(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電力制御装置および方法
(51)【国際特許分類】
H02J 3/32 20060101AFI20241128BHJP
H01F 30/10 20060101ALI20241128BHJP
H01F 30/12 20060101ALI20241128BHJP
H02J 15/00 20060101ALI20241128BHJP
H02J 3/30 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H02J3/32
H01F30/10 A
H01F30/10 C
H01F30/10 M
H01F30/12 C
H01F30/12 A
H02J15/00 A
H02J15/00 H
H02J15/00 E
H02J3/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545923
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2022084189
(87)【国際公開番号】W WO2023104654
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523283966
【氏名又は名称】エノダ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ENODA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】スコービー, アンドリュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, イーホン
(72)【発明者】
【氏名】ランツベルガー, ハンス‐トーマス
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066HA15
5G066HB08
5G066HB09
5G066JB02
5G066JB03
5G066JB04
5G066JB06
(57)【要約】
電力信号を変調するための電力制御装置および電力信号を変調するための方法が論じられる。一例では、電力制御装置は、第1の肢部および第2の肢部を備える磁気コアを備える。一次巻線が、第1の肢部の周りに配置されており、二次巻線が、第2の肢部の周りに配置されている。電力制御装置は、AC接続およびDC接続を有する電圧源コンバータと、コントローラと、を備える。コントローラは、一次巻線内の第1の信号のパラメータに関連するデータを受信し、第1の信号のパラメータを二次巻線に対する基準信号のパラメータと比較し、かつ第1の肢部に印加されたときに二次巻線内の第2の信号を基準信号に近似させる調和信号を決定するように構成されている。コントローラは、電圧源コンバータを使用して調和信号を第1の肢部に印加させるように構成されている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の肢部、第2の肢部、および第3の肢部を備える磁気コアであって、
前記第1の肢部、前記第2の肢部、および前記第3の肢部が各々、円弧状肢部であり、
各肢部が、中心軸線の周りに配置されており、
各肢部が、第1の端部および第2の端部を有し、
前記肢部の前記第1の端部が、前記中心軸線に沿った第1の位置で相互に接続されており、
前記肢部の前記第2の端部が、前記中心軸線に沿った第2の位置で相互に接続されている、
磁気コアと、
前記第1の肢部の周りに配置された一次巻線と、
前記第2の肢部の周りに配置された第2の二次巻線と、
前記第3の肢部の周りに配置された第3の二次巻線と、
AC接続およびDC接続を有する電圧源コンバータと、
コントローラであって、
前記一次巻線内の第1の信号のパラメータに関連するデータを受信し、
前記第1の信号の前記パラメータを前記第2の二次巻線および前記第3の二次巻線の各々に対するそれぞれの基準信号のパラメータと比較し、
調和信号であり、該調和信号が前記第1の肢部に印加されたときに前記第2の二次巻線および前記第3の二次巻線の各々内のそれぞれの第2の信号を前記それぞれの基準信号に近似させる調和信号を決定し、かつ
前記電圧源コンバータを使用して前記調和信号を前記第1の肢部に印加させる
ように構成されている、コントローラと、
を備える、電力制御装置。
【請求項2】
前記電圧源コンバータの前記AC接続が、前記一次巻線に電気的に結合されており、
前記コントローラが、前記電圧源コンバータを使用して前記調和信号を前記一次巻線に印加させることによって、前記電圧源コンバータを使用して前記調和信号を前記第1の肢部に印加させるように構成されている、請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項3】
前記電圧源コンバータの前記AC接続が、前記一次巻線に沿ったタップに電気的に結合されている、請求項2に記載の電力制御装置。
【請求項4】
前記第1の肢部の周りに配置された変調巻線を備え、
前記電圧源コンバータの前記AC接続が、前記変調巻線に電気的に結合されており、
前記コントローラが、前記電圧源コンバータを使用して前記調和信号を前記変調巻線に印加させることによって、前記電圧源コンバータを使用して前記調和信号を前記第1の肢部に印加させるように構成されている、請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項5】
前記電圧源コンバータが、第1の電圧源コンバータであり、前記電力制御装置が、AC接続およびDC接続を有する第2の電圧源コンバータを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項6】
前記第2の電圧源コンバータの前記AC接続が、前記第2の二次巻線に電気的に結合されている、請求項5に記載の電力制御装置。
【請求項7】
前記第2の電圧源コンバータの前記AC接続が、前記第2の二次巻線に沿ったタップに電気的に結合されている、請求項6に記載の電力制御装置。
【請求項8】
前記第2の電圧源コンバータの前記AC接続が、前記第2の二次巻線の負荷に電気的に並列に結合されている、請求項6に記載の電力制御装置。
【請求項9】
前記第2の肢部の周りに配置された第2の変調巻線を備え、前記第2の電圧源コンバータの前記AC接続が、前記第2の変調巻線に電気的に結合されている、請求項5に記載の電力制御装置。
【請求項10】
エネルギー貯蔵手段を備え、前記エネルギー貯蔵手段が、前記電圧源コンバータの前記DC接続に結合されており、
前記エネルギー貯蔵手段が、コンデンサ、バッテリ、フライホイール、熱エネルギー貯蔵装置、電解槽、ヒートポンプ、および空気圧縮機のうちの1つ以上を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項11】
前記磁気コアが、トロイダル形状を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項12】
前記一次巻線が、第1の一次巻線であり、
前記電力制御装置が、前記第2の肢部の周りに配置された第2の一次巻線と、前記第3の肢部の周りに配置された第3の一次巻線と、を備え、
前記第1の一次巻線、前記第2の一次巻線、および前記第3の一次巻線の各々が、三相AC信号の異なる位相を搬送するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項13】
前記第1の肢部の周りに配置された第1の二次巻線を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項14】
前記調和信号が、前記第2の二次巻線および前記第3の二次巻線の各々内の前記それぞれの第2の信号を、前記第1の信号内の高調波を補償することによって前記それぞれの基準信号に近似させ、その結果、前記高調波が、前記それぞれの第2の信号において除去または低減される、請求項1~13のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項15】
前記調和信号が、前記第1の一次巻線、前記第2の一次巻線、および前記第3の一次巻線の各々内の電流の大きさを、前記第1の一次巻線、前記第2の一次巻線、および前記第3の一次巻線の間で均等に再分配させる、請求項12~14のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項16】
前記電圧源コンバータが、炭化ケイ素系金属酸化膜半導体電界効果トランジスタおよび/または窒化ガリウムトランジスタを備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項17】
第1の肢部、第2の肢部、および第3の肢部を備える磁気コアを有する電力制御装置の第2の二次巻線および第3の二次巻線の各々内のそれぞれの第2の信号を変調するコンピュータ実装方法であって、
前記第1の肢部、前記第2の肢部、および前記第3の肢部が各々、円弧状肢部であり、
各肢部が、中心軸線の周りに配置されており、
各肢部が、第1の端部および第2の端部を有し、
前記肢部の前記第1の端部が、前記中心軸線に沿った第1の位置で互いに接続されており、
前記肢部の前記第2の端部が、前記中心軸線に沿った第2の位置で互いに接続されており、
一次巻線が、前記第1の肢部の周りに配置されており、
前記第2の二次巻線が、前記第2の肢部の周りに配置されており、
前記第3の二次巻線が、前記第3の肢部の周りに配置されており、前記方法が、
前記一次巻線内の第1の信号のパラメータに関連するデータを受信するステップと、
前記第1の信号の前記パラメータを前記第2の二次巻線および前記第3の二次巻線の各々に対するそれぞれの基準信号のパラメータと比較するステップと、
調和信号であり、該調和信号が前記第1の肢部に印加されたときに前記第2の二次巻線および前記第3の二次巻線の各々内の前記それぞれの第2の信号を前記それぞれの基準信号に近似させる調和信号を決定するステップと、
電圧源コンバータを使用して前記調和信号を前記第1の肢部に印加させるステップと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記電圧源コンバータを使用して前記調和信号を前記第1の肢部に前記印加させるステップが、
前記電圧源コンバータを使用して前記調和信号を前記一次巻線に印加させるステップ
を含む、請求項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
電圧源を使用して前記調和信号を前記一次巻線に印加させるステップが、
前記電圧源コンバータを使用して前記調和信号を前記一次巻線内のタップに印加させるステップ
を含む、請求項18に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記電圧源コンバータを使用して前記調和信号を前記第1の肢部に前記印加させるステップが、
前記電圧源コンバータを使用して前記調和信号を変調巻線に印加させるステップであり、前記変調巻線が、前記第1の肢部の周りに配置されている、印加させるステップ
を含む、請求項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
前記調和信号が、前記第2の二次巻線および前記第3の二次巻線の各々内の前記それぞれの第2の信号を、前記第1の信号内の高調波を補償することによって前記それぞれの基準信号に近似させ、その結果、前記高調波が、前記それぞれの第2の信号において除去または低減される、請求項17または18に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項22】
前記一次巻線が、第1の一次巻線であり、
前記電力制御装置が、前記第2の肢部の周りに配置された第2の一次巻線と、前記第3の肢部の周りに配置された第3の一次巻線と、を備え、
前記第1の一次巻線、前記第2の一次巻線、および前記第3の一次巻線の各々が、三相AC信号の異なる位相を搬送するように構成されており、
前記調和信号が、前記第1の一次巻線、前記第2の一次巻線、および前記第3の一次巻線の各々内の電流の大きさを、前記第1の一次巻線、前記第2の一次巻線、および前記第3の一次巻線の間で均等に再分配させる、請求項17~19のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]以下の開示は、電力信号を変調するための電力制御装置および電力信号を変調するための方法に関する。
【背景】
【0002】
[0002]信頼できる商用電源を維持するには、電力網の電圧および周波数を目標範囲内に維持する必要がある。一般に、電気は、電気が生成されるときに消費されなければならず、それゆえに、電気ネットワークの目標電圧および周波数を維持するために供給と需要とのバランスがとられなければならない。
【0003】
[0003]電力の負荷平衡化には、典型的には、ディスパッチ可能な発電、すなわち、化石燃料ベースの発電所などの電力網オペレータの要求に応じてオンデマンドでディスパッチすることができる電力源の出力を調節するなどの様々な技術が含まれる。負荷平衡化を支援する別の例は、揚水水力発電を採用して重力ポテンシャルエネルギーの形態でエネルギーを貯蔵することである。
【0004】
[0004]風力発電および太陽光発電などのディスパッチ不能な再生可能エネルギー源の発電は、電力網オペレータによって容易に制御することができない。このようなディスパッチ不能な再生可能エネルギー源の浸透率の増加は、負荷平衡化、ひいては周波数安定性の課題をますます呈している。例えば、太陽光発電の電力生産が1日を通して行われると、ピーク需要とエネルギー生産との間にタイミングの不均衡が生じ、これは一般にダックカーブと呼ばれる。
【0005】
[0005]発電と消費との間の不均衡は、波形の高調波および電圧偏差に起因する電力網におけるエネルギー損失および不安定性につながり得、最終的に停電の形態の潜在的なシステム障害につながり得る。
【概要】
【0006】
[0006]本明細書で開示される電力制御装置は、近接場誘導および高速ディスパッチによる時変磁束変調によって、時間、空間、およびモードにおける仕事およびエネルギーの流れの最適化を可能にする。したがって、そのような電力制御装置は、負荷平衡化、電力潮流、および品質の最適化を援助するために使用することができる。
【0007】
[0007]電力制御装置が提供される。電力制御装置は、第1の肢部、第2の肢部、および第3の肢部を備える磁気コアを備える。各肢部は、中心軸線の周りに配置されており、各肢部は、第1の端部および第2の端部を有し、肢部の第1の端部は、中心軸線に沿った第1の位置で互いに接続されており、肢部の第2の端部は、中心軸線に沿った第2の位置で互いに接続されている。一次巻線が、第1の肢部の周りに配置されており、第1の二次巻線が、第1の肢部の周りに配置され得る。第2の二次巻線が、第2の肢部の周りに配置されており、第3の二次巻線が、第3の肢部の周りに配置されている。電力制御装置は、AC接続およびDC接続を有する電圧源コンバータと、コントローラと、を備える。コントローラは、一次巻線内の第1の信号のパラメータに関連するデータを受信し、第1の信号のパラメータを第2の二次巻線および第3の二次巻線の各々に対するそれぞれの基準信号のパラメータと比較し、調和信号であり該調和信号が第1の肢部に印加されたときに第2の二次巻線および第3の二次巻線の各々内のそれぞれの第2の信号をそれぞれの基準信号に近似させる調和信号を決定するように構成されている。コントローラは、電圧源コンバータを使用して調和信号を第1の肢部に印加させるように構成されている。
【0008】
[0008]電力制御装置は、例えば、商用電気システムにおける電力信号を変調する。例えば、基準信号は、50Hzまたは60Hzの周波数を有し得る。第1の信号のパラメータは、第1の信号の電圧、電流、周波数、位相角、および力率のうちの1つ以上を含み得る。
【0009】
[0009]電圧源コンバータのAC接続は、一次巻線に電気的に結合され得、コントローラは、電圧源コンバータを使用して調和信号を一次巻線に印加させることによって、電圧源コンバータを使用して調和信号を第1の肢部に印加させるように構成され得る。電圧源コンバータのAC接続は、一次巻線に沿ったタップに電気的に結合され得る。タップの代わりに、電力制御装置は、第1の肢部の周りに配置された変調巻線を備えてもよい。電圧源コンバータと一次巻線との間の接続の代わりに、電圧源コンバータのAC接続は変調巻線に電気的に結合されてもよく、コントローラは、電圧源コンバータを使用して調和信号を変調巻線に印加させることによって、電圧源コンバータを使用して調和信号を第1の肢部に印加させるように構成されてもよい。したがって、電圧源コンバータは、変調巻線を介して一次巻線に電磁結合される。変調巻線ではなく一次巻線内のタップ内に調和信号を印加することにより、巻線に必要な銅の量が削減され、かつ電力制御装置の動作中の銅損失が減少する。さらに、巻線内にタップを有する構成は、別個の変調巻線よりも、調和信号を誘導するために必要な磁気コアの表面積が少ない。
【0010】
[0010]電圧源コンバータは、第1の電圧源コンバータであり得、電力制御装置は、AC接続およびDC接続を有する第2の電圧源コンバータを備え得る。換言すれば、一次巻線および二次巻線の各々に電気的に結合された電圧源コンバータが存在し得る。第2の電圧源コンバータのAC接続は、第2の二次巻線に電気的に結合され得る。例えば、第2の電圧源コンバータは、第2の二次巻線に沿ったタップに電気的に結合され得る。タップの代わりに、第2の電圧源コンバータのAC接続が、第2の二次巻線に電気的に結合された負荷に電気的に並列に結合されてもよい。電圧源コンバータと一次巻線および二次巻線との間の接続の代わりに、電力制御装置は、肢部の周りに配置された第2の変調巻線を備えてもよく、第2の電圧源コンバータのAC接続は、第2の変調巻線に電気的に結合されてもよい。したがって、電圧源コンバータは、変調巻線を介して一次巻線および二次巻線の各々に電磁結合される。磁気コアの各側の構成要素の対称配置により、電圧垂下制御の適用を通じて信号周波数の安定化が可能になる。そしてまた、これにより、電力制御装置の両側に負の電力潮流および高い非線形負荷が存在する場合であっても、リアルタイムでの供給に対する需要(負荷)の一時的な平衡の達成が可能になる。
【0011】
[0011]電力制御装置は、エネルギー貯蔵手段を備え得る。エネルギー貯蔵手段は、電圧源コンバータのDC接続に結合され得る。エネルギー貯蔵手段は、電気エネルギーを、例えば、コンデンサまたはバッテリ内に貯蔵し得る。エネルギー貯蔵手段は、フライホイール内の回転エネルギー、または熱エネルギー貯蔵装置もしくはヒートポンプに対する熱エネルギーなどの異なる形態にエネルギーを変換し得る。エネルギー貯蔵手段は、電気エネルギーを変換して水を水素および酸素に電気分解し得、水素および酸素は各々、燃料として貯蔵され得る。エネルギー貯蔵手段内に貯蔵されたエネルギーは、後の時間に、例えば、商用電気システムにおける需要のピーク中に放出され得る。したがって、エネルギー貯蔵手段は、コンデンサ、バッテリ、フライホイール、熱エネルギー貯蔵装置、例えば結合された水素貯蔵ユニットを有する電解槽、例えば結合された熱エネルギー貯蔵装置を有するヒートポンプ、および例えば結合された空気タンクを有する空気圧縮機のうちの1つ以上を備え得る。電力制御装置が第2の電圧源コンバータを備える場合、エネルギー貯蔵手段はまた、第2の電圧源コンバータのDC接続に結合され得る。エネルギー貯蔵手段により、電力の一時的なシフト、すなわち負荷平衡化のためにエネルギーを貯蔵することが可能になる。
【0012】
[0012]磁気コアは、トロイダル形状を有し得る。一次巻線は、第1の一次巻線であり得、電力制御装置は、第2の肢部の周りに配置された第2の一次巻線と、第3の肢部の周りに配置された第3の一次巻線と、を備え得る。第1の一次巻線、第2の一次巻線、および第3の一次巻線の各々は、三相AC信号の異なる位相を搬送するように構成され得る。
【0013】
[0013]調和信号は、第2の二次巻線および第3の二次巻線の各々内の第2の信号を、第1の信号内の高調波を補償することによってそれぞれの基準信号に近似させ得、その結果、高調波が、それぞれの第2の信号において除去または低減される。それぞれの第2の信号の位相は、位相ロックループを使用して第1の信号の位相にロックされ得る。それぞれの第2の信号によるそれぞれの基準信号の近似は、基準信号のパラメータを一致させること、または実質的に一致させることを含み得る。
【0014】
[0014]調和信号は、第1の一次巻線、第2の一次巻線、および第3の一次巻線の各々内の電流の大きさを、第1の一次巻線、第2の一次巻線、および第3の一次巻線の間で均等に再分配させ得る。
【0015】
[0015]電圧源コンバータは、炭化ケイ素系金属酸化膜半導体電界効果トランジスタおよび/または窒化ガリウムトランジスタを備え得る。電圧源コンバータは、基準信号自体の周期的な持続時間、すなわち周波数よりも速いスイッチング速度を有し得る。例えば、電圧源コンバータは、1/100秒~1/500秒のスイッチング速度を有し得る。
【0016】
[0016]第1の肢部、第2の肢部、および第3の肢部を備える磁気コアを有する電力制御装置の第2の二次巻線および第3の二次巻線の各々内のそれぞれの第2の信号を変調するコンピュータ実装方法が提供される。一次巻線が、第1の肢部の周りに配置されており、第1の一次巻線が、第1の肢部の周りに配置され得る。第2の二次巻線が、第2の肢部の周りに配置されており、第3の二次巻線が、第3の肢部の周りに配置されている。第1の肢部、第2の肢部、および第3の肢部は各々、円弧状肢部であり、各肢部は、中心軸線の周りに配置されており、各肢部は、第1の端部および第2の端部を有し、肢部の第1の端部は、中心軸線に沿った第1の位置で互いに接続されており、肢部の第2の端部は、中心軸線に沿った第2の位置で互いに接続されている。方法は、一次巻線内の第1の信号のパラメータに関連するデータを受信するステップと、第1の信号のパラメータを第2の二次巻線および第3の二次巻線の各々に対するそれぞれの基準信号のパラメータと比較するステップと、調和信号であり該調和信号が第1の肢部に印加されたときに第2の二次巻線および第3の二次巻線の各々内のそれぞれの第2の信号をそれぞれの基準信号に近似させる調和信号を決定するステップと、電圧源コンバータを使用して調和信号を第1の肢部に印加させるステップと、を含む。
【0017】
[0017]電圧源コンバータを使用して調和信号を第1の肢部に印加させるステップは、電圧源コンバータを使用して調和信号を一次巻線に印加させるステップを含み得る。電圧源を使用して調和信号を一次巻線に印加させるステップは、電圧源コンバータを使用して調和信号を一次巻線内のタップに印加させるステップを含み得る。
【0018】
[0018]電圧源コンバータを使用して調和信号を第1の肢部に印加させるステップは、電圧源コンバータを使用して調和信号を変調巻線に印加させるステップをであり、変調巻線は、第1の肢部の周りに配置されている、印加させるステップを含み得る。
【0019】
[0019]調和信号は、第2の二次巻線および第3の二次巻線の各々内のそれぞれの第2の信号を、第1の信号内の高調波を補償することによってそれぞれの基準信号に近似させ、その結果、高調波が、それぞれの第2の信号において、すなわち相殺的干渉によって、除去または低減される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
[0020]本発明のさらなる詳細、態様、および実施形態は、図面を参照して、単なる例として説明される。図中の要素は、簡単かつ明瞭にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていない。理解を容易にするために、同様の参照番号がそれぞれの図面内に含まれている。
【
図12】
図12は、電力信号を変調する方法のフローチャートである。
【詳細な説明】
【0021】
[0021]本開示は、電圧波形および二乗平均平方根(RMS)電圧を有する入力信号の形態の入力電気エネルギーを受けることと、調和信号を印加して、所望の電圧波形および所望の出力RMS電圧を有する出力信号の形態の電気エネルギーを出力することと、を含む、電力制御装置および方法に関する。例えば、入力信号の波形には、ノイズおよび高調波歪みが含まれ得るが、これらは出力信号では抑制される。
【0022】
[0022]
図1を参照すると、電力制御装置100は、一次肢部104および二次肢部106を有する磁気コア102を備える。磁気コア102は、直線形状またはトロイダル形状であり得る。一次肢部104は、交流(AC)電源112に電気的に結合された一次巻線110を含む。二次肢部106は、負荷118に電気的に結合された二次巻線116を含む。負荷118は、電力制御装置100から電力を引き出す1つ以上の下流負荷であり得る。図では、負荷118は理想的な抵抗器として示されている。以下、磁気コア102は、一次巻線110および二次巻線116とともに電磁サブシステムと総称される。
【0023】
[0023]電力制御装置100は、電力をACから直流(DC)に変換するコンバータとして、および電力をDCからACに変換するインバータとしての両方として機能するように構成された電圧源コンバータ124を備える。電圧源コンバータ124は、複数のトランジスタおよび複数のコンデンサを備える。既知の電圧源コンバータの1つの例示的な形態は、マルチレベルコンバータ機構を含む。マルチレベルコンバータ機構は、直列に接続されたコンバータブリッジまたはセルを含み、各コンバータセルは、コンデンサに並列に接続された一対の直列接続トランジスタを含む。トランジスタは、炭化ケイ素系金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、および/または窒化ガリウムトランジスタであり得る。電圧源コンバータ124のAC端子は、一次巻線110内のタップ128に電気的に結合されている。電圧源コンバータ124のDC端子は、エネルギー貯蔵手段130に電気的に結合されている。
図1では、エネルギー貯蔵手段130は、コンデンサとして示されている。他の例示的なエネルギー貯蔵手段を以下に論じる。
【0024】
[0024]電力制御装置100は、電力をACからDCに変換するように構成されたブリッジ整流器134を備える。ブリッジ整流器134のAC端子は、負荷118に電気的に並列に結合されている。ブリッジ整流器134のDC端子は、エネルギー貯蔵手段130に電気的に結合されている。
【0025】
[0025]AC電源112からの電気信号が一次巻線110に導入されたとき、電磁界が磁気コア102内に誘導される。電磁界は、二次巻線116内に電気信号を誘導する。一次巻線110および二次巻線116の巻線の巻数は、入力電気信号の電圧と出力電気信号の電圧とが同じになるように同じであり得る。他の例では、二次巻線116は、出力電圧が降圧されるように一次巻線110よりも少ない巻数を有し得る。他の例では、二次巻線116は、出力電圧が昇圧されるように一次巻線110よりも多くの巻数を有し得る。
【0026】
[0026]電力制御装置100は、電圧源コンバータ124に通信可能に結合され得るコントローラ140を備える。コントローラ140は、一次巻線110内の入力電気信号のパラメータに関連するデータを受信するように構成されている。例えば、パラメータは、電圧、電流、周波数、位相角、および/または力率を含み得る。コントローラは、1つ以上の電圧および/または電流センサからデータを受信し得る。
【0027】
[0027]コントローラ140は、入力信号のパラメータを二次巻線116に対する基準信号のパラメータと比較するように構成されている。基準信号は、例えば、ノイズまたは高調波のない出力信号の所望のパラメータを有する理想的な波形を含む。コントローラ140は、一次巻線110に印加されたときに二次巻線116内の出力電気信号を例えば、相殺的干渉によって基準信号に近似させる調和信号を決定するように構成されている。コントローラ140は、電圧源コンバータ124を使用して調和信号を一次巻線110に印加させるように構成されている。したがって、調和信号が印加されると、二次巻線116内の出力電気信号は基準信号と実質的に同一になる。
【0028】
[0028]信号に対する時間t1における電磁サブシステム内のエネルギー平衡は、以下によって与えられる。
EP(t1)=ES(t1)-L(t1)
【0029】
[0029]式中、EPおよびESは、それぞれ一次側および二次側のエネルギーを示す。
Lは、電磁サブシステム全体にわたって発生するエネルギー損失を示し、以下によって表すことができる。
L(t1)=LSI(t1)+LEMS(t1)
【0030】
[0030]LSIは、一次側と二次側との間の信号不平等による損失を表し、
LEMSは、例えば、渦電流損失または漂遊損失による電磁サブシステムの一般的な電磁損失を示す。
LSIは、特に、一次側の電流内の高次高調波成分、および入力信号と出力信号との間の位相シフトによって引き起こされ得る、一次側における非線形負荷の存在下において、総エネルギー損失のうちのかなりの割合を占め得る。
【0031】
[0031]調和信号の印加により、LSIの回復が可能になる。所与の時間増分Δt1、LSI(t1+Δt1)内で回復されたエネルギーは、電圧源コンバータ124の複数のコンデンサにおいてバッファリングされ得る。時間増分Δt1は、基準信号の周期的な持続時間よりも小さく、例えば、1/50秒または1/60秒よりも小さい。例えば、Δt1は、1/100秒~1/500秒であり得る。
【0032】
[0032]複数のコンデンサにおいてバッファリングされたエネルギーの一部を使用して、後の時間t2に調和信号を印加するための電力を供給することができ、それによって、出力信号のシステム周波数安定化の一部として力率補正、電圧調整、電力品質管理、および/または位相平衡化をサポートする。さらに、複数のコンデンサにおいてバッファリングされたエネルギーは、エネルギー貯蔵手段130に伝送され得る。エネルギー貯蔵手段130は、電気エネルギーを、例えば、コンデンサまたはバッテリ内に貯蔵し得る。エネルギー貯蔵手段130は、フライホイール内の回転エネルギー、または熱エネルギー貯蔵装置もしくはヒートポンプに対する熱エネルギーなどの異なる形態にエネルギーを変換し得る。特定の例では、電気エネルギーを使用して水を水素および酸素に電気分解することができ、これらを各々燃料として貯蔵することができる。エネルギー貯蔵手段130に貯蔵されたエネルギーは、後の時間に、例えば、商用電気システムにおける需要のピーク中に放出され得る。したがって、電力制御装置は、近接場誘導および高速ディスパッチによる時変磁束変調によって可能にされる、時間、空間、およびモードにおける仕事およびエネルギーの流れの最適化を可能にする。
【0033】
[0033]さらに、複数のコンデンサおよび/またはエネルギー貯蔵手段130が調和信号を印加するために必要とされるよりも多くの電気エネルギー、すなわち、電磁サブシステムの全電力定格の約20%を貯蔵することができるように、電圧源コンバータ124の複数のコンデンサを適切にサイズ設定することにより、例えば、商用電気システムにおける余剰エネルギー発生中に、電気エネルギーを電磁サブシステムの二次側から電圧源コンバータ124内に引き出すことが可能になる。
【0034】
[0034]前述の論述は電力制御装置100を参照して行われているが、電力制御装置の様々な構成も電力信号の変調を可能にするために同様に機能する。これらの構成の選択について以下に論じる。
【0035】
[0035]
図2を参照すると、電力制御装置200は、一次肢部104および二次肢部106を有する磁気コア102を備える。一次肢部104は、AC電源112に電気的に結合された一次巻線110を含む。一次肢部104はまた、変調巻線202を含む。二次肢部106は、負荷118に電気的に結合された二次巻線116を含む。電力制御装置200は、コンバータおよびインバータの両方として機能するように構成された電圧源コンバータ124を備える。電圧源コンバータ124は、電力制御装置100の電圧源コンバータ124と実質的に同じものである。
【0036】
[0036]電圧源コンバータ124のAC端子は、変調巻線202に電気的に結合されている。電圧源コンバータ124のDC端子は、エネルギー貯蔵手段130に電気的に結合されている。電力制御装置200は、電力をACからDCに変換するように構成されたブリッジ整流器134を備える。ブリッジ整流器134のAC端子は、負荷118に電気的に並列に結合されている。ブリッジ整流器134のDC端子は、エネルギー貯蔵手段130に電気的に結合されている。
【0037】
[0037]電力制御装置200は、電圧源コンバータ124に通信可能に結合され得るコントローラ240を備える。コントローラ240は、一次巻線110内の入力電気信号のパラメータに関連するデータを受信するように構成されている。コントローラ240は、入力信号のパラメータを二次巻線116に対する基準信号のパラメータと比較するように構成されている。基準信号は、例えば、ノイズまたは高調波のない出力信号の所望のパラメータを有する理想的な波形を含む。コントローラ240は、変調巻線202に印加されたときに二次巻線116内の出力電気信号を例えば、相殺的干渉によって基準信号に近似させる調和信号を決定するように構成されている。コントローラ240は、電圧源コンバータ124を使用して調和信号を変調巻線202に印加させるように構成されている。したがって、調和信号が印加されると、二次巻線116内の出力電気信号は基準信号と実質的に同一になる。
【0038】
[0038]変調巻線ではなく一次巻線110内のタップ、例えば、タップ128内に調和信号を印加することにより、巻線に必要な銅の量が削減され、電力制御装置の動作中の銅損失が削減される。さらに、巻線内にタップを有する構成は、別個の変調巻線よりも、調和信号を誘導するために必要な磁気コアの表面積が少ない。
【0039】
[0039]電力制御装置の二次側の代替的な構成は、
図3および
図4を参照して説明される。
【0040】
[0040]
図3を参照すると、電力制御装置300は、電力制御装置100と実質的に同じである。電力制御装置300では、ブリッジ整流器134のAC端子が二次巻線116内のタップ302に電気的に結合されている。
【0041】
[0041]
図4を参照すると、電力制御装置400は、電力制御装置100と実質的に同じである。電力制御装置400の二次肢部106は、出力巻線402を含む。電力制御装置400では、ブリッジ整流器134のAC端子が出力巻線402に電気的に結合されている。
【0042】
[0042]電力制御装置300および電力制御装置400はいずれも、ブリッジ整流器134に入力される電圧を二次巻線116内の電圧と異ならせることができる。
【0043】
[0043]電力制御装置の代替的な構成は、磁気コアの各側に関連付けられた電圧源コンバータを含む。磁気コアの各側の構成要素の対称配置により、電圧垂下制御の適用を通じて信号周波数の安定化が可能になる。そしてまた、これにより、電力制御装置の両側に負の電力潮流および高い非線形負荷が存在する場合でも達成することができる、リアルタイムでの供給に対する需要、すなわち負荷の一時的な平衡が可能になる。
【0044】
[0044]
図5を参照すると、電力制御装置500は、一次肢部104および二次肢部106を有する磁気コア102を備える。一次肢部104は、AC電源112に電気的に結合された一次巻線110を含む。二次肢部106は、負荷118に電気的に結合された二次巻線116を含む。
【0045】
[0045]電力制御装置500は、各々がコンバータおよびインバータの両方として機能するように構成された第1の電圧源コンバータ502および第2の電圧源コンバータ504を備える。第1の電圧源コンバータ502のAC端子は、一次巻線110内のタップ128に電気的に結合されている。第1の電圧源コンバータ502のDC端子は、エネルギー貯蔵手段130に電気的に結合されている。第2の電圧源コンバータ502のAC端子は、負荷118に電気的に並列に結合されている。第2の電圧源コンバータ504のDC端子は、エネルギー貯蔵手段130に電気的に結合されている。
【0046】
[0046]電力制御装置500は、第1の電圧源コンバータ502および第2の電圧源コンバータ504の両方に通信可能に結合され得るコントローラ510を備える。コントローラ510は、一次巻線110内の入力電気信号のパラメータに関連するデータを受信するように構成されている。
【0047】
[0047]コントローラ510は、入力信号のパラメータを二次巻線116に対する基準信号のパラメータと比較するように構成されている。基準信号は、例えば、ノイズまたは高調波のない出力信号の所望のパラメータを有する理想的な波形を含む。コントローラ510は、一次巻線110に印加されたときに二次巻線116内の出力電気信号を例えば、相殺的干渉によって基準信号に近似させる調和信号を決定するように構成されている。コントローラ510は、第1の電圧源コンバータ502を使用して調和信号を一次巻線110に印加させるように構成されている。したがって、調和信号が印加されると、二次巻線116内の出力電気信号は基準信号と実質的に同一になる。第2の電圧源コンバータ504により、電力制御装置500が追加のエネルギーをバッファリングすることが可能になる。
【0048】
[0048]
図6を参照して論じる代替的な構成では、電力制御装置600は、電力制御装置500と実質的に同じである。電力制御装置600の一次肢部104は、変調巻線602を含む。電力制御装置600では、第1の電圧源コンバータ502のAC端子は、変調巻線602に電気的に結合されている。
【0049】
[0049]
図7を参照すると、電力制御装置700は、一次肢部104および二次肢部106を有する磁気コア102を備える。一次肢部104は、AC電源112に電気的に結合された一次巻線110を含む。二次肢部106は、負荷118に電気的に結合された二次巻線116を含む。
【0050】
[0050]電力制御装置700は、各々がコンバータおよびインバータの両方として機能するように構成された第1の電圧源コンバータ502および第2の電圧源コンバータ504を備える。第1の電圧源コンバータ502のAC端子は、一次巻線110内のタップ128に電気的に結合されている。第1の電圧源コンバータ502のDC端子は、エネルギー貯蔵手段130に電気的に結合されている。第2の電圧源コンバータ502のAC端子は、負荷118に電気的に並列に結合されている。第2の電圧源コンバータ504のDC端子は、二次巻線116内のタップ702に電気的に結合されている。
【0051】
[0051]電力制御装置700は、第1の電圧源コンバータ502および第2の電圧源コンバータ504の両方に通信可能に結合され得るコントローラ704を備える。
【0052】
[0052]コントローラ704は、一次巻線110内の第1の信号のパラメータに関連するデータを受信するように構成されている。コントローラ704は、第1の信号のパラメータを二次巻線116に対する基準信号のパラメータと比較するように構成されている。基準信号は、例えば、ノイズまたは高調波のない第2の信号の所望のパラメータを有する理想的な波形を含む。コントローラ704は、一次巻線110に印加されたときに二次巻線116内の第2の信号を例えば、相殺的干渉によって基準信号に近似させる調和信号を決定するように構成されている。コントローラ704は、第1の電圧源コンバータ502を使用して調和信号を一次巻線110に印加させるように構成されている。したがって、調和信号が印加されると、二次巻線116内の第2の信号は基準信号と実質的に同一になる。
【0053】
[0053]コントローラ704は、二次巻線116内の第3の信号のパラメータに関連するデータを受信するように構成され得る。コントローラ704は、第3の信号のパラメータを一次巻線110に対する基準信号のパラメータと比較するように構成されている。基準信号は、例えば、ノイズまたは高調波のない第2の信号の所望のパラメータを有する理想的な波形を含む。コントローラ704は、二次巻線116に印加されたときに一次巻線110内の第4の信号を例えば、相殺的干渉によって基準信号に近似させる調和信号を決定するように構成されている。コントローラ704は、第2の電圧源コンバータ504を使用して調和信号を二次巻線116に印加させるように構成されている。したがって、調和信号が印加されると、一次巻線110内の第4の信号は基準信号と実質的に同一になる。
【0054】
[0054]したがって、電力制御装置700は、一次側または二次側のいずれかが入力信号を受信できるような対称配置を有する。
【0055】
[0055]
図8を参照して論じる代替的な構成では、電力制御装置800は、電力制御装置700と実質的に同じである。電力制御装置800の一次肢部104は、第1の変調巻線802を含む。電力制御装置800の二次肢部106は、第2の変調巻線804を含む。第1の電圧源コンバータ502のAC端子は、第1の変調巻線802に電気的に結合されている。第2の電圧源コンバータ504のAC端子は、第2の変調巻線804に電気的に結合されている。
【0056】
[0056]上述したいずれかの電力制御装置のAC電源112は、単相であり得る。多相AC信号をサポートするために、電力制御システムは、複数の電力制御装置、すなわち相ごとに1つの電力制御装置を備え得る。例えば、三相商用電気システムの場合、電力制御システムは、上述した3つの電力制御装置を備え得るが、3つの独立したコントローラではなく、電圧源コンバータの各々に通信可能に結合された統合コントローラを有する。統合コントローラは、各相の出力信号を独立して維持する。電力制御システムの電圧源コンバータは、例えば、バスバーによって相互接続され得る。これにより、三相全てにわたって電力を平衡化するために、電力制御装置間で電力を伝送することが可能になる。
【0057】
[0057]相ごとに1つの電力制御装置の代わりに、多相磁気コアが採用されてもよい。例えば、E-I磁気コア、または参照によりその全体が本明細書に組み込まれる英国特許出願第2115649.2号明細書に記載されている磁気コアである。英国特許出願第2115649.2号明細書の例示的な三相磁気コアについて、
図9A~
図9Cを参照して簡単に説明する。
【0058】
[0058]
図9A~
図9Cを参照すると、磁気コア900は、中心軸線904の周りに等間隔に間隔が置かれた3つの円弧状肢部902を備える。各肢部902は、実質的に同一である。円弧状肢部902は、180度の弧である。各肢部902は、第1の端部および第2の端部を有する。各第1の端部は、中心軸線904に沿って位置する第1の縁部を有する。各第2の端部は、中心軸線に沿って位置する第2の縁部を有する。第1の端部は互いに接合されており、第2の端部は互いに接合されている。各肢部902は、一次巻線、二次巻線、および変調巻線(
図9A~
図9Cには図示せず)のうちの1つ以上で巻回され得る。各肢部902は、湾曲させられて互いに積層された複数の電磁鋼帯を備え得る。薄鋼積層の使用により、正弦波電圧が巻線に印加されるときに誘導される渦電流によって引き起こされる電力損失が低減される。積層電磁鋼帯の幅は、円に近似する断面を有する肢部902をもたらす配置において異なり得る。あるいは、肢部902における積層電磁鋼帯の幅は、肢部が矩形断面を有するように一定であってもよい。巻線は、分布巻または同心巻であり得る。好適には、分布巻は、同心巻と比較してより優れた漏れインピーダンスおよびより良好な熱性能を提供する。さらに、三相コアにわたる磁界の改善された分布は、分布巻トポロジーを有する設計において達成される。分布巻は、同一の動作条件下で、より低いレベルの漏れインピーダンスを維持し、制御システムの電圧制御範囲を最大化して強磁性材料の磁気飽和を回避する。例えば、インピーダンス割合2%~8%に関するグリッドコードの要件があり得る。
【0059】
[0059]
図10を参照すると、電力制御装置910は、磁気コア901を備える。磁気コア901は、磁気コア900などの三相磁気コアである。磁気コア901は、第1の肢部902aと、第2の肢部902bと、第3の肢部902cと、を備える。第1の肢部902aは、第1の一次巻線912aおよび第1の二次巻線914aを含む。第2の肢部902bは、第2の一次巻線912bおよび第2の二次巻線914bを含む。第3の肢部902cは、第3の一次巻線912cおよび第3の二次巻線914cを含む。
【0060】
[0060]第1の一次巻線912aは、第1の相を有する第1のAC電源916aに電気的に結合されている。第2の一次巻線912bは、第2の相を有する第2のAC電源916bに電気的に結合されている。第3の一次巻線912cは、第3の相を有する第3のAC電源916cに電気的に結合されている。AC電源916a、916b、916cは各々、三相商用電源の1つの位相を搬送することができる。
【0061】
[0061]第1の二次巻線914aは、第1の負荷918aに電気的に結合されている。第2の二次巻線914bは、第2の負荷918bに電気的に結合されている。第3の二次巻線914cは、第3の負荷918cに電気的に結合されている。負荷918a、918b、918cは、電力制御装置910から電力を引き出す1つ以上の下流負荷、例えば、三相電力網であり得る。
【0062】
[0062]電力制御装置910は、各々がコンバータおよびインバータの両方として機能するように構成された6つの電圧源コンバータを備える。各電圧源コンバータは、複数のトランジスタおよび複数のコンデンサを備える。第1の電圧源コンバータ920aは、AC端子およびDC端子を含む。第1の電圧源コンバータ920aのAC端子は、第1の一次巻線922a内のタップ912aに電気的に結合されている。第1の電圧源コンバータ920aのDC端子は、第1のエネルギー貯蔵手段924aに電気的に結合されている。第2の電圧源コンバータ926aは、AC端子およびDC端子を含む。第2の電圧源コンバータ926aのAC端子は、第1の二次巻線928a内のタップ914aに電気的に結合されている。第2の電圧源コンバータ926aのDC端子は、第1のエネルギー貯蔵手段924aに電気的に結合されている。第3の電圧源コンバータ920bは、AC端子およびDC端子を含む。第3の電圧源コンバータ920bのAC端子は、第2の一次巻線922b内のタップ912bに電気的に結合されている。第3の電圧源コンバータ920bのDC端子は、第2のエネルギー貯蔵手段924bに電気的に結合されている。第4の電圧源コンバータ926bは、AC端子およびDC端子を含む。第4の電圧源コンバータ926bのAC端子は、第2の二次巻線928b内のタップ914bに電気的に結合されている。第4の電圧源コンバータ926bのDC端子は、第2のエネルギー貯蔵手段924bに電気的に結合されている。第5の電圧源コンバータ920cは、AC端子およびDC端子を含む。第5の電圧源コンバータ920cのAC端子は、第3の一次巻線922c内のタップ912cに電気的に結合されている。第5の電圧源コンバータ920cのDC端子は、第3のエネルギー貯蔵手段924cに電気的に結合されている。第6の電圧源コンバータ926cは、AC端子およびDC端子を含む。第6の電圧源コンバータ926cのAC端子は、第3の二次巻線928c内のタップ914cに電気的に結合されている。第6の電圧源コンバータ926cのDC端子は、第3のエネルギー貯蔵手段924cに電気的に結合されている。6つの電圧源コンバータは、例えば、バスバーによって相互接続され得る。これにより、三相全てにわたって電力を平衡化するために、電圧源コンバータ間で電力を伝送することが可能になる。3つのエネルギー貯蔵手段924a、924b、924cは、例えば、バスバーによって相互接続され得る。3つのエネルギー貯蔵手段924a、924b、924cは、同じエネルギー貯蔵手段であり得る。
【0063】
[0063]電圧源コンバータの一部または全部は、一次巻線または第2の巻線内のタップに電気的に結合される代わりに、肢部上の変調巻線に接続されてもよい。
【0064】
[0064]AC電源916a、916b、916cのうちの1つからの電気信号がAC電源916a、916b、916cのそれぞれの肢部の一次巻線に導入されたとき、電磁界が磁気コア901内に誘導される。磁気コア901内の電磁界は、他の2つの肢部の二次巻線内に電気信号を誘導する。
【0065】
[0065]電力制御装置910は、6つの電圧源コンバータ920a、920b、920c、926a、926b、926cの各々に通信可能に結合され得るコントローラ(図示せず)を備える。コントローラは、一次巻線912a、912b、912cの各々内の入力電気信号のパラメータに関連するデータを受信するように構成されている。例えば、パラメータは、電圧、電流、周波数、位相角、および/または力率を含み得る。コントローラは、1つ以上の電圧および/または電流センサからデータを受信し得る。
【0066】
[0066]コントローラは、入力信号のパラメータを二次巻線914a、914b、914cの各々に対する基準信号のパラメータと比較するように構成されている。基準信号は各々、二次巻線の各々内の出力信号の所望のパラメータ、例えば、ノイズまたは高調波のない理想的な波形を含む。コントローラは、一次巻線912a、912b、912cのうちの少なくとも1つに対する調和信号を含む一組の調和信号を決定するように構成されている。一組の調和信号が少なくとも1つの一次巻線に印加されたとき、二次巻線914a、914b、914c内の出力電気信号は、例えば、相殺的干渉によって二次巻線914a、914b、914cのそれぞれの基準信号に近似する。コントローラは、電圧源コンバータ920a、920b、920cを使用して一組の調和信号を一次巻線912a、912b、912cに印加させるように構成されている。したがって、一組の調和信号が印加されると、二次巻線914a、914b、914c内の出力電気信号は、二次巻線914a、914b、914cのそれぞれの基準信号と実質的に同一になる。
【0067】
[0067]三相間で負荷が平衡化されることにより、三次高調波がキャンセルされ得る。コントローラはまた、他の高調波を除去し、不平衡負荷を電力網に平衡状態として提示することにより、不平衡負荷に対して追加の電圧制御を提供するように構成され得る。これは、一組の調和信号における調和信号の振幅および位相を各肢部に対して独立して制御することによって達成される。これにより、6つの自由度が電力制御装置に提供されて、様々な制御目的を達成する。1つの可能な制御目的は、各肢部上の二次電圧を等しい割合で変化させるが、電力制御装置の受動的な、すなわち変調されていない動作と比較して、対応する肢部の一次電流の比率を変化させないままにすることである。別の可能な制御目的は、各肢部の出力電圧を変化させるが、同時に一次電流を再分配することである。再分配の1つの可能な選択肢は、3つの一次電流の大きさを等しくし、3つの一次電流の位相を120度および240度離して維持することであり、したがって一次側の観点から実質的に等しい負荷分散を達成することである。
【0068】
[0068]各相に単相磁気コアを使用して同じ多相AC信号を変調するのではなく、単一の磁気コアを使用して多相AC信号を変調することにより、相内高調波およびノイズに加えて、相間高調波およびノイズの変調が可能になる。多相磁気コアの使用により、複数の単相コアと比較して必要な鉄の物理量も削減される。さらに、多相磁気コアでは、複数の単相コアと比較して、負荷損および無負荷損が低減され得る。
【0069】
[0069]各相に対する一対の電圧源コンバータに代えて、一対の三相電圧源コンバータが使用されてもよい。
図11を参照すると、電力制御装置950は、電力制御装置910と実質的に同じであり、磁気コア901を備える。磁気コア901は、磁気コア900などの三相磁気コアである。磁気コア901は、第1の肢部902aと、第2の肢部902bと、第3の肢部902cと、を備える。第1の肢部902aは、第1の一次巻線912aおよび第1の二次巻線914aを含む。第2の肢部902bは、第2の一次巻線912bおよび第2の二次巻線914bを含む。第3の肢部902cは、第3の一次巻線912cおよび第3の二次巻線914cを含む。
【0070】
[0070]第1の二次巻線914aは、第1の負荷918aに電気的に結合されている。第2の二次巻線914bは、第2の負荷918bに電気的に結合されている。第3の二次巻線914cは、第3の負荷918cに電気的に結合されている。負荷918a、918b、918cは、電力制御装置950から電力を引き出す1つ以上の下流負荷、例えば、三相電力網であり得る。
【0071】
[0071]電力制御装置950は、各々がコンバータおよびインバータの両方として機能するように構成された第1の電圧源コンバータ952および第2の電圧源コンバータ954を備える。各電圧源コンバータは、三相電圧源コンバータであり、複数のトランジスタおよび複数のコンデンサを備える。各電圧源コンバータは、AC端子およびDC端子を含む。第1および第2の電圧源コンバータ952、954のDC端子は各々、エネルギー貯蔵手段956に電気的に結合されている。第1の電圧源コンバータ952のAC端子は、第1の一次巻線912a内のタップ922a、第2の一次巻線912b内のタップ922b、および第3の一次巻線912c内のタップ922cの各々に電気的に結合されている。第2の電圧源コンバータ954のAC端子は、第1の二次巻線914a内のタップ928a、第2の二次巻線914b内のタップ928b、および第3の二次巻線914c内のタップ928cのそれぞれに電気的に結合されている。電圧源コンバータの一部または全部は、一次巻線または第2の巻線内のタップに電気的に結合される代わりに、肢部上の変調巻線に接続されてもよい。
【0072】
[0072]AC電源916a、916b、916cのうちの1つからの電気信号がAC電源916a、916b、916cのそれぞれの肢部の一次巻線に導入されたとき、電磁界が磁気コア901内に誘導される。磁気コア901内の電磁界は、他の2つの肢部の二次巻線内に電気信号を誘導する。
【0073】
[0073]電力制御装置950は、第1および第2の電圧源コンバータ952、954の各々に通信可能に結合され得るコントローラ(図示せず)を備える。コントローラは、一次巻線912a、912b、912cの各々内の入力電気信号のパラメータに関連するデータを受信するように構成されている。例えば、パラメータは、電圧、電流、周波数、位相角、および/または力率を含み得る。コントローラは、1つ以上の電圧および/または電流センサからデータを受信し得る。
【0074】
[0074]コントローラは、入力信号のパラメータを二次巻線914a、914b、914cの各々に対する基準信号のパラメータと比較するように構成されている。基準信号は各々、二次巻線の各々内の出力信号の所望のパラメータ、例えば、ノイズまたは高調波のない理想的な波形を含む。コントローラは、一次巻線912a、912b、912cのうちの少なくとも1つに対する調和信号を含む一組の調和信号を決定するように構成されている。一組の調和信号が少なくとも1つの一次巻線に印加されたとき、二次巻線914a、914b、914c内の出力電気信号は、例えば、相殺的干渉によって二次巻線914a、914b、914cのそれぞれの基準信号に近似する。コントローラは、第1の電圧源コンバータ952を使用して一組の調和信号を一次巻線912a、912b、912cに印加させるように構成されている。したがって、一組の調和信号が印加されると、二次巻線914a、914b、914c内の出力電気信号は、二次巻線914a、914b、914cのそれぞれの基準信号と実質的に同一になる。
【0075】
[0075]
図12を参照して、上述の電力制御装置のうちのいずれかなどの電力制御装置の二次巻線内の第2の信号を変調するための方法1100を説明する。電力制御装置は、第1の肢部および第2の肢部を備える磁気コアを有し、一次巻線が、第1の肢部の周りに配置されており、二次巻線が、第2の肢部の周りに配置されている。方法1100は、コントローラによって実行され、ステップ1102において、一次巻線内の第1の信号のパラメータに関連するデータを受信することを含む。例えば、パラメータは、電圧、電流、周波数、位相角、および/または力率を含み得る。コントローラは、1つ以上の電圧および/または電流センサからデータを受信し得る。パラメータに関連するデータは、一次巻線および/または二次巻線に関連する1つ以上の電圧および/または電流センサから受信され得る。
【0076】
[0076]ステップ1106において、コントローラは、第1の信号のパラメータを二次巻線に対する基準信号のパラメータと比較する。基準信号は各々、二次巻線の各々内の出力信号の所望のパラメータ、例えば、ノイズまたは高調波のない理想的な波形を含む。
【0077】
[0077]ステップ1110において、コントローラは、第1の肢部に印加されたときに二次巻線内の出力電気信号を例えば、相殺的干渉によって基準信号に近似させる調和信号を決定する。ステップ1114において、コントローラは、電圧源コンバータを使用して調和信号を第1の肢部に印加させる。一次巻線がタップを備える電力制御装置では、電圧源コンバータは、タップに接続されており、電圧源コンバータは、タップを使用して調和信号を第1の肢部に印加するように構成されている。第1の肢部が変調巻線を含む電力制御装置では、電圧源コンバータは、変調巻線に接続されており、電圧源コンバータは、変調巻線を使用して調和信号を第1の肢部に印加するように構成されている。調和信号が印加されると、二次巻線内の出力電気信号は基準信号と実質的に同一となる。
【0078】
[0078]本開示では、文脈上別段の指示がない限り、「信号」という用語は参照を容易にするために使用されており、電圧、電流、および少なくとも1つの基本周波数(DC電圧の場合には0であり得る)によって特徴付けられた電気エネルギーの形態を指すものとして広義に解釈されるべきであり、任意の形態の情報が信号によって表されるかまたは伝達されることを必ずしも必要としない。
【0079】
[0079]本発明をいくつかの実施形態に関連して説明してきたが、本明細書に記載の特定の形態に限定されることは意図されていない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。さらに、特定の実施形態に関連して特徴が記載されているように見える場合があるが、当業者は、記載された実施形態の様々な特徴は本発明に従って組み合わせられ得ることを認識するであろう。特許請求の範囲において、「備える」または「含む」という用語は、他の要素の存在を排除しない。
【0080】
[0080]上述のコントローラのうちのいずれかは、マイクロプロセッサまたは中央処理装置などの1つ以上の汎用プロセッサを表す。より具体的には、コントローラは、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組合せを実装するプロセッサであり得る。コントローラはまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはネットワークプロセッサなどの1つ以上の専用処理デバイスであり得る。コントローラは、本明細書で論じた動作およびステップを実行するための処理ロジックを実行するように構成されている。
【0081】
[0081]コントローラは、データ記憶装置に通信可能に結合され得る。データ記憶装置は、本明細書に記載の方法論または機能のうちの任意の1つ以上を具現化する1つ以上の命令セットが記憶された、1つ以上の機械可読記憶媒体(またはより具体的には、1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体)を含み得る。命令はまた、命令の実行中にコントローラ内に完全にまたは少なくとも部分的に存在し得る。
【0082】
[0082]上述した様々な方法は、コンピュータプログラムによって実施され得る。コンピュータプログラムは、上述した様々な方法のうちの1つ以上の機能を実行するようにコンピュータに命令するように構成されたコンピュータコードを含み得る。このような方法を実行するためのコンピュータプログラムおよび/またはコードは、1つ以上のコンピュータ可読媒体、またはより一般的にはコンピュータプログラム製品上のコンピュータなどの装置に提供され得る。コンピュータ可読媒体は、一時的または非一時的であり得る。1つ以上のコンピュータ可読媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体システム、または例えば、インターネットを介してコードをダウンロードするためのデータ伝送用の伝播媒体であり得る。あるいは、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、半導体または固体メモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、剛体磁気ディスク、および光ディスクなどの1つ以上の物理的なコンピュータ可読媒体の形態をとり得る。
【国際調査報告】