(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電気化学システム、及びスキッドを使用したその設置方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20241128BHJP
H01M 8/0606 20160101ALI20241128BHJP
H01M 8/0662 20160101ALI20241128BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20241128BHJP
H01M 8/2475 20160101ALI20241128BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20241128BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20241128BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20241128BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/0606
H01M8/0662
H01M8/00 Z
H01M8/2475
C25B9/00 A
C25B1/04
H01M8/12 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527497
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 US2022049811
(87)【国際公開番号】W WO2023086626
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514116578
【氏名又は名称】ブルーム エネルギー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピアソン,チャド
(72)【発明者】
【氏名】タヴィ,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ケンプトン,ルーベン
(72)【発明者】
【氏名】ウォルトン,チャールス
(72)【発明者】
【氏名】マホーニー,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ラルー,ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】ケニー,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】フェルト,ケイティ
【テーマコード(参考)】
4K021
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021DB04
4K021DB36
4K021DB53
4K021DC03
5H126AA28
5H126BB06
5H126EE11
5H126EE13
5H127AA07
5H127AB03
5H127AB11
5H127AB29
5H127AC07
5H127BA02
5H127BA03
5H127BA04
5H127BA05
5H127BA06
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5H127BA13
5H127BA14
5H127BA17
5H127BA18
5H127BA58
5H127BB02
5H127EE01
5H127EE25
5H127EE29
5H127EE30
(57)【要約】
電気化学システムが、燃料電池モジュール又は電解槽モジュールと、これらのモジュールを支持するスキッドとを含む。
【選択図】
図26A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッキ及び前記デッキに接続されて前記デッキを支持する少なくとも1つの台座を含むスキッドと、
前記スキッドの前記デッキ上に配置された少なくとも1つの電気化学モジュールを含む複数のモジュールと、
を備える、電気化学システム。
【請求項2】
前記電気化学システムは、燃料電池発電システムを含み、
前記少なくとも1つの電気化学モジュールは、少なくとも1つの燃料電池パワーモジュールを含む、請求項1に記載の電気化学システム。
【請求項3】
前記複数のモジュールは、
それぞれがホットボックスを収容する複数の前記燃料電池パワーモジュールと、
前記複数の燃料電池パワーモジュールに流体結合された燃料処理モジュールと、
前記複数の燃料電池モジュールに電気的に結合された電力調整モジュールと、
を備える、請求項2に記載の電気化学システム。
【請求項4】
前記複数の燃料電池パワーモジュールは、前記スキッドの長さに沿って延在する燃料電池パワーモジュールの複数の列を含み、
前記燃料処理モジュール及び前記電力調整モジュールは、前記燃料電池パワーモジュールの複数の列に隣接して配置される、請求項2に記載の電気化学システム。
【請求項5】
前記スキッドに配置された補助機器を更に備え、
前記補助機器は、
水分配モジュール、
ステップ負荷モジュール、
テレメトリーキャビネット、
配電システム、
切断システム、
バックアップ電源装置、
EDSユニット、又は
マイクログリッドインバーターユニット、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の電気化学システム。
【請求項6】
前記燃料電池パワーモジュールは、前記スキッドの第1の側部に配置され、
前記補助機器は、前記スキッドの第2の側部に配置され、
前記燃料処理モジュール及び前記電力調整モジュールは、前記燃料電池パワーモジュールと前記補助機器との間に配置される、請求項5に記載の電気化学システム。
【請求項7】
前記補助機器は、前記スキッドの側面に取り付けられた切断システムを含む、請求項6に記載の電気化学システム。
【請求項8】
前記スキッドに取り付けられた燃料インジェクター/レギュレーター装置を更に備える、請求項3に記載の電気化学システム。
【請求項9】
前記スキッドと前記燃料インジェクター/レギュレーター装置との間に延在し、前記燃料インジェクター/レギュレーター装置を、地表面よりも上において、前記スキッドに配置された前記モジュールから側方に間隔を空けて支持する1つ以上のブラケット部材を更に備える、請求項8に記載の電気化学システム。
【請求項10】
前記システムは、複数のスキッドを備え、
各スキッドは、それぞれの前記スキッドの前記デッキ上に配置された複数の燃料電池パワーモジュールと、燃料処理モジュールと、電力調整モジュールとを含み、
前記システムは、それぞれの前記スキッド間で水、燃料及び/又は電力のうちの少なくとも1つを共有するように構成されるスキッド間接続部を更に備える、請求項3に記載の電気化学システム。
【請求項11】
第1のスキッドに取り付けられた燃料インジェクター/レギュレーター装置と、
前記燃料インジェクター/レギュレーター装置に結合され、前記燃料インジェクター/レギュレーター装置の流出口からの燃料フローの第1の部分を前記第1のスキッドに誘導するとともに、前記燃料インジェクター/レギュレーター装置の前記流出口からの前記燃料フローの第2の部分を第2のスキッドに誘導するように構成されるスプリッターと、
を更に備える、請求項10に記載の電気化学システム。
【請求項12】
前記スキッドは、前記システムの輸送、設置又は除去のうちの少なくとも1つを行うフォークリフトプロングを受けるように構成される少なくとも1つのフォークポケットを備える、請求項1に記載の電気化学システム。
【請求項13】
前記スキッドは、前記システムの上昇、降下又は移動のうちの少なくとも1つを行うクレーンへの係合を容易にするように構成されるリフトポイントを備える、請求項1に記載の電気化学システム。
【請求項14】
前記スキッドに取り付けられた少なくとも1つのL型ブラケットと、
前記L型ブラケットを通って延在し、前記システムを地面に係留するコンクリートアンカー又はアースアンカーと、
を更に備える、請求項1に記載の電気化学システム。
【請求項15】
前記スキッドの表面に接触するように構成される第1の表面を有する第1の部分と、地面に接触する第2の表面を有する第2の部分とを含むZ型ブラケットを更に備える、請求項1に記載の電気化学システム。
【請求項16】
前記Z型ブラケットの前記第1の部分の前記第1の表面が前記スキッドの前記表面に対してクランプ留めされるように、前記Z型ブラケットの前記第2の部分を通って地中に延びるアンカーを更に備える、請求項15に記載の電気化学システム。
【請求項17】
ハウジングであって、前記ハウジングの内部における少なくとも1つのユーティリティスタブと、前記ハウジングの表面における少なくとも1つの開口部とを含む、ハウジングを備えるドッキングステーションと、
前記ハウジングの内部に収容される前記少なくとも1つのユーティリティスタブに結合され、前記ハウジングの前記表面の前記開口部から前記スキッドに延在する少なくとも1つのケーブル又は流体導管と、
を更に備える、請求項1に記載の電気化学システム。
【請求項18】
前記複数のモジュールは、
それぞれがホットボックスを収容する、複数の前記燃料電池パワーモジュールと、
前記複数の燃料電池モジュールに電気的に結合された電力調整モジュールと、
を備える、請求項2に記載の電気化学システム。
【請求項19】
前記スキッドは、複数のスキッドのうちの1つから構成され、
前記複数のスキッドは、前記複数のスキッドのそれぞれの前記デッキ上の、燃料電池パワーモジュールの列及び電力調整モジュールをそれぞれ含む、請求項18に記載の電気化学システム。
【請求項20】
前記複数のスキッドのそれぞれは、燃料処理モジュールを更に備える、請求項19に記載の電気化学システム。
【請求項21】
前記電気化学システムは、集中型の脱硫ユニットと、前記集中型の脱硫ユニットに流体結合された少なくとも1つのガス/水分配モジュール(GDM)とを更に備え、
前記少なくとも1つのGDMは、前記複数のスキッドに流体結合される、請求項19に記載の電気化学システム。
【請求項22】
前記電気化学システムは、前記複数のスキッドに電気的に結合されたシステム配電ユニットを更に備える、請求項19に記載の電気化学システム。
【請求項23】
前記システム配電ユニットは、少なくとも1つの変圧器を備える、請求項22に記載の電気化学システム。
【請求項24】
前記システム配電ユニットと前記複数のスキッドとの間に延在する地上ケーブルトレーを更に備え、
前記ケーブルトレーは、前記複数のスキッドと前記システム配電ユニットとの間の電気接続部を収容するハウジングを備える、請求項22に記載の電気化学システム。
【請求項25】
前記複数のスキッドへの少なくとも1つの地上配管接続部が前記ケーブルトレーに取り付けられる、請求項24に記載の電気化学システム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの地上配管接続部は、水導管、燃料導管、又は前記燃料電池パワーモジュールからの炭素含有排気の除去用の導管のうちの少なくとも1つを含む、請求項25に記載の電気化学システム。
【請求項27】
前記電気化学システムは、前記地上ケーブルトレーによって前記システム配電ユニット及び前記複数のスキッドに結合されたマイクログリッドシステムを更に備える、請求項24に記載の電気化学システム。
【請求項28】
前記ケーブルトレーの第1のハウジングは、前記複数のスキッドの間のAC電力接続部を含み、
前記ケーブルトレーの前記第1のハウジングの上方又は下方に垂直にスタックされた前記ケーブルトレーの第2のハウジングは、前記パワーモジュールの列と前記マイクログリッドシステムとの間のDC電力接続部を含む、請求項27に記載の電気化学システム。
【請求項29】
前記ケーブルトレーは、
前記複数のスキッドと前記システム配電ユニットの集中型のインバーターとの間の第1のDC電力接続部と、
前記システム配電ユニットと前記マイクログリッドシステムとの間の第2のDC電力接続部と、
を更に備える、請求項27に記載の電気化学システム。
【請求項30】
前記複数のスキッドは、アスファルト、締固めた骨材又は透水性舗装のうちの少なくとも1つから成る連続した表面上に直接取り付けられる、請求項19に記載の電気化学システム。
【請求項31】
前記電気化学システムは、水素生成システムを含み、
前記少なくとも1つの電気化学モジュールは、少なくとも1つの電解槽モジュールを含む、請求項1に記載の電気化学システム。
【請求項32】
前記スキッドは、複数のスキッドのうちの1つから構成され、
前記複数のスキッドは、それぞれの前記スキッドの前記デッキ上の、複数の電解槽モジュールをそれぞれ含む、請求項31に記載の電気化学システム。
【請求項33】
前記複数のスキッドは、隣接するスキッドの対を含み、
配管相互接続部が、前記隣接するスキッドの対上の前記電解槽モジュールの間に延在する、請求項32に記載の電気化学システム。
【請求項34】
前記配管相互接続部は、前記複数の電解槽モジュールを含む前記隣接するスキッドの対の間に配置された個別の配管スキッド上に配置される、請求項33に記載の電気化学システム。
【請求項35】
前記隣接するスキッドの対は互いに当接し、
前記配管相互接続部の第1の部分は、前記隣接するスキッドの対の第1のスキッド上に配置され、
前記配管相互接続部の第2の部分は、前記隣接するスキッドの対の第2のスキッド上に配置される、請求項33に記載の電気化学システム。
【請求項36】
システム配電ユニットと前記複数のスキッドとの間に延在する地上ケーブルトレーを更に備え、
前記ケーブルトレーは、前記システム配電ユニットと前記複数のスキッドとの間の電気接続部を収容するハウジングを備える、請求項31に記載の電気化学システム。
【請求項37】
電気化学システムを設置する方法であって、
スキッド上に少なくとも1つの電気化学モジュールを含む複数のモジュールを設けることと、
前記スキッド上に配設された前記複数のモジュールを有する前記スキッドを設置現場に輸送することと、
前記設置現場において前記電気化学システムへの少なくとも1つのユーティリティフック留めを設けることと、
を含む、方法。
【請求項38】
前記スキッドを前記設置現場に輸送する前に、前記複数のモジュールの全てのモジュール間配管接続部及びモジュール間配線接続部を前記スキッド上に設けることを更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
シム、L型ブラケット、Z型ブラケット、コンクリートアンカー又はアースアンカーのうちの少なくとも1つを使用して、前記設置現場に前記スキッドを固定することを更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記設置現場においてアスファルト、締固めた骨材又は透水性舗装のうちの少なくとも1つを含む表面を準備することと、
配設された複数のモジュールをそれぞれ含む複数のスキッドを前記表面上に配置することと、
を更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも1つのユーティリティフック留めを設けることは、可撓性導管を介して少なくとも1つのスキッドを地下のガスユーティリティライン及び水ユーティリティラインに結合することを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記複数のスキッドの間に延在する地上ケーブルトレーを前記表面上に設置することを更に含み、
各スキッドへの電気接続が前記ケーブルトレーを介して行われる、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
少なくとも1つの配管導管が、前記ケーブルトレーに取り付けられ、
前記スキッドのうちの少なくとも1つへの配管接続が、前記ケーブルトレーに取り付けられた前記少なくとも1つの配管導管を介して行われる、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
ハウジングであって、前記ハウジングの内部における少なくとも1つのユーティリティスタブと、前記ハウジングの表面における少なくとも1つの開口部であって、前記少なくとも1つのユーティリティスタブとスキッドマウント型電気化学システムとの間の少なくとも1つのユーティリティ接続を行うことができる、少なくとも1つの開口部とを含む、ハウジング
を備える、スキッドマウント型電気化学システムのドッキングステーション。
【請求項45】
前記少なくとも1つの開口部は、前記ハウジングの側面に配置され、
前記ハウジングは、少なくとも1つの第2の開口部を前記ハウジングの底面に含み、
前記ユーティリティスタブは、地下から前記少なくとも1つの第2の開口部を通って前記ハウジングの前記内部に入る、請求項44に記載のドッキングステーション。
【請求項46】
前記ユーティリティスタブは、燃料、水及び電気のためのユーティリティスタブを含み、
前記ハウジングは、燃料及び水のための前記ユーティリティスタブと電気のための少なくとも1つのユーティリティスタブとの間に内部仕切りを備える、請求項45に記載のドッキングステーション。
【請求項47】
前記ハウジングの前記側面に結合され、前記ハウジングの前記側面における前記少なくとも1つの開口部とスキッドマウント型電気化学システムとの間に延在する少なくとも1つの導管又はケーブルを密閉するチェースを更に備える、請求項45に記載のドッキングステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には、燃料電池システム及び電解槽システム等の電気化学システムと、スキッドを使用したその設置方法とを対象とする。
【背景技術】
【0002】
迅速で安価な設置は、燃料電池システム及び電解槽システム等の電気化学システムの普及を増大させる一助となり得る。概して配管及び電線用のトレンチ掘りを必要とする現場打ち式カスタム設計のコンクリートパッドの設置コストは、法外なものになり得る。コンクリート打ち及びトレンチには、概して1つ以上の建築許可及び建築検査官の審査が必要となることから、設置時間も大抵の現場において問題となる。
【0003】
さらに、固定の燃料電池システム及び/又は電解槽システムは、不動産のコストが結構高い又は利用可能な空間が限られている場所(例えば、ローディングドック、隘路、又は建物の間の空間等)に設置されることがある。燃料電池システムの設置は、利用可能な空間の利用率が高くあるべきである。ドア等を介してシステムにアクセスするために相当な量の離れた空間が必要となる場合、不動産の設置コストは大幅に増大する。
【0004】
現場に設置される燃料電池システム及び/又は電解槽システムの数が増える場合、概して生じる問題の1つは、(1つのユニット又は他のユニットの保守を可能にするために、)これらのシステム間に離れた空間が必要となることである。燃料電池システムの顧客が使用する可能性の観点から、システム間の空間は失われる。
【0005】
幾つかの燃料電池システム及び/又は電解槽システムの設計の場合、これらの問題は、単体システム設計の全体のキャパシティを増大させることによって解決される。しかしながら、これにより、必要となるコンクリートパッドのサイズ及び重量が増大することから、新たな課題が生まれる。したがって、この戦略はシステムの設置時間を増大させる傾向がある。さらに、システムの最小サイズが増大するにつれて、設計の耐障害性が低減する。
【0006】
これらのシステムの燃料電池スタック又はカラム及び/又は電解槽スタック又はカラムは、通常、ホットボックス(すなわち、断熱コンテナ)内に配置される。既設の大規模燃料電池システムのホットボックスは、キャビネット、ハウジング又はエンクロージャー内に収容される。キャビネット、エンクロージャー、及びハウジングという用語は、本明細書において区別なく使用される。通常、キャビネットは金属製である。金属には、引っかき傷、凹み及び腐食が生じやすい自動車用又は産業用粉末塗料が塗られる。これらのキャビネットの大半は、現在の産業HVAC機器キャビネットと同様である。
【発明の概要】
【0007】
1つの実施形態において、燃料電池電力システム又は電解槽水素生成システム等の電気化学システムが、デッキ及び前記デッキに接続されて前記デッキを支持する少なくとも1つの台座を含むスキッドと、前記スキッドの前記デッキ上に配置された少なくとも1つの電気化学モジュールを含む複数のモジュールとを備える。
【0008】
別の実施形態において、電気化学システムを設置する方法が、スキッド上に少なくとも1つの電気化学モジュールを含む複数のモジュールを設けることと、前記スキッド上に配設された前記複数のモジュールを有する前記スキッドを設置現場に輸送することと、前記設置現場において前記電気化学システムへの少なくとも1つのユーティリティフック留めを設けることとを含む。
【0009】
別の実施形態において、スキッドマウント型電気化学システムのドッキングステーションが、ハウジングであって、前記ハウジングの内部における少なくとも1つのユーティリティスタブと、前記ハウジングの表面における少なくとも1つの開口部であって、前記少なくとも1つのユーティリティスタブとスキッドマウント型電気化学システムとの間の少なくとも1つのユーティリティ接続を行うことができる、少なくとも1つの開口部とを含む、ハウジングを備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システムの斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システムの平面図である。
【
図4A】
図4Aは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システムの斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システムの平面図である。
【
図5C】
図5Cは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システムの平面図である。
【
図6A】
図6Aは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システムの平面図である。
【
図7A】
図7Aは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システムの平面図である。
【
図8】
図8は、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式パッドセクションの斜視図である。
【
図9A】
図9Aは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式パッドの斜視図である。
【
図9B】
図9Bは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式パッドの斜視図である。
【
図10】
図10は、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式パッドの斜視図である。
【
図11】
図11は、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式パッドを示す図である。
【
図12】
図12は、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式パッドを示す図である。
【
図14】
図14は、本開示の様々な実施形態に係る燃料電池システムのモジュール式パッドの斜視図である。
【
図15】
図15は、本開示の様々な実施形態に係る燃料電池システムのモジュール式パッドの斜視図である。
【
図16】
図16は、本開示の様々な実施形態に係る燃料電池システムのモジュール式パッドの斜視図である。
【
図17】
図17は、本開示の様々な実施形態に係る燃料電池システムのパッドセクションの斜視図である。
【
図19A】
図19Aは、本開示の実施形態に係る、プレキャストコンクリートトレンチに配管及び配線が埋設される前の大規模燃料電池システムの上面図である。
【
図19B】
図19Bは、本開示の実施形態に係る、プレキャストコンクリートトレンチに配管及び配線が埋設された後の大規模燃料電池システムの上面図である。
【
図21】
図21は、一実施形態に係るサブシステムの概略上面図である。
【
図23】
図23は、本開示の一実施形態に係る電気構成要素の回路図である。
【
図24】
図24は、本開示の実施形態のシステムの設置中に使用することができるコンクリート縁石の写真である。
【
図25】
図25は、本開示の実施形態のシステムの設置中に使用することができるレースウェイの写真である。
【
図26A】
図26Aは、本開示の一実施形態に係るスキッドに配置された複数のモジュールを含む燃料電池電力システムを示す斜視図である。
【
図26B】
図26Bは、本開示の一実施形態に係るスキッドの支持台座に取り付けられたリフトフックの写真である。
【
図26C】
図26Cは、本開示の一実施形態に係る、燃料電池電力システムがクレーンによってリフトフックを介して持ち上げられている様子を示す写真である。
【
図26D】
図26Dは、本開示の一実施形態に係るスキッドへの燃料(すなわち、ガス)接続部を示す写真である。
【
図26E】
図26Eは、本開示の一実施形態に係るスキッドへの水接続部を示す写真である。
【
図26F】
図26Fは、本開示の一実施形態に係るスキッドを出ていく電気ケーブルを示す写真である。
【
図27A】
図27Aは、本開示の一実施形態に係るスキッドマウント型燃料電池電力システムの側面図である。
【
図27B】
図27Bは、本開示の一実施形態に係るスキッドマウント型燃料電池電力システムの背面図である。
【
図27C】
図27Cは、本開示の一実施形態に係るスキッドマウント型燃料電池電力システムの上面図である。
【
図28】
図28は、本開示の一実施形態に係る互いに隣接して配置された一対のスキッド上の燃料電池発電構成要素を含む燃料電池電力システムを示す図である。
【
図29】
図29は、本開示の一実施形態に係るスキッド上に配設された6つのパワーモジュールと、燃料処理モジュールと、電力調整モジュールと、ステップ負荷(step load)モジュールとを有するスキッドを示す図である。
【
図30】
図30は、本開示の一実施形態に係るスキッド上に配設された6つのパワーモジュールと、燃料処理モジュールと、電力調整モジュールと、ステップ負荷モジュールと、マイクログリッドインバーターモジュールとを有するスキッドを示す図である。
【
図31A】
図31Aは、本開示の実施形態に係るL型ブラケットを使用して地表面に取り付けられたスキッドを示す図である。
【
図31B】
図31Bは、本開示の実施形態に係るL型ブラケットを使用して地表面に取り付けられたスキッドを示す図である。
【
図31C】
図31Cは、本開示の実施形態に係るスキッド及びL型ブラケットの斜視図である。
【
図32】
図32は、本開示の一実施形態に係るスキッドのフランジ表面に対してクランプ留めされたZ型ブラケットを示す側面図である。
【
図33】
図33は、本開示の一実施形態に係るスキッドの外周部を巡る複数のZ型ブラケットを示すスキッドの上面図である。
【
図34A】
図34Aは、本開示の一実施形態に係るスキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システムのドッキングステーションの斜視図である。
【
図34B】
図34Bは、本開示の一実施形態に係るスキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システムのドッキングステーションの斜視図である。
【
図34C】
図34Cは、本開示の別の実施形態に係るスキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システムのドッキングステーションの斜視図である。
【
図35】
図35は、本開示の一実施形態に係るスキッド上に配設された燃料電池パワーモジュールの列を含む大規模燃料電池システムの概略上面図である。
【
図36】
図36は、本開示の一実施形態に係るスキッド上に配設された燃料電池パワーモジュールの列の単一のブロックを含む燃料電池電力システムを示す図である。
【
図37A】
図37Aは、本開示の一実施形態に係る、システム配電ユニットに結合された燃料電池パワーモジュールの列の主要ブロック(primary block)と、統合マイクログリッドシステムとを含む燃料電池電力システムを示す図である。
【
図37B】
図37Bは、本開示の一実施形態に係る、燃料電池パワーモジュールの列の主要ブロックと、システム配電ユニットにおける電子部品モジュールの代替の構成を含む統合マイクログリッドシステムとを含む燃料電池電力システムの別の実施形態を示す図である。
【
図38A】
図38Aは、本開示の一実施形態に係る、燃料電池パワーモジュールが配置された複数のスキッドと、スキッドの間に延在するケーブルトレーとを含む燃料電池電力システムの一部分を示す写真である。
【
図38B】
図38Bは、本開示の一実施形態に係るスキッドの端部に当接するケーブルトレーの側面立面図である。
【
図38C】
図38Cは、本開示の一実施形態に係るスキッドの端部に当接するケーブルトレーの上面図である。
【
図38D】
図38Dは、本開示の一実施形態に係る燃料電池電力システムのシステム配電ユニットに当接するケーブルトレーの側面立面図である。
【
図39A】
図39Aは、本開示の様々な実施形態に係る地下のガス及び水ユーティリティラインと燃料電池電力システムのスキッドとの間の接続部を示す図である。
【
図39B】
図39Bは、本開示の様々な実施形態に係る地下のガス及び水ユーティリティラインと燃料電池電力システムのスキッドとの間の接続部を示す図である。
【
図40A】
図40Aは、本開示の一実施形態の水素生成システムの概略上面図である。
【
図40B】
図40Bは、本開示の一実施形態の電解槽モジュールの一対の隣接する列の概略上面図である。
【
図40C】
図40Cは、本開示の一実施形態の電解槽モジュールの一対の隣接する列の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以上の一般的な記載及び以下の詳細な記載はいずれも、例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求の範囲に係る本発明を限定するものではないことが理解される。
【0012】
図1を参照すると、一例示的な実施形態に係る燃料電池システム10が示されている。燃料電池システム10は、モジュール式システムレイアウトを有することができる。燃料電池システム10は、2007年1月22日に出願された米国特許出願第11/656,006号及び2014年3月13日に出願された米国特許出願第14/208,190号に記載のモジュール及び構成要素を含むことができ、これらの特許出願は、全体を参照により本明細書に援用する。燃料電池システム10のモジュール式設計は、柔軟なシステム設置及び動作を提供することができる。モジュールは、単一の設計セットで、発電設備容量の拡縮、確実な発電、柔軟な燃料処理、並びに電力出力電圧及び周波数の柔軟性を可能にする。モジュール式設計により、非常に高い可用性及び信頼性を有する「常時稼働」のユニットがもたらされる。また、この設計により、規模拡大の簡単な手段が提供され、顧客の設備の具体的な要件が満たされる。モジュール式設計により、異なり得る入手可能な燃料、並びに必要な電圧及び周波数の利用が可能にもなる。他の実施形態において、燃料電池システム10は、モジュール式システムレイアウトではないユニット式システムレイアウト(「クラシック」システムレイアウトとも呼ばれる)を含むことができる。
【0013】
図1に示されるモジュール式燃料電池システム10は、少なくとも1つの(好ましくは2つ以上又は複数の)パワーモジュール12と、1つ以上の燃料処理モジュール16と、1つ以上の電力調整(すなわち、電気出力)モジュール18とが配設されるハウジング14を備える。実施形態において、電力調整モジュール18は、直流電流(DC)を送達するように構成される。代替の実施形態において、電力調整モジュール18は、交流電流(AC)を送達するように構成される。これらの実施形態において、電力調整モジュール18は、インバーター等、DCをACに変換する機構を含む。例えば、システム10は、任意の所望の数のモジュール、例えば、2個~30個のパワーモジュール、例えば3個~12個のパワーモジュール、例えば6個~12個のモジュールを備えることができる。
【0014】
図1のシステム10は、パッド20上に6つのパワーモジュール12(横並びにスタックされる6つのモジュールの1つの列)と、1つの燃料処理モジュール16と、1つの電力調整モジュール18とを備える。幾つかの実施形態において、パッド20は、土台212(
図3Aに図示)を含むことができ、この土台は、コンクリート、又は燃料電池システム10を或る場所に恒久的に設置するために構成することができる同様の構造材料から形成される。以下で更に詳細に説明される他の実施形態において、パワーモジュール12、燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18は、デッキに接続された台座(例えば、金属レール)に載置された上面(すなわち、デッキ)を有するスキッド上に配設することができる。スキッドは、燃料電池システム10の迅速な配備及び/又は一時的な配備を可能にするように構成することができ、設置コスト及びサイクル時間を削減することができる。
【0015】
ハウジング14は、各モジュール12、16、18を収容するキャビネットを含むことができる。代替的には、より詳細に後述するように、モジュール16及びモジュール18は単一のキャビネット内に配設してもよい。パワーモジュール12の1つの列が示されているが、システムは2つ以上の列のモジュール12を備えてもよい。例えば、システム10は、背中合わせに/端から端まで配置される2つの列のパワーモジュール18を備えてもよい。
【0016】
各パワーモジュール12は、1つ以上のホットボックス13を収容するように構成される。各ホットボックスは、燃料電池の1つ以上のスタック又はカラム(明確にするために図示せず)、例えば、導電性相互接続プレートによって分離されるセラミック酸化物電解質を有する固体酸化物燃料電池の1つ以上のスタック又はカラムを含む。PEM、溶融炭酸塩、リン酸等の他の燃料電池タイプを使用してもよい。
【0017】
燃料電池スタックは、外部的に及び/又は内部的にマニホールドされた(manifolded)スタックを含むことができる。例えば、スタックは、燃料電池層及び/又は燃料電池の間の相互接続プレートにおける開口を貫通する燃料及び空気上昇管を有し、燃料及び空気用に内部的にマニホールドされていてもよい。
【0018】
代替的には、燃料電池スタックは、燃料用に内部的にマニホールドされ、空気用に外部的にマニホールドされていてもよく、燃料入口及び排気上昇管のみが、米国特許第7,713,649号に記載のように、燃料電池層及び/又は燃料電池の間の相互接続プレートにおける開口を貫通する。この米国特許は、全体を参照により本明細書に援用する。燃料電池は、交差流(cross flow、空気及び燃料が、各燃料電池内の電解質の対向する側において互いに対して略垂直に流れる)の構成を有することもできるし、向流並列(counter flow parallel、空気及び燃料が、各燃料電池内の電解質の対向する側において、互いに対して略平行だが対向する方向に流れる)の構成を有することもできるし、並行流並列(co-flow parallel、空気及び燃料が、各燃料電池内の電解質の対向する側において、同じ方向に互いに対して略平行に流れる)の構成を有することもできる。
【0019】
モジュール式燃料電池システム10は、少なくとも1つの燃料処理モジュール16も含む。燃料処理モジュール16は、吸着床(例えば、脱硫器及び/又は他の不純物吸着床)等の燃料の事前処理を行う構成要素を含む。燃料処理モジュール16は、特定のタイプの燃料を処理するように設計することができる。例えば、システムは、ディーゼル燃料処理モジュール、天然ガス燃料処理モジュール、及びエタノール燃料処理モジュールを含むことができ、これらのモジュールは、同じキャビネット内又は異なるキャビネット内に設けることができる。特定の燃料用に誂えられる異なる床組成を各モジュール内に設けることができる。処理モジュール(複数の場合もある)16は、管路から供給される天然ガス、圧縮天然ガス、メタン、プロパン、液体石油ガス、ガソリン、ディーゼル、家庭暖房用石油、灯油、JP-5、JP-8、航空燃料、水素、アンモニア、エタノール、メタノール、合成ガス、バイオガス、バイオディーゼル及び他の適切な炭化水素又は水素含有燃料から選択される燃料のうちの少なくとも1つを処理することができる。望ましい場合、燃料処理モジュール16は改質器17を含むことができる。代替的には、改質器17を燃料電池スタック(複数の場合もある)に熱的に統合することが望ましい場合、個別の改質器17がそれぞれのパワーモジュール12内の各ホットボックス13内に配置されていてもよい。さらに、内部改質燃料電池が使用される場合、外部改質器17を完全に省くことができる。
【0020】
電力調整モジュール18は、燃料電池スタックが生成したDC電力をAC電力に変換する構成要素(例えば、全体を参照により本明細書に援用する米国特許第7,705,490号に記載のDC/DCコンバーター及びDC/ACコンバーター)、グリッドに対するAC電力出力用の電気コネクタ、電気的過渡現象を管理する回路、システムコントローラー(例えば、コンピューター又は専用制御論理装置若しくは回路)を含む。電力調整モジュール18は、燃料電池モジュールからのDC電力を異なるAC電圧及び周波数に変換するように設計することができる。208V、60Hz;480V、60Hz;415V、50Hz並びに他の一般的な電圧及び周波数用の設計を提供することができる。
【0021】
燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18は、ハウジング14の1つのキャビネット内に収容してもよい。単一の入力/出力キャビネットが設けられる場合、モジュール16及び18は、キャビネット内で鉛直に(例えば、電力調整モジュール18の構成要素を燃料処理モジュール16の脱硫器キャニスター/床の上方に)又は横並びに配置してもよい。
【0022】
図1の1つの例示的な実施形態に示すように、1つのキャビネットが6つのパワーモジュール12の1つの列のために設けられ、パワーモジュール12は、入力/出力モジュール16/18の1つの側部上に横並びで直線状に配置される。モジュールの列は、例えば、システムが電力を供給する建物に隣接して(例えば、モジュールのキャビネットの背面が建物の壁に面している状態で)位置決めすることができる。パワーモジュール12の1つの列が示されているが、システムは2つ以上の列のモジュール12を備えてもよい。例えば、上記で述べたように、システムは、背中合わせにスタックされる2つの列のパワーモジュールを備えてもよい。
【0023】
パワーモジュール12の直線状の配列(linear array)は容易に拡縮される。例えば、より多数の又は少数のパワーモジュール12を、燃料電池システム10によってサービス提供される建物又は他の施設の電力需要に応じて設けてもよい。パワーモジュール12及び入力/出力モジュール16/18は、他の比率で設けてもよい。例えば、他の例示的な実施形態において、より多数の又は少数のパワーモジュール12を入力/出力モジュール16/18に隣接して設けてもよい。さらに、2つ以上の入力/出力モジュール16/18によって(例えば、個別の燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18キャビネットを用いて)サポート機能をサービス提供することができる。加えて、好ましい実施形態において、入力/出力モジュール16/18が、パワーモジュール12の列の端部にあるが、パワーモジュール12の列の中央に位置してもよい。
【0024】
モジュール式燃料電池システム10は、システム10の構成要素の点検を容易にするように構成することができる。定期的に又は頻繁に保守点検される構成要素(消耗部品等)は全て、単一のモジュール内に置いて、サービスマンが必要とする時間が削減されるようにしてもよい。例えば、天然ガスを燃料とするシステム用のパージガス(任意選択)及び脱硫器材料を、単一のモジュール(例えば、燃料処理モジュール16又は併合した入力/出力モジュール16/18キャビネット)内に置くことができる。これは、定期的なメンテナンスに際してアクセスされる唯一のモジュールキャビネットとなる。そのため、各モジュール12、16、及び18は、他のモジュールキャビネットを開くことなく、また、他のモジュールを点検、修理、又は取り外しを行うことなく、点検、修理又はシステムからの取り外しを行うことができる。
【0025】
例えば、上述したように、システム10は複数のパワーモジュール12を備えることができる。少なくとも1つのパワーモジュール12がオフラインになる(すなわち、オフラインのモジュール12内のホットボックス13内のスタックによって電力が生成されない)とき、残りのパワーモジュール12、燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18(又は併合した入力/出力モジュール16/18)はオフラインにならない。さらに、燃料電池システム10は、各タイプのモジュール12、16、又は18を2つ以上含むことができる。特定のタイプの少なくとも1つのモジュールがオフラインになるとき、同じタイプの残りのモジュールはオフラインにならない。
【0026】
そのため、複数のモジュールを備えるシステムにおいて、モジュール12、16、又は18のそれぞれは、システムにおける他のモジュールの動作を停止することなく、電気的に切断し、燃料電池システム10から取り外し、及び/又は点検若しくは修理することができ、燃料電池システムは発電を継続することが可能になる。1つのホットボックス13内の燃料電池の1つのスタックが故障した又は点検のためにオフラインになった場合、燃料電池システム10全体を止める必要はない。
【0027】
図2は、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システム200の平面図を示している。燃料電池システム200は、
図1の燃料電池システム10と同様である。したがって、同様の要素には同様の参照符号を使用し、両者の間の差異のみを詳細に説明する。
【0028】
図2を参照すると、システム200は、パッド210上に配設される、パワーモジュール12と、電力調整モジュール18と、燃料処理モジュール16とを備える。システム200は、モジュール12、16、18にアクセスするためのドア30を備えることができる。システム200は装飾ドア30Aを更に備えることができる。
【0029】
パワーモジュール12は、背中合わせの構成で配設することができる。特に、パワーモジュール12は並列に配設してもよく、燃料処理モジュール16及び電力調整モジュールは列の端部に配設してもよい。したがって、システム200は、全体的に矩形の構成を有し、他のシステム、例えば
図1のシステム10よりも長さが短いものであり得る。したがって、システム200は、空間長さが問題となる場所に配設することができる。例えば、システム200は、電力が提供される建物に隣接した駐車場に収まることができる。
【0030】
システム200が3つのパワーモジュール12の2つの列を備えるものと図示されているが、本開示はいかなる特定の数のパワーモジュール12にも限定されない。例えば、システム200は、幾つかの実施形態において、2個~30個のパワーモジュール12、4個~12個のパワーモジュール12、又は6個~12個のパワーモジュール12を備えることができる。換言すれば、システム200は、任意の所望の数のパワーモジュール12を備えることができ、パワーモジュール12は背中合わせの構成で配設される。加えて、燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18の位置は逆転してもよく、及び/又はモジュール16、18をシステム200の片方の端部に配設してもよい。
【0031】
図3Aは、パッド210の概略上面図を示している。
図3Bは、パッド210の斜視図を示しており、
図3Cは、縁部カバーを含むパッド210の斜視図を示している。
【0032】
図3A~
図3Cを参照すると、パッド210は土台212を備える。土台212は、コンクリート又は同様の材料から形成することができる。代替的には、土台212は、他の任意の適切な構造材料、例えば、鋼又は別の金属から作製することができ、単体としてプレキャストすることもできるし、部分的に注型することもできる。土台212は、土台材料をパターン型に注型し、注型された土台212を型から取り外し、その後、土台212を型の場所(例えば、土台製造施設内)から燃料電池システムの動作現場(すなわち、燃料電池システムが発電するように配置される場所)に輸送することによって作製してもよい。土台212は、単一部品として構成することもできるし、複数の接続セクションを含むこともできる。
【0033】
土台212は、第1の貫通孔214及び第2の貫通孔216と、排水凹部218と、配線凹部220と、配管凹部222とを有することができる。土台212は、タイダウンポケット224と、タイダウンインサート226と、配管ブラケット228とを備えることもできる。
【0034】
排水凹部218は、土台212の中央に沿ってモジュールの列の間に延在することができ、例えば、土台212上に収集された雨水又はデブリを収集するように構成することができる。タイダウンポケット224及びタイダウンインサート226は、対応するモジュールを土台212に固定するように構成することができる。配管凹部222は、土台212の周縁の周りに延在することができる。特に、配管凹部222は、土台212の3つ以上の縁部に沿って形成することができる。配線凹部220は、第1の貫通孔214から第2の貫通孔216に延在することができ、概ねU字形状とすることができる。
【0035】
パッド210は、配管230と、配線232と、ブスバー234等のシステム電気接続部とを備えることもできる。特に、配線232は、配線凹部220内に配設することができ、モジュールのうちの1つ以上に接続することができる。例えば、配線232は、ブスバー234及びパワーモジュール12のそれぞれに接続することができる。ブスバー234は、電力調整モジュール18に接続することができる。電力調整モジュール18は、第2の貫通孔216を通して外部負荷に接続することができる。ブスバー234は、配線232が貫通孔216にわたって延在しないように、貫通孔216の縁部上に配設することができる。しかしながら、そのような場所がシステム要件を満たすのに必要である場合、ブスバー234は、配線232が貫通孔216にわたって延在しないように、貫通孔216の対向する側に配設してもよい。
【0036】
配管230は、配管凹部222内に配設することができる。配管230は、第1の貫通孔214を介して外部の水源及び/又は燃料源に接続してもよく、配管ブラケット228に取り付けてもよい。特に、配管230は、燃料処理モジュール16をパワーモジュール12に接続する燃料管230Aを含むことができる。配管230は、水をパワーモジュール12に供給するように構成される水管230Bも含むことができる。配管230は、配管ブラケット228からパワーモジュール12の間に延在するようにしてもよい。
【0037】
図3Cに示すように、配管230は、縁部カバー236によって覆うことができる。特に、縁部カバー236は、配管凹部222を覆うように構成することができる。幾つかの実施形態において、縁部カバー236は、縁部カバー236を部品単位で取り外す及び/又は設置することができるように、複数のセグメントを含むことができる。
【0038】
図3Dは、本開示の様々な実施形態に係るパッド211の斜視図を示している。パッド211は、パッド210の代わりの、
図2の燃料電池システムのパッド210の代替版である。したがって、パッド210、211の間の差異のみを詳細に説明する。
【0039】
図3Dを参照すると、パッド211は配線233を含むが、ブスバーを含まない。特に、配線233は、各パワーモジュール12を電力調整モジュール18に取り付けるように構成されるケーブルの形態とすることができ、システム電気接続部は、ケーブルアセンブリ入力部又は出力部237を含むことができる。
【0040】
図4Aは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システムの斜視図を示している。
図4Bは、システム400の平面図を示している。
図4Cは、
図4Aのパッド410の概略図を示している。燃料電池システム400は、
図1の燃料電池システム10と同様の構成要素を備える。したがって、同様の要素には同様の参照符号を使用し、その間の差異のみを詳細に説明する。
【0041】
図4A~
図4Cを参照すると、システム400は、パッド410上に配設される、パワーモジュール12と、電力調整モジュール18と、燃料処理モジュール16とを備える。システム400は、モジュール12、16、18にアクセスするためのドア30を備えることができる。システム400は装飾ドア30Aを更に備えることができる。
【0042】
パワーモジュール12は、直線状の構成で配設することができる。特に、パワーモジュール12は一列に配設してもよく、燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18は列の端部に配設してもよい。幾つかの実施形態によれば、燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18は、列の中央に配設することができる。したがって、システム400は、全体的に直線状の構成を有し、直線状の空間を有するが幅が限られている場所に収められるかもしれない。そのような場所の一例は、大規模小売店の裏であり得る。
【0043】
システム400が6つのパワーモジュール12の列を備えるものと図示されているが、本開示はいかなる特定の数のパワーモジュール12にも限定されない。例えば、システム400は、幾つかの実施形態において、2個~30個のパワーモジュール12、4個~12個のパワーモジュール12、又は6個~12個のパワーモジュール12を備えることができる。換言すれば、システム500は、任意の所望の数のパワーモジュール12を備えることができ、モジュール12、16、18は直線状の構成で配設される。
【0044】
パッド410は土台412を備える。土台412は、第1の貫通孔214及び第2の貫通孔216を有することができる。土台412は、
図10に関して後述するように、配線凹部及び配管凹部も有することができる。土台412は、コンクリート又は同様の材料から形成することができる。代替的には、土台412は、他の任意の適切な構造材料、例えば、鋼又は別の金属から作製することができ、単体としてプレキャストすることもできるし、部分的に注型することもできる。土台412は、土台材料をパターン型に注型し、注型された土台412を型から取り外し、その後、土台412を型の場所(例えば、土台製造施設内)から燃料電池システムの場所(すなわち、燃料電池システムが発電するように配置される場所)に輸送することによって作製してもよい。
【0045】
パッド410は、配管230(例えば、水管230A及び燃料管230B)と、配線232と、システムブスバー234とを備えることもできる。特に、配線232は、実質的に直線状の配線凹部内に配設することができ、モジュールのうちの1つ以上に接続することができる。例えば、配線232は、ブスバー234及びパワーモジュール12のそれぞれに接続することができる。ブスバー234は、電力調整モジュール18に接続することができる。電力調整モジュール18は、第2の貫通孔216を通して外部負荷に接続することができる。ブスバー234は、配線232が第2の貫通孔216にわたって延在しないように、第2の貫通孔216の縁部上に配設することができる。しかしながら、そのような場所がシステム要件を満たすのに必要である場合、ブスバー234は、配線232が第2の貫通孔216にわたって延在しないように、第2の貫通孔216の対向する側に配設してもよい。
【0046】
幾つかの実施形態によれば、配管230及び配線232は、モジュール12、16、18に接続することを容易にするために、ドア30に隣接して配設することができる。換言すれば、配管230及び配線232は、土台412の縁部に隣接して配設することができる。幾つかの実施形態によれば、配線232は、
図3Dに示すものと同様にケーブルの形態とすることができ、ブスバー234を省くことができる。
【0047】
図5Aは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システム500の平面図を示している。
図5Bは、
図5Aのパッド510の概略図を示している。燃料電池システム500は、燃料電池システム200と同様の構成要素を備える。したがって、同様の要素には同様の参照符号を使用し、その間の差異のみを詳細に説明する。
【0048】
図5A及び
図5Bを参照すると、システム500は、パッド510上に配設される、パワーモジュール12と、電力調整モジュール18と、燃料処理モジュール16とを備える。システム500は、モジュール12、16、18にアクセスするためのドア30を備えることができる。システム500は装飾ドア30Aを更に備えることができる。
【0049】
パワーモジュール12は、L字形状の構成で配設することができる。特に、パワーモジュール12は、第1の列に配設してもよく、燃料処理モジュール16、電力調整モジュール18、及び追加のパワーモジュール12を、第1の列に実質的に直交する第2の列に配設してもよい。特に、モジュール16、18は、第2の列の遠位端部に配設することができる。したがって、システム500は、直線状の空間を有するが幅が限られている場所において動作するように構成してもよい。そのような場所の一例は、大型店舗の裏であり得る。
【0050】
システム500が6つのパワーモジュール12の列を備えるものと図示されているが、本開示はいかなる特定の数のパワーモジュール12にも限定されない。例えば、システム500は、幾つかの実施形態において、2個~30個のパワーモジュール12、4個~12個のパワーモジュール12、又は6個~12個のパワーモジュール12を備えることができる。換言すれば、システム500は、任意の所望の数のパワーモジュール12を備えることができ、モジュール12、16、18は直交した構成で配設される。
【0051】
パッド510は土台512を備える。土台512は、第1の貫通孔214及び第2の貫通孔216と、配線凹部と、配管凹部とを有することができる。土台512は、コンクリート又は同様の材料から形成することができる。土台512は、単体としてプレキャストすることもできるし、部分的に注型することもできる。例えば、土台512は、第1のセクション512A及び第2のセクション512Bを有することができ、両セクションは、プレキャストした後に動作場所で互いに隣接して配設することができる。セクション512Aとセクション512Bとの間の区切りは、点線Lによって示されている。第1の列のモジュールは、第1のセクション512A上に配設することができ、第2の列のモジュールは、第2のセクション512B上に配設することができる。
【0052】
パッド510は、配管230(例えば、水配管230A及び燃料配管230B)と、配線232と、システムブスバー234とを備えることもできる。特に、配線232は、配線凹部内に配設することができ、モジュールのうちの1つ以上に接続することができる。例えば、配線232は、ブスバー234及びパワーモジュール12のそれぞれに接続することができる。ブスバー234は、電力調整モジュール18に接続することができる。電力調整モジュール18は、第2の貫通孔216を通して外部負荷に接続することができる。
【0053】
幾つかの実施形態によれば、配管230及び配線232は、モジュール12、16、18に接続することを容易にするために、ドア30に隣接して配設することができる。換言すれば、配管230及び配線232は、土台512の縁部に隣接して配設することができる。幾つかの実施形態によれば、配線232は、
図3Dに示すものと同様にケーブルの形態とすることができ、ブスバー234を省くことができる。
【0054】
図5Cは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システム550の平面図を示している。
図5Dは、
図5Cのパッド560の概略図を示している。燃料電池システム550は、燃料電池システム500と同様の構成要素を備える。したがって、同様の要素には同様の参照符号を使用し、その間の差異のみを詳細に説明する。
【0055】
図5C及び
図5Dを参照すると、システム550は、パッド560上に配設される、パワーモジュール12と、電力調整モジュール18と、燃料処理モジュール16とを備える。パワーモジュール12は、第1の列に配設してもよく、燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18は、第1の列に概ね直交する第2の列に配設してもよい。したがって、システム550は、概ねL字形状であり得る。パッド560は、点線Lによって分離される第1のセクション560A及び第2のセクション560Bを有することができる。しかしながら、パッド560は、単一の材料片から形成することができる。第1の列のモジュールは、第1のセクション560A上に配設してもよく、第2の列のモジュールは、第2のセクション560B上に配設してもよい。
【0056】
パッド560は、配管230(例えば、水配管230A及び燃料配管230B)と、配線232と、第1の貫通孔214と、第2の貫通孔216と、システムブスバー234とを備えることもできる。特に、配線232は、配線凹部内に配設することができ、モジュールのうちの1つ以上に接続することができる。例えば、配線232は、ブスバー234及びパワーモジュール12のそれぞれに接続することができる。ブスバー234は、電力調整モジュール18に接続することができる。電力調整モジュール18は、第2の貫通孔216を通して外部負荷に接続することができる。
【0057】
幾つかの実施形態によれば、配管230及び配線232は、モジュール12、16、18に接続することを容易にするために、ドア30に隣接して配設することができる。換言すれば、配管230及び配線232は、パッド560の縁部に隣接して配設することができる。幾つかの実施形態によれば、配線232は、
図3Dに示すものと同様にケーブルの形態とすることができ、ブスバー234を省くことができる。
【0058】
図6Aは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システム600の平面図を示している。
図6Bは、
図6Aのパッド610の概略図を示している。燃料電池システム600は、燃料電池システム500と同様の構成要素を備える。したがって、同様の要素には同様の参照符号を使用し、その間の差異のみを詳細に説明する。
【0059】
図6A及び
図6Bを参照すると、システム600は、パッド610上に配設される、パワーモジュール12と、電力調整モジュール18と、燃料処理モジュール16とを備える。システム600は、モジュール12、16、18にアクセスするためのドア30を備えることができる。システム600は装飾ドア30Aを更に備えることができる。
【0060】
パワーモジュール12は、L字形状の構成で配設することができる。特に、パワーモジュール12は、第1の列に配設してもよく、燃料処理モジュール16、電力調整モジュール18、及び追加のパワーモジュール12を、第1の列に実質的に直交する第2の列に配設してもよい。特に、モジュール16、18は、第2の列の遠位端部に配設することができる。
【0061】
システム500とは対照的に、システム600は、第1の列と第2の列との間に配設されるダミーセクション630を有する。ダミーセクション630は、パッド610のモジュールを含まない部分であり得る。配管230及び配線232は、ダミーセクション630に通すことができ、パッド610の縁部に沿って延在していてもよい。
【0062】
パッド610は、ダミーセクション630によって分離される第1のセクション612A及び第2のセクション612Bを有することができる。幾つかの実施形態において、ダミーセクション630は、パッド610の個別のセクションとすることもできるし、第1のセクション612A及び第2のセクション612Bのうちの一方の一部とすることもできる。幾つかの実施形態において、ダミーセクション630上に空のキャビネットを配設することができる。第1の列のモジュールは、第1のセクション612A上に配設することができ、第2の列のモジュールは、第2のセクション612B上に配設することができる。
【0063】
図7Aは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式燃料電池システム700の平面図を示している。
図7Bは、
図7Aのパッド710の概略図を示している。燃料電池システム700は、燃料電池システム500と同様の構成要素を備える。したがって、同様の要素には同様の参照符号を使用し、その間の差異のみを詳細に説明する。
【0064】
図7A及び
図7Bを参照すると、システム700は、パッド710上に配設される、パワーモジュール12と、電力調整モジュール18と、燃料処理モジュール16とを備える。システム700は、モジュール12、16、18にアクセスするためのドア30を備えることができる。システム700は装飾ドア30Aを更に備えることができる。
【0065】
パワーモジュール12は、段状の構成で配設することができる。特に、パワーモジュール12は、第1の列、第1の列に実質的に直交する第2の列、及び第2の列に実質的に直交する第3の列に配設することができる。燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18は、第3の列の遠位端部に配設することができる。しかしながら、燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18は、幾つかの実施形態によれば、第1の列又は第2の列に配設することができる。
【0066】
システム700は、第1の列と第2の列との間にダミーセクション730を有する。ダミーセクション730は、パッド710のモジュールを含まない部分であり得る。幾つかの実施形態において、ダミーセクション730上に空のキャビネットを配設することができる。配管230及び配線232は、ダミーセクション730に通すことができ、パッド710の縁部に沿って延在していてもよい。
【0067】
パッド710は、第1のセクション712Aと、第2のセクション712Bと、第3のセクション712Cとを有することができる。第1のセクション712A及び第2のセクション712Bは、線Lによって分離してもよい。第2のセクション712B及び第3のセクション712Cは、ダミーセクション730によって分離してもよい。幾つかの実施形態において、ダミーセクション730は、パッド710の個別のセグメントとすることもできるし、第2のセクション712B及び第3のセクション712Cのうちの一方の一部とすることもできる。第1の列のモジュールは、第1のセクション712A上に配設してもよく、第2の列のモジュールは、第2のセクション712B上に配設してもよく、第3の列のモジュールは、第3のセクション712B上に配設してもよい。パッド710は、第1のセクション712A及び第2のセクション712Bの配線232を接続するように構成される第2のシステムブスバー235も備えることができる。
【0068】
図8は、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式パッドセクション800の斜視図を示している。
図8を参照すると、パッドセクション800は、上述のパッドのセクションのうちのいずれかとして使用することができる。パッドセクション800は矩形とすることができ、例えば、パッドセクション800は、実質的に平行な2つの長辺と、その間に延在する実質的に平行な2つの短辺とを有することができる。
【0069】
パッドセクション800は、パッドセクション800の上面に形成されていてもよい、第1のボス802と、第2のボス804と、第3のボス806と、配管ブラケット828と、配線凹部820と、接続凹部822と、配管凹部824とを有することができる。第1のボス802は、第2のボス804と第3のボス806との間に配設することができる。第2のボス804は、第3のボス806よりも大きい表面積を有することができる。例えば、第2のボス804及び第3のボス806は、実質的に同じ幅を有することができるが、第2のボス804は第3のボス806よりも長いものとすることができる。第1のボス802は、第2のボス804又は第3のボス806よりも大きい表面積を有することができる。配線凹部820の第3のボス806と隣接する配管ブラケット828との間に配設される部分820Aを拡大してもよく、例えば、拡大部分820Aは、配線凹部820の残りの部分よりも幅が広いものとすることができる。幾つかの実施形態によれば、拡大部分820A内に貫通孔216を形成することができる。
【0070】
配線凹部820は、ボス802、804、806と配管ブラケット828との間に配設することができる。ボス802、804、806は、上に配設されるモジュールを固定するように構成されるタイダウンポケット826を有することができる。配管ブラケット828は第1の列に配設することができ、ボス802、804、806は、第1の列に実質的に平行な第2の列に配設することができる。
【0071】
配管凹部824は、パッドセクションを使用して構築されるパッドの形状に応じて、パッドセクション800の2つのみ又は3つの辺/縁部上に形成してもよい。例えば、配管凹部824は、パッドセクション800がL字形状又は直線状の構成を有する燃料電池システムにおいて使用される場合、パッドセクション800の長辺及び1つの短辺に沿って延在していてもよい。代替として、配管凹部824は、パッドセクション800が矩形の構成を有する燃料電池システムにおいて使用される場合、パッドセクション800の長辺及び2つの短辺に沿って延在していてもよい。
【0072】
縁部カバー832を配管凹部822に配設してもよい。パッドセクション800は、プレキャストし、送達し、現場で1つ以上の他のパッドセクション800と組み付けてもよい。
【0073】
図9A及び
図9Bは、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式パッド215の斜視図を示している。パッド215は、燃料電池システム200のパッド210として使用することができる。
図9A及び
図9Bを参照すると、パッド215は、互いに隣接して配設されるパッドセクション800のうちの2つを有する。特に、パッドセクション800は、互いに同一平面上に配設することができ、及び/又は互いに物理的に接続することができる。
【0074】
特に、各パッドセクション800は、
図9A及び
図9Cに示すように、セクション800が組み付けられる場合、接続凹部822及び配管凹部824が、それぞれ互いに位置合わせされるように構成してもよい。換言すれば、パッドセクション800が互いに位置合わせされる場合、隣接するパッドセクション800の接続凹部822は連続した凹部を形成してもよく、2つの隣接するパッドセクション800の配管凹部824は連続した配管凹部を形成してもよい。加えて、パッドセクション800は、第2のボス804が第3のボス806と位置合わせされ(接触し)、第1のボス802が互いに位置合わせされる(接触する)ように、位置合わせされてもよい。換言すれば、第1のパッドセクション800の長辺は、第2のパッドセクション800の長辺と接触して(同一の第1のパッドセクションに対して180度回転)配設してもよい。配管及び/又は配線を通すことができるように、1つ以上の貫通孔216をパッドセクション800に形成してもよい。特に、貫通孔216は、配線凹部820の拡大部分820A内に形成してもよい。
【0075】
図10は、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式パッド415の斜視図を示している。パッド415は、
図4A及び
図4Bの直線状パッド410の代わりとすることができる直線状パッドであり得る。
図10を参照すると、パッド415は、共に長さ方向に位置合わせされた2つのパッドセクション800を有する。特に、一方のパッドセクション800の第3のボス806は、他方のパッドセクション800の第2のボス804に隣接して配設される。換言すれば、パッドセクション800のうちの一方の短辺は、他方のパッドセクション800の短辺と接触して配設してもよい。したがって、パッドセクション800の配線凹部820及び配管凹部824は、それぞれ互いに位置合わせして(連続して)整列されてもよい。特に、配線凹部820は、実質的に連続した直線状の配線凹部を形成するように位置合わせされてもよい。
【0076】
図11は、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式パッド615を示している。パッド615は、
図6Bのパッド610の代わりとすることができる。
【0077】
図11を参照すると、パッド615は、共に直交した状態で位置合わせされる2つのパッドセクション800を有する。特に、一方のパッドセクション800の第3のボス806は、他方のパッドセクション800の第1のボス802に隣接して配設される。したがって、配線凹部820は、接続凹部822のうちの1つによって接続してもよく、パッドセクション800の配管凹部824は、それぞれ互いに位置合わせして(連続して)整列してもよい。換言すれば、一方のパッドセクション800の短辺は、他方のパッドセクション800の長辺と接触して配設してもよい。
【0078】
図7Bのパッド710等の段状パッドを形成することができるように、追加のパッドセクション800を上記のパッドセクション800のうちの一方と位置合わせしてもよい。換言すれば、各セクション712A、712B、712Cは、パッドセクション800のうちの1つを使用して形成することができる。
【0079】
図12は、本開示の様々な実施形態に係るモジュール式パッド415Aを示している。パッド415Aは、
図4A及び
図4Bのパッド410の代わりとすることができる。
【0080】
図12を参照すると、パッド415Aは、2つのモジュール式パッドセクション900を有する。パッドセクション900はパッドセクション800と同様であるため、その間の差異のみを詳細に説明する。
【0081】
特に、パッドセクション900はそれぞれ、パッドセクション900の上面において、第1のボス802と、第1のボス804の対向する両側に配設される第2のボス808とを有する。第2のボス808は、同じサイズ及び形状を有していてもよい。したがって、パッドセクション800が、異なるサイズを有する第2のボス804及び第3のボス806を有することから、パッドセクション800には当てはまらないが、パッドセクション900は、幅方向に対称であり得る。パッドセクション900は、上述したように、パッドセクション415内でパッドセクション800と同様の様式で共に位置合わせしてもよい。
【0082】
図13A及び
図13Bは、本開示の様々な実施形態に係る燃料電池システムのパッド1000の斜視図を示している。
【0083】
図13A及び
図13Bを参照すると、パッド1000は、上記の燃料電池システムのいずれかに組み込むことができる。パッド1000は、土台1010と、セパレーター1012と、フレーム1014とを備える。土台1010は、上述したように、コンクリート又は同様の材料から形成することができる。特に、土台1010は、現場で打設することもできるし、1つ以上のセクションをプレキャストした後に現場で組み付けることもできる。
【0084】
セパレーター1012は、土台1010の上面に配設することができ、板金又は他の同様の材料から形成することができる。セパレーター1012は、土台1010の対向する両側に配設されるレール1017と、レール1017上に配設されるスペーサー1016とを備えることができる。レール1017は、単一部品とすることもできるし、接続されるレールセクションを有することもできる。
【0085】
フレーム1014は、任意の適切な方法を使用して、例えば、ボルト1018、クランプ等を使用することによって、スペーサー1016に取り付けることができる。フレーム1014は、パワーモジュール、燃料処理モジュール等のモジュールを収納するように構成される。スペーサー1012は、土台1010とフレーム1014とを分離して、間に空間を形成するように構成してもよい。
【0086】
パッド1000は、土台1010上に配設される配管1020を備えることができる。配管1020は、土台1010内に形成される貫通孔1022から延在することができ、フレーム1014上に配設されるモジュールに水及び/又は燃料を供給するように構成することができる。パッド1000は、電力調整モジュールを収納するように構成されるフレーム1014Aを備えることができる。パッド1000は、パワーモジュールをフレーム1014A上に配設される電力調整モジュールに接続するように構成される配線(図示せず)も備えることができる。代替として、配線をフレーム1014内に形成される開口1015に通してもよい。
【0087】
セパレーター1012は、フレーム1014を土台1010の上面から離隔するように構成される。したがって、配管1020は、土台1010の上面に直接配設してもよい。換言すれば、土台1010の上面は、実質的に平坦であり得る、例えば、配管1020及び/又は配線用の凹部を有する必要はない。
【0088】
パッド1000の構成により、燃料電池システムモジュールの設置のための平坦な表面を有するために、土台1010に注型成形される特徴部に配管及び/又は配線を組み入れる必要がないという、従来のパッドを上回る利点が提供される。したがって、パッド1000は、土台1010が注型成形される特徴部を必要としないことから、より低コストで製造され得る。
【0089】
図14は、本開示の様々な実施形態に係る燃料電池システムのパッド1400の斜視図である。
図14を参照すると、パッド1400は、土台1410と、土台1410上に配設されるレプリケーター(replicator)1420とを備える。土台1410は、現場で打設することもできるし、プレキャストして現場に送達することもできる。土台1410は、コンクリート又は同様の材料から形成することができる。
【0090】
レプリケーター1420は、土台1410に取り付けることができ、プラスチック又は他の非腐食性材料から形成することができる。レプリケーター1420は、上述した先行する実施形態の土台に成形される特徴部を再現することができる。例えば、レプリケーター1420は、配線及び/又は配管チャネル又は凹部が、レプリケーター1420の間の土台1410の平坦な上面に形成されるように、ボスを形成することができる。したがって、レプリケーター1420は、燃料電池システムのモジュール12、16、18を支持する隆起構造を作ることができ、一方で、配線及び配管は、レプリケーターの間のチャネル又は凹部内のコンクリートの土台1410の平坦な上面に形成される。レプリケーター1420は、土台1410に特徴部を穿孔するためのテンプレートとしても使用することができる。レプリケーター1420は、共に取り付け(例えば、スナップ留め)、及び/又は土台上面に成形する等、任意の適切な取り付け方法を使用して、土台1410に取り付けることができる。
【0091】
幾つかの実施形態によれば、複数のパッド1400をパッドセクションとして互いに取り付けて、より大きいパッド1400を作ってもよい。例えば、パッド1400は、所定の位置にスナップ係止することができるパッド配管カバー上の「リビングヒンジ」を使用して接続することができる。換言すれば、パッド1400は、幾つかの実施形態によれば、パッドセクションとみなすことができる。
【0092】
図15は、本開示の様々な実施形態に係る燃料電池システムのパッド1500の斜視図である。
図15を参照すると、パッド1500は、パッドセクション1510と、テンションケーブル1520とを備える。1つのテンションケーブル1520が示されているが、複数のテンションケーブル1520を含めてもよい。テンションケーブル1520は、パッドセクション1510を接続するように構成される。特に、パッドセクション1520を共に付勢するために、くさび1530をテンションケーブル1520に配設してもよい。1つのくさび1530が示されているが、くさびを各テンションケーブル1520の対向する両側に配設してもよい。
【0093】
パッドセクション1510は、位置合わせピン1512と位置合わせ穴1514とを更に有することができる。特に、位置合わせピン1512は、パッドセクション1520を互いに位置合わせするために、位置合わせ穴1514に挿入することができる。幾つかの実施形態によれば、パッドセクション1510の位置合わせを容易にするために、位置合わせピン1512は、ピラミッド形状とすることができ、位置合わせ穴1514は対応する形状を有することができる。
【0094】
図16は、本開示の様々な実施形態に係る燃料電池システムのパッド1600の斜視図である。
図16を参照すると、パッド1600は、共に接続されるパッドセクション1610を有する。特に、パッドセクション1610は、互いに噛み合い、間にピン1616が挿入されて共に係止される、第1のブラケット1612及び第2のブラケット1614を備える。パッドセクション1610は、配管及び/又は配線用の空間を提供することができる凹部又は切り欠き部1618を有していてもよい。配管及び/又は配線は、パッドセクション1610を通して、内部に形成された穴1620に入れられ得る。パッド1600の構成により、パッド1600は様々な形状及び/又はサイズを有することが可能になり得る。幾つかの実施形態において、パッドセクション1600は、比較的薄いコンクリートパッドに配設されてもよい。
【0095】
図17は、様々な実施形態に係る燃料電池システムのパッドセクション1700を示している。
図17を参照すると、パッドセクション1700は、その上面から延在するタイダウン1710を備える。タイダウン1710は、鍛造又は強化された金属から形成することができ、製造中又は製造後にパッドに挿入してもよい。タイダウン1710は、マッシュルーム形状とすることができ、見なくてもモジュールをパッドセクション1700に設置することを可能にし得る。したがって、タイダウン1710が自己誘導式であることから、タイダウン1710により、モジュールをパッドセクション1700により容易に取り付けることが可能になる。
【0096】
図18Aは、様々な実施形態に係る燃料電池システムの支持フレーム1800を示している。支持フレームは、支持フレーム1800内の穴1816とクイックコネクト1818との間に延在していてもよい、水配管1810と、燃料配管1812と、電気配線1814とを含むことができる。
【0097】
支持フレーム1800は、製造現場において、
図18Bに示すように燃料電池システムのモジュール1820に取り付け、事前に配線を通し、その後、燃料電池システムが発電する現場に組み付けのために出荷してもよい。事前に取り付けられたフレーム1800は、
図13Aに示すフレーム1014と同様であり得る。したがって、燃料電池システムの組み付けを簡素化することができる。
【0098】
図19A及び
図19Bは、それぞれ、プレキャストコンクリートトレンチに配管及び配線が埋設される前及び埋設された後の、別の実施形態の大規模燃料電池システムの上面図を示している。
図19C及び
図19Dは、
図19A及び
図19Bの大規模燃料電池システムの斜視図である。
図19Eは、
図19Cのガス/水分配モジュールの構成要素の概略側面図である。
図19Fは、
図19Dの大規模燃料電池システムのモジュールのパッドの側面断面図である。
図19G及び
図19Hは、集中式の脱硫システムを概略的に示している。
図19Iは、ガス/水分配モジュール(GDM:gas and water distribution module)の部分透視斜視図である。
図19Jは、集中式の脱硫システムのフロー図を示している。後述する全てのモジュールは、他のモジュールとは個別のハウジング内に配置してもよい。本システムは、構成要素の数を削減し、構成要素の設置を簡素化し、したがって、システム全体のコストを削減する。
【0099】
大規模燃料電池システムは、上述したパワーモジュール12(PM5と標示されている)の複数の列を含む。単一のガス/水分配モジュール(GDM)が、パワーモジュールの複数の列に流体接続される。例えば、単一のガス/水分配モジュールが、少なくとも6つのパワーモジュールの少なくとも2つの列のそれぞれ、例えば、7つのパワーモジュールの4つの列のそれぞれに流体接続される。
図19Eに示すように、単一のガス/水分配モジュールGDMは、上述した水及び燃料配管230とパワーモジュールとの間の接続部を含むことができる。接続部は、それぞれの燃料及び水を中央配管230から各パワーモジュールに送る導管(例えば、管)並びに弁231F及び231Wを含むことができる。燃料及び水配管230は、「UG」と標示されている上述した燃料管230Aと、「UW」と標示されている上述した水管230Bとを含むことができる。ガス及び水配管230は、それぞれユーティリティガス管及びユーティリティ水管に接続することができる。吸着床(例えば、脱硫器及び/又は他の不純物吸着床)等、燃料の事前処理を行う構成要素を備える単一のシステムレベルの燃料処理モジュール16は、全てのガス管230Aに接続することができる。したがって、単一の脱硫器を使用して、燃料電池システム内の全てのGDMに供給される天然ガス燃料を脱硫してもよい。
【0100】
任意選択で、1つ以上の水分配モジュール(WDM)をシステムに設けることができる。WDMは、水処理構成要素(例えば、水脱イオン化器)と、地方自治体の給水管及びシステム内の個々のモジュールに接続される配水管及び弁とを備えることができる。
【0101】
パワーモジュール12の各列は、DC/ACインバーター及び他の電気構成要素を含み得る上述した単一の電力調整モジュール18(AC5と標示されている)に電気接続される。単一の小型配電モジュール(MPDS)が、「UE」と標示されている上述したワイヤ232を使用して、電力調整モジュール18のそれぞれに電気接続される。単一のMPDSが、例えば、少なくとも6つのパワーモジュール12の少なくとも2つの列のそれぞれに、例えば、7つのパワーモジュールの4つの列のそれぞれに、それぞれの電力調整モジュール18、例えば4つの電力調整モジュール18を通じて電気接続される。MPDSは、複数の電力調整モジュール18とシステム配電モジュールPDS-1又はPDS-2のうちの一方との間に、回路遮断器及び電気接続部を含むことができる。
【0102】
1つ以上のテレメトリーモジュール(TC)もシステムに含めることができる。テレメトリーモジュールは、システムコントローラーと、システムが中央コントローラー及びシステムオペレーターと通信することを可能にする通信機器とを備えることができる。したがって、電力調整モジュール18内の4つのインバーター及びテレメトリーケーブルを単一のMPDSに接続してもよい。本システムは、GDM内の安全システムに給電し、テレメトリーイーサネットスイッチにも給電(4:1)するシステム配電ユニット(すなわち、中央給電ユニット)も備える。これにより、現場の土建業者が設置する電力導管及びテレメトリー導管の数が4つから1つに削減される。代替的には、単一の接続部をテレメトリーデータ転送に使用してもよい。単一のCAT5ケーブルを、電力調整モジュール18とテレメトリーモジュールTCとの間のデータ通信用のワイヤレス送受信機ユニットに置き換えてもよい。これによりデータケーブルの設置がなくなる。
【0103】
それぞれ同じGDM及び同じMPDSに流体及び電気接続される、パワーモジュールの複数の列とそれらの電力調整モジュールとのセットは、サブシステムと称される場合がある。燃料電池システムは、複数のサブシステム、例えば、2個~10個のサブシステムを含むことができる。
図19A及び
図19Bには4つのサブシステムを示す。
【0104】
燃料電池システムは、ワイヤ232(すなわち「UE」)を使用して燃料電池システムの全てのサブシステムに電気接続されるシステム配電ユニットも備えることができる。システム配電ユニットは、少なくとも1つの配電モジュール、例えば2つのモジュールPDS-1及びPDS-2と、少なくとも1つの変圧器、例えば2つの変圧器(XFMR-1及びXFMR-2)と、切断スイッチギア(SWGR)とを備えることができる。変圧器XFMR-1及びXFMR-2は、ワイヤ232を使用して、PDS-1モジュール及びPDS-2モジュールにそれぞれ電気接続することができる。スイッチギアは、ワイヤ232を介して変圧器に電気接続される入力部と、電気負荷及び/又はグリッドに電気接続される出力部とを有する15kVスイッチギアを含むことができる。任意選択の無停電電力サブシステム(UPS)も含めてもよい。したがって、電力は、パワーモジュールからそれぞれのMPDS、PDS-1又はPDS-1、XFRM-1又はXFRM-2及びSWGRを通してグリッド及び/又は負荷に供給される。
【0105】
図19B~
図19Dに示すように、配管230(例えば、燃料及び水管)は、それぞれのユーティリティ(例えば、ガス管及び水管)から、プレキャストコンクリートトレンチ1902を通じて各サブシステム内のそれぞれのGDMに設けることができる。同様に、ワイヤ232は、同じプレキャストコンクリートトレンチ1902を通じて各MPDSとシステム配電ユニットとの間に設けることができる。プレキャストコンクリートトレンチ1902は、2つの鉛直側壁が水平底壁又は水平接続バーによって接続された「U字」形状を有していてもよい。水平底壁に開口を設けることができる。プレキャストコンクリートトレンチ1902は、グレードの下方に配置され、カバープレート、塵、砂利及び/又はアスファルトコンクリート舗装で覆われる。
【0106】
図19D及び
図19Fに示すように、システムの各モジュール、例えば、パワーモジュール12及び/又は電力調整モジュール18は、多層支持体に設置することができる。多層支持体は締坪1910上に形成される。支持体は、気泡コンクリート(コンクリートフォームとしても知られる)の土台1912、例えばConfoam(商標)気泡コンクリートの土台を備える。従来の(非気泡)コンクリートパッド1914が土台1912上に配置される。コンクリートパッド1914は、土台1912よりも小さい面積を有する。金属鉄筋の骨組みを囲むU字形状で鋼製のメッシュ状の型枠1916、例えばNovoform(商標)が、コンクリートパッド1914の側方に設けられる。土台1912は枠組み1916の底部を支持する。コンクリートパッド1914の頂部は、完成したグレードの上方1.5インチ~2インチに位置し、基部1912の上に配置される砂利又はアスファルトコンクリート舗装1918を備えることができる。
【0107】
図19Gに示すように、集中式の脱硫システム(例えば、モジュール)1600は、パワーモジュールの各列内の個別の脱硫器と置き換えられる。集中式の脱硫モジュール1600はGDMに流体接続され、GDMは、パワーモジュール12に流体接続され、パワーモジュール12に燃料を提供する。パワーモジュール12はMPDSに電気接続され、MPDSは、電気負荷(例えば、電力グリッド又はスタンドアローン負荷)1901に電気接続される。集中式の脱硫システム(例えば、モジュール)1600は、
図19Hに示されている。集中式の脱硫システム(例えば、モジュール)1600は、硫黄吸着性材料(例えば、硫黄吸着性床)で充填される1つ以上の容器1602(例えば、カラム)を含む。GDMは
図19Iに示されている。GDMは、燃料を4つの列のパワーモジュール(「スタンプ」と称される)に分配する。
【0108】
図19Jは、集中式の脱硫システム1600のフロー図を示している。システム1600は、燃料入口におけるフィルターと、パワーモジュールの各列(すなわち、「スタンプ」)に対する2つの並列の燃料流路(例えば、燃料ライン、すなわち燃料導管)とを備えることができる。さらに、各「スタンプ」に対する並列の燃料流路には、質量流量制御弁等の2つの制御弁1603の2つの組が位置することができる。圧力トランスデューサー(PRT)を、様々なラインに配置することができ、システム動作時にライン圧力を監視し、必要なアクションを行うために使用することができる。ガスサンプリングポート1604も主入口ラインに配置されてもよい。1つの実施形態において、本システムは、硫黄の破過を検出するために使用される個別の硫黄破過検出ライン(sulfur breakthrough detection line)1606(点線のボックスで示す)も備える。検出ライン1606の出力は、安全通気口1608に流体接続されてもよい。硫黄検出センサー1609が、脱硫システム1600から出力される燃料内の硫黄の存在を検出するために、検出ライン1606に配置されてもよい。
【0109】
【0110】
図20Aに示すように、トレンチを地面に形成し、次いで、掘削機等の重機を使用して締固める。
図20Bに示すように、気泡コンクリートの土台1912をトレンチに充填する。気泡コンクリートは、管又はホースから土台1912に充填された後に固化される流動性充填材(例えば、発泡コンクリート)を含む。
【0111】
図20Cに示すように、U字形状で鋼製のメッシュ状の型枠1916及び鉄筋バーを土台1912の上に載置する。枠組み1916は、金属メッシュを覆うポリマーシートを含むことができる。次いで、コンクリートパッド1914を枠組み1916の境界の内側に形成する。次いで、モジュールをコンクリートパッド1914上に載置する。
【0112】
図20Dに示すように、追加のトレンチを土台1912の外側に形成する。次いで、プレキャストコンクリートトレンチ1902を追加のトレンチ内に載置する。
【0113】
次いで、
図20Eに示すように、ガス管230A、水管230B及びワイヤ232をプレキャストコンクリートトレンチ1902内に載置し、それぞれのGDM並びにMPDS、PDS-1及びPDS-2等の電力構成要素に接続する。管及びワイヤは、異なる鉛直高さでプレキャストコンクリートトレンチ1902の内側に取り付け又はクランプを行うことができる。次いで、プレキャストコンクリートトレンチ1902をカバープレート、塵、砂利及び/又はアスファルトコンクリート舗装で覆う。
【0114】
図21は、
図19A~
図19Cに示すシステムの1つのサブシステムの概略図である。パワーモジュール12の各列は、「ES」と標示されている、Bloom Energy Corporationからの300kWのEnergy Server(商標)燃料電池発電機を含むことができる。したがって、サブシステムは、合計1200kWの電力となる300kWのESの4つの列を含む。4つのサブシステムを含むシステム全体は、4800kWの電力を送達することができる。1200kWのES構成は、設置プロセス中に共通結び付き(common tie-in)のために標準的な電力、通信、水及びガス相互接続部を全て中央セクションに収束する4×300kWのESから構成される。
【0115】
図22におけるMPDSは、2通りの設置近接性(install proximity)を利用する。第1に、このモジュールへの単一の電気的結び付きは、相互接続ケーブルを現場設置キットの一部として供給することによって、電力調整モジュール18に分配することができる。これにより、設置が導管及びトレンチの4つの組から1つに低減される。また、この構成により、1200kWシステムから削除される合計4つの遮断器及び4つのサージデバイスについて、各電力調整モジュール18内の出力回路遮断器及びサージデバイスの省略が可能になる。追加の有利な特徴として、MPDSモジュール内にWIFI送信器を載置すること及びその通信が個別のESに相互接続することが挙げられる。WIFIシステムは、設備全体にサービス提供してもよく、導管及びワイヤの4つの組の省略に繋げてもよく、これにより、設置コスト及び複雑度が削減される。したがって、システムを低減し、個別のユニットをシステム内に集めることにより、システム及び設置を低減することができる。
【0116】
図23は、別の実施形態に係る代替の電子部品モジュールを示している。
図23における構成は、4つの個別のキャビネット(すなわち、ハウジング)を示しており、各キャビネットは専用の目的で完全に格納された状態である。第1のキャビネットは、4つのESを共通DCバスに並列化しながら、4つのESから個々のパワーモジュールを着地させるための場所である。このモジュールは、ブッシング(bussing)、ヒューズ保護及び内部ケーブル着地場所を含む。このモジュールは、50kW定格パワーモジュール及び75kW定格パワーモジュールの両方をサポートすることができ、DCバスを隣接する1200kWシステムに拡張するための任意選択の手段として、収集した出力DCの完全に定格の相互接続部を含むことができる。集中式のモジュール2及び3には、大きい許容電流DC入力及びAC出力を有するインバーターユニットのみが格納される。この実施形態は、より小型のインバーターユニットをなくし、集中式のシステム配電ユニット内での実施のために単一の単体インバーターを作製することによって、コストを更に削減することができる。最終モジュール4は更なるコスト節減をもたらす。このモジュールは、燃料電池パワーモジュールの起動及び安全機器を収容する。これにより、これらの品目の量を4つから1つに削減する。これは、システム用の収集した出力端末、及び外部導管進入用に設けられる唯一の場所として更に機能する。
【0117】
1つの実施形態において、各サブシステムは、1200kW/1200kVA又は1420kVAインバーターを備える。サブシステムは、依然として、グリッドに接続されるインバーター内に個々の起動及び安全システムを保持する。これにより、単一の300kWのES(すなわち、パワーモジュール12の列)内の個々の安全停止が可能になる。GDMから到来する安全停止要求は、サブシステム内の4つ全てのESを停止する。これは結果として、回路遮断器が4つのグリッド並列インバーター内で除去される場合、生産コストが削減される。これらの遮断器が提供する保護は、統合システムPDS-1又はPDS-2に移動させてもよい。したがって、各サブシステムからの4つの冗長サージ保護デバイス及び安全システムは、集中式のシステム配電ユニット内に合併してもよい。
【0118】
図24及び
図25は、本開示の実施形態のシステムの設置中に使用することができるコンクリート縁石及びレースウェイの写真である。
図24は、プレキャストコンクリートパッドの代わりに使用することができるコンクリート縁石を示している。これにより、サブシステムは、単一の電気的結び付き場所とともに1つのエリアに共同配置することが可能になる。縁石は、ワイヤ232及び配管230をグレードの下方ではなくグレード上に設置することができるように、モジュールの下に通路を提供する。これによりトレンチ掘削がなくなる。
【0119】
さらに、
図25に示す事前に製造されたコンクリートケーブルレースウェイを使用することにより、掘削及び個別の導管の使用量を削減する又はなくすことができる。レースウェイは、
図20D及び
図20Eに関して上述したプレキャストコンクリートトレンチを含むことができる。これらのレースウェイは、グレード上に設置することができ、又は導管埋設に必要な土木工事を伴わずに簡単に掘削されたトレンチ内に設置することができる。最後に、固定ケーブルレースウェイ及び改善された現場設計により、実際の伝導体長さを事前決定することができ、ケーブルの伝線ごとの事前製造された伝導体組を1200kWサブシステムから中央の電気ギアに(すなわち、システム配電ユニットに)通すことが可能になる。これにより、品質が改善し、現場での廃棄及び労働時間が削減される。概して、構成要素の全高を低下するとともに索張りを簡素化しつつも保守性を依然として維持しながら、品質の改善、現場建設時間の削減、労働コスト(例えば、電気的及び配管)の削減によって設置が改善する。
【0120】
燃料電池電力システム及び電解槽水素生成システム等の従来の電気化学システムにおいて、コンクリートパッドは、全ての品目が個別に装備及び設置されることを必要とする。様々な実施形態は、スキッドによって支持される燃料電池システム又は電解槽システムの特徴及び用途を対象とする。様々な実施形態は、ユニット式(「クラシック」と呼ばれる)システムレイアウト又はモジュール式システムレイアウトを有するシステムを含めて、設置コスト及びサイクル時間の削減のためにスキッドを利用する燃料電池電力システム又は電解槽水素生成システムを含む。そのようなシステムは、「パッケージ化エネルギーサーバー(PES:Packaged Energy Server)」と呼ばれる場合がある。様々な実施形態は、PESシステムと、PESシステムを設置する方法とを含む。
【0121】
パッケージ化エネルギーサーバー(PES)は、現場に配備することができる完成した燃料電池電力システム又は電解槽システムを備えることができる。スキッドによって支持されるPESの様々な実施形態は、設置コスト及びサイクル時間を削減することができ、燃料電池システムの迅速な配備及び/又は一時的な配備を可能にすることができる。1つの実施形態において、スキッドは、単一のデッキ(例えば、金属デッキ)を含み、このデッキは、当該デッキに接続された台座(例えば、金属レール)に載置されている。スキッドのデッキは、燃料電池キャビネット又は電解槽キャビネットを支持する。
【0122】
図26Aは、スキッド2601上に配置された複数のモジュールを含む燃料電池電力システム2600を示す斜視図である。システム2600は、1つ以上のパワーモジュール12(
図26AにおいてPM5と標示されている)と、1つ以上の燃料処理モジュール16(
図26AにおいてFP5と標示されている)と、1つ以上の電力調整モジュール18(
図26AにおいてAC5と標示されている)とを含むことができ、これらは、同じスキッド2601上に配設することができる。システム2600は、モジュール12、16、18にアクセスするドア30を更に含むことができる。代替的に、システム2600は、同じスキッド上に配置された電解槽モジュールと、水分配モジュールと、パワーモジュールとを含む電解槽システムを備えることもできる。
【0123】
パワーモジュール12は、背中合わせの構成で配設することができる。特に、パワーモジュール12は、平行な列に配設することができる。燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18は、パワーモジュール12のそれぞれの列の端部に背中合わせの構成で配設することができる。
【0124】
システム2600は、追加の補助機器も含むことができる。補助機器は、水分配モジュール(WDM:water distribution module)2604等の1つ以上の追加のモジュールを含むことができる。WDM2604は、水処理構成要素(例えば、水脱イオン化器)と、給水設備(例えば、地方自治体の給水管)及びシステム2600内の個々のモジュールに接続することができる配水管及び弁とを含むことができる。システム2600の補助機器は、ステップ負荷モジュール2606(
図26AにおいてSL5と標示されている)も含むことができる。ステップ負荷モジュール2606は、ステップ負荷の変化に遭遇した際に電力システムをサポートすることができる蓄電池及び/又はウルトラキャパシタ等の蓄積構成要素を含むことができる。WDM2604及びステップ負荷モジュール2606は、それぞれ電力調整モジュール18及び燃料処理モジュール16に隣接して背中合わせの構成で配設することができる。
【0125】
幾つかの実施形態において、システム2600の補助機器は、テレメトリーキャビネット2608(
図26AにおいてTCと標示されている)を更に含むことができ、このテレメトリーキャビネットは、システムコントローラーと、システム2600が中央コントローラー及び/又はシステムオペレーターと通信することを可能にする通信機器とを含むことができる。幾つかの実施形態において、システム2600の補助機器は、配電システム2610(
図26AにおいてPDSと標示されている)も含むことができ、この配電システムは、スキッド2601上に及び/又はスキッド2601から離れて配置された様々な構成要素への配電を制御することができる。幾つかの実施形態において、システム2600の補助機器は、切断スイッチギア等の切断システム2612(
図26AにおいてDISCと標示されている)も含むことができ、この切断システムは、障害状態の場合に及び/又は保守目的でシステム2600の構成要素の保護、隔離、及び電源遮断を行うように構成することができる。幾つかの実施形態において、切断システム2612は、バックアップ電源装置(BPS:backup power supply)と組み合わせることもできるし、バックアップ電源装置と置き換えることもできる。スキッド2601に搭載された切断/BPSシステムは、構築中に切断/BPSを設定する必要がないので、迅速且つより容易な設置を可能にすることができる。
【0126】
幾つかの実施形態において、配電機能、テレメトリー機能及び切断/BPS機能は、スキッド2601上に配置することもできるし、スキッド2601に取り付けることもできる単一のユニット(例えば、電気分配システム(「EDS」:electrical distribution system)ユニット)に組み合わせることができる。幾つかの実施形態において、EDSユニットは、スキッド2601上に配設された単一のキャビネット又はハウジングを含むことができる。これは、更なるスキッド設置面積の削減を可能にすることができ、配電機能、テレメトリー機能及び切断/BPS機能の機器を構築中に個別に設定する必要がないのでより迅速且つより安価な設置を提供することができる。
【0127】
スキッド2601は、一般に方形の形状を有することができる。ただし、他の水平形状も使用することができる。幾つかの実施形態において、スキッド2601は、少なくとも約8フィート、例えば、20フィートと25フィートとの間を含む10フィートと40フィートとの間にある長さ寸法を有することができる。スキッド2601は、少なくとも約4フィート、例えば、7フィートと10とフィートの間を含む5フィートと15フィートとの間にある幅寸法を有することができる。スキッド2601は、デッキ2603とも呼ばれる場合がある上面を含むことができ、この上面上に、パワーモジュール12、燃料処理モジュール16、電力調整モジュール18、及び任意選択の補助機器を支持することができる。幾つかの実施形態において、パワーモジュール12は、スキッド2601の第1の側部2605に隣接して配置することができ、システム2600の補助機器(例えば、ステップ負荷モジュール2606、WDM2604、テレメトリーキャビネット2608、配電システム2610、切断システム/BPS2612等)は、第1の側部2605の反対側にあるスキッド2601の第2の側部2607に隣接して配置することができる。便宜上、スキッド2601の第1の側部2605は、スキッド2601の「後」側2605と呼ばれる場合があり、スキッド2601の第2の側部2607は、スキッド2601の「前」側2607と呼ばれる場合がある。上述したように、パワーモジュール12は、デッキ2603上に平行な列に配設することができ、スキッド2601の後側2605から前側2607に向けてスキッド2601の長さに沿って延在することができる。燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18は、デッキ2603上においてパワーモジュール12と補助機器の間に背中合わせの構成で配設することができる。ステップ負荷モジュール2606及びWDM2604は、デッキ2603上にそれぞれ燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18に隣接して背中合わせの構成で配設することができる。テレメトリーキャビネット2608、配電システム2610、及び切断システム/BPS2612は、スキッド2601の前側2607に近接して配置することができる。幾つかの実施形態において、テレメトリーキャビネット2608及び配電システム2610は、デッキ2603上に配設することができ、切断システム/BPS2612は、スキッド2601の前側2607に取り付けることができる。
【0128】
システム2600は、スキッド2601上に3つのパワーモジュール12の列を2列含むものが示されているが、本開示は、スキッド2601上のいかなる特定の数のパワーモジュール12にも限定されない。例えば、システム200は、幾つかの実施形態において、スキッド2601上に2個~30個のパワーモジュール12を含むこともできるし、4個~12個のパワーモジュール12を含むこともできるし、6個~12個のパワーモジュール12を含むこともできる。換言すれば、システム2600は、任意の所望の数のパワーモジュール12をスキッド2601上に含むことができる。幾つかの実施形態において、パワーモジュール12は、背中合わせ構成のパワーモジュール12の一対の列としてスキッド2601上に配設することができる。代替的に、パワーモジュール12の単一の列、又はパワーモジュール12の3つ以上の列をスキッド2601上に配置してもよい。加えて、燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18のスキッド2601上の位置は逆転してもよく、及び/又は、モジュール16、18は、スキッド2601の片方の端部に配設してもよい。さらに、様々な実施形態において、補助機器2604、2606、2608、2610及び2612のうちの幾つか又は全てをシステム2600から省いてもよく、スキッド2601から離れて配置してもよい。
【0129】
さらに、燃料電池電力システム2600は、モジュール式システムレイアウトを含むものとして上記で説明されているが、様々な実施形態は、スキッド2601上に配設されたユニット式システムレイアウト(「クラシック」システムレイアウトとも呼ばれる)を有する燃料電池電力システム260を含むことができることが理解されるであろう。そのようなユニット式システムレイアウトにおいては、モジュール12、16及び18のうちの1つ以上が、システム2600全体のシャットダウン及び/又は取り外しを必要とすることなくシステム2600から切断及び取り外しすることができない場合がある。
【0130】
更なる実施形態は、スキッド2601上に配設された電解槽システムを含む。電解槽システムは、水素生成に使用することができる。
図26Aに示すパワーモジュール12と同様のものとすることができる1つ以上の電解槽モジュールをスキッド2601のデッキ2603上に配設することができる。各電解槽モジュールは、1つ以上のホットボックス13(
図1参照)を収容するように構成されるハウジング又はキャビネットを含むことができる。電解槽モジュールの各ホットボックス13は、複数の固体酸化物形電解セル(SOEC:solid oxide electrolyzer cell)を含む少なくとも1つの電解セルスタックを含むことができる。各電解槽モジュールは、ホットボックス13の内側又は外側に配置することができるスチームレキュペレーター、スチームヒーター、エアレキュペレーター及び/又はエアヒーター等の追加の構成要素を含むことができる。動作中、少なくとも1つの電解セルスタックに、スチームと、外部電力源からの電流又は電圧とを提供することができる。特に、水分子を電気化学的に分解し、水素(例えば、H
2)及び酸素(例えば、O
2)を生成するために、スチームをスタックの電解セルの燃料電極に提供することができ、電力源は、電解セルの燃料電極と空気電極との間に電圧を印加することができる。空気電極から酸素を一掃するために、空気電極に空気も提供することができる。したがって、スタックは、水素流と、酸素を豊富に含む排気流とを出力することができる。水素流は、水素燃料源として使用することができ及び/又は後の使用に備えて水素貯蔵システムに提供することができる。電解槽モジュール(複数の場合もある)の追加のサポート機器をスキッド2601上に配置することができる。幾つかの実施形態において、燃料電池電力システム及び電解槽水素生成システムを組み合わせたシステム(すなわち、PESシステム)は、電力及び水素のコジェネレーション用にスキッド2601上に配設された少なくとも1つのパワーモジュール及び少なくとも1つの電解槽モジュールを含むことができる。
【0131】
図26Aを再び参照すると、スキッド2601のデッキ2603は、デッキ2603に接続された複数の支持台座2609によって地面の上方に支持することができる。支持台座2609は、適切な強度の支持土台を提供するために(例えば、ボルト等の機械的な締結具を介して、及び/又は互いに溶接されて)互いに接続することができる、Iビーム等の金属(例えば、鋼鉄)レール等のレール構造物のネットワークを含むことができる。
図26Aに示すように、支持台座2609は、スキッド2601の周囲を巡って延在することができる。追加の支持台座2609(
図26Aには見えていない)は、デッキ2603の下方においてスキッドにわたって延在することができる。支持台座2609のうちの少なくとも幾つかは、システム2600の輸送、設置及び/又は除去を行うフォークリフトのプロング挿入用のフォークポケット2611を含むことができる。スキッド2601は、リフトフック等のクレーン用のリフトポイントを更に含むことができる。
図26Bは、スキッド2601の支持台座2609に取り付けられたリフトフック2613を示し、
図26Cは、燃料電池電力システム2600がクレーンによってリフトフック2613を介して持ち上げられている様子を示している。幾つかの実施形態において、システム2600は、標準的な道路上でフラットベッドトラックによって、標準軌鉄道車両によって、及び/又は輸送コンテナを介して、設置現場へ又は設置現場から輸送することができる。スキッド2601を含むシステム2600は、設置現場への配備前に全て工場で組み立てて試験することができ、これによって、大幅により高速且つより安価な設置が可能になり得る。
【0132】
スキッド2601は、外部給水施設及び/又は外部燃料供給装置への接続部を更に含むことができ、外部負荷及び/又は電気グリッドへの1つ以上の電気接続部を更に含むことができる。
図26Dは、スキッド2601への燃料(すなわち、天然ガス、バイオガス、プロパン、水素等のガス燃料)接続部2614を示し、
図26Eは、スキッド2601への水接続部2615を示し、
図26Fは、スキッド2601から出ていく電気ケーブル2616を示している。スキッド2601は、水及び燃料の配管と、システム2600の様々なモジュールと他の構成要素との間の配線(例えば、電気ケーブル、ブスバー(複数の場合もある)等)とを更に含むことができる。配管及び配線は、スキッド2601内の凹部及び/又は開口部内に配置することができる。様々な実施形態において、配管及び配線の凹部及び/又は開口部は、スキッド2601のデッキ2603、スキッド2601の支持台座2609、及び/又はデッキ2603と支持台座2609との間の間隙内に配置することができる。幾つかの実施形態において、スキッド2601のデッキ2603は、
図2~
図17を参照して上述したパッド210、211、215、410、415、415A、510、560、615、1000、1400、1500、及び1600、及び/又は、パッドセクション800、900、1510、1610及び1700のうちの任意のものと同様又は同一である特徴部及び/又は構成要素を用いて構成することができる。幾つかの実施形態において、デッキ2603の上面は、実質的に平面とすることができ、例えば、配管及び/又は配線、及び/又は、デッキ2603上に支持されるモジュール12、16、18、2604、2606、2608及び/又は2610の設置のための凹部又は他の特徴部を含まない。幾つかの実施形態において、デッキ2603の上面とデッキ2603上に支持されるモジュール12、16、18、2604、2606、2608及び/又は2610の下面との間に空間又は隔たりを設けることができる1つ以上のオーバーレイ構造物をデッキ2603の上面にわたって配置することができる。配管及び電気接続部は、デッキ2603の上面とモジュール12、16、18、2604、2606、2608及び/又は2610の下面との間の空間内に延在することができる。オーバーレイ構造物は、例えば、
図13A及び
図13Bを参照して上述したように、モジュールを受けるように構成される上述したフレーム1014と、フレーム1014をデッキ2603の上面から隔てるように構成される上述したセパレーター1012とを含むことができる。代替的に又は付加的に、オーバーレイ構造物は、
図14を参照して上述したように、モジュールを支持する隆起構造を形成することができる上述したレプリケーター1420を含むことができる。他の適したオーバーレイ構造物も、予期される開示範囲内にある。オーバーレイ構造物は、適した機械的な締結具を使用してデッキ2603の上面に取り付けることができる。
【0133】
幾つかの実施形態において、全てのスキッド間接続部は、工場において作製することができ、任意選択で工場において試験することができる。これによって、より高速なシステム設置が可能になり得る。外部燃料システム、水道システム及び/又は電力システムへの現場接続は、設置現場において容易に且つ素早く行うことができ、地上の接続部又は地下の接続部のいずれからも行うことができる。
【0134】
図27A、
図27B及び
図27Cは、本開示の一実施形態に係るスキッドマウント型燃料電池電力システム2600のそれぞれ側面図、背面図、及び上面図である。
図27A~
図27Cに示す燃料電池電力システム2600は、
図26Aを参照して前述したシステム2600と実質的に同様の構成を有し、したがって、簡潔にするために、共通の要素の繰り返しの説明は省略される。
図27A~
図27Cに示す実施形態において、システム2600は、スキッド2601に取り付けられたRSA(商標)燃料インジェクターシステム等の燃料インジェクター/レギュレーター装置2620を更に含む。燃料インジェクター/レギュレーター装置2620は、燃料インジェクター/レギュレーター装置2620を地表面よりも上に持ち上げることができるとともに隣接するパワーモジュール12から側方に間隔を空けて配置することができるように、1つ以上のブラケット部材2621を介してスキッド2601の後側2605に取り付けることができる。外部燃料源(例えば、天然ガス管、燃料タンク、燃料シリンダー等)に結合された燃料流入導管(
図27A~
図27Cに図示せず)を燃料インジェクター/レギュレーター装置2620の流入口に接続することができ、燃料流出導管(
図27A~
図27Cに図示せず)を、システム2600のモジュール12及び16に燃料を提供する燃料インジェクター/レギュレーター装置2620の流出導管に結合することができる。様々な実施形態において、工場において(例えば、ブラケット部材2621を使用して)スキッドに事前に取り付けられたオンボード燃料インジェクター/レギュレーター装置2620を提供することによって、燃料インジェクター/レギュレーター装置2620を構築中に設定する必要がないので、迅速且つより容易な設置が可能になり得る。
【0135】
燃料電池電力システム及び/又は電解槽水素生成システムは、複数のスキッド2601を含むことができる。
図28は、互いに隣接して配置された一対のスキッド2601a及び2601b上に燃料電池発電構成要素を含む燃料電池電力システム2800の一実施形態の上面図を示している。
図28に示す実施形態は、2つのスキッド2601a及び2601bを含むが、電力システム2800は、任意の数のスキッドを含むことができることが理解されるであろう。スキッド2601a、2601bは、任意の便利なレイアウトを有することができる。
図28におけるスキッド2601a及び2601bは、第1のスキッド2601aの後側2505が第2のスキッド2601bの前側2507と向き合うインラインレイアウトを有する。代替的に、システム2800のスキッド2601a、2601bは、正面合わせ、背中合わせ及び/又は横並びの構成で横に配列することもできる。システム2800のスキッド2601a、2601bは、互いに平行に、互いに垂直に、及び/又は互いに対して斜角に向けることもできる。幾つかの実施形態において、複数のスキッド2601a、2601bを、タワー構成又はスタック構成で互いに重なり合って垂直にスタックすることができる。これによって、単位面積当たりの電力密度を増加させることが可能になり得る。幾つかの実施形態において、1つ以上のスキッド2601a、2601bを既存の建物又は構造物の屋根に配置することができる。システム2800の各スキッド2601a、2601bは、外部(例えば、ユーティリティ)の給水施設及び/又は燃料供給施設への個々の接続部を有することができ、外部負荷及び/又は電気グリッドへの個別の電気接続部を有することができる。代替的に、スキッド間接続部が、複数のスキッド2601a、2601bの間での水、燃料及び/又は電力の共有を可能にすることができる。システム2800のスキッド2601a、2601bは、同じサイズを有することもできるし、異なるサイズを有することもできる。システム2800の異なるスキッド2601a、2601bは、各スキッド2601a、2601bに同一の構成要素を取り付けることもできるし、それぞれのスキッド2601a、2601bに異なる構成要素を取り付けることもできる。
【0136】
図28に示す実施形態において、単一の燃料供給装置ライン2801を、第1のスキッド2601aに取り付けられた燃料インジェクター/レギュレーター装置2620の流入口に接続することができる。燃料インジェクター/レギュレーター装置2620の流出口に結合されたスプリッター2803が、矢印2804及び2805によって示すように、燃料フローのそれぞれの部分をそれぞれのスキッド2601a及び2601bに誘導することができる。したがって、第2のスキッド2601bには、個別の燃料インジェクター/レギュレーター装置2620がなく、これによって、システムコストが削減される。
【0137】
加えて、システム2800の補助機器のうちの幾つか又は全ては、1つ以上のスキッド2801aに配置することができるが、システム2800の他のスキッド(複数の場合もある)2801bには配置せず、システムのコスト及び複雑度を更に削減することもできる。
図28に示す実施形態において、例えば、第1のスキッド2801aは、ステップ負荷モジュール2606と、テレメトリーキャビネット2608と、配電システム2610と、切断システム/BPS2612とに加えて、4つのパワーモジュール12と、燃料処理モジュール16と、電力調整モジュール18と、WDM2604とを含む。第2のスキッド2601bも、4つのパワーモジュール12と、燃料処理モジュール16と、電力調整モジュール18と、WDM2604とを含むが、ステップ負荷モジュール2606も、テレメトリーキャビネット2608も、配電システム2610も、切断システム/BPS2612も含まない。代わりに、第1のスキッド2601a上の補助機器は、第2のスキッド2601bに配置されたモジュールに(有線接続及び/又は無線接続を使用して)電気的に接続される。マルチスキッド燃料電池システム2800の種々の構成要素の様々な構成及び分散配置は、予期される開示範囲内にある。
【0138】
図29及び
図30は、本開示の実施形態に係る、スキッド2601上に配設された燃料電池電力システム構成要素の様々な配置を示している。
図29は、スキッド2601上に配設された6つのパワーモジュール12と、燃料処理モジュール16と、電力調整モジュール18と、ステップ負荷モジュール2606とを有するスキッド2601を示している。
【0139】
図30は、スキッド2601に配設された6つのパワーモジュール12と、燃料処理モジュール16と、電力調整モジュール18と、ステップ負荷モジュール2606と、マイクログリッドインバーターモジュール2630(
図30においてMI5-Bと標示されている)とを有するスキッド2601を示している。マイクログリッドインバーターモジュール2630は、電力グリッド停電及びフリッカー事象の間等にマイクログリッド負荷への一定の安定したグリッド独立電力の供給を可能にすることができる。
【0140】
1つ以上のスキッド2601を有する燃料電池電力システム及び/又は電解槽水素生成システムは、ハードスケープ(例えば、コンクリート、アスファルト等)環境及びソフトスケープ(例えば、植物、土壌等)環境の双方に設置することができる。様々な実施形態において、設置前に必要とされる現場準備を最小限にすることができる。約2°よりも大きな傾斜を有する場所等の非水平環境において、1つ以上のシムをスキッド2601の下に設けて、燃料電池電力システム及び/又は電解槽水素生成システムの様々な構成要素を支持する実質的に水平なデッキ2603を提供することができる。幾つかの実施形態において、アウトリガー又は同様のスタビライザーを設けて、強風又は地震活動がある現場等においてスキッド2601の安定性を高めることができる。1つ以上のアースアンカー及び/又はコンクリートアンカー等のアンカリングシステムを使用して、システムを地面に係留することができる。
【0141】
幾つかの実施形態において、L型ブラケットを使用して、システムを設置場所に固定することができる。L型ブラケットの使用は、空間が制限されている(例えば、現場の場所が建物、歩道又は他の構造物の隣にある)状況において及び/又はシステムへのアクセス及びシステムの保守容易性を改善するために有利であり得る。L型ブラケットスタビライザーは、互いに隣接する複数のスキッドを設置するのに使用することもできる。
図31A及び
図31Bは、L型ブラケット2631を使用して地表面に取り付けられたスキッド2601の例示的な実施形態を示している。
図31Aに示す実施形態では、地表面は、コンクリート表面2640とすることができ、
図31Bに示す実施形態では、地表面は、締固め土を覆うアスファルト表面2642とすることができる。L型ブラケット2631は、スキッド2601の支持台座2609の取り付け面2635に対向して配置することができる。任意選択の補強部材2636、2637(例えば、鋼板)を、L型ブラケット2631が取り付けられる場所における取り付け面2635の内部及び外部に配置することができる。機械的な締結部材2645(例えば、ボルト及びナットの対)を、取り付け面2635、任意選択の補強部材2636、2637及びL型ブラケット2631の垂直部分を通して配置し、L型ブラケット2631を支持台座2609に固定することができる。
図31Aに示す実施形態において、コンクリート拡張アンカー2642をL型ブラケット2631の下部を通して地表面2640内に配置することができる。
図31Bに示す実施形態において、アースアンカー2643をL型ブラケット2631を通して地表面2642内に配置することができる。複数のL型ブラケット2631をスキッド2601の側部に沿って取り付けて、スキッド2601を地表面に固定することができる。
図31Cは、L型ブラケット2631をスキッド2601の側部の取り付け面2635にどのようにして取り付けることができるのかを示すスキッド2601及びL型ブラケット2631の斜視図である。
【0142】
代替的に又は付加的に、1つ以上のZ型ブラケットを使用して、システムを設置場所に固定することもできる。Z型ブラケットは、地面に係留することができ、スキッド2601の全ての自由度を制約することができるようにスキッド2601の表面に押し当てることができる。
図32は、スキッド2601のフランジ表面2652に対してクランプ留めされたZ型ブラケット2651を示す側面図である。Z型ブラケット2651は、地面2640/2641上に配置することができる平坦な下面2654を有する第1の部分2653と、第1の部分2653の下面2654に対して上昇した下面2656を含む第2の部分2655とを含むことができる。Z型ブラケットの第1の部分2653は、
図31A及び
図31Bを参照して上述したように、アースアンカー2643又はコンクリート拡張アンカー2642を使用して地面2640/2641に係留することができる。アンカー2642/2643には、Z型ブラケット2651の第1の部分2653の上面に対してトルクを与えることができ、これによって、第2の部分2655の下面2656をスキッド2601のフランジ表面2652に対してクランプ留めすることができる。様々な実施形態において、1つ以上のZ型ブラケット2651は、スキッド2601にボルト締めされることもなく、別の方法で締結されることもなく、スキッド2601を地面に固定することができる。
図33は、スキッド2601の外周部を巡る複数のZ型ブラケット2651を示すスキッド2601の上面図である。
図33における破線は、Z型ブラケット2651がスキッド2601のフランジ表面上に配置される場所を示している。
【0143】
更なる実施形態は、スキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽水素生成システムのドッキングステーションに関する。幾つかの実施形態において、ドッキングステーションは、スキッドマウント型システムへの様々な外部接続部(例えば、ユーティリティスタブ)の保護を提供する設置現場におけるハウジング又はエンクロージャーを含むことができる。ドッキングステーションは、現場における固定設備とすることができる。スキッドマウント型電力システム及び/又は電解槽システムは、現場に輸送され、ドッキングステーションに近接して配置されて、任意の必要な外部接続部へのシステムの容易で確実なフック留めを可能にすることができる。ドッキングステーションは、燃料(例えば、天然ガス)供給施設、給水施設、及び現場の電気システム等の現場の固定インフラストラクチャと、スキッドマウント型電力システム及び/又は電解槽システムとの間の単一の接続点を提供することができる。ドッキングステーションは、現場所有者がスキッドマウント型システムのドッキングの接続部を準備することを可能にすることができるとともに、ユーティリティの審美的に受け入れることができるスタブアップを提供することができる。ドッキングシステムを使用することによって、必要に応じたシステム全体又はシステムの構成要素の交換、及びスキッド(複数の場合もある)の追加又は除去による容量の拡張又は削減を含む、スキッドマウント型電力システム及び/又は電解槽システムの必要に応じた容易な配備を円滑にすることができる。
【0144】
図34A及び
図34Bは、本開示の一実施形態に係るスキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システム2600のドッキングステーション3000の斜視図である。ドッキングステーション3000は、ハウジング3001の内部へのアクセスを提供するために開くことができる蓋又はドア3003を有するハウジング3001を含むことができる。実施形態において、蓋又はドア3003は、閉じた位置にあるときにロックされて、ハウジング3001の内部への許可されていないアクセスを防止することができる。ハウジング3001は、鋼鉄等の適した構造材料から構築することができ、
図34A及び
図34Bに示すような直角プリズム形状を有することができる。ハウジング3001の他の材料及び形状も、予期される開示範囲内にある。ハウジング3001は、スキッド2601と向き合うハウジング3001の側面に開口部3004(例えば、切り抜き部分)を含むことができる。ドッキングステーション3000とスキッドマウント型システム2600との間のユーティリティ接続部3002(例えば、水接続部、燃料接続部及び/又は電気接続部)を、開口部3004を通って作製することができる。
図34A及び
図34Bに示す実施形態において、複数のケーブル及び/又は流体導管3002が、ハウジング3001の内部から開口部3004を通ってスキッドマウント型システム2600に延在することができる。
図34Bに示すように、ケーブル及び/又は流体導管3002は、ドッキングシステム3000とシステム2600との間に延在する保護外部導管又はチェース3007内に配置することができる。幾つかの実施形態において、保護バリア3006をドッキングシステム3000の周囲に配置することができる。ドッキングシステム3000には、ドッキングシステム3000の周囲に最小の横間隙d
1及び縦間隙d
2を設けることができる。
【0145】
図34Cは、別の実施形態に係るドッキングシステム3000の斜視図である。
図34Cに示す実施形態において、ドッキングシステム3000のハウジング3001は、複数の開口部3004を有することができる。1つの非限定的な例において、第1の開口部3004は、システム2600への水接続部を設けるのに使用することができ、第2の開口部3004は、システム2600への燃料(例えば、天然ガス)接続部を設けるのに使用することができ、一対の開口部3004は、システム2600への電気接続部及びシステム2600からの電気接続部を設けるのに使用することができる。幾つかの実施形態において、流体導管及び/又は電気ケーブルが、開口部2004を通ってハウジング3001の内部に延在することができる。代替的に、開口部2004は、システム2600からの流体導管及び/又は電気ケーブルをプラグ接続することができるレセプタクル又はソケットを含んでもよい。
【0146】
図34Dは、本開示の一実施形態に係るドッキングステーション3000のハウジング3001の内部の平面図である。ハウジング3001の底面は、地下のユーティリティ接続部(スタブ)がハウジング3001の内部に入ることができる開口部を含むことができる。例えば、ハウジング3001は、燃料ユーティリティ接続部3010、水ユーティリティ接続部3011、及び(例えば、負荷及び/又はグリッドへの)少なくとも1つの電気接続部3012を含むことができる。幾つかの実施形態において、ハウジング3011は、機械接続部(例えば、燃料及び水)と電気接続部との間に内部仕切り3009を含むことができる。
【0147】
更なる実施形態は、スキッド2601に取り付けられた電気化学モジュールを含む燃料電池電力システム及び/又は電解槽水素生成システム等の大規模電気化学システムに間する。幾つかの実施形態において、システムのスキッドへの及びシステムのスキッド間の配管及び/又は電気接続部は、地上ケーブルトレー内等の地上に配置することができる。
図35は、本開示の一実施形態に係る大規模燃料電池システム3500の概略上面図である。
図35に示す燃料電池システム3500は、
図19A~
図19Jを参照して上述したようなシステムと同様のものとすることができる。特に、このシステムは、パワーモジュール12の複数の列を含むことができる。パワーモジュール12の各列は、DC/ACインバーター及び他の電気構成要素を含むことができる単一の上記の電力調整モジュール18に電気的に接続することができる。パワーモジュール12の各列は、吸着床(例えば、脱硫器及び/又は他の不純物吸着床)等の燃料前処理用構成要素を含む単一の上記の燃料処理モジュール16に流体接続することもできる。代替的に、単一の燃料処理モジュールを、上述したようにパワーモジュール12の複数の列に使用してもよい。パワーモジュール12の列のそれぞれ並びに関連付けられた電力調整モジュール18及び関連付けられた燃料処理モジュール16は、スキッド2601上に配置することができる。
図35に示す実施形態において、パワーモジュール12の各列、電力調整モジュール18及び任意選択の燃料処理モジュール16は、個別のスキッド2601に配置することができる。パワーモジュール12のそれぞれの列、電力調整モジュール18及び燃料処理モジュール16を含む隣接するスキッド2601の対は、互いに平行に隣接して延在することができる。幾つかの実施形態において、各スキッド2601は、スキッド2601上に配置されたパワーモジュール12の2つ以上の列、電力調整モジュール18及び任意選択の燃料処理モジュール16を含むことができる。
【0148】
システム3500は、複数のブロック3501に構成することができ、各ブロック3501は、パワーモジュール12の複数の列(並びに関連付けられた燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18)を含むことができる。システム3500の単一のブロック3501は、
図35において破線によって囲まれている。各ブロック3501は、上述したシステム配電ユニット2604を含むことができる。システム配電ユニット2604のそれぞれは、少なくとも1つの変圧器XFMRを含むことができる。システム配電ユニット2604のそれぞれは、
図19A~
図19Jを参照して上述したような少なくとも1つのシステム配電モジュール(PDS:power distribution module)を含むことができる。配電モジュールPDSのそれぞれは、ブロック3501の複数の列の電力調整モジュール18に電気的に接続することができ、ブロック3501の変圧器XFMRに電力を提供することができる。変圧器XFMRは、ブロック3501の単一の電力出力を提供することができる。各ブロック3501からの電力出力は、電気接続部(例えば、銅線)を介して共通のサブステーション3502に提供することができる。このサブステーションは、システムをグリッド及び/又は負荷に結合することができるスイッチギア及び/又は他の構成要素を含むことができる。
【0149】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つの変圧器XFMR及び少なくとも1つのシステム配電モジュールPDS等のシステム配電ユニット2604の構成要素は、1つ以上のスキッド2601上に配置することができる。代替的に、システム配電ユニット2604の構成要素のうちの少なくとも幾つかは、コンクリートパッド等のパッド上に配置してもよい。システム3500の各ブロック3501は、任意選択で、1つ以上の上記の水分配モジュール(WDM)、及び1つ以上の上記のテレメトリーモジュール(TC)も含んでもよい。各ブロック3501の水分配モジュール(WDM)及びテレメトリーモジュール(TC)は、
図35に示すように、個別のスキッド2601上に配置することができる。
【0150】
図35に示すシステム3500は、7つのブロック3501を含み、各ブロックは、パワーモジュール12の複数の列と、システム配電ユニット2604とを含む。各列は、7つのパワーモジュール12を含み、
図21を参照して上述したような300kWのEnergy Server(商標)燃料電池発電機(ES)を形成することができる。7つのブロック3501のうちの6つは、パワーモジュール12の10個の列を含み、3MWの電力を提供することができる。第7のブロック3501(
図35の左下隅に配置されている)は、パワーモジュール12の7つの列を含む。したがって、システム3500は全体として20.1MWの電力を提供することができる。システムのブロック3501の数の変更、ブロック3501ごとのパワーモジュール12の列の数の変更、列ごとのパワーモジュール12の数の変更、並びにブロック3501及び各ブロック3501内のパワーモジュール12の列のレイアウト(複数の場合もある)の変更を含むシステムの様々な他の構成も、本開示の範囲内にあることが理解されるであろう。幾つかの実施形態において、パワーモジュール12の列を含む複数のスキッド2601は、事前準備(例えば、舗装)された設置表面又は置き場の上部にモジュール式「電力タワー」構成で垂直にスタックすることができる。
【0151】
図36は、スキッド2601上に配置されたパワーモジュール12(
図36においてPM5と標示されている)の単一の3MWブロック3501を含む燃料電池電力システム3500の別の実施形態を示している。
図35及び
図36を参照すると、様々な実施形態において、システム3500は、パワーモジュール12の列と集中型のシステム配電ユニット2604との間の地上電気接続部を含むことができる。特に、地上ケーブルトレー3505が、パワーモジュール12の列を含むスキッド2601のそれぞれの端部とブロック3501の集中型のシステム配電ユニット2604との間に延在することができる。地上ケーブルトレー3505は、水分配モジュール(WDM)及び/又はテレメトリーモジュール(TC)等の補助機器を含むスキッド(複数の場合もある)2601にも延在することができる。パワーモジュール12の各列における電力調整モジュール18(
図36においてAC5と標示されている)と集中型のシステム配電ユニット2604との間の電気接続部(例えば、銅線)を、スキッド2601のそれぞれの端部に当接することができるケーブルトレー3505内に配置することができる。幾つかの実施形態において、スキッド2601間の地上配管接続部(例えば、ガス導管及び/又は水導管)をケーブルトレー3505の下方に取り付けることができる。スキッドマウント型モジュールへの地上電気接続部及び/又は配管接続部を設けることによって、システムの設置中に必要とされる地中貫通(例えば、トレンチ)の量を最小にすることができ、それによって、システムの設置時間及び設置コストを大幅に削減することができる。
【0152】
幾つかの実施形態において、
図35及び
図36に示すような燃料電池システム3500の設置は、アスファルトを用いてシステム設置エリア全体を舗装してシステム構成要素の設置用の「駐車場」のような表面を作製すること等によって、現場表面(例えば、「置き場」)を準備することを含むことができる。代替的に、設置表面は、適切な場合には締固めた骨材(compacted aggregate)又は透水性舗装(permeable paver)を使用して準備してもよい。その後、地下のユーティリティラインへの接続等の相互接続用に必要に応じて、事前準備された設置表面を通るソーカット及びトレンチを形成することができる。その後、取り付けられたシステム構成要素(例えば、電気化学モジュール)を含むスキッド2601を事前準備された設置表面にわたって適切な場所に配置することができる。上述したように、スキッド2601及びスキッド2601上のシステム構成要素は、設置現場への配備前に全て工場で組み立てて試験することができ、これによって、大幅により高速且つより安価な設置が可能になり得る。
【0153】
幾つかの実施形態において、燃料電池システム3500は、
図19A~
図19Jを参照して上述したような集中式の脱硫システム1600を含むことができる。幾つかの実施形態において、集中式の脱硫システム1600は、スキッド1601上に配置してもよい。代替的に、集中式の脱硫システムは、コンクリートパッド等のパッド上に配置してもよい。システム3500の各ブロック3501は、適した流体導管を介して集中式の脱硫システム1600に流体結合することができる少なくとも1つの上記ガス/水分配モジュール(GDM)を含むことができる。幾つかの実施形態において、流体導管は、上述したようなケーブルトレー3505に取り付ける等して地面の上方に配置することができる。代替的に、流体導管は、
図20D及び
図20Eに示すようなプレキャストコンクリートトレンチ等のトレンチ内に配置することもできる。ブロック3501内の各GDMは、燃料電池パワーモジュール12の複数の列に流体結合することができる。集中式の脱硫システム1600及び1つ以上のGDMを使用することによって、システム3500内で燃料処理モジュール16及び/又は水分配モジュールWDMを不要にすることができる。様々な実施形態において、システム3500の1つ以上のGDMは、燃料電池パワーモジュール12の1つ以上の列及び関連付けられた電力調整モジュール18を含むスキッド2601とすることができるスキッド2601上、又はパワーモジュール12の列及び関連付けられた電力調整モジュール18を含まない個別のスキッド2601上に配置することができる。
【0154】
図37Aは、上述したシステム配電ユニット2604に結合されたパワーモジュールの列の主要ブロック3501と、統合マイクログリッドシステム3701とを含む燃料電池電力システム3500の別の実施形態を示している。統合マイクログリッドシステム3701は、局所的に使用されるDC電力供給等の安定したグリッド独立電力供給を提供するように構成することができる。パワーモジュールの列の主要ブロック3501及び統合マイクログリッドシステム3701の構成要素はそれぞれ、上述したようなスキッド2601上に配置することができる。ケーブルトレー3505は、主要ブロック3501のパワーモジュールの列の間に延在することができるとともに、システム配電ユニット2604及び統合マイクログリッドシステム3701の双方へ延在することができる。ケーブルトレーの第1の部分(例えば、ハウジング)に配置された第1の電気接続部(例えば、銅線)セットを、パワーモジュールの列とシステム配電ユニット2604との間でAC電力を搬送するように構成することができるとともに、ケーブルトレーの第1の部分の上方又は下方に垂直にスタックされるケーブルトレーの第2の部分(例えば、ハウジング)に配置された第2の電気接続部(例えば、銅線)セットを、パワーモジュールの列と統合マイクログリッドシステム3701との間でDC電力を搬送するように構成することができるように、ケーブルトレー3505はスタック構成を有することができる。パワーモジュールの列からの電力は、現在の電力要件に応じてシステム配電ユニット2604及び/又は統合マイクログリッドシステム3701に選択的に供給することができる。
【0155】
図37Bは、パワーモジュールの列の主要ブロック3501と、システム配電ユニット2604における電子部品モジュール3702の代替の構成を含む統合マイクログリッドシステム3701とを含む燃料電池電力システム3500の別の実施形態を示している。電子部品モジュール3702の代替の構成は、
図23を参照して上述した構成と同様のものとすることができる。特に、電子部品モジュール3702の代替の構成は、個別のキャビネット(すなわち、ハウジング)を含むことができ、各キャビネットは、専用の目的で完全実装されている。1つのモジュールは、主要ブロック3501のパワーモジュールからDC電力を受信することができ、パワーモジュールの複数の列からの電力を共通のDCバスに結合するように構成することができる。このモジュールは、
図37Bに示す統合マイクログリッドシステム3701等の隣接するシステムにDCバスを延ばす任意選択の手段として、収集された出力DCの完全定格相互接続部を含むことができる。1つ以上の追加のモジュールが、大電流容量のDC入力及びAC出力を有する単一のモノリシックインバーターユニット(すなわち「大型インバーター」)を形成することができる。これは、より小さなインバーターユニットをなくし、集中式のシステム配電ユニット2604に実装される単一のモノリシックインバーターを作製することによって、コスト削減に役立つことができる。大型インバーターは、パワーモジュールからのDC電力をAC電力に変換し、AC電力出力を集中式の配電ユニット2604の変圧器に提供することができる。追加のモジュールが、燃料電池パワーモジュールの始動安全機器を含むことができ、システムの収集された出力の端子及び外部導管の入口用に設けられる場所として機能することもできる。
【0156】
図37Bに示す実施形態において、ケーブルトレー3505は、DC電力を主要ブロック3501のパワーモジュールの列からシステム配電ユニット2604内の電子部品モジュール3702に供給するとともに、システム配電ユニット2604内の電子部品モジュール3702から統合マイクログリッドシステム3701に供給するのに使用することができる。
【0157】
追加の実施形態は、炭素回収技術を組み込んだ燃料電池電力システム3500等の電気化学システムに関するものとすることができる。特に、パワーモジュール12のホットボックスに配置された燃料電池スタックからのアノード排気を含むことができる炭素含有排気流を受け取る追加の配管を、スキッド2601に配置されたパワーモジュールの列に流体結合することができる。例えば、炭素含有排気流は、アノードテールガス酸化剤排気流を含むことができる。排気の炭素含有成分(例えば、CO2、CO等)をシステムによる使用のためにリサイクルすることもできるし、飲料炭素化等の他の化学プロセス若しくは産業プロセスにおける貯蔵、隔離、及び/又は使用のために排気流から分離することもできるように、追加の配管は、排気流を処理するように構成することができる追加のモジュール及び/又は処理デバイスに結合することができる。追加のモジュール及び/又は処理デバイスは、システム3500と同じ場所(例えば、スキッド2601上及び/又は1つ以上のコンクリートパッド上)に配置することもできるし、システム3500から遠隔に配置することもできる。幾つかの実施形態において、炭素含有排気流(複数の場合もある)を回収する追加の配管は、パワーモジュールの列のそれぞれ内のパワーモジュールに流体結合された地上流体導管を含むことができる。幾つかの実施形態において、地上流体導管は、ケーブルトレー3505に取り付けることができる。
【0158】
図38Aは、燃料電池パワーモジュール12が配置された複数のスキッド2601と、スキッド2601の間に延在するケーブルトレー3505とを含む燃料電池電力システム3500の一部分を示す写真である。
図38Bは、スキッド2601の端部に当接するケーブルトレー3505の側面立面図である。
図38Cは、スキッド2601の端部に当接するケーブルトレー3505の上面図である。
図38Dは、燃料電池電力システム3500のシステム配電ユニット2604に当接するケーブルトレー3505の側面立面図である。
【0159】
図38A~
図38Dを参照すると、ケーブルトレー3505は、底面3802と、一対の側壁3803と、カバー3804とによって形成されるハウジング3801を含むことができる。ハウジング3801は、複数の垂直支持体3805によって地面よりも高くすることができる。ハウジング3801は、スキッド2601の端部において開口部3806に当接することができる開口端を有することができる。スキッド2601との間で電力及び通信(例えば、データ)を搬送する複数の電気接続部3807(すなわち、ケーブル)をケーブルトレー3505のハウジング3801内に配置することができる。電気接続部3807は、ケーブルトレー3505のハウジング3801から開口部3806を通ってスキッド2601内に延在することができ、スキッド内において、電気接続部3807は、スキッド2601上に配置された適切なモジュールに配線することができる。
【0160】
図38A~
図38Dを再び参照すると、水及びガスの配管導管3808a、3808bを、
図38Bに示すようなストラットクランプ3809等の適した取り付け機構を介してケーブルトレー3505のハウジング3801の下方に取り付けることができる。配管導管3808a及び3808bは、地表面の上方に支持することができる。ボール弁等の弁3810を配管導管3808a、3808bのそれぞれの端部においてケーブルトレー3505に配置することができる。可撓性ケーブル3811a、3811bが、弁3810とスキッド2601上のそれぞれの流体接続部3812a、3812bとの間に延在することができる。スキッド2601上の追加の配管導管3813a、3813bが、スキッド2601上に配置された適切なモジュールに水及びガスを送ることができる。
【0161】
図38Dは、ケーブルトレー3505と上述したシステム配電モジュール(PDS)等のシステム配電ユニット2604の構成要素との間のインターフェースを示している。ケーブルトレー3505のハウジング3801からの電気接続部3807は、開口部3814を通ってケーブルトレー3505から出て、
図38Dに示すようにジャンクションボックスとすることができるエンクロージャー3815内に入ることができる。ケーブルトレー3505からの電気接続部3807は、PDSにおける適切な場所又はシステム配電ユニット2604における他の電気機器内に送ることができる第2の電気接続部セット3816に接続することができる。代替的に、エンクロージャー3815は、ケーブルトレー3505からの電気接続部3807をエンクロージャー3815を通ってシステム配電ユニット2604における適切な機器に配線することができるような電気プルボックスとしてもよい。
【0162】
図39A及び
図39Bは、本開示の様々な実施形態に係る地下のガスユーティリティライン及び水ユーティリティラインと燃料電池電力システム3500のスキッド2601との間の接続部を示している。幾つかの実施形態において、燃料電池電力システム3500は、システム3500ごとのガス接続部及び水接続部の1つのセット、又は
図35に示すようなマルチブロックシステムの場合にはブロック3501ごとのガス接続部及び水接続部の1つのセット等のガスユーティリティライン及び水ユーティリティラインへの限られた数の接続部を含むことができる。それぞれのシステム3500及び/又はブロック3501のスキッド2601の間のガス配管接続及び水配管接続は、
図38A~
図38Dを参照して上述したようにケーブルトレー3505を介して行うことができる。これによって、システム設置に必要とされる地面貫通及び/又はトレンチ堀りの量を最小にすることができ、このことは、設置時間及び設置コストの削減に役立つことができる。
図39Aを参照すると、ガス導管3901aは、地下のガスユーティリティライン(
図39Aに図示せず)から地表面の上方の場所に垂直に延在していてもよい。導管3901aは、任意選択で、セメント等の適した材料3902のケースに収容してもよく、金属スリーブ等の外部チューブ状部材3903aによって取り囲んでもよい。ボール弁等の弁3904aをガス導管3901aの端部に配置することができる。可撓性導管3905aが、弁3904aと、開口部3907を通ってスキッド2601内に延在する第2のガス導管3906aとの間に延在することができる。
図39Bを参照すると、水導管3901bが、同様に地下の水ユーティリティライン(
図39Bに図示せず)から垂直に延在することができ、ボール弁等の弁3904bにおいて終端することができる。可撓性導管3905bが、弁3904bと、開口部3907を通ってスキッド2601内に延在する第2の水導管3906bとの間に延在していてもよい。導管3901bは、任意選択で、セメント等の適した材料3902のケースに収容してもよく、金属スリーブ等の外部チューブ状部材3903bによって取り囲んでもよい。
【0163】
代替の実施形態において、ガス及び水をケーブルトレー3505を介してシステム3500及び/又はブロック3501のスキッド2601のそれぞれに分配することができるように、ガス導管3901a及び水導管3901bは、スキッド2601の代わりにケーブルトレー3505に配置されたそれぞれの第2のガス導管3906a及び第2の水導管3906bに結合してもよい。
【0164】
図40Aは、スキッド2601上に配置された複数の上記電解槽モジュール4012を含む大規模水素生成システム4000を示している。システム4000は、スキッド2601上に配設された電解槽モジュール4012(例えば、SOECモジュール)の複数の列を含む1つ以上のブロック4001を含むことができる。上述したような地上ケーブルトレー3505が、各ブロック4001における電解槽モジュール4012の列の間に延在することができる。電解槽モジュール4012の列への電気接続部を上述したようなケーブルトレー3505のハウジング内に配置することができる。電解槽モジュール4012の列との間の配管接続部(例えば、水配管接続部及び水素配管接続部)をケーブルトレー3505のハウジングの下方に任意選択で取り付けてもよい。
図40Aに示す実施形態において、各ブロック4001は、電解槽モジュール4012の列からなる2つのカラムに配列された電解槽モジュール4012の列を含むことができ、ケーブルトレー3505が、これらのカラムの間に延在し、電解槽モジュール4012の各列の端部に当接している。電解槽モジュール4012の各カラム内では、電解槽モジュール4012の列の隣接する対を配管相互接続部4003によって接続することができる。以下で更に詳細に論述するように、電解槽モジュール4012の列の隣接する対は、共通のスキッド2601上に取り付けることもできるし、別々のスキッド2601上に取り付けることもできる。
【0165】
各ブロック4001は、電解槽モジュール4012の列に電力を提供して水(すなわち、スチーム)の電気分解を介して水素生成をサポートするように構成することができるシステム配電ユニット4004等の補助機器も含むことができる。システム配電ユニット4004は、ケーブルトレー3505のハウジング内に配置された電気接続部によって各列内の個別の配電モジュール4005に電気的に結合することができる。システム配電ユニット4004は、個別のスキッドに配置することもできるし、個別のパッド(例えば、コンクリートパッド)に配置することもできる。各ブロック4001は、水分配モジュール(WDM)、テレメトリーモジュール(TC)、1つ以上の熱交換器(HX:heat exchanger)及び/又は水ノックアウトタンク(KO:knockout tank)等の水素生成プロセスをサポートする追加の補助機器を含むことができる。追加の補助機器は、ケーブルトレー3505によって電解槽モジュール4012の列に結合することができる個々のスキッド2601に配置することができる。バランスオブプラント(BOP:Balance of plant)機器をブロック4001の間に配置することができる。
【0166】
図40Bは、本開示の一実施形態に係る電解槽モジュール4012の一対の隣接する列の概略上面図である。この実施形態において、電解槽モジュール4012の列のそれぞれは、個別のスキッド2601a、2601bに配置される。電解槽モジュール4012のそれぞれの列の間の配管相互接続部4003を含む中央のスキッド2601cが、スキッド2601aとスキッド2601bとの間に配置される。
図40Cは、代替の実施形態に係る電解槽モジュール4012の一対の隣接する列の概略上面図である。この実施形態において、電解槽モジュール4012の列及び配管相互接続部4003a、4003bの一部分は、背中合わせの構成で互いに隣接して配設されたそれぞれのスキッド2601a、2601b上に配置される。配管相互接続部4003a、40043の2つの部分は、スキッド2601a及び2601bの設置中に接続することができる。
図40B及び
図40Cの実施形態の双方において、電解槽モジュール4012の列と、これらの列の間の配管相互接続部4003とを含むスキッド2601a、2601bは、工場において作製及び試験することができ、その後、現場で容易に組み立てることができるモジュール式ユニットとして出荷することができる。
【0167】
追加の実施形態は、スキッドの審美性を高めることができるクローズアウトパネルの使用を含む。これらのパネルは、支持台座2609の側部に配置されて、デッキ2603の下の領域を見えないようにすることができる。
【0168】
追加の実施形態は、スキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システム2600を海洋用途に使用することを含む。スキッドマウント型システムは、船舶への及び/又は海洋用途向けの迅速な配備及び簡単な統合を可能にすることができる。追加のサポート機器をスキッド上に統合することができる。したがって、スキッドマウント型システムを、単一のユニットとして船舶(例えば、船)に輸送して、その後、船舶に取り付けることができる。
【0169】
追加の実施形態は、スキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システム2600を輸送用途に使用することを含む。スキッドマウント型システムは、陸上輸送車両への及び/又は輸送用途向けの迅速な配備及び簡単な統合を可能にすることができる。追加のサポート機器をスキッド上に統合することができる。したがって、スキッドマウント型システムを、単一のユニットとして輸送車両(例えば、列車)に輸送して、その後、輸送車両にマウントすることができる。
【0170】
追加の実施形態は、バイオガス燃料源を利用するスキッドマウント型燃料電池電力システム2600を含む。追加のサポート機器をスキッド上に統合することができる。
【0171】
追加の実施形態は、スキッドマウント型電解槽水素生成システム2600を含む。追加のサポート機器をスキッド上に統合することができる。
【0172】
追加の実施形態は、水素(H2)燃料源を利用するスキッドマウント型燃料電池電力システム2600を含む。幾つかの実施形態において、水素を燃料とする燃料電池電力システム2600は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を利用することができる。追加のサポート機器をスキッド上に統合することができる。
【0173】
追加の実施形態は、ユーティリティ規模の用途のスキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システム2600を含む。スキッドマウント型燃料電池電力システム2600を、コストの削減及び配備/設置の速度の向上のためにユーティリティ規模の用途に利用することができる。
【0174】
追加の実施形態は、異なるスキッド2601構成を有するスキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システム2600を含む。スキッド2601は、クラシック構成又はモジュール式構成を有することができる。モジュール式構成を用いた場合に、パワーモジュール、燃料処理モジュール、電力調整モジュール、電解槽モジュール等の様々なモジュールは、背中合わせ、直線状構成、内部構成(例えば、パワーモジュール及び/又は電解槽モジュールは、2つの側部がサポート機器によって取り囲まれる)、外部構成(例えば、パワーモジュール及び/又は電解槽モジュールはスキッドの端部に配置される)、又は他の任意の適した構成に配列することができる。
【0175】
追加の実施形態は、スキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システム2600のリギングを含む。様々な実施形態において、スキッドマウント型システム2600全体を、フォークポケット2611を用いてフォークリフトすることができ及び/又はクレーンリフトポイント2613を介してリフトすることができる。
【0176】
追加の実施形態は、オンボード燃料インジェクター/レギュレーター装置2620を有するスキッドマウント型燃料電池電力システム2600を含む。オンボード燃料インジェクター/レギュレーター装置2620は、構築中に設定する必要がないので、この燃料インジェクター/レギュレーター装置2620は、高速且つより容易な設置を可能にすることができる。
【0177】
追加の実施形態は、オンボード切断システム及び/又はバックアップ電源装置(BPS)システム2612を有するスキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システム2600を含む。オンボード切断/BPSシステム2612は、構築中に設定する必要がないので、この切断/BPSシステム2612は、高速且つより容易な設置を可能にすることができる。
【0178】
追加の実施形態は、配電機能、テレメトリー機能及び切断/BPS機能を組み合わせることができるEDSシステムを有するスキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システム2600を含む。これは、スキッド2601の設置面積の更なる削減を可能にすることができ、より迅速且つより安価な設置を可能にすることができる。
【0179】
追加の実施形態は、迅速な配備用途を含む。スキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システム2600は、一時的な又は非常用の電力ソリューションの迅速な配備に使用することができる。追加の実施形態は、一時的な用途を含む。スキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システム2600は、システムを単一のスキッドアセンブリに完全に含めることができるので、一時的な発電ソリューション及び/又は水素生成ソリューションとして配備することができ、現場から現場へ又は施設から施設へ容易に移動させることができる。追加の実施形態は、恒久的な用途を含む。スキッドマウント型燃料電池電力システム及び/又は電解槽システム2600は、恒久的な設置物とすることができ、長期間、例えば、少なくとも6カ月、1年、若しくは5年、10年、15年、若しくは20年、例えば0.5年と20年との間を含む、それよりも長い期間、又は更に長い期間にわたって所定の位置に配置しておくことができる。
【0180】
本開示の実施形態の燃料電池システムは、温室効果ガス排出を削減し、気候に対してポジティブな影響を及ぼすように設計される。
【0181】
様々な例示的な実施形態に示すような燃料電池システム及び/又は電解槽システムの配置は例示でしかない。本開示において幾つかの実施形態のみを詳細に記載したが、本明細書に記載の主題の新規の教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正が可能である(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び比率における変動、パラメーターの値、取り付け配置、材料の使用、色、向き等)。
【0182】
一体形成されるものとして示す幾つかの要素は、複数の部品又は要素から構築することができ、要素の位置は、反転させることも別様に変更することもでき、個別の要素の性質若しくは数又は位置を変える又は変更することができる。本開示の範囲から逸脱することなく、他の置換、修正、変更及び省略を、様々な例示的な実施形態の設計、動作条件及び配置に行うこともできる。任意の実施形態の任意の1つ以上の特徴は、1つ以上の他の実施形態の任意の1つ以上の他の特徴と任意の組み合わせで使用することができる。
【国際調査報告】