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特表2024-544904接点接続を確立させるための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】接点接続を確立させるための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241128BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H05K13/04 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527425
(86)(22)【出願日】2023-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2023065900
(87)【国際公開番号】W WO2024002691
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】102022116028.9
(32)【優先日】2022-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501198796
【氏名又は名称】パック テック-パッケージング テクノロジーズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェットケ,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】コルバソウ,アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】ミルズ,スベトラーナ
【テーマコード(参考)】
5E353
5F044
【Fターム(参考)】
5E353BB04
5E353BC10
5E353GG31
5E353KK01
5E353KK11
5E353QQ11
5F044KK01
5F044LL05
5F044PP15
5F044PP16
5F044PP19
5F044RR12
(57)【要約】
本発明は、表面に導体材料ウェブが形成されている基板(04)の少なくとも1つの接続接点(18)と、好ましくはチップである半導体部品(03)の少なくとも1つの接続接点(19)との間の接点接続を確立させるための装置(01)に関し、装置は、基板(04)に半導体部品(03)を位置決めおよび接合するための接合ツール(02)を備え、光放射のためのビームチャネル(20)が、接合ツール(02)内に形成され、装置は、基板(04)および/または半導体部品(03)にレーザ放射を適用するためのレーザ装置(07)を備え、装置は、光放射を検出するための検出装置(14、17)をさらに備え、装置は、基板(04)を所定の位置に固定し、基板(04)の少なくとも1つの下面(41)を接触させることができる基板受け(05)をさらに備え、光学的に透明な窓本体を有する光学窓(06)が、基板(04)への光放射および/または基板(04)からの光放射が妨げられることなく通過できるように基板受け(05)に組み込まれ、光学窓(06)は、レーザ装置(07)のビーム経路(10)内および/または検出装置(14、17)のビーム経路(15、16)内に配置される。さらに、本発明は、導体材料ウェブの少なくとも1つの接続接点(18)と、半導体部品(03)、とくにはチップの少なくとも1つの接続接点(19)との間に接点接続を確立させるための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体材料ウェブが形成されている基板(04)の少なくとも1つの接続接点(18)と、好ましくはチップである半導体部品(03)の少なくとも1つの接続接点(19)との間の接点接続を確立させるために、
光放射のためのビームチャネル(20)が接合ツール(02)内部に形成された前記基板(04)に前記半導体部品(03)を位置決めおよび接合するための前記接合ツール(02)を備え、
前記基板(04)および/または前記半導体部品(03)にレーザ放射を適用するためのレーザ装置(07)を備え、
光放射を検出するための検出装置(14、17)をさらに備え、
前記基板(04)を所定の位置に固定し、前記基板(04)の少なくとも1つの下面(41)と接触する基板受け(05)をさらに備える、装置(01)であって、
光学的に透明な窓本体を有する光学窓(06)が、前記基板(04)への光放射および/または前記基板(04)からの光放射が妨げられることなく通過できるように前記基板受け(05)に組み込まれ、前記光学窓(06)は、前記レーザ装置(07)のビーム経路(10)内および/または前記検出装置(14、17)のビーム経路(15、16)内に配置されている、ことを特徴とする装置(01)。
【請求項2】
前記検出装置(14、17)は、赤外センサユニット(17)および/または撮像ユニット(14)を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光学窓は、前記レーザ装置(07)のビーム経路(10)内に配置され、前記接合ツール(02)の前記ビームチャネル(20)は、前記赤外センサユニット(17)の前記ビーム経路(15)内に配置される、ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記光学窓(06)は、前記赤外センサユニット(17)のビーム経路(15)内に配置され、前記接合ツール(02)の前記ビームチャネル(20)は、前記レーザ装置(07)の前記ビーム経路(10)内に配置される、ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記光学窓(06)は、前記撮像ユニット(14)のビーム経路(16)内に配置され、前記接合ツール(02)の前記ビームチャネル(20)は、前記レーザ装置(07)のビーム経路(10)および前記赤外センサユニット(17)のビーム経路(15)が前記ビームチャネル(20)の少なくとも一部分を同時に通過するように、前記レーザ装置(07)および前記赤外センサユニット(17)の前記ビーム経路(10)内に配置される、ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記レーザ装置(07)および/または前記検出装置(14)は、少なくとも2つの軸に沿って変位可能なツールテーブル(11)上に配置される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
ベースプレート(13)と、前記基板受け(05)を前記ベースプレート(13)から離間させるための少なくとも1つのベース(12)とを備える、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記光学窓(06)は、少なくとも片面において前記基板受け(05)と同一平面に整列して、前記基板受け(05)と共有の平坦面を形成し、前記共有の平坦面は、前記基板(04)の前記下面(41)に接触する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記光学窓(06)は、ガラスで製作され、および/または反射防止コーティングを有する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
非導電性基板(04)上に形成された導体材料ウェブの少なくとも1つの接続接点(18)と、半導体部品(03)、とくにはチップの少なくとも1つの接続接点(19)との間の接点接続を確立させるために、
前記基板(04)を、基板受け(05)上の所定の位置に、前記基板(04)の下面(41)が前記基板受け(05)に接触するようなやり方で固定し、
半導体部品(03)を、接合ツール(02)によって前記基板(04)上に位置決めし、
前記接続接点(18、19)を少なくとも部分的に溶融させるため、ならびに前記導体材料ウェブおよび前記半導体部品(03)の前記接続接点(18、19)の間に物質同士の結合を生じさせるために、前記基板(04)をレーザ放射に曝し、
前記基板(04)の位置の検出および/または前記半導体部品(03)の位置の検出および/または前記基板(04)の温度の測定および/または前記半導体部品(03)の温度の測定のために、検出装置によって光放射を検出する、方法であって、
光放射の少なくとも1つのビーム経路(10、15、16)が、光学的に透明な窓本体を有する窓(06)を通って、前記基板(04)へと導かれ、かつ/または前記基板(04)から導かれ、前記窓(06)は、前記基板受け(05)内に挿入されており、別の光放射のビーム経路(10、15、16)が、前記接合ツール(02)内に形成されたビームチャネル(20)を通って導かれる、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記基板(04)上および/または前記半導体部品(03)上に配置された少なくとも1つの基準マーカが、前記検出装置(14、17)によって検出され、前記基板(04)、前記半導体部品(03)、および/または前記光放射のビーム経路(10、15、16)が、検出された前記少なくとも1つの基準マーカに基づいて整列させられる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの基準マーカは、熱に曝されたときに前記少なくとも1つの基準マーカによって反射される赤外放射に基づいて赤外センサユニット(17)によって検出される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板(04)の少なくとも1つの接続接点(18)および/または前記半導体部品(03)の少なくとも1つの接続接点(19)の前記温度の測定が、前記接続接点(18、19)の基準面から反射される赤外放射を測定することによって赤外センサユニット(17)によって実行される、請求項10または11に記載の方法。
【請求項14】
前記半導体部品(03)は、少なくとも部分的に透明な基板(04)に適用され、前記少なくとも1つの基準マーカの前記検出は、前記光学窓(06)および前記基板(04)を介して実行される、請求項10~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記レーザ装置(07)および/または前記検出装置(14、17)は、とくには前記光学窓(06)の下方における前記基板(04)に対する整列のために少なくとも2つの軸に沿って変位させられる、請求項10~14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の少なくとも1つの接続接点と、半導体部品の少なくとも1つの接続接点との間に接点接続を確立させるための装置および方法であって、接合ツールと、レーザ装置と、検出装置とを有する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体部品、とくにはチップを、回路基板であってよい基板へと、例えばレーザはんだ付けシステムによってはんだ付けすることが、技術水準から周知である。この目的のために、チップまたは半導体部品の接続接点が、はんだ材料を介して基板のはんだ付け可能な接続接点に接続される。はんだ付け可能な接続接点に、例えば、レーザはんだ付けシステムのはんだボール供給装置によってはんだを提供することができ、はんだを、チップまたは半導体部品の接続接点と基板の接続接点との間に物質同士の結合を生じさせることができるようなやり方で、レーザ装置によって少なくとも部分的に溶融させることができる。チップまたは半導体部品が基板に適用された後にチップまたは半導体部品の接続接点と基板の接続接点との間に物質同士の結合を生じさせるために、チップまたは半導体部品ならびに/あるいは基板を加熱することによって、チップ上または基板上に配置された接続接点を少なくとも部分的に溶融させることも可能である。
【0003】
また、Chip-on-Wafer法またはChip-on-Board法と呼ばれる方法などの基板に半導体部品を適用するための複数の既知の方法においては、配置される半導体部品よりも基板が常に大きい。温度に敏感な部品を保護するために基板を回転させることが、一般的には不可能であり、あるいはきわめて複雑である。
【0004】
基板受け上に基板を位置決めし、物質同士の結合を生み出すために必要な熱エネルギーを基板の上面ならびに/あるいは半導体部品を基板へと位置決めおよび接合するように働く接合ツールを介して導入することが、技術水準から知られている。熱エネルギーが基板の上面のみを介して導入されるため、とくには温度に敏感な基板が、意図せぬ焼損を被る可能性がある。したがって、技術水準から、例えば、上述の種類の焼損も一般的に発生し得るレーザ溶接プロセスに関して、とくにはレーザ溶接プロセスにおいて焼損が発生したか否かを光放射に基づいて判定する目的で、監視のための検出装置を設けることが知られている。光放射を、例えば赤外線カメラによって検出することができる。しかしながら、接点接続を確立させるための装置であって、レーザ放射を基板の上面へと適用する技術水準から公知の装置の場合、光放射を追加で検出することが、基板の上方に配置される検出装置、とくにはカメラと、レーザ装置との間のオフセットを常に考慮および設定しなければならないため、不都合または不可能である。さらに、基板の上方の空間が有限であるため、不都合なことに、例えばビームチャネルを解放するために、接点接続の確立の最中にレーザ装置および検出装置を移動させることが必要になる可能性がある。これは、上述の構成要素の垂直移動ゆえに、基板に対する位置決め誤差を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、接点接続を確立させるための装置であって、基板の損傷を防止し、位置決め誤差を防止しつつ、必要とされるレーザ放射の確実かつ費用効果の高い監視および適用を実行することができる装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有する装置および請求項10の特徴を有する方法によって達成される。
【0007】
本発明による装置は、基板の少なくとも1つの接続接点と半導体部品の少なくとも1つの接続接点との間の接点接続を確立させる役割を果たし、導体材料ウェブが基板上に形成されており、装置は、基板へと半導体部品を位置決めおよび接合するための接合ツールを備え、接合ツール内に光放射用のビームチャネルが形成され、装置は、基板および/または半導体部品にレーザ放射を適用するためのレーザ装置をさらに備え、装置は、光放射を検出するための検出装置をさらに備える。さらに、本発明による装置は、基板受けを備え、基板を基板受け上の所定の位置に固定することができ、基板の少なくとも1つの下面を基板受けに接触させることができ、光学的に透明な窓本体を有する光学窓が、基板への光放射および/または基板からの光放射が妨げられることなく通過できるように基板受けに組み込まれ、光学窓は、レーザ装置または検出装置のビーム経路内に配置される。
【0008】
好ましくは、半導体部品はチップである。基板は、好ましくは非導電性基板であり、基板上に形成された導体材料ウェブを有する。基板に接続される半導体部品が、チップではなく、導体経路を有する他の基板であることも考えられる。本発明の文脈において、半導体部品および基板は、接点接続を確立させるために接合されるため、接合パートナーとも呼ばれる。本発明の文脈において、「接合プロセス」という用語は、接合パートナーを互いに位置決めすること、少なくとも一方の接合パートナーを加熱すること、および例えば所定の接触圧力で一方の接合パートナーを他方へと適用することを指す。
【0009】
チップは、ハウジングを有することができ、あるいはハウジングを持たない半導体部品として形成されてよく、基板上に直接配置されてよい。チップの接続接点と基板の導体材料ウェブとの間に直接接触を確立させることができる。
【0010】
基板を、プラスチックまたはセラミック材料で製作することができ、電子半導体部品を接続するための基板導体材料ウェブが、好ましくは最初に形成される。基板上の導体材料ウェブの形成は、技術水準から周知の方法に従って行うことが可能である。
【0011】
「レーザ装置」という用語を、それ自体がレーザ放射を放出するレーザエミッタ、またはレーザ放射をレーザエミッタから基板へと伝えるための放射伝達装置との組み合わせにおけるレーザエミッタを意味すると理解することができる。レンズおよび/または反射器を備える装置が、放射伝達装置として知られている。
【0012】
本発明の文脈において、「基板の下面」という用語は、基板受けと接触し、半導体部品から遠ざかる方を向いた基板の面を指す。したがって、基板の下面とは反対側の上面の接続接点は、半導体部品の接続接点に接続されるように形成される。
【0013】
この場合、「光放射」という用語は、肉眼で見える光に限定されず、むしろ電磁スペクトル全体、とくには赤外放射(熱放射)および紫外線も含むことができる。自然の光放射源は太陽であるが、光放射は人工的に生成することも可能である。
【0014】
本発明の文脈において、「光学窓」という用語は、典型的には特定の波長範囲内の光放射の最大の透過を提供し、反射および吸収も低減するように設計された光学的に透明な板を指す。さらに、光学窓は、可能な限り最大量の熱を光学窓を介して伝達できるように、断熱材として作用する。
【0015】
本発明の基本的な考え方は、装置が、基板の上面または基板の上面に配置される半導体部品に光放射を適用するためのビームチャネルに加えて、基板受け内に光学窓を有することである。光学窓によって、追加の光放射を基板、とくには基板の下面に導入することができ、かつ/または光放射を光学窓によって反射させて検出することができる。これにより、接点接続を確立させるために必要な熱エネルギーを、基板の下面を介して、すなわち基板に対して下方から導入すること、または接合ツールのビームチャネルを介して、すなわち基板に対して上方から導入することが可能になる。とくには、必要な熱エネルギーを導入するためのレーザ放射が光学窓を介して基板に導入される場合、レーザ放射が下方から適用されるがゆえに、基板の上方の著しく大きい空間が接合ツールおよび検出装置に利用可能になるため、基板上に配置される半導体部品を、レーザ装置を考慮に入れることなく位置決めすることができる。これは、例えば、基板の上方において接合ツール、レーザ装置、および検出装置を変更し、あるいは整列させる場合に必要な移動経路も最小化し、したがって接合プロセスにおける位置ずれを防止する。加えて、2つの光放射アクセス、すなわち接合ツール内のビームチャネルおよび基板受け内の光学窓を通して異なる光放射を同時に適用または検出することができるため、本発明による装置の接合プロセスの最中に直接的かつ能動的な位置調整を実行することが可能である。したがって、熱エネルギーを適用するためのレーザ放射をビーム経路を介して基板へと導入するのと同時に、検出装置によって第2のビーム経路を介して光放射を同時に検出し、これを使用して基板受けに対する基板の位置または基板に対する半導体部品の位置を決定することが可能である。したがって、好都合なことに、接合ツールによる基板上の半導体部品の位置決めの最中にすでにレーザ放射を適用し、同時に、検出装置によって決定される基板に対する半導体部品の位置を使用して、位置決めツールを制御することが可能である。
【0016】
本発明の文脈において、検出装置は、とくには光放射を検出するための装置として機能し、それにより、接点接続を確立させるための接合プロセス、とくには接続接点へのレーザ放射の集束および基板の加熱、ならびに基板上の半導体部品の位置決めを監視することができる。これは、好ましくは、基板または半導体部品によって放射される光放射に基づいて行われる。
【0017】
本発明による接点接続を確立させるための装置によって、半導体部品を、接合ツールによって基板上に位置決めすることができ、基板へと取り付けることができ、必要な熱エネルギーは、レーザ装置によって基板および/または半導体部品に適用される。好ましくは、レーザ放射は、基板および/または半導体部品の接続接点が少なくとも部分的に溶融するようなやり方で基板および/または半導体部品に適用され、半導体部品の接続接点を基板の接続接点に適用することによって、基板の接続接点と半導体部品の接続接点との間に物質同士の結合が形成される。基板の接続接点と半導体部品の接続接点との間に配置されるはんだ材料堆積物を、レーザ装置によって適用されるレーザ放射によって溶融させて、基板の接続接点と半導体部品の接続接点との間に物質同士の結合を形成することも考えられる。必要な熱エネルギーを導入するために、接続接点またははんだ材料堆積物をレーザ放射に直接曝すことや、熱エネルギーをレーザ放射によって基板および/または半導体部品に導入し、基板または半導体部品の接続接点に伝えることも考えられる。
【0018】
接点接続の製造時、とりわけ半導体部品の基板への接合時の誤差を排除するために、検出装置は、好ましくは反射された光放射によって基板に対する半導体部品の位置を検出することが可能であり、反射された光放射によって接合プロセスのプロセスパラメータ、とくには基板および半導体部品の温度の監視も可能であるようなやり方で設計される。基板に対する半導体部品の位置決めを単純化するために、本発明による装置は、基板を所定の位置に固定することができる基板受けを有する。好ましくは、基板は、基板の下面が基板受け上および光学窓上に載せられ、光学窓を少なくとも部分的に覆うように、基板受けに形状嵌合式にて取り付けられる。また、保持力を発生させることによって基板を基板受けに取り付けることも考えられる。保持力を生成するために、基板受けに載せられた基板に負圧を加えることができる。したがって、基板受けは、基板の位置決め固定を可能にすると同時に、光学窓ゆえに、基板への光放射および/または基板からの光放射の妨げのない通過を可能にする。要約すると、本発明による装置は、基板上および/または半導体部品上で終わり、異なる方向から基板または半導体部品に衝突するビーム経路を介して、基板および/または半導体部品をレーザ放射に曝すと同時に、接合パートナーの位置決めおよび接合プロセスを監視するための光放射を検出するために、好都合に使用することが可能である。
【0019】
本発明の好都合な実施形態が、従属請求項の主題である。さらに、本発明は、明細書、特許請求の範囲、および/または図面に開示された少なくとも2つの特徴を含むあらゆる組み合わせに関する。装置の文脈において開示されたすべての特徴および実施形態は、同一ではないかもしれないが同等のやり方で本発明による方法にも関連すると理解される。とくには、一般的な言語実務の範囲内のそれぞれの用語の言語的に一般的な言い換えおよび/または類似の置換、とりわけ一般的に認識された言語文献によって裏付けられた同義語の使用は、当然ながら、あらゆる変形に明示的に言及する必要なく、本開示の内容に含まれる。
【0020】
検出装置が赤外センサユニットおよび/または撮像ユニットを備えると好都合であることが、明らかになっている。撮像ユニットは、好ましくはカメラである。好ましくは反射放射に基づいて半導体部品および/または基板の温度を非接触で測定することができる赤外センサユニットが、温度を測定するために好ましく使用される。基準マーカが基板上に配置され、基準マーカの赤外放射が基板の赤外放射から区別可能である場合、基板の位置を検出するための赤外センサユニットを使用することも考えられる。780nmおよび1mmの波長範囲内の赤外範囲の光放射を検出することによって、赤外センサユニットは、半導体部品および/または基板の位置の検出、ならびに接合プロセスのプロセスパラメータの監視、とりわけ接合パートナー、すなわち半導体部品および基板の温度の監視に使用可能である。撮像ユニットは、好ましくは、基板に対する半導体部品の位置決め、および/または基板受けに対する基板の位置決めに使用される。
【0021】
装置、とくには検出装置が、処理ユニットを有することも考えられる。処理ユニットは、好ましくは、少なくとも1つのプロセッサならびに/あるいは揮発性および/または不揮発性メモリを有し、赤外センサユニットおよび/または撮像ユニットによって検出された位置データおよび/または処理データ、とくには温度値を処理し続けるように構成され、検出値に従って接合ツールおよび/またはレーザ装置を制御するように構成される。これは、処理ユニットが、例えば、基板に対する半導体部品の位置を補正するために接合ツールを制御することによって、位置ずれに直接反応することができることを意味する。検出装置の処理ユニットが、レーザ放射の強度、したがってエネルギー入力を補正するために、検出装置によって記録された温度値に基づいてレーザ装置を制御することも考えられる。処理ユニットが、例えば、現実の(実際の)位置が所望の(目標)位置から逸脱する場合や、半導体部品もしくは基板において所定の温度限界を超える場合に、音響および/または視覚信号を発することも考えられる。次いで、オペレータが、装置の動作を手動で停止させ、かつ/または必要に応じて修正を行うことができる。装置の動作を、上述の逸脱の場合に、基板、半導体部品、および/または装置の損傷を防止するために、接合プロセスの最中に自動的に停止させることも可能である。
【0022】
好ましい実施形態によれば、光学窓は、レーザ装置のビーム経路内に配置され、接合ツールのビームチャネルは、赤外センサユニットのビーム経路内に配置される。換言すると、レーザ装置および赤外センサユニットが、レーザ装置のビーム経路が光学窓を通過し、赤外センサユニットのビーム経路が接合ツールのビームチャネルを通過するように配置される。この設計による配置は、基板を光学窓を介する下方からのレーザ放射に曝すことができると同時に、半導体部品および/または基板によって反射された赤外放射を接合ツールのビームチャネルによって検出することができるという利点を提供する。このようにして、赤外センサユニットによって接合パートナーの温度および接合パートナーの位置決めを容易に監視することができると同時に、接続接点を溶融させることによって接合パートナー間に物質同士の結合を生成するために、基板にエネルギーを導入することができる。
【0023】
別の実施形態によれば、光学窓は、赤外センサユニットのビーム経路内に配置され、接合ツールのビームチャネルは、レーザ装置のビーム経路内に配置される。これは、赤外センサユニットおよびレーザ装置が、赤外センサユニットのビーム経路が光学窓を通過し、レーザ装置のビーム経路が接合ツールのビームチャネルを通過するように配置されることを意味する。この実施形態は、レーザ装置と赤外センサユニットとが互いに影響を及ぼすことなく、かつ/またはレーザ装置および赤外センサユニットをスペースの欠如のために移動させる必要なく、赤外放射およびレーザ放射を同時に検出および適用することができるという点で好都合である。
【0024】
第3の実施形態によれば、光学窓は、撮像ユニットのビーム経路内に配置され、接合ツールのビームチャネルは、レーザ源のビーム経路および赤外センサユニットのビーム経路がビームチャネルの少なくとも一部分を同時に通過するように、レーザ装置および赤外センサユニットのビーム経路内に配置される。換言すると、撮像ユニット、赤外センサユニット、およびレーザ装置が、撮像ユニットのビーム経路が光学窓を通過し、レーザ装置および赤外センサユニットのビーム経路が接合ツールのビームチャネルを通過するように配置される。この実施形態によれば、基板受けに対する基板の位置および基板に対する半導体部品の位置を、撮像ユニットによって下方から好都合に検出することができることに加え、基板および/または半導体部品を上方からのレーザ放射に曝すことができると同時に、半導体部品および/または基板によって反射された赤外センサユニットの赤外放射を検出して、半導体部品の温度および/または基板の温度を監視することができる。撮像ユニット、赤外センサユニット、およびレーザ装置を組み合わせることにより、撮像ユニットおよび赤外センサユニットの両方を用いて位置測定を行うことができるため、プロセス制御の安全性が向上する。好ましくは、位置測定は撮像ユニットによって行われ、温度測定は赤外センサユニットによって行われる。
【0025】
撮像ユニットおよび赤外センサユニットを基板および基板受けの上方に配置し、したがって撮像ユニットのビーム経路および赤外センサユニットのビーム経路が接合ツールのビームチャネルを通過する一方で、基板受けに対するレーザ装置によるレーザ放射の適用を、下方から光学窓を通して行うことも考えられる。
【0026】
さらに、レーザ装置および/または検出装置および/または基板受けが、少なくとも2つの軸に沿って変位することができるテーブル上に配置されると好都合であることが明らかになっている。好ましくは、レーザ装置または基板受けが、少なくとも2つの軸に沿って変位することができるテーブル上に配置される。少なくとも2つの軸に沿って変位することができるテーブルによるレーザ装置および/または検出装置および/または基板受けの変位可能性は、好都合なことに、比較的大きな基板を比較的大きな半導体部品またはいくつかの半導体部品に接続することを可能にする。とくに、これは、レーザ装置によって放射されたレーザビームのエネルギー入力または集束が、接点接続を確立させるために必要なすべての接続接点を同時に加熱するのに充分でない場合に必要とされ得る。そのような要件の場合に、レーザ装置および基板を、2つの軸に沿って変位することができるテーブルによってお互いに対して変位させることができる。とくに、レーザ装置を、2つの軸に沿って変位することができるテーブルによって、基板の第1の接続接点または基板の第1の接続接点群から別の接続接点または別の接続接点群へと移動させ、接続接点群は、レーザによって1つの工程で加熱することができるいくつかの接続接点を含み、レーザ装置を対応する位置に位置させて、レーザ放射によって基板にエネルギーを導入することが考えられる。好ましくは、ツールテーブルを、基板受けの支持面に平行に配置されたX-Y平面内の2つの軸に沿って変位させることができる。しかしながら、例えばツールテーブル上に配置された検出装置またはレーザ装置の焦点を変更するために、ツールテーブルが、このX-Y平面に垂直に、すなわちデカルト座標系のZ方向にも変位可能であることが考えられる。より好ましくは、ツールテーブルは、基板受けの上方で行われるプロセスを損なうことなく基板受けおよび/またはレーザ装置および/または検出装置を変位させることができるように、基板受けの下方に配置される。
【0027】
好ましい実施形態によれば、ベースプレートと、基板受けをベースプレートから離間させるためのベースとが備えられる。光放射を基板へと導入するため、または基板から出る光放射を検出するために、光学窓は、レーザ装置および/または検出装置のビーム経路にとってアクセス可能であることが必要である。とくには、光学窓を通して光放射を案内するための複雑な偏向ユニットを避け、レーザ装置および/または検出装置を基板受けの下方に配置することが有利であることが明らかになっている。必要な空間を提供すると同時に、装置の精度および安定性を必要とされるとおりに高く保つために、基板受けを少なくとも1つのベース、好ましくは2つまたは4つのベース上に配置し、これらのベースを基板受けに平行なベースプレートに接続することが、好都合であることが明らかになっている。このようにして、検出装置および/またはレーザ装置を基板受けとベースプレートとの間に配置することが可能である。レーザ装置および/または検出装置を基板およびベースプレートに対して定位置に固定することも、検出装置および/またはレーザ装置を変位可能なテーブル上に配置し、したがってベースプレートと基板受けとの間で可変に変位可能にすることも可能である。2つの軸に沿って変位可能なツールテーブル上に少なくとも1つのベースを配置することによって、変位可能な基板受けを実現することも考えられる。
【0028】
別の好ましい実施形態によれば、光学窓は、少なくとも片面において基板受けと同一平面に整列して、基板受けと共有の平坦面を形成し、この共有の平坦面は、基板の下面に接触する。換言すると、これは、基板に面する基板受けおよび光学窓の面が、基板を載せることができる共有の平坦面を形成するようなやり方で、光学窓が基板受けに組み込まれることを意味する。これは、位置決めを単純化し、繰り返し精度を向上させる基板のための可能な限り最大の支持面を形成する。光学窓が、両面、すなわち基板に面する基板受けの上面、および反対側の基板受けの下面において、基板受けと同一平面であることも考えられる。換言すると、これは、基板受けと光学窓とが同じ厚さを有してもよいことを意味する。
【0029】
光放射が可能な限り妨げられることなく光学窓を通過することができるように、窓がガラスで製作されること、および/または反射防止コーティングを有することが、好都合であることが明らかになっている。好ましくは、光学窓はガラス製であり、反射防止コーティングを有する。より好ましくは、光学窓は、レーザ装置に面する面、すなわちレーザ放射が光学窓に衝突する面に反射防止コーティングを有する。さらにより好ましくは、基板に面する光学窓の上面および上面とは反対側の光学窓の下面が、反射防止コーティングを有する。反射防止コーティングは、レーザ放射などの光放射の後方反射を好都合に防止することができ、その結果、レーザ放射のエネルギーを基板または半導体部品にほぼ完全に導入することができる。
【0030】
第2の態様において、本発明は、非導電性基板上に形成された導体材料ウェブの少なくとも1つの接続接点と、半導体部品、とくにはチップの少なくとも1つの接続接点との間の接点接続を確立させるための方法に関し、本方法は、少なくとも以下のステップ、すなわち
・基板を、基板受け上の所定の位置に、基板の下面が基板受けに接触するように固定するステップ、
・半導体部品を、接合ツールによって基板上に位置決めするステップ、
・接続接点を少なくとも部分的に溶融させるため、ならびに導体材料ウェブおよび半導体部品の接続接点の間に物質同士の結合を生じさせるために、基板および/または半導体部品をレーザ放射に曝すステップ、および
・基板の位置の検出および/または半導体部品の位置の検出および/または基板の温度の測定および/または半導体部品の温度の測定のために、検出装置によって光放射を検出するステップ
を含む。
【0031】
光放射の少なくとも1つのビーム経路が、光学的に透明な窓本体を有する窓を通って、基板へと導かれ、かつ/または基板から導かれ、前記窓は基板受け内に挿入されており、別の光放射のビーム経路が、接合ツール内に形成されたビームチャネルを通って導かれることが、本発明に不可欠である。好ましくは、基板および/または半導体部品の接続接点の温度は、検出された光放射に基づいて測定される。導体材料ウェブおよび半導体部品の接続接点間の物質同士の結合を形成するために、接続接点の少なくとも部分的な溶融を生じさせるレーザ放射に接続接点を曝した後、または曝している最中に、接点対を形成する接合パートナーの接続接点に接触圧力が伝達されるように、接合ツールが半導体部品に力を加えることが考えられる。他方で、半導体部品と基板とが半導体部品の重量ゆえに互いに接触するだけであることも考えられる。本発明による方法においては、レーザエネルギーの適用および接合プロセスの監視が、異なるビーム経路を形成することによって既知の方法から外れて実行され、ビーム経路は、基板受けに組み込まれた窓を通って導かれ、したがって、放射が基板に両面から好都合にアクセス可能である。
【0032】
本方法の好ましい実施形態によれば、基板上および/または半導体部品上に配置された少なくとも1つの基準マーカが、検出装置によって検出され、基板、半導体部品、および/または光放射のビーム経路が、検出された基準マーカに基づいて整列させられる。本発明の文脈において、基準マーカは、基板または半導体部品の位置決めに使用することができる基板上または半導体部品上の任意のマーキングを指す。基準マーカは、一般に、基板受け上に基板を位置決めし、基板に対してレーザ装置、検出装置、および/または半導体部品を位置決めするために使用することができる光学的な基準点である。基板の位置決めに加えて、基準マーカを使用して基板のサイズを決定することもできる。好ましくは、基準マーカは、撮像ユニットを使用して捕捉される。基準マーカが記録され、その後に、好ましくは処理ユニットによって、1つまたはいくつかの基準マーカの位置を処理ユニットに格納されたプリント回路基板の画像と比較することができ、プリント回路基板の任意の伸長、圧縮、またはねじれを補償することができる。
【0033】
とくには、基板および/または半導体部品の温度を測定するために赤外センサユニットが使用される場合、熱に曝されたときに少なくとも1つの基準マーカによって反射された赤外放射に基づいて、赤外センサユニットによって少なくとも1つの基準マーカを検出することが好都合であることが明らかになっている。これは、とくには赤外センサユニットが温度測定のためにすでに設けられている場合に、少なくとも1つの基準マーカもわずかな労力で検出できることを意味する。基準マーカは、好ましくは、その反射赤外放射が導体材料ウェブの非導電性基板とは異なる金属構造を有する。
【0034】
本方法の別の好ましい実施形態によれば、基板および/または半導体部品の接続接点の温度の測定が、接続接点の基準面から反射される赤外放射を測定することによって赤外センサユニットによって実行される。接続接点の温度を可能な限り正確に決定し、温度曲線またはエネルギー入力を可能な限り直接的に調整することを可能にするために、接続を生成するために少なくとも部分的に溶融させられる接続接点の温度を直接測定することが、好都合であることが明らかになっている。
【0035】
さらに、半導体部品を、少なくとも部分的に透明な基板、または少なくとも部分的に透明な基板に形成された導体材料ウェブに適用することが考えられる。本発明の文脈において、透明な基板は、反射および吸収を低減しつつ、所与の波長範囲の光放射について最大の透過をもたらすように構成された光学的に透明な基板である。好ましくは、基板は、検出装置によって基準マーカを検出するために基準マーカの領域において透明である。したがって、例えば、基準マーカの検出を、光学窓および基板を介して実行することができる。これにより、基準マーカを基板の下面または上面から簡単かつ柔軟な方法で検出することが可能になる。
【0036】
本方法の別の好ましい実施形態によれば、レーザ装置および/または検出装置は、基板に対する整列のために、とくには光学窓の下方で、少なくとも2つの軸に沿って変位させられる。これにより、比較的大きな基板に複数の半導体部品および/または比較的大きな半導体部品を簡単なやり方で取り付けることが可能になる。好ましくは、レーザ装置は、基板または基板受けに対して、2つの軸に沿って、基板受けおよび光学窓の下方で変位させられる。しかしながら、基板受けを、基板を位置決めするために少なくとも2つの軸に沿って移動させることができるテーブル上に配置し、基板受けを、検出装置および/またはレーザ装置に対して変位させることも考えられる。
【0037】
上述の実施形態および説明例ならびに後述される実施形態および説明例が、個別に実施可能であるだけでなく、本発明の技術的範囲から外れることなく任意の組み合わせでも実施可能であることは言うまでもない。また、上述の実施形態および説明例ならびに後述される実施形態および説明例が、別個に言及するまでもなく、同等または少なくとも同様の様相で本発明による方法に関係することも明らかである。
【0038】
本発明の実施形態は、図面に概略的に示され、以下で例示的なやり方で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明による装置の第1の概略的な説明例を示している。
図2】本発明による装置の第2の概略的な説明例を示している。
図3】本発明による装置の第3の概略的な説明例を示している。
図4】本発明による装置の第4の概略的な説明例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1および図2がどちらも、基板04の少なくとも1つの接続接点18と半導体部品03の少なくとも1つの接続接点19との間に接点接続22を確立させるための本発明による装置の実施形態を示しており、半導体部品03はチップである。図1および図2において、基板04への光放射の後方印加を可能にする光学窓06が基板受け05に組み込まれていることをみて取ることができる。レーザ放射が、レーザエミッタ09に加えてレンズ系08を備えているレーザ装置07によって、基板04の下面41に適用される。レーザ装置07のビーム経路10は、基板04の下面41へと光学窓06を通過する。図1および図2に示される実施形態によれば、半導体部品03、とくには半導体部品03の接続接点19を、光学窓06および基板04を通してレーザ放射に曝し、レーザ放射のエネルギー入力によって少なくとも部分的に溶融させることができる。この目的のために、基板は透明であることが考えられる。接合ツール02によって、半導体部品03を基板04上に位置決めして配置することができる。半導体部品03が基板04に適用された後に、少なくとも部分的に溶融した接続接点19が、半導体部品03と基板04、好ましくは基板04上に形成された導体材料ウェブ(図示せず)との間に接点接続22を形成する。半導体部品03の温度を測定するため、および/または基板04に対する半導体部品03の位置を検出するために、赤外センサユニット17が、基板04の上方に配置され、赤外センサユニット17のビーム経路15は、接合ツール02内に形成されたビームチャネル20を通過する。図1および図2に見られるように、半導体部品03によって反射され、ビームチャネル20を通過する反射放射が、赤外センサユニット17によって検出され、温度および/または位置を決定するために評価される。さらに、接点接続22を確立させるための装置01の図1および図2による実施形態は、X-Y方向に変位可能なツールテーブル11を有する。Y方向の移動経路は、画像平面内に延び、X方向の移動経路は、それに垂直に延び、Z方向の別の可能な移動経路は、XおよびY方向に垂直に、ベースプレート13から基板受け05に向かって延びる。基板受け05をベースプレート13に接続するベース12上への基板受け05の配置は、基板受け05および光学窓06の下方にレーザ装置07を配置することを可能にするために必要な空間を提供するように機能する。さらに、図1および図2から、光学窓06が、少なくとも基板04に面する上面において、基板受け05の上面と同一平面にあることも見て取ることができる。これにより、基板受け05または光学窓06の上面に基板の下面41のための平坦な支持面を形成することが可能になる。
【0041】
本発明による装置の図1による第1の説明例および図2による第2の説明例は、ツールテーブル11およびレーザ装置07の異なる配置において本質的に異なる。図1に示される第1の説明例においては、ベース12がツールテーブル11上に配置されることにより、基板受け05が、ツールテーブル11によってX-Y方向に変位可能である。これにより、基板04をレーザ装置07および接合ツール02に対して、したがって半導体部品03に対しても、位置決めすることが容易になる。さらに、本発明による装置の第1の説明例のレーザ装置07は、レーザエミッタ09およびレンズ系08を有し、レンズ系08およびレーザエミッタ09は、レーザ放射の偏向が必要とされず、したがってビーム経路10が偏向を被ることなく基板の下面41に直接衝突するか、あるいはビーム経路10が基板04を通過した直後に半導体部品03に衝突するように、光学窓06または基板04の下方に配置される。
【0042】
対照的に、図2に示される第2の説明例によるレーザ装置07は、レーザエミッタ09およびレンズ系08に加えて、レンズ系08を通過した後のレーザ放射を偏向させ、したがって基板04へと導く偏向ミラー21を有する。したがって、レーザ放射のビーム経路10は、まずはレーザエミッタ09から出発して偏向ミラー21までX方向に進み、そこからビーム経路は、基板04に向かってZ方向に続く。第2の説明例によれば、レーザ装置07がツールテーブル11上に配置され、したがってX-Y方向に動かすことが可能であることを、やはり図2から見て取ることができる。したがって、第2の説明例によれば、レーザ装置07を簡単なやり方で基板04に対して位置決めすることができる。
【0043】
図3が、本発明による装置の第3の説明例を示している。レーザ装置07は、基板04の上方のZ方向に、レーザ装置07のビーム経路10が接合ツール02のビームチャネル20を通過するようなやり方で配置される。レーザ装置07は、レーザ放射を放出するためのレーザエミッタ09と、ビームの拡大またはビームの集束のためのレンズ系08とを有する。図3において、半導体部品03が、2つの接続接点19を介して基板04にすでに接続されており、あるいは基板04上に形成された導体材料ウェブ(図示せず)に導電可能に接続されていることを、見て取ることができる。別の半導体部品03が、例えば負圧によって接合ツール02によって保持され、接合ツール02によって基板04上に配置することが可能である。接続接点19を少なくとも部分的に溶融させるために、接合ツール02上に保持された半導体部品03は、ビームチャネル20を介する上方からのレーザ放射に曝される。接合プロセス、とくには接続接点19の溶融は、赤外センサユニット17によって監視される。赤外センサユニット17は、基板04および/または半導体部品03から反射された赤外放射を検出して、基板04に対する半導体03の温度および/または位置を検出する。さらに、赤外センサユニット17は、基板04上に配置された基準マーカ(図示せず)を、その反射放射に基づいて認識することができ、したがって、基板受け05ならびに/あるいは接合ツール02または接合ツール02上に保持された半導体部品03に対する基板04の正確な位置決めも監視することができる。第3の説明例によれば、赤外センサユニット17は、基板受け05の下方に配置されることにより、赤外センサユニット17のビーム経路15は、基板04に向かって光学窓06を通過する。赤外センサユニット17の配置は、基板受け05が、基板受け05を装置01のベースプレート13から離間させるベース12上に配置されるという事実によって可能になる。光学窓06は、基板の下面41を基板受け05の上面および光学窓06の上面に同一平面の様相で載せることができるように基板受け05に組み込まれる。基板受け05、したがって基板04を、簡単なやり方で赤外センサユニット17および/または接合ツール02に対して位置決めすることを可能にするために、基板受け05が配置されるベース12は、少なくともX-Y方向に移動することができるツールテーブル11に接続される。
【0044】
図4が、本発明による装置01の第4の説明例を示している。第4の説明例によれば、基板受け05は、やはりベース12によってベースプレート13から離され、基板受け05は、ベース12をツールテーブル11上に配置することによってX-Y方向に変位可能である。基板04は、基板の下面41で、基板受け05の上面および基板受け05に一体化された光学窓06の上面の両方に接触する。図示の第4の説明例によれば、検出装置は、赤外センサユニット17、およびカメラ14として実現される撮像ユニットの両方を有する。カメラ14は、カメラ14によって検出される放射またはカメラ14のビーム経路16が光学窓06および透明な基板04を通過するように、ベースプレート13と基板受け05との間の基板受け05の下方に配置される。したがって、基板受け05上の基板04の位置決めおよび基板04に対する半導体部品03の位置決めの両方を、カメラ14によって基板受け05の下方から監視することができる。したがって、基板04の位置決めを、カメラ14によって検出することができる基準マーカに基づいて容易に監視することができる。1つの半導体部品03が、基板04上にすでに配置されており、別の半導体部品03が、基板04上への位置決めのために接合ツール02上に保持されている。半導体部品03の接続接点19を少なくとも部分的に溶融させるために、レーザ放射が半導体部品03に適用され、半導体部品03へのレーザ放射のエネルギー入力が、接続接点19を溶融させる。レーザ放射を適用するために、レーザ装置07は、レーザエミッタ09およびレンズ系08を有する。レーザ放射のビーム経路10が、接合ツール02のビームチャネル20を通過し、したがって、ビームチャネル20は、基板受け05の上方に配置されたレーザ装置07のビーム経路10に配置されることを、見て取ることができる。さらに、装置01は、半導体部品03および/または基板04の温度を測定するために、半導体部品03および/または基板04によって反射された赤外放射を検出する赤外センサユニット17を有する。赤外ビーム経路15は、反射放射が、半導体部品03の垂直上方に配置されてはおらず、むしろオフセットされるように配置されている赤外センサユニット17に衝突するように、偏向ミラー21によって偏向させられる。レーザ装置07および赤外センサユニット17を基板04の上方に配置することにより、赤外センサユニット17のビーム経路15およびレーザ装置07のビーム経路10の両方が、ビームチャネル20の少なくとも一部分を同時に通過する。図4に示される第4の説明例によれば、装置は、カメラ14と、赤外センサユニット17を備える検出装置とを備えるため、接合プロセス、とくには接合パートナーの温度および接合パートナーの位置決めを、きわめて確実に検出することができる。カメラ14と赤外センサユニット17との同時使用は、少なくとも1つのビーム経路10、15、16、この場合にはカメラ14のビーム経路16が、光学窓06を通過し、したがって基板受け05の下方で光放射を検出することができるという事実によって可能になる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】