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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】洗濯処理カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/04 20060101AFI20241128BHJP
   C11D 1/83 20060101ALI20241128BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20241128BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20241128BHJP
   D06F 39/02 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C11D17/04
C11D1/83
C11D3/37
C11D1/75
D06F39/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527418
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 US2022079868
(87)【国際公開番号】W WO2023107804
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】21213036.3
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ディローゼット、コーリー・エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】アマドール・ザマレノ、カルロス
【テーマコード(参考)】
3B166
4H003
【Fターム(参考)】
3B166AA05
3B166BA48
3B166BA59
3B166FA12
3B166FB01
3B166FB02
4H003AC15
4H003BA17
4H003EA18
4H003EB07
4H003EB13
4H003EB28
4H003EC01
4H003EC02
4H003FA07
4H003FA09
4H003FA12
(57)【要約】
第1の副容器及び第2の副容器を含む洗濯処理カートリッジ。第1の副容器は、第1の洗濯処理組成物を収容する。第2の副容器は、第1の洗濯処理組成物とは異なる第2の洗濯処理組成物を収容する。第1の副容器及び第2の副容器は、カートリッジに一体的に固定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯処理カートリッジ(1)であって、
第1の洗濯処理組成物(13)を収容する第1の副容器(10)であって、
20重量%~30重量%の第1のアニオン性界面活性剤系と、
13重量%~23重量%の第1の非イオン性界面活性剤系と、を含む、第1の副容器(10)と、
第2の洗濯処理組成物(23)を収容する第2の副容器(20)であって、
0.001重量%~0.3重量%の酵素と、
1重量%~3重量%の汚れ放出ポリマーと、を含む、第2の副容器(20)と、を備え、
前記第1の副容器及び前記第2の副容器が、カートリッジ内に配置されている、洗濯処理カートリッジ(1)。
【請求項2】
前記第1の副容器が、第1の副容器出口(14)を備え、前記第2の副容器が、第2の副容器出口(24)を備え、前記第1の副容器出口及び前記第2の副容器出口が同じ方向に配向され、互いに離間している、請求項1に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項3】
前記第1の副容器出口及び前記第2の副容器出口がそれぞれ、出口弁(51)を備える、請求項1又は2に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項4】
前記第1の副容器及び前記第2の副容器がそれぞれ折り畳み式袋(50)である、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項5】
前記第1の洗濯処理組成物が、1重量%~3重量%の第1のアミンオキシド系を更に含み、前記第2の洗濯処理組成物が、1重量%~3重量%の第2のアミンオキシド系を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項6】
前記第1の洗濯処理組成物及び前記第2の洗濯処理組成物のうちの少なくとも1つが、1重量%~3重量%のキレート剤、1重量%~3重量%の有機酸、1重量%~2重量%のホウ素化合物、0.0025~0.0075重量%のアミラーゼ、0.02重量%~0.05重量%のプロテアーゼ、0.2重量%~0.3重量%の増白剤、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項7】
前記第2の洗濯処理組成物が、1重量%~3重量%のキレート剤、1重量%~3重量%の有機酸、1.5重量%~3重量%のホウ素化合物、0.1重量%~0.5重量%のアルコキシル化ポリアミン、0.2重量%~0.3重量%の増白剤、色相染料、及びこれらの組み合わせから選択される構成成分を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項8】
前記酵素が、0.01重量%~0.025重量%のアミラーゼ、0.1重量%~0.3重量%のプロテアーゼ、0.0005重量%~0.01重量%のマンナナーゼ及び0.0005~0.01のペクチナーゼ、並びにこれらの組み合わせを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗濯処理組成物。
【請求項9】
前記第1の洗濯処理組成物が、前記第2の洗濯処理組成物よりも低い重量分率の酵素を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項10】
前記洗濯処理カートリッジが更に、
第3の洗濯処理組成物(33)を収容する第3の副容器(30)であって、8重量%~約20重量%のフタルイミドペルオキシカプロン酸と、
0重量%~0.05重量%の塩酸又は等価物と、を含む、第3の副容器(30)を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項11】
前記第3の副容器が、第3の副容器出口(34)を備え、前記第1の副容器出口、前記第2の副容器出口、及び前記第3の副容器出口が、同じ方向に配向され、互いに離間している、請求項10に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項12】
前記第3の副容器が出口弁(51)を備える、請求項10又は11に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項13】
前記第3の容器が、折り畳み式袋(50)である、請求項10~12のいずれか一項に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項14】
前記第1の副容器が、第1の容積の前記第1の洗濯処理組成物を収容し、前記第2の副容器が、第2の容積の前記第2の洗濯処理組成物を収容し、前記第3の副容器が、第3の容積の前記第3の洗濯処理組成物を収容し、前記第3の容積が、前記第1の容積及び前記第2の容積未満である、請求項10~13のいずれか一項に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項15】
前記第3の容積が、前記第1の容積及び前記第2の容積の60%未満である、請求項14に記載の洗濯処理カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数の副容器を含む洗濯処理カートリッジであって、各副容器が他とは異なる洗濯処理組成物を収容する洗濯処理カートリッジ。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの家庭では自分で洗濯物を洗濯する。家庭は、典型的には、複数のタイプの衣類及び家庭用布地を洗濯しなければならない。例えば、家庭には、異なる年齢、職業、娯楽的関心、及び異なるタイプの衣服の好みを有する家族を含むことができる。家庭内で使用される家庭用布地は、異なる洗浄の必要性を有し得る。例えば、ベッドシーツ、毛布、食卓マット、皿洗い用クロス、風呂用クロス、バスタオル、ポット及びパンホルダー、ハンドタオル、皿洗い用タオル、フロアマットなどは、異なるタイプ及び色の布材料から製造され得る。衣類及び家庭用織物は更に、例えば、人体からの排出物、土の材料、食品、潤滑剤、草の染みなどに及ぶ様々な材料で汚れ得る。
【0003】
衣類及び家庭用布地に生じる多種多様な汚れは、処理ニーズのそれぞれ又は特定の組み合わせに対処するための多種多様な洗濯処理組成物に対する需要を生み出してきた。例えば、白色衣類及び織物、スポーツ衣類、合成衣類及び織物、着色衣類及び織物、染みの付いた衣類及び織物のために設計された洗濯処理組成物、並びに1つ以上の特定の家庭のニーズに対処するように設計された他の洗濯処理組成物がある。
【0004】
家庭は、典型的には、多種多様な洗濯処理組成物を貯蔵するための豊富な貯蔵空間を有しておらず、洗濯処理組成物のそれぞれは、一部の洗濯物にのみ使用され、他の洗濯物には使用されない場合がある。更に、多くの消費者は、行われるべき作業のために適切な洗濯処理組成物又は洗濯処理組成物の組み合わせを選択するのに多くの努力を払うことを望まない。
【0005】
洗濯機はますます高性能になっている。製造業者は、洗濯処理組成物がタブ内に自動的に分配されるように、ユーザが洗濯処理組成物の個々の容器を洗濯機と係合させる洗濯機を開発してきた。1つの構成では、洗濯洗浄組成物の1つの容器及び洗濯布地柔軟化組成物の1つの容器は、個々に独立して洗濯機と係合される。洗濯機のユーザは、洗濯機の制御システムに、例えば、投入量、物品の色、加えられる機械的エネルギーの量、及び布地柔軟剤が望ましいかどうかの入力を提供することができる。次いで、洗濯機は、特定量の洗濯洗浄組成物をタブに分配する。ユーザによる入力に関係なく、同じ洗濯洗浄組成物が各洗濯物に使用される。その洗濯洗浄組成物は、特定の洗濯物に対する消費者の特定のニーズのために特に設計されていない。これは、洗濯機から最良の性能を達成するユーザの能力を制限し、ユーザが洗濯洗浄組成物に失望する結果となる可能性がある。このようなシステムのユーザによる採用に対する別の障害は、洗浄組成物及び布地柔軟化組成物が異なる速度で消費され得るので、ユーザが、異なる時間に交換容器のために使用済み容器を交換すべき場合が生じることである。ユーザは、1つの容器を取り外して交換するために洗濯機の内部に絶えずアクセスしなければならず、次いで、1回以上の更なる投入後に、他の容器を取り外し交換する必要があることが分かり不満を抱くことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの制限を考慮すると、1回分の洗濯物に使用するためのカスタマイズされた洗濯処理組成物を柔軟に配合するための入力を提供できる洗濯処理組成物システムについて未対処のニーズが引き続き存在する。更に、所望の洗濯処理組成物が利用できるように、ユーザが独立して取り外し可能な容器を交換する頻度を減少させるように構成された洗濯処理組成物システムについて未対処のニーズが引き続き存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
洗濯処理カートリッジであって、約20重量%~約30重量%の第1のアニオン性界面活性剤系と、約13重量%~約23重量%の第1の非イオン性界面活性剤系と、を含む、第1の洗濯処理組成物を収容する第1の副容器と、約0.001重量%~約0.3重量%の酵素と、約1重量%~約3重量%の汚れ放出ポリマーと、含む、第2の洗濯処理組成物を収容する第2の副容器と、を含み、当該第1の副容器及び当該第2の副容器は、カートリッジ内に配置されている、洗濯処理カートリッジ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】洗濯処理カートリッジを示す。
図2】カートリッジ後部を見る人の方に向けた洗濯処理カートリッジの部分である。
図3】第2の副容器シェル、第2の副容器、及び第2の副容器出口の断面図である。
図4】洗濯処理装置の一部である液体供給システムである。
図5】受け口が示された切断図であり、ポンプの構成の非限定的な例である。
図6】洗濯処理装置である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
洗濯処理カートリッジ1が図1に示されている。洗濯処理カートリッジ10は、3つの副容器を含むことができ、その各々は、他とは異なる洗濯処理組成物を含む。各副容器内の洗濯処理組成物は、各洗濯処理組成物が特定のタイプの物品又は洗浄条件に特に適し得るように独自に配合することができる。更に、洗濯処理組成物は、特定のタイプの物品又は洗浄条件に最も望ましい特定の洗濯組成物が利用できないか、又は限られた量しか利用できない場合であっても、1つ以上の他の洗濯処理組成物又はこれらの組み合わせが許容可能なレベルの洗濯処理を提供できるように配合し得る。各副容器は更に、固有の容積の洗濯処理組成物を収容する容量を有することができる。各副容器の容積は、異なる洗濯処理組成物のそれぞれについて予想されるユーザによる需要に基づいて特定することができる。単一のカートリッジ内に異なる容積で提供される異なる洗濯処理組成物のこの組み合わせは、ユーザが複数の洗濯処理組成物を自動衣類洗濯機に提供するために便利で、柔軟性のある、効率的な方法を提供できる。
【0010】
洗濯処理カートリッジ1は、第1の副容器10と、第2の副容器20と、任意の第3の副容器30とを備えることができる。第1の副容器10、第2の副容器20、及び任意の第3の副容器30は、洗濯処理カートリッジ1内に又は洗濯処理カートリッジ1に一体的に固定することができる。すなわち、第1の副容器10、第2の副容器20、及び任意の第3の副容器30は、カートリッジ1が移動されるとき、第1の副容器10、第2の副容器20、及び任意の第3の副容器30のそれぞれが互いに連動して移動するように、互いに及び洗濯処理カートリッジ1と係合される。第1の副容器10、第2の副容器20、及び任意の第3の副容器30を一体的に固定することにより、工具の助けなしに副容器を洗濯処理カートリッジ1から取り外せなくなる。洗濯処理カートリッジ内又は洗濯処理カートリッジに一体的に固定された副容器は、工具を使用せずに独立して交換することはできない。すなわち、ユーザが副容器のうちの1つを洗濯処理装置から取り外すと、洗濯処理カートリッジ1を有する全ての副容器が洗濯処理装置から取り外される。洗濯処理カートリッジ1のカートリッジ前部40は、グリップ35を備えることができ、グリップ35によって、ユーザは、洗濯処理カートリッジ1を洗濯処理装置に挿入し、洗濯処理装置から取り外すために押したり引いたりすることができる。
【0011】
カートリッジ後部42が観察者に向けられた洗濯処理カートリッジ1の部分図が図2に示されている。第1の副容器シェル11、第2の副容器シェル21、及び任意の第3の副容器シェル31が見えるように、カートリッジ上部44の一部が除去されている。第1の副容器シェル11、第2の副容器シェル21、及び任意の第3の副容器シェル31の一部も除去される。第1の副容器10は、第1の洗濯処理組成物13を収容することができる。第2の副容器20は、第2の洗濯処理組成物23を収容することができる。任意の第3の副容器30は、第3の洗濯処理組成物33を収容することができる。
【0012】
各副容器は、折り畳み式袋50であってもよい。各副容器シェルは、別個の折り畳み式袋50を保持することができる。副容器シェルと、それに関連付けられた折り畳み式袋50と一緒になって、バッグインボックス容器又はバッグインボトル容器と同様に機能することができるシステムを形成する。副容器シェルは、折り畳み式袋50が充填されてから可撓性袋50の内容物が分配されるまで、副容器シェルに関連付けられた折り畳み式袋50を支持する。シェルは、それぞれの折り畳み式袋50を支持する完全なエンクロージャ、部分的なエンクロージャ、又は開放フレームであり得る。シェルは、プラスチック、板紙、段ボール、金属、又は他の剛性材料から作製されてもよい。
【0013】
第1の副容器10は、第1の副容器出口14を有することができる。第2の副容器20は、第2の副容器出口24を有することができる。任意の第3の副容器30は、任意選択の第3の副容器出口34を有することができる。これらの出口の各々は、それぞれの副容器の内部容積と流体連通しており、それぞれの副容器の一部である。これらの出口は、洗濯処理組成物が洗濯処理装置の下流組成物に輸送される経路である。第1の副容器出口14は、第1の副容器シェル11と係合することができる。同様に、第2の副容器出口24は、第2の副容器シェル21と係合することができる。任意の第3の副容器出口34は、任意選択の第3の副容器シェル31と係合することができる。シェル内に折り畳み式袋50を取り付けることは、副容器出口の適切な相対位置を維持するのを助けることができ、副容器出口は、洗濯処理装置と便利かつ確実に係合することができる。それぞれが副容器を保持する副容器シェルを収容する洗濯処理カートリッジ1は、洗濯処理装置のための補充システムの一部を共に形成する。
【0014】
第1の副容器出口14、第2の副容器出口24、及び任意の第3の副容器出口34は、同じ方向に配向され、互いに離間され得る。このような構成は、ユーザが1回の動作で全ての副容器を同時に洗濯処理装置に係合させるのに便利であり得る。更に、間隔を置いて配置された副容器出口は、副容器のそれぞれから独立して排出することができる。これは、各副容器が洗濯処理カートリッジ1の単一の主出口と流体連通している構成よりも有利であり得る。複数の副容器からの流れを組み合わせること、又は複数の副容器からの流れを同じ主出口に通過させることは、副容器内に収容された洗濯処理組成物間の混合、相互汚染、分解、及び適合性に関する問題をもたらし得る。各副容器からの独立して制御された排出は、洗濯処理装置の一部である洗浄チャンバに送ることができる。洗浄チャンバは、相互汚染、劣化、適合性の問題が洗濯処理組成物、及び洗濯処理組成物間に生じることを制限するように、十分に自己洗浄することができる。更に、各副容器からの放出を個別に制御することができるので、1つの副容器のみから、又は複数の副容器から同時に放出を行うことができ、放出が行われる時間を制御することができる。
【0015】
折り畳み式袋50は、多層フィルム、金属化ポリエステル、EVOH、又はポリエチレン製の袋(LLPDE、MLDPE、HDPE)、ナイロンLLDPEラミネート又は共押出、ホイルラミネート、又は液体を引き出すことができる他の適切な材料であってもよい。洗濯処理組成物が各折り畳み式袋50から分配されると、折り畳み式袋50は折り畳まれる。折り畳み式袋50は、液体が剛性容器から分配されるときに容器が通気されなければならないという点で剛性容器の弱点を克服する。剛性容器に通気を提供することは、剛性容器の本体内の通気孔を介して、又は容器の出口と関連付けられた通気孔を介して行われることができる。剛性容器内の通気孔は、受動的であってもよく、すなわち、ユーザは、通気孔を作動可能にする又は作動させるために何も行う必要がなく、能動的であってもよく、ユーザがそのような通気孔を作動させることを要求してもよい。通気に関連する追加の構成要素は、容器にかなりのコストを追加する可能性があり、ユーザが通気孔を作動させなければならない可能性は、そのような分配システムを最適でないものにする。
【0016】
洗濯処理カートリッジ1は、プリント回路基板(PCB)コネクタ60を含むことができる。PCBコネクタ60は、洗濯処理カートリッジ1上に存在するプリント回路基板上にある不揮発性メモリ(フラッシュ又はNVMとも呼ばれる)を、投入システムを制御する洗濯処理装置の一部である洗濯処理装置コントローラPCBに接続することができる。洗濯処理カートリッジ1上の不揮発性メモリは、使用された用量の数、残っている用量の数、分配された組成物の量、及び洗濯処理カートリッジ1又は洗濯処理カートリッジ1の副容器の1つ以上に残っている組成物の量を示す情報を記憶することができる。洗濯処理カートリッジ1上の不揮発性メモリは、洗濯処理カートリッジ1を独自に識別する情報を記憶することができ、洗濯処理装置によって取り出すことができる。
【0017】
洗濯処理装置コントローラは、洗濯処理カートリッジから消費された、又は洗濯処理カートリッジ内に残っている用量の数に関する情報を、洗濯処理カートリッジ1上にあるプリント回路基板から読み取ることができる。洗濯処理装置コントローラは、洗濯処理カートリッジ1の販売者に、洗濯処理装置若しくは洗濯処理カートリッジ1の使用に関する情報を報告するため、又は交換用洗濯処理カートリッジ1の注文を出すための情報をユーザに報告するため、命令を含むことができる。任意選択的には、洗濯処理装置コントローラは、洗濯処理装置に関連付けられた印(例えば、光)、デジタルディスプレイ上のメッセージ、又は音声信号、又はユーザに関連付けられたモバイルデバイスへのメッセージを介して、交換用洗濯処理カートリッジが自動的に注文されているか又はユーザによって注文されるべきであることをユーザに通知してもよい。例えば、使用回数、又は洗濯処理カートリッジ1内に残っている使用回数を報告することができる。ただ1つの識別子が、洗濯処理カートリッジ1上に存在するプリント回路基板に提供されてもよく、洗濯処理装置コントローラは、特定の洗濯処理カートリッジ1の取り付け及び取り外しに関する情報を報告してもよい。洗濯処理装置コントローラは、洗濯処理装置の作動アルゴリズムの変更に対応するように再プログラム可能であってもよい。特に、洗濯処理アルゴリズムは、洗濯処理カートリッジ1内の洗濯処理組成物の配合の変更に対応するように再プログラムされてもよい。起こり得る洗濯処理組成物の変化としては、洗濯処理組成物の構成材料の濃度若しくは活性の変化、又は洗濯処理組成物の構成材料の添加、置換若しくは除去が挙げられる。任意選択的には、洗濯処理アルゴリズムは、洗濯処理カートリッジ1上に存在するプリント回路基板上に記憶されてもよく、洗濯処理装置コントローラは、そこから命令を受信し、洗濯処理装置を作動させる命令を実装してもよい。洗濯処理アルゴリズムは、洗濯処理プロセスの特定のステップで洗濯処理カートリッジ1から特定の洗濯処理組成物のどれを、どれだけ使用するかについて選択するための命令を含むことができる。
【0018】
PCBコネクタ60は、シェルの1つ又は洗濯処理カートリッジ1の何らかの他の部分に取り付けることができる。洗濯処理カートリッジ1は、洗濯処理カートリッジ1から洗濯処理装置へ情報を伝達すること、又は洗濯処理装置から洗濯処理カートリッジへ情報を受信することなどの様々な目的を果たす複数のPCBコネクタ60を有することができる。PCBコネクタ60は、不揮発性メモリ又はフラッシュメモリを有するコンピュータチップに接続することができる。例えば、伝達される情報は、認証情報、利用可能な洗濯処理組成物の容積に関する情報、洗濯処理組成物の有効期限に関する情報、洗濯処理カートリッジの保管チェーンに関する情報などを含んでもよい。洗濯処理カートリッジ1は、洗濯処理装置から、洗濯処理組成物の需要履歴又は洗濯処理装置からの性能データなどの情報を受信してもよく、その情報は、洗濯処理カートリッジ1を再充填し、保守点検する事業体に返送することができる。
【0019】
折り畳み式袋50の各々は、それぞれの出口を有し、各出口は出口弁を備える。それぞれの出口弁は、それぞれの折り畳み式袋50の内部と流体連通している。出口弁は、出口が相補的な受け口と係合されない限り閉位置にあり、閉位置のままである迅速接続解放型弁であってもよい。それぞれの出口が受け口と係合すると、出口弁が開かれ、出口と受け口との間に漏れ止め接続が形成される。それぞれの出口が受け口から外されると、出口弁は閉じられる。
【0020】
第2の副容器シェル21、第2の副容器20、及び第2の副容器出口24の断面が図3に示されている。図3に示すように、第2の副容器20は、第2の副容器シェル21内に収容することができる。第2の副容器出口弁51は、図3では閉位置にある。第2の副容器シェル21は、第2の副容器出口24の周り又は部分的に周りに面取りされた表面25を有することができる。面取りされた表面25は、ユーザが第2の副容器出口24と、第2の副容器出口24を受けるための洗濯処理装置の受け口との係合の誘導を助けることができる。
【0021】
副容器シェルのうちの1つ以上は、磁石62を備えることができる。磁石62は、洗濯処理装置の一部である磁石に引き付けられ得る。ユーザが洗濯処理カートリッジ1を洗濯処理装置に挿入すると、洗濯処理カートリッジ1が洗濯処理装置に正しく取り付けられていることを示す触感がユーザによって知覚される。磁石62は更に、洗濯処理カートリッジ1が洗濯処理装置に挿入されると、洗濯処理カートリッジ1の動きを固定するのを助けることができる。
【0022】
第1の副容器10は第1の容積を有することができ、第2の副容器20は第2の容積を有することができ、任意の第3の副容器30は第3の容積を有することができる。各副容器の容積は、それぞれの副容器に収容される洗濯処理組成物に基づいて固定することができる。各副容器の容積は、他の副容器と同じであってもよい。任意選択的には、副容器のうちの1つ、2つ、3つ、又はそれ以上は、他の副容器の一部又は全部とは異なる容積を有することができる。
【0023】
洗濯処理カートリッジ1は、洗濯処理装置(図4)の一部を形成する液体送達システム2に取り付けることができる。液体送達システム2は、洗濯処理装置に液体を供給する1つ以上のカートリッジを受容するための複数の容器70を備えることができる。容器70は、容器内に嵌合するサイズ及び寸法にされたカートリッジを収容するサイズ及び寸法である多くの空間である。
【0024】
図4に示される液体送達システム2は、3つの容器70を有する。図4の左側の容器70は、洗濯処理カートリッジ1を受け入れる。他の2つの容器70は、洗濯処理プロセスにおいて有用であり得る他の組成物を含有する他の洗濯処理カートリッジを受容することができる。本明細書に記載されるように、洗濯処理カートリッジ1は、洗濯処理装置の洗浄サイクルの一部として有用な組成物を収容する。他の洗濯処理組成物は、すすぎサイクルの一部として有用な組成物、例えば、すすぎ添加布地柔軟剤、すすぎ添加香料組成物、すすぎ添加静電気制御組成物などを含有してもよい。
【0025】
洗濯処理カートリッジ1は、ユーザが洗濯処理装置に取り付ける引き出しであってもよい。第1の副容器10、第2の副容器20、及び任意選択的な第3の副容器30は、洗濯処理カートリッジ1内にあってもよく、又は洗濯処理カートリッジ1と一体であってもよい。ユーザは、小売店若しくはオンライン施設から、又は必要に応じて交換用洗濯処理カートリッジ1をユーザに供給する事業体から、例えばサブスクリプションサービスによって、洗濯処理カートリッジ1を入手することができる。ユーザが洗濯処理カートリッジ1を所有するとき、ユーザは、洗濯処理カートリッジ1を、洗濯処理カートリッジ1を受け入れるようなサイズ及び寸法にされた容器70に簡単に取り付けることができる。
【0026】
ユーザが洗濯処理カートリッジ1を設置するとき、第1の副容器出口14、第2の副容器出口24、及び任意の第3の副容器出口34に関連付けられた出口弁51は、液体送達システム2の個々の受け口と係合することができる。次に、ユーザは任意のドアを閉じることができる。第1の副容器出口14、第2の副容器出口24、及び任意の第3の副容器出口のそれぞれは、それに関連付けられた個々の出口弁51を有することができる。
【0027】
洗濯処理カートリッジ1が設置されると、第1の副容器10、第2の副容器20、及び任意の第3の副容器30は、洗濯処理装置と流体連通する。液体送達システム2は、複数のポンプ80を備えることができ、ポンプ80の各々は、受け口と流体連通しており、ソケットは、特定の副容器の出口弁51と流体連通している。ポンプ80の各々は、副容器から洗濯処理組成物を抽出することができる。ポンプ80の各々は、抽出された洗濯処理組成物をマニホールド85内に圧送することができる。水は、マニホールド85を通って送られ、洗濯処理組成物と混合し、洗濯処理装置のタブに移送することができる。
【0028】
ポンプ80は、蠕動ポンプ、ピストンポンプ、ギアポンプ、及びそれらの組み合わせから選択することができる。ポンプ80は、容積流量ポンプにすることができる。ポンプ80は、蠕動ポンプ、ピストンポンプ、ギアポンプ、他の容積流量ポンプ、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
【0029】
洗濯処理装置は、洗濯処理装置の作動を制御する電子的又は機械的コントローラを有することができる。コントローラは、ポンプ80のうちの1つ以上を選択的に開始及び停止して、所望の洗濯処理組成物をマニホールド85に輸送してもよい。
【0030】
図5は、受け口52が示されている切断図であり、ポンプの構成の非限定的な例である。
【0031】
液体供給システム2は、洗濯処理装置3(図6)の一部であってもよい。洗濯処理装置3。洗濯処理装置3は、回転可能な多孔性ドラム5が収容される液体収容槽4を備えることができる。洗濯処理装置3は、ドラム5の内部へのアクセスを提供するドアを備えることができる。洗濯処理装置3は、トップローディング式又はフロントローディング式の衣類洗濯機であってもよい。
【0032】
第1の副容器10は、第1の容積を有することができる。第2の副容器20は、第2の容積を有することができる。任意の第3の副容器30は、第3の容積を有することができる。第3の容積は第1の容積よりも小さくてもよく、第3の容積は第2の容積よりも小さくてもよい。本明細書に記載されるように、任意の第3の副容器30は、第3の洗濯処理組成物33を収容することができる。第3の洗濯処理組成物33は、以下で更に説明するように、漂白組成物を含むことができる。漂白組成物は、少量の漂白組成物が大きな漂白能力を提供できるように配合することができる。すなわち、漂白剤組成物は、強力な漂白剤組成物であり得る。したがって、洗濯処理カートリッジ1が、第1の副容器10及び第2の副容器20のそれぞれよりも小さい容積を有する任意の第3の副容器10を備えることが実用的であり得る。第3の容積は、個別に、第1の容積及び第2の容積の約60%未満であり得る。このような配置は、洗濯処理カートリッジ1のサイズを最小化するのに役立つことができ、洗濯処理カートリッジ1の輸送をより経済的にすることができ、洗濯処理装置3の必要なサイズを低減するのに役立つことができる。第1の容積は、約300mL~約900mLであり得る。第2の容積は、約300mL~約900mLであり得る。第3の容積は、約100mL~約400mLであり得る。
【0033】
バランスのとれた洗浄アプローチ
洗濯処理カートリッジ1は、第1の副容器10、第2の副容器20、及び任意の第3の副容器30を含むことができる。第1の副容器10は、第1の洗濯処理組成物13を収容することができる。第1の洗濯処理組成物13は、約15重量%~約25重量%の第1のアニオン性界面活性剤系、及び約0重量%~約15重量%の第1の非イオン性界面活性剤系を含むことができる。任意選択的には、第1の洗濯処理組成物13は、約15重量%~約25重量%の第1のアニオン性界面活性剤系、及び約5重量%~約15重量%の第1の非イオン性界面活性剤系を含むことができる。第1のアニオン性界面活性剤系及び第1の非イオン性界面活性剤系は、第1の非イオン性界面活性剤系に対して約1.5~約4の第1のアニオン性界面活性剤系の重量比で提供され得る。
【0034】
第2の副容器20は、第2の洗濯処理組成物23を収容することができる。第2の洗濯処理組成物23は、約0重量%~約5重量%の第2のアニオン性界面活性剤系、及び約10重量%~約20重量%の第2の非イオン性界面活性剤系を含むことができる。第2の非イオン性界面活性剤系及び第2のアニオン性界面活性剤系は、第2のアニオン性界面活性剤系に対して約5を超える第2の非イオン性界面活性剤系の重量比で提供することができる。この第2の洗濯処理組成物23中に提供される非イオン性界面活性剤は、身体の汚れを洗浄するのに有益であり得る。任意の第3の副容器30は、第3の洗濯処理組成物33を収容することができる。第3の洗濯処理組成物33は、約8重量%~約20重量%のフタルイミドペルオキシカプロン酸、約0重量%~約0.05重量%の塩酸、又は等価物を含むことができる。第3の洗濯処理組成物33は、約0.025重量%の塩酸又は等価物を含むことができる。第3の洗濯処理組成物33は、約2~約7、任意選択的には約3~約5、任意選択的には約4のpHを有することができる。第3の洗濯処理組成物33は、約2~約7のpHを提供するために、塩酸又は同等物を含むことができる。
【0035】
第1の洗濯処理組成物13は、第2の洗濯処理組成物23よりも比例的に高い範囲の非イオン性界面活性剤の重量分率を有することができる。したがって、上記の第1の洗濯処理組成物13は、第2の洗濯処理組成物23よりも、食品の脂染みを有する布地を有する洗濯物により好適であり得る。第2の洗濯処理組成物23は、第1の洗濯処理組成物13よりも比例的に高い範囲のアニオン性界面活性剤の重量分率を有する。したがって、上記の第2の洗濯処理組成物23は、第1の洗濯処理組成物13よりも、寝具及びタオルなどの身体の汚れを有する洗濯物により好適であり得る。第3の洗濯処理組成物33は、白い物を含む洗濯物に利益を提供することができる。
【0036】
任意選択的には、第1の洗濯処理組成物13は、0.5重量%~約2重量%の第1のアミンオキシド系を含むことができ、第2の洗濯処理組成物23は、約1重量%~約3重量%の第2のアミンオキシド系を含むことができる。アミンオキシド系は、脂染みを除去するのに有益であり得る。
【0037】
任意選択的には、第2の非イオン性界面活性剤系及び第2のアミンオキシド系は、第2のアミンオキシド系に対して約3.33~約20の第2の非イオン性界面活性剤系の比で提供することができる。
【0038】
任意選択的には、第1の洗濯処理組成物13及び第2の洗濯処理組成物13の少なくとも1つは、約0.5重量%~約1.5重量%の汚れ放出ポリマー、約0.1重量%~約0.5重量%のアルコキシル化ポリアミン、約1重量%~約2重量%のキレート剤、約1重量%~約2重量%の有機酸、約0.5重量%~約1.5重量%のホウ素化合物、約0.0025重量%~約0.015重量%のアミラーゼ、約0.0005重量%~約0.01重量%のマンナナーゼ、約0.0005重量%~約0.01重量%のペクチナーゼ、及びこれらの混合物の少なくとも1つを更に含むことができる。
【0039】
第1の副容器10は、第1の容積の第1の洗濯処理組成物13を収容することができ、第2の副容器20は、第2の容積の第2の洗濯処理組成物23を収容することができ、任意の第3の副容器30は、第3の容積の第3の洗濯処理組成物を収容することができる。第3の容積は、第1の容積及び第2の容積よりも小さくてもよい。任意選択的には、第3の容積は、第1の容積及び第2の容積の約60%未満であり得る。第1の容積は、任意選択的には、約300mL~約900mLであり得る。第2の容積は、任意選択的には、約300mL~約900mLであり得る。第3の容積は、任意選択的には、約100mL~約400mLであり得る。概して、第3の洗濯処理組成物33は、第1の洗濯処理組成物13及び第2の洗濯処理組成物23よりも少ない頻度で使用され得ると考えられる。更に、第3の処理組成物33の容積の前述の範囲は、第3の洗濯処理組成物33の1ヶ月分の供給をユーザに提供するのに十分であり得る。
【0040】
作動中、洗濯処理装置は、洗濯処理カートリッジ1から、第1の洗濯処理組成物13、第2の洗濯処理組成物23、第3の洗濯処理組成物33、及びこれらの組み合わせを選択的に分配して、1回分の洗濯物を処理することができる。このようなアプローチは、洗濯処理装置が、洗濯物を処理するために洗濯処理組成物の1つのみを使用することを可能にし得る。更に、互いに対して潜在的に無限数のレベルでの洗濯処理組成物の2つ以上の組み合わせを洗濯処理装置に送達して洗濯物を処理することができ、その組み合わせ及び相対レベルは、処理される洗濯物の量及び洗濯処理装置の作動パラメータに合わせて特に選択される。
【0041】
バランスのとれた洗浄及び染み除去
洗濯処理カートリッジ1は、第1の副容器10、第2の副容器20、及び任意の第3の副容器30を含むことができる。第1の副容器10は、第1の洗濯処理組成物13を収容することができる。第1の洗濯処理組成物13は、約20重量%~約30重量%の第1のアニオン性界面活性剤系、及び約13重量%~約23重量%の第1の非イオン性界面活性剤系を含むことができる。
【0042】
第2の副容器20は、第2の洗濯処理組成物23を収容することができる。第2の洗濯処理組成物23は、約0.001重量%~約0.3重量%の酵素及び約1重量%~約3重量%の汚れ放出ポリマーを含むことができる。
【0043】
任意の第3の副容器30は、第3の洗濯処理組成物33を収容することができる。第3の洗濯処理組成物33は、約8重量%~約20重量%のフタルイミドペルオキシカプロン酸、約0重量%~約0.05重量%の塩酸、又は等価物を含むことができる。第3の洗濯処理組成物33は、約0.025重量%の塩酸又は等価物を含むことができる。第3の洗濯処理組成物33は、約2~約7、任意選択的には約3~約5、任意選択的には約4のpHを有することができる。第3の洗濯処理組成物33は、約2~約7のpHを提供するために、塩酸又は同等物を含むことができる。
【0044】
第2の洗濯処理組成物23は、第1の洗濯処理組成物13よりも比例的に高い範囲の酵素及び汚れ放出ポリマーの重量分率を有することができる。したがって、上記の第2の洗濯処理組成物23は、第1の洗濯処理組成物13よりも、少量の機械的撹拌が適用されるか、又は白色度が所望の利益である洗濯物の負荷により好適であり得る。第3の洗濯処理組成物33は、白い物を含む洗濯物に利益を提供することができる。上述した第1の洗濯処理組成物の第1のアニオン性界面活性剤系及び第1の非イオン性界面活性剤系は更に、広範囲の油染み及び身体汚れ染みの良好な洗浄効率を提供することができる。上記の第3の洗濯処理組成物33は、悪臭の低減、白色度、及び着色汚れの漂白を提供することができる。任意選択的には、第1の洗濯処理組成物13は、1重量%~約3重量%の第1アミンオキシド系を含むことができ、第2の洗濯処理組成物23は、約1重量%~約3重量%の第2アミンオキシド系を含むことができる。アミンオキシド系は、脂染みを除去するのに有益であり得る。
【0045】
任意選択的には、当該第1の洗濯処理組成物及び当該第2の洗濯処理組成物の少なくとも1つは、約0.5重量%~約1.5重量%の汚れ放出ポリマー、約0.1重量%~約0.5重量%のアルコキシル化ポリアミン、約1重量%~約2重量%のキレート剤、約1重量%~約2重量%の有機酸、約0.5重量%~約1.5重量%のホウ素化合物、約0.0025重量%~約0.015重量%のアミラーゼ、約0.0005重量%~約0.01重量%のマンナナーゼ、約0.0005重量%~約0.01重量%のペクチナーゼ、及びこれらの混合物の少なくとも1つを更に含むことができる。
【0046】
任意選択的には、第1の洗濯処理組成物13及び第2の洗濯処理組成物23の少なくとも1つ又は両方は、約1重量%~約3重量%のキレート剤、約1重量%~約3重量%の有機酸、約1~約2重量%のホウ素化合物、約0.0025重量%~約0.0075重量%のアミラーゼ、約0.02重量%~約0.05重量%のプロテアーゼ、約0.2重量%~約0.3重量%の増白剤、及びこれらの混合物の少なくとも1つを更に含むことができる。キレート剤は、金属イオンの悪影響を低減するのに役立ち得る。有機酸は、水の硬度の悪影響を低減することができる。ホウ素化合物は、酵素の安定性を向上させることができる。増白剤は白色度を高めることができる。
【0047】
任意選択的には、第1の洗濯処理組成物13及び第2の洗濯処理組成物23の一方又は両方は、約1重量%~約3重量%のキレート剤、約1重量%~約3重量%の有機酸、約1.5重量%~約3重量%のホウ素化合物、約0.1重量%~約0.5重量%のアルコキシル化ポリアミン、約0.2重量%~約0.3重量%の増白剤、色相染料、及びこれらの組み合わせを更に含むことができる。アルコキシル化ポリアミンは、油汚れ除去を改善することができる。色相染料は、白色度を高めることができる。
【0048】
任意選択的には、第2の洗濯処理組成物23を部分的に構成する酵素は、約0.01重量%~約0.025重量%のアミラーゼ、約0.1重量%~約0.3重量%のプロテアーゼ、約0.0005重量%~約0.01重量%のマンナナーゼ、約0.0005~約0.01のペクチナーゼ、及びこれらの組み合わせを更に含むことができる。アミラーゼは、デンプンを含む染みを処理するために使用することができる。プロテアーゼは、タンパク質を含む染みを処理するために使用することができる。マンナナーゼは、ガラクトマンナンを含む染みを処理することができる。ペクチナーゼは、ペクチンを含む染みを処理するために使用することができる。任意選択的には、第1の洗濯処理組成物13は、第2の洗濯処理組成物23よりも低い重量分率の酵素を有することができる。このアプローチは、洗浄液に送達される酵素の量が洗浄液に送達される界面活性剤の量に必ずしも関係しない柔軟性のある配合アプローチを提供することができる。
【0049】
任意選択的には、第2の洗濯処理組成物は、約20重量%~約30重量%の第2のアニオン性界面活性剤系、約13重量%~約23重量%の第2の非イオン性界面活性剤系、及び約1重量%~約3重量%の第2のアミンオキシド系を更に含むことができる。このような関係は、第1の洗濯処理組成物13が尽きても、第2の洗濯処理組成物23が洗浄を補助できる界面活性剤を有するという点で実用的である。
【0050】
第1の副容器10は、第1の容積の第1の洗濯処理組成物13を収容することができ、第2の副容器20は、第2の容積の第2の洗濯処理組成物23を収容することができ、任意の第3の副容器30は、第3の容積の第3の洗濯処理組成物を収容することができる。第3の容積は、第1の容積及び第2の容積よりも小さくてもよい。任意選択的には、第3の容積は、第1の容積及び第2の容積の約60%未満であり得る。第1の容積は、任意選択的には、約300mL~約900mLであり得る。第2の容積は、任意選択的には、約300mL~約900mLであり得る。第3の容積は、任意選択的には、約100mL~約400mLであり得る。概して、第3の洗濯処理組成物33は、第1の洗濯処理組成物13及び第2の洗濯処理組成物23よりも少ない頻度で使用され得ると考えられる。更に、第3の処理組成物33の容積の前述の範囲は、第3の洗濯処理組成物33の1ヶ月分の供給をユーザに提供するのに十分であり得る。作動中、洗濯処理装置は、洗濯処理カートリッジ1から、第1の洗濯処理組成物13、第2の洗濯処理組成物23、第3の洗濯処理組成物33、及びこれらの組み合わせを選択的に分配して、1回分の洗濯物を処理することができる。このようなアプローチは、洗濯処理装置が、洗濯物を処理するために洗濯処理組成物の1つのみを使用することを可能にし得る。更に、互いに対して潜在的に無限数のレベルでの洗濯処理組成物の2つ以上の組み合わせを洗濯処理装置に送達して洗濯物を処理することができ、その組み合わせ及び相対レベルは、処理される洗濯物の量及び洗濯処理装置の作動パラメータに合わせて特に選択される。
【0051】
アニオン性界面活性剤系
第1の洗濯処理組成物は、第1のアニオン性界面活性剤系を含むことができ、第2の洗濯処理組成物は、第2のアニオン性界面活性剤系を含むことができる。第1のアニオン性界面活性剤系は、第1の洗濯処理組成物13の構成部分であり得、第2のアニオン性界面活性剤系は、第2の洗濯処理組成物23の構成部分であり得る。第1の洗濯処理組成物13は第1の副容器10に収容され、第2の洗濯処理組成物23は第2の副容器20に収容される。したがって、第1のアニオン性界面活性剤系を第1の副容器10に収容することができ、第2のアニオン性界面活性剤系を第2の副容器20に収容することができる。第1のアニオン性界面活性剤系及び第2のアニオン性界面活性剤系に関して、用語「第1」及び「第2」は、アニオン性界面活性剤系が、第1の副容器10に収容されている第1の洗濯処理組成物13の構成成分であるか、又は第2の副容器20に収容されている第2の洗濯処理組成物23の構成成分であるかを指す。第1のアニオン性界面活性剤系及び第2のアニオン性界面活性剤系は、互いに化学的に同じであってもよく、又は何らかの方法で互いに化学的に異なっていてもよい。第1のアニオン性界面活性剤系は、単一のアニオン性界面活性剤又は複数のアニオン性界面活性剤の混合物からなり得る。第2のアニオン性界面活性剤系は、単一のアニオン性界面活性剤又は複数のアニオン性界面活性剤の混合物からなり得る。
【0052】
アニオン性界面活性剤としては、その分子構造中に概して8~22個の炭素原子又は概して8~18個の炭素原子を含む有機疎水性基と、スルホネート、サルフェート、及びカルボキシレートから任意で選択される、水溶性化合物を形成するための少なくとも1つの水溶性基と、を含有する表面活性化合物が挙げられるが、これらに限定されない。通常、疎水性基は、C8~C22アルキル、又はアシル基を含むことになる。このようなアニオン性界面活性剤は、水溶性塩の形態で用いることができ、塩形成カチオンは、通常、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム及びモノ-から選択され、ナトリウムカチオンが通常選択され得る。
【0053】
アニオン性界面活性剤及び補助アニオン性補助界面活性剤は酸形態で存在してもよく、当該酸形態を中和して、本洗剤組成物で使用するのに望ましい界面活性剤塩を形成することができる。典型的な中和剤としては、水酸化物、例えば、NaOH又はKOHなどの金属対イオン塩基が挙げられる。酸形態の本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性界面活性剤又は補助界面活性剤を中和するための更なる剤としては、アンモニア、アミン、オリゴアミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。好適な非限定例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び他の直鎖状又は分岐鎖状アルカノールアミン;例えば、2-アミノ-1-プロパノール、1-アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1-アミノ-3-プロパノールが挙げられる。アミン中和は完全又は部分的に行われてもよく、例えばアニオン性界面活性剤の一部はナトリウム又はカリウムにより中和されてもよく、及びアニオン性界面活性剤の一部はアミン又はアルカノールアミンにより中和されてもよい。
【0054】
好適なアニオン性スルホネート界面活性剤としては、メチルエステルスルホネート、αオレフィンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、例えばアルキルベンゼンスルホネート、例えばC10~13アルキルベンゼンスルホネート、例えばC12アルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得られる。好適なLABとしては、Sasolにより商標名Isochemで供給されているもの、又はPetresaにより商標名Petrelabで供給されているものなどの低2-フェニルLABが挙げられる。他の好適なLABとしては、Sasolにより商標名Hybleneで供給されているものなどの高2-フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性界面活性剤は、DETAL触媒プロセス、DETAL-PLUS触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HF、並びにゼオライトZSM-4、ZSM-12、ZSM-20、ZSM-35、ZSM-48、ZSM-50、MCM-22、TMAオフレタイト、TEAモルデナイト、クリノプチロライト、モルデナイト、REY、及びゼオライトベータなどの他のアルキル化触媒などの他の合成経路が好適である場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩が使用される。任意選択的には、洗濯処理組成物は、洗濯処理組成物の約0.5重量%~約30重量%の、アルキルベンゼンスルホン酸、C10~16アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属又はアミン塩から選択されるHLAS界面活性剤を含有し得、HLAS界面活性剤は、50重量%を超えるC12、任意選択的には60重量%を超えるC12、任意選択的には70重量%を超えるC12、任意選択的には75重量%を超えるC12を含む。
【0055】
好適なサルフェート界面活性剤としては、アルキルサルフェート、任意選択的にはC8~18アルキルサルフェート、又は任意選択的にはC12/14アルキルサルフェートが挙げられる。
【0056】
アルキルサルフェート及びアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖状又は分岐鎖状であってよく(2アルキル置換又は中鎖分岐型を含む)、置換されていても置換されていなくてもよく、石油化学材料由来又は生体材料由来であってもよい。任意選択的には、分岐基はアルキルである。アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、環状アルキル基及びそれらの混合物から選択することができる。単一又は複数のアルキル分岐鎖が、本発明の洗濯処理組成物で使用されるサルフェート化アニオン性界面活性剤を作製するために使用される出発アルコールのヒドロカルビル主鎖に存在する可能性がある。任意選択的には、分枝鎖状サルフェート化アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、及びこれらの混合物から選択される。
【0057】
他の好適なアニオン性界面活性剤としては、ソホロリピド及びラムノリピドなどの糖脂質のクラス、並びにアミノ酸系の界面活性剤、例えば、アシルグリシネート、アシルサルコシネート、アシルグルタミネート、及びアシルタウリネートが挙げられる。ラムノリピドは、1つのラムノース糖環又は2つのラムノース糖環を有し得る。
【0058】
洗濯処理組成物は、1つ以上の追加のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。洗濯処理組成物は、2-アルキル第一級アルキルアルコールサルフェート、2-アルキル分岐アルコールを含んでもよく、2-アルキル分岐アルキルサルフェートは、炭素鎖におけるヒドロキシメチル基(ヒドロキシ(-OH)基に結合したメチレン架橋(-CH-単位)からなる)の位置が異なる位置異性体である。したがって、2-アルキル分岐アルキルアルコールは、概して、位置異性体の混合物で構成される。更に、2-アルキル分岐アルコールなどの脂肪族アルコール及び界面活性剤は、鎖長分布によって特徴付けられることが周知である。換言すれば、脂肪族アルコール及び界面活性剤は概して、異なるアルキル鎖長を有する(単一鎖長の片を得ることが可能であるが)分子のブレンドから構成される。特に、特定のアルキル鎖長分布及び/又は特定の割合の特定の位置異性体を有し得る本明細書に記載の2-アルキル第一級アルコールは、市販の材料を単純にブレンドすることによっては得ることができない。具体的には、m+n=11を有する約50重量%~約100重量%の界面活性剤の分布は、市販の材料をブレンドすることによっては達成することができない。
【0059】
洗濯処理組成物は、式I及び式IIの混合物を含むアニオン性界面活性剤を含むことができる。
【0060】
【化1】
アニオン性界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=11を有する異性体からなり、当該混合物の約25%~約50%の式Iの界面活性剤異性体は、n=0を有し、アニオン性界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%が、式IIの界面活性剤からなり、Xは、親水性部分である。
【0061】
Xは、サルフェート、アルコキシル化アルキルサルフェート、スルホネート、アミンオキシド、ポリアルコキシレート、ポリヒドロキシ部分、リン酸エステル、グリセロールスルホネート、ポリグルコネート、ポリリン酸エステル、ホスホネート、スルホスクシネート、スルホサッカミネート、ポリアルコキシル化カルボキシレート、グルカミド、タウリネート、サルコシネート、グリシネート、イセチオネート、ジアルカノールアミド、モノアルカノールアミド、モノアルカノールアミドサルフェート、ジグリコールアミド、ジグリコールアミドサルフェート、グリセロールエステル、グリセロールエステルサルフェート、グリセロールエーテル、グリセロールエーテルサルフェート、ポリグリセロールエーテル、ポリグリセロールエーテルサルフェート、ソルビタンエステル、ポリアルコキシル化ソルビタンエステル、アンモニオアルカンスルホネート、アミドプロピルベタイン、アルキル化第四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシアルキル化第四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシル化オキシプロピル第四級アンモニウム化合物、イミダゾリン、2-イル-スクシネート、スルホン化アルキルエステル、スルホン化脂肪酸、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0062】
アニオン性界面活性剤系は、混合物の約15%~約40%、例えば、約20%~約40%、約25%~約35%、又は約30%~約40%などの、n=1を有する式Iの界面活性剤異性体を有し得る。アニオン性界面活性剤系は、混合物の約60%~約90%、例えば、約65%~約85%、約70%~約90%、又は約80%~約90%などの、n<3を有する式Iの界面活性剤異性体を有し得る。洗濯処理組成物は、約90%~約100%、例えば、約95%~100%などの、異性体がm+n=11を有するアニオン性界面活性剤系を有し得る。
【0063】
アニオン性界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤混合物の約15重量%~約40重量%の、n=1である式Iの異性体と、アニオン性界面活性剤系の約5重量%~約20重量%の、n=2である式Iの異性体と、を有し得る。アニオン性界面活性剤系は、nが6以上である式Iの異性体を有していなくてもよい。アニオン性界面活性剤系は、混合物の最大約40%の、n>2である式Iのアニオン性界面活性剤異性体を有し得る。アニオン性界面活性剤系は、混合物の最大約25%の、n>2を有する式Iのアニオン性界面活性剤異性体を有し得る。アニオン性界面活性剤系は、最大約20重量%の式IIの異性体を有し得る。
【0064】
アニオン性界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤を更に含んでもよく、アニオン性界面活性剤は、式III及び式IVのアニオン性界面活性剤異性体の混合物から本質的になるか、又はそれを含む。
【0065】
【化2】
アニオン性界面活性剤系の約50重量%~約100重量%が、m+n=9を有する異性体であり、アニオン性界面活性剤系の約0.001重量%~約25重量%が、式IVのアニオン性界面活性剤であり、Xが、親水性部分である。Xは、アルキルサルフェート、アルコキシル化アルキルサルフェート、スルホネート、アミンオキシド、ポリアルコキシレート、ポリヒドロキシ部分、リン酸エステル、グリセロールスルホネート、ポリグルコネート、ポリリン酸エステル、ホスホネート、スルホスクシネート、スルホサッカミネート、ポリアルコキシル化カルボキシレート、グルカミド、タウリネート、サルコシネート、グリシネート、イセチオネート、ジアルカノールアミド、モノアルカノールアミド、モノアルカノールアミドサルフェート、ジグリコールアミド、ジグリコールアミドサルフェート、グリセロールエステル、グリセロールエステルサルフェート、グリセロールエーテル、グリセロールエーテルサルフェート、ポリグリセロールエーテル、ポリグリセロールエーテルサルフェート、ソルビタンエステル、ポリアルコキシル化ソルビタンエステル、アンモニオアルカンスルホネート、アミドプロピルベタイン、アルキル化第四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシアルキル化第四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシル化オキシプロピル第四級アンモニウム化合物、イミダゾリン、2-イル-スクシネート、スルホン化アルキルエステル、スルホン化脂肪酸、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0066】
式IIIのアニオン性界面活性剤異性体の約25%~約50%、例えば、30%~45%、35%~45%、又は40%~50%などは、n=0を有し得る。式IIIのアニオン性界面活性剤異性体の混合物の約15%~約40%、例えば、20%~40%、25%~35%、又は30%~40%などは、n=1を有し得る。式IIIのアニオン性界面活性剤異性体の混合物の約50%~約90%、例えば、55%~90%、60%~80%、又は70%~90%などは、n<3を有し得る。アニオン性界面活性剤の約90%~約100%、例えば、95%~100%などは、m+n=9を有する異性体を含み得る。
【0067】
アニオン性界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤系の約25重量%~約50重量%の、n=0である式IIIの異性体と、第2のアニオン性界面活性剤系の約15重量%~約40重量%の、n=1である式IIIの異性体と、アニオン性界面活性剤系の約5重量%~約20重量%の、n=2である式IIIの異性体と、を有し得る。最大約40%の式IIIのアニオン性界面活性剤異性体が、n>2を有し得る。最大約35%の式IIIのアニオン性界面活性剤が、n>2を有し得る。アニオン性界面活性剤系は、最大約20重量%の式IVの異性体からなり得る。
【0068】
アニオン性界面活性剤は、アルキルアルコキシル化サルフェート、任意選択的にはC8~18アルキルアルコキシル化サルフェート、任意選択的にはC8~18アルキルエトキシル化サルフェートであり得、任意選択的にはアルキルアルコキシル化サルフェートは、0.5~20、任意選択的には0.5~10の平均アルコキシル化度を有し、任意選択的にはアルキルアルコキシル化サルフェートは、0.5~10、任意選択的には0.5~5、任意選択的には0.5~3、又は約1.5~3、又は約1.8~2.5の平均エトキシル化度を有するC8~18アルキルエトキシル化サルフェートである。アルキルアルコキシル化サルフェートは、広いアルコキシ分布又はピークのあるアルコキシ分布を有し得る。AESのアルキル部分は、平均して、13.7~約16個、又は13.9~14.6個の炭素原子を含み得る。少なくとも約50%、又は少なくとも約60%のAES分子は、14個以上の炭素原子、任意選択的には14~18個、又は14~17個、又は14~16個、又は14~15個の炭素原子を有するアルキル部分を含み得る。
【0069】
アルキルサルフェート、アルキルアルコキシル化サルフェート、及びアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖であっても分岐であってよく(2アルキル置換又は中鎖分岐型を含む)、置換されていても置換されていなくてもよく、石油化学材料由来であっても生体材料由来であってもよい。任意選択的には、分岐基はアルキルである。任意選択的には、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、環状アルキル基及びこれらの混合物から選択される。単一又は複数のアルキル分枝が、本発明の洗剤で使用されるサルフェート化アニオン性界面活性剤を作製するために使用される出発アルコールのヒドロカルビル主鎖に存在することができる。任意選択的には、分岐状サルフェート化アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、及びこれらの混合物から選択される。
【0070】
アルキルサルフェート及びアルキルアルコキシサルフェートは、様々な鎖長、エトキシル化度及び分岐化度で市販されている。市販のアルキルサルフェートとしては、Shell社製のNEODOLアルコールに基づくもの;Sasol社製のLIAL、ISALCHEM、SAFOL、ALFOL、NACOL、NAFOL、ISOFOL、及びMARLIPALに基づくもの;及びThe Procter & Gamble Chemicals Company社製の天然アルコールに基づくものが挙げられる。
【0071】
非イオン性界面活性剤系
第1の洗濯処理組成物13は、第1の非イオン性界面活性剤系を含むことができ、第2の洗濯処理組成物23は、第2の非イオン性界面活性剤系を含むことができる。第1の非イオン性界面活性剤系は、第1の洗濯処理組成物13の構成部分であり、第2の非イオン性界面活性剤系は、第2の洗濯処理組成物23の構成部分である。第1の洗濯処理組成物13は第1の副容器10に収容され、第2の洗濯処理組成物23は第2の副容器20に収容される。したがって、第1の非イオン性界面活性剤系は第1の副容器10に収容され、第2の非イオン性界面活性剤系は第2の副容器20に収容される。第1の非イオン性界面活性剤系及び第2の非イオン性界面活性剤系に関して、用語「第1」及び「第2」は、非イオン性界面活性剤系が、第1の副容器10に収容されている第1の洗濯処理組成物13の構成部分であるか、又は第2の副容器20に収容されている第2の洗濯処理組成物23の構成部分であるかを指す。第1の非イオン性界面活性剤系及び第2の非イオン性界面活性剤系は、互いに化学的に同じであってもよく、又は何らかの方法で互いに化学的に異なっていてもよい。第1の非イオン性界面活性剤系は、単一の非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤の混合物からなり得る。第2の非イオン性界面活性剤系は、単一の非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤の混合物からなり得る。
【0072】
好適な非イオン性界面活性剤としては、C~C18アルキルエトキシレート(例えば、Shell製のNEODOL非イオン性界面活性剤);アルキル多糖類、任意選択的にはアルキルポリグリコシド及びアルキルポリペントシド;脂肪酸メチルエステルエトキシレート;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤;アルキル及びアルケニルフランスルホネート、並びにアルキル及びアルケニルフランサルフェート、並びにそれらの混合物から選択され得る。
【0073】
好適な非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシル化アルコールを含み得る。
【0074】
好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキルアルコキシル化アルコール、任意選択的にはC8~18アルキルアルコキシル化アルコール、任意選択的にはC8~18アルキルエトキシル化アルコールが挙げられ、任意選択的には、アルキルアルコキシル化アルコールは、1~50、任意選択的には1~30、又は1~20、又は1~10の平均アルコキシル化度を有し、任意選択的には、アルキルアルコキシル化アルコールは、1~10、任意選択的には1~7、任意選択的には1~5、任意選択的には3~7の平均エトキシル化度を有するC8~18アルキルエトキシル化アルコールである。一態様では、アルキルアルコキシル化アルコールは、7~10の平均エトキシル化度を有するC12~15アルキルエトキシル化アルコールである。アルキルアルコキシル化アルコールは、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、BASF製の商標名Lutensolを有するものを挙げることができる。アルキルアルコキシル化サルフェートは、例えばAlfonic1214-9エトキシレートについてはブロードなアルコキシ分布、又は例えばNovel1214-9についてはピークのあるアルコキシ分布を有し得、これらはいずれもSasolから市販されている。
【0075】
アミンオキシド
第1の洗濯処理組成物13は、第1のアミンオキシド系を含むことができ、第2の洗濯処理組成物23は、第2のアミンオキシド系を含むことができる。第1のアミンオキシド系は、第1の洗濯処理組成物13の構成部分であり、第2のアミンオキシド系は、第2の洗濯処理組成物23の構成部分である。第1の洗濯処理組成物13は第1の副容器10に収容され、第2の洗濯処理組成物23は第2の副容器23に収容される。したがって、第1のアミンオキシド系は第1の副容器10に収容され、第2のアミンオキシド系は第2の副容器20に収容される。第1のアミンオキシド系及び第2のアミンオキシド系に関して、用語「第1」及び「第2」は、アミンオキシド系が、第1の副容器10に収容されている第1の洗濯処理組成物13の構成成分であるか、又は第2の副容器20に収容されている第2の洗濯処理組成物23の構成成分であるかを指す。第1のアミンオキシド系及び第2のアミンオキシド系は、互いに化学的に同じであってもよく、又は何らかの方法で互いに化学的に異なっていてもよい。第1のアミンオキシド系は、単一のアミンオキシド又はアミンオキシドの混合物からなり得る。第2のアミンオキシド系は、単一のアミンオキシド又はアミンオキシドの混合物からなり得る。
【0076】
アミンオキシド系としては、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、任意選択的にはアルキルジメチルアミンオキシド、及び任意選択的にはココジメチルアミノオキシドを挙げることができる。アミンオキシドは、直鎖又は中鎖分岐アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1 C8~18アルキル部分と、C1~3アルキル基及びC1~3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。任意選択的には、アミンオキシドは、式R1-N(R2)(R3)Oにより特徴付けることができ、式中、R1はC8~18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル及び3-ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖状C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖状C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0077】
汚れ放出ポリマー
第1の洗濯処理組成物13及び第2の洗濯処理組成物23の少なくとも1つは、約0.5重量%~約1.5重量%の汚れ放出ポリマーを更に含むことができる。
【0078】
汚れ放出ポリマーは、以下の式(VI)、(VII)、又は(VIII)のうちの1つによって定義される構造を有することができる:
(VI) -[(OCHR-CHR-O-OC-Ar-CO-]
(VII) -[(OCHR-CHR-O-OC-sAr-CO-]
(VIII) -[(OCHR-CHR-OR
式中、
a、b及びcは、1~200であり、
d、e及びfは、1~50であり、
Arは、1,4-置換フェニレンであり、
sArは、5位がSOMeで置換されている1,3-置換フェニレンであり、
Meは、Na、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ-、ジ-、トリ-、若しくはテトラ-アルキルアンモニウム(アルキル基は、C~C18アルキル又はC~C10ヒドロキシアルキルである)、又はそれらの混合物であり、
、R、R、R、R、及びRは、独立して、H又はC~C18n-若しくはイソ-アルキルから選択され、
は、直鎖若しくは分岐C~C18アルキル、又は直鎖若しくは分岐C~C30アルケニル、又は5~9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC~C30アリール基、又はC~C30アリールアルキル基である。
【0079】
好適な汚れ放出ポリマーは、Rhodiaによって供給されているRepel-o-tex SF、SF-2及びSRP6を含むRepel-o-texポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Clariantより供給されるTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN260、SRN300及びSRN325を含む、Texcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Sasolにより供給されているMarloquestポリマー、例えばMarloquest SLが含まれる。
【0080】
漂白剤
第3の洗濯処理組成物33は、1つ以上の漂白剤を含むことができる。漂白触媒以外の好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。第3の洗濯処理組成物33は、第3の洗濯処理組成物の約0.1重量%~約50重量%、又は更に約0.1重量%~約25重量%、又は更に約8重量%~約20重量%の漂白剤又は漂白剤の混合物を含んでもよい。好適な漂白剤の例としては以下が挙げられる。
(1)光漂白剤、例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、チオキサントン、及びこれらの混合物。
(2)予形成過酸:好適な予形成過酸としては、予形成ペルオキシ酸又はその塩、典型的には過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、例えばOxone、並びにこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限らない。ペルオキシ酸は、フタルイミド-ペルオキシ-アルカン酸、特に、ε-フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)である。ペルオキシ酸又はその塩は、30℃~60℃の範囲の融点を有し得る。
(3)過酸化水素源、例えば、過ホウ酸塩(通常、一水和物又は四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩及びこれらの混合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む、無機過水和物の塩。無機過水和物の塩は、使用する場合、布地ケア及びホームケア製品全体の0.05~40重量%又は1~30重量%の量で存在し、典型的には、コーティングされ得る結晶性固体としてこのような布地ケア及びホームケア製品に配合され得る。好適なコーティングとしては、無機塩、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩若しくはホウ酸塩又はこれらの混合物、又は有機物質、例えば、水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸などが挙げられる。
(4)R-(C=O)-L(式中、Rはアルキル基であり、場合により分岐しており、漂白活性剤が疎水性である場合、6個~14個の炭素原子、又は8個~12個の炭素原子を有し、漂白活性剤が親水性である場合、6つ未満の炭素原子又は更には4つ未満の炭素原子を有し、Lは脱離基である)を有する漂白活性剤。好適な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体、特にベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性剤としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩、3,5,5-トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。
(5)漂白触媒。本発明の第3の洗濯処理組成物33は、ペルオキシ酸及び/又はその塩から酸素原子を受け取って、その酸素原子を酸化可能な基質に転移させることができる1つ以上の漂白触媒を含んでいてもよい。好適な漂白触媒としては、イミニウムカチオン及びポリイオン、イミニウム双性イオン、変性アミン、変性アミンオキシド、N-スルホニルイミン、N-ホスホニルイミン、N-アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、ペルフルオロイミン、環状糖ケトン及びαアミノ-ケトン並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい一触媒は、4-(2-(2-((2-ヒドロキシフェニルメチル)メチレン)-ヒドラジニル)-2-オキソエチル)-4-メチルクロリドなどのアシルヒドラゾン型である。
(6)第3の洗濯処理組成物33は、任意選択的には触媒金属錯体を含み得る。金属含有漂白触媒の任意の一種は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンのカチオンなどの、規定の漂白触媒活性の遷移金属カチオンを含む触媒系である。
【0081】
必要に応じて、本明細書における第3洗濯処理組成物33は、マンガン化合物によって触媒され得る。このような化合物としては、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系の触媒が挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物中に追加の酸化剤源は存在せず、空気由来の分子酸素が酸化源を提供する。本明細書において有用なコバルト漂白触媒は公知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、米国特許第5,595,967号に記載されている。
【0082】
漂白剤は、約8重量%~約20重量%のフタルイミドペルオキシカプロン酸であり得る。
【0083】
酵素
第1の洗濯処理組成物13及び第2の洗濯処理組成物23の一方又は両方は、酵素、任意選択的には約0.001重量%~約0.3重量%の酵素を含んでもよい。酵素は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらし得る。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼとともに含んでよい酵素カクテルである。組成物中に存在する場合、上記の追加の酵素は、組成物の約0.00001重量%~約2重量%、約0.0001重量%~約1重量%、又は更には約0.001重量%~約0.5重量%の酵素タンパク質濃度で1つ以上の洗濯処理組成物内に存在してもよい。
【0084】
第1の洗濯処理組成物13及び第2の洗濯処理組成物23の一方又は両方は、プロテアーゼを含んでもよい。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に修飾された変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)、特に国際公開第2004067737号、同第2015091989号、同第2015091990号、同第2015024739号、同第2015143360号、米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、独国特許公開第102006022216(A1)号、同第102006022224(A1)号、国際公開第2015089447号、同第2015089441号、同第2016066756号、同第2016066757号、同第2016069557号、同第2016069563号、同第2016069569号、及び同第2016174234号に記載されている、バチルス属(Bacillus)の種、B.レンタス(B. lentus)、B.アルカロフィラス(B. alkalophilus)、B.サブチリス(B. subtilis)、B.アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、B.プミルス(B. pumilus)、B.ギブソニイ(B. gibsonii)、及びB.アキバイ(B. akibaii)などのバチルス属由来のもの。具体的には、変異S9R、A15T、V66A、A188P、V199I、Q239R、N2/55D(savinase付番システム)。
(B)国際公開第89/06270号に記載されているフサリウム属プロテアーゼ、並びに国際公開第05/052161号及び同第05/052146号に記載されているセルロモナス属に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
(c)メタロプロテアーゼ、特に国際公開第07/044993(A2)号に記載されているバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来のもの、国際公開第2014/194032号、同第2014/194054号及び同第2014194117号に記載されているバチルス、ブレビバチルス、サーモアクチノミセス、ゲオバチルス、パエニバチルス、リシニバチルス又はストレプトミセス種由来のもの、国際公開第2015/193488号に記載されているクリベラ・アルミノサ由来のもの、並びに国際公開第2016/075078号に記載されているストレプトミセス及びリソバクター由来のもの。
(d)国際公開第92/17577号(Novozymes A/S)に記載されているバチルス種TY145、NCIMB 40339由来のサブチラーゼに対して少なくとも90%の同一性を有するプロテアーゼ(国際公開第2015024739号及び同第2016066757号に記載されている、このバチルス種TY145サブチラーゼのバリアントを含む)。
【0085】
プロテアーゼは、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)由来の野生型酵素と少なくとも90%、任意選択的には少なくとも95%、任意選択的には少なくとも98%、任意選択的には少なくとも99%、とりわけ100%同一性を示し、以下の位置:S9R、A15T、V68A、N76D、N87S、S99D、S99SD、S99A、S101G、S101M、S103A、V104N/I、G118V、G118R、S128L、P129Q、S130A、Y167A、R170S、A194P、V205I、Q206L/D/E、Y209W、M222S、Q245R、及び/又はM222S(国際公開第00/37627号に例示されるBPN’付番システム及びアミノ酸略語を使用する)のうちの1つ以上、任意選択的には2つ以上、任意選択的には3つ以上に突然変異を含む、ポリペプチドであり得る。
【0086】
任意選択的には、プロテアーゼは、PB92野生型(国際公開第08/010925号の配列番号2)又はサブチリシン309野生型(N87Sの自然変異を含む以外はPB92主鎖による配列)のいずれかに対して以下の変異(BPN付番システム)を含むプロテアーゼの群から選択され得る。
(i)G118V+S128L+P129Q+S130A
(ii)S101M+G118V+S128L+P129Q+S130A
(iii)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+N248R
(iv)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+V244R
(v)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A
(vi)V68A+N87S+S101G+V104N
(vii)S99AD
(viii)S9R+A15T+V68A+N218D+Q245R
【0087】
好適な市販入手可能な追加のプロテアーゼ酵素としては、商品名Alcalase、Savinase、Primase、Durazym、Polarzyme、Kannase、Liquanase、Liquanase Ultra、Savinase Ultra、Ovozyme、Neutrase、Everlase、Coronase、Blaze、Blaze Ultra及びEsperaseとしてNovozymes A/S(Denmark)によって販売されているもの;商品名Maxatase、Maxacal、Maxapem、Properase、Purafect、Purafect Prime、Purafect Ox)、FN3、FN4、Excellase、Ultimase及びPurafect OXPとしてDupontによって販売されているもの;商品名Opticlean及びOptimaseとしてSolvay Enzymesによって販売されているもの;並びにHenkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、BLAP(配列は米国特許第5,352,604号の図29に示され、S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sの変異を有する、本明細書において以降BLAPと称する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP);並びにKao製のKAP(変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィラスのサブチリシン)が挙げられる。
【0088】
プロテアーゼは、Properase、Blaze、Ultinase、Everlase、Savinase、Excellase、Blaze Ultra、BLAP及びBLAPバリアントの群から選択することができる。
【0089】
本発明における洗濯処理組成物中のプロテアーゼの濃度としては、組成物1g当たり約0.05~約10mg、より好ましくは約0.5~約7mg、特に約1~約6mgの活性プロテアーゼを挙げることができる。
【0090】
酵素はアミラーゼであり得る。好適なアルファ-アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺伝的に修飾された変異体(バリアント)が含まれる。アミラーゼは、バチルス属の菌種、例えば、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・ステアロサーモフィラス、バチルス・サブチリス、又は他のバチルス属の種、例えば、バチルス属の種NCBI12289、NCBI12512、NCBI12513、DSM9375(米国特許第7,153,818号)、DSM12368、DSMZ番号12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36、又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来し得る。アミラーゼは以下のものであり得る。
(a)任意選択的には、米国特許第5,856,164号、並びに国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号、同第06/002643号、及び同第2017/192657号に記載のバリアント、任意選択的には、国際公開第06/002643号に配列番号12として列記されているAA560酵素に対して、以下の位置:26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、202、214、231、246、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484において1つ以上の置換を有し、任意選択的には、D183及びG184の欠損も含有するバリアント。
(b)任意選択的には、国際公開第06/002643号における配列番号4、バチルス属SP722由来の野生型酵素と少なくとも85%、好ましくは90%の同一性を示すバリアント、任意選択的には183及び184位が欠失しているバリアント、並びに国際公開第00/60060号、同第2011/100410号、及び同第2013/003659号に記載のバリアント、任意選択的には、国際公開第06/002643号における配列番号4に対して以下の位置:51、52、54、109、304、140、189、134、195、206、243、260、262、284、347、439、469、476、及び477において1つ以上の置換を有するバリアント。
(c)任意選択的には、バチルス種707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)由来の野生型酵素と少なくとも95%の同一性を示すバリアント、任意選択的には以下の突然変異:M202、M208、S255、R172及び/又はM261のうちの1つ以上を含むバリアント。任意選択的には、当該アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。任意選択的には、アミラーゼは、M202L又はM202T突然変異を含むものであり得る。
(d)任意選択的には、国際公開第09/149130号に記載のバリアント、任意選択的には同第09/149130号における配列番号1又は配列番号2、ゲオバチルス・ステアロファーモフィラス(Geobacillus Stearophermophilus)由来の野生型酵素、又はその切断バージョンと少なくとも90%の同一性を示すバリアント。
(e)任意選択的には、国際公開第10/115021号に記載のバリアント、任意選択的には国際公開第10/115021号における配列番号2、バチルス属菌種TS-23由来のアルファ-アミラーゼと少なくとも75%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%を示すバリアント。
(f)任意選択的には、国際公開第2016091688号における配列番号1と少なくとも89%の同一性を示すバリアント、任意選択的にはH183+G184位に欠失を含み、更に405、421、422、及び/又は428位に1つ以上の変異を含むバリアント。
(g)任意選択的には、国際公開第2014/099523号に記載のバリアント、任意選択的にはパエニバチルス・カードラノリティカス(Paenibacillus curdlanolyticus)YK9由来の「PcuAmyl α-アミラーゼ」(国際公開第2014099523号における配列番号3)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示すバリアント。
(h)任意選択的には、国際公開第2014099523号に記載のバリアント、任意選択的にはサイトファーガ属(Cytophaga)の種由来の「CspAmy2アミラーゼ」(国際公開第2014164777号における配列番号1又は6)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示すバリアント。
(i)任意選択的には、バチルス・サブチリス由来のAmyE(国際公開第2009149271号の配列番号1)と少なくとも85%の同一性を示すバリアント。
(j)任意選択的には、受託番号AB051102によるBacillus sp.KSM-K38由来の野生型アミラーゼと少なくとも90%の同一性を示すバリアント。
(k)任意選択的には、国際公開第2016/180748号に記載のバリアント、任意選択的には、国際公開第2016/180748号における配列番号7のバチルス属の種由来のAAI10の成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すバリアント;国際公開第2016180748号における配列番号8のアリシクロバチルス属(Alicyclobacillus)の種のアミラーゼの成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すもの、及び国際公開第2016180748号における配列番号13の成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すもの、特に、以下の変異H、N54S、V56T、K72R、G109A、F113Q、R116Q、W167F、Q172G、A174S、G184T、N195F、V206L、K391A、P473R、G476Kのうちの1つ以上を含むもの。
(l)任意選択的には、国際公開第2018/060216号に記載のバリアント、任意選択的には、国際公開第2018/060216号における配列番号4の成熟アミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を示すバリアント、バチルス・アミロリケファシエンス及びバチルス・リケニフォルミスの融合分子。任意選択的には、H1、N54、V56、K72、G109、F113、R116、T134、W140、W159、W167、Q169、Q172、L173、A174、R181、G182、D183、G184、W189、E194、N195、V206、G255、N260、F262、A265、W284、F289、S304、G305、W347、K391、Q395、W439、W469、R444、F473、G476、及びG477位に1つ以上の置換を含むもの。
【0091】
任意選択的には、アミラーゼは、遺伝子操作を受けた酵素であり、漂白酸化を起こしやすいアミノ酸のうちの1つ以上が、より酸化しにくいアミノ酸で置換されている。特に、メチオニン残基は、任意選択的には他のアミノ酸で置換される。特に、任意選択的には、最も酸化しやすいメチオニンが置換される。任意選択的には、配列番号11における202に相当する位置のメチオニンが置換される。任意選択的には、この位置のメチオニンは、スレオニン又はロイシン、好ましくはロイシンで置換される。
【0092】
好適な市販のアルファ-アミラーゼとしては、DURAMYL、LIQUEZYME、TERMAMYL、TERMAMYL ULTRA、NATALASE、SUPRAMYL、STAINZYME、STAINZYME PLUS、FUNGAMYL、ATLANTIC、ACHIEVE ALPHA、AMPLIFY PRIME、INTENSA及びBAN(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria))、RAPIDASE、PURASTAR、ENZYSIZE、OPTISIZE HT PLUS、POWERASE、PREFERENZ Sシリーズ(PREFERENZ S1000及びPREFERENZ S2000を含む)、並びにPURASTAR OXAM(DuPont.(Palo Alto,California))、並びにKAM(Kao(14-10 Nihonbashi Kayabacho,1-chome,Chuo-ku Tokyo 103-8210,Japan))が挙げられる。
【0093】
本発明の洗濯処理組成物は、組成物の少なくとも0.01mg、任意選択的には約0.05~約10、任意選択的には約0.1~約6、任意選択的には約0.2~約5mgの活性アミラーゼ/gを含み得る。
【0094】
任意選択的には、本発明の組成物のプロテアーゼ及び/又はアミラーゼは、粒状体の形態であり得、この粒状体は、粒状体の29重量%超の硫酸ナトリウムを含み得、並びに/又は硫酸ナトリウム及び活性酵素(プロテアーゼ及び/若しくはアミラーゼ)は、3:1~100:1、又は任意選択的には4:1~30:1、又は任意選択的には5:1~20:1の重量比であり得る。
【0095】
酵素はリパーゼを含むことができる。好適なリパーゼとしては、細菌由来、真菌由来、又は合成由来のもの、及びこれらのバリアントを挙げることができる。化学的に改変された又はタンパク質操作された変異体も適している。好適なリパーゼの例としては、フミコーラ(Humicola)(同意語サーモマイセル(Thermomyces))由来、例えば、H.ラヌギノサ(H. lanuginosa)(T.ラヌギノサス(T. lanuginosus))由来のリパーゼが挙げられる。
【0096】
リパーゼは、例えば、国際公開第06/090335号及び同第13/116261号に記載されているものなどの「第1のサイクルリパーゼ」であってもよい。一態様では、リパーゼは、第1の洗浄用リパーゼであり、任意選択的には、T231R及び/又はN233R変異を含む、サーモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来の野生型リパーゼのバリアントであり得る。
【0097】
任意のリパーゼとしては、Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)によりLipex、Lipolex、及びLipocleanの商品名で販売されているリパーゼが挙げられる。
【0098】
他の好適なリパーゼとしては、例えば国際公開第2013/171241号に記載されているようなLiprl 139、例えば国際公開第2011/084412号及び同第2013/033318号に記載されているようなTfuLip2、例えば国際公開第2018/228880号に記載されているようなシュードモナス・スツッツェリ(Pseudomonas stutzeri)リパーゼ、例えば国際公開第2018/228881号に記載されているようなマイクロバルビファー・サーモトレランス(Microbulbifer thermotolerans)リパーゼ、例えば欧州特許第3299457号に記載されているようなスルホバチルス・アシドカルダリウス(Sulfobacillus acidocaldarius)リパーゼ、例えば国際公開第2018/209026号に記載されているようなLIP062リパーゼ、例えば国際公開第2017/036901号に記載されているようなPinLipリパーゼ、並びに例えば国際公開第2017/005798号に記載されているようなアブシディア属(Absidia)の種のリパーゼが挙げられる。
【0099】
好適なリパーゼは、
(a)置換T231R
並びに
(b)置換N233R又はN233C
並びに
(c)E1C、D27R、N33Q、G38A、F51V、G91Q、D96E、K98L、K98I、D111A、G163K、H198S、E210Q、Y220F、D254S、I255A、及びP256Tから選択される少なくとも3つの更なる置換、を含む配列番号5のバリアントであり、
ここでは、位置は配列番号5の位置に対応し、リパーゼバリアントは、配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドと少なくとも90%であるが100%未満の配列同一性を有し、バリアントはリパーゼ活性を有する。
【0100】
1つの任意のリパーゼは、以下の置換を含む配列番号5のバリアントである:T231R、N233R、D27R、G38A、D96E、D111A、G163K、D254S、及びP256T。1つの任意のリパーゼは、以下の置換を含む配列番号5のバリアントである:T231R、N233R、N33Q、G91Q、E210Q、I255A。
【0101】
好適なリパーゼは、Novozymesから、例えば、Lipex Evity 100L、Lipex Evity 200L(いずれも液体原料)、及びLipex Evity 105T(顆粒)として市販されている。これらのリパーゼは、製品LIPEX 100L、LIPEX 100T及びLIPEX EVITY 100Tとは異なる構造を有する。
【0102】
酵素はセルラーゼであり得る。セルラーゼは、細菌又は真菌由来のセルラーゼであり得る。化学修飾された又はタンパク質が遺伝子操作を受けた変異体が含まれる。好適なセルラーゼとしては、バチルス属(Bacillus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、フミコーラ属(Humicola)、フサリウム属(Fusarium)、チェラビア属(Thielavia)、アクレモニウム属(Acremonium)由来のセルラーゼ、例えば、米国特許第4,435,307号、同第5,648,263号、同第5,691,178号、同第5,776,757号、及び同第5,691,178号に開示されているフミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)、ミセリオフィソーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、及びフサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)から生成される真菌セルラーゼが挙げられる。好適なセルラーゼとしては、カラーケア効果のあるアルカリ性又は中性のセルラーゼが挙げられる。市販のセルラーゼとしては、CELLUZYME、CAREZYME、及びCAREZYME PREMIUM(Novozymes A/S)、CLAZINASE、及びPURADAX HA(Genencor International Inc.)、KAC-500(B)(Kao Corporation)が挙げられる。
【0103】
好ましいセルラーゼとしては、以下が挙げられる。
a)国際公開第20171084560号における配列番号2と少なくとも60%の同一性を示すバリアント。好ましい置換は、配列番号2の成熟ポリペプチドの292、274、266、265、255、246、237、224、及び221位に対応する1つ以上の位置を含み、バリアントは、セルラーゼ活性を有する。
b)国際公開第2017106676号の配列番号5と少なくとも70%の同一性を示すバリアント。好ましい置換は、4、20、23、29、32、36、44、51、77、80、87、90、97、98、99、102、112、116、135、136、142、153、154、157、161、163、192、194、204、208、210、212、216、217、221、222、225、227、及び232位に対応する1つ以上の位置を含む。
【0104】
細菌クリーニングセルラーゼは、非晶質セルロース基質に対して酵素活性を有するグリコシルヒドロラーゼであってよく、当該グリコシルヒドロラーゼは、GHファミリー5、7、12、16、44又は74から選択される。好適なグリコシルヒドロラーゼはまた、米国特許第7,361,736号に記載されているXYG1006などのパエニバチルス・ポリキシマ(Paenibacillus polyxyma)由来のGHファミリー44グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアント、米国特許第6,268,197号に記載されている配列番号1などのバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)由来のGHファミリー12グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアント、バチルス・アガラドハエレンス(Bacillus agaradhaerens)由来のGHファミリー5グリコシルヒドロラーゼ(野生型)又はそのバリアント、米国特許第6,630,340号に記載されているXYG1034及びXYG1022などのパエニバチルス(Paenibacillus)由来のGHファミリー5グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアント、国際公開第2002/077242号に記載されているXYG1020などのジョネシア属の種(Jonesia sp)由来のGHファミリー74グリコシルヒドロラーゼ(野生型)又はそのバリアント、並びに米国特許第7,172,891号の配列番号2により詳細に記載されている酵素などのトリコデルマ・レーシ(Trichoderma Reesei)由来のGHファミリー74グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアントからなる群から選択されてもよい。好適な細菌クリーニングセルラーゼは、商標名Celluclean及びWhitezyme(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)で販売されている。
【0105】
一態様では、洗濯処理組成物は、17kDa~30kDaの分子量を有するグリコシルヒドロラーゼファミリー45に属する真菌クリーニングセルラーゼ、例えば、商標名Biotouch NCD、DCC、DCL及びFLX1(AB Enzymes,Darmstadt,Germany)で販売されているエンドグルカナーゼを含み得る。更に、任意のセルラーゼとしては、国際公開第2016066896号に掲載されているものが挙げられる。
【0106】
洗濯処理組成物は、マンナナーゼを含み得る。本明細書で使用するとき、用語「マンナナーゼ」又は「ガラクトマンナナーゼ」は、マンナンエンド-1,4-ベータ-マンノシダーゼとして当該技術分野において既知のものに従って定義され、別名ベータ-マンナナーゼ及びエンド-1,4-マンナナーゼを有し、マンナン、ガラクトマンナン、グルコマンナン、及びガラクトグルコマンナンにおける1,4-ベータ-D-マンノシド連結の加水分解を触媒するマンナナーゼ酵素を意味する。マンナナーゼは、酵素命名法に従ってEC 3.2.1.78と分類される。
【0107】
好適なマンナナーゼは、以下からなる群から選択することができる:
a)マンナナーゼ活性を有するマンナナーゼ、及び配列番号3の残基27~331に対して少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチド。配列番号3は、シグナル配列を含むバチルス・ヘミセルトシリチカス(Bacillus hemicellulosilyticus)に対して内因性のMan7マンナナーゼの完全長アミノ酸配列に対応する。
b)マンナナーゼは、マンナナーゼ活性と、配列番号4に対して少なくとも60%の同一性を有するポリペプチドとを有する。本発明の一実施形態では、マンナナーゼは、マンナナーゼ活性と、配列番号4に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドとを有する。配列番号4は、パエニバチルス属の種(Paenibacillus sp)に対して内因性のMan4マンナナーゼの完全長アミノ酸配列に対応する。
c)マンナン、ガラクトマンナン、及びグルコマンナンの1,4-3-D-マンノシド結合の加水分解を触媒するグリコシドヒドロラーゼファミリー26のマンナナーゼ。好適な例は、国際公開第2015040159号に記載されている。
【0108】
更に任意のマンナナーゼとしては、MANNAWAY(いずれもNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、及びPurabrite、Effectenz、Preferenz(Genencor International Inc(Palo Alto,California))、及びBiotouch(AB Enzymes(Darmstadt,Germany))の商標名で販売されているものが挙げられる。
【0109】
洗濯処理組成物は、ペクチン酸リアーゼを含み得る。任意選択的には、ペクチン酸リアーゼとしては、商品名PECTAWASH、PECTAWAY、XPECTで販売されているものが挙げられる。
【0110】
洗濯処理組成物は、ヌクレアーゼ酵素を含み得る。ヌクレアーゼ酵素は、核酸のヌクレオチドサブユニット間のホスホジエステル結合を切断することができる酵素である。本明細書におけるヌクレアーゼ酵素は、デオキシリボヌクレアーゼ若しくはリボヌクレアーゼ酵素又はこれらの機能的フラグメントであり得る。機能的フラグメント又は部分とは、DNA骨格におけるホスホジエステル結合の切断を触媒するヌクレアーゼ酵素の部分を意味し、したがって、触媒活性を保持する当該ヌクレアーゼタンパク質の領域である。したがって、それは、その機能が維持されている酵素及び/又はバリアント及び/又は誘導体及び/又はホモログの、切頭されているが、機能的なバージョンを含む。ヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、以下の分類のいずれかから選択されるデオキシリボヌクレアーゼであり得る。E.C.3.1.21.x(式中、x=1、2、3、4、5、6、7、8又は9である)、E.C.3.1.22.y(式中、y=1、2、4又は5である)、E.C.3.1.30.z(式中、z=1又は2である)、E.C.3.1.31.1、及びこれらの混合物。ヌクレアーゼ酵素は、微量のスーパーオキシドジスムターゼを含み得る。
【0111】
洗濯処理組成物は、エンド-β-1,6-ガラクタナーゼ酵素を含む細胞外ポリマー分解酵素を含み得る。用語「エンド-β-1,6-ガラクタナーゼ」又は「エンド-β-1,6-ガラクタナーゼ活性を有するポリペプチド」は、3より高い重合度(DP)を有する1,6-3-ガラクトオリゴ糖、及び4-O-メチルグルコシルウロネート又はグルコシルウロネート基を非還元末端に有する酸性誘導体の、加水分解開裂を触媒するグリコシドヒドロラーゼファミリー30由来のエンド-β-1,6-ガラクタナーゼ活性(EC3.2.1.164)を意味する。本開示の目的のために、エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性は、アッセイIにおいて、国際公開第2015185689号に記載の手順に従って求められる。分類EC3.2.1.164由来の好適な例は、国際公開第2015185689号に記載されており、例えば、成熟ポリペプチド配列番号2である。
【0112】
洗濯処理組成物は、他の酵素を含み得る。好適な酵素は、クリーニング性能及び/又は布地ケア効果をもたらす。他の好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ(malanases)、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及び既知のアミラーゼ、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。任意の酵素系は、アミラーゼと組み合わせた、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼなどの従来の洗浄性酵素のカクテルを更に含むものである。洗浄性酵素は、米国特許第6,579,839号により詳細に記載されている。
【0113】
洗濯処理組成物は、キサンタンエンドグルカナーゼ及び/又はキサンタンリアーゼを含むことができる。用語「キサンタンエンドグルカナーゼ」は、好適なキサンタンリアーゼ酵素とともにキサンタンガムの1,4-連結型β-D-グルコースポリマー骨格の加水分解を触媒することができるエンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ活性を示す酵素を意味する。本発明によるキサンタンエンドグルカナーゼは、エンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ活性を有し、配列番号1に対して少なくとも60%の同一性を有するポリペプチドを有する。配列番号1は、パエニバチルス属の種62047に対して内因性のキサンタンエンドグルカナーゼのアミノ酸配列に対応する。
【0114】
用語「キサンタンリアーゼ」は、キサンタンのβ-D-マンノシル-β-D-1,4-グルクロノシル結合を切断する酵素を意味し、文献に記載されている。キサンタンリアーゼは、酵素命名法に従ってEC4.2.2.12と分類され、バチルス属、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、及びパエニバチルス属の種を含む多くのキサンタン分解細菌によって産生されることが知られている。本発明によるキサンタンリアーゼは、キサンタンリアーゼ活性を有し、配列番号2に対して少なくとも60%の同一性を有するポリペプチドを含む。配列番号2は、パエニバチルス属の種に対して内因性のキサンタンリアーゼのアミノ酸配列に対応する。
【0115】
洗濯処理組成物は、酵素安定剤を含むことができる。当該組成物は、好ましくは、酵素安定剤を含み得る。例えば、カルシウム及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する最終布地ケア及びホームケア製品中にカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源を存在させることによって、任意の従来の酵素安定剤を用いてよい。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、ホウ酸塩を含むホウ素化合物、すなわち好ましくは4-ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸及びこれらの誘導体、又はギ酸カルシウム、ギ酸ナトリウム及び1,2-プロパンジオールのような化合物といった、可逆的プロテアーゼ阻害剤を加えて、更に安定性を向上させることができる。
【0116】
有機酸
洗濯処理組成物は、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、カルボキシメチルオキシマロン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、ギ酸、グルタル酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、オキシ二酢酸、オキシ二コハク酸、コハク酸、スルファミン酸、酒石酸、酒石酸二コハク酸、酒石酸-コハク酸、又はこれらの混合物から選択される有機酸を含み得る。
【0117】
ポリマー
洗濯処理組成物は、1つ以上のポリマーを含み得る。例は、任意選択的には、変性カルボキシメチルセルロース、変性ポリグルカン、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレートなどのポリカルボキシレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーである。
【0118】
洗濯処理組成物は、1つ以上の両親媒性洗浄ポリマーを含み得る。このようなポリマーは、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性及び疎水性の特性が釣り合っている。好適な両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、コア構造と、そのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基とを含む。これらは、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、特に、エトキシル化ポリエチレンイミン、又は内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するポリエチレンイミンを含み得る。典型的には、これらは、本発明の組成物中に、約0.005~約10重量%、概して約0.5~約8重量%、任意選択的には約0.5~約1.5重量%、任意選択的には約1~約3重量%の量で配合され得る。
【0119】
双性イオン性ポリアミン
洗濯処理組成物は、修飾ヘキサメチレンジアミンである双性イオン性ポリアミンを含み得る。ヘキサメチレンジアミンの修飾としては、以下が挙げられる:(1)ヘキサメチレンジアミンの窒素原子1つ当たり1つ又は2つのアルコキシル化修飾。アルコキシル化修飾は、ヘキサメンチレンジアミンの窒素上の水素原子を、修飾1つ当たり平均約1~約40個のアルコキシ部分を有する(ポリ)アルコキシレン鎖で置換することからなり、アルコキシレン鎖の末端アルコキシ部分は、水素、C1~C4アルキル、サルフェート、カルボネート、若しくはこれらの混合物で保護されている。(2)ヘキサメンチレンジアミンの窒素原子1つ当たり1つのC1~C4アルキル部分の置換及び1つ若しくは2つのアルコキシル化修飾。アルコキシル化修飾は、水素原子を、修飾1つ当たり平均約1~約40個のアルコキシ部分を有する(ポリ)アルコキシレン鎖で置換することからなり、アルコキシレン鎖の末端アルコキシ部分は、水素、C1~C4アルキル若しくはこれらの混合物で保護されている。又は、(3)これらの組み合わせ。
【0120】
両親媒性グラフトコポリマー
洗濯処理組成物は、両親媒性グラフトコポリマーを含むことができる。両親媒性グラフトコポリマー(単数又は複数)は、(i)ポリエチレングリコール主鎖と、(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分とを含むことができる。両親媒性グラフトコポリマーの例は、BASFから供給されるSokalan HP22である。他の好適なポリマーとしては、ランダムグラフトコポリマー、好ましくは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーが挙げられる。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は、約40~約60であり、グラフト点は、エチレンオキシド単位50個当たり1個以下であり得る。典型的には、これらは、約0.005重量%~約10重量%、より通常は約0.05重量%~約8重量%の量で本発明の組成物に配合される。
【0121】
アルコキシル化ポリアミン系ポリマー
洗濯処理組成物は、アルコキシル化ポリアミンを含んでもよい。このような物質としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらのサルフェート化物が挙げられるが、これらに限らない。ポリプロポキシル化誘導体も挙げられる。多種多様なアミン及びポリアクリエンイミン(polyaklyeneimine)は様々な度合いまでアルコキシル化してもよく、任意選択的には更に修飾して上記の利点をもたらすこともできる。有用な例は、NH1個当たり20個のEO基までエトキシル化されている600g/モルのポリエチレンイミンコアである。好ましいエトキシル化ポリエチレンイミンは、BASFから入手可能なPE-20である。
【0122】
有用なアルコキシル化ポリアミン系ポリマーとしては、アルコキシル化ポリエチレンイミン型が挙げられ、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、ポリアルキレンイミンコアにおける少なくとも1つの窒素原子に結合した1つ以上の側鎖を有するポリアルキレンイミンコアを有し、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、(PEI)-(EO)-Rの実験式(I)(式中、aは、当該アルコキシル化ポリエチレンイミンのポリアルキレンイミンコアの数平均平均分子量(MWPEI)であり、100~100,000ダルトンの範囲であり、bは、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンの当該1つ以上の側鎖における平均エトキシル化度であり、5~40の範囲であり、Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される)を有する。
【0123】
他の好適なアルコキシル化ポリアルキレンイミンとしては、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンが、ポリアルキレンイミンコアにおける少なくとも1つの窒素原子に1本以上の側鎖が結合しているポリアルキレンイミンコアを有し、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンが、(PEI)-(EO)(PO)-R又は(PEI)-(PO)(EO)-Rの実験式(II)(式中、oは、アルコキシル化ポリアルキレンイミンのポリアルキレンイミンコアの数平均平均分子量(MWPEI)であり、100~100,000ダルトンの範囲であり、mは、10~50の範囲の、アルコキシル化ポリアルキレンイミンの当該1本以上の側鎖における平均エトキシル化度であり、nは、1~50の範囲の、アルコキシル化ポリアルキレンイミンの当該1本以上の側鎖における平均プロポキシル化度であり、Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される)を有するものが挙げられる。
【0124】
セルロース系ポリマー
洗濯処理組成物は、セルロース系ポリマーを含むことができる。好適なセルロース系ポリマーは、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシルアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロース、スルホアルキルセルロースから選択され、より好ましくは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物から選択され得る。好適なカルボキシメチルセルロースは、約0.5~約0.9のカルボキシメチル置換度、及び約100,000Da~約300,000Daの分子量を有し得る。好適なカルボキシメチルセルロースは、例えば、国際公開第09/154933号に記載されているように、約0.65超の置換度及び約0.45超のブロック性度を有する。
【0125】
本発明の洗濯処理組成物は、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものを含む、1つ以上のセルロース系ポリマーを含んでもよい。一態様では、セルロースポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5~0.9のカルボキシメチル置換度及び100,000Da~300,000Daの分子量を有する。カルボキシメチルセルロースポリマーの例は、CPKelkoによってFinnfix GDAとして市販されているカルボキシメチルセルロース、疎水変性カルボキシメチルセルロース、例えば、CPKelcoによってFinnfix SH1として市販されているカルボキシメチルセルロースのアルキルケテンダイマー誘導体、又はCPKelcoによってFinnfix Vとして市販されているブロック状カルボキシメチルセルロースである。
【0126】
他の水溶性ポリマー
本発明の洗濯処理組成物は更に、他の水溶性ポリマーを含んでもよい。水溶性ポリマーの例としては、限定されないが、ポリビニルアルコール(PVA)、変性PVA、ポリビニルピロリドン;PVA/ポリビニルピロリドン及びPVA/ポリビニルアミンなどのPVAコポリマー;部分加水分解されたポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド;ポリエチレングリコール;アクリルアミド;アクリル酸;セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース及びプロピルセルロースなどのアルキルセルロース系材料;セルロースエーテル;セルロースエステル;セルロースアミド;ポリ酢酸ビニル;ポリカルボン酸及び塩;ポリアミノ酸又はペプチド;ポリアミド、ポリアクリルアミド;マレイン酸/アクリル酸のコポリマー;デンプン、変性デンプンを含む多糖類;ゼラチン、アルギネート;キシログルカン、キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、マンナン、グルコマンナン、及びガラクトグルコマンナンを含む他のヘミセルロース系多糖類;並びにペクチン、キサンタン、及びカラギーナン、ローカス(locus)ビーン、アラビック、トラガカントなどの天然ガム;並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0127】
キレート化剤
洗濯処理組成物は、キレート剤及び/又は結晶成長阻害物質を含むことができる。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な分子としては、ヒドロキサム酸、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、サクシネート、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用するのに好適なキレート剤の非限定的な例としては、エチレンジアミン四酢酸、N-(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エタノールジグリシン、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、エチレンジアミンジスクシネート(EDDS)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸(HEDP)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸(GLDA)、及びそれらの塩、及びそれらの混合物が挙げられる。本発明で有用なキレート剤の他の非限定的な例は、米国特許第7445644号、同第7585376号、及び米国特許出願公開第2009/0176684(A1)号に含まれる。本明細書で使用するのに好適な他のキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto製、DuPont製、及びNalco,Inc.製のキレート剤である。更に他の好適なキレート剤としては、ピリジニルN-オキシド型が挙げられる。
【0128】
蛍光増白剤
洗濯処理組成物は、蛍光増白剤を含むことができる。本開示に好適な市販の蛍光増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、ベンゾキサゾール、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン-5,5-ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びに他の様々な物質の誘導体を含むがこれらに限定されない、サブグループに分類することができる。
【0129】
蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(増白剤15、BASFによって商標名Tinopal AMS-GXとして市販されている)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ビス-ヒドロキシエチル)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(BASFによって商標名Tinopal UNPA-GXとして市販されている)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ヒドロキシエチル-N-メチルアミノ)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(BASFによって商標名Tinopal 5 BM-GXとして市販されている)からなる群から選択され得る。より好ましくは、蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム又は2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エテンジイル)ビス-ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩である。増白剤は、粒子状の形態で、又は好適な溶媒、例えば非イオン性界面活性剤、プロパンジオールとのプレミックスとして添加されてもよい。
【0130】
溶媒
洗濯処理組成物は、溶媒を含むことができる。洗濯処理組成物中の溶媒系は、水のみを含む溶媒系であることも、水を含まないか又は任意選択的には水を含む有機溶媒の混合物であることもできる。当該組成物は、任意に、有機溶媒を含み得る。好適な有機溶媒としては、C4~14エーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C~C16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分岐アルコール、アルコキシル化脂肪族分岐アルコール、アルコキシル化直鎖C~Cアルコール、直鎖C~Cアルコール、アミン、C~C14アルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。任意の有機溶媒としては、1,2-プロパンジオール、2,3ブタンジオール、エタノール、グリセロール、エトキシル化グリセロール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオール、及びそれらの混合物2エチルヘキサノール、3,5,5,トリメチル-1ヘキサノール、及び2プロピルヘプタノールが挙げられる。溶媒は、グリセリンのポリエチレン又はポリプロピレングリコールエーテルであってよい。また、他の低級アルコール、C1~C4アルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンを使用してもよい。溶媒系は、例えば本発明の無水固形物実施形態には存在しなくてもよいが、より典型的には、洗濯処理組成物の約0.1重量%~約98重量%の範囲、好ましくは少なくとも約1重量%~約50重量%、より通常は約5重量%~約25重量%、あるいは約1重量%~約10重量%の当該有機溶媒の濃度で存在する。これら有機溶媒は、水とともに使用されてもよく、又は水なしで使用されてもよい。
【0131】
組み合わせ
以下に実施例を示す。
A.洗濯処理カートリッジ(1)であって、
第1の洗濯処理組成物(13)を収容する第1の副容器(10)であって、
約20重量%~約30重量%の第1のアニオン性界面活性剤系と、
約13重量%~約23重量%の第1の非イオン性界面活性剤系と、を含む、第1の副容器(10)と、
第2の洗濯処理組成物(23)を収容する第2の副容器(20)であって、
約0.001重量%~約0.3重量%の酵素と、
約1重量%~約3重量%の汚れ放出ポリマーと、を含む、第2の副容器(20)と、を備え、
当該第1の副容器及び当該第2の副容器は、当該カートリッジ内に配置されている、洗濯処理カートリッジ(1)。
B.第1の副容器が第1の副容器出口(14)を備え、当該第2の副容器が第2の副容器出口(24)を備え、当該第1の副容器出口及び当該第2の副容器出口が同じ方向に配向され、互いに離間している、段落Aに記載の洗濯処理カートリッジ。
C.当該第1の副容器出口及び当該第2の副容器出口はそれぞれ、出口弁(51)を備える、段落A又はBに記載の洗濯処理カートリッジ。
D.当該第1の副容器及び当該第2の副容器がそれぞれ折り畳み式袋(50)である、段落A~Cのいずれか1つに記載の洗濯処理カートリッジ。
E.当該第1の洗濯処理組成物が、約1重量%~約3重量%の第1のアミンオキシド系を更に含み、当該第2の洗濯処理組成物が、約1重量%~約3重量%の第2のアミンオキシド系を更に含む、段落A~Dのいずれか1つに記載の洗濯処理カートリッジ。
F.洗濯処理カートリッジであって、当該第1の洗濯処理組成物及び当該第2の洗濯処理組成物のうちの少なくとも1つが、約1重量%~約3重量%のキレート剤、約1重量%~約3重量%の有機酸、約1重量%~約2重量%のホウ素化合物、約0.0025~約0.0075重量%のアミラーゼ、約0.02重量%~約0.05重量%のプロテアーゼ、約0.2重量%~約0.3重量%の増白剤、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを更に含む、段落A~Eのいずれか1つに記載の洗濯処理カートリッジ。
G.当該第2の洗濯処理組成物が、約1重量%~約3重量%のキレート剤、約1重量%~約3重量%の有機酸、約1.5重量%~約3重量%のホウ素化合物、約0.1重量%~約0.5重量%のアルコキシル化ポリアミン、約0.2重量%~約0.3重量%の増白剤、色相染料、及びこれらの組み合わせから選択される構成成分を更に含む、段落A~Fのいずれか1つに記載の洗濯処理カートリッジ。
H.当該酵素が、約0.01重量%~約0.025重量%のアミラーゼ、約0.1重量%~約0.3重量%のプロテアーゼ、約0.0005重量%~約0.01重量%のマンナナーゼ及び約0.0005~約0.01のペクチナーゼ、並びにこれらの組み合わせを含む、段落A~Gのいずれか1つに記載の洗濯処理組成物。
I.当該第1の洗濯処理組成物が、当該第2の洗濯処理組成物よりも低い重量分率の酵素を有する、段落A~Hのいずれか1つに記載の洗濯処理カートリッジ。
J.当該洗濯処理カートリッジは更に、
第3の洗濯処理組成物(33)を収容する第3の副容器(30)であって、8重量%~約20重量%のフタルイミドペルオキシカプロン酸と、
0重量%~0.05重量%の塩酸又は等価物と、を含む、第3の副容器(30)を含む、段落A~Iのいずれか1つに記載の洗濯処理カートリッジ。
K.当該第3の副容器は、第3の副容器出口(34)を備え、当該第1の副容器出口、当該第2の副容器出口、及び当該第3の副容器出口が、同じ方向に配向され、互いに離間している、段落Jに記載の洗濯処理カートリッジ。
L.当該第3の副容器が出口弁(51)を備える、段落J又はKに記載の洗濯処理カートリッジ。
M.当該第3の容器が、折り畳み式袋(50)である、段落J~Lのいずれか1つに記載の洗濯処理カートリッジ。
N.当該第1の副容器が、第1の容積の当該第1の洗濯処理組成物を収容し、当該第2の副容器が、第2の容積の当該第2の洗濯処理組成物を収容し、当該第3の副容器が、第3の容積の当該第3の洗濯処理組成物を収容し、当該第3の容積が、当該第1の容積及び当該第2の容積未満である、段落J~Mのいずれか1つに記載の洗濯処理カートリッジ。
O.当該第3の容積は、当該第1の容積及び当該第2の容積の約60%未満である、段落Nに記載の洗濯処理カートリッジ。
P.当該第1の容積が約300mL~約900mLであり、当該第2の容積が約300mL~約900mLであり、当該第3の容積が約100mL~約400mLである、段落N又はOに記載の洗濯処理カートリッジ。
Q.当該第2の洗濯処理組成物が更に、
約20重量%~約30重量%の第2のアニオン性界面活性剤系と、
約13重量%~約23重量%の第2の非イオン性界面活性剤系と、
約1重量%~約3重量%の第2のアミンオキシド系と、を含む、段落A~Pのいずれか1つに記載の洗濯処理組成物。
【0132】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、別途指定のない限り、各このような寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯処理カートリッジ(1)であって、
第1の洗濯処理組成物(13)を収容する第1の副容器(10)であって、
20重量%~30重量%の第1のアニオン性界面活性剤系と、
13重量%~23重量%の第1の非イオン性界面活性剤系と、を含む、第1の副容器(10)と、
第2の洗濯処理組成物(23)を収容する第2の副容器(20)であって、
0.001重量%~0.3重量%の酵素と、
1重量%~3重量%の汚れ放出ポリマーと、を含む、第2の副容器(20)と、を備え、
前記第1の副容器及び前記第2の副容器が、カートリッジ内に配置されている、洗濯処理カートリッジ(1)。
【請求項2】
前記第1の副容器が、第1の副容器出口(14)を備え、前記第2の副容器が、第2の副容器出口(24)を備え、前記第1の副容器出口及び前記第2の副容器出口が同じ方向に配向され、互いに離間している、請求項1に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項3】
前記第1の副容器出口及び前記第2の副容器出口がそれぞれ、出口弁(51)を備える、請求項1又は2に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項4】
前記第1の副容器及び前記第2の副容器がそれぞれ折り畳み式袋(50)である、請求項1に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項5】
前記第1の洗濯処理組成物が、1重量%~3重量%の第1のアミンオキシド系を更に含み、前記第2の洗濯処理組成物が、1重量%~3重量%の第2のアミンオキシド系を更に含む、請求項1に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項6】
前記第1の洗濯処理組成物及び前記第2の洗濯処理組成物のうちの少なくとも1つが、1重量%~3重量%のキレート剤、1重量%~3重量%の有機酸、1重量%~2重量%のホウ素化合物、0.0025~0.0075重量%のアミラーゼ、0.02重量%~0.05重量%のプロテアーゼ、0.2重量%~0.3重量%の増白剤、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項7】
前記第2の洗濯処理組成物が、1重量%~3重量%のキレート剤、1重量%~3重量%の有機酸、1.5重量%~3重量%のホウ素化合物、0.1重量%~0.5重量%のアルコキシル化ポリアミン、0.2重量%~0.3重量%の増白剤、色相染料、及びこれらの組み合わせから選択される構成成分を更に含む、請求項1に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項8】
前記酵素が、0.01重量%~0.025重量%のアミラーゼ、0.1重量%~0.3重量%のプロテアーゼ、0.0005重量%~0.01重量%のマンナナーゼ及び0.0005~0.01のペクチナーゼ、並びにこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の洗濯処理組成物。
【請求項9】
前記第1の洗濯処理組成物が、前記第2の洗濯処理組成物よりも低い重量分率の酵素を有する、請求項1に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項10】
前記洗濯処理カートリッジが更に、
第3の洗濯処理組成物(33)を収容する第3の副容器(30)であって、8重量%~約20重量%のフタルイミドペルオキシカプロン酸と、
0重量%~0.05重量%の塩酸又は等価物と、を含む、第3の副容器(30)を含む、請求項1に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項11】
前記第3の副容器が、第3の副容器出口(34)を備え、前記第1の副容器出口、前記第2の副容器出口、及び前記第3の副容器出口が、同じ方向に配向され、互いに離間している、請求項10に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項12】
前記第3の副容器が出口弁(51)を備える、請求項10又は11に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項13】
前記第3の容器が、折り畳み式袋(50)である、請求項10に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項14】
前記第1の副容器が、第1の容積の前記第1の洗濯処理組成物を収容し、前記第2の副容器が、第2の容積の前記第2の洗濯処理組成物を収容し、前記第3の副容器が、第3の容積の前記第3の洗濯処理組成物を収容し、前記第3の容積が、前記第1の容積及び前記第2の容積未満である、請求項10に記載の洗濯処理カートリッジ。
【請求項15】
前記第3の容積が、前記第1の容積及び前記第2の容積の60%未満である、請求項14に記載の洗濯処理カートリッジ。
【国際調査報告】