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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20241128BHJP
   F16K 27/02 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
F16K27/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525035
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 CN2022135694
(87)【国際公開番号】W WO2023098767
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202123009820.1
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】金 鉅
(72)【発明者】
【氏名】沙 海建
(72)【発明者】
【氏名】王 傅鋼
【テーマコード(参考)】
3H051
3H062
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB02
3H051CC11
3H051FF08
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB31
3H062CC02
3H062DD01
3H062EE06
3H062FF38
3H062GG04
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
弁座(10)と、弁座に溶接固定されて溶接構造を形成する弁芯スリーブ(90)と、第2取り付け通路を有し、弁座及び弁芯スリーブのいずれも第2取り付け通路内に取り付けられる取り付けベース(100)と、を含む電子膨張弁であって、弁座又は弁芯スリーブの外壁に溶接構造を回避する回避空間が設けられているか、又は、取り付けベースの内壁に溶接構造を回避する回避空間が設けられている、電子膨張弁である。この電子膨張弁は、従来技術における弁座を取り付けベースに取り付けにくいという技術課題を解決することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座(10)と、前記弁座(10)に溶接固定されて溶接構造を形成する弁芯スリーブ(90)と、第2取り付け通路を有し、前記弁座(10)及び前記弁芯スリーブ(90)のいずれも前記第2取り付け通路内に取り付けられる取り付けベース(100)と、を備える電子膨張弁であって、
前記弁座(10)又は前記弁芯スリーブ(90)の外壁に前記溶接構造を回避する回避空間が設けられているか、又は、
前記取り付けベース(100)の内壁に前記溶接構造を回避する回避空間が設けられている、電子膨張弁。
【請求項2】
前記弁座(10)又は前記弁芯スリーブ(90)の端部に逃げ切欠き(11)が設けられており、前記逃げ切欠き(11)により前記回避空間が形成され、前記弁芯スリーブ(90)と前記弁座(10)とが前記逃げ切欠き(11)において溶接される、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記溶接構造は、溶接リング構造であり、
前記弁芯スリーブ(90)と前記弁座(10)とが、前記逃げ切欠き(11)において溶接されて溶接リング構造を形成し、
前記溶接リング構造の外径がdであり、前記弁座(10)の外径がdであり、前記弁芯スリーブ(90)の外径がdであり、
≦d 及び/又は d≦d
である、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記溶接構造は、溶接リング構造であり、
前記弁芯スリーブ(90)が、前記弁座(10)の端部に溶接されて溶接リング構造を形成し、
前記取り付けベース(100)に回避凹部が設けられており、前記回避凹部により前記溶接リング構造を回避するために、前記回避凹部は前記溶接リング構造と対向して設けられる、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記溶接リング構造の外径がdであり、前記弁座(10)の外径がdであり、
>d
である、請求項4に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記弁座(10)は、第1取り付け通路を有し、
前記電子膨張弁は、
前記第1取り付け通路内に可動的に設けられたスピンドル(20)と、
前記弁座(10)の一端に設けられ、前記スピンドル(20)に伝動接続されて前記スピンドル(20)を駆動して移動させる駆動アセンブリと、
を更に含む、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記弁芯スリーブ(90)は、前記弁座(10)の前記駆動アセンブリから離れた一端に取り付けられる、請求項6に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記電子膨張弁は、弁芯(30)を更に含み、
前記弁芯(30)は、前記第1取り付け通路内に取り付けられ、前記スピンドル(20)により開閉される弁口を有し、
前記弁芯スリーブ(90)は、互いに接続された本体部(91)と位置決め部(92)とを含み、
前記本体部(91)の少なくとも一部が、第1取り付け通路内に挿通され、
前記本体部(91)の端部が、前記弁芯(30)の端部に当接され、
前記位置決め部(92)は、前記本体部(91)の外壁から突出して設けられ、前記弁座(10)の端部に当接されて位置決めされるために用いられ、前記弁座(10)の端部に溶接により固定されて溶接構造を形成する、請求項6に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記第1取り付け通路の一端に第1取り付け口が形成され、
前記第1取り付け通路の他端に第2取り付け口が形成され、
前記第1取り付け口は、前記第2取り付け口の上方に位置し、
前記第2取り付け口の断面積は、前記第1取り付け口の断面積より大きく、
前記弁芯スリーブ(90)は、前記第2取り付け口に取り付けられ、
前記スピンドル(20)の横断面積は、前記スピンドル(20)が第2取り付け口を介して第1取り付け通路内に取り付けられるように、第1取り付け口の断面積より大きく、第2取り付け口の断面積より小さい、請求項6に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記電子膨張弁は、弁芯(30)を更に含み、
前記弁芯(30)は、前記第1取り付け通路内に取り付けられ、前記スピンドル(20)により開閉される弁口を有し、前記スピンドル(20)より硬度が低い材料で作製され、
前記弁芯(30)の内壁又は端面に、密封面(31)が形成され、
前記密封面(31)が、前記スピンドル(20)の外壁面に係合されてソフト密封構造を形成する、請求項6に記載の電子膨張弁。
【請求項11】
前記弁芯(30)の内壁に、前記密封面(31)が形成され、
前記弁芯(30)は、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、
前記第1端は、前記第2端の前記スピンドル(20)に近接した側に設けられ、
前記第1端から前記第2端への延在方向に沿って、前記密封面(31)の流れ面積が徐々に減少する、請求項10に記載の電子膨張弁。
【請求項12】
一端が前記スピンドル(20)の端部に嵌合されたバネスリーブ(50)及び前記バネスリーブ(50)内に取り付けられたバネ(60)と、
前記バネスリーブ(50)の他端に設けられたスクリュ(70)と、
前記スクリュ(70)に嵌合され、前記スクリュ(70)と前記バネスリーブ(50)との間に位置する軸受(80)と、
を更に含む、請求項6から11の何れか一項に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202123009820.1であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は電子膨張弁の技術分野に関し、具体的には、電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来技術における電子膨張弁は、弁座、弁芯、及び弁座内に可動的に設けられたスピンドルを含む。弁芯の一端が弁座内に挿通され、他端が弁座から突出して設けられ、弁芯には、スピンドルにより封止又は回避される弁口が設けられている。電子膨張弁は、弁座及び弁芯スリーブを更に含み、弁芯の配置安定性を向上させるために、通常、弁座と弁芯スリーブとを溶接して溶接構造を形成する。
【0004】
しかしながら、弁座を取り付けベースに取り付ける際に溶接構造が障害となることが多く、弁座を取り付けベースにスムーズに取り付けることに不利である。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、従来技術における弁座を取り付けベースに取り付けにくいという技術課題を解決するための電子膨張弁を提供することを主な目的とする。
【0006】
上記の目的を実現するために、本出願は、弁座と、弁座に溶接固定されて溶接構造を形成する弁芯スリーブと、第2取り付け通路を有し、弁座及び弁芯スリーブのいずれも第2取り付け通路内に取り付けられる取り付けベースと、を含む電子膨張弁であって、弁座又は弁芯スリーブの外壁に溶接構造を回避する回避空間が設けられており、あるいは、取り付けベースの内壁に溶接構造を回避する回避空間が設けられている、電子膨張弁を提供する。
【0007】
更に、弁座又は弁芯スリーブの端部に逃げ切欠きが設けられており、逃げ切欠きにより回避空間が形成され、弁芯スリーブと弁座とが逃げ切欠きにおいて溶接される。
【0008】
更に、溶接構造は溶接リング構造であり、弁芯スリーブと弁座とが逃げ切欠きにおいて溶接されて溶接リング構造を形成し、溶接リング構造の外径がdであり、弁座の外径がdであり、弁芯スリーブの外径がdであり、
≦d 及び/又は d≦d
である。
【0009】
更に、溶接構造は溶接リング構造であり、弁芯スリーブが弁座の端部に溶接されて溶接リング構造を形成し、取り付けベースに回避凹部が設けられており、回避凹部により溶接リング構造を回避するために、回避凹部は溶接リング構造と対向して設けられる。
【0010】
更に、溶接リング構造の外径がdであり、弁座の外径がdであり、
>d
である。
【0011】
更に、弁座は第1取り付け通路を有し、電子膨張弁は、第1取り付け通路内に可動的に設けられたスピンドルと、弁座の一端に設けられ、スピンドルに伝動接続されてスピンドルを駆動して移動させる駆動アセンブリと、を更に含む。
【0012】
更に、弁芯スリーブは、弁座の駆動アセンブリから離れた一端に取り付けられる。
【0013】
更に、電子膨張弁は、弁芯を更に含み、弁芯は、第1取り付け通路内に取り付けられ、スピンドルにより開閉される弁口を有し、弁芯スリーブは、互いに接続された本体部と位置決め部とを含み、本体部の少なくとも一部が第1取り付け通路内に挿通され、本体部の端部が弁芯の端部に当接され、位置決め部は、本体部の外壁から突出して設けられ、弁座の端部に当接されて位置決めされるために用いられ、弁座の端部に溶接により固定されて溶接構造を形成する。
【0014】
更に、第1取り付け通路の一端に第1取り付け口が形成され、第1取り付け通路の他端に第2取り付け口が形成され、第1取り付け口は第2取り付け口の上方に位置し、第2取り付け口の断面積は第1取り付け口の断面積より大きく、弁芯スリーブは第2取り付け口に取り付けられ、スピンドルの横断面積は、スピンドルが第2取り付け口を介して第1取り付け通路内に取り付けられるように、第1取り付け口の断面積より大きく、第2取り付け口の断面積より小さい。
【0015】
更に、電子膨張弁は、弁芯を更に含み、弁芯は、第1取り付け通路内に取り付けられ、スピンドルにより開閉される弁口を有し、スピンドルより硬度が低い材料で作製され、弁芯の内壁又は端面に密封面が形成され、密封面がスピンドルの外壁面に係合されてソフト密封構造を形成する。
【0016】
更に、弁芯の内壁に密封面が形成され、弁芯は対向して設けられた第1端及び第2端を有し、第1端は第2端のスピンドルに近接した側に設けられ、第1端から第2端への延在方向に沿って、密封面の流れ面積が徐々に減少する。
【0017】
更に、電子膨張弁は、一端がスピンドルの端部に嵌合されたバネスリーブ及びバネスリーブ内に取り付けられたバネと、バネスリーブの他端に設けられたスクリュと、スクリュに嵌合され、スクリュとバネスリーブとの間に位置する軸受と、を更に含む。
【0018】
本出願の技術態様を適用すると、弁芯を第1取り付け通路内に取り付け、弁芯スリーブの位置決め部により弁芯に当接されて位置決めされ、弁芯を第1取り付け通路内に安定的に位置決めすることが容易になる。更に、弁芯スリーブの位置決め部は弁座の端部に当接されて位置決めされ、且つ溶接により固定されるため、弁芯スリーブを弁座に安定的に固定することができ、弁芯スリーブの位置の安定性も確保し、更に、弁芯の取り付けの安定性をより良好に確保する。弁座又は弁芯スリーブの外壁に溶接構造を回避する回避空間を設け、又は、取り付けベースの内壁に溶接構造を回避する回避空間を設けることにより、回避空間によって溶接構造を回避し、溶接構造の突起によって弁座を取り付けベースに取り付けにくくなることを回避することが容易になり、弁座を取り付けベースにスムーズに取り付けることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0020】
図1】本出願の実施例により提供される電動弁の部分構造の構造模式図を示す。
図2図1における部分構造の分解図を示す。
図3】本出願の実施例により提供されるスクリュ、軸受及びバネスリーブの取り付けの構造模式図を示す。
図4】本出願の実施例により提供される軸受がスクリュに嵌合された構造模式図を示す。
図5図1における構造が取り付けベースに取り付けられた構造模式図を示す。
【0021】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁座、11 逃げ切欠き、20 スピンドル、30 弁芯、31 密封面、41 第1密封部材、42 第2密封部材、43 第3密封部材、50 バネスリーブ、60 バネ、70 スクリュ、80 軸受、90 弁芯スリーブ、91 本体部、92 位置決め部、100 取り付けベース。
【発明を実施するための形態】
【0022】
説明すべきこととして、矛盾しない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照して、実施例と併せて本出願を詳細に説明する。
【0023】
図1から図5に示すように、本出願の実施例で提供される電子膨弁は、弁座10、スピンドル20、駆動アセンブリ、弁芯スリーブ90及び取り付けベース100を含み、弁座10は第1取り付け通路を有し、スピンドル20は第1取り付け通路内に可動的に設けられ、駆動アセンブリは、弁座10の一端に設けられ、スピンドル20に伝動接続されてスピンドル20を駆動して移動させ、弁芯スリーブ90は弁座10の駆動アセンブリから離れた一端に取り付けられ、弁芯スリーブ90は弁座10に溶接固定されて溶接構造を形成する。取り付けベース100は第2取り付け通路を有し、弁座10及び弁芯スリーブ90のいずれも第2取り付け通路内に取り付けられ、ここで、弁座10又は弁芯スリーブ90の外壁に溶接構造を回避する回避空間が設けられており、あるいは、取り付けベース100の内壁に溶接構造を回避する回避空間が設けられている。
【0024】
本実施例で提供される電子膨張弁を採用すると、弁芯30を第1取り付け通路内に取り付け、弁芯スリーブ90の位置決め部92により弁芯30に当接されて位置決めされ、弁芯30を第1取り付け通路内に安定的に位置決めすることが容易になる。また、弁芯スリーブ90の位置決め部92は弁座10の端部に当接されて位置決めされ、且つ溶接により固定されるため、弁芯スリーブ90を弁座10に安定的に固定することができ、弁芯スリーブ90の位置の安定性も確保し、更に、弁芯30の取り付けの安定性をより良好に確保する。また、弁座10又は弁芯スリーブ90の外壁に溶接構造を回避する回避空間が設けられており、又は取り付けベース100の内壁に溶接構造を回避する回避空間が設けられているため、回避空間によって溶接構造を回避し、溶接構造の突起によって弁座10を取り付けベース100に取り付けにくくなることを回避することが容易になり、弁座10を取り付けベース100にスムーズに取り付けることが容易になる。従って、本実施例で提供される技術態様によって、従来技術における弁座10を取り付けベース100に取り付けにくい技術課題を解決することができる。
【0025】
具体的には、本実施例における弁座10又は弁芯スリーブ90の端部に逃げ切欠き11が設けられており、逃げ切欠き11により回避空間が形成され、弁芯スリーブ90と弁座10とが逃げ切欠き11において溶接される。このような構成配置を採用すると、位置決め部92と弁座10とにより形成された溶接構造から発生した溶接スラグを突出させて弁座10の取り付けに影響を与えることが容易になる。具体的には、本実施例において、レーザ溶接を採用して弁座10と位置決め部92とが自己溶融して接続されるようにするため、溶接スラグが発生するが、逃げ切欠き11は溶接スラグが突出して取り付けに影響を与えることを回避することができる。
【0026】
本実施例において、溶接構造は溶接リング構造であり、弁芯スリーブ90と弁座10とが逃げ切欠き11において溶接されて溶接リング構造を形成し、溶接リング構造の外径がdであり、弁座10の外径がdであり、弁芯スリーブ90の外径がdであり、
≦d 及び/又は d≦d
である。好ましくは、
≦d 且つ d≦d
であるようにすると、この部位の溶接構造が突出して、弁座10が取り付けベース100又は弁体に取り付けられることを防止し、取り付けの信頼性を確保する。
【0027】
他の実施形態において、位置決め部92は弁座10の端部に溶接されて溶接リング構造を形成し、即ち、溶接構造はリンクリング構造である。電子膨張弁は、第2取り付け通路を有し、弁座10、弁芯30及び弁芯スリーブ90のいずれも第2取り付け通路内に取り付けられる取り付けベース100を更に含む。取り付けベース100に回避凹部が設けられており、回避凹部により溶接リング構造を回避するために、回避凹部は溶接リング構造と対向して設けられる。このような構成配置を採用すると、溶接により発生した溶接スラグが突出して弁座10の取り付け状況に影響を与えることを効果的に回避することができ、取り付けの信頼性を確保する。
【0028】
本実施例において、溶接リング構造の外径がdであり、弁座10の外径がdであり、
>d
である。このような構造設計を採用すると、回避凹部が溶接リング構造を効果的に回避しやすくして、取り付けをスムーズに行うことが容易になる。
【0029】
電子膨張弁は、弁芯30を更に含み、弁芯30は、第1取り付け通路内に取り付けられ、スピンドル20により開閉される弁口を有する。弁芯スリーブ90は、弁芯30のスピンドル20から離れた一端に取り付けられ、弁芯スリーブ90は、互いに接続された本体部91と位置決め部92とを含み、本体部91の少なくとも一部が第1取り付け通路内に挿通され、本体部91の端部が弁芯30の端部に当接され、位置決め部92は、本体部91の外壁から突出して設けられ、弁座10の端部に当接されて位置決めされるために用いられ、弁座10の端部に溶接により固定される。このような構成配置を採用すると、構造のレイアウトを最適化することが容易になり、構造の接続安定性及び信頼性を向上させることができる。好ましくは、本実施例における溶接形態はレーザ溶接を採用してもよい。
【0030】
上記の2つの実施例において、第1取り付け通路の一端に第1取り付け口が形成され、第1取り付け通路の他端に第2取り付け口が形成され、第1取り付け口は第2取り付け口の上方に位置し、第2取り付け口の断面積は第1取り付け口の断面積より大きく、弁芯スリーブ90は第2取り付け口に取り付けられる。ここで、スピンドル20の横断面積は、スピンドル20が第2取り付け口を介して第1取り付け通路内に取り付けられるように、第1取り付け口の断面積より大きく、第2取り付け口の断面積より小さい。このような構成配置を採用すると、スピンドル20を第2取り付け口を介して第1取り付け通路内に取り付けることが容易になり、スピンドル20のフリップを実現し、取り付け及び取り外しが容易になる。
【0031】
具体的には、弁芯30は管状の構造であり、弁芯30が第2取り付け口を介して第1取り付け通路内に取り付けられるように、弁芯30の外形と第2取り付け口の形状とは整合される。このような構成配置を採用すると、弁芯30のフリップも容易になり、弁芯30を底部から上方へと第1取り付け通路内に取り付けることが容易になり、取り付け操作が容易になる。弁芯30は第2取り付け口から取り付けてもよいので、弁芯30を大径に設定して大流量の連通を実現することができる。
【0032】
上記の実施例において、電子膨張弁は、弁芯30を更に含み、弁芯30は、第1取り付け通路内に取り付けられ、スピンドル20により開閉される弁口を有する。弁芯30は、スピンドル20より硬度が低い材料で作製され、弁芯30の内壁又は端面に密封面31が形成され、密封面31がスピンドル20の外壁面に係合されてソフト密封構造を形成する。このように、このソフト密封構造によって、弁芯30と弁座10との間にリークが発生することを回避し、電子膨張弁の密封性能を向上させることができる。具体的には、弁芯30は、非金属材料で作製され、本実施例における弁芯30は、主にプラスチック材料で作製されるが、このようにすると、非金属材料で作製される弁芯30と金属材料で作製されるスピンドル20とを取り付けた後に、非金属材料が金属材料に対して軟質材であるため、硬質材と軟質材とを組み付けると密封性能を容易に向上させることができる。
【0033】
上記の実施例における弁芯30はポリテトラフルオロエチレン材料で作製されて、電動弁の密封性能をより良く向上させることが容易になる。
【0034】
具体的には、弁芯30の内壁に密封面31が形成され、弁芯30は対向して設けられた第1端及び第2端を有し、第1端は第2端のスピンドル20に近接した側に設けられ、第1端から第2端への延在方向に沿って、密封面31の流れ面積が徐々に減少する。このような構成配置を採用すると、弁芯30とスピンドル20との間の密封性能を容易に向上させ、弁芯30とスピンドル20との間のリークを低減させることができる。
【0035】
上記の2つの実施例において、電子膨張弁は、バネスリーブ50、バネ60、スクリュ70及び軸受80を更に含み、バネスリーブ50の一端はスピンドル20の端部に嵌合され、バネ60はバネスリーブ50内に取り付けられ、スクリュ70はバネスリーブ50の他端に設けられる。軸受80は、スクリュ70に嵌合され、スクリュ70とバネスリーブ50との間に位置する。このような構成配置を採用すると、スクリュ70とバネスリーブ50との間に軸受80が設けられ、弁芯30とスピンドル20との間はソフト密封であるため、弁芯30とスピンドル20との摩擦力が弁芯30と弁座10との摩擦力より小さくなり、ソフト密封弁口が摩耗する問題を回避する。
【0036】
具体的には、この電子膨張弁は、スピンドル20を駆動して移動させるための駆動アセンブリを更に含む。駆動アセンブリは、ロータアセンブリとナットアセンブリとを含み、ロータアセンブリは、ナットアセンブリの外側に嵌合され、スクリュ70のスピンドル20から離れた一端はロータアセンブリに固定接続され、ロータアセンブリは、スクリュ70によりスピンドル20を連動して軸方向に移動させることにより、弁口の開度を調節する。ナットアセンブリ内にはスピンドル20に螺合された雌ねじが設けられており、且つナットアセンブリは接続部材により弁座10に固定接続される。
【0037】
上記の実施例において、スピンドル20に、スピンドル20と弁座10との間に位置してスピンドル20と弁座10との密封性能を向上させるための第1密封部材41が設けられている。取り付けベース100と弁座10との間に第2密封部材42が設けられており、取り付けベース100と弁芯スリーブ90との間に第3密封部材43が設けられている。このような構成配置を採用すると、電子膨張弁の密封性能をより良好に向上させることが容易になる。
【0038】
以上の説明から分かるように、上記の実施例は、弁芯30の取り付けの安定性を向上させ、弁芯30のスムーズな組み立てが容易になるという技術効果を実現する。
【0039】
ここで用いられる用語は、具体的な実施形態を説明するためのものにすぎず、本出願による例示的な実施形態を限定することを意図するものではないことに注意すべきである。ここで用いられるように、文脈上明確な指摘がなされていない限り、単数形式は複数形式を含むことも意図し、更に、本明細書において、「包含する」及び/又は「含む」という用語が用いられる場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせが存在することを意味することも理解されるべきである。
【0040】
特に具体的に説明しない限り、これらの実施例に記載された部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本出願の範囲を限定するものではない。同時に、説明の便宜上、図面に示す各部分の寸法は実際の比率関係で描かれたものではないことは理解されるべきである。当業者に既に知られている技術、方法及び機器については詳細な説明を省略する場合があるが、必要に応じて、この技術、方法及び機器は、承認された明細書の一部としてみなされるべきである。ここで示し、且つ説明した全ての例では、いずれの具体的な値も例示的なものにすぎず、限定するためのものではないと解釈すべきである。したがって、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有してもよい。類似した符号及び文字は、以下の図面において類似したものを表すため、あるものが1つの図面において定義されると、その後の図面においては、それについて更に説明する必要がないことに注意すべきである。
【0041】
本出願の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂、底」等のような方位用語で表される方位又は位置関係は、一般的に、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであるが、本出願の説明を容易にし、且つ簡潔にするためのものにすぎず、逆の説明がない場合、これらの方位用語は、示された装置又は素子が必ずしも特定の方位を有するか、あるいは、特定の方位で構成し操作されることを示し且つ暗示するものではないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではなく、「内、外」という方位用語は、各部材自体の輪郭に対する内、外である。
【0042】
説明の便宜上、ここでは「…の上に」、「…の上方に」、「…の上面に」、「上の」等のような空間相対用語を用いて、図に示すような1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明することができる。空間相対用語は、デバイスの図に記載された方位以外の、使用又は操作中の異なる方位を包含することを意図するものであることは理解されるべきである。例えば、図面中のデバイスの上下が逆さまになると、「他のデバイス又は構造の上方に」又は「他のデバイス又は構造の上に」と説明されたデバイスは、その後「他のデバイス又は構造の下方に」又は「他のデバイス又は構造の下に」と位置付けられることになる。よって、例示的な用語「…の上方に」は、「…の上方に」及び「…の下方に」の2つの方位を含むことができる。このデバイスは、他の異なる方法で位置付けし(90度回転又は他の方位に位置させ)、且つここで用いられる空間の相対的な説明について対応する解釈を行うこともできる。
【0043】
更に、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定することは、対応する部品を区別するためのものにすぎず、特に説明がない限り、上記用語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0044】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】