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特表2024-544779MyoTrace測定用複数電極パッチ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-04
(54)【発明の名称】MyoTrace測定用複数電極パッチ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/266 20210101AFI20241127BHJP
   A61B 5/296 20210101ALI20241127BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
A61B5/266
A61B5/296
A61B5/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535449
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2022086331
(87)【国際公開番号】W WO2023111259
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/290,880
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/298,715
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】デ グラーフ パスカル
(72)【発明者】
【氏名】コッケ オットー パウルス ヘンリクス
【テーマコード(参考)】
4C038
4C127
【Fターム(参考)】
4C038SS08
4C038ST01
4C038ST09
4C127AA04
4C127LL04
4C127LL24
(57)【要約】
患者の神経呼吸駆動(NRD)指数を非侵襲的に測定するための合理化されたシステムは、3つの一体化されたEMG電極、すなわち胸骨の両側の第2肋間腔に位置すべき2つの信号EMG電極及び上記2つの信号電極上方の胸骨に位置すべき1つの基準EMG電極を提供するEMGパッチを備える。3つ全てのEMG電極を単一のパッチに一体化することで、臨床医は、3つの単体のEMG電極の適切な位置を決定しなくてはならない場合と比較して、どこにパッチを配置するか決定する時間を短縮することが可能になる。加えて、開示されるシステムは、EMGパッチのプラグに挿入される際に3つ全てのEMG電極と電気的に接続できる単一ケーブルを提供し、それによって、各EMG電極に対して別個のケーブルを設けなくてはならないことから通常であれば生じるケーブルの乱雑さを軽減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経呼吸駆動モニタリングシステムと共に使用するためのEMGパッチであって、前記EMGパッチが、
複数の切抜きを備え、患者の胸部に前記EMGパッチを着脱可能に接着するように構造化された、接着層と、
前記複数の切抜きと同数の複数の電解質ゲルパッドであって、各ゲルパッドが前記複数の切抜きのうちの対応する1つの中に挿入されて当該切抜きを埋める、複数の電解質ゲルパッドと、
前記接着層に結合されており、前記複数の電解質ゲルパッドのそれぞれを通じて前記患者の呼吸活動中のEMG信号活性を感知するように構造化された、回路と、
前記回路に結合され且つ電気的に接続されている接続ハードウェアであって、ソケットを備える、接続ハードウェアとを備え、
前記EMGパッチが、EMGモニタリングのために前記患者の前記胸部に前記EMGパッチを配置することで、前記複数の切抜きのうちの第1の切抜きを前記患者の胸骨の第1の側の第2肋間腔上に配設し、前記複数の切抜きのうちの第2の切抜きを前記患者の前記胸骨の第2の側の第2肋間腔上に配設し、且つ前記複数の切抜きのうちの第3の切抜きを前記患者の前記胸骨に配設するように、構造化されており、
前記ソケットが、前記回路によって感知された全てのEMG信号活性を制御装置に送るように構造化された単一ケーブルを受ける、EMGパッチ。
【請求項2】
前記複数の切抜きが3つの切抜きを含み、前記複数の電解質ゲルパッドが3つの電解質ゲルパッドを含む、請求項1に記載のEMGパッチ。
【請求項3】
前記回路が複数の電極を備え、
前記複数の電極のそれぞれが前記複数の電極の他の各電極から電気的に隔離されており、
前記複数の電極のそれぞれが前記ソケットと結合されている、請求項1に記載のEMGパッチ。
【請求項4】
前記複数の電極のそれぞれが、導体を介して送出端子に電気的に接続された信号感知端子を備え、
各信号感知端子が前記複数の電解質ゲルパッドのうちの対応する1つと結合されており、各送出端子が前記ソケットと結合されている、請求項3に記載のEMGパッチ。
【請求項5】
前記ソケットが摺動機構を介して前記ケーブルを受ける、請求項1に記載のEMGパッチ。
【請求項6】
呼吸中の患者の神経呼吸駆動をモニタするためのシステムであって、前記モニタリングシステムが、
受け取ったEMG信号活性に基づいて神経呼吸駆動指数を計算する、制御装置と、
前記制御装置に電気的に接続された、単一ケーブルと、
EMGパッチと、
接続ハードウェアとを備え、
前記EMGパッチが、
前記患者の胸部に前記EMGパッチを着脱可能に接着するように構造化された、複数の切抜きを備える接着層と、
前記複数の切抜きと同数の複数の電解質ゲルパッドであって、各ゲルパッドが前記複数の切抜きのうちの対応する1つの中に挿入されて当該切抜きを埋める、複数の電解質ゲルパッドと、
前記接着層に結合されており、前記複数の電解質ゲルパッドのそれぞれを通じて前記患者の呼吸活動中のEMG信号活性を感知するように構造化された、回路とを備え、
前記接続ハードウェアが、
前記回路に結合されたソケットと、
前記ケーブルに結合され且つ電気的に接続されており、前記ソケットと結合されるように構造化された、プラグとを備え、
前記EMGパッチが、EMGモニタリングのために前記患者の前記胸部に前記EMGパッチを配置することで、前記複数の切抜きのうちの第1の切抜きを前記患者の胸骨の第1の側の第2肋間腔上に配設し、前記複数の切抜きのうちの第2の切抜きを前記患者の前記胸骨の第2の側の第2肋間腔上に配設し、且つ前記複数の切抜きのうちの第3の切抜きを前記患者の前記胸骨に配設するように、構造化されており、
前記ケーブルが、前記回路によって感知された全てのEMG信号活性を前記制御装置に送るように構造化されている、モニタリングシステム。
【請求項7】
前記複数の切抜きが3つの切抜きを含み、前記複数の電解質ゲルパッドが3つの電解質ゲルパッドを含む、請求項6に記載のモニタリングシステム。
【請求項8】
前記回路が複数の電極を備え、
前記複数の電極のそれぞれが前記複数の電極の他の各電極から電気的に隔離されており、
前記複数の電極のそれぞれが前記ソケットと結合されている、請求項6に記載のモニタリングシステム。
【請求項9】
前記複数の電極のそれぞれが、導体を介して送出端子に電気的に接続された信号感知端子を備え、
各信号感知端子が前記複数の電解質ゲルパッドのうちの対応する1つと結合されており、各送出端子が前記ソケットと結合されている、請求項8に記載のモニタリングシステム。
【請求項10】
前記ソケットが摺動機構を介して前記プラグを受ける、請求項6に記載のモニタリングシステム。
【請求項11】
前記プラグが、前記複数の電極に対応する数の複数のケーブル端子を備え、
前記ソケット及び前記プラグが、前記ソケットが前記プラグを受けるとき、前記複数のケーブル端子のそれぞれが前記複数の電極の対応する1つと電気的に接続されるように構造化されている、請求項8に記載のモニタリングシステム。
【請求項12】
前記ソケットが、ソケット壁を有するソケット筐体を備え、
前記プラグがプラグ筐体を備え、
前記摺動機構が、前記ソケット壁に形成された側方開口部と、前記プラグ筐体に形成された張出部とを備え、
前記張出部が前記プラグ筐体の内部から延出し、前記プラグが前記ソケットに挿入されているとき、前記側方開口部を通って前記ソケット筐体の外部へ延出するように構造化されており、
前記プラグが前記ソケットに挿入されている場合、前記プラグを前記ソケットから取り外すためには前記プラグ筐体に対して内方への力が前記張出部に与えられなくてはならないように、前記張出部及び前記側方開口部が構造化されている、請求項10に記載のモニタリングシステム。
【請求項13】
呼吸中の患者の神経呼吸駆動をモニタするためのシステムであって、前記モニタリングシステムが、
制御装置に電気的に接続するように構造化された、単一ケーブルと、
EMGパッチと、
接続ハードウェアとを備え、
前記EMGパッチが、
前記患者の胸部に前記EMGパッチを着脱可能に接着するように構造化されており、複数の電解質ゲルパッド挿入物を備える、接着層と、
前記接着層に結合されており、前記複数の電解質ゲルパッド挿入物のそれぞれを通じて前記患者の呼吸活動中のEMG信号活性を感知するように構造化された回路とを備え、
前記接続ハードウェアが、
前記回路に結合されたソケットと、
前記ケーブルに結合され且つ電気的に接続されており、前記ソケットと結合されるように構造化された、プラグとを備え、
前記EMGパッチが、EMGモニタリングのために前記患者の前記胸部に前記EMGパッチを配置することで、神経呼吸駆動指数を計算するために使用され得るEMG信号を感知することができるように前記回路を位置させるように、構造化されており、
前記ケーブルが、前記回路によって感知された全てのEMG信号活性を前記制御装置に送るように構造化されている、モニタリングシステム。
【請求項14】
前記ソケットが摺動機構を介して前記ケーブルを受ける、請求項13に記載のモニタリングシステム。
【請求項15】
前記回路が複数の電極を備え、前記複数の電極のそれぞれが前記複数の電極の他の各電極から電気的に隔離されている、請求項13に記載のモニタリングシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[01] 開示される概念は患者の呼吸努力を定量化するためのシステムに関し、詳細には、患者の神経筋駆動(NMD)をモニタするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[02] 筋電図検査(EMG)は、胸骨(傍胸骨)の両側の肋間腔、又は横隔膜近傍の腹部領域などの、呼吸に関わる筋肉の活動をモニタすることによって患者の呼吸状態を非侵襲的に評価するために使用され得る。吸気筋活動のEMG測定値は、呼吸筋の負荷と呼吸筋の能力との間のバランスの指標であり、呼吸努力の客観的尺度を得るためにも使用され得る。特に、吸息中に測定される呼吸EMG活性は神経呼吸駆動(NRD)と関連付けられてもよい。NRDは、脳が呼吸筋に出力する信号であり、呼吸筋の負荷と呼吸筋の能力との間のバランスの指標である。
【0003】
[03] EMG信号から得られる呼吸筋活動の客観的尺度は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)による入院患者などの、患者の呼吸状態をモニタするために重要であるとみなされている。呼吸数は容易且つ非侵襲的に測定されるが、呼吸数は患者が呼吸するためにどの程度の努力を費やしているかは示さない。例えば、COPD患者及び比較的健康な人間が同じ呼吸数で呼吸する場合、COPD患者はその呼吸数で呼吸するために健康な人間より多くの努力を費やすが、呼吸数はそれ単独では各人がその呼吸数で呼吸するためにどの程度努力しているのかを示さないことが理解される。対照的に、呼吸筋のEMG活性は、NRDを計算して所与の患者が特定の呼吸数で呼吸するために必要とする努力の客観的定量化を提供するために使用され得るが、EMG活性は患者の胸部のいくつかの位置でモニタされる必要があり、いくつかの電極及びケーブルが適切に位置決めされモニタに接続されることを必要とする。臨床医は多忙なことが多く、NRD指数計算用の装置を適切に設置する作業に割かれる各時間が、患者との直接的対話に割かれない時間となることを理解されたい。
【0004】
[04] 従って、神経呼吸駆動をモニタするために使用されるシステムには改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[05] 従って、本発明の目的は、3つの一体化されたEMG電極、すなわち胸骨の両側の第2肋間腔に位置すべき2つの信号EMG電極及び上記2つの信号電極上方の胸骨に位置すべき1つの基準EMG電極を備える単一のEMGパッチを用いて患者の神経呼吸駆動(NRD)指数を非侵襲的に測定するための合理化されたシステムを提供することである。上記パッチは、プラグに挿入される際に3つ全てのEMG電極に電気的に接続するように構造化された単一ケーブルのプラグを受けるように構造化されたソケットを備えるコネクタハードウェアを備え、それによって、従来のEMGシステムでは各EMG電極に対して別個のケーブルを設けなくてはならないことから通常であれば生じるケーブルの乱雑さを軽減する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、神経呼吸駆動モニタリングシステムと共に使用するためのEMGパッチが、患者の胸部に接着されるように構造化されており、且つ、複数の切抜きを備え、患者の胸部にEMGパッチを着脱可能に接着するように構造化された接着層と、複数の切抜きと同数の複数の電解質ゲルパッドであって、各ゲルパッドが複数の切抜きのうちの対応する1つの中に挿入されて切抜きを埋める複数の電解質ゲルパッドと、接着層に結合されており、複数の電解質ゲルパッドのそれぞれを通じて患者の呼吸活動中のEMG信号活性を感知するように構造化された回路と、回路に結合され且つ電気的に接続されており、ソケットを備える接続ハードウェアとを備える。EMGパッチは、EMGモニタリングのために患者の胸部にEMGパッチを配置することで、複数の切抜きのうちの第1の切抜きを患者の胸骨の第1の側の第2肋間腔上に配設し、複数の切抜きのうちの第2の切抜きを患者の胸骨の第2の側の第2肋間腔上に配設し、且つ複数の切抜きのうちの第3の切抜きを患者の胸骨に配設するように、構造化されている。ソケットは、回路によって感知された全てのEMG信号活性を制御装置に送るように構造化された単一ケーブルを受けるように構成されている。
【0007】
[06] 他の実施形態において、呼吸中の患者の神経呼吸駆動をモニタするためのシステムは、受け取ったEMG信号活性に基づいて神経呼吸駆動指数を計算するように構成された制御装置と、制御装置に電気的に接続された単一ケーブルと、患者の胸部に接着するように構造化されたEMGパッチと、接続ハードウェアと、を備える。EMGパッチは、複数の切抜きを備え、患者の胸部にEMGパッチを着脱可能に接着するように構造化された接着層と、複数の切抜きと同数の複数の電解質ゲルパッドであって、各ゲルパッドが複数の切抜きのうちの対応する1つの中に挿入されて切抜きを埋める複数の電解質ゲルパッドと、接着層に結合されており、複数の電解質ゲルパッドのそれぞれを通じて患者の呼吸活動中のEMG信号活性を感知するように構造化された回路とを備える。接続ハードウェアは、回路に結合されたソケットと、ケーブルに結合されて電気的に接続され、ソケットと結合するように構造化されたプラグと、を備える。EMGパッチは、EMGモニタリングのために患者の胸部にEMGパッチを配置することで、複数の切抜きのうちの第1の切抜きを患者の胸骨の第1の側の第2肋間腔上に配設し、複数の切抜きのうちの第2の切抜きを患者の胸骨の第2の側の第2肋間腔上に配設し、且つ複数の切抜きのうちの第3の切抜きを患者の胸骨に配設するように、構造化されている。ケーブルは、回路によって感知された全てのEMG信号活性を制御装置に送るように構造化されている。
【0008】
[07] 呼吸中の患者の神経呼吸駆動をモニタするためのシステムは、制御装置に電気的に接続するように構造化された単一ケーブルと、EMGパッチと、接続ハードウェアと、を備える。EMGパッチは、患者の胸部にEMGパッチを着脱可能に接着するように構造化されており、複数の電解質ゲルパッド挿入物を備える接着層と、接着層に結合されており、複数の電解質ゲルパッド挿入物のそれぞれを通じて患者の呼吸活動中のEMG信号活性を感知するように構造化された回路とを備える。接続ハードウェアは、回路に結合されたソケットと、ケーブルに結合されて電気的に接続され、ソケットと結合するように構造化されたプラグとを備える。EMGパッチは、EMGモニタリングのために患者の胸部にEMGパッチを配置することで、神経呼吸駆動指数を計算するために使用され得るEMG信号を感知することができるように回路を位置させるように、構造化されている。ケーブルは、回路によって感知された全てのEMG信号活性を制御装置に送るように構造化されている。
【0009】
[08] 本発明のこれらの及び他の目的、特徴、及び特性、構造体の関連要素の動作方法及び機能、部品の組み合わせ、並びに製造の経済性が、添付図面を参照して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を検討することによってさらに明らかになり、それら全てが本明細書の一部を形成し、同一の参照符号は様々な図において一致する部分を示す。しかし、図面は例示及び説明のみを目的とし、本発明の限定の定義として意図されるものではないことが明白に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[09] 呼吸中のモニタEMG活性を感知するために使用される既知のシステムを表す図である。
図2】[10] 本発明の例示的実施形態による、神経呼吸駆動(NRD)モニタリングシステムを示す図である。
図3A】[11] 本発明の例示的実施形態による、図2に示されるNRDモニタリングシステムと共に使用されるEMGパッチの接着下地層の立面図である。
図3B】[12] 本発明の例示的実施形態による、図2に示されるEMGパッチの接着層の立面図である。
図3C】[13] 本発明の例示的実施形態による、電解質ゲルパッドで埋められた、図3Bに示される接着層の切抜きを示す図である。
図3D】[14] 本発明の例示的実施形態による、図3Cに示される構成に結合されたEMG感知回路を示す図である。
図3E】[15] 本発明の例示的実施形態による、図3Dに示される構成に結合された絶縁ハードウェア下地を示す図である。
図3F】[16] 本発明の例示的実施形態による、図3Eに示される構成に結合された接続ハードウェアを示す図である。
図4A】[17] 本発明の例示的実施形態による、図3Fに示されるコネクタハードウェアのソケット構成部品の立面図である。
図4B】[18] 図4Aに示される線4B-4Bに沿ったソケット構成部品の断面図である。
図4C】[19] 本発明の例示的実施形態による、内部構成部品を示すために筐体の一部が取り除かれた状態の、図3Fに示されるコネクタハードウェアのケーブルプラグ構成部品の立面図である。
図4D】[20] 本発明の例示的実施形態による、筐体が完全な状態の、図4Cに示されるケーブルプラグ構成部品の立面図である。
図4E】[21] 図4Dに示される線4E-4Eに沿ったケーブルプラグ構成部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[22] 本明細書で使用される単数形は、コンテキスト上明らかな規定を別段にしていない限り、複数形を含む。
【0012】
[23] 本明細書で使用される、2つ以上の部品又は構成要素が「結合」されているという記述は、連結が生じる限り部品が直接的に、又は間接的、すなわち1つ若しくは複数の中間部品若しくは構成要素を介して、接合されるか又は共に動作することを意味する。
【0013】
[24] 本明細書で使用される用語「制御装置」は、データ(例えばソフトウェアルーチン及び/又はそのようなルーチンにより使用される情報)を記憶、取得、実行、及び処理できるいくつかのプログラム可能アナログ及び/又はデジタルデバイス(関連するメモリ部又は部分を含む)を意味し、限定はせずに、現場プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、複雑プログラム可能論理デバイス(CPLD)、プログラム可能システムオンチップ(PSOC)、特定用途用集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラム可能論理制御装置、又は任意の他の好適な処理デバイス若しくは装置を含む。メモリ部分は、限定はせずに、コンピュータの内部記憶領域の様式などでのデータ及びプログラムコード記憶のための記憶レジスタ、すなわち非一時的機器可読媒体を提供する、RAM、ROM、EPROM、EEPROM(登録商標)、FLASHなどの任意の1つ又は複数の様々な種類の内部及び/又は外部記憶媒体であってもよく、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよい。
【0014】
[25] 本明細書で使用される用語「数」は、1又は1より大きい整数(すなわち複数)を意味する。
【0015】
[26] 例えば、限定はせずに、上、下、左、右、上側、下側、前方、後方、及びそれらの派生語などの、本明細書で使用される方向を示す句は、図面に示される要素の配向に関係し、特許請求の範囲に明示的に記載されていない限り特許請求の範囲を限定しない。
【0016】
[27] 様々な特定の例示的実施形態に関連して本明細書でより詳細に説明されるように、本発明は、患者の神経呼吸駆動(NRD)指数を非侵襲的に測定するための合理化されたシステムを提供する。NRDは呼吸努力の客観的定量化とみなされ、吸入中に得られるEMG計測値は呼吸筋の負荷と呼吸筋の能力との間のバランスの指標とみなされるため、NRDを非侵襲的に定量化するにはEMG電極を使用し吸気中の呼吸筋活動を検出することが必要となる。図1に対して本明細書で以下に詳述されるように、NRD指数を計測するための最適なEMGの構成では、3つのEMG電極を、患者の胸部の精密な位置に、電極間に精密な距離が存在する状態で配置することが必要となる。電極が置き換えられる必要があるたびに精密な位置及び距離が再決定される必要があることが理解されよう。加えて、電気リードが3つ全ての電極にはめ込まれる必要があり、3つの異なるケーブル(各電極に1つずつ)がリードに接続される必要がある。ケーブルをリードに接続するために利用可能な機構に応じて、ケーブルをリードに接続することは所望されない圧力を患者の胸部に加えることを必要とする。本明細書に開示され、図2図3A図3F、及び図4A図4Eに示されるシステムは、上記に繰り返される欠点を回避するNRD指数を測定するために使用される合理化されたEMGモニタリング構成を提供する。
【0017】
[28] ここで図1を参照すると、吸気EMG信号を感知するための既知のシステムを表すシステム1が示されている。システム1に示される装置のような既知の装置を用いた患者Pに対するNRD指数の測定では、患者Pの上胸部に2つの信号EMG電極2及び1つの基準EMG電極4を配置することが必要となる。1つ目の信号EMG電極2は胸骨の一方の側で第2肋間腔に配置され、2つ目の信号EMG電極2は胸骨の他方の側で第2肋間腔に配置され、基準EMG電極4は(図1に示される図面に対して)2つの信号電極2上方の胸骨に配置される。患者Pの胸部に位置された2つ以上の構成要素(例えば電極)に関して、用語「上方」が本明細書において使用されるとき、「上方」は、患者Pの胸部で第1の構成要素が第2の構成要素の上方に配設される場合、第1の構成要素が第2の構成要素より患者Pの首に近接して配設されるように、患者Pの首により近接することを意味することに留意されたい。
【0018】
[29] 図1において、各電極2、4は、それ自体に指定されたケーブル6によって制御装置8と接続されている。各電極2、4に対して1つの、3つの異なるリード(図1では付番せず)は、電極2、4に接続するための各ケーブル6に対する接続点を提供するために、各電極にはめ込まれる必要がある。3つの別個の電極2、4を適切に位置決めするための時間を短縮すること、リードを各電極2、4にはめ込むために患者Pの胸部に圧力を加える必要性を解消すること、及び3つの別個のケーブル6を備えることによって生じるケーブルの乱雑さを軽減することが所望されることを理解されたい。
【0019】
[30] ここで図2を参照すると、本発明の例示的実施形態によるNRDモニタリングシステム100が示されている。図1のシステム1のように3つの別個のEMG電極を備えるのではなく、図2のシステム100は、パッチ101に一体化された2つのEMG信号電極102及び1つの基準EMG電極104を備える単一のEMGパッチ101を備える。例示的実施形態において、パッチ101は使い捨てられるように生産される。システム100は、システム1などの既知のシステムのように各電極に個別のケーブルを使用するのではなく、第1端部でパッチ101に結合するように、且つ第1端部の反対側に配設された第2端部で制御装置108に結合するように構造化された単一のケーブル106をさらに備える。ケーブル106をパッチ101及び制御装置108に結合することにより、パッチ101と制御装置108との間に電気通信が確立される。制御装置108は、信号がケーブル106を介して制御装置108に送られた後、パッチ101により感知されたEMG信号を用いてNRD指数を計算するように構成されていることを理解されたい。
【0020】
[31] ここで図3A図3Fを参照すると、図2に示されているパッチ101を構築するために使用される層のそれぞれの立面図が示されている。本明細書で以下により詳細に説明されるこれら層は、接着下地110、接着層120、ゲル層130、回路層140、ハードウェア下地150、及びコネクタハードウェア層160を含む。図3A図3Fに図解される各層は実質的な平面であり、一方の面が胸部対向面であり他方の面が胸部対向面と逆向きに配設された外方対向面である2つの面を備える。パッチ101及びその任意の構成要素に対して本明細書で使用される用語「胸部対向」は、パッチ101が患者Pの胸部に配置されるとき、患者Pの胸部に対して対向することを示すことが理解されるべきである。逆に、パッチ101及びその任意の構成要素に対して本明細書で使用される用語「外方」は、パッチ101が患者Pの胸部に配置されるとき、患者Pの胸部に対してではなく患者Pの体から反対方向に面することを示すことが理解されるべきである。
【0021】
[32] 図3B図3Fにおいては各層の外方対向面のみが示されており、図3Aは、パッチ101がNRDモニタリングでの使用のため患者Pに配置される前に取り除かれる接着下地であることに留意されたい。層110、120、130、140、150、及び160のそれぞれが詳細に説明される前に、接着層120の胸部対向面を接着下地110の外方対向面に結合し、ゲル層130の胸部対向面を接着層120の外方対向面に結合し、回路層140の胸部対向面をゲル層130の外方対向面に結合し、ハードウェア下地150の胸部対向面を回路層140の外方対向面に結合し、コネクタハードウェア160の胸部対向面をハードウェア下地150の外方対向面に結合することによって、パッチ101が組み立てられることに留意されたい。
【0022】
[33] ここで図3A及び図3Bを参照すると、接着下地110及び接着層120が示されている。接着下地110及び接着層120は、自己接着性パッチでよく見られる種類である。接着下地110は、パッチ101の使用前に接着層120の接着品質を保つように構造化されており、例えば、限定はせずに、パッチ101の組立中に接着層120の胸部対向面に配置されパッチ101を患者Pの皮膚に接着するときに接着層120を露出させるために引き抜かれるように構造化された、2片の薄くて可撓性のあるプラスチック又は蝋紙を備えてもよい。接着層120は、切抜き122を伴って形成されており、例えば、限定はせずに、ポリマー糊又はシリコンを含む、装着可能パッチを皮膚に接着するために好適な任意の種類の材料を備えてもよい。図3Cにおいては、ゲル層130が示されている。ゲル層130は3つの別個の電解質ゲルパッド132を備え、3つの別個の電解質ゲルパッド132は、パッチ101が患者Pに配置されるときに各ゲルパッド132の胸部対向面が患者Pの胸部の皮膚に対して触れるように、接着層120の切抜き122内に挿入されてそれを埋めるように構造化されている。
【0023】
[34] 図3Dにおいては、回路層140が示されている。回路層140は、2つの信号電極102及び1つの基準電極104(図2にも示される)を備える。どちらの信号電極102も、信号送出端子147に接続された導体145に接続された信号感知端子143を備え、基準電極部も同様に、基準送出端子148に接続された導体146に接続された皮膚伝導端子144を備える。本発明の例示的実施形態において、各信号電極102及び基準電極104は、全て一体型本体として形成されており、すなわち信号感知端子、導体、及び通信端子は、各電極102又は104の特定の領域を単に意味する。各電極102、104の信号感知端子143、144は、患者Pの胸部からEMG活性を直接的に感知するように構成されている。信号感知端子143、144が電解質ゲルパッド132を介して患者Pの皮膚からのEMG信号活性を感知することを可能にするために、回路層140、ゲル層130、及び接着層120は、層120、130、140が互いに結合されているときに、回路層140の信号感知端子143、144がゲル層130の電解質ゲルパッド132及び接着層120の切抜き122と整列するように構造化されていることを理解されたい。導体145、146は、信号感知端子143、144によって感知された信号を送出端子147、148に伝導し、その結果、図4A図4Dに対して本明細書でさらに詳述されるように、信号は送出端子147、148から制御装置108に送られ得る。図3Dに示されているように、信号電極102及び基準電極104の両方は、互いから電気的に隔離されている。
【0024】
[35] 図3Eに示されているハードウェア下地層150は、3つの切抜き154を伴って形成された絶縁下地152を備え、送出端子147、148を除いて回路層140の全ての回路を、ハードウェア下地層150に対して外側に設けられた環境から保護するように構造化されている。図3Eにおいて端子147、148は切抜き154により提供される空間を埋めることが示され、その切抜き154は、感知されたEMG信号を制御装置108(図2)に送るために、図3F及び図4A図4E(本明細書で以下にさらに詳述される)に示されているコネクタハードウェア160が送出端子147、148と電気的に接続することを可能にすることを理解されたい。
【0025】
[36] ここで図4A図4B図4C図4D、及び図4Eを参照すると、コネクタハードウェア160の様々な特徴を詳細に明らかにするためにコネクタハードウェア160の構成部品のいくつかの図が示されている。上述のように、コネクタハードウェア160は2つの主要な構成部品、ソケット161(図4Aに示される)及びプラグ181(図4Cに示される)を備える。これら2つの主要な構成部品は、摺動動作(本明細書で以下にさらに詳述される)を介して互いに着脱可能に結合されるように構造化されている。本明細書において、ソケット161は、パッチ101のハードウェア下地層150と直接的に結合されるコネクタハードウェア160の構成部品であるため、コネクタハードウェア160のパッチ側161とも称される。本明細書において、プラグ181は、パッチ101からの信号を制御装置108に送るケーブル106(図2に示される)を備えるため、コネクタハードウェア160のケーブル側181とも称される。図4A図4Fに対して、用語「側方」及び「側方に」は、図4A及び図4Cにおいて矢印201により示される方向を意味することに留意されたい。加えて、図4A図4Fに対して、用語「内方」、「内方向」、及び「内方に」は、図4A及び図4Cにおいて矢印202により示される方向を意味することに留意されたい。
【0026】
[37] ここで図4A及び図4Bを参照すると、ソケット/パッチ側161が詳細に示されている。図4Aはソケット161の立面図であり、図4B図4Aに示される線4B-4Bに沿ったソケット161の断面図である。図4Aに示されているように、ソケット161はソケット筐体部162を備える。図4Bに示されているように、ソケット筐体部162は床163及び壁部164の両方を備える。パッチ101が完全に組み立て済みであるとき、床163はハードウェア下地層150と直接的に結合していることに留意されたい。床163は、送出端子147、148が床163に対して外方に延びるような、送出端子147、148を受けるように構造化された間隙を伴って形成されている。図4Bに示されている信号送出端子147の面149は、端子147の外方対向面であることを理解されたい。
【0027】
[38] 再度図4Aを参照すると、壁164に間隙が形成されているソケット筐体部162の区画があることに留意されたい。これら間隙は、プラグ受入開口部165及び側方開口部166を含む。これら開口部165、166は、図4C図4Eに対して本明細書で後に詳述されるように、プラグ/ケーブル側181がソケット/パッチ側161に摺動することを可能にする。最後に、ソケット161は、送出端子147、148を互いから電気的に隔離するように構成された絶縁材料167を備える。
【0028】
[39] 図4C図4Eにおいて、コネクタハードウェア160のプラグ/ケーブル側181が詳細に示されている。図4C図4Eに示されているように、プラグ181はプラグ筐体182を備える。図4Cは、プラグ181の内部に収容された構成部品を示すためにプラグ筐体182の外方対向部183が取り除かれた状態の(外方対向部183は図4D及び図4Eに付番されて示されている)、ケーブル側181の立面図を示す。一方、図4Dは、プラグ筐体182が完全な状態の、すなわちプラグ筐体182が実際に生産される際の外方対向部183が備えられた状態の、プラグ181の立面図を示す。図4Eは、図4Dに示される線4E-4Eに沿ったプラグ181の断面図である。
【0029】
[40] 図4C図4Eに示されているように、プラグ筐体182は、一方が筐体182の第1の側面に形成されており、他方が第1の側面の反対側に配設された筐体182の第2の側面に形成されている2つの張出部(flared portions)184を伴って形成されている。図4A及び図4Dを参照すると、プラグ181は、図4A及び図4Dにおいて矢印203により示されるように、プラグ181の上端185をソケット161のプラグ受入開口部165に挿入することによって、ソケット161に挿入されるように構造化されていることを理解されたい。例示的実施形態において、張出部184がソケット筐体部162の内部から側方開口部166を通ってソケット筐体部162の外部へ側方に(すなわち矢印201により示される方向に)広がるときに感じられるクリックによって、ユーザは、プラグ181がソケット161に適切に挿入されたことを認識する。上端185はケーブル106(図2にも示される)の反対側に配設されていることに留意されたい。張出部184及び側方開口部166は摺動機構を形成する。摺動機構は、プラグ181がソケット161に挿入されることを可能にし、張出部184が側方開口部166を通ってソケット筐体部162の外部へもはや延出しないように張出部184が互いに向かって内方に(すなわち図4A及び図4Cにおいて矢印202により示される方向に)押し込まれていない限り、プラグ181がソケット161から摺動することを防止する。プラグ筐体182は、例えば、限定はせずに、張出部184が互いに向かって十分な力で押し込まれる場合に張出部184が互いに向かって内方に押されることを可能にする、任意の種類の半可撓性ポリマーから生産されていてもよい。張出部184を互いに向かって内方に押し込むことで、矢印203により示される方向と逆向きの方向へプラグ181をソケット161から引き離すことによりプラグ181をソケット161から取り外すことが可能となることを理解されたい。
【0030】
[41] 図4Cにおいて、2つのケーブル信号端子187、及び1つのケーブル基準端子188が示されている。端子187、188はケーブル106と電気的に接続されている。プラグ181の外方対向面が図4Cに示されており、ケーブル106は、外方対向面の反対側に配設されており図では視認できないプラグ181の胸部対向面での接続を介して、端子187、188と電気的に接続されていることに留意されたい。例示的実施形態において、ケーブル106は三芯型医療用配線を含む。プラグ181は、プラグ181がソケット161に完全に挿入されているときに、2つのケーブル信号端子187のそれぞれがソケット161の対応する信号送出端子147と整列し且つ電気的に接続し、ケーブル基準端子188がソケット161の基準送出端子148と整列し且つ電気的に接続するように、構造化されている。具体的には、各ケーブル端子187、188の胸部対向面は、対応するソケット送出端子147、188の外方対向面と物理的に接触する(従って、対応するケーブル端子187、188とソケット送出端子147、148との間での電気通信が可能となる)。例えば、プラグ181がソケット161に完全に挿入されているとき、信号端子187の胸部対向面189(図4Eで付番される)は、図4Bに示されている送出端子147の外方対向面149と接触する。
【0031】
[42] システム1などの従来のEMGモニタリング構成に勝るNRDモニタリングシステム100の利点が多数存在する。両方の信号EMG電極102及び1つの基準電極104を単一のパッチ101に一体化することで、NRD指数を最適に測定するために両方の信号電極102及び1つの基準電極104を適切に位置決めする上で通常であればかかる時間及び努力がどちらも著しく減少する。NRD指数の計算のために高品質のEMG信号データを得るためには、両方の信号電極102を胸骨の両側の第2肋間腔上に正確に配置し且つ基準電極104を胸骨に正確に配置すること、及び3つ全ての電極が互いから適切に離隔されていることを確実にすることが必要となる。介護提供者が、信号電極102が第2肋間腔上に位置されるように患者Pの胸部にパッチ101を配置するために、胸骨の両側の第2肋間腔の場所のみを判別する必要があるように、電極102、104は既にパッチ101上で正確な距離だけ離隔されているため、パッチ101は、EMG電極102、104を適切に位置決めし離隔するために必要な努力及び時間を大幅に軽減する。すなわち、パッチ101を用いることで、介護提供者は、信号電極102に対して基準電極104をどこに配置すればよいか決定するために肋間腔から胸骨までの距離を求める必要がもはやなくなり、胸骨の両側の第2肋間腔において2つの信号電極102を互いから正確に離隔する必要がもはやなくなる。加えて、システム1において各電極2、4のために使用される3つの別個のケーブル6の代わりとして3つ全ての電極102、104と電気的に接続するように構造化された単一ケーブル106を設けることで、ケーブルの乱雑さが著しく軽減され、システム100の使用の容易性が向上する。さらに、プラグ181の張出部184及びソケット161の側方開口部166の摺動接続設計は、パッチ101及びケーブル106が、小さい挿入力で、患者Pの胸部に事実上圧力を加えずに接続されることも可能にする。最後に、パッチ101は能動的電子機器を含まず、接着層120から取り除かれるように構造化された接着下地110を除いて分解が不可能であるため、パッチ101は比較的安価で生産されることが可能であり、使い捨てられるように設計されている。
【0032】
[43] 特許請求の範囲において、丸括弧間に置かれた任意の参照符号は請求項を限定するものとして解釈されない。単語「備える」又は「含む」は、請求項に挙げられる要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外しない。いくつかの手段を列挙しているデバイスの請求項において、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの1つの同じアイテムによって具現化される。単数形の要素は、複数のそのような要素の存在を除外しない。いくつかの手段を列挙している任意のデバイスの請求項において、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの1つの同じアイテムによって具現化される。特定の要素が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら要素が組み合わせて使用され得ないことを示すものではない。
【0033】
[44] 本発明は、現在最も実用的で好ましい実施形態であるとみなされているものに基づいて例示を目的として詳細に説明されているが、そのような詳細は単にその目的のためのものであること、及び本発明は開示される実施形態に限定されないが、それに反して添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内の修正形態及び均等な構成を包含することが意図されることが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な範囲で、任意の実施形態の1つ又は複数の特徴が任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせられ得ることを企図することが理解されるべきである。

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
【国際調査報告】