(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針
(51)【国際特許分類】
A61B 18/02 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A61B18/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527305
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 CN2022128870
(87)【国際公開番号】W WO2023083048
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111329742.5
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520393521
【氏名又は名称】上海導向医療系統有限公司
【氏名又は名称原語表記】ACCU TARGET MEDIPHARMA (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 102, Basement Floor 1, 1-3, Building 2, 388 Furonghua Road, Pudong New Area, Shanghai 201318, China
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】楊遅
(72)【発明者】
【氏名】常兆華
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ07
4C160MM32
(57)【要約】
本発明は、二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針を開示し、真空壁およびJ-Tスロットを含み、ここで、真空壁は、針棒および内管を含み、針棒の遠位端は針先を有し、内管は針棒に穿設され、内管と針棒との間にはサンドイッチが形成され、内管の遠位端は、針棒の遠位端との間に第1所定距離を有し、J-Tスロットは、第1J-Tスロットおよび第2J-Tスロットを含み、第1J-Tスロットおよび第2J-Tスロットは、内管に穿設され、真空壁におけるその軸芯方向に分布する各領域のうち、サンドイッチが位置する領域は、真空断熱領域であり、第1所定距離が位置する領域は、標的領域であり、第1J-Tスロットの遠位端は、標的領域内にあり、第2J-Tスロットの遠位端は、真空断熱領域内にある。本発明は、遠位端が異なる2つのJ-Tスロットに冷媒流体をそれぞれ通すことにより、冷却速度を大幅に加速する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空壁およびJ-Tスロットを含み、
前記真空壁は、針棒および内管を含み、
前記針棒の遠位端は針先を有し、
前記内管は前記針棒に穿設され、前記内管と前記針棒との間にはサンドイッチが形成され、前記サンドイッチは、真空を形成可能なサンドイッチであり、
前記内管の遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記針棒の遠位端との間に第1所定距離を有し、前記内管の遠位端は、前記内管の前記針先に近い端部であり、
前記J-Tスロットは、第1J-Tスロットおよび第2J-Tスロットを含み、
前記第1J-Tスロットおよび前記第2J-Tスロットは、前記内管に穿設され、
前記真空壁におけるその軸芯方向に沿って分布する各領域のうち、前記サンドイッチが位置する領域は、真空断熱領域であり、前記第1所定距離が位置する領域は、標的領域であり、
前記第1J-Tスロットの遠位端は、前記標的領域内に位置し、前記第1J-Tスロットの遠位端は、前記第1J-Tスロットの前記針先に近い端部であり、
前記第2J-Tスロットの遠位端は、前記真空断熱領域内に位置し、前記第2J-Tスロットの遠位端は、前記第2J-Tスロットの前記針先に近い端部であり、
同一の時点では、前記第1J-Tスロットおよび前記第2J-Tスロットの一方にのみ冷媒が通され、
前記第1J-Tスロットの遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記針先との間に第2所定距離を有し、前記第2所定距離は少なくとも、冷凍して形成された氷球が前記針先を覆うように保証し、
前記第2J-Tスロットの遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記真空断熱領域の遠位端との間に第3所定距離を有し、前記第3所定距離は少なくとも、冷媒が前記第2J-Tスロットから吐き出された後、前記真空断熱領域内から直接戻るように保証し、前記真空断熱領域の遠位端は、前記真空断熱領域の前記針先に近い端部であることを特徴とする、二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針。
【請求項2】
切り替えアセンブリをさらに含み、前記切り替えアセンブリは、前記第1J-Tスロットおよび前記第2J-Tスロットにそれぞれ接続され、前記切り替えアセンブリは、前記第1J-Tスロットと前記第2J-Tスロットとの間で冷媒を切り替えるために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針。
【請求項3】
前記切り替えアセンブリは、調整室、冷凍通路、プレパージ通路および密封部材を含み、
前記冷凍通路および前記プレパージ通路は、それぞれ前記調整室に連通され、
前記冷凍通路はさらに、前記第1J-Tスロットに連通され、
前記プレパージ通路はさらに、前記第2J-Tスロットに連通され、
前記調整室はさらに、冷媒を通す冷媒通路に連通され、
前記密封部材は、前記調整室内に設けられ、前記密封部材は、前記調整室において、少なくとも第1調整位置および第2調整位置を含み、
前記密封部材が前記第1調整位置にある場合、前記密封部材は、前記冷凍通路と前記冷媒通路を直接または間接的に離間させ、
前記密封部材が前記第2調整位置にある場合、前記密封部材は、前記プレパージ通路と前記冷媒通路を直接または間接的に離間させることを特徴とする、請求項2に記載の二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針。
【請求項4】
前記密封部材は、密封ボールであることを特徴とする、請求項3に記載の二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針。
【請求項5】
密封部材調整装置を含み、前記密封部材調整装置は、前記密封部材を前記第1調整位置と前記第2調整位置との間で切り替えるように調整するために使用されることを特徴とする、請求項3に記載の二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針。
【請求項6】
前記密封部材調整装置は、牽引ワイヤおよび牽引ワイヤ通路を含み、
前記牽引ワイヤの遠位端は、前記密封部材に接続され、
前記牽引ワイヤは、前記牽引ワイヤ通路に穿設され、
前記牽引ワイヤは、前記牽引ワイヤ通路に沿って移動するように制御可能であり、これにより、前記第1調整位置と前記第2調整位置との間で前記密封部材を切り替えるように駆動することを特徴とする、請求項5に記載の二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針。
【請求項7】
ガイド部材をさらに含み、前記ガイド部材は、前記牽引ワイヤの近位端に接続され、
前記ガイド部材は、前記牽引ワイヤを前記牽引ワイヤ通路に沿って移動させるように制御可能であり、これにより、前記第1調整位置と前記第2調整位置との間で前記密封部材を切り替えるように駆動することを特徴とする、請求項6に記載の二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針。
【請求項8】
スプリングおよびスナップ部材をさらに含み、
前記スプリングの一端は、前記牽引ワイヤの遠位端と同期して移動可能であり、前記スナップ部材にも接続され、前記スナップ部材は、スナップ位置への進入とスナップ位置からの離脱が可能であり、
前記スプリングの他端は、前記真空壁に対して固定され、
前記スナップ部材がスナップ位置にある場合、前記スプリングは、前記スナップ部材の制限によって変形した状態に保持され、前記密封部材は前記第1調整位置にあり、
前記変形状態は、圧縮状態または伸張状態であり、
前記スナップ部材が前記スナップ位置から離脱した場合、前記スプリングは、前記変形状態から自然状態に戻る復元力を発生させることが可能であり、前記復元力は、前記牽引ワイヤの移動を駆動し、さらに前記密封部材を前記第1調整位置から前記第2調整位置に進めるように駆動することが可能であることを特徴とする、請求項6または7に記載の二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針。
【請求項9】
スプリングストッパをさらに含み、
前記真空壁に対する前記スプリングストッパの相対位置が一定であり、
前記真空壁に対して固定された前記スプリングの一端は、前記スプリングストッパに接続されることを特徴とする、請求項8に記載の二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針。
【請求項10】
第1冷媒通路、第2冷媒通路、冷凍バルブおよびプレパージバルブを含み、
前記第1冷媒通路は、前記第1J-Tスロットに接続され、
前記第2冷媒通路は、前記第2J-Tスロットに接続され、
前記冷凍バルブは、前記第1冷媒通路に設けられ、
前記プレパージバルブは、前記第2冷媒通路に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍アブレーションの技術分野に関し、特に二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍アブレーションは、低温により病変組織を破壊する治療法であり、悪性腫瘍に対して非常に効果的で低侵襲な治療法と考えられている。冷凍アブレーション技術は操作が簡単で、合併症が少なく、鎮痛効果も高いだけでなく、アブレーションのために形成される氷球の境界が明瞭で観察されやすいため、大血管や重要な臓器に近い病巣を安全にアブレーションすることができる。さらに、冷凍アブレーションは多針冷凍の形態もとることができ、より広い範囲のアブレーションが可能となり、大きな病巣や不規則な形態を持つ病巣に適している。
【0003】
細胞冷凍の際、まず細胞外に氷晶が形成され、細胞外の溶質の濃度上昇を引き起こし、高張環境となり、細胞内の水分が細胞外に入り、細胞内の脱水が起こる。水分を失った細胞はシワシワになり、細胞膜は変形し、毒性の高い環境下での「溶液損傷」を引き起こし、同時に、細胞内に形成された氷晶は、細胞小器官および細胞膜に直接損傷を与え、一般に「細胞内氷損傷」と呼ばれるさらなる壊死を引き起こし、細胞内氷損傷は、細胞構造に直接損傷を与えるため、細胞に対する破壊力は、より強力である。一般的には、細胞の冷却速度が遅いほど「溶液損傷」が発生する確率が高くなり、冷却速度が速いほど「細胞内氷損傷」が誘発されやすくなる。従って、腫瘍の冷凍アブレーション手術では、より速い冷却速度が一般に求められており、このようにして腫瘍をより徹底的に死滅させ、処置時間を大幅に節約することができる。
【0004】
冷凍アブレーション技術の発展は3つの段階を経てきた。第1段階は、-196℃の液体窒素を低い駆動圧で冷凍アブレーション針の先に送り込み、冷凍アブレーションの目的を達成するという液体窒素輸送冷凍技術であり、この技術における冷源は完全に液体窒素に依存しているが、液体窒素は、針先から輸送距離が長い主機または液体窒素タンク内にあり、液体窒素を輸送する過程で、輸送管路全体が-196℃に達してからでないと針先の温度が-196℃にならないため、液体窒素冷凍の冷却速度は既存技術で最も遅い。第2段階は直接絞り冷凍技術であり、この技術は、「ジュール・トムソン効果」(Joule Thomson Effect、略してJ-T)の原理を利用し、常温の超高圧ガスを冷凍アブレーション針内のJ-Tスロット(J-T効果を生じる毛細管)に輸送して直接絞り処理を行い、低温にし、その冷却速度は既存技術の中で比較的最も速いが、その針内部のJ-Tスロットやフィンチューブなどの構造は、依然として冷気の一部を消費するため、冷却時間が長くなり、また、使用する超高圧ガスの普及率が低く、高価であるため、この技術の普及が難しい。第3段階は、予冷を行った絞り冷凍技術であり、その原理として、常温にある一般的な工業用ガスを関連主機で予冷した後、冷凍アブレーション針内のJ-Tスロットに輸送して絞り処理を行い、予冷温度よりも低いアブレーション温度にし、この技術は、ガス源が高価で希少である問題を解決し、絞り冷凍技術と組み合わせることで、その冷却速度は液体窒素冷凍技術よりもかなり速いが、直接絞り冷凍技術と比較すると、その冷却速度は依然として遅い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術の上記問題点に対応し、従来技術の冷却速度が遅いという問題を解決するために、二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針を提案する。
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、以下の技術的解決手段によって実現される。
【0007】
本発明は、二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針を提供し、真空壁およびJ-Tスロットを含み、ここで、
前記真空壁は、針棒および内管を含み、
前記針棒の遠位端は針先を有し、
前記内管は前記針棒に穿設され、前記内管と前記針棒との間にはサンドイッチが形成され、前記サンドイッチは、真空を形成可能なサンドイッチであり、
前記内管の遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記針棒の遠位端との間に第1所定距離を有し、前記内管の遠位端は、前記内管の前記針先に近い端部であり、
前記J-Tスロットは、第1J-Tスロットおよび第2J-Tスロットを含み、
前記第1J-Tスロットおよび前記第2J-Tスロットは、前記内管に穿設され、
前記真空壁におけるその軸芯方向に沿って分布する各領域のうち、前記サンドイッチが位置する領域は、真空断熱領域であり、前記第1所定距離が位置する領域は、標的領域であり、
前記第1J-Tスロットの遠位端は、前記標的領域内に位置し、前記第1J-Tスロットの遠位端は、前記第1J-Tスロットの前記針先に近い端部であり、
前記第2J-Tスロットの遠位端は、前記真空断熱領域内に位置し、前記第2J-Tスロットの遠位端は、前記第2J-Tスロットの前記針先に近い端部であり、
前記第1J-Tスロットの遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記針先との間に第2所定距離を有し、前記第2所定距離は少なくとも、冷凍して形成された氷球が前記針先を覆う、すなわち、冷媒流体が前記第1J-Tスロットから吐き出された後、標的領域の内部および真空断熱領域の内部から戻るように保証し、ここで、冷媒流体は、標的領域の内部から戻る間に、標的領域全体の外部の物質と熱交換し、
前記第2J-Tスロットの遠位端は、前記真空壁の軸芯方向に沿って、前記真空断熱領域の遠位端との間に第3所定距離を有し、前記第3所定距離は少なくとも、冷媒が前記第2J-Tスロットから吐き出された後、前記真空断熱領域から直接戻るように保証し、標的領域には比較的静的な冷媒のみが存在し、標的領域の外部の物質との熱交換がなく、すなわち、冷凍中に冷媒は標的領域でいかなる冷気量も放出しない。前記真空断熱領域の遠位端は、前記真空断熱領域の前記針先に近い端部である。
【0008】
好ましくは、切り替えアセンブリをさらに含み、前記切り替えアセンブリは、前記第1J-Tスロットおよび前記第2J-Tスロットにそれぞれ接続され、前記切り替えアセンブリは、前記第1J-Tスロットと前記第2J-Tスロットとの間で冷媒を切り替えるために使用される。
【0009】
好ましくは、前記切り替えアセンブリは、調整室、冷凍通路、プレパージ通路および密封部材を含み、ここで、
前記冷凍通路および前記プレパージ通路は、それぞれ前記調整室に連通され、
前記冷凍通路はさらに、前記第1J-Tスロットに連通され、
前記プレパージ通路はさらに、前記第2J-Tスロットに連通され、
前記調整室はさらに、冷媒を通す冷媒通路に連通され、
前記密封部材は、前記調整室内に設けられ、前記密封部材は、前記調整室において、少なくとも第1調整位置および第2調整位置を含み、
前記密封部材が前記第1調整位置にある場合、前記密封部材は、前記冷凍通路と前記冷媒通路を直接または間接的に離間させ、
前記密封部材が前記第2調整位置にある場合、前記密封部材は、前記プレパージ通路と前記冷媒通路を直接または間接的に離間させる。
【0010】
好ましくは、前記密封部材は、密封ボールである。
【0011】
好ましくは、密封部材調整装置をさらに含み、前記密封部材調整装置は、前記密封部材を前記第1調整位置と前記第2調整位置との間で切り替えるように調整するために使用される。
【0012】
好ましくは、前記密封部材調整装置は、牽引ワイヤおよび牽引ワイヤ通路を含み、
前記牽引ワイヤの遠位端は、前記密封部材に接続され、
前記牽引ワイヤは、前記牽引ワイヤ通路に穿設され、
前記牽引ワイヤは、前記牽引ワイヤ通路に沿って移動するように制御可能であり、これにより、前記第1調整位置と前記第2調整位置との間で前記密封部材を切り替えるように駆動する。
【0013】
好ましくは、ガイド部材をさらに含み、前記ガイド部材は、前記牽引ワイヤの近位端に接続され、
前記ガイド部材は、前記牽引ワイヤを前記牽引ワイヤ通路に沿って移動させるように制御可能であり、これにより、前記第1調整位置と前記第2調整位置との間で前記密封部材を切り替えるように駆動する。
【0014】
好ましくは、スプリングおよびスナップ部材をさらに含み、ここで、
前記スプリングの一端は、前記牽引ワイヤの遠位端と同期して移動可能であり、前記スナップ部材にも接続され、前記スナップ部材は、スナップ位置への進入とスナップ位置からの離脱が可能であり、
前記スプリングの他端は、前記真空壁に対して固定され、
前記スナップ部材がスナップ位置にある場合、前記スプリングは、前記スナップ部材の制限によって変形した状態に保持され、前記密封部材は前記第1調整位置にあり、
前記変形状態は、圧縮状態または伸張状態であり、
前記スナップ部材が前記スナップ位置から離脱した場合、前記スプリングは、前記変形状態から自然状態に戻る復元力を発生させることが可能であり、前記復元力は、前記牽引ワイヤの移動を駆動し、さらに前記密封部材を前記第1調整位置から前記第2調整位置に進めるように駆動することが可能である。
【0015】
好ましくは、スプリングストッパをさらに含み、
前記真空壁に対する前記スプリングストッパの相対位置が一定であり、
前記真空壁に対して固定された前記スプリングの一端は、前記スプリングストッパに接続される。
【0016】
好ましくは、第1冷媒通路、第2冷媒通路、冷凍バルブおよびプレパージバルブを含み、ここで、
前記第1冷媒通路は、前記第1J-Tスロットに接続され、
前記第2冷媒通路は、前記第2J-Tスロットに接続され、
前記冷凍バルブは、前記第1冷媒通路に設けられ、
前記プレパージバルブは、前記第2冷媒通路に設けられる。
【0017】
従来の技術と比較して、本発明は以下の利点を有する。
【0018】
(1)本発明が提供する二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針では、第2J-Tスロットに冷媒流体を通すと、冷凍が開始し、主機側および冷凍アブレーション針端の全ての輸送管路をプレパージ(冷却)することができ、かつこのプレパージプロセスは標的領域での冷気量消費がないため、全ての冷気量は輸送管路の冷却に使用され、その結果、この輸送管路の冷却プロセスは最も速くなり、さらに、プレパージ中に標的領域でいかなる冷気量も放出されないため、標的領域に霜つきや氷結が発生せず、正式処置を直接実施することができる。
【0019】
(2)本発明が提供する二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針では、プレパージ後の冷凍アブレーション針は、真空壁の標的領域でのみ冷却されず、第1J-Tスロットに冷媒流体を通すと、冷凍が開始し、全ての熱負荷は、標的領域およびその外部の腫瘍組織だけにあり、このため、この冷凍プロセスの冷却速度は大幅に加速される。
【0020】
(3)本発明が提供する二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針では、ツールテスト工程が終了した後、プレパージモードをオンに保持し、真空断熱領域の内部(J-Tスロットスリーブの遠位端)を最低温度に保持することができ、標的領域でいかなる冷気量も放出していないため、穿刺、走査・位置決めなどの操作を行うことができ、所定の位置に穿刺された後、冷凍モードに調整し、その時点で、標的領域の内部は直接、常温から最低温度まで瞬時に下げられ、これにより、正式処置段階の極端かつ急速な冷却が可能になる。
【0021】
(4)本発明が提供する二重J-Tスロットスリーブ付き冷凍アブレーション針は、適用範囲が広く、液体窒素輸送冷凍技術、直接絞り冷凍技術、予冷を介した絞り冷凍技術など既存の全ての冷凍アブレーション技術に適用することができ、経皮的穿刺用冷凍アブレーション器具だけでなく、経自然開口部処置用冷凍アブレーション器具にも適用される。
【0022】
もちろん、本発明を実施した任意の製品は、必ずしも上述の全ての利点を同時に達成する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施例または従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例または従来技術の説明で使用される図面を簡単に紹介し、当然のことながら、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要せずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0024】
【
図1】本発明の一実施例に係る二重J-Tスロット付きの硬質冷凍アブレーション針におけるJ-Tスロットの調整原理を示す図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る二重J-Tスロット付きの可撓性冷凍アブレーション針におけるJ-Tスロットの調整原理を示す図である。
【
図3】本発明の好ましい一実施例に係る二重J-Tスロット付きの硬質冷凍アブレーション針のプレパージモードを示す図である。
【
図6】本発明の好ましい一実施例に係る二重J-Tスロット付きの硬質冷凍アブレーション針の冷凍モードを示す図である。
【
図8】本発明の好ましい一実施例に係る二重J-Tスロット付きの可撓性冷凍アブレーション針の真空壁を示す概略図である。
【
図9】本発明の好ましい一実施例に係る二重J-Tスロット付きの可撓性冷凍アブレーション針のプレパージモードを示す図である。
【
図12】本発明の好ましい一実施例に係る二重J-Tスロット付きの可撓性冷凍アブレーション針の冷凍モードを示す図である。
【
図14】本発明の好ましい一実施例に係るスライダの概略図である。
【
図15】本発明の好ましい一実施例に係るスナップリングの概略図である。
【
図16】本発明の別の好ましい実施例に係る硬質冷凍アブレーション針の概略図である。
【
図17】本発明の別の好ましい実施例に係る可撓性冷凍アブレーション針の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例における図面と合わせて、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、説明する実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要せずに得られる他の全ての実施例は、本発明の保護範囲内に属するものとする。
【0026】
本発明の明細書の説明において、理解すべきこととして、「上部」、「下部」、「上端」、「下端」、「下面」、「上面」などの用語は、添付図面に示されたものに基づく方位または位置関係を示し、本発明の説明を容易にし簡略化することのみを意図しており、言及された装置または要素が特定の方位を有し、特定の方位で構造および操作しなければならないことを指示または暗示するものではなく、したがって本発明の限定として解釈されるものではない。
【0027】
本発明の明細書の説明において、「第1」および「第2」という用語は、説明するためにのみ使用され、相対的な重要性を指示または暗示するもの、或いは示された技術的特徴の数を暗黙に指定するものとして理解してはならない。よって、「第1」および「第2」と限定される特徴は、1つ以上のそのような特徴を明示的または暗示的に含む可能性がある。
【0028】
本発明の説明では、「複数」とは、特に限定されない限り、例えば2つ、3つ、4つなどを意味する。
【0029】
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明の技術的解決手段について詳細に説明する。以下のこれらの具体的な実施例は、互いに組み合わせることができ、いくつかの実施例では、同じまたは同様の概念やプロセスを繰り返さない。
【0030】
図1および
図2は、本発明の一実施例に係る二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針におけるJ-Tスロットの調整原理を示す図である。
【0031】
図1および
図2を参照し、本実施例に係る二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針は、真空壁2およびJ-Tスロット1を含み、
真空壁2は、針棒21および内管22を含み、針棒21の遠位端は針先211を有する。内管22は針棒21に穿設され、内管22と針棒21との間にはサンドイッチが形成され、サンドイッチは真空を形成できるもので、永続的真空のサンドイッチか、リアルタイムで真空引きするサンドイッチのいずれかであり得、真空サンドイッチは、断熱し、正常な組織の凍傷を防止する役割を果たす。
【0032】
内管22の遠位端と針棒の遠位端との間に第1所定距離(この第1所定距離は、真空壁の軸芯方向に沿った間隔距離として理解され得る)を有し、内管22の遠位端は、内管22の針先211に近い端部である。J-Tスロット1は、内管22に穿設される。
【0033】
真空壁におけるその軸芯方向に沿って分布する各領域のうち、真空のサンドイッチが断熱の役割を果たすことができるため、サンドイッチが位置する領域は、真空断熱領域26であり、第1所定距離が位置する領域は、標的領域25である。
【0034】
J-Tスロット1は、第1J-Tスロット11および第2J-Tスロット12を含み、第1J-Tスロット11および第2J-Tスロット12は、内管22に穿設される。
【0035】
第1J-Tスロット11の遠位端は、標的領域25内に位置し、第1J-Tスロット11の遠位端は、第1J-Tスロット11の針先211に近い端部である。第1J-Tスロット11に冷媒を通すことは、冷凍モードにあると理解され得る。
【0036】
第2J-Tスロット12の遠位端は、真空断熱領域26内に位置し、第2J-Tスロット12の遠位端は、第2J-Tスロット12の針先211に近い端部である。第2J-Tスロット12に冷媒を通すことは、プレパージモードにあると理解され得る。
【0037】
第1J-Tスロット11の遠位端は、真空壁の軸芯方向に沿って、針先との間に第2所定距離を有し、第2所定距離は少なくとも、冷凍して形成された氷球が針先を覆う、すなわち、冷媒流体が第1J-Tスロットから吐き出された後、標的領域の内部および真空断熱領域の内部から戻るように保証し、ここで、冷媒流体は、標的領域の内部から戻る間に、標的領域全体の外部の物質と熱交換する。
【0038】
第2J-Tスロット12の遠位端は、真空壁の軸芯方向に沿って、真空断熱領域の遠位端との間に第3所定距離を有し、第3所定距離は少なくとも、冷媒流体が第2J-Tスロットから吐き出された後、真空断熱領域から直接戻るように保証し、標的領域には比較的静的な冷媒のみが存在し、標的領域の外部の物質との熱交換がなく、すなわち、冷凍中に冷媒は標的領域でいかなる冷気量を放出しない。真空断熱領域の遠位端は、真空断熱領域の前記針先に近い端部である。
【0039】
ここでの第1所定距離、第2所定距離および第3所定距離は、真空壁2の軸芯方向に沿った間隔距離であると理解され得る。さらに、後述する軸方向は全て、真空壁2の軸芯方向として理解され得る。
【0040】
一実施例では、真空壁は、経皮的穿刺用冷凍アブレーション器具に適用できる硬質材料の真空壁であり、
図1に示すように、針先211は先端の形態である。
【0041】
一実施例では、真空壁は、経自然開口部用アブレーション器具に適用できる可撓性材料の真空壁であり、
図2に示すように、針先211は、円弧の形態である。好ましくは、針棒21および内管22は、軟質の非金属材料または自由に曲げられる金属材料、例えば、PTFEまたはPTFE編組チューブまたはステンレス鋼ベローズとすることができる。
【0042】
一実施例では、上記の二重J-Tスロット付き冷凍アブレーション針の使用プロセスは以下の通りである。処置前に、プレパージモードにある冷凍アブレーション針を取り出し、主機と相互に接続し、冷凍アブレーション針の針棒21(少なくとも標的領域25)を生理食塩水に挿入し、ツールテスト機能を起動させ、ツールテストでは最初に復温段階を実行し、針先の温度が一定時間内に所定の温度まで上昇すると、復温機能が正常であることが証明される。その直後、プログラムは自動的に冷凍段階を実行し、針先の温度が一定時間内に所定の温度まで低下すると、冷凍機能が正常であることが証明され、この時、十分にプレパージするには針先を最低温度に保つ時間を適切に延長することができ、その後、自動的にツールテストを停止する。冷凍段階では、真空断熱領域26に霜つきがあるかどうかを観察することができ、霜がつかなければ断熱機能が正常であることが証明され、全段階に生理食塩水に浸した針先でのガス漏れがあるかどうかを観察し、漏れがなければ気密性が正常であることが証明される。ツールテストの終了時には、主機と冷凍アブレーション針の輸送管路の両方がプレパージ(冷却)を完了する。その直後、先に冷凍機能をオンに(または個別に設定されたプレパージ機能をオンに)してもよく、この段階の冷凍は、低い運転圧力で行われ、または断続的に換気することができ、このように、J-Tスロットの遠位端の温度を最低温度に維持しながら、ガスの使用量を節約することができる。次に、冷凍機能をオンにした状態で、画像誘導による経皮的穿刺を行い、針先を所望の腫瘍位置に到達させることができる。この場合、J-Tスロットの遠位端への移動を調整し、第1調整位置で停止し、冷凍モードに切り替えることができる。輸送管路全体が低温状態にあるため、冷凍アブレーション針の冷却熱負荷は、標的領域25およびその外部の腫瘍組織だけにあり、このため、冷凍モードに切り替えられたとしてもJ-Tスロットの遠位端の温度は最低温度に維持することができるが、標的領域25の外壁は瞬時に常温から-100℃以下に低下する。このようにして、同じ大きさの腫瘍をアブレーションする処置時間が短縮され、または同じ時間内でより大きなアブレーション範囲(氷球)が形成され、また、腫瘍組織がより急速に冷却されるので、腫瘍細胞の細胞内氷による損傷の確率が大幅に増加し、続いて腫瘍細胞の冷凍損傷はより徹底的になり、アブレーション効果はより良好になる。
【0043】
好ましい一実施例では、
図8を参照し、可撓性冷凍アブレーション針の真空壁は、真空三方管28、真空接続管291、真空ホース292および還気接続管293をさらに含んでもよい。ここで、内管22の近位端は、還気接続管27の遠位端に密封接続され、外管23の近位端は、三方管接続部281に密封接続され、真空三方管28の近位端は、還気接続管27に密封接続され、真空接続管291の遠位端は、三方管バイパス282に挿入され、真空ホース292は真空接続管291に挿入され、真空ホース292の近位端を真空引きすることにより、内管22と外管23との隙間を真空状態に維持し、正常な自然開口部の壁の凍傷を防止することができる。
【0044】
好ましい一実施例では、プレパージモードと冷凍モードとの間の切り替えは、切り替えアセンブリ15によって達成され、切り替えアセンブリ15は、第1J-Tスロットおよび第2J-Tスロットにそれぞれ接続されており、第1J-Tスロットと第2J-Tスロットとの間で冷媒を切り替えるために使用される。
【0045】
一実施例では、切り替えアセンブリ15は、冷凍通路1511、調整室1512、プレパージ通路152および密封部材16を含む。ここで、冷凍通路1511およびプレパージ通路152は、それぞれ調整室1512に連通される。冷凍通路1511はさらに、第1J-Tスロット11に連通され、プレパージ通路152はさらに、第2J-Tスロット12に連通される。調整室1512はさらに、冷媒を通す冷媒通路153に連通される。
【0046】
ここで、密封部材16は、調整室1512内に設けられ、密封部材16は調整室1512において、少なくとも第1調整位置および第2調整位置を含む。
【0047】
密封部材16が第1調整位置(調整室1512の遠位端)にある場合、
図3、4、9、10に示すように、密封部材は、冷凍通路1511と冷媒通路153を直接または間接的に離間させる。この場合、吸気管6から注入した冷媒ガスは、真空断熱領域26の遠位端内部に入るために、冷媒通路153、調整室1512、プレパージ通路152および第2J-Tスロット12を通らなければならず、プレパージモードになる。この場合、還気は、第2J-Tスロット12と内管22との間の隙間、切り替えアセンブリ15と内管22との間の隙間、および還気管7から排出することができる。
【0048】
密封部材16が第2調整位置(調整室1512の近位端)にある場合、
図6、7、12、13に示すように、密封部材16は、プレパージ通路152と冷媒通路153を直接または間接的に離間させる。この場合、吸気管6から注入した冷媒ガスは、標的領域25の遠位端内部に入るために、冷媒通路153、調整室1512、冷凍通路1511および第1J-Tスロット11を通らなければならず、冷凍モードになる。この場合、還気は、第1調整位置にある場合の還気経路と同様にすることができる。
【0049】
一実施例では、調整室1512は、内管22の中に設けられ、調整室1512の径方向断面は、例えば、直線溝形状、長方形状、楕円形状などの扁平状に設けられてもよく、これにより、調整室1512と内管22(円形断面)との間に空気還流用の空間を作ることができる。
【0050】
好ましい実施例では、密封部材16は、密封ボールを使用する。
【0051】
好ましい実施例では、密封部材調整装置をさらに含み、密封部材調整装置は、調整密封部材を第1調整位置と第2調整位置との間で切り替えるように調整するために使用される。
【0052】
密封部材調整装置は、牽引ワイヤ17および牽引ワイヤ通路1513を含む。ここで、牽引ワイヤ17の遠位端は、密封部材16に接続される。牽引ワイヤ17は、牽引ワイヤ通路1513に穿設される。牽引ワイヤ17は、牽引ワイヤ通路1513に沿って移動するように制御可能であり、これにより、第1調整位置と第2調整位置との間で密封部材16を切り替えるように駆動する。
【0053】
一実施例では、マンドレル3をさらに含み、マンドレル3は、真空壁の軸芯方向に沿って設けられる。牽引ワイヤ17は、マンドレル3内に設けられる。シールアセンブリ5をさらに含み、シールアセンブリ5は、マンドレル3と牽引ワイヤ17との間が動的シールを形成するために使用される。
【0054】
一実施例では、シールアセンブリ5は、シールリング51、シール溝52およびシール押圧部材53を含む。ここで、シールリング51はシール溝52内に置かれ、シール押圧部材53は、軸方向に沿ってシール溝52にねじ込まれ、これにより、シールリング51は、シール溝52とシール押圧部材53との間に固定され、マンドレル3は、シールリング51およびシール押圧部材53の内部に挿入されることで、シールリング51は、マンドレル3とシール溝52との間で径方向に押圧されて変形を起こし、動的シールを形成する。任意選択的に、シールリング51は、ニトリル製のO型リングなどのゴム製シールリングであってもよく、耐低温性のフッ素系ポリマー+金属スプリングのバリシールリング(Variseal ring)であってもよい。
【0055】
一実施例では、
図9、12を参照し、吸気管6、還気管7およびマンドレル3の間の隙間を密封するためのシャントチューブ294をさらに含み、吸気管6、還気管7およびマンドレル3は、シャントチューブ294の近位端に挿入されて密封される。
好ましい一実施例では、マンドレル3は、マンドレル太い部31およびマンドレル細い部32を含み、牽引ワイヤ17は、牽引ワイヤ太い部171および牽引ワイヤ細い部172を含む。牽引ワイヤ細い部172は、マンドレル細い部32の内部に設けられ、牽引ワイヤ太い部171は、マンドレル太い部131の内部に設けられる。
【0056】
好ましい実施例では、ガイド部材をさらに含み、ガイド部材は、牽引ワイヤ17の近位端に接続され、ガイド部材は、牽引ワイヤを牽引ワイヤ通路に沿って移動させるように制御可能であり、これにより、第1調整位置と第2調整位置との間で密封部材を切り替えるように駆動する。
【0057】
一実施例では、ガイド部材は、スライダの形態を使用する。
図3、6、9、12、14を参照する。スライダ8は、ガイドチューブ81を含み、ガイドチューブ81は、真空壁の軸芯方向に沿って設けられる。ガイドチューブ81には中央固定孔83が設けられ、牽引ワイヤ3の遠位端は、中央固定孔83に固定される。
【0058】
一実施例では、スライダ8は、ガイドチューブ81に設けられた吸気・還気管用ガイド孔84をさらに含む。吸気管6および還気管7は、吸気・還気管用ガイド孔84を通過する。
【0059】
一実施例では、密封部材の位置の調整は、手動による前後調整またはプレハブスプリング120によって達成することができ、また、スナップ部材10をさらに含む。ここで、スプリング120の一端は、牽引ワイヤ17の遠位端と同期して移動可能であり、スナップ部材10にも接続され、スナップ部材10は、スナップ位置への進入とスナップ位置からの離脱が可能である。スプリング120の他端は、真空壁に対して固定される。
図3、9を参照し、スナップ部材10がスナップ位置にある場合、スプリング120は、スナップ部材10の制限によって変形した状態に保持され、密封部材16は第1調整位置にある。スナップ部材10がスナップ位置から離脱した場合、スプリング120は、変形状態から自然状態に戻る復元力を発生させることが可能であり、その復元力は、牽引ワイヤ17の移動を駆動し、さらに密封部材16を第1調整位置から第2調整位置に進めるように駆動することが可能である。本実施例では、スプリング120の遠位端は、真空壁との相対位置が変わらず、スプリング120の近位端は、スナップ部材10に接続され、密封部材16が第1調整位置にある場合、スプリング120の変形状態は、圧縮状態となる。スナップ部材10がスナップ位置から離脱した場合、スプリング120の復元力(弾性力)によって、牽引ワイヤが移動するように駆動され、さらに密封部材16が第1調整位置から第2調整位置に進むように駆動される。
【0060】
別の実施例では、スプリング120の近位端と真空壁との相対位置が変わらず、スプリング120の近位端がスナップ部材10に接続されるように設けられてもよく、スナップ部材10がスナップ位置にある場合、スプリング120は、スナップ部材10の制限によって伸張状態に保持され、密封部材16は第1調整位置にある。スナップ部材10がスナップ位置から離脱した場合、スプリング120の復元力(引張力)によって、牽引ワイヤ17が移動するように駆動され、さらに密封部材16が第1調整位置から第2調整位置に進むように駆動される。
【0061】
好ましい実施例では、スプリングストッパ27をさらに含み、スプリングストッパ27は、真空壁との相対位置が一定である。
図3、9を参照し、スプリング120の遠位端は、スプリングストッパ27に接続され、スプリング120の近位端は、スライダ8のガイドチューブ81に接続され、スプリングは、スライダを駆動することにより、さらに牽引ワイヤを移動させるように駆動する。
【0062】
一実施例では、
図3、9に示すように、スナップ部材10は、位置決めピン102を含む。本実施例では、レバー9をさらに含み、レバー9は、冷凍アブレーション針の近位端に設けられ、これにより、把持が容易になる。レバー9にはレバー位置決め溝91が設けられ、スライダ8にはスライダ位置決め溝82が設けられる。J-Tスロットの遠位端が第1調整位置にある場合、位置決めピン102は、レバー位置決め溝91およびスライダ位置決め溝82に同時に挿入され、これによりレバー9に対するスライダ8の相対位置が一定になり、すなわち、現在のプレパージモードに保持され、本実施例では、この時点でスプリング120は圧縮状態にある。冷凍モードに切り替える必要があるとき、位置決めピン102をレバー位置決め溝91およびスライダ位置決め溝82から引き抜くだけでよい。
【0063】
好ましい実施例では、スナップ部材の固定と抜き差し調整を容易にするために、
図15を参照し、スナップ部材10は、把持部101およびC型リング103をさらに含む。ここで、把持部101および位置決めピン102は、C型リング103に設けられ、C型リング103は、レバー9の外壁に覆われることにより、スナップ部材の径方向での離脱を防止することができる。
【0064】
別の実施例では、レバー9を含まない場合、C型リング103は、真空壁との相対位置が一定の外壁に覆われるだけで、スナップ部材の径方向での離脱を防止することもできる。
【0065】
一実施例では、
図3、6、9、12を参照し、真空壁2は、外管23をさらに含む。外管23の遠位端は、針棒21の近位端に密封接続され、外管23の近位端は、内管22の近位端に密封接続される。
【0066】
好ましい一実施例では、内管の近位端の内部容積を拡大するために、例えば、フィンチューブ4を内管の近位端内部に押し込むようにしてもよいし、または他のより多くの部品を収納するようにしてもよく、内管の近位端の内部容積を拡大する必要があるため、さらに、真空壁の近位端の内部容積も拡大する必要がある。外管23の外径は針棒21の外径よりも大きく、外管23の内径は針棒21の内径よりも大きく、外管23の遠位端は、外管23の針先211に近い端部であり、外管23の近位端は、外管23の針先211から離れた端部である。さらに、内管22の遠位端から近位端にかけて、内管22は順に内管前段221および内管後段222を含み、内管後段222の外径は内管前段221の外径よりも大きく、内管後段222の内径は内管前段221の内径よりも大きい。
図3、6、9、12を参照し、内管前段221は針棒21の内部に位置し、内管後段222は外管23の内部に位置し、調整室1512は内管後段222に設けられる。
【0067】
一実施例では、第1J-Tスロットと第2J-Tスロットとの間の切り替えは、2つの冷媒通路によって実現することもできる。具体的には、第1冷媒通路、第2冷媒通路、冷凍バルブ20およびプレパージバルブ20’を含む。ここで、第1冷媒通路は、第1J-Tスロット11に接続され、第2冷媒通路は、第2J-Tスロット12に接続され、冷凍バルブ20は、第1冷媒通路に設けられ、プレパージバルブ20’は、第2冷媒通路に設けられる。
【0068】
ここで、プレパージバルブ20’が開放されると、第2冷媒通路に冷媒が通すようになり、冷媒は、第2J-Tスロット12の遠位端内部に入ることができ、この時はプレパージモードにある。冷凍バルブ20が開放されると、第1冷媒通路に冷媒が通すようになり、冷媒は、第1J-Tスロット11の遠位端内部に入ることができ、この時は冷凍モードにある。
【0069】
好ましい一実施例では、マンドレル3をさらに含み、マンドレル3は、真空壁の軸芯方向に沿って設けられる。
【0070】
好ましい一実施例では、放熱機能を向上させるために、フィンチューブ4をさらに含み、フィンチューブ4はマンドレル3の外壁に設けられる。
【0071】
一実施例では、フィンチューブ4は、第1冷媒通路として使用することができ、フィンチューブ4の一端は、第1J-Tスロットに接続され、他端は吸気管6に接続され、冷凍バルブは吸気管6に設けられる。マンドレル3は、第2冷媒通路として、第2J-Tスロットに接続されてもよく、プレパージバルブ20’はマンドレル3に設けられる。
図16、17を参照する。
【0072】
別の実施例では、マンドレル3は、第1冷媒通路として、第1J-Tスロットに接続されてもよい。フィンチューブ4は、第2冷媒通路として、第2J-Tスロットに接続されてもよい。
【0073】
一実施例では、吸気管、還気管などの部品を包み、冷凍アブレーション針の外観をよりきれいにし、さらに操作しやすくするために、
図3、6、9、12を参照し、レバー9の外壁には、外部スリーブ13がさらに設けられる。
【0074】
好ましい実施例では、第2J-Tスロットに冷媒流体を通すプレパージモードを、製品の工場出荷状態に設定することができ、作業者は、直接ツールテストの工程を通じて製品のプレパージを完了することができる。ツールテスト/プレパージが完了した後、第1J-Tスロット内に冷媒流体を通す冷凍モードに調整し、冷凍が開始すると、アブレーション針がプレパージを実行したものであるので、標的領域25は、最低温度まで急速に冷却される。
【0075】
本明細書の説明では、「一実施形態」、「一実施例」、「具体的な実施過程」、「実施例」などの用語は、当該実施例または例示に関連して説明される特定の特徴、構造、材料または特性が、本発明の少なくとも1つの実施例または例示に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例または例示を指すものではない。さらに、説明した特定の特徴、構造、材料または特性は、任意の1つ以上の実施例または例示において、適切な方法で組み合わせることができる。
【0076】
最後に、上述した各実施例が本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではないと説明すべきであり、前記各実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、前記各実施例に記載された技術的解決手段を変更したり、それらの技術的特徴の一部または全部を等価的に置換したりすることができ、これらの変更や置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0077】
1-J-Tスロット;
11-第1J-Tスロット;
12-第2J-Tスロット;
2-真空壁;
21-針棒;
211-針先;
22-内管;
221-内管前段;
222-内管後段;
23-外管;
24-ガスケット;
25-標的領域;
26-真空断熱領域;
27-スプリングストッパ;
28-真空三方管;
281-三方管接続部;
282-三方管バイパス;
291-真空接続管;
292-真空ホース;
293-還気接続管;
294-シャントチューブ;
3-マンドレル;
31-マンドレル太い部;
32-マンドレル細い部;
4-フィンチューブ;
5-シールアセンブリ;
51-シールリング;
52-シール溝;
53-シール押圧部材;
6-吸気管;
7-還気管;
8-スライダ;
81-ガイドチューブ;
82-スライダ位置決め溝;
83-中央固定孔;
84-吸気・還気管用ガイド孔;
9-レバー;
91-レバー位置決め溝;
10-スナップ部材;
101-把持部;
102-位置決めピン;
103-C型リング;
120-スプリング;
13-外部スリーブ;
15-切り替えアセンブリ;
1511-冷凍通路;
1512-調整室;
1513-牽引ワイヤ通路;
152-プレパージ通路;
153-冷媒通路;
16-密封ボール;
17-牽引ワイヤ;
171-牽引ワイヤ太い部;
172-牽引ワイヤ細い部;
20-冷凍バルブ;
20’-プレパージバルブ。
【国際調査報告】