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特表2024-544786コンピュータディスプレイモニタを選択的にクローニングする方法及びシステム
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  • 特表-コンピュータディスプレイモニタを選択的にクローニングする方法及びシステム 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-04
(54)【発明の名称】コンピュータディスプレイモニタを選択的にクローニングする方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20241127BHJP
【FI】
G16H40/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537127
(86)(22)【出願日】2022-11-13
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 IB2022060896
(87)【国際公開番号】W WO2023118999
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】17/556,964
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】コーエン・ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ドヴォルキン・ウラジミール
(72)【発明者】
【氏名】カッツ・ナタン・シャロン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
コンピュータディスプレイモニタを、第1の1つ以上のモニタから、第2の1つ以上のモニタへ選択的にクローニングする方法及びシステムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータディスプレイモニタを、オペレータに関連付けられた第1の1つ以上のモニタから、外科医に関連付けられた第2の1つ以上のモニタへ選択的にクローニングするための方法であって、
前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされるか、又は前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされない1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を含む、少なくとも1つの構成を取得することと、
前記第1の1つ以上のモニタによって表示された前記グラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を、対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素について前記少なくとも1つの構成に対して分析することと、
対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素をクローニングすることと、
前記クローニングされた対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を表すデータを、前記第2の1つ以上のモニタ上に表示するために前記第2の1つ以上のモニタに送信することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記クローニングされた対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を前記第2の1つ以上のモニタ上に表示することを、更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素は、ウィンドウを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記構成は、少なくとも1つの構成ファイルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のホワイトリスト上の前記ウィンドウと一致する、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示される前記ウィンドウを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のブラックリスト上の前記GUI要素と一致しない、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示される前記GUI要素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の1つ以上のモニタは制御室にあり、前記第2の1つ以上のモニタは手術室にある、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータディスプレイモニタを選択的にクローニングするためのシステムであって、
オペレータに関連付けられた第1の1つ以上のモニタ及び外科医に関連付けられた第2の1つ以上のモニタと通信するコンピュータを備え、前記コンピュータは、
コンピュータ構成要素を記憶するための記憶媒体と、
前記コンピュータ構成要素を実行するための少なくとも1つのプロセッサと、を含み、前記コンピュータ構成要素は、
前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされるか、又は前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされない1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を含む、少なくとも1つの構成を記憶するための、第1のコンピュータ構成要素と、
前記オペレータに関連付けられた前記第1の1つ以上のモニタによって表示されたGUI要素を、対応するGUI要素について前記少なくとも1つの構成に対して分析するための、第2のコンピュータ構成要素と、
前記対応するGUI要素をクローニングし、前記クローニングされた対応するGUI要素を表すデータを、前記外科医に関連付けられた第2の1つ以上のモニタ上に表示するために前記第2の1つ以上のモニタに送信するための、第3のコンピュータ構成要素と、を含む、
システム。
【請求項9】
前記第2のコンピュータ構成要素のための前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のホワイトリスト上のウィンドウと一致する、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示されるウィンドウを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの構成は、少なくとも1つの構成ファイルを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2のコンピュータ構成要素のための前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のブラックリスト上のウィンドウと一致しない、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示されるウィンドウを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの構成は、少なくとも1つの構成ファイルを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
プログラム命令が記憶された有形の非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータソフトウェア製品であって、前記命令は、プロセッサによって読み取られると、前記プロセッサに、コンピュータディスプレイモニタを、オペレータに関連付けられた第1の1つ以上のモニタから、外科医に関連付けられた第2の1つ以上のモニタへ選択的にクローニングさせ、前記命令は、前記プロセッサに、
前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされるか、又は前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされない1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を含む、少なくとも1つの構成を取得させて、
前記第1の1つ以上のモニタによって表示された前記グラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を、対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素について前記少なくとも1つの構成に対して分析させて、
対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素をクローニングさせて、
前記クローニングされた対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を表すデータを、前記第2の1つ以上のモニタ上に表示するために前記第2の1つ以上のモニタに送信させる、
コンピュータソフトウェア製品。
【請求項14】
前記命令は、更に前記プロセッサに、
前記クローニングされた対応するGUI要素を前記第2の1つ以上のモニタ上に表示させる、請求項13に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【請求項15】
前記少なくとも1つの構成は、少なくとも1つの構成ファイルを含む、請求項13に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【請求項16】
前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のホワイトリスト上のウィンドウと一致する、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示されるウィンドウを含む、請求項13に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【請求項17】
前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のブラックリスト上のウィンドウと一致しない、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示されるウィンドウを含む、請求項13に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、手技中の外科医を支援するモニタ上の術野の表示に関し、特に、ディスプレイモニタに表示を選択的に提供するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
手術はより進歩しており、外科医は、手術室内にセットアップされたモニタ上で術野を見ることによって支援されている。これらのモニタ上に提示されるビューは、別室にいるクリニカルアカウントスペシャリスト(clinical account specialist、CAS)によって手動で制御されてもよく、CASは、外科医が手術室モニタ上で見るのと同じビューであり、CASに対して表示されるビューを、手動で選択及び制御する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示は、図面と併せて、本開示の実施例の以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
図1A】開示される主題を示す例示的な環境の図である。
図1B】開示される主題の例による、構成ファイルを有するデータベースの図であり、当該データベースは図1Aのメインサーバからのものである。
図2】開示される主題による、実行される例示的な方法の流れ図である。
図3】開示される主題の例によるシステムの図であり、当該システム上で実行される図2の例示的なプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示の主題は、手術室内のディスプレイモニタ上で外科医が見るウィンドウに対する制御をクリニカルアカウントスペシャリスト(CAS)に与える方法及びシステムを提供する。CASは、表示に係るいずれのウィンドウが手術室においてモニタに表示されていないかについても把握している。
【0005】
概要
様々な外科出術手技は、外科医に対して手術室内の1つ以上のモニタ上に情報を表示することを含む。例えば、いくつかの心臓マッピング手順は、人間の心臓の電気解剖学的マップを取得し、分析し、表示するとともに、構築された3D心臓マップ上に重ねられたカテーテル位置のリアルタイム表示を提供するために、実行される。作成される3Dマップは、手技中に採取された点データに基づく再構成である。点がマップに追加されると、その特定のマップされたエリアは、1つ以上のスクリーン又はモニタ上に表示される。
【0006】
通常、手技を行う外科医は、外科医によって使用(視認)されているモニタ用の表示を制御するクリニカルアカウントスペシャリスト(CAS)によって支援される。CASは、外科医によって視認されるモニタ、典型的には、外科医が外科医用のモニタ上で視認するウィンドウを制御する。
【0007】
CASのモニタ上の正確なビュー、例えば、様々なビュー、チャート、及び他のグラフィックスを示す開いたウィンドウを外科医用のモニタにコピーすることは原理的に可能であるが、本開示の主題は、CASのモニタを選択的にクローニング、コピー、又は複製して、特定のビュー、チャート、及び他のグラフィックスが、例えば、外科医用の構成ファイル内のそれらビュー、チャート、及び他のグラフィックスに対応するウィンドウの形態で、外科医用のモニタ上にレンダリングされて表示されることを可能にする。
【0008】
例えば、いくつかの情報はCASにとっては貴重であるが外科医にとっては無意味な場合があるので、外科医に対して表示されるビューの選択的なクローニングは有用である。外科医に対するそのような情報の不必要な提示は、外科医の注意をそらし、及び/又は重要な情報を遮る可能性がある。選択的クローニングは、CASに提示されるビュー及び外科医に提示されるビューを、各々の特定の必要性及び好みに従って調整することを可能にする。
【0009】
システムの説明
図1Aは、開示される主題が動作する例示的な環境を示す。例えば、環境は、制御室50及び手術室55、公開手術室、又は他の臨床環境(以下、集合的に「手術室」と称される)を含み、例えば、典型的にそれらは同一の敷地内にあり、敷地内において互いに近接している。オペレータ、本例では、制御室50内のクリニカルアカウントスペシャリスト(CAS)52は、キーボード102、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、又は他の制御機構を介して、1つ以上のモニタ100、例えば、2つのモニタ上に表示される、例えば、ウィンドウ、チャート、ツールバー、アイコン、並びに他のグラフィカル要素及び/又は視覚的要素を含む、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)要素(以降、集合的に「GUI要素」と称する)を視認及び制御する。医師(外科医)57、又は他の臨床医若しくは医療関係者は、手術室55内の1つ以上のモニタ106、例えば、2つのモニタ上に表示されるウィンドウを視認する。
【0010】
モニタ100及びキーボード102は、有線リンクによる通信及び/又は無線によるリンク通信や、例えば直接接続によって、例えば制御室50に設置されたメインサーバ110と通信する。あるいは、メインサーバ110は、制御室50の敷地内の別の部屋にあってもよく、モニタ100及びキーボード102との通信は、直接接続であってもよいし、企業ネットワークなどのローカルエリアネットワーク、又はインターネットなどのワイドエリアネットワークを介してもよい。他の代替形態では、企業ネットワークなどのローカルエリアネットワーク、又はインターネット(図示せず)などのワイドエリアネットワークを介して、モニタ100とキーボード102とが通信してもよい。
【0011】
モニタ106は、メインサーバ110に対する手術室55の位置に応じて、例えば、前述の直接接続を介して、あるいはローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワーク(図示せず)を介して、メインサーバ110と通信する。
【0012】
メインサーバ110のアーキテクチャは、例えば、多数の機能及び動作を提供し、開示されたプロセスを実行するための、1つ以上の構成要素、エンジン、モジュール等を含む。メインサーバ110は、内部及び外部の両方で、追加の記憶装置、メモリ、キャッシュ、及びデータベースに関連付けられてもよい。
【0013】
メインサーバ110のアーキテクチャは、1つ以上のプロセッサから形成され、電子的に、言い換えると、電子通信及び/又はデータ通信を含んで直接的に又は間接的に、記憶装置/メモリ114と、例えば構成ファイル120内の構成の1つ以上のデータベースと、クローニング及び送信モジュール131と、通信モジュール132と、に接続された、中央処理装置(central processing unit、CPU)112を備える。前述の構成要素112、114、120、131、132は、直接的に又は間接的に互いに通信する。メインサーバ110は、その中にすべての構成要素112、114、120、131、132を有する単体のサーバとして示されているが、メインサーバは、複数のサーバであってもよく、構成要素112、114、120、131、132のうちの1つ又は複数は、ネットワークに沿って又はクラウド内を含めて、メインサーバ110の外部にあってもよい。
【0014】
中央処理装置(CPU)112は、構成/構成ファイル120、クローニング及び送信モジュール131、並びに通信モジュール132に対するアクセス及び/又は制御を含む、本明細書で詳述されるメインサーバ110の機能及び動作を実行するための、マイクロプロセッサを含む、1つ以上のプロセッサから形成される。プロセッサは、例えば、サーバ、コンピュータ、及び他のコンピュータ化されたデバイスにおいて使用されるもの等のハードウェアプロセッサを含む、従来のプロセッサである。
【0015】
記憶装置/メモリ114は、任意の従来の記憶媒体である。記憶装置/メモリ114は、開示されたプロセスを実行するために、CPU112によって実行される機械実行可能命令を記憶する。CPU112及び記憶装置/メモリ114のプロセッサは、代表的な目的のために単体の構成要素として示されているが、複数の構成要素であってもよく、メインサーバ110の外部にあってもよい。
【0016】
図1Bに詳細に示されたデータの構成例である構成ファイル120は、開示される主題のプロセスによって使用されるファイルのための初期パラメータ及び初期設定を構成するために使用される。構成ファイルは編集されてもよく、新しい構成ファイルは、例えば、システム管理者若しくは使用権限又は使用許可を有する他の者によって使用されてもよい。これらの設定ファイルは、例えば、メインサーバ110が起動するたびに読み込まれてもよい。例えば、図示された構成ファイルは、各医師(外科医)のためのものであり、その医師が望むウィンドウ(例えば、ウィンドウのホワイトリスト)、開かれてレンダリングされるウィンドウ、又は望まないウィンドウ(例えば、ウィンドウのブラックリスト)、閉じられてレンダリングされなくなるウィンドウであり、モニタ106上に現れる。
【0017】
クローニング及び送信モジュール131は、手術室55(及び外科医57)のモニタ106上にレンダリング及び表示するために制御室50(及びCAS52)のモニタ100から特定のウィンドウをクローニング、再生、又は複製することに関与する。モジュール131は、例えば、通信モジュール132を介して、ウィンドウ(そのためのデータ)を、クローニングしたウィンドウ用の手術室モニタ106上にレンダリングするために、当該モニタに送信する。
【0018】
通信モジュール132は、様々なネットワークを介したメインサーバ110と様々なコンピュータ、サーバなどとの間の通信を、容易にする。例えば、通信モジュール110は、構成ファイルの変更又は編集、構成ファイルの削除、又は新しい構成ファイルの作成のために、外部コンピュータが構成ファイルデータベース120と通信しているときにネットワークを介した通信を容易にする。
【0019】
ここで図2に注目すると、同図は、開示される主題の実施例によるコンピュータ実装プロセスを詳述するフロー図を示している。図1A及び図1Bに示す要素も参照されたい。図2のプロセス及びサブプロセスは、CPU112のプロセッサを含むメインサーバ110のシステムによって実行されるコンピュータ化されたプロセスである。上述のプロセス及びサブプロセスは、手動で、例えばリアルタイムに実行することができる。
【0020】
プロセスは、開始ブロック202で始まり、ここで、モニタ106を使用して手術室55内で手技を行っている外科医又は医師のための構成ファイル、例えば、ファイル180(図1B)が、特定の手技のために、外科医が見たいと思う必要なウィンドウで取得、編集、修正、又は拡張される。モニタ106上に表示されるべき所望のウィンドウは、例えば、ホワイトリスト上にあり、一方、外科医がモニタ106上への表示を望まないウィンドウは、例えば、ブラックリスト内に提供される。
【0021】
プロセスはブロック204に移動し、ここで、例えば医師のための、実行中の手技のための構成ファイルがCAS52によって取得される。ブロック206に移動して、制御室モニタ100によって表示されたウィンドウは、対応するウィンドウのための少なくとも1つの構成ファイルに対して分析される。前述の対応関係を決定するための例示的なプロセスは、プロセスが移動していくブロック208及び209に示されている。ブロック208及び209の一方又は両方が使用されてもよい。
【0022】
ブロック208(ブロック208a及び208bによって形成される)に進むと、外科医の構成ファイル180からのホワイトリストが、ウィンドウの対応を決定するために適用される。ブロック208aにおいて、制御室モニタ100のウィンドウは、医師の構成ファイル180(図1B)からのホワイトリストのウィンドウと照合される。ブロック208bにおいて、ホワイトリストのウィンドウと一致する制御室モニタ100上のウィンドウは、例えば、クローニングモジュール131によってクローニング又は複製され、及び/又は当該ウィンドウを表すデータが手術室55内のモニタ106に送信される。ブロック210において、クローニングされた又は複製されたウィンドウは、外科医57に使用させるために、手術室55内のモニタ106にレンダリングされて表示される。
【0023】
ブロック206に戻り、ブロック209(ブロック209a及び209bによって形成される)に移動すると、外科医の構成ファイル180からのブラックリストが、ウィンドウの対応を決定するために適用される。ブロック209aにおいて、制御室モニタ100のウィンドウは、医師の(外科医の)構成ファイル180からのブラックリストのウィンドウと照合される。ブラックリストのウィンドウと一致する制御室モニタ100上のウィンドウは、例えば、クローニングモジュール131によってクローニング又は複製されず、むしろ、ブロック209bで、CASのモニタ100上に表示される非ブラックリストのウィンドウがクローニング又は複製される。
【0024】
ブロック208b及び209bから、クローニング又は複製されたウィンドウ及び/又は当該ウィンドウを表すデータが手術室55内のモニタ106に送信され、ブロック210においてモニタ上に表示するためにレンダリングされる。プロセスはブロック212に移動し、ここで、クローニングされたウィンドウは、外科医57に使用させるために、手術室55内のモニタ106上に表示される。
【0025】
ブロック212から、プロセスは、ブロック214に移動し、そこで終了する。プロセスは、CAS52及び外科医57が所望する限り繰り返されてもよい。
【0026】
図3は、図2のプロセスの例示的な動作を示す。図3を論じる際には、図1A及び図1Bも参照される。制御室50において、CASのモニタ100は、ウィンドウCX2001、CX2002及びCX2003を表示している。
【0027】
ホワイトリスト、例えば、図1Bの構成ファイル120の、構成ファイル180である医師A(DRA)用ファイル1001が適用されるとき、ブロック208a及び208bについて説明したように、ホワイトリストからのウィンドウCX2001及びCX2002は、制御室50内にいるCAS52のモニタ100上に表示されるウィンドウCX2001及びCX2002と一致する。したがって、ウィンドウCX2001及びCX2002はクローニングされ(複製され)、手術室55のモニタ106に送られて、図示のように、当該モニタにレンダリングされて表示される。ウィンドウCX2003は、クローニングされず、したがって、手術室モニタ106に送信されず、例えば、任意選択で、矢印302によって示されるように、「破棄」され、捨てられ、又は処分される。
【0028】
ブラックリスト、例えば、構成ファイル120の、医師A180(図1B)用の構成ファイル1001が適用されるとき、ブロック209a及び209bに関して説明したように、ブラックリストからのウィンドウCX2003は、制御室50内にいるCAS52のモニタ100上に表示されるウィンドウCX2003と一致する。したがって、ウィンドウCX2003はクローニングされないが、CASモニタ100上に表示されるウィンドウCX2001及びCX2002はクローニング(複製)され、手術室55のモニタ106に送られて、図示のように、当該モニタにレンダリングされて表示される。ウィンドウCX2003は、クローニングされず、したがって、手術室モニタ106に送信されず、例えば、任意選択で、矢印302によって示されるように、「破棄」され、捨てられ、又は処分される。
【0029】
典型的に、メインサーバ110は、汎用コンピュータを含み、この汎用コンピュータは、本明細書に記載される機能を実行するように、ソフトウェアでプログラムされている。ソフトウェアは、例えばネットワークを介して電子形式でコンピュータにダウンロードされてもよく、あるいは、代替的又は追加的に、磁気メモリ、光学メモリ、又は電子メモリなどの非一時的な有形媒体に提供及び/又は格納されてもよい。
【0030】
本明細書で説明される例は、主に、CARTO及び他の医療処置に関連付けられたコンピュータシステム及びモニタを扱うが、本明細書で説明される方法及びシステムは、例えば、1組のモニタの表示が別の組のモニタへ選択的にクローニングされ、モニタが部屋の異なる部分や、同じ又は異なる建物内の異なる部屋又はエリア、世界の任意の場所といった異なる場所に配置される、他のコンピュータ運用のような他の用途にも、使用することができる。
【0031】
前述の開示された主題は、例えば、コンピュータソフトウェア製品の形態である。製品は、例えば、プログラム命令が記憶される有形の非一時的コンピュータ可読媒体を備え、命令は、プロセッサによって読み取られると、プロセッサに、コンピュータディスプレイモニタを、オペレータに関連付けられた第1の1つ以上のモニタから、外科医に関連付けられた第2の1つ以上のモニタへ選択的にクローニングさせる。
【実施例1】
【0032】
コンピュータディスプレイモニタ(100、106)を、オペレータ(52)に関連付けられた第1の1つ以上のモニタ(100)から、外科医(57)に関連付けられた第2の1つ以上のモニタ(106)へ選択的にクローニングする方法である。本方法は、第2の1つ以上のモニタ(106)にレンダリングされるか、又は第2の1つ以上のモニタ(106)にレンダリングされない1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を含む、少なくとも1つの構成を取得することと、第1の1つ以上のモニタ(100)によって表示されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を、対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素について少なくとも1つの構成(120)に対して分析することと、クローニングされた対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を表すデータを、第2の1つ以上のモニタ(106)上に表示するために第2の1つ以上のモニタ(106)に送信することと、を含む。
【実施例2】
【0033】
第2の1つ以上のモニタ(106)上に、クローニングされた対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を表示することを更に含む、実施例1に記載の方法。
【実施例3】
【0034】
グラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素は、ウィンドウを含む、実施例1又は実施例2に記載の方法。
【実施例4】
【0035】
設定(120)は、少なくとも1つの設定ファイル(180)を含む、実施例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【実施例5】
【0036】
対応するGUI要素は、少なくとも1つの構成(120)のホワイトリスト上のウィンドウと一致する、第1の1つ以上のモニタ(100)上に表示されるウィンドウを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の方法。
【実施例6】
【0037】
対応するGUI要素は、少なくとも1つの構成(120)のブラックリスト上のGUI要素と一致しない、第1の1つ以上のモニタ(100)上に表示されるGUI要素を含む、実施例1~5のいずれか1つに記載の方法。
【実施例7】
【0038】
第1の1つ以上のモニタ(100)は制御室(50)内にあり、第2の1つ以上のモニタ(106)は手術室(55)内にある、実施例1~6のいずれか1つに記載の方法。
【実施例8】
【0039】
コンピュータディスプレイモニタ(100、106)を選択的にクローニングするためのシステムである。システムは、オペレータ(52)に関連付けられた第1の1つ以上のモニタ(100)及び外科医(57)に関連付けられた第2の1つ以上のモニタ(106)と通信する、コンピュータ(110)を備え、コンピュータ(110)は、コンピュータ構成要素を記憶するための記憶媒体(114)と、コンピュータ構成要素を実行するための少なくとも1つのプロセッサ(112)と、を含む。コンピュータ構成要素は、第2の1つ以上のモニタ(106)にレンダリングされるか、又は第2の1つ以上のモニタ(106)にレンダリングされない1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を含む、少なくとも1つの構成を記憶するための、第1のコンピュータ構成要素(120)と、オペレータ(52)に関連付けられた第1の1つ以上のモニタ(100)によって表示されたGUI要素を、対応するGUI要素について少なくとも1つの構成に対して分析するための、第2のコンピュータ構成要素(112)と、対応するGUI要素をクローニングし、クローニングされた対応するGUI要素を表すデータを、外科医(57)に関連付けられた第2の1つ以上のモニタ(106)上に表示するために第2の1つ以上のモニタ(106)に送信するための、第3のコンピュータ構成要素(131)と、を含む。
【実施例9】
【0040】
第2のコンピュータ構成要素(112)のための対応するGUI要素は、少なくとも1つの構成(120)のホワイトリスト上のウィンドウと一致する、第1の1つ以上のモニタ(100)上に表示されるウィンドウを含む、実施例8に記載のシステム。
【実施例10】
【0041】
少なくとも1つの構成(120)は、少なくとも1つの構成ファイル(180)を含む、実施例8又は実施例9に記載のシステム。
【実施例11】
【0042】
第2のコンピュータ構成要素(112)のための対応するGUI要素は、少なくとも1つの構成(120)のブラックリスト上のウィンドウと一致しない、第1の1つ以上のモニタ(100)上に表示されるウィンドウを含む、実施例8~10のいずれか1つに記載のシステム。
【実施例12】
【0043】
少なくとも1つの設定(120)は、少なくとも1つの設定ファイル(180)を含む、実施例8~11のいずれか1つに記載のシステム。
【実施例13】
【0044】
プログラム命令が記憶された有形の非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータソフトウェア製品であって、命令は、プロセッサ(112)によって読み取られると、プロセッサ(112)に、コンピュータディスプレイモニタを、オペレータ(52)に関連付けられた第1の1つ以上のモニタ(100)から、外科医(57)に関連付けられた第2の1つ以上のモニタ(106)へ選択的にクローニングさせる。命令は、プロセッサ(112)に、第2の1つ以上のモニタ(106)にレンダリングされるか、又は第2の1つ以上のモニタ(106)にレンダリングされない1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を含む、少なくとも1つの構成を取得させて、第1の1つ以上のモニタ(100)によって表示されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を、対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素について少なくとも1つの構成に対して分析させて、対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素をクローニングさせて、クローニングされた対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を表すデータを、第2の1つ以上のモニタ(106)上に表示するために第2の1つ以上のモニタ(106)に送信させる、コンピュータソフトウェア製品。
【実施例14】
【0045】
命令は、更に、プロセッサ(112)に、クローニングされた対応するGUI要素を第2の1つ以上のモニタ(106)上に表示させる、実施例13に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【実施例15】
【0046】
少なくとも1つの構成(120)は、少なくとも1つの構成ファイル(180)を含む、実施例13又は実施例14に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【実施例16】
【0047】
対応するGUI要素は、少なくとも1つの構成(120)のホワイトリスト上のウィンドウと一致する、第1の1つ以上のモニタ(100)上に表示されるウィンドウを含む、実施例13~15のいずれか1つに記載のコンピュータソフトウェア製品。
【実施例17】
【0048】
対応するGUI要素は、少なくとも1つの構成(120)のブラックリスト上のウィンドウと一致しない、第1の1つ以上のモニタ(100)上に表示されるウィンドウを含む、実施例13~16のいずれか1つに記載のコンピュータソフトウェア製品。
【0049】
したがって、上述の実施例は、例として挙げたものであり、本開示は、上記に特に示し説明したものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読んで当業者が思いつくであろう、先行技術には開示されていないそれらの変形及び修正を含む。参照により本特許出願に組み込まれた文献は、本出願の不可欠な部分とみなされるべきであり、ただし、これらの組み込まれた文献においていずれかの用語が、本明細書で明示的又は暗黙的になされた定義と矛盾する方法で定義されている限り、本明細書の定義のみが考慮されるべきである。
【0050】
〔実施の態様〕
(1) コンピュータディスプレイモニタを、オペレータに関連付けられた第1の1つ以上のモニタから、外科医に関連付けられた第2の1つ以上のモニタへ選択的にクローニングするための方法であって、
前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされるか、又は前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされない1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を含む、少なくとも1つの構成を取得することと、
前記第1の1つ以上のモニタによって表示された前記グラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を、対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素について前記少なくとも1つの構成に対して分析することと、
対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素をクローニングすることと、
前記クローニングされた対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を表すデータを、前記第2の1つ以上のモニタ上に表示するために前記第2の1つ以上のモニタに送信することと、
を含む方法。
(2) 前記クローニングされた対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を前記第2の1つ以上のモニタ上に表示することを、更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記グラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素は、ウィンドウを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記構成は、少なくとも1つの構成ファイルを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のホワイトリスト上の前記ウィンドウと一致する、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示される前記ウィンドウを含む、実施態様1に記載の方法。
【0051】
(6) 前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のブラックリスト上の前記GUI要素と一致しない、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示される前記GUI要素を含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記第1の1つ以上のモニタは制御室にあり、前記第2の1つ以上のモニタは手術室にある、実施態様1に記載の方法。
(8) コンピュータディスプレイモニタを選択的にクローニングするためのシステムであって、
オペレータに関連付けられた第1の1つ以上のモニタ及び外科医に関連付けられた第2の1つ以上のモニタと通信するコンピュータを備え、前記コンピュータは、
コンピュータ構成要素を記憶するための記憶媒体と、
前記コンピュータ構成要素を実行するための少なくとも1つのプロセッサと、を含み、前記コンピュータ構成要素は、
前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされるか、又は前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされない1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を含む、少なくとも1つの構成を記憶するための、第1のコンピュータ構成要素と、
前記オペレータに関連付けられた前記第1の1つ以上のモニタによって表示されたGUI要素を、対応するGUI要素について前記少なくとも1つの構成に対して分析するための、第2のコンピュータ構成要素と、
前記対応するGUI要素をクローニングし、前記クローニングされた対応するGUI要素を表すデータを、前記外科医に関連付けられた第2の1つ以上のモニタ上に表示するために前記第2の1つ以上のモニタに送信するための、第3のコンピュータ構成要素と、を含む、
システム。
(9) 前記第2のコンピュータ構成要素のための前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のホワイトリスト上のウィンドウと一致する、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示されるウィンドウを含む、実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記少なくとも1つの構成は、少なくとも1つの構成ファイルを含む、実施態様8に記載のシステム。
【0052】
(11) 前記第2のコンピュータ構成要素のための前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のブラックリスト上のウィンドウと一致しない、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示されるウィンドウを含む、実施態様8に記載のシステム。
(12) 前記少なくとも1つの構成は、少なくとも1つの構成ファイルを含む、実施態様11に記載のシステム。
(13) プログラム命令が記憶された有形の非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータソフトウェア製品であって、前記命令は、プロセッサによって読み取られると、前記プロセッサに、コンピュータディスプレイモニタを、オペレータに関連付けられた第1の1つ以上のモニタから、外科医に関連付けられた第2の1つ以上のモニタへ選択的にクローニングさせ、前記命令は、前記プロセッサに、
前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされるか、又は前記第2の1つ以上のモニタにレンダリングされない1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を含む、少なくとも1つの構成を取得させて、
前記第1の1つ以上のモニタによって表示された前記グラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を、対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素について前記少なくとも1つの構成に対して分析させて、
対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素をクローニングさせて、
前記クローニングされた対応するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を表すデータを、前記第2の1つ以上のモニタ上に表示するために前記第2の1つ以上のモニタに送信させる、
コンピュータソフトウェア製品。
(14) 前記命令は、更に前記プロセッサに、
前記クローニングされた対応するGUI要素を前記第2の1つ以上のモニタ上に表示させる、実施態様13に記載のコンピュータソフトウェア製品。
(15) 前記少なくとも1つの構成は、少なくとも1つの構成ファイルを含む、実施態様13に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【0053】
(16) 前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のホワイトリスト上のウィンドウと一致する、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示されるウィンドウを含む、実施態様13に記載のコンピュータソフトウェア製品。
(17) 前記対応するGUI要素は、前記少なくとも1つの構成のブラックリスト上のウィンドウと一致しない、前記第1の1つ以上のモニタ上に表示されるウィンドウを含む、実施態様13に記載のコンピュータソフトウェア製品。
図1A
図1B
図2
図3
【国際調査報告】