(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電磁弁及びそれを有する空調システム
(51)【国際特許分類】
F16K 31/06 20060101AFI20241128BHJP
F16K 31/42 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
F16K31/06 305K
F16K31/06 305Z
F16K31/42 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527259
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2022128684
(87)【国際公開番号】W WO2023103648
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202123073715.4
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】金 勇
(72)【発明者】
【氏名】張 錬
【テーマコード(参考)】
3H056
3H106
【Fターム(参考)】
3H056AA01
3H056BB45
3H056BB47
3H056CA01
3H056CB02
3H056CC12
3H056CD03
3H056DD05
3H056DD08
3H056GG03
3H056GG13
3H106DA07
3H106DA23
3H106DA35
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB32
3H106DC02
3H106DC17
3H106DD03
3H106EE27
3H106EE45
3H106GB01
3H106KK31
(57)【要約】
電磁弁(100)及びそれを有する空調システム(200)。電磁弁(100)は弁体(10)及びピストン(20)を含み、弁体(10)にはメイン弁口(11)が穿設され、ピストン(20)は弁体(10)内に設けられ、且つピストン(20)は弁体(10)内で運動してメイン弁口(11)を開閉することができ、ピストン(20)には取り付けチャンバ(21)が穿設され、取り付けチャンバ(21)内には、一方向弁芯(30)、位置決めスリーブ(40)及び固定ユニット(50)が設けられ、位置決めスリーブ(40)は固定ユニット(50)により取り付けチャンバ(21)内に固定され、一方向弁芯(30)は取り付けチャンバ(21)内で運動して位置決めスリーブ(40)に当接することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体及びピストンを含み、前記弁体にはメイン弁口が穿設され、前記ピストンは前記弁体内に設けられ、且つ前記ピストンは前記弁体内で運動して前記メイン弁口を開閉することができる、電磁弁であって、
前記ピストンには取り付けチャンバが穿設され、前記取り付けチャンバ内には、一方向弁芯、位置決めスリーブ及び固定ユニットが設けられ、前記位置決めスリーブは前記固定ユニットにより前記取り付けチャンバ内に固定され、前記一方向弁芯は前記取り付けチャンバ内で運動して前記位置決めスリーブに当接することができる、電磁弁。
【請求項2】
前記固定ユニットは雌ねじ及び雄ねじを含み、前記雌ねじは前記取り付けチャンバのチャンバ壁に設けられ、前記雄ねじは前記位置決めスリーブの外壁面に設けられ、前記雄ねじと前記雌ねじとは、前記位置決めスリーブが前記取り付けチャンバに取り付けられることに伴って互いに係合する、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記位置決めスリーブの前記一方向弁芯から離れた一端に操作部が設けられ、前記操作部は、前記位置決めスリーブを駆動してねじ込み/ねじ抜きを行う、請求項2に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記操作部は一文字溝又は十文字溝を含み、前記一文字溝又は前記十文字溝は、前記位置決めスリーブの前記一方向弁芯から離れた一端に穿設され、
あるいは、前記操作部は内六角溝を含み、前記内六角溝は前記位置決めスリーブの前記一方向弁芯から離れた一端に穿設される、請求項3に記載の電磁弁。
【請求項5】
前記取り付けチャンバのチャンバ壁にはダブテール溝が穿設され、前記ダブテール溝の溝壁から前記取り付けチャンバの中心軸線までの距離は、前記一方向弁芯から前記位置決めスリーブの方向へ向かって徐々に大きくなり、
前記位置決めスリーブの前記一方向弁芯から離れた一端は、外側に拡径して設けられる、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項6】
前記ダブテール溝の前記一方向弁芯に近接する一端には段差面を有し、前記位置決めスリーブの前記一方向弁芯に近接する一端は、前記段差面に当接する、請求項5に記載の電磁弁。
【請求項7】
前記ダブテール溝の段差面から離れた一端にはバーブ部が設けられ、前記位置決めスリーブの前記一方向弁芯から離れた一端は、前記位置決めスリーブが前記ダブテール溝に取り付けられることに伴って前記バーブ部に当接する、請求項5に記載の電磁弁。
【請求項8】
前記ピストンのメイン弁口から離れた一端にはピストンチャンバが穿設され、前記一方向弁芯は弁芯チャンバを含み、前記一方向弁芯は前記ピストンチャンバから前記弁芯チャンバへの一方向流通を実現し、前記位置決めスリーブには貫通孔が穿設され、且つ前記貫通孔と前記弁芯チャンバとは連通される、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項9】
前記ピストンチャンバ内には第2バネが設けられ、前記弁体の前記メイン弁口から離れた一端には、カバープレートが密封的に被せて設けられ、前記第2バネの両端は、それぞれ前記カバープレート及び前記ピストンチャンバのチャンバ壁に当接する、請求項8に記載の電磁弁。
【請求項10】
前記弁体にはガイド弁が取り付けられ、前記ガイド弁はスリーブ及び前記スリーブ内に取り付けられた可動鉄心アセンブリを含み、前記弁体には前記メイン弁口と連通するガイド弁口が更に穿設され、前記可動鉄心アセンブリは前記スリーブ内で運動して前記ガイド弁口を開閉することができ、
前記弁体には、前記ピストンチャンバと連通する流れ通路が更に設けられ、前記ガイド弁口が開放されるとき、前記ガイド弁口は前記流れ通路により前記ピストンチャンバと連通される、請求項8に記載の電磁弁。
【請求項11】
前記スリーブ内には静止鉄心が取り付けられ、前記可動鉄心アセンブリは、可動鉄心、第1バネ及びパイロットスプールを含み、前記第1バネの両端はそれぞれ前記静止鉄心及び前記可動鉄心に当接し、前記パイロットスプールは前記可動鉄心の前記静止鉄心から離れた一端に接続され、前記可動鉄心は、前記スリーブ内で運動可能であり、前記パイロットスプールを連動して前記ガイド弁口から脱離したり前記ガイド弁口に当接したりすることで、前記ガイド弁口を開閉することができる、請求項10に記載の電磁弁。
【請求項12】
前記弁体の端面及び側面には、それぞれ第1流通口と、前記メイン弁口及び前記ガイド弁口と連通する第2流通口とが穿設され、前記第1流通口の軸線と前記ガイド弁の軸線とが平行であり、前記第2流通口の軸線と前記ピストンの軸線とが平行であり、前記メイン弁口が開放されるとき、前記第1流通口と前記第2流通口とは互いに流通され、前記メイン弁口が閉鎖されるとき、前記第1流通口と前記第2流通口との流通を遮断する、請求項10に記載の電磁弁。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の電磁弁を含む、空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年12月7日に出願された、出願番号が202123073715.4であり、発明の名称が「電磁弁及びそれを有する空調システム」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本出願は、冷却機器の技術分野に関し、特に、電磁弁及びそれを有する空調システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電磁弁は、電磁制御される部品であり、産業用制御システムにおいて媒体の導通・遮断を制御したり、媒体の流れ方向及び流量等のパラメータを調整したりして、目標とする制御を実現するために用いられる。
【0004】
関連技術の電磁弁において、位置決めスリーブは、通常、取り付けチャンバのチャンバ壁とインターフェアランスフィットされるため、電磁弁に故障リスクが存在することが多い。
【発明の概要】
【0005】
本出願の様々な実施例によれば、電磁弁を提供する。
【0006】
本出願は、弁体及びピストンを含み、弁体にはメイン弁口が穿設され、ピストンは弁体内に設けられ、且つピストンは弁体内で運動してメイン弁口を開閉することができる、電磁弁であって、ピストンには取り付けチャンバが穿設され、取り付けチャンバ内には、一方向弁芯、位置決めスリーブ及び固定ユニットが設けられ、位置決めスリーブは固定ユニットにより取り付けチャンバ内に固定され、一方向弁芯は取り付けチャンバ内で運動して位置決めスリーブに当接することができる、電磁弁を提供する。
【0007】
一実施例では、固定ユニットは雌ねじ及び雄ねじを含み、雌ねじは取り付けチャンバのチャンバ壁に設けられ、雄ねじは位置決めスリーブの外壁面に設けられ、雄ねじと雌ねじとは、位置決めスリーブが取り付けチャンバに取り付けられることに伴って互いに係合する。
【0008】
一実施例では、位置決めスリーブの一方向弁芯から離れた一端に操作部が設けられ、操作部は、外部の工具と係合して位置決めスリーブに対してねじ込み/ねじ抜きを行う。
【0009】
一実施例では、操作部は一文字溝又は十文字溝を含み、一文字溝又は十文字溝は、位置決めスリーブの一方向弁芯から離れた一端に穿設され、あるいは、操作部は内六角溝を含み、内六角溝は位置決めスリーブの一方向弁芯から離れた一端に穿設される。
【0010】
一実施例では、取り付けチャンバのチャンバ壁にはダブテール溝が穿設され、ダブテール溝の溝壁から取り付けチャンバの中心軸線までの距離は、一方向弁芯から位置決めスリーブの方向へ向かって徐々に大きくなり、位置決めスリーブの一方向弁芯から離れた一端は、外側に拡径して設けられる。
【0011】
一実施例では、ダブテール溝の一方向弁芯に近接する一端には段差面を有し、位置決めスリーブの一方向弁芯に近接する一端は、段差面に当接する。
【0012】
一実施例では、ダブテール溝の段差面から離れた一端にはバーブ部が設けられ、位置決めスリーブの一方向弁芯から離れた一端は、位置決めスリーブがダブテール溝に取り付けられることに伴ってバーブ部に当接する。
【0013】
一実施例では、ピストンのメイン弁口から離れた一端にはピストンチャンバが穿設され、一方向弁芯は弁芯チャンバを含み、一方向弁芯はピストンチャンバから弁芯チャンバへの一方向流通を実現し、位置決めスリーブには貫通孔が穿設され、且つ貫通孔と弁芯チャンバとは連通される。
【0014】
一実施例では、ピストンチャンバ内には第2バネが設けられ、弁体のメイン弁口から離れた一端には、カバープレートが密封的に被せて設けられ、第2バネの両端は、それぞれカバープレート及びピストンチャンバのチャンバ壁に当接する。
【0015】
一実施例では、弁体にはガイド弁が取り付けられ、ガイド弁はスリーブ及びスリーブ内に取り付けられた可動鉄心アセンブリを含み、弁体にはメイン弁口と連通するガイド弁口が更に穿設され、可動鉄心アセンブリはスリーブ内で運動してガイド弁口を開閉することができ、弁体には、ピストンチャンバと連通する流れ通路が更に設けられ、ガイド弁口が開放されるとき、ガイド弁口は流れ通路によりピストンチャンバと連通される。
【0016】
一実施例では、スリーブ内には静止鉄心が取り付けられ、可動鉄心アセンブリは、可動鉄心、第1バネ及びパイロットスプールを含み、第1バネの両端はそれぞれ静止鉄心及び可動鉄心に当接し、パイロットスプールは可動鉄心の静止鉄心から離れた一端に接続され、可動鉄心は、スリーブ内で運動可能であり、パイロットスプールを連動してガイド弁口から脱離したりガイド弁口に当接したりすることで、ガイド弁口を開閉することができる。
【0017】
一実施例では、弁体の端面及び側面には、それぞれ第1流通口と、メイン弁口及びガイド弁口と連通する第2流通口とが穿設され、第1流通口の軸線とガイド弁の軸線とが平行であり、第2流通口の軸線とピストンの軸線とが平行であり、メイン弁口が開放されるとき、第1流通口と第2流通口とは互いに流通され、メイン弁口が閉鎖されるとき、第1流通口と第2流通口との流通を遮断する。
【0018】
本出願は、上記のような電磁弁を含む空調システムを更に提供する。
【0019】
本出願の1つ以上の実施例の詳細は、以下の図面及び記述において提示する。本出願の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
ここに開示されているこれらの発明の実施例及び/又は例示をより良く記述及び説明するために、1つ以上の図面を参照することができる。図面を説明するために用いられる追加の詳細又は例示は、開示された発明、ここで説明する実施例及び/又は例示、並びにここで理解されるこれらの発明の最適な形態のうちのいずれかの範囲を制限するものとしてみなされるべきではない。
【0021】
【
図1】1つ以上の実施例による電磁弁の構成模式図である。
【
図2】1つ以上の実施例によるピストンの一実施形態の構成模式図である。
【
図3】
図2におけるA箇所の部分拡大模式図である。
【
図4】1つ以上の実施例によるピストンの別の実施形態の構成模式図である。
【
図5】
図4におけるB箇所の部分拡大模式図である。
【
図6】1つ以上の実施例による空調システムの構成模式図である。
【0022】
図面における各符号の意味は以下の通りである。
100 電磁弁、10 弁体、11 メイン弁口、12 ガイド弁口、13 流れ通路、14 カバープレート、15 第1流通口、16 第2流通口、20 ピストン、21 取り付けチャンバ、211 ダブテール溝、2111 段差面、2112 バーブ部、22 ピストンチャンバ、221 第2バネ、30 一方向弁芯、31 弁芯チャンバ、40 位置決めスリーブ、41 操作部、42 貫通孔、50 固定ユニット、51 雌ねじ、52 雄ねじ、60 ガイド弁、61 スリーブ、62 可動鉄心アセンブリ、621 可動鉄心、622 パイロットスプール、623 第1バネ、63 静止鉄心、200 空調システム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本出願の目的、技術態様及び利点をより明確にするために、以下に、図面及び具体的な実施形態を参照して、本出願を更に詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施形態は、本出願を解釈するためのものにすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0024】
説明すべきこととして、アセンブリが別のアセンブリに「取り付けられる」とされる場合、別のアセンブリに直接取り付けられてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、別のアセンブリに直接設けられてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、別のアセンブリに直接固定されてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。本文で使用される「垂直な」、「水平な」、「左」、「右」という用語及び類似した表現は、説明を目的とするものにすぎず、唯一の実施形態であることを表すものではない。
【0025】
特に定義しない限り、本出願で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって通常理解される意味と同じである。本出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施形態を説明することのみを目的としており、本出願を制限する意図のものではない。本出願で使用される「又は/及び」という用語は、関連する列挙された項目の任意及び全ての組み合わせを1つ以上含む。
【0026】
図1から
図5を参照すると、電磁弁100は、電磁制御される産業用機器であり、流体を制御するための自動化された基本部品であり、アクチュエータに属するが、油圧式や気圧式などの分野に限定されない。電磁弁100は、産業用制御システムにおいて、媒体の方向、流量、速度及び他のパラメータを調整するために用いられる。電磁弁100は、異なる回路に合わせて目標とする制御を実現することができ、制御の精度及び柔軟性を確保することができる。
【0027】
関連技術の電磁弁において、位置決めスリーブは、通常、取り付けチャンバのチャンバ壁とインターフェアランスフィットされるため、電磁弁に故障リスクが存在することが多い。
【0028】
関連技術の電磁弁における問題を解決するために、本出願は、弁体10とピストン20とを含み、弁体10にはメイン弁口11が穿設され、ピストン20は弁体10内に設けられ、且つピストン20は弁体10内で運動してメイン弁口11を開閉することができる、電磁弁100を提供する。ピストン20には取り付けチャンバ21が穿設され、取り付けチャンバ21内には一方向弁芯30、位置決めスリーブ40及び固定ユニット50が設けられ、位置決めスリーブ40は固定ユニット50により取り付けチャンバ21内に固定され、一方向弁芯30は取り付けチャンバ21内で運動して位置決めスリーブ40に当接することができる。
【0029】
説明すべきこととして、本出願は、位置決めスリーブ40を固定ユニット50により取り付けチャンバ21内に固定することで、位置決めスリーブ40に対して固定及び制限を行い、位置決めスリーブ40が取り付けチャンバ21から脱落することを防止する。
【0030】
図1に示すように、弁体10にはガイド弁60が取り付けられている。ガイド弁60はスリーブ61を含み、スリーブ61の外に電磁コイルが取り付けられ、スリーブ61内に静止鉄心63及び可動鉄心アセンブリ62が取り付けられ、静止鉄心63はスリーブ61内の一端に固定して取り付けられ、可動鉄心アセンブリ62は、可動鉄心621、第1バネ623及びパイロットスプール622を含み、第1バネ623の両端はそれぞれ静止鉄心63及び可動鉄心621に当接し、パイロットスプール622は可動鉄心621の静止鉄心63から離れた一端に接続される。弁体10にはガイド弁口12が更に穿設され、可動鉄心621は、スリーブ61内で運動可能であり、パイロットスプール622を連動してガイド弁口12から脱離したりガイド弁口12に当接したりすることで、ガイド弁口12を開閉することができる。
【0031】
更に、ピストン20のメイン弁口11から離れた一端にピストンチャンバ22が穿設され、ピストンチャンバ22内には第2バネ221が設けられ、弁体10のメイン弁口11から離れた一端には、カバープレート14が密封的に被せて設けられ、第2バネ221の両端は、それぞれカバープレート14及びピストンチャンバ22のチャンバ壁に当接する。一方向弁芯30は弁芯チャンバ31を含み、一方向弁芯30は媒体のピストンチャンバ22から弁芯チャンバ31への一方向流通を実現することができる。弁体10には、ピストンチャンバ22と連通する流れ通路13が更に設けられ、ガイド弁口12が開放されるとき、ガイド弁口12は流れ通路13によりピストンチャンバ22と連通される。
【0032】
具体的には、弁体10の端面及び側面には、それぞれ第1流通口15と、メイン弁口11及びガイド弁口12と連通する第2流通口16とが穿設されている。第1流通口15の軸線とガイド弁60の軸線とが平行であり、第2流通口16の軸線とピストン20の軸線とが平行である。メイン弁口11が開放されるとき、第1流通口15と第2流通口16とは互いに流通され、メイン弁口11が閉鎖されるとき、第1流通口15と第2流通口16との流通を遮断する。
【0033】
本出願で提供される電磁弁100は、二方向流通を実現することができる。冷媒が第2流通口16から弁体10に流れ込むと、カバープレート14の方向へ向かって移動する推力をピストン20に与え、ピストン20はメイン弁口11から脱離し、第2バネ221は圧縮状態になる。このとき、メイン弁口11が開放され、冷媒が第2流通口16から第1流通口15へ流れることができるが、通常は、しばらくすると、ピストン20が第2バネ221の復元力の作用で再び徐々にカバープレート14から離れた方向へ向かって運動してメイン弁口11に当接し、第1流通口15と第2流通口16との流通を遮断する。メイン弁口11が開放されるとき、第1流通口15と第2流通口16との持続的な連通を実現するために、ピストン20には一方向弁芯30が設けられている。メイン弁口11が開放されるとき、電磁コイルが通電され、可動鉄心621は静止鉄心63の吸引力の作用で静止鉄心63へ向かって運動し、パイロットスプール622は可動鉄心621の連動でガイド弁口12から脱離し、このとき、ガイド弁口12が開放され、一部の冷媒がガイド弁口12から流れ通路13に流れ込み、更にピストン20とカバープレート14との間の隙間を通ってピストンチャンバ22内に流れ込む。ピストンチャンバ22と取り付けチャンバ21とが連通されるため、このとき、冷媒は一方向弁芯30を押し開くことができ、位置決めスリーブ40には弁芯チャンバ31と連通する貫通孔42が穿設され、貫通孔42は第1流通口15と連通する。貫通孔42と弁芯チャンバ31とが連通されることにより、冷媒の流通が容易になることが理解できる。冷媒は、弁芯チャンバ31を通じて貫通孔42から第1流通口15に流れ出ることができ、この過程は1つの持続的な圧抜き過程であり、ピストンチャンバ22内の圧力を常に第2流通口16における冷媒の圧力よりも小さくするため、ピストン20は第2バネ221の復元力を常に克服してカバープレート14の方向へ向かって運動することができ、このようにして第1流通口15と第2流通口16との持続的な連通が実現される。
【0034】
冷媒が第1流通口15から弁体10内に流れ込むとき、電磁コイルに通電し、可動鉄心621は静止鉄心63の吸引力の作用で静止鉄心63へ向かって運動し、パイロットスプール622は可動鉄心621の連動でガイド弁口12から脱離し、このとき、ガイド弁口12が開放されるが、ピストンチャンバ22内の冷媒が流れ通路13を通ってガイド弁口12まで流れ、更にガイド弁口12から第2流通口16まで流れて、ピストンチャンバ22内の持続的な圧抜きを実現する一方で、ピストン20と弁体10の内壁との間の隙間が特に小さいため、つまり、ピストン20の弁体10内での摺動は減衰に類似した効果を有することを実現でき、ピストン20を駆動して弁体10の内壁で摺動させるには、この減衰力を克服する必要があり、即ちピストン20の一方側の差圧の変化値がこの減衰力を克服できるほど十分に大きいときに、ピストン20が摺動する。即ち、例示の
図1では、ピストンチャンバ22がガイド弁口12により圧抜きした差圧は、常にピストン20と弁体10の内壁との相対的な摺動によりピストンチャンバ22に補償した差圧よりも大きく、即ち、ピストン20の左側の圧抜きした差圧がピストン20と弁体10の内壁との間の減衰力を克服することができ、差圧の作用で、ピストン20はカバープレート14の方向へ向かって運動し、メイン弁口11が開放され、冷媒は第1流通口15から第2流通口16へ流れることができる。
【0035】
一方向弁芯30は、取り付けチャンバ21内での往復運動過程において、取り付けチャンバ21から脱離するリスクが必然的に発生しやすくなるため、本実施形態では、取り付けチャンバ21内に一方向弁芯30を制限するための位置決めスリーブ40を取り付け、一方向弁芯30が取り付けチャンバ21内での運動過程において位置決めスリーブ40に当接して、一方向弁芯30が取り付けチャンバ21から脱離することを回避することができることを知っておくべきである。
【0036】
更に、従来の電磁弁において、位置決めスリーブと取り付けチャンバのチャンバ壁とはインターフェアランスフィット方式を採用して接続され、常に故障のリスクが存在しやすい。この課題に基づいて、本出願は、位置決めスリーブ40の固定方式を提供して、位置決めスリーブ40が脱落して故障する状況が発生することを回避する。
【0037】
説明すべきこととして、本出願で提供される位置決めスリーブ40が円筒状をなすため、位置決めスリーブ40を取り付けチャンバ21に取り付ける際に、位置決めスリーブ40の両端の端壁と取り付けチャンバ21のチャンバ壁との間の接触面積がより大きくなり、接触がより安定的且つ均一になり、位置決めスリーブ40が取り付けチャンバ21から脱落する問題もより起こりにくくなる。
【0038】
図2及び
図3に示すように、一実施形態において、固定ユニット50は雌ねじ51及び雄ねじ52を含む。雌ねじ51は取り付けチャンバ21のチャンバ壁に設けられ、雄ねじ52は位置決めスリーブ40の外壁面に設けられ、雄ねじ52と雌ねじ51とは、位置決めスリーブ40が取り付けチャンバ21に取り付けられることに伴って互いに係合し、これにより位置決めスリーブ40の固定が完了し、位置決めスリーブ40が取り付けチャンバ21から脱落することを回避する。つまり、位置決めスリーブ40を取り付けチャンバ21に取り付ける方式は螺合方式を採用し、インターフェアランスフィット方式と比較して、固定性能がより高く、より脱落による故障がしにくい。
【0039】
位置決めスリーブ40の取り付けチャンバ21に取り付けられる締着性を更に高めるために、位置決めスリーブ40の一方向弁芯30から離れた一端に操作部41を設け、操作部41は、外部の工具と係合して位置決めスリーブ40に対してねじ込み/ねじ抜きを行う。具体的には操作部41は、位置決めスリーブ40の一方向弁芯30から離れた一端に穿設された一文字溝又は内六角溝を含み、外部工具が一文字溝又は内六角溝に入り込んで位置決めスリーブ40を締めつける/緩めることを容易にするために用いられる。他の実施例では、操作部41は十文字溝であってもよく、十字ドライバーで操作可能である。
【0040】
位置決めスリーブ40の一方向弁芯30から離れた一端に操作部41を設けることで、外部の工具を用いて操作部41により位置決めスリーブ40を操作することが容易になる。位置決めスリーブ40が取り付けチャンバ21に螺合された上で、雌ねじ51と雄ねじ52との密着度合いを更に高めることができる一方で、位置決めスリーブ40の取り外しメンテナンスも容易に行うことができる。
【0041】
図4及び
図5に示すように、別の実施形態では、取り付けチャンバ21のチャンバ壁にはダブテール溝211が穿設され、ダブテール溝211と取り付けチャンバ21とは同じ中心軸線に設けられ、ダブテール溝211の溝壁から取り付けチャンバ21の中心軸線までの距離は、一方向弁芯30から位置決めスリーブ40の方向へ向かって徐々に大きくなる。ダブテール溝211の一方向弁芯30に近接する一端には段差面2111を有し、位置決めスリーブ40がダブテール溝211に取り付けられるとき、位置決めスリーブ40の一方向弁芯30に近接する一端は、段差面2111に当接することで、段差面2111が位置決めスリーブ40の取り付けを位置決め及び制限する。
【0042】
位置決めスリーブ40の一方向弁芯30に近接する一端を段差面2111に当接した後、位置決めスリーブ40の一方向弁芯30から離れた一端が拡径して設けられることで、位置決めスリーブ40を更に固定及び制限し、位置決めスリーブ40の脱落を回避する。
【0043】
いくつかの実施例では、位置決めスリーブ40をダブテール溝211の中に完全に取り付けた後に、位置決めスリーブ40を拡径し、即ち、位置決めスリーブ40は、元々円筒状であり、ダブテール溝211に入れた後に拡径加工を行うが、このように加工するとより容易である。
【0044】
具体的には、位置決めスリーブ40の一方向弁芯30から離れた一端が外側に拡張する過程により、相対的に、取り付けチャンバ21のチャンバ壁にバーブ部2112を形成することができる。もちろん、取り付けチャンバ21のチャンバ壁を位置決めスリーブ40の一方向弁芯30から離れた一端へ向かって内側に押し付けてバーブ部2112を形成してもよく、その目的は、位置決めスリーブ40の一方向弁芯30から離れた一端がバーブ部2112に当接して制限を形成するためであり、このようにして、位置決めスリーブ40のダブテール溝211内における固定性能を更に向上させ、位置決めスリーブ40が脱落して故障することを回避する。
【0045】
本出願は、次のような技術態様を更に提供する。
図6に示すように、本出願は、電磁弁100を含む空調システム200を提供する。空調システム200も上述の電磁弁100と同じ利点を含む。
【0046】
上述した実施例の各技術特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために、上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについては全て説明されていないが、これらの技術特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0047】
上述した実施例は、本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、それ故に実用新案の特許請求の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。当業者にとって、本出願の趣旨を逸脱しないことを前提に、いくつかの変形及び改善を行うこともできるが、いずれも本出願の保護範囲に含まれることを指摘しておかなければならない。従って、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
【国際調査報告】