IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グーグル インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-544774ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム
<>
  • 特表-ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム 図1A
  • 特表-ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム 図1B
  • 特表-ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム 図2A
  • 特表-ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム 図2B
  • 特表-ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム 図2C
  • 特表-ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム 図3
  • 特表-ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム 図4
  • 特表-ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム 図5
  • 特表-ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム 図6
  • 特表-ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム 図7
  • 特表-ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-04
(54)【発明の名称】ユーザー音声に対する電荷変化検知に基づく人間の顎の動き検出方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534056
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 US2021063252
(87)【国際公開番号】W WO2023113775
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ファン
(72)【発明者】
【氏名】ソームンドソン,トラウスティ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ユエン・ジェン
(72)【発明者】
【氏名】サンダース,ニコラス・ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】プッリ,カリ・アンテロ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,クアン-リン
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BA16
5D005BB02
5D005BB08
(57)【要約】
本開示は、ウェアラブルデバイスの電荷収集アンテナを使用して、ユーザーの顎骨及び筋肉の動きに基づいて電荷変化を収集するシステム及び方法を提供する。収集された電荷変化を使用して、ウェアラブルデバイスの装着状態を判定し得る。例えば、ワイヤレスイヤホンでは、電荷収集アンテナから取得された情報を使用して、ユーザーがイヤホンを耳の中に装着しているかどうかを判定し得る。また、収集された電荷変化を使用して、ユーザーによる顎の動きを検出し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブル電子デバイスの1つ以上の金属コンポーネントをアンテナとして使用して前記ウェアラブル電子デバイスの状態を判定するための方法であって、
前記ウェアラブル電子デバイスの前記1つ以上の金属コンポーネントによって、電荷変化データを受信することと、
1つ以上のプロセッサによって、前記受信した電荷変化データが予め定められた閾値を超えているかどうかを判定することと、
前記受信した電荷変化データが前記予め定められた閾値を超えるとき、前記1つ以上のプロセッサによって、前記ウェアラブル電子デバイスがユーザーによって装着されていると判定することと、
前記ウェアラブル電子デバイスが前記ユーザーによって装着されていると判定されるとき、前記ウェアラブル電子デバイスをアクティブモードで動作させることと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記受信した電荷変化データを処理することをさらに含み、
前記受信した電荷変化データが前記予め定められた閾値を超えているかどうかを前記判定することは、前記処理した電荷変化データを前記閾値と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信した電荷変化データの前記処理は、前記データを増幅すること、または前記データをフィルタリングすること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記デバイスが前記ユーザーによって装着されていると判定されるとき、前記1つ以上のプロセッサを用いて、前記受信した電荷変化データのピークを検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサを用いて、前記検出されたピークに基づいて、前記ユーザーの顎が動いているかどうかを判定することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザーの顎が動いていると判定されるとき、前記ウェアラブル電子デバイスをリスニングモードで動作させることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記リスニングモードでは、前記ウェアラブル電子デバイスは、オーディオノイズキャンセレーション、または前記ユーザーからの音声入力のリスニング、のうちの少なくとも1つを行う、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサを用いて、前記ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されているかどうかを判定することと、
前記ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されていないとき、低電力モードであるスタンバイモードで前記ウェアラブル電子デバイスを動作させることと、
前記ウェアラブル電子デバイスが前記充電器に接続されているとき、前記ウェアラブル電子デバイスの充電パッドを経由して前記ウェアラブル電子デバイスが充電を受ける充電モードで、前記ウェアラブル電子デバイスを動作させることと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェアラブル電子デバイスが前記充電器に接続されていないとき、前記充電パッドは前記アンテナとして機能する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ウェアラブル電子デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジングと統合、前記ハウジングによって収容、または、前記ハウジングに結合された、1つ以上のアンテナとして機能するように構成される1つ以上の金属コンポーネントと、
前記1つ以上の金属コンポーネントと通信する1つ以上のプロセッサと、
を備え、
前記1つ以上のプロセッサは、
電荷変化データを前記1つ以上のアンテナから受信することと、
前記受信した電荷変化データが予め定められた閾値を超えているかどうかを判定することと、
前記受信した電荷変化データが前記予め定められた閾値を超えるとき、前記ウェアラブル電子デバイスがユーザーによって装着されていると判定することと、
前記ウェアラブル電子デバイスが前記ユーザーによって装着されていると判定されるとき、前記ウェアラブル電子デバイスをアクティブモードで動作させることと、
を行うように構成される、前記ウェアラブル電子デバイス。
【請求項11】
前記1つ以上のアンテナと通信する回路をさらに含み、
前記回路は、前記受信した電荷変化データを処理するように構成される、請求項10に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項12】
前記回路は、アンプ、フィルター、またはデジタル信号プロセッサのうちの少なくとも1つを備える、請求項11に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、前記デバイスが前記ユーザーによって装着されていると判定されるとき、前記受信した電荷変化データのピークを検出するように構成される、請求項10に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、前記検出されたピークに基づいて前記ユーザーの顎が動いているかどうかを判定するように構成される、請求項13に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項15】
前記ユーザーの顎が動いていると判定されるとき、前記ウェアラブル電子デバイスはリスニングモードで動作する、請求項14に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項16】
前記リスニングモードでは、前記ウェアラブル電子デバイスは、オーディオノイズキャンセレーション、または前記ユーザーからの音声入力のリスニング、のうちの少なくとも1つを行う、請求項15に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項17】
前記金属コンポーネントの少なくとも1つは充電パッドを含み、
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、
前記ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されているかどうかを判定することと、
前記ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されていないとき、低電力モードであるスタンバイモードで前記ウェアラブル電子デバイスを動作させることと、
前記ウェアラブル電子デバイスが前記充電器に接続されているとき、前記ウェアラブル電子デバイスの前記充電パッドを経由して前記ウェアラブル電子デバイスが充電を受ける充電モードで前記ウェアラブル電子デバイスを動作させることと、
を行うように構成される、請求項10に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項18】
前記ウェアラブル電子デバイスが前記充電器に接続されていないとき、前記充電パッドは前記アンテナとして機能する、請求項17に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項19】
前記ウェアラブル電子デバイスはイヤホンである、請求項10に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項20】
ウェアラブル電子デバイスの1つ以上の金属コンポーネントをアンテナとして使用して前記ウェアラブル電子デバイスの状態を判定する方法を行うために、1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピューター可読媒体であって、
前記方法は、
電荷変化データを受信することと、
前記受信した電荷変化データが予め定められた閾値を超えているかどうかを判定することと、
前記受信した電荷変化データが前記予め定められた閾値を超えるとき、前記ウェアラブル電子デバイスがユーザーによって装着されていると判定することと、
前記ウェアラブル電子デバイスが前記ユーザーによって装着されていると判定されるとき、前記ウェアラブル電子デバイスをアクティブモードで動作させることと、
を含む、前記非一時的コンピューター可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
イヤホン等のワイヤレスアクセサリは、ますます小型化している。例えば、イヤホンはユーザーの耳により快適にフィットするように、より小さなフォームファクタで設計されている。フォームファクタが小さいため、加速度計を使用する骨の振動検出に基づくロバストなユーザー音声検出を実現することがますます困難になっている。このために、振動信号を得るために外耳道の骨の近くに高帯域幅の加速度計を搭載する必要がある。
【0002】
従来の多くのインイヤー検出メカニズムは、ワイヤレスアクセサリが生きた人間に接触していることと、アクセサリが無生物に接触していることとを区別できず、多くの場合、インイヤー検出が非常に困難になる。
【0003】
さらに、従来のメカニズムを使用する音声検出は不正確になり得る。例えば、加速度計を使用する骨の振動からの音声検出は、周囲のサウンドからノイズがもたらされ得、ユーザーの音声検出を不正確にする。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、ウェアラブルデバイスの電荷収集アンテナを使用して、ユーザーの顎骨及び筋肉の動きに基づいて電荷変化を収集するシステム及び方法を提供する。収集された電荷変化を使用して、ウェアラブルデバイスの装着状態を判定し得る。例えば、ワイヤレスイヤホンでは、電荷収集アンテナから取得された情報を使用して、ユーザーがイヤホンを耳の中に装着しているかどうかを判定し得る。また、収集された電荷変化を使用して、ユーザーによる顎の動きを検出し得る。
【0005】
インイヤー及び顎の動きを検出するためのアルゴリズムについて説明する。例えば、インイヤー検出は分散閾値アルゴリズムによって検出でき、顎の骨/筋肉の動きはピーク信号検出によって検出できる。そのようなアルゴリズムは、デバイスが装着されていない、またはデバイスが音声入力を受信していないと判定されるとき、デバイスを低電力モードでの動作に切り替えることができるため、システム電力の節約をもたらす。
【0006】
本開示の一態様は、ウェアラブル電子デバイスの1つ以上の金属コンポーネントをアンテナとして使用して、ウェアラブル電子デバイスの状態を判定するための方法を提供する。本方法は、さらに、ウェアラブル電子デバイスの1つ以上の金属コンポーネントによって、電荷変化データを受信することと、1つ以上のプロセッサによって、受信した電荷変化データが既定閾値を超えているかどうかを判定することと、受信した電荷変化データが既定閾値を超えるとき、1つ以上のプロセッサによって、ウェアラブル電子デバイスがユーザーによって装着されていると判定することと、ウェアラブル電子デバイスがユーザーによって装着されていると判定されるとき、ウェアラブル電子デバイスをアクティブモードで動作させることと、を含み得る。いくつかの例によると、本方法は、さらに、受信した電荷変化データを処理することを含み得、受信した電荷変化データが既定閾値を超えているかどうかを判定することは、処理した電荷変化データを閾値と比較することを含む。受信した電荷変化データの処理は、データを増幅すること、またはデータをフィルタリングすること、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0007】
いくつかの例によると、本方法は、さらに、デバイスがユーザーによって装着されていると判定されるとき、1つ以上のプロセッサを用いて、受信した電荷変化データのピークを検出することを含み得る。本方法は、さらに、検出されたピークに基づいて、1つ以上のプロセッサを用いて、ユーザーの顎が動いているかどうかを判定することを含み得る。本方法は、さらには、ユーザーの顎が動いていると判定されるとき、ウェアラブル電子デバイスをリスニングモードで動作させることを含み得る。リスニングモードでは、ウェアラブル電子デバイスは、オーディオノイズキャンセレーション、またはユーザーからの音声入力のリスニング、のうちの少なくとも1つを行い得る。
【0008】
いくつかの例によると、本方法は、さらに、1つ以上のプロセッサを用いて、ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されているかどうかを判定することと、ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されていないとき、ウェアラブル電子デバイスをスタンバイモードで動作させることであって、スタンバイモードは低電力モードである、動作させることと、ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されているとき、ウェアラブル電子デバイスを充電モードで動作させることであって、充電モードでは、ウェアラブル電子デバイスは、ウェアラブル電子デバイスの充電パッドを経由して充電を受ける、動作させることと、を含み得る。ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されていないとき、充電パッドはアンテナとして機能し得る。
【0009】
本開示の別の態様は、ハウジングと、ハウジングと統合され、ハウジングによって収容され、またはハウジングに結合された1つ以上の金属コンポーネントであって、1つ以上のアンテナとして機能するように構成された1つ以上の金属コンポーネントと、1つ以上の金属コンポーネントと通信する1つ以上のプロセッサとを備える、ウェアラブル電子デバイスを提供する。1つ以上のプロセッサは、1つ以上のアンテナから電荷変化データを受信することと、受信した電荷変化データが予め定められた閾値を超えるかどうかを判定することと、受信した電荷変化データが予め定められた閾値を超えるとき、ウェアラブル電子デバイスがユーザーによって装着されていると判定することと、ウェアラブル電子デバイスがユーザーによって装着されていると判定されるとき、ウェアラブル電子デバイスをアクティブモードで動作させることと、を行うように構成され得る。
【0010】
いくつかの例によると、ウェアラブル電子デバイスは、さらに、1つ以上のアンテナと通信する回路を備え得、回路は、受信した電荷変化データを処理するように構成される。回路は、アンプ、フィルター、またはデジタル信号プロセッサのうちの少なくとも1つを含み得る。1つ以上のプロセッサは、さらに、デバイスがユーザーによって装着されていると判定されるとき、受信した電荷変化データのピークを検出するように構成され得る。
【0011】
いくつかの例によると、1つ以上のプロセッサは、さらに、検出されたピークに基づいてユーザーの顎が動いているかどうかを判定するように構成され得る。ウェアラブル電子デバイスは、ユーザーの顎が動いていると判定されるとき、リスニングモードで動作し得る。リスニングモードでは、ウェアラブル電子デバイスは、オーディオノイズキャンセレーション、またはユーザーからの音声入力のリスニング、のうちの少なくとも1つを行い得る。
【0012】
いくつかの例によると、金属コンポーネントの少なくとも1つは充電パッドを含み得る。1つ以上のプロセッサは、さらに、ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されているかどうかを判定することと、ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されていないとき、低電力モードであるスタンバイモードでウェアラブル電子デバイスを動作させることと、ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されているとき、ウェアラブル電子デバイスの充電パッドを経由して充電を受ける充電モードでウェアラブル電子デバイスを動作させることと、を行うように構成され得る。ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されていないとき、充電パッドはアンテナとして機能し得る。
【0013】
いくつかの例によると、ウェアラブル電子デバイスはイヤホンである。
【0014】
本開示のさらに別の態様は、ウェアラブル電子デバイスの1つ以上の金属コンポーネントをアンテナとして使用してウェアラブル電子デバイスの状態を判定する方法を行うために、1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピューター可読媒体を提供する。本方法は、電荷変化データを受信することと、受信した電荷変化データが既定閾値を超えるかどうかを判定することと、受信した電荷変化データが予め定められた閾値を超えるとき、ウェアラブル電子デバイスがユーザーによって装着されていると判定することと、ウェアラブル電子デバイスがユーザーによって装着されていると判定されるとき、ウェアラブル電子デバイスをアクティブモードで動作させることと、を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本開示の態様による、イヤホンの設置例を示す絵図である。
図1B】本開示の態様による、イヤホンの設置例を示す絵図である。
図2A】本開示の態様による、例示的なイヤホンのコンポーネントを示す絵図である。
図2B】本開示の態様による、例示的なイヤホンのコンポーネントを示す絵図である。
図2C】本開示の態様による、例示的なイヤホンのコンポーネントを示す絵図である。
図3】本開示の態様による、例示的な信号処理チェーンを示す回路図である。
図4】A~Bは、本開示の態様に従って検出された電荷変動を示す出力信号の例である。
図5】A~Bは、本開示の態様に従って検出された電荷変動を示す出力信号の例である。
図6】A~Bは、本開示の態様による、例示的な処理回路を示す回路図である。
図7】本開示の態様による、例示的なイヤホンのブロック図である。
図8】本開示の態様による、フロー図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本技術は、概して、ウェアラブル電子デバイスの身体装着検出に関する。例えば、イヤホンは、ユーザーがイヤホンを装着しているかどうかに基づいて、充実したユーザーエクスペリエンスを提供するように構成され得る。例えば、イヤホンが人の手に持たれること、または充電ケース、ポケット、もしくは他の容器に入れられることとは対照的に、イヤホンが耳に装着されているとき、オーディオは、ペアリングされた電話等の別のデバイスのスピーカーではなく、イヤホンのスピーカーにルーティングされ得る。別の例として、イヤホンを装着していないときに電話がかかってくる場合、ペアリングされた電話等の別のデバイスのスピーカーにオーディオがルーティングされ得る。さらに、バッテリー電力及びバッテリー寿命を節約するために、イヤホンは装着されていないとき、スタンバイモードに入り得る。
【0017】
イヤホンが正しく装着されているかどうかを正確に検出することは、不正確な検出によって生じる問題を防止し得る。例えば、イヤホンの装着が正確に検出されないと、オーディオが誤ってルーティングされ、ユーザー及び他のユーザーに不便が生じ得る。例えば、静かな図書館または混雑した通りで、ユーザーの耳に装着したイヤホンではなく、ペアリングした携帯電話のスピーカーに音楽をルーティングすると、ユーザー自身及び他のユーザーにも不便が生じ得る。また、イヤホンの装着が正確に検出されないと、イヤホンが不要な時間にアクティブモードのままになり、バッテリー電力が無駄に使用され、バッテリー寿命が短くなり得る。この点に関して、ワイヤレス電子デバイスは、デバイスが装着されているかどうかを検出する機能が備えられている。
【0018】
いくつかの例によると、電子デバイスはイヤホンである。イヤホンは、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた、ハウジングと統合された、またはハウジング内に含まれる1つ以上のアンテナと、を含み得る。例として、デバイスの金属スナウト及び/またはデバイスの充電パッド接点は、電荷変化を検出するためのアンテナとしても機能するように構成され得る。イヤホンは、さらに、電荷変化を測定し、測定された電荷変化に基づいてイヤホンの状態を判定するように構成された1つ以上のプロセッサを含み得る。例えば、イヤホンは、1つ以上のアンテナによって収集された電荷変動情報に基づいて、アクティブモード、リスニングモード、スタンバイモード、充電モード、または他のモード間を遷移し得る。
【0019】
さらに、プロセッサは、さらに、イヤホンを装着しているユーザーが話しているかどうかを検出し得る。例えば、プロセッサは、1つ以上のアンテナから収集された電荷変動に基づいて、ユーザーの顎が動いているかどうかを検出し得る。
【0020】
場合によっては、プロセッサは、さらに、慣性測定ユニット(IMU)等の少なくとも1つの別のセンサーからのセンサーデータに基づいて判定を行い得る。したがって、1つ以上のプロセッサは、例えば、センサーデータに基づく判定と、1つ以上のアンテナから収集された電荷変化との両方を考慮し得る。それによって、判定の信頼性が向上し得る。
【0021】
プロセッサは検出に基づいてウェアラブルデバイスを動作させ得る。例えば、プロセッサは、イヤホンが装着されていることを検出したことに基づいて、イヤホンを第1モードで動作させ得る。例として、プロセッサは、イヤホンのスピーカーによって出力されるオーディオをルーティングし得る、またはイヤホンを制御して、スタンバイモードからアクティブモードに入り得る。プロセッサは、イヤホンを装着しているユーザーの顎の動きを検出したことに基づいて、イヤホンを第2のモードで動作させ得る。例えば、第2のモードでは、イヤホンはユーザーからの音声入力を受信する準備をし得る。プロセッサは、イヤホンが装着されていないことを検出することに基づいて、イヤホンを第3のモードで動作させ得る。例えば、プロセッサはオーディオを別のデバイスのスピーカーによって出力されるようにルーティングし得る、またはイヤホンを制御して、スタンバイモードに入り得る。
【0022】
システムの例
図1A及び図1Bは、例示的なデバイス、特にイヤホン110を示す。図1Aは、イヤホン110がユーザーの耳101の内側に装着されていない位置にある状態を示しており、図1Bは、イヤホン110が耳101の内側に装着されている位置にある状態を示す。例として、耳101の内側に装着されているとき、イヤホン110の少なくとも一部は耳101の皮膚に囲まれ得る。イヤホン110は、使用に有線接続を必要としないことから、ワイヤレスであり得る。例えば、イヤホン110は、音楽プレーヤー、電話、または他のデバイス等からワイヤレスで信号を受信し、出力の生成、他のデバイスとの通信、充電等のいくつかの機能を行い得る。イヤホン110は、別のイヤホンとペアを作り得る。場合によっては、イヤホン110は完全にワイヤレスであり得、イヤホン110のペアは、イヤホン110の間にワイヤが存在しない状態で、オーディオソースにワイヤレスで接続するように構成される。
【0023】
図1Aを参照すると、イヤホン110は、イヤホン110の様々な電子コンポーネント及び/または機械コンポーネントを収容して支持するハウジング120を含み得る。ハウジング120は、任意のいくつかの材料から作られ得る。例えば、ハウジング120は、少なくとも部分的に、プラスチック、セラミック等の非導電性材料で作られ得る。場合によっては、ハウジング120は、少なくとも部分的に、ハウジング120の内側のコンポーネントを環境中の汚染物質から保護する非透過性材料で作られ得る。
【0024】
イヤホン110は、イヤホン110が耳101にしっかりと快適にフィットすることを可能にする物理的特徴を含み得る。例えば、図1Aに示されるように、イヤホン110は、ハウジング120に取り付けられたキャップ130を含み得る。例えば、キャップ130は、ハウジング120の一端に取り付けられ得る。場合によっては、キャップ130は少なくとも1つの開口部132を有し得、それにより、イヤホン110の内側からのサウンドが開口部132を通過して、イヤホン110の外側に到達し得る。キャップ130は、任意のいくつかの材料から作られ得る。例えば、キャップ130は、少なくとも部分的に、柔軟な非導電性材料、例えば、ゴムまたはシリコン等のポリマー材料で作られ得る。キャップ130は、さらに、形状を変えることによって等、耳101に挿入されたイヤホン110の部分にぴったりとフィットするように構成され得る。キャップ130の柔軟性及び寸法は、さらに、耳の構造の違い、及びイヤホン110の装着方法に関する個人の好みに適応し得る。場合によっては、キャップ130は、また、イヤホン110の外側から発生するサウンドに対するサウンドオクルージョンを提供するように構成され得る。
【0025】
イヤホン110は、さらに、追加の機械的サポートを提供する物理的特徴を含み得る。例えば、図1Aに示されるように、イヤホン110は、さらに、ハウジング120に取り付けられたサポート140を含み得る。サポート140は、ハウジング120の一端、例えばキャップ130と同じ端に取り付けられ得る。キャップ130は、追加的または代替的に、サポート140に取り付けられ得る。いくつかの例では、サポート140の少なくとも一部は、ハウジング120の内面に取り付けられ得る、またはハウジング120に埋め込まれ得る。図1Aにも示されるように、サポート140は、イヤホン110の鼻のように成形され、耳の内側にフィットするように構成され得る。例えば、サポート140は管状形状を有し得る。場合によっては、サポート140は、イヤホン110のサウンドポートとして構成され得、それにより、イヤホン110の内側からのサウンドは、サポート140の1つ以上の開口部を通過して、イヤホン110の外側に到達し得る。サポート140は、任意のいくつかの材料から作られ得る。例えば、サポート140は、少なくとも部分的に、金属または合金等の導電性材料で作られ得る。
【0026】
いくつかの例によると、サポート140はアンテナとして機能し得る。したがって、サポート140は、イヤホン110がユーザーによって装着されるとき、人体から電荷を収集し得る。材料の帯電列は、異なる電荷特性を示す。人体の動きにより人体の電荷変化が誘発され、サポート140等のアンテナを使用することによって、これを検出できる。下記でさらに詳細に説明されるいくつかの例によると、アンテナは電荷アンプに接続され得る。信号はアナログ-デジタルコンバーター(ADC)及びデジタルフィルターによって処理され、デバイスが耳の中にあり、顎の骨/筋肉が動いているとき、検出可能な出力信号を提供できる。
【0027】
図1Bを参照すると、イヤホン110がユーザーによって装着されているとき、キャップ130及びサポート140は、耳101に部分的にまたは完全に挿入され得る。例えば、キャップ130は、例えば、外耳道103の一部である皮膚表面等、耳101の内側の皮膚表面102と直接接触し得る。耳101に挿入されるとき、キャップ130の柔軟な材料がその形状を変化させ、しっかりかつ快適なフィット感を提供し得る。
【0028】
図1Bに示されるように、装着中、サポート140の外面は、耳101の内側の皮膚表面102から距離d1に位置付けられ得る。距離d1は、例えば、イヤホン110の装着方法、キャップ130の柔軟性、ユーザーの解剖学的構造、及びイヤホンを装着するときのユーザーの好み(例えば、イヤホンを耳に挿入する程度に関するユーザーの好み)に応じて、範囲内で変化し得る。しかしながら、キャップ130は、解剖学的構造及び好みの違いにかかわらず、一貫したフィット感を保証するように構成されるため、範囲は比較的小さくなり得る。例として、キャップ130は、それが既定範囲内で形状を変化することを可能にする寸法及び柔軟性を備えて構成され得る。例えば、既定範囲は、比較的狭い外耳道の既定直径と、比較的広い外耳道の既定直径との間に設定され得る。さらに、キャップ130は、しっかりしたフィットを提供するために、外耳道に対して最小レベルの圧縮力を必要とするように構成され得る。したがって、圧縮力の最小レベルを達成するために、外耳道が広いユーザーは、外耳道が狭いユーザーよりもイヤホン110を耳のさらに内側に押し込むことを望み得る。したがって、d1の範囲は比較的小さくなり得る。
【0029】
さらには、サポート140の管状形状が外耳道103の管状形状にほぼ対応しているため、サポート140は、耳101の内側の皮膚表面102から大体距離d1の比較的大きな表面積A1を有し得る。
【0030】
図2Aは、イヤホン110のいくつかの例示的なコンポーネントを示す。示されるように、様々なコンポーネントは、ハウジング120の内側に収容され得る。例えば、プリント回路基板(「PCB」)等の回路基板210は、ハウジング120内に提供され得る。回路基板210は、イヤホン110の他のコンポーネントの接地を提供し得る。回路基板210は、情報処理、オーディオ生成、通信、充電等の任意のいくつかの機能を行うように構成されたいくつかの回路のいずれかを含み得る。別の例として、バッテリー220はハウジング120内に提供され得る。例えば、バッテリー220は充電され、エネルギーを貯蔵し、イヤホン110の他のコンポーネントにエネルギーを提供し得る。
【0031】
スピーカー230は、ハウジング120内に提供され得る。スピーカー230は、金属フレーム、金属ヨーク、磁石、コイル、アンプ、振動板、ならびにアナログ及び/またはデジタルのオーディオ信号を受信し、これらのオーディオ信号を、耳で知覚できる音波に変換するように構成された他の回路要素等の様々なコンポーネントを含み得る。例えば、スピーカー230は、イヤホン110のプロセッサから、またはペアリングされたデバイスから、オーディオ信号を受信し得る。いくつかの例では、受信されたオーディオ信号は、フィルター、アンプ等のスピーカー230及び回路基板210の回路要素によって処理され得る。スピーカー230を使用して、音楽を再生し、マルチメディアファイル、音声通話、翻訳された音声等のオーディオを発し得る。
【0032】
上記に言及したように、サポート140は、鼻のように成形され、アンテナとして機能し得る。サポート140は、アンテナに通常使用される1つ以上の金属で作られ得る、またはそのような材料によって覆われ得る。
【0033】
いくつかの例によると、イヤホン110は、さらに、1つ以上の充電パッド電極240を含み得る。充電パッド電極は、バッテリー220に電子的に結合され得、それにより、充電パッド電極240を経由して受信された電力がバッテリー220に供給され、バッテリー220が再充電されることによって、デバイスに電力が供給される。例えば、充電パッド電極240は、イヤホン110の充電ケース内または別のワイヤレス電力供給デバイス上の対応する要素に接触し得る。この点に関して、充電ケースから充電パッド電極240を経由してワイヤレスで受信された電力は、バッテリー220に供給され、バッテリー220を補充し得る。
【0034】
また、充電パッド電極240はアンテナとしても機能し、それを使用して、インイヤー状態及び顎の動きを検出し得る。充電パッド電極240は、アンプ、ADC、フィルター等の信号処理回路に結合され得る。回路について、図3及び図6のA~Bに関連して、さらに詳細に説明する。
【0035】
この例では、充電パッド電極240がアンテナとして動作していると説明されているが、他の例では、デバイスの内側または外側の任意の電極は、インイヤー状態及び顎の動きを検出するためのアンテナとして動作し得る。
【0036】
図2Bは、本開示による、アンテナとして機能する金属スナウト260を含む別の例のイヤホン250の詳細図を提供する。金属スナウト260は、イヤホン250の出力部分に位置付けられ、ユーザーの耳の中にフィットするサイズ及び形状に成形され得る。例えば、金属スナウト260は、概ね円筒形であり、ハウジング252の端部から延び得る。いくつかの例では、金属スナウト260は、図1A図1Bのサポート140と同様に構成され得る。さらに、金属スナウト260は、ユーザーの耳に快適に挿入するために、図1A図1Bに関連して上記に説明したキャップ130と同様のキャップ254によって囲まれ得る。いくつかの例によると、金属スナウト260は、プラスチックまたは他の材料で作られたハウジング252に取り付けられ得る。
【0037】
金属スナウト260は1つ以上の穴266を含み得、穴266を通ってハウジング252内のスピーカーからサウンドを出力することを可能にする。金属スナウトは、例えばスナウトワイヤ262を介して、デバイスのメインロジックボード(MLB)256に結合され得る。例えば、スナウトワイヤ262は、MLB256とブッシング264との間に結合され得る。
【0038】
金属スナウト260は、静電荷変化センサーアンテナ等のアンテナとして使用され得る。したがって、金属スナウト260は、例えば、ユーザーの皮膚から電荷データを収集し得る。そのような電荷データを使用して、耳の中に装着されているか、耳の外に装着されているか等、イヤホン250の状態を判定し得る。さらに、電荷データを使用して、ユーザーの顎が動いているかまたは動いていないか等、ユーザーの状態を検出し得る。
【0039】
図2Cは、アンテナとして機能する充電パッド280を含む別の例のイヤホン270の詳細を示す。示されるように、充電パッド280は、1つ以上の接点282、284を含み得る。2つの接点282、284が示されているが、他の例では、多い数または少ない数の接点を含み得る。さらに、この例では、接点282、284は比較的小さな円として示されているが、他の例では、接点のサイズ及び形状は異なり得る。
【0040】
充電パッド接点282、284は、イヤホン270のハウジング内の回路に結合され得る。例えば、イヤホン270を充電及び電力供給するためにバッテリー及び他の電子機器に結合されることに加えて、接点282、284は、アンテナとして機能するとき、充電パッド280によって収集された充電信号を処理するための回路に結合され得る。いくつかのイヤホンでは、充電パッド280は約5Vを供給し、約1~10uFのコンデンサを有し得る。ACコンデンサは、充電パッド信号を伝送するVBUSラインに設置され得る。
【0041】
図1図2の例ではイヤホンを示すが、ウェアラブル電子デバイスは、スマートグラス、ヘッドセット、ヘルメット等、様々な他のウェアラブル電子デバイスのいずれかであり得ることを理解されたい。説明される技術は、さらに、指輪、ペンダント、時計等、体の他の部分に装着されたウェアラブルデバイスにも適用され得る。
【0042】
図3は電荷収集及び信号処理の例を示す。示されるように、ウェアラブルデバイスのセンシングアンテナ340は電荷を収集する。デバイスがユーザーによって装着されているどうかか関係なく、またはデバイスがユーザーから離れているかどうかに関係なく、センシングアンテナ340によって電荷を収集し得る。センシングアンテナ340は、スナウトアンテナ、充電パッドアンテナ、及び/または別のアンテナであり得る。
【0043】
センシングアンテナ340によって収集された電荷は、信号処理チェーン320によって処理される。信号処理チェーンは、アンプ及びプリフィルター322に続いて、ADC324及びデジタルフィルター326を含み得る。アンプはセンシングアンテナ340によって収集された信号を増幅し、プレフィルターはバックグラウンドノイズを除去する。例えば、プレフィルターを使用して、50Hz及び60Hzの電力線のノイズ等のバックグランド静電気ノイズを除去し得る。ADC324及びデジタルフィルター326は、さらに、信号を処理して、デバイスが耳の中にあり、顎の骨が動いているときに検出可能な出力を提供する。例えば、ADC324を使用して、静電気誘導によって誘導された電圧または電流を、デジタル電圧または電流に変換し得る。デジタルフィルター326を使用して、高周波ノイズを除去し、顎の動きによって誘発される信号出力のクリーン信号を提供し得る。
【0044】
図4のAは、図3のシステムからの出力例を示し、その出力は、ウェアラブルデバイスがユーザーによって装着されるタイミングを示す。この例では、1つ以上のアンテナによって収集されたデータはデータ信号402で表される一方、信号処理チェーンによって出力されたフィルタリング済のデータはフィルタリング済のデータ信号404で表される。データ信号402及びフィルタリング済のデータ信号404のそれぞれは電荷変動を表す。示されるように、ユーザーがデバイスを装着する前(約2秒)と、ユーザーがデバイスを外した後(約13秒)と、の両方の信号の電荷変動はほぼゼロである。ユーザーがデバイスを着用している期間中、約2.0秒~2.5秒のタイムフレームの間、データ信号402とフィルタリング済のデータ信号404との両方が大幅に増減する。デバイスが装着されているとき、約2.5秒~12秒のタイムフレームの間で、データ信号404はさらにより著しく増減する。この期間中、特に他の時期と比較するとき、電荷変動が高くなる。この期間中、デバイスが装着されるとき、約2.5秒~12秒のタイムフレームの間、フィルタリング済のデータ信号402は比較的安定する。デバイスが外されるとき、約12秒~13秒のタイムフレームの間、電荷変動がゼロに低下する前に、信号402、404の両方が再び増減する。
【0045】
図4Bは、図3のシステムからの別の出力例を示す。この例では、出力は顎の動きの検出を示す。0秒~約4秒の間、電荷変動は比較的高く、データ信号402の増減とフィルタリング済のデータ信号404の相対的な安定性によって示される。図4Bに関連して上記に説明したように、これはデバイスがユーザーによって装着されていることを示し得る。この期間中、ユーザーは話していないため、ユーザーの顎は動いていない。
【0046】
約4秒~16秒の間、ユーザーの顎が動いている。結果として、1つ以上のアンテナから収集されたデータを表すデータ信号402はさらにより増減し、デバイスが装着され、ユーザーの顎が動いていない状態と比較して、電荷変動が増加していることを示す。また、フィルタリング済のデータ信号404も増減するが、その程度はデータ信号402より小さくなる。示されるように、ユーザーの顎が動いている間、データ信号402とフィルタリング済のデータ信号404との両方にピークが発生する。約16秒で、ユーザーの顎の動きが止まるが、デバイスはまだ装着されているとき、データ信号402、404は両方とも再び安定する。
【0047】
図5A~Bは、図3のシステムからのさらなる出力例を示す。図5Aでは、出力は、デバイスがユーザーによって装着されているときの第1の状態と、デバイスがユーザーから外されたときの第2の状態との違いを示す。この例では、デバイスはイヤホンである。第1の状態(約0秒~13秒)では、デバイスはユーザーの耳に装着されている。約13秒で、デバイスはユーザーの耳から取り外され、それに応じて、例えば、データ信号402の減少によって示されるように、電荷変動が減少する。約15秒~18秒の間の電荷変動の大きなスパイクは、例えばイヤホンを耳から外した後の取り扱いによって発生し得る。例えば、ユーザーは、イヤホンをケース、ポケット、他の場所に設置する前に、数秒間、イヤホンをユーザーの指で保持し得る。
【0048】
図5Bでは、出力は、デバイスがユーザーのポケット内に位置するときの第1の状態と、デバイスがユーザーのポケットから取り出されたときの第2の状態との違いを示す。約0秒~14秒までの第1の状態では、データ信号402によって示される電荷変動は比較的低い。ある程度の電荷変動は、例えば、ユーザーのポケットとユーザーの皮膚との間の1つ以上の材料層を通して、ユーザーの皮膚に基づいて検出され得る。電荷変動は、例えば、デバイスがどのポケットに入っているか、ユーザーの衣服がどの程度きつく着用されているか、ユーザーのポケットがユーザーの肌にどの程度近いか等に基づいて異なり得る。フィルタリング済のデータ信号404は、デバイスがユーザーのポケット内にある間は比較的安定している。
【0049】
約15秒で、デバイスがユーザーのポケットから取り出され、データ信号402とフィルタリング済のデータ信号404の両方に増減が生じる。そのような増減は、例えば、ユーザーの指がデバイスに触れることによって発生し得る。したがって、デバイス上の1つ以上のアンテナは、デバイスが取り扱われている間、電荷変化の増加を検出し得る。この例に示されるように、約18秒経過した後、データ信号402とフィルタリング済のデータ信号404との両方で、電荷変動が低下して、安定状態になる。これは、デバイスがケース内、テーブルの上、またはユーザーの皮膚から離れた他の場所に設置されていることに対応し得る。
【0050】
ポケット内の電荷変化とポケット外の電荷変化との差は、例えば、背景ノイズの差によって生じ得る。例えば、ポケット内の電荷変動は約50であり得る一方、ポケット外の電荷変動はゼロに近くなる。
【0051】
図6A~Bは、ウェアラブルデバイスの1つ以上のアンテナを使用して電荷変動を検出するための回路の例を示す。各例では、これらの例では、アンテナ640で表される1つ以上のアンテナによって受信された信号を処理するために、ウェアラブルシステムオンチップ(SoC)を使用する。
【0052】
図6Aでは、ウェアラブルSoC650は、バッファ652、アンプ654、及びデジタル信号プロセッサ(DSP)656を含む。バッファ652は、アンテナ640から収集されたデータを一時的に記憶し得る。アンプ654は、例えば、オーディオアンプまたは任意の電荷アンプであり得る。アンプ654は、アンテナ640によって収集され、バッファ652に記憶された信号のゲインを増加させ得る。DSP656は、フィルタリング及び/または他の処理技術を行い、処理された信号を導出し得る。
【0053】
図6Bでは、個別の静電荷変化処理チップ645は、アンテナ640とSoC660との間に位置付けられる。チップ645は、例えば、慣性測定ユニット(IMU)、圧力センサー、電荷変化検知入力を備えたマイクロフォン、または他の様々なタイプのチップのいずれかであり得る。この例では、チップ645を使用して、静電荷変化信号をデジタル出力に変換する。チップは、アンテナからの静電荷変化を電圧または電流に変換するアナログフロントエンドと、アナログ信号をデジタル信号に変換するADCと、ノイズを除去するデジタルフィルターとを含み得る。
【0054】
ウェアラブルSoC660は、この例では、センサーハブ662及びDSP664を含む。センサーハブ662はマイクロプロセッサであり得、これを使用して、異なるセンサーからデータを収集し、そのデータを処理できる。例えば、センサーハブ662は、アンテナ640から、及び/またはIMU、静電容量センサー、光センサー、熱センサー、近接センサー等の様々な他のセンサー(図示せず)のいずれかから、センサーデータを収集し得る。図6AのDSP656と同様に、DSP664は、センサーハブ662から受信した信号に対してフィルタリング及び/または他の処理技術を行い得る。
【0055】
各例では、DSPからの処理済み信号は、信号に基づいてデバイスがどの状態にあるかを識別するために分析され得る。そのような分析は、例えばDSPによって、またはDSPと結合された別の処理ユニットによって行われ得る。そのような分析は、例えば、デバイスが耳の中に装着されているかどうか、ポケットの中に入っているかどうか、テーブルの上に置かれているかどうか、ケース内で充電されているかどうか等を判定し得る。例えば、そのような判定は、アンテナ640によって検出された電荷変動に基づいて行われ得る。いくつかの例では、他のセンサーからの追加情報も分析に考慮され得る。例えば、加速度計、マイク、または他のデバイスからの情報は、検出された電荷変動と組み合わせて使用して、正確な状態検出を達成し得る。
【0056】
図7は、本明細書に説明される特徴が実装され得る例示的なイヤホン110の機能ブロック図である。これは、開示の範囲または本明細書に説明される機能の有用性を制限するものとみなすべきではない。一方のイヤホン110が示されているが、イヤホン110はイヤホンのペアの一方であり、その場合、イヤホン110は他方のイヤホンと連携して動作することを理解されたい。ペアの各イヤホンは、互いに同様の構造を有し得る。
【0057】
示されるように、イヤホン110は、汎用コンピューティングデバイスに通常存在している1つ以上のプロセッサ112、メモリ114、及び他のコンポーネントを含み得る。例えば、イヤホン110は、バッテリー220、スピーカー230、時計119等を含み得る。
【0058】
メモリ114は、1つ以上のプロセッサ112によって実行できる命令116を含む、1つ以上のプロセッサ112によってアクセス可能な情報を記憶できる。メモリ114は、また、プロセッサ112によって取得、操作、または記憶できるデータ118を含み得る。メモリは、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、書き込み可能メモリ、読み取り専用メモリ等、プロセッサがアクセス可能な情報を記憶することが可能な任意の非一時的なタイプであり得る。
【0059】
命令116は、マシンコード等の直接実行される任意の命令のセット、またはスクリプト等の間接的に1つ以上のプロセッサによって実行される任意の命令のセットであり得る。その点において、本明細書では、「命令」、「アプリケーション」、「ステップ」、及び「プログラム」という用語は互換的に使用できる。命令は、プロセッサによる直接処理のためにオブジェクトコード形式で記憶できる、または、オンデマンドで解釈される、もしくは事前にコンパイルされる独立したソースコードモジュールのスクリプトもしくはコレクションを含む任意の他のコンピューティングデバイス言語で記憶できる。命令の機能、メソッド、及びルーチンは、下記でより詳細に説明される。
【0060】
データ118は、命令116に従って、1つ以上のプロセッサ112によって取得、記憶、または修正できる。例えば、本明細書に説明される主題は任意の特定のデータ構造によって制限されるものではないが、データはコンピューターレジスタ、多くの異なるフィールド及びレコードを有するテーブルとしてのリレーショナルデータベース、またはXMLドキュメントに記憶できる。データは、また、限定ではないが、バイナリ値、ASCII、またはUnicode等のコンピューティングデバイスで読み取り可能な形式でもフォーマットできる。さらに、データは、数字、説明文、独自のコード、ポインタ、他のネットワークの場所等の他のメモリに記憶されたデータへの参照、または関連データを計算するために関数によって使用される情報等、関連情報を識別するのに十分な任意の情報を含み得る。
【0061】
1つ以上のプロセッサ112は、市販のCPU等の任意の従来のプロセッサであり得る。代替として、プロセッサは、特定用途向け集積回路(「ASIC」)または他のハードウェアベースのプロセッサ等の専用コンポーネントであり得る。必須ではないが、イヤホン110は、ビデオのデコード、ビデオフレームと画像とのマッチング、ビデオの歪み、歪んだビデオのエンコード等の特定のコンピューティングプロセスをより高速に、またはより効率的に行うための特殊なハードウェアコンポーネントを含み得る。
【0062】
図7では、イヤホン110のプロセッサ、メモリ、及び他の要素が同じブロック内にあるように機能的に示されているが、プロセッサ、コンピューター、コンピューティングデバイス、またはメモリは、実際には、同じ物理的ハウジング内に格納され得る、または格納されない場合がある複数のプロセッサ、コンピューター、コンピューティングデバイス、またはメモリを含み得る。例えば、メモリは、イヤホン110とは異なるハウジング内に位置するハードドライブまたは他のストレージ媒体であり得る。したがって、プロセッサ、コンピューター、コンピューティングデバイス、またはメモリへの参照は、並行して動作し得る、または動作しない場合があるプロセッサ、コンピューター、コンピューティングデバイス、またはメモリのコレクションへの参照を含むものと理解される。
【0063】
さらに、図7に示されるように、イヤホン110は、各々、ユーザー入力111等の1つ以上のユーザー入力を含み得る。例えば、ユーザー入力は、機械式アクチュエータ、ソフトアクチュエータ、周辺デバイス、センサー、及び/または他のコンポーネントを含み得る。入力111のセンサーの例は、マイク等の振動センサー、静電容量センサーまたは光学センサー等のタッチセンサー等を含み得る。例えば、ユーザーは、ユーザー入力111を使用して、オーディオのオン及びオフ、音量の調整等、様々なオーディオ特性を制御することが可能であり得る。
【0064】
イヤホン110は、出力デバイス113等の1つ以上の出力デバイスを含み得る。例えば、出力デバイスは、1つ以上のスピーカー230、トランスデューサーまたは他のオーディオ出力、ユーザーディスプレイ、触覚インターフェース、またはユーザーに非視覚的かつ非聴覚的な情報を提供する他の触覚フィードバックを含み得る。例えば、出力デバイス113のスピーカーを使用して、音楽を再生し、ナビゲーションまたは他のガイダンス、マルチメディアファイル、音声通話、翻訳された音声等のオーディオを発し得る。
【0065】
イヤホン110は、センサー115等の1つ以上のセンサーを含み得る。例えば、センサー115は1つ以上のアンテナ240を含み得る。センサーの他の例は、さらに、IMU245、気圧計、振動センサー、熱センサー、無線周波数(RF)センサー、磁力計、気圧センサー、光センサー、静電容量センサー、または他の様々なタイプのセンサーを含み得る。
【0066】
他のイヤホン、ホストデバイス、または他のリモートデバイスから情報を取得して、その情報をそれらのデバイスに送信するために、イヤホン110は、通信モジュール117等の通信モジュールを含み得る。通信モジュールは、ワイヤレスネットワーク接続、ワイヤレスアドホック接続、及び/または有線接続を可能にし得る。通信モジュール117を介して、イヤホン110は、無線リンク等の通信リンクを確立し得る。通信モジュール117は、セルラー、LTE、5G、4G、WiFi、GPS、及び他のネットワークアーキテクチャを介した通信をサポートするように構成され得る。通信モジュール117は、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth LE、近距離無線通信、及びネットワーク化されていない無線構成をサポートするように構成され得る。通信モジュール117は、例えば、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、または他のデバイスからデータ及び/または電力を受信するために、USB、マイクロUSB、USBタイプC、または他のコネクタ等の有線接続をサポートし得る。
【0067】
イヤホン110は、それぞれ、1つ以上の内部クロック119を含み得る。内部クロックはタイミング情報を提供し得、その情報は、コンピューティングデバイスによって実行されるアプリ及び他のプログラムの時間測定、及びコンピューティングデバイス、センサー、入力/出力、GPS、通信システム等による基本動作に使用できる。
【0068】
1つ以上のプロセッサ112は、命令116を実行して、1つ以上のアンテナ240を介して電荷を収集し、収集された電荷に基づいて、イヤホンが装着されているかどうか、及び/または、例えば、ユーザーの顎が動いているかどうかを検出することによって、ユーザーが話しているかどうかを判定し得る。1つ以上のプロセッサ112によって行われるさらなる方法について、下記でさらに詳細に説明する。
【0069】
方法の例
上記に説明したシステムの例に加えて、ここで、例示的な方法を説明する。そのような方法は、上記に説明したシステム、その修正版、または異なる構成を有する様々なシステムのいずれかを使用して行われ得る。以下の方法に含まれる動作は、記載されている順序どおりに行う必要はないことを理解されたい。むしろ、様々な動作は、異なる順序で、または同時に処理され得、動作は追加または省略され得る。
【0070】
図8は、ウェアラブルデバイスの1つ以上のプロセッサ(図7のイヤホン110の1つ以上のプロセッサ112等)によって行われ得るフロー図の例を示す。例えば、プロセッサ112は、フロー図に示されるように、データを受信し、様々な判定を行い得る。いくつかの例によると、ウェアラブルデバイスはイヤホンであり得るが、他の例では、ウェアラブルデバイスは、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドセット、ヘルメット、またはユーザーの頭部もしくはユーザーの身体の他の部分に装着された任意の他のタイプのウェアラブル電子デバイスであり得る。
【0071】
図8を参照すると、ブロック805では、ウェアラブルデバイスの1つ以上のアンテナを使用して、電荷変動を検出する。例えば、1つ以上のアンテナは、イヤホンの金属スナウト、充電パッドの接点、またはデバイスを装着したときにユーザーの皮膚に近接し得るウェアラブルデバイスの他の金属要素を含み得る。電荷変動を検出することは、アンテナを使用して、電荷変動データを収集することを含み得る。いくつかの例では、電荷変動を検出することは、さらに、データの増幅、データのフィルタリング、及び/またはデジタル信号処理もしくは他の処理技術の実施等によって、収集された電荷変動データを処理することを含み得る。
【0072】
ブロック810では、電荷変動が既定閾値を上回っているかどうかが判定される。例えば、既定閾値は、電子デバイスの装着に関連付けられることが知られている電荷変動レベルに基づいて設定され得る。いくつかの例によると、既定閾値は製造プロセス中に設定され得る。他の例によると、既定閾値は、ユーザーの皮膚に特有の充電レベルに基づいて較正され得る。例えば、ユーザーは、ウェアラブルデバイスを着用し、デバイスが装着されていることを確認するセットアッププロセスを行うことができる。したがって、そのセットアッププロセス中に検出された電荷変動レベルを使用して、既定閾値を選択し得る、または製造中に設定された閾値を調整し得る。
【0073】
アンテナを使用して検出された電荷変動が既定閾値を超える場合、デバイスがユーザーによって装着されていると判定され得る。例えば、デバイスがイヤホンである場合、デバイスがユーザーの耳の中に装着されていると判定され得る。したがって、ブロック815では、デバイスはアクティブモードで動作し得る。アクティブモードでは、デバイスはウェアラブルデバイスの出力を経由して、ユーザーにコンテンツを配信し得る。例えば、デバイスは、ウェアラブルデバイスのスピーカーを経由して、音楽、音声通話、通知、または他のオーディオコンテンツを出力し得る。デバイスがディスプレイを含む他の例では、デバイスは、アクティブモードのとき、ディスプレイを経由して視覚コンテンツを出力し得る。さらなる例では、デバイスは、振動、パルス等の触覚フィードバックを使用して通知を出力し得る。
【0074】
アクティブモードであるとき、デバイスは、さらに、ピーク検出プロセスを行い得る(ブロック820)。このプロセスでは、デバイスは電荷変動信号を分析して、ピークが発生したかどうかを判定し得る。例えば、ピークの検出は、ユーザーの顎が動いていることを意味し得る。ブロック825では、ピーク検出に基づいて、ユーザーの顎が動いているかどうかが判定される。例えば、ピークがユーザーの顎の動きと一致する振幅及び/または周波数を有するかどうかが判定され得る。例として、閾値振幅、周波数、及び/または数のピークが検出されたとき、ユーザーの顎が動いていると判定されるように、1つ以上の顎の動きの検出閾値を設定し得る。別の例として、デバイスのメモリは、顎の動きに対応する信号プロファイルを記憶し得、検出されたピークは記憶された信号プロファイルと比較され、比較された信号が十分に一致しているかどうかが判定され、十分に一致している場合、ユーザーの顎が動いていると判定され得る。
【0075】
ブロック825では、ユーザーの顎が動いていると判定される場合、ブロック830では、デバイスはリスニングモードで動作するように遷移し得る。リスニングモードでは、デバイスはマイクをアクティブにして、音声入力を受信し得る、オーディオノイズキャンセレーションを行い得る、及び/またはユーザーの会話に関連する任意のいくつかの他のプロセスを行い得る。ブロック825では、ユーザーの顎が動いていないことが判定される場合、顎の動きが検出されるまで、または検出された電荷変動が既定閾値を下回るまで、デバイスはアクティブモードで動作を継続し得る。
【0076】
ブロック810では、検出された電荷変動が既定閾値を超えていないと判定される場合、ブロック850では、デバイスが充電器に接続されているかどうかが判定され得る。例えば、デバイスがイヤホンのペアである場合、デバイスが対応する充電ケース内に保管されているかどうかを検出し得る。他の例では、デバイスのワイヤレス充電接点がワイヤレス充電器のワイヤレス充電接点と電気的に接続されているかどうかが判定され得る。さらなる例では、充電ケーブルがデバイスの充電ポートに挿入されているかどうかが判定され得る。
【0077】
デバイスが充電器に接続されていない場合、ブロック855では、デバイスはスタンバイモードで動作し得る。スタンバイモードは、低電力モードまたは超低電力モードであり得、このモードでは、デバイスがユーザーに装着されていないとき、デバイスは電力を節約するためにいくつかの機能及び/またはプロセスを非アクティブにする。スタンバイモードで非アクティブにされるそのような機能は、例えば、ホストデバイスからのパケットの受信、コンテンツの出力、入力のリスニング等を含み得る。いくつかの例によると、デバイスは、スタンバイモードのときにアンテナを使用して電荷変動を検出し続け得る。さらなる例では、デバイスは、1秒に1回、数秒に1回等、定期的にだけ充電周波数を検出し得る。
【0078】
ブロック850では、デバイスが充電器に接続されていると判定される場合、ブロック860では、デバイスは充電モードで動作し得る。充電モードでは、デバイスは充電デバイスから電荷を受け、ウェアラブルデバイス内のバッテリーに電荷を供給し得る。いくつかの例によると、充電モードで動作しているとき、デバイスは、デバイス上の充電パッドによって行われる機能をアンテナ機能から充電機能に切り替え得る。充電パッドは、デバイスが充電器に接続されていないことが検出されるまで、デバイスのバッテリーに充電を供給するためのメカニズムとして機能し続け得る。例えば、デバイスが充電器から取り外された後にスタンバイモードに遷移すると、充電パッドは電荷変動を検出するためのアンテナとしての動作に切り替わり得る。
【0079】
本技術は、人が耳にイヤホン等のデバイスを現在装着しているかどうかについて、比較的高精度で検出することが可能である。充電パッド、金属スナウト等の他の機能に加えて、アンテナとして機能を果たすデバイス上のコンポーネントを使用することによって、デバイスの全体的なサイズ及びコストを削減し得る。アンテナとして機能するコンポーネントによって検出された読み取り値に基づいてモードを遷移することによって、デバイスは電力を節約することにより、バッテリー寿命を延ばし得る。例えば、デバイスは、装着されていないとき、スタンバイ状態に入る、またはそれ以外の場合、電力使用量が減少し得る。さらに、オーディオを最も適切なデバイスにルーティングすることによって、ユーザーエクスペリエンスが向上し得る。
【0080】
特に明記しない限り、前述の代替例は相互に排他的ではないが、独自の利点を実現するために様々な組み合わせで実装され得る。上記に説明した特徴のこれらのかつ他の変形及び組み合わせは、特許請求の範囲によって定義された主題から逸脱することなく利用できるため、複数の実施形態の前述の説明は、特許請求の範囲によって定義された主題を制限するものではなく、例示として解釈するべきである。さらに、本明細書に説明される例の規定、及び「~等(such as)」、「含む(including)」等のように表現される条項は、特許請求の範囲の主題を特定の例に制限するものとして解釈するべきではない。むしろ、複数の例は、多くの可能な実施形態のうちの1つだけを例示することを意図している。さらに、異なる図面の同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を識別できる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブル電子デバイスの1つ以上の金属コンポーネントをアンテナとして使用して前記ウェアラブル電子デバイスの状態を判定するための方法であって、
前記ウェアラブル電子デバイスの前記1つ以上の金属コンポーネントによって、電荷変化データを受信することと、
1つ以上のプロセッサによって、前記受信した電荷変化データが予め定められた閾値を超えているかどうかを判定することと、
前記受信した電荷変化データが前記予め定められた閾値を超えるとき、前記1つ以上のプロセッサによって、前記ウェアラブル電子デバイスがユーザーによって装着されていると判定することと、
前記ウェアラブル電子デバイスが前記ユーザーによって装着されていると判定されるとき、前記ウェアラブル電子デバイスをアクティブモードで動作させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記受信した電荷変化データを処理することをさらに含み、
前記受信した電荷変化データが前記予め定められた閾値を超えているかどうかを前記判定することは、前記処理した電荷変化データを前記予め定められた閾値と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信した電荷変化データの前記処理は、前記受信した電荷変化データを増幅すること、または前記受信した電荷変化データをフィルタリングすること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェアラブル電子デバイスが前記ユーザーによって装着されていると判定されるとき、前記1つ以上のプロセッサを用いて、前記受信した電荷変化データのピークを検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサを用いて、前記検出されたピークに基づいて、前記ユーザーの顎が動いているかどうかを判定することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザーの前記顎が動いていると判定されるとき、前記ウェアラブル電子デバイスをリスニングモードで動作させることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記リスニングモードでは、前記ウェアラブル電子デバイスは、オーディオノイズキャンセレーション、または前記ユーザーからの音声入力のリスニング、のうちの少なくとも1つを行う、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサを用いて、前記ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されているかどうかを判定することと、
前記ウェアラブル電子デバイスが前記充電器に接続されていないとき、低電力モードであるスタンバイモードで前記ウェアラブル電子デバイスを動作させることと、
前記ウェアラブル電子デバイスが前記充電器に接続されているとき、前記ウェアラブル電子デバイスの充電パッドを経由して前記ウェアラブル電子デバイスが充電を受ける充電モードで、前記ウェアラブル電子デバイスを動作させることと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェアラブル電子デバイスが前記充電器に接続されていないとき、前記充電パッドは前記アンテナとして機能する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ウェアラブル電子デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジングと統合、前記ハウジングによって収容、または、前記ハウジングに結合された、1つ以上のアンテナとして機能するように構成される1つ以上の金属コンポーネントと、
前記1つ以上の金属コンポーネントと通信する1つ以上のプロセッサと、
を備え、
前記1つ以上のプロセッサは、
電荷変化データを前記1つ以上のアンテナから受信することと、
前記受信した電荷変化データが予め定められた閾値を超えているかどうかを判定することと、
前記受信した電荷変化データが前記予め定められた閾値を超えるとき、前記ウェアラブル電子デバイスがユーザーによって装着されていると判定することと、
前記ウェアラブル電子デバイスが前記ユーザーによって装着されていると判定されるとき、前記ウェアラブル電子デバイスをアクティブモードで動作させることと、
を行うように構成される、ウェアラブル電子デバイス。
【請求項11】
前記1つ以上のアンテナと通信する回路をさらに含み、
前記回路は、前記受信した電荷変化データを処理するように構成される、請求項10に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項12】
前記回路は、アンプ、フィルター、またはデジタル信号プロセッサのうちの少なくとも1つを備える、請求項11に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、前記ウェアラブル電子デバイスが前記ユーザーによって装着されていると判定されるとき、前記受信した電荷変化データのピークを検出するように構成される、請求項10に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、前記検出されたピークに基づいて前記ユーザーの顎が動いているかどうかを判定するように構成される、請求項13に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項15】
前記ユーザーの前記顎が動いていると判定されるとき、前記ウェアラブル電子デバイスはリスニングモードで動作する、請求項14に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項16】
前記リスニングモードでは、前記ウェアラブル電子デバイスは、オーディオノイズキャンセレーション、または前記ユーザーからの音声入力のリスニング、のうちの少なくとも1つを行う、請求項15に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項17】
前記金属コンポーネントの少なくとも1つは充電パッドを含み、
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、
前記ウェアラブル電子デバイスが充電器に接続されているかどうかを判定することと、
前記ウェアラブル電子デバイスが前記充電器に接続されていないとき、低電力モードであるスタンバイモードで前記ウェアラブル電子デバイスを動作させることと、
前記ウェアラブル電子デバイスが前記充電器に接続されているとき、前記ウェアラブル電子デバイスの前記充電パッドを経由して前記ウェアラブル電子デバイスが充電を受ける充電モードで前記ウェアラブル電子デバイスを動作させることと、
を行うように構成される、請求項10に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項18】
前記ウェアラブル電子デバイスが前記充電器に接続されていないとき、前記充電パッドは前記アンテナとして機能する、請求項17に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項19】
前記ウェアラブル電子デバイスはイヤホンである、請求項10に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項20】
1つ以上のプロセッサに請求項1~9のいずれか1項に記載の方法を実行させるための、プログラム。
【国際調査報告】