(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-04
(54)【発明の名称】電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置
(51)【国際特許分類】
H01R 12/91 20110101AFI20241127BHJP
H01R 12/65 20110101ALI20241127BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R12/65
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525186
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 DE2022100740
(87)【国際公開番号】W WO2023116960
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021133914.6
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520361450
【氏名又は名称】ハンオン システムズ エーエフペー ドイチュラント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボッホ, ヨナス ルートウィッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ロル, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ホルトマン, ルッジャー
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB01
5E223AB26
5E223BA07
5E223BA10
5E223BB12
5E223CB47
5E223DB08
(57)【要約】
【課題】電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置を提供する。
【解決手段】本発明の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置は、プリント回路基板(2)と電気モーター(1)のハウジング(3)との間に配置することができ、それによってプリント回路基板(2)の電気接触面(12)と電気モーター(1)の電気モーター巻線(13)とを電気的に接触させる導電体素子(4)を備えており、導電体素子(4)が、プリント回路基板(2)の接触面(12)に対向する接触屈曲部(7)を有する第1の接続要素(5)と、電気モーター巻線(13)の接続位置(9)で電気的に接触するための第2の接続要素(8)とを有し、導電体要素(4)が、電気モーター巻線(13)の接続位置(9)に対するプリント回路基板(2)の接触面(12)の相対的な位置決めを補償する弾性構造(10)として領域形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モーター(1)の電気モーター巻線(13)とモーター制御ユニット(ECU)のプリント回路基板(2)とを電気的に接触させるための装置であって、プリント回路基板(2)と電気モーター(1)のハウジング(3)との間に配置可能であり、それによりプリント回路基板(2)の電気接触面(12)と電気モーター(1)の電気モーター巻線(13)とを電気的に接触させる導電体素子(4)を有する装置、導電体素子(4)が、プリント回路基板(2)の接触面(12)に対向する接触曲げ部(7)を有する第1の接続要素(5)と、電気モーター巻線(13)の接続位置(9)で電気的に接触するための第2の接続要素(8)とを有し、導電体素子(4)が、電気モーター巻線(13)の接続位置(9)に対するプリント回路基板(2)の接触面(12)の相対的な位置決めを補償する弾性構造(10)として領域設計されていることを特徴とする電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置 。
【請求項2】
導電体素子(4)の弾性構造(10)が、第1の接続要素(5)と第2の接続要素(8)との間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置。
【請求項3】
導電体素子(4)の弾性構造(10)が、組み立てられた状態において、少なくとも1つの空間方向にプレテンションを有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置。
【請求項4】
導電体素子(4)の弾性構造(10)は、電気モーター巻線(13)の接続位置(9)に対するプリント回路基板の接触面(12)の相対的な位置が、全ての空間方向において補償され得るように設計されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1つに記載の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置。
【請求項5】
導電体素子(4)が、少なくとも弾性構造体(10)の領域において曲げられた平坦導体として形成され、平坦導体の幅が平坦導体の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1ないし4の何れか1つに記載の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置。
【請求項6】
導電体素子(4)の弾性構造(10)が螺旋状であり、好ましくは螺旋状ばねの形態であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1つに記載の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置。
【請求項7】
導電体素子(4)の弾性構造(10)が蛇行形状であることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1つに記載の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置。
【請求項8】
第1の接続要素(5)および第2の接続要素(8)は、導電体素子(4)上に成形されたプラスチック部品であることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1つに記載の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置。
【請求項9】
第1の接続要素(5)が、プリント回路基板(2)の表面に対向するカウンタホルダ(6)を有し、このカウンタホルダが、プリント回路基板(2)の接触面(12)に対する接触屈曲部の接触圧力を制限することを特徴とする請求項1ないし8の何れかの1つに記載の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置。
【請求項10】
導電体素子(4)と電気モーター巻線(13)との間の電気的接触が、溶接接続、絶縁変位接続、またははんだ付け接続で形成されることを特徴とする請求項1ないし9の何れか1つに記載の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置。
【請求項11】
導電体素子(4)は、第1の接続要素(5)を用いてプリント回路基板(2)にロックできることを特徴とする請求項1ないし10の何れか1つに記載の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置。
【請求項12】
接触曲げ部(7)が型抜き部品、特にラメラコームであることを特徴とする請求項1ないし11の何れか1つに記載の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置に係り、より詳しくは、電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板との間の相対位置を補償することができ、組立が容易で、同時に設置スペースを小さくすることができる電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気モーター用のエンジン制御ユニット(ECU)は、モーター機能の制御、調整、監視を担う電子機器から構成される。電子機器の構成部品はプリント回路基板に貼付され、互いに電気的に接触している。電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させるために、プリント回路基板の接触面とモーターの接触領域との間の相対位置を補正できる組立装置が採用されている。位置補正は、異なる製造業者によって製造されたそれぞれの部品の製造/組立公差のために必要である。
そのため、電気モーター上の電気接触領域とモーター制御ユニットのプリント回路基板上の接触面との間に位置ずれが生じ、電気接触用の装置で適宜補正する必要がある。既知の解決策では、このような位置または場所の補正は、モーター制御ユニットと電気モーターの電気接触用接触領域との間で、互いに変位可能なハウジング要素に封入された渦巻きバネの形態のバネ要素によって行われる。
【0003】
プリント回路基板の接触面と電気的に接触するための電気接触要素は、組み立てられた状態でプリント回路基板の接触面に面するハウジング要素によって受容される。渦巻きばねは組立時に予張力が付与され、その予張力により組立後にモーター制御ユニットのプリント回路基板の接触面に接触圧を作用させる。そうすることで、接点要素はプリント回路基板の接点面に恒久的に接触する。同時に、プリント回路基板またはモーター制御ユニットと、電気 モーター巻線の電気的接触のための接触領域との間で、渦巻きばねの長手方向の膨張によって位置補償が行われる。スパイラルスプリングはハウジングエレメントによって切り離され、プリント回路基板と電気モーター巻線との間の導電体として提供されることはない。
スパイラルスプリングの接触圧は接触面に対する押さえ装置に作用する。挿入されたコンタクトエレメントの減少した力は、弾性特性を持ち、実際の接触面に作用する。
【0004】
電気的接触のために設けられた電気接点要素は、打ち抜き格子として形成することができ、導電体用のレセプタクルを有している。これらの導電体用のレセプタクルは、これまでケーブルラグの形で形成されており、電気モーター巻線のモーター相と反対側の端部で接触する導電体が電気接点要素に接続されるようになっている。
電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板を電気的に接触させるための公知の解決策は、このように複数の電気的インタフェースを有し、その結果、接触の問題やオーミック損失のリスクが増大する。
また、組み立てられる個々の部品の数が多いことも、組み立て工程に不利な影響を与える。さらなる欠点は、個々の部品の調達が、出費の増加やコストの上昇を伴うことである。
【0005】
組立の観点からは、電気接点要素に形成されたレセプタクル(ケーブルラグの形状を有することができる)のために、導電体との電気的接触のために必要な設置スペースが増大するという問題もある。特に、導電体と接触するために制御ユニットの接触面に対して放射状に形成されたレセプタクルの場合、必要なスペースが増大する。
公知の解決策のさらなる欠点は、導電体の組立中に、導電体を電気モーター巻線の電気接触のための接点要素のレセプタクル内に固定するために、例えば圧着によるレセプタクルの変形が必要であることである。レセプタクルへの導電体の挿入と固定には、追加の組立工程が必要である。さらに、電気接点エレメントのレセプタクルと導電体との接続部は振動の影響を受けやすい。そのため、レセプタクルと導電体との接続部では、導電体がレセプタクルから外れることがあり、その結果、モーター制御ユニットのプリント回路基板と電気モーター巻線との電気的接触が中断される。
先行技術から知られている欠点を克服できる解決策が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、電気モーターの電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板との間の相対位置を補償することができ、組立が容易で、同時に設置スペースを小さくすることができる電気モーターの電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する装置によって達成される。
更なる発展及び有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
電気モーター巻線と、電気モーターを制御するために設けられたモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させるための装置が提供される。本発明によれば、この装置は、モーター制御ユニットのプリント回路基板と電気モーターのハウジングとの間に配置することができ、それによってモーター制御ユニットのプリント回路基板の電気接触面と電気モーターの電気モーター巻線とを電気的に接触させる導電体素子を有する。導電体素子は、プリント回路基板の接触面に対向する接触屈曲部を有する第1の接続要素を有する。導電体素子の第1の接続要素とは反対側の端部には、電気モーター巻線の接続位置で電気的に接触するための第2の接続要素が設けられている。本発明によれば、導電体素子は、電気モーター巻線の接続位置に対するプリント回路基板の接触面の相対的な位置関係を補償する弾性構造として領域形成される。
【0008】
本発明の概念によれば、モーター制御ユニットのプリント回路基板と電気モーター巻線とを電気的に接続する導体要素は、少なくとも領域において弾性的に変形可能に形成されているので、このような導体要素は、電気モーターの巻線の接続位置に対するプリント回路基板の相対的な位置ずれを補償する。換言すれば、導電体素子は、モーター制御ユニットと電気モーターとの間の、特にモーター制御ユニットのプリント回路基板と電気モーター上の電気モーター巻線の接続位置との間の位置または位置ずれを補償することを可能にする領域において形成された弾性構造を有する。
【0009】
このように、本発明による装置は、モーター制御ユニットのプリント回路基板と電気モーター巻線との電気的接触のための導電体の機能と、電気モーター巻線に対するモーター制御ユニットのプリント回路基板の相対位置の公差補償または位置補償のための弾性変形性とを兼ね備えている。
導電体素子の弾性構造は、好ましくは、第1の接続要素と第2の接続要素との間に形成することができる。この場合、本発明による装置の組み立て状態における導電体素子の弾性構造は、少なくとも1つの空間方向に予張力を有することができる。それに応じて、弾性構造は、所望のプレテンションを発揮するために、導体要素とモーターハウジングとの間の配置のための組立中に張力が加えられるように形成することができる。
【0010】
プリント配線板の接触面は、導電体素子の接触屈曲部との電気的接触が可能な導電性の接触領域である。通常、接触面は所定の大きさと形状を有する金属表面領域である。
本発明による装置の設計によれば、導電体素子の弾性構造が、すべての空間方向における電気モーター巻線の接続位置に対するプリント回路基板の接触面の相対的な位置関係を補償することができるように形成されていることを提供することができる。この弾性構造の設計によれば、導電体素子の弾性は、各空間方向において与えられる。
導電体素子の材料は、力の作用下でその形状を変化させ、作用力がなくなると元の形状に戻るのに適している。
【0011】
本発明による装置の1つの設計によれば、導電体素子が、少なくとも弾性構造の領域において、曲げられた平坦導体として形成され、平坦導体の幅が平坦導体の厚さよりも大きいことが提供される。
弾性変形性を達成するために、導電体素子の弾性構造は螺旋状にすることができる。好ましくは、導電体素子の弾性構造は、渦巻きばねとして形成することができる。渦巻きばねとして形成された弾性構造の領域において、導電体素子は、丸い断面を有することができる。本発明による装置のさらなる設計によれば、導電体素子の弾性ばね構造が蛇行形状であることを提供することができる。この設計は、幅が厚さよりも大きい平らな導電体の形態の導電体素子の設計に特に適している。平らな導体の断面は、弾性構造の領域において矩形または楕円形とすることができる。
【0012】
弾性構造体の形状や幾何学的な設計は、モーター制御ユニットのプリント回路基板と電気モーター巻線の接続領域との間の位置ずれを補償することができ、同時に、モーター制御ユニットのプリント回路基板と電気モーター巻線との間の電気的接触を確保するために、モーター制御ユニットのプリント回路基板とプリント回路基板に対向する表面とに十分に高いプレテンションが作用するような弾性変形を許容するだけであれば、特に制限はない。
【0013】
第1の接続要素および第2の接続要素は、導電体素子上に成形されたプラスチック部品とすることができる。このように、接続要素は射出成形によって製造することができる。
好ましくは、第1の接続要素は、プリント回路基板の表面に対向するカウンタホルダを有することができ、これにより、プリント回路基板の接触面に対する導電体素子の接触曲げ部の接触圧力が、接触曲げ部によって及ぼされるばね力に制限される。その結果、プリント回路基板の接触面に対する接り曲げ部の接触圧力は、弾性構造によってプリント回路基板に及ぼされる接触圧力から切り離される。導電体素子の弾性構造体によって及ぼされる押圧力は、カウンタホルダによってプリント回路基板に直接伝達される。
【0014】
この場合、接触曲げ部の導体素子の接触面に対する押圧力は、カウンタホルダによる弾性導体素子の弾性構造によって及ぼされる押圧力よりも実質的に小さい。接触曲げ部は、弾性的に柔軟な構造を有し、装置の組立時にプリント回路基板の接触面に押し付けられる。接触屈曲部の屈曲構造は、装置の非組立状態において、端面に配置されたカウンタホルダをわずかに越えて突出するように、第1の接続要素の端面に形成される。装置の組立中、カウンタホルダと接触曲げ部の曲げ構造はプリント回路基板に押し付けられ、折り曲げ構造のばね移動はカウンタホルダによって制限される。 接触曲げ部の折り曲げ構造は、有利には、プリント回路基板の接触面に、カウンタホルダによる導電体素子のプリテンションによってプリント回路基板の表面に及ぼされる接触圧力よりも小さい接触圧力を及ぼすように形成することができる。
接触曲げ部は、好ましくはプレス部品、特にラメラコームとすることができる。
【0015】
導電体素子の接触曲げ部がプリント回路基板の接触面に当たるので、導電体素子とプリント回路基板との電気的接触が提供される。導電体要素の反対側の端部において、電気モーター巻線との電気的接触は、様々な接続によって形成することができる。例えば、導電体素子と電気モーター巻線との間の電気的接触が、接続位置において、溶接接続、絶縁変位接続、またははんだ付け接続で形成されるように設けることができる。
【0016】
本発明による装置の有利なさらなる展開によれば、導電体素子が、プリント回路基板上の第1の接続要素とロック可能に形成されていることが提供され得る。この場合、プリント回路基板上にプラグハウジングの形態のプラグレセプタクルを形成することができ、第1の接続要素は、プリント回路基板上に形成されたプラグハウジングに挿入可能なプラグを形成する。
さらに、カウンタホルダの前縁を越えて突出する第1の接続要素に形成された立面が、プリント回路基板に挿入可能に形成されるという点で、ロックを設けることもできる。
【0017】
本発明によるデバイスは基本的に一体形成されているため、電気的接触時の界面の数が減少し、その結果、オーミック損失のリスクを低く抑えることができる。言い換えれば、一体型コンセプトは、遷移抵抗による損失を低減する。また、導電体素子の構成要素として弾性構造を統合することで、従来技術から知られている解決策と比較して、デバイスの全体的なサイズを縮小できることも有利である。さらに、本発明による装置は、プリント回路基板と電気モーター巻線との電気的接触のための組み立てを簡略化することができる。組立工程の削減は、全体的なコスト削減につながる。
本発明の設計のさらなる詳細、特徴および利点は、関連する図面を参照した例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させるための、本発明による装置の例示的な実施形態の概略断面図である。
【
図2】電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板とを電気的に接触させるための、本発明による装置の透視図である。
【
図3】本発明による装置の第2の例示的な実施形態の概略的な上面図である。
【
図4】本発明による装置の第3の例示的実施形態の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、電気モーター1の電気モーター巻線13とモーター制御ユニットのプリント回路基板2とを電気的に接触させるための本発明による装置の例示的な実施形態の概略断面図である。図示の例では、本発明による装置は、プリント回路基板2と電気モーター1のモーターハウジング3との間に組み付けられている。この装置は、プリント回路基板2に面する一端に第1の接続要素5を有する導電体素子4を有する。第1の接続要素5は、端面にエッジ6が形成された成形プラスチック部品であり、プリント回路基板2の表面に対してカウンターホルダとして機能する。第1の接続要素5に収容された導電体素子4の端部は、プリント回路基板2の接触面12に接触し、それによって電気接続を形成する曲げ構造を有する接触曲げ部7として形成されている。
【0020】
導電体素子4の反対側の端部には、第2の接続要素8が形成されており、この接続要素8も成形プラスチック部品である。第2の接続要素8は、電気モーター1のモーターハウジング3のレセプタクル内に受容されるように幾何学的に形成されている。導電体素子4の接続端は、接続位置9で電気モーター巻線13と接触するように、第2の接続要素8によって受容される。接続位置9は、導電体素子4を電気モーター巻線13の導電体と接触させるために電気モーターハウジング3に形成された領域である。
【0021】
導電体素子4の弾性構造10は、第1の接続要素5と第2の接続要素8との間に形成される。導電体素子4は、弾性構造10の領域において、蛇行形状に曲げられた平坦導体として形成される。弾性構造体10は、第1の接続要素5と第2の接続要素8との間の領域における導電体素子4の弾性変形を許容し、モーターハウジング3または接続位置9に対するプリント回路基板2の相対的な位置決めが、軸方向および半径方向の両方において補償されるようになっている。弾性構造体10は、組み立てられた状態でプレテンション力を有する。弾性構造体によって及ぼされるプレテンション力により、第1の接続要素5は、接続要素5の端面に形成された接触曲げ部7でプリント回路基板2の接触領域に押し付けられる。
【0022】
導電体素子4の反対側の端部に位置する第2の接続要素8は、モーターハウジング3への接触圧の結果として、所定の位置に保持される。第1の接続要素5の端面にエッジ状に形成されたカウンタホルダ6は、弾性構造体10のプリテンション力によって発揮される押圧力をプリント回路基板10に伝達する。このようにして、プリント回路基板2の接触面に対する接触曲げ部7の押圧力は、弾性構造体10のプレテンション力によって及ぼされる押圧力から切り離される。
【0023】
図2は、電気モーター1の電気モーター巻線とモーター制御ユニットのプリント回路基板2とを電気的に接触させるための本発明による装置の透視図である。
図1とは対照的に、
図2に示す例示的な実施形態では、本発明による装置の構造をより良く説明するために、プリント回路基板2は示されていない。
図2の表現は、導電体素子4の上端に、導電体素子4上に成形される円形のプラスチック部品の形態で形成された第1の接続要素5を有する本発明による装置を示している。導電体素子4の接続端部は、接触曲げ部7の形態で、プリント回路基板2に面する接続要素5の端面に受け入れられるように形成されている。接触曲げ部7は、導体要素2の接触面に接触するためにわずかに上方に折り曲げられ、分解状態では第1の接続要素5のカウンタホルダ6の端面を越えて突出する押圧要素11を有する折り曲げ構造を有する。
【0024】
導電体素子4の反対側の端部に形成された第2の接続要素8は、導電体素子4に成形されたプラスチック部品であり、接続位置9における導電体素子4の接続端部が電気モーター1の電気モーター巻線に接触できるように、電気モーター1の電気モーターハウジング3内に挿入される。図示の例では、導電体素子 4は、第1の接続要素5と第2の接続要素8との間に、蛇行形状に曲げられた平坦な導体として形成されており、蛇行形状に曲げられた平坦な導体は、導電体素子 4が、電気回路基板2の接触面と電気モーター1の電気モーター巻線の接続位置9との間の位置ずれを補償することができるように、第1の接続要素と第2の接続要素との間の領域において弾性的に変形可能であることを可能にする弾性構造10を形成する。
【0025】
図3は、本発明による装置の第2の例示的な実施形態の概略平面図であり、導電体素子4の弾性構造10は螺旋状である。
図3は、組み立てられた状態の本発明による装置を示しており、電気プリント回路基板2は図示していない。導電体素子4は、接続位置9において電気モーター1(図示せず)の電気モーター巻線13と接触している。接続位置9において、導電体素子4は、成形プラスチック部品の形態の第2の接続要素8を有する。参照数字12は、プリント回路基板2(図示せず)の接触領域を示す。接触曲げ部7は、接触領域12において、押圧要素11でプリント回路基板2に接触される。この場合、接触曲げ部7は、第1の接続要素5によって受けられる。第1の接続要素5の端部突出縁として形成されたカウンタホルダ6は、接触領域12に対する接触曲げ部7の押圧力を制限する。弾性構造体10は、接続位置9と接触領域12との間の位置差を補償する。
【0026】
図4は、本発明による装置の第3の例示的な実施形態の概略平面図である。
図3に示す設計とは対照的に、導電体素子4は、弾性構造体10の領域に半径方向に螺旋状のばねを有する。放射状の渦巻きばねの形態の弾性構造体10は、接続位置9と接触領域12との間の位置差を補償する。
【符号の説明】
【0027】
1 電気モーター
2 プリント基板
3 モーターハウジング
4 導電体素子
5 第1の接続要素
6 エッジ/カウンターホルダー
7 接触曲げ部
8 第2の接続要素
9 接続位置
10 弾性構造
11 圧力要素
12 接触領域/接触面
13 電気モーター巻線
【国際調査報告】