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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】マルチパターンツーリングプレート
(51)【国際特許分類】
   B05C 9/14 20060101AFI20241128BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B05C9/14 ZAB
H01L21/52 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527138
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2021130258
(87)【国際公開番号】W WO2023082170
(87)【国際公開日】2023-05-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】スコット エー.リード
(72)【発明者】
【氏名】クオホア リウ
【テーマコード(参考)】
4F042
5F047
【Fターム(参考)】
4F042AA02
4F042AA06
4F042AB00
4F042DA09
5F047AA17
5F047BA01
5F047BB11
5F047BB16
5F047FA22
(57)【要約】
加熱チャックプレート及びそれを使用する装置であって、加熱チャック又はツーリングプレートは、外部表面を含み、外部表面の近くで電子機器アセンブリを固定するように構成される本体と、電子機器アセンブリ上の複数の所定の場所に加熱空気を選択的に向けるように構成される空気チャネルネットワークとを備え、空気チャネルネットワークは、加熱空気を、外部表面を通して、複数の所定の場所のうちの第1の場所に向けるように構成される、第1の加熱経路と、加熱空気を、外部表面を通して、複数の所定の場所のうちの第2の場所に向けるように構成される、第2の加熱経路とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基板上にアセンブリ材料を堆積させるための装置であって、
フレームと、
前記フレームに結合され、前記電子基板上にアセンブリ材料を適用するように構成されたアセンブリアプリケータと、
前記フレームに結合され、前記電子基板を支持するように構成された支持アセンブリであって、加熱チャックプレートを含み、前記加熱チャックプレートは、
外部表面を含み、前記外部表面の近くで前記電子基板を固定するように構成された本体と、
加熱空気を前記電子基板上の複数の所定の場所に選択的に向けるように構成された空気チャネルネットワークと、
を含み、前記空気チャネルネットワークは、
前記加熱空気を、前記外部表面を通して、前記複数の所定の場所のうちの第1の場所に向けるように構成された第1の加熱経路と、
前記加熱空気を、前記外部表面を通して、前記複数の所定の場所のうちの第2の場所に向けるように構成された第2の加熱経路と、
を含む、支持アセンブリと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記空気チャネルネットワークは、前記加熱チャックプレートの前記本体の前記外部表面に複数の穴を含み、
前記第1の加熱経路は、前記複数の穴の第1のセットを含み、
前記第2の加熱経路は、前記複数の穴の第2のセットを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の穴の前記第1のセットは、前記加熱空気を前記電子基板上の前記複数の所定の場所のうちの前記第1の場所に向けるように位置決めされた前記複数の穴の第1のグループを含み、
前記複数の穴の前記第2のセットは、前記加熱空気を前記電子基板上の前記複数の所定の場所のうちの前記第2の場所に向けるように位置決めされた前記複数の穴の第2のグループを含む、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記空気チャネルネットワークは、前記加熱空気が前記第1の加熱経路及び前記第2の加熱経路のうちの一方に入るのを選択的に可能にするように構成された少なくとも1つのポートを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのポートは、前記加熱空気が前記第1の加熱経路に入るのを選択的に可能にするように構成された第1のポートと、前記加熱空気が前記第2の加熱経路に入るのを選択的に可能にするように構成された第2のポートと、を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のポートは、第1の止めねじを受けるように構成され、前記第1の止めねじは、前記第1の止めねじが締められると、前記加熱空気が前記第1の加熱経路を通って進行するのを阻止し、前記第1の止めねじが緩められると、前記加熱空気が前記第1の加熱経路を通って進行するのを可能にし、
前記第2のポートは、第2の止めねじを受けるように構成され、前記第2の止めねじは、前記第2の止めねじが締められると、前記加熱空気が前記第2の加熱経路を通って進行するのを阻止し、前記第2の止めねじが緩められると、前記加熱空気が前記第2の加熱経路を通って進行するのを可能にする、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記空気チャネルネットワークは、前記第1のポート内の前記第1の止めねじの位置に関わらず、かつ前記第2のポート内の前記第2の止めねじの位置に関わらず、前記加熱空気を受けるように構成された第3の加熱経路を更に含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
第1のマスクを更に備え、前記第1のマスクは、前記第1の加熱経路からの前記加熱空気を、前記電子基板上の前記複数の所定の場所のうちの少なくとも1つの場所に向けるように前記第1のマスク内に位置決めされた少なくとも1つの穴を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のマスクは、前記少なくとも1つの穴を除いて、前記加熱空気が前記電子基板に直接当たるのを阻止するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの穴は、
前記第1の加熱経路からの前記加熱空気を前記電子基板上の複数の所定の場所のうちの前記第1の場所に向けるように前記第1のマスク内に位置決めされた第1の穴と、
前記第2の加熱経路からの前記加熱空気を前記電子基板上の前記1つ以上の所定の場所のうちの前記第2の場所に向けるように前記第1のマスク内に位置決めされた第2の穴と、
を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のマスクは、前記外部表面から前記第1のマスクを取り外すための把持部分を含み、前記把持部分は、前記外部表面の縁部を越えて延在する、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
第2のマスクを更に備え、前記第2のマスクは、前記第2の加熱経路からの前記加熱空気を前記電子基板上の前記複数の所定の場所のうちの少なくとも1つの場所に向けるように前記第2のマスク内に位置決めされた少なくとも1つの穴を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
加熱チャックプレートであって、
外部表面を含み、前記外部表面の近くで電子機器アセンブリを固定するように構成された本体と、
加熱空気を前記電子機器アセンブリ上の複数の所定の場所に選択的に向けるように構成された空気チャネルネットワークと、
を備え、前記空気チャネルネットワークは、
前記加熱空気を、前記外部表面を通して、前記複数の所定の場所のうちの第1の場所に向けるように構成された第1の加熱経路と、
前記加熱空気を、前記外部表面を通して、前記複数の所定の場所のうちの第2の場所に向けるように構成された第2の加熱経路と、
を備える、加熱チャックプレート。
【請求項14】
前記空気チャネルネットワークは、前記加熱チャックプレートの前記本体の前記外部表面に複数の穴を含み、
前記第1の加熱経路は、前記複数の穴の第1のセットを含み、
前記第2の加熱経路は、前記複数の穴の第2のセットを含む、
請求項13に記載の加熱チャックプレート。
【請求項15】
前記複数の穴の前記第1のセットは、前記加熱空気を前記電子機器アセンブリ上の前記複数の所定の場所のうちの前記第1の場所に向けるように位置決めされた前記複数の穴の第1のグループを含み、
前記複数の穴の前記第2のセットは、前記加熱空気を前記電子機器アセンブリ上の前記複数の所定の場所のうちの前記第2の場所に向けるように位置決めされた前記複数の穴の第2のグループを含む、
請求項14に記載の加熱チャックプレート。
【請求項16】
前記空気チャネルネットワークは、前記加熱空気が前記第1の加熱経路及び前記第2の加熱経路のうちの一方に入るのを選択的に可能にするように構成された少なくとも1つのポートを更に含む、請求項13に記載の加熱チャックプレート。
【請求項17】
前記少なくとも1つのポートは、前記加熱空気が前記第1の加熱経路に入るのを選択的に可能にするように構成された第1のポートと、前記加熱空気が前記第2の加熱経路に入るのを選択的に可能にするように構成された第2のポートとを含む、請求項16に記載の加熱チャックプレート。
【請求項18】
前記第1のポートは、第1の止めねじを受けるように構成され、前記第1の止めねじは、前記第1の止めねじが締められると、前記加熱空気が前記第1の加熱経路を通って進行するのを阻止し、前記第1の止めねじが緩められると、前記加熱空気が前記第1の加熱経路を通って進行するのを可能にし、
前記第2のポートは、第2の止めねじを受けるように構成され、前記第2の止めねじは、前記第2の止めねじが締められると、前記加熱空気が前記第2の加熱経路を通って進行するのを阻止し、前記第2の止めねじが緩められると、前記加熱空気が前記第2の加熱経路を通って進行するのを可能にする、
請求項17に記載の加熱チャックプレート。
【請求項19】
前記空気チャネルネットワークは、前記第1のポート内の前記第1の止めねじの位置に関わらず、かつ前記第2のポート内の前記第2の止めねじの位置に関わらず、前記加熱空気を受けるように構成された第3の加熱経路を更に含む、請求項18に記載の加熱チャックプレート。
【請求項20】
前記加熱空気を前記第1の加熱経路及び前記第2の加熱経路のうちの一方に選択的に向けるように構成された弁を更に備える、請求項13に記載の加熱チャックプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の背景
1.開示の分野
本開示は、はんだディスペンサの加熱チャックプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
多様な用途に向けて、正確な量の液体又はペーストを分注(分配)するのに用いられる、いくつかのタイプの分注システムが存在する。そのような用途の1つは、集積回路チップ及び他の電子構成要素を、回路基板に組み付けることである。本願では、液体エポキシ樹脂、若しくははんだペースト、又は何らかの他の関連材料のドットを回路基板上に分注するのに、自動分注システムが使用される。自動分注システムは、構成要素を回路基板に機械的に固定するのに用いられ得るアンダーフィル材料及び封入材の線を分注するのにも使用される。上述した例示的な分注システムとしては、CAMALOT(商標)という商標名でイリノイ州グレンビュー所在のITW EAE社によって製造及び流通されているものが挙げられる。
【0003】
典型的な分注システムにおいては、電子基板が加熱されるときに電子基板を適所に保持するために、加熱チャックが使用される。加熱チャックに関連する1つの問題は、それらが、電子基板上で1つの特定の加熱パターンで高温空気を送るように設計された穴を有する表面を備え、異なる加熱パターンを必要とする異なる基板ごとにチャックを交換する必要があることである。1つの解決策は、基板全体に赤外線加熱を適用し、それによって全ての可能な加熱パターンをカバーすることである。しかしながら、この方法は、非効率的であり、その時点で加熱を必要としない基板の領域を不必要に加熱し、それによって、基板に対して行われた以前のはんだ付け又は他の作業を潜在的に変化させるか、又は損傷させることさえある。
【0004】
別の問題は、チャックが非常に高温となるので、製造中に異なる加熱パターンのためにチャックを交換することは、作業を行う人々にとって潜在的に危険である非常に高温の機器を取り扱うこと、又は交換前に上部プレートが冷めるまでの期間にわたって待つことのいずれかが必要となり、分注サイクル間に費用のかかる休止時間が追加されることである。
【発明の概要】
【0005】
必要とされるのは、異なる加熱パターン間で切り替えるように容易に改変することができ、使用するのに安全であり、分注システムを使用する製造プロセスに大幅な時間の追加が生じない、加熱チャックプレートである。
【0006】
開示の概要
1つの例において特徴となるのは、2つ以上の加熱パターンのために再構成可能であり、使用するのに安全であり、分注システムにおいて電子アセンブリを製造するプロセスに大幅な時間の追加が生じない、加熱チャックプレートである。
【0007】
少なくとも1つの実施の形態によれば、電子基板上にアセンブリ材料を堆積させる装置であって、フレームと、フレームに結合され、電子基板上にアセンブリ材料を適用(塗布)するように構成されるアセンブリアプリケータと、フレームに結合され、電子基板を支持するように構成される支持アセンブリとを備え、支持アセンブリは、加熱チャックプレート(加熱されたチャックプレート)を備え、加熱チャックプレートは、外部表面を含み、外部表面の近くで電子基板を固定するように構成される本体と、電子基板上の複数の所定の場所に加熱空気(加熱された空気)を選択的に向けるように構成される空気チャネルネットワークとを備え、空気チャネルネットワークは、加熱空気を、外部表面を通して、複数の所定の場所のうちの第1の場所に向けるように構成される、第1の加熱経路と、加熱空気を、外部表面を通して、複数の所定の場所のうちの第2の場所に向けるように構成される、第2の加熱経路とを備える、装置が提供される。
【0008】
1つの例において、空気チャネルネットワークは、加熱チャックプレートの本体の外部表面に複数の穴を含み、第1の加熱経路は、複数の穴の第1のセットを含み、第2の加熱経路は、複数の穴の第2のセットを含む。
【0009】
別の例において、複数の穴の第1のセットは、加熱空気を電子基板上の複数の所定の場所のうちの第1の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第1のグループを含み、複数の穴の第2のセットは、加熱空気を電子基板上の複数の所定の場所のうちの第2の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第2のグループを含む。
【0010】
1つの例において、複数の穴の第1のセットは、加熱空気を電子基板上の複数の所定の場所のうちの第3の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第3のグループを含み、複数の穴の第2のセットは、加熱空気を電子基板上の複数の所定の場所のうちの第4の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第4のグループを含む。
【0011】
別の例において、複数の穴の第1のセットは、加熱空気を電子基板上の複数の所定の場所のうちの第5の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第5のグループを含み、複数の穴の第2のセットは、加熱空気を電子基板上の複数の所定の場所のうちの第6の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第6のグループを含む。
【0012】
1つの例において、空気チャネルネットワークは、加熱空気が第1の加熱経路及び第2の加熱経路のうちの一方に入ることを選択的に可能にするように構成される少なくとも1つのポートを更に含む。
【0013】
別の例において、少なくとも1つのポートは、加熱空気が第1の加熱経路に入ることを選択的に可能にするように構成される第1のポートと、加熱空気が第2の加熱経路に入ることを選択的に可能にするように構成される第2のポートとを含む。
【0014】
1つの例において、第1のポートは、第1の止めねじを受けるように構成され、第1の止めねじは、第1の止めねじが締められると、加熱空気が第1の加熱経路を通って進行することを阻止し、第1の止めねじが緩められると、加熱空気が第1の加熱経路を通って進行することを可能にし、第2のポートは、第2の止めねじを受けるように構成され、第2の止めねじは、第2の止めねじが締められると、加熱空気が第2の加熱経路を通って進行することを阻止し、第2の止めねじが緩められると、加熱空気が第2の加熱経路を通って進行することを可能にする。
【0015】
別の例において、空気チャネルネットワークは、第1のポート内の第1の止めねじの位置に関わらず、かつ第2のポート内の第2の止めねじの位置に関わらず、加熱空気を受けるように構成される、第3の加熱経路を更に含む。
【0016】
1つの例において、装置は、電子基板を加熱チャックプレートに解放可能に固定するように構成された複数の保持部材を更に備える。
【0017】
別の例において、装置は、第1の加熱経路からの加熱空気を、電子基板上の複数の所定の場所のうちの少なくとも1つの場所に向けるように位置決めされた少なくとも1つの穴を含む第1のマスクを更に備える。
【0018】
1つの例において、第1のマスクは、少なくとも1つの穴を除いて、加熱空気が電子基板に直接当たることを阻止するように構成される。
【0019】
別の例において、少なくとも1つの穴は、第1の加熱経路からの加熱空気を電子基板上の複数の所定の場所のうちの第1の場所に向けるように第1のマスクにおいて位置決めされた第1の穴と、第2の加熱経路からの加熱空気を電子基板上の1つ以上の所定の場所のうちの第2の場所に向けるように第1のマスクにおいて位置決めされた第2の穴とを含む。
【0020】
1つの例において、第1のマスクは、外部表面から第1のマスクを取り外すための把持部分を備え、把持部分は、外部表面の縁部の上方に延在する。
【0021】
別の例において、装置は、第2の加熱経路からの加熱空気を電子基板上の複数の所定の場所のうちの少なくとも1つの場所に向けるように位置決めされた少なくとも1つの穴を含む第2のマスクを更に備える。
【0022】
1つの例において、第1のマスクは、金属、ゴム、シリコーン、又はマイラーのうちの1つを含む材料から構築される。
【0023】
別の例において、装置は、加熱空気を第1の加熱経路及び第2の加熱経路のうちの一方に選択的に向けるように構成される弁を更に備える。
【0024】
1つの例において、弁は、外部コントローラによって電子的に制御されるか、外部コントローラによって空気圧で制御されるか、又は止めねじ、ノブ、及びスイッチのうちの1つによって機械的に制御される。
【0025】
少なくとも1つの実施の形態によれば、加熱チャックプレートであって、外部表面を含み、外部表面の近くで電子機器アセンブリを固定するように構成される本体と、電子機器アセンブリ上の複数の所定の場所に加熱空気を選択的に向けるように構成される空気チャネルネットワークとを備え、空気チャネルネットワークは、加熱空気を、外部表面を通して、複数の所定の場所のうちの第1の場所に向けるように構成される、第1の加熱経路と、加熱空気を、外部表面を通して、複数の所定の場所のうちの第2の場所に向けるように構成される、第2の加熱経路とを備える、加熱チャックプレートが提供される。
【0026】
1つの例において、空気チャネルネットワークは、加熱チャックプレートの本体の外部表面に複数の穴を含み、第1の加熱経路は、複数の穴の第1のセットを含み、第2の加熱経路は、複数の穴の第2のセットを含む。
【0027】
別の例において、複数の穴の第1のセットは、加熱空気を電子機器アセンブリ上の複数の所定の場所のうちの第1の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第1のグループを含み、複数の穴の第2のセットは、加熱空気を電子機器アセンブリ上の複数の所定の場所のうちの第2の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第2のグループを含む。
【0028】
1つの例において、複数の穴の第1のセットは、加熱空気を電子機器アセンブリ上の複数の所定の場所のうちの第3の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第3のグループを含み、複数の穴の第2のセットは、加熱空気を電子機器アセンブリ上の複数の所定の場所のうちの第4の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第4のグループを含む。
【0029】
別の例において、複数の穴の第1のセットは、加熱空気を電子機器アセンブリ上の複数の所定の場所のうちの第5の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第5のグループを含み、複数の穴の第2のセットは、加熱空気を電子機器アセンブリ上の複数の所定の場所のうちの第6の場所に向けるように位置決めされた複数の穴の第6のグループを含む。
【0030】
1つの例において、空気チャネルネットワークは、加熱空気が第1の加熱経路及び第2の加熱経路のうちの一方に入ることを選択的に可能にするように構成される少なくとも1つのポートを更に含む。
【0031】
別の例において、少なくとも1つのポートは、加熱空気が第1の加熱経路に入ることを選択的に可能にするように構成される第1のポートと、加熱空気が第2の加熱経路に入ることを選択的に可能にするように構成される第2のポートとを含む。
【0032】
1つの例において、第1のポートは、第1の止めねじを受けるように構成され、第1の止めねじは、第1の止めねじが締められると、加熱空気が第1の加熱経路を通って進行することを阻止し、第1の止めねじが緩められると、加熱空気が第1の加熱経路を通って進行することを可能にし、第2のポートは、第2の止めねじを受けるように構成され、第2の止めねじは、第2の止めねじが締められると、加熱空気が第2の加熱経路を通って進行することを阻止し、第2の止めねじが緩められると、加熱空気が第2の加熱経路を通って進行することを可能にする。
【0033】
別の例において、空気チャネルネットワークは、第1のポート内の第1の止めねじの位置に関わらず、かつ第2のポート内の第2の止めねじの位置に関わらず、加熱空気を受けるように構成される、第3の加熱経路を更に含む。
【0034】
1つの例において、加熱チャックプレートは、加熱空気を第1の加熱経路及び第2の加熱経路のうちの一方に選択的に向けるように構成される弁を更に備える。
【0035】
別の例において、弁は、外部コントローラによって電子的に制御されるか、外部コントローラによって空気圧で制御されるか、又は止めねじ、ノブ、及びスイッチのうちの1つによって機械的に制御される。
【0036】
図面の簡単な説明
少なくとも1つの実施形態の様々な態様が、添付した図を参照して以下に論述される。これらの図は、一律の縮尺で描くことを意図したものではない。図は、様々な態様及び実施形態の図解及び更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成するが、どの特定の実施形態の限定の定義としても意図されていない。図面は、本明細書の残りの部分とともに、説明及び特許請求される態様及び実施形態の原理及び動作を説明するように機能する。図において、様々な図に示された各同一の構成要素又はほぼ同一の構成要素は、同様の参照符号によって表される。明瞭にするために、あらゆる構成要素があらゆる図においてラベル付けされているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本開示に記載の態様による分注システム及び外部空気源のブロック図である。
図2】本開示に記載の態様による分注システムの概略図である。
図3】本開示に記載の態様による加熱チャックプレートを備えるチャックの分解斜視図である。
図4A】本開示に記載の態様による加熱チャックプレート内の空気チャネルネットワークの上面図である。
図4B】本開示に記載の態様による加熱チャックプレート内の空気チャネルネットワークの上面図である。
図5A】本開示に記載の態様による加熱チャックプレート内の空気チャネルネットワークの上面図である。
図5B】本開示に記載の態様による加熱チャックプレート内の空気チャネルネットワークの上面図である。
図6】本開示に記載の態様による加熱チャックプレート用のマスクの平面図である。
図7】本開示に記載の態様による加熱チャックプレート用のマスクの平面図である。
図8】予備加熱ステーション、分注ステーション、及び後加熱ステーションを開示するためにパッケージが取り除かれた状態の、分注システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
開示の詳細な説明
例示のためだけであり、普遍性を限定するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に説明される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本開示において記載される原理は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践又は実行することができる。また、本開示において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、限定するものと見なされるべきではない。本開示において単数のものとして参照されるシステム及び方法の例、実施形態、構成要素、要素又は動作に対する任意の参照は、複数のものを含む実施形態も包含することができ、本開示における任意の実施形態、構成要素、要素又は動作に対する複数のものとしての任意の参照は、単数のもののみを含む実施形態も包含することができる。単数形又は複数形における参照は、本開示において開示されるシステム又は方法、それらの構成要素、動作又は要素を限定することを意図されていない。本開示において「~を含む」、「~を備える」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」及びそれらの変形の用語を使用することは、その前に列挙される物品と、その均等物及び追加の物品とを包含することを意味する。「又は/若しくは」に対する参照は、「又は/若しくは」を用いて説明される任意の用語が、この説明される用語の単一のもの、2つ以上、及び全てのもののうちの任意のものを示すことができるような包括的なものと解釈することができる。加えて、本願書類と、引用することにより本開示の一部をなす書類との間で用語の使用法が一貫しない場合、本開示の一部をなす文献における用語の使用法は、本願書類の使用法に対する補足であり、非一貫性が矛盾をきたすものである場合、本願書類における用語の使用法が有効である。
【0039】
本開示は、分注システム用の加熱チャックプレートに関し、特に、分注システム用の加熱チャックの一部である再構成可能な加熱チャックプレートに関する。チャックは、半径方向に対称な物体を保持するために使用される特殊なタイプのクランプである。例えば、プリント回路基板製造において、チャックは、はんだ又は他の材料が塗布される前に電子基板が加熱されているときに、電子基板を適所に保持するために使用される。
【0040】
電子アセンブリ及びプリント回路基板等の電子基板の製造中、はんだペースト又は他の材料が領域上に分注される前に、基板上の場所に、時には150℃を超える熱を加えることが多くの場合に必要となる。加熱作業は、各分注サイクルの前、間、及び後に行われ得る。例えば、いくつかの場所は、アンダーフィルを分注する前に加熱されることが必要となり得る。「非接触」対流加熱は、最も必要とされる領域に通常は集中する加熱空気を基板に当てるために使用される。推定加熱を用いることもできるが、基板の全領域を加熱することになり、これは不必要であるとともに潜在的に損傷を与える。
【0041】
或る特定の製造プロセス及び用途は、構成要素(例えば、表面実装電気構成要素、スルーホール電気構成要素、コンデンサ、抵抗器、チップパッケージ、BGAチップ等)の配置/レイアウトが異なる電子基板に対応することができなければならない。さらに、異なる電子基板は、又は同じ電子基板であっても、異なる時間に異なる場所又はゾーンを加熱する必要があり得る。この全ての変動性により、基板及び加熱パターン毎に異なるチャックプレート(ツーリング(tooling)プレート又はトッププレートとも呼ばれる)を設計及び構築しなければならないため、分注サイクルの効率が低下する。また、チャックプレートが高温すぎて安全に取り扱うことができず、したがって、熱いうちに交換するか、又は冷ます必要があるため、効率が低下する。迅速な製造切替えを行うためには、再設計の繰り返しも冷ますための休止時間も望ましくない。
【0042】
本開示の実施形態は、2つ以上の加熱パターン用に再構成可能であり、使用するのに安全であり、分注システムにおいて電子基板を製造するプロセスに大幅な時間の追加が生じない、分注システム用の加熱チャックプレートを含む。分注システムについて説明するが、本開示に記載の概念は、ステンシルプリンター等の他のタイプのプリント基板製作機器に適用することができる。さらに、本開示においては分注システムに含まれるものとして説明されるが、実施形態は、はんだペースト又は他の同様の材料を分注しないデバイスに適用可能であることも企図される。例えば、本開示に記載の再構成可能なチャックプレートは、別のプロセスの一部としてチャック内で構成要素を加熱することのみが必要なデバイスにおいて使用されてもよい。
【0043】
本開示の原理を実装することによって、堆積システムは、加熱チャック内に保持された電子基板上の異なる加熱パターン用の分注サイクルを、オペレータに安全性のリスクをもたらすことなく、かつ分注システムにおいて電子機器アセンブリを製造するプロセスに大幅な時間の追加を生じることなく、容易に切り替えることができる。
【0044】
図1は、加熱チャックプレート3を備える分注システム1の構成を示す。加熱チャックプレート3は、空気チャネルネットワーク9を備え、空気チャネルネットワーク9は、加熱空気を、外部空気源7から、加熱チャックプレート3の外部表面内の穴を通して、電子基板12上の1つ以上の所定の場所上に送る/導く。電子基板12は、或る特定の例においては、プリント回路基板である。
【0045】
加熱空気が基板12上の1つ以上の場所に到達することを可能にするか、又は阻止するために、1つ以上のポート11が、加熱チャックプレート3内に設けられる。ポート11は、或る特定の例においては、六角レンチ、スクリュードライバー等の適切なツールを使用してオペレータによって緩められ得る又は締められ得る、止めねじを受けるように構成される。加熱チャックプレート3とオペレータの身体との間の安全な離間距離を得るためにツールを使用してオペレータによって係合可能な、小さい特定の接触点を追加することによって、オペレータは、チャックプレート3の表面上の1つ以上の対応する場所(穴を含む)を介して電子基板12上の1つ以上の場所に向かう1つ以上の加熱経路に加熱空気を送るために、空気チャネルネットワーク9を安全かつ容易に変更することができる。
【0046】
例示のために、ここで、本開示の1つの実施形態による、全体として10で示される分注システムを参照して本開示の実施形態が説明される。図2を参照すると、分注システム10は、電子基板12上に、粘性材料(例えば、接着剤、封入材、エポキシ樹脂、はんだペースト、アンダーフィル材料等)又は半粘性材料(例えば、はんだフラックス等)を分注するのに用いられる。電子基板12は、或る特定の例においては、プリント回路基板(「PCB」)又は半導体ウェハである。分注システム10は、代替的に、自動車用ガスケット材料を塗布するため、又は、或る特定の医療分野において、又は、導電性インクを塗布するため等の、他の用途において用いることができる。本開示において用いられる場合、粘性材料又は半粘性材料に対する参照は例示であり、非限定的なものであることが意図されることが理解されるべきである。分注システム10は、1つ以上の分注ユニット、例えば、それぞれ全体として14及び16で示される第1の分注ユニット及び第2の分注ユニットと、分注システムの動作を制御するコントローラ18とを備える。分注ユニットは、本開示において、分注ポンプ及び/又は分注ヘッドと称されることもあることが理解されるべきである。2つの分注ユニットを示すが、1つの分注ユニット又は3つ以上の分注ユニットを利用することができることが理解されるべきである。
【0047】
また、分注システム10は、電子基板12を支持するベース又は支持体22を有するフレーム20と、分注ユニット14、16を支持し、移動させるためにフレーム20に移動可能に結合された分注ユニットガントリ24と、例えば、較正手順の一部として、粘性材料の分注された量を計量し、重量データをコントローラ18に与える重量測定デバイス又は計量器26とを備えることができる。
【0048】
或る特定の例において、支持体22は、加熱チャックプレート3を備える支持アセンブリの一部である。いくつかの例において、分注ユニット14、16は、フレーム20に結合されたアセンブリアプリケータの一部であり、アセンブリアプリケータは、電子基板12又は電子基板12上にアセンブリ材料を塗布するように構成される。
【0049】
分注システムに対する電子基板の装着及び取外しを制御するために、分注システム10において、コンベヤシステム(図示せず)又は移動ビーム等の他の移送機構を使用してもよい。ガントリ24は、コントローラ18の制御下においてモータを用いて移動し、分注ユニット14、16を電子基板の上方の所定の場所に位置決めすることができる。分注システム10は、オペレータに種々の情報を表示するためにコントローラ18に接続されたディスプレイユニット28を備えることができる。分注ユニットを制御する任意選択の第2のコントローラを設けてもよい。また、各分注ユニット14、16は、Z軸センサを用いて、電子基板12の上方又は電子基板上に実装される機構の上方に分注ユニットが配置される高さを検出するように構成することができる。Z軸センサは、コントローラ18に結合され、センサによって取得された情報をコントローラに中継する。
【0050】
上記のような、分注動作を実行する前に、電子基板、例えば、プリント回路基板は、分注システムの分注ユニットに対して整列、又は、別の方法で位置合わせしなければならない。分注システムは、視覚システム30を更に備え、1つの実施形態では、視覚システム30は、視覚システムガントリ32に結合され、視覚システムガントリ32は、視覚システムを支持するとともに移動させるために移動可能にフレーム20に結合される。別の実施形態では、視覚システム30は、分注ユニットガントリ24上に設けられていてもよい。上記のように、視覚システム30は、電子基板上の、基準部(fiducials)として知られるランドマーク又は構成要素の場所を照合するために利用される。位置特定されると、コントローラは、電子基板上に材料を分注するように分注ユニット14、16のうちの1つ以上の動きを操作するようにプログラミングすることができる。或る特定の実施形態において、分注ユニット14、16は、電子基板が加熱チャックプレート3又は本開示に記載の任意の他の加熱チャックプレート上に固定されると、電子基板上に材料を分注する。
【0051】
1つの実施形態では、分注動作は、コントローラ18によって制御され、コントローラ18は、材料分注ユニットを制御するように構成されたコンピューターシステムを含んでいてもよい。別の実施形態では、コントローラ18はオペレータが操作するようにしてもよい。コントローラ18は、電子基板12の1つ以上の画像を取得するように視覚システムを移動させるために視覚システムガントリ32の動きを操作するように構成される。コントローラ18は、分注動作を実行するために、分注ユニット14、16を移動させるように分注ユニットガントリ24の動きを操作するように更に構成される。
【0052】
図3は、全体的に40で示される本体を有する加熱チャックプレートと、第1の保持部材54と、第2の保持部材56とを備える、全体的に38で示されるチャックの分解図を示す。保持部材54、56は、チャック38の本体と共に、電子基板(例えば、基板12)に向かって、及びそれから離れるように移動して、電子基板を適所に固定し、基板を加熱チャックプレートの外部上面42上又はその上方に位置決めするように配置される。保持部材54、56は、保持部材が電子基板の対向する縁部に係合した状態で、電子基板を外部表面42上又はその上方の適所に集合的に保持する。電子基板が外部表面42の「上」にあるとは、基板と表面42とが直接物理的に接触していることを意味する。電子基板が外部表面の「近く」又は「上方」にあるとは、穴44を出る空気の大部分が基板上の対応する場所(単数又は複数)に当たるように、基板と表面42とが近接していることを意味する。一例において、表面42と基板との間の距離は、基板下の構成要素のクリアランスのために、数ミリメートルから25mmまでの間である。
【0053】
第1の保持部材54及び第2の保持部材56は、それぞれ55で示される複数のねじによって加熱チャックプレート42に固定される。プリント回路基板を加熱するために、一例において、プリント回路基板(PCB)は、コンベヤレールの上部クランプとコンベヤベルトとの間の適所に保持される。同時に、保持部材54、56及びチャック38の本体40は、PCBに向かって上方に移動し、その後、PCBは、コンベヤレールの上部クランプ(単数又は複数)と第1の保持部材54及び第2の保持部材56との間にクランプされる。クランプされた後、外部表面42とPCBとの間には空隙が残る。
【0054】
加熱チャックプレートの外部表面42は、複数の穴を有するいくつかの領域を含み、各領域は44で示され、領域は、加熱チャックプレート内の空気チャネルネットワーク62が穴44を通して適所にクランプされた電子基板上に高温空気を送るように、所定の場所に配置される。
【0055】
図4A及び図4Bを更に参照すると、外部表面42の穴の領域又はセット44によって提供される加熱パターンを変更するために、第1のポート46及び第2のポート48が、空気チャネルネットワーク62と接続するように外部表面42に形成される。ポート46、48は、第1の止めねじ50及び第2の止めねじ52をそれぞれ受けるようにねじ切りされ得る。或る特定の例においては、第1の止めねじ50を緩めることにより、空気チャネルネットワーク62(以下でより詳細に説明する)を通過する高温空気が第1の加熱経路70(以下でより詳細に説明する)内に送られて穴の1つのセット44に至ることが可能になり、第2の止めねじ52を緩めることにより、空気チャネルネットワーク62を通過する高温空気が第2の加熱経路72(以下でより詳細に説明する)内に送られて穴の別のセット44に至ることが可能になる。逆に、或る特定の例においては、第1の止めねじ50を締めることにより、空気チャネルネットワークを通過する高温空気が第1の加熱経路内の穴の1つのセット44に送られることが阻止され、第2の止めねじ52を締めることにより、空気チャネルネットワークを通過する高温空気が第2の加熱経路72内の穴の1つのセット44に送られることが阻止される。止めねじ50、52のうちの一方を緩めたり締めたりすることは、他方の止めねじを緩めたり締めたりすることを必要としない。或る特定の例においては、空気チャネルネットワークは、それぞれのポート46、48内の止めねじ50、52の位置に関わらず、加熱空気を受ける穴の第3のセット44につながる第3の加熱経路74(以下でより詳細に説明する)を含む。
【0056】
図4Aは、加熱チャックプレートの本体40内の空気チャネルネットワーク62を示す。空気チャネルネットワーク62は、第1の加熱経路70、第2の加熱経路72、及び第3の加熱経路74を含む。空気チャネルネットワーク62が加熱空気を受けると、空気は、第1の加熱経路70、第2の加熱経路72、及び第3の加熱経路74のうちの1つ以上の中に送られる。図4Aに示されているように、図示の実施形態においては、空気チャネルネットワーク62を通過する加熱空気は、常に第3の加熱経路74(及びそれによって第3の加熱経路に含まれる穴のセット86)に入る。これは、第3の加熱経路74が止めねじ50、52によって遮断されないからである。しかしながら、実施形態は、3つよりも少ない又は多い加熱経路を有する加熱チャックプレートと、加熱チャックプレートの外部表面の穴を通して加熱空気を常に通過させるいかなる加熱経路も含まない空気チャネルネットワークとを含むことが理解される。
【0057】
空気チャネルネットワーク62は、加熱チャック38内にクランプされた電子基板上の複数の場所に対応する穴のセットに加熱空気を向ける。第1の加熱経路70には穴の第1のセットが含まれ、穴の第1のセットは、穴の第1のグループ64、穴の第2のグループ66、及び穴の第3のグループ68を含む。穴の第1のグループ64は、加熱チャック38内にクランプされた電子基板上の第1の場所に対応する(すなわち、そこに空気を向ける)。穴の第2のグループ66は、電子基板上の第2の場所に対応する。同様に、穴の第3のグループ68は、加熱チャック38内にクランプされた電子基板上の第3の場所に対応する。第1の止めねじ50を締めることによって、加熱空気は、穴の第1のグループ64、穴の第2のグループ66、及び穴の第3のグループ68のいずれにも到達しないように阻止される。第1の止めねじ50を緩めることによって、図4Aに示すように、加熱空気は、穴の第1のグループ64、穴の第2のグループ66、及び穴の第3のグループ68のそれぞれに送られる。「セット」は1つのグループのみを含んでもよく、「グループ」は1つの穴のみを含んでもよいことが理解される。
【0058】
穴の第2のセットが第2の加熱経路70に含まれ、第2のセットは、穴の第4のグループ76、穴の第5のグループ78、穴の第6のグループ80、及び穴の第7のグループ82を含む。上述したように、各グループは、加熱チャック38内にクランプされた電子基板上の異なる場所に対応する。第2の止めねじ52を締めることによって、加熱空気は、穴の第4のグループ76、穴の第5のグループ78、穴の第6のグループ80、及び穴の第7のグループ82のいずれにも到達しないように阻止される。第2の止めねじ52を緩めることによって、図4Bに示すように、加熱空気は、穴の第4のグループ76、穴の第5のグループ78、穴の第6のグループ80、及び穴の第7のグループ82のそれぞれに送られる。任意の妥当な数(すなわち、実際に製造することができる、及び/又は加熱チャックプレート内に適合することができる数)の加熱経路に加えて、任意の妥当な数の穴グループを所与の加熱経路内に含めることができることを理解されたい。
【0059】
図5A及び図5Bは、少なくとも加熱空気が第1の加熱経路70及び第2の加熱経路72に選択的に送られる方法で、加熱チャックプレート40とは異なる、全体的に88で示される加熱チャックプレートを示す。加熱チャックプレート40で使用されるポート46、48及び止めねじ50、52の代わりに、加熱チャックプレート80は弁90を備える。弁90の第1の構成においては、図5Aに示すように、加熱空気は、第2の加熱経路72に到達することが阻止される。弁90の第2の構成においては、図5Bに示すように、加熱空気は、第1の加熱経路70に到達することが阻止される。或る特定の例においては、弁90は、第1の構成と第2の構成との間で切り替えるための制御信号を受信するモータを弁90が備えるように、外部コントローラ、例えばコントローラ18によって電子的に制御される。他の例においては、弁90は、弁90に印加される第1の圧力に応答して第1の構成となり、第1の圧力とは異なる第2の圧力に応答して第2の構成となるように、外部コントローラによって空気圧で制御される。他の例においては、弁は、1つ以上の止めねじ、ノブ、スイッチ、又は他の機械的アクチュエータが、弁を2つの構成のうちの一方にさせるように、機械的に制御される。
【0060】
図6及び図7を参照すると、ポート11(図1)及び弁90(図5A及び図5B)の代替として、又はそれに加えて、第1のマスク87が図6に示すように設けられ、第2のマスク92が図7に示すように設けられる。第1のマスク87及び第2のマスク92は、金属、ゴム、シリコーン、又はマイラーのうちの1つを含む材料から構築される。本開示に記載のマスク87、92は、これらの材料に限定されず、約150℃の温度又ははんだ分注用途において通常到達する温度に耐えることができる任意の妥当な材料から作製され得ることが理解される。
【0061】
第1のマスク87は、第1の穴94、第2の穴96、及び第3の穴98を含み、これらはそれぞれ、穴の第1のグループ64、穴の第2のグループ66、及び穴の第3のグループ68に対応する。穴94等のような単一の単体の穴の代わりに、マスク87、92は、電子基板上の場所のそれぞれに対して穴のグループを含むことができることが理解される。第1のマスク87の穴は、図4A図5Bの穴のグループと1対1で対応していてもよいし、異なっていてもよい。
【0062】
第2のマスク92は、第4の穴106、第5の穴108、第6の穴110、及び第7の穴112を含み、これらはそれぞれ、穴の第4のグループ76、穴の第5のグループ78、穴の第6のグループ80、及び穴の第7のグループ82に対応する。第2のマスク92の穴は、図4A図5Bの穴のグループと1対1で対応していてもよいし、異なっていてもよい。
【0063】
加熱空気が第1の加熱経路70を介して電子基板に到達することを制限するために、第1のマスク87が外部表面42上に配置される。加熱空気が第2の加熱経路72を介して電子基板に到達することを制限するために、第2のマスク92が外部表面42上に配置される。
【0064】
マスク87、92を容易に把持し、加熱チャックプレート42に近づきすぎることを回避するために、把持部分89が第1のマスク87に含まれ、把持部分93が第2のマスク92に含まれる。マスク87、92の把持部分89、93は、外部表面42の縁部の上方に延在し、オペレータの指でマスク87、92を把持することを容易なジェスチャーにする。マスク87、92の把持部分89、93は、表面42の任意の好適な縁部の上に張り出してもよい。
【0065】
或る特定の実施形態によれば、第1のマスク87及び/又は第2のマスク92は、ポート又は止めねじを有さない加熱チャックプレートとともに使用される。そのような実施形態においては、空気チャネルネットワークは、加熱空気を穴のグループの各セットに提供し、遮断する必要がある特定のセットは、したがって、適切なマスクを使用して遮断される。例えば、加熱チャックプレートは、加熱チャックプレート40と同一であるが、ポート46、48及び止めねじ50、52が存在せず、それによって、全ての加熱経路70、72、74を障害なく接続する。第1の加熱経路70を選択するために、オペレータは、第2のマスク92を外部表面42上に配置する。次に、第2の加熱経路72を選択し、第1の加熱経路70が電子基板を加熱すること阻止するために、オペレータは、把持部89を自身の指で把持し、第2のマスク92を第1のマスク87に交換する。
【0066】
第1マスク87及び第2マスク92の全体の厚さは、約3mmである。いくつかの例においては、「約3mm」は、3mm±1mmに等しい。マスク87、92の厚さは、加熱空気の温度、電子基板を加熱する持続時間、及びマスク87、92を構築するために選ばれる特定の材料(単数又は複数)等の異なる設計パラメータに応じて変化し得ることが理解される。
【0067】
電子基板の表面全体を加熱するために赤外熱を用いる用途においては、マスク87、92は、上述の加熱空気の遮断と同様の方法で、赤外熱が基板上の場所に到達するのを阻止するように構成することができることが理解される。
【0068】
図8を参照すると、分注システムが全体的に200で示されている。図示されているように、分注システム200は、全体的に202で示される分注ステーションと、分注ステーションの前の上流に設けられる、全体的に204で示される予備加熱ステーションと、分注ステーションの後の下流に設けられる、全体的に206で示される後加熱ステーションとを含む。予備加熱ステーション204は、予備加熱ゾーンを画定し、分注ステーション202は、分注ゾーンを画定し、後加熱ステーション206は、分注システム200の後加熱ゾーンを画定する。コンベヤ208は、基板12等の電子基板を、予備加熱ステーション204から分注ステーション202へ、そして後加熱ステーション206へ(図8の左から右へ)移動させるために設けられる。図示されているように、コンベヤ208は、基板がより効率的かつより高速で分注ステーションに進入することを可能にするように、2つのレーン208A、208Bを備える。
【0069】
予備加熱ステーション204は、分注ステーションでの分注に許容可能な温度まで電子基板を加熱するように構成される。予備加熱ステーション204は、電子基板の温度を20℃~200℃の範囲で上昇させるように構成することができる。後加熱ステーション206は、分注システム200から下流の別の処理ステーションに沿って送られる前に、電子基板の温度を低下させるように構成される。予備加熱ステーション204と同様に、後加熱ステーションは、電子基板の温度を20℃~200℃の範囲で低下させるように構成することができる。
【0070】
或る特定の実施形態において、予備加熱ステーション204、分注ステーション202、及び後加熱ステーション206のうちの1つ以上は、前述の加熱チャックプレート40、88を使用するように構成される。
【0071】
1つの実施形態において、予備加熱ステーション204及び後加熱ステーション206は、分注ステーション202を備える分注システム200の一部とすることができる。別の実施形態においては、分注システム200は、分注ステーション202のみを含むように構成することができ、予備加熱ステーション204及び/又は後加熱ステーション206は、分注システムとともに組み立てられる別個のユニットとすることができ、コンベヤ208は、3つ全てのステーションを通って延在する。
【0072】
各プロセスゾーンについて、オペレータは、製品が「準備完了」と考えられるために到達する必要があるターゲット温度及び公差範囲を選択する。「準備完了」は、製品が次のコンベヤゾーンに移動することができること、又は分注ゾーン内にある場合、分注プロセスが始まるための「準備完了」を意味することができる。他の目的は、「準備完了」状態に基板を保つことであるため、所定の温度にあるとき、製品を所望の公差範囲内に維持するように機械は加熱設定を自動的に調整する。
【0073】
本開示における実施形態は、様々な加熱チャックプレート、並びにそれを備えるシステム及び装置を含む。図及び記載の実施形態は、特定の数及び配置の加熱経路、穴等を有する加熱チャックプレートの特定の例を含むが、開示された主題の範囲は、そのような配置に限定されない。例えば、上述したように、本開示に開示の加熱チャックプレートは、ステンシルプリンター等の他のタイプの機器に適用することができる。したがって、電子基板上にアセンブリ材料を堆積させるように構成される「装置」という場合には、ディスペンサ及びステンシルプリンターを含むことを意味する。
【0074】
このように、本開示の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明してきたが、当業者には種々の改変、変更、及び改善が容易に思い浮かぶことが理解されるべきである。そのような改変、変更、及び改善は、本開示の一部であることを意図しており、本開示の趣旨及び範囲内にあることを意図している。したがって、これまでの説明及び図面は例にすぎない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
【国際調査報告】