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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-04
(54)【発明の名称】人工知能を使った虫歯診断
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20241127BHJP
   A61B 1/24 20060101ALI20241127BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
A61B1/045 618
A61B1/24
A61B1/045 614
A61B1/00 526
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535434
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 US2022053189
(87)【国際公開番号】W WO2023114481
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/291,216
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521552349
【氏名又は名称】デジタル ダイアグノスティックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エイブラモフ, マイケル ディー.
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA08
4C161BB08
4C161CC07
4C161FF46
4C161HH51
4C161MM10
4C161NN01
4C161QQ09
4C161RR01
4C161RR19
4C161SS21
(57)【要約】
歯の状態を診断するためのデバイスが開示される。デバイスは、歯をスキャンするハードウェアデバイスから得られたデータに基づいて患者の歯を表す画像データをキャプチャする。デバイスは、画像データを第一の教師あり機械学習モデル中に入力し、出力として第一の教師あり機械学習モデルから複数のバイオマーカーを受け取り、それぞれのバイオマーカーは、歯の異なる位置に対応している。デバイスは、複数のバイオマーカーを第二の教師あり機械学習モデル中へ入力し、出力として第二の教師あり機械学習モデルから歯の状態の診断を受け取る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯の状態を診断する方法であって、前記方法は、
患者の歯をスキャンするハードウェアデバイスから得られるデータに基づいて、前記歯を示す画像データをキャプチャすることと、
前記画像データを第一の教師あり機械学習モデル中へ入力することと、
出力として前記第一の教師あり機械学習モデルから複数のバイオマーカーを受け取ることであって、それぞれのバイオマーカーが、前記歯の異なる位置に対応している、ことと、
前記複数のバイオマーカーを第二の教師あり機械学習モデル中へ入力することと、
出力として前記第二の教師あり機械学習モデルから歯の状態の診断を受け取ることと
を備える、方法。
【請求項2】
前記歯をスキャンする前記ハードウェアデバイスから得られる前記データが、深部浸透光学干渉断層撮影(DPOCT)データを備え、前記画像データが、前記DPOCTデータに基づいて前記歯の1またはそれより多くの光学特性を反映する強度マップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一の教師あり機械学習モデルが、前記強度マップ中の領域間の強度の変化を検知し、前記強度の変化に基づいて前記歯のそれぞれの異なる位置に対する各分類を出力するように訓練され、それぞれの各分類がバイオマーカーを形成する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の教師あり機械学習モデルが、加えて、入力として前記歯の色画像を取り込み、前記第一の教師あり機械学習モデルが、前記画像と前記強度マップとの両方に基づいてバイオマーカーを出力するように加えて訓練され、前記第一の教師あり機械学習モデルの前記出力が、前記色画像から色データを除外する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、前記歯の履歴バイオマーカーにアクセスすることをさらに備え、前記履歴バイオマーカーが、前記複数のバイオマーカーと共に前記第二の教師あり機械学習モデル中へ入力され、前記第二の教師あり機械学習モデルが、前記履歴バイオマーカーと前記複数のバイオマーカーとの両方に基づいて前記診断を出力する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のバイオマーカーと共に前記履歴バイオマーカーを前記第二の教師あり機械学習モデル中へ入力することが、前記履歴バイオマーカーに対する前記複数のバイオマーカーのそれぞれのバイオマーカーの強度差を計算すること、およびそれぞれの強度差を前記第二の教師あり機械学習モデル中へ入力することを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
出力として前記第二の教師あり機械学習モデルから前記歯の状態の診断を受け取ることが、複数の診断を受け取ることを備え、前記複数の診断のうちそれぞれの診断が、前記複数のバイオマーカーのうち異なる1つに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記非一時的なコンピュータ読み取り媒体は、歯の状態を診断するためにその中に符号化された命令を持つメモリを備え、前記命令は、実行されると、1またはそれより多くのプロセッサに動作を行わせ、前記命令は、
患者の歯をスキャンするハードウェアデバイスから得られるデータに基づいて、前記歯を示す画像データをキャプチャすることと、
前記画像データを第一の教師あり機械学習モデル中へ入力することと、
出力として前記第一の教師あり機械学習モデルから複数のバイオマーカーを受け取ることであって、それぞれのバイオマーカーが、前記歯の異なる位置に対応する、ことと、
前記複数のバイオマーカーを第二の教師あり機械学習モデル中へ入力することと、
出力として前記第二の教師あり機械学習モデルから歯の状態の診断を受け取ることと
を行う命令を備える、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項9】
前記歯をスキャンする前記ハードウェアデバイスから得られる前記データが、深部浸透光学干渉断層撮影(DPOCT)データを備え、前記画像データが、前記DPOCTデータに基づいて前記歯の1またはそれより多くの光学特性を反映する強度マップを備える、請求項8に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項10】
前記第一の教師あり機械学習モデルが、前記強度マップ中の領域間の強度の変化を検知し、前記強度の変化に基づいて前記歯のそれぞれの異なる位置に対する各分類を出力するように訓練され、それぞれの各分類がバイオマーカーを形成する、請求項9に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項11】
前記第一の教師あり機械学習モデルが、加えて、入力として前記歯の色画像を取り込み、前記第一の教師あり機械学習モデルが、前記画像と前記強度マップとの両方に基づいてバイオマーカーを出力するように加えて訓練され、前記第一の教師あり機械学習モデルの前記出力が、前記色画像から色データを除外する、請求項10に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項12】
前記方法が、前記歯の履歴バイオマーカーにアクセスすることをさらに備え、前記履歴バイオマーカーが、前記複数のバイオマーカーと共に前記第二の教師あり機械学習モデル中へ入力され、前記第二の教師あり機械学習モデルが、前記履歴バイオマーカーと前記複数のバイオマーカーとの両方に基づいて前記診断を出力する、請求項8に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項13】
前記複数のバイオマーカーと共に前記履歴バイオマーカーを前記第二の教師あり機械学習モデル中へ入力命令が、前記履歴バイオマーカーに対する前記複数のバイオマーカーのうちそれぞれのバイオマーカーの強度差を計算する命令とそれぞれの強度差を前記第二の教師あり機械学習モデル中へ入力することとを備える、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項14】
出力として前記第二の教師あり機械学習モデルから前記歯の状態の前記診断を受け取る命令が、複数の診断を受け取る命令を備え、前記複数の診断のそれぞれの診断が、前記複数のバイオマーカーのうち異なる1つに対応する、請求項8に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項15】
システムであって、前記システムは、
歯の状態を診断するためにその中に符号化された命令を持つメモリと、
1またはそれより多くのプロセッサと
を備え、前記1またはそれより多くのプロセッサは、前記命令を実行するとき、動作を行い、前記動作が、
患者の歯をスキャンするハードウェアデバイスから得られるデータに基づいて、前記歯を示す画像データをキャプチャすることと、
前記画像データを第一の教師あり機械学習モデル中へ入力することと、
出力として前記第一の教師あり機械学習モデルから複数のバイオマーカーを受け取ることであって、それぞれのバイオマーカーが、前記歯の異なる位置に対応する、ことと、
前記複数のバイオマーカーを第二の教師あり機械学習モデル中へ入力することと、
出力として前記第二の教師あり機械学習モデルから歯の状態の診断を受け取ることと
を備える、システム。
【請求項16】
前記歯をスキャンする前記ハードウェアデバイスから得られる前記データが、深部浸透光学干渉断層撮影(DPOCT)データを備え、前記画像データが、前記DPOCTデータに基づいて前記歯の1またはそれより多くの光学特性を反映する強度マップを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第一の教師あり機械学習モデルが、前記強度マップ中の領域間の強度の変化を検知し、前記強度の変化に基づいて前記歯のそれぞれの異なる位置に対する各分類を出力するように訓練され、それぞれの各分類がバイオマーカーを形成する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第一の教師あり機械学習モデルが、加えて、入力として前記歯の色画像を取り込み、前記第一の教師あり機械学習モデルが、前記画像と前記強度マップとの両方に基づいてバイオマーカーを出力するように加えて訓練され、前記第一の教師あり機械学習モデルの前記出力が、前記色画像から色データを除外する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記動作が、前記歯の履歴バイオマーカーにアクセスすることをさらに備え、前記履歴バイオマーカーが、前記複数のバイオマーカーと共に前記第二の教師あり機械学習モデル中へ入力され、前記第二の教師あり機械学習モデルが、前記履歴バイオマーカーと前記複数のバイオマーカーとの両方に基づいて前記診断を出力する、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数のバイオマーカーをと共に履歴バイオマーカーを前記第二の教師あり機械学習モデル中へ入力することが、前記履歴バイオマーカーに対する前記複数のバイオマーカーのそれぞれのバイオマーカーの強度差を計算することおよびそれぞれの強度差を前記第二の教師あり機械学習モデル中へ入力することを備える、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2021年12月17日に出願された米国仮特許出願第63/219,216号の利益を主張する。その内容は、本明細書に参照によってその全体において組み込まれている。
【0002】
(背景)
虫歯(齲歯)のリスクは、社会全体に蔓延しており、どんな人間も、特に炭水化物および超加工食品の豊富な食事により、虫歯のリスクがある。虫歯は、障害、痛み、医療費の主な原因である。虫歯を予防し改善する効果的な治療は、特に、それが初期段階に見つかった場合にそれがまだ無症状であるとき、存在する。しかし、早期診断の遵守は、標準治療が歯科医による歯科検診である場合、最適ではなく、不必要な虫歯の進行につながる。歯科医および付加的にX線による標準治療の歯科検診は、虫歯の早期診断に効果的であるのに対して、州によって大きく変動する要件のある高いスキルを持つ専門家(つまり歯科医)または高いスキルを持つX線技術者のどちらかの必要性および不足、ならびに長期的な健康への影響を有し得るX線への露出、加えて比較的高コストにつながり、アクセスを減少させるいくつかの形状の遠隔医療を通した専門家による評価の必要性から、これをスケーリングすることは困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(要旨)
それゆえ、a)X線と必要とせず、かつb)画像を評価するための専門知識を必要としない自律的な歯のスクリーニング人工知能(AI)技術が、アクセスを増加させること、コストを低下させることおよびそれによって永久的な障害およびコストを回避することに対して非常に有益である。具体的には、深部浸透光干渉断層撮影(DPOCT)は、臼歯を含む歯の要素中へ4~5mmまで浸透するための、低コヒーレンス光のインターフェログラムに基づく、無放射性の光学技術であり、それは、全ての面上の任意の空洞を含むそれぞれの要素の全ての面が画像化されることを可能にする。特に、それは、2つの要素間のいわゆる歯間空洞が画像化されることを可能にし、それは、空洞の60%が発生するところであり、かつ可視検査ではアクセス不可能である。自律型AIは、多断面DPOCT画像からの空洞のリアルタイムでのポイントオブケア診断を可能にする技術である。
【0004】
DPOCTは、歯全体、特に大きい臼歯へ浸透できないので、それぞれのアクセス可能な表面の画像化が求められ得る。これは、多断面DPOCTを通して、臼歯の列の少なくとも顔面、舌面、咬合面を覆う小さなプローブまたは複数のプローブを用い、要素全体の高速スキャンを可能にするいわゆる掃引光源またはドメインOCT干渉縞におけるそれぞれの平面に対してマイケルソン干渉法のアプローチを使って、低コヒーレンス光で照射し、干渉画像を算出するDPOCTデバイスへ反射された低コヒーレンス光を集める3またはそれより多くの平行なファイバーオプティクスを通して、達成され得る。それは、プローブと同軸上のこれらの3つの平面から1またはそれより多くのBスキャン(2側面スキャン)を得、プローブが手動でまたはサーボを用いて前後に進められると、多段面3D PDOCT体積が集められる。1つの例では、プローブは、臼歯の他の3つの列に適用され、患者の中の全ての臼歯要素の多側面画像化を計算する。
【0005】
自律型AIは、入力として多側面DPOCT体積を有し、体積中の空洞の尤度または体積中の空洞の診断上の二分的もしくは多段階な有無もしくは重大度のどちらかを出力する。他の診断上関連する出力もまた、行われ得る。AIは、融合段階を持つハイブリッドな部分独立バイオマーカーマルチ検知器AIとして、または当業者に周知であるディープラーニング、シャローラーニング、再起型ネットワーク、もしくはそのようなAI設計の任意の組み合わせを使うマルチ画像に基づく畳み込みニューラルネットワークとして、構築されることができる。この手法の例示的なAIは、2018年10月30日に発行された共同所有米国特許第10,115,194号中のさらなる詳細中で開示されており、その開示は、本明細書中の参照によってその全体において本明細書により組み込まれている。教師なし転移学習を含む拡張および転送学習アプローチは、同様に使われることができる。空洞の有無もしくは位置または尤度もしくは確率でラベル付けされるDPOCT訓練画像は、このようなAIシステムを訓練するために使われることができ、またはマルチ検知器に基づくアプローチの場合、ラベル付けされた画像サンプルは、検知器を訓練するために使われることができ、もしくはバイオマーカーの数学的記載は、当該検知器を設計するために使われることができる。DPOCTは、単なる例示であり、DPOCTまたは任意の他の画像化技術が言及されている場合はいつでも、DPOCT(例えば、低コヒーレンス光、音、振動または干渉法の干渉技術を使う任意の他の波形生成技術使う)に関して本明細書に記載される機能性をキャプチャする任意の他の形状の画像化が、同等に適用される。さらに、任意の低干渉断層撮影(LCT)技術もまた、DPOCTが本明細書で言及されている場合は、同等に適用され、紫外線、赤外線、歯科浸透または深部浸透光学干渉断層撮影、マイクロ波、可視光LCT、超音波画像化技術および同様のものを含む。る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、虫歯決定ツールを実装するためのシステム環境の1つの実施形態を図示する。
【0007】
図2図2は、治療を直接出力する人工知能の使用において治療決定ツールによって使われる例示的なモジュールおよびデータベースの1つの実施形態を図示する。
【0008】
図3図3は、治療決定ツールの虫歯決定モジュールによって使われるサブモジュールのさらなる詳細の1つの実施形態を示す。
【0009】
図4図4は、DPOCT強度マップの1つの実施形態を示す。
【0010】
図5図5は、教師あり機械学習アプローチを使って歯の状態の診断を決定するための例示的なプロセスを図示する。
【0011】
図は、図示の目的のみのために、本発明の様々な実施形態を描写する。当業者は、本明細書に図示される構造および方法の代替的な実施形態が本明細書に記載される発明の原理から逸脱することなく用いられ得ることを、以下の論述から容易に認識するだろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(詳細な説明)
(a)概要
図1は、虫歯決定ツールを実装するためのシステム環境の1つの実施形態を図示する。図1に描写されるように、環境100は、画像化器具110、ネットワーク120、虫歯決定ツール130および患者のデータ140を含む。環境100の要素は、単なる例示であり、より少ないまたはより多い要素が、本明細書に開示される機能性を達成するために、環境100中へ組み込まれ得る。
【0013】
画像化器具110は、患者の歯の画像をキャプチャする任意の器具であり得る。画像化器具110は、カメラセンサー、DPOCTセンサー、ならびに歯の問題および虫歯を示すものをキャプチャすることができる任意の他の長波センサーを含み得る。画像化器具110は、患者についてのクレデンシャルおよび他の情報を取得し得る。これらは、ユーザーインターフェースを通して、技術者によって、または直接患者によって、入力され得る。つまり、画像化器具110は、患者についてのデータを入力するためのキーボードまたはタッチスクリーンインターフェースを含み得、加えて、画像をキャプチャする1またはそれより多くの画像化構成要素を含み得る。画像化構成要素は、任意の既知の画像化構成要素(例えば、技術者によって歯の上および周りを滑らされるスライダー)であり得る。画像化器具110は、虫歯決定ツール130によって制御される、またはそうでなければ分配される実行中のソフトウェアに基づいて、患者情報のための画像およびプロンプトをキャプチャし得る。画像器具110は、非X線技術を使うため、X線装置を動作する資格のない人(例えば、最小限の訓練および高等学校教育を受けた技術者)によって動作可能であり、それゆえ、虫歯検知の拡張性を可能にする。
【0014】
画像化器具110は、DPOCTセンサーに加えて多断面OCT技術を使い得る。例えば、DPOCTは、いくつかの歯を完全に貫通することができないため、多断面OCTは、DPOCTがキャプチャ不可能であり得る虫歯を示す画像をキャプチャするために使われ得る。画像化器具110は、キャプチャ画像(例えば、2D画像)を同時にまたは連続的に測定し、これらの画像を歯の任意の所与の点における虫歯(またはその欠陥)の任意のパラメータ表示の3Dまたは他のマルチボリューム測定値へ変換するために、多断面OCTを使い得る。本明細書に開示されるAIは、この手法で共にキャプチャされる複数の3Dボリュームまたは他のマルチボリュームを処理し得る。例えば、複数の歯または歯の複数のセクションが共にスキャンされる場合、3Dまたは他のマルチボリューム画像は、それらの複数の歯および/または歯の複数のセクションのキャプチャであり得、隣接するボリュームにおける情報が互いを束縛する場合(例えば、咬合によって)、互いを考慮して処理され得る。
【0015】
ネットワーク120は、クライアントのデバイス110と治療決定ツール130との間のデータ通信を送信することが可能である任意のデータネットワークであり得る。ネットワーク120は、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークまたは任意の他のネットワークであり得る。
【0016】
虫歯決定ツール130は、画像化器具110からの画像を受け取り、処理する。虫歯決定ツール130は、画像化器具110からの他の患者情報もまた受け取り得、患者についての患者データ140からの情報を検索し得る。いくつかのまたは全ての受け取った情報に基づいて、虫歯決定ツール130は、患者の状態を出力し得る。虫歯決定ツール130の動作のさらなる詳細は、図2を参照して下記に論じられる。治療決定ツール130の動作は、画像化器具110上に全体としてまたは一部として(例えば、画像化器具110にインストールされるまたはブラウザを通して画像化器具110によってアクセスされるアプリケーションを通して)インスタンス化され得る。
【0017】
患者データ140は、1またはそれより多くの患者のデータの記録を格納するデータベースである。患者データ140は、病院記録、患者の個人記録、医師のメモおよび同様のものであり得る。患者データ140は、画像化器具110および/または虫歯決定ツール130と同位置にあり得る。例示的な実施形態では、患者データ140は、患者についてのプロフィール情報(例えば、年齢、性別、人種など)、患者の歯の画像化器具110によってキャプチャされた前の画像(ある場合は)、および虫歯決定ツール130によって検知される前の状態(ある場合は)を含む。患者データ140は、歯科医院と統合し得、そこでは、歯科医が、虫歯決定ツール130によって識別された状態によって促された診察において、処置(例えば、空洞に詰め物をした)または処置の必要がなかったという決断(例えば、偽陽性)を指し示し得る。患者データ140は、患者の歯の画像が経時的にキャプチャされているとき、虫歯の進行を検知するベースラインとして使われ得る。患者データ140は、虫歯決定ツール130によって使われる機械学習モデルを再訓練する(例えば、偽陽性が歯科医によって指し示される場合、虫歯の状態に対応しないことを指し示すとして訓練データを再ラベル付けする)ために使われ得る。ある実施形態では、患者データ140の使用は、随意である(例えば、患者データ140が、AIモデルの正確性または他の性能を低下させるノイズを含み得る場合)。
【0018】
図2は、歯の状態を出力するための人工知能の使用において、虫歯決定ツールによって使われる例示的なモジュールおよびデータベースの1つの実施形態を図示する。図2に描写されるように、虫歯決定ツール130は、画像キャプチャモジュール231、虫歯決定モジュール232および画像事前処理モジュール233、ならびに機械学習モジュール241を含む。図2に描写されるモジュールおよびデータベースは、単なる例示であり、虫歯決定ツール130は、より多くのもしくはより少ないモジュールおよび/またはデータベースを含み、本明細書に記載される機能性を依然として達成し得る。さらに、治療決定ツール130のモジュールおよび/またはデータベースは、クライアントデバイス110および/または1またはそれより多くのサーバー上に全体として、または一部としてインスタンス化され得る。
【0019】
画像キャプチャモジュール231は、画像化器具110に、情報をキャプチャし、その情報を虫歯決定ツール130および/または患者データのデータベース140へ送信させることに関するアクティビティを行う。このアクティビティは、画像化器具110に、(例えば、ローカルにインストールされたアプリケーションを介して、またはリモート指令を介して)患者の歯の画像をキャプチャし、それらを処理のために画像キャプチャモジュール231へ送信するように指令することを含み得る。画像を受け取ったことに応答して、画像キャプチャモジュール231は、画像に対する事前処理を随意に行う(例えば、画像事前処理モジュール233を使って)。事前処理は、画像を最適化すること、アーチファクトを取り除くこと、画像が1またはそれより多くのプロトコルに適合する(例えば、画像が、それらが示すと思われるある歯を示す)ことを確認すること、および同様のことを含み得る。
【0020】
ある実施形態では、画像キャプチャモジュール231は、技術者にあるアクティビティを行うように促す。例えば、技術者は、画像キャプチャモジュール231によって、ある歯、歯茎領域の画像をキャプチャし、ある角度から画像をキャプチャするために機器をスライドし、画像キャプチャデバイスの任意の他の操作をするように促され得る。これらの促しに対応する動作間にキャプチャされた画像は、プロトコルに適合する画像を検証する事前処理プロトコルを通して検証され、それらがプロトコルに適合しないことに応答して、画像キャプチャモジュール231は、技術者にそのような画像を再キャプチャするように促し得る。
【0021】
虫歯決定モジュール232は、キャプチャされた画像に基づいて、患者の1またはそれより多くの状態を決定する。ある実施形態では、虫歯決定モジュール232は、患者が虫歯を有している可能性があるか否かの二択の決断である状態を決定する。つまり、虫歯決定モジュール232の出力は、患者が虫歯を有している可能性があるので歯科医に診てもらうべきであるか、または患者は虫歯を有していないので歯科医に診てもらう必要がないかのどちらかである。他の実施形態では、虫歯決定モジュール232は、診断(例えば、右上の切歯は、エナメル質を通る虫歯を有する)を出力し得る。加えてまたは代替的に、虫歯決定モジュール232は、治療(例えば、右上の切歯上に詰め物が必要とされる)を出力し得る。さらに加えてまたは代替的に、虫歯決定モジュール232は、閾値期間内に虫歯が深刻になる可能性がどのくらいか(例えば、今は詰め物が必要だが、1か月中に根管治療が必要)に基づいて、リスクの緊急性(例えば、「緊急」もしくは「緊急でない」の二値、緊急性に比例して増加する1から10までの段階尺度、または任意の他の表示の手法)を出力し得る。さらに加えてまたは代替的に、虫歯決定モジュール232は、虫歯によってもたらされる任意のリスク(例えば、虫歯が治療されない場合、歯周病になる)を示すものを出力し得る。
【0022】
虫歯決定モジュール232は、機械学習を使うことによって、これらの決定を行い得る。ある実施形態では、1またはそれより多くの長波画像(例えば、DPOCT画像)が、画像キャプチャモジュール231によって得られ、虫歯決定モジュール232によって機械学習モデル中へ入力される。機械学習モデルは、画像を1またはそれより多くの状態にラベル付けする訓練データを使って訓練される(例えば、訓練画像は、歯科医の診察が必要かどうか、特定の診断が存在するかどうか、緊急性、ある治療が必要とされるかどうか、リスクおよび同様のものを示すものにラベル付けされる)。機械学習モデルは、ニューラルネットワーク(例えば、畳み込みニューラルネットワーク)、ディープラーニングネットワークまたは任意の他の種類の機械学習モデルであり得る。機械学習モデルは、患者の画像と対になるような患者のプロフィール情報のような他の補助データを用いて訓練され得、入力として、長波画像に加えて所与の患者のプロフィールデータを受け入れ得る。歯の表面、歯茎の表面および同様のものを示す光学画像は、機械学習モデルへの入力またはそれらの部分(例えば、歯の境界ポリゴン)として加えて使われ得る。
【0023】
単一モデルの方法は、正確であり得るが、偏向を許容し得る。例えば、キャプチャされた画像が、歯茎色素を含む場合、歯茎色素は、ある状態を決定するモデルを訓練するための基礎を形成し得る。この目的のために、2つの機械学習モデルが、使われ得る。第一の機械学習モデルは、入力として画像を受け入れ得、歯のそれぞれの領域に対して、歯が、ある性質(例えば、虫歯、着色、前の詰め物もしくはシーラント、または他の歯科治療物および同様のもの)を含有する尤度、または画像のいくつかの他の表示(例えば、画像のそれぞれの位置における強度)を出力し得る。第二の機械学習モデルは、所与の歯または1組の歯に対する尤度(または他の表示)のベクトルを入力として取り込み、そのベクトルに基づいて状態を出力するように訓練され得る。これは、不必要な要因が状態決定を偏向させるリスクを取り除く。ある実施形態では、尤度のベクトルは、歯周組織の可視光画像のような補助情報を用いて補足され得る。
【0024】
ある実施形態では、患者データ140は、長波画像と結びついてモデルへ入力され得る。例えば、前の画像からのベースライン画像が、入力され得、または画像処理を使って、ベースライン画像と新しい画像との間の差分を識別するために使われ得る。差分は、病気の状態を出力するために、機械学習モデル(単数または複数)中へ入力され得る。機械学習モデルは、異なる時間の同じ歯の履歴データを使って訓練され得、バイオマーカーの経時的な強度差が、状態の重大度(例えば、空洞の悪化または改善、着色の悪化など)を示すためにラベル付けされている。
【0025】
図3は、治療決定ツールの虫歯決定モジュールによって使われるサブモジュールのさらなる詳細の1つの実施形態を示す。図3に描写されるように、虫歯決定モジュール232のサブモジュールは、DPOCT抽象化モジュール315、強度マップモジュール325、バイオマーカー決定モジュール335および虫歯診断モジュール345を含み得る。より少ないまたはより多いモジュールが、本明細書に記載される機能性を達成するために使われ得る。
【0026】
上記に記載されるように、ある実施形態では、虫歯決定モジュール232は、画像を機械学習モデル中へ入力する。しかし、加えてまたは意図的に、DPOCT画像の1またはそれより多くの抽象化が、機械学習モデル中へ入力され得る。本明細書に記載されるような抽象化は、画像の表示を参照し得る。例えば、DPOCT画像は、様々な強度の画素を含み得る。抽象化は、画像のそれぞれの領域における隣接する画素間の強度差の差分を含み得、強度差は、機械学習モデル中へ入力され得る。ある実施形態では、DPOCT抽象化モジュール315は、それらの領域と隣接する画素に対する閾値強度差(例えば、平均強度差または中間強度差)が少なくとも存在する領域を決定し得、機械学習モデル中への入力としてそれらの領域のマップを使い得る。正解訓練データは、抽象化をラベル付けする任意の形態の抽象化に対して存在し得る。単一の機械学習モデルが使われる実施形態では、訓練データは、抽象化に対応する虫歯診断のラベルを含み得る。画像が第一の機械学習モデル中へ入力される実施形態では、抽象化は、任意の前述の出力分類に対する正解でラベル付けされ得る。
【0027】
強度マップ325は、画像(例えば、DPOCT画像)に対して1またはそれより多くの強度マップを生成し得る。強度マップは、所与の特性(例えば、反射率、屈折率、輝度)に対して、画像のそれぞれの画素における強度を指し示し得る。これらの強度マップは、任意の目的のために(例えば、強度差を抽象化するため、機械学習モデル中への直接入力のため、および同様のもの)使われ得る。概して、健康的な歯科物質は、DPOCTスキャンをあまり吸収しない。しかし、虫歯または他の加工物(例えば、空洞の詰め物)は、比較的多く吸収し、より高い強度を有し得る。それゆえ、強度マップに対する分類(例えば、虫歯、着色、前の詰め物)をラベル付けする正解データは、機械学習モデルが強度マップに基づいて分類を出力することを可能にし得る。
【0028】
ある実施形態では、強度マップモジュール325は、最新の画像の強度と患者データ140から前の画像の強度との間の強度の差分(例えば、同じ歯の前の画像に対する現在の画像の強度差)を使って、強度マップを決定し得る。
【0029】
虫歯決定モジュール232は、フルカラー画像、DPOCT画像および任意の言及された抽象化のうちいずれかを、単独または共に、診断を直接出力するように訓練された機械学習モデル、またはある性質を含有する歯の領域に対する尤度を出力するように訓練された機械学習モデルのどちらかの中へ入力し得る。機械学習モデルがこれらの入力のうち2またはそれより多くを共に取り込むように訓練されている場合、それぞれの種類の入力の正解データは、関連する分類を最適に決定するように活用される。
【0030】
ある実施形態では、バイオマーカー決定モジュール335は、ヒューリスティックを強度マップおよび/または強度差を示す抽象化に適用し、ヒューリスティックは、バイオマーカーとして種別される領域の大きさおよび/または領域の強度変化に対するパラメータを特定する。これらのバイオマーカーは、バイオマーカーに基づいて診断を出力する単一の機械学習モデル中へ入力され得る。2つの機械学習モデルが使われる実施形態では、第一の機械学習モデルは、強度マップからの強度の変化を検知し、強度の変化に基づいて歯におけるそれぞれの位置に対する各分類を出力するように訓練され得る。バイオマーカー決定モジュール335は、分類および随意に他のヒューリスティック(例えば、位置の大きさ)から、所与の強度変化を有するそれぞれの領域が特定の種類のバイオマーカー(例えば、空洞、前の詰め物など)を形成する尤度を決定し得る。バイオマーカー決定モジュール335は、これらの尤度を、患者データ140から(例えば、同じ歯の早期検査における前のスキャンにおいて取り込まれた画像から)の前の尤度と比較し得、その比較を第二の機械学習モデルへの入力として使い得る。バイオマーカー決定モジュール335は、加えてまたは代替的に、第二の機械学習モデルへの入力のために、患者140の早期スキャンからのバイオマーカーの強度差を用いてバイオマーカーをアノテーションし得る。
【0031】
虫歯診断モジュール345は、歯の1またはそれより多くの領域に対する診断を生成する。ある実施形態では、虫歯診断モジュール345は、歯のそれぞれのバイオマーカーに対する診断を決定する。つまり、機械学習モデル(例えば、単一モデル、または2つのモデルアプローチにおける第二の機械学習モデル)は、全体としての歯または歯の異なるバイオマーカーのどちらかに対して、歯(またはバイオマーカー)が1またはそれより多くの状態(例えば、空洞、前の詰め物、着色など)を有する確率を出力し得る。虫歯診断モジュールモジュール345は、最小閾値より高い確率が、対応する状態が診断として適用されることを虫歯診断モジュール345が決定することにつながるように、閾値を適用し得る。それゆえ、3つのバイオマーカー(空洞のための1つ、前の詰め物のための1つおよび着色のための1つ)を持つ歯は、歯上のその位置と接続して個々に診断されるそれらのバイオマーカーのうちそれぞれを有し得る。代替的に、歯は、歯の異なる領域をそれに応じてラベル付けせずに、それらの3つの状態のうちそれぞれを有するように外見上ラベル付けされ得る。最後に、虫歯診断モジュール345は、診断の抽象化を出力し得る。例えば、ヒューリスティックは、診断されたものを「歯科医に診てもらいに行く」または「検知された問題はない」のどちらに分類するかを指し示すように適用され得る。例えば、歯における着色および前の詰め物を指し示す分類は、それらのヒューリスティックに基づいて「検知された問題はない」につながり得、一方、空洞または事前空洞物質の任意の所見は、「歯科医に診てもらいに行く」の分類につながり得る。
【0032】
図4は、DPOCT強度マップの1つの実施形態を示す。図4に示されるように、画像400は、歯の色画像および対応する強度マップを示す。これらの強度マップは、専門家がラベル(例えば、エナメル質、象牙質、二次虫歯、亀裂および複合の詰め物)を指し示す訓練データとして使われ得る。ラベルは、健康な臼歯対再建された臼歯のような任意の種類の歯に対するものであり得る。患者データ140は、歯の種類を決定するために使われ得る(例えば、患者データ140は、臼歯が再建されていることを決定し、次いで機械学習モデルが、再建された臼歯を正解データに適合させる場合)。異なる機械学習モデルは、異なる歯の種類に対して訓練され得、虫歯決定モジュール232は、所与の歯に対する状態を診断するために患者データ140から決定されるように患者の歯の種類を適合させる機械学習モデルを選択し得る。これは、正解データのよりよい目標セットを使うことによって、効率性を向上させ、機械学習モデルの出力におけるノイズを低下させ得る。
【0033】
図5は、教師あり機械学習アプローチを使って歯の状態の診断を決定するための例示的なプロセスを図示する。図5に描写されるように、プロセス500は、虫歯決定ツール130が、歯をスキャンするハードウェアデバイスから得られるデータに基づいて、患者の歯の画像データ表示をキャプチャすること502(例えば、画像キャプチャモジュール231を使って)から始まる。ある実施形態では、歯をスキャンするハードウェアデバイスから得られたデータは、深部浸透光干渉断層撮影(DPOCT)データを含み得る。画像データは、DPOCTデータに基づいて、歯の1またはそれより多くの光学的特性を反映する強度マップを含み得、または強度マップであり得る。
【0034】
虫歯決定モジュール130は、画像データを第一の教師あり機械学習モデル中へ(例えば、機械学習モデル241から)入力504する。第一の教師あり機械学習モデルは、ある実施形態では、強度マップにおける領域間の強度の変化を検知し、強度の変化に基づいて歯のそれぞれの異なる位置に対する各分類を出力するように訓練され得、それぞれの各分類は、バイオマーカーを形成する。ある実施形態では、第一の教師あり機械学習モデルは、歯の色画像を入力として加えて取り込み、画像と強度マップとの両方に基づいてバイオマーカーを出力し得る。
【0035】
虫歯決定モジュール130は、出力として第一の教師あり機械学習モデルから複数のバイオマーカーを受け取り506、それぞれのバイオマーカーが、歯の異なる位置に対応する。入力に色画像が含まれる場合、第一の機械学習モデルの出力は、(例えば、第二の機械学習モデルの使用において偏向をなくすように)色画像から色データを除外し得る。虫歯決定モジュール130は、複数のバイオマーカーを第二の教師あり機械学習モデル中へ入力508し、出力として第二の教師あり機械学習モデルから歯の状態の診断を受け取る510。ある実施形態では、歯の履歴バイオマーカー(例えば、前の画像が取り込まれ、決定が第一のモデルおよび/または第二のモデルからなされた患者データ140から)は、検索され、第二の機械学習モデル中へ入力される。強度情報がモデル中へ入力されるある実施形態では、強度差は、経時的な強度の変化がある分類に有益であり得るので、前の強度に対する現在の強度の第二の機械学習モデル中へ入力され得る。ある実施形態では、診断は、所与の歯のそれぞれのバイオマーカーに対する分類を含み得る。
【0036】
本明細書の開示は、人間の患者を参照するが、患者は人間でなくてもよい。犬、馬などは、本明細書に開示されるシステムおよび方法を使う虫歯を有し得る。例えば、訓練データは、状態診断を行うための動物固有の機械学習モデル(単数または複数)を訓練するように、動物の歯に対して投入され得る。機械学習モデルは、ある実施形態では、異種間訓練データを使って訓練され得る。これらの訓練セットのうちいずれかにおける正解は、治療からの結果、痛みおよび臨床医のラベル付けのうち1またはそれより多くに基づき得る。
【0037】
(b)要旨
本発明の実施形態の前述の記載は、図示の目的のために提示されてきた。それは、網羅的であることも、開示される的確な形状に本発明を制限することも意図しない。当業者は、多くの変更および変形が上記の開示を考慮して可能であることを、理解することができる。
【0038】
本記載のいくつかの部分は、情報に対する動作のアルゴリズムおよび象徴的な表現に関して、本発明の実施形態を記載する。これらのアルゴリズムの記載および表現は、データ処理技術における当業者によって、その仕事の内容を他の当業者に効率的に伝達するために通常使われている。これらの動作は、機能的に、計算的にまたは論理的に記載されるが、コンピュータプログラムもしくは同等の電子回路、マイクロコード、または同様のものによって実装されると理解されている。さらに、一般性を損なうことなく、動作のこれらの配置をモジュールと呼ぶこともまた、時には好都合であることが証明されている。記載される動作およびそれらの関連するモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたは任意のそれらの組み合わせにおいて具体化され得る。
【0039】
本明細書に記載される段階、動作またはプロセスのいずれかは、1またはそれより多くのハードウェアまたはソフトウェアモジュールを用いて、単独でまたは他のデバイスと組み合わせて、行われ、または実装され得る。ある実施形態では、ソフトウェアモジュールは、コンピュータプログラムコードを含有するコンピュータ読み取り可能な媒体を備えるコンピュータプログラム製品を用いて実装され、それは、記載されるステップ、動作またはプロセスのうちいずれかまたは全てを行うために、コンピュータプロセッサによって実行されることができる。
【0040】
本発明の実施形態は、本明細書における動作を行うための装置にもまた関連し得る。この装置は、必要な目的のために特別に構築され得、および/または、それは、コンピュータに保管されるコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用の計算デバイスを備え得る。このようなコンピュータプログラムは、非一時的な有形のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体または電子命令を記憶するのに適している任意の種類の媒体中に保管され得、それは、コンピュータシステムバスと結合され得る。さらに、本明細書で参照される任意の計算システムは、単一のプロセッサを含み得るか、または計算能力の向上のために複数のプロセッサ設計を用いるアーキテクチャであり得る。
【0041】
本発明の実施形態は、本明細書に記載される計算プロセスによって生み出される製品にもまた関連し得る。このような製品は、計算プロセスがもたらす情報を備え得、その情報は、非一時的な有形のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に記憶され、コンピュータプログラム製品または本明細書に記載される他のデータの組み合わせの任意実施形態を含み得る。
【0042】
最後に、本明細書で使われる言語は、可読性および教示目的のために原理的に選択され、それは、本発明の主題を叙述または制限するために選択されなくてもよい。それゆえ、本発明の範囲は、この詳細な説明ではなく、むしろ本明細書に基づく出願で発行される任意の請求項によって制限されることが意図される。加えて、本発明の実施形態の開示は、本発明の範囲の図示ではあるが制限的であることを意図せず、それは以下の特許請求の範囲において述べられる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】