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特表2024-544893第1及び第2のシャッタを伴う車両ゲート配列、配列を備えるシステム、及び動作方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】第1及び第2のシャッタを伴う車両ゲート配列、配列を備えるシステム、及び動作方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024527361
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 EP2022080916
(87)【国際公開番号】W WO2023083729
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】20211360
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム, トロンド
(72)【発明者】
【氏名】フィエルドハイム, イヴァル
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3F022MM55
3F022NN55
(57)【要約】
車両ゲート配列は、・車両(201、301、401、501)を収容するための空間(51)と、・空間(51)と第1の領域(11)とを分離するための第1のシャッタ(52)と、・空間(51)と第2の領域(12)とを分離するための第2のシャッタ(53)とを備え、第1のシャッタ(52)及び第2のシャッタ(53)の両方はそれぞれ、・それを通して車両(201、301、401、501)の通過を可能にする開放位置と、・それを通して車両(201、301、401、501)の通過を制限する阻止位置との間で作動可能であり、第1のシャッタ(52)及び第2のシャッタ(53)は、同期移動のために互いに結合され、第1のシャッタ(52)及び/又は第2のシャッタ(53)は、常にそれぞれの阻止位置にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵システム(1)であって、
直立部材(102)を備えるフレームワーク構造(100’)と、フレームワーク構造(100’)の上端にわたって配列される2次元の第1のレールシステム(108’)とを備える、第1の領域(11)であって、前記第1のレールシステム(108’)は、前記フレーム構造(100’)の前記上端にわたる第1の方向(X)に車両(201、301、401、501)の移動をガイドするように配列される第1のセットの平行レール(110’)と、前記第1の方向に対して垂直である、前記フレームワーク構造の前記上端にわたる第2の方向(Y)に前記車両(201、301、401、501)の移動をガイドするように、前記第1のセットのレール(110’)に対して垂直に配列される第2のセットの平行レール(111’)とを備え、前記第1及び第2のセットの平行レール(110’、111’)は、前記第1のレールシステム(108’)を、前記第1のレールシステム(108’)の上方の位置と前記第1のレールシステム(108’)の下方の位置との間で貯蔵コンテナ(106)の昇降を可能にするための前記第1のレールシステム(108’)における複数のアクセス開口(112)に分割する、第1の領域(11)と、
前記第1のレールシステム(108’)上で動作可能な車両(201、301、401、501)であって、前記車両(201、301、401、501)は、前記第1の方向(X)で駆動するための第1のセットの車輪(201b、301b、401b)と、前記第2の方向(Y)で駆動するための第2のセットの車輪(201c、301c、401c)とを備える、車両(201、301、401、501)と、
第2のレールシステム(108’’)を備える第2の領域(12)と、
接続レールシステム(108’’’)を介して前記第1の領域(11)と前記第2の領域(12)との間の前記車両(201、301、401、501)の通過を制御するための車両ゲート配列(50)と
を備え、
前記車両ゲート配列(50)は、
-前記車両(201、301、401、501)を収容するための空間(51)と、
-前記空間(51)と前記第1の領域(11)とを分離するための第1のシャッタ(52)と、
-前記空間(51)と前記第2の領域(12)とを分離するための第2のシャッタ(53)と
を備え、
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)の両方はそれぞれ、
-それを通して前記車両(201、301、401、501)の通過を可能にする開放位置と、
-それを通して前記車両(201、301、401、501)の通過を制限する阻止位置と
の間で作動可能であり、
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)は、同期移動のために互いに結合され、それにより、一方のシャッタ(52;53)が第1の開口(55)に対して一方向に移動し、他方のシャッタ(53;52)が第2の開口(56)に対して反対方向に移動し、前記第1のシャッタ(52)及び/又は前記第2のシャッタ(53)は、常に前記それぞれの阻止位置にある、貯蔵システム(1)。
【請求項2】
前記第1の領域(11)は、貯蔵領域であり、前記第2の領域(12)は、サービス領域である、請求項1に記載の貯蔵システム(1)。
【請求項3】
前記第1のレールシステム(108’)、前記第2のレールシステム(108’’)、及び前記接続レールシステム(108’’’)の上面は、互いに同一平面上にある、請求項1又は2に記載の貯蔵システム(1)。
【請求項4】
前記接続レールシステム(108’’’)は、前記第1のレールシステム(108’)の一部を形成する、先行する請求項のいずれかに記載の貯蔵システム(1)。
【請求項5】
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)の少なくとも一部は、前記開放位置と前記阻止位置との間で垂直方向に移動する、先行する請求項のいずれかに記載の貯蔵システム(1)。
【請求項6】
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)は、カウンターバランスされる、請求項5に記載の貯蔵システム(1)。
【請求項7】
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)は、移動伝達配列(60)を介して接続される、先行する請求項のいずれかに記載の貯蔵システム(1)。
【請求項8】
前記移動伝達配列は、ライン(61)及びプーリ/シーブ(62)を備える、請求項7に記載の貯蔵システム(1)。
【請求項9】
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)の全ての動作位置において一対のライン(61)における移動距離は、同じである、請求項8に記載の貯蔵システム(1)。
【請求項10】
前記移動伝達配列は、無端ループ(76)を備え、前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)は、前記無端ループ(76)に接続される、先行する請求項7から9のいずれかに記載の貯蔵システム(1)。
【請求項11】
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)は、前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)の同時動作のために1つ以上のアクチュエータに接続される、先行する請求項1から4のいずれかに記載の貯蔵システム(1)。
【請求項12】
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)は、ヒンジ付きパネル(57)によって形成されるシャッタアセンブリの対向する端部を形成する、先行する請求項1から5のいずれかに記載の貯蔵システム(1)。
【請求項13】
前記車両ゲート配列(50)は、前記第1の領域(11)の周囲又はその近傍に配列される、先行する請求項のいずれかに記載の貯蔵システム(1)。
【請求項14】
前記空間(51)は、少なくとも2つのアクセス開口(112)にわたって延在する、先行する請求項のいずれかに記載の貯蔵システム(1)。
【請求項15】
接続レールシステム(108’’’)を介して、第1のレールシステム(108’)を有する第1の領域(11)と第2のレールシステム(108’’)を有する第2の領域(12)との間の車両(201、301、401、501)の通過を制御するための車両ゲート配列(50)であって、前記車両ゲート配列(50)は、
-前記車両(201、301、401、501)を収容するための空間(51)と、
-前記空間(51)と前記第1の領域(11)とを分離するための第1のシャッタ(52)と、
-前記空間(51)と前記第2の領域(12)とを分離するための第2のシャッタ(53)と
を備え、
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)の両方は、
-それを通して前記車両(201、301、401、501)の通過を可能にする開放位置と、
-それを通して前記車両(201、301、401、501)の通過を制限する阻止位置と
の間で作動可能であり、
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)は、同期移動のために互いに結合され、それにより、一方のシャッタ(52;53)が第1の開口(55)に対して一方向に移動し、他方のシャッタ(53;52)が第2の開口(56)に対して反対方向に移動し、前記第1のシャッタ(52)及び/又は第2のシャッタ(53)が常に前記阻止位置にある、車両ゲート配列(50)。
【請求項16】
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)の少なくとも一部は、前記開放位置と前記阻止位置との間で垂直方向に移動する、請求項15に記載の車両ゲート配列(50)。
【請求項17】
前記第1のシャッタ(52)及び前記第2のシャッタ(53)は、カウンターバランスされる、請求項16に記載の車両ゲート配列(50)。
【請求項18】
先行する請求項1から14のいずれか1項に記載の貯蔵システム(1)の第1の領域(11)と第2の領域(12)との間でサービスを必要としている車両(201、301、401、501)を移動させる方法であって、前記方法は、
-制御システム(500)を動作させて、前記第1の領域(11)上で動作している前記車両(201、301、401、501)に、前記車両ゲート配列(50)の前記第1のシャッタ(52)へと駆動するように指示することと、
-前記車両(201、301、401、501)が前記車両ゲート配列(50)の前記空間(51)に入ることができるように前記第1のシャッタ(52)が前記開放位置にあるようにすることと、
-前記第2のシャッタ(53)を前記阻止位置に固定するロックを開くように前記制御システム(500)に指示することと、
-前記第2のシャッタ(53)を前記阻止位置から前記開放位置に動作させることにより、結果として前記第1のシャッタ(52)を前記開放位置から前記阻止位置に動作させることと、
-前記制御システム(500)を動作させて、前記車両(201、301、401、501)に、前記空間(51)から前記第2の領域(12)へと駆動するように指示することと、
-前記第2のシャッタ(53)を前記開放位置から前記阻止位置に動作させることにより、結果として前記第1のシャッタ(52)を前記阻止位置から前記開放位置に動作させることと
を含む、方法。
【請求項19】
前記第2のシャッタ(53)を動作させるステップは、オペレータによって手動で行われる、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の領域及び第2の領域を備える貯蔵システムに関し、第1の領域は、遠隔操作車両の通過のために、第1の領域と第2の領域との間での車両の通過を調整するための第1のシャッタ及び第2のシャッタを備える車両ゲート配列によって第2の領域に連結される。
【0002】
特に、第1の領域は、貯蔵領域となることができ、第2の領域は、人間のオペレータが操作するサービス領域となることができる。
【背景技術】
【0003】
背景及び従来技術
図1は、フレームワーク構造100を伴う従来技術の自動貯蔵回収システム1を開示し、図2図3及び図4Aは、そのようなシステム1上で動作するのに適した3つの異なる従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401を開示する。
【0004】
フレームワーク構造100は、直立部材102と、直立部材102間に列を成して配列される貯蔵カラム105を備える貯蔵ボリュームとを備える。これらの貯蔵カラム105では、ビンとしても知られている貯蔵コンテナ106が互いに積み重ねられてスタック107を形成する。部材102は、典型的には、金属、例えば押出アルミニウムプロファイルから形成され得る。
【0005】
自動貯蔵回収システム1のフレームワーク構造100は、フレームワーク構造100の上端にわたって配列されるレールシステム108を備え、そのレールシステム108上で、複数のコンテナハンドリング車両201、301、401が、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105から上昇させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム内に下降させるとともに、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105の上方に輸送するように動作され得る。レールシステム108は、フレーム構造100の上端にわたる第1の方向Xにコンテナハンドリング車両201、301、401の移動をガイドするように配列される第1のセットの平行レール110と、第1の方向Xに対して垂直な第2の方向Yにコンテナハンドリング車両201、301、401の移動をガイドするために第1のセットのレール110に対して垂直に配列される第2のセットの平行レール111とを備える。カラム105内に貯蔵されるコンテナ106は、レールシステム108のアクセス開口112を通じてコンテナハンドリング車両201、301、401によってアクセスされる。コンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵カラム105の上方で、すなわち水平X-Y平面と平行な平面内で横方向に移動することができる。
【0006】
コンテナをカラム105から上昇させる及びコンテナをカラム内に下降させる間に貯蔵コンテナをガイドするためにフレームワーク構造100の直立部材102が使用される。コンテナ106のスタック107は、典型的には自立型である。
【0007】
各従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401は、車体201a、301a、401aと、X方向及びY方向のそれぞれでコンテナハンドリング車両201、301、401の横方向移動を可能にする第1及び第2のセットの車輪201b、201c、301b、301c、401b、401cとを備える。図2図3、及び図4Aでは、各セットの2つの車輪が完全に見える。第1のセットの車輪201b、301b、401bは、第1のセットのレール110の隣り合う2つのレールと係合するように配列され、第2のセットの車輪201c、301c、401cは、第2のセットのレール111の隣り合う2つのレールと係合するように配列される。車輪201b、201c、301b、301c、401b、401cのセットのうちの少なくとも1つを昇降させることができ、それにより、第1のセットの車輪201b、301b、401b及び/又は第2のセットの車輪201c、301c、401cは、任意の時点でそれぞれのセットのレール110、111と係合され得る。
【0008】
各従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵コンテナ106を垂直方向に輸送するための、例えば貯蔵コンテナ106を貯蔵カラムから上昇させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105内に下降させるための昇降デバイスも備える。昇降デバイスは、貯蔵コンテナ106と係合するようになっている1つ以上の把持/係合デバイスを備え、把持/係合デバイスは、車両201、301、401に対する把持/係合デバイスの位置を第1の方向X及び第2の方向Yと直交する第3の方向Zで調整できるように、車両201、301、401から下降され得る。コンテナハンドリング車両301、401の把持デバイスの一部が、参照符号304、404で示される図3及び図4Aにおいて示されている。コンテナハンドリングデバイス201の把持デバイスは、図2の車体201a内に位置し、したがって図示されていない。昇降デバイスは、昇降バンド25から吊り下げられる昇降フレーム27を更に備えてもよい。昇降バンド25は、コンテナハンドリング車両と昇降フレーム27との間で給電及び通信を行うことができる。昇降フレーム27は、貯蔵コンテナ106の把持凹部に接続するための把持係合デバイス26を備えることができる。
【0009】
従来、また本出願の目的のために、Z=1は、レール110、111の下方の貯蔵コンテナに利用可能な最上層、すなわち、レールシステム108の直下の層を特定し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を特定し、Z=3は、第3の層を特定する。図1に開示される例示的な従来技術において、Z=8は、貯蔵コンテナの最下層を特定する。同様に、X=1...n及びY=1...nは、水平面内における各貯蔵カラム105の位置を特定する。したがって、例として、図1に示される直交座標系X、Y、Zを使用すると、図1において106’として特定される貯蔵コンテナは、貯蔵位置X=17、Y=1、Z=6を占有していると言うことができる。コンテナハンドリング車両201、301、401は、層Z=0において移動していると言うことができ、各貯蔵カラム105は、そのX及びY座標によって特定され得る。したがって、レールシステム108の上方に延在する図1に示される貯蔵コンテナも、層Z=0に配列されると言われる。
【0010】
フレームワーク構造100の貯蔵ボリュームは、グリッド104と呼ばれることが多く、このグリッド内の想定し得る貯蔵位置は、貯蔵セルと呼ばれる。各貯蔵カラムは、X方向及びY方向の位置によって特定されてもよく、各貯蔵セルは、X方向、Y方向及びZ方向のコンテナ番号によって特定されてもよい。
【0011】
各従来技術のコンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵コンテナ106をレールシステム108にわたって輸送するときに貯蔵コンテナ106を受けて収容するための貯蔵区画又は空間を備える。貯蔵空間は、図2及び図4Aに示されるように、及び、例えばその内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/193278号(特許文献1)及び国際公開第2019/206487号(特許文献2)に記載されるように、車体201a、401a内の内部に配列されるキャビティを備えてもよい。
【0012】
図3は、片持ち構造を有するコンテナハンドリング車両301の代替的な構成を示す。そのような車両は、例えばノルウェー国特許第317366号に詳細に記載されており、この内容も参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
図2に示されるキャビティコンテナハンドリング車両201は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/193278号に記載されているように、貯蔵カラム105の横方向範囲にほぼ等しいX及びY方向の寸法を有する領域を覆うフットプリントを有し得る。本明細書で使用される「横方向」という用語は、「水平」を意味し得る。
【0014】
或いは、キャビティコンテナハンドリング車両401は、例えば国際公開第2014/090684号又は国際公開第2019/206487号に開示されているように、図1及び図4に示されるような貯蔵カラム105によって画定される横方向領域よりも大きいフットプリントを有してもよい。
【0015】
レールシステム108は、典型的には、車両の車輪が走行する溝を有するレールを備える。或いは、レールは、上方に突出する要素を備えてもよく、車両の車輪は、脱線を防止するためのフランジを備える。これらの溝及び上方に突出する要素は、まとめてトラックとして知られている。各レールは、単一のトラックを備えてもよく、又は各レール110、111は、2つの平行なトラックを備えてもよい。他のレールシステム108では、一方向(例えば、X方向)の各レールが1つのトラックを備えてもよく、他方の垂直方向(例えば、Y方向)の各レールが2つのトラックを備えてもよい。また、各レール110、111は、互いに締結される2つのトラック部材を備えてもよく、各トラック部材は、各レールによって与えられる一対のトラックの一方をもたらす。
【0016】
その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018/146304号は、レールとX方向及びY方向の双方の平行なトラックとを備えるレールシステム108の典型的な構成を示す。
【0017】
フレームワーク構造100において、カラム105の大部分は、貯蔵カラム105、すなわち貯蔵コンテナ106がスタック107を成して貯蔵されるカラム105である。しかしながら、幾つかのカラム105は、他の目的を有してもよい。図1では、カラム119及び120は、フレームワーク構造100の外部から貯蔵コンテナ106にアクセスできる又はフレームワーク構造100の外部もしくは内部に貯蔵コンテナ106を移送できるアクセスステーション(図示せず)に貯蔵コンテナ106を輸送できるように、貯蔵コンテナ106をドロップオフ及び/又はピックアップするためにコンテナハンドリング車両201、301、401によって使用されるそのような専用のカラムである。当該技術分野では、そのような位置は、通常「ポート」と呼ばれ、ポートが位置するカラムは、「ポートカラム」119、120と呼ばれる場合がある。アクセスステーションへの輸送は、任意の方向、すなわち水平、傾斜及び/又は垂直であってもよい。例えば、貯蔵コンテナ106は、フレームワーク構造100内のランダムな又は専用のカラム105に配置され、その後、任意のコンテナハンドリング車両によってピックアップされ、アクセスステーションへの更なる輸送のためにポートカラム119、120に輸送されてもよい。ポートからアクセスステーションへの輸送は、配送車両、台車又は他の輸送ラインなどの手段によって、様々な異なる方向に沿った移動を必要とする場合がある。「傾斜」という用語は、水平と垂直との間のどこかに一般的な輸送方向を有する貯蔵コンテナ106の輸送を意味することに留意すべきである。
【0018】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナハンドリング車両201、301、401が輸送されるべき貯蔵コンテナ106をアクセスステーション又は移送ステーションにドロップオフすることができる専用のドロップオフポートカラムであってもよく、また、第2のポートカラム120は、コンテナハンドリング車両201、301、401が輸送された貯蔵コンテナ106をアクセスステーション又は移送ステーションからピックアップすることができる専用のピックアップポートカラムであってもよい。
【0019】
アクセスステーションは、典型的には、製品アイテムが貯蔵コンテナ106から除去される又は貯蔵コンテナ106内に位置決めされるピッキングステーション又はストックステーションであってもよい。ピッキングステーション又はストックステーションにおいて、貯蔵コンテナ106は、通常、自動貯蔵回収システム1から除去されず、アクセスされた時点で再びフレームワーク構造100に戻される。また、貯蔵コンテナを別の貯蔵施設に(例えば、別のフレームワーク構造に、又は別の自動貯蔵回収システムに)、輸送車両(例えば、列車又はトラック)に、又は生産施設に移送するためにポートを使用することもできる。
【0020】
コンベヤを備えるコンベヤシステムが、通常、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で貯蔵コンテナを輸送するために使用される。
【0021】
ポートカラム119、120及びアクセスステーションが異なるレベルに位置する場合、コンベヤシステムは、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で貯蔵コンテナ106を垂直に輸送するための垂直構成要素を伴う昇降デバイスを備えてもよい。
【0022】
コンベヤシステムは、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2014/075937号に記載されるように、異なるフレームワーク構造間で貯蔵コンテナ106を移送するように配列されてもよい。
【0023】
また、貯蔵システムは、ポートカラム119、120を使用して、フレームワーク構造100の上端のレールシステム108と、ポートカラムの下端の下方に配列されるコンテナ移送車両との間で貯蔵コンテナを移送することができる。そのような貯蔵システム及び適切なコンテナ移送車両は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2019/238694号及び国際公開第2019/238697号に開示される。
【0024】
コンテナ移送車両を使用してポートカラムの下端から貯蔵コンテナを回収する/ポートカラムの下端に貯蔵コンテナを配送することの潜在的な欠点は、コンテナ移送車両と、ポートカラムを介して貯蔵コンテナを回収する/配送するために使用されるコンテナハンドリング車両との間の時間依存性である。
【0025】
図1に開示されるカラム105のうちの1つに貯蔵される貯蔵コンテナ106がアクセスされるべきであるとき、コンテナハンドリング車両201、301、401のうちの1つは、その位置から標的貯蔵コンテナ106を回収し、それをドロップオフポートカラム119に輸送するように指示される。この動作は、標的貯蔵コンテナ106が位置決めされる貯蔵カラム105の上方の位置にコンテナハンドリング車両201、301、401を移動させ、コンテナハンドリング車両201、301、401の昇降デバイス(図示せず)を使用して貯蔵カラム105から貯蔵コンテナ106を回収し、貯蔵コンテナ106をドロップオフポートカラム119に輸送することを含む。標的貯蔵コンテナ106がスタック107内の奥深くに位置する場合、すなわち、標的貯蔵コンテナ106の上方に1つ以上の他の貯蔵コンテナ106が位置決めされている場合、動作は、標的貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105から持ち上げる前に、上方に位置決めされた貯蔵コンテナを一時的に移動させることも含む。当該技術分野では「ディギング(digging)」と呼ばれることもあるこのステップは、標的貯蔵コンテナをドロップオフポートカラム119に輸送するためにその後に使用されるのと同じコンテナハンドリング車両、又は1つ以上の他の協働するコンテナハンドリング車両によって実行され得る。これに代えて又は加えて、自動貯蔵回収システム1は、貯蔵カラム105から貯蔵コンテナ106を一時的に除去するタスク専用のコンテナハンドリング車両201、301、401を有してもよい。標的貯蔵コンテナ106が貯蔵カラム105から除去されると、一時的に除去された貯蔵コンテナ106を元の貯蔵カラム105に再位置決めすることができる。しかしながら、除去された貯蔵コンテナ106は、代替的に他の貯蔵カラム105に再配置されてもよい。
【0026】
貯蔵コンテナ106がカラム105のうちの1つに貯蔵されるようになっている場合、コンテナハンドリング車両201、301、401のうちの1つは、貯蔵コンテナ106をピックアップポートカラム120からピックアップし、貯蔵コンテナが貯蔵されるようになっている貯蔵カラム105の上方の位置に貯蔵コンテナ106を輸送するように指示される。スタック107内の標的位置に又はその上方に位置決めされた任意の貯蔵コンテナ106が除去された後、コンテナハンドリング車両201、301、401は、貯蔵コンテナ106を所望の位置に位置決めする。次いで、除去された貯蔵コンテナ106は、元の貯蔵カラム105内へと下降されてもよく、又は他の貯蔵カラム105に再配置されてもよい。
【0027】
自動貯蔵回収システム1を監視及び制御するために、例えば、コンテナハンドリング車両201、301、401が互いに衝突することなく所望の貯蔵コンテナ106を所望の時間に所望の位置へ配送できるように、フレームワーク構造100内のそれぞれの貯蔵コンテナ106の位置、各貯蔵コンテナ106の内容物、及びコンテナハンドリング車両201、301、401の移動を監視及び制御するために、自動貯蔵回収システム1は、典型的にはコンピュータ化されるとともに典型的には貯蔵コンテナ106を追跡するためのデータベースを備える制御システム500を備える。
【0028】
コンテナハンドリング車両が故障した場合、今日の解決策では、貯蔵領域と車両を通過させるためのサービス領域との間で上方又は側方にスライドするドア又はシャッタを有することが通常である。唯一の安全対策は、ドアを3分以内で閉じる必要があることである。この時間窓内でドアが閉じられない場合、システムはシャットダウンする。ドア又はシャッタが開いているとき、職員は、サービス領域から、ドアを通じて、コンテナハンドリング車両が動作する貯蔵領域へと妨げられることなく登る可能性があるという問題がある。別の潜在的な問題は、追加の安全障壁がないため、ドアが開いている3分間にロボットがロボットドアを通じて移動する可能性があることである。
【0029】
本発明の1つの目的は、従来技術の解決策に関連する欠点の少なくとも幾つかを解決することである。
【0030】
特に、本発明の目的は、貯蔵システムの偶発的なシャットダウンを引き起こすことなく、ゲート配列の一方側の第1の領域とゲート配列の第2の側の第2の領域との間の車両の制御された通過のための解決策を提供し、オペレータの傷害のリスクを最小限に抑えることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】国際公開第2015/193278号公報
【特許文献2】国際公開第2019/206487号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0032】
発明の概要
本発明は、独立請求項に記載されて特徴付けられ、一方、従属請求項は、本発明の他の特徴を記載する。
【0033】
本発明は、多数の遠隔操作される自動車両が動作する第1の領域と人間のオペレータが操作する第2の領域との間で故障車両を移送するための安全なシステム及び方法を提供する。これは、第1の領域に向く第1のシャッタ及び/又は第2の領域に向く第2のシャッタのうちの少なくとも一方が常に阻止位置にあるようにする車両ゲート配列を提供することによって達成される。全ての実施形態において、第1のシャッタは、第2のシャッタが移動するときにのみ移動し、すなわち、第1のシャッタは、第2のシャッタに対するスレーブである。更に、全ての実施形態において、第1のシャッタ及び第2のシャッタは反対方向に移動する。
【0034】
貯蔵システムが記載され、貯蔵システムは、
直立部材を備えるフレームワーク構造と、フレームワーク構造の上端にわたって配列される2次元の第1のレールシステムとを備える、第1の領域であって、第1のレールシステムは、フレーム構造の上端にわたる第1の方向Xに車両の移動をガイドするように配列される第1のセットの平行レールと、第1の方向に対して垂直である、フレームワーク構造の上端にわたる第2の方向Yに車両の移動をガイドするように第1のセットのレールに対して垂直に配列される第2のセットの平行レールとを備え、第1及び第2のセットの平行レールは、第1のレールシステムを、第1のレールシステムの上方の位置と第1のレールシステムの下方の位置との間で貯蔵コンテナの昇降を可能にするための第1のレールシステムにおける複数のアクセス開口に分割する、第1の領域と、
第1のレールシステム上で動作可能な車両であって、車両は、第1の方向Xで駆動するための第1のセットの車輪と、第2の方向Yで駆動するための第2のセットの車輪とを備える、車両と、
第2のレールシステムを備える第2の領域と、
接続レールシステムを介して第1の領域と第2の領域との間の車両の通過を制御するための車両ゲート配列と
を備え、
車両ゲート配列は、
-車両を収容するための空間と、
-空間と第1の領域とを分離するための第1のシャッタと、
-空間と第2の領域とを分離するための第2のシャッタと
を備え、
第1のシャッタ及び第2のシャッタの両方はそれぞれ、
-それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、
-それを通して車両の通過を制限する阻止位置と
の間で作動可能であり、
第1のシャッタ及び第2のシャッタは、同期移動のために互いに結合され、それにより、一方のシャッタが第1の開口に対して一方向に移動し、他方のシャッタが第2の開口に対して反対方向に移動し、第1のシャッタ及び/又は第2のシャッタは、常にそれぞれの阻止位置にある。
【0035】
すなわち、第1のシャッタ及び第2のシャッタの少なくとも一方は、常に阻止位置にある。言い換えれば、第1のシャッタ及び第2のシャッタの両方が同時に開放位置になることはできない。第1のシャッタは、車両ゲート配列の第1の貫通開口を通じて第1の領域に向かう車両の通過を許可又は防止するように構成され得る。同様に、第2のシャッタは、車両ゲート配列の第2の貫通開口を通じて第2の領域に向かう車両の通過を許可又は防止するように構成され得る。車両ゲート配列の第1の貫通開口及び第2の貫通開口に対する第1及び第2のシャッタの設計に応じて、それらのシャッタは、通過を許可又は防止するようになっており、第1及び第2のシャッタは、通常、阻止位置にある。典型的には、第1及び第2のシャッタが移動の終点に到達したときにのみ、シャッタは開放位置にある。前記移動の終点と反対側の移動の終点との間の他の全ての位置では、第1及び第2のシャッタは阻止位置にある。
【0036】
その考えは、2つのシャッタ又はロックされたゲートがそれらの間に空間を形成し、一方のシャッタの移動時に他方のドアが反対方向に同時に/同期して移動するような構成でシャッタが互いに機械的にリンクされる、車両ゲート配列を提供することである。更に、シャッタ間の機械的リンクは、シャッタの一方が開放位置にある場合、車両又はオペレータが第1の領域と第2の領域との間(及び第2の領域と第1の領域との間)を誤って移動することを防止するために、安全上の理由から他方のシャッタが阻止位置になければならないようになっている。動作時、シャッタの一方が阻止位置から開放位置へと動作される場合、他方のシャッタは自動的に反対方向で動きに追従する。
【0037】
車両は、貯蔵コンテナを上方から持ち上げるためのコンテナ昇降デバイスを伴うコンテナハンドリング車両であってもよく、貯蔵コンテナを下方から支持可能なコンテナハンドリング車両であってもよい。或いは、車両は、コンテナハンドリング車両の故障を救助及び/又は検査するための整備車両であってもよい。
【0038】
第2のレールシステムは、第1のレールシステムと同様のレールシステムを有することができ、すなわち、第2のレールシステムは、フレーム構造の上端にわたる第1の方向Xに車両の移動をガイドするように配列される第1のセットの平行レールと、第1の方向Xに対して垂直である、フレーム構造の上端にわたる第2の方向Yに車両の移動をガイドするために第1のセットのレールに対して垂直に配列される第2のセットの平行レールとを備えることができ、第1及び第2のセットの平行レールは、第1のレールシステムを第2のレールシステムにおける複数のアクセス開口に分割する。
【0039】
第1の領域を貯蔵領域とすることができ、第2の領域をサービス領域とすることができる。貯蔵領域では、多数の遠隔操作車両が動作し、この領域は、貯蔵システムが完全にシャットダウンされない限り、手動オペレータにとって制限される。サービス領域では、人間のオペレータは、例えば故障車両を修理するために作業する。
【0040】
第1のレールシステム、第2のレールシステム、及び接続レールシステムの上面は、互いに同一平面上にあってもよい。すなわち、第1のレールシステム、第2のレールシステム、及び接続レールシステムのそれぞれの上面は、同じ高さにあってもよい。
【0041】
接続レールシステムは、第1のレールシステムの一部を形成してもよい。言い換えれば、第1のレールシステムは、接続レールシステムを備えてもよい。或いは、接続レールシステムは、第2のレールシステムの一部を形成してもよい。いずれの場合も、車両ゲート配列は、接続レールシステムに締結又は固定されてもよい。
【0042】
更に別の代替形態では、接続レールシステムは、専用レールシステムであってもよく、車両ゲート配列の一部を形成してもよい。この代替形態において、車両ゲート配列は、接続レールシステムと共に、第1及び/又は第2のレールシステムに接続されてもよい。
【0043】
第1のシャッタ及び第2のシャッタの少なくとも一部は、開放位置と阻止位置との間で垂直方向に移動してもよい。すなわち、第1及び第2のシャッタの動きは、垂直成分を有することができる。これは、例えば、第1及び第2のシャッタが垂直方向にのみ移動する垂直移動のみによって、又は部分的に垂直及び傾斜又は水平移動によって、様々な方法で達成することができる。
【0044】
第1のシャッタ及び第2のシャッタは、カウンターバランスされ得る。効果的なカウンターバランスのために、第1のシャッタ及び第2のシャッタは、好ましくは、部品を持ち上げるか又は下降させるのに必要な力が最小になるように、同じ又は実質的に同じ重量を有することができる。
【0045】
第1のシャッタ及び第2のシャッタは、移動伝達配列を介して接続され得る。移動伝達配列は、ライン及びプーリ/シーブを備えることができる。ラインは、例えば、プーリ又はシーブにわたってガイドされるワイヤ、ロープ及び/又はバンドであってもよい。
【0046】
第1のシャッタ及び第2のシャッタ並びに移動伝達配列は、シャッタアセンブリをもたらすることができる。第1又は第2のシャッタの一方の下端は、第1又は第2のシャッタの他方の下端が下方に移動するにつれて上方に移動することができる。
【0047】
第1のシャッタと第2のシャッタとの間の移動伝達配列の一対のラインの移動距離は、第1のシャッタ及び第2のシャッタの全ての動作位置において同じであってもよい。このことは、第1のシャッタと第2のシャッタとの間の距離が、第1のシャッタ及び第2のシャッタの全ての動作位置において同じであってもよいことを意味する。
【0048】
移動伝達配列は、無端ループを備えてもよく、第1のシャッタ及び第2のシャッタは、無端ループに接続されてもよい。
【0049】
第1のシャッタ及び第2のシャッタは、第1のシャッタ及び第2のシャッタの同時動作のために1つ以上のアクチュエータに接続され得る。1つ以上のアクチュエータは、第1及び第2のシャッタの反対の動きのために動作することができる。例えば、1つ以上のアクチュエータは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを含むことができ、この場合、第1のチャンバは、第1のシャッタの動作のために第1のシャッタに接続され、第2のチャンバは、第2のシャッタの動作のために第2のシャッタに接続される。第1のチャンバ又は第2のチャンバの加圧は、第1のシャッタ及び第2のシャッタにそのそれぞれの開放位置と阻止位置との間で作用することができる。
【0050】
第1のシャッタ及び第2のシャッタは、ヒンジ付きパネルによって形成されるシャッタアセンブリの対向する端部を形成することができる。第1及び第2のシャッタは、連続ローラシャッタ、例えばロールオーバーシャッタの2つの部分を形成することができ、連続ローラシャッタのパネル間に水平ヒンジを伴う。シャッタアセンブリは、第1又は第2のシャッタのうちの他方の下端が下方に移動するにつれて第1又は第2のシャッタのうちの一方の下端が上方に移動することができるように配列されてもよい。
【0051】
ヒンジ付きパネルは、ゲートの一部分がゲートの隣接部分に対して何度も回動できるようにすることができる。例えば、ゲートの部分は、互いに対して20度~180度の範囲、又はより好ましくは互いに対して20度~90度の範囲で回動することができる。
【0052】
車両ゲート配列は、第1の領域の周囲又はその近傍に配列されてもよい。車両ゲート配列を近傍に配列することにより、例えば貯蔵領域内の貯蔵のための空間を解放することができ、第2の領域(例えば、サービス領域)へのアクセスを容易にすることができる。
【0053】
車両ゲート配列の空間は、好ましくは、少なくとも2つのアクセス開口にわたって延在する。言い換えると、空間のサイズは、全ての通常サイズの車両を収容するために、少なくともアクセス開口(トラックの幅を含む)でなければならない。
【0054】
同様に、車両ゲート配列は、第1の領域及び第2の領域のそれぞれの方を向く第1及び第2の開口を備えることができ、第1のシャッタは、第1の開口を塞ぐように構成されてもよく、第2のシャッタは、第2の開口を塞ぐように構成されてもよい。また、第1及び第2の開口は、好ましくは、通過すると予想される最大車両に応じた幅及び高さ寸法を有するサイズである。ほとんどの場合、開口の幅は、1つのアクセス開口(トラックの幅を含む)よりも幾分大きく、開口の高さは、通過すると予想される最大車両よりも幾分高ければ十分である。
【0055】
接続レールシステムを介して、第1のレールシステムを有する第1の領域と第2のレールシステムを有する第2の領域との間の車両の通過を制御するための車両ゲート配列が更に記載され、車両ゲート配列は、
-車両を収容するための空間と、
-空間と第1の領域とを分離するための第1のシャッタと、
-空間と第2の領域とを分離するための第2のシャッタと
を備え、
第1のシャッタ及び第2のシャッタの両方は、
-それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、
-それを通して車両の通過を制限する阻止位置と
の間で作動可能である。
【0056】
第1のシャッタ及び第2のシャッタは、同期移動のために互いに結合され、それにより、一方のシャッタが第1の開口に対して一方向に移動し、他方のシャッタが第2の開口に対して反対方向に移動し、第1のシャッタ及び/又は第2のシャッタは、常に阻止位置にある。
【0057】
第1のシャッタ及び第2のシャッタの少なくとも一部は、開放位置と阻止位置との間で垂直方向に移動してもよい。
【0058】
第1のシャッタ及び第2のシャッタは、カウンターバランスされてもよい。
【0059】
先に規定された貯蔵システムの第1の領域と第2の領域との間でサービスを必要としている車両を移動させる方法が更に記載され、方法は、
-制御システムを動作させて、第1の領域上で動作している車両に、車両ゲート配列の第1のシャッタへと駆動するように指示することと、
-車両が車両ゲート配列の空間に入ることができるように第1のシャッタが開放位置にあるようにすることと、
-第2のシャッタを阻止位置に固定するロックを開くように制御システムに指示することと、
-第2のシャッタを阻止位置から開放位置に動作させることにより、結果として第1のシャッタを開放位置から阻止位置に動作させることと、
-制御システムを動作させて、車両に、空間から第2の領域へと駆動するように指示することと、
-第2のシャッタを開放位置から阻止位置に動作させることにより、結果として第1のシャッタを阻止位置から開放位置に動作させることと
を含む。
【0060】
第2のシャッタを動作させるステップは、人間のオペレータが手動で行ってもよい。手動動作は、第2のシャッタ上のハンドルを介して行うことができる。ハンドルなどは、その安全な動作のために第2の領域に向けられることが好ましい。
【0061】
或いは、第2のシャッタは、第2のシャッタの近くに配列される制御パネル又は起動ボタンを介して動作され得る。起動ボタンは、第2のシャッタを開放位置と阻止位置との間で(及び結果として第1のシャッタを)動作させるモータを動作させることができる。
【0062】
本明細書では、「貯蔵コンテナ」という用語は、底板と、コンテナ昇降デバイスへの取り外し可能な接続に適した側部、例えばビン、トート、トレイなどを有する任意の物品ホルダユニットを意味することを意図している。側部は、好ましくは把持凹部を備えることができる。側部は、好ましくは側壁である。側壁の高さは、貯蔵システム及び貯蔵されるべき商品の意図される用途に応じて変化し得る。把持凹部は、側壁の上縁に配列されてもよい。貯蔵コンテナの水平外周は、好ましくは矩形である。
【0063】
貯蔵システム、車両ゲート配列、及び方法は、前述のような貯蔵コンテナ及びシステムに関連して使用することができる。しかしながら、開示された貯蔵システム及び方法が使用され得る他の領域は、垂直農法、マイクロフルフィルメント又は食料品/e-食料品の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
以下の図面は、本発明の理解を容易にするために添付される。図面は、ここでは例としてのみ記載される本発明の実施形態を示す。
【0065】
図1図1は、従来技術の自動貯蔵回収システムのフレームワーク構造の斜視図である。
【0066】
図2図2は、貯蔵コンテナを内部に運ぶための内側に配列されたキャビティを有する従来技術のコンテナハンドリング車両の斜視図である。
【0067】
図3図3は、貯蔵コンテナを下方に運ぶための片持ち梁を有する従来技術のコンテナハンドリング車両の斜視図である。
【0068】
図4A図4Aは、貯蔵コンテナを内部に運ぶための内側に配列されたキャビティを有する従来技術のコンテナハンドリング車両の下方から見た斜視図である。
【0069】
図4B図4Bは、コンテナキャリアを伴い、貯蔵コンテナを下方から支持することができる配送車両の形態の従来技術のコンテナハンドリング車両の斜視図である。
【0070】
図5A図5A~5Kは、車両ゲート配列の第1のシャッタ及び第2のシャッタが、それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、それを通して車両の通過を制限する阻止位置との間でそれぞれ一対の開口を横切って垂直方向に移動する、貯蔵システムの第1の実施形態の異なる図であり、特に、図5Aは、車両ゲート配列及び第2の領域に向かう方向で貯蔵システムの第1の領域の側から見た側面斜視図であり、第1のシャッタが開放位置にあり、第2のシャッタが阻止位置にあり、第1の領域で動作している車両が、車両ゲート配列の空間に進入しようとして第1のシャッタに隣接して位置決めされる。
図5B図5A~5Kは、車両ゲート配列の第1のシャッタ及び第2のシャッタが、それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、それを通して車両の通過を制限する阻止位置との間でそれぞれ一対の開口を横切って垂直方向に移動する、貯蔵システムの第1の実施形態の異なる図であり、特に、図5Bは、図5Aの図と比べて反対側からの側面斜視図であり、すなわち、図5Bの図は、車両ゲート配列及び第1の領域に向かう方向で貯蔵システムの第2の領域の側から見た図である。
図5C図5A~5Kは、車両ゲート配列の第1のシャッタ及び第2のシャッタが、それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、それを通して車両の通過を制限する阻止位置との間でそれぞれ一対の開口を横切って垂直方向に移動する、貯蔵システムの第1の実施形態の異なる図であり、特に、図5Cは、車両ゲート配列及び第2の領域に向かう方向で貯蔵システムの第1の領域の側から見た側面斜視図であり、第1のシャッタが開放位置にあり、第2のシャッタが阻止位置にあり、第1の領域で動作している車両が車両ゲート配列の空間に入っている。
図5D図5A~5Kは、車両ゲート配列の第1のシャッタ及び第2のシャッタが、それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、それを通して車両の通過を制限する阻止位置との間でそれぞれ一対の開口を横切って垂直方向に移動する、貯蔵システムの第1の実施形態の異なる図であり、特に、図5Dは、図5Cの図と比較して反対側から見た側面斜視図であり、すなわち、図5Dの図は、車両ゲート配列及び第1の領域に向かう方向で貯蔵システムの第2の領域の側から見た図である。
図5E図5A~5Kは、車両ゲート配列の第1のシャッタ及び第2のシャッタが、それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、それを通して車両の通過を制限する阻止位置との間でそれぞれ一対の開口を横切って垂直方向に移動する、貯蔵システムの第1の実施形態の異なる図であり、特に、図5Eは、車両ゲート配列及び第2の領域に向かう方向で貯蔵システムの第1の領域の側から見た側面斜視図であり、第1のシャッタは阻止位置にあり、第2のシャッタは開放位置に進入しようとしており、車両は依然として車両ゲート配列の空間内に収容される。
図5F図5A~5Kは、車両ゲート配列の第1のシャッタ及び第2のシャッタが、それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、それを通して車両の通過を制限する阻止位置との間でそれぞれ一対の開口を横切って垂直方向に移動する、貯蔵システムの第1の実施形態の異なる図であり、特に、図5Fは、図5Eの図と比べて反対側から見た側面斜視図であり、すなわち、図5Fの図は、車両ゲート配列及び第1の領域に向かう方向で貯蔵システムの第2の領域の側から見た図である。
図5G図5A~5Kは、車両ゲート配列の第1のシャッタ及び第2のシャッタが、それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、それを通して車両の通過を制限する阻止位置との間でそれぞれ一対の開口を横切って垂直方向に移動する、貯蔵システムの第1の実施形態の異なる図であり、特に、図5Gは、車両ゲート配列及び第2の領域に向かう方向で貯蔵システムの第1の領域の側から見た側面斜視図であり、第1のシャッタが阻止位置にあり、第2のシャッタが開放位置にあり、車両は依然として車両ゲート配列の空間に収容される。
図5H図5A~5Kは、車両ゲート配列の第1のシャッタ及び第2のシャッタが、それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、それを通して車両の通過を制限する阻止位置との間でそれぞれ一対の開口を横切って垂直方向に移動する、貯蔵システムの第1の実施形態の異なる図であり、特に、図5Hは、図5Gの図と比べては反対側から見た側面斜視図であり、すなわち、図5Hの図は、車両ゲート配列及び第1の領域に向かう方向で貯蔵システムの第2の領域の側から見た図である。
図5I図5A~5Kは、車両ゲート配列の第1のシャッタ及び第2のシャッタが、それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、それを通して車両の通過を制限する阻止位置との間でそれぞれ一対の開口を横切って垂直方向に移動する、貯蔵システムの第1の実施形態の異なる図であり、特に、図5Iは、車両ゲート配列及び第1の領域に向かう方向で貯蔵システムの第2の領域の側から見た側面斜視図であり、第2のシャッタが阻止位置にあり、第1のシャッタが開放位置にあり、空間内に収容された車両が第2の領域に移動している。
図5J図5A~5Kは、車両ゲート配列の第1のシャッタ及び第2のシャッタが、それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、それを通して車両の通過を制限する阻止位置との間でそれぞれ一対の開口を横切って垂直方向に移動する、貯蔵システムの第1の実施形態の異なる図であり、特に、図5Jは、貯蔵システムの側面図であり、貯蔵システムは、第1のレールシステムを伴う第1の領域と、接続レールシステムを伴う車両ゲート配列と、第2のレールシステムを伴う第2の領域とを備え、図5Jでは、第1のシャッタが阻止位置にあり、第2のシャッタが開放位置にある。
図5K図5A~5Kは、車両ゲート配列の第1のシャッタ及び第2のシャッタが、それを通して車両の通過を可能にする開放位置と、それを通して車両の通過を制限する阻止位置との間でそれぞれ一対の開口を横切って垂直方向に移動する、貯蔵システムの第1の実施形態の異なる図であり、特に、図5Kは、図5Jの貯蔵システムの上面図である。
【0071】
図6図6は、図5A図5Kの車両ゲート配列の詳細図である。
【0072】
図7図7は、第2の実施形態の詳細図であり、車両ゲート配列が、ヒンジ付きパネルによって形成されるシャッタアセンブリを備える車両ゲート配列の両端部を形成する第1のシャッタ及び第2のシャッタを備える。
【0073】
図8図8は、第1及び第2のシャッタが中央ピボットの両側に懸架される第3の実施形態の詳細図である。
【0074】
図9図9は、第1及び第2のシャッタが無端ループに接続されてそれぞれ開放位置と阻止位置との間で横方向に移動する、第4の実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
発明の詳細な説明
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。しかしながら、図面は、本発明を図面に示された主題に限定しようとするものではないことを理解すべきである。
【0076】
自動貯蔵回収システム1のフレームワーク構造100は、図1図3に関連して前述した従来技術のフレームワーク構造100と同様の態様で構築することができる。すなわち、フレームワーク構造100は、幾つかの直立部材102を備えることができ、X方向及びY方向に延びる第1の上側レールシステム108を備えることができる。
【0077】
フレームワーク構造100は、部材102間に設けられた貯蔵カラム105の形態の貯蔵区画を更に備えてもよく、貯蔵コンテナ106は、貯蔵カラム105内にスタック107の状態で積み重ね可能であってもよい。
【0078】
フレームワーク構造100は、任意のサイズとすることができる。特に、フレームワーク構造は、図1に開示されているよりもかなり広く及び/又は長く及び/又は深くすることができることが理解される。例えば、フレームワーク構造100は、700×700カラムを超える水平範囲及び12個を超えるコンテナの貯蔵深さを有し得る。
【0079】
図4Bは、貯蔵コンテナ106を下方から支持することができるコンテナキャリア502を有する配送車両501の形態の従来技術のコンテナハンドリング車両501の斜視図である。配送車両501は、レールシステム108上のX方向及びY方向への配送車両501の横方向移動をそれぞれ可能にする車体501a並びに第1及び第2のセットの車輪501b、501cを特徴とする。
【0080】
図5A図5Kは、貯蔵システム1の第1の実施形態の異なる図であり、車両ゲート配列50の第1のシャッタ52及び第2のシャッタ53は、垂直方向にのみ開口に対して移動し、各シャッタ52、53は、車両301の通過を可能にする開放位置と、車両301の通過を制限する阻止位置との間を移動する。
【0081】
図5Aは、車両ゲート配列50及び第2の領域12に向かう方向で貯蔵システム1の第1の領域11の側から見た側面斜視図であり、図5Aでは、第1のシャッタ52が開放位置にあり、第2のシャッタ53が阻止位置にあり、第1の領域11上で動作している車両301が、車両ゲート配列50の空間51に進入しようとして第1のシャッタ52に隣接して位置決めされる。
【0082】
図5Bは、図5Aの図とは反対側からの側面斜視図であり、すなわち、図5Bの図は、貯蔵システム1の第2の領域12の側から、車両ゲート配列50及び第1の領域11に向かう方向で見た図である。
【0083】
図5A及び図5Bを参照すると、直立部材102を備えるフレームワーク構造100’と、フレームワーク構造100’の上端にわたって配列された2次元の第1のレールシステム108’とから形成される第1の領域11が開示される。第1のレールシステム108’は、フレーム構造100’の上端にわたる第1の方向Xに車両301の移動をガイドするように配列された第1のセットの平行レール110’と、第1の方向に垂直なフレーム構造100’の上端にわたる第2の方向Yに車両301の移動をガイドするために第1のセットのレール110’に垂直に配列される第2のセットの平行レール111’とを備える。第1及び第2のセットの平行レール110’、111’は、第1のレールシステム108’を第1のレールシステム108’における複数のアクセス開口112に分割し、複数のアクセス開口112は、第1のレールシステム108’の上方の位置と第1のレールシステム108’の下方の位置との間で貯蔵コンテナ106の昇降を可能にする。車両301は、第1のレールシステム108’上で動作可能であり、第1の方向Xに駆動するための第1のセットの車輪301bと、第2の方向Yに駆動するための第2のセットの車輪301cとを備える。車両ゲート配列50及び窓パネル70によって第1の領域11から分離された第2の領域12が更に開示される。第2の領域12は、第2のレールシステム108’’を備える。第2のレールシステム108’’は、第1のレールシステム108’と同様のレールシステムを有し、すなわち、第2のレールシステム108’’は、フレーム構造の上端にわたる第1の方向Xに車両の移動をガイドするように配列される第1のセットの平行レール110’’と、第1の方向Xに垂直な第2の方向Yに車両の移動をガイドするように第1のセットのレール110’’に垂直に配列される第2のセットの平行レール111’’とを伴って示される。
【0084】
図示のように、第1のレールシステム108’、第2のレールシステム108’’、及び接続レールシステム108’’’の上面は、互いに同一平面上にある。すなわち、第1のレールシステム108’、第2のレールシステム108’’、及び接続レールシステムのそれぞれの上面は、車両301が第1の領域11と第2の領域12との間で自走式に移動できるように同じ高さにある。
【0085】
車両ゲート配列50は、第1の領域11と第2の領域12との間の車両301の通過を制御する。図5Aに示すように、車両ゲート配列50は、車両301を収容するための空間51を有する。空間51は、通過する車両201、301、401、501のサイズに基づいて寸法決めされる。空間51は、片持ち梁を有する従来技術のコンテナハンドリング車両301を収容するのに十分なサイズである。したがって、車両ゲート配列50の空間51は、全ての通常サイズの車両(片持ち梁を有する従来技術のコンテナハンドリング車両301など)を収容するために、少なくとも2つのアクセス開口(トラックの幅を含む)にわたって延在する。
【0086】
車両ゲート配列50は、空間51と第1の領域11とを分離するための第1のシャッタ52と、空間51と第2の領域12とを分離するための第2のシャッタ53とを備える。第1のシャッタ52は、第1の開口55を通じた通過を妨げる又は阻止(制限)することができ、第2のシャッタ53は、第2の開口56開口を通じた通過を妨げる又は阻止(制限)することができる(図5A図5Bには示されていない、例えば図5Fを参照されたい)。第1及び第2の開口55、56の高さ及び幅は、通過すると予想される最大車両201、301、401、501に依存する。ほとんどの場合、開口55、56の幅は、一方のアクセス開口(トラックの幅を含む)よりも幾分大きく、第1及び第2の開口55、56の高さは、それを通過すると予想される最大車両201、301、401、501よりも幾分高いことで十分であろう。
【0087】
前述したように、図5A及び図5Bでは、第1のシャッタ52が開放位置にあり、第2のシャッタ53が阻止位置にある。第1のシャッタ52及び第2のシャッタ53はいずれも、車両201、301、401、501の通過を許容する開放位置と、車両201、301、401、501の通過を制限する阻止位置との間で作動可能である。しかしながら、第1のシャッタ52及び第2のシャッタ53の少なくとも一方は、常に阻止位置にある。
【0088】
第1のシャッタ52及び第2のシャッタ53は、一方のシャッタ52、53が開口を横切って一方向に移動する際に他方のシャッタ53、52がその開口を横切って反対方向に移動するように、同期移動できるように互いに結合される。
【0089】
第1及び第2のシャッタ52、53は、矩形状であって、垂直方向に移動可能に構成されていてもよい。シャッタ52、53の垂直移動距離は、通過する車両201、301、401、501の高さに基づく。同様に、車両ゲート配列50の全高も、垂直移動距離が可能になるのに必要な空間に依存する。第1及び第2のシャッタ52、53の垂直移動により、図5A図5K及び図6における車両ゲート配列50の高さは、第1及び第2のシャッタ52、53の少なくとも2倍の高さである必要がある。
【0090】
図5A図5K及び図6の第1及び第2のシャッタ52、53は、ライン61及びプーリ62の形態の移動伝達配列60を介して互いに結合される。図5Aに示すように、矩形状の第1及び第2のシャッタ52、53のそれぞれの上側コーナーで2つのライン61が接続され、各ライン61は2つのプーリ62上にわたってガイドされる。更に、図5A図5K及び図6における車両ゲート配列50の空間51は、車両201、301、401、501が意図せずに空間51に出入りすることを防止するために、両側のパネル71によって閉じられる。
【0091】
図5Cは、車両ゲート配列50及び第2の領域12に向かう方向で貯蔵システム1の第1の領域11の側から見た側面斜視図であり、図5Cでは、第1のシャッタ52が開放位置にあり、第2のシャッタ53が阻止位置にあり、第1の領域11上で動作している車両301が車両ゲート配列50の空間51に入っている。
【0092】
図5Dは、図5Cの図とは反対側からの側面斜視図であり、すなわち、図5Dの図は、貯蔵システム1の第2の領域12の側面から、車両ゲート配列50及び第1の領域11に向かう方向で見ている。
【0093】
図5Eは、車両ゲート配列50及び第2の領域12に向かう方向で貯蔵システム1の第1の領域11の側から見た側面斜視図であり、図5Eでは、第1のシャッタ52が阻止位置にあり、第2のシャッタ53が開放位置に進入しようとしており、車両301は依然として車両ゲート配列50の空間51内に収容される。
【0094】
図5Fは、図5Eの図とは反対側からの側面斜視図であり、すなわち、図5Fの図は、貯蔵システム1の第2の領域12の側面から、車両ゲート配列50及び第1の領域11に向かう方向で見ている。第2のシャッタ53を開放位置(したがって、第1のシャッタ52を阻止位置)に移動させるために、人間のオペレータ(図示せず)が、ハンドル54を操作し、第2のシャッタ53を上方に持ち上げた。図5A及び図6における第1及び第2のシャッタが、ライン61及びプーリ62を備える移動伝達配列60によって、カウンターバランスされるという事実に基づき、第2のシャッタ53を上方に持ち上げるために必要な力が低減される。
【0095】
図5Gは、車両ゲート配列50及び第2の領域12に向かう方向で貯蔵システム1の第1の領域11の側から見た側面斜視図であり、図5Gでは、第1のシャッタ52が阻止位置にあり、第2のシャッタ53が開放位置にあり、車両301は依然として車両ゲート配列50の空間51に収容される。
【0096】
図5Hは、図5Gの図とは反対側からの側面斜視図であり、すなわち、図5Hの図は、貯蔵システム1の第2の領域12の側から、車両ゲート配列50及び第1の領域11に向かう方向で見ている。
【0097】
図5Iは、車両ゲート配列50及び第1の領域11に向かう方向で貯蔵システム1の第2の領域12の側から見た側面斜視図であり、第2のシャッタ53が阻止位置にあり、第1のシャッタ52が開放位置にあり、空間51に収容されていた車両301が第2の領域12内に移動している。
【0098】
車両ゲート配列50を介した第1の領域11から第2の領域12への車両301の移動は、第1のレールシステム108’、接続レールシステム108’’、及び第2のレールシステム108’’上の自走移動によるものである。
【0099】
図5Jは、貯蔵システム1の側面図であり、貯蔵システム1は、第1のレールシステム108’を有する第1の領域11と、接続レールシステム108’’’を有する車両ゲート配列50と、第2のレールシステム108’’を有する第2の領域12とを備え、図5Jでは、第1のシャッタ52が阻止位置にあり、第2のシャッタ53が開放位置にある。
【0100】
図5Kは、図5Jの貯蔵システムの上面図である。
【0101】
図6は、図5A図5Kにおける車両ゲート配列50の詳細図である。車両ゲート配列50は、
-車両201、301、401、501(図6には車両が示されていない、例えば図5C図5Hを参照されたい)を収容するための空間51と、
-空間51と第1の領域11(図6には第1の領域が示されていない、図5A図5Kを参照されたい)とを分離するための第1のシャッタ52と、
-空間51と第2の領域12(図6には第2の領域が示されていない、図5A図5Kを参照されたい)とを分離するための第2のシャッタ53と
を備える。
第1のシャッタ52及び第2のシャッタ53の両方は、それを通して車両201、301、401、501の通過を許容する開放位置と、それを通して車両201、301、401、501の通過を制限する阻止位置との間で作動可能である。
【0102】
第1のシャッタ52及び第2のシャッタ53は、シャッタアセンブリを提供するために、ライン61及びプーリ62の形態の移動伝達配列60を介して互いに結合される。このようにして、第1のシャッタ52及び第2のシャッタ53は、それぞれの開放位置と阻止位置との間の移動中に一定の分離を維持する。図6に示すように、矩形状の第1及び第2のシャッタ52、53のそれぞれの上側コーナーで2つのライン61が接続され、各ライン61は2つのプーリ62上にわたってガイドされる。更に、図6の車両ゲート配列50の空間51は、車両201、301、401、501が意図せずに空間51に出入りするのを防止するために両側のパネル71によって閉じられる。
【0103】
コーナー部材72は、車両ゲート配列50のコーナーに配列される。コーナー部材72は、パネル71を支持し、第1及び第2のシャッタ52、53を昇降させるための支持を行う。第1及び第2のシャッタ52、53の移動をガイドするために、コーナー部材72は、第1及び第2のシャッタ52、53の側部と相補的な形状の溝又は凹部73を備えて、その垂直ガイドを確保することができる。
【0104】
車両ゲート配列50は、下方にあるレールシステム108’、108’’、108’’’(図6に示されていないレールシステム)に固定締結するための1つ以上の締結ブラケット74を備えることができる。
【0105】
再び図5A図5K及び図6の実施形態を参照すると、貯蔵システム1の第1の領域11と第2の領域12との間でサービスを必要とする車両301を移動させる動作シーケンスは、
-制御システム500を動作させて、第1の領域11上で動作している車両201、301、401、501に、車両ゲート配列50の第1のシャッタ52へと駆動するように指示することと、
-車両201、301、401、501が車両ゲート配列50の空間51に入ることができるように、第1のシャッタ52が開放位置にあるようにすることと、
-第2のシャッタ53を阻止位置に固定するロック(図示せず)を開くように制御システム500に指示することと、
-第2のシャッタ53を阻止位置から開放位置に動作させることによって、結果的に第1のシャッタ52を開放位置から阻止位置に動作させることと、
-制御システム500を動作させて、車両201、301、401、501に、空間51から第2の領域12内への駆動するように指示することと、
-第2のシャッタ53を開放位置から阻止位置に動作させることによって、結果的に第1のシャッタ52を阻止位置から開放位置に動作させることと
を含むことができる。
【0106】
第2のシャッタ53を動作させるステップは、人間のオペレータが第2のシャッタ53のハンドル54を操作することによって手動で実行されてもよい。
【0107】
図7は、車両ゲート配列50が、ヒンジ付きパネル57によって形成されたシャッタアセンブリの両端部を形成する第1のシャッタ52及び第2のシャッタ53を備える第2の実施形態の詳細図である。シャッタアセンブリは、第1又は第2のシャッタ52;53のうちの一方の下端が第1又は第2のシャッタ53;52の他方の下端のように上方に移動できるように配列されてもよい。
【0108】
この実施形態では、第1及び第2のシャッタ52、53は、連続ローラシャッタのパネル57間に水平ヒンジ58を有する連続ローラシャッタ、例えばロールオーバーシャッタの2つの部分を形成する。このようにして、第1のシャッタ52及び第2のシャッタ53は、それぞれの開放位置と阻止位置との間の移動中に一定の分離を維持する。
【0109】
図6の実施形態と同様に、図7の車両ゲート配列は、車両ゲート配列50のコーナーに配列されたコーナー部材72を有することができる。コーナー部材72は、パネル71を支持し、第1及び第2のシャッタ52、53を昇降させるための支持を行う。第1及び第2のシャッタ52、53の移動をガイドするために、コーナー部材72は、第1及び第2のシャッタ52、53の側部と相補的な形状の溝又は凹部73(図7には示されておらず、例えば図6を参照されたい)を備えて、その垂直ガイドを確保することができる。シャッタはまた、人間のオペレータによる操作のためのハンドル54を有する。更に、車両ゲート配列50は、下方にあるレールシステム108’、108’’、108’’’(図7に示されていないレールシステム)に固定締結するための1つ以上の締結ブラケット74を有することができる。
【0110】
図8は、第1及び第2のシャッタ52、53が中央ピボット75(中央ピボット75は、図8のプーリ62と一致する)上にわたって延びる同じライン61から吊り下げられる第3の実施形態の詳細図である。この設定は、図5A図5K及び図6の実施形態と同様の第1及び第2のシャッタ52、53のカウンターバランス効果をもたらす。これは、第1及び第2のシャッタ52、53が、同様のサイズであり、中央ピボット75の両側に配列されるからである。2つのプーリ62のセットが、ライン61(したがって、第1及び第2のシャッタ52、53)を中央ピボット75に向かってガイドするために、中央ピボット75と一致するプーリ62よりも低い高さに配列される。図8の第1及び第2のシャッタ52、53はパネル57によって形成され、パネル57間には水平ヒンジ58があり、それにより、第1及び第2のシャッタ52、53を下側の2つのプーリ62上にわたってガイドすることができる可能性がもたらされる。このようにして、第1のシャッタ52及び第2のシャッタ53は、それぞれの開放位置と阻止位置との間の移動中に一定の分離を維持する。
【0111】
図5A図5K及び図6の実施形態と比較して、図8の実施形態は、第1及び第2のシャッタ52、53が中央ピボット75に向かって傾斜角度で持ち上げられることから、下側車両ゲート配列50の可能性をもたらす。
【0112】
図9は、第1及び第2のシャッタ52、53が無端ループ76に接続されて開放位置と阻止位置との間で横方向に移動する、第4の実施形態の上面図である。第1及び第2のシャッタ52、53は同じ無端ループ76に接続され、したがって、第2のシャッタ53のいかなる水平移動も第1のシャッタ52を移動させ、第1及び第2のシャッタ52、53は空間51の両側に配列されているため、第1のシャッタ52は第2のシャッタ53の反対方向に移動する。図9の無端ループ76は、空間51を取り囲み、空間51の全ての角部においてプーリ62によって空間51の周りでガイドされる。
【0113】
図9において、第1のシャッタ52は開放位置にあり、第2のシャッタ53は阻止位置にあり、車両301は第2の領域12に位置決めされている。
【0114】
図7図8、及び図9の実施形態では明示的に開示されていないが、第1の領域11、第2の領域12、及び第1のレールシステム108’、第2のレールシステム108’’及び接続レールシステム108’’’の特徴は、図5A図5K及び図6に関連して説明した特徴と同様である。
【0115】
前述の説明では、例示的な実施形態に関連して本発明に係る貯蔵システム、車両ゲート配列、及び方法の様々な態様について説明した。説明の目的で、システム及びその動作の完全な理解を提供するために、具体的な数、システム及び構成が記載された。しかしながら、この説明は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。例示的な実施形態の様々な変更及び変形、並びに開示された主題が関係する当業者にとって明らかなシステムの他の実施形態は、本発明の範囲内にあるとみなされる。
【0116】
参照番号のリスト
【表1-1】
【表1-2】
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】