(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-04
(54)【発明の名称】ウェアラブルデバイス、および呼吸器感染を評価する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/08 20060101AFI20241127BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20241127BHJP
A61B 5/113 20060101ALI20241127BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
A61B5/08
A61B5/107 300
A61B5/113
A61B5/02 310A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528619
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 CN2022133589
(87)【国際公開番号】W WO2023103769
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202111489780.7
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホウ、ジョンジエ
(72)【発明者】
【氏名】シオン、ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ、シュアイ
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AA10
4C017AA12
4C017AA14
4C017AB02
4C017AC28
4C017BC12
4C017BD04
4C017EE01
4C017FF17
4C038SS08
4C038SV01
4C038SV03
4C038SV05
4C038VA04
4C038VA05
4C038VA18
4C038VB11
4C038VB12
4C038VC20
(57)【要約】
本願は、ウェアラブルデバイス、および呼吸器感染を評価する方法を提供する。ウェアラブルデバイスは、第1のセンサ、第2のセンサおよびプロセッサを含み得る。第1のセンサは、ユーザの音声信号を取得し得る。第2のセンサは、ユーザの生理学的パラメータ信号を取得し得る。プロセッサは、生理学的パラメータ信号および音声信号に基づいてユーザの呼吸器感染評価レポートを取得し得る。呼吸器感染評価レポートに基づいて、呼吸器感染を初期段階で検出して、確認、介入および治療を容易にできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの音声信号を取得するように構成された第1のセンサ;
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得するように構成された第2のセンサ;および
前記生理学的パラメータ信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得し、前記音声信号および前記呼吸数に基づいて前記ユーザの呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されたプロセッサ
を備えるウェアラブルデバイス。
【請求項2】
前記第2のセンサは、PPGセンサを有し、前記PPGセンサは、前記ユーザのPPG信号を取得するように構成されており、前記プロセッサは、前記PPG信号に基づいて前記ユーザの第1の呼吸数を取得するように構成されている、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項3】
前記第2のセンサは、ACCセンサをさらに有し、前記ACCセンサは、前記ユーザのACC信号を取得するように構成されており、前記プロセッサはさらに、前記ACC信号に基づいて前記ユーザの第2の呼吸数を取得するように構成されている、請求項2に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項4】
前記プロセッサはさらに、前記第1の呼吸数および前記第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行して前記ユーザの第3の呼吸数を取得するように構成されている、請求項3に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項5】
前記プロセッサはさらに、前記ACC信号に基づいて前記ユーザの姿勢分類結果を取得するように構成されており、前記姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み、前記第1の姿勢は、支持のために前記ユーザの装着位置に応力がかかっている状態を含み、前記第2の姿勢は、前記ユーザの前記装着位置が自然に配置されている状態を含む;
前記ユーザが前記第1の姿勢にある場合、前記プロセッサは、前記第1の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されている;および
前記ユーザが前記第2の姿勢にある場合、前記プロセッサは、前記第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されている
請求項3または4に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項6】
前記ウェアラブルデバイスは、ローパスフィルタをさらに備え、前記ローパスフィルタは、前記ACC信号に対してローパスフィルタリングを実行するように構成されており、前記ローパスフィルタの遮断周波数は、1Hzである;
前記プロセッサは、前記ACC信号の平均値および標準偏差を計算し、ローパスフィルタリングされたACC信号に基づいてパワースペクトルを計算して前記パワースペクトルのピーク点の位置および振幅を取得するように構成されている;および
前記プロセッサはさらに、前記ACC信号の前記平均値および前記標準偏差、および前記パワースペクトルの前記ピーク点の前記位置および前記振幅を分類モデルへ入力して前記姿勢分類結果を取得するように構成されている
請求項5に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項7】
前記プロセッサはさらに、前記ユーザが前記第1の姿勢にあり、前記第1の呼吸数が予め設定された範囲を超えている場合、前記第2の姿勢へ切り替わるよう前記ユーザに促すように構成されている;および
前記プロセッサはさらに、前記第2の姿勢への切り替えのための操作が前記ユーザにより実行されたことに応答して、前記PPG信号および前記ACC信号に基づいて前記第3の呼吸数を取得し、前記第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されている
請求項5に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項8】
前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルウォッチ、ウェアラブルブランケットまたはウェアラブルモニタである、請求項1から6のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項9】
ウェアラブルデバイスに基づいて呼吸器感染を評価する方法であって、
ユーザの音声信号を取得する段階;
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する段階;
前記生理学的パラメータ信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得する段階;および
前記音声信号および前記呼吸数に基づいて前記ユーザの呼吸器感染評価レポートを取得する段階
を備える、方法。
【請求項10】
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する前記段階は、具体的には、
前記ユーザのPPG信号を取得する段階、ここで、前記PPG信号は、前記生理学的パラメータ信号を含む
を有する;および
前記生理学的パラメータ信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得する前記段階は、具体的には、
前記PPG信号に基づいて前記ユーザの第1の呼吸数を取得する段階
を有する
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する前記段階は、具体的には、
前記ユーザのPPG信号およびACC信号を取得する段階、ここで、前記PPG信号および前記ACC信号の各々は、前記生理学的パラメータ信号を含む
を有する;および
前記生理学的パラメータ信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得する前記段階は、具体的には、
前記PPG信号に基づいて前記ユーザの第1の呼吸数を取得する段階;
前記ACC信号に基づいて前記ユーザの第2の呼吸数を取得する段階;および
前記第1の呼吸数および前記第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行して前記ユーザの第3の呼吸数を取得する段階
を有する
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する前記段階の前に、
前記ユーザのACC信号を取得する段階;および
前記ACC信号に基づいて前記ユーザの姿勢分類結果を取得する段階
をさらに備え、ここで、
前記姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み、前記第1の姿勢は、支持のために前記ユーザの装着位置に応力がかかっている状態を含み、前記第2の姿勢は、前記ユーザの前記装着位置が自然に配置されている状態を含む;および
前記音声信号および前記呼吸数に基づいて前記ユーザの呼吸器感染評価レポートを取得する前記段階は、具体的には、
前記ユーザが前記第1の姿勢にある場合、前記第1の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得する段階;または
前記ユーザが前記第2の姿勢にある場合、前記第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得する段階
を有する、
請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ACC信号に基づいて前記ユーザの姿勢分類結果を取得する前記段階は、具体的には、
前記ACC信号の平均値および標準偏差を計算する段階;
前記ACC信号に対してローパスフィルタリングを実行し、前記ACC信号のパワースペクトルを計算して前記パワースペクトルのピーク点の位置および振幅を取得する段階、ここで、前記ローパスフィルタリングの遮断周波数は、1Hzである;および
前記ACC信号の前記平均値および前記標準偏差、および前記パワースペクトルの前記ピーク点の前記位置および前記振幅を分類モデルへ入力して前記姿勢分類結果を取得する段階
を有する、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザが第1の姿勢にあり、前記第1の呼吸数が予め設定された範囲を超えている場合、
第2の姿勢へ切り替わるよう前記ユーザに促す段階;
前記第2の姿勢への切り替えのための操作が前記ユーザにより実行されたことに応答して、前記PPG信号および前記ACC信号に基づいて前記第3の呼吸数を取得する段階;および
前記第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得する段階
をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月8日に中国国家知識産権局に出願された、「ウェアラブルデバイス、および呼吸器感染を評価する方法」と題する中国特許出願第202111489780.7号の優先権を主張する。当該中国特許出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、ウェアラブルデバイスの技術分野に関し、具体的には、ウェアラブルデバイス、および呼吸器感染を評価する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、市場におけるウェアラブルデバイスは、心拍数、血中酸素濃度および体温などの生理学的パラメータを検出する機能を有している。しかしながら、市場におけるウェアラブルデバイスは、複数の生理学的パラメータを伴う呼吸器感染などの疾患をユーザが患うリスクを、検出された生理学的パラメータに基づいて評価することができない。
【発明の概要】
【0004】
このことを考慮して、本願は、疾患をユーザが患うリスクを既存のウェアラブルデバイスが評価できないという問題を解決するために、ウェアラブルデバイス、および呼吸器感染を評価する方法を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本願は、ウェアラブルデバイスを提供する。ウェアラブルデバイスは、第1のセンサ、第2のセンサおよびプロセッサを含み得る。第1のセンサは、ユーザの音声信号を取得するように構成されている。第2のセンサは、ユーザの生理学的パラメータ信号を取得するように構成されている。プロセッサは、生理学的パラメータ信号に基づいてユーザの呼吸数を取得し、音声信号および呼吸数に基づいてユーザの呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されている。ウェアラブルデバイスが携帯性および携帯性などの特徴を有するので、ウェアラブルデバイスは、ユーザが必要に応じて呼吸器感染評価を実行するのに役立つことを理解されたい。呼吸器感染をユーザが患うリスクは、呼吸器感染評価レポートに基づいて評価され得る。さらに、ウェアラブルデバイスを用いることにより、呼吸器感染を初期段階で検出でき、その結果、確認、介入および治療を可能な限り早く実行して、呼吸器感染の悪化を防ぐことができる。
【0006】
いくつかの実装において、第2のセンサは、PPGセンサを含み得る。PPGセンサは、ユーザのPPG信号を取得するように構成されている。プロセッサは、PPG信号に基づいてユーザの第1の呼吸数を取得するように構成されている。いくつかの場合において、ウェアラブルデバイスは、第1の呼吸数および音声信号に基づいてユーザの呼吸器感染評価レポートを取得し得る。
【0007】
いくつかの実装において、第2のセンサは、ACCセンサをさらに含み得る。ACCセンサは、ユーザのACC信号を取得するように構成されている。プロセッサは、ACC信号に基づいてユーザの第2の呼吸数を取得するように構成されている。いくつかの場合において、ウェアラブルデバイスは、第2の呼吸数および音声信号に基づいてユーザの呼吸器感染評価レポートを取得し得る。
【0008】
いくつかの実装において、プロセッサはさらに、第1の呼吸数および第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行してユーザの第3の呼吸数を取得するように構成されている。第3の呼吸数が第1の呼吸数および第2の呼吸数に基づいて取得されるので、測定される呼吸数の精度が改善され得ることを理解されたい。これに基づいて、呼吸器感染評価レポートの精度が改善され得る。
【0009】
いくつかの実装において、プロセッサはさらに、ACC信号に基づいてユーザの姿勢分類結果を取得するように構成されており、姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み、第1の姿勢は、支持のためにユーザの装着位置に応力がかかっている状態を含み、第2の姿勢は、ユーザの装着位置が自然に配置されている状態を含む。ユーザの姿勢の検出に起因して、対応する呼吸数が呼吸器感染評価レポートを取得するために用いられることにより、評価レポートの精度が改善され得ることを理解されたい。
【0010】
いくつかの実装において、ユーザが第1の姿勢にある場合、プロセッサは、第1の呼吸数および音声信号に基づいて呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されている。ユーザが第1の姿勢にある場合、PPGセンサは、比較的高い信号対雑音比を有するPPG信号を取得し得ることを理解されたい。これに基づいて、第1の呼吸数がPPG信号に基づいて取得され、呼吸器感染評価レポートがさらに取得され得る。
【0011】
いくつかの実装において、ユーザが第2の姿勢にある場合、プロセッサは、第3の呼吸数および音声信号に基づいて呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されている。ユーザが第2の姿勢にある場合、PPGセンサは、比較的高い信号対雑音比を有するPPG信号を取得してよく、同様に、ACCセンサは、比較的高い信号対雑音比を有するACC信号を取得してよいことを理解されたい。これに基づいて、第3の呼吸数が第1の呼吸数および第2の呼吸数に基づいて取得され、呼吸器感染評価レポートがさらに取得され得る。
【0012】
いくつかの実装において、ウェアラブルデバイスは、ローパスフィルタをさらに含み得る。ローパスフィルタは、ACC信号に対してローパスフィルタリングを実行するように構成されている。ローパスフィルタの遮断周波数は、1Hzである。プロセッサは、ACC信号の平均値および標準偏差を計算し、ローパスフィルタリングされたACC信号に基づいてパワースペクトルを計算して、パワースペクトルのピーク点の位置および振幅を取得するように構成されている。プロセッサはさらに、ACC信号の平均値および標準偏差、およびパワースペクトルのピーク点の位置および振幅を分類モデルへ入力して姿勢分類結果を取得するように構成されている。
【0013】
いくつかの実装において、プロセッサはさらに、ユーザが第1の姿勢にあり、第1の呼吸数が予め設定された範囲を超えている場合、第2の姿勢へ切り替わるようユーザに促すように構成され得る;および、第2の姿勢への切り替えのための操作がユーザにより実行されたことに応答して、PPG信号およびACC信号に基づいて第3の呼吸数を取得し;第3の呼吸数および音声信号に基づいて呼吸器感染評価レポートを取得するように構成され得る。
【0014】
いくつかの実装において、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルウォッチ、ウェアラブルブランケットまたはウェアラブルモニタのような電子デバイスであってよい。ウェアラブルモニタは、マルチパラメータモニタであってよい。
【0015】
いくつかの実装において、ウェアラブルデバイスは、第1のバンドパスフィルタおよび第2のバンドパスフィルタをさらに含み得る。第1のバンドパスフィルタは、PPG信号に対してバンドパスフィルタリングを実行してPPG信号のピーク点および谷点の位置を取得するように構成されている。第2のバンドパスフィルタは、PPG信号に対してバンドパスフィルタリングを実行してPPG信号のピーク点および谷点の振幅を取得するように構成されている。プロセッサはさらに、PPG信号のピーク点および谷点の位置および振幅に基づいてユーザの第1の呼吸数を取得するように構成されている。PPG信号の波形は、第2のバンドパスフィルタを用いることにより取得されてよく、PPG信号のピーク点および谷点の振幅は、PPG信号のピーク点および谷点の位置に基づいて取得されてよいことを理解されたい。
【0016】
いくつかの実装において、第1のバンドパスフィルタを通過することを許容された信号の周波数帯域は、0.5Hzから10Hzまでであり、第2のバンドパスフィルタを通過することを許容された信号の周波数帯域は、0.1Hzから10Hzまでである。
【0017】
いくつかの実装において、ウェアラブルデバイスは、第3のバンドパスフィルタをさらに含み得る。第3のバンドパスフィルタは、ベースラインが除去されたACC信号に対してバンドパスフィルタリングを実行するように構成されている。プロセッサはさらに、バンドパスフィルタリングされたACC信号に基づいてユーザの第2の呼吸数を取得するように構成されている。
【0018】
いくつかの実装において、第3のバンドパスフィルタを通過することを許容された信号の周波数帯域は、0.1Hzから0.5Hzまでである。
【0019】
第2の態様によれば、本願は、ウェアラブルデバイスに基づいて呼吸器感染を評価する方法を提供する。方法は、ユーザの音声信号を取得する段階;ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する段階;生理学的パラメータ信号に基づいてユーザの呼吸数を取得する段階;および音声信号および呼吸数に基づいてユーザの呼吸器感染評価レポートを取得する段階を含み得る。呼吸器感染をユーザが患うリスクは、呼吸器感染評価レポートに基づいて評価され得ることを理解されたい。さらに、方法によれば、呼吸器感染を初期段階で検出できる。これは、医療従事者が確認、介入および治療を実行して呼吸器感染の悪化を防ぐのに役立つ。
【0020】
いくつかの実装において、ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する段階は、具体的には、ユーザのPPG信号を取得する段階を含み、PPG信号は、生理学的パラメータ信号を含む。生理学的パラメータ信号に基づいてユーザの呼吸数を取得する段階は、具体的には、PPG信号に基づいてユーザの第1の呼吸数を取得する段階を含む。いくつかの場合において、第1の呼吸数および音声信号に基づいてユーザの呼吸器感染評価レポートが取得され得る。
【0021】
いくつかの実装において、ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する段階は、具体的には、ユーザのPPG信号およびACC信号を取得する段階を含み、PPG信号およびACC信号の各々は、生理学的パラメータ信号を含む。生理学的パラメータ信号に基づいてユーザの呼吸数を取得する段階は、具体的には、PPG信号に基づいてユーザの第1の呼吸数を取得する段階;ACC信号に基づいてユーザの第2の呼吸数を取得する段階;および、第1の呼吸数および第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行してユーザの第3の呼吸数を取得する段階を含む。第3の呼吸数が第1の呼吸数および第2の呼吸数に基づいて取得されるので、測定される呼吸数の精度が改善され得ることを理解されたい。これに基づいて、呼吸器感染評価レポートの精度が改善され得る。
【0022】
いくつかの実装において、ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する段階の前に、方法は、ユーザのACC信号を取得する段階;ACC信号に基づいてユーザの姿勢分類結果を取得する段階をさらに含み、ここで、姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み、第1の姿勢は、支持のためにユーザの装着位置に応力がかかっている状態を含み、第2の姿勢は、ユーザの装着位置が自然に配置されている状態を含む。ユーザの姿勢の検出に起因して、対応する呼吸数が呼吸器感染評価レポートを取得するために用いられることにより、評価レポートの精度が改善され得ることを理解されたい。
【0023】
いくつかの実装において、ACC信号に基づいてユーザの姿勢分類結果を取得する段階は、具体的には、ACC信号の平均値および標準偏差を計算する段階;ACC信号に対してローパスフィルタリングを実行し、ACC信号のパワースペクトルを計算してパワースペクトルのピーク点の位置および振幅を取得する段階、ここで、ローパスフィルタリングの遮断周波数は、1Hzである;および、ACC信号の平均値および標準偏差、およびパワースペクトルのピーク点の位置および振幅を分類モデルへ入力して姿勢分類結果を取得する段階を含む。
【0024】
いくつかの実装において、音声信号および呼吸数に基づいてユーザの呼吸器感染評価レポートを取得する段階は、具体的には、ユーザが第1の姿勢にある場合、第1の呼吸数および音声信号に基づいて呼吸器感染評価レポートを取得する段階;または、ユーザが第2の姿勢にある場合、第3の呼吸数および音声信号に基づいて呼吸器感染評価レポートを取得する段階を含む。ユーザが第1の姿勢にある場合、PPGセンサは、比較的高い信号対雑音比を有するPPG信号を取得し得ることを理解されたい。これに基づいて、第1の呼吸数がPPG信号に基づいて取得され、呼吸器感染評価レポートがさらに取得され得る。ユーザが第2の姿勢にある場合、PPG信号に加え、ACCセンサは、同様に、比較的高い信号対雑音比を有するACC信号を取得し得る。これに基づいて、第3の呼吸数が第1の呼吸数および第2の呼吸数に基づいて取得され、呼吸器感染評価レポートがさらに取得され得る。
【0025】
いくつかの実装において、方法は、ユーザが第1の姿勢にあり、第1の呼吸数が予め設定された範囲を超えている場合、第2の姿勢へ切り替わるようユーザに促す段階;および、第2の姿勢への切り替えのための操作がユーザにより実行されたことに応答して、PPG信号およびACC信号に基づいて第3の呼吸数を取得する段階をさらに含み得る。
【0026】
第3の態様によれば、本願は、ウェアラブルデバイスをさらに提供する。ウェアラブルデバイスは、プロセッサ、ACCセンサおよびPPGセンサを含み得る。ACCセンサは、ユーザのACC信号を取得すりように構成されている。PPGセンサは、ユーザのPPG信号を取得するように構成されている。プロセッサは、ACC信号に基づいてユーザの姿勢分類結果を取得するように構成されており、姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み、第1の姿勢は、支持のためにユーザの装着位置に応力がかかっている状態を含み、第2の姿勢は、ユーザの装着位置が自然に配置されている状態を含む。ユーザが第1の姿勢にある場合、プロセッサはさらに、PPG信号に基づいてユーザの第1の呼吸数を取得するように構成されている。ユーザが第2の状態にある場合、プロセッサはさらに、PPG信号に基づいてユーザの第1の呼吸数を取得し、ACC信号に基づいてユーザの第2の呼吸数を取得し、第1の呼吸数および第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行してユーザの第3の呼吸数を取得するように構成されている。ウェアラブルデバイスは、ユーザの姿勢の検出に基づいて姿勢分類結果を取得し得ることを理解されたい。加えて、ウェアラブルデバイスは、姿勢分類結果に対応する方式でユーザの呼吸数を取得することにより、測定される呼吸数の精度を改善できる。
【0027】
第4の態様によれば、本願は、ウェアラブルデバイスに基づいて呼吸数を測定する方法をさらに提供する。方法は、ユーザのACC信号およびPPG信号を取得する段階;ACC信号に基づいてユーザの姿勢分類結果を取得する段階、ここで、姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み、第1の姿勢は、支持のためにユーザの装着位置に応力がかかっている状態を含み、第2の姿勢は、ユーザの装着位置が自然に配置されている状態を含む;ユーザが第1の姿勢にある場合、PPG信号に基づいてユーザの第1の呼吸数を取得する段階;または、ユーザが第2の状態にある場合、PPG信号に基づいてユーザの第1の呼吸数を取得し、ACC信号に基づいてユーザの第2の呼吸数を取得し、第1の呼吸数および第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行してユーザの第3の呼吸数を取得する段階を含み得る。姿勢分類結果は、ユーザの姿勢の検出に基づいて取得され得ることを理解されたい。加えて、姿勢分類結果に対応する方式でユーザの呼吸数が取得されることにより、測定される呼吸数の精度が改善し得る。
【0028】
本願によれば、ユーザの音声信号および生理学的パラメータ信号を取得することによりユーザの呼吸器感染評価レポートが取得され、これにより、呼吸器感染評価が実装され得る。これに基づいて、呼吸器感染を初期段階で検出して、確認、介入および治療を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本願の一実施形態によるウェアラブルデバイスのフレームワークの図である。
【0030】
【
図2】本願の一実施形態によるウェアラブルデバイスのフレームワークの図である。
【0031】
【
図3】本願の一実施形態による、PPG信号に基づいて第1の呼吸数を取得するフレームワークの図である。
【0032】
【
図4】本願の一実施形態による、ACC信号に基づいて第2の呼吸数を取得するフレームワークの図である。
【0033】
【0034】
【0035】
【
図7】本願の一実施形態による、ACC信号に基づいて姿勢分類結果を取得するフレームワークの図である。
【0036】
【
図8】本願の一実施形態によるウェアラブルデバイスのインタラクションインタフェースの概略図である。
【0037】
【
図9】本願の一実施形態による、呼吸器感染を評価する方法のフローチャートである。
【0038】
【
図10】本願の一実施形態による、PPG信号に基づいて第1の呼吸数を取得する方法のフローチャートである。
【0039】
【
図11】本願の一実施形態による、ACC信号に基づいて第1の呼吸数を取得する方法のフローチャートである。
【0040】
【
図12】本願の一実施形態による、姿勢関連特徴を抽出する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本願の実施形態において用いられる用語は、特定の実施形態を説明するように意図されているに過ぎず、本願を限定するようには意図されていない。文脈において明確な別段の定めがある場合を除き、本願の本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられる、「1」、「一」、「その」、「前述の」、「この」および「1つの」という単数形の用語は、複数形を含むようにも意図されている。
【0042】
本明細書において説明される「一実施形態」または「いくつかの実施形態」等への言及は、本願の少なくとも1つの実施形態が、その実施形態を参照して説明される特定の特徴、構造または特性を含むことを示す。したがって、本明細書における異なる箇所に現れる「一実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「いくつかの他の実施形態において」、「他の実施形態において」および「いくつかの実装において」などの記載は、別段の具体的な強調がない限り、同じ実施形態への言及を必ずしも意味せず、「実施形態のうちの全てではなく、1つまたは複数」を意味する。別の方式による別段の具体的な強調がない限り、「含む」、「備える」および「有する」という用語、およびそれらの変形は全て、「を含むがこれに限定されない」を意味する。
【0043】
共通ウェアラブルデバイスは、心拍数、心電図信号、血中酸素飽和度および体温など、ユーザの生理学的パラメータを取得するために、ユーザによりユーザの装着位置へ装着され得る。装着位置は、例えば、ユーザの手首、上腕または前腕であってよい。これに基づいて、ユーザがこれらの生理学的パラメータを見る必要がある場合、ユーザは、ウェアラブルデバイスを用いることにより、これらの生理学的パラメータを見てよい;または、ユーザは、ウェアラブルデバイスへ無線接続されたスマート端末を用いることにより、これらの生理学的パラメータを見てよく、このスマート端末は、携帯電話であってよい;または、医療従事者が、ウェアラブルデバイスへ無線接続されたスマート端末を用いることにより、これらの生理学的パラメータを見てよく、このスマート端末は、ベッドサイドモニタまたはセントラルステーションであってよい。
【0044】
共通ウェアラブルデバイスは、生理学的パラメータを取得および表示する機能のみを通常は提供するが、疾患をユーザが患うリスクをこれらの生理学的パラメータに基づいて評価できないことを理解されたい。
【0045】
呼吸器感染のような疾患は通常、ユーザの身体状態に影響を及ぼす。例えば、ユーザは、咳、呼吸困難または発熱などの症状を有する傾向がある。しかしながら、呼吸器感染の初期段階では、ユーザの身体状態はわずかに変化し、生理学的パラメータはわずかに変動する。これらの変化について、呼吸器感染の初期の症状をユーザが知覚することは概して難しく、共通ウェアラブルデバイスは、取得された生理学的パラメータに基づいて呼吸器感染評価を実装することができない。
【0046】
前述の問題のために、本願の以下の実施形態は、ウェアラブルデバイス、およびウェアラブルデバイスに基づいて呼吸器感染を評価する方法を提供する。ウェアラブルデバイスおよび方法によれば、ユーザの呼吸器感染評価レポートが、ユーザの音声信号および生理学的パラメータ信号を取得することにより取得されてよく、したがって、呼吸器感染をユーザが患うリスクが認識され得る。いくつかの場合には、以下の実施形態において提供されるウェアラブルデバイスおよび方法に基づいて、呼吸器感染を初期段階で検出でき、これにより、疾患予防および治療手法が進歩し、介入および治療が容易になる。
【0047】
いくつかの実施形態において、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルウォッチであってよい。いくつかの他の実施形態において、ウェアラブルデバイスは、代替的に、ウェアラブルブランケットまたはウェアラブルモニタのような電子デバイスであってよい。これは、限定されない。
【0048】
呼吸器感染評価の実装に加え、実施形態において提供されるウェアラブルデバイスは、転倒検出、無線通信またはメッセージによる注意喚起のような機能をさらに実装し得ることを理解されたい。これは、限定されない。
【0049】
図1を参照されたい。本願の一実施形態において提供されるウェアラブルデバイス10は、プロセッサ12および第1のセンサ14を含み得る。プロセッサ12は、第1のセンサ14へ電気接続または無線接続され得る。これは、限定されない。第1のセンサ14は、ユーザ20の音声信号を取得するように構成され得る。音声信号は、ユーザ20により生じてユーザ20の呼吸器系から発される音を測定するために用いられ得る。第1のセンサ14はさらに、予め設定された期間内にユーザ20により生じる音を取得するように構成され得ることを理解されたい。予め設定された期間は、例えば、10秒、20秒、30秒または1分であってよい。これは、限定されない。
【0050】
いくつかの実施形態において、ウェアラブルデバイス10は、咳をするようユーザ20に促し得る。第1のセンサ14は、咳を測定して、音声信号を取得し得る。音声信号に基づいて、プロセッサ12は、別の信号を参照して分析を実行して、呼吸器感染をユーザ20が患うリスクを評価し、呼吸器感染評価レポートの形態でリスクを示し得る。
【0051】
上述のように、ウェアラブルデバイス10は、音を生じさせるよう、様々な方式でユーザ20に促し得る。例えば、ウェアラブルデバイス10は、咳をするよう、音声を用いることによりユーザ20に促してよく、または、咳をするようユーザ20に促すことについての情報を表示してよい。これに基づいて、ユーザ20が咳をした後、ウェアラブルデバイス10は、ユーザ20がした咳に応答して、音声信号を取得し得る。
【0052】
いくつかの他の実施形態において、代替的に、スマート端末が、咳をするよう、様々な方式でユーザ20に促してよく、その結果、第1のセンサ14は、咳を収集できる。例えば、スマート端末は、音声を用いることにより、または画像を表示することにより、ユーザ20に促し得る。ユーザ20が咳をした後、ウェアラブルデバイス10は、ユーザ20がした咳に応答して、音声信号を取得し得る。
【0053】
いかなる呼吸器感染もないユーザ20および呼吸器感染があるユーザ20については、これらのユーザ20がそれぞれしてこれらのユーザ20の呼吸器系から発される咳の間には大きな差異が存在することを理解されたい。それに応じて、この差異は、それぞれの音声信号に反映され得る。これに基づいて、プロセッサ12は、特徴抽出のような動作を音声信号に対して実行し、機械学習等を通じて音声信号を分類してよく、これは、呼吸器感染をユーザ20が患うリスクを後に評価するのに役立つ。
【0054】
いくつかの実施形態において、プロセッサ12は、ウェアラブルデバイス10内のMCU(Microcontroller Unit、マイクロコントローラユニット)またはCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)であってよいが、これらに限定されない。プロセッサ12は、代替的に、ウェアラブルデバイス10内の回路基板コンポーネントであってよい。回路基板コンポーネントは、MCU、CPU、無線周波数チップまたはフィルタのような電子コンポーネントと統合され得る。
【0055】
さらに、
図1を参照されたい。いくつかの実施形態において、ウェアラブルデバイス10は、第2のセンサ16をさらに含み得る。第1のセンサ14と同様に、第2のセンサ16は、プロセッサ12へ電気接続または無線接続され得る。第2のセンサ16は、ユーザ20の生理学的パラメータ信号を取得するように構成され得る。生理学的パラメータ信号は、ユーザ20の呼吸数を測定するために用いられる少なくとも1つの信号を含み得る。例えば、生理学的パラメータ信号は、後述されるPPG信号およびACC信号を含み得るが、これらに限定されない。ウェアラブルデバイス10のために提供されるセンサの数およびタイプに基づいて、生理学的パラメータ信号は、ユーザ20の心拍数、心電図信号または血中酸素飽和度のような生理学的パラメータを測定するために用いられる信号をさらに含み得る。
【0056】
呼吸器感染を患っているユーザ20について、ユーザ20の生理学的パラメータは概して、異常な変動を生成することを理解されたい。異常な変動は、ユーザ20の生理学的パラメータのうちの少なくともいくつかが正常な基準を超えていることを示し得る。これに基づいて、本願の実施形態において提供されるウェアラブルデバイス10では、プロセッサ12は、ユーザ20の音声信号および生理学的パラメータ信号を分析して、ユーザ20の身体状態が変化しているかどうかを判定し得る。したがって、呼吸器感染をユーザ20が患うリスクが総合的に評価され得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、ユーザ20に対して呼吸器感染評価が実行された後、ユーザ20に対応する呼吸器感染評価レポートは、「異常が見当たらない」、「呼吸器感染を患うリスクが低い」、「呼吸器感染を患うリスクが中程度である」または「呼吸器感染を患うリスクが高い」などの情報を記録し得る。ウェアラブルデバイス10が、対応する呼吸器感染評価レポートをウェアラブルデバイス10のインタラクションインタフェース上に示してよく、その結果、ユーザ20または医療従事者がこのレポートを見ることができることを理解されたい。代替的に、スマート端末は、同様に、呼吸器感染評価レポートをスマート端末のインタラクションインタフェース上に示し得る。これは、限定されない。
【0058】
例えば、初期の呼吸器感染があるユーザ20については、ユーザ20の身体が呼吸器感染に対処する場合に生成される身体変化にユーザ20が気づくのは比較的難しい。しかしながら、ウェアラブルデバイス10の第2のセンサ16は、ユーザ20の身体変化に対応する生理学的パラメータ信号を取得できる。プロセッサ12は、生理学的パラメータ信号を分析して、ユーザ20の呼吸数を取得し得る。これに基づいて、ユーザ20の呼吸数が異常であることが、分析を介して分かる。次に、ユーザ20の呼吸器感染評価レポートが、ユーザ20の音声信号を参照して取得され得る。評価レポートは、呼吸器感染のリスクが高いことについての情報を記録し得る。
【0059】
ユーザ20は、本願の実施形態において提供されるウェアラブルデバイス10を用いることにより、呼吸器感染評価を簡便かつ迅速に実行できることを理解されたい。いくつかの場合において、ウェアラブルデバイス10を用いることにより、呼吸器感染を初期段階で検出でき、その結果、医療従事者は、呼吸器感染の確認、介入および治療をして、呼吸器感染の悪化を防ぐことができる。
【0060】
図2を参照されたい。いくつかの実施形態において、第2のセンサ16は、PPG(Photoplethysmography、フォトプレチスモグラフィ)センサ16aを含み得る。PPGセンサ16aは、ユーザ20のPPG信号を取得し得る。人体構造の共通性に起因して、ユーザ20の呼吸動作が血管内の血液の流れに影響を及ぼすことを理解されたい。それに応じて、この影響は、取得されたPPG信号に反映され得る。これに基づいて、プロセッサ12は、ユーザ20の呼吸動作に関連する特徴信号をPPG信号からの生理学的パラメータ信号として抽出してよく、したがって、生理学的パラメータ信号に基づいてユーザ20の第1の呼吸数を計算してよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、第2のセンサ16は、ACC(Accelerometer、加速度計)センサ16bをさらに含み得る。ACCセンサ16bは、ユーザ20のACC信号を取得し得る。ユーザ20の呼吸動作により、ユーザ20の胸腔および腹腔の変動が生じ、ユーザ20の上肢が揺動し得ることを理解されたい。いくつかの場合において、上肢を揺動させる動作は、ACCセンサ16bにより撮像されてよく、ACC信号において変調されてよい。これに基づいて、プロセッサ12は、ユーザ20の呼吸動作に関連する特徴信号をACC信号からの生理学的パラメータ信号として抽出してよく、これにより、生理学的パラメータ信号に基づいてユーザ20の第2の呼吸数を計算する。
【0062】
いくつかの実施形態において、PPG信号またはACC信号は、生理学的パラメータ信号としても理解され得る。ウェアラブルデバイス10は、PPG信号およびACC信号を処理してユーザ20の呼吸数を取得し得るが、呼吸数に関連する特徴信号をPPG信号またはACC信号からの生理学的パラメータ信号として抽出する必要は必ずしもない。
【0063】
いくつかの実施形態において、取得された信号の精度を改善するために、複数の第1のセンサが存在し得る。加えて、取得された信号の精度を改善するために、複数の第2のセンサも存在し得る。
【0064】
図3を参照されたい。いくつかの実施形態において、PPG信号に対応して、ウェアラブルデバイス10は、第1のバンドパスフィルタ18aおよび第2のバンドパスフィルタ18bをさらに含み得る。第1のバンドパスフィルタ18aは、PPG信号に対してバンドパスフィルタリングを実行してPPG信号のピーク点および谷点の位置を取得するように構成され得る。同様に、第2のバンドパスフィルタ18bは、PPG信号に対してバンドパスフィルタリングを実行してPPG信号の波形を取得するように構成され得る。
【0065】
PPG信号のピーク点および谷点の振幅は、PPG信号の波形をピーク点および谷点の位置と一致させることにより取得され得る。呼吸数に関連する、ベースライン変動(Baseline Wander、BW)特徴、振幅変調(Amplitude Modulation、AM)特徴および周波数変調(Frequency Modulation、FM)特徴が、PPG信号のピーク点および谷点の位置および振幅に基づいて取得され得る。これに基づいて、PPG信号に基づく第1の呼吸数が、ベースライン変動特徴、振幅変調特徴および周波数変調特徴に対して計算を実行することにより取得され得る。
【0066】
いくつかの実施形態において、第1のバンドパスフィルタ18aを通過することを許容された信号の周波数帯域は、0.5Hzから10Hzまでであってよい;および、第2のバンドパスフィルタ18bを通過することを許容された信号の周波数帯域は、0.1Hzから10Hzまでであってよい。
【0067】
図4を参照されたい。いくつかの実施形態において、ACC信号について、ACC信号のベースライン変動干渉を防ぐために、ソフトウェアを用いることによりベースライン除去がACC信号に対して実行され得る。ウェアラブルデバイス10は、第3のバンドパスフィルタ18cをさらに含み得る。第3のバンドパスフィルタ18cは、ベースラインが除去されたACC信号に対してバンドパスフィルタリングを実行して、呼吸数に対応する周波数帯域を確保するように構成され得る。プロセッサ12はさらに、バンドパスフィルタリングされたACC信号に対して波ピーク抽出を実行して、ACC信号に基づく第2の呼吸数を取得するように構成され得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、第3のバンドパスフィルタ18cを通過することを許容された信号の周波数帯域は、0.1Hzから0.5Hzまでであってよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、プロセッサ12はさらに、第1の呼吸数および第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行してユーザ20の第3の呼吸数を取得するように構成され得る。
【0070】
PPG信号に基づいて取得される第1の呼吸数と比較すると、ACC信号に基づいて取得される第2の呼吸数はより正確であることを理解されたい。しかしながら、ACC信号はまた、ウェアラブルデバイス10の装着方式およびユーザ20の揺れ動きおよび姿勢等による影響をより受ける傾向があり、より限定された適用範囲がもたらされる。いくつかの場合において、より正確である第3の呼吸数は、第1の呼吸数および第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行することにより取得され得る。したがって、呼吸器感染評価レポートの精度が改善され得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、第1の呼吸数、第2の呼吸数および第3の呼吸数は、異なる方式で取得される、ユーザ20の呼吸数として理解され得る。実施形態において提供されるウェアラブルデバイス10では、ユーザ20の呼吸器感染評価レポートは主に、第1の呼吸数または第3の呼吸数に基づいて取得されるが、本願は、これらに限定されない。
【0072】
いくつかの他の実施形態において、ユーザ20の呼吸器感染評価レポートは、第2の呼吸数に基づいて取得され得る。
【0073】
いくつかの実施形態において、プロセッサ12はさらに、ACCセンサ16bにより取得されるACC信号に基づいてユーザ20の姿勢分類結果を取得するように構成され得る。
【0074】
ACC信号は、ユーザ20に関連付けられた3軸加速度信号を含み得ることを理解されたい。ユーザ20の姿勢分類結果は、ACC信号を分析することにより取得され得る。ウェアラブルデバイス10は、姿勢分類結果に基づいてユーザ20の呼吸数を異なる方式で取得して、呼吸器感染評価レポートの精度を改善し得る。
【0075】
姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み得る。第1の姿勢は、支持のためにユーザ20の装着位置に応力がかかっている状態を示し得る。第2の姿勢は、ユーザ20の装着位置が自然に配置されている状態を示し得る。
【0076】
ユーザ20が第1の姿勢にある場合、ユーザ20の第1の呼吸数は、PPG信号に基づいて取得され得る。ユーザ20が第2の姿勢にある場合、ユーザ20の第3の呼吸数は、PPG信号およびACC信号に基づいて取得され得る。ウェアラブルデバイス10は、対応する測定方式を姿勢分類結果に基づいて適応的に選択し得ることを理解されたい。したがって、測定される呼吸数の精度が改善され得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、ウェアラブルデバイス10は、第1の姿勢または第2の姿勢に基づいて呼吸数測定を実行するよう、インタラクションインタフェース上でユーザ20に促し得る。
【0078】
いくつかの他の実施形態において、ウェアラブルデバイス10はさらに、ACC信号に基づいてユーザ20の姿勢分類結果を自動的に取得し得る。ユーザ20の呼吸数を取得する際にプロセッサ12と協働するために、対応するセンサ(14、16aまたは16b)が、姿勢分類結果に基づいて選択され得る。
【0079】
ユーザ20が特定の第1の姿勢または第2の姿勢にある場合、外部環境およびユーザ20の不注意な揺れまたは震えにより生じる干渉が排除され得ることを理解されたい。これに基づいて、ウェアラブルデバイス10は、比較的高い信号対雑音比を有するPPG信号またはACC信号を取得してよく、その結果、取得される第1の呼吸数または第3の呼吸数の精度、および呼吸器評価レポートの精度が改善され得る。
【0080】
ウェアラブルデバイス10がウォッチであり、装着位置がユーザ20の手首である例が、説明のために用いられる。
【0081】
図5は、ユーザが第1の姿勢にある概略図を示す。
図1から
図5を同期的に参照されたい。座っているユーザ20の両前腕がテーブルの上に安定的に配置されており;ユーザ20の両前腕およびテーブルの間には相互作用力が存在する。この場合、ユーザ20のPPG信号は、PPGセンサ16aに基づいて取得され得る。ユーザ20の第1の呼吸数は、PPG信号を処理することにより取得され得る。
【0082】
図6は、ユーザが第2の姿勢にある概略図を示す。
図1から
図6を同期的に参照されたい。座っているユーザ20の両手のひらが、ユーザ20の両腿の上に自然に配置されており、ユーザ20の両手首が、自然に弛緩した状態にある。この場合、ユーザ20の呼吸動作があると、PPGセンサ16aは、ユーザ20のPPG信号を取得してよく、ACCセンサ16bは、ユーザ20のACC信号を取得してよい。それに応じて、第1の呼吸数および第2の呼吸数は、PPG信号およびACC信号を処理することにより取得され得る。プロセッサ12はさらに、第1の呼吸数および第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行してユーザ20の第3の呼吸数を取得するように構成され得る。
【0083】
図5における第1の姿勢および
図6における第2の姿勢は、説明のための例として用いられているに過ぎず、本願はこれらに限定されないことを理解されたい。いくつかの他の実施形態において、具体的には、第1の姿勢は、ユーザ20の両前腕が椅子の肘掛けの上に配置されている状態をさらに含み得る。具体的には、第2の姿勢は、座っているユーザ20の両手のひらがユーザ20の腹部の上に配置されている状態、または立っているユーザ20の両腕が自然に下げられている状態をさらに含み得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、プロセッサ12は、ACC信号から姿勢関連特徴を抽出し、抽出された特徴を分類モデルへ入力し得る。分類モデルは、これらの特徴に基づいてユーザ20の姿勢を分類して、第1の姿勢および第2の姿勢を区別し得る。
【0085】
いくつかの実施形態において、分類モデルは、SVM(Support Vector Machine、サポートベクタマシン)、決定木、XGBoost、ニューラルネットワークまたはディープラーニング等を含み得る。
【0086】
図7を参照されたい。いくつかの実施形態において、プロセッサ12は、ACC信号の平均値および標準偏差を計算し得る。加えて、ウェアラブルデバイス10は、ローパスフィルタ18dをさらに含み得る。ローパスフィルタ18dは、ACC信号に対してローパスフィルタリングを実行するように構成されている。ローパスフィルタ18dの遮断周波数は、1Hzである。
【0087】
プロセッサ12はさらに、ローパスフィルタリングされたACC信号のパワースペクトルを計算して、パワースペクトルのピーク点の位置および振幅を取得し得る。分類モデルは、ACC信号の平均値および標準偏差、およびパワースペクトルのピーク点の位置および振幅に基づいてACC信号を分類して、現時点のユーザ20の姿勢を判定し得る。例えば、ACC信号が処理された後、現時点のユーザ20の姿勢が第1の姿勢である、と判定される;または、現時点のユーザ20の姿勢が第2の姿勢である、と判定される。
【0088】
いくつかの実施形態において、ウェアラブルデバイス10は、第1の姿勢または第2の姿勢のガイドピクチャをウェアラブルデバイス10のインタラクションインタフェース上に表示して、それに応じて自らの姿勢を調節するようユーザ20をガイドし得る。いくつかの他の実施形態において、スマート端末は、代替的に、第1の姿勢または第2の姿勢のガイドピクチャをスマート端末のインタラクションインタフェース上に表示し得る。これは、限定されない。
【0089】
いくつかの実施形態において、ユーザ20の呼吸数(例えば、第1の呼吸数または第3の呼吸数)が予め設定された範囲を超えている場合、ウェアラブルデバイス10はさらに、プロンプト情報をウェアラブルデバイス10のインタラクションインタフェース上に表示し得る。プロンプト情報は、姿勢を切り替えて測定を再び実行するようユーザ20に促し得る。姿勢を切り替えて測定を再び実行することをユーザ20が選択した場合、対応するセンサを用いることにより、切り替え後の姿勢に基づいて、信号が取得され得る。ユーザ20が、姿勢を切り替えることを選択しなかった、または姿勢を切り替えることを能動的に選択しなかった場合、呼吸器感染をユーザ20が患うリスクは、最初に取得された呼吸数に基づいて評価され得る。
【0090】
いくつかの実施形態において、ウェアラブルデバイス10のプロンプト情報は、代替的に、装着位置におけるウェアラブルデバイス10の位置を調節するよう、またはウェアラブルデバイス10を再装着するようユーザ20に促し得る。
【0091】
いくつかの実施形態において、呼吸数の予め設定された範囲は、9BPMから24BPMまでであってよく、BPMは、1分当たりの呼吸数(Breaths Per Minute)の略語である。
【0092】
例えば、ユーザ20が第1の姿勢にある場合、ウェアラブルデバイス10により取得されるユーザ20の呼吸数は、8BPMである、つまり、呼吸数は、呼吸数の予め設定された範囲を超えている。これに基づいて、ユーザ20は、第2の姿勢へ切り替えて検出を再び実行するよう、ウェアラブルデバイス10のインタラクションインタフェース上で促され得る。切り替えを実行することをユーザ20が選択した場合、ウェアラブルデバイス10は、ユーザ20の操作に応答して、ユーザ20の呼吸数を再び測定し得る。切り替えを実行することをユーザ20が選択しなかった場合、ウェアラブルデバイス10は、音声信号を参照して、以前に取得された呼吸数(すなわち、8BPM)に基づいてユーザ20の呼吸器感染評価レポートを取得し得る。
【0093】
いくつかの実施形態において、呼吸器感染評価を実装するプロセスでは、ウェアラブルデバイス10はさらに、ピクチャ、テキストまたは音声等の形態でプロンプト情報を提供して、関連する操作を実行するようユーザ20に促し得る。
【0094】
図8を参照されたい。いくつかの実施形態において、ウェアラブルデバイス10は、呼吸器感染評価レポートを表示してよく、さらに、呼吸数に関連する情報を表示してよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、ある期間内のユーザ20の呼吸数の変化を例示的に表示し得る。この期間は、最近の数分、数十分または数時間であってよい。
図8に示されるように、例えば、呼吸器感染評価レポートは、異常が見当たらないことを示し、ウェアラブルデバイス10はさらに、1時間から7時間までのユーザ20の呼吸数の変化を表示する。
【0095】
いくつかの実施形態において、ウェアラブルデバイス10はさらに、日常の仕事および生活におけるユーザ20の呼吸数を測定するように構成され得る。例えば、それに応じて、第1の呼吸数または第3の呼吸数は、ユーザ20の姿勢に基づいて取得される。第1の呼吸数または第3の呼吸数は、ウェアラブルデバイスのメインインタフェースまたはデフォルトインタフェース上にリアルタイムで表示されてよく、その結果、ユーザ20は、第1の呼吸数または第3の呼吸数を見ることができる。メインインタフェースは、製造者により定義されるインタフェースであってよく、または、ウェアラブルデバイスの電源がオンにされた後に表示される、いかなる操作も必要とすることなくユーザに対して見えるインタフェースであってよい。デフォルトインタフェースは、ウェアラブルデバイス内にある、ユーザにより定義される設定のために提供されるインタフェースであってよく、または、デフォルトインタフェースは、メインインタフェースであってよい。
【0096】
いくつかのウェアラブルデバイスについては、異なるテーマプラグインがロードされた後、これらのウェアラブルデバイスのメインインタフェースが呼吸数を表示してよく、または呼吸数を表示しなくてよいが、メインインタフェースは依然として、前述の実施形態におけるメインインタフェースまたはデフォルトインタフェースとみなされるべきであることを理解されたい。
【0097】
図9を参照されたい。本願の一実施形態は、ウェアラブルデバイスに基づいて呼吸器感染を評価する方法をさらに提供する。前述の実施形態において提供されるウェアラブルデバイスと同様に、この方法も、呼吸器感染評価を実装し得る。この方法は、限定されるわけではないが、以下の段階を含み得る。
【0098】
101:ユーザの音声信号を取得する。
【0099】
いくつかの実施形態において、音声信号は、ユーザにより生じてユーザの呼吸器系から発される音を測定するために用いられ得る。例えば、音声信号は、ユーザがした咳を測定することにより取得される。音声信号に基づき、別の信号を参照してこの方法に従って分析が実行されることで、呼吸器感染をユーザが患うリスクが評価され、呼吸器感染評価レポートの形態でリスクが示され得る。
【0100】
いくつかの実施形態において、ユーザは、音を生じさせるよう、例えば、咳をするよう、ウェアラブルデバイスのインタラクションインタフェース上で促され得る。次に、音声信号は、ユーザがした咳に応答して取得される。加えて、ユーザは、代替的に、咳をするよう、スマート端末のインタラクションインタフェース上で促されてよい;および、ウェアラブルデバイスは、咳に応答して、音声信号を取得してよい。
【0101】
(いかなる呼吸器感染もない)正常なユーザおよび呼吸器感染があるユーザについては、これらのユーザがそれぞれする咳の間には大きな差異が存在することを理解されたい。それに応じて、この差異は、それぞれの音声信号に反映され得る。これに基づいて、特徴抽出のような動作が音声信号に対して実行されてよい;および、音声信号は、機械学習等を通じて分類されてよい。これは、呼吸器感染をユーザが患うリスクを後に評価するのに役立つ。
【0102】
102:ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する。
【0103】
生理学的パラメータ信号は、ユーザの呼吸数を測定するために用いられ得るが、これに限定されない。ウェアラブルデバイスのために提供されるセンサの数およびタイプに基づいて、生理学的パラメータ信号はさらに、ユーザの心拍数、心電図信号または血中酸素飽和度のような生理学的パラメータを測定するために用いられ得る。
【0104】
矛盾がないことを前提として、これらの段階の間には必要な順序がないことを理解されたい。例えば、段階101および段階102について、段階101は、段階102の前に実行されてよい;または、段階102は、段階101の前に実行されてよい。
【0105】
103:生理学的パラメータ信号に基づいてユーザの呼吸数を取得する。
【0106】
生理学的パラメータ信号は、PPG信号またはACC信号の一部であってよい。生理学的パラメータ信号は、PPG信号またはACC信号を分析することにより取得され得る。次に、ユーザの呼吸数が取得され得る。
【0107】
PPG信号またはACC信号は、生理学的パラメータ信号としても直接理解され得ることを理解されたい。この方法によれば、PPG信号およびACC信号は、ユーザの呼吸数を取得するために処理され得る;しかし、呼吸数に関連する特徴信号は必ずしも、PPG信号またはACC信号から生理学的パラメータ信号として抽出される必要はない。
【0108】
104:音声信号および呼吸数に基づいてユーザの呼吸器感染評価レポートを取得する。
【0109】
いくつかの実施形態において、ユーザの呼吸数がユーザの呼吸器系の健康状態に直接関連付けられるので、ユーザの身体状態が変化しているかどうかは、ユーザの音声信号および呼吸数を分析することにより判定され得る。次に、呼吸器感染をユーザが患うリスクが総合的に評価され得る。
【0110】
いくつかの実施形態において、ユーザに対して呼吸器感染評価が実行された後、ユーザに対応する呼吸器感染評価レポートは、「異常が見当たらない」、「呼吸器感染を患うリスクが低い」、「呼吸器感染を患うリスクが中程度である」または「呼吸器感染を患うリスクが高い」などの情報を記録し得る。呼吸器感染評価レポートは、ウェアラブルデバイスまたはスマート端末のインタラクションインタフェース上に示されてよく、その結果、ユーザがこのレポートを見ることができることを理解されたい。
【0111】
例えば、初期の呼吸器感染があるユーザについては、ユーザの身体状態の、ユーザの身体が呼吸器感染に対処する場合に生成される変化にユーザが気づくのは比較的難しい。本願の実施形態において提供される方法によれば、ユーザの呼吸数は、ユーザの身体状態の変化に対応する生理学的パラメータ信号を取得して生理学的パラメータ信号を分析することにより取得され得る。これに基づいて、ユーザの呼吸数が異常であることが、分析を介して分かる。次に、ユーザの呼吸器感染評価レポートが、ユーザの音声信号を参照して取得され得る。この評価レポートは、呼吸器感染を患う高いリスクがユーザにあることを示す情報を記録する。
【0112】
本願の実施形態において提供される方法によれば、ユーザは、ウェアラブルデバイスを用いることにより呼吸器感染評価を簡便かつ迅速に実装できることを理解されたい。いくつかの場合において、この方法に従って呼吸器感染を初期段階で検出でき、その結果、医療従事者は、呼吸器感染の確認、介入および治療をして、呼吸器感染の悪化を防ぐことができる。
【0113】
いくつかの実施形態において、呼吸器感染評価レポートはさらに、呼吸数に関連する情報を記録する。例えば、呼吸器感染評価レポートは、ある期間におけるユーザの呼吸数分布状況を記録してよく、この期間は、最近の数分、数十分または数時間であってよい。
【0114】
段階101の前に、本願の実施形態において提供される方法は、ユーザがウェアラブルデバイスを装着しているかどうかを検出する段階をさらに含み得る。
【0115】
いくつかの実施形態において、ユーザがウェアラブルデバイスを装着している場合、ユーザについて呼吸器感染評価を実装するために、段階101が実行され得る。
【0116】
いくつかの他の実施形態において、ユーザがウェアラブルデバイスを装着していない場合、段階101は、実行されない。いくつかの場合において、段階101を実行すべく、この方法はさらに、ウェアラブルデバイスを装着するよう、ウェアラブルデバイスまたはスマート端末のインタラクションインタフェース上でユーザに促し得る。
【0117】
いくつかの実施形態において、生理学的パラメータ信号を取得する態様では、この方法は、具体的には、ユーザのPPG信号を取得する段階を含み得る。
【0118】
呼吸関連の特徴信号がPPG信号から生理学的パラメータ信号として抽出され得ること、およびユーザの第1の呼吸数が生理学的パラメータ信号に基づいて計算されることを理解されたい。
【0119】
図10を参照されたい。PPG信号に対応するいくつかの実施形態において、この方法は、具体的には、以下の段階をさらに含み得る。
【0120】
111:PPG信号に対して第1のバンドパスフィルタリングを実行して、PPG信号のピーク点および谷点の位置を取得する。
【0121】
いくつかの実施形態において、このフィルタリングは、第1のバンドパスフィルタを用いることによりPPG信号に対して実行され得る。第1のバンドパスフィルタを通過することを許容された信号の周波数帯域は、0.5Hzから10Hzまでであってよい。
【0122】
112:PPG信号に対して第2のバンドパスフィルタリングを実行することで、PPG信号のピーク点および谷点の位置を参照してPPG信号のピーク点および谷点の振幅を取得する。
【0123】
いくつかの実施形態において、このフィルタリングは、PPG信号の波形を取得するために、第2のバンドパスフィルタを用いることによりPPG信号に対して実行され得る。PPG信号のピーク点および谷点の振幅は、PPG信号の波形をピーク点および谷点の位置と一致させることにより取得され得る。
【0124】
いくつかの実施形態において、第2のバンドパスフィルタを通過することを許容された信号の周波数帯域は、0.1Hzから10Hzまでであってよい。
【0125】
113:PPG信号に基づく第1の呼吸数をPPG信号のピーク点および谷点の位置および振幅に基づいて取得する。
【0126】
いくつかの実施形態において、呼吸数に関連する、ベースライン変動特徴、振幅変調特徴および周波数変調特徴が、PPG信号のピーク点および谷点の位置および振幅に基づいて取得され得る。PPG信号に基づく第1の呼吸数が、ベースライン変動特徴、振幅変調特徴および周波数変調特徴に対して計算を実行することにより取得され得る。
【0127】
いくつかの実施形態において、生理学的パラメータ信号を取得する態様では、この方法は、具体的には、ユーザのACC信号を取得する段階をさらに含み得る。
【0128】
ユーザの呼吸動作により、ユーザの胸腔および腹腔の変動が生じ、ユーザの上肢が揺動し得ることを理解されたい。いくつかの場合において、上肢を揺動させる動作は、ACCセンサにより撮像されてよく、ACC信号において変調されてよい。これに基づいて、呼吸関連の特徴信号がACC信号から生理学的パラメータ信号として抽出され得る;および、ユーザの第2の呼吸数が生理学的パラメータ信号に基づいて計算される。
【0129】
図11を参照されたい。いくつかの実施形態において、ACC信号について、この方法は、具体的には、以下の段階を含み得る。
【0130】
121:ACC信号に対してベースライン除去を実行する。
【0131】
段階121に基づいて、ACC信号のベースライン変動干渉を防ぐために、ソフトウェアを通じてACC信号のベースラインが除去されてよく、その結果、測定される呼吸数の精度が改善される。
【0132】
122:ベースラインが除去されたACC信号に対してバンドパスフィルタリングを実行する。
【0133】
いくつかの実施形態において、このフィルタリングは、ACC信号の、呼吸数に対応する周波数帯域を確保するために、第3のバンドパスフィルタを用いることによりACC信号に対して実行され得る。第3のバンドパスフィルタを通過することを許容された信号の周波数帯域は、0.1Hzから0.5Hzまでであってよい。
【0134】
123:フィルタリングされたACC信号に対して波ピーク抽出を実行して、ACC信号に基づく第2の呼吸数を取得する。
【0135】
いくつかの実施形態において、呼吸数を取得する態様では、この方法は、第1の呼吸数および第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行してユーザの第3の呼吸数を取得する段階をさらに含み得る。
【0136】
PPG信号に基づいて取得される第1の呼吸数と比較すると、ACC信号に基づいて取得される第2の呼吸数はより正確であることを理解されたい。しかしながら、ACC信号はまた、ウェアラブルデバイスの装着方式およびユーザの揺れ動きおよび姿勢等による影響をより受ける傾向があり、より限定された適用範囲がもたらされる。いくつかの場合において、より正確である第3の呼吸数は、第1の呼吸数および第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行することにより取得され得る。したがって、呼吸器感染評価レポートの精度が改善され得る。
【0137】
いくつかの実施形態において、第1の呼吸数、第2の呼吸数および第3の呼吸数は、異なる方式で取得される、ユーザの呼吸数として理解され得る。実施形態において提供される方法では、ユーザの呼吸器感染評価レポートは主に、第1の呼吸数または第3の呼吸数に基づいて取得されるが、本願は、これらに限定されない。
いくつかの他の実施形態において、ユーザの呼吸器感染評価レポートは、代替的に、第2の呼吸数に基づいて取得され得る。
【0138】
いくつかの実施形態において、呼吸数の測定精度を改善するために、この方法は、生理学的パラメータ信号を取得する段階の前に、ACC信号に基づいてユーザの姿勢分類結果を取得する段階をさらに含み得る。
【0139】
ACC信号は、ユーザに関連付けられた3軸加速度信号を含み得ることを理解されたい。ユーザの姿勢分類結果は、ACC信号を分析することにより取得され得る。姿勢分類結果に基づいてユーザの呼吸数を異なる方式で取得して、呼吸器感染評価レポートの精度を改善し得る。
【0140】
いくつかの実施形態において、姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み得る。第1の姿勢は、支持のためにユーザの装着位置に応力がかかっている状態を示し得る。第2の姿勢は、ユーザの装着位置が自然に配置されている状態を示し得る。
【0141】
ユーザが第1の姿勢にある場合、ユーザの第1の呼吸数は、PPG信号に基づいて取得され得る。ユーザが第2の姿勢にある場合、ユーザの第3の呼吸数は、PPG信号およびACC信号に基づいて取得され得る。対応する測定方式は、姿勢分類結果に基づいて適応的に選択され得ることを理解されたい。したがって、測定される呼吸数の精度、および呼吸器感染評価レポートの精度が改善され得る。
【0142】
いくつかの実施形態において、音を生じさせるようユーザに促すことと同様に、ユーザは、第1の姿勢または第2の姿勢に基づいて呼吸数測定を実行するよう、ウェアラブルデバイスのインタラクションインタフェース上で促され得る。
【0143】
いくつかの他の実施形態において、ユーザの姿勢分類結果はさらに、ACC信号に基づいて自動的に取得され得る。ユーザの呼吸数を取得するために、対応する方法が、姿勢分類結果に基づいて選択され得る。
【0144】
いくつかの実施形態において、ACC信号に基づいてユーザの姿勢分類結果を取得する態様では、この方法は、具体的には、ACC信号から姿勢関連特徴を抽出し、抽出された特徴を分類モデルへ入力する段階を含み得る。分類モデルは、これらの特徴に基づいてユーザの姿勢を分類し得る。
【0145】
図12を参照されたい。いくつかの実施形態において、姿勢関連特徴を抽出する態様では、この方法は、具体的には、以下の段階を含み得る。
【0146】
131:ACC信号の平均値および標準偏差を計算する。
【0147】
132:ACC信号に対してローパスフィルタリングを実行する。
【0148】
いくつかの実施形態において、このフィルタリングは、ローパスフィルタを用いることによりACC信号に対して実行され得る。ローパスフィルタの遮断周波数は、1Hzであってよい。
【0149】
133:ローパスフィルタリングされたACC信号のパワースペクトルを計算して、パワースペクトルのピーク点の位置および振幅を取得する。
【0150】
いくつかの実施形態において、分類モデルは、ACC信号の平均値および標準偏差、およびパワースペクトルのピーク点の位置および振幅に基づいてACC信号を分類して、現時点のユーザの姿勢を判定し得る。
【0151】
いくつかの実施形態において、第1の姿勢または第2の姿勢のガイドピクチャがウェアラブルデバイスのインタラクションインタフェース上に表示されることで、それに応じて自らの姿勢を調節するようユーザがガイドされ得る。いくつかの他の実施形態において、第1の姿勢または第2の姿勢のガイドピクチャは、代替的に、スマート端末のインタラクションインタフェース上に表示され得る。これは、限定されない。
【0152】
いくつかの実施形態において、ユーザの呼吸数(例えば、第1の呼吸数または第3の呼吸数)が予め設定された範囲を超えている場合、プロンプト情報がさらに、ウェアラブルデバイスのインタラクションインタフェース上に表示され得る。プロンプト情報は、姿勢を切り替えて検出を再び実行するようユーザに促し得る。姿勢を切り替えて測定を再び実行することをユーザが選択した場合、対応するセンサを用いることにより、切り替え後の姿勢に基づいて、信号が取得され得る。ユーザが、姿勢を切り替えることを選択しなかった、または姿勢を切り替えることを能動的に選択しなかった場合、呼吸器感染をユーザが患うリスクは、最初に取得された呼吸数に基づいて評価され得る。
【0153】
いくつかの実施形態において、プロンプト情報は、代替的に、装着位置におけるウェアラブルデバイスの位置を調節するよう、またはウェアラブルデバイスを再装着するようユーザに促し得る。
【0154】
いくつかの実施形態において、呼吸数の予め設定された範囲は、9BPMから24BPMまでであってよい。例えば、ユーザが第1の姿勢にある場合、PPG信号に基づいて取得されるユーザの呼吸数は、25BPMである、つまり、呼吸数は、呼吸数の予め設定された範囲を超えている。これに基づいて、ユーザは、第2の姿勢へ切り替えて検出を再び実行するよう、ウェアラブルデバイスのインタラクションインタフェース上で促され得る。切り替えを実行することをユーザが選択した場合、ユーザの操作に応答して、ユーザの呼吸数が再び測定され得る。切り替えを実行することをユーザが選択しなかった場合、音声信号を参照して、以前に取得された呼吸数(すなわち、26BPM)に基づいてユーザの呼吸器感染評価レポートが取得され得る。
【0155】
いくつかの実施形態において、呼吸器感染を評価する方法を実装するプロセスでは、ピクチャ、テキストまたは音声等の形態でプロンプト情報がさらに提供されることで、関連する操作を実行するようユーザが促され得る。
【0156】
いくつかの実施形態において、この方法は、ピクチャ、テキストまたは音声等の形態でガイド情報を提供する段階をさらに含み得る。ガイド情報は、関連する操作を実行するユーザをガイドすることにより音声信号および生理学的パラメータ信号を取得および処理するために用いられ得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの音声信号を取得するように構成された第1のセンサ;
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得するように構成された第2のセン
サ、ここで、前記第2のセンサは、PPGセンサを有し、前記PPGセンサは、前記ユーザのPPG信号を取得するように構成されている;および
前
記PPG信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得し、前記音声信号および前記呼吸数に基づいて前記ユーザの呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されたプロセッサ
を備えるウェアラブルデバイス。
【請求項2】
前記第2のセンサは、ACCセンサをさらに有し、前記ACCセンサは、前記ユーザのACC信号を取得するように構成されており、前記プロセッサはさらに、前記ACC信号に基づいて前記ユーザの第2の呼吸数を取得するように構成されている、請求
項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項3】
前記プロセッサはさらに、前
記ユーザの第1の呼吸数および前記第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行して前記ユーザの第3の呼吸数を取得するように構成されている、請求
項2に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項4】
前記プロセッサはさらに、前記ACC信号に基づいて前記ユーザの姿勢分類結果を取得するように構成されており、前記姿勢分類結果は、第1の姿
勢を含み、前記第1の姿勢は、支持のために前記ユーザの装着位置に応力がかかっている状態を
含む;
前記ユーザが前記第1の姿勢にある場合、前記プロセッサは、前
記ユーザの第1の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されてい
る
請求
項2に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項5】
前記プロセッサはさらに、前記ACC信号に基づいて前記ユーザの姿勢分類結果を取得するように構成されており、前記姿勢分類結果は、第2の姿勢を含み、前記第2の姿勢は、前記ユーザの装着位置が自然に配置されている状態を含む;
前記ユーザが前記第2の姿勢にある場合、前記プロセッサは、前記ユーザの第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されている
請求項2に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項6】
前記ウェアラブルデバイスは、ローパスフィルタをさらに備え、前記ローパスフィルタは、前記ACC信号に対してローパスフィルタリングを実行するように構成されており、前記ローパスフィルタの遮断周波数は、1Hzである;
前記プロセッサは、前記ACC信号の平均値および標準偏差を計算し、ローパスフィルタリングされたACC信号に基づいてパワースペクトルを計算して前記パワースペクトルのピーク点の位置および振幅を取得するように構成されている;および
前記プロセッサはさらに、前記ACC信号の前記平均値および前記標準偏差、および前記パワースペクトルの前記ピーク点の前記位置および前記振幅を分類モデルへ入力して前記姿勢分類結果を取得するように構成されている
請求項5に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項7】
前記プロセッサはさらに、前記ユーザ
が第1の姿勢にあり、前
記ユーザの第1の呼吸数が予め設定された範囲を超えている場合、前記第2の姿勢へ切り替わるよう前記ユーザに促すように構成されている;および
前記プロセッサはさらに、前記第2の姿勢への切り替えのための操作が前記ユーザにより実行されたことに応答して、前記PPG信号および前記ACC信号に基づいて前記第3の呼吸数を取得し、前記第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されている
請求項5に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項8】
前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルウォッチ、ウェアラブルブランケットまたはウェアラブルモニタである、請求項
1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項9】
前記ウェアラブルデバイスは、第1のバンドパスフィルタおよび第2のバンドパスフィルタをさらに備える;
前記第1のバンドパスフィルタは、前記PPG信号に対してバンドパスフィルタリングを実行して前記PPG信号のピーク点および谷点の位置を取得するように構成されている;
前記第2のバンドパスフィルタは、前記PPG信号に対してバンドパスフィルタリングを実行して前記PPG信号の前記ピーク点および前記谷点の振幅を取得するように構成されている;
前記プロセッサはさらに、前記PPG信号の前記ピーク点および前記谷点の前記位置および前記振幅に基づいて前記ユーザの第1の呼吸数を取得するように構成されている
請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項10】
前記第1のバンドパスフィルタを通過することを許容された信号の周波数帯域は、0.5Hzから10Hzまでを含み、前記第2のバンドパスフィルタを通過することを許容された信号の前記周波数帯域は、0.1Hzから10Hzまでを含む、請求項9に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項11】
前記ウェアラブルデバイスは、第3のバンドパスフィルタをさらに備える;
前記第3のバンドパスフィルタは、ベースラインが除去されたACC信号に対してバンドパスフィルタリングを実行するように構成されている;
前記プロセッサはさらに、バンドパスフィルタリングされたACC信号に基づいて前記ユーザの第2の呼吸数を取得するように構成されている
請求項9に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項12】
前記第3のバンドパスフィルタを通過することを許容された信号の周波数帯域は、0.1Hzから0.5Hzまでを含む、請求項11に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項13】
ウェアラブルデバイスに基づいて呼吸器感染を評価する方法であって、
ユーザの音声信号を取得する段階;
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する段階;
前記生理学的パラメータ信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得する段階;および
前記音声信号および前記呼吸数に基づいて前記ユーザの呼吸器感染評価レポートを取得する段階
を備
え;
ここで、前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する前記段階は、
前記ユーザのPPG信号を取得する段階、ここで、前記PPG信号は、前記生理学的パラメータ信号を含む
を有する;および
前記生理学的パラメータ信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得する前記段階は、
前記PPG信号に基づいて前記ユーザの第1の呼吸数を取得する段階
を有する
方法。
【請求項14】
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する前記段階は
、
前記ユーザのPPG信号およびACC信号を取得する段階、ここで、前記PPG信号および前記ACC信号の各々は、前記生理学的パラメータ信号を含む
を有する;および
前記生理学的パラメータ信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得する前記段階は
、
前記PPG信号に基づいて前記ユーザの第1の呼吸数を取得する段階;
前記ACC信号に基づいて前記ユーザの第2の呼吸数を取得する段階;および
前記第1の呼吸数および前記第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行して前記ユーザの第3の呼吸数を取得する段階
を有する
請求
項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する前記段階の前に、
前記ユーザのACC信号を取得する段階;および
前記ACC信号に基づいて前記ユーザの姿勢分類結果を取得する段階
をさらに備え、ここで、
前記姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み、前記第1の姿勢は、支持のために前記ユーザの装着位置に応力がかかっている状態を含み、前記第2の姿勢は、前記ユーザの前記装着位置が自然に配置されている状態を含む;および
前記音声信号および前記呼吸数に基づいて前記ユーザの呼吸器感染評価レポートを取得する前記段階は
、
前記ユーザが前記第1の姿勢にある場合、前記第1の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得する段階;または
前記ユーザが前記第2の姿勢にある場合、前
記ユーザの第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得する段階
を有する、
請求
項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ACC信号に基づいて前記ユーザの姿勢分類結果を取得する前記段階は
、
前記ACC信号の平均値および標準偏差を計算する段階;
前記ACC信号に対してローパスフィルタリングを実行し、前記ACC信号のパワースペクトルを計算して前記パワースペクトルのピーク点の位置および振幅を取得する段階、ここで、前記ローパスフィルタリングの遮断周波数は、1Hzである;および
前記ACC信号の前記平均値および前記標準偏差、および前記パワースペクトルの前記ピーク点の前記位置および前記振幅を分類モデルへ入力して前記姿勢分類結果を取得する段階
を有する、
請求
項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ユーザが第1の姿勢にあり、前記第1の呼吸数が予め設定された範囲を超えている場合、
第2の姿勢へ切り替わるよう前記ユーザに促す段階;
前記第2の姿勢への切り替えのための操作が前記ユーザにより実行されたことに応答して、前記PPG信号および前記ACC信号に基づいて前記第3の呼吸数を取得する段階;および
前記第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得する段階
をさらに備える、請求
項16に記載の方法。
【請求項18】
ユーザのACC信号を取得するように構成された少なくとも1つのACCセンサ;
前記ユーザのPPG信号を取得するように構成された少なくとも1つのPPGセンサ;
前記ACC信号に基づいて前記ユーザの姿勢分類結果を取得するように構成された少なくとも1つのプロセッサ、ここで、前記姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み、前記第1の姿勢は、支持のために前記ユーザの装着位置に応力がかかっている状態を含み、前記第2の姿勢は、前記ユーザの前記装着位置が自然に配置されている状態を含む;
を備え、
前記ユーザが前記第1の姿勢にある場合、前記プロセッサはさらに、前記PPG信号に基づいて前記ユーザの第1の呼吸数を取得するように構成されている;
前記ユーザが第2の状態にある場合、前記プロセッサはさらに、前記PPG信号に基づいて前記ユーザの第1の呼吸数を取得し、前記ACC信号に基づいて前記ユーザの第2の呼吸数を取得し、前記第1の呼吸数および前記第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行して前記ユーザの第3の呼吸数を取得するように構成されている
ウェアラブルデバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0156
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0156】
いくつかの実施形態において、この方法は、ピクチャ、テキストまたは音声等の形態でガイド情報を提供する段階をさらに含み得る。ガイド情報は、関連する操作を実行するユーザをガイドすることにより音声信号および生理学的パラメータ信号を取得および処理するために用いられ得る。
[他の可能な項目]
[項目1]
ユーザの音声信号を取得するように構成された第1のセンサ;
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得するように構成された第2のセンサ;および
前記生理学的パラメータ信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得し、前記音声信号および前記呼吸数に基づいて前記ユーザの呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されたプロセッサ
を備えるウェアラブルデバイス。
[項目2]
前記第2のセンサは、PPGセンサを有し、前記PPGセンサは、前記ユーザのPPG信号を取得するように構成されており、前記プロセッサは、前記PPG信号に基づいて前記ユーザの第1の呼吸数を取得するように構成されている、項目1に記載のウェアラブルデバイス。
[項目3]
前記第2のセンサは、ACCセンサをさらに有し、前記ACCセンサは、前記ユーザのACC信号を取得するように構成されており、前記プロセッサはさらに、前記ACC信号に基づいて前記ユーザの第2の呼吸数を取得するように構成されている、項目2に記載のウェアラブルデバイス。
[項目4]
前記プロセッサはさらに、前記第1の呼吸数および前記第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行して前記ユーザの第3の呼吸数を取得するように構成されている、項目3に記載のウェアラブルデバイス。
[項目5]
前記プロセッサはさらに、前記ACC信号に基づいて前記ユーザの姿勢分類結果を取得するように構成されており、前記姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み、前記第1の姿勢は、支持のために前記ユーザの装着位置に応力がかかっている状態を含み、前記第2の姿勢は、前記ユーザの前記装着位置が自然に配置されている状態を含む;
前記ユーザが前記第1の姿勢にある場合、前記プロセッサは、前記第1の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されている;および
前記ユーザが前記第2の姿勢にある場合、前記プロセッサは、前記第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されている
項目3または4に記載のウェアラブルデバイス。
[項目6]
前記ウェアラブルデバイスは、ローパスフィルタをさらに備え、前記ローパスフィルタは、前記ACC信号に対してローパスフィルタリングを実行するように構成されており、前記ローパスフィルタの遮断周波数は、1Hzである;
前記プロセッサは、前記ACC信号の平均値および標準偏差を計算し、ローパスフィルタリングされたACC信号に基づいてパワースペクトルを計算して前記パワースペクトルのピーク点の位置および振幅を取得するように構成されている;および
前記プロセッサはさらに、前記ACC信号の前記平均値および前記標準偏差、および前記パワースペクトルの前記ピーク点の前記位置および前記振幅を分類モデルへ入力して前記姿勢分類結果を取得するように構成されている
項目5に記載のウェアラブルデバイス。
[項目7]
前記プロセッサはさらに、前記ユーザが前記第1の姿勢にあり、前記第1の呼吸数が予め設定された範囲を超えている場合、前記第2の姿勢へ切り替わるよう前記ユーザに促すように構成されている;および
前記プロセッサはさらに、前記第2の姿勢への切り替えのための操作が前記ユーザにより実行されたことに応答して、前記PPG信号および前記ACC信号に基づいて前記第3の呼吸数を取得し、前記第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得するように構成されている
項目5に記載のウェアラブルデバイス。
[項目8]
前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルウォッチ、ウェアラブルブランケットまたはウェアラブルモニタである、項目1から6のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス。
[項目9]
ウェアラブルデバイスに基づいて呼吸器感染を評価する方法であって、
ユーザの音声信号を取得する段階;
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する段階;
前記生理学的パラメータ信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得する段階;および
前記音声信号および前記呼吸数に基づいて前記ユーザの呼吸器感染評価レポートを取得する段階
を備える、方法。
[項目10]
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する前記段階は、具体的には、
前記ユーザのPPG信号を取得する段階、ここで、前記PPG信号は、前記生理学的パラメータ信号を含む
を有する;および
前記生理学的パラメータ信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得する前記段階は、具体的には、
前記PPG信号に基づいて前記ユーザの第1の呼吸数を取得する段階
を有する
項目9に記載の方法。
[項目11]
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する前記段階は、具体的には、
前記ユーザのPPG信号およびACC信号を取得する段階、ここで、前記PPG信号および前記ACC信号の各々は、前記生理学的パラメータ信号を含む
を有する;および
前記生理学的パラメータ信号に基づいて前記ユーザの呼吸数を取得する前記段階は、具体的には、
前記PPG信号に基づいて前記ユーザの第1の呼吸数を取得する段階;
前記ACC信号に基づいて前記ユーザの第2の呼吸数を取得する段階;および
前記第1の呼吸数および前記第2の呼吸数に対してフィルタリングおよび融合を実行して前記ユーザの第3の呼吸数を取得する段階
を有する
項目9に記載の方法。
[項目12]
前記ユーザの生理学的パラメータ信号を取得する前記段階の前に、
前記ユーザのACC信号を取得する段階;および
前記ACC信号に基づいて前記ユーザの姿勢分類結果を取得する段階
をさらに備え、ここで、
前記姿勢分類結果は、第1の姿勢および第2の姿勢を含み、前記第1の姿勢は、支持のために前記ユーザの装着位置に応力がかかっている状態を含み、前記第2の姿勢は、前記ユーザの前記装着位置が自然に配置されている状態を含む;および
前記音声信号および前記呼吸数に基づいて前記ユーザの呼吸器感染評価レポートを取得する前記段階は、具体的には、
前記ユーザが前記第1の姿勢にある場合、前記第1の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得する段階;または
前記ユーザが前記第2の姿勢にある場合、前記第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得する段階
を有する、
項目9から11のいずれか一項に記載の方法。
[項目13]
前記ACC信号に基づいて前記ユーザの姿勢分類結果を取得する前記段階は、具体的には、
前記ACC信号の平均値および標準偏差を計算する段階;
前記ACC信号に対してローパスフィルタリングを実行し、前記ACC信号のパワースペクトルを計算して前記パワースペクトルのピーク点の位置および振幅を取得する段階、ここで、前記ローパスフィルタリングの遮断周波数は、1Hzである;および
前記ACC信号の前記平均値および前記標準偏差、および前記パワースペクトルの前記ピーク点の前記位置および前記振幅を分類モデルへ入力して前記姿勢分類結果を取得する段階
を有する、
項目11に記載の方法。
[項目14]
前記ユーザが第1の姿勢にあり、前記第1の呼吸数が予め設定された範囲を超えている場合、
第2の姿勢へ切り替わるよう前記ユーザに促す段階;
前記第2の姿勢への切り替えのための操作が前記ユーザにより実行されたことに応答して、前記PPG信号および前記ACC信号に基づいて前記第3の呼吸数を取得する段階;および
前記第3の呼吸数および前記音声信号に基づいて前記呼吸器感染評価レポートを取得する段階
をさらに備える、項目13に記載の方法。
【国際調査報告】