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特表2024-544832冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法及び装置
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  • 特表-冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法及び装置 図1
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  • 特表-冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法及び装置 図4
  • 特表-冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法及び装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B22C 9/02 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
B22C9/02 101B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522155
(86)(22)【出願日】2023-02-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 CN2023074059
(87)【国際公開番号】W WO2024093033
(87)【国際公開日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】202211377138.4
(32)【優先日】2022-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519291342
【氏名又は名称】南京航空航天大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】単 忠徳
(72)【発明者】
【氏名】楊 浩秦
(72)【発明者】
【氏名】施 建培
(72)【発明者】
【氏名】▲いぇん▼ 丹丹
(72)【発明者】
【氏名】梁 校
(57)【要約】
本発明は、冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法及び装置を開示し、当該装置は、冷凍砂型造型室、電動昇降プラットフォーム、テフロン多孔質ライナ、取り外し可能な多孔質アルミニウム板、冷凍砂型の冷却装置ボックス、密封蓋板、超音波圧電シート、U型凝縮管、超音波発生器及び低温冷却システムを服k身、テフロンライナ及び取り外し可能な多孔質アルミニウム板には、鋳物砂の表面からコア部までの急速冷却に用いられる、大きさ、形状が同じである貫通孔構造が設けられる。昇降プラットフォームを起動し、バムピィ式のテフロンライナは、最高箇所に上昇して、離型しやすい。超音波圧電シートの高低周波のダブルモードでは、冷凍砂型を振動させて緻密に固めることができるだけでなく、切削成形を補助することもできる。本装置を採用すると、冷凍砂型の急速凍結を実現することができ、離型及び低コストのデジタル化成形が便利になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却装置であって、
冷凍砂型造型室(1)、電動昇降プラットフォーム(2)、冷凍砂型の冷却装置ボックス(5)、超音波発生器(9)及び低温冷却システム(10)を含み、
前記冷凍砂型造型室(1)は、冷凍砂型の冷却装置ボックス(5)内に位置し、その底部が前記電動昇降プラットフォーム(2)に設けられ、前記冷凍砂型造成室(1)は、テフロン多孔質ライナ(3)及び前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板(4)で構成され、超音波圧電シート(7)は、前記テフロン多孔質ライナ(3)と前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板(4)との間に位置し、且つテフロン多孔質ライナ(3)の底部に固定されている、ことを特徴とする冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却装置。
【請求項2】
前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板(4)は、前記テフロン多孔質ライナ(3)の外側に位置し、前記超音波圧電シート(7)は、冷凍砂型の冷却装置ボックス(5)の外部に位置する超音波発生器(9)と導線によって接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却装置。
【請求項3】
前記低温冷却システム(10)は、U型凝縮管(8)、液体窒素タンク(11)、窒素ガスタンク(12)、流量計(13)、逆止弁(14)及び低温ガス混合キャビティ(15)を含み、U型凝縮管(8)は、前記冷凍砂型の冷却装置ボックス(5)内に位置し、液体窒素タンク(11)は、第1管路を介して低温ガス混合キャビティ(15)に接続され、第1管路には、逆止弁(14)が設けられ、前記窒素ガスタンク(12)は、第2管路を介して低温ガス混合キャビティ(15)に接続され、第2管路には、順に流量計(13)と逆止弁(14)が設けられ、低温ガス混合キャビティ(15)は、順に圧力調節弁と低温管路を介してU型凝縮管(8)に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却装置。
【請求項4】
前記テフロン多孔質ライナ(3)及び取り外し可能な多孔質アルミニウム板(4)には、大きさ、位置が同じである貫通孔が設けられ、組立後、冷気が貫通孔を通って冷凍砂型の内部に入ることを確保可能であり、前記テフロン多孔質ライナ(3)は、4枚のテフロン金型でつなぎ合わせてなり、
前記テフロン金型の接合部は、「几」字型に設計される、ことを特徴とする請求項1に記載の冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却装置。
【請求項5】
冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法であって、
請求項1に記載の装置により製造を行い、当該方法は、冷凍砂型の急速凍結及び補助切削プロセスに適用され、その具体的な実施ステップは、以下の通りであり、
S1であって、鋳物の特徴に応じて適切な鋳物砂を選択し、質量部数3%~8%の水を秤量して砂混合機に入れて2~10分間均一に撹拌し、含水の湿鋳物砂を製造し、
S2であって、電動昇降プラットフォームを起動し、冷凍砂型造型室は、上限位置にあり、製造された湿鋳物砂の粒子を冷凍砂型造型室内に敷き詰め、超音波発生器を起動して低周波レンジを選択し、砂型を振動させて緻密に固め、テフロン多孔質ライナの貫通孔に沿って鉄線を挿入し、冷凍砂ブランクにある程度に配列が規則的な排気孔を成形し、再び電動昇降プラットフォームを起動し、冷凍砂型造型室は、下限位置にあり、
S3であって、低温冷却システムを起動し、低温ガスは、逆止弁を介して窒素ガスと低温混合ガスを形成し、当該低温混合ガスは、圧力調節弁を介して凝縮管回路に搬送されて循環冷却され、テフロン多孔質ライナ及び前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板の貫通孔を通って、急速に砂型のコア部に入り、冷凍砂ブランクを凍結し、
S4であって、冷凍砂型の内部の温度が予め設定された温度に達すると、密封蓋板を開け、電動昇降プラットフォームの起動を選択し、凍結砂型を取り出し、或いは、冷凍砂型の造型装置全体をデジタル化成形機プラットフォームに置き、デジタル化の切削成形を行い、冷凍砂型の強度及び硬度が効率的な切削成形を満たすことを保証し、冷凍砂型のコア部が予め設定された温度に達すると、昇降プラットフォームを起動し、冷凍砂型の離型を容易にし、冷凍砂型を取り出した後、デジタル化成形機に置いてフライス削りを行うことができる、ことを特徴とする冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法。
【請求項6】
前記テフロン多孔質ライナ及び前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板における貫通孔は、fluentフローフィールドに基づき、シミュレーションして、「正方形」、「六方格子」、「米字型」及び「円形」の規則的な配列に設計され、低温ガスの対流熱交換を加速し、砂型の冷却効率を向上させる、ことを特徴とする請求項5に記載の冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法。
【請求項7】
前記冷凍砂型の冷却装置ボックス(5)及び前記冷凍砂型造型室の上方には、断熱保温に用いられる密封蓋板(6)が設けられ、密封蓋板の内壁には、フィルムが付着され、前記フィルムは、冷凍砂型の保湿に用いられるEVAプラスチックフィルム、LDPE(低密度ポリエチレンフィルム)又はポリエステルアミン繊維のうちの1種が用いられる、ことを特徴とする請求項5に記載の冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法。
【請求項8】
前記超音波発生器には、低周波及び高周波の2つのモードが設定され、高周波モードで、超音波圧電シートは、冷凍砂型の造型プロセスの緻密な固めのために、振動を伝達し、冷凍砂型の内部に欠陥があることを防止し、低周波モードで、冷凍砂型造型金型全体をデジタル化成形機に置き、冷凍砂型の超音波フライス削り機能を実現する、ことを特徴とする請求項5に記載の冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法。
【請求項9】
低温冷却システムが稼働する時、まず、液体窒素タンクを開けて管路の内部の空気を排出し、一定の時間続いて、管路内の空間の温度が低下し、液体窒素が液体の形態で管路内に搬送され、次に、窒素ガスタンクを開け、窒素ガス流量計を調節して、窒素ガスを気液混合キャビティに進入させて液体窒素と混合させ、液体窒素の低温特性を利用し、窒素ガスを液体窒素と熱交換させ、最終的に低温窒素ガスを形成し、最後に保温管路を介して装置内部の凝縮管に搬送して冷凍砂型を降温させる、ことを特徴とする請求項5に記載の冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法。
【請求項10】
前記液体窒素タンクに、圧縮された低温空気又は低温COガスに交換し、異なる低温ガスが異なる温度区間を有することで、熱伝導係数が異なる鋳物砂は、いずれも高い冷凍効率を有する、ことを特徴とする請求項9に記載の冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍砂型のグリーン鋳造分野に関し、特に冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鋳造業界は、リソースの消費が大きく、木型/金属型で砂型を複製して鋳型を製造する必要がある。砂型鋳造は、製造周期が長く、生産工程が多く、作業強度が大きく、完成品の開発コストが高く、且つ稼働環境が悪い問題などに直面していた。従来の鋳造業界は、プロセスのグリーン化の突破及び変革を早急に必要としており、製造業のエネルギー削減、排出の削減及びグリーンで持続可能な発展を促進する。グリーン化の鋳造プロセス及び装置を採用することで、鋳造過程での材料及びエネルギーの浪費を減少させ、廃棄物の排出を減少させ、鋳物の不良率を低下させ、鋳物の良品率を向上させ、鋳物の効率的、高品質の正確成形を実現し、グリーン化の鋳造生産を実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
デジタル化の冷凍砂型のグリーン化の鋳造成形技術は、水を粘着剤とし、低温条件で鋳物砂の粘着及び砂型のデジタル化の切削/印刷成形を実現し、高品質の鋳物を製造することができる。その原理は、砂型の3次元のCADモデルによる駆動で、印刷ノズル/フライスの直接的な成形を利用して冷凍砂型(コア)の材料の増加/減少の製造を行い、表面処理及び組立後、鋳造される砂型を得る。冷凍砂型の切削の前に、製造された冷凍砂ブランクの強度及び硬度がデジタル化の効率的な切削を満たすかどうかは、重要である。冷凍砂ブランクの強度及び硬度は、含水量、冷凍温度、砂粒のメッシュ数などに依存する。既存の設備の条件で、大きいサイズの冷凍砂ブランクは、凍結時間が長く、コストが高く、離型が難しい問題などに直面し、新たな方法、新たな装置を開発して冷凍砂型の急速凍結を実現することを早急に必要とし、離型、低コストの成形を容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、本発明は、冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法及び装置を開示し、当該装置は、主に予め混合して湿った鋳物砂がブランクの製造過程での凍結効率が低く、緻密度が低く、且つ離型が難しい問題などを解決する。
【0005】
冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却装置であって、冷凍砂型造型室、電動昇降プラットフォーム、冷凍砂型の冷却装置ボックス、超音波発生器及び低温冷却システムを含み、前記冷凍砂型造型室は、冷凍砂型の冷却装置ボックス内に位置し、その底部が前記電動昇降プラットフォームに設けられ、前記冷凍砂型造成室は、前記テフロン(登録商標)多孔質ライナ及び前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板で構成され、超音波圧電シートは、取り外し可能な多孔質アルミニウム板と前記テフロン多孔質ライナとの間に位置する。
【0006】
前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板は、前記テフロン多孔質ライナの外側に位置し、前記超音波圧電シートは、冷凍砂型の冷却装置ボックスの外部に位置する超音波発生器と導線によって接続されている。
【0007】
前記低温冷却システムは、U型凝縮管、液体窒素タンク、窒素ガスタンク、流量計、逆止弁及び低温ガス混合キャビティを含み、U型凝縮管は、前記冷凍砂型の冷却装置ボックス内に位置し、液体窒素タンクは、第1管路を介して低温ガス混合キャビティに接続され、第1管路には、逆止弁が設けられ、前記窒素ガスタンクは、第2管路を介して低温ガス混合キャビティに接続され、第2管路には、順に流量計と逆止弁が設けられ、低温ガス混合キャビティは、U型凝縮管に接続されている。外部低温ガスは、耐低温管路を介してU型凝縮管に接続され、冷凍砂型造型室1を急速冷却することを実現する。
【0008】
前記テフロン多孔質ライナ及び取り外し可能な多孔質アルミニウム板には、大きさ、位置が同じである貫通孔が設けられ、組立後、冷気が貫通孔を通って冷凍砂型の内部に入ることを確保する可能であり、前記テフロン多孔質ライナは、4枚のテフロン金型でつなぎ合わせてなり、前記テフロン金型の接合部は、「几」字型に設計される。冷凍砂型のコア部が予め設定された温度に達すると、昇降プラットフォームを起動し、冷凍砂型の離型を容易にすることができ、冷凍砂型が取り出された後、デジタル化の成形機に配置されてフライス削りすることができる。
【0009】
冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法であって、当該方法は、各種の材質(石英砂、ジルコン砂及びクロマイト砂など)の冷凍砂型の急速凍結及び切削プロセスの補助に、具体的な実施ステップは、以下の通りであり、
S1であって、鋳物の特徴に応じて適切な鋳物砂を選択し、質量部数3%~8%の水を秤量して砂混合機に入れて2~10分間均一に撹拌し、含水の湿鋳物砂を製造し、
S2であって、電動昇降プラットフォームを起動し、冷凍砂型造型室は、上限位置にあり、製造された湿鋳物砂の粒子を冷凍砂型造型室内に敷き詰め、超音波発生器を起動して低周波レンジを選択し、砂型を振動させて緻密に固め、テフロン多孔質ライナの貫通孔にそって鉄線を挿入し、冷凍砂ブランクにある程度に配列が規則的な排気孔を成形し、再び電動昇降プラットフォームを起動し、冷凍砂型造型室は、下限位置にある、
S3であって、低温冷却システムを起動し、低温ガスは、逆止弁を介して窒素ガスと低温混合ガスを形成し、当該低温混合ガスは、圧力調節弁を介して凝縮管回路に搬送されて循環冷却され、テフロン多孔質ライナ及び前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板の貫通孔を通って、急速に砂型のコア部に入り、冷凍砂ブランクを凍結し、
S4であって、冷凍砂型の内部の温度が予め設定された温度に達すると、密封蓋板を開け、電動昇降プラットフォームの起動を選択し、凍結砂型を取り出し、或いは、冷凍砂型の造型装置全体をデジタル化成形機プラットフォームに置き、デジタル化の切削成形を行い、冷凍砂型の強度及び硬度が効率的な切削成形を満たすことを保証し、冷凍砂型のコア部が予め設定された温度に達すると、昇降プラットフォームを起動し、冷凍砂型の離型を容易にし、冷凍砂型を取り出した後、デジタル化成形機においてフライス削りを行うことができる。
【0010】
さらに、前記テフロン多孔質ライナ及び前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板における貫通孔は、fluentフローフィールドに基づき、シミュレーションして、「正方形」、「六方格子」、「米字型」及び「円形」の規則的な配列に設計され、低温ガスの対流熱交換を加速し、砂型の冷却効率を向上させる。
【0011】
さらに、前記冷凍砂型の冷却装置ボックス及び前記冷凍砂型造型室の上方には、断熱保温に用いられる密封蓋板が設けられ、密封蓋板の内壁には、フィルムが付着され、前記フィルムは、冷凍砂型の保湿に用いられるEVAプラスチックフィルム、LDPE(低密度ポリエチレンフィルム)又はポリエステルアミン繊維のうちの1種が用いられる。
【0012】
さらに、前記超音波発生器には、低周波及び高周波の2つのモードが設定され、高周波モードで、超音波圧電シートは、冷凍砂型の造型プロセスの緻密な固めのために、振動を伝達し、冷凍砂型の内部に欠陥があることを防止し、低周波モードで、冷凍砂型造型金型全体をデジタル化成形機に置き、冷凍砂型の超音波フライス削りの機能を実現する。
【0013】
さらに、低温冷却システムが稼働する時、まず、液体窒素タンクを開けて管路の内部の空気を排出し、一定の時間続いて、管路内の空間の温度が低下し、液体窒素が液体の形態で管路内に搬送され、次に、窒素ガスタンクを開け、窒素ガスの流量計を調節して、窒素ガスを一定の流量で気液混合キャビティに進入させて液体窒素と混合させ、液体窒素の低温特性を利用し、窒素ガスを液体窒素と熱交換させ、最終的に低温窒素ガスを形成し、最後に保温管路を介して装置内部の凝縮管に搬送して冷凍砂型を降温させる。
【0014】
前記液体窒素タンクに、圧縮された低温空気又は低温COガスに交換され、異なる低温ガスが異なる温度区間を有することで、熱伝導係数が異なる鋳物砂は、いずれも高い冷凍効率を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有益な効果は、以下の通りであり、(1)本技術案は、冷凍砂型内での通気孔の内蔵及び外部の低温冷却システムにより、予め混合して湿った鋳物砂を低温凍結して、冷凍砂型の急速冷却の目的を達成し、エネルギー消費を節約し、経済利益を向上させる。
【0016】
(2)超音波圧電シートは、造型プロセスにおいて砂型を振動させて緻密に固めることができ、デジタル化成形の過程で超音波で切削を補助し、切削温度を効果的に低下させ、加工の品質を向上させるとともに、切削ヘッドの使用時間を伸ばして一部のコストを低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却装置の原理図である。
図2】本発明のテフロンライナの構造模式図である。
図3】本発明の通気孔の構造模式図であり、図3(a)は正方形、図3(b)は六方格子、図3(c)は米字型、また図3(d)は円形の場合である。
図4】本発明の低温冷却システムの構造模式図である。
図5図2においてAの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面及び具体的な実施形態を参照しながら,本発明をさらに説明するが,以下の具体的な実施形態は本発明を説明するためのものであって本発明の範囲を制限するものではないことを理解すべきである。なお、以下の説明において使用する「前」、「後」、「左」、「右」、「上」および「下」という用語は、図面の方向を指し、「内」及び「外」という用語は、それぞれ特定の構成要素の幾何学的中心に向かう方向又は特定の構成要素の幾何学的中心から離れる方向を指す。
【0019】
図1に示すように、冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却装置であって、冷凍砂型造型室1、電動昇降プラットフォーム2、冷凍砂型の冷却装置ボックス5、超音波発生器9及び低温冷却システム10を含み、前記冷凍砂型造型室1は、冷凍砂型の冷却装置ボックス5内に位置し、その底部が前記電動昇降プラットフォーム2に設けられ、前記冷凍砂型造成室1は、前記テフロン多孔質ライナ3及び前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板4で構成され、超音波圧電シート7は、前記テフロン多孔質ライナ3と前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板4との間に位置し、且つテフロン多孔質ライナ3の底部に固定されていることを特徴とする。
【0020】
前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板4は、前記テフロン多孔質ライナ3の外側に位置し、前記超音波圧電シート7は、冷凍砂型の冷却装置ボックス5の外部に位置する超音波発生器9と導線によって接続されている。
【0021】
前記低温冷却システム10は、U型凝縮管8、液体窒素タンク11、窒素ガスタンク12、流量計13、逆止弁14及び低温ガス混合キャビティ15を含み、U型凝縮管8は、前記冷凍砂型の冷却装置ボックス5内に位置し、液体窒素タンク11は、第1管路を介して低温ガス混合キャビティ15に接続され、第1管路には、逆止弁14が設けられ、前記窒素ガスタンク12は、第2管路を介して低温ガス混合キャビティ15に接続され、第2管路には、順に流量計13と逆止弁14が設けられ、低温ガス混合キャビティ15は、順位圧力調節弁と低温管路を介してU型凝縮管8に接続されている。
【0022】
前記テフロン多孔質ライナ3及び取り外し可能な多孔質アルミニウム板4には、大きさ、位置が同じである貫通孔が設けられ、組立後、冷気が貫通孔を通って冷凍砂型の内部に入ることを確保可能である。
【0023】
図2、5に示すように、前記テフロン多孔質ライナ3は、4枚のテフロン金型でつなぎ合わせてなり、前記テフロン金型の接合部は、「几」字型に設計される。
【0024】
冷凍砂型のマルチパスの内部の微細孔による高効率冷却方法であって、当該方法は、冷凍砂型の急速凍結及び切削プロセスの補助に適用され、具体的な実施ステップは、以下の通りであり、
S1であって、鋳物の特徴に応じて適切な鋳物砂を選択し、質量部数3%~8%の水を秤量して砂混合機に入れて2~10分間均一に撹拌し、含水の湿鋳物砂を製造し、
S2であって、電動昇降プラットフォームを起動し、冷凍砂型造型室は、上限位置にあり、製造された湿鋳物砂粒子を冷凍砂型造型室内に敷き詰め、超音波発生器を起動して低周波レンジを選択し、砂型を振動させて緻密に固め、超音波発生器には、低周波及び高周波の2つのモードが設定され、高周波モードで、超音波圧電シートは、冷凍砂型造型プロセスの緻密な固めのために、振動を伝達し、冷凍砂型の内部に欠陥があることを防止し、低周波モードで、冷凍砂型造型金型全体をデジタル化成形機に置き、冷凍砂型の超音波フライス削り機能を実現し、
テフロン多孔質ライナの貫通孔に沿って鉄線を挿入し、冷凍砂ブランクにある程度に配列が規則的な排気孔を成形し、再び電動昇降プラットフォームを起動し、冷凍砂型造型室は、下限位置にあり、
S3であって、低温冷却システムを起動し、低温ガスは、逆止弁を介して窒素ガスと低温混合ガスを形成し、当該低温混合ガスは、圧力調節弁を介して凝縮管回路に搬送されて循環冷却され、テフロン多孔質ライナ及び前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板の貫通孔を通って、急速に砂型のコア部に入り、冷凍砂ブランクを凍結し、
低温冷却システムが稼働するとき、まず、液体窒素タンクを開けて管路の内部の空気を排出し、一定の時間続いて、管路内の空間の温度が低下し、液体窒素が液体の形態で管路内に搬送され、次に、窒素ガスタンクを開け、窒素ガス流量計を調節して、窒素ガスを一定の流量で気液混合キャビティに進入させて液体窒素と混合させ、液体窒素の低温特性を利用し、窒素ガスを液体窒素と熱交換させ、最終的に一定温度の低温窒素ガスを形成し、最後に保温管路を介して装置内部の凝縮管に搬送して冷凍砂型を降温させる。
【0025】
前記液体窒素タンクに、圧縮された低温空気又は低温COガスに交換され、異なる低温ガスが異なる温度区間を有することで、熱伝導係数が異なる鋳物砂は、いずれも高い冷凍効率を有する。
【0026】
S4であって、冷凍砂型の内部の温度が予め設定された温度に達すると、密封蓋板を開け、電動昇降プラットフォームの起動を選択し、凍結砂型を取り出し、或いは、冷凍砂型造型装置全体をデジタル化成形機プラットフォームに置き、デジタル化の切削成形を行い、冷凍砂型の強度及び硬度が効率的な切削成形を満たすことを保証し、冷凍砂型のコア部が予め設定された温度に達すると、昇降プラットフォームを起動し、冷凍砂型の離型を容易にし、冷凍砂型を取り出した後、デジタル化成形機に置いてフライス削りを行うことができる。
【0027】
図3に示すように、前記テフロン多孔質ライナ及び前記取り外し可能な多孔質アルミニウム板における貫通孔は、fluentフローフィールドに基づき、シミュレーションして、「正方形」、「六方格子」、「米字型」及び「円形」の規則的な配列に設計され、低温ガスの対流熱交換を加速し、砂型の冷却効率を向上させる。
【0028】
前記冷凍砂型の冷却装置ボックス及び前記冷凍砂型造型室の上方には、断熱保温に用いられる密封蓋板6が設けられ、密封蓋板の内壁には、フィルムが付着され、前記フィルムは、冷凍砂型の保湿に用いられるEVAプラスチックフィルム、LDPE(低密度ポリエチレンフィルム)又はポリエステルアミン繊維のうちの1種が用いられる。
【0029】
本発明の解決手段に開示される技術的手段は、上記実施形態に開示された技術的手段に限定されるものではなく、以上の技術的特徴を任意に組み合わせて構成される技術的解決手段も含む。
【符号の説明】
【0030】
1・・・冷凍砂型造型室
2・・・電動昇降プラットフォーム
3・・・テフロンライナ
4・・・取り外し可能な多孔質アルミニウム板
5・・・冷凍砂型の冷却装置ボックス
6・・・密封蓋板
7・・・超音波圧電シート
8・・・U型凝縮管
9・・・超音波発生器
10・・・低温冷却システム
11・・・液体窒素タンク
12・・・窒素ガスタンク
13・・・流量計
14・・・逆止弁
15・・・低温ガス混合キャビティ
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】