IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バルチモア、エアコイル、カンパニー、インコーポレーテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】管状膜物質交換器
(51)【国際特許分類】
   F28C 1/14 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
F28C1/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523879
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 US2022052258
(87)【国際公開番号】W WO2023107621
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/287,586
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515164653
【氏名又は名称】バルチモア、エアコイル、カンパニー、インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】BALTIMORE AIRCOIL COMPANY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ルッスレ,ヨハン リリアン
(72)【発明者】
【氏名】エゴルフ,ケビン エルズワース
(72)【発明者】
【氏名】リトワク,エリー エム.
(57)【要約】
一態様では、物質交換器が、空気入口、空気出口、空気流発生器及び管状膜アセンブリを有する。管状膜アセンブリは、入口ヘッダ、出口ヘッダ及び複数の管状膜を備える。管状膜は、管状膜に接触する空気と管状膜内の作動流体との間の物質移動を促進するように構成された側壁を有する。入口ヘッダは、入口ヘッダ本体開口部を有し、管状膜の入口端部が入口ヘッダ本体開口部内に延在する入口ヘッダ本体と、管状膜の入口端部をヘッダ本体に接続する入口ヘッダポッティングと、を備える。出口ヘッダは、出口ヘッダ本体開口部を有し、管状膜の出口端部が出口ヘッダ本体開口部内に延在する出口ヘッダ本体と、管状膜の出口端部をヘッダ本体に接続する出口ヘッダポッティングと、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気と作動流体との間で物質を交換するための物質交換器であって、
空気入口と、
空気出口と、
前記空気入口から前記空気出口への空気の移動を引き起こすように構成された空気流発生器と、
管状膜アセンブリであって、
前記作動流体を受け入れるための入口ヘッダと、
出口ヘッダと、
前記入口ヘッダと前記出口ヘッダとを接続して前記作動流体がその間を流れることを可能にする複数の管状膜であって、前記空気が前記空気入口から前記空気出口に移動するときに前記空気が接触するように位置付けられ、入口端部及び出口端部を有する複数の管状膜と、
前記管状膜と接触する前記空気と前記管状膜内の前記作動流体との間の物質移動を促進するように構成された前記管状膜の側壁と、
を有する、管状膜アセンブリと、を備え、
前記入口ヘッダが、
入口ヘッダ本体開口部を有し、前記管状膜の前記入口端部が前記入口ヘッダ本体開口部内に延在する入口ヘッダ本体と、
前記管状膜の前記入口端部を前記入口ヘッダ本体に接続する入口ヘッダポッティングと、を有し、
前記出口ヘッダが、
出口ヘッダ本体開口部を有し、前記管状膜の前記出口端部が前記出口ヘッダ本体開口部内に延在する出口ヘッダ本体と、
前記管状膜の前記出口端部を前記出口ヘッダ本体に接続する出口ヘッダポッティングと、を有する、物質交換器。
【請求項2】
前記入口ヘッダポッティングの少なくとも一部が前記入口ヘッダ本体開口部内にあり、
前記出口ヘッダポッティングの少なくとも一部が前記出口ヘッダ本体開口部内にある、請求項1の物質交換器。
【請求項3】
前記入口ヘッダポッティングが、前記管状膜を前記入口ヘッダ本体から分離し、
前記出口ヘッダポッティングが、前記管状膜を前記出口ヘッダ本体から分離する、請求項1の物質交換器。
【請求項4】
前記入口ヘッダポッティングが、前記管状膜の前記入口端部の周囲に延在する入口スリーブ部を前記入口ヘッダ本体開口部内に備え、
前記出口ヘッダポッティングが、前記管状膜の前記出口端部の周囲に延在する出口スリーブ部を前記出口ヘッダ本体開口部内に備える、請求項1の物質交換器。
【請求項5】
前記管状膜の前記側壁が、前記空気中のCO2が前記側壁を通って前記作動流体の炭素回収溶液中に移動することを許す、請求項1の物質交換器。
【請求項6】
前記管状膜の前記側壁が、前記空気中のメタンが前記側壁を通って前記管状膜内の前記作動流体のメタン回収溶液中に移動することを許す、請求項1の物質交換器。
【請求項7】
前記管状膜の前記側壁が、前記空気中の水蒸気が前記側壁を通って前記管状膜内の前記作動流体の液体乾燥剤中に移動することを許すように構成される、請求項1の物質交換器。
【請求項8】
前記管状膜の前記側壁が、水蒸気が前記側壁を通過することを許し、液体水が前記側壁を通過することを抑制するように構成される、請求項1の物質交換器。
【請求項9】
前記入口ヘッダ本体開口部の少なくとも1つが、その中に延在する前記管状膜の2つ以上の入口端部を有し、
前記入口ヘッダポッティングの少なくとも一部が、前記管状膜の前記2つ以上の入口端部の中間にある前記少なくとも1つの入口ヘッダ本体開口部内にあり、
前記出口ヘッダ本体の前記出口ヘッダ本体開口部の少なくとも1つが、その中に延在する前記管状膜の2つ以上の出口端部を有し、
前記出口ヘッダポッティングの少なくとも一部が、前記管状膜の前記2つ以上の出口端部の中間にある前記少なくとも1つの出口ヘッダ本体開口部内にある、請求項1の物質交換器。
【請求項10】
前記入口ヘッダポッティングの少なくとも一部が、前記入口ヘッダ本体開口部内にあり、
前記出口ヘッダポッティングの少なくとも一部が、前記出口ヘッダ本体開口部内にあり、
前記物質交換器が更に、
前記入口ヘッダ本体開口部内の前記管状膜のための入口支持部と、
前記出口ヘッダ本体開口部内の前記管状膜のための出口支持部と、を備える、請求項1の物質交換器。
【請求項11】
前記管状膜が、内腔を有し、
前記入口支持部及び前記出口支持部が、前記管状膜の前記内腔内に延在する、請求項10の物質交換器。
【請求項12】
前記入口支持部及び出口支持部が、前記管状膜の外部にある、請求項10の物質交換器。
【請求項13】
前記入口ヘッダ本体が、入口内面部と前記入口内面部の反対側にある入口外面部とを備え、
前記入口ヘッダ本体開口部が、前記入口内面部と前記入口外面部の間に延在し、
前記入口ヘッダポッティングが、前記入口ヘッダ本体の前記入口内面部及び前記入口外面部上のポッティングを含み、
前記出口ヘッダ本体が、出口内面部と前記出口内面部の反対側にある出口外面部とを備え、
前記出口ヘッダ本体開口部が、前記出口内面部と前記出口外面部の間に延在し、
前記出口ヘッダポッティングが、前記ヘッダ本体の前記出口内面部及び前記出口外面部上のポッティングを含む、請求項1の物質交換器。
【請求項14】
前記入口ヘッダ開口部が、第1の幅を有する幅広部と、前記第1の幅よりも小さい第2の幅を有する幅狭部と、をそれぞれ備え、
前記管状膜の前記入口端部が、前記入口ヘッダ開口部の前記幅広部及び前記幅狭部内に延在し、
前記出口ヘッダ開口部が、第3の幅を有する幅広部と、前記第3の幅よりも小さい第4の幅を有する幅狭部と、をそれぞれ備え、
前記管状膜の前記出口端部が、前記出口ヘッダ開口部の前記幅広部及び前記幅狭部内に延在する、請求項1の物質交換器。
【請求項15】
前記入口ヘッダポッティングが、前記入口ヘッダ開口部の前記幅広部内のポッティングを含み、
前記管状膜の前記入口端部が、前記入口ヘッダ開口部の前記幅狭部で前記入口ヘッダ本体に接触し、
前記出口ヘッダポッティングが、前記出口ヘッダ開口部の前記幅広部内のポッティングを含み、
前記管状膜の前記出口端部が、前記出口ヘッダ開口部の前記幅狭部で前記出口ヘッダ本体に接触する、請求項14の物質交換器。
【請求項16】
前記入口ヘッダ本体の前記入口開口部の少なくとも1つが、その中に延在する単一の管状膜入口端部を有し、
前記出口ヘッダ本体の前記出口開口部の少なくとも1つが、その中に延在する単一の管状膜出口端部を有する、請求項1の物質交換器。
【請求項17】
前記入口ヘッダ本体の前記入口開口部の少なくとも1つが、その中に延在する少なくとも2つの管状膜入口端部を有し、
前記出口ヘッダ本体の前記出口開口部の少なくとも1つが、その中に延在する少なくとも2つの管状膜出口端部を有する、請求項1の物質交換器。
【請求項18】
前記入口ポッティングが、前記管状膜及び前記入口ヘッダ本体に直接接触し、
前記出口ポッティングが、前記管状膜及び前記出口ヘッダ本体に直接接触する、請求項1の物質交換器。
【請求項19】
前記管状膜が、前記作動流体を受け入れるための内腔を有し、
前記物質交換器が更に、前記管状膜の前記内腔内に前記管状膜の変形に抵抗するための支持部を備える、請求項1の物質交換器。
【請求項20】
前記管状膜の外部に前記管状膜の変形に抵抗するための支持部を更に備えた、請求項19の物質交換器。
【請求項21】
前記管状膜が、前記作動流体を受け入れるための内部を備え、
前記物質交換器が更に、前記管状膜の外部に前記管状膜の変形に抵抗するための支持部を備える、請求項1の物質交換器。
【請求項22】
前記管状膜アセンブリが、第1の管状膜アセンブリと第2の管状膜アセンブリとを含み、
前記第1の管状膜アセンブリの前記出口ヘッダが、前記第2の管状膜アセンブリの前記入口ヘッダに接続され、その間に湿潤コンパートメントを形成するように構成される、請求項1の物質交換器。
【請求項23】
作動流体を受け入れるための入口マニホールドであって、前記管状膜アセンブリが、前記入口マニホールドから作動流体を受け入れるように構成された、その前記入口ヘッダを有する複数の管状膜アセンブリを含む、入口マニホールドと、
前記管状膜アセンブリの前記出口ヘッダに接続された、前記出口ヘッダから作動流体を受け取るための出口マニホールドと、
を更に備えた、請求項1の物質交換器。
【請求項24】
前記管状膜が、前記管状膜が前記作動流体を前記入口ヘッダから受け取ると長くなるように構成される、請求項1の物質交換器。
【請求項25】
前記入口ヘッダを閉じるように動作可能なバルブと、
前記管状膜内に真空を生成するような動作可能なポンプと、を更に備え、
前記管状膜の前記側壁が、前記管状膜に接触する前記空気と前記管状膜内の前記真空との間の物質移動を促進するように構成される、請求項1の物質交換器。
【請求項26】
前記管状膜熱交換器の上流又は下流の熱交換器であって、前記空気が前記空気入口と前記空気出口の間を移動するときにプロセス流体と前記空気との間で熱を伝達するように構成された、熱交換器を更に備えた、請求項1の物質交換器。
【請求項27】
前記管状膜が、内腔を備え、
前記物質交換器が更に、前記管状膜を通して別の流体を導くためのチューブを前記内腔内に備える、請求項1の物質交換器。
【請求項28】
前記空気流発生器が、ファンと、前記ファンを回転させるように動作可能なモータと、を備える、請求項1の物質交換器。
【請求項29】
前記管状膜がそれぞれ、ある長さと前記長さに垂直な断面とを有し、
前記断面が、円形、矩形、楕円形、又は、涙滴状である、請求項1の物質交換器。
【請求項30】
内腔と、前記内腔の周囲に延在する側壁と、を有する管状膜であって、前記側壁が、前記側壁の外面に接触する空気と前記内腔との間で物質移動を許すように構成された、管状膜と、
前記管状膜と流体連通するヘッダと、
前記ヘッダのヘッダ本体であって、
内面部と、
前記内面部の反対側の外面部と、
前記内面部と前記外面部との間に延在する複数の貫通開口部と、を有する、ヘッダ本体と、
前記ヘッダ本体の前記貫通開口部内に延在する前記管状膜の端部と、
前記ヘッダ本体の前記貫通開口部内と、前記内面部及び前記外面部の少なくとも一方上とにある前記ヘッダのポッティングであって、前記管状膜と前記ヘッダ本体とを接続するポッティングと、
を備えた、直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項31】
前記貫通開口部内の前記ポッティングが、前記ヘッダ本体の前記内面部から前記外面部に延在する、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項32】
前記貫通開口部内の前記ポッティングが、前記貫通開口部内で前記管状膜の周囲に延在するスリーブ部を備える、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項33】
前記ヘッダ本体の前記貫通開口部内の前記ポッティングが、前記管状膜を前記ヘッダ本体から分離する、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項34】
前記貫通開口部がそれぞれ、前記貫通開口部の第1の幅を有する幅広部と、前記第1の幅よりも小さい前記貫通開口部の第2の幅を有する幅狭部と、を備える、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項35】
前記貫通開口部内の前記ポッティングが、前記貫通開口部の前記幅広部内のポッティングを含み、
前記管状膜が、前記貫通開口部の前記幅狭部内で前記ヘッダ本体に接触する、請求項34の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項36】
前記ヘッダ本体が、単一の一体型構造を有する、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項37】
前記ポッティングが、前記内面部及び前記外面部上にある、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項38】
各貫通開口部が、その中に延在する単一の管状膜端部を有する、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項39】
前記管状膜が、前記作動流体を受け取ると長くなるように構成される、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項40】
前記管状膜の前記側壁が、前記空気中のCO2が前記管状膜を通って前記管状膜の前記内腔内の炭素回収溶液中に移動することを許すように構成される、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項41】
前記管状膜の前記側壁が、前記空気中のメタンが前記側壁を通って前記管状膜の前記内腔内のメタン回収溶液中に移動することを許すように構成される、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項42】
前記管状膜の前記側壁が、前記空気中の水蒸気が前記側壁を通って前記管状膜の前記内腔内の液体乾燥剤中に移動することを許すように構成される、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項43】
前記管状膜の前記側壁が、水蒸気が前記側壁を通過することを許し、液体水が前記側壁を通過することを抑制するように構成される、請求項30の直接空気物質交換器アセンブリ。
【請求項44】
前記管状膜の変形に抵抗するために前記管状膜の前記内腔内に延在する支持部を更に備えた、請求項30の直接物質交換器アセンブリ。
【請求項45】
流体が前記管状膜に沿って移動することを許すチューブを前記管状膜の前記内腔内に更に備えた、請求項30の直接物質交換器アセンブリ。
【請求項46】
前記ヘッダ本体が、前記内面部と、前記外面部と、その間に延在する貫通開口部と、を備えたプレート部を備える、請求項30の直接物質交換器アセンブリ。
【請求項47】
前記管状膜に固定された別のヘッダを更に備えた、請求項30の直接物質交換器アセンブリ。
【請求項48】
前記管状膜が、前記ヘッダに固定された第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部と、を有し、
前記管状膜の前記第1の端部が、前記内腔内の物質が前記ヘッダ内に移動することを許すように開放されており、
前記管状膜の前記第2の端部が閉鎖されている、請求項30の直接物質交換器アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2021年12月9日に出願された米国仮特許出願第63/287,586号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] この開示は、物質交換器に係り、より具体的には膜を横切る物質移動を促進する管状膜を有する物質交換器に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 熱交換器などの物質交換器は、幅広い種類の構成で提供され、幅広い種類の用途で使用される。1つのタイプの熱交換器は中空糸膜熱交換器である。中空糸膜熱交換器は、その中にプロセス流体を導く、内径が1mm未満の中空糸を有する。空気などのもう1つの流体が中空糸膜の外側に導かれる。中空糸膜は、中空糸膜の内側及び外側の流体流間の熱伝達を促進する側壁を有する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】[0004] 管状膜熱交換器アセンブリを含む熱交換器システムの概略図である。
図1B】[0005] 積層された上部及び下部管状膜熱交換器モジュールを含む管状膜熱交換器モジュールを有する冷却塔の斜視部分断面図である。
図1C】[0006] 図1Bの冷却塔の入口マニホールドと上部管状膜熱交換器モジュールとの接続部の立面図である。
図1D】[0007] 図1Bの冷却塔の上部管状膜熱交換器モジュールと下部管状膜熱交換器モジュールとの接続部の斜視断面図である。
図1E】[0008] 図1Bの冷却塔の管状膜熱交換器モジュールのうちの1つの一部分の斜視断面図である。
図2】[0009] 管状膜熱交換器モジュールを有する第2の冷却塔の斜視断面図である。
図3】[0010] 管状膜熱交換器モジュールを有する第3の冷却塔の概略図である。
図4】[0011] 予冷媒体として管状膜熱交換器モジュールを有する断熱排熱システムを備えた第4の冷却塔の概略図である。
図5】[0012] 湿潤、乾燥、又は断熱モードで動作され得る、予冷媒体として管状膜熱交換器モジュールを備えた第5の冷却塔の概略図である。
図6】[0013] 強制通風、直交流構成の管状膜熱交換器モジュールを有する蒸発排熱システムの概略図である。
図7A】[0014] 組み立てられた管状膜、継手、及びヘッダプレート部を含み、ヘッダプレート部の両側にプロットが適用された管状膜アセンブリの断面図である。
図7B】[0015] 管状膜、継手、ヘッダプレート部、及び管状膜の内腔内に延在する管状圧力容器の断面図である。
図8】[0016] 強制通風、直交流構成の管状膜熱交換器モジュールと、密閉型プレートアンドシェル熱交換器とを含む蒸発排熱システムの概略図である。
図9】[0017] 誘引通風、直交流構成の管状膜熱交換器モジュールを有する蒸発空気冷却システムの概略図である。
図10A】[0018] 上部管状膜熱交換器モジュールと下部管状膜熱交換器モジュールの下部ヘッダと上部ヘッダとの接続部の断面図である。
図10B】[0019] 入口マニホールドの分配ヘッダと管状膜熱交換器モジュールの上部ヘッダとの接続部の断面図である。
図11A】[0020] 上部管状膜熱交換器モジュールの下部ヘッダと下部管状膜熱交換器モジュールの上部ヘッダとの接続部の断面図である。
図11B】[0021] 入口マニホールドの分配ヘッダと上部管状膜熱交換器モジュールの上部ヘッダとの接続部の断面図である。
図12A】[0022] 上部管状膜熱交換器モジュールの下部ヘッダと下部管状膜熱交換器モジュールの上部ヘッダとのスナップフィット接続部の断面図である。
図12B】[0023] 入口マニホールドの分配ヘッダと上部管状膜熱交換器モジュールの上部ヘッダとのスナップフィット接続部の断面図である。
図13A】[0024] 上部管状膜熱交換器モジュールの下部ヘッダと下部管状膜熱交換器モジュールの上部ヘッダとのスライド接続部の断面図である。
図13B】[0025] 入口マニホールドの分配ヘッダと管状膜熱交換器モジュールの上部ヘッダとのスライド接続部の断面図である。
図14】[0026] 管状膜の移動に抵抗するために管状膜の内腔内に延在するロッドを備えた管状膜アセンブリの断面図である。
図15】[0027] 管状膜の移動に抵抗するために管状膜の内腔内にロッド及びリングを備えた管状膜アセンブリの断面図である。
図16】[0028] 管状膜の移動に抵抗するために管状膜アセンブリの管状膜の外側の周囲に延在する螺旋状支持部材を備えた管状膜アセンブリの断面図である。
図17】[0029] 管状膜の移動に抵抗するために管状膜アセンブリの管状膜の内腔内に螺旋状支持部材を備えた管状膜アセンブリの断面図である。
図18】[0030] 管状膜アセンブリの管状膜の移動に抵抗するための外部ブレースを備えた管状膜アセンブリの断面図である。
図19】[0031] 管状膜アセンブリの管状膜の移動に抵抗するための内部ブレースを備えた管状膜アセンブリの断面図である。
図20】[0032] 様々なサイズの冷却塔用の管状膜熱交換器モジュールの様々な構成の概略図である。
図21】[0033] 管状膜、チューブ、及び管状膜とチューブとを接続する継手を備えた管状膜アセンブリの断面図である。
図22】[0034] 端部接続部を有するチューブを有する管状膜アセンブリの断面図である。
図23】[0035] 管状膜熱交換器モジュールのヘッダの中間に支持部を有する管状膜熱交換器モジュールの概略図である。
図24】[0036] 管状膜熱交換器モジュールの支持プレートを表面に接続する支持部材を有する管状膜熱交換器モジュールの概略図である。
図25】[0037] 支持プレートをヘッダ及びチューブに接続する支持部材を有する管状膜熱交換器モジュールの概略図である。
図26】[0038] 冷却塔の壁に固定された支持プレートを有する冷却塔の管状膜熱交換器モジュールの概略図である。
図27】[0039] 管状膜熱交換器モジュールの支持プレートの断面図であり、支持プレートの開口部内に延在する管状膜と、管状膜を取り囲む支持プレート穴の環状面を示す。
図28】[0040] 管状膜熱交換器モジュールの支持プレートの断面斜視図であり、支持プレートのスロット内に延在する管状膜と、管状膜に接触するスロットの側面を示す。
図29】[0041] ファンの周囲の蛇行経路内に延在する管状膜を有する管状膜熱交換器モジュールの概略図であり、管状膜は直線部及び屈曲部を有する。
図30】[0042] モジュールの管状膜の向きを変え、管状膜の屈曲部を形成する支持部を有する管状膜熱交換器モジュールの概略図である。
図31】[0043] 管状膜の環状形状を提供するために、管状膜の径方向外側壁部よりも短い径方向内側壁部を有する管状膜を有する管状膜熱交換器モジュールの概略図である。
図32】[0044] 管状膜を環状構成で支持する環状ロッドを有する管状膜熱交換器モジュールの概略図である。
図33】[0045] 管状膜、入口ヘッダ、出口ヘッダ、及びプロセス流体流の方向を変えるように構成された中間ヘッダを有する管状膜熱交換器の概略図である。
図34】[0046] 管状膜熱交換器モジュールを有する空気処理ユニットの概略図である。
図35】[0047] 螺旋状管状膜を有する管状膜アセンブリの概略図である。
図36】[0048] 継手なしでヘッダプレートに接続された管状膜を有する管状膜アセンブリの概略図である。
図37】[0049] ポッティング材が開口部を通って這い上がり、管状膜をヘッダプレートに固定できるようにサイズ設定された開口部を備えたヘッダプレートを有する管状膜アセンブリの概略図である。
図38】[0050] 管状膜をヘッダプレートに固定するポッティングをヘッダプレートの外面に備えた管状膜アセンブリの概略図である。
図39】[0051] 管状膜をヘッダプレートに固定するポッティングをヘッダプレートの内面に備えた管状膜アセンブリの概略図である。
図40】[0052] 管状膜をヘッダプレートに固定する、ヘッダプレートの内面上のポッティングを示す管状膜アセンブリの概略図である。
図41】[0053] 管状膜をヘッダプレートに固定する、ヘッダプレートの外面上のポッティングを示す管状膜アセンブリの概略図である。
図42】[0054] 管状膜をヘッダプレートに接続するためのポッティングを受けるカップ状の凹部をヘッダプレートの外面に有するヘッダプレートを示す管状膜アセンブリの概略図である。
図43】[0055] 管状膜をヘッダプレートに接続するためのポッティングを受けるカップ状の凹部をヘッダプレートの外面に有するヘッダプレートを示す管状膜アセンブリの概略図である。
図44】[0056] 管状膜をヘッダプレートに接続するポッティングを示す管状膜アセンブリの概略図である。
図45】[0057] 管状膜とポッティングによりヘッダ本体開口部内に固定された外部支持部とを有する管状膜アセンブリの概略図である。
図46】[0058] 管状膜とポッティングによりヘッダ本体開口部内に固定された内部支持部とを有する管状膜アセンブリの概略図である。
図47】[0059] 管状膜と管状膜内の支持チューブとを有する管状膜アセンブリの概略図である。
図48】[0060] 管状膜と、管状膜を横切って移動する流体の流れから交換される物質を収集するための真空出口ヘッダとを有する管状膜アセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0061] 本開示の一態様では、空気と作動流体との間で物質を交換するための物質交換器が提供される。物質交換器は、空気入口と、空気出口と、空気入口から空気出口への空気の移動を引き起こすように構成された空気流発生器と、管状膜アセンブリとを有する。一部の実施形態では、物質交換器は、水/グリコール混合物などの作動流体を冷却するための冷却塔、又は汚染物質回収溶液を作動流体として利用する直接大気汚染物質回収装置である場合がある。更に別の例として、物質交換器は除湿器であり、作動流体として液体乾燥剤を利用することがある。
【0006】
[0062] 管状膜アセンブリは、作動流体を受け入れる入口ヘッダと、出口ヘッダと、入口ヘッダと出口ヘッダを接続して作動流体がその間を流れることを可能にする複数の管状膜とを備える。管状膜は、空気が空気入口から空気出口に移動するときに空気と接触するように位置付けられる。管状膜は、管状膜に接触する空気と管状膜内の作動流体との間の物質移動を促進するように構成された側壁を有する。
【0007】
[0063] 入口ヘッダは、入口ヘッダ本体開口部を有する入口ヘッダ本体を備え、管状膜の入口端部が入口ヘッダ本体開口部内に延在する。入口ヘッダは更に、管状膜の入口端部を入口ヘッダ本体に接続する入口ヘッダポッティングを備える。出口ヘッダは、出口ヘッダ本体開口部を有する出口ヘッダ本体を備え、管状膜の出口端部が出口ヘッダ本体開口部内に延在する。出口ヘッダは更に、管状膜の出口端部をヘッダ本体に接続する出口ヘッダポッティングを備える。このようにして、入口及び出口ヘッダ本体開口部内に延在する管状膜の入口及び出口端部は、入口及び出口ヘッダポッティングと協働して、管状膜と入口及び出口ヘッダとの間に耐久性のある接続部を提供する。
【0008】
[0064] 本開示はまた、管状膜が内腔と内腔の周囲に延在する側壁とを有する直接空気物質交換器アセンブリを提供する。管状膜の側壁は、管状膜の外面に接触する空気と管状膜の内腔との間の物質移動を可能にするように構成される。直接空気物質交換器アセンブリは更に、管状膜と流体連通するヘッダを備える。ヘッダは、内面部と、内面部の反対側にある外面部と、内面部と外面部との間に延在する複数の貫通開口部とを備えたヘッダ本体を有する。管状膜は、ヘッダ本体の貫通開口部内に延在する端部を有する。ヘッダは更に、ヘッダ本体の貫通開口部内と、内面部及び外面部の少なくとも一方上とに、管状膜とヘッダ本体とを接続するポッティングを備える。ヘッダ本体の貫通開口部内のポッティングは、ポッティングと管状膜との間に付加的な係合を提供する。更にポッティングは、ポッティングが管状膜とヘッダ本体との間の隙間を埋め、管状膜をヘッダ本体にしっかりと接続するようにヘッダ本体上に注がれるときに貫通開口部に流れ込むことがある。
【0009】
[0065] 本開示の別の態様によれば、入口ヘッダと出口ヘッダとを備えた管状膜熱及び物質交換器モジュールが提供される。入口ヘッダは、隣接する上流の管状膜熱交換器モジュールに接続し、それとともに上流の湿潤コンパートメントを形成するように構成される。出口ヘッダは、隣接する下流の管状膜熱交換器モジュールに接続し、それとともに下流の湿潤コンパートメントを形成するように構成される。管状膜熱交換器モジュールは更に、入口ヘッダと出口ヘッダとを接続する管状膜を備える。管状膜は、上流の湿潤コンパートメントから下流の湿潤コンパートメントへの、本明細書では作動流体とも呼ばれ得るプロセス流体の流れを促進する。管状膜はまた、管状膜内のプロセス流体と管状膜の外面に接触する流体との間の物質移動を可能にする。入口ヘッダと出口ヘッダを隣接する管状膜熱交換器モジュールと接続することにより形成される湿潤コンパートメントは、接続した管状膜熱交換器モジュールの管状膜間でプロセス流体を収集及び分配する内部マニホールドとして動作する。
【0010】
[0066] 管状膜は、ある長さとその長さに垂直な断面とを有する。一実施形態では、管状膜は、円形断面と、管状膜内にプロセス流体の高度な層流をもたらすようにサイズ設定された内径を有する内腔とを有する。層流により、内腔内で拡散及び伝導が急速に起こることが可能になる。管状膜内腔の内径は、少なくとも1mm、例えば約1mm~約10mmの範囲、例えば約1mm~約5mmである場合がある。管状膜の内腔径に関連して本明細書で使用される「約」という用語は、+/-0.2mmなどの製造上のばらつきを反映することが意図されている。
【0011】
[0067] 別の実施形態では、管状膜は非円形断面を有する。例えば、管状膜は、矩形、楕円形、又は涙滴形状を有することがある。管状膜熱交換器アセンブリは、同じ断面形状、又は様々な形状及び/又はサイズを有する管状膜を有することがある。例えば、アセンブリの空気流が最初に接触する管状膜は、アセンブリの下流の管状膜とは異なる形状及び/又はサイズである場合がある。
【0012】
[0068] 本開示の別の態様によれば、上流管状膜熱交換器モジュールと下流管状膜熱交換器モジュールとを備えたモジュール式熱交換器システムが提供される。上流管状膜熱交換器モジュールは、プロセス流体を受け入れるための上流入口ヘッダと、上流出口ヘッダと、上流入口ヘッダから上流出口ヘッダへのプロセス流体の流れを促進する複数の上流管状膜とを有する。
【0013】
[0069] 下流管状膜熱交換器モジュールは、上流管状膜熱交換器の上流出口ヘッダに固定されるように構成された下流入口ヘッダを備える。上流出口ヘッダと下流入口ヘッダが互いに固定された状態で、下流入口ヘッダは上流出口ヘッダからプロセス流体を受け取る。下流管状膜熱交換器モジュールは更に、下流出口ヘッダと複数の下流管状膜とを備える。
【0014】
[0070] 上流及び下流管状膜熱交換器モジュールは、プロセス流体と、上流及び下流管状膜熱交換器モジュールの管状膜の外部の流体との間で熱を順次的に交換する一連の管状膜熱交換器モジュールを提供する。更に、上流及び下流管状膜熱交換器モジュールは、特定の用途に必要な場合に追加の熱伝達を行うために、上流及び下流管状膜熱交換器モジュールと直列に1つ以上の追加の管状膜熱交換器モジュールに固定されることがある。
【0015】
[0071] 本開示はまた、プロセス流体を受け入れるための入口ヘッダと、出口ヘッダと、入口ヘッダ及び出口ヘッダに接続され、入口ヘッダから出口ヘッダへのプロセス流体の流れを促進する複数の管状膜とを有する管状膜熱交換器モジュールを提供する。管状膜は、プロセス流体が入口ヘッダから出口ヘッダに流れるときに、プロセス流体に蛇行経路を提供する。蛇行経路はそれぞれ、プロセス流体のための複数の急な方向転回又は転換を含む。管状膜は、蛇行経路全体に延在し、プロセス流体の方向を変える屈曲部を備えることがある。別の実施形態では、管状膜熱交換器モジュールは、蛇行経路に沿って1つ以上の中間ヘッダを備える。例えば、管状膜は、第1、第2、及び第3の複数の直線管状膜を含むことがあり、管状膜熱交換器モジュールは、第1、第2、及び第3の複数の直線管状膜を接続する第1及び第2の中間ヘッダを備える。第1の中間ヘッダは、プロセス流体の方向を第1の複数の直線管状膜から第2の複数の直線管状膜に変え、第2の中間ヘッダは、プロセス流体の方向を第2の複数の直線管状膜から第3の複数の直線管状膜に変える。第2の複数の直線管状膜は、第1、第2、及び第3の複数の直線管状膜がプロセス流体を蛇行経路に沿って異なる方向に導くように、第1及び第3の複数の直線管状膜に対して横方向に延在する。
【0016】
[0072] プロセス流体の蛇行経路は、プロセス流体と管状膜の外部の流体との間の熱伝達を促進し得る乱流をプロセス流体に作り出す。管状膜により作り出される蛇行したプロセス流体経路の別の利点は、冷却塔などの熱伝達装置の所定のエンベロープ内でより長い管状膜を使用し得ることである。例えば、管状膜は、ファン又は耐力部材などの冷却塔の内部構造の周りに経路指定されることがある。更に、より長い管状膜は、より多くのより短い管状膜と同じ表面積を提供する一方、より少ない数の管状膜を特定の実施形態に使用することを可能にする。管状膜の数が少ないと、管状膜と入口/出口ヘッダとの接続部を少なくすることができ、管状膜熱交換器モジュールの製造及び修理が簡素化される。
【0017】
[0073] 本開示の別の態様によれば、外部構造と、外部構造内に管状膜を有する管状膜熱交換器と、外部構造内に管状膜に対する空気流を生成するように動作可能なファンとを備えたエアハンドラシステムが提供される。エアハンドラシステムは更に、第1のプロセス流体及び液体乾燥剤を含む第2のプロセス流体のいずれかを管状膜熱交換器に供給するように構成されたプロセス流体供給部を備える。
【0018】
[0074] エアハンドラシステムは、ファン及びプロセス流体供給部に動作可能に接続されたコントローラを有する。コントローラは、プロセス流体供給部が第1のプロセス流体を管状膜熱交換器に供給して、第1のプロセス流体と空気流との間で熱を伝達する標準モードを有する。コントローラは更に、空気流から湿気を除去するためにプロセス流体が液体乾燥剤を含む第2のプロセス流体を管状膜熱交換器に供給する第2のモードを有する。したがって、エアハンドラシステムは、管状膜熱交換器の管状膜に供給されるプロセス流体を変更することによって、異なる空調機能を提供することがある。
【0019】
[0075] 図1Aに関して、建物の内部からの熱などの熱を受け、その熱を水又は水/グリコール混合物などのプロセス流体に伝達する熱交換器11Aを備えた熱交換器システム10Aなどの物質交換器が提供される。流体は液体と気体を含むことがあり、その割合はプロセス流体が熱交換器システム10A全体を移動するにつれて変化することがある。熱交換器システム10Aは、流体を熱交換器11Aから冷却塔40Aなどの排熱装置に圧送するように構成されたポンプ31Aを備える。冷却塔40Aは、管状膜熱交換器モジュール50Aなどの1つ以上の熱交換器カセットを備える。管状膜熱交換器モジュール50Aは、入口マニホールド52A及び出口マニホールド54Aに取り外し可能に又は永続的に接続される。別の手法では、冷却塔40Aが熱を受け、その熱をプロセス流体に伝達することがある一方、熱交換器11Aはプロセス流体から熱を除去する。熱交換器システム10Aは、2020年6月3日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第16/891,598号で考察される熱交換器システムと同様である場合がある。
【0020】
[0076] 各管状膜熱交換器モジュール50Aは、入口マニホールド52Aから流体を受け取る上部ヘッダすなわち入口ヘッダ70Aと、流体が通過する1つ以上の管状膜74Aと、流体を管状膜74Aから収集する下部ヘッダすなわち出口ヘッダ72Aとを備える。管状膜74Aは、図1Eに示し以下で考察する管状膜39と同様である。
【0021】
[0077] ポンプ31Aは、プロセス流体の移動を引き起こすため、又は熱交換器システム10Aの動作を実行するための1つ以上のポンプを含むことがある。これに関する例として、管状膜74Aにおいてプロセス流体が使用されないことがある。代わりに、ポンプが管状膜74Aの内部に真空を印加することがあり、管状膜74Aの側壁により、空気中の水蒸気が管状膜74Aの側壁を通って管状膜74Aの内腔内に移動することが可能になる。空気から管状膜74Aの内腔内への水蒸気の移動は、空気から湿気を除去することによって空気から熱を伝達する。管状膜74Aの内腔内の真空は、管状膜74Aの側壁間に分圧差を生じさせる。
【0022】
[0078] 別の例として、システム10Aは、空気中のCO2が管状膜74Aの内腔内に移動できるように構成された管状膜74Aの側壁を備えた直接空気CO2回収装置で利用されることがある。ポンプが動作して、管状膜74Aの内腔内に真空を供給する。管状膜74Aの内腔内の真空により、CO2が管状膜74Aの側壁を通って管状膜74Aの内腔内に移動することが促進され、CO2が収集及び貯蔵される。
【0023】
[0079] 更に別の例として、ポンプ31Aは、熱交換器11Aと熱交換器システム10Aとの間で水/グリコール混合物などのプロセス流体を循環させる第1のポンプを含むことがある。ポンプ31Aはまた、管状膜74Aの外側に真空を生成する第2のポンプを含むことがある。管状膜74Aの側壁は、水蒸気は側壁を通過できるが、液体の水は通過できないように構成されることがある。熱交換器11Aからの加熱されたプロセス流体中の水蒸気は、加熱されたプロセス流体が管状膜74Aに到達すると、管状膜74Aの側壁を通って外側に移動し、真空中に入ることがある。真空は、管状膜74Aの側壁間に分圧差を生じさせ、これにより、水蒸気が管状膜74Aの側壁を通過することが促進される。管状膜74A内の水/グリコール混合物から水蒸気が除去されると、水/グリコール混合物から熱が除去される。管状膜74Aは、例えば、管状膜74Aの外側への真空の印加を容易にするためにチャンバ内に設けられることがある。
【0024】
[0080] 図1Aを参照すると、管状膜74Aは、管状膜74A内の第1の流体と管状膜74Aの外側の第2の流体との間の熱伝達及び/又は物質移動を促進する。一例として、管状膜74Aは、液体不透過性でもある気体透過性材料で作られることがある。管状膜74Aは、熱交換器11Aにより加熱された液体と気体の混合物を含む流体を受け取る。管状膜74Aは、熱交換器11Aにより加熱された蒸気などのガスが管状膜74Aから出ることを可能にする。例として、管状膜74Aに入る流体は、水と気体の水蒸気との混合物である場合がある。管状膜74Aを通過する液体は、管状膜74の外面上の空気流による間接冷却及び管状膜74Aを通した高エネルギー水蒸気の放出によって冷却される。
【0025】
[0081] 別の実施形態では、管状膜熱交換器モジュール50Aは、管状膜74A内の第1の流体と管状膜74Aの外側の第2の流体との間で熱を伝達するためにパーベーパレーションを用いる。例えば、管状膜熱交換器モジュール50Aは、熱交換器11Aから加熱された液体(例えば、水)を受け取る。加熱された液体(例えば、HO)の分子は、管状膜74Aによって収着される。管状膜74Aにより収着される液体の分子は、管状膜74Aの内面から管状膜74Aの外面に拡散する。管状膜74Aの外面に拡散された液体の分子は、外部流体(例えば、空気)内に脱着され、管状膜74Aから熱を除去する。管状膜熱交換器モジュール50Aに入る液体水及び管状膜の外面全体に導かれる周囲空気に関連して、管状膜74Aの外側で拡散された水分子は周囲空気流の中に蒸発する。他の実施形態では、管状膜の外側の流体の分子は、管状膜の内側に拡散することがある。
【0026】
[0082] 一手法では、流体は管状膜74Aに到達すると完全に気体となることがあり、ガス流の一部は管状膜74を通って周囲に浸透し、ガス流の残りのガスは、冷却された気体、気体/液体混合物、又は液体として出口ヘッダ72Aを出る。
【0027】
[0083] 管状膜74Aは、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの1つ以上のポリマーを含むことがある。別の例として、管状膜74Aは、微多孔性疎水性ポリスルホン材料である場合がある。一部の手法では、管状膜74Aはセラミック材料で作られることがある。管状膜74Aに利用され得る別の材料には、酸化グラフェン膜が含まれる。
【0028】
[0084] 一実施形態では、本明細書に記載の管状膜は、多孔質基材層及び膜層を含むことがある。膜層は、人工膜又は合成膜である場合がある。使用され得る合成膜の例には、高分子膜、ポリマー電解質膜、セラミック膜、及び酸化グラフェン膜が含まれる。
【0029】
[0085] 管状膜74Aは、ドリフト、例えばバクテリア、化学物質、及びデブリが管状膜74Aの側壁を通過することを制限しつつ、管状膜74Aの側壁を通した流体分子の制御された拡散を可能にする。管状膜74Aは、それにより、レジオネラ及び他の微生物が管状膜の内側の流体と管状膜の外側の流体との間を通過しないように遮蔽体として動作する。
【0030】
[0086] 管状膜74Aは、多孔質であり、熱伝達及び/又は物質移動を促進するための開口部又は細孔を有することがある。細孔は、2.5オングストローム~35マイクロメートルの範囲のサイズを有することがある。例えば、細孔は、1ナノメートル~20ナノメートルの範囲にある場合がある。一実施形態では、管状膜74Aは、0.001マイクロメートル未満の細孔径を有する。別の実施形態では、管状膜74Aは、1マイクロメートル未満であり、0.001マイクロメートルを超える細孔径を有する。
【0031】
[0087] 管状膜74Aは、可撓性で比較的脆い場合があり、これにより管状膜74Aの把持によって別のコンポーネントに固定することが困難になる。例えば、管状膜74Aは、表面に垂直に配置され、その形状を保持するのに十分に堅い場合があるが、任意の外部圧力が管状膜74Aを屈曲させる及び/又はねじれさせる。管状膜74Aは、藻の繁殖を抑えるためのUV耐性及び/又はバクテリアの増殖を抑えるための殺菌特性を有する材料で作られるか又はコーティングされることがある。
【0032】
[0088] 管状膜74Aの材料は多孔質又は高密度である場合がある。例えば、管状膜74Aは、管状膜74Aの外側への水蒸気輸送が管状膜74Aの細孔を通した拡散によって主に生じる疎水性多孔質膜である場合がある。管状膜の透過性は、管状膜の細孔径、全孔隙率、表面孔隙率、及び細孔屈曲度の影響を受けることがある。例として、細孔径はマイクロメートル範囲にある場合がある。高密度膜材料について、高密度膜材料には細孔が存在しないため、水蒸気輸送はポリマー層自体を通した溶液拡散によって行われる。
【0033】
[0089] 管状膜74Aは、液体に対して不透過性であるが、蒸気について高い透過性がある単一の層を有する均質膜で作られることがある。他の実施形態では、管状膜74Aは、高密度スキン層と多孔質支持層とを含む複合体を有することがある。支持層は、機械的安定性を膜に提供する一方、高密度スキン層は膜の透過性及び選択性に貢献する。管状膜74A及び本明細書で考察される他の管状膜は、管状膜74Aが作動流体を受け取るときに長くなることがある。換言すれば、管状膜74Aは、濡れているときはより長く、乾燥しているときはより短い場合がある。管状膜74Aが濡れたときの管状膜74Aの長さの変化により、管状膜74が横方向に偏向するか又はねじれることがあるが、これは以下で考察される支持部によって制限される。更に、支持部は、膜のいずれかの側での真空又は圧力条件下でのチューブのつぶれ又は破裂を制限することがある。
【0034】
[0090] 図1Aに関して、冷却塔40Aは、1つ以上のファン14Aを備える。一実施形態では、各ファン14Aは、ファンブレード16Aとモータ18Aとを備える。別の実施形態では、1つ以上のファン14Aは、共通のモータを共有する複数のファンを含むことがある。ファン14Aは、管状膜74Aに対して、例えば管状膜74Aの長さに沿って上向き方向75A、管状膜74Aの長さに沿って下向き方向(方向75Aの反対)、及び/又は管状膜74Aの長さを横切る、例えば管状膜74Aの長さに垂直な1つ以上の方向に空気流を発生させるように構成される。空気流は、管状膜74Aの外面からガスを除去するのに役立つことがある。流体は、上述のように水である場合があり、純粋な水蒸気が管状膜74Aに浸透することがある一方、デブリ、水に溶解した又は溶解していない固体、スケール、及び生物などの汚染物質が管状膜74Aの中に残る。更に、管状膜74Aは、外部の汚染物質が管状膜74Aの内部に入ることを妨げる。
【0035】
[0091] 図1Bに関して、上記で図1Aに関して考察した冷却塔40Aと多くの点で同様である冷却塔10が提供される。冷却塔10は、プロセス流体入口11、プロセス流体出口12、塔構造13、ファン14、及び任意選択的にファンガード15を備える。ファン14は、空気を冷却塔10の空気入口13Aを通して引き込むように動作可能である。プロセス流体入口11で受け取られたプロセス流体は、プロセス流体を1つ以上の熱交換器カセット、例えば管状膜熱交換器モジュール18に供給する入口マニホールド16に導かれる。図1Bに示すように、各管状膜熱交換器モジュール18は、ヘッダ41、例えば上部ヘッダ41B及び下部ヘッダ41Aと、以上で考察した管状膜41と同様の管状膜39とを備える。管状膜熱交換器モジュール18は、プロセス流体が上部及び下部管状膜熱交換器モジュール18A、18Bを通って流れるときに、プロセス流体を冷却するように構成された、垂直に積み重ねられた上部及び下部管状膜熱交換器モジュール18A、18Bの対を含む。冷却塔10は、垂直に積み重ねられた上部及び下部管状膜熱交換器モジュール18A、18Bの対からプロセス流体を収集し、プロセス流体をプロセス流体出口12に導く出口マニホールド17を有する。
【0036】
[0092] 冷却塔10は、上部及び下部管状膜熱交換器モジュール18A、18Bと、入口及び出口マニホールド16、17との間に解放可能な接続部30、30Aを備える。冷却塔10は、プロセス流体が上部管状膜熱交換器モジュール18Aから下部管状膜熱交換器モジュール18Bに流れることを可能にする接続部19を上部及び下部管状膜熱交換器モジュール18A、18Bの各対間に備える。
【0037】
[0093] それによって各対の上部及び下部管状膜熱交換器モジュール18A、18Bは、直列に接続される。更に、上部及び下部管状膜熱交換モジュール18A、18Bの各対は、上部及び下部管状膜熱交換モジュール18A、18Bの他の対と平行に入口及び出口マニホールド16、17に接続される。上部及び下部管状膜熱交換器モジュール18A、18Bのモジュラー性は、冷却塔10の単純で効率的な修理を容易にする。例えば、上部管状膜熱交換器モジュール18Aの1つを交換する必要がある場合、上部管状膜熱交換器モジュール18Aは、入口マニホールド16から切り離され、関連する下部管状膜熱交換器モジュール18Bから切り離され、除去される。交換用の上部管状膜熱交換器モジュール18Aが次いで入口マニホールド16及び下部管状膜熱交換器モジュール18Bに接続される。代替的に、上部及び下部管状膜熱交換器モジュール18A、18Bの対を交換する必要がある場合、対は入口及び出口マニホールド16、17から切り離され、対は冷却塔10から除去され、上部及び下部管状膜熱交換器モジュール18A、18Bの新たな対が入口及び出口マニホールド16、17に接続される。より大きい冷却塔実施形態について、各モジュール18がシステム全体を排出することなく修理及び/又は交換され得るように、バルブ系が各管状膜熱交換器モジュール18の前及び後に設けられることがある。更に、各管状膜熱交換器18の前及び後にバルブ系を設けることにより、修理が実施される間に冷却塔の他のコンポーネントが動作することが可能になることがある。
【0038】
[0094] 冷却塔10は、管状膜熱交換器モジュール18をゴミ、デブリ、日光、及び/又は衝撃から保護するための、スクリーン21などのプロテクタを有する。冷却塔10は、誘引通風構成を有し、空気を空気入口13Aに引き込み、管状膜熱交換器モジュール18の管状膜39を横断し、冷却塔10の空気出口15から出るように動作可能なファン14を備える。管状膜39に対して空気流を誘起することが、管状膜39の外側にわずかな真空を作り出すことが分かっている。管状膜の外側のわずかな真空は、ガスが管状膜39から出ることを支援し、管状膜39の動作の効率を高める。しかしながら、誘引通風、上昇流又は下降流の強制通風、及び直交流の空気流パターンは、すべて本開示の範囲内にあることに留意されたい。
【0039】
[0095] 管状膜熱交換器モジュール18は、低いプロセス流体圧力でのプロセス流体からの熱伝達を促進する。例えば、冷却塔10は、例えば、25psi未満の低圧のプロセス流体を用いることがある。別の実施形態では、冷却塔10は、プロセス流体が大気圧にさらされる「オープンな」構成で動作可能である場合がある。別の実施形態では、冷却塔10は、より高い圧力、例えば約150psi、又は200psi超で動作することがある。例えば、図7Bの実施形態のチューブ770は、チューブ770が冷媒を案内するために使用される場合に最大で450psiの内部圧力を用いることがある。
【0040】
[0096] 図1Cは、入口マニホールド16と上部管状膜熱交換器モジュール18Aとの解除可能な接続部30を含む冷却塔10のより詳細な図を示している。より具体的には、入口マニホールド16は、主チューブ16Aであって、それから分岐する枝チューブ16Bを備えた主チューブ16Aを備える。入口マニホールド16は更に、上部管状膜熱交換器モジュール18の入口ヘッダ41Bのフランジ41Cに固定されるフランジ16Dをそれぞれ有する分配ヘッダ16Cなどの分配器を備える。分配ヘッダ16Cは、四角錐台に似た形状を有することがあり、任意選択的に分配ヘッダ16Cに入るプロセス流体を上部ヘッダ部41Bの管状膜39に分配するように構成された偏向器を備える。フランジ16D、41Cは、例えば、1つ以上の締結具によって互いに解放可能に固定されることがある。一実施形態では、ガスケットなどのシール要素がフランジ16D、41C間に設けられる。上部管状膜熱交換器モジュール18Aを入口マニホールド16に接続するために、ユーザは、入口ヘッダ41Bを分配ヘッダ16Cより下に位置付け、そのフランジ16D、41Cを、締結具又は他の手法を用いて固定する。別の実施形態では、接続部30は永続的である。
【0041】
[0097] 一部の実施形態では、物質交換器は、管状膜39の側壁を通過する物質(例えば、CO2、メタン、水蒸気)を収集するために、流体ではなく、管状膜39の内部の真空を利用することがある。したがって、物質交換器は、管状膜39内のプロセス流体を利用する第1のモードと、管状膜39が真空を含む第2のモードで動作することがある。第2のモードの動作を可能にするために、入口マニホールド16及び/又は上部管状膜熱交換器モジュール18Aは、出口マニホールド17及び管状膜39に真空が印加される前に閉じられ得るバルブ33を備えることがある。真空は、管状膜39の側壁全体に圧力差を生じさせ、これにより管状膜39を通したCO2、メタン、水蒸気などの物質移動及び出口マニホールド17における収集が促進される。
【0042】
[0098] 更に別の実施形態では、物質交換器は、真空を用いて物質を交換するように構成されることがあり、バルブ33は物質交換器の動作中は閉じられている。管状膜39の内部を洗い流すために、バルブ33が開かれ、流体が入口マニホールド16に適用されることがある。この手法は、管状膜モジュール18A、18Bに定置洗浄オプションを提供することがある。物質移動を促進するために真空を利用する更なる例については、図48に関して以下で考察する。
【0043】
[0099] 図1Dに関して、上部及び下部管状膜熱交換器モジュール18A、18B間の接続部19は、下部及び上部ヘッダ41A、41Bのヘッダ本体80のフランジ41C、41Dを含む。フランジ41C、41Dは、永続的又は解放可能に一緒に固定される。接続されると、下部及び上部ヘッダ41A、41Bは、プロセス流体を上部管状膜熱交換器モジュール18Aの管状膜から受け取り、プロセス流体を下部管状膜熱交換器モジュール18Bの管状膜39内に導く湿潤コンパートメント43を形成する。
【0044】
[00100] 管状膜熱交換器モジュール18間に形成された湿潤コンパートメント43は、管状膜熱交換器モジュール18が一緒に接続されてより長い熱交換器を形成することを可能にする。接続された管状膜熱交換器モジュール18は、追加的なヘッダ及び関連するパイプ系を必要とすることなく、より長い熱交換器を形成することがある。湿潤コンパートメント43は、流体混合を促進するために図示されたものよりも高いか、又はよりコンパクトな接続部を提供するために図示されたものよりも低い場合がある。一実施形態では、湿潤コンパートメント43は、湿潤コンパートメント43内に、固定又は可動部材などの流体ミキサーを備える。
【0045】
[00101] 一実施形態では、接続部19は、フランジ41C、41Dを解放可能に一緒に固定するように構成されたボルト、ナット、及びワッシャの組立体などの1つ以上の締結具を含む。他の例として、フランジ41C、41Dは、接着剤を使用して一緒に接合されるか、一緒に溶接されるか、又は下部及び上部ヘッダ41A、41Bの嵌合部で一緒に連結されることがある。接続部19は、ガスケットなどのシール要素、及び/又はエポキシなどの接着剤を含むことがある。
【0046】
[00102] 図1Eを参照すると、上部及び下部管状膜熱交換器18A、18Bは、同一である場合があり、管状膜熱交換器18に関して説明される。各管状膜熱交換器18のヘッダ本体80は、管状膜39を上部及び下部ヘッダ41B、41Aに結合する継手166などのコネクタを受ける複数の開口を有するヘッダプレート部42を備える。上部及び下部ヘッダ41B、41Aは更に、管状膜39を継手166に固定するためのポッティング170、171を備える。上部及び下部ヘッダ41B、41Aは、図1Dでは、明確にするためにポッティング170、171がない状態で示されている。
【0047】
[00103] 図1Bに関して、下部管状膜熱交換器モジュール18Bと出口マニホールド17との間の接続部30Aは、入口マニホールド16と上部管状膜熱交換器モジュール18Aとの間の接続部30と同一である場合がある。出口マニホールド17は、図1Cに関して以上で考察した分配ヘッダ16Cと同様の収集ヘッダ17Bを備える。収集ヘッダ17Bは、下部管状膜熱交換器モジュール18Bの下部ヘッダ41Aのフランジ41Dに解放可能又は永続的に固定されるように構成されたフランジを有する。
【0048】
[00104] 一手法では、管状膜熱交換器モジュール18は双方向であり、これは、管状膜熱交換器モジュール18の上部位置に入口ヘッダ41B又は出口ヘッダ41Aのいずれかが設置され得ることを意味する。更に、入口及び出口マニホールド16、17はそれぞれ、プロセス流体の流れの方向に応じて入口マニホールド又は出口マニホールドとして機能することがある。例えば、プロセス流体流は、一部の用途ではプロセス流体がマニホールド17から管状膜熱交換器18を通ってマニホールド16内に移動するように逆にされることがある。他の実施形態では、管状膜熱交換器モジュール18は単一方向である場合がある。
【0049】
[00105] 図1Eを再び参照すると、入口ヘッダ41B及び出口ヘッダ41Aは、継手166を受ける開口部164を有するヘッダプレート部42を備える。継手166は、ヘッダプレート部42に固定された端部160を有する。一実施形態では、各継手166の端部160は、関連する開口部164の最小幅より大きい最大幅を有する。継手166の端部160とヘッダプレート部42との間の干渉は、継手166の引抜きを阻止する。継手166は、管状膜39に固定された反対側の端部162を有する。継手166の端部162は、管状膜39の内腔168内に延在する。一実施形態では、内腔168は、初期内径を有する円形の断面を有し、継手166の端部162はそれぞれ内腔168の初期内径より大きい外径を有し、継手端部162が管状膜39と係合した状態に保つ干渉を作り出す。一手法では、継手端部162は、管状膜39の内腔168に押し込まれる。継手166はより硬いプラスチックで作られることがあり、管状膜39は、管状膜39が径方向外向きに変形して継手端部162にフィットするようにより軟らかいプラスチックで作られることがある。
【0050】
[00106] 図1Eに関して、入口及び出口ヘッダ41B、41Aのポッティング170、171は、管状膜39の端部174で膜39の外面172と接する。ポッティング170、171は、膜39を継手166に固定する。プロセス流体は、方向176に上部ヘッダ41Bの継手166の開口部164を通って、管状膜39の内腔168に流入し、下部ヘッダ41Aの継手166を通って流出することがある。一実施形態では、管状膜熱交換器モジュール18は、管状膜39を受け、膜39を実質的に真っすぐで平行な向きに維持する開口部182を有する支持部180を備える。
【0051】
[00107] 図2に関して、違いが強調されるように、以上で考察した冷却塔10と多くの点で同様である冷却塔200が提供される。冷却塔200は、塔構造202と、空気入口204と、空気出口206と、ファン208と、管状膜熱交換器モジュール212のアセンブリ210とを備える。より高い冷却塔の場合、管状膜熱交換器モジュール212は、上部及び下部管状膜熱交換器モジュール212A、212Bの少なくとも1つの対を含む。より高さの低い冷却塔の場合、単一の管状膜モジュール212のみが存在する場合がある。ファン208は、空気流を空気入口204から入り、管状膜熱交換器モジュール212を横断し、空気出口206から出るように誘導するように動作可能である。他の実施形態では、冷却塔200は、ファン208が、空気流を管状膜熱交換器モジュール212を横断するように誘導するのではなく、空気を強制的に管状膜熱交換器モジュール212を横断させるように構成されることがある。上部及び下部管状膜熱交換器モジュール212A、212Bの対は、塔構造202内に並んで配置される。上部及び下部管状膜熱交換器モジュール212A、212Bの対は、管状膜熱交換器212の上部レベル229及び下部レベル231を形成する。
【0052】
[00108] 更に、冷却塔200は、入口204に入る空気流が管状膜熱交換器モジュール212A、212Bの層230、232、234を順番に通過するように管状膜熱交換器モジュール212A、212Bの対の層230、232、234と共に示されている。管状膜熱交換器モジュール212の層の数は、特定の用途に望まれる特定の量の熱伝達のために選択されることがある。
【0053】
[00109] 冷却塔200は、入口マニホールド214と出口マニホールド216とを備える。管状膜熱交換器モジュール212Aは、それぞれ入口マニホールド214との接続部220及び下部管状膜熱交換器モジュール212Bとの接続部222を有する。より低い冷却塔の場合、層230、232、234は、それぞれ単一レベルの管状膜熱交換器212を有することがある。より高い冷却塔の場合、管状膜熱交換器212を結合する接続部222を備えた3つ以上のレベルの管状膜熱交換器212が存在する場合がある。
【0054】
[00110] 下部管状膜熱交換器モジュール212Bは更に、下部マニホールド216との接続部224を備える。入口マニホールド214及び出口マニホールド215は、図1B及び1Cに関して以上で考察した入口及び出口マニホールド16及び17と同様である。更に、接続部220、222、及び224は、図1B及び図1Dに関して以上で考察した接続部30、19、30Aと同様である。接続部220、222、224は、解放可能又は永続的である場合がある。
【0055】
[00111] 図3に関して、一形態において両側誘引通風冷却塔として構成される冷却塔300が提供される。冷却塔300は、違いが強調されるように以上で考察した冷却塔と多くの点で同様である。冷却塔300は、ルーバーやスクリーン306などのプロテクタを備えた空気入口302、304と、少なくとも1つのファン308と、空気出口310とを備える。冷却塔300は、管状膜熱交換器モジュールアセンブリ310、312を備える。一実施形態では、管状膜熱交換器モジュールアセンブリ310、312は、互いに流体連通し、同じプロセス流体を受け取る。別の実施形態では、管状膜熱交換器モジュールアセンブリ310、312は、互いに連通せず、異なるプロセス流体を受け取る。
【0056】
[00112] 各管状膜熱交換器モジュールアセンブリ310は、解放可能な接続部320、322によって上部及び下部マニホールド316、318に接続される積み重ねられた管状膜熱交換器モジュール314を含む。管状膜熱交換器モジュール314は、解放可能又は永続的であり得る接続部328によって接続される上部管状膜熱交換器モジュール324及び下部管状膜熱交換器モジュール326を含むことがある。各管状膜熱交換器モジュールアセンブリ310における管状膜熱交換器モジュール314の数は、例えば、冷却塔のサイズに応じて与えられることがある。
【0057】
[00113] 例えば及び図20を参照すると、入口マニホールド2008及び出口マニホールド2010に接続された管状膜熱交換器2006の単一レベル2004を有する単一レベル管状膜熱交換器モジュールアセンブリ2002が提供される。より大きい冷却塔の場合、図1Dに関して以上で考察した接続部19と同様の接続部2018をその間に備えた管状膜熱交換器モジュール2006の第1のレベル2014及び第2のレベル2016をそれぞれが有する2レベル管状膜熱交換器モジュールアセンブリ2012、2013が提供される。さらに大きい冷却塔の場合、管状膜熱交換器モジュール2006の第1、第2、及び第3のレベル2022、2024、2026を有する3レベル管状膜熱交換器モジュールアセンブリ2020、2021が提供される。管状膜熱交換器モジュール2006は、図1Dに関して以上で考察した接続部19と同様の接続部2028によって接続される。各管状膜熱交換器モジュールアセンブリ内に積み重ねられる管状膜熱交換器モジュールの数は、冷却塔内の所望の冷却能力及び空間制約に少なくとも部分的に基づいて選択されることがある。
【0058】
[00114] 冷却塔300は更に、補給プロセス流体バルブ330と、補給プロセス流体供給部332と、ドレンバルブ334と、ドレン336とを備える。冷却塔300は、高い割合の溶解固形物を有するプロセス流体を除去し、より低い割合の溶解固形物を有する清浄なプロセス流体を加えるために、ドレンバルブ334及び補給プロセス流体バルブ330を動作させるコントローラ360を備えることがある。したがって、コントローラは、蒸発を補いブローダウンを達成するために、ドレンバルブ334及び補給プロセス流体バルブ330を動作させることがある。
【0059】
[00115] 図4に関して、一形態において両側誘引通風断熱冷却塔として構成される冷却塔400が提供される。冷却塔400は、違いが強調されるように、以上で考察した冷却塔と同様である。冷却塔400は、冷却塔400の間接熱交換器、例えば乾燥間接熱交換器406のための予冷媒体又は予冷熱交換器として動作する管状膜熱交換器モジュールアセンブリ402、404を備える。間接熱交換器406は、1つ以上のチューブフィン式熱交換器、1つ以上のプレートカセット熱交換器、及び/又は他の任意のタイプの間接熱交換器を含むことがある。管状膜熱交換器アセンブリ402、404は、ドリフトしたり、汚れたり、乾燥腐敗の影響を受けたりしない可能性があるため、湿潤パッド媒体を使用するいくつかの既存の断熱性空気予冷デバイスの改良を提供する。
【0060】
[00116] 管状膜熱交換器モジュールアセンブリ404は、それぞれ上部及び下部マニホールド410、412に接続される1つ以上の管状膜熱交換器モジュール408を含む。冷却塔400は、管状膜熱交換器アセンブリ402、404のためのプロセス流体循環ループ430と、プロセス流体を管状膜熱交換器アセンブリ402、404間に導くように動作可能なポンプ424とを備える。冷却塔400は、入口416から入り、管状膜熱交換器モジュールアセンブリ402、404を通過し、乾燥熱交換器406を横断した後に空気が冷却塔400の出口418から排出される空気流を誘発するファン414を有する。一部の応用例では、空気流は強制通風構成に反転されることがある。乾燥間接熱交換器406は、プロセス流体接続部420、422を備える。冷却塔400は更に、蒸発を補いブローダウンを達成する補給バルブ426と、補給供給部428と、ドレンバルブ430と、ドレン432とを備える。
【0061】
[00117] 図5に関して、一形態において両側誘引通風ハイブリッド冷却塔として構成される冷却塔500が提供される。冷却塔500は、湿潤、断熱、又は乾燥モードで動作することがある。湿潤モードでは、噴霧水分配システム520からの噴霧水は、蒸発熱伝達が生じるように、間接熱交換器514に直接噴霧される。断熱モードでは、水は、乾燥間接熱交換器514上を流れる空気を断熱的に飽和させ予冷するように動作する管状膜506に三方バルブ510、512を介して供給される。乾燥モードでは、ポンプ552がオフであり、プロセス流体が流れない。間接熱交換器514は、空気が間接熱交換器514を通過することによってのみ乾燥モードにおいて冷却される。冷却塔500は、違いが強調されるように、以上で考察した冷却塔と同様の多くの点を含む。
【0062】
[00118] 冷却塔500は、それぞれが1つ以上の管状膜熱交換器モジュール506を含む管状膜熱交換器モジュールアセンブリ502、504を備える。管状膜熱交換器モジュールアセンブリ502、504は、上部マニホールド又は上部ヘッダ508、下部マニホールド又は下部ヘッダ510、及び三方バルブ510、512に接続される。冷却塔500は更に、入口516から作動流体を受け取り、作動流体を出口518に導く、プレート熱交換器などの1つ以上の間接熱交換器514を備える。冷却塔500は、管状膜熱交換器モジュールアセンブリ502、504及び/又は間接熱交換器514で、水などのプロセス流体を循環させるためのポンプ552を有する。冷却塔500は、特定の動作モードに対して必要に応じてプロセス流体を管状膜熱交換器モジュールアセンブリ502、504又は間接熱交換器514に導くために、三方バルブ510、512を動作させるコントローラ550を有する。管状膜熱交換器モジュールアセンブリ502、504は、三方バルブ510、512がプロセス流体を管状膜熱交換器モジュールアセンブリ502、504に導くときにプロセス流体から熱を取り除くためにパーベーパレーションを用いる。
【0063】
[00119] 冷却塔500は更に、プロセス流体を間接熱交換器514上に分配するプロセス流体分配システム520と、間接熱交換器514上に分配されたプロセス流体を収集するためのプロセス流体収集システム522とを備える。間接熱交換器514上に分配されたプロセス流体の一部は、蒸発して間接熱交換器514において作動流体から熱を除去する。収集したプロセス流体は、三方バルブ512を介して流体循環ループ550内に戻るように導かれる。
【0064】
[00120] 冷却塔500は更に、空気が冷却塔500のファン534を介して冷却塔500の出口532から出るように導かれる前に、空気から水滴を除去するように構成された1つ以上のドリフトエリミネータ530を備える。冷却塔500は更に、蒸発を補いブローダウンを達成するように動作可能な補給プロセス流体バルブ536と、補給プロセス流体供給部538と、ドレンバルブ540と、ドレン542とを備える。
【0065】
[00121] 図6に関して、一形態において強制通風冷却塔として構成される冷却塔600が提供される。冷却塔600は、違いが強調されるように、以上で考察した冷却塔と多くの点で同様である。冷却塔600は、1つ以上の空気入口602と、冷却塔600に空気を引き込むファン604と、1つ以上の管状膜熱交換器モジュールアセンブリ606と、スクリーン610により保護された出口608とを備える。管状膜熱交換器モジュールアセンブリ606は、プロセス流体入口612からプロセス流体を受け取り、プロセス流体を冷却し、プロセス流体をプロセス流体出口614に導く。管状膜熱交換器モジュールアセンブリ606は、例えば、直列及び/又は並列構成で配置された管状膜熱交換器モジュール620を含むことがある。冷却塔600の構成は、一般的に向流冷却塔として説明されることがある。
【0066】
[00122] 一実施形態では、管状膜熱交換器モジュール620は、その間に永続的又は解放可能な接続部624、626を備えて直列に並べられた管状膜熱交換器モジュール620A、620B、620Cを含む。管状膜熱交換器モジュール620C、620Aは更に、出口マニホールド628との永続的又は解放可能な接続部及び入口マニホールド630との永続的又は解放可能な接続部を備える。返しベンド634が、出口マニホールド628を、プロセス流体が出口マニホールド638に到達する前にプロセス流体を管状膜熱交換器モジュール620D、620E、620Fを通して導く第2の入口マニホールド636に接続する。管状膜熱交換器モジュール620、620E、620Fは、互いに並びに入口及び出口マニホールド636、638に永続的又は解放可能に接続されることがある。別の実施形態では、管状膜熱交換器モジュール620は、断熱冷却塔に空気冷却熱交換器を備えた予冷媒体として用いられることがある。
【0067】
[00123] 図7Aに関して、管状膜と、本明細書で考察される管状膜熱交換器モジュールのいずれかのヘッダとの間で用いられ得る接続部の例である管状膜アセンブリ700が提供される。管状膜アセンブリ700は、内腔と、側壁706と、端部708とを有する管状膜702を備える。端部708は、継手710と係合し、ポッティング712によって継手710に固定される。管状膜アセンブリ700は更に、ヘッダプレート部714などのチューブシートと、ポッティング716とを備える。継手710は、ヘッダプレート部714の開口部720を通って延在し、プレート部714の内面724を越えて突出する端部722を有する。ポッティング712、716は、管状膜702を継手710に固定し、継手710をヘッダプレート部714に固定し、管状膜702及び継手710の方向730への引抜きに抵抗するために、ヘッダプレート部714の外面726及び内面724に施される。
【0068】
[00124] 図7Bに関して、図7Aに関して以上で考察した管状膜アセンブリ700と多くの点で同様であり、本明細書で説明される任意の管状膜熱交換器モジュールで用いられ得る管状膜アセンブリ750が提供される。管状膜アセンブリ750は、内腔754と、その周囲に延在する側壁756とを有する管状膜752を備える。管状膜アセンブリ750は、継手758と、ヘッダプレート部759と、管状膜752の継手758及び端部760をヘッダプレート部759に対して固定するポッティング762、764とを備える。
【0069】
[00125] 管状膜アセンブリ750は、管状膜アセンブリ752の内腔754内に、チューブ770などの圧力容器を備える。管状膜752内にチューブ770が存在することで、チューブ770の周囲に延在する環帯772が形成される。チューブ770は、内腔774と、ヘッダプレート776などのチューブシートに接続された端部771とを有する。チューブ770は、例えば、接着又は溶接778によってヘッダプレート776に接続されることがある。チューブ770は、ヘッダプレート776から方向780へのチューブ770の内腔774内への流体の流れを可能にする。一実施形態では、環帯772内の流体は、方向780と反対方向に流れる。内腔内の流体は、100psi以上などの高圧下にある場合があり、環帯772内の流体によって冷却される。一例として、内腔774内の流体はアンモニアである場合があり、環帯772内の流体は水である場合がある。
【0070】
[00126] チューブ770は、一部の例として、金属、プラスチック、又はセラミックで作られることがある。環帯772内を流れる流体は、内腔774内の流体を間接的に冷却する一方、チューブ770は、液体、気体、遷臨界流体、又は超臨界流体などの冷媒の内腔774への圧力及び物質封じ込めを促進する。管状膜750は、一部の例として、凝縮及びガス冷却用途で使用されることがある。
【0071】
[00127] 図8に関して、一形態において誘引通風閉鎖回路冷却塔として構成される冷却塔800が提供される。冷却塔800は、違いが強調されるように、以上で考察した冷却塔と多くの点で同様である。冷却塔800は、1つ以上の管状膜熱交換器モジュールアセンブリ802であって、それぞれが互いに並びに入口マニホールド806及び出口マニホールド808に接続される2つ以上の管状膜熱交換器モジュール804を含む管状膜熱交換器モジュールアセンブリ802を備える。別の実施形態では、冷却塔800は、入口及び出口マニホールド806、808に接続された個別の管状膜熱交換モジュール804を備える。
【0072】
[00128] 冷却塔800は、入口805から空気を吸い込み、管状膜熱交換器モジュール804を横切って、冷却塔800の内部810に入り、冷却塔800の出口836から出るようにするためのファン834を備える。管状膜熱交換器モジュールアセンブリ802は、管状膜熱交換器モジュールアセンブリ802を通過するプロセス流体から、空気を加熱する管状膜熱交換器モジュールアセンブリ802の管状膜の外側の周囲を流れる空気に熱を伝達する。
【0073】
[00129] 内部810において、冷却塔800は更に、プレートアンドシェル熱交換器814などの閉回路間接熱交換器を備える。プレートアンドシェル熱交換器814は、入口818でプロセス流体を受け取り、プロセス流体を出口819に導くプレート816を備える。プレート816は、ハウジング又はシェル820に配設される。シェル820は、水などのプロセス流体を、ポンプ822、パイプ824、及び入口826を介して管状膜熱交換器モジュールアセンブリ802から受け取る。管状膜熱交換器804の出口から受け取ったハウジング820内のより冷たいプロセス流体は、プロセス流体がプレート816を通って流れるときに、プレート816の外面と相互作用して、より熱いプロセス流体を間接的に冷却する。ここで加熱されたプロセス流体は、出口830から出て、パイプ832を通過し、管状膜熱交換器モジュールアセンブリ802に戻される。冷却塔800は更に、蒸発を補いブローダウンを達成するように動作可能な補給バルブ840と、補給供給部842と、ドレンバルブ844と、ドレン846とを備える。
【0074】
[00130] 図9に関して、違いが強調されるように、以上で考察した冷却塔と多くの点で同様である冷却塔900が提供される。冷却塔900は、互いに並びに上部及び下部マニホールド906、908に解放可能に接続される1つ以上の管状膜熱交換器モジュール904を含む管状膜熱交換器モジュールアセンブリ902を備える。冷却塔900は、ポンプ910と、ファン912と、プロセス流体再循環回路914とを備える。ファン912は、空気を入口916から吸い込み、管状膜熱交換器モジュールアセンブリ902を横切って、出口918から出るようにする。冷却塔900は、概して冷蔵システムを使用する必要なしに、空気を典型的には倉庫又は住居に入る前に予冷するスワンプタワーを参照する構成を有する。スワンプタワーは、乾球温度が高い低湿度気候において用いられることが多い。管状膜熱交換器アセンブリ902は、ドリフトしたり、汚れたり、乾燥腐敗の影響を受けたりしない可能性があるため、従来のスワンプクーラ蒸発媒体の改良形態である。冷却塔900は更に、蒸発を補い、ブローダウンを達成するように動作可能である補給プロセス流体バルブ920と、補給プロセス流体供給部922と、ドレンバルブ924と、ドレン926を備える。冷却塔900は更に、固体又は液体乾燥剤を使用する除湿セクションを備えることがある。代替的に又は追加的に、冷却塔900は、冷却塔900内の空気の加熱を促進するための加熱コイルを備えることがある。
【0075】
[00131] 図10Aを参照すると、接続部1030が、上部管状膜熱交換器モジュール1028の下部ヘッダ1031と、下部管状膜熱交換器モジュール1029の上部ヘッダ1032との間に設けられる。接続部1030は、本明細書で考察する管状膜熱交換器モジュールを接続するのに用いられることがある。接続部1030は、上部及び下部ヘッダ1032、1031のフランジ1035などの接続部を固定するための締結具、例えばボルト、ワッシャ、及びナットの組立体1033を含む。接続部1030は、シール要素1034、例えばガスケット、発泡テープ、及び/又はブチルテープを含む。上部及び下部ヘッダ1032、1031は、以上で考察したヘッダプレート部と同様の、管状膜及びポッティング(明確にするために図示せず)を受ける開口を備えたプレート部1056を備える。湿潤コンパートメント1040を形成する上部及び下部ヘッダ1032、1031は、プレート部1036と各フランジ1035との間に延在する壁1038を備える。上部及び下部管状膜熱交換器モジュール1028、1029の組立中に、プレート部1056の外面1042でポッティングを受ける。
【0076】
[00132] 図10Bに関して、接続部1060が、管状膜熱交換器モジュール1059の上部ヘッダ1061と、入口マニホールドの分配ヘッダ1062との間に設けられる。接続部1060は、本明細書で考察される管状膜熱交換器モジュール、分配ヘッダ、及び収集ヘッダを接続するのに用いられることがある。上部ヘッダ1061は、例えば、ナット、ボルト、及びワッシャの組立体1053などの1つ以上の締結具を介して分配ヘッダ1062のフランジ1055に固定されるフランジ1048を有する。接続部1060は、フランジ1055、1048間に1つ以上のシール要素1054、例えばガスケット、発泡テープ、及び/又はブチルテープを含む。
【0077】
[00133] 分配ヘッダ1062は、プロセス流体入口1063を有し、任意選択的に偏向器プレート1064を備える。偏向器プレート1064は、プロセス流体を、ヘッダ1061のヘッダプレート部1056の周辺部で開口部1056Aと関連付けられた管状膜に分流する。偏向器プレート1064は、プロセス流体を管状膜のすべてに均等に分配するのに役立つ。管状膜熱交換器モジュール1059の上部ヘッダ1061は、ヘッダプレート部1056とフランジ1048との間に延在する1つ以上の壁1058を備えて、ポッティングを受けるための凹部1070を形成する。
【0078】
[00134] 図11Aに関して、接続部1170が、上部管状膜熱交換モジュール1158の下部ヘッダ1171と、下部管状膜熱交換モジュール1159の上部ヘッダ1172との間に設けられる。接続部1170は、違いが強調されるように、以上で考察した接続部1030と多くの点で同様である。例えば、接続部1170は、接着剤、例えばエポキシ1174を介して一緒に固定される上部及び下部ヘッダのフランジ1173を含む。上部及び下部ヘッダ1172、1171は、エポキシ1174がフランジ1173の材料を一緒に接着するように、プラスチックで作られることがある。接続部1170は、フランジ1173を一緒にクランプ固定するための1つ以上の締結具を追加的に含むことがある。
【0079】
[00135] 図11Bを参照すると、接続部1180が、違いが強調されるように、以上で考察した接続部1060と同様の、管状膜熱交換器モジュール1179の上部ヘッダ1181と、分配ヘッダ1182との間に設けられる。分配ヘッダ1182及び上部ヘッダ1181は、接着剤、例えばエポキシ1186を介して固定されたフランジ1185を有する。分配ヘッダ1182は更に、プロセス流体入口1183と分配プレート1184とを備える。分配プレート1184は、上部ヘッダ1181のヘッダプレート部1190に接続された管状膜へのプロセス流体の均等な分配を促進する。
【0080】
[00136] 図12Aに関して、スナップフィット接続部1290が、上部管状膜熱交換器アセンブリ1288の下部ヘッダ1291と、下部管状膜熱交換器1289の上部ヘッダ1292との間に設けられる。スナップフィット接続部1290は、本明細書で説明する管状膜熱交換器モジュールを接続するのに用いられることがある。下部ヘッダ1291は、上部ヘッダ1292の接続部1286Aの開口部1286内に延在するように構成された1つ以上の壁などの接続部1287を含む雄構成を有する。下部ヘッダ1291の部分1287は、上部ヘッダ1292のスナップフィット部材、例えば1つ以上の凹部1284を有する1つ以上の壁部1295に係合するように構成された、1つ以上の突出部1285などのスナップフィット部材を含む。スナップフィット接続部1290は、解放可能であるか又は永続的である場合がある。
【0081】
[00137] 接続部1290は更に、接続した上部及び下部ヘッダ1292、1291のシールを容易にするためのシール要素、例えばガスケット又はoリング1293を含むことがある。上部及び下部ヘッダ1292、1291は、管状膜のための開口を備えたプレート部1256及び/又は管状膜をプレート部1256に接続する継手を備えることがある。上部及び下部ヘッダ1292、1291は更に、ポッティングを受け入れるためにプレート部1256の反対側に凹部を形成する壁部1257、1258を備えることがある。
【0082】
[00138] スナップフィット接続部1200が、図12Bにおいて、管状膜熱交換器モジュール1299の分配ヘッダ1202と上部ヘッダ1201との間に設けられる。接続部1200は、違いが強調されるように、以上で考察した接続部1290と多くの点で同様である。接続部1200は、本明細書で考察される管状膜熱交換器モジュール、分配ヘッダ、及び収集ヘッダを接続するために用いられることがある。
【0083】
[00139] 分配ヘッダ1202は、上部ヘッダ1201の開口部1208内に延在するように構成された、1つ以上の壁などの部分1206を備えた雄構成を有する。分配ヘッダ1202の部分1206は、上部ヘッダ1201の1つ以上のスナップフィット部材、例えば壁1213の1つ以上の凹部1212に係合する1つ以上のスナップフィット部材、例えば突出部1210を含む。接続部1200は更に、1つ以上のシール要素、例えばガスケット又はoリング1205を含むことがある。別の実施形態では、シール要素はエポキシなどの接着剤を含む。分配ヘッダ1202は、プロセス流体入口接続部1203と、任意選択的に、上部ヘッダ1201の管状膜へのプロセス流体の分配に影響を及ぼすための偏向器プレート1204とを備える。
【0084】
[00140] 図13Aに関して、スライド接続部1310が、上部管状膜熱交換器モジュール1394の下部ヘッダ1391と、下部管状膜熱交換器モジュール1396の上部ヘッダ1392との間に設けられる。スライド接続部1310は、以上で考察した管状膜熱交換器を接続するのに用いられることがある。上部及び下部ヘッダ1392、1391は、以上で考察したヘッダと同様の開口を備えたプレート部1398を備える。スライド接続部1310は、上部及び下部ヘッダ1392、1391がスライド可能に接続されることを可能にするように構成された係合部1312を含む。一実施形態では、係合部1312は、1つ以上の突出部、例えば下部ヘッダ1391の壁1302と、凹部、例えば上部ヘッダ1392の接続部1304Aの溝1304とを備える。スライド接続部1310は、解放可能又は永続的である場合がある。例えば、上部及び下部ヘッダ1392、1391は、その間のガスケットなどのシール要素と、上部及び下部ヘッダ1392、1391を解放可能に一緒に固定するための締結具とを有することがある。別の例として、上部及び下部ヘッダ1392、1391は、上部及び下部ヘッダ1392、1391を固定し、その間にシールを形成するように接着されることがある。
【0085】
[00141] 図13Bを参照すると、以上で考察したスライド接続部1310と多くの点で同様のスライド接続部1320が、管状膜熱交換器モジュール1324の分配ヘッダ1322と上部ヘッダ1321との間に設けられる。スライド接続部1320は、以上で考察した管状膜熱交換モジュール、分配ヘッダ、及び収集ヘッダを接続するのに用いられることがある。
【0086】
[00142] スライド接続部1320は、分配ヘッダ1322及び上部ヘッダ1321の係合部、例えば上部ヘッダ1321の凹部1328内に滑り込むように構成された分配ヘッダ1322の壁1326を含む。管状膜熱交換器モジュール1324は、それにより分配ヘッダ1322と滑り込み接続することがある。接続部1320は、解放可能又は永続的である場合があり、シール要素を含むことがある。例えば、分配ヘッダ1322及び上部ヘッダ1321は、分配ヘッダ1322及び上部ヘッダ1321を固定する、及び/又はそれらの間にシールを提供するために一緒に接着されることがある。
【0087】
[00143] 図14には、内腔1404を有する管状膜1401と、管状膜1401の移動、変形、及び/又はねじれに抵抗するように構成された支持部とを備えた管状膜アセンブリ1420が提供される。一実施形態では、支持部は、内腔1404内に延在するロッド1421を備える。ロッド1421は、ロッド1421に対する管状膜1401の移動時に管状膜1401の側壁1444の内面1442に接触するように位置付けられた外面1440を有する。ロッド1421は、管状膜1401を概ね真っすぐに、隣接する管状膜1401から離間した状態に保ちつつ、管状膜内面1442から離間され、管状膜1401の小規模な径方向の伸縮のみならず、わずかな移動に対応する。
【0088】
[00144] ロッド1421は、内腔1404の長さの一部又は全体に延在することがある。ロッド1421は、円形又は非円形の断面を有することがある。ロッド1421は、単一の一体型構造を有することがある。別の実施形態では、支持部は、内腔1404内に複数のロッド1421を備えることがある。
【0089】
[00145] ロッド1421はまた、ロッド1421の長さに垂直な方向の内腔1404におけるプロセス流体の深さを減少させる。一実施形態では、ロッド1421及び管状膜1401は、円形の断面を有し、ロッド1421は、内腔1404における水などのプロセス流体の径方向深さを減少させる。水冷却用途では、内腔1404における水の深さの減少は、管状膜アセンブリ1420の排熱性能を高めることがある。ロッド1421は、一部の例として、金属、プラスチック、又はセラミック材料で作られることがある。ロッド1421は、一部の例として中実又は管状である場合がある。
【0090】
[00146] 管状膜アセンブリ1420は、継手1403を受ける開口部1424を有するヘッダ1432のヘッダプレート部1402を備える。管状膜1401は、継手1403の端部1426にフィットする端部1407を有する。ヘッダ1432は、継手1403に管状膜端部1407を固定するポッティング1409を含む。継手1403は、ヘッダプレート部1402から突出する端部1405を備える。ヘッダ1432は、継手1403をヘッダプレート部1402に固定し、方向1411への継手1403の引抜きを阻止するポッティング1410を含む。一実施形態では、ロッド1421は、ヘッダプレート部1402の反対側にあるヘッダ1432の壁に固定された端部1430を有する。
【0091】
[00147] 図15に関して、違いが強調されるように、管状膜アセンブリ1420と同様の管状膜アセンブリ1530が提供される。管状膜アセンブリ1530は、管状膜1501と、継手1503と、ヘッダプレート部1502と、ポッティング1509、1510とを備える。管状膜アセンブリ1530は、管状膜1501の移動及び/又は変形に抵抗するために支持部1512を備える。一実施形態では、支持部1512は、管状膜1501の内腔1504にロッド1521及びリング1531を備える。リング1531は、ロッド1521から径方向に外向きであり、管状膜1501の移動及び/又は変形に抵抗するために管状膜1501の側壁1544の内面1542に接触するか、又はこれからわずかに離間された径方向外側エッジ1540を有する。一実施形態では、支持部1512はディスクを備え、リング1531がその径方向外側部分であり、ディスクは、プロセス流体がリング1531を越えて流れることを可能にするためにその間に開口部又は窓を備える。別の実施形態では、リング1531は、ロッド1521から径方向に離間され、支持部1512は、リング1531をロッド1521に接続するスポークを備える。ロッド1521及びリング1531は、一部の実施形態では、単一の一体型構造を有することがあり、他の実施形態では、個別部品の組立体である場合がある。
【0092】
[00148] 図16を参照すると、違いが強調されるように、以上で考察した管状膜アセンブリと同様の管状膜アセンブリ1640が提供される。管状膜アセンブリ1640は、管状膜1601と、継手1603と、ヘッダプレート部1602とを備える。管状膜アセンブリ1640は更に、管状膜1601の外面1642の周囲に延在する外部支持部、例えば螺旋支持部材1641を備える。螺旋支持部材1641が管状膜1601の外側を支持する一方、プロセス流体は、管状膜1601の内腔1622を通って流れることがある。
【0093】
[00149] 螺旋支持部材1641は、例えば、ヘッダプレート部1602の外面1608上のポッティング1609に埋め込まれている端部1644によってヘッダプレート部1602に固定された端部1644を有する。一実施形態では、螺旋支持部材1641はコイルばねを含む。コイルばねは、一部の例として金属又はプラスチック材料で作られることがある。
【0094】
[00150] 螺旋支持部材1641は、引張状態に置かれている及び/又は管状膜1601の移動時に曲げられる転回部1648を有する。螺旋支持部材1641は、管状膜1601の移動に抵抗し、管状膜1601を直線形状に維持するのに十分なほど強い。一実施形態では、螺旋支持部材1641は、弾性がある場合があり、管状膜1601がばねと同様に螺旋支持部材1641を遠くに移動させればさせるほど増大する復元力を管状膜1601に加える。螺旋支持部材1641はまた、径方向の拡張及び長手方向の伸びなどの管状膜1601の変形に抵抗することがある。螺旋支持部材1641は、管状膜1601が外側へ撓むことを阻止し、管状膜1601を概ね直線形状に保つことによって、長手方向の伸びに抵抗することがある。
【0095】
[00151] 管状膜アセンブリ1640は更に、方向1611への引抜きに対して継手1603の端部1605をヘッダプレート部1602に固定するために、ヘッダプレート部1602の内面1606にポッティング1610を備える。管状膜1601は、継手1603の端部1646にフィットする端部1607を有する。螺旋支持部材1641の端部1644は、ポッティング1609と一緒に、管状膜端部1607の径方向の拡張に抵抗し、管状膜端部1607を継手端部1646と係合した状態に保つ。
【0096】
[00152] 図17に関して、違いが強調されるように、以上で考察した管状膜と同様の管状膜アセンブリ1750が提供される。管状膜アセンブリ1750は、管状膜1701と、継手1703と、ヘッダプレート部1702とを備える。管状膜アセンブリ1750は、管状膜1701の内腔1722に螺旋支持部材1741などの内部支持部を備える。
【0097】
[00153] 螺旋支持部材1741は、継手1703の貫通開口部1744に受け入れられる端部1742を備える。螺旋支持部材1741は継手1703に固定される。一実施形態では、貫通開口部1744及び端部1742は、円形の断面を有し、端部1742の外径は、継手貫通開口部1744の内径と圧入係合を形成する。圧入係合は、中間部1746が管状膜1701の変形に抵抗するときに螺旋支持部材1741の中間部1746がシフト及び収縮し得る一方、螺旋支持部材1741の端部1742が継手1703に固定されたままとなるように、螺旋支持部材241のアンカーポイントとして機能する。別の実施形態では、螺旋支持部材端部1742は、例えば接着剤、エポキシ、溶接、締結具、及び/又は螺旋支持部材1741及び継手1703の係合構造によって、継手1703に固定されることがある。
【0098】
[00154] 螺旋支持部材1741は、管状膜1701の側壁1756の内面1754と接触するように構成された外面1752を備えた転回部1750を有する。転回部1750は、プロセス流体が管状膜1701の内腔1722の螺旋支持部材1741を通って流れることを可能にする中央貫通開口部1757の周囲に延在する。一実施形態では、螺旋支持部材1741はコイルばねを含む。螺旋支持部材1741は、金属又はプラスチック材料で作られることがある。管状膜アセンブリ1750は、管状膜1701の端部1707を継手1703に固定するポッティング1709と、継手1703をヘッダプレート部1702に固定するポッティング1710とを備える。
【0099】
[00155] 図18を参照すると、違いが強調されるように、以上で考察した管状膜アセンブリと多くの点で同様の管状膜アセンブリ1860が提供される。管状膜アセンブリ1860は、管状膜1801と、継手1803と、ヘッダプレート部1802と、ポッティング1809、1810とを備える。管状膜アセンブリ1860は、管状膜1801の変形に抵抗するための外部支持部、例えばブレース1861を備える。ブレース1861は、1つ以上のワイヤ1863と、ワイヤ1863に沿って間隔をあけた場所にある1つ以上のリング1862とを備える。リング1862は、ワイヤ1863に沿って規則的又は不規則な間隔で位置することがある。ワイヤ1863は、ワイヤ1863をヘッダプレート部1802に固定するためにポッティング1809に埋め込まれた端部1866を有する。ブレース1861は、単一の一体型構造を有することがあるか又は組立体である場合がある。管状膜アセンブリ1860は更に、方向1811への継手1803の引抜きに抵抗するためにポッティング1810を備えることがある。
【0100】
[00156] 図19を参照すると、違いが強調されるように、以上で考察した管状膜アセンブリと多くの点で同様の管状膜アセンブリ1970が提供される。管状膜アセンブリ1970は、管状膜1901と、ヘッダプレート部1902と、継手1903と、ポッティング1909、1910とを備える。管状膜アセンブリ1970は、管状膜1901の内腔1904に、ブレース1971などの内部支持部を備える。ブレース1971は、1つ以上の垂直支持部、例えばロッド又はワイヤ1974と、ワイヤ1974に沿って規則的又は不規則な間隔の1つ以上の水平支持部、例えばリング1972とを備える。ワイヤ1974は、管状膜アセンブリ1970の動作温度範囲の全体にわたって長手方向熱膨張の量が限られるように構成される。ワイヤ1974の限られた長手方向熱膨張は、管状膜1901の材料による流体の吸収を起因とする管状膜1901の伸長にもかかわらず、ワイヤ1974が真っすぐに延在するように保つ。ワイヤ1974は、それによって管状膜アセンブリ1970の動作温度及び流体流れの範囲全体にわたって管状膜1901を直線形状に保つ。更に、リング1972は、ワイヤ1974の互いに向かう及び互いから離れる移動に抵抗するように構成される。ブレース1971は、概して可撓性管状膜1901に剛性を与える内部バックボーンを形成し、管状膜1901を直線形状に保つ。
【0101】
[00157] ブレース1971は、継手1903に固定されることがあり、例えばブレース1971の一部が継手1903の内径に係合する。一例として、ワイヤ1974は、継手1903に溶接又は接着されることがある。別の例として、ワイヤ1974の端部が、継手1903の端部1942の側壁1940における開口部を出て、ポッティング1910に埋め込まれることがある。ブレース1971は、金属又はプラスチック材料で作られることがある。ブレース1971は、単一の一体型構造を有することがあるか又は組立体である場合がある。
【0102】
[00158] 図21に関して、管状膜2101と、チューブ2112と、管状膜2101及びチューブ2112を接続する継手2103とを有する管状膜アセンブリ2100が提供される。チューブ2112は、別のコンポーネント、例えば継手、チューブ、又はバルブに接続するための端部2113を有する。チューブ2112は、例えば、ビニルチュービング、編組ナイロンチュービング、ゴム、鋼編組チューブ、PVC、又は別の材料で作られることがある。
【0103】
[00159] 管状膜アセンブリ2100は、管状膜2101、チューブ2105、及び継手2103を一緒に保持し、方向2111への引抜きに抵抗するカップ状モールド2102及びポッティング2109を有する。カップ状モールド2102は、完成品に含まれることがあるか又はポッティング2109が固まると除去されることがある。図21の実施形態では、継手2103は、管状膜2101及びチューブ2112が継手2103を取り囲む当接端2130、2132を有するように、管状膜2101及びチューブ2112の内腔に収まるようにサイズ設定される。
【0104】
[00160] 図22に関して、管状膜アセンブリ2100と同様の管状膜アセンブリ2200が提供される。管状膜アセンブリ2200は、管状膜2201と、ヘッダプレート2202と、継手2203と、チューブ2212と、ポッティング2220とを有する。チューブ2212は、接続部2214を備えた端部2213を有する。接続部2214は、一部の例として、例えばねじ山、溶接接続部、溶剤溶接接続部、はんだ付け接続部、返し、圧縮継手、又は押し込み式継手である場合がある。
【0105】
[00161] 本明細書に開示される管状膜熱交換器は、管状膜の間隔及び向きを維持するために様々な支持部を用いることがある。一実施形態では、支持部は、管状膜熱交換器の管状膜間の均等な間隔を維持する。例えば及び図23を参照すると、1つ以上の支持プレート2370が、管状膜2311に沿って、上部ヘッダ2316と中央ヘッダ2319との間及び/又は中央ヘッダ2319と下部ヘッダ2317との間に設けられることがある。支持プレート2370は、それらの間の間隔が管状膜2311に沿って均一か又は多様である場合がある。支持プレート2370は、例えば、接着剤又は化学溶接を介して管状膜2311に取り付けられることがある。代替的に又は付加的に、支持プレート2370は、管状膜2311と支持プレート2370との締まり嵌めなどの機械的接続部を介して管状膜2311に取り付けられることがある。
【0106】
[00162] 図24に関して、管状膜2471に取り付けられた支持プレート2470を有する管状膜熱交換器2400が提供される。管状膜熱交換器2400は、支持プレート2470に接続されるか又は支持プレート2470と一体的な支持部材2473を有する。支持部材2473は、表面2476、例えば管状膜熱交換器2400を含む排熱装置の外側構造の側壁の内面に固定されるように構成された端部2475を有する。支持部材2473は、支持プレート2470を管状膜2471に沿った所定の位置に保つために、支持プレート2470をしっかりと支える。
【0107】
[00163] 図25に関して、管状膜熱交換器2500の支持プレートを管状膜熱交換器2500の他のコンポーネントに接続する支持部材を有する管状膜熱交換器2500が提供される。支持部材2571が支持プレート2570をヘッダ入口チューブ2516に接続する。支持部材2584が支持プレート2582を入口ヘッダ2586に接続する。支持部材2518が支持プレート2520、2522を接続し、支持部材2524が支持プレート2522を出口ヘッダ2517に接続する。支持部材の様々な構成が、支持プレートの管状膜における位置を維持するために用いられることがある。
【0108】
[00164] 図26では、関連する冷却塔のコンポーネントに接続された支持部材2602を有する管状膜熱交換器2600が提供される。支持部材2602は、冷却塔の壁2613に固定された支持部材2670を含む。支持部材2602は更に、冷却塔のスクリーン2621に固定された支持部材2604を含む。
【0109】
[00165] 様々な支持プレート構成が、管状膜の間隔及び/又は向きを維持するのに用いられることがある。これに関連して、一部の例として、図27の支持プレート2770は、管状膜2703を取り囲む環状面2702を備えた開口部2701を有する。図28に関して、支持プレート2870は、管状膜2701の移動に抵抗するために管状膜2701の外面2878に接触する側面2874、2876を備えたスロット2872を有する。
【0110】
[00166] 本開示による管状膜熱交換器が、入口及び出口ヘッダ間に非線形経路、例えば蛇行経路を有する管状膜を備えることがある。図29に関して、入口ヘッダ2910と、出口ヘッダ2912と、入口及び出口ヘッダ2910、2912に接続された管状膜2914とを有する管状膜熱交換器2900が提供される。管状膜2914は、空気流発生デバイス、例えばファン2924の周囲に延在する。管状膜熱交換器2900を含む排熱装置は、誘引送風、直交流構成を有することがある。
【0111】
[00167] 管状膜2914は、直線部2916と、直線部2916を接続する屈曲部2918とを有する。屈曲部2918はそれぞれ、屈曲部2918に入るプロセス流体の方向から、一部の例として120°未満、110°未満、100°未満、95°未満、例えば90°、又は90°未満の角度でプロセス流体の流れの方向を変える。
【0112】
[00168] 一実施形態では、屈曲部2918はそれぞれ、直線セクションと、直線セクションを隣接する直線部2916に接続する2つの接合点とを備える。別の実施形態では、屈曲部2918は曲がっている。直線部2916と屈曲部2918の連続は、プロセス流体が入口ヘッダ2910から出口ヘッダ2912に移動するときにプロセス流体の蛇行経路を形成する。
【0113】
[00169] 管状膜は、プロセス流体の蛇行経路を提供するように支持部を介して再構成される概ね直線の初期形状を有することがある。図30に関して、管状膜熱交換器3000は、入口ヘッダ3016と、出口ヘッダ3017と、ファン3014の周囲に延在する管状膜3018とを有する。管状膜熱交換器3000は、管状膜3018の方向を変えて屈曲部3072を形成する支持部、例えば支持プレート3070を有する。支持プレート3070は、管状膜3018が支持プレート3070に垂直に延在するように管状膜3018を受け入れる貫通開口部を有する。支持プレート3070は、貫通開口部の周囲に延在する表面であって、管状膜3018に接触し、その方向を変えて所望の形状にする表面を備える。
【0114】
[00170] 一部の実施形態では、管状膜は、プロセス流体のための非線形流路を提供する固有の構造配置を有することがある。図31に関して、管状膜熱交換器3100は、入口ヘッダ3116と、出口ヘッダ3117と、管状膜3118、3120とを有する。管状膜3118、3120は、径方向内側部分3134、3136より長い径方向外側部分3130、3132を有する。管状膜3118、3120は、それにより、支持部によって管状膜3118、3120に環状形状が与えられることなく環状形状を有する。
【0115】
[00171] 一部の実施形態では、管状膜は、管状膜の曲率をその長さに沿って変化させる形状を有する。例えば、管状膜は、直線端部と、直線端部を接続する湾曲した中間部とを有することがある。
【0116】
[00172] 様々なタイプの支持部が管状膜に所望の形状を与えるために用いられることがある。図32に関して、管状膜熱交換器3200は、入口ヘッダ3216と、出口ヘッダ3217と、管状膜3218、3219と、弓形支持部、例えばロッド3221とを有する。ロッド3221は、管状膜3128、3219が図32の弓形構成から抜け出さないようにする。
【0117】
[00173] 1つ以上の管状膜のための支持部は、管状膜の内部又は外部にある場合がある。ロッド3221は、管状膜3218、3219の外部にあるものとして図32に示されているが、代替的に管状膜3218、3219の一方又は両方の内側に提供されることがある。各支持部は、螺旋、リング、プレートなどの様々な形状、及び管状膜の内側のリングを支持するロッドなどの形状の集合体を取ることがある。別の例として、支持部が、関連する膜チューブの外側で螺旋形状である場合がある(例えば、図16参照)。
【0118】
[00174] 管状膜を接続するのに使用されるヘッダは、プロセス流体のための蛇行経路を提供するために作動流体の流れの方向を変えることがある。図33に関して、管状膜熱交換器3300は、末端入口ヘッダ、例えば入口ヘッダ3316と、末端出口ヘッダ、例えば出口ヘッダ3317とを有する。管状膜熱交換器3300は、プロセス流体を入口及び出口ヘッダ3316、3317間に導く管状膜の群3318、3320、3322、3324を備える。管状膜熱交換器3300は更に、管状膜の群3318、3320、3322、3324を接続する中間ヘッダ3330、3332、3334を備える。中間ヘッダ3330、3332、3334は、第1の方向の上流管状膜からの作動流体を受け入れる入口ポート3330Aと、第1の方向に直角な第2の方向の下流管状膜へと作動流体の方向を変える出口ポート3330Bとを有する。一実施形態では、中間ヘッダ3330、3332、3334は、以上で考察した実施形態(例えば図1D図10A図11A図12A図13A参照)と同様に、隣接する管状膜の群3318、3320、3322、3324と関連付けられた入口及び出口ヘッダを接続することによって形成される。
【0119】
[00175] 末端ヘッダ及び中間ヘッダは、末端ヘッダ及び中間ヘッダが所望の多角形の頂点である任意の数の辺を有する概ね多角形の管状膜を提供するように構成されることがある。多角形は正又は不規則な多角形である場合がある。一部の実施形態では、管状膜は、隣接するヘッダ間に延在する直線又は非直線形状を有することがある。
【0120】
[00176] 以上で考察した熱交換器は、HVACシステムを構築するための冷却塔、工業プロセス、氷蓄熱システム、及び加湿及び除湿用途などのガス熱伝達及び/又は物質移動システムのための冷却塔などの様々な用途で用いられることがある。別の熱交換及び/又は物質移動用途は二酸化炭素回収である。
【0121】
[00177] 例えば図34には、外側構造3413と、管状膜熱交換器モジュール3416と、チューブ3474と、空気流発生器、例えばファン3414とを備えた空気ハンドリングユニット3400が提供される。空気ハンドリングユニット3400は、空気ハンドリングユニット3400の動作モードに応じて、水プロセス流体及び液体乾燥剤プロセス流体などの異なるタイプのプロセス流体を管状膜熱交換器モジュール3416に供給するように動作可能なプロセス流体供給部3422を有する。
【0122】
[00178] 一実施形態では、プロセス流体供給部3422は、以上で考察した対応する構造と同様の入口バルブ3463と、出口バルブ3462と、ポンプ3475とを備える。空気ハンドリングユニット3400は更に、供給空気入口3406と、スクリーン3421と、戻り空気入口3402と、混合セクション3403と、空気フィルタ3404と、補助熱交換器3405と、出口3415とを備える。
【0123】
[00179] 空気ハンドリングユニット3400は、空気ハンドリングユニット3400を動作させるために空気ハンドリングユニット3400のコンポーネントに動作可能に結合されたコントローラ3440を有する。コントローラ3440は、プロセッサ3440Aと、インターネットなどの1つ以上のネットワークを介して、HVACシステムのマスタコントローラなどの遠隔コンピューティングデバイス、サーバコンピュータ、及び/又はスマートフォンなどの携帯電子デバイスと通信するための通信回路3440Bとを備える。
【0124】
[00180] 一部の実施形態では、出口3415は、ダクトを介して戻り空気入口3402に接続されることがある。空気ハンドリングユニット3400は、出口3415を通過する空気のすべて又は一部を戻り空気入口3402に戻るように選択的に導くことがある。混合セクション3403は、供給空気入口3406及び戻り空気入口3402からの空気の混合を促進する。空気フィルタ3404は、空気から汚染物質を濾過する1つ以上のフィルタを含むことがある。補助熱交換器3405は、例えば、空気ハンドリングユニット3400を通過する空気から熱を除去するか又はその空気に熱を伝達する、空気対空気熱交換器、水対空気熱交換器、蒸発器又は凝縮器コイル、乾燥コイル、又は抵抗加熱要素である場合がある。
【0125】
[00181] 管状膜熱交換器モジュール3416は、コントローラ3440の特定のモードに従って空気と相互作用するように構成される。例えば、管状膜熱交換器モジュール3416は、空気ハンドリングユニット3400内の空気の温度を上げること、空気ハンドリングユニット3400内の空気の温度を下げること、空気ハンドリングユニット3400内の空気から湿気を取り除くこと、及び空気ハンドリングユニット3400内の空気に湿気を加えることのうちの少なくとも1つを実施することがある。
【0126】
[00182] コントローラ3440は、センサ3442により検出される1つ以上のパラメータに従って空気ハンドリングユニット3400を様々なモードで動作させることがある。1つ以上のパラメータは、例えば、空気ハンドリングユニット3400の動作パラメータ(プロセス流体温度、水流量など)、環境パラメータ(例えば、一部の例として空気ハンドリングユニット3400の温度、湿度、時刻、及び/又は地理的位置)、及び/又はHVACシステムコントローラにより要求されるプロセス流体セットポイントを含むことがある。代替的に又は付加的に、コントローラ3440は、遠隔コンピューティングデバイスから通信回路3440Bで受信したコマンドに従うモードで空気ハンドリングユニット3400を動作させることがある。
【0127】
[00183] 例えば、コントローラ3440は、加湿モード、スワンプクーラモード、又は乾燥モードで動作するように空気ハンドリングユニット3400を再構成することがある。スワンプクーラモードでは、管状膜熱交換器モジュール3416は、プロセス流体として水を用い、空気ハンドリングユニット3400内の空気の温度を下げ、湿度を上げるように動作する。
【0128】
[00184] 乾燥モードでは、管状膜熱交換器モジュール3416は、プロセス流体として液体乾燥剤を用い、空気ハンドリングユニット3400内の空気から湿気を取り除くように動作する。液体乾燥剤による湿気の収着は、空気の温度を上げる発熱プロセスである場合がある。
【0129】
[00185] 加湿モードでは、管状膜熱交換器モジュール3416は、プロセス流体として温水を用い、空気ハンドリングユニット3400内の空気の湿度を上げる。管状膜熱交換器モジュール3416は、温水を使用することによってプロセス流体の温度低下を補う。
【0130】
[00186] 様々なタイプのプロセス流体が空気ハンドリングユニット3400と共に用いられることがある。加湿モードの場合、プロセス流体は、水(例えば、水道水、家庭排水、脱イオン水、及び/又は逆浸透水)又は水と別の流体(例えば、グリコール又はアルコールなどのプロセス流体の凝固点を変える流体)との混合物である場合がある。
【0131】
[00187] 除湿モードの場合、プロセス流体は、塩化リチウム、塩化カルシウム、もしくは臭化リチウムなどの吸湿性の高い塩の水溶液又は非水溶媒に溶解されたこれらの塩のうちの1つなどの液体乾燥剤である場合がある。他の実施形態では、除湿プロセス流体は、アルコール又は別の吸水性の液体、例えばグリセリン、濃硫酸、ヒドラジン水和物、エタノールアミン、及び/又はグリセロールである場合がある。前述のプロセス流体のいくつかの使用は、管状膜熱交換器に固有である。例えば、アルコールは、水和されると蒸発するため伝統的に使用され得なかった。選択的に水を通す管状膜を用いれば、アルコールを含む液体乾燥剤は蒸発し得ないが、液体乾燥剤は水和することがある。
【0132】
[00188] コントローラ3440は、現在のプロセス流体、例えば水又は液体乾燥剤を、チューブ3474から排出し、チューブ3474を別のプロセス流体、例えば水及び液体乾燥剤の他方で充填することによって、空気ハンドリングユニット3400のモードを変更するように入口バルブ3463及び出口バルブ3462を動作させる。一部の実施形態では、コントローラ3440は、チューブ3474を所望のプロセス流体で充填するようにポンプ3475を動作させる。
【0133】
[00189] 一実施形態では、入口バルブ3463は、異なるプロセス流体供給部を切り替えるように構成される。例えば、入口バルブ3463は3位置バルブである場合がある。第1の位置では、入口バルブ3464は閉鎖されている。コントローラ3440がスワンプクーラモード又は加湿モードにあるとき、コントローラ3440は、入口バルブ3463を第2の位置に切り替える。第2の位置では、入口バルブ3463は、補給水が空気ハンドリングユニット3400に流入することを可能にする。加湿モードでは、コントローラ3440は、補給水を加熱するためにヒータに通電する。
【0134】
[00190] コントローラ3440は、コントローラ3440が乾燥モードにあるときに入口バルブ3463を第3の位置に切り替える。入口バルブ3463が第3の位置にあるとき、入口バルブ3463は、液体乾燥剤から水を除去する液体乾燥剤再生システムと連通している。要するに、入口バルブ3463は、コントローラ3440のモードに応じて2つの流体ループを切り替えることがある。
【0135】
[00191] 図35に関して、例示目的のために図において一部が除去された支持フレーム3501を有する管状膜熱交換器3500が提供される。管状膜熱交換器3500は、ファン3502と、出口ヘッダ3504と、入口ヘッダ3505と、管状膜3503とを有する。管状膜3503は、螺旋状であり、プレナム又は中央空間3507の周囲に延在する。ファン3502は、ファン3502が空気を出口3509から導く前に、空気を管状膜3503全体に及び中央空間3507内に導くように動作可能である。
【0136】
[00192] 一部の実施形態では、管状膜は、継手を用いずにヘッダに接続されることがある。図36に関して、管状膜3601と、ヘッダプレート3602と、外側ポッティング3609と、内側ポッティング3610とを有する管状膜アセンブリ3600が提供される。外側ポッティング3609は、管状膜3601の外側部分3612に結合し、内側ポッティング3610は管状膜3601の内側部分3614に結合し、外側及び内側ポッティング3609、3610は共にヘッダプレート3602に結合する。このようにして、外側及び内側ポッティング3609、3610は、管状膜3601をヘッダプレート3602の反対側でヘッダプレート3602に固定し、管状膜の方向3611、3613への移動に抵抗する。管状膜アセンブリ3600の組み立て中に、管状膜3601はヘッダプレート3602の開口部3616を通って前進し、液体ポッティングがヘッダプレート3602の外面及び内面3602A、3602Bに施される。管状膜3601は、ポッティングコンパウンドが硬化して膨張するときに管状膜3601の形状を維持するのに十分な機械的強度を有する。
【0137】
[00193] 例えば、管状膜3601は、膜層及び裏打ち層などの多孔質基材を含むことがある。膜層、多孔質基材、又はその両方は、管状膜3601の形状を維持するのに十分な剛性を備えることがある。管状膜の内腔のサイズはまた、管状膜の破砕に対してより優れた耐性を提供するように選択されることがある。一例として、管状膜は円形の断面を有することがあり、ポッティングコンパウンドが硬化するときに管状膜3601の形状を維持するのにより小さな内径が選択されることがある。ポッティングコンパウンドの特性はまた、ポッティングコンパウンドが固まるときの管状膜3601の破砕を制限するように選択されることがある。例えば、一部のポッティングコンパウンドは、硬化するときにポッティングコンパウンドが管状膜を変形するのを防ぐ最小量の膨張を受ける。
【0138】
[00194] 図37に関して、開口部3703を備えたヘッダプレート3702を有するヘッダ本体3702Aを備えた管状膜アセンブリ3700が提供される。ヘッダプレート3702は、開口部3703の周囲に延在する表面3703Aを有する。管状膜アセンブリ3700は更に、管状膜3701と、管状膜3701をヘッダプレート3702に接続するポッティング3709とを備える。管状膜アセンブリ3700の組み立て中に、管状膜3701は開口部3703内に進められ、ヘッダプレート3702に液体ポッティングが施される。更に、管状膜3701の端部3705は、液体ポッティングが施されて端部3705がポッティングによって閉じられる可能性を制限するとき、ヘッダプレート3702の内側に位置付けられる。
【0139】
[00195] 液体ポッティングは、管状膜3701と開口部3703の表面3703Aとの間の隙間を埋めるために這い上がる。液体ポッティングが固まってポッティング3709を形成するとき、毛細管力が液体ポッティングを管状膜3701とヘッダプレート3702との間の所定の位置に維持する。ポッティング3709は、管状膜3701及びヘッダプレート3702に結合し、管状膜3701とヘッダプレート3702との間に流体密封シールを形成する。更に、ポッティング3709は、管状膜3701の方向3716、3718への相対移動に抵抗するために、開口部3703の幅より大きな幅を有するフランジ部3712、3714を有する。ポッティング3709は、開口部3703内に管状膜3701の周囲に延在するスリーブ部3723を有する。管状膜3701が円形の断面を有し、開口部3703が円形である実施形態では、スリーブ部3723は環状構成を有する。
【0140】
[00196] 図38に関して、管状膜アセンブリ3800が提供され、ヘッダプレート3802と、管状膜3801と、ポッティング3806とを備える。ヘッダプレート3802は、管状膜3801の端部3810を受け入れる開口部3808を有する。開口部3808は、開口部3703(図37参照)の幅よりも小さい幅を有し、管状膜3801の端部3810とぴったり嵌まるようにサイズ設定される。開口部3808が小さくなることで、液体ポッティングが開口部3808を通って這い上がることが阻止される。液体ポッティングは、ヘッダプレート3802の外部又は外面3802A上で硬化し、ポッティング3806を形成する。ポッティング3806は、管状膜3801をヘッダプレート3802に固定し、管状膜3801とヘッダプレート3802との流体密封接続を形成する。
【0141】
[00197] 一部の実施形態では、ヘッダ本体の内側にポッティングを施して、管状膜の端部をヘッダ本体に固定することがある。例えば及び図39を参照すると、管状膜3901と、ヘッダプレート3902と、ポッティング3904とを有する管状膜アセンブリ3900が提供される。組み立て中に、管状膜3901は、管状膜3901の端部3908がヘッダプレート3902の内面3910から突き出るように、ヘッダプレート3902の開口部3906を通って延在するように位置付けられる。液体ポッティングが管状膜3901の周囲の内面3910に施され、硬化してポッティング3904を形成する。ポッティング3904は管状膜3901とヘッダプレート3902を固定し、その間に流体密封接続を形成する。開口部3906及び管状膜3901は、ポッティングの開口部3906内への這い上がりを阻止するようにサイズ設定される。
【0142】
[00198] 本明細書に記載のポッティングは、管状膜をヘッダプレートに取り付ける、及び/又は管状膜同士を取り付ける接着剤を含むことがある。様々な種類の接着剤を使用することがある。例えば、エポキシやウレタンなどの熱硬化性接着剤を使用することがある。接着剤の他の例としては、熱接着剤、乾燥接着剤、又は光活性化硬化接着剤などの硬化接着剤が挙げられる。
【0143】
[00199] 図40に関して、管状膜アセンブリ4000は、管状膜アセンブリ3900と同様であり、ヘッダプレート4002の内面4006上のポッティング4004を介してヘッダプレート4002に固定された複数の管状膜4001を含む。ポッティング4006は、隣接する管状膜4001の中間に管状膜4001を互いに接続する部分4008を有する。
【0144】
[00200] 図41に関して、管状膜アセンブリ4000と同様であり、管状膜4101と、ヘッダプレート4102と、ポッティング4104とを備えた管状膜アセンブリ4100が提供される。管状膜アセンブリ4000、4100間の1つの違いは、管状膜アセンブリ4100が、ヘッダプレート4102の外面4106にポッティング4104を有することである。
【0145】
[00201] 図42を参照すると、開口部4204を有するヘッダプレート4202と、ヘッダプレート4202の外面4208にあるカップ状凹部4206とを有する管状膜アセンブリ4200が提供される。凹部4206は、開口部4204と連通し、開口部4204の幅より大きい幅を有する。管状膜アセンブリ4200は、端部4205が開口部4204内に受け入れられた管状膜4201を有する。
【0146】
[00202] ヘッダプレート4204は、外面4208と床部4214との間に延在する側壁部4212を有する。側壁部4211は側面4212を有し、床部4214は上面4215を有する。側面4212と上面4215は、ヘッダプレート4202の外側にポッティングを保持するポケットの少なくとも一部を管状膜4201の周囲に画定する。組立中に、管状膜端部4205は開口部4204内に延在するように位置付けられ、液体ポッティングが凹部4206内に提供される。液体ポッティングは硬化し、ポッティング4210を形成する。ポッティング4210は管状膜4201とヘッダプレート4202を固定し、流体密封接続を形成する。
【0147】
[00203] 図43に関して、管状膜4301と、ヘッダプレート4302と、ポッティング4304とを有する管状膜アセンブリ4300が提供される。ヘッダプレート4302は、開口部4306と、外面4308と、外面4308内のカップ状凹部4310とを有する。カップ状凹部4310は、複数の管状膜ヘッダ接続部を包含する。ヘッダプレート4304は、側壁部4312と、側壁部4312から管状膜4301まで延在する床部4314と、管状膜4301の中間に延在する床部4316とを有する。2つの管状膜ヘッダ接続部が図43のカップ状凹部4310に含まれているが、カップ状凹部4310が、特定の実施形態について所望の数の管状膜ヘッダ接続部を受け入れるように構成され得ることが理解されるであろう。
【0148】
[00204] 図44を参照すると、管状膜4401と、ヘッダプレート4402と、ポッティング4404とを有する管状膜アセンブリ4400が提供される。ヘッダプレート4402は、管状膜4401及びポッティング4404を受け入れる開口部4406を有する。ヘッダプレート4402は、外面4410と、内面4412と、その間に延在する側面4414とを有する。ポッティング4404は、ヘッダプレート4402に固定された外面、例えばヘッダプレート4402の側面4414に結合されたポッティング4404の表面4416を有する。
【0149】
[00205] 一手法では、ヘッダプレート4402は、最初に、図43の床部4314、4316と同様の、開口部4406の底部を閉じる床部を有する。液体ポッティングは開口部4406内に進められ、硬化して管状膜4401をヘッダプレート4402に対して固定する。ポッティングが硬化すると、ヘッダプレート4402の床部、管状膜4401の端部、及びポッティング4404の一部はライン4420に沿って切り取られる。このプロセスにより、管状膜の端部4407が露出する。
【0150】
[00206] 別の手法では、管状膜アセンブリ4400は、ヘッダプレート4402及び管状膜4401をライン4420に位置付けられた裏当てにぴったりくっつけて配置することによって組み立てられることがある。液体ポッティングが開口部4406内に進められ、硬化して管状膜4401をヘッダプレート4402に対して固定する。裏当ては、ポッティングコンパウンドが付着しない材料で作られることがある、又は裏当てには、ポッティングが裏当てに付着できないように剥離剤が塗布される。次いで裏当てが除去され、管状膜4401の端部4407が露出する。
【0151】
[00207] 以上で考察したように、本明細書に開示される様々な実施形態は、二酸化炭素及び/又はメタン回収などの大気汚染物質の直接空気回収に利用されることがある。例えば、炭素回収溶液が管状膜を通って導かれることがあり、管状膜の側壁により、管状膜の外側の空気中のCO2が側壁に浸透し、管状膜内の炭素回収溶液と化学反応することが可能になる。
【0152】
[00208] 汚染物質捕集の実施形態には、様々なタイプの膜材料が使用されることがある。例には、選択的なCO2分離に使用され得るガラス状又はゴム状ポリマーなどの高分子膜が含まれる。ガラス状ポリマーは選択性が高く、透過性が低い。ガラス状ポリマーは通常、ゴム状ポリマーよりも硬い。ガラス状ポリマーを含む管状膜は、自由体積を増加させ、CO2透過性を高めるために、真っ直ぐであるか又は横方向に延びる部分を有することがある。ガラス状ポリマーの例としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアセチレンが挙げられる。ゴム状高分子膜の例には、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びポリフェロセニルシラン(PFS)が含まれる。
【0153】
[00209] 一部の実施形態では、管状膜アセンブリが除湿プロセスで使用されるように構成されており、管状膜材料は柔軟なゴム状ポリマーである場合がある。ゴム状ポリマーは、炭素回収プロセスで使用され得るガラス状ポリマーよりも剛性が低い場合がある。ゴム状ポリマーは流量が高く選択性が低い場合があるのに対して、ガラス状ポリマーは選択性が高く流量が低い。ゴム状ポリマー又はガラス状ポリマーを利用する管状膜は、膜の厚さを最小限に抑えるために複合構造を利用することがある。
【0154】
[00210] 混合マトリックス管状膜が、本明細書に記載の様々な実施形態で利用されることがある。混合マトリックス管状膜は、マトリックス材料の性能及び/又は寿命を向上させるために、マトリックス材料に埋め込まれたナノフィラーと呼ばれることもあるナノ材料を有する。
【0155】
[00211] セラミック膜などの無機膜が管状膜に利用されることもある。無機膜は一般に、優れた水熱安定性及び機械的安定性を有する。更に、無機膜は、高分子膜と比較して、最大10MPaなどのより高い圧力に耐えることがある。
【0156】
[00212] 本明細書で考察される管状膜はまた、アミノポリマー材料から作られることがある。アミノポリマーの例には、カリフォルニア州ニューアークのMembrane Technology&Research社の超薄酸化グラフェン(GO)膜及びPolaris(商標)材料が含まれる。
【0157】
[00213] 管状膜の材料は、水などの他の物質の移動を抑制しながら、CO2などの大気汚染物質の管状膜の材料を通した移動を可能にするように選択されることがある。この構成は、管状膜内の汚染物質回収溶液からの水の蒸発を抑制することがあり、その結果、汚染物質回収操作の水消費量が削減される。
【0158】
[00214] 汚染物質回収システムに選択される管状膜は、多孔質副層により支持された選択膜を含む複合構造を有することがある。選択膜は高い浸透パラメータを有し、例えば約100ナノメートル以下の厚さを有することがある。他の実施形態では、単層構造を有する緻密な膜が利用されることがある。
【0159】
[00215] 本明細書に記載の管状膜に利用され得る例示的な材料には、以下の材料が含まれることがある。その材料は、高い浸透パラメータ及びCO2/N2混合物の高い分離係数を有する。
【0160】
[00216] PolyActiveは、ポリエチレンオキシドテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート(PEOT/PBT)ポリマーと呼ばれることがある。PolyActiveは、21℃、3バールCO2圧力で分離係数が60で、気体透過能が約1,481気体透過単位(GPU)である。
【0161】
[00217] Pebax-MH1657はポリエーテルブロックアミドと呼ばれることがある。Pebax-MH1657は、21℃、6バールCO2圧力で分離係数が50で、透過能が約750GPUである。
【0162】
[00218] ポリ(アリールエーテル)は、35℃、3バールCO2圧力で分離係数が36で、透過能が110バーラーである。GPU=バーラー/μm(膜厚)であることが理解されるであろう。
【0163】
[00219] ポリイミドPI-5は、30℃、1バールで分離係数が26で、透過能が190バーラーである。
【0164】
[00220] 以上で考察した管状膜アセンブリの様々な実施形態は、熱伝達、除湿、及び/又は汚染物質回収に利用されることがある。管状膜の外側又は内側に真空を印加して、熱伝達、除湿、及び/又は汚染物質回収プロセスを推進する力を増大させることがある。管状膜には、管状膜の破れ又は崩壊を抑制するための支持部、例えば、図15から図19に示す支持部が設けられることがある。
【0165】
[00221] 例えば及び図45を参照すると、ヘッダ本体4502と管状膜4504とを備えた管状膜アセンブリ4500が提供される。管状膜4504は、ポッティング4506を介してヘッダ本体4502の開口部4505内に固定される。管状膜アセンブリ4500は、管状膜4504の内面4512又は外面4514に真空を印加したときの管状膜4504の変形に抵抗するための支持部4508を備える。支持部4508は、例えば、コイル、メッシュスリーブ、フレーム、スペーサを備えたフレーム、貫通開口部を有する管状部材、ロッドなどを含むことがある。支持部4508は、管状膜4504の長さの全体又は一部に延在することがある。支持部4508は、化学結合などで管状膜4504に固定されることがある。管状膜4504及び支持部4508のアセンブリは、ポッティング4506を介してヘッダ本体4502に接続されることがある。管状膜アセンブリ4500の製造の一部として、ヘッダ本体4502、ポッティング4506、支持部4508、及び管状膜4504は、ポッティング4506が固まると、ポッティングを含み得る管状膜4504の端部を除去するために切断される(4510)ことがある。
【0166】
[00222] 図46に関して、ヘッダ本体4602と、管状膜4604と、ヘッダ本体4602の開口部4605内で管状膜4604をヘッダ本体4602に接続するポッティング4606とを有する管状膜アセンブリ4600が提供される。管状膜アセンブリ4600は、管状膜4604の内面4612又は外面4614に真空が印加されるときの管状膜4604の変形に抵抗するための支持部4608を有する。支持部4608は、管状膜4604の長さの全体又は一部に延在することがある。支持部4608は、例えば、フレーム、多孔質管状膜、1つ以上のロッドなどを含むことがある。
【0167】
[00223] 図47を参照すると、ヘッダ本体4702と、管状膜4704と、管状膜4704の端部4707をヘッダ本体4702の開口部4705に固定するポッティング4706とを備えた管状膜アセンブリ4700が提供される。管状膜アセンブリ4700は、管状膜4704の内部4710に支持部4708を備える。支持部4708は、管状膜4704の内部4710に沿って延在する、ロッド又はチューブ4712などの細長い部材を備える。支持部4708は更に、1つ以上のディスク4713などの1つ以上の支持部材を備える。ディスク4713は、プロセス流体がディスク4713を通って流れることを可能にする貫通開口部を有することがある。別の実施形態では、管状膜アセンブリ4700にディスク4713が設けられない。細長い部材から突出する支持部材は、ロッド、ボス、涙滴状ディスク、楕円ディスクなどの様々な形状を有することがあり、非円形断面を有する管状膜にフィットするように構成されることがある。
【0168】
[00224] 一形態では、支持部4708は、内部ヘッダ4716から流体を受け取るか、又は内部ヘッダ4716に流体を導く内腔又は内部4714を有するチューブ4712を備える。内部4714を通過する流体は、チューブ4712の外面4719と管状膜4704の内面4721との間に画定される環帯4718内の流体より高い又は低い温度である場合がある。
【0169】
[00225] 例えば、管状膜4704の環帯4718内の流体は乾燥剤溶液である場合があり、チューブ4712の内部4714の流体は冷水である場合がある。管状膜4704の外面4723を横切って移動する空気中の水分子は、管状膜4704の側壁4725を通過し、管状膜4704の環帯4718内の乾燥剤溶液と化学反応する。水と液体乾燥剤との化学反応は熱を放出する。チューブ4712は、反応から放出される熱がチューブ4712の内部4714の冷水に伝達されることを可能にする金属材料などの材料で作られることがある。一部の実施形態では、乾燥剤溶液から熱を除去することは、除湿プロセスの効率を高めることがある。
【0170】
[00226] 別の例として、管状膜4704の環帯4718内の流体は炭素回収溶液である場合があり、チューブ4712の内部4714の流体は、水、又は水と炭素回収溶液よりも低い温度を有するグリコールなどの別の物質との混合物などの液体である場合がある。管状膜4704の外面4723を横切って移動する空気中の二酸化炭素が、管状膜4723の側壁4725を通過し、管状膜4704の環帯4718内の炭素回収溶液と化学反応する。CO2と炭素回収溶液との化学反応は熱を放出する。チューブ4712の内部4714を通過するより冷たい液体は、放出された熱を吸収する。一部の実施形態では、炭素回収溶液から熱を除去することは、炭素回収プロセスの効率を高めることがある。
【0171】
[00227] 別の例として、チューブ4712の内部4714は高温流体を含むことがあり、環帯4718内の炭素回収溶媒は、チューブ4712の内部4717の流体よりも低温である場合がある。熱がチューブ4712の側壁を通ってより冷たい炭素回収溶媒に伝達される。更に、管状膜4704は、水分子が管状膜4704の側壁4725を通過することを可能にすることがある。このように、環帯4718内の炭素回収溶媒は、側壁4725を通過し、管状膜4704の外面4723を横切って移動する空気流に入る炭素回収溶液中の水の蒸発冷却によって冷却されることがある。
【0172】
[00228] 様々な流体が、管状膜アセンブリの動作を容易にするために、以上で考察した実施形態で考察した管状膜の内面及び/又は外面に提供されることがある。例えば、除湿及び/又はCO2回収操作を推進する力を増大させるために、液体乾燥剤溶液又は炭素回収溶液が管状膜壁の両側に使用される可能性がある。
【0173】
[00229] 図48を参照すると、端部4804で支持部4806に接続された管状膜4802を有する管状膜アセンブリ4800が提供される。支持部4806は、開口部4810及びポッティング4812を備えた支持部本体4808を有し、管状膜端部4804を支持部本体4808の開口部4810内に固定された状態に保つ。
【0174】
[00230] 管状膜4802は、出口ヘッダ4816に接続された端部4814を有する。出口ヘッダ4816は、開口部4820と、管状膜端部4814を開口部4820に固定するためのポッティング4822とを備えるヘッダ本体4818を有する。出口ヘッダ4816は、内部4824に真空を印加するポンプ4830などによって負圧下の内部4824を有する。
【0175】
[00231] 管状膜4802は、真空が出口ヘッダ4816の内部4824に印加されるために真空を含む内腔又は内部4832を有する。空気などの第1の流体が、管状膜4802の外面4834を横切って方向4833に移動する。管状膜4802は、第1の流体から管状膜4802の内部4832に物質を交換するように構成された側壁4838を有する。例えば、側壁4838は、方向4833に移動する空気中のCO2、メタン、又は水蒸気が側壁4838を通過できるように構成されることがある。
【0176】
[00232] 側壁4838を通過する物質は、コレクタ4842に移動する前に、方向4840に出口ヘッダ4816の内部4824に移動する。一実施形態では、管状膜側壁4838は、CO2が通過することを可能にし、コレクタ4842は、固体吸着剤ベースのCO2回収方法を含む。例えば、コレクタ4842は、CO2を引き付ける第1のモードと、後の貯蔵又は処理のためにCO2を放出する第2のモードで動作する収集要素を有することがある。別の実施形態では、管状膜側壁4838は、水蒸気が通過することを可能にし、コレクタ4842は、コレクタ4842のリザーバ内に収集するために水蒸気を凝縮するように動作する冷却要素を備える。
【0177】
[00233] 「a」、「an」などの単数の用語の使用は、本明細書で別段の指示がないか又は文脈によって明らかに反論されない限り、単数及び複数の両方を包含することが意図される。「comprising」(備えている)、「having」(有している)、「including」(含んでいる)、及び「containing」(含有している)という用語は、オープンエンドの用語として解釈されるものである。「at least one of」(~の少なくとも1つ)という語句は、本明細書で使用される場合、離接的な意味で解釈されることが意図される。例えば、「at least one of A and B」(A及びBの少なくとも1つ)という語句は、A、B、又はA及びBの両方を包含することが意図される。
【0178】
[00234] 本発明の特定の実施形態を図示及び説明してきたが、多くの変更形態及び修正形態が当業者に想到されることが理解され、本発明は、添付の請求項の範囲内にあるすべてのそれらの変更形態及び修正形態を包含することが意図される。

図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
【国際調査報告】