(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-04
(54)【発明の名称】カプセルを封止する装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/07 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
A61J3/07 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527120
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2022080672
(87)【国際公開番号】W WO2023083688
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021129275.1
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521077576
【氏名又は名称】シンテゴンテクノロジー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Syntegon Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Stuttgarter Strasse 130, 71332 Waiblingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ブリンツ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ シュティルム
(72)【発明者】
【氏名】シュテファニー シュッツ
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047BB09
4C047CC03
4C047LL12
(57)【要約】
カプセル(10)を封止する装置(22)であって、カプセルが、それぞれ1つのカプセルシェルを有し、カプセルシェルが、第1のシェル部分と第2のシェル部分とにより形成されており、シェル部分に、結合領域において帯封液が備えられているか、または備えられ、装置が、帯封液を乾燥させるための熱源(30)を有し、装置が、少なくとも1つのカバー(32)を有し、カバー(32)が、熱源の放射領域において熱源とカプセルとの間に配置されており、カバーが、熱源の放射線を通過させ、かつカプセルの結合領域を照射するための少なくとも1つの通過領域を有し、カバーが、カプセルの、結合領域に対してずらされて配置された部分領域を熱源の放射線から遮蔽する少なくとも1つの遮蔽領域を有している、装置(22)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル(10)を封止する装置(22)であって、前記カプセル(10)は、それぞれ1つのカプセルシェルを有しており、該カプセルシェルは、第1のシェル部分(12)および第2のシェル部分(14)により形成されており、前記シェル部分(12,14)に、結合領域(16)において帯封液(20)が備えられている、または備えられ、前記装置(22)は、前記帯封液(20)を乾燥させるための熱源(30)を有している、装置(22)において、
前記装置(22)は、少なくとも1つのカバー(32)を有し、該カバー(32)は、前記熱源(30)の放射領域において前記熱源(30)と前記カプセル(10)との間に配置されており、前記カバー(32)は、前記熱源(30)の放射線を通過させ、かつ前記カプセル(10)の前記結合領域(16)を照射するための少なくとも1つの通過領域(34)を有し、前記カバー(32)は、前記カプセル(10)の、前記結合領域(16)に対してずらされて配置された部分領域を前記熱源(30)の放射線から遮蔽する少なくとも1つの遮蔽領域(36)を有していることを特徴とする、装置(22)。
【請求項2】
前記装置(22)は、カプセル搬送装置(24)を有し、前記通過領域(34)は、前記カプセル(10)の搬送方向(26)に対して平行に延びる主軸線を有していることを特徴とする、請求項1記載の装置(22)。
【請求項3】
前記熱源(30)は、少なくとも1つの赤外線放射器を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の装置(22)。
【請求項4】
前記熱源(30)は、少なくとも2つの赤外線放射器を含み、該少なくとも2つの赤外線放射器の放射線が、それらの周波数範囲および/またはそれらの強度に関して互いに異なっていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置(22)。
【請求項5】
前記装置(22)は、前記カバー(32)を冷却するための冷却装置を有していることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置(22)。
【請求項6】
前記装置(22)は、前記カプセル(10)の周囲および/または前記カバー(32)の周囲に空気流を供給する少なくとも1つのファン装置(44)を有していることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置(22)。
【請求項7】
前記空気流は、前記カプセル(10)の搬送方向(26)とは反対方向に流れる流れ方向を有していることを特徴とする、請求項6記載の装置(22)。
【請求項8】
前記ファン装置(44)は、流れ分割器(48)を有し、該流れ分割器(48)は、前記空気流を、前記カバー(32)を冷却するための第1の部分(47)と、前記帯封液(20)から蒸発した溶媒を搬出するための第2の部分(49)とに分割することを特徴とする、請求項6または7記載の装置(22)。
【請求項9】
前記空気流の前記第1の部分(47)は、前記熱源(30)および前記カバー(32)により画定された第1の部分空間(52)内を流れ、前記空気流の前記第2の部分(49)は、前記カバー(32)と前記カプセル(10)とにより画定された第2の部分空間(54)内を流れることを特徴とする、請求項8記載の装置(22)。
【請求項10】
前記装置(22)は、前記空気流または前記空気流の少なくとも1つの部分(47,49)を吸い込むための少なくとも1つの吸込み装置(46)を有していることを特徴とする、請求項5から9までのいずれか1項記載の装置(22)。
【請求項11】
前記装置(22)は、少なくとも1つのフィルタ(50)を有し、該フィルタ(50)は、前記熱源(30)と前記カバー(32)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置(22)。
【請求項12】
前記装置(22)は、付加カバー(60)を有し、該付加カバー(60)は、前記熱源(30)の放射領域に配置されていて、前記カバー(32)に前記熱源(30)の放射方向で前置されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の装置(22)。
【請求項13】
前記付加カバー(60)の通過領域(62)は、前記熱源(30)の放射方向で見て、前記カバー(32)の前記通過領域(34)に整合していることを特徴とする、請求項12記載の装置(22)。
【請求項14】
前記付加カバー(60)の前記通過領域(62)は、前記カバー(32)の前記通過領域(34)よりも小さいかまたは大きいことを特徴とする、請求項13記載の装置(22)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセルを封止する装置に関し、カプセルが、それぞれ1つのカプセルシェルを有しており、該カプセルシェルが、第1のシェル部分と第2のシェル部分とにより形成されており、シェル部分は、結合領域において帯封液を備えているか、または備えられ、この装置は、帯封液を乾燥させるための熱源を有している。
【0002】
独国特許発明第3718320号明細書からは、2つのシェル部分からなるカプセルを封止する方法が公知である。第1のシェル部分の縁部部分と第2のシェル部分の縁部部分とを互いに入れ込んだ後に、カプセルのオーバラップ領域または結合領域に、帯封液(水性のヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液(HPMC)またはゼラチン溶液または概してカプセル材料からなる溶液)を塗布する。この帯封液を次いで乾燥させることは、熱源による熱の導入によって加速され、HPMC、ゼラチンまたはカプセル材料からなる固定的な帯が形成される。
【0003】
しかし、乾燥のために使用される熱を導入することによって、カプセルシェルによって取り囲まれたカプセルの内容物も同様に加熱されてしまう。このことは、カプセルシェル内の望ましくない過圧につながり、最も不都合な場合には、シェル部分の分離にさえつながってしまう。
【0004】
このことを起点として、以下の本発明の根底を成す課題は、帯封液の、カプセルに優しい乾燥を可能にする装置を提供することである。
【0005】
この課題は、冒頭に述べた形式の装置において、熱源とカプセルとの間に、少なくとも1つのカバーが配置されており、カバーが、熱源の放射線を通過させ、かつカプセルの結合領域を照射するための少なくとも1つの通過領域を有しており、カバーが、カプセルの、結合領域に対してずらされて配置された部分領域を熱源の放射線から遮蔽する少なくとも1つの遮蔽領域を有していることにより解決される。
【0006】
カバーの通過領域は、特に少なくとも1つの細長い開口として形成されており、通過領域は、細長い開口に隣接する遮蔽領域によって画定されている。カバーの遮蔽領域に当たる熱放射線の部分は抑止される。遮蔽領域において熱放射線を抑止することは、遮蔽領域を通る熱放射線の反射および/または遮蔽領域による熱の吸収に付随して生じ得る。
【0007】
つまり、カバーの使用によって、熱源の、十分に規定されていない領域へと放出される、方向付けられていない熱放射線を、意図的に規定された照射領域に集束させることができる。
【0008】
好適には、カプセルに対するカバーの間隔および通過領域の、開口の長手方向の延在に対して垂直に存在する幅は、カプセルの結合領域の大きさ、特に長さに適合されている。したがって、カプセルが適切に規定された照射領域内に配置されている場合、熱放射線は、カプセルの、帯封液が被着された結合領域に正確に接するように、または結合領域内で作用し、帯封液の乾燥を大幅に加速することができる。同時に、帯封液が存在しないカプセル領域への照射は阻止され、カプセル内容物の加熱と、これに伴うカプセル内部における過圧とは最小限に減じられる。
【0009】
カプセルは、帯封液の塗布後に、好適にはカプセル搬送装置によって搬送される。カプセル搬送装置は、特に搬送ベルトとして構成されていてもよい。搬送ベルトから離間して熱源が配置されている。熱源は、搬送ベルトの部分長さにわたって延びていてもよく、搬送ベルトの全長にわたって延びていてもよい。
【0010】
搬送ベルトに配置されたカプセルのそれぞれの長手方向軸線は、搬送方向に対して垂直に位置調整されている。好適には、カプセルは搬送方向への搬送中に、そのそれぞれの長手方向軸線を中心として回転するように駆動される。搬送ベルトの構成は、隣り合うカプセルの、それぞれ帯封液を備えた結合領域の位置を、搬送方向に沿って互いに相対的に整合して保持することを可能にする。
【0011】
好適な実施形態では、カバーの通過領域の主軸線は、カプセルの搬送方向に対して平行に延びている。このことは、上述したカプセルの位置調整との組み合わせにおいて、カプセルの、搬送方向で互いに整合する結合領域への熱導入を、搬送装置の搬送区間の少なくとも一部にわたって保証する一方で、カプセルの、結合領域に対してそれぞれずらされて配置された部分領域は、直接的な熱放射線に曝されていない。
【0012】
特に好適には、熱源は、少なくとも1つの赤外線放射器を含む。赤外線放射器の使用は、赤外線放射の周波数範囲を、帯封液中に使用されている溶媒に適合させることができ、これによって溶媒が意図的に励起されるという利点を有している。これにより、溶媒の昇華率を大幅に高め、より迅速な乾燥を達成することができ、このことは、より高いカプセル処理量を可能にする。さらに、装置の空間需要、特に搬送区間の空間需要を減じることができる。
【0013】
さらに、熱源が、少なくとも2つの赤外線放射器を含んでおり、これらの赤外線放射器の放射線が、それらの周波数範囲および/またはそれらの強度に関して互いに異なっていると好適である。周波数範囲は、互いに異なる溶媒の所望の励起にそれぞれ適合されているように選択することができる。これにより、迅速に、装置を改造することなしに、種々異なる溶媒を乾燥させることができる。互いに異なる強度を有する赤外線放射器が使用される場合、カプセルの潜在的な感熱性の内容物への熱負荷を低減することができる。この場合も、装置の手間のかかる改造を省略することができる。
【0014】
さらに、装置が、カバーを冷却するための冷却装置を有していると好適である。カバーは、熱源に面した側において反射されなかった熱放射線を吸収し、これによりカバーの遮蔽領域は加熱され、このことは、カバーの放射線源とは反対の側でのカプセルへの熱の放出につながり得る。カバーを冷却することにより、吸収された熱を導出し、カプセルへの望ましくない放熱を回避することができる。冷却は、例えば水循環路に接続された水管路によって実現可能であってもよく、水管路は、遮蔽領域に接触しているか、または遮蔽領域に組み込まれている。
【0015】
好適な或る実施形態では、当該装置が、カプセルの周囲および/またはカバーの周囲に空気流を供給する少なくとも1つのファン装置を有している。これによりカバーを冷却するために空気流を使用することができ、かつ/または帯封液の昇華させられた溶媒を搬出することができる。任意選択的に、空気流の空気が予備乾燥されていてもよく、これにより、より大量の昇華させられた溶媒を取り込むことができる。溶媒の搬出は、帯封液からの溶媒の昇華率を高め、それにより乾燥を促進する。
【0016】
特に好適には、空気流は、カプセルの搬送方向とは反対方向に流れる流れ方向を有している。これにより、昇華させられた溶媒を迅速かつ効率的に導出することができる。
【0017】
さらに好適には、ファン装置が、空気流を2つの部分に分割する流れ分割器を有している。空気流の第1の部分は、カバーの冷却のために使用され、空気流の第2の部分は、昇華させられた溶媒の搬出を可能にする。
【0018】
特に好適には、空気流の第1の部分が、熱源とカバーとにより画定された第1の部分空間内を流れ、空気流の第2の部分が、カバーとカプセルとにより画定された第2の部分空間内を流れる。これにより、空気流の第1の部分をカバーの冷却のために意図的に使用し、空気流の第2の部分を、昇華させられた溶媒の搬出のために意図的に使用することができる。
【0019】
さらに好適には、装置が、空気流または空気流の少なくとも1つの部分を吸い込むための少なくとも1つの吸込み装置を有している。吸込みによって、カバーの冷却後に加熱されているかつ/または昇華させられた溶媒によって飽和されている空気の停滞が阻止される。
【0020】
好適な或る実施形態では、熱源とカバーとの間にフィルタが取り付けられている。フィルタは、放射の強度を減じることができ、このことは、特に、潜在的に感熱性であるカプセル内容物への熱負荷を低減させる。さらに、熱放射線の周波数範囲を、使用される溶媒に適合させて最適化するために、波長選択性のフィルタを使用することができる。
【0021】
特に好適には、熱源とカバーとの間には付加カバーが配置されており、付加カバーの通過領域は、熱源の放射方向で見て、カバーの通過領域に整合している。付加カバーによって、さもなければカバーの遮蔽領域に当たるであろう熱放射線の大部分を抑止することができる。カバーの加熱が著しく低減されるので、このカバーは、帯封液を有しないカプセル領域により少ない熱放射線を放射し、カプセル内容物はより僅かにしか加熱されない。
【0022】
さらに好適には、付加カバーの通過領域は、カバーの通過領域よりも小さい。放射線が付加カバーの通過後に円錐形に広がるので、カバーの通過領域への放射線の集束を達成することができ、これによって、カバーの加熱がさらに低減される。
【0023】
本発明の別の特徴および利点は、装置の実施形態の以下の説明および図示の対象である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】帯材が被着された第1のシェル部分と第2のシェル部分とを含む、個別のカプセルを示す平面図である。
【
図2】カプセルを封止する装置の実施形態を示す側面図である。
【
図3】
図1に示した装置のカバーを示す平面図である。
【
図4】
図1に示した装置のカプセル搬送装置をカプセルと共に示す平面図である。
【
図5】カプセルを封止する装置の別の実施形態を示す側面図である。
【
図6】カプセルを封止する装置の別の実施形態を示す側面図である。
【
図7】
図6に示した装置のカバーおよび付加カバーを示す平面図である。
【0025】
図1は、第1のカプセルシェル12と第2のカプセルシェル14とを有するカプセル10を例示的に示している。自体公知のように、カプセルシェル12,14の互いに向かい合った縁部区分は、カプセル10の重畳領域または結合領域16において入れ子式に互いに内外に押し込まれている。このカプセル10は、中心のカプセル軸線18に沿って延びている。
【0026】
結合領域16の外側に、帯封液20が塗布されており、この帯封液20は、閉じた周面に沿ってカプセル軸線18を中心として巡るように延びている。帯封液20は、例えばゼラチン水溶液であってもよい。帯封液20の乾燥後に、カプセル10を封止し、完全性保護部として働くことができる固定的な帯が生じる。
【0027】
図2は、全体として参照符号22が付された、カプセル10を帯封液20で封止する装置を示している。帯封液20の塗布後に、カプセル10はカプセル搬送装置24、例えば搬送ベルト25上で搬送される。
【0028】
搬送ベルト25は、複数のカプセル10をそれぞれ収容するための、搬送方向26に対して平行に延びる複数の搬送領域28を有してもよい。
図4を参照。カプセル10は、好適にはそれぞれの搬送領域28に沿って、搬送領域28に配置されたカプセル10のカプセル軸線18が互いに対して平行に位置調整されているように配置されている。
【0029】
搬送ベルト25に対して離間して、熱源30、特に赤外線放射器が配置されている。熱源30と搬送ベルト25との間には、カバー32がある。
図2を参照。カバー32は、例えば特殊鋼または特殊鋼合金から製造されていて、複数の通過領域34と遮蔽領域36とを有している(
図3を参照)。通過領域34は、細長い開口として形成されており、これらの開口のそれぞれの主軸線は、カプセルの搬送方向26に対して平行に位置調整されている。通過領域34は、遮蔽領域36によって画定される。
【0030】
熱源30から放出され、そこから広がる熱放射線は、カバー32に当たる。カバー32において、熱放射線は、カバー32の遮蔽領域36において吸収され、かつ/または遮蔽領域36から熱源30の方向に戻るように反射させられる。通過領域34を通ってのみ、熱放射線が、搬送ベルト25と、搬送ベルト25上に位置するカプセル10とに当たることができる。つまり、熱放射線は、通過領域34により、規定された照射領域38に集束される。
【0031】
好適には、カプセル10のカプセル軸線18は、搬送ベルト25上で、搬送方向26に対して垂直に配置されている。さらに好適には、隣り合うカプセル10の結合領域16は、互いに整合するように位置調整されている(
図4を参照)。
【0032】
搬送ベルト25に対するカバー32の間隔ならびに通過領域36の幅40(
図3を参照)は、好適にはカプセル10の結合領域16の、カプセル軸線18に対して平行に測定された長さに適合させられているので、照射領域38の幅42は、カプセル10の結合領域16の長さに一致する(
図1および
図4を参照)。これにより、好適には専ら帯封液20への熱導入が達成され得る一方で、同時に、結合領域16に対してずらされて配置されたカプセル領域への熱負荷は最小限に低減される。
【0033】
この装置は、任意にはファン装置44と吸込み装置46とを含んでおり、ファン装置44と吸込み装置46とは、搬送ベルト25の互いに反対側の端部に配置されている。ファン装置44は、空気流を形成するために働き、空気流の流れ方向は、好適にはカプセル10の搬送方向26とは反対方向に流れる。
【0034】
ファン装置44および吸込み装置46は、任意選択的にそれぞれの流れ分割器48を有していてもよく、これらの流れ分割器48は、空気流を2つの部分に分割するために働く。(装置22の第1の部分空間52内の)空気流の第1の部分47は、カバー32への意図的な空気流の供給を可能にし、(装置22の第2の部分空間54内の)空気流の第2の部分49は、カプセル10への意図的な空気流の供給を可能にする。つまり空気流の第1の部分47は、カバー32の冷却のために使用されてもよく、空気流の第2の部分49は、昇華させられた溶媒を搬出するために使用されてもよい。
【0035】
図5は、熱源30とカバー32との間にフィルタ50が配置されている装置22の別の実施形態を示している。フィルタ50は、強度フィルタおよび/または波長選択性のフィルタとして形成されていてもよい。
【0036】
第1のファン装置44および第1の吸込み装置46は、装置22の、熱源30とカバー32との間に延びている第1の部分空間52内に配置されている。
【0037】
第2のファン装置56および第2の吸込み装置58は、装置22の第2の部分空間54内に配置されており、第2の部分空間54は、カバー32と搬送ベルト25との間に延びている。
【0038】
カバー32は、第2のファン装置56の、搬送ベルト25とは反対の側から、第2の吸込み装置58の、搬送ベルト25とは反対の側にまで延びている。これにより、カバー32の遮蔽領域36は、第1の部分空間52に割り当てられかつカバーの冷却のために働く第1の空気流と、第2の部分空間54に割り当てられかつ昇華させられた溶媒を搬出するために働く第2の空気流との間の画定部として作用する。上述の空気流は、好適にはそれぞれカプセル10の搬送方向26とは反対方向に流れる。上述の空気流の分離は、それぞれ空気流のために使用される空気の特性を正確にコントロールすることを可能にする。したがって特に、第2の部分領域54に割り当てられた第2の空気流の空気が予備乾燥されていてもよく、これにより比較的大量の昇華させられた溶媒を、この第2の空気流の空気によって吸収することができる。
【0039】
図6および
図7には、装置22の別の実施形態が示されており、熱源30の放射方向で見て、熱源30とカバー32との間には付加カバー60が配置されている。付加カバー60は、少なくとも1つの遮蔽領域64によって画定された少なくとも1つの通過領域62を有している。
【0040】
好適には、付加カバー60の通過領域62の数は、カバー32の通過領域34の数に合わせられている(
図7を参照)。付加カバー60によって、熱放射線の有意な割合が抑制され、これによって、カバー32の加熱が最小限にされる。好適には、付加カバー60の通過領域62の幅66は、カバー32の通過領域34の幅40よりも小さいので、熱源30の熱放射線は、付加カバー60によってカバー32の通過領域34へと向けられている。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル(10)を封止する装置(22)であって、前記カプセル(10)は、それぞれ1つのカプセルシェルを有しており、該カプセルシェルは、第1のシェル部分(12)および第2のシェル部分(14)により形成されており、前記シェル部分(12,14)に、結合領域(16)において帯封液(20)が備えられている、または備えられ、前記装置(22)は、前記帯封液(20)を乾燥させるための熱源(30)を有している、装置(22)において、
前記装置(22)は、少なくとも1つのカバー(32)を有し、該カバー(32)は、前記熱源(30)の放射領域において前記熱源(30)と前記カプセル(10)との間に配置されており、前記カバー(32)は、前記熱源(30)の放射線を通過させ、かつ前記カプセル(10)の前記結合領域(16)を照射するための少なくとも1つの通過領域(34)を有し、前記カバー(32)は、前記カプセル(10)の、前記結合領域(16)に対してずらされて配置された部分領域を前記熱源(30)の放射線から遮蔽する少なくとも1つの遮蔽領域(36)を有していることを特徴とする、装置(22)。
【請求項2】
前記装置(22)は、カプセル搬送装置(24)を有し、前記通過領域(34)は、前記カプセル(10)の搬送方向(26)に対して平行に延びる主軸線を有していることを特徴とする、請求項1記載の装置(22)。
【請求項3】
前記熱源(30)は、少なくとも1つの赤外線放射器を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の装置(22)。
【請求項4】
前記熱源(30)は、少なくとも2つの赤外線放射器を含み、該少なくとも2つの赤外線放射器の放射線が、それらの周波数範囲および/またはそれらの強度に関して互いに異なっていることを特徴とする、請求項1
または2記載の装置(22)。
【請求項5】
前記装置(22)は、前記カバー(32)を冷却するための冷却装置を有していることを特徴とする、請求項1
または2記載の装置(22)。
【請求項6】
前記装置(22)は、前記カプセル(10)の周囲および/または前記カバー(32)の周囲に空気流を供給する少なくとも1つのファン装置(44)を有していることを特徴とする、請求項1
または2記載の装置(22)。
【請求項7】
前記空気流は、前記カプセル(10)の搬送方向(26)とは反対方向に流れる流れ方向を有していることを特徴とする、請求項6記載の装置(22)。
【請求項8】
前記ファン装置(44)は、流れ分割器(48)を有し、該流れ分割器(48)は、前記空気流を、前記カバー(32)を冷却するための第1の部分(47)と、前記帯封液(20)から蒸発した溶媒を搬出するための第2の部分(49)とに分割することを特徴とする、請求項
6記載の装置(22)。
【請求項9】
前記空気流の前記第1の部分(47)は、前記熱源(30)および前記カバー(32)により画定された第1の部分空間(52)内を流れ、前記空気流の前記第2の部分(49)は、前記カバー(32)と前記カプセル(10)とにより画定された第2の部分空間(54)内を流れることを特徴とする、請求項8記載の装置(22)。
【請求項10】
前記装置(22)は、前記空気流または前記空気流の少なくとも1つの部分(47,49)を吸い込むための少なくとも1つの吸込み装置(46)を有していることを特徴とする、請求項
6記載の装置(22)。
【請求項11】
前記装置(22)は、少なくとも1つのフィルタ(50)を有し、該フィルタ(50)は、前記熱源(30)と前記カバー(32)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1
または2記載の装置(22)。
【請求項12】
前記装置(22)は、付加カバー(60)を有し、該付加カバー(60)は、前記熱源(30)の放射領域に配置されていて、前記カバー(32)に前記熱源(30)の放射方向で前置されていることを特徴とする、請求項1
または2記載の装置(22)。
【請求項13】
前記付加カバー(60)の通過領域(62)は、前記熱源(30)の放射方向で見て、前記カバー(32)の前記通過領域(34)に整合していることを特徴とする、請求項12記載の装置(22)。
【請求項14】
前記付加カバー(60)の前記通過領域(62)は、前記カバー(32)の前記通過領域(34)よりも小さいかまたは大きいことを特徴とする、請求項13記載の装置(22)。
【国際調査報告】