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特表2024-544907調整可能なコンベヤガイドレール用アクチュエータ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】調整可能なコンベヤガイドレール用アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/20 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
B65G21/20 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527432
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 US2022050054
(87)【国際公開番号】W WO2023091453
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/279,914
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500240553
【氏名又は名称】スパン テック エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SPAN TECH LLC
【住所又は居所原語表記】101 Hilltopper Way Glasgow,KY 42141-3069 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファイ,ステファン,シー.
(72)【発明者】
【氏名】コットン,アーロン
(72)【発明者】
【氏名】レイン,ジェームズ,エル.
【テーマコード(参考)】
3F025
【Fターム(参考)】
3F025BA02
3F025BB05
3F025BC07
(57)【要約】
【構成】本システムはコンベヤ、およびエンドレス経路にそって走行し、コンベヤに沿っての搬送時に一つかそれ以上の物品を案内する第1の調整可能なガイドレールの進退を行うケーブルを有する。ケーブルアクチュエータによってケーブルがエンドレス経路にそって走行する。このケーブルアクチュエータについては、ケーブルの少なくとも一部を受け取り、回転してケーブルをエンドレス経路にそって走行させるキャプスタン、ケーブルに、あるいはキャプスタンおよびテンショナの両者に張力を加えるキャプスタンを有するものとすることができる。対応するケーブルアクチュエータを制御するコントローラとともに、第1および第2の調整可能なガイドレールを設けるとよい。コントローラは、それぞれが被搬送品の幅に対応するか、あるいは第1の調整可能なガイドレールと第2の調整可能なガイドレールとの間の搬送路の幅に対応する複数の予め設定した条件を有するものとすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤおよびケーブルを有するシステムであって、前記コンベヤおよびケーブルは、一つかそれ以上の物品が前記コンベヤに沿って搬送されるときに前記物品を案内する第1の調整可能なガイドレールを進退させるようにエンドレス経路に沿って走行し、前記システムは、
前記ケーブルをエンドレス経路に沿って移動させるケーブルアクチュエータを有し、該ケーブルアクチュエータは、
前記ケーブルの少なくとも一部を受け取り、かつ回転して、前記ケーブルを前記エンドレス経路に沿って移動させるキャプスタン、および
前記ケーブルに張力を加えるテンショナ、を有する
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ケーブルアクチュエータはさらに、前記キャプスタンを駆動する駆動装置を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記駆動装置はウォームギヤを有する請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ウォームギヤはハンドホイールによって駆動される請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ウォームギヤはモータによって駆動される請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の調整可能なガイドレールの進行に対応する第1方向において回転可能な前記駆動装置の第1所定量の回転時に前記キャプスタンを停止するリミットスイッチをさらに有する請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記リミットスイッチは、前記第1の調整可能なガイドレールの後退に対応する第1方向に対向する第2方向において前記回転可能な駆動装置の第2所定量の回転時に前記キャプスタンを停止する請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記テンショナは第1滑車および第2滑車を有し、前記ケーブルは前記第1滑車および前記第2滑車の周りに伸長し、そして前記ケーブルアクチュエータは前記第1滑車と前記第1滑車との間の距離を変更する請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
さらに前記第2滑車が取り付けられたテンショニングスレッドを有する請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記テンショニングスレッドが一つかそれ以上のロッドに沿って走行する請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1滑車は前記コンベヤの一端により近接して位置し、そして前記第2滑車は前記コンベヤの対向端部により近接して位置する請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
さらにケーブル張力変化を示すインジケータを有する請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記インジケータは前記テンショニングスレッドに接続したインジケータプレートを有し、このインジケータプレートの前記ケーブルアクチュエータ上の所定位置に対する整合が前記ケーブル内の所定張力に対応する請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
さらに前記キャプスタンは、走行する回転距離を制限する回転ストップを有する請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記回転ストップは、静止ストップに係合して前記キャプスタンの回転を制限する少なくとも一つの伸長部を有する請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記静止ストップは前記キャプスタンの移動を停止するリミットスイッチを有する請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記回転ストップは複数のストッププレートを有し、これらストッププレートそれぞれは少なくとも一つの伸長部を有し、前記複数のストッププレートは複数の相対的角位置において調整可能であり、前記複数のストッププレートのうちの第1ストッププレートの各第1伸長部を前記複数のストッププレートのうちの第2ストッププレートの各第2伸長部からオフセットするように構成された請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
複数のストッププレートのうちの少なくとも一つが少なくとも一つの調整開口を有し、さらに、この少なくとも一つの調整開口を通過して前記複数のストッププレートの相対的角位置を固定するコネクタを有する請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記回転ストップおよび前記キャプスタンはともに共通して中心シャフトに取り付けられる、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
さらに、
第2連続経路に沿って走行し、第2の調整可能なガイドレールを進退させる第2ケーブル、および
前記第2連続経路に沿って前記第2ケーブルを走行させる第2ケーブルアクチュエータ、を有し、
前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールが前記コンベヤに沿って対向し、前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールの進退に応じて両者間の搬送路の幅が変化する、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
さらに、第1ケーブルアクチュエータおよび前記第2ケーブルアクチュエータの制御を連携して行うコントローラを有する請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記コントローラが前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールのために予め設定された複数の設定条件を有し、これら設定条件それぞれは、異なる被搬送物品の幅に対応する請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
一つかそれ以上の物品を搬送するコンベヤ用システムであって、
前記の一つかそれ以上の物品を前記コンベヤに案内する第1の調整可能なガイドレール、
前記第1の調整可能なガイドレールの進退を行うために移動するように構成されたケーブル、および
前記ケーブルの少なくとも一部を受け取り、かつ回転して、前記ケーブルを前記エンドレス経路に沿って移動させるキャプスタンを有するケーブルアクチュエータ、
を有するシステム。
【請求項24】
前記ケーブルアクチュエータはさらに、前記キャプスタンを駆動する駆動装置を有する請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記駆動装置はウォームギヤを有する請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記ウォームギヤをハンドホイールによって駆動する請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記ウォームギヤをモータによって駆動する請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
さらに、回転可能な前記駆動装置の回転時、前記第1の調整可能なガイドレールの伸長に対応する第1方向において第1の所定量だけ前記キャプスタンを停止するリミットスイッチを有する請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
前記リミットスイッチによって、前記回転可能な駆動装置の回転時に、前記第1の調整可能なガイドレールの後退に対応する前記第1方向に対向する第2方向に第2の所定量だけ前記キャプスタンを停止する請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
さらに、前記ケーブルに張力を加えるテンショナを有する請求項23に記載のシステム。
【請求項31】
前記テンショナは第1滑車および第2滑車を有し、前記ケーブルは前記第1滑車および前記第2滑車の周りに伸長し、そして前記ケーブルアクチュエータは前記第1滑車と前記第2滑車の間の距離を変更する請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
さらに、前記第2滑車にテンショニングスレッドが取り付けられた請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記テンショニングスレッドは一つかそれ以上のロッドに沿って走行する請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1滑車は前記コンベヤの一端により近接して位置し、そして前記第2滑車は前記コンベヤの対向端部により近接して位置する請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
さらに、ケーブル張力の変化を示すインジケータを有する請求項32に記載のシステム。
【請求項36】
前記インジケータが前記テンショニングスレッドに接続したインジケータプレートを有し、該インジケータプレートの前記ケーブルアクチュエータ上の所定位置に対する整合が前記ケーブル内の所定張力に対応する請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
さらに、前記キャプスタンの回転を制限する回転ストップを有する請求項23に記載のシステム。
【請求項38】
前記回転ストップは少なくとも一つの伸長部を有し、これが静止ストップに係合して、前記キャプスタンの回転を制限する請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記静止ストップは、前記の少なくとも一つの伸長部との接触に基づいて前記キャプスタンの回転を制限するリミットスイッチを有する請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記回転ストップは複数のストッププレートを有し、これらストッププレートそれぞれは少なくとも一つの伸長部を有し、前記複数のストッププレートは複数の相対的角位置において相互に調整可能であり、前記複数のストッププレートのうちの第1ストッププレートの各第1伸長部を前記複数のストッププレートのうちの第2ストッププレートの各第2伸長部からオフセットするように構成された請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記複数のストッププレートのうちの少なくとも一つが少なくとも一つの調整開口を有し、さらにこの少なくとも一つの調整開口を通過して前記複数のストッププレートの相対的角位置を固定するコネクタを有する請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記回転ストップおよび前記キャプスタンはともに共通して中心シャフトに取り付けられる請求項37に記載のシステム。
【請求項43】
さらに、
第2エンドレス経路に沿って走行し、第2の調整可能なガイドレールを進退させる第2ケーブル、および
前記第2エンドレス経路に沿って前記第2ケーブルを移動させる第2ケーブルアクチュエータ、を有し、
前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールが前記コンベヤに沿って対向し、かつ、前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールの進退に応じて両者間の搬送路の幅が変化する請求項23に記載のシステム。
【請求項44】
さらに、前記第1ケーブルアクチュエータおよび前記第2ケーブルアクチュエータの制御を連携して行うコントローラを有する請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記コントローラは前記第1および前記第2の調整可能なガイドレールのために予め設定された複数の設定条件を有し、これら設定条件それぞれは、異なる被搬送物品の幅に対応する請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
一つかそれ以上の物品を搬送するコンベヤ用システムであって、
前記の一つかそれ以上の物品を前記コンベヤに案内する第1の調整可能なガイドレール、
エンドレス経路に沿って走行して前記第1の調整可能なガイドレールの進退を行うケーブル、および
前記エンドレス経路に沿って前記ケーブルを移動させるケーブルアクチュエータであって、前記ケーブルに張力を加えると共に前記ケーブルに係合する第1滑車を有するテンショナを有するケーブルアクチュエータ、
を有するシステム。
【請求項47】
前記ケーブルアクチュエータは、キャプスタンを駆動して前記ケーブルの一部を少なくとも部分的に受け取る駆動装置を更に有する、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記駆動装置はウォームギヤを有する請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記ウォームギヤはハンドホイールによって駆動される請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記ウォームギヤはモータによって駆動される請求項48に記載のシステム。
【請求項51】
さらに、前記駆動装置の回転時、前記第1の調整可能なガイドレールの伸長に対応する第1方向において第1の所定量だけ前記キャプスタンを停止するリミットスイッチを有する、請求項47に記載のシステム。
【請求項52】
前記リミットスイッチによって、前記駆動装置の回転時に、前記第1の調整可能なガイドレールの後退に対応する前記第1方向に対向する第2方向に第2の所定量だけ前記キャプスタンを停止するように構成された、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記テンショナはさらに第2滑車を有し、前記ケーブルは前記第1滑車および前記第2滑車の周りに伸長し、そして前記ケーブルアクチュエータが前記第1滑車と前記第2滑車の間の距離を変更するように構成された、請求項46に記載のシステム。
【請求項54】
さらに、前記第2滑車にテンショニングスレッドが取り付けられた請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記テンショニングスレッドが一つかそれ以上のロッドに沿って走行するように構成された請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記第1滑車は前記コンベヤの一端により近接して位置し、そして前記第2滑車は前記コンベヤの対向端部により近接して位置する請求項53に記載のシステム。
【請求項57】
さらにケーブル張力の変化を示すインジケータを有する請求項46に記載のシステム。
【請求項58】
前記インジケータは前記テンショニングスレッドに接続したインジケータプレートを有し、該インジケータプレートの前記ケーブルアクチュエータ上の所定位置に対する整合が前記ケーブル内の所定張力に対応する請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
さらに前記キャプスタンの回転を制限する回転ストップを有する請求項47に記載のシステム。
【請求項60】
前記回転ストップは前記キャプスタンの回転を制限するように静止ストップに係合する少なくとも一つの伸長部を有する、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記静止ストップはリミットスイッチを有し、該リミットスイッチは前記少なくとも一つの伸長部と該リミットスイッチの接触に基づいて前記キャプスタンの回転を制限する、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記回転ストップは複数のストッププレートを有し、これらストッププレートそれぞれは少なくとも一つの伸長部を有し、前記複数のストッププレートは複数の相対的角位置において調整可能であり、前記複数のストッププレートのうちの第1ストッププレートの各第1伸長部を前記複数のストッププレートのうちの第2ストッププレートの各第2伸長部からオフセットするように構成された請求項60に記載のシステム。
【請求項63】
前記複数のストッププレートのうちの少なくとも一つは少なくとも一つの調整開口を有し、さらに、この少なくとも一つの調整開口を通過して前記複数のストッププレートの相対的角位置を固定するコネクタを有する、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記回転ストップおよび前記キャプスタンはともに共通して中心シャフトに取り付けられる、請求項60に記載のシステム。
【請求項65】
さらに、
第2エンドレス経路に沿って走行し、第2の調整可能なガイドレールを進退させる第2ケーブル、および
前記第2エンドレス経路に沿って前記第2ケーブルを移動させる第2ケーブルアクチュエータ、を有し、
前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールが前記コンベヤに沿って対向し、前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールの進退に応じて両者間の搬送路の幅が変化する請求項46に記載のシステム。
【請求項66】
さらに、前記第1ケーブルアクチュエータおよび前記第2ケーブルアクチュエータの制御を連携して行うコントローラを有する、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記コントローラが前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールのために予め設定された複数の設定条件を有し、これら設定条件それぞれが異なる被搬送物品の幅に対応する請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
一つかそれ以上の物品を搬送するコンベヤ用システムであって、
前記一つかそれ以上の物品をコンベヤに案内する第1の調整可能なガイドレール、
第1エンドレス経路に沿って走行し、前記第1の調整可能なガイドレールを進退させる第1ケーブル、
前記第1エンドレス経路に沿って前記第1ケーブルを移動させる第1ケーブルアクチュエータ、
前記一つかそれ以上の物品を前記コンベヤに案内する第2の調整可能なガイドレール、
第2のエンドレス経路に沿って走行し、前記第2の調整可能なガイドレールを進退させる第2ケーブル、
前記第2ケーブルを前記第2エンドレス経路に沿って走行させる第2のケーブルアクチュエータ、および
前記第1ケーブルアクチュエータおよび前記第2ケーブルアクチュエータの制御を連携して行うコントローラ、
を有するコンベヤ用システム。
【請求項69】
前記コントローラはそれぞれ被搬送物品の幅に対応する複数の予め設定された設定条件を有し、そしてこれら予め設定された設定条件のそれぞれは前記第1の調整可能なガイドレールと前記第2の調整可能なガイドレールの間の前記搬送路の幅に対応する、請求項68に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
本出願は2021年11月16日を出願日とし、その開示全体をここに援用する米国仮特許出願第63279914号の優先権を主張する出願である。本発明は物品搬送技術、具体的には調整可能なコンベヤガイドレール用アクチュエータに関する。
【発明の背景】
【0002】
コンベヤは一般にコンベヤチェーンまたはコンベヤベルトの各側に沿ってレールが位置し、これによって物品を搬送路に沿って案内するものである。物品を搬送路に確実に載せたまま物品がレール間を走行する。より大きな物品またはより小さな物品を搬送する場合、換言すると、大小の物流に対処するために搬送路の幅を調節する必要がある場合、状況に適応するためにあるガイドレールの一方か両方を調節する必要がある。
【0003】
従来のガイドレール調節システムは横方向に延在する案内ロッドを使用し、ガイドレールに装着したブラケットを支持する。ガイドレールを調節する必要がある場合、案内ロッドはブラケットにそって動かすことができるが、これは一般的に手動で行われる。これら案内ロッドはコンベヤから外向きに突き出し、周囲の領域に突出するため、コンベヤの全幅および設置面積が大きくなる。ロッドの延在部分がコンベヤ側部から突き出るため、剛性ロッドを有するガイドレールの外観も悪くなる。
【0004】
このように、前記の問題やまだ認識できていない他の問題を解決する調整可能なガイドレール用アクチュエータが必要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1態様に係るシステムはコンベヤ、およびエンドレス経路に沿って走行し、第1の調整可能なガイドレールの進退(又は伸縮。以下同じ。)を行って、コンベヤに沿って搬送時に一つかそれ以上の物品を案内するケーブルを有する。本システムはエンドレス経路にケーブルを走行させるケーブルアクチュエータを有する。このケーブルアクチュエータはケーブルの少なくとも一部を受け取り、かつ回転して、エンドレス経路に沿ってケーブルを走行させるキャプスタンを有する。ケーブルに張力を印加するテンショナも設ける。
【0006】
さらに、ケーブルアクチュエータはキャプスタンを駆動する駆動装置を有する。一つの実施態様では、駆動装置はウォームギヤを有する。このウォームギヤはハンドホイールまたはモータで駆動することができる。
【0007】
回転可能な駆動装置の回転時に、第1の調整可能なガイドレールの伸長(extension)に対応する第1方向に第1の所定量だけキャプスタンを停止するリミットスイッチを設けることができる。このリミットスイッチは回転可能な駆動装置の回転時に、第1の調整可能なガイドレールの後退(retraction)に対応する第1方向に対向する第2方向に第2の所定量だけキャプスタンを停止することができる。
【0008】
一つの実施態様では、テンショナは第1滑車および第2滑車を有し、ケーブルが第1滑車および第2滑車の周囲に伸長し、そしてケーブルアクチュエータが第1滑車と第2滑車との間の距離を変更する。第2滑車を取り付けたテンショニングスレッドを設けることができる。テンショニングスレッドは一つかそれ以上のロッドに沿って走行する。第1滑車はコンベヤの一端により近接して位置し、そして第2滑車はコンベヤの対向端部により近接して位置していてもよい。
【0009】
ケーブル張力の変化を示すインジケータを設ける。このインジケータはテンショニングスレッドに接続したインジケータプレートを有する。インジケータプレートをケーブルアクチュエータ上の所定位置に整合すると、これがケーブル内の所定張力に対応する。
【0010】
本システムはキャプスタンが走行する回転距離を制限する回転ストップを有することも可能である。一つの実施態様では、回転ストップは静止ストップに係合して、キャプスタンの回転を制御する少なくとも一つの伸長部を有する。静止ストップはキャプスタンの回転を停止するリミットスイッチを有していてもよい。回転ストップはそれぞれ少なくとも一つの伸長部を有する複数のストッププレートを有していてもよく、これら複数のストッププレートは複数の相対的な角位置において調整可能であるため、複数のストッププレートのうちの第1ストッププレート上の伸長部を複数のストッププレートのうちの第2ストッププレート上の第2伸長部からオフセットすることができる。複数のストッププレートのうちの少なくとも一つのストッププレートは少なくとも一つの調整開口を有し、さらにこの少なくとも一つの調整開口を通過して複数のストッププレートの相対的な角位置を固定するコネクタを有する。回転ストップおよびキャプスタンはともに共通して中心シャフトに取り付けることができる。
【0011】
本発明システムはさらに第2の連続経路に沿って走行して、第2の調整可能なガイドレールの伸縮(進退)を行う第2ケーブルを有していてもよい。第2ケーブルアクチュエータによって第2の連続経路に沿って第2ケーブルを走行させる。第1の調整可能なガイドレールおよび第2の調整可能なガイドレールはコンベヤに沿って対向し、第1の調整可能なガイドレールおよび第2の調整可能なガイドレールが進退すると、これらの間の搬送路の幅が変化する。
【0012】
コントローラによって、第1ケーブルアクチュエータおよび第2ケーブルアクチュエータの制御を連携させることができる。コントローラは第1および第2の調整可能なガイドレールの複数の予め設定した条件を有し、予め設定した設定条件それぞれは異なる被搬送物品の幅に対応する。
【0013】
本発明のさらに別な態様は、一つかそれ以上の物品を搬送するコンベヤ用のシステムに係る。本システムはコンベヤ上に一つかそれ以上の物品を案内する第1の調整可能なガイドレールを有する。ケーブルの走行によって第1の調整可能なガイドレールの伸縮(進退)を行う。キャプスタンを有するケーブルアクチュエータによってケーブルの少なくとも一部を受け取り、これを回転させて、ケーブルをエンドレス経路に沿って走行させる。
【0014】
一つの実施態様では、ケーブルアクチュエータはさらにキャプスタンを駆動する駆動装置を有する。駆動装置はウォームギヤを有していてもよく、これをハンドホイールまたはモータによって駆動してもよい。
【0015】
リミットスイッチを設けて、回転可能な駆動装置の回転時、第1の調整可能なガイドレールの伸長に対応する第1方向において第1の所定量だけ前記キャプスタンを停止することができる。このリミットスイッチを使用すると、回転可能な駆動装置の回転時、第1の調整可能なガイドレールの後退に対応する第1方向に対向する第2方向において第2の所定量だけ前記キャプスタンを停止することができる。
【0016】
ケーブルに張力を加えるテンショナを設けることも可能である。一つの実施例では、テンショナは第1滑車および第2滑車を有し、ケーブルが第1滑車および第2滑車の周囲に伸長し、そしてケーブルアクチュエータが第1滑車と第2滑車との間の距離を変更する。第2滑車にテンショニングスレッドを設けることができる。テンショニングスレッドは一つかそれ以上のロッドに沿って走行する。第1滑車はコンベヤの一端により近接して位置し、そして第2滑車はコンベヤの対向端部により近接して位置していてもよい。
【0017】
本システムはさらにケーブル張力の変化を示すインジケータを有することができる。このンジケータが前記テンショニングスレッドに接続したインジケータプレートを有し、このインジケータプレートが前記ケーブルアクチュエータ上の所定位置と整合すると、これが前記ケーブル内の所定張力に対応する。キャプスタンの回転を制限する回転ストップを設けることもでき、このストップは静止ストップに係合して、キャプスタンの回転を制限する少なくとも一つの伸長部を有していてもよい。静止ストップは少なくとも一つの伸長部との接触に基づいてキャプスタンの回転を制限するリミットスイッチを有していてもよい。回転ストップはそれぞれ少なくとも一つの伸長部を有する複数のストッププレートを有していてもよく、これら複数のストッププレートは複数の相対的な角位置において調整可能であるため、複数のストッププレートのうちの第1ストッププレート上の伸長部を複数のストッププレートのうちの第2ストッププレート上の第2伸長部をオフセットすることができる。複数のストッププレートのうちの少なくとも一つのストッププレートは少なくとも一つの調整開口を有し、さらにこの少なくとも一つの調整開口を通過して複数のストッププレートの相対的な角位置を固定するコネクタを有する。回転ストップおよびキャプスタンはともに共通して中心シャフトに取り付けることができる。
【0018】
本システムはさらに第2のエンドレス経路に沿って走行し、第2の調整可能なガイドレールの進退を行う第2ケーブルを有していてもよい。第2ケーブルアクチュエータによって第2ケーブルを第2のエンドレス経路に沿って走行させることができる。第1の調整可能なガイドレールおよび第2の調整可能なガイドレールがコンベヤに沿って対向し、第1の調整可能なガイドレールおよび第2の調整可能なガイドレールの進退に応じて両者間の搬送路の幅が変化する。
【0019】
第1ケーブルアクチュエータおよび第2ケーブルアクチュエータの制御を連携させるコントローラも本システムの一部を構成していてもよい。このコントローラが第1および第2の調整可能なガイドレールのために予め設定した複数の条件を有していてもよく、これら設定条件それぞれが異なる被搬送物品の幅に対応する。
【0020】
本発明のさらに別な態様は、一つかそれ以上の物品を搬送するコンベヤに使用するシステムに関する。本システムは一つかそれ以上の物品をコンベヤに案内する第1の調整可能なガイドレールを有する。ケーブルがエンドレス経路に沿って走行し、第1の調整可能なガイドレールの進退を行う。ケーブルアクチュエータによってケーブルがエンドレス経路に沿って走行する。このケーブルアクチュエータはケーブルに張力を加えるテンショナを有し、このテンショナはケーブルに係合する第1滑車を有する。
【0021】
一つの実施態様では、ケーブルアクチュエータはさらにキャプスタンを駆動し、ケーブルの一部を少なくとも部分的に受け取る駆動装置を有する。この駆動装置はハンドホイールまたはモータによって駆動することができるウォームギヤを有していてもよい。
【0022】
リミットスイッチを設けて、第1の調整可能なガイドレールの伸長に対応する第1方向における回転可能な駆動装置の第1所定量の回転時に前記キャプスタンを停止することができる。このリミットスイッチによって、第1の調整可能なガイドレールの後退に対応する第1方向に対向する第2方向における前記回転可能な駆動装置の第2所定量の回転時にキャプスタンを停止することができる。
【0023】
テンショナはさらに第2滑車を有していてもよい。このような場合、ケーブルは第1滑車および第2滑車の周囲に伸長する。ケーブルアクチュエータによって第1滑車と第2滑車との間の距離を変更する。
【0024】
テンショニングスレッドは第2滑車に取り付けることができる。このテンショニングスレッドは一つかそれ以上のロッドに沿って走行することができる。第1滑車は前記コンベヤの一端により近接して位置し、そして第2滑車は前記コンベヤの対向端部により近接して位置していてもよい。
【0025】
ケーブル張力の変化を示すインジケータを設けることも可能である。このインジケータはテンショニングスレッドに接続したインジケータプレートを有していてもよく、インジケータプレートがケーブルアクチュエータ上の所定位置に整合すると、これはケーブル内内の所定張力に対応する。
【0026】
回転ストップによってキャプスタンの回転を制限することができる。回転ストップはキャプスタンの回転を制限する静止ストップに係合する少なくとも一つの伸長部を有していてもよい。この静止ストップは少なくとも一つの伸長部とリミットスイッチとの接触に基づいてキャプスタンの回転を制限するリミットスイッチを備えていてもよい。一つの実施例では、回転ストップはそれぞれ少なくとも一つの伸長部を有する複数のストッププレートを有していてもよく、これら複数のストッププレートは複数の相対的な角位置において調整可能であるため、複数のストッププレートのうちの第1ストッププレート上の伸長部を複数のストッププレートのうちの第2ストッププレート上の第2伸長部からオフセットすることができる。複数のストッププレートのうちの少なくとも一つのストッププレートは少なくとも一つの調整開口を有し、さらにこの少なくとも一つの調整開口を通過して複数のストッププレートの相対的な角位置を固定するコネクタを有する。回転ストップおよびキャプスタンはともに共通して中心シャフトに取り付けることができる。
【0027】
本発明システムはさらに第2の連続経路に沿って走行して、第2の調整可能なガイドレールの進退を行う第2ケーブルを有していてもよい。第2ケーブルアクチュエータによって第2の連続経路に沿って第2ケーブルを走行させる。第1の調整可能なガイドレールおよび第2の調整可能なガイドレールはコンベヤに沿って対向し、第1の調整可能なガイドレールおよび第2の調整可能なガイドレールが進退すると、これらの間の搬送路の幅が変化する。
【0028】
コントローラによって、第1ケーブルアクチュエータおよび第2ケーブルアクチュエータの制御を連携させることができる。コントローラは第1および第2の調整可能なガイドレールの複数の予め設定した条件を有し、予め設定した条件それぞれは異なる被搬送物品の幅に対応する。
【0029】
本発明のさらに別な態様は、一つかそれ以上の物品を搬送するコンベヤ用のシステムに係る。本システムはコンベヤ上に一つかそれ以上の物品を案内する第1の調整可能なガイドレール、第1エンドレス経路に沿って走行し、第1の調整可能なガイドレールの進退を行う第1ケーブル、および第1エンドレス経路に沿って第1ケーブルを走行させる第1ケーブルアクチュエータを有する。本システムはさらにコンベヤ上に一つかそれ以上の物品を案内する第2の調整可能なガイドレール、第2エンドレス経路に沿って走行し、第2の調整可能なガイドレールの進退を行う第2ケーブル、および第2ケーブルを第2エンドレス経路に沿って第2ケーブルを走行させる第2ケーブルアクチュエータを有する。コントローラによって第1ケーブルアクチュエータおよび第2ケーブルアクチュエータの制御を連携する。このコントローラはそれぞれが被搬送物品の幅に対応する複数の予め設定した条件を有し、予め設定した条件のそれぞれは第1の調整可能なガイドレールおよび第2の調整可能なガイドレールとの間の搬送路の幅に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本明細書に添付し、本明細書の一部を構成する図面は本発明のいくつかの態様を説明するもので、明細書本文とともに本発明のいくつかの原理・原則を説明するものである。
【0031】
図1は本発明の一実施態様に係る単体のコンベヤガイドレールアジャスタの一実施態様を示す上面透視図である。
【0032】
図2図1のアジャスタを示す底面透視図である。
【0033】
図3図4および図5図1のアジャスタを示す上面図、背面図および底面図である。
【0034】
図6図1のアジャスタを示す正面図である。
【0035】
図7および図8図1のアジャスタを示す左側面図および右側面図である。
【0036】
図9図1図8のアジャスタの一部を形成する折り畳み式ガイドレール支持体を示す透視図である。
【0037】
図9Aはアームを支持体(シャトル)の一つに接続して、旋回動作を行う方法を示す展開図である。
【0038】
図9B図9Aの組み立て構成を示す上面図である。
【0039】
図9C図9Bの線9C-9Cに沿って見た、組み立て時の図9Aの構成を示す横断面図である。
【0040】
図10および図11は伸長状態および後退状態にある図9の支持体を示す上面図である。
【0041】
図12図9の支持体を示す背面図である。
【0042】
図13は支持体に接続して手動操作を行うシャトルを示す透視図である。
【0043】
図14図13のシャトルを示す展開透視図である。
【0044】
図15は支持体に接続して操作を自動化するシャトルを示す透視図である。
【0045】
図16図15のシャトルを示す展開透視図である。
【0046】
図16A図15のシャトルを示す一部を横断面化した上面図である。
【0047】
図17は調整可能なガイドレール支持体を作動するアクチュエータの態様を示す側面図である。
【0048】
図18は調整可能な支持体用のアクチュエータの一部を構成するケーブルのテンショナを示す図である。
【0049】
図19図20図21図22および図23はアクチュエータの別な形態を示す図である。
【0050】
図24図25および図26は複数のアジャスタに対応する2つの対向ガイドレールを有するシステムを示す図である。
【0051】
図27および図28は伸長ないし伸長可能なガイドレールの各種態様を示す図である。
【0052】
図29図30および図31はアジャスタ用の支持レールの湾曲断面に沿ってエンドレスケーブルを案内するガイドを示す図である。
【0053】
図32図33および図34は本開示に係る調節可能なガイドレールを使用して各種ゾーンを形成することを示す概略図である。
【0054】
図35Aおよび図35Bはケーブルによってガイドレールの進退を行う状態を示す図である。
【0055】
図36は一本のガイドレールに取り付けた複数のアジャスタを示す図である。
【0056】
図37図40はケーブルアクチュエータを示す図である。
【0057】
図41はケーブルアクチュエータ用の回転ストップを示す図である。
【0058】
図42は図解である。
【0059】
図43図48はケーブルアクチュエータの別な実施態様を示す図である。
【0060】
以下、いくつかの実施例を示す添付図面を参照して、コンベヤ用の調節可能なガイドレールおよび制御システムのいくつかの実施態様を詳細に説明する。
【発明の詳細な説明】
【0061】
図1図9を参照して、本発明の一態様を構成するガイドレールアジャスタ10の一つの実施態様を説明する。図示のように、アジャスタ10はガイドレール12に接続し、搬送路に沿って、かつ搬送方向D(例えば図19を参照)に物品を案内することができる。ガイドレール12はアジャスタ10の一部を構成する支持体14によって支持することができ、この部分は可撓性を示すか、あるいは折り畳み可能とすることができる(即ちよりコンパクトな形状に折り畳むことができる)。従って、支持体14を有するアジャスタ10はガイドレール12を進退させることができ、搬送路の相対的位置を変更することができるが、この調節の結果として横断方向における対応するコンベヤの全体幅が大きくなることはない。
【0062】
一つの実施態様では、支持体14は相互に接続した第1および第2の支持部またはアーム16、18としてのリンクを有していてもよい。これらアーム16、18は垂直方向においては剛性を示すが、コネクタ20などによって内端部において旋回自在に接続する。従って、アーム16、18およびコネクタ20はリンク機構(ツーバーリンク機構(two bar linkage)でもよく、あるいは他の形態のリンク機構も使用可能である)を構成する。
【0063】
対向端部において、各アーム16、18は減摩擦または摩擦排除を目的とした、換言すると支持(support or bearing)を目的とした構造部分に接続する。図示の実施態様では、可動ボルスタまたはシャトル22、24の形を取り、これが搬送方向Dにガイドレール12に全体として平行に伸長する細長い支持レール26に摩擦係合(滑り係合または回転係合)する。すると、これら接続および結果としての相対的な動きによって支持体14が搬送方向Dの横断方向に屈曲するか、あるいは折り畳まれる。
【0064】
支持体14はガイドレール12にも接続する。図示の実施態様では、この接続はコネクタ20に一つかそれ以上のクリップ20a、20bなどの受け取り部材を設けることによって行う(なおこれらクリップは、以下に詳しく説明するように、ガイドレール12が所定位置に固定されるように係合することができるか、相対的な滑り動作を行うことができる)。図6から理解できるように、この構成では、アジャスタ10全体の垂直プロファイルがきわめて小さくなり、高さもガイドレール12の高さをわずかに上回るだけである。図1図8から理解できるように、カバー28を適宜設けることも可能であり(図9には図示せず)、このカバーは支持レール26に係合し、アジャスタ10の可動部分に対する保護の一つの目安になる。ただし、これら部材の相対的な動きや動作を妨害するものではない。
【0065】
図9および図12に、一つの実施態様ではガイドレールの支持体14を形成するアーム16、18の旋回式接続の特性を示す。各アーム16、18にはトラニオン16a、18aを設けることができ、これらの端部はコネクタ20の両側にある上下の受け取り部材20c内に受け取られ、かつ回転自在に捕捉される。なお、(機械式ピンまたはリビングヒンジを備えた)簡単なヒンジなどの他の構成も使用可能である。いずれにせよ、シャトル22、24が支持レール26に沿って相互に向かって移動すると、コネクタ20、従って対応するガイドレール(図示省略)が搬送方向の横断方向に隣接する搬送面に沿って移動する。この移動の場合、接続に対するアーム16、18の旋回によって可撓性ジョイントが屈曲する点で可撓性移動と考えられる。同じように、シャトル22、24が反対方向に(相互に離間する方向に)が移動すると、アーム16、18が相互に(そしてコネクタ20に対して)屈曲することによりガイドレール12が後退する。
【0066】
リンク機構を形成するアーム16、18が“底に達し(β=180°か、それ以上)”かつ潜在的に固定される位置に達することは(特にアジャスタ10の作動を手動ではなく自動化する場合には)好ましくない。これについては、図10および図11から理解できるように、ガイドレール12に対向するコネクタ20のガイドレール12に対向する側に搬送方向を横断する方向に突き出す凸部または伸長部20dを設けるならば回避することができ、アーム16、18間に形成するジョイントの屈曲を最大化することができる。コネクタ20の凸部または伸長部20dの大きさおよび位置については、リンク機構が完全に折り畳まれた位置において支持レール26に係合する大きさおよび位置であってもよく、このように構成すると、リンク機構が底に達し、位置が固定されることがなくなる。この凸部はアーム16、18のいずれか一方または両方に設けてもよく、場合によっては支持レール26にも設けてもよく、いずれの場合も同じ結果が得られることは言うまでもない。
【0067】
図10図11および図12を参照して説明すると、支持体14は選択的に進退できるため、対応するガイドレール12の調節レベルを高く設定することができる。この調節は簡単かつ効率高く実施することができ、コンベヤシステム全体の設置面積が著しく大きくなることはない。具体的に説明すると、支持体14が進退すると、コネクタ20によって旋回自在に支持体に取り付けたガイドレール12が搬送路の幅が変わり、搬送すべき多数の異なるサイズの物品に対処することができる。例えば、より小さなサイズの物品の搬送を望む場合、搬送方向Dに対して横断方向の内向き方向Iにガイドレール12を移動させるだけでよく、これによってガイドレールがこの方向に折り畳まれる(このため、可撓性ジョイントの角度が図示の実施例では5度などの小さな鋭角αになり、アーム16、18が平行配列の場合にはさらに小さな角度になる)。換言すると、アーム16、18はアーム間の相対角度がより大きい位置からより小さな角度になる位置まで移動する。このため、搬送路が狭くなり、各種の異なるサイズの物品の案内に容易に対処できることになる。
【0068】
同様に、より大きなサイズの物品/物体を搬送することを望む場合、言い方を変えると、下にあるコンベヤに対する搬送路の幅を広げることを望む場合、搬送方向Dに対して横断方向にある外向き方向Oにガイドレール12を移動させるだけでよく(これによって、ジョイントを屈曲でき、アーム16、18間の角度を180度未満のより大きな鈍角βに設定できるが、図示のように、この角度は凸部20dの存在によって制限を受け、ロックアウト状態は避けることができる)。換言すると、アーム16、18はアーム間の相対角度がより小さな位置からより大きい位置まで移動する。いずれの場合も、ロッドや類似構造体が支持レール26から外側に突き出ていないため、構成の幅全体は進退の結果として変化しない。従って、コンベヤシステムは横断方向に伸長するロッドおよび対応するマウントを使用した場合よりも設置面積を小さくすることができる。
【0069】
支持体14の調節は手動でもよく、あるいは自動でもよい。手動の場合を図13および図14を参照して説明すると、各シャトル22、24には支持レール26に選択的に係合することによって、シャトルを目的の位置に保持するさいに使用するリテーナ30を設けることができる。図示の実施態様では、リテーナ30はクリップ32aにスナップ嵌めすることなどによって旋回自在に取り付けたレバー34を支持するポスト32を有する。レバー34の内部はウェッジ36を有する。このウェッジのサイズおよび位置については、一つの位置ではレール26には係合しないが、異なる位置(図9の位置34´(自由)および34´´(保持)を参照)ではレール26に摩擦係合するように設定する。対向プレート38、40はファスナーFによって保持し、ポスト32を所定位置に保持することができ、各プレート38、40は支持レール26の一部を滑り自在に受け取るガイド42を有していてもよい。プレート38、40も対応するファスナー(キー溝プラグ16c、図9A図9Bおよび図9Cを参照)を受け取る開口38a、40aを有していてもよく、このファスナーは各アーム16、18の近位端部から垂下し、アーム16、18の端部をシャトル22、24に旋回自在に接続するものである。
【0070】
本開示から理解できるように、レバー34を使用してリテーナ30を外すことによって、対応するシャトル24が支持レール26に沿って自由に前後に移動し、例えば滑動し、これによって支持体14が、従って対応するガイドレール12が進退する。ガイドレール12の目的の進退に対応する位置に達すると、リテーナ30が再び作動して、リテーナが支持レール26に係合し、これを固定する。本開示から理解できるように、旋回自在に接続したアーム16、18によって得られる支持体14の折り畳み特性があるため、目的に応じてガイドレール12の進退を実施するためにはシャトル22、24のうちの一つを移動するだけでよい。
【0071】
シャトル22、24の自動化環境への動作対応も容易に実施することができる。具体的には、少なくとも一つのシャトル、場合によっては各シャトル22、24がアクチュエータに係合し、支持レール26に沿ってこれを前後に作動度に応じて移動させ、アーム16、18を進退させる。図17に示すように、アクチュエータはシャトル22、24に接続する可撓性ケーブル44などのコネクタを有していてもよい。本開示では、用語“ケーブル”の通常理解されている定義に加えて、この用語はロープなどの任意の可撓性ラインまたはストラップ、チェーン、ナイロンやその他のポリマー製ストラップ、ワイヤ、金属製か非金属性の他のコード化材料を指すこともある。ケーブル44は各端部の滑車46を超えて伸長する(なお、図17には支持レール26の一端に取り付けた一つの端部のみを示すが、支持レール26の対向端部に示すように、構成は本質的に同じである;図19を参照)。このように、エンドレスループ構成が形成する(なお、このループは以下にさらに説明するように、複数のアジャスタ10に対応することができる)。
【0072】
ケーブル44がエンドレス経路を横断するために、本実施態様ではアクチュエータの一環としてモータ50(サーボモータなどの)に対応するキャプスタン48などの駆動装置の周囲に巻き付けることができる。図18に示すように、ケーブル44にもターンバックル45などのテンショナを設けることができ、張力を必要に応じて、あるいは望む場合に調整することができる。
【0073】
図16を参照して説明する本実施例では、各プレート38、40にケーブル44に選択的に係合するリテーナ52を設けることができる。リテーナ52は旋回自在なカム54(図16には上部カムのみを示す)としてのクランプで構成することができるが、他の形態も(対応するシャトルの表面にケーブル44の一部を捕捉するフランジを備えたボルトなども)使用可能である。カム54については、ファスナーFによって所定位置に保持することができるポスト56の縮径端部56aに支承することができる。
【0074】
図16および図16Aを参照して説明する図示の実施例では、カム54は拡径の円形内面54aを有し、この内面がケーブルに係合し、これをプレート38、40の摩擦作用の強い部分55に係合する(なお、これらプレートは同じでもよく、逆関係でもよい。即ち、図16においてプレート38はプレート40と同形であるため、上部プレートが摩擦作用の強い部分55を有する)。また、カム54は自由端部54bを有し、この端部が触知係合し、保持位置と開放位置との間を移動する。ロック部材、例えば凸部58aにスナップ嵌め係合する可撓性レグを備えた着脱自在なロックタブ58もカム54に係合し、これをロック位置または閉じた状態に固定し、従ってケーブルに係合(図16Aに想像線で示す)する。ポスト56の対向する縮径端部56bにローラまたは滑車60を支承することができる(図16に示すように、カム54が下部プレートにある時には上であり、カム54が上部プレート38にある時には下である)。
【0075】
また、エンドレスループを形成する場合には、ケーブル44は前進行程(走路)および戻り行程(走路)を有する。図16に示すように設けたクランプ(カム54)を使用して一つのシャトル22を前進走路に接続し、対応する位置にあるクランプ(プレート40上のカム54、図16Aを参照)を使用して他のシャトル24を戻り走路に接続することによって、単体アクチュエータを使用して作動を行うと、シャトル22、24が相互に向かって、あるいは相互から離間するようにシャトル22、24が移動し、これによってアーム16、18が形成する支持体14のジョイントを屈曲し、ガイドレール12が進退する。シャトル22、24に固定されていないケーブル44の交互に生じる走路の場合、ローラ/滑車60に単に係合するだけなので、相対的な移動を妨害することはない。
【0076】
さらに図16を参照して説明を続けると、各シャトル22、24にはローラ62を設けることもでき、これによって支持レール26に低摩擦係合することができる。ローラ62における個々のローラ62aをファスナー64によってプレート38、40に接続し、支持レール26の外面に係合し、個々のローラ62bはプレート38、40内に支承し、支持レール26の内面に係合する。図示から理解できるように、ローラ62aが離間しているため、レール16の一部がカバー28に係合し、これを支持する。
【0077】
別な形態の作動も可能であり、この場合には単体のアクチュエータを使用して複数のアジャスタ10を作動し、搬送路の幅を調節するのが有利である。例えば、図19に示すように、ケーブル44などのコネクタをラック66に対応させ、回転可能なピニオン68に係合するとよい。ケーブル44がエンドレスであるため、また対応して上記のようにシャトル22、24に接続しているため、一つの方向にピニオン68を作動すると、同時に複数のアジャスタ10が作動する。これによって、ガイドレール12(図示を目的として想像部分をもつ2つの離間部分として示す)コンベヤCの横断方向Tに進む(図示のように、コンベヤCは搬送方向Dにある搬送面(チェーンまたはベルトB)が形成する搬送路Pを有する。なお、ガイドレール12が横断方向に進む結果として幅の狭い搬送路P´になる)。具体的には、ピニオンが時計方向に回転すると、ラックが図19において右に移動し、そしてケーブル44の前進走路が各ガイドレールアジャスタ10のシャトル22接続し、かつ戻り走路がシャトル24に接続しているため、図示の前進が生じる。ピニオン68の回転方向を逆にする逆の走行が生じる。
【0078】
コンベヤCに対応するアジャスタ10の作動も手動でもよく、自動でもよい。即ち、図20図22に示すように、ハンドホイール70は対応するコンベヤCに接続することができ、これを回転し、使用するアジャスタの強度に応じて、アジャスタ10のうちの一つかそれ以上を作動させることができる(基本的には、単体コネクタまたはケーブル44に任意数(2、5、10、20またそれ以上)のアジャスタを単体コネクタに接続することができる)。図23に自動化操作にモータ72(サーボモータなど)を使用する態様を示す。
【0079】
図24図26は搬送路(図示省略)を有するコンベヤに使用する複数のアジャスタ10を組み込んだ調節可能ガイドレール支持システム100を示す概略図である。図示の対向した内側ガイドレール12aおよび外側ガイドレール12bが搬送路に沿って物品(図示省略)を案内する。調節可能なガイドレール支持体14a、14bが内側ガイドレール12aを支持し、調節可能なガイドレール支持体14cが外側ガイドレール12bを支持する。即ち、異なる大きさの物品(あるいは物品群)に対処するために搬送路の幅Wを調節することが望まれる場合には、ガイドレール12aを(ガイドレール支持体14a、14bとともに)、そしてガイドレール12bを(ガイドレール支持体14cやその他のものとともに)移動させてもよい。この移動は手動操作でもよく、自動操作でもよく、いずれの場合も、(動作を単独のコントローラによって連携できる対応するモータを使用して)各支持レール26に沿って搬送方向Dを横断する(ケーブル44を含む)単独のアクチュエータを使用して、搬送路幅Wを拡大または縮小することができる(なお図25のより狭い幅W´または図26のさらに狭い幅W´´に留意。これらはいずれも単列のビンまたは缶などの被搬送物品に対応する)。このような場合には、一つおきのアジャスタ10におけるガイドレール12a、12bに受け取り部材(クリップ20a、20bなど)を硬く係合することが望ましく、目的に応じて進退を行うことができるが、他のアジャスタにおいて他のガイドレールに滑り係合させることも可能である。
【0080】
図27および図28に示すように、ガイドレール12については、垂直方向の寸法が小さいレグ12c、12d(基本的にはそれぞれガイドレールの全高の半分に等しい)などの部分からなる伸長自在なジョイント74で構成することができる。これらレグ12c、12dは相互に重なり、または垂直方向に重なり、受け取り部材76に滑り自在に受け取られる。これら受け取り部材はC字形クランプとして形成できるため、(ガイドレール12の後退時には共通の中心に向かって、かつ伸長時にはこれから離間するように)レグが相対的に移動することができる。即ち、これら受け取り部材76はレグ12c、12dを一緒に保持するものではあるが、対応するガイドレール部分の進退時には搬送方向に相対的に移動できるものである。このため、ガイドレールには支持体14を介して目的の進退を行って、具体的な被搬送物品を収容することができ、あるいは具体的な搬送路を形成することができる。このため、レグ12c、12dのいずれか一方または両方を湾曲することができるが、伸長可能なジョイントによって接続した直線部分に接続した支持体14を使用することも可能になる。図28からも理解できるように、伸長可能なジョイント74を使用するため、対向ガイドレール12の進退量を変更することができ、この異なる進退量は一方が内側湾曲部に対応し、他方が外側湾曲部に対応するさいに生じることがある。
【0081】
下にあるコンベヤCの大きさや形状に応じて、アジャスタ10の中間にガイドを設け、ケーブル44などのコネクタを案内することも望ましい場合がある。図29図31に示すように、このためには図13および図14の手動シャトル22または24を使用してもよい。このシャトルにはケーブル44の上下の走路に係合する滑車60を設けることができる。シャトル22、24については対応するリテーナ30を使用して選択的に位置決めすることができる。静止ブラケット78にはケーブル44のそれぞれの走路を案内する上下のガイド78a、78bを設けることもできる。
【0082】
図32および図33はアジャスタ10を使用して、単体コンベヤまたは(例えば複数のコンベヤからなる)コンベヤシステムに異なる幅を有するゾーンを形成する態様を示す概略図である。図32に示すように、下にあるコンベヤCに対応する第1列のアジャスタ10aを使用して、コンベヤの上流部分にさらに離間したガイドレール12a、12bを設けて第1ゾーンZ1を形成するとともに、第2列のアジャスタ10bを使用して、下流側ガイドレール12e、12fの離間幅を狭めて、第2ゾーンZ2を形成することができる。アジャスタ10a、10bは手動で調節してもよく、あるいは異なるアクチュエータ(例えば上記のケーブルシステム)に対応させてもよい。時間が経つうちに、図33に示すように、アジャスタ10a、10bが変更して、図34に示すように、ゾーンZ1、Z2の幅を同じにするか、あるいはZ2の幅をZ1よりも大きくする。また、同様に、ガイドレール12aおよび12bの材料は可撓性をもつものであってもよく、あるいは(上記のジョイント74を始めとする可撓性の相互接続部を備えていてもよく、図示のために概略図において誇張して示す相対的な移動が可能になる。
【0083】
上記したように、また図35A図35Bに示すように、各アジャスタ10は単体の支持体14、一対の支持アーム16、18および一対のシャトル22、24を有していてもよく、いずれも単体のガイドレール12を進退するものである。個々のアジャスタ10については、ケーブル44によって個々に作動することができる。ケーブル44としては、エンドレス路または連続ループであってもよく、上部トラック44aなどの第1トラックおよび底部トラック44bなどの第2トラックを有していてもよい。シャトル22、24のうちの少なくとも一つに対応して一つかそれ以上のリテーナ52を設け、これがケーブル44に選択的に係合することができる。一つかそれ以上のローラ/滑車60を設け、ケーブル44に沿ってシャトル22、24のうちの少なくとも一つを案内することができる。例えば、第1シャトル22は上部にリテーナ52を、そして底部にローラ/滑車60を備えることができ、また第2シャトル24は底部にリテーナ52を、そして上部にローラ/滑車60を備えていてもよい。
【0084】
別な実施態様では、図36に示すように、複数のアジャスタ10a、10b、10cはそれぞれ支持アームおよびシャトルを有していてもよい。複数のアジャスタ10a、10b、10cそれぞれは単体の支持体14に接続することができる。複数のアジャスタ10a、10b、10cのそれぞれによって単体のガイドレールが進退することができる。一つの態様では、複数のアジャスタ10a、10b、10cのそれぞれは単体のケーブル44によって作動することができる。
【0085】
本開示のさらに別な態様に係る図37図40にケーブルアクチュエータ200をしめす。このアクチュエータによってケーブル44がエンドレス経路または連続ループに沿って選択的に走行する。このケーブルアクチュエータ200はエンドレス経路または連続ループに沿ってケーブル44を前進駆動および後進駆動するキャプスタン(またはスプール)248などの駆動装置を備えることができる。キャプスタンまたはスプールを使用すると、ケーブル44の端部を固定することが簡単になり、クリンプ用ツールやターンバクルを使用する必要はない。キャプスタン248またはスプールは中心シャフト242の周りで回転することができる。
【0086】
一つの態様では、駆動装置またはキャプスタン248は、例えばハンドホイール270などによって手動で駆動することができる。別な態様では、駆動装置またはキャプスタン248は、例えば(サーボモータなどの)モータ250によって自動的に駆動することができる。ケーブルアクチュエータ200にハンドホイール270およびモータ250の両者を設けると、例えば使用者に自動操作または自動操作の選択肢を与えることができる。
【0087】
図38を参照して説明すると、駆動装置またはキャプスタン248は従動ギヤ252に接続してもよく、あるいは他の手段で対応させることができる。この従動ギヤ252は中心シャフト242に取り付けることができる。この従動ギヤ252については、ウォームギヤの車輪部分として図示してあるが、キャプスタン248に接続し、キャプスタンの回転をスムーズにする任意のギヤ、例えばヘリカルギヤ、ダブルヘリカルギヤ、ヘリングボーンギヤ、ベベルギヤ、ハイポイドギヤをキャプスタン248に接続することができる。
【0088】
一つの態様では、従動ギヤ252は駆動ギヤ254によって駆動することができる。図示のように、駆動ギヤ254はウォームギヤのネジ刻設部分であるが、駆動ギヤとしては従動ギヤ252を駆動する任意の形式のギヤを使用することができる。例えば別な実施態様では、スパーギヤ、ヘリカルギヤ、ダブルヘリカルギヤ、ヘリングボーンギヤ、ベベルギヤ、ハイポイドギヤなどの任意のギヤを使用することができる。
【0089】
駆動ギヤ254はクランクシャフトなどのシャフト256に接続することができ、あるいは他の手段でシャフトに対応させることができる。一つの実施態様では、シャフト256はハンドホイール270によって駆動してもよく、別な実施態様では、モータ250によって駆動してもよい。さらに別な実施態様では、シャフト256はハンドホイール270またはモータ250によって代替的に駆動することができる。即ち、シャフトが回転すると、キャプスタン248が回転し、ケーブル44がエンドレス経路または連続ループに沿って前後に移動する。
【0090】
一部の実施態様では、ケーブルアクチュエータは既知量の、あるいは調整可能量の張力をケーブル44に加えるテンショナ300を備えていてもよい。一つの態様では、このテンショナ300は所定量の張力をケーブル44に自動的に印加することができる。
【0091】
テンショナの場合、ケーブル44に接続し、テンショナ300に出入りするケーブル44の走行をスムーズにする一つかそれ以上の第1滑車302を有していてもよい。テンショニングスレッド310に対応して一つかそれ以上の第2滑車304を設けることができる。例えば一つかそれ以上の第2滑車304をテンショニングスレッド310に取り付けてもよい。これら一つかそれ以上の第2滑車304は一つかそれ以上の第1滑車からケーブル44を受け取り、これをエンドレス経路または連続ループに沿って連続的に一つかそれ以上の第1滑車に送り返すことができる。
【0092】
テンショニングスレッド310はネジ刻設ロッドなどのロッド306に沿って走行することができる。ロッド306に沿って走行することによって、テンショニングスレッド310は一つかそれ以上の第1滑車302と一つかそれ以上の第2滑車304との間の距離を変更することができる。一つかそれ以上の第1滑車302と一つかそれ以上の第2滑車304との間の距離を変えることによって、ケーブル44内の張力を調整し、ケーブル44に印加される張力を加減することができる。
【0093】
一部の実施態様では、テンショナ300はバネ312およびストップブロック314を備えていてもよい。バネ312として圧縮バネを使用することができ、テンショニングスレッド310に力を印加することができる。例えば、図40に示すように、テンショニングスレッド310とストップブロック314との間でバネ312を圧縮すると、ストップブロック314に対向する方向に、下向きの力などの力をテンショニングスレッド310にバネによって加えることができる。
【0094】
あるいは引っ張りバネをストップブロック314と張力印加スレッド310との間に設けた状態で、ストップブロック314を張力印加スレッド310の下に設けてもよい。引っ張りバネ312を張力印加スレッド310とストップブロック314との間にバネ312を設ける構成では、ストップブロック314に対向する方向に、下向きの力などの力をストップブロック314の方に向けてテンショニングスレッド310にバネ312によって加えることができる。
【0095】
いずれの構成の場合も、バネ312によってテンショニングスレッド310に印加する力によって、一つかそれ以上の第1滑車302と一つかそれ以上の第2滑車304との間の距離が長くなるか(あるいは短くなり)、ケーブル44内の張力を増減することができる。
【0096】
バネ312の大きさについては、テンショナ300内に目的の力を設定できる大きさとすることができる。例えば、バネ312がテンショニングスレッド310に加わる力によってケーブル44内に所定の張力を維持できるように目的のK-ファクターをもつバネを選択してもよい。非限定的な実施例では、バネのK-ファクターは20lbs/inとしてもよい。
【0097】
一つの態様では、テンショニングスレッド310はケーブル44内に得られる目的の張力に対応するテンショニングスレッド310の目的の位置を使用者に可視化できるインジケータ320を備えていてもよい。図40にはこのインジケータ320をインジケータプレートとして示す。インジケータプレートの少なくとも一部(インジケータプレートの上部またはこのインジケータプレート内の窓やクロスハッチなど)を所定の点、例えばストップブロック314の底部、ストップブロック314の上部あるいはストップブロック314にそう任意の点(例えば中央部や具体的にマークを印した位置)などの所定の点に整合させると、ケーブル44の所定張力に対応するテンショニングスレッド310の位置を使用者に可視化することができるか、あるいは通知することができる。他の実施態様では、インジケータはダイアル、単体または一連のマーキング、デジタルディスプレイまたはテンションメータでもよい。
【0098】
テンショニングスレッド310のロッド306にそう位置は使用者によって調整することができる。例えば、ネジ刻設ロッド306の実施例では、ロッド306にテンショニングスレッド310がネジ係合するため、ロッド306が回転すると、バネの圧縮長さが変化し、従ってテンショニングスレッド310のロッドに沿う移動が変化する。このロッド306の回転については手動でもよく、あるいは(図示を省略するが、モータによる)自動であってもよい。
【0099】
非制限的な実施例では、モータ250のトルク出力は17in‐оz(NEMA23サイズ、600rpm出力、McMaster#6627T53など)であってもよい。ウォームギヤ減速から生じるトルク増大を考慮した場合、半径35mmのキャプスタンを使用して、ケーブルアクチュエータ200およびテンショナ300によって、力がほぼ30~35lbs.の張力で連続経路またはエンドレスループに沿ってケーブルを移動させることができる。
【0100】
バネそれ自体の特性に関する知識を利用して、使用者はワイヤ内の張力をテンショニングスレッドの走行距離と相関させてもよい。例えば図42の図解を参照して、ケーブル内張力Tによって例えば上向きに第1力をスレッドに発生し、バネによって例えば下向きに第2力Fsをスレッドに発生することができる。バネのk-ファクターKだけでなく、バネが発生する初期力およびスレッドの位置(相関する圧縮バネ長さ)に関する知識を利用して、使用者はファクターのうちの任意のファクターを変更し、別なファクターを調整することができる方程式を決定することができる。例えば、ケーブルに特定の張力Tが望まれる場合には、公知のバネ特性を利用して、使用者はバネが作用するブロックの位置を調整して、ケーブル内の張力Tを最終的に変更することができる。
【0101】
具体的には、バネ内の力に関する式の特徴については、以下のように記述することができる。
Fs=Fp+K(Lf-Lc)
式中、Fsはスレッドに対するバネの反応力、Fpはバネのプレロード力、Kはバネファクター、Lfはバネの自由長さ、そしてLcはバネの圧縮長さである。
【0102】
平衡状態では、スレッドに作用する力は平衡していなければならない。図42を参照して説明すると、Fs=4Tと言い換えることができる。従って、以下の方程式によってケーブル内の張力Tを相殺的なバネ特性に相関させることができる。
4T=Fp+K(Lf-Lc)
この方程式の一つの目的はバネ圧縮の量、換言すると、ワイヤ内に公知量の張力Tになるバネの圧縮長さLcを決定することを可能にすることである。従って、圧縮長さLcは以下のように決定することができる。
Lc=Lf-(4T-Fp)/K
計算終了後は、使用者はバネ内の圧縮長さ(例えばロッドを回転して、バネを進退させるなどして)を設定し、目的のケーブル張力Tを求めることができる。
【0103】
ケーブル44はエンドレス経路または連続ループに沿って所定方向に走行する距離を制限することが望ましい場合もある。図41を参照して説明すると、本明細書に開示する実施態様には回転ストップ400を設けることができる。この回転ストップ400はキャプスタン248の回転を制限する一つかそれ以上のストッププレート402で構成することができる。図示のように、ストッププレート402はキャプスタン248に対して同軸的に中心シャフト242に取り付ける。但し、このストッププレート402の場合、中心シャフト242から離して取り付けることも可能であり、例えば従動ギヤ252などによって間接的に中心シャフトに係合させてもよい。例えば、ストッププレート402は中心シャフト242とは別なシャフトに取り付けてもよく、この場合ストッププレートは中心シャフト242(および従動ギヤ252)の“シフトアップ”または“シフトダウン”する回転を行うため、キャプスタン248およびストッププレート402間の回転速度を異なる回転速度に設定することができる。
【0104】
一つかそれ以上のストッププレート402は一つかそれ以上の伸長部404を備えることができる。この伸長部(複数の場合もある)404は(図示のように)ラジアル方向に伸長してもよいが、非ラジアル方向にも伸長することができる。伸長部404はリミットスイッチ420などの静止ストップに係合することができる。シャフト256の回転用モータ250を使用する実施態様では、このリミットスイッチ420があるため、シャフト256が所定位置を超えて回転することはない。あるいは、静止ストップとしてバー、フックなどの物理的バリヤを使用することができ、あるいは伸長部404、従ってストッププレート402の回転を物理的に制限する他の伸長部も使用可能である。いずれの場合も、回転ストップによって使用者が、ケーブル44が走行する距離にキャプスタン248の回転を制限することに物理的に、あるいは電気的に制限を課すことができる。
【0105】
一部の実施態様の場合、回転ストップ400は複数のストッププレート402を備えることができる。複数のストッププレート402のうちの一つかそれ以上は、コネクタ408に選択的に係合することができる調整開口406を有していてもよい。このコネクタは複数のストッププレート402の残りの一つかそれ以上に対応していてもよく、あるいは複数のストッププレート402のそれぞれに個別に接続してもよい。一つかそれ以上の調整開口406内のコネクタ408を調整することによって、複数のストッププレート402間に相対的な固定位置を維持することができ、またストッププレート402の相対位置を固定することによって、ストッププレート402の伸長部404の間に固定の相対角度位置を維持することができる。
【0106】
図41に示す実施態様では、回転ストップ400は2つのストッププレート402を有する。各ストッププレート402はアーク形状または半環状の開口として複数の調整開口406を有する。各プレートの少なくとも一つの調整開口406を通過することができるボルトとして複数のコネクタ408を設ける。このように構成すると、ストッププレート402が相互に対して回転できるため、コネクタ408が調整開口406を通過し、2つのストッププレート402間に目的の相対角度位置を固定することができる。従って、伸長部404間に目的の角回転距離を維持することができ、使用者に伸長部404の当該角位置に対応して、ケーブル44の走行距離を固定維持することができる。
【0107】
図43図48を参照して説明すると、これら図面はコンベヤCを対象とする調整可能なガイドレール構成のケーブルアクチュエータ500の別な態様を示す図である。上述したように、ケーブルアクチュエータ500はエンドレス経路または連続ループに沿ってケーブル44を選択的に走行させるものである。このケーブルアクチュエータ500はキャプスタン548(またはスプール)としての駆動装置を備え、これによってケーブルをエンドレス経路または連続ループに沿って前進駆動および後進駆動することができる。キャプスタン548またはスプールを使用すると、ケーブル44の端部を終端し、あるいは固定することが容易になり、クリンプ用ツールやターンバクルを使用する必要はない。キャプスタン548またはスプールは、これを取り付ける中心シャフト542に対応する軸を中心として回転することができる。
【0108】
図46を参照して具体的に説明すると、駆動装置またはキャプスタン548は従動ギヤ552に接続してもよく、あるいは他の手段でこれに対応させることができる。この従動ギヤ552は中心シャフト542に取り付けてもよい。この従動ギヤ552については、ウォームギヤの車輪部分として図示してあるが、キャプスタン548に接続し、キャプスタンの回転をスムーズにする任意のギヤに接続してもよい。
【0109】
一つの態様では、従動ギヤ552はシャフト556に設けた駆動ギヤ554によって駆動することができる。図示のように、駆動ギヤ554はウォームギヤのネジ刻設シャフト部分であるが、駆動ギヤとして従動ギヤ552を駆動できる任意の種類のギヤを使用することも可能である。シャフト556はモータ550によって駆動してもよいが、前述したように、手動で駆動することもできる。従って、シャフト556が回転すると、キャプスタン548が回転するため、エンドレス経路または連続ループに沿ってケーブルが前後に走行することができる。
【0110】
一部の実施態様では、ケーブルアクチュエータ500はケーブル44に張力を加えるテンショナ600を有していてもよい。図示の実施態様では、テンショナ600はケーブル44に接触し、エンドレス経路に沿ってケーブル44の走行をスムーズにする第1滑車602および第2滑車604を有する。具体的に説明すると、第2滑車604が第1滑車602からケーブル44を受け取り、このケーブルを一つかそれ以上の第1滑車に戻し、エンドレス経路または連続ループに沿ってケーブル走行を連続的に行う。
【0111】
図46図48から理解できるように、第2滑車604はコンベヤCの一端に隣接するかより近いテンショニングスレッド610に対応するものとすることができ、一方第1滑車602はコンベヤCの他端に隣接するか、より近い位置に固定する(使用する調整可能なガイドレールの構成に応じて、コンベヤCの一方の側に、あるいは両側に設けることができる)。ネジ刻設ロッドなどのロッド606に沿って走行することによって、テンショニングスレッド610は第1滑車602および第2滑車604の間の、長手方向における距離を変更することができる。この距離を変更することによって、ケーブル44内の張力を変更し、コンベヤガイドレールに対応するアジャスタ10を進退させることができる。
【0112】
図46から見て取れるように、キャプスタン548は中心シャフト542に取り付けることができるカム560に対応していてもよい。リミットスイッチ562としての回転ストップもこのカム560の動作経路内に位置していてもよい。従って、(シャフト542によって)ある一方向にキャプスタン548がアジャスタ10(複数の場合もある)の前進に対応する量回転すると、カム560がリミットスイッチ562に係合し、モータ550が停止する。同様に、逆の回転が生じると、モータが再作動し、リミットスイッチ562がアジャスタ10(複数の場合もある)の後退に対応して反対側に係合する。
【0113】
本発明のさらに別な態様では、複数のガイドレールまたは複数セットのガイドレールはヒューマンマシンインターフェース(HMI)などの単独のコントローラ700により調整することができる。例えば、単独のコントローラ700/HMIを使用して、それぞれが一つかそれ以上のアジャスタ10に対応するか接続した複数のケーブルアクチュエータ200、500を制御するか、調整して、一つかそれ以上のガイドレール12の位置を制御し、一つかそれ以上のゾーンの幅をコンベヤに沿って調整することができる。
【0114】
一つの実施態様では、コントローラ700によって、当該ケーブルアクチュエータのそれぞれがコンベヤの所定ゾーンの両側にあるアジャスタ10のうちの一つまたはアジャスタセットのうちの一つの制御を対象とする複数のケーブルアクチュエータ200、500を制御することができる。従って、ケーブルアクチュエータ200、500によって、アジャスタの一つまたは一つのセットに対応するガイドレールの進退を行って、コンベヤの当該ゾーン内にある搬送路の幅を維持することができる。
【0115】
さらに別な実施態様では、複数のコンベヤゾーン幅について、単独のコントローラ700(例えばHMI)によって制御し、複数の対応するケーブルアクチュエータ200、500(または複数対のケーブルアジャスタ)を制御することによって、それぞれのコンベヤゾーン内でガイドレール12の進退を行うことができる。この場合、単独のコンベヤ内に複数のコンベヤゾーンを有するか、あるいは複数のコンベヤ間に複数のコンベヤゾーンを有する。これら複数のケーブルアクチュエータ200、500については相互に独立して制御できるため、ケーブルが走行する距離(従って、それぞれのガイドレールが走行する異なる距離)の異なる設定点を利用して異なるモータ250、550を作動することができる。従って、単独のコントローラ700によって単独のコンベヤに沿って、あるいは複数のコンベヤの全体にわたって異なるゾーンにおいて異なる搬送幅を独立して設定することができる。
【0116】
一つの態様では、所定のケーブルアクチュエータ200、500または対の形を取るケーブルアクチュエータ200、500に割り与えられる上記の異なる設定点は具体的な被搬送品(article or product)に対応することが可能になる。例えば、コントローラ700には具体的な所定設定点に対応する被搬送品毎に被搬送品の所定リストを設定することで、コンベヤのゾーン毎に搬送幅を決定することができる。このため、使用者は具体的なコンベヤまたはコンベヤゾーンに対応する所定の被搬送品リストから被搬送品を選択するだけでよく、この選択によって選択した被搬送品の幅に対応する幅にコンベヤのそれぞれのゾーンにあるガイドレール12を調整することができる。
【0117】
別な態様では、このコントローラ700によって使用者が所定のケーブルアクチュエータ200が走行する最大距離、従ってケーブル44がエンドレス経路または連続ループに沿って走行する最大距離を設定することが可能になる。こうすることによって、使用者は対応するガイドレールに対して最高進行限界および最高後退限界を設定することができる。このコントローラ700によって、使用者はケーブルアクチュエータ200、500が走行できる最大速度を選択することも可能になる。
【0118】
以上説明してきた制御システムの範囲内では、複数のケーブルアクチュエータ200、500およびテンショナ300、600はディジーチェーン構成などでワイヤ接続することができる。このため、システムに使用するケーブルテレビ200、500およびテンショナ300、600の数を加減することができ、従って異なる用途数に応じてシステムスケールを設定することができる。
【0119】
要約すると、本発明は以下の項目のうちの任意項目あるいは全項目に関すると考えることができる。

1.コンベヤおよびケーブルを有するシステムであって、前記コンベヤおよびケーブルは、一つかそれ以上の物品が前記コンベヤに沿って搬送されるときに前記物品を案内する第1の調整可能なガイドレールを進退させるようにエンドレス経路に沿って走行し、前記システムは、
前記ケーブルをエンドレス経路に沿って移動させるケーブルアクチュエータを有し、該ケーブルアクチュエータは、
前記ケーブルの少なくとも一部を受け取り、かつ回転して、前記ケーブルを前記エンドレス経路に沿って移動させるキャプスタン、および
前記ケーブルに張力を加えるテンショナ、を有する
ことを特徴とするシステム。

2.前記ケーブルアクチュエータはさらに、前記キャプスタンを駆動する駆動装置を有する、項目1に記載のシステム。

3.前記駆動装置はウォームギヤを有する項目2に記載のシステム。

4.前記ウォームギヤはハンドホイールによって駆動される項目3に記載のシステム。

5.前記ウォームギヤはモータによって駆動される項目3に記載のシステム。

6.前記第1の調整可能なガイドレールの進行に対応する第1方向において回転可能な前記駆動装置の第1所定量の回転時に前記キャプスタンを停止するリミットスイッチをさらに有する項目1~5のいずれかに記載のシステム。

7.前記リミットスイッチは、前記第1の調整可能なガイドレールの後退に対応する第1方向に対向する第2方向において前記回転可能な駆動装置の第2所定量の回転時に前記キャプスタンを停止する項目6に記載のシステム。

8.前記テンショナは第1滑車および第2滑車を有し、前記ケーブルは前記第1滑車および前記第2滑車の周りに伸長し、そして前記ケーブルアクチュエータは前記第1滑車と前記第1滑車との間の距離を変更する項目1~7のいずれかに記載のシステム。

9.さらに前記第2滑車が取り付けられたテンショニングスレッドを有する項目8に記載のシステム。

10.前記テンショニングスレッドが一つかそれ以上のロッドに沿って走行する項目7に記載のシステム。

11.前記第1滑車は前記コンベヤの一端により近接して位置し、そして前記第2滑車は前記コンベヤの対向端部により近接して位置する項目8に記載のシステム。

12.さらにケーブル張力変化を示すインジケータを有する項目8に記載のシステム。

13.前記インジケータは前記テンショニングスレッドに接続したインジケータプレートを有し、このインジケータプレートの前記ケーブルアクチュエータ上の所定位置に対する整合が前記ケーブル内の所定張力に対応する項目12に記載のシステム。

14.さらに前記キャプスタンは、走行する回転距離を制限する回転ストップを有する項目1~13のいずれかに記載のシステム。

15.前記回転ストップは、静止ストップに係合して前記キャプスタンの回転を制限する少なくとも一つの伸長部を有する項目14に記載のシステム。

16.前記静止ストップは前記キャプスタンの移動を停止するリミットスイッチを有する項目15に記載のシステム。

17.前記回転ストップは複数のストッププレートを有し、これらストッププレートそれぞれは少なくとも一つの伸長部を有し、前記複数のストッププレートは複数の相対的角位置において調整可能であり、前記複数のストッププレートのうちの第1ストッププレートの各第1伸長部を前記複数のストッププレートのうちの第2ストッププレートの各第2伸長部からオフセットするように構成された項目16に記載のシステム。

18.複数のストッププレートのうちの少なくとも一つが少なくとも一つの調整開口を有し、さらに、この少なくとも一つの調整開口を通過して前記複数のストッププレートの相対的角位置を固定するコネクタを有する項目17に記載のシステム。

19.前記回転ストップおよび前記キャプスタンはともに共通して中心シャフトに取り付けられる、項目15に記載のシステム。

20.さらに、
第2連続経路に沿って走行し、第2の調整可能なガイドレールを進退させる第2ケーブル、および
前記第2連続経路に沿って前記第2ケーブルを走行させる第2ケーブルアクチュエータ、を有し、
前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールが前記コンベヤに沿って対向し、前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールの進退に応じて両者間の搬送路の幅が変化する、項目1~19のいずれかに記載のシステム。

21.さらに、第1ケーブルアクチュエータおよび前記第2ケーブルアクチュエータの制御を連携して行うコントローラを有する項目20に記載のシステム。

22.前記コントローラが前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールのために予め設定された複数の設定条件を有し、これら設定条件それぞれは、異なる被搬送物品の幅に対応する項目21に記載のシステム。

23.一つかそれ以上の物品を搬送するコンベヤ用システムであって、
前記の一つかそれ以上の物品を前記コンベヤに案内する第1の調整可能なガイドレール、
前記第1の調整可能なガイドレールの進退を行うために移動するように構成されたケーブル、および
前記ケーブルの少なくとも一部を受け取り、かつ回転して、前記ケーブルを前記エンドレス経路に沿って移動させるキャプスタンを有するケーブルアクチュエータ、
を有するシステム。

24.前記ケーブルアクチュエータはさらに、前記キャプスタンを駆動する駆動装置を有する項目23に記載のシステム。

25.前記駆動装置はウォームギヤを有する項目23または24に記載のシステム。

26.前記ウォームギヤをハンドホイールによって駆動する項目25に記載のシステム。

27.前記ウォームギヤをモータによって駆動する項目25に記載のシステム。

28.さらに、回転可能な前記駆動装置の回転時、前記第1の調整可能なガイドレールの伸長に対応する第1方向において第1の所定量だけ前記キャプスタンを停止するリミットスイッチを有する項目23~項目27のいずれかに記載のシステム。

29.前記リミットスイッチによって、前記回転可能な駆動装置の回転時に、前記第1の調整可能なガイドレールの後退に対応する前記第1方向に対向する第2方向に第2の所定量だけ前記キャプスタンを停止する項目28に記載のシステム。

30.さらに、前記ケーブルに張力を加えるテンショナを有する項目23~項目29のいずれかに記載のシステム。

31.前記テンショナは第1滑車および第2滑車を有し、前記ケーブルは前記第1滑車および前記第2滑車の周りに伸長し、そして前記ケーブルアクチュエータは前記第1滑車と前記第2滑車の間の距離を変更する項目30に記載のシステム。

32.さらに、前記第2滑車にテンショニングスレッドが取り付けられた項目31に記載のシステム。

33.前記テンショニングスレッドは一つかそれ以上のロッドに沿って走行する項目32に記載のシステム。

34.前記第1滑車は前記コンベヤの一端により近接して位置し、そして前記第2滑車は前記コンベヤの対向端部により近接して位置する項目31に記載のシステム。

35.さらに、ケーブル張力の変化を示すインジケータを有する項目32に記載のシステム。

36.前記インジケータが前記テンショニングスレッドに接続したインジケータプレートを有し、該インジケータプレートの前記ケーブルアクチュエータ上の所定位置に対する整合が前記ケーブル内の所定張力に対応する項目35に記載のシステム。

37.さらに、前記キャプスタンの回転を制限する回転ストップを有する項目23~項目36のいずれかに記載のシステム。

38.前記回転ストップは少なくとも一つの伸長部を有し、これが静止ストップに係合して、前記キャプスタンの回転を制限する項目37に記載のシステム。

39.前記静止ストップは、前記の少なくとも一つの伸長部との接触に基づいて前記キャプスタンの回転を制限するリミットスイッチを有する項目38に記載のシステム。

40.前記回転ストップは複数のストッププレートを有し、これらストッププレート
それぞれは少なくとも一つの伸長部を有し、前記複数のストッププレートは複数の相対的角位置において相互に調整可能であり、前記複数のストッププレートのうちの第1ストッププレートの各第1伸長部を前記複数のストッププレートのうちの第2ストッププレートの各第2伸長部からオフセットするように構成された項目39に記載のシステム。

41.前記複数のストッププレートのうちの少なくとも一つが少なくとも一つの調整開口を有し、さらにこの少なくとも一つの調整開口を通過して前記複数のストッププレートの相対的角位置を固定するコネクタを有する項目40に記載のシステム。

42.前記回転ストップおよび前記キャプスタンはともに共通して中心シャフトに取り付けられる項目37に記載のシステム。

43.さらに、
第2エンドレス経路に沿って走行し、第2の調整可能なガイドレールを進退させる第2ケーブル、および
前記第2エンドレス経路に沿って前記第2ケーブルを移動させる第2ケーブルアクチュエータ、を有し、
前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールが前記コンベヤに沿って対向し、かつ、前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールの進退に応じて両者間の搬送路の幅が変化する項目23~項目42のいずれかに記載のシステム。

44.さらに、前記第1ケーブルアクチュエータおよび前記第2ケーブルアクチュエータの制御を連携して行うコントローラを有する項目43に記載のシステム。

45.前記コントローラは前記第1および前記第2の調整可能なガイドレールのために予め設定された複数の設定条件を有し、これら設定条件それぞれは、異なる被搬送物品の幅に対応する項目44に記載のシステム。

46.一つかそれ以上の物品を搬送するコンベヤ用システムであって、
前記の一つかそれ以上の物品を前記コンベヤに案内する第1の調整可能なガイドレール、
エンドレス経路に沿って走行して前記第1の調整可能なガイドレールの進退を行うケーブル、および
前記エンドレス経路に沿って前記ケーブルを移動させるケーブルアクチュエータであって、前記ケーブルに張力を加えると共に前記ケーブルに係合する第1滑車を有するテンショナを有するケーブルアクチュエータ、
を有するシステム。

47.前記ケーブルアクチュエータは、キャプスタンを駆動して前記ケーブルの一部を少なくとも部分的に受け取る駆動装置を更に有する、項目46に記載のシステム。

48.前記駆動装置はウォームギヤを有する項目47に記載のシステム。

49.前記ウォームギヤはハンドホイールによって駆動される項目48に記載のシステム。

50.前記ウォームギヤはモータによって駆動される項目48に記載のシステム。

51.さらに、前記駆動装置の回転時、前記第1の調整可能なガイドレールの伸長に対応する第1方向において第1の所定量だけ前記キャプスタンを停止するリミットスイッチを有する、項目47~項目50のいずれかに記載のシステム。

52.前記リミットスイッチによって、前記駆動装置の回転時に、前記第1の調整可能なガイドレールの後退に対応する前記第1方向に対向する第2方向に第2の所定量だけ前記キャプスタンを停止するように構成された、項目51に記載のシステム。

53.前記テンショナはさらに第2滑車を有し、前記ケーブルは前記第1滑車および前記第2滑車の周りに伸長し、そして前記ケーブルアクチュエータが前記第1滑車と前記第2滑車の間の距離を変更するように構成された、項目46~項目52に記載のシステム。

54.さらに、前記第2滑車にテンショニングスレッドが取り付けられた項目53に記載のシステム。

55.前記テンショニングスレッドが一つかそれ以上のロッドに沿って走行するように構成された項目54に記載のシステム。

56.前記第1滑車は前記コンベヤの一端により近接して位置し、そして前記第2滑車は前記コンベヤの対向端部により近接して位置する項目53~項目55のいずれかに記載のシステム。

57.さらにケーブル張力の変化を示すインジケータを有する項目46~項目56のいずれかに記載のシステム。

58.前記インジケータは前記テンショニングスレッドに接続したインジケータプレートを有し、該インジケータプレートの前記ケーブルアクチュエータ上の所定位置に対する整合が前記ケーブル内の所定張力に対応する項目57に記載のシステム。

59.さらに前記キャプスタンの回転を制限する回転ストップを有する項目47に記載のシステム。

60.前記回転ストップは前記キャプスタンの回転を制限するように静止ストップに係合する少なくとも一つの伸長部を有する、項目59に記載のシステム。

61.前記静止ストップはリミットスイッチを有し、該リミットスイッチは前記少なくとも一つの伸長部と該リミットスイッチの接触に基づいて前記キャプスタンの回転を制限する、項目60に記載のシステム。

62.前記回転ストップは複数のストッププレートを有し、これらストッププレートそれぞれは少なくとも一つの伸長部を有し、前記複数のストッププレートは複数の相対的角位置において調整可能であり、前記複数のストッププレートのうちの第1ストッププレートの各第1伸長部を前記複数のストッププレートのうちの第2ストッププレートの各第2伸長部からオフセットするように構成された項目60に記載のシステム。

63.前記複数のストッププレートのうちの少なくとも一つは少なくとも一つの調整開口を有し、さらに、この少なくとも一つの調整開口を通過して前記複数のストッププレートの相対的角位置を固定するコネクタを有する、項目62に記載のシステム。

64.前記回転ストップおよび前記キャプスタンはともに共通して中心シャフトに取り付けられる、項目60に記載のシステム。

65.さらに、
第2エンドレス経路に沿って走行し、第2の調整可能なガイドレールを進退させる第2ケーブル、および
前記第2エンドレス経路に沿って前記第2ケーブルを移動させる第2ケーブルアクチュエータ、を有し、
前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールが前記コンベヤに沿って対向し、前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールの進退に応じて両者間の搬送路の幅が変化する項目46~項目64のいずれかに記載のシステム。

66.さらに、前記第1ケーブルアクチュエータおよび前記第2ケーブルアクチュエータの制御を連携して行うコントローラを有する、項目65に記載のシステム。

67.前記コントローラが前記第1の調整可能なガイドレールおよび前記第2の調整可能なガイドレールのために予め設定された複数の設定条件を有し、これら設定条件それぞれが異なる被搬送物品の幅に対応する項目66に記載のシステム。

68.一つかそれ以上の物品を搬送するコンベヤ用システムであって、
前記一つかそれ以上の物品をコンベヤに案内する第1の調整可能なガイドレール、
第1エンドレス経路に沿って走行し、前記第1の調整可能なガイドレールを進退させる第1ケーブル、
前記第1エンドレス経路に沿って前記第1ケーブルを移動させる第1ケーブルアクチュエータ、
前記一つかそれ以上の物品を前記コンベヤに案内する第2の調整可能なガイドレール、
第2のエンドレス経路に沿って走行し、前記第2の調整可能なガイドレールを進退させる第2ケーブル、
前記第2ケーブルを前記第2エンドレス経路に沿って走行させる第2のケーブルアクチュエータ、および
前記第1ケーブルアクチュエータおよび前記第2ケーブルアクチュエータの制御を連携して行うコントローラ、
を有するコンベヤ用システム。

69.前記コントローラはそれぞれ被搬送物品の幅に対応する複数の予め設定された設定条件を有し、そしてこれら予め設定された設定条件のそれぞれは前記第1の調整可能なガイドレールと前記第2の調整可能なガイドレールの間の前記搬送路の幅に対応する、項目68に記載のシステム。
【0120】
各種実施態様を説明してきたが、これらは本発明の技術思想を記述するものである。以上の記載は徹底的なものではなく、また本発明を説明してきた正確な形態に制限するものではない。上記教示に照らして各種の変更が可能である。本明細書において単数表現で記載したいずれの要素も複数表現を含意し(即ち、“一つ”と記載したものはいずれも2つ以上であってもよい)、また複数の要素は単独でも使用可能である。ある要素の単数表現、即ちデバイス、方法またはこれら併用表現は他の表現、例えば寸法、形状、材料、これらの併用表現にも適用可能である。また、“実質的に”、“約”または“ほぼ”の用語は対応する条件に合理的に考えられる最も近い条件を意味し、一般に、特に断らない限り、10%を超えるものではない。ある属の要素の任意の種要素はこの属のその他の種要素の特徴などを有することができる。“有する”という用語は限定を意味しない。本発明を実施するための上記構成、要素または完成体、方法およびこれら要素や本発明の各種態様は任意に併用でき、また相互に変更可能である。
【符号の説明】
【0121】
10 ガイドレールアジャスタ
10 アジャスタ
10a アジャスタ
10b アジャスタ
10c アジャスタ
12 ガイドレール
12a 内側ガイドレール
12a ガイドレール
12b 外側ガイドレール
12b ガイドレール
12c レグ
12d レグ
12e 下流側ガイドレール
12f 下流側ガイドレール
14 支持体
14a ガイドレール支持体
14b ガイドレール支持体
14c ガイドレール支持体
16 アーム
16a トラニオン
18 アーム
18a トラニオン
20 コネクタ
20a クリップ
20b クリップ
20d 凸部
22 シャトル
22 手動シャトル
24 シャトル
24 手動シャトル
24 第2シャトル
26 支持レール
26 レール
28 カバー
30 リテーナ
32 ポスト
32a クリップ
34 レバー
36 ウェッジ
38 対向プレート
38 プレート
38a 開口
40 対向プレート
40 プレート
40a 開口
42 ガイド
44 可撓性ケーブル
44 ケーブル
44a 上部トラック
44b 底部トラック
45 ターンバックル
48 キャプスタン
50 モータ
52 リテーナ
54 カム
54a 円形内面
54b 自由端部
56 ポスト
56b 縮径端部
55 摩擦作用の強い部分
58 ロックタブ
58a 凸部
60 滑車
60 ローラ
60 滑車
62 ローラ
62a ローラ
62b ローラ
64 ファスナー
66 ラック
68 ピニオン
70 ハンドホイール
72 モータ
74 ジョイント
76 受け取り部材
78 静止ブラケット
78a ガイド
78b ガイド
200 ケーブルアクチュエータ
200 ケーブルテレビ
242 中心シャフト
248 キャプスタン
248 駆動装置
250 モータ
252 従動ギヤ
254 駆動ギヤ
256 シャフト
270 ハンドホイール
300 テンショナ
302 第1滑車
304 第2滑車
306 ロッド
310 テンショニングスレッド
310 張力印加スレッド
312 引っ張りバネ
312 バネ
314 ストップブロック
400 回転ストップ
402 ストッププレート
404 伸長部
406 調整開口
408 コネクタ
420 リミットスイッチ
500 ケーブルアクチュエータ
500 ケーブルテレビ
542 中心シャフト
548 キャプスタン
550 モータ
552 従動ギヤ
554 駆動ギヤ
556 シャフト
560 カム
562 リミットスイッチ
600 テンショナ
602 第1滑車
604 第2滑車
606 ロッド
610 テンショニングスレッド
700 単独のコントローラ
700 コントローラ
Z1 第1ゾーン
Z2 第2ゾーン
Z1 ゾーン
Z2 ゾーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図16A
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35A
図35B
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図35A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図35A
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図35B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図35B
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図36
【補正方法】変更
【補正の内容】
図36
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図43
【補正方法】変更
【補正の内容】
図43
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図44
【補正方法】変更
【補正の内容】
図44
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図45
【補正方法】変更
【補正の内容】
図45
【国際調査報告】