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特表2024-544858ソーラーモジュールを処理する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ソーラーモジュールを処理する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/30 20220101AFI20241128BHJP
   B09B 3/40 20220101ALI20241128BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20241128BHJP
   H02S 30/00 20140101ALI20241128BHJP
   B09B 101/15 20220101ALN20241128BHJP
【FI】
B09B3/30
B09B3/40 ZAB
B09B5/00 Z
H02S30/00
B09B101:15
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525768
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2022077338
(87)【国際公開番号】W WO2023083528
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021129301.4
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524157877
【氏名又は名称】ソーラー・マテリアルズ・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】SOLAR MATERIALS GMBH
【住所又は居所原語表記】Paul-Ecke-Strasse 4,39114 Magdeburg,Deutschland
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーゲル、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】フランケ、フリドリン
(72)【発明者】
【氏名】マイ、ヤン-フィリップ
【テーマコード(参考)】
4D004
5F251
【Fターム(参考)】
4D004AA23
4D004BA05
4D004CA02
4D004CA12
4D004CA22
4D004CB05
4D004CB31
4D004CB33
4D004DA03
4D004DA06
5F251AA01
5F251JA03
5F251JA04
(57)【要約】
本発明は、ソーラーモジュールを処理する方法であって、ソーラーモジュールが、電荷ドープゾーン、正孔ドープゾーンおよび上面を有する少なくとも1つのシリコンベース本体と、ベース本体の上面上の金属導体トラックと、可視光に対して少なくとも部分的に透明であるが、好ましくは可視光に対して透明である表面層と、表面層と導体トラックとの間に配置された少なくとも1つの接着層とを有し、方法は、少なくとも1つの接着層を加熱するステップと、カバー層をベース本体から除去するステップと、導体トラックを機械的に除去し、機械加工された材料を収集するステップとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーモジュールを処理する方法であって、前記ソーラーモジュールは、
電荷ドープゾーン、正孔ドープゾーン、および上面を有する少なくとも1つのシリコンベース本体と、
前記ベース本体の前記上面上の金属導体トラックと、
可視光に対して少なくとも部分的に透明であり、好ましくは可視光に対して透明であるカバー層と、
前記カバー層と前記導体トラックとの間に配置された少なくとも1つの接着層とを備え、
前記方法は、
a)前記少なくとも1つの接着層を加熱するステップと、
b)前記カバー層を前記ベース本体から除去するステップと、
c)前記導体トラックを機械的に除去し、機械加工された材料を収集するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記接着層は、赤外線放射および/または磁気誘導および/またはマイクロ波放射によって、180℃より高い、好ましくは200℃より高い、特に好ましくは230℃より高い温度であって、400℃より低い、好ましくは350℃より低い、特に好ましくは280℃より低い温度まで加熱されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カバー層は、前記カバー層及び前記ベース本体に対して、反対方向に作用する力を加えることによって、例えば、反対方向に作用する引張力を加えることによって、前記ベース本体から除去されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記カバー層を除去する前に、前記カバー層は、工具、好ましくは、へら、スクレーパ、ナイフ、またはワイヤによって損傷され、前記工具は、好ましくは、前記カバー層と前記ベース本体との間に挿入されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記カバー層が除去されるときに、前記少なくとも1つの接着層も少なくとも部分的に、好ましくは完全に除去されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの接着層は、前記カバー層が除去された後に、少なくとも部分的に、好ましくは完全に除去されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記カバー層を除去した後に、好ましくはワイヤ、へら、スクレーパ、ブレード、ナイフ、またはブラシを有するか、またはそれらである機械的工具が、前記少なくとも1つの接着層を除去するために使用されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記導体トラックを、ブラシ、フライス、平削り、形削り、削り取り、チゼル、ブローチング、ブラストおよび/または研削によって除去することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
機械加工された材料が吸引されてコンテナに集められることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置であって、前記少なくとも1つの接着層を加熱するための少なくとも1つの加熱装置と、引張力を加えるための少なくとも1つの牽引装置と、機械的除去装置と、収集装置とを備えることを特徴とする、装置。
【請求項11】
前記牽引装置は、少なくとも1つの、好ましくは複数の真空グリッパを備えることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は電気制御ユニットを備え、前記除去装置は少なくとも1つの機械的工具を有し、前記電気制御ユニットは、前記少なくとも1つの機械的工具の少なくとも1つの動作パラメータを制御するように構成されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの動作パラメータは、接触圧力、経路、または力であることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーモジュールを処理する方法に関し、ソーラーモジュールは、電荷ドープゾーン、正孔ドープゾーンおよび上面を有する少なくとも1つのシリコンベース本体と、ベース本体の上面上の金属導体トラックと、可視光に対して少なくとも部分的に透明であるが、好ましくは可視光に対して透明であるカバー層と、カバー層と導体トラックとの間に配置された少なくとも1つの接着層とを有する。本発明は、このような方法を行うための装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
上述のタイプのソーラーモジュールは、太陽光から電気を生成するためにますます多く使用されている。例えば、前記ソーラーモジュールは、ソーラーモジュールが取り付けられる家の電力需要を少なくとも部分的に満たすために、住宅用建物などの個人の建物の屋根に少数で配置されてもよい。この種の分散型エネルギー供給のこの使用は、例えば電気自動車を分散的に充電するために増加している。しかしながら、上述したタイプのソーラーモジュールは、商用電力を生成し、それを公共グリッドに供給するために、他の農業用の土地の大規模な設備においても使用される。
【0003】
欠点は、ソーラーモジュールの耐用年数が限られていることである。高価な原料が、ソーラーモジュールの製造中に使用される。例えば、導体トラックは、多数のモジュールのために銀から製造される。この理由だけでも、前記原料をリサイクルし、再処理に利用可能にする方法が必要とされている。しかしながら、その耐用年数の終わりに達し、廃棄されるソーラーモジュールの数が増加することは、特に、ソーラーモジュールおよび太陽光からの発電は象徴的である発電の環境適合性の観点から、リサイクルされるか、または少なくとも処理されるべきである大量の廃棄物も作り出す。ガラス基板上に配置された金属部品を含むソーラーモジュールに関して、JP2014/054593Aは、部品が機械的に除去される方法を提案している。前記公報に記載されているガラスは、機械的応力に耐えることができ、このことがまさに、これらの基板がそこに記載され、開示されている理由である。他の基材に関しては、従来技術からこれまでに知られている唯一の方法は、湿式化学法を使用するものであり、これは、高いコスト、使用される物質(環境および/または健康に有害であることが多い)、および関与する高度の労力のために不利である。
【0004】
したがって、本発明は、従来技術の欠点を排除するか、または少なくとも低減することができる方法を提案するという課題に基づく。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記のタイプの方法によって、対処される課題を解決し、この方法は、少なくとも1つの接着層を加熱するステップと、カバー層を前記ベース本体から除去するステップと、導体トラックを機械的に除去し、機械加工された材料を収集するステップとを備えている。
【0006】
本発明による方法によって排除される1つの困難は、貴重な原材料から製造されるソーラーモジュールの導体トラックが、外部からアクセス可能でないことである。これらは、ベース本体の上面に配置されるが、少なくとも1つの接着層によって固定されるカバー層によって覆われる。接着層を加熱することにより、その接着効果が低減され、その後、カバー層とベース本体とを互いに除去することができる。この場合、ベース本体の上面に配置された導体トラックにアクセスすることができる。これらは、機械的除去によってベース本体から除去され、除去された材料が収集される。
【0007】
好ましくは、接着層は、赤外線放射および/または磁気誘導によって、および/またはマイクロ波放射によって加熱される。加熱は、180℃超、好ましくは200℃超、特に好ましくは230℃超、かつ400℃未満、好ましくは350℃未満、特に好ましくは280℃未満の温度まで行われる。特に赤外線またはマイクロ波放射を使用する場合、それぞれのタイプの放射に対して好ましくは少なくとも部分的に、しかし好ましくは完全に透明であるカバー層を通して放射を適用することが有利である。この目的のために使用される赤外線は、好ましくは1000から4000nm、好ましくは1000から2000nmの波長を有する。好ましい温度は400℃未満である。この温度を超えると、熱分解が起こり、その間に有毒で環境に有害なガスが放出される。これは、400℃未満の温度で回避することができる。180℃を超える、好ましくは200℃を超える温度で、酢酸が接着層中に放出されることが好ましく、これにより、接着層によって接続された層、すなわち好ましくはベース本体とカバー層との間に潤滑膜が形成される。これにより、接着層によって加えられる接着力が減少し、2つの接続された要素を互いに分離することができる。好ましくは、エチレン酢酸ビニル(EVA)の少なくとも1つのフィルムもまた、接着剤層として使用され、これは、言及された温度範囲で加熱されたときに酢酸を放出する。
【0008】
接着層が所望の温度に加熱された後、熱源のスイッチを切るか、又は、ソーラーモジュールをこの温度で処理するために、温度が一定の時間、例えば10分間、一定に保たれるように制御することができる。加熱は、好ましくは、処理されるソーラーモジュールの接着剤層全体が均一に加熱されるように、表面全体にわたって行われる。あるいは、接着層の一部を加熱し、例えば、熱源をソーラーモジュールに対して移動させることも可能であり、その逆も可能である。加熱中、ソーラーモジュールは、好ましくは真空状態にあり、すなわち、負圧にさらされる。しかし、常圧下での加熱も可能である。
【0009】
電磁放射線が熱源として使用される場合、電磁放射線は、前記放射線に対して少なくとも部分的に透明であるカバー層を通して、加熱される接着層に直接導入されることができる。
これは、磁気誘導を使用する場合とは異なり、接着剤層は一般に磁性ではないか、または一般に磁化され得ない。この場合、誘導磁場は、ソーラーモジュールの別の層、好ましくは基板またはウェハとも呼ばれ得るベース本体を加熱させ、その結果、その上に配置された接着層に熱を放出する。
【0010】
少なくとも1つの接着層を加熱するために、上述の熱源に加えて、またはその代わりに、レーザを使用することもできる。
【0011】
好ましい実施形態では、カバー層は、反対方向の力を加えることによって、例えば、カバー層とベース本体に反対方向の引張力を加えることによって、ベース本体から除去される。この場合、反対方向の引張力は、ベース本体の上側に対して垂直に加えることができる。作業面上に位置するソーラーモジュールに関して、これは、引張力が上方および下方に作用することを意味する。このために、好ましくは、負圧要素、例えば吸引要素がこの目的のために使用される。基板は、好ましくは、開口を有する作業面上に配置され、次いで、開口は基板によって封止される。負圧または吸引力を封止された開口に加えることによって、吸引力、したがって引張力が、基板を作業面上に保持する基板に及ぼされる。好ましくは、少なくとも1つの吸引要素または少なくとも1つの吸引パッドがカバー層に適用され、これは、カバー層に吸引力を適用するように構成され、これは、作業面から離れる方向に向けられ、すなわち、それは、概して上方に作用する。その結果、2つの反対方向の力が加えられ、カバー層が基板から分離される。
【0012】
代替的に又は追加的に、少なくとも1つのスライドが、基板が配置される作業面に平行に作用する力をカバー層に加えるために使用される。基板は、好ましくは、作業面上の前述の吸引力によって所定の位置に保持される。代替的に又は追加的に、作業面は、作業面から突出して基板上に載置されるエンドストップを有する。基板は、スライドによって加えられる力によって引き起こされた基板の移動が防止され、不可能であるように、エンドストップ上に載置される。スライドがカバー層の第1の側面に力を加える場合、基板は、好ましくは、反対側が突起上にある状態で置かれる。
【0013】
あるいは、反対方向の引張力は、ベース本体の上面に平行に加えることもできる。これにより、2つの成分を互いに分離することができる剪断力が生じる。
【0014】
好ましい実施形態では、接着層が加熱される前、またはカバー層がベース本体から除去される前に、カバー層が損傷または破壊される。このプロセスにおいて、カバー層は、好ましくは、機械的応力によっていくつかの部分に分割される。例えば、これは、例えばハンマーでカバー層を叩くことによって達成できる。この場合、カバー層は、複数の個別部分からなり、その大部分、好ましくはその全てが、接着層を介してベース本体に接合されている。次いで、個々の部品を上述の方法でベース本体から取り外すことができる。
【0015】
カバー層とベース本体とが、平行に移動するように互いに分離されている場合、特に、導体トラックが上側に配置されているベース本体には、曲げモーメントがほとんど加えられず、その結果、ベース本体が破損するリスクが低減される。これは、ベース本体から導体トラックを機械的に除去するという利点を有し、ベース本体の機械的な損傷が少ないほど、それだけ容易である。
【0016】
好ましくは、カバー層を除去する前に、カバー層は、工具、好ましくはヘラ、スクレーパ、ナイフ又はワイヤによって損傷され、工具は、好ましくはカバー層とベース本体との間に挿入される。好ましくは損傷を受けておらず、カバー面が除去された後にクラックを有しないベース本体で起こることとは対照的に、カバー層は、カバー層の個々の部分をより容易に除去することができるように完全に損傷を受ける。
【0017】
好ましくは、少なくとも1つの接着層はまた、カバー層が除去されるときに、少なくとも部分的に、しかし好ましくは完全に除去される。これは、ベース本体の上面に、したがって導体トラックに残る接着層の部分ができるだけ少ないことを意味する。これらの部分は、導体トラックの機械的除去の間に除去された材料と共に集められる。その場合、それらは、複雑でコストのかかる方法で、導体トラックの材料から潜在的に分離されなければならない。
【0018】
したがって、カバー層が除去されると、接着層は、好ましくは少なくとも部分的に、しかし好ましくは完全に除去される。この場合、接着層がもはや十分に暖かくない場合には、接着層の残りの部分を再加熱することが有利であり得る。
【0019】
特に好ましくは、カバー層を除去した後に少なくとも1つの接着層を除去するために、ワイヤ、へら、スクレーパ、ブレード、ナイフ、またはブラシなどの機械的工具が使用される。
【0020】
好ましくは、導体トラックを、ブラシ、フライス、平削り、形削り、削り取り、チゼル、ブローチング、ブラストおよび/または研削によって除去する。除去は、幾何学的に画定された、または幾何学的に不確定の切削エッジを使用して行うことができる。除去される材料は、テンションブラシ、例えば、丸ブラシ、ディスクブラシ、ブラシ、ローラブラシ、ハンドブラシ、および/またはストリップブラシを使用して除去することもできる。ブラシは、鉄、プラスチック、真鍮、または他の材料もしくは材料混合物から形成されていてよい。毛の直径および毛の長さは、様々であってよい。ブラシは、回転、振動、または直線的もしくは偏心的に移動させることができる。好ましい実施形態では、スチールワイヤを有する回転ローラブラシが使用され、これは、1分当たり2000から8000回転で回転する。
【0021】
ブラシは、表面全体にわたって、または部分ごとに作用することができ、力制御および/または経路制御されることができる。
【0022】
フライス削りの場合、工具軸が除去される表面に対して直交する面切削工具が好ましくは使用される。ブレードまたはナイフなどの他の工具には、鋼、立方晶窒化ホウ素(CBN)、酸化アルミニウムセラミック、多結晶ダイヤモンド(PCD)、窒化ケイ素セラミック、高速度鋼(HSS)から作製された工具またはブレードが好ましくは使用される。被覆された炭化物、炭化タングステンをベースとする炭化物または微粒炭化物も、これらの工具の材料として使用することができる。ブレードは、導体トラックに対して異なる角度で配向されてもよく、45°の角度が有利である。ナイフの位置は、ブレードの研削に応じて変化してもよい。ブレードは、振動及び/又は直線的に移動することができ、例えば、力制御及び/又は経路制御されることができる。除去は、表面全体にわたって、またはセクションで行うことができる。少なくとも1つのブレードが使用される。
【0023】
振り子研削は、回転工具を用いた研削のための好ましい方法である。研削砥石は、CBN砥石またはダイヤモンド砥石であることが好ましい。ベルト研削が展開される場合、ベルトは、好ましくは、機械加工されるカバー層に平行に配向される。ベルト縁部は、導体トラックに対して平行に方向付けられていてもよい。それは、表面全体にわたって、または部分ごとに除去されることができる。
【0024】
除去された材料を回収する。好ましくは、それは、コンテナに吸い上げられ、集められる。この目的のために、除去に使用される工具が既にボックス又はベルの内部にある場合には、除去されたダストをできるだけ容易に収集することができるので有利である。材料は、空気流、または例えば水もしくは油からなる液体流で収集することができる。しかしながら、除去されたチップ又はダストはその後乾燥されなければならないので、液体は使用されないことが好ましい。
【0025】
本発明は、少なくとも1つの接着層を加熱するための少なくとも1つの加熱装置と、引張力を加えるための少なくとも1つの牽引装置と、機械的除去装置と、収集装置とを備える、本明細書に記載の方法を実行するための装置によって対処される課題を解決する。好ましくは、牽引装置は、少なくとも1つの、好ましくは複数の真空グリッパおよび/または少なくとも1つの、好ましくは複数のベルヌーイグリップを有する。
【0026】
好ましい実施形態では、装置は電気制御ユニットも有し、除去装置は少なくとも1つの機械的工具を有し、電気制御ユニットは、少なくとも1つの機械的工具の少なくとも1つの動作パラメータを制御するように構成される。少なくとも1つの動作パラメータは、好ましくは、接触圧力、経路、または力である。電気制御ユニットは、好ましくは、電子データ処理装置であり、好ましくは、装置の一部である。しかしながら、電子データ処理装置が装置の一部ではなく、装置が通信装置を介して電子データ処理装置と通信する場合も十分である。
【0027】
以下では、本発明の実施形態の例は、添付の図面により、より詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本発明の第1の実施形態の例による方法におけるプロセスステップである。
図2図2は、本発明の第1の実施形態の例による方法におけるプロセスステップである。
図3図3は、本発明の第1の実施形態の例による方法におけるプロセスステップである。
図4図4は、本発明の第1の実施形態の例による方法におけるプロセスステップである。
【0029】
図1は、導体トラック6が配置された基板4を備えるソーラーモジュール2を描いている。導体トラック6はカバー層8によって覆われており、このカバー層8は、導体トラック6を取り囲む接着層10を介して基板4に固定されている。ソーラーモジュール2は、作業面12上に配置されており、作業面12は、示された実施例では、2つの開口14を備えており、これらの開口14は、作業面12上に配置された基板4によって封止されている。概略的にのみ描かれている吸引装置16は、開口14の各々の下に配置されている。吸引装置16は、開口14に負圧を印加し、それによってソーラーモジュール2の基板4に吸引力を及ぼすように構成される。図1によるプロセスステップでは、ソーラーモジュール2は、例えばレーザによって生成される電磁放射18によって上から加熱される。カバー層8は、可視光に対して少なくとも部分的に透明であるが、好ましくは完全に透明であるので、電磁放射線18は、カバー層8を通過し、接着層10を加熱する。
【0030】
図2は、後続のプロセスステップを図示する。ソーラーモジュール2は、依然として作業面12上にある。基板4は、吸引装置16によって作業面12上に依然として保持されている。このプロセスステップでは、吸引パッドがカバー層8に作用し、カバー層8に上向きの力を及ぼす。これは、2つの反対向きの力が基板4とカバー層8との間に作用し、したがって、基板4からカバー層8を除去することを意味する。
【0031】
図3は、次のプロセスステップにおける状況を示す。基板4は、作業面12上に保持され続け、導体トラック6は、作業面12から離れて面する基板4の側に位置する。前記導体トラックは、カバー層8が基板4から除去された後も、依然として少なくとも部分的に接着層10によって囲まれている。これは、図1及び図2の接着層10と比較したときに、接着層10が著しく薄いことが示されている図3に示されている。これは現実的な描写ではない。カバー層8が基板4から除去されるとき、接着層10の一部も一緒に除去される。しかしながら、加熱状態および接着特性に応じて、これは不規則に起こり、決して均一ではない。なお、接着層10が完全に除去された領域があってもよい。導体トラック6が接着層10によって完全に囲まれている領域が存在することもある。図3に示される接着層10の残りの部分は、このプロセスステップにおいて、例えば、へら又はナイフであってもよい工具22によって除去される。
【0032】
図4では、接着層10は、基板4の上側から完全に除去されている。導体トラック6は、基板4の上側に配置されたままである。これもまた、概略的な描写であり、現実的な描写ではない。このプロセスステップにおいて、基板4の上面にも接着層10の残渣が残る。導体トラック6は、図示の実施例では回転時に時計回り方向にずらされて基板4の上面に対して相対的に運動するブラシ24によって基板4から除去される。材料26は、跳ね上げられ、次いで、吸引カップ28によって収集され、さらなる処理のために供給される。
【0033】
符号リスト
2 ソーラーモジュール
4 基板
6 導体トラック
8 カバー層
10粘着層
12作業面
14開口
16吸引装置
18電磁放射
20吸引パッド
22工具
24ブラシ
26材料
28吸引カップ
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーモジュールを処理する方法であって、前記ソーラーモジュールは、
電荷ドープゾーン、正孔ドープゾーン、および上面を有する少なくとも1つのシリコンベース本体と、
前記ベース本体の前記上面上の金属導体トラックと、
可視光に対して少なくとも部分的に透明であり、好ましくは可視光に対して透明であるカバー層と、
前記カバー層と前記導体トラックとの間に配置された少なくとも1つの接着層とを備え、
前記方法は、
a)前記少なくとも1つの接着層を加熱するステップと、
b)前記カバー層を前記ベース本体から除去するステップと、
c)前記導体トラックを機械的に除去し、機械加工された材料を収集するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記接着層は、赤外線放射および/または磁気誘導および/またはマイクロ波放射によって、180℃より高い、好ましくは200℃より高い、特に好ましくは230℃より高い温度であって、400℃より低い、好ましくは350℃より低い、特に好ましくは280℃より低い温度まで加熱されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カバー層は、前記カバー層及び前記ベース本体に対して、反対方向に作用する力を加えることによって、例えば、反対方向に作用する引張力を加えることによって、前記ベース本体から除去されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記カバー層を除去する前に、前記カバー層は、工具、好ましくは、へら、スクレーパ、ナイフ、またはワイヤによって損傷され、前記工具は、好ましくは、前記カバー層と前記ベース本体との間に挿入されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記カバー層が除去されるときに、前記少なくとも1つの接着層も少なくとも部分的に、好ましくは完全に除去されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの接着層は、前記カバー層が除去された後に、少なくとも部分的に、好ましくは完全に除去されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記カバー層を除去した後に、好ましくはワイヤ、へら、スクレーパ、ブレード、ナイフ、またはブラシを有するか、またはそれらである機械的工具が、前記少なくとも1つの接着層を除去するために使用されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記導体トラックを、ブラシ、フライス、平削り、形削り、削り取り、チゼル、ブローチング、ブラストおよび/または研削によって除去することを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項9】
機械加工された材料が吸引されてコンテナに集められることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置であって、前記少なくとも1つの接着層を加熱するための少なくとも1つの加熱装置と、引張力を加えるための少なくとも1つの牽引装置と、機械的除去装置と、収集装置とを備えることを特徴とする、装置。
【請求項11】
前記牽引装置は、少なくとも1つの、好ましくは複数の真空グリッパを備えることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は電気制御ユニットを備え、前記除去装置は少なくとも1つの機械的工具を有し、前記電気制御ユニットは、前記少なくとも1つの機械的工具の少なくとも1つの動作パラメータを制御するように構成されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの動作パラメータは、接触圧力、経路、または力であることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
符号リスト
2 ソーラーモジュール
4 基板
6 導体トラック
8 カバー層
10粘着層
12作業面
14開口
16吸引装置
18電磁放射
20吸引パッド
22工具
24ブラシ
26材料
28吸引カップ

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ソーラーモジュールを処理する方法であって、前記ソーラーモジュールは、
電荷ドープゾーン、正孔ドープゾーン、および上面を有する少なくとも1つのシリコンベース本体と、
前記ベース本体の前記上面上の金属導体トラックと、
可視光に対して少なくとも部分的に透明であり、好ましくは可視光に対して透明であるカバー層と、
前記カバー層と前記導体トラックとの間に配置された少なくとも1つの接着層とを備え、
前記方法は、
a)前記少なくとも1つの接着層を加熱するステップと、
b)前記カバー層を前記ベース本体から除去するステップと、
c)前記導体トラックを機械的に除去し、機械加工された材料を収集するステップとを備える、方法。
[2] 前記接着層は、赤外線放射および/または磁気誘導および/またはマイクロ波放射によって、180℃より高い、好ましくは200℃より高い、特に好ましくは230℃より高い温度であって、400℃より低い、好ましくは350℃より低い、特に好ましくは280℃より低い温度まで加熱されることを特徴とする、[1]に記載の方法。
[3] 前記カバー層は、前記カバー層及び前記ベース本体に対して、反対方向に作用する力を加えることによって、例えば、反対方向に作用する引張力を加えることによって、前記ベース本体から除去されることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 前記カバー層を除去する前に、前記カバー層は、工具、好ましくは、へら、スクレーパ、ナイフ、またはワイヤによって損傷され、前記工具は、好ましくは、前記カバー層と前記ベース本体との間に挿入されることを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] 前記カバー層が除去されるときに、前記少なくとも1つの接着層も少なくとも部分的に、好ましくは完全に除去されることを特徴とする、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 前記少なくとも1つの接着層は、前記カバー層が除去された後に、少なくとも部分的に、好ましくは完全に除去されることを特徴とする、[5]に記載の方法。
[7] 前記カバー層を除去した後に、好ましくはワイヤ、へら、スクレーパ、ブレード、ナイフ、またはブラシを有するか、またはそれらである機械的工具が、前記少なくとも1つの接着層を除去するために使用されることを特徴とする、[6]に記載の方法。
[8] 前記導体トラックを、ブラシ、フライス、平削り、形削り、削り取り、チゼル、ブローチング、ブラストおよび/または研削によって除去することを特徴とする、[1]から[7]のいずれか1項に記載の方法。
[9] 機械加工された材料が吸引されてコンテナに集められることを特徴とする、[1]から[8]のいずれか1項に記載の方法。
[10] [1]から[9]のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置であって、前記少なくとも1つの接着層を加熱するための少なくとも1つの加熱装置と、引張力を加えるための少なくとも1つの牽引装置と、機械的除去装置と、収集装置とを備えることを特徴とする、装置。
[11] 前記牽引装置は、少なくとも1つの、好ましくは複数の真空グリッパを備えることを特徴とする、[10]に記載の装置。
[12] 前記装置は電気制御ユニットを備え、前記除去装置は少なくとも1つの機械的工具を有し、前記電気制御ユニットは、前記少なくとも1つの機械的工具の少なくとも1つの動作パラメータを制御するように構成されることを特徴とする、[10]又は[11]に記載の装置。
[13] 前記少なくとも1つの動作パラメータは、接触圧力、経路、または力であることを特徴とする、[12]に記載の装置。
【国際調査報告】