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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525034
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 CN2022135695
(87)【国際公開番号】W WO2023098768
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202123001229.1
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】金 鉅
(72)【発明者】
【氏名】沙 海建
(72)【発明者】
【氏名】王 傅鋼
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB28
3H062CC02
3H062DD01
3H062EE06
3H062FF39
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
弁座(10)、スピンドル(20)及び第1密封部材(41)を含み、弁座(10)には、軸方向に沿って延在する第1取り付け通路が設けられ、第1取り付け通路内には弁口が設けられ、スピンドル(20)は、第1取り付け通路内に移動可能に取り付けられて弁口を封止又は回避し、第1取り付け通路の壁面とスピンドル(20)の外壁との間には取り付け隙間があり、第1密封部材(41)は、スピンドル(20)に取り付けられ、且つ取り付け隙間内に位置して、第1密封部材(41)によって取り付け隙間を密封する、電子膨張弁である。この電子膨張弁は、従来技術における電子膨張弁の密封性能が低くスピンドルが遊動しやすいという技術課題を解決することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座(10)、スピンドル(20)及び第1密封部材(41)を含み、
前記弁座(10)には、軸方向に沿って延在する第1取り付け通路が設けられ、
前記第1取り付け通路内には、弁口が設けられ、
前記スピンドル(20)は、前記第1取り付け通路内に移動可能に取り付けられて前記弁口の開度を調節し、
前記第1取り付け通路の壁面と前記スピンドル(20)の外壁との間には、取り付け隙間があり、
前記第1密封部材(41)は、前記スピンドル(20)に取り付けられ、且つ前記取り付け隙間内に位置して、前記第1密封部材(41)によって前記取り付け隙間を密封し、
前記第1密封部材(41)と前記第1取り付け通路とは、インターフェアランスフィット構造であり、前記第1密封部材(41)のインターフェアランス量をlとすると、
l>0.3mm
である、電子膨張弁。
【請求項2】
前記第1密封部材(41)は、密封リングであり、
前記密封リングは、前記スピンドル(20)に嵌合される、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記スピンドル(20)の外壁には、取り付け溝が設けられ、
前記密封リングは、前記取り付け溝内に取り付けられ、
前記密封リングの外径は、前記スピンドル(20)の外径よりも大きい、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記第1取り付け通路の壁面と前記スピンドル(20)の外壁との間の間隔をdとすると、
0<d≦0.08mm
である、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記弁座(10)には、径方向に沿って延在する連通通路が更に設けられ、
前記連通通路は、前記第1取り付け通路に連通し、
前記第1密封部材(41)は、前記第1取り付け通路の前記弁口から離れた側に設けられる、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記第1取り付け通路の一端は、第1取り付け口を形成し、
前記第1取り付け通路の他端は、第2取り付け口を形成し、
前記第1取り付け口は、前記第2取り付け口の上方に位置し、
前記第2取り付け口の断面積は、前記第1取り付け口の断面積よりも大きく、
前記スピンドル(20)の横断面積は、前記第1取り付け口の断面積よりも大きく、
前記スピンドル(20)の横断面積は、前記第2取り付け口の断面積よりも小さくされて、前記スピンドル(20)が前記第2取り付け口を介して前記第1取り付け通路内に取り付けられるようにする、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記電子膨張弁は、弁芯(30)を更に含み、
前記弁芯(30)は、前記第1取り付け通路内に取り付けられ、且つ前記弁口を有し、
前記弁芯(30)の内壁又は端面は、密封面(31)を形成し、
前記密封面(31)は、前記スピンドル(20)の外壁面に係合されて密封構造を形成するために用いられる、請求項6に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記弁芯(30)の内壁は、前記密封面(31)を形成し、
前記弁芯(30)は、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、
前記第1端は、前記第2端の前記スピンドル(20)に近い側に設けられ、
前記第1端から前記第2端に向かう延在方向に沿って、前記密封面(31)の流れ面積は、徐々に減少する、請求項7に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記電子膨張弁は、弁芯スリーブ(90)を更に含み、
前記弁芯スリーブ(90)の少なくとも一部は、前記第1取り付け通路内に取り付けられ、
前記弁芯スリーブ(90)は、前記弁芯(30)の前記スピンドル(20)から離れた一端に位置し、
前記弁芯スリーブ(90)の端部は、前記弁芯(30)の端部に当接する、請求項7に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記スピンドル(20)内には、均衡化通路が設けられ、
前記均衡化通路は、弁口に近い第1セグメント及び弁口から離れた第2セグメントを含み、
前記第1セグメントの内径は、前記第2セグメントの内径よりも大きい、請求項1に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202123001229.1であり、出願の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は電子膨張弁の技術分野に関し、具体的には、電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来技術における電子膨張弁は、一般的に弁座及びスピンドルを含み、スピンドルは、弁座内に移動可能に設けられて、スピンドルによって弁口を開閉する。
【0004】
しかしながら、スピンドルの外壁と弁座の外壁との間には一定の隙間があるため、弁座内の一部の流体がスピンドルの外壁と弁座の内壁との間の隙間を介して流れ出て、電子膨張弁の密封性能が低下する。スピンドルと弁座との隙間が大きすぎると、スピンドルが遊動しやすくなり、スピンドルと弁座との隙間が小さすぎると、スピンドルと弁座とが引っ掛かりやすくなる。
【発明の概要】
【0005】
本出願の主な目的は、従来技術における電子膨張弁の密封性能が低くスピンドルが遊動しやすいという技術課題を解決するための電子膨張弁を提供することにある。
【0006】
上記の目的を実現するために、本出願は、弁座、スピンドル及び第1密封部材を含み、弁座には、軸方向に沿って延在する第1取り付け通路が設けられ、第1取り付け通路内には弁口が設けられ、スピンドルは、第1取り付け通路内に移動可能に取り付けられて弁口の開度を調節し、第1取り付け通路の壁面とスピンドルの外壁との間には、取り付け隙間があり、第1密封部材は、スピンドルに取り付けられ、且つ取り付け隙間内に位置して、第1密封部材によって取り付け隙間を密封し、第1密封部材と第1取り付け通路とは、インターフェアランスフィット構造であり、第1密封部材のインターフェアランス量をlとすると、
l>0.3mm
である、電子膨張弁を提供している。
【0007】
更に、第1密封部材は密封リングであり、密封リングはスピンドルに嵌合される。
【0008】
更に、スピンドルの外壁には取り付け溝が設けられ、密封リングは取り付け溝内に取り付けられ、密封リングの外径はスピンドルの外径よりも大きい。
【0009】
更に、第1取り付け通路の壁面とスピンドルの外壁との間の間隔をdとすると、
0<d≦0.08mm
である。
【0010】
更に、弁座には径方向に沿って延在する連通通路が更に設けられ、連通通路は第1取り付け通路に連通し、第1密封部材は第1取り付け通路の弁口から離れた側に設けられる。
【0011】
更に、第1取り付け通路の一端は第1取り付け口を形成し、第1取り付け通路の他端は第2取り付け口を形成し、第1取り付け口は第2取り付け口の上方に位置し、第2取り付け口の断面積は第1取り付け口の断面積よりも大きく、スピンドルの横断面積は第1取り付け口の断面積よりも大きく、スピンドルの横断面積は第2取り付け口の断面積よりも小さくされ、スピンドルが第2取り付け口を介して第1取り付け通路内に取り付けられるようにする。
【0012】
更に、電子膨張弁は弁芯を更に含み、弁芯は、第1取り付け通路内に取り付けられ、且つ弁口を有し、弁芯の内壁又は端面は密封面を形成し、密封面は、スピンドルの外壁面に係合されて密封構造を形成するために用いられる。
【0013】
更に、弁芯の内壁は密封面を形成し、弁芯は、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、第1端は、第2端のスピンドルに近い側に設けられ、第1端から第2端に向かう延在方向に沿って、密封面の流れ面積は徐々に減少する。
【0014】
更に、電子膨張弁は弁芯スリーブを更に含み、弁芯スリーブの少なくとも一部は第1取り付け通路内に取り付けられ、弁芯スリーブは、弁芯のスピンドルから離れた一端に位置し、弁芯スリーブの端部は弁芯の端部に当接する。
【0015】
更に、スピンドル内には均衡化通路が設けられ、均衡化通路は、弁口に近い第1セグメント及び弁口から離れた第2セグメントを含み、第1セグメントの内径は第2セグメントの内径よりも大きい。
【0016】
本出願の技術態様を適用して、スピンドルと弁座との間に第1密封部材を設け、且つ適切なインターフェアランス量で係合することによって、密封要件を満たしてスピンドルの遊動を防止できるだけでなく、スピンドルを軸方向にスムーズに移動可能にして弁口を開閉することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0018】
図1】本出願の実施例によって提供される電動弁の部分構造の構成模式図を示す。
図2図1における部分構造の分解図を示す。
図3】本出願の実施例によって提供されるスクリュ、軸受及びバネスリーブの取り付け構成模式図を示す。
図4】本出願の実施例によって提供される軸受がスクリュに嵌合された構成模式図を示す。
図5図1における構造が取り付けベースに取り付けられた構成模式図を示す。
【0019】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁座、20 スピンドル、30 弁芯、31 密封面、41 第1密封部材、42 第2密封部材、43 第3密封部材、50 バネスリーブ、60 バネ、70 スクリュ、80 軸受、90 弁芯スリーブ、91 本体部、92 位置決め部、100 取り付けベース。
【発明を実施するための形態】
【0020】
説明すべきこととして、矛盾しない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照して、実施例と併せて本出願を詳細に説明する。
【0021】
図1から図5に示すように、本出願の実施例は、弁座10、スピンドル20及び第2密封部材42を含み、弁座10には、軸方向に沿って延在する第1取り付け通路が設けられ、第1取り付け通路内には弁口が設けられる、電子膨張弁を提供している。スピンドル20は、第1取り付け通路内に移動可能に取り付けられて弁口を封止又は回避することによって、弁口の開度を調節する。第1取り付け通路の壁面とスピンドル20の外壁との間には取り付け隙間がある。第1密封部材41は、スピンドル20に取り付けられ、且つ取り付け隙間内に位置して、第1密封部材41によって取り付け隙間を密封する。第1密封部材41と第1取り付け通路とは、インターフェアランスフィット構造であり、第1密封部材41のインターフェアランス量をlとすると、
l>0.3mm
である。
【0022】
本実施例によって提供される電子膨張弁を用いて、スピンドル20に第1密封部材41を取り付け、第1密封部材41が第1取り付け通路の壁面とスピンドル20の外壁との間の取り付け隙間内に位置するようにすることによって、第1密封部材41によって取り付け隙間を効果的に密封することを容易にし、電子膨張弁の作動過程で、流体が取り付け隙間から流れ出ることを回避し、電子膨張弁の密封性能を効果的に確保し、密封効果を向上させることができる。更に、l>0.3mmであることによってスピンドル20の遊動を効果的に防止できる。本実施例における第1密封部材41のインターフェアランス量は、通常の密封部材のインターフェアランス量よりも小さくされ、スピンドル20が第1取り付け通路内をスムーズに移動できることを確保することを容易にし、スピンドル20の遊動を回避する。したがって、本出願によって提供される技術態様によって、従来技術における電子膨張弁の密封性能が低いという技術課題を解決することができる。
【0023】
更に、取り付け隙間内に密封部材が設けられることによって、スピンドル20の遊動を効果的に減少させ、更にはノイズの発生も減少させることができる。
【0024】
具体的には、本実施例における第1密封部材41は密封リングであり、密封リングはスピンドル20に嵌合される。このような構成配置を採用すると、構造が簡単になり、密封を効果的に行うことが容易になり、密封効果が効果的に確保される。
【0025】
本実施例におけるスピンドル20の外壁には取り付け溝が設けられ、密封リングは取り付け溝内に取り付けられ、密封リングの外径はスピンドル20の外径よりも大きい。このような構成配置を採用すると、密封リングが第1取り付け通路にインターフェアランスフィットすることが容易にできて、密封性能を確保できるだけでなく、スピンドル20の遊動を回避することもできる。
【0026】
本実施例では、第1取り付け通路の壁面とスピンドル20の外壁との間の間隔をdとすると、
0<d≦0.08mm
である。このような構成配置を採用すると、スピンドル20が軸方向に移動する際に引っ掛かりにくくすることができるだけでなく、弁口の密封に対して一定のガイドスペースを設けることも容易になる。
【0027】
本実施例では、弁座10には、径方向に沿って延在する連通通路が更に設けられ、連通通路は第1取り付け通路に連通し、第1密封部材41は、第1取り付け通路の弁口から離れた側に設けられる。このような構成配置を採用すると、効果的に密封することを容易にし、密封性能を向上させることができる。
【0028】
具体的には、本実施例における第1取り付け通路の一端は第1取り付け口を形成し、第1取り付け通路の他端は第2取り付け口を形成し、第1取り付け口は第2取り付け口の上方に位置し、第2取り付け口の断面積は第1取り付け口の断面積よりも大きく、スピンドル20の横断面積は第1取り付け口の断面積よりも大きく、スピンドル20の横断面積は第2取り付け口の断面積よりも小さくされ、スピンドル20は第2取り付け口を介して第1取り付け通路内に取り付けられるようにする。このような構成配置を採用すると、取り付けの際に、スピンドル20が第2取り付け口から取り付けられるため、取り付け操作が容易になる。
【0029】
本実施例では、電子膨張弁は弁芯30を更に含み、弁芯30は、第1取り付け通路内に取り付けられ、且つ弁口を有し、弁芯30の内壁又は端面(ここでの端面は、上端面、又は下端面、又は上端面及び下端面を指してもよい)は密封面31を形成し、密封面31は、スピンドル20の外壁面に係合されて密封構造を形成するために用いられる。このような構成配置を採用すると、弁口において効果的に密封することを容易にし、密封性能を向上させることができる。
【0030】
具体的には、弁芯30の内壁は密封面31を形成し、弁芯30は、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、第1端は、第2端のスピンドル20に近い側に設けられ、第1端から第2端に向かう延在方向に沿って、密封面31の流れ面積は徐々に減少する。このような構成配置を採用すると、スピンドル20と弁芯30との密封性能を容易に向上させて、弁芯30とスピンドル20との間のリークを低減させることができる。
【0031】
本実施例では、弁芯30は管状構造であり、弁芯30の外形は、弁芯30が第2取り付け口を介して第1取り付け通路内に取り付けられるように、第2取り付け口の形状にフィットする。このような構成配置を採用すると、取り付けの際に、スピンドル20を第2取り付け口から取り付けてから、弁芯30を第2取り付け口から取り付けるため、弁芯30は大径構造としてもよく、更には弁口を大径としてもよいため、大流量の流れを実現することが容易になる。
【0032】
具体的には、電子膨張弁は弁芯スリーブ90を更に含み、弁芯スリーブ90の少なくとも一部は第1取り付け通路内に取り付けられ、弁芯スリーブ90は、弁芯30のスピンドル20から離れた一端に位置し、弁芯スリーブ90の端部は弁芯30の端部に当接する。このような構成配置を採用すると、弁芯スリーブ90を設けることによって、弁芯30を効果的に位置決めして、弁芯30の設置安定性を向上させることができる。なお、一体式の弁座10の構造を分離式構造に変えることも容易になり、取り付け操作が容易になる。
【0033】
本実施例では、スピンドル20内には、スピンドル20の両端の圧力を均衡化するための均衡化通路が設けられる。具体的には、均衡化通路は、弁口に近い第1セグメント及び弁口から離れた第2セグメントを含み、第1セグメントの内径は第2セグメントの内径より大きい。このような構成配置を採用すると、均衡化通路を異なる口径にマッチングさせることを容易にすることができる。
【0034】
本実施例における弁座10は環状構造であってもよく、電子膨張弁は、バネスリーブ50、バネ60、スクリュ70及び軸受80を更に含み、バネスリーブ50の一端はスピンドル20の端部に嵌合され、バネ60はバネスリーブ50内に取り付けられ、スクリュ70はバネスリーブ50の他端に設けられ、軸受80は、スクリュ70に嵌合され、且つスクリュ70とバネスリーブ50との間に位置する。このような構成配置を採用すると、スクリュ70とバネスリーブ50との間に軸受80が設けられ、弁芯30とスピンドル20とはソフト密封構造(弁芯30がプラスチック材料からなることによって、ソフト密封構造を容易に形成できる)であるため、弁芯30とスピンドル20との摩擦力が弁芯30と弁座10との摩擦力よりも小さくなり、ソフト密封弁口が摩耗する問題が回避される。
【0035】
具体的には、本実施例における電子膨張弁は、スピンドル20を駆動して軸方向に移動させて弁口を開閉するための駆動アセンブリを更に含む。駆動アセンブリは、ロータアセンブリ及びナットアセンブリを含み、ロータアセンブリはナットアセンブリの外側に嵌合され、スクリュ70のスピンドル20から離れた一端はロータアセンブリに固定接続され、ロータアセンブリは、スクリュ70によってスピンドル20を動かして軸方向に移動させて弁口の開度を調節する。ナットアセンブリ内には、スピンドル20に螺合された雌ねじが設けられ、ナットアセンブリは、接続部材によって弁座10に固定接続される。
【0036】
具体的には、本実施例における弁芯スリーブ90は、本体部91及び位置決め部92を含み、本体部91の少なくとも一部は第2取り付け口に挿通され、本体部91の端部は弁芯30の端部に当接する。位置決め部92は、本体部91の外壁から突出して設けられて、弁座10の端部に当接して位置決めを行うために用いられる。このような構成配置を採用すると、弁芯30に対してより良く位置決め操作を行うことを容易にし、弁芯30の設置安定性を向上させることができる。
【0037】
好ましくは、生産及び製造を容易にするために、本実施例における本体部91と位置決め部92とは一体成形構造とされる。
【0038】
本実施例では、位置決め部92と弁座10の端部とは溶接によって接続されて、弁芯30の位置決め安定性を更に向上させ、弁芯スリーブ90の設置安定性も向上させる。
【0039】
具体的には、本実施例における電動弁は、第2取り付け通路を有する取り付けベース100を更に含み、弁座10、弁芯30及び弁芯スリーブ90は、いずれも第2取り付け通路内に取り付けられている。ここで、取り付けベース100と弁座10との間には第2密封部材42が設けられてもよい。あるいは、取り付けベース100と弁芯スリーブ90との間には第3密封部材43が設けられてもよい。あるいは、取り付けベース100と弁座10との間には第2密封部材42が設けられ、取り付けベース100と弁芯スリーブ90との間には第3密封部材43が設けられてもよい。
【0040】
好ましくは、本実施例では、取り付けベース100と弁座10との間には第2密封部材42が設けられ、取り付けベース100と弁芯スリーブ90との間には第3密封部材43が設けられる。このような構成配置を採用すると、電動弁の密封性能をより良く向上させることを容易にすることができる。
【0041】
本実施例では、取り付けベース100は、弁体又は取り付け台であり、具体的な取り付けは、実際の使用に応じて決定することができる。
【0042】
以上の説明から、上記の実施例は、密封性能を向上させ、スピンドル20の遊動を防止するという技術効果を実現することが分かる。
【0043】
ここで用いられる用語は、具体的な実施形態を説明するためのものにすぎず、本出願による例示的な実施形態を限定することを意図するものではないことに注意すべきである。ここで用いられるように、文脈上明確な指摘がなされていない限り、単数形式は複数形式を含むことも意図し、更に、本明細書において、「包含する」及び/又は「含む」という用語が用いられる場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせが存在することを意味することも理解されるべきである。
【0044】
特に具体的に説明しない限り、これらの実施例に記載された部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本出願の範囲を限定するものではない。同時に、説明の便宜上、図面に示す各部分の寸法は実際の比率関係で描かれたものではないことは理解されるべきである。当業者に既に知られている技術、方法及び機器については詳細な説明を省略する場合があるが、必要に応じて、この技術、方法及び機器は、承認された明細書の一部としてみなされるべきである。ここで示し、且つ説明した全ての例では、いずれの具体的な値も例示的なものにすぎず、限定するためのものではないと解釈すべきである。したがって、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有してもよい。類似した符号及び文字は、以下の図面において類似したものを表すため、あるものが1つの図面において定義されると、その後の図面においては、それについて更に説明する必要がないことに注意すべきである。
【0045】
本出願の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂、底」等のような方位用語で表される方位又は位置関係は、一般的に、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであるが、本出願の説明を容易にし、且つ簡潔にするためのものにすぎず、逆の説明がない場合、これらの方位用語は、示された装置又は素子が必ずしも特定の方位を有するか、あるいは、特定の方位で構成し操作されることを示し且つ暗示するものではないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではなく、「内、外」という方位用語は、各部材自体の輪郭に対する内、外である。
【0046】
説明の便宜上、ここでは「…の上に」、「…の上方に」、「…の上面に」、「上の」等のような空間相対用語を用いて、図に示すような1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明することができる。空間相対用語は、デバイスの図に記載された方位以外の、使用又は操作中の異なる方位を包含することを意図するものであることは理解されるべきである。例えば、図面中のデバイスの上下が逆さまになると、「他のデバイス又は構造の上方に」又は「他のデバイス又は構造の上に」と説明されたデバイスは、その後「他のデバイス又は構造の下方に」又は「他のデバイス又は構造の下に」と位置付けられることになる。よって、例示的な用語「…の上方に」は、「…の上方に」及び「…の下方に」の2つの方位を含むことができる。このデバイスは、他の異なる方法で位置付けし(90度回転又は他の方位に位置させ)、且つここで用いられる空間の相対的な説明について対応する解釈を行うこともできる。
【0047】
更に、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定することは、対応する部品を区別するためのものにすぎず、特に説明がない限り、上記用語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0048】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】