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特表2024-544905デジタル親和性に基づく検出アッセイのためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】デジタル親和性に基づく検出アッセイのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1409 20240101AFI20241128BHJP
   G01N 15/149 20240101ALI20241128BHJP
   G01N 15/14 20240101ALI20241128BHJP
   G01N 15/1429 20240101ALI20241128BHJP
   G01N 15/1434 20240101ALI20241128BHJP
   G01N 33/536 20060101ALI20241128BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20241128BHJP
   C12Q 1/6813 20180101ALI20241128BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20241128BHJP
   C07K 16/00 20060101ALN20241128BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALN20241128BHJP
【FI】
G01N15/1409 100
G01N15/149
G01N15/14 C
G01N15/1429
G01N15/1434
G01N33/536 D
G01N21/64 F
C12Q1/6813 Z
C12M1/00 A
C07K16/00
C12Q1/6876 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527427
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 US2022079493
(87)【国際公開番号】W WO2023086794
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/263,864
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514104933
【氏名又は名称】ユニヴァーシティ オブ ワシントン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チウ,ダニエル・ティ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,モンシア
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ユエンファ
【テーマコード(参考)】
2G043
4B029
4B063
4H045
【Fターム(参考)】
2G043AA04
2G043BA16
2G043CA04
2G043DA05
2G043EA01
2G043HA05
2G043HA09
2G043KA02
2G043KA03
2G043LA02
2G043LA03
4B029AA07
4B029BB15
4B029BB20
4B029CC01
4B029FA15
4B063QA01
4B063QA20
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QQ79
4B063QS22
4B063QS36
4B063QX10
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045DA75
4H045DA76
4H045EA50
(57)【要約】
デジタル親和性に基づく検出アッセイのためのシステム及び方法が記載される。ある実施形態では、本方法は、単一分子検体などの検体を、検出可能な薬剤と試料中で会合させることと、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を、流路を通して流すことと、検査窓を通した励起光を、流路の一部分を通して出力することと、流路の一部分から受光された放射光に基づいて、光検出器で放射信号を生成することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル親和性に基づく単一分子検出アッセイのための方法であって、前記方法が、
試料中の単一分子検体を、検出可能な薬剤と会合させることと、前記検出可能な薬剤と会合した前記検体を含む前記試料を、流路を通して流すことと、
検査窓を通した励起光を、前記流路の一部分を通して出力することと、
前記流路の前記一部分から前記検査窓を通して受光された放射光に基づいて、光検出器で放射信号を生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記検体が捕捉剤と会合された場合、かつ前記捕捉剤が単離手順に供された場合に、前記試料の一部分から前記検体を単離するように構成された前記捕捉剤と、前記検体を会合させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記捕捉剤が、ビーズを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ビーズが、磁性である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ビーズが、前記励起光による励起時にビーズ蛍光を発するように構成された、蛍光ビーズである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ビーズが、複数の別個の発色団を含み、前記複数の別個の発色団の各発色団が、調整可能な光学符号化パラメータの所定のセットを含み、それによって、前記捕捉剤に関する光学的に検出可能なコードを定義する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記光学的に検出可能なコードが、前記捕捉剤の所定の放射スペクトル、前記捕捉剤の所定の吸収スペクトル、又はそれらの組み合わせを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記蛍光ビーズが、蛍光スペクトル強度バーコード化ビーズである、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記ビーズが、1マイクロメートル未満の直径を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記ビーズが、300nm未満の直径を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記捕捉剤と前記検出可能な薬剤との比が、10:1~1:10の範囲にある、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記捕捉剤が、ビーズを含まない、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記捕捉剤と会合した前記検体を前記試料の一部分から単離して、精製試料を提供することを更に含み、
前記検出可能な薬剤と会合した前記検体を、前記流路を通して流すことが、前記精製試料を、前記流路を通して流すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記検出可能な薬剤と会合した前記検体を、前記流路を通して流すことが、前記捕捉剤及び前記検出可能な薬剤と会合した前記検体を含む複合体を流すことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記捕捉剤が、磁気ビーズを含み、前記捕捉剤と会合した前記検体を前記試料から単離することが、前記磁気ビーズを磁石と会合させることと、前記捕捉剤と会合した前記検体から、前記磁石と会合していない前記試料の一部分を除去して、前記精製試料を提供することと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記捕捉剤が、ビーズを含み、前記捕捉剤と会合した前記検体を前記試料から単離することが、前記検体と会合した前記捕捉剤を含む前記試料を遠心分離して、上清、及び前記捕捉剤と会合した前記検体を含む沈殿物を提供することと、前記上清をデカントして、前記精製試料を提供することと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記捕捉剤が、ビーズを含み、前記捕捉剤に結合された前記検体を前記試料から単離することが、前記捕捉剤と会合した前記検体を含む前記試料をサイズ排除クロマトグラフィカラムに通して、前記捕捉剤と会合した前記検体を含む前記精製試料を提供することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記捕捉剤が、表面に結合されている、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
前記表面に結合された前記捕捉剤と会合していない前記試料の一部分を除去することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記表面を溶出緩衝液と接触させて、前記捕捉剤と会合した検体を前記表面から溶出させることを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記捕捉剤が、励起時に捕捉剤放射光を発するように構成されている、請求項2に記載の方法。
【請求項22】
前記捕捉剤放射光に基づいて、捕捉剤放射信号を生成することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記捕捉剤放射信号を生成することが、前記捕捉剤を前記励起光で照射することと、前記捕捉剤放射光を前記光検出器で検出することと、を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第2の励起光を、前記検査窓を通して、第1の部分とは別個の前記流路の第2の部分上に出力することと、
前記流路の前記第2の部分から受光された捕捉剤放射光に基づいて、第2の光検出器で前記捕捉剤放射信号を生成することと、を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記検査窓を通した前記励起光を、前記流路の前記一部分を通して出力することが、前記流路の内腔の断面を横切って前記励起を出力することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記検査窓内の前記流路の前記内腔が、前記流路の隣接部分に対して狭窄部を画定する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記捕捉剤が、複数の別個の発色団を含み、前記複数の別個の発色団の各発色団が、調整可能な光学符号化パラメータの所定のセットを含み、それによって、前記捕捉剤に関する光学的に検出可能なコードを定義する、請求項2に記載の方法。
【請求項28】
前記光学的に検出可能なコードが、前記捕捉剤の所定の放射スペクトル、前記捕捉剤の所定の吸収スペクトル、又はそれらの組み合わせを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記検体と前記検出可能な薬剤との会合、及び前記検体と前記捕捉剤との会合が、特異的分子認識に基づいている、請求項2に記載の方法。
【請求項30】
前記会合が、抗体-抗原会合、アプタマー-抗原会合、ペプチド-抗原会合、及び核酸ハイブリダイゼーション会合からなる群から選択される会合である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記検出可能な薬剤が、第1の検出可能な薬剤であって、前記第1の検出可能な薬剤の励起時に、第1の波長範囲内の第1の放射光を発するように構成された、第1の検出可能な薬剤であり、前記方法が、第2の検出可能な薬剤であって、前記第2の検出可能な薬剤の励起時に、第2の波長範囲内の第2の放射光を発するように構成された第2の検出可能な薬剤を、前記検体と会合させることを更に含み、第1の放射波長範囲が、前記第2の波長範囲とは別個である、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の検出可能な薬剤が、前記検体の第1の部位と会合し、前記第2の検出可能な薬剤が、前記第1の部位とは別個の前記検体の第2の部位と会合する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記方法が、複数の検出可能な薬剤を前記検体の複数の部位と会合させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記検体と会合した検出可能な薬剤が1つだけある、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記検体を、前記検体と特異的に会合するように構成された会合剤と会合させることを更に含み、前記検体を前記検出可能な薬剤と会合させることが、前記検出可能な薬剤を、前記検体と会合した前記会合剤と会合させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記試料中の前記検体を、前記検出可能な薬剤と会合させた後、前記試料を、前記検体と会合していない任意の検出可能な薬剤と選択的に会合するように構成された除去ビーズと接触させることと、前記検体と会合していない前記検出可能な薬剤と会合した前記除去ビーズを、前記試料から除去することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記除去ビーズが、磁性である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記方法が、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した前記検体を含む前記試料の複数の検体を前記流路を通して流すことを含み、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した前記検体を前記流路を通して流すことが、捕捉及び検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した前記検体を前記流路の狭窄部を通して流すことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項39】
前記検出可能な薬剤からの検出可能な薬剤の放射光に基づいて、複数の検出可能な薬剤の放射信号を生成することと、
前記捕捉剤からの捕捉剤放射光に基づいて、複数の捕捉剤放射信号を生成することと、を更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記検出可能な薬剤の放射信号と会合した前記捕捉剤放射信号の数を定量化することと、
前記検出可能な薬剤の放射信号と会合した前記捕捉剤放射信号の数と、前記流路を通って流れた液体の体積と、に基づいて、前記検体の濃度を判定することと、を更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記検出可能な薬剤の放射信号と会合した前記捕捉剤放射信号の数を定量化することと、
前記検出可能な薬剤の放射信号と会合した前記捕捉剤放射信号の数に基づいて、かつ前記検出可能な薬剤の放射信号と会合した前記捕捉剤放射信号の数と前記捕捉剤放射信号の数との比、前記検出可能な薬剤の放射信号と会合した前記捕捉剤放射信号の数と前記検出可能な薬剤の放射信号の数との比、又はそれらの組み合わせに基づいて、前記検体の濃度を判定することと、を更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記放射信号と会合した前記検体の前記濃度を判定することが、検出可能な薬剤の放射信号及び捕捉剤放射信号の両方と会合した検体の数と、捕捉剤放射信号であるが検出可能な薬剤の放射信号ではない数、又は検出可能な薬剤の放射信号のみであるが捕捉剤放射信号ではない数、又はそれらの組み合わせとの比に更に基づいている、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記検体の数を定量化することが、単一分子感度又は検出効率を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
単一分子感度又は検出効率が、前記流路を通って流れる分子の99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、又は50%超を検出することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
単一分子検出効率が、流路を通って流れる単一分子の90%超を検出することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記検査窓からの前記放射光の有無に基づいて、前記流路中の前記検体をランク付けすることを更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項47】
前記ランク付けが、前記第1の放射光及び前記第2の放射光のうちの1つ以上に基づいて測定された検体会合した前記捕捉剤及び検出可能な薬剤の放射スペクトルに対応する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記ランク付けが、前記ビーズの測定された光散乱光に対応する、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記流路が、マイクロ流体デバイスの一部分に配設されている、請求項1に記載の方法。
【請求項50】
前記マイクロ流体デバイスが、平面部分を画定する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記検査窓内の前記流路が、前記流路の隣接部分に対して狭窄部を画定する、請求項1に記載の方法。
【請求項52】
前記試料を前記流路を通して流すことが、シースフロー集束、音響フロー集束、又はそれらの組み合わせを除外する、請求項1に記載の方法。
【請求項53】
前記検出可能な薬剤が、蛍光抗体、蛍光抗体フラグメント、蛍光アプタマー、蛍光核酸分子、蛍光DNA分子、蛍光ペプチド、及び蛍光結合剤からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項54】
前記検体が、ペプチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項55】
前記検体が、タンパク質である、請求項1に記載の方法。
【請求項56】
前記検体が、核酸シーケンスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項57】
前記検体が、蛍光性又は発光性ではない、請求項1に記載の方法。
【請求項58】
前記検出可能な薬剤が、蛍光核酸プローブである、請求項1に記載の方法。
【請求項59】
前記検出可能な薬剤が、蛍光抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項60】
前記蛍光核酸プローブが、蛍光エミッタと会合したプローブ核酸鎖を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項61】
前記検出可能な薬剤が、第1の検出可能な薬剤であって、前記第1の検出可能な薬剤の励起時に、第1の波長範囲内の第1の放射光を発するように構成された、第1の検出可能な薬剤であり、前記方法が、第2の検出可能な薬剤であって、前記第2の検出可能な薬剤の励起時に、第2の波長範囲内の第2の放射光を発するように構成された第2の検出可能な薬剤を核酸と会合させることを更に含み、第1の放射波長範囲が、前記第2の波長範囲とは別個であり、前記第1の検出可能な薬剤が、前記核酸の第1の部位と会合し、前記第2の検出可能な薬剤が、前記第1の部位とは別個の前記核酸の第2の部位と会合する、請求項1に記載の方法。
【請求項62】
前記検出可能な薬剤が、前記検体の部位と会合し、前記部位が、核酸シーケンスである、請求項1に記載の方法。
【請求項63】
前記検出可能な薬剤が、前記検体の部位と会合し、前記部位が、抗体結合又はアプタマー結合に対応するエピトープである、請求項1に記載の方法。
【請求項64】
前記方法が、第3の検出可能な薬剤を前記検体と会合させることを更に含み、前記第3の検出可能な薬剤が、インターカレーション色素である、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記第1の検出可能な薬剤が、核酸の一部分に相補的な核酸プローブと、前記核酸プローブに結合された蛍光部位と、を含み、前記第2の検出可能な薬剤が、挿入色素である、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記第1の検出可能な薬剤が、前記核酸の第1の部分に相補的な第1の核酸プローブと、前記核酸プローブに結合された蛍光部位と、を含み、第2の検出可能な薬剤が、前記核酸の第2の部分、及び前記核酸プローブに結合された第2の蛍光部位に相補的な第2の核酸プローブである、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記試料中の前記核酸を、前記検出可能な薬剤と会合させた後、前記試料を、前記核酸と会合していない任意の検出可能な薬剤と選択的に会合するように構成された除去ビーズと接触させることと、前記核酸と会合していない前記検出可能な薬剤と会合した前記除去ビーズを、前記試料から除去することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項68】
前記除去ビーズが、磁性である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記デジタル親和性アッセイが、デジタルサンドイッチ免疫測定アッセイである、請求項1に記載の方法。
【請求項70】
前記検体が、タンパク質である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記デジタル親和性アッセイが、デジタル核酸アッセイである、請求項1に記載の方法。
【請求項72】
前記検体が、核酸シーケンスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項73】
前記デジタル親和性アッセイが、前記単一分子検体に対する1つの親和性結合事象を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項74】
前記デジタル親和性アッセイが、前記単一分子検体に対する2つの親和性結合事象を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項75】
前記デジタル親和性アッセイが、前記単一分子検体に対する2つより多い親和性結合事象を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項76】
前記検査窓からの前記放射光を集光システムで集光することと、前記集光された放射光を前記検出器上に方向付けることと、を更に含み、前記集光システムが、0.91超かつ0.99未満の範囲の開口数を有する空気対物レンズを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項77】
前記空気対物レンズが、約0.95の開口数を有する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記方法が、前記標的検体を増幅するための、又は前記標的検体の存在と相関している分子を増幅するための増幅ステップを含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項79】
方法が、ポリメラーゼ連鎖反応、酵素的増幅、等温核酸ベースの増幅、ローリングサークル増幅、及びそれらの組み合わせから選択される増幅ステップを含まない、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
単一分子検体を分析するためのシステムであって、前記システムが、流路であって、単一分子検体を前記流路の内腔を通して流すように構成され、光が前記内腔の内外に通過することを可能にするように構成された検査窓を画定する、流路と、
励起光を前記検査窓を通して前記流路内に出力するように構成された、光エンジンと、
前記流路から発せられた放射光を受光するように位置決めされ、前記受光された放射光に基づいて、信号を生成するように構成された、検出器システムと、
前記流路からの前記放射光を集光し、前記集光された放射光を前記検出器システム上に方向付けるように位置決めされた、集光システムと、
前記光エンジン及び前記検出器システムに動作可能に結合されたコントローラであって、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
励起光を前記光エンジンで前記検査窓を通して前記流路の一部分上に出力することと、
前記検出器で放射信号を生成することと、を含む動作を実施させるロジックを含む、コントローラと、を備える、システム。
【請求項81】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を、前記流路を通して流すことを含む動作を実施させるロジックを更に含み、
前記検出器で放射信号を生成することが、前記検出可能な薬剤からの検出可能な薬剤の放射光に基づいている、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記検体が、蛍光性又は発光性ではない、請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
精製サブシステムコントローラを備える、精製サブシステムであって、前記検体が捕捉剤と会合された場合、かつ前記捕捉剤が単離手順に供された場合に、前記試料の一部分から前記検体を単離するように構成された前記捕捉剤と、前記検体を会合させるように構成された、精製サブシステムを更に含む、請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
前記精製サブシステムが、前記捕捉剤と会合した前記検体を前記試料の一部分から単離して、精製試料を提供するように構成されており、
前記検出可能な薬剤と会合した前記検体を、前記流路を通して流すことが、前記精製試料を、前記流路を通して流すことを含む、請求項83に記載のシステム。
【請求項85】
前記検出可能な薬剤と会合した前記検体を、前記流路を通して流すことが、前記捕捉剤及び前記検出可能な薬剤と会合した前記検体を含む複合体を流すことを含む、請求項83に記載のシステム。
【請求項86】
前記捕捉剤と前記検出可能な薬剤との比が、10:1~1:10の範囲にある、請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記捕捉剤が、磁気ビーズを含み、前記精製サブシステムが、磁石を備え、前記精製サブシステムコントローラが、前記精製サブシステムコントローラによって実行されると、前記システムに、
前記捕捉剤と会合した前記検体を、前記磁石と会合させることと、前記捕捉剤と会合した前記検体から、前記磁石と会合していない前記試料の一部分を除去して、前記精製試料を提供することと、を含む動作を実施させるロジックを含む、請求項83に記載のシステム。
【請求項88】
前記捕捉剤が、ビーズを含み、前記精製サブシステムが、遠心分離機を備え、前記精製サブシステムコントローラが、前記精製サブシステムコントローラによって実行されると、前記システムに、
前記検体と会合した前記捕捉剤を含む前記試料を前記遠心分離機で遠心分離して、上清、及び前記捕捉剤と会合した前記検体を含む沈殿物を提供することと、
前記上清をデカントして、前記精製試料を提供することと、を含む動作を実施させるロジックを含む、請求項83に記載のシステム。
【請求項89】
前記捕捉剤がビーズを含み、前記精製サブシステムが、サイズ排除クロマトグラフィカラムを備え、前記精製サブシステムコントローラが、前記精製サブシステムコントローラによって実行されると、前記システムに、
前記捕捉剤と会合した前記検体を含む前記試料を前記サイズ排除クロマトグラフィカラムに通して、前記捕捉剤と会合した前記検体を含む前記精製試料を提供することを含む動作を実施させるロジックを含む、請求項83に記載のシステム。
【請求項90】
精製サブシステムが、表面を含み、前記捕捉剤が、表面に結合されている、請求項83に記載のシステム。
【請求項91】
前記精製サブシステムコントローラが、前記精製サブシステムコントローラによって実行されると、前記システムに、前記表面に結合された前記捕捉剤と会合していない前記試料の一部分を除去することを含む動作を実施させるロジックを含む、請求項90に記載のシステム。
【請求項92】
前記精製サブシステムコントローラが、前記精製サブシステムコントローラによって実行されると、前記システムに、前記表面を溶出緩衝液と接触させて、前記捕捉剤と会合した検体を前記表面から溶出させることを含む動作を実施させるロジックを含む、請求項91に記載のシステム。
【請求項93】
前記捕捉剤が、励起時に捕捉剤放射光を発するように構成されている、請求項83に記載のシステム。
【請求項94】
前記捕捉剤が、複数の別個の発色団を含み、前記複数の別個の発色団の各発色団が、調整可能な光学符号化パラメータの所定のセットを含み、それによって、前記捕捉剤に関する光学的に検出可能なコードを定義する、請求項93に記載のシステム。
【請求項95】
前記光学的に検出可能なコードが、前記捕捉剤の所定の放射スペクトル、前記捕捉剤の所定の吸収スペクトル、又はそれらの組み合わせを含む、請求項94に記載のシステム。
【請求項96】
前記捕捉剤が、スペクトル強度バーコード化蛍光ビーズを含む、請求項93に記載のシステム。
【請求項97】
前記捕捉剤が、スペクトル強度バーコード化蛍光磁気ビーズを含む、請求項93に記載のシステム。
【請求項98】
前記捕捉剤が、1マイクロメートル未満の直径を有するビーズを含む、請求項80に記載のシステム。
【請求項99】
前記捕捉剤が、300nm未満の直径を有するビーズを含む、請求項98に記載のシステム。
【請求項100】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、前記捕捉剤放射光に基づいて、捕捉剤放射信号を生成することを含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項93に記載のシステム。
【請求項101】
前記捕捉剤放射信号を生成することが、前記捕捉剤を前記励起光で照射することと、前記捕捉剤放射光を前記光検出器で検出することと、を含む、請求項100に記載のシステム。
【請求項102】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
第2の励起光を、前記検査窓を通して、前記第1の部分とは別個の前記流路の第2の部分上に出力することと、
前記流路の前記第2の部分から受光された捕捉剤放射光に基づいて、第2の光検出器で前記捕捉剤放射信号を生成することと、を更に含む、請求項83に記載のシステム。
【請求項103】
前記検査窓を通した前記励起光を、前記流路の前記一部分を通して出力することが、前記流路の前記内腔の断面を横切って前記励起光を出力することを含む、請求項80に記載のシステム。
【請求項104】
前記検査窓内の前記流路の前記内腔が、前記流路の隣接部分に対して狭窄部を画定する、請求項80に記載のシステム。
【請求項105】
前記捕捉剤が、ビーズを含まない、請求項83に記載のシステム。
【請求項106】
前記検出可能な薬剤が、第1の検出可能な薬剤であって、前記第1の検出可能な薬剤の励起時に、第1の波長範囲内の第1の放射光を発するように構成された、第1の検出可能な薬剤であり、前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、第2の検出可能な薬剤であって、前記第2の検出可能な薬剤の励起時に、第2の波長範囲内の第2の放射光を発するように構成された第2の検出可能な薬剤を前記検体と会合させることを含む動作を実施させるロジックを更に含み、第1の放射波長範囲が、前記第2の波長範囲とは別個である、請求項80に記載のシステム。
【請求項107】
前記第1の検出可能な薬剤が、前記検体の第1の部位と会合し、前記第2の検出可能な薬剤が、前記第1の部位とは別個の前記検体の第2の部位と会合する、請求項106に記載のシステム。
【請求項108】
前記精製サブシステムコントローラが、前記精製サブシステムコントローラによって実行されると、前記システムに、前記検体を、前記検体と特異的に会合するように構成された会合剤と会合させることを含む動作を実施させるロジックを更に含み、前記検体を前記検出可能な薬剤と会合させることが、前記検出可能な薬剤を、前記検体と会合した前記会合剤と会合させることを含む、請求項83に記載のシステム。
【請求項109】
前記精製サブシステムコントローラが、前記精製サブシステムコントローラによって実行されると、前記システムに、前記試料中の前記検体を、前記検出可能な薬剤と会合させた後、前記試料を、前記検体と会合していない任意の検出可能な薬剤と選択的に会合するように構成された除去ビーズと接触させることと、前記検体と会合していない前記検出可能な薬剤と会合した前記除去ビーズを、前記試料から除去することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項108に記載のシステム。
【請求項110】
前記除去ビーズが、磁性である、請求項109に記載のシステム。
【請求項111】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した前記検体を含む前記試料の複数の検体を前記流路を通して流すことを含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項80に記載のシステム。
【請求項112】
前記複数の検体を前記流路を通して流すことが、捕捉及び検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、前記複数の捕捉及び検出可能な薬剤と会合した検体を前記流路の狭窄部を通して流すことを含む、請求項111に記載のシステム。
【請求項113】
前記捕捉剤が、励起時に捕捉剤放射光を発するように構成されており、前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、前記検出器で、検出可能な薬剤の放射光に基づいて、複数の検出可能な薬剤の放射信号を生成することと、
前記検出器で、捕捉剤放射光に基づいて、複数の捕捉剤放射信号を生成することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項111に記載のシステム。
【請求項114】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
前記検出可能な薬剤の放射信号と会合した前記捕捉剤放射信号の数を定量化することと、
前記検出可能な薬剤の放射信号と会合した捕捉剤放射信号の数と、前記流路を通って流れた液体の体積と、に基づいて、前記検体の濃度を判定することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項113に記載のシステム。
【請求項115】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
前記検出可能な薬剤の放射信号と会合した前記捕捉剤放射信号の数を定量化することと、
前記検出可能な薬剤の放射信号と会合した捕捉剤放射信号の数に基づいて、かつ前記検出可能な薬剤の放射信号と会合した捕捉剤放射信号の数と、前記捕捉剤放射信号の数、検出可能な薬剤の放射信号の数、及びそれらの組み合わせとの比に基づいて、前記検体の濃度を判定することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項113に記載のシステム。
【請求項116】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
前記検体の存在及び/又は同一性を判定するために、前記検出可能な薬剤の放射信号を前記捕捉剤放射信号と相関させるか、又は共局在化させることを含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項113に記載のシステム。
【請求項117】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
前記捕捉剤放射信号の強度の比を、前記捕捉剤の同一性及び前記捕捉剤と会合した前記検体の同一性と関連付けることを含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項113に記載のシステム。
【請求項118】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
前記検出可能な薬剤の放射信号の強度の比を、前記検出可能な薬剤の同一性及び前記検出可能な薬剤と会合した前記検体の同一性と関連付けることを含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項113に記載のシステム。
【請求項119】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
前記捕捉剤放射信号及び/又は前記検出可能な薬剤の放射信号の光学バーコードを、前記捕捉剤及び前記検出可能な薬剤と会合した前記検体の同一性と関連付けることを含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項113に記載のシステム。
【請求項120】
前記検体の数を定量化することが、単一分子感度又は検出効率を含む、請求項113に記載のシステム。
【請求項121】
前記検体の数を定量化することが、前記検体の増幅を伴わない、単一分子感度又は検出効率を含む、請求項120に記載のシステム。
【請求項122】
単一分子感度又は検出効率が、前記流路を通って流れる分子の99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、又は50%超を検出することを含む、請求項120又は121に記載のシステム。
【請求項123】
単一分子検出効率が、前記流路を通って流れる単一分子の50%、55%、60%、65%、70%、75、80%、85%、90%、95%、又は99%超を検出することを含む、請求項120又は121に記載のシステム。
【請求項124】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、前記検査窓からの前記検出可能な薬剤の放射光の有無に基づいて、前記流路中の前記検体をランク付けすることを含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項113に記載のシステム。
【請求項125】
前記ランク付けが、前記検出可能な薬剤の放射信号及び/又は前記捕捉剤放射信号に対応する、請求項124に記載のシステム。
【請求項126】
前記ランク付けが、前記捕捉剤又は前記検出可能な薬剤の測定された光散乱光に対応する、請求項125に記載のシステム。
【請求項127】
前記光エンジンが、
第1の励起光を出力するように構成された、第1の光源と、第2の励起光を出力するように構成された、第2の光源と、を備え、前記光エンジンが、前記第1の励起光と前記第2の励起光を組み合わせて、前記流路の前記検査窓に入射する共線ビームを作るように構成されている、請求項80に記載のシステム。
【請求項128】
前記検出器が、
第1の光検出器と、
第2の光検出器と、
前記放射光の第1の部分を前記第1の光検出器に反射させ、前記放射光の第2の部分が前記第2の光検出器を通ることを可能にするように構成された、ダイクロイックミラーと、を備える、請求項127に記載のシステム。
【請求項129】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
前記第1の光源で、前記第1の励起光を出力することと、
前記第2の光源で、前記第2の励起光を出力することと、
前記第1の励起光に基づいて、前記第1の光検出器で第1の放射信号を生成することと、
前記第2の励起光に基づいて、前記第2の光検出器で第2の放射信号を生成することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項128に記載のシステム。
【請求項130】
前記光エンジンが、励起光を出力するように構成された、単一光源を備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項131】
前記検出器が、
第1の光検出器と、
第2の光検出器と、
前記放射光の第1の部分を前記第1の光検出器に反射させ、前記放射光の第2の部分が前記第2の光検出器を通ることを可能にするように構成された、ダイクロイックミラーと、を備える、請求項130に記載のシステム。
【請求項132】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
前記単一光源で、前記励起光を出力することと、
前記励起光に基づいて、前記第1の光検出器で第1の放射信号を生成することと、
同じ励起光に基づいて、前記第2の光検出器で第2の放射信号を生成することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項131に記載のシステム。
【請求項133】
第1の発光光ファイバ及び第2の発光光ファイバを含む、発光ファイバ束を更に備え、前記第1の発光光ファイバ及び前記第2の発光光ファイバの近位端が、発光ファイバ束ヘッド内に配置されており、前記第1の発光光ファイバの前記近位端が、前記第1の部分から発せられた第1の放射光を受光するように位置決めされており、前記第2の発光光ファイバの前記近位端が、前記第2の部分から発せられた第2の放射光を受光するように位置決めされている、請求項80に記載のシステム。
【請求項134】
前記光エンジンが、
前記検査窓内の前記流路の第1の部分上に第1の励起光を出力するように位置決めされた、第1の光源と、
前記第1の部分とは別個の前記検査窓内の前記流路の第2の部分上に第2の励起光を出力するように位置決めされた、第2の光源と、を備え、前記検出器システムが、
前記第1の発光光ファイバの遠位端から発せられた前記第1の放射光を受光するように位置決めされた、第1の光検出器と、
前記第2の発光光ファイバの遠位端から発せられた前記第2の放射光を受光するように位置決めされた、第2の光検出器と、を備える、請求項133に記載のシステム。
【請求項135】
前記コントローラが、前記コントローラによって実行されると、前記システムに、
前記第1の光源で、前記第1の励起光を出力することと、
前記第2の光源で、前記第2の励起光を出力することと、
前記第1の発光光ファイバから受光された前記第1の励起光に基づいて、前記第1の光検出器で第1の放射信号を生成することと、
前記第2の発光光ファイバから受光された前記第2の励起光に基づいて、前記第2の光検出器で第2の放射信号を生成することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む、請求項134に記載のシステム。
【請求項136】
前記第1の励起光が、第1の波長範囲内の波長を有し、前記第2の励起光が、前記第1の波長範囲とは別個の第2の波長範囲内の波長を有する、請求項134に記載のシステム。
【請求項137】
前記第1の励起光が、第1の波長範囲内の波長を有し、前記第2の励起光が、前記第1の波長範囲と共通の第2の波長範囲内の波長を有する、請求項134に記載のシステム。
【請求項138】
前記第1の発光光ファイバの前記遠位端と前記第1の光検出器との間に配設され、前記第1の放射光の一部分を第3の光検出器に反射させるように位置決めされた、ダイクロイックミラーを更に含む、請求項134に記載のシステム。
【請求項139】
前記第1の発光光ファイバの前記遠位端が、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、又はそれ以上の光検出器上に前記第1の放射光を発するように構成されている、請求項133に記載のシステム。
【請求項140】
前記ダイクロイックミラーと前記第3の光検出器との間に配設され、前記第1の放射光の一部分をフィルタリングするように構成された、バンドパスフィルタを更に備える、請求項138に記載のシステム。
【請求項141】
前記第1の光検出器が、前記第1の放射光の第1の放射波長範囲に基づいて、第1の放射信号を生成するように構成されており、前記第3の光検出器が、前記第1の放射波長範囲と異なる前記第1の放射光の第3の放射波長範囲に基づいて、第3の放射信号を生成するように構成されている、請求項134に記載のシステム。
【請求項142】
前記流路が、マイクロ流体デバイスの一部分に配設されている、請求項80に記載のシステム。
【請求項143】
前記マイクロ流体デバイスが、平面部分を画定する、請求項142に記載のシステム。
【請求項144】
前記検査窓内の前記流路が、前記流路の隣接部分に対して狭窄部を画定する、請求項143に記載のシステム。
【請求項145】
前記試料を前記流路を通して流すことが、シースフロー集束、音響フロー集束、又はそれらの組み合わせを含まない、請求項81に記載のシステム。
【請求項146】
前記流路の前記内腔から前記検査窓を通して受光された前記放射光を集光し、前記集光された放射光を前記検出器システム上に方向付けるように位置決めされた、集光システムを更に備え、前記集光システムが、0.91超かつ0.99未満の範囲の開口数を有する空気対物レンズを備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項147】
前記空気対物レンズが、約0.95の開口数を有する、請求項146に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2021年11月10日に出願の米国仮出願第63/263864号の利益を主張し、その全容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(電子形式の配列表に関する記述)
この出願に関連付けられた配列表XMLは、XML形式で提供され、参照により本明細書に組み込まれる。配列表を含むXMLファイルの名称は、3915-P1137WOUWSLである。XMLファイルは、3ページの長さであり、2022年9月29日に作成され、特許センターを介して本明細書の出願とともに提出されている。
【0003】
(政府ライセンス権の声明)
本発明は、国立医薬品食品衛生研究所によって授与された助成金番号UG3TR002874を基に、政府援助を得てなされたものである。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0004】
細胞外小胞などの小粒子のフローベースの分析は、いくつかの課題を提示し得る。典型的なフローベースの粒子分析は、懸濁流体中に分散された多数の粒子を通路を通して流すことを含む。粒子のサイズが小さくなるにつれて、粒子は、より大きい粒子よりも速く拡散する傾向がある。加えて、層流条件下で通路を通って流れる流体の速度は、通路の壁からの距離に従って半径方向に変化するので、通路を通って流れる粒子の速度は、それに応じて、壁からの距離に従って変化する。したがって、通路を通って流れる様々なより小さい粒子を区別することは、粒子速度が、それらの半径方向位置に依存しており、半径方向位置が、それらの相対的に高い拡散率の影響を強く受けるので、より困難である。粒子又は分子が流れる際の検出感度の問題は、単一分子の存在でさえも、検出領域又はレーザプローブ体積を通過して流れる際に、確実に検出及び計数されるべきである、デジタル親和性に基づく検出アッセイにおいて特に関連する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、そのような小粒子の識別及び特徴付けにおける拡散ベースの課題を考慮する、小粒子のフローベースの分析のためのデバイス、システム、及び方法に対する必要性が現在存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本概要は、発明を実施するための形態において以下で更に説明される概念の選択を、簡略化された形で紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の主要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の助けとして使用されることを意図するものでもない。
【0007】
ある態様では、本開示は、デジタル親和性に基づく検出アッセイのための方法を提供する。ある実施形態では、本方法は、検体のデジタル親和性に基づくアッセイの方法である。ある実施形態では、本方法は、単一分子検体のデジタル親和性に基づくアッセイの方法である。ある実施形態では、本方法は、増幅ステップを実施する必要がない、及び/又は増幅ステップを実施することを含まない、単一分子検体のデジタル親和性に基づくアッセイの方法である。ある実施形態では、本方法は、試料中の検体を、検出可能な薬剤と会合させることと、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を、流路を通して流すことと、検査窓を通した励起光を、流路の一部分を通して出力することと、検査窓を通して流路の一部分から受光された放射光に基づいて、光検出器で放射信号を生成することと、を含む。
【0008】
別の態様では、本開示は、単一分子検体を分析するためのシステムを提供する。ある実施形態では、単一分子検体を分析するためのシステムであって、本システムは、検体増幅ステップなどの増幅ステップを実施するための試薬又は構造を含まない。ある実施形態では、本システムは、流路であって、単一分子検体を流路の内腔を通して流すように構成され、光が内腔の内外に通過することを可能にするように構成された検査窓を画定する、流路と、励起光を検査窓を通して流路内に出力するように構成された、光エンジンと、流路から発せられた放射光を受光するように位置決めされ、受光された放射光に基づいて、信号を生成するように構成された、検出器システムと、流路から放射光を集光し、集光された放射光を検出器システム上に方向付けるように位置決めされた、集光システムと、光エンジン及び検出器システムに動作可能に結合されたコントローラであって、コントローラによって実行されると、システムに、励起光を光エンジンで検査窓を通して流路の一部分上に出力することと、検出器で放射信号を生成することと、を含む動作を実施させるロジックを含む、コントローラと、を備える。
【0009】
本発明の前述の態様及び多くの付随する利点が、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することでより良好に理解されるので、より容易に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本開示の実施形態による、高開口数(numeric aperture、NA)の空気対物レンズを使用する、フローベースの単一粒子/分子分析システムの略図である。
図1B】本開示の実施形態による、図1Aのシステムの発光ファイバ束ヘッドの略図である。
図2】本開示の実施形態による、フローベースの単一分子/粒子システムの検出器モジュールの略図である。
図3A】本開示の実施形態による、フローベースの単一分子/粒子システムの光エンジン及び通路の略図である。
図3B】本開示の実施形態による、図3Aの通路の検査窓の略図である。
図3C】本開示の実施形態による、図3Aの光エンジン及び通路の一例の略図である。
図3D】本開示の実施形態による、図3Aの光エンジン及び通路の一例の略図である。
図3E】本開示の実施形態による、図3Aの光エンジン及び通路の一例の略図である。
図3F】本開示の実施形態による、図3Aの光エンジン及び通路の一例の略図である。
図4】本開示の実施形態による、本開示のある実施形態による、システムの通路の画像である。
図5A】本開示の実施形態による、光学的に不透明なカバーの開口を通過し、検出器システムの発光ファイバ束ヘッド上に至る放射光を概略的に例解する。
図5B】本開示の実施形態による、図5Aの光学的に不透明なカバーの一例を例解する。
図5C】本開示の実施形態による、フローベースの単一分子/粒子システムの発光ファイバ束ヘッドの画像である。
図6】本開示の実施形態による、高NAの空気対物レンズを使用する、フローベースの単一分子/粒子システムの略図である。
図7A】本開示の実施形態による、フローベースの単一分子/粒子システムの略図である。
図7B】本開示の実施形態による、システムの通路上の図7Aのシステムの試料に対する高NAの空気対物レンズの集束の略図である。
図7C】本開示の実施形態による、流動ベースの単一分子/粒子システムの高NAの空気対物レンズを集束させる方法を例解する、ブロック図である。
図7D】本開示の実施形態による、通路と高NAの空気対物レンズとの間のいくつかの距離で撮影され、異なるデフォーカス量を有する、通路の一連の画像である。
図7E】本開示の実施形態による、通路と高NAの空気対物レンズとの間の様々な距離における集束品質の量を、図7Dの画像の位置に留意して、例解する。
図7F】本開示の実施形態による、高NAの空気対物レンズを用いる近赤外線撮像を使用して焦点面を設定するために使用されるフィードバック制御ループを例解する、ブロック図である。
図7G】本開示の実施形態による、近赤外機械視覚及び高NAの空気対物レンズによって支援されたリアルタイム集束を実施するために使用されるフィードバック制御ループを例解する、別のブロック図である。
図8】本開示の実施形態による、精製サブシステムを含むシステムの略図である。
図9A】本開示の実施形態による、方法のブロック図である。
図9B】本開示の実施形態による、方法のブロック図である。
図10A】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図10B】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図10C】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図11】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図12A】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図12B】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図13】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図14】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図15】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図16A】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図16B】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図17】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図18A】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図18B】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図18C】本開示の実施形態による、方法の略図である。
図19】本開示の実施形態による、システムの略図である。
図20】本開示の実施形態による、システムの略図である。
図21】本開示の実施形態による、方法のブロック図である。
図22】本開示の実施形態による、方法のブロック図である。
図23A】本開示の実施形態による、5個の2色共局在化事象(すなわち、検体、非蛍光ストレプトアビジン)、3個の未結合の検出可能な薬剤(すなわち、ビオチン-Alexa647)、及び2個の未結合の捕捉剤(すなわち、抗ストレプトアビジン-PE抗体)を示すデータトレースである。
図23B】本開示の実施形態による、図23Aからの方法を使用して計数された372個の検体分子(すなわち、ストレプトアビジン)を示す散布図である。
図24A】本開示の実施形態による、7個の2色共局在化事象(すなわち、非蛍光検体、マウス抗ウサギIgG)、5個の未結合の検出可能な薬剤(すなわち、ヤギ抗マウスIgG-PE)、及び3個の未結合の捕捉剤(すなわち、ウサギ抗ヒトIgG-Alexa647)を示すデータトレースである。
図24B】本開示の実施形態による、図24Aからの方法を使用して計数された765個の検体分子(すなわち、非蛍光マウス抗ウサギIgG)を示す散布図である。
図25A】本開示の実施形態による、8個の2色共局在化非蛍光検体及び3個の未結合の捕捉剤(すなわち、ウサギ抗ヒトIgG-Alexa647)を示すデータトレースである。
図25B】本開示の実施形態による、図25Aからの方法を使用して計数された655個の検体分子を示す散布図である。
図26A】本開示の実施形態による、計数された9個の検体分子の存在を示す、精製せずに調製された試料からの9個の2色共局在化事象と、ビーズ/ナノ粒子からの蛍光の通路内のいかなる信号とも共局在化しなかった19個の未結合の捕捉剤(すなわち、ヤギ抗マウスIgG-Alexa647)と、のデータトレースを例解する。
図26B】本開示の実施形態による、3個の未結合の捕捉剤(すなわち、ヤギ抗マウスIgG-Alexa647)のみで計数された9個の検体分子の存在を示唆する、試料精製で調製された8個の2色共局在化事象のデータトレースを例解する。
図27】本開示の実施形態による、磁気ビーズ捕捉及び精製後に、デジタル二重親和性タンパク質アッセイにおいて計数された12個の検体分子(すなわち、マウス-IgG)の存在を示す、Alexa647の蛍光からの12個のピークを示すデータトレースを例解する。
図28A】本開示の実施形態による、9個の試料バーコードのライブラリを例解し、そのうち、標的バーコードは、中レベルのAlexa488(緑色蛍光)及び高強度のAlexa561(橙色蛍光)を示した。
図28B】本開示の実施形態による、マウスIgGの存在として識別された、標的バーコードの共局在化及びAlexa647通路(赤色蛍光)からのピークを伴う3個の事象である。
図29】本開示の実施形態による、標的又は検体遺伝子分子の7個のコピーとして計数された、捕捉剤及び検出可能な薬剤の共局在化を伴う7個の事象を示すデータトレースを例解する。
図30】本開示の実施形態による、Alexa647通路のデータトレースにおける各ピークが、磁気ビーズと会合した核酸分子からなる捕捉剤によって捕捉された単一の標的又は検体遺伝子を表すデータトレースを例解する。
図31A】本開示の実施形態による、9個のモデルバーコードのライブラリを例解し、そのうち、標的バーコードは、高レベルのAlexa488(緑色蛍光)及び低強度のAlexa561(橙色蛍光)を示した。
図31B】本開示の実施形態による、標的バーコードの共局在化及びAlexa647通路からのピーク(赤色蛍光)を伴う3個の事象が検出され、標的又は検体遺伝子分子として計数されたことを含む、データトレースを示す。
図32】本開示の実施形態による、YOYO-3からの各蛍光ピークが標的遺伝子のコピーとして計数されたデータトレースを例解する。
図33】本開示の実施形態による、Alexa647及びYOYO-3からの各共局在化事象が標的遺伝子のコピーの存在を示すデータトレースを例解する。
図34A】本開示の実施形態による、蛍光バーコードビーズで蛍光標識検体を標識化及び分析する方法を概略的に例解する。
図34B】本開示の実施形態による、蛍光バーコードビーズ(青色及び紫色)によって捕捉された単一ストレプトアビジン-PE(検体、オレンジ色)分子に基づく2個の三重陽性事象と、検体の不在下での未結合ビーズに対応する2個の他の事象と、を示すデータトレースを例解する。
図34C】本開示の実施形態による、2分で列挙された566個の共局在化事象を示す散布図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、粒子及び分子のフローベースの分析のためのシステム及び方法を提供する。以下の説明では、実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者は、本明細書に記載の技法が、1つ以上の具体的な詳細を用いず、又は他の方法、構成要素、材料などを用いて実施され得ることを認識するであろう。他の例では、周知の構造、材料、又は動作は、特定の態様を不明瞭にすることを避けるために、詳細に示され又は説明されない。
【0012】
本明細書を通して、「一実施形態」又は「ある実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所における「一実施形態では」又は「ある実施形態では」という句が現れると、必ずしも全てが同一の実施形態を指すものではない。また、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式で組み合わされ得る。
【0013】
小さい粒子及び分子は、大きい粒子よりも通路内を流れる流体中で拡散する傾向がある。粒子の拡散による粒子の半径方向変位、すなわち、通路の主要流動軸に直交する方向における粒子の変位は、特に、通路を通して流れるいくつかの粒子又は分子があるとき、蛍光測定などの、そのような小粒子の特性を測定することを困難にし得る。例えば、複数の粒子又は分子が同時に通路を通って流れる場合、個々の粒子又は分子は、通路を通る異なる速度を有し得る。通路内の粒子及び/又は分子が、通路内の様々な点で測定される場合、通路の長さに沿った様々な点で通路を調べるように位置決めされた光検出器によって生成された信号を、単一分子又は粒子と相関させることは、困難になり得る。実際には、粒子のサイズが、例えば、細胞外小胞、又は更には単一分子のサイズに向かって小さくなるにつれて、そのような測定は非常に困難になり得る。
【0014】
システム
したがって、ある態様では、本開示は、単一の生物学的ナノ粒子などの粒子及び/又は分子を分析するためのシステムを提供する。
【0015】
ファイババンドルされた発光及び励起
その関連で、本開示の実施形態によるシステム100が例解されている、図1A及び図1Bに注目する。
【0016】
示されるように、システム100は、通路102の内腔104を通して粒子及び/又は分子を流すように構成された、通路102であって、光が内腔104の内外に通過することを可能にするように構成された検査窓106を画定する、通路102と、検査窓106内に光を出力するように構成された、光エンジン108と、検査窓106から発せられた放射光を受光するように位置決めされた、発光ファイバ束130と、発光ファイバ束130から発せられた放射光を受光するように位置決めされた、検出器システム142と、を含む。
【0017】
ある実施形態では、システム100又は(例えば、通路102及び検査窓106を含む)その一部分は、マイクロ流体チップを含む。マイクロ流体チップは、基板(例えば、シリコン、ガラス、セラミック、プラスチック、有機ケイ素、石英、ポリマー材料、又はそれらの組み合わせ)から形成され得、流体が流れるマイクロ流体通路のネットワークを含み得る。マイクロ流体デバイスは、微量の流体試料を処理するために使用することができ、従来のマクロスケールデバイスに勝る利点を提供する(例えば、実質的により少量の体積の流体試料を必要とすること、より少ない試薬使用を必要とすること、及びマクロスケールデバイスと比較して処理時間が短縮されることによる)。マイクロ流体チップは、粒子及び/若しくは分子の操作、単離、選別、並びに/又は輸送のための魅力的で多用途のプラットフォームを提供する。マイクロ流体通路のアレイを容易にパターン化してマイクロ流体デバイス内に統合することができるため、これらのマイクロ流体デバイスは、粒子及び/又は分子を含む用途にとって魅力的なプラットフォームとなる。マイクロ流体チップは、平面デバイスであり、したがって、高い集光効率の対物レンズの使用を可能にすることによって、粒子及び/又は分子の検出及び分析を容易にすることができ、これは、集光を向上させ、したがって、粒子及び/若しくは分子の検出、分析、判定、並びに/又は識別を容易にする。
【0018】
いくつかの実施形態では、本開示の方法、システム、デバイス、及び装置は、移動中の生物学的ナノ粒子及び/若しくは単一分子の操作、検出、分析、判定、並びに/又は識別を容易にすることができる、マイクロ流体チップを含む。マイクロ流体チップは、少量の流体試料を処理するために使用することができ、従来のマクロスケールデバイスに勝る利点を提供する(例えば、マイクロ流体チップは、微量の流体試料のみを必要とし、より少ない試薬を必要とし、より短い時間で処理され、マクロスケールデバイスと比較して効率を高める)。マイクロ流体チップは、平面デバイスであり、したがって、バイオナノ粒子の検出及び分析を容易にすることができ、並びに/あるいは約0.95若しくは0.91~0.99のNAを有する空気対物レンズなどの高NA(開口数)対物レンズ(例えば、高NAの空気対物レンズ)、レンズ、又は、集光を向上させ、したがって、生物学的ナノ粒子及び/若しくは分子の検出、分析、判定、並びに/又は識別を容易にする、高開口数を有する集光システムの使用を可能にすることによって、バイオナノ粒子の検出及び分析を容易にすることができる。特定の実施形態では、マイクロ流体チップは、平面デバイスであり、これらマイクロ流体チップの、(例えば、マイクロ流体チップが設置される並進ステージを有する)顕微鏡の設定との適合性を高める。加えて、マイクロ流体チップは、デッドボリュームを有することなく、相互接続した流体ネットワークの設計及び生成を可能にすることができ、このことは、バイオナノ粒子及び/又は分子の検出並びに操作(例えば、3つ以上の流体通路の接合部での流動変位を使用する選別)を容易にすることができる。デッドボリュームは、流路の外側にあるマイクロ流体チップ内の体積の一部分(例えば、試料のナノ粒子及び/又は分子を運搬する可能性のある液体が拡散し、精度を低下させる可能性のある体積)である。マイクロ流体チップは、微細加工の方法を通して、非球形又は非正方形(例えば、長方形)である断面を有する通路の作成を可能にすることができ、このことは、移動中のバイオナノ粒子及び/若しくは分子の検出、分析、判定、並びに/又は識別を促進することができる。マイクロ流体チップは、通路の長さに沿って異なる幅又は高さを有する通路(例えば、通路の狭窄部、又は幅及び/又は高さの段階的変化)の作成を容易にして、通過中の生物学的ナノ粒子及び/若しくは分子の操作、検出、分析、判定、並びに/又は識別を容易にすることができる。マイクロ流体チップは、高効率の集光システム(例えば、最大集光のために適切な基板厚さを必要とする、高NAの空気対物レンズなどの高開口数の対物レンズ)との適合性を高めて、移動中の生物学的ナノ粒子及び/若しくは単一分子の操作、検出、分析、判定、並びに/又は識別を容易にするように、所望の厚さであるとともに所望の材料特性(例えば、屈折率)を有する(例えば、ガラス又はプラスチックから作製された)カバースリップに接合することによって、形成することができる。マイクロ流体チップは、バイオナノ粒子及び/若しくは単一分子の操作、単離、選別、並びに/又は輸送のための魅力的で多用途のプラットフォームを提供する。
【0019】
図1A及び図1Bを更に参照すると、ある実施形態では、通路102を含む部分などのシステム100の部分は、ポリマー材料(ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane、PDMS)、ポリウレタン-メタクリレート(polyurethane-methacrylate、PUMA)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)、ポリエチレン、ポリエステル(polyester、PET)、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、ポリカーボネート、パリレン、ポリ塩化ビニル、フルオロエチルプロピレン、レキサン、ポリスチレン、環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルカーボネート、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリアクリレート、ポリカプロラクトン、ポリケトン、ポリフタルアミド、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、エポキシポリマー、熱可塑性プラスチック、フルオロポリマー、及びポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド)、無機材料(ガラス、石英、シリコン、GaAs、窒化ケイ素)、溶融シリカ、セラミック、ガラス(有機)、及び/又は他の材料、並びにそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない材料から製造される。ある実施形態では、システム100は、多孔質膜、(布又はメッシュなどの)ウールの織ファイバ又は不織ファイバ、金属(例えば、ステンレス鋼又はモネル)、ガラス、紙、又は合成繊維(例えば、ナイロン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、パリレン、及び様々なポリエステル)、焼結ステンレス鋼及び他の金属、並びにアルミナ、シリカ又は炭素などの多孔質無機材料を含む。
【0020】
通路102の検査窓106は、光エンジン108からなどの励起光が、通路102の内腔104内に通過することを可能にし、放射光が通路102の外に通過して、検出器システム142によって受光されることを可能にする。そのような励起光及び放射光は、可視光、赤外光、近赤外光、及び紫外光、並びにそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、いくつかの波長範囲からの光を含むことができる。これに関して、検査窓106は、通路102を通って流れる粒子及び/又は分子を励起し、検査窓106から発せられた光が、更なる分析のために検出器システム142によって受光されることを可能にするのに好適である。
【0021】
本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、検査窓106内の通路102の内腔104は、又は特定の実施形態では、検査窓106に隣接する通路102の内腔104は、内腔104の断面又は直径又は他のサイズ特徴の狭窄部又は他の狭まりを画定する。内腔104のそのような狭窄部又は狭まりは、粒子及び/又は分子を、粒子ごと及び/又は分子ごとに、層流条件下で、検査窓106を含む通路102の部分を通して流すように構成されている。
【0022】
ある実施形態では、検査窓106は、対物レンズ186の視野内の、及び/又は検出器システム142によって検出可能な通路の一部分を含む。ある実施形態では、検査窓106は、通路102の他の部分に対して狭窄部を画定する通路102の一部分を含む。本明細書で更に説明するように、そのような実施形態では、検査窓106の狭窄部は、通路102の他の直接隣接した部分よりも小さい、高さ、幅、断面積などの寸法を有することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路102の最も広い部分よりも小さい幅を有する。特定の実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路102の最も広い部分に対する幅を有する。いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の最大幅の50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満の幅を有する。非限定的な例として、最大幅100μmを有するマイクロ流体通路102は、最大幅の値の25%未満(すなわち、25μm未満)である狭窄部を有することができる。好ましい実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路102の最大幅の10%未満の幅を有する。
【0024】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体通路102の最大幅は、900μm未満かつ0.1μm超、800μm未満かつ0.5μm超、700μm未満かつ1μm超、600μm未満かつ5μm超、500μm未満かつ10μm超、1,000μm未満かつ10μm超、900μm未満かつ10μm超、800μm未満かつ10μm超、700μm未満かつ10μm超、600μm未満かつ10μm超、500μm未満かつ10μm超、400μm未満かつ10μm超、300μm未満かつ10μm超、500μm未満かつ0.1μm超、500μm未満かつ1μm超、500μm未満かつ2μm超、500μm未満かつ5μm超、800μm未満かつ0.1μm超、700μm未満かつ0.1μm超、600μm未満かつ0.1μm超、500μm未満かつ0.1μm超、400μm未満かつ0.1μm超、又は300μm未満及び0.1μm超の値を有する。好ましい実施形態では、マイクロ流体通路102の最大幅は、500μm未満かつ10μm超の値を有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の平均幅よりも小さい幅を有する。特定の実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の平均幅に対する幅を有する。いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路102の平均幅の50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満の幅を有する。
【0026】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体通路102の平均幅は、900μm未満かつ0.1μm超、800μm未満かつ0.5μm超、700μm未満かつ1μm超、600μm未満かつ5μm超、500μm未満かつ10μm超、1,000μm未満かつ10μm超、900μm未満かつ10μm超、800μm未満かつ10μm超、700μm未満かつ10μm超、600μm未満かつ10μm超、500μm未満かつ10μm超、400μm未満かつ10μm超、300μm未満かつ10μm超、500μm未満かつ0.1μm超、500μm未満かつ1μm超、500μm未満かつ2μm超、500μm未満かつ5μm超、800μm未満かつ0.1μm超、700μm未満かつ0.1μm超、600μm未満かつ0.1μm超、500μm未満かつ0.1μm超、400μm未満かつ0.1μm超、又は300μm未満及び0.1μm超の値を有する。好ましい実施形態では、マイクロ流体通路102の平均幅は、500μm未満かつ10μm超の値を有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路102の最大高さ値(すなわち、最大高さ)よりも低い高さを有する。特定の実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の最大高さに対する高さを有する。いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の最大高さの50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満の高さを有する。非限定的な例として、最大高さ20μmを有するマイクロ流体通路102は、最大高さの値の10%未満(すなわち、2μm未満)である狭窄部を有することができる。好ましい実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路102の最大高さの25%未満の高さを有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体通路102の最大高さは、900μm未満かつ0.1μm超、800μm未満かつ0.5μm超、700μm未満かつ1μm超、600μm未満かつ5μm超、500μm未満かつ10μm超、1,000μm未満かつ10μm超、900μm未満かつ10μm超、800μm未満かつ10μm超、700μm未満かつ10μm超、600μm未満かつ10μm超、500μm未満かつ10μm超、400μm未満かつ10μm超、300μm未満かつ10μm超、500μm未満かつ0.1μm超、500μm未満かつ1μm超、500μm未満かつ2μm超、500μm未満かつ5μm超、800μm未満かつ0.1μm超、700μm未満かつ0.1μm超、600μm未満かつ0.1μm超、500μm未満かつ0.1μm超、400μm未満かつ0.1μm超、又は300μm未満及び0.1μm超の値を有する。好ましい実施形態では、マイクロ流体通路102の最大高さは、500μm未満かつ10μm超の値を有する。
【0029】
いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の平均高さよりも低い高さを有する。特定の実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の平均高さに対する高さを有する。いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の平均高さの50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満の高さを有する。
【0030】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体通路の平均高さは、900μm未満かつ0.1μm超、800μm未満かつ0.5μm超、700μm未満かつ1μm超、600μm未満かつ5μm超、500μm未満かつ10μm超、1,000μm未満かつ10μm超、900μm未満かつ10μm超、800μm未満かつ10μm超、700μm未満かつ10μm超、600μm未満かつ10μm超、500μm未満かつ10μm超、400μm未満かつ10μm超、300μm未満かつ10μm超、500μm未満かつ0.1μm超、500μm未満かつ1μm超、500μm未満かつ2μm超、500μm未満かつ5μm超、800μm未満かつ0.1μm超、700μm未満かつ0.1μm超、600μm未満かつ0.1μm超、500μm未満かつ0.1μm超、400μm未満かつ0.1μm超、又は300μm未満及び0.1μm超の値を有する。好ましい実施形態では、マイクロ流体通路の平均高さは、500μm未満かつ10μm超の値を有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の最も大きい断面積(すなわち、最大断面積)未満の断面積を有する。特定の実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の最大断面積に対する断面積を有する。いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の最大断面積の50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、24%未満、23%未満、22%未満、21%未満、20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.2%未満、0.1%未満、0.05%未満、0.02%未満、0.01%未満、0.005%未満、0.002%未満、又は0.001%未満の断面積を有する。非限定的な例として、最大断面積200μmを有するマイクロ流体通路は、最大断面積の値の10%未満(すなわち、20μm未満)である狭窄部を有することができる。好ましい実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の最大断面積の10%~0.01%の断面積を有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体通路の最大断面積は、1,000,000μm未満かつ10μm超、750,000μm未満かつ25μm超、500,000μm未満かつ100μm超、250,000μm未満かつ250μm超、900,000μm未満かつ100μm超、800,000μm未満かつ100μm超、700,000μm未満かつ100μm超、600,000μm未満かつ100μm超、400,000μm未満かつ100μm超、300,000μm未満かつ100μm超、200,000μm未満かつ100μm超、100,000μm未満かつ100μm超、50,000μm未満かつ100μm超、25,000μm未満かつ100μm超、10,000μm未満かつ100μm超、1,000μm未満かつ100μm超、2,000,000μm未満かつ250μm超、1,000,000μm未満かつ250μm超、900,000μm未満かつ250μm超、800,000μm未満かつ250μm超、700,000μm未満かつ250μm超、600,000μm未満かつ250μm超、400,000μm未満かつ250μm超、300,000μm未満かつ250μm超、200,000μm未満かつ250μm超、100,000μm未満かつ250μm超、50,000μm未満かつ250μm超、25,000μm未満かつ250μm超、10,000μm未満かつ250μm超、1,000μm未満かつ250μm超の値を有する。好ましい実施形態では、マイクロ流体通路の最大断面積は、250,000μm未満かつ250μm超の値を有する。
【0033】
いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の平均断面積よりも小さい断面積を有する。特定の実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の平均断面積に対する断面積を有する。いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体通路の平均断面積の50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、24%未満、23%未満、22%未満、21%未満、20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.2%未満、0.1%未満、0.05%未満、0.02%未満、0.01%未満、0.005%未満、0.002%未満、又は0.001%未満の断面積を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体通路の平均断面積は、1,000,000μm未満かつ10μm超、750,000μm未満かつ25μm超、500,000μm未満かつ100μm超、250,000μm未満かつ250μm超、900,000μm未満かつ100μm超、800,000μm未満かつ100μm超、700,000μm未満かつ100μm超、600,000μm未満かつ100μm超、400,000μm未満かつ100μm超、300,000μm未満かつ100μm超、200,000μm未満かつ100μm超、100,000μm未満かつ100μm超、50,000μm未満かつ100μm超、25,000μm未満かつ100μm超、10,000μm未満かつ100μm超、1,000μm未満かつ100μm超、2,000,000μm未満かつ250μm超、1,000,000μm未満かつ250μm超、900,000μm未満かつ250μm超、800,000μm未満かつ250μm超、700,000μm未満かつ250μm超、600,000μm未満かつ250μm超、400,000μm未満かつ250μm超、300,000μm未満かつ250μm超、200,000μm未満かつ250μm超、100,000μm未満かつ250μm超、50,000μm未満かつ250μm超、25,000μm未満かつ250μm超、10,000μm未満かつ250μm超、1,000μm未満かつ250μm超の値を有する。好ましい実施形態では、マイクロ流体通路の平均断面積は、250,000μm未満かつ250μm超の値を有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、狭窄部は、10μm未満の高さ、9μm未満の高さ、8μm未満の高さ、7μm未満の高さ、6μm未満の高さ、5μm未満の高さ、4μm未満の高さ、3μm未満の高さ、2μm未満の高さ、又は1μm未満の高さを有するいくつかの実施形態では、狭窄部は、10μm未満の幅、9μm未満の幅、8μm未満の幅、7μm未満の幅、6μm未満の幅、5μm未満の幅、4μm未満の幅、3μm未満の幅、2μm未満の幅、又は1μm未満の幅を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのマイクロ流体通路は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又は10個を超える狭窄部を含む。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チップは、複数のマイクロ流体通路を備え、それぞれの少なくとも一部分は、各々、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又は10個を超える狭窄部を含む。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チップは、複数のマイクロ流体通路を備え、その各々の大部分は、各々、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又は10個を超える狭窄部を含む。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チップは、複数のマイクロ流体通路を備え、その各々は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又は10個を超える狭窄部を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのマイクロ流体通路102の少なくとも一部分は、10,000μm未満の断面積、5000μm未満の断面積、3000μm未満の断面積、1,000μm未満の断面積、800μm未満の断面積、600μm未満の断面積、400μm未満の断面積、200μm未満の断面積、又は100μm未満の断面積を有する。好ましい実施形態では、少なくとも1つのマイクロ流体通路の少なくとも一部分は、100μm未満の断面積、90μm未満の断面積、80μm未満の断面積、70μm未満の断面積、60μm未満の断面積、50μm未満の断面積、40μm未満の断面積、30μm未満の断面積、20μm未満の断面積、10μm未満の断面積、5μm未満の断面積、2μm未満の断面積、又は1μm未満の断面積を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのマイクロ流体通路は、250,000μm未満、100,000μm未満、50,000μm未満、25,000μm未満、10,000μm未満、5,000μm未満、3,000μm未満、1,000μm未満、800μm未満、600μm未満、400μm未満、200μm未満、又は100μm未満の最大断面積を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのマイクロ流体通路は、100μm未満、90μm未満、80μm未満、70μm未満、60μm未満、50μm未満、40μm未満、30μm未満、20μm未満、10μm未満、5μm未満、2μm未満、又は1μm未満の最大断面積を有する。好ましい実施形態では、少なくとも1つのマイクロ流体通路の少なくとも一部分は、1μm~100μmの断面積を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのマイクロ流体通路は、100μm~10,000μmの最大断面積を有する。
【0038】
特定の実施形態では、少なくとも1つのマイクロ流体通路の少なくとも一部分は、その幅又は高さのうちの少なくとも1つの不連続な変化を含む(例えば、微細加工の技法を使用して達成される)。本明細書で使用されるマイクロ流体チップは、高さ又は幅の連続的な変化を含むマイクロ流体通路とは対照的に、高さ又は幅のうちの少なくとも1つの段階的勾配又は段階的変化を有するマイクロ流体通路を含み得る。高さ又は幅の連続的な変化を含む通路は、例えば、ガラス管を含むデバイスにおいて一般的であり、これは、加熱された管を引っ張ることによって達成され得る。具体的な実施形態では、少なくとも1つのマイクロ流体通路の少なくとも一部分は、互いに独立して変化する高さ及び幅を有する。高さ及び幅の独立した変化は、例えば、高さを減少させる加工に、対応する幅の減少が伴う(例えば、その溶融温度近くに加熱されたガラス管の延伸及び薄化)ガラス管とは対照的である。
【0039】
上記のように、システム100は、光エンジン108を含む。例解される実施形態では、光エンジン108は、いくつかの光源110、114、118、及び120を含むように示されており、各々は、検査窓106内の通路102のそれぞれの別個の部分122、124、126、及び128上に励起光を発する又は出力するように位置決めされている。これに関して、光エンジン108は、検査窓106内の通路102の第1の部分122上に第1の励起光112を出力するように位置決めされた、第1の光源110と、第1の部分122とは別個の検査窓106内の通路102の第2の部分124上に第2の励起光116を発する又は出力するように位置決めされた、第2の光源114と、を含むように示されている。光エンジン108は、第3の励起光及び第4の励起光を、それぞれ、検査窓106内の通路102の第3の部分126及び第4の部分128上に出力するように位置決めされた、第3の光源118及び第4の光源120を更に含むように示されている。
【0040】
ある実施形態では、部分122、124、126、及び128は、対物レンズ186によって集束され、通路102に入射した後の励起光の幅によって画定される。例えば、ある実施形態では、部分122は、通路102に入射する励起光112の幅によって画定された幅を有する。ある実施形態では、部分122、124、126、及び128の幅は、2.0μm、1.5μm、1.0μm、0.9μm、0.8μm、0.7μm、0.6μm、0.5μm、0.4μm、0.3μm、又は0.2μm未満である。ある実施形態では、部分122、124、126、及び128の幅は、約2.0μm~約0.2μm、1.0μm~約0.2μm、0.9μm~約0.2μm、0.8μm~約0.2μm、0.7μm~約0.2μm、又は約0.6μm~約0.2μmの範囲にある。ある実施形態では、部分122、124、126、及び128の幅は、励起光強度の最大値の1/eと定義される。ある実施形態では、部分122、124、126、及び128の幅は、励起光強度の最大値の1/eと定義される。
【0041】
部分122、124、126、及び128の幅が広すぎる場合、信号対雑音比は、例えば、単一分子/粒子検出及び分析のためには低すぎる。これに関して、広すぎて間隔が密接過ぎる励起線幅は(例えば、2つの励起線の実質的な重複がある場合)、通路102の部分間にクロストークを生成する。加えて、特に、単一粒子/分子によって発せられた光の量が相対的に低い可能性がある場合、広すぎる励起線幅は、通路102のより大きい部分を照射し、信号対雑音比を低下させる、より大量の背景光を作成することになる。
【0042】
示されるように、光源110及び114は、そこから出力された励起光112及び116が、光ファイバ164及び168によって受け取られて伝送されるように、光ファイバ164及び168に光学的に結合されている。例解される実施形態では、第1の光源110は、第1の励起光ファイバ164の近位端166に光学的に結合されており、第2の光源114は、第2の励起光ファイバ168の近位端170に光学的に結合されている。
【0043】
光学的に結合された光源が示されているが、特定の実施形態では、光エンジン108の光源110、114、118、及び120は、励起光ファイバに光学的に結合されていない自由空間光源であることが理解されよう。これに関して、かつある実施形態では、自由空間光源は、自由空間光源と、励起光を受光して励起光を自由空間に出力するように位置決めされた検査窓106との間に配設された光ファイバを有さない。これに関して、隣接する光源の励起光間の間隔は、光源から発せられた励起光を方向付ける及び/又は成形する、システム100の追加の光学部品によって、少なくとも部分的に画定される。したがって、ある実施形態では、励起光ファイバ束172の励起光ファイバ164及び168などの励起光ファイバは、任意選択的である。また、いくつかの実施形態では、励起光ファイバ束172は存在しない。
【0044】
光エンジン108の光源110、114、118、及び120によって出力された励起光は、任意の波長であり得る。ある実施形態では、1つの光源の励起光は、光エンジン108の別の光源によって出力された励起光と同じである。ある実施形態では、1つの光源の励起光は、光エンジン108の別の光源によって出力された励起光と異なる。ある実施形態では、第1の励起光112は、第1の波長範囲内の波長を有し、第2の励起光116は、第1の波長範囲とは別個の第2の波長範囲内の波長を有する。ある実施形態では、第1の励起光112は、第1の波長範囲内の波長を有し、第2の励起光116は、第1の波長範囲と共通の第2の波長範囲内の波長を有する。
【0045】
第1の励起光112及び第2の励起光116は、粒子内若しくは粒子上の、又は分子と会合した色素又は他の検出可能な薬剤を光学的に励起するのに好適な任意の励起光であり得る。ある実施形態では、第1の励起光112及び/又は第2の励起光116は、レーザなどからのコヒーレント光を含む。ある実施形態では、第1の光源110及び第2の光源114は、固体レーザ、ダイオード励起レーザ、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)、ランプ、アーク放電、及び自然光からなる群から各々独立して選択される。
【0046】
ある実施形態では、第1の励起光112は、約350nm~約360nmの波長範囲内、約400nm~約410nmの波長範囲内、約480nm~約490nmの波長範囲内、約530nm~約540nmの波長範囲内、約555nm~約565nmの波長範囲内、又は約630nm~約690nmの波長範囲内にある。ある実施形態では、第2の励起光116は、約350nm~約360nmの波長範囲内、約400nm~約410nmの波長範囲内、約480nm~約490nmの波長範囲内、約530nm~約540nmの波長範囲内、約555nm~約565nmの波長範囲内、又は約630nm~約690nmの波長範囲内にある。
【0047】
示されるように、第1の励起光ファイバ164の遠位端及び第2の励起光ファイバ168の遠位端は、励起ファイバ束ヘッド172内に配置されている。示されるように、励起光ファイバ164及び168の遠位端は、間隔176たけ離間されている。ある実施形態では、この間隔176は、励起ファイバ束ヘッド172及び光エンジン108によって出力された励起光112及び116の間隔を、少なくとも部分的に画定する。それに応じて、ある実施形態では、第1の励起光ファイバ164の遠位端と第2の励起光ファイバ168の遠位端との間の間隔176は、第1の部分122と第2の部分124との間の間隔に対応する。これに関して、励起光は、異なって位置決めされた光エンジン108の光源110、112、118、及び120によって出力され得、励起ファイバ束ヘッド172によってまとめられ得、励起光ファイバの遠位端の間隔176に従って、通路102の検査窓106の位置的に別個の部分上に出力され得る。励起ファイバ束ヘッド172のそのような構成は、励起光学系によって更に操作することができる。示されていないが、例えば、図3Aを参照されたい。ある実施形態では、励起光ファイバ164及び168は、ファイバ束ヘッド内で互いに隣接して、例えば、互いの1ファイバ直径(例えば、縁間距離)内に配設されている。
【0048】
ある実施形態では、励起ファイバ束172などのファイバ束は、光ファイバの端部で結合されるか、又は別様に近接される光ファイバを指す。本明細書で更に考察されるように、光ファイバの端部を、ファイバの直径幅内などで互いに近接させることによって、光ファイバに結合された異なって位置決めされた光源から出力された光は、光ファイバを通して伝送され得、光ファイバ束内の光ファイバの配向によって部分的に成形された、又は別様に画定された配向で、光ファイバから発せられ得る。
【0049】
上記のように、光学的に結合された光源が例解されているが、光エンジン108は、図6に関して本明細書で更に考察されるような、自由空間光源を含み得ることが理解されよう。更に、光エンジン108によって照射された検査窓106の部分及びそれらの間の間隔は、自由空間光源と検査窓106との間に位置決めされた光学素子によって操作されることが理解されよう。
【0050】
示されるように、システム100は、励起光112及び116の少なくとも一部分を通路102の検査窓106に向けて反射するように位置決めされた、ダイクロイックミラー160を含む。例解される実施形態では、システム100は、ダイクロイックミラー160から反射された励起光を集光するように位置決めされ、励起光112及び116を通路102上に集束するように構成された、空気対物レンズ186などの対物レンズ186を更に含む。これに関して、光源からの励起光は、検査窓106内の通路102の空間的に分離された部分上に出力される。上記のように、ある実施形態では、検査窓106は、少なくとも部分的に、対物レンズ186の視野によって画定される。
【0051】
ダイクロイックミラー160が例解されているが、光を選択的又は部分的に透過及び反射するために、他の光学部品が使用されてもよいことが理解されよう。ある実施形態では、ダイクロイックミラー160は、20%反射/80%透過ミラーなどの、透過ミラー、又は光を選択的若しくは部分的に透過及び反射するように構成された、他の構造で置き換えられる。
【0052】
上記のように、通路102を通って流れる(1つ以上の検出可能な薬剤を含有する粒子及び/又は1つ以上の検出可能な薬剤と会合した分子などの)粒子又は分子は、励起光112及び116によって励起され得る。そのような励起された粒子/分子は、放射光146及び152を発することができ、これらの放射光は、検査窓106から出てダイクロイックミラー160を通って放射されるか、又は別様に発せられる。示されるように、放射光146及び152は、検査窓106に入射する励起光112及び116と同一又は類似の相対間隔を有する。
【0053】
放射光146及び152は、システム100の発光ファイバ束130に入射するように示されている。例解される実施形態では、発光ファイバ束130は、空間的に密接に結合された4本の発光光ファイバを含むように示されている。励起ファイバ束172と同様に、発光光ファイバ束130は、光ファイバ、ここでは発光光ファイバ134及び138の端部を、近接させ、特定の配向又は配置に従うようにする。本明細書で更に考察されるように、ファイバ束ヘッド132内の発光光ファイバの特定の配置は、放射光146及び152を受光するように発光光ファイバ134及び138を位置決めするのに好適であ。
【0054】
4本の発光光ファイバが図1Aに示されているが、他の数及び構成の発光光ファイバが可能であることが理解されよう。ある実施形態では、発光ファイバ束130は、少なくとも3本の発光光ファイバ、少なくとも4本の発光光ファイバ、少なくとも5本の発光光ファイバ、少なくとも6本の発光光ファイバ、少なくとも7本の発光光ファイバ、又はそれ以上の発光光ファイバを含む。ある実施形態では、発光ファイバ束130は、第1の発光光ファイバ134及び第2の発光光ファイバ138を含み、第1の発光光ファイバ134及び第2の発光光ファイバ138の近位端136は、発光ファイバ束ヘッド132内に配置されており、第1の発光光ファイバ134の近位端136は、第1の部分122から発せられた第1の放射光146を受光するように位置決めされており、第2の発光光ファイバ138の近位端140は、第2の部分124から発せられた第2の放射光152を受光するように位置決めされている。
【0055】
ある実施形態では、発光ファイバ束130の各発光光ファイバ134及び138の近位端136及び140は、発光ファイバ束ヘッド132内に配設されている。ある実施形態では、発光ファイバ束130の各発光光ファイバ134及び138の近位端136及び140は、検査窓106の別個の部分122及び124から発せられた放射光146及び152を受光するように位置決めされている。ある実施形態では、発光光ファイバ134及び138の近位端136及び140は、互いの1ファイバ直径以内にある(例えば、1つのファイバの縁と、隣接ファイバの最も近い縁との間の距離は、1ファイバ直径以内にある)など、互いに隣接して配設されている。
【0056】
ある実施形態では、発光ファイバ束ヘッド132の発光光ファイバは、検査窓106の別個の励起領域又は部分に対応する放射光を個々に又は別々に受光するなどして受光するように配置されている。上記のように、ある実施形態では、部分122及び124などの検査窓106の部分は、励起光が検査窓に入射するときに、励起光の幅(励起光112及び116の幅など)によって画定される。
【0057】
発光光ファイバ134及び138の近位端136及び140を、発光ファイバ束ヘッド132内で近接して設置することによって、発光光ファイバ134及び138は、光エンジン108の異なる光源によって励起される通路102の部分などの、通路102の異なる部分から放射光を受光するように位置決めされている。ある実施形態では、発光光ファイバ134及び138の近位端136と140との間の間隔は、検査窓106に入射する励起光112及び116の間隔に基づくなど、通路102の部分122及び124の間隔に基づいている。
【0058】
これに関して、システム100の発光ファイバ束ヘッド132の略図である、図1Bに注目する。図1Bは、発光ファイバ束ヘッド132の発光光ファイバのためのいくつかの構成を例解する。好ましい実施形態では、発光光ファイバ134は、発光ファイバ束ヘッド132内に線形構成で配置されている。
【0059】
ある実施形態では、発光光ファイバ134及び138の近位端136及び140の間隔174及び/又は配置は、光エンジン108の光源によって励起された検査窓106の部分の間隔及び/又は配置に対応する。示されるように、発光光ファイバ134及び138の近位端136及び140は、線形構成で配置されている。これに関して、発光光ファイバ134及び138は、光エンジン108は、例えば、線形構成において、励起光を検査窓106の中に発する又は出力するように構成されている、通路102から放射光146及び152を受光するように、発光光ファイバ束ヘッド132内に配置されている。
【0060】
ある実施形態では、間隔174は、約1μm~約1,000μmの範囲内、約100μm~約900μmの範囲内、約1μm~約100μmの範囲内、約10μm~約500μmの範囲内、約50μm~約800μmの範囲内にある。別の実施形態では、ファイバ束ヘッドの近位端における、発光光ファイバの縁と別の発光光ファイバの最も近い縁との間の距離は、ほぼ0(すなわち、接触)であるか、又はファイバの半径内にある。
【0061】
ある実施形態では、間隔174は、1つの発光光ファイバの中心と、異なる発光光ファイバの中心との間の距離である。ある実施形態では、間隔174は、発光光ファイバの縁と、別の発光光ファイバの最も近い縁との間の距離である。
【0062】
ある実施形態では、第1の発光光ファイバ134の近位端136と第2の発光光ファイバ138の近位端140との間の間隔174は、検査窓106の第1の部分122と第2の部分124との間の間隔に対応する。この実施形態では、間隔は、中心間距離である。ある実施形態では、そのような対応は、発光光ファイバ134及び138の近位端136と140との間の間隔と、第1の部分122と第2の部分124との間の間隔とが、光学系の倍率を考慮した後、直接又は厳密に一致する、直接対応である。ある実施形態では、対応は、検査窓106と発光ファイバ束ヘッド132との間に配設された、対物レンズ186及び任意の他のレンズ、ミラーなどの、システム100の光学系に従って調整及び/又は修正される。
【0063】
ある実施形態では、第1の励起光ファイバ164の近位端166と第2の励起光ファイバ168の近位端170との間の間隔176は、検査窓106の第1の部分122と第2の部分124との間の間隔に対応する。ある実施形態では、そのような対応は、励起光ファイバ164及び168の近位端166と170との間の間隔と、第1の部分122と第2の部分124との間の間隔とが、光学系の倍率を考慮した後、直接又は厳密に一致する、直接対応である。これに関して、遠位端166から出力する第1の光源110と、遠位端170から出力する第2の光源114との間の間隔は、第1の部分122と第2の部分124との間の間隔に対応する。ある実施形態では、対応は、検査窓106と励起ファイバ束ヘッド172との間に配設された、対物レンズ186及び任意の他のレンズ、ミラーなどの、システム100の光学系に従って調整及び/又は修正される。
【0064】
ある実施形態では、第1の励起光ファイバ164の近位端166と第2の励起光ファイバ168の近位端170との間の間隔176は、第1の発光光ファイバ134の近位端136と第2の発光光ファイバ138の近位端140との間の間隔174に対応する。上記のように、そのような対応は、直接対応、又は、放射光を操作若しくは方向付ける任意の光学部品によって修正された対応であり得る。
【0065】
ある実施形態では、間隔176は、約1μm~約1,000μmの範囲内、約1μm~約100μmの範囲内、約250μm~約750μmの範囲内、約1μm~約50μmの範囲内、約10μm~約500μmの範囲内にある。別の実施形態では、ファイバ束ヘッドにおける、光ファイバの縁と別の光ファイバの最も近い縁との間の距離は、ほぼ0(すなわち、接触)であるか、又はファイバの半径内である。
【0066】
上記のように、システム100は、発光ファイバ束130から発せられた放射光を受光するように位置決めされた、検出器システム142を含む。示されるように、発光光ファイバ134及び138は、それぞれ、それらの近位端136及び140において発光ファイバ束ヘッド132から扇形に広がり、検出器システム142の検出器モジュール144及び150に隣接しかつ光学的に結合されたそれらの遠位端148及び154において終端する。本明細書で使用される場合、「検出器モジュール」は、1つ以上の検出構造及び/又は構成要素によって受光されるなど、検出器モジュールによって受光された光に基づいて、信号又は信号のセットを生成するように構成された、検出構造及び/又は検出構成要素の集合を指す。検出器システム142などの本開示の検出器システムは、1つ以上の検出器モジュール、及び/又は1つ以上の個々の光検出器などの1つ以上の個々の検出器を含み得る。
【0067】
ある実施形態では、検出器モジュール144及び150のうちの1つ以上は、放射光146及び152を受光するように光学的に結合され位置決めされた、単一の光検出器を含む。別の実施形態では、検出器モジュール144及び150のうちの1つ以上は、図2に関して本明細書で更に考察されるような、複数の個々の光検出器を含む。これに関して、検出器モジュール144及び150の各々は、放射光146及び152を受光し、その放射光146及び152に基づいて(例えば、放射光146及び152内の特定の波長範囲に基づいて)、複数の信号を生成するように構成され得る。
【0068】
ある実施形態では、各発光光ファイバ134及び138の遠位端148及び154は、少なくとも1つのそれぞれの検出器モジュール144及び150上に光を発するように位置決めされている。ある実施形態では、検出器システム142は、検査窓106からの散乱放射光、発光放射光、蛍光放射光、又はそれらの組み合わせを受光するように位置決めされている。ある実施形態では、散乱放射光は、後方散乱光、側方散乱光、又は前方散乱光から選択される。
【0069】
検出器モジュール144及び150内の光検出器などの光検出器が考察されるが、他のタイプの光検出構造及び構成要素が可能であり、本開示の範囲内であることが理解されよう。ある実施形態では、検出器モジュール144及び150内の光検出器は、カメラ、電子増倍管、電荷結合デバイス(charge-coupled device、CCD)画像センサ、光電子増倍管(photomultiplier tube、PMT)、マイクロチャネルプレートPMT(microchannel plate PMT、MCP)、ハイブリッドPMT検出器、アバランシェフォトダイオード(avalanche photodiode、APD)、単一光子アバランシェダイオード(single-photon avalanche diode、SPAD)、単一光子計数モジュール(single-photon counting module、SPCM)、シリコン光電子増倍管(silicon photomultiplier、SiPM)、及び相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)画像センサからなる群から選択される。
【0070】
例解される実施形態では、各発光光ファイバの終端は、放射光の受光のために、検出器モジュールに光学的に結合されている。これに関して、検出器システム142は、第1の発光光ファイバ134の遠位端148から発せられた第1の放射光146を受光するように位置決めされた、第1の検出器モジュール144と、第2の発光光ファイバ138の遠位端154から発せられた第2の放射光152を受光するように位置決めされた、第2の検出器モジュール150と、を含むように示されている。
【0071】
システム100は、光エンジン108及び検出器システム142に動作可能に結合された、コントローラ156を更に含むように示されている。そのようなコントローラ156は、これらの構成要素の動作を統制するように構成された、ロジックを含む。1つのコントローラ156が、これらの構成要素に直接結合されて示されているが、無線で結合されたもの及び/又は分散システム内のものなどの複数のコントローラが可能であり、本開示の範囲内であることが理解されよう。
【0072】
ある実施形態では、コントローラ156は、本明細書で更に説明される方法の一部又は全部の態様を実施するためのロジックを含む。ある実施形態では、コントローラ156は、光エンジン108で励起光を検査窓106内に出力し、検査窓106から発せられ、検出器システム142によって受光された放射光に基づいて、検出器システム142で信号を生成するためのロジックを含む。ある実施形態では、コントローラ156は、コントローラ156によって実行されると、システム100に、第1の光源110で第1の励起光112を出力することと、第2の光源114で、第2の励起光116を出力することと、第1の発光光ファイバ134から受光された第1の励起光112に基づいて、第1の検出器モジュール144で第1の放射信号を生成することと、第2の発光光ファイバ138から受光された第2の励起光116に基づいて、第2の検出器モジュール150で第2の放射信号を生成することと、を含む動作を実施させるロジックを含む。
【0073】
ある実施形態では、コントローラ156は、コントローラ156によって実行されると、システム100に、通路102と流体連通する懸濁液などの粒子の懸濁液及び/又は分子の溶液を通路102を通して流すことを含む動作を実施させるロジックを更に含む。本明細書で使用される場合、「粒子」は、周囲媒体内などの局所化された物体又はエンティティを指す。ある実施形態では、粒子は、固体粒子が液相又は気相中に取り囲まれて懸濁している場合など、その周囲に対する相不連続性を画定する。本明細書で更に考察されるように、特定の実施形態では、粒子は、対象からの、対象に由来する、生物からの、生物に由来する、環境試料などからの、生物学的ナノ粒子などの生物学的粒子である。
【0074】
ある実施形態では、通路102を通して懸濁液を流すことは、粒子ごとに又は分子ごとに通路102を通して懸濁液を流すことを含む。そのような粒子の粒子ごとの流れ又は分子の分子ごとの流れは、通路102を通って流れる粒子及び/又は分子を個々に分析するのに好適である。ある実施形態では、検査窓106は、通路102の他の部分に対して狭窄部を画定し、この狭窄部は、内腔104を狭める。ある実施形態では、粒子ごとの流れ及び/又は分子ごとの流れは、内腔104の狭窄部内で生じる。
【0075】
ある実施形態では、コントローラ156は、コントローラ156によって実行されると、システム100に、通路102内の粒子及び/又は分子をランク付けすることを含む動作を実施させるロジックを含む。そのようなランク付けは、例えば、検出器システム142によって検出された放射光などの、粒子及び/又は分子と会合した放射光の有無に基づき得る。ある実施形態では、ランク付けは、検出器システム142によって検出されるような、放射光の強度及び/又は放射光の波長に基づく。ある実施形態では、ランク付けは、第1の放射光146及び第2の放射光152のうちの1つ以上に基づいて、粒子及び/又は分子の測定された放射スペクトルに対応する。ある実施形態では、ランク付けは、第1の励起光112及び第2の励起光116のうちの1つ以上に基づいて、粒子及び/又は分子の測定された励起スペクトルに対応する。
【0076】
ある実施形態では、ランク付けは、粒子、ビーズ、ナノ粒子、又は蛍光プローブ、例えば、それらと会合した捕捉剤及び/又は検出可能な薬剤のグループ分け、分類、及び/又は解読を含み得る。本明細書で更に考察されるデジタル親和性アッセイの実施形態などのある実施形態では、ある実施形態では、ランク付けは、それぞれの信号が本開示のシステム及び方法によって検出される、検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤と会合した検体の同一性を判定するなど、検体と会合した検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤放射信号を解読することに少なくとも部分的に基づいている。
【0077】
本明細書で使用される場合、「割り当て」という用語は、粒子及び/又は分子の分類の定量的特性、定性的特性、又は重要性を、割り当ての対象である粒子及び/又は分子に指定することを指す。一実施形態では、サイズ値を粒子に割り当て得る。ある実施形態では、割り当ては、粒子又は分子から発せられた光に基づき、割り当ては、そのような放射光の存在、不在、及び/又は強度に基づいている。本明細書で使用される場合、「サイズ値」という用語は、相対的なサイズ値又は実際のサイズ値を指す。サイズ値は、直線距離の真の又は相対的な測定値を提供する。特定の実施形態では、割り当ては、コンピュータ、及び割り当てアルゴリズムを表すソフトウェアによって実施される。
【0078】
本明細書で使用される場合、「ランク付け」という用語は、分類によって粒子及び/又は分子の定量的特性、定性的特性、又は重要性を査定することを指す。一実施形態では、粒子及び/又は分子は、ヌル(例えば、ナノ粒子及び/又は分子が検出可能な閾値未満の発光強度を有する場合)又は非ゼロ(例えば、粒子及び/又は分子が検出される場合)のいずれかとしてランク付けされ得る。いくつかの実施形態では、ランク付けは、バイナリである。例えば、限界値を上回る検出光強度を有する各粒子及び/又は分子は、1の値を割り当てられ、一方、限界値を上回る検出光強度を有さない各測定試料は、0の値を割り当てられ、したがって、バイナリランク付けを形成する。他の実施形態では、粒子及び/又は分子は、例えば、粒子及び/又は分子の同一性、検出可能な特性の存在、際立った特徴の存在などと相関する追加のカテゴリに従ってランク付けされ得る。ランク付けは、いくつかの所定の定量的又は定性的カテゴリのうちの1つに対応する任意の数を割り当てられ得る。他の実施形態では、ランク付けは、非バイナリであり、例えば、値は、粒子及び/又は分子から測定された、発せられた光強度の量に基づいて割り当てられる。特定の実施形態では、ランク付けは、コンピュータ、及びランク付けアルゴリズムを表すソフトウェアによって実施される。
【0079】
本明細書で使用される場合、「検出可能な特性」は、粒子及び/又は分子に関連付けられた観察可能な特性、例えば、粒子及び/又は分子に関連付けられているか、又はナノ粒子及び/又は分子に固有である光活性、電気活性、生物活性、又は磁気特性を指す。特定の実施形態では、「検出可能な特性」は、粒子及び/又は分子と、検出可能な薬剤又はバイオマーカーとの会合を含む。
【0080】
本明細書で使用される場合、「増幅」は、標的検体のアンプリコン若しくはコピー、又は標的検体の存在と相関している分子のアンプリコン若しくはコピーを生成するように構成された、分子、構造又は試薬の使用を指す。いくつかの実施形態では、標的検体の存在と相関している分子は、形成又は発現される標的検体の存在を必要とする分子から選択される。いくつかの実施形態では、標的検体の存在と相関している分子は、標的検体若しくはその一部分の増幅産物、標的検体のフラグメント、又は標的検体によって安定化された分子若しくは複合体から選択される。これに関して、特定の実施形態では、本開示のシステム及び方法は、増幅ステップを含まない。
【0081】
光活性特性の例としては、例えば、生体粒子形態(粒子サイズ、内部細胞内構造)、蛍光、発光、免疫蛍光などによって一般に誘起された光強度(光学反射、散乱、偏向、透過、吸収、又は発光)の変化が挙げられる。光活性特性の検出は、例えば、ナノ粒子上の、ナノ粒子内の、若しくはナノ粒子に関連付けられた、サイズ、質量、表面積、体積、タンパク質含量、膜面積、脂質含量、酵素量、代謝産物含量、炭水化物含量、ペプチド含有量、核酸含有量、タンパク質同一性、又は核酸同一性を報告し得る。
【0082】
ある実施形態では、ランク付けは、粒子の測定されたサイズ値に対応する。ある実施形態では、測定されたサイズ値は、相対サイズ値である。ある実施形態では、測定されたサイズ値は、検出された放射光強度の差によって測定される。ある実施形態では、測定されたサイズ値は、実際のサイズ値である。
【0083】
ある実施形態では、システム100は、通路102内の粒子及び/又は分子の流れを方向付けるように構成された、1つ以上のバルブを含むなどのフローディレクタを更に備える。ある実施形態では、フローディレクタは、コントローラ156に動作可能に結合されており、コントローラ156は、コントローラ156によって実行されると、システム100に、検査窓106から受光され、粒子及び/又は分子と会合した放射光の有無に基づいて、粒子及び/又は分子の流れを方向付けることを含む動作を実施させるロジックを含む。ある実施形態では、フローディレクタは、フローディレクタは、コントローラ156に動作可能に結合されており、コントローラ156は、コントローラ156によって実行されると、システム100に、ランク付けに基づいて、粒子及び/又は分子の流れを方向付けることを含む動作を実施させるロジックを含む。ある実施形態では、粒子及び/又は分子の流れを方向付けることは、粒子及び/又は分子を2つ以上の選別通路のうちの1つに方向付けることを含む。ある実施形態では、フローディレクタは、コントローラ156に動作可能に結合されており、コントローラ156は、コントローラ156によって実行されると、システム100に、検査からの放射光と会合した粒子及び/又は分子の数を定量化することと、検査窓106からの放射光と会合した粒子及び/又は分子の濃度を判定することと、を含む動作を実施させるロジックを含む。ある実施形態では、濃度は、図11A及び図11Bに関して本明細書で更に考察されるように、測定された流量に更に基づいている。
【0084】
ある実施形態では、粒子及び/又は分子の流れを方向付けるためのフローディレクタ又は流れ方向付け機構は、電極、磁気素子、音響素子、電気作動素子、及び光学作動素子、電場、又は磁場を備える。いくつかの実施形態では、粒子及び/又は分子の流れを方向付けるための機構は、1つ以上の電気作動バルブ又はピストンを備え、バルブ又はピストンは、第1の接合部において第1の入力通路及び2つの出口通路と交差する、少なくとも第1の指向性流路内の液体の流れを制御する。一実施形態では、ソレノイドピストンは、電気作動式ソレノイドバルブの補助構成要素である。別の実施形態では、ソレノイドピストンは、成形によってデバイスに埋設されている。更に別の実施形態では、埋設されたソレノイドピストンは、配管を介して流体連通するソレノイドバルブによって置き換えられ得る。
【0085】
特定の一実施形態では、本明細書で提供される装置は、粒子及び/若しくは分子、粒子、分子、又は流体試料の軌道又は流れを追跡並びに/又は操作するための1つ以上の電極を備え得る。特定の実施形態は、電極は、誘電泳動又は電気浸透流又は電気泳動などの現象に基づいて、ナノ粒子及び/又は分子の分離を向上させてもよい。粒子及び/又は分子が100nm未満の流体力学的直径を有する実施形態では、シースフロー集束又は音響集束は、通路102内の粒子の軌道を方向付けるためなどの、本明細書に開示される方法及び装置のための粒子の軌道を適切に操作するのに十分ではない場合がある。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Optics Express Vol.15,Issue 10,pp.6167-6176(2007)を参照されたい。したがって、いくつかの実施形態では、粒子を集束させるための機構は、シースフロー集束、音響フロー集束、又はそれらの組み合わせを除外する。いくつかの実施形態では、粒子は方向付けられるが、当該方向付けが、音響集束、シースフロー集束、又はそれらの組み合わせを使用しないことを条件とする。
【0086】
本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、本開示のシステム及び方法は、例えば、標的検体のアンプリコン若しくはコピー、又は標的検体の存在と相関している分子のアンプリコン若しくはコピーを生成するように構成された、構造又は試薬を含まない。ある実施形態では、本開示のシステム及び方法は、標的検体の存在と相関している分子のアンプリコン又はコピーを生成するように構成された、構造又は試薬を含まず、標的検体の存在と相関している分子は、標的検体若しくはその一部分の増幅産物、標的検体のフラグメント、標的検体によって安定化された分子若しくは複合体、又は形成若しくは発現される標的検体の存在を必要とする分子から選択される。これに関して、特定の実施形態では、本開示のシステム及び方法は、増幅のための構造、試薬、及び/若しくはステップを含むように構成されないか、又は含まない。
【0087】
自己補正されたフローベースの粒子分析
上記のように、ある実施形態では、システム100は、通路102の内腔104を通して粒子を流すように構成された、通路102であって、光が内腔104の内外に通過することを可能にするように構成された検査窓106を画定する、通路102と、光エンジン108であって、検査窓106内の通路102の第1の部分122上に第1の励起光112を出力するように位置決めされた、第1の光源110、及び第1の部分122とは別個の検査窓106内の通路102の第2の部分124上に第2の励起光116を発する又は出力するように位置決めされた、第2の光源114を備える、光エンジン108と、検出器システム142であって、通路102の第1の部分122から発せられた第1の放射光146を受光するように位置決めされた、第1の検出器モジュール144、及び第2の部分124から発せられた第2の放射光152を受光するように位置決めされた、第2の検出器モジュール150を備える、検出器システム142と、を備える。本開示のシステム100のそのような実施形態は、自己補正された、単一粒子及び/又は単一分子のフロー分析における使用に好適である。本明細書で更に考察されるように、フローストリーム中の単一粒子及び/又は単一分子から発せられた蛍光の測定は、流れ及びレーザビームのプロファイルによって大きく影響される。したがって、蛍光粒子及び/又は蛍光分子の正確な定量化は、フロープロファイル及び/又はレーザビームプロファイルからの信号のデコンボリューションを必要とする。
【0088】
これらの課題を克服するために、本開示は、フローストリーム中の小胞、ウイルス、リポタンパク質、及び高分子複合体などの単一分子及び粒子を分析するためのシステム及び方法を提供する。そのようなシステム及び方法は、1)複数の検査窓又は単一の検査窓106の部分を通って流れる同じ粒子及び/又は分子上に発現されたバイオマーカーを共局在化することと、2)単一粒子及び/又は分子を識別並びに列挙することと、3)各個々の粒子及び/又は分子によってサンプリングされた流量を得ることと、4)したがって、分析された粒子及び/又は分子の濃度を判定することと、を正確に行うのに好適である。
【0089】
手短に言えば、検査窓106の空間的に分離された部分は、既知の空間パターンで配設され、粒子及び/又は分子の特性(例えば、蛍光発光)は、検査窓106の2つの異なる部分で2回測定される(例えば、図8を参照されたい)。層流下では、検査窓106の2つの隣接する部分又は2つの異なる部分を通って流れる具体的な粒子の移動時間は、これらの2つの部分の間の距離に比例する。また、層流の性質に起因して、通路102の断面における具体的な粒子及び/又は分子の位置は、概ね同じままである。これは、2つのそのような部分の間の距離が小さく、移動時間が短く、その結果、通路内の粒子の拡散がそれに応じて小さい場合に特にそうである。したがって、この特性は、粒子及び/又は分子が、通路の断面内の非常に類似した位置で、異なる光源の異なる励起光と相互作用することを示唆する。これらの特性を考慮すると、単一の検体(例えば、小胞、又はビリオン、又は脂質ナノ粒子、又は蛍光色素によって染色された単一分子)を識別し、通路102の断面における検体の抽出された移動時間又は抽出された場所又は相対的な場所を使用して、検体上の他の生物学的マーカーと会合した蛍光信号、例えば、それぞれの対応する生物学的マーカーに結合した異なる色素タグ付き抗体からの蛍光信号、並びに/又は検体若しくは生物学的ナノ粒子の異なる核酸染色剤及び/若しくは他の具体的な蛍光染色剤からの蛍光信号を更に共局在化することが可能である(図8を参照されたい)。
【0090】
したがって、ある実施形態では、自己補正された、単一ナノ粒子又は単一分子のフロー分析における使用のためのシステム100は、本開示の自己補正された、単一分子/粒子のフロー分析方法を実施するためのロジックを含む。ある実施形態では、システム100は、光エンジン108及び検出器システム142に動作可能に結合されたコントローラ156を含み、コントローラ156によって実行されると、システム100に、検査窓106の様々な部分において粒子/分子の特性を測定することを含む動作を実施させるロジックを含む。ある実施形態では、システム100は、第1の光源110、第2の光源114、第1の検出器モジュール144、及び第2の検出器モジュール150に動作可能に結合されたコントローラ156を含み、コントローラ156によって実行されると、システム100に、第1の光源110で第1の励起光112を出力することと、第2の光源114で、第2の励起光116を出力することと、第1の部分122から受光された第1の放射光146に基づいて、第1の検出器モジュール144で第1の放射信号を生成することと、第2の部分124から受光された第2の放射光152に基づいて、第2の検出器モジュール150で第2の放射信号を生成することと、第1の放射信号の生成と第2の放射信号の生成との間の時差、及び第1の部分122と第2の部分124との間の距離に基づいて、通路102内の粒子の速度を判定することと、を含む動作を実施させるロジックを含む。ある実施形態では、粒子の速度は、内腔104を通る体積流量を判定するために使用される。
【0091】
従来の流体力学では、平均線速度
【0092】
【数1】
【0093】
は、
【0094】
【数2】
【0095】
として定義され、式中、Vは、体積流量であり、Aは、断面積である。流れプロファイルが放物線である場合、平均線速度は、中心線における速度の半分であることは周知である(vmax)、
【0096】
【数3】
【0097】
従来、体積流量が最初に測定され、それに応じて平均線速度が計算される。
【0098】
我々のシステムでは、体積流量が非常に遅い(例えば、約nl/分)ため、特定の実施形態では、体積流量を簡便に直接測定することは不可能である。代わりに、ある実施形態では、通路内の流れプロファイルは、(100個、500個、1,000個、5,000個、10,000個以上の粒子などの)多くの個々の粒子の線速度を測定することによってサンプリングされ、平均観測値
【0099】
【数4】
【0100】
を得る。ある実施形態では、流れプロファイルをサンプリングするとき、観察された線速度は流れプロファイルの影響を受けるため、
【0101】
【数5】
【0102】
は、従来の流体力学で定義された平均速度とは実際には異なる(すなわち、
【0103】
【数6】
【0104】
層流では、単位時間中に各薄層の断面を通過する体積(ΔQ)は、ΔQ=u(r)・2πr・Δrである。したがって、特定の単位時間中に断面を通過する、同じ速度(すなわち、u(r))を有する粒子の数は、次式の通りであり、
【0105】
【数7】
【0106】
式中、Cは、粒子の濃度である。したがって、観察された線速度の平均は次式の通りであり、
【0107】
【数8】
【0108】
式中、rは、断面における半径方向位置である。放物線状の流れでは、次式となる。
【0109】
【数9】
【0110】
これに関して、式2は、次式に再編成され得る。
【0111】
【数10】
【0112】
【数11】
【0113】
とVとの間の関係は、図11Aに示すように、
【0114】
【数12】
【0115】
である。
したがって、ある実施形態では、体積流量は、以下の式によって判定され、
【0116】
【数13】
【0117】
式中、
【0118】
【数14】
【0119】
は、通路を通る多くの個々の粒子の平均観測線速度であり、
Rは、通路の半径である。上記の分析は、円筒形状を有する通路を想定しているが、長方形形状又は正方形形状又は任意の他の形状を有する通路に容易に調整することができる。
【0120】
ある実施形態では、コントローラ156は、コントローラ156によって実行されると、システム100に、第1の放射信号及び第2の放射信号によって共有される励起若しくは放射信号の特性又は関係に基づいて、第1の放射信号及び第2の放射信号を相関させることを含む動作を実施させるロジックを更に含む。
【0121】
空気対物レンズ
ある実施形態では、システム100は、通路102から、第1の放射光146及び第2の放射光152などの放射光を集光し、集光された放射光を検出器システム142上に向けるように位置決めされた、集光システム184を更に含み、集光システム184は、0.91超かつ0.99未満の範囲の開口数を有する空気対物レンズ186を備える。ある実施形態では、空気対物レンズ186などの対物レンズ186は、約0.95の開口数を有する。
【0122】
本明細書で使用される場合、「空気対物レンズ」は、対物レンズとその焦点面又は焦点との間の空間が、少なくとも部分的に、空気などの気体によって占有され、油又は水などの浸液によって占有されない、光学対物レンズ又はレンズを指す。これに関して、空気対物レンズは、レンズと試料との間、通常はレンズとカバーガラス又は試料ホルダとの間に配設された油又は水にレンズが浸漬される、油浸レンズ又は水浸レンズとは対照的である。
【0123】
本明細書で使用される場合、「高NA(開口数)の空気対物レンズ」は、0.91~0.99、好ましくは、0.92~0.98、より好ましくは、0.93~0.97、更により好ましくは、0.94~0.96のNAを有する空気対物レンズを指す。ある実施形態では、空気対物レンズは、約0.95のNAを有する。本明細書で更に考察されるように、そのような高NAの空気対物レンズは、本開示のデバイス及びシステムを通過する粒子/分子の存在、不在、又は濃度を判定する際などに、単一分子及び/又は単一粒子分析を実施するのに好適である。本明細書の他の箇所で述べているように、高NAの空気対物レンズは、油浸対物レンズ又は水浸対物レンズなどの従来の対物レンズに勝る多数の利点、例えば、多くの他のものの中でもとりわけ、高い集光効率、正確かつ効率的に走査する能力を提供する。
【0124】
空気対物レンズは、一般に、例えば油浸対物レンズよりも走査が容易で、より安定している。更に、特定の実施形態では、対物レンズ186は、高画質(例えば、高解像度)のためではなく、むしろ、その高い集光効率のために使用される。これに関しても、空気対物レンズは、油浸対物レンズよりも優れている。したがって、0.91超かつ0.99未満の範囲などの、より低い開口数を有する空気対物レンズ186は、流路102内の単一粒子及び/又は単一分子の検出に好適である。
【0125】
放射多重化
ある実施形態では、本開示のシステムの検出器モジュールは、各々、発光光ファイバの遠位端から放射光を受光するように位置決めされた、2つ以上の光検出器を含む。これに関して、本開示の実施形態による、システムの検出器モジュール242の略図が示されている、図2に注目する。ある実施形態では、図示の検出器モジュール242は、図1Aに例解された検出器システム142の検出器モジュール144又は150の例である。
【0126】
例解される実施形態では、検出器モジュール242は、発光光ファイバ234の遠位端248から、ここでは蛍光放射光246Aとして示される放射光246A又はその一部分を受光するように位置決めされた、いくつかの光検出器244、250A、250B、及び250Cを含むように示されている。示されるように、検出器モジュール242は、発光光ファイバ234の遠位端248から発せられた放射光246Aを受光するように位置決めされた、いくつかのダイクロイックミラー260を含む。そのようなダイクロイックミラー260は、放射光246Aの一部分(例えば、1つの波長範囲)を反射し、放射光の異なる部分(例えば、異なる波長範囲)がダイクロイックミラー260を通過することを可能にするように構成されている。例解される実施形態では、各ダイクロイックミラー260は、放射光246Aの一部分を、放射光246Aのこの反射又は透過部分に基づいて信号を生成するように構成された光検出器244、250A、250B、250Cに向けて反射するように、位置決めされている。
【0127】
これに関して、検出器モジュール242は、第1の発光光ファイバ234の遠位端248と第1の光検出器244との間に配設され、第1の放射光246Aの一部分246Bを、第1の光検出器244上に反射するように位置決めされた、ダイクロイックミラー260を含むように示されている。ある実施形態では、本開示の実施形態によるシステムの検出器は、図1Aに例解されるように、第2の光検出器を含む第2の検出器モジュールなどの、第2の発光光ファイバに光学的に結合された第2の検出器モジュールを更に含む。図2の例解される実施形態では、検出器モジュール242は、それぞれ、第3の光検出器250A、第4の光検出器250B、及び第5の光検出器250Cを含むように示されている。ある実施形態では、第1の光検出器244は、放射光246Bを含むような第1の放射光246Bの第1の放射波長範囲に基づいて、第1の放射信号を生成するように構成されており、第3の光検出器250A、第4の光検出器250B、及び第5の光検出器及び250Cは、放射光246Bの第1の放射波長範囲とは異なるか又は実質的に異なる放射光246C、246D、及び246Eの第3、第4、及び第5の放射波長範囲に基づいて、第3、第4、及び第5の放射信号を生成するように構成されている。
【0128】
検出器モジュール242は、4つの光検出器244、250A、250B、及び250Cを含むように示されているが、任意の数の光検出器が可能であることが理解されよう。ある実施形態では、検出器モジュールは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個以上の光検出器を含む。
【0129】
例解される実施形態では、検出器モジュール242は、反射放射光246B~246Eの一部分をフィルタリングするように構成された、バンドパスフィルタ262などのフィルタ262を更に含む。これに関して、光検出器244及び250A~250Cは、放射光246Aのフィルタリングされた部分246B~246Eに基づいて信号を生成するように構成及び位置決めされている。本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、光エンジンは、異なる波長の光で通路内の粒子及び/又は分子を励起する。また、本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、粒子及び/又は分子自体は、異なる波長範囲を有する蛍光を発するように構成され、異なる波長光によって励起されるように構成された、1つ以上の検出可能な薬剤に含浸させるか又はそれらと会合することができる。したがって、図2に例解される検出器モジュール242の構成は、配列された光検出器及び対応するフィルタを用いて、1つ以上の波長範囲内の波長を有する放射光に基づいて信号を生成するのに好適である。これに関して、例解される検出器モジュール242は、検出器モジュール242の一部分に光を発する粒子及び/又は分子の放射多重化を実施するのに好適である。本明細書で使用される場合、「放射多重化」は、粒子、分子、又は他の検体から発せられた異なる波長範囲の光を分析することによって、そのような粒子、分子、又は他の検体を分析するのに好適なシステム又は方法を指す。
【0130】
ある実施形態では、第1の発光光ファイバ234の遠位端248は、第1の放射光246Aを、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個以上の光検出器上に発するように構成されている。ある実施形態では、光検出器の各々は、1つ以上のダイクロイックミラー又は光学フィルタを通して受光される場合など、放射光の実質的に異なるスペクトル部分を受光するように構成されている。
【0131】
図2に例解される検出器モジュール242の部分は、反射及び/又は透過放射光をそれぞれの光検出器上に集束するように成形及び位置決めされたレンズ290を更に含むように示されている。
【0132】
ある実施形態では、本開示のシステムは、図2に例解されるような1つ以上の検出器モジュール242などの、複数の検出器モジュールを含む。ある実施形態では、発光光ファイバの遠位端の各々は、図2に例解されるように、検出器モジュール内に放射光を発するように構成されている。
【0133】
励起多重化
本明細書で更に考察されるように、本開示のシステムの光エンジンは、通路を通して流れる粒子中に又は粒子上に配設された1つ以上の検出可能な薬剤を励起するのに好適な波長範囲などの、様々な波長範囲の光を出力するように構成された、光源を含むことができる。いくつかの実施形態では、そのような光の波長範囲は、重なり合っている。いくつかの実施形態では、光の波長範囲は、分離している。これに関して、本開示の実施形態による、光エンジン308、及び光エンジン308によって照射される通路302の実施形態が例解されている、図3A図3Fに注目する。
【0134】
図3Aは、本開示の実施形態による、システムの光エンジン308及び通路302の略図である。ある実施形態では、光エンジン308及び通路302は、図1Aのシステム100の光エンジン108及び通路102の例である。ある実施形態では、光エンジン308及び通路302は、図2の検出器モジュール242の一部分と併せて使用するのに好適である。
【0135】
例解される実施形態では、光エンジン308は、各々、励起光ファイバの遠位端に結合された4つの光源を含むように示されている。4つの光源が例解されているが、より多くの又はより少ない光源が可能であり、本開示の範囲内であることが理解されよう。本明細書で更に考察されるように、自由空間光源が、本開示の範囲内で使用され得ることも理解されよう。励起光ファイバは、励起光を出力するように位置決めされた励起ファイバ束で終端するように示されている。示されるように、励起ファイバ束ヘッド372は、励起光をダイクロイックミラー360上及び対物レンズ386内に出力するように位置決めされている。励起光は、対物レンズ386から、検査窓306内の通路302のそれぞれの部分上に発せられるように示されている。
【0136】
図3Bは、粒子及び/又は分子が流れるように構成された内腔304を画定する、通路302の検査窓306の略図である。示されるように、第1の励起光312は、通路302の第1の部分322に方向付けられ、第2の励起光316は、第1の部分322とは別個の通路302の第2の部分324に方向付けられ、第3の励起光は、通路302の第1の部分322及び第2の部分324とは別個の通路302の第3の部分326に方向付けられ、第4の励起光は、通路302の第1の部分322、第2の部分324、及び第3の部分326とは別個の通路302の第4の部分328に方向付けられる。通路302の第1の部分322及び第2の部分324は、間隔374だけ分離されて示されている。ある実施形態では、第1の部分322と第2の部分324の間隔374は、第1の励起光ファイバ364との遠位端366と第2の励起光ファイバ368の遠位端370との間の間隔376に対応し、少なくとも部分的に、それによって画定される。これに関して、励起光ファイバ364の遠位端366と励起光ファイバ368の遠位端370との間の間隔376は、光エンジン308の光源によって照射される通路302の部分322と324との間の間隔374を判定する。これは、本開示の実施形態による、光エンジン308によって照射される通路302の蛍光画像である、図4によって更に例解される。
【0137】
上記のように、部分322、324、326、及び328は、間隔374だけ分離されている。ある実施形態では、そのような間隔は、約100nm~約100ミクロン、約10nm~約10ミクロン、約500nm~約10ミクロン、約1ミクロン~約20ミクロン、3ミクロン~約30ミクロン、又は2ミクロン~約8ミクロンの範囲にある。
【0138】
ある実施形態では、間隔374は、検査窓306に入射する励起光312などの1つの励起光の中心と、検査窓306に入射する励起光316などの別の励起光の中心との間の距離に基づいている。別の実施形態では、間隔374は、検査窓306に入射する、励起光312の縁と励起光316の対向する縁などの、励起光の縁間の距離に基づいている。
【0139】
図1Aに関して本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、部分322、324、326、及び328は、高NAの空気対物レンズ386を通過した後、又はそれによって集束された後に検査窓306に入射する、励起光312及び316などの励起光の幅によって画定された幅を有する。ある実施形態では、部分322、324、326、及び328のうちの1つ以上の幅に対する間隔374の比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、20:1超、又はそれ超である。ある実施形態では、部分322、324、326、及び328のうちの1つ以上の幅に対する間隔374の比は、約1:1~約20:1、2:1~約20:1、2:1~約10:1、2:1~約5:1の範囲にある。そのような比は、例えば、本開示のシステムの検出器モジュールによって検出されるような、別個の部分322、324、326、及び328からの放射間の最小限のクロストークを伴う、様々な部分から励起光を生成するのに十分に大きい。
【0140】
図3C図3Fは、本開示による、光エンジン308及び通路302の略図である。ある実施形態では、光エンジン308及び通路302は、図3Aの光エンジン308及び通路302の例である。示されるように、光エンジン308は、第1の光源310、第2の光源314、第3の光源318、及び第4の光源320を含む。例解される実施形態では、光源310、314、318、及び320は、励起光ファイバ364、368などに光学的に結合され、それらの遠位端は、励起ファイバ束372内で一緒に結合される。第1の励起光ファイバ364及び第2の励起光ファイバ368の遠位端366及び370は、間隔376を設けるように配置されている。
【0141】
例解される実施形態では、光源310、314、318、及び320は、述べられた波長を有するいくつかのレーザを含む。示されるように、特定の実施形態では、レーザ310、314、318、及び320のうちの2つ以上が、共通の波長を有する光を出力するように構成されている。特定の他の実施形態では、レーザ310、314、318、及び320は、異なる波長を有する光を出力するように構成されている。
【0142】
これに関して、光エンジン308は、特定の粒子が通路302を通って移動するときに追跡する際などに、通路302を通過する粒子及び/又は分子を、同じ波長の光で分析又は操作するように構成することができる。同様に、ある実施形態では、光エンジン308は、異なるマーカーと会合した特定の検出可能な薬剤の有無を判定するのに役立つように、異なる波長の光で粒子を分析又は操作するように構成することができる。
【0143】
本明細書で更に考察されるように、光エンジン308の光源の可変配置及び波長範囲は、励起及び放射多重化を実施するのに好適である。本明細書で使用される場合、「励起多重化」は、異なる波長範囲を有する励起光で、粒子、分子、又は他の検体と会合した励起性の検出可能な薬剤を含む、そのような粒子、分子、又は他の検体を分析する方法を指す。本明細書中で更に考察されるように、異なる波長範囲を有する励起光で検出可能な薬剤を励起することによって、検出可能な薬剤と会合した粒子、分子、又は他の検体の異なる品質又は特性が判定され得る。
【0144】
カバー
ある実施形態では、本開示のシステムは、発光ファイバ束に結合されたカバーを含む。これに関して、本開示の実施形態によるカバーが例解されている、図5A図5Cに注目する。
【0145】
図5Aは、本開示の実施形態による、光学的に不透明なカバー592の開口594A及び594Bを通過し、システムの発光ファイバ束530上に至る放射光を概略的に例解する。図5Bは、図5Aの光学的に不透明なカバー592の一例を例解する。ある実施形態では、発光ファイバ束530は、図1Aの発光ファイバ束130の例である。
【0146】
示されるように、レンズ590は、第1の放射光552及び第2の放射光546を発光ファイバ束ヘッド532に方向付ける。例解される実施形態では、カバー592は、第1の発光光ファイバ534の近位端536上への第1の放射光552の通過を可能にするように成形された、開口594Aを画定する。これに関して、第1の放射光552は、開口594Aを通過し、第1の発光光ファイバ534の近位端536上に進むことが可能になる。ある実施形態では、カバー592は、光学的に不透明である。これに関して、第1の放射光552ではない光などの光は、第1の発光光ファイバ534に入る可能性が低い。
【0147】
例解され部分的に分解された実施形態では、カバー592は、発光ファイバ束ヘッド532から分離されて示されている。ある実施形態及び使用において、光学的に不透明なカバー592は、迷光が発光光ファイバに入るのを防止又は軽減するように、発光ファイバ束ヘッド532に結合されている。これに関して、光学的に不透明なカバー592は、検出器システムの信号対雑音比を増加させる、及び/又は異なる放射光間のクロストーク(例えば、第2の発光光ファイバ538の近位端540に入る第1の放射光552の一部分、及びその逆)を最小限に抑えるか若しくは排除するのに好適である。
【0148】
示されるように、光学的に不透明なカバーは、第2の発光光ファイバ538の近位端540上への第2の放射光546の通過を可能にするように成形された第2の開口594Bを画定する。これに関して、第2の放射光546は、カバー592を通過し、第2の発光光ファイバ538に入ることが可能になる。
【0149】
開口594A及び594Bを含む4つの開口が直線状に例解されているが、カバー592の任意の数の開口が、図1A及び1Bに関して本明細書で更に考察されるものなど、発光ファイバ束530の発光光ファイバに対応するように様々な構成で配置され得ることが理解されよう。
【0150】
図5Cは、本開示の実施形態による、システムのファイバ束ヘッド532の近位端の画像である。示されるように、光ファイバは、図5A及び図5Bのカバー592がそれらに結合されたとき、開口594A及び594Bがファイバ束ヘッドの光ファイバと位置合わせするように、線形構成で配置されている。
【0151】
図6は、ここで説明する本開示の実施形態による、システム600の略図である。示されるように、システム600は、通路602の内腔604を通して粒子又は分子を流すように構成された、通路602であって、光が内腔604の内外に通過することを可能にするように構成された検査窓606を画定する、通路602と、光エンジン608と、検査窓606から発せられた放射光を受光するように成形及び位置決めされた、発光ファイバ束630と、集光された放射光に基づいて信号を生成するように構成された、検出器システムと、を含む。
【0152】
例解される実施形態では、光エンジン608は、通路602上に光を出力するように位置決めされた、4つの光源を含む。これに関して、ある実施形態では、光エンジン608は、検査窓606内の通路602の第1の部分上に第1の励起光612を出力するように位置決めされた、第1の光源と、第1の部分とは別個の検査窓606内の通路602の第2の部分上に第2の励起光616を出力するように位置決め又は構成された、第2の光源と、を含む。ある実施形態では、光源は、励起光ファイバに結合されていない、自由空間光源である。これに関して、ある実施形態では、励起光の間隔は、少なくとも部分的に、自由空間光源の間隔によって画定される。別の実施形態では、自由空間光源からの励起間隔は、少なくとも部分的に、そこから出力された励起光が、ダイクロイック及び/又はレンズ並びに他の光学部品などと組み合わされたやり方によって、画定される。ある実施形態では、光エンジン608は、図1Aに関して本明細書で更に考察されるように、ファイバ結合された光源を含む。
【0153】
示されるように、励起光は、レンズ690を通して方向付けられ、励起光を対物レンズ686に反射するダイクロイックミラー660に入射する。対物レンズ686は、励起光を集光し、それを通路602の検査窓606に方向付ける。
【0154】
通路602から発せられた放射光は、対物レンズ686及びダイクロイックミラー660を通過して発光ファイバ束630に戻る。本明細書中で更に考察されるように、ダイクロイックミラーが例解されているが、他の部分反射/透過構造が、本開示の範囲内で可能である。
【0155】
例解される実施形態では、システム600は、光を発光ファイバ束630上に反射するように位置決めされた、ミラーと、放射光以外の光が発光ファイバ束630に入るのを遮断するように構成された、カバー692と、を更に含むように示されている。
【0156】
システム600は、発光光ファイバに光学的に結合されたいくつかの光検出器を含むように示されている。これに関して、システム600は、第1の発光光ファイバ634及び第2の発光光ファイバ638を備える、発光ファイバ束630を含むように示されており、第1の発光光ファイバ634及び第2の発光光ファイバ638の近位端636は、発光ファイバ束ヘッド632内に配置されており、第1の発光光ファイバ634の近位端636は、第1の部分から発せられた第1の放射光646を受光するように位置決めされており、第2の発光光ファイバ638の近位端640は、第2の部分から発せられた第2の放射光652を受光するように位置決めされている。発光光ファイバの近位端は、発光ファイバ束630などの発光ファイバ束内に配設されたそのようなファイバの部分、及び発光ファイバ束に隣接する部分を指すことができる。
【0157】
検出器システム600は、第1の発光光ファイバ634の遠位端から発せられた第1の放射光646を受光するように位置決めされた、第1の光検出器644、658A、及び658Bと、第2の発光光ファイバ638の遠位端から発せられた第2の放射光652を受光するように位置決めされた、第2の光検出器650A及び650Cと、を含むように示されている。
【0158】
図2に関して本明細書で更に考察されるように、かつここで示されるように、システム600は、第1の発光光ファイバ634の遠位端と第1の光検出器644との間に配設され、第1の放射光646の一部分を第3の光検出器658A及び658B上に反射するように位置決めされた、ダイクロイックミラー660を更に含む。例解された実施形態では、各発光光ファイバは、ダイクロイックミラー660及びバンドパスフィルタ662に光学的に結合されており、これらは、次に、第2の光検出器650A、650B、及び650C、並びに第3の光検出器658B、658C、658D、658E、及び658Fに光学的に結合されている。ある実施形態では、第1の光検出器644は、第1の放射光646の第1の波長範囲に基づいて、第1の信号を生成するように構成されており、第3の光検出器658A及び658Bは、第1の放射光646の異なる波長範囲のセットに基づいて、信号のセットを生成するように構成されている。ある実施形態では、第2の光検出器650A~650Cは、第2の放射光652に基づくなど、第1の放射光646以外の放射光に基づいて、信号のセットを生成するように構成及び位置決めされている。これに関して、各発光光ファイバによって受光された放射光は、いくつかの光検出器によってスペクトル分析されるように構成されている。
【0159】
示されるように、各発光光ファイバは、いくつかの光検出器に光学的に結合されている。例えば、第1の発光光ファイバ634は、光検出器644、658A、及び658Bに光学的に結合されている。ある実施形態では、光検出器644、658A、及び658Bは、図2に関して本明細書で更に考察されるように、検出器モジュールなどの検出器モジュールを備える。同様に、ある実施形態では、光検出器650A及び658Cは、第2の検出器モジュール内のグループである。ある実施形態では、そのような検出器モジュールは、検出器モジュールの様々な光検出器を封入するボックス又は他の筐体を備える。
【0160】
システム600は、光エンジン608及び光検出器に動作可能に結合された、コントローラ656を更に含むように示されている。図1Aに関して本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、コントローラ656は、本開示の1つ以上の方法を実施するなど、光エンジン608及び光検出器システムの動作を統制するように構成されている。
【0161】
コントローラ656はまた、通路602に物理的に結合された可動ステージ688に動作可能に結合されて示されている。通路602は、いくつかの通路を画定するマイクロ流体チップの一部であるように示されている。ある実施形態では、コントローラ656は、コントローラ656によって実行されると、システム600に可動ステージ688でマイクロ流体チップを移動させるロジックを含む。したがって、対物レンズ686の焦点は、マイクロ流体チップの第1の通路602から第2の通路に変更される。これに関して、システム600は、異なる粒子の懸濁液及び/又は異なる分子の溶液を流すいくつかの通路などの、いくつかの通路を通って流れる粒子及び/又は分子を分析するために使用され得る。
【0162】
自動焦点調節
ある実施形態では、本開示のシステムは、自動焦点調節プロセスなどを用いて、システムを通って流れる粒子又は分子を分析するのに好適である。これに関して、本開示の実施形態によるシステム700が例解されている、図7A及び図7Bに注目する。図7Aは、システム700の略図である。図7Bは、システム700の通路702上にシステム700の高NAの空気対物レンズ786の集束の略図である。ある実施形態では、システム700は、図1Aのシステム100の例、又は図6のシステム600の例である。
【0163】
示されるように、システム700は、通路702の内腔を通して粒子及び/又は分子を流すように構成された、通路702であって、光が通路702の内外に通過することを可能にするように構成された検査窓706を画定する、通路702と、通路702に結合され、集光システム784に対して通路702を移動させるように構成された、可動ステージ788と、光エンジン708と、検出器システムと、光エンジン708、可動ステージ788、及び検出器システムに動作可能に結合された、コントローラ756と、を含む。示されるように、通路702は、検査窓706内に狭窄部を画定する。本明細書で更に考察されるように、そのような狭窄部は、通路702を通る粒子の粒子ごとの流れ及び/又は分子の分子ごとの流れを提供するのに好適である。
【0164】
例解された実施形態では、光エンジン708は、励起光712をダイクロイックミラー760上に出力するように示されており、この励起光は、集光システム784内及び通路702の検査窓706内に反射される。放射光746は、検査窓706から発せられ、ダイクロイックミラー760、レンズ790A、及び光学的に不透明なカバー778の開口794を通って、発光ファイバ束ヘッド732を含む発光ファイバ束730によって受光されるように示されている。発光ファイバ束730の発光光ファイバ734のうちの1つの遠位端は、検出器システムの光検出器744に隣接して終端するように示されている。放射光は、光検出器に入射する前に、レンズ790及びバンドパスフィルタ762を通過する。光検出器744は、受光された放射光746に基づいて、信号を生成するように構成されている。
【0165】
ある実施形態において、コントローラ756は、コントローラ756によって実行されると、システム700に動作を実施させるロジックを含む。ある実施形態では、そのような動作は、本開示のある実施形態による、光学部品を流体通路702上に集束させる方法のうちの1つ以上を含む。ある実施形態では、動作は、流体通路702の検査窓706を、光源からの光で照射することと、通路702と光検出器744との間に配設された光学部品を用いて、光を検査窓706上に集束させることと、第1の時間で検査窓706から後方反射された集束光に基づいて、光検出器744でロック信号を生成することと、第1の時間の後の第2の時間で検査窓706から後方反射された集束光に基づいて、光検出器744でテスト信号を生成することと、テスト信号が、ロック信号の所定の割合内にあるかどうかを判定することと、テスト信号が、ロック信号の所定の割合外にある場合、高NAの空気対物レンズ786に対して流体通路702を移動させることと、を含む。図7Bに示すように、高NAの空気対物レンズ786を通路702に対して移動させて、励起光712を通路702の内腔704内に集束させることができる。ある実施形態では、空気対物レンズ786のそのような移動は、図6に関して本明細書で更に考察されるように、コントローラ756から受信した命令に応答するなどして、可動ステージ788で制御される。
【0166】
図7Cは、本開示の実施形態による、システム700の高NAの空気対物レンズ786を集束させる方法を例解する、ブロック図である。示されるように、ブロック図は、反射の現在の値を、以前の時点(例えば、200ms前)における値、及び基準値と比較することによって、対物レンズ786の運動を制御する、フィードバックループを例解する。測定値と基準値又はロック値との間の差が所定の閾値を上回る場合、モータが駆動されて、高NAの空気対物レンズ786に対して流体通路702を移動させる。
【0167】
ある実施形態では、対物レンズは、集光システム784を用いて、検査窓から後方反射された集束光を集光するように位置決めされている。ある実施形態では、集光システム784は、約0.91~0.99未満の範囲、又は約0.95の開口数を有する空気対物レンズを備える。
【0168】
ある実施形態では、光は、非可視波長範囲にある。ある実施形態では、光は、約700nm~約2000nmの範囲などの赤外光である。
【0169】
ある実施形態では、コントローラ756は、コントローラ756によって実行されると、システム700に、カメラで通路702を撮像することと、既知の形状及び/又は寸法を有する通路702の壁などの通路702内の構造に基づいて、画像内のデフォーカス量を判定することなどによって、画像内のデフォーカス量を判定することと、を含む動作を実施させるロジックを含む。ある実施形態では、構造は、通路702に隣接する別個の構造であり得、通路を検査窓内に位置決めするために、この画像ベースの自動焦点調節及び/又はステージ移動を実施するように設計されている。ある実施形態では、動作は、デフォーカス量が所定の範囲外である場合、集光システム784に対して流体通路702を移動させることを更に含む。
【0170】
ある実施形態では、動作は、システム700の撮像領域を、光源からの光で照射することと、カメラ又は他の画像センサで撮像領域の画像を生成することと、画像のデフォーカス量を判定することと、デフォーカス量が、所定のデフォーカス量内にあるかどうかを判定することと、テスト信号が所定の範囲外である場合、高NAの空気対物レンズに対して流体通路702を移動させることと、を含む。ある実施形態では、通路は、可動ステージ788を用いて高NAの空気対物レンズに対して移動される。ある実施形態では、動作は、例えば、カメラが周期的に画像を生成して焦点を確認し、かつ/又は高NAの空気対物レンズに対して通路702を移動させて焦点を調整するという点で、反復的である。ある実施形態では、光源は、非可視波長範囲にある。ある実施形態では、光は、約700nm~約2000nmの範囲などの近赤外光である。ある実施形態では、対物レンズは、空気対物レンズである。ある実施形態では、対物レンズは、0.91~0.99のNAを有する空気対物レンズである。ある実施形態では、対物レンズは、0.92~0.98のNAを有する空気対物レンズである。ある実施形態では、対物レンズは、0.93~0.97のNAを有する空気対物レンズである。ある実施形態では、対物レンズは、0.94~0.96のNAを有する空気対物レンズである。ある実施形態では、対物レンズは、約0.95のNAを有する空気対物レンズである。
【0171】
精製サブシステム
図8は、実施形態による、システム800を例解する。ある実施形態では、システム800は、図1A図1B図2図3A図3F図5A図5C図6図7A図7G図19、及び図20に関して本明細書で更に考察される、システム及びその補助構成要素のいずれかの例である。示されるように、システム800は、流路802の内腔を通して、単一分子検体などの検体を流すように構成された、流路802であって、光が内腔の内外に通過することを可能にするように構成された検査窓を画定する、流路802と、励起光812を検査窓を通して流路802内に出力するように構成された、光エンジン808と、流路802から発せられた放射光846を受光するように位置決めされ、受光された放射光846に基づいて、信号を生成するように構成された、検出器システム844と、流路802からの放射光846を集光し、集光された放射光846を検出器システム844上に方向付けるように位置決めされた、集光システム884と、光エンジン808及び検出器システム844に動作可能に結合された、コントローラ856と、を含む。
【0172】
上記のように、システム800は、単一分子検体などの検体を流路を通して流すように構成された、流路802を含む。ある実施形態では、流路は、例えば、検出可能な薬剤及び捕捉剤又は第1の検出剤及び第2の検出剤と会合した単一分子検体を流路802を通して流すように構成されている。これに関して、流路802は、例えば、ビーズを含む捕捉剤と会合した単一分子検体を流すように成形されている。
【0173】
示されるように、システム800は、任意選択の精製サブシステム896の動作を統制するように構成された、精製サブシステムコントローラ898を任意選択的に更に含む。ある実施形態では、精製サブシステム896は、別個のシステム、又は図8に関して説明される他のシステム800構成要素とは別個の及び/若しくは物理的に別個である機器である。ある実施形態では、システム800の動作は、図21及び図22に関して本明細書で更に説明される。ある実施形態では、精製サブシステム896を含むシステム800の動作は、例えば、図9A及び図9Bに関して本明細書で更に説明される。
【0174】
ある実施形態では、コントローラ856は、コントローラ856によって実行されると、システム800に、本開示の方法のうちの1つ以上を含む動作を実施させるロジックを含む。ある実施形態では、コントローラ856は、コントローラ856によって実行されると、システム800に、励起光812を光エンジン808で検査窓を通して流路802の一部分上に出力することと、検出可能な薬剤からの検出可能な薬剤の放射光846に基づいて、検出可能な薬剤の放射信号を検出器844で生成することと、任意選択的に、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を、流路802を通して流すことと、を含む動作を実施させるロジックを含む。
【0175】
例解された実施形態では、システム800は、検体が捕捉剤と会合された場合、かつ捕捉剤が単離手順に供された場合に、試料の一部分から検体を単離するように構成された捕捉剤と、検体を会合させるように構成された、任意選択の精製サブシステム896を含むように示されている。本明細書で使用される場合、「捕捉剤」は、検体が捕捉剤と会合された場合、かつ捕捉剤が単離手順に供された場合に、試料の一部分から検体を単離するように構成された、粒子、ビーズ、ナノ粒子、分子、会合部位の群を指す。
【0176】
ある実施形態では、精製サブシステム896は、捕捉剤と会合した検体を試料の一部分から単離して、精製試料を提供するように構成されており、検出可能な薬剤と会合した検体を、流路802を通して流すことは、精製試料を、流路802を通して流すことを含む。示されるように、精製サブシステム896は、流路802の上流に位置決めされ、流路802中での検出のために、精製試料を流路802に提供するように構成されて示されている。
【0177】
本開示の方法に関して本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、検出可能な薬剤と会合した検体を、流路802を通して流すことは、捕捉剤及び検出可能な薬剤と会合した検体を含む複合体を流すことを含む。ある実施形態では、捕捉剤は、磁気ビーズを含む。
【0178】
本明細書で使用される場合、「ビーズ」という用語は、ミクロン又はサブミクロンスケールの粒子などの粒子を指す。ある実施形態では、ビーズは、ナノ粒子である。ある実施形態では、ビーズは、本開示の実施形態によるシステムの流路を通って流れるように、サイズ設定及び成形されている。これに関して、ある実施形態では、ビーズは、狭窄部を含む流路をビーズが通過することができるように、流路の狭窄部内の内腔の断面を含む流路の内腔の断面よりも小さい最大寸法を有する。ある実施形態では、捕捉剤は、検体の部位と選択的に会合するように構成された、一次抗体又は核酸分子を含む。
【0179】
ある実施形態では、ビーズは、検体及び/又は会合剤と特異的に会合するように構成された部位で官能化されている。ある実施形態では、ビーズは、検体と会合していない遊離した検出可能な薬剤などの、検出可能な薬剤と特異的に会合するように構成された部位で官能化されている。
【0180】
ある実施形態では、ビーズは、蛍光ビーズである。ある実施形態では、ビーズは、本明細書で更に説明するように符号化された蛍光ビーズである。ある実施形態では、ビーズは磁気ビーズである。
【0181】
ある実施形態では、ビーズは、1マイクロメートル未満の直径を有する。ある実施形態では、ビーズは、1マイクロメートル、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、又は100nm未満の直径を有する。ある実施形態では、ビーズは、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、又は40nm未満の直径を有する。ある実施形態では、ビーズは、1マイクロメートルより大きい直径を有する。ある実施形態では、ビーズは、1~5マイクロメートルの直径を有する。
【0182】
ある実施形態では、捕捉剤と検出可能な薬剤との比は、10:1~1:10、9:1~1:9、8:1~1:8、7:1~1:7、6:1~1:6、5:1~1:5、4:1~1:4、3:1~1:3、2:1~1:2、及び1:1の範囲にある。ある実施形態では、捕捉剤と検出可能な薬剤との比は、約1:1である。
【0183】
ある実施形態では、精製サブシステム896は、磁石を備える。例解された実施形態では、精製サブシステムコントローラ898は、精製サブシステム896に動作可能に結合されており、精製サブシステムコントローラ898によって実行されると、サブシステム896に、捕捉剤と会合した検体を、磁石と会合させることと、捕捉剤と会合した検体から、磁石と会合していない試料の一部分を除去して、精製試料を提供することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む。
【0184】
ある実施形態では、捕捉剤は、ビーズを含み、精製サブシステム896は、遠心分離機を備える。ある実施形態では、精製サブシステムコントローラ898は、精製サブシステム896に動作可能に結合されており、精製サブシステムコントローラ898によって実行されると、サブシステム896に、検体と会合した捕捉剤を含む試料を遠心分離機で遠心分離して、上清、及び捕捉剤と会合した検体を含む沈殿物を提供することと、上清をデカントして、精製試料を提供することと、を含む動作を実施させるロジックを含む。
【0185】
ある実施形態では、捕捉剤は、ビーズを含み、精製サブシステム896は、サイズ排除クロマトグラフィカラムを備え、コントローラ856は、精製サブシステム896に動作可能に結合されており、精製サブシステムコントローラ898は、精製サブシステムコントローラ898によって実行されると、サブシステム896に、捕捉剤と会合した検体を含む試料をサイズ排除クロマトグラフィカラムに通して、捕捉剤と会合した検体を含む精製試料を提供することを含む動作を実施させるロジックを含む。
【0186】
図18Cに関して本明細書で更に考察されるように、任意選択の精製サブシステム896は、表面を含み、捕捉剤は、表面に結合されている。ある実施形態では、精製サブシステム896に動作可能に結合された精製サブシステムコントローラ898は、精製サブシステムコントローラ898によって実行されると、サブシステム896に、表面に結合された捕捉剤と会合していない試料の一部分を除去することを含む動作を実施させるロジックを更に含む。ある実施形態では、精製サブシステム896に動作可能に結合された精製サブシステムコントローラ898は、精製サブシステムコントローラ898によって実行されると、サブシステム896に、表面を溶出緩衝液と接触させて、捕捉剤と会合した検体を表面から溶出させることを含む動作を実施させるロジックを更に含む。
【0187】
本開示の方法に関して本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、検体は捕捉剤と会合することができ、捕捉剤は、励起時に捕捉剤放射光を発するように構成されている。ある実施形態では、コントローラ856は、コントローラ856によって実行されると、システム800に、捕捉剤放射光に基づいて、捕捉剤放射信号を生成することを含む動作を実施させるロジックを更に含む。また、本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、そのような捕捉剤放射信号は、検出可能な薬剤の放射信号とも会合した検体などの、捕捉剤と会合した検体を検出するのに有用である。ある実施形態では、捕捉剤放射信号を生成することが、捕捉剤を励起光812で照射することと、捕捉剤放射光を光検出器で検出することと、を含む。ある実施形態では、例えば、図10Aに関して本明細書で更に例解されるように、コントローラ856は、コントローラ856によって実行されると、システム800に、第2の励起光812を、検査窓を通して、第1の部分とは別個の流路802の第2の部分上に出力することと、流路802の第2の部分から受光された捕捉剤放射光に基づいて、第2の光検出器で捕捉剤放射信号を生成することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む。
【0188】
ある実施形態では、システム800は、図12Aに関して本明細書で更に考察されるものなどの、符号化された捕捉剤とともに使用するのに好適である。ある実施形態では、捕捉剤は、複数の別個の発色団を含み、複数の別個の発色団の各発色団は、調整可能な光学符号化パラメータの所定のセットを含み、それによって、捕捉剤の光学的に検出可能なコードを定義する。ある実施形態では、捕捉剤は、励起時に捕捉剤放射光を発するように構成されており、コントローラ856は、コントローラ856によって実行されると、システム800に、光検出器で、捕捉剤放射光に基づいて、捕捉剤放射信号を生成することと、検出可能な薬剤からの放射光846及び捕捉剤放射の両方と会合した検体の数に更に基づいて、検査窓からの放射光846と会合した検体の濃度を判定することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む。ある実施形態では、光学的に検出可能なコードは、捕捉剤の所定の放射スペクトル、捕捉剤の所定の吸収スペクトル、又はそれらの組み合わせを含む。
【0189】
本明細書で更に考察されるように、システム800は、2つ以上の検出可能な薬剤とともに使用するのに好適であり、これらは、例えば、検体の異なる部位と会合し、蛍光などの、別個の識別可能な検出可能な薬剤又は捕捉剤放射光を発するように構成されている。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、第1の検出可能な薬剤であって、第1の検出可能な薬剤の励起時に、第1の波長範囲内の第1の放射光を発するように構成された、第1の検出可能な薬剤であり、コントローラ856は、コントローラ856によって実行されると、システム800に、第2の検出可能な薬剤の励起時に、検体と会合して、第2の波長範囲内の第2の放射光を発するように構成された第2の検出可能な薬剤を励起することを含む動作を実施させるロジックを更に含み、第1の放射波長範囲は、第2の放射波長範囲とは別個である。ある実施形態では、第1の検出可能な薬剤は、検体の第1の部位と会合し、第2の検出可能な薬剤は、第1の部位とは別個の検体の第2の部位と会合する。ある実施形態では、コントローラ856は、コントローラ856によって実行されると、システム800に、検体を、検体と特異的に会合するように構成された会合剤と会合させることを含む動作を実施させるロジックを更に含み、検出可能な薬剤と検体を会合させることは、検出可能な薬剤を、検体と会合した会合剤と会合させることを含む。
【0190】
ある実施形態では、図14に関して本明細書で更に考察されるように、サブシステム896は、検出可能な薬剤が検体と会合する機会を有した後などに、検体と会合していない検出可能な薬剤を除去するように構成された、除去ビーズを含み、及び/又は除去ビーズと協働するように構成されている。したがって、ある実施形態では、コントローラ898は、コントローラ898によって実行されると、サブシステム896に、試料中の検体を、検出可能な薬剤と会合させた後、試料を、検体会合していない任意の検出可能な薬剤と選択的に会合するように構成された除去ビーズと接触させることと、検体と会合していない検出可能な薬剤と会合した除去ビーズを、試料から除去することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む。
【0191】
ある実施形態では、本明細書の他の箇所で考察されるように、ある実施形態では、流路802は、狭窄部を画定する。ある実施形態では、検査窓内の流路802は、流路802の隣接する部分に対して狭窄部を画定する。ある実施形態では、コントローラ856は、コントローラ856によって実行されると、システム800に、試料の複数の検体を流路802を通して流すことを含む動作を実施させるロジックを更に含む。ある実施形態では、流路802を通して検体を流すことは、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路802を通して流すことを含み、検出可能な薬剤と会合した検体を、流路802を通して流すことは、検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、検出可能な薬剤と会合した検体を、流路802の狭窄部を通して流すことを含む。ある実施形態では、流路802を通して検体を流すことは、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路802を通して流すことを含み、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を流路802を通して流すことは、捕捉及び検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を、流路802の狭窄部を通して流すことを含む。ある実施形態では、流路802を通して検体を流すことは、2つ以上の検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路802を通して流すことを含み、2つ以上の検出可能な薬剤と会合した検体を流路802を通して流すことは、検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、2つ以上の検出可能な薬剤と会合した検体を、流路802の狭窄部を通して流すことを含む。
【0192】
ある実施形態では、システム800は、流路802を通って流れる検体の数を判定するように構成されている。ある実施形態では、システム800は、通路を通って流れる検体の数及び通路を通る流体の流れの流量などに基づいて、試料中の検体の濃度を判定するように更に構成されている。ある実施形態では、コントローラ856は、コントローラ856によって実行されると、システム800に、放射光846と会合した検体の数を定量化することと、放射光846と会合した検体の数と、流路802を通って流れる液体の体積と、に基づいて、検査窓からの放射光846と会合した検体の濃度を判定することと、を含む動作を実施させるロジックを更に含む。
【0193】
ある実施形態では、捕捉剤は、励起時に捕捉剤放射光を発するように構成されており、コントローラ856は、コントローラ856によって実行されると、システム800に、捕捉剤放射光に基づいて捕捉剤放射信号を生成することを含む動作を実施させるロジックを含む。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、捕捉剤放射信号又は第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数に基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、捕捉剤放射信号又は第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数と、捕捉剤放射信号の数、検出可能な薬剤の放射信号の数、第2の検出可能な薬剤の放射信号の数、又はそれらの組み合わせとの比に基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、流路を通って流れる液体の体積に基づいている。
【0194】
共線励起
いくつかの実施形態では、本開示は、共線励起及び発光測定を通した検体の検出のために構成された、システムを提供する。これに関して、システムは、本開示の図1A図6に例解され、それらに関して考察されているような、流路の複数の部分ではなく、流路の内腔の単一の断面などの流路の単一の部分を照射する。
【0195】
ある実施形態では、そのようなシステムは、単一分子検体の分析のために構成されており、そうでなければ好適である。本明細書で使用される場合、「単一分子検体」は、単一分子を含むタンパク質又は核酸分子などの検体を指す。そのような単一分子検体は、例えば、一緒に会合した多くの分子を含む、顆粒、小胞、細胞などの複数の分子の集塊又は凝集体とは対照的である。単一分子検体の例としては、又は一本鎖のハイブリダイズしていない状態又は二本鎖のハイブリダイズした状態のいずれかの、アミノ酸の1つ以上の鎖からなる単一タンパク質分子、又は単一核酸分子が挙げられる。本明細書で更に説明するように、本開示のシステムは、特定の実施形態では、フロー中の単一分子検体を識別し、それらを計数し、試料中のそれらの濃度を判定するなどのために、1つ以上の検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤との特異的な会合に基づいて、フロー中の単一分子検体を検出、計数、分析などを行うように構成されている。本明細書で使用される場合、「特異的な会合」は、抗体-抗原結合、核酸ハイブリダイゼーション、アプタマー-抗原結合、抗体-フラグメント-抗原結合、ペプチド-抗原結合などを含む、特異的分子認識及び結合によって引き起こされる会合を指す。
【0196】
これに関して、検体を分析するためのシステム1900が例解されている、図19に注目する。示されるように、システム1900は、流路1902と、通路1902を照射するように構成された、光エンジン1908と、検出器1942と、光エンジン1908及び検出器1942に動作可能に結合された、コントローラと、を含む。例解された実施形態では、通路1902は、通路1902の内腔1904を通して検体を流すように構成されており、通路1902は、光が内腔1904の内外に通過することを可能にするように構成された検査窓1906を画定する。ある実施形態では、システム1900は、図8に関して本明細書で更に考察される精製サブシステム896などの、精製サブシステムを含むか、又はそれと組み合わされることができる。
【0197】
上記のように、システム1900は、内腔1904を通して検体を流すように構成された、通路1902を含む。ある実施形態では、流路1902は、単一分子検体を流路1902を通して流すように、サイズ設定及び成形されている。ある実施形態では、通路1902は、本明細書の他の箇所で説明するように、検出可能な薬剤及び捕捉剤又は第1の検出可能な薬剤及び第2の検出可能な薬剤と会合した単一分子検体を流すように、サイズ設定及び成形されている。ある実施形態では、流路1902は、ビーズを含む捕捉剤と会合した単一分子検体を流すように、サイズ設定及び成形されている。
【0198】
例解された実施形態では、システム1900は、流路1902を通して粒子及び/又は分子(すなわち、検体)を流すなどのために、流路1902に流体的に結合されている、ポンプ1998を含むように示されている。示されるように、ポンプ1998は、通路1902を通して流体をポンピングする際に、ポンプ1998を動作させることができる、コントローラ1956に動作可能に結合されている。ある実施形態では、ポンプ1998は、流体が重力によって、又は表面張力による駆動力によって通路1902を通して流される場合など、任意選択である。
【0199】
示されるように、光エンジン1908は、通路1902に光学的に結合された、いくつかの光源1910、1914、及び1918を含むように示されている。例解された実施形態では、光エンジン1908は、第1の光源1910、第2の光源1914、及び第3の光源1918を含むように示されている。特定の例解された実施形態では、第1の光源1910は、約488nmの波長を有する光を発するように構成されており、第2の光源1914は、約561nmの波長を有する光を発するように構成されており、第3の光源1918は、約637nmの波長を有する光を発するように構成されている。これらの特定の励起光の波長が例解されているが、特定の検出可能な薬剤、捕捉剤などを照射及び励起するなどのために、他の励起波長を使用することができ、本開示の範囲内であることが理解されよう。
【0200】
次いで、共線励起ビーム1919に組み合わされる、異なる光波長の励起光を発するように構成されたいくつかの光源を有する光エンジン1908は、例えば、小さな色素分子を含有するか又は他の検出可能な薬剤及び/又は小さいストークスシフトを有する捕捉剤を励起するのに好適である。これに関して、そのような蛍光体を異なる波長範囲で励起することによって、蛍光体は、共線励起ビーム1919で別々に励起され得、本明細書で更に考察するように、それぞれの励起波長にほぼ対応する異なる波長範囲の放射光1945は、検出器1942によって検出され得る。ある実施形態では、検出器1942は、受光された放射光1945に応答して、放射信号などの信号を生成するように構成されている。
【0201】
例解された実施形態では、システム1900は、第1の励起光1912及び第2の励起光1916を含む励起光を組み合わせて、検査窓1906に方向付けられる共線励起光ビーム1919を作るように位置決めされた、ダイクロイックミラー1960を含む。光エンジン1908は、光エンジン1908の光源1910、1914、及び1918からの励起光の組み合わせである励起光の共線ビーム1919で検査窓1906を照射するように構成されているので、システム1900は、本開示の特定の他のシステムに関して考察されたような発光ファイバ束を含む必要はなく、含むように示されていない。これに関して、ある実施形態では、光エンジン1908の光源1910、1912、及び1914は、自由空間レーザ光源である。別の実施形態では、光エンジン1908の光源1910、1914、及び1918は、ファイバ結合されたレーザ光源である。
【0202】
システム1900は、光エンジン1908と集光システム1984との間に位置決めされ、光エンジン1908からの共線ビーム1919を集光システム1984に方向付けるように構成された、円柱レンズ及び平凸レンズであり得る、レンズ1990を含むように示されている。示されるように、集光システム1984は、本明細書の他の箇所で考察されるように、空気対物レンズ1986を含む。
【0203】
共線複合励起ビーム1919は、通路1902の単一の部分を照射するように示されており、ここでは、通路1902の内腔1904の断面を照射するように示されている。流路1902の検査窓1906内の検体と会合した検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤などからの放射光1945は、集光システム1984によって受光され、ミラー及び/又はチューブレンズなどの光学系1990を通して、光学的に不透明なカバー1978の開口1980に方向付けられる。開口1980を通過するそのような放射光1945は、光ファイバ1966によって受光されるように示されているが、これは、任意選択である。代替的に、ファイバ結合を使用せずに、チューブレンズ1990から出てくる蛍光は、平凸レンズを使用して平行にされ得る。
【0204】
放射光1945は、検出器1942によって受光されるように示されており、検出器は、受光された放射光1945に基づいて、1つ以上の信号を生成するように構成されている。検出器1942は、放射光1945の第1の部分1946を第1の光検出器1944上に反射し、放射光1945の第2の部分1952を通過させるように構成された、いくつかのダイクロイックミラー1960を含むように示されている。これに関して、放射光1945の第2の部分1952は、第2の放射光1952を第2の光検出器1950上に反射する、第2のダイクロイックミラー1960上に入射する。示されるように、検出器1942は、放射光1945の更なる部分1952を受光するように位置決めされた、第3の光検出器1958を含む。検出器1942は、受光された放射光1945の一部分をフィルタリングするように構成された、バンドパスフィルタ1962と、ダイクロイックミラー1960とそれぞれの光検出器1944、1950、及び1958との間に各々位置決めされた、非球面レンズなどの光学系1990と、を含むように更に示されている。これに関して、検出器1942は、放射光1945内の波長範囲を別々に検出するために、例えば、波長範囲に従って、放射光1945を分光するように構成されている。したがって、検出器1942は、検出器1942によって受光された放射光1945においてスペクトル的に結合され得る、検出可能な薬剤蛍光及び捕捉剤蛍光の検出などを通して、例えば、通路1902の検査窓1906内の検体と会合した検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤の有無を検出するように構成されている。
【0205】
特定の実施形態では、本開示は、フロー中の検体を検出及び分析するための単一光源を含む、システムを提供する。これに関して、本開示の実施形態によるシステム2000が例解されている、図20に注目する。
【0206】
示されるように、システム2000は、流路2002と、通路2002を照射するように構成された、光エンジン2008と、検出器2042と、光エンジン2008及び検出器2042に動作可能に結合された、コントローラと、を含む。例解された実施形態では、通路2002は、通路2002の内腔2004を通して、単一分子検体などの検体を流すように構成されており、通路2002は、光が内腔2004の内外に通過することを可能にするように構成された検査窓2006を画定する。ある実施形態では、システム2000は、図8に関して本明細書で更に考察される精製サブシステム896などの、精製サブシステムを含むか、又はそれと組み合わされることができる。
【0207】
例解された実施形態では、システム2000は、通路2002を通して検体を流すなどのために、流路2002に流体的に結合されている、ポンプ2098を含むように示されている。示されるように、ポンプ2098は、通路2002を通して流体をポンピングする際に、ポンプ2098を動作させることができる、コントローラに動作可能に結合されている。ある実施形態では、ポンプ2098は、流体が重力によって、又は表面張力による駆動力によって通路2002を通して流される場合など、任意選択である。
【0208】
示されるように、光エンジン2008は、励起光2012を、円柱レンズ及び平凸レンズを含むなどの光学系2090を通して、ダイクロイックミラー2060から、空気対物レンズ2086を含む集光システム2084内へ、及び通路2002上へ発するように構成された、光源2010を含むように示されている。単一光源システムは、レーザなどの高価な構成要素、並びに光源励起ビーム及び/又はファイバ結合を組み合わせて、検査窓2006の異なる部分を照射するために使用される光学系2090の数を削減することによって、システム2000の複雑さ及びコストを低減する。
【0209】
検出可能な薬剤又は捕捉剤からの光などの放射光2045は、集光システム2084によって集光され、ミラー及びチューブレンズなどの光学系2090を通して、光学的に不透明なカバー2078の開口2080に方向付けられる。開口2080を通過するそのような放射光2045は、光ファイバ2066によって受光されるように示されているが、これは、任意選択である。代替的に、ファイバ結合を使用せずに、チューブレンズ2090から出てくる蛍光は、ここでは、平凸レンズを使用して平行にされ得る。
【0210】
放射光2045は、検出器2042によって受光されるように示されている。ある実施形態では、検出器2042は、検出器2042によって受光された放射光2045に基づいて、放射信号を生成するように構成されている。検出器2042は、放射光2045の第1の部分2046を第1の光検出器2044上に反射し、放射光2045の第2の部分2052を通過させるように構成された、いくつかのダイクロイックミラー2060を含むように示されている。これに関して、放射光2045の第2の部分2052は、第2の放射光2052を第2の光検出器2050上に反射する、第2のダイクロイックミラー2060上に入射する。示されるように、検出器2042は、放射光2045の更なる部分2052を受光するように位置決めされた、第3の光検出器2058を含む。検出器2042は、受光された放射光2045の一部分をフィルタリングするように構成された、バンドパスフィルタ2062と、ダイクロイックミラー2060とそれぞれの光検出器2044、2050、及び2058との間に各々位置決めされた、非球面レンズなどの光学系2090と、を含むように更に示されている。これに関して、検出器2042は、受光された放射光2045に基づいた、1つ以上の放射信号の生成などを通して、放射光2045内の波長範囲を別々に検出するために、例えば、波長範囲に従って、放射光2045を分光するように構成されている。
【0211】
図20に例解されるシステム2000は、例えば、共通の波長範囲によって励起され、次いで、異なる波長で光を発する、本明細書で説明されるような検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤などのいくつかの蛍光体を励起するのに好適である。一例として、ポリマードットは、調整可能な発光ピークを有する大きいストークスシフトを有し得、単一光源によって励起され得、次いで、検出器2042によって別々に検出可能な多種多様な波長で発し得る。これに関して、例えば、各々検体と会合した検出可能な薬剤及び捕捉剤は、光エンジン2008の単一光源で励起され得、それらの別個の蛍光は、検出器2042によって別々に検出され、したがって、例えば、検体上の検出可能な薬剤及び捕捉剤の共局在化を裏付ける。
【0212】
上記のように、システム1900及び2000などの、本開示のシステムは、それぞれコントローラ1956及び2056を含む。ある実施形態では、そのようなコントローラ1956及び2056は、それらに動作可能に結合されたシステム1900及び2000の構成要素を統制するのに好適であり、かつそのように構成されている。これに関して、ある実施形態では、コントローラは、コントローラによって実行されると、システムに、本開示の方法に関して説明される動作などの動作を実行させるロジックを含む。
【0213】
これに関して、本開示の実施形態による、システムの制御及び動作のための方法2100が例解されている、図21に注目する。ある実施形態では、方法2100は、それぞれ、図19及び図20に関して本明細書で更に考察されるシステム1900又は2000などのシステム制御のためのものであり、例えば、デジタル親和性アッセイのためのものである。そのようなシステム制御方法は、システム1900及び/又は2000内の1つ以上のコントローラ1956及び/又は2056内に記憶されたロジックの実行を通して実施され得る。ある実施形態では、そのようなロジックは、遠隔サーバ上に、及び/又はコントローラに動作可能に結合された若しくは結合可能な分散システム内に記憶される。ある実施形態では、システム制御方法は、図8に関して本明細書で更に説明されるような、精製サブシステムコントローラ上に記憶されたロジックの使用及び実行を含む。
【0214】
ある実施形態では、方法2100は、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことを含む、プロセスブロック2101から始まる。ある実施形態では、検体は、検体を検出可能な薬剤と会合させるのに十分な条件下及び時間で、検出可能な薬剤を使って培養される。ある実施形態では、検体はまた、例えば、検体を捕捉剤と会合させるのに十分な条件下及び時間での検体の培養などを通してもまた、捕捉剤と会合される。ある実施形態では、流路を通して検体を流すことは、複数の検出可能な薬剤と会合した検体を、検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、流路の狭窄部を通して流すことを含む。ある実施形態では、流路を通して検体を流すことは、捕捉及び検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、複数の捕捉及び検出可能な薬剤と会合した検体を流路の狭窄部を通して流すことを含む。
【0215】
ある実施形態では、通路を通して試料を流すことは、液体試料などの試料を流路を通してポンピングするように構成された、1つ以上のポンプの動作を通して行われる。
【0216】
ある実施形態では、試料は、重力又は表面張力による駆動流を通して、流路を通して流され、ある実施形態では、プロセスブロック2101は、本開示の実施形態によるシステムのためのシステム制御の方法に関連するため、任意選択である。
【0217】
ある実施形態では、プロセスブロック2101の次は、流路の一部分の検査窓を通して励起光を出力することを含むプロセスブロック2103であるか、又は方法2100は、プロセスブロック2103から始まる。ある実施形態では、励起光を出力することは、光エンジンの光源から励起光を出力することなど、光エンジンの動作を含む。そのような励起光は、検体と会合した検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤のうちの1つ以上を励起するように構成されることができる。
【0218】
ある実施形態では、プロセスブロック2103の次は、流路の検査窓を通して第2の励起光を出力することを含むプロセスブロック2105である。ある実施形態では、第2の励起光を出力することは、2つ以上の光源を含む光エンジンなどの、光エンジンの動作を通して生じる。図19及び図20に関して考察されるように、光エンジンは、デジタル親和性アッセイで使用される検出可能な薬剤及び/捕捉剤のタイプなどに応じて、1つの光源又は2つ以上の光源を含むことができる。図20に関して考察されるように、ある実施形態では、光エンジンは、単一光源のみを含み、したがって、ある実施形態では、プロセスブロック2105は、任意選択である。
【0219】
ある実施形態では、プロセスブロック2103又は2105の次は、流路から受光された検出可能な薬剤の放射光に基づいて、検出可能な薬剤の放射信号を光検出器で生成することを含むプロセスブロック2107である。本明細書の他の箇所で考察されるように、検出可能な薬剤は、検体との特異的会合などを通して(例えば、特異的分子認識を介して)、検体と会合し、光学的に励起されることに応答して、蛍光などの検出可能な薬剤の放射光を生成するように構成されており、そのような検出可能な薬剤の放射光は、光検出器によって検出され得る。ある実施形態では、プロセスブロック2107は、検出可能な薬剤と会合した複数の検体を流路を通して流す場合など、複数の検出可能な薬剤からの検出可能な薬剤の放射光に基づいて、複数の検出可能な薬剤の放射信号を検出器で生成することを含む。
【0220】
ある実施形態では、プロセスブロック2107の次は、検出器によって受光された捕捉剤放射光に基づいて、捕捉剤放射信号を生成することを含むプロセスブロック2109である。ある実施形態では、検体は、本明細書の他の箇所で考察されるように、2つの間の特異的会合などを通して(例えば、特異的分子認識を介して)、捕捉剤と会合される。ある実施形態では、検体を含む試料は、捕捉剤を含むが、検体は、捕捉剤と会合していない。ある実施形態では、捕捉剤は、光エンジンの光源からの励起光によって励起された場合など、捕捉剤放射光を発するように構成されている。ある実施形態では、プロセスブロック2109は、任意選択である。ある実施形態では、プロセスブロック2109は、捕捉剤と会合した複数の検体を流路を通して流す場合など、捕捉剤からの捕捉剤放射光に基づいて、複数の捕捉剤放射信号を検出器で生成することを含む。
【0221】
ある実施形態では、プロセスブロック2107又はプロセスブロック2109の次は、検体の存在及び/又は同一性を判定するために、2つ以上の放射信号を相関させるか又は共局在化させることを含むプロセスブロック2111である。ある実施形態では、これは、検体の存在及び/又は同一性を判定するなどのために、検出可能な薬剤の放射光を、捕捉剤放射光又は第2の検出可能な薬剤の放射光と相関させるか、又は共局在化させることを含む。本明細書の他の箇所で考察されるように、ある実施形態では、検出可能な薬剤及び捕捉剤の各々は、検体と特異的に会合するように構成されている。これに関して、検出可能な薬剤の放射信号及び捕捉剤放射信号のほぼ同時の検出などで、検査窓内の検出可能な薬剤及び捕捉剤の存在を検出することによって、捕捉剤及び検出可能な薬剤が、単一の検体分子又は粒子と会合していることを、ある程度の信頼度で判定することができる。更に、検出可能な薬剤及び捕捉剤のそのような会合を通して、検体が、検出可能な薬剤及び捕捉剤が(例えば、特異的分子認識を介して)特異的に会合するように構成されている部位を含むことが更に推測され得る。これに関して、検出可能な薬剤の放射信号と捕捉剤の捕捉剤放射信号の相関又は共配置を使用して、少なくとも、検出可能な薬剤及び捕捉剤が特異的に会合するように構成されている検体上の部位に関して、検体の存在を検出し、及び/又は検体の同一性を識別することができる。プロセスブロック2109に関して、検出可能な薬剤及び捕捉剤が考察されるが、例えば、2つ以上の検出可能な薬剤及びそれぞれの検出可能な薬剤の放射信号が、検体の存在又は同一性を判定するために使用され得る、類似アプローチが使用され得ることが理解されよう。
【0222】
ある実施形態では、プロセスブロック2111の次は、放射信号の強度の比を、検体の同一性に関連付けることを含むプロセスブロック2113である。ある実施形態では、これは、捕捉剤放射光の強度の比を、捕捉剤の同一性及び捕捉剤と会合した検体の同一性と関連付けることを含み得る。ある実施形態では、これは、検出可能な薬剤の放射光の強度の比を、検出可能な薬剤の同一性及び検出可能な薬剤と会合した検体の同一性と関連付けることを含み得る。ある実施形態では、これは、捕捉剤放射光及び/又は検出可能な薬剤の放射光の光学バーコードを、捕捉剤及び検出可能な薬剤と会合した検体の同一性と関連付けることを含み得る。ある実施形態では、これは、捕捉剤放射光及び/又は検出可能な薬剤の放射光の蛍光スペクトル強度バーコードを、捕捉剤及び検出可能な薬剤と会合した検体の同一性と関連付けることを含み得る。本明細書で更に考察するように、特定の実施形態では、捕捉剤は、例えば、符号化された捕捉剤が、複数の別個の発色団を含む場合など、符号化された捕捉剤放射光を発するように構成された、符号化された捕捉剤であり、複数の別個の発色団の各発色団は、調整可能な光学符号化パラメータの所定のセットを含み、それによって、捕捉剤の光学的に検出可能なコードを定義する。これに関して、捕捉剤は、捕捉剤が第1の蛍光及び第2の蛍光を発するように、第1の濃度の第1の発色団及び第2の濃度の第2の発色団を含むことができ、第1の蛍光の強度と第2の蛍光の強度との比は、捕捉剤を識別するのに好適な比を規定する。更に、捕捉剤が、検体の特定の部位と特異的に会合するように構成されているので、受光した発光強度の比を通して捕捉剤を識別することによって、検体を識別することができる。ある実施形態では、プロセスブロック2113は、捕捉剤放射光及び/又は検出可能な薬剤の放射光の光学バーコードを、捕捉剤及び検出可能な薬剤と会合した検体の同一性と関連付けることを含み得る。ある実施形態では、プロセスブロック2113は、任意選択である。
【0223】
ある実施形態では、プロセスブロック2111又はプロセスブロック2113の次は、プロセスブロック2115である。ある実施形態では、プロセスブロック2115は、捕捉剤放射信号又は第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数を定量化することを含む。ある実施形態では、プロセスブロック2115は、2つ以上の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数を定量化することを含む。ある実施形態では、プロセスブロック2115は、捕捉剤放射信号又は第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数と、捕捉剤放射信号の数、検出可能な薬剤の放射信号の数、第2の検出可能な薬剤の放射信号の数、又はそれらの組み合わせとの比を定量化することを含む。プロセスブロック2111に関して上記で考察されるように、検体は、検出可能な薬剤及び捕捉薬剤の両方と、又は2つの検出可能な薬剤と会合され得、その場合、2つ以上の放射信号は、流路の単一励起を使用する場合など、ほぼ同時に検出され、捕捉薬剤及び検出可能な薬剤、又は2つの検出可能な薬剤が検体と会合されることを示す。他のシナリオでは、検出可能な薬剤、第2の検出可能な薬剤、又は捕捉剤は、検体と会合せず、その場合、検出可能な薬剤の放射信号のみ、第2の検出可能な薬剤の放射信号、又は捕捉剤放射信号のみが、所与の時間内に検出される。これに関して、プロセスブロック2115は、空の検出可能な薬剤、捕捉剤/第2の検出可能な薬剤(すなわち、検体と会合していない検出可能な/捕捉剤)に対してなど、検出可能な薬剤及び捕捉剤/第2の検出可能な薬剤と会合した検体の数又は比を定量化又は別様に判定することを含み得る。
【0224】
ある実施形態では、検体の数を定量化することは、単一分子感度又は検出効率を含む。ある実施形態では、検体の数を定量化することは、例えば、標的検体のアンプリコン若しくはコピー、又は標的検体の存在と相関している分子のアンプリコン若しくはコピーを生成するために検体を増幅せずになど、検体の増幅を伴わない、単一分子感度又は検出効率を含む。ある実施形態では、単一分子感度又は検出効率は、流路を通って流れる分子の99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、又は50%超を検出することを含む。ある実施形態では、単一分子検出効率は、流路を通って流れる単一分子の50%、55%、60%、65%、70%、75、80%、85%、90%、95%、又は99%超を検出することを含む。
【0225】
ある実施形態では、プロセスブロック2115の次は、検体の濃度、又は放射信号と会合した検体の比を判定することを含むプロセスブロック2117である。本明細書の他の箇所で考察されるように、放射信号と会合した検体の数を計数することによって、及び流路を通る流量を判定することによって、試料中の検体の濃度を判定することができる。ある実施形態では、プロセスブロック2117は、検出可能な薬剤の放射信号と会合した捕捉剤放射信号の数に基づいて、検体の濃度を判定することを含む。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、流路を通って流れる液体の体積に基づいている。ある実施形態では、プロセスブロック2117は、2つ以上の検出可能な薬剤の放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数と、流路を通って流れた液体の体積と、に基づいて、検体の濃度を判定することを含む。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、捕捉剤放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数と、捕捉剤放射信号の数、検出可能な薬剤の放射信号の数、及びそれらの組み合わせとの比に基づいている。これに関して、プロセスブロック2117は、捕捉剤放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数と、(検出可能な薬剤の放射信号と会合しているか否かに関わらず)捕捉剤放射信号の全ての数、(捕捉剤放射信号と会合しているか否かに関わらず)検出可能な薬剤の放射信号の全ての数、及びそれらの組み合わせとの比を判定することを含むことができる。ある実施形態では、方法2100は、図1A及び図1Bに関して本明細書で更に考察されるものなどの、検査窓からの検出可能な薬剤及び/又は捕捉薬剤放射光の有無に基づいて、流路内の検体をランク付けすることを、更に含むことができる。ある実施形態では、ランク付けは、検出可能な薬剤の放射信号及び/又は捕捉剤放射信号に対応する。ある実施形態では、ランク付けは、第1の放射光及び第2の放射光のうちの1つ以上に基づいて測定された検体会合捕捉剤及び検出可能な薬剤の放射スペクトルに対応する。ある実施形態では、ランク付けは、ビーズの測定された光散乱光に対応する。
【0226】
図22は、本開示の実施形態による、システムの制御及び動作のための方法2200を例解する。ある実施形態では、方法2200は、それぞれ、図19及び図20に関して本明細書で更に考察されるシステム1900又は2000などのシステム制御のためのものであり、例えば、デジタル親和性アッセイのためのものである。そのようなシステム制御は、システム1900及び/又は2000内の1つ以上のコントローラ1956及び/又は2056内に記憶されたロジックの実行を通して実施され得る。ある実施形態では、そのようなロジックは、遠隔サーバ上に、及び/又はコントローラに動作可能に結合された若しくは結合可能な分散システム内に記憶される。ある実施形態では、システム制御は、図8に関して本明細書で更に説明されるような、精製サブシステムコントローラ上に記憶されたロジックの使用及び実行を含む。
【0227】
ある実施形態では、方法2200は、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことを含む、プロセスブロック2201から始まる。ある実施形態では、検体は、検体を検出可能な薬剤と会合させるのに十分な条件下及び時間で、検出可能な薬剤を用いて培養される。ある実施形態では、検体はまた、例えば、検体を捕捉剤と会合させるのに十分な条件下及び時間での検体の培養などを通してもまた、捕捉剤と会合される。
【0228】
ある実施形態では、通路を通して試料を流すことは、液体試料などの試料を流路を通してポンピングするように構成された、1つ以上のポンプの動作を通して行われる。
【0229】
ある実施形態では、試料は、重力を通して、流路を通して流され、ある実施形態では、プロセスブロック2201は、本開示の実施形態によるシステムのためのシステム制御の方法に関連するため、任意選択である。
【0230】
ある実施形態では、プロセスブロック2201の次は、流路の一部分の検査窓を通して励起光を出力することを含むプロセスブロック2203であるか、又は方法2200は、プロセスブロック2203から始まる。ある実施形態では、励起光を出力することは、光エンジンの光源から励起光を出力することなど、光エンジンの動作を含む。そのような励起光は、検体と会合した検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤のうちの1つ以上を励起するように構成されることができる。
【0231】
ある実施形態では、プロセスブロック2203の次は、流路の検査窓を通して第2の励起光を出力することを含むプロセスブロック2205である。ある実施形態では、第2の励起光を出力することは、2つ以上の光源を含む光エンジンなどの、光エンジンの動作を通して生じる。図19及び図20に関して考察されるように、光エンジンは、デジタル親和性アッセイで使用される検出可能な薬剤及び/捕捉剤のタイプなどに応じて、1つの光源又は2つ以上の光源を含むことができる。図20に関して考察されるように、ある実施形態では、光エンジンは、単一光源のみを含み、したがって、ある実施形態では、プロセスブロック2205は、任意選択である。
【0232】
ある実施形態では、プロセスブロック2203又は2205の次は、流路から受光された検出可能な薬剤の放射光に基づいて、検出可能な薬剤の放射信号を光検出器で生成することを含むプロセスブロック2207である。本明細書の他の箇所で考察されるように、検出可能な薬剤は、検体との特異的会合などを通して、検体と会合し、光学的に励起されることに応答して、蛍光などの検出可能な薬剤の放射光を生成するように構成されており、そのような蛍光は、光検出器によって検出され得る。
【0233】
ある実施形態では、プロセスブロック2207の次は、捕捉剤放射光に基づいて、捕捉剤放射信号を生成することを含むプロセスブロック2209である。ある実施形態では、検体は、本明細書の他の箇所で考察されるように、2つの間の特異的会合などを通して、捕捉剤と会合される。ある実施形態では、検体を含む試料は、捕捉剤を含むが、検体は、捕捉剤と会合していない。ある実施形態では、捕捉剤は、光エンジンの光源からの励起光によって励起された場合など、捕捉剤放射光を発するように構成されている。ある実施形態では、プロセスブロック2209は、任意選択である。
【0234】
ある実施形態では、プロセスブロック2209の次は、検体の存在及び/又は同一性を判定するために、2つ以上の放射信号を相関させるか又は共局在化させることを含むプロセスブロック2211である。本明細書の他の箇所で考察されるように、ある実施形態では、検出可能な薬剤及び捕捉剤の各々は、検体と特異的に会合するように構成されている。これに関して、検出可能な薬剤の放射信号及び捕捉剤放射信号のほぼ同時の検出などの、検査窓内の検出可能な薬剤及び捕捉剤の存在を検出することによって、捕捉剤及び検出可能な薬剤が、単一の検体分子又は粒子と会合していることを、ある程度の信頼度で判定することができる。更に、検出可能な薬剤及び捕捉剤のそのような会合を通して、検体が、検出可能な薬剤及び捕捉剤が特異的に会合するように構成されている部位を含むことが更に推測され得る。これに関して、検出可能な薬剤の放射信号と捕捉剤放射信号の相関又は共配置を使用して、少なくとも、検出可能な薬剤及び捕捉剤が特異的に会合するように構成されている検体上の部位に関して、検体の同一性を識別することができる。プロセスブロック2109に関して、検出可能な薬剤及び捕捉剤が考察されるが、例えば、2つ以上の検出可能な薬剤及びそれぞれの検出可能な薬剤の放射光/信号が、検体の存在又は同一性を判定するために使用され得る、類似アプローチが使用され得ることが理解されよう。
【0235】
ある実施形態では、プロセスブロック2211の次は、放射信号の強度の比を、検体の同一性に関連付けることを含むプロセスブロック2213である。ある実施形態では、これは、捕捉剤放射光の強度の比を、捕捉剤の同一性及び捕捉剤と会合した検体の同一性と関連付けることを含み得る。ある実施形態では、これは、検出可能な薬剤の放射光の強度の比を、検出可能な薬剤の同一性及び検出可能な薬剤と会合した検体の同一性と関連付けることを含み得る。本明細書で更に考察するように、特定の実施形態では、捕捉剤は、符号化された捕捉剤が、複数の別個の発色団を含む場合など、符号化された捕捉剤放射光を発するように構成された、符号化された捕捉剤であり、複数の別個の発色団の各発色団は、調整可能な光学符号化パラメータの所定のセットを含み、それによって、捕捉剤の光学的に検出可能なコードを定義する。これに関して、捕捉剤は、捕捉剤が第1の蛍光及び第2の蛍光を発するように、第1の濃度の第1の発色団及び第2の濃度の第2の発色団を含むことができ、第1の蛍光の強度と第2の蛍光の強度との比は、例えば、捕捉剤を識別するのに好適な、捕捉剤発光強度の比を規定する。更に、捕捉剤が、検体の特定の部位と特異的に会合するように構成されているので、受光した発光強度の比を通して捕捉剤を識別することによって、検体を識別することができる。ある実施形態では、プロセスブロック2213は、任意選択である。
【0236】
ある実施形態では、プロセスブロック2211又はプロセスブロック2213の次は、プロセスブロック2215であり、これは、捕捉剤放射信号若しくは第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数、又は捕捉剤放射信号若しくは第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数と、捕捉剤放射信号の数、検出可能な薬剤の放射信号の数、第2の検出可能な薬剤の放射信号の数、又はそれらの組み合わせとの比を定量化することを含む。ある実施形態では、プロセスブロック2211又はプロセスブロック2213の次は、2つ以上の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数を定量化することを含むプロセスブロック2215である。プロセスブロック2111に関して上記で考察されるように、検体は、検出可能な薬剤及び捕捉薬剤の両方と、又は2つの検出可能な薬剤と会合され得、その場合、捕捉剤放射信号及び検出可能な薬剤の放射信号などの2つ以上の放射信号は、ほぼ同時に検出され、捕捉剤及び検出可能な薬剤又は2つの検出可能な薬剤が検体と会合されることを示す。他のシナリオでは、検出可能な薬剤又は捕捉剤のいずれか一方又は両方は検体と会合しておらず、その場合、検出可能な薬剤の放射信号のみ又は捕捉剤放射信号のみが、所与の時間内に検出される。
【0237】
これに関して、プロセスブロック2115は、空の検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤(すなわち、検体と会合していない検出可能な/捕捉剤)に対してなど、検出可能な薬剤/捕捉剤と会合した検体の数又は比を定量化又は別様に判定することを含み得る。
【0238】
ある実施形態では、プロセスブロック2215の次は、プロセスブロック2217であり、これは、検出可能な薬剤の放射信号と会合した捕捉剤放射信号の数と、流路を通って流れた液体の体積と、に基づいて、検体の濃度を判定することを含む。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、捕捉剤放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数と、捕捉剤放射信号の数、検出可能な薬剤の放射信号の数、及びそれらの組み合わせとの比に基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、流路を通って流れる液体の体積に基づいている。
【0239】
本明細書の他の箇所で考察されるように、捕捉剤放射信号及び検出可能な薬剤の放射信号などの2つ以上の放射信号と会合した検体の数を計数することによって、及び流路を通る流速を判定することによって、試料中の検体の濃度が判定され得る。
【0240】
プロセスブロックの一部又は全部が各プロセスに現れる順序は、限定的であるとみなされるべきではない。むしろ、本開示の利益を有する当業者は、プロセスブロックのうちのいくつかは、例解されていない様々な順序で、又は並行してでも実行され得ることを理解するであろう。
【0241】
方法
別の態様では、本開示は、検体などの粒子及び/又は分子を調べる方法を提供する。ある実施形態では、本方法は、本明細書に記載のシステムの使用を含む。
【0242】
ある実施形態では、本方法は、単一分子検出のための方法である。ある実施形態では、本方法は、高NAの空気対物レンズを含む集光アセンブリを用いた集光などの使用を含む。
【0243】
ある実施形態では、本方法は、単一分子検体の分析のための方法である。本明細書で使用される場合、「単一分子検体」は、単一分子を含むタンパク質又は核酸分子などの検体を指す。そのような単一分子検体は、例えば、一緒に会合した多くの分子を含む、顆粒、小胞、細胞などの複数の分子の集塊又は凝集体とは対照的である。単一分子検体の例としては、又は一本鎖のハイブリダイズしていない状態又は二本鎖のハイブリダイズした状態のいずれかの、アミノ酸の1つ以上の鎖からなる単一タンパク質分子、又は単一核酸分子が挙げられる。本明細書で更に説明するように、本開示の方法は、特定の実施形態では、特定の実施形態では、フロー中の単一分子検体を識別し、それらを計数し、試料中のそれらの濃度を判定するなどのために、1つ以上の検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤との特異的な会合に基づいて、フロー中の単一分子検体の検出、識別、計数、定量化、分析、濃度判定などを含む。本明細書で使用される場合、「特異的な会合」は、抗体-抗原結合、核酸ハイブリダイゼーション、アプタマー-抗原結合、抗体-フラグメント-抗原結合、ペプチド-抗原結合などを含む、特異的分子認識及び結合によって引き起こされる会合を指す。
【0244】
ある実施形態では、本方法は、検出可能な薬剤と会合した複数の分子を通路を通して流すことを含む。ある実施形態では、そのような流れは、検出可能な薬剤と会合した複数の分子を通路を通して流すことを含み、通路を通して複数の分子のうちの分子を、分子ごとに流すことを含む。これに関して、本明細書の他の箇所で考察されるように、ある実施形態では、複数の分子のうちの分子は、一度に1つずつ、狭窄部を含む通路の一部分などの通路を通過する。これに関して、本方法は、通路を通って流れる分子を個々に照射するのに好適である。
【0245】
上記のように、分子は、検出可能な薬剤と会合している。ある実施形態では、個々の分子は、1つ以上の検出可能な薬剤と会合している。ある実施形態では、複数の分子のうちの分子は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個以上の検出可能な薬剤と会合される。本明細書の他の箇所で考察されるように、そのような検出可能な薬剤は、励起光に応答して、蛍光信号などの信号を生成するように構成されている。本明細書で使用される場合、「検出可能な薬剤」は、蛍光放射などの検出可能な信号を生成するように構成されている、分子、分子の集合体、分子の部位、粒子などを指す。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、光検出器の使用などを通して検出可能である蛍光などの、光学的に検出可能な信号を発するように構成されている。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、蛍光標識抗体である。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、蛍光標識核酸プローブである。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、蛍光部位、例えば、蛍光小分子、発色団半導体ポリマー、蛍光ポリマードット、量子ドット、蛍光ビーズ、蛍光ポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される蛍光部位を含む。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、抗体-抗原結合又は核酸ハイブリダイゼーションなどの特異的分子認識又は結合によって引き起こされる特異的な会合など、検体と特異的に会合するように構成された、抗体又は核酸プローブなどの部位で官能化されている。
【0246】
ある実施形態では、分子は、細胞信号伝達分子、サイトカイン、ケモカイン、抗体、タンパク質、核酸、核酸結合タンパク質、RNA結合タンパク質、ペプチド、炭水化物、薬物分子、及び治療用分子からなる群から選択される。
【0247】
ある実施形態では、本方法は、複数の分子のうちの分子を通路内で照射することを更に含む。ある実施形態では、分子を照射することは、分子が分子ごとに通路を通って流れるときに、複数の分子のうちの分子を照射することを含む。ある実施形態では、複数の分子を照射することは、光が1つ以上の波長範囲内にある複数の光源で分子を照射することを含む。ある実施形態では、そのような1つ以上の光源は、本明細書の他の箇所で考察されるように、検査窓の異なる部分などの通路の空間的に別個の部分を照射するように位置決めされている。
【0248】
ある実施形態では、本方法は、通路を通って流れる単一分子の99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%超からの放射光を集光することを含む。複数の分子を、通路を通して、分子ごとに流すことによって、分子を個々に検出及び査定することができる。これに関して、分子などの粒子は、本開示の方法及びシステムによって効率的かつ正確に検出され得る。そのような効率的で正確な検出は、粒子/分子の大集団中の粒子及び分子の濃度を正確に判定するのに好適である。これは、例えば、分子又は粒子に値を割り当てることが、いくつかの検出可能な薬剤からの信号の検出に基づいている場合に、特に重要である。分子又は粒子と会合した各々異なる検出可能な薬剤が検出されない場合、その分子又は粒子を正確に識別することは不可能である。
【0249】
ある実施形態では、「単一分子感度」は、通路を通って流れる単一分子の99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%超、好ましくは、通路を通って流れる単一分子の90%超を検出する能力を指す。ある実施形態では、「単一分子感度」は、99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%超、好ましくは、90%超の検出効率を指す。
【0250】
ある実施形態では、流動下の単一分子及び/又は粒子の「検出効率」は、通路を通って(例えば、励起領域を通って)流れる分子/粒子の数に対する、検出された分子/粒子の数である。ある実施形態では、「単一分子検出効率」は、99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%超、好ましくは、90%超の検出効率を指す。ある実施形態では、「単一分子検出効率」は、通路を通って流れる単一分子の99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%超、好ましくは、通路を通って流れる単一分子の90%超を検出する能力を指す。所与のタイプの蛍光分子/粒子について、「単一分子感度」又は「単一分子検出効率」を有することは、フローシステム又は装置の感度の直接的な指標であり、したがって、装置又は機器の感度及び性能を評価するための重要な測定基準である。
【0251】
ある実施形態では、複数の分子のうちの分子を通路内で照射することは、ライン照射を使用して、通路の一部分上に検査窓を通して励起光を出力することを含む。ある実施形態では、複数の分子のうちの分子を通路内で照射することは、共焦点検出ジオメトリ又はライン共焦点検出ジオメトリを使用して、通路の一部分上に検査窓を通して励起光を出力することを含む。
【0252】
ある実施形態では、通路を照射することは、通路を通過する全ての分子が、90%を上回る確率、好ましくは、100%に近い確率などの、非常に高い確率で照射及び励起されることを確実にするために、通路の断面全体を覆う強く集束されたレーザ線を用いて達成される。ある実施形態では、共焦点検出ジオメトリは、開口(例えば、ファイバ開口又はスリット開口)を使用することによって達成され、これは、信号対雑音比を増加させることによって、及び異なる励起領域又はレーザ線間のクロストークを最小限にすることによって、検出感度を改善する。ある実施形態では、高NAの空気対物レンズ、強く集束されたレーザ線を使用するライン照射、及び共焦点検出ジオメトリを採用する装置を使用して、通路を通って流れる全て又はほぼ全ての分子又は粒子が、高い検出効率及び高い単一分子感度並びに高スループットで検出されることを確実にした。
【0253】
ある実施形態では、本方法は、0.91~0.99未満の範囲、好ましくは、約0.95の開口数を有する高NAの空気対物レンズを備える集光システムを用いて、通路から発せられた放射光を集光することを含む。本明細書の他の箇所で考察されるように、高NAの空気対物レンズは、相対的に大量の光を集光するのに特に好適である。加えて、そのような空気対物レンズは、空気対物レンズと撮像されるデバイスとの間の一貫した距離を維持しながら、デバイスを正確に走査するのに好適である。油浸対物レンズ又は水浸対物レンズは、撮像されるデバイス上に油又は水を引き込むため、走査中に、対物レンズと撮像されるデバイスとの間の一貫した距離を維持することができないことが多い。
【0254】
ある実施形態では、空気対物レンズは、0.91~0.99未満の開口数を有する。ある実施形態では、空気対物レンズは、約0.92~約0.98の範囲、約0.93~約0.97の範囲、約0.94~約0.96の範囲の開口数を有する。ある実施形態では、空気対物レンズは、約0.95の開口数を有する。
【0255】
ある実施形態では、本方法は、分子に基づいて通路から発せられた集光された放射光に基づいて、放射信号を生成することを含む。ある実施形態では、信号は、本明細書の他の箇所で説明するように、1つ以上の検出器システム、検出器モジュール、及び/又は光検出器を使用して生成される。
【0256】
ある実施形態において、本方法は、信号に基づいて、検体に値を割り当てることを含む。ある実施形態では、値は、粒子/分子から発せられた1つ以上の蛍光信号に基づいている。そのような値は、例えば、粒子/分子上に配設された1つ以上の検出可能な部位の存在及び/又は不在に基づいて選別する際など、複数の粒子/分子のうちの粒子/分子を選別するために使用され得る。
【0257】
本明細書で上述したように、ある実施形態では、本開示の方法、システム、デバイス、及び装置は、生物学的ナノ粒子及び/若しくは単一分子の操作、検出、分析、判定、並びに/又は識別を容易にすることができるマイクロ流体通路を備える、マイクロ流体チップを含む。マイクロ流体通路を備えるマイクロ流体チップは、少量の流体試料を処理するために使用することができ、従来のマクロスケールデバイスに勝る利点を提供する(例えば、マイクロ流体チップは、微量の流体試料のみを必要とし、より少ない試薬を必要とし、より短い時間で処理され、マクロスケールデバイスと比較して効率を高める)。特定の実施形態では、マイクロ流体チップは、平面デバイスであり、したがって、バイオナノ粒子及び単一分子の検出及び分析を容易にすることができ、並びに/あるいは高NA(開口数)対物レンズ(例えば、高NAの空気対物レンズ)、レンズ、又は、集光を向上させ、したがって、移動中の生物学的ナノ粒子及び/若しくは分子の検出、分析、判定、並びに/又は識別を容易にする、高開口数を有する集光システムの使用を可能にすることによって、バイオナノ粒子の検出及び分析を容易にすることができる。特定の実施形態では、マイクロ流体チップは、平面デバイスであり、これらマイクロ流体チップの、(例えば、マイクロ流体チップが設置される並進ステージを有する)顕微鏡の設定との適合性を高める。加えて、マイクロ流体チップは、デッドボリュームを有することなく、相互接続した流体ネットワークの設計及び生成を可能にすることができ、このことは、バイオナノ粒子及び/又は分子の検出並びに操作(例えば、3つ以上の流体通路の接合部での流動変位を使用する選別)を容易にすることができる。デッドボリュームは、流路の外側にあるマイクロ流体チップ内の体積の一部分(例えば、試料のナノ粒子及び/又は分子を運搬する可能性のある液体が拡散し、精度を低下させる可能性のある体積)である。マイクロ流体チップは、微細加工の方法を通して、非球形又は非正方形(例えば、長方形)である断面を有する通路の作成を可能にすることができ、このことは、移動中のバイオナノ粒子及び/若しくは分子の検出、分析、判定、並びに/又は識別を促進することができる。マイクロ流体チップは、通路の長さに沿って異なる幅又は高さを有する通路(例えば、通路の狭窄部、又は幅及び/又は高さの段階的変化)の作成を容易にして、通過中の生物学的ナノ粒子及び/若しくは分子の操作、検出、分析、判定、並びに/又は識別を容易にすることができる。マイクロ流体チップは、高効率の集光システム(例えば、最大集光のために適切な基板厚さを必要とする、高NAの空気対物レンズなどの高開口数の対物レンズ)との適合性を高めて、移動中の生物学的ナノ粒子及び/若しくは単一分子の操作、検出、分析、判定、並びに/又は識別を容易にするように、所望の厚さであるとともに所望の材料特性(例えば、屈折率)を有する(例えば、ガラス又はプラスチックから作製された)カバースリップに接合することによって、形成することができる。マイクロ流体デバイスは、より多く(例えば、マルチチャネルピペッターと適合する形式における96個又は384個)の試料の高スループット分析のために、同じデバイス上で多くの通路(例えば、96個又は384個の試料に対して96個又は384個の通路)の生成を可能にする。マイクロ流体チップは、バイオナノ粒子及び/若しくは単一分子の操作、単離、選別、並びに/又は輸送のための魅力的で多用途のプラットフォームを提供する。
【0258】
ファイババンドルされた発光の検出
ある実施形態では、本方法は、通路を通して粒子及び/又は分子を流すことと、第1の励起光を、検査窓を通して、通路の第1の部分上に出力することと、第2の励起光を、検査窓を通して、第1の部分とは別個の流路の第2の部分上に出力することと、第1の発光光ファイバの近位端を通して受光された第1の放射光に基づいて、第1の光検出器で第1の放射信号を生成することと、第2の発光光ファイバの近位端を通して受光された第2の放射光に基づいて、第2の光検出器で第2の放射信号を生成することと、を含み、第1の発光光ファイバの近位端及び第2の発光光ファイバの近位端は、発光ファイバ束ヘッド内に配置されている。
【0259】
ある実施形態では、第1の励起光及び第2の励起光を出力することは、本明細書で更に考察するように、光エンジンで光を出力することを含む。ある実施形態では、第1及び/又は第2の励起光は、レーザなどからのコヒーレント光を含む。ある実施形態では、第1の光源及び第2の光源は、固体レーザ、ダイオード励起レーザ、発光ダイオード(LED)、ランプ、アーク放電、及び自然光からなる群から各々独立して選択される。
【0260】
ある実施形態では、第1及び第2の光検出器は、各々、本明細書の他の箇所で説明するように、発光ファイバ束に光学的に結合されている。ある実施形態では、第1の光検出器は、発光ファイバ束の第1の発光光ファイバに光学的に結合された、図2に関して本明細書で更に説明される検出器モジュールなどの、第1の検出器モジュールの一部である。ある実施形態では、第2の光検出器は、発光光ファイバ束の第2の発光光ファイバに光学的に結合された、図1Aに関して本明細書で更に説明されるように、第2の検出器モジュールの一部である。
【0261】
ある実施形態では、方法は、第1の発光光ファイバ及び第2の発光光ファイバを含む発光ファイバ束を用いて、第1の放射光及び第2の放射光を受光することを含み、第1の発光光ファイバ及び第2の発光光ファイバの近位端は、発光ファイバ束ヘッド内に配置されており、第1の発光光ファイバの近位端は、第1の部分から発せられた第1の放射光を受光するように位置決めされており、第2の発光光ファイバの近位端は、第2の部分から発せられた第2の放射光を受光するように位置決めされている。
【0262】
ある実施形態では、通路を通して粒子及び/又は分子を流すことは、粒子の懸濁液並びに/又は粒子及び/若しくは分子を含む分子の溶液を通路を通して流すことを含む。ある実施形態では、粒子の懸濁液又は分子の溶液は、生物学的試料であるか、又は生物学的試料に由来する。ある実施形態では、粒子の懸濁液又は分子の溶液は、体液を含むか若しくは体液に基づいているか、又は細胞からの流体若しくは細胞と会合した流体に基づいている。ある実施形態では、粒子は、細胞外小胞、生物学的ナノ粒子、細胞小器官、微小胞、細胞由来小胞、リポタンパク質、高分子複合体、エキソメア(exomere)、RNA結合タンパク質、核酸結合タンパク質、タンパク又は核酸を含む生物学的凝集体、タンパク凝集体、核酸凝集体、脂質凝集体、単一の生物学的分子、サイトカイン、ケモカイン、抗体、細胞信号伝達分子、治療用分子、核酸、ウイルス、バクテリア、及びエキソソームからなる群から選択される。ある実施形態では、粒子は、細胞外小胞である。ある実施形態では、体液は、血清、血漿、髄液、唾液、鼻咽頭液、涙液、全血、尿、痰、又はリンパ液を含む。ある実施形態では、粒子は、単離されている。ある実施形態では、分子は、単離されている。ある実施形態では、粒子は、少なくとも1つのバイオマーカーと会合される。
【0263】
ある実施形態では、通路を通して粒子の懸濁液及び/又は分子の溶液を流すことは、粒子ごと及び/又は分子ごとに、通路を通して懸濁液及び/又は溶液を流すことを含む。いくつかの実施形態では、複数の粒子のうちの少なくともいくつかは、粒子ごとに検出される。いくつかの実施形態では、複数の分子のうちの少なくともいくつかは、分子ごとに検出される。いくつかの実施形態では、複数の粒子及び/又は分子のうちの少なくともいくつかは、粒子ごと及び/又は分子ごとに照射される。粒子ごと又は分子ごととは、領域(例えば、所与の幅を有する光ビーム)を個々に(すなわち、一度に1つずつ)通過する複数の粒子又は分子の観察を表す。粒子ごと又は分子ごとの非限定的な例として、複数の粒子又は分子を含む流体試料は、複数の粒子又は分子のうちの少なくともいくつかが、個々に(すなわち、複数のうちの他の粒子のいずれもが不在で)光ビームを通過するように、マイクロ流体通路の狭窄部を通って流れ、光ビームを通過し得る。粒子ごと又は分子ごとの、粒子又は分子の別の非限定的な例として、複数の粒子又は分子を含む流体試料は、複数のうちの他の粒子又は分子と全く重なり合わずに、一度に1つの粒子又は分子だけが光ビームを通過するように、マイクロ通路を通って流れ、光ビームを通過し得る。いくつかの具体的な実施形態では、粒子又は分子の大部分は、1つの粒子又は分子だけが、複数のうちの他の粒子又は分子と重複することなく、一度に光ビームを通過するように、光ビームを通過する。いくつかの実施形態では、複数の照射された粒子又は分子中の粒子又は分子の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超が、粒子ごと又は分子ごとに照射される。好ましい実施形態では、複数の粒子又は分子中の照射された粒子又は分子の90%超が、粒子ごと又は分子ごとに照射される。いくつかの実施形態では、複数の検出された粒子又は分子中の粒子又は分子の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超が、粒子ごと又は分子ごとに検出される。好ましい実施形態では、複数の検出された粒子又は分子中の粒子又は分子の90%超が、粒子ごと又は分子ごとに検出される。
【0264】
個々の粒子又は分子の照射は、複数の粒子又は分子を含む流体試料中にあり、かつ複数のうちの他の粒子又は分子のいずれもが不在で照射される、粒子又は分子を指し得る。個々の粒子又は分子の照射は、照射領域にランダムに共局在化される2つ以上の粒子又は分子の照射とは別個である。個々の粒子又は分子の照射は、粒子又は分子の集合体の照射とは別個である。非限定的な例として、個々の粒子又は分子は、光ビームを通過し得、したがって、照射される。個々の粒子又は分子は、複数のうちの他の粒子又は分子のいずれもが不在で光ビームを通過し得、したがって、個々の粒子又は分子は、単独で照射される。いくつかの実施形態では、個々の粒子又は分子は、流体試料中に存在する他の粒子又は分子のいずれもが不在で光源によって調べられ得る単数のナノ粒子又は分子である(例えば、所与の光ビーム幅について、単一の粒子又は分子がビーム中に存在し、したがって、複数のうちの他の粒子又は分子のいずれもが不在で照射されることを可能にする)。
【0265】
通路を通して粒子を流し、粒子ごとに粒子を検出することが説明されているが、同じ概念が、本開示の方法及びシステムを用いて、分子ごとに分子を流し検出することの類似性により、適用されることが理解されよう。したがって、ある実施形態では、本開示の方法は、通路を通して、例えば、通路の検査窓を通して、分子ごとに分子を流すことを含む。これに関して、1つ以上の検出可能な薬剤と会合したものなどの関心対象の分子は、一度に1つずつ検査を通過する。したがって、ある実施形態では、検出可能な薬剤と会合した分子は、検査窓内で一度に1つだけある。同様に、ある実施形態では、それぞれの検出可能な薬剤と会合する2つ以上の関心対象の分子は、検査窓内で同時に存在しない。ある実施形態では、他の分子は、検出可能な薬剤と会合した関心対象の分子とともに、通路の検査窓内に存在する。そのような分子は、例えば、関心対象の分子の流れを補助する溶媒分子を含み得る。
【0266】
ある実施形態では、分子ごとに検査窓を通過することができるそのような分子は、タンパク質、ペプチド、抗体、サイトカイン、ケモカイン、信号伝達分子、治療用分子、薬物分子、RNA結合タンパク質、高分子複合体、核酸、DNA、RNA、合成分子、アプタマーなどからなる群から選択される。ある実施形態では、分子は、単一の色素分子、単一のタンパク質色素分子、単一のポリマー色素分子、単一のPdot、単一の蛍光プローブ、単一の蛍光ユニット、1つ以上の色素と共役した単一の抗体、1つ以上の色素と共役した単一のタンパク質、1つ以上の色素と共役した単一の核酸分子からなる群から選択される。
【0267】
ある実施形態では、第1の放射光及び第2の放射光は、散乱放射光、発光放射光、蛍光放射光、及びそれらの組み合わせからなる群から、独立して選択される。
【0268】
ある実施形態では、粒子は、生物学的粒子である。ある実施形態では、生物学的粒子は、生物学的ナノ粒子である。ある実施形態では、粒子は、細胞外小胞、細胞小器官、微小胞、細胞由来小胞、リポタンパク質、高分子複合体、エキソメア(exomere)、RNA結合タンパク質、核酸結合タンパク質、タンパク又は核酸を含む生物学的凝集体、タンパク凝集体、核酸凝集体、脂質凝集体、単一の生物学的分子、サイトカイン、ケモカイン、抗体、細胞信号伝達分子、治療用分子、核酸、核酸結合タンパク質、RNA結合タンパク質、DNA結合タンパク質、治療用分子、ウイルス、バクテリア、及びエキソソームからなる群から選択される。
【0269】
上記のように、ある実施形態では、本開示の方法は、通路を通って流れる相対的に小さい粒子を分析するのに好適である。特定の実施形態では、粒子のサイズは、流体力学的直径である。具体的な実施形態では、流体力学的直径は、1,000ナノメートル未満、900ナノメートル未満、800ナノメートル未満、700ナノメートル未満、600ナノメートル未満、500ナノメートル未満、400ナノメートル未満、300ナノメートル未満、200ナノメートル未満、150ナノメートル未満、100ナノメートル未満、90ナノメートル未満、80ナノメートル未満、70ナノメートル未満、60ナノメートル未満、50ナノメートル未満、40ナノメートル未満、又は30ナノメートル未満である。好ましい実施形態では、流体力学的直径は100ナノメートル未満である。特定の実施形態では、流体力学的直径は、動的光散乱(dynamic light scattering、DLS)を測定することによって判定され、測定されている生物学的ナノ粒子と同じ方式で光を拡散する剛体球のサイズを指す。
【0270】
いくつかの実施形態では、流体力学的直径は、1,000ナノメートル~1ナノメートル、900ナノメートル~1ナノメートル、800ナノメートル~1ナノメートル、700ナノメートル~1ナノメートル、600ナノメートル~1ナノメートル、500ナノメートル~1ナノメートル、400ナノメートル~1ナノメートル、300ナノメートル~1ナノメートル、200ナノメートル~1ナノメートル、100ナノメートル~1ナノメートル、90ナノメートル~1ナノメートル、80ナノメートル~1ナノメートル、70ナノメートル~1ナノメートル、60ナノメートル~1ナノメートル、50ナノメートル~10ナノメートル、又は40ナノメートル~1ナノメートルである。特定の実施形態では、流体力学的直径は、1,000ナノメートル~800ナノメートル、800ナノメートル~600ナノメートル、600ナノメートル~400ナノメートル、400ナノメートル~200ナノメートル、又は200ナノメートル~10ナノメートルである。好ましい実施形態では、流体力学的直径は、200ナノメートル~2ナノメートルである。別の好ましい実施形態では、流体力学直径は、200ナノメートル~10ナノメートルである。より好ましい実施形態では、流体力学的直径は、100ナノメートル~20ナノメートルである。
【0271】
特定の実施形態では、粒子のサイズは、直径である。具体的な実施形態では、直径は、1,000ナノメートル未満、900ナノメートル未満、800ナノメートル未満、700ナノメートル未満、600ナノメートル未満、500ナノメートル未満、400ナノメートル未満、300ナノメートル未満、200ナノメートル未満、150ナノメートル未満、100ナノメートル未満、90ナノメートル未満、80ナノメートル未満、70ナノメートル未満、60ナノメートル未満、50ナノメートル未満、40ナノメートル未満、又は30ナノメートル未満である。好ましい実施形態では、直径は、100ナノメートル未満である。特定の実施形態では、直径は、電子顕微鏡法(electron microscopy、TEM)又は超解像撮像を使用して測定することによって判定される。
【0272】
いくつかの実施形態では、直径は、1,000ナノメートル~1ナノメートル、900ナノメートル~1ナノメートル、800ナノメートル~1ナノメートル、700ナノメートル~1ナノメートル、600ナノメートル~1ナノメートル、500ナノメートル~1ナノメートル、400ナノメートル~1ナノメートル、300ナノメートル~1ナノメートル、200ナノメートル~1ナノメートル、100ナノメートル~1ナノメートル、90ナノメートル~1ナノメートル、80ナノメートル~1ナノメートル、70ナノメートル~1ナノメートル、60ナノメートル~1ナノメートル、50ナノメートル~10ナノメートル、又は40ナノメートル~1ナノメートルである。特定の実施形態では、直径は、1,000ナノメートル~800ナノメートル、800ナノメートル~600ナノメートル、600ナノメートル~400ナノメートル、400ナノメートル~200ナノメートル、又は200ナノメートル~10ナノメートルである。好ましい実施形態では、直径は、200ナノメートル~2ナノメートルである。別の好ましい実施形態では、直径は、200ナノメートル~10ナノメートルである。より好ましい実施形態では、直径は、100ナノメートル~20ナノメートルである。
【0273】
ある実施形態では、本方法は、粒子又は分子の流れを方向付けることを更に含む。ある実施形態では、粒子又は分子の流れを方向付けることは、検査窓から受光され、かつ粒子又は分子と会合した、放射光の有無に基づいている。ある実施形態では、粒子又は分子の流れを方向付けることは、検査窓から検出器システムによって受光された放射光の強度に基づいている。これに関して、本方法は、例えば、蛍光及び/又は散乱励起光を発する粒子又は分子を、蛍光及び/又は散乱励起光を発しない粒子又は分子から分離するのに好適である。
【0274】
ある実施形態では、粒子又は分子の流れを方向付けることは、粒子又は分子を1つ又は2つ以上の選別通路に方向付けることを含み、そのような2つ以上の通路は、所定の閾値を上回る蛍光信号又は放射信号を提供する粒子又は分子のための通路と、提供しない粒子又は分子のための通路と、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、粒子又は分子を富化集団に選別することを含む。いくつかの実施形態では、選別は、流動変位選別を含む。いくつかの実施形態では、選別は、音響集束又は物理的障壁の使用を含まない。いくつかの実施形態では、選別は、サイズ値、バイオマーカーの存在、バイオマーカーの不在、検出された光強度、発せられた波長、複数の発せられた波長、粒子若しくは分子の識別、又はそれらの組み合わせによって判定される。いくつかの実施形態では、選別は、バイオマーカーの組み合わせの存在によって、判定される。いくつかの実施形態では、選別は、免疫表現型又はイムノ(immuno)表現型(抗体の組み合わせの結合によって測定されるマーカーの存在、不在、又は量に基づく表現型)に基づくなど、1つ以上のバイオマーカーの存在及び1つ以上の他のバイオマーカーの不在によって判定される。いくつかの実施形態では、表現型は、少なくとも部分的に、粒子(例えば、免疫表現型)上の2つ以上のバイオマーカーの有無によって判定され、かつ粒子サイズ、又は粒子が核酸を含有するかどうか、又は粒子を構成する脂質分子の量などの物理的特性によって、更に通知又は判定され得る。例えば、本明細書で更に考察される実施例9を参照されたい。いくつかの実施形態では、選別は、選別閾値を設定することによって、存在するバイオマーカーの数又はタイプによって判定される。
【0275】
ある実施形態では、本方法は、検査からの放射光と会合した粒子及び/又は分子の数を定量化又は計数することと、検査窓からの放射光と会合した粒子及び/又は分子の濃度を判定することと、を含む。
【0276】
ある実施形態では、本方法は、検査窓からの放射光の有無に基づいて、通路内の粒子又は分子をランク付けすることを含む。ある実施形態では、ランク付けは、第1の放射光及び第2の放射光のうちの1つ以上に基づいて、粒子又は分子の測定された放射スペクトルに対応する。ある実施形態では、ランク付けは、粒子の測定されたサイズ値に対応する。ある実施形態では、測定されたサイズ値は、相対サイズ値である。ある実施形態では、測定されたサイズ値は、検出された光強度の差によって測定される。
【0277】
ある実施形態では、粒子又は分子は、検出可能な薬剤と会合される。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、例えば、分析される粒子上又はその中に存在する、関心対象の分子(例えば、細胞外小胞上若しくはその中のタンパク質、又は核酸、又はバイオマーカー)であり得る。代替的に、検出可能な薬剤は、粒子と会合した関心対象の分子(例えば、細胞外小胞若しくは生物学的ナノ粒子若しくは高分子複合体上又はその中のタンパク質、あるいは核酸分子、あるいはバイオマーカー)と会合する分子(例えば、蛍光プローブ又は核酸プローブと共役した抗体)であり得、それにより、ナノ粒子を検出することが可能になる。いくつかの態様では、検出可能な薬剤は、蛍光性であり、したがって、当技術分野で周知の蛍光に基づく検出方法によって、検出することができる。
【0278】
ある実施形態では、粒子は、1つ以上の検出可能な薬剤と会合したバイオマーカーなどの、少なくとも1つのバイオマーカーを含む。ある実施形態では、本方法は、少なくとも1つのバイオマーカーの少なくとも1つのコピー数を判定することを含む。
【0279】
本明細書で使用される場合、「会合した」は、共有及び/又は非共有相互作用を介した相互作用を含む。例えば、検出可能な薬剤は、粒子又は分子に共有結合され得る。代替的に、検出可能な薬剤は、例えば、粒子の膜内及び/若しくは粒子の疎水性内部に埋設され得るか、又は二本鎖DNA若しくはRNAに挿入され得る。特定の実施形態では、検出可能な薬剤は、ファンデルワールス力又は静電気力などの非共有相互作用を介して、粒子の膜に埋設され得る。本明細書で使用される場合、「特異的に会合する」又は「と特異的に会合した」という用語は、標的部位に対する試薬の親和性及び/又は結合力などに基づいて、標的部位と会合する試薬の能力を指す。「特異的な会合」は、抗体-抗原会合、アプタマー-抗原会合、ペプチド-抗原会合、及び核酸ハイブリダイゼーション会合などの特異的分子認識に基づいて、生じ得る。
【0280】
具体的な実施形態では、検出可能な薬剤は、粒子の表面と会合される。いくつかの実施形態では、検出可能な薬剤は、粒子の表面に共有結合及び/又は非共有結合され得る。他の実施形態では、検出可能な薬剤は、粒子の表面内に埋設され得る。具体的な実施形態では、検出可能な薬剤は、粒子の表面、例えば、小胞の脂質中に埋設された膜色素によって、取り囲まれている。粒子の表面と会合した検出可能な薬剤の関係は、粒子のサイズに関する情報を提供する。例えば、大きい表面積を有する粒子は、多数の検出可能な薬剤と会合することとなる一方、小さい表面積を有する粒子は、より少数の検出可能な薬剤と会合することとなる。粒子表面と会合した検出可能な薬剤の数の関係は、光強度とナノ粒子表面積との間の相関を提供する。このように、発せられた光強度の量は、粒子のサイズに対応し、具体的には、粒子の表面積に対応する。
【0281】
ある実施形態では、膜色素からの蛍光の強度などを通して判定された粒子のサイズは、粒子の表面上の検体と会合した検出可能な薬剤の数のコピーと併せて、粒子が無傷の粒子であるかどうかを判定するために使用され得る。
【0282】
他の実施形態では、検出可能な薬剤は、粒子の内部と会合される。いくつかの実施形態では、検出可能な薬剤は、粒子内に埋設される(例えば、リポタンパク質内に埋設された親油性色素)。いくつかの実施形態では、検出可能な薬剤は、粒子の表面と会合しておらず、粒子内に埋設されるか、又はそうでなければ、粒子によって取り囲まれている。具体的な実施形態では、検出可能な薬剤は、粒子によって包含されるが、内部表面、例えば、その脂質膜と内部で会合しない細胞外小胞内に自由に浮遊する色素とは会合しない。粒子に埋設されたもの(例えば、リポタンパク質に埋設された親油性色素)、又は内部表面と会合することなく粒子によって包含されたもの(例えば、小胞内の浮遊色素)などの内部検出可能な薬剤は、本明細書では「体積色素」とも称される。粒子によって埋設されるか又は取り囲まれた体積色素の関係は、粒子のサイズに関する情報を提供する。例えば、大きい体積を有する粒子は、多数の体積色素を含むこととなる一方、小さい体積を有する粒子は、より少ない体積色素を含むこととなる。粒子内の体積色素の数の関係は、光強度とナノ粒子体積との間の相関関係を提供する。このように、発せられた光強度の量は、粒子のサイズに対応し、具体的には、粒子の体積に対応する。
【0283】
いくつかの実施形態では、粒子は、体積色素と、表面と会合した検出可能な薬剤と、の両方を含む。体積色素と、表面と会合した検出可能な薬剤と、両方を含むナノ粒子は、粒子の表面積及び体積の両方に関する情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、体積色素と、表面積検出可能な薬剤と、は同じである。他の実施形態では、体積色素と、表面積検出可能な薬剤と、は異なる。特定の実施形態では、体積色素は、検出又は単離されている粒子の同一性又はタイプに関する情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、蛍光発生基質である体積色素の使用は、検出又は単離されている粒子の同一性又はタイプに関する情報を提供することができる。具体的な実施形態では、エキソソームなどの粒子に特異的な酵素の蛍光発生基質である体積色素の使用は、検出又は単離されている粒子の同一性又はタイプに関する情報を更に提供することができる。
【0284】
いくつかの実施形態では、粒子は、膜透過性RNA色素などの、膜色素及び膜透過性核酸色素で標識化される。ある実施形態では、検出可能な薬剤のそのような組み合わせは、粒子が、RNA又はDNAなどの核酸を含むかどうか、及び粒子が、膜を含むか又は脂質分子を含有するかどうかを判定するのに好適である。そのような粒子は、粒子が膜及び/又は核酸を含むかどうかに加えて、粒子の免疫表現型、すなわち全体的な表現型を判定するなどのために、表面マーカーに選択的に結合するように構成された、蛍光標識抗体などの検出可能な薬剤で更に標識することができ、全体的な表現型には、物理的特性(例えば、脂質膜及び/又は核酸が存在する場合)及び免疫表現型(例えば、あるバイオマーカーが存在する若しくは存在しないか、又は抗体によって報告されるように異なる量である場合)が含まれる。
【0285】
ある実施形態では、検出可能な薬剤は、蛍光標識抗体、蛍光標識タンパク質、蛍光標識核酸、蛍光標識脂質、膜色素、蛍光発生色素、色素、ポリマードット、及びそれらの組み合わせから選択される。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、発光色素、蛍光色素、蛍光標識抗体、蛍光標識タンパク質、蛍光標識核酸、蛍光標識脂質、蛍光標識炭水化物、蛍光標識小分子、膜色素、蛍光発生色素、色素、ポリマードット、酵素の蛍光発生基質、(膜透過性RNA色素などの)膜透過性核酸色素、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0286】
いくつかの実施形態では、検出可能な薬剤は、粒子と会合した1つ以上の結合標的に特異的に結合する。特定の態様では、結合標的は、タンパク質などのポリペプチドであり、検出可能な薬剤は、標的ポリペプチドに特異的に結合する蛍光標識抗体である。抗体に「特異的に(又は選択的に)結合する」又は「と特異的に(又は選択的に)免疫反応性である」という句は、生物学的ナノ粒子に言及する場合、多くの場合、ナノ粒子及び他の生体物質の不均一集団における、関心対象のバイオナノ粒子の存在、又は関心対象のバイオナノ粒子と会合したバイオマーカーの存在を判定する結合反応を指す。したがって、指定された免疫測定条件下で、指定された抗体は、バックグラウンドよりも少なくとも2倍大きく、より典型的には、バックグラウンドよりも10~100倍大きい、特定の生物学的ナノ粒子に結合する。そのような条件下での抗体への特異的結合は、特定の生物学的ナノ粒子、又は特定のバイオマーカー、又は特定の分子(例えば、サイトカイン、ケモカイン、抗体、核酸)に対するその特異性のために選択される抗体を必要とする。例えば、ポリクローナル抗体を選択して、選択された抗原と特異的に免疫反応性であり、かつ他のタンパク質とは免疫反応性でないポリクローナル抗体のみを得ることができる。この選択は、他の分子と交差反応する抗体を取り去ることによって達成され得る。
【0287】
ある実施形態では、検出可能な薬剤は、第1の検出可能な薬剤であり、粒子は、第2の検出可能な薬剤と会合される。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、第1の検出可能な薬剤であり、分子(例えば、サイトカイン又は細胞信号伝達分子)は、第2の検出可能な薬剤と会合される。ある実施形態では、第1の検出可能な薬剤は、第1の放射波長範囲内の第1の放射スペクトルを有し、第2の検出可能な薬剤は、第1の放射波長範囲とは異なる第2の放射波長範囲内の第2の放射スペクトルを有する。ある実施形態では、第1の検出可能な薬剤は、第1の励起波長範囲内の第1の励起スペクトルを有し、第2の検出可能な薬剤は、第2の励起波長範囲内の第2の励起スペクトルを有する。ある実施形態では、第1及び第2の検出可能な薬剤は、類似の、同じ、及び/又は重複する放射スペクトルを有する。ある実施形態では、第1及び第2の検出可能な薬剤は、異なる放射スペクトルを有する。ある実施形態では、第1及び第2の検出可能な薬剤は、類似の、同じ、及び/又は重複する励起スペクトルを有する。ある実施形態では、第1及び第2の検出可能な薬剤は、異なる励起スペクトルを有する。
【0288】
いくつかの実施形態では、検出可能な薬剤は、粒子の表面に付着されるか、検出可能な薬剤は、粒子の表面にあるか、検出可能な薬剤は、粒子の内部にあるか、検出可能な薬剤は、粒子のマトリックス内にあるか、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、検出可能な薬剤は、蛍光性であるか、検出可能な薬剤は、発光性であるか、又はそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、粒子は、複数の検出可能な薬剤と会合される。いくつかの実施形態では、複数の検出可能な薬剤のうちの少なくとも1つは、粒子の表面に付着される。いくつかの実施形態では、複数の検出可能な薬剤のうちの少なくとも1つは、粒子の表面に付着され、複数の検出可能な薬剤のうちの少なくとも1つは、粒子の表面にある。いくつかの実施形態では、複数の検出可能な薬剤のうちの少なくとも1つは、粒子の表面に付着され、複数の検出可能な薬剤のうちの少なくとも1つは、粒子の内部にある。いくつかの実施形態では、複数の検出可能な薬剤のうちの少なくとも1つは、粒子の表面に付着され、複数の検出可能な薬剤のうちの少なくとも1つは、粒子のマトリックス内にある。いくつかの実施形態では、複数の検出可能な薬剤のうちの少なくとも1つは、粒子の表面に付着されるか、複数の検出可能な薬剤のうちの少なくとも1つは、粒子の表面にあるか、複数の検出可能な薬剤のうちの少なくとも1つは、粒子の内部にあるか、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、複数の検出可能な薬剤のうちの検出可能な薬剤は、重複する発光プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、複数の検出可能な薬剤のうちの検出可能な薬剤は、同じ発光プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、発光プロファイルは、同じピーク波長を有する。いくつかの実施形態では、複数の検出可能な薬剤のうちの検出可能な薬剤は、重複する励起プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、複数の検出可能な薬剤のうちの検出可能な薬剤は、同じ励起プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、励起プロファイルは、同じピーク波長を有する。いくつかの実施形態では、複数の検出可能な薬剤のうちの検出可能な薬剤は、同じ検出可能な薬剤を含む。いくつかの実施形態では、複数の検出可能な薬剤のうちの検出可能な薬剤は、2つ以上のタイプの検出可能な薬剤を含む。
【0289】
特定の態様では、複数の検出可能な薬剤のうちの検出可能な薬剤は、異なる発光プロファイルを有する。いくつかの実施形態では、発光プロファイルは、異なるピーク波長を有する。これに関して、検出可能な薬剤は、放射多重化における使用に好適であり、それによって、異なる放射スペクトルが、異なる検出可能な薬剤を検出する際に使用される。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、異なる発光寿命を有する。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、共通の波長で異なる発光強度を有する。
【0290】
ある実施形態では、第1の検出可能なものは、第1の励起波長範囲内の第1の励起スペクトルを有し、第2の検出可能な薬剤は、第1の励起波長範囲とは異なる第2の励起波長範囲内の第2の励起スペクトルを有する。これに関して、検出可能な薬剤は、励起多重化における使用に好適であり、それによって、異なる検出可能な薬剤は、異なる励起波長範囲で励起することによって使用され得る。
【0291】
ある実施形態では、検出可能な薬剤は、異なる波長範囲の光によって励起されるように構成されている。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、第1の波長範囲の第1の励起光によって第1の量だけ励起され、第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲の第2の励起光によって第2の量だけ励起されるように構成されている。これに関して、検出可能な薬剤は、第1の励起光に応答して、第1の強度の放射光を発し、第2の励起光に応答して、第2の強度の放射光を発するように構成されている。第1の放射光と第2の放射光との比を使用して、検出可能な薬剤と会合した粒子を追跡又は別様に識別することができる。
【0292】
いくつかの実施形態では、ピーク波長は、10ナノメートル超だけ、20ナノメートル超だけ、30ナノメートル超だけ、40ナノメートル超だけ、50ナノメートル超だけ、75ナノメートル超だけ、100ナノメートル超だけ、120ナノメートル超だけ、140ナノメートル超だけ、160ナノメートル超だけ、180ナノメートル超だけ、200ナノメートル超だけ、300ナノメートル超だけ、400ナノメートル超だけ、500ナノメートル超だけ、600ナノメートル超だけ、又は700ナノメートル超だけ分離されている。
【0293】
別の態様では、本開示は、流体試料中の粒子を分析するための方法を提供する。ある実施形態では、本方法は、複数の粒子及び/又は分子を含む流体試料を通路を通して流すことと、複数の粒子のうちの1つの粒子又は複数の分子のうちの1つの分子を通路内で照射することと、0.91~0.99未満の範囲内の開口数を有する高NAの空気対物レンズを備える集光システムを用いて、通路から発せられた放射光を集光すること、粒子又は分子に基づいて、通路から発せられた集光された放射光に基づいて放射信号を生成することと、信号に基づいて、粒子又は分子に値を割り当てることと、を含む。
【0294】
いくつかの実施形態では、流体デバイスを採用する検出又は撮像は、0.91以上、0.92以上、0.93以上、0.94以上、0.95以上、0.96以上、0.97以上、又は0.98以上の開口数を有する、集光システムを使用する。好ましい実施形態では、集光システムは、約0.95の開口数を有する空気対物レンズを含む。本明細書で更に考察されるように、高NAの空気対物レンズは、単一分子のフロー検出に好適である。そのような空気対物レンズは、一般に、油浸対物レンズよりも安定しており、走査が容易である。このことは、フローベースの分析及び単一分子のフロー検出などにおいて、集光効率が画質よりも重要である場合に特にそうである。多くの実施形態では、本開示の方法は、検査通路からの放射に基づいて、信号を生成することを含む。そのような信号は、通路内の、又は表面上若しくはマトリックス内に固定化した、粒子又は分子の画像を生成するものなど、従来の画像信号ではないことが多い。むしろ、多くの実施形態では、本開示の方法は、代わりに、通路から発せられた光の存在、不在、又は強度に依存する。これに関して、集光効率及び放射光強度は、本開示の方法にとってより重要である。これは、画像解像度及び光学収差(例えば、球面収差又は色収差)の欠如が、単に集光効率と同程度か又はそれよりも重要であり得る、従来の撮像用途とは対照的である。したがって、本開示の方法には、高NAの空気対物レンズが適切であることが多く、油浸漬対物レンズ又は水浸漬対物レンズは不要であり、不適切であることが多い。
【0295】
ある実施形態では、本方法は、粒子のサイズを判定する方法であり、値、はサイズ値である。ある実施形態では、通路内の粒子をランク付けすることは、検査窓からの放射光の有無に基づいている。ある実施形態では、通路内の粒子をランク付けすることは、検査窓からの放射光の強度に基づいている。ある実施形態では、ランク付けは、第1の放射光及び第2の放射光のうちの1つ以上に基づいて、粒子の測定された放射スペクトルに対応する。ある実施形態では、ランク付けは、粒子の測定されたサイズ値に対応する。ある実施形態では、測定されたサイズ値は、相対サイズ値である。ある実施形態では、測定されたサイズ値は、検出された光強度の差によって測定される。
【0296】
ある実施形態では、粒子又は分子は、検出可能な薬剤と会合される。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、第1の検出可能な薬剤であり、粒子又は分子は、第2の検出可能な薬剤と会合される。ある実施形態では、第1の検出可能な薬剤は、第1の放射波長範囲内の第1の放射スペクトルを有し、第2の検出可能な薬剤は、第1の放射波長範囲とは異なる第2の放射波長範囲内の第2の放射スペクトルを有する。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、蛍光性の検出可能な薬剤である。ある実施形態では、第1の検出可能なものは、第1の発光波長範囲内の第1の放射スペクトルを有し、第2の検出可能な薬剤は、第1の発光波長範囲と共通の、同じ、類似の、及び/又は重複する第2の放射スペクトルを有する。
【0297】
本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、本開示の方法は、例えば、検体のアンプリコン若しくはコピー、又は検体の存在と相関している分子のアンプリコン若しくはコピーを生成するための増幅ステップを含まない。これに関して、ある実施形態では、本開示の方法は、標的検体、又は標的検体の存在と相関している分子の増幅、例えば、標的検体、又は標的検体の存在と相関している分子の核酸増幅又はタンパク質ベースの増幅、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応、酵素的増幅、等温核酸ベースの増幅、ローリングサークル増幅又はELISAのために使用又は必要とされる試薬及び/又は条件の使用を含まない。
【0298】
自己補正されたフローベースの分析
別の態様では、本開示は、自己補正された単一分子/単一粒子フロー分析の方法を提供する。フローストリーム中の単一分子又は粒子から発せられた蛍光の測定は、フロー及び/又はレーザビームのプロファイルによって大きく影響される。したがって、ある実施形態では、蛍光分子の正確な定量化は、流れプロファイルからの信号のデコンボリューションを必要とし、これは、不可能ではないにしても困難であることが多い。観察された信号の複雑な性質及びその解釈は、フローストリーム中の粒子(例えば、細胞外小胞(extracellular vesicle、EV)、リポタンパク質、RNA結合タンパク質、及びウイルス)又は分子(例えば、サイトカイン、抗体、核酸分子、タンパク質、ペプチド、及び細胞信号伝達分子)の分析にとって、いくつかの課題をもたらす。課題としては、i)EV又は他の生物学的ナノ粒子の表現型判定に重要なバイオマーカーの共局在化、ii)粒子の濃度の測定、iii)バイオマーカーのコピー数によって記述されることが多い生物学的不均一性の検査、iv)EV又は他の生物学的ナノ粒子と会合したバイオマーカーのコピー数の判定、及びv)膜色素で染色された小胞又は粒子のサイズなどの物理的特性の特徴付けが挙げられる。
【0299】
これらの課題を克服するために、本開示は、フローストリーム中の単一分子及び粒子を自己補正様式で分析するのに好適な方法を提供する。そのような「自己補正された単一分子/粒子」法を用いて、正確に、1)検査窓内の通路の複数の励起領域又は部分を通って流れる同じ粒子上に発現されたバイオマーカーを共局在化することと、2)単一粒子及び/又は分子を同定及び計数することと、3)各個々の粒子及び/又は分子によってサンプリングされた流量を得ることと、4)したがって、分析された粒子及び/又は分子の濃度を測定することと、が可能である。そのような「自己補正された単一分子/粒子」法を用いて、EV又は他の生物学的ナノ粒子と会合したバイオマーカーのコピー数を正確に判定することもまた可能である。
【0300】
手短に言えば、この方法では、検査窓内の通路の複数の励起領域又は部分は、既知の空間パターンで構成されている。粒子又は分子は、粒子が流れているマイクロ通路の2つの異なる部分で2回測定される。マイクロ流体通路を通る流れは、典型的には、層流であるので、通路の任意の2つの隣接するか又は密接した間隔の励起領域若しくは部分を通って流れる特定の粒子の移動時間は、一般に、通路のこれらの2つの励起領域又は部分間の距離及び粒子の速度に比例する。また、層流の性質、及び通路の励起領域又は部分間の小さい分離距離に起因して、通路の断面内の特定の粒子の位置は、一般に、移動時間中も同じままである。したがって、その粒子は、一般に、通路の断面内の非常に類似した位置で通路の異なる部分に集束された、異なるレーザビームと相互作用する。これらの特性を考慮すると、単一の検体(例えば、蛍光色素によって染色された小胞又は抗体で標識されたバイオナノ粒子)を識別し、抽出された移動時間又は粒子速度を使用して、他の生物学的マーカーを更に共局在化することが可能である。
【0301】
したがって、ある実施形態では、本方法は、通路の内腔を通して粒子を流すことであって、通路は、光が内腔の内外に通過することを可能にするように構成された検査窓を画定する、流すことと、第1の励起光を、第1の光源で、通路又は検査窓の第1の部分内に出力することと、第2の励起光を、第2の光源で、第1の部分とは別個の通路又は検査窓の第2の部分内に出力することと、第1の部分から受光された第1の放射光に基づいて、第1の検出器モジュールで第1の放射信号を生成することと、第2の部分から受光された第2の放射光に基づいて、第2の検出器モジュールで第2の放射信号を生成することと、第1の放射信号と第2の放射信号との間の時差、及び第1の部分と第2の部分との間の距離に基づいて、通路内の粒子の速度を判定することと、を含む。ある実施形態では、本方法は、本開示のシステムのいずれかの使用を含む。本明細書の他の箇所で考察されるように、ある実施形態では、第1の光検出器は、第1の検出器モジュールの一部であり、第2の光検出器は、第2の検出器モジュールの一部である。
【0302】
ある実施形態では、本方法は、時間ビンを使用して、第1及び第2の放射光などの光を検出することを含む。生物学的ナノ粒子特性を判定するための開示された装置及び方法は、短い信号積分時間又は速いビン時間で、迅速に行われ得る。ビン時間を使用して、情報の選別を助けるために、例えば、蛍光の検査の開始-停止時間を査定することができる。時間ビン(本明細書では信号積分時間とも称される)は、事象が起こるか、又は観察されるヒストグラム内の時間範囲を開示することができる。いくつかの実施形態では、生物学的ナノ粒子の検出、測定、及び/又は検査は、時間ビンを使用する。いくつかの実施形態では、時間ビンは、10ms未満、5ms未満、1ms未満、0.5ms未満、0.1ms未満、90μs未満、80μs未満、70μs未満、60μs未満、50μs未満、40μs未満、30μs未満、20μs未満、10μs未満、5μs未満、又は1μs未満の範囲を有する。いくつかの実施形態では、時間ビンは、10ms~0.1ms、5ms~0.1ms、1ms~0.1ms、0.5ms~0.1ms、0.1ms~1μs、90μs~1μs、80ns~1μs、70ns~1μs、60ns~1μs、50ns~1μs、40ns~1μs、30ns~1μs、20ns~1μs、10μs~0.1μs、5μs~0.1μs、又は1μs~0.1μsの値を有する。好ましい実施形態では、時間ビンは、1μs~2msの範囲を有する。
【0303】
ある実施形態では、本方法は、第1の放射信号及び第2の放射信号によって共有される放射信号特性又は粒子特性に基づいて、第1の放射信号及び第2の放射信号を相関させることを含む。ある実施形態では、第1の放射信号及び第2の放射信号を相関させることは、放射信号特性又は粒子特性に基づいている。第1の検出窓、又は通路の第1の部分、又は第1の励起線において検出された信号は、第2の検出窓、又は通路の第2の部分、又は第2の励起線における下流で検出され得る。これに関して、粒子は、通路を通って進むときに追跡され得る。加えて、粒子はまた、様々な異なるバイオマーカーについて調べることができる。ある実施形態では、検出窓は、本明細書で更に考察されるように、通路の一部分、又は励起光の励起線を含む、及び/又はそれによって少なくとも部分的に画定される。
【0304】
ある実施形態では、本方法は、放射信号特性に基づくか、又は粒子特性に基づいて、第1の放射信号及び第2の放射信号を相関させることを含む。ある実施形態では、第1の放射信号及び第2の放射信号を相関させることは、第1の放射信号の強度を第2の放射信号の強度と比較することを含む。ある実施形態では、本方法は、第1の放射信号及び第2の放射信号を相関させることに基づいて、通路を通過する粒子の数を数え上げることを更に含む。ある実施形態では、本方法は、第1の放射信号を第2の放射信号と相関させることに基づいて、標的分子を粒子上で共局在化させることを更に含む。ある実施形態では、本方法は、第1の放射信号を第2の放射信号と相関させることに基づいて、粒子濃度を判定することを更に含む。
【0305】
正確な計数及び共局在化。
本開示の方法は、実際の事象(例えば、細胞外小胞又は生物学的ナノ粒子)の識別において、バックグラウンド変動及び色素の小さい凝集体などの多くの干渉信号を除去又は減少させるので、本方法は、より正確な数の検体(例えば、細胞外小胞又は生物学的ナノ粒子若しくは分子)を得る又は判定するのに好適である。統計的方法(例えば、相互相関関数)によるフローストリーム中の単一分子事象の共局在化は、空間的に近い事象、汚染、バックグラウンドの変動、及び特に層流プロファイルによって誘導される粒子間の線速度の差による干渉から悪影響を受けることが多い。本方法を使用して、これらの干渉を最小限に抑えることが可能であり、したがって、計数及び共局在化の質を改善することが可能である。
【0306】
同じ生物学的ナノ粒子上で発現されたものなどのバイオマーカーの正確な共局在化は、多くの重要な用途(例えば、生物学的ナノ粒子又は分子のサブタイプを識別するための免疫表現型)の基礎である。フローストリーム内で近接した複数の粒子及び/又は分子が、励起領域又は検出窓を通過するとき、粒子/分子は、マイクロ流体フロー環境の層流性及び放物線状の流れプロファイルに起因して、マイクロ流体通路内で広範囲の速度で流れ得るため、異なる検出窓で又は異なる励起領域から観察された信号を、所与の粒子及び/又は分子に正しく割り当てることは困難であり得る。本開示の方法を使用することにより、単一の生物学的ナノ粒子又は分子上のバイオマーカーの正確な共局在化を可能にするために、これらの困難に対処する。
【0307】
流量の正確なサンプリング。
本開示の自己補正された方法は、通路の断面内の異なる位置を通って流れる各粒子の移動時間を提供する。空間的に分離された異なる励起光によって照射された通路又は検出窓の部分間の既知の間隔を用いて、検査された各粒子の線速度を計算し、それに応じて体積流量試料を判定することが可能である。平均線速度を、通路を通る体積流量に変換することが可能である。
【0308】
マイクロ流体ベースの分析において体積流量を知ることは、実験中に分析された試料の体積を判定するためにしばしば必要とされる。したがって、単一粒子/分子の絶対濃度は、検体/分子/ナノ粒子の計数及び分析された体積に基づいて測定することができる。体積流量はまた、試料のスループット及び消費量を評価するための有用なパラメータでもある。重要ではあるが、体積流量の直接測定は、多くの場合、マイクロ流体環境において、特に体積流量が非常に低い場合(例えば、pL~nL/秒)、励起領域によって極小体積の試料が調べられるため、困難である。本開示の方法を使用して、体積流量は、このマイクロ流体環境において流れが層流であるという事実に基づいて、レーザ線又は励起領域を通って流れる各分子及び/又は粒子の移動時間を使用して判定することができる。その結果として、各粒子及び/又は分子の線速度を計算することができ、これらのレーザ線又は励起領域間の距離を知ることができる。測定された平均粒子及び/又は分子速度から、及び通路断面の面積を知ることによって、体積流量を測定することができる。したがって、本開示の方法を使用して、体積流量は、測定された単一粒子及び/又は単一分子の移動時間及び/又は速度を使用することによって判定され得る。
【0309】
濃度の正確な測定。
本方法の場合、所与の時間内に検査された単一の検体の数を正確に判定し、体積流量を知ることによって、分析された試料の体積を(多くの場合、ナノリットルのレベルで)得ることが可能であるため、本方法はまた、検体の濃度を正確に測定するのにも好適である。本開示の方法は、バルク試料から得られたパラメータ(例えば、吸光係数)、及び任意の外部較正曲線に依存することなく、所与の体積中の検体の絶対計数を提供するので、検体濃度のより正確な判定が可能である。
【0310】
検出効率及び回収率の正確な判定。
検出効率は、通路若しくは励起領域、又は検出領域若しくは検出窓を通って流れる検体内の、本開示の方法などによって計数された検体の割合として定義され得る。通路を通って流れる検体と会合した信号の分布が、既知の統計モデル(例えば、フロー分析において一般的に見られる対数正規分布)に従う場合、カットオフ値における累積分布関数(Cumulative distribution function、CDF)を知ることによって、検出効率を定量化することが可能である。
【0311】
回収率、例えば、計数された検体と、所与の体積中にスパイクされるか又は存在する検体の量との比として定義された回収率は、検出効率に加えて、多くの他の要因(例えば、ストック濃度の精度、検体の可能な凝集及び分解、表面吸収など)によって影響される。検体のストック濃度が正確に分かっている場合、それに応じて回収率を判定することも可能である。
【0312】
コピー数の正確な判定
実施例10に関して本明細書で更に考察されるように、本開示の方法は、単一粒子上に存在するバイオマーカーのコピー数を判定するのに好適である。本方法は、試料又は試料のアリコート中に存在する単一分子/粒子の集団全体、又はマイクロ通路を通過するそのような分子/粒子の非常に大きい割合(90%超など)を検出するのに好適であるので、本方法はまた、単一分子強度分布を使用して、単一粒子強度分布をデコンボリューションして、各粒子上の結合抗体の数、したがって対応するタンパク質を正確に判定することもできる。このようなアプローチは、例えば、EVなどの粒子と会合した蛍光標識抗体の数を判定して、単一粒子の分子組成に関する定量的情報を提供するのに有用である。この情報は、粒子のサイズに関する他の情報と併せて、分析された粒子が無傷であるか若しくは断片化されているかどうか、又は分析された粒子が空であり(例えば、核酸を含有し)、機能していないか若しくは生物学的に機能しているかどうかを判定する際に使用され得る。
【0313】
本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、本開示の方法は、例えば、検体のアンプリコン若しくはコピー、又は検体の存在と相関している分子のアンプリコン若しくはコピーを生成するための増幅ステップを含まない。これに関して、ある実施形態では、本開示の方法は、標的検体、又は標的検体の存在と相関している分子の増幅、例えば、標的検体、又は標的検体の存在と相関している分子の核酸増幅又はタンパク質ベースの増幅、例えば、ローリングサークル増幅又はELISAのために使用又は必要とされる試薬及び/又は条件の使用を含まない。
【0314】
自動焦点調節方法
別の態様では、本開示は、システムの光学部品をシステムの通路上に集束させる方法を提供する。細胞外小胞、ウイルス、リポタンパク質、RNA結合タンパク質、又はサイトカインなどの、フロー中の粒子及び分子を、単一分子/粒子のレベルで計数及び測定することは、多くの場合、環境の変化(例えば、熱誘導膨張)及び機器構成の変化(例えば、光学アライメントの微妙なドリフト、及び通路寸法の変動)に非常に敏感である。データを一貫して収集し、フローベースのデバイスの感度を改善するために、本開示は、自動焦点調節方法を提供する。
【0315】
ある実施形態では、マイクロ流体デバイスによって後方反射された特定のレーザ光(例えば、870nm)などの励起光は、図7Aに関して本明細書で更に考察されるファイバ結合された共焦点スキームなどを介して集光される。このような後方反射の大きさは、それが光検出器のダイナミックレンジ内にあることを確実にするために、外部較正され、減光フィルタで減衰される。ある実施形態では、後方反射光の好ましい又は最適な値は、検出通路の正しい集束が達成されたときに判定され、焦点レベルを「ロック」するための基準として設定される(例えば、図7Bを参照されたい)。ある実施形態では、検査窓を含む通路などの、マイクロ流体デバイスの一部分、又は対物レンズは、圧電又はDCモータによって駆動されるステージなどの電動可動ステージに動作可能に結合されている。これに関して、集光システムは、通路の検査窓に対して移動して、検査窓上に集光システムの焦点を合わせるように構成されている。図7Cで詳述されるように、可動ステージは、反射の現在の値を、以前の時点(例えば、200ms前)における値、及び基準値と比較することに基づいて、制御され得る。
【0316】
したがって、ある実施形態では、本開示は、光学部品を通して励起光を流体通路上に集束させる方法を提供する。ある実施形態では、本方法は、図7A及び図7Bに関して本明細書で更に考察されるシステム700を使用することを含む。ある実施形態では、本方法は、流体通路の検査窓又は他の部分を、光源からの光で照射することと、通路と光検出器との間に配設された光学部品を用いて、光を検査窓上に集束させることと、第1の時間で検査窓から後方反射された集束光に基づいて、光検出器でロック信号を生成することと、第1の時間の後の第2の時間で検査窓から後方反射された集束光に基づいて、光検出器でテスト信号を生成することと、テスト信号が、ロック信号の所定の割合内にあるかどうかを判定することと、テスト信号が、ロック信号の所定の割合外にある場合、高NAの空気対物レンズに対して流体通路を移動させることと、を含む。
【0317】
図7C図7F、及び図7Gに示すように、ある実施形態では、所定の割合は、約5%である。ある実施形態では、所定の割合は、約0.5%~約15%の範囲、約1%~約10%の範囲、約2%~約8%の範囲、約2.5%~約7.5%の範囲、約3%~約6%の範囲、又は約3%~約5%の範囲にある。
【0318】
ある実施形態では、本開示は、流体通路に焦点を維持する方法を提供し、本方法は、マイクロ流体システムの撮像領域を、近赤外光源からの光で照明することと、カメラで撮像領域の画像を生成することと、画像のデフォーカス量を判定することと、デフォーカス量が、所定のデフォーカス量内にあるかどうかを判定することと、テスト信号が所定の範囲外である場合、高NAの空気対物レンズに対して流体通路を移動させることと、を含む。ある実施形態では、撮像される構造は、通路に隣接する構造であり、特定の実施形態では、通路とは別個の構造である。ある実施形態では、構造は、撮像領域の他の部分に対して高レベルのコントラストを有する。ある実施形態では、構造は、マイクロ流体システム内の空気充填筐体を画定する。そのような空気充填構造は、例えば、流体充填通路よりも高いコントラストを有し、これに関して、画像を生成し、画像のデフォーカス量を判定するのに好適である。
【0319】
図7Dは、本開示の実施形態による、高NAの空気対物レンズからのいくつかの距離で撮影され、異なるデフォーカス量を有する、通路の一連の画像である。図7Eは、本開示の実施形態による、通路と高NAの空気対物レンズとの間の様々な距離における集束品質の量を、図7Dの画像の位置に留意して、例解する。描かれた実施形態では、焦点面は、NIR撮像及びNA 0.95の空気対物レンズを使用して検出された。
【0320】
示されるように、焦点通路は、狭窄部を含む。図7Eに示すように、狭窄部の集束品質を、リアルタイムで監視した。対物レンズを上に移動させると、焦点面が狭窄通路の底部にあることを示す第1の最大値に達するまで、集束品質が向上した。対物レンズの位置が増加するにつれて、集束品質は低下し、次いで、焦点面が、狭窄通路の上部に設定されたことを示唆する第2の最大値まで上昇する。図7Dの4枚の写真は、高NAの空気対物レンズが、それに応じて4つの位置にあったときのリアルタイム撮像を示す。
【0321】
図7Fは、本開示の実施形態による、焦点面を設定するために使用されるフィードバック制御ループを概略的に例解する。図7Gは、本開示の実施形態による、高NAの空気対物レンズを通した近赤外機械視覚によって支援されたリアルタイム集束を実施するために使用される、別のフィードバック制御ループである。図7F及び図7Gに概略的に例解される集束方法を使用して、通路の集束を達成することができる。
【0322】
ある実施形態では、本方法は、集光システムを用いて、検査から後方反射された集束光を集光することを含み、集光システムは、約0.91~0.99未満の範囲、又は約0.95の開口数を有する空気対物レンズを備える。
【0323】
ある実施形態では、本方法は、集光システムを用いて光を集光することによって、カメラを用いて撮像領域の画像を生成するために光を集光することを含み、集光システムは、約0.91~0.99未満の範囲、又は約0.95の開口数を有する空気対物レンズを備える。
【0324】
ある実施形態では、光は、約700nm~約1.5nmの範囲にある。ある実施形態では、光は、約700nm~約1100nmの範囲にある。ある実施形態では、光は、非可視波長範囲にある。
【0325】
デジタル親和性に基づく検出アッセイ
ある実施形態では、本方法は、デジタル親和性に基づく検出アッセイのための方法である。ある実施形態では、デジタル親和性に基づく検出アッセイは、本開示のシステムのうちの1つ以上を用いて、又は本開示のシステムのうちの1つ以上の上で実施され得る。本明細書で使用される場合、「デジタル親和性アッセイ」は、1つ以上の検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤との特異的な会合を通した、個々の単一分子検体の検出、識別、及び/又は計数を含むアッセイを指す。ある実施形態では、そのようなデジタル親和性アッセイは、デジタルタンパク質アッセイの場合、個々の単一タンパク質検体分子の検出を含み、又はデジタル核酸アッセイの場合、個々の単一核酸分子の検出を含む。例えば、デジタルタンパク質アッセイは、1つ以上の蛍光性の検出可能な薬剤(例えば、蛍光標識抗体)及び/又は捕捉剤との特異的会合(例えば、抗体-抗原結合)を通した、非蛍光タンパク質分子の単一分子検出、識別、及び濃度判定を含み得る。同様に、例えば、デジタル核酸アッセイは、1つ以上の蛍光性の検出可能な薬剤(例えば、蛍光標識核酸プローブ)及び/又は捕捉剤との特異的会合(例えば、核酸ハイブリダイゼーション)を通した、非蛍光核酸分子の単一分子検出、識別、及び濃度判定を含み得る。ある実施形態では、そのようなデジタル親和性アッセイは、増幅を使用しない、個々の単一タンパク質検体分子又は個々の単一核酸分子の検出を含む。
【0326】
ある実施形態では、本方法は、試料中の検体を、検出可能な薬剤と会合させることと、検出可能な薬剤と会合した、かつ、特定の実施形態では、捕捉剤と会合した検体を含む試料を、流路を通して流すことと、検査窓を通した励起光を、流路の一部分を通して出力することと、流路の一部分から受光された放射光に基づいて、光検出器で放射信号を生成することと、を含む。これに関して、本開示の実施形態による方法900Aのブロック図である、図9Aに注目する。
【0327】
ある実施形態では、方法900Aは、検体を会合剤と会合させることを含む、プロセスブロック901Aから始まる。ある実施形態では、会合剤は、タンパク質又はペプチドなどの検体と選択的に会合するように構成された、一次抗体である。ある実施形態では、会合剤は、核酸シーケンスを含む検体と選択的に会合するように構成された、核酸プローブである。ある実施形態では、会合剤は、励起光による照射などを通した励起に応答するなどして、検出可能な信号を生成するように構成されていない。ある実施形態では、プロセスブロック901Aは、任意選択である。
【0328】
ある実施形態では、検体を会合剤と会合させることは、分子認識、抗原-抗体結合、核酸ハイブリダイゼーション、共有結合、非共有結合などを通して、会合剤を検体と会合させるのに十分な条件下及び時間で、会合剤を検体で培養することを含む。
【0329】
ある実施形態では、方法900Aは、プロセスブロック903Aから始まるか、又はプロセスブロック901Aの次は、プロセスブロック903Aであり、これは、検体を検出可能な薬剤と会合させることを含む。本明細書で更に考察されるように、検体を検出可能な薬剤と会合させることは、例えば、検出可能な薬剤によって生成された信号を検出すること、並びに、信号が検出される時間及び/又は位置などに基づいて検体の存在を推測することなどを通して、検体を検出可能にすることができる。
【0330】
ある実施形態では、検体を検出可能な薬剤及び/又は会合剤と会合させることは、分子認識、抗原-抗体結合、核酸ハイブリダイゼーション、共有結合、非共有結合などを通して、検出可能な薬剤及び/又は会合剤を検体と会合させるのに十分な条件下及び時間で、検出可能な薬剤及び/又は会合剤を検体で培養することを含む。
【0331】
ある実施形態では、プロセス901Aの次がプロセスブロック903Aである場合、検体を検出可能な薬剤と会合させることは、検出可能な薬剤を、検体と会合した会合剤と会合させることを含む。そのような実施形態では、会合剤は、例えば、検体と会合するように構成された、一次抗体であり、検出可能な薬剤は、会合剤と会合するように構成された、二次抗体である。
【0332】
ある実施形態では、検体を検出可能な薬剤と会合させることは、検体と検出可能な薬剤との間に配設された中間成分(例えば、検出可能な薬剤が二次抗体である場合の一次抗体)がない場合など、検体を検出可能な薬剤と直接会合させることを含む。この実施形態では、一次抗体は、例えば、蛍光タグ付き抗体であり、したがって、検出可能な薬剤である。
【0333】
ある実施形態では、デジタル親和性アッセイなどのアッセイは、プロセスブロック901A~907Aの会合ステップに関して考察されるものなどの、いくつかの結合事象を含む。ある実施形態では、デジタル親和性アッセイは、単一分子検体に対する1つの親和性結合事象を含む。ある実施形態では、デジタル親和性アッセイは、単一分子検体に対する2つの親和性結合事象を含む。ある実施形態では、デジタル親和性アッセイは、単一分子検体に対する2つより多い親和性結合事象を含む。
【0334】
ある実施形態では、プロセスブロック903Aの次は、プロセスブロック905Aであり、これは、検体を第2の検出可能な薬剤と会合させることを含む。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、第1の検出可能な薬剤であって、第1の検出可能な薬剤の励起時に、第1の波長範囲内の第1の放射光を発するように構成された、第1の検出可能な薬剤であり、方法は、第2の検出可能な薬剤であって、第2の検出可能な薬剤の励起時に、第2の波長範囲内の第2の放射光を発するように構成された第2の検出可能な薬剤を、検体と会合させることを更に含み、第1の放射波長範囲が、第2の放射波長範囲とは別個である。そのようなシナリオでは、検体と会合した第1及び第2の検出可能な薬剤は、検出可能であり、例えば、同時に又は別々に検出可能である。したがって、本開示の方法を通して検体をアッセイして、検体中又は検体上の2つ以上の部位又はシーケンスを検出することができる。例えば、ある実施形態では、第1の検出可能な薬剤は、検体の第1の部位と会合し、第2の検出可能な薬剤は、第1の部位とは別個の検体の第2の部位と会合する。ある実施形態では、アッセイは、デジタルタンパク質アッセイである。ある実施形態では、アッセイは、デジタルサンドイッチアッセイである。この例では、デジタルタンパク質アッセイ(デジタルサンドイッチアッセイなど)の場合、第1の部位は、第1の抗体などの第1の検出可能な薬剤に結合する検体上のエピトープであり、第2の部位は、第2の異なる抗体などの第2の検出可能な薬剤に結合する検体上の異なるエピトープである。この例では、デジタル核酸アッセイの場合、第1の部位は、検体核酸上のシーケンスの第1の部分に相補的な第1のプローブ核酸シーケンスなどの第1の検出可能な薬剤にハイブリダイズする検体核酸のシーケンスの第1の部分であり、第2の部位は、検体核酸上のシーケンスの第2の部分に相補的な第2のプローブ核酸シーケンスなどの、第1の部分とは異なり、第1の検出可能な薬剤にハイブリダイズする検体核酸上のシーケンスの第2の部分である。これらの例の両方では、第1及び第2の抗体又は第1及び第2の核酸プローブは、異なる蛍光色素、又は異なる蛍光バーコード化磁気ビーズ、又はそれらの組み合わせなどの、異なる蛍光エンティティで標識され得る。
【0335】
ある実施形態では、プロセスブロック905Aは、任意選択である。
【0336】
ある実施形態では、プロセスブロック901A、903A、及び/又は905Aの次は、プロセスブロック907Aであり、これは、検体を捕捉剤と会合させることを含む。本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、検体が捕捉剤と会合された場合、かつ捕捉剤が単離手順に供された場合に、捕捉剤は、試料の一部分から検体を単離するように構成されている。本明細書で更に考察されるように、捕捉剤は、磁気ビーズなどのビーズを含むことができる。ある実施形態では、捕捉剤は、検体と特異的に会合するように構成された部位が付着又は別様に会合している表面を含む。
【0337】
ある実施形態では、捕捉剤は、ビーズを含む。ある実施形態では、ビーズは、磁性である。ある実施形態では、ビーズは、蛍光性である。ある実施形態では、ビーズは、スペクトル強度光学バーコードを有する蛍光性である。ある実施形態では、ビーズは、磁性でもあり、蛍光性でもある。ある実施形態では、ビーズは、磁性でもあり、スペクトル強度光学バーコードを有する蛍光性でもある。ある実施形態では、ビーズは、磁気ビーズ捕捉、遠心分離、磁気泳動などを介した磁場の印加を通して、捕捉剤及びそれと会合した検体を試料の一部分から単離するように構成されている。
【0338】
ある実施形態では、捕捉剤は、ビーズを含まないが、そうでなければ、試料の一部分から分離可能である。ある実施形態では、捕捉剤は、本明細書で更に考察されるように、表面に結合されている。そのような実施形態では、検体は、表面に結合された捕捉剤と会合され、次いで、これは、表面から溶出又は別様に開裂され得る。
【0339】
ある実施形態では、捕捉剤は、励起時に捕捉剤放射を発するように構成されている。ある実施形態では、ビーズは、励起光による励起時にビーズ蛍光を発するように構成された、蛍光ビーズである。ある実施形態では、蛍光ビーズは、励起光による励起時にビーズ蛍光を発するように構成された、スペクトル強度バーコード化ビーズ又はナノ粒子である。ある実施形態では、ビーズは、複数の別個の発色団を含み、複数の別個の発色団の各発色団は、調整可能な光学符号化パラメータの所定のセットを含み、それによって、捕捉剤の光学的に検出可能なコードを定義する。ある実施形態では、光学的に検出可能なコードは、捕捉剤の所定の放射スペクトルを含む。ある実施形態では、光学的に検出可能なコードは、捕捉剤の所定の吸収スペクトルを含む。ある実施形態では、光学的に検出可能なコードは、捕捉剤の所定の放射及び吸収スペクトルを含む。
【0340】
ある実施形態では、ビーズは、1マイクロメートル未満の直径を有する。ある実施形態では、ビーズは、1マイクロメートル、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、又は100nm未満の直径を有する。ある実施形態では、ビーズは、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、又は40nm未満の直径を有する。ある実施形態では、ビーズは、1マイクロメートルより大きい直径を有する。ある実施形態では、ビーズは、1~5マイクロメートルの直径を有する。
【0341】
ある実施形態では、捕捉剤と検出可能な薬剤との比は、10:1~1:10、9:1~1:9、8:1~1:8、7:1~1:7、6:1~1:6、5:1~1:5、4:1~1:4、3:1~1:3、2:1~1:2、及び1:1の範囲にある。ある実施形態では、捕捉剤と検出可能な薬剤との比は、約1:1である。
【0342】
ある実施形態では、プロセスブロック907Aは、任意選択である。
【0343】
ある実施形態では、プロセスブロック907Aの次は、プロセスブロック909Aであり、これは、捕捉剤と会合した検体を試料の一部分から単離することを含む。ある実施形態では、捕捉剤は、光学的にバーコード化された磁気ビーズを含み、捕捉剤と会合した検体を試料から単離することは、磁気ビーズを磁石と会合させることと、捕捉剤と会合した検体から、磁石と会合していない試料の一部分を除去して、精製試料を提供することと、を含む。ある実施形態では、捕捉剤は、ビーズを含み、捕捉剤と会合した検体を試料から単離することは、検体と会合した捕捉剤を含む試料を遠心分離して、上清、及び捕捉剤と会合した検体を含む沈殿物を提供することと、上清をデカント又は除去して、精製試料を提供することと、を含む。ある実施形態では、捕捉剤は、ビーズを含み、捕捉剤に結合された検体を試料から単離することは、捕捉剤と会合した検体を含む試料をサイズ排除クロマトグラフィカラムに通して、捕捉剤と会合した検体を含む精製試料を提供することを含む。
【0344】
上記のように、ある実施形態では、捕捉剤は、表面に結合されている。ある実施形態では、表面は、96又は384ウェルプレートなどのウェルプレートの表面である。ある実施形態では、表面は、ビーズの表面である。ある実施形態では、表面は、マイクロ流体通路の表面である。ある実施形態では、捕捉剤と会合した検体を試料の一部分から単離することは、表面に結合された捕捉剤と会合していない試料の一部分を除去することを含む。
【0345】
ある実施形態では、プロセスブロック909Aは、任意選択である。
【0346】
ある実施形態では、プロセスブロック903A、905A、907A、又は909Aの次は、プロセスブロック911Aであり、これは、試料を除去ビーズと接触させることを含む。ある実施形態では、除去ビーズは、検体と会合していない任意の検出可能な薬剤と選択的に会合するように構成されている。ある実施形態では、プロセスブロック911Aは、検体と会合していない検出可能な薬剤と会合した除去ビーズを、試料から除去することを更に含む。本明細書で更に考察されるように、除去ビーズのそのような使用は、例えば、未結合の検出可能な薬剤(すなわち、検体と会合していない検出可能な薬剤)を除去するのに好適であるか、又は別様に除去するように構成されている。そのような未結合又は未会合の検出可能な薬剤は、検査窓の下流で検出されると、望ましくない信号を生成する可能性がある。未結合又は未会合の検出可能な薬剤からの信号は、検体と会合した検出可能な薬剤からの信号の区別を複雑にする可能性があり、未結合又は未会合の検出可能な薬剤を試料から除去することによって、検出可能な薬剤と会合した検体の検出がより容易になる。
【0347】
ある実施形態では、プロセスブロック911Aは、任意選択である。
【0348】
ある実施形態では、プロセスブロック903A、905A、907A、909A、又は911Aの次は、プロセスブロック913Aであり、これは、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことを含む。ある実施形態では、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことは、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路を通して流すことを含む。ある実施形態では、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路を通して流すこと、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を流路を通して流すことは、捕捉及び検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を流路の狭窄部を通して流すことを含む。検体と会合した検出可能な薬剤及び捕捉剤を含む複合体が説明されているが、第1及び第2の検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、第1及び第2の検出可能な薬剤を含む複合体を調製し、流路を通して流すことが理解され、本開示の範囲内にある。更に、第2の検出可能な薬剤が説明されているが、捕捉剤を、第2の検出可能な薬剤で置き換えることができ、2つ以上の検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、2つ以上の検出可能な薬剤を含む複合体を調製し、流路を通して流すことは、本開示の範囲内にあることが理解されよう。
【0349】
ある実施形態では、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことは、プロセスブロック909A又は911Aで調製された精製試料などの精製試料を流路を通して流すことを含む。ある実施形態では、流路は、検査窓を含む、本明細書で更に説明されるデバイス又はシステムの流路である。ある実施形態では、デバイスは、本開示のシステムの1つ以上の部分を含む。これに関して、ある実施形態では、流路は、本開示のシステムの流路である。ある実施形態では、流路は、本明細書の他の箇所で定義及び説明されるような狭窄部を画定する。
【0350】
ある実施形態では、検出可能な薬剤と会合した検体を、流路を通して流すことは、捕捉剤及び検出可能な薬剤と会合した検体を含む複合体を流すことを含む。ある実施形態では、複合体は、結合された検体を有する光学的バーコード化ビーズを含み、これは、検出可能な薬剤に更に結合されている。ある実施形態では、複合体は、検体上のエピトープを介してタンパク質などの検体に結合した捕捉一次抗体を有する、光学的にバーコード化されたビーズであり、検体は、異なる部位又はエピトープを介して、別の蛍光タグ付き一次抗体に更に結合されている。ある実施形態では、複合体は、検体核酸上の第1のシーケンスを介して検体核酸にハイブリダイズされた捕捉核酸シーケンスを有する、光学的にバーコード化されたビーズであり、検体核酸は、第1のシーケンスとは異なる第2のシーケンスを介して、検出可能な薬剤として働く別の蛍光タグ付き核酸プローブに更にハイブリダイズされる。
【0351】
ある実施形態では、試料を流路を通して流すことは、シースフロー集束、音響フロー集束、又はそれらの組み合わせを除外する。
【0352】
ある実施形態では、プロセスブロック913Aの次は、プロセスブロック915Aであり、これは、流路の一部分を通した検査窓を通して励起光を出力することを含む。ある実施形態では、検査窓を通した励起光を、流路の一部分を通して出力することは、流路の内腔の断面を横切って励起を出力することを含む。流路の内腔の断面を横切って励起を出力することは、内腔の断面の一部分のみに励起光を出力することとは別個であり、その結果、粒子又は分子、及びそれと会合した検出可能な薬剤は、励起光によって接触されていることなく内腔を通過することができる。
【0353】
ある実施形態では、プロセスブロック915Aの次はプロセスブロック917Aであるか、又はプロセスブロック915Aはプロセスブロック917Aと同時であり、これは、第2の励起光を、検査窓を通して、流路の第2の部分に出力することを含む。そのような第2の励起光は、例えば、第2の検出可能な薬剤又は捕捉剤を励起するのに好適であり、及び/又はそのように構成されてもよい。ある実施形態では、プロセスブロック917Aは、任意選択である。
【0354】
ある実施形態では、プロセスブロック915A及び/又は917Aの次は、プロセスブロック919Aであり、これは、流路の一部分から受光された検出可能な薬剤の放射光に基づいて、光検出器などを用いて、検出可能な薬剤の放射信号を生成することを含む。ある実施形態では、光検出器は、本開示のシステムに関して本明細書で更に説明される光検出器の例である。ある実施形態では、検出可能な薬剤の放射信号は、検出可能な薬剤から発せられた検出可能な薬剤の放射光に基づいている。
【0355】
上記のように、ある実施形態では、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことは、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路を通して流すことを含む。そのような実施形態では、プロセスブロック919Aは、検出可能な薬剤からの検出可能な薬剤の放射光に基づいて、複数の検出可能な薬剤の放射信号を生成することを含み得る。
【0356】
本明細書で更に考察されるように、検出可能な薬剤の放射信号は、他の信号と組み合わせてなどして、流路内の検体の存在を判定するのに好適である。
【0357】
ある実施形態では、プロセスブロック919Aの次は、捕捉剤放射光に基づいて、捕捉剤放射信号を生成することを含むプロセスブロック921Aである。本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、捕捉剤は、励起時などに光を発するように構成されている。ある実施形態では、捕捉剤放射信号を生成することが、捕捉剤を励起光で照射することと、捕捉剤放射光を光検出器で検出することと、を含む。ある実施形態では、第2の光検出器などを用いて、捕捉剤放射信号を生成することは、検出可能な薬剤の放射光が発せられる部分とは異なる流路の第2の部分から受光された捕捉剤放射光に基づいている。
【0358】
ある実施形態では、捕捉剤は、光学的に符号化されるか、又はそうでなければ、調整可能な光学符号化パラメータを定義する信号を発するように構成されている。本明細書で更に考察されるように、そのような符号化された捕捉剤は、異なる検体と選択的に会合するように構成された異なる符号化された捕捉剤が、試料をアッセイする際に使用される場合など、いくつかの検体を検出するのに好適である。ある実施形態では、捕捉剤は、複数の別個の発色団を含み、複数の別個の発色団の各発色団は、調整可能な光学符号化パラメータの所定のセットを含み、それによって、捕捉剤の光学的に検出可能なコードを定義する。ある実施形態では、光学的に検出可能なコードは、捕捉剤の所定の放射スペクトル、捕捉剤の所定の吸収又は励起スペクトル、又はそれらの組み合わせを含む。
【0359】
上記のように、ある実施形態では、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことは、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路を通して流すことを含む。そのような実施形態では、プロセスブロック921Aは、捕捉剤からの捕捉剤放射光に基づいて、複数の捕捉剤放射信号を生成することを含む。
【0360】
ある実施形態では、方法900は、検体の存在及び/又は同一性を判定するために、検出可能な薬剤の放射光を捕捉剤放射光と相関させるか、又は共局在化させることを含む。ある実施形態では、方法900は、検体の存在及び/又は同一性を判定するために、検出可能な薬剤の放射光を、第2の検出可能な薬剤の放射光と相関させるか、又は共局在化させることを含む。ある実施形態では、方法900は、検体の存在及び/又は同一性を判定するために、検出可能な薬剤の放射光を、捕捉剤放射光及び第2の検出可能な薬剤の放射光と相関させるか、又は共局在化させることを含む。ある実施形態では、方法900は、検体の存在及び/又は同一性を判定するために、2つ以上の検出可能な薬剤の放射光を相関させるか、又は共局在化させることを含む。
【0361】
ある実施形態では、プロセスブロック921Aは、任意選択である。ある実施形態では、プロセスブロック919A及び921Aの次は、プロセスブロック923Aであり、これは、捕捉剤放射信号若しくは第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数、又は捕捉剤放射信号若しくは第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数と、捕捉剤放射信号の数、検出可能な薬剤の放射信号の数、第2の検出可能な薬剤の放射信号の数、又はそれらの組み合わせとの比を定量化することを含む。
【0362】
ある実施形態では、プロセスブロック919A及び921Aの次は、プロセスブロック923Aであり、これは、1つ以上の追加の検出可能な薬剤の放射信号に関連する検出可能な薬剤の放射信号の数、又は1つ以上の追加の検出可能な薬剤の放射信号に関連する検出可能な薬剤の放射信号の数と、個々の検出可能な薬剤の放射信号の数との比、又はそれらの組み合わせを定量化することを含む。本明細書で更に考察されるように、本開示の方法は、流路を通過する単一分子検体に関連する信号を生成するのに好適である。そのような信号を計数し、そのような単一分子検体と関連付けて、所与の期間など、流路を通過する検出可能な薬剤、捕捉剤、第2の検出可能な薬剤、追加の検出可能な薬剤などと会合した検体の数を更に計数することができる。
【0363】
ある実施形態では、プロセスブロック923Aの次は、放射信号と会合した検体の濃度を判定することを含むプロセスブロック925Aである。ある実施形態では、そのような判定は、検出可能な薬剤の放射信号、第2の検出可能な薬剤の放射信号、及び/又は捕捉剤放射信号などの放射信号と会合した検体の数に基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、流路を通って流れる液体の体積に基づいている。
【0364】
ある実施形態では、検体の濃度を決定することは、(検出可能な薬剤の放射信号と会合した捕捉剤放射信号から判定されたものなどの)検出可能な薬剤及び捕捉剤からの両方の放射光と会合した検体、又は(第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号から判定されたものなどの)2つ以上の検出可能な薬剤からの放射光と会合した検体の数に基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、放射光と会合した検体に基づいている。ある実施形態では、プロセスブロック923Aに関して上記で考察されるように、放射光と会合した検体は、捕捉剤放射光及び/又は検出可能な薬剤の放射光と会合した検体を含む。したがって、ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、検出可能な薬剤の放射信号と会合した捕捉剤放射信号の数に基づいている。いくつかの実施形態では、検体の濃度を判定することは、流路を通って流れる液体の体積に基づいている。
【0365】
ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、捕捉剤放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数と、捕捉剤放射信号の数との比に基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、捕捉剤放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数と、検出可能な薬剤の放射信号の数との比に基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、捕捉剤放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数と捕捉剤放射信号の数との比、捕捉剤放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数と検出可能な薬剤の放射信号の数との比、又はそれらの組み合わせに基づいている。これに関して、試料中の検体の濃度を判定することは、検出可能な薬剤の放射光及び捕捉剤放射光、例えば、(検体と会合した場合など)同じ場所に位置するもの(co-co-located)並びに検体と会合していない検出可能な薬剤及び捕捉剤を考慮に入れる。
【0366】
ある実施形態では、放射信号と会合した検体の濃度を判定することは、検出可能な薬剤の放射信号及び捕捉剤放射信号の両方と会合した検体の数と、捕捉剤放射信号であるが検出可能な薬剤の放射信号ではない数、又は検出可能な薬剤の放射信号のみであるが捕捉剤放射信号ではない数、又はそれらの組み合わせとの比に基づいている。ある実施形態では、放射信号と会合した検体の濃度を判定することは、2つ以上の検出可能な薬剤の放射信号と会合した検体の数に基づいている。ある実施形態では、放射信号と会合した検体の濃度を判定することは、2つ以上の検出可能な薬剤の放射信号と会合した検体と、非検体会合放射信号の数との比に基づいている。
【0367】
ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、通路を通る試料の流量に更に基づいている。
【0368】
図9Bは、本開示の実施形態による、方法900Bのブロック図である。ある実施形態では、方法900Bは、本明細書の他の箇所で説明するように、本開示の実施形態によるシステムの1つ以上の構成要素上で、及び/又はそれを用いて実施され得る。ある実施形態では、方法900Bは、デジタルタンパク質又は核酸アッセイなどのデジタル親和性アッセイである。ある実施形態では、方法900Bは、方法900Aの例である。
【0369】
ある実施形態では、方法900Bは、試料中の検体を検出可能な薬剤と会合させることを含む、プロセスブロック901Bから始まる。ある実施形態では、プロセスブロック901Bは、プロセスブロック901Aに類似しており、及び/又はプロセスブロック901Aの例である。具体的にはプロセスブロック901A、及び一般に方法900Aに関して本明細書で更に考察されるように、ある実施形態では、検体は、タンパク質を含むことができ、検出可能な薬剤は、蛍光標識抗体を含むことができ、及び/又は検出可能な薬剤は、核酸を含むことができ、検出可能な薬剤は、蛍光標識核酸プローブを含むことができる。
【0370】
ある実施形態では、プロセスブロック901Bの次は、プロセスブロック903Bであり、これは、検体を捕捉剤と会合させることを含む。ある実施形態では、検体が検体と会合された場合、かつ捕捉剤が単離手順に供された場合に、捕捉剤は、試料の一部分から検体を単離するように構成されている。ある実施形態では、プロセスブロック903Bは、プロセスブロック907Aに類似しており、及び/又はプロセスブロック907Aの例である。
【0371】
ある実施形態では、プロセスブロック903Bの次は、プロセスブロック905Bであり、これは、捕捉剤と会合した検体を試料の一部分から単離することを含む。本開示の検出スキームに関して本明細書で更に考察されるように、そのような単離は、例えば、捕捉剤又は除去ビーズの磁気ビーズを単離するための磁石の使用、遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィなどを含み得る。ある実施形態では、プロセスブロック905Bは、プロセスブロック909Aの例である。
【0372】
ある実施形態では、プロセスブロック901B又はプロセスブロック903B及び905Bの次は、プロセスブロック907Bであり、これは、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことを含む。ある実施形態では、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことは、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路を通して流すことを含む。ある実施形態では、本方法は、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路を通して流すことを含み、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を流路を通して流すことは、捕捉及び検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を流路の狭窄部を通して流すことを含む。ある実施形態では、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことは、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路を通して流すことを含む。ある実施形態では、本方法は、流路を通して検体を流すことは、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路を通して流すことを含み、検出可能な薬剤と会合した検体を、流路を通して流すことは、検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、検出可能な薬剤と会合した検体を、流路の狭窄部を通して流すことを含む。ある実施形態では、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことは、2つ以上の検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路を通して流すことを含む。ある実施形態では、本方法は、流路を通して検体を流すことは、2つ以上の検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路を通して流すことを含み、2つ以上の検出可能な薬剤と会合した検体を流路を通して流すことは、検出可能な薬剤と会合した検体ごとに、検出可能な薬剤と会合した検体を、流路の狭窄部を通して流すことを含む。
【0373】
ある実施形態では、プロセスブロック907Bは、プロセスブロック913Aの例である。
【0374】
ある実施形態では、試料を流路を通して流すことは、本開示の一実施形態によるシステムの流路を通して試料を流すことを含む。ある実施形態では、流路は、本明細書の他の箇所で説明されるような狭窄部を画定する。
【0375】
ある実施形態では、プロセスブロック907Bの次は、プロセスブロック909Bであり、これは、流路の一部分の検査窓を通して励起光を出力することを含む。ある実施形態では、プロセスブロック909Bは、プロセスブロック915Aの例である。ある実施形態では、励起光は、検出可能な薬剤及び/又は捕捉を光学的に励起するように構成されている。
【0376】
ある実施形態では、プロセスブロック909Bの次は、流路の検査窓を通して第2の励起光を出力することを含む、プロセスブロック911Bである。ある実施形態では、第2の励起光は、本明細書の他の箇所で説明するように、捕捉剤及び/又は第2の検出可能な薬剤を励起するように構成されている。ある実施形態では、プロセスブロック911Bは、プロセスブロック917Aの例である。ある実施形態では、プロセスブロック911Aは、任意選択である。
【0377】
ある実施形態では、プロセスブロック909B又は911Bの次は、プロセスブロック913Bであり、これは、流路から受光された検出可能な薬剤の放射光に基づいて、光検出器などを用いて、検出可能な薬剤の放射信号を生成することを含む。ある実施形態では、検出可能な薬剤の放射光は、検出可能な薬剤が、プロセスブロック909Bから励起光を受光することに応答して、生成される。
【0378】
上記のように、ある実施形態では、検出可能な薬剤と会合した検体を含む試料を流路を通して流すことは、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体を含む試料の複数の検体を流路を通して流すことを含む。ある実施形態では、検出可能な薬剤の放射信号を生成することは、検出可能な薬剤からの検出可能な薬剤の放射光に基づいて、複数の検出可能な薬剤の放射信号を生成することを更に含む。
【0379】
ある実施形態では、プロセスブロック911Bは、プロセスブロック919Aの例である。
【0380】
ある実施形態では、プロセスブロック913Bの次は、プロセスブロック915Bであり、これは、流路から受光された捕捉剤放射光に基づいて、捕捉剤放射信号を生成することを含む。ある実施形態では、捕捉剤放射信号を生成することは、捕捉剤からの捕捉剤放射光に基づいて、複数の捕捉剤放射信号を生成することを含むか、又はその一部である。ある実施形態では、プロセスブロック915Bは、プロセスブロック921Aの例である。
【0381】
ある実施形態では、プロセスブロック915Bの次は、プロセスブロック917Bであり、これは、捕捉剤放射信号又は第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数を定量化することを含む。ある実施形態では、プロセスブロック917Bは、捕捉剤放射信号又は第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数と、捕捉剤放射信号の数、検出可能な薬剤の放射信号の数、第2の検出可能な薬剤の放射信号の数、又はそれらの組み合わせとの比を定量化することを含む。ある実施形態では、プロセスブロック917Bは、2つ以上の検出可能な薬剤の放射信号と会合した、検出可能な薬剤の放射信号の数を定量化することを含む。
【0382】
ある実施形態では、プロセスブロック917Bは、プロセスブロック923Aの例である。
【0383】
ある実施形態では、プロセスブロック917Bの次は、プロセスブロック919Bであり、これは、検出可能な薬剤の放射光及び/又は捕捉剤放射光を含む放射光などの放射光と会合した検体の濃度を判定することを含む。ある実施形態では、プロセスブロック919Bは、検出可能な薬剤の放射信号と会合した捕捉剤放射信号の数に基づいて、検体の濃度を判定することを含む。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、流路を通って流れる液体の体積に基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、捕捉剤放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数と、捕捉剤放射信号の数との比に基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、捕捉剤放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数と、検出可能な薬剤の放射信号の数との比に基づいている。ある実施形態では、放射信号と会合した検体及び/又は粒子及び/又は分子の濃度を決定することは、検出可能な薬剤の放射信号及び捕捉剤放射信号の両方と会合した検体の粒子の数と、捕捉剤の放出信号のみと会合するが、検出可能な薬剤の放出信号と会合していない粒子の数、又は検出可能な薬剤の放射信号のみであるが捕捉剤放射信号ではない数、又はそれらの組み合わせとの比に更に基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、捕捉剤放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数を定量化することに基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、第2の検出可能な薬剤の放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数を定量化することに基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、第2及び第3の検出可能な薬剤の放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数を定量化することに基づいている。ある実施形態では、検体の濃度を判定することは、2つ以上の検出可能な薬剤の放射信号と会合した検出可能な薬剤の放射信号の数を定量化することに基づいている。ある実施形態では、プロセスブロック919Bは、プロセスブロック925Aの例である。
【0384】
ここで、図10A図18Cを参照して、本開示の方法の様々な実施形態を説明する。ある実施形態では、図10A図18Cに関して例解及び説明される方法は、それぞれ、図9A及び図9B又はそれらの一部分に関して考察される方法900A及び/又は900Bの例である。
【0385】
図10Aは、本開示の実施形態による、方法の略図である。示されるように、試料内の検体などの検体(例えば、タンパク質)は、検体と選択的に会合するように構成されたビーズ及び抗体を含む捕捉剤と接触する。ある実施形態では、検体及びビーズは、検体及び抗体を会合させるのに十分な時間及び条件下で、一緒に培養される。10Aの方法の特定の実施形態は、実施例4に関して本明細書で更に説明される。
【0386】
蛍光ビーズは、単一分子(例えば、色素タグ付き抗体分子)よりも桁違いに明るくてもよく、単一分子よりもはるかに大きく(例えば、直径1μmのビーズと単一の色素分子との間の質量で約10億倍)、多くの場合、蛍光クロストーク、自己蛍光、及び/又は散乱から有意な背景光を生成する可能性がある。驚くべきことに、本開示の単一分子フローシステム及び方法は、単一ビーズ蛍光/自己蛍光/光散乱の存在下で、結合された複合体中で一緒に流路の検査窓を通って流れたときに、単一分子蛍光を単離及び検出することができる。結果として、本開示の方法に従ってシステムの検査窓を通って流れたときに、ビーズの存在下で、高い感度及び検出効率で単一分子蛍光発光を検出することが可能である。
【0387】
示されるように、捕捉剤は、複数の抗体に結合されたビーズを含む。これに関して、捕捉剤は、検体の濃度及びビーズの数に応じて、1つ又は複数の検体と会合するように構成されている。示されるように、ビーズは蛍光性であり、好ましくは、光学的にバーコード化されており(スペクトル強度バーコード)、任意選択的に、ビーズは磁性である。
【0388】
次いで、検体と会合した捕捉剤を、検出可能な薬剤(ここでは、色素、ポリマードット、又は検出可能な信号を発するように構成された他の構造などの蛍光部位に結合された抗体として示される)と接触する。ある実施形態では、検出可能な薬剤の抗体は、検体と、例えば、捕捉剤と直接結合していない検体の部位と選択的に会合するように構成されている。
【0389】
捕捉剤及び検出可能な薬剤の両方と検体が会合されると、試料は、捕捉剤、検体、及び検出可能な薬剤の複合体から未結合の検出可能な薬剤を除去するなどのために、検体と会合した捕捉剤を試料から単離又は別様に分離する、精製プロセスに供される。
【0390】
試料を精製して、例えば、未結合又は未会合の検出可能な薬剤を除去した後、捕捉剤及び検出可能な薬剤と会合した検体を含む精製試料が、流路を通って流される。例解される実施形態では、流路は、第1の部分を照射する励起光#1(第1の励起光)と、第1の部分とは別個の第2の部分を照射する励起光#2(第2の励起光)と、で照射される。ある実施形態では、検出可能な薬剤は、第1の励起光などの1つの励起光によって励起され、励起時に蛍光を発する。ある実施形態では、捕捉剤は、第2の励起光によって励起され、第2の励起光による励起時に、捕捉剤蛍光を発する。別の実施形態では、検出可能な薬剤及び捕捉剤は、両方とも同じ励起光によって励起されるが、それらは異なるピーク放射波長で発する。
【0391】
上記のように、そのような検出可能な薬剤蛍光及び捕捉剤蛍光を検出して、検出可能な薬剤の放射信号及び捕捉剤放射信号などの放射信号を生成することができる。そのような信号を、単一タンパク質分子又は単一の核酸分子などの単一の検体と相関させることによって、本開示の方法は、例えば、未結合又は未会合の検出可能な薬剤/捕捉剤と、捕捉剤及び検出可能な薬剤の両方と会合した検体を含む複合体を区別するように構成されている。更に、例えば、捕捉剤が、検体の第1の部位と会合するように構成されており、検出可能な薬剤が、第1の部位とは異なる検体の第2の部位と会合するように構成されている場合、本開示の方法は、単一の検体上に2つの異なる部位を同一場所に配置するのに好適である。
【0392】
図10Bは、本開示の実施形態による、方法の略図である。示されるように、本方法は、捕捉剤を検体と会合させることを含み、捕捉剤は、検体と特異的に会合するように構成された抗体に結合された磁気ビーズを含む。例解される実施形態では、ビーズは、磁性である。これに関して、検体を、蛍光標識抗体を含むことが示されている検出可能な薬剤と会合させた後、本方法は、捕捉剤と会合した検体が試料から単離される磁気精製ステップを更に含むように示されている。そのような精製ステップは、未結合又は未会合の検出可能な薬剤(ここでは、蛍光標識抗体)が、捕捉剤及び検出可能な薬剤と会合した検体から除去されることを可能にする。好ましくは、磁気ビーズはまた、流路を通って流れたときに検出され得るように、蛍光性である。任意選択的に、磁気ビーズは、後方散乱光などの励起光による照射時の散乱光で検出され得る。この実施形態では、散乱光の強度は、ビーズのサイズに関連し得、例えば、より大きいビーズは、より小さいビーズよりも多くの散乱光を生成する。
【0393】
図10Bの方法の特定の実施形態は、実施例5に関して本明細書で更に説明される。磁気ビーズは、高レベルの自己蛍光を生成することが知られており、磁気ビーズがまた単一分子よりもはるかに大きい(例えば、直径200nmの磁気ビーズと単一の色素分子との間の質量でほぼ1000万倍である)と仮定すると、単一分子からの背景散乱光よりも桁違いに高い強度の散乱光を生成する。磁気ビーズに関するこれらの既知の潜在的な課題を考えると、驚くべきことに、本開示の単一分子フローシステム及び方法は、結合された複合体中で一緒に流路の検査窓を通って流れたときに、単一の磁気ビーズの存在下で単一分子蛍光を単離及び検出することができることを見出した。その結果として、本開示の方法に従って本開示のシステムの検査窓を通って流れたときに、磁気ビーズの存在下で、高い感度及び検出効率で単一分子蛍光発光を検出することが可能である。
【0394】
示されるように、本方法は、励起光が出力される通路を通して検体を流すことを更に含む。例解される実施形態では、単一の励起光だけが出力され、しかしながら、本方法は、精製ステップを含むので、検出可能な薬剤、及び、いくつかの実施形態では、捕捉剤から発せられた蛍光は、流路を通って流れる検体を区別又は別様に識別するのに十分であり得る。遊離した検出可能な薬剤が除去されているか、又は精製試料中のその濃度が大幅に低下しているので、単一の励起光を使用して、複合検体を検出することができる。加えて、単一の励起光のみによって励起されるが、検出可能な薬剤及び捕捉剤は、異なるピーク放射波長で検出可能な薬剤の放射光及び捕捉剤放射光を発することができ、これらは、それぞれ、複合検体を検出するのに好適な検出可能な薬剤の放射信号及び捕捉剤放射信号を生成するために使用することができる。
【0395】
図10Cは、本開示の実施形態による、方法の略図である。図10Cは、磁気捕捉剤を通した精製及び流路内の単一の励起光を用いた検出に関して、図10Bに例解される方法に類似する方法を例解する。しかしながら、図10Cの方法は、検体を、ここでは、検体と特異的に会合するように構成された一次の非標識抗体として示される会合剤と会合させることを含むように示されている。磁気捕捉剤及び会合剤の両方と会合した検体は、図10Bに関して説明されるように、磁石を用いて、遊離した会合剤から磁気的に単離される。
【0396】
本方法は、検出可能な薬剤、ここでは、会合剤と特異的に会合するように構成された蛍光標識抗体を会合させることを更に含むように示されている。
【0397】
2つの結合又は会合事象を使用することによって、ここでは検体を一次抗体(すなわち、会合剤)と会合させ、次いで、一次抗体を蛍光標識二次抗体(すなわち、検出可能な薬剤)と会合させることによって、検体は、より高い柔軟性及び/又は特異性で標識され得、その検出は、格段に容易に及び/又はより高い信頼性で判定され得る。次いで、検出可能な薬剤-標識検体複合体は、任意の遊離した検出可能な薬剤から更に磁気的に単離され、精製試料は、図10Bに関して説明されるように、励起及び検出のために流路を通して流される。
【0398】
図11は、本開示の実施形態による、方法の略図である。例解される実施形態では、検体は、検体と特異的に会合するように構成されたビーズ及び抗体を含む捕捉剤と会合されるように示されている。本明細書の他の箇所で説明するように、ビーズは、励起時に捕捉剤放射を発するように、蛍光性であり得る。図11の方法の特定の実施形態は、実施例4に関して本明細書で更に説明される。
【0399】
検体を捕捉剤と会合させた後、蛍光標識された検出可能な薬剤と検体を会合させて、捕捉剤及び検出可能な薬剤と会合した検体を含む複合体を提供する。示されるように、本方法は、遊離した検出可能な薬剤が、流路並びに第1及び第2の励起光を通過するように、更なる精製を伴わずに、この複合体を流路を通して流すことを含む。検体は、蛍光ビーズを含み得る検出可能な薬剤及び捕捉剤の両方と会合されるので、遊離した検出可能な薬剤によって生成された蛍光と、検出可能な薬剤及び蛍光捕捉剤と会合した検体を含む複合体によって生成された蛍光を区別することが可能である。流路を通る液体流量と、第1の励起光及び第2の励起光それぞれに応答して生成された蛍光のタイミングと、を使用して、遊離した検出可能な薬剤と、検出可能な薬剤及び蛍光捕捉剤と会合した検体を含む複合体を区別することが可能である。これに関して、特定の実施形態では、遊離した検出可能な薬剤は、第1の励起光及び第2の励起光のうちの1つによる励起時にのみ蛍光を発する一方で、検出可能な薬剤及び蛍光捕捉剤と会合した検体を含む複合体は、第1及び第2の励起光の両方によって励起されたときに蛍光を発する。特定の他の実施形態では、遊離した検出可能な薬剤、並びに検出可能な薬剤及び蛍光捕捉剤と会合した検体を含む複合体は、両方とも、同じ励起光によって励起されたときに蛍光を発するが、異なるピーク放射波長、又は放射スペクトル、又は発光強度、又はそれらの任意の組み合わせなどの、異なる識別可能な蛍光発光特性を有するそれぞれの蛍光を発する。
【0400】
ビーズは、単一分子(例えば、色素タグ付き抗体分子)よりも桁違いに明るくてもよく、単一分子よりもはるかに大きく(例えば、直径1μmのビーズと単一の色素分子との間の質量で約10億倍)、多くの場合、蛍光クロストーク及び/又は自己蛍光及び/又は散乱から有意な背景光を生成する可能性がある。驚くべきことに、本開示の単一分子フローシステム及び方法は、単一ビーズ蛍光及び/又は自己蛍光及び/又は光散乱の存在下で、結合された複合体中で一緒に流路の検査窓を通って流れたときに、単一分子蛍光を単離及び検出するのに好適であるか、又は別様にそのように構成されている。結果として、本開示のシステムの検査窓を通って流れたときに、ビーズの存在下で、高い感度及び検出効率で単一分子蛍光発光を検出することが可能である。
【0401】
更に、ビーズは単一分子よりもはるかに大きく、非常に異なる表面特性を有するので、ビーズは、特に狭窄領域において、単一分子とは非常に異なるやり方で、流路壁と相互作用する可能性があり、したがって、単一ビーズ分子複合体のフロースルー分析における更なる課題を引き起こす可能性がある。驚くべきことに、本開示の単一分子フローシステム及び方法は、高い感度及び検出効率で単一ビーズ分子複合体を検出及び分析することができることを見出した。
【0402】
図12Aは、本開示の実施形態による、方法の略図である。例解される実施形態では、検体は、核酸分子を含むように示されている。本方法は、検体を、蛍光標識に結合された核酸プローブ分子を含む検出可能な薬剤と会合させることを含むように示されている。検出可能な薬剤は、検体核酸分子の第1の部位、ここでは第1の核酸シーケンスと会合して示されている。図12の方法の特定の実施形態は、実施例9に関して本明細書で更に説明される。
【0403】
本方法は、捕捉剤を、検出可能な薬剤と会合した検体と会合させることを更に含むように示されている。示されるように、捕捉剤は、磁気ビーズを含む。例解される実施形態では、磁気ビーズは、符号化された磁気ビーズ(例えば、スペクトル強度バーコード化又は符号化された磁気ビーズ)である。これに関して、符号化された磁気ビーズは、複数の別個の発色団を含み、複数の別個の発色団の各発色団は、調整可能な光学符号化パラメータの所定のセットを含み、それによって、捕捉剤の光学的に検出可能なコードを定義する。ある実施形態では、光学的に検出可能なコードは、捕捉剤の所定の放射スペクトル、捕捉剤の所定の吸収スペクトル、又はそれらの組み合わせを含む。そのような符号化は、異なる捕捉剤、例えば、異なる検体と特異的に会合して、特定の波長で励起されると、特有の異なる蛍光を発するように構成された、異なる捕捉剤を可能にし、これに関して、それらが会合している異なる検体を示す信号を提供する。例えば、第1の検体と会合するように構成された第1の捕捉剤は、第2の検体と会合するように構成されている第2の捕捉剤の第2の光学的に検出可能なコードとは異なる第1の光学的に検出可能なコードを定義する調整可能な光学符号化パラメータを有し得る。これに関して、第1及び第2の光学的に検出可能なコードは、試料又は精製試料を流路を通して流すときに第1の検体を第2の検体から分離することなどが必要なしに、第1の検体と会合した第1の捕捉剤と、第2の検体と会合した第2の捕捉剤と、を検出するために使用することができる。換言すれば、そのような符号化された捕捉剤は、捕捉剤放射光の強度の比を、捕捉剤の同一性及び捕捉剤と会合した検体の同一性と関連付けることを可能にする。
【0404】
本方法は、検体核酸分子、検出可能な薬剤、及び捕捉剤を含む複合体を試料から単離して、精製試料を提供することを含むように示されている。次いで、精製試料は、図10Aに関して本明細書で更に考察されるように、流路を通して流され、第1及び第2の励起光によって励起される。
【0405】
図12Bは、本開示の実施形態による、方法の略図である。例解される実施形態では、検体は、核酸分子を含むように示されている。本方法は、検体を、蛍光標識に結合された核酸プローブ分子を含む検出可能な薬剤と会合させることを含むように示されている。検出可能な薬剤は、検体核酸分子の第1の部位、ここでは第1の核酸シーケンスと会合して示されている。
【0406】
本方法は、検出可能な薬剤と会合した検体を捕捉剤と会合させることを更に含むように示されている。示されるように、捕捉剤は、第2の核酸プローブシーケンスに結合された磁気ビーズを含む。例解される実施形態では、捕捉剤は、検体核酸分子の第2の部位と会合して、検体、検出可能な薬剤、及び捕捉を含む複合体を提供するように示されている。
【0407】
示されるように、本方法は、試料から複合体を磁気的に単離し、それによって、検体と会合していない検出可能な薬剤を含んでいないか、又は低下した濃度を有する、精製試料を提供することを含む。複合体を含むそのような精製試料は、図10Bに関して本明細書で更に説明されるように、流路を通して流され、単一の励起光を使用して検出される。
【0408】
図13は、本開示の実施形態による、方法の略図である。示されるように、本方法は、検体を、第1の検出可能な薬剤及び第2の検出可能な薬剤と会合させることを含む。図13の方法の特定の実施形態は、実施例1及び2に関して本明細書で更に説明される。
【0409】
ある実施形態では、検出可能な薬剤は、第1の検出可能な薬剤の励起時に、第1の波長範囲内の第1の放射光を発するように構成された、第1の検出可能な薬剤である。更なる実施形態では、第2の検出可能な薬剤は、第2の検出可能な薬剤の励起時に、第2の波長範囲内の第2の放射光を発するように構成されている。ある実施形態では、第1の放射波長範囲は、第2の波長範囲とは別個である。示されるように、第1の検出可能な薬剤は、検体の第1の部位と会合し、第2の検出可能な薬剤は、第1の部位とは別個の検体の第2の部位と会合する。例解される実施形態では、第1及び第2の検出可能な薬剤は、蛍光標識抗体であり、しかしながら、第1及び第2の検出可能な薬剤は、例えば、核酸標的分子の異なる核酸シーケンスと結合するように構成された、第1及び第2の蛍光標識核酸プローブ分子を含み得ることが理解されよう。
【0410】
例解される実施形態では、本方法は、第1及び第2の検出可能な薬剤と会合した検体を、未結合又は未会合の第1及び第2の検出可能な薬剤とともに、流路を通して流すことを含む。流路は、第1及び第2の励起光、例えば、第1の検出可能な薬剤を励起するように構成された、第1の励起光と、第2の検出可能な薬剤を励起するように構成された、第2の励起光と、によって照射されて示されている。流路を通る流体流量が既知である場合、第1の検出可能な薬剤及び第2の検出可能な薬剤からの蛍光に基づく信号、第1の検出可能な薬剤及び第2の検出可能な薬剤は、単一の検体粒子又は分子上に同一場所に配置し得る。これに関して、図13の方法は、検体と会合した検出可能な薬剤と、検体と会合していない検出可能な薬剤との両方からの信号を区別するために使用することができるので、精製を必要としない。言い換えれば、未会合の検出可能な薬剤は、流路を通って流れる場合、第1の励起光又は第2の励起光の一方のみに応答して、蛍光を発する一方で、第1及び第2の検出可能な薬剤と会合した検体を含む複合体は、第1及び第2の励起光の両方に応答して、蛍光を発する。
【0411】
図14は、本開示の実施形態による、方法の略図である。図14の方法は、図13と同様に、検体を、第1の検出可能な薬剤及び第2の検出可能な薬剤で標識化することを例解する。本方法は、試料中の検体(例えば、タンパク質又は核酸分子)を、検出可能な薬剤と会合させた後、試料を、検体と会合していない任意の検出可能な薬剤と選択的に会合するように構成された除去ビーズと接触させることと、検体と会合していない検出可能な薬剤と会合した除去ビーズを、試料から除去することと、を更に含むように示されている。例解される実施形態では、除去ビーズは、磁性であり、除去ビーズを磁気泳動(magnetophoresce)させるか又は別様に除去ビーズを磁石と会合させるように構成された磁石で標識された抗体を含む試料から分離され、除去ビーズを標識試料から除去し得る。
【0412】
図14の方法の特定の実施形態は、実施例3に関して本明細書で更に説明される。
【0413】
図14の方法は、未結合又は未会合の検出可能な薬剤を除去することを必要としないが、そのような検出可能な薬剤を試料から除去することは、未結合又は未会合の検出可能な薬剤から生成される信号を減少させることができ、それによって、方法によって生成される信号が、標識検体と会合しているという信頼性を増加させる。
【0414】
デジタル二重親和性タンパク質アッセイは、サンドイッチ免疫アッセイの例である。一般に、サンドイッチ免疫アッセイは、一般的に使用されるELISA(enzyme-linked immuno-sorbent assay、酵素結合免疫吸着アッセイ)形式で行われるように、固体平面上への捕捉試薬(例えば、捕捉抗体)の固定化を伴うが、これは、従来のサンドイッチ免疫アッセイ形式における固体表面への捕捉剤の固定化が、既知の重要な利益を提供し得るためである。驚くべきことに、本開示の単一分子のフロー分析システム及び方法を使用することによって実施されるデジタルサンドイッチ免疫アッセイは、高感度で正確なデジタルサンドイッチ免疫アッセイを達成するために、捕捉試薬(例えば、捕捉抗体)の平面固体表面への固定化を必要としないことを見出した。例えば、従来のELISAでは、任意の残留する未結合の検出可能な薬剤/抗体(すなわち、検体に結合していない)は、後続の増幅反応に関与する可能性があり、したがって、高レベルのバックグラウンド干渉信号又は偽陽性さえも引き起こす可能性がある。
【0415】
対照的に、本開示の単一分子のフロー分析システム及び方法では、後続の増幅ステップがなく、残留する未結合の検出可能な薬剤は、検出可能な薬剤及び捕捉剤と会合した検体とは、又は検出可能な薬剤と会合した検体(例えば、第1及び第2の検出可能な薬剤に会合した検体)とは、容易に区別することができる。したがって、ある実施形態では、本開示のシステム及び方法は、増幅のための構造、試薬、及び/又はステップを含まない。本明細書で使用される場合、増幅は、検体(例えば、アンプリコン)の存在に基づいて分子の数を増加させるための、PCR、等温増幅、酵素的増幅、(ローリングサークル増幅などの)DNA又はRNAベースの増幅プロセスなどを通した分子の生成を指し得る。
【0416】
図15は、本開示の実施形態による、方法の略図である。図15の方法の特定の実施形態は、実施例7に関して本明細書で更に説明される。示されるように、検体は、核酸分子である。例解される実施形態では、本方法は、検体核酸分子を、第1及び第2の検出可能な薬剤と会合させることを含む。ここで、第1の検出可能な薬剤は、蛍光核酸プローブであり、蛍光核酸プローブは、蛍光エミッタと会合したプローブ核酸鎖を含む。ある実施形態では、第1の検出可能な薬剤は、第1の検出可能な薬剤の励起時に、第1の波長範囲内の第1の放射光を発するように構成されている。ある実施形態では、第2の検出可能な薬剤は、第2の検出可能な薬剤の励起時に、第2の波長範囲内の第2の放射光を発するように構成されている。
【0417】
ある実施形態では、第1の放射波長範囲は、第2の波長範囲とは別個である。
【0418】
示されるように、第1の検出可能な薬剤は、核酸の第1の部位と会合し、第2の検出可能な薬剤は、第1の部位とは別個の核酸の第2の部位と会合する。本明細書で更に考察されるように、第1及び第2の検出可能な薬剤を検体と会合させることによって、検体のそのような第1及び第2の部位は、例えば、第1及び第2の検出可能な薬剤と会合した検体を流路を通して流し、第1及び第2の検出可能な薬剤によって発せられた蛍光を検出することによって、検体上に同一場所に配置されていると判定され得る。
【0419】
示されるように、本方法は、第1及び第2の検出可能な薬剤と会合した検体、及び未結合又は未会合の第1及び第2の検出可能な薬剤を、流路を通して流すことを含む。第1及び第2の励起光で流路を励起することによって、本方法は、本明細書の他の箇所で考察されるように、一方では、検体、第1の検出可能な薬剤、及び第2の検出可能な薬剤を含む複合体と、他方では、遊離した第1及び/又は第2の検出可能な薬剤を区別することができる。いくつかの実施形態では、流路は、単一の励起光によって励起され、本方法は、本明細書の他の箇所で考察されるように、放射波長範囲の差に基づいて、一方では、検体、第1の検出可能な薬剤、及び第2の検出可能な薬剤を含む複合体と、他方では、遊離した第1及び/又は第2の検出可能な薬剤を区別することができる。
【0420】
デジタルタンパク質アッセイと比較すると、デジタル核酸アッセイは、更なる潜在的な問題をもたらし、なぜなら、核酸分子は、タンパク質分子とは非常に異なるやり方で挙動し得る(例えば、異なる電荷、立体構造、サイズ、柔軟性など)ため、特に流路の狭窄領域において、タンパク質分子とは非常に異なるやり方で、流路壁と相互作用する可能性がある(例えば、通路を通るそれぞれの移動時間に影響を及ぼし得る通路壁との分子の相互作用)からである。驚くべきことに、本開示の単一分子フローシステム及び方法は、デジタルサンドイッチ免疫アッセイなどのデジタルタンパク質アッセイと同様に、デジタル核酸アッセイを実施するのに好適であるか、又は別様にそのように構成されている。
【0421】
図16Aは、本開示の実施形態による、方法の略図である。図16Aの方法の特定の実施形態は、実施例11に関して本明細書で更に説明される。示されるように、検体は、核酸分子を含む。例解される実施形態では、本方法は、検体核酸分子を、検体核酸分子と相補的な相補的核酸分子と、蛍光標識と、を含む検出可能な薬剤と会合させることを含む。本方法はまた、検体核酸分子を、相補的核酸分子を含む検出可能な薬剤と会合させた後などに、検体核酸分子を挿入色素と会合させることも含むように示されている。ある実施形態では、挿入核酸色素は、検出可能な薬剤の蛍光標識から発せられる蛍光(すなわち、検出可能な薬剤の放射光)とは異なる、挿入薬剤蛍光などの挿入薬剤放射光を発するように構成されている。ある実施形態では、挿入色素は、二本鎖の核酸分子と会合するか又は二本鎖の核酸分子に挿入するように構成されているので、ある実施形態では、挿入色素の蛍光は、検体核酸分子が検出可能な薬剤とハイブリダイズされることを確認するのに好適である。そのような会合の確認は、光検出器によって生成される信号(例えば、検出可能な薬剤の放射信号)が、遊離した検出可能な薬剤ではなく、検体及び検出可能な薬剤を含む複合体によって生成されることを実証するように更に構成され得る。これに関して、本方法は、複合体及び遊離した検出可能な薬剤を流路を通して流すことを含むように示されている。示されるように、流路は、第1及び第2の励起光、例えば、検出可能な薬剤を励起するように構成された、第1の励起光と、挿入薬剤を励起するように構成された、第2の励起光と、によって照射される。
【0422】
図16Bは、本開示の実施形態による、方法の略図である。図16Bの方法の特定の実施形態は、実施例10に関して本明細書で更に説明される。例解される実施形態では、検体は、図16Aに関して例解されかつ考察されるように、検体核酸分子に相補的な核酸プローブを含み、検体核酸分子を挿入色素と会合させる、検出可能な薬剤と会合される。図16Aとは異なり、図16Bは、1つの励起光のみで流路を照射することを示す。ある実施形態では、励起光は、検出可能な薬剤及び挿入色素の両方を励起するように構成されている。ある実施形態では、検出可能な薬剤及び挿入色素からの蛍光は、異なる放射波長範囲を有するので、本開示のシステムの検出器などで別々に検出され得る。
【0423】
図17は、本開示の実施形態による、方法の略図である。例解される実施形態では、検体は、図16Aに関して例解されかつ考察されるように、検体核酸分子に相補的な核酸プローブを含み、検体核酸分子を挿入色素と会合させる、検出可能な薬剤と会合される。本方法は、未結合の検出可能な薬剤が除去され得るように、未結合の検出可能な薬剤(検体核酸分子と会合していない検出可能な薬剤)を磁気捕捉剤と会合させることを更に含むように示されている。例解される実施形態では、本方法は、本明細書で更に考察されるように、単一の起光による検出のために、検出可能な薬剤と会合した検体を含む複合体を含む精製試料を流路を通して流すことを更に含む。
【0424】
図18Aは、本開示の実施形態による、方法の略図である。例解される実施形態では、本方法は、図10Bに関して本明細書で更に考察されるように、検体を、磁気捕捉剤及び検出可能な薬剤と会合させることを含む。図10Bに関しても考察されたように、捕捉剤及び検出可能な薬剤と会合した検体を含む複合体は、磁気泳動、又は磁気ビーズと磁石との会合を通して精製される。単離後、遊離した検出可能な薬剤は、例えば、溶液をデカント若しくはピペッティングすることなどを通して除去されるか、又は別様に遊離した検出可能な薬剤を複合体から分離して、精製試料を提供する。
【0425】
その後、精製試料は、検体、検出可能な薬剤、及び捕捉抗体を含む複合体をビーズから放出するように構成された、溶出緩衝液と接触する。例解される実施形態では、溶出緩衝液は、磁気ビーズに結合された抗体を磁気ビーズから放出する。これに関して、溶出緩衝液は、磁気ビーズに前もって結合された検出可能な薬剤及び抗体と会合した検体を放出し、これは、次いで、本明細書の他の箇所で説明するように、検出のために流路を通して流される。
【0426】
図18Bは、本開示の実施形態による、方法の略図である。例解される方法では、検体は、図10Cに関して本明細書で更に考察されるように、会合剤、検出可能な薬剤、及び磁気捕捉剤で標識化及び精製される。図18Aに関して考察されるように、本方法は、溶出緩衝液を用いて、ビーズから検体-抗体複合体を溶出することを含む。会合剤及び検出可能な薬剤と複合体化された溶出された検体は、本明細書の他の箇所で考察されるように、検出のために流路を通して流される。
【0427】
図18Cは、本開示の実施形態による、方法の略図である。示されるように、本方法は、検体を、表面(例えば、ウェルプレートの表面)に結合された捕捉剤と会合させることを含む。例解される実施形態では、本方法は、検出可能な薬剤を表面上に流すことなどによって、捕捉剤と会合した検体を、検出可能な薬剤と接触させることを含む。本方法は、表面を溶出緩衝液と接触させて、検出可能な薬剤と会合した検体を表面から溶出させることを更に含むように示されている。次いで、溶出され標識化された検体は、本明細書の他の箇所で説明するように、流路を通して流され、励起され、検出される。
【0428】
プロセスブロック若しくは方法ステップの一部又は全部が各プロセスに現れる順序は、限定的であるとみなされるべきではない。むしろ、本開示の利益を有する当業者は、プロセスブロックのうちのいくつかは、例解されていない様々な順序で、又は並行してでも実行され得ることを理解するであろう。
【0429】
上記で説明された特定のプロセスは、コンピュータのソフトウェア及びハードウェアの観点から説明される。説明される技法は、機械によって実行されると、説明される動作を機械に実施させる有形又は非一時的機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体内に具現化された機械実行可能命令を構成し得る。加えて、プロセスは、特定用途向け集積回路(「application specific integrated circuit、ASIC」)などのハードウェア内に具現化され得るか、又はその他であり得る。
【0430】
有形機械可読記憶媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワークデバイス、携帯情報端末、製造ツール、1つ以上のプロセッサのセットを有する任意のデバイスなど)によってアクセス可能な非一時的形態で情報を提供する(すなわち、記憶する)任意の機構を含む。例えば、機械可読記憶媒体は、記録可能/記録不可能媒体(例えば、読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)を含む。
【0431】
要約に記載されているものを含む、本発明の例解される実施形態の上記の説明は、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。本発明の具体的な実施形態及び実施例は、例解的目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識するように、本発明の範囲内で様々な修正が可能である。
【0432】
これらの変更は、上記の詳細な説明に照らして本発明に対して行われ得る。以下の特許請求の範囲で使用される用語は、本明細書に開示される具体的な実施形態に本発明を限定するように解釈されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、請求項解釈の確立された原則に従って解釈されるべき、以下の特許請求の範囲によって完全に判定されるべきである。
【実施例
【0433】
実施例1.デジタル二重親和性アッセイ
この実施例は、流れ中の検体分子のデジタル検出及び計数並びに濃度判定を可能にする、実験方法及び装置を説明する。
【0434】
低濃度での関心対象の分子(すなわち、検体)の正確な検出及び定量化は、多くの用途(例えば、臨床診断)にとって基本的に重要である。多くの検体の超低濃度のため、従来の方法は、多くの場合、1)検体分子の富化、2)干渉を除去するための検体分子の精製、及び/又は3)読み出し信号の増幅(例えば、核酸の増幅)を必要とする。加えて、検体の濃度を定量的に測定するために、内部又は外部標準試料を使用する適切な較正方法が、しばしば必要とされる。この実施例は、2つの結合剤(すなわち、捕捉剤及び検出可能な薬剤又は2つの異なる検出可能な薬剤)によって挟まれた検体分子の存在及び濃度が、較正方法なしで、直接検出及び判定され得ることを実証する。
【0435】
この実施例では、非蛍光ストレプトアビジンを、モデル検体として使用し、フィコエリトリン(Phycoerythrin、PE)と共役した抗ストレプトアビジン抗体を、モデル捕捉剤(又は、第2の検出可能な薬剤)として使用し、ビオチン-Alexa647を、検出可能な薬剤として使用した。手短に言えば、1uLの2nMのストレプトアビジンを、最初に過量(1uLの10nM)の抗ストレプトアビジン-PE抗体と、997ulのPBS緩衝液中で30分間混合し、検体分子を、対応する抗体によって捕捉又は結合させた。次いで、この混合物を、過量(例えば、1μlの10nM)のビオチン-Alexa647と15分間培養し、捕捉された検体分子は、最大4つの検出可能な薬剤と結合することができた。培養後、この試料を、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラスで作製されたマイクロ流体通路(2×2×125μmの狭窄部)と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は外部真空若しくは正圧によって駆動された。それぞれ、585/30nm及び690/50nmの発光フィルタを有する2つの励起レーザビーム(561nm、5mW及び637nm、25mW)を使用して、捕捉剤及び検出可能な薬剤からの蛍光を測定した。
【0436】
各検体は、捕捉剤及び検出可能な薬剤の両方の存在によって同時に認識されたので、(PE及びAlexa647からの)2色蛍光が共局在化した、対応する事象があった。図23Aは、800msにおける5つのそのような共局在化事象を示し、5つの対応するストレプトアビジン分子が、この期間中に検出窓を通って流れたことを示す。この図において、他の通路からの蛍光信号と共局在化することができなかったピークは、未結合の捕捉剤又は検出可能な薬剤であった。二次元散布図(図23B)は、1分間に列挙された372個の共局在化事象があったことを示す。流量はまた、内部標準(例えば、同じ試料にスパイクされた蛍光ビーズ)を使用して判定することができ、したがって、検体分子の濃度を直接計算することができる。
【0437】
この実施例は、単一分子フロープラットフォーム上で実施されたデジタル二重親和性アッセイが、非蛍光検体分子の直接計数を可能にし、この場合、信号の富化、精製、及び/又は較正を伴わないことを明確に実証する。
【0438】
実施例2.デジタルサンドイッチ免疫アッセイ
この実施例は、デジタルサンドイッチ免疫アッセイに基づいて、流れ中の非蛍光検体分子のデジタル検出及び計数を可能にする、実験方法及び装置を説明する。
【0439】
抗体(及びアプタマー並びに特異的分子認識及び結合ができる他の抗体様分子などの他の特異的分子結合剤)と抗原との相互作用は、免疫認識及び免疫アッセイの基礎であり、高い特異性及び親和性のため、関心対象の分子(すなわち、検体)を検出するために広く使用されている。これらの方法では、検体分子は、2つの抗体と結合し、それぞれ、一方は、捕捉剤(又は、第2の検出可能な薬剤)として機能し、他方は、検出可能な薬剤として機能する。成功しているが、これらのサンドイッチ免疫アッセイは、典型的には、読み出し信号の増幅(例えば、ELISA)、及び/又は外部標準を使用する、得られた信号の較正(読み出し方法がアナログである場合)を必要とする。この実施例は、サンドイッチ免疫アッセイが、上記の面倒なプロセスを利用することなく、本明細書に記載される方法及びシステムを使用して、非常に簡略化され得ることを実証する。
【0440】
この実施例では、マウス抗ウサギIgGは、モデル非蛍光検体であり、Alexa647と共役したウサギIgGは、モデル捕捉剤(又は、第2の検出可能な薬剤)であり、PEと共役したヤギ抗マウスIgGは、モデル検出可能な薬剤であった。手短に言えば、1uLの2nMのマウス抗ウサギIgGを、最初に過量(1uLの10nM)のウサギIgG-Alexa647と、997ulの(BSAを有する)PBS緩衝液中で30分間混合し、検体分子を、対応する抗体によって捕捉又は結合させた。次いで、この混合物を、過量(例えば、1μlの10nM)のヤギ抗マウスIgG-PEと更に30分間培養し、捕捉された検体分子は、検出可能な薬剤と結合することができるようにした。この実施例では、2回の培養を連続して行ったが、それらは、同じ反応体積で並行して一緒に実施され得る。培養後、この試料を、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラスで作製されたマイクロ流体通路(2×2×125μm)と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は外部真空若しくは正圧によって駆動された。それぞれ、585/30nm及び690/50nmの発光フィルタを有する2つの励起レーザビーム(561nm、5mW及び637nm、25mW)を使用して、捕捉剤(又は、第2の検出可能な薬剤)及び検出可能な薬剤からの蛍光を測定した。
【0441】
捕捉剤(又は、第2の検出可能な薬剤)及び検出可能な薬剤によって挟まれた検体は、2つの励起レーザビームを通って流れるとき、2つの対応する抗体に付着した2つの蛍光体(すなわち、Alexa647及びPE)からの共局在化蛍光を示した。図24Aに示すように、これらの共局在化事象の各々は、デジタルサンドイッチ免疫アッセイによって報告されるように、試料中の検体の存在を示した。他の通路からの共局在化信号を欠いた蛍光信号は、未結合の捕捉剤(又は、未結合の第2の検出可能な薬剤)又は検出可能な薬剤を表した。データ取得後、765個の2色共局在化蛍光事象を、散布図(図24B)に要約し列挙して、検体の濃度を報告する。
【0442】
この実施例は、適切な実験的設計と組み合わされた、単一分子フロープラットフォーム上で実施されるデジタルサンドイッチ免疫アッセイが、信号の増幅及び/又は較正なしで、2つの抗体(又は、アプタマー若しくはペプチド抗体などの任意の抗体様特異的分子結合剤)に挟まれた非蛍光検体分子の計数を可能にすることを実証する。
【0443】
実施例3.精製を伴うデジタルサンドイッチ免疫アッセイ
この実施例は、後に適切な精製方法が続くサンドイッチ免疫アッセイに基づいて、流れ中の検体分子のデジタル検出及び計数並びに濃度判定を可能にする、実験方法及び装置を説明する。これらの線に沿った一般化された検出及び精製スキームは、図14に例解され、図14に関して記載される。
【0444】
実施例2に記載されるように、単一分子フローアナライザ上で実施される成功したデジタルサンドイッチ免疫アッセイは、以下の2つの要因に依存する:1)検体と2つの抗体との間の結合は、強くて特異的であり、2)未結合の結合抗体の濃度は、ポアソン統計によって支配されるように、ランダムに共局在化された事象を生成するほど高すぎない。実施例2は、適切に設計された場合、未結合の捕捉剤及び検出可能な薬剤を除去することなく、デジタルサンドイッチ免疫アッセイをうまく実施することができることを実証したが、そのような精製ステップを加えることは有益であり得、これらのアッセイの効率及び性能を改善し得る。
【0445】
この実施例では、マウス抗ウサギIgGは、モデル検体であり、Alexa647(蛍光色素)と共役したウサギ抗ヒトIgGは、モデル捕捉剤(又は、第2の検出可能な薬剤)であり、PEと共役したヤギ抗マウスIgGは、モデル検出可能な薬剤であった。手短に言えば、IuLの2nMのマウス抗ウサギIgGを、最初に過量(1uLの5nM)のウサギ抗ヒトIgG-Alexa647と、997ulの(BSAを有する)PBS緩衝液中で30分間混合し、検体分子を、それらの対応する抗体によって捕捉又は結合させた。次いで、この混合物を、過量(例えば、1μlの10nM)のヤギ抗マウスIgG-PEと更に30分間培養し、捕捉された検体分子は、検出可能な薬剤と結合することができるようにした。この実施例では、2回の培養を連続して行ったが、それらは、同じ反応体積で同時に一緒に実施され得る。次に、マウスIgGが固定化された5ulの10nMの200nm磁気ビーズを、試料と30分間培養し、未結合の検出可能な薬剤(すなわち、ヤギ抗マウスIgG-PE)を磁気ビーズと会合され、その後除去された。適切な磁場を印加して、磁気ビーズを磁石で富化又は会合させ、及び/又は磁気ビーズを除去し、捕捉剤及び検出可能な薬剤によって挟まれた検体、並びに未結合の捕捉物質が溶液中に残った。この試料を、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラスで作製されたマイクロ流体通路(2×2×125μmの狭窄部)と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は外部真空によって若しくは正圧によって駆動された。それぞれ、585/30nm及び690/50nmの発光フィルタを有する2つの励起レーザビーム(561nm、5mW及び637nm、25mW)を使用して、捕捉剤(又は、第2の検出可能な薬剤)及び検出可能な薬剤からの蛍光を測定した。
【0446】
捕捉剤及び検出可能な薬剤によって挟まれた検体は、2つの励起レーザビームを通って流れたとき、2つの蛍光体(すなわち、Alexa647及びPE)からの共局在化蛍光を示した。図25Aに示すように、これらの共局在化事象の各々は、試料中の非蛍光検体の存在を示した。未結合の検出可能な薬剤は、磁気ビーズを使用して除去されたので、示されているAlexa647から発せられる全ての蛍光ピークは、PE通路からの信号と共局在化された。PEの通路からの共局在化信号を欠いたAlexa647からの蛍光信号は、未結合の捕捉剤を表す。データ取得後、それらの2色共局在化蛍光事象を、散布図(図25B)に要約し列挙して、検体の濃度を報告する。
【0447】
この実施例は、適切な精製方法を使用して、未結合の検出可能な薬剤及び/又は捕捉剤が、デジタル二重親和性アッセイの標識試料から除去され得ることを実証する。アッセイ結果の質は、非常に低下したランダム共局在化に起因して、非常に向上された。
【0448】
実施例4.蛍光ビーズ又はナノ粒子を含む捕捉剤を用いたデジタル二重親和性タンパク質サンドイッチアッセイ
この実施例は、蛍光ビーズ又はナノ粒子上に固定化され、更に検出可能な薬剤(蛍光抗体)と会合した抗体によって捕捉されるタンパク質検体分子のデジタル検出及び濃度判定を可能にする、実験方法及び装置を説明する。これらの線に沿った検出スキームは、一般的に、図10A及び図11に例解され、それらに関して本明細書で更に記載される。
【0449】
デジタルサンドイッチ免疫アッセイでは、適切な表面改質を有するビーズ又はナノ粒子を、以下の特定の利点を有する捕捉剤として使用することができる:1)ビーズ又はナノ粒子の組成及びサイズは、試料マトリックス及び分析技術との適合性を高めるように、容易に調整することができ、2)多くの精製技術(例えば、サイズ排除クロマトグラフィ、スピンカラム/濾過、及び磁気分離)は、これらのビーズ又はナノ粒子とともに適用して、アッセイの効率及び精度を改善することができ、3)捕捉剤を含有するビーズ又はナノ粒子の光学的特性を調整して(例えば、スペクトル強度バーコードで符号化して)、読み出し信号の別のセットを提供することができ、効率及び多重化を大幅に改善することができる。
【0450】
捕捉剤としてビーズ又はナノ粒子を使用するデジタル二重親和性タンパク質サンドイッチアッセイを実証するために、この実施例では、検体分子を、蛍光ビーズ/ナノ粒子の表面上に特異的に捕捉し、免疫親和性に基づいて、別の検出可能な薬剤によって標識化し、次いで、デジタル化された2色共局在化事象/放射信号に基づいて、計数した。手短に言えば、マウス抗ヒトCD63は、モデル検体であり、表面上にCD63分子を有する蛍光ナノ粒子を、モデル捕捉剤として使用し、Alexa647と共役したヤギ抗マウスIgGは、モデル検出可能な薬剤であった。1uLの2nMのマウス抗ヒトCD63を、最初に過量(1uLの10nM)の捕捉剤と、997ulの(BSAを有する)PBS緩衝液中で30分間混合し、検体分子を、捕捉分子(CD63)を含有するビーズ/ナノ粒子によって捕捉させた。次いで、この混合物を、過量(例えば、1μlの10nM)のヤギ抗マウスIgG-Alexa647と更に30分間培養し、捕捉された検体分子は、検出可能な薬剤と結合することができるようにした。培養後、試料を、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラスで作製されたマイクロ流体通路(2×2×125μm)と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は外部真空若しくは正圧源によって駆動された。それぞれ、600/50nm及び690/50nmの発光フィルタを有する2つのレーザ線(488nm、5mW及び637nm、25mW)を使用して、捕捉剤及び検出可能な薬剤からの蛍光を測定した。
【0451】
検体分子は、蛍光捕捉ビーズ/ナノ粒子と検出可能な薬剤に挟まれていたので、粒子/複合体がレーザビームを通過して流れたとき、これらの2つの通路において共局在化蛍光信号が観察された。図26Aに示すように、この実施例のトレースでは、9個の2色共局在化事象が観察され、それらの各々は、単一のマウス抗ヒトCD63検体分子を表す。この実験では、未結合の検出可能な薬剤を除去するために精製方法を適用しなかったので、同じトレースでは、Alexa647蛍光の通路に別の約20個のピークがあり、これらは、蛍光ビーズ/ナノ粒子からの信号と共局在化されなかった。未結合の検出可能な薬剤からのランダム共局在化の影響を最小限に抑えるために、アッセイは、ポアソン統計を考慮して適切に設計された。
【0452】
代替的に、場合によっては、遊離した検出可能な薬剤の量を制御することが困難な可能性があるので、好適な精製方法(例えば、磁気単離、サイズ排除クロマトグラフィ、又はスピン濾過/遠心分離)は、試料が単一分子フローアナライザにロードされる前に、適用され得る。この実施例では、スピン濾過を使用して、未結合のヤギ抗マウスIgG-Alexa647検出可能な薬剤を除去した。手短に言えば、サンドイッチアッセイ反応後の試料溶液を、スピンフィルタ(分画分子量=300kDa)の上部に添加し、次いで、これを8000rμmで60秒間遠心分離した。上清を、濾過デバイスから除去し、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラス作製された(2×2×125μmの狭窄部を有する)マイクロ流体通路に接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は外部真空若しくは正圧ポンプによって駆動された。それぞれ、600/50nm及び690/50nmの発光フィルタを有する2つの励起レーザビーム(488nm、5mW及び637nm、25mW)を使用して、捕捉剤及び検出可能な薬剤からの蛍光を測定した。同様に、2色共局在化事象が観察され、検体分子の存在を示し、しかしながら、スピン遠心分離精製により、図26Bに示すように、遊離したヤギ抗マウスIgG-Alexa647検出可能な薬剤の量が大幅に減少したので、ランダム共局在化からの潜在的な干渉は大幅に最小化された。
【0453】
実施例5.磁気ビーズ捕捉及び精製を伴うデジタル二重親和性タンパク質アッセイ
この実施例は、タンパク質分子のデジタル検出、計数、及び濃度測定を可能にする、実験方法及び装置を説明し、タンパク質分子は、抗体共役磁気ビーズからなる捕捉剤を使用して、捕捉及び精製され、検出可能な薬剤(色素タグ付き抗体)を使用して、識別された。これらの線に沿った検出スキームは、一般的に、図10Bに例解され、図10Bに関して本明細書で更に説明される。
【0454】
デジタル二重親和性タンパク質アッセイでは、検体分子は、捕捉剤と検出可能な薬剤に挟まれていることが多い。捕捉剤が、磁性(例えば、磁性ビーズ)である場合、未結合の検出可能な薬剤は、簡便に除去され得、試料から検出された蛍光信号は、捕捉剤-検体-検出可能な薬剤複合体に対応する。そのような適用を可能にするために、この実施例では、マウスIgGを、モデル検体として使用し、ヤギ抗マウスIgG共役磁気ビーズ(200nm)を、捕捉剤として使用し、Alexa647と共役したウサギ抗マウスIgGを、検出可能な薬剤として使用した。1uLの1nMのマウスIgGを、最初に過量(1uLの10nM)の磁気捕捉ビーズと、997ulの(BSAを有する)PBS緩衝液中で30分間混合し、検体分子がビーズによって捕捉されることを確実にした。次いで、この混合物を、過量(例えば、1μlの10nM)のウサギ抗マウスIgG-Alexa647と更に30分間培養し、捕捉された検体分子は、検出可能な薬剤と結合された。この実施例では、2回の培養を連続して行ったが、それらは、同じ体積で並行して一緒に実施され得る。培養後、適切な磁場を印加して、試料溶液の底におけるビーズを富化し、未結合のウサギ抗マウスIgG-Alexa647検出可能な薬剤が溶液相に残り、ピペッティング及び洗浄プロセスによって試料から除去された。磁気精製後、この試料を、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラスで作製された(2×2×125μmの狭窄部を有する)マイクロ流体通路と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は外部真空若しくは正圧源によって駆動された。690/50nmの発光フィルタを有する励起レーザビーム(637nm、25mW)を使用して、検体及びビーズと会合した検出可能な薬剤からの蛍光を測定した。
【0455】
図27は、Alexa647から発せられた蛍光の信号を示す。試料は、単一分子のフロー分析プラットフォーム上にロードする前に磁気的に精製されたので、図27における各ピークは、単一の検体分子(すなわち、マウスIgG)を表し、検体の濃度は、正確に測定された。
【0456】
実施例6.光学的にバーコード化された捕捉剤を用いたデジタル二重親和性タンパク質アッセイ
この実施例は、タンパク質検体分子のデジタル検出及び計数/濃度判定を可能にする、実験方法及び装置を説明し、タンパク質検体分子は、固定化捕捉抗体を有する光学的にバーコード化されたビーズによって捕捉され、検出可能な薬剤を使用して、更に確認された。
【0457】
複数のタイプの関心対象の分子の同時及び定量的分析は、多くの用途、特に臨床診断において非常に重要である。多くの可能な方法の中で、光学的バーコード化は、多重化タンパク質アッセイを容易に可能にし得る、有望な技術である。例えば、蛍光ビーズは、各ビーズが、各々、異なるピーク放射波長又は放射範囲を有する5つの異なる蛍光色素を有し、その各々が、ビーズ当たり10個の異なる蛍光強度レベルを有し得るようなやり方で(例えば、ビーズ当たりのそれぞれの色素の量を調整することによって)、設計及び調製することができる。5個の蛍光通路における異なる強度の結果として生じるこのようなスペクトル強度符号化又はバーコード化は、約100,000個の固有の光学バーコードのセットを可能にし、その各々は、特定の検体分子に対する固有の親和剤又は捕捉剤を提供するように、表面改質され得る。前の実施例に示されるようなデジタル二重親和性タンパク質アッセイと組み合わされた、これらの光学的にバーコード化されたビーズは、高度に多重化されたタンパク質アッセイ又は核酸アッセイ用の理想的な捕捉剤であり得る。
【0458】
この実施例では、そのような用途を実証するために、9個の光学的にバーコード化されたビーズのモデルセットを調製した。手短に言えば、緑色蛍光色素(すなわち、Alexa488)及び橙色蛍光色素(すなわち、Alexa561)を、異なる比でポリスチレンビーズ上に固定化し、3つのタイプの強度(すなわち、高、中、及び低)を各色素で区別することができるようにした。図28Aに示すように、9個の光学バーコードを開発し、調製した。特定のバーコード(すなわち、G2O1)を有するビーズのみを、モデル検体(すなわち、マウス-IgG)に対する捕捉抗体(すなわち、ヤギ-抗マウスIgG)で更に改質し、他の全てのビーズを、検体分子との交差反応性を有さなかったウサギ抗ヒトIgGで改質した。特定のバーコード化されたビーズに結合した検体からの未結合の捕捉ビーズの干渉を区別するために、検出可能な薬剤(すなわち、ヤギ抗マウスIgG-Alexa647)もまた適用し、Alexa647からの蛍光が、特定のバーコードのものと共局在化されたときに、検体分子の存在を確認し、計数した。マウスIgG検体分子が、標的バーコードを有するビーズ上に捕捉されたことを確実にするために、バーコード化された捕捉ビーズ及び検出可能な薬剤の両方は、検体分子と比較して過量であった(例えば、モル比>5:1)。培養後、この試料を、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラスで作製された(2×2×125μmの狭窄部を有する)マイクロ流体通路と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は外部真空若しくは正圧によって駆動された。それぞれ、520/30nm、585/30nm及び690/50nmの発光フィルタを備えた3つのレーザ線(488nm、5mW、561nm、5mW及び637nm、25mW)を使用して、バーコードを有する捕捉剤及び検出可能な薬剤からの蛍光を測定した。
【0459】
図28Bの試料トレースでは、3つの事象は、Alexa647からの信号と共局在化された標的バーコード(すなわち、O2G1)を示し、したがって、3つの検体分子の存在を表す。他のバーコード化された事象もまた検出されたが、検出可能な薬剤(すなわち、ヤギ抗マウスIgG-Alexa647)からの信号と共局在化されなかったので、それらは、検体マウスIgGの存在を示さなかった。同様に、未結合の検出可能な薬剤からの信号もまた、同じ試料トレースにおいて観察された。
【0460】
更に、前の実施例に記載されるように、好適な精製方法は、未結合の検出可能な薬剤を除去するために、この実施例において容易に適用され得、それによって、ランダムに共局在化された事象からの干渉を最小限に抑える。特に、バーコード化された捕捉ビーズもまた磁性である場合、このような精製プロセスは、前の実施例に記載されるように、免疫磁気単離を使用して、容易に実施され得る。
【0461】
実施例7.デジタル二重親和性核酸アッセイ
この実施例は、捕捉剤(又は、第2の検出可能な薬剤)及び検出可能な薬剤によって挟まれた、関心対象の特定のシーケンスを有する核酸分子のデジタル検出及び計数/定量化を可能にする、実験方法及び装置を説明する。これらの線に沿った検出スキームは、図15に例解され、図15に関して本明細書で更に説明される。
【0462】
関心対象の特定のシーケンスを有する核酸分子(例えば、DNA及びRNA)の検出及び定量化は、分子診断の基礎であり、多くの他の用途にとって重要である。従来、そのようなタイプのアッセイは、多くの場合、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction、PCR)、又はローリングサークル増幅などの他の等温増幅法を用いた標的シーケンスの増幅に依存する。成功しているが、これらの増幅ベースの方法は、非特異性増幅、定量化のための内部標準(例えば、ハウスキーピング遺伝子)の要件、及び増幅のための面倒なプロセスに悩まされることが多い。我々の単一分子フロープラットフォームの超高感度を考慮すると、標的遺伝子の直接デジタル検出が可能になり得る。
【0463】
本実施例では、5’-ATGGACGACGACATCGCCGCC-CTGGTGGTGGACAACGGCAGCGGCATGTGCAAGGCCGGC-3’(配列番号1)のシーケンスを有する一本鎖(single strand、ss)のDNAを、モデル標的/検体遺伝子として合成し、Alexa-647-3’-TACCTGCTGCTGTAGCGGCGG-5’(配列番号2)のシーケンスを有するssDNAを、このデジタル二重親和性DNAサンドイッチアッセイに使用される捕捉剤(又は、第2の検出可能な薬剤)として合成した。3’-TCGCCGTACACGTTCCGGCCG-5’-Alexa-546(配列番号3)のシーケンスを有する別のssDNAを、検出可能な薬剤として調製した。3つの種を一緒に培養した場合、2つのより短いssDNA分子(すなわち、捕捉/第2の検出可能な薬剤及び検出可能な薬剤)は、各標的又は検体DNA分子が、2つの薬剤と同時に結合したことを確実にするために過量であった。培養後、この試料を、更なる精製プロセスなしで、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラスで作製されたマイクロ流体通路(2×2×125μm)と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は外部真空若しくは正圧源によって駆動された。それぞれ、585/30nm及び690/50nmの発光フィルタを備えた2つの励起レーザ線(561nm、5mW及び637nm、25mW)を使用して、捕捉剤及び検出可能な薬剤からの蛍光を測定した。
【0464】
図29の例示的なトレースでは、Alexa546及びAlexa647からの共局在化蛍光信号を有する7個の事象を示し、標的又は検体シーケンスの7つのコピーの存在を示す。Alexa546又はAlexa647通路のいずれかにおける他のピークは、他の通路におけるピークと共局在化することができず、それらが未結合の捕捉/第2の検出可能な薬剤又は検出可能な薬剤であることを示した。
【0465】
実施例8.磁気捕捉剤を用いたデジタル二重親和性核酸アッセイ
この実施例は、捕捉剤(又は、検出可能な薬剤、及び磁気ビーズを含む捕捉剤によって挟まれた、関心対象の特定のシーケンスを有する核酸のデジタル検出及び定量化を可能にする、実験方法及び装置を説明する。これらの線に沿った検出スキームは、図12Bに例解され、図12Bに関して本明細書で更に説明される。
【0466】
上記の実施例に記載されるデジタル二重親和性核酸アッセイでは、標的シーケンスは、2つの相補シーケンスと結合し、そのうちの1つは、捕捉/第2の検出可能な薬剤とみなされ得る。磁気ビーズが、この捕捉シーケンスと共役される場合、未結合の検出可能な薬剤(すなわち、他の相補シーケンス)は、簡便に除去され得、試料中の蛍光分子は、標的又は検体遺伝子のコピーに対応する。
【0467】
そのような用途を実証するために、この実施例では、5’-ATGGACGACGACATCGCCGCCCTGGTGGTGGACAACGGCAGCGGCATGTGCAAGGCCGGC-3’(配列番号1)のシーケンスを有するssDNAを、モデル標的遺伝子として合成した。この実施例は、単一分子フロープラットフォーム上で実施されたデジタル二重親和性アッセイが、信号の増幅及び/又は較正を必要とせずに、標的遺伝子の直接計数及び定量化を可能にすることを明確に実証する。磁気ビーズは、5’末端において、ssDNA(5’-GCCGGCCTTGCACATGCCGC-3’(配列番号4))と共有結合され、それらを、磁気捕捉剤として使用することができるようにした。Alexa-647-3’-TACCTGCTGCTGTAGCGGCGG-5’(配列番号2)のシーケンスを有する別のssDNAを、検出可能な薬剤として使用した。
【0468】
これらの3つの種を一緒に培養した場合、2つのより短いssDNA分子(すなわち、捕捉/検出可能な薬剤)は、標的/検体DNA分子が、2つの薬剤と同時に結合したことを確実にするために過量であった。培養後、適切な磁場を印加して、試料溶液の底における捕捉ビーズを富化し、未結合の検出可能な薬剤が溶液相に残り、したがって、上清を除去することによって、試料から除去された。磁気精製後、この試料を、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラスで作製された(2×2×125μmの狭窄部を有する)マイクロ流体通路と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は外部真空によって若しくは正圧によって駆動された。690/50nmの発光フィルタを有する励起レーザビーム(637nm、25mW)を使用して、磁気ビーズによって捕捉された標的/検体遺伝子と結合した検出可能な薬剤からの蛍光を測定した。図30の例示的なトレースは、Alexa647からの蛍光を伴う13個の事象を示し、標的シーケンスの13個のコピーの存在を示す。
【0469】
実施例9.磁気及び蛍光バーコード化捕捉剤を用いたデジタル二重親和性アッセイ
この実施例は、光学的にバーコード化された磁気ビーズによって捕捉され、検出可能な薬剤と結合した標的シーケンスを有する核酸のデジタル単一分子検出及び定量化を可能にする、実験方法及び装置を説明する。これらの線に沿った検出スキームは、図12に例解され、図12に関して本明細書で更に説明される。
【0470】
以前の実施例に記載されるように、光学的にバーコード化された捕捉ビーズを利用することにより、多重化デジタル二重親和性アッセイが可能になり、複数のタイプの検体分子を、1回の測定で定量的に検出することができる。同様に、特定のシーケンスを有する核酸分子が、バーコード化された薬剤によって選択的に捕捉され得る場合、同じ試料中の複数の遺伝子シーケンスの検出及び定量化が行われ得る。これは、遺伝子の多重分析が、しばしば必要とされるか又は大変望ましい分子診断及び多くの他の用途にとって、非常に重要な特徴である。バーコード化された捕捉剤もまた磁性である場合、ハイブリダイゼーション後の未結合のプローブを試料から除去して、信号のランダム共局在化からの干渉を最小限に抑えることができる。
【0471】
この実施例では、9個の光学的にバーコード化された磁気ビーズを有するモデルライブラリを調製した。手短に言えば、緑色蛍光色素(すなわち、Alexa488)及び橙色蛍光色素(Alexa561)を、異なる比で磁気ビーズ上に固定化し、各蛍光通路において3つのタイプの強度(すなわち、高、中、及び低)を観察することができるようにした。図31Aに示すように、9個の光学バーコードを調製した。特定のコード(すなわち、G1O3)を有するビーズのみを、5’末端において、捕捉剤とみなされ得る捕捉シーケンス(5’-GCCGGCCTTGCACATGCCGC-3’(配列番号4))で更に改質した。以前の実施例と同様に、ssDNA(5’-ATGGACGACGACATCGCCGCCCTGGTGGTGGACAACGGCAGCGGCATGTGCAAGGCCGGC-3’(配列番号1))を、モデル標的遺伝子として使用し、一方、Alexa-647-3’-TACCTGCTGCTGTAGCGGCGG-5’(配列番号2)のシーケンスを有する別のssDNAを、検出可能な薬剤として使用した。他の8個のバーコード全てを有する捕捉ビーズを、標的遺伝子と結合することができないssDNAで表面改質して、アッセイの特異性を保証した。標的シーケンスが、その特定のバーコードを有するビーズ上に捕捉され、検出可能な薬剤と会合することを確実にするために、バーコード化された捕捉ビーズ及び検出可能な薬剤の両方は、標的遺伝子分子と比較して過量であった(例えば、モル比>5:1)。
【0472】
ハイブリダイゼーション後、適切な磁場を印加して、捕捉された標的検体遺伝子分子を有する磁気ビーズを保持し、未結合の検出可能な薬剤を含有する溶液をピペッティングすることによって、未結合の検出可能な薬剤を除去することができた。この試料を、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラスで作製された(2×2×125μmの狭窄部を有する)マイクロ流体通路と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、あるいは外部真空によって又はポンプ若しくは重力駆動流を通した正圧によって駆動された。それぞれ、520/30nm、585/30nm及び690/50nmの対応する発光フィルタを有する3つの励起レーザ線(488nm、5mW、561nm、5mW及び637nm、25mW)を使用して、バーコードを有する捕捉剤及び検出可能な薬剤からの蛍光を測定した。
【0473】
例示的なトレース(図31B)では、Alexa647からの信号と共局在化した標的バーコード(すなわち、G1O3)を示した3つの事象は、標的遺伝子の3つの分子の存在を示す。他のバーコード化された事象もまた検出されたが、それらは検出可能な薬剤(すなわち、ssDNA-Alexa647)からの信号と共局在化されず、したがって、それらと会合した標的シーケンス及び検出可能な薬剤を有さなかった。同様に、(標的シーケンスと会合していない)未結合の検出可能な薬剤からの少数の信号もまた、図31Bの同じ試料トレースにおいて識別された。
【0474】
実施例10.デジタル単一親和性核酸アッセイ
この実施例は、1つのハイブリダイゼーション又は親和性事象を使用して、標的シーケンスを有する核酸のデジタル検出及び定量化を可能にする、実験方法及び装置を説明する。これらの線に沿った検出スキームは、一般的に、図16に例解され、図16に関して本明細書で更に説明される。
【0475】
多くのDNA結合色素(例えば、DAPI、Hoechst、YOYO-4、及びDRAQ-5)は、二本鎖(double strand、ds)の核酸構造に挿入した場合に、高レベルの蛍光を示すが、試料中にハイブリダイズされたdsDNAがない場合には、通常、強い蛍光を呈さない。この原理を使用して、関心対象の特定のDNAシーケンスのデジタル検出は、単一分子フロープラットフォーム上で可能にされ得る。
【0476】
この実施例では、5’-ATGGACGACGACATCGCCGCC-3’(配列番号5)のシーケンスを有するssDNAを、モデル標的遺伝子として使用し、相補シーケンス(3’-TACCTGCTGCTGTAGCGGCGC-5’(配列番号6))を有する別のssDNAを、検出可能な薬剤として使用し、標的又は検体遺伝子分子と比較して過量であり、標的遺伝子は、30分間の培養後に相補シーケンスとハイブリダイズされ、dsDNAを形成した。DNA色素(すなわち、YOYO-3)を、試料溶液と暗所で30分間培養した。培養後、この試料を、精製せずに、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラスで作製されたマイクロ流体通路(2×2×125μm)と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は外部真空によって若しくは正圧ポンプで駆動された。レーザビーム(561nm、5mW)を励起光源として使用し、610/20nmの発光フィルタを用いて、ハイブリダイズされたdsDNAに挿入されたYOYO-3からの蛍光を測定した。図32は、YOYO-3から発せられた蛍光信号の例示的なトレースを示す。この色素は、dsDNAに挿入された場合にのみ強い蛍光を発したので、このトレースにおける各ピークは、標的遺伝子のコピーとして計数することができた。この方法は多重化することができなかったが、ssDNA共役を有する捕捉ビーズを必要とせず、したがって、いかなる増幅も伴わずに、標的遺伝子の存在を定量化するための迅速ツールとして好適であり得る。
【0477】
実施例11.2色共局在化を伴うデジタル単一親和性核酸アッセイ
この実施例は、1つのハイブリダイゼーションプロセス及び2色共局在化を使用して、標的シーケンスを有する核酸のデジタル検出及び定量化を可能にする、実験方法及び装置を説明する。これらの線に沿った検出スキームは、一般的に、図16Aに例解され、図16Aに関して本明細書で更に考察される。
【0478】
以前の実施例は、試料から関心対象の特定の遺伝子を定量的に検出する簡便なやり方を示すが、関心対象の複数の遺伝子が同時に検出される多重化アッセイの能力を提供しなかった。この課題を克服するために、この実施例は、修正された方法を説明する。手短に言えば、5’-ATGGACGACGACATCGCCGCC-3’(配列番号5)のシーケンスを有するssDNAを、モデル標的遺伝子として使用し、一方、相補シーケンス(3’-TACCTGCTGCTGTAGCGGCGC-5’(配列番号6))を有する別のssDNAを、標的又は分析遺伝子分子と比較して過量で適用された、ハイブリダイゼーション検出可能な薬剤として使用し、30分間の培養後にdsDNAを形成するように、標的遺伝子を、検出可能な薬剤の相補シーケンスとハイブリダイズした。このようなハイブリダイゼーション検出可能な薬剤もまた、その3’末端においてAlexa647(赤色蛍光)と共役され、検出可能な薬剤が標的遺伝子とハイブリダイズされたときに、標的遺伝子に特異的な蛍光信号を生成した。次いで、DNA色素(すなわち、YOYO-3)を、試料溶液と30分間培養した。この試料を、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラスで作製された(2×2×125μmの狭窄部を有する)マイクロ流体通路と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は外部圧力源によって駆動された。2つのレーザビーム(561nm、5mW、及び637nm、25mW)を、励起光源として使用し、それぞれ、610/20nm及び690/60nmの発光フィルタを用いて、ハイブリダイズされたdsDNAに挿入されたYOYO-3と、検出可能なDNA剤と共役したAlexa647と、からの蛍光を測定した。
【0479】
図33は、これらの2つの蛍光体から発せられた蛍光信号の例示的なトレースを示す。DNAインターカレーション色素は、dsDNAに挿入された場合にのみ強い蛍光を発したので、Alexa647の通路中のピークと共局在化され得るこの通路中の各ピークは、標的遺伝子の存在を示した。複数の遺伝子が試料中に存在する場合、検出可能なDNA分子の混合物(これらの各々は、以前の実施例に記載されるように、異なる色素又は蛍光バーコードと共役する)が、試料を標識化するために使用される。標的シーケンスに相補的な各検出可能な薬剤シーケンスに相関し、更に挿入されたDNA色素と共局在化された、特定の蛍光は、対応する標的遺伝子の存在を示し、したがって、多重化デジタル単一親和性核酸アッセイを可能にする。
【0480】
実施例12:捕捉剤が粒子表面上に固定化されたバーコード化された蛍光マイクロ又はナノ粒子を使用するデジタル単一親和性アッセイ
この実施例は、バーコード化された蛍光を有する捕捉剤を使用して、蛍光プローブでタグ付けされるか又は蛍光プローブと会合した標的分子(検体)のデジタル検出及び計数を可能にする、実験方法及び装置を説明する。
【0481】
蛍光タグ付けは、非蛍光検体(例えば、タンパク質、核酸、及び小分子)を検出及び定量化するために広く使用されている。本実施例は、バーコード化された蛍光を有する捕捉剤(例えば、マイクロ又はナノ粒子)が、分析の選択性を確実にし(図34A)、一方で、単一分子レベルで実施される多色共局在化によって精度が改善される方法を実証する。手短に言えば、本開示の方法及び装置の例外的に高い性能により、検出領域を通過して流れる全ての捕捉剤を計数することができる。1つの捕捉剤からの信号が、検体と会合した信号と共局在化される場合、それは、「正の」カウントとみなされる。捕捉剤からの信号が、検体と会合した信号の不在で検出される場合、それは、「負の」カウントとみなされる。このようなデジタル化された分析は、バーコード化された蛍光の使用に起因して、高度に多重化される可能性を有する絶対的定量化を提供する。
【0482】
本実施例では、タンパク質、ストレプトアビジンを、モデル検体として使用し、これを、更に蛍光プローブ(例えば、PE、橙色(orange、O))でタグ付けされるか又は蛍光プローブと会合された。ビオチンが表面上に固定化されたポリスチレンビーズ(40nm、200nm、1000nm、又は2000nm)を、捕捉剤として使用した。これらのビーズはまた、特定の「バーコード」として、青色(B、Ex488/Em515)及び紫色(G、Ex405/Em515)で符号化された。図34Aに示すように、ストレプトアビジン-PEを、過量の蛍光(青色及び紫色符号化された)バーコード化されたビオチンビーズと室温で30分間混合した。必要ではないが、この試料は、遠心分離及び/又はサイズ排除クロマトグラフィを使用して、更に精製され得る。培養及び任意選択の精製プロセス後、この試料を、PDMS及びガラスで作製された(2×2×125μmの狭窄部又は5×5×125μmの狭窄部のいずれかを有する)マイクロ流体通路と接続されたリザーバに導入した。試料の流れは、毛管力及び表面化学によって、又は出口リザーバに印加される外部真空によって駆動された。対応する発光フィルタを有する3つのレーザ線(405nm:20mW、488nm:5mW、及び561nm:5mW)を使用して、捕捉剤及び検体(B:Ex488/Em515、P:Ex405/Em515、及びO:Ex561/Em585)からの蛍光を測定した。
【0483】
図43Bに示すように、3つのタイプのデジタル化された事象のみが、分析中に観察され得る。1)検体の不在での2色蛍光(B+P+O-)は、ストレプトアビジンを全く捕捉しなかったビーズを表す。2)他の2つの通路(B-P-O+)における信号と共局在化することができないPE(O+)からの蛍光信号は、未結合の検体を示し、これは、使用された捕捉剤の過量のために、この実施例では稀であった。3)同じ時間窓において共局在化された3色蛍光(B+P+O+、三重陽性)は、捕捉された検体を表し、これはデジタル的に計数される。2D散布図(図34C)は、566個の三重陽性事象が、2分間で計数されたことを示す。較正を必要とせずに、同じ実験で測定された流量(85pL/秒)を使用して、検体の濃度を5.55×10分子/mLとして定量化することができ、これは92fMに等しく、他の方法を使用して測定することが通常困難である極めて低い濃度である。
【0484】
この実施例は、本開示の単一分子フロープラットフォーム上で実施されたデジタル単一親和性アッセイが、信号の増幅及び/又は較正を必要とせずに、検体分子の直接計数及び絶対濃度判定を可能にすることを明確に実証する。
【0485】
要約に記載されているものを含む、本発明の例解される実施形態の上記の説明は、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。本発明の具体的な実施形態及び実施例は、例解的目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識するように、本発明の範囲内で様々な修正が可能である。
【0486】
これらの変更は、上記の詳細な説明に照らして本発明に対して行われ得る。以下の特許請求の範囲で使用される用語は、本明細書に開示される具体的な実施形態に本発明を限定するように解釈されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、請求項解釈の確立された原則に従って解釈されるべき、以下の特許請求の範囲によって完全に判定されるべきである。
【0487】
例解的な実施形態を例解し説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示において様々な変更を行うことができることが理解されよう。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24A
図24B
図25A
図25B
図26A
図26B
図27
図28A
図28B
図29
図30
図31A
図31B
図32
図33
図34A
図34B
図34C
【配列表】
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【国際調査報告】