(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】プロペラの軸の移動が可能なドローン
(51)【国際特許分類】
B64U 30/296 20230101AFI20241128BHJP
B64U 10/14 20230101ALI20241128BHJP
【FI】
B64U30/296
B64U10/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519277
(86)(22)【出願日】2022-07-18
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 KR2022010431
(87)【国際公開番号】W WO2023106538
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0175811
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524115235
【氏名又は名称】キム,イン ホン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,イン ホン
(57)【要約】
本発明は、プロペラの軸の移動が可能なドローンに関し、開口部が形成されるドローン本体;一側部は上記ドローン本体の開口部を貫通し、上記ドローン本体の内部に配置され、プロペラとプロペラモータとを装備したプロペラハウジングが形成され、上記ドローン本体に放射状に複数個が配置されるプロペラ軸;上記ドローン本体に配置され、上記複数のプロペラ軸に各々連結され、上記複数のプロペラ軸の各々の角度と高さを調整する調整手段;複数のプロペラ軸の各々の回転角度を感知するセンサ;上記各プロペラに連結されるモータドライバと、電流の流れが正常か否かを判別する電流チェック回路、上記電流チェック回路に連携して信号を送受信し、上記モータドライバに信号を伝達するMCU、上記MCUと無線通信方式で連結されるメインコントローラ;を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成されるドローン本体;
一側部は、前記ドローン本体の開口部を貫通し、前記ドローン本体の内部に配置され、プロペラとプロペラモータとを装備したプロペラハウジングが形成され、前記ドローン本体に放射状に複数個が配置されるプロペラ軸;
前記ドローン本体に配置され、前記複数のプロペラ軸に各々連結され、前記複数のプロペラ軸の各々の角度と高さを調整する調整手段;
複数のプロペラ軸の各々の回転角度を感知するセンサ;
前記プロペラモータに連結されるモータドライバと、電流の流れが正常か否かを判別する電流チェック回路、前記電流チェック回路に連携して信号を送受信し、前記モータドライバに信号を伝達するMCU、前記MCUと無線通信方式で連結されるメインコントローラ;を含むものであって、
前記調整手段は、
前記ドローン本体の開口部に結合され、前記プロペラ軸が貫通して結合されるガイド孔を備えるガイド構造物;
前記プロペラ軸の他端に形成され、弧状の従動歯車と、前記従動歯車に歯車結合される主動歯車とが形成され、ドローン本体の内部に装備したモータからなる回転駆動部;
前記ドローン内部に結合され、プロペラ軸が結合され、プロペラ軸の回転動作を支持する回転軸;
前記モータの回転角度を制御して、前記従動歯車とプロペラ軸との回転角度を設定する制御部;を含み、
前記ガイド構造物は、ドローン本体の開口部に締結される締結具が形成され、
前記締結具は、ネジ、ボルト、ピンおよびリベットからなる群より選択されるものであり、
前記ガイド構造物は、前面と背面が平坦な平面で形成されるか、または前面に凹状の凹部が形成され、背面には凸状の凸部が形成され、前記ガイド孔は、水平方向に長く形成されることを特徴とするプロペラの軸の移動が可能なドローン。
【請求項2】
開口部が形成されるドローン本体;
一側部は、前記ドローン本体の開口部を貫通し、前記ドローン本体の内部に配置され、プロペラとプロペラモータとを装備したプロペラハウジングが形成され、前記ドローン本体に放射状に複数個が配置されるプロペラ軸;
前記ドローン本体に配置され、前記複数のプロペラ軸に各々連結され、前記複数のプロペラ軸の各々の角度と高さを調整する調整手段;
複数のプロペラ軸の各々の回転角度を感知するセンサ;
前記プロペラモータに連結されるモータドライバと、電流の流れが正常か否かを判別する電流チェック回路、前記電流チェック回路に連携して信号を送受信し、前記モータドライバに信号を伝達するMCU、前記MCUと無線通信方式で連結されるメインコントローラ;を含むものであって、
前記調整手段は、
前記ドローン本体の開口部に結合され、前記プロペラ軸が貫通して結合されるガイド孔を備えるガイド構造物;
前記プロペラ軸が一側に結合され、他端はドローン本体の内部に形成された結合口にヒンジ結合されて旋回動作するカムと、カムモータと、前記カムモータに連結された第1の歯車と、前記第1の歯車と歯車結合される第2の歯車とを装備する歯車ボックスと、前記第2の歯車の出力軸が前記カムに結合されてカムを旋回動作させるカム駆動部;
前記プロペラ軸の他端がヒンジ結合されるようにドローン本体の内部に形成されるピボット部;
前記プロペラ軸に形成され、プロペラ軸がカムの軌跡に沿って弧状に移動するとき、ガイド孔の内周面に当接されてガイド孔に沿って移動するスライダを備える回転軸;
前記カムモータの回転角度を制御して、前記第2の歯車とプロペラ軸との回転角度を設定する制御部;を含み、
前記ガイド構造物のガイド孔は、上方に凸状に形成され、中央部から両側へ向かって下方傾斜するように形成されるか、または凸状に形成されて中央部から両側へ向かって上方傾斜するように形成されることを特徴とするプロペラの軸の移動が可能なドローン。
【請求項3】
前記プロペラ軸が貫通して結合され、前記プロペラ軸が移動する経路をガイドするガイド孔を備えるガイド構造物をさらに含む、請求項2または3に記載のドローン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロペラの軸の移動が可能なドローンに関し、より詳細には、複数のプロペラ軸を備える多軸ドローンの飛行安定性と飛行持続性が維持できるようにするプロペラの軸の移動が可能なドローンに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチコプター(multicopter)とは、複数の回転翼を用いて空を飛ぶ飛行体を意味する。最近では、概してドローン(drone)と同様の意味で使用されている。
【0003】
ここでドローンは、人が搭乗していない無人航空機を総称する用語である。一般に、無線電波によって操縦されるドローンは、最初は空軍機、高射砲またはミサイルの迎撃練習用として軍事的に使用された。
【0004】
次第に無線技術が発達するにつれ、単に迎撃練習用だけでなく、軍用偵察機、各種武器を装備し、標的施設の破壊用として使用されるに至った。
【0005】
攻撃用ドローンを見ると、概して戦闘機と同様の形状をしている。プロペラの代わりに一般戦闘機のように、本体の中間部位に両側方向に配置される一対の大型揚力翼とドローンの方向を制御する一対の尾翼が配置される形態を有する。
【0006】
無論、攻撃用ドローンの中でマルチコプターのように、複数のプロペラが放射方向に配置され、自由な方向に起動する形態もある。
【0007】
このような翼型またはマルチコプター型のドローンは、偵察や爆弾投下などの目的で使用されている。
【0008】
最近では、ドローンの活用度がより拡大している。小型ドローンを開発してレジャー用として使用しており、ドローン操縦競技大会が開かれるほどにドローンの大衆化は次第に拡大する傾向である。そして、配送業界でもドローンを利用して注文を受けた商品を輸送する配送メカニズムを計画および実行している。
【0009】
このような傾向に合わせ、世界各国の主要企業はドローン関連産業を有望な新事業として見て、投資活動や技術開発に邁進している。
【0010】
ドローンの一形態で一般的に商用化されたマルチコプター型のドローンは、ドローン本体を基準として複数のプロペラがドローン本体の放射方向に配置されている。通常、4個、6個および8個のプロペラを装備したドローンが大衆化されている。
【0011】
このようなプロペラ駆動方式のドローンの場合、複数のプロペラが揚力を発生してドローン本体の飛行バランスを維持し、飛行安定性を確保することになる。
【0012】
しかし、特定のプロペラに異常が発生して回転速度が正常でなかったり、または故障によって動作しなかったりすると、ほとんどの場合、ドローンは飛行安定性を失い、墜落することになる。
【0013】
地面に墜落したドローンは衝撃を受け、相当数は破損が発生することになる。このとき、高価なドローンはドローンの修理費用が多く発生し、ひどく破損した場合にはドローンの修理が不可能で、購買費用はそのまま損失となる。
【0014】
したがって、プロペラ駆動方式のドローンで複数のプロペラのうち一部に異常や故障が発生しても、墜落を防止するためにドローンの飛行安定性が維持できる技術方案が当該技術分野で求められている。
【0015】
そこで、本発明者は、韓国登録特許第10-2219272号公報「プロペラ軸の位置調整が可能なドローンおよびその制御方法」を出願したことがある。
【0016】
先行特許は、複数のプロペラのうち一部に異常や故障が発生して正常動作が不可能な状況が発生しても、他のプロペラの位置を調整して飛行安定性と飛行持続性が維持できるプロペラ軸の位置調整が可能なドローンに関連する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2219272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、本発明者の先出願発明である韓国登録特許第10-2219272号公報を改良するためのものであり、多軸ドローンにおいてプロペラ軸の移動をより安定的に行うことができるようにして、複数のプロペラのうち一部に異常や故障が発生して正常動作が不可能な状況が発生しても、他のプロペラの位置を調整して飛行安定性と飛行持続性が維持できるプロペラの軸の移動が可能なドローンを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記本発明の目的は、開口部が形成されるドローン本体;
一側部は、上記ドローン本体の開口部を貫通し、上記ドローン本体の内部に配置され、プロペラとプロペラモータとを装備したプロペラハウジングが形成され、上記ドローン本体に放射状に複数個が配置されるプロペラ軸;上記ドローン本体に配置され、上記複数のプロペラ軸に各々連結され、上記複数のプロペラ軸の各々の角度と高さを調整する調整手段;複数のプロペラ軸の各々の回転角度を感知するセンサ;上記プロペラモータに連結されるモータドライバと、電流の流れが正常か否かを判別する電流チェック回路、上記電流チェック回路に連携して信号を送受信し、上記モータドライバに信号を伝達するMCU、上記MCUと無線通信方式で連結されるメインコントローラ;を含むことを特徴とするプロペラの軸の移動が可能なドローンによって達成される。
【0020】
一実施形態によれば、上記調整手段は、上記ドローン本体の開口部に結合され、上記プロペラ軸が貫通して結合されるガイド孔を備えるガイド構造物;上記プロペラ軸の他端に形成され、弧状の従動歯車と、上記従動歯車に歯車結合される主動歯車が形成され、ドローン本体の内部に装備したモータからなる回転駆動部;ドローン本体の内部に垂直に結合され、プロペラ軸が結合されてプロペラ軸の回転動作を支持する回転軸;上記モータの回転角度を制御して、従動歯車とプロペラ軸との回転角度を設定する制御部;とを含むプロペラの軸の移動が可能なドローンによって達成することができる。
【0021】
上記ガイド構造物は、ドローン本体の開口部に締結する締結具が形成されることを特徴とする。上記締結具は、ネジ、ボルト、ピン、リベットからなる群より選択されることを特徴とする。
【0022】
上記ガイド構造物は、前面と背面とが平坦な平面で形成されることを特徴とする。
【0023】
上記ガイド構造物は、前面に凹状の凹部が形成され、背面には凸状の凸部が形成されることを特徴とする。
【0024】
上記ガイド孔は、水平方向に長く形成されることを特徴とする。
【0025】
上記回転軸は、プロペラ軸に結合される本体と、上記本体の両側に各々挿入された弾性体を含み、上記スライダが弾性体に支持されるように本体の両側に各々結合され、ガイド孔の内周面に当接されることを特徴とする。
【0026】
上記プロペラ軸は、断面が円形であるか、または楕円形であることを特徴とする。
【0027】
上記角度制御部は、従動歯車の回転角度を感知するセンサを含むことを特徴とする。
【0028】
他の実施形態によれば、上記調整手段は、上記ドローン本体の開口部に結合され、上記プロペラ軸が貫通して結合されるガイド孔を備えるガイド構造物;上記プロペラ軸が一側に結合され、他端はドローン本体の内部に形成された結合口にヒンジ結合されて旋回動作するカムと、カムモータと、上記カムモータに連結された第1の歯車と、上記第1の歯車と歯車結合される第2の歯車とを装備する歯車ボックスと、上記第2の歯車の出力軸が上記カムに結合されてカムを旋回動作させるカム駆動部;上記プロペラ軸の他端がヒンジ結合されるようにドローン本体の内部に形成されるピボット部;上記プロペラ軸に形成され、プロペラ軸がカムの軌跡に沿って弧状に移動するとき、ガイド孔の内周面に当接されてガイド孔に沿って移動されるスライダを備える回転軸;上記カムモータの回転角度を制御して、上記第2の歯車とプロペラ軸との回転角度を設定する制御部;とを含むプロペラの軸の移動が可能なドローンによって達成することができる。
【0029】
一実施形態によれば、上記ガイド構造物は、上記ガイド孔を備えることができ、上記ガイド孔は、上記プロペラ軸が貫通して結合され、上記プロペラ軸が移動する経路をガイドすることができる。上記ガイド孔は、上記プロペラ軸が移動する経路をガイドするための形状に設計することができ、上記ガイド孔の方向や形状、上記ガイド構造物の形状は、上記プロペラ軸の安定した移動のために様々に設計することができる。
【0030】
上記ガイド孔は、曲線状に形成されていることを特徴とする。
【0031】
上記曲線状ガイド孔は、上方に凸状に形成され、中央部から両側へ向かって下方傾斜するように形成されていることを特徴とする。
【0032】
上記曲線状ガイド孔は、下方に凸状に形成され、中央部から両側へ向かって上方傾斜するように形成されていることを特徴とする。
【0033】
上記回転軸は、プロペラ軸に結合される本体と、上記本体の両側に各々挿入された弾性体を含み、上記スライダが弾性体に支持されるように本体の両側に各々結合され、ガイド孔の内周面に当接されることを特徴とする。
【0034】
上記プロペラ軸は、断面が円形であるか、または楕円形であることを特徴とする。
【0035】
上記プロペラ軸に結合され、上記ガイド孔に支持されるインターベアリング(Inter Bearing)を含み、上記インターベアリングは、カムに装備したベアリングハウジングの内側に結合されて回転できるようにすることを特徴とする。
【0036】
上記インターベアリングは、ボールベアリングまたは円筒形ブッシュであることを特徴とする。
【0037】
上記制御部は、従動歯車の回転角度を感知するセンサを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、多軸ドローンにおいてプロペラ軸の移動をより安定して行うことができるようにして、複数のプロペラのうち一部に異常や故障が発生して正常動作が不可能な状況が発生しても、他のプロペラの位置を調整して飛行安定性と飛行持続性が維持できる効果がある。
【0039】
したがって、今後の商用化が予想されるドローンタクシーやドローン宅配に適用させ、人や貨物の墜落危険から保護され得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明によるプロペラの軸の移動が可能なドローンを示す平面図である。
【
図2】本発明によるプロペラの軸の移動が可能なドローンを示す正面図である。
【
図3】本発明によるプロペラの軸の移動が可能なドローンの一実施形態(A1)による「調整手段」を示す斜視図である。
【
図4】本発明によるプロペラの軸の移動が可能なドローンの他の実施形態(A2)による「調整手段」を示す斜視図である。
【
図6】本発明において水平なガイド孔が形成されたガイド構造物の様々な形状を示す図である。
【
図7】本発明において弧状のガイド孔が形成されたガイド構造物を示す図である。
【
図8】本発明において弧状のガイド孔が形成され、上方または下方に凸状に形成されたガイド構造物を示す図である。
【
図9】本発明のプロペラ軸が移動して位置変換された例を示す平面図である。
【
図10】本発明の各プロペラモータの動作状態を検出するモータドライバを含む構成を示す図である。
【
図11】本発明のドローンにおけるプロペラ軸間の角度調整を制御する構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、添付の図面を参照して実施例を詳細に説明する。しかしながら、実施例には様々な変更を加えることができるため、特許出願の権利範囲はこれらの実施例によって限定されない。実施例に対するすべての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれることが理解されるべきである。
【0042】
実施例の特定の構造的または機能的説明は、単に例示のための目的で開示されるものであり、様々な形態に変更して実施することができる。したがって、実施例は、特定の開示形態に限定されるものではなく、本明細書の範囲は、技術的思想に含まれる変更、均等物、または代替物を含む。
【0043】
第1のまたは第2のなどの用語を様々な構成要素を説明するために使用することができるが、これらの用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ解釈されるべきである。たとえば、第1の構成要素は第2の構成要素と呼ばれることがあり、同様に第2の構成要素は第1の構成要素と呼ばれることがある。
【0044】
ある構成要素が他の構成要素に「連結される」と言及されたときは、その他の構成要素に直接連結されているか、または接続されている可能性があるが、中間に他の構成要素が存在する可能性があることをも理解されるべきである。
【0045】
実施例で使用された用語は、単に説明のための目的で使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されるべきではない。単数の表現は、文脈上明らかに他に意味がない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、本明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素および部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたは複数の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素および部品、またはこれらを組み合わせたものの存在、または追加の可能性をあらかじめ排除しないことを理解されたい。
【0046】
他の定義がない限り、技術的または科学的用語を含み、本明細書で使用されるすべての用語は、実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されるべきではない。
【0047】
また、添付の図面を参照して説明するにあたり、参照符号に関係なく、同一の構成要素は同一の参照符号を付し、これに対する重複する説明は省略する。実施例を説明する際に、関連する公知技術の具体的な説明が実施例の要旨を不必要にくもらす可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0048】
本発明の利点および特徴、そしてこれらを達成する方法は、添付の図面とともに詳細に後述される実施例を参照することによって明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるのではなく、互いに異なる様々な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は特許請求の範囲によって定義されるだけである。
【0049】
本発明の実施例では、別途の定義がない限り、技術的または科学的用語を含み、本明細書で使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本発明の実施例で明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されるべきではない。
【0050】
本発明の実施例を説明するための図面に開示される形状、大きさ、比率、角度および個数などは例示的なものであり、本発明が示される事項に限定されるものではない。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不必要にくもらす可能性があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。本明細書で言及される「含む」、「有する」、「なる」などが使用される場合、「~のみ」が使用されない限り、他の部分が追加されることがある。構成要素を単数で表現した場合は、特に明示的な記載事項がない限り複数の場合を含む。
【0051】
構成要素を解釈するにあたり、別途の明示的記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0052】
位置関係の説明の場合、たとえば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などと2つの部分の位置関係が説明される場合、「直ちに」または「直に」が使用されない限り、2つの部分の間に複数の他の部分が位置されることもある。
【0053】
素子(elements)または層が、他の素子または層「上(on)」と呼ばれることは、他の素子の直上または中間に、他の層または他の素子を介在した場合をすべて含む。明細書全体にわたり、同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0054】
図面に示される各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために示されるものであり、本発明が示される構成の大きさおよび厚さに必ずしも限定されるものではない。
【0055】
本発明のいくつかの実施例の各々の特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、当業者が十分に理解できるように、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各実施例が互いに独立して実施することができ、関連関係でともに実施することもできる。
【0056】
添付の図面のうち、
図1は本発明によるプロペラの軸の移動が可能なドローンを示す平面図であり、
図2は本発明によるプロペラの軸の移動が可能なドローンを示す正面図であり、
図3は本発明によるプロペラの軸の移動が可能なドローンの一実施形態(A1)による「調整手段」を示す斜視図であり、
図4は本発明によるプロペラの軸の移動が可能なドローンの他の実施形態(A2)による「調整手段」を示す斜視図であり、
図5は上記
図4のカム動作を示す図であり、
図6は本発明において水平なガイド孔が形成されたガイド構造物の様々な形状を示す図であり、
図7は本発明において弧状のガイド孔が形成されたガイド構造物を示す図であり、
図8は本発明において弧状のガイド孔が形成され、上方または下方に凸状に形成されたガイド構造物を示す図であり、
図9は本発明のプロペラ軸が移動して位置変換された例を示す平面図であり、
図10は本発明の各プロペラモータの動作状態を検出するモータドライバを含む構成を示す図であり、
図11は本発明のドローンにおけるプロペラ軸間の角度調整を制御する構成を示す図である。
【0057】
本発明によるプロペラの軸の移動が可能なドローンは、ドローン本体200;一側部は、上記ドローン本体200の開口部を貫通し、ドローン本体200の内部に配置され、他側部には、プロペラ400が装備され、ドローン本体200に放射状に複数個が配置されたプロペラ軸300;上記ドローン本体200に配置され、上記複数のプロペラ軸300に各々連結され、上記複数のプロペラ軸300の各々の角度と高さを調整する調整手段;を含む。
【0058】
ドローン本体200の内部には、調整手段500が配置され得るように一定空間が形成され、外周に沿って複数の開口部が形成される。
【0059】
プロペラ軸300の本数に応じ、4本の場合は4軸、6本の場合には6軸などに区分される。
【0060】
開示される説明では、4軸を基準にして説明する。
【0061】
上記プロペラ軸300の一側部は、ドローン本体200の開口部210を貫通し、ドローン本体200の内部に配置され得る。このとき、上記プロペラ軸300は、上記ドローン本体200の内部では調整手段500と連結され、プロペラ軸300の他側部には、プロペラ400が装備される。
【0062】
調整手段は、プロペラ軸300ごとに設けられ、各調整手段が各プロペラ軸300を回転させて多数のプロペラ軸300間の離隔した角度を調節して設定することができる。
【0063】
たとえば、4個のプロペラ400のうち、いずれかが固定の場合、正常動作する3本のプロペラ軸300が位置を移動して適正なシータ(θ)が維持できるようにすることにより、安定して飛行を持続することができる。
【実施例1】
【0064】
実施例1による調整手段を説明する。
【0065】
図3および
図4に示すように、一実施形態(A1)によれば、調整手段500は、
ドローン本体200の開口部に結合され、水平方向にガイド孔20が形成されるガイド構造物2;
ガイド構造物2のガイド孔20を貫通して結合され、一端にはプロペラ400とプロペラモータ(図示せず)とを装備したプロペラハウジングが形成され、他端がドローン本体200の内部に挿入されるプロペラ軸300;
プロペラ軸300の他端に形成され、弧状の従動歯車41と、上記従動歯車41に歯車結合される主動歯車42が形成され、ドローン本体200の内部に装備したモータ44からなる回転駆動部4;
ドローン本体200の内部に垂直に結合され、プロペラ軸300が貫通して結合され、プロペラ軸300の回転動作を支持する回転軸6;
モータ44の回転角度を制御して、上記従動歯車41とプロペラ軸300との回転角度を設定する制御部;とを含む構成となる。
【0066】
ガイド構造物2は、概ね六面体からなり、ガイド孔20が両端を貫通して形成され、ドローン本体200の開口部に着脱自在に締結される締結具26が設けられる。
【0067】
締結具26は、ネジ、ボルト、ピンおよびリベットからなる群より選択することができる。
【0068】
したがって、締結具26をガイド構造物2の内側に引き込むことにより、ドローン本体200の開口部と離隔されるようにして、ガイド構造物2をドローン本体200から分離することができる。逆に、締結具26をガイド構造物2の外側に引き出すことにより、ドローン本体200の開口部に締結して固定することができる。
【0069】
図6(a)のように、ガイド構造物2は、前面と背面が平坦な平面で形成され、直方体状になる。ガイド孔20は、水平方向に長く形成される。
【0070】
図6(b)のように、ガイド構造物2bは、前面に凹状の凹部2b-1が形成され、背面には凸状の凸部2b-2が形成される。ガイド孔20は、水平方向に長く形成される。
【0071】
図6(c)のように、ガイド構造物2bbは、前面に凹状の凹部2bb-1が形成され、背面には凸部2bb-2が形成され、ガイド孔20bは、上方に凸状に形成され、中央部から両側へ向かって下方傾斜するように形成される。
【0072】
このような湾曲型ガイド構造物2b、2bbは、円形のドローン本体200の曲率に等しく適合できるように弧状に形成されるものである。
【0073】
図3および
図4を参照すると、回転軸6は、プロペラ軸300が中心部を貫通するように貫通孔が形成され、上下部には、嵌合孔が形成される。
【0074】
したがって、両側の嵌合孔に各々ドローン本体200の内部上下面に形成されたボス201が結合される。
【0075】
上記制御部は、従動歯車41の回転角度を感知するセンサ(図示せず)を含むことができる。
【0076】
センサは、従動歯車41の回転角度を感知することにより、プロペラ軸300が回転した角度を計算して正確な回転を導くことができる。
【0077】
上述のプロペラ軸300は、基本的には断面が円形の棒状であることが好ましい。
【0078】
あるいは、プロペラ軸300は、曲げ剛性を増大させるために断面が楕円形の棒状であり得る。
【実施例2】
【0079】
一方、
図4および
図5に示すように、他の実施形態(A2)によれば、調整手段500は、
ドローン本体200の開口部に結合され、水平方向にガイド孔20が形成されるガイド構造物2;
プロペラ軸300が一側に結合され、他端はドローン本体200の内部に形成された結合口にヒンジ結合されて旋回動作するカム52と、カムモータ44と、上記カムモータ44に連結された第1の歯車541と、上記第1の歯車541と歯車結合される第2の歯車542を装備する歯車ボックス54と、上記第2の歯車542の出力軸が上記カム52に結合されてカム52を旋回動作させるカム駆動部5;
上記プロペラ軸300の他端がヒンジ結合されるようにドローン本体200の内部に形成されるピボット部58;
上記プロペラ軸300に形成され、プロペラ軸300がカム52の軌跡に沿って弧状に移動するとき、ガイド孔20の内周面に当接されてガイド孔20に沿って移動するスライダ66を備える回転軸6;
上記カムモータ44の回転角度を制御して、第2の歯車542とプロペラ軸300との回転角度を設定する制御部;とを含む構成となる。
【0080】
ガイド孔20は、カム52の回転駆動に適するように曲線状に形成される。
【0081】
図7(a)に示すように、湾曲型ガイド孔20cは、上方に凸状に形成され、中央部から両側へ向かって下方傾斜するように形成される。
【0082】
図7(b)に示すように、湾曲型ガイド孔20dは、下方に凸状に形成され、中央部から両側へ向かって上方傾斜するように形成されるものであり得る。
【0083】
あるいは、
図8(a)に示すように、ガイド構造物2cは、前面に凹状の凹部2c-1が形成され、背面には凸状の凸部2c-2が形成され、湾曲型ガイド孔20c、20dが前面と背面に通じるように貫通して形成される。
【0084】
図8(b)に示すように、ガイド構造物2dは、前面に凸状の凸部2c-2が形成され、背面には凹状の凹部2c-1が形成され、湾曲型ガイド孔20c、20dが前面と背面に通じるように貫通して形成される。
【0085】
このような凹部と凸部が形成されたガイド構造物2は、ドローン本体200が円形の場合、曲率に適するように形成されたものである。
【0086】
プロペラ軸300は、断面が円形であってもよく、楕円形300bであってもよい。これは上述の実施例1と大同小異であるため、その詳細な説明は省略する。
【0087】
一方、
図4を参照すると、プロペラ軸300に結合され、ガイド孔20に支持されるインターベアリング55を含む。
【0088】
インターベアリング55は、カム52に装備したベアリングハウジング550の内部に結合され、プロペラ軸300の上下回転と左右回転を連動して回転させることができる。
【0089】
一例によれば、インターベアリング55は、ボールベアリングまたは円筒形ブッシュであり得る。
【0090】
【0091】
各プロペラモータPMの動作状態をモータドライバT1が検出する。
【0092】
モータドライバ回路T2は、各プロペラモータPMに連結され、電流チェック回路T3が設けられる。MCU T4で電流チェック回路T3と連携して電流の流れが正常か否かを判別して、これに対する信号を送受信し、さらにモータドライバ回路T2に判別した信号を伝達することになる。
【0093】
MCU T4は、無線通信方式によってメインコントローラT5と連結される。
【0094】
したがって、モータ44の動作状態を電圧または電流で点検して異常有無を判断し、これに関する情報をメインコントローラーT5にデータを伝達する。
【0095】
無線通信方式は、RS232、I2C、SPIなどが適用される。
【0096】
また、
図10および
図11を参照して制御部の作用を説明すると、本発明のドローンにおいてプロペラ軸300間の角度調整を制御することになる。
【0097】
各プロペラモータPMに連結されたBLDCモータドライバT1が含まれ、
各プロペラモータPMは、プロペラ方向制御を行う調整手段のモータ44と連結される。
【0098】
各BLDCモータドライバT1および調整手段のモータ44は、メインコントローラT5に連結され、モータ44のエラー(異常発生)を常時チェックする。
【0099】
BLDCモータドライバT1からプロペラ軸400aの不能状態の異常を感知すると、他のプロペラ400b、400cの調整手段のモータ44を駆動させ、プロペラ軸300の角度を再設定して、3個のプロペラ400b、400cおよび400dが均等な角度を有するように調整して飛行姿勢を安定的に維持させることができる(
図9参照)。
【0100】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲で様々に変形実施することができる。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。それによって、上記で説明した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解すべきである。本発明の保護範囲は、以下の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0101】
したがって、他の具現、他の実施例および特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求の範囲に属する。
【国際調査報告】