(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-04
(54)【発明の名称】内燃エンジンでの使用のためのロッカシステム、カムシャフト、及びバルブトレイン
(51)【国際特許分類】
F01L 13/00 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
F01L13/00 301V
F01L13/00 303
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537482
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 US2022081350
(87)【国際公開番号】W WO2023129804
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522175783
【氏名又は名称】カミンズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CUMMINS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミッチャム、グレゴリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ソラット、アミット ディリップ
(72)【発明者】
【氏名】ペルフェット、アンソニー カイル
(72)【発明者】
【氏名】クラ、ジリッシュ チャンドラ
【テーマコード(参考)】
3G018
【Fターム(参考)】
3G018BA12
3G018CA19
3G018CB03
3G018DA09
3G018FA03
(57)【要約】
内燃エンジンシステムは、複数の気筒のそれぞれに収容された複数のピストンを有するエンジンを含む。公称エンジン動作中に気筒の吸気バルブ及び排気バルブを開閉するためのバルブトレインが提供される。バルブトレインはまた、吸気バルブ及び/又は排気バルブを開閉するために、選択されたカムローブリフトプロファイル間の非同期切り替えを提供するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのカムシャフトローブを含むカムシャフトを有する内燃エンジン用のロッカシステムであって、前記少なくとも1つのカムシャフトローブが、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分を有するカムローブプロファイルを含み、前記ロッカシステムが、
前記少なくとも1つのカムシャフトローブから受け取った動きに応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの入力ロッカレバーと、
前記エンジン構成要素の周りで回転可能な出力ロッカレバーと、を備え、前記出力ロッカレバーが、前記内燃エンジンの気筒に関連付けられた排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つの開閉を制御するために、前記少なくとも1つの入力ロッカレバーに選択的に結合され得、少なくとも1つの入力ロッカは、前記少なくとも1つの入力ロッカレバーが前記出力ロッカレバーに結合されている間、前記排気バルブ及び前記吸気バルブのうちの前記少なくとも1つの所望のリフトを生成するように、前記カムローブプロファイルの前記第1の部分によって回転され、前記少なくとも1つの入力ロッカが、前記少なくとも1つの入力ロッカレバーと前記出力ロッカレバーとの結合を防止するために、前記少なくとも1つの入力ロッカレバーと前記出力ロッカレバーとをずらすように、前記カムローブプロファイルの前記第2の部分によって回転され、前記少なくとも1つの入力ロッカレバーが、前記少なくとも1つの入力ロッカレバーを前記出力ロッカレバーに結合するために、前記少なくとも1つの入力ロッカレバーと前記出力ロッカレバーとを位置合わせするように、前記カムローブプロファイルの前記第3の部分によって回転される、ロッカシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの入力ロッカレバーが、前記内燃エンジンのクランクシャフトのクランク角度の第1の範囲にわたって前記出力ロッカレバーとの係合を切り替えるために、前記出力ロッカレバーと位置合わせされる、請求項1に記載のロッカシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの入力ロッカが、前記内燃エンジンの前記クランクシャフトのクランク角度の第2の範囲にわたって前記出力ロッカレバーとの係合を切り替えることを防止するために、出力ロッカとずらされる、請求項2に記載のロッカシステム。
【請求項4】
前記出力ロッカレバーが、前記入力ロッカレバーとの係合を切り替えながら、前記排気バルブ及び前記吸気バルブのうちの前記少なくとも一方の開閉を制御する、請求項2に記載のロッカシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの入力ロッカが、前記少なくとも1つのカムシャフトローブの前記第1の部分から前記排気バルブ及び前記吸気バルブのうちの前記少なくとも1つに動きを伝達するために前記出力ロッカと位置合わせされているときに、前記少なくとも1つの入力ロッカレバーを前記出力ロッカレバーに結合するための少なくとも1つのバルブリフトスイッチを更に備える、請求項1に記載のロッカシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの入力ロッカレバーが、第1の入力ロッカレバーを含み、前記ロッカシステムが、第2の入力ロッカレバーを更に備え、前記第1の入力ロッカレバー及び前記第2の入力ロッカレバーが各々、前記カムシャフトの第1のカムシャフトローブ及び第2のカムシャフトローブのそれぞれのものから受け取った動きに応答して、前記エンジン構成要素の周りを回転可能である、請求項5に記載のロッカシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのバルブリフトスイッチが、前記第1の入力ロッカレバー及び前記第2の入力ロッカレバーの各々を前記出力ロッカレバーに選択的に結合するために移動可能である少なくとも1つのピンを含む、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのバルブリフトスイッチが、前記第1の入力ロッカレバーを前記出力ロッカレバーに選択的に結合するために移動可能である第1のピンと、選択的に前記第2の入力ロッカレバーから前記出力ロッカレバーに移動可能である第2のピンと、を含む、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項9】
気筒と、前記気筒に関連付けられた吸気バルブ及び排気バルブのうちの少なくとも1つとを有する内燃エンジン用のカムシャフトであって、前記カムシャフトが、
少なくとも1つのカムシャフトローブを備え、前記少なくとも1つのカムシャフトローブが、ロッカレバーの移動を誘導する前記少なくとも1つのカムシャフトローブによって、前記排気バルブ及び前記吸気バルブのうちの前記少なくとも1つの開閉のタイミングを制御するように構成されており、前記少なくとも1つのカムシャフトローブが、カムローブプロファイルであって、
前記ロッカレバーが前記排気バルブ及び前記吸気バルブのうちの前記少なくとも1つに関連付けられている間、前記ロッカレバーを介して前記排気バルブ及び前記吸気バルブのうちの前記少なくとも1つを開くリフトを生成する第1の部分と、
前記ロッカレバーと前記排気バルブ及び前記吸気バルブのうちの前記少なくとも1つとの関連付けを防止するために、前記ロッカレバーをずらす第2の部分と、
前記ロッカレバーを前記排気バルブ及び前記吸気バルブのうちの前記少なくとも1つに関連付けるために前記ロッカレバーを位置合わせする第3の部分と、を含む、カムローブプロファイルを含む、カムシャフト。
【請求項10】
前記カムローブプロファイルの前記第3の部分が、前記内燃エンジンのクランクシャフトのクランク角度の第1の範囲にわたって前記ロッカレバーを持ち上げる一定リフトプロファイルである、請求項9に記載のカムシャフト。
【請求項11】
前記カムローブプロファイルの前記第2の部分が、前記カムローブプロファイルの前記第1の部分から前記カムローブプロファイルの前記第3の部分まで延在する基礎円プロファイルである、請求項10に記載のカムシャフト。
【請求項12】
前記カムローブプロファイルの前記第3の部分が、前記一定リフトプロファイルよりもサイズが小さい遷移部分で前記カムローブプロファイルの前記第1の部分に接続されている、請求項10に記載のカムシャフト。
【請求項13】
内燃エンジン用のバルブトレインであって、前記バルブトレインが、
吸気バルブ又は排気バルブのうちの1つと、
カムシャフトローブを含むカムシャフトと、
前記カムシャフトローブによって移動可能な第1のロッカレバーと、
前記第1のロッカレバーを第2のロッカレバーに選択的に結合するための切り替え装置と、を備え、前記カムシャフトローブが、前記第1のロッカレバーを介して、前記カムシャフトローブに関連付けられた前記吸気バルブ又は前記排気バルブのうちの前記1つを持ち上げる第1の部分と、前記第1のロッカレバーと前記第2のロッカレバーとをずらす第2部分と、前記第1のロッカレバーと前記第2のロッカレバーとを位置合わせする第3の部分とを有するリフトプロファイルを含む、バルブトレイン。
【請求項14】
第2の少なくとも1つの他のロッカレバーが、前記吸気バルブ又は排気バルブのうちの前記1つに接続された出力ロッカレバーである、請求項13に記載のバルブトレイン。
【請求項15】
前記第2のロッカレバーが、第2のカムシャフトローブによって移動され、前記第2のカムシャフトローブが、前記第2のロッカレバーを介して前記第2のカムシャフトローブに関連付けられたときに前記吸気バルブ又は前記排気バルブのうちの前記1つを持ち上げる第2のリフトプロファイルを含み、前記第2のカムシャフトローブが、前記カムシャフトローブの前記第3の部分と同じサイズである基礎円部分を含む、請求項13に記載のバルブトレイン。
【請求項16】
前記カムシャフトローブの前記リフトプロファイルの前記第2の部分が、前記第1のロッカレバーと前記第2のロッカレバーとの結合を防止するために、前記切り替え装置をずらす、請求項13に記載のバルブトレイン。
【請求項17】
前記カムシャフトローブの前記リフトプロファイルの前記第2の部分が、前記第1のロッカレバーと前記第2のロッカレバーとを結合するために、前記切り替え装置を位置合わせする、請求項13に記載のバルブトレイン。
【請求項18】
前記切り替え装置が、少なくとも1つのピンを含み、前記少なくとも1つのピンは、前記第1のロッカレバー及び前記第2のロッカレバーが互いに結合されていないときに、前記第1のロッカレバー及び前記第2のロッカレバーのうちの1つに収容される、請求項13に記載のバルブトレイン。
【請求項19】
前記少なくとも1つのピンは、前記第1のロッカレバー及び前記第2のロッカレバーが互いに結合されているときに、前記第1のロッカレバーと前記第2のロッカレバーとの間に架かる、請求項18に記載のバルブトレイン。
【請求項20】
ロッカシステムを動作させるための方法であって、前記方法が、
カムシャフトローブにより入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとを位置合わせすることと、
位置合わせされた前記入力ロッカレバーを前記出力ロッカレバーに結合することと、
前記カムシャフトローブによって誘導された前記入力ロッカレバーの移動に応答して、前記出力ロッカレバーにより吸気バルブ及び排気バルブのうちの少なくとも1つを持ち上げることと、
前記入力ロッカレバーを前記出力ロッカレバーから結合解除することと、
前記カムシャフトローブにより前記入力ロッカレバーと前記出力ロッカレバーとが位置合わせされるまで前記入力ロッカレバーと前記出力ロッカレバーとの結合を防止するために、前記カムシャフトローブにより前記入力ロッカレバーと前記出力ロッカレバーとをずらすことと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月27日に出願された米国特許仮出願第63/266,012号の出願日の利益を主張するものであり、本仮出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、内燃エンジンシステムに関し、より具体的には、排他的ではないが、内燃エンジン、並びにそれとともに使用するためのロッカシステム、カムシャフト、及びバルブトレインに関する。
【背景技術】
【0003】
公称バルブ開/閉、圧縮解放ブレーキ、及び他の代替バルブリフト動作モードは、特定のエンジン動作条件中に1つ以上のエンジン気筒の吸気バルブ及び/又は排気バルブを使用して、所望のカムローブプロファイルによって生成することができる。カムローブプロファイルは、例えば効率を高めて動作させたり、エンジンブレーキを提供したり、その他の成果を生成するために、対応するクランク角中に吸気バルブ及び/又は排気バルブに対して選択されたリフトプロファイルを生成する。
【0004】
特定のシステムは、所望のバルブリフト及び/又は開閉タイミングを生成するためのローブプロファイルを有するカムローブに係合される入力ロッカレバーを採用し得る。入力ロッカレバーは、所望のカムローブプロファイルを出力ロッカレバーと連結させて選択されたバルブリフトを生成するために、吸気バルブ又は排気バルブを動作させる別のロッカレバーに選択的に係合される。しかしながら、入力ロッカレバーの出力ロッカレバーとの係合への切り替えのタイミングが不適切である場合、切り替え装置及び/又は切り替え動作に伴うロッカレバーに対して、耐久性及び操作性の問題が生じる可能性がある。したがって、この技術分野に更に貢献するための継続的な要求が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本出願の特定の実施形態は、内燃エンジンの1つ以上の気筒を動作させる独自のシステム、装置、方法、及び装置を含む。一実施形態では、1つ以上の入力ロッカレバーが、別のロッカレバーに選択的に結合されて、1つ以上の気筒の所望のバルブリフトを生成し、例えば、対応する気筒内の公称開閉タイミングにおける公称バルブリフト、圧縮解放ブレーキ、スワール、高リフト、低リフト、又は他の代替バルブリフト及び/又は開閉タイミングを出力する。
【0006】
一実施形態では、ロッカシステムは、内燃エンジンのために提供される。内燃エンジンは、少なくとも1つのカムシャフトローブを有するカムシャフトを含む。カムシャフトローブは、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分を有するカムローブプロファイルを含む。ロッカシステムは、カムシャフトの少なくとも1つのカムシャフトローブから受け取った動きに応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの入力ロッカレバーを含む。出力ロッカレバーは、エンジン構成要素の周りで回転可能であり、内燃エンジンの気筒に関連付けられた排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つの開閉を制御するように構成されている。少なくとも1つの入力ロッカレバーは、少なくとも1つの入力ロッカレバーが出力ロッカレバーに結合されている間、排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つの所望のリフトを生成するように、カムローブプロファイルの第1の部分によって回転される。少なくとも1つの入力ロッカは、少なくとも1つの入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとの結合を防止するために、少なくとも1つの入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとをずらすように、カムローブプロファイルの第2の部分によって回転される。少なくとも1つの入力ロッカレバーは、少なくとも1つの入力ロッカレバーを出力ロッカレバーに結合するために、少なくとも1つの入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとを位置合わせするように、カムローブプロファイルの第3の部分によって回転される。
【0007】
一実施形態では、気筒と、気筒に関連付けられる少なくとも1つの吸気バルブ及び排気バルブを有する内燃用のカムシャフトが提供される。カムシャフトは、ロッカレバーの移動を誘導することによって吸気バルブ及び排気バルブのうちの少なくとも1つの開閉を制御するように構成された少なくとも1つのカムシャフトローブを含む。少なくとも1つのカムシャフトローブは、ロッカレバーが排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つに関連付けられている間に、ロッカレバーを介して排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つを開くためのリフトを生成する第1の部分を備えたカムローブプロファイルを含む。カムローブプロファイルは、ロッカレバーと排気バルブ及び吸気バルブの少なくとも1つとの関連付けを防止するために、ロッカレバーをずらす第2の部分を含む。カムローブプロファイルは、ロッカレバーを排気バルブ及び吸気バルブの少なくとも1つに関連付けるためにロッカレバーを位置合わせする第3の部分を含む。
【0008】
一実施形態では、基礎円プロファイルのうちの1つは、他の基礎円プロファイルよりも小さい半径を有する。また、カムシャフトローブの各々は、切り替え装置を介してロッカレバーの結合を可能にするために、クランク角度の第2の範囲の間、ロッカレバーを位置合わせする第2のプロファイル部分を含む。一実施形態では、2つのカムシャフトローブのバルブリフトプロファイルはまた、互いに異なるバルブリフト及び/又はバルブ開閉タイミングを生成する。
【0009】
一実施形態では、バルブトレインが内燃エンジンのために提供される。バルブトレインは、吸気バルブ又は排気バルブのうちの1つを含む。バルブトレインは、カムシャフトローブを含むカムシャフトと、カムシャフトローブによって移動可能な第1のロッカレバーと、第1のロッカレバーを第2のロッカレバーに選択的に結合するための切り替え装置と、を含む。カムシャフトローブは、第1のロッカレバーを介して、カムシャフトローブに関連付けられた吸気バルブ又は排気バルブの一方を持ち上げる第1の部分と、第1のロッカレバーと第2のロッカレバーとをずらす第2の部分と、第1のロッカレバーと第2のロッカレバーとを位置合わせする第3の部分とを有するリフトプロファイルと、を含む。
【0010】
一実施形態では、ロッカシステムを動作させるための方法は、カムシャフトローブにより入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとを位置合わせすることと、位置合わせされた入力ロッカレバーを出力ロッカレバーに結合することと、カムシャフトローブによって誘導された入力ロッカレバーの移動に応答して、出力ロッカレバーにより吸気バルブ及び排気バルブのうちの少なくとも1つを持ち上げることと、入力ロッカレバーを出力ロッカレバーから結合解除することと、カムシャフトローブにより入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとが位置合わせされるまで入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとの結合を防止するために、カムシャフトローブにより入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとをずらすことと、を含む。
【0011】
本概要は、例示的な実施形態において下で更に説明される一連の概念を導入するために提供される。本概要は、特許請求される主題の主要な又は本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。更なる実施形態、形態、目的、特徴、利点、態様、及び利益は、以下の説明及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】少なくとも1つの気筒に対して代替バルブリフトプロファイルの非同期切り替えを提供するバルブトレインを備えた内燃エンジンシステムの一実施形態の概略図である。
【
図2】
図1の内燃エンジンシステムの気筒及び概略的なバルブ作動機構の1つの実施形態の線図及び概略図である。
【
図3】ロッカレバーをずらすためのプロファイルのないカムシャフトローブ(
図3)及びロッカレバーをずらすためのプロファイルのあるカムシャフトローブ(
図4)を使用する、
図1の内燃エンジンシステムの気筒の吸気バルブ及び排気バルブのリフトプロファイルを比較するグラフ表示である。
【
図4】ロッカレバーをずらすためのプロファイルのないカムシャフトローブ(
図3)及びロッカレバーをずらすためのプロファイルのあるカムシャフトローブ(
図4)を使用する、
図1の内燃エンジンシステムの気筒の吸気バルブ及び排気バルブのリフトプロファイルを比較するグラフ表示である。
【
図5】ロッカレバーを別のロッカレバーに接続するための非同期切り替えを提供するためのカムシャフトのカムローブプロファイルの概略図である。
【
図6】ロッカレバーを別のロッカレバーに接続するための非同期切り替えを提供するためのカムシャフトのカムローブプロファイルの概略図である。
【
図7】代替バルブリフトプロファイルによって駆動されるロッカレバーを接続するための非同期切り替えを提供するためのバルブトレインの一部の概略図である。
【
図8】代替バルブリフトプロファイルによって駆動されるロッカレバーを接続するために切り替えるための位置合わせされたロッカレバーを示す、
図7の線8-8に沿った断面図である。
【
図9】
図8と同様の断面図であるが、代替バルブリフトプロファイルによって駆動されるロッカレバーを接続するために切り替えることを防止するために、ロッカレバーがずらされている。
【
図10】
図1の内燃エンジンシステムの気筒のバルブ作動システム並びに吸気バルブ及び排気バルブを示す斜視図である。
【
図11】
図9のバルブ作動システム並びに吸気バルブ及び排気バルブの立面図である。
【
図12】
図9のバルブ作動システムのロッカシステムの1つの実施形態の斜視図である。
【
図15】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及び補助リフト動作モードを示す、
図13のロッカシステムの断面図である。
【
図16】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及び補助リフト動作モードを示す、
図13のロッカシステムの断面図である。
【
図17】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及び補助リフト動作モードを示す、
図13のロッカシステムの断面図である。
【
図18】
図1の内燃エンジンの気筒のロッカシステムの別の実施形態の立面図である。
【
図20】それぞれ、標準リフト、気筒休止、及びブレーキ動作モードを示す、
図18のロッカシステムの断面図である。
【
図21】それぞれ、標準リフト、気筒休止、及びブレーキ動作モードを示す、
図18のロッカシステムの断面図である。
【
図22】それぞれ、標準リフト、気筒休止、及びブレーキ動作モードを示す、
図18のロッカシステムの断面図である。
【
図23】ロッカシステムの動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、本発明の原理に関する理解を促進するために多くの異なる形態をとり得るが、以下、図面に例示される実施形態を参照し、実施形態を説明するために特定の文言が使用される。それでもなお、それによって本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解されるであろう。説明される実施形態の任意の変更及び更なる修正、並びに本明細書に記載される本発明の原理の任意の更なる応用は、本発明が関連する当業者に通常起こることが企図される。
【0014】
図1を参照すると、例えば内燃エンジン12を含む、内燃エンジンシステム10が示されている。圧縮点火、火花点火、及びこれらの組み合わせを含む、任意のエンジン型式が企図される。エンジン12は、複数の気筒14を含む。
図1は、単に例示の目的で、直列配置の6つの気筒14を含む配置の複数の気筒14を例示する。内燃エンジン12での使用に適している任意の数の気筒及び任意の配置の気筒を利用することができる。使用することができる気筒14の数は、例えば、2~18気筒の範囲、又はそれ以上であり得る。更に、以下の説明は、気筒14のうちの1つを参照することがある。
図2及び本明細書の他の場所に記載される気筒14に関する対応する特徴は、特に明記しない限り、エンジン12の他の気筒14の全て又はサブセットに存在し得ることを認識されたい。
【0015】
エンジン12は、気筒14の各々に関連付けられた少なくとも1つの吸気バルブ22及び少なくとも1つの排気バルブ24を更に含む。クランクシャフト18のクランク角に基づいて吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24を開閉するために、バルブ作動システム90が設けられている。バルブ作動システム90は、吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24の開閉を制御するために1つ以上のロッカレバーが周りを移動するロッカシャフトなどのエンジン構成要素570を含む。
【0016】
図3~
図9を更に参照して以下で更に説明するように、エンジン12は、バルブトレイン550、ロッカシステム540、及び/又はカムシャフト520を含む。一実施形態では、バルブトレイン550は、ロッカシステム540の1つ以上のロッカレバー552、560に作用するカムシャフト520の1つ以上のカムシャフトローブ500、510によって開閉される1つ以上の吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24を含み、1つ以上のロッカレバー552、560は吸気バルブ22又は排気バルブ24に関連付けられる。
【0017】
一実施形態では、バルブトレイン550は、カムシャフト520と、第1のロッカレバー560と、気筒14に関連付けられた吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの1つと、を含む。切り替え装置580は、第1のロッカレバー560を第2のロッカレバー5552に選択的に結合する。カムシャフト520は、第1のロッカレバー560を介して吸気バルブ22又は排気バルブ24を持ち上げる第1の部分と、第1のロッカレバー560と第2のロッカレバー552とをずらす第2の部分と、第1のロッカレバー560と第2のロッカレバー552とを位置合わせする第3の部分と、を有するリフトプロファイルを有する少なくとも1つのカムシャフトローブ510を含む。
【0018】
一実施形態では、エンジン12は、ロッカシステム540を含む。ロッカシステム540は、関連付けられた気筒14の吸気バルブ22又は排気バルブ24の開閉を制御するために、1つ以上の入力ロッカレバー560に選択的に結合することができる出力ロッカレバー552を含む。ロッカレバー552、560は、エンジン構成要素570を中心に回転可能である。入力ロッカレバー560は、少なくとも1つのカムシャフトローブ510から受け取った動きに応答して回転する。入力ロッカ560は、入力ロッカレバー560が出力ロッカレバー552に結合されている間、吸気バルブ22又は排気バルブ24の所望のリフトを生成するように、カムシャフトローブ510の第1の部分によって回転される。入力ロッカ560は、入力ロッカレバー560と出力ロッカレバー552との結合を防止するために、入力ロッカレバー560と出力ロッカレバー552とをずらすように、カムシャフトローブ510の第2の部分によって回転される。入力ロッカレバー560は、入力ロッカレバー560と出力ロッカレバー552とを結合するために、入力ロッカレバー560と出力ロッカレバー552とを位置合わせするように、カムシャフトローブ510の第3の部分によって回転される。
【0019】
一実施形態では、カムシャフト520は、クランクシャフト18のクランク角度の所望の許容範囲の外側でのロッカレバー552と560との結合を防止するために、ロッカレバー552と560とがずらされるように構成されたカムシャフトローブ500、510を含む。クランク角度の所望の範囲外でロッカレバー552、560を結合することを禁止することにより、切り替え装置がロッカレバー552、560のうちの1つによってバルブリフト事象中にロッカレバー552、560を互いに結合することを防止し、切り替え装置が切り替え動作に伴うロッカレバー552、560との完全な又は適切な係合を達成することを防止し得る。
【0020】
一実施形態では、ロッカレバー560と吸気バルブ22又は排気バルブ24との関連付けを防止するために、ロッカレバー560をずらす第1の部分512を含むカムシャフトローブ510を含むカムシャフトが提供される。カムシャフトローブ510は、ロッカレバー560が吸気バルブ22又は排気バルブ24に関連付けられている間、ロッカレバー560を介して吸気バルブ22又は排気バルブ24を開くためのリフトを生成する第2の部分514を含む。カムシャフトローブ510は、ロッカレバー560を吸気バルブ22又は排気バルブ24に関連付けるためにロッカレバー560を位置合わせする第3の部分516を含む。
【0021】
本開示のロッカシステム540のロッカレバー552、560を選択的に結合することによって達成することができる機能動作モードとしては、例えば、公称又は標準の吸気バルブ及び排気バルブ動作、ミラーサイクルの吸気バルブ動作、4行程エンジン圧縮ブレーキの排気バルブ動作、吸気バルブ及び/若しくは排気バルブの気筒休止、吸気バルブ及び排気バルブの2行程エンジン圧縮ブレーキ、可変スワールの吸気バルブ動作、動的スキップファイア、及び/又は公称及び代替バルブリフト並びに/又は開閉タイミング動作が挙げられる。
【0022】
気筒14の例示的な一実施形態が
図2に示されており、本明細書では、任意の好適な気筒の実施形態が企図されることが理解される。気筒14は、典型的には、ピストン16が気筒14の燃焼チャンバ28内を往復移動することによって回転するクランクシャフト18に動作可能に取り付けられた、ピストン16を収容する。気筒14の気筒頭部20内には、少なくとも1つの吸気バルブ22と、少なくとも1つの排気バルブ24と、特定の実施形態では、気筒14によってピストン16と気筒頭部20との間に形成された燃焼チャンバ28に燃料を提供する燃料噴射器26と、が存在する。他の実施形態では、燃料は、ポート噴射によって、又は燃焼チャンバ28上流の吸入システム内のインジェクションによって、燃焼チャンバ28に提供することができる。更に、以下の議論では、各気筒14は、2つの吸気バルブ22と、2つの排気バルブ24と、を含むが、それらが全ての実施形態において必要なわけではない。
【0023】
本明細書における「4行程」という用語は、エンジンのクランクシャフト18の2つの別個の回転中にピストン16が完了する次の4つの行程-吸気、圧縮、出力、排気-を意味し、これは回転の720度のクランク角度(crank angle degree、CAD)にわたって起こる燃焼サイクルである。行程は、ピストン16が気筒14の気筒頭部20の頂部にあるときの上死点(top dead center、TDC)、又はピストン16が気筒14のその最下点に到達したときの下死点(bottom dead center、BDC)から始まる。
【0024】
図3を更に参照すると、吸気バルブ(intake valve、IV1)及び排気バルブ(exhaust valve、EV1)の燃焼サイクル中の、例示的な公称又は標準吸気バルブ及び排気バルブの開閉プロファイルが示されている。IV1の吸気行程中に、ピストン16は気筒14の気筒頭部20から離れて気筒の底部(図示せず)まで下降し、それによって、気筒14の燃焼チャンバ28内の圧力を低下させる。吸気バルブ22が開いたときに吸気バルブ22を通して空気を吸入することによって、燃焼チャージが燃焼チャンバ28内で生じる。
【0025】
燃料噴射器26からの燃料は、例えば、燃料タンク32に接続された高圧コモンレールシステム30(
図1)によって供給することができる。燃料タンク32からの燃料は、燃料ポンプ(図示せず)によって吸引されて、コモンレール燃料システム30に送給される。燃料ポンプから送給された燃料は、コモンレール燃料システム30内に蓄積され、蓄積された燃料は、燃料ライン34を通して各気筒14の燃料噴射器26に供給される。コモンレールシステム内に蓄積された燃料は、各気筒14の燃焼チャンバ28に送達される燃料の燃料圧力を上昇させて制御するように加圧することができる。しかしながら、上述したように、任意のタイプの燃料送達システムが企図される。
【0026】
標準又は公称動作モードにおける圧縮行程中、吸気バルブ22及び排気バルブ24は両方とも、
図3及び
図4のIV1及びEV1の公称バルブリフトプロファイルによって指し示されるように、TDCで閉じることができる。ピストン16がTDCに向かって戻り、TDC付近での主噴射事象において燃料が圧縮吸気中に噴射され、短い遅延の後に、圧縮混合気が燃焼チャンバ28内で発火する。エンジン12がディーゼルエンジンである場合、これは、燃焼チャージの発火をもたらす。空気と燃料の発火は、燃焼チャンバ28内の圧力を急激に上昇させ、この圧力が、BDCに向かう燃焼行程中にピストン16に印加される。燃焼チャンバ28内の燃焼位相は、燃焼チャンバ28内の圧力の上昇がピストン16を押して、ピストン16が正味の正の力/作業/動力を提供するように較正される。
【0027】
図3及び
図4のEV1(公称)によって示されるように、排気行程中には、ピストン16がTDCに向かって戻り、一方で、排気バルブ24が開く。この動作により、燃焼チャンバ28内での燃料の燃焼による燃焼生成物を排出して、使用済みの混合気(排気ガス)を、排気バルブ24を通して外へ吐出する。次の燃焼サイクルは、下で更に論じるように、気筒休止状態又は交互バルブリフト状態が要求されない限り、これらの同じ吸気バルブ及び排気バルブの開閉プロファイルを使用して起こる。
【0028】
図1を再度参照すると、吸気は、吸気通路36及び吸気マニホールド38を通って流れた後に、吸気バルブ22に到達する。吸気通路36は、ターボチャージャ40の圧縮機41a及び吸気スロットル42に接続され得る。吸気は、エアクリーナ(図示せず)によって浄化し、圧縮機41によって圧縮し、次いで、吸気スロットル42を通して燃焼チャンバ28内へ吸引することができる。吸気スロットル42は、気筒内への空気の流れに影響を及ぼすように制御することができる。
【0029】
吸気通路36には、圧縮機41の下流に提供される任意選択のクーラ44を更に設けることができる。一例では、クーラ44は、チャージエアクーラ(charge air cooler、CAC)とすることができる。この例では、圧縮機41は、吸気の温度及び圧力を上昇させることができ、一方で、CAC44は、チャージ密度を上昇させて、より多くの空気を気筒に提供することができる。別の例では、クーラ44は、低温アフタークーラ(low temperature aftercooler、LTA)とすることができる。CAC44は、冷却媒体として空気を使用し、一方で、LTAは、冷却媒体として冷却剤を使用する。
【0030】
排気ガスは、燃焼チャンバ28から、気筒14を排気通路46に接続する排気マニホールド48からの排気通路46内へ流出する。排気通路46は、ターボチャージャ40のタービン43及びウェイストゲート50に、次いで、後処理システム52に接続されている。燃焼チャンバ28から排出された排気ガスは、タービン43を駆動して回転させる。ウェイストゲート50は、排気ガスの一部が通路54を通ってタービン43をバイパスすることを可能にする装置である。ウェイストゲート50は、開/閉(二位置)型バルブ、又はバイパス流量の制御を可能にするフルオーソリティバルブ、又はそれらの間の任意のものであり得る制御バルブ56を含むことができる。排気通路46は、更に又は代替的に、排気通路46を通る排気ガスの流量を調節するための排気スロットル58を含むことができる。バイパス流量及びタービン流量の組み合わせであり得る排気ガスは、次いで、後処理システム52に進入する。他の実施形態は、可変吸気口タービン、タービンのないシステム、及び/又は圧縮機のないシステムを企図する。
【0031】
任意選択的に、排気ガスの一部は、EGR通路(図示せず)を介して吸入システム内へ再循環させることができる。EGR通路は、タービン43bの上流の排気通路を、吸気スロットル42の下流の吸気通路36に接続することができる。代替的又は追加的に、低圧EGRシステム(図示せず)を、タービン43の下流に及び圧縮機41の上流に提供することができる。EGRバルブは、EGR通路を通るEGRの流量を調節するために提供することができる。EGR通路には、EGRクーラ及びEGRクーラの周りのバイパスを更に設けることができる。
【0032】
後処理システム52は、排気ガス中の一酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素、炭化水素、及び/又は煤煙を含む有害成分であり得る、排気ガスからの材料を取り扱う及び/又は除去するのに有用な1つ以上の装置を含み得る。いくつかの例では、後処理システム52は、触媒装置及び粒子状物質フィルタのうちの少なくとも1つを含むことができる。触媒装置は、ディーゼル酸化触媒(diesel oxidation catalyst、DOC)装置、アンモニア酸化(ammonia oxidation、AMOX)触媒装置、選択触媒還元(selective catalytic reduction、SCR)装置、三元触媒(three-way catalyst、TWC)、リーンNOXトラップ(lean NOX trap、LNT)などとすることができる。還元触媒としては、任意の好適な還元触媒、例えば、尿素選択還元触媒、を挙げることができる。粒子状物質フィルタは、ディーゼル微粒子フィルタ(diesel particulate filter、DPF)、部分流粒子フィルタ(partial flow particulate filter、PFF)などとすることができる。PFFは、流れの一部分中の粒子状物質を捕捉するように機能し、対照的に、排気ガスの全量は、粒子フィルタを通過する。
【0033】
コントローラ80は、各種センサから入力としてデータを受信し、各種アクチュエータへ出力としてコマンド信号を送信するために提供される。採用され得る様々なセンサ及びアクチュエータのいくつかを、以下で詳細に説明する。コントローラ80は、例えば、プロセッサ、メモリ、クロック、及び入力/出力(input/output、I/O)インターフェースを含むことができる。
【0034】
システム10は、吸気マニホールド圧力/温度センサ70、排気マニホールド圧力/温度センサ72、1つ以上の後処理センサ74(差圧センサ、温度センサ、圧力センサ、成分センサ、など)、エンジンセンサ76(燃焼チャンバに供給される混合気の空燃比、クランク角、クランクシャフトの回転速度、などを検出することができる)、並びに燃料、コモンレール38、及び/又は燃料噴射器26の燃料圧力及び/又は他の特性を検出するための燃料センサ78、などの、様々なセンサを含む。エンジンシステムの当技術分野で既知の任意の他のセンサが企図される。
【0035】
システム10はまた、吸気バルブ22を開閉するための、排気バルブ24を開閉するための、燃料噴射器26からの燃料を噴射するための、ウェイストゲートバルブ56を開閉するための、吸気スロットル42のための、及び/又は排気スロットル58のための、様々なアクチュエータも含むことができる。更に、1つの実施形態では、吸気バルブ22及び排気バルブ24を開閉するためのアクチュエータは、
図2に概略的に示されるように、バルブ作動(valve actuation、VA)システム90の一部として設けられ、VAシステム90を介して吸気バルブ22及び排気バルブ24に連結されたカムシャフトローブ500、510によって決定されるタイミングで、吸気バルブ22及び排気バルブ24の開閉を生成するため、それぞれのカムシャフトローブ500、510によって回転されるロッカレバー552、560を含む。
【0036】
特定の動作条件の間、吸気バルブ22及び排気バルブ24のうちの1つ以上に対して、1つ以上の代替的なバルブリフトプロファイルが所望され得る。例えば、
図3及び
図4には、EV1のブレーキプロファイルが示されており、排気バルブは、圧縮解放ブレーキを提供するために、動力行程の上死点の前及び動力行程の少なくとも一部分の間に開かれる。圧縮解放ブレーキを提供するために、VAシステム90は、排気バルブ24を開いて圧縮解放ブレーキの開閉タイミングを提供するためのアクチュエータに連結され得るカムローブプロファイルを有するカムを含むことができる。
【0037】
図5では、例えば、
図3及び
図4のEV1及び/又はIV1に示されるような公称バルブリフトを提供するために、基礎円部分502及びバルブリフト部分504を含む第1のカムローブ500を有する例示的なカムシャフト500が示されている。
図6には、カムシャフト520のカムローブ510が示されており、これは、
図4に示されているような圧縮解放ブレーキのためのような、代替的なバルブリフトプロファイルを提供する。カムローブ510は、ロッカレバー552、560を互いに結合するためのスイッチのタイミングのずれた作動が問題となり、スイッチの十分な又は完全な係合を防止する可能性があるクランク角度の範囲の間、ロッカレバーをずらすように構成されている。
【0038】
カムローブ510は、VAシステム90によって吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24のためのアクチュエータに関連付けられて、カムローブ510によって移動されるロッカレバー560を、吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24の開閉を制御するロッカレバーに選択的に結合することによって、代替的なバルブリフト事象を提供することができる。カムローブ510は、基礎円部分である第1の部分512と、バルブリフト部分である第2の部分514とを有するカムローブプロファイルを含む。カムローブ510はまた、基礎円部分とバルブリフト部分との間の位置合わせ部分である第3の部分516を含む。カムローブ510は、第2の部分514と第3の部分516との間に移行部分518を更に含み得、移行部分518は、ロッカレバーをずらし、バルブが持ち上げられている間に第2の部分514に沿ったクランク角でのロッカレバー552と560との結合を防止するように、第3の部分516よりも小さい。
【0039】
図4に戻って参照すると、カムローブ500、510によって提供されるリフトバルブが示されている。カムローブ500のバルブリフト部分504は、第1のロッカレバー552を制御して、EV1のための公称排気バルブ開口部を生成し、一方、カムローブ510の第2の部分514は、第2のロッカレバー560を制御して、圧縮解放ブレーキのためにタイミングがとられた排気バルブ開口事象を生成する。カムローブ510の第1の部分512は、ロッカレバー552と560とが第1の部分512に沿ってずらされるように、カムローブ500の基礎円部分502よりも小さい基礎円である。カムローブ510によって制御されるロッカレバーの位置決めがカムローブ510の第3の部分516に沿っているとき、ロッカレバー552、560は、バルブリフト部分504によって生成されるバルブリフトと組み合わせて第2の部分514によって生成される圧縮解放ブレーキを提供するために、位置合わせされ、結合されることができる。対照的に、
図3は、ロッカレバーがそれぞれのバルブリフト部分によって制御されるときを除いてロッカレバーのずれがないように、公称排気バルブ開閉及び圧縮解放ブレーキ開閉を制御するカムローブの両方の基礎円部分が同じサイズである配置を示す。
【0040】
図7は、バルブトレイン550を有するバルブ作動システム90の一実施形態を示す。バルブトレイン550は、カムシャフト520によって移動可能な第1のロッカレバー552及び第2のロッカレバー560を含む。第1のロッカレバー552は、ロッカシャフトのような構成要素570の周りの移動のためにカムローブ500によって制御され、第2のロッカレバー560は、構成要素570の周りの移動のためにカムローブ510によって制御される。代替的に、第1のロッカレバー552は、出力ロッカレバーであってもよく、カムシャフト520に沿って、関連付けられたカムローブに直接連結された1つ以上の他の入力ロッカレバーに結合されてもよい。
【0041】
切り替え装置580は、ロッカレバー560をロッカレバー552に選択的に結合又は接続するように移動可能である、ロッカレバー560などのロッカレバー552、560のうちの1つに収容されたスイッチ582を含む。例えば、
図8では、ロッカレバー552、560は、スイッチ582の位置582aによって示されるように、スイッチ582がロッカレバー552の位置合わせされた通路554内に移動され得るように、互いに位置合わせされて示されている。スイッチ582は、例えば、ロッカレバー552、560を結合及び結合解除するために、通路554の中及び/又は外に移動される1つ以上のピンを含むことができる。
【0042】
ロッカレバー552、560の間の位置合わせは、ロッカレバー560の位置がカムローブ510の第3の部分516によって制御されている間にのみ起こる。ロッカレバー560が第1の部分512に沿った基礎円によって制御されるとき、ロッカレバー560は、
図9に示されるように、ロッカレバー552とずらされている。通路554がスイッチ582と位置合わせされていないので、このずれは、スイッチ582がロッカレバー552の通路554内に移動可能になることを防止する。
【0043】
一実施形態では、
図23のフローチャートに示されるように、ロッカシステム540を動作させる方法600が企図される。方法600は、例えば、カムローブ510により入力ロッカレバー560と出力ロッカレバー552とを位置合わせすること602を含むことができる。位置合わせは、例えば、カムシャフトローブ510の第3の部分516を使用して入力ロッカレバー560を出力ロッカレバー552に対して所定の配向に位置決めして、切り替え装置580がロッカレバー552、560を互いに結合できるようにすることを含むことができる。次に、位置合わせされた入力ロッカレバー560は、例えば切り替え装置580を使用して604で出力ロッカレバー552に結合される。方法600は、カムシャフトローブ510によって誘導された入力ロッカレバー560の移動に応答して、出力ロッカレバー552により吸気バルブ22及び排気バルブ24のうちの少なくとも1つを持ち上げること606を更に含むことができる。例えば、ロッカレバー560を介して吸気バルブ22又は排気バルブ24を持ち上げるロッカレバー552の移動は、ロッカレバー560に作用するカムシャフトローブ510の第3の部分516による、ロッカシャフトなどのエンジン構成要素570の周りのロッカレバー560の回転であり得る。
【0044】
次に、入力ロッカレバー560は、608で出力ロッカレバー552から結合解除することができる。一実施形態では、結合解除は、上述した切り替え装置580などのスイッチの係合を解除又は接続解除することを含むことができる。次いで、入力ロッカレバー560は、610において、カムシャフトローブ510により入力ロッカレバー560と出力ロッカレバー552とが位置合わせされるまで入力ロッカレバー560と出力ロッカレバー552との結合を防止するために、カムシャフトローブ510により出力ロッカレバー552とずらされる。一実施形態では、ロッカレバー552と560とをずらすことは、切り替え装置580がロッカレバー560をロッカレバー552に係合可能になることを防止するために、カムシャフトローブ510の第1の部分512によりロッカレバー560をロッカレバー552に対してずれた位置まで回転させることを含む。
【0045】
図10~
図17を参照すると、VAシステム90の一実施形態に関する更なる詳細が示されており、VAシステム90は、気筒休止状態の下で気筒14のうちの1つ以上の気筒休止を、並びに/又は上で論じた標準リフトプロファイルに加えて、1つ以上の気筒14の吸気バルブ及び/又は排気バルブの交互リフトプロファイルを提供するように適用可能である。
図10及び
図11は、吸気側の第1のVAシステム90a及び排気側の第2のVAシステム90bを示し、これらは本明細書では集合的に及び個々にVAシステム90と称され得る。VAシステム90は、吸気バルブ22の一方又は両方の動作のために、排気バルブ24の一方又は両方の動作のために、吸気バルブ22のうちの1つ及び排気バルブ24のうちの1つの動作のために、又は、吸気バルブ22及び排気バルブ24の全ての動作のために提供することができる。加えて、第1のVAシステム90aは、排気バルブ24の1つ以上のリフトプロファイルとは異なる、吸気バルブ22の1つ以上のリフトプロファイルを提供することができる。
【0046】
具体的には、第1のVAシステム90aは、気筒14のうちの1つ以上に沿って吸気側カムシャフト92のローブに係合するように構成された第1のロッカシステム100aを含む。代替的又は追加的に、第2のVAシステム90bは、気筒14のうちの1つ以上に沿って排気側カムシャフト94のローブに係合するように構成された、同じ、同様の、又は異なる第2のロッカシステム100bを含み得る。第1及び第2のロッカシステム100a、100bは、本明細書では個々に又は集合的にロッカシステム100と称され得る。
【0047】
例示された実施形態では、吸気側カムシャフト92は、吸気バルブ22に少なくとも2つの異なるバルブリフトプロファイルを提供する3つのカムシャフトローブ93a、93b、93c(総称してカムシャフトローブ93と呼ばれる)を含み、排気側カムシャフト94は、排気バルブ24に少なくとも2つの異なるバルブリフトプロファイルを提供する3つのカムシャフトローブ95a、95b、95c(総称してカムシャフトローブ95と呼ばれる)を含む。他の実施形態は、カムシャフト92、94の一方又は両方に2つだけのローブ93、95、又は3つ以上のローブ93、95を企図する。例示された実施形態でのそれぞれのカムシャフトの3つのカムシャフトローブ93,95は、例えば、関連付けられたバルブ22、22の関連付けられた公称又は標準リフトプロファイル、並びにそのそれぞれのバルブシートからのバルブリフトの高さ及び/又はタイミングが標準リフトプロファイルとは異なる、バルブ22、24及びの1つ以上の補助リフトプロファイルを提供することができる。加えて、カムシャフトローブ93、95の少なくとも1つは、ロッカレバーが別のロッカレバーに結合されるのを防止するために、クランク角度の第1の範囲中に、関連付けられたロッカレバーをずらし、バルブリフト前のクランク角度の第2の範囲の間、別のロッカレバーに結合するために、関連付けられたロッカレバーを位置合わせするために、上で説明したカムローブ510のようなカムローブプロファイルを含み得る。
【0048】
更に
図12~
図14を参照すると、ロッカシステム100は、出力ロッカレバー102と少なくとも1つの入力ロッカレバーとを含む。例示された実施形態では、ロッカシステム100は、第1の入力ロッカレバー104、第2の入力ロッカレバー106、及び第3の入力ロッカレバー108を含み、これらは各々、隣り合わせの関係でロッカシャフト120などのエンジン構成要素に回転可能に取り付けられる。第1の入力ロッカレバー104は、対応するカムシャフトローブ93a、95aと接触する第1のローラ110を含む。第2の入力ロッカレバー106は、対応するカムシャフトローブ93b、95bと接触する第2のローラ112を含む。第3の入力ロッカレバー108は、対応するカムシャフトローブ93c、95cと接触する第3のローラ114を含む。以下に更に説明するように、入力ロッカレバー104、106、108のうちの1つ以上は、出力ロッカレバー102に選択的に接続可能であり、それぞれのカムシャフトローブ93、95からの吸気バルブ22又は排気バルブ24の接続されたものに動きを伝達する。加えて、入力ロッカレバー104、106、108は、気筒休止中にバルブリフトが提供されないように、出力ロッカレバー102から接続解除することができる。
【0049】
付勢機構122は、出力ロッカレバー102及び入力ロッカレバー104、106、108のそれぞれと各々接触し、対応するローラ110、112、114をそれぞれのカムシャフトローブ93、95と接触するように付勢するばね124、126、128を含む。出力ロッカレバー102のそれぞれのアーム102a、102bに、更には、吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの対応するバルブに接続される液圧ラッシュアジャスタ130、132も例示されている。付勢機構122は、例示された実施形態では液圧ラッシュアジャスタ130、132とは反対側のロッカシステム100の側に位置しているが、これは必須ではない。別の実施形態では、液圧ラッシュアジャスタ130、132の代わりに、又はそれらに加えて、調整ネジ又はエレファントフットが設けられてもよい。気筒頭部に取り付けるためにロッカ台座134を設けることもできるが、ロッカ台座134のない実施形態も企画される。加えて、ロッカレバーが載置される気筒頭部に組み込まれたエンドピボットなどの任意の好適なエンジン構成要素の周りにロッカレバーが載置可能である、ロッカシャフト120のない実施形態が企図される。
【0050】
ロッカシステム100は、第1の入力ロッカレバー104を出力ロッカレバー102に選択的に接続若しくは結合し、及び接続解除若しくは結合解除し、関連付けられたカムシャフトローブ93a、95aからの吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24の接続されたものへの動きを伝達するか、又はそれらの動きの伝達を防止するための第1のバルブリフトスイッチ150を含むことができる。ロッカシステム100はまた、第2及び第3の入力ロッカレバー106、108のうちの一方又は両方を出力ロッカレバー102に選択的に接続及び結合し、関連付けられたカムシャフトローブ93b、95b、93c、95cからの吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24の接続されたものへの動きを伝達するか、又はそれらの動きの伝達を防止するための第2のバルブリフトスイッチ200を含むことができる。上で論じたように、カムシャフトローブ93、95のうちの1つ以上は、スイッチ150及び/又はスイッチ200の作動のために、関連付けられたロッカレバー104、106、108を位置合わせする第3の部分516を備えたローブプロファイル、及びスイッチ150及び/又はスイッチ200の作動を防止するために、関連付けられたロッカレバー104、106、108をずらす、第1の部分512に沿った異なるサイズの基本円を含むことができる。
【0051】
図15~
図17を更に参照すると、第1のバルブリフトスイッチ150は、出力ロッカレバー102内に、及びそこから第1の入力ロッカレバー104まで延在する孔152内に収容されている。第1のスイッチ150は、端部どうしを当接係合した複数のシャーピン部170、172、174を備えたばね付勢の第1のバルブリフトピン156を含む第1のバルブリフトピンアセンブリ154を含む。
図15に示されるように、第1のバルブリフトピン156は、通常、第1の入力ロッカレバー104が出力ロッカレバー102に接続されるように、ばね158a、158bを介して係合位置に付勢される。係合位置では、バルブリフトピン156がロッカレバー102と104との間でジョイント160、162に架かり、ジョイント160、162において剪断界面160a、162aを形成する。第1のバルブリフトスイッチ150の係合位置は、カムシャフトローブ92a、94aから吸気バルブ22又は排気バルブ24の標準又は公称リフトが要求される動作状態中に使用される。
【0052】
ロッカレバー102、104を互いから接続解除又は結合解除するために、液圧流体圧力が、エンジン12の液圧システムを介して、エンジン12のロッカシャフト120から、開口部166を通して孔152内に、及び孔152の一方の端部の空間164内に供給される。
図16及び
図17に示されるように、液圧は、バルブリフトピン156を基部168と接触させるように変位させて、ばね158a、158bを圧縮する。この状態では、シャーピン部170と172との間の接合部がジョイント160と整列され、シャーピン部172と174との間の接合部がジョイント162と整列される。この係合解除位置は、第1のバルブリフトピン156のどの部分もジョイント160、162に架からないので、剪断界面160a、162aが除去される。その結果、第1の入力ロッカレバー104の回転は出力ロッカレバー102には伝達されず、カムシャフトローブ93a、95aによって付与される動きは、吸気バルブ22又は排気バルブ24には伝達されず、付勢ばね124によって吸収される。第1のバルブリフトスイッチ150の非係合位置は、気筒休止が所望される運転条件中、及び/又は第2及び第3の入力ロッカ106、108からの交互のリフトプロファイルがカムシャフトローブ93b、95b、93c、95cから所望される間に使用される。
【0053】
第2のバルブリフトスイッチ200は、出力ロッカレバー102内に、及びそこから第2の入力ロッカレバー106及び第3の入力ロッカレバー108まで延在する孔202に収容されている。第2のバルブリフトスイッチ200は、端部どうしを当接係合した複数のシャーピン部220、222を備えた第2のバルブリフトピン206を含む第2のバルブリフトピンアセンブリ204を含む。
図15及び
図16に示されるように、第2のバルブリフトピン206は、通常、ばね208を介して係合解除位置に付勢される。
【0054】
図17に示される係合位置では、第2の入力ロッカレバー106及び第3の入力ロッカレバー108が出力ロッカレバー102に接続される。係合位置では、バルブリフトピン206がロッカレバー102、106、108の間でジョイント210、212に架かり、ジョイント210、212において剪断界面210a、212aを形成する。第2のバルブリフトスイッチ200の係合位置は、吸気バルブ22又は排気バルブ24の代替リフトが入力ロッカレバー106、108を介してカムシャフトローブ93b、95b、93c、95cから得られることが所望される動作条件中に使用される。ロッカレバー102、106、108を互いに接続又は結合するために、液圧流体圧力が、エンジン12の液圧システムを介して、エンジン12のロッカシャフト120から、開口部216を通して、孔202内に、及び孔202の一方の端部の制御圧力空間214内に供給される。
図17に示されるように、液圧流体圧力は、バルブリフトピン206を基部218と接触させるように変位させて、ばね208を圧縮する。
【0055】
図15及び
図16の係合解除状態では、シャーピン部220と222との間の接合部がジョイント210と整列し、シャーピン部222の端部が、シャーピン部222がジョイント212に架からないように、出力ロッカレバー102内に位置付けられている。この係合解除位置は、第2のバルブリフトピン206のどの部分もジョイント210、212に架からないので、剪断界面210a、212aが除去される。その結果、第2及び第3の入力ロッカレバー106、108の回転は出力ロッカレバー102に伝達されず、カムシャフトローブ93b、95b、93c、95cによって付与される動きは、吸気バルブ22又は排気バルブ24には伝達されず、付勢ばね126、128によって吸収される。第2のバルブリフトスイッチ200の非係合位置は、気筒休止が所望される動作条件中、又は第1の入力ロッカ104からの公称又は標準リフトプロファイルのみがカムシャフトローブ93a、95aに所望される間使用される。
【0056】
図18~
図22は、別の実施形態のロッカシステム300を例示する。ロッカシステム300は、上述のロッカシステム100と同様とすることができ、以下の説明は、ロッカシステム100とは異なるロッカシステム300の特徴を対象とする。上で論じたロッカシステム100の1つ以上の態様又は特徴は、ロッカシステム300に提供することができ、逆も可能である。
【0057】
図18及び
図19を参照すると、ロッカシステム300は、出力ロッカレバー302と、第1の入力ロッカレバー304と、第2の入力ロッカレバー306と、第3の入力ロッカレバー308と、を含み、各々が、ロッカシャフト120などのエンジン構成要素に回転可能に取り付け可能である。第1の入力ロッカレバー304は、対応するカムシャフトローブ93a、95aと接触する第1のローラ310を含む。第2の入力ロッカレバー306は、対応するカムシャフトローブ93b、95bと接触する第2のローラ312を含む。第3の入力ロッカレバー308は、対応するカムシャフトローブ93c、95cと接触する第3のローラ314を含む。入力ロッカレバー304、306、308のうちの1つ以上は、それぞれのカムシャフトローブ93、95から吸気バルブ22又は排気バルブ24の接続されたものに動きを伝達するように、出力ロッカレバー302に選択的に接続可能である。加えて、入力ロッカレバー304、306、308は、気筒休止中にバルブリフトが提供されないように、出力ロッカレバー302から接続解除することができる。
【0058】
付勢機構322は、出力ロッカレバー302及び入力ロッカレバー304、306、308のそれぞれの1つと各々接触し対応するローラ310、312、314を付勢してそれぞれのカムシャフトローブと接触させるばね324、326、328を含む。付勢機構322は、第1の入力ロッカレバー304のばね324がロッカアセンブリの液圧ラッシュアジャスタ330、332と同じ側に設けられている点で付勢機構122とは異なる。液圧ラッシュアジャスタ330、332は、出力ロッカレバー302のそれぞれのアーム302a、302b及び吸気バルブ22又は排気バルブ24の対応するものに接続される。
【0059】
ロッカシステム300は、第1の入力ロッカレバー304を出力ロッカレバー302に選択的に接続又は接続解除し、関連付けられたカムシャフトローブ93a、95aからの吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24の接続されたものへの動きを伝達するか、又はそれらの動きの伝達を防止するための第1のバルブリフトスイッチ350を含む。ロッカシステム300はまた、第2及び第3の入力ロッカレバー306、308のうちの1つ又は両方を出力ロッカレバー302に選択的に接続及び結合し、関連付けられたカムシャフトローブ93b、95b、93c、95cからの吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24の接続されたものへの動きを伝達するか、又はそれらの動きの伝達を防止するための第2のバルブリフトスイッチ400を含む。上で論じたように、カムシャフトローブ93、95のうちの1つ以上は、スイッチ350及び/又はスイッチ400の作動のために、関連付けられたロッカレバー304、306、308を位置合わせする第3の部分516を備えたローブプロファイル、及びスイッチ350及び/又はスイッチ400の作動を防止するために、関連付けられたロッカレバー304、306、308をずらす、第1の部分512に沿った異なるサイズの基本円を含むことができる。
【0060】
図20~
図22を更に参照すると、第1のバルブリフトスイッチ350は、出力ロッカレバー302内に、及びそこから第1の入力ロッカレバー304まで延在する孔352内に収容されている。
図20に示されるように、第1のバルブリフトスイッチ350は、第1のバルブリフトピンアセンブリ354を含み、これは、通常、第1の入力ロッカレバー304が出力ロッカレバー302に接続されるように、ばね358を介して互いから離れるように係合位置に付勢される複数のシャーピン部370、372を備えた第1のバルブリフトピン356を含む。係合位置では、バルブリフトピン356がロッカレバー302と304との間でジョイント360、362に架かり、ジョイント360、362において剪断界面360a、362aを形成する。第1のスイッチ150の係合位置は、カムシャフトローブ93a、95aから吸気バルブ22又は排気バルブ24の基準又は公称リフトが要求される動作状態中に使用される。
【0061】
ロッカレバー302、304を互いから接続解除又は結合解除するために、液圧流体圧力が、エンジン12の液圧システムを介して、エンジン12のロッカシャフト120から、開口部366a、366bを通して孔352内に、及び孔352の対向する両端部の空間364a、364b内に供給される。
図21及び
図22に示されるように、液圧流体圧力は、ばね358を圧縮することによって、シャーピン部370、372を互いに向かって変位させる。この状態では、シャーピン部370、372全体が第1の入力ロッカレバー304内に移動される。この係合解除位置は、第1のバルブリフトピン356のどの部分もジョイント360、362に架からないので、剪断界面160a、162aが除去される。結果として、第1の入力ロッカレバー304の回転は、出力ロッカレバー302に伝達されず、カムシャフトローブ93a、95aによって付与される動きは、吸気バルブ22又は排気バルブ24に伝達されない。第1のバルブリフトスイッチ350の非係合位置は、気筒休止が所望される運転条件中、及び/又は第2及び第3の入力ロッカ306、308からの交互のリフトプロファイルがカムシャフトローブ93b、95b、93c、95cから所望される間に使用される。
【0062】
第2のバルブリフトスイッチ400は、出力ロッカレバー302、第2の入力ロッカレバー306、及び第3の入力ロッカレバー308の孔402内に収容されている。第2のバルブリフトスイッチ400は、複数のシャーピン部420、422を備えた第2のバルブリフトピン406を孔402含む第2のバルブリフトピンアセンブリ404を含む。
図20及び
図21に示されるように、シャーピン部420及びシャーピン部422は、通常、孔402内でばね408、409を介して互いに向かって、及び中央基部418に対して係合解除位置に付勢される。
【0063】
図22に示される係合位置では、第2の入力ロッカレバー306及び第3の入力ロッカレバー308が出力ロッカレバー302に接続される。係合位置では、シャーピン406のシャーピン部420、422がロッカレバー302、306、308の間でジョイント410、412に架かり、ジョイント410、412において剪断界面410a、412aを形成する。第2のバルブリフトスイッチ400の係合位置は、吸気バルブ22又は排気バルブ24の代替リフトが入力ロッカレバー306、308を介してカムシャフトローブ93b、95b、93c、95cから得られることが所望される動作条件中に使用される。ロッカレバー302、306、308を互いに接続又は結合するために、液圧流体圧力が、エンジン12の液圧システムを介して、エンジン12のロッカシャフト120から、開口部416を通して、孔402内に、及びシャーピン部420と422と間の孔402の制御圧力空間414内に供給される。
図22に示されるように、液圧流体圧力は、シャーピン部420、422を基部418から変位させ、シャーピン部がジョイント410、412に架かるようにばね408、409を圧縮する。
【0064】
係合解除状態では、シャーピン部420、422が、シャーピン部420、422がジョイント410、412に架からないように、出力ロッカレバー302内に位置付けられる。この係合解除位置は、第2のバルブリフトピン406のどの部分もジョイント410、412に架からないので、剪断界面410a、412aが除去される。結果として、第2の入力ロッカレバー306及び第3の入力ロッカレバー308の回転は、出力ロッカレバー302に伝達されず、カムシャフトローブ93b、95b、93c、95cによって付与された動きは、吸気バルブ22又は排気バルブ24に伝達されない。第2のバルブリフトスイッチ400の係合解除位置は、気筒休止が要求される動作状態中に、又は第1の入力ロッカレバー304からの公称又は標準リフトプロファイルがカムシャフトローブ93a、95aから所望される間に使用される。
【0065】
本明細書で開示されるロッカシステム100、300は、単一の液圧アクチュエータを使用して、エンジン12の1つ以上の気筒14の吸気バルブ及び/又は排気バルブにおいて複数の動作モードを提供することを可能にすることができる。動作モードは、例えば、標準リフトプロファイル、気筒休止によりリフトなし、及び交互リフトプロファイルを含むことができる。交互リフトプロファイルは、例えば、4行程圧縮ブレーキ又は2行程圧縮ブレーキなどのエンジンブレーキを提供するためのものであり得る。吸気バルブ及び排気バルブの2行程圧縮ブレーキバルブリフトプロファイルは、
図3にIV2及びEV2で示されている。圧縮ブレーキ用のリフトプロファイル以外の他の代替リフトプロファイルも企画される。
【0066】
本開示のロッカシステムを使用することによって、バルブ作動アセンブリをアップグレードすることができる。例えば、バルブ作動システムは、吸気バルブ及び排気バルブの標準リフト機能から、気筒休止又は4行程圧縮ブレーキを含むようにアップグレードすることができる。バルブ作動システムはまた、吸気バルブ及び排気バルブの標準リフト機能から、気筒休止及び4行程圧縮ブレーキを含むようにアップグレードすることもできる。バルブ作動システムはまた、吸気バルブ及び排気バルブの標準リフト機能から、気筒休止及び2行程圧縮ブレーキを含むようにアップグレードすることもできる。
【0067】
内燃エンジンシステム10の動作中に、コントローラ80は、I/Oインターフェースを通して、上で列記した様々なセンサから情報を受信し、受信した情報をコントローラ80のメモリに記憶されたアルゴリズムに基づいてプロセッサを使用して処理し、次いで、I/Oインターフェースを通して様々なアクチュエータにコマンド信号を送信することができる。例えば、コントローラ80は、気筒休止状態、エンジンブレーキの要求、車両又はエンジンの速度要求、燃焼状態、処理後の温度状態、及び/又はエンジン負荷状態、に関する情報を受信することができる。コントローラ80は、状態及び/又は要求を処理し、次いで、制御戦略に基づいて、関連付けられたカムシャフトローブ及び入力ロッカレバーを使用して気筒休止及び/又は交互バルブリフトプロファイルを提供するように、1つ以上のアクチュエータに1つ以上のコマンド信号を送信するように構成されている。
【0068】
コントローラ80は、VAシステム90を使用して、開示される気筒休止及び交互バルブリフト戦略を実施するように構成することができる。1つの実施形態では、開示される方法及び/又はコントローラ構成は、内燃エンジンシステム10の上で説明した複数のセンサのうちの1つ以上からの1つ以上の信号に基づく気筒休止状態又はエンジン運転状態に応答して気筒休止コマンド又は交互バルブリフトコマンドを提供する、コントローラ80を含む。気筒休止及び交互バルブリフトコマンドは、入力のカムシャフトローブを切り替えて、所望の吸気バルブ及び排気バルブの閉鎖又は開閉のリフトプロファイル及び/若しくはタイミングを提供するように、VA機構90を制御する。
【0069】
コントローラ80によって実施される制御手順は、コントローラ80のプロセッサがコントローラ80のメモリに記憶されたプログラム命令(アルゴリズム)を実行することによって実行することができる。本明細書の説明は、内燃エンジンシステム10によって実施することができる。特定の実施形態では、内燃エンジンシステム10は、1つ以上の目標状態を達成する際に内燃エンジンシステム10を制御するために特定の動作を実行するように構造化又は構成されたコントローラ80を更に含む。特定の実施形態では、コントローラは、メモリ、処理、及び通信ハードウェアを有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含むプロセスサブシステムの一部分を形成する。コントローラは、単一の装置又は分散した装置であり得、コントローラ80の機能は、ハードウェアによって及び/又はコンピュータ可読媒体上に符号化された命令によって実行することができる。
【0070】
特定の実施形態では、コントローラ80は、コントローラの動作を機能的に実行するように構造化された1つ以上のモジュールを含む。モジュールを含む本明細書の説明は、コントローラの態様からの構造的な独立性を強調し、コントローラの動作及び役割の1つの群を例示する。同様の全体的な動作を実行する他の群が、本出願の範囲内で理解される。モジュールは、ハードウェア及び/又は非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上のソフトウェアで実施され得、モジュールは、様々なハードウェア又は他のコンピュータ構成要素にわたって分散され得る。
【0071】
本明細書で説明される特定の動作は、1つ以上のパラメータを解釈又は決定するための動作を含む。本明細書で利用するとき、解釈又は決定することは、少なくとも、データリンク又はネットワーク通信から値を受信すること、値を示す電子信号(例えば、電圧、周波数、電流、又はPWM信号)を受信すること、値を示すソフトウェアパラメータを受信すること、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上のメモリロケーションから値を読み出すこと、当技術分野で既知の手段によって実行時パラメータとして値を受信することを含む、当技術分野で既知の任意の方法によって、並びに/又は解釈若しくは決定されたパラメータを計算することができる値を受信することによって、並びに/又はパラメータ値であると解釈若しくは決定されたデフォルト値を参照することによって、値を受信することを含む。
【0072】
様々な本開示の態様は、本明細書に記載されるように企図される。一態様によれば、少なくとも1つのカムシャフトローブを含むカムシャフトを有する内燃エンジン用のロッカシステムが開示され、少なくとも1つのカムシャフトローブは、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分を有するカムローブプロファイルを含む。ロッカシステムは、少なくとも1つのカムシャフトローブから受け取った動きに応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの入力ロッカレバーと、エンジン構成要素の周りを回転可能な出力ロッカレバーと、を含む。出力ロッカレバーは、内燃エンジンの気筒に関連付けられる少なくとも1つの入力ロッカレバーに選択的に吸気バルブ及び排気バルブのうちの少なくとも1つの開閉を制御するために、少なくとも1つの入力ロッカレバーに選択的に結合することができる。少なくとも1つの入力ロッカは、少なくとも1つの入力ロッカレバーが出力ロッカレバーに結合されている間、排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つの所望のリフトを生成するように、カムローブプロファイルの第1の部分によって回転される。少なくとも1つの入力ロッカは、少なくとも1つの入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとの結合を防止するために、少なくとも1つの入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとをずらすように、カムローブプロファイルの第2の部分によって回転される。少なくとも1つの入力ロッカレバーは、少なくとも1つの入力ロッカレバーを出力ロッカレバーに結合するために、少なくとも1つの入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとを位置合わせするように、カムローブプロファイルの第3の部分によって回転される。
【0073】
一実施形態では、少なくとも1つの入力ロッカレバーは、内燃エンジンのクランクシャフトのクランク角度の第1の範囲にわたって出力ロッカレバーとの係合を切り替えるために、出力ロッカレバーと位置合わせされる。
【0074】
更なる実施形態では、少なくとも1つの入力ロッカは、内燃エンジンのクランクシャフトのクランク角度の第2の範囲にわたって出力ロッカレバーとの係合を切り替えることを防止するために、出力ロッカとずらされる。別の更なる実施形態では、出力ロッカレバーは、入力ロッカレバーとの係合を切り替えながら、排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つの開閉を制御する。
【0075】
一実施形態では、ロッカシステムは、少なくとも1つのカムシャフトローブの第1の部分から排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つに動きを伝達するために少なくとも1つの入力ロッカが出力ロッカと位置合わせされているときに、少なくとも1つの入力ロッカレバーを出力ロッカレバーに結合するための少なくとも1つのバルブリフトスイッチを含む。
【0076】
更なる実施形態では、少なくとも1つの入力ロッカレバーは、第1の入力ロッカレバーを含み、ロッカシステムは、第2の入力ロッカレバーを含み、第1及び第2の入力ロッカレバーは各々、カムシャフトの第1のカムシャフトローブ及び第2のカムシャフトローブのそれぞれのものから受け取った動きに応じて、エンジン構成要素の周りを回転可能である。
【0077】
更に別の実施形態では、少なくとも1つのバルブリフトスイッチは、第1及び第2の入力ロッカレバーの各々を出力ロッカレバーに選択的に結合するように移動可能な少なくとも1つのピンを含む。更に別の実施形態では、少なくとも1つのバルブリフトスイッチは、第1の入力ロッカレバーを出力ロッカレバーに選択的に結合するように移動可能な第1のピンと、第2の入力ロッカレバーを出力ロッカレバーに選択的に結合するように移動可能な第2のピンとを含む。
【0078】
本開示の別の態様によれば、内燃エンジン用のカムシャフトが提供される。エンジンは、気筒と、気筒に関連付けられた吸気バルブ及び排気バルブのうちの少なくとも1つとを有する。カムシャフトは、ロッカレバーの移動を誘導する少なくとも1つのカムシャフトローブによって、排気バルブ及び吸気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを制御するように構成された少なくとも1つのカムシャフトローブを含む。少なくとも1つのカムシャフトローブは、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分を含むカムローブプロファイルを含む。第1の部分は、ロッカレバーが排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つに関連付けられている間に、ロッカレバーを介して排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つを開くためのリフトを生成する。第2の部分は、ロッカレバーと排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つとの関連付けを防止するために、ロッカレバーをずらす。第3の部分は、ロッカレバーを排気バルブ及び吸気バルブのうちの少なくとも1つに関連付けるためにロッカレバーを位置合わせさせる。
【0079】
一実施形態では、カムローブプロファイルの第3の部分は、内燃エンジンのクランクシャフトのクランク角度の第1の範囲にわたってロッカレバーを持ち上げる一定リフトプロファイルである。
【0080】
更なる実施形態では、カムローブプロファイルの第2の部分は、カムローブプロファイルの第1の部分からカムローブプロファイルの第3の部分まで延在する基礎円プロファイルである。別の更なる実施形態では、カムローブプロファイルの第3の部分は、一定リフトプロファイルよりもサイズが小さい移行部分によって、カムローブプロファイルの第1の部分に接続される。
【0081】
別の態様によれば、内燃エンジンのバルブトレインが提供される。バルブトレインは、吸気バルブ又は排気バルブのうちの1つと、カムシャフトロブ(lob)を含むカムシャフトと、カムシャフトローブによって移動可能な第1のロッカレバーと、第1のロッカレバーを第2のロッカレバーに選択的に結合するための切り替え装置と、を含む。カムシャフトローブは、第1のロッカレバーを介して、カムシャフトローブに関連付けられた吸気バルブ又は排気バルブの一方を持ち上げる第1の部分と、第1のロッカレバーと第2のロッカレバーとをずらす第2の部分と、第1のロッカレバーを第2のロッカレバーと位置合わせする第3の部分と、を有するリフトプロファイルを含む。
【0082】
一実施形態では、第2の少なくとも1つの他のロッカレバーは、吸気バルブ又は排気バルブのうちの1つに接続された出力ロッカレバーである。
【0083】
一実施形態では、第2のロッカレバーは、第2のカムシャフトローブによって移動される。第2のカムシャフトローブは、第2のロッカレバーを介して第2のカムシャフトローブに関連付けられたときに吸気バルブ又は排気バルブのうちの1つを持ち上げる第2のリフトプロファイルを含み、第2のカムシャフトローブは、カムシャフトローブの第3の部分と同じサイズである基礎円部分を含む。
【0084】
一実施形態では、カムシャフトローブのリフトプロファイルの第2の部分は、第1のロッカレバーと第2のロッカレバーとの結合を防止するために、切り替え装置をずらす。
【0085】
一実施形態では、カムシャフトローブのリフトプロファイルの第2の部分は、第1のロッカレバーを第2のロッカレバーと結合するように切り替え装置を位置合わせする。
【0086】
一実施形態では、切り替え装置は、第1及び第2のロッカレバーが互いに結合されていないときに、第1及び第2のロッカレバーのうちの1つに収容される少なくとも1つのピンを含む。更なる実施形態では、少なくとも1つのピンは、第1及び第2のロッカレバーが互いに結合されたときに、第1のロッカレバーと第2のロッカレバーとの間に架かる。
【0087】
本開示の別の態様は、ロッカシステムを動作させる方法を含む。方法は、カムシャフトローブにより入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとを位置合わせすることを含む。位置合わせされた入力ロッカレバーを出力ロッカレバーに結合することと、カムシャフトローブによって誘導された入力ロッカレバーの移動に応答して、出力ロッカレバーにより吸気バルブ及び排気バルブのうちの少なくとも1つを持ち上げることと、入力ロッカレバーを出力ロッカレバーから結合解除することと、カムシャフトローブにより入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとが位置合わせされるまで入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとの結合を防止するために、カムシャフトローブにより入力ロッカレバーと出力ロッカレバーとをずらすことと、を含む。
【0088】
本発明は、図面及び上述の説明において詳細に例示及び説明してきたが、そのような例示及び説明は、例示的なものであり、特徴を限定するものではないとみなすべきであり、特定の例示的な実施形態だけが図示及び説明されていると理解するべきである。当業者は、本発明から物質的に逸脱することなく、多くの修正が例示的な実施形態に可能であることを理解するであろう。したがって、全てのそのような修正は、以下の請求項で定義されるような本開示の範囲内に含まれることを目的としている。
【0089】
特許請求の範囲を読む際に、「a」、「an」、「少なくとも1つの」、又は「少なくとも1つの部分」などの語が使用される場合、特許請求の範囲において特に反対の記載がない限り、特許請求の範囲を1つの項目のみに限定する意図はないことが意図される。「少なくとも一部」/又は「一部分」という言葉が使用される場合、その項目は、特に反対の記載がない限り、その項目の一部分及び/又は全体を含むことができる。
【国際調査報告】