの金属構造体の共通のモノリシックコンポーネントを形成する。
【0127】
一例では、多孔質金属コーティング30は、2019年3月26日に出願され、本開示と同じ譲受人に譲渡された米国特許出願第16/365,557号に記載されているような多孔質材料で作ることができ、その開示は、その全体が本明細書に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。付加製造プロセスは、例として、溶融及び焼結などの粉末床溶融印刷、コールドスプレー3D印刷、ワイヤフィード3D印刷、溶融堆積3D印刷、押出3D印刷、液体金属3D印刷、ステレオリソグラフィ3D印刷、バインダ噴射3D印刷、材料噴射3D印刷などを含むことができる。
【0128】
一例では、多孔質金属コーティング30の多孔質材料は、複数の接続されたユニットセルを含む多孔質三次元構造によって画定されてもよい。各ユニットセルは、外側幾何学的構造を画定する複数の格子支柱と、外側幾何学的構造内に配置された複数の内部幾何学的構造を画定する複数の内部支柱とを含むユニットセル構造体を画定することができる。一例では、外側幾何学的構造は菱形十二面体であってもよく、内側幾何学的構造は菱形三角台形であってもよい。そのような幾何学的構造は、所与の設計の必要性に適合するように変更することができることを理解されたい。更に、多孔質金属コーティング30を構成するユニットセルはまた、所与の設計の必要性に適合する任意の適切な代替的形状を有してもよいことを理解されたい。
【0129】
多孔質金属コーティング30の多孔質材料は、金属粉末から形成されている。例示的には、金属粉末は、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、タンタル、又はニオブ粉末を含むことができるが、これらに限定されない。多孔質金属コーティング30は、患者の脛骨の外科的に準備された近位端に埋め込まれるときに脛骨円錐オーグメント12内への骨の内殖を促進するのに適した多孔度を有する。
【0130】
本明細書に記載の例示的な実施形態では、多孔質金属コーティング30は、中実金属ベース32の外面上に直接付加製造されている。そのような実施形態では、2つの構造体、すなわち中実金属ベース32及び多孔質金属コーティング30は、一般的な付加製造プロセス中に同時に製造することができる。例えば、2つの構造は、両方の構造を含む共通のモノリシックな金属コンポーネントをもたらす単一の3D印刷操作で同時に製造され得る。或いは、多孔質金属コーティング30は、中実金属ベース32に固定された別個のコンポーネントとして製造することができる。
【0131】
図1及び
図3に見られるように、中空本体16のボア18、26、28を画定する内側側壁36は、その中に形成されたいくつかのセメントポケット38を有する。骨セメントは、脛骨修正プロテーゼの移植中に脛骨円錐オーグメント12へのセメントの接着を増大させるためにセメントポケット38内に受容される。
【0132】
図8及び
図9に示されるように、脛骨円錐オーグメント12は、所与の患者の解剖学的構造の必要性に適合するようにいくつかの異なる構成で提供されてもよい。特に、脛骨円錐オーグメント12は、患者の解剖学的構造に適合するように及び/又は広範囲の骨の損失に対応するように様々な異なるサイズで構成されてもよい。例示的な一実施形態では、脛骨円錐オーグメント12は、4つの異なるサイズ(例えば、サイズ小(S)、中(M)、大(L)、特大(XL))で提供されてもよい。
図8に示されるように、本体16の内側/外側オーグメント幅は、脛骨円錐オーグメント12のサイズに応じて変化する。本明細書で使用される場合、「内側/外側オーグメント幅」という用語は、その最も広い内側/外側寸法におけるオーグメントの幅を指す。
図8に見られるように、脛骨円錐オーグメント12のサイズが増大するにつれて、脛骨円錐オーグメント12の内側/外側オーグメント幅(W
AugM/L)が増大する。言い換えると、サイズMの脛骨円錐オーグメント12は、サイズSの脛骨円錐オーグメント12よりも大きい内側/外側幅を有するが、サイズL(又はサイズXL)の脛骨円錐オーグメント12よりも小さい内側/外側幅を有する。
【0133】
しかしながら、
図8に示されるように、異なるサイズの脛骨円錐オーグメント12のそれぞれは、内側/外側方向(すなわち、共通の内側/外側オーグメントテーパ角)に共通のテーパ角を有する。特に、円錐オーグメントの「内側/外側オーグメントテーパ角」は、本明細書では、オーグメントの最も内側の縁部46の全体及び最も外側の縁部48の全体によって形成される角度の大きさとして定義される。言い換えると、円錐オーグメントの「内側/外側オーグメントテーパ角」は、各縁部46、48の最も下側の端部50から各縁部46、48の最も上側の端部52までのオーグメントの最も内側の縁部46及び最も外側の縁部48によって形成される角度の大きさとして定義される。
図8に見られるように、異なるサイズの脛骨円錐オーグメント12のそれぞれは、共通の内側/外側オーグメントテーパ角(θ
AugM/L)を有する。本明細書に記載の例示的な実施形態では、異なるサイズの脛骨円錐オーグメント12のそれぞれは、39°(すなわち、θ
AugM/L=39°)の内側/外側オーグメントテーパ角を有する。
【0134】
図9に示すように、本体16の前方/後方オーグメント深さは、脛骨円錐オーグメント12のサイズに応じて変化する。本明細書で使用される場合、「前方/後方オーグメント深さ」という用語は、その最も広い前方/後方寸法でのオーグメントの幅を指す。
図9に見られるように、脛骨円錐オーグメント12の前方/後方オーグメント深さ(D
AugA/P)は、脛骨円錐オーグメント12のサイズが増大するにつれて増大する。言い換えると、サイズMの脛骨円錐オーグメント12は、サイズSの脛骨円錐オーグメント12よりも大きい前方/後方オーグメント深さを有するが、サイズL(又はサイズXL)の脛骨円錐オーグメント12よりも小さい前方/後方オーグメント深さを有する。
【0135】
しかしながら、
図9に示されるように、異なるサイズの脛骨円錐オーグメント12のそれぞれは、前方/後方方向(すなわち、共通の前方/後方オーグメントテーパ角)に共通のテーパ角を有する。特に、円錐オーグメントの「前方/後方オーグメントテーパ角」は、本明細書では、オーグメントの最も前方の縁部56の全体及び最も後方の縁部58の全体によって形成される角度の大きさとして定義される。言い換えると、円錐オーグメントの「前方/後方オーグメントテーパ角」は、各縁部56、58の最も下側の端部64から各縁部56、58の最も上側の端部66までの円錐の最も前方の縁部56及び最も外側の縁部58によって形成される角度の大きさである。
図9に見られるように、異なるサイズの脛骨円錐オーグメント12のそれぞれは、共通の前方/後方オーグメントテーパ角(θ
AugA/P)を有する。本明細書に記載の例示的な実施形態では、異なるサイズの脛骨円錐オーグメント12のそれぞれは、14°(すなわち、θ
AugA/P=14°である)の前方/後方オーグメントテーパ角を有する。
【0136】
図5~
図7に示すように、脛骨外科用ブローチ14は、脛骨円錐オーグメント12の形状に厳密に対応する幾何学的形状を有する。特に、脛骨外科用ブローチ14は、脛骨円錐オーグメント12の形状に対応する形状で骨組織を切削して除去するように構成されたいくつかの切削歯62を含む本体60を有する。従って、切削歯62は、中心ローブ部分70、内側ローブ部分72、及び外側ローブ部分74に配置される。脛骨円錐オーグメント12と同様に、脛骨外科用ブローチ14は、本明細書では三葉型脛骨外科用ブローチ(すなわち、3つのローブ部分70、72、74を有する)として示されているが、脛骨外科用ブローチ14は、二葉型脛骨外科用ブローチ(すなわち、中心ローブ部分70と、内側ローブ部分72又は外側ローブ部分74の一方のみを有し、両方を有さない)又は同心脛骨外科用ブローチ(すなわち、中心ローブ部分70を有するが、内側ローブ部分72も外側ローブ部分74も有さない)として具現化されてもよいことが理解されるべきである。
【0137】
本明細書に記載の例示的な実施形態では、脛骨外科用ブローチ14はステンレス鋼で構成されている。他の適切な材料を使用して、ブローチ14の所与の設計の必要性に適合させることができる。
【0138】
図10及び
図11に示されるように、脛骨外科用ブローチ14は、脛骨円錐オーグメント12の異なる構成に対応するようにいくつかの異なる構成で提供されてもよい。特に、脛骨外科用ブローチ14は、脛骨円錐オーグメント12のサイズに適合するように様々な異なるサイズで構成されてもよい。従って、例示的な一実施形態では、脛骨外科用ブローチ14は、4つの異なるサイズ(例えば、サイズ小(S)、中(M)、大(L)、特大(XL))で提供されてもよい。
図10に示すように、本体60の内側/外側ブローチ幅は、脛骨外科用ブローチ14のサイズに応じて変化する。本明細書で使用される場合、「内側/外側ブローチ幅」という用語は、その最も広い内側/外側寸法でのブローチの幅を指す。
図10に見られるように、脛骨外科用ブローチ14の内側/外側ブローチ幅(W
BroM/L)は、脛骨外科用ブローチ14のサイズが増大するにつれて増大する。言い換えると、サイズMの脛骨外科用ブローチ14は、サイズSの脛骨外科用ブローチ14よりも大きい内側/外側ブローチ幅を有するが、サイズL(又はXL)の脛骨外科用ブローチ14よりも小さい内側/外側ブローチ幅を有する。
【0139】
しかしながら、脛骨円錐オーグメント12と同様に、また
図10に示されるように、異なるサイズの脛骨外科用ブローチ14のそれぞれは、内側/外側方向(すなわち、共通の内側/外側ブローチテーパ角)に共通のテーパ角を有する。特に、外科用ブローチの「内側/外側ブローチテーパ角」は、本明細書では、ブローチの個々の切削歯62の最も内側の縁部76に沿って延在してこれを接続する仮想線の全体と、ブローチの個々の切削歯62の最も外側の縁部78に沿って延在してこれを接続する仮想線の全体とによって形成される角度の大きさとして定義される。言い換えると、外科用ブローチの「内側/外側ブローチテーパ角」は、ブローチの個々の切削歯62の最も内側の縁部76に沿って延在してこれを接続する仮想線と、各仮想線の最遠位端80から各仮想線の最近位端82までブローチの個々の切削歯62の最も外側の縁部78に沿って延在してこれを接続する仮想線とによって形成される角度の大きさである。
【0140】
更に、ブローチ14の内側/外側ブローチテーパ角は、脛骨円錐オーグメント12の内側/外側オーグメントテーパ角と同じである。具体的には、ブローチ14の内側/外側テーパ角は、オーグメント12の内側/外側テーパ角と一致する。従って、
図8及び
図10に見られるように、異なるサイズの脛骨外科用ブローチ14の各々は、脛骨円錐オーグメント12の各々に共通の内側/外側オーグメントテーパ角(θ
AugM/L)と同じである共通の内側/外側ブローチテーパ角(θ
BRom/L)を有する。本明細書に記載される例示的な実施形態では、異なるサイズの脛骨外科用ブローチの各々は、39°の内側/外側ブローチテーパ角を有する(すなわち、θ
BroM/L=39°)。
【0141】
図11に示すように、本体60の前方/後方のブローチ深さは、脛骨外科用ブローチ14のサイズに応じて変化する。本明細書で使用される場合、「前方/後方のブローチ深さ」という用語は、その最も広い前方/後方寸法でのブローチの幅を指す。
図11に見られるように、脛骨外科用ブローチ14の前方/後方のブローチ深さ(D
BroA/P)は、脛骨外科用ブローチ14のサイズが増大するにつれて増大する。言い換えると、サイズMの脛骨外科用ブローチ14は、サイズSの脛骨外科用ブローチ14よりも大きい前方/後方のブローチ深さを有するが、サイズL(又はサイズXL)の脛骨外科用ブローチ14よりも小さい前方/後方オーグメント深さを有する。
【0142】
しかしながら、
図11に示されるように、異なるサイズの脛骨外科用ブローチ14のそれぞれは、前方/後方方向(すなわち、共通の前方/後方ブローチテーパ角)に共通のテーパ角を有する。特に、脛骨外科用ブローチの「前方/後方ブローチテーパ角」は、本明細書では、ブローチの個々の切削歯62の最も前方の縁部86に沿って延在してこれを接続する仮想線の全体と、ブローチの個々の切削歯62の最も後方の縁部88に沿って延在してこれを接続する仮想線の全体とによって形成される角度の大きさとして定義される。言い換えれば、外科用ブローチの「前方/後方ブローチテーパ角」は、ブローチの個々の切削歯62の最も前方の縁部86に沿って延在してこれを接続する仮想線と、各仮想線の最遠位端90から各仮想線の最近位端92までブローチの個々の切削歯62の最も後方の縁部88に沿って延在してこれを接続する仮想線とによって形成される角度の大きさである。
【0143】
更に、ブローチ14の前方/後方ブローチテーパ角は、脛骨オーグメントコンポーネント12の前方/後方オーグメントテーパ角と同じである。具体的には、ブローチ14の前方/後方テーパ角は、オーグメント12の前方/後方テーパ角と一致する。従って、
図9及び
図11に見られるように、異なるサイズの脛骨外科用ブローチ14の各々は、脛骨円錐オーグメント12の各々に共通の前方/後方オーグメントテーパ角(θ
AugA/P)と同じである共通の前方/後方ブローチテーパ角(θ
BroA/P)を有する。本明細書に記載される例示的な実施形態では、異なるサイズの脛骨外科用ブローチの各々は、14°の前方/後方ブローチテーパ角(すなわち、θ
BroA/P=14°)を有する。
【0144】
ここで
図12~
図21を参照すると、整形外科用関節置換システム10はまた、大腿骨円錐オーグメント112のうちの1つを受容するように骨を準備する際に使用するための大腿骨円錐オーグメント112及び大腿骨外科用ブローチ114を含む。大腿骨円錐オーグメント112は、その前方が開いている細長い中空本体116を含む。中空本体116によって画定されるボア118は、大腿骨修正プロテーゼ(図示せず)の大腿骨ステムコンポーネントを受容するようなサイズ及び形状である。更に、ボア118のサイズ及び形状は、所与の外科設備の必要性に適合するために必要に応じて、大腿骨修正プロテーゼの大腿骨ステムコンポーネントの配置をオーグメント112の中心から内側/外側方向にオフセットされることを可能にする。更に、本体116は、大腿骨円錐オーグメント112の後側に形成されているカットアウト120を有する。カットアウト120は、修正大腿骨コンポーネントのボックスのためのクリアランスを提供する。
【0145】
脛骨円錐コンポーネント12の本体16と同様に、大腿骨円錐オーグメント112の本体116は、例示的に、その上に配置された多孔質金属コーティング130を有する中実金属ベース132として具現化される。中実金属ベース132及び多孔質金属コーティング130は、脛骨円錐コンポーネント12に関して上述した中実金属ベース32及び多孔質金属コーティング30と同様の方法で具現化及び製造することができ、そのような特徴、方法、出発材料、及び代替形態は全て、簡潔にするために本明細書では繰り返さない。本明細書に記載の例示的な実施形態では、脛骨円錐オーグメント12に関して上述したのと同様に、多孔質金属コーティング130は、中実金属ベース132と同時に付加製造されていることによって大腿骨円錐オーグメント112の中実金属ベース132上に配置されて、2つの金属構造体の共通のモノリシックコンポーネントを形成する。
【0146】
図12及び
図13に見られるように、中空本体116のボア118を画定する内側側壁136は、その中に形成されたいくつかのセメントポケット138を有する。骨セメントは、大腿骨修正プロテーゼの移植中に大腿骨円錐オーグメント112へのセメントの接着を増大させるためにセメントポケット138内に受容される。
【0147】
図18及び
図19に示されるように、脛骨円錐オーグメント12と同様に、大腿骨円錐オーグメント112は、所与の患者の解剖学的構造の必要性に適合するようにいくつかの異なる構成で提供されてもよい。特に、大腿骨円錐オーグメント112は、患者の解剖学的構造に適合するように、及び/又は広範囲の骨の損失に対応するように、様々な異なるサイズで構成することができる。例示的な一実施形態では、大腿骨円錐オーグメント112は、4つの異なるサイズ(例えば、サイズ小(S)、中(M)、大(L)、特大(XL))で提供されてもよいが、整形外科用関節置換システム10の所与の設計の必要性に適合するために他のサイズ(例えば、サイズ2倍超大(XXL))も提供されてもよい。
図18に示すように、本体116の内側/外側オーグメント幅は、大腿骨円錐オーグメント112のサイズに応じて変化する。
図18に見られるように、大腿骨円錐オーグメント112のサイズが増大するにつれて、大腿骨円錐オーグメント112の内側/外側オーグメント幅(W
AugM/L)は増加する。言い換えると、サイズMの大腿骨円錐オーグメント112は、サイズSの大腿骨円錐オーグメント112よりも大きい内側/外側幅を有するが、サイズL(又はサイズXL)の大腿骨円錐オーグメント112よりも小さい内側/外側幅を有する。
【0148】
しかしながら、
図18にも示されるように、脛骨円錐オーグメント12と同様に、異なるサイズの大腿骨円錐オーグメント112の各々は、内側/外側方向(すなわち、共通の内側/外側オーグメントテーパ角)に共通のテーパ角を有する。具体的には、異なるサイズの大腿骨円錐オーグメント112の各々は、共通の内側/外側オーグメントテーパ角(θ
AugM/L)を有する。本明細書に記載の例示的な実施形態では、異なるサイズの大腿骨円錐オーグメント112のそれぞれは、19°(すなわち、θ
AugM/L=19°)の内側/外側オーグメントテーパ角を有する。
【0149】
図19に示すように、本体116の前方/後方オーグメント深さは、大腿骨円錐オーグメント112のサイズに応じて変化する。特に、大腿骨円錐オーグメント112のサイズが増大するにつれて、大腿骨円錐オーグメント112の前方/後方オーグメント深さ(D
AugA/P)が増大する。言い換えると、サイズMの大腿骨円錐オーグメント112は、サイズSの大腿骨円錐オーグメント112よりも大きい前方/後方オーグメント深を有するが、サイズL(又はサイズXL)の大腿骨円錐オーグメント112よりも小さい前方/後方オーグメント深を有する。
【0150】
しかしながら、
図19に示すように、異なるサイズの大腿骨円錐オーグメント112の各々は、前方/後方方向(すなわち、共通の前方/後方オーグメントテーパ角)に共通のテーパ角を有する。具体的には、異なるサイズの大腿骨円錐オーグメント112の各々は、共通の前方/後方オーグメントテーパ角(θ
AugA/P)を有する。本明細書に記載の例示的な実施形態では、異なるサイズの大腿骨円錐オーグメント112の各々は、9.5°(すなわち、θ
AugA/P=9.5°である)の前方/後方オーグメントテーパ角を有する。
【0151】
図15~
図17に示すように、大腿骨外科用ブローチ114は、大腿骨円錐オーグメント112の形状に厳密に対応する幾何学的形状を有する。特に、大腿骨外科用ブローチ114は、大腿骨円錐オーグメント112の形状に対応する形状で骨組織を切削するように構成されたいくつかの切削歯62を含む本体160を有する。脛骨外科用ブローチ14と同様に、本明細書に記載の例示的な実施形態では、大腿骨外科用ブローチ114はステンレス鋼で構成されている。他の適切な材料を使用して、ブローチ114の所与の設計の必要性に適合させることができる。
【0152】
図20及び
図21に示すように、大腿骨外科用ブローチ114は、大腿骨円錐オーグメント112の異なる構成に対応するように、いくつかの異なる構成で提供されてもよい。特に、大腿骨外科用ブローチ114は、大腿骨円錐オーグメント112のサイズに適合するように様々な異なるサイズで構成されてもよい。従って、例示的な一実施形態では、大腿骨外科用ブローチ114は、4つの異なるサイズ(例えば、サイズ小(S)、中(M)、大(L)、特大(XL))で提供されてもよいが、大腿骨円錐オーグメント112がそのような追加のサイズで提供される場合、追加のサイズの大腿骨外科用ブローチ114(例えば、サイズ2倍超大(XXL))も提供され得る。
図20に示すように、本体160の内側/外側ブローチ幅は、大腿骨外科用ブローチ114のサイズに応じて変化する。具体的には、
図20に見られるように、大腿骨外科用ブローチ114のサイズが増大するにつれて、大腿骨外科用ブローチ114の内側/外側ブローチ幅(W
BroM/L)が増大する。言い換えると、サイズMの大腿骨外科用ブローチ114は、サイズSの大腿骨外科用ブローチ114よりも大きい内側/外側ブローチ幅を有するが、サイズL(又はサイズXL)の大腿骨外科用ブローチ114よりも小さい内側/外側ブローチ幅を有する。
【0153】
しかしながら、大腿骨円錐オーグメント112のように、また
図20に示すように、異なるサイズの大腿骨外科用ブローチ114の各々は、内側/外側方向(すなわち、共通の内側/外側ブローチテーパ角)に共通のテーパ角を有する。更に、ブローチ114の内側/外側ブローチテーパ角は、大腿骨円錐オーグメント112の内側/外側オーグメントテーパ角と同じである。具体的には、ブローチ114の内側/外側テーパ角は、オーグメント112の内側/外側テーパ角と一致する。従って、
図18及び
図20に見られるように、異なるサイズの脛骨外科用ブローチ114のそれぞれは、大腿骨円錐オーグメント112のそれぞれに共通の内側/外側オーグメントテーパ角(θ
AugM/L)と同じである共通の内側/外側ブローチテーパ角(θ
BroM/L)を有する。本明細書に記載の例示的な実施形態では、異なるサイズの大腿骨外科用ブローチ114のそれぞれは、19°(すなわち、θ
BroM/L=19°)の内側/外側ブローチテーパ角を有する。
【0154】
図21に示すように、本体160の前方/後方のブローチ深さは、大腿骨外科用ブローチ114のサイズに応じて変化する。具体的には、大腿骨外科用ブローチ114の前方/後方のブローチ深さ(D
BroA/P)は、大腿骨外科用ブローチ114のサイズが増大するにつれて増大する。言い換えると、サイズMの大腿骨外科用ブローチ114は、サイズSの大腿骨外科用ブローチ114よりも大きい前方/後方のブローチ深さを有するが、サイズL(又はサイズXL)の大腿骨外科用ブローチ114よりも小さい前方/後方オーグメント深さを有する。
【0155】
しかしながら、
図21に示すように、異なるサイズの大腿骨外科用ブローチ114の各々は、前方/後方方向(すなわち、共通の前方/後方ブローチテーパ角)に共通のテーパ角を有する。更に、ブローチ114の前方/後方ブローチテーパ角は、大腿骨円錐オーグメント112の前方/後方オーグメントテーパ角と同じである。具体的には、ブローチ114の前方/後方テーパ角は、オーグメント112の前方/後方テーパ角と一致する。従って、
図19及び
図21に見られるように、異なるサイズの脛骨外科用ブローチ114のそれぞれは、大腿骨円錐オーグメント112のそれぞれに共通の前方/後方オーグメントテーパ角(θ
AugA/P)と同じである共通の前方/後方ブローチテーパ角(θ
BroA/P)を有する。本明細書に記載の例示的な実施形態では、異なるサイズの大腿骨外科用ブローチ114のそれぞれは、9.5°(すなわち、θ
BroA/P=9.5°)の前方/後方ブローチテーパ角を有する。
【0156】
上述したように、外科用ブローチ14、114の幾何学的形状は、円錐オーグメント12、112の幾何学的形状に厳密に対応する。具体的には、共通の内側/外側テーパ角及び共通の前方/後方テーパ角が、脛骨外科用ブローチ12及び脛骨円錐オーグメント14の全ての異なるサイズの間で使用され、共通の内側/外側テーパ角及び共通の前方/後方テーパ角もまた、大腿骨外科用ブローチ112及び大腿骨円錐オーグメント114の全ての異なるサイズの間で使用される。そのような構成は、外科医による術中の意思決定において柔軟に強化されることを考慮すると、整形外科手術の実行中の使いやすさを向上させる。例えば、トライアルプロセス中に、外科医が、患者の骨が過剰に準備された(すなわち、必要以上に大きな空洞が形成された)と判定した場合、外科医は、オーグメントがサイズの範囲全体にわたって同じテーパ角に沿って全て「成長」するので、元々計画されたよりも大きな円錐オーグメントを単に置き換えることができる。同様に、患者の骨の準備が不十分である(すなわち、必要とされるよりも小さい空洞が形成された)と外科医が判定した場合、外科医は次のサイズのブローチで空洞を単にブローチ加工することができる。代替的に、外科医はまた、最初に計画されたよりも小さい円錐オーグメントを置き換えることができ、オーグメントサイズの全範囲に対して共通のテーパ角まで空洞がブローチ加工されているため、より小さい円錐オーグメントが準備された空洞内で少し深く着座することを単に可能にすることができる。患者の解剖学的構造又は一方又は他方で利用可能な骨の大きさ(例えば、内側/外側方向の大きなブローチに対して十分な骨が存在する場合でも、前方/後方方向で利用可能な骨の量は制限され得る)のために、より大きなブローチが理想的ではない場合には、より大きなサイズに空洞を再ブローチ加工するよりも、空洞のより深くに着座するより小さな円錐オーグメントを使用することが好ましい場合がある。
【0157】
以下により詳細に説明するように、外科用ブローチ14、114は、患者の脛骨の近位端(脛骨外科用ブローチ14の場合)又は患者の大腿骨の遠位端(大腿骨外科用ブローチ114の場合)を外科的に準備するためにステムトライアルコンポーネント150と組み合わせて使用される。本明細書で使用される場合、「ステムトライアルコンポーネント」という用語は、整形外科手術の実行中に髄内ステムコンポーネントの適合を試験するか、そうでなければ評価する際に外科医によって使用される整形外科用手術器具を指す。従って、本明細書で使用される場合、「ステムトライアルコンポーネント」という用語は、患者の体内に外科的に埋め込まれた整形外科用インプラント若しくはプロテーゼ、又は整形外科手術中に他の機能を実行するために使用される他の整形外科用手術器具(例えば、管リーマ、髄内ロッドなど)とは異なることを理解されたい。
【0158】
図6及び
図16に見られるように、外科用ブローチ14、114は、それぞれの遠位端154に形成されたねじ山付きボア152を有する。ねじ山付きボア152は、ステムトライアルコンポーネント150をブローチ14、114に選択的に固定するように、ステムトライアルコンポーネント150の近位端156に形成されたねじ山付きポスト154(ねじ山付きポスト154は、例えば
図27に見ることができる)を受容するようにサイズ決定されている。このようにして、より詳細に後述するように、ステムトライアルコンポーネント150は、ブローチ14、114の使用中にガイド器具として使用することができる。そうすることで、ステムトライアルコンポーネント150は、骨に組み立てるために複雑な装置を必要とし得る従来設計されたシステムの使用と比較して、ブローチ加工プロセスを案内するための強化された単純化された手法を提供する。
【0159】
ステムトライアルコンポーネント150はまた、円錐オーグメント12、112を埋め込むために整形外科手術の予備ステップ中に円錐リーマ160をガイドするために使用されてもよい。
図22~
図24に示すように、円錐リーマ160は、回転電動工具又は手動ハンドル(図示せず)のチャックに適合する近位端164を有する細長いシャフト162を含む。円錐リーマ160はまた、シャフト162の反対側の遠位端168に配置された切削ヘッド166を含む。円錐リーマ160の切削ヘッド166は、複数のヘリカル切削溝170を含む。切削ヘッド166は、略円錐形状である。円錐リーマ160が患者の脛骨又は大腿骨内に配置されて回転されると、切削溝170は骨組織をリーミングして又はさもなければ切削して、ブローチ14、114の一方の幾何学的形状に対応するために外科的に準備された空洞を形成する。従って、円錐リーマ160を使用して、患者の骨における最初に外科的に準備された空洞を形成することができ、次いで、ブローチ14、114のうちの1つを使用して、外科的に準備された空洞の最終的な形状及びサイズを形成する。
【0160】
図22及び
図24に示すように、円錐リーマ160は、その遠位端168に形成されたねじ山付きボア172を有する。ブローチ14、114に形成されたねじ山付きボア152と同様に、リーマ160のねじ山付きボア172は、ステムトライアルコンポーネント150を円錐リーマ160に選択的に固定するように、ステムトライアルコンポーネント150の近位端156に形成されたねじ山付きポスト154を受容するようにサイズ決定されている。このようにして、より詳細に後述するように、ステムトライアルコンポーネント150は、円錐リーマ160の使用中にガイド器具として使用されてもよい。外科用ブローチ14、114と同様に、本明細書に記載の例示的な実施形態では、円錐リーマ160はステンレス鋼で構成されている。他の適切な材料を使用して、リーマ160の所与の設計の必要性に適合させることができる。
【0161】
上述したように、整形外科用システム10は、修正膝プロテーゼを受容するために患者の膝を外科的に準備するために使用することができる。特に、
図25~
図31に示すように、整形外科用システム10を使用して、患者の脛骨200を外科的に準備して、修正脛骨プロテーゼの修正を受容することができる。
図32~
図36に示すように、整形外科用システム10はまた、修正大腿骨プロテーゼを受容するために患者の大腿骨250を外科的に準備するために使用されてもよい。
【0162】
図25に示すように、整形外科用システム10は、一次脛骨インプラントが患者の脛骨200の近位端202から除去されている修正処置において使用される。
図25に示すように、修正処置において、患者の脛骨200の近位端202は、一次インプラントを受容するように以前に外科的に成形された複数の表面を含む。修正処置中、患者の脛骨200の近位端202は、修正脛骨プロテーゼを受容するために骨を準備するために更に外科的に切除される。
図25~
図31は、修正処置中に患者の脛骨200の近位端202を外科的に準備するための処置のいくつかの例示的なステップを示す。あらゆる外科手術は、患者の骨の解剖学的構造の状態及び外科医の好みに応じて、追加の工程又はより少ない工程を含み得ることを理解されたい。
【0163】
ここで特に
図25を参照すると、患者の脛骨200の近位端202は、平坦な切除面204に画定された開口部206を含む。開口部206は、一次インプラントを埋め込むための以前の処置中に形成され、一次インプラントの除去後に外科医が患者の脛骨の髄内管208にアクセスすることを可能にする。ここで達成された髄内管208へのアクセスにより、外科医は、次に、患者の脛骨200の髄内管208を準備して、修正脛骨プロテーゼのステムを受容する。そうするために、
図26に示すように、外科医は、脛骨修正プロテーゼのステムコンポーネントが埋め込まれる患者の髄内管208の部分を管リーマ210を使用してリーミングする。そうするために、外科医は、管リーマ210の近位端を手動ハンドル又は回転電動工具のチャックに挿入する。次いで、外科医は、患者の脛骨200の髄内管208内に管リーマ210の切削ヘッド216を配置し、その後、手動で(ハンドルを使用して)又は回転電動工具の制御下で切削ヘッド216を回転させる。切削ヘッド216のこのような回転により、切削溝218は、脛骨200の骨組織をリーミングする又はさもなければ切削する。管リーマ210は、所望の深さまで駆動された後、除去される。
【0164】
次いで、外科医は、脛骨円錐オーグメント12のうちの一方を受容するように患者の脛骨200の近位端202を準備する。そのために、外科医は、まず、患者の脛骨200の近位端202にあるスタータ空洞220をリーミングする。
図27及び
図28に示すように、外科医は、ステムのねじ山付きポスト154をリーマ160の遠位端168に形成されたねじ山付きボア172にねじ込むことによって、ステムトライアルコンポーネント150を円錐リーマ160に設置する。外科医は、患者の髄内管208をリーミングさせるために以前に使用された管リーマ210の直径に厳密に一致する直径を有するステムトライアルコンポーネント150を選択し、その結果、ステムトライアルコンポーネント150がリーミングされた管208内に実質的に緊密な適合を形成することを理解されたい。このようにして、ステムトライアルコンポーネント150は、リーマ160の回転軸をリーミングされた髄内管208の中心と整列した状態に維持するように、リーマされた髄内管208内にしっかりと捕捉され、その結果、円錐リーマ160のガイド器具として機能する。
【0165】
ステムトライアルコンポーネント150が円錐リーマ160に取り付けられた状態で、外科医は、円錐リーマ160の近位端を手動ハンドル又は回転電動工具のチャックに挿入する。次いで、外科医は、ステムトライアルコンポーネント150の遠位端158を患者の脛骨200の髄内管208内に前進させ、その後、手動で(ハンドルの使用によって)又は回転電動工具の制御下で切削ヘッド166(従って、それに固定されたステムトライアルコンポーネント150)を回転させる。切削ヘッド166のこのような回転により、切削溝170は、その中にリーミングされたスタータ空洞220を形成するように脛骨200の近位端202の骨組織をリーミングする又はさもなければ切削する。円錐リーマ160は、典型的にはリーマの切削ヘッド166の近位端が脛骨200の近位端202の平坦な表面204と同一平面上にあるときに所望の深さまで駆動され、その後除去される。
【0166】
次いで、外科医は、患者の脛骨200の近位端202内の完成した空洞222をブローチ加工する。
図29及び
図30に示すように、外科医は、ステムのねじ山付きポスト154を脛骨外科用ブローチ14の遠位端154に形成されたねじ山付きボア152にねじ込むことによって、ステムトライアルコンポーネント150を脛骨外科用ブローチ14に設置する。ステムトライアルコンポーネント150は、管リーマ210の直径と厳密に一致する直径を有し、従ってリーミングされた髄内管208内にしっかりと捕捉されるため、ステムトライアルコンポーネント150は、ブローチの中心ローブ部分70の中心をリーミングされた髄内管208の中心と整列した状態に維持することによって脛骨外科用ブローチ14のためのガイド器具として機能することを理解されたい。
【0167】
ステムトライアルコンポーネント150が脛骨外科用ブローチ14に取り付けられた状態で、外科医は、次に、ステムトライアルコンポーネント150の遠位端158を患者の脛骨200の髄内管208内に前進させる。外科医は、その切削歯62が脛骨200の近位端202の骨組織を脛骨円錐オーグメント12の形状に対応する形状にブローチ加工する又はさもなければ切削するようにブローチ14を前進させ続け、それにより、ブローチ加工された完成した空洞222を形成する。その後、ブローチ14及びステムトライアルコンポーネント150が除去される。
【0168】
完成した空洞222がブローチ加工されると、脛骨円錐オーグメント12が、
図31に示されるように埋め込まれる。上述したように、患者の骨が過剰に準備された(すなわち、必要以上に大きな完成した空洞222が形成された)、と外科医が判定した場合、外科医は、オーグメントがサイズの範囲全体にわたって同じテーパ角度に沿って全て「成長」するので、元々計画されたよりも大きな脛骨円錐オーグメント12を単に置き換えることができる。同様に、患者の骨の準備が不十分である(すなわち、必要とされるよりも小さい完成した空洞222が形成された)と外科医が判定した場合、外科医は次のサイズのブローチ14で空洞を単にブローチ加工することができる。代替的に、外科医はまた、最初に計画されたよりも小さい脛骨円錐オーグメント12を置き換えることができ、空洞222が脛骨円錐オーグメントサイズの全範囲に対して共通のテーパ角まで空洞がブローチ加工されているため、より小さい円錐オーグメントが準備された完成した空洞222内で少し深く着座することを単に可能にすることができる。患者の脛骨200の解剖学的構造又は一方又は他方で利用可能な骨の大きさ(例えば、内側/外側方向の大きなブローチに対して十分な骨が存在する場合でも、前方/後方方向で利用可能な骨の量は制限され得る)のために、より大きなブローチが理想的ではない場合には、より大きなサイズに空洞を再ブローチ加工するよりも、空洞222のより深くに着座するより小さな脛骨円錐オーグメント12を使用することが好ましい場合がある。
【0169】
外科医が脛骨円錐オーグメント12の所望のサイズを埋め込んだ後、外科医は、脛骨円錐オーグメントを通してそのステムコンポーネントを設置し、その後、それを骨内の所定の位置に接合することによって、修正脛骨プロテーゼを埋め込むことができる。
【0170】
図32~
図36に示すように、整形外科用システム10はまた、修正大腿骨プロテーゼを受容するために患者の大腿骨300を外科的に準備するために使用されてもよい。
図32に示すように、整形外科用システム10は、一次大腿骨インプラントが患者の大腿骨300の遠位端302から除去されている修正処置において使用される。大腿骨修正処置では、患者の大腿骨300の遠位端302は、一次インプラントを受容するように以前は外科的に成形されていた複数の表面を含む。修正処置中、患者の大腿骨300の遠位端302は、修正大腿骨プロテーゼを受容するために骨を準備するために更に外科的に切除される。
図32~
図36は、修正処置中に患者の大腿骨300の遠位端302を外科的に準備するための処置のいくつかの例示的なステップを示す。あらゆる外科手術は、患者の骨の解剖学的構造の状態及び外科医の好みに応じて、追加の工程又はより少ない工程を含み得ることを理解されたい。
【0171】
ここで
図32を参照すると、患者の大腿骨300の遠位端302は、切除面304に画定された開口部306を含む。開口部306は、一次インプラントを埋め込むための以前の処置中に形成され、一次インプラントの除去後に外科医が患者の大腿骨の髄内管308にアクセスすることを可能にする。髄内管308へのアクセスが達成されると、外科医は次に、患者の大腿骨300の髄内管308を準備して、修正大腿骨プロテーゼのステムを受容する。そうするために、
図33に示すように、外科医は、管リーマ210を使用して、大腿骨修正プロテーゼのステムコンポーネントが埋め込まれる患者の髄内管308の部分をリーミングする。大腿骨300をリーミングするために外科医によって使用される管リーマ210は、実際には、患者の脛骨200をリーミングするために使用される管リーマ210とは異なって具現されてもよいことが理解されるべきである。いずれの場合でも、外科医は、手動ハンドル又は回転電動工具のチャックに、管リーマ210の近位端を挿入する。次いで、外科医は、患者の大腿骨300の髄内管308内に管リーマ210の切削ヘッド216を配置し、その後、手動で(ハンドルを使用して)又は回転電動工具の制御下で切削ヘッド216を回転させる。切削ヘッド216のこのような回転により、切削溝218は、大腿骨300の骨組織をリーミングする又はさもなければ切削する。管リーマ210は、所望の深さまで駆動された後、除去される。
【0172】
次に、外科医は、大腿骨円錐オーグメント112のうちの一方を受容するように患者の大腿骨300の遠位端302を準備する。そのために、外科医は、まず、患者の大腿骨300の遠位端302のスタータ空洞320をリーミングする。
図34に示すように、外科医は、ステムのねじ山付きポスト154をリーマ160の遠位端168に形成されたねじ山付きボア172にねじ込むことによって、ステムトライアルコンポーネント150を円錐リーマ160に設置する。外科医は、患者の髄内管308をリーミングさせるために以前に使用された管リーマ210の直径に厳密に一致する直径を有するステムトライアルコンポーネント150を選択し、その結果、ステムトライアルコンポーネント150がリーミングされた管308内に実質的に緊密な適合を形成することを理解されたい。このようにして、ステムトライアルコンポーネント150は、リーマ160の回転軸をリーミングされた髄内管308の中心と整列した状態に維持するように、リーマされた髄内管308内にしっかりと捕捉され、その結果、円錐リーマ160のガイド器具として機能する。
【0173】
ステムトライアルコンポーネント150が円錐リーマ160に取り付けられた状態で、外科医は、円錐リーマ160の近位端を手動ハンドル又は回転電動工具のチャックに挿入する。次いで、外科医は、ステムトライアルコンポーネント150の遠位端158を患者の大腿骨300の髄内管308内に前進させ、その後、手動で(ハンドルの使用によって)又は回転電動工具の制御下で切削ヘッド166(従って、それに固定されたステムトライアルコンポーネント150)を回転させる。切削ヘッド166のこのような回転により、切削溝170は、その中にリーミングされたスタータ空洞320を形成するように大腿骨300の遠位端302の骨組織をリーミングする又はさもなければ切削する。円錐リーマ160は所望の深さまで駆動され、その後除去される。
【0174】
次に、外科医は、患者の大腿骨300の遠位端302の完成した空洞322をブローチ加工する。
図35に示すように、外科医は、ステムのねじ山付きポスト154を大腿骨外科用ブローチ114の遠位端154に形成されたねじ山付きボア152にねじ込むことによって、ステムトライアルコンポーネント150を大腿骨外科用ブローチ114に設置する。ステムトライアルコンポーネント150は、管リーマ210の直径と厳密に一致する直径を有し、従ってリーミングされた髄内管308内にしっかりと捕捉されるため、ステムトライアルコンポーネント150は、リーミングされた髄内管308の中心に対して所望の整列した状態にブローチを維持することによって大腿骨外科用ブローチ114のためのガイド器具として機能することを理解されたい。
【0175】
ステムトライアルコンポーネント150が大腿骨外科用ブローチ114に取り付けられた状態で、外科医は、次に、ステムトライアルコンポーネント150の遠位端158を患者の大腿骨300の髄内管308内に前進させる。外科医は、その切削歯62が大腿骨300の遠位端302の骨組織を大腿骨円錐オーグメント112の形状に対応する形状にブローチ加工する又はさもなければ切削するようにブローチ114を前進させ続け、それにより、ブローチ加工された完成した空洞322を形成する。その後、ブローチ114及びステムトライアルコンポーネント150が除去される。
【0176】
完成した空洞322がブローチ加工されると、
図36に示すように、大腿骨円錐オーグメント112が埋め込まれる。上述したように、患者の骨が過剰に準備された(すなわち、必要以上に大きな完成した空洞322が形成された)、と外科医が判定した場合、外科医は、オーグメントがサイズの範囲全体にわたって同じテーパ角度に沿って全て「成長」するので、元々計画されたよりも大きな大腿骨円錐オーグメント112を単に置き換えることができる。同様に、患者の骨の準備が不十分である(すなわち、必要とされるよりも小さい完成した空洞322が形成された)と外科医が判定した場合、外科医は次のサイズのブローチ114で空洞を単にブローチ加工することができる。代替的に、外科医はまた、最初に計画されたよりも小さい大腿骨円錐オーグメント112を置き換えることができ、空洞322が大腿骨円錐オーグメントサイズの全範囲に対して共通のテーパ角まで空洞がブローチ加工されているため、より小さい円錐オーグメントが準備された完成した空洞322内で少し深く着座することを単に可能にすることができる。患者の大腿骨300の解剖学的構造又は一方又は他方で利用可能な骨の大きさ(例えば、内側/外側方向の大きなブローチに対して十分な骨が存在する場合でも、前方/後方方向で利用可能な骨の量は制限され得る)のために、より大きなブローチが理想的ではない場合には、より大きなサイズに空洞を再ブローチ加工するよりも、空洞322のより深くに着座するより小さな大腿骨円錐オーグメント112を使用することが好ましい場合がある。
【0177】
外科医が所望のサイズの大腿骨円錐オーグメント112を埋め込むと、外科医は次に、大腿骨円錐オーグメントを通してそのステムコンポーネントを設置し、その後、それを骨内の所定の位置に接合することによって、修正大腿骨プロテーゼを埋め込むことができる。
【0178】
ここで
図37~
図41を参照すると、脛骨円錐オーグメントの別の実施形態が示されている。特に、モジュール式脛骨円錐オーグメント400が示されている。本明細書に記載のその他の脛骨円錐オーグメント12と同様に、モジュール式脛骨円錐オーグメント400は、患者の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれて、修正脛骨プロテーゼの移植を促進するように構成される。
【0179】
モジュール式脛骨円錐オーグメント400は、所望の構成のインプラントを形成するために様々な構成で互いに組み立てられ得る別個のコンポーネントを含む。特に、モジュール式脛骨円錐オーグメント400は、中心ローブコンポーネント402と、内側ローブコンポーネント404と、外側ローブコンポーネント406とを含む。このようにして、モジュール式脛骨円錐オーグメント400は、三葉型脛骨オーグメント(すなわち、3つのローブコンポーネント402、404、406の全てを有する)、二葉型脛骨オーグメント(すなわち、中心ローブコンポーネント402と、内側ローブコンポーネント404又は外側ローブコンポーネント406の一方のみを有し、両方を有さない)、又は同心脛骨オーグメント(すなわち、中心ローブコンポーネント402を有するが、内側ローブコンポーネント404も外側ローブコンポーネント406も有さない)として組み立てられてもよい。
【0180】
図37に示すように、中心ローブコンポーネント402は、その上端420からその下端422まで下向きに先細になっている円形の同心円状の細長い中空本体416を含む。中心ローブコンポーネント402はまた、上下方向に貫通して延在するボア418を含む。ボア418は、脛骨修正プロテーゼの脛骨ステムコンポーネントを受容するようなサイズ及び形状にされる。
図37に見られるように、中心ローブコンポーネント402の本体416は、その内側426及びその外側428の両方に形成されたカットアウト424を有する。カットアウト424は、1つ又は複数のキールなどの修正脛骨トレイの下側に構造体を受け入れることを可能にする。
【0181】
図38及び
図39に示すように、内側ローブコンポーネント404及び外側ローブコンポーネント406の両方は、中心ローブコンポーネント402の外面に形状が対応する湾曲した内側側壁432を含む本体430を有する。従って、中心ローブコンポーネント402に固定されると、内側ローブコンポーネント404の内側側壁432は、中心ローブコンポーネントの本体416の内側426と形状が一致する。同様に、中心ローブコンポーネント402に固定されると、外側ローブコンポーネント406の内側側壁432は、中心ローブコンポーネントの本体416の外側428と形状が一致する。
図38~
図40に見られるように、内側ローブコンポーネント404及び外側ローブコンポーネント406は、コンポーネントの上端436からその下端438まで下向きに先細になる湾曲した外面434を含む。このようにして、側面コンポーネント404、406の下端438は、中心ローブコンポーネント402に固定されたときに中心ローブコンポーネント402の外面に融合する。
【0182】
サイドローブコンポーネント404、406は、多種多様な幾何学的形状で提供されてもよいことを理解されたい。特に、サイドローブコンポーネント404、406は、外科医が組み立てられたモジュール式脛骨円錐オーグメント400の幾何学的形状をカスタマイズするための広範囲の選択肢をもたらすために、広範囲の幅、長さ、曲率などで設けられてもよい。このようにして、外科医は、様々な程度の骨の損失及び/又は様々な患者の解剖学的構造に対応するためにモジュール式脛骨円錐オーグメント400を使用することができる。
【0183】
内側ローブコンポーネント404及び外側ローブコンポーネント406の両方の上端436を画定する表面は、その中に形成された凹部440を有する。
図40及び
図41に見られるように、内側ローブコンポーネント404及び外側ローブコンポーネント406のいずれか又は両方が中心ローブコンポーネント402に固定されると、凹部440は中心ローブコンポーネント402に形成されたカットアウト424と位置合わせする。凹部440は、カットアウト424と協働して、1つ又は複数キールなどの修正脛骨トレイの下側に構造体を受け入れることを可能にする。
【0184】
図37に見られるように、中心ローブコンポーネント402は、その内側426及びその外側428の両方に形成されたコネクタ450を有する。コネクタ450は、内側ローブコンポーネント404及び外側ローブコンポーネント406に形成されたコネクタ460と嵌合して、モジュール式脛骨円錐オーグメント400の組み立て中にコンポーネント404、406の一方又は両方が中心ローブコンポーネント402に固定されることを可能にする。本明細書に記載の例示的な実施形態では、コネクタ450、460は蟻継ぎを画定する。このようにして、コネクタ460は、中心ローブコンポーネント402のコネクタ450を具現化する蟻継ぎ型スロット452の対応する対に受容される一対の蟻継ぎ型タブ462として具現化される。タブ462及びスロット452は、それらの上端から、それらの下端まで下向きに先細になっている。従って、タブ462がスロット452内に前進するときにテーパロックが形成され、それによってコンポーネント404、406を中心ローブコンポーネント402にロックする。内側ローブコンポーネント404上の一対のタブ462の各々の間の半径方向距離は、外側ローブコンポーネント406上の一対のタブ462の各々の間の半径方向距離と同じである。従って、サイドローブコンポーネント404、406は、実際には、中心ローブコンポーネント402の両側に設置されてもよい。これは、モジュール式脛骨円錐オーグメント400の可撓性を高めるが、それは、そのサイドローブコンポーネントが互いに交換可能であり、従って、そのサイドローブコンポーネントのいずれかがその中心ローブコンポーネント402のいずれかの側に固定され得るからである。
【0185】
上述した脛骨円錐コンポーネント12の本体16及び大腿骨円錐オーグメント112の本体116と同様に、モジュール式脛骨円錐オーグメント400のローブコンポーネント402、404、406の本体416、430は、例示的に、その上に配置された多孔質金属コーティング470を有する中実金属ベース472として具現化される。中実金属ベース472及び多孔質金属コーティング470は、脛骨円錐コンポーネント12に関して上述した中実金属ベース32及び多孔質金属コーティング30と同様の方法で具現化及び製造することができ、そのような特徴、方法、出発材料、及び代替形態は全て、簡潔にするために本明細書では繰り返さない。本明細書に記載の例示的な実施形態では、脛骨円錐オーグメント12に関して上述したのと同様に、多孔質金属コーティング470は、中実金属ベース472と同時に付加製造されることによって、ローブコンポーネント402、404、406の中実金属ベース472上に配置されて、2つの金属構造体の共通のモノリシックコンポーネントを形成する。
【0186】
図37、
図40、及び
図41に見られるように、中空本体416のボア418を画定する内側側壁476は、その中に形成されたいくつかのセメントポケット478を有する。骨セメントは、脛骨修正プロテーゼの移植中にモジュール式脛骨円錐オーグメント400へのセメントの接着を増大させるためにセメントポケット478内に受容される。
【0187】
使用中、モジュール式脛骨円錐オーグメント400は、脛骨修正プロテーゼを埋め込むために外科手術中に外科医によって使用されてもよい。そのような処置の間、外科医は患者の骨を評価する。具体的には、外科医は、患者の脛骨の近位端の骨組織の状態を判定する。そこから、外科医は、必要とされる円錐オーグメントのサイズ及びタイプ、例えば、同心、二葉型、又は三葉型円錐オーグメントを判定することができる。次いで、外科医は、埋め込まれる脛骨円錐オーグメントのサイズ及びタイプに対応する患者の脛骨の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞を形成する。
【0188】
次いで、外科医は、選択された内側ローブコンポーネント404又は選択された外側ローブコンポーネント406、又はその両方を選択された中心ローブコンポーネント402にロックすることによって、外科的に準備された空洞の形状に対応するモジュール式脛骨円錐オーグメント400を組み立てて、埋め込まれる脛骨円錐オーグメントの所望のサイズ及び構成を組み立てることができる。上述したように、所与の外科用途の必要性に適合するために、モジュール式脛骨円錐オーグメント400は、三葉型脛骨オーグメント(すなわち、3つのローブコンポーネント402、404、406の全てを有する)、二葉型脛骨オーグメント(すなわち、中心ローブコンポーネント402と、内側ローブコンポーネント404又は外側ローブコンポーネント406の一方のみを有し、両方を有さない)、又は同心脛骨オーグメント(すなわち、中心ローブコンポーネント402を有するが、内側ローブコンポーネント404も外側ローブコンポーネント406も有さない)として組み立てられてもよい。更に、コンポーネント402、404、406の各々は、外科医の選択肢を増大するために、様々な形状及びサイズで提供されてもよい。
【0189】
モジュール式脛骨円錐オーグメント400の所望の構成が組み立てられると、外科医は、次に、脛骨の近位端に形成された外科的に準備された空洞内に組み立てられた構築物を設置することができる。
【0190】
図42~
図45に見られるように、大腿骨円錐オーグメント112は、オーグメントの中空本体116のボア118を画定する内側側壁136に固定された一対の衝撃ラグ122、124を有する。衝撃ラグ122、124は、内側側壁136の両側に固定される。具体的には、本明細書に記載の例示的な実施形態では、内側衝撃ラグ122は、内側側壁136の内側に固定され、外側衝撃ラグ124は、内側側壁136の外側に固定される。
【0191】
図43及び
図44に見られるように、衝撃ラグ122、124は、内側側壁136からオーグメントのボア118の中心軸110に向かって内側に延在する。更に、衝撃ラグ122、124の各々は、平坦な最下衝撃面126を有する。以下により詳細に説明するように、衝撃ラグ122、124の衝撃面126は、大腿骨円錐オーグメント112を患者の膝の中に設置する間に使用される。
図42及び
図45に最もよく見られるように、衝撃ラグ122、124は、ラグの衝撃面126から上方に延在する湾曲した外側本体128を含む。衝撃ラグ122、124の湾曲した外側本体128は、
図42及び
図45に示されるように、その上端134がオーグメントの内側側壁136に融合するように、上下方向におけるその長さに沿って先細になっている。
【0192】
図42、
図44、及び
図45に最もよく見られるように、衝撃ラグ122、124は、大腿骨円錐オーグメントの中空本体116のボア118内に配置される。特に、衝撃ラグ122、124は、オーグメントの中空本体116の上端140と下端142との間の位置に配置される。このようにして、衝撃ラグ122、124の衝撃面126は、本体の上端140から、下方に、及び本体の下端142から上方に離間している。本明細書に記載の例示的な実施形態では、各衝撃ラグ122、124の上端134は、中空本体116の上端140から下方に離間している。
【0193】
図42~
図44に最もよく見られるように、大腿骨円錐オーグメント112の後側に形成されたボックスカットアウト120は、平坦な下向き面146と、一対の対向する側面148とによって画定される。以下により詳細に説明するように、ボックスカットアウト120の平坦な下向き面146は、衝撃ラグ122、124の衝撃面126と共に、大腿骨円錐オーグメント112を設置するためにインパクタヘッドによって接触される衝撃面を画定する。
【0194】
本明細書に記載の例示的な実施形態では、衝撃ラグ122、124の衝撃面126は同一平面上にある。特に、
図44に見られるように、衝撃ラグ122、124の衝撃面126は、内側/外側方向に延在する共通平面108上にある。
図44及び
図45に見られるように、本明細書に記載の例示的な実施形態では、ボックスカットアウト120の下向き衝撃面146は、衝撃ラグ122、124の衝撃面126と同一平面上にある。従って、ボックスカットアウト120の下向き衝撃面146も平面108上にある。
【0195】
ここで
図46~
図49を参照すると、膝円錐トライアルコンポーネント500、具体的には大腿骨円錐トライアルコンポーネント512が示されている。本明細書で使用される場合、「膝円錐トライアルコンポーネント」という用語は、整形外科手術の実行中に膝円錐オーグメントの適合を試験又は評価する際に外科医によって使用される整形外科用手術器具を指す。従って、本明細書で使用される場合、「膝円錐トライアルコンポーネント」という用語は、患者の体内に外科的に埋め込まれた整形外科用インプラント若しくはプロテーゼ、又は整形外科手術中に他の機能を実行するために使用される他の整形外科用手術器具(例えば、管リーマ、髄内ロッドなど)とは異なることを理解されたい。「大腿骨円錐トライアルコンポーネント」という用語は、大腿骨円錐オーグメント112などの大腿骨円錐オーグメントを模倣するようなサイズ及び形状の膝円錐トライアルコンポーネントを指す。
【0196】
大腿骨円錐トライアルコンポーネント512は、大腿骨円錐オーグメント112を模倣するように設計されているため、オーグメント112と同様の構造体を有する。具体的には、
図46~
図49に見られるように、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512は、その前方で開いている細長い中空本体516を含む。中空本体516によって画定されるボア518は、大腿骨修正トライアルプロテーゼ(図示せず)の大腿骨トライアルステムコンポーネントを受容するようなサイズ及び形状である。更に、ボア518のサイズ及び形状は、所与の外科設備の必要性に適合するために必要に応じて、大腿骨修正トライアルプロテーゼの大腿骨ステムトライアルコンポーネントの配置が大腿骨円錐トライアルコンポーネント512の中心から内側/外側方向にオフセットされることを可能にする。更に、本体516は、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512の後側に形成されたカットアウト520を有する。カットアウト520は、修正大腿骨トライアルコンポーネントのボックスのためのクリアランスを提供する。
【0197】
大腿骨円錐オーグメント112と同様に、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512は、トライアルコンポーネントの中空本体516のボア518を画定する内側側壁536に固定された一対の衝撃ラグ522、524を有する。衝撃ラグ522、524は、内側側壁536の両側に固定される。具体的には、本明細書に記載の例示的な実施形態では、内側衝撃ラグ522は、内側側壁536の内側に固定され、外側衝撃ラグ524は、内側側壁536の外側に固定される。
【0198】
図47に見られるように、衝撃ラグ522、524は、内側側壁536からトライアルコンポーネントのボア518の中心軸510に向かって内側に延在する。更に、衝撃ラグ522、524の各々は、平坦な最下衝撃面526を有する。以下により詳細に説明するように、衝撃ラグ522、524の衝撃面526は、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512を患者の膝の中に設置する間に使用される。
図46及び
図48に最もよく見られるように、衝撃ラグ522、524は、ラグの衝撃面526から上方に延在する湾曲した外側本体528を含む。衝撃ラグ522、524の湾曲した外側本体528は、
図48に示すように、その上端534がトライアルコンポーネントの内側側壁536に融合するように、上下方向のその長さに沿って先細になっている。
【0199】
図46~
図48に最もよく見られるように、衝撃ラグ522、524は、大腿骨円錐トライアルコンポーネントの中空本体516のボア518内に配置されている。特に、衝撃ラグ522、524は、オーグメントの中空本体516の上端540と下端542との間の位置に配置される。このようにして、衝撃ラグ522、524の衝撃面526は、本体の上端540から下方に、及び本体の下端542から上方に離間している。本明細書に記載の例示的な実施形態では、各衝撃ラグ522、524の上端534は、中空本体516の上端540から下方に離間している。
【0200】
図46及び
図47に最もよく見られるように、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512の後側に形成されたボックスカットアウト520は、平坦な下向き面546及び一対の対向する側面548によって画定される。以下により詳細に説明するように、ボックスカットアウト520の平坦な下向き面546は、衝撃ラグ522、524の衝撃面526と共に、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512を設置するためにインパクタヘッドによって接触される衝撃面を画定する。
【0201】
本明細書に記載の例示的な実施形態では、衝撃ラグ522、524の衝撃面526は同一平面上にある。特に、衝撃ラグ522、524の衝撃面526は、内側/外側方向に延在する共通平面508上にある。
図48に見られるように、本明細書に記載の例示的な実施形態では、ボックスカットアウト520の下向き衝撃面546は、衝撃ラグ522、524の衝撃面526と同一平面上にある。従って、ボックスカットアウト520の下向き衝撃面546も平面508上にある。
【0202】
上述したその他の整形外科用手術器具と同様に、本明細書に記載の例示的な実施形態では、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512はステンレス鋼で構成されている。大腿骨円錐トライアルコンポーネント512の所与の設計の必要性に適合するために、他の適切な材料を使用することができる。
【0203】
ここで
図50~
図52を参照すると、患者の膝の中へのオーグメント112及びトライアルコンポーネント512の設置中に大腿骨円錐オーグメント112及び大腿骨円錐トライアルコンポーネント512に衝撃を与えるように構成されたインパクタヘッド600が示されている。インパクタヘッド600の本体602の近位面604は、嵌入ハンドルに固定されるように構成されている。本明細書に記載の例示的な実施形態では、近位面604は、インパクタヘッド600を除去可能な嵌入ハンドル950(
図83参照)に接続するためのコネクタ606を含む。しかしながら、他の実施形態では、近位面604はまた、一体化された除去不能な嵌入ハンドルに固定されてもよいことを理解されたい。コネクタ606は、インパクタヘッド600の近位面604に形成されたD字形ソケット608を含む。D字形ソケット608は、嵌入ハンドル950のコネクタ954のD字形接続ピン952を受容するようなサイズ、形状、及び配置である(
図83参照)。インパクタヘッド600のコネクタ606はまた、コネクタリップ610を含む。嵌入ハンドルの接続ピン952がインパクタヘッド600のD字形ソケット608に挿入され、その後下方に前進すると、コネクタリップ610は、インパクタヘッド600を嵌入ハンドル950に固定するために、嵌入ハンドルのコネクタ954のロック爪956(
図53参照)によって係合される。
【0204】
近位面604の反対側に、インパクタヘッド600の本体602は、衝撃面616を含む。衝撃面616には、一対の衝撃ショルダ622、624がその中に形成されている。衝撃ショルダ622、624は、インパクタヘッド600の本体602の両側に形成されている。具体的には、本明細書に記載の例示的な実施形態では、内側衝撃ショルダ622は、インパクタヘッド600の本体602の内側に形成され、外側衝撃ショルダ624は、インパクタヘッド600の本体602の外側に形成される。衝撃ショルダ622、624の各々は、ガイドスロット628のブラインド近位端を画定する平坦な衝撃面626を有する。
図54~
図56に示すように、衝撃面626は、大腿骨円錐オーグメント112を患者の膝の中に設置する間にインパクタヘッド600が使用されるときに、衝撃ラグ122、124の衝撃面126上に配置されるようなサイズ及び形状である。同様に、
図57~
図59に示すように、衝撃面626はまた、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512を患者の膝の中に設置する間にインパクタヘッド600が使用されるときに、衝撃ラグ522、524の衝撃面526上に配置されるようなサイズ及び形状である。
【0205】
また、衝撃面616は、その中に衝撃リップ630が形成されている。衝撃リップ630は、インパクタヘッドの衝撃ショルダ622、624の衝撃面626と同じ方向に面する平坦な衝撃面632を有する。
図54~
図56に示すように、衝撃リップ630の衝撃面632は、大腿骨円錐オーグメント112を患者の膝の中に設置する間にインパクタヘッド600が使用されるときに、大腿骨円錐オーグメント112のボックスカットアウト120の平坦な下向き面146上に配置されるようなサイズ及び形状である。同様に、
図57~
図59に示すように、衝撃リップ630の衝撃面632はまた、患者の膝の中への大腿骨円錐トライアルコンポーネント512の設置中にインパクタヘッド600が使用されるときに、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512のボックスカットアウト520の平坦な下向き面546上に配置されるようなサイズ及び形状である。
【0206】
本明細書に記載の例示的な実施形態では、衝撃ショルダ622、624の衝撃面626は同一平面上にある。特に、衝撃ショルダ622、624の衝撃面626は、内側/外側方向に延在する共通平面618上にある。
図51に見られるように、本明細書に記載の例示的な実施形態では、衝撃リップ630の平坦な衝撃面632は、衝撃ショルダ622、624の衝撃面626と同一平面上にある。従って、衝撃リップ630の衝撃面632も平面618上にある。
【0207】
外科用ブローチ14、114と同様に、本明細書に記載の例示的な実施形態では、インパクタヘッド600はステンレス鋼で構成されている。他の適切な材料を使用して、インパクタヘッド600の所与の設計の必要性に適合させることができる。
【0208】
更に、インパクタヘッド600は、大腿骨円錐オーグメント112及び大腿骨円錐トライアルコンポーネント512の異なる構成に対応するように、いくつかの異なる構成で提供されてもよい。特に、インパクタヘッド600は、大腿骨円錐オーグメント112及び大腿骨円錐トライアルコンポーネント512のサイズに適合するように様々な異なるサイズで構成されてもよい。従って、例示的な一実施形態では、インパクタヘッド600は、4つの異なるサイズ(例えば、サイズ小(S)、中(M)、大(L)、特大(XL))で提供されてもよいが、大腿骨円錐オーグメント112及び大腿骨円錐トライアルコンポーネント512がそのような追加のサイズで提供される場合、インパクタヘッド600の追加のサイズ(例えば、サイズ2倍超大(XXL))も提供され得る。
【0209】
図53に見られるように、インパクタヘッド600は、一次大腿骨インプラントが患者の大腿骨300の遠位端302から除去されている修正処置において大腿骨円錐オーグメント112の設置中に使用されてもよい。インパクタヘッド600はまた、そのような修正処置中に大腿骨円錐トライアルコンポーネント512を設置するために使用されてもよい。大腿骨円錐オーグメント112又は大腿骨円錐トライアルコンポーネント512のいずれかの設置に先立って、大腿骨円錐オーグメント112(又はトライアルコンポーネント512)を受容するための空洞322が、まず、患者の大腿骨300の遠位端302に外科的に準備される。
図32~
図36に関して上述した方法は、そのような方法で、患者の大腿骨300の遠位端302を外科的に準備するための処置として使用されてもよい。しかしながら、そのような外科手術は、患者の骨の解剖学的構造の状態及び外科医の選好に応じて、追加の、より少ない、又は代替のステップを含むことができることを理解されたい。
【0210】
外科的に準備された空洞322が患者の大腿骨300の遠位端302に形成されると、外科医は、空洞322内に適切なサイズの大腿骨円錐オーグメント112を配置する。その後、外科医は、インパクタヘッド600を利用して大腿骨円錐オーグメント112に衝撃を与える。そうするために、外科医は、まず、サイズが大腿骨円錐オーグメント112に対応するインパクタヘッド600を、嵌入ハンドル950に設置されている状態に接続する。具体的には、嵌入ハンドルの接続ピン952(
図83参照)は、インパクタヘッド600のD字形ソケット608に挿入され、その後、下方に前進され、それにより、インパクタヘッド600のコネクタリップ610は、次に、インパクタヘッド600を嵌入ハンドル950に固定するために、嵌入ハンドルのコネクタ954のロック爪956によって係合される。
【0211】
次いで、外科医は、嵌入ハンドル950を利用して、インパクタヘッド600の遠位端を患者の大腿骨300の遠位端302に配置された大腿骨円錐オーグメント112のボア118内に前進させる。インパクタヘッド600が大腿骨円錐オーグメントのボア118内に前進すると、オーグメントの衝撃ラグ122、124は、インパクタヘッドのガイドスロット628内に捕捉される。具体的には、内側衝撃ラグ122は、インパクタヘッド600の内側のガイドスロット628内に捕捉され、外側衝撃ラグ124は、インパクタヘッド600の外側のガイドスロット628内に捕捉される。外科医は、
図55に示すように、インパクタヘッド600を、衝撃ショルダ622、624の衝撃面626がオーグメントの衝撃ラグ122、124の衝撃面126とそれぞれ接触して配置される着座位置まで前進させる。そうすることにより、
図56に示すように、衝撃リップ630の衝撃面632は、設置されている大腿骨円錐オーグメント112のボックスカットアウト120の平坦な下向き面146と接触するように配置される。
【0212】
次いで、外科医は、その細長い本体(
図83参照)に画定されたグリップ960を介して嵌入ハンドル950を保持し、外科用マレット、スエッジ、又は他の衝撃ツールでハンドルの金属ストライクプレート964(
図83参照)の上面962を打ち付ける。その際、衝撃力は、衝撃ショルダ622、624の衝撃面626からそれぞれオーグメントの衝撃ラグ122、124の衝撃面126に伝達され、また、衝撃リップ630の衝撃面632からオーグメントのボックスカットアウト120の平坦な下向き面146に伝達され、それにより、大腿骨円錐オーグメント112を、患者の大腿骨300の遠位端302に形成された外科的に準備された空洞322の骨組織内に押し込む。
【0213】
外科医が大腿骨円錐オーグメント112を埋め込むと、外科医は次に、大腿骨円錐オーグメントを通してそのステムコンポーネントを設置し、その後、それを骨内の所定の位置に接合することによって、修正大腿骨プロテーゼを埋め込むことができる。
【0214】
大腿骨円錐オーグメント112を埋め込むそのような処置の間、外科医は、術中試験処置の一部として大腿骨円錐トライアルコンポーネント512のうちの1つ又は複数を使用することを選択することができることを理解されたい。
図57~
図59に示すように、インパクタヘッド600はまた、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512を設置するために使用されてもよい。具体的には、大腿骨円錐オーグメント112の移植に関して上述したのと同様の方法で、外科医は、患者の大腿骨300の遠位端302に形成された外科的に準備された空洞322内にトライアルコンポーネントが配置されると、嵌入ハンドル950を利用して、インパクタヘッド600の遠位端を大腿骨円錐トライアルコンポーネント512のボア518内に前進させることができる。インパクタヘッド600がトライアルコンポーネントのボア518内に前進すると、トライアルコンポーネントの衝撃ラグ522、524は、インパクタヘッドのガイドスロット628内に捕捉される。具体的には、内側衝撃ラグ522は、インパクタヘッド600の内側のガイドスロット628内に捕捉され、外側衝撃ラグ524は、インパクタヘッド600の外側のガイドスロット628内に捕捉される。外科医は、
図58に示すように、インパクタヘッド600を、衝撃ショルダ622、624の衝撃面626がトライアルコンポーネントの衝撃ラグ522、524の衝撃面526とそれぞれ接触して配置される着座位置に前進させる。そうすることにより、
図59に示すように、衝撃リップ630の衝撃面632は、設置されている大腿骨円錐トライアルコンポーネント512のボックスカットアウト520の平坦な下向き面546と接触するように配置される。
【0215】
次いで、外科医は、その細長い本体(
図83参照)に画定されたグリップ960を介して嵌入ハンドル950を保持し、外科用マレット、スエッジ、又は他の衝撃ツールでハンドルの金属ストライクプレート964(
図83参照)の上面962を打ち付ける。その際、衝撃力は、衝撃ショルダ622、624の衝撃面626からトライアルコンポーネントの衝撃ラグ522、524の衝撃面526にそれぞれ伝達され、また、衝撃リップ630の衝撃面632からトライアルコンポーネントのボックスカットアウト520の平坦な下向き面546に伝達され、それにより、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512を患者の大腿骨300の遠位端302に形成された外科的に準備された空洞322の骨組織内に押し込む。
【0216】
大腿骨円錐トライアルコンポーネント512がそのような方法で設置されると、外科医は、それを術中試験処置の実行において他のトライアルコンポーネントと共に使用することができる。外科医が試験処置の結果に満足すると、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512が(以下に説明する方法で)患者の大腿骨300から除去され、大腿骨円錐オーグメント112が上述の方法で埋め込まれる。
【0217】
また、他のタイプのオーグメント及びトライアルコンポーネントもまた、衝撃ラグで具体化され、対応する衝撃ショルダを有するインパクタヘッドと組み合わせて使用されてもよいことを理解されたい。特に、
図42~
図59の概念は、本明細書では大腿骨円錐オーグメント112(及び関連するトライアルコンポーネント512)との関連で説明されているが、
図42~
図49の概念はまた、患者の膝の脛骨又は大腿骨のいずれかで使用するための二葉型又は三葉型脛骨円錐オーグメント(及び関連するトライアルコンポーネント)又は同心円錐オーグメント(及び関連するトライアルコンポーネント)に組み込むこともできる。
【0218】
ここで
図60~
図62を参照すると、整形外科用関節置換システム10はまた、患者の脛骨200の近位端202内の外科的に準備された空洞222又は患者の大腿骨300の遠位端302内に形成された外科的に準備された空洞322のいずれかに埋め込むように構成された同心円錐オーグメント650を含む。同心円錐オーグメント650は、その近位端652からその遠位端654まで下向きに先細になる細長い円錐形の中空本体656を含む。中空本体656によって画定されているボア658は、同心円錐オーグメントが患者の脛骨200の近位端202に埋め込まれるときに脛骨修正プロテーゼ(図示せず)の脛骨ステムコンポーネントを受容するか、又は、同心円錐オーグメントが患者の大腿骨300の遠位端302に埋め込まれるときに大腿骨修正プロテーゼ(図示せず)の大腿骨ステムコンポーネントを受容するようなサイズ及び形状である。更に、本体656は、同心円錐オーグメント650の近位端652に形成された一対のカットアウト660を有する。カットアウト660は、修正脛骨トレイのキール又は修正大腿骨コンポーネントのボックスのためのクリアランスを提供する。
【0219】
図60及び
図61に見られるように、同心円錐オーグメントの中空本体656の近位端652は、本体の内側側壁662とその外側側壁664との間で半径方向に延在する環状リム668を画定する。カットアウト660が存在するため、環状リム668は中断された表面を有する。
【0220】
脛骨円錐コンポーネント12及び大腿骨円錐オーグメント112の本体と同様に、同心円錐オーグメント650の本体656は、例示的に、その上に配置された多孔質金属コーティング670を有する中実金属ベース672として具現化される。中実金属ベース672及び多孔質金属コーティング670は、脛骨円錐コンポーネント12に関して上述した中実金属ベース32及び多孔質金属コーティング30と同様の方法で具現化及び製造することができ、そのような特徴、方法、出発材料、及び代替形態は全て、簡潔にするために本明細書では繰り返さない。本明細書に記載の例示的な実施形態では、脛骨円錐オーグメント12に関して上述したのと同様に、多孔質金属コーティング670は、中実金属ベース672と同時に付加製造されていることにより、同心円錐オーグメント650の中実金属ベース672上に配置されて、2つの金属構造体の共通のモノリシックコンポーネントを形成する。
【0221】
図60及び
図62に見られるように、中空本体656のボア658を画定する内側側壁662は、その中に形成されたいくつかのセメントポケット674を有する。骨セメントは、脛骨修正プロテーゼ又は大腿骨修正プロテーゼの移植中に同心円錐オーグメント650へのセメントの接着を増大させるためにセメントポケット674内に受容される。
【0222】
脛骨円錐オーグメント12及び大腿骨円錐オーグメント112と同様に、同心円錐オーグメント650は、所与の患者の解剖学的構造の必要性に適合するように、いくつかの異なる構成で提供されてもよい。特に、同心円錐オーグメント650は、患者の解剖学的構造に適合するように、及び/又は広範囲の骨の損失に対応するように、様々な異なるサイズで構成することができる。例示的な一実施形態では、同心円錐オーグメント650は、4つの異なるサイズ(例えば、サイズ小(S)、中(M)、大(L)、特大(XL))で提供されてもよいが、整形外科用関節置換システム10の所与の設計の必要性に適合するために他のサイズ(例えば、サイズ2倍超大(XXL))も提供されてもよい。中空本体656の環状リム668の内径は、同心円錐オーグメント650のサイズに応じて変化する。具体的には、オーグメントの環状リム668の内径(IDAUG)は、同心円錐オーグメント650のサイズが増大するにつれて増大する。言い換えると、サイズMの同心円錐オーグメント650の環状リム658は、サイズSの同心円錐オーグメント650の環状リム658よりも大きい内径(IDAUG)を有するが、サイズL(又はサイズXL)の同心円錐オーグメント650の環状リム658よりも小さい内径(IDAUG)を有する。
【0223】
ここで
図63~
図65を参照すると、別の膝円錐トライアルコンポーネント700、具体的には同心円錐トライアルコンポーネント702が示されている。本明細書で使用される場合、「同心円錐トライアルコンポーネント」という用語は、同心円錐オーグメント650などの同心円錐オーグメントを模倣するサイズ及び形状の膝円錐トライアルコンポーネントを指す。
【0224】
同心円錐トライアルコンポーネント702は、同心円錐オーグメント650を模倣するように設計されているため、オーグメント650と同様の構造体を有する。具体的には、
図63~
図65に見られるように、同心円錐トライアルコンポーネント702は、その近位端712からその遠位端714まで下向きに先細になる細長い円錐形の中空本体716を含む。中空本体716によって画定されているボア718は、同心円錐トライアルコンポーネント702が患者の脛骨200の近位端202に設置されるときに脛骨修正トライアルプロテーゼ(図示せず)の脛骨ステムトライアルコンポーネントを受容するか、又は、同心円錐トライアルコンポーネント702が患者の大腿骨300の遠位端302に設置されるときに大腿骨修正トライアルプロテーゼ(図示せず)の大腿骨ステムトライアルコンポーネントを受容するようなサイズ及び形状である。更に、トライアルコンポーネントの本体716は、同心円錐トライアルコンポーネント702の近位端712に形成された一対のカットアウト720を有する。カットアウト720は、修正脛骨トレイトライアルコンポーネントのキール又は修正大腿骨トライアルコンポーネントのボックスのためのクリアランスを提供する。
【0225】
図63及び
図64に見られるように、トライアルコンポーネントの中空本体716の近位端712は、本体の内側側壁722とその外側側壁724との間に半径方向に延在する環状リム728を画定する。カットアウト720が存在するため、環状リム668は中断された表面を有する。
【0226】
同心円錐トライアルコンポーネント700は、同心円錐オーグメント650の異なる構成に対応するように、いくつかの異なる構成で提供されてもよい。特に、同心円錐トライアルコンポーネント700は、同心円錐オーグメント650のサイズの範囲に適合するように、様々な異なるサイズで構成されてもよい。例示的な一実施形態では、同心円錐トライアルコンポーネント700は、4つの異なるサイズ(例えば、サイズ小(S)、中(M)、大(L)、特大(XL))で提供されてもよいが、そのような追加のサイズの同心円錐オーグメント650も提供される場合、他のサイズ(例えば、サイズ2倍超大(XXL))も提供されてもよい。それが模倣するオーグメントと同様に、中空本体716の環状リム728の内径は、同心円錐トライアルコンポーネント700のサイズに応じて変化する。具体的には、同心円錐トライアルコンポーネント700のサイズが増大するにつれて、トライアルコンポーネントの環状リム728の内径(IDTRI)が増大する。言い換えると、サイズMの同心円錐トライアルコンポーネント700の環状リム728は、サイズSの同心円錐トライアルコンポーネント700の環状リム728よりも大きい内径(IDTRI)を有するが、サイズL(又はサイズXL)の同心円錐トライアルコンポーネント700の環状リム728よりも小さい内径(IDTRI)を有する。
【0227】
ここで
図66~
図69を参照すると、患者の膝の中へのオーグメント650及びトライアルコンポーネント700の設置中に、同心円錐オーグメント650及び同心円錐トライアルコンポーネント700に衝撃を与えるように構成されたインパクタヘッド800が示されている。上述のインパクタヘッド600と同様に、インパクタヘッド800の本体802の近位面804は、除去可能な嵌入ハンドルに固定されるように構成される。本明細書に記載の例示的な実施形態では、近位面804は、インパクタヘッド800を嵌入ハンドル950(
図83参照)に接続するためのコネクタ806を含む。しかしながら、他の実施形態では、近位面804はまた、一体化された除去不能な嵌入ハンドルに固定されてもよいことを理解されたい。コネクタ806は、インパクタヘッド800の近位面804に形成されているD字形ソケット808を含む。D字形ソケット808は、嵌入ハンドル950のコネクタ954のD字形接続ピン952を受容するようなサイズ、形状、及び配置である(
図83参照)。インパクタヘッド800のコネクタ806はまた、コネクタリップ810を含む。嵌入ハンドルの接続ピン952がインパクタヘッド800のD字形ソケット808に挿入され、その後下方に前進すると、コネクタリップ810は、インパクタヘッド800を嵌入ハンドル950に固定するために、嵌入ハンドルのコネクタ954のロック爪956((
図70及び
図71参照)によって係合される。
【0228】
近位面804の反対側に、インパクタヘッド800の本体802は、衝撃面816を含む。衝撃面816は、その中に形成されたいくつかの環状の同心818を有する。本明細書に記載の例示的な実施形態では、同心フランジ818は、導入フランジ820及び一対の衝撃フランジ822、824を含む。
図67~
図69に見られるように、導入フランジ820の直径(D
F1)は、衝撃フランジ822の直径(D
F2)及び衝撃フランジ824の直径(D
F3)よりも小さい。また、衝撃フランジ822の直径(D
F2)は、衝撃フランジ824の直径(D
F3)よりも小さい。そのような段付き表面設計は、異なるサイズの同心円錐オーグメント650及び同心円錐トライアルコンポーネント700の設置においてインパクタヘッド800を使用することを可能にし、それによって、オーグメント及びトライアルコンポーネントの各サイズについてインパクタヘッドを有する必要性を排除する。
【0229】
例えば、インパクタヘッド800は、サイズLの同心円錐オーグメント650(
図72に示すように)及びサイズXLの同心円錐オーグメント650(
図73に示すように)の両方を設置するために使用することができる。
図72に見られるように、2つのサイズの同心円錐オーグメント650(例えば、サイズLのオーグメント対サイズXLのオーグメント)のうちの小さい方を設置するために使用されるとき、導入フランジ820の直径(D
F1)は、オーグメントの環状リム668の内径(ID
AUG)よりも小さく、それによって、導入フランジ820がオーグメントのボア658内に前進させられることを可能にする。しかしながら、衝撃フランジ822の直径(D
F2)及び衝撃フランジ824の直径(D
F3)の両方は、オーグメントの環状リム668の内径(ID
AUG)よりも大きい。このように、衝撃フランジ822は、インパクタヘッド800の導入フランジ820がオーグメントのボア658内に配置されたときにオーグメントの環状リム668の頂部に載置され、それにより、オーグメントの設置中に衝撃力が衝撃フランジ822から、オーグメントの環状リム668に伝達されることを可能にする。
図73に見られるように、2つのサイズの同心円錐オーグメント650(例えば、サイズXLのオーグメント対サイズLのオーグメント)のうちの大きい方を設置するために使用されるとき、導入フランジ820の直径(D
F1)及び衝撃フランジ822の直径(D
F2)の両方は、オーグメントの環状リム668の内径(ID
AUG)よりも小さく、それによって、導入フランジ820及び衝撃フランジ822の両方がオーグメントのボア658内に前進されることを可能にする。しかしながら、衝撃フランジ824の直径(D
F3)は、オーグメントの環状リム668の内径(ID
AUG)より大きい。このように、衝撃フランジ824は、インパクタヘッド800の導入フランジ820及び衝撃フランジ822がオーグメントのボア658内に配置されたときにオーグメントの環状リム668の上に載置され、それにより、オーグメントの設置中に衝撃力が衝撃フランジ824から、オーグメントの環状リム668に伝達されることを可能にする。
【0230】
図74及び
図75に示すように、インパクタヘッド800は、同様の方法で、2つの異なるサイズの同心円錐トライアルコンポーネント700の設置に使用することもできる。特に、
図74に見られるように、同心円錐トライアルコンポーネント700の2つのサイズのうちの小さい方(例えば、サイズXLのトライアルコンポーネントに対するサイズLのトライアルコンポーネント)を設置するために使用される場合、導入フランジ820の直径(D
F1)は、トライアルコンポーネントの環状リム728の内径(ID
TRI)よりも小さく、それにより、導入フランジ820をトライアルコンポーネントのボア718内に前進させることができる。しかしながら、衝撃フランジ822の直径(D
F2)及び衝撃フランジ824の直径(D
F3)の両方は、トライアルコンポーネントの環状リム728の内径(ID
TRI)よりも大きい。従って、衝撃フランジ822は、インパクタヘッド800の導入フランジ820がトライアルコンポーネントのボア718内に配置されたときにトライアルコンポーネントの環状リム728の上に載置され、それによって、トライアルコンポーネントの設置中に衝撃力が衝撃フランジ822からトライアルコンポーネントの環状リム728に伝達されることを可能にする。
図75に見られるように、同心円錐トライアルコンポーネント700の2つのサイズのうちの大きい方(例えば、サイズLのトライアルコンポーネントに対するサイズXLのトライアルコンポーネント)を設置するために使用される場合、導入フランジ820の直径(D
F1)及び衝撃フランジ822の直径(D
F2)の両方は、トライアルコンポーネントの環状リム728の内径(ID
TRI)よりも小さく、それによって導入フランジ820及び衝撃フランジ822の両方がトライアルコンポーネントのボア718内に前進することを可能にする。しかしながら、衝撃フランジ824の直径(D
F3)は、トライアルコンポーネントの環状リム728の内径(ID
TRI)よりも大きい。従って、衝撃フランジ824は、導入フランジ820及びインパクタヘッド800の衝撃フランジ822がトライアルコンポーネントのボア718内に配置されたときにトライアルコンポーネントの環状リム728の上に載置され、それによって、トライアルコンポーネントの設置中に衝撃力が衝撃フランジ824からトライアルコンポーネントの環状リム728に伝達されることを可能にする。
【0231】
インパクタヘッド800と同心円錐オーグメント650及び同心円錐トライアルコンポーネント700との関係は、サイズL及びサイズXLのオーグメント及びトライアルコンポーネントに関して例示的に説明されているが、インパクタヘッド800は、他のサイズで使用するように構成されてもよいことを理解されたい。例えば、サイズS及びサイズMのオーグメント及びトライアルコンポーネントと共に使用するために、単一のインパクタヘッド800を設計することができる。更に、追加の衝撃フランジ(衝撃フランジ822、824を超えて)を追加することによって、インパクタヘッド800は、2つ以上のサイズのオーグメント及びトライアルコンポーネントと共に使用することができる。例えば、インパクタヘッド800は、三つの衝撃フランジを備えて構成されてもよく、それにより、インパクタヘッドは、三つの異なるサイズのオーグメント及びトライアルコンポーネントの設置に使用されることが可能になる。
【0232】
上述したその他の整形外科用手術器具と同様に、本明細書に記載の例示的な実施形態では、インパクタヘッド800はステンレス鋼で構成されている。他の適切な材料を使用して、インパクタヘッド800の所与の設計の必要性に適合させることができる。
【0233】
図70及び
図71に見られるように、インパクタヘッド800は、一次脛骨インプラントが患者の脛骨200の近位端202から除去されている(
図70)或いは一次大腿骨インプラントが患者の大腿骨300の遠位端302から除去されている(
図71)修正処置において同心円錐オーグメント650の設置中に使用されてもよい。インパクタヘッド800はまた、そのような修正処置中に同心円錐トライアルコンポーネント700を設置するために使用されてもよい。同心円錐オーグメント650又は同心円錐トライアルコンポーネント700のいずれかの設置に先立って、同心円錐オーグメント650(又はトライアルコンポーネント700)を受容するための空洞222が最初に患者の脛骨200の近位端202(
図70)内に外科的に準備され、又は、同心円錐オーグメント650(又はトライアルコンポーネント700)を受容するための空洞322が最初に患者の大腿骨300の遠位端302内に外科的に準備される。
図25~
図31に関して上述した方法は、患者の脛骨200の近位端202に空洞222を外科的に準備するための処置として使用されてもよく、
図32~
図36に関して上述した方法は、患者の大腿骨300の遠位端302内に空洞322を外科的に準備するための処置として使用されてもよい。しかしながら、そのような外科手術は、患者の骨の解剖学的構造の状態及び外科医の選好に応じて、追加の、より少ない、又は代替のステップを含むことができることを理解されたい。
【0234】
外科的に準備された空洞222又は外科的に準備された空洞322が患者の骨に形成されると、外科医は、空洞内に適切なサイズの同心円錐オーグメント650を配置する。その後、外科医は、インパクタヘッド800を利用して同心円錐オーグメント650に衝撃を与える。そうするために、外科医は、最初にインパクタヘッド800を嵌入ハンドル950に接続する。そうするために、嵌入ハンドルの接続ピン952(
図83参照)は、インパクタヘッド800のD字形ソケット808に挿入され、その後、下方に前進する。次いで、インパクタヘッド800のコネクタリップ810は、嵌入ハンドルのコネクタ954のロック爪956によって係合されて、インパクタヘッド800を嵌入ハンドル950に固定する。
【0235】
次いで、外科医は、嵌入ハンドル950を利用して、インパクタヘッド800の遠位端を患者の骨内に配置されている同心円錐オーグメント650のボア658内に前進させる。その際、インパクタヘッド800の導入フランジ820は、同心円錐オーグメントのボア658内に前進される。設置されている同心円錐オーグメント650のサイズに応じて、衝撃フランジ822は、オーグメントの環状リム668上に載置するようになるか、又は(より大きなオーグメントの場合には)導入フランジ820と共にオーグメントのボア658内に前進し、その場合、衝撃フランジ824はオーグメントの環状リム668上に載置するようになる。いずれの場合も、インパクタヘッド800が着座すると、衝撃フランジ822、824の一方は、オーグメントの環状リム668と接触して配置される。
【0236】
次いで、外科医は、その細長い本体(
図83参照)に画定されたグリップ960を介して嵌入ハンドル950を保持し、外科用マレット、スエッジ、又は他の衝撃ツールでハンドルの金属ストライクプレート964(
図83参照)の上面962を打ち付ける。その際、衝撃力は、衝撃フランジ822又は衝撃フランジ824(オーグメントのサイズに基づいていずれがオーグメントの環状リム668と接触しているかに応じて)から、オーグメントの環状リム668に伝達され、それにより、同心円錐オーグメント650を骨組織内に押し込む。
【0237】
外科医が同心円錐オーグメント650を埋め込んだ後、外科医は、同心円錐オーグメント650を通してそのステムコンポーネントを設置し、その後、それを骨内の所定の位置に接合することによって、修正プロテーゼを埋め込むことができる。
【0238】
同心円錐オーグメント650を埋め込むそのような処置の間、外科医は、術中試験処置の一部として同心円錐トライアルコンポーネント700のうちの1つ又は複数を使用することを選択することができることを理解されたい。
図74及び
図75に示され、上述されたように、インパクタヘッド800はまた、同心円錐トライアルコンポーネント700を設置するために使用されてもよい。具体的には、同心円錐オーグメント650の移植に関して上述したのと同様の方法で、外科医は、患者の骨に形成された外科的に準備された空洞内にトライアルコンポーネントが配置されると、嵌入ハンドル950を利用して、インパクタヘッド800の遠位端を同心円錐トライアルコンポーネント700のボア718内に前進させることができる。インパクタヘッド800がトライアルコンポーネントのボア718内に前進すると、インパクタヘッド800の導入フランジ820は、同心円錐トライアルコンポーネントのボア718内に前進する。設置されている同心円錐トライアルコンポーネント700のサイズに応じて、衝撃フランジ822は、トライアルコンポーネントの環状リム728上に載置されるようになるか、又は導入フランジ820と共にトライアルコンポーネントのボア718内に前進され(より大きなトライアルコンポーネントの場合)、その場合、衝撃フランジ824は、トライアルコンポーネントの環状リム728上に載置されるようになる。いずれの場合も、インパクタヘッド800が着座すると、衝撃フランジ822、824のうちの一方は、トライアルコンポーネントの環状リム728と接触して配置されている。
【0239】
次いで、外科医は、その細長い本体(
図83参照)に画定されたグリップ960を介して嵌入ハンドル950を保持し、外科用マレット、スエッジ、又は他の衝撃ツールでハンドルの金属ストライクプレート964(
図83参照)の上面962を打ち付ける。その際、衝撃力は、衝撃フランジ822又は衝撃フランジ824(トライアルコンポーネントのサイズに基づいてトライアルコンポーネントの環状リム728と接触しているものに応じて)から、トライアルコンポーネントの環状リム728に伝達され、それによって同心円錐トライアルコンポーネント700を骨組織内に押し込む。
【0240】
同心円錐トライアルコンポーネント700がそのような方法で設置されると、外科医は、術中試験処置の実行において他のトライアルコンポーネントと共にそれを使用することができる。外科医が試験処置の結果に満足すると、同心円錐トライアルコンポーネント700が患者の膝から除去され(後述する方法で)、同心円錐オーグメント650が上述の方法で埋め込まれる。
【0241】
対応する同心の衝突フランジを有するインパクタヘッドと組み合わせて使用される他のタイプのオーグメント及びトライアルコンポーネントも具体化され得ることも理解されたい。特に、
図60~
図75の概念は、本明細書では同心円錐オーグメント650(及び関連するトライアルコンポーネント700)との関連で説明されているが、
図60~
図75の概念は、二葉型又は三葉型脛骨円錐オーグメント(及び関連するトライアルコンポーネント)又は大腿骨円錐オーグメント(及び関連するトライアルコンポーネント)に組み込むこともできる。
【0242】
ここで
図76~
図78を参照すると、整形外科用関節置換システム10の別の整形外科用手術器具が示されている。具体的には、術中試験処置におけるトライアルコンポーネントの使用後に患者の膝から膝円錐トライアルコンポーネントを抜去するように動作可能なトライアル摘出器850が示されている。例えば、トライアル摘出器850は、患者の大腿骨300の遠位端302に形成された外科的に準備された空洞322から大腿骨円錐トライアルコンポーネント512(
図46~
図49参照)を抜去するために使用されてもよい。トライアル摘出器850はまた、患者の脛骨200の近位端202に形成された外科的に準備された空洞222から脛骨円錐トライアルコンポーネント912(
図80~82参照)を抜去するために使用されてもよい。同様に、トライアル摘出器850を使用して、外科的に準備された空洞222、322のいずれかから同心円錐トライアルコンポーネント700(
図63~
図65参照)を抜去することができる。
【0243】
トライアル摘出器850は、除去可能な嵌入ハンドルに固定されるように構成されたコネクタ本体852を含む。本明細書に記載の例示的な実施形態では、コネクタ本体852は、トライアル摘出器850を嵌入ハンドル950(
図83参照)に接続するためのコネクタ856を含む。しかしながら、他の実施形態では、コネクタ本体852はまた、一体化された除去不能な嵌入ハンドルに固定されてもよいことを理解されたい。コネクタ856は、トライアル摘出器850の近位面854に形成されたD字形ソケット858を含む。D字形ソケット858は、嵌入ハンドル950のコネクタ954のD字形接続ピン952を受容するようなサイズ、形状、及び配置である(
図83参照)。トライアル摘出器850のコネクタ856はまた、コネクタリップ860を含む。嵌入ハンドルの接続ピン952がトライアル摘出器850のD字形ソケット858に挿入され、その後下方に前進すると、コネクタリップ860は、トライアル摘出器850を嵌入ハンドル950に固定するために、(
図79参照)嵌入ハンドルのコネクタ954のロック爪956によって係合される。
【0244】
トライアル摘出器850はまた、一対の摘出器アーム864、866を含む。摘出器アーム864、866は、ピボットピン868によってコネクタ本体852に枢動可能に結合される。具体的には、
図76に見られるように、コネクタ本体852は、互いに離間した一対の取付フランジ870によって部分的に画定された略U字形の構造体である。取付フランジ870の各々は、その中に画定された開口部872を有する。同様に、各摘出器アーム864、866の近位端874は、その中に画定された開口部876を有する。ピボットピン868は、アーム864、866を取付フランジ870に枢動可能に結合するように、コネクタ本体の取付フランジ870の開口部872及び摘出器アーム864、866の開口部876に配置される。
【0245】
図76に見られるように、トライアル摘出器850はまた、アーム864、866を互いに離れるように付勢するように、摘出器アーム864、866にばね付勢をかけるばね878を含む。本明細書に記載の例示的な実施形態では、ばね878は、ループ880から離れるように延在する一対のスプリングアーム882を有するループ880を有するトーションスプリングとして具現化される。
図76に見られるように、ピボットピン868は、ばねを捕捉するようにトーションスプリング878のループ880を通って延在する。スプリングアーム882の一方は、摘出器アーム864に対して付勢され、他方のスプリングアーム882は摘出器アーム866に付勢される。このようにして、スプリングアーム882は、摘出器アーム864、866を互いに離れるように付勢する。
【0246】
各摘出器アーム864、866は、その遠位端886に形成されたプロング884を有する。プロング884は、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512(
図46~
図49参照)、脛骨円錐トライアルコンポーネント912(
図80~82参照)、及び同心円錐トライアルコンポーネント700(
図63~
図65参照)などの膝円錐トライアルコンポーネントに形成された摘出開口部888に受容されるようなサイズ及び形状である。本明細書に記載の例示的な実施形態では、摘出開口部888の各々は菱形であり、プロング884の各々は、トライアルコンポーネントの菱形の摘出開口部888に受容される尖った先端890(
図78参照)を画定する。しかしながら、摘出開口部888及びプロング884の対応する尖った先端890は、所与の器具設計の必要性に適合する他の形状を有してもよいことを理解されたい。
【0247】
トライアルコンポーネントの各々は、摘出器アーム864、866に形成されたプロング884に対応するように、トライアルコンポーネントの互いに反対側に配置された少なくとも一対の摘出開口部888を含む。例えば、
図46~
図49に示すように、大腿骨円錐トライアルコンポーネント512は、トライアルコンポーネントの内側側壁536とその外側側壁538との間に延在する一対の摘出開口部888を含み、そのような摘出開口部888の一方は、トライアルコンポーネントの中空本体516の内側に配置され、他方の摘出開口部888は、その反対側の外側に配置される。更に、80~82に示すように、脛骨円錐トライアルコンポーネント912は、2対の摘出開口部888を含む。
図80及び
図81に最もよく見られるように、摘出開口部888の各々は、トライアルコンポーネントの内側側壁936とその外側側壁938との間に延在する。
図81に最もよく見られるように、一対の摘出開口部888は、脛骨円錐トライアルコンポーネント912の内側及び外側に配置され、その他の対は、トライアルコンポーネントの前側及び後側に配置される。
図63~
図65に示すように、同心円錐トライアルコンポーネント700は、その中に形成された複数対の摘出開口部888を有し、そのような摘出開口部の各々は、トライアルコンポーネントの中空本体716の内側側壁722と外側側壁724との間に延在する。
図64に最もよく見られるように、一方の対の摘出開口部888は、トライアルコンポーネント700の内側及び外側に配置され、他方の対は、トライアルコンポーネントの前側及び後側に配置される。
【0248】
ここで
図79を参照すると、トライアル摘出器850の使用は、一次大腿骨インプラントが患者の大腿骨300から以前に除去されている修正処置における患者の大腿骨300の遠位端302からの同心円錐トライアルコンポーネント700の除去との関連で例示的に説明される。しかしながら、トライアル摘出器850は、患者の脛骨200の近位端202から同心円錐トライアルコンポーネント700を除去するために、
図79に関して説明したのと同様の方法で使用されてもよいことが理解されるべきである。トライアル摘出器850はまた、
図79に関して説明したのと同様の方法で使用されて、患者の大腿骨300の遠位端302から大腿骨トライアルコンポーネント512又は患者の脛骨200の近位端202から脛骨円錐トライアルコンポーネント912を除去してもよい。
【0249】
同心円錐トライアルコンポーネント700を受容するための空洞322は、最初に、患者の大腿骨300の遠位端302に外科的に準備される。
図32~
図36に関して上述した方法は、そのような方法で、患者の大腿骨300の遠位端302を外科的に準備するための処置として使用されてもよい。しかしながら、そのような外科手術は、患者の骨の解剖学的構造の状態及び外科医の選好に応じて、追加の、より少ない、又は代替のステップを含むことができることを理解されたい。
【0250】
外科的に準備された空洞322が患者の大腿骨300の遠位端302に形成されると、外科医は、空洞322内に適切なサイズの同心円錐トライアルコンポーネント700を配置して設置する。外科医は、インパクタヘッド800を利用して、そのような設置中に同心円錐トライアルコンポーネント700に衝撃を与えることができ、又は患者の骨の解剖学的構造の状態及び外科医の選好に応じて、トライアルコンポーネント700を設置する際の追加の、より少ない、又は代替のステップを選択することができる。
【0251】
同心円錐トライアルコンポーネント700が患者の大腿骨300に設置されると、外科医は、それを術中試験処置の実行において他のトライアルコンポーネントと共に使用することができる。そうする際に、外科医は、設置されたトライアルコンポーネントの適合及び位置合わせを評価するために、試行可動域にわたって患者の膝を動かす。
【0252】
外科医が試験処置の結果に満足すると、同心円錐トライアルコンポーネント700は、トライアル摘出器850の使用によって患者の大腿骨300から除去される。そうするために、外科医は、最初にトライアル摘出器850を嵌入ハンドル950に接続する。具体的には、嵌入ハンドルの接続ピン952(
図83参照)は、トライアル摘出器850のD字形ソケット858に挿入され、その後、トライアル摘出器850のコネクタリップ860が嵌入ハンドルのコネクタ954のロック爪956によって係合されてトライアル摘出器850を嵌入ハンドル950に固定するように下方に前進される。
【0253】
次いで、外科医は、嵌入ハンドル950を利用して、器具の摘出器アーム864、866の遠位端886を患者の大腿骨300の遠位端302に設置された同心円錐トライアルコンポーネント700のボア718内に前進させる。そのような前進中、外科医は、摘出器アーム864、866を圧迫してトーションスプリング878のばね付勢に打ち勝ち、それによってプロング884がトライアルコンポーネントの環状リム728をクリアしてそのボア718に入ることを可能にするように、プロング884を互いに向かって付勢する。プロング884がトライアルコンポーネントのボア718内に配置されると、外科医は、それらを摘出開口部888の対の一方と位置合わせする。
図79の例示的な実施形態では、外科医は、トライアルコンポーネント700の内側及び外側でプロング884を摘出開口部888と位置合わせしているが、トライアルコンポーネント700の前側及び後側に配置された一対の摘出開口部888をその代わりに使用することもできる。
【0254】
プロング884が所望の一対の摘出開口部888と位置合わせされると、外科医は摘出器アーム864、866を穏やかに解放し、それによってトーションスプリング878のばね付勢がプロング884を互いに離れるように摘出開口部888内に付勢することを可能にする。具体的には、
図79の例示的な例では、プロング884の一方は、同心円錐トライアルコンポーネント700の内側の摘出開口部888内に捕捉され、他方のプロング884は、トライアルコンポーネント700の外側の摘出開口部888内に捕捉される。
【0255】
次いで、外科医は、その細長い本体(
図83参照)に画定されたグリップ960を介して嵌入ハンドル950を保持し、外科用マレット、スエッジ、又は他の衝撃ツールでハンドルの金属ストライクプレート964(
図83参照)の下面966を打ち付ける。そうすることで、抜去力は、トライアル摘出器850の摘出器アーム864、866から同心円錐トライアルコンポーネント700に伝達され、それによって、患者の大腿骨300の遠位端302に形成された外科的に準備された空洞322の骨組織からトライアルコンポーネント700を押し出す。
【0256】
同心円錐トライアルコンポーネント700が患者の大腿骨300から除去されると、外科医は、次に、上述した方法で同心円錐オーグメント650をその場所に設置し、その後、そのステムコンポーネントを同心円錐オーグメント650を通して設置し、その後、それを骨内の所定の位置に接合することによって、修正大腿骨プロテーゼを埋め込むことができる。
【0257】
図面及び上記の説明において本開示を詳細に例証及び説明してきたが、このような例証及び説明は、その性質上、あくまで例示的なものであって限定的なものとはみなすべきではなく、あくまで例示的な実施形態を示して説明してきたにすぎず、本開示の趣旨に含まれる全ての変更及び改変は保護されることが望ましいことが理解される。
【0258】
本明細書に述べられる装置、システム、及び方法の様々な特徴に由来する本開示の複数の利点が存在する。本開示の装置、システム、及び方法の代替的実施形態は、記載される特徴の全てを含まないことがあるが、そのような特徴の利点の少なくとも一部によって利するものである点に留意されたい。当業者であれば、本発明の特徴の1つ又は複数を組み込んだ、本開示の趣旨及び範囲内にある装置、システム、及び方法について、独自の実現例を容易に考案し得る。
【0259】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科用膝システムであって、
患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された複数の膝円錐トライアルコンポーネントであって、前記複数の膝円錐コンポーネントの各々が、内部を通してステムトライアルコンポーネントを受容するように構成された円錐形の中空本体を有し、前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントの各々の前記中空本体が、その中に形成された一対の摘出開口部を有し、前記一対の摘出開口部の各々が、前記中空本体の、他方とは反対の側に配置され、前記中空本体の内側側壁と外側側壁との間に延在する、複数の膝円錐トライアルコンポーネントと、
前記患者の膝の前記骨の前記端部における前記外科的に準備された空洞から前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントの各々を抜去するように動作可能なトライアル摘出器であって、(i)嵌入ハンドルに固定されるように構成されたコネクタ本体と、(ii)前記コネクタ本体に枢動可能に結合された一対の摘出器アームであって、前記一対の摘出器アームの各々が、その遠位端に形成されたプロングを有し、前記一対の摘出器アームの各々の前記プロングが、前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントの各々に形成された前記摘出開口部のうちの1つに受容されるようなサイズ及び形状である、一対の摘出器アームと、(iii)前記プロングを互いから離れるように付勢するように前記一対の摘出器アームにばね付勢をかけるばねと、を備える、トライアル摘出器とを備える、整形外科用膝システム。
(2) 前記トライアル摘出器の前記コネクタ本体が、互いに離間した一対の取付フランジを含み、
前記一対の取付フランジの各々が、その中に画定された開口部を有し、
前記一対の摘出器アームの各々の近位端が、その中に画定された開口部を有し、
前記トライアル摘出器が、ピボットピンを更に備え、
前記ピボットピンが、前記一対の摘出器アームを前記コネクタ本体に枢動可能に結合するように、前記一対の取付フランジの各々の前記開口部及び前記一対の摘出器アームの各々の前記開口部内に配置されている、実施態様1に記載の整形外科用膝システム。
(3) 前記一対の摘出器アームの各々の前記近位端が、前記一対の取付フランジの間に配置されている、実施態様2に記載の整形外科用膝システム。
(4) 前記ばねが、ループと一対のスプリングアームとを有するトーションスプリングを含み、
前記一対のスプリングアームの各々が、前記一対の摘出器アームの一方に対して付勢されており、
前記ピボットピンが、前記ループを通って延在する、実施態様2に記載の整形外科用膝システム。
(5) 前記一対の摘出開口部の各々が、菱形であり、
前記一対の摘出器アームに形成された前記プロングの各々が、前記菱形の摘出開口部のうちの1つに受容されるようなサイズ及び形状にされた尖った先端を備える、実施態様1に記載の整形外科用膝システム。
【0260】
(6) 前記一対の摘出開口部のうちの第1の摘出開口部が、前記中空本体の内側に配置され、
前記一対の摘出開口部のうちの第2の摘出開口部が、前記中空本体の外側に配置されている、実施態様1に記載の整形外科用膝システム。
(7) 前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された複数の大腿骨円錐トライアルコンポーネントを含む、実施態様1に記載の整形外科用膝システム。
(8) 前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントが、前記患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された複数の脛骨円錐トライアルコンポーネントを含む、実施態様1に記載の整形外科用膝システム。
(9) 前記複数の膝円錐トライアルコンポーネントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞及び前記患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞の一方又は両方に設置されるように構成された複数の同心の膝円錐トライアルコンポーネントを含む、実施態様1に記載の整形外科用膝システム。
(10) 整形外科用膝器具アセンブリであって、
(i)細長い本体と、(ii)前記細長い本体の近位端に固定された衝撃プレートと、(iii)前記衝撃プレートの反対側の前記細長い本体の遠位端に配置されたコネクタと、を含む嵌入ハンドルと、
前記嵌入ハンドルに取り外し可能に固定されたトライアル摘出器であって、(i)前記嵌入ハンドルの前記コネクタに固定されるように構成されたコネクタを有するコネクタ本体と、(ii)前記コネクタ本体に枢動可能に結合された一対の摘出器アームであって、前記一対の摘出器アームの各々が、その遠位端に形成されたプロングを有し、前記一対の摘出器アームの各々の前記プロングが、膝円錐トライアルコンポーネントに形成された摘出開口部内に受容されるようなサイズ及び形状である、一対の摘出器アームと、(iii)前記プロングを互いから離れるように付勢するように前記一対の摘出器アームにばね付勢をかけるばねと、を備える、トライアル摘出器とを備える、整形外科用膝器具アセンブリ。
【0261】
(11) 前記トライアル摘出器の前記コネクタ本体が、互いに離間した一対の取付フランジを含み、
前記一対の取付フランジの各々が、その中に画定された開口部を有し、
前記一対の摘出器アームの各々の近位端が、その中に画定された開口部を有し、
前記トライアル摘出器が、ピボットピンを更に備え、
前記ピボットピンが、前記一対の摘出器アームを前記コネクタ本体に枢動可能に結合するように、前記一対の取付フランジの各々の前記開口部及び前記一対の摘出器アームの各々の前記開口部内に配置されている、実施態様10に記載の整形外科用膝システム。
(12) 前記一対の摘出器アームの各々の前記近位端が、前記一対の取付フランジの間に配置されている、実施態様11に記載の整形外科用膝システム。
(13) 前記ばねが、ループと一対のスプリングアームとを有するトーションスプリングを含み、
前記一対のスプリングアームの各々が、前記一対の摘出器アームの一方に対して付勢されており、
前記ピボットピンが、前記ループを通って延在する、実施態様11に記載の整形外科用膝システム。
(14) 前記一対の摘出器アーム内に形成された前記プロングの各々が、菱形の摘出開口部内に受け入れられるようなサイズ及び形状の尖った先端を備える、実施態様10に記載の整形外科用膝システム。
(15) 患者の膝を外科的に準備する方法であって、
前記患者の前記膝の骨の端部に外科的に準備された空洞を形成することと、
前記骨の前記端部に形成された前記空洞内に膝円錐トライアルコンポーネントを配置することと、
試行可動域にわたって前記患者の前記膝を移動させることと、
トライアル摘出器の一対の摘出器アームの各々の遠位端が前記膝円錐トライアルコンポーネントのボア内に配置されるよう前記トライアル摘出器を前進させることであって、前記一対の摘出器アームの各々の前記遠位端は、その中に形成されたプロングを有する、前進させることと、
前記一対の摘出器アームの各々の前記プロングを、前記膝円錐トライアルコンポーネントに形成された一対の摘出開口部のうちの1つに配置することと、
前記骨の前記端部に形成された前記空洞から前記膝円錐トライアルコンポーネントを抜去するように、前記トライアル摘出器に抜去力を加えることと
を含む方法。
【0262】
(16) 前記トライアル摘出器を前進させることが、前記一対の摘出器アームを互いに向かって圧迫し、その前記遠位端に形成された前記プロングを前記膝円錐トライアルコンポーネントの前記ボア内に前進させることを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記一対の摘出器アームの各々の前記プロングを、前記膝円錐トライアルコンポーネントに形成された前記一対の摘出開口部のうちの1つの中に配置することが、前記一対の摘出器アームの各々の前記遠位端に形成された前記プロングを、ばね付勢によって互いから離れるように付勢し、前記膝円錐トライアルコンポーネントに形成された前記一対の摘出開口部の中に入れることを可能にするように、前記一対の摘出器アームを解放することを含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記患者の前記膝の前記骨の前記端部に前記外科的に準備された空洞を形成することが、前記患者の前記膝の大腿骨の遠位端に前記外科的に準備された空洞を形成することを含み、
前記骨の前記端部に形成された前記空洞内に前記膝円錐トライアルコンポーネントを配置することが、前記患者の前記膝の前記大腿骨の前記遠位端に形成された前記空洞内に前記膝円錐トライアルコンポーネントを配置することを含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記患者の前記膝の前記骨の前記端部に前記外科的に準備された空洞を形成することが、前記患者の前記膝の脛骨の近位端に前記外科的に準備された空洞を形成することを含み、
前記骨の前記端部に形成された前記空洞内に前記膝円錐トライアルコンポーネントを配置することが、前記患者の前記膝の前記脛骨の前記近位端に形成された前記空洞内に前記膝円錐トライアルコンポーネントを配置することを含む、実施態様15に記載の方法。
(20) 前記患者の前記膝の骨の前記端部に前記空洞を形成する前に、前記患者の前記膝の前記骨の前記端部から以前に設置された膝インプラントを除去することを更に含む、実施態様15に記載の方法。
【0263】
(21) 整形外科用システムであって、
患者の脛骨の近位端内の外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された複数の脛骨円錐オーグメントであって、前記複数の脛骨円錐オーグメントの各々が、(i)前記複数の脛骨円錐オーグメントのうちのその他の脛骨円錐オーグメントの各々と同じ内側/外側オーグメントテーパ角と、(ii)前記複数の脛骨円錐オーグメントのうちのその他の脛骨円錐オーグメントの各々と異なる内側/外側オーグメント幅とを有する、複数の脛骨円錐オーグメントと、
前記患者の前記脛骨の前記近位端に前記外科的に準備された空洞を形成するために骨を切削するように構成された切削歯を有する複数の脛骨外科用ブローチであって、前記複数の脛骨外科用ブローチの各々が、(i)前記複数の脛骨外科用ブローチのうちのその他の脛骨外科用ブローチの各々と同じ内側/外側ブローチテーパ角であって、前記内側/外側オーグメントテーパ角と同じである、内側/外側ブローチテーパ角と、(ii)前記複数の脛骨外科用ブローチのうちのその他の脛骨外科用ブローチの各々と異なる内側/外側ブローチ幅と、を有する、複数の脛骨外科用ブローチとを含む、整形外科用システム。
(22) 前記複数の脛骨円錐オーグメントの各々が、前記複数の脛骨円錐オーグメントのうちのその他の脛骨円錐オーグメントの各々と同じ前方/後方オーグメントテーパ角を有し、
前記複数の脛骨外科用ブローチの各々が、前記複数の脛骨外科用ブローチのうちのその他の脛骨外科用ブローチの各々と同じである前方/後方ブローチテーパ角を有し、前記前方/後方ブローチテーパ角が、前記前方/後方オーグメントテーパ角と同じである、実施態様21に記載の整形外科用システム。
(23) 前記複数の脛骨円錐オーグメントの各々が、三葉型脛骨円錐オーグメントを含む、実施態様21に記載の整形外科用システム。
(24) 前記複数の脛骨円錐オーグメントの各々が、二葉型脛骨円錐オーグメントを含む、実施態様21に記載の整形外科用システム。
(25) その近位端から延在するねじ山付きポストを有するステムトライアルコンポーネントを更に含み、
前記複数の脛骨外科用ブローチの各々が、その遠位端に形成されたねじ山付き開口部を有し、
前記複数の脛骨外科用ブローチの各々に形成された前記ねじ山付き開口部が、前記ステムトライアルコンポーネントの前記ねじ山付きポストをねじ込み式に受容するようにサイズ決定されている、実施態様21に記載の整形外科用システム。
【0264】
(26) 整形外科用システムであって、
患者の大腿骨の遠位端内の外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された複数の大腿骨円錐オーグメントであって、前記複数の大腿骨円錐オーグメントの各々が、(i)前記複数の大腿骨円錐オーグメントのうちのその他の大腿骨円錐オーグメントの各々と同じ内側/外側オーグメントテーパ角と、(ii)前記複数の大腿骨円錐オーグメントのうちのその他の大腿骨円錐オーグメントの各々と異なる内側/外側オーグメント幅とを有する、複数の大腿骨円錐オーグメントと、
前記患者の前記大腿骨の前記遠位端に前記外科的に準備された空洞を形成するために骨を切削するように構成された切削歯を有する複数の大腿骨外科用ブローチであって、前記複数の大腿骨外科用ブローチの各々が、(i)前記複数の大腿骨外科用ブローチのうちのその他の大腿骨外科用ブローチの各々と同じ内側/外側ブローチテーパ角であって、前記内側/外側オーグメントテーパ角と同じである、内側/外側ブローチテーパ角と、(ii)前記複数の大腿骨外科用ブローチのうちのその他の大腿骨外科用ブローチの各々と異なる内側/外側ブローチ幅と、を有する、複数の大腿骨外科用ブローチとを含む、整形外科用システム。
(27) 前記複数の大腿骨円錐オーグメントの各々が、前記複数の大腿骨円錐オーグメントのうちのその他の大腿骨円錐オーグメントの各々と同じ前方/後方オーグメントテーパ角を有し、
前記複数の大腿骨外科用ブローチの各々が、前記複数の大腿骨外科用ブローチのうちのその他の大腿骨外科用ブローチの各々と同じである前方/後方ブローチテーパ角を有し、前記前方/後方ブローチテーパ角が、前記前方/後方オーグメントテーパ角と同じである、実施態様26に記載の整形外科用システム。
(28) その近位端から延在するねじ山付きポストを有するステムトライアルコンポーネントを更に含み、
前記複数の大腿骨外科用ブローチの各々が、その遠位端に形成されたねじ山付き開口部を有し、
前記複数の大腿骨外科用ブローチの各々に形成された前記ねじ山付き開口部が、前記ステムトライアルコンポーネントの前記ねじ山付きポストをねじ込み式に受容するようにサイズ決定されている、実施態様26に記載の整形外科用システム。
(29) 整形外科用システムであって、
患者の膝の骨の端部に外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された複数の膝円錐オーグメントであって、前記複数の膝円錐オーグメントの各々が、(i)前記複数の膝円錐オーグメントのうちのその他の膝円錐オーグメントの各々と同じ内側/外側オーグメントテーパ角と、(ii)前記複数の膝円錐オーグメントのうちのその他の膝円錐オーグメントの各々と異なる内側/外側オーグメント幅とを有する、複数の膝円錐オーグメントと、
前記患者の膝の前記骨の前記端部に前記外科的に準備された空洞を形成するために骨を切削するように構成された切削歯を有する複数の膝外科用ブローチであって、前記複数の膝外科用ブローチの各々が、(i)前記複数の膝外科用ブローチのうちのその他の膝外科用ブローチの各々と同じ内側/外側ブローチテーパ角であって、前記内側/外側オーグメントテーパ角と同じである、内側/外側ブローチテーパ角と、(ii)前記複数の膝外科用ブローチのうちのその他の膝外科用ブローチの各々と異なる内側/外側ブローチ幅と、を有する、複数の膝外科用ブローチとを含む、整形外科用システム。
(30) 前記複数の膝円錐オーグメントの各々が、前記複数の膝円錐オーグメントのうちのその他の膝円錐オーグメントの各々と同じ前方/後方オーグメントテーパ角を有し、
前記複数の膝外科用ブローチの各々が、前記複数の膝外科用ブローチのうちのその他の膝外科用ブローチの各々と同じである前方/後方ブローチテーパ角を有し、前記前方/後方ブローチテーパ角が、前記前方/後方オーグメントテーパ角と同じである、実施態様29に記載の整形外科用システム。
【0265】
(31) 前記複数の膝円錐オーグメントの各々が、三葉型脛骨円錐オーグメントを含む、実施態様29に記載の整形外科用システム。
(32) 前記複数の膝円錐オーグメントの各々が、二葉型脛骨円錐オーグメントを含む、実施態様29に記載の整形外科用システム。
(33) 前記複数の膝円錐オーグメントの各々が、大腿骨円錐オーグメントを含む、実施態様29に記載の整形外科用システム。
(34) その近位端から延在するねじ山付きポストを有するステムトライアルコンポーネントを更に含み、
前記複数の膝外科用ブローチの各々が、その遠位端に形成されたねじ山付き開口部を有し、
前記複数の膝外科用ブローチの各々に形成された前記ねじ山付き開口部が、前記ステムトライアルコンポーネントの前記ねじ山付きポストをねじ込み式に受容するようにサイズ決定されている、実施態様29に記載の整形外科用システム。
(35) 患者の膝の骨の端部を外科的に準備する方法であって、
複数の膝外科用ブローチから、骨を切削するように構成された切削歯を有する膝外科用ブローチを選択することであって、前記選択された膝外科用ブローチが、前記複数の膝外科用ブローチのうちのその他の膝外科用ブローチの各々と同じ内側/外側ブローチテーパ角を有する、選択することと、
外科的に準備された空洞を中に形成するように、前記選択されたブローチを前記患者の膝の前記骨の前記端部の中に前進させることと、
複数の膝円錐オーグメントから膝円錐オーグメントを選択することであって、前記選択された膝円錐オーグメントが、(i)前記内側/外側ブローチテーパ角と同じ内側/外側オーグメントテーパ角と、(ii)前記選択された膝外科用ブローチの内側/外側ブローチ幅よりも小さい内側/外側オーグメント幅とを有する、選択することと、
前記選択された膝円錐オーグメントを、前記患者の膝の前記骨の前記端部に形成された前記外科的に準備された空洞内に埋め込むことと
を含む方法。
【0266】
(36) 前記膝円錐オーグメントを選択することが、複数の脛骨円錐オーグメントから脛骨円錐オーグメントを選択することを含み、
前記選択された膝円錐オーグメントを埋め込むことが、前記患者の膝の脛骨の近位端に前記選択された脛骨円錐オーグメントを埋め込むことを含む、実施態様35に記載の方法。
(37) 前記膝円錐オーグメントを選択することが、複数の三葉型脛骨円錐オーグメントから三葉型脛骨円錐オーグメントを選択することを含み、
前記選択された膝円錐オーグメントを埋め込むことが、前記患者の膝の脛骨の近位端に前記選択された三葉型脛骨円錐オーグメントを埋め込むことを含む、実施態様35に記載の方法。
(38) 前記膝円錐オーグメントを選択することが、複数の二葉型脛骨円錐オーグメントから二葉型脛骨円錐オーグメントを選択することを含み、
前記選択された膝円錐オーグメントを埋め込むことが、前記患者の膝の脛骨の近位端に前記選択された二葉型脛骨円錐オーグメントを埋め込むことを含む、実施態様35に記載の方法。
(39) 前記膝円錐オーグメントを選択することが、複数の大腿骨円錐オーグメントから大腿骨円錐オーグメントを選択することを含み、
前記選択された膝円錐オーグメントを埋め込むことが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端に前記選択された大腿骨円錐オーグメントを埋め込むことを含む、実施態様35に記載の方法。
(40) 整形外科用膝システムであって、
患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された一対の膝円錐コンポーネントであって、前記一対の膝円錐コンポーネントの各々が、内部を通して修正膝プロテーゼのステムを受容するように構成された円錐形の中空本体を有し、前記一対の膝円錐コンポーネントの両方の前記中空本体が、第2の端部まで下向きに先細になる第1の端部を有し、前記中空本体の前記第1の端部が、前記中空本体の内側側壁と外側側壁との間で半径方向に延在する環状リムを画定し、前記一対の膝円錐コンポーネントのうちの第1の膝円錐コンポーネントの前記環状リムが、前記一対の膝円錐コンポーネントのうちの第2の膝コンポーネントの前記環状リムの内径よりも小さい内径を有する、一対の膝円錐コンポーネントと、
外科手術中に前記一対の膝円錐コンポーネントに衝撃を与えるように構成されたインパクタヘッドであって、(i)嵌入ハンドルに固定されるように構成された近位面と、(ii)前記近位面の反対側の衝撃面であって、その中に形成された一対の環状の同心衝撃フランジを有する、衝撃面とを備え、(a)前記一対の衝撃フランジのうちの第1の衝撃フランジが、前記一対の膝円錐コンポーネントのうちの前記第1の膝円錐コンポーネントの前記環状リムの前記内径よりも大きいが、前記一対の膝円錐コンポーネントのうちの前記第2の膝円錐コンポーネントの前記環状リムの前記内径よりも小さい直径を有し、(b)前記一対の衝撃フランジのうちの第2の衝撃フランジが、前記一対の膝円錐コンポーネントのうちの前記第1の膝円錐コンポーネント及び前記第2の膝円錐コンポーネントの両方の前記環状リムの前記内径よりも大きい直径を有する、インパクタヘッドと
を含む、整形外科用膝システム。
【0267】
(41) 前記インパクタヘッドの前記衝撃面が、前記一対の衝撃フランジと同心の環状の導入フランジを更に有し、
前記導入フランジが、前記一対の膝円錐コンポーネントのうちの前記第1の膝円錐コンポーネント及び前記第2の膝円錐コンポーネントの両方の前記環状リムの前記内径よりも小さい直径を有する、実施態様40に記載の整形外科用膝システム。
(42) 前記一対の膝円錐コンポーネントは、一対の膝円錐トライアルコンポーネントを含む、実施態様40に記載の整形外科用膝システム。
(43) 前記一対の膝円錐コンポーネントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された一対の大腿骨円錐オーグメントを備える、実施態様40に記載の整形外科用膝システム。
(44) 前記一対の膝円錐コンポーネントが、前記患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された一対の脛骨円錐オーグメントを備える、実施態様40に記載の整形外科用膝システム。
(45) 前記一対の膝円錐コンポーネントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞及び前記患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞の一方又は両方に埋め込まれるように構成された一対の同心の膝円錐オーグメントを含む、実施態様40に記載の整形外科用膝システム。
【0268】
(46) 各膝円錐コンポーネントが付加製造されている、実施態様40に記載の整形外科用膝システム。
(47) 整形外科用膝システムであって、
患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞の中に設置されるように構成された第1の円錐形の同心膝円錐コンポーネントであって、前記第1の同心膝コンポーネントは内径を伴う環状リムを有する、第1の円錐形の同心膝円錐コンポーネントと、
前記患者の膝の前記骨の前記端部における前記外科的に準備された空洞内に設置されるように構成された第2の円錐形の同心膝円錐コンポーネントであって、前記第2の同心膝コンポーネントは内径を有する環状リムを有し、前記第2の同心膝円錐コンポーネントの前記環状リムの前記内径が、前記第1の同心膝円錐コンポーネントの前記環状リムの前記内径よりも大きい、第2の円錐形の同心膝円錐コンポーネントと、
外科手術中に前記第1の膝円錐コンポーネント及び前記第2の膝円錐コンポーネントに衝撃を与えるように構成されたインパクタヘッドであって、(i)嵌入ハンドルに固定されるように構成された近位面と、(ii)前記近位面の反対側の衝撃面であって、その中に形成された一対の環状の同心衝撃フランジを有する、衝撃面とを備え、(a)前記一対の衝撃フランジのうちの第1の衝撃フランジが、前記第1の膝円錐コンポーネントの前記環状リムの前記内径よりも大きいが、前記第2の膝円錐コンポーネントの前記環状リムの前記内径よりも小さい直径を有し、(b)前記一対の衝撃フランジのうちの第2の衝撃フランジが、前記第1の膝円錐コンポーネント及び前記第2の膝円錐コンポーネントの両方の前記環状リムの前記内径よりも大きい直径を有する、インパクタヘッドと
を含む、整形外科用膝システム。
(48) 前記インパクタヘッドの前記衝撃面が、前記一対の衝撃フランジと同心の環状の導入フランジを更に有し、
前記導入フランジが、前記第1の膝円錐コンポーネント及び前記第2の膝円錐コンポーネントの両方の前記環状リムの前記内径よりも小さい直径を有する、実施態様47に記載の整形外科用膝システム。
(49) 前記第1の膝円錐コンポーネント及び前記第2の膝円錐コンポーネントが、一対の膝円錐トライアルコンポーネントを含む、実施態様47に記載の整形外科用膝システム。
(50) 前記第1の膝円錐コンポーネント及び前記第2の膝円錐コンポーネントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された一対の大腿骨円錐オーグメントを備える、実施態様47に記載の整形外科用膝システム。
【0269】
(51) 前記第1の膝円錐コンポーネント及び前記第2の膝円錐コンポーネントが、前記患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された一対の脛骨円錐オーグメントを備える、実施態様47に記載の整形外科用膝システム。
(52) 前記第1の膝円錐コンポーネント及び前記第2の膝円錐コンポーネントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞及び前記患者の膝の脛骨の近位端における外科的に準備された空洞の一方又は両方に埋め込まれるように構成されている、実施態様47に記載の整形外科用膝システム。
(53) 患者の膝を外科的に準備する方法であって、
前記患者の前記膝の骨の端部に外科的に準備された空洞を形成することと、
第1の膝円錐オーグメント及び第2の膝円錐オーグメントを含む一対の膝円錐オーグメントから膝円錐オーグメントを選択することであって、前記第1の膝円錐オーグメントが、前記第2の膝円錐オーグメントの環状リムよりも小さい環状リムを有する、選択することと、
前記選択された膝円錐オーグメントを前記骨の前記端部に形成された前記空洞内に配置することと、
(i)前記選択された膝円錐オーグメントが前記第1の膝円錐コンポーネントである場合、インパクタヘッドに形成された一対の環状の同心衝撃フランジのうちの小さい方の衝撃フランジが前記選択された膝円錐オーグメントの前記環状リムと接触して配置されるように、又は(ii)前記選択された膝円錐オーグメントが前記第2の膝円錐コンポーネントである場合、前記インパクタヘッドの前記一対の環状の同心衝撃フランジのうちの前記小さい方の衝撃フランジが前記選択された膝円錐コンポーネントの前記ボア内に配置され、前記インパクタヘッドの前記一対の環状の同心衝撃フランジのうちの大きい方の衝撃フランジが前記選択された膝円錐オーグメントの前記環状リムと接触して配置されるように、前記インパクタヘッドの遠位端を前記選択された膝円錐オーグメントのボア内に前進させることと、
衝撃力が前記インパクタヘッドの前記一対の環状の同心衝撃フランジのうちの1つから前記選択された膝円錐オーグメントに伝達されるように、前記インパクタヘッドに衝撃を与えることとを含む方法。
(54) 前記インパクタヘッドが、前記一対の環状の同心衝撃フランジと同心の環状の導入フランジを更に有し、
前記インパクタヘッドの前記遠位端を前記選択された膝円錐オーグメントの前記ボアの中に前進させることが、前記導入フランジを前記選択された膝円錐オーグメントの前記ボアの中に前進させることを含む、実施態様53に記載の方法。
(55) 前記患者の前記膝の前記骨の前記端部に前記外科的に準備された空洞を形成することが、前記患者の前記膝の大腿骨の遠位端に前記外科的に準備された空洞を形成することを含み、
前記骨の前記端部に形成された前記空洞内に前記選択された膝円錐オーグメントを配置することが、前記患者の前記膝の前記大腿骨の前記遠位端に形成された前記空洞内に前記選択された膝円錐オーグメントを配置することを含む、実施態様53に記載の方法。
【0270】
(56) 前記患者の前記膝の前記骨の前記端部に前記外科的に準備された空洞を形成することが、前記患者の前記膝の脛骨の近位端に前記外科的に準備された空洞を形成することを含み、
前記骨の前記端部に形成された前記空洞内に前記選択された膝円錐オーグメントを配置することが、前記患者の前記膝の前記脛骨の前記近位端に形成された前記空洞内に前記選択された膝円錐オーグメントを配置することを含む、実施態様53に記載の方法。
(57) 前記患者の前記膝の骨の前記端部に前記空洞を形成する前に、前記患者の前記膝の前記骨の前記端部から以前に設置された膝インプラントを除去することを更に含む、実施態様53に記載の方法。
(58) 整形外科用膝インプラントであって、
患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された膝円錐オーグメントであって、
上端及び下端を有する丸い細長い本体と、
前記細長い本体を通って延在する修正膝プロテーゼのステムを受け入れるように構成されたボアであって、前記細長い本体を通ってその上端とその下端との間に延在する円錐形の内側側壁によって画定された、ボアと、
前記細長い本体の前記上端と前記下端との間の位置で前記内側側壁に固定されたいくつかの衝撃ラグであって、前記いくつかの衝撃ラグの各々が、(i)前記内側側壁から前記ボアの中心軸に向かって内向きに延在し、(ii)平坦な最下衝撃面を有する、いくつかの衝撃ラグとを含む、膝円錐オーグメントを備える、整形外科用膝インプラント。
(59) 前記膝円錐オーグメントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントを備える、実施態様58に記載の整形外科用膝インプラント。
(60) 前記いくつかの衝撃ラグの各々が、前記衝撃面から上方に延在する湾曲した外側本体を含む、実施態様58に記載の整形外科用膝インプラント。
【0271】
(61) 前記いくつかの衝撃ラグの各々の前記湾曲した外側本体が、その上端が前記内側側壁に融合するように前記上下方向に先細になっている、実施態様58に記載の整形外科用膝インプラント。
(62) 前記いくつかの衝撃ラグが、前記内側側壁の内側に固定された内側衝撃ラグと、前記内側側壁の外側に固定された外側衝撃ラグとを含む、実施態様58に記載の整形外科用膝インプラント。
(63) 前記膝円錐オーグメントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントを備え、
前記大腿骨円錐オーグメントが、その後側に形成されたボックスカットアウトを有し、前記ボックスカットアウトが、修正大腿骨プロテーゼのボックスを受容するように構成され、
前記ボックスカットアウトが、平坦な下向き面によって部分的に画定され、
前記いくつかの衝撃ラグの各々の前記衝撃面が、前記ボックスカットアウトの前記平坦な下向き面と同一平面上にある、実施態様58に記載の整形外科用膝インプラント。
(64) 前記いくつかの衝撃ラグの各々の前記衝撃面が、互いに同一平面上にある、実施態様58に記載の整形外科用膝インプラント。
(65) 前記内側側壁が、その中に形成されたいくつかのセメントポケットを有する、実施態様58に記載の整形外科用膝インプラント。
【0272】
(66) 整形外科用膝インプラントであって、
患者の膝の大腿骨の遠位端内の外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントを含み、前記大腿骨円錐オーグメントが、
上端及び下端を有する丸い細長い本体と、
前記細長い本体を通って延在する修正大腿骨プロテーゼのステムを受容するように構成されたボアであって、前記細長い本体を通ってその上端とその下端との間に延在する円錐形の内側側壁によって画定されている、ボアと、
前記細長い本体の前記上端と前記下端との間の位置で前記内側側壁に固定された一対の衝撃ラグであって、前記一対の衝撃ラグの両方が、(i)前記内側側壁から前記ボアの中心軸に向かって内向きに延在し、(ii)平坦な最下衝撃面を有する、一対の衝撃ラグとを含む、整形外科用膝インプラント。
(67) 前記一対の衝撃ラグの両方が、前記衝撃面から上方に延在する湾曲した外側本体を含む、実施態様66に記載の整形外科用膝インプラント。
(68) 前記一対の衝撃ラグの両方の前記湾曲した外側本体が、その上端が前記内側側壁に融合するように前記上下方向に先細になっている、実施態様67に記載の整形外科用膝インプラント。
(69) 前記一対の衝撃ラグが、前記内側側壁の内側に固定された内側衝撃ラグと、前記内側側壁の外側に固定された外側衝撃ラグとを含む、実施態様66に記載の整形外科用膝インプラント。
(70) 前記大腿骨円錐オーグメントが、その後側に形成されたボックスカットアウトを有し、前記ボックスカットアウトが、前記修正大腿骨プロテーゼのボックスを受容するように構成され、
前記ボックスカットアウトが、平坦な下向き面によって部分的に画定され、
前記一対の衝撃ラグの両方の前記衝撃面が、前記ボックスカットアウトの前記平坦な下向き面と同一平面上にある、実施態様66に記載の整形外科用膝インプラント。
【0273】
(71) 前記いくつかの衝撃ラグの各々の前記衝撃面が、互いに同一平面上にある、実施態様66に記載の整形外科用膝インプラント。
(72) 前記内側側壁が、その中に形成されたいくつかのセメントポケットを有する、実施態様66に記載の整形外科用膝インプラント。
(73) 整形外科用膝システムであって、
患者の膝の骨の端部における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された膝円錐オーグメントであって、(i)上端及び下端を有する丸い細長い本体と、(ii)前記細長い本体を通って延在する修正膝プロテーゼのステムを受容するように構成されたボアであって、前記細長い本体を通ってその上端とその下端との間に延在する円錐形の内側側壁によって画定されている、ボアと、(iii)前記細長い本体の前記上端と前記下端との間の位置で前記内側側壁に固定されたいくつかの衝撃ラグであって、前記いくつかの衝撃ラグの各々が平坦な衝撃面を有する、いくつかの衝撃ラグと、を備える、膝円錐オーグメントと、
前記膝円錐オーグメントを埋め込むための外科手術中に前記膝円錐オーグメントに衝撃を与えるように構成されたインパクタヘッドであって、(i)嵌入ハンドルに固定されるように構成された近位面と、(ii)前記近位面の反対側の衝撃面であって、内部に形成されたいくつかの衝撃ショルダを有する、衝撃面とを備え、前記いくつかの衝撃ショルダの各々が、前記インパクタヘッドが前記膝円錐オーグメントに衝撃を与えるために使用されるときに前記膝円錐オーグメントの前記いくつかの衝撃ラグのうちの1つの前記衝撃面上に配置されるようなサイズ及び形状の平坦な衝撃面を有する、インパクタヘッドとを備える、整形外科用膝システム。
(74) 前記膝円錐オーグメントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントを備える、実施態様73に記載の整形外科用膝システム。
(75) 前記いくつかの衝撃ラグの各々が、前記衝撃ラグの前記衝撃面から離れるように延在する湾曲した外側本体を含み、
前記インパクタヘッドには、いくつかのガイドスロットが形成されており、
前記衝撃ショルダの各々が、前記いくつかのガイドスロットのうちの1つの近位端を画定し、
前記インパクタヘッドが前記膝円錐オーグメントに衝撃を与えるために使用されるとき、前記膝円錐インプラントの前記いくつかの衝撃ラグの各々が、前記インパクタヘッドの前記いくつかのガイドスロットのうちの1つに受容される、実施態様73に記載の整形外科用膝システム。
【0274】
(76) 前記いくつかの衝撃ラグが、前記内側側壁の内側に固定された内側衝撃ラグと、前記内側側壁の外側に固定された外側衝撃ラグとを含み、
前記いくつかの衝撃ショルダが、前記インパクタヘッドの内側に形成された内側衝撃ショルダと、前記インパクタヘッドの外側に形成された外側衝撃ショルダとを含む、実施態様73に記載の整形外科用膝システム。
(77) 前記膝円錐オーグメントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントを備え、
前記大腿骨円錐オーグメントが、その後側に形成されたボックスカットアウトを有し、前記ボックスカットアウトが、修正大腿骨プロテーゼのボックスを受容するように構成され、
前記ボックスカットアウトが、平坦な下向き面によって部分的に画定され、
前記インパクタヘッドの前記衝撃面には、衝撃リップが形成されており、
前記衝撃リップが、前記インパクタヘッドが前記膝円錐オーグメントに衝撃を与えるために使用されるときに前記ボックスカットアウトの前記平坦な下向き面上に配置されるようなサイズ及び形状の平坦な衝撃面を有する、実施態様73に記載の整形外科用膝システム。
(78) 前記大腿骨円錐オーグメントの前記いくつかの衝撃ラグの各々の前記衝撃面が、前記大腿骨円錐オーグメントの前記ボックスカットアウトの前記平坦な下向き面と同一平面上にあり、
前記インパクタヘッドの前記いくつかの衝撃ショルダの各々の前記平坦な衝撃面が、前記インパクタヘッドの前記衝撃リップの前記平坦な衝撃面と同一平面上にある、実施態様77に記載の整形外科用膝システム。
(79) 患者の膝を外科的に準備する方法であって、
前記患者の前記膝の骨の端部に外科的に準備された空洞を形成することと、
前記骨の前記端部に形成された前記空洞内に膝円錐オーグメントを配置することであって、前記膝円錐オーグメントが、(i)その中に形成されたボアと、(ii)前記ボア内に配置されたいくつかの衝撃ラグとを有する、配置することと、
インパクタヘッドのいくつかの衝撃ショルダが前記膝円錐オーグメントの前記いくつかの衝撃ラグと接触して配置されるように、前記インパクタヘッドの遠位端を前記膝円錐オーグメントの前記ボア内に前進させることと、
衝撃力が前記インパクタヘッドの前記いくつかの衝撃ショルダから前記膝円錐オーグメントの前記いくつかの衝撃ラグに伝達されるように、前記インパクタヘッドに衝撃を与えることと
を含む方法。
(80) 前記膝円錐オーグメントが、前記患者の膝の大腿骨の遠位端における外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成された大腿骨円錐オーグメントを備え、
前記大腿骨円錐オーグメントが、その後側に形成されたボックスカットアウトを有し、前記ボックスカットアウトが、(i)修正大腿骨プロテーゼのボックスを受容するように構成され、且つ(ii)平坦な下向き面によって部分的に画定され、
インパクタヘッドの前記遠位端を前記膝円錐オーグメントの前記ボア内に前進させることが、前記インパクタヘッドの前記遠位端を前記大腿骨円錐オーグメントの前記ボア内に前進させて、前記インパクタヘッドの衝撃リップが前記大腿骨円錐オーグメントの前記ボックスカットアウトの前記平坦な下向き面と接触して配置されるようにすることを含み、
前記インパクタヘッドに衝撃を与えることが、衝撃力が前記インパクタヘッドの前記衝撃リップから前記大腿骨円錐オーグメントの前記ボックスカットアウトの前記平坦な下向き面に伝達されるように前記インパクタヘッドに衝撃を与えることを含む、実施態様79に記載の方法。
【0275】
(81) 前記患者の前記膝の骨の前記端部に前記空洞を形成する前に、前記患者の前記膝の前記骨の前記端部から以前に設置された膝インプラントを除去することを更に含む、実施態様79に記載の方法。
(82) 整形外科用膝インプラントであって、
患者の脛骨の近位端内の外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成されたモジュール式脛骨円錐オーグメントを含み、前記モジュール式脛骨円錐オーグメントが、
(i)丸い細長い本体と、(ii)前記細長い本体を通って延在する修正脛骨プロテーゼのステムを受容するように構成されたボアと、(iii)前記細長い本体の内側に形成された内側コネクタと、(iv)前記細長い本体の外側に形成された外側コネクタと、を有する中心ローブコンポーネントと、
内側ローブコンポーネントであって、(i)その上端から下端へと先細になる湾曲した内側外面を有する本体と、(ii)前記中心ローブコンポーネントの前記細長い本体の前記内側に形状が対応する湾曲した内側側壁と、(iii)前記内側ローブコンポーネントを前記中心ローブコンポーネントに選択的にロックするために、前記中心ローブコンポーネントの前記内側コネクタに嵌合する前記湾曲した内側側壁に形成された内側コネクタとを有する、内側ローブコンポーネントと、
外側ローブコンポーネントであって、(i)その上端から下端へと先細になる湾曲した外側外面を有する本体と、(ii)前記中心ローブコンポーネントの前記細長い本体の前記外側に形状が対応する湾曲した内側側壁と、(iii)前記外側ローブコンポーネントを前記中心ローブコンポーネントに選択的にロックするために、前記中心ローブコンポーネントの前記外側コネクタに嵌合する前記湾曲した内側側壁に形成された外側コネクタとを有する、外側ローブコンポーネントとを含む、整形外科用膝インプラント。
(83) 前記中心ローブコンポーネントの前記内側コネクタ及び前記内側ローブコンポーネントの前記内側コネクタが、蟻継ぎを画定する、実施態様82に記載の整形外科用インプラント。
(84) 前記中心ローブコンポーネントの前記外側コネクタ及び前記外側ローブコンポーネントの前記外側コネクタが、蟻継ぎを画定する、実施態様82に記載の整形外科用インプラント。
(85) 前記中心ローブコンポーネントの前記内側コネクタが、前記細長い本体の外面に形成されたテーパ状スロットを備え、
前記内側ローブコンポーネントの前記内側コネクタが、前記湾曲した内側側壁から外向きに延在するテーパ状タブを備え、
前記内側ローブコンポーネントの前記テーパ状タブが、前記内側ローブコンポーネントを前記中心ローブコンポーネントに選択的にロックするために、前記中心ローブコンポーネントの前記テーパ状スロットの中に受容されるように構成されている、実施態様82に記載の整形外科用インプラント。
【0276】
(86) 前記中心ローブコンポーネントの前記外側コネクタが、前記細長い本体の外面に形成されたテーパ状スロットを備え、
前記外側ローブコンポーネントの前記外側コネクタが、前記湾曲した内側側壁から外向きに延在するテーパ状タブを備え、
前記外側ローブコンポーネントの前記テーパ状タブが、前記外側ローブコンポーネントを前記中心ローブコンポーネントに選択的にロックするために、前記中心ローブコンポーネントの前記テーパ状スロット内に受容されるように構成されている、実施態様82に記載の整形外科用インプラント。
(87) 多孔質金属コーティングが、(i)前記中心ローブコンポーネントの前記細長い本体の外面、(ii)前記内側ローブコンポーネントの前記湾曲した内側外面、及び(iii)前記外側ローブコンポーネントの前記湾曲した外側外面のそれぞれに配置されている、実施態様82に記載の整形外科用インプラント。
(88) 前記中心ローブコンポーネントの前記ボアが、前記中心ローブコンポーネントの前記細長い本体を通って延在する円錐形の側壁によって画定され、
前記円錐形の側壁が、その中に形成されたいくつかのセメントポケットを有する、実施態様82に記載の整形外科用インプラント。
(89) 整形外科用膝インプラントであって、
患者の脛骨の近位端内の外科的に準備された空洞内に埋め込まれるように構成されたモジュール式脛骨円錐オーグメントを含み、前記モジュール式脛骨円錐オーグメントが、
(i)丸い細長い本体と、(ii)前記細長い本体を通って延在する修正脛骨プロテーゼのステムを受容するように構成されたボアと、(iii)前記細長い本体の側面に形成されたコネクタと、を有する中心ローブコンポーネントと、
サイドローブコンポーネントであって、(i)その上端から下端へと先細になる湾曲した外面を有する本体と、(ii)前記中心ローブコンポーネントの前記細長い本体の前記側面に形状が対応する湾曲した内側側壁と、(iii)前記湾曲した内側側壁に形成され、前記中心ローブコンポーネントの前記コネクタと嵌合して、前記サイドローブコンポーネントを前記中心ローブコンポーネントに選択的にロックするコネクタと、を有する、サイドローブコンポーネントとを含む、整形外科用膝インプラント。
(90) 前記中心ローブコンポーネントの前記コネクタ及び前記サイドローブコンポーネントの前記コネクタが、蟻継ぎを画定する、実施態様89に記載の整形外科用インプラント。
【0277】
(91) 前記中心ローブコンポーネントの前記コネクタが、前記細長い本体の外面に形成されたテーパ状スロットを備え、
前記サイドローブコンポーネントの前記コネクタが、前記湾曲した内側側壁から外向きに延在するテーパ状タブを備え、
前記サイドローブコンポーネントの前記テーパ状タブが、前記サイドローブコンポーネントを前記中心ローブコンポーネントに選択的にロックするように、前記中心ローブコンポーネントの前記テーパ状スロット内に受容されるように構成されている、実施態様89に記載の整形外科用インプラント。
(92) 前記サイドローブコンポーネントが、内側ローブコンポーネントを含み、
前記中心ローブコンポーネントの前記コネクタが、前記細長い本体の内側に形成されている、実施態様89に記載の整形外科用インプラント。
(93) 前記サイドローブコンポーネントが、外側ローブコンポーネントを含み、
前記中心ローブコンポーネントの前記コネクタが、前記細長い本体の外側に形成されている、実施態様89に記載の整形外科用インプラント。
(94) 多孔質金属コーティングが、(i)前記中心ローブコンポーネントの前記細長い本体の外面、及び(ii)前記サイドローブコンポーネントの前記湾曲した外面のそれぞれに配置されている、実施態様89に記載の整形外科用インプラント。
(95) 前記中心ローブコンポーネントの前記ボアが、前記中心ローブコンポーネントの前記細長い本体を通って延在する円錐形の側壁によって画定され、
前記円錐形の側壁が、その中に形成されたいくつかのセメントポケットを有する、実施態様89に記載の整形外科用インプラント。
【0278】
(96) 方法であって、
前記患者の前記脛骨の前記近位端の骨組織の状態を判定することと、
患者の前記脛骨の前記脛骨の前記近位端における外科的に準備された空洞を識別することと、
前記外科的に準備された空洞の形状に対応するモジュール式脛骨円錐オーグメントを、サイドローブコンポーネントを中心ローブコンポーネントにロックすることによって組み立てることであって、前記中心ローブコンポーネントが、修正脛骨プロテーゼのステムを受容するように構成された、前記中心ローブコンポーネントを通って延在するボアを有する、組み立てることと
を含む方法。
(97) 前記サイドローブコンポーネントが、内側ローブコンポーネントを含み、
前記モジュール式脛骨円錐オーグメントを組み立てることが、前記内側ローブコンポーネントを前記中心ローブコンポーネントの内側にロックすることを含む、実施態様96に記載の方法。
(98) 前記サイドローブコンポーネントが、外側ローブコンポーネントを含み、
前記モジュール式脛骨円錐オーグメントを組み立てることが、前記外側ローブコンポーネントを前記中心ローブコンポーネントの外側にロックすることを含む、実施態様96に記載の方法。
(99) 前記サイドローブコンポーネントが、内側ローブコンポーネントと外側ローブコンポーネントとを含み、
前記モジュール式脛骨円錐オーグメントを組み立てることが、(i)前記内側ローブコンポーネントを前記中心ローブコンポーネントの内側にロックすることと、(ii)前記外側ローブコンポーネントを前記中心ローブコンポーネントの外側にロックすることとを含む、実施態様96に記載の方法。
【国際調査報告】