(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】MT-SDTにおけるページング強化のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 68/02 20090101AFI20241128BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20241128BHJP
H04W 76/27 20180101ALI20241128BHJP
【FI】
H04W68/02
H04W92/20
H04W76/27
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525123
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 CN2021139266
(87)【国際公開番号】W WO2023108634
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523107950
【氏名又は名称】レノボ・(ベイジン)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】ラン・ユエ
(72)【発明者】
【氏名】リアンハイ・ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ミンゼン・ダイ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・シュ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
(57)【要約】
本出願は、モバイル着信小データ送信(MT-SDT)におけるページング強化のための方法および装置に関する。本開示の一実施形態は、第1のネットワークノードを提供し、第1のネットワークノードは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを含み、プロセッサは、トランシーバを介して、ユーザ機器(UE)に対するモバイル着信小データ送信(MT-SDT)に関連する第1の情報を第2のネットワークノードから受信することと、少なくとも第2のネットワークノードから受信した第1の情報に基づいて、UEにMT-SDTを示すか否かを決定することとを行うように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワークノードであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたトランシーバと
を備え、
前記プロセッサが、
前記トランシーバを介して、第2のネットワークノードからユーザ機器(UE)に対するモバイル着信小データ送信(MT-SDT)に関連する第1の情報を受信することと、
少なくとも前記第2のネットワークノードから受信した前記第1の情報に基づいて、前記UEに前記MT-SDTを示すか否かを決定することと
を行うように構成される、第1のネットワークノード。
【請求項2】
前記第1の情報が、前記第2のネットワークノードからの無線アクセスネットワーク(RAN)ページングメッセージに含まれるか、
前記第1の情報が、前記第2のネットワークノードからの前記RANページングメッセージ以外の別のメッセージに含まれる、
請求項1に記載の第1のネットワークノード。
【請求項3】
前記UEの前記MT-SDTに関連する前記第1の情報が、
前記UEに対するダウンリンクデータのサイズを示す第1の情報要素か、
1つまたは複数のSDT構成を示す1つまたは複数の第2の情報要素か、
前記UEに対して前記MT-SDTを開始するかどうかを決定する前記第1のネットワークノードを示す第3の情報要素か、
前記UEに対して前記MT-SDTを開始するかどうかを決定するあるネットワークノードを示す第4の情報要素か、
前記第2のネットワークノードが、前記第2のネットワークノードにおける前記MT-SDTのためのページングメッセージを送るか、それともMT-SDTを開始するために前記UEにページングメッセージを送るかを示す第5の情報要素
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の第1のネットワークノード。
【請求項4】
前記1つまたは複数のSDT構成が、
1つまたは複数のデータ無線ベアラ(DRB)か、
前記1つまたは複数のDRBに関連する1つまたは複数のサービスタイプか、
1つまたは複数のサービス品質(QoS)パラメータか、
1つまたは複数のシグナリング無線ベアラ(SRB)か、
SDTに関連する1つまたは複数のしきい値
のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の第1のネットワークノード。
【請求項5】
前記トランシーバが、
前記第1のネットワークノードが前記UEに対して前記MT-SDTを開始することを決定するかどうかを示す第2の情報を、前記第2のネットワークノードに送信する
ようにさらに構成される、請求項1に記載の第1のネットワークノード。
【請求項6】
前記第2の情報が、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して前記第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージに含まれるか、
前記第2の情報が、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間の前記インターフェースを介して前記第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するための前記メッセージ以外のメッセージに含まれる、
請求項5に記載の第1のネットワークノード。
【請求項7】
前記プロセッサが、
ある持続時間の間に前記UEに対して前記MT-SDTを開始することを決定する
ようにさらに構成される、請求項1に記載の第1のネットワークノード。
【請求項8】
第2のネットワークノードからユーザ機器(UE)に対するモバイル着信小データ送信(MT-SDT)に関連する第1の情報を受信するステップと、
少なくとも前記第2のネットワークノードから受信した前記第1の情報に基づいて、前記UEに前記MT-SDTを示すか否かを決定するステップと
を含む、第1のネットワークノードによって実施される方法。
【請求項9】
第1のネットワークノードであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたトランシーバと
を備え、
前記プロセッサが、
ユーザ機器(UE)に対するモバイル着信小データ送信(MT-SDT)に関連する第1の情報を提供することと、
前記UEが非RRC_CONNECTED状態である場合は、前記第2のノードが前記UEに前記MT-SDTを示すか否かを決定するように、前記トランシーバを介して第2のネットワークノードに、前記UEに対する前記MT-SDTに関連する前記第1の情報を送ることと
を行うように構成される、第1のネットワークノード。
【請求項10】
前記第1の情報が、前記第2のネットワークノードへの無線アクセスネットワーク(RAN)ページングメッセージに含まれるか、
前記第1の情報が、前記第2のネットワークノードへの前記RANページングメッセージ以外の別のメッセージに含まれる、
請求項9に記載の第1のネットワークノード。
【請求項11】
モバイル着信小データ送信MT-SDTに関連する前記第1の情報が、
前記UEに対するダウンリンクデータのサイズを示す第1の情報要素か、
1つまたは複数のSDT構成を示す1つまたは複数の第2の情報要素か、
前記UEに対して前記MT-SDTを開始するかどうかを決定する前記第2のネットワークノードを示す第3の情報要素か、
前記UEに対して前記MT-SDTを開始するかどうかを決定するあるネットワークノードを示す第4の情報要素か、
前記第1のネットワークノードが、前記第1のネットワークノードにおける前記MT-SDTのためのページングメッセージを送るか、それともMT-SDTを開始するために前記UEにページングメッセージを送るかを示す第5の情報要素
のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の第1のネットワークノード。
【請求項12】
前記1つまたは複数のSDT構成が、
1つまたは複数のデータ無線ベアラ(DRB)か、
前記1つまたは複数のDRBに関連する1つまたは複数のサービスタイプか、
1つまたは複数のサービス品質(QoS)パラメータか、
1つまたは複数のシグナリング無線ベアラ(SRB)か、
SDTに関連する1つまたは複数のしきい値
のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の第1のネットワークノード。
【請求項13】
前記トランシーバが、
前記第2のネットワークノードが前記UEに対して前記MT-SDTを開始することを決定するかどうかを示す第2の情報を、前記第2のネットワークノードから受信する
ようにさらに構成される、請求項9に記載の第1のネットワークノード。
【請求項14】
前記第2の情報が、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して前記第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージに含まれるか、
前記第2の情報が、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間の前記インターフェースを介して前記第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するための前記メッセージ以外のメッセージに含まれる、
請求項13に記載の第1のネットワークノード。
【請求項15】
前記プロセッサが、
ある持続時間の間に前記UEに対して前記MT-SDTを開始することを決定する
ようにさらに構成される、請求項9に記載の第1のネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の5Gワイヤレス通信技術に関し、特に、モバイル着信小データ送信(mobile terminating small data transmission:MT-SDT)におけるページング強化のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MT-SDTは、UEがRRC_CONNECTED状態へ遷移することをトリガしないページングメッセージによるダウンリンク(DL)トリガのSDTである。
【0003】
無線アクセスネットワーク(RAN)ページングメッセージは、1つの次世代(NG)-RANノードが別のNG-RANノードにおけるUEのページングを要求することを可能にするために使用される。
【0004】
ユーザ機器(UE)が直前のサービングgNB(the last serving gNB)を離れ、RANベースの通知エリア(RAN-based Notification Area:RNA)内の他のgNBによって制御されるセルにキャンプオンし、DL小データが直前のサービングgNBに届く場合、既存のXn RANページングプロシージャは、MT-SDTを識別することができないので、MT-SDTをサポートすることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、MT-SDTにおけるRANページング強化のための解決策を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、第1のネットワークノードを提供し、第1のネットワークノードは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを含み、プロセッサは、トランシーバを介して、ユーザ機器(UE)に対するモバイル着信小データ送信(MT-SDT)に関連する第1の情報を第2のネットワークノードから受信することと、少なくとも第2のネットワークノードから受信した第1の情報に基づいて、UEにMT-SDTを示すか否かを決定することとを行うように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の情報は、第2のネットワークノードからのRANページングメッセージに含まれるか、第1の情報は、第2のネットワークノードからのRANページングメッセージ以外の別のメッセージに含まれる。
【0008】
いくつかの実施形態では、UEのMT-SDTに関連する第1の情報は、以下のうちの少なくとも1つを含み、すなわち、UEに対するダウンリンクデータのサイズを示す第1の情報要素か、1つまたは複数のSDT構成を示す1つまたは複数の第2の情報要素か、UEに対してMT-SDTを開始するかどうかを決定する第1のネットワークノードを示す第3の情報要素か、UEに対してMT-SDTを開始するかどうかを決定するあるネットワークノードを示す第4の情報要素か、第2のネットワークノードが第2のネットワークノードにおけるMT-SDTのためのページングメッセージを送るか、それともMT-SDTを開始するためにUEにページングメッセージを送るかを示す第5の情報要素のうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のSDT構成は、1つまたは複数のデータ無線ベアラ(DRB)か、1つまたは複数のDRBに関連する1つまたは複数のサービスタイプか、1つまたは複数のサービス品質(QoS)パラメータか、1つまたは複数のシグナリング無線ベアラ(SRB)か、SDTに関連する1つまたは複数のしきい値のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、トランシーバは、第1のネットワークノードがUEに対してMT-SDTを開始することを決定するかどうかを示す第2の情報を、第2のネットワークノードに送信するようにさらに構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、第2の情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージに含まれるか、第2の情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージ以外のメッセージに含まれる。
【0012】
いくつかの実装形態では、プロセッサは、ある持続時間の間にUEに対してMT-SDTを開始することを決定するようにさらに構成される。
【0013】
本開示の別の実施形態は、第1のネットワークノードによって実施される方法を提供し、この方法は、ユーザ機器(UE)に対するモバイル着信小データ送信(MT-SDT)に関連する第1の情報を第2のネットワークノードから受信するステップと、少なくとも第2のネットワークノードから受信した第1の情報に基づいて、UEにMT-SDTを示すか否かを決定するステップとを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の情報は、第2のネットワークノードからのRANページングメッセージに含まれるか、第1の情報は、第2のネットワークノードからのRANページングメッセージ以外の別のメッセージに含まれる。
【0015】
いくつかの実施形態では、UEのMT-SDTに関連する第1の情報は、以下のうちの少なくとも1つを含み、すなわち、UEに対するダウンリンクデータのサイズを示す第1の情報要素か、1つまたは複数のSDT構成を示す1つまたは複数の第2の情報要素か、UEに対してMT-SDTを開始するかどうかを決定する第1のネットワークノードを示す第3の情報要素か、UEに対してMT-SDTを開始するかどうかを決定するあるネットワークノードを示す第4の情報要素か、第2のネットワークノードが第2のネットワークノードにおけるMT-SDTのためのページングメッセージを送るか、それともMT-SDTを開始するためにUEにページングメッセージを送るかを示す第5の情報要素のうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のSDT構成は、1つまたは複数のデータ無線ベアラ(DRB)か、1つまたは複数のDRBに関連する1つまたは複数のサービスタイプか、1つまたは複数のサービス品質(QoS)パラメータか、1つまたは複数のシグナリング無線ベアラ(SRB)か、SDTに関連する1つまたは複数のしきい値のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法は、第1のネットワークノードがUEに対してMT-SDTを開始することを決定するかどうかを示す第2の情報を、第2のネットワークノードに送信するステップをさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、第2の情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージに含まれるか、第2の情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージ以外のメッセージに含まれる。
【0019】
いくつかの実装形態では、方法は、ある持続時間の間にUEに対してMT-SDTを開始することを決定するステップをさらに含む。
【0020】
本開示のさらに別の実施形態は、第1のネットワークノードを提供し、第1のネットワークノードは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを含み、プロセッサは、ユーザ機器(UE)に対するモバイル着信小データ送信(MT-SDT)に関連する第1の情報を提供することと、UEが非RRC_CONNECTED状態である、たとえばUEがRRC_INACTIVE状態またはRRC_IDLE状態である場合は、第2のノードがUEにMT-SDTを示すか否かを決定するように、トランシーバを介して第2のネットワークノードに、UEに対するMT-SDTに関連する第1の情報を送ることとを行うように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の情報は、第2のネットワークノードへのRANページングメッセージに含まれるか、第1の情報は、第2のネットワークノードへのRANページングメッセージ以外の別のメッセージに含まれる。
【0022】
いくつかの実施形態では、モバイル着信小データ送信MT-SDTに関連する第1の情報は、以下のうちの少なくとも1つを含み、すなわち、UEに対するダウンリンクデータのサイズを示す第1の情報要素か、1つまたは複数のSDT構成を示す1つまたは複数の第2の情報要素か、UEに対してMT-SDTを開始するかどうかを決定する第2のネットワークノードを示す第3の情報要素か、UEに対してMT-SDTを開始するかどうかを決定するあるネットワークノードを示す第4の情報要素か、第1のネットワークノードが第1のネットワークノードにおけるMT-SDTのためのページングメッセージを送るか、それともMT-SDTを開始するためにUEにページングメッセージを送るかを示す第5の情報要素のうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のSDT構成は、1つまたは複数のデータ無線ベアラ(DRB)か、1つまたは複数のDRBに関連する1つまたは複数のサービスタイプか、1つまたは複数のサービス品質(QoS)パラメータか、1つまたは複数のシグナリング無線ベアラ(SRB)か、SDTに関連する1つまたは複数のしきい値のうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、トランシーバは、第2のネットワークノードがUEに対してMT-SDTを開始することを決定するかどうかを示す第2の情報を、第2のネットワークノードから受信するようにさらに構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、第2の情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージに含まれるか、第2の情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージ以外のメッセージに含まれる。
【0026】
いくつかの実装形態では、プロセッサは、ある持続時間の間にUEに対してMT-SDTを開始することを決定するようにさらに構成される。
【0027】
本開示のさらに別の実施形態は、第1のネットワークノードによって実施される方法を提供し、この方法は、ユーザ機器(UE)に対するモバイル着信小データ送信(MT-SDT)に関連する第1の情報を提供するステップと、UEが非RRC_CONNECTED状態である場合は、第2のノードがUEにMT-SDTを示すか否かを決定するように、UEに対するMT-SDTに関連する第1の情報を第2のネットワークノードに送るステップとを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1の情報は、第2のネットワークノードへのRANページングメッセージに含まれるか、第1の情報は、第2のネットワークノードへのRANページングメッセージ以外の別のメッセージに含まれる。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1の情報は、以下のうちの少なくとも1つを含み、すなわち、UEに対するダウンリンクデータのサイズを示す第1の情報要素か、1つまたは複数のSDT構成を示す1つまたは複数の第2の情報要素か、UEに対してMT-SDTを開始するかどうかを決定する第2のネットワークノードを示す第3の情報要素か、UEに対してMT-SDTを開始するかどうかを決定するあるネットワークノードを示す第4の情報要素か、第1のネットワークノードが第1のネットワークノードにおけるMT-SDTのためのページングメッセージを送るか、それともMT-SDTを開始するためにUEにページングメッセージを送るかを示す第5の情報要素のうちの少なくとも1つを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のSDT構成は、1つまたは複数のデータ無線ベアラ(DRB)か、1つまたは複数のDRBに関連する1つまたは複数のサービスタイプか、1つまたは複数のサービス品質(QoS)パラメータか、1つまたは複数のシグナリング無線ベアラ(SRB)か、SDTに関連する1つまたは複数のしきい値のうちの少なくとも1つを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、方法は、第2のネットワークノードがUEに対してMT-SDTを開始することを決定するかどうかを示す第2の情報を、第2のネットワークノードから受信するステップをさらに含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、第2の情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージに含まれるか、第2の情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージ以外のメッセージに含まれる。
【0033】
いくつかの実装形態では、方法は、ある持続時間の間にUEに対してMT-SDTを開始することを決定するステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態によるワイヤレス通信システムの概略図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態によるユーザプレーンセルラーモノのインターネット(Cellular Internet of Things:CIoT)改良型パケットシステム(EPS)最適化のための例示的なモバイル着信早期データ送信(Mobile Terminating Early Data Transmission:MT-EDT)を示す図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態によるRANページングの例示的なシナリオを示す図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態によるワイヤレス通信のために第1のネットワークノードによって実施される例示的な方法を示す図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態によるワイヤレス通信のために別のネットワークノードによって実施される例示的な方法を示す図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による装置の例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
添付の図面の詳細な説明は、本発明の現在好ましい実施形態の説明とするものであり、本発明が実践され得る唯一の形態を表すものではない。本発明の趣旨および範囲内に含まれるものとする異なる実施形態によって、同じまたは同等の機能が果たされ得ることを理解されたい。
【0036】
動作は特定の順序で図面に示されるが、そのような動作が、図示の特定の順序で、もしくは逐次的順序で実施される必要はないこと、または、望ましい結果を達成するために、例示した動作すべてが実施される必要はなく、時には1つまたは複数の動作が省略される可能性があることを、当業者には容易に理解されよう。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的なプロセスを流れ図の形式で概略的に示すことができる。しかしながら、図示されていない他の動作が、概略的に示された例示的なプロセスに組み込まれることがある。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示した動作のいずれかの前、後、それらと同時、またはそれらの間に実施されることがある。いくつかの環境では、マルチタスクおよび並列処理が有利である可能性がある。
【0037】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるワイヤレス通信システムの概略図を示す。
【0038】
図1に示すように、ワイヤレス通信システムは、UE101と、基地局(BS)102-Aと、基地局102-Bと、基地局102-Cとを含む。特定の数のUEおよびBSが
図1に示されているが、任意の数のUEおよびBSがワイヤレス通信システムに含まれ得ることを当業者には認識されよう。
【0039】
UE101は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータ、スマートテレビジョン(たとえば、インターネットに接続されたテレビジョン)、セットトップボックス、ゲーム機、セキュリティシステム(防犯カメラを含む)、車両搭載コンピュータ、ネットワークデバイス(たとえば、ルータ、スイッチ、モデム)などのコンピューティングデバイスを含んでもよい。本開示の一実施形態によれば、UE101は、ポータブルワイヤレス通信デバイス、スマートフォン、携帯電話、折り畳み式携帯電話、加入者識別モジュールを有するデバイス、パーソナルコンピュータ、選択呼出受信機、またはワイヤレスネットワークで通信信号を送信および受信することが可能な任意の他のデバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、UE101は、スマートウォッチ、フィットネスバンド、光学ヘッドマウントディスプレイなどのウェアラブルデバイスを含む。さらに、UE101は、加入者ユニット、モバイル、移動局、ユーザ、端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、固定端末、加入者局、UE101、ユーザ端末、デバイスと呼ばれるか、当技術分野で使用される他の用語で呼ばれることがある。UE101は、アップリンク(UL)通信信号によってBSと直接通信し得る。
【0040】
BSは、地理的領域にわたって分散されてもよい。いくつかの実施形態では、BSは、アクセスポイント、アクセス端末、基地、基地局、マクロセル、ノードB、拡張ノードB(eNB)、NR技術を使用する5G基地局、gNB、gNodeB、ホームノードB、中継ノード、デバイスと呼ばれるか、当技術分野で使用されるいずれか他の用語で呼ばれることもある。BSは一般に、1つまたは複数の対応するBSに通信可能に結合された1つまたは複数のコントローラを含み得る無線アクセスネットワークの一部である。
【0041】
ワイヤレス通信システムは、ワイヤレス通信信号を受信することが可能な送信および受信することが可能な任意のタイプのネットワークに準拠している。たとえば、ワイヤレス通信システムは、ワイヤレス通信ネットワーク、携帯電話ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ベースのネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ベースのネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ベースのネットワーク、LTEネットワーク、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))ベースのネットワーク、3GPP 5Gネットワーク、衛星通信ネットワーク、高高度プラットフォームネットワーク、および/または他の通信ネットワークに準拠している。
【0042】
一実装形態では、ワイヤレス通信システムは、3GPPプロトコルのNRに準拠しており、BSは、DLで直交周波数分割多重(OFDM)変調方式を使用して送信し、UE101は、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)方式またはOFDM方式を使用してアップリンクで送信する。しかしながら、より一般的には、ワイヤレス通信システムは、何らかの他のオープンまたは専有(proprietary)通信プロトコルを実装してもよく、たとえば、プロトコルの中でもWiMAXを実装してもよい。
【0043】
他の実施形態では、BSは、ワイヤレス通信プロトコルのIEEE802.11ファミリーなどの、他の通信プロトコルを使用して通信してもよい。さらに、いくつかの実施形態ではBSは、ライセンススペクトルを通じて通信してもよいが、他の実施形態ではBSは、アンライセンススペクトルを通じて通信してもよい。本開示は、特定のワイヤレス通信システムアーキテクチャまたはプロトコルの実装に限定されることを意図されていない。別の実施形態では、BSは、3GPP 5Gプロトコルを使用してUE101と通信してもよい。
【0044】
図1に示すように、UEのRNA内に3つのセルがあり、3つのセルは、セルA、セルB、およびセルCであると想定する。セルAは、BS102-Aによって制御され、セルBは、BS102-Bによって制御され、セルCは、BS102-Cによって制御される。UE101は、BS102-Aによってサービスされ、RRC_INACTIVE状態またはRRC_IDLE状態であった。UE101は次いで、BS102-Aによって制御されるセルを離れ、現在、BS102-Bによって制御されるセルBにキャンプオンしている。
【0045】
図2は、本開示のいくつかの実施形態によるユーザプレーンセルラーモノのインターネット(CIoT)改良型パケットシステム(EPS)最適化のための例示的なモバイル着信早期データ送信(MT-EDT)を示す。
【0046】
図2には、4つの構成要素があり、4つの構成要素は、UEと、BSと、モビリティ管理エンティティ(MME)と、サービングゲートウェイ(S-GW)とを含む。
【0047】
動作201において、UEに対するダウンリンクデータが到着すると、SGWは、MMEによるMT-EDT検討のために、MMEにDLデータサイズを送ってもよい。
【0048】
動作202において、MMEは、BSがMT-EDTをトリガするのを支援するために、S1アプリケーションプロトコル(AP)ページングメッセージにDLデータサイズを含める。
【0049】
動作203において、データが、S1-APページングメッセージにおいて提供される、ページングのためのUE無線能力(UE Radio Capability for Paging)に含まれるUEカテゴリに従って1つの単一ダウンリンク送信に適合することができる場合、BSは、UEに対するページングメッセージ中にMT-EDT指示を含める。
【0050】
動作204において、UEは、ユーザプレーンCIoT EPS最適化のためにMO-EDTプロシージャを開始する。
【0051】
詳細には、以下の動作が行われ得る。
1) UEは、EDTのために構成されていないランダムアクセスプリアンブルを選択する。
2) UEは、再開理由(resume cause)MT-EDTとともに、ユーザデータなしで、RRCConnectionResumeRequestメッセージを送る。
3) BSは、S1接続を再開し、SI-Uベアラを再アクティブ化するために、S1-AP Context Resumeプロシージャを開始する。
4) MMEは、S-GWにUEのためにS1-Uベアラを再アクティブ化するように求める。
5) MMEは、ステップ2で最初にシグナリングされたものを上回るさらなるデータトラフィックをBSに通知するために、S1AP UE Context Resume ResponseメッセージにPending Data Indicationを含めてもよい。BSは、UEを解放するかどうかを決定するためにこの指示を使用してもよい。
6) アップリンクデータは、S-GWに配信される。
7) ダウンリンクデータが利用可能である場合、S-GWはダウンリンクデータをBSに送る。
8) さらなるデータが予想されない場合、BSはS1接続の中断およびS1-Uベアラの再アクティブ化を開始することができる。
9) BSは、UEをRRC_IDLEにしておくために、RRCConnectionReleaseメッセージを送る。メッセージは、UEによって記憶されている、rrc-Suspendに設定されたreleaseCause、resumeID、NextHopChainingCount、およびdrb-ContinueROHCを含む。ステップ6においてダウンリンクデータが受信された場合、それらはDCCH上のRRCConnectionReleaseメッセージと多重化されたDTCH上で暗号化されて送られる。
【0052】
図3は、本開示のいくつかの実施形態によるRANページングの例示的なシナリオを示す。
【0053】
図3は、2つのネットワークノードを含み、2つのネットワークノードは、ネットワークノード1およびネットワークノード2である。ネットワークノードは、NG-RANノード、eNB、gNB、BSなどであってもよい。
【0054】
RANページングプロシージャの目的は、ネットワークノード1がネットワークノード2におけるUEのページングを要求できるようにすることであり、プロシージャは、非UE関連のシグナリングを使用する。
【0055】
RANページングプロシージャは、ネットワークノード2へRANページングメッセージを送ることによってネットワークノード1によってトリガされ、RANページングメッセージの中で、UE RAN Paging Identityなどの必要な情報が提供される。
【0056】
RANページングメッセージにPaging Priority IEが含まれる場合、ネットワークノード2は、ページングに優先順位を付けるためにそれを使用してもよい。
【0057】
RANページングメッセージにAssistance Data for RAN Paging IEが含まれる場合、NG-RANノード2は、それを使用してもよい。
【0058】
RANページングメッセージにUE Radio Capability for Paging IEが含まれる場合、ネットワークノード2は、特定のページング方式を適用するためにそれを使用してもよい。
【0059】
モバイル着信小データ送信を表すMT-SDTでは、それは、ページングメッセージによる、RRC_CONNECTEDに遷移しない、DLトリガのSDTを指し、言い換えれば、UEをRRC_CONNECTED状態に遷移させない、BSからUEへの小データ送信を指す。
【0060】
現在、RANページングメッセージは、1つのNG-RANノードが別のNG-RANノードにおけるUEのページングを要求できるようにするために使用されている。たとえば、RANページングは、UEに構成されたRANベースの通知エリア(RNA)内のセルを管理するノード間でXn RANページングを用いて実施され得る。たとえば、セルAおよびセルBは、UEのRNA内にあり、Xn RANページングは、(セルAを管理する)ノードAと(セルBを管理する)ノードBとの間で実施され得る。
【0061】
本明細書によれば、UEがRRC_ INACTIVE状態である場合、UEは、NG-RANを通知せずにUEのRNA内で移動してもよい。言い換えれば、UEはRRC_INACTIVE状態である可能性があり、UEは直前のサービングgNBを離れ、RNA内の他のgNBによって制御されるセルにキャンプオンする。このシナリオの下で、DL小データが直前のサービングgNBに届くと、既存のXn RANページングプロシージャは、MT-SDTを識別することができないので、MT-SDTをサポートすることができない。この問題を解決するために、本開示は、MT-SDTにおけるページング強化のためのいくつかの解決策を提案する。
【0062】
実施形態1:
この実施形態では、UEの直前のサービングgNBではなく、UEのRNA内にある第1のgNBは、UEに対してMT-SDTを開始するか、それともUEに対してレガシーまたは通常のMT呼を開始するかを決定する。たとえば、
図1では、BS 102-Bは、UE101に対してMT-SDTを開始するか、それともUE101に対してレガシーまたは通常のMT呼を開始するかを決定してもよい。
【0063】
UEの直前のサービングgNB、すなわち
図1のBS102-Aは、UE101のページングを要求するために、RANページングメッセージをBS102-Bおよび/またはBS102-Cに送信してもよい。以下の情報は、RANページングメッセージに含まれるか、他のメッセージに含まれるか、新しいメッセージで送信される場合がある。
【0064】
メッセージは、以下の情報の少なくとも1つを含んでもよい。
1) 以下のうちの少なくとも1つを含み得る、データの情報に関連する情報要素(IE)。
i. DLデータサイズもしくはDLデータ量、
ii. DLデータは、ワンショットで送信されることになり、すなわちワンショットの送信である、または
iii. DLデータは、複数のショットで送信されることになり、すなわち複数のショットの送信である。
2) 以下のうちの少なくとも1つを含み得る、1つまたは複数のSDT構成に関連する情報要素。
i. 1つもしくは複数のデータ無線ベアラ(DRB)、
ii. 1つもしくは複数のDRBに関連する1つもしくは複数のサービスタイプ、
iii. 1つもしくは複数のサービス品質(QoS)パラメータ、
iv. 1つもしくは複数のシグナリング無線ベアラ(SRB)、または
v. SDTに関連する1つもしくは複数のしきい値、たとえば、SDTに関連するしきい値、および/もしくはSDTのしきい値の値。
3) 直前のサービングgNBが、直前のサービングgNBにおいて、または直前のサービングセルにおいて、MT-SDTのページングメッセージを送るかどうかを示す情報要素。
【0065】
第1のgNBが、UEに対してMT-SDTを開始するか、それともレガシーまたは通常のMT呼を開始するかを決定した後、第1のgNBは、第1のgNBと直前のサービングgNBとの間のインターフェース、たとえばXnインターフェース、X2インターフェースを介して、直前のサービングgNBに決定を示すためにアシスタント情報を送信してもよい。アシスタント情報は、「MT-SDTか否かのページング」などと呼ばれる場合がある。
【0066】
いくつかのシナリオでは、アシスタント情報は、UEコンテキストを検索するためのメッセージ、たとえばRETRIEVE UE CONTEXT REQUESTメッセージと呼ばれるメッセージに含まれてもよい。アシスタント情報は、新しい情報要素、もしくは追加の情報要素としてメッセージに含まれてもよく、またはメッセージ中の既存の情報要素を再利用してもよい。
【0067】
いくつかの他のシナリオでは、他のメッセージに含まれる代わりに、アシスタント情報は、第1のgNBと直前のサービングgNBとの間のインターフェースを介して第1のgNBから直前のサービングgNBへの新しいメッセージで送信されてもよい。
【0068】
さらに他のシナリオでは、第1のgNBが直前のサービングgNBにアシスタント情報を送信しない場合、第1のgNBはUEに対してMT-SDTを開始しないことを意味する。すなわち、第1のgNBは、レガシーまたは通常のMT呼を開始し得る。または、第1のgNBが直前のサービングgNBにアシスタント情報を送信しない場合、第1のgNBはUEに対してMT-SDTを開始することを意味する。
【0069】
いくつかの場合には、直前のサービングgNBが、直前のサービングgNBにおいてMT-SDTのRANページングメッセージを送る場合があり、第1のgNBは直前のサービングgNBによって送信されたMT-SDTのRANページングメッセージを考慮に入れる場合があり、他の要素も同様に考慮に入れられることに留意されたい。たとえば、UEのUE能力、第1のgNB自体の能力、レイテンシ要件などである。MT-SDTを開始する基準が満たされる場合、第1のgNBはMT-SDTのページングメッセージをUEに送ってもよい。いくつかの他のシナリオでは、MT-SDTを開始するための何らかの基準を満たすことができない場合、第1のgNBはUEに対して通常のMT呼を開始し得る。
【0070】
実施形態2
この実施形態では、UEの直前のサービングgNBである可能性がある第1のgNBは、どのネットワークノード(第2のgNBと呼ばれる場合がある)がページングタイプを決定する役割を担うかを決定する。言い換えれば、直前のサービングgNBは、UEに対してMT-SDTを開始するか、それともUEに対してレガシーまたは通常のMT呼を開始するかを決定するために、UEのRNA内にある第2のgNBを示し得る。たとえば、
図1では、UEの直前のサービングgNBであるBS102-Aが、UE101に対してMT-SDTを開始するか、それともUE101のMTに対してレガシーまたは通常のMT呼を開始するかを決定するのは、BS102-Bであると決定してもよい。
【0071】
UEの直前のサービングgNB、すなわち
図1のBS102-Aは、UE101のページングを要求するために、RANページングメッセージをBS102-Bおよび/またはBS102-Cに送信してもよい。以下の情報は、RAN要求メッセージに含まれるか、他のメッセージに含まれるか、新しいメッセージで送信される場合がある。
1) どのネットワークノードがページングタイプを決定するかを示す情報要素。
たとえば、IEの値が「1」、「y」、「Y」、または「yes」などである場合、それは、メッセージを受信するネットワークノードが、ページングタイプ、すなわち、UEに対してMT-SDTを開始するか、それともUEに対してレガシーまたは通常のMTを開始するかを決定することを意味する。
IEの値が「0」、「n」、「N」、または「no」などである場合、メッセージを受信するネットワークノードが、ページングタイプを決定しないことを意味する。この場合、ページングタイプは、直前のサービングgNB、または他のgNBによって決定され得る。
いくつかの他の場合では、IEの値が「1」であることは、直前のサービングノードがページングタイプを決定することを意味し、IEの値が「0」であることは、他のネットワークノードがページングタイプを決定することを意味する。
IEの値の意味は、他の方法で定義されることがあり、本開示はIEの値の意味を限定する意図はないことに留意されたい。
2) 以下のうちの少なくとも1つを含み得る、データの情報に関連する情報要素。
i. DLデータサイズもしくはDLデータ量、
ii. データは、ワンショットで送信されることになる、すなわちワンショットの送信である、または
iii. データは、複数のショットで送信されることになる、すなわち複数のショットの送信である。
IEの値はまた、どのネットワークノードがデータの情報を決定するかを示し得る。たとえば、IEの値が「0」であることは、直前のサービングgNBがデータの情報を決定することを意味し、IEの値が「1」であることは、(IEを含む)このメッセージを受信する第2のgNBがデータの情報を決定することになることを意味する。
この実施形態では、データの情報に関連する情報要素は、直前のサービングgNBから送信される、またはされない場合がある。
3) 以下のうちの少なくとも1つを含み得る、1つまたは複数のSDT構成に関連する情報要素。
i. 1つまたは複数のDRB、
ii. 1つもしくは複数のDRBに関連する1つもしくは複数のサービスタイプ、
iii. 1つもしくは複数のQoSパラメータ、
iv. 1つもしくは複数のSRB、または
v. SDTに関連する1つもしくは複数のしきい値、たとえば、SDTに関連するしきい値、および/もしくはSDTのしきい値の値。
IEの値はまた、どのネットワークノードが1つまたは複数のSDT構成を決定するかを示し得る。たとえば、IEの値が「0」であることは、直前のサービングgNBがSDT構成を決定することを意味し、IEの値が「1」であることは、(IEを含む)このメッセージを受信する第2のgNBがSDT構成を決定することを意味する。
この実施形態では、SDT構成に関連する情報要素は、直前のサービングgNBから送信される、またはされない場合がある。
4) 直前のサービングgNBがMT-SDTのページングメッセージを送るかどうかを示す情報要素。
たとえば、IEの値が「0」であることは、直前のサービングgNBがMT-SDTのページングメッセージを送らないことを示し、IEの値が「1」であることは、直前のサービングgNBがMT-SDTのページングメッセージを送ることを示し、その逆も同様である。
代替的に、IEの値が「0」であることは、直前のサービングgNBが通常のMT呼のページングメッセージを送ることを示し、IEの値が「1」であることは、直前のサービングgNBがMT-SDTのページングメッセージを送ることを示し、その逆も同様である。
【0072】
直前のサービングgNBが、ページングタイプを決定するために第2のgNB(たとえば、
図1のBS102-B)を示す場合には、BS102-Bは、ページングタイプの決定を示すためにアシスタント情報を送信し得る。アシスタント情報は、「MT-SDTか否かのページング」、「MT-SDTか通常のMT呼かのページング」、「ページングタイプ」などと呼ばれる場合がある。
【0073】
直前のサービングgNBが、ページングタイプを決定するのは直前のサービングgNB自体であることを、他のgNBに示す場合には、他のgNBは、直前のサービングgNBにアシスタント情報を送信しなくてもよい。
【0074】
いくつかのシナリオでは、アシスタント情報は、UEコンテキストを検索するためのメッセージ、たとえばRETRIEVE UE CONTEXT REQUESTメッセージと呼ばれるメッセージに含まれてもよい。アシスタント情報は、新しい情報要素、もしくは追加の情報要素としてメッセージに含まれてもよく、またはメッセージ中の既存の情報要素を再利用してもよい。
【0075】
いくつかの他のシナリオでは、他のメッセージに含まれる代わりに、アシスタント情報は、第2のgNBと直前のサービングgNBとの間のインターフェースを介して第2のgNBから直前のサービングgNBへの新しいメッセージで送信されてもよい。
【0076】
いくつかの場合には、アシスタント情報を受信する直前のサービングgNBは、UEコンテキストの一部、たとえば、SDT DRBに関係するコンテキストのみを転送してもよい。
【0077】
実施形態3
この実施形態では、UEの直前のサービングgNBである可能性がある第1のgNBは、UEに対してMT-SDTを開始するか、それともUEに対してレガシーまたは通常のMT呼を開始するかを決定する。たとえば、
図1では、UEの直前のサービングgNBであるBS102-Aが、UE101に対してMT-SDTを開始するか、それともUE101に対してレガシーまたは通常のMT呼を開始するかを決定する。
【0078】
直前のサービングgNBは、以下の情報要素のうちの少なくとも1つを含むメッセージを、UEのRNA内の他のgNBに送信してもよい。
1) 他のBSがMT-SDTのページングメッセージを送ることによってUEに対してMT-SDTを開始するかどうかを示す情報要素。
たとえば、IEの値がが「1」であることは、他のBSがUEに対してMT-SDTを開始すべきであることを示す。IEの値が「0」であることは、他のBSがUEに対してMT-SDTを開始すべきではないこと、またはその逆も同様であることを示す。
図1のシナリオを考えると、直前のサービングgNB、すなわち
図1のBS102-Aは、UE101に対してMT-SDTを開始するBS102-Bを示す。BS102-Bは、UE101に対してMT-SDTを開始するかどうかを決定するために、この指示を考慮に入れるべきである。MT-SDTを開始する要件が満たされる場合、BS102-Bは、UE101に対してMT-SDTのページングメッセージを送る。いくつかの他のシナリオでは、MT-SDTを開始するための何らかの要件を満たすことができない場合、BS102-Bは、UE101に対して通常のMT呼を開始し得る。
2) 直前のサービングgNBがMT-SDTのページングメッセージを送るかどうかを示す情報要素。
たとえば、IEの値が「0」であることは、直前のサービングgNBがMT-SDTのページングメッセージを送らないことを示し、IEの値が「1」であることは、直前のサービングgNBがMT-SDTのページングメッセージを送ることを示し、その逆も同様である。
代替的に、IEの値が「0」であることは、直前のサービングgNBが通常のMT呼のページングメッセージを送ることを示し、IEの値が「1」であることは、直前のサービングgNBがMT-SDTのページングメッセージを送ることを示し、その逆も同様である。
【0079】
実施形態4
この実施形態では、直前のサービングgNBおよび/またはUEのRNA内の他のgNB(もしくはセル)は、ページングタイプの同じ戦略を適用する。すなわち、UEのRNA内のgNB(またはセル)すべてが、MT-SDTのページングメッセージを送り、決定は、1つのMT-SDTに、もしくはMT-SDTのすべてに適用されてもよく、またはある持続時間の間に適用されてもよい。代替的に、UEのRNA内のgNB(またはセル)すべてが、通常のMT呼のページングメッセージを送り、決定は、1つのMT-SDTに、もしくはMT-SDTのすべてに適用されてもよく、またはある持続時間の間に適用されてもよい。ページングタイプの戦略は、制御ノードによって指定されるか、あらかじめ定義されるか、指示されることがある。
【0080】
UEの直前のサービングgNBは、UEに対してMT-SDTを開始するか、それともレガシーまたは通常のMT呼を開始するかを決定する。たとえば、
図1では、UEの直前のサービングgNBであるBS102-Aが、UE101に対してMT-SDTを開始するか、それともUE101に対してレガシーまたは通常のMT呼を開始するかを決定する。
【0081】
この実施形態では、直前のサービングgNBは、実施形態3において述べたものと同じ情報を含むメッセージを送信してもよい。
【0082】
図4は、本開示のいくつかの実施形態によるワイヤレス通信のために第1のネットワークノードによって実施される例示的な方法を示す。
【0083】
動作401において、第1のネットワークノードは、UEに対するMT-SDTに関連する第1の情報を第2のネットワークノードから受信し、動作402において、ネットワークノードは、第2のネットワークノードから受信した少なくとも第1の情報に基づいてUEにMT-SDTを示すか否かを決定する。たとえば、
図1を例として挙げると、UE101はRRC_IDLE状態またはRRC_INACTIVE状態であり、UEのRNAは、セルA、セルB、およびセルCを含む。BS102-Bは、UE101に対するMT-SDTに関連する第1の情報をBS102-Aから受信する可能性があり、BS102-Bは少なくとも、BS102-Aから受信した第1の情報に基づいてUE101に対してMT-SDTを開始するかどうかを決定する。
【0084】
第1の情報は、第2のネットワークノードからのRANページングメッセージに含まれる場合があり、または第1の情報は、第2のネットワークノードからのRANページングメッセージ以外の別のメッセージに含まれる。
【0085】
UEのMT-SDTに関連する第1の情報は、以下のうちの少なくとも1つを含む。
1) UEに対するダウンリンクデータのサイズを示す第1の情報要素。
2) 1つまたは複数のSDT構成を示す1つまたは複数の第2の情報要素。
3) UEに対してMT-SDTを開始するかどうかを決定する第1のネットワークノードを示す第3の情報要素。
4) UEに対してMT-SDTを開始するかどうかを決定するあるネットワークノードを示す第4の情報要素。ネットワークノードは、直前のサービングノードを含む、UEのRNA内のいずれかのネットワークノードを含むことに留意されたい。たとえば、直前のサービングノードは、直前のサービングノードがUEに対してMT-SDTを開始するか否かを決定することになることを示すために、UEのRNA内の他のノードに第1の情報を送信し得る。または
5) 第2のネットワークノードが、第2のネットワークノードにおけるMT-SDTのためのページングメッセージを送るか、それともMT-SDTを開始するためにUEにページングメッセージを送るかを示す第5の情報要素。
【0086】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のSDT構成は、1つまたは複数のDRBか、1つまたは複数のDRBに関連する1つまたは複数のサービスタイプか、1つまたは複数のサービスQoSパラメータか、1つまたは複数のSRBか、SDTに関連する1つまたは複数のしきい値のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0087】
いくつかの場合には、第1のネットワークノードは、第1のネットワークノードがUEに対してMT-SDTを開始することを決定するかどうかを示す第2の情報を、第2のネットワークノードに送信し得る。たとえば、UE101に対してMT-SDTを開始するかどうかを決定した後、BS102-Bは、MT-SDTを開始するかどうかの決定をBS102-Aに送信し得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、第2の情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージに含まれるか、第2の情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間のインターフェースを介して第2のネットワークノードからUEコンテキストを要求するためのメッセージ以外のメッセージに含まれる。たとえば、第2の情報は、gNB間のXnインターフェース、またはX2インターフェースを介して、「RETRIEVE UE CONTEXT REQUEST」メッセージなどのメッセージ、または他のメッセージに含められてもよい。
【0089】
いくつかの実装形態では、第1のネットワークノードは、ある持続時間の間にUEに対してMT-SDTを開始することを決定する。すなわち、その持続時間内に、第1のネットワークノードは常に、UEに対してMT-SDTを開始する。
【0090】
図5は、本開示のいくつかの実施形態によるワイヤレス通信のために別のネットワークノードによって実施される例示的な方法を示す。
【0091】
動作501において、ネットワークノードは、UEに対するMT-SDTに関連する第1の情報を提供し、動作502において、UEが非RRC_CONNECTED状態である場合は、第2のノードがUEにMT-SDTを示すか否かを決定するように、ネットワークノードは、トランシーバを介して第2のネットワークノードに、UEに対するMT-SDTに関連する第1の情報を送る。
【0092】
図1を例として挙げると、UE101は、非RRC_CONNECTED状態であるRRC_IDLE状態またはRRC_INACTIVE状態であり、UEのRNAは、セルA、セルB、およびセルCを含む。BS102-Aは、UEに対するMT-SDTに関連する第1の情報を提供してもよく、第1の情報をBS102-Bに送る。ここでは、「提供する」という用語は、BS102-Aが必要な情報を提供し、第1の情報にそれを含み、さらに第1の情報をBS102-Bに送信し得ることを示唆する。
【0093】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による装置の例示的なブロック図を示す。
【0094】
装置は、BS、gNB、eBN、または同様の機能を有する他のデバイスの少なくとも一部であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0095】
装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを含み得る。いくつかの実施形態では、トランシーバは、送信機と、受信機とを含んでもよい。プロセッサは、本開示で説明する方法のいずれか、たとえば、
図4および
図5に関して説明する方法を実施するように構成される。たとえば、装置が、直前のサービングノードの代わりにネットワークノードとして実装されるとき、受信機は、トランシーバを介して、UEに対するMT-SDTに関連する第1の情報を第2のネットワークノードから受信してもよく、プロセッサは、少なくとも第2のネットワークノードから受信した第1の情報に基づいて、MT-SDTをUEに示すか否かを決定してもよい。
【0096】
装置が、直前のサービングノードとして実装されるとき、プロセッサは、UEに対するMT-SDTに関連する第1の情報を提供し、UEが非RRC_CONNECTED状態である場合は、第2のノードがUEにMT-SDTを示すか否かを決定するように、トランシーバを介して第2のネットワークノードに、UEに対するMT-SDTに関連する第1の情報を送る。
【0097】
本開示の方法は、プログラムされたプロセッサ上に実装され得る。しかしながら、コントローラ、フローチャート、およびモジュールが、汎用または専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、周辺集積回路要素、集積回路、個別素子回路などのハードウェア電子または論理回路、プログラマブル論理デバイス上などに実装される場合もある。一般に、図に示すフローチャートを実装することが可能な有限状態機械を有するどんなデバイスも、本開示の処理機能を実装するために使用され得る。
【0098】
本開示の方法は、プログラムされたプロセッサ上に実装され得る。しかしながら、コントローラ、フローチャート、およびモジュールが、汎用または専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、周辺集積回路要素、集積回路、個別素子回路などのハードウェア電子または論理回路、プログラマブル論理デバイス上などに実装される場合もある。一般に、図に示すフローチャートを実装することが可能な有限状態機械を有するどんなデバイスも、本開示の処理機能を実装するために使用され得る。
【0099】
本開示を、その特定の実施形態を用いて説明したが、多くの代替形態、変更形態、および変形形態が当業者に明らかとなることは明白である。たとえば、本実施形態の様々な構成要素が、他の実施形態では入れ替えられる、追加される、または代用される場合がある。また、各図に示す要素のすべてが、開示する実施形態の動作に必要であるとは限らない。たとえば、開示する実施形態の当業者は、単に独立請求項の要素を用いることによって本開示の教示内容を作成および使用することが可能であろう。したがって、本明細書で示す本開示の実施形態は、限定ではなく、例示となることを意図している。様々な変形形態が、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく作成され得る。
【0100】
本開示では、「第1の」、「第2の」などの関係語は、一方のエンティティまたはアクションを、もう一方のエンティティまたはアクションと単に区別するために使用されることがあり、そのようなエンティティまたはアクション間の実際のそのような関係または順序を必ずしも要求または意味しない。「含む」、「含んでいる」という用語、またはそれらの他の変形は、非排他的な包含を含むものとし、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素のみを含まず、明示的にリストに記載されない、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含み得る。「ある(a)」、「ある(an)」などが前に付く要素は、さらなる制約がなければ、この要素を含むプロセス、方法、物品、または装置におけるさらなる同一の要素の存在を排除しない。また、「別の」という用語は、少なくとも第2のまたはさらなるものと定義される。本明細書で使用する、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は、「備える(comprising)」と定義される。
【符号の説明】
【0101】
101 ユーザ機器(UE)
102 基地局(BS)
【国際調査報告】