(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】回路レイアウトにおけるエアブリッジの配置方法と装置、コンピュータ機器とプログラム及びチップ製品
(51)【国際特許分類】
H01L 21/82 20060101AFI20241128BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20241128BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20241128BHJP
G06F 30/39 20200101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L21/82 C
H01L21/90 N
H01L27/04 D
H01L21/82 L
G06F30/39
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525008
(86)(22)【出願日】2023-05-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 CN2023095676
(87)【国際公開番号】W WO2024093205
(87)【国際公開日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】202211351553.2
(32)【優先日】2022-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】TENCENT TECHNOLOGY (SHENZHEN) COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】35/F,Tencent Building,Kejizhongyi Road,Midwest District of Hi-tech Park,Nanshan District, Shenzhen,Guangdong 518057,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲聖▼▲銘▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 安
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 天宇
(72)【発明者】
【氏名】淮 ▲賽▼男
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲勝▼誉
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲ザオ▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 雄
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲楊▼和璞
【テーマコード(参考)】
5B146
5F033
5F038
5F064
【Fターム(参考)】
5B146AA22
5B146GC20
5F033HH40
5F033RR30
5F033UU03
5F038CA06
5F038CD05
5F038DF02
5F064EE16
5F064EE18
5F064EE19
5F064EE22
5F064EE26
5F064HH02
5F064HH06
5F064HH07
(57)【要約】
回路レイアウト内のエアブリッジの配置方法と装置及びコンピュータ機器とプログラムが提供され、特にチップの技術分野に関する。前記方法は回路レイアウト内の各CPW線の位置情報に基づいて、各CPW線の骨格線の位置情報を取得し、骨格線はCPW線の中心線であり(320);各CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各CPW線の骨格線のうちから交織線分対を取得し、交織線分対は互いに交織する2つの骨格線を含み(330);及び、回路レイアウトにエアブリッジを配置し、エアブリッジは骨格線に沿って配置され、かつ交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジは互いにずらして配列される(340)ことを含む。このようなスキームにより、異なるCPW線上のエアブリッジの間の相互影響を低減し、後続の回路準備時の成功率を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ機器が実行する、回路レイアウトにおけるエアブリッジを配置する方法であって、
回路レイアウト内の各CPW(Co-Planar Waveguide)線の位置情報に基づいて、各前記CPW線の骨格線の位置情報を取得するステップであって、前記骨格線は前記CPW線の中心線である、ステップ;
各前記CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各前記CPW線の骨格線のうちから交織(interweave)線分対(pair)を取得するステップであって、前記交織線分対は互いに交織する2つの前記骨格線を含む、ステップ;及び
前記回路レイアウトにエアブリッジを配置するステップであって、前記エアブリッジは前記骨格線に沿って配置され、前記交織線分対における2つの前記骨格線上のエアブリッジは互いにずらして配列される、ステップを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記回路レイアウトにエアブリッジを配置するステップは、
前記交織線分対における第一骨格線の第一端点を取得するステップであって、前記第一端点を通過し、かつ第二骨格線に垂直な垂線は前記第二骨格線と交差し、前記第一骨格線及び前記第二骨格線は前記交織線分対における2つの前記骨格線である、ステップ;及び
前記第一端点と、前記垂線と前記第二骨格線との間の交点とに基づいて、それぞれ、前記第一骨格線及び前記第二骨格線に沿って、同じ間隔に従ってエアブリッジをずらして配置するステップを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記第一端点と、前記垂線と前記第二骨格線との間の交点に基づいて、それぞれ、前記第一骨格線及び前記第二骨格線に沿って、同じ間隔に従ってエアブリッジをずらして配置するステップは、
前記第一端点の所在する位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、前記第一骨格線に沿って、第一間隔に従ってエアブリッジを順次配置するステップ;及び
前記交点の所在する位置を隣接する2つのエアブリッジの間の中点とし、前記第二骨格線に沿って、前記第一間隔に従ってエアブリッジを順次配置するステップを含む、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、
前記第一端点と、前記垂線と前記第二骨格線との間の交点とに基づいて、それぞれ、前記第一骨格線及び前記第二骨格線に沿って、同じ間隔に従ってエアブリッジをずらして配置するステップは、
前記第一端点から前記第一骨格線に沿って第二間隔の半分だけ偏移して第一配置位置を取得するステップ;
前記第一配置位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、前記第一骨格線に沿って、前記第二間隔に従ってエアブリッジを順次配置するステップ;及び
前記交点の所在する位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、前記第二骨格線に沿って、前記第二間隔に従ってエアブリッジを順次配置するステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
各前記CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各前記CPW線の骨格線のうちから交織線分対を取得するステップは、
トラバースすることで各前記CPW線の骨格線のうちの骨格線対を取得するステップ;及び
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の位置関係が交織条件を満たしたことに応じて、前記骨格線対を前記交織線分対として決定するステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記交織条件は、
前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であり;
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の距離が所定距離区間(interval)にあり;及び
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在する
ことのうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、
トラバースすることで各前記CPW線の骨格線のうちの骨格線対を取得するステップは、
トラバースすることで、各前記CPW線の骨格線のうち、直線線分からなる前記骨格線対を取得するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法であって、
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の位置関係が交織条件を満たしたことに応じて、前記骨格線対を前記交織線分対として決定するするステップの前に、前記方法はさらに、
前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であるかを検出するステップ;
前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であることに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の距離が所定距離区間にあるかを検出するステップ;
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の距離が前記所定距離区間にあることに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在するかを検出するステップ;及び
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在することに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の位置関係が前記交織条件を満たしたと決定するステップを含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在するかを検出するステップは、
前記骨格線対における2つの前記骨格線の4つの端点を順次決定するステップ;
前記4つの端点にそれぞれ対応する対端直線を取得するステップであって、前記対端直線は、前記骨格線対における2つの前記骨格線のうち、前記端点の所在する骨格線以外のもう1つの骨格線が両側へ延伸することで得られる直線である、ステップ;
前記4つの端点からそれぞれの前記対端直線までの垂足を順次取得するステップ;及び
任意の1つの前記垂足が前記骨格線対における前記骨格線上にあることに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在すると決定するステップを含む、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、
前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であるかを検出するステップは、
前記骨格線対における2つの前記骨格線の位置情報に基づいて、前記骨格線対における2つの前記骨格線のそれぞれの傾角を取得するステップ;及び
前記骨格線対における2つの前記骨格線のそれぞれの傾角が同じであり、かつ前記骨格線対における2つの前記骨格線のそれぞれの延長線が交差しないことに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であると決定するステップを含む、方法。
【請求項11】
回路レイアウトにおけるエアブリッジを配置する装置であって、
回路レイアウト内の各CPW(Co-Planar Waveguide)線の位置情報に基づいて、各前記CPW線の骨格線の位置情報を取得するための第二位置取得モジュールであって、前記骨格線は前記CPW線の中心線である、第二位置取得モジュール;
各前記CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各前記CPW線の骨格線のうちから交織線分対を取得するための交織線分対取得モジュールであって、前記交織線分対は互いに交織する2つの前記骨格線を含む、交織線分対取得モジュール;及び
前記回路レイアウトにエアブリッジを配置するためのエアブリッジ配置モジュールであって、前記エアブリッジは前記骨格線に沿って配置され、前記交織線分対における2つの前記骨格線上のエアブリッジは互いにずらして配列される、エアブリッジ配置モジュールを含む、装置。
【請求項12】
処理器、及び前記処理器に接続される記憶器を含むコンピュータ機器であって、
前記記憶器にはコンピュータプログラムが記憶されており、
前記処理器は前記コンピュータプログラムを実行して請求項1乃至10のうちの何れか1項に記載の方法を実現するように構成される、コンピュータ機器。
【請求項13】
コンピュータに、請求項1乃至10のうちの何れか1項に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
複数のCPW(Co-Planar Waveguide)線を含むチップ製品であって、
前記複数のCPW線の骨格線には交織線分対が存在し、前記交織線分対における2つの前記骨格線上のエアブリッジは互いにずらして配列される、チップ製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年10月31日に中国専利局に出願した、出願番号が202211351553.2、発明の名称が「回路レイアウト中のエアブリッジの配置方法、装置、機器、媒体及び製品」である中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
【0002】
本出願の実施例は、チップの技術分野に関し、特に、回路レイアウト内のエアブリッジの配置方法と装置、コンピュータ機器とプログラム及びチップ製品に関する。
【背景技術】
【0003】
超伝導量子チップ内のCPW(Co-Planar Waveguide、共面導波路)の非対称性、不連続性及び弯曲が原因で、回路に寄生モードが生じ、線路(回路)の伝送特性に影響を与え得る。CPWで寄生モードを抑制するために一般的に使用されている方法は、CPWに沿ってエアブリッジを鋪設(配置)することである。
【0004】
関連技術では、CPW線の骨格線に沿ってエアブリッジを配置し得るエアブリッジ配置方法が提供されており、これによって、CPW線の骨格線の座標情報に基づいて、CPW線に沿ってCPW線を跨る一連のエアブリッジを配置することができる。
【0005】
チップ回路のサイズ及びレイアウトスペースの制限により、上述のスキームを採用してエアブリッジを配置するときに、距離が比較的近い(小さい)2つのCPW線上のエアブリッジの間も互いに接近する問題が生じ、後続の回路チップの準備(preparation)用意)時の成功率に影響を及ぼす恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願の実施例は、回路レイアウト内のエアブリッジの配置方法と装置、コンピュータ機器とプログラム及びチップ製品の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願の実施例の1つの側面によれば、回路レイアウト内のエアブリッジの配置方法が提供され、前記方法はコンピュータ機器により実行され、前記方法は、
回路レイアウト内の各CPW(共面導波路)線の位置情報に基づいて、各前記CPW線の骨格線の位置情報を取得し、前記骨格線は前記CPW線の中心線であり;
各前記CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各前記CPW線の骨格線のうちから交織(interweave)線分対(pair)を取得し、前記交織線分対は互いに交織する2つの前記骨格線を含み;及び
前記回路レイアウトにエアブリッジを配置し、そのうち、前記エアブリッジは前記骨格線に沿って配置され、かつ前記交織線分対における2つの前記骨格線上のエアブリッジは互いにずらして配列されることを含む。
【0008】
本出願の実施例の1つの側面によれば、回路レイアウト内のエアブリッジの配置装置が提供され、前記装置は、
回路レイアウト内の各CPW(共面導波路)線の位置情報に基づいて、各前記CPW線の骨格線の位置情報を取得するように構成される第二位置取得モジュールであって、前記骨格線は前記CPW線の中心線である、第二位置取得モジュール;
各前記CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各前記CPW線の骨格線のうちから交織線分対を取得するように構成される交織線分対取得モジュールであって、前記交織線分対は互いに交織する2つの前記骨格線を含む、交織線分対取得モジュール;及び
前記回路レイアウトにエアブリッジを配置するように構成されるエアブリッジ配置モジュールであって、前記エアブリッジは前記骨格線に沿って配置され、かつ前記交織線分対における2つの前記骨格線上のエアブリッジは互いにずらして配列される、エアブリッジ配置モジュールを含む。
【0009】
1つの可能な実現方式において、前記エアブリッジ配置モジュールは、
前記交織線分対における第一骨格線の第一端点を取得し、前記第一端点を通過し、かつ第二骨格線に垂直な垂線は前記第二骨格線と交差し、前記第一骨格線及び前記第二骨格線は前記交織線分対における2つの前記骨格線であり;及び
前記第一端点と、前記垂線と前記第二骨格線との間の交点とに基づいて、それぞれ、前記第一骨格線及び前記第二骨格線に沿って、同じ間隔に従ってエアブリッジをずらして配置するように構成される。
【0010】
1つの可能な実現方式において、前記エアブリッジ配置モジュールは、
前記第一端点の所在する位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、前記第一骨格線に沿って、第一間隔に従ってエアブリッジを順次配置し;及び
前記交点の所在する位置を隣接する2つのエアブリッジの間の中点とし、前記第二骨格線に沿って、前記第一間隔に従ってエアブリッジを順次配置するように構成される。
【0011】
1つの可能な実現方式において、前記エアブリッジ配置モジュールは、
前記第一端点から前記第一骨格線に沿って第二間隔の半分だけ偏移して第一配置位置を取得し;
前記第一配置位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、前記第一骨格線に沿って、前記第二間隔に従ってエアブリッジを順次配置し;及び
前記交点の所在する位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、前記第二骨格線に沿って、前記第二間隔に従ってエアブリッジを順次配置するように構成される。
【0012】
1つの可能な実現方式において、前記交織線分対取得モジュールは、
トラバース(traverse)することで各前記CPW線の骨格線のうちの骨格線対を取得し;及び
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の位置関係が交織条件を満たしたことに応じて、前記骨格線対を前記交織線分対として決定するように構成される。
【0013】
1つの可能な実現方式において、前記交織条件は以下の条件のうちの少なくとも1つを含み、即ち、
前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であり;
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の距離が所定(指定)距離区間(インターバル)にあり;及び
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在する
という条件である。
【0014】
1つの可能な実現方式において、前記交織線分対取得モジュールは、トラバースすることで各前記CPW線の骨格線のうち、直線線分からなる前記骨格線対を取得するように構成される。
【0015】
1つの可能な実現方式において、前記交織線分対取得モジュールは、
前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であるかを検出し;
前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であることに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の距離が前記所定距離区間にあるかを検出し;
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の距離が前記所定距離区間にあることに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在するかを検出し;及び
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に前記交織領域が存在することに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の位置関係が前記交織条件を満たしたと決定するように構成される。
【0016】
1つの可能な実現方式において、前記交織線分対取得モジュールは、
前記骨格線対における2つの前記骨格線の4つの端点を順次決定し;
前記4つの端点にそれぞれ対応する対端直線を取得し、前記対端直線は、前記骨格線対における2つの前記骨格線のうち、前記端点の所在する骨格線以外のもう1つの骨格線が両側へ延伸することで得られる直線であり;
前記4つの端点からそれぞれの前記対端直線までの垂足を順次取得し;及び
何れか1つの前記垂足が前記骨格線対における前記骨格線上にあることに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在すると決定するように構成される。
【0017】
1つの可能な実現方式において、前記交織線分対取得モジュールは、
前記骨格線対における2つの前記骨格線の位置情報に基づいて、前記骨格線対における2つの前記骨格線のそれぞれの傾角を取得し;及び
前記骨格線対における2つの前記骨格線のそれぞれの傾角が同じであり、かつ前記骨格線対における2つの前記骨格線のそれぞれの延長線が交差しないことに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であると決定するように構成される。
【0018】
本出願の実施例の1つの側面によれば、コンピュータ機器が提供され、前記コンピュータ機器は処理器及び記憶器を含み、前記記憶器にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記処理器は前記コンピュータプログラムを実行して上述の方法を実現するように構成される。
【0019】
本出願の実施例の1つの側面によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供され、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは処理器によりロードされ実行されることで上述の方法を実現するように構成される。
【0020】
本出願の実施例の1つの側面によれば、コンピュータプログラムプロダクトが提供され、前記コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムは処理器によりロードされ実行されることで上述の方法を実現するように構成される。
【0021】
本出願の実施例の1つの側面によれば、チッププロダクト(製品)が提供され、前記チッププロダクトは、
各CPW線(即ち、複数のCPW線)を含み、
前記各CPW線の骨格線には交織線分対が存在し、前記交織線分対における2つの前記骨格線上のエアブリッジは互いにずらして配列される。
【発明の効果】
【0022】
本出願の実施例で提供される技術案は、以下のような有利な効果を奏する。
【0023】
CPW線が既に配置されている回路レイアウトについて、回路レイアウトに対応するCPW線の位置情報に基づいて、CPW線の骨格線の位置情報を決定し、そして、CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各骨格線のうちから、アブリッジの配置に影響し得る骨格線からなる交織線分対を決定し、その後に、交織線分対に基づいてエアブリッジの配置を行うことで、交織線分対の交織領域内で、2つの骨格線上のエアブリッジがずらして配列されるようにさせ、また、交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジの間の距離が最大化されるようにさせ、これによって、異なるCPW線上のエアブリッジの間の相互影響を低減し、後続の回路準備時の成功率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本出願の一実施例で提供されるCPW線の弯曲、不連続性及び非対称性を示す図である。
【
図2】本出願に係るエアブリッジのアレンジメント(配置)を示す図である。
【
図3】本出願の一実施例で提供される回路レイアウトのエアブリッジ配置方法のフローチャートである。
【
図4】本出願の一実施例で提供されるCPW線の構成を示す図である。
【
図5】本出願の一実施例で提供されるCPW点セットを示す図である。
【
図6】本出願の別の実施例で提供されるCPW点セットを示す図である。
【
図7】本出願の一実施例で提供されるCPW線の骨格線を示す図である。
【
図8】本出願の一実施例で提供される骨格線に基づくエアブリッジの配置を示す図である。
【
図9】本出願の一実施例で提供されるエアブリッジ配置済みの回路レイアウトの構成を示す図である。
【
図10】本出願の別の実施例で提供される回路レイアウトのエアブリッジ配置方法のフローチャートである。
【
図11】
図10に示す実施例に係る交織線分対を示す図である。
【
図12】
図10に示す実施例に係る交織しない線分を示す図である。
【
図13】
図10に示す実施例に係る交織線分対の判断アルゴリズムを示す図である。
【
図14】
図10に示す実施例に係る交織開始点を示す図である。
【
図15】
図10に示す実施例に係るエアブリッジの配置を示す図である。
【
図16】
図10に示す実施例に係るエアブリッジ配置の対比図である。
【
図17】本出願の一実施例で提供される回路レイアウトのエアブリッジ配置装置のブロック図である。
【
図18】本出願の一実施例で提供されるコンピュータ機器の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本出願の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下、図面と併せて本出願の実施形態について詳細に説明する。
【0026】
本出願の実施例を説明する前に、まず、本出願に係る幾つかの名詞(用語)について紹介する。
【0027】
1.超伝導量子チップ(superconducting quantum chip):超伝導量子コンピュータの中央処理装置である。量子コンピュータは量子力学の原理を用いて計算を行う機器である。量子力学の重ね合わせ原理及び量子もつれに基づいて、量子コンピュータは強力な並列処理能力を有し、古典コンピュータが計算し難しい幾つかの問題を解決することができる。超伝導量子ビットのゼロ抵抗特性及び集積回路に近い製造プロセスにより、超伝導量子ビットを用いて構築された量子コンピューティングシステムは、今のところ、実用的な量子コンピューティングを実現するための最も有望なシステムの1つである。
【0028】
2.共面導波路(CPW):性能に優れ、かつ加工が容易なマイクロ波平面伝送線路であり、マイクロ波信号を伝送するために用いられる。超伝導量子チップには共面導波路技術が大量に使用されている。
【0029】
3.エアブリッジ(air bridge):1種の回路構造であり、3次元ブリッジ構造を以って平面回路を跨り接続することを実現する方式であり、様々なチップに適しており、特にフリップチップや超伝導量子チップなどに適している。ブリッジと回路との間の媒体が空気又は真空であるため、空気ブリッジ又は真空ブリッジと呼ばれ、一般的にエアブリッジとも呼ばれる。
【0030】
4.量子ゲート(quantum gate):古典デジタル回路における論理ゲートに比較すると、量子線路における量子ゲートは量子計算モデルにおける基本単位であり、量子論理ゲートとも称され、量子ビットの操作を行うために使用される。従来の論理ゲートとの相違点は、量子ゲートが通常、行列で表され、かつ可逆であることにある。量子ゲートにはHadamard、Pauli-X、Pauli-Y、Pauli-Z、SWAP、CNOTなどが含まれる。
【0031】
5.自動ルーティング(配線)(automatic routing):ソフトウェアを使用して回路やチップの設計における線路のレイアウトを自動的に完了し、コンポーネント(素子)を規則(ルール)及び要求(要件)に従って接続し、これは大規模や超大規模集積回路の設計に多く用いられ、そのうちの1つの段階であり、通常、レイアウトが完了した後に行われる。
【0032】
6.骨格線:レイアウトにおける或るデバイス自体が2つの同じ幅の平行曲線からなる局部を有する場合に、該局部の中心線は骨格線と呼ばれる。
【0033】
7.交織線分対(interweave pair):本出願では、交織線分対とは2つのCPW線の骨格線からなる線分対を指し、この2つの骨格線に沿って配置されるエアブリッジの間には影響が存在し、例えば、2つの骨格線に分属する2つのエアブリッジの間の距離が近すぎる場合は存在し得る。
【0034】
8.寄生モード(parasitic modes):超伝導量子チップにおけるCPWの非対称性、不連続性及び弯曲が原因で回路に生じるモードであり、寄生モードは線路の伝送特性に影響し得る。
【0035】
9.レイアウト(layout):回路レイアウトとも呼ばれ、回路における素子が如何に設置、配置及び接続されるかを説明する設計図であり、実際の回路の物理的状況の平面幾何学的形状の説明である。レイアウト設計ファイルには、各ハードウェアユニットのチップ上の形状、面積、位置などの情報が含まれる。
【0036】
超伝導量子チップにおけるCPW線の非対称性、不連続性及び弯曲によって回路に寄生モードが生じ、線路の伝送特性に影響を与える恐れがある。
図1は上述の幾つかの場合を示す図である。
図1では、2つの平行な幅付きの黒い線はCPW線に含まれる2つのCPW溝ラインである。CPW線の弯曲とは、CPW線に弯曲が現れ、1つの直線に沿って敷設されていないことを指し、
図1の(a)の部分に示すように、CPW線には弯曲が発生し、CPW線の110の部分はCPW線の120の部分と垂直である。CPW線の不連続性とは、CPW線の末端(エンド)が互いに接続されず、切断されていることを指し、
図1の(b)の部分に示すように、CPW線の130の部分はCPW線の140の部分に接続されていない。CPW線の非対称性とは、CPW線の両側の導体平面が非対称であることを指し、
図1の(c)の部分に示すように、導体平面150は導体平面160と非対称である。CPWにおいて最も一般的に用いられている寄生モードの抑制方法はCPW線に沿ってエアブリッジを配置することである。
【0037】
関連技術には、ユーザ入力の骨格線に沿ってエアブリッジを自動で配置することを実現し得る幾つかのレイアウト設計ツールがある。これらのツールの特徴は、ユーザが与えた座標情報に従ってエアブリッジの配置を完了することである。具体的な操作フローは、ユーザが1つ又は複数の骨格線を入力し、保存された後に、ワンタッチでエアブリッジを生成する機能を使用して骨格線に沿ってエアブリッジを自動的に置くことである。
【0038】
量子処理器におけるビット数の増加に伴い、ビットの読み取り、制御などのための信号線数も増加する。チップサイズ及びレイアウトスペースの制限により、一部の領域に信号線のアレンジメントが比較的に密集している場合が生じる可能性があり、このような領域でのエアブリッジのアレンジメントには特別な注意を払う必要がある。チップ加工の角度から考えると、2つの信号線間の距離が比較的近く、エアブリッジ間の縦方向の距離が比較的小さいときに、光近接効果の影響によって露光失敗のリスクが高まる可能性があり、また、露光完了後にエアブリッジ以外の部分に対してフォトレジストのエッチング及び蒸着金属のエッチングを行う必要があり、通常、ウェットエッチングのプロセスが採用されているが、エアブリッジの密度によって、局所的な領域のエッチング温度及びエッチング液の濃度に影響し得るため、エッチングレート及びブリッジのサイズに影響を与えることがある。
【0039】
エアブリッジをプロット(描画)する過程では、各線分上のエアブリッジは通常、間隔dに従って均等に配置される。2つの平行線の間のエアブリッジの位置関係は、1つの線分の或るエアブリッジの中心を起点としてもう1つの平行線に垂線を引くときの垂足の位置によって決定され得る。
【0040】
図2を参照し、それは本出願に係るエアブリッジのアレンジメントを示す図である。次のように定義し、即ち、垂足と左右のエアブリッジの中心との距離が何れもd/2である場合に、完全千鳥状の形式であり、
図2の(b)の部分に示すとおりであり、そうでない場合に、非完全千鳥状の形式であり、
図2の(a)の部分に示すとおりである。関連技術におけるスキームを採用すると、何も介入せずに各線分を単位としてそれぞれエアブリッジのプロットを行うときに、多くの場合に得られるエアブリッジの位置分布は
図2の(a)に示すようになり(即ち、幾つかの箇所がずらして配列されており、幾つかの箇所がずらして配列されていない。これは非完全千鳥状(不完全なインターウィーブ)とも呼ばれる)。これにより、2つのエアブリッジ間の距離が近すぎる場合が生じ、チップ加工プロセスにおける露光成功率、エッチング速度、ブリッジのサイズなどに影響を及ぼし得るため、回路加工の精度に影響を与えることがある。
【0041】
これに対して、本出願の後述の実施例ではエアブリッジ配置のスキームが提供され、これによって、エアブリッジの配置に影響が存在し得る領域において2つのCPW線の骨格線上のエアブリッジがずらす(インターウィーブな)方式でアレンジメントされるように保証することができるため、異なるCPW線上のエアブリッジの配置の間の相互影響をできるだけ低減することができる。
【0042】
図3を参照し、それは本出願の一実施例で提供される回路レイアウトのエアブリッジ配置方法のフローチャートである。該方法はコンピュータ機器により実行されても良く、該コンピュータ機器は計算と記憶能力を持つ任意の電子機器、例えば、PC(Personal Computer、パソコン)、タブレットコンピュータ、サーバなどであっても良い。例示として、コンピュータ機器では上記の方法を実行するためのコンピュータプログラムが実行されても良く、該コンピュータプログラムによって本実施例で提供される回路レイアウトのエアブリッジ配置方法を実現することができる。
図3に示すように、該方法は以下のステップ320乃至340のうちの少なくとも1つのステップを含む。
【0043】
ステップ320:回路レイアウト内の各CPW(共面導波路)線の位置情報に基づいて、各CPW線の骨格線の位置情報を取得し、骨格線はCPW線の中心線である。
【0044】
幾つかの実施例において、回路レイアウトは回路における素子が如何に配置、設置及び接続されるかを説明するための設計図であり、実際の回路の物理的状況の平面幾何学的形状の説明である。
【0045】
本出願の実施例において、上述の回路レイアウトは量子チップの回路レイアウト、例えば、超伝導量子チップの回路レイアウトであっても良い。超伝導量子チップでは大量の共面導波路技術を用いてマイクロ波信号を伝送する。
【0046】
回路レイアウトのレイアウト設計ファイルは各素子のチップ上の形状、面積、位置などの情報を含んでも良い。自動ルーティングにより、レイアウト設計ファイルに各点の位置を接続する配線情報を追加し、最終的に1つの配線情報付きのレイアウト設計ファイルを生成することができる。このような配線情報にはCPW点セットが含まれても良く、それは回路レイアウトに配置されるCPW線の複数の点の位置情報を定義するために用いられる。
【0047】
媒体基板の1つの面に中心導体帯(ストリップ)を形成し、そして、中心導体帯に隣接する両側に導体平面を形成し、このようにして、CPW線を構成し、それは共面マイクロストリップ伝送線とも称される。
【0048】
図4に示すように、媒体基板410の1つの面上の1つの中心導体帯420及び中心導体帯420の両側の導体平面430はCPW線である。また、中心導体帯420と両側の導体平面430との間の2つの溝440の幅は通常、同じである。加工プロセスによれば、実際のレイアウトでは通常、2つの溝440をプロットしてCPW線を表す。
【0049】
CPW点セットには回路レイアウトに配置されるCPW線を定義するためのn個の点の位置情報が含まれる。CPW線を記述する点の数は使用されるソフトウェアによって決定され、例えば、超伝導量子チップレイアウトに一般的に用いられているファイルフォーマットはGDSII(Graphic Design System II、図形設計システムII)である。このようなソフトウェアでは、(幅付きの)直線線分が通常、4つの端点の座標によって記述され、円弧部分が等間隔にアレンジメントされる一連の点によって記述される。
【0050】
幾つかの実施例において、上述のCPW線のn個の点の位置情報は座標の形式で表すことができる。例えば、回路レイアウトの中心を原点として2次元座標系を構築し、2次元座標(x,y)の形式でCPW線のn個の点の位置情報を表す。
【0051】
幾つかの実施例において、CPW点セットにおける点は幅を持つCPW溝ラインの辺縁(エッジ)に位置する。CPW溝ラインの辺縁とは、幅を持つCPW溝ラインの境界を指す。例示として、
図5に示すように、CPW線は2つの平行なCPW溝ライン520を含み、図中の小さな黒点はCPW点セットにおける点510であり、幅を持つCPW溝ライン520の両側の辺縁に位置する。
【0052】
幾つかの実施例において、CPW点セットにおける点は幅を持つCPW溝ラインの中心線上にある。CPW溝ラインの中心線とは、幅を持つCPW溝ラインの中心を標識するための線(ライン)を指し、CPW溝ラインの両側の辺縁上の任意の1つの点からCPW溝ラインの中心線までの距離は同じである。例示として、
図6に示すように、CPW線は2つの平行なCPW溝ライン620を含み、図中の小さな黒点はCPW点セットにおける点610であり、幅を持つCPW溝ライン620の中心線上に位置する。オプションとして、中心線はCPW溝ラインと互いに平行である。
【0053】
幾つかの実施例において、各CPW線に対応するCPW点セット内の各点の位置情報に基づいて、各CPW線の骨格線の位置情報を決定する。オプションとして、第一CPW溝ライン上の点の位置情報に基づいて、第一CPW溝ラインに対応する第一中心線を決定する。オプションとして、第二CPW溝ライン上の点の位置情報に基づいて、第二CPW溝ラインに対応する第二中心線を決定する。オプションとして、第一CPW溝ライン及び第二CPW溝ラインはCPW線を構成する。オプションとして、第一中心線と第二中心線の中心線をCPW線の骨格線として決定する。幾つかの実施例において、コンピュータ機器が得るCPW点セット内の点は、第一CPW溝ライン上の第一中心線上の点、及び第二CPW溝ライン上の第二中心線上の点を含む。オプションとして、CPW点セットおける点の分布状況に基づいて、2つの平行な直線を決定し、この2つの平行な直線を第一中心線及び第二中心線とし、また、第一中心線と第二中心線の中心線をCPW線の骨格線として決定する。
【0054】
本出願の実施例において、コンピュータ機器はCPW点セットに含まれるn個の点の位置情報に基づいて、CPW線が含む2つの平行なCPW溝ラインの位置を決定し、そして、CPW線の骨格線を決定することができる。
【0055】
2つの平行なCPW溝ラインの中心線とは2つの平行なCPW溝ラインの中心を標識するためのラインを指し、各CPW溝ラインの中心線上の任意の1つの点から2つの平行なCPW溝ラインの中心線までの距離はすべて同じである。例示として、
図7に示すように、CPW線の骨格線710とはCPW線が含む2つの平行なCPW溝ライン720の中心線を指す。
【0056】
ステップ330:各CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各CPW線の骨格線のうちから交織線分対を取得し、交織線分対は互いに交織する2つの骨格線を含む。
【0057】
本出願の実施例において、コンピュータ機器は各CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各CPW線の骨格線に交織線分対が存在するかを検出でき、そのうち、上述の交織線分対とは交織領域を有する2つの骨格線を指し、上述の交織線分対における2つの骨格線に沿ってエアブリッジを配置すると、交織領域内には相互影響が存在する可能性があり、例えば、1つの骨格線上のエアブリッジと、もう1つの骨格線上のエアブリッジとの間の距離が近すぎる可能性がある。
【0058】
幾つかの実施例において、交織線対は交織領域が存在する2つの骨格線を含む。幾つかの実施例において、交織領域は交織線対における2つの骨格線上のエアブリッジの配置に相互影響が存在する領域である。幾つかの実施例において、交織領域とは2つの骨格線が垂直方向においてオーバーラップを有することを指す。オプションとして、2つの骨格線のうちの1つの骨格線の2つの端点についてそれぞれ垂線を引き、2つの垂線がもう1つの骨格線と交差するかを判断し、少なくとも1つの交点が存在する場合に、2つの骨格線が交織領域を有すると判断する。
【0059】
ステップ340:回路レイアウトにエアブリッジを配置し、そのうち、エアブリッジは骨格線に沿って配置され、かつ交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジは互いにずらして配列される。
【0060】
幾つかの実施例において、エアブリッジは骨格線に沿って配置され、かつ交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジは交織領域内で互いにずらして配列される。幾つかの実施例において、回路レイアウトにおけるすべての骨格線上に所定距離ごとにエアブリッジを配置する。オプションとして、1つの骨格線上に複数のエアブリッジが配置される。
【0061】
幾つかの実施例において、CPW線の骨格線を中心線とし、CPW線上にCPW線の両側の導体平面を接続するエアブリッジを配置する。例示として、
図8に示すように、CPW線810の骨格線820に基づいて、回路レイアウト830にエアブリッジ840を配置する。エアブリッジの配置が完了した回路レイアウトは
図9に示すとおりであり、そのうち、910はCPW線、920はエアブリッジである。
【0062】
幾つかの実施例において、CPW線の骨格線に沿って等間隔で回路レイアウトにエアブリッジを配置する。例示として、CPW線の骨格線を中心線とし、同じ距離ごとにCPW線上にエアブリッジを配置する。例えば、CPW線の骨格線を中心線とし、20ミクロンごとにCPW線上にエアブリッジを配置する。
【0063】
本出願の実施例において、交織線分対に基づいて回路レイアウトにエアブリッジを配置するときに、交織領域内のエアブリッジについて、コンピュータ機器はインターウィーブの方式で交織線分対における2つの骨格線上にそれぞれエアブリッジを配置することができる。そのうち、上述のインターウィーブとは完全千鳥状を指しても良い。あるいは、上述のインターウィーブとは、交織線分対における1つの骨格線上のエアブリッジの延長線の、もう1つの骨格線上の垂足から、もう1つの骨格線上の任意のエアブリッジまでの間の距離が1つの距離閾値よりも大きいことを指しても良い。
【0064】
要約すると、本出願の実施例で提供される技術案によれば、CPW線が既に配置されている回路レイアウトについて、回路レイアウトに対応するCPW線の位置情報に基づいて、CPW線の骨格線の位置情報を決定し、そして、CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各骨格線のうちから、アブリッジの配置に影響がある骨格線からなる交織線分対を決定し、その後に、交織線分対に基づいてエアブリッジの配置を行うことで、交織線分対の交織領域内で、2つの骨格線上のエアブリッジがずらして配列されるようにさせ、また、交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジの間の距離が最大化されるようにさせ、これによって、異なるCPW線上のエアブリッジの間の相互影響を低減し、後続の回路準備時の成功率を向上させることができる。
【0065】
図10を参照し、それは本出願の別の実施例で提供される回路レイアウトのエアブリッジ配置方法のフローチャートである。該方法はコンピュータ機器により実行されても良い。該方法は次のようなステップを含み得る。
【0066】
ステップ1020:回路レイアウト内の各CPW(共面導波路)線の位置情報に基づいて、各CPW線の骨格線の位置情報を取得し、骨格線はCPW線の中心線である。
【0067】
そのうち、上述のステップ1020の実行プロセスについてはステップ320における説明を参照でき、ここではその詳しい説明を省略する。
【0068】
ステップ1030:トラバースすることで各CPW線の骨格線のうちの骨格線対を取得する。
【0069】
本出願の実施例において、コンピュータ機器はトラバースすることで各CPW線の骨格線のうちの2つの骨格線を1つの骨格線対として取得することができる。
【0070】
幾つかの実施例において、トラバースすることで各CPW線の骨格線のうちの骨格線対を取得することは、トラバースすることで、各CPW線の骨格線のうち、直線線分からなる骨格線対を得ることを含む。
【0071】
本出願の実施例において、2つのCPW線が平行な直線であり、かつ互いに接近しているときに、両者のエアブリッジは互いに影響する可能性があり、これに対し、本出願の実施例において、コンピュータ機器は直線を成すCPW線についてトラバースして交織線分対を見つけることができる。よって、コンピュータ機器はトラバースすることで各CPW線の骨格線のうちの骨格線対を取得するときに、トラバースすることで直線線分からなる骨格線対を取得することができる。もちろん、各CPW線の骨格線のうち、円弧線分からなる骨格線対が互いに接近したときに、両者のエアブリッジも互いに影響する可能性があり、これに対し、本出願の実施例において、コンピュータ機器は円弧線を成すCPW線についてトラバースして交織線分対を見つけることができる。以下、直線線分からなる骨格線対のエアブリッジの配置のみについて説明し、円弧線分からなる骨格線対のエアブリッジの配置については直線線分からなる骨格線対のエアブリッジの配置を参照でき、ここではその詳しい説明を省略する。
【0072】
1つのチップの回路レイアウトに直線を成すCPW線が大量存在する可能性があり、直線を成す各2つのCPW線の骨格線により1つの骨格線対を構成する場合に、計算量は大き過ぎて計算効率に影響を及ぼすことがある。これに対して、本出願の実施例において、コンピュータ機器はまず、回路レイアウトを少なくとも2つのブロックに分割し、その後に、トラバースすることで、各ブロックの各CPW線のうち、直線線分からなる骨格線対を得ることができる。
【0073】
ステップ1040:骨格線対における2つの骨格線の間の位置関係が交織条件を満足したことに応じて、骨格線対を交織線分対として決定する。
【0074】
そのうち、交織線分対は交織領域が存在する2つの骨格線を含み、交織領域は交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジの配置に相互影響が存在する領域である。
【0075】
幾つかの実施例において、交織条件は以下の条件のうちの少なくとも1つを含み、即ち、
骨格線対における2つの骨格線が平行であり;
骨格線対における2つの骨格線の間の距離が所定距離区間にあり;及び
骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在する
ことである。
【0076】
本出願の実施例において、まず、交織線分対の定義を次のように与え、即ち、平行線の間の距離が或る閾値よりも小さく、かつ線分方向に沿って1つの“交織領域”(オーバーラップ)がある2つの線分であり、
図11に示すとおりであり、それは本出願の実施例に係る交織線分対を示す図である。
【0077】
幾つかの実施例において、上述の対交織線分対の定義は3つの判断基準があり、即ち、
1.線分の所在する直線が平行であり;
2.平行線距離dが所定の最大交織距離dmax以下であり、かつ所定値dmin以上であり;及び
3.“交織ウィンドウ”が存在する
ことである。
【0078】
そのうち、3番目の判断基準、即ち、“交織ウィンドウ”が存在することは具体的に次のように表されても良く、即ち、1つの線分の端点が存在し、該端点からもう1つの線分に基づいて決定される直線へ垂線を引き、垂足が該もう1つの線分の線分上にある。
【0079】
平行交織線分対の定義をより良く説明するために、
図12を参照し、それは本出願の実施例に係る交織しない線分を示す図である。
図12の(a)の部分に示すように、2つの線分が平行でない場合に、“交織”しない。
図12の(b)の部分に示すように、2つの平行線分の間隔が大き過ぎる場合にも、“交織”しない。
図12の(c)の部分に示すように、2つの線分が上記の定義の判断基準のうちの1番目及び2番目の判断基準を満たしているが、2つの線分が完全にずらしており、“交織ウィンドウ”が存在しないので、それらは交織線分対を構成することができない。
【0080】
本出願の実施例で提供される技術案によれば、CPW線の骨格線のうちから交織線分対を得るときに、まず、各CPW線の骨格線のうちの骨格線対をトラバースし、かつ位置関係が交織条件を満足した骨格線対を交織線分対として決定し、CPW線における骨格線に対してトラバースすることで交織線分対を決定するので、決定した交織線分対は比較的充分であり、即ち、交織領域が存在するすべての骨格線を決定でき、これは、その後に交織領域が存在するCPW線について本出願の実施例で提供されるエアブリッジ配置方法によってエアブリッジを配置することに有利であり、エアブリッジ配置の結果をより良くすることができる。
【0081】
もう1つの側面によれば、骨格線対における2つの骨格線が平行であり、骨格線対における2つの骨格線の間の距離が所定距離区間にあり、及び、骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在することに基づいて交織線分対を決定することで、交織線対の決定が正確になるようにさせることができ、これは下流のタスクを行うことに有利である。
【0082】
幾つかの実施例において、骨格線対における2つの骨格線の間の位置関係が交織条件を満足したことに応じて、骨格線対を交織線分対として決定する前に、さらに次のようなステップが含まれ、即ち、
骨格線対における2つの骨格線が平行であるかを検出し;
骨格線対における2つの骨格線が平行であることに応じて、骨格線対における2つの骨格線の間の距離が所定距離区間にあるかを検出し、オプションとして、骨格線対における2つの骨格線が平行でないと検出した場合に、この2つの骨格線が交織条件を満足しないと決定することができ;
骨格線対における2つの骨格線の間の距離が所定距離区間にあることに応じて、骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在するかを検出し、オプションとして、骨格線対における2つの骨格線の間の距離が所定距離区間内にないと検出した場合に、この2つの骨格線が交織条件を満足しないと決定することができ;及び
骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在することに応じて、骨格線対における2つの骨格線の間の位置関係が交織条件を満足したと決定し、オプションとして、骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在しないと検出した場合に、この2つの骨格線が交織条件を満足しないと決定することができる。
【0083】
本出願の実施例において、コンピュータ機器は、平行であるか、距離が所定距離区間にあるか、及び交織領域が存在するかという順に従って、2つの骨格線が交織条件を満足するかを検出することができ、このプロセスでは、何れか1つの条件が満足されないと検出できれば、この2つの骨格線が交織条件を満足しないと決定し、検出を停止することができる。
【0084】
本出願の実施例で提供される技術案によれば、各CPW線の骨格線のうち、直線線分からなる骨格線について、それが交織条件を満足するかを判断するときに比較的容易であり、2つの直線が平行でなければ、交差するため、直線線分対がそれぞれ所在する直線が交差するときに、直線線分からなる骨格線対が交織領域を有しないと見なし、直線線分対がそれぞれ所在する直線が平行であるときに、直線線分からなる骨格線対が交織領域を有する可能性があると見なす。これにより、交織線分対の決定効率の向上に有利である。幾つかの実施例において、骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在するかを検出することは、次のようなステップを含み、即ち、
骨格線対における2つの骨格線の4つの端点を順次決定し;
4つの端点にそれぞれ対応する対端直線を取得し、対端直線は骨格線対における2つの骨格線のうち、端点の所在する骨格線以外のもう1つの骨格線が両側へ延伸することで得られる直線であり;
4つの端点からそれぞれの対端直線までの垂足を順次取得し;及び
任意の1つの垂足が骨格線対における骨格線上に位置することに応じて、骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在すると決定する。
【0085】
他の幾つかの実施例において、任意の1つの垂足が骨格線対における骨格線上に位置しないが、該垂足と、4つの端点のうち距離が最も近い端点との距離が距離閾値よりも小さいことに応じて、骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在すると決定する。つまり、骨格線対が垂直方向でオーバーラップしないが、両者の水平距離が比較的小さい場合に、骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在すると見なす。両者の水平距離が比較的小さい場合に、骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在すると見なすときに、このときは、エアブリッジの配置は、交織線分対に完全に垂直な配置ではなく、交織線分対との夾角が鋭角又は鈍角である配置であると見なすことができ、これによって、エアブリッジの両端が依然として交織線分対の両側に所在するようにさせることができる。
【0086】
本出願の実施例において、骨格線対における2つの骨格線について、コンピュータ機器は2つの骨格線の端点(計4つの端点)を順次決定し、その後に、それぞれ4つの端点のそれぞれに対応する対端直線を決定し、該対端直線は現在の端点の所在する骨格線以外のもう1つの骨格線の所在する直線であり、そのうち、同一の骨格線の2つの端点について、対応する対端直線が同じである。その後に、コンピュータ機器は4つの端点のそれぞれから対応する対端直線までの垂足を順次計算し、計算した垂足がもう1つの骨格線上にある場合に、該骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在すると見なし、そうでない場合に、次の端点に対応する垂足を、骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在すると決定するまで継続して計算し、すべての端点に対応する垂足の計算が完了しており、かつもう1つの骨格線上にある垂足を見つけることができない場合に、現在の骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在しないと見なす。本出願の実施例では、2つの骨格線の間に交織領域が存在するかを判断するときに、垂線を引く方式で両者が垂直方向においてオーバーラップした部分を有するかを判断することによって交織領域が存在するかを判断するので、本出願の実施例は交織領域の判断を根拠有りものにすることができる。さらに、骨格線対における2つの骨格線の間に交織領域が存在すると判定するときに、垂足が線分上にあるかに基づくだけでなく、垂足が線分外にある場合に交織領域が存在する可能性をも与えるため、交織領域判定のロバストネスをより良くすることができる。
【0087】
幾つかの実施例において、骨格線対における2つの骨格線が平行であるかを検出することは、骨格線対における2つの骨格線の位置情報に基づいて、骨格線対における2つの骨格線のそれぞれの傾角を取得することを含み、幾つかの実施例において、骨格線対における骨格線の位置情報には骨格線の傾角情報が含まれる。オプションとして、位置情報には骨格線1の傾角1及び骨格線2の傾角2が含まれ、そのうち、骨格線1及び骨格線2は骨格線対における2つの骨格線である。他の幾つかの実施例において、骨格線が直線線分である場合に、位置情報には少なくとも点1、点2、点3及び点4の座標情報が含まれ、そのうち、点1及び点2は骨格線1上に位置し、点3及び点4は骨格線2上に位置する。オプションとして、点1及び点2にそれぞれ対応する座標情報に基づいて、骨格線1の傾角を決定し、点3及び点4のそれぞれに対応する座標情報に基づいて、骨格線2の傾角を決定する。オプションとして、点1の座標が(a1,b1)、点2の座標情報が(a2,b2)である場合に、骨格線1の傾角は(b2-b1)/(a2-a1)である。オプションとして、点3の座標が(a3,b3)、点4の座標情報が(a4,b4)である場合に、骨格線2の傾角は(b4-b3)/(a4-a3)であり、そのうち、a1はa2に等しくなく、a3はa4に等しくない。
【0088】
骨格線対における2つの骨格線のそれぞれの傾角が同じであり、かつ骨格線対における2つの骨格線のそれぞれの延長線が交差しないことに応じて、骨格線対における2つの骨格線が平行であると決定する。
【0089】
幾つかの実施例において、傾角1が傾角2に等しく、かつ骨格線対における2つの骨格線のそれぞれの延長線が交差しない場合に、骨格線対における2つの骨格線が平行であると決定する。幾つかの実施例において、傾角1が傾角2に等しくない場合に、骨格線対における2つの骨格線が平行でないと決定する。
【0090】
本出願の実施例において、トラバースする骨格線対における骨格線が直線であるため、コンピュータ機器は骨格線上の任意の2つの点の座標に基づいて該骨格線の傾角を算出でき、1つの骨格線対における2つの骨格線の傾角が同じである場合に、現在の骨格線対における2つの骨格線が平行であると見なし、そうでない場合に、現在の骨格線対における2つの骨格線が平行でないと見なす。本出願の実施例では、骨格線対が平行であるかを判断するときに、線分を延長して直線の夾角が同じであるかを判断する方式で、骨格線対が平行であるかについての判定がより正確になるようにさせることができるため、交織線分対を決定する正確さを向上させることができる。
【0091】
図13を参照し、それは本出願の実施例に係る交織線分対の判断アルゴリズムを示す図である。上述の判断基準に基づいて、本出願では
図13に示す交織線分対の判断アルゴリズムが採用される。それぞれ、図中の1301、1302及び1303という3つの判断基準について判断する。何れか1つの判断基準が満足されなければ、2つの線分が交織線分対ではないことをリターンする。3つの判断基準がすべて満足された場合にのみ、2つの線分が交織線分対であることを出力することができる。
図13の左側の拡大図には3番目の判断基準、即ち、“交織ウィンドウ”(交織領域とも言う)の判断の詳しいフローが示されており、即ち、アルゴリズムは2つの直線の4つの端点について順次試し、上述の記述を満たしたものを見つけた場合に、交織ウィンドウが存在すると見なし、具体的なステップは以下のとおりであっても良い。
【0092】
1)2つの骨格線、即ち、L1及びL2を入力する。
【0093】
2)順序有りの端点アレイ(配列)Pを計算し、それぞれ、L1及びL2上の4つの端点であり、即ち、P={L1.p1,L1.p2,L2.p1,L2.p2}である。
【0094】
そのうち、L1.p1はL1の端点1、L1.p2はL1の端点2、L2.p1はL2の端点1、L2.p2はL2の端点2である。
【0095】
3)順序有りの端点アレイPの対端直線アレイ、即ち、QL={l2,l2,l1,l1}を計算する。
【0096】
そのうち、l1はL1の所在する直線、l2はL2の所在する直線である。l2はL1.p1及びL1.p2に対応し、l1はL2.p1及びL2.p2に対応する。
【0097】
4)iが現在選択されているP及びQLにおける要素の順番号とし、i=0と初期化する。
【0098】
そのうち、Pにおける4つの端点の順番号がそれぞれ0、1、2、3であるとし、それ相応に、QLにおける4つの直線の順番号がそれぞれ0、1、2、3であるとする。
【0099】
5)iが4よりも小さいかを判断し、はいの場合に、ステップ6)を実行し、そうでない場合に、結果falseを出力し、それは入力された2つの骨格線が“交織ウィンドウ”を有しないことを表す。
【0100】
6)現在の端点をP[i]、現在の対端直線をQL[i]とする。
【0101】
例えば、i=0を例にとり、P[i]はL1.p1であり、QL[i]はl2である。他はこれに基づいて類推することができる。
【0102】
7)P[i]からQL[i]まで垂線を引いて垂足tmpを取得する。
【0103】
8)tmpが対応する骨格線QL[i]に対応する骨格線上にあるかを判断する。はいの場合に、結果trueを出力し、それは入力された2つの骨格線が“交織ウィンドウ”を有することを表す。そうでない場合に、iの値を1プラスし、ステップ5)に戻る。
【0104】
例えば、i=0を例にとり、QL[i]に対応する骨格線がL2である場合に、tmpがL2内にあるかを判断することができる。はいの場合に、入力された2つの骨格線が1つの交織線分対を成すと確定し、そうでない場合に、ステップ5)に戻る。
【0105】
ステップ1050:回路レイアウトにエアブリッジを配置し、そのうち、エアブリッジは骨格線に沿って配置され、かつ交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジは互いにずらして配列される。
【0106】
幾つかの実施例において、交織線分対に基づいて回路レイアウトにエアブリッジを配置するプロセスは次のようなステップを含んでも良い。
【0107】
S1050a:交織線分対における第一骨格線の第一端点を取得し、前記第一端点を通過し、かつ第二骨格線に垂直な垂線は第二骨格線と交差し、第一骨格線と第二骨格線は交織線分対における2つの骨格線であり;及び
S1050b:第一端点と、垂線と第二骨格線との間の交点とに基づいて、それぞれ、第一骨格線及び第二骨格線に沿って、同じ間隔に従ってエアブリッジをずらして配置する。
【0108】
本出願の実施例で提供される技術案によれば、回路レイアウトにエアブリッジを配置するときに、交織線分対の端点と、端点を通過し、かつ対端直線と交差する交点とに基づいて、エアブリッジを配置することで、エアブリッジの配置が交織線分対を考慮するだけでなく、異なる交織の場合に異なる配置方式を決定するようにさせることもできるため、エアブリッジの配置を比較的柔軟にし、実際の状況により一致させることができ、エアブリッジ配置の効果の向上に有利である。
【0109】
幾つかの実施例において、第一端点と、垂線と第二骨格線との間の交点とに基づいて、それぞれ、第一骨格線及び第二骨格線に沿って、同じ間隔に従ってエアブリッジをずらして配置することは、
第一端点の所在する位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、第一骨格線に沿って、第一間隔に従ってエアブリッジを順次配置し;及び
交点の所在する位置を隣接する2つのエアブリッジの間の中点とし、第二骨格線に沿って、第一間隔に従ってエアブリッジを順次配置することを含む。
【0110】
幾つかの実施例において、第一端点と、垂線と第二骨格線との間の交点とに基づいて、それぞれ、第一骨格線及び第二骨格線に沿って、同じ間隔に従ってエアブリッジをずらして配置することは、
第一端点を起点とし、第一骨格線に沿って第二間隔の半分だけ偏移して第一配置位置を取得し;
第一配置位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、第一骨格線に沿って、第二間隔に従ってエアブリッジを順次配置し;及び
交点の所在する位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、第二骨格線に沿って、第二間隔に従ってエアブリッジを順次配置することを含む。
【0111】
2つの線分が交織線分対であると判断した後に、次のステップは交織線分対上のエアブリッジが完全千鳥状になるように確保することである。主に2つの段階が分けられ、1番目の段階では交織線分対について属性をマークし、2番目の段階ではマークした属性が直線であることに基づいて、エアブリッジを配置する。
【0112】
属性をマークする段階では、本出願のスキームでは2つの概念が定義される。まず、各線分のために1つの交織開始点(interweave start point)の概念を導入する。次に、アルゴリズムはこの対の線分の“主従関係”を判断することができる。2つの線分が交織線分対であることが既知であるため、1つの線分lの1つの端点Aが存在し、該端点Aからもう1つの線分l’まで垂線を引き、垂足A’が線分l’内にある。Aを線分lのinterweave start pointと呼び、A’をl’のinterweave start pointと呼ぶ。
図14を参照し、それは本出願の実施例に係る交織開始点を示す図である。
【0113】
interweave start pointの選択が唯一ではないため、このときに、本出願のスキームではそのうちの1対のinterweave start pointを選ぶことができる。その後に、そのうちの1つの直線が主線(master)とマークされ、もう1つが従線((slave))とマークされる。この時点で、第一段階のマーク処理は完了する。
【0114】
交織線分対について属性のマークを行った後に、主従関係に従って、エアブリッジのプロットを行うことができる。
図15を参照し、それは本出願の実施例に係るエアブリッジの配置を示す図である。
【0115】
図15に示すように、主線について、エアブリッジのプロットはinterweave start pointから始まり、左右の2つの方向に沿って、間隔がdである方式で、エアブリッジを、直線の両端に至るまで配置する。従線について、そのエアブリッジの分布が主線に関して完全千鳥状になるように保証する必要がある。よって、本出願のスキームでは従線のエアブリッジのプロットについて、従線のinterweave start pointから2つの方向に沿ってd/2の長さだけずらし、その後に、dの間隔に従って、エアブリッジを、線分の両端に至るまでプロットすることができる。
【0116】
本出願の実施例で提供される技術案によれば、異なる主従線分関係に基づいて、異なるエアブリッジ配置方法を採用するので、異なるユーザのニーズを満足することに有利であり、エアブリッジ配置の柔軟性を向上させることができる。なお、異なるエアブリッジ配置方法であっても、同様に、何れも、交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジの間の距離を最大化するという考慮に基づいている。特に、エアブリッジの等間隔配置は配置効果を最大化し、配置位置の不均一による回路チップの準備失敗を避けるためである。
【0117】
幾つかの実施例において、交織線分対に基づいて回路レイアウトにエアブリッジを配置するプロセスでは、交織線分対における第五骨格線についてエアブリッジが配置されている場合に、コンピュータ機器は第五骨格線について交織領域内で対応して配置されている1つのエアブリッジの位置を参照位置とし、該参照位置を起点として交織線分対における第六骨格線に対して垂線を引いて該垂線の第六骨格線上の垂足を取得し、該垂線の第六骨格線上の垂足を起点として第六骨格線に沿って第三間隔の半分だけ偏移して第二配置位置を取得し、そして、第二配置位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、第六骨格線に沿って第三間隔に従ってエアブリッジを順次配置する。そのうち、上述の第三間隔は第五骨格線上に既に配置されているエアブリッジの間の間隔と同じである。
【0118】
本出願の実施例において、回路レイアウトには1つの骨格線1と、他の2つの骨格線(骨格線2及び骨格線3)との間に交織領域が同時に存在する可能性があり、このときに、骨格線1はそれぞれ、骨格線2及び骨格線3と交織線分対を成すことができ、上述のスキームによれば、コンピュータ機器は先に、骨格線1及び骨格線2からなる交織線分対に基づいて、骨格線1及び骨格線2に沿ってインターウィーブの方式でエアブリッジを配置し、次に、骨格線1及び骨格線3からなる交織線分対に基づいてエアブリッジを配置するときに、コンピュータ機器が既に骨格線1に沿ってエアブリッジを配置しているため、このときに、コンピュータ機器は骨格線1におけるエアブリッジと完全千鳥状になるように、骨格線3に沿ってエアブリッジを配置しても良い。
【0119】
以下、上述のエアブリッジインターウィーブアルゴリズムのコード実装プロセスプロセスにおけるキーノードを説明する。
【0120】
まず、本出願の実施例に示すスキームではアルゴリズムの入力においてユーザがinterweave_parallel_gapフィールドにより交織線分対の最大距離(上述のdmax)を定義することを許す。ユーザが設定しない場合に、デフォルト値を0に設定でき、即ち、レイアウトにおけるすべての直線骨格線は何れも交織線分対を形成することができない。また、ユーザがinterweave_parallel_exclusionフィールドを設定することで上述のdminを表すことを許可する。そのコードは次のとおりであり、即ち、
Interweave_parallel_gap:150
Interweave_parallel_exclusion:20
である。
【0121】
上述の2行のコードは、上述のdmaxを150、dminを20に設置することを表す。
【0122】
図16を参照し、それは本出願の実施例に係るエアブリッジ配置の対比図である。
図16の左半分から分かるように、本出願のインターウィーブスキームを使用する前に、交織線分対上のエアブリッジの相対位置はランダムである。
図16の右半分から分かるように、本出願のインターウィーブスキームを使用した後に、交織線分対上のエアブリッジはすべて完全千鳥状の状態になっている。
【0123】
要約すると、本出願の実施例で提供される技術案によれば、CPW線が既に配置されている回路レイアウトについて、回路レイアウトに対応するCPW線の位置情報に基づいて、CPW線の骨格線の位置情報を決定し、そして、CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各骨格線のうちから、アブリッジの配置に影響し得る骨格線からなる交織線分対を決定し、その後に、交織線分対に基づいて、エアブリッジの配置を行うことで、交織線分対の交織領域内で、2つの骨格線上のエアブリッジがずらして配列されるようにさせ、また、交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジの間の距離が最大化されるようにさせ、これによって、異なるCPW線上のエアブリッジの間の相互影響を低減し、後続の回路準備時の成功率を向上させることができる。
【0124】
以下、本出願における装置の実施例であり、それは本出願における方法の実施例を実行するために用いられ得る。本出願における装置の実施例に未披露の細部については本出願における方法の実施例を参照することができる。
【0125】
図17を参照し、それは本出願の一実施例で提供される回路レイアウトのエアブリッジ配置装置のブロック図である。該装置は上述の方法の実施例を実現し得る機能を有し、このような機能はハードウェアにより実現されても良く、ハードウェアがその対応するソフトウェアを実行することにより実現されても良い。該装置は上述のコンピュータ機器であっても良く、コンピュータ機器に設けられても良い。
図17に示すように、該装置1700は以下のようなものを含む。
【0126】
第二位置取得モジュール1720:回路レイアウト内の各CPW(共面導波路)線の位置情報に基づいて、各前記CPW線の骨格線の位置情報を取得するために用いられ、前記骨格線は前記CPW線の中心線である。
【0127】
交織線分対取得モジュール1730:各前記CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各前記CPW線の骨格線のうちから交織線分対を取得するために用いられ、前記交織線分対は互いに交織する2つの前記骨格線を含む。
【0128】
エアブリッジ配置モジュール1740:前記回路レイアウトにエアブリッジを配置するために用いられ、そのうち、前記エアブリッジは前記骨格線に沿って配置され、かつ前記交織線分対における2つの前記骨格線上のエアブリッジは互いにずらして配列される。
【0129】
1つの可能な実現方式において、第一位置取得モジュール1710がさらに含まれ、それは回路レイアウト内の各CPW(共面導波路)線の位置情報を得るために用いられる。
【0130】
1つの可能な実現方式において、前記エアブリッジ配置モジュール1740は、前記交織線分対における第一骨格線の第一端点を取得し、そのうち、前記第一端点を通過し、かつ第二骨格線に垂直な垂線は前記第二骨格線と交差し、前記第一骨格線及び前記第二骨格線は前記交織線分対における2つの前記骨格線であり;及び、前記第一端点と、前記垂線と前記第二骨格線との間の交点とに基づいて、それぞれ、前記第一骨格線及び前記第二骨格線に沿って、同じ間隔に従ってエアブリッジをずらして配置するために用いられる。
【0131】
1つの可能な実現方式において、前記エアブリッジ配置モジュール1740は、前記第一端点の所在する位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、前記第一骨格線に沿って、第一間隔に従ってエアブリッジを順次配置し;及び、前記交点の所在する位置を隣接する2つのエアブリッジの間の中点とし、前記第二骨格線に沿って、前記第一間隔に従ってエアブリッジを順次配置するために用いられる。
【0132】
1つの可能な実現方式において、前記エアブリッジ配置モジュール1740は、前記第一端点から前記第一骨格線に沿って第二間隔の半分だけ偏移して第一配置位置を取得し;前記第一配置位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、前記第一骨格線に沿って、前記第二間隔に従ってエアブリッジを順次配置し;及び、前記交点の所在する位置を1つのエアブリッジの配置位置とし、前記第二骨格線に沿って、前記第二間隔に従ってエアブリッジを順次配置するために用いられる。
【0133】
1つの可能な実現方式において、前記交織線分対取得モジュール1730は、トラバースすることで各前記CPW線の骨格線のうちの骨格線対を取得し;及び、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の位置関係が交織条件を満たしたことに応じて、前記骨格線対を前記交織線分対として決定するために用いられる。
【0134】
1つの可能な実現方式において、前記交織条件は以下の条件のうちの少なくとも1つを含み、即ち、
前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であり;
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の距離が所定距離区間にあり;及び
前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在する
という条件である。
【0135】
1つの可能な実現方式において、前記交織線分対取得モジュール1730は、トラバースすることで各前記CPW線の骨格線のうち、直線線分からなる前記骨格線対を取得するために用いられる。
【0136】
1つの可能な実現方式において、前記交織線分対取得モジュール1730は、前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であるかを検出し;前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であることに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の距離が前記所定距離区間にあるかを検出し;前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の距離が前記所定距離区間にあることに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在するかを検出し;及び、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在することに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間の位置関係が前記交織条件を満たしたと決定するために用いられる。
【0137】
1つの可能な実現方式において、前記交織線分対取得モジュール1730は、前記骨格線対における2つの前記骨格線の4つの端点を順次決定し;前記4つの端点にそれぞれ対応する対端直線を取得し、前記対端直線は前記骨格線対における2つの前記骨格線のうち、前記端点の所在する骨格線以外のもう1つの骨格線が両側へ延伸することで得られる直線であり;前記4つの端点からそれぞれの前記対端直線までの垂足を順次取得し;及び、何れか1つの前記垂足が前記骨格線対における前記骨格線上にあることに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線の間に交織領域が存在すると決定するために用いられる。
【0138】
1つの可能な実現方式において、前記交織線分対取得モジュール1730は、前記骨格線対における2つの前記骨格線の位置情報に基づいて、前記骨格線対における2つの前記骨格線のそれぞれの傾角を取得し;及び、前記骨格線対における2つの前記骨格線のそれぞれの傾角が同じであり、かつ前記骨格線対における2つの前記骨格線のそれぞれの延長線が交差しないことに応じて、前記骨格線対における2つの前記骨格線が平行であると決定するために用いられる。
【0139】
要約すると、本出願の実施例で提供される技術案によれば、CPW線が既に配置されている回路レイアウトについて、回路レイアウトに対応するCPW線の位置情報に基づいて、CPW線の骨格線の位置情報を決定し、そして、CPW線の骨格線の位置情報に基づいて、各骨格線のうちから、アブリッジの配置に影響し得る骨格線からなる交織線分対を決定し、その後に、交織線分対に基づいてエアブリッジの配置を行うことで、交織線分対の交織領域内で、2つの骨格線上のエアブリッジがずらして配列されるようにさせ、また、交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジの間の距離が最大化されるようにさせ、これによって、異なるCPW線上のエアブリッジの間の相互影響を低減し、後続の回路準備時の成功率を向上させることができる。
【0140】
図18を参照し、それは本出願の一実施例で提供されるコンピュータ機器の構成ブロック図である。該コンピュータ機器は上述の実施例で提供される回路レイアウトのエアブリッジ配置方法を実行するために用いられる。
【0141】
具体的には、前記コンピュータ機器1800はCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)1801;RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)1802及びROM(Read-Only Memory、リードオンリーメモリ)1803を含むシステム記憶器1804;及び、システム記憶器1804と中央処理装置1801を接続するためのシステムバス1805を含む。前記コンピュータ機器1800はさらに、コンピュータにおける各デバイス間の情報の伝送を助けるための基本I/O(Input/Output、入力/出力)システム1806;及び、オペレーティングシステム1813、アプリケーションプログラム1814及び他のプログラムモジュール1815を記憶するための大容量記憶装置1807を含む。
【0142】
前記基本入力/出力システム1806は情報を表示するための表示器1808;及び、ユーザが情報を入力するための例えば、マウス、キーボードなどの入力装置1809を含む。そのうち、前記表示器1808及び入力装置1809はすべて、システムバス1805に接続される入出力制御器1810を介して中央処理装置1801に接続される。前記基本入力/出力システム1806はさらに、入出力制御器1810を含み、それはキーボード、マウス、電子スタイラスなどの複数の他の装置からの入力を受信及び処理するために用いられる。同様に、入出力制御器1810はさらに、出力を表示スクリーン、プリンター又は他の類型の出力装置に提供するために用いられる。
【0143】
前記大容量記憶装置1807は、システムバス1805に接続される大容量記憶制御器(図示せず)を介して中央処理装置1801に接続される。前記大容量記憶装置1807及びそれに関連付けられるコンピュータ可読媒体は、コンピュータ機器1800に不揮発性記憶を提供するために用いられる。言い換えれば、前記大容量記憶装置1807は例えば、ハードディスク、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory、リードオンリー光ディスク)ドライブなどのようなコンピュータ可読媒体(図示せず)を含んでも良い。
【0144】
一般性を失わずに、前記コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含み得る。コンピュータ記憶媒体は例えば、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、他のデータなどの情報を記憶するための、任意の方法又は技術により実現される揮発性と不揮発性及び可移動と不可移動媒体を含んでも良い。具体的には、コンピュータ記憶媒体はRAM、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、他の固体記憶器、CD-ROM、DVD(Digital Video Disc)、他の光学ストレージ、磁気テープ、磁気ストレージ、他の磁気記憶器などを含み得る。もちろん、当業者が理解できるように、コンピュータ記憶媒体はこれらに限定されない。上述のシステム記憶器1804及び大容量記憶装置1807は記憶器と総称することができる。
【0145】
本出願の各実施例によれば、前記コンピュータ機器1800はさらに、例えば、インターネットなどのネットワークを通じてネットワーク上の遠隔コンピュータに接続して実行することができる。つまり、コンピュータ機器1800は前記システムバス1805に接続されるネットワークインターフェースユニット1811を介してネットワーク1812に接続することができ、あるいは、ネットワークインターフェースユニット1811を用いて他の類型のネットワーク又は遠隔コンピュータシステム(図示せず)に接続することができると言っても良い。
【0146】
例示的な実施例において、チッププロダクト(製品)がさらに提供され、チッププロダクトは各CPW線(即ち、複数のCPW線)を含み、各CPW線の骨格線には交織線分対が存在し、交織線分対は交織領域を有し、交織領域は交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジのアレンジメント(配置)に相互影響がある領域であり、交織線分対における2つの骨格線上のエアブリッジは交織領域内でずらして配列される。
【0147】
そのうち、上述のチッププロダクトの回路レイアウト内のエアブリッジは本出願の上述の回路レイアウトのエアブリッジ配置方法によって配置されても良い。
【0148】
例示的に実施例において、コンピュータ可読記憶媒体がさらに提供され、前記記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは処理器によって実行されるときに上述の回路レイアウトのエアブリッジ配置方法を実現することができる。
【0149】
オプションとして、該コンピュータ可読記憶媒体はROM(Read-Only Memory、リードオンリーメモリ)、RAM(Random-Access Memory、ランダムアクセスメモリ)、SSD(Solid State Drives、固体ハードディスク)、光ディスクなどを含み得る。そのうち、ランダムアクセスメモリにはReRAM(Resistance Random Access Memory)及びDRAM(Dynamic Random Access Memory)が含まれても良い。
【0150】
例示的な実施例において、コンピュータプログラムプロダクトがさらに提供され、該コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータプログラムを含み、該コンピュータプログラムはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されている。コンピュータ機器の処理器はコンピュータ可読記憶媒体のうちから該コンピュータプログラムを読み取り、該コンピュータ命令を実行することで、該コンピュータ機器が上述の回路レイアウトのエアブリッジ配置方法を実行するようにさせることができる。
【0151】
なお、理解できるように、ここで言及されている“複数”とは2つ又は2つ以上を意味する。“及び/又は”は関連対象の関係を説明し、3種類の関係が存在し得ることを表すために用いられ、例えば、A及び/又はBは次のような3種類のケースがあると表すことができ、即ち、Aが単独で存在し、A及びBが同時に存在し、及びBが単独で存在することである。文字“/”は一般に前後の関連対象が“又は”の関係を持つことを表すために用いられる。
【0152】
以上、本出願の好ましい実施例を説明したが、本出願はこの実施例に限定されず、本出願の趣旨を離脱しない限り、本出願に対するあらゆる変更は本出願の技術的範囲に属する。
【国際調査報告】