(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】付勢部材を有するシリンジ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20241128BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20241128BHJP
A61M 5/48 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A61M5/20 510
A61M5/20 530
A61M5/315 500
A61M5/48 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526776
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 US2022048628
(87)【国際公開番号】W WO2023086247
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジャニス アール.
(72)【発明者】
【氏名】ユウ、エドモンド
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ホジェイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ルン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ヴィンセント エフ.
(72)【発明者】
【氏名】アンダーウッド、ウェスリー
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066DD13
4C066EE14
4C066HH22
4C066LL21
(57)【要約】
本明細書ではシリンジが説明される。特定の実施の形態では、シリンジは、シリンジ本体と、移動可能なプランジャと、付勢部材と、を含む。シリンジ本体は、キャビティと、キャビティに流体連通されたポートと、を画定する。移動可能なプランジャはキャビティ内に配設される。プランジャ及びキャビティは容積部を画定する。ポートは容積部に流体連通される。付勢部材はプランジャに連結される。付勢部材は、容積部内で保管される流体を所望のレートで分配するためにプランジャをポートの方に付勢するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジであって、
キャビティ及び前記キャビティに流体連通されたポートを画定するシリンジ本体と、
前記キャビティ内に配設された移動可能なプランジャであって、前記プランジャ及び前記キャビティが容積部を画定し、前記ポートが前記容積部に流体連通される、プランジャと、
前記プランジャに連結された付勢部材であって、前記付勢部材が前記容積部内で保管される流体を所望のレートで分配するために前記プランジャを前記ポートの方に付勢するように構成される、付勢部材と、
を備える、シリンジ。
【請求項2】
前記付勢部材がばねを備える、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項3】
前記ばねが螺旋ばねを備える、請求項2に記載のシリンジ。
【請求項4】
前記ばねがねじりばねを備える、請求項2に記載のシリンジ。
【請求項5】
前記付勢部材が複数のばねを備える、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項6】
前記複数のばねの各々の第1の端部が前記プランジャに連結される、請求項5に記載のシリンジ。
【請求項7】
前記付勢部材が加圧ガス・チャンバを備える、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項8】
穿孔部材をさらに備え、前記穿孔部材が、加圧ガスの膨張を可能にするために前記加圧ガス・チャンバに穴を開けるように構成される、請求項7に記載のシリンジ。
【請求項9】
前記プランジャに連結された緩衝装置をさらに備え、前記緩衝装置が、前記シリンジ本体に対しての前記プランジャの速度を制御するように構成される、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項10】
前記緩衝装置が、緩衝装置容積部と、前記緩衝装置容積部に流体連通された緩衝装置チャネルと、を備え、前記緩衝装置チャネルが前記緩衝装置容積部から環境までの流れを可能にする、請求項9に記載のシリンジ。
【請求項11】
前記緩衝装置チャネルが、第1のプランジャ位置において第1の緩衝装置流量を可能にし、第2のプランジャ位置において第2の緩衝装置流量を可能にし、前記第2の緩衝装置流量が前記第1の緩衝装置流量より大きい、請求項10に記載のシリンジ。
【請求項12】
前記緩衝装置がキャビティ壁を備え、前記キャビティ壁が、第1のプランジャ位置において第1の緩衝力を加える第1の直径と、第2のプランジャ位置において第2の緩衝力を加える第2の直径と、を有し、前記第1の緩衝力が前記第2の緩衝力より大きい、請求項9に記載のシリンジ。
【請求項13】
前記ポートに流体連通された流量制御装置をさらに備え、前記流量制御装置が前記流体の流れを前記所望のレートに制限する、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項14】
前記プランジャ及び前記シリンジ本体に解除可能に取り付けられたロック部材をさらに備え、前記ロック部材が、前記シリンジ本体に対しての前記プランジャの移動を防止するように構成される、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項15】
プランジャに連結されたエネルギーを加えられた付勢部材を解放するステップと、
シリンジ・キャビティ内で前記プランジャを前進させるステップと、
前記エネルギーを加えられた付勢部材を解放することに反応して、所望の時間にわたって所望のレートで前記シリンジ・キャビティから流体を分配するステップと、
を備える、方法。
【請求項16】
前記所望の時間が12時間より長い、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記所望のレートが1時間当たり約0.2mLである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
緩衝部材を介して前記プランジャの前進を制御するステップ、
をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記エネルギーを加えられた付勢部材を解放するためにロック部材を取り外すステップ、
をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
シリンジであって、
キャビティ及び前記キャビティに流体連通されたポートを画定するシリンジ本体と、
前記キャビティ内に配設された移動可能なプランジャであって、前記プランジャ及び前記キャビティが容積部を画定し、前記ポートが前記容積部に流体連通される、プランジャと、
前記プランジャに連結された付勢部材であって、前記付勢部材が前記プランジャを前記ポートの方に前進させるように構成される、付勢部材と、
を備える、シリンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、シリンジに関し、詳細には、付勢部材を有するシリンジに関する。
【背景技術】
【0002】
病院にいる患者は、しばしば、シリンジ又は静脈(「IV」:intravenous)ポンプを使用して血管アクセス・ラインを介して薬剤及び医療用流体(例えば、生理食塩水又は液剤)を受け入れる。いくつかの用途では、カテーテル閉塞及びカテーテル感染を低減するために、継続的な使用ではない場合に血管アクセス・ラインを空き状態で維持することが望ましい可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
開示される主題はシリンジに関連する。特定の実施の形態では、シリンジが、キャビティ及びキャビティに流体連通されたポートを画定するシリンジ本体と;キャビティ内に配設された移動可能なプランジャであって、プランジャ及びキャビティが容積部を画定し、ポートが容積部に流体連通される、プランジャと;プランジャに連結された付勢部材であって、付勢部材が容積部内で保管される流体を所望のレートで分配するためにプランジャをポートの方に付勢するように構成される、付勢部材と、を含む。
【0004】
特定の実施の形態では、方法が開示され、プランジャに連結されたエネルギーを加えられた付勢部材を解放することと;シリンジ・キャビティ内でプランジャを前進させることと;エネルギーを加えられた付勢部材を解放することに反応して、所望の時間にわたって所望のレートでシリンジ・キャビティから流体を分配することと、を含む。
【0005】
特定の実施の形態では、シリンジが、キャビティ及びキャビティに流体連通されたポートを画定するシリンジ本体と;キャビティ内に配設された移動可能なプランジャであって、プランジャ及びキャビティが容積部を画定し、ポートが容積部に流体連通される、プランジャと;プランジャに連結された付勢部材であって、付勢部材がプランジャをポートの方に前進させるように構成される、付勢部材と、を含む。
【0006】
本開示から本主題の技術の多様な構成が当業者には容易に明らかとなり、ここでは、本主題の技術の種々の構成が例として示されて説明されることが理解されよう。理解されるように、本主題の技術の範囲から一切逸脱することなく、本主題の技術は他の異なる構成も可能であり、その複数の細部は種々の他の点において修正され得る。したがって、概要、図面、及び詳細な説明は本質的に例示的であるとみなされ、限定的であるとみなされない。
【0007】
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する、さらなる理解を可能にするために含まれる添付図面が、開示される実施の形態を示し、本記述と共に開示される実施の形態の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】シリンジを使用して医療用流体の点滴を受ける患者を示す図である。
【
図2】本開示の種々の態様によるシリンジ組立体を示す断面図である。
【
図3】本開示の種々の態様によるエネルギーを加えられた状態にあるシリンジ組立体を示す断面図である。
【
図4】解放状態にある
図3のシリンジ組立体を示す断面図である。
【
図5】本開示の種々の態様によるシリンジ組立体を示す斜視図である。
【
図8】断面線8-8に沿った、
図5のシリンジ組立体を示す断面図である。
【
図9】本開示の種々の態様によるシリンジ組立体を示す斜視図である。
【
図10】
図9のシリンジ組立体を示す上面図である。
【
図11】断面線11-11に沿った、
図9のシリンジ組立体を示す断面図である
【
図12】本開示の種々の態様によるシリンジ組立体を示す斜視図である。
【
図14】断面線14-14に沿った、
図12のシリンジ組立体を示す断面図である。
【
図16】本開示の種々の態様によるシリンジ組立体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に記載される詳細な説明は本主題の技術の多様な構成の説明であることを意図されるものであり、本主題の技術を実施することができる構成のみを表すことを意図されない。本詳細な説明は、本主題の技術を徹底的に理解するのを可能にするために具体的な細部を含む。しかし、本主題の技術がこれらの具体的な細部なしでも実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、本主題の技術の概念を不明瞭にするのを回避するために、よく知られている構造及び構成要素がブロック図の形態で示される。理解し易いように、同様の構成要素には同じ要素符号が付される。参照符号は、総称的に添え字を有さない同じ参照符号によって示される共通の要素の別個の例を示すために付される添え字を有する可能性がある。
【0010】
以下の記述は開示されるシリンジ組立体を利用することによる医療用流体の投与を対象とするが、本記述が単に使用の例であり、特許請求の範囲の範囲を限定しないことが理解されよう。開示されるシリンジ組立体の種々の態様は、流体の流れを投与することが望まれるような任意の用途で使用され得る。
【0011】
図1は、シリンジ組立体100を使用して医療用流体の点滴を受ける患者5を描く。描かれている例では、シリンジ組立体100は、シリンジ102から患者5まで医療用流体を送達することができる。いくつかの実施の形態では、臨床医が、血管アクセス・ライン2を介して医療用流体を投与するようにシリンジ102を作動させることができる。
【0012】
医療手技中、継続的な使用ではない場合に静脈アクセス・ライン又は血管アクセス・ラインを空き状態で維持することを目的として、血管アクセス・ラインを介して制御された量の流体を患者に提供することが望まれる可能性がある。有利には、血管アクセス・ラインを空き状態で維持することは、カテーテル閉塞及びカテーテル感染を低減することができる。いくつかの用途では、継続的な一定量の流体を患者に提供することは、水分蓄積に敏感である患者の治療にとって効果的となり得る。さらに、血管アクセス・ラインを空き状態で維持することは、血管アクセスの維持管理規則(vascular access maintenance regulation)に対しての順守性を向上させることができる。
【0013】
開示されるシリンジ組立体は、スタンドアローンのデバイスを使用して制御圧力下での血管アクセス・ラインの継続的なフラッシングを可能にするための付勢部材を組み込むことができる。本明細書で説明される機構を利用することにより、シリンジ組立体は、携帯性を有し、最小限の注意(例えば、24時間ごと)しか必要としないスタンドアローンのデバイスを提供することができる。
【0014】
開示されるシリンジ組立体は、血管アクセス・ラインにフラッシングを行うことに対しての特定の手法に関しての開示される複数の課題を克服する。血管アクセス・ラインの手動のフラッシングの1つの課題は、手動のフラッシングが時間を要し、臨床医の注意を必要とすることである。さらに、断続的な手動のフラッシングは潜在的な閉塞及び感染にも繋がり得る。専用ポンプを使用するフラッシングの別の課題は、専用ポンプが高コストであり、患者と共に移動させることが困難である可能性があることである。手動のフラッシングが時間を要するものであり、さらには資源集約的であり、さらには潜在的に非効果的なものであることを理由として、及び、専用ポンプが高コストとなり得、患者と共に移動することが困難となり得ることを理由として、コンパクトである及び/又は容易な携帯性を有するデバイス内で血管アクセス・ラインの継続的なフラッシングを実現するデバイスを提供することが有利である。開示されるシリンジ組立体は、制御圧力での血管アクセス・ラインの継続的なフラッシングを可能にする内蔵式の組立体である。
【0015】
繰り返しの手動の相互作用なしで血管アクセス・ラインの継続的なフラッシングを可能にするシリンジ組立体の例を説明する。
【0016】
図2は、本開示の種々の態様によるシリンジ組立体100の断面図である。描かれている例では、シリンジ組立体100は流体を患者に送達することができる。いくつかの用途では、シリンジ組立体100は、血管アクセス・ライン内に空いている流路を維持することを目的として継続的に流体を患者に送達することができる。有利には、シリンジ102は、閉塞した流路を維持するように患者の静脈を通る少量の液体を維持するために、一定の定常圧力を維持することができる。
【0017】
図示されているように、シリンジ102は、シリンジ本体110によって画定されたキャビティ内で、分配又は投与されることになる流体を保管することができる。いくつかの実施の形態では、流体は、シリンジ本体110及び移動可能なプランジャ120によって画定されたシリンジ容積部112の中で保管される。流体はポート116を通してシリンジ容積部112に引き入れられる。任意選択で、シリンジ容積部112は組み立て中に事前に充填され得る。いくつかの実施の形態では、流体は生理食塩水及び/又は別の無菌流体である。シリンジ102は任意適切な量の流体を保管することができる。例えば、シリンジ容積部112は、約1mL、2mL、5mL、10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、又は60mLを収容することができる。
【0018】
描かれている例では、プランジャ120はシリンジ容積部112を変化させるか又は変更するために移動させられ得る。いくつかの実施の形態では、プランジャ120はシリンジ本体110内で又はシリンジ本体110に対して移動することができる。プランジャ120は、シリンジ本体110の壁に対して移動可能に又は弾性的に密閉され得る。例えば、プランジャ120は、シリンジ本体112を拡大するためにシリンジ本体110内で移動させられ得る。いくつかの用途では、プランジャ120は、シリンジ容積部112を拡大してポート116を通して流体をシリンジ容積部112に引き入れるために、ポート116から離れる方向に引かれ得るか又は移動させられ得る。
【0019】
シリンジ102内の流体を投与するか又は他の手法で分配するために、プランジャ120がシリンジ本体110に対して前進させられ得、それによりシリンジ容積部112を収縮又は縮小させる。プランジャ120を前進させることにより又は他の手法でシリンジ容積部112を縮小させることにより、シリンジ102はシリンジ容積部112からポート116を通して流体を排出することができる。図示されているように、臨床医は、プランジャ120を前進又は後退させるために頂部分122を作動させることができる。頂部分122はプランジャ・シャフト124によりプランジャ120に連結され得る。
【0020】
描かれている例では、プランジャ120は、ポート116を通した継続的な流体送達を可能にするためにシリンジ本体110に対して自動で前進させられ得る。有利には、プランジャ120を自動で前進させることにより、血管アクセス・ラインが空き状態で維持され得る。いくつかの実施の形態では、付勢部材130は、プランジャ120を前進させるか又は他の手法でプランジャ120をポート116の方に付勢するために、プランジャ120に連結され得る。したがって、付勢部材130はポート116を通した継続的な流体送達を可能にすることができる。付勢部材130は、所望の流量を実現するために所望の力を加えるように又は所望の速度で移動するように較正され得る。例えば、付勢部材130は、0.2mL/時間の流量を実現するように較正され得る。
【0021】
図示されているように、付勢部材130は、ばね、或いは、任意適切な他の弾性デバイス又はエネルギー蓄積デバイスとなり得る。特定の用途では、オープン・コイルの螺旋ばねが付勢部材130として利用され得る。付勢部材130は、付勢部材130を圧縮するようにプランジャ120を移動させることにより、エネルギーを加えられ得る。付勢部材130は、エネルギーを加えられるように又は縮められるように、圧縮力に耐えることができる。付勢部材130が解放されると、付勢部材130がプランジャ120を前進させることができる。
【0022】
任意選択で、付勢部材130は、プランジャ120を誤って前進させること及び/又はシリンジ容積部112内の流体の投与を防止するために、ロック部材131により、エネルギーを加えられた状態又は圧縮状態でロックされ得るか又は保持され得る。いくつかの実施の形態では、ロック部材131はプランジャ120の移動を防止することができる。図示されているように、ロック部材131は、プランジャ120の移動を防止するためにプランジャ・シャフト124に解除可能に取り付けられ得る。いくつかの実施の形態では、ロック部材131は、プランジャ120の頂部分122とシリンジ本体110の上側部分114との間に取り付けられ得る。任意選択で、ロック部材131は、エネルギーを加えた状態で付勢部材130を保持するために付勢部材130に直接に連結され得る。ロック部材131は、シリンジ102の構成要素とのスナップ嵌合又は締まり嵌めを有することができる。動作中、ロック部材131は、付勢部材130によりエネルギーを解放してプランジャ120を前進させてシリンジ容積部112から流体を分配するのを可能にするために、シリンジ102から取り外され得る。
【0023】
図示されているように、シリンジ容積部112から分配又は投与された流体がポート116を通過して患者に達することができる。シリンジ102は管を介して患者に流体連通され得る。いくつかの用途では、管は、管を患者の血管ラインに接続すること及び/又は流体を患者に投与することの前に、プライミングされ得る。図示されているように、管は、それぞれルアー・ロック105及びルアー・ロック106を介してシリンジ102及び患者に接続され得る。
【0024】
いくつかの実施の形態では、流量制御装置104が、シリンジ102から患者までの流体流れのレートを制御することができる。具体的には、流量制御装置104は、シリンジ102から患者までの流れを開始、停止、及び調整することができる。いくつかの実施の形態では、流量制御装置104は、プライミングの前に流れるのを防止することができ、患者に対してルアー・ロック106が接続された後で流れるのを可能にすることができる。さらに、流量制御装置104は、流体に敏感である患者(fluid sensitive patient)のために、及び/又は、シリンジ102からの流体圧力を調整するために、医療用流体の流量を調整することができる。
【0025】
有利には、付勢部材130及び流量制御装置104は、空いている流路を維持することを目的として患者の静脈を通して一定の定常圧力で流体が投与されるのを確実なものとするために、協働的にシリンジ102からの圧力及び流体流れを生成及び制御することができる。
【0026】
図3は、本開示の種々の態様による、エネルギーを加えられた状態にあるシリンジ組立体200の断面図である。
図4は、解放状態にある
図3のシリンジ組立体200の断面図である。
図3及び
図4を参照すると、シリンジ組立体200は、一定の定常圧力で流体を患者まで送達するために付勢部材230及び緩衝装置236を利用する。いくつかの実施の形態では、シリンジ組立体200は、シリンジ組立体100の要素と同様である要素を利用することができる。したがって、特定の要素においては、同様の要素を示すために同様の参照符号が利用される。
【0027】
シリンジ組立体100と同様に、プランジャ220は、ポート216を通した継続的な流体送達を可能にするためにシリンジ本体210に対して自動で前進させられ得る。図示されているように、付勢部材230は、プランジャ220を前進させるか又は他の手法でプランジャ220をポート216の方に付勢するために、プランジャ220に連結され得る。付勢部材230は、所望の流量を実現するために所望の力を加えるように又は所望の速度で移動するように較正され得る。
【0028】
図示されているように、付勢部材230は、ばね、或いは、任意適切な他の弾性デバイス又はエネルギー蓄積デバイスとなり得る。特定の用途では、オープン・コイルの螺旋ばねが付勢部材230として利用され得る。付勢部材230は、付勢部材230を延伸させるか又は付勢部材230に張力を加えるようにプランジャ220を移動させることにより、エネルギーを加えられ得る。付勢部材130は、エネルギーを加えられるように又は張力を加えられるように、延伸力に耐えることができる。付勢部材230が解放されて弛緩して縮んだ状態に向かうように移動させられると、付勢部材230がプランジャ220を前進させることができる。
【0029】
いくつかの実施の形態では、緩衝装置236は、シリンジ202からの流体流れのレートを制御することができる。具体的には、緩衝装置236は、所望のレートでプランジャ220が移動するのを可能にするためにプランジャ220の速度を制御することができる。描かれている例では、緩衝装置236は、プランジャ・シャフト224を介してプランジャ220に連結された緩衝装置ピストン232の速度を制御する。動作中、緩衝装置236を通る緩衝装置流体の流れが、緩衝装置ピストン232に対して力を作用させることにより、緩衝装置ピストン232及びひいてはプランジャ220の速度を制御する。緩衝装置236は任意適切な流体を利用することができる。例えば、緩衝装置236は、緩衝力を提供するのに空気を利用することができる。
【0030】
いくつかの実施の形態では、緩衝装置236は、緩衝装置236内で緩衝装置ピストン232が移動するのを可能にすることを目的として緩衝装置236から流体が逃げたり又は緩衝装置ピストン232の周りを流体が流れたりするのを可能にすることができる。図示されているように、緩衝装置236は、緩衝装置ピストン232が移動するのを可能にすることを目的として流体が緩衝装置チャネル234を通って流れるのを可能にすることができる。任意選択で、緩衝装置チャネル234のサイズ又はプロファイルは、緩衝装置ピストン232の緩衝力及びひいては速度を調整するために修正され得る。
【0031】
いくつかの実施の形態では、緩衝装置チャネル234は、緩衝装置ピストン232及び/又はプランジャ220の位置に基づいて緩衝装置236が変更された緩衝応答(damper response)を提供するのを可能にするために、サイズを変えられ得る。図示されているように、緩衝装置チャネル234の上側部分はダンパー力を増大させるのを可能にするためのより狭いプロファイル又は幾何形状を有することができ、緩衝装置チャネル234の下側部分はダンパー力を低減するのを可能にするためのより広いプロファイル又は幾何形状を有することができる。有利には、緩衝装置チャネル234の幾何形状を変えることにより、緩衝装置236は非線形の緩衝応答を実現することができる。非線形の緩衝応答は、付勢力の変化に応じた多様なダンパー力を提供するために同様に非線形挙動を有する付勢部材230と共に使用されるのに有用となり得る。例えば、緩衝装置236は、付勢部材230により最も大きい付勢力が提供されるタイミングであるプランジャ220の初期移動中により大きいダンパー力を提供することができ、付勢部材230により最も小さい付勢力が提供されるタイミングであるプランジャの移動の終了中により小さいダンパー力を提供することができる。有利には、緩衝力を付勢力と相互に関連付けることにより、緩衝装置236及び付勢部材230は、協働的に、緩衝ピストン232及びプランジャ220のための一定の速度を提供することができる。
【0032】
図5は、本開示の種々の態様によるシリンジ組立体300の斜視図である。
図6は、
図5のシリンジ組立体300の断面図である。
図7は、
図5のシリンジ組立体300の断面図である。
図8は、断面線8-8に沿う
図5のシリンジ組立体300の断面図である。
図5~8に関しては、シリンジ組立体300は、継続的に流体を患者まで送達するのにねじりばね330を利用する。有利には、ねじりばね330を使用することはシリンジ302のプロファイルをコンパクトにするのを可能にすることができる。いくつかの実施の形態では、シリンジ組立体300は、シリンジ組立体100の要素と同様である要素を利用することができる。したがって、特定の要素においては、同様の要素を示すために同様の参照符号が利用される。
【0033】
描かれている例では、プランジャ320は、ポート316を通した継続的な流体送達を可能にするためにシリンジ本体310に対して自動で前進させられ得る。有利には、プランジャ320を自動で前進させることにより、血管アクセス・ラインが空き状態で維持され得る。いくつかの実施の形態では、ねじりばね330は、プランジャ320を前進させるか又は他の手法でプランジャ320をポート316の方に付勢するために、プランジャ・シャフト324に連結され得る。ねじりばね330は、所望の流量を実現することを目的として所望の力を加えるように又は所望の速度で移動するように較正され得る。
【0034】
図示されているように、ねじりばね330はコイルばね又は巻きばねとなり得る。ねじりばね330は、ねじりばねのエネルギーを加えられる部分330aを回転させる又は螺旋状に巻くことにより、エネルギーを加えられ得る。ねじりばねのエネルギーを加えられる部分330aは、エネルギーを加えられるように、回転又はねじりに耐えることができる。プランジャ320は、ねじりばねのエネルギーを加えられる部分330aの螺旋形状を緩めることにより、前進させられ得る。ねじりばねのエネルギーを低減される部分又は螺旋形状を緩められる部分330bは、隣り合ったコイルで、低いエネルギー状態で保管される。いくつかの実施の形態では、プランジャ320を後退させることにより、ねじりばね330aはエネルギーを加えられ得る。
【0035】
図9は、本開示の種々の態様によるシリンジ組立体400の斜視図である。
図10は、
図9のシリンジ組立体400の上面図である。
図11は、断面線11-11に沿う
図9のシリンジ組立体400の断面図である。
図9~11を参照すると、シリンジ組立体400は、一定の定常圧力で流体を患者まで送達するのに圧縮ガス又は化学反応を利用することができる。有利には、圧縮ガス又は化学反応を利用することにより、コンパクトなシリンジ402のプロファイルを可能にすることができ、さらには、エネルギーを加えられるのを必要としないシリンジ402を可能にすることができる。いくつかの実施の形態では、シリンジ組立体400は、シリンジ組立体100の要素と同様である要素を利用することができる。したがって、特定の要素において、同様の要素を示すために同様の参照符号が利用される。
【0036】
描かれている例では、プランジャ420は、ポート416を通した継続的な流体送達を可能にするためにシリンジ本体410に対して自動で前進させられ得る。有利には、プランジャ420を自動で前進させることにより、血管アクセス・ラインが空き状態で維持され得る。いくつかの実施の形態では、プランジャ・シャフト424及びひいてはプランジャ420は、ガス・チャンバ442内での圧縮ガスの膨張又は化学反応の副生成物により、前進させられ得る。ガス・チャンバ442は、ガス・チャンバ本体444及び移動可能なプランジャ・シャフト424によって画定され得る。図示されているように、ガス・チャンバ442内のガスの膨張は、ガス・チャンバ本体444に対してプランジャ・シャフト424及びひいてはプランジャ420を前進させるのに十分な力を生成することができる。ガスの膨張は、所望の流量を実現することを目的として所望の力を加えるように又は所望の速度でプランジャ420を移動させるように制御され得る。
【0037】
いくつかの実施の形態では、圧縮ガス又は化学反応体がガス・チャンバ442内のカプセル440内で保管され得る。流体送達を開始するために、プランジャ420を前進させるようにカプセル440に穴が開けられ得るか又はカプセル440が穿孔され得る。いくつかの実施の形態では、プランジャ420の上側端部422がカプセル440を穿孔するための針を含む。したがって、流体の投与を開始するために、針がガス・チャンバ442の中まで前進させられ得、それによりカプセル440を穿孔して中のガスを膨張させるか又は反応させるのを可能にする。任選選択で、ガス・チャンバ本体444を移動又は作動させることにより針がカプセル440の中まで前進させられ得る。いくつかの実施の形態では、針の深さ及び穿孔のサイズが、プランジャ420の速度及び/又はシリンジ402の所望の流量を制御することができる。
【0038】
図12は、本開示の種々の態様によるシリンジ組立体500の斜視図である。
図13は、
図12のシリンジ組立体500の断面図である。
図14は、断面線14-14に沿う
図12のシリンジ組立体500の断面図である。
図15は、
図14のシリンジ組立体500の詳細図である。
図12~
図15を参照すると、シリンジ組立体500は、一定の定常圧力で流体を患者まで送達するのに付勢部材530a及び530b並びに先細形状であるシリンジ本体510を利用する。いくつかの実施の形態では、シリンジ組立体500は、シリンジ組立体100の要素と同様である要素を利用することができる。したがって、特定の要素においては、同様の要素を示すために同様の参照符号が利用される。
【0039】
シリンジ組立体100と同様に、プランジャ520は、ポート516を通した継続的な流体送達を可能にするためにシリンジ本体510に対して自動で前進させられ得る。図示されているように、付勢部材530a及び530bは、プランジャ520を前進させるか又は他の手法でプランジャ520をポート516の方に付勢するために、プランジャ520に連結され得る。付勢部材530a及び530bは、所望の流量を実現するために所望の力を加えるように又は所望の速度で移動するように較正され得る。
【0040】
図示されているように、付勢部材530a及び530bは、ばね、或いは、任意適切な他の弾性デバイス又はエネルギー蓄積デバイスとなり得る。特定の用途では、オープン・コイルの螺旋ばねが付勢部材530a及び530bとして利用され得る。付勢部材530a及び530bは、シリンジ本体510の側面に沿って配設され得る。付勢部材530a及び530bは、付勢部材530a及び530bを延伸させるように又は付勢部材530a及び530bに張力を加えるようにプランジャ520を移動させることにより、エネルギーを加えられ得る。付勢部材530a及び530bは、エネルギーを加えられるように又は張力を加えられるように、延伸力に耐えることができる。付勢部材530a及び530bが解放されて弛緩して縮んだ状態に向かうように移動させられると、付勢部材530a及び530bがプランジャ520を前進させることができる。
【0041】
いくつかの実施の形態では、シリンジ本体510の幾何形状は、シリンジ502からの流量のレートを制御するのに利用され得る。具体的には、シリンジ本体510の壁の直径が、プランジャ520を所望のレートで移動させるのを可能にすることを目的としてプランジャ520の速度を制御するために調整又は修正され得る。例えば、シリンジ本体510の直径D1は、プランジャ520の速度を制御するために、シリンジ本体510に対してプランジャ520が移動するときにプランジャ520に対して引張力を加えるように選定され得る。図示されているように、シリンジ本体510の幾何形状は、シリンジ本体510に対してプランジャ520が動くのを可能にしながら引張力を提供するように選定され得る。
【0042】
いくつかの実施の形態では、シリンジ本体510の直径は、シリンジ本体510に対してのプランジャ520の位置に基づいてプランジャ520が多様な引張力を受けるのを可能にするために、シリンジ本体510の多様な部分に沿ってサイズを変えられ得る。図示されているように、シリンジ本体510の上側部分は引張力を増大させるのを可能にするためのより小さい直径D1を有することができ、シリンジ本体510の下側部分は引張力を低減するのを可能にするためのより大きい直径D2を有することができる。有利には、シリンジ本体510の幾何形状を変えることにより、シリンジ本体510は非線形の引張力プロファイルを実現することができる。非線形の引張力プロファイルは、付勢力の変化に応じた多様な引張力を提供するために同様に非線形挙動を有する付勢部材530a及び530bと共に使用されるのに有用となり得る。例えば、シリンジ本体510は、付勢部材530a及び530bにより最も大きい付勢力が提供されるタイミングであるプランジャ520の初期移動中により大きい引張力を提供することができ、付勢部材530a及び530bにより最も小さい付勢力が提供されるタイミングであるプランジャ520の移動の終了中により小さい引張力を提供することができる。有利には、引張力を付勢力と相互に関連付けることにより、シリンジ本体510及び付勢部材530a及び530bは、協働的に、プランジャ520のための一定の速度を提供することができる。
【0043】
図15を参照すると、いくつかの実施の形態では、ポート516はシリンジ本体510の下側端部550に添着又は連結され得る。ポート516は、溶接、接着、又は任意適切な他の取り付けを介して、下側端部550に添着され得る。
【0044】
図16は、本開示の種々の態様によるシリンジ組立体600の斜視図である。
図17は、
図16のシリンジ組立体600の断面図である。
図16及び17を参照すると、シリンジ組立体500は、コンパクトなシリンジ602のプロファイルを維持しながら一定の定常圧力で継続的に流体を患者まで送達するのに付勢部材630a及び630bを利用する。いくつかの実施の形態では、シリンジ組立体600は、シリンジ組立体100の要素と同様である要素を利用することができる。したがって、特定の要素においては、同様の要素を示すために同様の参照符号が利用される。
【0045】
シリンジ組立体100と同様に、プランジャ620は、ポート616を通した継続的な流体送達を可能にするためにシリンジ本体610に対して自動で前進させられ得る。図示されているように、付勢部材630a及び630bは、プランジャ620を前進させるか又は他の手法でプランジャ620をポート616の方に付勢するために、プランジャ620に連結され得る。図示されているように、付勢部材630a及び630bの各々がプランジャ・シャフト624の上側端部に連結され得る。任意選択で、図示されているように、各々の付勢部材630a及び630bの第1の端部がプランジャ・シャフト624の上側端部に連結され得、付勢部材630a及び630bの第2の端部がハウジング636に連結され得る。図示されているように、付勢部材630a及び630bの第2の端部の各々が「矢」の配置構成となるように離れされられ得る。有利には、この配置構成は、プランジャ・シャフト624に対して十分な力を加えるのを可能にしながら付勢部材630a及び630bをコンパクトな配置構成となるように配置するのを可能にする。付勢部材630a及び630bは、所望の流量を実現するために所望の力を加えるように又は所望の速度で移動するように較正され得る。
【0046】
図示されているように、付勢部材630a及び630bは、ばね、或いは、任意適切な他の弾性デバイス又はエネルギー蓄積デバイスとなり得る。特定の用途では、オープン・コイルの螺旋ばねが付勢部材630a及び630bとして利用され得る。付勢部材630a及び630bは、付勢部材630a及び630bを延伸させるか又は付勢部材630a及び630bに張力を加えるようにプランジャ620を移動させることにより、エネルギーを加えられ得る。付勢部材630a及び630bは、エネルギーを加えられるように又は張力を加えられるように、延伸力に耐えることができる。付勢部材630a及び630bが解放されて弛緩して縮んだ状態に向かうように移動させられると、付勢部材630a及び630bがプランジャ620を前進させることができる。
【0047】
本開示は、当業者が本明細書で説明される種々の態様を実施するのを可能にするために提供されるものである。本開示は主題の技術の多様な例を提供し、主題の技術はこれらの例のみに限定されない。これらの態様に対しての種々の修正形態が当業者には容易に明らかとなり、本明細書で規定される一般的な原理は他の態様にも適用され得る。
【0048】
本開示の態様の種々の例が便宜のために番号を付された項(1、2、3など)として説明される。これらの項は例として提供され、本主題の技術を限定しない。図及び参照符号の指示(identification)は以下では単に例として説明のために提供されるものであり、これらの項はこれらの指示によって限定されない。
【0049】
項1.シリンジであって:キャビティ及びキャビティに流体連通されたポートを画定するシリンジ本体と;キャビティ内に配設された移動可能なプランジャであって、プランジャ及びキャビティが容積部を画定し、ポートが容積部に流体連通される、プランジャと;プランジャに連結された付勢部材であって、付勢部材が、容積部内で保管される流体を所望のレートで分配するためにプランジャをポートの方に付勢するように構成される、付勢部材と、を備える、シリンジ。
【0050】
項2.項1のシリンジであって、付勢部材はばねを備える。
【0051】
項3.項2のシリンジであって、ばねは螺旋ばねを備える。
【0052】
項4.項2のシリンジであって、ばねはねじりばねを備える。
【0053】
項5.項1のシリンジであって、付勢部材は複数のばねを備える。
【0054】
項6.項5のシリンジであって、複数のばねの各々の第1の端部がプランジャに連結される。
【0055】
項7.項1のシリンジであって、付勢部材は加圧ガス・チャンバを備える
【0056】
項8.項7のシリンジであって、穿孔部材をさらに備え、穿孔部材は、加圧ガスの膨張を可能にするために加圧ガス・チャンバに穴を開けるように構成される。
【0057】
項9.項1のシリンジであって、プランジャに連結された緩衝装置をさらに備え、緩衝装置は、シリンジ本体に対してのプランジャの速度を制御するように構成される。
【0058】
項10.項9のシリンジであって、緩衝装置は、緩衝装置容積部と、緩衝装置容積部に流体連通された緩衝装置チャネルと、を備え、緩衝装置チャネルは緩衝装置容積部から環境までの流れを可能にする。
【0059】
項11.項10のシリンジであって、緩衝装置チャネルは、第1のプランジャ位置において第1の緩衝装置流量を可能にし、第2のプランジャ位置において第2の緩衝装置流量を可能にし、第2の緩衝装置流量が第1の緩衝装置流量より大きい。
【0060】
項12.項9のシリンジであって、緩衝装置はキャビティ壁を備え、キャビティ壁は、第1のプランジャ位置において第1の緩衝力を加える第1の直径と、第2のプランジャ位置において第2の緩衝力を加える第2の直径と、を有し、第1の緩衝力が第2の緩衝力より大きい。
【0061】
項13.項1のシリンジであって、ポートに流体連通された流量制御装置をさらに備え、流量制御装置は流体の流れを所望のレートに制限する。
【0062】
項14.項1のシリンジであって、プランジャ及びシリンジ本体に解除可能に取り付けられたロック部材をさらに備え、ロック部材は、シリンジ本体に対してのプランジャの移動を防止するように構成される。
【0063】
項15.プランジャに連結されたエネルギーを加えられた付勢部材を解放することと;シリンジ・キャビティ内でプランジャを前進させることと;エネルギーを加えられた付勢部材を解放することに反応して所望の時間にわたって所望のレートでシリンジ・キャビティから流体を分配することと、を備える方法。
【0064】
項16.項15の方法であって、所望の時間が12時間より長い。
【0065】
項17.項15の方法であって、所望のレートが1時間当たり約0.2mLである。
【0066】
項18.項15の方法であって、緩衝部材を介してプランジャの前進を制御することをさらに備える。
【0067】
項19.項15の方法であって、エネルギーを加えられた付勢部材を解放するためにロック部材を取り外すことをさらに備える。
【0068】
項20.シリンジであって:キャビティ及びキャビティに流体連通されたポートを画定するシリンジ本体と;キャビティ内に配設された移動可能なプランジャであって、プランジャ及びキャビティが容積部を画定し、ポートが容積部に流体連通される、プランジャと;プランジャに連結された付勢部材であって、付勢部材がプランジャをポートの方に前進させるように構成される、付勢部材と、を備える、シリンジ。
【0069】
単数の要素を参照することは、特に明記しない限り、「唯一」を意味することを意図されず、「1つ又は複数」を意味することを意図される。他の意味で特に明記しない限り、「いくつかの」という用語は1つ又は複数を意味する。男性の代名詞(例えば、彼の)は女性の又は中性(例えば、彼女の又はその)も含み、逆も同様である。存在する場合の見出し及び小見出しは単に便宜的に使用されるものであり、本発明を限定しない。
【0070】
「例示」という単語は、本明細書では、「例又は実例として機能する」ことを意味するのに使用される。「例示」として本明細書で説明される任意の態様又はデザインは、他の態様又はデザインに対して好適又は有利であると必ずしも解釈されない。一態様では、本明細書で説明される多様な代替の構成及び動作は少なくとも等価であるとみなされ得る。
【0071】
「態様」などのフレーズは、このような態様が本主題の技術にとって不可欠であること又はこのような態様が本主題の技術のすべての構成に適用されることを暗に意味するものではない。1つの態様に関連する開示はすべての構成或いは1つ又は複数の構成に適用される可能性がある。1つの態様は1つ又は複数の例を提供する可能性がある。1つの態様などのフレーズは1つ又は複数の態様を意味することができ、逆も同様である。「実施の形態」などのフレーズは、この実施の形態が本主題の技術にとって不可欠であること又はこのような実施の形態が本主題の技術のすべての構成に適用されることを暗に意味するものではない。1つの実施の形態に関連する開示はすべての実施の形態或いは1つ又は複数の実施の形態に適用される可能性がある。1つの実施の形態は1つ又は複数の例を提供する可能性がある。このような実施の形態というフレーズは1つ又は複数の実施の形態を意味することができ、逆も同様である。「構成」などのフレーズは、このような構成が本主題の技術にとって不可欠であること又はこのような構成が本主題の技術のすべての構成に適用されることを暗に意味するものではない。1つの構成に関連する開示はすべての構成或いは1つ又は複数の構成に適用される可能性がある。1つの構成は1つ又は複数の例を提供する可能性がある。このような構成というフレーズは1つ又は複数の構成を意味することができ、逆も同様である。
【0072】
一態様では、特に明記しない限り、以下の特許請求の範囲を含めた本明細書に記載されるすべての測定値、値、等級、位置、規模、サイズ、及び他の仕様は、概算であり、厳密ではない。一態様では、これらは、関連する機能との及び関連する技術分野の慣例との整合性がとれる妥当な範囲を有することを意図される。
【0073】
一態様では、「連結される」などの用語は、直接に連結されることを意味することができる。別の態様では、「連結される」などの用語は、間接的に連結されることを意味することができる。
【0074】
本開示で使用される場合の「頂部」、「底部」、「前方」、及び「後方」などの用語は、通常の重力座標系ではなく任意の座標系を意味するものとして理解されるべきである。したがって、頂面、底面、前面、及び後面は、重力座標系において、上方、下方、斜め、又は水平に延在することができる。
【0075】
種々のアイテムは、本主題の技術の範囲から逸脱することなく、多様な手法で配置構成され得る(例えば、異なる順序で配置構成され得るか、又は異なる手法で区分化され得る)。本開示を通して説明される当業者には既知であるか又は後で当業者に知られることになる、種々の態様の要素に対してのすべての構造的均等物又は機能的均等物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることを意図される。さらに、その開示が特許請求の範囲に明確に記載されるか否かに関係なく、本明細書で開示されるものは公衆に提供されることを意図されない。クレームの要素は、その要素が「のための手段」というフレーズを使用して明確に記載されない限り、又は方法クレームの場合はその要素が「のためのステップ」というフレーズを使用して記載されない限り、米国特許法112条第6段落の規定に基づいて解釈されない。さらに、「含む」又は「有する(have)」などの用語が使用されるときの範囲において、これらの用語は、特許請求の範囲で移行語(transitional word)として採用される場合の「有する(comprise)」という用語と同様に包含的であることを意図される。
【0076】
本開示の、発明の名称、背景技術、概要、図面の簡単な説明、及び要約は、限定的な説明ではなく本開示の説明的な例として、本開示に組み込まれて提供される。これらは、特許請求の範囲の範囲又は意味を限定するのに使用されないという理解のもとに提示される。加えて、詳細な説明では、本説明が説明的な例を提供し、本開示を簡素化することを目的として種々の実施の形態において種々の特徴が一体にグループ化される、ということが分かるであろう。本開示の方法は、特許請求される主題が各請求項に明確に記載される特徴以外の特徴を必要とするという意図を反映させるものとして解釈されない。むしろ、以下の特許請求の範囲で反映されることとして、本発明の主題は、単一の開示される構成又は動作のすべての特徴未満にある。以下の特許請求の範囲は詳細な説明に組み込まれ、ここでは、各請求項は個別に特許請求される主題としてそれ自体で存在する。
【0077】
特許請求の範囲は本明細書で説明される態様のみに限定されることを意図されず、記載の特許請求の範囲に一致する全範囲を与えられること及びすべての法的均等物を包含することを意図される。しかしながら、いずれの請求項も、米国特許法101条、102条、又は103条の要求を満たすことができない主題を包含することを意図されず、また、いずれの請求項も、米国特許法101条、102条、又は103条の要求を満たすことができないと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】