(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-04
(54)【発明の名称】体内プロテーゼのためのキャップコンポーネント、及びコンポーネントを含む体内プロテーゼ又は人工関節
(51)【国際特許分類】
A61F 2/32 20060101AFI20241127BHJP
A61F 2/38 20060101ALI20241127BHJP
A61F 2/40 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
A61F2/32
A61F2/38
A61F2/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024532835
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2022066265
(87)【国際公開番号】W WO2023099045
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】102021131572.7
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102022110936.4
(32)【優先日】2022-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516118659
【氏名又は名称】マティス アクチェンゲゼルシャフト ベットラッハ
【氏名又は名称原語表記】MATHYS AG BETTLACH
【住所又は居所原語表記】Robert Mathys Strasse 5, 2544 Bettalach, Schweiz
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】弁理士法人クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィオラ・マイ
(72)【発明者】
【氏名】ビクター・バルデラバーノ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA04
4C097AA07
4C097AA08
4C097AA12
4C097AA13
4C097BB01
4C097EE07
4C097SC08
(57)【要約】
本発明は、キャップコンポーネント(20)及びインサートコンポーネント(10)を含む体内プロテーゼ(30)に関し、インサートコンポーネント(10)の摺動面は、キャップコンポーネント(20)の摺動面と摺動接触している。キャップコンポーネント(20)は、関連する骨接合部の一部又は全部を取り囲むように設計される。キャップコンポーネント(20)は、凸状又は平坦である摺動面を有する。更に、キャップコンポーネント(20)及び/又はキャップコンポーネント(20)の基材(22)は、関連する骨接合部の骨材料と同様の剛性、特に弾性率を有する。更に、インサートコンポーネント(10)は、関連する骨接合部に挿入されるように、又は骨接合部を部分的に若しくは完全に置き換えるように設計される。更に、インサートコンポーネント(10)は、凸状又は平坦な摺動面を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内プロテーゼ(30)のためのキャップコンポーネント(20)であって、
前記キャップコンポーネント(20)が、関連する骨接合部の一部又は全部を取り囲むように設計され、
前記キャップコンポーネント(20)及び/又は前記キャップコンポーネント(20)の基材(22)が、関連する前記骨接合部の前記骨材料と同様の剛性、特に弾性率を有し、
前記骨接合部に面する前記キャップコンポーネント(20)の前記表面(21)が、第1の金属又は第1の金属の粒子で部分的又は完全に被覆され、
前記キャップコンポーネント(20)が、凸状又は平坦な摺動面を有する、キャップコンポーネント(20)。
【請求項2】
前記弾性率が10GPa未満、好ましくは8GPa未満、特に好ましくは5GPa未満、非常に特に好ましくは1.5GPa未満であり、及び/又は
前記キャップコンポーネント(20)の前記摺動面の前記剛性、特に弾性率が、前記キャップコンポーネント(20)及び/又は前記キャップコンポーネント(20)の前記基材(22)の前記剛性、特に弾性率と同様又は同一である、請求項1に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項3】
前記キャップコンポーネント(20)の前記基材(22)が、特に前記キャップコンポーネント(20)と摺動可能に協働するインサートコンポーネント(10)の基材(12)の第2の金属及び/又は金属合金よりも柔らかく、
前記第2の金属が、好ましくはチタン、鉄、クロム又はコバルトであり、及び/又は
前記金属合金が、好ましくは、チタン、鉄、クロム、コバルトのうちの少なくとも1つの前記金属を含む、請求項1又は2に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項4】
前記第1の金属がチタン粒子を含み、
前記チタン粒子が、好ましくは、チタンプラズマスプレーコーティングプロセスを用いて塗布された、請求項1~3のいずれか一項に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項5】
前記キャップコンポーネント(20)の前記基材(22)が、プラスチック、好ましくはポリエチレン、特に好ましくは架橋で安定化されたポリエチレン、非常に特に好ましくはビタミンEと混合され、架橋で安定化されたポリエチレンを含むか、又はそれからなる、請求項1~4のいずれか一項に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項6】
前記キャップコンポーネント(20)が少なくとも1つの回転防止要素(23)を有し、
前記少なくとも1つの回転防止要素(23)が、好ましくは、前記骨接合部に面する前記キャップコンポーネント(20)の前記表面(21)に配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの回転防止要素(23)が、バー、ボラード、スレッド、ティース、クロス、スター又はアンカーピン、特にペグの形態を有し、及び/又は
前記少なくとも1つの回転防止要素(23)が、前記キャップコンポーネント(20)に対して円形に、及び/又は前記対応する極に配置される、請求項6に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項8】
前記キャップコンポーネント(20)が少なくとも1つの並進防止要素を有し、
前記少なくとも1つの並進防止要素が、好ましくは、前記骨接合部に面する前記キャップコンポーネント(20)の前記表面(21)に配置される、請求項6又は7に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの並進防止要素が、溝、好ましくは環状溝、又は少なくとも1つのキャビティ、好ましくはいくつかのキャビティ、特に好ましくは対応する表面上に均一に分布したいくつかのキャビティ、最も好ましくはいくつかのゴルフボール状キャビティの形態を有する、請求項8に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの回転防止要素(23)及び/又は前記少なくとも1つの並進防止要素が、前記対応する移植直後及び/又は前記関連する骨接合部の前記骨材料の前記対応する成長後の時間にわたって力及び/又はモーメントを、吸収するように設定される、請求項6~9のいずれか一項に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項11】
前記キャップコンポーネント(20)が少なくとも1つの凹部を有し、
前記少なくとも1つの凹部が、好ましくは、前記対応する調製及び/又は移植中に重要な血液供給を伴うゾーンを保護するように設計される、請求項1~10のいずれか一項に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項12】
前記キャップコンポーネント(20)の前記形状が、前記形状が、前記関連する骨接合部から外方に面する前記表面の前記球から、特に前記キャップコンポーネント(20)の前記対応するイクエータの下側において、逸脱し、及び/又は先細になるようなものである、請求項1~11のいずれか一項に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項13】
前記形状が、2つの異なる半径を有し、及び/又は
前記形状が、楕円又は自由に画定された曲線又は線に基づいており、それによって特に少なくとも0.5mm、好ましくは少なくとも2mm、特に好ましくは少なくとも3mm、非常に特に好ましくは少なくとも5mmの大腿骨頭-頸部オフセットが達成される、請求項12に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項14】
前記キャップコンポーネント(20)の前記形状が、前記形状が前記骨接合部に面する前記表面(21)の前記球から、特に前記キャップコンポーネント(20)の前記対応するイクエータの下側において逸脱するようなものである、請求項1から13のいずれか一項に記載のキャップコンポーネント(20)。
【請求項15】
体内プロテーゼ(30)であって、
第1の骨、特に第1の骨接合部用のインサートコンポーネント(10)であって、凹状又は平坦な摺動面を有するインサートコンポーネント(10)と、
第2の骨、特に第2の骨接合部のための、請求項1から14のいずれか一項に記載のキャップコンポーネント(20)とを含み、
前記インサートコンポーネント(10)の前記摺動面が、前記キャップコンポーネント(20)の前記摺動面と摺動接触している、体内プロテーゼ(30)。
【請求項16】
前記インサートコンポーネント(10)が、関連する骨接合部、特に前記第1の骨接合部に挿入されるように、又は前記骨接合部を部分的に若しくは完全に置き換えるように、及び/又は
前記骨接合部、特に前記第1の骨接合部に面する前記インサートコンポーネント(10)の前記表面(11)が、第1の金属又は第1の金属の粒子で部分的又は完全に被覆され、及び/又は
前記インサートコンポーネント(10)の基材(12)が、第2の金属若しくは金属合金及び/又は金属酸化物若しくは金属酸化物混合物を含む、請求項15に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項17】
前記金属酸化物が、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム又は酸化アルミニウムを含むか、又はそれらであり、及び/又は
前記金属酸化物混合物が、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム又は酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つの前記金属酸化物を含むか、又は酸化イットリウム、安定化酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの混合物であり、及び/又は
前記キャップコンポーネント(20)の前記基材(22)が、前記インサートコンポーネント(10)の前記第2の金属及び/又は前記金属合金よりも柔らかい、請求項15又は16に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項18】
前記インサートコンポーネント(10)の前記第1の金属がチタン粒子を含み、
前記チタン粒子が、好ましくは、チタンプラズマスプレーコーティングプロセスを用いて塗布された、請求項16又は17に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項19】
前記インサートコンポーネント(10)が、少なくとも1つの回転防止及び/又は並進防止要素を有し、
前記少なくとも1つの回転防止及び/又は並進防止要素が、好ましくは、前記骨接合部に面する前記インサートコンポーネント(10)の前記表面(11)に配置される、請求項15~18のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項20】
前記インサートコンポーネント(10)の前記少なくとも1つの回転防止及び/又は並進防止要素が、少なくとも1つの歯、好ましくは歯付きマクロ構造、又は少なくとも1つのキャビティ、好ましくはいくつかのキャビティ、特に好ましくは対応する表面上に均一に分布したいくつかのキャビティ、最も好ましくはいくつかのゴルフボール状キャビティの形態を有する、請求項19に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項21】
前記第1の骨が骨盤であり、前記第1の骨接合部が寛骨臼であり、
前記第2の骨が大腿骨であり、前記第2の骨接合部が大腿骨頭である、請求項15~20のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項22】
前記第1の骨が脛骨であり、
前記第2の骨が距骨である、請求項15~20のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項23】
前記第1の骨が脛骨であり、
前記第2の骨が大腿骨である、請求項15~20のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項24】
前記第1の骨が、節骨であり、
前記第2の骨が中足骨である、請求項15~20のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項25】
前記第1の骨が関節窩であり、
前記第2の骨が上腕骨である、請求項15から20のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項26】
前記第1の骨が半径であり、
前記第2の骨が舟状骨である、請求項15~20のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項27】
前記第1の骨及び前記第1の骨接合部が、人間の骨格の一部であり、
前記第2の骨及び前記第2の骨接合部が、人間の骨格の一部である、請求項15から20のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項28】
前記第1の骨及び前記第1の骨接合部が、動物の骨格の一部であり、
前記第2の骨及び前記第2の骨接合部が、動物の骨格の一部である、請求項15~20のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内プロテーゼのためのキャップコンポーネント(関節部のリサーフェシング)、及びそのようなキャップコンポーネント及びインサートコンポーネント(両方の関節部のリサーフェシング)を有する体内プロテーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、人間及び動物の損傷した関節は、体内プロテーゼで完全に又は部分的に置き換えられる。股関節体内プロテーゼ、特に対応する総体内プロテーゼの例を使用して、各場合において寛骨臼と大腿骨頭の両方を全体として置き換えることが一般的である。しかしながら、この典型的な手順は、他の関節タイプと同様に起こり得るいくつかの欠点に関連し得る:特に人工関節頭部の領域における骨折のリスクの増加、大腿骨頸部のインピンジメント、寛骨臼の位置異常、大腿骨内反の位置異常、骨への体内プロテーゼの付着不良又は骨結合不良、例えば使用される対応するリーマの熱又は対応する接合によって引き起こされる壊死、(擬似)腫瘍の誘発及び/又はアレルギ、特に例えば金属対金属体内プロテーゼの摩耗によって引き起こされるコバルト又はクロムで典型的に作られる金属粒子又はイオンによるアレルギ。前述の欠点の少なくともいくつかは、対応する移植に関連する比較的大きな骨切除によって引き起こされるか又は有利になる。
【0003】
欧州特許第2872072号明細書は、患者の体内での金属粒子放出の上述の欠点のリスクを克服又は低減することができる股関節プロテーゼのためのカップを開示している。不利なことに、インプラント配置に必要な対応する骨切除は、記載されたカップを用いても最小限に抑えることができない。
【0004】
更に、本出願の優先日後に公開された独国特許出願公開第102020116929号明細書には、哺乳類の骨に直接又は間接的に取り付けるための取り付け領域と、少なくとも部分的に人工関節の関節ギャップを区切るように配置され、少なくとも1つの人工又は天然の関節コンポーネントとスライドペアを形成する摺動面とを備えた体内プロテーゼが示されている。これに関連して、取り付け領域が、少なくとも部分的にポリマ又は金属を含むプロテーゼ本体の一部であり、摺動面がプロテーゼ本体上に配置され、少なくとも一部の領域でセラミック材料を含むことが重要である。しかしながら、前述の体内プロテーゼであっても、上記の欠点を十分に回避又は完全に克服することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(課題及び解決手段)
従って、本発明の目的は、体内プロテーゼのためのキャップコンポーネント、並びにそのようなキャップコンポーネント及びインサートコンポーネントを含む体内プロテーゼであって、特に対応する移植に関連する骨切除が最小限に抑えられる体内プロテーゼを提供することである。
【0006】
この目的は、請求項1の特徴によって、体内プロテーゼのためのキャップコンポーネントに関して達成される。この目的は、請求項15の特徴によって、このようなキャップコンポーネント及びインサートコンポーネントを含む体内プロテーゼに関して達成される。従属請求項は、有利な展開を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、体内プロテーゼのためのキャップコンポーネントが作製される。キャップコンポーネントは、関連する骨接合部の一部又は全部を取り囲むように設計される。更に、キャップコンポーネント及び/又はキャップコンポーネントの基材は、関連する骨接合部の骨材料と同様の剛性、特に弾性率を有し、骨接合部に面するキャップコンポーネントの表面は、第1の金属又は第1の金属の粒子で部分的又は完全に被覆されている。キャップコンポーネントはまた、凸状又は平坦な摺動面を有する。
【0008】
キャップコンポーネントの基材が関節に面する側の摺動材料としても作用する場合、特定の利点があることにも留意されたい。
【0009】
有利には、前述の構成は、キャップコンポーネントの移植に必要な対応する骨切除を最小限に抑えることを可能にする。特に、関連する骨接合部の表面は、最小限の骨切除で再生することができる。更に、金属又は金属粒子のコーティングは、キャップコンポーネントの成長を促進し、対応するオッセオインテグレーションを改善する。更に、例えば、特に移植中の最小限の骨切除がリーマによってほとんど熱が発生しないことを意味するので、壊死のリスクが低減される。更に、セメントの使用は、移植中に完全に省くことができ、これはまた、起こり得る壊死を防止する。
【0010】
完全を期すために、キャップコンポーネントは、単独で、すなわち特に他のコンポーネント、例えば体内プロテーゼ用の人工関節ソケットなどの人工コンポーネントと相互作用することなく使用することもできることにも言及すべきである。従って、キャップコンポーネントが人間若しくは動物の骨接合部と直接相互作用すること、又はキャップコンポーネントの摺動面が人間若しくは動物の摺動面と相互作用することが可能である。
【0011】
本発明の第1の態様の第1の好ましい実施形態によれば、弾性率は10GPa未満、好ましくは8GPa未満、特に好ましくは5GPa未満、非常に特に好ましくは1.5GPa未満である。追加的又は代替的に、キャップコンポーネントの摺動面の剛性、特に弾性率は、キャップコンポーネント及び/又はキャップコンポーネントの基材の剛性、特に弾性率と同様又は同一である。
【0012】
有利には、例えば、対応する体内プロテーゼの生体力学的特性を改善することができる。
【0013】
本発明の第1の態様の第2の好ましい実施形態によれば、キャップコンポーネントの基材は、第2の金属及び/又は金属合金、特にキャップコンポーネントと摺動可能に協働するインサートコンポーネントの基材よりも柔らかい。追加的又は代替的に、第2の金属は、好ましくはチタン、鉄、クロム又はコバルトである。更に追加的又は代替的に、金属合金は、好ましくは、チタン、鉄、クロム、コバルトのうちの少なくとも1つの金属を含む。
【0014】
有利には、キャップコンポーネントの基材の硬度は、例えば、対応する体内プロテーゼの最適な生体力学的特性の方向で更に改善することができる。
【0015】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、第1の金属はチタン粒子を含み、チタン粒子は、好ましくはチタンプラズマスプレーコーティングプロセスによって塗布された。
【0016】
上述のチタンプラズマスプレーコーティングプロセスの代替として、それは原則として、熱的、熱的及び加圧的、又は非熱的補助コーティングプロセスであり得る。特に、プレス、焼結又は振動プロセス又は圧入プロセスであり得る。
【0017】
更なる代替として、骨接合部に面するキャップコンポーネントの表面は、第1の金属又は第2の金属の粒子で部分的又は完全にドープされ得る。
【0018】
有利には、チタン又はその粒子は、対応するオッセオインテグレーションを改善するのに特に適していることが証明されている。
【0019】
チタンの代替として、カルシウム、好ましくはカルシウム化合物、特に好ましくはリン酸カルシウム化合物、非常に特に好ましくはヒドロキシアパタイト又はブルッカイトを使用することが有利であり得る。
【0020】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、キャップコンポーネントの基材は、プラスチック、好ましくはポリエチレン、特に好ましくは架橋で安定化されたポリエチレン、非常に特に好ましくはビタミンEと混合され、架橋で安定化されたポリエチレンを含むか、又はそれからなる。
【0021】
特に、前述のプラスチックは、最大1GPaの弾性率を有することができる。更に、プラスチックは、代替的に、非金属及び非セラミックプラスチック材料であってもよい。特に、それは、ポリマ、好ましくは高度に架橋されたポリエチレン又はビタミンEがドープされたポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であり得る。
【0022】
有利には、例えば、対応する体内プロテーゼの生体力学的特性に関して最適なものを達成することができる。更に、基材又はキャップコンポーネントはX線に対して透明であり、関連する骨接合部を監視することを特に容易にする。
【0023】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、キャップコンポーネントは、少なくとも1つの回転防止要素を備え、少なくとも1つの回転防止要素は、好ましくは、骨接合部に面するキャップコンポーネントの表面に配置される。
【0024】
有利には、このようにしてキャップコンポーネントの確実な位置決めを確保することができ、例えば、対応する位置ずれを予防的に防止する。
【0025】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの回転防止要素は、バー、ボラード、スレッド、ティース、クロス、スター又はアンカーピン、特にペグの形状を有する。追加的又は代替的に、少なくとも1つの回転防止要素は、キャップコンポーネントに対して円形に及び/又は対応する極に配置される。
【0026】
有利には、キャップコンポーネントは、特に効率的な方法で確実に位置決めすることができる。
【0027】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、キャップコンポーネントは、少なくとも1つの並進防止要素を備え、少なくとも1つの並進防止要素は、好ましくは、骨接合部に面するキャップコンポーネントの表面に配置される。
【0028】
有利には、このようにしてキャップコンポーネントの確実な位置決めを確保することができ、例えば、対応する位置ずれを予防的に防止する。
【0029】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの並進防止要素は、溝、好ましくは環状溝、又は少なくとも1つのキャビティ、好ましくはいくつかのキャビティ、特に好ましくは対応する表面上に均一に分布したいくつかのキャビティ、最も好ましくはいくつかのゴルフボール状キャビティの形態を有する。
【0030】
有利には、ゴルフボール状構造は、特に対応するキャビティを特に効率的な方法で製造することができるため、キャップコンポーネントの確実な位置決めに特に適していることが証明されている。
【0031】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの回転防止要素及び/又は少なくとも1つの並進防止要素は、対応する移植直後及び/又は関連する骨接合部の骨材料の対応する成長後の時間にわたって力及び/又はモーメントを吸収するように設定される。
【0032】
これの利点は、移植中だけでなく後にも不良を効率的に防止できることである。これは、キャップコンポーネントがその全耐用年数にわたって確実に位置決めされることを意味する。
【0033】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、キャップコンポーネントは、少なくとも1つの凹部を含み、少なくとも1つの凹部は、好ましくは、対応する調製及び/又は移植中に重要な血液供給ゾーンを保護するように設計される。
【0034】
有利には、重要な血液供給によるゾーンの前述の保護は、特に効率的又は好ましい方法で達成することができる。
【0035】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、キャップコンポーネントの形状は、特にキャップコンポーネントの対応するイクエータの下側において、関連する骨接合部から外方に面する表面の球から逸脱し、及び/又は先細になるようなものである。
【0036】
好ましくは、上述のずれ及び/又はテーパは、キャップコンポーネントの摺動面に関する。
【0037】
有利には、例えば、対応するインピンジメントを回避又は防止することができる。
【0038】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、形状は2つの異なる半径を有する。追加的又は代替的に、形状は、楕円又は自由に画定された曲線又は線に基づいており、それによって特に少なくとも0.5mm、好ましくは少なくとも2mm、特に好ましくは少なくとも3mm、非常に特に好ましくは少なくとも5mmの大腿骨頭-頸部オフセットが達成される。
【0039】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、キャップコンポーネントの形状は、特にキャップコンポーネントの対応するイクエータの下側において、その形状が骨接合部に面する表面の球から、逸脱するような形状である。
【0040】
好ましくは、上述のずれは、キャップコンポーネントの摺動面に関係せず、特に、第1の金属又は第1の金属の粒子で部分的又は完全に被覆されたキャップコンポーネントの表面に関係する。
【0041】
従って、接合が行われない場合であっても、キャップコンポーネントを関連する骨接合部に特に確実且つ効率的な方法で固定することができることが有利である。
【0042】
本発明の第2の態様によれば、第1の骨、特に第1の骨接合部のためのインサートコンポーネントであって、凹状又は平坦な摺動面を有するインサートコンポーネントと、第2の骨、特に第2の骨接合部のための本発明の第1の態様の実施形態の1つによるキャップコンポーネントであって、インサートコンポーネントの摺動面がキャップコンポーネントの摺動面と摺動接触しているキャップコンポーネントとを備える体内プロテーゼが提供される。
【0043】
インサートコンポーネント及びキャップコンポーネントの多数の利点に加えて、摺動システムは、有利には、金属対金属システムではなく、これは金属粒子が対応する生体内に侵入しないことを意味し、例えば(擬似)腫瘍やアレルギを防止する。
【0044】
インサートコンポーネントは、特に関節ソケット、例えば股関節ソケットであり得ることに留意されたい。
【0045】
本発明の第2の態様の第1の好ましい実施形態によれば、インサートコンポーネントは、関連する骨接合部、特に第1の骨接合部に挿入されるか、又はそれを部分的又は完全に置き換えるように設計される。追加的又は代替的に、骨接合部、特に第1の骨接合部に面するインサートコンポーネントの表面は、第1の金属又は第1の金属の粒子で部分的又は完全に被覆される。更に、追加的又は代替的に、インサートコンポーネントの基材は、第2の金属若しくは金属合金及び/又は金属酸化物若しくは金属酸化物混合物を含む。
【0046】
インサートコンポーネントの基材の弾性率とキャップコンポーネントの基材の弾性率とが、少なくとも50倍、好ましくは少なくとも70倍、特に好ましくは少なくとも100倍、非常に特に好ましくは少なくとも200倍異なる場合、特に有利であり得る。これに関連して、特に、インサートコンポーネントの弾性率は、キャップコンポーネントの弾性率よりも大きい。
【0047】
有利には、前述の構成は、インサートコンポーネントの移植に必要な対応する骨切除を最小限に抑えることを可能にする。特に、関連する骨接合部の表面は、最小限の骨切除で再生することができる。更に、金属又は金属粒子のコーティングは、インサートコンポーネントの成長を促進し、対応するオッセオインテグレーションを改善する。更に、例えば、特に移植中の最小限の骨切除がリーマによってほとんど熱が発生しないことを意味するので、壊死のリスクが低減される。更に、セメントの使用は、移植中に完全に省くことができ、これはまた、壊死の可能性も予防的に防止する。
【0048】
本発明の第2の態様の第2の好ましい実施形態によれば、金属酸化物は、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム又は酸化アルミニウムであるか、又はそれらを含む。追加的又は代替的に、金属酸化物混合物は、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、又は酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つの金属酸化物を含むか、又は酸化イットリウム、安定化酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの混合物である。追加的又は代替的に、キャップコンポーネントの基材は、インサートコンポーネントの第2の金属及び/又は金属合金よりも柔らかい。
【0049】
有利には、前述の酸化物は、最小限の骨切除で関連する骨接合部の表面を再生するのに特に適していることが証明されている。
【0050】
本発明の第2の態様の更に好ましい実施形態によれば、インサートコンポーネントの第1の金属はチタン粒子を含み、チタン粒子は、好ましくはチタンプラズマスプレーコーティングプロセスによって塗布されている。
【0051】
有利には、チタン又はその粒子は、対応するオッセオインテグレーションを改善するのに特に適していることが証明されている。
【0052】
本発明の第2の態様の更に好ましい実施形態によれば、インサートコンポーネントは、少なくとも1つの回転及び/又は並進防止要素を備え、少なくとも1つの回転及び/又は並進防止要素は、好ましくは、骨接合部に面するインサートコンポーネントの表面に配置される。
【0053】
有利には、このようにしてインサートコンポーネントの確実な位置決めを確保することができ、例えば、対応する位置ずれを予防的に防止する。
【0054】
本発明の第2の態様の更に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの回転及び/又は並進防止要素は、少なくとも1つの歯、好ましくは歯付きマクロ構造、又は少なくとも1つのキャビティ、好ましくはいくつかのキャビティ、特に好ましくは対応する表面上に均一に分布したいくつかのキャビティ、最も好ましくはいくつかのゴルフボール状キャビティの形態を有する。
【0055】
有利には、ゴルフボール状構造は、特に対応するキャビティを特に効率的な方法で製造することができるため、インサートコンポーネントの確実な位置決めに特に適していることが証明されている。
【0056】
本発明の第2の態様の更に好ましい実施形態によれば、第1の骨は骨盤であり、第1の骨接合部は寛骨臼である。また、第2の骨は大腿骨であり、第2の骨接合部は大腿骨頭である。
【0057】
有利には、股関節は治療することができるが、完全には置き換えられず、むしろ骨接合部の対応する表面が再生又は矯正される。これにより、移植中の対応する骨切除が最小限に抑えられる。
【0058】
対応する摺動面が好ましくは置き換え又は再生される場合、特に有利である。
【0059】
以下に記載される実施形態は、本発明によるインサートコンポーネントと本発明によるキャップコンポーネントとを含む本発明による体内プロテーゼが、特に柔軟に有利に使用され得ることを示す。
【0060】
本発明の第2の態様の更に好ましい実施形態によれば、第1の骨は脛骨である。また、第2の骨は、距骨である。
【0061】
本発明の第2の態様の更に好ましい実施形態によれば、第1の骨は脛骨である。また、第2の骨は大腿骨である。
【0062】
本発明の第2の態様の更に好ましい実施形態によれば、第1の骨は、節骨である。また、第2の骨は中足骨である。
【0063】
本発明の第2の態様の更に好ましい実施形態によれば、第1の骨は関節窩である。また、第2の骨は上腕骨である。
【0064】
本発明の第2の態様の更に好ましい実施形態によれば、第1の骨は半径である。また、第2の骨は、舟状骨である。
【0065】
本発明の第2の態様の更に好ましい実施形態によれば、第1の骨及び第1の骨接合部は、人間の骨格の一部である。また、第2の骨及び第2の骨接合部は、人間の骨格の一部である。
【0066】
本発明の第2の態様の更に好ましい実施形態によれば、第1の骨及び第1の骨接合部は動物の骨格の一部である。また、第2の骨及び第2の骨接合部は、動物の骨格の一部である。
以下では、図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態の詳細な例示的説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】本発明による体内プロテーゼの例示的な実施形態を示す図である。
【
図2】
図1による体内プロテーゼのキャップコンポーネントのみを示す図である。
【
図3】股関節内プロテーゼとしての
図1による体内プロテーゼの例示的な使用を示す図である。
【
図4】フォローアップ手術の場合の
図3による股関節内プロテーゼの少なくとも一部の可能な更なる使用を示す図である。
【
図5A】本発明によるキャップコンポーネントの例示的な実施形態の詳細な断面図である。
【
図5C】
図5Aによる実施形態に含まれるリブの例示的なリブ形状を示す図である。
【
図5D】本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態の図である。
【
図6A】本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態の詳細な断面図を示す。
【
図6B】本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態の詳細な断面図を示す。
【
図7A】本発明によるインサートコンポーネントの例示的な実施形態の三次元図を示す。
【
図7B】本発明によるインサートコンポーネントの更なる例示的な実施形態の三次元図を示す。
【
図8A】特に上腕骨と共に、本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態の図を示す。
【
図8B】特に大腿骨頭と共に、本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態の図を示す。
【
図8C】特に距骨と共に、本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態の図を示す。
【
図8D】特に大腿骨顆と共に、本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態の図を示す。
【
図8E】特に脛骨と共に、本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態の図を示す。
【
図8F】特に脛骨-距骨関節と共に、本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1は、第1の骨、特に第1の骨接合部のための本発明によるインサートコンポーネント10の例示的な実施形態と、第2の骨、特に第2の骨接合部のための本発明によるキャップコンポーネント20の例示的な実施形態とを有する、本発明による体内プロテーゼ30の例示的な実施形態を示し、インサートコンポーネント10の摺動面は、キャップコンポーネント20の摺動面と摺動接触している。
【0069】
骨接合部に面するインサートコンポーネント10の表面11は、第1の金属又は第1の金属の粒子で部分的又は完全に被覆されている。更に、インサートコンポーネント10は、凸状又は平坦な摺動面を有する。
【0070】
インサートコンポーネント10はまた、関連する骨接合部に挿入されるか、又はそれを部分的又は完全に置き換えるように設計される。インサートコンポーネント10の基材12は、基本的に、第2の金属若しくは金属合金及び/又は金属酸化物若しくは金属酸化物混合物を含む。
【0071】
なお、上記金属酸化物は、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム又は酸化アルミニウムを含んでいてもよいし、これらであってもよい。追加的又は代替的に、金属酸化物混合物は、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム又は酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つの金属酸化物を含んでもよく、又は酸化イットリウム、安定化酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの混合物であってもよい。
【0072】
体内プロテーゼ30のインサートコンポーネント10は、例として、イットリウム安定化酸化ジルコニウムと酸化アルミニウムとの混合物を含む基材12を有する。
【0073】
更に、第1の金属がチタン粒子を含む場合、チタン粒子は、好ましくはチタンプラズマスプレーコーティングプロセス又は別の熱プロセスを使用して塗布されたものであることが特に有利である。例えば、インサートコンポーネント10は、このようなコーティング11を有する。特に、これはTiCPコーティングである。
【0074】
インサートコンポーネント10が少なくとも1つの回転及び/又は並進防止要素を備え、少なくとも1つの回転及び/又は並進防止要素が、好ましくは骨接合部に面するインサートコンポーネント10の表面11に配置される場合も特に有利であり得る。
【0075】
図1による本発明によるインサートコンポーネントの例示的な実施形態10がそのような固定要素を明示的に示していない場合でも、少なくとも1つの回転及び/又は並進防止要素は、少なくとも1つの歯、好ましくは歯付きマクロ構造、又は少なくとも1つのキャビティ、好ましくはいくつかのキャビティ、特に好ましくは対応する表面上に均一に分布したいくつかのキャビティ、非常に特に好ましくはいくつかのゴルフボール状キャビティの形態を有することに留意されたい。
【0076】
体内プロテーゼ30のキャップコンポーネント20に関して、キャップコンポーネント20は、関連する骨接合部を部分的又は完全に取り囲むように設計されていることに言及すべきである。従って、本発明によるキャップコンポーネント20は、特に、関連する骨接合部に対する表面再生又はリサーフェシングに役立つ。関連する骨接合部自体は、典型的には保存することができる。
【0077】
更に、骨接合部に面するキャップコンポーネント20の表面21は、第1の金属又は第1金属の粒子で部分的又は完全に被覆されている。更に、キャップコンポーネント20の基材22は、一般に、第2の金属及び/又は金属合金よりも、特にインサートコンポーネント10の第2の金属及び/又は金属合金よりも柔らかい。キャップコンポーネント20は、凸状又は平坦な摺動面を更に有する。
【0078】
更に、キャップコンポーネント20及び/又はキャップコンポーネント20の基材22が、関連する骨接合部の骨材料と同様の剛性、特に弾性率を有する場合、特に有利であり得る。第2の金属は、チタン、鉄、クロム、又はコバルトであってもよいことにも留意されたい。
【0079】
追加的又は代替的に、金属合金は、チタン、鉄、クロム及びコバルトのうちの少なくとも1つの金属を含んでもよい。更に、第1の金属がチタン粒子を含み、チタン粒子が好ましくは高温又は低温プロセスによって固定されている場合、特に有利であり得る。例えば、キャップコンポーネント20は、このような純チタンのコーティング21を有する。特に、これはTiCPコーティングであってもよい。
【0080】
キャップコンポーネント20の基材22が、プラスチック、好ましくはポリエチレン、特に好ましくは架橋で安定化されたポリエチレン、非常に特に好ましくはビタミンEと混合され、架橋で安定化されたポリエチレンを含むか、又はそれからなる場合、更なる特定の利点が生じる。
【0081】
例として、キャップコンポーネント20の基材22は、ビタミンEとブレンドされたポリエチレンを含む。更に、
図1によれば、キャップコンポーネント20は少なくとも1つの回転防止要素23を有し、少なくとも1つの回転防止要素23は、好ましくは、骨接合部に面するキャップコンポーネント20の表面21に配置されることが分かる。
【0082】
少なくとも1つの回転防止要素23が、バー、ボラード、スレッド、ティース、クロス、スター又はアンカーピン、特にペグの形態を有する場合も特に有利であり得る。追加的又は代替的に、少なくとも1つの回転防止要素23が、キャップコンポーネント20に対して円形に及び/又は対応する極に配置されている場合、特定の利点がある。
【0083】
図1による回転防止要素23の場合、それは、例えば、クロスベースを有する、特にポリエチレンで作られる又はキャップコンポーネント20の基材22で作られるペグである。更に、キャップコンポーネント20は、少なくとも1つの並進防止要素を有することができ、少なくとも1つの並進防止要素は、好ましくは、骨接合部に面するキャップコンポーネント20の表面21に配置される。
【0084】
図1による本発明によるキャップコンポーネントの例示的な実施形態20がそのような固定要素を明示的に示していない場合でも、少なくとも1つの並進防止要素は、溝、好ましくは環状溝、又は少なくとも1つのキャビティ、好ましくはいくつかのキャビティ、特に好ましくは対応する表面上に均一に分布したいくつかのキャビティ、非常に特に好ましくはいくつかのゴルフボール状キャビティの形態を有することに留意されたい。
【0085】
更に、少なくとも1つの回転防止要素23及び/又は少なくとも1つの並進防止要素が、対応する移植直後及び/又は関連する骨接合部の骨材料の対応する成長後の時間にわたって力及び/又はモーメントを吸収するように設定されている場合、特定の利点が生じ得る。
【0086】
更に、キャップコンポーネント20は、少なくとも1つの凹部を含むことができ、少なくとも1つの凹部は、好ましくは、対応する調製及び/又は移植中に重要な血液供給のあるゾーンを保護するように設計されることに留意されたい。
【0087】
また、
図1から、キャップコンポーネント20の形状は、特にキャップコンポーネント20の対応するイクエータの下側において、関連する骨接合部から外方に面する表面の球から逸脱し、及び/又は先細になるような形状である。
【0088】
これに関連して、前述の形状は2つ以上の異なる半径を有することにも留意されたい。形状は、追加的又は代替的に、楕円又は自由に画定された曲線に基づくことができることも言及されるべきである。
【0089】
2つ以上の半径に関して、3つの半径が存在し、3つの半径のうちの1つが特に他の2つの半径に対する遷移半径である場合に特に有利であり得ることも言及されるべきである。
【0090】
更に、キャップコンポーネント20の前述の形状が、骨接合部に面する表面21の球から、特にキャップコンポーネント20の対応するイクエータの下側において逸脱するような形状である場合、特定の利点が生じ得る。形状が有する上記の2つの異なる半径に関して、これらはキャップコンポーネント20のみを示す
図2によって更に強調されていることに留意されたい。
【0091】
図2によれば、関連する骨接合部から外方に面する表面は、2つの外側半径25a、25bを有し、追加的又は代替的に、3つ以上の半径、楕円体、又は自由に画定された曲線又は線に基づくことができ、骨接合部に面する表面21は、出口で円筒形又はわずかに円錐形の部分に有利に合流する内側円弧24を有する。特に、
図3に例として示されている体内プロテーゼ30が股関節内プロテーゼとして使用される場合、
図2の2つのアスタリスク(*)は、2つの外側半径25a、25bが、少なくとも0.5mm、好ましくは少なくとも2mm、特に好ましくは少なくともmm、非常に特に好ましくは少なくとも5mmの大腿骨頭-頸部オフセットを達成するように設計されていることを更に示している。
【0092】
図3の場合、完全を期すために、体内プロテーゼ30の文脈で言及される第1の骨は骨盤であり、第1の骨接合部は寛骨臼であり、体内プロテーゼ30の文脈でも言及される第2の骨は大腿骨であり、第2の骨接合部は大腿骨頭であることが言及されるべきである。
【0093】
図4はまた、体内プロテーゼ30の更なる利点を示す:特に、キャップコンポーネント20を使用する上述の表面置き換えが長期的に十分でない場合、大腿骨又は大腿骨頭は、対応するフォローアップ手術において従来のインプラント40によって置き換えられ得るが、体内プロテーゼ30の少なくとも一部、特にインサートコンポーネント10は、典型的には変化しないままである。
【0094】
体内プロテーゼ30の少なくとも一部は、たとえフォローアップ手術の場合であっても、適応させる必要はなく、又は実質的に不変に使用し続けることができるので、対応するフォローアップ手術は、それほど複雑ではないだけでなく、所要時間もより短い。
【0095】
本発明によるキャップコンポーネントの例示的な実施形態の詳細な断面
図50cが
図5Aに示されており、これは例えば、特に互いに平行に延びる2つの溝51を含む。好ましくは、これらの2つの溝51は、並進防止手段又は並進防止要素として機能し、特にキャップコンポーネントのテーパ部に配置される。溝の経路は、典型的には、軸56に対して垂直又は実質的に垂直であるか、又は互いにある角度で平行ではなく、軸56は、特にキャップコンポーネントの極を通って中心又は実質的に中心に延びる。
【0096】
更に、
図5Aによれば、骨接合部又はキャップコンポーネントの内面に面する表面には、TiCPコーティング53又は骨伝導性コーティングが設けられていることが分かる。更に、キャップコンポーネントは、好ましくは回転防止手段又は回転防止要素として機能し、キャップコンポーネントの内面に配置されるリブ52a、52b、52cを備える。リブ52a及び52cはそれぞれ軸56に平行又は実質的に平行に延びるが、例示的な実施形態では、リブ52bは軸56に対して傾斜して配置される。
【0097】
リブ52a、52b、52cは、特にコンパクトにするために、
図50cに一緒に示されているが、実際には、リブ52a及び52cは、典型的には一緒に実装されるか、又は前述の2つのリブの一方のみ若しくはリブ52bのみであることに留意されたい。言い換えれば、実際には、要素は一般に、軸56に対して傾斜しているか、平行であるか、又は実質的に平行であるように、キャップコンポーネントの内面に配置される。
【0098】
更に、
図5Aから、全てのリブ52a、52b、52cが三角形の断面を有することが分かる。特に、リブ52bは正三角形の断面を有し、リブ52a及び52cはそれぞれ直角三角形の断面を有する。
【0099】
前述の直角三角形の場合、より短いカテーテルは、好ましくはキャップコンポーネントの内面に配置される。更に、2つのリブ52a及び52cは、2つのリブ52a及び52cの一方がキャップコンポーネントの内面上で動かされた場合に、それらの断面を整列させることができないように配向される。
【0100】
更に、
図5Bは、
図5Aによる図の更なる
図50dを示す。前述の
図50dは、特に、既に上述したリブ52a、52b、52c、並びにキャップコンポーネントの極の内面に配置されたリブクロス54を示す。好ましくは、このリブクロス54は、キャップコンポーネントの回転を防止するか、又は回転防止要素として機能する。リブクロス54は、特に軸56に対して垂直又は実質的に垂直に配置されていることに留意されたい。これは、
図50dには明示的に示されていない。更に、軸56は、特にリブクロス54の中心を貫通する。
【0101】
リブ52a、52b、52cはまた、他の形状又は断面を有することができることにも留意されたい。一例として、
図5Cは、更なる可能なリブ形状50e及びそれらの断面55a、55b、55c、55dを示す。断面55a,55cによれば、例えば、異なる方向に傾斜した傾斜三角形を好適な断面とみなすことができる。更に、二等辺三角形55bは、放物線状又は正弦曲線状の断面だけでなく、リブの断面としても適している。
【0102】
更に、
図5Dは、本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態50aの図を示す。
【0103】
この実施形態50aは、
図5Cに示すものに実質的に対応し、リブクロス54はピン54aに置き換えられていることが分かる。
【0104】
これに関連して、上記の図、特に
図5Cによる異なるリブ形状も同様に適用される。
【0105】
図6Aは、本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態の詳細な断面
図60aを示す。既に説明した
図5A、
図5B、
図5C及び
図5Dは、この実施形態に同様に適用することができることに留意されたい。
【0106】
軸56及び溝51に関する上記の言及は、
図6Aに示す軸66及び2つの溝61の両方に同様に適用されることも指摘されるべきである。溝61及び51は、典型的には環状溝である。
【0107】
更に、
図6Aは、キャップコンポーネントの内面上の軸66に平行又は実質的に平行に配置された溝62bを示す。
図5Cによるリブ形状は、この溝62bに同様に、特に反転して適用することができる。これに関連して、「反転された」とは、リブが溝の形態の内向き要素として設計されていることを意味する。
【0108】
更に、骨接合部又はキャップコンポーネントの内面に面する表面は、軸66に対して傾斜して配置された溝62aを有する。好ましくは、この溝62aは、回転防止及び/又は並進防止手段或いは回転防止及び/又は並進防止要素として機能する。更に、
図6Aによれば、骨接合部に面する表面又はキャップコンポーネントの内面には、コーティング63、特にTiCPコーティングが設けられていることが分かる。更に、溝62aは、溝62bと同様に、それに応じて反転形態で設計された
図5Cによるリブであってもよい。
【0109】
更に、
図6Bは、本発明によるキャップコンポーネントの更なる例示的な実施形態60cの詳細な断面図を示し、これは
図6Aによるものと実質的に同じであり、実施形態60cは、キャップコンポーネントの内面に配置されたゴルフボール状構造68を更に含む。
【0110】
有利には、このゴルフボール状構造68は、特に対応する回転及び/又は並進、好ましくは回転に対してキャップコンポーネントを固定し、その幾何学的構成において他の内向きの形状に置き換えることができる。
【0111】
更に、ゴルフボール状構造68が、溝61の上方でキャップコンポーネントの極の方向に始まり、特に極まで延在するように配置されると特に有利である。
【0112】
図6Cは、
図6Aによる実施形態の三次元図の
図60bを示し、リブクロス64を更に示しており、リブクロス54に関する上記の説明は同様に適用することができる。好ましくは、このリブクロス64は、キャップコンポーネントの回転を防止するか、又は回転防止要素として機能する。リブクロス64は、特に軸66に対して垂直又は実質的に垂直に配置されていることに留意されたい。これは、
図60bには明示的に示されていない。更に、軸66は、特にリブクロス64の中心を貫通する。
【0113】
【0114】
完全を期すために、リブクロス54及び64は、骨接合部に面するリブクロス54の脚面がそれぞれ平坦である一方で、リブクロス64の脚面がそれぞれ骨接合部に向けられているという点で実質的に異なることに留意されたい。
【0115】
図7Aは、本発明によるインサートコンポーネントの例示的な実施形態の三次元
図70aを更に示す。
図7Aによれば、骨接合部に面するインサートコンポーネントの表面には、好ましくは純チタン又は骨伝導層のコーティング73が設けられていることが分かる。
【0116】
更に、
図7Bは、本発明によるインサートコンポーネントの更なる例示的な実施形態の三次元
図70bを示す。これは、骨に向かって外側に面する表面がゴルフボール状のくぼみ78又はゴルフボール状構造を有する、
図7Aに示すものに実質的に対応する。これは、回転及び/又は並進、特に回転を防止するのに役立ち、その幾何学的形態を他の内向きの形状に置き換えることができる。
【0117】
最後に、本発明によるキャップコンポーネントの異なる実施形態を、特に本発明の高い柔軟性を実証するために、対応して異なる骨又は骨接合部の文脈で以下に提示する。
【0118】
図8Aは、上腕骨90aと共に使用される、本発明によるキャップコンポーネントの実施形態80aを示す。
【0119】
一方、
図8Bに示す本発明によるキャップコンポーネントの実施形態80bは、大腿骨頭90bと共に使用される。
【0120】
更に、
図8Cは、本発明によるキャップコンポーネントの実施形態80cを示し、これは距骨90cと共に使用される。ここで、キャップコンポーネント80cは、好ましくは対応する縁部領域で部分的なリサーフェシングを達成するのに特に適している。
【0121】
完全を期すために、本発明によるキャップコンポーネントは、一般に、部分的な関節のリサーフェシングに適していることに留意されたい。
【0122】
本発明によるキャップコンポーネントの前述の実施形態80a、80b、80cはそれぞれ、特に、好ましくは最大5GPaの弾性率を有する非金属及び非セラミックプラスチック材料で作られた基材81a、81b、81cを有する。プラスチック材料は、ポリマ、例えばポリエチレン又はPEEKであり得る。
【0123】
更に、本発明によるキャップコンポーネントの実施形態80a、80b、80cはそれぞれ、特に、好ましくは対応する骨又は骨接合部に面するキャップコンポーネント80a、80b、80cの表面上に少なくとも部分的に延在する金属コーティング又はドーピング82a、82b、82cを有する。このコーティング又はドーピング82a、82b、82cは、チタン又はカルシウム、特にヒドロキシアパタイトを含み得る。
【0124】
更に、実施形態80a、80b、80cの各々は、特にピン83a、83b、83cを示し、これは好ましくは対応する並進防止手段として機能する。
【0125】
更に、
図8Dは、特に大腿骨顆90dと共に使用される、本発明によるキャップコンポーネントの実施形態80dを示す。上記の説明は、対応する基材又は対応するコーティング若しくはドーピングにも同様に適用することができる。
【0126】
また、実施形態80dは、特にそれぞれ円形の形状である2つのピン83d、84dを有することも分かる。特に、これらのピン83d、84dは、対応する並進を防止するだけでなく、対応する回転も防止する働きをする。
【0127】
また、キャップコンポーネント80dの摺動面89dは凸状の摺動面であることにも留意されたい。
【0128】
しかしながら、これは、特に
図8Eの脛骨90eと共に示されるように、平坦又は平面であってもよい。平坦な摺動面89eに加えて、
図8Eに示す本発明によるキャップコンポーネントの実施形態80eは、既に上述したように、特に基材81eを有する。コーティング又はドーピング82eはまた、実質的に既に上述されているため、繰り返す必要はない。
【0129】
更に、
図8Eは、キャップコンポーネント80eが合計3つのピン83e、84e、85eを有することを示す。特に、これらは、対応する並進を防止するだけでなく、対応する回転も防止する働きをする。
【0130】
また、3つのピンのうちの2つが円形の形状を有し、第3のピンが楕円形又は長円形を有する場合にも特に有利である。例えば、ピン83e、84eは円形であり、ピン85eは楕円形又は長円形である。
【0131】
最後に、
図8Fは、特に脛骨-距骨関節90fと共に、本発明によるキャップコンポーネント80fの更なる例示的な実施形態の図を示す。
【0132】
関節90fの脛骨83fは、凹状摺動面を有する本発明の意味におけるインサートコンポーネント81fを有するが、関節90fの距骨82fは、凸状摺動面を有する本発明によるキャップコンポーネントを有する。キャップコンポーネント80fは、本出願人の凸状の従来技術を使用して製造することができるが、インサートコンポーネント81fは、凹状チタンプラズマスプレ技術を使用して製造されることが好ましい。
【0133】
更に、
図8Fから、キャップコンポーネント80fが、好ましくは対応する並進防止手段に役立つピン84fを有することが分かる。
【0134】
完全を期すために、
図8E及び
図8Fの背景に対して、又は脛骨の例に示されているように、ある場合には特定の骨又は特定の骨接合部に本発明によるキャップコンポーネントを装備し、別の場合には本発明によるインサートコンポーネントを装備することが有用であり得ることも言及されるべきである。
【0135】
図8Fは、本発明が上部足首関節のリサーフェシングに特に適していることを更に示していることにも留意されたい。
【0136】
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されない。明細書に記載された全ての特徴、又は特許請求の範囲に特許請求された特徴、又は図面に示された特徴は、本発明の範囲内で任意の方法で互いに組み合わせることができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内プロテーゼ(30
)であって、
第1の骨、特に第1の骨接合部用のインサートコンポーネント(10)であって、凹状又は平坦な摺動面を有するインサートコンポーネント(10)と、
第2の骨、特に第2の骨接合部のためのキャップコンポーネント(20)と、を含み、
前記キャップコンポーネント(20)が、関連する骨接合部の一部又は全部を取り囲むように設計され、
前記キャップコンポーネント(20)及び/又は前記キャップコンポーネント(20)の基材(22)が、関連する前記骨接合部の前記骨材料と同様の剛性、特に弾性率を有し、
前記骨接合部に面する前記キャップコンポーネント(20)の前記表面(21)が
、第1の金属の粒子で部分的又は完全に被覆され、
前記キャップコンポーネント(20)が、凸状又は平坦な摺動面を有
し、
前記キャップコンポーネント(20)の前記摺動面の前記剛性、特に弾性率が、前記キャップコンポーネント(20)及び/又は前記キャップコンポーネント(20)の前記基材(22)の前記剛性、特に弾性率と同様又は同一であり、前記インサートコンポーネント(10)の前記摺動面が、前記キャップコンポーネント(20)の前記摺動面と摺動接触している、体内プロテーゼ(30)。
【請求項2】
前記弾性率が10GPa未満、好ましくは8GPa未満、特に好ましくは5GPa未満、非常に特に好ましくは1.5GPa未満で
ある、請求項1に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項3】
前記キャップコンポーネント(20)の前記基材(22)が、特に前記キャップコンポーネント(20)と摺動可能に協働するインサートコンポーネント(10)の基材(12)の第2の金属及び/又は金属合金よりも柔らかく、
前記第2の金属が、好ましくはチタン、鉄、クロム又はコバルトであり、及び/又は
前記金属合金が、好ましくは、チタン、鉄、クロム、コバルトのうちの少なくとも1つの前記金属を含む、請求項1又は2に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項4】
前記第1の金属がチタン粒子を含み、
前記チタン粒子が、好ましくは、チタンプラズマスプレーコーティングプロセスを用いて塗布された、請求項1~3のいずれか一項に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項5】
前記キャップコンポーネント(20)の前記基材(22)が、プラスチック、好ましくはポリエチレン、特に好ましくは架橋で安定化されたポリエチレン、非常に特に好ましくはビタミンEと混合され、架橋で安定化されたポリエチレンを含むか、又はそれからなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項6】
前記キャップコンポーネント(20)が少なくとも1つの回転防止要素(23)を有し、
前記少なくとも1つの回転防止要素(23)が、好ましくは、前記骨接合部に面する前記キャップコンポーネント(20)の前記表面(21)に配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの回転防止要素(23)が、バー、ボラード、スレッド、ティース、クロス、スター又はアンカーピン、特にペグの形態を有し、及び/又は
前記少なくとも1つの回転防止要素(23)が、前記キャップコンポーネント(20)に対して円形に、及び/又は前記対応する極に配置される、請求項6に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項8】
前記キャップコンポーネント(20)が少なくとも1つの並進防止要素を有し、
前記少なくとも1つの並進防止要素が、好ましくは、前記骨接合部に面する前記キャップコンポーネント(20)の前記表面(21)に配置される、請求項6又は7に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの並進防止要素が、溝、好ましくは環状溝、又は少なくとも1つのキャビティ、好ましくはいくつかのキャビティ、特に好ましくは対応する表面上に均一に分布したいくつかのキャビティ、最も好ましくはいくつかのゴルフボール状キャビティの形態を有する、請求項8に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの回転防止要素(23)及び/又は前記少なくとも1つの並進防止要素が、前記対応する移植直後及び/又は前記関連する骨接合部の前記骨材料の前記対応する成長後の時間にわたって力及び/又はモーメントを、吸収するように設定される、請求項6~9のいずれか一項に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項11】
前記キャップコンポーネント(20)が少なくとも1つの凹部を有し、
前記少なくとも1つの凹部が、好ましくは、前記対応する調製及び/又は移植中に重要な血液供給を伴うゾーンを保護するように設計される、請求項1~10のいずれか一項に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項12】
前記キャップコンポーネント(20)の前記形状が、前記形状が、前記関連する骨接合部から外方に面する前記表面の前記球から、特に前記キャップコンポーネント(20)の前記対応するイクエータの下側において、逸脱し、及び/又は先細になるようなものである、請求項1~11のいずれか一項に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項13】
前記形状が、2つの異なる半径を有し、及び/又は
前記形状が、楕円又は自由に画定された曲線又は線に基づいており、それによって特に少なくとも0.5mm、好ましくは少なくとも2mm、特に好ましくは少なくとも3mm、非常に特に好ましくは少なくとも5mmの大腿骨頭-頸部オフセットが達成される、請求項12に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項14】
前記キャップコンポーネント(20)の前記形状が、前記形状が前記骨接合部に面する前記表面(21)の前記球から、特に前記キャップコンポーネント(20)の前記対応するイクエータの下側において逸脱するようなものである、請求項1から13のいずれか一項に記載の
体内プロテーゼ(30)。
【請求項15】
前記インサートコンポーネント(10)が、関連する骨接合部、特に前記第1の骨接合部に挿入されるように、又は前記骨接合部を部分的に若しくは完全に置き換えるように、及び/又は
前記骨接合部、特に前記第1の骨接合部に面する前記インサートコンポーネント(10)の前記表面(11)が、第1の金属又は第1の金属の粒子で部分的又は完全に被覆され、及び/又は
前記インサートコンポーネント(10)の基材(12)が、第2の金属若しくは金属合金及び/又は金属酸化物若しくは金属酸化物混合物を含む、
請求項1から14のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項16】
前記金属酸化物が、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム又は酸化アルミニウムを含むか、又はそれらであり、及び/又は
前記金属酸化物混合物が、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム又は酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つの前記金属酸化物を含むか、又は酸化イットリウム、安定化酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの混合物であり、及び/又は
前記キャップコンポーネント(20)の前記基材(22)が、前記インサートコンポーネント(10)の前記第2の金属及び/又は前記金属合金よりも柔らかい、請求項1
5に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項17】
前記インサートコンポーネント(10)の前記第1の金属がチタン粒子を含み、
前記チタン粒子が、好ましくは、チタンプラズマスプレーコーティングプロセスを用いて塗布された、請求項1
5又は1
6に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項18】
前記インサートコンポーネント(10)が、少なくとも1つの回転防止及び/又は並進防止要素を有し、
前記少なくとも1つの回転防止及び/又は並進防止要素が、好ましくは、前記骨接合部に面する前記インサートコンポーネント(10)の前記表面(11)に配置される、請求項
1~17のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項19】
前記インサートコンポーネント(10)の前記少なくとも1つの回転防止及び/又は並進防止要素が、少なくとも1つの歯、好ましくは歯付きマクロ構造、又は少なくとも1つのキャビティ、好ましくはいくつかのキャビティ、特に好ましくは対応する表面上に均一に分布したいくつかのキャビティ、最も好ましくはいくつかのゴルフボール状キャビティの形態を有する、請求項1
8に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項20】
前記第1の骨が骨盤であり、前記第1の骨接合部が寛骨臼であり、
前記第2の骨が大腿骨であり、前記第2の骨接合部が大腿骨頭である、請求項
1~19のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項21】
前記第1の骨が脛骨であり、
前記第2の骨が距骨である、請求項
1~19のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項22】
前記第1の骨が脛骨であり、
前記第2の骨が大腿骨である、請求項
1~19のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項23】
前記第1の骨が、節骨であり、
前記第2の骨が中足骨である、請求項
1~19のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項24】
前記第1の骨が関節窩であり、
前記第2の骨が上腕骨である、請求項
1から19のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項25】
前記第1の骨が半径であり、
前記第2の骨が舟状骨である、請求項
1~19のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項26】
前記第1の骨及び前記第1の骨接合部が、人間の骨格の一部であり、
前記第2の骨及び前記第2の骨接合部が、人間の骨格の一部である、請求項
1から19のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【請求項27】
前記第1の骨及び前記第1の骨接合部が、動物の骨格の一部であり、
前記第2の骨及び前記第2の骨接合部が、動物の骨格の一部である、請求項
1~19のいずれか一項に記載の体内プロテーゼ(30)。
【国際調査報告】