(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】保存剤組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 37/10 20060101AFI20241128BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20241128BHJP
A01N 37/42 20060101ALI20241128BHJP
A01N 37/06 20060101ALI20241128BHJP
A01N 37/36 20060101ALI20241128BHJP
A01N 43/18 20060101ALI20241128BHJP
A01N 43/80 20060101ALI20241128BHJP
A01N 37/44 20060101ALI20241128BHJP
A01N 43/40 20060101ALI20241128BHJP
A01N 33/12 20060101ALI20241128BHJP
A01N 61/00 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/43 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20241128BHJP
A61K 8/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A01N37/10
A01P3/00
A01N37/42
A01N37/06
A01N37/36
A01N43/18 B
A01N43/80 102
A01N37/44
A01N43/40 101L
A01N33/12 101
A01N43/40 101Q
A01N61/00 D
A61K8/37
A61K8/49
A61K8/34
A61K8/33
A61K8/19
A61K8/43
A61K8/40
A61K8/41
A61K8/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525335
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2022081923
(87)【国際公開番号】W WO2023084103
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520346882
【氏名又は名称】アークサーダ・アー・ゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローバック,フィリップ・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】ペトコフ,ヨルダン
(72)【発明者】
【氏名】ポイントン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,ローナン
【テーマコード(参考)】
4C083
4H011
【Fターム(参考)】
4C083AB231
4C083AB351
4C083AC151
4C083AC171
4C083AC211
4C083AC241
4C083AC251
4C083AC271
4C083AC301
4C083AC311
4C083AC341
4C083AC471
4C083AC521
4C083AC581
4C083AC681
4C083AC691
4C083AC741
4C083AC841
4C083AC851
4C083AC861
4C083BB48
4C083EE09
4H011AA02
4H011BA02
4H011BB06
4H011BB08
4H011BB10
4H011BB19
4H011DH06
(57)【要約】
本発明は、保存剤及び増強剤成分を含有する保存剤組成物、及び該保存剤組成物を含む最終用途調合物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i) 少なくとも1つの保存剤と、
(ii) (a)レブリン酸エステル、又は(b)レブリン酸ケタール、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのレブリン酸誘導体と、
を含み、
前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体は、前記保存剤単独と比較して前記保存剤の有効性を高めるのに充分な量で存在する、保存剤組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体が、前記保存剤単独と比較して、4~9、好ましくは6~8のpHで前記保存剤の有効性を高めるのに充分な量で存在する、請求項1に記載の保存剤組成物。
【請求項3】
前記保存剤が、酸化合物及びその塩、アルデヒド、フェノール化合物、亜硫酸塩、鉄キレート剤、芳香族アルコール、第四級アンモニウム化合物、ピロン化合物、尿素化合物、グアニジン化合物、ピリジン化合物、イミダゾール化合物、イソチアゾリノン化合物、アミン化合物、カルバメート化合物、又はそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項1又は2に記載の保存剤組成物。
【請求項4】
前記保存剤が、フェノキシエタノール、N,N-ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミン、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、安息香酸ナトリウム、安息香酸、乳酸、乳酸ナトリウム、ベンジルアルコール、ベンズイソチアゾリノン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、レブリン酸、レブリン酸ナトリウム、ナトリウムピリチオン、ジカルボキシメチルアラニン3Na、2-ブチル-1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、ポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項5】
前記保存剤が、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)、ナトリウムピリチオン、乳酸、乳酸ナトリウム、ジカルボキシメチルアラニン3Na、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンズイソチアゾリノン、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、ポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項6】
前記レブリン酸エステルが、C
1~8アルキルレブリン酸エステル、C
3~8シクロアルキルレブリン酸エステル、又はそれらの組み合わせである、請求項1~5のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項7】
前記レブリン酸エステルが、レブリン酸メチル、レブリン酸エチル、レブリン酸プロピル、レブリン酸ブチル、レブリン酸ペンチル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項8】
前記レブリン酸エステルが、レブリン酸エチル、レブリン酸ブチル、又はそれらの組み合わせである、請求項1~7のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項9】
前記レブリン酸ケタールが、エチル-3-(2,4-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)プロパノエート、エチル-3-[4-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル]プロパノエート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項10】
前記保存剤が安息香酸又はその塩であり、好ましくは安息香酸の塩は安息香酸ナトリウムであり、前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体と安息香酸又はその塩とは、50:1~1:50の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項11】
前記保存剤がソルビン酸又はその塩であり、好ましくはソルビン酸の塩はソルビン酸カリウムであり、前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体とソルビン酸又はその塩とは、500:1~1:10の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項12】
前記保存剤が3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)であり、前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体と3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)とは、25:1~1:2の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項13】
前記保存剤が塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)であり、前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体と塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)とは、8000:1~500:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項14】
前記保存剤がナトリウムピリチオンであり、前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体とナトリウムピリチオンとは、8000:1~5:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項15】
前記保存剤が乳酸又はその塩であり、好ましくは乳酸の塩は乳酸ナトリウムであり、前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体と乳酸又はその塩とは、60:1~1:5の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項16】
前記保存剤がジカルボキシメチルアラニン3Naであり、前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体とジカルボキシメチルアラニン3Naとは、5:1~1:5の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項17】
前記保存剤がデヒドロ酢酸又はその塩であり、好ましくはデヒドロ酢酸の塩はデヒドロ酢酸ナトリウムであり、前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体とデヒドロ酢酸又はその塩とは、300:1~1:10の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項18】
前記保存剤がベンズイソチアゾリノンであり、前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体とベンズイソチアゾリノンとは、200:1~1:10の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項19】
前記保存剤が2-ヒドロキシピリジン-N-オキシドであり、前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体と2-ヒドロキシピリジン-N-オキシドとは、75:1~1:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項20】
前記保存剤がポリ(ヘキサメチレン)ビグアニドであり、前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体とポリ(ヘキサメチレン)ビグアニドとは、800:1~5:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載の保存剤組成物を含む最終用途調合物。
【請求項22】
4以上のpH、好ましくは6以上のpHを有する、請求項21に記載の最終用途調合物。
【請求項23】
保存剤組成物に含まれる前記保存剤が、最終用途調合物の重量に基づいて、1重量%以下の量で、例えば0.5重量%以下の量で、最終用途調合物中に存在する、請求項21又は22に記載の最終用途調合物。
【請求項24】
前記保存剤が、酸化合物及びその塩、アルデヒド、フェノール化合物、亜硫酸塩、鉄キレート剤、芳香族アルコール、第四級アンモニウム化合物、ピロン化合物、尿素化合物、グアニジン化合物、ピリジン化合物、イミダゾール化合物、イソチアゾリノン化合物、アミン化合物、カルバメート化合物、又はそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項21~23のいずれか一項に記載の最終用途調合物。
【請求項25】
前記保存剤が、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)、ナトリウムピリチオン、乳酸、乳酸ナトリウム、ジカルボキシメチルアラニン3Na、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンズイソチアゾリノン、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、ポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項21~24のいずれか一項に記載の最終用途調合物。
【請求項26】
前記レブリン酸エステルが、C
1~8アルキルレブリン酸エステル、C
3~8シクロアルキルレブリン酸エステル、又はそれらの組み合わせである、請求項21~25のいずれか一項に記載の最終用途調合物。
【請求項27】
前記レブリン酸エステルが、レブリン酸エチル、レブリン酸ブチル、又はそれらの組み合わせである、請求項21~26のいずれか一項に記載の最終用途調合物。
【請求項28】
前記少なくとも1つのレブリン酸誘導体を含まない等量の保存剤と比較して、微生物に対する有効性を高めるための請求項1~20のいずれか一項に記載の保存剤組成物の使用。
【請求項29】
少なくとも1つのレブリン酸誘導体を含まない等量の保存剤と比較して、微生物に対する少なくとも1つの保存剤の有効性を高めるための、(a)レブリン酸エステル、又は(b)レブリン酸ケタール、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのレブリン酸誘導体の使用。
【請求項30】
微生物に対する有効性は、少なくとも1つのレブリン酸誘導体を含まないpH4~9の等量の保存剤と比較して、pH4~9以上で高まる、好ましくは、微生物に対する有効性は、少なくとも1つのレブリン酸誘導体を含まないpH6~8の等量の保存剤と比較して、pH6~8以上で高まる、請求項28又は29に記載の使用。
【請求項31】
有効性が、少なくとも0.5対数減少、より好ましくは少なくとも1.0対数減少高まる、請求項28~30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
前記保存剤が、酸化合物及びその塩、アルデヒド、フェノール化合物、亜硫酸塩、鉄キレート剤、芳香族アルコール、第四級アンモニウム化合物、ピロン化合物、尿素化合物、グアニジン化合物、ピリジン化合物、イミダゾール化合物、イソチアゾリノン化合物、アミン化合物、カルバメート化合物、又はそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項28~31のいずれか一項に記載の使用。
【請求項33】
前記保存剤が、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)、ナトリウムピリチオン、乳酸、乳酸ナトリウム、ジカルボキシメチルアラニン3Na、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンズイソチアゾリノン、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、ポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項28~32のいずれか一項に記載の使用。
【請求項34】
前記レブリン酸エステルが、C
1~8アルキルレブリン酸エステル、C
3~8シクロアルキルレブリン酸エステル、又はそれらの組み合わせである、請求項28~33のいずれか一項に記載の使用。
【請求項35】
前記レブリン酸エステルが、レブリン酸エチル、レブリン酸ブチル、又はそれらの組み合わせである、請求項28~34のいずれか一項に記載の使用。
【請求項36】
最終用途調合物が微生物によって腐敗することを防ぐ方法であって、該最終用途調合物に請求項1~20のいずれか一項に記載の保存剤組成物を添加することを含む方法。
【請求項37】
前記最終用途調合物が、4以上のpH、好ましくは6以上のpHを有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記保存剤が、酸化合物及びその塩、アルデヒド、フェノール化合物、亜硫酸塩、鉄キレート剤、芳香族アルコール、第四級アンモニウム化合物、ピロン化合物、尿素化合物、グアニジン化合物、ピリジン化合物、イミダゾール化合物、イソチアゾリノン化合物、アミン化合物、カルバメート化合物、又はそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
前記保存剤が、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)、ナトリウムピリチオン、乳酸、乳酸ナトリウム、ジカルボキシメチルアラニン3Na、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンズイソチアゾリノン、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、ポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記レブリン酸エステルが、C
1~8アルキルレブリン酸エステル、C
3~8シクロアルキルレブリン酸エステル、又はそれらの組み合わせである、請求項36~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記レブリン酸エステルが、レブリン酸エチル、レブリン酸ブチル、又はそれらの組み合わせである、請求項36~40のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保存剤及び増強剤成分を含有する保存剤組成物、及び該保存剤組成物を含む最終用途調合物に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア製品、化粧品、ホームケア製品及び他の同様の製品の微生物汚染は、パーソナルケア産業にとって非常に重要な問題である。微生物汚染は、最終用途調合物の製品損失の主な原因となり得、著しい経済的損失を引き起こし得る。さらに、化粧品及びホームケア製品の汚染は、消費者にとって有害な製品に変換される結果となり得る。細菌源又は真菌源のいずれかからの微生物攻撃から保護するためのある特定の保存剤及び保存剤組成物は、当技術分野において知られている。これらの保存剤は、パーソナルケア製品、化粧品、ホームケア製品、並びに健康及び衛生製品などの分野において多種多様な用途を有する。
【0003】
パーソナルケア製品はより広い範囲のpHにわたり、したがってそれらの貯蔵寿命を維持するために保存系を必要とする。しかし、保存剤の多くは、有機酸又は有機酸の塩であり、これらは、それらのpKa点を超えて、特に中性pH又はそれより上に近づくpHにおいて保存を確実にすることができない。これが、それらのpKaを超えると、短い有機酸(及びそれらの塩)が解離して、それらがもはや抗微生物効果を提供できない理由である。
【0004】
パーソナルケア製品中の保存剤のより高い濃度は、中性pH又はそれより上に近づくpHでの保存効果のこの損失を少なくとも部分的に補うことができるが、最終用途調合物中の保存剤の量を減らすための継続的な規制圧力が存在する。同様に、パーソナルケア製品の分野では、パーソナルケア製品中の活性成分の量を減らすための規制圧力が進行中である。さらに、ある特定の従来の保存剤の使用を停止するか、又は最終用途調合物中のある特定の従来の保存剤の量を減らすための継続的な規制圧力が存在する。経済的観点から、保存剤の量を最小限に低減することも望ましい。
【0005】
したがって、許容可能なレベルの全体的な抗微生物効果を維持しながら、より少ない活性成分又は保存剤を含有する保存剤組成物に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、少量の保存剤を必要としながら良好な保存効果を保証する、様々な組成物、例えばホーム及びパーソナルケア配合物に使用することができる保存剤組成物を提供することである。さらに、本発明の保存剤組成物は、広いpH範囲にわたって有効な広域スペクトル保存活性を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明の保存剤組成物によって解決される。
【0008】
本発明の一態様では、(i)少なくとも1つの保存剤と、(ii)(a)レブリン酸エステル、又は(b)レブリン酸ケタール、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのレブリン酸誘導体と、を含む、保存剤組成物が提供される。少なくとも1つのレブリン酸誘導体は、保存剤単独と比較して保存剤の有効性を高めるのに充分な量で存在する。
【0009】
本発明の別の態様では、本発明の保存剤組成物を含む最終用途調合物が提供される。
【0010】
本発明のさらなる態様は、少なくとも1つのレブリン酸誘導体を含まない等量の保存剤と比較して微生物に対する有効性を高めるための本発明による保存剤組成物の使用を提供する。
【0011】
本発明のさらなる態様は、少なくとも1つのレブリン酸誘導体を含まない等量の保存剤と比較して、微生物に対する少なくとも1つの保存剤の有効性を高めるための、(a)レブリン酸エステル又は(b)レブリン酸ケタール、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのレブリン酸誘導体の使用を提供する。
【0012】
本発明のさらなる態様は、最終用途調合物が微生物によって腐敗することを防ぐための方法を提供し、この方法は本発明による保存剤組成物を最終用途調合物に添加することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上で既に概説したように、本発明は、(i)少なくとも1つの保存剤と、(ii)(a)レブリン酸エステル又は(b)レブリン酸ケタール及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのレブリン酸誘導体とを含む保存剤組成物に関する。一実施形態では、少なくとも1つのレブリン酸誘導体は、保存剤単独と比較して保存剤の有効性を高めるのに充分な量で存在する。
【0014】
本明細書で使用される場合、「保存剤」という用語は、微生物が最終用途調合物を損なうのを防ぐため、又は最終用途調合物が開発された特定の目的のために最終用途調合物が使用不可能になることを防止するために、パーソナルケア製品、化粧品、ホームケア製品、並びに健康及び衛生製品などの最終用途調合物にブレンドされることを意図する殺生剤又は殺生組成物を意味する。
【0015】
驚くべきことに、ある量のレブリン酸誘導体を、最終用途調合物用に意図される保存剤を含む保存剤組成物に添加することにより、保存剤とレブリン酸誘導体との間の相乗的相互作用を有する効果的に保存された最終用途調合物を提供することができることが見出された。したがって、本発明者らは、驚くべきことに、レブリン酸誘導体が保存剤の増強剤として作用することを見出した。典型的には、最終用途調合物は4以上のpHを有する。最終用途調合物はまた、約6以上のpHなどの、約中性以上のpHを有し得る。約4以上のpHは、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、約10以上のpHを含む。一実施形態では、少なくとも1つのレブリン酸誘導体は、保存剤単独と比較して、4~9、好ましくは6~8のpHで保存剤の有効性を高めるのに充分な量で存在する。
【0016】
本明細書で使用される場合、「相乗的相互作用」は、保存剤が、レブリン酸誘導体と組み合わされた場合に、保存剤単独又はレブリン酸誘導体単独の抗菌/抗真菌特性よりも高い総抗菌/抗真菌効果を有するという事実を指す。換言すれば、本発明の保存剤は、レブリン酸誘導体と相乗的に作用し、同じ濃度の保存剤単独の抗菌活性又はレブリン酸誘導体単独の抗菌活性と比較して、ある特定の微生物に対するそれぞれの存在下でより大きい抗菌/抗真菌活性を有する。この相乗効果により、保存剤組成物中に存在する保存剤の量は、所望の効果をなおもたらしながら低減され得る。この有効性は、保存剤組成物中の保存剤の「増強」としても知られている。保存剤のこの増強は、本明細書では、保存剤の有効性を高めるための、保存剤とレブリン酸誘導体との間の「相乗効果」とも呼ばれる。
【0017】
さらに、本発明による保存剤組成物の使用及び本発明による少なくとも1つのレブリン酸誘導体の使用は、多数の技術的利点及び利益を提供する。例えば、本発明による保存剤組成物は、様々なpHレベルで全てのタイプの微生物に対して広域スペクトル活性を維持する。また、本発明による保存剤組成物は、一般に、温度の変化及び保存剤組成物が含まれ得る最終配合物の製造、包装、輸送、及び貯蔵中に遭遇する変化の間に安定なままである。さらに、本発明による保存剤組成物は、種々の最終用途調合物中に存在する成分と物理的及び化学的に適合性である。最後に、本発明の保存剤組成物は、より少ない量の保存剤を含有し得るが、依然として業界標準に合致する抗微生物効果を提供し得る。
【0018】
本発明の組成物は、本発明の成分並びに本明細書に記載の他の成分を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなることができる。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」とは、組成物又は成分が追加の成分を含み得るが、追加の成分が特許請求された組成物又は方法の基本的及び新規の特徴を実質的に変化させない場合にのみ追加の成分を含み得ることを意味する。
【0019】
本明細書で使用される場合、使用される物質、構成成分、成分、又はパラメータの量を修飾する「約」という用語は、例えば、典型的な測定及び取扱い手順、例えば、濃縮物又は溶液を作製するために使用される液体取扱い手順を通して起こり得る数値量の変動を指す。さらに、変動は、測定手順における不注意による誤差、本発明を実施するために使用される成分の製造、供給源、又は純度の違いから生じ得る。一実施形態では、「約」という用語は、報告された数値の10%以内を意味する。より具体的な実施形態では、「約」という用語は、報告された数値の5%以内を意味する。
【0020】
本発明で使用可能な好適な保存剤としては、酸化合物及びその塩、アルデヒド、フェノール化合物、亜硫酸塩、鉄キレート剤、芳香族アルコール、第四級アンモニウム化合物、ピロン化合物、尿素化合物、グアニジン化合物、ピリジン化合物、イミダゾール化合物、イソチアゾリノン化合物、アミン化合物、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0021】
一実施形態では、保存剤は、芳香族及び非芳香族酸の両方を含む酸化合物及びその塩であり得る。例示的な酸としては、例えば、安息香酸、プロピオン酸、サリチル酸、ソルビン酸、ギ酸、ウンデカ-10-エン酸、乳酸、グリコール酸、レブリン酸及びクエン酸が挙げられる。本明細書で使用される場合、「酸化合物」という用語は、この酸のそれぞれの塩を含むことを意味する。塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウム塩、例えば安息香酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、レブリン酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムが挙げられる。換言すれば、保存剤としての酸への言及はすべて、同様に、そのような酸の塩を含む。他の塩を使用してもよい。酸化合物は、典型的には、特定の酸化合物に応じて、最終用途調合物の重量に基づいて約3重量%までの量で最終用途調合物中の保存剤として使用される。同様の量を塩に使用することができる。典型的には、酸又はその塩は、最終用途調合物の重量に基づいて、1重量%以下の量、例えば0.5重量%以下の量で使用される。酸の混合物も保存剤として使用することができる。
【0022】
好ましくは、酸化合物及びその塩は、安息香酸又はその塩、乳酸又はその塩、ソルビン酸又はその塩、レブリン酸又はその塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、酸化合物及びその塩は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、レブリン酸、レブリン酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。さらにより好ましくは、酸化合物及びその塩は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0023】
別の実施形態では、保存剤はアルデヒドであってもよい。例示的なアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒドが挙げられる。例示的なアルデヒド形成剤としては、ヒダントインのようなイミダゾリジン化合物、例えばジメチルオールジメチルヒダントイン、(DMDMH)及び他の類似のアルデヒド形成ヒダントインが挙げられる。使用に応じて、アルデヒドは、保存される組成物中に0.3重量%までの量で存在し得る。典型的には、アルデヒドの量は、保存される組成物の重量に基づいて0.2%までである。アルデヒドの混合物も保存剤として使用することができる。
【0024】
さらなる実施形態では、保存剤はフェノール化合物であってもよい。例示的なフェノール化合物としては、例えば、パラベン化合物、ビフェニル-2-オール(o-フェニルフェノール)又はその塩、4-クロロ-m-クレゾール、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、4-イソプロピル-m-クレゾール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、及びブロモクロロフェンが挙げられる。例示的なパラベン化合物としては、例えば、ブチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン及びそれらの塩(例えば、カリウム、ナトリウム及び/又はカルシウム塩を含む)が挙げられる。フェノール化合物は、典型的には、最終用途調合物中の保存剤として、最終用途調合物全体の重量に基づいて約1重量%までの量で使用される。この上限は、特定のフェノール化合物に依存する。より典型的には、約0.5重量%までのフェノール化合物が化粧品配合物に使用される。
【0025】
さらに別の実施形態では、保存剤は、鉄キレート剤として知られる化合物であってもよく、鉄キレート剤は、ピリチオン化合物、ヒドロキシルピリジン化合物、及びそれらの塩から選択される。ピリチオンは、2メルカプトピリジン-N-オキシド、2-ピリジンチオール-1-オキシド(CAS登録番号1121-31-9)、1-ヒドロキシピリジン-2-チオン及び1-ヒドロキシ-2(1H)-ピリジンチオン(CAS登録番号1121-30-8)を含むいくつかの名称で知られている。ピリチオン塩は、ナトリウムOMADINE(R)又は亜鉛OMADINE(R)など、Arxada AGから市販されている。好ましくは、ヒドロキシルピリジン化合物は2-ピリジノール-1-オキシド(HPNO、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシドとも呼ばれる)である。
【0026】
保存剤として存在するピリチオンは、水不溶性形態又は水溶性形態で存在することができる。ピリチオンは、ナトリウムピリチオン、亜鉛ピリチオン、バリウムピリチオン、ストロンチウムピリチオン、銅ピリチオン、カドミウムピリチオン、及び/又はジルコニウムピリチオンを含み得る。組成物中に存在し得る他のピリチオンとしては、ナトリウムピリチオン、ビスマスピリチオン、カリウムピリチオン、リチウムピリチオン、アンモニウムピリチオン、カルシウムピリチオン、マグネシウムピリチオン、銀ピリチオン、金ピリチオン、マンガンピリチオン、及び/又は有機アミンピリチオンが挙げられる。単一のピリチオンが保存剤として存在してもよく、又は上記のいずれかの組み合わせが保存剤として含まれてもよい。好ましくは、ピリチオンはナトリウムピリチオンである。
【0027】
ピリチオン粒子は、粒子の100%が約10ミクロン未満の粒径を有し、粒子の少なくとも70%が5ミクロン未満の粒径を有するような粒径を有することができ、例えば、粒子の少なくとも約50%が1ミクロン以下の粒径を有することができるような粒径を有することができる。粒径は、レーザー散乱粒径分析器、例えばHORIBA LA 910粒径分析器を用いて測定することができる。
【0028】
ピリチオン粒子は、ピリチオン又はピリチオンの水溶性塩と水溶性多価金属塩とを、粉砕力を発生させる加圧乱流反応器内で反応させることにより製造することができる。加圧乱流反応器によって生成される粉砕力は、ミクロンサイズのピリチオン塩粒子を効率的に生成する。この方法によって作製されるミクロンサイズのピリチオン塩粒子は、狭い均一なサイズ分布を有し、ミクロン粒子の集団によって提供される大きな表面積に起因して優れた表面堆積特性を有する。
【0029】
鉄キレート剤化合物は、典型的には、特定の化合物に応じて約1重量%までの量で最終用途調合物中の保存剤として使用される。特に興味深いのは、亜鉛ピリチオン及びピロクトンオラミンである。これらの鉄キレート剤はまた、フケ防止特性を含む他の利益を提供するなどの他の利点を有し得る。
【0030】
別の実施形態では、保存剤は、無機亜硫酸塩化合物及び亜硫酸水素塩化合物を含み得る。亜硫酸塩化合物は、通常、最終用途調合物の総重量に基づいて約0.5重量%までの量で存在する。
【0031】
いくつかの実施形態では、保存剤はアルコール化合物を含む。アルコールは低級アルコールであっても芳香族アルコールであってもよい。低級アルコールは、典型的には、単官能性低分子アルコール、好ましくは1~4個の炭素原子を有するアルカノール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール若しくはブタノール、又はそれらの組み合わせの中から選択される。クロロブタノールなどの置換アルコールを使用することもできる。特に好適な低級アルコールとしては、エタノール及びイソプロピルアルコールが挙げられる。芳香族アルコールを使用することもできる。好適な芳香族アルコールとしては、フェノキシエタノール、2,4-ジクロロフェニル)メタノール、ベンジルアルコール、1-フェノキシプロパンオール、クロルフェネシン、及びベンジルヘミホルマールが挙げられる。特に好ましいアルコールの1つはフェノキシエタノールである。別の特に好ましいアルコールはベンジルアルコールである。アルコール化合物は、特定のアルコール化合物に応じて、最終用途調合物の総重量に基づいて約1.5重量%までの量で最終用途調合物中の保存剤として使用され得る。ほとんどの場合、アルコール化合物の量は、典型的には最終用途調合物の重量に基づいて約1重量%まで、より典型的には約0.5重量%までの量で使用される。
【0032】
別の実施形態では、1つ以上の第四級アンモニウム化合物を保存剤として使用することができる。「クワット」としても知られる第四級アンモニウム化合物は、典型的には、適切なアニオンとともに少なくとも1つの第四級アンモニウムカチオンを含む。クワットは一般に一般式(1)を有する。
【化1】
【0033】
基R1、R2、R3及びR4は、広い範囲内で変化し得、抗菌特性を有し得る。典型的には、R1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つ、例えば少なくとも2つは、1~4個の炭素原子を有することを意味する低級アルキル、例えばメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基である。一態様では、R1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つ、例えば少なくとも2つは、6~24個の炭素原子のより長い鎖のアルキル基である。R4はまた、置換若しくは非置換ベンジル基、例えばエチルベンジル基、又はアルコキシ基であり得る。A-は、無機酸又は有機酸の一価アニオン又は一当量の多価アニオンである。A-に好適なアニオンは、原則として、全ての無機又は有機アニオン、特にハロゲン化物、例えば塩化物又は臭化物、炭酸塩、重炭酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サッカリン酸塩、又はそれらの混合物である。カルボン酸塩は、低級カルボン酸又は脂肪酸から誘導され得る。
【0034】
アルキルは、以下では、いずれの場合も、特定数の炭素の非分岐又は分岐アルキル基を意味すると解釈されるが、好ましくは非分岐アルキル基、特に好ましくは偶数の炭素原子を有するアルキル基を意味する。特に、これはまた、天然原料に由来する同族体混合物、例えば「ココアルキル」を意味すると解釈される。
【0035】
一実施形態では、第四級アンモニウム化合物は、以下のR基を有していてもよく、R1、R2及びR3はアルキル基であり、R4はベンジル基、C6~18アルキル基などのC1~18アルキル基、又は構造-[(CH2)2-O]nR5(式中、n=1~20であり、R5は水素又は非置換若しくは置換フェニルである)を有する基などのアルコキシ基であり、A-は上記の通り、例えば、無機酸又は有機酸の一価のアニオン又は一当量の多価のアニオンである。例えば、R1は1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、R2及びR3は独立して6~24個の炭素原子を有するアルキル基であるか、又はR1及びR2は独立して1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、R3は6~24個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0036】
好適な第四級アンモニウム化合物としては、例えば、アルキル(C12~22)トリメチルアンモニウムブロミド、アルキル(C12~22)トリメチルアンモニウムクロリド化合物(例えば、セトリモニウムブロミド、セトリモニウムクロリド、ラウルトリモニウムブロミド、ラウルトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムブロミド、及びステアルトリモニウムクロリド又はそれらの混合物を含む)、ベンゼトニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム、ベンザルコニウムブロミド及びベンザルコニウムサッカリネートを含む)が挙げられる。
【0037】
好適な第四級アンモニウム化合物としては、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)、好ましくはC12~C16アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドが挙げられる。塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)は、Arxada AGからBarquat(R)BAC-50として市販されている。
【0038】
一実施形態では、第四級アンモニウム化合物は、ジアルキルアンモニウム化合物、例えばジメチルジアルキルアンモニウム化合物を含んでもよい。一実施形態では、ジメチルジアルキルアンモニウム化合物は、アルキル基のそれぞれに約8~約12個の間の炭素原子、例えば約8~約10個の炭素原子を有し得る。
【0039】
ジメチルジアルキルアンモニウム化合物の例としては、ジメチルジオクチルアンモニウム化合物、例えばジメチルジオクチルアンモニウムクロリド、ジメチルジデシルアンモニウム化合物、例えばジメチルジデシルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。ジメチルジアルキルアンモニウム化合物の混合物を使用することもでき、上記のものなどの他のアニオンを使用することもできる。市販のジメチルジアルキルアンモニウム化合物としては、例えば、Arxada AGによってBARDAC(R)、BARDAP(R)、BARQUAT(R)、又はCARBOQUAT(R)の商品名で上市され、販売されている組成物が挙げられる。
【0040】
このような市販のジメチルジアルキルアンモニウム化合物の例としては、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド(Arxada AGからBardac(R)LF及びLF-80として入手可能)、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド(Arxada AGからBardac(R)2050及び2080としてオクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド及びジデシルジメチルアンモニウムクロリドの混合物として入手可能)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(Arxada AGからBardac(R)2250及び2280として入手可能)、デシルイソノニルジメチルアンモニウムクロリド(Arxada AGからBardac(R)21として入手可能)、ジイソデシルジメチルアンモニウムクロリド(Stepan Co.(イリノイ州ノースフィールド)からBTC99として入手可能)、及び前述のいずれかの任意の組み合わせが挙げられる。
【0041】
好ましくは、第四級アンモニウム化合物は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、第四級アンモニウム化合物はアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(Barquat(R)BAC-50)である。
【0042】
第四級アンモニウム化合物は、特定の第四級アンモニウム化合物に応じて、最終用途調合物の総重量に基づいて約0.2重量%までの量で最終用途調合物中に含まれ得る。ある特定の実施形態において、最終用途調合物は、最終用途調合物の重量に基づいて、約0.1重量%~約0.05重量%を含有し得る。
【0043】
本発明において保存剤として使用可能な例示的なピロン化合物としては、例えば、デヒドロ酢酸及びその塩(例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム)が挙げられる。ピロン化合物は、最終用途調合物の総重量に基づいて、約1.0重量%までの量で使用され得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のピロン化合物は、約0.6重量%までの量で使用され得る。好ましくは、ピロン化合物は、デヒドロ酢酸又はその塩から選択される。より好ましくは、ピロン化合物は、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム及びそれらの組み合わせから選択される。さらにより好ましくは、ピロン化合物はデヒドロ酢酸である。
【0044】
1つ以上の尿素化合物もある特定の実施形態において保存剤として使用することができる。例示的な尿素化合物としては、例えば、3-(4-クロロフェニル)-1-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(トリクロカルバン)、1,1’-メチレンビス{3-[4-(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル]尿素}、及びN-(ヒドロキシメチル)-N-(ジヒドロキシメチル-1,3-ジオキソ2,5-イミダゾリニジル-4)-N’-(ヒドロキシメチル)尿素が挙げられる。これらの化合物は、典型的には、最終用途調合物の約0.5重量%までの量で使用される。
【0045】
本発明において保存剤として使用可能な例示的なイミダゾール化合物としては、例えば、1-(4-クロロフェノキシ)-1-(イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチルブタン-2-オン)、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン)が挙げられる。いくつかの実施形態において、1つ以上の尿素化合物は、最終用途調合物の約0.5重量%までの量で含まれ得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、保存剤は、1つ以上のイソチアゾリノンを含み得る。例示的なイソチアゾリノンとしては、例えば、5-クロロ-2-メチル-イソチアゾール-3-オン(クロロメチルイソチアゾリノン)、2-メチル-イソチアゾール-3-オン(メチルイソチアゾリノン)、ベンズイソチアゾリノン(BIT)、2-ブチル-1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(BBIT)、及びそれらの混合物が挙げられる。ある特定の実施形態では、1つ以上のイソチザオリノンは、最終用途調合物の約0.01重量%までの量で使用され得る。好ましくは、イソチアゾリノンは、ベンズイソチアゾリノン(BIT)、2-ブチル-1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(BBIT)、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0047】
より好ましくは、イソチアゾリノンはベンズイソチアゾリノン(BIT)である。
【0048】
さらに別の態様では、保存剤は、トリアミン化合物などのアミン化合物であり得る。好適なトリアミン化合物としては、限定されないが、式(2)を有するものが挙げられる。
【化2】
式中、Rは、置換若しくは非置換のC
8~C
18アルキル、C
8~C
18アルケニル、C
8~C
18アルキニル、又はC
8~C
18シクロアルキル若しくはアリールであり、Rは、任意選択で1つ以上のヘテロ原子で割り込まれている。
【0049】
本明細書で使用される「置換された」という用語は、1つ以上のハロゲン(F、Cl、I、又はBrなど)、ヘテロ原子基、C8~C18アルキル、C8~C18アルケニル、C8~C18アルキニル、C8~C18シクロアルキル、アリール、又はカルボニル含有C8~C18アルキル、C8~C18アルケニル、又はC8~C18アルキニル基(ケトン、エステル、エーテル、炭酸塩、又はカルボン酸塩など)で置換された化合物を含む。
【0050】
好適なヘテロ原子としては、O、N、P、及びSが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
適切なヘテロ原子基には、これらに限定されないが、-NH2、-NO2、-SO2、-SO3、-PO3、=O、及び-OHが含まれる。
【0052】
置換基Rは、好ましくは、非置換のC8~C18アルキル、C8~C18アルケニル、C8~C18アルキニル、C8~C18シクロアルキル、又はアリールである。好ましいトリアミンとしては、Arxada AGからLbac(R)12として入手可能なN,N-ビス(3-アミノプロピル)-ドデシルアミン、ビス(3-アミノプロピル)オクチルアミン、及びN,N-ビス(3-アミノプロピル)-オクチルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
別の好適なアミン化合物は、ジカルボキシメチルアラニン3Naである。
【0054】
好ましくは、アミン化合物は、N,N-ビス(3-アミノプロピル)-ドデシルアミン及びジカルボキシメチルアラニン3Naから選択される。
【0055】
アミン保存剤は、一般に、最終用途調合物の約2重量%まで、特に約50ppm~約200,000ppm、例えば約50ppm~約500ppmの量で含まれ得る。
【0056】
一実施形態では、保存剤は、カルバメート化合物であり得る。保存剤として使用することができる好適なカルバメート化合物としては、ヨードプロピニルアルキルカルバメート、例えば3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)が挙げられる。好ましくは、カルバメート化合物は3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)である。
【0057】
一実施形態では、保存剤はグアニジン化合物であり得る。保存剤として使用することができる好適なグアニジン化合物には、オリゴマー又はポリマービグアニド化合物などのポリマーグアニジン化合物が含まれる。好適なグアニジン化合物としては、ポリヘキサメチレングアニジン(PHMG)、ポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド(PHMB)、及びポリアミノプロピルビグアニド(PAPB)が挙げられる。好ましくは、グアニジン化合物はポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド(PHMB)である。
【0058】
保存剤として使用され得る他の成分としては、ジブロモヘキサミジン及びその塩、チオメルサール、フェニル(phyenyl))水銀塩、ヘキセチジン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、ポリヘキサメチレンビグアニド又はその塩、ヘキサメチレンテトラミン、メテナミン3-クロロアリロクロリド、2-クロロアセトアミド、クロロヘキシジン及びそのジグルコネート(diglucononate)、又はジアセテートエステル及びそのジヒドロクロリド塩、4,4-ジメチル,1,3-オキサゾリジン、グルタルアルデヒド、5-エチル-3,7-ジオキサ-1-アザビシクロオクタン、ナトリウムヒドロキシメチルグリシネート、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)及びエチルラウロイルアルギネートが挙げられる。ある特定の実施形態では、これらの成分は、最終用途調合物の約0.5重量%までの量で含まれ得る。
【0059】
加えて、保存剤は、単一の保存剤であってもよく、単一のタイプの保存剤からの2つ以上の保存剤の混合物であってもよく、又は2つ以上の異なるタイプの保存剤の混合物であってもよい。
【0060】
一実施形態では、保存剤は、フェノキシエタノール、N,N-ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミン、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、安息香酸ナトリウム、安息香酸、乳酸、乳酸ナトリウム、ベンジルアルコール、ベンズイソチアゾリノン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、レブリン酸、レブリン酸ナトリウム、ナトリウムピリチオン、ジカルボキシメチルアラニン3Na、2-ブチル-1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、ポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0061】
一実施形態では、保存剤は、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ソルビン酸カリウム、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、フェノキシエタノール、ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミン、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、乳酸、乳酸ナトリウム、ベンジルアルコール、ベンズイソチアゾリノン、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、レブリン酸、ナトリウムピリチオン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0062】
好ましくは、保存剤は、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)、ナトリウムピリチオン、乳酸、乳酸ナトリウム、ジカルボキシメチルアラニン3Na、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンズイソチアゾリノン、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、ポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0063】
より好ましくは、保存剤は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)、ナトリウムピリチオン、乳酸、ジカルボキシメチルアラニン3Na、デヒドロ酢酸、ベンズイソチアゾリノン、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、ポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0064】
好ましくは、保存剤は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0065】
本発明の保存剤組成物は、(a)レブリン酸エステル、又は(b)レブリン酸ケタール、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのレブリン酸誘導体を含む。本発明で使用可能なレブリン酸エステル及びレブリン酸ケタールは、(ヘミ)セルロース原料などから誘導することができる。
【0066】
好適なレブリン酸エステルとしては、限定されないが、式(3)を有するものが挙げられる。
【化3】
式中、Rは、C
1~C
8アルキル又はC
3~C
8シクロアルキルである。
【0067】
本明細書で使用される場合、C1~C8アルキルは、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、ヘプチル、及びオクチルを含む1~8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素基を指す。したがって、C1~C8アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7及びC8アルキルを含む。
【0068】
本明細書で使用される場合、C3~C8シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルを含む3~8個の炭素環員を有する単環式飽和炭化水素基を指す。したがって、C3~C8シクロアルキルは、C3、C4、C5、C6、C7及びC8シクロアルキルである。
【0069】
したがって、一実施形態では、レブリン酸エステルは、C1~8アルキルレブリン酸エステル、C3~8シクロアルキルレブリン酸エステル、又はそれらの組み合わせである。
【0070】
一実施形態では、レブリン酸エステルは、レブリン酸メチル、レブリン酸エチル、レブリン酸プロピル、レブリン酸ブチル、レブリン酸ペンチル及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、レブリン酸エステルは、レブリン酸エチル、レブリン酸ブチル、又はそれらの組み合わせである。好ましい一実施形態では、レブリン酸エステルはレブリン酸エチルである。好ましい一実施形態では、レブリン酸エステルはレブリン酸ブチルである。
【0071】
少なくとも1つのレブリン酸誘導体は、レブリン酸エステルの代わりに、又はそれに加えて、レブリン酸ケタールであってもよい。
【0072】
一実施形態では、レブリン酸ケタールは、エチル-3-(2,4-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)プロパノエート、エチル-3-[4-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル]プロパノエート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0073】
一実施形態では、保存剤は安息香酸ナトリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はソルビン酸カリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤は3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。
【0074】
一実施形態では、保存剤はフェノキシエタノールであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はN,N-ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミンであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はジデシルジメチルアンモニウムクロリドであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤は安息香酸ナトリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤は安息香酸であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤は乳酸であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤は乳酸ナトリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はベンジルアルコールであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はベンズイソチアゾリノンであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はソルビン酸であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はソルビン酸カリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤は3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はデヒドロ酢酸であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はデヒドロ酢酸ナトリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はレブリン酸であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はレブリン酸ナトリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はナトリウムピリチオンであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はジカルボキシメチルアラニン3Naであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤は2-ブチル-1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤は塩化ベンザルコニウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤は塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤は2-ヒドロキシピリジン-N-オキシドであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。一実施形態では、保存剤はポリ(ヘキサメチレン)ビグアニドであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸エチルである。
【0075】
一実施形態では、保存剤はフェノキシエタノールであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はN,N-ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミンであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はジデシルジメチルアンモニウムクロリドであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤は安息香酸ナトリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤は安息香酸であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤は乳酸であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤は乳酸ナトリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はベンジルアルコールであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はベンズイソチアゾリノンであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はソルビン酸であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はソルビン酸カリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤は3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はデヒドロ酢酸であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はデヒドロ酢酸ナトリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチル。一実施形態では、保存剤はレブリン酸であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はレブリン酸ナトリウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はナトリウムピリチオンであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はジカルボキシメチルアラニン3Naであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤は2-ブチル-1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤は塩化ベンザルコニウムであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤は塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)であり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤は2-ヒドロキシピリジン-N-オキシドであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。一実施形態では、保存剤はポリ(ヘキサメチレン)ビグアニドであり、レブリン酸誘導体はレブリン酸ブチルである。
【0076】
少なくとも1つのレブリン酸誘導体と保存剤との重量比は、様々な要因に応じて変動し得る。例えば、少なくとも1つのレブリン酸誘導体と保存剤との重量比は、最終製品の組成、防除される微生物、使用される特定の少なくとも1つのレブリン酸誘導体及び保存剤、製品の最終特性などに依存し得る。
【0077】
少なくとも1つのレブリン酸誘導体と保存剤との重量比は、一般に約10,000:1~1:100、例えば8000:1~1:50の範囲であり得る。例えば、少なくとも1つのレブリン酸誘導体と保存剤との重量比は、一般に約10:1~1:100、例えば9:1~1:90、例えば8:1~1:80、例えば7:1~1:70、例えば6:1~1:60、例えば5:1~1:50の範囲であり得る。
【0078】
多くの用途では、保存剤の有効性を高めるために、少量の少なくとも1つのレブリン酸誘導体のみが必要とされる。例えば、一態様では、保存剤は、少なくとも1つのレブリン酸誘導体よりも多い量で存在する。
【0079】
一実施形態では、保存剤は安息香酸ナトリウムであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体と安息香酸ナトリウムとは、10:1~1:100、好ましくは5:1~1:50の重量比で保存剤組成物中に含まれる。一実施形態では、保存剤は安息香酸ナトリウムであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体と安息香酸ナトリウムとは、100:1~1:100、好ましくは50:1~1:50の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0080】
一実施形態では、保存剤は安息香酸又はその塩であり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体と安息香酸又はその塩とは、100:1~1:100、好ましくは50:1~1:50の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0081】
一実施形態では、保存剤はソルビン酸カリウムであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とソルビン酸カリウムとは、10:1~1:100、好ましくは1:1~1:50の重量比で保存剤組成物中に含まれる。一実施形態では、保存剤はソルビン酸カリウムであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とソルビン酸カリウムとは、500:1~1:10の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0082】
一実施形態では、保存剤は3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)であり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体と3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)とは、25:1~1:2、好ましくは25:1~1:5の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0083】
一実施形態では、保存剤は塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)であり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体と塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ADBAC)とは、8000:1~500:1、好ましくは7000:1~700:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0084】
一実施形態では、保存剤はナトリウムピリチオンであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とナトリウムピリチオンとは、8000:1~5:1、好ましくは7000:1~5:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0085】
一実施形態では、保存剤はレブリン酸であり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とレブリン酸とは、50:1~1:50、好ましくは25:1~1:25の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0086】
一実施形態では、保存剤はフェノキシエタノールであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とフェノキシエタノールとは、50:1~1:100、好ましくは10:1~1:25の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0087】
一実施形態では、保存剤は乳酸又はその塩であり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体と乳酸又はその塩とは、60:1~1:5、好ましくは40:1~1:4の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0088】
一実施形態では、保存剤は乳酸ナトリウムであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体と乳酸ナトリウムとは、60:1~1:5、好ましくは40:1~1:4の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0089】
保存剤はジカルボキシメチルアラニン3Naであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とジカルボキシメチルアラニン3Naとは、5:1~1:5、好ましくは3:1~1:3の重量比で保存剤組成物中に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【0090】
一実施形態では、保存剤はベンジルアルコールであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とベンジルアルコールとは、50:1~1:100、好ましくは10:1~1:10の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0091】
一実施形態では、保存剤はソルビン酸又はその塩であり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とソルビン酸又はその塩とは、25:1~1:5、好ましくは10:1~1:2の重量比で保存剤組成物中に含まれる。一実施形態では、保存剤はソルビン酸又はその塩であり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とソルビン酸又はその塩とは、500:1~1:10の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0092】
一実施形態では、保存剤はデヒドロ酢酸又はその塩であり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とデヒドロ酢酸又はその塩とは、25:1~1:5、好ましくは10:1~1:2の重量比で保存剤組成物中に含まれる。一実施形態では、保存剤はデヒドロ酢酸又はその塩であり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とデヒドロ酢酸又はその塩とは、300:1~1:10、好ましくは250:1~1:8の重量比で保存剤組成物中に含まれる。一実施形態では、保存剤はデヒドロ酢酸ナトリウムであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とデヒドロ酢酸ナトリウムとは、300:1~1:10、好ましくは250:1~1:8の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0093】
一実施形態では、保存剤はベンズイソチアゾリノンであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とベンズイソチアゾリノンとは、200:1~1:10、好ましくは150:1~1:5の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0094】
一実施形態では、保存剤は2-ヒドロキシピリジン-N-オキシドであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体と2-ヒドロキシピリジン-N-オキシドとは、75:1~1:1、好ましくは60:1~1:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0095】
一実施形態では、保存剤はポリ(ヘキサメチレン)ビグアニドであり、少なくとも1つのレブリン酸誘導体とポリ(ヘキサメチレン)ビグアニドとは、800:1~5:1、好ましくは700:1~7:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0096】
様々な異なる微生物を本発明に従って防除することができる。例えば、本発明の保存剤組成物は、グラム陽性菌、グラム陰性菌等を防除することができる。細菌に加えて、本発明の保存剤組成物はまた、真菌、ウイルス、胞子、酵母、マイコバクテリアなどの様々な他の微生物を死滅させ、その増殖を制御することもできる。本発明に従って防除することができる特定の微生物の非限定的な例としては、黄色ブドウ球菌、肺炎連鎖球菌、緑膿菌、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、淋菌、大腸菌、エンテロコッカス・ヒラエ(Enterococcus hirae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、エンテロバクター・ゲルゴビアエ(Enterobacer gergoviae)、肺炎桿菌、バークホルデリア・セパシア(Burholderia cepacia)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、コクリア・リゾフィラ(Kocuria rhizophila)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、アスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)、ペニシリウム・フニクロサム(Penicillium funiculosum)、ユーペニシリウム・レビツム(Eupenicillium levitum)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、結核菌、マイコバクテリウム・テラエ(Mycobacterium terrae)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、ポリオウイルス、アデノウイルス、ノロウイルス、ワクシニアウイルス、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトパピローマウイルス、又はそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、微生物は、アスペルギルス・ブラジリエンス、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、カンジダ・アルビカンス、及びそれらの混合物から選択される。
【0097】
本発明はさらに、本発明による保存剤組成物を含む最終用途調合物に関する。最終用途調合物は、4以上のpH、5以上のpH、6以上のpH、又は7以上のpHを有し得る。したがって、最終用途調合物は、4以上、4.5以上、5以上、5.5以上、6以上、6.5以上、7以上、7.5以上、8以上、8.5以上、9以上、9.5以上、又は10以上のpHを有し得る。一実施形態では、最終用途調合物は、4~9、好ましくは6~8のpHを有する。一実施形態では、最終用途調合物は、6~9、好ましくは7~8のpHを有する。
【0098】
一実施形態では、保存剤は、最終用途調合物中に、最終用途調合物の重量に基づいて1重量%以下の量、例えば0.5重量%以下の量で存在する。
【0099】
一般に、本発明の保存剤組成物は、任意の数の異なる最終用途調合物又は製品に組み込むことができる。本明細書で使用される場合、「最終用途調合物」は、パーソナルケア製品、化粧品、ホームケア製品、並びに健康及び衛生製品を含むことが意図される。一実施形態では、最終用途調合物はパーソナルケア製品である。例えば、パーソナルケア製品は、フェイスクリーム、メイクアップリムーバー、マスカラ又はウェットワイプを含む化粧品配合物などの製品を含み得る。パーソナルケア製品はまた、任意のパーソナルケアウェットワイプ用途のためのシャンプー、コンディショナー、スキンローション又は液体を含む。パーソナルケア製品は、使用者の皮膚又は毛髪への局所適用のための任意の製品を含むことができる。本発明の保存剤組成物が最終用途調合物に配合される場合、保存剤組成物は、広いpH範囲にわたって、具体的にはpH4以上、pH5以上、又はpH6以上、例えばpH4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、及び10以上において、有効な広域スペクトル保存活性を提供する。例えば、ある特定の実施形態では、最終用途調合物、例えばパーソナルケア製品は、約4~10、例えば約6~10、例えば約6~約8、特に約6~約8、又は約7~約8の範囲のpHを有し得る。したがって、本発明の保存剤組成物は、様々なpHを有する後半な最終用途調合物にわたる最終用途調合物への広い抗菌適用範囲を示し得る。
【0100】
実施形態では、本発明の保存剤組成物は、約3~9、例えば約4~約9、例えば約5~約8、特に約6~約8又は約7~約8の範囲のpHを有し得る。
【0101】
パーソナルケア製品などの最終用途調合物は、本発明の保存剤組成物が添加されるベース配合物を含んでもよい。ベース配合物は、最終用途に応じて、多数の異なる成分を含有し得る。最終用途調合物は、例えば、溶媒、界面活性剤、乳化剤、稠度因子、コンディショナー、皮膚軟化剤、スキンケア成分、保湿剤、増粘剤、湿潤剤、充填剤、抗酸化剤、他の保存剤、活性成分、特に皮膚科学的活性成分、芳香剤など、並びにそれらの混合物を含有し得る。本明細書で言及される活性成分は、例えば、抗炎症剤、抗細菌剤、抗真菌剤などを含む。局所適用に適した活性成分が特に好ましい。
【0102】
好適な界面活性剤としては、アルキルサルフェート、例えばナトリウムラウリルサルフェート、アンモニウムラウリルサルフェート、ナトリウムセテアリルサルフェート、アルキルスルホアセテート、例えばナトリウムラウリルスルホアセテート、アルキルエーテル硫酸塩、例えばラウレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、オレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、例えばジナトリウムラウレススルホコハク酸塩、アルキルグリコシド、例えばデシルグルコシド、ラウリルグルコシド、アルキルイセチオネート両性化合物、例えばコカミドプロピルベタイン、ジナトリウムココアンホアセテート、ナトリウムラウロアンホアセテート、ジナトリウムラウロアンホジアセテート、ジナトリウムココアンホジアセテート、ナトリウムラウロアンホプロピオネート、ジナトリウムラウロアンポジプロピオネート、前述の両性化合物のカリウム又はアンモニウム塩、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、ラウロミドプロピルベタイン、及び脂肪アルコールポリグリコールエーテルが挙げられる。
【0103】
適切な乳化剤としては、例えば、脂肪酸の塩としてのアニオン性物質(例えば、ステアリン酸ナトリウム又はパルミチン酸ナトリウム)、有機石鹸(例えば、モノ-、ジ-又はトリエタノールアミノエート)、硫酸化又はスルホン化化合物(例えば、ナトリウムラウリルサルフェート又はナトリウムセチルスルホネート)、サポニン、ラメポン、第四級アンモニウム塩としてのカチオン、脂肪アルコールとしての非イオン性物質、飽和又は不飽和脂肪酸との脂肪酸エステル、脂肪酸のポリオキシエチレンエステル又はポリオキシエチレンエーテル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド又はプロピレングリコールからのポリマー、ホスファチドとしての両性化合物(amphotheric)、ゼラチンとしてのタンパク質、カゼインアルキルアミドベタイン、アルキルベタイン及びアンホグリシネート、アルキルホスフェート、アルキルポリオキシエチレンホスフェート又は対応する酸、シリコーン誘導体、例えばアルキルジメチコンコポリオール(dimethiconecoplyol)が挙げられる。
【0104】
適切な稠度因子には、例えば脂肪アルコール又は脂肪酸エステルとのその混合物、例えばアセチル化ラノリンアルコール、アルミニウムステアレート、カルボマー、セチルアルコール、グリセリルオレエート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレート(及び)PEG100ステアリン酸、マグネシウムステアレート、硫酸マグネシウム、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ミリスチルミリスチレート、イソプロピルパルミテート、蜜ろう及びその合成等価物、カルボマーなどが挙げられる。適切なコンディショナーは、例えば、アルキルアミドアンモニウムラクテート、セトリモニウムクロリド及びジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート及びセテアリルアルコール、セチルジメチコン、セチルリシノレエート、ジメチコン、ラウレス-23、ラウレス-4、ポリデセン、パルミチン酸レチニル、第四級化タンパク質加水分解物、第四級化セルロース及びデンプン誘導体、アクリル酸若しくはメタクリル酸若しくは塩の第四級化コポリマー、第四級化シリコーン誘導体が挙げられる。
【0105】
好適な皮膚軟化剤としては、例えば、セテアリルイソノナノエート、セテアリルオクタノエート、デシルオレエート、イソオクチルステアレート、ココカプリレート/カプレート、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルイソノナノエート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルミリステート、オレイルオレエート、ヘキシルラウレート、鉱物油、PEG-75ラノリン、PEG-7グリセリルココエート、ペトロラタム、オゾケライトシクロメチコン、ジメチコン、ジメチコンコポリオール、ジカプリリルエーテル、ブチロスペルマム・パルキイ(butyrospermum parkii)、ブクス(buxus)・シネンシス、キャノーラ、カルナウバ・セラ(carnauba cera)、コペルニシア・セリフェラ(copernicia cerifera)、オエノセラ・ビエニス(oenothera biennis)、アブラヤシ、プルヌス・ヅルシス(prunus dulcis)、スクワラン、ゼア・メイズ(zea mays)、グリシン・ソージャ(glycine soja)、ヘリアンサス・アヌウス(helianthus annuus)、ラノリン、水添ヒマシ油、水添ヤシ油、水添ポリイソブテン、スクロースココエート、ステアロキシジメチコン、ラノリンアルコール、イソヘキサデカンが挙げられる。
【0106】
適切なスキンケア成分としては、例えば、植物抽出物、ビサボロール、抗炎症剤、尿素、アラントイン、パンテノール及びパンテノール誘導体、フィタントリオール、ビタミンA、E、C、D、動物又は植物由来のセラミド、レシチンなどが挙げられる。
【0107】
適切な保湿剤としては、例えば、ブチレングリコール、セチルアルコール、ジメチコン、ジミリスチルタートレート、グルコースグリセレス-26、グリセリン、グリセリルステアレート、加水分解乳タンパク質、乳酸、ラクトース及び他の糖、ラウレス-8、レシチン、オクトキシグリセリン、PEG-12、PEG135、PEG-150、PEG-20、PEG-8、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、フィタントリオール、ポリクオタニウム-39 PPG-20メチルグルコースエーテル、プロピレングリコール、ナトリウムヒアルロネート、乳酸ナトリウム、ナトリウムPCA、ソルビトール、スクシノグリカン、合成蜜蝋、トリ-C14~15アルキルシトレート、デンプンが挙げられる。
【0108】
好適な増粘剤としては、例えば、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、カルボマー、カルボキシメチルデンプン、セラアルバ、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、プロピレングリコールアルギネート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シリカ、シリカジメチルシリレート、キサンタンガム、水素化ブチレン/エチレン/スチレンコポリマーが挙げられる。
【0109】
好適な保湿剤としては、例えば、アジピン酸、フマル酸及びその塩、安息香酸及びその塩、グリセリントリアセテート、ナトリウム又はマグネシウムラウリルサルフェート、マグネシウムステアレート、固体ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ホウ酸、モノ-ラウレート又はモノ-パルミテート、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール、タルカム、高級脂肪酸のカルシウム又はマグネシウム塩、高級脂肪酸のモノ-、ジ-又はトリグリセリド、ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
【0110】
好適な抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、例えば亜硫酸ナトリウム、トコフェロール又はその誘導体、アスコルビン酸又はその誘導体、クエン酸、プロピルガレエート、キトサングリコレート、システイン、N-アセチルシステイン+硫酸亜鉛、チオ硫酸塩、例えばチオ硫酸ナトリウム、ポリフェノールなどが挙げられる。
【0111】
本明細書に開示される配合物及び組成物は、活性成分、例えば、抗菌剤、抗炎症剤、植物抽出物、ビサボロール、パンテノール、トコフェロール、抗刺痛、抗刺激又は抗ふけ用途のための活性物質、又はアンチエージング剤、例えば、レチノール、メリビオースなどをさらに含有してもよい。他の好適な活性剤としては、例えば、メディカゴ・オフィシナリス(Medicago officinalis)、アクチニディア・シネンシス(Actinidia chinensis)、アラントイン、アロエ・バルバデンシス(Aloe barbadensis)、アノナ・ケリモリア(Anona cherimolia)、アンテミス・ノビリス(Anthemis nobilis)、アラキス・ヒポガエア(Arachis hypogaea)、アルニカ・モンタナ(Arnica Montana)、アベナ・サティバ(Avena sativa)、ベータカロテン、ビサボロール、ボラゴ(borago)・オフィシナリス、ブチレン(butylenes)グリコール、カレンデュラ(Calendula)・オフィシナリス、チャノキ、樟脳、カンジダ・ボンビコラ(Candida bombicola)、カプロイルグリシン、カリカ(Carica)・パパイヤ、ヤグルマギク、セチルピリジニウムクロリド、カモミラ・レクティタ(Chamomilla recutita)、ケノポディウム・キノア(chenopodium quinoa)、シンコナ・スクシルブラ(chinchona succirubra)、コンドルス・クリスプス(Chondrus crispus)、シトラス・アウランティウム・ドゥルシス(Citrus aurantium dulcis)、シトラス・グランジス(grandis)、シトラス・リモヌム(limonum)、ココス・ヌシフェラ(Cocos nucifera)、カフェ・アラビカ(Coffea Arabica)、クラタエグス・モノギナ(Crataegus monogina)、ククミス・メロ(Cucumis melo)、ジクロロフェニルイミダゾルジオキソラン、エンテロモルファ・コンプレッサ(Enteromorpha compressa)、エキセタム・アルベンセ(Equisetum arvense)、エトキシジグリコール、エチルパンテノール、ファルネソール、フェルラ酸、フラガリア・チロエンシス(Fragaria chiloensis)、ゲンチアナ・ルテア(Gentiana lutea)、銀杏、グリセリン、グリセリルラウレート、甘草、ハマメリス・ヴィルギニアナ(Hamamelis virginiana)、ヘリオトロピン、水添パームグリセリズ、クエン酸塩、加水分解ヒマシ油、加水分解コムギタンパク質、ヒペリカム・ペルフォラツム(Hypericum perforatum)、アイリス・フロレンティーナ(Iris florentina)、ジュニペルス・コムニス(Juniperus communis)、ラクティス・プロテイヌム(Lactis proteinum)、ラクトース、ローソニア・イネルミス(Lawsonia inermis)、リナルール、リナム・ウシタチシムム(Linum usitatissimum)、リジン、マグネシウムアスパルテート、マグニフェラ・インディカ(Magnifera indica)、マルバ・シルベストリス(Malva sylvestris)、マンニトール、メラレウカ・アルテルニフォリア(Melaleuca alternifolia)、メンタ・ピペリタ(Mentha piperita)、メントール、メンチルラクテート、ミモザ・テヌイフローラ(Mimosa tenuiflora)、ニンフェア・アルバ(Nymphaea alba)、オラフル(olaflur)、オリザ・サティバ(Oryza sativa)、パンテノール、鉱物油、PEG-20M、PEG-26ホホバ酸、PEG-26ホホバアルコール、PEG-35ひまし油、PEG-40水添ひまし油、PEG-60水添ひまし油、PEG-8カプリル酸/カプリン酸、ペルセア・グラティシマ(Persea gratissima)、ペトロラタム、アルパラギン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、プロピレングリコール、プルヌス・アミグダルス・ドゥルシス(Prunus amygdalus dulcis)、プルヌス・アルメニアカ(armeniaca)、プルヌス・ペルシカ(persica)、レチニルパルミテート、リシヌス・コムニス(Ricinus communis)、ロサ・カニナ(Rosa canina)、ロスマリヌス(Rosmarinus)・オフィシナリス、ルブス・イダエウス(Rubus idaeus)、サリチル酸、サンブカス・ニグラ(Sambucus nigra)、サルコシン、セレノア・セルラタ(Serenoa serrulata)、シモンドシア(Simmondsia)・シネンシス、ナトリウムカルボキシメチルベタグルカン、ナトリウムコイルアミノ酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ナトリウムパルミトイルプラリン、ステアロキシトリメチルシラン、ステアリルアルコール、硫酸化TEA-リシノレート、タルク、タイム・ブルガリス(Thymus vulgaris)、ティリア・コルダータ(Tilia cordata)、トコフェロール、トコフェリルアセテート、トリデセス-9、トリチクム・ブルガレ(triticum vulgare)、チロシン、ウンデシレノイルグリシン、尿素、バクシニウム・ミルティルス(Vaccinium myrtillus)、バリン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛が挙げられる。
【0112】
本発明の保存剤組成物は、エマルジョン(水中油型及び油中水型の両方)、水溶液、PIT(転相温度)エマルジョン、油性溶液、発泡化粧品配合物(泡)、及びいわゆる多重エマルジョン、例えばトリプルエマルジョン(水/油/水エマルジョンなど)で使用することができる。
【0113】
本発明の保存剤組成物はまた、クリーム、ゲル、液剤又はローションなどの最終用途調合物に添加することもできる。これらは、シャンプー、ヘアコンディショナー、染毛剤、ヘアトニック、ヘアジェル、ヘアドレッシング、ヘアグルーミング助剤及び他のヘアケア調製物などのヘアケア製品、シェービングクリーム、アフターシェーブローション、及び他のシェービング用途などのシェービング用途、液体浴石鹸及び洗剤などの身体及び手のためのパーソナルクリーナー、香料、アフターバススプラッシュ及び他の類似の芳香剤調製物などの芳香剤調製物、保湿剤、クリーム、及びローション及び他の類似のスキンケア製品などのスキンケア製品、並びにマスカラ、ベースファンデーションなどのメークアップ製品、メークアップ除去製品、サンケア製品、屋内タンニング製品及び他の同様のパーソナルケア製品において使用することができる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される保存剤組成物は、パーソナル洗浄及び衛生に用いられるワイプ(例えば、乳幼児ワイプ、湿式トイレワイプ、メークアップ除去ワイプ、角質除去ワイプ)を飽和させるために使用される配合物に組み込まれ得る。保存剤組成物は、保存剤が必要な他の配合物にも使用することができる。上で例示した製品は、全て本発明との関連で最終用途調合物として理解されることが意図される。
【0114】
いくつかの実施形態では、本発明の保存剤組成物は、最終用途調合物の総重量に基づいて、0.01重量%~約5重量%の量で最終用途調合物に添加され得る。より具体的には、いくつかの実施形態では、保存剤組成物は、最終用途調合物の総重量に基づいて、0.1重量%~約3重量%の量で添加される。添加される保存剤組成物の量は、選択される保存剤に依存し得る。
【0115】
本発明はさらに、少なくとも1つのレブリン酸誘導体を含まない等量の保存剤と比較して、微生物に対する有効性を高めるための本発明による保存剤組成物の使用に関する。
【0116】
本発明はさらに、少なくとも1つのレブリン酸誘導体を含まない等量の保存剤と比較して、微生物に対する少なくとも1つの保存剤の有効性を高めるための、(a)レブリン酸エステル、又は(b)レブリン酸ケタール、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのレブリン酸誘導体の使用に関する。
【0117】
一実施形態では、微生物に対する有効性は、少なくとも1つのレブリン酸誘導体を含まないpH4~9の等量の保存剤と比較して、pH4~9以上で高まる。好ましくは、微生物に対する有効性は、少なくとも1つのレブリン酸誘導体を含まないpH6~8での等量の保存剤と比較して、pH6~8以上で高まる。
【0118】
一実施形態では、該有効性は、少なくとも0.5対数減少高まる。一実施形態では、有効性は、少なくとも1.0対数減少高まる。
【0119】
本発明は、さらに、最終用途調合物が微生物によって腐敗することを防止する方法であって、本発明による保存剤組成物を最終用途調合物に添加することを含む方法に関する。一実施形態では、最終用途調合物は、4以上のpH、好ましくは6以上のpHを有する。
【0120】
これらの実施形態及び項目が複数の可能性の例のみを描写することは当業者には明らかである。したがって、本明細書に示される実施形態は、これらの特徴及び構成の限定を形成すると理解されるべきではない。記載された特徴の任意の可能な組み合わせ及び構成は、本発明の範囲に従って選択され得る。本発明のある特定の態様(例えば、本発明の保存剤組成物)に関連して本明細書に記載される全ての実施形態及び好ましい実施形態は、本発明の他の全ての態様、例えば、本発明による最終用途調合物、使用又は方法に同様にあてはまる。
【0121】
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。提供される全ての部及びパーセンテージは、別段の指示がない限り、重量による。
【実施例】
【0122】
[実施例1]
滅菌蒸留水(「SDW」、pH7)中の安息香酸ナトリウムと組み合わせたレブリン酸ブチルの保存効果。水酸化ナトリウム及びクエン酸一水和物を用いてpHを調整した。
【0123】
<方法>
以下の例では、以下の試験生物を使用した:
緑膿菌ATCC 9027
アスペルギルス・ブラジリエンシスATCC 16404
【0124】
<試験生物調製>
接種材料の増殖条件
【0125】
【0126】
細菌を回収し、希釈剤(滅菌蒸留水)中で調製して、1.0×106~5.0×106cfu/mlの最終濃度を得た。
【0127】
酵母株を回収し、希釈剤(滅菌蒸留水)中で調製して、1.0×105~1.0×106cfu/mlの最終濃度を得た。
【0128】
カビ株胞子を回収し(滅菌蒸留水+0.05%ポリソルベート80)、処理して真菌菌糸を除去した。カビ株胞子を希釈剤(滅菌蒸留水)中で調製して、1.0×105~1.0×105cfu/mlの最終濃度を得た。
【0129】
<試験サンプル調製>
サンプルを以下の表に従って試験用に調製した。
【0130】
【0131】
<試験手順>
保存効果試験を0日目(t=0)に開始した。各サンプルに、既知濃度の微生物をt=0で接種した。次いで、各接種サンプルを、均質な混合物が得られるまで混合した。接種したサンプルを、試験期間を通して暗所で22.5±2.5℃で保存した。
【0132】
抗菌活性の評価
7日間の指定された接触時間(t=7)で、0.1mlアリコートの試験サンプルを0.9mlの適切な中和ブロスに加えることによって試験サンプルを不活性化した。溶液を15分間放置した。その後の希釈液は、0.9mlの中和ブロス中への0.1mlの連続希釈によって調製した。細菌を10-4に連続希釈し、真菌を10-3に連続希釈した。
【0133】
ドロッププレート法
各連続希釈物を完全に混合し、25μlの滴を予め調製した寒天プレートの表面上に等分した。プレートを、各サンプル希釈物について6つで調製した。
【0134】
寒天プレートを乾燥させ、次いで反転させ、試験微生物に適した条件下でインキュベートした。
【0135】
CFU/mlを、希釈因子を考慮して計算した。インキュベートしたプレートからのコロニーを、<10CFU/mlのカウント下限及び>330CFU/mlのカウント上限を用いて計数した。ドロッププレーティングの下限及び上限は、最高及び最低希釈係数プレートでのみ使用した。
【0136】
<結果>
【0137】
【0138】
安息香酸ナトリウムの増強は、pH7の滅菌蒸留水マトリックス中の細菌及びカビに対するレブリン酸ブチルによって観察された。
【0139】
[実施例2]
滅菌蒸留水(pH8)中の安息香酸ナトリウムと組み合わせたレブリン酸ブチルの保存効果。水酸化ナトリウム及びクエン酸一水和物を用いてpHを調整した。
【0140】
<方法>
試験生物を調製し、実施例1のプロトコルに従って方法を実施した。
【0141】
<結果>
【0142】
【0143】
安息香酸ナトリウムの増強は、pH8の滅菌蒸留水マトリックス中の細菌及びカビに対するレブリン酸ブチルによって観察された。
【0144】
[実施例3]
滅菌蒸留水(pH7)中のIPBCと組み合わせたレブリン酸ブチルの保存効果。水酸化ナトリウム及びクエン酸一水和物を用いてpHを調整した。
【0145】
<方法>
試験生物を調製し、実施例1のプロトコルに従って方法を実施した。
【0146】
<結果>
【0147】
【0148】
IPBC増強は、pH7の滅菌蒸留水マトリックス中のカビに対するレブリン酸ブチルによって観察された。
【0149】
[実施例4]
滅菌蒸留水(pH7)中のソルビン酸カリウムと組み合わせたレブリン酸ブチルの保存効果。水酸化ナトリウム及びクエン酸一水和物を用いてpHを調整した。
【0150】
<方法>
試験生物を調製し、実施例1のプロトコルに従って方法を実施した。
【0151】
<結果>
【0152】
【0153】
[実施例5]
滅菌蒸留水(pH8)中のソルビン酸カリウムと組み合わせたレブリン酸ブチルの保存効果。水酸化ナトリウム及びクエン酸一水和物を用いてpHを調整した。
【0154】
<方法>
試験生物を調製し、実施例1のプロトコルに従って方法を実施した。
【0155】
<結果>
【0156】
【0157】
[実施例6]
フレーム配合物1(pH7を有するSLES+CapBシャンプー配合物)中の安息香酸ナトリウムと組み合わせたレブリン酸ブチルの相乗的保存効果を試験した。
【0158】
<方法>
以下の例では、以下の試験生物を使用した。
アスペルギルス・ブラジリエンシスATCC 16404
【0159】
<試験生物調製>
接種材料の増殖条件
【0160】
【0161】
カビ株胞子を回収し(滅菌蒸留水+0.05%ポリソルベート80)、処理して真菌菌糸を除去した。カビ株胞子を希釈剤(滅菌蒸留水)中で調製して、1.0×107~1.0×107cfu/mlの最終濃度を得た。
【0162】
<試験サンプル調製>
サンプルを以下の表に従って試験用に調製した。
【0163】
【0164】
<試験手順>
保存効果試験を0日目(t=0)に開始した。各サンプルに、t=0で、既知濃度の微生物を<1%の体積で接種した。次いで、各接種サンプルを、均質な混合物が得られるまで混合した。接種したサンプルを、試験期間を通して暗所で22.5±2.5℃で保存した。
【0165】
抗菌活性の評価
指定された接触時間(t=7、14、28)で、試験サンプルの1mlアリコートを9mlの適切な中和ブロスに加えることによって試験サンプルを不活性化した。溶液を15分間放置した。その後の希釈液は、9mlの中和ブロス中への1mlの連続希釈によって調製した。全てのサンプルを10-3に連続希釈した。
【0166】
流し込みプレート法
各連続希釈物を完全に混合し、1mlを滅菌ペトリ皿に等分した。20~25mlの適切な寒天を各ペトリ皿に注いだ。プレートは、各サンプル希釈物についてそれぞれ2つで調製した。
【0167】
寒天プレートを乾燥させ、次いで反転させ、試験微生物に適した条件下でインキュベートした。
【0168】
CFU/mlを、希釈因子を考慮して計算した。インキュベートしたプレートからのコロニーを、<10CFU/mlのカウント下限及び>330CFU/mlのカウント上限を用いて計数した。
【0169】
<結果>
対数減少は、試験配合物と初期ストック濃度との間の回収の差によって各実験について計算した。
【0170】
【0171】
安息香酸ナトリウムの増強は、pH7を有するフレーム配合物1(SLES+CapBシャンプー配合物)中のA.ブラシリエンシスに対するレブリン酸ブチルによって観察された。
【0172】
[実施例7]
レブリン酸エチル及びレブリン酸ブチル並びに保存剤の相乗活性を、二成分組成物の一部として実証する。
【0173】
広範囲の濃度を緑膿菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、及びカンジダ・アルビカンスに対して試験した。
【0174】
観察可能なレベルの増殖を妨げる各混合物又は単一化合物の最低濃度を、最小阻害濃度(MIC)値として決定した。
【0175】
各混合物又は単一化合物の連続希釈物を調製した。微生物を培地、すなわち、栄養培地(細菌)又は麦芽抽出物培地(酵母)に接種した。培地中の微生物の最終濃度は約105~6CFU/mlであった。接種された培地を、1:1の比で連続希釈の各々に導入し、30±1℃で24~48時間インキュベートした。
【0176】
各混合物のMICを、各単一化合物単独のMICと比較した。
【0177】
相乗効果は、Kull方程式を使用して決定し(F.C.Kullら、「Mixtures of Quaternary Ammonium Compounds and Long-chain Fatty Acids as Antifungal Agents」、Appl Microbiol.1961 Nov;9(6):538-541)、相乗指数(SI)を以下の式に従って計算する。
SI=Qa/QA+Qb/QB
式中、
QA=単独で作用して終点を生じた化合物Aの濃度(ppm)であり、
Qa=終点を生じた混合物中の化合物Aの濃度(ppm)であり、
QB=単独で作用して終点を生じた化合物Bの濃度(ppm)であり、
Qb=終点を生じた混合物中の化合物Bの濃度(ppm)である。
【0178】
この研究において、終点をMICによって測定する。
【0179】
相乗作用を、1未満のSI値によって実証する。相加効果を、1に等しいSI値によって実証する。拮抗作用を、1より大きいSI値によって実証する。
【0180】
各単一化合物の初期濃度を以下のように調製した。
【0181】
【0182】
(1) レブリン酸エチルと保存剤との間の相乗的相互作用
【0183】
【0184】
(2) レブリン酸ブチルと保存剤との間の相乗的相互作用
【0185】
【国際調査報告】