(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】配電装置、電池パック及び車両
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20241128BHJP
H02H 7/18 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H02J1/00 309R
H02H7/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515859
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 CN2022132834
(87)【国際公開番号】W WO2023116293
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202123233795.5
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210182099.6
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】高健
(72)【発明者】
【氏名】鄂从吉
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼▲暁▼▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】彭青波
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼▲鎮▼▲漢▼
(72)【発明者】
【氏名】王成志
【テーマコード(参考)】
5G053
5G165
【Fターム(参考)】
5G053AA05
5G053CA04
5G053DA01
5G053EA03
5G053EC01
5G053FA05
5G165BB05
5G165EA01
5G165GA09
5G165HA01
5G165KA11
5G165LA01
5G165LA02
5G165NA02
5G165NA10
(57)【要約】
配電装置、電池パック及び車両を開示する。該配電装置(1)は、ベース(100)、高圧回路(200)、回路基板(300)、低圧回路(400)及び複数の高低圧接続タブ(500)を含み、ベースには、高圧接続部(110)及び低圧接続部(120)が固定され、高圧回路は、少なくとも一部が前記ベースに組み立てられ、高圧接続部と電気的に連通し、モジュール正極接続端子(210)及びモジュール負極接続端子(220)を有し、ベースによって固定された主遮断スイッチコア(230)を含み、回路基板は、ベースに取り付けられ、低圧回路は、回路基板に集積され、かつ低圧接続部と電気的に連通し、各高低圧接続タブは、一端が高圧回路に接続されてそれと電気的に連通し、他端が回路基板に挿着されて低圧回路と電気的に連通する。該配電装置は、構造が簡単でコンパクトであり、スペース利用率が高く、体積が小さく、重量が軽く、コストが低いという利点を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(100)、高圧回路(200)、回路基板(300)、低圧回路(400)及び複数の高低圧接続タブ(500)を含み、
前記ベースには、高圧接続部(110)及び低圧接続部(120)が固定され、
前記高圧回路の少なくとも一部は、前記ベースに組み立てられ、前記高圧回路は、前記高圧接続部に電気的に接続され、前記高圧回路は、モジュール正極接続端子(210)及びモジュール負極接続端子(220)を有し、前記高圧回路は、前記ベースに固定された主遮断スイッチコア(230)を含み、
前記回路基板は、前記ベースに取り付けられ、
前記低圧回路は、前記回路基板に集積され、かつ前記低圧接続部に電気的に接続され、
各前記高低圧接続タブの第1端は、前記高圧回路に電気的に接続され、各前記高低圧接続タブの第2端が前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続される、ことを特徴とする配電装置(1)。
【請求項2】
前記複数の高低圧接続タブは、互いに平行であり、かつ前記回路基板に垂直である、ことを特徴とする請求項1に記載の配電装置。
【請求項3】
前記高圧回路は、前記高圧接続部に重ね接続されてそれと電気的に接続され、
前記低圧接続部は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続され、
前記高圧回路における接続される部品は、重ね接続により電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の配電装置。
【請求項4】
前記高圧回路は、回路保護装置(240)をさらに含み、前記回路保護装置は、前記ベースに組み立てられ、前記回路保護装置の第1端子は、前記モジュール正極接続端子を形成し、
前記主遮断スイッチコアは、複数あり、複数の前記主遮断スイッチコアは、主正遮断スイッチコア(231)及び主負遮断スイッチコア(232)を少なくとも含み、前記回路保護装置の第2端子は、前記主正遮断スイッチコアの第1端子と電気的に連通し、前記主正遮断スイッチコアの第2端子と前記主負遮断スイッチコアの第1端子は、それぞれ前記高圧接続部と電気的に接続され、
前記複数の高低圧接続タブは、主正低圧正極接続タブ(510)、主正低圧負極接続タブ(520)、主負低圧正極接続タブ(530)及び主負低圧負極接続タブ(540)を含み、前記主正低圧正極接続タブの第1端と前記主正低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記主正遮断スイッチコアに接続され、前記主正低圧正極接続タブの第2端と前記主正低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続され、前記主負低圧正極接続タブの第1端と前記主負低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記主負遮断スイッチコアに接続され、前記主負低圧正極接続タブの第2端と前記主負低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の配電装置。
【請求項5】
前記回路保護装置の前記第2端子は、前記主正遮断スイッチコアの前記第1端子に重ね接続されてそれと電気的に接続され、
前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子は、それぞれ前記高圧接続部に重ね接続されてそれと電気的に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の配電装置。
【請求項6】
前記複数の高低圧接続タブは、正極電圧収集タブ(550)及び負極電圧収集タブ(560)をさらに含み、
前記正極電圧収集タブの第1端は、前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記高圧接続部との重ね接続箇所に重ね接続され、前記正極電圧収集タブの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続され、
前記負極電圧収集タブの第1端は、前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子と前記高圧接続部との重ね接続箇所に重ね接続され、前記負極電圧収集タブの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の配電装置。
【請求項7】
前記高圧接続部は、高圧正極引出タブ(111)及び高圧負極引出タブ(112)を含み、
前記高圧正極引出タブは、前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記正極電圧収集タブの端部に重ね接続されてそれらと電気的に接続され、
前記高圧負極引出タブは、前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子及び前記負極電圧収集タブの端部に重ね接続されてそれらと電気的に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の配電装置。
【請求項8】
前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブの前記端部が順に重ね接続され、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブのうちの一方に正極回転防止位置決め溝が設置され、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブのうちの他方が前記正極回転防止位置決め溝に嵌合され、
前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブの前記端部が順に重ね接続され、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブのうちの一方に負極回転防止位置決め溝が設置され、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブのうちの他方が前記負極回転防止位置決め溝に嵌合される、ことを特徴とする請求項7に記載の配電装置。
【請求項9】
前記ベースは、第1位置決め仕切りリブ(130)及び第2位置決め仕切りリブ(140)を有するように構成され、
前記第1位置決め仕切りリブは、前記回路保護装置と前記高圧正極引出タブとの間、及び前記回路保護装置と前記正極電圧収集タブとの間に位置し、
前記第2位置決め仕切りリブは、前記高圧正極引出タブと前記高圧負極引出タブとの間、及び前記正極電圧収集タブと前記負極電圧収集タブとの間に位置する、ことを特徴とする請求項7に記載の配電装置。
【請求項10】
前記高圧回路は、電流センサ(150)をさらに含み、前記電流センサの第1端子は、前記モジュール負極接続端子を形成し、前記電流センサの第2端子は、前記主負遮断スイッチコアの第2端子と電気的に接続され、
前記複数の高低圧接続タブは、電流収集ピン(570)をさらに含み、前記電流収集ピンの第1端は、前記電流センサに接続され、前記電流収集ピンの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する、ことを特徴とする請求項4に記載の配電装置。
【請求項11】
前記電流センサの前記第2端子は、前記主負遮断スイッチコアの前記第2端子に重ね接続されてそれと電気的に接続される、ことを特徴とする請求項10に記載の配電装置。
【請求項12】
前記ベースは、第3位置決め仕切りリブ(160)を有するように構成され、前記第3位置決め仕切りリブは、前記電流センサと前記高圧接続部との間に位置する、ことを特徴とする請求項10に記載の配電装置。
【請求項13】
前記回路保護装置、前記主正遮断スイッチコア、前記主負遮断スイッチコア及び前記電流センサは、前記ベースの長さ方向に沿って順に配列され、
前記低圧接続部及び前記電流センサは、前記ベースの幅方向に沿って配列される、ことを特徴とする請求項10に記載の配電装置。
【請求項14】
前記高圧回路は、プリチャージ回路(170)をさらに含み、前記プリチャージ回路の一部は、前記回路基板に集積され、前記プリチャージ回路は、プリチャージ抵抗(180)及びプリチャージ遮断スイッチ(190)を含み、前記プリチャージ抵抗及び前記プリチャージ遮断スイッチは、前記ベースに組み立てられ、かつ前記回路基板に挿着され、前記プリチャージ抵抗及び前記プリチャージ遮断スイッチは、互いに直列に接続され、かつ前記主遮断スイッチコアに並列に接続され、
前記複数の高低圧接続タブは、プリチャージ低圧正極接続タブ(580)及びプリチャージ低圧負極接続タブ(590)をさらに含み、前記プリチャージ低圧正極接続タブの第1端と前記プリチャージ低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記プリチャージ遮断スイッチに接続され、前記プリチャージ低圧正極接続タブの第2端と前記プリチャージ低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の配電装置。
【請求項15】
前記プリチャージ遮断スイッチは、プリチャージ高圧正極接続タブ(191)及びプリチャージ高圧負極接続タブ(192)を有し、前記プリチャージ抵抗は、抵抗高圧接続タブ(181)を有し、前記回路保護装置及び前記プリチャージ抵抗は、接触により電気的に接続され、前記プリチャージ高圧正極接続タブ、前記プリチャージ高圧負極接続タブ及び前記抵抗高圧接続タブは、前記回路基板に挿着されて、前記プリチャージ回路の前記回路基板に集積された部分と電気的に接続され、或いは、
前記プリチャージ遮断スイッチは、前記プリチャージ高圧正極接続タブ及び前記プリチャージ高圧負極接続タブを有し、前記プリチャージ抵抗は、抵抗高圧正極接続タブ(182)及び抵抗高圧負極接続タブ(183)を有し、前記プリチャージ高圧正極接続タブ、前記プリチャージ高圧負極接続タブ、前記抵抗高圧正極接続タブ及び前記抵抗高圧負極接続タブは、前記回路基板に挿着されて、前記プリチャージ回路の前記回路基板に集積された部分と電気的に接続される、ことを特徴とする請求項14に記載の配電装置。
【請求項16】
前記プリチャージ回路は、
プリチャージ接続タブ(171)をさらに含み、前記回路保護装置の前記第2端子は、前記主正遮断スイッチコアの前記第1端子に重ね接続されてそれと電気的に接続され、前記プリチャージ接続タブの第1端は、前記回路保護装置の前記第2端子と前記主正遮断スイッチコアの前記第1端子との重ね接続箇所に重ね接続され、前記プリチャージ接続タブの第2端は、前記回路基板に挿着されて、前記プリチャージ回路の前記回路基板に集積された部分と電気的に接続される、ことを特徴とする請求項14に記載の配電装置。
【請求項17】
前記プリチャージ接続タブは、前記回路保護装置の前記第2端子と一体に成形される、ことを特徴とする請求項16に記載の配電装置。
【請求項18】
前記プリチャージ遮断スイッチ、前記プリチャージ抵抗、前記主正遮断スイッチコア、前記主負遮断スイッチコア及び前記低圧接続部は、前記ベースの長さ方向に沿って順に配列され、
前記プリチャージ遮断スイッチ、前記プリチャージ抵抗及び前記回路保護装置は、前記ベースの幅方向に沿って配列される、ことを特徴とする請求項14に記載の配電装置。
【請求項19】
前記ベースは、主正遮断スイッチコア取り付け溝(101)、主負遮断スイッチコア取り付け溝(102)、プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝(103)及びプリチャージ抵抗取り付け溝(104)を有するように構成され、
前記主正遮断スイッチコアは、熱伝導性シーラントにより前記主正遮断スイッチコア取り付け溝に固定され、
前記主負遮断スイッチコアは、熱伝導性シーラントにより前記主負遮断スイッチコア取り付け溝に固定され、
前記プリチャージ遮断スイッチは、前記プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝に係着されるか、又は熱伝導性シーラントにより前記プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝に固定され、
前記プリチャージ抵抗は、前記プリチャージ抵抗取り付け溝に係着される、ことを特徴とする請求項14に記載の配電装置。
【請求項20】
前記ベースは、ベース本体(105)及びパネル(106)を含み、
前記高圧回路の少なくとも一部は、前記ベース本体に組み立てられ、前記回路基板は、前記ベース本体に取り付けられ、
前記パネルは、前記ベース本体に接続され、前記高圧接続部及び前記低圧接続部は、前記パネルに固定される、ことを特徴とする請求項1~19のいずれか一項に記載の配電装置。
【請求項21】
前記ベース本体と前記パネルは、一体物又は別体物である、ことを特徴とする請求項20に記載の配電装置。
【請求項22】
ケース(800)と、請求項1~21のいずれか一項に記載の配電装置(1)と、電池モジュール(700)とを含み、
前記配電装置は、前記ケース内に設置され、前記高圧接続部(110)及び前記低圧接続部(120)は、前記ケースから露出し、
前記電池モジュールは、前記ケース内に設置され、かつ前記モジュール正極接続端子(210)及び前記モジュール負極接続端子(220)にそれぞれ電気的に接続される、ことを特徴とする電池パック(2)。
【請求項23】
請求項22に記載の電池パック(2)と、前記電池パックに電気的に接続された負荷(900)とを含む、ことを特徴とする車両(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月20日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202123233795.5で、出願の名称が「動力電池システムの配電ボックス」である中国特許出願、及び2022年2月25日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202210182099.6で、出願の名称が「配電装置、電池パック及び車両」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、それらの全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、車両の技術分野に関し、特に配電装置、電池パック及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術における配電ボックスは、通常、高圧回路、低圧回路、高圧コネクタ及び低圧コネクタを含み、かつ配電ボックス内の部品間の接続銅バー又はハーネスの配線が多いため、レイアウトが混乱し、占有スペースが大きく、スペース利用率が低く、コストが高く、重量が重く、体積が大きく、生産効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決しようとする。このため、本開示は、構造が簡単でコンパクトで、スペース利用率が高く、体積が小さく、重量が軽く、コストが低いなどの利点を有する配電装置を提供する。
【0005】
本開示は、上記配電装置を有する電池パックをさらに提供する。
【0006】
本開示は、上記電池パックを有する車両をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様の実施例に係る配電装置は、ベース、高圧回路、回路基板、低圧回路及び複数の高低圧接続タブを含み、ベースには、高圧接続部及び低圧接続部が固定され、前記高圧回路は、少なくとも一部が前記ベースに組み立てられ、前記高圧接続部と電気的に連通し、モジュール正極接続端子及びモジュール負極接続端子を有し、前記ベースによって固定された主遮断スイッチコアを含み、前記回路基板は、前記ベースに取り付けられ、前記低圧回路は、前記回路基板に集積され、かつ前記低圧接続部と電気的に連通し、各前記高低圧接続タブは、第1端が前記高圧回路に接続されてそれと電気的に連通し、第2端が前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する。
【0008】
本開示のいくつかの実施例では、前記複数の高低圧接続タブは、互いに平行であり、かつ前記回路基板に垂直である。
【0009】
本開示のいくつかの実施例では、前記高圧回路は、前記高圧接続部に重ね接続されてそれと電気的に連通し、前記低圧接続部は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通し、前記高圧回路における接続される部品は、重ね接続により電気的に連通する。
【0010】
本開示のいくつかの実施例では、前記高圧回路は、回路保護装置をさらに含み、前記回路保護装置は、前記ベースに組み立てられ、前記回路保護装置の第1端子は、前記モジュール正極接続端子を形成し、前記主遮断スイッチコアは、複数あり、複数の前記主遮断スイッチコアは、主正遮断スイッチコア及び主負遮断スイッチコアを少なくとも含み、前記回路保護装置の第2端子は、前記主正遮断スイッチコアの第1端子と電気的に連通し、前記主正遮断スイッチコアの第2端子と前記主負遮断スイッチコアの第1端子は、それぞれ前記高圧接続部と電気的に連通し、前記複数の高低圧接続タブは、主正低圧正極接続タブ、主正低圧負極接続タブ、主負低圧正極接続タブ及び主負低圧負極接続タブを含み、前記主正低圧正極接続タブの第1端と前記主正低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記主正遮断スイッチコアに接続され、前記主正低圧正極接続タブの第2端と前記主正低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通し、前記主負低圧正極接続タブの第1端と前記主負低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記主負遮断スイッチコアに接続され、前記主負低圧正極接続タブの第2端と前記主負低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する。
【0011】
本開示のいくつかの実施例では、前記回路保護装置の前記第2端子は、前記主正遮断スイッチコアの前記第1端子に重ね接続されてそれと電気的に連通し、前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子は、それぞれ前記高圧接続部に重ね接続されてそれと電気的に連通する。
【0012】
本開示のいくつかの実施例では、前記複数の高低圧接続タブは、正極電圧収集タブ及び負極電圧収集タブをさらに含み、前記正極電圧収集タブの第1端は、前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記高圧接続部との重ね接続箇所に重ね接続され、前記正極電圧収集タブの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通し、前記負極電圧収集タブの第1端は、前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子と前記高圧接続部との重ね接続箇所に重ね接続され、前記負極電圧収集タブの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する。
【0013】
本開示のいくつかの実施例では、前記高圧接続部は、高圧正極引出タブ及び高圧負極引出タブをさらに含み、前記高圧正極引出タブは、それぞれ前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記正極電圧収集タブの前記端部に重ね接続されてそれらと電気的に連通し、前記高圧負極引出タブは、それぞれ前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子及び前記負極電圧収集タブの前記端部に重ね接続されてそれらと電気的に連通する。
【0014】
本開示のいくつかの実施例では、前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブの前記端部が順に重ね接続され、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブのうちの一方に正極回転防止位置決め溝が設置され、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブのうちの他方が前記正極回転防止位置決め溝に嵌合され、前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブの前記端部が順に重ね接続され、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブのうちの一方に負極回転防止位置決め溝が設置され、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブのうちの他方が前記負極回転防止位置決め溝に嵌合される。
【0015】
本開示のいくつかの実施例では、前記ベースは、第1位置決め仕切りリブ及び第2位置決め仕切りリブを有するように構成され、前記第1位置決め仕切りリブは、前記回路保護装置と前記高圧正極引出タブとの間、及び前記回路保護装置と前記正極電圧収集タブとの間に位置し、前記第2位置決め仕切りリブは、前記高圧正極引出タブと前記高圧負極引出タブとの間、及び前記正極電圧収集タブと前記負極電圧収集タブとの間に位置する。
【0016】
本開示のいくつかの実施例では、前記高圧回路は、電流センサをさらに含み、前記電流センサの第1端子は、前記モジュール負極接続端子を形成し、前記電流センサの第2端子は、前記主負遮断スイッチコアの第2端子と電気的に連通し、前記複数の高低圧接続タブは、電流収集ピンをさらに含み、前記電流収集ピンの第1端は、前記電流センサに接続され、前記電流収集ピンの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する。
【0017】
本開示のいくつかの実施例では、前記電流センサの前記第2端子は、前記主負遮断スイッチコアの前記第2端子に重ね接続されてそれと電気的に連通する。
【0018】
本開示のいくつかの実施例では、前記ベースは、第3位置決め仕切りリブを有するように構成され、前記第3位置決め仕切りリブは、前記電流センサと前記高圧接続部との間に位置する。
【0019】
本開示のいくつかの実施例では、前記回路保護装置、前記主正遮断スイッチコア、前記主負遮断スイッチコア及び前記電流センサは、前記ベースの長さ方向に沿って順に配列され、前記低圧接続部及び前記電流センサは、前記ベースの幅方向に沿って配列される。
【0020】
本開示のいくつかの実施例では、前記高圧回路は、プリチャージ回路をさらに含み、前記プリチャージ回路の一部は、前記回路基板に集積され、前記プリチャージ回路は、プリチャージ抵抗及びプリチャージ遮断スイッチを含み、前記プリチャージ抵抗及び前記プリチャージ遮断スイッチは、前記ベースに組み立てられ、かつ前記回路基板に挿着され、前記プリチャージ抵抗及び前記プリチャージ遮断スイッチは、互いに直列に接続され、かつ前記主遮断スイッチコアに並列に接続され、前記複数の高低圧接続タブは、プリチャージ低圧正極接続タブ及びプリチャージ低圧負極接続タブをさらに含み、前記プリチャージ低圧正極接続タブの第1端と前記プリチャージ低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記プリチャージ遮断スイッチに接続され、前記プリチャージ低圧正極接続タブの第2端と前記プリチャージ低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する。
【0021】
本開示のいくつかの実施例では、前記プリチャージ遮断スイッチは、プリチャージ高圧正極接続タブ及びプリチャージ高圧負極接続タブを有し、前記プリチャージ抵抗は、抵抗高圧接続タブを有し、前記プリチャージ遮断スイッチ及び前記プリチャージ抵抗は、接触により電気的に連通し、前記プリチャージ高圧正極接続タブ、前記プリチャージ高圧負極接続タブ及び前記抵抗高圧接続タブは、前記回路基板に挿着されて、前記プリチャージ回路の前記回路基板に集積された部分と電気的に連通する。好ましくは、前記プリチャージ遮断スイッチは、前記プリチャージ高圧正極接続タブ及び前記プリチャージ高圧負極接続タブを有し、前記プリチャージ抵抗は、抵抗高圧正極接続タブ及び抵抗高圧負極接続タブを有し、前記プリチャージ高圧正極接続タブ、前記プリチャージ高圧負極接続タブ、前記抵抗高圧正極接続タブ及び前記抵抗高圧負極接続タブは、前記回路基板に挿着されて、前記プリチャージ回路の前記回路基板に集積された部分と電気的に連通する。
【0022】
本開示のいくつかの実施例では,前記プリチャージ回路は、プリチャージ接続タブをさらに含み、前記回路保護装置の前記第2端子は、前記主正遮断スイッチコアの前記第1端子に重ね接続されてそれと電気的に連通し、前記プリチャージ接続タブの第1端は、前記回路保護装置の前記第2端子と前記主正遮断スイッチコアの前記第1端子との重ね接続箇所に重ね接続され、前記プリチャージ接続タブの第2端は、前記回路基板に挿着されて、前記プリチャージ回路の前記回路基板に集積された部分と電気的に連通する。
【0023】
本開示のいくつかの実施例では、前記プリチャージ接続タブは、前記回路保護装置の前記第2端子と一体に成形される。
【0024】
本開示のいくつかの実施例では、前記プリチャージ遮断スイッチ、前記プリチャージ抵抗、前記主正遮断スイッチコア、前記主負遮断スイッチコア及び前記低圧接続部は、前記ベースの長さ方向に沿って順に配列され、前記プリチャージ遮断スイッチ、前記プリチャージ抵抗及び前記回路保護装置は、前記ベースの幅方向に沿って配列される。
【0025】
本開示のいくつかの実施例では、前記ベースは、主正遮断スイッチコア取り付け溝、主負遮断スイッチコア取り付け溝、プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝及びプリチャージ抵抗取り付け溝を有するように構成され、前記主正遮断スイッチコアは、熱伝導性シーラントにより前記主正遮断スイッチコア取り付け溝に固定され、前記主負遮断スイッチコアは、熱伝導性シーラントにより前記主負遮断スイッチコア取り付け溝に固定され、前記プリチャージ遮断スイッチは、前記プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝に係着されるか、又は熱伝導性シーラントにより前記プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝に固定され、前記プリチャージ抵抗は、前記プリチャージ抵抗取り付け溝に係着される。
【0026】
本開示のいくつかの実施例では、前記ベースは、ベース本体及びパネルを含み、前記高圧回路の前記少なくとも一部は、前記ベース本体に組み立てられ、前記回路基板は、前記ベース本体に取り付けられ、前記パネルは、前記ベース本体に接続され、前記高圧接続部及び前記低圧接続部は、前記パネルに固定される。
【0027】
本開示のいくつかの実施例では、前記ベース本体と前記パネルは、一体物又は別体物である。
【0028】
本開示の第2態様の実施例に係る電池パックは、ケースと、本開示の第1態様の実施例に記載の配電装置と、電池モジュールとを含み、前記配電装置は、前記ケース内に設置され、前記高圧接続部及び前記低圧接続部は、前記ケースから露出し、前記電池モジュールは、前記ケース内に設置され、かつ前記モジュール正極接続端子及び前記モジュール負極接続端子にそれぞれ電気的に接続される。
【0029】
本開示の第3態様の実施例に係る車両は、本開示の第2態様の実施例に記載の電池パックを含む。
【発明の効果】
【0030】
本開示の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明により明らかになるか、又は本開示の実施により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本開示の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、容易に理解される。
【0032】
【
図1】本開示の実施例に係る配電装置の概略構成図である。
【
図2】本開示の実施例に係る配電装置の別の視点から見た概略構成図である。
【
図3】本開示の別の実施例に係る配電装置の概略構成図である。
【
図4】本開示の実施例に係る配電装置の分解図である。
【
図5】本開示の実施例に係る配電装置のベースの概略構成図である。
【
図6】本開示の実施例に係る配電装置のベースの別の視点から見た概略構成図である。
【
図7】本開示の実施例に係る配電装置の概略回路図である。
【
図8】本開示の別の実施例に係る配電装置の概略構成図である。
【
図9】本開示の実施例に係る車両の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例が図面において示されるが、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0034】
なお、本開示の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などの用語によって示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位において構成され、操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0035】
本開示の説明では、「複数」とは、2つ以上を意味し、「いくつか」とは、1つ以上を意味する。
【0036】
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る電池パック2を説明し、電池パック2は、ケース800、電池モジュール700及び配電装置1を含む。
【0037】
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る配電装置1を説明する。
【0038】
図1~
図8に示すように、本開示の実施例に係る配電装置1は、ベース100、高圧回路200、回路基板300、低圧回路400及び複数の高低圧接続タブ500を含む。
【0039】
ベース100には、高圧接続部110及び低圧接続部120が固定され、高圧回路200は、少なくとも一部がベース100に組み立てられ、高圧接続部110と電気的に連通し、モジュール正極接続端子210及びモジュール負極接続端子220を有し、ベース100によって固定された主遮断スイッチコア230を含み、回路基板300は、ベース100に取り付けられ、低圧回路400は、回路基板300に集積され、かつ低圧接続部120と電気的に連通し、各高低圧接続タブ500は、第1端が高圧回路200に接続されてそれと電気的に連通し、第2端が回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通する。
【0040】
なお、「主遮断スイッチコア230」という用語について、主遮断スイッチは、リレー、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、MOSトランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、MOSFET、電界効果トランジスタ)のうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。「コア」とは、主遮断スイッチの主にその機能を果たす部分であり、主遮断スイッチ自体の筐体を除いた内部の機能部品であると理解でき、即ち、主遮断スイッチコア230は、主遮断スイッチ自体の筐体を除いた残りの部分である。そして、回路基板300には、電池管理コントローラ(Battery Management Controller、BMC)が集積されてもよい。
【0041】
本開示の実施例の電池パック2において、配電装置1は、ケース内に設置され、高圧接続部110及び低圧接続部120は、ケースから露出し、電池モジュール700は、ケース内に設置され、モジュール正極接続端子210及びモジュール負極接続端子220にそれぞれ電気的に接続される。高圧接続部110及び低圧接続部120は、車両の電気機器(例えば、モータ、エアコンコンプレッサ、PTC(Positive Temperature Coefficient)、コントローラなど)に接続されるように、ケースから露出する。
【0042】
例えば、高圧回路200と低圧回路400が直接連通するのではなく、高圧回路200と低圧回路400との間に変圧構造(即ち、電圧を変更可能な構造)が接続され、例えば、高圧回路200と低圧回路400との間に変圧器が接続される。上記変圧構造の設置により、低圧回路400内の電流の電圧が高圧回路200内の電流の電圧よりも低いことを保証することができ、かつ電池モジュール700は、高圧回路200及び該変圧構造によって低圧回路400に給電して、低圧回路400の正常動作を実現することができる。
【0043】
本開示の実施例に係る配電装置1では、ベース100に高圧接続部110及び低圧接続部120が固定され、高圧接続部110及び低圧接続部120がケースから露出することができるため、高圧接続部110は、車両の高圧電気機器への給電を実現することができ、低圧接続部120は、配電装置1へのリアルタイム制御を実現するように、車両のコントローラと通信するための通信ピンを含んでもよく、低圧接続部120は、車両の低圧電気機器に給電するための低圧プラグをさらに含んでもよい。そして、ベース100は、高圧接続部110及び低圧接続部120の両者とベース100との相対位置を固定することで、高圧接続部110と低圧接続部120との接触を回避し、配電装置1の電気的接続の安全性を保証することができる。高圧接続部110、低圧接続部120及びベース100の三者は、接続の柔軟性を向上させるために、別々に設計することができる。電池モジュール700は、モジュール正極接続端子210及びモジュール負極接続端子220によって高圧回路200に給電することができ、高圧回路200は、高圧接続部110によって車両の高圧電気機器に給電することができる。
【0044】
そして、ベース100を用いて主遮断スイッチコア230を直接固定することにより、スペースを節約するとともに、主遮断スイッチコア230が十分に長い引出部分を有することができ、主遮断スイッチコア230を直接利用し、ベース100を用いて主遮断スイッチコア230を固定して保護し、このように、従来の遮断スイッチの本来のケースを省略し、構造が簡単でよりコンパクトになる。
【0045】
低圧回路400が回路基板300に集積され、回路基板300がベース100に取り付けられ、かつ主遮断スイッチコア230が十分に長い引出部分を有することができることにより、配電装置1の内部の大量の銅バー及びハーネスを省略するために前提条件を作成し、これに基づいて、高低圧接続タブ500は、各高低圧接続タブ500の第1端が高圧回路200に接続されてそれと電気的に連通し、第2端が回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通するように設置される。
【0046】
言い換えれば、各高低圧接続タブ500の第1端が高圧回路200に接続されて、各高低圧接続タブ500の第2端が回路基板300に直接挿着されてもよく、それにより高圧回路200と低圧回路400との連通を実現し、回路基板300における低圧回路400が主遮断スイッチコア230のオンオフを制御することができ、従来の高低圧接続の中間接続部材(例えば、銅バー、ハーネスなど)を省略することができる。
【0047】
以上から分かるように、高圧回路200と低圧回路400との間の電気的接続がより確実であり、かつレイアウトが明確であり、温度上昇が高すぎたり接続箇所が焼結したりするなどの問題が発生しにくく、従来の配電装置1内の大量の銅バー及びハーネスを省略することにより、配電装置1内の電気的接続のレイアウトをさらに簡略化することができ、構造が簡単でコンパクトになり、それにより配電装置1の体積をさらに小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減して、電池パック2のスペースをさらに節約し、電池パック2のエネルギー密度を向上させ、完成車の航続能力を向上させることができる。
【0048】
このように、本開示の実施例に係る配電装置1は、構造が簡単でコンパクトであり、スペース利用率が高く、体積が小さく、重量が軽く、コストが低いなどの利点を有する。
【0049】
本開示の実施例に係る電池パック2は、本開示の上記実施例に係る配電装置1を利用することにより、構造が簡単でコンパクトであり、スペース利用率が高く、体積が小さく、重量が軽く、コストが低いなどの利点を有する。
【0050】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、
図1~
図4に示すように、複数の高低圧接続タブ500は、互いに平行であり、かつ回路基板300に垂直である。高圧回路200が配置された領域は、回路基板300と略平行であり、各高低圧接続タブ500を回路基板300に垂直に設置することにより、高圧回路200と回路基板300との間の高低圧接続タブ500のサイズを小さくし、高低圧接続タブ500の体積を小さくすることができる一方、複数の高低圧接続タブ500の間の干渉を回避し、回路接続の難しさを低減し、レイアウトをさらに簡略化することができる。
【0051】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、
図2~
図4に示すように、高圧回路200は、高圧接続部110に重ね接続されてそれと電気的に連通し、主遮断スイッチコア230は、十分に長い引出部分を有することができるため、高圧回路200と高圧接続部110は、部分的に重ねて重置されることにより両者の重ね接続を実現し、このような重ね接続により電気的連通を実現し、このように、従来の高圧回路と高圧接続部との間の中間接続部材、即ち、高圧部分の銅バー及びハーネスなどを省略することができる。
【0052】
また、低圧接続部120は、回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通し、即ち、低圧回路400と低圧接続部120は、回路基板300によって電気的連通を実現することができ、このように、従来の低圧回路と低圧接続部との間の中間接続部材、即ち、低圧部分の銅バー及びハーネスなどを省略することができる。そして、高圧回路200における接続される部品は、重ね接続により電気的に連通し、即ち、高圧回路200における接続される必要がある部品は、部分的に重ねて重置されることにより重ね接続を実現し、このような重ね接続により電気的連通を実現し、このように、従来の高圧回路における中間接続部材、即ち、高圧部分の銅バー及びハーネスなどを省略することができる。
【0053】
これにより、高圧回路200と高圧接続部110との間の、高圧回路200自体における接続される部品の間の、低圧回路400と低圧接続部120との間の電気的接続がより確実であり、かつレイアウトが明確であり、温度上昇が高すぎたり接続箇所が焼結したりするなどの問題が発生しにくく、従来の配電装置内の大量の銅バー及びハーネスを省略することにより、配電装置1内の電気的接続のレイアウトをさらに簡略化することができ、それにより配電装置1の体積をさらに小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減して、電池パック2のスペースをさらに節約し、電池パック2のエネルギー密度を向上させ、完成車の航続能力を向上させることができる。
【0054】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、
図1、
図2及び
図4に示すように、高圧回路200は、回路保護装置240をさらに含み、回路保護装置240は、ベース100に組み立てられ、回路保護装置240の第1端子は、モジュール正極接続端子210を形成する。回路保護装置240は、ヒューズ、ブレーカー、ヒューズボックス、アクティブヒューズなどの回路保護装置のうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。回路保護装置240を設置することにより、高圧回路200に電流が大きすぎ、電圧が大きすぎるなどの状況が発生した場合、回路保護装置240が適時に自動的に切断することで、高圧回路200を遮断して、高圧回路200における他の部品を保護する目的を達成することができる。
【0055】
そして、主遮断スイッチコア230は、複数あり、主正遮断スイッチコア231及び主負遮断スイッチコア232を少なくとも含み、回路保護装置240の第2端子は、主正遮断スイッチコア231の第1端子と電気的に連通し、主正遮断スイッチコア231の第2端子と主負遮断スイッチコア232の第1端子は、それぞれ高圧接続部110と電気的に連通する。
【0056】
主正遮断スイッチコア231は、リレーのコア(即ち、リレーにケースを設置する必要がない)、IGBTのコア(即ち、IGBTにケースを設置する必要がない)、MOSトランジスタのコア(即ち、MOSトランジスタにケースを設置する必要がない)のうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。主負遮断スイッチコア232は、リレーのコア(即ち、リレーにケースを設置する必要がない)、IGBTのコア(即ち、IGBTにケースを設置する必要がない)、MOSトランジスタのコア(即ち、MOSトランジスタにケースを設置する必要がない)のうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0057】
なお、回路基板300は、低圧回路400が集積されることにより、主正遮断スイッチコア231のオンオフと主負遮断スイッチコア232のオンオフを制御することができる。
【0058】
例えば、主正遮断スイッチコア231は、高圧接続部110とモジュール正極接続端子210が連通するか否かを制御することができ、主負遮断スイッチコア232は、高圧接続部110とモジュール負極接続端子220が連通するか否かを制御することができる。主正遮断スイッチコア231と主正遮断スイッチコア231がいずれもオンに保持すると、高圧回路200の電気的導通を実現することができ、このとき、電池モジュール700は、高圧接続部110により車両の高圧電気機器に給電することができる。高圧回路200内の電流の電圧が高いため、主正遮断スイッチコア231と主負遮断スイッチコア232の2つのスイッチを設置し、かつ主正遮断スイッチコア231と主負遮断スイッチコア232のオンオフが互いに干渉しないようにすることにより、高圧回路200を非常に確実に遮断し、高圧回路200の安全性を向上させ、それにより車両の高圧電気機器への給電の安全性を保証することができる。
【0059】
また、複数の高低圧接続タブ500は、主正低圧正極接続タブ510、主正低圧負極接続タブ520、主負低圧正極接続タブ530及び主負低圧負極接続タブ540を含み、主正低圧正極接続タブ510の第1端と主正低圧負極接続タブ520の第1端は、それぞれ主正遮断スイッチコア231に接続され、主正低圧正極接続タブ510の第2端と主正低圧負極接続タブ520の第2端は、それぞれ回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通し、主負低圧正極接続タブ530の第1端と主負低圧負極接続タブ540の第1端は、それぞれ主負遮断スイッチコア232に接続され、主負低圧正極接続タブ530の第2端と主負低圧負極接続タブ540の第2端は、それぞれ回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通する。
【0060】
このように、主正遮断スイッチコア231は、主正低圧正極接続タブ510及び主正低圧負極接続タブ520によって回路基板300における低圧回路400との電気的連通を実現し、主負遮断スイッチコア232は、主負低圧正極接続タブ530及び主負低圧負極接続タブ540によって回路基板300における低圧回路400との電気的連通を実現し、このように、回路基板300における低圧回路400を利用して主正遮断スイッチコア231のオンオフと主負遮断スイッチコア232のオンオフを制御することができる。
【0061】
そして、主正遮断スイッチコア231が主正低圧正極接続タブ510及び主正低圧負極接続タブ520によって挿着方式で回路基板300に直接接続されることにより、主正遮断スイッチコア231と回路基板300との間の導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を省略し、主正遮断スイッチコア231と回路基板300との間の確実な電気的接続を保証することができ、配電装置1の体積を小さくし、コスト及び重量を低減することにも有利である。また、主負遮断スイッチコア232が主負低圧正極接続タブ530及び主負低圧負極接続タブ540によって挿着方式で回路基板300に直接接続されることにより、主負遮断スイッチコア232と回路基板300との間の導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を省略し、主負遮断スイッチコア232と回路基板300との間の確実な電気的接続を保証することができ、配電装置1の体積を小さくし、コスト及び重量を低減することにも有利である。
【0062】
好ましくは、
図1、
図2及び
図4に示すように、回路保護装置240の第2端子は、主正遮断スイッチコア231の第1端子に重ね接続されてそれと電気的に連通し、主正遮断スイッチコア231の第2端子と主負遮断スイッチコア232の第1端子は、それぞれ高圧接続部110に重ね接続されてそれと電気的に連通する。
【0063】
このように、回路保護装置240と主遮断スイッチコア230との間に導電構造(例えば、導電銅バー)を設置する必要がなく、配電装置1のスペース利用率がより高いため、体積がより小さく、重量がより軽く、コストがより低く、回路保護装置240と主遮断スイッチコア230との間の電気的接続の信頼性の向上に有利であり、温度上昇が高すぎたり接続箇所が焼結したりするなどの問題が発生しにくい。そして、主正遮断スイッチコア231及び主負遮断スイッチコア232の両者と高圧接続部110との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がなく、主正遮断スイッチコア231と主負遮断スイッチコア232の電気的接続構造を簡略化し、電気的接続が確実であり、レイアウトがより簡単であり、温度上昇が高すぎたり接続箇所が焼結したりするなどの問題が発生しにくい。
【0064】
さらに、
図1、
図2及び
図4に示すように、複数の高低圧接続タブ500は、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560をさらに含む。正極電圧収集タブ550の第1端は、主正遮断スイッチコア231の第2端子と高圧接続部110との重ね接続箇所に重ね接続され、正極電圧収集タブ550の第2端は、回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通し、負極電圧収集タブ560の第1端は、主負遮断スイッチコア232の第1端子と高圧接続部110との重ね接続箇所に重ね接続され、負極電圧収集タブ560の第2端は、回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通する。
【0065】
このように、回路基板300は、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560によって高圧回路200の電圧を収集し、さらに高圧回路200の電圧及び焼結の有無を監視することができ、それにより配電装置1の確実な応用に有利であり、配電装置1の安全性を向上させる。
【0066】
さらに、
図3~
図6に示すように、高圧接続部110は、高圧正極引出タブ111及び高圧負極引出タブ112を含む。高圧正極引出タブ111は、それぞれ主正遮断スイッチコア231の第2端子と正極電圧収集タブ550の端部に重ね接続されてそれらと電気的に連通し、このように、高圧正極引出タブ111と主正遮断スイッチコア231との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がなく、高圧正極引出タブ111と正極電圧収集タブ550との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がない。高圧負極引出タブ112は、それぞれ主負遮断スイッチコア232の第1端子と負極電圧収集タブ560の端部に重ね接続されてそれらと電気的に連通し、このように、高圧負極引出タブ112と主負遮断スイッチコア232との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がなく、高圧負極引出タブ112と負極電圧収集タブ560との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がない。
【0067】
高圧正極引出タブ111及び高圧負極引出タブ112を設置することにより、高圧接続部110と高圧回路200との間の電気的接続を実現することができ、それにより高圧接続部110が車両の高圧電気機器に給電できることを保証し、かつ配電装置1内の電気的接続のレイアウトをさらに簡略化することができ、それにより配電装置1の体積をさらに小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減して、電池パック2のスペースをさらに節約し、電池パック2のエネルギー密度を向上させ、完成車の航続能力を向上させることができる。
【0068】
本開示のいくつかの実施例では、主正遮断スイッチコア231の第2端子、高圧正極引出タブ111及び正極電圧収集タブ550の端部が順に重ね接続され、高圧正極引出タブ111及び正極電圧収集タブ550のうちの一方に正極回転防止位置決め溝が設置され、高圧正極引出タブ111及び正極電圧収集タブ550のうちの他方が正極回転防止位置決め溝に嵌合される。主負遮断スイッチコア232の第1端子、高圧負極引出タブ112及び負極電圧収集タブ560の端部が順に重ね接続され、高圧負極引出タブ112及び負極電圧収集タブ560のうちの一方に負極回転防止位置決め溝が設置され、高圧負極引出タブ112及び負極電圧収集タブ560のうちの他方が負極回転防止位置決め溝に嵌合される。
【0069】
例えば、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560の損傷確率を低減し、電圧収集の信頼性を保証するために、正極回転防止位置決め溝は、高圧正極引出タブ111に設置されてもよく、負極回転防止位置決め溝は、高圧負極引出タブ112に設置されてもよい。
【0070】
このように、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560がベース100の幅方向に平行移動することを防止し、電気的接続の安定性を向上させ、電圧収集の正確性を向上させることができる一方、特に、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560をねじ締結具(例えば、ボルト)によって取り付けて固定する必要がある実施例では、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560が組み立て過程において回転することを防止することができる。
【0071】
さらに、
図1~
図6に示すように、ベース100は、第1位置決め仕切りリブ130及び第2位置決め仕切りリブ140を有するように構成され、第1位置決め仕切りリブ130は、回路保護装置240と高圧正極引出タブ111との間、及び回路保護装置240と正極電圧収集タブ550との間に位置し、第2位置決め仕切りリブ140は、高圧正極引出タブ111と高圧負極引出タブ112との間、及び正極電圧収集タブ550と負極電圧収集タブ560との間に位置する。
【0072】
第1位置決め仕切りリブ130によって、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560を仕切り、回路保護装置240と高圧正極引出タブ111との間の移動による電気的誤接続を回避するだけでなく、回路保護装置240及び正極電圧収集タブ550を仕切り、回路保護装置240と正極電圧収集タブ550との間の移動による電気的誤接続を回避こともでき、回路保護装置240、高圧正極引出タブ111及び正極電圧収集タブ550に対して一定の位置決め作用を果たすこともできる。
【0073】
第2位置決め仕切りリブ140によって、高圧正極引出タブ111及び高圧負極引出タブ112を仕切り、高圧正極引出タブ111と高圧負極引出タブ112との間の移動による電気的誤接続を回避するだけでなく、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560を仕切り、正極電圧収集タブ550と負極電圧収集タブ560との間の移動による電気的誤接続を回避することもでき、高圧正極引出タブ111、高圧負極引出タブ112、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560に対して一定の位置決め作用を果たすこともできる。
【0074】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、
図1及び
図4に示すように、高圧回路200は、電流センサ150をさらに含み、電流センサ150の第1端子は、モジュール負極接続端子220を形成し、電流センサ150の第2端子は、主負遮断スイッチコア232の第2端子と電気的に連通する。複数の高低圧接続タブ500は、電流収集ピン570をさらに含み、電流収集ピン570の第1端は、電流センサ150に接続され、電流収集ピン570の第2端は、回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通し、このように、電流収集ピン570と回路基板300及び低圧回路400との間の銅バー又はハーネスを省略するとともに、電流収集ピン570と回路基板300及び低圧回路400との間の電気的接続を実現することができ、それにより配電装置1内のスペースを節約するだけでなく、電気的接続の安全性を向上させることもできる。電流センサ150は、高圧監視ユニット(High voltage supervise unit、HVSU)であってもよい。
【0075】
電流センサ150を設置することにより、モジュール負極接続端子220を形成して、高圧回路200と電池モジュール700との間の効果的な接続を実現することができ、かつ回路基板300は、電流収集ピン570によって電流センサ150により収集された高圧回路200の電流を取得することができ、それにより高圧回路200の電流の安定性を保証し、配電装置1の確実な使用の実現に有利である。電流センサ150は、分流器であってもよい。
【0076】
さらに、電流センサ150の第2端子は、主負遮断スイッチコア232の第2端子に重ね接続されてそれと電気的に連通し、電流センサ150と主負遮断スイッチコア232との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がないため、電流センサ150と主負遮断スイッチコア232との間の焼結及び過度の温度上昇のリスクを低減するだけでなく、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の体積を小さくし、配電装置1の重量及びコストを低減することもできる。
【0077】
さらに、
図1~
図6に示すように、ベース100は、第3位置決め仕切りリブ160を有するように構成され、第3位置決め仕切りリブ160は、電流センサ150と高圧接続部110との間に位置する。
【0078】
第3位置決め仕切りリブ160によって、電流センサ150及び高圧接続部110を仕切り、電流センサ150と高圧接続部110との間の移動による電気的誤接続を回避するだけでなく、電流センサ150及び高圧接続部110に対して一定の位置決め作用を果たすこともできる。
【0079】
好ましくは、
図1及び
図4に示すように、回路保護装置240、主正遮断スイッチコア231、主負遮断スイッチコア232及び電流センサ150は、ベース100の長さ方向に沿って順に配列され、このように、高圧回路200における複数の部品間の重ね接続を容易にし、導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を省略することに有利であり、それにより配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の体積を小さくし、コスト及び重量を低減し、電気的接続の信頼性を保証し、高圧回路200の損傷を回避し、また、高圧回路200が主にベース100の長さ方向に沿って配列されるため、ベース100のスペースをより効果的に利用することができる。
【0080】
そして、低圧接続部120及び電流センサ150は、ベース100の幅方向に沿って配列され、このように、低圧接続部120及び電流センサ150がベース100の長さ方向に沿って配列され続ける必要がなく、配電装置1の長さを小さくし、配電装置1のスペース利用率をさらに向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減することができる。
【0081】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、
図1、
図2、
図4及び
図7に示すように、高圧回路200は、プリチャージ回路170をさらに含み、プリチャージ回路170の一部は、回路基板300に集積され、プリチャージ回路170は、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190を含み、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190は、ベース100に組み立てられ、かつ回路基板300に挿着され、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190は、互いに直列に接続され、かつ主遮断スイッチコア230に並列に接続される。
【0082】
プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190は、直列に接続され、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190の両者は、直列に接続された後に正極主遮断スイッチコア230に並列に接続される。そして、プリチャージ遮断スイッチ190及び低圧回路400は、直接接続され、即ち、プリチャージ遮断スイッチ190と低圧回路400との間に変圧構造を設置する必要がない。
【0083】
プリチャージ回路170を設置することにより、電池モジュール700及び主遮断スイッチコア230の損傷を防止し、電池モジュール700及び主遮断スイッチコア230の安全性を補償することができる。回路基板300は、プリチャージ遮断スイッチ190のオンオフを制御することができる。そして、プリチャージ遮断スイッチ190は、ベース100に直接固定されてもよく、プリチャージ遮断スイッチ190にケースを別途設置する必要がなく、配電装置1の体積を小さくし、配電装置1の重量及びコストを低減することができる。
【0084】
なお、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190がいずれも回路基板300に挿着されることにより、両者と回路基板300との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がなく、配電装置1のレイアウトを簡略化し、配電装置1の体積を小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させることができる。
【0085】
プリチャージ抵抗180は、サーミスタであってもよく、サーミスタをプリチャージ回路170に応用すると、プリチャージ回路170は、構造が簡単であり、体積が小さく、他の部品と集積されやすく、プリチャージ過熱に対して一定の保護能力を有し、かつ動作環境及び抵抗値範への適応性が高い。
【0086】
例えば、サーミスタの抵抗値は、温度に敏感であり、サーミスタは、温度が上昇して転移温度(キュリー点)を超えると、その抵抗値が段階的に上昇するという特性を有する。サーミスタをプリチャージ回路170に応用する場合、それが正常に動作する抵抗値の区間(最小抵抗とキュリー温度に対応する抵抗値との間)のみを考慮すればよい。サーミスタの抵抗値の区間及び耐えられるエネルギーの範囲は、電圧、負荷の容量、プリチャージ完了電圧差及びプリチャージ時間などのパラメータ要求に基づいて算出することができる。
【0087】
サーミスタの最小抵抗値計算方式は、Rmin≧tmin/(C*ln(UB/UB-Ut))であり、サーミスタの最大抵抗値計算方式は、Rmax≦tmax/(C*ln(UB/UB-Ut))である。式中、tminは、最小プリチャージ時間であり、tmaxは、最大プリチャージ時間であり、Rminは、サーミスタの最小抵抗値であり、Rmaxは、サーミスタの最大抵抗値であり、Cは、容量性負荷の容量値であり、Utは、プリチャージ過程における対応する容量性負荷端電圧であり、UBは、電池モジュール700の電圧である。
【0088】
サーミスタの抵抗値の範囲を算出した後、選択されたサーミスタの温度抵抗値特性曲線に基づいて校正を行い、一定の温度範囲内、例えば-60℃~130℃の範囲内に、サーミスタのこの温度区間内の対応する抵抗値の最大値及び最小値を選択してプリチャージ時間の校正を行う。
【0089】
サーミスタのプリチャージ過程において、プリチャージ回路170がサーミスタに対して放出した最大エネルギーの計算方式は、Ech=1/2CU2であり、単一のサーミスタの温度が最大動作環境温度Tamaxからキュリー温度Tcまで上昇するために吸収する必要があるエネルギーは、Ethであり、Eth=Cth*(Tc-Tamax)であり、式中、Cthは、サーミスタの熱容量である(即ち、サーミスタ本体の温度が1K上昇するために供給される必要があるエネルギーであり、単位がジュールである)。
【0090】
サーミスタは、正常の使用条件下で低抵抗状態を維持すべきであり、そうでなければ、充電時間に影響を与え、充電回路のエネルギーが単一のサーミスタが耐えられるエネルギーよりも大きい場合、回路の耐電圧能力及びエネルギー耐量能力を向上させるために、複数のサーミスタを直列又は並列に接続する方式でエネルギーを分解することができ、即ち、n*§*Eth≧Echであり、§は、安全のための準備マージンであり、通常、0.7~0.9であり、nは、サーミスタの使用数である。該計算方式によって得られたサーミスタの使用数は、要求を満たすだけでなく、コストを低減することもできる。
【0091】
本開示のいくつかの実施例では、単一のサーミスタの抵抗値の範囲は、20Ω~200Ωであってもよく、使用環境温度の範囲は、-60℃~130℃であり、単一のサーミスタの耐電圧能力は、耐電圧450VDC以下又は1000VDC以下である。
【0092】
以下、電圧400VDC、容量性負荷の容量値800μf、充電電圧差98%時の応答時間が1.5秒以内である場合のパラメータを例に挙げて説明し、単一のサーミスタのパラメータは、抵抗値70Ω、耐電圧500VDC、キュリー温度125℃、-60℃~125℃の範囲内の該サーミスタの抵抗値の区間56Ω~112Ω、熱容量2.5J/Kであり、該サーミスタの使用数は、以下の方式を参照して予備選択することができる。
【表1】
【0093】
上記式に基づいて校正し、プリチャージは、180ms~360msの時間内に完了し、安全マージンは、0.8を選択することができ、最大環境温度は、90℃であり、サーミスタは、自体の温度がキュリー温度に達するのに必要なエネルギーが70Jであり、回路エネルギーが64Jであり、即ち、単一のサーミスタは、要求を満たし、予想される条件を満たす。
【0094】
以上は、本開示のある実施例を説明するためのものに過ぎず、実際の応用の可能性をさらに説明することを意図しており、本開示の保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0095】
また、複数の高低圧接続タブ500は、プリチャージ低圧正極接続タブ580及びプリチャージ低圧負極接続タブ590をさらに含み、プリチャージ低圧正極接続タブ580の第1端とプリチャージ低圧負極接続タブ590の第1端は、それぞれプリチャージ遮断スイッチ190に接続され、プリチャージ低圧正極接続タブ580の第2端とプリチャージ低圧負極接続タブ590の第2端は、それぞれ回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通する。
【0096】
このように、プリチャージ遮断スイッチ190と回路基板300における低圧回路400との間の電気的接続を実現することができ、それにより低圧回路400は、プリチャージ遮断スイッチ190のオンオフを制御することができ、かつプリチャージ遮断スイッチ190と回路基板300との間に、導線及び銅バーなどの中間接続部材を省略することができ、配電装置1内の電気的接続のレイアウトをさらに簡略化することができ、それにより配電装置1の体積をさらに小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減することができる。
【0097】
本開示のいくつかの実施例では、
図2に示すように、プリチャージ遮断スイッチ190は、プリチャージ高圧正極接続タブ191及びプリチャージ高圧負極接続タブ192を有する。プリチャージ抵抗180は、抵抗高圧接続タブ181を有し、回路保護装置240及びプリチャージ抵抗180は、接触により電気的に連通し、このように、プリチャージ遮断スイッチ190とプリチャージ抵抗180との間に銅バー及びハーネスなどの導電構造を省略することができる。プリチャージ高圧正極接続タブ191、プリチャージ高圧負極接続タブ192及び抵抗高圧接続タブ181は、回路基板300に挿着されて、プリチャージ回路170の回路基板300に集積された部分と電気的に連通し、このように、従来のプリチャージ遮断スイッチ190及びプリチャージ抵抗180の両者と回路基板300との間の中間接続部材、即ちプリチャージ部分の銅バー及びハーネスなどを省略することができる。
【0098】
本開示の他のいくつかの実施例では、
図8に示すように、プリチャージ遮断スイッチ190は、プリチャージ高圧正極接続タブ191及びプリチャージ高圧負極接続タブ192を有し、プリチャージ抵抗180は、抵抗高圧正極接続タブ182及び抵抗高圧負極接続タブ183を有し、プリチャージ高圧正極接続タブ191、プリチャージ高圧負極接続タブ192、抵抗高圧正極接続タブ182及び抵抗高圧負極接続タブ183は、回路基板300に挿着されて、プリチャージ回路170の回路基板300に集積された部分と電気的に連通する。このとき、プリチャージ抵抗180を回路保護装置240に接続する必要がなく、プリチャージ抵抗180を回路基板300のみに接続する必要があり、着脱が容易であり、かつ加工速度が高い。
【0099】
これにより、プリチャージ遮断スイッチ190及びプリチャージ抵抗180の両者と回路基板300との間の電気的接続がより確実であり、かつレイアウトが明確であり、温度上昇が高すぎたり接続箇所が焼結したりするなどの問題が発生しにくく、従来の配電装置内の大量の銅バー及びハーネスを省略することにより、配電装置1内の電気的接続のレイアウトをさらに簡略化することができ、それにより配電装置1の体積をさらに小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減して、電池パック2のスペースをさらに節約し、電池パック2のエネルギー密度を向上させ、完成車の航続能力を向上させることができる。
【0100】
好ましくは、
図2に示すように、プリチャージ回路170は、プリチャージ接続タブ171をさらに含み、回路保護装置240の第2端子は、主正遮断スイッチコア231の第1端子に重ね接続されてそれと電気的に連通し、プリチャージ接続タブ171の第1端は、回路保護装置240の第2端子と主正遮断スイッチコア231の第1端子との重ね接続箇所に重ね接続され、プリチャージ接続タブ171の第2端は、回路基板300に挿着されて、プリチャージ回路170の回路基板300に集積された部分と電気的に連通する。
【0101】
プリチャージ接続タブ171を設置することにより、プリチャージ回路170と主正主遮断スイッチコア230との間の並列接続を実現することができ、また、プリチャージ回路170の電圧を検出するためにも使用することができ、プリチャージ接続タブ171と回路基板300が挿着により電気的接続を実現するため、プリチャージ接続タブ171と回路基板300との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がなく、回路保護装置240の第2端子と主正遮断スイッチコア231の第1端子との重ね接続箇所とプリチャージ接続タブ171との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要もなく、配電装置1のレイアウトを簡略化し、配電装置1の体積を小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させることができる。
【0102】
プリチャージ接続タブ171は、回路保護装置240の第2端子と一体に成形される。このように、プリチャージ接続タブ171と回路保護装置240との間の接続強度が高く、プリチャージ接続タブ171と回路保護装置240との間の電気的接続の信頼性を保証することができる。
【0103】
本開示のいくつかの好ましい実施例では、
図2及び
図4に示すように、プリチャージ遮断スイッチ190、プリチャージ抵抗180、主正遮断スイッチコア231、主負遮断スイッチコア232及び低圧接続部120は、ベース100の長さ方向に沿って順に配列され、このように、ベース100のスペース利用率をさらに向上させるだけでなく、配電装置1の回路の確実な接続を保証することもできる。そして、プリチャージ遮断スイッチ190、プリチャージ抵抗180及び回路保護装置240は、ベース100の幅方向に沿って配列され、このように、プリチャージ遮断スイッチ190、プリチャージ抵抗180及び回路保護装置240のうちのいずれか2つは、ベース100の長さ方向に交差し、ベース100の長さをある程度小さくすることができ、それにより配電装置1の体積を小さくすることができる。
【0104】
本開示のいくつかの好ましい実施例では、
図2、
図5及び
図6に示すように、ベース100は、主正遮断スイッチコア取り付け溝101、主負遮断スイッチコア取り付け溝102、プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝103及びプリチャージ抵抗取り付け溝104を有するように構成される。主正遮断スイッチコア231は、熱伝導性シーラントによって主正遮断スイッチコア取り付け溝101に固定され、主負遮断スイッチコア232は、熱伝導性シーラントによって主負遮断スイッチコア取り付け溝102に固定され、プリチャージ遮断スイッチ190は、プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝103に係着されるか、又は熱伝導性シーラントによってプリチャージ遮断スイッチ取り付け溝103に固定され、プリチャージ抵抗180は、プリチャージ抵抗取り付け溝104に係着される。
【0105】
このように、主正遮断スイッチコア231、主負遮断スイッチコア232、プリチャージ遮断スイッチ190及びプリチャージ抵抗180の四者とベース100との間の接続強度がより高く、主正遮断スイッチコア231、主負遮断スイッチコア232、プリチャージ遮断スイッチ190及びプリチャージ抵抗180の四者がベース100に対して移動することを回避し、配電装置1内の電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0106】
本開示のいくつかの好ましい実施例では、
図2~
図6に示すように、ベース100は、ベース本体105及びパネル106を含み、ベース本体105及びパネル106は、いずれも、例えばプラスチック材料で作られた絶縁部材であってもよい。高圧回路200の少なくとも一部は、ベース本体105に組み立てられ、回路基板300は、ベース本体105に取り付けられ、パネル106は、ベース本体105に接続され、高圧接続部110及び低圧接続部120は、パネル106に固定される。このように、ベース本体105の構造強度を保証し、高圧回路200及び回路基板300の取り付けの安定性を保証することができ、かつベース100を2つの部材に分けることにより、ベース本体105及びパネル106の加工製造を容易にするだけでなく、高圧回路200、回路基板300及び低圧回路をベース100に容易に取り付けることもできる。
【0107】
好ましくは、ベース本体105とパネル106は、一体物又は別体物である。なお、ベース本体105とパネル106が一体物である場合、ベース本体105及びパネル106を別々に製造した後、ベース本体105及びパネル106を一体に成形することができ、それにより高圧回路200、回路基板300及び低圧回路400の取り付けを容易にする。或いは、ベース本体105とパネル106との間の接続強度を向上させるために、ベース本体105及びパネル106を一度に直接射出成形する。このように、ベース100の設置方式がより多様であり、異なる使用状況に応じてベース100の構造を調整することができ、ベース100の適用性を向上させ、配電装置1が異なる使用環境のニーズを満たすことができる。
【0108】
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る配電装置1の組み立て過程を説明する。
【0109】
まず、シーラントを用いて主正遮断スイッチコア231及び主負遮断スイッチコア232をそれぞれベース100の主正遮断スイッチコア取り付け溝101及び主負遮断スイッチコア取り付け溝102内に固定し、
次に、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190をベース100のプリチャージ抵抗取り付け溝104及びプリチャージ遮断スイッチ取り付け溝103内に係着し、
そして、回路保護装置240をベース100に置き、バックルによりプリチャージ抵抗180との電気的接続を実現し、次にボルトを用いて正極電圧収集タブ550、負極電圧収集タブ560及び電流センサ150を固定し、回路基板300をベース100に固定するとともに、各接続タブを位置合わせし、挿着し(例えば、主正低圧正極接続タブ510、主正低圧負極接続タブ520、主負低圧正極接続タブ530、主負低圧負極接続タブ540、正極電圧収集タブ550、負極電圧収集タブ560、電流収集ピン570、プリチャージ接続タブ171)、回路基板300の低圧接続部120をベース100の予備孔内に挿入し、
最後に、ベース100を封止する。
【0110】
以下、
図9を参照して、本開示の実施例に係る車両3を説明し、車両3は、本開示の上記実施例に係る電池パック2を含む。
【0111】
本開示の実施例に係る車両は、本開示の上記実施例に係る電池パック2を利用することにより、構造が簡単でコンパクトであり、スペース利用率が高く、体積が小さく、重量が軽く、コストが低いなどの利点を有する。
【0112】
本開示のいくつかの好ましい実施例では、該車両は、上記電池パックに電気的に接続された負荷900をさらに含む。該電池パックは、負荷に給電するために用いられる。該負荷は、車両の電気機器、例えばモータ、エアコンコンプレッサ、PTC(Positive Temperature Coefficient)、コントローラなどを含む。
【0113】
本開示の実施例に係る配電装置1、電池パック2及び車両3の他の構成及び操作は、当業者にとって既知であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0114】
本明細書の説明では、「具体的な実施例」、「具体例」などの用語を使用した説明は、該実施例又は例を参照して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。
【0115】
本開示の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本開示の原理及び目的を逸脱しない限り、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定されることを理解することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 配電装置
2 電池パック
3 車両
100 ベース
101 主正遮断スイッチコア取り付け溝
102 主負遮断スイッチコア取り付け溝
103 プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝
104 プリチャージ抵抗取り付け溝
105 ベース本体
106 パネル
110 高圧接続部
111 高圧正極引出タブ
112 高圧負極引出タブ
120 低圧接続部
130 第1位置決め仕切りリブ
140 第2位置決め仕切りリブ
150 電流センサ
160 第3位置決め仕切りリブ
170 プリチャージ回路
171 プリチャージ接続タブ
180 プリチャージ抵抗
181 抵抗高圧接続タブ
182 抵抗高圧正極接続タブ
183 抵抗高圧負極接続タブ
190 プリチャージ遮断スイッチ
191 プリチャージ高圧正極接続タブ
192 プリチャージ高圧負極接続タブ
200 高圧回路
210 モジュール正極接続端子
220 モジュール負極接続端子
230 主遮断スイッチコア
231 主正遮断スイッチコア
232 主負遮断スイッチコア
240 回路保護装置
300 回路基板
400 低圧回路
500 高低圧接続タブ
510 主正低圧正極接続タブ
520 主正低圧負極接続タブ
530 主負低圧正極接続タブ
540 主負低圧負極接続タブ
550 正極電圧収集タブ
560 負極電圧収集タブ
570 電流収集ピン
580 プリチャージ低圧正極接続タブ
590 プリチャージ低圧負極接続タブ
700 電池モジュール
800 ケース
900 負荷
【手続補正書】
【提出日】2024-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(100)、高圧回路(200)、回路基板(300)、低圧回路(400)及び複数の
接続タブ(500)を含み、
前記ベースには、高圧接続部(110)及び低圧接続部(120)が固定され、
前記高圧回路の少なくとも一部は、前記ベースに組み立てられ、前記高圧回路は、前記高圧接続部に電気的に接続され、前記高圧回路は、モジュール正極接続端子(210)及びモジュール負極接続端子(220)を有し、前記高圧回路は、前記ベースに固定された主遮断スイッチコア(230)を含み、
前記回路基板は、前記ベースに取り付けられ、
前記低圧回路は、前記回路基板に集積され、かつ前記低圧接続部に電気的に接続され、
各前記
接続タブの第1端は、前記高圧回路に電気的に接続され、各前記
接続タブの第2端が前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続される、ことを特徴とする配電装置(1)。
【請求項2】
前記複数の
接続タブは、互いに平行であり、かつ前記回路基板に垂直である、ことを特徴とする請求項1に記載の配電装置。
【請求項3】
前記高圧回路は、前記高圧接続部に重ね接続されてそれと電気的に接続され、
前記低圧接続部は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続され、
前記高圧回路における接続される部品は、重ね接続により電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の配電装置。
【請求項4】
前記高圧回路は、回路保護装置(240)をさらに含み、前記回路保護装置は、前記ベースに組み立てられ、前記回路保護装置の第1端子は、前記モジュール正極接続端子を形成し、
前記主遮断スイッチコアは、複数あり、複数の前記主遮断スイッチコアは、主正遮断スイッチコア(231)及び主負遮断スイッチコア(232)を少なくとも含み、前記回路保護装置の第2端子は、前記主正遮断スイッチコアの第1端子と電気的に連通し、前記主正遮断スイッチコアの第2端子と前記主負遮断スイッチコアの第1端子は、それぞれ前記高圧接続部と電気的に接続され、
前記複数の
接続タブは、主正低圧正極接続タブ(510)、主正低圧負極接続タブ(520)、主負低圧正極接続タブ(530)及び主負低圧負極接続タブ(540)を含み、前記主正低圧正極接続タブの第1端と前記主正低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記主正遮断スイッチコアに接続され、前記主正低圧正極接続タブの第2端と前記主正低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続され、前記主負低圧正極接続タブの第1端と前記主負低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記主負遮断スイッチコアに接続され、前記主負低圧正極接続タブの第2端と前記主負低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の配電装置。
【請求項5】
前記回路保護装置の前記第2端子は、前記主正遮断スイッチコアの前記第1端子に重ね接続されてそれと電気的に接続され、
前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子は、それぞれ前記高圧接続部に重ね接続されてそれと電気的に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の配電装置。
【請求項6】
前記複数の
接続タブは、正極電圧収集タブ(550)及び負極電圧収集タブ(560)をさらに含み、
前記正極電圧収集タブの第1端は、前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記高圧接続部との重ね接続箇所に重ね接続され、前記正極電圧収集タブの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続され、
前記負極電圧収集タブの第1端は、前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子と前記高圧接続部との重ね接続箇所に重ね接続され、前記負極電圧収集タブの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の配電装置。
【請求項7】
前記高圧接続部は、高圧正極引出タブ(111)及び高圧負極引出タブ(112)を含み、
前記高圧正極引出タブは、前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記正極電圧収集タブの端部に重ね接続されてそれらと電気的に接続され、
前記高圧負極引出タブは、前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子及び前記負極電圧収集タブの端部に重ね接続されてそれらと電気的に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の配電装置。
【請求項8】
前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブの前記端部が順に重ね接続され、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブのうちの一方に正極回転防止位置決め溝が設置され、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブのうちの他方が前記正極回転防止位置決め溝に嵌合され、
前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブの前記端部が順に重ね接続され、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブのうちの一方に負極回転防止位置決め溝が設置され、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブのうちの
一他方が前記負極回転防止位置決め溝に嵌合される、ことを特徴とする請求項7に記載の配電装置。
【請求項9】
前記ベースは、第1位置決め仕切りリブ(130)及び第2位置決め仕切りリブ(140)を有
し、
前記第1位置決め仕切りリブは、前記回路保護装置と前記高圧正極引出タブとの間、及び前記回路保護装置と前記正極電圧収集タブとの間に位置し、
前記第2位置決め仕切りリブは、前記高圧正極引出タブと前記高圧負極引出タブとの間、及び前記正極電圧収集タブと前記負極電圧収集タブとの間に位置する、ことを特徴とする請求項7に記載の配電装置。
【請求項10】
前記高圧回路は、電流センサ(150)をさらに含み、前記電流センサの第1端子は、前記モジュール負極接続端子を形成し、前記電流センサの第2端子は、前記主負遮断スイッチコアの第2端子と電気的に接続され、
前記複数の
接続タブは、電流収集ピン(570)をさらに含み、前記電流収集ピンの第1端は、前記電流センサに接続され、前記電流収集ピンの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する、ことを特徴とする請求項4に記載の配電装置。
【請求項11】
前記電流センサの前記第2端子は、前記主負遮断スイッチコアの前記第2端子に重ね接続されてそれと電気的に接続される、ことを特徴とする請求項10に記載の配電装置。
【請求項12】
前記ベースは、第3位置決め仕切りリブ(160)を有するように構成され、前記第3位置決め仕切りリブは、前記電流センサと前記高圧接続部との間に位置する、ことを特徴とする請求項10に記載の配電装置。
【請求項13】
前記回路保護装置、前記主正遮断スイッチコア、前記主負遮断スイッチコア及び前記電流センサは、前記ベースの長さ方向に沿って順に配列され、
前記低圧接続部及び前記電流センサは、前記ベースの幅方向に沿って配列される、ことを特徴とする請求項10に記載の配電装置。
【請求項14】
前記高圧回路は、プリチャージ回路(170)をさらに含み、前記プリチャージ回路の一部は、前記回路基板に集積され、前記プリチャージ回路は、プリチャージ抵抗(180)及びプリチャージ遮断スイッチ(190)を含み、前記プリチャージ抵抗及び前記プリチャージ遮断スイッチは、前記ベースに組み立てられ、かつ前記回路基板に挿着され、前記プリチャージ抵抗及び前記プリチャージ遮断スイッチは、互いに直列に接続され、かつ前記主遮断スイッチコアに並列に接続され、
前記複数の
接続タブは、プリチャージ低圧正極接続タブ(580)及びプリチャージ低圧負極接続タブ(590)をさらに含み、前記プリチャージ低圧正極接続タブの第1端と前記プリチャージ低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記プリチャージ遮断スイッチに接続され、前記プリチャージ低圧正極接続タブの第2端と前記プリチャージ低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の配電装置。
【請求項15】
前記プリチャージ遮断スイッチは、プリチャージ高圧正極接続タブ(191)及びプリチャージ高圧負極接続タブ(192)を有し、前記プリチャージ抵抗は、抵抗高圧接続タブ(181)を有し、前記回路保護装置及び前記プリチャージ抵抗は、接触により電気的に接続され、前記プリチャージ高圧正極接続タブ、前記プリチャージ高圧負極接続タブ及び前記抵抗高圧接続タブは、前記回路基板に挿着されて、前記プリチャージ回路の前記回路基板に集積された部分と電気的に接続され、或いは、
前記プリチャージ遮断スイッチは、前記プリチャージ高圧正極接続タブ及び前記プリチャージ高圧負極接続タブを有し、前記プリチャージ抵抗は、抵抗高圧正極接続タブ(182)及び抵抗高圧負極接続タブ(183)を有し、前記プリチャージ高圧正極接続タブ、前記プリチャージ高圧負極接続タブ、前記抵抗高圧正極接続タブ及び前記抵抗高圧負極接続タブは、前記回路基板に挿着されて、前記プリチャージ回路の前記回路基板に集積された部分と電気的に接続される、ことを特徴とする請求項14に記載の配電装置。
【請求項16】
前記ベースは、ベース本体(105)及びパネル(106)を含み、
前記高圧回路の少なくとも一部は、前記ベース本体に組み立てられ、前記回路基板は、前記ベース本体に取り付けられ、
前記パネルは、前記ベース本体に接続され、前記高圧接続部及び前記低圧接続部は、前記パネルに固定される、ことを特徴とする請求項
1に記載の配電装置。
【請求項17】
ケース(800)と、請求項1~
16のいずれか一項に記載の配電装置(1)と、電池モジュール(700)とを含み、
前記配電装置は、前記ケース内に設置され、前記高圧接続部(110)及び前記低圧接続部(120)は、前記ケースから露出し、
前記電池モジュールは、前記ケース内に設置され、かつ前記モジュール正極接続端子(210)及び前記モジュール負極接続端子(220)にそれぞれ電気的に接続される、ことを特徴とする電池パック(2)。
【請求項18】
請求項17に記載の電池パック(2)と、前記電池パックに電気的に接続された負荷(900)とを含む、ことを特徴とする車両(3)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月20日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202123233795.5で、出願の名称が「動力電池システムの配電ボックス」である中国特許出願、及び2022年2月25日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202210182099.6で、出願の名称が「配電装置、電池パック及び車両」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、それらの全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、車両の技術分野に関し、特に配電装置、電池パック及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術における配電ボックスは、通常、高圧回路、低圧回路、高圧コネクタ及び低圧コネクタを含み、かつ配電ボックス内の部品間の接続銅バー又はハーネスの配線が多いため、レイアウトが混乱し、占有スペースが大きく、スペース利用率が低く、コストが高く、重量が重く、体積が大きく、生産効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決しようとする。このため、本開示は、構造が簡単でコンパクトで、スペース利用率が高く、体積が小さく、重量が軽く、コストが低いなどの利点を有する配電装置を提供する。
【0005】
本開示は、上記配電装置を有する電池パックをさらに提供する。
【0006】
本開示は、上記電池パックを有する車両をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様の実施例に係る配電装置は、ベース、高圧回路、回路基板、低圧回路及び複数の接続タブを含み、ベースには、高圧接続部及び低圧接続部が固定され、前記高圧回路は、少なくとも一部が前記ベースに組み立てられ、前記高圧接続部と電気的に連通し、モジュール正極接続端子及びモジュール負極接続端子を有し、前記ベースによって固定された主遮断スイッチコアを含み、前記回路基板は、前記ベースに取り付けられ、前記低圧回路は、前記回路基板に集積され、かつ前記低圧接続部と電気的に連通し、各前記接続タブは、第1端が前記高圧回路に接続されてそれと電気的に連通し、第2端が前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する。
【0008】
本開示のいくつかの実施例では、前記複数の接続タブは、互いに平行であり、かつ前記回路基板に垂直である。
【0009】
本開示のいくつかの実施例では、前記高圧回路は、前記高圧接続部に重ね接続されてそれと電気的に連通し、前記低圧接続部は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通し、前記高圧回路における接続される部品は、重ね接続により電気的に連通する。
【0010】
本開示のいくつかの実施例では、前記高圧回路は、回路保護装置をさらに含み、前記回路保護装置は、前記ベースに組み立てられ、前記回路保護装置の第1端子は、前記モジュール正極接続端子を形成し、前記主遮断スイッチコアは、複数あり、複数の前記主遮断スイッチコアは、主正遮断スイッチコア及び主負遮断スイッチコアを少なくとも含み、前記回路保護装置の第2端子は、前記主正遮断スイッチコアの第1端子と電気的に連通し、前記主正遮断スイッチコアの第2端子と前記主負遮断スイッチコアの第1端子は、それぞれ前記高圧接続部と電気的に連通し、前記複数の接続タブは、主正低圧正極接続タブ、主正低圧負極接続タブ、主負低圧正極接続タブ及び主負低圧負極接続タブを含み、前記主正低圧正極接続タブの第1端と前記主正低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記主正遮断スイッチコアに接続され、前記主正低圧正極接続タブの第2端と前記主正低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通し、前記主負低圧正極接続タブの第1端と前記主負低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記主負遮断スイッチコアに接続され、前記主負低圧正極接続タブの第2端と前記主負低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する。
【0011】
本開示のいくつかの実施例では、前記回路保護装置の前記第2端子は、前記主正遮断スイッチコアの前記第1端子に重ね接続されてそれと電気的に連通し、前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子は、それぞれ前記高圧接続部に重ね接続されてそれと電気的に連通する。
【0012】
本開示のいくつかの実施例では、前記複数の接続タブは、正極電圧収集タブ及び負極電圧収集タブをさらに含み、前記正極電圧収集タブの第1端は、前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記高圧接続部との重ね接続箇所に重ね接続され、前記正極電圧収集タブの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通し、前記負極電圧収集タブの第1端は、前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子と前記高圧接続部との重ね接続箇所に重ね接続され、前記負極電圧収集タブの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する。
【0013】
本開示のいくつかの実施例では、前記高圧接続部は、高圧正極引出タブ及び高圧負極引出タブをさらに含み、前記高圧正極引出タブは、それぞれ前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子と前記正極電圧収集タブの前記端部に重ね接続されてそれらと電気的に連通し、前記高圧負極引出タブは、それぞれ前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子及び前記負極電圧収集タブの前記端部に重ね接続されてそれらと電気的に連通する。
【0014】
本開示のいくつかの実施例では、前記主正遮断スイッチコアの前記第2端子、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブの前記端部が順に重ね接続され、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブのうちの一方に正極回転防止位置決め溝が設置され、前記高圧正極引出タブ及び前記正極電圧収集タブのうちの他方が前記正極回転防止位置決め溝に嵌合され、前記主負遮断スイッチコアの前記第1端子、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブの前記端部が順に重ね接続され、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブのうちの一方に負極回転防止位置決め溝が設置され、前記高圧負極引出タブ及び前記負極電圧収集タブのうちの他方が前記負極回転防止位置決め溝に嵌合される。
【0015】
本開示のいくつかの実施例では、前記ベースは、第1位置決め仕切りリブ及び第2位置決め仕切りリブを有するように構成され、前記第1位置決め仕切りリブは、前記回路保護装置と前記高圧正極引出タブとの間、及び前記回路保護装置と前記正極電圧収集タブとの間に位置し、前記第2位置決め仕切りリブは、前記高圧正極引出タブと前記高圧負極引出タブとの間、及び前記正極電圧収集タブと前記負極電圧収集タブとの間に位置する。
【0016】
本開示のいくつかの実施例では、前記高圧回路は、電流センサをさらに含み、前記電流センサの第1端子は、前記モジュール負極接続端子を形成し、前記電流センサの第2端子は、前記主負遮断スイッチコアの第2端子と電気的に連通し、前記複数の接続タブは、電流収集ピンをさらに含み、前記電流収集ピンの第1端は、前記電流センサに接続され、前記電流収集ピンの第2端は、前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する。
【0017】
本開示のいくつかの実施例では、前記電流センサの前記第2端子は、前記主負遮断スイッチコアの前記第2端子に重ね接続されてそれと電気的に連通する。
【0018】
本開示のいくつかの実施例では、前記ベースは、第3位置決め仕切りリブを有するように構成され、前記第3位置決め仕切りリブは、前記電流センサと前記高圧接続部との間に位置する。
【0019】
本開示のいくつかの実施例では、前記回路保護装置、前記主正遮断スイッチコア、前記主負遮断スイッチコア及び前記電流センサは、前記ベースの長さ方向に沿って順に配列され、前記低圧接続部及び前記電流センサは、前記ベースの幅方向に沿って配列される。
【0020】
本開示のいくつかの実施例では、前記高圧回路は、プリチャージ回路をさらに含み、前記プリチャージ回路の一部は、前記回路基板に集積され、前記プリチャージ回路は、プリチャージ抵抗及びプリチャージ遮断スイッチを含み、前記プリチャージ抵抗及び前記プリチャージ遮断スイッチは、前記ベースに組み立てられ、かつ前記回路基板に挿着され、前記プリチャージ抵抗及び前記プリチャージ遮断スイッチは、互いに直列に接続され、かつ前記主遮断スイッチコアに並列に接続され、前記複数の接続タブは、プリチャージ低圧正極接続タブ及びプリチャージ低圧負極接続タブをさらに含み、前記プリチャージ低圧正極接続タブの第1端と前記プリチャージ低圧負極接続タブの第1端は、それぞれ前記プリチャージ遮断スイッチに接続され、前記プリチャージ低圧正極接続タブの第2端と前記プリチャージ低圧負極接続タブの第2端は、それぞれ前記回路基板に挿着されて前記低圧回路と電気的に連通する。
【0021】
本開示のいくつかの実施例では、前記プリチャージ遮断スイッチは、プリチャージ高圧正極接続タブ及びプリチャージ高圧負極接続タブを有し、前記プリチャージ抵抗は、抵抗高圧接続タブを有し、前記プリチャージ遮断スイッチ及び前記プリチャージ抵抗は、接触により電気的に連通し、前記プリチャージ高圧正極接続タブ、前記プリチャージ高圧負極接続タブ及び前記抵抗高圧接続タブは、前記回路基板に挿着されて、前記プリチャージ回路の前記回路基板に集積された部分と電気的に連通する。好ましくは、前記プリチャージ遮断スイッチは、前記プリチャージ高圧正極接続タブ及び前記プリチャージ高圧負極接続タブを有し、前記プリチャージ抵抗は、抵抗高圧正極接続タブ及び抵抗高圧負極接続タブを有し、前記プリチャージ高圧正極接続タブ、前記プリチャージ高圧負極接続タブ、前記抵抗高圧正極接続タブ及び前記抵抗高圧負極接続タブは、前記回路基板に挿着されて、前記プリチャージ回路の前記回路基板に集積された部分と電気的に連通する。
【0022】
本開示のいくつかの実施例では,前記プリチャージ回路は、プリチャージ接続タブをさらに含み、前記回路保護装置の前記第2端子は、前記主正遮断スイッチコアの前記第1端子に重ね接続されてそれと電気的に連通し、前記プリチャージ接続タブの第1端は、前記回路保護装置の前記第2端子と前記主正遮断スイッチコアの前記第1端子との重ね接続箇所に重ね接続され、前記プリチャージ接続タブの第2端は、前記回路基板に挿着されて、前記プリチャージ回路の前記回路基板に集積された部分と電気的に連通する。
【0023】
本開示のいくつかの実施例では、前記プリチャージ接続タブは、前記回路保護装置の前記第2端子と一体に成形される。
【0024】
本開示のいくつかの実施例では、前記プリチャージ遮断スイッチ、前記プリチャージ抵抗、前記主正遮断スイッチコア、前記主負遮断スイッチコア及び前記低圧接続部は、前記ベースの長さ方向に沿って順に配列され、前記プリチャージ遮断スイッチ、前記プリチャージ抵抗及び前記回路保護装置は、前記ベースの幅方向に沿って配列される。
【0025】
本開示のいくつかの実施例では、前記ベースは、主正遮断スイッチコア取り付け溝、主負遮断スイッチコア取り付け溝、プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝及びプリチャージ抵抗取り付け溝を有するように構成され、前記主正遮断スイッチコアは、熱伝導性シーラントにより前記主正遮断スイッチコア取り付け溝に固定され、前記主負遮断スイッチコアは、熱伝導性シーラントにより前記主負遮断スイッチコア取り付け溝に固定され、前記プリチャージ遮断スイッチは、前記プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝に係着されるか、又は熱伝導性シーラントにより前記プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝に固定され、前記プリチャージ抵抗は、前記プリチャージ抵抗取り付け溝に係着される。
【0026】
本開示のいくつかの実施例では、前記ベースは、ベース本体及びパネルを含み、前記高圧回路の前記少なくとも一部は、前記ベース本体に組み立てられ、前記回路基板は、前記ベース本体に取り付けられ、前記パネルは、前記ベース本体に接続され、前記高圧接続部及び前記低圧接続部は、前記パネルに固定される。
【0027】
本開示のいくつかの実施例では、前記ベース本体と前記パネルは、一体物又は別体物である。
【0028】
本開示の第2態様の実施例に係る電池パックは、ケースと、本開示の第1態様の実施例に記載の配電装置と、電池モジュールとを含み、前記配電装置は、前記ケース内に設置され、前記高圧接続部及び前記低圧接続部は、前記ケースから露出し、前記電池モジュールは、前記ケース内に設置され、かつ前記モジュール正極接続端子及び前記モジュール負極接続端子にそれぞれ電気的に接続される。
【0029】
本開示の第3態様の実施例に係る車両は、本開示の第2態様の実施例に記載の電池パックを含む。
【発明の効果】
【0030】
本開示の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明により明らかになるか、又は本開示の実施により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本開示の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、容易に理解される。
【0032】
【
図1】本開示の実施例に係る配電装置の概略構成図である。
【
図2】本開示の実施例に係る配電装置の別の視点から見た概略構成図である。
【
図3】本開示の別の実施例に係る配電装置の概略構成図である。
【
図4】本開示の実施例に係る配電装置の分解図である。
【
図5】本開示の実施例に係る配電装置のベースの概略構成図である。
【
図6】本開示の実施例に係る配電装置のベースの別の視点から見た概略構成図である。
【
図7】本開示の実施例に係る配電装置の概略回路図である。
【
図8】本開示の別の実施例に係る配電装置の概略構成図である。
【
図9】本開示の実施例に係る車両の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例が図面において示されるが、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0034】
なお、本開示の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などの用語によって示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位において構成され、操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0035】
本開示の説明では、「複数」とは、2つ以上を意味し、「いくつか」とは、1つ以上を意味する。
【0036】
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る電池パック2を説明し、電池パック2は、ケース800、電池モジュール700及び配電装置1を含む。
【0037】
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る配電装置1を説明する。
【0038】
図1~
図8に示すように、本開示の実施例に係る配電装置1は、ベース100、高圧回路200、回路基板300、低圧回路400及び複数の
接続タブ500を含む。
【0039】
ベース100には、高圧接続部110及び低圧接続部120が固定され、高圧回路200は、少なくとも一部がベース100に組み立てられ、高圧接続部110と電気的に連通し、モジュール正極接続端子210及びモジュール負極接続端子220を有し、ベース100によって固定された主遮断スイッチコア230を含み、回路基板300は、ベース100に取り付けられ、低圧回路400は、回路基板300に集積され、かつ低圧接続部120と電気的に連通し、各接続タブ500は、第1端が高圧回路200に接続されてそれと電気的に連通し、第2端が回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通する。
【0040】
なお、「主遮断スイッチコア230」という用語について、主遮断スイッチは、リレー、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、MOSトランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、MOSFET、電界効果トランジスタ)のうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。「コア」とは、主遮断スイッチの主にその機能を果たす部分であり、主遮断スイッチ自体の筐体を除いた内部の機能部品であると理解でき、即ち、主遮断スイッチコア230は、主遮断スイッチ自体の筐体を除いた残りの部分である。そして、回路基板300には、電池管理コントローラ(Battery Management Controller、BMC)が集積されてもよい。
【0041】
本開示の実施例の電池パック2において、配電装置1は、ケース内に設置され、高圧接続部110及び低圧接続部120は、ケースから露出し、電池モジュール700は、ケース内に設置され、モジュール正極接続端子210及びモジュール負極接続端子220にそれぞれ電気的に接続される。高圧接続部110及び低圧接続部120は、車両の電気機器(例えば、モータ、エアコンコンプレッサ、PTC(Positive Temperature Coefficient)、コントローラなど)に接続されるように、ケースから露出する。
【0042】
例えば、高圧回路200と低圧回路400が直接連通するのではなく、高圧回路200と低圧回路400との間に変圧構造(即ち、電圧を変更可能な構造)が接続され、例えば、高圧回路200と低圧回路400との間に変圧器が接続される。上記変圧構造の設置により、低圧回路400内の電流の電圧が高圧回路200内の電流の電圧よりも低いことを保証することができ、かつ電池モジュール700は、高圧回路200及び該変圧構造によって低圧回路400に給電して、低圧回路400の正常動作を実現することができる。
【0043】
本開示の実施例に係る配電装置1では、ベース100に高圧接続部110及び低圧接続部120が固定され、高圧接続部110及び低圧接続部120がケースから露出することができるため、高圧接続部110は、車両の高圧電気機器への給電を実現することができ、低圧接続部120は、配電装置1へのリアルタイム制御を実現するように、車両のコントローラと通信するための通信ピンを含んでもよく、低圧接続部120は、車両の低圧電気機器に給電するための低圧プラグをさらに含んでもよい。そして、ベース100は、高圧接続部110及び低圧接続部120の両者とベース100との相対位置を固定することで、高圧接続部110と低圧接続部120との接触を回避し、配電装置1の電気的接続の安全性を保証することができる。高圧接続部110、低圧接続部120及びベース100の三者は、接続の柔軟性を向上させるために、別々に設計することができる。電池モジュール700は、モジュール正極接続端子210及びモジュール負極接続端子220によって高圧回路200に給電することができ、高圧回路200は、高圧接続部110によって車両の高圧電気機器に給電することができる。
【0044】
そして、ベース100を用いて主遮断スイッチコア230を直接固定することにより、スペースを節約するとともに、主遮断スイッチコア230が十分に長い引出部分を有することができ、主遮断スイッチコア230を直接利用し、ベース100を用いて主遮断スイッチコア230を固定して保護し、このように、従来の遮断スイッチの本来のケースを省略し、構造が簡単でよりコンパクトになる。
【0045】
低圧回路400が回路基板300に集積され、回路基板300がベース100に取り付けられ、かつ主遮断スイッチコア230が十分に長い引出部分を有することができることにより、配電装置1の内部の大量の銅バー及びハーネスを省略するために前提条件を作成し、これに基づいて、接続タブ500は、各接続タブ500の第1端が高圧回路200に接続されてそれと電気的に連通し、第2端が回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通するように設置される。
【0046】
言い換えれば、各接続タブ500の第1端が高圧回路200に接続されて、各接続タブ500の第2端が回路基板300に直接挿着されてもよく、それにより高圧回路200と低圧回路400との連通を実現し、回路基板300における低圧回路400が主遮断スイッチコア230のオンオフを制御することができ、従来の高低圧接続の中間接続部材(例えば、銅バー、ハーネスなど)を省略することができる。
【0047】
以上から分かるように、高圧回路200と低圧回路400との間の電気的接続がより確実であり、かつレイアウトが明確であり、温度上昇が高すぎたり接続箇所が焼結したりするなどの問題が発生しにくく、従来の配電装置1内の大量の銅バー及びハーネスを省略することにより、配電装置1内の電気的接続のレイアウトをさらに簡略化することができ、構造が簡単でコンパクトになり、それにより配電装置1の体積をさらに小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減して、電池パック2のスペースをさらに節約し、電池パック2のエネルギー密度を向上させ、完成車の航続能力を向上させることができる。
【0048】
このように、本開示の実施例に係る配電装置1は、構造が簡単でコンパクトであり、スペース利用率が高く、体積が小さく、重量が軽く、コストが低いなどの利点を有する。
【0049】
本開示の実施例に係る電池パック2は、本開示の上記実施例に係る配電装置1を利用することにより、構造が簡単でコンパクトであり、スペース利用率が高く、体積が小さく、重量が軽く、コストが低いなどの利点を有する。
【0050】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、
図1~
図4に示すように、複数の
接続タブ500は、互いに平行であり、かつ回路基板300に垂直である。高圧回路200が配置された領域は、回路基板300と略平行であり、各
接続タブ500を回路基板300に垂直に設置することにより、高圧回路200と回路基板300との間の
接続タブ500のサイズを小さくし、
接続タブ500の体積を小さくすることができる一方、複数の
接続タブ500の間の干渉を回避し、回路接続の難しさを低減し、レイアウトをさらに簡略化することができる。
【0051】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、
図2~
図4に示すように、高圧回路200は、高圧接続部110に重ね接続されてそれと電気的に連通し、主遮断スイッチコア230は、十分に長い引出部分を有することができるため、高圧回路200と高圧接続部110は、部分的に重ねて重置されることにより両者の重ね接続を実現し、このような重ね接続により電気的連通を実現し、このように、従来の高圧回路と高圧接続部との間の中間接続部材、即ち、高圧部分の銅バー及びハーネスなどを省略することができる。
【0052】
また、低圧接続部120は、回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通し、即ち、低圧回路400と低圧接続部120は、回路基板300によって電気的連通を実現することができ、このように、従来の低圧回路と低圧接続部との間の中間接続部材、即ち、低圧部分の銅バー及びハーネスなどを省略することができる。そして、高圧回路200における接続される部品は、重ね接続により電気的に連通し、即ち、高圧回路200における接続される必要がある部品は、部分的に重ねて重置されることにより重ね接続を実現し、このような重ね接続により電気的連通を実現し、このように、従来の高圧回路における中間接続部材、即ち、高圧部分の銅バー及びハーネスなどを省略することができる。
【0053】
これにより、高圧回路200と高圧接続部110との間の、高圧回路200自体における接続される部品の間の、低圧回路400と低圧接続部120との間の電気的接続がより確実であり、かつレイアウトが明確であり、温度上昇が高すぎたり接続箇所が焼結したりするなどの問題が発生しにくく、従来の配電装置内の大量の銅バー及びハーネスを省略することにより、配電装置1内の電気的接続のレイアウトをさらに簡略化することができ、それにより配電装置1の体積をさらに小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減して、電池パック2のスペースをさらに節約し、電池パック2のエネルギー密度を向上させ、完成車の航続能力を向上させることができる。
【0054】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、
図1、
図2及び
図4に示すように、高圧回路200は、回路保護装置240をさらに含み、回路保護装置240は、ベース100に組み立てられ、回路保護装置240の第1端子は、モジュール正極接続端子210を形成する。回路保護装置240は、ヒューズ、ブレーカー、ヒューズボックス、アクティブヒューズなどの回路保護装置のうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。回路保護装置240を設置することにより、高圧回路200に電流が大きすぎ、電圧が大きすぎるなどの状況が発生した場合、回路保護装置240が適時に自動的に切断することで、高圧回路200を遮断して、高圧回路200における他の部品を保護する目的を達成することができる。
【0055】
そして、主遮断スイッチコア230は、複数あり、主正遮断スイッチコア231及び主負遮断スイッチコア232を少なくとも含み、回路保護装置240の第2端子は、主正遮断スイッチコア231の第1端子と電気的に連通し、主正遮断スイッチコア231の第2端子と主負遮断スイッチコア232の第1端子は、それぞれ高圧接続部110と電気的に連通する。
【0056】
主正遮断スイッチコア231は、リレーのコア(即ち、リレーにケースを設置する必要がない)、IGBTのコア(即ち、IGBTにケースを設置する必要がない)、MOSトランジスタのコア(即ち、MOSトランジスタにケースを設置する必要がない)のうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。主負遮断スイッチコア232は、リレーのコア(即ち、リレーにケースを設置する必要がない)、IGBTのコア(即ち、IGBTにケースを設置する必要がない)、MOSトランジスタのコア(即ち、MOSトランジスタにケースを設置する必要がない)のうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0057】
なお、回路基板300は、低圧回路400が集積されることにより、主正遮断スイッチコア231のオンオフと主負遮断スイッチコア232のオンオフを制御することができる。
【0058】
例えば、主正遮断スイッチコア231は、高圧接続部110とモジュール正極接続端子210が連通するか否かを制御することができ、主負遮断スイッチコア232は、高圧接続部110とモジュール負極接続端子220が連通するか否かを制御することができる。主正遮断スイッチコア231と主負遮断スイッチコア232がいずれもオンに保持すると、高圧回路200の電気的導通を実現することができ、このとき、電池モジュール700は、高圧接続部110により車両の高圧電気機器に給電することができる。高圧回路200内の電流の電圧が高いため、主正遮断スイッチコア231と主負遮断スイッチコア232の2つのスイッチを設置し、かつ主正遮断スイッチコア231と主負遮断スイッチコア232のオンオフが互いに干渉しないようにすることにより、高圧回路200を非常に確実に遮断し、高圧回路200の安全性を向上させ、それにより車両の高圧電気機器への給電の安全性を保証することができる。
【0059】
また、複数の接続タブ500は、主正低圧正極接続タブ510、主正低圧負極接続タブ520、主負低圧正極接続タブ530及び主負低圧負極接続タブ540を含み、主正低圧正極接続タブ510の第1端と主正低圧負極接続タブ520の第1端は、それぞれ主正遮断スイッチコア231に接続され、主正低圧正極接続タブ510の第2端と主正低圧負極接続タブ520の第2端は、それぞれ回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通し、主負低圧正極接続タブ530の第1端と主負低圧負極接続タブ540の第1端は、それぞれ主負遮断スイッチコア232に接続され、主負低圧正極接続タブ530の第2端と主負低圧負極接続タブ540の第2端は、それぞれ回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通する。
【0060】
このように、主正遮断スイッチコア231は、主正低圧正極接続タブ510及び主正低圧負極接続タブ520によって回路基板300における低圧回路400との電気的連通を実現し、主負遮断スイッチコア232は、主負低圧正極接続タブ530及び主負低圧負極接続タブ540によって回路基板300における低圧回路400との電気的連通を実現し、このように、回路基板300における低圧回路400を利用して主正遮断スイッチコア231のオンオフと主負遮断スイッチコア232のオンオフを制御することができる。
【0061】
そして、主正遮断スイッチコア231が主正低圧正極接続タブ510及び主正低圧負極接続タブ520によって挿着方式で回路基板300に直接接続されることにより、主正遮断スイッチコア231と回路基板300との間の導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を省略し、主正遮断スイッチコア231と回路基板300との間の確実な電気的接続を保証することができ、配電装置1の体積を小さくし、コスト及び重量を低減することにも有利である。また、主負遮断スイッチコア232が主負低圧正極接続タブ530及び主負低圧負極接続タブ540によって挿着方式で回路基板300に直接接続されることにより、主負遮断スイッチコア232と回路基板300との間の導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を省略し、主負遮断スイッチコア232と回路基板300との間の確実な電気的接続を保証することができ、配電装置1の体積を小さくし、コスト及び重量を低減することにも有利である。
【0062】
好ましくは、
図1、
図2及び
図4に示すように、回路保護装置240の第2端子は、主正遮断スイッチコア231の第1端子に重ね接続されてそれと電気的に連通し、主正遮断スイッチコア231の第2端子と主負遮断スイッチコア232の第1端子は、それぞれ高圧接続部110に重ね接続されてそれと電気的に連通する。
【0063】
このように、回路保護装置240と主遮断スイッチコア230との間に導電構造(例えば、導電銅バー)を設置する必要がなく、配電装置1のスペース利用率がより高いため、体積がより小さく、重量がより軽く、コストがより低く、回路保護装置240と主遮断スイッチコア230との間の電気的接続の信頼性の向上に有利であり、温度上昇が高すぎたり接続箇所が焼結したりするなどの問題が発生しにくい。そして、主正遮断スイッチコア231及び主負遮断スイッチコア232の両者と高圧接続部110との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がなく、主正遮断スイッチコア231と主負遮断スイッチコア232の電気的接続構造を簡略化し、電気的接続が確実であり、レイアウトがより簡単であり、温度上昇が高すぎたり接続箇所が焼結したりするなどの問題が発生しにくい。
【0064】
さらに、
図1、
図2及び
図4に示すように、複数の
接続タブ500は、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560をさらに含む。正極電圧収集タブ550の第1端は、主正遮断スイッチコア231の第2端子と高圧接続部110との重ね接続箇所に重ね接続され、正極電圧収集タブ550の第2端は、回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通し、負極電圧収集タブ560の第1端は、主負遮断スイッチコア232の第1端子と高圧接続部110との重ね接続箇所に重ね接続され、負極電圧収集タブ560の第2端は、回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通する。
【0065】
このように、回路基板300は、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560によって高圧回路200の電圧を収集し、さらに高圧回路200の電圧及び焼結の有無を監視することができ、それにより配電装置1の確実な応用に有利であり、配電装置1の安全性を向上させる。
【0066】
さらに、
図3~
図6に示すように、高圧接続部110は、高圧正極引出タブ111及び高圧負極引出タブ112を含む。高圧正極引出タブ111は、それぞれ主正遮断スイッチコア231の第2端子と正極電圧収集タブ550の端部に重ね接続されてそれらと電気的に連通し、このように、高圧正極引出タブ111と主正遮断スイッチコア231との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がなく、高圧正極引出タブ111と正極電圧収集タブ550との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がない。高圧負極引出タブ112は、それぞれ主負遮断スイッチコア232の第1端子と負極電圧収集タブ560の端部に重ね接続されてそれらと電気的に連通し、このように、高圧負極引出タブ112と主負遮断スイッチコア232との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がなく、高圧負極引出タブ112と負極電圧収集タブ560との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がない。
【0067】
高圧正極引出タブ111及び高圧負極引出タブ112を設置することにより、高圧接続部110と高圧回路200との間の電気的接続を実現することができ、それにより高圧接続部110が車両の高圧電気機器に給電できることを保証し、かつ配電装置1内の電気的接続のレイアウトをさらに簡略化することができ、それにより配電装置1の体積をさらに小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減して、電池パック2のスペースをさらに節約し、電池パック2のエネルギー密度を向上させ、完成車の航続能力を向上させることができる。
【0068】
本開示のいくつかの実施例では、主正遮断スイッチコア231の第2端子、高圧正極引出タブ111及び正極電圧収集タブ550の端部が順に重ね接続され、高圧正極引出タブ111及び正極電圧収集タブ550のうちの一方に正極回転防止位置決め溝が設置され、高圧正極引出タブ111及び正極電圧収集タブ550のうちの他方が正極回転防止位置決め溝に嵌合される。主負遮断スイッチコア232の第1端子、高圧負極引出タブ112及び負極電圧収集タブ560の端部が順に重ね接続され、高圧負極引出タブ112及び負極電圧収集タブ560のうちの一方に負極回転防止位置決め溝が設置され、高圧負極引出タブ112及び負極電圧収集タブ560のうちの他方が負極回転防止位置決め溝に嵌合される。
【0069】
例えば、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560の損傷確率を低減し、電圧収集の信頼性を保証するために、正極回転防止位置決め溝は、高圧正極引出タブ111に設置されてもよく、負極回転防止位置決め溝は、高圧負極引出タブ112に設置されてもよい。
【0070】
このように、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560がベース100の幅方向に平行移動することを防止し、電気的接続の安定性を向上させ、電圧収集の正確性を向上させることができる一方、特に、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560をねじ締結具(例えば、ボルト)によって取り付けて固定する必要がある実施例では、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560が組み立て過程において回転することを防止することができる。
【0071】
さらに、
図1~
図6に示すように、ベース100は、第1位置決め仕切りリブ130及び第2位置決め仕切りリブ140を有するように構成され、第1位置決め仕切りリブ130は、回路保護装置240と高圧正極引出タブ111との間、及び回路保護装置240と正極電圧収集タブ550との間に位置し、第2位置決め仕切りリブ140は、高圧正極引出タブ111と高圧負極引出タブ112との間、及び正極電圧収集タブ550と負極電圧収集タブ560との間に位置する。
【0072】
第1位置決め仕切りリブ130によって、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560を仕切り、回路保護装置240と高圧正極引出タブ111との間の移動による電気的接続を回避するだけでなく、回路保護装置240及び正極電圧収集タブ550を仕切り、回路保護装置240と正極電圧収集タブ550との間の移動による電気的接続を回避こともでき、回路保護装置240、高圧正極引出タブ111及び正極電圧収集タブ550に対して一定の位置決め作用を果たすこともできる。
【0073】
第2位置決め仕切りリブ140によって、高圧正極引出タブ111及び高圧負極引出タブ112を仕切り、高圧正極引出タブ111と高圧負極引出タブ112との間の移動による電気的誤接続を回避するだけでなく、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560を仕切り、正極電圧収集タブ550と負極電圧収集タブ560との間の移動による電気的誤接続を回避することもでき、高圧正極引出タブ111、高圧負極引出タブ112、正極電圧収集タブ550及び負極電圧収集タブ560に対して一定の位置決め作用を果たすこともできる。
【0074】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、
図1及び
図4に示すように、高圧回路200は、電流センサ150をさらに含み、電流センサ150の第1端子は、モジュール負極接続端子220を形成し、電流センサ150の第2端子は、主負遮断スイッチコア232の第2端子と電気的に連通する。複数の
接続タブ500は、電流収集ピン570をさらに含み、電流収集ピン570の第1端は、電流センサ150に接続され、電流収集ピン570の第2端は、回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通し、このように、電流収集ピン570と回路基板300及び低圧回路400との間の銅バー又はハーネスを省略するとともに、電流収集ピン570と回路基板300及び低圧回路400との間の電気的接続を実現することができ、それにより配電装置1内のスペースを節約するだけでなく、電気的接続の安全性を向上させることもできる。電流センサ150は、高圧監視ユニット(High voltage supervise unit、HVSU)であってもよい。
【0075】
電流センサ150を設置することにより、モジュール負極接続端子220を形成して、高圧回路200と電池モジュール700との間の効果的な接続を実現することができ、かつ回路基板300は、電流収集ピン570によって電流センサ150により収集された高圧回路200の電流を取得することができ、それにより高圧回路200の電流の安定性を保証し、配電装置1の確実な使用の実現に有利である。電流センサ150は、分流器であってもよい。
【0076】
さらに、電流センサ150の第2端子は、主負遮断スイッチコア232の第2端子に重ね接続されてそれと電気的に連通し、電流センサ150と主負遮断スイッチコア232との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がないため、電流センサ150と主負遮断スイッチコア232との間の焼結及び過度の温度上昇のリスクを低減するだけでなく、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の体積を小さくし、配電装置1の重量及びコストを低減することもできる。
【0077】
さらに、
図1~
図6に示すように、ベース100は、第3位置決め仕切りリブ160を有するように構成され、第3位置決め仕切りリブ160は、電流センサ150と高圧接続部110との間に位置する。
【0078】
第3位置決め仕切りリブ160によって、電流センサ150及び高圧接続部110を仕切り、電流センサ150と高圧接続部110との間の移動による電気的接続を回避するだけでなく、電流センサ150及び高圧接続部110に対して一定の位置決め作用を果たすこともできる。
【0079】
好ましくは、
図1及び
図4に示すように、回路保護装置240、主正遮断スイッチコア231、主負遮断スイッチコア232及び電流センサ150は、ベース100の長さ方向に沿って順に配列され、このように、高圧回路200における複数の部品間の重ね接続を容易にし、導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を省略することに有利であり、それにより配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の体積を小さくし、コスト及び重量を低減し、電気的接続の信頼性を保証し、高圧回路200の損傷を回避し、また、高圧回路200が主にベース100の長さ方向に沿って配列されるため、ベース100のスペースをより効果的に利用することができる。
【0080】
そして、低圧接続部120及び電流センサ150は、ベース100の幅方向に沿って配列され、このように、低圧接続部120及び電流センサ150がベース100の長さ方向に沿って配列され続ける必要がなく、配電装置1の長さを小さくし、配電装置1のスペース利用率をさらに向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減することができる。
【0081】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、
図1、
図2、
図4及び
図7に示すように、高圧回路200は、プリチャージ回路170をさらに含み、プリチャージ回路170の一部は、回路基板300に集積され、プリチャージ回路170は、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190を含み、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190は、ベース100に組み立てられ、かつ回路基板300に挿着され、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190は、互いに直列に接続され、かつ主遮断スイッチコア230に並列に接続される。
【0082】
プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190は、直列に接続され、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190の両者は、直列に接続された後に主遮断スイッチコア230に並列に接続される。そして、プリチャージ遮断スイッチ190及び低圧回路400は、直接接続され、即ち、プリチャージ遮断スイッチ190と低圧回路400との間に変圧構造を設置する必要がない。
【0083】
プリチャージ回路170を設置することにより、電池モジュール700及び主遮断スイッチコア230の損傷を防止し、電池モジュール700及び主遮断スイッチコア230の安全性を補償することができる。回路基板300は、プリチャージ遮断スイッチ190のオンオフを制御することができる。そして、プリチャージ遮断スイッチ190は、ベース100に直接固定されてもよく、プリチャージ遮断スイッチ190にケースを別途設置する必要がなく、配電装置1の体積を小さくし、配電装置1の重量及びコストを低減することができる。
【0084】
なお、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190がいずれも回路基板300に挿着されることにより、両者と回路基板300との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がなく、配電装置1のレイアウトを簡略化し、配電装置1の体積を小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させることができる。
【0085】
プリチャージ抵抗180は、サーミスタであってもよく、サーミスタをプリチャージ回路170に応用すると、プリチャージ回路170は、構造が簡単であり、体積が小さく、他の部品と集積されやすく、プリチャージ過熱に対して一定の保護能力を有し、かつ動作環境及び抵抗値範への適応性が高い。
【0086】
例えば、サーミスタの抵抗値は、温度に敏感であり、サーミスタは、温度が上昇して転移温度(キュリー点)を超えると、その抵抗値が段階的に上昇するという特性を有する。サーミスタをプリチャージ回路170に応用する場合、それが正常に動作する抵抗値の区間(最小抵抗とキュリー温度に対応する抵抗値との間)のみを考慮すればよい。サーミスタの抵抗値の区間及び耐えられるエネルギーの範囲は、電圧、負荷の容量、プリチャージ完了電圧差及びプリチャージ時間などのパラメータ要求に基づいて算出することができる。
【0087】
サーミスタの最小抵抗値計算方式は、Rmin≧tmin/(C*ln(UB/UB-Ut))であり、サーミスタの最大抵抗値計算方式は、Rmax≦tmax/(C*ln(UB/UB-Ut))である。式中、tminは、最小プリチャージ時間であり、tmaxは、最大プリチャージ時間であり、Rminは、サーミスタの最小抵抗値であり、Rmaxは、サーミスタの最大抵抗値であり、Cは、容量性負荷の容量値であり、Utは、プリチャージ過程における対応する容量性負荷端電圧であり、UBは、電池モジュール700の電圧である。
【0088】
サーミスタの抵抗値の範囲を算出した後、選択されたサーミスタの温度抵抗値特性曲線に基づいて校正を行い、一定の温度範囲内、例えば-60℃~130℃の範囲内に、サーミスタのこの温度区間内の対応する抵抗値の最大値及び最小値を選択してプリチャージ時間の校正を行う。
【0089】
サーミスタのプリチャージ過程において、プリチャージ回路170がサーミスタに対して放出した最大エネルギーの計算方式は、Ech=1/2CU2であり、単一のサーミスタの温度が最大動作環境温度Tamaxからキュリー温度Tcまで上昇するために吸収する必要があるエネルギーは、Ethであり、Eth=Cth*(Tc-Tamax)であり、式中、Cthは、サーミスタの熱容量である(即ち、サーミスタ本体の温度が1K上昇するために供給される必要があるエネルギーであり、単位がジュールである)。
【0090】
サーミスタは、正常の使用条件下で低抵抗状態を維持すべきであり、そうでなければ、充電時間に影響を与え、充電回路のエネルギーが単一のサーミスタが耐えられるエネルギーよりも大きい場合、回路の耐電圧能力及びエネルギー耐量能力を向上させるために、複数のサーミスタを直列又は並列に接続する方式でエネルギーを分解することができ、即ち、n*§*Eth≧Echであり、§は、安全のための準備マージンであり、通常、0.7~0.9であり、nは、サーミスタの使用数である。該計算方式によって得られたサーミスタの使用数は、要求を満たすだけでなく、コストを低減することもできる。
【0091】
本開示のいくつかの実施例では、単一のサーミスタの抵抗値の範囲は、20Ω~200Ωであってもよく、使用環境温度の範囲は、-60℃~130℃であり、単一のサーミスタの耐電圧能力は、耐電圧450VDC以下又は1000VDC以下である。
【0092】
以下、電圧400VDC、容量性負荷の容量値800μf、充電電圧差98%時の応答時間が1.5秒以内である場合のパラメータを例に挙げて説明し、単一のサーミスタのパラメータは、抵抗値70Ω、耐電圧500VDC、キュリー温度125℃、-60℃~125℃の範囲内の該サーミスタの抵抗値の区間56Ω~112Ω、熱容量2.5J/Kであり、該サーミスタの使用数は、以下の方式を参照して予備選択することができる。
【表1】
【0093】
上記式に基づいて校正し、プリチャージは、180ms~360msの時間内に完了し、安全マージンは、0.8を選択することができ、最大環境温度は、90℃であり、サーミスタは、自体の温度がキュリー温度に達するのに必要なエネルギーが70Jであり、回路エネルギーが64Jであり、即ち、単一のサーミスタは、要求を満たし、予想される条件を満たす。
【0094】
以上は、本開示のある実施例を説明するためのものに過ぎず、実際の応用の可能性をさらに説明することを意図しており、本開示の保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0095】
また、複数の接続タブ500は、プリチャージ低圧正極接続タブ580及びプリチャージ低圧負極接続タブ590をさらに含み、プリチャージ低圧正極接続タブ580の第1端とプリチャージ低圧負極接続タブ590の第1端は、それぞれプリチャージ遮断スイッチ190に接続され、プリチャージ低圧正極接続タブ580の第2端とプリチャージ低圧負極接続タブ590の第2端は、それぞれ回路基板300に挿着されて低圧回路400と電気的に連通する。
【0096】
このように、プリチャージ遮断スイッチ190と回路基板300における低圧回路400との間の電気的接続を実現することができ、それにより低圧回路400は、プリチャージ遮断スイッチ190のオンオフを制御することができ、かつプリチャージ遮断スイッチ190と回路基板300との間に、導線及び銅バーなどの中間接続部材を省略することができ、配電装置1内の電気的接続のレイアウトをさらに簡略化することができ、それにより配電装置1の体積をさらに小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減することができる。
【0097】
本開示のいくつかの実施例では、
図2に示すように、プリチャージ遮断スイッチ190は、プリチャージ高圧正極接続タブ191及びプリチャージ高圧負極接続タブ192を有する。プリチャージ抵抗180は、抵抗高圧接続タブ181を有し、回路保護装置240及びプリチャージ抵抗180は、接触により電気的に連通し、このように、プリチャージ遮断スイッチ190とプリチャージ抵抗180との間に銅バー及びハーネスなどの導電構造を省略することができる。プリチャージ高圧正極接続タブ191、プリチャージ高圧負極接続タブ192及び抵抗高圧接続タブ181は、回路基板300に挿着されて、プリチャージ回路170の回路基板300に集積された部分と電気的に連通し、このように、従来のプリチャージ遮断スイッチ190及びプリチャージ抵抗180の両者と回路基板300との間の中間接続部材、即ちプリチャージ部分の銅バー及びハーネスなどを省略することができる。
【0098】
本開示の他のいくつかの実施例では、
図8に示すように、プリチャージ遮断スイッチ190は、プリチャージ高圧正極接続タブ191及びプリチャージ高圧負極接続タブ192を有し、プリチャージ抵抗180は、抵抗高圧正極接続タブ182及び抵抗高圧負極接続タブ183を有し、プリチャージ高圧正極接続タブ191、プリチャージ高圧負極接続タブ192、抵抗高圧正極接続タブ182及び抵抗高圧負極接続タブ183は、回路基板300に挿着されて、プリチャージ回路170の回路基板300に集積された部分と電気的に連通する。このとき、プリチャージ抵抗180を回路保護装置240に接続する必要がなく、プリチャージ抵抗180を回路基板300のみに接続する必要があり、着脱が容易であり、かつ加工速度が高い。
【0099】
これにより、プリチャージ遮断スイッチ190及びプリチャージ抵抗180の両者と回路基板300との間の電気的接続がより確実であり、かつレイアウトが明確であり、温度上昇が高すぎたり接続箇所が焼結したりするなどの問題が発生しにくく、従来の配電装置内の大量の銅バー及びハーネスを省略することにより、配電装置1内の電気的接続のレイアウトをさらに簡略化することができ、それにより配電装置1の体積をさらに小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させ、配電装置1の重量及びコストを低減して、電池パック2のスペースをさらに節約し、電池パック2のエネルギー密度を向上させ、完成車の航続能力を向上させることができる。
【0100】
好ましくは、
図2に示すように、プリチャージ回路170は、プリチャージ接続タブ171をさらに含み、回路保護装置240の第2端子は、主正遮断スイッチコア231の第1端子に重ね接続されてそれと電気的に連通し、プリチャージ接続タブ171の第1端は、回路保護装置240の第2端子と主正遮断スイッチコア231の第1端子との重ね接続箇所に重ね接続され、プリチャージ接続タブ171の第2端は、回路基板300に挿着されて、プリチャージ回路170の回路基板300に集積された部分と電気的に連通する。
【0101】
プリチャージ接続タブ171を設置することにより、プリチャージ回路170と主遮断スイッチコア230との間の並列接続を実現することができ、また、プリチャージ回路170の電圧を検出するためにも使用することができ、プリチャージ接続タブ171と回路基板300が挿着により電気的接続を実現するため、プリチャージ接続タブ171と回路基板300との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要がなく、回路保護装置240の第2端子と主正遮断スイッチコア231の第1端子との重ね接続箇所とプリチャージ接続タブ171との間に導電構造(例えば、導電銅バー又は導線)を設置する必要もなく、配電装置1のレイアウトを簡略化し、配電装置1の体積を小さくし、配電装置1のスペース利用率を向上させることができる。
【0102】
プリチャージ接続タブ171は、回路保護装置240の第2端子と一体に成形される。このように、プリチャージ接続タブ171と回路保護装置240との間の接続強度が高く、プリチャージ接続タブ171と回路保護装置240との間の電気的接続の信頼性を保証することができる。
【0103】
本開示のいくつかの好ましい実施例では、
図2及び
図4に示すように、プリチャージ遮断スイッチ190、プリチャージ抵抗180、主正遮断スイッチコア231、主負遮断スイッチコア232及び低圧接続部120は、ベース100の長さ方向に沿って順に配列され、このように、ベース100のスペース利用率をさらに向上させるだけでなく、配電装置1の回路の確実な接続を保証することもできる。そして、プリチャージ遮断スイッチ190、プリチャージ抵抗180及び回路保護装置240は、ベース100の幅方向に沿って配列され、このように、プリチャージ遮断スイッチ190、プリチャージ抵抗180及び回路保護装置240のうちのいずれか2つは、ベース100の長さ方向に交差し、ベース100の長さをある程度小さくすることができ、それにより配電装置1の体積を小さくすることができる。
【0104】
本開示のいくつかの好ましい実施例では、
図2、
図5及び
図6に示すように、ベース100は、主正遮断スイッチコア取り付け溝101、主負遮断スイッチコア取り付け溝102、プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝103及びプリチャージ抵抗取り付け溝104を有するように構成される。主正遮断スイッチコア231は、熱伝導性シーラントによって主正遮断スイッチコア取り付け溝101に固定され、主負遮断スイッチコア232は、熱伝導性シーラントによって主負遮断スイッチコア取り付け溝102に固定され、プリチャージ遮断スイッチ190は、プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝103に係着されるか、又は熱伝導性シーラントによってプリチャージ遮断スイッチ取り付け溝103に固定され、プリチャージ抵抗180は、プリチャージ抵抗取り付け溝104に係着される。
【0105】
このように、主正遮断スイッチコア231、主負遮断スイッチコア232、プリチャージ遮断スイッチ190及びプリチャージ抵抗180の四者とベース100との間の接続強度がより高く、主正遮断スイッチコア231、主負遮断スイッチコア232、プリチャージ遮断スイッチ190及びプリチャージ抵抗180の四者がベース100に対して移動することを回避し、配電装置1内の電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0106】
本開示のいくつかの好ましい実施例では、
図2~
図6に示すように、ベース100は、ベース本体105及びパネル106を含み、ベース本体105及びパネル106は、いずれも、例えばプラスチック材料で作られた絶縁部材であってもよい。高圧回路200の少なくとも一部は、ベース本体105に組み立てられ、回路基板300は、ベース本体105に取り付けられ、パネル106は、ベース本体105に接続され、高圧接続部110及び低圧接続部120は、パネル106に固定される。このように、ベース本体105の構造強度を保証し、高圧回路200及び回路基板300の取り付けの安定性を保証することができ、かつベース100を2つの部材に分けることにより、ベース本体105及びパネル106の加工製造を容易にするだけでなく、高圧回路200、回路基板300及び低圧回路をベース100に容易に取り付けることもできる。
【0107】
好ましくは、ベース本体105とパネル106は、一体物又は別体物である。なお、ベース本体105とパネル106が一体物である場合、ベース本体105及びパネル106を別々に製造した後、ベース本体105及びパネル106を一体に成形することができ、それにより高圧回路200、回路基板300及び低圧回路400の取り付けを容易にする。或いは、ベース本体105とパネル106との間の接続強度を向上させるために、ベース本体105及びパネル106を一度に直接射出成形する。このように、ベース100の設置方式がより多様であり、異なる使用状況に応じてベース100の構造を調整することができ、ベース100の適用性を向上させ、配電装置1が異なる使用環境のニーズを満たすことができる。
【0108】
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る配電装置1の組み立て過程を説明する。
【0109】
まず、シーラントを用いて主正遮断スイッチコア231及び主負遮断スイッチコア232をそれぞれベース100の主正遮断スイッチコア取り付け溝101及び主負遮断スイッチコア取り付け溝102内に固定し、
次に、プリチャージ抵抗180及びプリチャージ遮断スイッチ190をベース100のプリチャージ抵抗取り付け溝104及びプリチャージ遮断スイッチ取り付け溝103内に係着し、
そして、回路保護装置240をベース100に置き、バックルによりプリチャージ抵抗180との電気的接続を実現し、次にボルトを用いて正極電圧収集タブ550、負極電圧収集タブ560及び電流センサ150を固定し、回路基板300をベース100に固定するとともに、各接続タブを位置合わせし、挿着し(例えば、主正低圧正極接続タブ510、主正低圧負極接続タブ520、主負低圧正極接続タブ530、主負低圧負極接続タブ540、正極電圧収集タブ550、負極電圧収集タブ560、電流収集ピン570、プリチャージ接続タブ171)、回路基板300の低圧接続部120をベース100の予備孔内に挿入し、
最後に、ベース100を封止する。
【0110】
以下、
図9を参照して、本開示の実施例に係る車両3を説明し、車両3は、本開示の上記実施例に係る電池パック2を含む。
【0111】
本開示の実施例に係る車両は、本開示の上記実施例に係る電池パック2を利用することにより、構造が簡単でコンパクトであり、スペース利用率が高く、体積が小さく、重量が軽く、コストが低いなどの利点を有する。
【0112】
本開示のいくつかの好ましい実施例では、該車両は、上記電池パックに電気的に接続された負荷900をさらに含む。該電池パックは、負荷に給電するために用いられる。該負荷は、車両の電気機器、例えばモータ、エアコンコンプレッサ、PTC(Positive Temperature Coefficient)、コントローラなどを含む。
【0113】
本開示の実施例に係る配電装置1、電池パック2及び車両3の他の構成及び操作は、当業者にとって既知であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0114】
本明細書の説明では、「具体的な実施例」、「具体例」などの用語を使用した説明は、該実施例又は例を参照して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。
【0115】
本開示の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本開示の原理及び目的を逸脱しない限り、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定されることを理解することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 配電装置
2 電池パック
3 車両
100 ベース
101 主正遮断スイッチコア取り付け溝
102 主負遮断スイッチコア取り付け溝
103 プリチャージ遮断スイッチ取り付け溝
104 プリチャージ抵抗取り付け溝
105 ベース本体
106 パネル
110 高圧接続部
111 高圧正極引出タブ
112 高圧負極引出タブ
120 低圧接続部
130 第1位置決め仕切りリブ
140 第2位置決め仕切りリブ
150 電流センサ
160 第3位置決め仕切りリブ
170 プリチャージ回路
171 プリチャージ接続タブ
180 プリチャージ抵抗
181 抵抗高圧接続タブ
182 抵抗高圧正極接続タブ
183 抵抗高圧負極接続タブ
190 プリチャージ遮断スイッチ
191 プリチャージ高圧正極接続タブ
192 プリチャージ高圧負極接続タブ
200 高圧回路
210 モジュール正極接続端子
220 モジュール負極接続端子
230 主遮断スイッチコア
231 主正遮断スイッチコア
232 主負遮断スイッチコア
240 回路保護装置
300 回路基板
400 低圧回路
500 接続タブ
510 主正低圧正極接続タブ
520 主正低圧負極接続タブ
530 主負低圧正極接続タブ
540 主負低圧負極接続タブ
550 正極電圧収集タブ
560 負極電圧収集タブ
570 電流収集ピン
580 プリチャージ低圧正極接続タブ
590 プリチャージ低圧負極接続タブ
700 電池モジュール
800 ケース
900 負荷
【国際調査報告】