IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シュヴァンク ゲーエムベーハーの特許一覧

<>
  • 特表-ブライトラジエータ 図1
  • 特表-ブライトラジエータ 図2
  • 特表-ブライトラジエータ 図3
  • 特表-ブライトラジエータ 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ブライトラジエータ
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/14 20060101AFI20241128BHJP
   F23D 14/62 20060101ALI20241128BHJP
   F23C 9/08 20060101ALI20241128BHJP
   F23N 5/08 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
F23D14/14 F
F23D14/62
F23C9/08 402
F23N5/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572176
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2022084658
(87)【国際公開番号】W WO2023104827
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】21213687.3
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508210756
【氏名又は名称】シュヴァンク ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Schwank GmbH
【住所又は居所原語表記】Bremerhavener Str. 43, 50735 Koeln, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エトガー クライス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ゲンツェル
(72)【発明者】
【氏名】トアステン シュトーラー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス レナー
【テーマコード(参考)】
3K005
3K017
3K065
【Fターム(参考)】
3K005QA03
3K005QB03
3K005QC03
3K017BA06
3K017BB06
3K017BC06
3K017BE03
3K017BF03
3K017CA06
3K017CB08
3K017CE05
3K017CF03
3K065TA01
3K065TC05
3K065TD05
3K065TE01
3K065TL02
3K065TN16
3K065TP09
(57)【要約】
本発明は、ブライトラジエータであって、バーナ(1,5)と、ファン(3)と、放射面として働く、複数の火炎通過通路が設けられた放射プレート(12)とを備え、バーナ(1,5)が、燃料ガス供給部に接続されており、ファン(3)が、バーナ(1,5)に燃焼空気を供給するように構成されており、バーナ(1,5)が、放射プレート(12,52)の面状の赤熱を引き起こすように構成されている、ブライトラジエータに関し、燃料ガス供給部が、燃料ガス源としての水素源に接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブライトラジエータであって、バーナ(1,5)と、ファン(3)と、放射面として働く、複数の火炎通過通路を備えた放射プレート(12)とを備え、前記バーナ(1,5)が、燃料ガス供給部に接続されており、前記ファン(3)は、前記バーナ(1,5)に燃焼空気を供給するように構成されており、前記バーナ(1,5)が、前記放射プレート(12,52)の面状の赤熱を引き起こすように構成されている、ブライトラジエータにおいて、
前記燃料ガス供給部が、燃料ガス源としての水素源に接続されていることを特徴とする、ブライトラジエータ。
【請求項2】
前記水素供給部(2)と前記ファン(3)とは、水素流と燃焼空気流とが互いに所定の角度で角度付けされているように形成されかつ方向付けされており、前記角度が、好適には90度以下かつ45度以上であることを特徴とする、請求項1記載のブライトラジエータ。
【請求項3】
反射器(4)が配置されており、該反射器(4)が、前記放射プレート(12,52)の前記放射面を取り囲んでおり、かつ前記反射器(4)が、排ガス室を画定し、前記バーナ(1,5)の上流側に、燃焼空気源および排ガス室に接続されている燃焼空気混合室(39)が配置されていることを特徴とする、請求項1および2記載のブライトラジエータ。
【請求項4】
前記排ガス室が、前記燃焼空気混合室(39)にエジェクタ(32,36)を介して接続されており、前記エジェクタ(32,36)の駆動媒体が、前記ファン(3)により導入される燃焼空気であり、前記燃焼空気混合室(39)内に吸い込まれる媒体が、前記排ガス室にある排ガスであることを特徴とする、請求項3記載のブライトラジエータ。
【請求項5】
作動装置(35)が配置されており、該作動装置(35)を介して、前記エジェクタ(32,36)の、吸い込まれる排ガス体積流量に対する燃焼空気体積流量の比率が調節可能であることを特徴とする、請求項4記載のブライトラジエータ。
【請求項6】
前記燃焼空気混合室(39)が、前記ファン(3)内に配置されていることを特徴とする、請求項3から5までのいずれか1項記載のブライトラジエータ。
【請求項7】
水素供給が、分配プレート(53)を介して面状にガイドされており、該分配プレート(53)が、前記放射プレート(52)に対して平行に離間して配置されていて、かつ燃料混合チャンバ(51)を画定することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のブライトラジエータ。
【請求項8】
前記分配プレート(53)を少なくとも部分的に取り囲む給気通路(54)が配置されており、該給気通路(54)が、前記ファン(3)に接続されていることを特徴とする、請求項7記載のブライトラジエータ。
【請求項9】
前記給気通路(54)は、前記燃焼空気が前記分配プレート(53)にわたって面状に流れるように構成されていることを特徴とする、請求項8記載のブライトラジエータ。
【請求項10】
光学センサが配置されており、該光学センサは、前記バーナ(1)により形成された火炎の少なくとも1つのパラメータを検出するように構成されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のブライトラジエータ。
【請求項11】
前記光学センサが、UVセンサ(43)であることを特徴とする、請求項10記載のブライトラジエータ。
【請求項12】
前記光学センサが、好適には前記放射プレート(12)と鈍角を成すように、前記放射プレート(12)に向かって方向付けされていることを特徴とする、請求項11記載のブライトラジエータ。
【請求項13】
前記放射プレート(12)を少なくとも部分的に包囲する反射器(4)が配置されていて、該反射器(4)が窓(42)を備え、前記光学センサは、前記反射器(4)の外側から、前記窓(42)を通って前記放射プレート(12)に向かって方向付けされていることを特徴とする、請求項10から12までのいずれか1項記載のブライトラジエータ。
【請求項14】
前記光学センサが、燃焼空気供給を中断し、かつ/または調節するための、前記ファン(3)に接続された作動装置に接続されている、かつ/または前記光学センサが、水素供給を中断し、かつ/または調節するための、前記燃料ガス供給部に接続された作動装置に接続されていることを特徴とする、請求項10から13までのいずれか1項記載のブライトラジエータ。
【請求項15】
前記作動装置が、制御・調整モジュールに接続されており、該制御・調整モジュールは、火炎特性を、格納された目標パラメータにつき水素量および/または燃料空気量の変更により調整するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項14記載のブライトラジエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブライトラジエータ(Hellstrahler)であって、バーナと、ファンと、放射面として働き、火炎通過通路が設けられた放射プレートとを備えたブライトラジエータに関し、バーナが、燃料ガス供給部に接続されており、ファンは、バーナに燃焼空気を供給するように構成されており、バーナは、放射プレートの面状の赤熱を引き起こすように構成されている。
【0002】
工業分野や産業分野では、製造場所および貯蔵場所を暖房するために、赤外線ラジエータが使用されることが多い。この赤外線ラジエータは、熱生成のために使用される赤外線を生成する。従来の暖房システムに対する赤外線ラジエータの利点は、一方では、この赤外線ラジエータがその熱をほぼ損失なしに放出することである。他方では、従来の燃焼システムにおいて発生するようなドラフト現象が回避される。
【0003】
赤外線ラジエータは、ブライトラジエータとダークラジエータ(Dunkelstrahler)とで区別される。ダークラジエータでは、熱が、燃料ガス・空気混合物の燃焼によって閉じたチューブ内において発生させられ、ダークラジエータでは、形成された高温ガスによって加熱されたチューブの表面が、主に放射線として熱を放出するのに対して、ブライトラジエータでは、燃料ガス・空気混合物が、このために配置された1つ以上のセラミックス製の放射プレートの表面において燃焼させられる。燃料ガスとして、天然ガスまたは液体ガス(プロパンガスまたはバイオガス)が使用される。ブライトラジエータという名称は、セラミックス製の放射プレート上での燃料ガス・空気混合物の目に見える燃焼に基づいており、放射プレートはこの燃焼により赤熱する。このためには、セラミックス製の放射プレートは、互いに対して平行に配置された複数の火炎通過通路を有しており、これらの火炎通過通路は、放射する側に向かって設けられたしばしば円錐形である凹設部を有している。燃焼時に、火炎形成は実質的にこれらの凹設部内で行われ、これにより、凹設部の側壁および凹設部間に形成されるウェブの均一な加熱が行われる。セラミックス製の放射プレートは、950℃以上の温度に達し得る。燃焼排ガスは、室内空気に向かって放出される。このようなブライトラジエータは、例えば欧州特許出願公開第2014980号明細書に記載されている。
【0004】
燃料の燃焼時に発生する有害物質を最小限にするためには、有害物質排出を最小限に抑える、できるだけ完全な燃焼を達成するために、燃料ガスと空気との最適な化学量論的な比を達成するという連続的な努力がなされている。最近のブライトラジエータでは、既に極めて良好な排ガス値が達成され、このことは特に、燃料ガスおよび/または空気をバーナに適応させることによって得られる。さらに、独国特許出願公開第102014019766号明細書には、センサを用いて燃料ガスの燃焼値を求め、この燃焼値のために最適な混合比に応じて燃焼空気の供給を調整(閉ループ制御)する、ブライトラジエータが記載されている。
【0005】
最近のブライトラジエータは実証されており、高い効率と同時に比較的低い有害物質放出を有している。本発明の根底を成す課題は、少なくとも同じ効率で、有害物質排出がさらに低減されているブライトラジエータを提供することである。本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴により解決される。
【0006】
本発明によれば、従来技術と比較して少なくとも同じままの効率を有し、かつ有害物質排出が低減されているブライトラジエータが提供される。燃料ガス供給部が、好適には専ら水素源に接続されていることにより、排ガス内には理論的に、一酸化炭素、二酸化炭素または炭化水素等のような炭素含有の有害物質は含まれていない。なぜならば、水素は炭素を含まないからである。
【0007】
本発明の改良形では、水素供給部とファンとは、水素流と燃焼空気流とが互いに所定の角度で角度付けされているように形成されかつ方向付けられており、この角度が、好適には90度以下かつ45度以上である。これにより、水素と燃焼空気との良好な混合が達成されている。
【0008】
本発明の構成では、反射器が配置されており、この反射器は、放射プレートの放射面を取り囲み、かつ反射器は、排ガス室を画定する。バーナの上流側に、燃焼空気源および排ガス室に接続されている燃焼空気混合室が配置されている。燃焼空気に排ガスを供給することにより、酸素低減が達成され、これにより、火炎温度の低下が可能にされている。さらに、排ガスの再循環により、窒素酸化物放出の低減が生じる。
【0009】
本発明の別の構成では、排ガス室が、燃焼空気混合室にエジェクタを介して接続されており、エジェクタの駆動媒体は、ファンによって導入される燃焼空気であり、燃焼空気混合室内に吸い込まれる媒体は、排ガス室内にある排ガスである。これにより、燃焼空気と排ガスとの定義された比率が達成されている。好適には作動装置が配置されており、この作動装置を介して、エジェクタの、吸い込まれる排ガス体積流量に対する燃焼空気体積流量の比率が調節可能である。
【0010】
本発明の改良形では、燃焼空気混合室が、ファン内に配置されている。これにより、燃焼空気と排ガスとの良好な混合が生じている。
【0011】
本発明の構成では、水素供給は、分配プレートを介して面状にガイドされており、分配プレートが、放射プレートに対して平行に離間して配置されていて、かつ燃料混合チャンバを画定している。これにより、火炎逆流を回避すると同時に、均一かつ面状の水素・燃焼空気混合が生じる。有利には、燃料ガス供給部が水素・燃焼空気混合物源に接続されていてもよく、この場合、混合物中の水素濃度は爆発上限を上回って供給されるので、水素・燃焼空気混合物は点火不能である。これにより、混合チャンバ内に導入された燃焼空気中において極めて少ない酸素含有量しか必要ではない。
【0012】
本発明の別の構成では、分配プレートを少なくとも部分的に取り囲む給気通路が配置されており、この給気通路が、ファンに接続されている。好適には、給気通路は、燃焼空気が分配プレートにわたって面状に流れるように、形成されている。これにより、分配プレートを通流する水素との均一な混合が達成される。
【0013】
本発明の改良形によれば、光学センサが配置されている。この光学センサは、バーナにより形成された火炎の少なくとも1つのパラメータを検出するように構成されている。有利には、センサはUVセンサである。これによって、見ることができない水素炎の火炎検知が達成される。
【0014】
本発明の構成では、光学センサは、放射プレートと好適には鈍角を成すように、この放射プレートに向かって方向付けされている。これによって確実な火炎検出が達成される。
【0015】
本発明の別の構成では、放射プレートを少なくとも部分的に包囲する反射器が配置されており、この反射器が窓を備え、光学センサは、反射器の外側から、この窓を通って放射プレートに向かって方向付けされている。これにより、センサを熱に対して保護する位置において火炎検知が達成される。
【0016】
本発明の改良形では、光学センサが、燃焼空気供給を中断し、かつ/または調節するための、ファンに接続された作動装置に接続されている。好適には、光学センサは、水素供給を中断し、かつ/または調節するための、燃料ガス供給部に接続された作動装置に接続されている。これにより、燃焼空気・水素混合物に影響を与え、または火炎状態に応じて水素供給を遮断することも可能である。
【0017】
本発明の構成では、作動装置が、制御・調整モジュールに接続されており、制御・調整モジュールは、火炎特性を格納された目標パラメータにつき水素量および/または燃焼空気量の変更によって調整するようにプログラミングされている。
【0018】
本発明の別の改良形および構成は、残りの従属請求項に記載されている。本発明の実施例を図面に示し、以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ブライトラジエータを示す概略図である。
図2】別の実施形態におけるブライトラジエータを示す概略図である。
図3】第3の実施形態におけるブライトラジエータを示す概略図である。
図4】分配プレートと放射プレートとを備えた、第4の実施形態のブライトラジエータを示す概略図である。
【0020】
実施例として選択された図1に示すブライトラジエータは、水素供給部2およびファン3に接続されたバーナ1を含んでいる。このバーナ1を取り囲むように反射器4が配置されている。
【0021】
バーナ1は、セラミックス製の放射プレート12により画定されている燃料混合チャンバ11を含んでいる。セラミックス製の放射プレート12は、公知の形式で、全面にわたって延びる穴パターンを備えており、この穴パターンは、複数の円筒形の火炎通過通路から形成されており、これらの火炎通過通路は、放射プレート12の、外方に向けられた側において、円錐状に拡張するように形成されている。放射プレート12に対峙して、この放射プレート12に対して直交するように水素供給部2が配置されている。この水素供給部2は、燃料混合チャンバ11に開口している。水素供給部2に対して直角に、ファン3に接続されている吐出管路31が燃料混合チャンバ11に開口している。
【0022】
ファン3は、その吸込側でエジェクタ32に接続されており、エジェクタ32の駆動接続部は燃焼空気供給部33に接続されており、エジェクタの吸込み接続部は、排ガス供給管路34に接続されている。排ガス供給管路34は、反射器を貫通してガイドされている。排ガス供給管路34内には、再循環絞り35が配置されている。ここで、ファン3によって燃焼空気供給部33を通じて吸い込まれる燃焼空気流が、駆動媒体として働き、この駆動媒体によって、反射器4内にある排ガスパディング(Abgaspolster)381の一部が、再循環絞り35を通して吸い込まれる。再循環絞り35によって、燃焼空気流における排ガス流の割合が調節可能であり、これによってさらに、排ガス・燃焼空気流混合物の酸素含有量が規定されている。残りの排ガス流は、反射器4から周辺空気へと流れる。ファン3内には、燃焼空気混合室39が組み込まれている。
【0023】
吐出側で、燃料混合チャンバ11にはファン3によって排ガス・燃焼空気混合物が供給される。この排ガス・燃焼空気混合物は、水素供給部2により導入された水素流と一緒に、放射プレート12を通って流出した後に、バーナ1の外側で放射プレート12の前に配置された点火電極13により点火され、これによって放射プレート12の外側で一面の火炎(Flammteppich)が形成される。燃焼は、実質的に、放射プレート12の火炎通過通路の円錐形に拡張された区分において行われ、これによって、放射プレート12はその外面において、赤熱するように加熱される。再循環絞り35を介して調節可能な、排ガス・燃焼空気流混合物の酸素含有量によって、火炎温度が調整可能である。
【0024】
図2に示した実施例では、バーナ1は、先行する実施例に対応して構成されていて、同様に反射器4によって取り囲まれている。バーナ1の放射プレート12に対峙して、同様に放射プレート12に対して直交して、燃料混合チャンバ11に開口する水素供給部2が配置されている。水素供給部2に対して直角に、ファン3に接続されている吐出管路31が混合チャンバに開口している。上述した実施例とは異なり、ファン3は吸込側で燃焼空気供給部に接続されており、反射器4の内側で吐出管路31内にエジェクタ36が挿入されており、このエジェクタ36によって、吐出管路31を半径方向で取り囲む吸込みギャップ37が形成されている。吐出管路31の、エジェクタ36に続く区分が、燃焼空気混合室39を形成している。
【0025】
ファン3を介して吐出管路31内に導入された燃焼空気流によって、吸込みギャップ37を介して、反射器4の内側に形成された排ガスパディング381から排ガス流38が吸い込まれ、この排ガス流38が、燃焼空気流と混合する。吐出管路31の燃焼空気混合室39から流出する排ガス・燃焼空気混合物は、燃料混合チャンバ11内で、水素供給部2により導入された水素流と混合され、放射プレート12を通って流出した後に、バーナ1の外側で放射プレート12の前に配置された点火電極13により点火される。
【0026】
図3に示した実施例では、反射器4内にセンサ収容部41が加工されている。センサ収容部は、窓42を有している。センサ収容部内に、UVセンサ43が導入されており、このUVセンサ43は、電気的な線路44を介して、水素供給を中断するための作動装置(図示せず)に接続されている。UVセンサ43は、この実施例では、放射プレート12に対して45°の角度に方向付けられている。UVセンサ43によって火炎が検出されない場合には、作動装置によって水素供給が中断される。作動装置または作動装置に接続する制御・調整モジュールは、付加的に点火電極13に接続されていてよく、火炎が検出されない場合には、まず点火電極13が作動され、火炎が引き続き消えたままである場合に初めて水素供給の中断が行われるように構成されていてよい。
【0027】
図4に示した実施例では、同様にファン3に接続されているバーナ5が配置されている。バーナ5は、セラミックス製の放射プレート52により画定されている燃料混合チャンバ51を含んでいる。放射プレート52に対峙して、この放射プレート52に対して直交して、燃料混合チャンバ51に開口する水素供給部2が配置されている。水素供給部2と放射プレート52との間には、放射プレート52に対して平行に分配プレート53が配置されている。分配プレート53は、面状に、円筒形の貫通部から形成された穴パターンを備えている。水素供給部2は、フード形の区分21を介して分配プレート53に結合されていて、これにより水素が分配プレート53を面状に通流する。
【0028】
分配プレート53と放射プレート52との間には、燃料混合チャンバ51を包囲するように給気通路54が配置されており、この給気通路54のノズル55は、分配プレート53に対して平行に角度付けされた仮想の平面に方向付けられている。給気通路54はファン3に接続されており、このファン3によって給気されている。
【0029】
ファン3は、その吸込側において、第1の実施例に相応してエジェクタ32に接続されており、エジェクタ32の駆動接続部は燃焼空気供給部33に接続されており、かつエジェクタ32の吸込み接続部は、反射器4を貫通した排ガス供給管路34に接続されている。排ガス供給管路34内には、再循環絞り35が配置されている。本実施例では、ファン3によって燃焼空気供給部33を通じて吸い込まれる燃焼空気が、同様に駆動媒体として働き、この駆動媒体によって、反射器4内にある排ガスパディング381の一部が、再循環絞り35を通して吸い込まれる。再循環絞り35によって、本実施例でも、燃焼空気流における排ガス流の割合が調節可能であり、これによって同様に、排ガス・燃焼空気流混合物の酸素含有量が規定されている。残りの排ガス流は、反射器4から周辺空気へと流れる。本実施例でも、燃焼空気混合室39はファン3内に組み込まれている。
【0030】
吐出側で、燃料混合チャンバ51にはファン3によって給気通路54を介して排ガス・燃焼空気混合物が供給される。この排ガス・燃焼空気混合物は、分配プレート53を面状に流れ、分配プレート53を通流する水素と混合され、その後に燃料混合チャンバ51内に配置された点火電極13によって点火される。放射プレート52の通路は、高温の燃焼排ガスによって通流され、これにより必要な温度にされる。
【0031】
給気通路54により分配プレート53にわたって形成された面状の排ガス・燃焼空気混合物流によって、分配プレート53が冷却される。これによって、分配プレート53を通じた火炎逆流は阻止されている。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】